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2024-02-08

カンジョーブギョーにお任せアレ!wwwwww

オウフwwwいわゆるストレート知行質問キタコレですねwww

おっとっとwww拙者『キタコレ』などとついネット用語がwww

フォカヌポウwww拙者これではまるでブギョウみたいwww

拙者はオブギョーサマではござらんのでwwwコポォ

まず増田殿にお教えするのは、一万石とか十万石とかいう「石高」とは持っている領土生産力であって、それが実収入ではないのでござる。言ってみれば、諸経費込みの総売り上げ≒年商に相当するものなのでござるな。なので実はトヨタ7億石大名説」はあってるのでござる。日本の総石高天保年間に3千万石チョイ位でござるので、トヨタすごいでござるなぁ・・・

ところが、個人についてみると年収1000万円は途端に一石6万円換算はおかしくなるのでござる。

増田殿が個人事業主で年商1000万円ならば166石取りといってまあおかしくはないでござる。でも増田殿、サラリマンでござろう?

これ即ち、中下級武士クラスでござる。ただし、この階級でも、年収から一部の経費を負担しなければならないのでござる。しかしまあ、サラリマンも額面給与手取りは違うでござる。その辺は深く考えないで欲しいでござる。

この階級のオサムライサンは、オチンギンの貰い方に2通りあるのでござるよ。

一つは、お殿様からちっちゃい領土を分けて貰って、そこのアカりがオチンギンになるパティーンでござる(知行制)。地方や物成りによってもまちまちでござるが、大体村一つで200~1000石ぐらいになるでござる。石高人口は大体同じぐらいでござる。今だと田舎にある大字ぐらいが1つ村だと考えてくだされ。

現代で言ってみれば、大会社のシャッチョサンに「お前にこの子会社任すから、そこのアガりで食ってくれ」ということなのでござる。小なりと言えどもシャッチョサンなので、身分的にも良いのでござるよ。

この場合領土石高に対する年貢収入が実際の年収になること、賢き増田殿ならお分かりいただけると思うでござる。実際の年貢税率は、これも時代地方によって違うでござるが、35~50%でござるよ。

ただし、本当にもらった領土経営するとなるとひじょーにマンドクサなので、江戸時代も進むと「領地を持っていることにはなってるけど、お米は藩からもらう知行蔵米制)」というスタイルほとんどになったのでござるなぁ。ほとんど、という言葉を裏返すと最後まで領土経営を続けたところもあったんでござる。

その下のクラスになると、ストレートにお米を給料としてもらえるでござる(蔵米制)。これは藩の領地から取り立てた年貢米で、年に何俵という形で支給されるでござる。俵1つにはお米が0.35石入っているでござる。この0.35という数字、奇しくも領土1石から取れる年貢米と大体同じなのでござる。よって50俵もらえるオサムライサンは、50石の領土を持っているオサムライサンと、大体同じ収入になるでござる。しかしサラリマンは多少高給でもシャッチョサンよりは身分的には見劣りするのでござるなぁ・・・。この辺は拙者共も身分を取るか実入りを取るかで苦労したものでござる。

なので年収1000万円のサラリマンは、お米に直すと166石≒474俵取りのオサムライサンでござる。つまり474石分の領土収入的には等しくなるでござる。

これは、ニッポンイチカンパニーである江戸幕府では500石超の「大身旗本」というクラスにあとちょっとで手が届くちょっと惜しい感じの家格。役職でいうと、具足奉行本社のどうでもいい課長)や各地の郡代出張所長)が大体このぐらい、ちょっと手を伸ばせば勘定吟味役経理課長補佐)、御小姓(社長秘書)ぐらいのポジションでござる。

その他な藩では、その藩の石高次第ではござろうが、数万石規模の小大名ならば家老職にもなれるぐらいの石高でござるな。逆に大大名クラス家老職は万石取りでござる。

そう考えると年収1000万円、今も昔もそんなに変わりがない気がするでござろうよ。。。

 

2024-01-05

政権交代に向けて(官僚を使いこなす重要さ)

はじめに

岸田政権支持率の下落に歯止めが止まらない。

能登半島地震対応も、その可否はともかく批判材料になっているようだ(個人的には対応問題なさそうだがパフォーマンスが弱いと感じる)。

こうなってくると次の衆院選政権交代が現実味を帯びてくるが、当時政府内の下の方に居た者として、この点だけは改善してほしいところを書いておこうと思う。

社会運動家民主党政権

民主党政権当時、内閣府参与として政権に参画していた、社会運動家湯浅誠さんと言う人がいる。

自身の行っていた取り組みに一区切りがついたということで辞任されたが、その際次のようなインタビューが行われている。

https://web.archive.org/web/20120401011619/http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2012/03/30/20120330dde012040004000c.html

「90年代ホームレス問題に関わっていたころ、社会世論に働きかけて問題解決したいという思いはあったが、その先の永田町霞が関に働きかけるという発想はなかった。こちらが投げ込んだ問題は、ブラックボックスを通して結果だけが返ってくる。『政治家官僚自分利益しか考えていないからどうせまともな結論が出てくるはずがない』と思い込み結論批判しました。しか参与になって初めて、ブラックボックスの内部が複雑な調整の現場であると知ったのです」

 ブラックボックスの内部では、政党政治家、省庁、自治体マスコミなど、あらゆる利害関係が複雑に絡み合い、限られた予算を巡って要求がせめぎ合っていた。しかも、それぞれがそれぞれの立場正当性を持ち、必死に働きかけている。「以前は自分が大切だと思う分野に予算がつかないのは『やる気』の問題だと思っていたが、この状況で自分要求をすべて通すのは不可能に近く、玉虫色でも色がついているだけで御の字、という経験も多くした」

要するにリソースが有限なことや施策を動かすと別の部分に影響が出ることに気づいた」ということだろう。

当時某省庁で課長補佐をしていた俺はこれを読んで激怒した記憶がある。「そんなことにも気づかずに役人にあれこれ指示していたのか」と。

何故か。彼らが政権運営に入ってきた時、東寺民主党政権は、こういった参与がいる場合には、関連施策について参与了解を得ることが必要となっていた。そして彼らは、「リソースが有限なこと」に気づかずに官僚を絞め上げていたからだ。

曰く

言い訳は良いからできる案を考えてきてください」

「たった◯億円の予算くらいなんとでもなるでしょ」

エトセトラエトセトラ

彼らは社会運動家から、自らの関心のある社会問題解決さえすればそれで良いのだろう。ただ、そのやり方を政策パッケージに持ってこようとしていたので現場は大混乱になってしまった。

当然だが、予算を持ってこようとすると他の予算を削る必要がある、あるいは眼前の社会問題解決しようとすると他の社会問題に悪影響である、そんなものゴマンとあり、官僚たちはそのバランスの中で生きているわけだ。

それを引っ掻き回した挙げ句に、「複雑な調整の現場であると知った」と言って去っていった。当時恨んでいた人は多いと思う。

次の政権交代に備えて

経験の者が多数政権に入ってくるであろう。それは当然だ。

だが、そこで民主党政権と同じことを繰り返し、悪夢民主党政権の再来、などと批判を受けることは避けなければなるまい。

そのためには、「何故今そのようになっているか」「何故部下の役人はこの案を提案しているのか」というのを立ち止まって考えてもらいたい。

あとはド素人でもいいけどパワハラは止めてね

まぁゼンブ妄想なんですけどね

2023-10-14

文科省財務省のバトルについて解説するよ」のブコメについて

https://anond.hatelabo.jp/20231014043358

についての

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231014043358

お話です。増田自称財務省主計局元中の人だけど、ホントかどうかの判断自己責任よろしく

参考資料の学級規模と教員一人当たりの生徒数のギャップを見る限り先生余っているはずだけど公立学校見ているとどうも余っている様子は全く見られないのなんでなんだろうなあ

足りないのは事務員なんだよね。自治体予算には限りがあって教育分野でも削らざるを得ない、でも教師雇用処遇相対的に守られてきてそれほど減らせない、となると他の部分にしわ寄せが行って、事務員が足りなくなった分、教師事務仕事をこなすことになって多忙になると。人件費単価は教師より事務員の方が低いから、教師の枠を事務員に振り替えれば、学校従業者数を増加させることになって職場環境改善できるんだろうけど、世の中うまくいかないよね。

とりあえず予算査定する側とされる側が対等にバトルしているという幻想は捨てよう。実際、他省庁が財務官僚に「査定のお願い」に行く際、財務省側は二ランクか三ランク下の官僚相手をする程の権力差がある。

よくある財務省ツエー論の根拠の一つとして挙げられる話だけど、実態全然違います。9月の最初ヒアリングは、要求網羅的に聞くから各課課長主査課長より2ランク下の課長補佐クラス)に説明するけどーー各担当補佐が説明するとなると、ヒアリング日程の調整やヒアリング現場での説明者入替え等のオーバーヘッドがかさむんですよーー、その後は普通に主査と補佐で議論してるからね。まあ各省庁の文化の違いや課長キャラで補佐に下ろさず課長が出てきがちな場合もあるけど、少なくとも主計側から主査は補佐を相手にしない、課長を出せ」なんてことを強いているわけではありません。

ともあれここ数十年財務省の力が強くなり過ぎているのが国力を削ぐ結果に繋がっているので、財務省は分割解体されるべきである

こうした主張、はてブに限らずいろんなところで見るけど、なんで一定説得力を持っているのかさっぱりわかりません。だって大蔵省財務省にとっては、ここ数十年、国債残高を減らすことが悲願なわけですよ。で、それを一度たりとも成し遂げていません。バブル末期に赤字国債脱却はできたけど、その間も建設国債は増えていて残高は右肩上がりバブル崩壊後はご覧のありさまですよ。増田個人的には国債残高減少を金科玉条として目指すことには批判的ですが、だからこそ、財務省が悲願を実現するだけの力がない弱っちい役所でよかったなあ、としか思えません。

補正予算になると精査もせず30兆ぽんと出し、剰余金一般会計に繰り入れて好き勝手に使う財務省文科省にだけは強気だけど、他の省庁にもちゃんと物申したらどうですか。大蔵省の頃はやってたと思うよ。

農水省国交省中の人たちからすれば、文科省はうらやましい限りだと思うけどなあ。増田主計局を離れてそこそこ経つので、例えば最近防衛費増の受け止めはわかりませんが、増田がいた頃は、文教費は、社会保障や地財と並んで扱いが難しい予算だ、というのが一般的認識だったと記憶してます文教族は政治力いからねえ。

2023-09-26

税務官僚だった頃の思い出 Part3/3


思い出⑤ 転職を決意した時

 40代前半になり、管理職意識した仕事の進め方(実務中心→マネジメントへ)を検討しはじめた頃だった。ずっと同じ部署で働いていたわけではないが、新卒からほぼずっと法人課税一本だった。

 そんな折、数個年上の同僚のひとりであるN君が「今年度いっぱいで辞めて転職するから」と言ってきた(ビットコインの件で苦しんでいた人だ)。職場飲み会の帰りで、飲み直しで別の店に入った時だった。少しばかり仕事で縁のあった会計コンサル内定を得たという。

 「なんで辞めるの?」と聞くと、「昨年課長にはなったけど、どこまでいっても組織歯車で、それだったらまだいいけど……国民のために役に立っているとは思えない。だったら民間の方がいい。自分仕事力は、広く社会のために使いたい」といった答えが返ってきた。「上司と人事には退職の旨を話してある」という。

 私は、そこまで高邁なことを考えるタイプではない。どこか仕事から引いたところがあって、上から60点の成果を求められた時、80を出せる時でもあえて70の成果を出す。残り10の余力は、いざという時のためにとっておく。そういうタイプだった。

 できるなら上の方まで昇進したいとは考えていたが、審議官とか、次長とか、長官とか、そういう地位はむしろ遠慮したかったし、私の学歴だと奇跡が起きても難しい。職務自体は好きだったから、できれば長い間やりたいとは思っていたが。

 そのN君は、私などよりも公僕に向いている。いつも全力だからだ。そういう人だった。今回、自分の力を社会のために役立てたいという想いを聞いたが、嘘偽りはないと感じた。

 数か月後、私は「絶対にここを辞めてやる」と決意することになった。N君の退職が認められなかったからだ。それで結局、N君は内定先を辞退することになった。伝聞での話になるが、N君の内定先には「霞が関事情説明する」という名目での情報共有(という名の転職妨害)が入ったのだという。

 民間の方には事情がわかりにくいと思う。まずは次の規則を読んでほしい。

人事院規則八―一二職員の任免)

(辞職)

第五十一条 任命権者は、職員から書面をもって辞職の申出があったときは、特に支障のない限り、これを承認するものとする。

 公務員の任免というのは、民法上の雇用契約が基底にある。そのうえで、国家公務員法人事院規則により公法上の契約関係構成する。ざっくりいうと、行政事務職の公務員サラリーマンということだ。労基法適用されないからといって、隔絶した存在ではない。現業職公務員だと、よりサラリーマンに近い扱いになる(団結権があるなど)。

 上の人事院規則は、公務員のみならず民間業界をも拘束する。当規則国家公務員法国会議決から委任を受けているからだ。

 N君の例だと、別の内規により人事院規則第51条が課長補佐以上には厳しく適用されるのに加え、「再就職に関する規制」に該当するおそれがあったのだろう。それゆえ、転職目的としての辞職が認められなかった。

 結局、N君はどうしたのかというと……私が辞める時点では在職していたが……少し述べると、あれから転職活動をしたが失敗に終わったらしい。40代半ばで、国家公務員としての経験しかないN君は転職市場では必然不利になる。

 N君に興味のある会社があったとして、N君からすれば入りたい会社ではなかったという。とはいえ、税務や会計会社を選ぶとまた転職できない可能性がある。かくして、N君は今でも霞が関のどこかで働いている。どうか幸せでいてほしい。

 「こいつらクソだな」と思った。たかだか数年前に1回契約したっきりのコンサルに移るくらい、認めてやってもいいじゃないか。厳密にいうと再就職規制にかかってしまうのかもしれないが、それでもいいだろう。仲間なんだから

 当時は怒りでいっぱいだった。今はとうに収まっているが。所詮は、その程度の仲間意識しか持てない連中の集まりだったのだ――と今では達観している。



思い出⑥ 転職活動転職した後

 繰り返すが、四十前半であれば課長管理職)になってもおかしくはない。平均的には43,44ほどで課長に昇進するイメージがあった。早くミッション遂行しなければならない。

 転職活動を始めることにした。この時、妻はすでに亡くなっていた。子どもふたりいたが、先ほど書いたとおり、霞が関の一人親に子育て不可能であるため実家に預けている。妻が存命だったなら、転職活動自体していなかったかもしれない。

 この時は、リクナビも有名になっていた。転職エージェントネットで探せる時代になっていた。さっそく求人を探していくも、自分に合った仕事は見つかりそうにない。リクルートエージェントにも登録して、毎日少ない自由時間を使って求人を確かめていき、平行して求人応募に最低限必要ドキュメントを作っていった。

 転職活動スタートから三ヶ月ほど経った頃は、こんな状況だった。希望条件には、就業場所入社時期や休業制度や、もっとかい事項もあったが省略する。



【当時の転職活動方針】 ※やしお氏リスペクト

1 どの業界(会社)に応募するか?

 一 コンサル希望

  ア 今の仕事が「説明」「説得」であるため

  イ 専門性を高められる業界がいい

  ウ パワポ職人としての腕も活かしたい

 二 職務内容に拘らない

  ア どんな仕事でもやっていれば好きになる

  イ それよりもどんな人と働けるかが大事

  ウ 嫌な人と一緒にいるストレス想像以上(仏陀も言ってる)

 三 ベンチャーなどリスク高は除く

  ア 突然の内定取り消しや事業悪化可能

  イ カルチャーフィットしない可能性あり

  ウ これまでの企業文化と合っていない

2 職務概要職務経歴書

 一 徴税吏員としての経験を活かす

  ア 相手企業との折衝

  イ 過去判例を読みつつ方針決定

  ウ 最後正論で押し切る

 二 税制改革企画・調整

  ア 上級行政庁が決めたものをかみ砕いて整理する

  イ 全体向けに説明した後、現場レベル立脚した観点で是非を整理

  ウ 上の人間が本番の会議で話しやす資料作り

 三 新税務システム検討や導入支援

  ア コンサル組織内部と密に打ち合わせしつつ完成→検査検収

  ※この箇所は、文字ばかりで窮屈~というエージェントからの指摘あり

   後に、図表を効果的に使ったものに置き換えた

3 会社に求める条件

 一 及第点の実力があれば定時退社できて休日出勤もない

  ア 息子と娘を遊園地などに連れていきたい

  イ 一日にちょっと趣味をやりたい

  ウ この年になるとゆっくりしたいのもある

 二 風通しがいいこと

  ア 息をするように自然議論ができる職場か?

  イ 怒鳴ったり急に泣き出したり、負の感情を吐き出す社員はいいか

  ウ 自分が感じたことを素直に言い合える環境か?

 三 評価基準が明確であること

  ア 前の職場不明確だったので。データによらずに上司が決めるなど。

  イ 低い査定でも納得できるだけの客観性を求む

  ウ 低評価社員をすぐに見捨てたりクビにするのはNG

   ※本当に役に立つ人間勤務評定では判別できない

 四 給料度外視

  ア お金にこだわっても仕事は見つからない

  イ ずっと続けられる好きな仕事にしていきたい

  イ 子がいるので額面700万はほしい。今の年収△200万円までOK



 とまあ、いろいろ考えはしたが……結局、税務コンサルにした。スキルを活かせるうえに、さらに磨くこともできる。そのうえ、応募に必要資格である税理士免許もある。応募要項には「事業会社での税務実務経験5年以上」とか「同業界リーダーシップを発揮された経験3年以上」とか「M&A、組織再編、事業統合事業再生等の案件に対する税務コンサルティング経験」とか、該当していない要件があった。

 だが一方では、「上場企業外資系企業などに対する税務申告書作成業務」など、こちらの十八番ルールを作ったり審査する側)とも言える要件もあった。当てはまるかもしれない。

 こちらの日系大手の税務コンサルを受けたいと転職エージェントに告げたところ、「要件については、体感6割でいいので。ほかにも何社か受けた方がいいですね。増田さんの場合は、最低15社は受けましょう」とアドバイスをもらった。

 言いたいことはわかったが、こういうのは絞るべきだと感じた。一気に15社受けるのではなく、3社を5回に分けるなど、そういうやり方がいいと思った。※よく考えると、転職エージェント転職希望者は利益背反の関係にある。転職エージェントとしては、ほどほど短い期間で離職しそうな会社を勧めるのがメリットからだ。

 かくして、税務コンサルのうち、外資系大手・日系大手・日系準大手の3つにエントリーした。うち2社が書類選考を通過し、一緒に働くであろう仲間との数度の面接を経た後に、幹部社員とも話をさせてもらい、最終的に2社の内定を得た。

 決め手として、一番好感があった会社を選んだ。やはり、一緒に働く仲間――これがマストだった。上の3つでいうと日系準大手になる。

 こちらの会社は、昔仕事でお世話になったことがあった。直接契約を交わしたことはないのだが。とある相談案件を通じて、互いの知見を高めることができた……とこちらは認識していた。その会社は、国税庁を不当課税処分で訴えたことがあったのが気になったが、今さら大した問題ではない。

 次は、どうやって上司転職を伝えるか考える必要がある。まともにやってしまうと、N君の時のように無理筋なことをされる可能性がある。公務員退職にあたっての厳密な許可制再就職規制は、当時の私の役職課長補佐)だとばっちり適用される。※20代とかの若手だと、基準を緩めてもらえるらしい。

 「年度末で退職します」と告げた時の直属の上司の顔を覚えている。諦めと怨嗟が混じったような顔つきだった。一応遺留は受けたものの、上司もわかっていたようで、最後には「これまでお疲れ様。次のところでもうまくやれるように。ただ、辞職が認められたらいいけどな。俺は無条件に認めるけど」と言っていた。後は、人事による退職ヒアリングを残すのみだ。

 思案した結果、退職ヒアリングにおいては、内定を得ていた会社のうち辞退するところを転職先として告げることにした。入社予定の日系準大手は、一応これまでの取引先には当たらないが、関係先に該当すると見做されるおそれがあった。N君の二の舞だけは御免だった。絶対に避けたい。今ここで、今ここで就職しておきたい。絶対に!!

 証拠書類として、第二志望だった外資系大手オファーレターの写しを人事ヒアリングで提出したところ、それから約一週間ほどか、何事もなかったように辞職の許可下りた。そこから、残りの約二ヶ月半の間で引継資料を作り、3月の初め頃には仕事を引き受ける人に業務説明をして、懸念事項の対処方法の素案を示して、最後職場内で気を付けるべきことを述べて……それから数日後、私は職場を跡にした。



 転職成功した。一度下った辞職許可である、春先になって覆されることはない。覆そうにも、4月の時点ですでに民間企業との雇用契約が成立している。どうしようもない。私は管理職ではないからして、そこまで大事にならないはずだ。

 実際、春先になってすぐ、雇用保険健康保険手続き関係で、私の勤め先は元職場に知られることになったろう。それでも、私に元職場から電話がかかってくることはなかった――転職成功したのだ。

 新しくスタートした税務コンサルティングの仕事は、私にピッタリ合っていた。最初の1年間は、向こうの会社でいうところの雑巾がけ(企業の予定納税額の調べ、特定の申告方法の可否の問い合わせ、税制改正の動向調査)に当たる仕事だった。これまでの経験が活かせる、いい仕事出会うことができた。

 定時退社が実現し、給与は少しだけ上がり、休暇日数も増えて、福利厚生も十分だった。何より、一緒に働く仲間だ。自然な話し合いができる。暴言を吐く者や、怒りや悲しみの感情をぶちまける者や、不貞腐れる者もいない。言いたいことを言い合える。

 反対意見に弱い人達じゃなくて、なんというか、「精神的に健康」というか。自分と考えの違う人の反論に耳を傾けることができる。それでいて、自分意見として昇華できる。そんな人達だ。

 いい職場に移ることができた。運がよかった。太陽が昇っている時間に家に帰れるなど、私にとっては夢のひとつだった。夕焼けは近かったものの、まだ青空が残っている部分を見上げると、子どもの頃に読んだ児童作品を思い出した。少し前にも思い出そうとしていたっけ。きっかけは忘れたが。

 タイトルは、『ちいちゃんかげぶんしん』だった。時代背景は、太平洋戦争の末期だ。ネタバレは避けるけれども、ちいちゃんという女の子家族と一緒にやった『かげおくり』という遊びを通して、戦争反対を訴えるものだ。

 かげおくりというのは、地面に映った影法師をしばらく見てから青空に目をやると、網膜に焼き付いた影の残像が空に映ってみえるというものだ。未成年だった頃の私の心にドスンとき作品だった。増田民にも是非おすすめする。

 晴れ晴れとした気分だった。それからマイホームで羽をのばした。なにしろ毎日が定時帰りなのだから子ども実家から引き取るまでの間、家でゴロゴロしたり、趣味に勤しんだり、妻の遺品を整理したり、平穏な日々を過ごした。

 暇な時間を使って、『犬神さんと猫山さん』のBlu-rayディスクを購入して観た。やはり、何も考えずに見られる。1話CM込みで5分なのもいい。最終回は、花火大会だった。今まで出てきたキャラクターがみんな登場して、最後ふたり花火を見上げながら手を繋いだところでエンドだった。

 ネット掲示板を読んだところ、原作漫画(※記念に1巻を購入)の方は、残念ながら打ち切りのような結果だったらしい。作者も若い人だから、いろいろと苦労があったのかもしれない。でも、あの作品面白いと思った人がたくさんいるのだと――作者に知ってもらえたら幸いだ。

 私のようなおじさんが楽しめたのだから若い人だったらもっと楽しめる。面白い作品に違いない。できれば15分枠のアニメだったらよかった。

 たった三ヶ月の間だったが、思い出に残るアニメだった。ありがとうございました。



 ここまで書き終えて、今は自室にあるパソコン机の前で一息ついている。携帯電話の通知を見ようか、それともコーヒーを飲もうか、ボーッとするのもいいかなと、いろいろ考えている。

 税務官僚だった頃に比べると、今は幸せだ。そのうち慣れるとは思っていたが、あの辛かった日々を思い出すと、しみじみ幸せに思えてくる。不思議かな、辛かった日々であればあるほど、思い出す時に幸せな気分になる。なぜだろうか。

 そんな思いに捉われて、ふと携帯電話を拾い上げた私は、デリヘルでも呼ぼうかと思い、アドレス帳を開いた。お気に入りの子脳裏に浮かんでくる。

 ここで思い留まった。そうだ、先日誓ったばかりじゃないか。もう風俗店を利用するのは辞めようと。昔はよくソープに行ったり、デリヘルを呼んだりしていたけれども、もうしない。そういう店は利用しないと決めていた。

 長い日記になった。ゆっくり読んでもらえばいいし、わかりにくいところや、興味のないところは飛ばしてもたぶん理解できる。

 今回、昔のことを振り返ることができてよかった。書いている最中、じんわりとした幸せが込み上げてきた。この幸運感謝したい。



(追伸)

 上で挙げたN君だが、半年前に話をする機会があった。今でも彼は、どうにか転職ができないか模索しているらしかった。裏技を使おうかとも言っていた。さすがにここでは言えないが。

 N君の転職活動成功する未来を祈っている。彼は独身から、私よりは選ぶ会社自由が利くだろう。彼の多幸を願って日記の結びとする。

税務官僚だった頃の思い出 Part2/3


思い出③ ビットコイン

 私の所属していた法人課税部門の話ではあるが、直接関わったわけではない。どちらかというと、もっと上の方の、課税全体の企画や調整・取りまとめを行う部署の話になる。

 当時も、国税庁が掲げるところの「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現」をめざして、日々勉強毎日だった。世の中は変わり続けている。税の勉強に終わりはない。当時の仕事を平たくいうと、税制改正の内容を関係者関係部局にわかやすく伝えて質問相談苦情に答える、といったところか。管理職が近づいた当時は、そんな仕事をしていた。

 40代が近づいても、税の世界は深かった。税理士資格若い時分に取得したが、それでもマニアックな税分野とか、諸外国税制度になると不案内だった。

 そんな折、とある会議最中だった。ある人が、たしか個人課税徴収部門責任者だったかビットコインの話を始めた。納税方法がわからない人や、脱税の疑いがある人が増えており、(内閣府まで通じて)国レベル対応を考えているという。

 ビットコインのことは何となく知っていた。どんな形であれ、収益を得たのであれば納税するのが当たり前である。だが、事情があってできない者や、あえてそうしない者もいる。私の思い違いは、後者が思いのほか多かったということだ。

 国の関係機関は、ビットコインほか暗号資産に関する文書を多数発行している。国税庁もそのひとつだ。それは6,7年前だったか、取り掛かったのはさらにその数年前になるが――上の会議の後で、主に若手職員が中心となって暗号資産の税務上の取扱いに関する文書納税ガイドライン)を起草した。国税庁のページに今でも載っている。

 ガイドラインを作るにあたり、各部からは若手数人(YoungなAdultを含む。40代でもOK!!)が抜擢された。うち1人は私の同僚だった。あの頃、仕事帰りに個室の飲み屋で話をしたのを憶えている。彼は、ビットコイン暗号資産)に対して恨みの感情をいだいていた。

・ただでさえ忙しいのに。ガイドラインの下準備だけでも難しい

・今の部署との並行体制だと過労死する

・国際反社資金源を絶とうと思えば、暗号資産違法化してもよいのでは

・でも、それでは他国との足並みが揃わない。国力にとってデメリットがある

暗号資産がどの国でも一般的存在になれば、俺達のこの仕事は報われるかもしれん

上司評価をくれると言っていたが、貸し借りにすらなっていない感がある

・実は、「優秀な若手を」と言いつつ、優先順位の低い職員を駆り出しているのでは?

・こんなことが続くようなら、転職を考えた方がいいかもしれない

 このような愚痴をもらしていた。この人は、高卒枠で国税庁採用され、若い頃は地方税務署を転々とした。その後、実力を評価されて国税庁現場寄りの部門で働くようになった。叩き上げというやつだ。普通に幹部候補である。このあたりの考え方は、省庁によって違う。※後述。

 私だって彼のように、当時は「よくわからないもの」「社会必要性がないもの」「反社資金源」とされるものを扱う仕事に抜擢されたとしたら、どんな気持ちになっていただろう。憂鬱になっていたかもしれないし、反対にワクワクしていたかもしれない。おそらくはその中間だ。

 ところで、件のガイドラインは相当に練られている。人件費で換算するなら、軽く数千万はかかっている。本来部署でさえ仕事忙殺されているのに、彼らはよく作ったものだと感心した。

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《後述の内容》

中央省庁大卒しか採らない印象があるかもしれないが、高卒採用は私が知る限り全省庁で実施している。省庁によって雰囲気は異なるが。私が若い頃だと、毎年何十人も採用しているところもあれば、実質的高卒者を採用していないところも当然あった。覚えている限りでは、次のような印象だった。

総務省

たくさん採用する。男女比は同じくらいかデータの取りまとめや解釈など、政策の基本になる数字を拾う仕事が多い。実力が認められると政策立案担当できる。地方自治体への幹部待遇での出向も。

国土交通省

たくさん採用する。男性が多い。本庁に採用されても、ダム管理関係など現場作業をするポジションになる可能性があるからだろうか。工事用の図面作成なんかも当然あるだろう。

財務省

ほどほどの数を採用する。高卒枠だと、ほぼ女の子しか採用してなかった。もちろん顔採用だ。たまに業務で寄ることがあったが、当時の先輩が「俺も財務省の子合コンしたい……」と呟いていた。当然ながら、銀行一般職みたいに、大卒採用男性とくっつけるためにやっている。

国税庁

高卒採用はしているが、数はとても少ない。公務員試験には受かっても、税務大学校での勉強についていけずに辞めていく子が多いのが理由だ。代わりに、会計といった専門学校の子を多く採用している。

厚生労働省

たくさん採用する。男女比は半々だ。労働環境が厳しいこともあるのだろう、私が知っている子は、ガタイがいい人ばかりだった。総じて言えることだが、高校3年生の時点で中央省庁面接官の眼鏡にかなうわけだから、指折りの人材だ。特に役職持ちの高卒者を見たら刮目せよ」のイメージは正解だ。

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 かくいう私も、当時はこの仕事を続けるべきか迷っていた。実際、数年後には転職することになるのだが、正直やりがいを感じられなかった。

 実際、あの彼の言うとおりだったと思う。あのガイドラインは、いわゆる『火消し』の仕事に近い。すぐにバブルが弾けてなくなると思われたビットコインが生き残ったことで、脱税者(善悪を問わない)が多く存在することが予想された。事前の対策を打とうにも、そんな余剰人材は配置されていない。

 実際、暗号資産関係脱税者がいたとして、まともに取り締まることができていなかったのではないか? 現金で数千万円を国内口座に出金、みたいな愚か者はすぐに摘発されただろうが、もう少し小さい金額とか、取引所にずっと利益を預けていたとか、そういう人は対応ができていないはずだ。他部門の私ですらわかるほど、それくらい国税庁マンパワーが足りていない。

 加えて、思い出②で説明したストリートレベル行政職員観点もある。海外取引所や、すでに潰れた取引所で売買をしていた場合納税者も行政庁も課税情報証明ができない。そういう面倒かつ費用対効果の低い案件――それでいて該当者が数千人に上るであろう案件は、あえて手をつけないこともある。

 さて、こうした想定外事態が起こった場合、上で説明したように臨時タスクフォースが編成される。今回の火消しチームだと、指揮を取る者が選り抜きであったのは言うまでもないが、ほかのメンバーを見る限りだと、各課イマイチメンバー人柱にしていた感がある。正直、エースは残して温存させているように見て取れた。

 そんな理不尽でも耐えられるほどに組織が魅力的で、職員にとってやりがいのある仕事内容や職場環境を用意できればいいのだが――こういうわけで、近年の若手官僚大量離職問題が起こっている。

 ちょっと路線変更をする。思えば、このあたりの時期は私も病んでいた。過重労働で心が沈んでいた。

 一応マイホームは買っていた。ただ、数年前から妻が病気入院していて、子どもふたり実家にしばらく預けてあった。つまり単身だった。

 かつては、いろいろと堪え切れずにデリバリーヘルスを呼んでいた時期もあるが、穴があったら入りたい気分だ。煉獄さん……。

 その日々では、深夜に誰もいないマイホーム帰宅して、独身時代が懐かしいと思いながらテレビを点けていた。ある時だったか、今時風のアニメが流れた。

♪ わんわんわん猫が好き 夢中で何も見えない

  にゃんにゃんにゃん犬が好き 素直にアイラブユー ♪

 ほぼ終電+徒歩の関係で、自宅に帰る時間は固定だった。ダイニングの食卓の上に、コンビニおにぎり綾鷹を置いてから、大匙1杯の味覇を小鍋に入れて沸騰させ、菜箸で溶き卵を回し入れていた。最後テーブルコショーを振りかける。ネギは買い忘れることが多かった。

 食事の支度ができて、テレビを点けると上のアニメがやっていた。女の子が出てくるやつ。

 サブカルチャーについては、若い頃に少し嗜んだだけの私でもわかった――これは三級品のアニメだ。放送枠を埋めるためにひとまず作られたような、1話につき実質4分間だけの5分もの作品。それが正体だった。

 かわいそうに。作者はどんな想いだったろう。悔しいと思わなかっただろうか。残念ながら、番組製作者にとって優先順位が低いアニメだったのだ。※当時はそう思っていたが、今は違う。

 内容だが、女の子同士が仲良くするようなものだった。はっきりいって中味はない。ただ単に、女子高生が仲良くしているか、仲良くしようとアプローチしているだけの。そういうやつだった。だが、観ている最中に何も考えなくていい。それがいいと思って、つい毎回見てしまっていた。

 別に興味はない。なんとなく見ているだけだ。深夜帯だから、それ以外に選択がなかった。前後時間帯にほかのアニメ放送されることもあったが、観ることはなかった。この齢になると、特に30分枠のアニメは見るのがしんどい子どもと一緒に土日朝のアニメを観るのであれば、まだなんとかなるのだが。

 愚痴が長くなった。この章は仕舞いにする。これ以外にもパワハラ職員とか、やる気のない職員とか、省庁間のいがみ合いとか嫌がらせとか、議員行政との癒着・密着とか、嫌なことはいくつもあったが、本題ではない。

 そういうのが知りたい人は、元キャリア官僚が書いた書籍ブログを探して読んでみるといい。意外とみんな、けっこうぶっちゃけている。生々しい。

 その人達に比べれば、当記事の内容というのは、やはりベジタブルに違いない。冷静に考えて、野菜よりも肉の方がハイパワーだろう。そういうことだ。



思い出④ 政治家転身を間近に見て

 「官僚から政治家になりたい」という想いを抱く人は、一応は存在している。そして、そういう人が政治から求められる場面もある。

 30代に入る頃の話だ。具体的にいつ頃だったか失念したが、自由民主党地方自治を担っているグループが各官庁にチラシを配っていた。要するところ、「官僚の皆さんの中で政治家になってみたい人、手を挙げて。ハーイ、ハーイ!!」と、ここまで軽いノリではないが、かくして官僚から政治家へ……というルート希望する人は一定数いる。

 そういう説明会に参加したことがある。「興味本位でいい。年齢関係なし」といったことがチラシに書いてあったが、会場に同年代はほぼいなかった。

 説明会の流れは月次だった。自民党のそこそこ偉い人が挨拶をして、後は別の人達に交代して政治家への転身ルートの大まかな説明(国政コース地方自治コース)があって、最後簡単グループ討議だった。

 なお、これはずっと昔の話だ。今がどういうシステムかはわからない。

 私がいた席の隣には、一回り年上の国土交通省(の前身)の技官であるIさんがいた。体格は小柄だったが、その割には大きく見えた。頭の回転が速くて、こっちが話しても0.5秒でレスポンスが飛んでくる。

 Iさんとはグループ討議の後で連絡先を交換して、一度だけ飲みに行った。頭の回転だけじゃなく、教養のある話し方だった。人としてのスペックの違いを感じた。

 Iさんが上の説明会に参加した動機は、出世や昇進に関係していた。上に行けないのであれば、いっそ政治世界活躍してみたい――そんなことを話していた。

 Iさんは、東大でも京大でも筑波大でも東工大でもなく、一般的国立大学だった。偏差値でいうと50ちょっと。私と同じくらいの。その大学名では正直、立身出世の見込みはなかった。よくて審議官民間でいうと次長部長ほどか。今はどうかわからないが、当時は学歴が問われる時代だった。国交省でも、上級管理職東大が基本だった。

 Iさんのキャラクターというのは、古い語彙になるが、ザ・自民党といった雰囲気だった。政治的に保守というやつだ。頭の回転が速いというよりは、物事道理がわかるというか。いざという時には清濁併せ吞むことができる。そんな具合だ。

 かくいう私は、政治家ルートは無理だと感じ、その後にあった面接を受けることはなかった。国会議員になるには地盤看板も鞄も足りないし、かといって地方自治体に出向して市町村助役(今でいう副市長)になるのはリスクが高すぎる。もし地場に合わなければどうすればいいのか。どの面を下げて霞が関に帰ればいいのか? いや、というか帰れない。片道切符だ。

 でも、本当に政治家になりたい人であれば、不安に打ち勝ってしまえるのだろう。当時の私は、転職を考えはじめていたけれども、今と違って転職市場は整備されていなかった。インターネットでの転職活動も始まったばかりだ。リクナビ黎明期になる。

 まあ、それらも言い訳に過ぎない。本気で転職したい人だったら、そんな事情関係なく転職エージェント架電していることだろう。心の底では、そこまで転職したいとは思ってなかったのだ。

 その後も、厳しい日々が続いた。職責はどんどん増えていくけれども、やりがいは減っていった。給料も見合っていない。時給換算だと千数百円ほどか。上でいう40才になる頃には、自分がなんのために働いているのかわからなくなった。行政ロボットのようだった。

 ひたすら政策課題に対して向き合い、法律常識に照らして世間でいうところの正解と思われる回答を見つけ出し、複数上司忖度とやらをしながら仕事を回していた。税制を維持していくためのロボットになっていた。

 あと数年以内には、おそらく課長補佐から課長級になる。もっと忙しくなるだろう。子どもを2人育てるなど不可能だ。

 もやもやした気分で深夜に帰宅した時、やはり、あのアニメ――『犬神さんと猫山さん』が流れていた。たった三ヶ月の付き合いだったが、少しばかりの息抜きになった。コンビニおにぎりお茶と、味覇スープを飲みながら、ほとんど何も考えずに観ていた。

 女性同士が仲良くすることに主眼を置いていたのはわかる。メインふたり関係だけでなく、ほかの女性同士の関係性も描いている。

 犬神さんは積極タイプだった。猫山さんのことが大好きだ。ほかの女の子はいざこざがありながらも、最後には仲良しになっていた気がする。

 強いていえば、犬神さんの猫山さんに対するアプローチには、セクシャルハラスメント構成する要素があった。いきなり抱きついたり、薬物を飲み物に混ぜようとしたり、髪型自分好みにさせようとしたり、猫山さんの反応が気に入らないとキレたり、ハラスメントし放題だった。デートDVに通じるものがある。人権という観点からは、現代社会で許容されるべきものではない。

 この日記を書き始めた頃、ニコニコ動画登録して全話パックを購入した。順番に話数を巡ったところ、第9話にこういうやり取りがあった。以下、犬神さんを「犬」とし、猫山さんを「猫」とする。

犬「あの~、今なんて……?」

猫「えっと、だからストパーかけたいなって……」

犬「バッカなんですか猫山さん!」

猫「そこまでいうの犬神さん!?」

犬「だって、素晴らしいその猫っ毛を矯正するとか、そんなのって、そんなのって、コーヒーからコーヒー抜くようなものですよ!?」

猫「わたしアイデンティティなんだと思ってるの!?」

 リアル高校生ならこういう会話をするのかもしれないが、中年の私には厳しい描写だった。若い人向けの作品なのだからと思いつつ、読者が真似をしたら相手が苦しいことになる――と当時は考えていた。こちら以外にも、若い人なりの情動リビドー)が爆発するようなシーンがあったのを思い出す。

 思えば、若い人向けの作品なのだから、少しオーバーなのがちょうどいいのかもしれない。作者が若年だったのもあるだろう。梶原一騎(巨人の星)にしても、雁屋哲(野望の王国)にしても、巻来功士(メタルK)にしても、CLAMP(聖伝)にしても、荒木飛呂彦(バオー来訪者)にしても、板垣恵介(バキシリーズ)にしても、作者が若いと、エログロやスプラッタや、恋愛確執社会価値観との対峙など、青春期ならではのリビドーに溢れている。反対に、作者が齢を取ってくると確執関係が雪解けするような、そんなシーンを描くようになる。『バキ親子ケンカ編』などが顕著だ。

 あの人達が若かりし頃のマンガというのは、基本線として反社会的だ。反社会的といっても、若者にとっての抑圧を打ち破るという意味での反社会性だ。うまく料理できれば、マンガの魅力として存分に活きてくる。あの人達は、若者のそんな感情を搔き立てるのが抜群にうまかった……と、元若者が振り返ってみる。

 追記 Iさんはその後、大成した。少しではあるが本人に馴染みのある地域で、市町村助役として迎え入れられた。その後、国会議員職員団体や地元から応援を受けて市長選立候補し、並み居る解放同盟勢力を圧倒して市長になった。

 あれから調べてはいないが、きっと長い間お勤めになったのだろう。ああいう人がもっと多くなれば、地方もっと活性化するに違いない。



 Part3/3

 https://anond.hatelabo.jp/20230926201303

2023-09-12

anond:20230912113622

昇級試験とかない規模の企業だとみんな課長補佐課長あたりは完全に押し付けられ仕事だしな

やりたくてやってるのって本当にごく一部の異常に上昇志向が高い奴だけ

2023-08-11

anond:20230807134943

うちの会社場合だけど、女は転勤しても課長補佐まりから頑張る気にならない

2023-03-12

霞ヶ関議員レク(省庁によって異なるとは思うが)

・誰がレクするのか:議員のグレードにより異なる。一般的には課長クラス大臣とか大臣経験者は局長クラス一年議員などは課長補佐クラス

・何人でレクするのか:説明者+資料持ち+メモ要員といった感じ。案件によっては、もっと大人数。ミニマムは、説明者+メモ要員。

・録音するのか:基本的に録音しない。ただし、党の部会などは録音することもある。

・誰が議事概要を作るのか:メモ要員が議事概要案を作成し、説明者が確認

議員議事概要確認を依頼するか:しない。確認の手間を取るほど、議員役人も暇ではない。

ねつ造可能性:役人立場からすると、議員発言をことさらねじ曲げたり、発言していないことを盛り込んで議事概要作成するようなことはあり得ない(そのようなことをしても何らメリットがないし、それ以降の議員レクに支障をきたすし、ばれたら大変なことになるので)。ただし、議事概要は、議員確認を経ているものではないので、議員発言が充分には反映されていないという可能性はあり、これを「ねつ造」というのであれば、そう言えなくもない。

・その他:議事概要には議員発言したことしか書かれていないが、議事概要に書かれていることが議員発言を必ずしも全て網羅していないことはある。何を言いたいのかと言うと、議員発言のうち、議事概要には書かれないものもあり得る。これを「ねつ造」というのであれば、そう言えなくもない。

2023-03-09

anond:20230309113249

大手ガス会社の孫会社新卒で入り、課長以上は全員本社からの出向。この会社新卒で入った定年間近のうだつの上がらない課長補佐(俺はこれにすらなれない模様)と美人な嫁も子供もいてイケメン高学歴の30代後半の課長の下で低賃金で働いてる。転職しようにも私文でスキルなし。仕事は楽だけど将来がない。どこが快適やねん。身体も脳も楽だけど心と財布は不安でいっぱいで泣きそうなんだ。ストレス解消に昼飯は和幸とんかつ二郎からブクブク太るし金もない

2023-03-08

総務省文書について雑感

役人です。複数の本省勤務経験があります

総務省から、【政治的公平に関する文書の公開について】(https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000503.html)として、文書が公開されています高市大臣がやめるのやめないので注目を集めているアレです。

一つ一つ分析していけば面白そうですが時間もないので雑に感想を書きます

そもそも行政文書

公文書管理法上の行政文書に該当するか、個人的には微妙に思っていて、総務省がこれほど素早く行政文書と認めたのは不思議です。

公文書管理法ではこう規定されています

この法律において「行政文書」とは、行政機関職員職務作成し、又は取得した文書(図画及び電磁的記録(電子方式磁気方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)を含む。第十九条を除き、以下同じ。)であって、当該行政機関職員組織的に用いるものとして、当該行政機関保有しているものをいう。

ざっくり、①役人が②職務作成し③組織的に用いるもの行政文書とされています。本件文書は条文上は行政文書のように思えますが、実運用としては偉い人との会話結果はグレーゾーンと扱われていることが多いです。

何故かというと、例えば一係員が係長から貰った意見について他の係員と共有した文書(例えばグループウェアで「係長は…て言ってたよ!作業よろしくね!」とか)を行政文書とし始めるとキリがなくなるからですね。課長補佐なら?課長補佐なら?局長なら?大臣なら?と。

国会議員への説明結果も同様で、例えば電話秘書から『あの資料どこにありましたっけ?』と聞かれ、ホームページ上の場所説明したものまで記録に残したりしないからです。ただ、最近運用として、国会議員本人への説明結果は行政文書としている役所が多いと思います

(ただ、それでも国会での質問のための事前のやりとり(いわゆる『勉レク』『問取り』)を行政文書としている役所ほとんどないと思います。)

本件の場合は、少なくとも当時、この文書作成者は行政文書認識していなかった可能性が高いです。(行政文書認識していたら、『ヤクザ』なんて表現普通は使いません。ただ、本件資料作成したと思われる旧郵政出身者が旧自治の磯崎補佐官を悪く言いたいのかもしれませんが。)

したがって、本件資料行政文書ではないと言い張ることもできたところ、あっさり行政文書と認めたのは総務省的に何か理由があるのだと思いますメモ存在ではなく、行政文書として認めたところに驚きがあります。)。

公表した目的

「心ある総務官僚小西議員リークしたんだ!」「総務官僚情報公開大事だと思ってるんだ!」などとは全く思いません。次のような理由想像できますが闇ですね。

・現職総務省幹部綱引き。旧自治VS旧郵政

総務省OB綱引き。旧自治(磯崎補佐官)vs旧郵政山田秘書官)

自民党内の反安倍

総務省財務省とならんで、リークで足の引っ張り合いをする組織イメージがあります

内容

総務省が飲む飲まないに関わらず、解釈にかかる議論についてはこんなもんかと思います

与野党わず、現行の解釈から一歩進んだ表現を答弁で求められることは多いです。その場合、実際の国会審議の前に、役所とすり合わせを行うことは珍しくありません。

議員】○○と質問した場合、✕✕と答えられないか

役所】その場合、△△までなら答弁可能だがそれで差し支えいか

議員】わかった、それでは質問するからそのラインでお願いする

・くどいように「これまでの解釈の枠を出ておらず、それを補足するもの」と出てくるのは磯崎議員役人出身であることをよく示しています

・「激昂し」などの表現あるあるですね。ただ、公開前提となり使われなくなってきたような気がします。

・「首が飛ぶ」などの表現もままありますね。担当者の方はお疲れ様でした。最近は減ったとは思うのですが。野党議員から「悔しければ選挙に勝ってみろ」と言われた同僚もいますが、圧力いたことはどちらにせよやめていただきたいものですね。

大臣は知っていたか

おそらくこの事前のやりとりは知らされておらず、最後に出てくる大臣への報告で初めて知ったと思います

磯崎補佐官と揉めた時点で大臣に報告してたら、必ずそれも説明結果として関係者で共有しているはずです。

内容はすべて真実

分かりません。

事前のやりとりはあったのだろうと思います。(ただ、総務省側の希望解釈について答弁したくない)が前に出すぎていて、報告書にあるべき客観性が欠けており、あまりできのいいものではないと思います。)

しかし、総理意見大臣意見などは錦の御旗にするために「これもう大臣了だから」などと嘘になはない範囲記載することはありうるため、大臣真意齟齬がある可能性は十分にあり得ます。(例えば『慎重にね』⇒(慎重に検討して、実施しない/慎重にやればOKと言われた))

通常、こういった文書決裁を取らないため、基本的には文書作成者の主観がかなり入ります

その他

ちなみに単なるメモではなく行政文書としたら、小西議員リークした役人処分対象になりそうですけど、どうするんでしょう。

公的目的からOK、とはなかなかなりにくいと思うんですが(それをアリとすると何でも持ち出し放題になる。いろんな立場の人がいるしね)。

2023-02-12

共産党官僚組織なので外向きに一枚岩なのは理解できる」⇐間違い

https://twitter.com/EriHirakawa/status/1623609723651260416

平河エリ Eri Hirakawa@EriHirakawa

一般の人には「党内では自由議論できるが党外に向けて言うのはNG」という共産党理論は受け入れづらいと思うけど、共産党は巨大な官僚組織であることを理解すれば腑に落ちると思う。

官僚は内向きにいろんな議論はするが、政府としては全員同じ答弁をすることになっている。それと同じ理屈

これに好意的ブコメリプライが付いているが、これは共産党好意的に見すぎている。

かに一般論として、官僚機構は上位の決定には従わなければならないとされている(例:国家公務員法98条。但し法令範囲内)。そして、内部的には自由議論が許されているのはこの方の御指摘の通りだ。

ただ共産党内における自由議論というのは一般的な意味自由議論と全く意味が違うので、この方の結論は誤っている。その理由日本共産党規約から見ていこう。

第三条 党は、党員自発的意思によって結ばれた自由結社であり、民主集中制組織原則とする。その基本は、つぎのとおりである

(一) 党の意思決定は、民主的議論つくし、最終的には多数決で決める。

(二) 決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民にたいする公党としての責任である

(三) すべての指導機関は、選挙によってつくられる。

(四) 党内に派閥分派はつくらない。

(五) 意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。

なるほど、確かに(一)で自由議論が許されているように見える。ただ、ここで重要ものは(四)の分派禁止だ。

(一)で自由議論をしても、それが党の意見として採用されるためにはその意見が党内で主流か、少なくとも有力なものとならなければならないのは自明だろう。

その過程の中では、当然、はじめは少数意見だったとしても、その意見賛同する人が出てくる。

ただ、共産党場合はこの多数派形成分派として否定してるので、党内における自由議論というのが全く意味をなさなものになっているのだ。

党内における自由議論とは、自由議論の結果、誰もが党中央意見同意することを指しており、それ以上でもそれ以下でもない。

これは、特に課長補佐以下からボトムアップが特徴的な日本政府官僚機構とは対称的である

まり、以下のようにまとめられる。

一般論として、官僚組織は外向けには一枚岩であるが、内向けには自由議論がある、というのは正しい。

○ただし、共産党場合、内部でも党中央と異なる意見を言うと、分派と見られ排除される。

○よって、共産党内部での自由議論とは党中央に全面服従することに他ならない。

○なお、これを民主集中制という。

2023-01-25

anond:20230125093244

係長課長補佐課長部長局長みたいな決裁ラインとして、一人でもへそ曲げる奴がいたら残りの奴にえらいストレスがかかる

誰のどこに逆鱗があるかわからないし、もしかしたら新たな逆鱗に触れるリスクを考えたら根回しはある程度必要スキルやろ

なお今の組織にはこんなラインに1~3人は女性が入ってるぞ

社会人エアプか?

2023-01-24

質問主意書とは&音喜多議員によるColabo関係質問主意書追記あり

以下で音喜多議員評価しつつも愚痴った増田です。

喜多議員そりゃないっすよ(引き続きColaboの話)(追記あり

https://anond.hatelabo.jp/20221231010455

"本来は今後の音喜多議員言動を見ていくべきなんですよ、もちろんそれは分かるんですが感情的問題として、ね。"

今後の言動を見ていくべきと締めましたが、音喜多議員から割とガチめな質問主意書が出ました(https://twitter.com/otokita/status/1617443528648593408)ので質問主意書のもの解説ついでに読んでいきたいと思います

結論

質問主意書とは

質問主意書答弁書閣議決定を経てなさへる政府公式見解なので重たいもの

一般的に答弁のスケジュールは極めて厳しいが音喜多議員は余裕を持たせてくれている(優しい)

役所に「本気で注目している」と分からせる良い手段

質問内容

○大部分は「東京都において適切に実施されていると承知」のような回答になると思われる

○全体的にもう少し突っ込んで聞いても良いと思うが議論の取っ掛かりとしては十分

※"大部分は「東京都において適切に実施されていると承知」"としましたが、本稿を最後まで書ききって「厚労省現状認識を問う部分」も多くありました。「大部分」というのは誤りですが残しておきます

質問主意書ってそもそも何?

国会議員文書を持って内閣質問する方法です(国会法74条・75条)。

回答は文書をもってなされることとされており、これを答弁書といいます内閣に対する質問であり、内閣意志決定閣議決定でなされるため、この答弁書閣議決定必要です。

国会質疑と違って文書での回答であるため、原則として後での修正(言い間違え)はなく、政府公式見解となります

余談ですが、一般に「何でこんなこと閣議決定してんねん!?」って報道があるときは、まず間違いなく質問主意書が出されています。例えば「1+1=2であるか問う」みたいな質問主意書が出された場合閣議決定の上で「貴見のとおり」と回答されます

ちなみに「趣意書」と誤記する人をよく見かけます役人でも意識してないと間違えることがありますね。

事務手続(割振り)

国会議員議長内閣

国会議員質問主意書作成し、所属する議院議長に提出します。

議長のところでは主に議院事務局による体裁審査が行われ、その上で内閣に送られます転送)。

まりに乱発され事務の停滞を招いたこともあり、議長への提出前に両院議院運営委員会で事前に審査されるようになったはずですが、今はどうなったんでしようね?

内閣総務官室⇒各省庁⇒内閣総務官室⇒担当省庁

内閣転送された質問主意書は、まず内閣総務官室で担当省庁を割振りします。例えば次のように割振りを行い、各省庁に通知します。

・問1:答弁作成 厚労省

・問2:答弁作成 厚労省/合議 財務省経産省

・問3:答弁作成 経産省/合議 財務省

・問4:答弁作成 内閣府/合議 厚労省経産省

・取りまとめ:厚労省

作成省庁が作成し、合議先の了解の上で答弁内容が固まるイメージ

ここで、その割振りに異議のある省庁は一時間以内に内閣総務官室に異議と正しい割振り先、その理由を通知する必要があります(一時間ルール)。

したがって、「今日質問主意書内閣総務官室に転送されたよ」という情報がある場合、各省庁は即座に対応できる体制を整えておく必要があります国会待機)。

質問主意書の回答担当になると業務的に非常に厳しい(特に取りまとめ)ため、基本的にはどの省庁も「これはうちじゃなくて✕✕省の担当だよ」「取りまとめがうちになってるけど、この主意書の肝になる問いの答弁は△△省担当なんだから取りまとめもそちらだよ」という意見を出すことになります消極的権限争い)。

内閣総務官室は各省庁から意見に従い、割振りを決定します。各省庁から意見を出す際、多くの場合担当省庁間で話がついているのですが、一時間以内に結論が出なかった割振りについては内閣総務官の権限で割振りを決定します(裁定)。

担当省庁⇒担当部局担当

担当省庁において、担当部局担当課を決定します。

実際は内閣総務官室とのやり取りと平行して行われ、こちらでも消極的権限争いがなされることが多いです。

担当課まで決まれば、担当者間(だいたい課長補佐)で連絡先を教え合います。例でいいますと、「問4について、内閣府、経産省厚労省間で担当者連絡先を交換する」「厚労省の取りまとめ担当者は各問いの答弁作成担当者者と連絡先を交換する」ような感じです(窓口交換)。

事務手続(答弁作成

スケジュール確認

質問主意書は、内閣転送されてから休日を含めて7日以内に回答することとなっており、延長することも可能国会法75条2項)ですが滅多に認めて貰えません。

実質的に5営業日祝日が絡むともっと減る)で回答する必要があるため、そこから逆算してスケジュールを組みます

スケジュールは極めて厳しく、答弁の作成は受け取った翌日、どれだけ遅くとも翌々日には終わっていないと間に合わないイメージです(おって説明します)。

答弁書案の作成

担当課は、たいていの場合担当課長補佐を中心として答弁書案を作成します。出先機関委託事業者確認をとる必要がある場合には情報の提出を求めますが、それも極めてタイトであることが多いです(質問主意書20時に受け取り、21時に発注して翌日10時に締めきったりします。)。

担当課長まで了解を得たくらいの段階で合議先の了解も取り付けます。また、合議先に答弁の一部を書いて貰ったりもします(メモ出し)。

内閣法制局審査

答弁書は、閣議に付される前に内閣法制局による審査があります

質問に対する答弁として適切か、法令や先例との整合性文言審査などを受けます

担当部局が「正確にはAだけど利害関係者とかマスコミのこと考えたらA'って回答かなぁ」と持ち込んでも、内閣法制局には原則として利害関係者がいないので「なんでAって回答しないの。おかしいでしょ」と詰められます

ちなみに、この審査は平気で22時からとか設定されます。また修正意見がつけられ、再度対面・電話でやりとりの必要がある場合には27時(AM3時)から設定されたりします(働き方改革コロナ禍でずいぶん改善したそうです、私はもう去っているので知りませんが。)。

省内決裁

閣議を求める(閣議請議)のは各大臣権限内閣法4条3項)であるため、取りまとめ省庁は大臣までの決裁が必要です。

答弁作成者(課長補佐からの決裁ルートはこんなイメージです。

関係部局が多岐にわたる場合には更に合議先が広がります

局内

⇒(企画官等⇒)課長⇒(局次長等⇒)局長

大臣官房

⇒官房総務課課長補佐(総括補佐とか政策調製員とか呼ばれる人)⇒官房総務課長⇒官房長⇒(省名審議官⇒)事務次官

政務

政務官⇒副大臣大臣

閣議

決裁が終わった文書内閣総務官室に提出し、最後確認(ここでは体裁のみ)を行います

閣議原則として火曜日と金曜日の開催です。スケジュールをたてる際には真っ先に確認します。

まとめ

これだけの作業を実質5日間で行うため、スケジュールは非常に厳しく、質問主意書の内容にもよりますが取りまとめとなった場合には一週間それにかかりきりとなることが多いです。

喜多議員による質問主意書の内容

簡単に見ていきます

質問は長いので私にて要約します。

○様々な困難を抱えた若年女性とは?

○若年女性の自立とは?

⇒この定義厚労省内部では当然に持っているものと思われます議論の前提ですね。

○Colaboから事業について要望はあったか

⇒当然にあったと思いますが、公式見解を残しておくことは重要です。

モデル事業の成果を具体的に示されたい

政策評価定量的目標設定について

○都及び他の自治体からの報告とその検証について

⇒当然の質問ですね。ザルになっていないかのチェックです。定量的ってところがポイントでしょう。ただ、役人的にはモデル事業の成果について具体的かつ網羅的に示されたい質問するところです。そうしないと具体例を一つだけ書いてかわされます

予算を引き上げた根拠

予算額と積算根拠執行の現状

予算の透明性の確保

議論の前提ですね。積算がザルっぽいのは都の監査結果を見ても明らかなので答えにくいと思いますが、たぶん「都(各地方公共団体)において適正になされたと報告を受けている」くらいにさらっと書かれると思います

○経費の区分費用の切り分けについて

⇒これも現段階では「各地方公共団体において適正になされていると承知」くらいの回答がきそうです。

休眠預金活用法によるColaboへの助成が高額

⇒これだけは内閣府が主担当かな?「分配団体により適正に(略)」という回答かと。

○国から自治体への是正を求められるか

⇒「都において適切に行われていると承知」という回答の線引きをするための質問ですね。またどこまで補助金適正化法対象かを確認する意味もあります

○仁藤夢乃さんの政治活動と、そういった団体への公金支出について

⇒この質問だと、「政治活動は禁じられていない」とのみ回答がきそう。ここはもう一歩踏み込んで、「政治活動に公金は用いられていないか」「支援対象者を政治活動勧誘していることを把握しているのか、またその勧誘妥当だと考えているのか」「公金の使用勧誘について把握していないのであれば調査するつもりはあるのか」などと聞いてほしかったところです。

委託先が限られてしまうのでは?

⇒良い質問

毎年同じ事業者落札するような事業財務省総務省からかなり厳しく指摘を受けます。それを回避するための方策を考えろという議論に繋げるための質問と思います

現在のところ「既存事業者による有償研修による新規事業者の育成」を想定しているようで批判が大きそうに思います。身内でお金回してるだけやん?って。

有識者会議構成員の選定方法と適格性について

一般論としてお金を配る側と貰う側が同じなんてのは認められるわけがなく、当然の質問ですね。

⇒仁藤さん個人政治的活動咎められるべきではないと考えます(それを言ったら例えば連合有識者会議に呼べなくなる)。

個別検討会の内容まで踏み込む質問27)のであれば、仁藤さんがヒアリング対象として推薦した者の適格性についても突っ込んでほしかったところです。

官僚も大変だろうから7日以内じゃなくて21日以内でいいよ

⇒優しい。

ただし、期間延長は議員了解ではなく「内閣が、期間内にできない理由と期限を明示する」必要があるので、この記載をもって直ちに延長可能とはなりません。ただ、この記載をもって担当部局は延長を主張しやすくなると思います

個人的には質問の数は多いものの内容はそれほど厳しくなく、大規模な調査不要でと思われるため7日以内に回答可能と感じますが(長妻議員並感)。

全体として厳しく突っ込むというよりも議論の前提の認識確認する感じですね。これからの深堀りを期待します。

追記(1/25)

○都の監査報告書読むと都が適切に監督できてるとは言えなそうだが、はてさて

○ふわっとした質問が並ぶので「各地方公共団体において適正になされていると承知」という回答が並んでcolabo弁護団が大勝利宣言する流れ?

私が答弁書案を書くならこんなのが思い浮かびます

答弁書案】(現時点では、)各地方公共団体において適切に対応されていると承知している。(なお、御指摘のとおり、東京都においては住民監査請求監査結果において再調査実施等が勧告されたと承知しており、その結果に基づいて適切に対応がなされるものと考えている。)

()はより踏み込んだ表現

ただ、大きく報道される可能性のある事案であり、幹部から書きぶりの指導が入るかもしれませんね。

また、東京都再調査前結果公表前に答弁書が出されることになりますが、東京都から事前に実態聴取して、事実齟齬がない範囲で、さらに踏み込んだ表現にすることもあり得ると思います

○こういうの見てて思うのって仮に「適切である」と回答したとして、適切じゃないことが後からわかったときに何が起きるの?ってことかな。

よくあるのが「…と承知している」「…と認識している」「…と把握している」という書きぶりですね。答弁時点ではその認識が正しかったので嘘ではない、という理屈です。

2023-01-18

Colabo事業みたいな監査結果が出されたら役所担当者はどうするか

Colabo事業監査結果について、いろんな所で分析されているので内容はそちらに譲るとして、あのような監査結果が出た場合役所はどのように動いていくのか書いていこうと思います

0 前提

残念ながら(?)監査請求を受けたことがないので、経験のある、「中央省庁課長補佐として、会計検査院にて不当事項と指摘された場合」を想定します。

1 当日の対応

請求人の主張の多くが退けられているので一安心、とはならない

この度の監査請求結果について、Colabo弁護団擁護者は「なんら違法行為確認されず、監査請求人が主張した事実ほとんどは認定されませんでした」(https://colabo-official.net/20230104/)と勝利宣言を行っています妥当とは思えません。

勝率を競っているわけでは全くなく、その指摘の内容が重要になるからであり、勝率99%でも重い指摘があればアウトです。

会計検査院検査に引き寄せてしまますが、不適切不当再調査文言は相当に重たいです(違法でなきゃOKみたいな受け止め方する役人はいません…たぶん。)。

会計検査院からの指摘と言っても、例えば「…が十分でなかった」、「…との記載漏れていた」等であれば、担当者としては「そっかしゃーない来年から気を付けよ」程度です。局幹部職員に対して指摘を受けた事項について御説明必要はありますが、大して緊張もせずにできると思います

しかし、今回のように書かれた場合担当補佐からではなく、最低でも担当課長(下手したらそれ以上)からの現状及び今後の改善スケジュール・想定問答について、即座(当日中。間違いなくマスコミ案件になると想定するので)に政務三役大臣副大臣政務官)に御説明時間が合わない場合にはその内容を書いたメモ入れ)がなされます

(なのでどのマスコミ小池都知事質問しないのは違和感しかありません。なんででしょうね?)

余談

会計検査に限らず、さまざまな監査(省内の監査予算執行調査などなど)の場合、何らかの指摘を受けそうな場合にはある程度事前にわかます

何故かというと、指摘をする側も間違ったことは書けないので、結果公表の前に「○○という記載事実誤認はないか」のような問い合わせがあるからです。

なので、よっぽど想定外の内容でない限り、事前に準備した資料及びタイムスケジュールで当日バタバタ仕事をするイメージですね。もちろん、確実に指摘されることがわかってる場合には御説明まで含めて前日までに済ませます

2 監査結果は誰に対してのもの

監査請求は都に対してのものであり、本件監査結果も形式的には監査対象局(東京都福祉保健局)に対して措置を求めるものとなっています

もちろんその通りであり、なので担当者も1のように動きます

ただ、今回の場合は、「事業実施状況の確認を求めること」「(案分について)合理的説明ができるようにすること」「委託事業であり公金を使用する事業である指導徹底すること」と事業者への指導監督が足りないとこれでもかと書かれています

また、おそらく領収書の全件チェックなどはしておらず(これは他の事業でもありますので、違和感ありません。)、事業者との信頼関係でなりたっていたと思われるところ、「領収書が示されていない事項が本件経費に計上」「実際とは異なる備品や購入していない備品記載」など、信頼関係をぶち壊す記載もなされています

これについて、相応に経験のある役人、また受託経験のある事業であるならば、

形式的には監査対象局への勧告だが実質的には事業者に言われているのも同じ」

担当部局の信頼(メンツ)を丸つぶししてるので早急に謝罪に赴こう(赴くよね?)」

理解します。

イメージで言うと、結果がリリースされて一時間しないうちには、事業者の担当部長あたりから次のような電話があると思います

「この度は御迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。御指導に従い資料の精査等行って参りますが、まずは弊社代表取締役社長企業規模・事業規模によっては役員クラスのことも)がそちらに赴き、○○局長謝罪させていただきたいと考えております。つきましては日程調整よろしいでしょうか。」

また、担当部長企業事業内容によっては担当役員更迭は避けられないでしょう。

(というか役所側も担当局長更迭まで想定しなきゃいけない事案ですし)

経験則ですが、福祉業界も含めてこの感覚共通していたと思います

NPO一般社団法人受託先となる事業担当したことがないので、そのあたりは雰囲気が違うんでしょうかね。

再調査への対応

正直いって数千万規模の事業であれば(しかも今回のように何故か税理士費用まで委託費に含まれているのであれば)、三営業日以内くらいをメドに領収書またはそれに代わるものの提出及び説明を求めます。当日中でも良いくらいです。

ただまぁそれができないからこの監査結果になっているんでしょうけども。

2/28までに資料が揃えば良いのか

監査結果には2/28までに再調査及び適切な措置を採るように書かれています

再調査の結果お咎めなしならばよし、とは考えません。

そもそもこのレベルの筆致で再調査まで求められたこ自体が大問題と思いますあくま役人的に、です。法的にはそれで問題なしとなるでしょうが。)。

2023-01-11

男女共同参画基本計画関係予算の思い出

はじめに

Colabo関係の盛り上がりもあり、男女共同参画関係予算9兆円が多すぎではないかとの指摘があります

これに対し、以下のように反論されています

内閣府男女共同参画局が、この単位独立した予算を計上しているというわけではない。

(略)

拡散している情報について、同局の担当者は、BuzzFeed News取材に「誤解、勘違いされている部分があるかもしれない」と指摘した上で、こう説明した。

「8兆円、9兆円と言われている数字男女共同参画局単体の予算ということではなく、全省庁のいろいろな施策ピックアップして集計しているものになります児童手当や介護など、社会保障のために使われている予算も大きく、防衛予算のようなものとは違う性質です」

https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/about-danjo-yosan

どちらが正しいのでしょうか。

総理府男女共同参画から内閣府男女共同参画局(以下「男女局」)に改組され(確か2000年度かな?)、それから少し立った頃の思い出話を記録しておこうと思います

内閣府との折衝

当時、某中央省庁課長補佐をしていた私に内閣府の男女局からメールが届いた。

曰く、「各省庁にまたがる男女共同参画関係する予算について、当方(男女局側)で取りまとめ、一覧表を作成したので誤り等ないか確認いただきたい。」とのことである

どれどれと思って表を確認したところ、私の担当する○○○費が含まれていた。

私は男女局に「本予算男女共同参画目的としたものではないので表から外していただきたい。」と連絡した。以下やり取りである

男女局「男女共同参画目的としたものではないが、結果的にそれに資すものと考えているので削除はできない。」

現在は「男女共同参画社会形成効果を及ぼす施策事業」と呼称しているようですね。)

当方性別を問わず実施する行政サービスであり、特段男女共同参画に資すとも考えていない。」

男女局「不利な立場に置かれがち・家庭に縛り付けられがちな女性の方が相対的受益する可能性が高いため、男女共同参画資するものである。」

当方「それを言うとほとんど関係の無いものまですべて対象になるではないか妥当とは考えられない。」

男女局「いずれにしても本表の作成責任当局にあり、金額等に誤りの無い場合原案通りとさせていただく(霞が関用語でいう【通告ベース】。)。当然、施策の内容にまで男女局は容喙しない。」

男女局に押しきられた形だが、原局(当方のこと)が反対した理由は、「一旦表に載ってしまうと、今後施策の中で微調整する際に『男女共同参画視点を入れろ!』などと要求される可能性が高い」と感じていたからだ(小役人的なことをいうと、こういったものに取り上げられると単純に業務量が増える可能性が高いです。それが施策の中で役に立つなら歓迎しますが、役に立たないものは嫌ですね。)。

その後の推移

案の定政治家マスコミ活動家等々フェミニズムジェンダー男女共同参画に強い関心のある方々(オブラートからは次のような働きかけがあった。

男女共同参画資する予算と整理されているのだから

・新たな計画策定の際には男女共同参画視点を入れるべきである

・新たな事業実施したり、予算を獲得する際には特に女性視点を重視するべきである

・○○○費は政府によって男女共同参画資すると整理されている以上、これは正当な問題提起である。受け入れられない場合には国会マスコミデモ)で取り上げさせていただく。

内閣府男女局も政府内であり、基本的政府は守ってくれない中でこういった声に抗することは極めて難しい。

本表に取り上げらた他省庁や他部局担当者に聞いたところ、どこも似たり寄ったりで要求を飲まざるを得なくなったところもあるようだった。

まとめ

男女共同参画基本計画関係予算には社会保障関連費用など様々なものが含まれており、9兆円というのは、過大評価であることに間違いありません。

しかし、幅広い予算男女共同参画に関連するとしてを勢力拡大を行ってきたのは他ならぬ男女共同参画に関心のある側ではないかと考えています。(男女局と共謀しているのか、これを奇貨としたのかは分かりません。)

・したがって、それを理由批判されるのもある程度自業自得と言えるのではないでしょうか。

余談

同時期、知人が内閣府男女局でDV対策担当になった際に次のような議論したことを覚えています

私「DV対策根拠法の前文にわざわざ主に女性問題(※1)って書いとるの変(※2)やん。広く一般向けの法律やろ?」

知人「そら議員立法から無茶した(※3)んとちゃう?閣法なら通らんのちゃうかな。法制局通してくれんやろ。」

(※1)

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(いわゆるDV防止法)

前文

(略)

配偶者から暴力被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者暴力を加えることは、個人尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている

(略)

(※2)

女性だけを対象にしている法律ならともかく、男女関係なく対象にしている法律なら書くべきではないのでは、という趣旨です。

例えばサービス受給者女性が多いからと言って介護保険法に「本サービス受給者の多くは女性」とは書かないし、犯罪者・被収容者の多くが男性からといって刑法刑事収容施設法に「被収容者の多くは男性」とは書かないということです。

(※3)

議員立法も閣法も効果はもちろん同じですが、立法技術的に役人の受け止め方は異なります

議員立法議員提出法案

国会議員が各議院法制局の補佐のもとで法案を作り、国会に提出する方式

技術的には、既存法律との整合性比較重要視されず、原則として内閣法制局審査での先例とされない

議員が主導するものもあれば、様々な理由政治的技術的等)で閣法とできなかったものもある

閣法(内閣提出法案

○各省庁で原案を作り、内閣法制局審査閣議決定を経て国会に提出する方式

技術的には厳密に審査されるため内閣法制局審査での先例となる

○各省庁で原案を作るといっても各省庁のみで独自立案することはまずなく、様々な政治家団体等の働きかけによるものが多い

おわりに

まぁ全部妄想なんですけどね

2023-01-05

Colabo関係住民監査請求監査結果を読む①(請求文書)(復元できました)(追記あり

「※この投稿の前に「Colabo関係住民監査請求監査結果を読む①(請求文書)」という内容を投稿したのですが誤って消してしまいました。復元する気力がないのでたぶんそのままです…」

https://anond.hatelabo.jp/20230105011337

と書きましたが、復元できたので再投稿します。Outlookで下書きしていて、特に保存していなかったのですが残っていました。

書き出しが②と被り少し変ですが、せっかくなので元のままで。

住民監査請求監査結果(以下「監査結果文書」とします。)が出た(https://www.kansa.metro.tokyo.lg.jp/PDF/08jumin/4jumin/4jumin5.pdf)ので、読んでいってみます

時機を失した感もあります半日遅れただけでこれとか展開早すぎ)が、監査施結果文書が正直よく分からないものになっていると感じますので整理しておきます

なお、「Colaboの監査請求役人文学の話(追記あり)」で簡単な経歴は書きましたが、前提条件に以下を追加します。

監査請求については未経験なので、誤りがありましたら御指摘ください。

・暇空茜さんのColabo関係動画は1/2まですべて見ていますが、有料コンテンツは一切見ていません(これだけ注視させていただいているのに申し訳ありません。)。

・Colabo弁護団による文書は、1/4までのものをすべて読んでいますが、修正前後等は追っていないので最新版でない可能性があります

長文になりそうなので分割します。

まず第一回は、肩慣らしに暇空茜さんによる請求文書についてみていきます

せっかく請求文書の原文を付けてくれているし、監査請求が通った請求文書を読むことができるのは珍しいので。

1結論

行政に提出する文書としてはこなれていないが、こなれている必要はない。

②主張の内容は玉石混交だが、おそらく裁判ルール記載している。

2論点 ①行政に提出する文書としてはこなれていないが、こなれている必要はない。

Twitterを眺めていて、請求文書が下手糞(意訳)とするものがいくつか見られました。

かに行政に提出するものとしてはこなれていないので、そのあたりを見ていきます

例えば、以下の点が挙げられます

例1

一般社団法人A(以下「法人A」という。)に関して、

甲①・・・

甲②・・・

甲③・・・

甲④・・・

以下の不正会計について説明する。

監査結果文書第1の3の(1)柱書)

「に関して、」の後ろに「次の資料に基づき」と入れたり、「説明する。」の後ろに「(甲①から甲④)」などとする必要があると思います

例2

である調であるのが急に体言止めになっています。(監査請求結果文書第1の3の(1)のカ及びキ)

こなれている必要はあるか

結論から言うとありません。

住民監査請求行政不服審査情報公開請求などは、手書きの乱筆乱文のもの(極端なことをいうと刑務所留置所からも)も含めて大量に行われ、単に体裁が整ってないだの添付しているとした資料が欠落しているだのであれば役所から補正が求められ、手続きが進められています。なので、何が言いたいのか相手側に伝われば必要十分であり、ハードルの高いものではありません。

※厳密にいうと住民監査請求では役所から補正命令義務的ものではありませんが、各自治体によって実質的には義務(内規で定めているか事実上運用としているかはともかく)になっているはずです。

また、住民監査請求は各種申請審査請求と違って行政書士の業務対象外でもあり、こなれた文書を前提としてしまうと制度趣旨を没却してしまうでしょう。

余談

役所側が作る文書で、こういった文書を作ると、決裁過程で「意味は分かるけどね、大臣名の文書なんだからさ、もうちょっとなんというか【格調高く(文字通りの意味ではなく、役所用語ですね)】頼むよ」なんて言われたりします。

3論点 ②主張の内容は玉石混交だが、おそらく裁判ルール記載している。

請求者による請求の内容には、「確かにあかんやろ」と感じるものから、「そりゃいくら何でも難癖ちゃうか(少なくとも資料からは読み取れない)」というものまで様々です。

個人的には、前者の例としてホテル宿泊費用法定福利費タイヤを挙げ、後者の例として相談件数等の水増し(第1の3の(3))を挙げます

後者について、「件数が一致しないのはおかしい」との指摘までならばわかりますが、一足飛びに「水増し申請をしている以外考えられない」等とするのは現段階ではさすがに無茶と感じます。)

これはあくま想像ですが、請求者は裁判ルールにのっとって住民監査請求を行っています

一般論として、主張の中に嘘・大げさ・紛らわしいが含まれていると、主張全体の信憑性が大きく落ちます

しかし、こと裁判ではそうではなく、片側が主張したことについて、相手側が反論しない場合は認めたことになってしまます民訴法159条)ので、多少無茶な理屈でも相手側を攻撃できるもの記載したほうがお得です。

加えて、前の増田

行政側は百戦百勝(たまに負け覚悟行政判断することもありますが…)が求められる中、原告側は百戦一勝で大殊勲です。

と書きましたが、これは1つの訴訟の中でも同じで、原告側に100個論点を並べられて、行政側は99個にしか反論できなかった場合、これは行政の負けです。(もちろん場合によりますが、基本的に)

したがって、多少論理が粗雑でも主張は多ければ多いほど良い、という理屈になります

余談

次回以降に記すべきなのですが、ついでなので感想を。

通常請求人の主張に対して対応するように事実認定判断を書いていくべきだと思うのですが、監査結果文書ではそのようになっていません。

なので、請求人のどの主張をどのような理屈で潰したのか、極めて分かりにくくなっています

東京都監査事務局ではこれが普通なのでしょうか・・・

追記

補足です。

暇空茜さんよりの投稿が多くなってしまっているので少々指摘を。

暇空茜さんは、確かYouTubeで、担当局側の出席者が課長であり、都にやる気がないと憤っておられたと思います

役人感覚だと以下の理由違和感は感じません。

監査請求担当局側の出席者は通常課長でこなしていたのでしょう。(前例踏襲ってやつですね)

都道府県庁議会答弁は課長級以上が行うことが多いと思います。それくらいに幹部ということです。

(と思って調べてみたら都議会部長級以上っぽい…議会権威が高いということでしょう)

運用として、役所職階民間企業団体にあてはめるとそうとう上位になります

例えば、本省庁の課長補佐が一部上場企業に出向いた場合カウンターパートは通常部長または本部クラスになります。私が補佐として訪問した企業執行役員を出してきました。そして東京都は本省庁とほぼ同格です。

2022-10-18

もまいらがイジメから消えちゃっただろ・・・

唐突死にたい

大学時代から付き合ってた子と結婚して32歳になって来年4月課長補佐から課長に昇進予定

顔はともかく可愛い娘がいてもうすぐ小学校にあがる

とても幸せだが、いつかこ幸せを失うくらいなら今すぐ死にたいと思うことが増えた

 

たった今、仕事中なのに唐突にめちゃくちゃ死にたくなった

悲しい

唐突死にたい

大学時代から付き合ってた子と結婚して32歳になって来年4月課長補佐から課長に昇進予定

顔はともかく可愛い娘がいてもうすぐ小学校にあがる

とても幸せだが、いつかこ幸せを失うくらいなら今すぐ死にたいと思うことが増えた

 

たった今、仕事中なのに唐突にめちゃくちゃ死にたくなった

悲しい

2022-06-14

anond:20220613133321

自分場合を振り返ってみました。

約2か月の間に6人と見合いして、一人に絞り込んでからさらに2か月で成婚退会。この間かかった費用は、あちこちデートで出かけたりした費用(ただし交通費のぞく)も含めて、総額約32万円。

内、相談所に支払った費用は、約25万円。

ありゃ、デート代、意外とケチってる...もしかすると計上もれがあるかもしれないけど。

相談所に支払った費用は、入会金・月々の会費・成婚退会費(いわゆる成功報酬ってやつ)。

月会費は約17000円/月でした。

なお、当時のスペックは以下の通り。5年ほど前です。

お見合いの申し込みはほぼ断られませんでした。見合いの結果、断られたケースもなし。

同時並行で複数人との交際をしていた2か月間は正直大変でした....。

成婚に至ってから、約半年入籍挙式しました。

「ああ、こんな人、残ってたのかぁ、すごいなぁ」と、思うくらいしっくりきたのが、決め手でした。

時々は喧嘩しますが、基本的現在も仲良くやっているつもり....です。2馬力共同体生活は、生活の幅が広がって楽しいですね。

(以下追記

  • 相手の女もそれなりに稼いでると思うけど。

妻の収入は私の半分くらいですかね。

チームとして考えたときに、一人よりも二人のほうが出来ることが増えるだろう、と思い、お互いを保管するような役割パートナーを求めたのが始まりです。

独身時代家事ノウハウをお互い出しあって、快適な生活を営めるよう、日々努力中です。今のところ、良い方向に進んでいると思っています料理レパートリーもかなり増えました。また、めんどくさがりな私にとっては、妻の行動力には随分と助けられています。単なるノロケですが、「ありがとう」「ごめんなさい」「いってらっしゃい」「いってきます」「ただいま」「おかえり」を言い合える家族がいるのはそれだけでも大変幸せなことだと思っています

二人の遺伝子を残すのは生物学的にもはや可能性が低いのはわかっていたので、子供目的というわけではありませんでした。

ただ、妻は子供が欲しいようでしたので、今後どのように折り合いをつけていくか、だと思います

養子縁組というのも一つの方法かな?とは思っています。一人より二人、二人より三人のチームのほうが、出来ることがさらに増えそうな気もするので。ただし、これはこれで条件が厳しいですが....。

最近不動産価格食料品税金の値上がり見れば年収1000万って一昔前の年収800万くらいだよな

しかすると、もうちょっとキツイのかも?とは思っています住宅購入は正直手が出ないですね。年齢的に長期ローンを組むのが難しいというのもありますが、なにより高い。独身時代に購入した中古マンション賃貸に出し、その家賃収入の助けを得て、少し広めの賃貸マンション住まいです。売買相場比較して、家賃相場はそれほど動いていないので、なんとかなっている感じです。

あとは、年収の増加だけに関わらず、年齢とともに、いわゆる天引きされていくものも増えていく(介護保険料とか)ので、年収が1000万円を超えたとしても、手取りが増えていっている実感はあまりないです。

また、年収1000万超、といっても、ボーナスが占める割合が4割近く、会社業績が悪化すれば普通にこれを切ってきます。昨今の情勢だと、数年後には1000万は割り込むんだろうな、という状況が見えているので、今のうちに余裕資金をつくって、自らセーフティネットを構築しないと....と思っているような感じです。

2022-06-07

係長に怒られそうになるといつも課長補佐に泣きついてる

いつもありがとうございます。ちなみに俺はマジで仕事できないよ。

2022-04-29

水着サイト閲覧の県職員処分 勤務中に毎日1時間のペース

課長補佐から係長に降格。

誰がこんな奴の下で働きたいね・・・

2022-04-09

課長補佐が辞めた理由

課長補佐が定年待たずに辞めたのは、

課長が厳しすぎるからだと思うんだよな。

みんないる前で何度も怒ってるし、見てて気の毒になる。

課長仕事熱心なのはいいけど、あの態度はパワハラに近いんじゃないのか。

俺は平社員から何もできないけど、見てて辛いわ。

4月から新しく課長補佐が来たけど、早速怒られまくってる。

でも課長も良いところがあって、

時々みんなにスイーツ差し入れしてくれたり、

気遣う言葉かけてくれたりもする。

なんていうか、直属の部下には厳しいけど、

それより下には優しいというか。

昭和の人ってこんな感じなのかな。

2022-03-27

anond:20220326091021

これな、失われた20年で、いまのおじさんたちの若いころの方がいろんな経験知識を積む機会があって、

経験豊富なんだよね。いまの若い人達は、一部のエリート子女除くと100円ショップで間に合わせ服はしまむらGUワークマン世代から

全然知識経験ないんだよ。その人たちがいろんな表舞台係長とか課長補佐みたいな肩書きがつくようになってきて

弊害が今ところどころ出てきてる。バブル世代のおじさんたちとその上の団塊は好き勝手やって知識経験豊富だけど、

その継承氷河期で絶えてしまって、ゆとり世代の人たちがいきなり新文化構築中だけど、力弱すぎで衰退まっしぐら

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