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はてなキーワード: スポットライトとは

2017-12-29

私と彼との出会いはつい最近のように感じる。

なのに共に過ごした時間はとても長かったように感じる。

これからもとても長くなると思う。彼はもうこの世にはいないけど。

つらかった、おつかれさま、さようなら。と彼は遺書の末尾に書いた。

残念ながら私は外国語が読めないのでツイッター遺書の訳を読んだ。

わかるわけないのに、私は彼の気持ちがわかった。

私は近親者をうつ病自殺で失った。

毎週毎週、連れられて話をしに行った。

「がんばれって言ったらだめ」と言われ、それ以外の言葉で励まし続けた。

それは中学生から高校生まで続いた。

ある日、庭の木に首を吊って亡くなったと連絡が来た。

見つけた家族が、急いで下ろしたとき、体は未だ温かかったらしい。

それでももうこの世には帰ってこなかった。本人の意思だと思う。

悲しい気持ちが無かったわけではないと思うけど

「やっぱり」死んでしまったんだと考えていた気がする。

そのときも、彼が死んだ日のように寒かった気がする。

あのときのことはあまりよく覚えていない。でもこわくはなかった。

彼はずっとつらかった、それに耐え続けたのは健気だったでしょ、と書いた。

さいごまで真面目な彼らしいなと思った。キュートジョークだ。

私が観てきた彼は、どんなステージでも最高に輝いていた。

その素敵な彼を構成する要素のひとつ悲壮感はあったかもしれない。

もともと器用なタイプではないとはじめは思っていたけど

持って生まれた才能と性格が、歌声表現を磨きあげた。

彼のすべてを魅力に変えた。ステージを観る私たちはそう感じたし、

天才努力を誇った。彼の儚さを愛した。

でも、彼にとっては違った。

彼のすべてが彼を追い詰めたのかもしれない。

皮肉なことに彼の周りには多くの愛情しかなかったのではないかと思う。

自身の欲を満足させたい、そして周りの愛に応えたい、心からそう思っていたからこそ

今、ここで、この瞬間に別の道(たとえばスポットライトが当たらない生活)は

彼の中に存在していなかったんじゃないだろうか。

結果、至らない自分に遭遇したとき、逃げ場がなくなる。

さらに強い向かい風、追い風だったかもしれないけど、自分意図しない形で流行ニーズ

ビュービュー吹く。

時間の濁流の中で、彼の愛した音楽オセロみたいにひっくり返った。

拠り所になっていたはずの大好きなやさしい音楽が、一番きつく彼を締め上げた。

全然関係の無い話をする。

はじまりは、いわゆる『ガンギマった』感覚になる。

風が吹くじゃないけれど情報がビュンビュン自分の周りを走り抜ける。

疲れを感じないしアイデアが沸いて止まらない。五感が冴える。

年齢のせいではないかもしれないけど、最近その感覚がまったくない。

年齢なんて関係ないという言葉基本的にはうそだ。

死ぬことはこわくないけど、年をとることはこわい。

自分が弱いことを知っているので年を重ねていくことに明るい展望が持てない。

もうあの時の最高の感覚でモノを作れる日は来ないんじゃないか

これは彼の話ではなく、私の話だけど。

逃げたい、死にたいという人と話をしていると、強い力で引っ張られる。

はじめは死んでほしくない気持ち対話に臨む。

なのに、相手のつらい気持ちを考えると考えが変わる。

考えが変わることは、とてもつらい。

私も今では立派な死にたがりになった。不眠症だし、病院に行ったら

病名がつくと思う。どうでもいいことだ。

彼はお疲れ様って言ってよって、言う。だから、言ってあげたいと思う。

つらかったんだって。そうなんだね。おつかれさま。

これまで貴方をずっと見守っていたけどずっと素敵だった。

あとはもう好きにしてよくなったみたいだよ。

遠慮なく好きなところに好きなだけ逃げるといいよ。

真面目だからどこにいってもまたつらくなっちゃうかもしれないけど…

追って死んでしまいたいほどつらい気持ちになる。でも、

彼は今までずっとつらかったそうなので、これからは私がそのつらいを持とうと思う。

つらいを持って、生きれるところまで生きてみようと思う。

今はまだ直視できないけど、彼の残してくれたものがたくさんあるし。

死後の世界国境があるかわからないけど、死んでもパスポートを取ろう。

私は彼の所に行きたいと思うし、行くと思うし、おそらくそとき

パールアクアグリーンファンライト持って行くと思う。

それはまったく彼の意に反していることわかってるんだけど、どうしても応援がしたい。

あとなんとなくだけど、いつもみたいにかわいく微笑んでくれるような気がするんだよね。

から彼には先に待っててもらうことにする。

彼は別に待たなくてもいいんだけど。私が努力すればいい話だ。

きちんとごはんを食べて、つらいをもった自分におつかれさまってしよう。

寄り添ってくれてありがとう。おつかれさま。

2017-12-28

グリPの自分ミリシタを好きになれない理由

グリPの、と書きましたがミリシタにはグリマス比較しなくても好きになれない部分があったりします。が、グリマスをやってきたからこそ好きになれないところもあるのでとりあえずこのタイトルしました。(この記事は僕個人の所感なのでグリマスやってた人みんながこういう考えだよと主張するつもりは毛頭ないです。)

記憶ガバガバなので事実と違うことも言っちゃうかもしれませんがそこは許していただきたい。



はい6月末あたりにサービスインしたアプリアイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ。他シリーズよりも楽曲豊富ミリオンライブでこそ音ゲーを出すべきだろうと常々言っていたオタクなので、アプリ発表の時はありえん喜びました。元々音ゲー好きだったこともあり期待は膨らむばかり。

で、実際にサービス開始したわけなんですが、

「うーん、微妙!w」

これが第一(?)印象でした。

担当がぬるぬる動くことによる感動で浮かれててリリース直後は褒めちぎってましたが、サービス開始から日が経つにつれて宜しくない部分がまあ目立ってきたなと。

散々言われてきたこともありますが、ミリシタそのものが抱えている(いた)問題点を列挙すると

1.動作が重い

2.リリースしてからしばらくほぼほぼ更新がなかった

3.キャラの出番格差

4.運営露骨な集金体制

5.音ゲー部分が微妙

6.UI

7.スコアタが運ゲー

8.キャラの掘り下げとか

このあたりですかね。1つずつ見ていきます

・1について。

動作が重い。これに関しては現在ある程度改善しています。が、初期は各ページへのジャンプが遅かったり、コミュ等のスキップができなかったりと、テンポよくゲームを進めることができなかった。これだけでもうストレスになる人もいると思います。少なくとも僕はそうでした。

現在も正直に言えば重いです。僕はガルパもやっているので、ガルパの軽さが余計ミリシタの重さを実感させているんだとは思いますが。(2D3D比較するなという意見は最もですがゲームの重さそのものについて言及しているのでそこには触れないでください。)

ただ、端末の問題だったり回線問題だったりもするのであんまり強くは言えないですね。重いことに変わりはないので挙げました。

・2について。

これ。致命的だと思うんです。何がって、元々ファンの少ないミリオンライブというコンテンツ新規獲得のチャンスを自ら逃してるんですよ。

知ってのとおりグリマスサービス終了が告知されていますソシャゲサービス終了する理由なんて人がいなくなったから、金が回収できなくなったから、くらいですよね。ミリシタに1本化してリソースの食い合いを無くすためという考え方もありますが、グリマス場末感を味わった自分からすればそれは希望的観測しかないと思うんです。

グリマスアクティブユーザー数、何人でしたっけ?最後の方なんて2万人もいればいい方でしたよね。

グリマスがそうなっちゃった理由は色々ありますがこの記事の主旨からは外れるので書きません。が、ユーザー減少で苦しんだミリオンライブが、後発アプリで自らユーザーを減らすようなことをしてどうするんだと言いたい。

音ゲーリリースは、新規層を獲得する数少ないチャンスだと思うんです。ポチポチゲーはある程度キャラに興味が無いと触れてもらえませんが、ぶっちゃけた話、音ゲーキャラに魅力を感じなくても音ゲー部分が楽しければユーザーは増えますよね。音ゲー部分についてどうこうは後述しますが、リリースしてからしばらくなんの更新もないのは愚行でしかないんです。加えて初期楽曲の少なさ。そりゃ新規は離れるでしょうと。ミリオンライブが好きなオタクなら待てるかもしれませんが、そうでないオタクは違うのでは。

増えない楽曲、開催されないランキングイベントアプリの重さ。

ミリオンライブ大好きな自分でもこれは駄目だろうと思いました。

まさに今その状態にあるわけなんですが、一度気持ちが離れてしまうとなかなか熱は戻らないんですよ。

大げさな言い方かもしれませんが、ミリシタは自分コンテンツ拡大の機会を捨てたんです。

新規獲得のための弾、もうアニメ化くらいしか残ってないでしょ。そのアニメ化もされるかどうか分からない状況。これからどうするんだと。ただのオタクしかない自分が言うのは滑稽ですが本気で心配になります

碌に更新もできないなら、リリースを遅らせるべきだった。その辺にどんな事情があるのかは分からないのでなんともですが。

・3について。

出番格差。つい先日新人2人のSSR2週目で荒れたり荒れなかったりしましたね。そうでなくとも中々カードコミュが追加されなくて一部から不満が出ていたような印象。

先に言っておくと、商売なんだから仕方ない、というのが僕の考えです。

ですが、露骨すぎる。これじゃ反感買ってもおかしくないというのがミリシタ運営に対する印象です。

これまた先に言っておきますが、アイドルの出番格差自体言及しているだけで、このアイドルが嫌い、とかそういうことを言うつもりはありません。皆好きです。

で、出番ですね。正確にカウントしてるわけじゃないので印象で話すことになりますがご勘弁を。

出番格差は今に始まったことではないです。グリマス時代から色々言われてきた問題です。けれどもまあそれはそれ、ということで置いておきます。(グリマス狂信者ではないです。)

ミリシタ。今までやってきた感じ、やっぱり人気キャラだとか、所謂いつメンだとかの出番が多いように思いますFTAP、PBAの属性イベントメンバーを見てみると、

FT静香志保ジュリア、紬、恵美

AP…翼、星梨花歌織杏奈、麗花

PBA…未来、まつり、百合子、エミリー、可奈

です。(あってますよね?)

ほぼ全員結構な頻度で見かけるキャラだと思います。印象ですが。

上位報酬ポイント報酬はともかく、バックの3人くらい違うアイドルスポットライトを当てて欲しかった。ここで名前を挙げるとそのキャラが不人気みたいな扱いをしているように見える(かもしれない)ので挙げませんが。

こんなところでヘイト貯めるくらいならまだ出番があまりないキャラを出しておいたほうがよかったのでは。

それと、確かFTの時に見かけた記事ファミ通かなんかだったと思うんですが、イベントに出てる5人はあくまでも選抜メンバーであり、フェアリースターズはフェアリーアイドル全員でフェアリースターズなんだよ、みたいな内容のやつ。まあ綺麗事というか言い訳しか見えませんでした。それで救われる人もいるかもしれませんが逆に不満に思った人もいるんじゃないかな。正直そんな言い訳するんならせめて属性曲全員分の音源作れよと思いましたね。予算とかスケジュールとかで難しいのは百も承知ですが、気持ち問題としては。

という感じで、今現在としてはアイドルによって差があると思います。人気キャラ推し出すのは当然ですが、角が立たないようにといいますか、もっとうまくやれるんじゃないの、と。

・4について。

運営露骨な集金体制ミリシタ、儲かってないんだと思いますリリースして間もないのにセレチケ導入したり、何かにつけてマスピ付き有償限定ガシャやったり。極めつけは先日のフェス限定マスピの実装ですね。4凸はあくまでも追加要素と言われればまあそうかもしれません。が、アナザー衣装ステータスアップのことを考えたらあの絞り方はやりすぎでしょと。

フェス限マスピ、フェスSSR被りか交換アイテム600個でしか手に入らないんでしたっけ?天井実装バランスとろうとしたのかもしれませんが、個人的には無理があるでしょ、と思いました。だってそもそも天井が9万でしょ?マスピ交換には天井2回分(で合ってますかね)、4凸は×4。アナザー衣装まで手に入れようと思ったらとんでもない額になりますよね。

他のソシャゲもそのくらいだとか、僕がグリマスの4万天井に慣れきってしまってるからとかはありますが、それでもこれはね…

まあそもそもソシャゲ課金文化自体おかしいんですが、そこはこの記事で言いたいことではないのでスルーで。

話戻します。先の何かにつけて有償ジュエルを使わせようというのもそうですし、キャラの出番格差もここに繋がりますよね。どちらにしても目先の利益しか見えてないのでは?セレチケだとかマスピ付きガシャだとか、その時その時は回るかもしれませんが何も無い時にガシャを渋るようになる理由としては大きいですよね。キャラの出番格差に関しても、いろんな人に言われてることかもしれませんが、少数の廃課金に頼る運営体勢は危険では。と。

どちらにしても先細りですよ。すべきことは長期的な利益得体制を整えることだと思います。それすら出来なくなってる状況なら仕方ないというか、まあもうしばらくしたらサービス終了してしまうのかもなぁと。素人目線ですが。

・5について。

音ゲー部分が微妙。これはなんというか、完全に好みの話なので無視してください。

ミリシタの音ゲーバランスは取れていると思います。判定がゆるく音ゲー苦手な人にもプレイやすい。これはプラスでもありマイナスでもあり、という感じです。

判定が緩い、ノーツが少ないのは、音ゲーをよくやる人間にとっては退屈なものになります。たぶん。ようするに飽きやすいってことですかね。ミリオンライブを知らず音ゲーから理由で入った人にとっては期待外れだったんじゃないかなと。憶測ですが。

引き合いに出すと対立煽り云々言われそうですが、デレステのマスプラみたいな譜面をお楽しみ要素として出してほしいなーと思いますはい

・6について。

UI。まあこれも好みの話です。色々改善してきているのでもうしばらくすれば完全に解決するとは思いますが、まだ使いにくさはあります

・7について。

スコアタが運ゲー。ついさっきアプデ内容見たらスコア計算見直し、みたいな内容だったのでこれもしばらくしたら解決するかもしれませんが、ミリシタのスコアタってほんと運ゲーなんですよね。やってる感じ。

フルコンかつほぼパフェとった時よりもミス混じってる時の方がスコアが高いなんてよくあります。他の音ゲーがどうか確認してないのでこれがスタンダードならもう仕方ないかなとは思いますが。

スコアアップのスキル確率で、なので仕方ないとは思いますが、せめてパフェ多い時くらいしっかりスコア伸びてほしい…

・8について。

キャラの掘り下げとか。ゲーム性質上難しいのは分かります。けれどもリリースして半年つのにどんな性格なのかイマイチ掴めないキャラもいるんじゃないんですか。僕はグリマスやっててある程度しってるので憶測ですが。これから頑張って欲しいです。

で、それとは別にコミュ追ってて思ったのが、設定ガバガバじゃない?と。といってもその根拠となるのが翼のコミュだけなのであまり強くは言えませんが。

その翼のコミュです。

インコミュでは

「うん!だってわたし、美希ちゃんみたいに、モテモテになりたいんだもん!」

「そのために、アイドルになったんだもんね〜♪」

というセリフがあります

しかし、翼のメモリアルコミュ1を見てみると、翼はPのスカウトによってアイドルになっています

スカウトされてアイドルになったはずの翼が、美希のようになりたくてアイドルになったと発言していますおかしくないですかね。まあスカウトからインコミュに至るまでのあいだに翼が美希に憧れる何かしらがあったと考えれば有り得なくもないし、実際にメモリアルコミュ3では翼は美希の曲を歌いたい、と言っています

ですがそこを補完するエピソードがない以上納得できそうにないです。個人的に。

システムとかガシャとかはともかくお話はしっかり作って欲しかったという感じですね。





パッと思いつくのはこんな感じです。ミリオンライブは大好きですが、ミリシタにはあまりいい印象はないです。嫌いになる前に離れればいいかもしれませんが、そう割り切れるものでもないのでとりあえず吐き出しました。

たぶん、グリマスが続いてたら違ってたんだと思います。僕の中ではグリマスミリオンライブの主軸であり、それ以外のミリシタやアニメ(まだですが)、コミカライズなどはすべてそこから枝分かれした二次的なものなので、グリマスが終わることに対する抵抗感が人一倍強いのかなと。

グリマスを終わらせるならせめてミリシタはグリマスと同じ設定、同じ世界線であって欲しかった。紬も歌織も後からシアターに入った新人という設定でも問題なくいけたはず。

グリマスで共に過ごした約5年間をなかったことにされて、またミリシタで1から頑張ってね、と言われても、アケマスとOFAをちょこっとやっただけの僕には到底耐えきれない。グリマスアイドルミリシタのアイドルは、僕の中では別物なんです。




文章力がなくてよく分からなくなってしまった。まとめると、(個人的な印象ですが)ゲーム運営自体問題があり、グリマス代替品になりきれていない、というのが、僕がミリシタを好きになれない理由なのかなと。これからも好きになる努力はしたいというか、グリマスグリマスミリシタはミリシタと割り切って考えられるようになりたいなと思います

2017-12-27

待ち合わせの時

例えば新宿駅南口とだけ決めておいたとして、

新宿駅ついたよー」

しか連絡してこない人の気持ちわからん

顔は知ってるか何百人と行き交う人の中で見つけられるほど、目立つかというと自信がない。

髪を切ってるかもしれない。

女性ならアレンジ雰囲気変わるし。

男性スーツだとみんな同じに見える、

せめて

南口ついた。小田急券売機の前、赤いバッグ持ってるよ」

くらい知らせてくれたら探しやすいし、自分はそうしてる。

「ついたよ」

以上の情報をくれない人は、後光がさすとか、スポットライトあたってて、自分だけは見つけてもらえると思っているんだろか。

じぶんはモブ顔で周囲にステルス傾向なので、わかりやすい目印を晒さないといつまでも出会えない。

どこにいても見つけてもらえる、主人公顔に生まれたかった。

2017-12-24

めも

ここで投稿してスポットライトが当たらない内容でもブクマ数で注目されれば、後からレスポンスがつくこともある。

投稿が目につく時間帯によって、付くコメントが変化するの面白い

注目されすぎるとクソリプ必然的に付くのも面白い

2017-12-21

anond:20171221093115

はあちゅう発言で一番あれ?ってなったのは「(童貞発言炎上で)スポットライトが当たるべきところに当たらなくなった」というツイートだな。

別にお前が炎上したってスポットライトは適切に当たり続けてるよと。

名指し相手は自省し謝罪、他の告発者も出てるし、準強姦逮捕状差し止めされた詩織さんとか戦い続けてる人もいる。

何よりはあちゅう告発のおかげで今まで沈黙していた「童貞いじりにハラスメントを感じる層」を可視化できた。

スポットライトは「#MeToo(私も)」と発信してるそれぞれに常に当たり続けてるはずなんだよ

一体あなたスポットライト当たるべきと考えてるところはどこなんだと

2017-12-11

月蝕歌劇団をまた観に行った記録

なんか、ひょんなことから月蝕歌劇団(という小劇団が都内にあると思ってほしい)の公演を見に行って、それ以来なんか芝居づいている。

これまで演劇なんてぜんぜん興味がなかったのに。

いくつか劇場に足を運んだところで、もう1回くらい観ればもっと色々と見えてくるものがあるかと思い、また月蝕歌劇団に足を運んでみた。

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演目は『ねじ式・紅い花』と『盲人書簡−上海篇』の2本立て連続公演

(前回の観劇の記録は

https://anond.hatelabo.jp/20170925212923 

 を参照のこと)

ということで、自分のログを兼ねて、また観劇記を残しておくことにする。

御用とお急ぎでない方は、しばしお付き合いを。

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ただし。

自分は舞台観劇についてはとことん素人なんで、これから書くのは、通りすがりの素人が見た印象批評くらいのつもりで、紹介文としての情報は期待しないでほしい。

(というか印象批評というワード小林秀雄みたいで偉そうだな。ほんとに感想文くらいの感じで、ひとつ

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■全体として

歴史の長い劇団というのは知っていたけれど、今回は公演100回記念とのこと。

で、旗揚げ時代からのライバル劇団その他のビッグネームが集結した大プレミアム公演だったらしい。

普段は若い女性主体の “少女歌劇団” っていう感じの劇団なんだけど、今回はキャストの年齢が大はばに高めだった。

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ちょっと変わった構成をしていて、1つのシーズンというか公演期間を前後に分けて、2種類の演目を上演する。

さらに各演目について前座というか露払いというか、出演キャストの歌唱ショー、寸劇、詩の朗読その他をまとめたパフォーマンスとして “詩劇ライブ” というのがある。

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なので、フルで鑑賞すると1シーズンで合計4演目。

これを多いと思うか、アリだと思うか。

いろんな作品世界が見られてオトクだとも言えるし。

リハーサルシナリオ練り込み等々のリソースは分散されるから内容的に落ちるものになるかもしれないし。

自分が見たところ、器用な高能力キャストと、まぁそうでもないキャストでうまく仕事を振り分けて、不満を感じさせない作りにしている感じだった。

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順番に見ていってみると。

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■前半の前座『詩劇ライブ メメクラゲ』(11月19日

先に不満点を言わせてもらうと。

演目『老人と子供のポルカ』の歌唱。

左卜前役のベテランキャストカンペ片手に左右のキャスト(岬花音菜、慶徳優菜)を振り回して大暴れ。

休みなく次の曲『本牧メルヘン』が始まり、そのまま岬花音菜がマイクを握るが、息の上がった彼女にはキーが低すぎた。

おかげで貴重な戦力(岬)を空費。

トリの白永歩美キッチリと『バフォメット(と、あとなにか悪魔がもう一柱)の歌』(詳細不明)で締めてくれたのが、せめてもの救い。

それにしても、あの大狼藉は、ハプニングプロットか。

ハプニングなら再発防止策を取ってほしいし、プロットなら、申し訳ない、あれに快哉を送るハイなセンスは自分は持ち合わせていない。

しかし。

詩劇ライブというのがファンミーティング同窓会だというのなら。

いとしの大スターがいつにないハジケっぷりを開陳したほうがファンサービスとしてのお値打ち感は高いのかもしれない。

と、思って周囲を見回してみると、自分と同じか、あるいはさらに年配の観客がホクホク顔で舞台を見守っている。

ハテ、招カレザル客ハ自分ノホウデアッタカ。

うん、わかった。

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■後半の前座『詩劇ライブ 暗黒少年探偵団』

詩劇三傑(←たったいま自分が決めた。はるのうらこ、岬花音菜、そして白永歩美の3人)のパフォーマンスたっぷり見られたので実に良し。

はるの嬢は前回と同じギター伴奏かと思ったら、ギターからキーだけもらって、ほぼ独唱。それでいてピッチは正確、ハイノートも申し分なく出ていたし、なんというか、 “このヒト、ひょっとして劇団の隠れた屋台骨なのではないか?” という予感がさらに強まる。

(↑それは本編でガツンと証明されるんだけど)

なぜ合唱のときは控え(それはもう、あからさまな控え)にまわるんだろう?

リハーサルの負荷をソロに集中させるためか。

岬花音菜はカッパの舞。そして小阪知子を舞台に引き出してカッパの相撲。

あいかわらず、この人は歌って動いてが実に良い。

そしてトリは白永歩美

朗読、歌唱と大活躍。

いつ見ても、この人は安定しているなぁ。

はかなげで、あやうげで、その状態のままガッチリ安定しているという不思議キャラクター

そういえば『Those ware the days』に日本語歌詞をつけたものを歌ってたんだけど、受付で立ち読みしたセットリストにそんなのなかったぞ、と思って調べてみたら、『悲しき天使』なんていう日本語版があったのね。

知らなかった。

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さて本編。

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■前半の本編『ねじ式・紅い花』

つげ義春の原作、『ねじ式』『紅い花』『女忍』『沼』『狂人屋敷の謎』をまとめて1つのストーリーにしてある。

実を言うと、前回の公演を見たあとに、某氏から、

「なに、月蝕歌劇団が面白かったって? それじゃアレだ。主催の高取英のアレ読んどけアレ」

といって勧められたのが、『聖ミカエラ学園漂流記』(小説版と戯曲版)。

前回の公演を観たときに、

「この人の持ち味は “奔放に見えて実は緻密な複数世界のマッシュアップ” だろうな」

と感じていたのが、この本で確信に変わったのだけど。

原作が2作品や3作品なら、例えば2つの世界の登場人物呉越同舟で共闘する、みたいな展開もあり得るけど、さすがに5作品同時となるとメドレー形式にならざるを得ない、という感じ。

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さて、もう1つ、高取氏の特長と思ったのが、ストーリーに必ずクライマックスを用意する、という点で。

(それが、エンターテイナーとしての氏の本性によるものか、それとも “客にはなんとしてもカタルシスを持ち帰ってもらわないと次につながらない” という興行師としての冷徹な計算によるものか、そこまではわからない)

それが、つげ義春の茫漠としたアンチクライマックスな世界とどう折り合いをつけるのか、そこに興味があったんだけど。

これが『紅い花』を中心に最小限の改変を加えただけで、見事に全ての原作が一斉に収束に向かうオチといえるオチになっているのは、さすが。

最後にはねじ式青年が『パーマー・エルドリッチの3つの聖痕』(P. K. ディック)みたいに無限増殖するあたりの幻想テイストが高取氏らしい。

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あと、前回公演みたいな「身捨つるほどの祖国はありや」的な大きな主題は今回は抑制されている。

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助成金云々の楽屋落ちは生臭いので忘れたことにする。

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そして、この劇団特有の時間がゆがむ感覚をまた味わう。

今回は、サヨコの祖父の楽屋オチ的な台詞。

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「最近、嵐山光三郎が書いたんですがね、松尾芭蕉は忍者だったんですよ」

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えーと、嵐山光三郎の “芭蕉忍者説” は2000年代なんですが。

高取氏の作品世界が戦前、戦後、昭和30年代、1960年代1980年代みたいに複数の時代を放浪するように、劇団自体も、60年代80年代、そして2000年代の全ての時代に存在しながら、どの時代にも存在しないような不思議立ち位置

それが、この劇団の持ち味でもあり。

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あ、あと、狐舞の意味がやっとわかった。

なんのことはない、 “ここから現実感見当識がゆるんで、心象風景と象徴劇が始まりますよ” という演出効果だ。

多色発光LEDを掲げた葬列も、夜光塗料の試験管をもった少女たちも、おそらく同じ。

少女漫画で「なんでクライマックスに花びらが飛び回ってるの?」とか訊かないでしょ? アレと同じだ。

そういえば、最近の子供は漫符(怒りの青筋とか緊張の汗とか)がわからないケースが多いらしい。

つまり自分は月蝕の鑑賞において子供だったわけだ。

というあたりで。

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そして、問題の↓

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■後半の本編『盲人書簡−上海篇−』

あー、うん。

むかし『草迷宮』(寺山修司)を観て途方に暮れたことを思い出した。

あるいは、さらにむかし『原始人』(チャーリー・ミンガス)を聴きながら、

「これは良い音楽なんだ、良い音楽なんだ、みんながそう言ってるから良い音楽なんだ」

と歯を食いしばっていたことを思い出した。

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はっきりしたこと。

自分に “前衛” を受け止める感受性はない。

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それでも、なんとか受容を試みてみる。

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(1)1930年代の第二次国共合作を背景にした不穏で混沌とした上海共同租界。

(2)明智小五郎小林少年という、戦前・戦後の言ってみれば “陽のヒーロー” をどす黒く改変したキャラクターと、堕落した母親としての小林少年の母。

(3)白痴の少年と娼窟の姉妹がからむ、不快にユーモラスな人物群。

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この3つの人物群を主なストーリーラインとして、失明した小林少年を中心に “目明きと盲(めしい)、世界が見えているのはどちらか” という問いを主題として話はすすむ(ように見える)んだけど。

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途中、影を喪失した少女、みたいな挿入話をはさみながら、ひたすらグロテスクストーリーとも言えないストーリーの断片が続く。

クライマックス小林少年と恋人(?)のマサ子の再開を中心にしながら、全てが虚構の中の虚構、悪夢の中の悪夢、という入れ子の構造をあからさまにするところで、唐突に終わる。

最後の最後には第四の壁も突破して現実のキャストの名前まで出てくる。

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うーむ、書いておいてなんだが、なんの説明にもなっていない。

ねぇ、寺山修司って、ホント70年代80年代青少年カリスマだったの?

(今度、『書を捨てよ云々』でも読んでみるか……)

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可能性としては、今どきの若者がP. K. ディックやら筒井康隆やら読み慣れてるせいで、 “崩壊する現実” やら “虚構の中の虚構” を普通においしく摂取しているのに対して、当時はその種の超現実的な幻想悪夢ワールドが知的にトガった青年だけの愉悦であったとか。

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ま、さておき。

これ以上はどうにも言いようがない。

自分にとって確かなことは。

高取氏オリジナルの作品、脚色作品のうほうがずっと面白い

ということ。

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さて。

キャスト、演出その他については、以下の通り。

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白永歩美

女忍コジカの息子、宗近と小林少年を好演。

このヒトが、登場するだけで舞台が猟奇的ビザールな空気になるような、言ってみれば “嶋田久作” 的な怪優でありながら、それでいて結構な美人サンである、というのは劇団にとって大きなアドバンテージなんじゃなかろうか。

劇団のカラーを一人で体現しているような。

ビジュアル、演技、歌唱、トップの名称は伊達じゃない、って感じ。

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というか。

実のところ、トップというネーミング自体はどうでもいい。

それがプリマドンナでもソリストでもエースでも四番でも同じことで。

その種の人に求められるのは才能でも鍛錬でも、ましてやプロデューサーディレクターの寵愛でもなく。

それは「いつ、いかなるときでも、自分が前に出ていってなんとかする」という思考形態だと思う。

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例えば才能、というか生まれつきの資質なら。

前回の公演には高畑亜美という彼女に負けず劣らずのビザール美人さんがいた。

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例えば技能なら。

前回の公演で、白川沙夜というキャストは、ストーリーテラーコメディリリーフ、仇役という3つの仕事を3本の腕で同時につかんでブンブン振り回して大暴れしていた。

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でも、彼女たちは今回はいない。事情は知らない。

いっぽうトップには「事情により今回は出演しません」という選択が無い。

脚光も浴びる、注目もされる、そのかわり劇団の出来が悪ければ矢オモテ、火ダルマ、槍ブスマと。

群像劇主体の劇団で、ある程度は負荷が分散するにせよ、あの細っそい体にかかっている重責を想像すると、なんというか、なんというか。

長くなった。

ともあれ、健康にお気をつけて。

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■川合瑞恵

前回までは “作りようによっては、いかめしく見える” ビジュアルを活かしたワンポイント役だったのが、今回は『女忍』パートのキーとなる女忍コジカに大抜擢。

これが大根だったら目もあてられないところを、実に器用に演じきってしまった。

本職はモデルさんだと思ってたんだけど。違うの?

芸能関係って器用な人が多いのよね。

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■岬花音菜

演技はさておき、まずは狐舞。

今見ているのがカラダのオモテなのかウラなのか、腕なのか脚なのか分からなくなってくる超絶変態空間機動がひっさびさに大炸裂!!

これだ! これが観たかった!

いや、じつは、このところモヤモヤしていた。

「いや、たしかに踊りも歌も演技も良いけど、ここまで追っかけるほどか?」

でも、たしかに思いちがいじゃなかった。

ほんのちょっと前のことなのに、忘れかけていた。

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そこには、たしかに岬花音菜がいた。

およそ2ヶ月前、片目の猫の舞で自分の脳味噌をブチ抜いた岬花音菜が。

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ちなみに。

あとから取材を試みたところ。

あの一連の動きは、ボランティアアルバイト?)のダンス教室で子供たちに最初のウケを取るために編み出した動物踊りがオリジナルだとのこと。

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するとなにか。

自分の鑑賞眼は子供レベルか。

まあいいけど。

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というか、彼女の狐舞に視線をもぎ取られ、ねじ式青年と女医のベッドシーンの大半を見逃していたことに、劇場を出てから気がついた。誠に申し訳ない。

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さて。

キャストとしては『紅い花』パートのシンデンのマサジ、『盲人書簡』で白痴の少年を担当。

この演技、周囲の評価はウナギ昇りだろう。

じっさいTwitterを中心にネットを見ると、彼女と慶徳優菜の評価はウナギ昇っている。

ただ。

自分としては評価は保留としたい。

なぜって?

あまりに、あまりにもハマり役すぎて、いま見ているのがキャラクターなのか、それともキャスト本人なのか、観劇素人の自分には判然としないから。

(これ、自分の中では笠智衆と同じ位置づけだ)

大竹しのぶアニーを演じたり、同じ劇団でいえば白永歩美ピーターパンを演るのとは、意味が違う。

『紅い花』ではプレ思春期の少年のいら立ちを、『盲人書簡』ではスケベなアホの子を、と、いろいろ打ち出しているのは分かる。

分かるけど、いずれも、まずは本人あっての効果であって。

このあと彼女は “月蝕きっての永遠の少年役” として存在感を増していくのだろうか。

それもアリだと思うけど。

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■慶徳優菜

『紅い花』キクチサヨコ役。

昭和の山村、思春期の少年の心に思い描くマドンナ

うん。もうずばり田舎のマドンナそのもの

だけど彼女の評価も保留。

理由は岬花音菜と同じで本人そのものだから。

その意味では、娼窟の妹と小林少年の想い人のほうが、本人のポテンシャルがよく分かる気がする。

そっちの方はというと、うん、悪くない。

ただ、これは自分の思い込みかもしれないけど。

なんというか彼女は “月蝕、次世代プリマドンナ育成枠” というのに完全に入っている気がする。

この直感が正しければ、それはおそらく本人の十分な資質と劇団の目算があってのことだろうけど。

なんかモヤっとする。ほかの新人も若手も、ひとしく頑張っている(ように見える)のに。

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はるのうらこ

なんというか、詩劇ライブのときは “ひかえめな、でもシャレのわかるおねーさん” というオモムキの彼女。

キーとなる配役のキャスティングが多いから、信頼の厚いキャストなんだろうな、という以上の認識はなかったんだけど。

(そしてそれは、ねじ式青年という大役を見ても動かなかったんだけど)

これが。

『盲人書簡』娼窟姉妹の姉役。実にすごい。

あのフワっとしたキャラが、女の嫌なところを全部集めて煮詰めたようなキャラクターに大変身。

慶徳優菜をサポートに娼窟パートカラーというか空気を完全に支配していた。

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あと、些細なことだけど。

キーアイテムとなるタバコチャイナドレスに入れ忘れたか、取り出せなくなったか。

取り出そうと悪戦苦闘して2秒。

見切りをつけてアタマの中でプロットを切り替えるのにコンマ2秒。

架空のタバコをふかして場面転換の決め台詞につなげるまでの時間の空費がわずか2.2秒。

はるの氏にとっては迷惑な賞賛かもしれないけど、ここの所作の切れ味に地味に鳥肌が立った。

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■宍倉暁子

彼女が登場すると、そこだけ別の照明があたってるようだった。

さらに今回の千本桜ホールより少し大きめの劇場向けにチューニングされた、よく通る発声。

今回集結した “夢のベテラン勢” の中では、彼女が出色だった。

彼女だけは気になって調べたら、舞台を中心にTV、映画と活躍の現役大ベテラン

たしかに分かる。

自分の外見と所作が人にどう見えるか、何十年にもわたって掘り下げていないと、ああは行かないと思う。

『紅い花』では漂泊の釣り人。すこし困り顔の茫漠とした旅客でありながら、マサジのカウンターパートとして要所を締める。

『盲人書簡』では軍人と密通する小林少年の母として、実に汚ならしい堕落した母親像を体現。

教科書的に言えば寺山修司の作品世界に通底するコンプレックスというかオブセッションというか、ともかく “その部分” を実に彼女一人で背負って担当していた。

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大久保千代太夫

今回最高の当たり役の一人。

犬丸は尾張織田と敵対している設定だけど、人物造形はおそらく美濃のマムシこと斎藤道三ベースだと思われ。

自分に襲いかかった刺客を手籠めにして側室にする一代の梟雄らしい悪太郎ぶりと、戦国武将の透徹した死生観が、もう全身からみなぎっていた。

『盲人書簡』の方は。

うーん、自分の中では “生ける舞台装置” としての黒い苦力(クーリー)の集団は、なんというか、全員が均質な筋肉質の没個性の集団だったんで、あの巨躯が逆にマイナスにはたらいた気がする。

こればっかりは、いたしかたなし。

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■小阪知子

影の殊勲者にして功労者

前説とカッパ相撲のときから(自分の見立てでは)この人は切れ者だろうな、と思ってたんだけど、今では確信に近い。

馬鹿をやる、それもビビッドに馬鹿をやれる人間は、なんというか、切れる。これは自分の持論。

自分が見るかぎりでは、月蝕歌劇団キャストベテラン高位職者(?)には2つのカテゴリがあって。

1つは白永歩美、岬花音菜のように “スタア” 役を仰せつかってスポットライトを浴びる職種。

もう1つは、前回公演の鈴乃月葉や今回の彼女のように “ひとり10役をこなしてストーリーラインを維持する” という重責の担当者

月蝕歌劇団は後者の高能力キャストがいないと成立しない。

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■若松真夢

薄い眉、暗く沈んだ眼。白永歩美が陽のビザールだとしたら、彼女は陰のビザール美人。

もっといろんなキャストで見てみたいと思った。できれば和装で。

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城之崎リアン

詩劇ライブのみに登場。OGか。

男装の貴公子然とした男装の貴公子。うん、貴公子

そりゃ、男女問わず固定ファンガッツリと付いたことは想像にかたくない。

問題は、貴公子以外にどんなキャストをやっていたのか、想像がしにくいことで。

もっと昔から見ていなかったことがくやまれる。

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■登利忌理生

前回の中村ナツ子に続き、今回の「なにものだ! このひと!」ワクに期待のダークホースが登場。

自分は茶髪に偏見があるようで、「えっとぉ、学校卒業の記念にぃ、オーディション受けちゃいましたー!」みたいなハスッパな外見と、そこから飛び出す恐ろしい長セリフと演技巧者ぶりのギャップに舌を巻いた。

本当に何者だ! と思って調べてみたけれど、月蝕以前の芸歴がまったく引っかからない。

あれか。学生演劇出身か。

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■音無ねむ

今は、まだ大部屋女優といった立ち位置

(たぶん。自分が調べた限りでは、まだ無名)

何者でもない。

何者にも、まだなっていない。

だけど、あの男に引けを取らない長身とキリっとしたマスクには、絶対に活きる使いみちがあるはず。

実際、『盲人書簡』の “新聞朗読笑い男” には何とも言えない味があった。

キャスティングの認識、間違ってないよね?)

陵南の田岡監督ふうにいえば、「体力や技術を身につけさせることはできる。だが、彼女をでかくすることはできない。立派な才能だ」ということ。

まずは、その長身を恥じるような猫背をやめて、胸郭を開いてまっすぐ立つところから、カンバレ!!

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J・A・シーザー(と音響)

ふむ。ふむふむ。

エンディング、こんな感じかにゃ? 間違ってるかもだけど。

(いま手元にGarage Bandしか無いんで大変)

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Bm....................BmM7(←Daugかも)

寺 の 坊 ん さ ん 根 性 が 悪 い

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Bm.............Bm........F#m..GM7

守 り 子 い な し て 門 し め る

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F#m.........Bm........F#m......Bm.E

ど し た い こ り ゃ き こ え た (か)

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(間奏2+4小節)

E.................Bm.......Bm.......Bm.......Bm

+--------+--------+--------+--------+--------+--------+

.

Bm.......D/A...GM7..........Bm.D/A..E..

守 り が 憎 い と て 破 れ 傘 き せ て

.

Bm.......D.....GM7.......Fm#......GM7

か わ い が る 子 に 雨 や か か る

.

Fm#.........GM7.......Fm#......GM7

ど し た い こ り ゃ き こ え た か

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(間奏4小節)(以下同じ)

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※各コーラスの7、8小節目のメロディが元の民謡と違う。

 メジャーセブンに合わせて変えたか。

※地味に1コーラス目と2コーラス目以降でコード進行が違う。

 採譜するまで気が付かなった。

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えー、日本のニロ抜き音階(いわゆる田舎節)で作られた民謡/童謡に、7th、9thがタップリ乗ったモダンコードをあわせて。

さらに、それを流行りのリズムパターンに乗せると、こう、実にカッコいいニューエイジワールドミュージックになるのは皆さんご存知のとおり。

(今回はハードロックリズムビート

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こういう音楽はみんな大好き。ボクも大好き!

この種の音楽の嚆矢は自分が知る限りYMO(実質、坂本龍一)で、80年代ではあるけど、このスタイルが「教授(坂本)のパクリじゃ〜ん!」と言われなくなったのはEnigmaやDeep Forrestが日本でワサワサ紹介されて一般化した90年代のような感じがしていて。

(“姫神せんせいしょん” や喜多郎については、当時ノーマークだった自分に語る資格はない)

問題は、J・A・シーザー氏が、何故この時期にこの種のスタイルをぶつけてきたか、だ。

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  • ここで急遽訂正!!-------

本公演エンディングの『竹田の子守歌』はJ・A・シーザー氏の手になるものではないとの指摘がありました。

お詫びして、訂正します。

以下、上記の誤りを前提にした言及をカットします。

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でも、今回のエンディングが実にイイ感じだったことは確かで、これからもこの路線はアリなんじゃないか、と思った次第。

うん、自分に言えるのはそれだけ。

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最後に音響について。

なんか、今回の殺陣は斬撃の効果音タイミングがやたらと良かった。

何か条件が変わったんだろうか。

ただ、いつもながら思うのは、客席一番奥にコントロールブースを置かないで、それでもあのレベルの音響を維持できているのは、それ自体が奇跡に近いことだ。

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プロップ大道具の印象は前回と同じ。

ただ、生きている動物の仕込みはさぞかし苦労しただろうな、と。

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んー、今回の月蝕歌劇団はこんな感じでした。

全体としてどうなのかって?

うん、良いところもあれば、首をかしげるところもある。

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まずは。

自分はもともと聖子ちゃんキョンキョンのころから、それほどアイドルが好きではないので、フレッシュキャストライブ感、というのにはそれほど重きをおかない。

なので、(おそらくは)キャストのものに入れ込んでほしい、という劇団の方針には同意しかねる。

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しかしながら。

高取英氏の作品世界。これにはどーしても、どーしても不思議な引力を感じでしまう。

結果として、スケジュールが合って演目の印象が良ければ、これからも足を運ぶような、そんな感じがしている。

というあたりで。

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また機会があれば。

2017-11-22

anond:20171122143743

働いていた日本人とかは非国民扱いだったのかな。

それとも全員外国人だったのかな。

その辺りにスポットライトを当てた本とかないかなぁ

2017-10-31

幸せハラスメントが辛い

仕事でヨレヨレになって帰ってくると、同じマンションの仲いい親子さんたちがコスプレして「トリックオアトリート」だと。

ハロウィンですか、楽しそうですね、いいですね。40歳独身のおじさんは今から冷凍焼売食べて晩御飯ですよ。

もう、羨ましいとか妬ましいとかいうんじゃなくて、辛いんだよ!見るだけでいたたまれないんだよ!

幸せそうな人たちに罪はないけど、もうちょっと光量おさえて欲しい。

綺麗なスポットライトだって直視すると目が潰れるだろ。

2017-10-23

anond:20171021202944

アンビリーバボーといっしょ

あれは奇跡生還とかしたかドラマになってるだけで、

実際は同じような状況で死んでる奴もたくさんいるって考えれば

別段おかしい話じゃない

二次元世界でも、偶然に偶然を極めた奴にスポットライトが当たっている

物語になれないけど、平凡な出会いとか盛り上がりの無い出会いストーリー二次元世界はいっぱい転がってるわけ

2017-10-13

[]望月峯太郎ドラゴンヘッド」何度目かわからん再読

主人公男子は、修学旅行帰りの新幹線トンネルに入ったとき地震が起きてトンネルに閉じ込められる

かろうじて生きてた女子と一緒に、何が起きたのかの探究と、東京の家に帰るために、荒廃した世界を進む

その途中でいろんな人に襲われたり助けられたりしながら、恐怖と向き合っていく

相変わらずさらさら読める

ちょっとした動き、動きへの反応もぜんぶ丁寧に描写してるから、読んでてしつこいほど主人公同調できる

背景の書き込みすごいなあ・・・

しかコミックスで読むと各話の区切り全然わからん

扉絵もないし・・・

あと前半のコミックスはあらすじがついてたけど、あらすじの書き方がテルマエロマエっぽかった

同じ編集者だったりするのかなあ

ラストはやっぱり物足りないなと思った

でも記憶違いしてて、ヘリで助けられて真っ暗な深淵を除いて終わりだと思ってたけど違った

どんどんズームアウトしていって終わった

うーんしかし憧子ちゃん(咲と同じだな今見ると)かわいい・・・

健康的な太ももがまぶしい・・・

リトバスした後だと、あこちゃんの病気ナルコレプシーだなって今読むとわかる

しかしあこちゃんみたいにかわいいつがいたら、最初ノブオみたいにやるのがふつうだろ・・・

主人公、その他仲間の男が理性保ちすぎててすごいと思った

でもこれもう主人公確実にあこちゃんとつきあう感じだよなあ・・畜生うらやましいぜ

もっと読みたいと思うけど、人間の心の弱さ、闇の正体、それと向き合うということ、というゴールまでたどり着いたから、

終わりなんだろうな

災害がメインじゃなくて、あくまでも災害を通したそういったものスポットライトをあてた漫画なんだよっていうメッセージにもなってるんだと思う

映画はクソだとよく言われてるけど逆に興味あるなあ

どっか外国廃墟のセット作ったらしーけど、ビジュアルを見るだけだとかなりセットのできはよかったように見えたんだが

あとタイトルなー

龍頭ってとこからきてるのはわかるけど、それをタイトルにしたのがいまいちしっくりこないというかよくわからないもやもやしたままだ

2017-07-29

主人公になると決めた

 僕はずっと、自分人生傍観者だった。

 この感覚自体理解出来ないという人が多そうだ。と言うか、そうであって欲しい。僕という人間世界中に一人しかいないと理屈では分かっているが、僕に対する僕自身評価が「その他大勢」だったのだ。世界主人公は僕以外の誰かで、僕はそうではない有象無象の一部だった。

 キモオタコミュ障で、学生時代教室の隅でキノコを生やしながら本を読んでいた。イジメの標的にされなかったのは、比較的育ちのいい子ばかりの私立学校ゆえイジメ自体が少なかったからで、公立に通っていれば悲惨学生時代になっていたと思う。

 本や漫画の好きな、いわゆるオタ友達ならいたのだが、彼らとも時々隔たりを感じていた。「普通高校生が異世界召喚されちゃう、みたいな話あるじゃん。もし自分がそうなったらどうする?」なんて話をしていると、僕は野垂れ死にする自分しか想像出来なかった。ファンタジー世界に行ったらこ属性魔法が使えそう、とか、さすがに王族に見初められる自信はねーわ、とか、そういうバカ話をする友達が眩しく見えた。彼らは自分主人公である世界想像出来るのだと知って、羨ましかった。

 仮に最初からファンタジーRPG世界に生まれ落ちたなら、僕には名もなきNPCがお似合いだろう。世界を救う旅をする主人公に話し掛けられて、「夕食の材料を買いに来たんだ」とかのどうでもいい話をする人。ゲーム攻略の手掛かりを提供することも、プレイヤーの心に残ることもない、そういう存在

 頭も顔もよろしくない僕が、器用に生きるのは無理だった。せめて真面目に勉強して、それなりの大学に行き、手堅い職に就こうと思った。そして当初思い描いていたレールと比べれば、多少の紆余曲折はあったものの、最終的には建築系の企業入社図面を書く仕事に辿り着く。

 この仕事は僕に合っていた。PCに張り付いてCAD操作をするのは得意だった。雑談が苦手でも、最低限の挨拶情報交換さえハキハキとしていれば「自分作業に没頭できる人」としてプラス評価を受けられるのもありがたかった。休み時間にも図面を書いて練習したり、参考書を読んで勉強していれば、そっとしておいてもらえた。人間関係の苦悩も、当面は食いっぱぐれの心配もなく、収入は安定していた。

 顧客の「こういうものを建てたい」という注文や、上司の「法に触れないように調整しておいて」といった指示を、PC画面上に反映させていく毎日。僕は自分意思を持たない、人の言葉PCに受け渡すだけの変換機みたいなものだった。仕事自体は好きでも嫌いでもなく、ただ毎日が過ぎていく。それでいいと思っていたし、僕にはそれがお似合いだと思った。

 そこそこ経験も積んで三十歳になったある日、僕は小さな建築現場事務所に配属されることになった。

 現場事務所にも色々あるが、僕が回された先は労働衛生基準法に照らせば真っ黒な、およそ人の働ける環境ではないという最悪の部類である間取り関係上、空調の効きが悪く、夏は暑く冬は寒い。窓はないため無風であり、日光は差さず、機械音だけがうるさい。

 環境改善要望無視され続け、僕のメンタル一年でイカレた。それでも一年間は問題なく務めたのだから、この人事は正解だったと言うべきだろう。最初からいた現場長以外の、僕の後任として入った人たちは、ほとんどが数日でダウンするか逃げ出してしまったらしい。退職間際、現場長一人で仕事を回しているので大変そうだ、と人づてに聞いた。

 そんなことを言われても、発熱眩暈、圧迫感、何の刺激もない時に突然涙が出る。労働どころか外出もままならなくなった僕は、仕事を辞めざるを得なかった。休職も出来ると言われたが、回復後に同じ環境に戻される可能性を考えると気分が悪くなったので、丁重お断りした。

 変換機として生きて行くことは、もう出来なくなった。

 かような経緯から、今の僕は三十路過ぎのニートである。なんと切ない響きだろうか。結婚どころか恋人もいない上、肉体と精神も損なってしまった。あとは失うものと言えば貯金残高と寿命だけ、というこの状況にあって、僕は一つの気付きを得た。

 職と健康を失ったことで、親には心配を掛け、友人からは「無茶しやがって……」とオタクらしいコメントを頂戴し、必然的に世話を焼いてもらう機会が増えた。それはとてもありがたく心強いことなのだが、申し訳ないことに、施される親切が僕の欲求とずれていることがある。たとえば今はさっぱりしたものが食べたい気分なのに、友人が手土産としてベイクドチーズケーキをくれる、というような。

 当たり前だ。僕の親しい人たちは、僕自身ではないのだから。彼らは彼らなりに、良かれと思うことをしてくれるのであって、僕の漠然とした欲求を察してくれるエスパーではない。友人は僕が「チーズケーキが好きだ」と言っていたことを覚えてくれてはいても、僕が今なんとなく食べたいものまでは分からない。

 ましてや職場において、僕が本当は日の当たる綺麗なオフィスで働きたがっているだなんて、誰が想像出来ただろう。ぼっちが平気で本さえあればゴキゲンコイツなら、環境が多少劣悪な現場でも耐えられるだろう、と判断されたのに違いなかった。

 僕の欲求を察して満たしてくれるヒーローなんて、どこにもいないのだ。

 ならば僕自身が、僕の欲求を聞いてくれるヒーローにならねばなるまい。主人公の座に戻らなければ。次はどんな働き方をしたいのか、どういう生活をしたいのか、趣味だって好きなだけ増やせばいい。一つずつ確かめて実現させて行く必要がある。

 今までは周囲に流されながら、手の届くものだけを掴んでいたけれど、本当は自分で水を掻いて行きたい場所に行けばいいし、欲しいものに手を伸ばしたっていいのだ。

 そういう風に考えて顔を上げると、空が今までよりも広く見えた。ごちゃごちゃと続く街並みを眺めるだけで、心が躍った。

 世間には「誰もが主人公」というメッセージが溢れている。その言葉自分には当てはまらないと、僕はずっと思っていた。

 だが今なら、「誰もが主人公」という言葉を受け入れられる。主人公とは、舞台の上で華々しく歓声やスポットライトを浴びる人を指す言葉ではないと気が付いた。演劇よりもゲームイメージした方が分かりやすいだろう。僕は多くの人にとっての「その他大勢」だが、物語の中で果たす役割が何であれ、僕は常にその人物を通して世界を感じ取り、考え、行動する。使用するキャラクターカスタマイズは出来ても変更は出来ず、人に操作を代わってもらうことも出来ない。生まれた時から死ぬ時まで、ずっと主人公であり続ける。

 だから、僕は主人公だ。非力でいいとこなしで、ステータス異常「うつ」まで付いてる始末だけれど、装備やスキルを工夫しながら目的地に向かうことを許された主人公なのだ。設定された座標を往復するだけのNPCじゃない。

 今の僕は三十一歳。自分がやりたいことを見極め、がむしゃらに夢を追い始めるには微妙な年齢である。夢を叶えようとしても、たとえば警察官になるには既に受験資格を失っているし、俳優を目指そうにもこの年齢の未経験者を入れてくれる劇団を探すのは難しい。

 僕の場合は更に厄介なことに、そもそも自分のやりたいことが分からない。趣味と言えば読書ゲームジョギングくらいで、人に誇れるものは何もない。小学四年生くらいまでは作家になりたいと思っていたが、三十一歳になった僕が小学生自分を参考にするというのも情けない話である

 しかし、うん、作家か。今も昔も、本が好きなのは確かだ。文章が書ける限り何歳からでも目指せる、年齢制限のない夢があるというのは悪くない。故に諦めを付けるのが難しいという、泥沼のような側面には注意を払う必要がありそうだが。

 他にもきっと、意識するより先に諦めてしまった「好き」や「やりたい」が山ほどあるのだろう。中には既に、年齢制限に引っ掛かってしまって叶わないものもあるだろう。それでも今の僕は、それらを探しに行きたいと思う。仕事でも、趣味でもいいから、傍観者をやめて、僕自身物語に介入したいと思う。

 それにしても、まさか三十路を超えた後にやりたいこと探しをする羽目になるとは。作家になりたいです!と公言するのは匿名記事ですら気恥ずかしいのに、年齢がそれに拍車を掛ける。若い人は是非、若い内にこの恥をかき捨てておいて欲しい。

 僕の物語ハッピーエンドである保証はない。夢を一つも叶えられないまま死ぬのかも知れない。そうだとしても、ジタバタもがいた後の方がきっと安らかに死ねると信じ、決意を固めるべくこの記事を書いた。デスクワークしかしなかった日よりも、気力を振り絞ってジョギングに出た日の方がよく眠れるのと同じように。

 三十一歳、無職独身恋人なし、病身。見事な詰みの現状から、この先何が得られるのか、少しワクワクしている。



追記:

 コメントトラバともありがたく拝読している。僕は個別に返信出来るほどマメではないので、かいつまんで書く。

 とりあえず、今の僕は既に心療内科のお世話になっていること、療養二ヵ月目でそれなりに落ち着いていることをお伝えしておきたい。

 この記事では「主人公」という、誰にでも通じるであろう言葉を用いたけれど、意味としてはゲーム用語の「プレイヤーキャラ」の方が適切だと思う。僕の自意識主人公のそれになっても、他の人から見れば立派なモブのままだ。

 ブクマコメで指摘されている、「これといってやりたい事が無さそうに見える」は、本当にその通りだ。自分のやりたいことを考えてみた時、小学生の頃の夢しか思い出せないくらいには何もない。

 最初から主人公としての自意識がある人には分かってもらえないかも知れないのだが、「お前は主人公じゃない」「どうせ何も出来ない」と自分に言い聞かせ続けていると、やりたいという気持ち自体が起こらなくなる。出来もしないことについて考えるのは、不毛無駄なことだから。出来る人を羨むのはしんどいから。心を守るために、「別に自分はやりたいとも思わないし」と思い込むようになってしまう。

 ずっとそんな風に生きてきた僕は、まずやりたいことを探すところから始めなければならない。言われてみれば、似たような筋書きの作品はいくつも思い当たるのに、僕は今まで何を読んでいたのだろう。本で読むのと、体で理解するのは別のことだということか。

 実は僕の状況は、詰みというほど悪くはない。失ったものは大きいが、得たものもまた大きかった。この記事に書いた自意識の変化が一つと、もう一つは人に恵まれていると実感出来たことだ。

 別地方勤務の同期が突然旅行で近くまで来てくれたり(うつ患者観光案内させるとか鬼か)、元上司が飲みに連れ出してくれたり(薬の関係で僕は飲めないのに)、オタク友達はここぞとばかりにDVD押し付けてくる(全部観ているとただのヒキコモリになってしまうからやめて欲しい)。

 盛大に人生をスッ転んだ結果、それでも助け起こそうとしてくれる数少ない人、僕が大切にすべき人たちをハッキリと見分けられるようになった。今のところ僕のやりたいことリスト最上位は、「この人たちに恩返しがしたい」だ。自分欲求とのバランスを取りながら、頑張ってみたいと思う。

 今はチーズケーキの気分じゃないとか言ってごめん。今度は僕が、自分で選んだ菓子を持って遊びに行く。

2017-07-09

デリバリープロパイダの中の者だが人手不足配送現場はもうヤバイ

最近ニュース晒し上げを受けているデリバリープロパイダこと零細配達企業の中の者です。

正直に申し上げますが、配送現場は終わっています

皆さんはクロネコヤマトしか知らない人も多いですから配送=日時通り届いて当たり前。不備があっても逐一、電話連絡があって当たり前…と思っていますよね。

残念ながら、それはヤマトからこそ出来る芸当で、一般的配送業者には真似出来ません。

ヤマトは、社員教育配送オペレーション拠点の数まで全て完璧で、配送においてヤマトの横に出るものはいません。

Amazonゾゾタウンの無茶な即日配送も、今までこなせてきたのはヤマトからこそ、って話なんです。

Amazonは「デリバリープロパイダもヤマトよりサービスが2割ほど劣るだろうけど、問題ないレベルだろう」って思ってるでしょう。

しかし、外資Amazonは零細配送業者のレベルを分かっていなさすぎる。

自慢出来ることではありませんが、我が社の新入社員は足し算引き算も怪しい社員がたくさんいますよ。

元◯◯者もいますし、人手不足で引く手あまたの配送引越し求人にすら受からないヤバイ人が集まっているのが零細配送企業です。

全てのデリバリープロパイダがそうとは言いませんが、うちはそういうレベルです。

人材レベルがそんな低水準ですから、例えば、こんなミス毎日のように起こります

宅配ボックスの使い方が分からず、宅配ボックスの前に置いてきてしまった。

・「壊れもの」と書いてある荷物を投げて、壊れものでない荷物を丁寧に扱っていた

ユニフォームを汚してしまったため、普段着配達

・住所が分からず、指定日配達なのに倉庫に持って帰ってきておまけにミスを隠した

配達先の若い女性ナンパ

このようなトラブルが起きれば、当然クレーム電話が来ますが、そのクレーム電話すら受けられないほど人手不足

社長ゲキを飛ばすだけの根性論者で、クレーム対応事務のおばちゃんに押し付け

クレームは1円にもならないが、荷物を運べば金になる」というのが社風で、サービス精神のかけらもない感じです。

当然、客にもAmazonにもタメ口対応

「時給300円で人を雇いまくれ。Amazon荷物で稼ぐぞ!」

ヤマトが逃げた今、うちらスポットライトが当たり始めた」

等、社長は今の状況を喜んでいるようですが、現場手取り12万(自爆あり)で休み無し14時間肉体労働限界がもう来ています疲弊しています

とにかく私が伝えたいことは、配送現場デリバリープロパイダの中の会社はいろいろやばいです。

Amazonさん、お願いですから外注放り投げはやめて、外資パワーで自社の配送業者を作って、まともな労働環境ヤマトレベルサービス提供してあげてください。

何で人手不足なのに待遇よくならねえのかな。もう死にたい

2017-07-03

小原英治という漫画家について

まず言っておかねばならない。彼は間違いなく天才的な漫画家「だった」。

彼は『コリンズ先生気をつけて』というタイトル読み切りデビューしたらしい。らしい、というのは現物が手元になく確認できないのだ。

なんでも、1985年発売の「マガジンフレッシュ」とかいマガジンの増刊に載っていたようなのだが、マガジンフレッシュなどという雑誌存在インターネットからほとんど消失してしまっているのである。これではどうしようもない。

入手不能のデビュー作は置いておいて、デビュー単行本の話に移る。

先に言っておくが、この作家、たったの一冊しか単行本を出していない。

そのタイトルは「がんばれアニマルズ」……。タイトル地雷漫画のようだが、当然中身も地雷である。なんも面白くない。地雷中の地雷である。一巻で打ち切りになったのも当然である

ちょっと待て、小原英治は天才なんじゃないかって? それもまた真である

なぜならがんばれアニマルズは原作作画が分かれているのだ。小原英治は作画担当。クソおもんない脚本に対する責任は負っていない。

このがんばれアニマルズにおいても、小原英治はいかんなくその才能を発揮している――。躍動感溢れる画面、息を呑むスピード感。でも、脚本があまりにも異次元レベルでおもんないので、作画も霞んで見える。悲しい話だ。

……作画面に全く問題が無かったのかと言われると、女体が致命的にえろくないとか、カラーがひどすぎるとかい問題があるが、それでも圧倒的に脚本責任のほうが重い。

彼が真の才能を発揮するのは、この後描かれた漫画である。その読み切りたちのタイトルは「ベガ将軍の憂鬱」「ひとつだけ光るもの」「俺は待ってるぜ」「あとは神様にでも言ってくれ」だ。タイトルから察せられるとおり、この短編たちはストリートファイターアンソロジーに寄せられたものだ。

この短編脚本作画小原英治によるものだが、なんとまあ。おもしろいのだ、これが! なぜデビュー単行本原作をつけたのか問えるものなら問うてみたい。明らかに、彼一人ですべてこなしたほうがよかった。足を引っ張られすぎだ、あれは。

愚痴はここまでにしよう。この小原英治という漫画家、何が良いのかと言われると全て良いとしか言いようがないのだが、(コマ割りも構図もテンポもなにもかも上手い、絵が緻密だが読みにくくならないように白と黒割合が考えられている、ページに対する情報の詰め方が上手い。漫画教科書採用されてしかるべき出来だ)

なんといっても上手いのは、台詞回しである

とくに台詞が優れている、「ひとつだけ光るもの」の台詞引用しよう。

(場面は夜。たった一軒の家と、小高い丘、その上にはひとつだけ小さな墓標が立てられている。その傍に一人の男が居て、暗闇の中紫煙をくゆらせている。その傍らには一仕事終えたらしいスコップが置かれている)

――以下引用


ケン(妻が死んだ)

ケン膵臓ガン まだ20代の若さだった)

ケン(この手に残ったものといえば 家と幾何かの金 それに 発狂するには充分過ぎる程 退屈な日常

(なにかを思案して、家に入っていくケン

ケン(俺は昔 身を置いた世界へ再び 足を踏み入れた)

(ここで場面転換。ディージェイ相手ファイティングポーズをとっているケン

ケン(借り物の人生に 別れを告げるために)



ここまで引用――

どうだろう。この間、わずか一ページである。一ページで完全に舞台設定と登場人物の背景と物語の導入が、流れるように行われている。

なんだよそれだけかよ、たいしたことないじゃん、大げさじゃないか?と思われてしまうだろう。残念でならない。俺のつたない描写力では、彼のきわめてすぐれた台詞回しを支えている画面描写についてまではカバーしきれないのである

彼の漫画をここに貼り付ければ、この一ページを目撃しただけでたちどころに1万人程の人間がショック死することは請け合いなのだが。


ところで、この漫画、「イライザ死んでるって、どういうことよ!?」と思ったかたもいらっしゃるだろう。

それもそのはず。小原英治のスト漫画は、一つたりとも原作に準じていないのである

あらすじを列挙してみると、


ベガ将軍の憂鬱

ザンギエフブランカが女たちを奴隷にして死闘を演じさせている! リュウケンは助けを求める女の手紙に応え、(スケベ心混じりに)中東へ飛んだ。

からくも悪の幹部を打ち倒すとベガどや顔でやってくる。以下、台詞引用

ベガ貴様ら2人を政府高官に対する暴行障害の罪で拘束する」

ケン「!!」

ケン「ベ ベガ

ベガ「と言いたいところだが 今回は見逃してやる 早く逃げろ」

リュウ「なんで貴様が?」

ベガ「実は今この国で将軍をやっておる」 「知らんのか」

ケ「知らなかった」

ベ「三ヶ月前までは万事順調だったんだがなあ ザンギエフブランカ野郎国王にうまくとり入りやがって 見ての通りやりたい放題よ しか親衛隊ともなると俺もうかつには手が出せん」

ベ(そこで俺は一計を案じた)

ベ(女の名を騙って一筆書けばスケベで脳カラマッチョが来て奴等を始末してくれるのではと…)

ベ「しかしこれ程うまくいくとは」

ケ「お おいじゃこの手紙

ベ「私が書いた」 (日ペン三級)

ケ(なんつーガラに似合わぬ字だ)

ベ「おっ サツが来たぞさっさと帰れ」

ケ「てめえ こんだけこき使ってくれたんだ ギャラの一つも払ってくれるんだろな お」

ベ「つけとけ」

ケ「糞ったれの×××野郎!! ×××かんでしね~」

……という顛末である

「スケベで脳カラマッチョ」というあまりにもあんまり罵倒語個人的お気に入りである

ひとつだけ光るもの

上記導入の通り、イライザが亡くなり、ケンは格闘業を再開する。(この話において、ケン一時的に格闘業を廃業していた。……というか、財閥御曹司ですら、ない。取り柄といえる格闘家としての自分を捨て、おとなしく夫として

生きていたのだろうが、妻が亡くなったためにケン文字通りからっぽになってしまったのだ)

より良い闘いを求め、ケンは昔の仲間を頼るのだが、

フェイロン俳優として専念、キャミィ専業主婦本田親方としての仕事に集中し、ガイルに至っては行方不明である

チュンリー言及されていないが、おそらく(エンディング通りに)格闘家廃業している。刑事もやめているのかもしれない。

リュウに対して触れていないのは――死んだんだろう、たぶん)

落胆するケンに、ザンギエフが諭す言葉がつらい。(台詞引用

ザンギエフ時代が違うんだよ ケン

ザ「今や ケンカってえのは 衰退種である人類に許された最後蛮行なんだぜ そいつを見せ物にしない手はねえ 巨大資本メディアがついて廻るのさ」

ザ「今どき無償で痛い目にあう輩なぞいやしねぇよ」

ケンあんたはどうなんだい」

ザ「俺だって そうさ ここ何年かはショープロレスで喰ってる ロープに飛んで帰ってナンボの世界よ」

ケンは魂の抜けたような目で、静かにこう考えている。

ケ(俺はただ生き続けたいだけなんだよ)

これは1人の格闘家が牙を抜かれ、「借り物の人生」を生き、妻の死を契機にまた自分人生を生きる物語だ。

であるのに、最後モノローグは言いようもなくもの悲しいのだ。

サガットなら真面目に戦ってくれるだろう、という助言を手に、ケンサガットの元へ。(以下引用

ケンクエスチョン!」

ケンザンギエフが言うにはあんたは俺と同種なんだそうだが」

かませ「なんだよあんたそこをどけよ 俺選手

(かませを殴り倒すケン

ケ「そりゃ 真かね ダンナ

観客「ゲーッ なんだ おい 飛び入りかよ!! マジ?」

観客「これじゃカケになんねえよ」

サガット「シッ」

ケン「ぐが」

(わざとらしい殴り合いをしている 顔面血まみれ)

観客(こいつら― わざと―)

ケ「こりゃあ ズブロッカ4本は安かったかな」

サ「奴に言っとけ 4本しか飲れんようじゃ 退引け時だとな」

ただ1人本気で戦ってくれたサガットを倒し、満足げにリングに立っているケン

モノローグ引用

(ああ イライザ 僕はもう少し 生き続けることができそうだよ―)

スポットライトを浴びながら、そんなことを考えている。そうやって、ケン死ぬまで生き続けるのだろう……。そんな未来を思わせる終わり方だ。

「俺は待ってるぜ」

生意気アレックスをくたびれたロートルケンが殴る。

あらすじはそれだけで、この話は会話劇がたまらないのだが……。

現物を 入手 してほしい

この話に関してだけはちょっともう抜粋した台詞なんかでは到底伝わらないと確信が持てる。どうにかして手に入れろ。「ストリートファイターⅢ」のアンソロジーだ。今は潰れてる新声社のアンソロだ。

とにかく手に入れてくれ。話はそれだけだ。

I'll be waiting for you,kid.


「あとは神様にでも言ってくれ」

ガイルアベルを殴る話。

この話はフルカラーなのだが……。……。……。

ちょっと言いたくないのだが。小原先生カラーが下手だと思う。

2009年に発表された「あとは神様にでも言ってくれ」を最後に、小原英治は漫画から姿を消した。というか、この作品も十年越しぐらいに発表しているので、基本的寡作である

俺は最後短編が発表されるまでは「病気になったのだろうか、漫画が描けない程の……」と思っていたのだが、どうもそんな気がしなくなった。

「あとは神様にでも言ってくれ」はデッサンも整っているし、線が乱れているわけでもないし、空間認識力は問題がなさそうだ。色彩感覚は元から妙なので病気をしたということもなさそうだ。

俺の考えていた脳や神経や目の病気という線はどうも薄いように感じるのだ。

であれば、残るのは経済的問題だ。

漫画家で稼げるのはごく一部の人間だけである

であるので、たぶん、別の業種に行ったのだろう。ふつうサラリーマンでもやっているのだろう。

……悲しい。

損失である。彼の新作漫画が読めないという事実は、全人類にとって大きな損失である、と断言できる。

もしも彼が「漫画家では生活が立ちゆかないから」漫画家をやめたのだとしたら、言いたい。

あなた生活が安定すること」よりも。

あなた漫画を描いていること」のほうが、明らかにこの宇宙において優先されるべき事項であると。

もしも彼の知人がこの文章を読んでいるのなら、彼を無理矢理にでも表舞台に引きずり出してほしい。

だいたい、今どき絵で金を稼ぐのがそんなにハードル高いのか。

ただの漫画家ならともかく、彼は天才だ。できる。やれる。金を稼げる。絶対稼げる。

から、描いて欲しい。

というか、描け。漫画を描け。可及的速やかに描け!

以上、一ファンの主張でした。

2017-07-02

つくづく英語時代拡散力の時代)ってだけの話

なぜハッカーが生まれなかったのかとか的外れなこと言ってる人がいるけど

ハッカーなんて、情弱でもわかりやすパッケージとして見せられるかどうかだろう

任天堂岩田さんだってハッカーとして売り出してたらハッカーってことになってただろうし

そんなのはマーケティングの話でしかない

まり売り出すか売り出さないかだ

いつぞやゲームクリエイターというイメージパッケージVジャンプ最初にやったんだ!という鳥嶋社長インタビューがあった

本当かどうかは知らないが興味深い話なのでまだ読んでない人は読むといい

http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/torishima

ゲームという世界だし、ゲームクリエイターってのはハッカーに限らないから今回の話の例として出すのはおかしいと思うけど

イメージパッケージとしていい例かなと思って出してみた。

まり日本においてハッカーというパッケージで売り出そうとしたメディアはいただろうかって話がある。

ゲームクリエイターというパッケージ以前も、ゲーム作ってるお兄さん的な存在雑誌インタビュー受けてたのは子供のころ読んでたゲーム雑誌で覚えているけど

ゲームクリエイターになってからは、常識変えてやります感とか急に出て驚いたのを覚えている。(背景は黒でピンスポットライトなんか充てられてね)

ハッカーもまさにそんな空気演出したなにかだろう、コンピュータに詳しいおじさん以上の存在としての何かを日本メディアは求めただろうかって話。


イメージパッケージ以上に影響が大きいのは、活躍の場、そして拡散の力、つまりそれは言語ってことだ

2ch4chanでも世界への影響力に差がある

そもそもFacebookなんて技術力(つまりハッカー)の力でのし上がった企業ではない

まりコミュニケーション拡散力が勝敗を決めるってことだよね

いやいや、技術力ありますやん、facebookすごいですやんって思うだろうが、それは結果的金もった企業が雇ったにすぎない

RubyにしてもMatz英語を駆使して布教たから、RoRにつながったんだろう

良い言語からだけでは今のRuby地位はなかった(それでもPythonと比べてどうのこうのと言われるのもきっと拡散力)

Matzさんはモルモン教徒で、大学を休学してアメリカ布教活動してたみたいだけど、今のRuby地位とこの経験無関係ではないと思うよね。


イメージパッケージ拡散力、そしてそれを可能にするツールとしての英語

これはほんと重要だと思うよ。

ゲームなんかはオンリーワン的な存在から無効翻訳させてくれって言ってくるの待っててもいいけど

ITなんかはサービス業からこっちから行かなきゃ向こうで類似サービスが立ち上がって終わるだけ。

まだJAVAapplet全盛時代日本お絵描き掲示板ってのがはやって、これ海外でもoekakiBBSって名前ニッチなはやり方したんだけどさ

これアメリカでやってたらクラウド時代だなんだってイメージパッケージしてこれが最先端ですって言ってただろうなって思った。

日本じゃアメリカブログよりまえに、WEB日記がはやったけど、海外メディアブログだなんだと言い出してブログ流行り始めた


そういうことよ

任天堂youtube動画再生はNOAのほうが10倍多いからね

英語が話せると10億人と話せますみたいな話。

2017-06-11

30代童貞の咎、無職の罰

30代童貞無職でも優しくされたい!を書いた増田だ。

http://anond.hatelabo.jp/20170529064047

最初謝罪なのだが、実は元の記事は二、三年ほど前にここに書いたが全然反応がなかったものの再投稿であった。

黙っていてすまん。

でも相変わらず30代童貞無職であるので、釣りではない。

相変わらずどころか、加齢のぶん状況が悪化してるわ。

ザッと見た反応には共感も叩きもあるが、とりあえず前と違ってガン無視されなかったというだけでいくばくかの慰めを得ることができたので、そこんところに大いに感謝したい。

それでも叩いたり説教した奴はとても憎いがね……。

ところでこの記事タイトルイリヤの空UFOの夏が元ネタだ。


俺の発言がかつてないほど話題になって調子づいたので、その反響に対する自分語りを長々追記する。

悪いが、提案説教に対して、でもできないよおと拗ねる内容だ。

返事しやすいことにだけ返事しているから、クリティカルな指摘はスルーしてるかもしれん。

この追記に含まれ話題は以下の通り。

・俺の求める優しさとは何か

・俺から他人に優しくすべきだという話

フェミニズム

宗教

メンタルクリニック

ボランティア

創作

風俗

・会おうかと言ってくれる人について

無職で生かしてもらってんのがこれ以上ない優しさ

・働け


沢山ツッコまれている、「お前の求める優しさってなんだよ」ということを考えてみた。

自分の中でもふわっとしてるので、とりとめなく羅列する書き方になってしまうが。

たぶん俺が欲しているのは、物理経済)面と、精神面の両方とで、自分生存に罪悪感と不安を覚えなくていい状態ができてほしい、ということに近い。

場所を作ってほしい、支えができてほしい、許しを与えてほしい、関係を持ってほしい。

こんな存在価値のない無能が生きていて申し訳ないとか、人と会話して申し訳ないとかの自罰的な気持ちと、その反動で貯まる攻撃的なルサンチマン、更にそれらからくる社会活動経済活動のうまくできなさから解放されたい。

生きている現在と、生き続ける将来に安心したい。なんとかいい感じに暮らしていけそうだとほっとしたい。

物理面の安心は、セーフティネットや、俺でもつとめられる安定した職や、日本の将来の暗さの解決なんかが欲しいってことだろうか。

精神面の安心は、流行っている言葉で言えば自己肯定感が欲しいとまとめられるかもしれない。

個人でも、思想でも、社会システムでもいいから、俺に優しくすることで自己肯定感を育て直す手助けをしてほしい。

俺が幼稚だという感想も見たが、育て直しを手伝ってほしいってのを望むくらいだから、そりゃ幼稚なんだろうな。

他人を頼るなって意見も多く、そうできるにこしたことはないけど、自己肯定感を独力で育てるのそうとう厳しくないか

厳しくてもやるんだよ、甘えるなっつーのが人生現実ですか? こらこら、しばくしばくなww

ついでに言えば、自己否定感をもたらす色々なものから守ってもほしい。

守ってほしいというとお姫様気取りかよと言われそうだが、人間には防壁が必要だ。

思想信仰も密な人間関係も、外部の影響で精神が動揺するのを防ぐファイアーウォールになるというのが役割の一つだと思う。副作用として悪質なそれらにハマった人も、防御機能が働き意見を変えづらくなるってのもあるが。

ネット越しのあれこれを見てると、ファイアーウォールの十分でない俺の精神はどんどん腐っていくのを感じる。

だが他に気軽に寂しさを紛らわす手段もないので延々ネットを見ている。

そもそもこういう記事を書くこと自体優しい言葉と厳しい言葉を両方飛ばされるかただガン無視されるかのどちらかだから、俺みたいな拗ねてこじらせた脛齧り野郎はやらないほうがいいんだ。

共感が10個あっても叩きが1個あったら叩きばかり印象に残る性格の奴が、運がよくても半々、そうでなければ袋叩きになるような愚痴ネットに書いてその反響を追うのはよくない。カウンセラーにでも愚痴るべき。それはわかる。

カウンセラー愚痴っても淡々と聞かれるだけで虚しさが募ってきたから、我慢できず書いちゃうんだけど。

言ってみりゃ、BUMP OF CHICKENリリィみたいな存在出会いてえんですよ。

弱音と苛立ちをこぼしても「そういうところも全部かわいい人ね」って言われてえよ。

無職なのでスポットライトも浴びてないしがんばって自分を唄ってもいないけど。

いやこの増田が俺にとってのステージだ。


人に優しさを求めるならまず自分が周囲に優しくしろ、というコメントも多かった。

この場合、俺が他人に送るべき優しさってなんだろうな。俺が求めてる優しさは上で書いた感じだが。

俺には、ただのオタクとしての名義や、リアル本名もある。

オタクリアルの方では、人の愚痴にはできるだけ親身に乗っているつもりでいる。いいと思った創作者に長文感想を投げたりもする。落とし物を拾う手伝いとかする。

どれも迷惑な押しつけかもしれないし、性根の腐り具合が滲んでるかもしれないけど、いちおう些細な優しさだとする。

でも、それが相手の救いになってるかというとたぶん全然ダメ

たとえば仕事がきついとか、上司セクハラしてくるとか、金がないとか、親との関係が悪いとか、モテないとか、ネットで叩かれたとか、そういう愚痴に俺ができるのは「大変だよな」「そいつマジクソファッキン口からウンコ漏らし」「思いつめない方がいいよ」などを言うだけ。作品への感想も結局は面白かったと言ってるだけ。

しばらく泊めてやるし旅費も出すからろくでもない家と会社からは逃げてきなよと言うとか、出版関係者コネがあるから紹介してあげるとか、そういうちゃんと役に立つ対応はできない。

俺は地方民なので、知人はみな地理的に遠く、日常的に会って一時的ストレスを紛らわしあうこともできない。(俺と会ったらむしろストレスが溜まるかもしれないが、一般的にはそういう優しさもあるだろうってことで)

生活に将来性がないので、他人自己肯定感を育てられるほど長く密な関係を築くこともできない。

お金社会的安定も能力甲斐性ない人間は、責任のある優しさ、問題解決能力のある優しさを人に与えられないんじゃないか

から俺も優しくされないのか?

服を買いに行くための服がない問題みたいだな。

寄付するための金がない、支援するための余暇がない。


フェミニズムについて書いた部分もあれこれコメントされている。

元の記事フェミニズムマチズモの双方を俺の敵対陣営として書いたが、根源的にはフェミニズムは悪ではなく、公正さを目指すって意味ではむしろ善なる思想だとは思っている。

しかし、昨今俺に最も自己否定感や罪悪感をもたらしてくるのがフェミニスト的な言説だから敵視しているのだ。

俺のガバガバメンタルファイアーウォールを突き破ってくるんだよ。

そういうのは真っ当なフェミニストではなく一部の過激派だとか、フェミを名乗るミサンドリストだとか、脳内フェミだとか言われるのだが、とりあえず確かにツイートブログが見えるから脳内妄想ではないとして、一部過激派ミサンドリストと「真っ当なフェミ」なるもの区分するのは非常に困難である

自己否定を煽られたならミサンドリーだとするなんてのは、俺に/男に都合のいい意見しかフェミニズムと認めないなどという傲慢極まるスタンスになるのでありえない。

そしてフェミニズムも色々な考え方があるっぽいから、明らかに罵詈雑言を投げてるタイプくらいしかミサンドリーだと断じきれない。

そもそも疑問なのだが、ミサンドリーの入ったフェミニストが見分けられたとして、フェミに耳を傾けましょうって立場人間が「ミサンドリーフェミの主張は無視していい」なんて言うのはアリなのか?

ミサンドリーの奴らは、男によっぽど嫌な目にあわされたとか、別に大した理由はなく性格が歪んだとかで男に憎悪を抱き破壊的なことを言うわけだが、そこで他人聞く耳を持たなくていいのは破壊的な部分に限られていて、あいつらがどんな被害にあったとかどこに男女不公平を感じるとかの指摘を無視することに正当性はないのでは?

たとえて言えば、テロリストテロ行為は許すべきでないが、なぜテロリストテロ思想に走ってしまったのかという部分は着目するに足る、みたいなのと近い。

ミサンドリーフェミニスト言論テロリストだしその論調と主張手段は責められて然るべきだが、あいつらが語る己がテロリストになってしまった理由については、ある程度の誇張を割り引くとしても聞いてやるのが、フェミ親和派としちゃあ正しいのでは?

男性への不公平感や抑圧感が嫌悪憎悪レベルに達することで「あいつらはミサンドリストからフェミニストではない」と切断処理対象になってんのって変な気がする。

などとやたら長く書いたが、どっちにしろミサンドリストフェミニストも嫌いなんだ俺は。

だって俺が男である以上、体格がいいとか化粧しないでいいとかヒール履かなくていいとか生理がないとかガラス天井がないとか性暴力を受けづらく与えやすいとか性別由来の既得権益を得てはいるし、どんなフェミニズムであれその権益の使い方や再分配をよく考えましょう配慮しましょうと啓蒙してくるわけで、それは公正ではあるけど「ああ、男である俺は不当な利益を貪ってんだな、反省しなきゃな」みたいな気分にさせられるから、そりゃあ嫌いになる。

そのくらいの自省要求にすら耐えられないほどクズなんすわ、悪かったな。

痛いところを正しく突くな。回避不能な罪悪感で縛るな。

フェミニズムは公正で善かもしれんが、俺には精神有害なんだ。

しかし考えてみれば、ネット議論は幾らでもある中で俺が特に精神をかき乱されるのがフェミ主張ってことは、否が応でも目に入ってしまうくらいフェミニズムネットに行き渡り無視できない勢力にまで育ったわけだからフェミにとっちゃ順調っちゃあ順調なんじゃないの。


さっきちょっと信仰と書いたが、宗教を勧めるコメントも多かった。

わかる。

持たざる者精神的救いを求めるなら、宗教王道と言っていいと思う。

自分でも、上手くハマれればとても楽になれそうな気はずっとしている。

でも俺は宗教めっちゃ嫌いなんだよ。

結婚式チャペル行くのも葬式数珠握るのも地鎮祭も、もちろん新興宗教の類も、くだらないしキモいと感じられる。

から楽になるだろうことは分かっていてもやりたくない。

この場合宗教はいわゆる神様を拝む系の宗教を指しているので、科学信仰宗教嫌いも宗教であり~みたいな話は今回はなしで。


宗教の他には精神病院に行けという話もあった。

実はすでに、病院カウンセリングには学生の頃から通っている。

病名はついているが、憂鬱イライラ胃弱くらいしか自覚症状がないのでピンと来ていない。

延々経過観察されている。

薬は全然効かないので、現在憂鬱が激しい時にその場で飲む薬しか処方されていない。

障害年金はもらえそうにない。


ボランティア提案する人もいた。

実はこれも嫌々ながらやったことがある。

NPO臨時作業員というかお手伝いみたいな感じで数か月混ぜてもらった。

でも、NPOの人らが輝いた眼をして、力強い握手と共に「増田クン、まずは元気な挨拶からがんばろう!」と言われた一日目の時点で内心もうダメだった。

いや挨拶はしていた。どっちかというと丁寧にしていたつもり。小学校クラス挨拶名人賞を受賞していた、昔取った杵柄だ。

ただ全盛期を過ぎた今の俺の挨拶はオドオドさも香るスタイルになってるから、エネルギッシュな人たちからすると元気よくと言いたくなるのは分かる。

でも俺とは求める心地よさが違うのだなと感じた。血圧が俺より30くらい高そうだった。

あと単純にボランティアの具体的な活動でも俺はグズで気が利かなくて、役立たずとして混じってるのがキツかった。

ワンシーズン活動が終わったあと、臨時お手伝いの立場ながら打ち上げに呼んでもらえたので優しくしてもらったとは言えるんだろうけど、その最後打ち上げの席も辛かった。


創作ブログも多少やったが、しんどくてやめた。

気力体力行動力の消耗がヤバかったし、がんばって書いても読者が少なくてあんまり褒めてもらえないので悲しくなった。

小さいものを一つ作ることはできても、それを複数作ったり書き続けていくのはひどく大変だ。

内容が多少まずくても創作できる人はそれだけですげえよ。42.195kmを走らず歩ききるだけで凄いようなもんだよ。


風俗

俺の「童貞」という悩みを噛み砕いて言えば、「コミュニケーション能力と、アイデンティティのかなりの位置を占める男性という属性の二つが、他人特に男性から被害を受けやす女性から受容されたことがないことによる、不全感や許されていない気持ち」が問題なので、お金で受け入れさせたところで解決になる気がしない。むしろその手段を取ることで罪悪感が増しそうで怖い。金という暴力で女を従わせたってことになる。

なんて言ってみたが、風俗でいいから一回ヤってみてーという即物的気持ちモチロンある。

でも実家暮らしだと、家族風俗行ったとばれないかという心配事もありなかなか行けない。

男性性なんかにアイデンティティの重きを置くなって意見も見るが、その重心バランスセルフコントロールムズイでしょ。


はてなの内外で、首都圏だったら飯奢ったり遊んでやるよと言ってくれる人をちょっと見た。

とてもありがたい。だがすまないことに、前述の通り俺は地方である

まあそうじゃなくても、こんなクズ of クズ記事書いといて非匿名で会うなんて、恥ずかしさと怖さでできやしないが。

知人に首都圏在住者が多いのもあり、そっちで暮らしたい気持ちは大いにあるが、以前親に話を振ったところ良い反応をもらえなかったので無理だ。

自殺企図したことがあるため、離れた場所に行かせるのは心配らしい。

「30代になって親の顔色をうかがうとか幼稚すぎる」と言われるだろうが、親と話し合ったりお願いしたりということが物凄く苦手でダメだ。一度話を振っただけでとても勇気を出したくらいだ。


無職でもその年まで生かしてもらえてることが最高に優しくされてるだろというド直球。

就職しろというド直球。

あなたたち、その通りです!!!! 

養ってくれているお父さんお母さん、医療保険を使わせてもらってる社会ありがとう! 年金くらいは払ってます

腕力なくて荷物を落としそうになって迷惑かけたバイト先、一回寝過ごしたらもう顔見せるのが怖くて連絡を絶ったバイト先、寝坊した上道分かんなくなって面接キャンセルした就活先、集団ディベートで変なこと言う俺と同じ組になった就活生、興味ある職種を答えられず困らせたハロワ相談員さん、ごめんなさい!

こんなに迷惑をかけても、直接的な刑罰とか咎は負わされてなくてこの社会クズにも優しい!

その辺はマジその通り。

なのに、こんなに優しくされてるのに、なんでか人生がうまくいかねえし外に出るのが辛いし社会他人と関わるのも不安だし心身落ち着かねえしで自分じゃどうしようもねえし辛いので、もっともっと優しくされたらうまいこといかねえかな、誰か救ってくれよっつー夢想を書き殴ったのが元記事なわけ。

自分じゃどうしようもないとか甘ったれてんじゃねーよ人は自分で何とかするしかないんだよとか、むしろ優しくされすぎたのが悪いんだよとかの声も拝聴しております



書きたかったのはだいたいこんな感じだ。

自己卑下してかわいそうぶることで批判を避けようとしているのが鼻についたら申し訳ない。

卑屈さによる防御は卑怯なのだが、いったん頭に浮かんだ卑屈さや恐れを脱臭するのもこういうクズ人間エッセーみたいな文章ではニュアンスを損なうのでは、と考えるとよくわかんなくなった。

よくわかんなくなったということを言い訳にして、卑屈さを大量に残して責めづらくする予防線を張り、そして予防線を張ったことについての予防線を更に張る卑怯な書き方申し訳ない。

薄っぺらく心にもない謝罪を繰り返していて申し訳ない。



2019年8月追記

また2年後くらいにどうなったのか報告してほしい

このブコメ意識したわけではないが、偶然約二年後に似たような童貞孤独記事ブクマがついたので、トラバしておく。

童貞馬鹿にするのを止めるのがどれだけ童貞の為になる?

anond:20190810064323

2017-05-28

http://anond.hatelabo.jp/20170528094411

男のオタクと一緒で社会的評価なんてスポットライトを当てられるほど下がるだけだろ

LGBTを今まで迫害してどうもすみませんでした~と土下座しなきゃいけないご時世に心証が悪すぎる

そりゃ売り上げがあれば表立って非難はされなくなるかもしれないけど、評価とは違うし

これまで通りやりたいようにやりたいのなら腫れ物扱いを目指すしかねえわ

2017-05-22

スポットライトを浴びたくない

http://anond.hatelabo.jp/20170522184118

めっちゃ分かる。

成人式は、その年の何百人何千人といる新成人が十把一絡げだからまだマシだけど、

結婚式自分スポットライトが当たるから絶対嫌。

コンプレックスがあると見て欲しくないよね。

うちは、兄弟問題があったので、親だけ来てもらって顔合わせだけして、

結局、新郎親族には、その兄弟は会わせないまま、結婚した。

結婚式神社でやって、披露宴は無し。

新郎父親入院中で、病院がら式場に往復する状態からそれで済んだ。

2017-05-02

オタク自重しなきゃ

好きなものを好きっていうのは良いんだけど、もう少し声は低めに自己主張は控えめにして活動してほしいかな。

現代ちょっと事件があるとアニメ漫画を括り付けてくるでしょ?

しかしたらきっかけがそこにあったかもしれないけど、そんなのばっかじゃないじゃない?

サスペンスドラマ見て思いついた人も居るかもしれないのに、アニメ漫画を原因って言ってくるヤツってムカつくよね。

でも、オタク自己主張が激しい人が増えたせいか無駄スポットライト浴びすぎてるかなと思う。

大勢に認められる事も必要かもしれないけど、オタクの人の行動は多くが挙動不審っぽいか

認められる前に不審者だこれ…で終わっちゃう。

昔のオタク根暗でーって感じでコアな会話は表じゃなく裏でコソコソやってたりしたか話題になりにくかったんだけど、

今は「オレはオタクだ」みたいな感じに目立とうとしてる子がいるか事件と結びつけるにはうってつけの素材すぎる。

殺人事件ありました、犯人はやっぱりオタクでした。みたいな安易な考えもニュースになるとまかり通るから

やっぱりオタクはもう少し静かめに行動したらどうかなーと思う。

2017-04-26

橋の上で

仕事が終わり、最寄り駅を降りて帰宅中の出来事だった。事務所内で起きたトラブル翻弄され、極度の疲労を抱えつつ自宅までの遠い道を歩いた。いつもならばバスをつかまえることができるが、その時間はとうに過ぎていた。

自宅は住宅街の外れにあり、家までの道のりには護岸工事を施された川に架かった橋を渡る必要があった。

橋上の歩道には、等身大の裸婦像とベンチが設置されている。休日ジョギングがてら休憩に立ち寄るにはちょうどよかった。

仕事精神的にやられた帰り道など、深夜ではあったが、やはりこの場所で小休止することがあった。真っ暗な川面に目をやると、胸の中のどす黒い感情がゆるゆると流されていく。かわりに気持ちよい風が頬をかすめ、しがらみや思いこみがほどけていく。

その日も橋に差し掛かろうという時だった。裸婦像の傍に人影がかすかに動くのを認めた。

手の甲を腰にあてて、半歩前進するポーズで遠くを見つめる裸婦像の周囲を、LED街灯がスポットライトのように照らす。街灯が旧式から替わってから真下の眩しさと引き換えに周囲の暗さが増したためか、傍の人物は憫然としない。その人物以外、あたりはとうに人影が絶えている。

歩みを止めて、しばし見入る。

その人物(着古したジャージ姿の初老男性)が、街灯が作る光の輪に半身を晒しつつ裸婦像の足下にしゃがみ込んでいる。

男性左手が像のふくらはぎに優しく触れる。右手は闇に紛れて見えない。

太腿をゆっくりと這い、この時代にはふくよかに過ぎる臀部を撫で、横腹に手をすべらす。

そこから胸のふくらみを両手で撫で上げようというとき声かけを行なった。

「こんばんは」

以前にも、自宅が分からなくなり空き地で転倒を繰り返す男性保護したことがあった。

口調のなかに大丈夫ですか、というニュアンスをこめつつ、気遣い4割、警戒3割、観察3割の目を向けた。

男性が跳ね起きるようにして僕を見る。

その正気に戻った顔を見て、すぐに後悔した。

男性号泣していた。

私的領域に無遠慮に踏み込んだ気まずさを落ち着かせる言葉を探す。

動揺を隠しつつ、「大丈夫ですか」と続けた。

少しの間のあと、男性

「ああ」

と返事をした。

「体温が」

男性がぼそっと言う。

「え。感じますか、体温」

全然

吐き捨てるように言い、少し俯く。

「そうですか、でもリアルですよね」

「いや、全然

次の言葉を探していると、泣き笑いの顔を上げてぽつりと言った。

カミさんの肌にはかなわねえよ」

男性が照れたようにしてそっぽを向いた。

その時、僕の全身を、しばし味わったことのない感情が走った。

男性の胸のうちにある持っていきようの無い闇と、僕の胸のうちの屈託が、束の間に交わした言葉と風に紛れて、ゆるゆると解けていくのを感じた。

真夜中の路上で、男性は明らかに不審であったが、かく言う僕もまた、その男性にとっては見知らぬ他人であり、かつ人の領域を踏み荒らす行為日常を逸脱した不審な行動とられても仕方なかった。

その2人が、束の間に交わす言葉で、互いの顔を取り戻した。

僕たちの間には、暗い川の上でこれから船頭のいない舟に乗せられる者同士が出会ったような、密やかな気持ちの交換があった。

「お気をつけて」

ひと言かけると

「おお、じゃあな」

と返ってきた。

僕にはそれでじゅうぶんだった。

休日の晴れ間、散歩がてら橋上に立ち寄った。あたりに人影が無いのを確かめて、裸婦像の腰を手のひらでそっと叩くと、ぬるんだ風の中で左手がぺたんと間抜けな音を立てた。

http://anond.hatelabo.jp/20170425155448

フリーランスカメラマンです。

主にステージ写真ライブ演劇プロレス等のスポットライトと客席に向ける照明がある媒体)を専門に撮ってます

勿論スポットライトが当たるので、ブライダルも撮ってました。

なんとなく淡々と今まで仕事としてこなしてたけど、幼馴染みの結婚式写真を撮った時に

『あ、私は多分この人にとって、欲しい写真を何百枚のうちのたった何枚しか撮れてないかもしれない』

って現像をしながら思いました。

大好きな幼馴染なので、無償、尚且つ御祝儀も包んでした撮影

仕事(ではないけど)として、私の持ってる技術を全て彼女の為に出したつもりでした。

最高の祝福を自分の持っているもの彼女に送ったつもりでした。

ブライダルは記録写真であり、そうじゃない最高の写真を求められます

私はそれ以来、ブライダル仕事を取るのをやめました。

それは私の技量不足(もあるかもしれませんが)ではなく、私の視点の違いだと思います

増田意見は重々わかるのですが、やはりブライダルに関しては現場に慣れている人かちゃんと学校ブライダル業界を専攻していた人に任せるべきだと思います

同じ様に、ステージ写真スタジオ写真を専門にしているカメラマンには多分演者が求めている写真はあまりないと思います

お互いの欲求が一致しないのです。

写真を撮るとは、たった四角に写ったものを収めるだけの誰でも出来そうな行為ですが不思議ものです。

100人が同じ物を撮れば、違うものになる、全員シャッターを切るという共通動作をしているのにも関わらず違うものになる不思議行為です。

から仕事として成り立つんだと思います

【追記】

http://anond.hatelabo.jp/20170415172249

その日は参列者ではなく、持ち込みカメラマンとしての出席でした。

基本親しい友人や親族からの以来は内容にもよるけどそれ以上の他人が絡まない限りギャラを辞退する(勿論最初から用意もしてくれない人からの依頼は断る)のと、幼少期からの幼馴染みだったのでこちらからも御祝儀を出しました。

私に撮ってほしいと彼女が式場に手配してくれました。すごく嬉しかったです。

でも私は、今まで結婚式はショーだと思っていたので参列者の邪魔にはなってはいけない事を重要と思い普段の立ち振る舞いで撮影をしていましたが、まずそもそも『結婚式はショー』という概念が違ったんだと思います

気にしてみてると、式場カメラマンって結構グイグイ前まで行きますね。

やはり専門分野との違いを察せなかった結果だったと思います

私の勉強不足と甘かった考えです。

ちなみに私は結婚式をやりませんでした。

それもあって、式をあげる人達気持ちがわからなかったのかも知れません。

ブライダル仕事をとるなら自分も式をしてみた方がよかったのかもしれないです。

2017-04-10

人が集まるなら何でも使うニコニコ動画

ただでさえ金の無駄使いと批判の多いニコニコ超会議なるイベント問題児達が公式出演する。

横山緑、野田草履石川典行など。

こいつらは逮捕され前科まで付いてはなくとも散々人に迷惑かける行動して

ニコ生も散々BANになったりと問題児なんて生易しいキチガイとも言える奴らだ。

具体的にどんな問題行動したかなんて上げたらキリが無いぐらいある。

昔のニコニコ基準ならこんなキチガイ共を公式で呼ぶなんてするわけが無かったが

どうやら後が無いらしくとにかく人を呼べればと公式で出演させることにしたらしい。

犯罪者だとダメからドローンで有名になったノエル公式で呼ばないらしい。

昔は名のないユーザーでも参加して有名人と同じスポットライトを浴びれる機会があったが

今やそんなのは皆無に等しい。ニコニコ的な要素が無くても金さえ稼げそうなら

何でもコラボするし政治的事情なんかも加わるから今なんか競走馬飼育をしてる始末。

VIP植民地なんて言われてた時代は完全に終わったのである

こんなサイト潰れちまえ。潰れて職を失うことになっても覚悟はできている。

2017-04-08

Ubuntu Code of Conduct v2.0を適当日本語訳してみた

訳注

Ubuntu Code of Conduct(行動規範v2.0

コミュニティ

Ubuntu」とは、「他者への思いやり」のことです。この単語自体が、人間としての精神体現しています

我々は、生産的で、幸福で、複雑な領域における新しい発想を歓迎できる柔軟性を持ち、また、あらゆるプロセスを常に改善し、さらに、各々が全く異なる要求や関心、能力を持つグループの間の協力を促進するコミュニティ希求します。

我々は、メンバー多様性によってコミュニティを強靱なものにするために、多様な参加者を活発に探します。このUbuntu行動規範は、多様なグループがお互いの利益と喜びのために協調することを確実にするために存在しています。我々は、誰であっても、プロジェクトへの参加に障害がないよう努力します。

行動規範一般的に、公的であれ私的であれ、我々がどのように振る舞うべきかを統率します。我々は、プロジェクト代表者公式非公式を問わず)、関係者、そして直接の参加者が、このUbuntu行動規範尊重することを望みます

我々は、下記に真剣に努めなければなりません。

思いやりを持つ

我々の成果物他者によって使われるでしょうし、また逆に他者成果物にも依存していますいかなる決定であっても、利用者関係者に影響を与えることを頭に置いて、決定をするときにはそのことを考慮する必要があります

他者尊重する

意見に相違があるからといって、無礼な振る舞いをとってはいけません。衝突を解決するために協働し、他者善意で行動していると仮定し、親身になるよう努力しなければなりません。苛立ちが個人攻撃に発展することがあってはなりません。不快感を覚えたり脅威を感じるコミュニティは、生産的ではありません。

発言と行動に責任を持つ

間違いを犯すことは誰にでもあります。そのときには、責任を取らなければなりません。もし誰かが傷つけられたり攻撃されたときには、注意深く、そして思いやりを持って意見を聞き、間違いを正すよう行動しなければなりません。

協力的である

我々が作り上げようとしているものは複雑で、それぞれに想いが込められたたくさんのパーツでできています。各々が違ったゴールとビジョンを持つチームの間での協調は不可欠です。ただのパーツの組み合わせ以上の成果物を作り上げるには、各々のパーツが全体を理解するよう努力しなければなりません。

協調して取り組むことで、冗長作業を減らし、品質の向上につなげることができますプロジェクトの内外を問わず協調することは大切です。可能な限り、アップストリームプロジェクトと共同で作業し、フリーソフトウェアコミュニティ協調することが必要です。透明性を確保し、その作業に関心を持つ人とはなるべく早期から協働するのが良いでしょう。

明白さ、透明性 (clarity) 、合意を重視する

社会的な、あるいは技術的な意見の不一致はよくあることです。しかし、意見をまとめずそのままにしたり、何を合意したのかを不明確なままにして他の人を悩ませることがあってはなりません。

プロジェクト参加者は、意見の不一致を建設的に解決することが期待されています。もしも合意に至らなければ、あらかじめ決められたリーダー仲裁を依頼し、透明性 (clarity) と指示を求めます

からないことがあれば手伝ってもらう

誰であっても、完璧であることを求められてはいません。誰かに質問することは、後で発生するであろう問題回避できるので推奨されます。ただし、適切な場所質問してください。質問を受けた人はすぐに反応し、手助けしてあげてください。

役目を降りるときには丁寧に

プロジェクトを離れるときには、与える混乱を最小限にするよう動くことが求められますプロジェクトから離れることを他の人たちに伝えて、離れる人が作業を中断した地点からほかの人たちが再開できるようにしてください。

リーダーシップ権威責任

我々は、実例議論と行動によって動かされます。新しく参加した人は、もしプロジェクト改善につながる新しい考えがあれば、ぜひ人々を率いて、行動を起こしてください。リーダーシップは、行動を起こすことだけで誰でも実践できます。その機会があれば、誰かの許可を待つ必要はありません。

トップから権限委任

プロジェクトに関する責任は「慈悲深い独裁者」を頂点として、そこから特定範囲について責任権限委任されたコミュニティカウンシル、その下にいるチームや委員会 (councils) 、個人委任されていきますコミュニティカウンシルまたはその代表者が、争いごとの解決を行います

我々は実力主義に基づいて、意思決定や統率、リーダーシップを、長く参加している人から能力があって関心の高い候補者委任していきます

権限委任は支持に基づくか評価されている

評議会 (boards) や委員会 (councils) への任命は、コミュニティカウンシルが決定権を持ちます。ただし、事前にコミュニティに対してインプットを求めるものします。

リーダーシップは、表彰権利肩書きではありません。リーダーシップ権限であり、そこには責任が生まれますリーダーシップコミュニティから委任されたものです。リーダー権限は、委任するコミュニティから支持されている間だけ得られるものです。

議論データと決定を尊重する

我々は何かものごとを決める前に、意見データ関係者から意見表明を集めますリーダー役割として、チームが決定を遅滞なく行う手伝いをし、ガイダンスを与え、合意に至らなかったときに決定をし、決定の実施責任を持つことが期待されています

何かを決めないことには、先に進めません。明確な指示には価値がありますときには、データが足りなかったり、合意が得られがたいこともあるでしょう。それでも、何らかの決定を下さなければなりません。いつでも完璧な決定を下せる保証などないのです。決定を先延ばしにするより、失敗して、失敗に学び、将来の役に立てることが大切です。

我々は、問題をより把握しているチームを信頼して決定を下してもらうことで、プロジェクトはよりよいものになると認識しています。もし決定に不満があれば、それを下したチームと調整します。調整が付かなければ、その決定についてレビューする統治機構 (governance structure) があります。つまるところ、責任を持つ人が決定を下し、それがプロジェクト統治 (project governance) に支持されていれば、その決定は有効であるします。我々はある決定について納得しないこともあるかもしれませんが、それでもプロジェクトを信用し、たとえ内心では違うほうがよいと思っていたとしても、プロジェクトとしてその決定が実施されることを支援します。

開かれた実力主義

誰であっても、どの組織所属していようとも、どのようにプロジェクトに関わろうとも、我々は参加を歓迎します。コミュニティは開かれたものであり、能力や適性を持っていることを示せれば、職責を負うことができます

チームワーク

リーダーが目指す最も重要なゴールは、チームの成功です。

「名演奏家はその演奏によって評価され、リーダーはチームの行動で評価される」リーダーは、行動すべき・身を引くべきときを知っています。チームは、リーダー権限を渡したりそれを取り戻すべきときを知っています

称賛

良きリーダースポットライトを浴びようとせず、他のメンバー活躍をたたえますリーダーはチームメンバーの中で目立つ存在しょうが、良きリーダーはその注目を他のメンバーの優れた活動に対してスポットを当てるために使います

度胸と考慮深さ

リーダーときに、理解されず、合意に基づかず、一般的ではない冒険的な決断を下す必要があります。我々は、完全な合意を得るよりも物事を進めることを優先し、勇敢にもそのような決定を下すことを評価します。とはいえ、冒険的な決断には十分な検討必要です。ある人にとっては頭の痛いことになるかもしれないことを肝に銘じ、影響を抑えるようにしなければなりません。変更について、その理由を明確にして、そして早めにコミュニケーションをとることは、その変更を実施するのと同じくらい重要です。

利益相反

もしもリーダー自身雇用関係や他のプロジェクトとの関わりによって利益相反状態になっている場合には、それに気がつくことが期待されています。そして、私利私欲のためとみなされることのないよう、棄権したり決定を誰かにゆだねたりすることが期待されていますリーダーに限らず全てのプロジェクトメンバーにも、私利私欲のためではなく、ユーザー暮らしをよりよくするために決定を下すことが期待されています

もしも利益相反が疑われる場合には、誰かにセカンドオピニオンを求めてください。利益相反状態にあることを明らかにすることが、解決への道筋にとって重要です。リーダーは、たとえ一般的ではない、あるいは特定グループに有利・不利となるように思われるものであっても、決定が信用できるものとなるよう行動すべきです。

このUbuntu行動規範は、網羅的でも、完全なものでもありません。ルールブックでもありません。協調的で共用の環境 (a collaborative, shared environment) とゴールに関する、我々にとっての共通理解を引き出すためのものです。

このUbuntu行動規範は、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0 非移植ライセンスのもと配布されますあなた自身プロジェクトにこれを再利用することができます。また、好きなように改変することもできますが、あなたの改変を他の人が利用することも許可し、Ubuntuプロジェクト著作権表示を付けるようにしてください。

2017-02-26

本当に声オタはアニメイベントにくるななのか

はじめまして10年くらい何人かの男性声優界隈をうろうろしてます

個人的に声おたくが叩かれるときに使われるワード上位3位以内に確実に入ると思っているのが

「(アニメ)作品イベント声優目当てでくるな」

だと思っております

何億回言われたかわかりませんが、昔から言われているので気にすることなく好きなイベントに参加しておりました。

しかし、この使いふるされてきた声おた叩きワードおかしくありませんか??

大抵のアニメイベントって作品タイトルと出演する声優名前しか告知してないじゃないですか

内容がわかるとするなら、朗読劇、ライブラジオの公開収録をメインと据えた場合くらいでしょう。

それで声おたくに来るなとはおかしくないでしょうか。

逆に気になるのは作品ファン側の人達はそんな現状で満足して帰れるのでしょうか?

安くないチケット時間を割いて、好きなキャラクター中の人キャラに寄せた話をしなかった、またはそのキャラクタースポットが当たらなかったら。

私は声おたくなので、好きな声優が生きているのを米粒サイズでも確認できたら満足して帰る自信があります

だって今生きていること以外で今後一生確認できないことってないですもの

でも作品は違う、その放送が終われば途端に供給が途絶える、よっぽどの大きな続き物でない限り、ほとんどが放送されてる3か月がピークになるでしょう。

そんな中放送後に開催されたイベント作品の話をメインに据えてやるかもどうかもわからない。

そんな現状が1クールで終わるほとんどの作品に当てはまります

中の人スポットライトを浴びる昨今、その一方で作品蔑ろにしてくるよろしくないおたくもたくさんいるのは事実でしょう。

しかしそれはサービスを受ける側だけの問題ではないのでしょうか。

あのワードを聞くたび声優が好きなおたくにも作品ファンはどう思ってるんだろって毎回気にしてるおたく結構な数いるので、あんまりカリカリしないでほしいなぁと思います

行きたいイベントが被ったなら、声おたくだろうと作品ファンだろうと何もかも関係ない、全員倒して私が行く、私はいつもそう思っています

2017-02-20

ジャニーズJr.エゴ押し付けたいJr.担の話

◆事の経緯

今日自担バックダンサーとして出演している舞台を観に行った。

ほぼ出ずっぱりで汗だくになりながら踊っている姿や、メイン出演者の補助を任されている姿を見て、感情がおさえきれなくなった私はみっともなく泣いていた。

今日は見えない席だからセーフ、と言い訳しながら「ここに至るまで自担経験してきたであろう様々な困難」を思い、存分に泣いた。

ただの痛いオタクだった。

こんなものツイッターにすぐ流してしまえばいいのに、過去自分の呟きを読むと色々な感情が渦巻き、それはおいそれと人様のTLに流していいものではなくなった。

人を傷つけるかもしれないな、と思うようなことも書きたくなってしまい、これをどうしても形に残したいなら増田しかない、と結論付けた。

これはただの、「自分の正直な気持ちさえも匿名しか表現できない臆病なオタク」が、「ジャニーズJr.として日々とても頑張っている林蓮音くんとその周囲」に「自分エゴ押し付ける」話です。

手段

おもに過去自分ツイッターで呟いた内容を転記して当時の感情を振り返る

◆注意

「ちび6」界隈だった人(本人含む)は読まない方がいいかと。

私のツイッターは鍵垢でフォロワー数人しかいないので、他の誰かと勘違いして凸らないでください。

◆今や次世代Jr.筆頭のグループが結成された頃のこと

もんぺから「なんでうちの子(自担)がこんな目にッキィーーーーッ」てなるけどだったら最初からデビューできそうな奴を推せよ…とも思う。なんで好きなのかなんて理屈じゃないんだよ…あのときの子が一番輝いてみえたんだ。あの子みたいに私も毎日頑張るんだって思えたんだ。』

『 だから自分の伸びしろ限界が見えてしまうまでは、気持ちがどうしようもなく折れてしまうまではキラキラしてる元気な姿見せてほしい。ほんとになんで選抜漏れたのかそこだけが解せぬ…でも金田くんと共に舞台ルートってのは薄々…見えては…いる…。』

『 (でも私ほんと底意地悪いからまとめ役不在でユニット瓦解しろって思い始めてる…でもあのなかに意外と面倒見いい子がいるの知ってるし自担とずっと一緒にやってきた子達だから成功してほしいとも思っていて気持ちがグラグラ揺れている…)』

『 でもみてる人はきちんとみてるし結局上に上がっていくのは無茶ぶりされてもステージで結果出せる人だよね。自担場合は後輩とのコンビが思いの外しっくりきちゃったんだろうなってなんとなくわかってるよ…うん。2年後の確変を待とう。』

『 まあでもあの括りのなかでは選ばれた子達皆歴長いからな…うちの子1年くらい差あるからな…まあいま組んでる子たちからしたらうちの子3年以上先輩なんだけどな…ってまだうだうだ考えてる。』

『 とりあえず自担には筋肉表現力つけて誰にも文句言わせないくら舞台栄えするタレントになってほしい。早急に。いまって「度胸と努力は買うぜ」って段階だからな…いや私はその努力尊敬してるんだけどな… 』

HiHiJetが結成された頃の話ですね。

この頃、結構長い間ぐちぐち言ってましたね。お前何様だよって読み返して思いますけどでもすごく悔しかったんですよね蓮音くんもイニシャルHだから入れてくれよ!?ってすごい思ってた。

どうして漏れたんだろう?と考えても意味のないことをうだうだ考えながらも、蓮音くんへのお手紙にはそんなこと書けなくて、「お前どうせコネ枠だろ!?」と猪狩くんに理不尽嫉妬してましたね。

◆辞めたあの子のこと

自担ものすごく近い子が事務所を辞めたので…泣いている…悲しいんじゃなくて悔しいしくそがって思うしきみが辞めたことで自担の将来に影響がと思うしお前がダンス頑張りたいとかナマ言ってんじゃねえよと思うし上のオキニだったのにその場所明け渡すとか何考えてんだよと思う』

『 真面目な態度ではなかったけど顔もオーラも支持もあっていずれ上に行くレールはひかれてた、それをぽんと投げてすぐ新天地に向かう感じがすごい腹立つ。ちょうど夢に自担が出てきて私「デビューしたい?それとも舞台でやったいきたい?私たちは蓮音くんの気持ち応援したいんだ」とか伝えてたから余計に』

しか最近は帰る時間あれだけど君ら普通に仲良しだったじゃん?辞めるって話したの?てかお前なに後輩巻き込んでんだよ…これで自担の現相方は初シンメを失ったし、足怪我して舞台途中でいなくなったときに泣いてたいちつきの子とか思い出すと悲しくなるからあああアイドルファンって勝手だなと思う』

ビジネスシンメとか、シンメにも種類があるけど件のシンメ希望溢れる未来を感じて大好きだったのになあ。本人たち交流無いのに突然引き合わせられた所も、ダンス得意な森田に追い付こうとする作間という構図も、性格全然違うのにいつのまにか柔らかい表情で隣り合うようになったところも、大好きだった』

自担が完全に兄貴面してるから作間とのコンビシンメじゃなく先輩後輩なんだよなあくまでも。しかも一等可愛がってる後輩は別にいるっていう。でも二人って気質が似てるからまあうまくいくというかこのまま育てば重宝される未来は続くはずなんだ、なのでやめないでねと思う。』

ジャニーズJr.だった玉元風海人くんたちが辞めた頃ですね。

自分もびっくりするくらいこれには怒っていた。あまり人に話せることじゃなかったから言えなかったけどすごく怒っていた。

これでひとつ席が空いたね、とかいレベルじゃなかったからめちゃくちゃ怒っていた。

ちび6の中で玉元くんだけ1つ歳上で先に高校生になったけど、あと数ヵ月で他の5人も高校生になるから、HiHi漏れたちび6組も、やっとグループ結成されて本格的に売り出されると思ってワクワクしていたから本当にガッカリだった。

松松も松倉くんが先に高校生になったけど、うまくそれを活かして二人ともステップアップしたじゃないか…玉元くんファンだけじゃなくて周りのオタクたちが寄せてた期待はどこへ捨て置けばよいの?と思った。

◆続・辞めたあの子のこと

当時の自分、日付が変わってもまだ怒っていた(笑)

『お前だけの身体じゃないんだよ…!この時期の!この世代で!ひとくくり!天下獲るのも夢半ばで散るのも全部!連帯責任から運命共同体から!っていう…。ビジネスシンメ萌えないけどお互い利用しあって上に行こうとしてる分、運命共同体だっていう認識はあるわけだから、いいよなと思う。』

だって簡単に辞められないし…。ある程度まとまったくくりから退所者出るとその辺り仕事無くなるから困るんだよ…この隙に新人場所とられたらどうしてくれんの…いやそれも努力不足才能不足って言われるのわかってるんだけどね!?アイドルファンほんと自分勝手だけどお金払ってるから許してにゃん

『夜中の自分激おこしててうける。まあでも気持ちはわかるよって過去自分を慰める。自担が持ってないものたくさん持ってて、あとは人並みに努力するだけでいいって恵まれ過ぎてたのにぽんと辞めるとか悔しいよね、お前にとっての仕事ってこんなもんだったのかよ、それに青春捧げてる自担立場は』

『すぐに文字数いっぱいになる。でも周辺のファンは少なからずこういう気持ち抱えてると思う。自担たちの世代筆頭として盛り上げていける資質持ってたのにな…てか顔だけじゃんって言われるようなきみみたいな子こそ事務所にいるべきだったと私は思うよ…(まだ言う)』

いや、顔だけじゃなかったでしょう玉元くんは…。妄言もほどほどにしないと本当…。

でもそれくらい、誰かが辞めるってことは周りのオタクにとって一大事なんですよね…。Jr.と違ってJr.担って暇だから(少なくとも私は暇)色々考えてしまう。

◆Jr.担の醍醐味とは

アイドル見ると泣いちゃう病気だけど本人の目の前で泣くとかいドン引き勘弁だから(今日席近かったですねとか普通に言われる固定ファンの少なさだった当時)彼の頑張りの末に勝ち取った立ち位置スポットライト浴びて先輩従えて踊る姿何も考えないようにただ記憶して家に帰ってどちゃくそ泣いた。』

『立ってるだけで華がある子と同じ舞台しんどいけど自分限界と少しずつの進歩を並行して味わうからずるずる辞められなくて毎日同じ箱の中で過ごす日々に仲間意識も芽生えるのに楽日を迎えた次の日からは別の現場で皆がライバルになるって環境で育つ子がどんな大人になるのか私は見届けたいんだなあ~』

『私が蓮音くんを本当にこの子はすごいなあと思ったのはジャニワでソロダンス任されたときで。蓮音くん、それまでクラシックバレエとか得意ではなかったのにそういう振り付けで、センターで、ソロで。初日、すごいぎこちなかったんだよね。正直見てて、あれ?って思った。』

『本番までに完璧に仕上げてくるのがプロだろって思ったけど、本番までに仕上がらなくても幕は上がるんですよ。本人すごい完璧主義者だから絶対あの完成度では舞台立ちたくなかったはずなんですよ。私だったら立てないし逃げたくなる。でもちゃんと踊って、及第点には仕上げてきた。』

初日終わって「小さいのにすごいね」って褒められて、それは悔しかったんじゃないかなあと思う。それから毎日夜お手本の映像見ながら自主連して、朝早く会場入りして、めきめき上達していって。毎日誰かが失敗して出番はずされたり減らされたりしてたあの舞台で一ヶ月その場所を守りきった蓮音くんを』

『私は尊敬したし、公演半分折り返す頃には伸びやかに踊れるようになってて「あの子踊れるわね」って言われて、評価から「小さいのに」が外れてた。長丁場の公演でも穴を開けずに質も落とさずに楽日を迎えたってことはすごい自信と周囲の評価を蓮音くんに与えたと思うから私もあんな風に頑張りたい』

はい、だからお前は何様なんだ、と。

Jr.担の醍醐味は「好きを仕事にしたい」って頑張っている、本当にものすごく頑張っていて「頑張る」が当たり前になってしまっているワーカーホリックたちを応援して「もしかして自分も頑張っているのでは?」という気持ちになれることだと思います

少なくとも「頑張る」を頑張れないし続けられない自分みたいな人間は、「頑張る」を何年も続けている存在を身近に感じることでなんだか勇気をもらえます

◆あの子が辞めて、それからの話

『周りの子が!おっきくなりすぎてて!うちの子も!少しずつだけどおっきくなってるし!態度は人一倍かいから!って心中叫び始めるやつ。どんなに「これからだぜ希望溢れる未来へ!」みたいな状況の子でも突然いなくなるからいつも「やめないでね!?」って思ってる(アイドルの話)』

自担が可愛がってる後輩がだんだん自担ダンス似てきて、レッスン着もお揃いなんだけど、ついには衣装の着こなしも同じになってて、自担、Jr.内では存在感あるんだよな知ってる…もっと外向きにアピールしよ…ってなってる最近

『今夜たまたま数ヵ月前の自担出演映像(メインじゃないので自担は基本見切れ)五回くらい見たんだけどあいつ笑わなすぎだな!?知ってたけど!いくらしゃかりきに踊ってもな!ニコニコ笑顔には勝てないんだよ!あっちがいくら振り付け間違えても笑顔大正義なんだよ…!って机バンバンしたやつ。 』

小学生から自担成長記録を写真で眺めてたら目頭が熱くなってきて…!?もうほんともっとずっと元気をもらってたいし君の笑顔が曇ることなんてできるだけ少なければいいと思ってるからオタクどうしようもない。すげえ鳴り物入りで自担フィールドに乗り込んできた新人君が一歳下とわかって戦慄。』

『てかああいう手合いの子事務所に定着しちゃったらうちの子出番食われるよ…これから笑顔も作れるようにならねばだ。続けてれば絶対いいことあるって私はアイドルから教わったから、自担情熱燃え尽きない限りは続けて欲しいって思うし夢が叶ったときの君の顔をこの目に焼き付けたいって思う。』

バレエの子、改め、ジャニオタバレエの子、改め、松尾くんが入所してきた頃の話ですね。

オタク事務所期待の新人相手勝手マウントとる、の巻。

今では松尾くんもすごくいい子だってわかるから応援したいと思っています

ていうか事務所継続して推される子に悪い子なんてそうそういないわ…。何を悪いと定義するかにもよるけるど、少なくとも何らかの努力をして結果を残せる子じゃないとあの事務所で生き残れないってことはなんとなくわかる。

◆あの子が辞めた後のクリエ周辺のこと

次世代Jr.選抜組だけのメイン公演ラスト、Wアンコールで幕開いたら出演者全員1列にギュッて肩組んでライトあたって眩しそうに目細めて達成感に満ち溢れた顔で客席見てたの思い出すだけで尊くて泣ける…。』

『終始キリッと仕切ってた井上が最終公演アンコールシンメと顔見合わせた瞬間涙ポロリしちゃって顔をぬぐうのとか尊すぎたし、先輩後輩(※後輩が年上)がお互いの健闘を讃えるように抱き合ってたらその子の同ライン(※同い年)やシンメ(※年下)が次々飛びかかって団子になってるのとか眩しかった』

『ちっちゃい身体なのに皆に抱きつかれて壇上でよろけた彼の腰をぐっと支えるシンメ(※年下)とか尊すぎて拝んだ。中学校最後に与えられた課題(Aクリエ公演)を高校入学1か月後に完璧に終えたんだからそりゃあ大団円雰囲気になるよね、あの場に居合わせられた自分幸せって思った』

『蓮音くん追いかけて●年、こんな幸せ気持ちになれるなんて思ってなかったからびっくりだ。与えられた役割に嬉しいって言ってた蓮音くんが、これじゃ足りない、もっとってメイン目指すようになるとか胸アツすぎて話聞きながら泣くかと思った。』

あんなに「同じ高校の仲間で文化祭」ってぐらい結束して公演作り上げてたのに、終わってからは「いい勉強させてもらった。次の仕事はわからないけど決まったら来てください」って言ってて切り換え早すぎて毎度びびる。今日まで仲間でも明日からライバルなんだよなあ…ピリピリ感どちゃくそまらん』

『蓮音くんが貪欲さをこっちにも隠せなくなったの、元同ラインの大出世がかなり影響してると察するに余りあるわ…。仲間が活躍するのは嬉しいけど、自分漏れたのはものすごい悔しいんだよな。努力するのは当たり前、結果を出すのも当たり前、+αがないとチャンスもらえないとか世知辛すぎ』

蓋あけてみたらAクリエとても楽しかった。

でも今読み返しても先輩後輩(※後輩が歳上)とか誰のことかわからん(笑)

◆それでも「好き」は辞められない

自担のこと考えるとすぐ泣くから…!ボロボロ涙でてくるから…!モンペにも困ったもんだね!今はね!「たとえ前列とかセンターになれなくても応援してるね」みたいなツイート見かけて泣いてる…』

『やっと出番もらえたと思ったら配置が最後列最下手で、そこから少しずつ少しずつ這い上がってきたの知ってるから、「たとえ~」って人に言われると悲しくなるのかな。言葉にしたら折れちゃう気持ちってあるじゃん。本人が…っていうかアイドル続けててくれるだけで尊いのでもはや存在感謝

タレントファンの間になんとも言えない不思議関係が成立するのはすごくよくわかるんだけど、それは絶対に友達とか恋人に変わっちゃいけないものだと思ってる。タレントファンに歩み寄ったらいけないし、ファンタレント理解者になっちゃいけないと思う。』

『いろいろ言うけどでも笑顔で楽しそうにステージ立ってくれたらそれでいいんだよ~。何年前だったかちょっとだけお仕事詰まったときがあってその時顔死んでたからなww』

たとえセンターになれなくても、ってなんだよそれ!!

どちゃくそむかつくしそれを検索で出てくるようなワードと共に呟くのは頼むから辞めてくれないか

蓮音くん、センターになるから!?何度もセンターになってるから!?なにをおっしゃいますの!本当に!失礼しちゃうわ!!(モンペ)

◆熱くなって、時々冷める

『なんでデビュー組の夢を一緒に追いかけないの?そっちのが(なくなる心配がほとんど無いから)安心じゃん…って何かあるたびに思うけど、十代の輝きは二度と戻ってこないかけがえのないものだし、「好きを仕事にしたい」っていう熱量にはどうしたって引き込まれる…』

舞台端の真っ暗なところでしゃかりきに踊る姿を見つけてしまったら、応援したくなるじゃん?いつかスポットライトと五万人の歓声を浴びる姿を見たいと思ってしまうじゃん?まあ実際は本人のやる気と責任感が半端無いのでこっちが応援しなくても勝手現場で気に入られて出番増えてくんですけどね。』

そう、結局のところ、ファン応援なんてほぼ必要なくて、むしろ鬱陶しいくらいで、そんなものなくたって本人のやる気さえあればどんどん上り詰めていくものなんですよね。

今日舞台観て、あーこれは(デビューとは縁遠い)職人Jr.への道を着実に歩んでいるわー、と複雑な気持ちになりましたが、継続の大切さを知っている蓮音くんは何年後かに「これも正解だった」と思わせてくれるに違いないので悲観なんてしていません。

◆結局の話

ファンレター書くけどさ、相手の年齢とか考えたら重たいこと書けないわけよ。相手さらっと読み流して翌日も頑張れるようにって思いながら書いてる…ので、さすがにまだちゃんと読んでると信じたいし重くて汚くて書けない思いはそこらへんにぐちゃぐちゃっと置いていく。』

お目汚し失礼しました。お読みくださりありがとうございました。

2017-02-15

舞台「孤島の鬼―咲きにほふ花は炎のやうに―」(ネタバレ注意)

とんでもない作品だった。とんでもない体験をした一週間であった。


まず先に言うと、本作品は『ミステリー演劇』だった。

それは原作推理小説カテゴリーされているからとか、原作者江戸川乱歩だからとか、そういう理由じゃない。

私はその解説、および回答を以下に記すのだけど、それは完全なるネタバレです。

もう知らなかった頃には戻ってこられない、作品を殺す系のネタバレ

なので、未観劇の方には本当に読むことを勧めません。

本作は素晴らしい完成度の傑作だし、舞台演劇でここまでのミステリーを作り上げるのは絶対に容易じゃない。

また、私はエグいほど容赦なくネタバレしていますので、正直自分ももう二度とミステリー演劇は鑑賞できない脳になってしまったのでは…と震えております。

(なので、読んでほしい気持ちがあって増田に書いているものの、観劇済みの方も生半可な気持ちではネタバレを読んでほしくない。六道の辻で迷い不幸だと感じている方にだけ、光が届けば良い。)

まり未観劇でネタバレを読むということは、人生の楽しみを自らの手で一つ潰すということ。尋常じゃない損失です。

本作はDVDの発売が決定しています。

公式DVD予約サイトhttp://www.shop-ep.net/east_park/shopping/a04020102/iid/0000000001746/

(発送日未定。予約は3月末まで)

めちゃくちゃ好評だったので、あなたの周りにも購入している人が居るはず。そして恐らく「見せてほしい」と頼めば喜ばれるはず。布教したくなるタイプの作品なのです。なので数ヵ月後DVDを鑑賞してから、是非また読みに来てください。

「数ヵ月なんて待てねーよ!」って方は、妥協点として2015年に他の演出家さんで上演されたものを見ることができます。

こちらは未観劇のためなんとも言えませんが、おそらく2015年版は絶対解けない「超ハードモードの『ミステリー演劇』」か、『ミステリーではない普通演劇』の可能性が高いと予想しています。でもまぁ全く観ないでネタバレ読むよりは絶対良い。

たぶんDVD売ってるし、3月になれば我らがdアニメストア殿が配信してくれます。

https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/CP/CP00000660

高いチケット買って劇場に行くか高いDVD買うかしか選択肢がなかった時代を生きてきた作品の取捨選択にすごい苦しんできた勢なので、dアニさん月額400円でこんだけ見れるとかマジ神過ぎ。最初目を疑った。(WOWOWさんにも感謝していますが、うちTV無いから見れないんですよ…そもそも家にあんま居ないし。お金なら払うのでスマホでもWOWOW見れるようにしてください。)

原作「孤島の鬼」を読むのも手ですが、本作はある意味では『原作本質を描いている』けど、ある意味原作とは全くの別物』です。だから舞台版のネタバレは、舞台版を観てから読んでほしい。

そして、せっかく未来の楽しみを潰してまでネタバレを読んでしまうのだから、その前に『ミステリー演劇』の推理に挑戦してほしい。

一人で解くのは超ハードだと思うので、できれば仲を深めたい方と一緒に。(私が今回の回答に至るのに協力してもらった友人の数は4人です。内1人は原作を読み込み一緒に推理してくれました。)

ぼっちの方も安心してください。本作はめちゃくちゃ面白かったので『2017年版の感想』も、ネットの海に転がっています。そこから辿り着くことも不可能じゃないはず。鮮度のいい印象論の良さも、一晩寝かせた感想の良さもあるので、いろいろ漁ってみてください。

あと私は推理した一週間の思考ログをほぼすべて残しているので、トリックがわかってからログを読み返してみたら翻弄されている自分がめちゃくちゃ面白かった(当時は睡眠不足神経衰弱で瀕死でしたけどね)。間違ってはいないけど騙されている。そんな楽しさもあるので、ぜひ推理に挑戦してみてください。

そして私がまだ解いていない謎の答えを見つけられたら、ぜひ教えていただきたい。

また、運良く本作を劇場でご覧になられた皆さま。感想はもう書き残しまたか

公式がwebでアンケート回収もしています。送ると抽選で非売品舞台写真もらえます。私もとても欲しい。

本作は、『感想を残す』ところまでを含めて作品です。せっかく運良く観劇できたのだから、140字で良いから書き残しておきましょう。

できれば思いの丈をすべて書き出しておくと良いです。『他者に感想を伝えようとした人だけが、謎解きの後に得られる感動』があります。(※個人の感想ですが!)

この感動を、本作品が本当に素晴らしい江戸川乱歩原作舞台化であったことを伝えたくて、読んだら作品を殺すことになるようなネタバレを恥を忍んで書いています。

私はソワレ観劇後、徹夜で翌昼に感想書き上げました。これが私の沼への一歩だった訳ですけれども、これを書き残しておいたお陰で、謎が解けた時に私の回答を出すことができました。

一度ネタバレを読んでしまうと、もう観劇で感じた感想書けなくなると思いますので、本当に一言で良いから感想書き残しておいてください。ついでだから公式アンケートに答えて非売品写真当てましょう。当たったら私にも見せてください。

最後に公式各位。

ネタバレにあたる部分は私の個人的ミステリー体験なので、これが公式解とは主張断言しません。

と言うか、理由なき見落しと、自分の能力ではどうしても咀嚼できなかった部分(言葉スムーズに脳に入ってこなくて読解しながら観劇することができなかった原作には無いシーン)があったので、私のネタバレは不完全です。他にも拾い損ねている箇所がポロポロ出てくる。逆転する可能性が大いにある、お粗末な推理

ですが、キャストの皆さまが最後までネタバレに配慮されていたのに、ネタバレを公開し誰かに読んでほしいと願うことが、浅間しいようにも感じています。

ネタバレ注意喚起に約2000字程裂きましたので、どうか堪忍してください。

p.s.オリジナルマグボトル購入しました。作中に赤い色が無かったのでデザインも綺麗だし購入したのですが…紐解いてみるとなかなか意味深なグッズですね。とても良い記念品になりました。


それでははじめます。

導入


無人の屋敷に風が吹き込む

暗転

まったく光のない深い暗闇から男性の声が聞こえる

「不幸ということが、私にもよくよく分って来ました。本当に不幸という字が使えるのは、私だけだと思います。遠くの方に世界とか日本かいものがあって、誰でもその中に住んでいるそうですが、私は生れてから、その世界日本というものを見たことがありません。これは不幸という字に、よくよくあてはまると思います」

暗転明け

無人だった屋敷に白髪の男性が立っており、書物を音読していた。

彼は自身について取り止めなく独り言つ。

彼……『私』を語り部とした、物語がはじまる。


まず本作の初見の私の感想と回答は、下記増田で参照できる。

http://anond.hatelabo.jp/20170206104211

ミステリーとして解いた今読み返すと相当ブッ飛んだ納得の仕方をしている。自分の妙さについて今までなんとなく感じていた部分が浮き彫りになりすぎである。こわい。

当時も気持ち的にスッキリはしたけども、<もやもやした原因が『認知を歪められている感覚』だったのに、「それは作者の願いだよ!」という犯人動機の『妄想』では、『論理的解決』にまったくなっていない>ので、悶々とはしていた。

作り手側は演劇を魅せるプロだが、観客は演劇を観るプロだ。伊達や酔狂でやっているわけではない、こちとら真剣に観ている。

認知を歪められている感覚』なんて中途半端ものは見過ごせない。

ちゃんとトリックを暴きたかった。

そこからずるずると私は沼に嵌まっていき、推理のためにガチで眠れない一週間を過ごすことになる。

そもそも、舞台「孤島の鬼―咲きにほふ花は炎のやうに―」の何がミステリーなのか。

それは、本作品が叙述トリックを駆使し、とある真意』を隠しているということにある。

しかし私の目下の推理動機は、トリックを逆手に取った『簑浦も諸戸も幸せになれる最適解』にあった。どうしても二人を幸せにしたかった。

そのために以下のことを行った。

そしてひたすら二人が相思相愛ではないという可能性を潰し、相思相愛である可能性を見つけ出す作業


解説『簑浦も諸戸も幸せになれる最適解』①

箕浦の白髪

二人の愛の一番の障害は、箕浦の白髪化=「箕浦は同性愛を『生理的』に受け付けられない」という点。

これが諸戸が箕浦の前にあらわれることがなくなった原因だと思う。彼がどんなに誠意を尽くそうとも、これだけはどうにも覆すことができない。

しかし、実は原作では白髪化したタイミング=直接的な原因が諸戸に襲われたことのみだとは明記されていない。

そして舞台でも、実はめちゃくちゃぼやかされている。

冒頭、語り部である『私』が自身の体験した恐怖について語ろうとする。その時にまるでトラウマが呼び起こされるかのように喉元を掻く仕草をする。

後半井戸の奥、深い完全なる暗闇の中、水位が増して死の恐怖に襲われた時。『私』佐藤箕浦も、諸戸と石田箕浦と同じマイムを行って移動し、水位が増しだすと喉を掻いて苦しみ悶絶する。

これは、白髪化するほどの『生理的』な恐怖が、諸戸に襲われる前から強烈にあったという解釈にできる。

では逆に、諸戸に襲われた後の恐怖はどうだろう。助八さんの救助が来て、生死の恐怖は去った。丈五郎の恐怖も去った。では諸戸に犯される恐怖はなくなるか? 普通に考えれば、自分を襲ってきた相手が側に居るなんて恐怖しかない。第三者が居るから安心だなんて暢気になれる訳がない。(学術的根拠を略していることは恥じています)

箕浦は、諸戸に襲われた時にあれほど恐慌したのに、襲ってきた相手が側に居てもケロっとし過ぎなのである脱出できた時なんて笑いあっていたりする。

これらによって、「箕浦は同性愛を『生理的』に受け付けられない」ということを否定できる可能性が、十分にある。

同性愛への拒絶:あの夜まで

生理的』に受け付けられない訳じゃないのなら、箕浦の同性愛への拒絶はどこからくるのか。

実は学生時代の箕浦は、同性愛を拒絶していない。

諸戸が触れるままにさせ遊戯を楽しんでいたと言っているが、これってちょっとエッチではないですか? 私は『もてあそぶ』というよりも、遊廓でのお戯れみたいな印象の方が強かった。エロかった。

…脱線した。ともかく同性愛を否定する、拒絶する描写が無い。

ましてや「あつい手だね」というセリフは、諸戸と佐藤箕浦の両方が同時に口にする。

これは原作では諸戸が言い、簑浦も『私も同時に、火のような相手の掌を感じた』とある

あの夜、諸戸と箕浦は、本当は同じ気持ちであったのではないか。

同性愛への拒絶:あの夜から

しかし大人になった箕浦…いや『私』佐藤箕浦は、頻繁に同性愛を拒否する。

そして井戸の中、「今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」と請い願う諸戸を「あさましい!」とはね退ける『私』佐藤箕浦。

実はこのセリフ原作には無い。そして学生時代のあの夜は諸戸の方が言っていたセリフなのだ

「君は浅間しいと思うだろうね」と。

箕浦に『同性愛を持つ者は異人種』だと一番最初に植え付けたのは、他ならぬ諸戸であった。

そしてあの夜、「『私』は諸戸との関係はこれで終わったと思った」。

もし、もし諸戸が、自分で自分の気持ちを否定してしまわなければ、二人が結ばれていた可能性もあるのではないか?

『箕浦』の存在

あの夜の後、箕浦が大人になりSK商会に勤める場面から「過去の『私』」石田箕浦が登場する。

大人になった『私』佐藤箕浦は同性愛嫌悪感情を見せるが、石田箕浦は同性愛嫌悪していない。

諸戸が自分に恋していることを頭では理解しているが、そもそも同性愛をわかっていない。だから諸戸からの熱視線性愛アピール)をまったく感知できないし、諸戸からの接触に応えること・握手を求められた手を握り返すことができる。

スポットライトが当たらないところでの石田箕浦と諸戸は、まさしく「諸戸と簑浦は何か変だ」状態熱視線を送ったり触れようとしたり羞恥の色を見せたりする諸戸に、石田箕浦はまったく気付かない。A.T.フィールド固すぎ)

絶望的に脈ナシな究極のノンケ

原作の簑浦とはかなり印象が違うそう(私は一度推理完了するまで未読を貫く主義のため世論であるが)。

簑浦と箕浦、原作とは名前漢字が異なるし別人か? いや、そうじゃない。無意味な改変は絶対に起こらない。「虚偽の事柄を事実として書くことはアンフェア」だからだ。印象が違うなら、『変えた理由』と『変えても原作の簑浦を成立できる理由』がある。

石田箕浦が登場する前。佐藤箕浦が諸戸との関係は終わったと思ったあの夜。諸戸が泣きながら請うた内容は以下だ。

「君は分っていてくれるだろうね。分ってさえいてくれればいいのだよ。それ以上望むのは僕の無理かもしれないのだから 。だが、どうか僕から逃げないでくれたまえ。僕の話し相手になってくれたまえ。そして僕の友情だけなりとも受け入れてくてたまえ。僕が独りで想っている。せめてもそれだけの自由を僕に許してくれないだろうか。ねえ、簑浦くん、せめてそれだけの……」

諸戸が願った内容、これまんま石田箕浦じゃん……

石田箕浦は諸戸を友人として深く信頼しているし、井戸の中でなんて一緒に死ぬことすら受け入れている。諸戸の願いを、字面通りに叶えている。

しかし周知の通り、諸戸が心の内で望んでいたのは、彼の『死にもの狂いの恋』を受け入れてもらうことだった。

諸戸の望みと願い

諸戸は自身について怖れている描写が多々あった。それは自分の素性と性愛対象が『普通と違う』ことでもあったし、『父に命じられたから行っていたはずの不気味な研究にいつしか諸戸自身不思議な魅力を感じはじめていた』ことも大きいと思う。

強い劣等感を抱えた自意識と、強い罪悪感をもたらす超自我

我と我身を醜いと卑下すればするほど、美しいものを強烈に求め、美しくあるべきだという観念に囚われる。

諸戸の心の内の葛藤が『手記の秀ちゃんと吉ちゃん』そのものに見えた。諸戸の望み(イド)と願い(超自我)は大きく解離している。

箕浦が写し取ってしまった『同性愛を持つ者は異人種』という価値観、『親友という姿』は、諸戸が持つ美意識刷り込みだった。箕浦にとって諸戸は、本当に「美しい青年」だったのだ。

『私』と『箕浦』

石田箕浦は本当にクセのない、まっすぐな好青年だった。諸戸の理想とする『普通』がそこにあるように見えた。そして原作の簑浦とは印象が異なる存在

これはつまり、簑浦のイドと超自我のようなものが、『私』佐藤箕浦と石田箕浦に分かれて表現されているのではないか。一人の人間を二人で演じ、二つの存在(語り部の『私』と、簑浦のイド)を一人が演じているのではないか。

彼らの箕浦の分担は、紀州の孤島に着いてから大きく変動し反転してゆく。

井戸の中で諸戸に襲われ、完全に石田箕浦から佐藤箕浦に替わったのは、諸戸が望んだ存在が友人ではなく恋愛対象としての箕浦だったこと、そして諸戸の手によって「諸戸の理想とする『普通』」が壊されてしまったこと…『私』になった石田箕浦にも諸戸の姿は獣のようだと評されている。学生時代のあの夜に諸戸が否定をしてしまったこと、それの繰り返しだった。

『私』の恋心

そして秀ちゃんへの恋心を諸戸に恥ずかしいものと責められる場面。実はあれは原作だと簑浦のモノローグによる言い訳タイムとなっている。諸戸はそもそも丈五郎に捕まって、島に到着して以降会っていないというのだ。正確にセリフを覚えていないが、原作未読の私でも、最初に秀ちゃんから手紙を受け取ったシーンに諸戸が居ることに強い違和感を感じた(そして友人が原作では諸戸が居ないことを確認してくれた)。

よくよく考えれば変なのである。箕浦に恋慕を寄せる諸戸に責められる筋合いはない。初代に操を立てるなら諸戸の恋に応えることも恥ずべきことだし、諸戸に気を遣う必要だって本質的には無いのだ。(まるで『アイドル恋愛しちゃいけない』理論だ。)

ではなぜ超自我ポジションである石田箕浦ではなく、諸戸が責め立てるのか。

箕浦の美意識は諸戸の影響を強く受けているから諸戸の姿をしていたとも捉えられるが、それ以上に、常識的な葛藤だという以上に、箕浦の心の中に諸戸を慕う側面も幾ばくかあったから、秀ちゃんに恋する自分と、諸戸を慕う自分で対立したことを表現していないか。

佐藤箕浦はもちろん初代にも秀ちゃんにも惹かれているが、彼が箕浦のイドのポジションであるならば、諸戸のことも結構好きだった。(イドでなく単なる『私』なのだとしても、諸戸を見つめる視線に愛憎のような熱が込もっていたし、)諸戸との会話に深山木が入ってきたとき「早くないですか!?」と驚くのは二人の箕浦で、石田箕浦一人だけが言うと単純に時間が早かっただけに聞こえるが、佐藤箕浦も合わせて言うことで「諸戸との会話に邪魔をされた(もっと諸戸と話したかった)」かのような邪推ができてしまう。

海岸で諸戸を見付けるのも石田箕浦ではなく佐藤箕浦だ。

そして諸戸が握手のために差し出した手を『箕浦が握り返さなかった』時。諸戸は驚愕の表情で『私』を見る。見つける。実は、物語の始まりを告げる運命が廻りだすような音楽が流れて以降(犯人だと疑って諸戸の家を訪ねて以降)、諸戸が『私』を初めて見たのが、この『箕浦が握り返さなかった』時。

握り返さないのは、握り返すことに意味が生じてしまうから石田箕浦は諸戸の恋をまったく感知しない。そんな石田箕浦が握り返さないわけがない(実際に、諸戸に見つかってしまった『私』が顔を背けた瞬間、石田箕浦は手を握り返す)。つまり学生時代のあの箕浦が、心の中にまだ居たということ。

諸戸にとってはそりゃあ嬉しいことだろう。彼はそれ以降箕浦に話しかける時、佐藤箕浦を見てから石田箕浦を見る。ここからどんどん、『箕浦』の行動を表現するのが佐藤箕浦へ移行してゆく。

すれ違う二人

一度は友人として、諸戸と共に死ぬことも受け入れた箕浦。

しかしその結末を自らの手で潰す諸戸。

逃げながら箕浦は吼える。「死んでたまるか!」と。箕浦は白髪化するほどの生死の恐怖を体験したばかりだ。

諸戸に襲われるも未遂に終わり、命が助かることに深く絶望する諸戸。

井戸を出た二人は笑いあう。諸戸は箕浦が白髪化するほど生理的同性愛を受け付けないのだと認識したように、箕浦の白髪を見て泣いているように笑う。

そして箕浦の前に現れなくなった諸戸は、気持ちを遺して逝くことで最期にまた箕浦へ大きな傷を残す。


解説叙述トリックを駆使し隠された真意

先述の通り、私の推理動機叙述トリックを逆手に取った二人が相思相愛であったことの証明にある。

からくりが解ってみると、どうってことない・ただ上演されているものそのままに過ぎないのだけど、ここに辿り着くまで本当に一週間ひたすら睡眠時間を削って悩んだ。二回目に観劇した時などは、とにかく正確に推理するためにありのまま最前列からガン見してきたのに、どうあがいても悲恋という現実に心が折れそうになった。マジで。実は二回目に最前列観測した時よりも、初見H列サイドから観劇した時の方がイイ線いってたよな(納得の仕方はブッ飛んでるけど)と思う。

で、共に推理していた友人が先に原作叙述トリックに気付き、簑浦と諸戸のBLは成立しているという解を出してくれたので、二回目の絶望した記憶で観劇を終えるのもなんだし推理はやめて初見のつもりで観劇しようと思って向かったのが三回目の観劇。最後尾辺りの補助席。

しかし驚くほど新たな発見がまたどんどん出てきたうえ、深山木のセリフによって私は舞台も叙述トリックを使ったミステリーなのだ確信してしまう。

これは原作にもあるセリフらしいのだが、深山木がトリックについて思わせ振りなことを言うシーン。そのセリフが完全に『叙述トリック説明』になっていたのだ。聞いた瞬間、震えが走った。

本作がミステリーであると気付けるように、最初から以下の違和感と解法が提示されていた。

さて。ここで疑問に思われることがあるだろう。なぜ叙述トリックを使用しているのか? 隠したいものは何なのか?

この件について私は非常に貴重な体験をする。

本作の大好評っぷりと、推理に明け暮れ神経衰弱している私を心配して、友人が本作を観劇してくれた。三回目観劇の日、偶然スケジュールが合って友人2人(友人Aと友人Bとする)と一緒に観ることができた。終演後、私はわくわくしながら二人に感想を求めた。

友人A「箕浦殴りたい……不快過ぎて体調悪くなってきた……」(※意訳)

当時、箕浦殴りたい勢は最大勢力に感じた。過激箕浦擁護派も0ではないが、大多数が箕浦(おそらく『私』のみ)に不快感情を持っていた。冗談ではなくガチで友人Aが苦しそうにしており、私も初見後は物凄くモヤモヤしていて苦しみがよくわかるので、少しでも気が晴れないかと友人Aと対話することになる。

不快感を分解していく。

友人Aは非常に言いに難そうに、しかし押しかかる不快感から助かるため、意を決して打ち明けてくれる。

友人Aも不快の対象は『私』にあり、その根源を追ってゆくと友人自身が「『拒絶』されるのが本当に無理」だから、諸戸を拒絶しているのに側に居た『私』を悪だとした。

増田「拒絶することを『悪』だとするなら、今『拒絶を拒絶』している友人Aも悪だということになるでしょ? 友人Aは悪なの?」

結局友人Aには私の初見感想を読んでもらい、加えて私の心の闇()もひっかかった話をしたことで、とりあえず翌日出社できるレベルには不快感が晴れたと言ってもらえた。良かった。

さて、私は友人Aと対話して思った。「もしかして江戸川乱歩のやりたかったことってこれでは?」

感想を書いた方ならわかると思うのだが、感じたことや思ったことの根拠を話そうとすると、自身についての話、しかも心の闇()の部分を語らないとどうにも説明できなくなってしまう。

私も推理ログ含め大量に書き残したが、心の闇()を除いても、暗闇マジ怖い体験とか、無意識下の生理的拒絶は実在するよ体験とか(思えばこいつが二人の恋の一番の障害だった)、とにかくネガティブ体験談バンバン出てくる。

共に推理原作解読した友人も、舞台の感想を書こうとしたら闇にぶち当たって、書くのを控えようとしていた。( Permalink | 記事への反応(0) | 22:47

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