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はてなキーワード: 寂寥感とは

2021-03-29

とても嬉しいことがあったか死にたい

とても嬉しいことがあった。自分努力存在のもの肯定されるような出来事だ、というのは大げさかもしれないが、自分はそれくらい嬉しかった。だから、この嬉しい気持ちのまま、死んでしまいたい。嬉しいことがあるといつも死にたくなる。

旅行の帰りにも死にたくなる。楽しい思い出と少しの寂寥感を抱えながら、家の近くの交差点信号待ちをしているとき、このまま飛び出してしまいたいと思う。人に迷惑をかけて死ぬのは良くないからやらないけど。

でも辛いときや悲しいとき普通に死にたくなる。苦しいのは嫌だ。死んだら辛いのも悲しいのも無いから死にたくなる。

逆に生きたいと思うときほとんどない。何か楽しみなことがあっても、この楽しみな気持ちを抱えたまま死にたいと思う。○○をするまでは死ねないというよりも、○○をしたい楽しみな気持ちが終わらないうちに死んでしまいたいと思う。

まあこんなふうにぐだぐだ書いていても、多分自殺とかは出来ないだろう。この間ぼうっと歩いていて、気付いたらすぐ近くに車がいた。死の恐怖を感じた。おかしな話だ。死んでしまいたいと思いながら、死は怖い。ありふれた平凡な人間だ。嫌だ嫌だ。

事故死ぬのはダサいから何かの病気になって研究されながら死ぬか、誰かを庇って死ぬという漫画みたいな展開で死にたいな。誰か死なせてくれ。

2020-12-13

地方都市はいいぞ(茨城県日立市編)

就職でなんとなく日立市に流れ着いて永住することになりそうな身として、淡々生活感想を書いてみる。

中核市でも農村でもない、日本中に沢山ある人口20万人弱の地方都市の一生活者の記録です。

環境

3年ほど前に建売4LDKを購入。

働き方改革が始まる数年前までは残業して帰る時間に空いている店も少なく、娯楽が少ない環境で、他に使い道もなかったので、20代で新築する夫婦は同期の中で珍しいほうはなかった。

田舎人間は、家を転売可能資産などとは思っていない。

掛け捨てのアパート代よりマシぐらいの気持ちで35年ローンを組む。

マンション…はJR駅の近くに新築分譲マンションが1棟ぐらい出ていたが、駅の近くに何もない街並みなので、価格ほどの魅力は感じなかった。

でも某H社の関係転勤族単身赴任の人も多いので、マンションは主にそういう方に需要があるのだと思う。

客間が在宅勤務の仕事部屋になり、将来の子ども部屋は物置部屋になっている。

もともと私は物を増やす性質で、夫は物持ちが良くあまりものを増やさないので、ほとんど私の荷物占領しているのはいちおう申し訳なく思っている。

アパート暮らしとき電子書籍一択だったのが、紙の本を買えるようになって嬉しい(ほとんど漫画だが)

徒歩5分圏内には、コンビニ24時間営業のチェーン系飲食店が1件。

決して充実はしていないが、孤独を感じるほど何もないわけではないのが良いなあと思っている。

10分歩くと砂浜。

まれ育ったところは海まで2~3時間盆地だったので、移住したての頃はどこまでも続く水平線結構感動した。

今ではすっかり見慣れてしまい、インドア人間なので夏でもいちいち海に行ったりはしないが、それでも晴れの日は通勤中に海が見えるとちょっと爽快な気持ちになる。

オーシャンビューな感じのカフェにもたまに行く。

国道沿いにはスーパーとかホームセンターとかニトリとかチェーン系のファミレスが一通り揃っているので、日常的な買い出しはそこに車で行く。

しかに車がないとかなり不便。

うちは夫婦ともバス通勤なので、車は1台で充分なんだけど、うちも含めて周辺の物件には3~4台の駐車スペースが確保されている。

そのくらい車社会なのだ

私は元々かなり運転に苦手意識があったのだけれど、前職を辞めて1年ほど在宅パート生活をしていた期間があり、時間に余裕があって必要にも迫られていたので、生活に困らない程度には運転できるようになった。

慣れると運転楽しい

あと、夜でも気兼ねなく出かけられるのは、特に女性にとってはかなり大きなメリットなんじゃないかと思っている。

娯楽

市内に娯楽施設らしいものはないが、最近話題公立動物園はなかなか立派なものがあり、子どもが出来たら連れて行ってあげたいと思う。

今にも逃げだしそうなゆるい囲いのカピバラと近距離で触れ合えるのと、珍しいヘビとトカゲがいっぱいいる。

週末何してるかというと、夫はゲームラズパイ開発か資格勉強してるし、私はネット漫画か知り合いのサイト開発などしていて、自宅を謳歌している。

たまには30分ほど海沿いを運転して隣の市のショッピングモール(withシネコン)に行く。

あと、土曜の夜は隔週で、やっぱり30分ほど運転して絵画教室に通っている。

先生が昼は喫茶店マスターをしている気軽な教室で、デッサン楽しいが、半分くらいは先生高校生たちの明るい雑談を聞きに行っている気分。

数年前、インドア人間のくせに、思い立ってSUP(スタンドアップパドルボード)に行ったことがあった。

独身時代に住んでいたアパートの近くに、体験プランをやっているショップがあったのだ

ちょうど今くらいの季節で、めちゃくちゃ寒かった。

そのときは海じゃなく流れが穏やかな川で、インストラクターに促されてボードの上に仰向けに寝そべってみると、川の上に寝ている感じが心地よかった。

川で獲れた(?)という鮭のイクラ載せ放題の昼食と、1日SUP体験合わせて5千円。

かなり満足度の高い体験だったが、当時は趣味に投入する色々な(主に精神的な)リソースが足りていなくて、続けるには至らなかった。

でもまあ、その気になればそういうウォータースポーツができる環境もあるし、釣り好きな人には最高の環境だと思われる。

車に乗れない人や学生は遊ぶところがなくて寂しさを感じるかもしれない。

私はこの町で青春を過ごしておらず、余計なお世話ではあるのだが、そのあたりの寂寥感日立市出身の人気ラノベ作家ヤマグチノボル氏(ゼロの使い魔で有名)の著作からも伺えた。

若くして亡くなった氏の作品には衰退しつつある故郷への愛が込められていて、よそ者の私が後から読んでも、何というか非常にしんみりしてしまものであった。

これも隣のひたちなか市だけど、邦楽好きとしてROCK IN JAPANに気軽に行けるのは最高。

今年はコロナでなくなっちゃったけど。

ネモフィラコキアも良いのだけど、最近は人気で人が多すぎてあまり行っていない。

仕事

ぽんこつプログラマとしてまあまあ楽しく働いている。

某H社様のおかげで市内の同業種求人はいつも需要供給を上回っている印象。

1回辞めた既婚アラサー女の私でも再就職できたし。

通勤バス使ってドアtoドア30分弱。

バス乗車が10分で、公園のカモを数えながら15分ほど歩く。

全部歩いても45分くらいなので、気が向いたら音楽を聴きながら歩いて帰る。

バスは、2005年に廃線になった日立電鉄線路跡をバス専用道路にしたBRTというものが開通して、かなり便利になった。渋滞に巻き込まれないバスは良いものだ。

(ローカル線好きとしては、電鉄に残ってて欲しかった気もするが)

BRTは自動運転試験運行も始まったりしていて、ちょっとクワクしている。

雇用がある町は強いなと思う。私は地元がかなり好きだけど、就きたい仕事の枠が無くて地元を出たので。

正直最初に越してきた頃は、工業都市特有の無機質な景観沿岸部らしい雨風の強さに冷たい印象も受けたのだけど、ここは働くための町なんだと思う。おかげで図書館とか病院とかも新しくて綺麗。

教育

まだ子ももいないので何とも言えないが。

子どもの興味と合致したら将来は茨城大か茨城高専か筑波大に行ってくれたら経済的には嬉しいかな、ぐらいには思っている。

東京に出たとしても、週末気軽に行き来できる距離なのは良い。特急で片道1時間半、高速バスで片道2時間半。

東京(というか上京)に対して北東北民ほどの執着が無さそうだもの

需要全然ないと思うけど、生まれ育った岩手県盛岡市についてもそのうち書きたいと思います

2020-12-11

結婚によって寂しさが改善れるが、改善されないと結婚できない

結婚別に交際に置き換えてもよい。

結婚なり交際なり、深く自分必要としてくれる人、自分必要とする人が近くにいることは、ものすごく寂しさの改善になる。

だが、現時点でどうしようもない寂しさを抱えていて、寂しさを解消するために結婚を求めていると、結婚が遠のく。

自分の寂しさを解消できず、ヨシヨシしてもらおうというある種自分勝手な、求めるばかりの人というのは当然魅力は相手に伝わらない。

相手の寂しさも解消してくれるというスタンスでいても、自分が寂しいと感じている時点で相手に求めるものが多くなってしまう。

結局、自分気持ち自分でどうにかできる人ではないと結婚はできない。

じゃあ今結婚している人たちは、寂しさを感じたことがないのかといわれるとそうでもないかもしれない。

中年のどうしようもない寂寥感ではないにしろ若いころの自分のことを知ってほしいという渇望はそれなりに大きいものなのだが、相手も若く相手から渇望されることにそれほど抵抗がないのだろう。

結局若気の至りというか、若い時の情熱がなければ結婚の波に乗れないのかもしれない。

年を取れば寂寥感も巨大になり、でも若いころの情熱も男女ともになくなると相手の寂しさを素直に受け止められなくなりる。

情熱があるうちに自分気持ちに素直に相手を求め、求められるという経験必要だったんだなと思った

2020-10-12

出かけても出かけても一人

出会い人間関係も無くて虚しいからって家を出て散歩してみても

結局ショッピングモールと自宅の往復だけで

孤独に変わりないのよな

たくさんの人混みに身を投じれば

つかの間の一体感寂寥感ごまかせるけど

誰とも話をせずにすれ違うだけで

連れの人間と会話する人たちが通り過ぎるのをみてもっと惨めになるだけで

もっとこう

人と触れ合うために出かけたいんだが

不審者勧誘犯罪者扱いされるだけなのか

出会いアプリ

いやいや、そんなん登録できるだけですげえじゃん

だって出会えるかもって思えるだけの自信と根拠があるってことでしょ

顔や身長社会的ステータスにさ

俺には何もないよ

だれが好き好んで負け戦しに行かなきゃならんのさ

登録できるってだけで俺とは別の人種じゃん

からって出かけるわけだよ

何かを求めて出かける

でも日が暮れて帰ってくる頃には

今日も虚しかったねって思うんだね

2020-09-28

anond:20200927192127

KKO極めてくると食と酒くらいしか楽しみがなくなって料理が上手くなるのはあるあるっぽいのだ。

便乗して、私は恋愛事には全く向いていないと最近やっと認めた新人KKOワイくん自慢のパスタレシピを喰らえ、なのだ

まずオイルパスタを作れるようになろう

レシピを喰らえ、とか言っておきながら、いきなりレシピじゃないのだ。理論から語りたくなる、ホッテントリにも入ってた「スパイスからカレー作るやつはなぜ面倒くさいか」の面倒くさいやつを地で行っているのだ。なおワイくんはカレースパイスから作ってるし、玉ねぎの炒め方に一家言あるのだ。そうでもしないと人生暇でしょうがいからな。

オイルパスタが作れるようになると何が良いかというと、あとは具材の正しい下処理のやり方を知れば、「〇〇のオイルパスタ」が簡単にできるようになるのだ。さらに言えば、オイルパスタが上手く作れるならクリームを入れてもおいしいのだ。料理は基本となる形、パスタで言えばオイルパスタが分かれば、あとはソフトウェアの書き換えでどうとでも遊べるし美味しいものができるのだ。まずペペロンチーノ唐辛子なし版、アーリオオーリから入るのだ。各々「ぼくのかんがえたさいきょーのぺぺろんちーの」レシピがあるかもなのだが、基本は共通しているはずなのだ。「オリーブオイルにんにくを炒めて塩をひとつかみ入れたお湯で茹でた麺に絡める」が本質なのだ

ここで1番大きなポイントを書いておくのだ。「正しい作り方よりも、美味しく食べること」なのだネットレシピWikipediaと同じくらいの割合で正しい情報が書いてあるのだ。8割くらいは参考になるのだ。でも、乳化しないと麺にオイルソースが絡まない、とか、ペペロンチーノ唐辛子にんにく塩以外入れるのは邪道、とか、パスタ中華麺じゃないんだからフライパンでは炒めない、火を落とすのが正解、とか、うるせぇバァカ!なのだ。冷めたパスタとか冷めたピザくらい価値がないのだ。正しさより温度、正しさよりも旨さをとってくれ、なのだ味の素入れたってホワイトペッパー入れたっていいのだ。ワイくんはまたさめぴみたいな人が首相にならないか待ち望んでいるのだ。

美味しいオイルパスタ、作れるようになったのだ?気をつけてほしいのだが、大親友彼女のツレは居ないのだ。パスタ話題のたびにこれ書いてスター稼いでるブクマカ脳死で書いてるのだ。帰れ。

具材の下処理を学ぼう

パスタの具になるものいくらでも思いつくのだ。きのこトマト香味野菜魚介類などなどなのだ。全てに科学的にも官能的にも正しい調理があるのだ。それを学べば、あなたも「あまりものだけど」で美味しいパスタ作ったお前、ができて、ドヤ顔もできるのだ。ドヤ顔できても彼女セックスもできないのだ。悲しいが料理のうまさと人間としての魅力はそんなに繋がってないししゃーないのだ。

きのこを具にしたい場合は油を少量だけ引いて若干焦げるまで焼いたきのこを別で用意して、オイルパスタに和えるのだ。ドライトマトも同様でいいのだ。トマト缶を使うときは水分が飛ぶくらいまで炒めてトマトソースにするのが常套手段なのだ。魚介はアヒージョを思い出せばいい、油でじっくり火を通すのだ。アクのあるほうれん草を使う場合ちゃんと茹でてから、火を通しすぎると苦くなったり風味や食感が台無しになるセリとか春菊を入れるときは火の通りを逆算したタイミングで入れるのだ。水菜みたいな火を通さなくていいものは、和えるタイミングで入れればいいのだ。具材に合わせて具材を加えればいい、あらかじめ逆算しておけば簡単なのだ

これらはパスタ以外にも繋がる、大事なことを伝えてるのだ。「料理は逆算」なのだ。こういう出力がほしいからこのタイミングでこういう処理をする、を考えられれば、だいたいの料理はうまくいくのだ。辛味が欲しいので、鷹の爪を入れる→鷹の爪の辛味を引き出すには、ニンニクと一緒にじっくり低温で油に辛味を入れる、という逆算なのだパスタ茹でるときに大量の塩を入れるのは、パスタに直接塩をかけるとしょっぱさが不均一かつ表面的になりすぎて美味しくないから下味として入れるのだ。そして何が良いか良くないかは、自分の舌が教えてくれるのだ。ワイくんは田舎者で舌がバカで濃い味が好きだから、優しい味みたいなのは全部「うすい」のだ。出汁引くにしてもまず具材を倍量にするのだ。でも、世の中に受ける、特に毎日食べる家庭料理なら薄いほうが飽きなくて良いこともわかってるのだ。ワイくんは独り身なので濃さの種類を変えて毎日濃いもの食ってるのだ。あなたの舌の、好みの濃さにするのだ。

これらが分かれば、料理ができる人特有の全ての調味料が適量って書いてある雑レシピでも十分においしいものができるのだ。さて、ようやくワイくん自慢のレシピを公開するのだ。適当レシピを書くのだ。

九条ネギオイルパスタ

大量の1.カリカリに炒めた九条ネギ 2.ちゃんと火を通して甘みを引き出した九条ネギ 3.軽く火を通したフレッシュ九条ネギを作るイメージで、アーリオオーリオを作るのだ。アウトプットがこれなのだから、入れるタイミングは逆算するのだ。

答えを言ってしまうと、1.ニンニクと一緒、2.乳化前、3.和えるタイミングなのだちょっとだけでも、料理は逆算、の意味がわかったのだ?

ちりめんじゃこシソオイルパスタ

こんなレシピ簡単に思いつくのだ。ジャコシソは合う。ならジャコシソオイルパスタに入れてしまおう、なのだシソは火を通しすぎると色味も香りも悪くなる、だから和えるタイミングで入れる。パスタに絡むように、シソは細切りにするのだ。ジャコなんていつ入れてもうまいのだ。硬いやつなら最後、柔らかいやつを硬めな食感にしたいなら乳化前、柔らかいままにしたいなら和えるタイミングなのだ。完全に「こういう出力がほしいからこうする」の逆算なのだジャコパスタリアス、なんて1万回はこすられたであろう名前をつけておくのだ。

1日350gの野菜パスタ

とあるクソブクマカもニッコリな野菜たっぷりパスタなのだ。1.ニンニクと一緒、2.乳化前、3.和えるタイミングとして、

1. ナスきのこアスパラブロッコリー

2. キャベツほうれん草セリ春菊の茎・ドライトマト

3. 水菜大葉春菊の葉

のような感じで、余った野菜を適切なタイミングで加えてペペロンチーノを作るのだ。野菜炒め麺入り、みたいな状態になるのだが、これでいいのだ。具材の正しい調理法さえ知っていればあとは組み立てるだけなのだ

あとは細かいテクニックとして、皿は茹で汁とか使って温めておくといいのだ。繰り返すが、冷めたパスタはそれだけでつまらない味になるのだ。冷たい飯、冷めた飯はエネルギー補給しかならないのだ。適切な温度の飯はそれだけでテンションが上がるのだ。

一人で食べてても美味い!が先にきて死にたくはなってこないのだー!でも日常のふとした瞬間の寂寥感がつらすぎて、誰かがワイくんを殺してくれることを待ち望んでいるのだー!新コロも致死率が低すぎる上に味覚障害が残ると聞いて忌避する対象になったのだ。殺してくれ。

追記

ヘドロ食えだのお前に許されるのはカップ麺だの、酷い言われようなのだ。ヘドロを食う方法は知らないし、知るつもりもないのだ。ヘドロは食べ物じゃないのだ。カップ麺はそれだけで十分完成してるのだが、強いて言うなら美味しい方の油分が足りないのだ。ネギ油や鶏油を用意しておくとカップ麺も1段階美味しく食べられるのだ。私のことは好きに罵倒して構わないのだ。それでストレス解消した皆様が頑張って作った社会に、死ぬまでフリーライドするのだ。

2020-08-12

うたた寝してる男の子の首を噛みたい

うたた寝してる男の子の首を噛みたい。

何するんだよってうっとおしがられながらも

自らに向けられる愛情困惑する顔を見たい。

叶わぬ夢。

中学生の頃、じゃれ合っている同級生男子を遠巻きに見ていた。自分はそういうものに何も興味はないと思っていた。私はもっと高邁で、奇抜で、愉快で、進歩的なことを考える人間だと思っていた。

高校生のころになると私は(主観的認識としては)原因不明寂寥感に苛まれていた。このままではまずいと思った私は、世間に対する警戒を緩め、私の世界ポップカルチャーやら何やらが流入してくるのを受け入れた。そのころ、私はようやく、抽象観念的な理想は、自分が具体的他人とどう付き合っていきたいかということとあまり関係がないことに段々と気がついていった。

そして、私が友情という観念に仮託していた自分感情は、大人の友人関係では叶えられないものであることを知った。むしろ、私が欲しているのは、愛、しかも痴なる愛であることを悟った。

私を慕う部活の後輩がいた。そして、彼の声には甘えるような響きがあり、回りくどい冗談には愛着が示されていた。時がたつにつれ、彼の声に私は痺れるようになった。私のそんな気持ちは伝えてしまたかったが、うまくいかなかった。そうならないように、彼が会話の雰囲気操作しているような気がした。私の胸は焦がれた。

私は自分目的を達するためにもっとも良いと思った遠方の大学入学した。私には野望があまりに多かった。一方で、私の心は干からびているようだった。自己肯定感あふれる鬱病患者のような奇妙な状態に陥った。私の自己実現欲求は空転し、私は留年した。

大学生になっても、課外講義をとると、キラキラした笑顔で川の水をかけあっている一年生の男子がいた。とても眩しく見えた。留年生の私だが、そんな彼にも普通にしかけることができたし、彼は自然に仲間のように接してくれた。でも、私は関わろうとするのを辞めた。「友情」に素直に満ち足りる彼らは、最初から別世界存在のように思えたからだ。私が人間で、彼らが天使であるかのような。

そういうことがあったせいからか、親密な感情を全く想起させないが、冗談や興味深い話はするというような「好ましい」人間関係が、これまで以上に、勝手に構築されるようになっていった。相手は居心地が良さそうにしていた。私もまあ居心地は良かった。でも、それを破壊したくて仕方がなかった。私は飢えのために闘わなければならなかった。不道徳で、実りの無い戦いを。

今、私はそれから何年も経って、いろいろなできごとを起こしていったし、巻き込まれていった。しかし、未だにこんな文章を書いているほどに、何も進歩がない。

2020-03-18

anond:20200318183105

修士行く人が多い学科だったか寂寥感はほぼ無かったし

そもそも学会と日程重なって2割ぐらい欠席だったはw

最近アニメが見れない、ゲームができない、小説が読めない

作品というのは、それ単体が一つの箱庭であると思う

創作物である以上、そこにある表現以上の物はそこには存在しない

つの作品が終わることとは、その世界にそれ以上の未知がなくなってしまう事に他ならない

どうか私を置いていかないでくれ

うかいつまでもその世界にいさせてくれ

その寂寥感を誰と共感できるわけでもなく

その喪失感を誰が癒してくれるわけでもなく

その無聊を誰が慰めてくれるわけでもなく

から、年を取るごとに作品を消費するのがしんどくなってきた

世界でたった一人だけの狭い部屋に押し込められ、死ぬまでの永遠を過ごさなければならないことを思い出すから

誰もが自分一人だけの落とし穴のような空白と欠損に沈み、生きていかなければならないことを思い出すから

「そこは……どんな場所だ?」

「えっ?」

「お前が何にもしないで閉じこもっているその場所は、どんな所かって訊いてるんだ」

「え、なんで?」

「いいから答えろよ」

「うんっと、そうだね。……なんだか、牢屋みたいなところで、風がスースーと抜けるんだけど、どこにも出口とか窓がないの」

「それで……天井が低くて、立つことも出来ないんだけど、床に寝そべられるほど広くもなくて、ずっと膝を抱えて座ってるみたいな……」

「狭くて暗くて寒い?」

「うーん、多分、そんな感じかな」

――S.M.L「CARNIVAL

「なんか、いいね。すごくいい」

 僕は言ったんだ。だって本当にそう思ったし。それ以外、考えられないじゃないか。母さんも、黙って頷いた。きっと、同じ気持ちだったんだと思う。理紗が、そっと僕の手を握ってきた。その顔は、しらじらしく花火の方を向いている。僕は苦笑した。理紗もきっと同じ気持ちに違いない。彼女も、ずっと、一人で苦しんで来たんだ。辛い思いをして生きてきたんだ。みんなバラバラで、一人ずつ閉じこめられて孤独に苦しんできたんだ。でも、これからは、僕らはきっと、今まであったこと全部取り返すくらい、良いことばっかりしか起きないんだ。良いことも悪いことも、みんなで一緒に分け合って。

 みんな同じ気持ちなんだ、みんなで、幸せになるんだ。これから、ずっと良くなるんだ。良くなりつづける。一点の曇りもない、いつまでも曇ることのない、無窮の蒼天。影を作らない明るい太陽

 理想だったんだ。こんな風になるのが。いくら考えても、調べても、どうしてもこんな風に成れないって事ばっかり書いてあって、でもまだ知らない事があるから、そこにはなにかあるかもしれないって、ずっと調べて、知って、でも、知れば知るほど、不可能だって思うようになって、誰かが、全てが、全部僕の知識を裏切ってくれればいいと、ずっと望んでたんだ。そんなのはでたらめで、もっと素晴らしいものがあるって。そして、こんな風景を見たかったんだ。

(中略)

「もうよしな。あとがつらいよ」

 後ろから、声が聞こえる。

「あと、少しだけ」

 僕は、振り返らないで応える。

「見てられないよ。哀しい」

「お前が哀しいって言うなんて、思わなかったな」

「たまらないよ。わかるだろう? もうよせよ。辛いだけじゃないか

「僕のこと、可哀想だと思う?」

「ああ、思うよ」

「じゃあきっと、すごい幸せなんだ」

「ああ、そうだね。でも、お前は、これからも生きて行かなくちゃいけない。ここじゃまだ死ねない」

(中略)

 しばらく、花火を見つめてから、僕は、目を閉じた。また目を開けると、景色が全部消えて、真っ暗な中に、僕が、立っている。

「もう、充分だよ。うん、これでもう満足だ」

――S.M.L「CARNIVAL


<滅菌された物語>とでもいいましょうか。もちろん主人公の身に起きるのは良い事ばかりではなく、人並み以上に苦しい事や辛いことを経験しますが、最終的にはすべて彼の成長の糧となり、「人は何もかも受け入れて生きていけるんだ」という心強い感覚に浸れる、そういう話の事です。

(中略)

『いたいのいたいの、とんでゆけ』は、二度と抜け出せない穴に落ちた人の物語でした。しかし僕はそれを単に薄暗い話としてではなく、元気の出る話として書いたつもりでいます。とてもそうは見えないかもしれませんけれど、でも、そうなのです。

――三秋縋「いたいのいたいの、とんでゆけ」

2020-02-04

anond:20200204203953

読者には死ぬことがわかっているが

本人は知らずに普通に過ごしているという寂寥感

わかりやす死亡フラグとか泣かせとかはなくて

ただ時々「来年映画が楽しみ」みたいな描写でそっと死を匂わせたりするのが上手いし、

一回の更新で確実に死に向かっていくあたりがTwitterともマッチしてる。

2019-08-19

ちっぱいという単語

いいよね

まな板貧乳といった寂寥感絶望感のある乳と違って

慎ましくも存在感がある価値ある単語

おっぱいって言うよりちっぱいって言う方が口が疲れない気がするし

歌があるのも頷ける

2019-06-25

風俗嬢引退プレイに付き合ったら大を漏らした

去年からお世話になっているエステ嬢が引退すると聞いた。

テクニックは勿論、顔やスタイル性格に至るまで俺の理想とするオキニの嬢で、向こうもLINE交換提案してくれるほど仲良くしてくれてたので、卒業と聞いたときはかなり胸に来た。

でも、写メ日記よりも先に引退報告のメッセージを送ってくれたのは嬉しかった。

人妻なので、もう風俗業界に足を踏み入れることはないらしい。

「これで会うのが最後か」と思うと、俺は無性に寂しくなった。

どうせ最後なら何か思い出を作りたいと思い、オプションで初めて「撮影」をやってみることにした。

今思えばこれが間違いだった。

指名予約は滞りなく進み、なんとか店の最終時間ねじこんでもらえることになった。

プレイルームに足を踏み入れた瞬間に寂寥感を抱いた。夜中の静かな時間ということもあり、寂しさがこみあげてきてなんだか泣きそうになった。

向こうも少しくらいは寂しさを感じてくれているのか、「もう会えなくなるなんて寂しい」って3回は言ってくれたと思う。目が合うと自然キスしていた。

嬢は30代前半の人妻だけど、夫には風増で働いているとは伝えずに働いているらしい。

とても穏やかな性格だけど、指名するたび少しずつSっぽいところが見えてきて、そこが好きだった。

彼女の柔らかい身体に包まれながら唾液の交換・・・その様子も、スマホでしっかりと撮影しました。自撮り棒の脚立に固定してマッサージされている様子も撮影。運良く嬢の献身的な様子を沢山映すことが出来た。

引退プレイに沢山思い出を残せるよう、時間はじっくり遊べるよう指定した。全身をローションまみれにしてもらい、前立腺の刺激に取り掛かってもらった。

アナル舐めもしてあげよっか?」って聞かれたけど、最後キスもしたかったので遠慮した。

自分の尻の穴舐めた口とキスは流石に嫌だった。

つん這いになって肛門晒し、指を奥まで突っ込まれた。

まずは前立腺の前に、オーソドックス愛撫である指の出し抜き。興奮してると、これだけでドライオーガズムに達せそうな感じ。

美女肛門を責められる羞恥を堪能していたところ、違和感を覚えた。

便意を催してしまった。

最近アナルめにも慣れてきて、肛門を刺激された際の猛烈な便意も楽に耐えられるようになったハズなのに、その日に限ってどうしても我慢できない感じの便意だった。

さらに嬢が「浣腸プレイにしよっか?」と突然追い打ちをかけてきた。

流石に漏らしそうだったので最初は断った。でも便意に耐えながらの愛撫があまり気持ちよくなく、もったいない気持ちになったので後から頼んでみることにした。

予想通り、すぐに盛大な音を出して実が出てきた。

もちろん俺の排便の一部始終もきっちりスマホ撮影されている。

なぜか風俗嬢の引退プレイで俺が主演の浣腸プレイ動画撮影をしているシュールなことになった。

もうトラウマレベルで恥ずかしかった。

なんでオッケーしてしまったのか・・・浣腸されて直腸に液体の入った僕は、嬢の目の前で、盛大に放出してしまった。

しかもそれをガッツリ見られてしまった。

嬢も「こんな強烈な光景は初めて」と言って乾いた笑いを浮かべてたので、印象には残せたかもしれない。

とても有終の美とは言い難い、強烈な性体験だった。

2019-04-23

わたし平成ビデオゲーム個人史(追記

1990年平成2年

爆誕

初めてのビデオゲームスーパーファミコン

1998年

スーパーマリオカート

親戚が置いていったのを借りて遊んだキノピオが扱いやすくて好きだった。

スーパーマリオワールド

SFCの楽しさを知ったのでブックオフで買ってもらった。当時は確かスペシャルコース挫折したが、後にリメイク版(GBA)で裏世界到達を果たして満足し、カートリッジステージ中央に置いて引退

Nintendo64ゲームボーイカラーとの出会い、そして別れ

1999年

ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ

ロクヨン」というやつが面白いと聞いてクリスマスに買ってもらう。(トイザらス限定金色

当時小学校の近くに住んでおり、「スマブラ」があると聞きつけた同級生たちが連日押し掛け、人生絶頂期を迎える。

ポケットモンスターシリーズ

同年、ゲームボーイカラーポケモン金に出会いビデオゲーム好きを決定づけられる。相棒オーダイル背中に乗って旅する夢を見る。

その後、銀・クリスタル・赤・ピカチュウプレイして金のポケモン図鑑をコンプリート

ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ

ドラゴンクエスト

ファンタジーの高揚感と旅の寂寥感を知る。ロンダルキアの雪原でアークデーモン対峙する夢を見る。

まりにもハマりすぎたためある日親がブチ切れ、ビデオゲームの類はすべて鍵付きトランク収監プレイも土日のみに制限され、スマブラ目当ての同級生たちも遠ざかり、人生絶頂期が早くも終焉

ゲームキューブとの出会い、そして別れ

2001年

大乱闘スマッシュブラザーズDX

念願の「スマブラDX」を買ってもらうも、既に非社交性を存分に発揮していたため64時代栄光を取り戻すことかなわず

加えて、ある日帰宅するとビデオゲームが全てブックオフに売却されており、その夜焼肉に連れて行かれた。母は「ゲームを売ったお金よ」と言ったが、あれが事実なのか質の悪いジョークなのかは未だに分からない。泣きながら口に押し込んだタン塩はどこか塩辛く、しかし胃袋は正直であった。

追記

上記事件は私が「ゲームは土日のみ」という約束を破り、トランクの鍵をハックしてこっそり遊んでたことが発覚したせいなので、普通に私が100%、いや99%悪いです。あと親子仲は普通に良いです。

このブックオフ焼肉事変の影響で「時のオカリナ」「ムジュラの仮面」「マリオ64」「バテン・カイトス」など任天堂据え置き機の名作をプレイする機会を失ったのが個人的コンプレックスになっている。Switchバーチャルコンソールはよ(今ややる時間がない)

2003~2008年

中高時代、懲りずにお小遣いを貯めてこっそりゲームボーイアドバンスSP(名機)を購入。買い漁った中古ソフトを、バックライト恩恵にあずかって布団に隠れてプレイし、ド近眼になる。ファミコンミニシリーズレトロゲームにも触れる(初代ゼルダスーパーマリオブラザーズetc)。

大学:本気(マジ)で留年(ダブ)る5秒前

2009年

大学受験日程を全て消化した瞬間、ニンテンドーDS Liteポケモンプラチナを購入し欲望のままに徹夜プレイDSクロノトリガーに大感激してゲーム音楽に目覚め、光田康典繋がりでソーマブリンガープレイし、DSドラクエ5デボラ派に鞍替えする。

2010年

初めてのソニー機・PSPMHP2Gを購入。大剣太刀片手剣を1000時間振り回し無事留年

この頃ニコニコ動画The Elder Scrolls 4: Oblivion存在を知る。PC洋ゲーとのほぼファーストコンタクト。初めての日本語化・初めてのmod導入(受験英語でもそこそこちゃんと勉強していた過去自分感謝)、初めてのオープンワールドRPG。RAM4GBオンボード最低画質でも20FPS前後だったのにようやってたなほんとに。

Fallout3プレイし、Bethesda神とHavok神への信仰心を獲得する。

ゲーミングPCへの憧れを抱く。

2011年

ゼノブレイドの評判を聞きつけてWiiを購入。ダンバンのあまりのかっこよさにJRPG熱が再燃する。

メリアと出会い長命種族との異種間恋愛概念を獲得する。

2012年

この頃から心身を病みビデオゲームから離れたため、Wii UやPS3流行に乗れず、第2のコンプレックスを抱える。

2014年

精神に凪が訪れ、Newニンテンドー3DSLLを購入しポケモンモンハンを一通りプレイするも、さすがにもう限度を弁えていたため事なきを得る。

社会人:安定収入は実質向精神薬

2015年

なんやかんやあって卒業就職初任給を全額はたいてBTOゲーミングPCを買うも、なぜか初任給がなくなってしまったのでPCを抱いたまま餓死しかける。

最高画質modシマシでTES4やFallout3を遊び直したり、

帰宅後の限られた時間でも遊べるインディーゲームを買い集める。

Unity存在を知り、自分でも触ってみる。

→「Unity完全に理解した」(1週間後)

→「Unity全然分からん」(1ヶ月後)

ゲーム制作生業にすることの凄まじさを身をもって知る。

2017年

Nintendo Switch購入。ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドにドハマりし、続けてスプラトゥーン2にドハマりする。プライムデュアル時々スシコラ洗濯機

2019年平成31年/令和元年)

SteamOriginUplayNintendo SwitchPS4 Proその他諸々に囲まれてあへあへ積みゲーオタクなう

―――――――――――――――

みんなの平成ビデオゲーム個人史も聞きたいな。聞かせてくれ。

2019-01-28

ブギーポップ視聴者が笑えない糞ラノベアニメ

さらセカイ系(笑)の出来損ないみたいな90年代ラノベ引っ張りだしたところで、ガキが食いつくわけもないと分かりきってるのがクソ。どうせ昔のファンも大半はとっくに趣味変わってるだろ。

無意味時間が行ったり来たりするのがクソ。カッコイイとでも思ってんのか?分かりにくいだけだわアホ。

キャラデザ全員モブ過ぎて誰が誰だか分からないのがクソ。ブギーポップは分からない(爆笑

ラノベ業界もそろそろ弾切れで苦しいのは分かるけどさあ、さすがにこんなもん引っ張り出してくるぐらいなら、他にもっといい原作あるだろ。たとえば……お留守バンシーとか!





 そこまで打ち込んだところで〝増田〟は確認画面に進み、実際に表示される際の見え方をチェックする。特に問題のないことを確認して「この内容を登録する」ボタンクリックした。

 大きく息を吐き、しばし目を閉じて時間が過ぎるのを待つ。ヘッドホンからは、路地裏の秘密クラブについて女性ボーカルが歌うハスキーな声が流れているが、別に増田〟の趣味ではない。無音よりは多少の「雑音」があった方が集中しやすいという程度の理由で、適当にまとめて違法ダウンロードしたファイルランダム再生しているだけだ。

 曲が終わったのを合図に目を開き、さきほど投稿した「記事」のページをリロードした。夜の10時過ぎというお誂え向きの時間だけあり、セルクマなどという姑息な真似をせずともブックマークが既に30ほど集まり始めている。トラックバックも、上から目線傲慢評価への反発が7割、同意が2割、元記事ほとんど無関係独りよがりのつまらないネタが少々という予想通りの傾向で、活発に反応してくれている。

 当然だ。〝増田〟の書く記事が狙いを外すことは有り得ない。

 たった今書き込んだ記事で扱ったアニメにも、その原作ライトノベルにも、〝増田〟は特に興味がなかった。ただ、SNSなどでの他人発言を眺めていて、こういうことを書けば「バズる」だろうなというイメージが、なんとなく頭に浮かんだのだ。あとは、このアニメを叩きたい人間の「設定」に自分を重ねるだけで、溢れるように文章が湧き出してくるのだった。

「……」

 自分がそれを書いたという証が何一つない文章が、回線の向こうで人々の注目を集めるさまを、〝増田〟は静かに見つめた。

増田〟は昔から、「自分」というものを持たない人間だった。

 自己主張が少なく控えめな性格、という程度の話ではない。何が好きで何が嫌いなのか、何が得意で何が苦手なのか、人に聞かれるたびに例外なく言葉に詰まった。単にそれを表現するのが下手というだけではなく、自分がどんな人間なのか〝増田自身どうしてもよく分からないのだった。

 そのため、自己紹介はいつもひどく苦労させられた。胸の内を語ることのない秘密主義人間と見なされ、親しい友人を作ることも難しく、いつも孤独に過ごすこととなったが、それが嫌なのかどうかすら〝増田〟には判断ができなかった。

 その感覚は、対面での音声によるコミュニケーションだけではなく、ネットでの文字を介したやり取りでも特に変わりがなかった。たとえ単なる記号の羅列に過ぎないとしても、自分を表すIDが表示された状態で、何か意味のあることを言おうという気にはどうしてもなれなかった。

 そんな〝増田〟がある時、一つの匿名ブログサービス出会った。

名前を隠して楽しく日記。』

 良識のある人間ならば眉をひそめるであろう、その醜悪な売り文句に、増田はなぜか強く引きつけられた。

 そこに書き込まれる、誰とも知れぬ人間の手による、真偽のさだかならぬ無責任言葉たち。数日の間、寝食を忘れてむさぼるように大量の匿名日記を読みふけった後、それらのやり方を真似ることで、〝増田〟は生まれて初めて自発的文章を書き出したのだった。

 特に書きたい内容があったわけではない。ただ、睡眠不足と空腹でからっぽになった頭を満たす、得体の知れない衝動に従いキーボードを叩いた。

 出来上がったその文章は、保育園の子供の入園申し込みをしていたが落選してしまった母親、という「設定」で、政治批判もまじえつつ全体としてはどうにもならない怒りを乱暴な口調で八つ当たり気味にぶつける、といった感じの記事になった。

 実際には、保育園への申し込みどころか、当時から現在に至るまで〝増田〟は結婚すらしてはいないのだが。

 これを軽い気持ち匿名ブログ投稿したところ、予想外の爆発的な大反響を呼んだ。ブクマは2000以上付き、「記事への反応」は100を超え、ニュースサイトどころか国会で取り上げられる事態にさえ発展した。

 遂には記事タイトルがその年の流行語大賞トップテンにまで入ってしまたこの一連の動きに、もちろん驚きはあった。だがそれ以上に、自分の指を通して生まれ落ちた自分のものではない言葉、という捩れた存在自体に、〝増田〟は震えるような感動を覚えたのだった。

 ここでなら、自由に「言葉」を操ることができる。

 その確信を得てからは、坂を転がり落ちるように、この匿名ブログへとのめり込んでいった。

 様々な立場人間になったつもりで書いた記事投稿し続けるうちに、〝増田〟は奇妙な現象に気がつく。ひとたび題材を決めて書き始めてしまえば、それまで全く知識も関心も無かったどんな分野についても、どういうわけか淀みなく言葉が湧き出すのだ。

 ある時は、フリーランス13年目のWebデザイナーだったり。

 ある時は、新人賞を受賞してデビューしたもの限界を悟って引退を決意した兼業作家だったり。

 ある時は、セクシーキャバクラの元女性接客係だったり。

増田〟は、記事を書くたびにありとあらゆる種類の人間に「なった」。そしてそれらの「設定」の元に、このwebサービスの読者たちに、感動や、怒りや、笑いを提供してきた。〝増田〟にとって、読者から引き出す感情の種類はなんでもかまわない。自分の書いた言葉が、多くの人間に読まれることだけが重要なのだ

 実際、〝増田〟の書いた記事には、著名人ブロガーですら不可能なほどの高確率100を超えるブクマが次々と付いた。SNSでも拡散され、ネット上の話題を取り上げる(といえば聞こえは良いが他人の褌で相撲を取るしか能がない)ニュースサイト元ネタにもなり、つまり――「バズって」いた。

 本格的に活動を始めてから、〝増田〟は毎日多数の記事投稿し続けている。〝増田〟以外の利用者は誰一人気づいていないが、今ではこの匿名ブログサービスにおける人気記事の、実に九割以上が〝増田〟一人の手によるものなのだった。もはやここは〝増田のしろしめす王国なのである

 そして、〝増田〟の支配電脳空間にとどまらずより大きく広がろうとしている。〝増田〟の記事が読者から引き出す強感情。これを利用し、流されやすい一部の読者の行動を誘導することで、〝増田〟は既に現実でも大小さまざまな事件を引き起こす「実験」を成功させていた。だが、それぞれの事件自体に関連性は全くなく、膨大な投稿量を多数のID分散しているため、運営会社ですら事件の背後にいる〝増田〟の存在には手が届いていなかった。

 この影響力の、深く静かな拡大。これが順調に進めば、いずれはサービス運営会社の中枢に食い込むことすら時間問題だった。

 匿名ブログ支配過程で〝増田〟の掴んだ情報によれば、この運営会社はただのIT企業ではない。その実態は、途方もなく巨大なシステム下部組織なのだ。そこを足がかりに、「世界」にまで手が届くほどの――

「……っ……っ」

 果てのない野望の行く先に思いを馳せ、〝増田〟は声もなく笑った。

 そこに、

――♪

「……?」

 ランダム再生にしていたメディアプレイヤーから、奇妙な曲が流れ始めた。

 口笛である

 音楽に興味のない〝増田〟でさえ聴き覚えがあるほど有名なクラシック曲を、どういうわけかわざわざ口笛で演奏しているのだった。それは、アップテンポで明るく力強い原曲を巧みに再現してはいものの、しかしやはり口笛としての限界で、どこか寂寥感のある調べとなっていた。

「……」

 これのタイトルはなんだっただろうかと〝増田〟にしては珍しく気にかかり、プレイヤーの最小化を解除して現在再生中の曲名を表示した。そこにはこうあった。

 John Cage『4'33"』

「!!」

 違う。この口笛は、ヘッドホンから流れている音ではない。

 その事実に気づいた〝増田〟はヘッドホンを頭からむしり取り、音の出どころを探った。

「――♪」

 耳を澄ますまでもなかった。口笛は、明らかに増田〟の背後から聴こえてきている。それも、ごく至近距離で。

「……!」

 背筋を貫く寒気を振り払うように、〝増田〟は回転式のデスクチェアごと素早く振り返った。

 片付いているというより極端に物の少ない部屋の中央。そこに、それは立っていた。

 金属製の丸い飾りがいくつか付いた、筒のような黒い帽子。全身を覆う黒いマント。男とも女ともつかない白い顔に浮かぶ唇までが、黒いルージュで塗られている。

 まったく見覚えのない顔であり、衣装だった。

 普通に考えれば、異常な格好をした不法侵入者ということになる。今すぐに警察通報するべきだ。だが〝増田〟は、そんな常識的思考をこの黒帽子適用することが、なぜかできなかった。

 部屋のドアには鍵を掛けておいたはずだが、こじ開けられた様子もなくきれいに閉じている。いくらヘッドホンから音楽が流れていたとはいえ人間がドアを開け閉めして部屋に侵入した物音に全く気づかないということがあるだろうか?

 カーテンを閉め切り照明の消えた部屋の中、ディスプレイの微かな灯りに照らし出された黒帽子の姿は、床から突然黒い柱が生えてきたようにも見えた。

匿名アノニマス)、か――」

増田〟の当惑をよそに、黒帽子は口笛を止めて言葉を発した。黒い唇からこぼれる声は澄んだボーイソプラノで、やはり性別特定することはできなかった。

「人には、自分にとって切実な何かを伝えるために、敢えて何者でもない立場をいっとき必要とすることもある。だが、『匿名』こそが本質であり立ち返るべき『自分』を持たない存在――それは『自分』という限界に縛られないが故に、無目的にただ領土だけを広げ続け、遠から世界を埋め尽くすことだろう。その新世界では、根拠となる体験を欠いた空虚感情けがやり取りされ、真の意味での交流永遠に失われる……間違いなく、世界の敵だな」

 人と世界について語りながらその声はどこまでも他人事のようだったが、最後の断定には一点の迷いも無かった。

 世界の敵、という言葉が指す意味の本当のところは分からない。だがこいつは、〝増田〟こそが「それ」だと言っているのだった。

 なぜ初対面の異常者にそんな決めつけをされるのか。そもそもこいつは一体何者なのか。

 そんな疑問を込めて、〝増田〟は目の前の怪人物を睨み付けた。黒帽子にはそれだけで意図が伝わったらしい。

「人に名前を訊ねる時は、まず自分から名乗ったらどうだい?」

増田〟の耳にその言葉は、それができるものなら、という挑発を含んで聞こえた。

 できないわけがない。変質者に名前を教えるのは危険だが、自宅に押し込まれている時点で大差ないだろう。

増田〟は椅子から立ち上がって息を吸い込み、自分名前を告げようとした。

 しかし、

「…………!」

 声が出なかった。いくら喉に力を込めても、最初の一音すら形にならずに、ただかすれた吐息漏れるばかりだ。

「それこそが、君が世界の敵である証なんだよ」

 そう言った黒帽子が肩ほどの高さに上げた右手を、ついっと振った。その指先から細い光の線が伸びてきて、空気を切るような鋭い音がしたかと思うと、〝増田〟の首の周りに熱い感触が走った。

「?」

 次の瞬間には、〝増田〟の視界はゆっくりと下降――いや、落下し始めていた。

 途中で回転した視界の中で〝増田〟が目にしたのは、頭部を失ったまま直立する、肥満した成人男性身体だった。

「……っ!?

 直前までまとっていた「自称アマチュアアニメ批評家」の「設定」が霧散したことで、〝増田〟は意識を取り戻した。思わず首の周りに手をやるが、傷一つ付いてはいない。

「なるほど。君の能力にはそういう働きもあるわけだ」

 感心したように言って、黒帽子は宙空をかき混ぜるように右手の指を動かした。そこにまとわりつくように、光の線が見え隠れする。目を凝らして見れば、それは極細のワイヤーだった。

増田〟の首に巻き付けたあれを素早く引くことで、瞬時に切断を行なったのだと、遅れて事態を把握する。

「……」

 いま首を斬られたのは、あくまで〝増田〟の「設定」に過ぎない。だが、味わった「死」の感覚は本物だった。それを実行した黒帽子は、今も平然とした顔をしている。

 目の前の怪人が何者であろうと、もはやこれだけは間違いがない。こいつは〝増田〟を殺しに来たのだ。無慈悲に、容赦なく

「……!」

 黒帽子と向き合ったまま〝増田〟は、後ろ手に恐るべき速度でキーボードを叩いた。わずか数秒で4000字超の記事を書き上げると、そのまま確認もせず匿名ブログ投稿する。

『現役警察官ですが、容疑者を射殺したことがあります

 記事はすぐさま炎上気味に100オーバーブクマが付き、新たな「設定」が〝増田〟の全身を覆った。そこに立っている姿は既に、制服を着た男性警察官そのものだった。

 実のところ〝増田〟にとっても、匿名ブログのこのような使い方は初めてのことだった。だがその事実意識することすらなく、〝増田〟はこの応用をごく自然に行っていた。まるでこれが本来用法だったかのように。

 警察官の〝増田〟は、いかにも手慣れた動きで腰のホルスターから素早く拳銃を引き抜いて安全装置を外すと、黒帽子の頭に狙いをつける。この距離なら外すことはないだろうし、さすがに銃弾を正面から受けても平気ということはあるまい。

 しか弾丸が発射されるより早く、引き金にかけた〝増田〟の指をめがけて光が走った。

「そんな危ないものは下ろした方がいい」

 切断された指がぽろぽろと床に転がり、〝増田〟は拳銃を取り落とした。重い金属が床に叩きつけられる、ごとん、という音が響く。

「!」

 失った指の痛みにのたうち回る間もなく、再び飛び来たワイヤーが〝増田〟の首に絡みついた。鋼糸はそのまま、いともたやすく肉に食い込み――

「……!」

 一瞬のブラックアウトの後、警察官の「設定」もあえなく消え去ったことを〝増田〟は悟る。

増田〟は、次の「設定」を求めて、慌ててキーボードを叩き始めた。殺されないためにはそうするしかない。

 黒帽子がワイヤーを一振りするたびに、現在の〝増田〟の「設定」が消滅する。〝増田〟は超スピード匿名ダイアリー記事書き込み、新たな「設定」を得る。その繰り返しが続いた。

 格闘家ヤクザ猟師力士刃渡り50センチ牛刀で前足を切り落として熊を倒した撮り鉄、1200万ドル機械義手を身につけ「捕らわれざる邪悪」の二つ名を持つ元アメリカ特殊部隊員……

 考えうる限りの、個人戦能力の高い人間立場で書かれた記事投稿し、その「設定」を使って制圧を試みる。だが、いずれの力をもってしても、〝増田〟は黒帽子の体に触れることさえできなかった。

「……」

 異常なまでの適性ゆえに普段意識せずに済んでいたが、この匿名ブログサービス本来、少しでも油断すると「あれ?増田さん、この話前にもしませんでしたっけ?」と指摘を受ける、投稿者に厳しい場だ。いかに〝増田〟の記事とはいえ、短時間に似たようなネタを続けて投稿したのでは、ブクマPVを稼ぐことなどできない。「設定」を定着させるためには、読者からのそういった「承認」を得なくてはならないのだ。

 少なくとも同じ職業ネタにすることは避ける必要があった。とすれば、「設定」を潰されるたびに書ける記事選択肢は少しずつ限られていく。

増田〟は、徐々に追い詰められつつあった。

 その焦りが引き金となったのか。

「!!」

――字数制限

anond:20190128020421

2018-12-08

二次元キャラに恋をし、声優を憎んだ話

彼との出会いゲームソフトショップだった。

何となく棚を眺めていたら、たまたま目についたソフト

帰宅後すぐにPCを立ち上げ、ゲーム公式サイトを開いた。どうやらこのゲーム恋愛ものらしい。主人公が様々なタイプ男性たちを攻略していくストーリーだ。お相手となる男性キャラクターたちに声を当てているのは実力も人気もある声優たち。声優に詳しくない自分でも名前を知っている人たちだ。たとえお話面白くなくとも、格好いい男性キャラクターたちの姿を眺め、彼らの口から発せられる格好いい声が聴ければ、それで充分楽しめるだろう。当時恋愛ゲームほとんどプレイしたことがなかったこともあり、興味本位で購入を決めた。

このときはまだ「彼」は幾人もいる攻略キャラクターのうちの一人にすぎなかった。

ゲームを始めて約30分後、彼は物語に登場した。公式サイトソフト解説書で説明されている通り、明るい性格キャラクターだ。主人公出会う場面では、主人公積極的に話しかけ、コミュニケーション能力の高さを遺憾なく発揮。かといって、押し付けがましいところはない。

それでも、正直好みではないと思った。容姿微妙担当声優も存じ上げない方で、イケボであるが好みの声質ではなかった。たとえ三次元にいても近づきたくないタイプの男だし、主人公と彼の恋愛にも興味がなかった。

その気持ちががらりと変わったのは、彼の個別ルートに入ってからだった。

恋愛ゲームに詳しくない方に説明すると、この手のゲームには共通ルートと呼ばれる序盤の全キャラクター共通ストーリーがある。共通ルート選択肢如何で中盤以降の個別ルートが確定する。私は公式サイトを見たときから攻略したいと思っていたキャラクターがおり、共通ルートでも主人公とそのキャラクターが会話する度萌え萌えていた。この人を手っ取り早く攻略するにはどうすればいいのか。ネット上で攻略情報を探した。すると、驚きの事実が判明。このキャラクターは初回プレイでは攻略できず、先に他のキャラクター攻略しないと個別ルートが開かないのだという。そのような仕様ならば、今やるべきことは早急に誰かを攻略することである

初回攻略可能キャラクターは限られていた。その中に彼はいた。彼ならシナリオ短めでさっくり終わりそうだ。彼から攻略することに決め、共通ルートでは彼寄りの選択肢を選んだ。

これ以上詳述するとゲームタイトル特定されそうなので具体的な内容は伏せるが、共通ルートを終えて個別ルートに入った直後、私は彼のことが理解できなかった。主人公も彼に良い感情を持っていなかったと思う。彼は何故こんなに最低な振る舞いをするのか。ゲーム製作者は何故彼にこんな設定を負わせたのか。主人公と彼は本当に恋愛できるのだろうか。ストーリーを読み進めながら、頭には疑問符が浮かぶばかりだった。

共通ルート同様、個別ルートでも彼の行動は最低であった。人の話を聞かない、プライド高い、人の話を聞かない(大事ことなので二回書く)。主人公イライラしていたし、画面前の私もイライラしていた。主人公が彼を捨てるバッドエンドが用意されているのも当然だ。こんな身勝手な男ついていけない。

それでも、主人公は彼を好きになった。身勝手な男が見せる寂しがり屋な一面に主人公は気付いたのだ。主人公が彼の側から離れようとすると、彼は寂しそうな素振りをしながら一緒にいたいと言う。甘えた声で彼は主人公を求めるのだ。そのなんと可愛らしいことか。決して強引に主人公を引き留めることはせず、主人公意思尊重しているところも健気だ。

「とりあえず終わらせよう」と思って彼のルートを始めたのに、いつしか「終わらせたくない。いつまでもプレイしていたい」と願うようになった。主人公が彼を好きになっていく過程を読み進めながら、私も彼に恋していった。

彼のハッピーエンドクリア後、主人公と彼が結ばれたことに感動しつつ、私は言いようのない寂寥感に襲われていた。彼はこのゲーム上にしか存在しない。ゲーム画面を閉じると、彼の人生はここで終わりなのだあんなに苦しんで頑張っていた彼の人生所詮画面の中の話である。彼が生きた証はゲームの中にしかない。

現実世界に彼は存在しないことが悲しく寂しかった。

彼が描かれた缶バッジを購入した。なんて素敵なのだろう。缶バッジという小さな物でも、彼の存在の証のように感じられた。さらに関連グッズを購入した。彼の存在さらに強く感じられた。

スタッフコメントを読み、キャストコメント聴く原画家シナリオライター、着色、声優、様々な人の才能が結集されて彼が誕生したことを知り感謝気持ちが湧いた。特に声優さんのコメントキャラクター愛に満ちたもので嬉しくなった。

当時の私は彼に本気で恋をしていた。理解されにくいと思うが、誰にも渡したくないと思うほどに彼が好きで好きでたまらなかった。彼が二次元上の存在であることも、彼には特定相手主人公)もいることも分かっていた。自分が彼と結ばれたいと思う(所謂女子思考)は持っておらず、彼と主人公恋愛を眺めながら、永遠片想いで構わないと思っていた。

ゲームに没頭し、グッズを集めた。精神的にも物理的にも彼でいっぱいに満たしたかった。いないけど、いるのだここに。

グッズを眺めながら、彼の声を聴く。私の中で彼の存在は確かなものになった。誰にも汚されない永遠偶像。この世界でただ一つ信じられるのは彼の存在だけだった。

それを揺るがしたのは彼の声を務める声優である。仮にAさんとしておく。

アニメゲームに疎いためAさんのお名前を知らなかったが、Aさんは人気声優であった。出演本数も多く、様々なキャラクターを演じられていた。彼と同じ声なのに、彼とは容姿性格もまったく異なるキャラクターがこの世界存在している。Aさんが他のキャラクターを演じている声を聴くと、否応なく彼は虚構存在であると思い知らされた。

彼の声は唯一無二ではないという当たり前のことが受け入れられなかった。

新作ゲームアニメキャストが発表されるとAさんの名前がある。

やめて、出ないで、そんなもの見たくない。

新作ゲームアニメツイッターアカウントブロックする。Aさんと共演した声優アカウントブロックする。見なかったことにすれば、存在しないも同然だ。

録画していたアニメもAさんが出演していると判明すると予約を取り消す。プレイしていた恋愛ゲームにAさんが出演していたので、最後までプレイできずに売ってしまった。

到底このゲームがAさんの代表作とは言えないことは頭では理解している。それでも、私にとってAさんと言えば彼なのである。Aさんにはずっと彼の声だけを担当してほしかった。

Aさんのアカウントブロックした。彼の声は彼固有のものではなく、Aさんの声であるという事実すら受け入れられなくなった。Aさんなんて嫌いだと思った。

Aさんのファンブロック。Aさんが出演したアニメ原作者出版社ブロック。Aさんと共演していない声優も把握していないだけで共演している可能性があるし今後共演するかもしれないかブロックニュースサイト新聞も、各種メディアも今後Aさんの活躍を報じるかもしれないかブロック。全部目に入れたくない。

何も受け入れられず、拒否することしかできない。

Aさんが彼以外のキャラクターを演じることが憎かった。

Aさんが彼以外のキャラクター代表作としていることが憎かった。

Aさんの華々しい出演歴の中で、何年も前に発売されたマイナー恋愛ゲームはちっぽけで、Aさんが彼のキャラクターを覚えているかも分からない。代表作について語るAさんが許せず、数年間Aさんに声を当ててもらっているキャラクターが羨ましかった。

Aさんに対して手紙を送ることも出演イベントも行かなかったので、私が知っているのはネット情報で見かけるAさんだ。Aさんに関する情報事実虚構か分からないが、どんな些細な情報でも心がざわついた。Aさんについて考えると胸が苦しくなった。二次元男性存在を揺るがす憎い奴なのに何故こんな熱い気持ちをAさんに抱いているのだろう。

ぐるぐる考えていたある日、Aさんの恋愛に関する情報を得た。ショックで寝込んだ。ベッドの中で涙が止まらなかった。ツイッターを開くと、「恋愛応援できるファンが本当のファン」というコメントが流れてくる。私はあんなにAさんを憎んでいたのだから、口が裂けてもファンとは言えないだろう。ファンではないか恋愛応援できないのだ。

しかし、一般的に考えると、嫌いな人が誰かと付き合い始めても「悲しい」「ショックだ」という感情は湧かないのではないか。何故Aさんの恋愛でここまで寝込んでいるのだろう。まるで失恋たかのようだ。そこまで考えて、私はAさんを憎むのと同じくらいの熱量でAさんを好きになっていたことに気が付いた。

思い返せば、このキャラクターを好きになったのもAさんの演技力によるところが大きい。あの凛々しい声と甘える声は忘れられるものではない。

キャストコメントで彼の魅力を語るAさんに好感を持っていたことも事実だ。「演じて楽しかったです」の言葉が好きだった。

幼稚な感情にすぎないけど、確かに好きだったのだ。認めてしまえば簡単ものだった。キャラクターに恋をした延長でAさんにも恋心を抱いていたのだ。

絶対に私のものにはならない人に恋して、思い悩み、絶対に私のものにはならない人に失恋したのだ。

泣きながら、Aさんの恋愛を言祝ぐツイッターアカウントブロックしていった。

キャラクター声優を同一視するなんておかしいよね、と言いながらブロックしていった。


あの嵐のような日々からしばらく経った。

今でも私は彼のことが好きだ。彼以上の二次元男性はこの先現れないことだろう。ゲームを立ち上げると、彼は変わらぬ笑顔を見せてくれる。

Aさんの情報を見るともやもやした感情を抱くが、さっと目を背けることはできるようになった。Aさん出演のアニメゲームも今後観ないだろうけれど、それでもAさんを憎むことはない。

恋することも憎むことも一人で始め、一人で終えることができる。誰も知らない自分一人の中で吹き荒れた感情の嵐の顛末をここに記したまでである

2018-11-24

anond:20181124142858

グラフありがとうございます。確かにおっしゃる通りですね。

ただ、離別死別は、日本の「女が家事をする」が基本年代の方のものではないでしょうか。

日常のこまごまとした家事を、パートナーが去った後からやるとなると慣れていればいいけれど

さら寂寥感が増すのかなって。

今の若い世代はそんな事ないでしょうから(出来ることをシェアしてそうだから)また変わってくると思いますいかがでしょうか。

2018-10-24

2018年アニメ2話までほぼ全部観たか感想書く その1

 毎期アニメが終わるたび一生分のアニメを観たような気になるので、今期もまた新作アニメPVニュース憂鬱な目で見ていたはずなのだけれど、気づけば今期もまた新作アニメを浴びるほど観る毎日に身を投じていたので風呂敷を広げすぎないうちに感想を書く。それっぽく並べてあるけど、作品の優劣は付けてない。容赦して。

 ちなみにここに書く作品すべて2話まで観ているわけではなく、まだ1話しか観ていない作品もいくつかある。あと解説の中に殆どキャラクター名(固有名詞)が出てこないのは、単に全く記憶していないからだったりする。表題キャラ名(グリッドマンとか)や2期のキャラを除くと、真面目に「伝説山田たえ」くらいしかフルネームを覚えていないかも。

2018年秋アニメ2話までほぼ全部観たから感想書く その2

2018年秋アニメ2話までほぼ全部観たから感想書く その3

2018年秋アニメ2話までほぼ全部観たから感想書く その4

配信情報について

~独占…対象サービスしか配信してない

~のみ見放題…対象サービスでのみ全話見放題。その他のサービスでは有料配信

~のみ最新話無料対象サービスでのみ最新話見放題。その他のサービスでは有料配信

言及なし…複数サービスで全話見放題/最新話無料

 私はTVアニメを観ない(BS見れないし、TOKYOMXもAT-Xも受信できないし)ので、配信情報はこれ以外の手段について書いている。

感想(上の作品ほどモチベ高め)

やがて君になる

 良い最終回だった百合百合でもガチ百合。花の学生生活を描くアニメ

 今年観た百合アニメで非常に印象的だった「citrus」と比較すると、citrus主人公性愛の目覚めに至ってから物語が始まるのに対して、本作は自分気持ちにどんな意味があるのか?というところにフォーカスしていく物語みたい。「やがて」という言葉を冠しているところからも、同性愛に至るまでを描く内容なのだろうか。「わからない」っていうセリフが控えめに言って最高。あとcitrusにもあったけれど、最初に「男性から告白されて(恋愛対象とみなされて)、それを断った上での百合展開」というのがよりガチっぽくて好き。特に2話以降で言えば、同性愛の目覚めがけっしてみんな一緒のタイミングではなく、キャラによって気づきの早さが異なり、それゆえのすれ違いが描かれているところが最高に良い。

 本作の脚本を手がけるのはあの花田十輝。「宇宙よりも遠い場所」のいしづかあつこ監督がどこかのインタビューで「花田脚本は絵で語る表現がうまく、例えば誰かが喋っているとき、そのキャラの顔をアップにするのではなく別のキャラの顔をアップにするとか、そのキャラの手元を写すなど「行間を読ませるような演出」に優れた脚本」と評価していたけれど、本作もそういった意匠のある演出になっている。「響け!ユーフォニアム」「宇宙よりも遠い場所」などでも見られるモノローグなど、花田十輝の良さが出ている作品キスシーンめっちゃエモかった。

 大島ミチル音楽が非常に良い。校舎や制服が少し時代を感じさせる一方で、すごく特別で隔世感のある華やかな雰囲気に包まれていて、それを音楽が加速させている。また、パリッとしたわかりやすさを持たない、複雑な心情とよく合っていて痺れる。

 それにしても制服デザインがめちゃくちゃ好き。「ゆるゆり」「あまんちゅ!」の制服に似た優雅さがある。

色づく世界明日から

AmazonPrimeVideo独占

 制作P.A.Works、背景:スタジオ・イースター(監修・東潤一)、音楽出羽良彰脚本柿原優子ゴリゴリP.A.Works作品高校生青春を描く物語。割とやさしいせかい

 なんやかんやで色が見えなくなった女の子がふさぎ込んじゃって、魔法使いのおばあちゃん彼女のために云々・・・というシナリオ色覚異常テーマにした作品と聞いて「聲の形」が一瞬よぎったけれど、扱っているテーマが違う(あっちはいじめが大きなテーマになっている作品)。

 演出的には「主人公を見守るような視点」が多く描かれていて、全体的に優しさに包まれている。魔法日常に溶け込む世界感は「凪のあすから」くらい生活感のあるSFに仕上がっている。

 生活感といえば1話の「魔法ショップの店内の様子」みたいなシーンを見て「ふらいんぐうぃっち」を思い出す人もいたと思うけれど、それもそのはず、本作の劇伴出羽良彰ふらいんぐうぃっち劇伴担当していた人なので、圧倒的ふらいんぐうぃっち感のある、優しさに包まれ作品になっている。透明感のあるビブラフォン骨身に沁みる。劇伴買おうかな。

 それにしても、背景美術クオリティが異常。一旦OPEDを観てほしい。タイトル通り本作は「色」が大きなテーマになっていて、物語キーとなる背景が主役になるカットが多い。「(世界はこんなに美しいのに)主人公の目には世界灰色に見える」という、暗闇の中にある思春期心象風景説得力を持たせるためには相当美しい背景が必要なのは分かるのだけれど、それにしても書き込みや彩色がエグく、特に彩度については主人公の心象とリンクして白黒〜極彩色まで変化するくらい凄まじい仕上がりになっている。なので、1話ラスト抽象的な、印象派のような絵画っぽい心象風景によって世界が彩られる演出は痺れた。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

 湘南ご当地アニメ舞台湘南なのは原作者鴨志田一曰く「湘南青春の日々を過ごすことに憧れてたから」とのこと)。

 鴨志田一といえば「Just Because!」がアニメ放送されたのは2017年10月だけれど、本作も学生ヤキモキした感じが漂う青春群像劇(ボーイ・ミーツ・ガール)になっている。

 タイトルは章ごとに変わるらしい。ひたぎクラブまよいマイマイ→…的な。なお原作も各巻ごとにタイトルが異なる仕様だっため、先日発売された新装版は「タイトルを見ても巻数が分からない問題」が修正されている。ちなみに、2話で登場する少女CV.水瀬いのり)のエピソードは、来年劇場作品として公開が決まっている。

 バニーガール先輩も青春豚野郎も非常にクレバーキャラなので、ライトノベルっぽいタイトルバニーガールキービジュアルから想像し難いような会話劇だったりする。「サクラダリセット」に近い。ともに主人公を演じるのは石川界人。彼の淡々とした口調がすきだなあ。ってティラミス見ながら思った。

 本作は「思春期症候群」という都市伝説テーマ。例えば「根も葉もない噂」とか「誰も自分のことを知らない世界に行きたい」とか「なんとなくみんなに合わせないといけないような、ハブられないようにしないといけない、という空気」とか「いじめを受けたことによる、目には見えない心の傷」など、特に学生時代に抱えやすい、可視化の難しい問題を「思春期症候群」という舞台装置によって可視化しているのかな。ある意味残酷ではあるけれど、逆に救いのある物語だよね。

 会話の意味のなさが良い。「サクラダリセット」に出てくる相麻菫と浅井ケイの会話を思い出す。哲学に片足を突っ込んでるあたり特にツボ。1話なら「ありがとう」「ありがとう」という意味が無いとか、2話なら「キスしよっか」が「キスしよっか」という意味を持たないような。そんなバニーガール先輩を見ていると「打ち上げ花火」のナズナちゃんを思い出す。会話にほとんど意味がないために、彼らの感情をうまくキャラクターの表情で表現しているのが言葉の軽さと対照的になっている。エモい

 特に2話は、問題解決と同時に解消されるであろう二人の関係を思うと、どこか漂う諦め、虚無、寂寥感がある。

 音楽担当するFox capture planはシンセの曲が多めかつ特にEDのようなジャズっぽい

雰囲気があるので、「Just Beacause!」と比べて本作は精神年齢高めな作品に仕上がっている。

風が強く吹いている

 三浦しをん小説原作制作production I.G大学生10人がある日突然、箱根駅伝出場を目指してみた話。

 原作一般小説なので、大学生たちがアニメっぽいキャラクター性を持っていない。性格が地味な子が多い。しかキャラの表情やしぐさにコミカル表現(今期「うちのメイドがうざすぎる!」みたいな動き)をほとんど使用していない。なのに表情が非常に豊か。しか10人とも顔のデザインがかなり異なっているのに(双子を除く)どのキャラも表情含め丁寧に描き分けしている。

 アパート飲み会中後ろでガヤガヤしている人(アドリブ)とか、アニメならキャラ同士のイチャコラを中央に据えて順番に映して「ガヤガヤしてる感」を演出しそうなのに、全くのガヤになっていて「仲がいいキャラクター同士のあつまり、という空気感」として描かれている。2話では特に青竹荘の日常が描かれていて、朝食のシーンなんか「大学生の住んでる古いアパート日常風景」がそこにある。そういうリアル空気が「見える」作品

 カットの特徴で言えば「やや見下ろすような視点」が多い印象。その場の雰囲気を描くためなのかな。

 あと背景の情報量が多い。特に1話ラストランニングシーンとか見ると何枚街のカットがあるんだ。全体的に黒っぽいのも実写っぽさがある(普通アニメでは夜の暗さを青色表現する事が多い)。

 ランニングシーンで言えば、走りモーションの躍動感とチャリ立ち漕ぎしてる体の触れ具合が好き。

ゾンビランドサガ

 死んだ女の子アイドルとして歌って踊る佐賀日常異世界転生する話。大人が本気で悪ふざけしているアニメ大人の悪ふざけxアイドルアニメで今年放送された作品だと「魔法少女☆俺」が思い浮かぶけれど、本作はあっちよりもずっとアイドル寄りに仕上がっている。不和→衝突→団結を繰り返しながら一つになっていく物語の中にライブパートが含まれており、毎話ライブエモい特に2話は、ライブシーンのアニメーションもさることながら主人公を演じる本渡楓めっちゃすごかった。日本語ラップ抵抗のない人なら楽しめると思う。

 概ねギャグアニメになっていて、ゾンビというB級モチーフも相まって福田雄一っぽさを感じる。特に宮野真守が演じる巽幸太郎だんだん佐藤二朗に見えてくる不思議(「全部宮野さんにおまかせで!」っていうディレクションだったらしい)。

 ゾンビというモチーフを積極的に使った作品で私が観たことのあるアニメは「さんかれあ」くらいなのだけれど、どっちも「ゾンビ化」→「第2の人生」みたいな、特にこの作品では「異世界転生」みたいな機能を持っているみたい。つまり佐賀異世界

 ちなみに「さんかれあ」では、ゾンビについて「生きているのか、死んでいるのか」「魂はどこに?」「自由意志はあるのか、ただの反射なのか」「自己同一性」「どこまで肉体は不変なのか」「どれくらい肉体が朽ちると、彼女彼女でなくなるのか」みたいな視点に触れているややハードめな作品なのに対し、本作は(2話時点で)そういう視点がざっくりスルーされているので、安心して観られる。

 なぜだろう、ただ若干肌が土気色で目のくぼみが強調されているくらいなのに…なんだか…あれ?…かわいいぞ…?

SSSS.GRIDMAN

 すすすすっ。”SSSS.”は発音しない。グリッドマンアニメ特撮ヒーローアニメ(ーター)見本市から長編アニメ化(過去長編化したのは「龍の歯医者」だけ?)。監督美術音響効果など一部スタッフが続投している。アニメで観る特撮ヒーロー

 作品のコンセプト的に子供向けっぽいのかな、と思っていたけれど、OP見ると本来あるはずの白文字テロップ歌詞が無いので、なんか大人向けっぽい。

 作品雰囲気象徴している背景美術フェチズムがすごい。何あの電柱書き込み。他にも教室雰囲気や町並みなども懐かしさを感じる雰囲気

 強烈なのは日常と非日常交錯する日常パート。「なんかヤバそうなんだけど、別にみんななんともないし大丈夫なのかな」という正常性バイアス支配された日常っぽくてしびれる。特に1話日常パートには音楽がなく、緊張感がある。

 それはそれとして、モブ同士の会話がすごく良い。文字通り何気ない会話なんだけど、モブが活き活きしている。なお公式では毎週期間限定でボイスドラマを公開していて(脚本雨宮監督)、内容としては各話の幕間を描いている。1話4分位なので聴きやすい。

 そんな日常パートが終了するキッカケとなる怪獣の登場シーンがまた強烈。デザインとか暴れ方はまさに特撮ヒーローに出てくる怪獣のものって感じだけれど、直接怪獣を描くのではなく「混戦する無線通信」「燃える街」「ビルの向こう側でなんか大変なことが起きてるみたいだけど見えないのであんまり慌てていない電車乗客」等、雰囲気を描くことで怪獣の怖さを描いている。私はあんまり特撮ヒーローモノを観ないけれど、これを観てて「シン・ゴジラ」と同じ感動を覚えた。本作の音楽鷲巣詩郎であり、無音から劇伴勝利BGMという演出が見事に決まっている。

 グリッドマンアクションシーンもやはり特撮ヒーローライクな演出(というか再現)になっていて、重量感のある着地や舞い上がる瓦礫はまさにという感じ。特にアニメで見るライダーキックは迫力がある。アニメなのだからもっとデフォルメして空高く飛んだりしてもいいのに、中に人間が入っているような動きで繰り出すキックらしい迫力がある。これを観たかった。あとたまにフィギュアが動いているように見えるのは、監督含むトリガーの人たちがフィギュアオタクからなのかも(職場が足の踏み場もないくらフィギュアで溢れているらしい)。

うちのメイドがうざすぎる!

 心・技・体の揃った「未確認で進行形」の紅緒お姉さまロリ小姑を追い詰める。

 動画工房の持ち味であるヌルヌルコミカルアニメーションを観ることができる。特に本作はチーム太田監督太田雅彦、副監督大隈孝晴シリーズ構成音響監督あおしまたかし音響監督えびなやすのり音楽三澤康広代表作は「みつどもえ」「ゆるゆり」「琴浦さん」「さばげぶっ!」「干物娘!うまるちゃん」「ガヴリールドロップアウト」等)による新作であり、作品ベクトルあんな感じの日常コメディ。ついニコニコ動画で観ちゃう

 メイド身体がすごい。絵に描いたような筋肉もりもりマッチョマン変態。あれでコミカルな動きをするのはなんか新鮮。

2018-06-26

見知らぬ者との距離感

確か吉田戦車いじめてくんであったと思うが、火星の神を指して、大略「時にあがめられ、時にさげすまれ信仰を集めていた」というような記述があった。このアンビバレント距離感が例えば増田とか、日実名系のネットには、なんかにはうっすらあると思う。「ああ、あのバカまたいやがる」的な。多分吉田はそんなこと全く考えずに矛盾した語を並べただけだと思うけど。

そして、この手の下らないことに茶々を入れてくる低能先生も今はなく、ハゲ子は犬死し寂寥感を感じるのである

低能先生、物取りさえしてなければ有期刑でおさまるだろうから、まあ無事出てきてくれや。盗ってたら強殺で無期≒獄死コースだが。

2018-04-25

anond:20180425223448

あの孤独感と寂寥感はすさまじいものがあるよ。

結婚式はもう行きたくないぐらい。

自分以外の皆、幸せになっている、帰る場所がある、明るい未来がある、ってかんじなのに

一人暮らしの家に帰り着いた時の絶望感は相当こたえる。

もう味わいたくない。

2018-03-23

anond:20180322222255

これは完全に同意だなぁ

「はぁ、こんな軽薄な内容で1500円・・・

みたいな寂寥感連続新刊買うの止めた

こんな鍋敷にもならないような代物にただでさえ

狭い部屋をより狭くされるのも耐え難かった

結局、俺は電子書籍古典掘る方向にシフトしたよ

アマゾンで100円とか200円で文豪の全作品

オールインワン投げ売りされてるのでオススメ

太宰治 大全」みたいな感じで調べると出てくる

俺も電子書籍抵抗あったけどすぐに慣れるよ

漫画はあまり読まないのですまんけど分からん

2018-02-11

anond:20180211143402

まだまだ全然大丈夫だろう。

本当に詰まってくるとやるべき事はもう全部投げ捨ててドロップアウトしたまま何十年となって、

やりたい事だったはずのアニメ鑑賞だのゲーム攻略だのも「やらねば」みたいに感じて手が伸びなくなる。

気力というのは永遠に湧くことはなく、機会を失い続ける寂寥感に吸い寄せられ、ただ受け入れるようになる。

恐ろしいと思っただろうか?だから頑張れという激励だと受け取っただろうか?

しろ真逆だ。そういう自分の中の淀み、諦観の境地をいなせるようになってこそ、真の人間だと思うのだ。

堕ちられるところまで堕ちてみるといい。そこに究極の哲学がある。

2018-01-12

ひとは習慣の生き物

BGM: 上白石さん なんでもないや https://www.youtube.com/watch?v=m8C0WP9-0eU

人間は習慣の生き物だ。

数年前に祖父が亡くなったが、祖父が死んだということを最も意識させられるのは、正月ときだ。

ぼくの家族にとって、一同集まって祖父のへたっぴで愛嬌のある歌を聞くのが、正月もっと重要イベントひとつだった。

今はその習慣が無い。祖父の歌を聞かないでよいという事実が、ぼくの中でまたひとつ祖父の不在を大きくするのである

当然、今後、祖父の歌を聞かない正月に慣れていくのだろうけれど、正月は年に1回しかないものから、4年たっても、まだ慣れない。

餅を食べられなかった正月は味気ないように、祖父の歌を聞かない正月はなんだか寂しいのだ。


先日、ぼくは、昔好きだった人に久しぶりにあった。

かつて、彼女とは、毎日のように会話をした。

ぼくにとって彼女との会話は非日常だった。

日常咀嚼するために、ぼくはたくさんの習慣を身につけた。

昼食の取り方、プレゼントを受け取る態度、ひとを傷つけないスタンプの使い方。

そして、失恋と共にその習慣を強制的に失った。

ぼくはまだ彼女に興味があったのだけれど。

彼女の方は、そんなぼくであるからこそ、ぼくに興味を無くしたようだった。


本当に久しぶりだった。

長い間会っていなかったけれど、相変わらず、彼女は非日常のものだった。

色んな習慣が呼び起こされた。

彼女がこの表情のときは、このようにするべきだ、という自分でも忘れていたルーチンが幾度も生じる。

彼女が寒そうにふるえると、部屋の温度を上げる慣わしである

彼女がつかれた表情をしたら、もっと負担の無いような歩調をとるよう反射がおこる。

彼女とぼくの共通点を、偶然新たに発見した時は、二人で笑いあうのが慣例である

しかし、その動作必要性はもはや無く、表情を少しこわばらせるくらいがせいぜいだった。




細胞を含めた身体が、他者とのかかわりによって生まれた快い習慣を全うできないときに感じる、このえもいわれぬ寂寥感のことを何と呼ぶべきだろうか。

ぼくは、まだこの感覚名前をつけられてはいない。

禁断症状、が概念としては近いけれど、関係の不在を感じる分、もっとこう透明感のある感覚だ。

この感覚を呼び起こされるということは、事後的ではあるが、過去の、すなわちもう一人の自分が、けだし幸福であったことの証明のようだ。

幸福証明

このような感覚をもたらす存在に、今後もたくさん出会えると良いなと思う。

事後的で、まるで平行世界自分を見るようでもあるが、あくま幸福であった自分発見するのは、気持ちの良いことだ。




ぼくは彼女出会えて、本当によかったと思います

彼女に会って何かを学んだときは、ぼくはブログポエムを書く気持ち悪いやつだったことを思い出して、

ブログもすでに消去しているので、増田に書いた。

さようなら

約束を果たそうとしてくれて、ありがとうございます

2017-12-24

三十路過ぎのこぎたないオッサン初恋が終わって一年が経ちました

聡明でかわいらしい、素敵な彼女だった。

酔狂にも俺というオッサンを選ぶくらい、独特の価値観を持つ女性だった。

おまけに脳内存在ではなく、実在しているときた。二次元相手にすら恋愛という感情を覚えることができないままぶくぶくと肥ったオッサンには過ぎた幸福であった。

三十路半ばに降って湧いたように訪れた初恋一年と少しで消えていった。

仲違いではないし、ケンカをしようといっていたけれど、それも楽しみにしていたけれど、結局できないまま終わっていった。

わかっていたことだが、未来よりも過去が強く、彼女は聡明でやさしく、俺は弱かった。

「いつか、彼女が俺に愛想を尽かすだろう」と、非モテオタクらしくビクビクした卑怯惰弱予防線をはりめぐらせ、それでも卑屈にならぬようにつとめて一年を過ごした。

それは思い返しても幸福で濃密な一年で、一人で過ごしたこ一年はただネトゲソシャゲの数値を漫然と増やすのと同じ時間であることがにわかには信じられないほどであった。

我々は遠距離であったから、一年の間にともに過ごしたのは実質3週間かそこらといったところではなかろうか。

俺は身に余る幸福を、軽々に疑うことなく、その一瞬をひとつづつ大切に味わい、決して忘れないようにしようと思ったのだ。いつか失われるものだと予感していたから。

別れを告げられる前の、楽しそうだった最後デートで時折見せた憂いの表情で確信にかわった。

もちろん決裂を回避すべく、さまざまな方策が取られた。しかし、竹ヤリで飛行機は落ちない。俺にできることはこの先のお互いの平穏を用意することしかなかった。

万全の心の準備があった。

傷付かずにいられると思った。

やせ我慢などではなく、こんな甲斐性も主体性もない男に生まれてきたことを感謝させてくれてありがとうな。なんて思っていた。

愛想をつかされたわけではない、しかし、どうしても避けられぬ別れを。一緒になるには俺が俺であること自体障壁になる理由を、来るべき三行半をLINEでしぼりだすように送られたとき

ここからの余生が決定された。

このハッピーにもほどがある一年を思い返し、少しずつキャラメルなめるように溶かしながら生きていくのだ。

それはそれで悪くないと、口を半開きにして漫然と生きてきた自分には身に余る幸福なのだと本気で思った。

恋をしたことがないオッサンは、恋に免疫はなかった。ぶっちゃけ甘く見ていた、ひどくナメていた。今自分にとりついている無情感、寂寥感、つかれ、首の凝り、残尿感、就寝後喉から込み上げてくる胃液で灼ける喉、そういったもの一時的な症状で、一年もたたないうちに治るのだと。

そうしたら、突然推し自分ちの台所で白米を炊き始めたのを目撃した女子のごとき切ない声をあげてうずくまるようなこともなくなるだろうと軽く考えていた。

これは失われゆくとき効果を発揮し、一生をかけて宿主を食らう猛毒の類であることに。オッサンはようやく最近気づかされてしまった。

余生のはじまりであったこ一年は短いが、人生支配するには十分な期間だった。

一年には四季があった、ふたりでいろんな話をしながら、様々なところにでかけた。おそらく、ほかのつがいたちがそうするように。我々もさんざんそうした。行こうと約束したきりの場所が、いくつもあった。

から、いろんなところに手がかりを残してしまった。

ひょんなところで、どうしても、少しのきっかけで思い出してしまう。

つきあっている間からちょっとした瞬間にこねくりまわしていた甘い思い出たちが、刃を剥いてオッサンのやわらけえ心をズッタズタに切り裂いていくのだ。

お揃いで買ったボールペンを筆箱から取り出したとき。町中でてんぷらそばの香りが漂ってきたとき。美しい紅葉を見たときバスの中が閑散としていたときTwitterネタ画像を貼ろうとしてカメラロールをたぐったときカップル用の写真置き場として導入したアプリに「もう別れた」と告げることもできないままだったから「つきあって2年目ですおめでとう」という通知が臆面もなく画面に現れたときテレビサメがでてきたとき花火の音を聞いたときモネの絵を見たとき映像の世紀テーマソングが流れたとき。海。いきつけの居酒屋。空が透き通るように青かったときふたりで行こうと話していたその場所への旅行記。机の引き出し。

容赦なくそれらにまつわる我々のイベント一枚絵がフラッシュバックしていく。

思い出がたのしかったほどに、もはやそれらが二度と訪れないことを突きつけていく。無能怠惰だった自分を上っ面だけなじって、甘い記憶の反芻にくたびれる。

そして文字通りくたびれたオッサンは何度目か忘れた記憶の反芻の果てに、ふと気づいてしまう。

記憶は軽く、少しずつ改竄され、曖昧になっていっている。

たった一年だ。

たった一年でも、強い記憶でも、そのすべてをわすれないように目に、鼻に、耳に、手がかりをのこして脳の一番とりだしやすい引き出しにこうしてしまいこんだつもりでも。

どうしたって、あせていくのだ。あせていく割に、思い出したときダメージは軽くなりはしない。ただうすくらがりの割合が増していき重くなっていく。

忘れたもの自分にとってどうでもいいものだったのか。

なんて意味のない自問をして、やめて、また自問して、夜が明ける。

どうすればこの変質を止めることができるのか。

高校生のうちになやんで置くべき事をいまさらやりはじめているから、だれもその無意味思索を止められない。

写真を眺めても、LINEのやりとりをさかのぼっても

俺の印象に沿って変質した思い出を、きっと刻み込んだ瞬間から変質しつづけているその代替品を、いつまで、いつまで舐め続けることができるのか。俺が改竄したのは、いったいどの部分か。彼女の行動か、表情か、懊悩か、それらを突きつけられまいと先手をとって口先で蓋をしていった愚かで卑しい自分の行動か。

傷つけるかもと言おうとして言えなかったうわっつらの言葉か。

変えられなかった自分怠惰か。

いや、それに妥協する自分を、自己愛自覚していますみたいなメタい達観視点で、別の自分を用意したあげくのいぎたないマウントをキメる惰弱自分への嫌悪感だ。

こんなものが、二度とこない、見ることのできない美しい追憶邪魔をする。

しかしこんなものがなければ俺はきっと、こんなこともわかりはしなかった。

ひとりの脆弱なオッサン過去に食い尽くされるより、

きっと、未来朽ち果てる方が早いんだろう。

冒頭で「フラれたときに、余生を決定した」と言った。

本当は、もっとからずっと余生だと思っていたのだ。

20代のはじめに自分というハードウェア脆弱性愕然とした自分は、ここより余生という看板を高々とかがげ、レールにトロッコを設置してゆっくりと坂を下りはじめた。山にぶつかるまでが人生だと割り切ってみると、けっこう空は綺麗だったし、白米は噛むと甘かった。

本当にしあわせだった、大事にしたかった。

思い出じゃなくて、君と君と一緒にいる自分自身を。

なんて、ありあわせの後悔を口に出せば、どうしたって、安っぽくなる。

感謝言葉を書き連ねたいが、それここでやるにはあまりにも浅ましすぎる。

誰の目にもつかず埋もれるか、「貴様の贅沢な懊悩など見る価値ないわ」と吐き捨てるように扱われたいだけなのに。

そうでもされないとやっぱりやってられないくらいにただひたすらに、いまだに、恋しさだけが、こびりついていく。

こんな寒い日に、さびれた地方都市ビジネスホテルで、小さなシュトーレンを分けて食べた。

あの日彼女が着ていた服をもう、思い出せない。






みんな! 現実には存在しないキモオッサン気持ちになって書いたキモポエムをここまでよんでくれてありがとうな! 愛してるぜ!

2017-12-21

四半期の女

今年も冬が来た。

出掛けようとドアを開けると肌に触れる空気が変わったのを感じる。

ああ、そうか、季節がまた変わるんだ。

冷たい空気を胸に吸い込み、吐き出してから歩き出す。

季節の変わり目は心がざわつく。

高揚感と寂寥感の入り交じる複雑な気持ちだ。

そんな心象を見透かしたかのように女から連絡がきた。

「会いたい」とストレートには言わない。

「そろそろ会うべきじゃない?」と書いてある。

そう、女からの連絡手段は毎回手紙なのだ

こちらとしてもそろそろ会いに行くべき時だと感づいてはいた。

会いに行きたいような気もしつつ、会うのが億劫であることも確かだ。

妻もいる、子どももいる。

家も車も買った。

平凡ながらもそれなりの生活を手に入れたと思う。

それでも、女からの申し出は抗いがたい力を持って季節と共にやってくる。

葉書を先に見つけたのは妻だ。

「行っておいでよ」と妻は言う。

「行ってきた方がいいよ」と、それが妻の望みでもあるかのようにもう一度念を押される。

「うん、そうだね」できる限り感情を乗せずに答える。

私は女に電話をかけ「行くよ」と伝えた。

「お待ちしています」女は答える。

付き合いが長くなっても女は敬語だ。

距離を詰めることはしない。

守るものが多くなった私への女なりの配慮なのかもしれないが、それが私の気持ちを余計にざわつかせる。

予定の時間に女のところに出向いた。

こんにちは」女は笑顔で私を迎える。

そして「どうぞ」と私を促した。

いつものように女は私を寝かせた。

女にはいつもなされるがままだ。

「前回から何か変わりはありますか」女は尋ねる。

「ないよ」私は答える。

「刺激を感じやすい部分はありますか」と女は聞く。

はいもの通り答える。

「分かりました」女は微笑む。

女は私に覆い被さり、それは始まる。

女は私の敏感な部分を器用に、丁寧に、まさぐり続ける。

ビクッ、と身体が反応する。

「…痛かったですか…?」心配そうに女は言う。

「いや…続けてくれ」私は答える。

「下の方も触っていきますね」女は言うと、私のさらに敏感な部分に手を伸ばしてくる。

わず情けない声が出そうになる。

いい年をした男が、一回りも年下の女になすがままにされ、恥態を晒している。

何分経ったかからない。

背徳感と恥辱にまみれつつ、行為は終わった。

まだ呼吸の整わない私に女は「お疲れさまでした」と声をかける。

「ああ…ありがとう」私は答える。

「また、来てくださいね」女は言う。

「来るよ」私は答える。

最後に女はいものようにこう言った。

虫歯もなくて良かったですけど定期的に検診に来るのは歯の健康のためにとても大事なのでまた3ヶ月くらいを目安にいらしてくださいね歯ブラシ一本サービスしますけど青と赤どちらがいいですか?」

私は答える。

「赤で」。

2017-10-28

Ray'z Music Chronology」発売記念ランキング

2017年10月14日(土曜日)に、「Ray'z Music Chronology」が無事に配達されました。

いい機会なので、レイシリーズ楽曲ランキングをまとめておこうと思います。

今まではこういうことをやると、ランキングに入った曲を全て聞くためにはいくつもアルバムを揃える必要があったわけですが、これからクロノロジーひとつ買えば全て揃いますからね。これは買うしかないですね。

注意事項

購入したのが「通常版」のため、Disc11は聞いてないので、選考からは外されています。なぜ特典版ではないかというと、購入手続きを面倒がって後回しにしていたら売り切れていたからです。その程度なのです、はい

ランキングといっても、データを集計したり投票を募ったりしたわけではく、ひたすら私が独断と偏見により順位をつけていきます。ひとつ順位一曲とは限りません。明確な上下を決められない場合、複数曲が入ることがあります。また、同率の場合に後ろの順位を下げるやつ(たとえば1位に2曲入った場合、次の曲が3位になるやつ)はやりません。あれは同率が例外の場合はうまくいきますが、本ランキングでは多用するので、数字が穴だらけになって意味不明になりそうなので。

音楽用語の使い方は適当です。

1位:

女の子にはセンチメンタルなんて感情はない (Raycrisis - アルバム版)

はい最後ループですね。

メロディもさることながら、音色が素晴らしい。突き抜けるような寂寥感。あの寂しい感じは、フォルクローレに通じるものがあるような気がします。そういえば rayons de l'Air でも民族楽器がフィーチャーされていました。

レイシリーズで最も「永遠」を感じる曲です。

2位:

The Fates × Dooms Day (Rayforce - Rubbing Beat)

はい最後ループですね。

破滅する運命に向かって突き進んでいく荘厳な感じがして、エモいです。エモすぎて死ぬかと思いました。

それと、ラストちょい前にコイン投入音がするのがよいアクセントです。ラスボスを倒す前に全機なくなってコンティニューしたとか考えるとまた一段とエモいですね。

この曲の構成は1位の曲と似ている気がします。開始からしばらくはビートの反復が主体で、途中に一回劇エモなメロディーを挟み、またビート主体になり、最後に劇エモメロディー無限ループに入り、フェードアウトして終わり。ということで、自分の中でこの二曲はシリーズになっています。

3位:

生命の風が吹く場所 (Raycrisis - アルバム版)

1位と2位の曲は最後の盛り上がりが一番ですが、この曲は盛り上がる箇所が多いです。

この曲には強烈な「飛翔」のイメージがあり、レイシリーズで最も「高度が高い」曲です。飛翔感というのが重要で、高度が高いといっても宇宙空間まで行くと浮遊感が出てきてしまいます。大気圏内にいて、それで一番高度が高い、というのがポイントです。

この曲が似合うといえば、なんといっても空中ステージボスですね。

4位:

Vit-Symty (Raycrisis - rayons de l'Air)

レイシリーズの終わりを過去形で感じる曲です。もう終わってしまった、と。

5位:

Slaughter Hour (Raystorm - Neu Tanz Mix)

悲壮感はあるのですが、ゲーム設定やタイトルから、人がワラワラいてデスゲームをやっている光景が想起されます。悲しげだけど賑やか、という。

プレステレイストームプレイしているとき、この曲聞きたさに面セレで何度も選んでいました。1分30秒あたりから始まる曲のサビとゲームの進行のシンクロ具合がとても好きです。

6位:

Möbius (Rayforce - アルバム版)

50秒から始まるサビの部分が好きすぎる。

ところで冒頭のほうで「クロノロジーひとつ買えば全て揃います」と書きましたが、あれは嘘です。クロノロジーに入っているこの曲の音源は、セガサターンレイヤーセクション」用のマスターテープと、レイフォースの基盤なわけですが、私が一番いい音だと思うのは「Ray'z PREMIUM BOX -BEYOND-」のアルバム音源のやつです。はい。というわけでビヨンドも買いましょう。やや出費は増えますが、レイシリーズ楽曲は出会って以来ずっと私のプレイリストで現役なので、あなたも今後ずっと聞き続ければ元はとれます、誤差のようなものです。

Quartz (Rayforce - Rubbing Beat)

真っ暗な空間で水晶(クォーツ)がRayの光に照らされてキラキラしているような、そんなイメージ

アンビエントを基調としつつ、5分15秒あたりや7分10秒あたりに派手に盛り上がる部分があるのもよいです。

Metaphor (Raystorm - アルバム版)

レイシリーズで最も「巨大さ」を感じる曲です。とても巨大なものと対峙しているような、かつ、浮遊感のあるイメージ。まあ、つまりはレイストーム4面ボスです。

特に高音のパートは、自分の能力の極限まで搾り出すような緊張感があり、バトルBGMの白眉ですね。

安置 -Antithese- (Raycrisis - コンシューマー版)

レイシリーズの終わりを進行形で感じる曲です。終わる、終わってゆく、と。

ゲームの進行的には「聖母マリアよ、二人を何故別々に」であるとか「童話の消えた森」の方が後なのですが、なぜかこっちの方が終わりを感じます。この曲はプレステアレンジモード流れるので、ノーマルモードからプレイしていった場合に、はじめて聞くのはこっちの方が後になりますから、それもあるかも。

そして、レイシリーズで最も「暗い」曲です。他に暗い曲としては「彼女の目的」もありますが、あれは光の無い暗さで、こっちは心理的にも暗いです。4分6秒付近の、ピアノのデン↓デン↓と下がっていくのなんかもうどん底ですよ。

コンヒューマンのためのレクイエム、といったところでしょうか。

この曲を初めて聞いたのはプレステレイクライシスプレイしたときですが、ちゃんと聞き込んだのは「Ray'z PREMIUM BOX -BEYOND-」を購入したときで、その際、これに歌声が乗ったら良さそうだなあ、と思って歌詞を考えたりしました(出来が良くなかったので削除しましたが)。もしも公式に歌がのるならビヨンドみたいに BETTA FLASH がやるだろう、と思っていたので、クロノロジーでまさにそれが実現すると知ったときは震えました。ひょっとして私は TAMAYO 氏の楽曲を聴き続けることにより、氏との思考シンクロニシティを獲得したのではな(以下略)。

7位:

The Fates (Rayforce - アルバム版)

Intolerance のプロトタイプのように感じます。個人的レイストームレイフォースの順に触れたので。

ところでアルバム上では「The Fates」「Doomsday」「Q.E.P.D.」の並びなわけですが、この三曲はなんだかクラシック音楽っぽいなと感じる部分があります。

Intolerance (Raystorm - アルバム版)

レイシリーズで最も壮大な曲です。

Ray'z BEYOND

レイシリーズ楽曲には「アーバンで退廃的なムード」を強く感じるものがあります。アーバンと言っても、都会の中にいるのではなくて、都会を遠くから眺めているような、それも黄昏に、という感じです。なんのことかわからない方もいるかと思いますが大丈夫です、私の中でもフワっとしています。なんというか、この曲のような雰囲気ですよ。

8位:

G (Rayforce - アルバム版)

はい。この曲も「アーバンで退廃的なムード」ですね。

Cracking! (Rayforce - Rubbing Beat)

ジャジーですよね。この曲のような、ベースがドゥンドゥンいってる感じは好物です。

Ribbing Rubbing Mix (Rayforce - Rubbing Beat)

おー、テクノだ、って感じですね。

複数の元曲のオイシイ部分が詰まっているお得な一曲

Origin (Raystorm - アルバム版)

レイシリーズゲームプレイしていて、最初に衝撃を受けた音楽はこの曲でした。まだスタート画面なのにすげえの来たぞ、なんだこれ、と。

Hard Number (Raystorm - Neu Tanz Mix)

普通にゲームプレイをしていると絶対に聞けないところでなんかとんでもないことになってるぞ、と、衝撃を受けました。ステージクリア後に次はどこへ行くのだろうというワクワク感を増幅させたような曲。

クロノロジーのロングバージョンではこれまで無かったパートがあって、それもポイント高いですね。

女の子にはセンチメンタルなんて感情はない-B (Raycrisis - アーケード版)

A,Cについては概ねアルバム版に取り込まれているわけですが、このBの後半のループは跡形もなくなっています。聞けてよかった。

アルバム版を聴いてきた経験が長いので、このバージョンは何か、歌謡曲カラオケバージョンを聞いているような肩透かし感がありますね。

安置 -Antithese- Ray Dream Version

クロノロジー新曲であり、まだ自分の中で消化できてないので、暫定的にこの順位です。(と書いてて、ふと「消化できたと言い切れる曲などあるのだろうか?」という疑問が湧いてきましたが、さておき。)

7分33秒あたりは「むーにゃにゃー」って歌っているように聞こえるのがちょっとかわいい

9位:

Into Darkness (Rayforce - アルバム版)
Atrocity (Rayforce - Rubbing Beat)

Metaphor とは違った巨大さを感じる曲です。巨人がズンズン近づいてくるみたいな。

曲のタイトル見てると、アストロシティ1990年代代表するゲーセン用の筐体)を思い出します。

Origin (Raystorm - Neu Tanz Mix)

ジャジーですよね。

Intolerance (Raystorm - Neu Tanz Mix)
Ceramic Heart (Raystorm - Neu Tanz Mix)

一番好きなのは、3:55付近からはじまる「ラーラー」の部分です。

10位:

Penetration (Rayforce - Rubbing Beat)

初めて聞いたとき「原曲の音を変えただけのようなものか」と思ってました、すみませんでした。

アルバム最後の曲がフラッシュフォワードしていたり、レイストームメニュー操作音みたいな音が聞こえていたりと、小ネタ面白い

Slaughter Hour (Raystorm - アルバム版)

ずっとノイタンツ版を偏愛していましたが、ビヨンドボックスで改めて聞いてたら、やっぱりいい曲だなあと。

Endless Stairs (Raystorm - Neu Tanz Mix)

明るい曲調なのですが、「楽しい遊びの時間は終わりだよ、もうお家に帰りなさい」感があって、寂しくなる一曲です。セラミックハートよりもエンディング感があるような気がします。

Dead Air (Raystorm - Neu Tanz Mix)
Formless living bodies (Raycrisis - rayons de l'Air)

アコースティックな曲はこれまでにもありましたが、フラメンコを踊ってる現場で録音しているような趣があり、意外な場面でレイ楽曲を使ってるなあという驚きを疑似体験できて面白いです。

11位:

Coeur de Ceramique (Raystorm)

セラミックハートアレンジバージョン。通常版よりもこちらのピアノの方が好みです。

冒頭のほうで「クロノロジーひとつ買えば全て揃います」と書きましたが、あれはやはり嘘で、このバージョンレイストームの通常アルバムしか入っていません。iTunes普通に売ってるので入手難易度は低いです。買いましょう。

Geometric City (Raystorm - Neu Tanz Mix)
ラベンダーの咲く庭 (Raycrisis - アルバム版)

レイシリーズで最も「アーバンで退廃的なムード」の曲です。また、最もアーメンブレイクな曲です。

彼女の目的 (Raycrisis - アルバム版)

最も「深さ」を感じる曲です。まったく光のない深海のような。

The Models (Raycrisis - rayons de l'Air)
Blood and Tide (Raycrisis - rayons de l'Air)

12位:

Cracking! (Rayforce - アルバム版)
Destructive of Power (Rayforce - アルバム版)
司教は言った「それは奇跡じゃない」 (Raycrisis - アルバム版)
ふたつの液体 (Raycrisis - アーケード版)

アルバム版においては、ラスボス曲の前座だなあという感じで印象が薄かったのですが、アーケード版はまるで印象が違います。

レイクライシスの設定的に、ダイブしていたのが現実の近くまで浮上してきて、心臓の鼓動とか医療機器の発する電子音が聞こえてくる感じがします(コンティニューするとまた潜っていく)。ビヨンドムービーでも医療機器電子音が鳴ってたりしてましたね。

.BULE -地球に棲む日- (Raycrisis - コンシューマー版)


はい。以上です。これ以降をやると大半の曲を入れることになってしまうので、ここまでです。

いかがだったでしょうか。「あの曲が入ってないのおかしいだろ」という感想を抱かれたかもしれませんが、これは私のランキングですからね、仕方ないですね。あなたも自分のランキングを発表しましょう。待ってますよ。

それにしても、客観的ランキングなぞ端から諦めていますが、主観的ランキングとしても正確なのか自信が持てません。「この曲、本当にこの順位でいいのだろうか」などと考えだすとキリがないですね。まあ、極論を言えば序列をつけること自体不可能といえます。みんな違って、みんなRAY。ですが、それを振り切ってあえて順位を決めてしまう、そんな蛮勇を振るうのもまた、RAYと対峙する一つの方法だといえるでしょう。

レイシリーズ三部作なわけですが、音楽的にはレイフォースレイクライシスの方が近い印象があります。ストーリーの連続性もさることながら、 RUBBING BEAT が出たのは NEU TANZ MIX よりも後というのも影響しているかもしれません。

ランキングで何度か出てきた「アーバンで退廃的なムード」の曲は、レイストームには無いと思っています。

クロノロジーを聞くにあたり、レイシリーズは、面クリア型のシューティングゲームであり、自機が戦闘機ラスボス人工知能、というのは押さえておきたいところです。

音楽が作られる背景には、たとえば宗教の儀式のためであるとか、祭りで踊るためであるとか、戯曲の劇伴であるとか、クラブで踊るためであるとか、そういった理由がある場合がありますが、本作の場合はそれがビデオゲームだということです。

クリア型のシューティングゲームは、いくつかのステージ(面)で構成され、ステージの中はさらに「道中」パートと「ボスパートに分かれます。

道中は概ね固定時間で終わり、ボスは倒すまで続きます。(概ね、と書いたのはコンティニュー仕様によっては少し延びるからです。全機失うと、ゲームポーズしてコンティニューするかどうか尋ねられますが、このときBGMは止まらないゲームもあります。)

なので、ゲームプレイしているときは、道中の曲はいつも同じ場所で終わり、ボス曲は何度もループする、ということになります。

曲が短かったりステージが長いと道中曲でもループするのですが、そうでない場合は曲の後ろの方が聞けないため、サントラを買って聞くのが楽しみになります。(まあ、聞けている部分であっても、ゲーセンだと音が鮮明に聞こえないのが普通なので、サントラで聞きたくなるものですが。)

レイクライシスのBGMは道中とボスシームレスに繋がっているので、Disc8のアーケード版は、道中は固定時間ボスループ、というのが顕著ですね。

なぜ戦闘機なのか――その特権

近現代の戦場においては、機械が主役です。人間は生身で存在できず、機械のアシスト必要です。

人を戦場へと運ぶ兵器のなかで、戦闘機特権性を持ちます。人間との関係性が、他の兵器と違うのです。

まず、兵器にとって人間は部品でしかありません。戦艦潜水艦航行させるには多くの人手を必要とします。主役は兵器であり、人間は兵器を下から支えるモブでしかありません。

誰も搭乗している敵兵を殺そうとは思っていません。目的は敵の兵器破壊なのですから。人が死ぬのは機械の巻き添えを食ったときです。民間の船や飛行機ではありえないような危険運用を求められるため事故も多いでしょう。

人間は兵器の都合によってすりつぶされ死んでゆくのです。

しかし、単座の戦闘機兵器と人が一対一なのです。そう、単座であるというのが重要なポイントで、爆撃機には複数人で乗りますし、戦闘機でも複座のものもあります。

人間が機械に奉仕させられる戦場において、戦闘機パイロット関係は対等に近い。そういう意味で、戦闘機にはロマンがあるというわけです。

過去において、ロマンといえば剣でした。兵器としての剣は決して最強だったわけではない。にもかかわらず(いや、であるが故に?)、力の象徴となっていました。銃の時代になって以降も、文化として継承されています。現在、剣のような象徴性をまとっているのが戦闘機なのです。

フィクションにおいても戦闘機(と剣)は他にない存在感を放ちます。(ここで具体的な作品などを論じるのは、キリがないのでやりませんが。)

レイシリーズにおける戦闘機は、ロックオンレーザーというオーバーテクノロジーを搭載した唯一無二の存在です。

クリア型のシューティングゲームプレイヤーキャラクターは、唯一無二の存在でなければ務まりません。敵キャラクターとの武装非対称性が顕著ですから対戦格闘ゲームやFPSなどは、逆に敵と味方のキャラクター対称性がありますね)。

なぜ人工知能なのか――軍隊のキャラクター

クリア型のゲームでは、ステージクリアするたびに難易度は上昇します。

難易度の上昇にともない、対決する敵のスケールも大きくなってゆくことが求められ、その到達点がラスボスです。こいつを倒せば敵勢力は瓦解する、というスケールの敵でなければラスボスは務まりません。

現実においては、国家の最高責任者といえどもただの人であり、いくらセキュリティが厳重であってもゲームでいえば2面あたりで登場するような通常兵器しかありませんし、倒したところで国が滅びるわけでもありません。

そこで人工知能です。人工知能ならば、ゲーム難易度と敵スケールの頂点であることに説得力があるような気がしてきます。

剣を携えた戦士と神や悪魔、に替わる神話的なモチーフとしての、戦闘機に乗るパイロット人工知能

レイフォースレイクライシスは、主要キャラクターとして認識できるのはパイロット人工知能だけであり、非常に個人的ストーリーだとみることができるでしょう。一方でレイストーム個人キャラクターは用意しておらず、モブの人がたくさんいる印象があり、そのへんが「アーバンで退廃的なムード」の有無に出ているのかもしれません。(ビヨンドムービーは、複数の作品の設定が混ざっている感じがして面白いですね。)

戦闘機を強く感じる曲といえば「生命の風が吹く場所」です。前述のとおり「飛翔」のイメージですし、ゲーム記憶から「翼」も思い浮かびます。

The Fates」「Intolerance」はラスボス曲なわけですが、この二曲には壮大さや聖性があり、ラスボスへの畏怖の念をかきたてるようになっていると思います。一方、「安置 -Antithese-」は、畏怖よりも滅んでゆくところに重きを置いている気がします。ラスボス終焉レイシリーズ終焉が重なって、とても物悲しい気分になります。

 

最後に。

レイシリーズの音楽は、私の胸の中で決して消えることのない光です。

クロノロジーにより、その輝きはより強くなりました。

今またこうして新作が出たことに感謝します。

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