はてなキーワード: 安心してくださいとは
息子がこの世に誕生して結構経つけど、親の私は産む前と産んだ後ですこーしだけイメージが変わったので赤裸々に書こうと思います。
これはほんとにみんな違う。大学を卒業する人もいれば、芸術的な才能を開花させる人もいる。息子がダウン症じゃなければ知らなかったことだ。
顔も、特徴はあるがみんなやっぱり親に似ている!
でも正直言うと私は息子が誰に似ているのか分からない。
なので「パパによく似てるね」と周りから言われれば黙ってしまうし、一緒にいる家族も変な雰囲気になる。
たぶん理由はいくつかあって、愛想が良くて裏表がなく笑顔がステキな子が多いからだと思う。でも実際はめちゃくちゃ頑固な子とか、知的障害から来るあれこれで怒りっぽい子とか、あと自閉症を合併している子とかも少なくなくて実は思ったより天使じゃない。そこは普通の子と変わらないと思う。誰かがポジティブに捉えるために天使って言い出したんじゃないかとひねくれの私は考えている。
さて本題に入りたいと思います。
これはダウン症に限らず、どんな障害や病気を持つ方にも「可哀想」と思うことはあるかと思う。ただ私は殊にダウン症のことを可哀想だと30年思ってきた。身体的にここまで特徴的な病気はないと私は思う。パッと見てダウン症だと把握されて、偏見の目に晒されたりするのが可哀想だと思っている。現在進行形で。
どう対応したらいいか、息子以外分からない、なんて言葉をその子の親にかけたらいいか分からない。
これは変えようと思っても変えられない。カウンセリングに通おうかな、とかも考えた。
息子は可愛くてしょうがないのに、いざダウン症の親の会や施設に行って他のダウン症の人を見ると「うわっ」となってしまう。
我ながら最低だと思います。本当に。
けど最低ながら日々療育に通えたり、施設に行ったりできるのは慣れと諦めが大きいと思う。
まずダウン症の顔が受け入れられない。この問題をどうにかするために、一日中「#ダウン症」でインスタを検索した。
34万の投稿で目を慣らしていった。今では何も考えずに見て「この子かわいいな、ステキだな」と思えることも多くなったが、実際に見るのは脳みそが受け入れられないのだ。
「息子も、ダウン症なんだ」とどーーーんと衝撃が来るから。それで自分を責めて、自己嫌悪に陥ったりしている。けど誰に言われたのかすっかり忘れたが、「無理しなくていいんじゃない?」という言葉に救われた。
無理して他のダウン症の人と交流しなくていいし、無理して自分を偽って優しくなろうとしなくていい。
なるほど、たしかにそうだと思った。
基本的には親がアカウントを運営しているのだが、悩んでいる人、悲しんでいる人も沢山いる。けどやっぱり圧倒的に多いのは、ダウン症を受け入れて明るく楽しくやっていこー!!みたいなポジティブでキラキラした投稿ばかり。
そういう投稿をすることで、自分の気持ちの整理がついて世界に馴染めるというか、肯定感を高めることができるので他の人と共有する楽しさはすごくわかる。
ダウン症の告知をされた両親の中には、そのキラキラに圧倒されて迷いや葛藤が生じている方もいるのではないでしょうか。そして私と同じようにダウン症を受け入れられない方も沢山いることでしょう。
私みたいなひねくれ者でもダウン症の子を育てていけるので、安心してください。
どこかで諦めがつきます。ま、いっかってなる日が来ます。そのためにはいろーんな人と喋って、無理なことからはそっと離れて、あんまり他の子と比べてはいけません、めちゃくちゃ辛くなるので。
たぶん解決策は無くて、きっと一生このままだと思う。
最後に、この日記?にたどり着いた子どもがダウン症の告知をされた方、出生前診断でダウン症の可能性があると言われた方…
いっぱい悩むと思いますが、辛くなったら抱え込まずにいろんな人と話してください。パパやママが笑顔なのが、子どもにとって1番だなーと思います。そして、私たちが悩んでいることなんか子どもは全く気にしてません。
ではまた。
いや、マジやばい。
この4月から、ネット購入専門の新しい宝くじ、クイックワンというものが買えるようになった。
もちろんスマホにも対応していて、支払いはキャリア決済なんかも使える。
現在発売中のクイックワンは全5種類で、1回100円が2種、1回200円が2種、1回300円が1種というラインナップになっている。
これを買うとガチャが引ける。ご丁寧にも演出付きで、クレーンゲームでおもちゃ取れるかな?ってのとか、ドミノ倒しが最後まで行くかな?とか、たまごから恐竜が生まれるかな?などといった技術介入要素のないミニゲームを見せられることになる。
そんなの1回ずつちまちま引くのか?と思ったあなた、安心してください。10回単位でも買えます。そして10連いっきに回せます。その場合は演出は全カットで結果だけが表示されるようになっている。
その上、案外小銭がちまちま当たる。10連回すと、そのくじでの最小当選金額(今のところくじ1回と同一金額)が2回くらい当たる。
この当選金はすぐには手元には手に入らなくて、当選した日の翌平日になると、お預かり当選金というところにプールされる。
そして、このお預かり当選金を使ってまたクイックワンを買うことができてしまうのだ。
こうして、お金が当たるガチャの自転車操業ができあがる。足りない分は更に現金を突っ込むんだぞ。
たぶん、一気に1万以上の金額が当たってしまえば問題ない。ヘルプによるとお預かり当選金は1万円を超えると翌平日に、あらかじめ登録させられる銀行口座に即振り込まれる仕組みになっているらしい。
しかし1万以上の当選金はそんなには出ない。各クイックワンの商品概要を見て、確率をざっくり計算してみたが、1万以上の当選金が当たる確率はFGO換算でいうと★5を引くより難しい。
ボックスの中に何が残ってるかはわからないし、レイドに参加してる人がどれだけいるのかもわからないけれど、空になるまで引けば誰かは確実に当たるという仕組み。
ギャンブルやソシャゲにハマって残当にお金を溶かしてきた俺が回さないわけない。
キャリア決済の気軽さもマズすぎる。
いや、ほんと助けて。
厳密にはそんなに経ってないけどフェイクってことで。
思い出話を読んでほしい。
当時はまだ「パパ活」なんて言葉はなくて、デートクラブとか交際クラブとかそんな言い方が普通だった気がする。
わたしにその世界を教えてくれたのはAVにも出演経験ありの年上お姉さん。時間があってカフェでお茶してるときに「あたし、パパがいるんだよねえ」と突然切り出された。
聞くとおじいちゃんと食事に行き、そのあとホテルに行って添い寝(高齢者だから勃たない)して5万円もらって朝帰るとのこと。
食事だけでも1万円くらいもらえるよ!あなたは可愛いからおじさんウケするよ!とそそのかされてその日のうちに交際クラブに連絡し次の週に面接?に行くことになった。
面接は恵比寿の普通のマンションみたいなところで、3人くらいいるスタッフはみんな女性だった。
「他のクラブ登録とかしてます?パパはたくさんいた方がいいですよ〜」とか言われたのを覚えてる。
②男性会員が会いたいと思った子をクラブに連絡。日程や場所などこちらに伝えられるものは全てクラブ経由。会うまでは連絡先や名前なども知らない。
③たいていホテルのロビーなどで待ち合わせ。本人確認のために電話かけるのが必須。
男性会員にランク(入会金とか年会費が変わる)があるように女の子にもランクがあった気がする。当時から風俗嬢とかモデルとか今普通にテレビでてる女優とかいたみたい。逆にそういう子の方が多くて普通の大学生・OLは珍しいみたいな風潮もあったな。
私がクラブに入ったことで年上のおねえさんには5,000円が入ったみたい。あとで奢ってくれた。
今は女の子が飽和状態でそんな友達紹介キャンペーンありえないよ。
英会話ができたから日本に住んでる外国人と会うことも多かった。
そのときに来るクラブからのメールは「日本語の会話問題ありません。安心してください」とか「日本語は片言です。いけますか?」みたいな感じだったのをよく覚えてる。
ちょっと前に、夜テレビ観てたら経済系の有識者として私がよく上野あたりで会ってたオジサンが出てて笑った。日本語堪能なくせに金払いが悪くて私が連絡無視し続けたら突然英語で謝罪してきたな。お手当のこと「Otoshidama」って言うから最初何かわからなかった。
まあ色んな人がいたよ。でも今の方がケチなオジサンが増えたんじゃないかな。入会金◯◯万円、年会費◯◯万円なんて払わずにライトなアプリでヤれる女の子探せるしね。女の子も手っ取り早くお金が欲しいのか2万円くらいでホテル行くみたいだし。
一般的にそういうことに縁遠い低所得なオジサンまで「パパ活」って言葉を使いだしたから私はもう引退。クラブも数年前に辞めたし、パパ活アプリも全て消した。
前編https://anond.hatelabo.jp/20220327224432
3/21
友達「アメリカは今でもウランをロシアから買っている。ロシアの軍事力をある意味認めているのだ」
増田「それが軍事力を認めたってことになるの? ただウランが取れるってだけじゃない?」
友達「そうだね」
増田「(何を納得したんだろう)」
3/20
増田「(……)」
増田「(あーなるほど、モンゴル帝国は中東を版図に収めてたこともあるのね)」
友達「他にはあまり覚えていない。露土戦争や最近のシリアの内戦くらいだ」
友達「同じロシアでも文化が違うからなんともいえない。なにしろ広い。
シベリアはいつも東側だった。ずっとモンゴルや中国などアジアとは密接な関係にある」
友達「tribute to what?」
増田「(してないようだな)」
友達「シベリアの歴史の半分はSiberian khanateだ」
増田「そう(シビル・ハン国っていうんだ。へえ、地域名の由来もモンゴルなのね)」(注:増田は世界史あんまり知らない)
友達「その後シベリアはコサックでいっぱいになった。ただいつも中国とは関わりが深かった」
増田「そう」
友達「日本がシベリアを征服しようとしたこともある。シベリア出兵だ」
友達「ロシアで内戦が起こっている隙に日本がシベリアを奪って緩衝地帯にしようとした。
これでシベリアの経済は崩壊し、日本は孤立した。今のロシアのように」
友達「シベリアはそれでもロシアの一部だったし、赤軍が内戦に勝ったときはシベリアを多少は良くしようとしていた」
増田「そう」
増田「ロシアの人の下の名前って全部決まってて新しく作らないんだね」
友達「そうだ」
友達「ああ」
増田「日本だとこうじゃないからさ。歴史上の人物とか見ててもかぶる名前の人はあまりいない」
友達「そうか」
友達「ロシアの名前のうちいくつかは時代遅れになったり、古すぎて新しい言葉に馴染まなくなったりした」
友達「たとえばadolfなどだ」
増田「高貴なる狼。意味も音も字の見た目もカッコよくて好きだなあ。とはいえこういうカッコよさの感覚は私と別の言語圏に住む●●さんでは違うんだろうな」(注:言語圏以前に個人差もあるのは見逃してほしい)
増田「いつか復活する日はくるのかな」
友達「来ない」
増田「断言するのね」
友達「する」
友達「Adolf Freidbergというロシアの作家は戦後Arkadiy Davidovichに改名せざるを得なかった」
増田「ああ…」
増田「ВладимирとВолодимирは見たところ同じ名前だよね?」
友達「そうだ」
増田「プーチンとゼレンスキーの名前が同じなのはちょっと感じ入るところがある。今後どういう扱いになるのかなあ(聖と邪をあわせもつなんかすごい名前とか?)」
友達「これはごくありふれた名前だから特に何もならないだろう。adolfは多少珍しかった」
増田「そうか」
増田「(なるほど、なるほどね……。これをつまらないと思うのはローマで剣闘士を見て楽しんでいた市民と同じ心性なんだろう)」
増田「(そういえば民主主義と独裁とは理論上は相容れない物ではないというか…代議士が1人しかいなくて任期も長い民主主義というのはありうる。それは別に独裁じゃないけど。どうせ大衆心理が1人の英雄を追い求めてしまうものならば、最初から独裁に似せておけばむしろ本物の独裁になりにくかったりしないだろうか)」
増田「(……)」
友達「ウクライナ人の一部は馬鹿なロシア人と同じだ。日本人のことを『ジャップ野郎』『目が細い奴ら』と呼んでいた」
増田「ゼレンスキーは核兵器には触れたんだよ? 核兵器を知ってて広島長崎を知らない政治家がどこにいるっていうの? いや、いるだろうけど」
友達「惑わされないでくれ。ウクライナ人とロシア人に大した違いはない。彼らも人種差別者になりうる。今回は彼らが被害者だというだけだ」
(これのことかhttps://jp.reuters.com/article/ukraine-discrimination-students-idJPKBN2L40H8 )」
友達「それでも私はウクライナの人々の悲劇に心を痛めている。この無価値な戦争は誰も幸せにしていない」
増田「文化も血もすごく近い国の人たちの性格がそんなに違うわけない」
友達「ウクライナ人は彼ら自身をロシア人と区別しようとしている。『ウクライナはロシアじゃない、我々は兄弟じゃない、ロシア人はすべて切り刻まれるべきだ』と。
ウクライナにも西洋にももう幻想は抱いていない。小さい頃はアメリカは世界一素晴らしい国だと思っていたが幻滅するばかりだ。アジア人は正直者だ」
友達「全体的な傾向のことを言っている」
3/23
増田「悪魔みたいなジャケット着てみたいけど多分似合わないだろうな」
友達「誰に?」
友達「そうみたいだ」
増田「(よう道徳最小人間。ところであれは『国土は最大なのに道徳は最小』だからなんか面白くなるけど仮に『国土も最小だし道徳も最小』だったら他の面積が小さい国々から嫌がられそうなの非対称だ)
うん。ていうか●●さん演説聞いてたんだ。あいつ原爆についても空襲についても何も言わなかったよね?」
友達「ゼレンスキーはNATOを戦争に引き入れたがっている。つまり第三次世界大戦だ」
増田「そうみたいだね」
友達「NATOも馬鹿ではないからそれはわかっている。 プーチンはNATOが参戦を決めたら核を撃つと言った」
増田「それがゼレンスキーが原爆についても空襲についても何も言わなかったことになんか関係あるの?」
友達「かもしれない。ゼレンスキーの発言はどれも同じような内容だから最近は聞いていない。いつもNATOに飛行禁止区域と武器供与を求めている」
増田「そういえば聞いてわかるの? 日本語にはそういう言語ないんだよね」
友達「ウクライナ語は聞けば8割か9割くらい理解できる。ロシア語話者はみんなウクライナ語がなんとなくわかるし、なんならポーランド語もちょっとはわかる」
増田「そう。日本語圏ネットはゼレンスキーの演説でもちきりだよ」
友達「正直なところゼレンスキーはどう見ても西洋の駒だからあまり興味がない。言動も運命も知ったことか。
それよりもウクライナとロシアの一般市民の身を心配している。ただ早く戦争が終わってほしい」
増田「●●さんがゼレンスキーに興味がないのはわかったけど喋らせてよ本当に腹が立ったんだ。
これはわかる。宣戦布告なしで攻撃を仕掛けるのは国際法違反だからその真珠湾の怒りを思い出してくれというのはよくわかるさ(日本軍はほかにもいろいろやらかしてるし)」
友達「ゼレンスキーはNATOを参戦させるためならなんでも言うだろう」
増田「でも民間人を襲った原爆や空襲だって国際法違反だ。どうして『原爆を思い出せ』『広島と長崎を思い出せ』がないんだよ。これじゃ不公平だ」
友達「ウクライナ人も、そして多分西洋人もそれのことを大して気にしていない。彼らがした他の戦争犯罪と同じように考えているのだろう。歴史は勝者によって書かれる」
増田「これがもし仮に日本の落ち度を批判してきたなら納得したんだよ。日本政府は北方領土を取り返そうと20年くらい無駄な援助を重ねてきた前科がある。
そこを糾弾して強く改心と協力を求めてきたなら空襲や原爆に触れなくてもきっと納得してた。なんでだろうね?
(そういえばドイツ人だって大量にソ連に移送される被害を受けたことがあるんだからこちらに言及することもできたのにあくまでドイツの加害のことを言ったんだった)
でもゼレンスキーは日本をおだてて持ち上げてずっと友好的な態度だったにもかかわらず触れなかったんだ。それがすごく侮辱的で軽んじてると思った。口先でお世辞は言って、日本人への赤い血がしたたるような感情は見せてくれなかった」
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友達「制裁が終わらないと日本に行けないことに今気がついた。銀行に一定の残高がないとビザが作れないのに銀行が制裁にあっているからできない」
増田「ああ(制裁と銀行とカードは複雑すぎてなにがなんだかよくわからない)」
友達「どこもロシア人を求めていない。カザフすら国境を閉じてしまった」
増田「あれ? 私がどうやっても無理な感じ?」
友達「いくつかの企業は従業員を国外に脱出させる手助けをしている」
増田「じゃあ私がそっちに行くのは」
3/24
3/24
増田「ウクライナの人々はロシアがどういう扱いを受けることを望んでいるか気になっている。人々というか政府というか」
増田「疑問点は2つある。一つは国民同士の関わりが深いこと。●●さんにもウクライナ人の友達がいるだろう」
増田「ロシア人が全員死ぬボタンがあったとして●●さんの友達は押すだろうか」
増田「なんでそう言い切れる」
増田「(しまったこの人は命の価値は誰でも一緒とか言ってるんだった。私としては『ロシア人の家族や友人や恋人がいるウクライナ人はロシア人全体が嫌われるのを望まないだろう』……『友達は私を殺したくないからボタンは押さないだろう』の意味で言ったけど●●さんは多分『友達は人を殺したくないからボタンは押さないだろう』の意味で言ってて話が通じてない)
二つ目はロシア人とウクライナ人が似ていることだ。日本人と中国人と韓国人がよく海外でごっちゃにされてるようにロシア人とウクライナ人の区別もつかないだろう。ロシア人が嫌われるとウクライナ人がとばっちりを食らいかねない」
友達「だからそのボタンを押すウクライナ人はそこそこいるだろう」
増田「なるほど(中途半端に殺すと民族対立になるが全員殺してしまえば丸く収まるのはアメリカの黒人とネイティブアメリカン――全員は殺されてないが――を見ればすぐにわかることだ)」
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増田「そう」
例をあげるならば、ロシアの政治指導部は、きわめて当然のことながら、外国の勢力、さらには具体的にどのような組織、個人がロシアの弱体化を狙って行動しているかに、関心を持った。この問題に関する正しい答えを出すことはきわめて重要である。EISは、この問題について詳細な調査と分析を行ない、「現在のところ、米国及びその他の先進西側諸国の国家政策にはそのような方針を示すデータはない」と政治指導部に報告した。(「クレムリンの5000日」エヴゲニー・プリマコフ著 鈴木康雄訳)
西側諸国のロシアへの方針について恐らく世界で最も詳しかった人のひとりでしょう。ただ本当のことを書いているかどうかは私には判断できかねます。
この時代の他の国家の状況についての情報も知るべきでしょうが、さきほども書いた通りこの回顧録すら読み終えられていません。
増田「国葬もやってたみたいだけどなんで今まで死んでたこと知らなかったの?」
友達「そうでもない。普通のロシア人は政府なんかに興味がない。
テレビで最後に見た国葬はエリツィンので、最後に見た普通の葬式はマイケル・ジャクソンのだ」
増田「(うちの学校では今のマイケル・ジャクソンは96代目とかいう噂が流れてたなあ)
そうなんだ。なんでエリツィンのは報道されたのにプリマコフのはされなかったんだろう」
友達「エリツィンは大統領だったがプリマコフは首相だった。それにプーチンはプリマコフを好きではなかった」
増田「なんで嫌いだったと思うの?」
友達「プーチンはパラノイアだ。あの長いテーブルは知っているか?」
増田「知ってる知ってる。なら国葬したり銅像建てたりしてるのは見せかけのポーズなのかな?」
増田「そうなんだ」
とはいえ友達はほとんどテレビを見ないらしいのでテレビに関する情報は怪しいと思っています。
BBCでもロイターでもついでにNHKでも、ロシア国外のニュースをいくらでも読んでいる人なので恐らくたまたまでしょう。
メディア規制については確実に私より詳しいので安心してください。
(1)友達の話を聞くに相当小さい頃からずっと英語でロシア国外のニュースを見ていたらしいので多分プーチン万歳と思ったことがほぼなさそうです。
(2)もし友達がその方法を知っていたら、聞かなくても教えてくれているでしょう。
1)答えではありませんが、エロや同性愛のイラストが普通に載っているのを不思議に思っています。あれ匿名ですらないのに。
前編にも書いた通り、彼はロシア人はウォッカもビールも飲むものだと思っているようです。
友達「いい」
増田「『英語など外国文化を知らないようなロシア人はあまり謝らない傾向がある』と聞いたんだけど本当にそんなことがあるの?答えたくなければ答えなくてもいいよ」
友達「まともに教育を受けていなかったりしつけられていなかったりするロシア人は謝らない。外国文化とは無関係だ」
増田「ふーん 他の国と大して変わらないだろうということでいい?」
友達「変わらない。russians are the same as everyone else」
増田「そう」
友達は英語話せるやつではないやつたちとも接点が多いようです。
ただし在露邦人のあなたのほうが信頼性が高いかもしれませんね。私にはわかりません。
スラブ民族がどうこうとか正教会がどうこうとかについては友達からは何も言われていません。
「オルブライト? へー初めて聞いた」と思っていたら亡くなりました。
こういうこと書くと、「はっきり断らないお前が悪い」と言われそうだけど、一昨日きた訪問営業が鬱陶しい。
以下、一字一句あってるわけじゃないけど、どういう会話をしたかをいくつか書いていく。
自分が住んでいる家は単身世帯専用の1Kの賃貸マンション。一昨日の金曜日の夜に仕事から帰ってきて晩御飯を食べ終わったときに、インターホンが鳴った。電話でもそうだけど、予定がない訪問の場合、自分は相手がなんと言っているのかうまく聞き取れないことが多く、この時もそうだった。一度聞き返すと、はっきりとはまた聞き取れなかったのだけど、水道がどうのこうので一軒ずつ回っているとのこと。もう一度聞き返そうかと思ったのだけど、「水道の点検か? そんな話あったっけ? こんな時間に」と疑問に感じながらも、もう一度聞き返すのも忍びないので、オートロックのドアを開けた。
部屋にやってきてドアをあけると、そこには20代半ばの青年(後から23歳と分かった)。「先日ポストに訪問案内を入れましたけど、見られましたか?」と青年。自分は基本、ポストに入っているチラシなどは目を通すようにしているのだけど、全く見覚えがなかった。
「台所の蛇口を見させてください」と言われたので、入ってもらったら、「普段、水道水って飲まれますか?」と聞かれたので、「飲みます」と返答(何なら、水筒に水道水をいれて会社にもっていってる)。その後、蛇口のキャップを外されて、浄水器をつけられた。
そして、「コップを貸してもらえませんか?」と言われたのでコップを渡し、普通の水道水と謎の薬をいれると、ピンク色になった。そして、青年は一言。「こんなに色が変わるんですよ? こんなこと知って飲めますか?」。いや、これがどういう仕組みで変色してるか知らんし。「安全なら問題ないんじゃないですか」と返した。
その後、浄水した水と薬をいれると、何も色が変わらなかった。蛇口にはめる浄水器でもこんな違うもんなのだなとちょっと驚いた(仕組み自体よく分かってないのだけど)。
ただ、これは高い価格で売り付けてくる訪問販売じゃないかとみがまえていたら、1年間無料のレンタルをやっていて、その後に必要なくなったらやめてもいいとのこと。会社としてはその後、一定の割合で続けてもらえるのでそれだけで利益になるとのことだ。
それなら悪くないなと思って申し込んだ。書類に、クレジットカードや銀行の情報が必要ならやめようとかと思ってたけど、そういう記入もなし。
ただ、会社名と所属年数を書く必要があったのがよく分からなかった。自分は、1年前に所属していた部署が会社として別れ(子会社化)、転籍した形となったので、所属年数を1年と書くと、そこでやけにつっかかれた。親会社に所属していたなら、その期間も含めた年数を書いていいとのこと。親会社にもいた期間でいいって何だよ意味分からんと思って、「1年じゃダメな理由はあるんですか?」と聞いたら、「審査にとおらない可能性がある」とのこと。浄水器のレンタルに審査なんてものがあるのかと思いながら、そういうもんなのかと思ってとりあえず親会社にも所属していた期間に変更。
ただ、翌日(土曜日)、何かをもってくるとのことで、また訪問してくるとのこと。面倒くさいなと思いながら、しぶしぶ許可した。そして、青年が帰ってからさっきの水道水がピンクになる現象に調べようとGoogleで「水道水 ピンク色に変わる」と検索したら、1発目に「悪質な訪問販売にご注意を!」というページがヒット。内容としては、水質検査を偽って水道水に含まれる塩素で色が変わる薬をいれ、これは飲まないほうがいいから浄水器をつけたほうがいいと売り付ける商法らしい。自分の場合、無料レンタルだけどやっぱこれ悪質なやつなのかなと思った。明日また訪ねてくるみたいだし、その時にきっぱりと断って返却しようと思った。
翌日、訪ねてきた青年にまず、「昨日の水道水がピンク色に変わる現象調べたら、最初に悪質販売についてのページがヒットしたんですね。そこには色が変わるのはむしろ安心して飲むことができる証拠と書かれてあって」と言うと、「水道水を飲んじゃいけないなんて言ってないですよ」と青年。不安を煽るような言い方はしてなかったっけと思いながら、「水道の検査で回ってると言ってたと思うんですけど」と伝えると、「いや、検査なんて言ってないですよ。水道水の浄水器の説明で回っていると伝えました」と青年。ここは自分の勘違いだったよう。「そうやって怪しがられることってよくあるんですけど、こちらはいいものを提供しているので安心してください」と青年。これ以上、言い返す言葉も思いつかないし、今のところお金をとられるわけでもないので、とりあえず納得することにした。ちなみに持ってきたのは「メンテナンス保証書」というものだった。
これで終わりかと思ったら、「会社についての説明をさせていただきたいので、明日時間ありますか?」と青年。「それって聞く必要ありますか?」と聞くと、「はい。老後にむけたお金についての話もあるので、聞かれたみなさん勉強になったと好評なんです」と青年。面倒くさいけど、1年無料レンタルしてもらえるし、暇だしいいかと思って承諾。
で、今日(日曜日)、青年が訪れた。老後のお金の話と言うとiDeCoとかの話かなと思ったら、違うどころか青年はなんとiDeCoを知らなかった。おいおい、お金の話をするぐらいならそれぐらい知っておいてくれ。
そうして話し出したのは、老後のことを考えると賃貸より持ち家のほうがいいという話。賃貸だと老後も家賃を払いつづけなきゃいけないから、賃貸のほうがいいということを延々と聞かされた。一応、「持ち家だったら地震があったときに心配だし」と言うと、「それは、修繕積立金があるので大丈夫です」と青年。何が大丈夫なんだと思いながら、「持ち家だと住み替えしにくい」と言うと「売ったり貸したりしたらいいんです」と青年。「そんな簡単に売ったり貸したりできないでしょ」と言うと、「そういう物件はそもそもローン審査にとおらないので大丈夫です」と青年。だから何が大丈夫なんだと思っているとしまいには、「増田さんの懸念が全部解消されたとしたら、持ち家のほうがいいと思いませんか?」という謎理論。そりゃあ、懸念が全部解消されたらいいに決まってるだろと(なんなら、「懸念が全部解消されたとしたら、賃貸のほうがいいともいえる」)。
こちらも何か言い訳つけて断ろうと思ったのだけど、無理だった。
しぶしぶ、毎月の住宅ローンの返却が今の家賃とさほど変わらずに(月6万円)、通勤時間も変わらずに、住宅ローン控除がうけられる面積以上の家ならいいと伝えた。あるとは思わないけど、探すとのこと。
そして、いい家が見つかったら11日に見学に行く話になり、見つかったかどうかを伝えるために、明後日の火曜日にまた訪問するとのこと。
いやいや、意味分からない。電話でいいだろと伝えると、「そういうことを話すのは対面でやるのが重要なんで」と青年。ちなみに、訪問してから帰るまでに2時間が経過していた(途中、20分ぐらい私用で電話がかかってきたので、玄関に放置したまま離れてはいたけど)。
ちなみに、自分専用の会社のメールアドレスはもってないらしい(名刺に書いてないからうすうすそうじゃないかと思ってたけど)。
ところで、初日の金曜日、近くでずっと「好きな映画なんですか?」「好きなアニメは?」「好きなゲームは?」と矢継ぎ早に近い場所で話されて、コロナ禍なのだからもう少し配慮しろと思ったのだけど、今日、コロナについて話してビックリした。
ワクチンはうってないという。コロナにかかったらかかったでただの風邪なので、それはそれで免疫ができるのでいいという考えだそうだ。
「コロナ禍なんで、こうやって近くで対面販売するのはやめたほうがいいんじゃないですか?」と聞くと、「消毒して免疫つけてるので大丈夫ですよ」と青年。いや、そういう問題じゃないだろと。
「ワクチンぐらい打ちませんか?」と言うと、「ワクチンなんて怖いじゃないですか。5年後とか自分の体にどういう影響があるか。自分の知り合いにもワクチンを打ったことで目が見えにくくなった人がいて本当に危険ですよ。
自分の家族は誰も打ってないです。それに僕、B型肝炎になったことがあって肝臓が弱いんです」とのこと。社員もワクチン打ってない人が多いらしい。
こんな人が実在したのかと驚いた。
会社の事業の話も聞けば聞くほどうさんくさい。「最近は婚活の支援事業も始めて、後、芸能関係の仕事もやってたり」と青年。そんなこと、会社のWebサイトには書いてなかったぞと思ったし、怪しいとしか思えなかった(不動産やリフォーム事業についても書いてないけど)。
なお、こちらが嫌がっているオーラをだしていると、青年から「増田さん、僕のこと苦手ですか?」と聞かれたので、「正直、苦手です」と答えておいた。
さっき、持ち家についてのデメリットについて調べてみたけど、移動がしにくいということや災害についてぐらいしか見つからず、本当に青年のいうことが本当なら悪くない話ではないと思ってしまったのだけど、はたして、どうすればいいものか…。
とりあえず、持ち家をもつメリットは分かったし悪くないかもけど、御社は信頼できないので良い家があったら他の不動産会社経由で購入するとでも伝えようかなと思う。
よくよく考えると、これはワクチン拒否している人を一人減らすチャンスじゃないかと思って、「こんなコロナ禍ですし、ワクチン打ってくれるなら一緒にいってもいいですよ」って言ったけど、ダメだった。絶対にワクチンは打ちたくないらしい。打つとしてももっと今より安全なワクチンがでてからにするとか。そもそも、一度コロナにかかってるからワクチン打たなくても免疫あるとのこと。
後、ワクチンは日本の人口を減らすために使われているとか、ワクチンの会社でもトップの人は打ってないとか言ってた。
とりあえず、「陰謀論かよ」と突っ込んでおいた。
「じゃあ、ワクチンを打ってない同僚ならいいんですね?」とも言われたけど、「そもそもまだ御社を信じてないんですよ。だけど、ワクチンを拒否している人がワクチン打ってくれたら、ちょっとは信用していいかなってなるじゃないですか。それが、他の人に変わったら、逃げたなって思って、さらに信頼度落とします」と言って断った。
息子が悲しくなってるコメしてるのを見て、気持ちがわかってしまった。
ウチもそんな家庭で親がひろゆきをYou Tubeで見ていた。
が、俺は悲しくなるというわけでもなかった。
というのも、ウチの親は比較的まともらしくひろゆきの配信を見て、「この人は何を言ってるんだろうね」「物事を浅い部分しか見てないのかねぇ…」「自分の知らない分野にも口を挟んでるけど、間違ってるねぇ…」とツッコミを入れる人だった。
ウチは専業なので、この手の話題に興味があって親は見ていたらしい。
バターの事をなんにも知らないひろゆきが知ったかぶりで次から次へとでまかせしか言わない事に、ウチの親は立腹だった。
「専門家でもない人が口を出すとこうなるんだよねぇ」
ウチの親はマジで怒っていた。そりゃそうだ。
バター自体を口にしかしたことが無い人が、自身でやったこともない製造について語るのだから。
まあ、それは置いておいて。
それから過去の配信なんかも見始めたらしく、全然物事を知らない人なんだねと酷評しているのを聞いて面白かった。
これで金稼ぎしてるんだよって教えてやったら、こうやって詐欺にあう人もいるんだろうねとしみじみ語られた。そのとおりです父ちゃん母ちゃん。
とまあ、そんな感じで一通り見てたらしいのだが、ホント最後の感想が面白かった。
ダチョウにハマっているらしい。
二人目のB子さんは、ある意味で私と同期だった。私がK市に採用された年に、高校を出たばかりの彼女が入庁してきた。
K市に入ってからの私というのは、せっせと新人公務員として基本的な事柄を勉強したり、各庁舎をぐるぐると見回って雰囲気を掴んだり(大抵は職員への挨拶を兼ねている)、K市が主催するイベントにスタッフとして十数回と参加したり、多くの自治体の職員が集まる研修に出席したり、ほかの幹部がまとめた人事政策に対してフィードバックを述べたり……あっという間に5ヵ月が過ぎていった。
その頃だった。B子さんについての苦情が寄せられたのは。毎年9月にある新人職員への人事面談の折に、B子さんのいる課から上がってきた。一応、直属の上司も事実であると認めた苦情ということで、今度はB子さんと面談室で話をすることになった。指導的な色合いが強い内容になる。
今でも思い出す。あの女は人生をナメていた。なめ猫なんて甘っちょろいものではない。すでに組織を蝕む害獣となりかけていた。
面談室に入ってきた彼女を見て衝撃を受けた。髪の毛は脱色しているし、恰好は女性向けファッション誌に出てくるそのものだったし、朱色のスカートの丈は相当な短さだったし、口紅は真っ赤だったし、ピアスをしていたし、首に〇〇〇〇〇もついていたし……どこから突っ込んでいいのかわからない。
私も、世間一般では活発で知られた営業会社で働いていたが、彼女ほど派手な恰好の女子社員はさすがに見たことがない。せいぜい茶髪や控えめなチークだった。多くのお客様の前に出ないといけないからだ。
A夫さんの時と同じく、面談室の両側のソファにお互いに座った。こちらには人事課長が、向こうにはB子さんの直属の上司がいる。
面談が始まった。初めに私の方から、「B子さんですね。お仕事で忙しいところすいません。まずは事実の確認ですが、今着用しているような衣服を先輩に注意されたことはありますか」と尋ねた。
以下、大まかなやりとりになる。
「その先輩には、なんて言って答えましたか」
「私の自由です、と何度言ってもわかってもらえないんで、『ハラスメントです、やめてください、気持ち悪いです。これ以上は親に話します』と伝えました」
「それは、先輩があなたのことを思って言ってくれたのではないですか?」
「違います」
「では、どんな気持ちだったと思う?」
ほかの行動、例えば自分が気に入らない職員を無視するとか、夜の窓口勤務中にチョコレートを食べながらほかの女性職員と雑談していたとか、勤務時間中に携帯をいじって過ごしていたことなど、色々と聞いていったが、終始ブスッとした調子で返答するのみだった。最後に、だるそうな口調で「何とかやってみます」とだけ告げた。
面談中、私はB子さんの履歴書や採用試験時の成績を見ていた。偏差値50くらいの公立高校を出ていて、英検や漢検の初級程度を持っていて、採用試験(筆記試験)ではほぼ満点を取っていて、性格適性検査ではやや嘘つきと出ていて、肝心の面接試験では、「明るくハキハキしていて、利発な印象を受ける」とあった――採用試験でわかることなど、この程度のものだ。
いったん話は逸れる。私が採用された背景(どんな目的を叶えたくて私を採用したのか)、当時の市長から受けた勅命を述べる。
「優れた職員を残し、不要な人間は残さない」「次世代に残すべき職員を採用する」「そうした職員が辞めない環境を作る」といったものだ。
冒頭に述べたように、このK市の新規採用職員の3年以内離職率について、十数年前は1割未満だったものが、私が市長からスカウトされた年には約35%まで悪化していた。20人採用したら、3年以内に7人が辞めていることになる。3年超えになると、もう数パーセント上昇する。
辞めた者の中には、将来を嘱望される人材が何人も含まれていた。ボリュームゾーンは30才手前で、これまで将来を期待されて県庁や国の機関に出向したり、エース級の職員が配属される部署で頑張っていた職員らが退職を選んでいた。この状況を正すことが、私に課せられた任務だ。
市長の談によると、人事課が収集した退職理由の中でトップだったのが、「将来、昇進しても幸せになる未来が見えない」で、肉薄して2番目だったのが、「異常な言動を取る職員が多いうえ、上の人が彼らに何の対策もしない。働いているのがばかばかしい」というものだった。
このうち、私が解決に役立ちそうなのは二番目の課題だった。一番目の課題は、プロパーの職員が自ら考えて実行すべきことである。外部の人間である私が考えるのはお門違いだ。アドバイスはさせてもらうが……。
話を戻す。
これらを踏まえて、B子さんへの対応を考えることになる。面談を終えて、私はその場で人事課長に目配せをして問いかけた。
「B子さんを切りましょう」
「試用期間とはいえ、難しいのでは。やめておきましょう。あの子はまだ若い。立ち直るかもしれない」
ツッコミが入った。想定どおりだ。
試用期間中の分限免職処分は、K市はもちろん、県内他市町でもほとんど例がない。が、私はそれに成功した市町村のいくつかを研究していた。
「試用期間での成績が不良である場合、正式に採用しないことができます。判例を調べましたが、いくつかの市町村では実際に行われているようです」
「うん……考えるべきところではある。あの子は、ちょっとひどいとも思います。ただ、私の権限ではちょっと決めかねます」
「わかりません。市長にも副市長にも総務部長にも伺ってみないと。これは全庁的な問題なので、もっと、いろいろと議論を重ねてみるべきかと」
「市長は問題ないでしょう。ほかの人は私が説得してみます。しかし、第一には人事課長であるあなたの職分ではないですか」
「それはそうですが、職員の進退そのものを判断することはできません。それを言うなら、私さんの役職は一応は部長級なんですし、私らと違って一流の会社にいましたし、市長の元部下なんでしょう。私よりもやりやすいんじゃないですか。とにかく、私にはどうすべきかわかりません。例年であれば、あの子はそのまま正式に採用されます」
人事課長は乗り気でないようだった。
それから面談室を出て、人事課に戻って、課内の奥野須美に着席した。
私の机と椅子は人事課の奥にある。
2022/01/02 追記 奥野須美さんには着席していません。奥の隅の誤りです。
その後も何度か討論を重ねた後、B子さんへの対応が決まった――退職勧告だ。
後日、総務部長の口頭での承認を得た。市長は、「お前の好きにやれ。判は押す。証拠は絶対に固めるように」とのこと。副市長は猛反対だった。予想どおりの瞬殺だった。
そして、不安そうにする人事課の職員らに対して私は、「市長からは、現場で判断していいとの答えをもらっています。何かあれば私が責任を取ります。あなた達に迷惑はかけません。協力を求めます」と答えた。
責任など取りたいはずもない。が、ここはレイズの場面だ。攻めるのだ。戦え。今しかない。ここで勝てれば、私の信用は外部登用組の管理職(※当時、国や県や民間から計4人の出向を受け入れていた)の中でも相当に高くなる。ここは何としても取りたい。
方針が決まったとなれば、後は実行だ。
今回のメンバーは、人事課長と私だった。前回は私が面談を主導したので、今回は課長が行うことになった。こういう貴重な経験は、多くの人間でシェアすべきという考えによる。
人事課長は、不安そうな顔つきだった――この人は将来を嘱望されている。当時は50代半ばで、順当に上の人間の席が空けば総務部長にもなると言われていた。
「安心してください。上の人間は『方針』を認めています。あくまで方針だけですが。今後のK市のためにも、ぜひあなたが実施すべきです」
私が激すると、彼はしぶしぶ動き出した。
そして、いよいよ始まった面談は、思ったよりも淡々としていた。B子さんが面談室に1人で入ってきた時、人事課長がソファの中央に腰掛けていた。話の最中は、私が脇にある椅子で見守っていた。
さて、Bさんとのちょっとしたやりとりの後、人事課長は「あなたを本採用できません」と告げた。それから、理由などの説明が終わると――B子さんは顔を一瞬だけ歪ませて、また元の顔に戻ると、「わかりました」とだけ告げた。面談後は、泣きそうな表情でその場を後にした。抵抗はなかった。
あっけないほどすぐに終わった。時間にして5、6分だった。もっと抵抗されると思っていた。本人もわかっていたのではないだろうか。自分がこうなることを。
「〇〇課長、やりましたね。苦しかったでしょうが、これが新しい一歩なんですよ。踏み出せたじゃないですか」
私は、片方の拳で人事課長の脇腹を貫いた。彼はちょっと痛がるようにしてから、拳を額に当ててソファの上で態勢を沈ませる。
神妙な面持ちで、「B子さんは何とかなるんですかね。これは脅しの一種ですよね。反省すれば、クビにはならないんですよね?」と呟くように述べた。
「お前みたいな悪いお人好しが組織を腐らせるんだよ。もっと組織のために悪者になってみろ」
という言葉を飲み込んで私は、その場の片付けを始めた。
B子さんの退職の話を聞いた副市長が、再び私と総務部長を呼び出した。やはり逆鱗に触れたようだった。今回は稟議書(※B子さんの聴取記録のこと。A夫さんは犯罪の関係で市長までそれを回す必要があった)を回すほどの案件ではなかったのに、なぜわかったのだろうか。私だってB子さんの今後を考えている。分限免職だが、形式上は年度末での通常の退職という形にしていた。
副市長とは激しい議論になった。彼が退職するまで、少なくとも5回は苛烈な論戦をした思い出がある。私は何度も説明した。これから公務員業界が厳しくなっていく中で、これまでの人事政策を変えていく必要があることを。勤務成績が極端に悪い職員を追い出すことの合理性を説いた。
が、わかってもらえることはなかった。副市長は、人事課の主導で職員を辞めさせるのを避けたいようだった。最後に、こういうやり取りがあった。
「市長が「それでいい」と、どうしても言うなら私は反対しない。一番に重い責任を取るのは市長なんだから。しかし……こうした案件について私は承認しない。法令上は、市長の意思さえあれば有効な意思決定だ。やりたいなら好きにやれ。もうこういった件は私のところに持ってくるな。不愉快だ。いいね?」
「いえ、それでも副市長に話は持っていきます。ここのルールですからね」
数日後、B子さんの母親から人事課に電話がかかってきた。電話を受けたのは私だった。「B子の母です」と名乗る声を聞いた時、私はB子さんに関係する資料を手元に手繰り寄せた。
「この度は、娘が申し訳ないことをしました。本当にすいません」
開口一番がそれだった。
B子さんが本採用にならなかった理由は本人に説明したが、母親が再確認をしたかったようだ。
「理由はB子さんが述べたとおりです。公務員、いや社会人としてよくない面が多すぎました。もちろん、いきなり職場に来るなということではなく、来年3月末までは在籍できます。給料もボーナスも満額払われます。その間に、また就職活動の方をしていただいて~」
「本当にすいませんでした……お給料までお支払いいただいて。今回はご迷惑をかけましたが、何かあったらまたよろしくお願いします」
終始謝りっぱなしだった。この子にしてこの親あり、という俗諺の例外を今まさに見ていた。
「この親からあの子が育ったのか!?」とその時は何となく考えていたのだが、後日、答えのようなものが見つかった。申し訳ないが、ここで公表することはできない。一線を越えていると判断する。
その時、私の中に罪悪感のようなものが込み上げてきた。世の中には、どうしようもない事情というものがあって、それに翻弄され続ける人間も当然に存在する。B子さんも、その1人だった。
少しだけ話そう。あの後、総務部長が、「せっかくだから、もっとあの子を調べてみたら」と助言してくれた。指示されるがまま、市民課(住基ネット)や税務課(税務情報システム)や福祉課(福祉情報システム)でB子さんの情報を集めてみた。すると……。
今の私が、当時の私にアドバイスをするとしたら、「あと1年は様子を見てもいい」(地方公務員法には試用期間延長のルールがある)と告げるに違いない。
いかに私が民間企業で人事責任者をやっていたとしても、人にはその数だけ事情がある。即座にすべてを把握する力はない。結果的に、私はそれを汲み取ることができなかった。もっと、深く細かくB子さんに寄り添っていたらよかった。
ここまでの描写だと、まるで私と副市長が犬猿の仲だったように映るが、実際には違う。仕事で一緒になることがあれば、普通に冗談などを言い合っていた。
例えば、遠方にある他市町の児童福祉施設を視察していた時だった。市長、副市長と私その他は、保育の現場を見た後に自由見学していたのだが、やがて2階の大きな吹き抜けになったフロアの隅に辿り着いた。そこには、「幼児 プレイコーナー」と看板に書かれたスペースがあって、どうやら小さい子ども向けの遊び場のようだった。プラ素材の小さい滑り台から、小学校低学年向けのジャングルジムまで、様々な遊具が置いてある。
副市長は、「あの名前は気に入らない」と呟いた。文書のインデントが0.5文字ズレているだけで不機嫌になる人だ。例えば、いま私は、上の「幼児 プレイコーナー」を半角スペースとしたが、K市で働いている時なら公務員業界の慣行に従って全角スペースにしただろう。
私は、「一般的な名称だと思いますが……どこかおかしいところが?」と意見したところ、「色々ある」とだけ返ってきた。
夜になって、視察終了祝いの一次会があった。さあ次はどこで飲もうかと、市長や副市長その他と歓楽街をうろついていた。このレベルの役職の人はK市内で飲めないため、こういった視察が貴重な機会になる。
と、酔っぱらった副市長が私の襟ぐりを掴んだ。風俗街の一角を指さしている。
「幼児プレイあります」「ママに甘えたい!」「授乳もOK」などと書かれた看板やのぼりが立ち並んでいた。
「後で行ってみるか。おごるぞ」と意気込む副市長に対し、市長が「昼もやってるみたいだ。なあ副市長、視察の前に(以下自主規制)」とツッコミを入れていた。
それで私は、「もしかして、副市長はあのとき風俗のことを考えてたんですか!? あの真剣な顔で、さっき現場で見たどの先生がよかったとか? ねえ副市長」
「ふざけているのかお前はッ!! 真面目にやれ!」
副市長は激昂していた。
歓楽街の一角で怒鳴られる私を尻目に、市長とほかの幹部はどこかに行き始めていた。
「わからないです」
「法律では満1歳から就学前の子どもを幼児と言うんだろうが!! あそこには小学生も遊べる立体遊具があっただろうが!! 矛盾に気づけッ!」
「すいませんでした」
年に一度は視察などで副市長と飲む機会があったが、普段が真面目すぎるだけで、面白い顔もちゃんとある。
人間は基本的にそうだ。あなたにとって好きな面も嫌いな面も、両方ちゃんと澄んだ目で見ることができるのなら、ケンカになっても関係が壊れることはない。
あなたは、自分が嫌いな人間のことを認めることができるだろうか。人のいいところを見つけることができるだろうか? 自分でも今、何を書いているのかわからなくなってきた……。