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2023-12-31

クラスで一番の嫌われ者だった彼が地方公務員になって無双するお話 part.6/7

前 https://anond.hatelabo.jp/20231231221404

最後に六つ目だ。特別警報級の問題職員を取り上げる。

本章は、マジメに仕事をしてる人にとっては厳しい描写がある。F君が4年目の頃で、福祉課では「コミュ障だけど実力者」という位置づけになっていた。いや、実はコミュ障じゃなくて、そういう演技をしてるだけなんだが、とにかく皆飲み会ではそんなことを話していた。

この頃、福祉課が所管となる新しい公共施設を作ることが決まった。立ち上げの意思決定は偉い人がやって、後は福祉課という単位で内容検討及び整理(企画運営内容、スケジュール職員体制間取り地元の関わり、国や県の補助金、外部識者を交えてのミーティングその他多数)をすることになってた。

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(Tips) 行政職員の昇進と権力その他

エピソードの前に話しておくことがある。

地方公務員場合は、民間企業に比べて権限を持つのが遅い。行政権力を持つのベテランになってからでないと危険、という考え方による。地方公務員場合物事を決裁する権限の最低役職課長である民間でいう部長ほどの位置づけになるのは50代半ばか、早くても50代になってからだ(役職に年齢要件がある。課長は満45才など)。

民間だと、できる人は40才くらいで部長になるわけだろう。遅すぎるとは思うが、でも30代の人が生活保護適用とかの決裁権を有するのは怖いような気がする。正直何とも言えない。

ところで、当時の福祉課長(ハムスターの人)も、民間業界で例えると部長クラスだ。といっても、本人は会議で下の職位の人間が言うこと(各グループリーダーやF君の企画案を含む)を代弁するだけで、本人は大したことは考えてなかったと断言できる。

ただ、見た目は貫録があった。それで、偉い人が集まる会議でドーン!! と意見を言ってくれるのはありがたかった。しかし、難しい仕事になると部下に丸投げだった。課長としての実力はなかった。

ではなぜ、ハムスター課長職というランクが充てられたかというと、平成の大合併の際に福祉課長がいた自治体が当市とくっついたのだが……市町同士の合併協定の中に「○○町の出身者は、別表に従って一定の職位に就かせる」というのがあった。ハムスター課長もその例により昇進していた。

例として、合併直後は十人以上を管理職に就かせる決まりで、合併から10年後は五人以上を管理職に就かせるみたいな感じだ。当市の共有フォルダの隅っこにあった合併時の協定書(スキャンデータ)に書いてあった。

このルールは、個人的にはアリだと思う。というのも、吸収合併されるくらいの自治体から、力がないわけだろう。でも当市の一部ではある。放置はまずい。よって、その自治体出身の人を一定数昇進させることで、まちづくりの力がダウンするのを防ぐことを狙う意味では、妥当措置だと感じる。

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話を進める。

上で述べた新しい福祉施設関係で、福祉メンバー建築系の部署がある階に行くことになった。建築部署(住宅グループ)に今後の施設設計の予定とか、議会説明用の視点とか、入札スケジュールとか、いろいろ打ち合わせる必要があったのだ。

戸籍課とか市民税課は市民でごった返してるけど、土木建築フロアはそこまで客がいない。市民というよりは業者がメインだ。

その話し合いの際、Dさんという建築専門職の人が打ち合わせに出てきた。50代前後の人で、役職なしだった。ここに来る前に聞いたところだと、建築職も事務職もできて、土木建築系のプロ資格をたくさん持っている。入庁3年目で一級建築士試験合格したらしい。これまで市内の公共施設設計をいくつも手掛けた、と本人が言ってた。

近年だと、自治体職員じゃなくて建築コンサル公共施設の基本設計・詳細設計をする(※職員は最低限の図面だけを描く)ようになっている。そんな世の中の流れが悔しいと漏らしていた。

このDさんという人だが、これまでに見たことがないタイプの人だった。悪い意味で。この打ち合わせには、俺以外に総務グループリーダーと、そしてF君が施設管理部門代表として来ていた。F君がいるグループリーダーは、訳あって病気休暇に入っていた。一応犯罪がらみだ。詳細は述べない。

というわけで、まずは協議机に座ってF君が挨拶をすると、Dさんも話を始めた。

「Fといいます今日よろしくお願いします」

「お疲れさん。あんたとは初めてだのう」

はい。初めてです」

あんた、出身はどこなん?」

都内です。23区じゃなくて西の方」

「ほー、都内か。ええとこじゃの。ワシは和歌山よ」

はいありがとうございます……」※何かを察して表情が曇る

「緊張すなよ。共通点を探しとるんだから大事じゃろ。あんた、前はどこで働いとったん?」

広告代理店です」

「ほー、うちの息子も広告業界で働いとる。どこの会社におったん?」

電通です」

電通!! やるのお。うちの子アサツーよ。ちょっとは繋がりがあるのう」

ADK面白い会社ですよね。夢があって、挑戦的で。キャラクター版権仕事とかされてるんです? 息子さんは」

「それが教えてくれんのよ。親に仕事の話を。あんたは何をしとった?」

キャラクタービジネスをしてました。日曜朝にやってるアニメとかの」

面白そうじゃの~。ところで、F君は大学はどこなんじゃ?」

早稲田です」

「ワシといっしょじゃないか! 仲間じゃの。学部は?」

「○○学部です」※法文系

「そうか。ワシは○○で○○をしとった」※理工系

建築を専門に勉強されてたんですね」

「F君は早稲田第一志望か?」

第一志望です」

「ほうか。東大の滑り止めで入ってくるヤツも多いからの。これは……意外と繋がるのう」

はい」※F君が照れ笑い

それから公共施設の話はスムーズに進んだ。Dさんは頭の回転が速かったし、知識教養もすごかった。含蓄に富んだ話をしていた。ただ、役職はなかった。いわゆるヒラだった。一応は主査級だったが、ここまでは年齢で自動昇進する。役所内だと主査はヒラ扱いである。

話はサクサクと進んだ。Dさんの上司も同席してたけど、口を挟むことは一切なかった時間が経って、打ち合わせが無事に終わって雑談をしていると、同じ建築部署(住宅グループ)の年配女性職員がDさんが座っているところに来た。

「すいません、割り込んで。○○会社さんが急ぎということで電話を」

「あ……? 何を言うとるんじゃ。ワシが今何をしとるかわかっとんか?」

「先方に説明したんですが、急ぎということで」

「何をしとるかわかっとるんかっ!! なんで打ち合わせの時にっ!!」

 ※ここで、Dさんが持ってた筆箱で協議机をガンガンやりはじめた

「なんで邪魔をするんならぁっ!! お前、自分がなにしとんかわかっとるんかーー!!!!」

「……」

Dさんの上司が、「うん。Dさん。では、後でかけ直してください」と諫めたが、「あ!? かけ直すじゃと……? 協議が終わったんだろうが、じゃあ向こうが優先に決まっとろう、すぐ出るわ……おい、お前はアホなんか?」と、Dさんが上司に食って掛かった。

ちょっと沈黙があって、Dさんが女性職員を睨みつけた。

「お前、何もわからんのじゃのう。いかんど?」

「すいません……」

「二度とすなぁよ」

「すいません」

そそくさと、席を立って俺達は帰ろうとしてたが、F君がDさんに「ちょっと。怒っても何にもならないんじゃないですか?」と言った。

「なにが、どうにもならんのじゃ!!」

「怒っても、Dさんの……」

「あ?」

「Dさんの」

あぁ!? 若造が。なんならあ、お前。ボケじゃのう。おみゃあ、○○○でも○○○○でもなかろうが。まともにせえや。ワシは仕事をまともにやっとろうが」※差別的言葉のため伏せている。

「話を聞いてください!」

F君がヒートアップしはじめて、Dさんがさらに激昂したところで、無理やり席を立って帰った。フロアを見渡すと、お客さんであろう業者の人は……ほかの部署フツーに接客対応を受けてた。取り乱した様子はない。

また別の業者は、汚いものでも見るような視線でこっちを見ている。きっと、帰りの車の中で噂をするのだろう。

市営住宅管理システムと思しきパソコン保守点検していたベンダー会社の人は、落ち着かない様子で「どうしよう……」とまごついていた。

少数いた一般市民の人は、「なにがあった?」とこっちの方を遠目で眺めていた。やはり、家に帰って噂をするのかもしれない。



それから何度も建築部署に行くことがあった。できれば行きたくなかったが。打ち合わせに行かざるを得なかった。

多くの地方自治体ではそうだと思うが、建築部署というのは花形ひとつだ。なんたって公共施設を作るわけだから。この部署で「まちづくり計画」とか「都市計画マスタープラン」とか「○○市総合計画」みたいなものの骨子が作られて、後は企画調整課みたいなところが関係課を周って肉付けして、最後に専門コンサルに投げて、その自治体行政計画(プラン)が出来上がる。

そういうわけで、偉い人が承認した都市計画ひとつである福祉施設の着工にあたっては、この部署と話し合わないわけにいかない。絶対的必要ステップだった。ただ、次の話し合いからはDさんは混ざらなかった。建築部署配慮してくれたのだろう。

以後、建築部署に寄った際にDさんのヒドイ光景を何度も見ることになった。最低でも三度は見た。上司とか、同僚とか、市民(業者含む)に対してとんでもない発言をしていた。5つだけ抜粋する。

職員同士の雑談時)

「私は出世はしなかったし、今後もしない。市が自分に一体何をしてくれたのか。私はヒラだから、ここに尽くす義理はない。それは出世した人間仕事である

(〃)

「この部署(住宅グループ内の一般住宅担当の意)は、どの職場でも相手にされない人間が配属される掃きだめである箸にも棒にもかからない連中が集まっている」※真偽不明。俺に言わせると違う。

上司の机の前で)

「ワシはやる気はないんじゃけ、もう難しい仕事とか振るな。時間無駄よ。早期退職も考えとる。定年までゆっくりさせてくれ」

(連絡や報告をして、と言う同僚に)

「何を言うとる。自分判断せえ。必要情報はぜんぶお前らにやっとる。ワシが嫌いなら話しかけるなや……」

業者一般住宅下水道?の施工変更で窓口に来た時)

「なんで変更するんな。ちゃん二次製品使えや!! 出入口にブイユー(?)だと車が通ったら潰れようが。このままだと建築確認下ろさんけえの。やり直しよ、こんなん……」「あ? 利益にならん? お前の会社利益と、棲む人の利益とどっちが大事なんじゃ。言うてみい」

こんな醜い光景を、廊下で見てる人がいた。当市に部長待遇採用された人だった。Dさんとそこまで年齢は変わらない人で、苦虫を嚙み潰したような顔で眺めてた。人事のプロらしく、以前に庁内回覧で読んだところだと、前はリクルートで働いてたらしい。それだったら多分すごいのだろうが、でも俺はこの人が嫌いだった。

というのも、Cちゃんが試用期間で切られたのって、この部長の人が関係してると思う。これまではそんなことなかったのに、なんであの年度になって、急に試用期間でクビなんてことが起こるのか? 当市は間違った方向に舵を取ってるんじゃないかと弱輩ながらに感じた。

ところで、やっぱりDさんも不思議だったよ。あの後、Dさんがキレた女性職員にも、F君にも、ほかの職員にも、ニコニコしながら話してるのを見た。「さっきはすまんのう。怒鳴ったりして、ごめんの!」とニコニコしながら言ってた。到底同じ人とは思えなかった。人間というのは、こういうものなんだろうか?

次 https://anond.hatelabo.jp/20231231221406

2023-11-16

anond:20231116093139

法律の基本は権利の調整だ。

被害者被害回復要求する権利があり、その権利賠償額の根拠となる。

まり被害が小さければ賠償額も小さくなる。

ささいな失敗でも結果が重大なら賠償額が大きくなり得る。

民事的には。

まり民事は「結果に対する対処」だ。

その一方で行政が定めた衛生管理資格を得ておきながら十分な衛生管理をしていなかったという側面もある。

行政行政権に基づいて国家の秩序を維持する権限を持ち、制度を維持するためには制度に反した行いにペナルティを与える必要がある。

そういう意味合いのものなので「失敗の程度に対する対処」と言える。

前者は運が左右する部分があるが後者は過失の内容に対応付けられる。

両方ある。

2023-04-08

最近第二世代オタクのキツさの元らしい銀英伝見たんだが

偶然だが最近銀英伝アニメ見たんだよ。まあ全編じゃなくてyoutubeに上げられてる細切れのエピソードを数十個って感じで。

この増田みたいに銀英伝への憎悪を顕わにする高齢オタクが憤懣ぶちまけてるのをたまに見るので気になってたんだな。特にヤン提督っていうのがリベラル代表として憎悪されてるのが多い。

https://anond.hatelabo.jp/20230407234853

 

結構面白かった。民主政意思決定ダメさとか現場意見無視されて甘い見立てが人気を得ちゃうのとか色々テーゼが山盛りなのな。

でもTwitterヤフコメで暴れてるオタクヤン提督にイキってるのってヤン提督の態度や思想でしょう?特に有名なところだと

人間行為のなかで、何がもっと卑劣恥知らずか。

それは、権力を持った人間権力に媚びを売る人間が、安全場所に隠れて戦争を賛美し、他人には愛国心犠牲精神強制して戦場へ送り出すことです。

宇宙平和にするためには、帝国無益な戦いをつづけるより、まずその種の悪質な寄生虫駆除することから始めるべきではありませんか。」

ってやつ。

何でかと言えば、最近というかここ数年「軍師批判ポピュラーになってる。特に叩かれやすいのがネトウヨ軍師は居るが兵隊は居ないっていう界隈になっていて、己の能力客観視と自意識のすり合わせが出来ていない集団を外から見たらそりゃ軽蔑されますわな。

はてブコメでもよく見るが、自我の防御として言ってるケースが目立つ。言われたら痛い事を自分から言うってやつね。

特に2/5chでなんJとアフィまとめブログが衝突を繰り返すようになった5年くらい前から叩きの言葉として流行しており、ストレスが溜まっているのではないか

先に引用したセリフはまさに軍師批判エッセンスみたいなもんで良く貼られてるのを見るしその度にイライラした反論チックな事がされている。

 

元増田ちゃん批判対象をずらして書いてるよな

また元増田

最近ではポリコレなどに過剰適応して年下のオタク攻撃している。

というのを見た事が無いのだが、どういうのなのか?ポリコレなどに過剰適応

それに

私たちは新しい社会常識を受け入れられる」と思っていて

ナチュラル常識へのルサンチマンが出てるのってどういう事なのかね?

元増田が新しい社会常識」についていけない老害なのではないかとの疑念がわく。

1970年に「増産より公害対策を」と言っているのは共産党などの左翼が中心だった。だが20年後1990年には公害対策規制に組み込まれあらかたの公害解決に向かっていた。既に工業規格と共に公害規制を熟知していないと倒産する時代になっていたわけだ。

1975年にはどこにでも痰ツバ吐き放題、だが1995年に道端に痰ツバ吐いたら顰蹙だし客先の敷地でやったら出入禁止懲戒解雇だ。

元増田20年間でどれだけ社会常識更新させたのか?

 

もしかしてその痛い第二世代ってはてな村の旧村長みたいな人の事を言っているのか?

この度のコラボ攻撃やその前の温泉擁護批判者を炎上みたいなムーブメントに冷淡な人らの事を言っているのか?

温泉娘では吹き上がったオタクオタクイラストへの攻撃だとの扇動にまんまと乗ったが、その実はイラスト拒絶じゃなくて昭和脳な運営黒岩知事流出メールみたいなオヤジの小汚い性意識開陳でそれへの炎上だった、っていう所まで見ていて覚えているところとかが一体感に水を差し不愉快なのか?

その前の中野まんだらけ騒動では対面の商店主の批判は「お気持ちだ!」とフェミへの批判と同じ道理炎上させて潰せるとオタクたちは思っていたが、その一体感に背を向けてこれは風営法案件である事、風営法管轄官庁警察署である事、行政権司法権が近く更に裁量権が大きい分野である事、などを説明する人を見つけ出して読み、オタクの一体感には冷淡だった事が不愉快なの?

コラボ騒動ではそれらの経験を踏まえてオタクらの一体感に水を差し、「また同じ理路と実存操作扇動されてる」と冷淡だったところが気に入らない?

最初から共産党との癒着で」「NPOスキームを乱用して公金ガバガバゲット」「保護した少女管理売春」「汚部屋宿舎に超高額請求」というところから始まっているので今までの経験から絶対にまともな批判にならないと見抜いていた事がポリコレ的?

それらがデマである可能性が高い上にそのデマネットでは既存形式なのでセットになるデマがあり、駅前放置自転車のカゴの様にデマデマを呼ぶ展開となって、社会的物事を知らないオタクへの軽蔑を深める展開となる事を最初から見抜いていた事が「新しい社会常識」への恭順的で気に入らない?

新聞産経を除いて記事にしない、更にそれに対して「マスゴミ報道しないフンダダラ」「報道しない自由」という反応があるのを観察して「ああいもの」と冷淡だったのが気に入らない?

 

ネット全能感の歴史

ここで「ネットの一体感」の歴史ちょっと振り返ろうか。

まず2002年頃まで。ここでは2chネオ麦茶を生み出した悪意垂れ流しのバカの集まりで近づいてはならぬもの

2002~2007年くらい。2chの影響力が増す。特に後を押したのが小泉改革で、既存道徳破壊してもいいし我らはその抑圧されていた主体だ。僕らが目指すのは常に上。

2007年~10年代前半。Mixi流行そもそもMixiがあれだけ成功したのは「2chではない」からに尽きる。顔出しや所属明記してのネット活動2chのエサになるので出来なかった。その普通の人らの欲求合致した為に大流行

一方、コアな2chユーザー2ch炎上して炎上側に居たらネットでの正義、という一体感と全能感の前提が崩れてしまMixiに異常な悪意を抱いていた。病的なやつは「2ch自由Mixi北朝鮮」と数千ものコピペを貼りまくっていた。

10年代前頃~後半。ネット広告の伸長によりまとめブログが大隆盛。不愉快な反対意見を削除してまとめてくれるので閲覧者は全能感全開で気持ちがいい。だが広告単価が高くなるとヘイトスピーチの様に反社会的で程度の低いコンテンツは掲出拒否契約解除されるようになり低調に。

 

オタク第二世代というのはこのオタクを中心としたネット民が共同性を持ち、強い隣組的行動則で異論パージし「若者の異議申立」の文脈企業脅迫誤情報流布での評判操作をもしていくという中で人格形成していった世代だ。

そんな不遜な態度に異を唱える者もいた。例えば大塚英志などだ。

大塚の主張は大人ならオタク産業は給与報酬交渉権すらない(労働組合職業組合)のに目を向けろというものだが、単に一体感や全能感を棄損するオタクバッシャーとして異端追放されるだけだった。

 

盗んだベスパで走り出す40代の夜

さらば青春の光』っていう英国映画があるんだが、モッズという暴走族物語だ。イタリアベスパスクーターミラーライトなど過剰な飾りつけをして陸軍野戦コートを着て集団で走り回り大人が目をひそめる事や喧嘩してばかりいる。

警察に捕まった主人公カリスマモッズエース出会って心酔する。エースベスパGSという高級車種だ。

裁判では仰々しい説教の後の判決罰金刑だったので「そんなもん今この金で払ってやるよ」とコケにして仲間で大ウケ。

だがエースたちもやがて「大人になる」時が来るのな。エースホテルベルボーイになってヘイコラする労働者になった。

主人公はこの姿を見るや、世間迎合した憧れのエースに憤懣やるかたない。日経新聞朝日新聞を併読する大人になんかなりやがって!いや間違えた、こっちは反ポリコレしか知らないのに法規制過去慣行やその上での現在業界事情を知りやがって!これも間違えた、とにかくお前はあのエースじゃない、俺の心の裏切り者だ!

エースの愛車だったベスパGSを盗んで走り出した主人公は速度をつけて崖からGSダイブエースGSがグチャグチャになったところでフィルムストップ。

だがその後主人公は生きていてトボトボと歩いて行く…っていうのがあらすじだ。

 

元増田あんたらは結局世間的なもの迎合して己を変化させて行くオタク第二世代いくらかがインフルエンサとして目立つの気に入らないんだろう?

彼らの存在自分実存危機を生じさせているんだろう?

今まで自分立ち位置自分確認した事があるのか?みんなで炎上させれば正義になる、だけど隣組がキツくて「これは違う」という事は許されない、そんな村落共同体みたいなところにずっと居ていいのか?因みに暴走族とかアウトロー世界はみんな同じ行動規範だ。そうやって「世界を閉じる」事で共同性や象徴性が堅固なものになるのだ。

暴走族学生運動もいつか卒業するんだよ。18や22でな。あんたらはいくつだ?40代だろ? 

 

オタクのくせにオタクの共同性に埋もれないやつらは元増田にとってのエースだ。レゾンデートル否定するやつらだ。

だがそいつらはオタク実存の外の社会でやっていくことでオタクコンテンツ価値を産むことを判っているかベルボーイをやっている。共同体の失敗を見ないという隣組規則焼畑であり行き詰まり誰かが尻ぬぐいをする事になる事を知っているからやっている。

温泉娘は老若男女の旅行客に訴えてアピールする為にある。年喰ったオタクの性欲を開陳したいから掲出してくださいというんじゃ温泉宿もお断りだ。

 

せいぜい増田ヤフコメで暴れてエースベスパGSを崖から落とすがいいや。

だがベスパが無くなったらそこから自分の足で歩いて帰るんだぞ。外地の歩き方は元増田らが叩いてるやつらに聞くがいい。

2023-01-28

anond:20230128195555

アクション必要やな。

行政権は、有権者の皆さんは投票日は寝ててくださいとかいうような60年ほぼ独占して与党してる政党なので

2022-12-21

Colabo・東京都契約公法上の契約について

Colaboと東京都との契約が「公法上の契約」とのことで、その取扱いについて話題になっている。

東京都に予定価格算定に関する資料の開示請求をした所、公法上の契約のため当該資料存在しないとのことであった。

https://note.com/opp406/n/nd2618e696693

また、先行したまとめもあるが、

公法上の契約」の含意をググった範囲解説する

https://anond.hatelabo.jp/20221221090611

もう少し詳しく見ていこうと思う。

結論を先にいうと、

Colaboと東京都契約公法上の契約に該当する可能性は極めて低く、また、仮に該当したとしても予定価格を算出しない根拠不明であり、東京都には説明する責任がある

と考えている。

公法私法とは

一般に、法律公法私法区分される。

どのように区分されるのか。

国や公共団体市町村がその典型)の内部や相互間の関係規律するルール、および、それらと私人との関係規律するルールが《公法》であり、私人相互間の関係規律するルールが《私法である

リーガルイシス民法入門(第3版)(道垣内弘人)】

具体的にいうと、公法に該当するものとして、刑法民事訴訟法刑事訴訟法国家行政組織法などがあり、私法に該当するものとして、民法商法会社法などがある。

ただし、公法区分されている法律にも私人間について規定した部分があったり、私法区分された法律にも国家について規定した部分があるなど、法律単位で明確に区分できるものではないので、概念的なもの理解してほしい。

公法私法二元論公法私法一元論

公法私法はそれぞれ別の法体系として捉えるべきかどうか、という議論がある。現在の通説は一元論(というより区分意味がない)であり、判例・実務も一元論寄り(あえて区分しない)と理解されている。

解釈技術的に見る限り、今日公法私法二元論を取って取れないことはないにしても、その場合一元論に対比しての独自意味は余り無く、従って、どうしても二元論固執しなければならない、という理由もまた無い、というのが実態

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

行政意思の実現方法

公法上の契約に入る前に、行政庁がその活動を行うにあたって、どのような形式があるのか見ていこう。

行政行為

一般的に、私人間の法律関係権利義務関係を作るもの契約である

では、行政私人との関係ではどうだろうか。

契約という手段を用いることもある(後述)が、そのほかに行政行為」という概念がある。法律上の用語ではなく、講学上の用語であるが、便利なのでこれを用い、具体例を挙げて説明する。

行政行為の種類(例)

・下命(…しなさい):租税賦課

禁止(…するな):営業停止

許可(…して良い):営業許可

免除(…しなくて良い):予防接種免除

その他、特許道路占有許可)、認可(公共料金の値上げ)等

行政行為にはこのような種類があるが、それ自体は余り重要ではない。重要なことは、行政行為とは私人に多大な影響を与えるものであり、法的な根拠が強く求められる(行政の好き勝手は許されない)ということだ。

行政行為権力行為象徴としてとらえられ、その限りにおいて行政権についての法の拘束を問題とする法律による行政原理を中心とする行政法の諸原理が直接妥当する。

行政法Ⅰ(第4版)(塩野宏)】

例えばあらゆる行政活動につき妥当する「法律の優位の原則」は言うまでもなく、「法律留保原則」に至っては、そもそもそれ自体行政行為を中心とする個別具体的な行政活動をめぐって展開されて来た

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

ざっくり言うと、「法律による行政原理」とは、行政法律に従って活動しなければならない、という大原則(例外あり)のことであり、この原理から導かれる「法律の優位の原則」とは行政法律違反してはならないということで、簡単理解できると思う。

また、法律に反しなければ行政は何をしても良いわけではない。そこで登場するのが「法律留保原則である。これは、「行政活動を行うには法律の授権を必要とする」という考え方だ。ただ、これはすべての行政活動妥当するとは考えられておらず、例えば純粋な私経済作用(例えば文房具を購入するなど)については妥当しないと考えられている。

行政指導

行政行為に法的な根拠必要なことは理解できた。

しかし、我が国における一般的な行政慣行として、行政行為に至る前に、行政指導というものが行われている。具体的にいうと、役所に「こんなことできませんかね?」と質問した際に「それじゃちょっと難しいっすね。ここをこうしてもらえるならできまっせ」と回答して貰ったり、役所から、「建物が壊れそうで、このままだと行政処分をせざるを得ないから、今のうちに危険を除去しといてね」と指導されたりするやつだ。

これは行政行為処分)ではなく、単なる事実上指導であるので、基本的には法的な根拠不要であるし、訴訟対象にもならないと考えられてきた(例えば行政指導を信じた私人不利益を被った場合行政庁に責任はないと解されてきた)。

行政行為には法的根拠必要で、手続き守らなければならず、訴訟対象にもなるということで、面倒くさい行政行為ではなく、行政指導活用してきたということだ。

しかし、あまりに便利で幅広に使いすぎたせいもあり、一定手続きの整備や訴訟対象とすることは必要だ、と解されているのが現在である

行政指導には何らの法的拘束力も無いという基本的な考え方からして、行政指導に対する私人の信頼の保護ということが、行政法学上重要問題とは考えられなかったような時期はもう終わった、ということだけは明らかとなった

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

行政手続法】

第三十二条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

2 行政指導に携わる者は、その相手方行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

第三十五条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。

2 行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、行政機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して、次に掲げる事項を示さなければならない。

一 当該権限行使し得る根拠となる法令条項

二 前号の条項規定する要件

三 当該権限行使が前号の要件に適合する理由

(略)

第三十六条の二 法令違反する行為是正を求める行政指導(その根拠となる規定法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。

(略)

まとめ

行政行為行政指導を見てきたが、大まかな考え方として、「行政フリーハンドは認めない」方向で議論が進んでいる点が重要である

行政上の契約公法上の契約

行政意思の実現は、これまで見てきた行政行為行政指導以外に、契約という形式を用いることがある。例えば、住民水道局との給水契約官公庁舎の建築契約消耗品売買契約等々、幅広く存在している。

そして、これらの範疇に含まれない、公法上の契約というもの存在する、と議論されてきた経緯がある。

しかし、先ほど見てきたように、そもそも公法私法二元論自体疑義があり、公法契約にも疑義が呈されているのが現状である

いわば狭義の行政契約すなわち公法契約公法上の契約)という行為類型存在する、という主張が、伝統的になされて来た。

(略)

特に公法契約」というカテゴリー解釈論上設定する意味は極めて薄い、と言わざるを得ないことになる。このような事情にあるために、現在わが国では、公法契約なるもの存在可能自体否定しないにしても、現実には極めて例外的にしかその例を認めない見解が、多数であると言ってよい。

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

そこで、これら行政の行う契約をひっくるめて、行政契約行政上の契約)として議論されることが多くなっている。

いずれにしても、大きな議論の流れとして、契約であるから行政庁は好き勝手して良い、という方向では議論はされておらず、行政行為行政指導で見たように行政庁の自由裁量を認めない方向で議論が進んでいることは間違いない(もちろん契約内容にもよるが)。

したがって、行政契約であることをもって、契約主体行政庁と契約相手)が自由裁量を得る、というのは誤りであると言える。

特に公法契約存在するとした場合行政庁と私人自由意思に任せることが原則の通常の契約よりも行政庁の裁量の幅が狭くなることはあれ広くなることは考えにくい。

この方法には、私人との合意があったことを理由に、行政主体が好き勝手なことをなし得る、という危険が内在することをも意味する。先に見たように、現行法上、行政主体の結ぶ契約について、様々な制約が付されているのは、まさに、このような危険を防ぐためである

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

今回のColaboと東京都契約

Colaboと東京都契約は、「東京都若年被害女性支援事業委託仕様書」に基づいてなされた一般的な委託契約請負契約か準委任契約かは結論に影響しない。)であり、公法契約という概念が出てくる余地はない。

従来の行政法学では、行政上の契約公法に属する「公法契約」と私法に属する「私法契約」とに二分し、前者のみを行政法学の対象としてきた。そして、「公法契約論」においては、報償契約公用負担契約などを念頭において、こうした公法契約を締結するには法律根拠必要とされるかとか、いかなる要件のもとに締結が可能かといった問題公法契約の許容性と可能性)を主に議論してきた。

行政法要論(全訂第3版)(原田尚彦)】

また、仮に公法契約であったとしても、競争入札において、予定価格を定めなくて良いという特別法がない以上、一般法(地方自治法)の規定適用されるものである

したがって、東京都の「公法上の契約のため当該資料存在しない」という説明は、①公法上の契約とは考えられないこと、②仮に公法上の契約だとしても予定価格の算定は必要なこと、と二重の意味で誤っていると思われる。

(予定価格の算定をしなくて良いのであれば、地方自治法第234条3項が適用されない法的根拠説明必要だ。)

第二百三十四条 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札指名競争入札随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。

2(略)

3 普通地方公共団体は、一般競争入札又は指名競争入札(以下この条において「競争入札」という。)に付する場合においては、政令の定めるところにより、契約目的に応じ、予定価格制限範囲内で最高又は最低の価格もつて申込みをした者を契約相手方とするものとする。ただし、普通地方公共団体支出の原因となる契約については、政令の定めるところにより、予定価格制限範囲内の価格もつて申込みをした者のうち最低の価格もつて申込みをした者以外の者を契約相手方とすることができる。

東京都若年被害女性支援事業競争入札なのか

法律上、競争入札では予定価格を算定することとされている。

すなわち、競争入札でなければ予定価格を算定する必要はない、ということだ。

では、東京都若年被害女性支援事業競争入札で行われたのだろうか。実は、この公募関係ウェブページが全部削除されているのである

かろうじて、平成30年度は公募が行われたらしきことが見て取れる。

[都]平成30年東京都若年被害女性支援モデル事業の一部を実施する事業者を公募しま

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/jakunenjosei/jakunenjosei.html

https://www.tcsw.tvac.or.jp/php/contents/mailmagazine.php?key=617

だが、リンク先を見てもらえばわかるようにすでにリンク切れであり、ウェブ魚拓ウェブアーカイブさえ見つけることができなかった。そして、平成31年度~令和4年度までは公募が行われた形跡すら見つけられない。

通常、こういった公募手続きについては終わった後も消すことは余りないように思うのだが、何故見つけられないのだろうか。(見つけた方はぜひ御提示ください)

予定価格とは

不意に予定価格と出てきて、何のことかわからない方もおられると思う。

予定価格とは、ざっくりというと契約金額落札金額)の上限だ。

不思議なところであるが、例えば議会予算が1000万円と認められた事業について、入札を行う際には予定価格は950万円くらいになったりする(なので980万円で入札しても落札することはできない。)。

予定価格の算定方法公表されてないが、一般的には業務ごとに一定割合を乗ずることによって算出している(例えば役務労働力)の提供であれば予算額の95%等)。

(ここではそういうものだとご理解ください。詳しくするとまた長くなるので)

最後

ここに書いてきたことは、「東京都が、都とColaboの契約公法上の契約ととらえており、また、予定価格を定めていない」という情報が正しかった場合です。

個人的には何かの間違いだったと思い

2022-11-23

検閲とか検閲じゃないとか

朝鮮人扱った映像作品東京都が上映認めず 制作者らが批判

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221122/k10013900691000.html

こいつが検閲になるんじゃないかということでニュースになっていたわけだけど、

最初自分検閲になるんじゃ、とは思っていたが考え直して検閲には当てはまらんような気がしてきた。

ただ自分記憶あいまいなので、識者の意見を聞きたいと思ってここにメモを残しておく。

 

まず第一に、検閲とは

検閲」とは「行政権主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止目的とし、対象とされる一定表現物につき網羅一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを特質として備えるもの

最大判昭和59年12月12日 民集38巻12号1308頁 札幌税関検査事件

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52690

意味し、今回は東京都という行政権主体となって、発表前に内容を審査したうえで、不適当と認めるものの発表を禁止したといえるので、検閲なんじゃないかと思ったわけだ。

ただ、そこでない記憶を振り絞って思い出したのが家永訴訟で、探し出してみたら

「本件検定は、前記のとおり、一般図書としての発行を何ら妨げるものではなく、発表禁止目的や発表前の審査などの特質がないから、検閲に当たらず、憲法一条二項前段の規定違反するものではない。」

最小判平成5年3月16日民集 第47巻5号3483頁教科書検定事件

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=56358

となっていて、検閲でいう発表の禁止は今後一切の発表ができなくなるような性質に思えるな、というわけで

22日、都議会議会棟で、昭和初期に精神科病院入院していた朝鮮人を扱った映像作品の上映会が開かれ、制作したアーティスト飯山由貴さんらのグループ都議会議員7人らが参加しました。

 

飯山さんは、東京 港区の「東京都人権プラザ」で開かれている精神障害者理解促進を図る企画展で都に展示内容の委託を受け、イベントの1つとしてこの作品を上映しようとしましたが、認められませんでした。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221122/k10013900691000.html

すでに対象作品は上映で来ていて、今後も別の機会でも上映できるだろうから検閲ではないんじゃないかと思うんだが、どうだろう。

  

ついでに言えば、東京都作品内容について判断をして拒否をできるかについては、拒否ができる場合もあるとは思う。

例えば、ジェンダーについての作品を依頼してTERFバリバリ作品が出てきたら困るだろうし、

女性支援作品HPVワクチン薬害をもたらした、なんてやられたら問題しか言えないし。

https://news.yahoo.co.jp/articles/02b7817b866ffd531d0fd4c1125f2ec3413b6055

  

ただし、そういった上映の拒否権も完全に自由とはならず、ある程度の裁量権範囲にはなるかと思う。

教科書訴訟でも検定の正当性は認めつつも、裁量権を逸脱した部分については違法性認定しているわけで。

「生体実験をして多数の中国人等を殺害したとの大筋は、既に本件検定当時の学界において否定するものはないほどに定説化していたものというべきであり……文部大臣が、七三一部隊に関する事柄教科書記述することは時期尚早として、原稿記述を全部削除する必要がある旨の修正意見を付したことには、その判断過程に、検定当時の学説状況の認識及び旧検定基準違反するとの評価に看過し難い過誤があり、裁量権範囲を逸脱した違法がある」

行政庁に大幅な裁量権を認めたものではなく、裁判所行政庁判断が相当の根拠資料に基づいてなされた合理的ものであるか否かを審査すべき」

最小判平成9年8月29日民集 第51巻7号2921頁

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52529

  

そういった意味

毎年行われる関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼式典に小池知事が追悼文を送っていないことを挙げたうえで、「都知事がこうした立場を取っているにもかかわらず、朝鮮人虐殺を『事実』と発言する動画使用する事に懸念があります」と指摘しています

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221122/k10013900691000.html

知事歴史認識と異なるから拒否をするというのは裁量権範囲とは認められにくい、とは思うがいかがなものだろう。

そんなわけで、検閲ではないが違法性が認められる余地はある、という感想を抱いているんだが、どんなもんだろう。

 

あと東京都側の主張についてだけど

メールは、殺傷事件があったかどうかというより、殺害された人数など、内容にさまざまな見解があり、その部分を確認たかった。展示しないように求めたのは、事件事実と描かれているからではなく、障害者人権というテーマから作品がずれているからだ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221122/k10013900691000.html

残念ながら私は作品を見ていないので、障碍者人権というテーマからずれているかまでは判断できないのでなんともいえない。

仮にそれが本当ならば、裁量範囲内の可能性が高まるかもね。

ただ、本当にそうなら最初からメール記載してなきゃおかしいとも思っているよ。

2022-11-05

anond:20221105100600

閣議決定立法してないよね?

なのに批判してる人は何を言ってるの???

行政権範囲内の仕事だよね???

2022-11-02

anond:20221102120535

そもそも自由価格じゃないからですよ。

ガス料金一般家庭向けには上限があって行政規制している。なので足りなくなってきているけど値上げはできない。

不足気味だから節電要請とか話は出てるでしょ。電力も石油も限りがあるんだけど政府自民党はなんだかんだ言っても行政権力で市場支配してる。

2022-10-21

憲法政府を縛るものというデマ』のブコメに対する反論・返信

憲法政府を縛るものというデマanond:20221020172754

増田の説は本質的に『十七条憲法憲法だ』と変わらん。日本国憲法は『立法権制限する事で人権保障』する市民革命思想の流れを汲む近代憲法共産圏憲法はその流れと異なるから価値観を共有しないとされる。

『十七条憲法憲法だ』というのはかなり乱暴な要約だけど、まさしくその通り。しかし、市民革命思想を『立法権制限する事で人権保障』と表現するのは意味不明だ。人権のために制限したのは行政権であり、その方法三権分立ということすら理解していないのだろう。

共産圏国家憲法との比較は例として出しただけであり、国が違えば国家統治方法も異なるので憲法が持つ価値観が異なるのも当たり前だ。共産圏国家の例示で的を得ないようなら、コーラン憲法としてるイスラム国家でもよい。

直球のアレ来た。この内容について語りたいなら、「外見的立憲主義」という言葉意味くらいは調べてこよう。今時、中学生でも勉強を真面目にしていたらこレベルのことは言わないと思う。

先進国現在憲法が正しいのであり、そうでない国家憲法は「外見的立憲主義」だから誤った憲法だと主張したいのはよくわかった。しかし、憲法絶対的な正しさを求める精神は、盲目的に宗教信仰する狂信者思想と同じとしか思えない。「中学生でも勉強を真面目にしていたら…」の文言から論理的思考力の欠如が垣間見える。

こういう増田って「国民国家」の意味を知らないのだろう。自分自動的に一丁前の国民だとでも思っているのか。日本は「王政封建制」を「国民国家」に改造するために憲法を持った。その役目は、政府権限制限や。

たか現代憲法こそが真の憲法であり、その価値観に反するもの憲法ではないという意見だ。大日本帝国憲法のことは、憲法の名がついてるだけで憲法ではないと、頓珍漢な主張をするのだろう。

勉強になるブコメがたくさんついてる、良かったね! 知らないことを知らないと言うときに「デマ」って言葉を使うのはやめようね。

デマ」という言葉はただの釣り餌。釣れたのは知らないことを訳知り顔で語るブコメばかりで、勉強にはならなかった。

憲法学的に言いたいことはいろいろあるが、国語的な増田定義によっても、憲法が国の統治方法を定めてるから、国を統治する政府憲法の定めに従って統治する必要がある、すなわち政府憲法に縛られてるんじゃない

そこでいう憲法形式的意味憲法を指していないのでは/憲法改正の限界を超えた(n月革命を引き起こす)「改憲」はあり得るんじゃないの?

前者のブコメに対しては後者ブコメで完全に反論しているので、私から特にコメントはなし。『憲法改正の限界』は無限界説のほうが正しいのは歴史的事実として明らかだ。憲法という言葉権威付けしようとも所詮人間の作ったルールしかないことを、後者ブクマカはよく理解できていると思う。

デマだと断じるから何かと思った。すべての憲法の基本書の最初の章に書いてあることなので、それくらいは読んでから主張してほしい。

『すべての憲法』はさすがに主語が大きすぎる。『フランス革命の流れを汲む近代憲法』くらいの主語にとどめるべき。日本欧米以外の国の憲法を知っているわけではないのに。

意味論的憲法だ。どんな実益があるんだこの説明と感じた思い出があるけど、細かく整理したうえで示しておかないと解像度が低いままトンチキなことを言いだす人が一定数出てきちゃうからなんだろうな。

同意なので反論は無し。論理ではなく世界史宗教価値観憲法理解している人ばかりでうんざりなのは、この人も感じていることだろう。

デマじゃなくて、立憲主義です

笑った。確かにそうだ。

日本国憲法以外の憲法の話をする意味ある?

最初から日本だけに限らない憲法全般の話をしているけど、それすら理解できていないとは驚愕だ。

日本国憲法日本独自で作り上げたものではなく、欧米憲法価値観のまぜこぜで作られたことすら知らないのだろう。

2022-10-03

NHKブクマカも雑踏事故を甘く見過ぎ

インドネシアスタジアムでの暴動で多数の死者が出た事件で、NHKがあたか暴力が主原因で170人以上が死んだと取れるような報道をしているが

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20221002/k10013845461000.html

はっきり言って間違いだと思う。素手暴力でこんなに死者は出ない。

一方、雑踏の事故では簡単にこれだけの死者は出る。だからこれは観客席に催涙弾を打ち込んだ警察が原因と思われる。

日本警察であればこんな事はまず起きない。だがこれは日本スゴイって話じゃない。ちょいと説明しようと思う。

 

行政権としての警察権力

警察司法権機関であるだけでなく、行政としても強い権力を持っている。

から雑踏に関しても命令する権限があって、人が集まるイベントを届け出なくやったりすると怒られるわけだ。

店の外の行列放置していれば「ちゃん店員警備員雇って整理しなさい」と言われるし「○○という有名人が△△に来てる」っていうデマを流して将棋倒し惹起したら逮捕される。

 

警備業というのは監督官庁警察になっていて、更に警察官の天下り先でもある。また社長警察上がりというケースも多い。

元々警備業はボディガードなどから派生して色々な形態の警備を請け負うようになったのだが、実はその前から同様の警備請負をする人士達が居た。右翼である

右翼ボディガードだけでなく労働運動潰しなども請負い、暴力行使や時に殺人も行っていた。更に昔の右翼ヤクザと不可分の所も多かった。

 

昭和30年代にTVで「ザ・ガードマン」というドラマ放送されると雨後の筍のように警備業者起業されたのだが、ここに右翼/ヤクザ経営企業舎弟会社が大量に入り込んでしまったのである

警備請負というのは暴力からの防御という仕事が多い。それは即ち対抗するための暴力だ。

一方、警察というのは国家という暴力装置の実行装置だ。暴力装置たる所以暴力の独占であり、警察コピーした暴力世間にあってはならない。

また、道路工事での交通規制でも警備員必要だが、土建業というのはヤクザ企業舎弟が大変に多い分野だった。つまりヤクザ資金源になってしまう。

という事で警備業法というのが施行され、警備業は警察監督庁とする許認可事業で、前科がある人間雇用禁止警備員は法含む研修必須などが定められ、業務が完全に警察の指揮下に置かれたわけだ。

警察天下り先って事で、利益誘導の面もあって警備業の派遣先が増える結果にもなった。「これやるなら警備員を何人以上配置せよ。その配置図を出せ」って何かにつけて言われるって訳ね。

因みに以上の経緯から警備員の装備というのは厳しく制限されているよ。例えば警察署の前で長い棒をついた私服警官が立ってる事がよくあるが、あれは実は軍隊と同じ立哨で立ち方も決まっている。持っているのは「警杖なのだが、あれを警備員が持つことは禁止されてる。警棒の長さや形に制限がある為だ。

兎に角暴力装置代替ダメなのだ

 

日本で雑踏事故が少ないのはこういう戦後の経緯の末に、人が集まる事をせんとする場合警備員の配置と雑踏警備計画を提出させられるからだ。

雑踏での人の流れは流体として考える

 

雑踏警備での鉄則は「一方通行」と「ボトルネックを無くす」である。これは群衆が流体のような動きをするからだ。

 

一方通行にしない場合にどうなるというと、「クサビが噛み合った状態」になる。

例えば広いところの間にトンネル通路がある場合で、通路の両側から群衆が押し寄せた場合通路入口では「通路の半分からはみ出さない」という動機が働きにくいので通路のほぼいっぱいに広がって進行する。

だがこれは反対側でも同じなので、出口付近では人一人くらいの隙間をぬって通る事になる。

これは上から見ると三角形のクサビが噛み合っているような状態になる。効率的には最小化だ。

後ろから押されているので隊列が狭くなると群衆密度が増す。だが人は一定以下では足の歩みが出来ないので押されてやがて転んでしまう。

後ろの人間は前で起きていることが見えないので前にどんどん進行してくる→それらも更に転倒する、となって、転んだ人とのその手前の人間には数百キロ~数トンの圧力がかかり、皆死んでしまう。

これが通路を対面通行にした時に起きる雑踏事故だ。通路一方通行が鉄則なのはこういう理由だ。

 

ボトルネックがあった場合は、細くなる手前で群衆圧力が上がる。

更にボトルネック手前の壁に当たった人間通路に戻ろうとして横から割り込む→圧力が高いので弾き出される、となってそこでグルグル回って出られなくなったりする。まるで落ち葉だ。

でもそうする事でただでさえ高い群衆密度へ割り込まないとならない人が出て局地的に密度が極度に高くなる→転倒事故、あとは上記の例と同じで死亡事故まっしぐらである

から「狭くなる」箇所というのは作ってはいけない。狭い場所があったらそのずっと手前からパイロン等で狭い状態継続した状態にせねばならない。

 

ボトルネックを無くす」の類型に「通路をのばす」というのもある。

立体交差する駅で秋葉原駅階段一本で山手線総武線ホームが直接行き来出来るのに、武蔵野線南浦和駅はわざわざ遠回りして通路を歩かされる。不合理だと思った事ないだろうか?

これは秋葉原通勤ラッシュなどを然程考慮してなかった昭和初期の建設南浦和痛勤ラッシュ常態後の昭和後期開業である為で雑踏事故対策なのだ

電車の降車客は波状的なので、長い通路をダラダラ歩かせてそこで客の波を吸収してしまおうという思想だ。

秋葉原では短い階段ホームに直接客が展開してしまい、群衆密度が高い箇所がホームという危険状態になってしまう。

 

地下鉄高田馬場駅の改札はホーム端の先にあるが、2004年頃の改築でホーム中ほどから改札への通路増設した。

出口は一緒だから一見無意味な改造だ。だが長い通路で吸収して階段の手前で滞留する客がホームに溢れるのを軽減する効果があるのだ。

過去の事例

 

日本の雑踏警備に影響を与えた事故というのがいくつかある。

 

彌彦神社事件1955年

新潟神社で行きと帰りの初詣客がかちあって滞留状態になった。そこでやがて参道石垣が崩れて100人以上の死者。

だが石垣だけに問題があったのではなくて、群衆密度が上がりすぎて路肩にせり出し崩壊したものと思われる。

これは一方通行にしていなかったのが主たる原因の例。

 

日暮里駅跨線橋事故1952年

列車が遅延し、混雑が激化して日暮里駅の板張り跨線橋の羽目板が客の圧力に負けて崩壊。転落した客13人が電車に轢かれ8人が死亡した事故

対面クサビ状態ボトルネックの混合と思われる。跨線橋の角に押し込まれた客が流れに戻れず圧力が高くなって壁崩壊

 

上尾事件1972年

雑踏事故じゃなくて暴動なのだが、国労動労の順法闘争の為にダイヤが大きく乱れてカチ切れた乗客が駅員をぶん殴る、電車を悉く破壊するなどで収拾が付かなくなって機動隊が動員されて鎮圧

翌日から他の駅多数で度たび同じ暴動が発生する国電暴動となって東京カオス状態に。

大混雑と電車がいつ来るか知れないストレスフルな状態の上にアナウンスもせずにいた為に乗客の怒りメーターがレッドゾーン振り切ったの原因。

なのでこれ以降雑踏では拡声器を使ってうるさい程に行列に関する情報を与えろというのが鉄則となった。

 

宇崎ちゃん献血ポスター騒動の地と閉鎖区画フォークゲリラ集会禁止政策

数年前に宇崎ちゃん献血ポスター騒動というのがあった。セクハラっぽいポスター公益性が高い日赤が使うな!という騒動だ。

この騒動は一枚の写真から始まったのだが、このポスターが掲出されていた場所というのは新宿西口JR京王の乗り換え通路である

ここには「新宿駅西口広場イベントコーナー」というのがあり、その対面に「新宿西口献血ルーム」があって、そこに掲出されたポスターだったのだ。

この「新宿駅西口広場イベントコーナー」だが、実はここは1992年頃まで工事バリケードなどで塞がれた単なる閉鎖区画だった。

照明もなく、ホコリが積もったままで少ない資材が置かれただけの殺伐としたところで、居心地の悪い場所だった。

実はここが封鎖されていたのは「新宿フォークゲリラ」という騒動による。

ここが広くなっているのは1966年竣工西口立体化時に地下広場として作られたかなのだ1969年学生中心のベトナム反戦集会新宿フォークゲリラが開かれ、機動隊が導入されて解散させれらた。この際、広場として整備されたもの東京都は「通路」に変更するという禁じ手使用通路公道占拠道交法違反)。

だがこの後も若者が集まり勝手ギター演奏などは続いていた。

そこに起きたのが国電暴動で、新宿駅でも暴動が発生。「別に反体制学生じゃなくても暴動起こすのかよ!」と頭を抱えた警視庁東京都は、別にギター持って屯してた連中と暴動関係なかったが、万一を恐れて乱雑にこの区画を閉鎖してしまった。

 

時代が下って最早反体制なども流行らなくなり、閉鎖区画のせいで逆に荒んだ状態になっている元地下広場有効活用として即売会催事場としての活用をするようになった。

初めはしょぼかったが、やがて政策アピール掲示や地産フェアなど商売がうまくなり、綺麗な内装もされて有用イベントスペースとなってきて人の流れも出来てきた。

そこで対面に献血ルームが出来る事になったわけ。

 

上記のように日本警察は雑踏事故防止に関しては極めて有能なんだが、その反面「人が集まる事」を嫌いすぎるきらいがある。

広場否定論なんだな。あんまり人が集まるのを封じてしまうと今度は現在ロシアみたいな事になってしまう恐れもある。

で、最近だと東京駅や池袋駅西口渋谷駅(予定)みたいにロータリーを追い出して広場を作るという方に行政の方がシフトしてきている。

そういう戦後史と行政史の果てに出来たのが「新宿西口献血ルーム」でそこに掲出されたのがあの宇崎ちゃんポスターだったってわけだ。

あの騒動は色々感情的過ぎたが、でも一方でその辺知ってるとアゴラの復活でもあったって訳なんだな。

 

という訳で、統率されない人間が大量に集合すると雑踏事故が起きるのはデフォルト状態で、警察行政が力を入れて制御してるから日本じゃ事故があまり起きないのだ。

インドネシアのは警察問題があり、観客席に催涙弾を撃って視界が乏しくなった客がパニックになったらどうやったって雑踏事故になる。観客席は階段状でそこに下り階段があるという構造ゆえ先が見えなくなるから普段でも危険構造なのだインドネシア警察は雑踏警備の監督指導などを普段からしていないのではないか

1964年ペルーで同じように暴徒に催涙弾を打ち込んで300人以上が死ぬ事故があったので、そういう事例研究をしていないと思われる。

警察が私らを人間扱いしていない」との被害者コメントが報じられているが、インドネシア警察人間扱いと同時に流体扱いをすべきだった。

日本警察がこんな事をしないのは人間の扱いの違いだけでなく技術的に経験を蓄積しているかである

2022-07-12

はてなって護憲護憲言う割に憲法のこと何も知らんのな

文科相の『宗教法人への介入「極めて抑制であるべき」』って発言に噛みつきまくってる。

特に政教分離観点から宗教団体⇒国はいいのに、国⇒宗教団体あかんのか?みたいなコメント散見される。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.asahi.com/articles/ASQ7D43DTQ7DUTIL016.html

ただ、現在憲法学の通説だと、政教分離ってのは

特定宗教団体が国から特権教授しないこと

特定宗教団体政治上権力行使しないこと

⇒これは宗教団体政治活動を禁じているのではなく、宗教団体立法権裁判権及び行政権を直接的に行使することが許されないと解されている。

今回のケースだと、基本的憲法学見解だと手を出しようがないのよ。オウムくらい明白な違法行為やってくれれば別だがね。

介入すべきっていう人は何を根拠にするの?

2022-06-23

anond:20220623183043

それをやったって「国家という小せえ船」にはなかなかならないと思うぞ。(国家には行政権だけじゃなくて立法権司法権もあるし警察も持ってるし徴税権という伝家の宝刀も持ってるからな)

2021-10-27

街頭演説自民党大人気だったね

青筋ピクピクさせて血眼で自民党叩いてるのってはてなブックマークにかじりつく限界オタクくらいなんだなって改めて思ったよ

自分人生が終わってる現実と現行政権を同一視しちゃってるのかな

かわいそうに

2021-09-11

松戸市VTuberの件は「表現規制」じゃないだろ

件のVTuberケチをつけたフェミ議連とやらがおかしいのは自明なんだけど、それに対するこのまとめもおかしいだろ。

萌えVTuberの交通安全PR動画がフェミ議連の抗議で削除。フェミ系議員が公権力を使って表現規制。 - Togetter

いや、ポリ公は表現規制「される側」じゃなくて「する側」だろうが。

警察行政権力であって、民主的に選ばれた議員行政権を隅々まで監視し、場合によっては文句をつけるのは当然だよ。

それは民主政下での当然の権力分立の仕組みであって、民選議員行政府ケチをつけることはいかなる意味でも「規制」じゃねえよ。行政規制される側じゃなくて規制する側に決まってんだろ。

民選議員には、「規制する側」である行政府のやることなすことすべてにケチをつける資格があるし、もっと言えば行政府監視こそが彼女ら彼らの主要な仕事だよ。

このフェミ議連おかしいのは、VTuberという文化に対する敬意がない(むしろ蔑視している)ことや、「この程度」の絵柄を針小棒大に騒いでいることや、女性のためという大義名分を掲げながら女性活躍の場を奪っていたりすることであって、それは存分に批判すればいいと思うんだけど、「表現規制」と呼ぶのは違うだろ。

そこは「私たちの/俺らの文化馬鹿にするな」とか「ピューリタンしぐさやめろ」とか「女性の敵はお前らの方だろ」とか主張すべき局面であって、「表現規制反対」って叫ぶのは、相手方に「権力分立について何もわかってないバカが騒いでるだけ」という格好の口実を与えるだけだ。もっとはっきり言ってしまえば利敵行為だ。

なんでもかんでも表現規制反対って言えばいいってもんじゃないんだよ。『宇崎ちゃんは遊びたい!』とのコラボ赤十字が叩かれたとか、『ラブライブ!サンシャイン』とのコラボ農協が叩かれたとかならそう呼ぶのもわかるけど、流石に行政府が責められてる案件で「規制反対」って言うのは違うだろ。仮に非実在青少年条例が通ってたらポリ公は俺らを弾圧する側だったんだぞ。

表現の自由を訴える自由主義者として、ポリ公が叩かれてるのを「規制」と呼ぶような倒錯は見過ごせない。フェミを叩きたい気持ちはよくわかるが、正しく叩くべきだ。

2021-08-18

アフガニスタン覚書

たぶん専門の人から見るといろいろ間違っていると思う。

アフガニスタン

国土

現在国境線は英領インドロシア(とペルシア)との緩衝国として残ったもの。ほぼ乾燥した山。

国民

山がちな国土もあって民族構成は複雑。パキスタンにまたがるパシュトゥーン人(最大勢力)・バローチ人、タジキスタンにまたがるタジク人、テュルクモンゴルの血を引くハザーラ人、トルクメニスタンにまたがるトルクメン人ウズベキスタンにまたがるウズベク人、その他イラン系テュルク系を中心に多民族が混在している。

パシュトゥーン人

アフガニスタンパキスタンにまたがる民族アフガニスタンでは4割程度を占める。山間部ではパシュトゥーンワリという独特の復讐感や名誉感を重んじる割と血なまぐさい掟に従っている。

政治背景

氏族社会が強い、最後の王ザーヒル・シャーの時代ですら氏族会議後ろ盾だったし、今(2004年憲法)でも上院下院の上に氏族長の会議がある。

またイスラーム主義親和性の高い軍閥が割拠している。

軍閥はそれぞれ支配地域民族関係が強いが民族主義的な分離運動はない模様。

ターリバーン

有力軍閥がおらず荒廃したカンダハール近郊から誕生した新興勢力イスラーム主義スンニ派。パシュトゥーン民族主義的な性格もある。

パシュトゥーン人の慣習と混ざった独特のシャリーアアルカイダ式のシャリーア解釈を混ぜた法律を敷いたため、国内外わず一般イスラム教徒とくにパシュトゥーン人以外の支持が薄い。

初期はアフガニスタンに新パ政権を置きたいパキスタン支援や、スンニ派イスラーム主義国家を歓迎するサウード家アフガニスタン安定化を期待する各国の支援を受けていた。

98年国土をほぼ掌握するが、それまでの間に反米テロ民主国家断交アルカイダ保護サウジ断交シーア派虐殺イラン断交など、ほぼパキスタン以外と関係のない孤立状態になる。

01年有志連合の介入で勢力を失い、パシュトゥーン人地域パキスタン根拠地にして抵抗活動継続

10年ごろから現代化の兆しを見せ、21年には米軍撤退にあわせて国を再掌握した。

ここ数年彼らなりの「穏健さ」を宣伝しつづけており、今後、シーア派他民族女性に対して、少なくとも建前上は以前に比べてゆるやかな政権運営を目指すと思われる。

一方で実際の支配地域では旧来通りの地域もあるとの報道もあり、末端まで行き届くのか不明

少なくとも安定するまで公式には、イスラーム主義国家とも国交を結べないような極端な行動は当分とらないのでは。

パキスタン

パシュトゥーン人抵抗が激しく英領インド統治あきらめた過去があり、パキスタンパシュトゥーン人地域連邦直轄部族地域という政府支配実質的に及ばない地域だった。

ここはパキスタンがターリバーンに影響力を発揮する原動力であり、ターリバーン根拠地でもあった。

有志連合作戦以降パキスタン・ターリバーン運動が発足、ターリバーンと結託しパキスタンに牙をむくようになったので、現在では連座制などを含む独自の法「辺境犯罪規則」の改正連邦直轄部族地域の再編など、政府支配を強める方向に進んでいる。

新ターリバーン政権パキスタン関係がどうなるか不明瞭。一部アフガン人はパキスタンが今でも支援していると考えているが、過去と今後はともかくここ最近は違うと思う。

もちろん情報機関政府方針と逆を行うことはある。

アメリカ(及び有志連合

ターリバーン反米テロを起こさないのなら北朝鮮のような扱いになるのだろうか。

米軍に勝ったようなことまで言っているが7年かけて積み上げたものを一瞬で蹴散らされたことは忘れないだろう。

一応、バイデンのいうことは筋は通っている。通っているが…

ロシア

攻勢初期からターリバーン広報宣伝しており、それなりに協調関係にあるものと思われる。

国内イスラミストとターリバーン関係をどう見ているのか疑問だが、反米協調はできる。

中国

中国としては反米協調してアフガンと協力できると一帯一路有益ではある。

ウイグル問題をターリバーンがどう考えているのかは不明パシュトゥーン人ではないのでいいのか?

イラン

シーア派容認するならサウジよりうちと仲良くしようと積極的関係を結ぶのでは。

逆にやらかせば飛んでいくのは外交官ではなく革命防衛隊攻撃ドローンになるだろう。

有力者と動向
アフマド・マスード

北部同盟の有力者だったアフマド・シャー・マスードの息子。根拠地パンシール。タジク系。

現状どれほどの勢力を持っているのか不明カーブル北の根拠地国内ほぼ唯一の反ターリバーン勢力)には北部連合の旗が掲げられているようだ。

アムルッラー・サレー

アフガニスタン副大統領。タジク系。政治家。

パンシール出身マスード関係が深い。マスード息子とともにパンシールに退避。

憲法規定により暫定大統領宣言.すでに戦闘を開始,パラワーンまで押し返したとかドスタムの兵が向かっているとの報もあるが真偽は不明

トルコ人記者のようなので,ドスタムの兵が向かっているのは本当かも。

ムハンマド・イスマーイール・ハーン

初期からムジャーヒディーン根拠地ヘラート。タジク系。

79年配下ヘラートの守備隊引き連れて反乱して以降、ソ連やターリバーンと戦い続けた、悪行をあまり聞かず、ヘラートの繁栄に注力したので人気が高い。

一方、中央政府の介入をいやがり独自の軍、独自外交独自会計を展開。中央集権失敗の原因でもある。

2021年、調略されたウラマー氏族長老の説得を拒否、ターリバーンの攻勢を8度まで跳ね返したがヘラートは陥落。ターリバーンに拘束される(97年以来2度目)も脱出(99年以来2度目)してイランに逃れた模様。

アブドゥラッシッード・ドスタム

通称ドスタム将軍根拠地はシュベルガーンなど。ウズベク系。

初期は共産勢力側でソ連で訓練を受けた事もある。略奪、虐殺武力による問題解決内戦中の裏切りなどダーティーイメージが強い。

根拠地に対する攻勢の報を受け、療養先のトルコから緊急帰国するがすぐウズベキスタンに退避することになった。

ドスタム邸を闊歩するターリバーン兵の映像は衝撃を与えた。

アタ・ムハンマドヌー

元ドスタムの部下。根拠地マザーシャリーフ。タジク系。

それなりに人気はあるがやはりダーティーイメージが強い。ターリバーンとの交渉強硬に反対していた。ドスタムとともにウズベキスタンに退避中。

ムハンマドアシュラフ・ガニー・アフマドザ

大統領。パシュトゥーン系。アフマドザ氏族

スプートニクヘリに大量の現金を積んでタジキスタンに逃亡と報道いかにもロシア政治宣伝っぽいなあという内容だし、裏金だとしても現金でそんな大量に持っているものかよ。タジキスタン入国否定しており実際はウズベキスタンにいった模様。ドスタムと合流か。

怒っている人もいるがナジーブッラー処刑を見ているだろうし残りたくはないだろう。

ハーミド・カルザイ

政治家。移行政権時代大統領。パシュトゥーン系。有力氏族カルザイ氏族ムジャーヒディーン関係者。

ターリバーンとの和解模索し続けた。国内に残り、移行会議を立ててターリバーン政権への平和的な移行を目指すとのビデオメッセージを発表。

アブドゥッラー・アブドゥッラー

パシュトゥーン系。政治家。

ターリバーン徹底抗戦派だったが、国家和解高等評議会議長として和解プロセス従事

前述の移行会議に参加予定。大統領が逃げたとお怒りのビデオ投稿

グルブッディーン・ヘクマティヤール

パシュトゥーン系。根拠地は元はローガルカンダハールなど。反米イスラーム主義者。

反ソ戦の頃よりアメリカパキスタンサウジなどから資金戦闘員の援助を受けつつ、ソ連と戦うよりはむしろほかの軍閥と戦っていた。

ソ連撤退後の暫定政権でも参画しながらそれを攻撃同盟裏切りを繰り返し内戦・混乱を長引かせターリバーン勃興の原因を作った中心人物

ターリバーンが国を掌握したときイランに逃げ、01年からパキスタンから独自新政府攻撃、ビン=ラーディンの逃亡などに協力していた。

これだけやってターリバーンではないらしい。なんで大物政治家顔していられるのかよくわからない。

カルザイの移行会議に参加予定。

グル・アーガー・シェルザイ

パシュトゥーン系。根拠地は元はカンダハール

ターリバーン勝利を祝うビデオメッセージアフガン国民は協力するようにとのこと。見た人の多くは困惑した模様。

アブドゥル・ラブ・ラスール・サイヤフ

パシュトゥーン系。ワッハーブ派

共産化前から民主化運動をしていた筋金入りイスラミストアルカイダは彼の学校で育った。

北部同盟だがターリバーン本来親和性は高い。サウジとのパイプとして引き入れられるかも。

ムハンマドカリーム・ハリー

ハザーラ人。根拠地バーミヤーンなど。シーア派。元副大統領

ターリバーンカーブル包囲に以降する直前にアフガニスタン代表団としてパキスタンイスラマーバード訪問していたとの報。

下院議長など複数の有力政治家とともにパキスタンにいると思われる。

2021-07-02

やまもといちろう氏の土地取引規制擁護擁護になってない件 (前半)

山本一郎氏が重要土地取引規制法の擁護をしているが突っ込みどころしかない文章で驚きだ。これ本当に隊長が書いたの?

釣りかと訝るぐらいだ。特に後編はヤバいよこれ。プリントアウトして病院に行った方がいいレベル

前編 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84444?imp=0

後編 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84445?imp=0

不動産移転登記認識おかし

例えば前編の4頁では故人が不動産を取得したという例が書かれていて理由を「売買を仲介した地元宅建不動産業者が本人確認を充分に行わなかったので売買時の登記変更がそのまま通ってしまった」と推察している。

だがこれは一発でおかしいと気が付く話だ。不動産登記しないと所有権移転しない。そして移転登記をするのは安い物件なら本人の事もあるが、通常は司法書士だ。

ところで登記をする時に必要本人確認書類ってなんだったろうか?実印印鑑登録証明書である契約書に双方の実印印鑑があり登録証明書が添えられていないと法務局受理しない。

印鑑登録印鑑登録証明書を発行するのは市区町村役場で、身分証明書を求められる上に役場管理している住民台帳と照合される。とっくに逝去した故人名義で移転登記するというのは難しい。

一方、これが「故人名義のままになっている」ならよくある事例だ。相続登記せずにほったらかしの物件なんていくらでもある。この場合でも法的には所有権相続人に移っているので故人名義のまま売却して登記するのは無理だ。一度相続登記してからになる。

まり故人が取得した事が明らかなら公文書偽造行使も明らかだ。告発した方がいい。

そもそもこれは隊長が見つけた事例なの?誰かから二次情報なの?後者ネット情報だったらライターとしてかなりマズイ記事を出したことになるのだが。

登記デジタル化されてるが?

登記はとっくにデジタル化されていてどこの登記からでも不動産法人登記簿見れるようになってるでしょ?それ以前は管轄法務局調べて現地まで行く必要があった。これの導入時、資金負担として手数料が爆上げされたがそのままになっている。

 

もう一つデジタル化されているのが市町村。ここは固定資産税徴税の為に法務局と繋がっていて登記いじれば新たな所有者に請求が行く。当然税務署とも繋がっていて申告しない売主には税務調査が行く。売主は所得税分離課税義務があるからであり、買主は不動産取得税を市区町村徴税される。

先ほどの故人所有不動産の例でも法定相続人名義で固定資産税督促は行われる。相続人が仲違いして揉めてる場合には相続人毎名義での請求って形にもしてくれる。そういう柔軟な運用できるデータベースになってるわけよ。デジタル化されてるじゃん。

市町村事務所の督促のお支払いにはコンビニ払いやペイジーネットクレジット決済もご利用頂けます。うん、デジタル化されてるね。

この法案が求めてるのって、総理大臣権限市区町村土地利用台帳データを見せろと請求出来るって事でしょ?デジタル化云々では全くない。

 

ちょっと脱線するが土地使用法を変更するとそれも見つかって連絡来るし税率上げられるよ。正月セスナ機とかがブンブン飛んでるんだけど気が付いてる?あれって正月航空写真撮って土地用法が変わってないか調べてるのね。

よく自治体公有地で畑やって更地に戻せって言われるって事があるんだけど、それもこれのせい。因みに公有地勝手に畑作やる人出るのは藪の問題が原因なのね。空き地放置して藪化すると蚊が出る。だから近所の人間草刈りしてくれと請願するんだけどずれ込んで秋とかにやられても意味無い。仕方ないから近所の人間勝手草刈りやる。重労働だ。

こういう場合に一番いいのが畑やる事で、ホムセンとか農協で土買い込んで近所の人間共同で耕してやると雑草は生えない。おイモも穫れる。ジャガバタおいしい。でもやがて役所土地利用調査で耕作してるのを見つける。他人土地で畑やる場合地上権の設定が必要固定資産税も発生するのね。で役所に「止めろ戻せ」と言われる→「草刈りしないからだろ」と揉めるのね。

線路内を耕作しないで下さい。名古屋鉄道」の面白画像も多分これ。遊休側線なんかを土被って藪になるまで放置してるので「だったら線路脇を畑にしてやらあ」こういう背景かなと思う。

そもそも外国人外国法人の取得を禁じる条文が無い

隊長法案読んだのだろうか?この法には「外国人外国法人の取得を禁じる」なんて条項どこにも無いのだが?外国人を示す箇所すらない。

それなのになんで隊長中国人の事ばかり書いてるかっていうと、この法案対馬が危ない水資源が危ない!っていう一連の産経キャンペーンが発端だからでしょう。このキャンペーンに乗ったのは他にWILLとかの媒体だけしかない。そんなのを法案化したのだから隊長的に言えば香ばしい

で、外国人土地取得を制限したいんでしょ?そしたらその旨法に書かないと駄目だし法益が得られ無いのが普通だ。

法案外国人の事は書いてないのに運用外国人土地取得制限、そんな法律運用出来るのだろうか?そんな運用近代国家がして良いものなのか?

法案文言は無茶な立法を命じられた官僚妥当性がある内容に無理に落とし込んだ、そんな印象を受ける。この法案が「何がしたいのか、これで何が出来るのか判らない」と言われる所以だ。

土地取得を予め妨害する効果が無い

再度、隊長法案を読んだのだろうか?この法には土地取得をさせないという効果が無い。

 

うん、収用や売買契約差止め、取消の効果はない。収用委員の事は書かれているが、損失補償に収用委員の採決利用できるよというだけ。だからわざと土地を購入する→アヤシイ行為を行う、或いは工作物を建造する、政府が止めろというような商売を考えて理由書を提出する→止めろ命令が出る→機会損失弁済を国家請求する、というハックも可能だ。

この法で何がしたいの?立法意図保護法益制限したい行為は何なの?と言われる所以だ。

DQN議員立法レベルの閣法で溢れる日本未来

ちょっと立法の基礎をおさらいしよう。

立法は専ら国会議員がすると公民教科書的に思ってる人が多いが、これは誤りだ。これは議員立法という。立法される法律割合としては実は少ない。また衆議院での議員立法を衆法、参議院でのそれは参法という。

一方、内閣が提出する法案を閣法という。内閣といっても内閣の面々が法案を作るのではない。実際の行政を行っている省庁が立法改正必要だと考えて提出され審議される法案だ。業法などが多く、マスメディア経由では余り馴染みのない法律が多い。法案提出の権限は省庁ではなく内閣しか無く、内閣行政権力の権原であるので閣法というのである

日本での立法はこの閣法が断然に多い。提出数も成立数もだ。一方議員立法は何より成立の率がかなり低い。閣法が100%近く成立であるのに議員立法は5割に満たない。これは議員立法の信用が低い事による。それは何故か?

 

法律はそれだけでは何の意味も持たない。具体性が薄いからだ。法律が具体的に効力を得る為に立法後に政令省令が制定される。AAA法に対してAAA法施行令、AAA法施規則というのを後から役人が作る。これを委任という。

でもそれだと国会で成立した法律とまるで違う内容の政令を作ってしまう事が出来そうだ。政令委任する幅が大きすぎるとそうなる。

そういうのを白紙委任という。やってはいけない事である。その為に政令委任する幅を柔軟性がある限りでなるべく小さくして、更に付帯決議を付ける。ここに問題があって話し合ったか政令ではそこを踏まえるようにという命令だ。

閣法は実際に執り行っている行政法案を作るのでこの委任する内容、つまり政令の内容も最初から考えられている。だが議員立法はそうではないので信用が低く、リジェクトされやすい。(新しい内容を導入することが多いので拒絶されやすいというのももちろんある)。

 

もう一つは内閣法制局の存在である安保法制で騒がれたのに以後忘れてしまった人も居るだろうが、内閣法制局の役割憲法判断だけではない。

内閣法案閣議決定する事で国会法案が提出されるが、その前に内閣法制局に法案が提出され審査を通る必要がある。ここで審査されるのは憲法だけでなく他の現行法との齟齬が無いか立法意図法益がきちんと書かれているか?等が視られる。

この審査は相当に厳しく、法案作成官僚としてはかなり神経がすり減る仕事だそうである

また、内閣法制局は内閣から独立した機関であり、故に同時に法案作成省庁から独立していた。(過去形)だから閣法は法制局の審査を通っているのでこの時点でヘボじゃないとお墨付きがあるのであった(過去形)。外国人権利行為制限する意図法律だが法案には書かれていないなんて事は無いという事である。(あった。過去形)。

だが内閣法制局は今では内閣から独立性を失い傀儡となり、内閣が推す法案なら何でも審査が通るようになっている。閣法だからヘボじゃないとは言えない状態になった。

 

更に内閣人事局である。これの設立運用により官僚公共心良心に基づく仕事というのは出来なくなった。無茶クソ法案を出せと言われたらその通りにしなきゃならない。意見すれば左遷決定である。ここが2014年設立されて以後、行政の腐敗、独走を抑えるという本来目的が履行された事などありはしない。腐敗の大本であり官僚ポピュリスト政治家田舎キャバクラみたいな茶坊主接待する為の装置しかない。

こうして閣法はDQN議員立法より品質が優るとの保障は無くなってしまった。

 

隊長外国人の事が書かれていない法案擁護に、外国人行為規制の意義を唱えているのだがそこにおかしさを感じないのだろうか?立法意図に書かれていない事は政令委任されてはならない。規制内容が書かれず政令に丸投げ委任する法律先進国のものではない。それは2014年以前のDQN議員立法固有の特徴であったはずだ。なぜ書かれていない意図説明して平気なのだろうか?

 

TPP抵触する

日本批准したTPPには一歩進んだIDS条項がある。投資家VS国家補償スキームではなく障害となる法の改正義務がある。この点で外国人経済行為規制する政令が出来た場合撤廃義務が発生する。

但し中国TPPに参入していない。だから隊長中国の動きが云々というのではなく、豪州カナダニュージーランドシンガポール不動産投資の動向を書くべきだった。これら国家企業個人経済活動を阻害した場合、法を撤廃する義務が発生するからだ。

外国人特定経済行為をさせない法律は他にもあるのでその意図立法可能である

有名どころでは放送法だが、他にも内航船は外国人株主、外国資本が参入できない等の法規制がある。これらはTPP撤廃させられる可能性もあるが、人権環境安全保障であれは大丈夫であろう。

ならば若し本当に外国人外国資本土地取得により安全保障問題が発生するならその旨で立法すべきである。但し「特定アジアの害人だから」とか「産経キャンペーンで見た」とかのクソ馬鹿理由では駄目だ。

その為には立法事実が居る。なぜ立法事実を積まないのか?立法事実が積まれなきゃ法案意図はふんわりとしたイメージしかない。政令だって実効性があるものが出来るわけがない。

なのに隊長は後編3頁で「河川堤防外国人が」「送電線が!」「官邸に近い赤坂には中国人韓国人街がある!」「赤坂見附には中国銀行支店が!」と脳が蕩けたような事を羅列するのである。これよく書いたな。

こういうのをゆるふわクソ馬鹿イメージって言うんですよ。国会Youtube動画見て目覚めて立法みたいな事してて良い訳ないでしょ。その動画投稿者どうせ明日にはBANされてるから法案擁護Youtubeで目覚めた老人みたいな事書くなよ。サイレント脳梗塞起こしてないかこれ。おらオヤジ狩りしてる気分になってきたぞ。

あとこれWikipediaのこのページ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%9C%9F%E5%9C%B0%E6%B3%95 見て書いてない?なんかこの薄い記事に肉付けしてるみたいなんだよね後半の文章は。

産経キャンペーンと元非主流非実務家政治家政治ごっこ

一連の流れは産経が展開していた対馬が危ないキャンペーンに遡る。韓国資本対馬不動産取得してるって話だ。あそこは韓国人旅行者が多い。だがハワイ日本旅行者が多いから日系のお店は多いのだから危ないと言われても微妙な顔しか出来ない。

次は水が危ないキャンペーンで、水源地が中国資本に買われているというもの。これは水資源メジャーの事が問題化されていた頃でもあり少しバズった。

でもこれも微妙な顔しか出来ない。何故なら水源地から工業地港湾に運搬するコストがかかるからだ。鉄道が運搬してくれるのは契約した会社石油貨車だけで日本の急河川では船は登れない。河川には水利権が設定されている。

低地や扇状地で汲み上げしようとすると地下水規制にぶち当たる。これは日本工業化公害経験たからだ。こんな主張するなら利水権を持っている工場田んぼを買っているところが無いか探し方がよさそうだ。

そして産経は後に水道民営化法に反対しなかった。あのさ、水道業は地下の水管だけ所有してるんじゃないんだけど?ダム水路、水源地を丸々所有しているのだけど?

東京なら狭山湖っていうのがあって低地の真ん中に山の斜面とダム湖だけがあるっていう不思議な地形だが、ここは水道の為にこの山とダム湖が東京都所有となっている。こういうところの管理権を外資が取得するのには憂慮しないのか?因みにこのキャンペーンでは産経主催見学ツアー等も行われている。ところがNHKの他に朝日取材して「原野商法では」との一応の結論を出しているのに追撃しないのだ。登記簿取って相手取材、売主にもインタビューするってマスメディアにとって難しい話か?売主なんて多分沢山居るよ。山林なんだから。答えてくれる人は多く居るに決まってる。

 

長すぎた。後半 https://anond.hatelabo.jp/20210702180742

2021-05-02

コロナ対応改憲必要」57%、一理あるかもしれない

コロナ対応改憲必要」57% 共同通信世論調査

https://news.yahoo.co.jp/articles/7ec1d495b848a971128aff7c5fc0dedf1a2c92ee

共同通信社は30日、憲法記念日5月3日を前に憲法に関する郵送方式世論調査結果をまとめた。新型コロナウイルスなどの感染症や大規模災害対応するため、緊急事態条項を新設する憲法改正が「必要だ」とした人が57%、「必要ない」は42%だった。内閣権限強化や私権制限が想定される緊急事態条項新設を容認する声が反対意見を上回った。長引くコロナ禍が影響したとみられる。

ちょっと長めになってしまったので、はじめに要約すると、

改憲なくとも法を生かせば緊急時行政権限をフル活用できるはず、と思ってきたが、過去公害の教訓を思い起こしてみると立法行政不作為が目立つ。

憲法の制約で権限がないのではなく、あっても使わないのが問題だった。そこにメスを入れるには、行政立法指導する上位の規律必要で、「今まさに緊急時シフトチェンジしろ

行政立法に促す仕組みが必要なのでは。それはひょっとすると憲法役割なのかもしれない。

という趣旨


+++++++

改憲の是非でいえば、基本的スタンスはノーだ。

内閣権限強化」、これは橋本行革の結果、小泉政権内閣官房の強化の恩恵を受け、その後、安倍がめちゃくちゃにした経緯から

これ以上の内閣官房の強化などナンセンスだと思うし、

現行の制度運用できないのか?と言われれば、

公害立法歴史を振り返っても、現行の規制権限は決して弱くはない。立法余地もある。

実際60年代から70年代にかけて、深刻化した公害に山ほど立法を制定、70年はとりわけ公害国会などと呼ばれた時代もあった。

そうやって公害を克服しようとしてきた歴史の教訓をみても、現在感染症コントロール問題が、憲法改正でしか解決しえないとは思えない。

から問題はできることをしない、立法不作為行政権限の不行使のほうで、それを改憲論議にすり替えるのはおかしい、という意見も納得できる。

しかし。

それこそ公害の教訓を振り返れば、という話なのだが、

改憲世論が盛り上がるのは、だからこそ逆に、一理あるのかもしれない、とも思う。

もちろん、行政立法性善説に立てば。。という留保はつくが。

というのも、水俣病を例にとって、公害被害を振り返ってみると。

なぜ今日に至るまで長年、放置されてきたか。長年の放置もさることながら、振り返ると、初期の対応のまずさが際立つ。

チッソ工場への排水をやめさせる権限のある水質二法の適用

漁業法による禁止措置漁民への補償食品安全法による有機水銀汚染された可能性のある魚類販売禁止

すべて見送られた。つまりすでに対応可能な法的ツールがあったにも関わらず、被害が拡大した。

こうした行政権限の不行使が最終的に裁判で争われ、最終的に結審したのは2004年

国は高度経済成長をとめたくないがゆえに、規制権限行使しなかった、というのが結論

これは初期の対応が間違っていたことを指摘したものだ。

1970年代公害社会問題の深刻化を受けて山のように公害立法が制定されたが、それ以前の問題として

そもそも1950年代、すでにある水質二法等で権限行使できただろが、という。

法の不備ではなく、繰り返すが、すでにある法を使いこなせなかった行政責任が厳しく断罪されたわけだ。

ここから導き出される本当の教訓というのは、規制権限があったにもかかわらず

なぜ初期の対応がこれほどまでに、被害者をないがしろにしたものになったか、という問題

それは経済を優先した政治意思決定メカニズムだ。

そこには、何か異常な事態が発生したときに、立ち止まって物事を考え直す、

シフトチェンジの仕組みが欠落していたともいえるのではないか

かつて辺見庸は、地下鉄サリン事件の際に、丸ノ内線駅構内で、人々がバタバタと倒れているなか、

通勤している乗客枕木でもまたぐかのように出口へ向かった光景について

日常的なことを目の前にしても、脳が適切に処理できず、

惰性で日常論理で動こうとする「慣性イナーシャ)」が働いているといったが、

ここ一年を振り返ってみると、そういう政治的な意思決定がかなりよくみられた気がする。

この問題解決されない限り、改憲による緊急事態条項検討など、全く意味をなさない。

日本は、意思決定の仕方、会議の仕方を根本から見直したほうがいい。


いや、だけど一方で、

緊急事態条項のようなシフトチェンジトリガーがないからこそ、漫然と経済優先で動いてしまうのか?という疑問も頭をもたげる。

どっちなのだろう。

そんなことを思い出したのは、さっき、尾身会長インタビュー記事を目にしたからだ。

尾身茂氏が語った「マスクを外せる日」「3回目の緊急事態宣言なんて聞く気になれねぇ」への意見 | 文春オンライン

――東京都墨田区長野県松本医療圏など、基幹病院支援に回る地域病院医師連携が回っている地域の取り組みも報じられているが、厚労省は、こうした体制づくりのため各地の医師民間病院に強い指示が出せないものか。

尾身 医師病院に対して国が強い指導力を発揮する英国のような仕組みとは違い、日本厚労省というのは公立民間などさまざまなステークホルダー意向尊重する必要があって、上から目線はいわない。平時はそれも大切ですが、危機局面ではどうなのか。この機会に考えてみる必要はあります

――医療提供体制の拡充やワクチン接種準備で、国民が納得するだけの結果を示せないことに国民は苛立ちを感じている。強権的なイメージが強い菅義偉首相だが、結果を示せない理由は?

尾身 それは政治のことだから、私にはわかりません。ただ、総理大臣は、いろいろなことを今、四方のことを考えなければいけない立場にあるんでしょう。そう思います



平時から非常時へのシフトチェンジ

これが明確な意思決定メカニズムとして組み込まれていないことが、水俣病の初期対応問題もつながっているように思えた。

それを可能にするのは、規制権限の強化と行使、という既存立法行政機構のあり方の、もうひとつ上段の制度として構築する必要があるのかもしれないといえなくもない。

改憲への渇望というのは、案外、そういった視点で考えることも可能ではないかとふと思った。

しかし、憲法踏み込むのではなく、

危機対応専門の省庁を創設する、というのもひとつ方法。非常時のガバナンス体制を整備する。

米国FEMAアメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)、CDCアメリカ疾病予防管理センター)のように。

現在のように、菅、西村田村河野小池、、、、、みたいに

船頭多くして船、山に登る、という問題への処方箋となろう。

そうすれば、現在河野太郎のような感染症素人新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣として奮闘する、といった話もなくなるはず。

彼はおそらく、急に任命されて困っただろうが、実質やれることを模索した結果、

ロジ担当となり下がってしまっているように見受けられる。住民心配に答えるのは基礎自治体役割だ。

大臣仕事じゃない。本当の危機管理はそういうことではない。

危機管理のプラットフォームができれば、アメリカのファウチ博士のように、

集団免疫獲得に向けた仮説を立て、何%の接種があればOKで、ワクチン効果が切れる前の接種完了を逆算してスケジューリングする。

目的ロードマップ国民に示したうえで協力を仰ぐという、専門家による意思決定ベースとなったリーダーシップ重要だ。

今は「高齢者の接種」そればっか。もっと全体の話をすべき。

ガバナンスの基本は、法、規則基準科学的な予測を明示した意思決定を行うことだ。

これは世界銀行の借用だが、世銀では途上国行政改革支援の際に、ガバナンスを以下の4要素で因数分解して

能力評価している。

説明責任財政リソース)、予測可能性(法的枠組み)、透明性(情報公開)、参加(連携)の4つ。

テーマ出しした瞬間、近年の日本がどの分野でもガタガタになっていることがわかる。

いずれにしても、緊急時ガバナンスの訓練を積んでゆくことが大切で、こうした組織を立ち上げることには意義があるだろう。

現在菅政権は、こうしたガバナンスの観点から落第点であり、

首相が何を考えているかからず、結局、リーダーの一挙手一投足に注目が集まる意思決定となっている。

急に決心して、緊急事態宣言を発出したりやめたりする。このように国民から予測可能性を奪うやり方は国民から自由を奪うのも同然だ。


国民からすれば、知らず知らずに国のリーダーシップ注視せざるを得なくなり、いつの間にかリーダーシップ問題錯覚してしまうが

本当は危機管理はリーダーシップの欠如の問題ではなくて、ガバナンス問題だ。リーダーが誰であれ、ある程度、やるべきこと、基準が決まっていて

どのように対応するかが決まっていること、この予測可能性が確保されることが大切。

国民にとって予測可能でなければ、国民自身計画を立てられず、急に決断されても、ついていけいけない。

水木しげる漫画で、上官が急に玉砕を決心したので部下の大半が付いていけず、結果として敗残兵として生き残った兵士に、すでに全員立派に玉砕したことになっているのだ、として、ラバウル本部が改めて玉砕を命じる、という話がある。日本人のリーダーシップ象徴する話だと思う。)

しかし、一方、リーダーシップ問題は残る。

緊急時へのシフトというのは、なにかしらリーダーとして発動するトリガー必要なのではないか

憲法、というのも、民主的意思決定の根源として、

そこに非常時へのシフトチェンジ記載されることにも意義があるのかもしれない、という考えに傾いてゆく、そういう世論の動きもわかる。

もちろん、そんな非常時に平和ボケして判断の鈍いおっさん首相だったらなんの意味もなさないが、誰かがシフトチェンジを発動しなければならない、

それが立法危機管理のプラットフォームづくりだけでうまく機能しないのであれば、ある意味大統領的な権限を期待する傾向が出てくるのは自然なことのように思う。大統領権限というと、合衆国建国当時まで振り返ると、当時の議論のなかで、リーダー聡明さ(アリストクラシー)というのは、欠かせない条件だったように思う。

日本政治社会にそんなことを期待できるのか、と考え始めた瞬間、改憲には激しく首を横に振らざるを得ないのだが。

そんなことをインタビューの印象として持った。

2021-04-22

anond:20210421114814

ありがとう元増田です。


一点疑問が。

運用でなんとかなる」っていうの、

解釈改憲」と紙一重というか、

そこの境目はどこにあるんだろう。

特措法での対応前例を積み重ねると、

憲法有名無実化が進むんじゃなかろうか。


あと、戒厳令とか行政権移譲憲法に仕込む必要は全くないと思うけど、

「疫病・災害国民生命財産が脅かされる時は、その保護のために国は国民自由一時的制限できる」

くらいはなら軍政根拠にはなりえなくないだろうか。


欧米など立憲民主主義国の諸外国では、

ロックダウンなんて私権制限も甚だしい手で感染拡大を抑え込もうとしてる。

イギリス変異株を抑え込むのに相当の強権を発動した。

これは軍事的有事に準じる根拠で行われてるんだろうなと想像するけど、

9条がある日本においてそれは無理。

なんとかならないものだろうか、というのが、

護憲派の皆さんに聞いてみたいなという動機の発端でした。

2021-04-15

テレビ天皇共通点

テレビ天皇政治に大きな影響を与えてるもの政権(立法権行政権)は持っていない

テレビ天皇行政によって既得権益が認められている

2021-04-14

悲報ジェンダーギャップ指数デタラメすぎる件

アイスランドのジェンダーギャップ指数についての記事を読んでて、まさかそんなことはと思って調べてみたら本当にデタラメ指標だったので書く。

要約

  1. 国家元首」と「政治的リーダー」はまったく別の概念である
  2. ジェンダーギャップ指数は「国家元首」と「政治的リーダー」の区別がついていない
  3. したがってガバガバすぎてまったく使いものにならない
  4. それはそれとして、元のnoteにもおかしい点があるのでそこは突っ込む

前提:国家元首(head of state)ってなに?

簡単に言えば「その国で『形式的に』一番偉い人」。

形式的に」というところがミソだ。たとえば多くの立憲君主制国家では、形式的には君主が一番偉い。君主首相を任命し、議会招集し、軍の最高指揮権を持っている(自衛隊の最高指揮権首相にある日本例外的)。

でも、実際には、君主に実権はほとんどない。日本イギリスノルウェーのような民主的立憲君主国では、議会多数派を握った人物首相に任命し、内閣に言われるがままに議会招集し、実際の軍の指揮は首相国防相といった政治家に任せている。

まり、そういった国では、「その国で『形式的に』一番偉い人」」と「その国で『実際に』一番権力を持っている人」とは別になる。

後者、つまり「その国で『実際に』一番権力を持っている人」のことを、「政府の長」という。

アメリカのような大統領制の国では、「国家元首」と「政府の長」は同一人物だけど、議院内閣制の国では、この2つは別人だ。

まり、こういうこと(天皇元首かどうかというややこしい議論はここでは措いておく。実務的にはどう見ても国家元首なので)。

国家元首形式上一番偉い人)政府の長(実際に一番権力がある人)
アメリカジョー・バイデン大統領ジョー・バイデン大統領
イギリスエリザベス2世女王ボリス・ジョンソン首相
日本徳仁天皇菅義偉首相

で、オーストラリアニュージーランド、それにカナダは、いわゆる英連邦王国だ。つまりイギリス国王オーストラリア国王ニュージーランド国王カナダ国王を兼ねている。そうすると、こういうことになる。

国家元首形式上一番偉い人)政府の長(実際に一番権力がある人)
オーストラリアエリザベス2世女王スコット・モリソン首相
ニュージーランドエリザベス2世女王ジャシンダ・アーダーン首相
カナダエリザベス2世女王ジャスティン・トルドー首相

まり、これらの国の「直近50年での国家元首の男女比」を調べたら、ここ半世紀以上ずっとエリザベス女王国家元首をしているのだから、全期間にわたって「女性国家元首」と判定されないとおかしいはずなのだ

ジェンダーギャップ指数デタラメ

で、ここで最新のジェンダーギャップ指数の報告書を見てみよう。

ドキュメント内を“head of state”で検索すると、最初に出てくるのは次のような文章だ。

...Across the 156 countries covered by the index, women represent only 26.1% of some 35,500 parliament seats and just 22.6% of over 3,400 ministers worldwide. In 81

countries, there has never been a woman head of state, as of 15th January 2021... (p.5)

……思い切り、なんの留保もつけずに「国家元首」って書いとるやん……

いや、普通、こういう文書を作るときはさ、「政府の長」とか「政治的リーダー」とか「選挙によって選ばれた最高位の役職」とか、そういう言い回しにしておくものなのよ。だって、「国家元首性別」っていうのはジェンダーギャップを考える上で無意味まりいから。オーストラリアニュージーランドカナダイギリスもこの半世紀以上ずっとエリザベスウィンザーさんっていう女性国家元首だけど、それって政治におけるジェンダー平等においてはなんの意味もないでしょ?

そして、読んでいくとこういう表現にも行き当たる。

...However, in Canada, a woman has been in a head-of-state position for only 0.3 years over the past 50 and in the United States, there has never been a woman as president. (p.30)

……やっぱりこの報告書、「国家元首」と「政府の長」を区別してない! カナダはこの半世紀以上ずっと女性国家元首だって言っとろーが!

なぜその区別重要

そんなの些細な言葉の使い方の間違いじゃん、と思うかもしれない。でも実は、これは重要問題なのだ

現在民主主義国家政体を分類するにあたって、国家元首政府の長がどのように権力を分担しているか、という指標重要だ。それに従うと、民主的政治システムは概ね次のように分けられる。

システム名称内容代表的な国
大統領制直接選挙された大統領政府の長となるアメリカ合衆国
半大統領制直接選挙された大統領議会の支持を得た首相権力を分担するフランス
議院内閣制国家元首形式的存在で、議会の支持を得た首相政府の長となる日本ドイツインドイギリス

ここで大事なのは同じ「大統領」でも、大統領制議院内閣制では持っている権力全然違うということだ。アメリカ大統領国民から直接選挙され、連邦行政権を握っている。いっぽうドイツ大統領は、議員たちを通じて間接的に選ばれ、国政に関する権能をほとんど持たない。これはどちらかというと戦後憲法下での天皇に近い存在と言っていいだろう。違いは世襲されるか選挙されるかという点だけだ。

サミットを開いたときに、なんでアメリカフランス大統領が出てくるのに、日本ドイツカナダイギリスイタリア首相が出てくるのかといえば、後者の5カ国は議院内閣制の国で、国家元首天皇国王大統領)より首相の方が権力を持っているからだ。なんでオリンピック開会式では首相ではなく天皇国王カナダ場合国王代理たる総督)が挨拶するのか? 形式的には彼らの方が偉いということになっているからだ。

(ところで、太平洋諸国アフリカには、「議会から大統領を選ぶ」タイプ共和国がけっこうある。南アフリカボツワナナウルマーシャル諸島といった国々だ。こういう国の場合議院内閣制でありながら大統領が実権を握っているということになるので注意されたい)

なので、「大統領女性」とだけ言われても、どのくらい権力を持っているのかがわからなければ意味がない。仮に、大統領がなんの権力もない完全なお飾りで、首相がすべての権限を握っている国があったとして、大統領がずっと女性首相がずっと男性だった場合女性政治的平等立場にいると言えるだろうか?(インド大統領がこれに近いかもしれない。10年ちょい前のインド大統領女性だったんだけど、覚えてる人ってどんくらいいます? まあ覚えてないよね、インドではここ数十年ずっと首相男性だったので……)

から、本当に大事なのは大統領制における大統領」や「半大統領制における大統領あるいは首相」、そして「議院内閣制における首相」の男女比のはずなのだジェンダーギャップ指数はそれをカウントするべきだ。

それなのに、無邪気に「国家元首」の男女比を出してきて「ニュージーランドでは過去50年間のうち14年間は女性国家元首でした」なんていうデタラメをぶっこくような報告書を、どうして信用できるだろう(なんでデタラメなのかはわかるよね? NZ国家元首は50年以上前からずっとエリザベス女王からです)。この報告書は「この国は過去何年にわたって女性国家元首でした」という数字を羅列してはいるが、「国家元首」の定義デタラメ融通無碍なのにその数字ハイそうですかと受け入れることはできない。本当に国家元首を数えたのか? 国家元首政府の長を混同してないか? それらの数字は別々に数えたのか、それとも合算したのか? このことがちゃんと注記されていない数字をどう使えというのだろうか。

まさか、こんな基礎的な事柄について、こんな雑な数字を出してくる統計だとは思ってもみなかったよ。国家元首政府の長の区別なんて、政治制度を分類する上でのイロハのイじゃねーか。その程度のこともわきまえてないやつが数えた数字になんか意味あんの?

それはそれとして、元のnoteにもおかしい点があるのでそこは突っ込む

まず、「二元主義議院内閣制」と「一元主義議院内閣制」と言っているが政治学ではそんな分類は使わない議院内閣制とは政治権力議会で選ばれた首相に一元化させる制度のことである。仮に分立しているならそれは半大統領制という別の制度であって、議院内閣制ではない。

二元代表制」という言い方はあるが、これは日本地方自治を指す言葉だ。日本地方自治は、首長知事市長)を直接選挙で選び、首長県庁市役所を率いて行政を取り仕切るシステムになっている。上で書いた類型に当て嵌めれば大統領制になるが、知事市長大統領と呼ぶのは変なので「二元代表制」と呼ばれている。「二元」というのは、首長議会がそれぞれ別に選挙されるからだ(議院内閣制では、行政トップ議会多数派から選ばれるので「一元」になる)。

(余談だが、現代日本政治がグチャグチャに混乱している原因の一つが「中央議院内閣制地方大統領制」という政治制度のちぐはぐさだろう。議院内閣制大統領制では「権力の握り方」が違うから中央地方システムが違うと政党組織を1つにまとめることが難しいのだ。ある組織の内部に異なる論理で動く複数組織が混在していると一枚岩になりにくいのは、感覚的に理解できるところだと思う。この点、中央地方大統領制統一しているアメリカや、連邦と州のどちらも議院内閣制統一しているカナダドイツと比べてみると日本のちぐはぐさがわかる)

2021-03-29

ひどい問題を紹介する

anond:20210328163443を読んで。

NURO回線にしてから悪問に悩まされ続けた結果、作りがかなり雑だということがわかってきた。その一部をここで紹介したい。

ひどい問題たち

2016年2月はてな匿名ダイアリー投稿された、保活問題待機児童問題を指摘して有名になった記事タイトルを正確に書いてください

不正解: 保育園落ちた日本死ね!!!

正解: 保育園落ちた日本死ね

正確に書けというから調べて正確に書くと不正解。最低だと思う

Compact Disk、Digital Versatile Disc、Blue-Ray Disk、光ディスクとして存在しないのは?

正解: Blue-Ray Disc

設問にあるどれを入れても不正解になる。BlueとBluの違いをあげつらって設問にするくせに、DiskとDiscのtypoには注意を払わない。

桃太郎の家来は?

犬、キジ、猿の3者だが、どの順番で入れても、カタカナひらがな漢字を切り替えても、区切りを「、」「・」に変えても通らない。

正解にするにはどれか一つだけを入力しなければならない。

だったら設問を「1つ答えよ」とかにしてほしい。

イタリアでは「ドッピエッタドイツでは?

不正解: ドッペルパック、doppelpack

正解: ドッペルバック

正しくは「ドッペル"パ"ック」だが、誤字をしないと正解にならない。本当に雑。誤字まで探り当てろというのは要求が高すぎる。

三権分立のうちどれかひとつ漢字で答えよ

不正解: 立法権行政権司法権

正解: 立法行政司法

なんでこれで不正解になるのかわからない。

ペペロンチーノレシピ記事に現れる警察といえば?

正解: 乳化警察

Googleで「"乳化警察"」で検索すると 426 件 (0.34 秒)。マイナーすぎるし、そもそも何の話?

IT業界の著名エンジニア複数人所属希望を表明したはてなグループ名称は?

正解: サブテク

完全に内輪ネタしかも古い)。たまたま知ってたからいいけど、名前が思い出せなくてそこそこ検索した。

人間性センターダメなところ

人間性否定されるのはかなりキツい

検索で出てくる問題ならまだいい。これらの問題人間が真面目に回答してもなかなか正答することができないし、全問正解しないと数回で「人間失格」のページに飛ばされる。

それなりに苦労をさせておいて、適当に判定して「人間失格」と突きつけるのはかなりひどい仕打ちだ。人間性否定するのは、冗談悪趣味悪ノリでは済まされない話だと思っているし、怒りを覚えている部分もある。

人間に厳しく機械に易しい

設問と回答はパターン化されているので、むしろbot向きだ。問題と回答は散発的に書き込まれいるから、もはや秘密のものでもない。一方で、生身の人間には調べないとわからない設問も多いし、正しく答えても不正解になるなど負担が大きい。結果として、偽陽性人間なのに弾かれてしまう)が多く出てしまう。

もちろん、造りの荒いbotを弾くには有効かもしれない。しかし、ブログコメント欄掲示板などにスパムするbotと違って、匿名ダイアリーに書き込むにははてなアカウント必要だ。だからはてなシステムに合わせたbotカスタムで作らなければならない。そこまでするような相手ならば、この単純な仕掛けはいずれ簡単突破されてしまうだろう。

それなら、偽陽性偽陰性も少ないもうちょっとマシな対応方法はあるはずだ。

感想

元増田アカウントごと削除されたというのは気の毒な話だ。正答を晒したことでこのアカウントも削除されるなら、いい機会だからはてな引退しようと思う。

一方で、削除したところでいたちごっこに過ぎない、ということは指摘しておかなければならない。なぞなぞの回答を公開されたらおしまいになるようなシステムは、一見役に立っていたように思えても、元からシステムとして成立していなかったのだろう。このシステムいたちごっこで維持するより、対策方法を入れ替えた方が良いんじゃないか個人的には思う。

2021-02-26

放送の許認可は独立委員会でやるべきでは?との質疑書き起こし

ソースhttps://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=51554&media_type=

後藤祐一議員の質疑、1:49:49あたりから

検証委員会検証範囲(放送だけでなく情報通信も、など)や実効性についての質疑の後

後藤祐一

再発防止策はどうなってるんでしょう?お手元配布資料12ページから14ページにかけて書いてありますが、他の職員幹部会の研修の徹底、毎回か出てきますね、効きませんねえ。総務省独自ルールで一万円以下の時もちゃん書類提出してくださいまこれちょっと効果があるかもしれませんね(注:正確に聞き取れず)。監査体制まあこれも言うことありますけど、本当こんなんで二度と起こんないってことができると思いですか?無理ですよ。実はこの放送行政そして通信世界もそうなんですが、全世界同じようなこと起きてるんです。だってこの電波っていうこの公共財をどの事業者であてるかはもうそ会社にとって生きるか死ぬかな権限を持ってるんですよ。でもそこにしかテレビなわけですから政治が絡むわけですよ。ですからこれ政治が絡むあるいは行政が絡むとろくなことがならないということで、お手元の資料18ページ目に世界各国はどうしてるかということで、これ若干データ古いですが並べてみましたが、どこの国もこの放送免許なんてのは、独立委員会を作ってそこでやってるんです。日本では公取的な形の所を作って、しんこう(注:意味からず)行政とは切り分けてやってるんです。最大の再発防止策はこの放送免許、できれば通信も含めてですね、この独立行政委員会を作って、そこでやるべきだと思いますいかがですか?

総務大臣 武田良太

過去歴史を顧みましても、戦後わが国においても、行政委員会が広く導入された時期というのがあったと報告を受けております行政権が内閣に属することとの関係責任帰属不明確であった。そうした非難があったこから昭和27年以降そのほとんどが廃止された経緯というものがあるわけであります。従って合議制による行政委員会形態ではなく、この分野っての極めて国際戦略国際競争が激しくて国際戦略というものも求められるわけであって、機動的一体的総合的な対応可能とする独任制の省の形態により大臣責任をもって迅速に行政執行するする制度適当と考えております

後藤祐一

国際的にはそうでないんですよ。是非その改善策も含めてこの検証委員会での徹底検証を求めて終わりますありがとうございました





国際的独立委員会を作ってるのに、全世界同じような事が起きてるんじゃ意味が無いとは思うが、まぁそこは独立委員会の方が構造的にマシだという事なんだろう。昭和25年じゃなくて27年だったけど、まぁそこは大差ないということどお許しを。正直総務大臣の回答は回答になってないと思うけどいかがですかね。他の国の放送国際競争に負けてるという話になるわけなので。独立委員会にしたからといって、汚職構造がまるでなくなるというわけでは勿論ないのだろうが……

2020-10-12

タモリを月に移住させる署名運動問題点

Twitterで盛り上がってるタモリ(森田一義)を月に移住させる署名運動問題点について書き残したい。

素質

ノーベル文学賞カズオ・イシグロが選ばれたのは記憶に新しいが、それによって村上春樹は今後20年受賞の目は無くなったと言われている。何が言いたいのかと言うと、タモリが月の移住者に選ばれたら次の日本人移住者はだいぶ後になると言うことだ。75歳のタモリに月のアダムイヴ(またはイザナギイザナミ)の役割を担わせるのは、年齢的にかなり厳しいと思う。そうでなくても、タモリは長いことお昼の顔を務めていた事もあり、夜の象徴とも言える月の始祖にはイメージ的にもしっくりこない気がする。

環境

地球に優しく」というキャッチコピーがあるが、当然ながら月も同様に大事にしなければいけない。タモリ芸人になる前、ボウリング場支配人をしていた事がある。ボウリングボールはウレタン製が多いが、昔はプラスチック製のボールもよく使われていた。今レジ袋が今問題視されているが、レジ袋がダメボウリングの球が良い道理はない。そういう観点からタモリは月に相応しくないと思う。

安全保障

タモリ祖父満州駅長をやっていたらしい。駅長というとJR私鉄駅長想像しがちだが、満鉄駅長はそれらとはまったく意味が違う。満鉄鉄道を敷くだけでなく病院学校や様々なインフラを整備し、駅の周辺の行政権を持っていた。企業国家運営するSF作品はよくあるが、あの時代満州は既にそれを実現していたのだ。そしてタモリ祖父はその中で一定職務を務めていた。もしタモリ祖父のその才覚を引き継いでいるとしたら、それはある視点では適任だと言えるだろう。しかしいつ何時タモリ月の裏側軍事基地を建造し地球に侵攻して来ないとは言えない。

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