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2024-03-15

ここ一年間でプレイしたオープンワールドゲーム評価

前回:ここ一年間でプレイしたオープンワールドゲームの評価

スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ

オンラインCo-op専用のライブサービスルーターシューター。一人でやるゲームではない。一人でやったが。

スパイダーマンマップシナリオ10倍くらいに薄めて、あちこちで湧く雑魚敵を延々と倒していくだけのゲームにした感じ。

動きはもっさりしているが、壁を駆け上がったりなどの自由度や、シューターとしてのアクション性は高い。

四人チームで操作キャラを切り替えることができるが、一人でプレイしているときでも他の三人がオートで動くのはとても良かった。

「せっかくチームなのに単独行動になってしまう」というゴッサムナイツに感じていた不満を解消してくれた点だけは称賛したい。

でも次はジャスティスリーグのほうを操作するゲームを作ってくれ。シングルプレイでな。

スカル・アンド・ボーンズ

オンラインCo-op専用のライブサービス海戦ゲーム。一人でやるゲームではない。一人でやったが。

海のグラフィックは綺麗だし、自分の船を自由に駆る楽しさは確かにあるが、とにかく内容が薄い。

ライブサービス」を名乗ってはいるが、その実態は完成形をうすーく切って、小出しにしているだけである

海戦メインと割り切っているのかゲームプレイの幅が狭く、探検要素や交易要素を期待するとがっかりする。

フィールドが狭い。ほとんどの街に入れない。現時点では船種や装備が少なくてカスタマイズも物足りない。

これから買うとしたら全てのアップデート完了するまで待ったほうがいいのではないか

シングルプレイ用に作り込めばどれだけ面白くなったか…と残念に思う。

スースクとあわせて「オンライン専用」「ライブサービス型」というのがどれほど足枷になるかを痛感した。

Marvel's Spider-Man 2

感想別に書いた。

なぜ「Marvel's Spider-Man 2」は失敗したのか

アウターワールド:スペーサーズチョイス エディション

宇宙Fallout

移動の自由度は低く、オープンワールドとしては前世代的なつくり。

それ以外は平均点で、全体として卒なくまとまっており、飽きずにラストまで辿り着けた。

またぞろディストピアSFか、とは思ってしまったし、気持ち悪いアートワークもあまり好みではないが。

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム

ウルトラハンド面白さをゼルダというフォーマットでは活かしきれないというか、

初見で「ウルトラハンドすげえ!いろいろ出来るじゃん!」と期待したほどいろいろ出来なかったというか、

このシステムならぶっちゃけ完全にクラフトゲームにしたほうが面白くね?と思ってしまったな。

要素が増えたせいで操作がかなり煩雑になっているし、それが「自由度」よりは「縛り」に感じた。

まあブレワイ・ティアキンって結局はオープンワールドに大量にミニゲームを散りばめているだけで、

それが任天堂クオリティで完成度が高すぎるから成り立ってるにすぎないんだよな。

オープンワールドとしては自分が望む方向性ではない。

シャドウ・オブ・ウォー

指輪物語』の世界観ベースにアサクリと無双を足して2で割ったようなゲーム

システム的にはハクスラなのでスースクと似ているが、遥かに出来が良くて爽快感がある。

高速で走りまわり、城壁を駆け上がり、物陰に隠れ、さまざまな攻撃手段で敵を圧倒する。

ステルスで一匹ずつ倒すこともできるし、オークの大群を相手に大立ち回りもできる。

似たような敵をひたすら倒し続ける作業ゲーになりがちなところで、敵に個性を持たせるシステム面白い。

ただ、ストーリーに興味が湧かないせいか途中で止まってしまった。続きをやりたい気持ちはある。

Marvel's Spider-Man Remastered

2の前座としてやってみたが、シリーズの一作目として足りないところはあるものの、順当に面白かった。

ここから進化方向性を間違えたなあ。

アバターフロンティア・オブ・パンドラ

Ubisoftはやはりオープンワールドの作り方を知っている(スカボンから目を逸らしながら)。

映画アバター』のゲーム化。

身体能力の高いナヴィを操って(不気味な極彩色の)大自然を駆けまわり、さら翼竜に乗って自由に空を舞えるのが魅力。

戦闘はかなりクセがあり、敵が強すぎて正面から撃ち合うとまず負けるので、敵の多い基地では高難度ステルスを強いられる(それはそれで面白いが)。

あとはUIデザインが酷くて、メニューまわりは何だか古くさくてダサいし、説明文などもわかりづらい。

サブクエで「〇〇を××しろ」と言われても、どこに行って何をすればいいかからない、という事態が頻発する。

良い部分と悪い部分がはっきりした尖ったゲームではあった。

アサシン クリード ミラージュ

こういうのでいいんだよという順当な面白さ。

どちらかというと変則的な前作ヴァルハラのほうが個人的には好みだったが、今作ミラージュスタンダードな作りも悪くない。

どの入口からでも、どういう順路でも、どんな手段を使ってもいいので目標を達成する、という自由度が、

アサクリの、ひいてはオープンワールドの魅力であって、今作はその面白さをシンプルに実現できている。

もちろん、実際のところは「複数の順路を用意してプレイヤーに選ばせている」だけだったりするので、まだまだ改善余地はあるのだが。

前作のショボい悪役が今回の主人公なのでぜんぜん魅力を感じないのが最大の短所

サイバーパンク2077:仮初めの自由

このDLCのために本編から新しくやりなおしたが、いま一度言おう、神ゲーである

DLCのメインシナリオ部分はややリニア感が強かったものの、全体としては非常に満足できる。

やはりサイパンシナリオの良さは群を抜いている。

ひとつひとつのサブクエストが短編小説のように気が利いていて決してミニゲーム的ではなく、

選択肢の場面ではお定まりではない決断を迫られる。

そこにアクション自由度も加わるのだからまさに最強である

とはいえサイパンは現時点での最高到達点ではあるが、限界値でも完成形でもないということは言える。

さらなる自由度を追求した新たなゲームの登場に期待したい。

さしあたってはRise of the Roninドラゴンズドグマ2が楽しみである

2024-02-10

夢日記

1、部屋で子猫が腕にしがみついてくる。

あたためた牛乳を与える。

 

2、野外。総合運動公園的な。小さな丘の上で下を見ている。下には人に混じって様々な野鳥動物が居る。1羽の羽のきれいな鳥が駆け回っていたが、他の鳥の集団に囲まれてつつかれ絶命したようだった。周囲の鳥たちはその羽根をくちばしで毟っている。自分は下に降りてその鳥の遺骸に近付き尾羽根を毟り取った。灰褐色ふわふわした短い羽毛と極彩色の長い尾羽根が手に入った。

 

3、高架を横のビルか何かから眺めているアングル電車が居るが、高架の終点を突き破り引っ掛かっており、先頭車両は手のひらのようなものに乗り上げている。オランダの、鯨の尻尾銅像電車が乗り上げた事故シーンに近いが、夢の中の高架の方が3倍ほど高い。その電車の脇から人間が現れる。なぜか人間は出現時に電車の側面側を地表として接地しており、実際の地面に向き合っている。(目線としては屋上から下を覗いている様な状態)そして次の瞬間下に落ちていく。それが何度も繰り返される。位相ズレというか角度設定ミスというか。

2024-01-03

AI絵かどうかすぐわかる

AI絵はすごく精密で極彩色で一目でズカンとくる

そしてそれだけ

テーマや伝えたいものフェチズムがない

まりインパクトだけ

生クリームな汚されたパンケーキと同じ

純粋に不味くて汚い

2021-12-19

[]PS4 魔女と百騎兵

30hぴったりでクリア

プレイ時間みえるのはやっぱりいいな

ゴッド・オブ・ウォーと同じ時間かーなんかゲームってなんだろと考えてしまうな・・・

前評判通り

ハクスラ部分はよかったが、シリーズの肝であるキャラストーリーダメダメ

1は、ストーリーもっとみたい!短すぎ!と思ったけど、

2は常に「はやくこの茶番劇おわらんかな・・・」という感じ

しかも毎度やけに長いんだよなあ・・・

敵も味方も中身のないことをすげーダラダラしゃべる

あとゲームバランスも悪くなってる

ボスが硬すぎ

雑魚も適性のない武器だとほぼノーダメなのうざい

あと近づくと逃げる敵がクソうざい

ダンジョン前評判どおり、基本森マップだけ

マップにいろんなエフェクトかけたりしてるだけ

しかパターンの決まったランダムマップ

どこまでいっても見覚えある構造が出てくる

画面が極彩色でチカチカするせいで、敵の攻撃とか宝箱がよく見えないから、森で宝箱探すのはやめたほうがいい

あとで砂漠?っぽのとか砂の洞窟あって、そこは背景が簡素から宝箱とかすげー見やすくてハクスラはかどる

エンディングまさかガレリアエンド先取りでびっくりしたわ

最後ちょっとストーリー凝ってましたよ原作意識してますよ感だしてたけど、いくらなんでもいきなりすぎだし

それ以外の整合性とか設定が甘いんだよなあ

拠点エレベーターゴミだし

アプデでエレベーターの昇降アニメカット入れるくらいなら最初からやるなよと

店とか魔女嘆願は形だけで作中ふれられることはまったくないし、ピラーもただのファストトラベルセーブ場所に堕してるし

とりあえずこの機能いるからおいとこう的な雑さ

世界観にのっかるならそこらへんも整合性かんがえといてほしかったわ

あとさんざんいわれてるけど主人公アマリエがうざすぎる

最後らへんで嘘ばれてこれでおわるかなと思ったら最後最後でまたうざさが爆発してて、なんやこいつ・・とほんとに呆れ果てたわ

あとエリア移動やら拠点に戻るときロードが長いのが気になった

TIPSごまかしてるけど、相当ながい

大したグラフィックでもない、PS3かそれ以下のレベルなのになんでこんな長いの?

長いのが気になったシーンとして、

拠点からファストトラベルロード→ファストトラベル先で、すぐそばにあるエリア移動ラインを超える→ロード

ってやることが多いんだけど、無駄ロードしてんなあと常に思う

前作はもとがps3だったのもあったけど今回最初からps4なんだから最適化しとけよなー

戦場のヴァルキュリアはps4リマスターロードはやくなってたけど、ps4のスペックでもロードなげえってのは相当だぞ

最後スタッフロール流れる一枚絵も、5分くらいに感じたけど、イラストが全部で5まいくらしかなくて、1分くらい同じイラスト表示されてて、長すぎだろ・・と思ったわ・・・

こんなとこでもコストカットするんかと・・・

あと気になったのは丸ボタンぽちぽちで読み進めるパートで、反応のラグがあるんだよなちょいちょい

押したけど画面の中で次のセリフいかない、みたいな

セリフ再生アニメーションの演出でごたついてる感じがするけど目パチ口パクとせいぜい左右にスライドする程度なのに、なんでこんなにレスポンス悪いんだよ

やって後悔はしてないけど、酷評もわかるし、二度とやることはないわ

攻略メモ

クリアだけなら、という前提

レジェンドトンカチを少しでも早く手に入れる

そんでATK強化を全部それにぶちこむ

防具もレジェンドをなんでもいいので1個手に入れる

そんでHPアップを全部それにぶちこむ

それをやれば、稼ぎをしなくてもラスボスあたりでATK3kくらいいく

ファセットは基本パワーフォートレス

そんだけ

クリア後のやりこみ要素はトロフィーくらいで、ゲーム内で裏ボス、裏ダンジョンとかないから、トロコンめざさなければエンディング分岐にだけ気をつけて1週クリアしたらもうおわりだな

2021-09-24

東方警察】[艦これ][東方]艦これに行った東方絵師その後

 

 

取り敢えず取り急ぎ。

 

 

 

 

 

 

なお東方警察はもっと詳細なリストを持っているらしい。

2021-06-05

win95の体験版CDに収録されてた作品を探してるんだけど

長いこと気になっている件があるので初めて日記を書こうと思います

タイトルの通り、昔win95で遊んでいたときに見た、何らかの体験版CDに含まれていた作品を探している。

CDはいくつかのゲーム体験版が入っていたけど、その探している作品宣伝ムービーだけの収録で遊ぶことはできなかった。

ムービーの内容は、『謎の昏睡状態になった彼女のために主人公ナノマシン?に乗って彼女の体内に入るが、その中には不思議世界が広がっていて、探索していくことでその謎に迫っていく』というような感じだった。

全体的に極彩色3DCGで描かれてて、花とかが喋っていたような気がする。それらの言葉不思議な音で表現されてたと思う。

長いことネット検索したりして手掛かりを探してるんだけど探し方が悪いのかひとつ情報が見つからない。

もし何か知ってる人がいたら教えてもらえると嬉しい。

CDに収録されてた他の作品も並べられたらいいんだけど、家に体験版CDが何種類かあった上に記憶曖昧で確実にこれと一緒に入ってたという作品は挙げられない…。

もうぢゃ、アリーナぷよぷよ遊んだ記憶があるけど、それらとは全然関係いかもしれない。

印象に残っててずっと気になってるので、心当たりある方いたらどうぞよろしくお願いします。

2021-03-22

おまたせ

多分それは一種精神病ででもあったのでしょう。郷田三郎ごうださぶろうは、どんな遊びも、どんな職業も、何をやって見ても、一向この世が面白くないのでした。

 学校を出てから――その学校とても一年に何日と勘定の出来る程しか出席しなかったのですが――彼に出来相そうな職業は、片端かたっぱしからやって見たのです、けれど、これこそ一生を捧げるに足ると思う様なものには、まだ一つも出でっくわさないのです。恐らく、彼を満足させる職業などは、この世に存在しないのかも知れません。長くて一年、短いのは一月位で、彼は職業から職業へと転々しました。そして、とうとう見切りをつけたのか、今では、もう次の職業を探すでもなく、文字通り何もしないで、面白くもない其日そのひ其日を送っているのでした。

 遊びの方もその通りでした。かるた、球突き、テニス水泳山登り、碁、将棊しょうぎ、さては各種の賭博とばくに至るまで、迚とてもここには書き切れない程の、遊戯という遊戯は一つ残らず、娯楽百科全書という様な本まで買込んで、探し廻っては試みたのですが、職業同様、これはというものもなく、彼はいつも失望させられていました。だが、この世には「女」と「酒」という、どんな人間だって一生涯飽きることのない、すばらしい快楽があるではないか諸君はきっとそう仰有おっしゃるでしょうね。ところが、我が郷田三郎は、不思議とその二つのものに対しても興味を感じないのでした。酒は体質に適しないのか、一滴も飲めませんし、女の方は、無論むろんその慾望がない訳ではなく、相当遊びなどもやっているのですが、そうかと云いって、これあるが為ために生いき甲斐がいを感じるという程には、どうしても思えないのです。

「こんな面白くない世の中に生き長ながらえているよりは、いっそ死んで了しまった方がましだ」

 ともすれば、彼はそんなことを考えました。併しかし、そんな彼にも、生命いのちを惜おしむ本能丈だけは具そなわっていたと見えて、二十五歳の今日が日まで「死ぬ死ぬ」といいながら、つい死切れずに生き長えているのでした。

 親許おやもとから月々いくらかの仕送りを受けることの出来る彼は、職業を離れても別に生活には困らないのです。一つはそういう安心が、彼をこんな気まま者にして了ったのかも知れません。そこで彼は、その仕送り金によって、せめていくらかでも面白く暮すことに腐心しました。例えば、職業遊戯と同じ様に、頻繁ひんぱんに宿所を換えて歩くことなどもその一つでした。彼は、少し大げさに云えば、東京中の下宿屋を、一軒残らず知っていました。一月か半月もいると、すぐに次の別の下宿屋へと住みかえるのです。無論その間には、放浪者の様に旅をして歩いたこともあります。或あるいは又、仙人の様に山奥へ引込んで見たこともあります。でも、都会にすみなれた彼には、迚も淋しい田舎に長くいることは出来ません。一寸ちょっと旅に出たかと思うと、いつのまにか、都会の燈火に、雑沓ざっとうに、引寄せられる様に、彼は東京へ帰ってくるのでした。そして、その度毎たびごとに下宿を換えたことは云うまでもありません。

 さて、彼が今度移ったうちは、東栄館とうえいかんという、新築したばかりの、まだ壁に湿り気のある様な、まっさら下宿屋でしたが、ここで、彼は一つのすばらしい楽たのしみを発見しました。そして、この一篇の物語は、その彼の新発見に関聯かんれんしたある殺人事件主題とするのです。が、お話をその方に進める前に、主人公郷田三郎が、素人探偵明智小五郎あけちこごろう――この名前は多分御承知の事と思います。――と知り合いになり、今まで一向気附かないでいた「犯罪」という事柄に、新しい興味を覚える様になったいきさつについて、少しばかりお話して置かねばなりません。

 二人が知り合いになったきっかけは、あるカフェで彼等が偶然一緒になり、その時同伴していた三郎の友達が、明智を知っていて紹介したことからでしたが、三郎はその時、明智の聰明そうめいらしい容貌や、話しっぷりや、身のこなしなどに、すっかり引きつけられて了って、それから屡々しばしば彼を訪ねる様になり、又時には彼の方からも三郎の下宿へ遊びにやって来る様な仲になったのです。明智の方では、ひょっとしたら、三郎の病的な性格に――一種研究材料として――興味を見出していたのかも知れませんが、三郎は明智から様々の魅力に富んだ犯罪談を聞くことを、他意なく喜んでいるのでした。

 同僚を殺害して、その死体実験室の竈かまどで灰にして了おうとした、ウェブスター博士の話、数ヶ国の言葉通暁つうぎょうし、言語学上の大発見までしたユージン・エアラム殺人罪所謂いわゆる保険魔で、同時に優れた文芸批評家であったウエーンライトの話、小児しょうにの臀肉でんにくを煎せんじて義父の癩病を治そうとした野口男三郎の話、さては、数多あまたの女を女房にしては殺して行った所謂ブルーベヤドのランドルーだとか、アームストロングなどの残虐な犯罪談、それらが退屈し切っていた郷田三郎をどんなに喜ばせたことでしょう。明智の雄弁な話しぶりを聞いていますと、それらの犯罪物語は、まるで、けばけばしい極彩色ごくさいしきの絵巻物の様に、底知れぬ魅力を以もって、三郎の眼前にまざまざと浮んで来るのでした。

 明智を知ってから二三ヶ月というものは、三郎は殆どこの世の味気なさを忘れたかと見えました。彼は様々の犯罪に関する書物を買込んで、毎日毎日それに読み耽ふけるのでした。それらの書物の中には、ポオだとかホフマンだとか、或はガボリオだとかボアゴベだとか、その外ほか色々な探偵小説なども混っていました。「アア世の中には、まだこんな面白いことがあったのか」彼は書物の最終の頁ページをとじる度毎に、ホッとため息をつきながら、そう思うのでした。そして、出来ることなら、自分も、それらの犯罪物語主人公の様な、目ざましい、けばけばしい遊戯(?)をやって見たいものだと、大それたことまで考える様になりました。

 併し、いかな三郎も、流石さすがに法律上の罪人になること丈けは、どう考えてもいやでした。彼はまだ、両親や、兄弟や、親戚知己ちきなどの悲歎や侮辱ぶじょくを無視してまで、楽しみに耽る勇気はないのです。それらの書物によりますと、どの様な巧妙な犯罪でも、必ずどっかに破綻はたんがあって、それが犯罪発覚のいと口になり、一生涯警察の眼を逃れているということは、極ごく僅わずかの例外を除いては、全く不可能の様に見えます。彼にはただそれが恐しいのでした。彼の不幸は、世の中の凡すべての事柄に興味を感じないで、事もあろうに「犯罪」に丈け、いい知れぬ魅力を覚えることでした。そして、一層の不幸は、発覚を恐れる為にその「犯罪」を行い得ないということでした。

 そこで彼は、一通り手に入る丈けの書物を読んで了うと、今度は、「犯罪」の真似事を始めました。真似事ですから無論処罰を恐れる必要はないのです。それは例えばこんなことを。

 彼はもうとっくに飽き果てていた、あの浅草あさくさに再び興味を覚える様になりました。おもちゃ箱をぶちまけて、その上から色々のあくどい絵具をたらしかけた様な浅草遊園地は、犯罪嗜好者しこうしゃに取っては、こよなき舞台でした。彼はそこへ出かけては、活動小屋活動小屋の間の、人一人漸ようやく通れる位の細い暗い路地や、共同便所の背後うしろなどにある、浅草にもこんな余裕があるのかと思われる様な、妙にガランとした空地を好んでさ迷いました。そして、犯罪者が同類通信する為ででもあるかの様に、白墨はくぼくでその辺の壁に矢の印を書いて廻まわったり、金持らしい通行人を見かけると、自分が掏摸すりにでもなった気で、どこまでもどこまでもそのあとを尾行して見たり、妙な暗号文を書いた紙切れを――それにはいつも恐ろしい殺人に関する事柄などを認したためてあるのです――公園のベンチの板の間へ挟んで置いて、樹蔭こかげに隠れて、誰かがそれを発見するのを待構えていたり、其外そのほかこれに類した様々の遊戯を行っては、独り楽むのでした。

 彼は又、屡々変装をして、町から町をさ迷い歩きました。労働者になって見たり、乞食になって見たり、学生になって見たり、色々の変装をした中でも、女装をすることが、最も彼の病癖を喜ばせました。その為には、彼は着物時計などを売り飛ばして金を作り、高価な鬘かつらだとか、女の古着だとかを買い集め、長い時間かかって好みの女姿になりますと、頭の上からすっぽりと外套がいとうを被って、夜更よふけに下宿屋の入口を出るのです。そして、適当場所外套を脱ぐと、或時あるときは淋しい公園をぶらついて見たり、或時はもうはねる時分の活動小屋へ這入はいって、態わざと男子席の方へまぎれ込んで見たり、はては、きわどい悪戯いたずらまでやって見るのです。そして、服装による一種錯覚から、さも自分が妲妃のお百だとか蟒蛇お由よしだとかいう毒婦にでもなった気持で、色々な男達を自由自在に飜弄ほんろうする有様を想像しては、喜んでいるのです。

 併し、これらの「犯罪」の真似事は、ある程度まで彼の慾望を満足させては呉れましたけれど、そして、時には一寸面白事件惹起ひきおこしなぞして、その当座は十分慰めにもなったのですけれど、真似事はどこまでも真似事で、危険がないだけに――「犯罪」の魅力は見方によってはその危険にこそあるのですから――興味も乏しく、そういつまでも彼を有頂天にさせる力はありませんでした。ものの三ヶ月もたちますと、いつとなく彼はこの楽みから遠ざかる様になりました。そして、あんなにもひきつけられていた明智との交際も、段々とうとうとしくなって行きました。

2021-03-10

anond:20210310163411

極彩色のケバケバしいルアーを餌だと勘違いする魚のことを笑えないなと思いました。

2020-12-21

anond:20201221183144

ドンキでちっちゃい瓶に入った極彩色の酒がクラブ定番つって売ってた

2020-11-24

カーニバルギリギリビキニ、その歴史

ギリギリビキニとの出会い

思春期である普通プールに行くことを考えるだけでムラムラが収まらないのである。そんなさなかに教科書参考書の隅っこにビキニ姿の女性が踊っているのを見て、平常心でいられるはずがあるだろうか。

だいたい、カーニバル衣装ビキニパンツ部分から下がっているふんどしというか前垂れというか、極限まで深くしたスリットみたいな、あれをみても平静ではいられない。たまにファンタジーものでもそういう名前がわからないけれどもふんどしというか、マーニャ踊り子衣装みたいなのがあるのだが、あれってめくったらどうなっているんだろ。鳥山明に聞いてみたい。

カーニバルとは何か?

カーニバル、つまり謝肉祭とは、四旬節という物忌みの期間直前のお祭りであり、しばらくは肉料理が出なくなる。要するに遊ぶだけ遊んで翌日からは真面目にやる日、というわけだ。別の説によれば異教の祭り起源であるのだが、どちらにしても現在ではキリスト教の暦と密接に関係している日である。ちなみに、この四旬節が明けて過ぎ越しが明けた日がイースター復活祭に当たる。

リオデジャネイロではこの祭りは3週間続く。

サンバとは何か? (何気ないマンボサンバ師匠をきずつけた)

ウィキペディアによれば、黒人白人音楽の混交からまれ音楽ダンスを指すそうである。もう少し詳しく述べると次の通り。

音楽としてのサンバダンス音楽であり、19世紀の終わりごろブラジル北東部港町バイーア(現:サルバドール)で生まれ音楽が源流となった。当時のバイーアは、奴隷貿易によってアフリカから連れて来られた黒人が集められ、売り買いされた場所であった。その後、白人文化からの影響も受けながら1910年代確立し、1930年代に普及と隆盛を迎えたそうである。内容も黒人生活人種差別から抒情的な内容も含むようになっていった。

ダンスとしてのサンバもまたバイーアに住んでいたアフリカ奴隷の踊りが元となっていて、足や腰の動きを基本とし、ほとんど即興であるポルトガル文化と混交してリズムや踊り方が変化した。伝統的には音楽演奏しながら周りで手を叩きながら輪を作って踊り、交代で人が中に入って踊るが、これをサンバ・ジ・ホーダ、サンバの輪といい、都会のサンバ進化にも影響を与えた。これは今や、ブラジル文化的なアイデンティティとなっている。

現在サンバショーでは現代欧米ダンスを取り入れた振り付けだが、あくまでもサンバ基本的即興の踊りが中心で、またその醍醐味であるそうだ。

なお、日本に初めてサンバが紹介されたときには知識が不足していたせいかキューバマンボ混同していたり、なぜかメキシカンハットをかぶっていたりと文化考証がめちゃくちゃで、冒頭に引用した語句のように、今でもこの誤解を引きずっている人は少なくない。マツケンサンバだってサンバとはちょっと違う。

衣装の変遷

Rio de Janeiro's Carnival Costumes Throughout the Years - ABC News(不幸にして画像リンク切れ

The History and Tradition of Rio Carnival Costumes - Bucket List Events

カーニバル仮装イタリアにその起源を持ち、その伝統ポルトガルにまで広まった。それが植民地ブラジルにもたらされた。誰が誰だかわからない、そういう楽しみであろう。

1930年まではブラジル社交界の人々は平民たちの視線のなかで、豪奢な衣装仮面を見せびらかして歩いていた。仮面動物悪魔の形をかたどったものや、イタリア起源もつ道化の顔もあった。

1930年以降、庶民カーニバルに参加するようになった。しかし、当然のことながら高価な衣装は身に着けられないし、2月ブラジルは非常に暑い。そこで、明るい色を身にまとうことになった。カーニバルパレード1932年に端を発する。

そこから徐々に衣装の軽量化が始まった。1950年にはすでに男性上半身裸、女性ビキニ姿になっていたことが確認される。水着ビキニ1946年誕生しているので、非常に適応が早い。海以外でビキニ姿になったことを考えれば、全く持って革命である

1970年代になるとサンバスクール組織化され、現代のように洗練され始める。この産業衣装の豪華さを支えている。実際、テカテカビキニばかり有名だけれども、他のメンバー極彩色衣装露出が少なくても見ていて楽しい。こうしたサンバスクールエスコーラ・ジ・サンバ)は学校を名乗っているが実際は組織化されたダンスグループで、最大で4000人の規模にも達する。舞踏衣装スタイルに違いがあり、区別される。なお、ダンサーだけで4000人であり、衣装を準備する人やその他オーガナイザーは含んでいない。

また、同時期にサンボードロモ、つまりサンバ披露するためのエリアが作られる。ウィキペディアによれば、通常は、サンバスクールパレードが展開できるほど長い空間を、観覧席が取り囲むような構造になっているそうだ。阿波踊りの会場みたいなものか。そして、リオデジャネイロサンボードロモの場合中央パレード空間の長さは700メートルに及ぶとのことである。ブロコスカーニバルブロックもまた作られた。

現代では、ほとんどあらわになった胸に紐パン姿も散見される。英国タブロイド紙がこうした乳首の露出やフェイクの乳首について記事を書いている。

今のところ、全裸は許容されていない。とはいえルールを守らない人もおり、そのせいでサンバスクールが時折資格剥奪されることさえある。そういう格好で踊っている人が見たければxvideosかpornhubをご覧いただきたい。野外で全裸になるのは露天風呂でもわかるように最高なので気持ちはわかるが、ルールは守りましょう。

本当にこれでいいのか? テカテカビキニと7歳の少女

英国のインデペンデント紙には次のような記事がある。

Hyper sexual Carnival atmosphere has a dark side for Rio's women | The Independent | The Independent

ここで記者は、カーニバルビキニ女性たちは過度に性の対象となっている、モノ化しているのではないか、と指摘している。つまりパレード疲れた男性たちを鼓舞するように休みなく踊り続ける半裸の女性、いわゆるボンキュッボンの「理想」的な体型で選ばれるサンバ女王たち。少年たちがサッカー選手に憧れるように、テカテカのビキニ女性に憧れる少女という構図。一見エンパワーメントされているようだが、実際は? しかも、カーニバルでは性暴力の数が圧倒的に増える。その場の雰囲気強制されたキスだけでなく、強姦も含む。こういう空気を嫌ってか、カーニバルの期間は脱出する人もいるそうだ。

自分は、よその文化から評価できる立場にはない。ただ、たとえば「理想」的でない体型の女性も選ばれたらもっと素敵になるかもしれない、と思うのだ。昨今、モデルの体型をやせ過ぎにするのはやめよう、という運動が起こっている。それに、いわゆる美人ではないしスリムではない女性芸能界活躍することが増えた。自分の好みではないが、とてもいいことだと考えている。貧乳でもいい、毛深くてもいい、ぽっちゃりでもいい。そういうメッセージ社会全体に広がることで、あなたあなたのままでいいという空気を作ってほしい。あなたあなたのままで尊重する、そうすることで暴力の少ない社会にしていきたい。

過度に性的空気は似たようなイベントニューオーリンズマルディグラでも問題になっている。家族で過ごすイベントである側面もありながら、野外で全裸になる人も後を絶たないのだ。ブラジルから外れるので詳しくは述べる余地がないが、詳しくはウィキペディアを参照してほしい。

Child queen, U.S. stars to light up Brazil Carnival | ロイター

https://www.france24.com/en/20100215-controversy-over-child-performances-mars-rio-carnival]

あるいは、7歳の少女が躍る権利についても議論が巻き起こっている。子ども権利保護する団体が、彼女性的搾取されることを恐れたのだ。ハイヒールビキニ大人たちのいる場はどうしても性的だし、40度にも達する気温は子供身体有害である恐れがある。同時に、踊りたいという子供の夢をかなえたい思いもある。日本でも、浅草かどこかで踊る小学生ビキニ姿をアップロードする者は後を絶たない。

ちょっと前まで子どもすっぽんぽんで泳ぐのがかわいいとか言っていた時代だったかもしれないが、誰でも写真動画が容易に拡散できるようになってしまった時代、そうもいかないだろう。僕たちは否が応でも自分身体性的だと意識せざるを得ないし、子ども自分身体を守るための性教育必要性は高まっている。何も幼稚園からセックスについて事細かに説明する必要はない。ただ、身体特定の部位を覆い、むやみに他人と触りっこしないように教えて身を守れるようにすれば十分だろう。性教育とはセックス知識だけではないのだ。

カーニバル日本に定着するか?

2月祭りとしてはしないと思う。日本人は概して祭りが好きだし、海外祭り積極的に受容してきたが、イースターが定着するかどうかどうかという雰囲気であり、これ以上の祭りを受け入れるキャパティは少ないのではないか2月にはすでにバレンタイン商戦があるので、そこにねじ込むのは少々無理があるだろう。50年経てばパリピホーリー祭りまでやり始めるかもしれないが。あるいは、8月浅草サンバカーニバル5月神戸まつりのように季節をずらすかもしれない。大体ああいう格好をするのは単純に踊っているとめちゃくちゃ暑いってのもあるだろう。

私事だが、イギリス育ちの自分としては、日本に戻ってハロウィンイースターがないのが当然だと思っていたし、寂しいとも思っていなかった。触れるとすればせいぜい、NHKの「えいごであそぼ」や国際交流の授業で言及されるくらいであった。ハロウィンイースターを定着させようとする動きはごく最近のものだ。

それに反対するわけではないのだが、ハロウィンが終わって街の雰囲気がすぐにクリスマスになるのは風情がなさすぎる。米国ならクリスマスまでの間に感謝祭があるのでまだ11月を感じることができるのだが、日本ではそうもいかない。二十四節季を楽しんでいた先人のいる国とはとても思えないほどに大味だ。

商業主義との両立を考えるなら、11月にも何かイベントをやればいいのではないか2月には豆まきバレンタインがある。毎月2度のイベントをやれば、二十四節季めいていてまだいいのではないか

まとめ

今後の展望

今回はテカテカビキニ50年代にまでさかのぼることを示した。今後は、世界各国の祝祭の場における露出自由、野外全裸性的規範のゆるみについて調べるとともに、暴力を防ぐための対策についても調べていきたい。

また、ハワイアンダンスタヒチアンダンスについても調査したい。

あるいは女性ふんどしそれからファンタジーの前垂れの起源についても気になるところである

2020-11-16

増田みたいなオッサンババア女子高生イケメン20代と付き合う方法?真っ当な手段はねぇよ


お前ら自分高校生だったころ思い返してみろ、大学出て働いてたら20代でもオッサンみたいなイメージ持ってただろ、大学留年して遊んでる年いってもまだ25~6の長老みたいなのでさえオッサンみたいなイメージ持ってただろ

数少ないクラスでそういうの付き合ってるのは、将来風俗嬢底辺確定の学校でマトモに勉強せず、初音ミクみたいな極彩色の爪の色と髪の色したバカ女が周囲に自慢するために年上と付き合ってたみたいなのばっかりだったろ

それを何故年齢取ったらまだまだイケると男も女も思ってしまうのか

女子高生若いイケメンにも選ぶ権利はあるんだぞ

そう考えてもオッサンババア女子高生若いイケメンと付き合うとなれば、もう警察社会の法にケンカ売る非合法手段しかないだろう

ニュースでもいいし、原宿とか六本木とか出て見てみろ、女子高生と付き合ってるオッサンとかイケメンホスト金で侍らせてるババアなんかどう贔屓目に見てもマトモな職業についてないのは見た目からしてわかる反社会的な方々しかいないだろ、殺し屋イチに出てくるようなキ〇ガイみたいな奴しかいないだろ

え?でもドラマアニメラノベみたいな恋愛したい?

もうね、最寄りの民団朝鮮総連か、ロシア大使館東欧諸国大使館いって見かけた外交官職員に「僕をスパイにしてください」と土下座してそういうスキル学ぶしかねえよ、反社会的なキチ〇イどもが恐れおののき、警察が全面警戒するほどのマジモンの裏稼業の住人になるしかない

まあ何が言いたいかって言うと夢みたいなこといってないで、汗をかいて働きなさい

2020-10-30

anond:20201030094500

他にやりたい奴なんていくらでもいるんだから嫌ならやめれば?

下働きもロクに出来ないような親の教育疑う根性なしの女なんて

やめたらもう社会のレールから外れて風俗とかで脂ぎったデブキモオタ変態プレイさせられて体と尊厳を切り売りして糊口を凌ぐ人生を送るか

結婚できても極彩色の髪色に腕とか胸にドラゴンタトゥーとか入れた無職同然の劣等遺伝子DQNくらいしかもらってくれるやついないか

似たようなミニゴブリンを孕んでザ・フライみたいに二世を産むという底辺負の連鎖に落ちるだけだろうけど

2020-10-11

ボロボロの「日本一テレクラ」が気になって調べた

生粋田舎者である自分にとって「広告の汚さ」が東京第一印象だった。新卒でようやく都会に触れる人間というのも今時珍しい気がするので記録しておきたい。

都心に向かう電車から見えるのは、もはや慣用句と化している「高収入バイト」の嵐を手始めに、クソデカ極彩色で0(ゼロ)の文字が並ぶ謎の不動産屋、いつ切れたのかもわからないのにこちらを向いているラブホネオン管など。漫然と見ていると不意に現れたTENGA(正確にはエムズ)の看板オアシスに見えた。

車窓から見えるそれは、地方都市の駅周辺では地元大企業が手掛けた綺麗なものが多く、都心へのベッドタウンに近づくにつれ汚さを増し、都心の周縁でピークに達し、そこから急速に金の塊のような意匠の凝ったきれいな広告に置き換えられる。元から規制が厳しそうな屋外広告という条件に加え、おそらく携帯スマホの普及でボーっと窓の外を見る人が減り元から低い広告価値が下がりきっているのだろう。内容の低俗さよりも「更新の無さ」のほうが印象的だった。

その中で、一番自分の目を引いたのはボロボロの「日本一テレクラ」の看板だった。

さぞかし有名なのだろうと検索してみてもほぼヒットしなかった。自分感性否定されたようで悲しい。が、これこれなど、数件はあった。だいたい似たようなことを感じてる人も一応居た。安心看板のみてくれからその実態にも興味が湧いてきた。

まず「テレクラ」というワードからして高ポイント。一応若者である自分にとって、ほんのり聞いたことがあるだけで実態は全く分からないが"古い"ことだけは伝わる。Wikipediaテレフォンクラブの項目を見ると、テレクラの個室に入って待ってると女性から電話がかかってきて成年未成年関係なくセックスに発展しまくってたらしい。草。どんな時代だよ。流行ったのはバブル前後?で、法改正規制条例で一気に廃れたようだ。平成初期のtinderといったところだろうか。ただこの辺の基礎知識は老人の巣窟であるはてなの住人の方が余程詳しいだろうから割愛する。

看板の下部に社名らしきものがあるがイマイチ読めないし、勿論フリーダイヤル検索に引っかからなかった。ただこのツイートにそれらしき社名がある。規模感が分からないが34店舗というのは大きい部類に入るのだろうか。18歳未満の利用を禁じる記述があるので、先述のwikipediaと照らし合わせるとツイートにある店舗2002年風俗営業法改正以後まで営業していたということになる。意外と最近の話で草。とはいえ20年近く前で自分小学校にも入ってない時代だけど。

このグループ名で検索すると2002年の2chのスレ(正確にはbbspinkか)が出てきた。レスはどれもテレクラを完全に過去存在として扱っている雰囲気だが、この時点でもまだ一応現役の存在だったというのは興味深い。各レス業者宣伝という可能性も全然あるけど、間接的にではあるが過去の盛り上がりのようなものが伝わってくる。

このスレの44に、まさにボロボロ看板の主たる店舗記述がある。

『またーり、ほんわか、かつ、しゃきしゃき』がどんな状態なのかは私の想像力が及ばないところであるが、ともかく看板の店は実在し「日本一」かは分からないにせよある程度の盛況を極めた場所であったようだ。

なぜか後で寄った四ツ谷駅で、いかにも上級雰囲気を纏った小学生たちを眺めていると(犯罪)、都会はこんな広告がいっぱいで子供たちが見たらどうするんだろうとか思ったが、中央線都心に出てくる人間なんて長い通勤でくたびれたおっさんか、金は無いが都会への夢に満ちた田舎若者くらいかもな、という偏見もあり、それなりにターゲティングされた広告なんだろうなと勝手に納得した。怒涛の高収入バイトを見る限り今も昔も変わらない傾向なのかもしれない。

ボロボロ看板の出元を探るのはそこそこ面白かったが、この調べものごっこのせいで自分の中での「都会の第一印象としてのテレクラ」がゆるぎないものになってしまったのはかなり後悔している。

2020-07-28

オタク作品リアルさの変わりようの認識でふと気が付いた

箸より重いものもったことなさそうなホストみたいな恰好したにーちゃんねーちゃんや、いい年こいてアホみたいな極彩色メイド服ゴスロリ姿だったりピチピチスーツ着た女が、マニアック拳銃とかライフルとか日本刀振り回して、盆踊りみたいなアクション大人とか軍人や悪い奴らに無双してカッコイイこというようなの、あんなの今でもなろう系とかでいくつかあるけど思えば、あんなもん普通に考えてありえないようなもの00年代の頃はリアルとか言われてたんだよな、そういえば

でもそれって、当時情報が降りてこなかったかリアルって想像できる余地があったんであって、ある意味でいい時代だったんじゃないかともう

YoutubeCNN見れば、ヘッドカメラ越しに特殊部隊テロリストが至近距離ボコボコ撃ち合うマジモンの殺し合いの様子や、白昼堂々ぶん殴られてVXガスとか毒ガス顔にぶっかけられて痙攣してぶっ倒れて死んだり、血達磨になってさらし者にされる正体ばれて身代金要求される諜報員とか、ドローンで家ごと吹っ飛ばされて爆殺されるみたいな映像マジでいっぱい見れる今の時代の方が異常なんじゃないだろうか?とおもう

2020-07-27

anond:20200727193614

そんな青っちろいもんが隙間を埋められるわけがなかろう……!

埋めてくれるのはピンク!圧倒的にピンクなお花畑!なんならサイケデリックに歪んだ極彩色ピンクじみた何かだ!

狂気的な秩序の中に充満する性的ほのめかし!臭気!それを観衆が取り巻き祭り上げる狂乱!

それこそがうら若き少年少女偶像たらしめ、現実を塗り替える虚構の宴に浸るためのフィールドを生成するのだ!

2020-07-24

私は今日エレベータを待っていると、奥の部屋に人影があるのを見つけた。昼も過ぎてとっくに閉鎖されたビジネスホテル朝食会場。ビルの陰となって、日の差し込まない薄暗い空間には、整然と並んだテーブル椅子たち、コップ、皿、カトラリー。その隅の席に、女性の影があった。

その人は、じっと動かずになにか書いている姿勢に見えた。いや、こんな時間あん場所に人がいるだろうか......。見つめ続けても、その影は動くことがなかった。

「なんだ、私の見間違い......」

荷物が積まれているのを私が、人の影に見間違えたのだろう。

私は目的だったコンビニへ行き、またホテルへ戻り、エレベータを待っていた。ふと、先ほどの人の影があるのか確認したら、その影はなくなっていた。


私は、この間、こんな夢を見た。

雑踏に紛れる、近年新しく進出したコンビニ。年々、出店の勢力を上げていた。私の街にも当然そのコンビニはあった。ある日から、そのコンビニは、今までに見たことのない暗い極彩色不明言語デザインされたのぼりを飾った。その違和感宗教じみたものを感じた。なにか強いメッセージを感じるものの、私には何も読み取ることはできなかった。

つの間にか、そのコンビニの外装や商品もそのデザインに変わっていった。私は、そのコンビニが平然と街に馴染んでいくのが受け入れられなかった。

そのような夢であった。


私は、小さい頃、サーカスや劇が嫌いだったことを思い出した。そんなふうに、芋づる式に自分不快が思い出されて、こうして文章に書くことにしたのだった。

サーカスは暗くテントで覆われ内密に行われる。広くぽっかりとした空間を丸く観客が取り囲んでいる。暗いテントの中で、中心がライトで照らされている。調教された熊や犬が芸をする。人間たちも張り付いた笑顔曲芸披露する。観客たちはそれを見て拍手する。

さな頃の私には、これの何が楽しいのかわからなかった。嫌な感じがする、けれど、拍手しなければならない。楽しいフリをして拍手した。


劇の不快について。

学校体育館で、いつものステージ劇場に変わり、見させられる劇。年上の大人たちが、何かを演じている。独特の演劇口調と衣装を纏って、役になりきっている。確かに物語に没頭はできた。その役の人物を好きになってしまうことさえあったくらいに。

しかし、終わってしばらく経つと、とても虚しい気持ちになってしまうのだった。映画アニメを見たのときには感じない虚しさがあるのだった。

演劇には特有陰湿さを感じていた。湿っぽいような、なにか滞っているような。劇が喜劇的であればあるほど、その落差を感じた。


ディズニーランドパレード

小さい頃、両親が休日に朝から連れて行ってくれたディズニーランド

一通りアトラクションを楽しんだ後に、人々の帰路を意識し始めた焦燥感をじわり感じながら、陽の沈みかけた園内でパレードを待つ。

そのうちに電飾で彩られた巨大な装置と、それに乗ったキャラクターたちが現れる。大音量音楽となにかセリフが聞こえる。

また、大勢の人たちが拍手をしている。私もそれに合わせて拍手をする。もしかしたら、拍手をする大多数は、私のように周りに合わせて拍手をしているだけなのではないか大音量で煌びやかなパレードを見ながら、その音や景色が頭の中で遠ざかっていく。


中学生の頃、ある宗教画を見た。

その画は西洋宗教画の並びにあった。一連の草原、道、淡い色の空。そんな印象をかき消すかのように、白に近い水色と鮮烈な赤で彩られた円い曼陀羅魔法陣のような物体。ぽっかりとした空間にそれが浮かんでいる。

どんな絵だったのか、よく覚えていないのだが、その独特の色彩が頭から離れないのだ。

中学生の頃、部活帰りの夜に、誰もいない真っ暗な田んぼ道を自転車を押しながら、ふとそのイメージが思い出されてしまって、動けなくなってしまった。

あの色彩は、人間の神経と血管を想起させるのか。それとも、自然界での毒を想像させるのか。この画はずっと私の頭の中にあるというのに、作品名を忘れてしまったため、その作品存在さえもはやわからなくなってしまった。

2020-03-29

コロナで外出規制東京にて

コロナ騒動がはじまってからというものブクマカがそれぞれ何かに怒りまくっていて、見てるだけでもストレスが溜まるので、自粛要請が起きただけでなんでもない、特に怒らない、震え上がらない、泣き叫びもしない日常について書こうと思う。

別に恐怖テイストにならない。

バイオハザード大喜利はやりたきゃ勝手にやって。

3月26日木曜日

週末の外出自要請都知事から出たのを受け、昨夜からスーパーパニック買いの行列とのこと。

毎週身体を動かしてるけど、多分ジムダメスポットなので家にいるしかない。

食べるものがなかったら切ないので、昼休み職場の近くのコンビニに行く。

玉ねぎと鯖の水煮缶、ツナ缶サラダチキンがあったので、一応買う。

PayPayの残高があったので、Yahooショッピングを物色したところ、米があったので買う。

さらについでに洋服サブスクリプションサービスレンタル枠があったので、極彩色スウェットレンタル

仕事帰りにスーパーに寄ると米や乾麺、肉類、卵、硬い根菜がない。

空の棚はなかなか壮観。

でも牡蠣や生鮮野菜練り物厚揚げきのこブルーベリー大根紫キャベツ梅干しはある。

牡蠣オイル漬けに、トマトズッキーニラタトゥイユに、菜の花おひたし練り物ときのことブルーベリー冷凍に。大根中華風醤油漬けに、紫キャベツ甘酢漬けに。

ついでに調理に使うオリーブオイル醤油を買う。

引きこもるしかない週末でも作りおき料理で乗り切ると腹を決めてしまえば楽しい

帰宅後、牡蠣オイル漬けを仕込み、菜の花おひたしラタトゥイユを作る。

0時を回ってしまった。

3月27日金曜日

料理で夜更かししてしまったのでちょい寝不足

さな子供がいるクッキングパパの同僚と料理の話で雑談。だいたい失敗談など。料理は失敗して上手くなる。

週末はその料理をしつつ作り置きを消化していくことになりそうだけど、ネットプチ断食健康にいいと聞いたので、せっかくだから今日から明日昼まで断食してみることにする。

断食前の昼食のお弁当は25日に作ったタイカレー最後ストックサラダ

赤い。辛い。うまいKALDIアジア料理好きの自分にとっては食卓ナイスサポーター

職場リモートワークの全社本格導入が真剣検討され始める。

自宅にも大型モニターはあるけど、椅子と机が貧弱。椅子なんか折りたたみのデッキチェアだもん。

せめてお尻が痛くならないクッションもあったほうがいいかも。

仕事が上がって帰宅

大根醤油漬けを作るため、5cm×1cm×1cmの短冊切りをして、ざるに並べて首が真上に向く扇風機に乗せて夜通し乾燥させる。

紫キャベツを千切りして、ローリエをとタイムを入れた甘酢につける。

紫キャベツ甘酢漬けは別にめちゃくちゃ美味いというものではないけど、汁ごと目の覚めるような赤紫になるから好き。

その作業をしていると、最近仲良くなった人からLINE新宿御苑入園規制と週末の雪のニュースを聞きびっくり。

日曜は天も「外に出るな」と言っているかのよう。

3月28日土曜日

起床。プチ断食をはじめてからもう20時間経っているけど、案外辛くない。

昨日の夜に乾燥させた大根を瓶につめて、上から醤油紹興酒花山椒の漬け液を流し込む。

食べごろは3日後から。一昨日仕込んだ牡蠣オイル漬けは5日後からなので、来週の半ばからはこれらが食卓に登場する。

やることないので掃除結構いろんなところが気になる。

それにしても午前中に指定しておいた宅配12時回っても来ない。

やってきたのは12:30。「宅配多いですか?」と聞くと「多いですね・・・」でしょうねぇ。

プチ断食がもうすぐ明けるので回復のためのおかゆの準備。

さっきまで別に辛くなかったのに、お米を炊き始めたり、乾燥味噌汁を用意しているとめちゃくちゃ唾液が出てくる。

おかゆガラスープで炊いて、溶き卵を流し入れる。

菜の花おひたしサヤエンドウ胡麻和え、梅干し海苔食べるラー油KALDIで買ったエビの辛い中華ソース的なものトッピングする。

24時間ぶりなのでめちゃめちゃ美味い。そしてエビ中華ソースがめちゃめちゃ辛い。

Youtubeを見ていたが、断食のあとの食事のためか眠たくなってウトウト

目が覚めてちょっと甘いものが食べたくなったのでスーパーに行くと、品薄は嘘のように解消。

でもなぜかスナック菓子の棚だけ空。ポテチかっぱえびせんがない。消費者の振る舞いが謎。

いちごミックスナッツを買って帰る。

ちょっとだけ筋トレして夜までダラダラ、夕食もおかゆ

最近み始めた鬼滅の刃を見ながら食べたけど、流血が多い。おかゆ食べながら見もんじゃないな。

3月29日日曜日

何回か目が覚めるたびに二度寝三度寝して11時すぎに起床。

ベランダを開けると雪。結構降っててびっくり。

在宅勤務に備えて物置状態だったデスクまわりの片付け。

しばらく掃除して、クッションを物色しに島忠へ。

しかし、島忠インテリアフロアを見ると、意外と椅子が安い。

まり高いのは無理だけど、どうやら¥9,000くらいでまあまあな椅子が買えそう。

クッションが¥2,000なんで、それなら椅子を買ったほうよさそう。

あとで楽天amazonをチェックしてみよう。

結局、情報だけ手に入れて手ぶらだが、ベローチェサンド結構好きなので、帰りにテイクアウトしに寄る。

いつもはお年寄り集会場になっているベローチェも、雪と外出自要請で閑散。

「さすがにちょっと閑散としてますね」「・・・そうですねえ、雪もありますし(苦笑)」

帰り道、コーヒーを飲みながら、雪景色にそぐわない満開の桜をパシャリ

サクッとした食感のベローチェサンドをかじって、筋トレ筋トレ後はプロテインココア味でまあまあ美味しい。

デスク周りの片付けと掃除を再開。

しばらくして、だいたい在宅に移れる見通しが立った。これで安心

晩ご飯は炙ったサラダチキンラタトゥイユぶっかけて、付け合わせは醤油漬けで余った大根を使ったツナ大根シーザーソースサラダ紫キャベツ甘酢漬け。

甘酢漬けはワインのように鮮烈な紫。

つけあわせがまあまあうまく行ったので明日のお弁当にも採用

ご飯を食べ終わったらLINEの人に桜の写真を送る。花見も雪と外出自粛で持ち越しだね。

ついでに撮った東京2020横断幕送信こちらも残念、また来年

風呂に入って一息、しないといけないことはもう大体済んだな。

あとは鬼滅の刃アイドル番組をみたらこの週末もおしまい

来週はどうなるのかな、まあいろいろ起きるかもしれないけど、なんとかしていこう。

2019-11-18

anond:20191118013734

飲んでから時間半が過ぎたとき、突然来た。

ふと自分の手を見ると粘土細工の様に見えてしまう。じっと見てると粘土の指がグニャと伸びたりする。周囲を見るとエンボス加工した写真に後から色付けした絵画の様な不思議世界になっている。周囲の人も動いているんだけど粘土の造物の様にも見える。目を閉じると極彩色モザイクの様なサイケデリック世界、後からから色が溢れ出て来る。皆の歌声が模様になって見えている事に気がつき、「音だって目に見えるんじゃないか! なんで今までこんな事に気がつかなかったんだろう!」とか「音と目に見えている世界区別っていったいなんなんだろう?」とかLALILA独特の奇妙な思考世界突入(苦笑)

http://lalila.tripod.com/aya.htm

2019-10-21

[]【3】2019 秋、マレーシアシンガポール

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anond:20191021085046




Day,3



3日目

まぜこぜの国


キングサイズの快適なベッドと一昨日から寝不足のせいか、旅先には珍しくグッスリ眠ることができた。

8時前に起き、準備を整える。

今日は本格的にマラッカの街を散策し、ニョニャクエとニョニャ料理が食べたい。

ホテルからタクシーオランダ広場に向かうGRABは本当に便利だ。

隅々まで清潔とまでいえないマレーシアで、日本を遥かに超える利便性のあるアプリが普及しているのは、もう進歩の順序の常識20世紀型と全然違ってしまっているのを感じる。

朝ご飯を食べようと思っていた目当の店が定休日だったので、たくさんの人が食事をしているカフェに入る。

壁にメニューがあるが、なんだかわからないので、いちいち調べながら注文する。

ナシゴレンアイスコーヒーを注文した。

10リンギット、およそ260円だ。

メニューに「ロジャック」という文字があり、これがちょっと安い。

なんだろうと思って調べると、定型レシピというのがない料理で、あるものを色々混ぜこせにして、エビ味噌タマリンドなどのソースぶっかけるモノらしい。

家庭料理でよくある「名前のない炒め物」のようなものだろうか。

ナシゴレンアイスコーヒーで腹ごしらえしたあと、オランダ広場中心部に向かうと、帽子かぶったマレー系男性、傘をさしたチャイナドレス女性宝石ティアラをつけたタミル女性観光客を歓迎する壁画があった。

観光ガイドなどでよく見かけるオレンジ教会写真に収めたあと、歴史博物館を訪ねる。

中に入ると、イスラム中華インドそれぞれの人々を象った人形が並んでいる。

少し歩くと、日本兵の銅像とその背後にはためく日の丸が見えた。

マレーシアは、第二次世界大戦中、日本支配も受けているのだ。

さらにその前は、オランダイギリス

多民族暮らし、数々の海外勢力もやってくる。

しかし、きっとマレーの人々は、その全てを「マレーシア」という袋の中に入れて混ぜこぜにてしまうのだ。

2階に上がると、マハティー首相習近平書記長握手をしているポスターが下がっている。

現代中国の影響は強大だ。

でもきっとそれも、ここにやって来た以上は、混ぜこせにされてしまうに違いない。

歴史博物館のあと、青少年文化博物館も見てみる。

若者アートが展示されている。

みると、キルラキルみたいなテイストの絵や、ちょっと前のやたら目が大きいアニメ少女みたいな絵が結構ある。

源流を辿れば日本初、ではあるんだろうが、アニメマンガ文化はもうアジアの中で消化されて、若者身体の一部になっているようだった。



諦めと誇り


オランダ広場を離れ、ニョニャクエを買うことのできる店に向かう。

その場で飲食ができるカフェと、販売店舗があるらしく、カフェのほうに向かう。

その場で食べようと思ったが、異国なので同じ経営のものなのかイマイチ自信が持てなく、ニョニャクエ自体販売店舗で買って、その場ではかき氷を食べることにした。

外が暑いのだ。

しばらく待って現れたそれは、上に鮮烈な緑のプルプルした虫状のゼリーが乗っておりなかなか日本で見ない見た目だ。

これは「チェンドル」というゼリーで、ベトナムのチェーにも入っていた。

材料米粉で、鮮やかな緑はバンダンリーフという植物から採った天然色素だ。

すごい見た目に反して抑制の効いた味わいで、かき氷全体も優しい甘さだった。

ここで気づいたのだが、スマホ用に持って来たモバイルバッテリー、そっちはいいが、ケーブルを持って来ていない!スマホ電池が切れたらGRABでタクシーも呼べない。

あいいか、これから販売店舗のほうに行ってニョニャクエを買うとして、あれは生菓子なので、冷蔵庫にでも入れないといけない。

買ったらホテルに戻って、そこでスマホも充電しよう。

店舗のほうに行くと、これが製作工場と棟続きで、でっかい台所秋葉原ジャンクパーツ屋をくっつけた様な店内に、極彩色の色鮮やかなういろうを思わせるニョニャクエが並んでいる。

その一通りとチマキが詰め込まれれた「お得セット」的な詰め合わせと、緑の球体にココナツパウダーたっぷり振りかけられた「オンデ・オンデ」、日持ちのしそうなパイナップルケーキ、それとこれはその場で食べるための餃子型の揚げパイを買い求めた。

約41リンギット

1,100円といったところだ。

よし、ホテルに戻るぞ、パイを食べてみると、?、なんだろう中に入っている餡は。

わかった、カレー風味に味付けられたサツマイモのフィリングだ。

こういう発想はなかった。

GRABでタクシーを呼んでみたのだが、遠すぎてブッキングできない。

少し歩くしかない。

歩いていると、どうやら界隈は学生街らしく、ヒジャブを被って制服を着た7〜8歳くらいの子供をワンボックスピックアップしていた。

さらに少し歩くと、もう少し上の年代の、これもヒジャブを被った少女たちの一段と出会う。

彼女らはマレー系なのだろうが、そこから2人歩き出した姉妹は痩身に浅黒い肌で、美しい黒髪を揺らしている。

きっとタミル系だ。

しばらく歩くと「中国公学」の看板

教育事情文字通りなかなか複雑なものがあるようだ。

ヒジャブの一団から離れて歩くタミル姉妹を見たり、空気として感じたものを考えると、マレーシア人にとって多民族暮らしていることは「いちいち気にしていたら日常生活が成り立たない」もので、一種の諦めのような感情想像できないではない。

でも、博物館で見た様な表現世界では、それに目を背けず肯定的に描いたものが多く、「受け入れるしかない状況」と「それを自ら肯定的に捉え直す誇り」の間で揺れてるのかも知れないな、と思った。

ホテルに戻り、プールサッパリした後、少し読書をして日本×スコットランド戦海外ネットユーザーの反応を見る。

皆、感情を爆発させて、とりわけ日本プレーの美しさに感嘆する声が多い。

レビューを書いているうちは試合状況を追いながら書いているので、淡々としがちだが、改めて見るとたしか日本トライは美しい。

感情を動かされるプレーについても、それに動かされた感情についても書いてもいいのかも知れないな。



晩餐は不思議ものをどうぞ


タクシーピックアップして、今日こそは、でニョニャ料理レストランに向かう。

事前に調べたところによると、以前訪ねた日本人のお願いにより、お一人様向けのお任せメニュー対応してくれるらしい。

到着して、ママさんに「このサイトを見せて頼めば良い」とされるサイトを見せてお願いすると、料理の好みや内容に関する軽い質疑応答を経て、3皿とご飯が出てきた。

野菜が入った平たいオムレツレタスと思われる青菜炒め、豚肉とそら豆のちょっと辛い炒め物。

たっぷり出て来ると勝手想像していたので、「意外と普通の量だな」と思ったものの、おひとりさまメニューとしては妥当な量だ。

味わいは中華といえば中華なんだが、豚肉とそら豆の炒め物のスパイシーで奥深い旨味のある味わいが、ナシゴレンの旨味を思い出させ、確かにこれは「中華風マレー料理」だ。

よくよく考えると、イスラム教国のマレーシア豚肉の炒め物が出て来ると事自体特殊な事だ。

緑茶も合わせて32リンギット

だいたい830円くらい。

3皿と飲み物を頼んでこれなら安いだろう。

マレーシア物価について大体見えてきたんだけど、ホテルタクシーが異様に安いだけで、その他の物価日本の5割〜6割いといったところだ。

ママさんにお礼を言って店を後にする。

生温い夜風に吹かれながら歩くと、賑やかな屋台市が見えてきた。

ちょっとのぞいて見ると、皆思い思いの料理を頼んで、夜空の下で食事を楽しんでいる。

まだもうちょっと入りそう。

と、みると「ROJAK」の文字が。

あの謎の混ぜこぜだ。

これは行くしかないと思って頼んで見る。

しばらくすると、茶色ソースがかかったなんだかわからないものが出てきた。

キュウリタロイモニラ、揚げパンかな?口に運んでみると、ソースちょっと独特のくさみがある。

そして甘辛い、というか、日本感覚で行くとハッキリと甘い。

相当強い味付けで、白飯ビールが進みそうではある。

肉類は一切入ってないのだが、この強い味付けで単体でも結構食べ応えがある。

おいもすぐに気にならなくなった。

フードコートにうろつく野良犬の横で謎の混ぜこぜ野菜を食べていると「これが熱帯の夜か」という感じがした。

ホテルに戻ってサウナに入ったあと、冷蔵庫に入れておいたニョニャクエを食べてみる。

鮮やかな赤、青、緑のそれは、(色以外は)見た目の通り、ういろうを思わせる味で、さすが中華文化を受け継いでいるだけあって上品な甘みだった。

生菓子お土産としては適さないので、もしマレーシアに来ることがあれば、ぜひ味わった方がいいと思う。

明日はこの極上のホテルをチェックアウトしてシンガポールに向かう旅程になっていたのだが、シンガポールではわずか1泊してまたマレーシアに戻る予定を組んでいたので、行きはともかく帰りの移動に焦りたくなく、先にバスを予約してしまうことにした。

慣れないバス予約サイトと格闘すること1時間半ほど、なんとかシンガポールからマレーシアバスを予約できたのだが、ここで小さなトラブルが発生。

何度も予約の失敗を送り返していたため、成功した予約の詳細を確認していなく、ピックアップポイントも降車ポイントも当初の旅程とはやや離れた場所になってしまった。

一瞬焦ったが、シンガポールショッピングモールの前だし、マレーシア鉄道駅のすぐ近くだったので、これはシンガポール物価も見られるし、マレーシア鉄道にも乗れるし、いいかもしれない、と前向きに捉えることにした。

なんとかなるだろう。

なんとかなるのかな。


【4】2019 秋、マレーシア・シンガポール  4日目 |「土地の子」と「マレーシア人」 へ >>

2019-08-07

夢と現実区別

夢をめちゃくちゃ見る。長くてバリエーション豊富ストーリー性のある夢を毎晩見る。

昨日の夢は女の子と2人で種付けおじさんから逃げる夢だったけど。まあ基本的はいい夢しか見ない。おじさんから逃げるのもスリリングで楽しかったし

夢の中の街はちゃん地図があって、郵便局の隣のコンビニ、とか角を曲がればマックスバリュとか、小学校グラウンドには軌道エレベーターロシア軍倉庫とか、色々。洞窟の奥には鬼の集落と城があって、巨大な極彩色の蛾が飛んでたり、ファンタジックな部分も盛りだくさん。

夢の中のことを思い出しているときはとても幸せ

夢の中で起きたことも、小学生の頃の夏休みの思い出も、脳内しかないという意味で大した違いを感じない。

昨日のコンビにのカツ丼も、夢の中で食べたステーキもも記憶産物しかない。

現実ではもう縁を切った人死んだ人も夢の中では普通に出てきて普通に話す。夢の中も現実と同じく脳内しかない。なぜみんな夢を軽視するのだろう。

ちゃんと夢を大事にしていれば、ある程度夢のコントロールが効くし、毎晩寝るのが楽しいのに。

2019-01-07

あの頃の個人サイトは誰かの墓標

今年の3月ジオシティーズサービスが終了するので、懐かしのサイトに消えてしまうには惜しい作品群を自PCローカルダウンロードしている。

から10~15年ほど前までは、特に二次創作の界隈において、自分作品を発表するには個人サイトを持つ必要があった。

サイトコンテンツには絵や小説と言った作品の他に、自分の内心を赤裸々に、ありのままに、あるいは誇張して、もしくはかなり淡々と書いた日記を置く人が多かった。

今思えば黒歴史、今でも藻屑としてウェブ大海を漂っているのならば、いっそ消して欲しいと思う人もいるのではないかと思う。

実際、個人サイトを持っていた私の友人の大半は、死ぬ前までには完全消去したいという意見の方が多かった。

私自身はどちらかと言えば、いつかいつでも誰かが見て喜んでくれるかもしれないから残しておきたいという意見であるが、その気持ちもとても分かる。

今回、ジオシティーズサイトの他に、リアル友人のサイトも保存した。

ジオシティーズではないけれど、そもそも個人向け無料ホスティングサービスが下火も下火だから、数年以内に消えてしまうだろう。

からその前に保存した。

友人は今から10年ほど前に若くして病気で亡くなった。

肝っ玉の母ちゃんになって沢山の孫に囲まれた婆ちゃんになるのが一番似合うだろうに、死んでしまった。

イラストも物凄く上手くて、他人には絶対にない独特すぎるくらいのセンスを持ち合わせていた。

とても親孝行常識もあって料理が上手で、加えて他にはない感性を持っている彼女の死は本当に早すぎた。

友人は前述でいうところの、死ぬ前にサイトを完全消去したい派の人だったのだが、結局今現在でも友人のサイトは残っている。

レンタルサービス日記サービス終了してしまったのでもう見ることができないけれど、極彩色イラストの数々はまだ残っている。

友人の創った世界観はまだインターネットの中にあって、まだ私はそれに触れることができる。

友人が生きていたその時に何を思っていたか、その想いをなぞることができる。

それを嬉しく思うし、私にとっては救いである。

だけど友人は何を思うだろうか。恥ずかしいと言うだろうか、許してくれるだろうか、黙ってパソコンの電源を消せと言うかもしれない。

私に取って友人のサイトは、彼女が過ごした城であり、墓標である

折に触れて、友人のサイトを訪れている。何でも無いときでも、何かあるときでも訪れている。

私にはそんな資格はないのかもしれないけれど、懐かしんでいる。

友人が死んでしまたこと、その事実を受け入れて思い出になってしまたことをもの悲しく思っているけれど、

まだみんな学生だったあの頃、周りの友人らがみんなサイトを持っていて、私信飛ばしまくってああだのこうだの言っていて、

すごく下らないけどものすごく面白かった頃のことは今でも思い出せる。

その頃のことを直接駄弁れないことは、やはり悲しいと思うのだけれど。

2018-12-27

anond:20181227124603

知らんけど、アメリカ小学生女児大人気のMLPとかも大体極彩色からやっぱ女児レインボー意味深)に惹かれるってのは世界共通くさいぞ。

2018-10-24

2018年アニメ2話までほぼ全部観たか感想書く その1

 毎期アニメが終わるたび一生分のアニメを観たような気になるので、今期もまた新作アニメPVニュース憂鬱な目で見ていたはずなのだけれど、気づけば今期もまた新作アニメを浴びるほど観る毎日に身を投じていたので風呂敷を広げすぎないうちに感想を書く。それっぽく並べてあるけど、作品の優劣は付けてない。容赦して。

 ちなみにここに書く作品すべて2話まで観ているわけではなく、まだ1話しか観ていない作品もいくつかある。あと解説の中に殆どキャラクター名(固有名詞)が出てこないのは、単に全く記憶していないからだったりする。表題キャラ名(グリッドマンとか)や2期のキャラを除くと、真面目に「伝説山田たえ」くらいしかフルネームを覚えていないかも。

2018年秋アニメ2話までほぼ全部観たから感想書く その2

2018年秋アニメ2話までほぼ全部観たから感想書く その3

2018年秋アニメ2話までほぼ全部観たから感想書く その4

配信情報について

~独占…対象サービスしか配信してない

~のみ見放題…対象サービスでのみ全話見放題。その他のサービスでは有料配信

~のみ最新話無料対象サービスでのみ最新話見放題。その他のサービスでは有料配信

言及なし…複数サービスで全話見放題/最新話無料

 私はTVアニメを観ない(BS見れないし、TOKYOMXもAT-Xも受信できないし)ので、配信情報はこれ以外の手段について書いている。

感想(上の作品ほどモチベ高め)

やがて君になる

 良い最終回だった百合百合でもガチ百合。花の学生生活を描くアニメ

 今年観た百合アニメで非常に印象的だった「citrus」と比較すると、citrus主人公性愛の目覚めに至ってから物語が始まるのに対して、本作は自分気持ちにどんな意味があるのか?というところにフォーカスしていく物語みたい。「やがて」という言葉を冠しているところからも、同性愛に至るまでを描く内容なのだろうか。「わからない」っていうセリフが控えめに言って最高。あとcitrusにもあったけれど、最初に「男性から告白されて(恋愛対象とみなされて)、それを断った上での百合展開」というのがよりガチっぽくて好き。特に2話以降で言えば、同性愛の目覚めがけっしてみんな一緒のタイミングではなく、キャラによって気づきの早さが異なり、それゆえのすれ違いが描かれているところが最高に良い。

 本作の脚本を手がけるのはあの花田十輝。「宇宙よりも遠い場所」のいしづかあつこ監督がどこかのインタビューで「花田脚本は絵で語る表現がうまく、例えば誰かが喋っているとき、そのキャラの顔をアップにするのではなく別のキャラの顔をアップにするとか、そのキャラの手元を写すなど「行間を読ませるような演出」に優れた脚本」と評価していたけれど、本作もそういった意匠のある演出になっている。「響け!ユーフォニアム」「宇宙よりも遠い場所」などでも見られるモノローグなど、花田十輝の良さが出ている作品キスシーンめっちゃエモかった。

 大島ミチル音楽が非常に良い。校舎や制服が少し時代を感じさせる一方で、すごく特別で隔世感のある華やかな雰囲気に包まれていて、それを音楽が加速させている。また、パリッとしたわかりやすさを持たない、複雑な心情とよく合っていて痺れる。

 それにしても制服デザインがめちゃくちゃ好き。「ゆるゆり」「あまんちゅ!」の制服に似た優雅さがある。

色づく世界明日から

AmazonPrimeVideo独占

 制作P.A.Works、背景:スタジオ・イースター(監修・東潤一)、音楽出羽良彰脚本柿原優子ゴリゴリP.A.Works作品高校生青春を描く物語。割とやさしいせかい

 なんやかんやで色が見えなくなった女の子がふさぎ込んじゃって、魔法使いのおばあちゃん彼女のために云々・・・というシナリオ色覚異常テーマにした作品と聞いて「聲の形」が一瞬よぎったけれど、扱っているテーマが違う(あっちはいじめが大きなテーマになっている作品)。

 演出的には「主人公を見守るような視点」が多く描かれていて、全体的に優しさに包まれている。魔法日常に溶け込む世界感は「凪のあすから」くらい生活感のあるSFに仕上がっている。

 生活感といえば1話の「魔法ショップの店内の様子」みたいなシーンを見て「ふらいんぐうぃっち」を思い出す人もいたと思うけれど、それもそのはず、本作の劇伴出羽良彰ふらいんぐうぃっち劇伴担当していた人なので、圧倒的ふらいんぐうぃっち感のある、優しさに包まれ作品になっている。透明感のあるビブラフォン骨身に沁みる。劇伴買おうかな。

 それにしても、背景美術クオリティが異常。一旦OPEDを観てほしい。タイトル通り本作は「色」が大きなテーマになっていて、物語キーとなる背景が主役になるカットが多い。「(世界はこんなに美しいのに)主人公の目には世界灰色に見える」という、暗闇の中にある思春期心象風景説得力を持たせるためには相当美しい背景が必要なのは分かるのだけれど、それにしても書き込みや彩色がエグく、特に彩度については主人公の心象とリンクして白黒〜極彩色まで変化するくらい凄まじい仕上がりになっている。なので、1話ラスト抽象的な、印象派のような絵画っぽい心象風景によって世界が彩られる演出は痺れた。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

 湘南ご当地アニメ舞台湘南なのは原作者鴨志田一曰く「湘南青春の日々を過ごすことに憧れてたから」とのこと)。

 鴨志田一といえば「Just Because!」がアニメ放送されたのは2017年10月だけれど、本作も学生ヤキモキした感じが漂う青春群像劇(ボーイ・ミーツ・ガール)になっている。

 タイトルは章ごとに変わるらしい。ひたぎクラブまよいマイマイ→…的な。なお原作も各巻ごとにタイトルが異なる仕様だっため、先日発売された新装版は「タイトルを見ても巻数が分からない問題」が修正されている。ちなみに、2話で登場する少女CV.水瀬いのり)のエピソードは、来年劇場作品として公開が決まっている。

 バニーガール先輩も青春豚野郎も非常にクレバーキャラなので、ライトノベルっぽいタイトルバニーガールキービジュアルから想像し難いような会話劇だったりする。「サクラダリセット」に近い。ともに主人公を演じるのは石川界人。彼の淡々とした口調がすきだなあ。ってティラミス見ながら思った。

 本作は「思春期症候群」という都市伝説テーマ。例えば「根も葉もない噂」とか「誰も自分のことを知らない世界に行きたい」とか「なんとなくみんなに合わせないといけないような、ハブられないようにしないといけない、という空気」とか「いじめを受けたことによる、目には見えない心の傷」など、特に学生時代に抱えやすい、可視化の難しい問題を「思春期症候群」という舞台装置によって可視化しているのかな。ある意味残酷ではあるけれど、逆に救いのある物語だよね。

 会話の意味のなさが良い。「サクラダリセット」に出てくる相麻菫と浅井ケイの会話を思い出す。哲学に片足を突っ込んでるあたり特にツボ。1話なら「ありがとう」「ありがとう」という意味が無いとか、2話なら「キスしよっか」が「キスしよっか」という意味を持たないような。そんなバニーガール先輩を見ていると「打ち上げ花火」のナズナちゃんを思い出す。会話にほとんど意味がないために、彼らの感情をうまくキャラクターの表情で表現しているのが言葉の軽さと対照的になっている。エモい

 特に2話は、問題解決と同時に解消されるであろう二人の関係を思うと、どこか漂う諦め、虚無、寂寥感がある。

 音楽担当するFox capture planはシンセの曲が多めかつ特にEDのようなジャズっぽい

雰囲気があるので、「Just Beacause!」と比べて本作は精神年齢高めな作品に仕上がっている。

風が強く吹いている

 三浦しをん小説原作制作production I.G大学生10人がある日突然、箱根駅伝出場を目指してみた話。

 原作一般小説なので、大学生たちがアニメっぽいキャラクター性を持っていない。性格が地味な子が多い。しかキャラの表情やしぐさにコミカル表現(今期「うちのメイドがうざすぎる!」みたいな動き)をほとんど使用していない。なのに表情が非常に豊か。しか10人とも顔のデザインがかなり異なっているのに(双子を除く)どのキャラも表情含め丁寧に描き分けしている。

 アパート飲み会中後ろでガヤガヤしている人(アドリブ)とか、アニメならキャラ同士のイチャコラを中央に据えて順番に映して「ガヤガヤしてる感」を演出しそうなのに、全くのガヤになっていて「仲がいいキャラクター同士のあつまり、という空気感」として描かれている。2話では特に青竹荘の日常が描かれていて、朝食のシーンなんか「大学生の住んでる古いアパート日常風景」がそこにある。そういうリアル空気が「見える」作品

 カットの特徴で言えば「やや見下ろすような視点」が多い印象。その場の雰囲気を描くためなのかな。

 あと背景の情報量が多い。特に1話ラストランニングシーンとか見ると何枚街のカットがあるんだ。全体的に黒っぽいのも実写っぽさがある(普通アニメでは夜の暗さを青色表現する事が多い)。

 ランニングシーンで言えば、走りモーションの躍動感とチャリ立ち漕ぎしてる体の触れ具合が好き。

ゾンビランドサガ

 死んだ女の子アイドルとして歌って踊る佐賀日常異世界転生する話。大人が本気で悪ふざけしているアニメ大人の悪ふざけxアイドルアニメで今年放送された作品だと「魔法少女☆俺」が思い浮かぶけれど、本作はあっちよりもずっとアイドル寄りに仕上がっている。不和→衝突→団結を繰り返しながら一つになっていく物語の中にライブパートが含まれており、毎話ライブエモい特に2話は、ライブシーンのアニメーションもさることながら主人公を演じる本渡楓めっちゃすごかった。日本語ラップ抵抗のない人なら楽しめると思う。

 概ねギャグアニメになっていて、ゾンビというB級モチーフも相まって福田雄一っぽさを感じる。特に宮野真守が演じる巽幸太郎だんだん佐藤二朗に見えてくる不思議(「全部宮野さんにおまかせで!」っていうディレクションだったらしい)。

 ゾンビというモチーフを積極的に使った作品で私が観たことのあるアニメは「さんかれあ」くらいなのだけれど、どっちも「ゾンビ化」→「第2の人生」みたいな、特にこの作品では「異世界転生」みたいな機能を持っているみたい。つまり佐賀異世界

 ちなみに「さんかれあ」では、ゾンビについて「生きているのか、死んでいるのか」「魂はどこに?」「自由意志はあるのか、ただの反射なのか」「自己同一性」「どこまで肉体は不変なのか」「どれくらい肉体が朽ちると、彼女彼女でなくなるのか」みたいな視点に触れているややハードめな作品なのに対し、本作は(2話時点で)そういう視点がざっくりスルーされているので、安心して観られる。

 なぜだろう、ただ若干肌が土気色で目のくぼみが強調されているくらいなのに…なんだか…あれ?…かわいいぞ…?

SSSS.GRIDMAN

 すすすすっ。”SSSS.”は発音しない。グリッドマンアニメ特撮ヒーローアニメ(ーター)見本市から長編アニメ化(過去長編化したのは「龍の歯医者」だけ?)。監督美術音響効果など一部スタッフが続投している。アニメで観る特撮ヒーロー

 作品のコンセプト的に子供向けっぽいのかな、と思っていたけれど、OP見ると本来あるはずの白文字テロップ歌詞が無いので、なんか大人向けっぽい。

 作品雰囲気象徴している背景美術フェチズムがすごい。何あの電柱書き込み。他にも教室雰囲気や町並みなども懐かしさを感じる雰囲気

 強烈なのは日常と非日常交錯する日常パート。「なんかヤバそうなんだけど、別にみんななんともないし大丈夫なのかな」という正常性バイアス支配された日常っぽくてしびれる。特に1話日常パートには音楽がなく、緊張感がある。

 それはそれとして、モブ同士の会話がすごく良い。文字通り何気ない会話なんだけど、モブが活き活きしている。なお公式では毎週期間限定でボイスドラマを公開していて(脚本雨宮監督)、内容としては各話の幕間を描いている。1話4分位なので聴きやすい。

 そんな日常パートが終了するキッカケとなる怪獣の登場シーンがまた強烈。デザインとか暴れ方はまさに特撮ヒーローに出てくる怪獣のものって感じだけれど、直接怪獣を描くのではなく「混戦する無線通信」「燃える街」「ビルの向こう側でなんか大変なことが起きてるみたいだけど見えないのであんまり慌てていない電車乗客」等、雰囲気を描くことで怪獣の怖さを描いている。私はあんまり特撮ヒーローモノを観ないけれど、これを観てて「シン・ゴジラ」と同じ感動を覚えた。本作の音楽鷲巣詩郎であり、無音から劇伴勝利BGMという演出が見事に決まっている。

 グリッドマンアクションシーンもやはり特撮ヒーローライクな演出(というか再現)になっていて、重量感のある着地や舞い上がる瓦礫はまさにという感じ。特にアニメで見るライダーキックは迫力がある。アニメなのだからもっとデフォルメして空高く飛んだりしてもいいのに、中に人間が入っているような動きで繰り出すキックらしい迫力がある。これを観たかった。あとたまにフィギュアが動いているように見えるのは、監督含むトリガーの人たちがフィギュアオタクからなのかも(職場が足の踏み場もないくらフィギュアで溢れているらしい)。

うちのメイドがうざすぎる!

 心・技・体の揃った「未確認で進行形」の紅緒お姉さまロリ小姑を追い詰める。

 動画工房の持ち味であるヌルヌルコミカルアニメーションを観ることができる。特に本作はチーム太田監督太田雅彦、副監督大隈孝晴シリーズ構成音響監督あおしまたかし音響監督えびなやすのり音楽三澤康広代表作は「みつどもえ」「ゆるゆり」「琴浦さん」「さばげぶっ!」「干物娘!うまるちゃん」「ガヴリールドロップアウト」等)による新作であり、作品ベクトルあんな感じの日常コメディ。ついニコニコ動画で観ちゃう

 メイド身体がすごい。絵に描いたような筋肉もりもりマッチョマン変態。あれでコミカルな動きをするのはなんか新鮮。

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