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はてなキーワード: 国民国家とは

2023-11-20

anond:20231120062617

支持率が下がることこそが民主主義って側面はあるよな。個人にはそれぞれ事情があって、それらを尊重するのが国民主権なわけで。

人権とか国民国家とかっていう概念発明するのにさんざん血を流してきて、もうええやろって思う。

2023-10-31

anond:20231030180655

はてな自民党を悪として意見を一様にはするけど、いざ代わりは誰に任せるかという話になると、

途端にしどろもどろになって、それぞれが点でバラバラなことを言い始めるんだよな

要するに、具体的な政権交代イメージも、そのつもりも誰も本当にはなくて、

から意見をまとめることもできなくて、支持政党はいつまでもバラバラのまま、

そのことを指摘されれば、それは野党側の政治家責任とか言ってお茶を濁して、

支持者の側から団結して立ち上がる気概もなにもなく、のエネルギーは何十年も自民党批判に費やしてきただけ

自民党のように流れない水は腐るのであれば、同じことを今までずっと続けてきてるはてなだって十分腐ってるだろ

自民党がそうであるように、はてな蔓延有権者たちもまた悪性の存在であることには変わりない

こう言うと、今度は権力がどうの言い始めるんだろうが、曲がりなりにも国民国家なんだから国民にも権力はあるだろ

そんなに今の政権が気に食わないなら、さっさとそのご大層な正義で団結して打ち倒せばいいだけの話だろ

それをやらないということは、絶対的な悪を仕立て上げて、それに向かって唾を吐くこと自体がすでに好きになってるんだよ

anond:20231030180655

はてな自民党を悪として意見を一様にはするけど、いざ代わりは誰に任せるかという話になると、

途端にしどろもどろになって、それぞれが点でバラバラなことを言い始めるんだよな

要するに、具体的な政権交代イメージも、そのつもりも誰も本当にはなくて、

から意見をまとめることもできなくて、支持政党はいつまでもバラバラのまま、

そのことを指摘されれば、それは野党側の政治家責任とか言ってお茶を濁して、

支持者の側から団結して立ち上がる気概もなにもなく、のエネルギーは何十年も自民党批判に費やしてきただけ

自民党のように流れない水は腐るのであれば、同じことを今までずっと続けてきてるはてなだって十分腐ってるだろ

自民党がそうであるように、はてな蔓延有権者たちもまた悪性の存在であることには変わりない

こう言うと、今度は権力がどうの言い始めるんだろうが、曲がりなりにも国民国家なんだから国民にも権力はあるだろ

そんなに今の政権が気に食わないなら、さっさとそのご大層な正義で団結して打ち倒せばいいだけの話だろ

それをやらないということは、絶対的な悪を仕立て上げて、それに向かって唾を吐くこと自体がすでに好きになってるんだよ

2023-10-05

川口地元民より、氏族社会についてとか

まれは違うが、川口10年以上暮らし、その後蕨に2年半います

記事にある通りクルド人の方たちが暮らしているのは芝のあたりなので、自分が住んでいるエリアとは離れています

とはいえご近所ネットワークで色々噂がないわけではなく、また現住所近くにもそれっぽい方たちが暮らしていますが、ご近所付き合いの範囲では特に恐ろしい話などは聞きません。

まぁ、道端でやたらデカい声で話している外国人とか、食べかすの鳥の骨とかを空き地に捨てる人なんかはいますが、クルド人なのかどうかは知らないし、日本人でもガラの悪い人が割りと多いので(笑)外国人から特にどうというのはありません。

割りと近所付き合いがあるので、お友達には外国出身日本とのミックスなど色々いますが、特に問題もないし彼彼女らについて悪く言っているのも聞いたことがありません。

記事の続きに「外国人は既に共生している」とあって言い得て妙だと思いましたが、共生とか大げさなワードを使わなくてもその辺に住んでて勝手に「共存」しているし、大体人間なんてほっとけば多様なんだから、「多様性」とか掲げなくても特に頑張らなければ勝手に多様です。

一部の吹き上がっている人みたいのが無用な「頑張り」をしているだけだと思います。その「頑張り」が信義信条によるものなのか、強迫観念的なものなのか、お金のためなのかは知りませんが。

たまたま当方アラブ地域にまあまあの期間暮らし経験がありアラビア語もわかるため、普通の日本人よりはいくらか「その辺のノリ」が理解できます

もちろんアラブクルドは違うのですが、氏族社会的な要素が多かれ少なかれ残っていることでは共通していますエジプトでは「タール」と呼ばれる仇討ちの習慣が割りと最近まで残っていて、氏族の一人がやられたら相手氏族の一人もとっちめる、その相手がなんの罪も犯しておらず、何なら事件当時生まれてなくてもやられる、みたいのがあったようです。今ではコミカル映画ネタになっています)。

クルド人問題で「血縁者が病院に集まって業務妨害」みたいなニュースがあり、まぁ業務に支障が出たならこれは確かに問題なので、(暴走車や過積載車と同じように)(日本人外国人区別なく)犯罪犯罪として取り締まってほしいですが、「血縁」というのは誤解があるなぁ、と思います

この辺は高野秀行さんのソマリランドについての本などを読んで頂けると一番てっとり早いのですが(当方高野さんのファンで、本はほとんど読んでいます)、氏族というのは丁度日本戦国大名とか、ヤクザの親子盃みたいな「仮想血縁」であって、文字通り本当に血が繋がっているとは限りません(もちろん繋がっていることもあります)。ある種の契約関係みたいなものです。

この「仮想血縁」というのは人類史的に多分かなり広く深く見られるもので、現代日本でもマイルドヤンキー層は「兄弟分」みたいな絆を大切にすることが多いですし、ほんの少し前、昭和高度成長期くらいまでは「血の繋がっていない家族」みたいのは割りとよくあったと思います昭和アニメでは実子でない子とかよくわからない居候とか登場しますよね)。

この「仮想血縁」はびっくりするくらい網の目のように広がっていて、丁度暴走族のチームが場合によって法律よりチームの掟を重視するように、氏族の繋がりを国民国家の法に優先するケースがあります

そういう意味では国民国家と相性が悪いのは事実で、国民国家幻想奇跡的にうまくハマってしまったアジア小国にあっては氏族文化の人たちとの軋轢が生じやすい傾向はあるかもしれません。

ただ「仮想血縁社会世界のかなりの地域に多少なりとも残っていますし、例えば自分が何らかの事情外国に暮らさざるを得なくなってしまった状況を想像すれば、そうした人の繋がりを大切にするのは理解できなくもないでしょう。

結論としてはしょーもないですが、もういるものはいるし、別に常に問題を起こしているわけでもなく、逆に人は日本人だろうが外国人だろうが時々問題を起こすものなので、ぼちぼちやっていくしかないです。

あんまり強い縛りとか理想とか持たないことです。「こんなもんやろ」で手を打ちましょう。

さらに余談なのですが、「仮想血縁」とか言っていますが、そもそも血縁自体がもとから仮想的です。

もちろん生物学的な血縁は間違いなくあるし、今ならDNA検査なんかで同定できますが、ちょっと前まで母はともかく父は誰だかわからない、なんてのは普通にあったでしょう。

「父」は元々生物学的父というよりむしろ象徴的な存在です。

そして象徴的「父」を基準に考えられた「血縁」もまた、生物学的というよりは象徴的・言語的に構成された仮想物です。

そういう仮想物を大切にして生きてきたのが人類ということです。

犬は自分のお父さんとか全然気にしません。うちにも犬がいて、実のお父さんと会ったことがありますが、特に親子の対面的なものはなかったです。

2023-04-15

anond:20230415161057

アメリカフランスも、国民国家はだいたいそうやって出来上がっとるんやで。

で、革命権なんてものを掲げ革命正当化しつつ、大統領暗殺した奴は即射殺か死刑

テロリスト擁護する理屈にはならないのよ。

2023-02-05

教育大事

まだ「国力ガー」、「国家ガー」、「少子化ガー」、「国益ガー」、「防衛ガー」と言っている人を見ると「未だ国民国家的な世界観で生きてるんだ⁈」とびっくりする。学位を持ってる人でもその有様。私も両親も友人もみんな宇宙船地球号世界市民主義者から国民国家とかナショナリズムなんて幻想だと思ってた。やはり、劣悪な教育や家庭環境が人をナショナリストにするんだろうか。

2023-02-01

国民国家戦争に強い。王様ポケットマネーで雇った傭兵は金だけの繋がりだから、命が危うくなると逃げ出す。国民国家徴兵された国民は、戦争当事者から死ぬまで戦う。

みたいなの聞いてホンマかいなと思ってたけど、21世紀ネトウヨの多さを見ると強ち嘘でもないような気がしてきた。

2022-11-24

anond:20221124073539

左翼

社会主義

左翼

資本主義格差が激しくてついていけないから、もっと平等で公正な社会を目指そうぜ、という感じ。

社会保障を充実させたり、富の再分配をしたりする。

共産主義マルクス主義)と社会民主主義に大別される。

共産主義マルクス主義

左翼テロリストとかまでいくと極左

資本主義によって、土地工場などを私有する資本家労働者をこき使って搾取するようになったので、それを打破して平等社会を目指す。

そのためには、労働者自身土地工場などを管理する体制プロレタリア独裁)を武力を用いてでも築くべきだ(暴力革命)、という感じ。

暴力革命志向するテロリストや、スターリン毛沢東のような独裁者を生み出した。

社会民主主義

中道左派北欧福祉国家など。

マルクス主義反省して、暴力革命プロレタリア独裁否定し、民主主義を通じて政府に働きかけ、平和的に社会主義を達成しよう、という感じ。

自由主義

政治面においては「俺たちには自由に生きる権利があって国王貴族でさえそれを侵害できないぜ」という感じ。

民主主義共和主義志向する。フランス革命時における「左翼」。

経済面においては「俺たちが自由商売すれば自然バランスが取れるんだから政府は余計な口出しすんな」という感じ。

資本主義市場主義志向し、個人権利を重視して「国家権力は小さくあるべき」と考える。

社会自由主義」の台頭後は、区別のために「古典的自由主義」と呼ばれる。

社会自由主義リベラル

中道左派。いま日本で言われているところの「リベラル」。

古典的自由主義のように野放しにしていると、差別格差が広がって個人自由制限されるから、むしろ国家権力が介入して積極的差別格差是正すべきだ、という感じ。

新自由主義ネオリベ

リベラルとの対比で中道右派と見なされる。

社会自由主義反動から、一周して古典的自由主義に戻ってきた感じ。

自由市場を実現するために、規制緩和をしたり、法人税を下げたり、国営企業民営化したりする。

保守主義

右翼

何らかの急進的な政治運動に対して、それに反対する立場が「保守」と見なされる。

それぞれの政治体制歴史的経緯によって何が「保守」となるかは異なってくるが、現在日本においては、政治的には「国家主義」を、経済的には「新自由主義」を指すことが多い。

国家主義ナショナリズム

基本的には右翼排外主義全体主義までいくと極右

もとは自由主義と連動していて、誰かに支配されたりするのではなく「俺たち」が中心となって行動すべきなんだ、という感じだった。

しか国民国家が成立して「俺たち=国家」となると、「おまえも俺たちと一緒だよな」と均質化を強要したり、「おまえは俺たちと一緒じゃない」と排外主義になったりした。

「俺たち」を結びつけるものは「民族「家族」宗教」「伝統文化」などであることが多い。

さらに行き過ぎると「個人権利よりも国家利益が優先される」という「全体主義ファシズム)」となる。

右翼

2022-10-21

憲法政府を縛るものというデマ』のブコメに対する反論・返信

憲法政府を縛るものというデマanond:20221020172754

増田の説は本質的に『十七条憲法憲法だ』と変わらん。日本国憲法は『立法権制限する事で人権保障』する市民革命思想の流れを汲む近代憲法共産圏憲法はその流れと異なるから価値観を共有しないとされる。

『十七条憲法憲法だ』というのはかなり乱暴な要約だけど、まさしくその通り。しかし、市民革命思想を『立法権制限する事で人権保障』と表現するのは意味不明だ。人権のために制限したのは行政権であり、その方法三権分立ということすら理解していないのだろう。

共産圏国家憲法との比較は例として出しただけであり、国が違えば国家統治方法も異なるので憲法が持つ価値観が異なるのも当たり前だ。共産圏国家の例示で的を得ないようなら、コーラン憲法としてるイスラム国家でもよい。

直球のアレ来た。この内容について語りたいなら、「外見的立憲主義」という言葉意味くらいは調べてこよう。今時、中学生でも勉強を真面目にしていたらこレベルのことは言わないと思う。

先進国現在憲法が正しいのであり、そうでない国家憲法は「外見的立憲主義」だから誤った憲法だと主張したいのはよくわかった。しかし、憲法絶対的な正しさを求める精神は、盲目的に宗教信仰する狂信者思想と同じとしか思えない。「中学生でも勉強を真面目にしていたら…」の文言から論理的思考力の欠如が垣間見える。

こういう増田って「国民国家」の意味を知らないのだろう。自分自動的に一丁前の国民だとでも思っているのか。日本は「王政封建制」を「国民国家」に改造するために憲法を持った。その役目は、政府権限制限や。

たか現代憲法こそが真の憲法であり、その価値観に反するもの憲法ではないという意見だ。大日本帝国憲法のことは、憲法の名がついてるだけで憲法ではないと、頓珍漢な主張をするのだろう。

勉強になるブコメがたくさんついてる、良かったね! 知らないことを知らないと言うときに「デマ」って言葉を使うのはやめようね。

デマ」という言葉はただの釣り餌。釣れたのは知らないことを訳知り顔で語るブコメばかりで、勉強にはならなかった。

憲法学的に言いたいことはいろいろあるが、国語的な増田定義によっても、憲法が国の統治方法を定めてるから、国を統治する政府憲法の定めに従って統治する必要がある、すなわち政府憲法に縛られてるんじゃない

そこでいう憲法形式的意味憲法を指していないのでは/憲法改正の限界を超えた(n月革命を引き起こす)「改憲」はあり得るんじゃないの?

前者のブコメに対しては後者ブコメで完全に反論しているので、私から特にコメントはなし。『憲法改正の限界』は無限界説のほうが正しいのは歴史的事実として明らかだ。憲法という言葉権威付けしようとも所詮人間の作ったルールしかないことを、後者ブクマカはよく理解できていると思う。

デマだと断じるから何かと思った。すべての憲法の基本書の最初の章に書いてあることなので、それくらいは読んでから主張してほしい。

『すべての憲法』はさすがに主語が大きすぎる。『フランス革命の流れを汲む近代憲法』くらいの主語にとどめるべき。日本欧米以外の国の憲法を知っているわけではないのに。

意味論的憲法だ。どんな実益があるんだこの説明と感じた思い出があるけど、細かく整理したうえで示しておかないと解像度が低いままトンチキなことを言いだす人が一定数出てきちゃうからなんだろうな。

同意なので反論は無し。論理ではなく世界史宗教価値観憲法理解している人ばかりでうんざりなのは、この人も感じていることだろう。

デマじゃなくて、立憲主義です

笑った。確かにそうだ。

日本国憲法以外の憲法の話をする意味ある?

最初から日本だけに限らない憲法全般の話をしているけど、それすら理解できていないとは驚愕だ。

日本国憲法日本独自で作り上げたものではなく、欧米憲法価値観のまぜこぜで作られたことすら知らないのだろう。

2022-10-16

anond:20221016135212

いわゆる左派の主張する大きな政府とか福祉国家というビジョンフランス革命以後の国民国家を前提にしていて、その限りでナショナリズム自体左派にも内在している。順序としてはリベラル価値観である個人権利擁護するためにナショナルな団結を要請したわけだ。

ここから個人権利をラディカルに主張して国民国家を含めたナショナルもの解体にまで行くと左翼極北アナーキズムに至る(共産主義の最終目的地でもある)。

他方で右翼場合一般的にはナショナリズムを前提としてその限界内で個人権利を認めるという形になる。

まり左翼にせよ右翼にせよ市民革命以後、国民国家以後の概念なので、前提としているところはそう変わらず、個人権利ナショナリズムをどう位置づけるかに相違がある。

からナショナリスティックな左翼もありうるし、リベラル右翼もありうる。

これが極右極左になると、どちらも国民国家以後の「近代」という枠組みからの脱却を志向するものになる。大ざっぱに言えば、極右近代以前に近代の超克を求め、極左近代以後を想像する。

2022-10-13

沖縄を巡るリアリズム

国の中央沖縄を利害を共にしない別個の主体であるとすると、沖縄にとって不都合中央にとって都合がいい選択がなされるのは、それが中央にとってコスパがいいかである。利害を共にするなら、沖縄にとって不都合なことは中央にとっても不都合なのだから、なされないはずであるしかるになされているのだから、利害を共にしないとの前提は、正しいものとして議論を進めても差し支えない。

利害を共にしないことが事態の根元にあるのだから、このふざけた盤面をひっくり返すには、利害を共にせざるを得ない泥沼に引きずり込んでやればいい。究極的には、中国の傘下に入ることだ。なあに、島津侵略以前は中国のみの属国だったのだから伝統的にはむしろその方が自然だ。香港を見ろ、ひどいことになるぞって? 香港ぞんざいに扱われるようになったのは、上海を筆頭に中国経済が発展し、相対的香港価値が下がったが故。日本中国に膝を屈しない限り、対日本最前線地政学価値は下がらんよ。沖縄にとって中国が気前のいいパトロンであり続けるよう、せいぜい頑張って中国に張り合い続けてくれたまえ。すなわち、日本が栄えれば沖縄も栄え、日本が没落すれば沖縄も没落する。ほら、両者の利害が一致したw

実際のところ、中国陣営入りは実現しなくてもいい。現時点において、安保コスト沖縄偏重させることのコスパがよいのは、どんなにひどい扱いをしても沖縄中国側に鞍替えすることはない、とナメくさっているからだ。俗に言う、釣った魚には餌をやらない、ってやつだね。餌代がいらないw それが、あまりひどい扱いをすると中国側に走りかねないとの可能性が僅かではあっても頭をよぎれば、餌をやらざるを得ない。

沖縄中国陸海空軍駐屯すれば、九州に今の規模をはるかに上回る即応力を置き、エネルギ源輸入海路防衛に多大な労力を割き、西太平洋に散らばる戦略原潜監視し、とそのコスト防衛費対GDP3%なり5%なりといったレベルに達し、2%に増やすどころの騒ぎではないだろう。台湾への外交支援も桁違いに増やす必要が出てくるだろうし。それを思えば、今の沖縄予算を2倍や3倍に増やしても安いもの。それを中央の連中に思い出させるためにも、「ナメられたら殺す!!」覚悟をかためないとね。

ーーーーーーーーーー

ってなことへの想像力を、小渕元総理沖縄サミット開催決定ぐらいまでの政治家は持っていたと思うんですよ。カネもあるけど、それ以上に、19世紀以来の国民国家というフィクションを守るためのナラティブといいますか。太田中将島田知事顕彰代表例だけど、沖縄の人々も同胞=利害を共にするんだって沖縄返還も、本音での認識はさておき、アメリカ軍政に苦しむ(令和の世の基地問題ですらアレなのだから、当時のそれは推して知るべし同胞包摂するとの建前は大事にしていた。それが、中国がさほどの国ではなかった頃には受け継がれ、中国が少なからぬ面において日本を上回る今において忘れ去られつつあるのは、何と皮肉な話でしょう。

こんな駄文をしたためているのは、例のひろゆき騒動トリガーなんだけど、昭和世代保守じじいとしては、ああいった沖縄の人々とそれ以外の日本人を切断する言葉(とりわけ、沖縄の人たちのしゃべり方を揶揄するもの宗教的絆帯のない日本にとって、言語の一体感が果たす役割は極めて大きいはず)は許しちゃイカンと思うのですよ。キレイゴトであることは百も承知で、沖縄米軍基地偏重していることは、将来において解決すべき課題だと非沖縄在住日本人も認識を同じくしているのだ、という看板は、守り続けなきゃいかんのですよ。打算的に。

2022-09-11

環境破壊活動推進派から石を投げられる

俺は増え過ぎた人類地球資源を使い果たして地球人類が共に滅びることに反対だから子供は産まないし産むべきでもないって考えてるんだよね。世界じゃ懸念されてるのは少子化問題ではなく人口増加問題。もちろん永久子供が増えず人類が滅びるわけにはいかないので、子供を産むことが悪だとは思っておらず、少なくとも現時点で、という意味。どんなに自制を求めても家族計画教育の浸透していない地域人口は増え続けるから家族計画教育が浸透している理性のある人間が自制すべき。

世界で増えてても、日本人口が増えなきゃ国力が落ちるだろ!」

え?2022年にもなってまだ国民国家ごっこしてるの?俺はとっくに世界市民主義者だけど?宇宙船地球号クルーだけど?

2022-08-06

近代国民国家から宗教を分離することは原理的に不可能

土地があって支配者と被支配者がいるという封建的国家から民族という共同幻想をもとにして作り出されたのが近代国民国家なのであって、その過程で生み出された政教分離原則などはつまるところ国民国家という超宗教をその他あらゆる宗教の優位する唯一の国教として定めるという宣言に他ならない。

もし政治から宗教的なものを完全に分離しようと思うのなら、「国民」は消滅しわれわれは名もなき農夫に戻ることになるだろう。

2022-07-01

anond:20220630131222

平和福祉の党ねぇ…

いや、良いんだよ。どこの政党も「うちは平和福祉政党です!」って思っているし、言う分には何も阻むことは出来ないからね。

外国人参政権」を当たり前のように正当化しようとするのは、近代国民国家民主主義破壊だし、それを疑うこともなく嬉々とここに投稿することに眩暈がするよ。

ほんと、共産党には賛同出来ないことが多いけれど、宗教政党への対抗組織としては応援する他が悔しいね

anond:20220630131222

平和福祉の党ねぇ…

いや、良いんだよ。どこの政党も「うちは平和福祉政党です!」って思っているし、言う分には何も阻むことは出来ないからね。

外国人参政権」を当たり前のように正当化しようとするのは、近代国民国家民主主義破壊だし、それを疑うこともなく嬉々とここに投稿することに眩暈がするよ。

ほんと、共産党には賛同出来ないことが多いけれど、宗教政党への対抗組織としては応援する他が悔しいね

2022-04-16

教科書無償は当たり前じゃないし、先人の恩はありがたく享受しなよ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1873394

教科書無償は今では当たり前に思ってるかもしれないけど、戦後日本国憲法が制定されて即時に無償制度ができたわけではない。

戦後でも農作業を優先させるため学校行かせるより仕事優先させようとしてた家だってあったし、特に女子には教育不要、むしろ有害と思う文化だって残ってたなかで有償教科書買ってもらえない子はいた。

(もちろん買ってもらえないことの直接的な原因は貧しさからだが)

 

国民全体の願いをこめて、」とかの文言教科書無償運動の結果、子どもたちだけでなく、教職員保護者に向けて子どもの学ぶ権利とそのツールとしての教科書(と学ぶ権利)を守るための文言

どちらかというと、教科書無償権利を守るために引っ張りだされている言葉としての「国民全体の願い」だよ。

なろう系のテンプレじゃないけど、教科書捨てられるとか汚される系のいじめ昭和結構あったし、平成、令和でも完全に根絶してないでしょ。いじめのもの問題ではあるけど人の教科書を粗末にするのは重い過失だと理解してほしい。

 

日本国憲法前文の「日本国民は、~政府行為によつて再び戦争惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」に近い意味での国民全体の願いだよ。

国民政府の構図

 

政府行為によって教科書無償がなくならないように、国民全体の願いによって国に税金で出させているってこと。

から政府が偉そうに恩着せがましく施してやってるって内容ではなくて、むしろ国民が」政府へ求めた権利としての税金の使い方という内容だよ。

 

今回の話は、恩着せがましいの勘弁って、親がツイートしてるのがスタートだけど、先人の勝ち取った権利とそれを大事にって内容をみて恩着せがましいことは書くなってのは恥ずかしいよ。

政府に向かって恩着せがましいと言っているつもりだったかもだけど、国民政府の構図の中で政府に認めさせた先人たちからもらった権利・恩を享受してるんだからそのことは知っておいた方がよい。

恩を受けているのは政府にではなくて、二~三世代くらい前の無償化を制度にまで認めさせた国民に対してだよ。(昭和30年代に子どものために頑張った親たち)

恩を着せられたっておこるのではなくて、次の世代に渡していく必要があるよ。

 

あと、どちらかというとリベラルな人たちが勝ち取って、揺り戻しで後退させないために行われてる啓蒙が、約二~三世代程度の時間が過ぎただけで

どちらかというとリベラルな人たちにより「恩着せがましい」とか批判されてるのって、まるで歴史教科書を焼いてるようなものだと思う。

 

教科書はタダが当たり前なんだからとおもってたら、歴史的に勝ち取った権利が失われるのは、そんな劇的な歴史事件がなくてもさらっと起きるよ。

国の制度としての話なので国民国家的な色合いが強かったり、教科書検定制度とか

教科書についてはいろいろあるので、教科書に関すること手放しで礼賛とは思わないが、享受できている制度でもあまり当たり前だと思わない方がよい部類の事だと思う。

教科書無償は当たり前じゃないし、先人の恩はありがたく享受しなよ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1873394

教科書無償は今では当たり前に思ってるかもしれないけど、戦後日本国憲法が制定されて即時に無償制度ができたわけではない。

戦後でも農作業を優先させるため学校行かせるより仕事優先させようとしてた家だってあったし、特に女子には教育不要、むしろ有害と思う文化だって残ってたなかで有償教科書買ってもらえない子はいた。

(もちろん買ってもらえないことの直接的な原因は貧しさからだが)

 

国民全体の願いをこめて、」とかの文言教科書無償運動の結果、子どもたちだけでなく、教職員保護者に向けて子どもの学ぶ権利とそのツールとしての教科書(と学権利)を守るための文言

どちらかというと、教科書無償権利を守るために引っ張りだされている言葉としての「国民全体の願い」だよ。

なろう系のテンプレじゃないけど、教科書捨てられるとか汚される系のいじめ昭和結構あったし、平成、令和でも完全に根絶してないでしょ。いじめのもの問題ではあるけど人の教科書を粗末にするのは重い過失だと理解してほしい。

 

日本国憲法前文の「日本国民は、~政府行為によつて再び戦争惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」に近い意味での国民全体の願いだよ。

国民政府の構図

 

政府行為によって教科書無償がなくならないように、国民全体の願いによって国に税金で出させているってこと。

から政府が偉そうに恩着せがましく施してやってるって内容ではなくて、むしろ国民が」政府へ求めた権利としての税金の使い方という内容だよ。

 

今回の話は、恩着せがましいの勘弁って、親がツイートしてるのがスタートだけど、先人の勝ち取った権利とそれを大事にって内容をみて恩着せがましいことは書くなってのは恥ずかしいよ。

政府に向かって恩着せがましいと言っているつもりだったかもだけど、国民政府の構図の中で政府に認めさせた先人たちからもらった権利・恩を享受してるんだからそのことは知っておいた方がよい。

恩を受けているのは政府にではなくて、二~三世代くらい前の無償化を制度にまで認めさせた国民に対してだよ。(昭和30年代に子どものために頑張った親たち)

恩を着せられたっておこるのではなくて、次の世代に渡していく必要があるよ。

 

あと、どちらかというとリベラルな人たちが勝ち取って、揺り戻しで後退させないために行われてる啓蒙が、約二~三世代程度の時間が過ぎただけで

どちらかというとリベラルな人たちにより「恩着せがましい」とか批判されてるのって、まるで歴史教科書を焼いてるようなものだと思う。

 

教科書はタダが当たり前なんだからとおもってたら、歴史的に勝ち取った権利が失われるのは、そんな劇的な歴史事件がなくてもさらっと起きるよ。

国の制度としての話なので国民国家的な色合いが強かったり、教科書検定制度とか

教科書についてはいろいろあるので、教科書に関すること手放しで礼賛とは思わないが、享受できている制度でもあまり当たり前だと思わない方がよい部類の事だと思う。

2022-02-22

1分でわかるウクライナ歴史

16世紀ポーランドなんや荒野に『コサック』っていう連中が住み着いてオスマン帝国を襲撃して略奪しとるわ…怖…」

ポーランド自治を認めたるからワイらのためにオスマン帝国と戦ってくれや」

コサック「やったりますわ」

1648年:フメリニツキーポーランド貴族どもが横暴やからコサックのみんなを集めて独立するで!」

→「ヘーチマン国家誕生現在ウクライナ中部あたり)

1654年:フメリニツキー同盟しとったクリミア国に裏切られたから、ポーランドに対抗するにはロシア保護下に入るしか無いわ…」

ロシア共通先祖から分かれた兄弟がまた元通りひとつになれたんやね(にっこり)」

ロシアウクライナ共通の源流にキエフ大公国があり、ロシア的には「生き別れの弟が兄を慕ってやってきた」みたいに受け取ったらしい

1656年:フメリニツキースウェーデンに対抗するためにポーランドロシア同盟結んだんやて! ほならスウェーデン同盟してまた独立や!」

1657年:フメリニツキー「と思ったけどワイはこれまでや…ほな…」→死去

1667年:ヘーチマン国家「フメリニツキーが死んだら内戦続き、結局はポーランドロシアに分割されてしまったやないけ…こらあかんわ…」

→以降、ポーランド側は「右岸ウクライナ」、ロシア側は「左岸ウクライナ」として統治され、徐々に自治権を奪われて滅亡。

1783年ロシア帝国「ワイら上り調子で『ロシア帝国』名乗らせてもらってます。そんでオスマン帝国に勝ってクリミア半島も併合したったで!」

オスマン帝国支配下にあったクリミア・ハン国がロシア帝国に併合される

1793年ロシア帝国「かつての強国・ポーランドも虫の息や。戦争に勝って右岸ウクライナをもろたで!」

1853年ロシア帝国「オスマン帝国戦争してたら何故かイギリスフランスとも戦うはめになってしまったで!」

クリミア戦争開始

ロシア帝国「クリミア戦争ほとんど負けやった…ワイらは遅れとるわ…」

19世紀ウクライナ「周りの国は民族主義とか国民国家とか盛り上がっとるみたいやで…ワイらもそろそろ『コサック国家』の復活を目指すべきちゃうか?」

1917年ロシア帝国「第一次大戦では敗色濃厚…何もかもうまくいかんまま共産主義者どもにやられてもうたわ…ほな…」

二月革命十月革命帝政ロシア終了→ソビエトロシア樹立

1918年ウクライナ「うおおおお!!! これを機にワイらは独立するで!!!

ソビエトロシア「許しまへんでー」

ソビエトロシア勝利ウクライナ傀儡国家

1922年ソビエトロシアソビエト連邦っちゅうのをつくるんでウクライナくんも参加してくれや」

1932年ウクライナ「作った小麦がぜんぶロシアに奪われて飢饉ヤバいねんけんど…」

→「ホロドモール」と呼ばれる飢饉で数百万人が死亡

1941年ウクライナ「ワイらの国が戦場になって国民が死にまくっとんのやけど…」

独ソ戦で1000万人前後が死亡

1986年ウクライナ「ワイらの国に建設された原子力発電所が爆発したんやけど…」

チェルノブイリ原子力発電所事故

1991年ウクライナソ連崩壊した! ついにワイらが独立するときが来たんや!」

ウクライナ独立

2004年ウクライナ独立したとはいえ未だロシアの影響は大きい…EUに加入すべきやないか?」

ウクライナ大統領「でもワイは親ロシア派やねん!」

ウクライナ不正選挙やろ!」

親ロシア派当選した大統領選への抗議運動が盛り上がり再選挙で親EU派が当選オレンジ革命

2010年ウクライナ「あれからEU派は内部抗争でグダグダしとるで…今回の大統領選はどうなるんや…」

大統領選で親ロシア派当選

2014年ウクライナ大統領マジで経済ヤバいんや! EUよりも今はロシアから融資をもらっとこうや!」

ウクライナ「は? なんでEUとの協定拒否すんねん!」

→大規模な反政府デモが勃発して大統領が逃げ出す

ロシア親ロシア派が多いクリミア半島は『もうロシアに入りたい』言うてまっせ」

ロシアクリミア派兵

クリミア「ワイらはウクライナから独立してロシアのお世話になりますわ」

2022年ウクライナ「ずっとロシアとの小競り合いが続いてるしヤバいやろ…NATOに入らせてくれや…」

ロシア「許しまへんでー」 ←いまここ

2021-12-27

お返事ありがとう

真面目に答えてくれる人がいたので、やりすぎると増田らしくないけどちょっとだけお返事します。あと、全体に増田の言ってることはよく理解できるので、特に異論のないとこは省略するよ。

まず「更生と刑は両立する」のくだりについては、「それは日本制度おかしいのでは?」としか言いようがない。わざわざ更生させといて、それから殺す。それに何の意味があるのだろう、って、合理的思考ができる増田不思議に思わないだろうか。だいたい、裁判でも「改悛の情が明らか」であることが減刑理由にはなるよね。懲役刑だって反省態度で仮釈放までの期間が変わる。これは実質的減刑じゃないかな。駐車違反ネタに「反省したら刑が割引なんてないでしょ」という理屈は、ちょっと納得がいきかねるね。

次に「国家」という仕組みへの不信の話。

国家を信じないなら何を信じるのか、というのは旧きリベラリズムにとっての急所だし。そもそも国家が信用ならないなら、終身刑のほうが不安だ。国家が正しく終身刑をやりとげる、という「国家への信頼」はいったいどこから発生するのか。

実は君はここで、致命的なスキを晒していると俺は思う。

なるほど、立場が変われば見方も変わるものだなあ、と感心しながら読んだ。増田の周りの「旧きリベラリスト」たちは、そこで沈黙したのかなあ。

まず、増田国家を信頼し、犯罪者を「裁く」目線で物を言ってる(一応言っておくがそれがいい悪いという話じゃない)よね。一方、旧サヨク共感する私としては、国家というモノにいつ何時理不尽に「裁かれ」「殺されるかもしれない」という目線で物を言ってるんだよ。だから国家終身刑を「やり遂げる」ことができないとしても「ああ、やっぱりな」と思うだけだ。終身刑を誤るなら、死刑だって誤るだろう。そして、後者を誤るよりは前者を誤る方が、取り返しがつくだけマシだと思う。だって終身刑を失敗して誤って仮釈放してしまったとしても、誤りが判明したらもう一度収監することである程度取り返しはつくけど、「間違って死刑しちゃったわ(テヘペロ)」だと何をどうやったって取り返しなんてつかないんだから。(ここでも、増田は多分誤って釈放された凶悪犯を想定するだろうね。そして私は誤って殺される無実の囚人想像するわけだ。これは価値観問題、物の見方の違いとしかいいようがない。)

ついで、「国家に代わる何があるのか」「それが旧リベラルの弱点だ」と増田は言うけど、現代だって日常的に人々が信じているのはもっと身近なコミュニティや属する組織なんかであって、「国家」などという漠然としたものによっかかって生きてる人って、霞が関の中にもあまりいないんじゃない? いたらあんなに不正がはびこらんでしょ。ああい不正って、国家とかそういう漠然としたものじゃなくて、自分の目の届く範囲の狭い狭いコミュニティに殉じるからこそ起きるもんだよね。小さな組織、小さなボス、それに従うから、大きな外から見たら「不正」としか見えないことに手を染めるわけで、彼らがいくらお国の為」と口にしようと、それは口当たりのいい欺瞞に過ぎないくらいのことは、増田だって分かってるだろう。

それに、たとえば終戦直後国家国家として機能していなかったときも人はそれなりにたくましく生きていたわけで、国家がなけりゃ人はない、なんてことはない。もちろんそれが理想的社会だったとは別に言わないけど、近代国民国家を〈唯一完成した人類社会の最終形態〉みたいに言うとなると、それは無邪気すぎるんじゃないかなあ。国家に不信を抱くのは、むしろ現在未来を生きる人間にとっては必須要件だ、くらいに私は思ってるんだけども。

それから死刑をする最大の理由お金だ、って話。増田はそれを「現実的」な立場で語ったつもりなんだと思う。その現実主義揶揄するわけではないよ。けど、それなら次に述べる四つの点についてどう思うかは聞きたい。

(1)死刑執行にも相当の経費が掛かっているということ。

 一つ例示をしよう。タイトルでほぼオチてるんだけど。

  米各州で死刑制度廃止の動き、経費削減のため https://www.afpbb.com/articles/fp/2572851

 いや、死刑制度を維持するのって、意外とお金かかるんですよ? 「生かしておく方が金がかかるに違いない」というのは思い込みで、文明社会で人一人殺すというのはそんな簡単なことじゃないんだ。日本アメリカ事情は違うと思うかもしれないけど、見方によっては日本の方が"殺し方"としてはより丁寧であって、それはつまり「よりお金をかけて殺している」ということでもあるんだよね。

(2)死刑への投資はリターンを生まないということ。

 さて、そうやって莫大な経費をかけて死刑執行して、それで社会に一体どんなプラスがあるんだろう。増田同意してくれたように、そこには見せしめとしての抑止効果もないし、遺族感情なんて不確かなものは宛にならない。つまり死刑によって得られるプラスなんて、無いんだ。

 一方、終身刑であっても、何割かの囚人がそこで「更生」したとする(何割かの更生は期待できる、という話は前にした)。彼らは自らの体験を語るかもしれないし、それが誰かに影響を与えるかもしれない。「更生」という言葉が語るように、それはプラス効果であるだろうね。事件の全容が「更生」した犯人自身の口から語られることで、社会にあったセキュリティホールを少しふさぐことができるようになるかもしれないし、見落とされていた福祉の穴が埋まるかもしれない。また、道を踏み外しかけた人が、はっと踏みとどまれるかもしれない。何よりも、重大な罪を犯してしまった人でも、心から後悔し立ち直ってもう一度人生を歩もうと思えるようになれるのだ、というロールモデルを示すことは、社会にとって大きなプラスだと思うが、どうだろう。終身刑だって制度としての仮釈放はあるんだよ。

(3)死刑問題の原因追及を曖昧にする。

 前の項目の中にもあげたことだけど、死刑というのは、犯罪の根源についての追及をそこでストップさせてしまう。なぜそんな犯罪が起きたのか、社会はそれとどう向き合うのか。どうすれば類似犯罪は防げるのか。そういった議論を、全て、「我々の社会とは共存できないモンスター」のせいにして、封じ込めてしまうのがぶっちゃけ死刑」という制度なんだよね。そういう目線死刑と言う制度を考えたことはあった? 非文明社会、非文明国なら、それでいいんだよ。というか、それしかできない。たとえば、文明社会から離れた孤島で、30人くらいのコミュニティ原始的生活を営んでいたときに、原因不明殺人が起きたとして、明らかに犯人と分かっている奴がいたとする。そりゃそいつを吊るすしかないよな、なにせ原因が分からないし社会不安を解消する方法がそれしかないんだから。でも、本当は深掘りすれば、殺人衝動を起こさせる風土病が原因だったかもしれないし、殺された奴に原因があったかもしれない。もっと文明が発達して、いろいろと調べる手段があれば、助ける方法があったかもしれないな、と、増田がその島にいたら思うかもしれない。私もそう思うんだよ。現代の「死刑」が、何もかもを明らかにして、完璧に調べつくして、その上で執行されている…というようには見えない。

(4)死刑制度の存置は国際的批判を呼ぶ。

 いや、死刑議論哲学だ、なんて言を弄するのは止めにして、もうこれいい加減真面目に考えるべきなんじゃないかと思うんだけど、世界死刑制度の現況を見てみれば、

A 主な存置国……アジア系(中国韓国)、イスラム系サウジアラビアイランインドネシア)、とアメリカの一部

B 主な廃止国……EUベラルーシ除く)含む国連加盟国の約7割。

……という状況なんだよね。でもって、アメリカもさっきのニュースで見たような状況なわけで。で、君、どっちのグループに入りたいねん! て話なんだよ。こと”人権”という視点世界と向き合う時に、死刑制度を存置しているということは、マイナスに働く要因ではあってもプラスに働くことは一切無いと言える。ここでも死刑制度は明らかに「高く」ついてるんだよ。死刑制度擁護することは、実質的人権問題において、中国イスラムの側に立ちますよと言ってるに等しいわけで、これがリスクでなくてなんなんだろうと思うわけです。

というわけで、増田が「死刑制度を存置するのは、単に経済的合理性のため」という立場を取るなら、以上4点については反論する必要があると思うのだけど、どうだろう。

私は別に「美しい矜持を飾るためにお金払おうぜ」と言ってるわけじゃないし、別に経済的合理的から死刑廃止しようと言ってるわけでもない。私が死刑廃止した方がいいと思ってる理由は、全く前に書いたとおりだ。でも、単に経済的合理性を考えても、実は死刑には合理性がないんじゃないかとは思ってるよ。

以上、ちょっと一つ一つの話にこだわって、全体としては取り留めない感じになったかもしれない。謝っとく。

anond:20211224120436

2021-11-05

眞子氏が大学生活で人間なっちゃった

眞子氏が小室氏と出会ったICUという大学では、入学式で新入生みんなが「学校生活において世界人権宣言を遵守すること」を誓う学生宣誓に署名する。

https://www.icu.ac.jp/globalicu/pledge/

みなさんは、その世界人権宣言の中身ってどんなものか知ってますか。

第一

 すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳権利とについて平等である人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞精神をもって行動しなければならない。

二条

1  すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語宗教政治上その他の意見国民若しくは社会的出身財産門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利自由とを享有することができる。

2  さらに、個人の属する国又は地域独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域政治上管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。

第三条

 すべて人は、生命自由及び身体安全に対する権利を有する。

四条

 何人も、奴隷にされ、又は苦役に服することはない。奴隷制度及び奴隷売買は、いかなる形においても禁止する。

五条

 何人も、拷問又は残虐な、非人道的若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。

六条

 すべて人は、いかなる場所においても、法の下において、人として認められる権利を有する。

七条

 すべての人は、法の下において平等であり、また、いかなる差別もなしに法の平等保護を受ける権利を有する。すべての人は、この宣言違反するいかなる差別に対しても、また、そのような差別をそそのかすいかなる行為に対しても、平等保護を受ける権利を有する。

八条

 すべて人は、憲法又は法律によって与えられた基本的権利侵害する行為に対し、権限を有する国内裁判所による効果的な救済を受ける権利を有する。

第九条

 何人も、ほしいままに逮捕拘禁、又は追放されることはない。

第十条

 すべて人は、自己権利及び義務並びに自己に対する刑事責任が決定されるに当っては、独立の公平な裁判所による公正な公開の審理を受けることについて完全に平等権利を有する。

第十一条

1  犯罪の訴追を受けた者は、すべて、自己の弁護に必要なすべての保障を与えられた公開の裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪推定される権利を有する。

2  何人も、実行の時に国内法又は国際法により犯罪構成しなかった作為又は不作為のために有罪とされることはない。また、犯罪が行われた時に適用される刑罰より重い刑罰を課せられない。

第十二条

 何人も、自己私事家族、家庭若しくは通信に対して、ほしいままに干渉され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。人はすべて、このような干渉又は攻撃に対して法の保護を受ける権利を有する。

十三条

1  すべて人は、各国の境界内において自由移転及び居住する権利を有する。

2  すべて人は、自国その他いずれの国をも立ち去り、及び自国に帰る権利を有する。



これで全部。眞子氏の境遇に照らしてみれば、皇籍離脱前の彼女人権がどれだけ制約されていたかが改めてわかる。民主主義国家標榜する日本で、大半の日本国籍の人々が当然のように享受している人権の多くが制約された、とても特殊立場の人が、自らこの大学への編入を選び、4年間の教養教育人間中心主義(humanism)の理念と気風を涵養され、立派に「人間」になった。というか、人間としての自覚を得た。そういうことなのだ。

天皇は「人間宣言」していない

ちなみに天皇敗戦後に「人間宣言」したと言われているけど、実は「ぼかぁ人間なんです、すまんかった」などとは言ってない。原文の官報詔書新年ニ當リ誓ヲ新ニシテ國運ヲ開カント欲ス國民ハ朕ト心ヲ一ニシテ此ノ大業ヲ成就センコトヲ庶幾フ』(1946/1/1)、別名『新日本建設に関する詔書』に書かれている該当箇所は

朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ、単ナル神話伝説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ民族優越セル民族ニシテ、延テ世界支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ


となっている。「天皇は現御神で、日本国民優越民族で、世界支配する運命にある」という戦前に言ってたことは「架空なる観念」でした、としか言っていないのだ。じゃあ現御神ではなくなった天皇戦後どうなったかといえば、「日本国及び日本国民統合象徴」になった。それはもはや神ではないし、といってただの人間日本国民でもない。それは「日本は一体である」という(敗戦後にギリギリ交渉の結果残すことができた)国民国家ファンタジーをまるごと引き受ける、人間ではない何かだ。天皇皇族は「平和憲法を遵守する新国家」を象徴する「何か」として、常に国民をいたわり思いやる理知的で心優しいファミリー役回りを多世代にわたって演じ続けることになった。それって、ありていに言えば「人形」でしょ。

人形の家には、人間は住めない

かつてのように神聖不可侵でもなく、かといって市民国民としての人権を与えられてもいない「人形」は、やがては人々のおもちゃにされてしまう。今はみんながそれを使って「人形遊び」という娯楽に興じている。政治家宮内庁職員皇室ジャーナリスト評論家らが「本人が言った言葉」とその解釈あいだにいくらでも恣意的な読み替えを挟み込むのも、メディア皇居というドールハウスの内情について真偽不明ゴシップを書き立てるのも、辛酸なめ子倉田真由美赤の他人同士の結婚について大仰に憂いたり消耗したり絶望したりしてみせるのも、本質人形遊びだからだ。相手人間ではないから、そういう非人間的な扱いをしても許されるし、人形のほうが「与えられた役柄」を勝手に逸脱し始めたら嘆いたり憤ったりしてもいいのだ。

本件をイプセンの『人形の家』をひいて論じていたのは、意外なことに山口真由ぐらいだったけど、今回の騒動を見ていて、天皇家が「人形の家」ではないと言い切れる人はだいぶ減ったんじゃないか人形の家には人間は住めない。だから人間になった眞子氏は人形の家を出た。

そろそろ人形遊びを卒業しよう

窮屈な人形の家を、人間が住めるような間取りと風通しにしてやらない限り、そのうちまた同じことが起こるだろう(直近では、同じ大学で同じように「人間」に目覚めてしまった佳子氏にも同じことが起きるかもしれない)。風通しを良くするには、これまで75年にわたって「人形遊び」をしてきた我々自身がこの遊びを卒業して、その他の「市井のなんでもない人々」に接する時と同じような儀礼的無関心を貫くことなんじゃないかと思う。ことさら敬愛嫌悪もいらない。ただの人間として扱い、他のただの人間に抱くような尊重の念を持って接しよう。

2021-10-28

多様性統一」について一言言っておく

共産党擁護する義理はないのだが、共産党が「多様性統一」の標語を掲げた事にあたって、独裁だと揶揄するブコメが目立つんだがこれらの人達どうも意味判ってなくない?

これって頻出スローガンだよ。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/jcp_cc/status/1452192530871697413

 

多文化主義文化多元主義

最近だと多文化主義(multiculturalism)と文化多元主義(Cultural pluralism)の橋渡しというか良いトコ取りの標語として使われる事がある。

 

多文化主義っていうのは人々の属する文化並置されて存在している状態。〇〇人っていう属性、特色を捨てる必要ないよって考え方。でもこれだと国家内がモザイク状になって対立が発生したり、特定宗教原理主義とかはどうする?「自由の敵」に自由を与えて多文化主義の基盤を破壊するのはどうする?って問題が発生する。

 

文化多元主義は色んなオリジンを持つ人々が集まるが、個々人は一つの公共モデルに集約され、主体の改変を求められるって考えだ。

一番有名なのが合衆国の「人種のるつぼ」。

人種のるつぼって色んな人種が居る事を指していると思ってる人が多いが「るつぼ」は坩堝と書いて金属を溶かす溶鉱炉の容れ物だ。だから人種」は溶けて元の色や性質を失っている。

そして坩堝の湯(溶解金属)は型に入れられる。冷えて出来上がるのが「アメリカ人」という合金インゴットだ、という考えに立脚している。かなりイデオロギッシュな言葉なのな、実は。

から結構抑圧的な面があるのな。

 

ハワイ空港名前にもなっているダニエル・イノウエはその尤もなモデルケースだろう。

日本軍真珠湾で奇襲攻撃を掛けてアメリカ戦争に巻き込んだので、ハワイ日系人は立つ瀬がない。そこでイノウエは自分アメリカ人である事の証に陸軍に志願してかの有名な442連隊に配属された。死傷率300%以上という有名な部隊だ。海兵隊では新兵訓練の際に442連隊の事は必ず触れると聞く。「アメリカとは何か」を象徴するからだ。

イノウエはそこで日系人じゃなくてアメリカ人インゴットになった訳だ。戦後政治家となって上院議長まで登りつめた。

からこれ書いてる増田はイノウエに日系人としての親近感なんて抱かない。彼は立派なアメリカ人だった。

この生き方を強いたのが文化多元主義であり人種のるつぼなのだ

 

イノウエの例は戦争という情況が強いた極端だが、この抑圧的な文化多元主義と、バラバラ政治主体としても弱くて実効性にも疑問符が付く多文化主義の良いトコ取りしようぜって言い方で使われることがある。

 

インドネシアの国是「パンチャシラ」

あと有名なのがインドネシアの国是、「パンチャシラ」。意味は「多様性の中の統一」。

インドネシアっていうのはこれはもう完全に人口国家であって「インドネシア人」なんて人種民族も無かった。言語も違う。旧ユーゴと似ている。

そこにまだ統一国家も無いのに「インドネシア人」という国民意識が立ち上がっていった。「国民」はトップダウンだけで出来たのでは無い。

この意識の成立の鍵になったのが植民地下での出版業で、同一言語での大量出版がやがてその頒布される広範囲公共心や共同性を立ち上げる事になった。

これを観察して書かれたのがかの有名なベネディクト・アンダーソン想像の共同体』なのな。アンダーソンはインドネシア歴史研究していて、そこから国民国家の成立を発見したのだな。

 

パンチャシラを提唱したのは国父であるスカルノで、重要理念として憲法前文に入れられた。

共産党を叩いている人の中には旧日本軍人がインドネシア独立に協力した事を重視する人が多いはずだが、インドネシアの有名な国是を思い出さないとはどういう事だろうか?

 

TPP参加決定時の炎上で見たぞこの流れ

この流れはTTP参加決定時に似ている。

民主政権TTP参加を決定した折、ネット大炎上した。すると炎上の仕方が厨房っぽいので一歩ずらして「そもそも米国利権に”環太平洋”と名付けるのがおかしい」とかかしこぶる人が出てくる。

ところが「環太平洋」という概念ソ連との冷戦終結した90年前後からある。そして実際日本の周囲では環太平洋での経済的結びつきが強化されてきた。製鉄大国で「鉄のハブ」になっている日本の最大原輸入国鉄鉱石石炭)は豪州になった。

そういうの知らんのな。知らんというか20年以上知らないを継続してきたって事だ。

 

因みに環太平洋の当初のアニキ役は米国日本が想定されていたが、日本に代わって中国アニキ役になりそうな塩梅になってる。これはGDPの伸びだけじゃなくて、日本震災港湾が壊滅したり鉄道民営化の上に貨物分社化して海コン扱いが出来ないなんてクソ失政を重ねたせいで物流コンテナ、航空)の拠点中国なっちゃったせいだ。

多様性統一」に噛みついた人らは、物流的に日本中国から出てるローカル盲腸線の扱いになってるのとか知ってる?

 

共産党より高いアンテナを持てっての

共産党揶揄したいって気持ちは判るよ。なんせ彼らは「民主集中制」について破棄したのかちゃん説明も総括もしていない。

プロレタリアート独裁だってソ連韓国東南アジア開発独裁の評判が悪くなってから言わなくなっただけであれってどうなの?ちゃんと破棄したのって事は有耶無耶になっている。

欧州なんかは左翼ポピュリズムが押してきているが、そういう訳なのでその流れに乗るの?って事もよー判らん状態

から多様性統一って字面民主集中制そっくりでんなぁ」とかイヤミいうのは判るが、わざわざこんな有名な語彙を出しているのに悪意の解釈しているっていうのは、単に「国民国家の成立とか、多文化主義が起こす軋轢とか、人種のるつぼ本来意味とか、ハワイ空港が何で日系人のイノウエの名前付けてるのかとか、インドネシア建国理念とか知らねぇし、興味も無い生活送ってるんだろうなぁ」という情報しか外部に与えんよ。

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