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はてなキーワード: 辞令とは

2022-10-31

俺のメモ帳を一挙大公開

見聞きした言葉でこれ使えるなと思ったのを日々notepad.exeで追加してる。

たとえば丁々発止なんて言葉fanzaあたりで検索するとエロいのが出る雰囲気を俺は感じるのでそういうのを記録している。

あるいは「小力(こぢから)」みたいな言葉はあまり使われていないように感じるが、ただでさえそんな言葉がもし漫画で使われているとしたら、その言葉が含まれるその紹介文の該当箇所はどういうことを言ったものなのだろう、そしてそれはどういう漫画だろう、ということが気になるので、そういう言葉も集めてる。この場合たとえば最近も「大串」と調べたら、「巨大串」という形で使われていたという意外な発見もあて面白い

以下リスト(原文の改行はコンマに置換してある)はじめの方は単語じゃなく文のようになってる関係なさそうなのもある。

ディスガイア萌えアニメtwitter,塩辛履歴dlsite,太陽の塔全身タイツ着ぐるみtwitter,↑マスクかぶ(被)/つけ、仮面,丁々発止dlfanza,bike shorts2=8,おこや,マリーインボスカヤ イボンスカヤ,twitter肉まん東方dlサイトsite,エロ漫画スレsaucenao,つるみく(似てるユーザのF5から),ブックマークgamekemono,・パチパラ,81475783,調布fitnessマイバスケット,dicl big musclar,筋肉 皮モノ/物,nsfwポイピクサムネ表示,・土方つなぎ,・野田総理追悼演説全文,肉じゅばん,,ミリム 転 丸呑み,漫画家イエナガ アニメ化ベクトー,/g/ shingekiとか雑誌,軒猿,kemono精液,,モブコント,essensial pack,早押しクイズ appstore,八島さんが堕ちるまでfanza全頭・1967357latex貧乳,全身ラバー、全身をラバー、全身がラバーラバーで全身、ラバーに全身,マネキン人形化,シーメール化びんたま見てから,剣手2183114 scilence,masked face anthology kigurumi latex bodysuit bondage(bdsm),船,saimin 嵌ってる,hotmilk 3、6,smell,,pixivブクマ数500ぐらいの,股ぐら柱の背比べ,skebからpixiv登録してない奴のツイッター,chanrio,夜更かし股蒸れ,,,misakuraミーツ,藍,,男体化/改造手術,ftm/手術性転換←むしろから,クリ(陰核)尿道(尿管)/手術改造,尿道(尿管)開通延長[伸ば/伸び],クリに尿道/尿道クリ[繋いで/繋ぎ五段活用],シーメールカントボーイふたなり化男体化改造,人形リョナdid,スキューバどざえもん,人中/顔射、精,膣閉鎖まん肉陰唇恥丘ぷにまん/縫,ピエロ肥満膨体強制,・毛穴/ワックス剃毛,,魔法少女 魔女っ娘 猿(の格好) ボディースーツ 全身タイツ 着ぐるみ もじもじくん,ラブドールダッチタイツぐるみ,ファザコン,産卵,股裂,変態洗脳戦闘員痴女,のっぺらぼう化改造 ,club cinq,少年エース,中に無いもの掛け合わせに使うの歓迎,同人はきりがないし検索から外す,さすがの知名度ガキはここに,変身まちかど,めがね魅了ほのおき,シチュとしてもし例外多くなったら定義を変える,site:thebase.in,,オフロードスター壱號,ただのノァ,,シールブックたまごっちパワパフサウスパークリトルポニーアメリカは,少女漫画がなくて存在していたと思えるかで決まるサクラ大戦きしだめるアルルまで,・資格受験を控えてるからとはわざわざコンビニでは雑誌のほうを見ないようにしてる,つまりちょっとでも目に入ったら調べずにはいられなくなることを恐れてのことだがそんな些細なことでも反応せずにはいられないほどそれはつまりそれほどまで二次元に対して熱意を持っている,・二次元オナニーしてそのパンツを洗わない,,253 名前名無し象は鼻がウナギだ! 2022/04/14(木) 20:45:17.21 0,"スタッフで美味しく" 約 2,310,000 件,"スタッフが美味しく" 約 470,000 件,"スタッフに美味しく" 約 69,900 件,,"スタッフでおいしく" 約 178,000 件,"スタッフがおいしく" 約 241,000 件,"スタッフにおいしく" 約 31,000 件,,ポッキー半分がスタッフにおいしくいただかれた状態でやってくる,,480名無しさん@どーでもいいことだが。 (アウアウウー Sabb-AI/Q)2022/04/12(火) 23:58:04.54ID:WiTaAD0Va>>482,>>478,やべーぞレイプだは無頼男、クンニしろオラァはエデンの檻、パコさんはパジャマ彼女,,青少年ショッキングな性暴力を見せることの良し悪しと、現実フィクション混同は別問題でしょ,リアルからじゃなく、例えばこれが非現実的な触手で腹ボコ異種姦とかでも同じようになったと思うぞ,,子供が真似する云々は親の躾の問題じゃないかねえ,プロレス技とか真似して大怪我みたいな事件もあるからなんとも言い難いが,,国情報見方がよくわからないんだよな,たとえば相場の欄があるが商人のとこで見れるから二度手間じゃないかと思う,最近まで見る価値一切無いとさえ思ってたが在庫の欄は一度に商人取引できる量と関係あるということでそこだけ見るようにはなった,他に国情報について見方というかこういう数値だったらこういう行動をとればいいみたいな指針を立てるみたいな活用法的なものはあるだろうか?,,https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/gengo/1630676954/871,にある旧おじに対してお前らが上という考え,これは正しいと思う,しかし俺に対してお前らの立場が上だと思ってるのなら図に乗るなという感じだな,俺は客観普遍科学方法論を説いてるだけ,それはお前が理解しようがしまいが揺らぐようなものでもないのにも関わらず、生暖かい目でお前らが理解するのを待ってやってるだけだ,そういうわけでどう考えても俺が上,,[1;31mhitomi: An unexpected error occurred: AttributeError - 'NoneType' object,has no attribute 'startswith'. Please run gallery-dl again with the --verbose fl,ag, copy its output and report this issue on https://github.com/mikf/gallery-dl/,issues .[0m,,西側,東側,東西,冷戦,俳句,俳諧,句会,句集,詩集,諜報,間諜,苦界,刺繍,正の字,着ぐるみ,器具罪,ガーターベルト,楽器 琴,琴,大正琴,アルトサックス,無心,医院,傀儡,sdカード,給湯,急騰,エフェクト,物置,精錬,屋台骨,こしひかり,陣屋,臨時,創業,一膳 膳,七味,目の色が変わ(を変え),辛子,鉄山,格式,そっか,品種,・肉厚,肉薄,アホ毛,食い逃げ,なん(何)のこれ(しき),オリジナリティ,不憫,秋晴,習性,お家芸,旧い,旧党,無理数,あおひげ,物見高,横断,黄疸,痰壺,横臥,サロン男性向け,オジキソウ,物産,琥珀,タペタム,産界,一本締め,縄会,鍵盤ハーモニカ,(届いた)ビデオテープ,カロリン,棟上,子煩悩,握力,筋トレ,郵,踏破,鉄の足,旅慣れ,古武術,オドリコソウ,負荷,フカヒレ,整髪,社交ダンス ,閣下,モスク,聖地,遊学,遊楽,幽学,魚拓,ジェラート,(えら)骨,すんごい,まっいっか、まっいいか、まいいか、まいっか,カステラ,アイヤッパン,先取り,考古(歴史) 修復,口訣,養蚕,医院,きよみず,制限,周辺,よそよそし,カチューシャ,・蒔絵,机上の空論,机上,鋳造,殺(戮)兵器,留守番,留守居,襦袢,えるゴミ,溶鉱,倫理,呵責,反知性,高踏,互市,ビーフン,観戦,波消し,パンチが強い,アンダーグラウンド,アングラ,海賊版,平坦,ドメイン,ドレイン,根絶,歯車,海中,海底,改訂,関係機関,修正作業,年末調整,(是見)よがし,おんしょく(音色)renta,バンドサウンド,自己流,パワーコード,音のぶつかり,さしもの,水(みず)反射スカートパン下着,手鏡,禁門,金紋,礎と,可塑,門人,外貨,説諭,戦略,序曲,おなかトントン,終曲,サイコロ,コッペパン,アクアパッツァ,吐息,揚げパン,邪魔,カルエル,バズーカ,収穫祭,・炭鉱,切手小切手,図鑑,辞典,事典,揺籃,ショートカット,ガトー,ビュッフェ,法律上,巧妙,創作物創作,寺子屋、寺子,寺古,じゃらん,無責任,若女将女将,よいではないかrenta,節操,奥行き,野沢菜,塩梅,ボケボケ,カフェセレブ,暗示,ふりふり,穏便,使い魔,(にこにこえがお)renta,胴衣,同位体,電動マッサージ、電マ,軽便,(マグロ),表面積,受熱,副虹,ソレイユ,変面,変顔,プリクラ,アカデミ,変心,スイギュウ,エンパシー,個室,霊地,ネカフェ,(吊り橋),・マート,へにょり,出来るような気,結構な,ガードレール,マンホール,群生,開帳,朱印,良妻賢母,ミルフィーユ,(踏切),歩道橋,バス停,停留,ババロア,(食い込),コットン,オーガニック,ネイリスト,メイク崩れ,いたがゆ,オッズ,レバレッジ,助詞,金貨,言語学,文法,命運,概論,練習試合,ワセリン,コランダム,夜のしじま(静寂),ハウスマスター,モノクル,即席家族,収拾,あてられ(た),実直,教導,労をねぎら,見取り図,高砂,ガンマン,ピストル,ベースキャンプ,祭りのあと,あまじょっぱ,きくらげ,親分肌,姉御肌,出囃子,はみご,(あしからず),オープン,最後入院,テレビ 企画,伏魔殿,クリーンヒット,無神経,信頼関係,夫(妻)の理解,カミングアウト,メンタル(ヘルス),有機(の),デバフ,勝たん,徒歩(かち),八重歯,考えがある,持ち合わせ,視聴者(fanza),ざるをえ(得),所狭し,急成長,タイトルホルダー,見込み,見切り発車,滑り止め,皆様,お目汚し,シツレー,これにて,ラバー フェチ,タイムライン,原価,パン粉,ターニング,ベーグル,マフィン,スラット,スナッフ,カリカリ,急成長,(樽),ぷつっと,くさびを打,ヒーラー 悪役,打ち首,ぶつ切り,スパット,ドルチェ,カルティエ,ブルガリ,スムージー,週末,郷(さと),ひさご,ナメル,目出し帽,ドリップ,ドーリィ,御役御免,ケーブルカー,容体,陰性,東京進出,縮こま,交信,消臭,認識機能,まん毛,クリプト,テンガロン,嗅ぎ付,切り通し,渡り鳥,カヤック,リンクル,美貌,魔盾,もっこり,スカル,翡翠,デイジー,冷え性,痛車,(みずみずし),裏日本,いぶった,連れション,立ちション,しみしみ,ヴィヴァーチェ,立食,コールスロー,カシミール,コンチネンタル,道連れ,アロス,笑撃,安直,腰溜め,土壌,音楽シーン,血 ぴゅー,カルドゥッチ,ナリシング,ごにょごにょ,ごみごみょ,改正,初稿,強直,包囲(男性向け),(真っ只中),厚み,ロコモコ,アヒポキ,ホクホク,(葦簀),西日,放屁,むぐって/た,直売,ひさが笑,チェーマン,エトランゼ,マニ(教),ご意思,あからさま,心躍,こなれる/て,究極の歌姫,タイアップ,引きも切ら,ふーふー,猫舌,微動,デーツ,かしこぶ,篭手,かすり傷,爪楊枝,シンセサイザ,児童文学,ボーカロイド,直帰,急務,まっしぐら,家系図,秋の機械,バインバイン,コンバイン,モータウン,腐心,揺籃,ガラス張り,膣トレ,ナイトクラブ,ポールダンス,げんなり,経血,フェムゾーン,突破,ロイター板,舗装,懊悩,除霊,徐行,逃げ道,黙殺,・リーキ,どうらら,大喜利,レール,リニア,値札,上臈,キッチンカー,顆粒 ,なで肩,スプリング,トレパク,パクり,ひょっこり,重工,校歌,生まれてくる,ドリフ,審査,新芽,隠し部屋,丸刈り,ラブソング,泡切れ,虎の子,キックスケーター,敢行,野宿,エルドラド,段々畑,自他(とも),プレス機,加工物,ホッピー,もそろ,(飴)色,デミグラス,グレービー,グレープ,野火,スタンプ(ラリー),ラリー,崚,いってきます,社会勉強,蕗の薹,問屋,イントロ,ティーナ,出向(い),魂魄,(部)外秘,サルベージ,健康骨,腐葉土,遺留,慰留,二人三脚,かかと落とし,安食,パディトン,ドミグラス,マッシュ(ルーム),休職,ケルヒャー,ソイソース,ホットサンド,コーヒーフレッシュ,トロンボーン,類似,言い遺,民泊,ダクト,ドーラー,半地下,マナ,寄り目,シュラスコ,屋台骨,土性骨,すべすべ,ハメが外,火薬 花火,舞妓 化粧(が),バーニャカウダ,ヒジャブ,ジップライン,女性用,男性用,用兵,籠城,伏兵,輪切り,アク (漫画家)[括弧が先],復職,フルール,ペチュニア,無撚,造反,肌を合わ,淫蕩,手芸,tl漫画家,ラクシュミ,黄石公,解呪,夜職,高目,フェビアン,大公望,ザッピング,こういう時,反転攻勢,肌掛け,ドア越し,式典,マクロビ,それなり,プレスカード,身分証,当て込,折込,うってつけ,サンドバッグ,閉塞,葉巻,オスロ,フラッパーの(な),ならず者,しゃきっ,運命論,ギャング,盗んだ車,共同作業,・配信,バンラリース,別離,発喪,政変,ビタミンB1,眼精,天誅,天佑,孤立化,開かせ,年の頃,八つぁん,(ぐあい),ヴェルヴェット,悲嘆,勅許,へしこ,アクアリウム,開明,持ち上が,やってのけ,晦冥,それはあれ,手の者,正義マン,乾 いぬい,むろお,・あみだ(くじ),ドッジボール,鍼灸,板金,気流,手(もみ),壁紙,パンパス,debut,パンプス,ドレッサー,映画宣伝,誉れな,足蹴,司牧,鞠躬如,けん玉,(じゃらんぽん),デトックス,キンパラ,鼻につく,言い分,貫け,真作,ニス,姦婦,贋作,フェルメール,あんかけ ,キックボード,全容,のど飴,しゃあしゃあ,覆る/し,心臓な/だ,にゅうにゅう、にゅーにゅー,ドッキング,万華、華鏡,戒 法,受戒,(ことこと),お召し,パーキング,水あめ、水飴,じとじと,しれっと,ヘラ期,汽笛,(中長)期的,(唐揚げ),atm (年漫画),(ものまね)renta,ギャラ呑み, うんてい,水玉,肉まん,水油,天花粉,香油,持って数,叩き込,異物,改変,遺伝子 組,儚、果敢ない/く、はかない/く,物は言い,言い逃げ,嫌な打算,こわすぎrenta,口にす/し,マーシナリー,洗いざら,赤線,青線,節介,ディーゼル,(なんともでき),みなは,アストリンゼン,ケトン,ファルシオン,間取り,見取り,柑,ノープラン,しっくり,バイキング,グロッキー,シッカロール,勝負になら,せていただ,ツルツル,コーティング,bgm,効果音,バックグラウンド,(すけこまし),コケティッシュ,気落ち,あざと,さかいに,国防,カピカ,八重歯、犬歯、臼歯,薄幸,・旧師,白光,くんだり,とどま,素敵空間,宅浪,パッケージ,ツマミ,パッキング,サイバー,・5次元(の)女,アンティーク,独り者,ディスカウント,運航,水難,分際,間際,特長,テニサー,(蒸し蒸し),修正済み,こさめ,緩和,引き締め,逆さ吊り,おしおき,仕立て屋,見立て,備え,梁 柱,正座,未来志向,転倒,瞬発,奮発,実写,唱歌,トロフィー,ハンチング,・子分,古文,(のたれ死),恵まれ,この先,痛恨,失言,ビット,ピット,ショークラブ,ペシミス,まぐろ 漁船,世替わり,あがき,おぼれ,プリントシ-ル,余念,下まつげ,エクステ,唱和,・な校則,復縁,(掘り起こ),小窓,明り取り,のろけ 年漫画, Permalink | 記事への反応(2) | 12:17

2022-10-18

美瑛町ドラマPICU」への抗議は適切だったか

結論から言うと、やや勇み足だったのではと思う。お前誰だよって話だが、ただのしがない一町民である

美瑛町によると、実際は町の病院を経ずにドクターヘリ旭川病院に直接搬送することがあるという。放送後、町議フジテレビに「実態と異なる」と電話で指摘したところ、12日に番組関係者が来町。角和浩幸町長が「フィクションとはいえ医療過疎、住みにくいという印象を与えて残念だ」と抗議したという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/52f840229039f3f4f4caff46e37bef41e950a2e7

そんなに適当なもんを作ったんか、まああってもおかしくねえよなフジだし(偏見)と思って、試しに一話を見てみた。

指摘部分に係わる話の流れはこう。美瑛ロケ地で体調を崩した子役女の子救急車を呼ぶか迷うも、最寄りの病院までは一時間距離救急車が来るにも時間がかかるということもあり、女の子とその母親スタッフ(?)の運転で町の病院美瑛記念病院モデル美瑛町病院だろうか?)に車で向かっていたが、その途中で嘔吐さらには吐血と容態が悪化した。焦った母親は町の病院電話をしたが、母親は気が動転していて情報を伝えられず、電話を受けた若い医師も、母親を落ち着かせるような話術の訓練が足りていなかった。一旦は町の病院に運ばれ状況をみたが、大きい病院に運んだほうがよいという判断がなされ、道北医科大学病院(おそらくモデル旭川医大だろう)に搬送され救急が行われるが、小児専門の外科医がいないために根本的な治療は行えなかった。ドクターヘリ北海総合大学病院搬送されるも、そこのPICU救急を受け入れられず、残念ながら女の子は亡くなってしまう……。これが数年前の話。

美瑛旅行中に車中で苦しむ女の子を偶然目撃していた主人公は、小児科医師として働いていたが、突然の辞令で丘珠に新設されるPICUに配属になり……という風にお話に関わってくるのだが、そこは割愛

まず指摘からいくと、美瑛町から町の病院まで1時間というのは、ロケ現場がかなり奥地だったとしても、ちょっと盛っている。北海道の車で一時間はだいたい道のりで50kmぐらいである。美瑛町内だとほとんどの場合ぶっとばして30分以内だと思う。が、まあフィクション範疇で済むかなと思う。(追記あり

ただ、それを別にすれば、別に話として破綻はしていないと思った。たしかに、初手から救急車を呼べていればドクターヘリを現地まで呼ぶなり別の対策があったかもしれないが、当初は救急車を呼ぶかどうか迷っていた程度の容態だし、救急車を呼ぶのに躊躇した理由についても「救急車を呼ぶと結局倍時間がかかる」と言及があり、(それが本当であれば)車で送ることを選んだ理由になっている。町の病院に運ばれるまで大きい病院に送る判断ができなかったのも、母親医師とのコミュニケーションがうまくいっていなかったことで説明つくし(ここで原因を医師の腕のせいにせず、情報の伝達がうまくいっていなかったとするのも巧いなと思う)、そもそも全てが上手く行っていたとしても、道内救急を受け入れるPICUはなかったのだから、結果が大きく変わらなかった可能性は高い。登場人物全員が全員なりに良いと思う選択肢を取ったが、それでも救えなかった、という理由けがかなり丁寧になされていると思う。

町の病院まで一時間は盛っていると思うが、そこから旭川病院まで20分というのはかなり正確な数字で、ちゃん北海道の地理を調べて設定を作っていることが伺える。美瑛からちょっと車で走ったら函館に着いたどこぞの映画とは大違いである。

なので、"町の病院を経ずにドクターヘリ旭川病院に直接搬送することがある"という町議の指摘は、この話への指摘としては不適当だと俺は思った。そういう選択肢があったとしても、この事例では結果として使うことができなかったのだ、という理由がしっかり説明されていると思うし、見ている人にも伝わると思う。実際の地名使っておいていい度胸してんじゃねーかと見る前は思ったが、見終わったあとではべつにそういう感想は出なかった。つーか普通に良いドラマだ。みんなフジ月9だと思って毛嫌いしないで見た方がいい。安田顕がかっこいい。

まあ、でも、コレを見て、「美瑛って旭川の隣なのにクソ田舎でろくに病院も無いんだな」と思われる可能性は大なので、そういう意味で「医療過疎で住みにくいという印象を与え」という町長の言はまぁわかる。実際俺もこれが地元だったか違和感を覚えただけで、アメリカの話だったら「アメリカってそうなんやー」って思うもんな。まあフジテレビも「住みにくいと思われるだろ」と言われても困るだろうが。

あとこれは余談だが、美瑛は意外と医大日赤も近く、それでなくても旭川の隣なので、道内でも医療へのアクセスはかなり恵まれているほうではある、という事情があるし想起できるところなので、女の子の一件の舞台(兼、主人公旅行先)として美瑛を選んだのは単純によくわからない。知床とか、それこそ離島あたりにしとけばツッコミ余地もなく最寄りの救急病院までも遠い、という状況は作れた思うが。それだと最初からドクターヘリ出動に考えが及ぶから逆にリアリティに欠けるとか、単純に映える景色が欲しかたかロケが楽だったとか、そういう事情なのかな(旭川空港に近く、羽田からアクセスが良い)。

と、ここまで書いて、こんな記事も見つけた。

こうした声を、美瑛町はどのように受け止めているのか。あらためて美瑛町役場総務課に聞くと、フジテレビ職員との話し合いがあったことは認めたが「報道では抗議という表現されているが、フジテレビ様のほうから、うちのほうにご来庁されて、その話(ドラマの内容について)の説明があった」と、報じられているほどの苛烈声明ではなかったという旨の返答があった。

https://smart-flash.jp/entame/205590/1

道新とsmartflashどっちを信じるかは難しい問題だが、これが事実なら、町議がやや暴走しただけで、フジの人はわざわざ説明に来てくれた誠実な人で、町長は建前上否定的コメントを出しただけで、道新がそれを恣意的美瑛がキレてるかのように記事を書いただけの可能性が高いな……。フジを叩くつもりでこの記事を書き始めたが、道新の株が下がる結果となったとさ。ちゃんちゃん

追記

日刊ゲンダイからこんな記事が出てた。

 美瑛町役場広報担当者はこう話す。

美瑛町の1次救急体制として、救急車が到着するまでに2時間もかかるということはあり得ません。さらに、救急医療に関しては、ドクターヘリ運用も含めて、旭川市とも連携しており、美瑛町内の病院を経ずに、旭川病院救急搬送する体制がありますフィクションとはいえ子育て世代などの移住定住政策推し進めている中で、実態とは違う表現で、美瑛町の小児医療体制が整っていないかのように描かれ、マイナスイメージを持たれてしまたことは残念です」

https://news.yahoo.co.jp/articles/6e4a71eefb3d01a78af41868147aea1bce2f2427

記事内にもあらすじの説明があり、前半はまっとうな指摘であると思う(ただ、救急車が到着するまでに2時間というのは不正確な表現で、劇中での説明は、片道一時間から救急車が来て病院患者を運ぶまでに往復で2時間、ということだろう。救急車一般の車の半分の速度で走るわけがない。ただ、どちらにしろ1時間かかることもまずあり得ない)。コメントにもあったが、俺はフィクションで済むと判断した部分だったが、誤った印象を与えるとして、町として抗議したのだと思う。

後半の指摘については的はずれだと思う。どれだけ体制が整っていても、母親スタッフ救急車を呼ぶという判断をしなかったのだから病院にできることはない。そして、片道一時間という設定を受け入れてしまえば、大人たちが救急車を呼ばなかった理由にも一応の理屈は立っているのだからあくま理屈が立つというだけであって、正確には容態が急変した時点で車を止めてでも119して指示を仰ぐのが正しい判断だろうと思うが)

が、翌日、同じ日刊ゲンダイからこんな記事が出てた。

ドラマにおける町の描写医療過疎、住みにくいという誤った印象を与えかねず、現実乖離しているため、遺憾の意フジテレビ側にお伝えしました。町から隣の旭川市の病院までは車で30分まで移動ができ、1時間以上かかることはありません。町としても医療体制救急搬送には力を入れていますドラマであった患者たらい回しみたいな事は起きておりません」

https://news.yahoo.co.jp/articles/0edd3e9afa7f989125e0eac6303a312fecf5ee9e

こっちの記事はひどい。

旭川市の病院までは車で30分」については、上で言及した通り、「美瑛記念病院から道北医科大学病院まで20分」とあるのでむしろ正確である

患者たらい回し」についても、女の子の症状は最初体調不良かと思われたのだが、どんどん容態が悪くなりPICU必要があることがわかってきた、という筋書きであって、たらい回しにされたわけではない。

なんで2日続けてこんな内容の違う記事が出るんだ。担当者コメントの内容がまるで違うので、同じ人物が書いた記事ではありえなく、どっちかは(あるいはどっちも)ろくに取材もしないで書いたんだろうと思う。たぶん記事ペラから見て下のほうなんだろうなあ。一応ソースもあたってみたが、記者名は当然書いてなかった。日刊ゲンダイも信用できねーなぁ。

あとは余談だけど、この記事で(おそらくただのいちゃもんとして)あがってる、稚内医者訪問するとき普通列車で行くか?という指摘。西稚内駅は架空の駅なので、稚内まで飛行機で行ってから駅弁買って宗谷本線(的な架空路線)に乗ったという理屈は、まあ普通に立つ。こういうところを見るに、ちゃん架空地名を作る配慮が無いわけではないんだよなあ。なんで美瑛は伏せなかったんやろ……?それで全部丸く収まったのに……

2022-10-02

職場発達障害者に潰される

とある日、辞令が下された。

ある人(勤め始めて5年以上は経つ)が私の所属している部署に異動してくるという、一見なんでもない辞令だった。

しかし、部署内の空気は重かった。

なぜなら、彼はもう3部署も飛ばされている、言わば問題児だったからだ。

Aさんの始まり

彼の武勇伝は、彼が入社した当時にまで遡る。

研修も終わり、配属先が決定した当日、伝説となる発言を放ったのだ。

「私は発達障害持ちです。フォローをお願いします」

配属先である部署人達は、唖然としたという。

なぜなら、彼は正社員雇用だったからだ。

弊社では障害者雇用も行っているため、そういった方々も多少は採用されている。

しかし、クローズ正社員雇用をすり抜けた挙句雇用が本決定した途端に告白し、開口一番こちからフォローを求める発達障害者は初めてのケースだった。

障害者雇用であれば先例があるためこちらも動きやすいし、せめて面接時に「発達障害だ」と告白してくれれば、部署内で多少の受け皿を用意しておくぐらいは出来たのに。

これでは発達障害言い訳にしているとしか思えないし、発達障害に適した環境を用意することも出来ない。

部署の方からこの話を聞いた時、まぁとにかく驚いたものだ。

しかし、法律ではクローズは罰せられない。

面接時に必ず申告しなければならないとも定められていない。

という訳で、同じ部署の方々は何も抵抗できず、この発達障害の方(以降Aさんとする)のフォローに奔走することになる。

Aさんのその後

話はとんで1年後。

Aさんの異動が発表された。

そのまた2年後。

またAさんの異動が発表された。

その間にも、あらゆる部署からAさんの噂は絶えず流れ込んできた。

ここまで特定人物多種多様な噂話を聞くのは初めてで、何も知らないながらも大変そうだ、といった印象は受けていた。

そう、この時の私は印象を受けていただけ。

Aさんの問題っぷりをあまりにも舐めていた。

何も分かっていなかった。

そして遂に、私の所属する部署にAさんが異動してくることになったのだ。

ちなみに勤務年数で言うと、Aさんは私の先輩にあたる。

が、この部署での勤務年数で言えば、勿論私の方が長くなる。

そのため、私を含め部署内全員でAさんと指導をすることとなった。

Aさんの問題行動

もう一度言う。私はAさんをナメていた。

実際に共に仕事をすると、今までの人達はこんな人と付き合いながら仕事をしていたのかとあまりの大変さに敬服した。

例えば仕事を教える時。メモ1つとっても、以下のような症状が見られるのだ。

メモを取らない

・とったメモを無くす

メモをとったことをそもそも忘れる

メモが見つかっても内容がぐちゃぐちゃすぎて参考にもならない

・酷い時は教えてもらったこ自体を忘れる

これでは迂闊に仕事も任せられない。

1つの仕事を任せる度、1人がAさんについて、1つ1つ懇切丁寧に教えていく。

回教えれば何とかなるものでもない。

健常者の新人とは違って、そのままの意味で任せる度に教えなければならないのだ。

まり、Aさんが仕事をする度もう1人の労働力が無くなることになる。

これでは人件費はむしろ赤字だし、効率も下げている。

だがAさんの厄介さはそれだけに留まらない。

そう、発達障害故の特性だ。

優先順位をつけられない

不文律理解できない

・凹みはするが反省ができない

PDCAサイクルを回せない

自分立場役職に適した言動が取れない

他者を思いやった言葉遣いができない

・全て思い込みで行動してしま

・人の助言・アドバイスを受け入れられない

これらはいずれも、我々が指摘・注意した際に「発達障害なので…」と言い訳された言動の一部だ。

特に厄介なのが、「人の助言・アドバイスを受け入れられない」だ。

こちらがどれだけ優しく

「誰でもミスはするからね、気にしないで」

「どこまで分かってるかな?すり合わせしてみよう」

「初めからできる人はいいから。一緒にやってみよう」

と寄り添っても、指摘されたという事実だけにフォーカスして、

「褒めて伸ばして欲しい」

「なんで皆いじめるんだ」

「私がミスしないよう環境を整えて欲しい」

と暴れ馬になってしまうのだ。

こりゃ大変だと、様々な対策も打ってみた。

Aさん専用のマニュアルを作ったり、不文律を手順書に明言したり、仕事を同時に複数個与えないよう配慮したり、進捗を定期的に確認したり…それはもういろいろだ。

しかし、結果はダメ

マニュアルより思い込み優先で動いたり、手順書の存在を忘れたり、やるべき事ではなくやりたいことを優先させてしまったり、進捗を確認しても「出来てます」と虚偽の報告をされる。

そしてトドメは「発達障害なので…」という言い訳だ。

勿論そんな人には本当に簡単仕事(もはや仕事とも呼べないレベルだが)しか任せられない。

いや実際にはコピー掃除などの仕事すら満足に回せていない状態なのだが…

そんな状況でも、我々は諦めなかった。

閑散期には彼にもう一度仕事を教え直したり、誰かとグループを組んで共に仕事をしたり、打てる手は打っているつもりだった。

しかし、我々が耐えているのと同時に彼も我慢していたのだろう。遂にこう騒ぎ出した。

「なぜ仲間はずれにするんだ」

自分だけ仕事を教えてもらえない。パワハラだ」

「なぜ皆自分を育てようとしてくれないんだ」

恐ろしいことに、彼は自分仕事ができる、もっと仕事を任せてもらえて当然だと思い込んでいたのだ。

ここまで来て、全員が彼を諦めた。もうお手上げなのだ

Aさんの今

こう言ってはなんだが、私が所属している部署ホワイトだ。

今まで働いてきて人にネガティブ感情も抱いたことも無かったし、むしろいい人ばかりだ。

しかし、全員が限界を迎えた今。

表には出さないが、もう、誰もAさんの話をまともに聞かない。

実は今年、新入社員がこの部署に配属された。

しかし既に何かを察したのか、もうAさんに確認をもらったり、助言を求めたり、仕事説明をしてもらったりすることが無くなった。

どうやら、彼女所謂仕事ができる人らしい。

まり、上から下までAさんのことは眼中にないのだ。

悲しい話だ。しかしそれはそうだろう。

こちらがどれだけ寄り添ってももっともっと強請り自分は何も与えないどころか足を引っ張るのみ。

何かミスすれば発達障害なので…を言い訳反省もしない。

その癖自己愛自己評価は高く、傷つきやすく、現実とのギャップを埋められるだけの能力もなければ、改善策も実行しない、考えることもしない。

そんなAさんの傍若無人っぷりは今も健在だ。

皆耐えている。社会人でいたいから、加害者になりたくないから、解雇する権利がないから。

必死我慢している。

なぜ我慢するのか?

自分仕事をする為に会社に行っているからだ。

発達障害者の面倒を見るために、重い体を引き摺って通勤している訳では無い。

我々はママでも介護士でも先生でもなければ、会社学校でも就職支援センターでもない。

発達障害者の面倒を請け負って仕事を倍こなしても、給料も上がらなければ手当も出ない。

寧ろ、自分たちの1/5も仕事をしていない人間と同じ給料で働かされていると思うと、怒りすら湧いてくる。

もはや、Aさんを起点に部署全体がどんどん悪い方へ向かっているのだ。

分かっている。この状況はAさんにも我々のためにもならない。

もうAさんには直接言うべきだろう。

やりたいことと出来ることは違うと。

だってそんな簡単なことすら、発達障害者は分からないらしいのだ。

綺麗事配慮で、ミスマッチは埋められない。

指導方法だけで、ミスマッチは埋められない。

仕事が出来ない人と仕事をするのは、こっちだって辛いのだ。

彼さえやめれば元の職場に戻るのに…と、心がどす黒いもので埋まっていく感覚は、何とも言い表せない不快感がある。

そして痛々しい位に、苛つく自分自身への自責の念と、怒りの感情葛藤で追い込まれる。

そして遂に、私たち部署から1人退職者が出た。

もう耐えられないと。

会社が動かないなら自分が動くしかないと。

私は同士であり、友人でもあった彼女を止めることなどできなかった。

発達障害者と合わなくても自分を責めないで

Aさんが異動してきてから、私は嫌という程思い知った。

発達障害は甘くないと。

発達障害者と共にやっていけないという声が上がる度、その内容や考え方に怒る「発達障害擁護派」はちまたに溢れかえる

お恥ずかしい話、私も当初は「発達障害者も平等仕事が与えられるべき」と軽く考えていた。

だが今なら断言出来る。彼らは発達障害者のサポートフォローに苦労した経験がないのだ。

こういった人達は、総じて私と立場が変わった瞬間に掌を返すだろう。

きっと誰だってこうなる。なぜなら人間聖人じゃないのだから

そもそも、同じ給料を貰う以上、極端に効率が悪い人がいると不満が出るのは自然な事だ。

特に私のケースでは、正社員として雇用された上で発達障害者のフォローを求めるところがそもそもおかしかったのだ。

健常者と働きたいなら、健常者と同じように雇われたなら、健常者と同じ効率や働きぶりを求められるのは当たり前だ。

こちらがそこに関して配慮する必要性は感じられない。

勿論、ここで述べたような人間とは違う、もっとまともに働いていらっしゃる発達障害者の方もいらっしゃるのだろう。

そういった必死努力している方の事は応援したいし、能力を適切な場所で発揮してもらいたいとも思う。

しかし「周りが支援して当然」の声にはもう我慢ならない。

こういった、発達障害者における愚痴を発すると

障害理解のないおまえが悪い」

「健常者なんだから我慢しろ文句を言うな」

勉強不足だ」

もっと手をさしのべろ」

発達障害の人には〇〇のように接しないとダメ

「悪気はないんだから許してあげて」

と叩かれることが往々にしてある。

どうやっても、健常者の負担無視されるのだ。

そもそも、片方のみに負担を強いるその精神に異議を唱えたい。もはや異常だ。

なぜ他人のために不利益を被る必要があるのか。

なぜ一方的相手負担を強いるのか。

これらの何がおかしいのかも分からないお花畑っぷりに、グロテスクさを感じる。

健常者だからという理由だけで、我々の人生イージーモードだと思っているのだろうか?

そんな訳がない。みんな自分人生必死だ。

なぜ健常者が理解を深めなければならないのか?

なぜこちらがそこまでのコストを払わなければならないのか?

支援は当然だという声には、こういった反抗心すら覚える。

かに足を引っ張られた時に、無限に、穏便に手を差し伸べられるほどの余裕は無いのだ。

こう言ってはなんだが、生産性マイナス人間は働かずに生きれるよう、福祉もっと充実させるべきだと思う。

障害年金などでは足りない。

普通仕事をしなくても生活できるように社会的な補助が必要だ。

後は作業所で働けば生活できる程度の給料は貰えるとか。

もしくは、フォローする人には別途手当を与えたり、給料を増額したりといった、メリットがあると思わせる程度の手当が必要になるだろう。

そちらの方が、発達障害者に取っても、我々にとっても、お互い適度な距離をとって友好的に接することができるのではないだろうか。

労働という効率生産性を求められる場から離れれば、我々はもっと上手い付き合い方ができるのではないだろうか。

どうか、どうか。

我々を助けていただけないだろうか。

加害者になどなりたくはない、そして被害者にもなりたくないのだ。

最近福祉への祈り、人事の辞令だけを希望に床についている。


転載元: 職場発達障害者に潰される|あんきも

https://archive.ph/2022.08.26-152931/https://note.com/tender_tulip463/n/n6bfa6436ae65

この告発文はタブー視されることなく広く議論喚起されるべきという観点から転載しました。

2022-09-29

元彼石鹸

オチなし纏まり無しの愚痴。長いよ。

元彼が置いていった大量の固形石鹸を使い切った。

4年も前に別れて、今日やっと。

この石鹸を使い切るまでの4年間で、新しい彼氏もできて結婚もして、子供もできたっておかしくなかった。なにも無かった。自分市場価値の低さをまざまざと見せつけられ無為に過ごした4年間。友人はやれ結婚やれ出産と、着実に人生ステージを上っていくのに。

元彼との出会い大学だった。今から10年前。向こうからアタックされて付き合った。そこから卒業まで同棲していた。就職の際、勤務地を選べない職種だったので、遠距離覚悟した。しかし、辞令が来るとお互いのオフィスが2駅の距離だと分かり運命だと笑い合った。当然就職してから同棲した。落ち着いたら結婚もしたいとも言っていた。

ところが、彼の就職先はそこそこのブラックで、彼は1年と経たず辞めてしまった。いつもは明朗快活だった彼が、日々くたびれた顔で帰ってくる様子を見ていたから、辞めてくれてほっとした。

彼は一旦私のヒモになりつつ、再就職に向けて活動していた。数ヶ月後、彼は実家近くの役所再就職先として選んだ。

いずれ実家を継ぐつもりらしい。それはよくある話だが、そこに私の意思確認などは無かった。彼に今後についての考えを尋ねると、私が数年後、彼の実家近くで起業するとのことだった。

そんなこんなで就職して1年で同棲は解消された。

私は会社も2年目になり忙しい日々を送っていた。一方彼は第二新卒実家暮らし役所勤め。前の職場とは比べ物にならないくらい余裕のある日々を送っているようだった。余裕があり過ぎて、そこで彼は他の女に浮気した。職場女性だった。

私は慣れない忙しさに心身が堪えて、自分暮らしが疎かになっていた。彼と一緒に資格を取ろうと言っていたが、正直勉強する体力も気力もなかった。当然ながら私は試験に落ち、彼は合格した。

電話試験結果を伝えたとき、彼に言われた。

「なんでそんなにだらしないの?」

そして、その数日後電話したときにはこうだ。

「このままだとお前は駄目になる。だからお前のために別れよう。」

意味が分からなかった。会って話したいと言うと、

「あと…好きな人ができた。これは浮気じゃないから…」

私はそこで初めて、彼が他の女にうつつを抜かしていたことを知った。いや浮気だろそれ。完全に事後報告じゃん。だらしないのどっちだよ。

彼の浮気は初犯ではない。私が就活であちこち駆け回って落ち込んでいたときにもやられた。そのとき彼はブラック内定を貰って余裕綽々だった。

なぜその時点で別れなかったんだろう、許してしまったんだろう。もう二度としないと言ったから許したんだった。

そんなことを思い出している間に、電話一方的に振られた。5年間の交際はこうして呆気なく終わった。そうして私のもとに残されたのは、彼が同棲解消の際に大量に置いていった固形石鹸だった。退職の際に配ろうとして余ったらしい。あと他にも色々彼の私物が置きっぱなしだったが、引き取りに来ることもしなかった。

それから4年。日頃は忘れたふりをして過ごしている。が、元彼は2、3日に一度必ず夢に出てくる。ものすごい未練だ。まだ好きなのではない。憎悪と怒りがいつまでも消えないのだ。

別れて良かったと心から思っている。

しかし当然のように浮気正当化されたことや、私が振られた理由は納得がいかない。最後に会いに来ることを拒まれたのも意味が分からない。会いたいと泣きながら電話したが、「別れないと会わない」と言われた。意味が分からない。私から言わせれば、別れる為に会いに来るのが筋だと思う。浮気相手に乗り換えるんだから、向こうから率先して一発や二発くらい殴られに来るべきだ。

まだ許せない。自分勝手な元彼も許せないし、当時訳も分からずなし崩し的に破局を了承した自分も許せない。とはいえ、こんなしょうもない怒り、許せなくとも乗り越えるのが人生である。頭では分かっていてもそれができない。病的な執着で、こんなに陰湿自分が惨めになる。元彼浮気相手に乗り換えて正解だったと思う。

4年もあればどんな傷も癒えるだろう。でも時間が経つ“だけ”で解決する問題なんて無いのだと知った。私は4年間で一歩も前に進めなかった。写真や連絡先その他の物は全て処分したが、大量の石鹸は捨てられなかった。それで身体を洗い続けた。身体は清潔になったが、精神衛生悪化した。石鹸にはなんの罪もないが、こういう小さなことで私は一々元彼への怒りを募らせていた。この4年の暮らしぶりを再確認させられた。

4年もあれば新しい彼氏もできて結婚もして、子供もできたっておかしくなかった。でも何もできなかった。

怒りだけが育った。市場価値がどうとかいう話ではなかった。どうしたらよかったんだろう。

こんなに感情が拗れるなら、元彼に会いに行って、顔の形が分からなくなるまで殴って、牢に入れられて4年と言わず数年過ごした方がマシだったのかもしれない。何もできなかったのは私の落ち度だ。

2022-08-19

裸の王様が通りますよっと

まれてこの方ずっと自分のことを有能だと思い込んで生きてきたが、実はただの思い上がりで、自分は単なる無能に他ならないと、40年以上生きてきた今、ようやく認めることができそうだ。

否、今の今までずっと認めることができるだけの勇気覚悟と度量がなく、とうの昔に何の価値もない無能人間だと露呈して裸の王様状態になっていたのを、今否応なしに認めざるを得ないところまで追い詰められた、というだけのことなのだが。

長文になるがどうか吐き出させてほしい。

高校卒業後、一浪して結構な有名大学に入学できたはいいが、

1.二留してまで目指していた資格試験に失敗

失敗というか難易度の高さと勉強の苦しさから逃げ出しただけだった。

2.就職活動への切替にも失敗

下調べが足りず、時期もタイミングも悪く、準備をしていなかった上に、高学歴に胡坐をかいて「たかシューカツ」と完全にナメていた結果、どこから内定をもらえなかった。

3.新卒カードのおかげで地元に帰ってなんとか就職はできたが、望まない営業職での採用しかなかった

自分自身が営業むきのタイプでないことは明らかなのに、2.の事情から適当に決めた。

自分(の営業成績)のことしか考えない、昭和気質すぎる(地域職種的にアタリマエのこと)人間や社風が嫌になり1年で退職、私の心身は消耗し、何よりチンケなプライドが傷ついた(内心周囲の人たちをバカなやつらだと見下していた、間違いなく伝わっていただろうな)。

唯一無二の新卒カード結果的無駄にしてしまった。

4.2.3.の反省を生かし、転職エージェントを使って第二新卒カードでの転職成功

面接に進んだある企業は、全然いたことのない企業だったが確かに東証一部上場で抜群の安定性と急成長を誇り、そんな企業の人事担当者課長クラスの人)が、なぜかはわからないが面接開始10分もたたないうちに「是非あなた採用したい」と言ってくれ、その直後すぐに経営トップとの面接が組まれ、即日即内定の通知をもらうことができたという、おそらく人生イチの奇跡が起こったことで「これも学歴のおかげか」とかさら有頂天になってしまった。

5.4.の企業を2年足らずで退職

最初の出足はまずまずだったが、1年で「やっぱり使えない」と思われたか部署異動対象になり、異動した先の業務内容はよかったものの上席者から繰り返しパワハラというか学歴によるマウントを激しく取られ(「○○大出てるくせににこんなこともできないのか」的なやつ)、それが苦痛になってメンタル系の通院および服薬を余儀なくされ、そのまま追い出されるように退職した(自覚はないが私の態度が学歴を鼻にかけたように見えたのだろうな)。

6.4.5.の経験反省(急成長の上場企業はやはり「キツかった」とやっぱり弱腰だった)から、もう少し田舎(だけど地元の外)のちょっとのんびりしていそうな製造業企業転職

これも最初のうちは周囲の人たちに恵まれ特に前職で大ハズレだった上司がとてもアタリで、学歴でも何でも鼻につくような態度にさえ気を付ければ、今度こそ落ち着いてはたらけるとちょっと安堵した。

7.6.の1年後組織改編と人事発令があり、上司が替わった

この上司ととにかくソリがあわず、うまくいなすことができるだけの対人能力もなく、最低の人事評価を受けつつ、1年で異動希望を出した。

このあたりでまず自分には対人能力がないことに気付き始める…が、まだ無能を認めることはできるほどではなかった。

8.7.が通って新部署に異動したが、社内ニート化する

私のまったく専門外の専門的知見が必要部署だった上、何をどう勉強してよいかもわからず、結局単純作業的な仕事くらいは割り振ってもらえたが、はっきりいって毎日就業時間がとても暇で苦痛だった。

ところがそれとは裏腹に会社自体利益過去最高クラスを記録し、その恩恵で何もしなくとも自分史上最高クラス年収を得ることになり、完全にぬるま湯につかってしまうと同時に、「私にはそれだけの価値がある」とより一層のぼせ上がってしまった。

9.8.から3年後、総務に異動になる

さすがにそんなにうまい話は長く続かず、ハナから役立たずだったため、総務に異動となった。

製造業における総務部門なんて、製造研究部門のような花形部署に比べれば圧倒的に「下」に見られる部署だったが、私個人的には前の部署よりはやることもあるし、のんびりはたらけてそれなりにいい給料をもらえるラッキーな状況には変わりなかった。

10.1年たった頃に事態が急展開

人事制度が大きく変えられることになり、社員全員が厳格に格付けされ、それに基づいたきめ細かな給与体系に変わることになった。

7.8.あたりであまり人事評価が芳しくなかった私にとっては、これまで得られていたのんびりはたらけてそれなりにいい給料をもらえる安寧の地を失いかねない内容だったため、一気に焦り始めた。

とりあえず自分業務だけは真面目にこなした…つもりだったが、そんな小手先のもの通用するはずもなく、製造部門への異動内示があった。

製造部門危険薬品を扱うことから身体リスクが高く、その分の手当はついたものの、完全に思い上がっていた私は「製造部門なんてただのソルジャーじゃないか」などと、あからさまに見下した愚かな考えでこれを蹴った。

辞令を蹴るということはもう退職しかない。

最後最後まで高い給料を手放すことだけが未練だった…しかし私は自らの思い上がった考えや行動でそれをみすみす捨ててしまったのだ。

そしておめおめと地元に帰り、その後6年あまりがたとうとしている。

帰った当時、親が体をこわしたからという事情もあったのだが、根本的に私には対人能力がなく、地元を離れて1人で自活するとか、何かを成し遂げることができるだけの能力自体なかったのだと思い知り、地元に帰った、帰らざるを得なかった。

それは1.の時点で既にわかりきっていたことだが、その無能さをどうしても受け入れるのがいやで、むしろ既にそれは露呈していたにもかかわらず、自覚できず、修正もできず、いわば裸の王様状態で何年も何年も生き恥晒し続けながら生きてきたということだ。

地元に帰って6年あまりがたった今、さすがにいい加減認めざるを得ないという状況にまで追い詰められ、不本意ながらしぶしぶ受け入れ始めている、というのが現在地だ。

不本意ながらしぶしぶ」という時点で、まだまだ解決までの道のりは遠そうだ。

かくして自分無能だということをようやく自覚し始めたが、では今後具体的に何をどうしたらいいのか、やはり無能からかいまいちわからない。

無能だとわかったところで、今後私が自分なりに幸せに生きるために何をしたらいいのかがわからないのだ。

(それがわからない今は、むしろ「生きることは幸せではないから生きたくない」としか思えない)

今なら何か変な宗教に引っかかれる自信があるな。

これからどうしようか。

2022-06-11

日本政府さん、申し訳ないけど結婚出産日本ではむりだは😅

私も彼も名字変えたくないもんまず結婚無理やんな

なんで自分が嫌なことを相手はしてくれて当たり前だと思ってんねん😅

別姓認めず、姓を変えて当たり前の感覚ってことは政治家の皆さん喜んで改姓した側ばっかなんやろうなあと思ったら女に改姓させたおじさんばっかやないの😅

ば………馬鹿なのかな…😅

そこはさぁ!誠意をもって喜んで改姓して「愛する妻の名字になって幸せです😘僕はもう妻のもの😘」ってアピールしないとさぁ!って思うよ😅

.

彼は転勤ありきの仕事だけど悪いけど私は仕事辞めたくないし無理やん。彼、次の辞令で転勤の可能性クソ高いんだよね。

なんで着いてきてくれると思っ天然

私が頑張ればなんとか養えるかな、まあ彼には転職してもろて共働きで。転職後やや彼の給料下がっても当面私が仕事頑張れば夫婦二人くらいいけるっしょと思ってたけど

彼も仕事辞める気ないやん😅そりゃ嫌だよね仕事辞めるの、私だって嫌や😅

兄の妻(義姉)は結婚して仕事辞めて兄についていって転勤のたびにあっちこっちいってもう何年も仕事してねえよ。

夫の腰巾着の飯炊き子育て婆婆って自称してて草

これ笑っていいのか謎だけど笑っちまったわ😅

こ…子ども?!改姓したくないからせいぜい事実婚やん?!私シングルマザー扱いになるんですかね?

っていうか痛いの嫌だし約一年体調不良になった挙げ句死ぬほど痛い思いして最悪死ぬかもしれんイベントこなせって?!嫌に決まってんじゃん😅

政治家のおじさんたちは妊娠出産をやってみたいと思ってるのかな、実は…だから産んで当たり前だろって感覚なのかな…🤔(妊娠する系のBLは私も大好きだけど…オメガバースのおかげで増えたよね、ありがたい…。)

金かかる上に死ぬかもしれんような健康状態になってくださいとはなかなかおもろいこと言うやん😅

いや~実は私バイセクシャル過去には女の恋人もいたけど相手が異性になった途端トントン拍子で草って思っとったけど全然そんなことないね

で、仮にうっかり子ども産んでその子どもが私みたいにマイノリティだったらこのクソ社会で生きるのか🤔と思ったら産めないよね😅

私に産んでほしけりゃ「産んでやってもええが?」くらいの社会にしてもらわないとさぁ😅

ちょっとでもマジョリティと違う属性持ったら即しばき対象社会じゃん無理ゲーだよ~😅さすがにそこまで子ども鬼畜になれんわ😅

でも産んでる女の大半はマジョリティからなぁ~んも考えずに産んでるんだろうな😅

子育て環境が~😣ママも大変なのぉ😣とか言いつつ結局産んでるんだもん、そらぁ女さんチョロい😅と思われますわな😅

.

え~もうかれこれプロポーズ後3日膠着状態よ。

どうすんのウチら😅

2022-03-23

ひとりの子

明日ちゃん」を見ると、口の中に木の味がする。

私もひとり学級、その小学校最後のひとりだった。姉がいたため、小学四年生からはひとりとなった。対する先生もひとり。平屋の木造、瓦屋根の校舎と体育館掃除は行き届かず、色ははげ、あらゆる木材がささくれだっていた。

もともと小さな小学校だった。次第に人は減り、子供もいなくなり、私が最後の生徒となり、卒業と同時に廃校になった。生徒がいないのだから当たり前ではある。

4年間同じ先生と過ごした。当時は想像しなかったが、この4年間は彼女にとってどういう時間だったのだろう。通勤価値があったのだろうか。最後まで見送ってくださったのは、義務から辞令がなかったからか。そもそも廃校について私をまっていた行政判断もよくわからない。

前述のとおり、すべてが木造で、木の味とはその校舎内の雰囲気空気の味だ。匂いではなく、味である

中学生となった姉は、ついにできた友達と遊ぶのに忙しく、また学校楽しいためか、私とは近いながらも疎遠になっていった。姉にしてみれば中学生小学生は大きく違ったのだろうし、その年頃のその気持ち想像できる。

記憶を探っても、先生がここでの仕事を嫌がっている顔は思い出せない。できれば彼女にとっても嫌な思い出ではないことを願ってやまない。

授業が終わると、なにもなく帰宅する。学校から自宅までは20分もかからなかった。舗装されていない、たんぼの横の道を走ったり、歩いたりしながら帰宅する。夏は暑く、冬は寒い。そして寒い期間が長かった。田舎なんてものではなかった。

帰宅しても祖母がいるだけで、ひとりだった。帰り道のほうがよほど遊べた。帰宅するとひとりだと痛感した。木造の暗い家。うちが特別くらいわけではない。今の家が明るすぎるのだ。当時の家はどこでも暗かった。

明日ちゃん」では、明日ちゃん毎日ばかりが奇麗にかかれるが、妹の毎日はまったくかかれない。ひとりの彼女がなにを想って、野辺を歩き、学校で過ごし、自宅で母親ふたりですごしているのかはわからない。たぶん、とてもつまらないのだろうけれど、つまらないと言ってはいけないと、幼心にわかっているのだろう。私のように。そう願う。

あそこで暮らそうと決心した両親の判断は当然正しい。

小学校を終え、中学校へと移ったが、ほとんどひとりで過ごした。高校、家を出てから大学、院も大して変化はなかった。そして、ひとりがずいぶん長くなった私は、今でもひとりで生きている。違和感もなければ、欠損感もなく、閉塞感もない。ただただ、子供のころからのひとりが延々今に続いているとだけ思う。

友達がいる状況を経験しないと、友達がいない状況への恐怖とか、飢餓感とか、違和感とか、閉塞感とか、劣等感とかを受け取る脳の部分が発達しないのだろう。

ぼんやりと、人と人の線の隙間に私は立っている。そして呼吸は木の味がする。

2022-02-10

anond:20220210112719

対外呼称課長主任

は不可ですが、

社内辞令ならOK,部下の有無は問いません。

2021-12-21

anond:20211221215317

ありがとう!でも社会辞令かも?のひとことで吹っ切れたので、この一冊は前から応援してくれてる親戚に見せることにしました。

ジャンル的には児童書っぽい絵です。

2021-12-10

都合の悪い時にだけ事情を聞く上司

上司

先輩

自分


の3人で管理部門を回しているのだが

中途かつ、未経験採用で日が浅いということもあって

同じ部署所属していても自分にまで話が回ってこないケースがすごく多い

それは仕方ないというか、能力が無いからそういう扱いなんだろうな。とは思うのだが

その割に「ソッチで扱ってる案件なのに知らないの?」とか「この案件なんだけど、分かる?」といった具合にしょっちゅう聞かれる

上司は直属というより全体を統括するポジション人間なので、自分部署には基本ノータッチから仕方ないのだが

あいつは物事を知らない→じゃあ先輩に聞くか

ループがいつの間にか発生していて、気がついたら何も知らない奴みたいな扱いをされていて正直腹が立っている

正直、話をこっちにまで共有しない先輩にも問題があるのだが、そもそも部署をまとめる課長クラスが居ればそこから話が伝わるからそれで終わるのに

異動の辞令が出ても人件費削減とかで課長クラスいつまでも据えない会社おかしいと思う

コア業務の7割は先輩

コア業務の3割+その他は自分

異動の辞令が出る前に居てくれた上司マネジメントができる人で

経験自分にも少しずつコア業務を教えてくれていたのでまだ良かったのだが、居なくなってから本当にやばい

他所に異動になった時に「お前そんなことも知らないの?」と言われても困るから、定期的に催促してコア業務を教えてもらっているが

前任者もロクに引継ぎしなかったせいで本当にやばいアカウントも何も引き継いでくれなかったから、まず仕事をする為の権限をもらうところから始まったし

なんで入社したばっかりの新人権限寄越せって本社取引先に電話かけてるんだろうって思った


上司は異動で居なくなり、仕事の詳細を教えられて、なおかつ権限付与できるポジションが不在のままだし

先輩は仕事抱えまくって仕事教えねえし、教えてくれても絶対に1割~2割は抜けてるから俺が怒られるし、そもそも情報の共有してくれねえから仕事やりづれえし

前任者はまともに引継ぎしねえからパソコンの中とデスクパンドラの箱になってるし、まともにExcel使えなかったみたいでファイル丸ごと作り直す必要があるし


そもそも121月にかけてクソ忙しいんだけど、ダラダラ残業するの禁止ってじゃあ俺の代わりに誰か仕事やれよ

俺が休み明けで出勤するとデスクの上がいつも書類まみれじゃねえかよ。要らねえだろ俺の押印とか。あと本社もいちいち電話かけてくんな暇じゃねえんだよ

12はいもの業務年末年始の準備と年末調整があります1月会社行事が詰まってます2月3月決算に向けて準備があります

この状態で俺の精神が休まる日っていつ?ていうか先輩ほとんど急ぎの用事手伝ってくれなくね?あれ??

2021-10-29

決定までのプロセスは明らかにされない

「そういうものだ」って言われればそれまでなのだが、組織においてはあることが決定された場合、その決定に至るまでのプロセス理由について説明されることは少ない。

たとえば辞令が出た場合に、上席者からその内容は知らされるが、そこに至るまでのプロセス理由については説明されない。

過去質問したことがあるが、何やら歯切れの悪い回答に終始し、それなりに納得できるかたちで説明ができた上席者は今のところ皆無である

もちろん、すべてを話してもらう必要はない。

差し支えのない範囲で構わないし、完全に納得できる必要もない。

説明の内容がどうというよりも、それなりの説明責任を果たしているか、果たそうとしているか確認しておきたい。

2021-10-26

anond:20210417230714

JR東日本を辞めた8

だいぶ間が空いてしまった。

業務についても説明していく。

入社式

入社前に社歌を覚えさせられ、

社員を命ずる」という気の抜けた辞令を貰う。

式の後は専用列車新白河研修センターに移動する。

新人研修

技術系の社員半年くらい研修期間がある。

入社研修技能研修、支社別研修と進んでいく。

研修は宿舎に泊まり3食付きで共同生活を送ることになる。

鉄道事業者として社会インフラ提供者として必要となる

安全教育や安定したサービス提供重要性、

東日本大震災直後には休みなしの復旧作業が続いた体験談

社員としてあるべき姿を教え込まれる。

(つづく)

過去投稿1〜7

https://anond.hatelabo.jp/20210331125630

https://anond.hatelabo.jp/20210401060335

https://anond.hatelabo.jp/20210403133751

https://anond.hatelabo.jp/20210410225151

https://anond.hatelabo.jp/20210414052704

https://anond.hatelabo.jp/20210416064203

https://anond.hatelabo.jp/20210417230714

2021-10-14

すべてが社内政治につながっている

給与辞令業務分担、評価制度etc.

会社では様々な事柄が動いているが、すべては社長経営陣の従業員に対する支配を強化するための手段や道具の1つにすぎないのだと痛感した。

法令でも制度でも、それを作った側にとって都合よくできていることは世の中の常である

2021-08-25

anond:20210824225348

病床数の不足は、施設不足よりも医師不足によるところも大きい

コロナで暇にしている開業医医師免許持ってる専業主婦招集令状を出して、コロナ対応に当たらせろ(少なくともワクチン接種や問診はできる)

歯科医師看護師助産師にも一定研修を施して、一部の医療業務をできるようにすべし

保険医なんて売り上げが保証された公務員みたいなものなんだから辞令一本で全国どこでも赴任させろ

2021-07-07

さよなら東京

新卒で入った会社の転勤で東京に来た。

もともと東京で働きたかったわけじゃない、でも若手で期待されているのを知ってたしキャリアアップになると確信して部署異動も含めて辞令を飲んだ、後悔はしてない。

でも転勤して、上司の期待通りのことは何一つ出来なくて、オペレーター仕事しかできず、なんのために転勤したのかダンボールだらけの部屋で毎日涙目で自問自答した。

満員電車と人の多さが怖かった、誰かとご飯を食べることが減り、醤油がしょっぱくて食パンが薄く、空気乾燥していて、物価が高く、なにより東京は寒かった。

大雪の日の夜、しんしんと積もる雪を見て感じたのは薄い恐怖だった。このまま振り続けたら、生き埋めになるのでは。

朝起きて一面真っ白で深く雪に埋もれた景色を見て叫びそうになった、会社を休んだ、布団の中で泣いた、こんな遠くに来るつもりなかったのに。溶けない雪が死ぬほど怖い。

まれ故郷は地面そのものが温かくて雪が降ってもすぐ溶けてしまう、温暖な気候硫黄匂いのする街だった、嫌な思い出もあるけど心底帰りたいと思った。

でも帰ってどうするの、私の席などないのに。どんな顔して帰るの。不様だ。

母の失望した顔が浮かぶ、結局あんたはお父さんと一緒ね、と

ふとした瞬間に生まれ故郷方言がもう出てこない、かろうじて、関西の方?と聞かれる、笑って違いますと答える。

頭に靄がかかってる、朝きちんと来てくれるだけでいいんだ、きちんと来てから先の話をしようと上長は優しく諭す。チームのみんなが心配して代わる代わる声をかけてくれる。分かってます、色々試行錯誤してて、上手くいきそうな途中なんです、新しい枕を伊勢丹で買ったんですよ、そんでアロマデュフューザーで快眠のやつ焚いてるんです、大丈夫です、大丈夫ですよ、頑張ります

産業医は鬱じゃないと言った、そうですちょっと生きづらくてホームシック引きずってるだけです、もともと根暗ロングスリーパーだし、朝は弱くて、生理痛胃痛もあってちょっとタイミングが悪いだけです。7時には目が覚めてるんです、頭に靄がかかってるだけで、上手くスイッチが切れたら始業に間に合います

温泉に入ってとり天が食べたいだけなんです、お願いです見捨てないで頑張ってみせるから失望しないで。

2021-06-27

人事権のない人事部

全国規模の弊社

定期異動は地域管轄する役員にお伺いをたて、排出希望を受け入れ希望を聞いて役員同士を調整するお仕事

ま、実際は役員同士で話がついてるんだけどね

それを辞令に変えて落とし込むだけの簡単お仕事

でも人事異動に関する文句人事部に来るんだぜ

自分キャリアパスがどうなっているか教えてほしい」って言われても

「知らんよ」とは答えられないので「上司相談の上で決めている」としか答えられない

実際は欠員が出たところに行き当たりばったりで埋めるだけ

あーつまんねぇ

2021-06-18

はてなやめるので10000ブクマ見返した+ブクマカの名(迷)言まとめた(7)

anond:20210618210607

社会編2

情けは人のためならず、だが他人に施すためには自分が、そして社会全体が豊かで余裕がなければ。自分社会全体がカツカツで生きてるのに他者を助けることは物理的にも心情的にも無理。だから経済成長は善なのだ。 - id:rider250

ブコメページ - サナギさんツイート: "ここは俺の日記帳 公務員になって最初辞令生活保護ケースワーカーに任命された時はショックだった 地方公務員がやりたがらない業務トップ常連だし、何より生活保護に良いイメージを抱いていなかった 某お笑い芸人の一件も記憶に新しかったし、当時は俺も生活保護バッシング同調していた"

専業主婦じゃなくても、旦那高収入じゃなくても、出産子育てができる環境にならないと少子化なんて改善されるわけがない。 - id:urakenism

ブコメページ - Yoko on Twitter: "違うな。「女性が最も安心して出産子育てができる環境」は、高福祉社会でしょう。 相手男性経済力なんて不安定過ぎる。百歩譲って「その女性自身が経済力があること」かもしれない。 https://t.co/aDpgJVprnP"

女性自己決定権があがると出産率は下がるんじゃないかと思う。だから女性が産みたくないなら産まなくて良いし、それで国が滅びるとしても仕方ない。誰かの犠牲の上に成り立つ社会などなくて良い - id:theatrical

ブコメページ - 子育ては命を削る」女性出産押し付ける人々に、出産育児実体験を持って反論「気絶した」「他人にはおすすめできない」 - Togetter

クチャ食いをマナー違反としない文化は意外と世界メジャーマナー自分を律するもので、他人強要する方が恥ずかしい。 - id:jaguarsan

ブコメページ - 蕎麦の啜り音がクチャラーと一緒…? - Togetter

自分自身にとっては十年前のことだが、この「なぜ自分は働くのだろう?」という問いを強要しつつ、じゃあ働きたくないという答えを許さない、都合の良い答えばかり求める就活というものが大嫌いだ - id:hakyu

ブコメページ - 就活生に送る!就活内定が出ない人の3つの特徴 - paiza開発日誌

欲を持てば足を引っ張られ、夢を語れ馬鹿にされ、やる気を出せば一方的搾取されるこんな世の中じゃ。 - id:inumash

ブコメページ - 正論】「欲ない、夢ない、やる気ない」……現代日本の最大の危機はこの「3Y」にある 作家堺屋太一(1/5ページ) - 産経ニュース

典型的日本人的考え方。完璧から大丈夫として、不測の事態に対する備えをしない。不測の事態想定外から起こること。最低限の備えは常にしなければならない。 - id:sisya

ブコメページ - 那須雪崩:「経験則から慢心…歩行訓練、3教諭決断 - 毎日新聞


続きます: anond:20210618211951

2021-05-08

真人間のふりをする

先日、少しだけ偉くなった。

辞令を出された時は完全に寝耳に水。きっとアホ面をしていたと思う。

マスクをしていたので助かった。

 

今の会社就職する前はニートだった。

派遣で完全に精神がやられたので、失業手当を貰いながら3ヶ月ほどダラダラとしていた。

元々派遣関係ないところで精神をやられていた上に、派遣先で完全に空回りしてしまい、孤立

まさか社会人になってまで便所飯するとは思うまい

次に働く場所では、不器用なりにうまく立ち回ろうと思った。

 

ハロワ仕事を探す際に、保険も兼ねて障害者雇用検討することになった。

当時病院に通っていたので、手帳の取得はすんなりといった。結局クローズ就職したので使わなかったのだが。

就活では真人間のふりをした。学生の頃から続けた接客業経験をフルに生かす。

 

晴れて就職が決まるものの、初日遅刻、3日目に休憩時間に外出したら車がエンストし戻れなくなる…などアンポンタンの極み。

果てには新人しからぬ上司への忖度の無さ。まさに傍若無人

よくクビにならなかったと思う。

 

そうして研修期間が終わってから、一番過酷な外の部署に配属された。

ただし自分にとって、客の対応は得意。

家では根暗、人と極力会おうとしないコミュ障っぷりだが、仕事ではスイッチが入ったように"演じる"ことができる。

人間性はともかく、業務で同じ失敗を極力しないように、メモだけは自分なりにまとめながら取った。

努めて真人間のふりをした。というか8割方愛嬌だけで乗り切った。

配属されて間もない頃、下請け会社の人に「いつもニコニコしてるね」と何度か言われることがあった。

「笑っとけばプラスになることが多いんですよ。気分も上がるし」とか返した気がする。

 

部署異動と人事評価でそれなりのものを経て、後輩の指導に当たることも増えた。

最近では色々と仕事を任されることもある中での辞令

何だかんだで仕事必要なのはコミュ力だと気付かされる。

未だに上司に対して指摘はするし(業務上のことも倫理的なことも)、我ながら可愛げのない人間である

プレッシャーにとても弱いので、期待されても何も出んぞと思いながら、今日真人間のふりをする。

2021-04-10

北支事變と陸戦法規

外交時報 第八十四巻』昭和十二年、外交時報社、pp.47-56

北支事變と陸戦法規

篠田治策

 明治四十年(千九百七年)十月十八日海牙に於いて調印せられたる開戦に關する條約第一條によれば、一國が他國と戦争を開始するには理由を附したる開戦宣言形式又は條件付附開戦宣言を含む最後通牒形式を有する明瞭且つ事前の通告をなすことを要す。故に現在北支及び上海方面於いて進展しつゝある日支両國の戦闘は、理論上之を日支戦争又は日支戦役と称すべきものに非ずして、事變即ち北支事變、又は上海事變と称すべきものである。我が政府公文にも新聞紙報道にも総べて事變の文字を用ゆるは之れが為めであると思はる。換言すれば宣戦の布告を見るまでは、戦争又は戦役と呼ばずして軍に事變と称し、両國間の國交は断絶せざるのである。之れを先例に徴するも、明治二十七・八年の清國との戦、明治三十七・八年の露國との戦、世界大戦参加による青島攻撃戦等は、之れを日清戦争(戦役とも称す以下同じ)、日露戦争日独戦争と称し、明治三十三年の義和団事件、近年に於ける済南出兵上海出兵満州出兵等は、総べて之れを事變と称したのである

 此の招呼は従来何よりて定まりしか詳知せざれども、現今に於いては確然明白に区別せらるるは、政府公文或は法規等にも「戦時事變に際し」云々等の文字を用ゆるも明らかである。故に日支両國の何れかより

<四七>

宣戦の布告若くは條件附開戦宣告を含む最後通牒あるまでは、如何に大部隊の衝突あるも未だ事變の域を脱せずと謂ふべきである。猶ほ八月二十三ワシントン發の同盟通信によれば、アメリカ國務長官コーデル・ハル氏は、今回の北支事變に際しては終始冷静な態度を持し形成注視しつつあつたが、二十三日午後聲明を發し、日支両國政府に対し「戦争行為に訴へぬよう」要請した由である二十三日は我が陸軍部隊上海附近上陸を開始した日である。即ちハル長官現在の日支両軍の戦闘行為を以て、未だ戦争に非ずと見て居るのである。然れども、我が政府最初宣言したる事件不拡大の方針余儀なく抛棄したるのみならず在外艦隊司令長官支那船舶に対し沿岸封鎖を断行し、支那も亦縷々大部隊を動員して攻撃的態度を採りつゝあるにより、或は近き将来に於いて事變を変じて戦争となるべき可能性ありと信ずるのである

 我が國の國内法に於いては事變と戦争区別せざる場合多く、例へば出征軍人の給奥、恩給年限の加算、叙勲に關する法規など総べて事變と戦争を同一に取扱ふも、國際法上にては事變と戦争は大なる差別がある。

 即ち現在の事變が変じて戦争となれば、日支両國は所謂交戦國隣、共に戦争放棄を遵奉する義務を生じ、同時に中立國に対しても交戦國としての権利と義務を生じ、中立國は皆交戦國に対して中立義務負担するに至るのである。語を換へて言へば事の事變たる間は必ずしも國際法規に拘泥するの必要なきも、一旦戦争となれば戦場於いて総べて國際放棄を遵守すべき義務を生ずるのである。然れども事變中と雖も正義人道に立脚して行動し、敵兵に対し残虐なる取扱を為し、良民に対し無益の戦禍を蒙らしむるが如きは努めて之れを避くべきは言を待たずである。此の點に關しては、皇軍は我國教育の普及と伝統武士道精神により、毎に正々堂々たる行為を以て範を世界に示しつゝあるは欣快である。嘗て済南事變の際支那兵が邦人

<四八>

対する残虐視るに忍びざる殺戮行為、今回の通州に於ける邦人虐殺行為等天人共に許さゞる野蛮行為に対しても、敢て報復の挙に出づることなく、飽くまで正々堂々唯だ敵の戦闘力を挫折するに留めたのみである。故に皇軍には戦場於いて事變と戦争区別する必要はない。何れの場合にも武士道精神に則り行動するが故に、戦争違反問題を生ずることは殆んど無いのである

 従来我が陸軍戦場於いて戦時國際法適用の万全を期せんが為目に戦時國際法の顧問として日清戦争には故有賀長雄博士を、日露戦争には第一軍乃至第四軍に何れも二人づつの國際法学者従軍せしめたのである日清戦役後仏國の國際法学者にして同國大審院検事長たるアルチュール・デジャルダン氏は日本軍の行動を激賞し左の如くに曰つた。

東洋の僻隅に大事業を成就すべき一國あり、之れを日本とす。其の進歩は単に戦争の術に止まらず、戦時公法理想於いて欧州をして驚嘆せしむるものあり。國際法論は欧州於いても漸を以て進みたるものなるに、日本は一躍して此の論理を自得したり。是れ果して高尚なる正義を感得したるに因るか將た又利害を商算したるに因るかは別論に属すと雖も、其の之れを寛行するや極めて勇壮にして、恰も自國の能力覚知する心念の中より適宜に之れを節抑するの嗜好を自然に生じたるものの如し。是れ人類一般利益として祝す可き所なり。

又仏國の國際法学者ポールフォーシル氏も、當時日本軍の行動を評して左の如く曰つた。

此の戦役に於いて日本は敵の万國公法無視せるに拘はらず、自ら之れを尊敬したり。日本軍隊は至仁至愛の思想を體し、常に慈悲を以て捕虜支那人を待遇し、敵の病症者を見ては未だ全て救護を拒ま

<四九>

ざりき。日本は尚ほ未だ千八百六十八年十二月十一日の聖比得堡宣言に加盟せずと雖も、無用苦痛を醸すべき兵器使用することを避け、又敢て抵抗せざる住民の身體財産保護することに頗る注意を加へたり。日本は孰れの他の國民も未だ會て為さゞる所を為せり。其の仁愛主義を行ふに熱心なる、遂に不幸なる敵地住民租税を免じ、無代償にて之れを給養するに至れり。兵馬倥偬の間に於いても人命を重んずること極めて厚く、凡そ生霊を救助するの策は擧げて行はざる無し。見るべし日本軍の通過する所必ず衛生法を守らしむるの規則を布きたるを、云々。

日清戦役にては敵軍は全然國際法を守らざるが故に、我軍にても之れを守るの義務無かりしも、然も四十餘年前に完全に之れを守つて先進國を驚嘆せしめた。日露戦役當時は海牙の平和條約調印後なりしが故に、陸戦法規を守るべき義務ありしも、尚ほ宣戦の詔勅中にも「國際法の範囲内に於いて一切の手段を盡し違算なからしむることを期せよ」と宣せられ、参謀総長は訓令を發して戦規遵奉の趣旨を周知せしめ、更に前期の如く各軍司令部に國際法顧問を配属せしめた。戦役中特別任務を以て米國派遣せられた法学博士男爵金子太郎氏が歸朝の後國際法学会にて為したる演説中に左の要旨の一説がある。

米國人は事實の真相調査せず、動もすれば國際法違反を称するを以て之れに対する材料蒐集中、新聞紙上にて我が第一軍乃至第四軍に國際公法専攻の学者二名宛を配属し、陸戦の法規解釈其の適用参謀部に於いて國際法専攻の学士協議せしめ、公法違反を生ぜしめざることを發見せり。是に於いて各種の集会に於ける演説或は新聞記者との会見に於いて余は毎に「米國人は國際公法提唱日本政府の決心は露國は大國なり腕力於いては或は露國は日本に勝るならん、貴國人が露西亞の聲を聞き戦慄す

<五〇>

る程の大國なれば、日本も恐れざるに非ず、然し國家の危急存亡に代えられざれば全滅を賭して最後の一人まで戦ふにあり、而して此の戦争日本が國際法を破りしことあらば世界歴史汚名を遺すが故に假令戦に敗るるも國際法は遵奉する決心にて現に此の如く専門学者が各軍に配属せられあり、故に余は日本軍に國際法違反無きを保證す」と説明せるに、此の説は次第に傅播して後には日本同情者が各所にて演説等をなす時、日本軍が國際公法家を二名づつ従軍せしめたる事實を述ぶる毎に非常に喝采を博したり。又エールハーバード等の米國國際法大家と会見せる際彼等は各國共に今度日本が外國との戦争に國際法学者従軍性せしめたる如き前例なし、将来日本の新例に倣ふべきことにして、右は一進歩を陸戦の法規に與へたるものなりとして大いに称賛したり。之れ實に日本陸軍の今回の處置は文明國の真價を世界に示したるものと謂ふべし。云々。

 世界大戦の時は、青島攻撃軍に嘗て筆者と共に日露戦役当時第三軍に在勤したる兵藤氏従軍したるを聞きしも、其の職名を詳かにせず。又浦鹽派遣軍には主として外交官をもつ組織したる政務部を置いた。此の政務部は主として外交方面事務従事したるも、亦國際公法適用に關して其の権威たりしは勿論である(筆者も數ヶ月間此の政務部に派遣されて居つた。)

 過去に於ける皇軍の行動は實に右の如く最も鮮かであり、所謂花も實もある武士的行動であつた。斯かる傳統的名誉を有する行軍の行動は今回の事變に際しても決して差異あるべき筈は無い。理論上事變は國際戦争に非ざるの故を以て、節制無き行動に出づるが如きは想像だに及ばざるところである

 唯だ、陸戦法規適用に關し、茲に疑問の生ずるは領土性質である。假りに之れを中華民國

<五一>

領土なりとせば、國交断絶を来さず単に事變たる間は、未だ之れを敵國領土と称するを得ざるが故に、出征軍は如何なる程度に其の権力行使すべきか、又南京政府官吏は既に逃亡し、地方民衆自ら自治政権樹立したりとせば、國家として列國の承認無きも、戦闘地域を其の領土として取り扱ふべきか等の問題である

 宣戦の布告により事變が變じて日支戦争となりたる場合於いて北支一帯が依然として中華民國の領土なりとせば、問題は至つて簡単にして、我軍は之れを支配して軍政施行治安を維持するのみである。然れども事變として繼續中及び新政府領土となりし場合には、其の地域行使すべき軍の権力に多少の差異あるべきは明らかである

 日露戦役の際は戦闘地域性質を異にする三種類の領土があつた。即ち樺太の如き完全なる敵國領土遼東半島及び東清鐡道沿線附属地の如き敵國の租借地と、満州一帯の如き第三國の領土があつた。樺太に關しては完全に我が占領軍権力行使したるは勿論なるも、租借地に關しては租借権其物の性質すら学者間に議論一定せず、如何なる原則に基きて之れを占領すべきかは問題であつた。筆者は遼東半島上陸直ちに此の問題に直面し、又間も無く着手したるダルニー(大連)の整理に際して実際問題に逢着した(拙著日露戦役國際公法第二章三章)。又当時諸國は局外中立宣言したるも、遼東以東は之れを除外し日露両國の戦場たらしめるが故に、所謂喧實奪主の観ありて、交戦國は任意に此の地域活動したるも、其の権力講師には純然たる敵地占領とは自ら異なるものがあつた。

 今回の北支事變に於いても、其の交戦地域領土性質曖昧なるに於いては、日露戦役当時の先例を参

<五二>

考にして之れに善処し、然も恩威併行、皇風をして六合に洽からしむるの用意あるを要す。

 従来北支方面は日・満・支に微妙なる關係を有し、外交政治に極めて複雑なる舞臺であり、事變の原因も一部は其処に在つた。故に平和克復の後は雨降って地固まり、明朗なる新天地を現出して再び颱雨の發生地たること無からしめねばならぬ。従って陸戦法規適用に当たりても緩急宜しきを制し、傍ら戦後政治工作に關する其の地均しの役目を引受lくるを必要と考へられる。固より事變であり、戦争であるに拘らず、我が武士道の精神と殆んど一致する陸戦法規は完全に適用せらるゝは疑ひなきも、其の間事に輕重あり、絶大の権力を有する軍司令官禁止事項の外は自由裁量余地あるかは明かである

 陸戦法規の條項を北支事情と敵軍の素質に対照して一々之れを論究するは、紙面の許さゞるところなるにより、筆者が茲に希望するところを一言に表示すれば、過去の二大戦役にて、克く陸戦法規を遵守して皇軍名誉を輝かしたる如く、此の事變に於いてもこの點に注意を拂ひ、更に占領住民に対しては軍律を厳重にし軍政に寛仁にすべしと謂ふのである

 凡そ遣外軍隊は一地方を占據すると同時に、軍隊安全作戦動作の便益を図るが為めに、無限権力を有するが故に、軍司令官は其の占據地域内に軍律を發布して住民に遵由するところを知らしめ、軍隊安全作戦動作の便益を害する者には厳罰を以て之れに蒞み、同時に一般安寧秩序を保持し良民をして安んじて其の生業従事せしめねばならぬ。固より戦闘に關係なき事項は其の地従来の法規により、其の地方官吏をしてその政務に当たらしめ、以て安寧秩序回復維持瀬しむるを便宜とするも、事苟も軍隊の安危に關するものは最も厳重に之れを取締らざる可からず。假令ば一人の間諜は或は全軍の死命を制し得べく、一條の

<五三>

軍用電線の切断は為めに戦勝の機を逸せしめ得るのである。故に軍司令官は此等の危害を豫防する手段として、其の有する無限権力を以て此等の犯罪者厳罰に處し、以て一般を警めねばならぬ。故に豫め禁止事項と其の制裁とを規定したる軍律を一般公布し、占據地内の住民に之れを周知せしむる必要がある。日清戦役の際は大本営より「占領人民處分令」を發布して一般に之れを適用した。日露戦役の際は統一的の軍律を發布せず、唯だ満州総司令官は鐡道保護に關する告諭を發したるのみにて各軍の自由に任せた。故に各軍區々に亘り第一軍にては軍律の成案ありしも之れを發布せず、単に主義方針として参考にするに止め、第二軍には成案なく、第三軍にては確定案を作成したるもの司令部より統一的軍律の發布あるを待ち遂に之れを公布するの機を失し、遼東守備軍は第三軍の軍律を参照して軍律を制定發布したりしが、後遼東兵站監は之れを改正して公布した。旅順要塞司令部特に詳細なる規定を發布し、旅順海軍鎮守府別に軍律を發布し、第四軍にては一旦之れを發布したるも後に之れを中止し、その他韓國駐剳軍、及び樺太軍は各々軍律を發布した。

 軍律に規定すべき條項は其の地方の状況によりて必ずしも劃一なるを必要とせざるも、大凡を左の所為ありたるもの死刑に處すると原則とすべきである

一、間諜を為し及び之れを幇助したる者

二、通信交通機關を破壊したる者

三、兵器弾薬其他の軍需物件を掠奪破壊したる者

四、敵兵を誘導し、又は之れを蔵匿したる者

<五四>

五、我が軍軍人故意に迷導したる者

六、一定軍服又は徴章を着せず、又は公然武器を執らずして我軍に抗敵する者(假令ば便衣隊の如き者)

七、軍隊飲料水を汚毒し、又軍用井戸水道破壊したる者

八、我が軍軍馬殺傷したる者

九、俘虜を奪取し或は逃走せしめ若くは隠匿したる者

十、職場於いて死傷者病者の所持品を掠奪したる者

十一、彼我軍隊の遺棄したる兵器弾薬其他の軍需品を破壊し又横領したる者

 而して此等の犯罪者を處罰するには必ず軍事裁判に附して其の判決に依らざるべからず。何となれば、殺伐なる戦地於いては動もすれば人命を輕んじ、惹いて良民冤罪を蒙らしむることがあるが為めである。軍律の適用は峻厳なるを以て、一面にては特に誤判無きを期せねばならぬ。而して其の裁判機関は軍司令官臨時に任命する判士を以て組織する軍事法廷にて可なりである

 帝國政府が屢々聲明する如く、我國は決して北支侵略して我が領土なすが如き意圖を有せざるも、今回の事變によりて北平天津地方より支那軍隊駆逐し、現に事實上その地方を占據し、戦局の進展に伴日、占據地域を拡大しつゝある。而して此の地方住民自治政権樹立したるとするも、我軍の支援無くしては一日も安定し得ざるは明かである。故に如何なる外交辞令を用ゆと雖も、此の地方一時的にもせよ事實上我軍の占領である。勿論日支両軍衝突の一時的現象に止まり永久に之れを占領するの意思無きが故に此

<五五>

占領は九國條約に牴觸するものに非ずと信ずる。

 我軍が一時的なりとも北支地方占領したる以上は、我軍は其の地方の人心を鎮撫して Permalink | 記事への反応(1) | 11:41

2021-04-05

転勤と地方分権

はてな界隈において、たまに話題に上がる「転勤したくないのに辞令が来た」「転勤したくないから辞める」の問題について考えてみた。

転勤とは、東京大阪などの大都市に勤めているエリート社員達を、人材に乏しい地方支社に「応援」として送り込むことだと思う。

大都市に勤めているエリート社員達にとってはたまったものではないかもしれない。

しか地方支社からすれば大都市の優秀な人材を受け入れることになる「恩恵」なんだよね。

地方支社を活性化するためには、人事制度を使って大都市人材を無理矢理にでも地方支社に送り込まなければならない。

ここで、表題に書いてある転勤と地方分権の関係である

地方分権は重要政策である」「地方分権はすぐにやるべきだ」と言っているはてな界隈の人たちに聞いてみたいことがある。

本気で地方分権を進めるということは、大都市に住んでいる都市住民を(半ば)無理矢理にでも強制的移住させる必要がある。

去年2020年に、東京本社機能を置いていたパソナグループという会社兵庫県淡路島本社移転させるというニュース話題になった。

これこそまさに地方分権の正しい在り方なんだろうけど、はてな界隈の人たちは歓迎していなかったように思えた。

島流しだ」とか「東京に家を買ってしまった」とか「もう辞める」とか非難轟々だった。

地方分権が本格的に始まったら、真っ先に身を切る改革を迫られるのは都市住民であることを分かっているのだろうか。

2021-03-22

菰田

以上のお話によって、郷田三郎と、明智小五郎との交渉、又は三郎の犯罪嗜好癖などについて、読者に呑み込んで頂いた上、さて、本題に戻って、東栄館という新築下宿屋で、郷田三郎がどんな楽しみを発見たかという点に、お話を進めることに致しましょう。

 三郎が東栄館の建築が出来上るのを待ち兼ねて、いの一番にそこへ引移ったのは、彼が明智交際を結んだ時分から一年以上もたっていました。随したがってあの「犯罪」の真似事にも、もう一向興味がなくなり、といって、外ほかにそれに代る様な事柄もなく、彼は毎日毎日の退屈な長々しい時間を、過し兼ねていました。東栄館に移った当座は、それでも、新しい友達が出来たりして、いくらか気がまぎれていましたけれど、人間というものは何と退屈極きわまる生物なのでしょう。どこへ行って見ても、同じ様な思想を同じ様な表情で、同じ様な言葉で、繰り返し繰り返し、発表し合っているに過ぎないのです。折角せっかく下宿屋を替えて、新しい人達に接して見ても、一週間たつかたたない内に、彼は又しても底知れぬ倦怠けんたいの中に沈み込んで了うのでした。

 そうして、東栄館に移って十日ばかりたったある日のことです。退屈の余り、彼はふと妙な事を考えつきました。

 彼の部屋には、――それは二階にあったのですが――安っぽい床とこの間まの傍に、一間の押入がついていて、その内部は、鴨居かもいと敷居との丁度中程に、押入れ一杯の巌丈がんじょうな棚があって、上下二段に分れているのです。彼はその下段の方に数個の行李こうりを納め、上段には蒲団をのせることにしていましたが、一々そこから蒲団を取出して、部屋の真中へ敷く代りに、始終棚の上に寝台ベッドの様に蒲団を重ねて置いて、眠くなったらそこへ上って寝ることにしたらどうだろう。彼はそんなことを考えたのです。これが今迄いままでの下宿屋であったら、仮令たとえ押入れの中に同じような棚があっても、壁がひどく汚れていたり、天井蜘蛛もの巣が張っていたりして、一寸その中へ寝る気にはならなかったのでしょうが、ここの押入れは、新築早々のことですから、非常に綺麗きれいで、天井も真白なれば、黄色く塗った滑かな壁にも、しみ一つ出来てはいませんし、そして全体の感じが、棚の作り方にもよるのでしょうが何となく船の中の寝台に似ていて、妙に、一度そこへ寝て見たい様な誘惑を感じさえするのです。

 そこで、彼は早速さっそくその晩から押入れの中へ寝ることを始めました。この下宿は、部屋毎に内部から戸締りの出来る様になっていて、女中などが無断で這入はいって来る様なこともなく、彼は安心してこの奇行を続けることが出来るのでした。さてそこへ寝て見ますと、予期以上に感じがいいのです。四枚の蒲団を積み重ね、その上にフワリと寝転んで、目の上二尺ばかりの所に迫っている天井を眺める心持は、一寸異様な味あじわいのあるものです。襖ふすまをピッシャリ締め切って、その隙間から洩れて来る糸の様な電気の光を見ていますと、何だかこう自分探偵小説中の人物にでもなった様な気がして、愉快ですし、又それを細目に開けて、そこから自分自身の部屋を、泥棒他人の部屋をでも覗く様な気持で、色々の激情的な場面を想像しながら、眺めるのも、興味がありました。時によると、彼は昼間から押入に這入り込んで、一間と三尺の長方形の箱の様な中で、大好物煙草をプカリカリとふかしながら、取りとめもない妄想に耽ることもありました。そんな時には、締切った襖の隙間から、押入れの中で火事でも始ったのではないかと思われる程、夥しい白煙が洩れているのでした。

 ところが、この奇行を二三日続ける間に、彼は又しても、妙なことに気がついたのです。飽きっぽい彼は、三日目あたりになると、もう押入れの寝台ベッドには興味がなくなって、所在なさに、そこの壁や、寝ながら手の届く天井板に、落書きなどしていましたが、ふと気がつくと、丁度頭の上の一枚の天井板が、釘を打ち忘れたのか、なんだかフカフカと動く様なのです。どうしたのだろうと思って、手で突っぱって持上げて見ますと、なんなく上の方へ外はずれることは外れるのですが、妙なことには、その手を離すと、釘づけにした箇所は一つもないのに、まるでバネ仕掛けの様に、元々通りになって了います。どうやら、何者かが上から圧おさえつけている様な手ごたえなのです。

 はてな、ひょっとしたら、丁度この天井板の上に、何か生物が、例えば大きな青大将あおだいしょうか何かがいるのではあるまいかと、三郎は俄にわかに気味が悪くなって来ましたが、そのまま逃げ出すのも残念なものですから、なおも手で押し試みて見ますと、ズッシリと、重い手ごたえを感じるばかりでなく、天井板を動かす度に、その上で何だかゴロゴロと鈍い音がするではありませんか。愈々いよいよ変です。そこで彼は思切って、力まかせにその天井板をはね除のけて見ますと、すると、その途端、ガラガラという音がして、上から何かが落ちて来ました。彼は咄嗟とっさの場合ハッと片傍かたわきへ飛びのいたからよかったものの、若もしそうでなかったら、その物体に打たれて大怪我おおけがをしている所でした。

「ナアンダ、つまらない」

 ところが、その落ちて来た品物を見ますと、何か変ったものでもあればよいがと、少からず期待していた彼は、余りのことに呆あきれて了いました。それは、漬物石つけものいしを小さくした様な、ただの石塊いしころに過ぎないのでした。よく考えて見れば、別に不思議でも何でもありません。電燈工夫が天井裏へもぐる通路にと、天井板を一枚丈け態わざと外して、そこからねずみなどが押入れに這入はいらぬ様に石塊で重しがしてあったのです。

 それは如何いかにも飛んだ喜劇でした。でも、その喜劇が機縁となって、郷田三郎は、あるすばらしい楽みを発見することになったのです。

 彼は暫しばらくの間、自分の頭の上に開いている、洞穴ほらあなの入口とでも云った感じのする、その天井の穴を眺めていましたが、ふと、持前もちまえの好奇心から、一体天井裏というものはどんな風になっているのだろうと、恐る恐る、その穴に首を入れて、四方あたりを見廻しました。それは丁度朝の事で、屋根の上にはもう陽が照りつけていると見え、方々の隙間から沢山の細い光線が、まるで大小無数の探照燈を照してでもいる様に、屋根裏の空洞へさし込んでいて、そこは存外明るいのです。

 先まず目につくのは、縦に、長々と横よこたえられた、太い、曲りくねった、大蛇の様な棟木むなぎです。明るいといっても屋根裏のことで、そう遠くまでは見通しが利かないのと、それに、細長い下宿屋の建物ですから、実際長い棟木でもあったのですが、それが向うの方は霞んで見える程、遠く遠く連つらなっている様に思われます。そして、その棟木と直角に、これは大蛇肋骨あばらに当る沢山の梁はりが両側へ、屋根の傾斜に沿ってニョキニョキと突き出ています。それ丈けでも随分雄大景色ですが、その上、天井を支える為に、梁から無数の細い棒が下っていて、それが、まるで鐘乳洞しょうにゅうどうの内部を見る様な感じを起させます

「これは素敵だ」

 一応屋根裏を見廻してから、三郎は思わずそう呟つぶやくのでした。病的な彼は、世間普通の興味にはひきつけられないで、常人には下らなく見える様な、こうした事物に、却かえって、云い知れぬ魅力を覚えるのです。

 その日から、彼の「屋根裏の散歩」が始まりました。夜となく昼となく、暇さえあれば、彼は泥坊猫の様に跫音あしおとを盗んで、棟木や梁の上を伝い歩くのです。幸さいわいなことには、建てたばかりの家ですから屋根裏につき物の蜘蛛の巣もなければ、煤すすや埃ほこりもまだ少しも溜っていず、鼠の汚したあとさえありません。それ故ゆえ着物や手足の汚くなる心配はないのです。彼はシャツ一枚になって、思うがままに屋根裏を跳梁ちょうりょうしました。時候も丁度春のことで、屋根裏だからといって、さして暑くも寒くもないのです。

 東栄館の建物は、下宿屋などにはよくある、中央まんなかに庭を囲んで、そのまわりに、桝型ますがたに、部屋が並んでいる様な作り方でしたから、随って屋根裏も、ずっとその形に続いていて、行止ゆきまりというものがありません。彼の部屋の天井から出発して、グルッと一廻りしますと、又元の彼の部屋の上まで帰って来る様になっています

 下の部屋部屋には、さも厳重に壁で仕切りが出来ていて、その出入口には締りをする為の金具まで取りつけているのに、一度天井裏に上って見ますと、これは又何という開放的な有様でしょう。誰の部屋の上を歩き廻ろうと、自由自在なのです。若し、その気があれば、三郎の部屋のと同じ様な、石塊の重しのしてある箇所が所々にあるのですから、そこから他人の部屋へ忍込んで、窃盗を働くことも出来ます廊下を通って、それをするのは、今も云う様に、桝型の建物の各方面に人目があるばかりでなく、いつ何時なんどき他の止宿人ししゅくにんや女中などが通り合わさないとも限りませんから、非常に危険ですけれど、天井裏の通路からでは、絶対にその危険がありません。

 それから又、ここでは、他人秘密を隙見することも、勝手次第なのです。新築と云っても、下宿屋の安普請やすぶしんのことですから天井には到る所に隙間があります。――部屋の中にいては気が附きませんけれど、暗い屋根からますと、その隙間が意外に大きいのに一驚いっきょうを喫きっします――稀には、節穴さえもあるのです。

 この、屋根裏という屈指の舞台発見しますと、郷田三郎の頭には、いつのまにか忘れて了っていた、あの犯罪嗜好癖が又ムラムラと湧き上って来るのでした。この舞台でならば、あの当時試みたそれよりも、もっともっと刺戟の強い、「犯罪の真似事」が出来るに相違ない。そう思うと、彼はもう嬉しくて耐たまらないのです。どうしてまあ、こんな手近な所に、こんな面白い興味があるのを、今日まで気附かないでいたのでしょう。魔物の様に暗闇の世界を歩き廻って、二十人に近い東栄館の二階中の止宿人の秘密を、次から次へと隙見して行く、そのこと丈けでも、三郎はもう十分愉快なのです。そして、久方振りで、生き甲斐を感じさえするのです。

 彼は又、この「屋根裏の散歩」を、いやが上にも興深くするために、先ず、身支度からして、さも本物の犯罪人らしく装うことを忘れませんでした。ピッタリ身についた、濃い茶色の毛織のシャツ、同じズボン下――なろうことなら、昔活動写真で見た、女賊プロテアの様に、真黒なシャツを着たかったのですけれど、生憎あいくそんなものは持合せていないので、まあ我慢することにして――足袋たびを穿はき、手袋をはめ――天井裏は、皆荒削あらけずりの木材ばかりで、指紋の残る心配などは殆どないのですが――そして手にはピストルが……欲しくても、それもないので、懐中電燈を持つことにしました。

 夜更けなど、昼とは違って、洩れて来る光線の量が極く僅かなので、一寸先も見分けられぬ闇の中を、少しも物音を立てない様に注意しながら、その姿で、ソロソロリと、棟木の上を伝っていますと、何かこう、自分が蛇にでもなって、太い木の幹を這い廻っている様な気持がして、我ながら妙に凄くなって来ます。でも、その凄さが、何の因果か、彼にはゾクゾクする程嬉しいのです。

 こうして、数日、彼は有頂天になって、「屋根裏の散歩」を続けました。その間には、予期にたがわず、色々と彼を喜ばせる様な出来事があって、それを記しるす丈けでも、十分一篇の小説が出来上る程ですが、この物語の本題には直接関係のない事柄ですから、残念ながら、端折はしょって、ごく簡単に二三の例をお話するに止とどめましょう。

 天井からの隙見というものが、どれ程異様な興味のあるものだかは、実際やって見た人でなければ、恐らく想像も出来ますまい。仮令、その下に別段事件が起っていなくても、誰も見ているものがないと信じて、その本性をさらけ出した人間というものを観察すること丈けで、十分面白いのです。よく注意して見ますと、ある人々は、その側に他人のいるときと、ひとりきりの時とでは、立居ふるまいは勿論もちろん、その顔の相好そうごうまでが、まるで変るものだということを発見して、彼は少なからず驚きました。それに、平常ふだん、横から同じ水平線で見るのと違って、真上から見下すのですから、この、目の角度の相違によって、あたり前の座敷が、随分異様な景色に感じられます人間は頭のてっぺんや両肩が、本箱、机、箪笥たんす、火鉢などは、その上方の面丈けが、主として目に映ります。そして、壁というものは、殆ど見えないで、その代りに、凡ての品物のバックには、畳が一杯に拡っているのです。

 何事がなくても、こうした興味がある上に、そこには、往々おうおうにして、滑稽こっけいな、悲惨な、或は物凄い光景が、展開されています。平常過激反資本主義議論を吐いている会社員が、誰も見ていない所では、貰もらったばかりの昇給辞令を、折鞄おりかばから出したり、しまったり、幾度も幾度も、飽かず打眺うちながめて喜んでいる光景ゾロリとしたお召めし着物不断着ふだんぎにして、果敢はかない豪奢振ごうしゃぶりを示している、ある相場師が、いざ床とこにつく時には、その、昼間はさも無雑作むぞうさに着こなしていた着物を、女の様に、丁寧に畳んで、床の下へ敷くばかりか、しみでもついたのと見えて、それを丹念に口で嘗なめて――お召などの小さな汚れは、口で嘗めとるのが一番いいのだといいます――一種クリーニングをやっている光景、何々大学野球選手だというニキビ面の青年が、運動家にも似合わない臆病さを以て、女中への附文つけぶみを、食べて了った夕飯のお膳の上へ、のせて見たり、思い返して、引込めて見たり、又のせて見たり、モジモジと同じことを繰返している光景、中には、大胆にも、淫売婦(?)を引入れて、茲ここに書くことを憚はばかる様な、すさまじい狂態を演じている光景さえも、誰憚らず、見たい丈け見ることが出来るのです。

 三郎は又、止宿人と止宿人との、感情葛藤かっとうを研究することに、興味を持ちました。同じ人間が、相手によって、様々に態度を換えて行く有様、今の先まで、笑顔で話し合っていた相手を、隣の部屋へ来ては、まるで不倶戴天ふぐたいてんの仇あだででもある様に罵ののしっている者もあれば、蝙蝠こうもりの様に、どちらへ行っても、都合のいいお座なりを云って、蔭でペロリと舌を出している者もあります。そして、それが女の止宿人――東栄館の二階には一人の女画学生がいたのです――になると一層興味があります。「恋の三角関係」どころではありません。五角六角と、複雑した関係が、手に取る様に見えるばかりか、競争者達の誰れも知らない、本人の真意が、局外者の「屋根裏の散歩者」に丈け、ハッキリと分るではありませんか。お伽噺とぎばなしに隠かくれ蓑みのというものがありますが、天井裏の三郎は、云わばその隠れ蓑を着ているも同然なのです。

 若しその上、他人の部屋の天井板をはがして、そこへ忍び込み、色々ないたずらをやることが出来たら、一層面白かったでしょうが、三郎には、その勇気がありませんでした。そこには、三間に一箇所位の割合で、三郎の部屋のと同様に、石塊いしころで重しをした抜け道があるのですから、忍び込むのは造作もありませんけれど、いつ部屋の主が帰って来るか知れませんし、そうでなくとも、窓は皆、透明なガラス障子しょうじになっていますから、外から見つけられる危険もあり、それに、天井板をめくって押入れの中へ下り、襖をあけて部屋に這入り、又押入れの棚へよじ上って、元の屋根裏へ帰る、その間には、どうかして物音を立てないとは限りません。それを廊下や隣室から気附かれたら、もうおしまいなのです。

 さて、ある夜更けのことでした。三郎は、一巡ひとまわり「散歩」を済ませて、自分の部屋へ帰る為に、梁から梁を伝っていましたが、彼の部屋とは、庭を隔てて、丁度向い側になっている棟の、一方の隅の天井に、ふと、これまで気のつかなかった、幽かすかな隙間を発見しました。径二寸ばかりの雲形をして、糸よりも細い光線が洩れているのです。なんだろうと思って、彼はソッと懐中電燈を点ともして、検しらべて見ますと、それは可也かなり大きな木の節で、半分以上まわりの板から離れているのですが、あとの半分で、やっとつながり、危く節穴になるのを免れたものでした。一寸爪の先でこじさえすれば、何なく離れて了い相なのです。そこで、三郎は外ほかの隙間から下を見て、部屋の主が已すでに寝ていることを確めた上、音のしない様に注意しながら、長い間かかって、とうとうそれをはがして了いました。都合のいいことには、はがした後の節穴が、杯さかずき形に下側が狭くなっていますので、その木の節を元々通りつめてさえ置けば、下へ落ちる様なことはなく、そこにこんな大きな覗き穴があるのを、誰にも気附かれずに済むのです。

 これはうまい工合ぐあいだと思いながら、その節穴から下を覗いて見ますと、外の隙間の様に、縦には長くても、幅はせいぜい一分ぶ内外の不自由なのと違って、下側の狭い方でも直径一寸以上はあるのですから、部屋の全景が、楽々と見渡せます。そこで三郎は思わず道草を食って、その部屋を眺めたことですが、それは偶然にも、東栄館の止宿人の内で、三郎の一番虫の好かぬ、遠藤えんどうという歯科医学校卒業生で、目下はどっかの歯医者助手を勤めている男の部屋でした。その遠藤が、いやにのっぺりした虫唾むしずの走る様な顔を、一層のっぺりさせて、すぐ目の下に寝ているのでした。馬鹿几帳面きちょうめんな男と見えて、部屋の中は、他のどの止宿人のそれにもまして、キチンと整頓せいとんしています。机の上の文房具位置、本箱の中の書物の並べ方、蒲団の敷き方、枕許まくらもとに置き並べた、舶来物でもあるのか、見なれぬ形の目醒めざまし時計漆器しっきの巻煙草まきたばこ入れ、色硝子いろがらすの灰皿、何いずれを見ても、それらの品物の主人公が、世にも綺麗きれい好きな、重箱の隅を楊子ようじでほじくる様な神経家であることを証拠立てています。又遠藤自身の寝姿も、実に行儀がいいのです。ただ、それらの光景にそぐわぬのは、彼が大きな口を開あいて、雷の様に鼾いびきかいていることでした。

 三郎は、何か汚いものでも見る様に、眉をしかめて、遠藤の寝顔を眺めました。彼の顔は、綺麗といえば綺麗です。成程彼自身で吹聴ふいちょうする通り、女などには好かれる顔かも知れません。併し、何という間延びな、長々とした顔の造作でしょう。濃い頭髪、顔全体が長い割には、変に狭い富士ふじびたい、短い眉、細い目、始終笑っている様な目尻の皺しわ、長い鼻、そして異様に大ぶりな口。三郎はこの口がどうにも気に入らないのでした。鼻の下の所から段を為なして、上顎うわあごと下顎とが、オンモリと前方へせり出し、その部分一杯に、青白い顔と妙な対照を示して、大きな紫色の唇が開いています。そして、肥厚性鼻炎ひこうせいびえんででもあるのか、始終鼻を詰つまらせ、その大きな口をポカンと開けて呼吸をしているのです。寝ていて、鼾をかくのも、やっぱり鼻の病気のせいなのでしょう。

 三郎は、いつでもこの遠藤の顔を見さえすれば、何だかこう背中がムズムズして来て、彼ののっぺりした頬っぺたを、いきなり殴なぐりつけてやり度たい様な気持になるのでした。

 そうして、遠藤の寝顔を見ている内に、三郎はふと妙なことを考えました。それは、その節穴から唾つばをはけば、丁度遠藤の大きく開いた口の中へ、うまく這入りはしないかということでした。なぜなら、彼の口は、まるで誂あつらえでもした様に、節穴の真下の所にあったからです。三郎は物好きにも、股引ももひきの下に穿いていた、猿股さるまたの紐を抜出して、それを節穴の上に垂直に垂らし、片目を紐にくっつけて、丁度銃の照準でも定める様に、試して見ますと、不思議な偶然です。紐と節穴と、遠藤の口とが、全く一点に見えるのです。つまり節穴から唾を吐けば、必ず彼の口へ落ちるに相違ないことが分ったのです。

 併し、まさかほんとうに唾を吐きかける訳にも行きませんので、三郎は、節穴を元の通りに埋うずめて置いて、立去ろうとしましたが、其時そのとき、不意に、チラリとある恐しい考えが、彼の頭に閃きました。彼は思わず屋根裏の暗闇の中で、真青になって、ブルブルと震えました。それは実に、何の恨うらみもない遠藤殺害するという考えだったのです。

 彼は遠藤に対して何の恨みもないばかりか、まだ知り合いになってから半月もたってはいないのでした。それも、偶然二人の引越しが同じ日だったものですから、それを縁に、二三度部屋を訪ね合ったばかりで別に深い交渉がある訳ではないのです。では、何故なにゆえその遠藤を、殺そうなどと考えたかといいますと、今も云う様に、彼の容貌言動が、殴りつけたい程虫が好かぬということも、多少は手伝っていましたけれど、三郎のこの考かんがえの主たる動機は、相手人物にあるのではなくて、ただ殺人行為のものの興味にあったのです。先からお話して来た通り、三郎の精神状態は非常に変態的で、犯罪嗜好癖ともいうべき病気を持ってい、その犯罪の中でも彼が最も魅力を感じたのは殺人罪なのですから、こうした考えの起るのも決して偶然ではないのです。ただ今までは、仮令屡々しばしば殺意を生ずることがあっても、罪の発覚を恐れて、一度も実行しようなどと思ったことがないばかりなのです。

 ところが、今遠藤場合は、全然疑うたがいを受けないで、発覚の憂うれいなしに、殺人が行われ相そうに思われます。我身に危険さえなければ、仮令相手が見ず知らずの人間であろうと、三郎はそんなことを顧慮こりょするのではありません。寧むしろ、その殺人行為が、残虐であればある程、彼の異常な慾望は、一層満足させられるのでした。それでは、何故遠藤に限って、殺人罪が発覚しない――少くとも三郎がそう信じていたか――といいますと、それには、次の様な事情があったのです。

 東栄館へ引越して四五日たった時分でした。三郎は懇意こんいになったばかりの、ある同宿者と、近所のカフェへ出掛けたことがあります。その時同じカフェ遠藤も来ていて、三人が一つテーブルへ寄って酒を――尤もっとも酒の嫌いな三郎はコーヒーでしたけれど――飲んだりして、三人とも大分いい心持になって、連立つれだって下宿へ帰ったのですが、少しの酒に酔っぱらった遠藤は、「まあ僕の部屋へ来て下さい」と無理に二人を、彼の部屋へ引ぱり込みました。遠藤は独ひとりではしゃいで、夜が更けているのも構わず女中を呼んでお茶を入れさせたりして、カフェから持越しの惚気話のろけばなしを繰返すのでした。――三郎が彼を嫌い出したのは、その晩からです――その時、遠藤は、真赤に充血した脣くちびるをペロペロと嘗め廻しながら

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