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2018-12-08

史学科のゼミとか卒論とかって何やってるの

数学科事情、すごく興味深く読んだ。

「数学の修得には時間がかかる」ことの概説 - Unhappy Go Lucky!

ただ、文系学部の「研究」や「卒業論文」の位置づけとかについて、過大評価していただいているような気がしなくもない。日本語とは縁遠い言語を話す地域を専門とする史学科卒の人間として、「ゼミ」や「卒論」の位置づけについて語ってみたい。

ゼミで何をやっているか

いやこれは本当に分野によるのだが、「研究」というよりも「勉強」をやっているところが多い。歴史学というのはまず史料に何が書かれているかを正確に読み解く必要があるのだが、その読み方を徹底的に叩き込まれる。場合によっては修士課程でもこれが続く。もしくは、研究文献の読み方を叩き込まれる。そもそも2・3年前まで高校生だった連中である文系研究書をどのように読むべきかよくわかっていない人も多いし、英語の本を通読なんてしたことないですという人がほとんどだろう。レベルの高い大学なら外国語文献の購読をし(何語なのかは研究分野や参加者による)、あまりレベルの高くない大学なら日本語の本・論文の読み方をゼミで躾けられる。

(「史料」ってのは要するに「昔の人が書き残したこと」。王様勅令だったりお役所行政文書だったりインテリの書いた思想書だったり過激派の撒いたアジビラだったり新聞記事だったり、色々である公文書館に行って実物を見てくる場合もあれば、別の学者がまとめて印刷出版してくれたものを参照する場合もある)

何で学部の段階からゼミに分かれるか、というと、「歴史学とは何か」「史料批判とは何か」みたいな概念方法レベルの話や、「いやしくも歴史学を学ぶ者として最低限踏まえておくべき各地域・各時代の基礎知識」みたいなのを除けば、分野ごとに身につけるべきスキル全然違うので。江戸時代歴史なら江戸時代古文書明治期の歴史なら明治期の文書中国史なら漢文イギリス史なら当然英語古文書……を読まないといけない。イギリスについて研究したい学生日本古文書の読み解き方を勉強しても時間無駄だろう。逆もまた然り。

ぶっちゃけ、「卒業論文」に大したオリジナリティはない

慌てて言えば分野による。

社会調査とかする分野で、自分なりにアンケート調査してみた、とかそういう論文なら、どれだけ拙かろうがオリジナリティはあるだろう。あるいは歴史学でも、オリジナル史料を発掘することが可能な分野ならオリジナリティは出る。

ただやっぱり、学部4年の段階で大層な「オリジナリティ」は出てこない。そもそも外国史の場合史料の読解すら教員の手助けを得てようやく、という人が多い。歴史学では一次史料が重視されるが、私の分野では卒業論文で一次史料を使った時点で優秀な学生の部類に入るだろうなと思う。二次文献、つまり他の研究書や論文をまとめて長いレポート(うちの大学では3万2,000字が下限だったかな)を書けたらOK、という運用をしている大学も多いのではないか。まとめるのにもオリジナリティは出るしね、という苦しい理屈だしそんなの査読つき学会誌に「論文」として発表できるレベルではないが、学会誌に「論文」として出せるレベルのもの要求していると4年では足りないわけで、多くの史学科の学生修士論文で初めて学会誌投稿できるレベルのもの要求されることになる。

何度も言うようにこれは分野による。地味に重要なのが、「その言語大学第二外国語として開講されているか、あるいは教養科目で講義が受けられるか」という点。朝鮮史ドイツ史やフランス史場合韓国語ドイツ語やフランス語文系学部ならたいていは必修の第二外国語として教えられていることが多いので、卒論でも韓国語ドイツフランス語論文は読めて当然だよなあ? というハードモードになることもある。中国史なら「高校から漢文やってるんだしゼミでも読んでるんだから卒論でもちゃん漢文史料は読めるよね? 現代中国語論文も読んでね」ということになるだろう。英語? そんなの読めて当然でしょ? 第二外国語ではなくとも、たとえばトルコ語アラビア語なら多少気の利いた大学なら教養科目とかで開講されているから、イスラーム史やりたいなら学部1年のうちから履修しといてね、という話になると思う。逆に、マイナー外国語必要な分野だと、せめて英語の本くらいは読んどいてね、くらいにまでハードルは下がる。アイスランド史を勉強したいです! と言われても、日本アイスランド語の授業がある大学がいったいいくつあるのか……という話になるわけで。まあ東大の某ゼミではゲエズ語購読とかやってたらしいですけどね。雲の上の世界すぎてまったく想像もつかない。

なので、大学に入った段階で既にどの分野に進むのかなんとはなしの道筋がついていないと厳しい。第二外国語韓国語選択して、やっぱり私ドイツ史がやりたい! というのは不可能ではないが難しい。第二外国語選びの段階である程度進路が決まってしまう、というのが史学科の特徴だ(まあ、英文学科とかは、学科選びの段階で専門地域が決まってしまうわけだが……)。イスラーム史やるなら第二外国語フランス語にしないとね。そんなのついこないだまで高校生だった連中にわかるか! もちろんこれは大学による。西洋史に進学した者にはドイツ語とフランス語双方の習得義務付ける大学もあるそうである。これならヨーロッパのたいていの地域対応できるね! 史学語学と言われる所以だ。

あとは西洋以外の地域だと、「史料に書かれている言語」と「論文に使われている言語」が違うことが結構あって、何でかといえば近代以降に西洋諸国植民地支配されていたりすると「オランダ人研究者がオランダ語で書いたインドネシア史についての先行研究」みたいなのがたくさんあるので。つまりいくらインドネシア語やアラビア語が堪能でもそれだけでは片手落ちで、オランダ語フランス語ができないと先行研究が読めないので勉強せざるを得ない(付け加えるなら、植民地支配されてたということは、お役所では宗主国言語が使われていたり宗主国のお役所植民地統治担当する部局があったりしたわけで、それらの史料は当然宗主国言語で書かれている)。さら前近代史だと、「昔使われていた言語」と「現在使われている言語」が異なっていることが多く、典型的には古文とかラテン語とかである現代日本語論文はスラスラ読めても古典日本語チンプンカンプンという人も多かろう。前近代西洋征服王朝なんかだと大変で、現地語+支配階級言語植民地支配してたヨーロッパ言語、をやらなければいけなかったりする(アラビア語オスマン語+フランス語、みたいな感じ)。いやー、西洋現代史はヌルゲーの領域っすわ……その国の言語ができれば用足りるからなぁ。現地に行けばネイティブスピーカーいるか勉強簡単だし(アッカド語みたいなネイティブがいない言語習得してる人ほんと尊敬する)。もちろんここで少数民族とか国際関係史とかに興味を持ってしまうと語学沼に引きずり込まれるわけだが。イギリス史なら英語だけでいいだろうと思っていたらうっかりウェールズに興味を持ってしまウェールズ語を勉強することになりました、とか、ドイツ語だけで通そうと思っていたら枢軸国外交に興味を持ってしまったせいでイタリア語も読んでます、みたいな。とはいえこれらは院に進学してからの話(あるいは院への進学を希望する学部生の話)だ。院に進学しない学生卒論レベルなら日本語英語or中国語でじゅうぶん、という運用大学ほとんどだと思う。

ヨーロッパ植民地についてしか述べていないのは、日本植民地場合宗主国言語習得する困難はほぼ存在しないからであって、日本植民地支配をしていなかったと言いたいわけではないので念の為。もちろんこれは日本語母語話者である学生の話で、韓国台湾学生あるいはそれらの国から留学生植民地時代自国史を勉強しようと思ったら日本語を読まなければいけないわけであり、なんというか申し訳ない)

でもまあ、卒論書くのは大事ですよ。たとえそれがレポートに毛の生えたレベルのものであっても、院に行かない学生にとっては専門家指導されしっかりと文献を読み込んだ上でこんな長文を書かされる機会はこの先の人生でなかなかないし、それを経験するというのが大学に行く意味だと思う。院に行く学生にとってはもっと長い修論博論書くんだから当然このくらい書けなきゃ話にならんわけで。

院に進んだら何やるの

留学します。

これも分野によるのだけれど、たいていどっかに留学する。中国史なら中国台湾フランス史ならフランス、みたいに。留学先で大学ゼミに参加したり史料を集めたり現地の専門家指導を受けたり、あるいは分野によっては語学勉強をしたりする。もちろん複数国に留学してもいいし、研究対象国以外に留学することもありえる。アフリカ史を研究するためにポルトガル留学した人がいたり(イエズス会士が書いたものを読みたかったらしい)。で、帰国してから博論を書く(たまに留学先でそのままPh.D獲っちゃう人もいる)。

上述のような事情があるので、歴史学を専攻している人はたいてい4年以上博士課程に在籍する。ちゃんとした大学で3年で博士号獲るのは一部のバケモノだけです。たまにいるんだよそういうバケモノが。日本史なら楽勝かというとそういうわけではなく普通に4年以上かかってることが多い。留学期間とかもあるので、博士課程の先輩に学年を聞いても即答できないことが多いから気をつけよう。29歳でドクター? 夢物語かな? まあ本当に文系大学院なんて資産の子供か養ってくれる配偶者持ちか自殺志願者以外は来ない方がいいです。男性歴史学者が書いた研究書のあとがき奥さんへの謝辞が書いてある場合、もちろん本当に純粋感謝の念であることも多かろうがけっこうな確率で一時期ヒモ生活を送っていたことへの感謝だったりする。奥さん実家でチクチクとイヤミを言われた経験を聞かせてくれた教授もいらっしゃる。これ有名大学の教授様になれたから笑って話せるだけで、なれなかったら悲惨だよな……。まあでも、研究者の不遇っぷりは文理問わないか

2018-12-06

anond:20181206211258

君には外国語ちょっと難しすぎるんだろうな。

とりあえず博多弁関西弁北海道弁リスニングからはじめて、津軽弁まで履修してから外国やりなさい。

外国語ってなんで変に聞こえるの?

中国語とかロシア語って変だし

韓国語とかフランス語って癖強い

逆に日本語も変に見られてるんだろうけど

なんかお互いにお互いを変だと思ってるってのも変だし

なに言ってんのお前ら?

たまに思うけど、日本人英語を難しいと思うし、英語母国語とする人からしてみれば日本語が難しく思うんだから日本語英語の間の壁は高い。

何かしらの外国語を覚えると、他の外国語も覚えやすくなるという話を聞くが

遠回りなルートだけど、中国語韓国語発音が似ているというスペイン語英語の流れだと英語は覚えやすくなるのだろうか。

どの言語マスターとかではなく、日常生活程度の読み書きと会話が出来る程度という前提で。

2018-12-04

不倫相手社会階層を見た話

 昔不倫してたことがある。その時の相手女の子(20代後半独身)とは半年くらい半月に一回くらいホテルで会ってはやってたんだけど、だんだん会話が噛み合わないのがつまらなくなってきてこっちから別れた。

 その子は正直馬鹿漢字も読めない、外国語はもちろんだめだし、そもそも日本語でも言葉知らない、一事が万事で要は教養がない。趣味テレビショッピング、本なんか読まない。

 一方の俺は本を乱読して、ジョギングで汗を流すのが趣味海外旅行も好きだ。自分で言うのも何だけど教養もそれなりにある方だと思う。外国語複数喋る。正直住んでる世界が違うんだろう。

 その子結構可愛かったし、胸でかかったし、エッチうまかったし、名器だったけど、でも最終的には魅力を感じなかった。人間の魅力って身体と顔だけじゃなくて、中身も含めた総合力なんだなあと、そしてそれを惹起しているのが所謂階層差」なのだなあと、しみじみ思い知らされた体験だった。

 彼女がそんなだったのは、彼女自体資質もあるのかも知れないが、俺はむしろ教養を積む社会的資本に恵まれなかったことに原因があるんじゃないかと思っている。俺は母は大卒、父は院卒。彼女は確か両親とも高卒。やはり生育環境の違いは大きい。

 不倫してた時点で俺もろくでもないのは百も承知だけど、それでも彼女と俺の間には埋めがたい溝があった。

 なんか知らんが突然思い出したので書いてみた。乱文お許しあれ。以上。

2018-12-02

ターイメ!ってどういう意味?(外国語?)

20歳~30歳ぐらいの男性が、自転車に乗りながら「ターイ、メッ! ターイ、メッ! ターイ、メッ!」と連呼していた。

見た目は日本人に見えたが、もしかしたらアジア系かもしれない。

どういう意味なんだろ?

2018-12-01

韓国人受験のために英語を学ぶが第2外国語日本語を選ぶ

これから中国だなんだと韓国でも叫ばれているが、結局のところ日本製造業とやり取りするため日本語を習得してたほうが就職やすいらしい

anond:20181130212224

増田自分人生を変えられるだけの観察眼も分析力もあると思うし、しか20代後半なんて分野によっては転職市場じゃまだまだ若い方にみなされるんだから結婚がゴールという価値観は捨てて、自分の道を探してみればいいと思うな。

社会人として自分が周りに与えられるものに少しでも自信が持てて、自分を信頼して自分がやっていることに集中できるようになったら、ただ所属大企業っていうだけじゃなくて、いい人たちと繋がれるよ。

僭越ながら一つアドバイスすると、今の派遣仕事一般事務ならば替えがいくらでもいる職種から英語を使えるようにするといいよ。同じ職種でも日本語オンリーバイリンガルだったら後者の方が時給も高いし、外国語必要とされる環境なら増田視野も広がりやすいと思うよ。そうすれば今増田が憧れているような人たちの世界観も受け入れやすくなるんじゃないかな。

いまの仕事が楽しければ、その分野について勉強するのもお勧めだけど、勉強すること自体が当たり前でないのなら、英語を続けてみるのが一番じゃないかな。

増田人生は楽しくなると思うよ。

anond:20181201030904

ジャップ英語話せないのは学校で無理やり日本語なんていいところが一つもないローカル言語覚えさせて外国語取得を困難にさせて国外脱出を困難にするアベの国策から仕方ない。

外国語ができない日本人=現代の鎖国主義者

日本人の知性が低い理由

敗戦後の日本人は、二度とアメリカアングロサクソン連合)に逆らわない「人畜」として調教するために、GHQ3S政策洗脳されてきた。

明治維新以前から武士道帝王学継承した一部の日本人は、この罠をかいくぐり、高い知性を維持できた。

3S政策の罠に沈められた大半の日本人は、他人アメリカの手先=日米合同委員会など)の命令に従う痴呆に改造された。

 

他人文句ばかり言って、自助努力をしない人の特徴

日本政府が悪い」とか、文句を言って解決するなら、いくらでも文句を言えばいい。だけど、現実は無力で、文句を言っても相手を動かす力がない。

自分環境を変えたいなら、他人を変える前に、自分の力を付けることが最も有効から、当然勉強して、知性をアップさせるだろう。

自分の知性を向上させることが、自分幸福にする最速の手段であることを、今の日本人理解できていないのではないだろうか?

中学高校と6年間も英語勉強して、英語が使えないやつは、頭が悪すぎる。

 

楽しいことばかり求める人の末路

今の日本人を見ると、イソップ物語の「アリとキリギリス」を思い出す。

遊び呆けて、全然努力してないやつがアホになって、貧困に転落するのは当然と言わざるを得ない。

貧乏は偶然貧乏になるのではなく、必然的貧乏になっている。

 

義務教育=全員に与えられているチャンスを活用せよ

どんなに貧乏な家に生まれても、義務教育を受けられるなら、英語ぐらいできなきゃ嘘だろ?

学校にはションベンしに行ってただけなのか?

貧乏人とバカは徹底的に勉強しろ自分の実力をパワーアップさせろ!そして、自力貧乏から脱却しろ

(少しは甘えても仕方ないけど、最終的には自分人生を決めてるのは、他ならぬ自分自身だからね)

 

そのことを忘れないで欲しい。

日本人幸運を祈る。Good Luck!

2018-11-26

youtubeの急上昇で外国語ランクインする謎

あれって何で?

邪魔しょうがない

設定で言語日本語場所日本にしているわけだし日本語ランキングされないって変だよね

俺の使い方がおかしいの?

移民人達が使ってるせい?

英語中国語韓国語タイ語ベトナム語タガログ語とかあるわけ

将来的に移民が増えたら設定を日本語にしてるのに日本語ランキングってなくなるのかな

どうしたらいいの

すごく不便

2018-11-21

anond:20181121101630

「黒とか大好きなんだ」みたいな発言とか「勉強してないか外国語とか分からん」みたいなキモヲタ一歩手前(蛹状態キモヲタ)だからある意味セーフ

2018-11-19

自分勉強嫌いだと思ってたけどそうでもなかった

勉強苦手な人は大体、1から10までの事を覚える時、1から順番に覚えて途中で挫折する人が多いってことに気付いたけど

最終目標で言えば全部覚えないといけないんだから、たまには7とか4とか好きな所から覚えていったらいいと思うよ

俺は学校の成績は悪かったけど、それは順番に覚えさせられたことが原因だったみたいで、外国語文法じゃなくて会話表現から勉強したらいつのまにか文法もなんとなく分かるようになった

2018-11-17

今年のアカデミー賞作品賞にひっかかりそうな映画たち

自分ブログにでも書こうかなと思ったけど、だいたい https://www.metacritic.com/pictures/oscar-best-picture-contenders-for-2019?ref=hp からパクリだしそんなに力いれて調べてないので増田に放流します。

本命は『スター誕生』、『BlacKkKlansman』、『グリーンブック』あたりか。ノミネーションだけなら『ファースト・マン』や『女王陛下のお気に入り』も。


BlacKkKlansmanスパイク・リー監督

今年のカンヌで『万引き家族』の次点グランプリを獲得した、黒人映画永遠トップランナーの最新作。

黒人なのにKKKにもぐりこんでしまった潜入捜査官の実話を描く。

スパイク・リー監督作のなかでは『ドゥ・ザ・ライトシング』や『マルコムX』をも凌ぐ評価を獲得している(そして興行的にもここ十年で自己最高)。

公開時期が夏季であることと、ややコメディよりのタッチノミネーションに不利に働くかもしれないが、トランプ政権下において「ブラックリブス・マター」運動はまだまだ意気軒昂。「黒人映画」枠競争を勝ち抜くポテンシャルは十分だ。


ブラックパンサー(ライアン・クーグラー監督

解説不要だろう。今年米国内で最高興収をあげた作品にして、マーベル映画史上でも最も支持された傑作ヒーロー映画

アメリカ国内外黒人問題歴史的視点にめくばせしてオスカー好みの社会性もばっちり備えているものの、やはり「アメコミ映画」のレッテルがネック。

まだまだ白人男性・おじいちゃん大勢を占めるオスカー会員にあっては弱い。ギリギリノミネーションがあるかどうか、といったポジションだろう。

余談だが一時期新設されそうだった「ポピュラー映画賞」部門ブラックパンサーを受賞させるために作られるのだという噂だった。裏返せば、作品賞本選に選ばれる格ではない、と会員からみなされているのだろう。


Can You Ever Forgive Me?(マリエルヘラ監督

落ち目ライター有名人手紙文章捏造して高値で売る詐欺に手を出し、それが嵩じて博物館から実物を盗みだそうと企む実録犯罪コメディ

日本ではあまり知られていないけれど主演のメリッサ・マッカーシーアメリカで今いちばんアツいコメディアンのひとり。

夫のポール・フェイグと組んで『ブライズメイズ』、『SPY』、『ゴーストバスターズ(リメイク版)』などの陽性の笑いでヒット作を飛ばしてきた。

そんなマッカーシーが一転してシリアスブラックコメディに挑戦し、見事大成功。本年度の主演女優賞ノミネートが確実されている。

演出したヘラ監督の手腕も高く評価されており、初の監督ノミネート、さらには作品賞も夢ではない。


Eighth Grade(ボー・バーナム監督

インディーからまれた今年最大のダークホース

とある気難しい現代っ子少女中学生最後の一週間を描いた青春コメディ

中学生版『レディ・バード』にもたとえられる(中二病的な意味で)痛々しくも切ない、みずみずしくもどんよりとしたフレッシュローティーンライフ描写が広範な支持を集めている。

監督は若干28歳のコメディアンで、なんとユーチューバー出身アメリカ映画界における新世代の台頭を予感させる一本。すでに数多くの映画祭や映画賞にピックアップされている

オスカーコメディ敬遠する一方で、サプライズ的なインディー作品を好む傾向にあるが、はたしてこの作品の出目は吉とでるか凶と出るか。最悪でも脚本賞ノミネートは固いか


女王陛下のお気に入りヨルゴス・ランティモス監督

ロブスター』、『聖なる鹿殺し』と強烈かつキテレツ作風で知られるランティモス監督最新作にして初の時代劇

アン女王を演じるオリヴィア・コールマンを巡る二人の家臣(レイチェル・ワイツとエマ・ストーン)のバトルを描く百合時代劇……たぶん百合だとおもう。

すでに巨匠地位確立したランティモス監督過去作のなかでも群を抜いて評価が高く、今年のベネツィア国際映画祭でも第二位にあたる審査員賞を勝ち取った。オスカー前哨戦となる各種賞レースももちろん名前を連ねている。

今年の本命作のひとつとも目されるが、ランティモス特有変態さ加減が(今回は脚本までは書いてないとはいえ)どこまでお上品なオスカー会員たちに受け入れられるか……。


ファースト・マンデイミアン・チャゼル監督

ラ・ラ・ランド』で幻の作品賞受賞というなんともかわいそうな結果に終わった(それでも本人は史上最年少で監督賞を獲っているが)デイミアン・チャゼルライアン・ゴズリング

そんな彼らのリベンジマッチが実録宇宙開発物語ファースト・マン』だ。人類で初めて月面に降り立ったニール・アームストロング船長スポットライトを当て、彼の視点からドラマを描く。

企画段階から作品ノミネートは当然、という空気のなかでプレッシャーを跳ねのけて見事高評価を集めた。ノミネーションはほぼ確実といっていいのではないだろうか。反面、今度こそ受賞なるかというと、今ひとつパンチがきいてないようで不安が残る。


グリーン・ブック(ピーター・ファレリー監督

オスカー前哨戦の最も重要とされるトロント国際映画祭で観客賞に輝いた作品。ここ十年で同賞を得た作品オスカー本選にノミネートされなかった例はたった一回しかないのだ。

黒人差別が法的に是認されていた時代アメリカで、自分ちょっとレイシスト入っている用心棒白人男が南部コンサートを開きに来た黒人ピアニストを送迎する仕事を命じられる。最初は「黒人のくせに上等なスーツを着てお上品にピアノなんぞひきやがって……」と反感を抱く用心棒だったが、行く先々で差別待遇を受けるピアニストに対してだんだんシンパシーが湧いてきて……という内容。

ほろ苦くもユーモアメッセージ性に満ちた内容はまさしくオスカー好み。「分断されたアメリカ」というテーマタイムリーさもある。ちなみに監督は『メリーに首ったけ』などのロマコメで知られるファレリー兄弟の兄。このところは過去のヒットコメディリメイクなどで仕事に恵まれなかったが、もともと潜在的に持っていた社会派なセンスが一挙に花開いた。


If Beale Street Could Talkバリージェンキンス監督

ムーンライト』で一昨年の作品賞を獲得したジェンキンスの最新長編。今度こそはチャゼルにかっさらわれた監督賞もいただいて完全制覇を目論む。

原作は今年日本でもドキュメンタリー映画私はあなたのニグロではない』が公開された、黒人小説家ジェームズボールドウィンによる短篇濡れ衣をきせられて収監された夫を助け出すために奮闘する若き妊婦お話

テーマ重厚さも話題性も十分だが、公開が当初予定していた11月から12月にのたことが若干きがかり。クリスマス狙いのブロックバスター大作のなかで埋もれてしまう恐れがある。


Mary Queen of Scots(ジョージィ・ルーク監督

互いにイングランド王位をかけてあらそったスコットランド女王メアリーイングランド女王エリザベス一世を、それぞれシアーシャ・ローナンマーゴット・ロビーという旬な女優が演じる。

脚本担当したのは『ハウス・オブ・カード』や『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』などの現代政治劇の名手、ボー・ウィリモン。

いずれもオスカーノミネーション歴を有した名前ぞろいでクオリティ保証されている。同じくイギリス舞台にした時代劇である女王陛下のお気に入り』がライバルか。


ROMA(アルフォンソ・キュアロン監督

世界的に見れば今年最も評価の高い映画といっても過言ではない。ベネツィア国際映画祭の最高賞。

1970年メキシコ・シティで家政婦として働く女性とその一家ドラマモノクロで撮る。

評価の高さと『ゼロ・グラビティ』でオスカーを獲ったキュアロン知名度があれば当然作品賞も……となりそうなものだが、障害は多い。

まずスペイン語映画であること。長いオスカー歴史のなかでこれまで十作品外国語映画作品賞にノミネートされてきたが、受賞にいたったものは一つとしてない。

次に Netflix 映画であること。カンヌみたいに公に締め出すことはしないにしても、アカデミー会員のなかでも動画配信サービス勢に対する反感は根強い。一昨年の『最後の追跡』やドキュメンタリー作品例外として、『ビースト・オブ・ノー・ネーション』『マッドバウンド』といった作品たちもその年最高クラスの称賛を受けながらもオスカーノミネートには至らなかった。

いちおうネトフリも『ROMA』については配信に先駆けて劇場公開を行うなどの「オスカー対策」をやっているが、はたしてどうなることやら。

ちなみに Netflix でも来月に配信される。驚くべき時代になったものだ。


アリ― スター誕生ブラッドリー・クーパー監督

ショービズ映画古典リメイク。この八十年で三回目の映画化です。

本年度大本命に数えられる一本。批評家・観客からの圧倒的な支持率もさることながら、商業面でも大ヒット(現時点で世界興収三億ドル突破)を飛ばした。主演のブラッドリー・クーパーレディ・ガガの演技もさることながら、これがイーストウッド降板を受けての初監督となったブラッドリー・クーパー演出にも嬉しい驚きが満ちているとかなんとか。

監督役者脚本、成績と四方に隙のない完璧映画に見える。

だが、一昨年の『ラ・ラ・ランド』、昨年の『スリー・ビルボード』と「早すぎる大本命」はかならずバックラッシュに晒されるのがオスカーという場。12月以降に猛然と差してくるであろう後続期待作たちを振り切れるかどうか。


Widows(スティーブ・マックイーン監督

2013年アカデミー作品賞を獲得した『それでも夜はあける』のスティーブ・マックイーン最新作。オスカー獲得後の第一作でもある。

シカゴでヘマをやらかして死んでしまった強盗たちの四人の未亡人ヴィオラ・デイヴィスエリザベス・デビッキミシェル・ロドリゲスシンシア・エリヴォ)が亡夫の後を継ぎ女だけの強盗団を結成するちょっと変わった犯罪映画

マックイーンとヴィオラ・デイヴィスというアカデミー賞受賞コンビ鉄板の出来。

そのパワーでジャンルムービーを嫌うオスカーノミネーションを勝ち取れるかが見どころだ。


Boy Erased(ジョエル・エドガートン監督

厳格なキリスト教である両親のもとで育ったゲイ少年ルーカス・ヘッジス)が教会同性愛矯正プログラム(いわゆるコンバージョンセラピー)に放り込まれセラピストとバトルする青春ドラマ

近年では『ダラスバイヤーズ・クラブ』のジャレド・レトがそうだったように、LGBTもの俳優にとってオスカー像への近道だ(スカーレット・ヨハンソンみたいに非LGBT俳優LGBTの役を演じることに倫理的非難が高まりつつあるにしても)。

批評家から評価的には作品賞には届かないかもしれないが、演技賞ではノミネートが有望視されている。

トランプ政権下でLGBTに対する抑圧が増しつつあるだけに、時事性も捉えているかもしれない。


Vice(アダム・マッケイ監督

GWブッシュ政権下で「史上最悪の副大統領」とも呼ばれたディック・チェイニー副大統領クリスチャン・ベール激太り(何度目だ)+ハゲという負の肉体改造で演じたブラックコメディ政治劇。

他にも妻リン・チェイニー役にエイミー・アダムスラムズフェルド国防長官役にスティーヴ・カレルGWブッシュ役にサム・ロックウェルなどアカデミー賞級の芸達者がずらりと並んでいる。

題材としてはなかなかトリッキーだがマッケイ監督の前作『マネーショート』がそうだったように、ツボにはまれば一挙にアカデミーノミネートまで行ける。

同じく政治ネタでライバルだった『フロントランナー』(ジェイソン・ライトマン監督)の評判がいまひとつ芳しくないのも本作にとっては好材料


The Old Man and the Gun Now(デイヴィッド・ロウリー監督

名優にして名監督ロバート・レッドフォード引退作。15才で逮捕されたときから人生を通じて強盗を繰り返してきた70才の犯罪者(レッドフォード)と彼を追う刑事ケイシー・アフレック)、そして彼に惹かれていく女性シシー・スペイセク)を描く実話犯罪コメディ

作品ノミネートは微妙なところだが、レッドフォードはまず間違いなく主演男優賞候補入りするだろう。

ちなみにデイヴィッド・ロウリーの前作であるゴースト・ラブストーリー『A GHOST STORY』は今日から封切り。観に行け。

一方で、実話犯罪・老人・名監督にして名俳優共通する要素の多い作品としてクリント・イーストウッド監督の『The Mule』にも注目しておきたい。こちらは80才の麻薬の運び屋をイーストウッドが演じる。映画祭などでもまだ未公開なため、どう転ぶかはまだわからないが、近年のイーストウッド作品に対するアメリカ人の冷め方からすると賞レース的な意味での期待はあまりできなさそう。



その他有望そうな作品

メリー・ポピンズ リターンズロブ・マーシャル監督

シカゴ』でアカデミー作品賞をさらったミュージカルの名手ロブ・マーシャルディズニー伝説的名作の続編を制作

エミリー・ブラントベン・ウィショーこりん・ファース、ジュリー・ウォルターズといった英国の名優たちでがっちり固めつつ、リン=マニュエル・ミランダメリル・ストリープといったミュージカル定評のある俳優陣をフィーチャーし、万全のこのエントリーをはてなブックマークに追加ツイートシェア

2018-11-16

原爆Tシャツみたいに

日本人アーティストが訳も分からず着ている外国語Tシャツから差別的表現がきっと見つかるはず

できれば大物アーティストから見つかって欲しい

2018-11-15

日本語英語もたいして変わらないという気付き

日本の一番長い日」という映画を見てた。大東亜戦争終戦間近の内閣陸軍天皇周辺に関する話だ。最初ふつうに見てたんだけど、どうもうまく聞き取れない。よくわからないということで、洋画を見てよくわからなかったとき英語字幕ONにするがごとく日本字幕ONにしてみた。

するとどうだろう、日常的に使わないような語が飛び交っていたのだった。そして字幕をつけるととてもよくわかる。これはすごくおもしろ体験だ。

「昨日の陛下のご発言のことだ。勤王には2つある。狭義と広義だ。狭義の解釈では陛下より "和平せよ" との勅命あれば、これに従う。広義の解釈では国家永遠を考える。たとえ陛下より仰せあるも、まず諫言し奉る。それでもお許しなくばどうする?どうする?どうする?」

強制し奉りても所信を断行すべし!」

貴様名前は?」

椎崎二郎であります!」

「よく言った椎崎中佐強制し奉りても所信を断行すべし、余はこれを取る!君たちはいかに心得る?」

「積極は如何に努めても猶ほ神の線より遠しであります!」

文字で見ればそりゃ意味はわかる。「積極は如何に努めても猶ほ神の線より遠し」とかは「どんだけがんばってもまだまだ足りないよ〜って意味かな?」という感じだが。途中「長沙作戦」などという語もあったが、ぼくは軍事オタクとかではないので「調査作戦??」というように思っていた。

それで思ったことは「日本語も英語も変わらんな」ということだ。要はわからんもんはわからんし、わかるもんはわかる。日本語が英語と同じように、十分外国語のように見える。逆に英語日本語のように見える。ただ英語の方がわからないことが多いだけで。この感覚はすごい。つまりぼくにとって日本語はまだまだ、英語運用能力を伸ばすがごとく向上できる代物であるし、逆に英語現在日本語での実力のところまで持っていくこともできなくはないという希望にも見える。

からなんだという話かもしれなくて、なんというかうまく形容できないのだけど、ともかく言語というのはおもしろものだ。

https://anond.hatelabo.jp/20181115182958

世界中どこの国でも「自分の国の言語外国語よりも表現力が豊かだ」と考えている人が多い、という話を聞いたことがある

2018-11-12

外国語教師に逃げられた話

とある学校事務をやって3年目の新人だ。

以前、勤めていたALT(外国語指導助手)が辞めたので、登録から紹介をしてもらった。

南米若い女性との事だった。日本語は全く出来ないとの事。


そういった来日前のALTに代わって住む所の手配をするのは事務仕事だ。

とくに面倒なのが家具家電の用意で、1人分の引越しを行わなければならない。重労働だ。

通常の業務が終わってからやりはじめるので深夜までかかることもザラだ。


そうして、来日してきた20代前半の南米ALTはお世辞にも人が出来ているとは言い難い人物だった。

まず、親子で来ている事に度肝を抜かれた。

必死で用意した部屋を見ると「こんなとこに住むとかやってられないかホテルをこっちで取ります」と言う。

英語あんまり出来ないけど、そんな感じのことを言っていた)

マトモにコミュニケーションが取れず、親を通してしか自分意見を言えない。

事務(着任連絡)の手続きがあるので待ってて欲しいと言っても「私たちがいる必要はないわよね?」と勝手に帰る。

案の定、翌日メールで「すみません仕事はやめます」という旨のメールが入りバックレを決められた。

家賃家具家電、航空費は全て国(学校)持ちだ。


こんなはじめての体験言葉もなかったのが一ヶ月前。

今月の県からの収支報告書に「失踪したALTに過払いになっている家賃の一部返還」と書いてあったが

そこに書かれている学校名はうちの学校名ではなく、聞くと「ALTのバックレ」は結構な頻度でどの学校にも発生してるらしい。

なんというか、「仕事」に対するスタンスの違いにブチのめされた気分ですわ。

働き方改革」とはいうけどある最低限の責任感はあったほうがいいと思うよ俺は。

2018-11-09

anond:20181108223659

中高生かな?それ以上だとやべぇ

外国語を学ぶ自由があるんだから学べばいいじゃん

それに英語なんて5億人しか使ってないぜ、15人に1人しか喋れない出来損ないだ

それ以上に優れた、世界の7人に1人が喋っている言語があるアルヨ

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