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2020-04-26

ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)への違和感

はじめに

anond:20190329034939

この日記が物議を醸してから1年以上経った。

その頃自分M1からM2に上がりたてで、HCI系の研究室所属していたが特別ブラックというわけでもなく(直接指導にあたる教員との相性は悪かったが)、記事を読んでも筆者の境遇に思いを馳せるぐらいの月並みなことしかできなかった。

それでも、HCIは「一見役立たなさそうなおもちゃのようなものに、理屈をこねくり回して正当化させるのが多いように感じ」るという主張に心から共感したことは覚えている。「おもちゃ」という表現がぴったりだと感じたのだ。「ゴミ」とか「クズ」ではなく、「おもちゃ」。自分も含めて学士修士研究は大半がゴミ同然なのだろうけれど、どうしてかHCI研究の一部は「おもちゃであるように思えてならない。当時その理由漠然と考えてみたりもしたが、結局まとまらないうちにほとぼりが冷めてしまった。

今、自分修士課程を修了して労働をしている……が、このご時世なのでここの所はずっと自宅待機で時間を持て余している。だから、今のうちに寝かせたままのもやもやを整理し、言語化しておきたい。そういうわけで、増田に書くことにした。

一応断っておくと、これから書くことは修士卒の人間主観に満ちたお気持ち表明であり、HCI全体のごくごく狭い領域事情を述べているに過ぎない。HCIの学際的な領域は多岐にわたるが、その中でも自分記憶感情コミュニケーションといった人間精神的な活動コンピュータ技術支援しようという趣のことをやっていたから、余計におもちゃ性の強い研究に触れる機会が多かったのかもしれない。そのあたりを踏まえた上で、読んでもらえると幸いだ。

HCIはどのようなおもちゃ

HCIが立派な研究であるかどうかは、HCIおもちゃ問題を考える上で大きな問題にならないと自分は思う。正しく研究フォーマットに則ってさえいればそれは研究と呼ぶ他ないはずだし、研究質的議論は何もHCIという分野に限られたことではない。

HCIにとって真に重要なのは、人の役に立つかどうかだ。

学問有用性は、例えば人文学の軽視だとか、もっと次元を低くすれば三角関数を習う意味だとかで、これまたよく議論対象となる話題である自分としては、一般的学問に関しては直接的な人間への有用性という観点のみで議論されるべきではないと思っている。学問による間接的な恩恵や将来への投資無視するのはあまりに浅慮であるし、根源的な欲求の充足というのにも価値はあるはずだと考えるからだ。

しかし、HCIは例外だ。HCIは、人を対象とし、大半の場合エンジニアリング的なアプローチによる課題解決を目指しているのだから、人の役に立たなければ意味を持たない。しょうもないHCI研究は、道具・ツールとして失格の烙印を押されたガラクタの「おもちゃなのだ

自分は、ワゴンいっぱいのガラクタおもちゃの中にあって気持ちがみるみる冷めていったし、元増田の筆者もきっと同じだったのだろう。

おもちゃHCIの特徴

ここからは、自分おもちゃだなと感じてしまうHCIの特徴について列挙していく。

継続的使用が望めない、一回限りのモノである

おもちゃHCIは往々にして一発芸の様相を呈しがちである

遊ぶように楽しめる何かを作ること自体結構だが、課題解決を目指す工学において繰り返しに耐えないモノを作るのは全くのナンセンスだ。

それこそ、人間にとってのお役立ち度は、縁日の射的の景品やヨーヨーと全く変わらないということになる。

人間理解していない・理想化しすぎている

HCIの研究プロダクトが役に立つ前提として、人間というのは常に明るく元気で前向きで、人と繋がりたくってしょうがない生き物なんだと考えているんじゃないかと思わされることが何度もあった。確かに現在社会においてそのような人々は理想的で偉いのかもしれないが、現実を見ればそのような前提を掲げられるはずもないことは火を見るより明らかだろう。

また、人々に高度な認知能力要求するような例も多いが、そのような人々がいくらかエンハンスされたとしてもそれに対するHCIの貢献度は、はじめからA判定の生徒を受け持つ家庭教師のような疑わしさが持たれて然るべきだ。

他分野の援用に飛躍がある

これは元増田にも指摘のあったことだが、他分野を無理のある形で援用してトンデモ仮説を作るようなことが見受けられた。逆ソーカル事件といえるようなことが、あちこちで起こっているんじゃないかと思う。

射程が短い、もしくは長すぎる

大いなる研究の礎として失敗した研究存在するという考え方があるが、おもちゃHCIは礎たりえない。それは、そこに積み上げられるものが全くないか、あるいは逆にバベルの塔を建てようとしているからだ。つまるところ、未来が両極端なのだ

おわりに

ある程度もやもやを形にすることで、多少スッキリしてきた。

当たり前のことだが、何もHCI全体を否定しているのではない。優れた研究研究者は数多く存在しており、今後も我々の生活を豊かにしてくれるのだろう。

ただ、おもちゃHCIが存在するのも事実で、それに関わると残念ながら莫大なリソース無駄に終わってしまうからちょっと口出ししておきたかったのだ。

2020-01-20

まともな両親じゃないとまともな大学生になれない (1/22追記しました)

3人兄妹の真ん中で生まれた私はたぶん、軽度の虐待を受けて育った。

からずっといじめられていたのに、誰もかばってくれなかった。

両親からの直接的な暴力こそほとんどなかったものの、私だけ誕生日を祝ってもらえなかったり、サンタクロースからプレゼントがなかったりした。

決して貧乏な家じゃなかったとおもう。世帯年収で1500万円ぐらいあったらしいし。

こどものころは「そういうものかー」と思っていたけど、高校生ときに、私だけご飯が出なくなってから異常であることに気づいた。

なんとか祖父母の家に転がり込んで勉強した。

地元から離れたくて一生懸命勉強した。

運良く地底に合格できて一人暮らしを始めた。

8割ぐらいの新入生が一人暮らしをする大学だった。

入学金と授業料祖父母に払ってもらった。

きっと、この決断のせいで人生がだめになったように思う。

入学して半年祖父母が亡くなり、保証人がいなくなった。

未成年に住むところを貸してくれる会社もなければ借りられるお金もない。

教科書を買うお金もない。理系だったから (?) なおさら教科書が高かったように思う。

奨学金も借りられない。一般的日本学生支援機構奨学金は親の収入証明必要になる。

親に収入証明を出してもらおうとお願いし、土下座までしたが蹴り飛ばされて終わった。

今までで一番ひどい暴力だったが、痛みよりも呆然とした気持ちでいっぱいだった。

なんとか、友人の家や先輩の家に転がり込んで、生活費を稼ごうと居酒屋バイトした。

まかないは好きなだけ食べて良いお店だったから、食べるのは1日1食でなんとかしのいだ。店長理解してくれる人で、余り物をもらって持ち帰ったりもした。

ずるずると4年生になって、研究室に配属された。

その頃にはバイトでなんとかお金を貯めることができて、家も借りられた。家賃1.5万円の築40年以上経過してる、寝るためだけの場所

研究は、目の前のことに集中していればいいから楽だった。まわりは大変そうだったけど、私にとっては現実逃避のようなものだった。

ふと冷静になると、友人や同級生家族に支えられながら、心配されながら暮らしているのに、私はなんてみじめなんだろうと感じた。

そういうのを感じたくないか年末年始お盆もただただ研究してた。

別に楽しいとか好奇心とかはなく、逃げるために研究してたのかもしれない。

ラボスタッフには褒められてうれしかったけど、どこまでもみじめだと思ってた。

就活もしたかったけどお金がなくてできなかった。地方大で就活する場合一般的に30万円ほど必要になるらしい。

例年、4年生の9割近くは大学修士課程に進学する大学で、同級生は当たり前のように進学を希望していて、もちろん親に援助してもらっていて、なお一層つらくなった。

就活するにも進学するにもお金必要で、でも親の協力を得られないとなんにもできない日本が嫌になった。

ここまで生きるのを頑張ってきて、必死でやってきたことを無駄にしたくなかったから、理解してくれた知人を尋ね回って進学する資金を集めた。

そのまま修士課程必死に頑張り続けて、ようやく修士論文提出の直前まで来た。

ただ、やっぱりふとした瞬間に、どこまでもみじめで、どうしようもないやるせなさに襲われる。

来年からDC1に採択されてきっと生活は楽になるけど、ここまでで350万円も奨学金以外の借金を背負ってしまった。

かに奨学金は親の収入が少ない学生には配慮しているけれど、私のような親との関係性が悪い学生のことは考慮してくれないのだろう。

つくづく日本という国のシステムが嫌になる。他国がどうなってるかは知らないけど。

理系博士課程1人を育てるために、1億円近い税金が投入されているらしい。

そりゃ確かに1 mL10万円もする試薬もざらにあるし、多分本当にそのくらいかかっているんだろう。

一方で私が払った学費たかだか500万円にも満たないものだ。

でも、どうしても日本という国が好きになれない。もっと人間らしい生活を送りたかった。もっと大学生らしいことをしたかった。

だって新しい服を買いたいと思ったし、趣味お金を使うこともしたかった。旅行にいける友人がうらやましかった。

私の青春はきっと、来ないままで終わるんだろうなって思うと無性に悔しくなる。

ちょっと前までは全部親が悪い、日本が悪いと思いこんでやり過ごせていたけれど、最近はすべてなにかに責任押し付けようとしてそれらしい理由を探しているんじゃないかと思ってきた。

何が正しいのかはわからないけど。

どうすれば正解だったんだろうなぁ。一般に楽しくて自由な期間は全て終わってしまった。私にはモラトリアム期間はなかったんだろう。明日明後日も漫然と研究して、過ごすんだろうなぁ。

今後もずっと親と国を憎みながら、過ごすんだろうなって想像できる。

もっと良い両親の下に生まれたかった。なにもかもが悔しい。

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1/22 追記

はじめて投稿してみましたが、予想以上の方々に反応していただきありがとうございました。

賛同・同情してくださった意見批判してくださった意見のどちらも、ありがたく受け止めさせていただきます

また、本文中で触れていませんでしたが、私の大学生活を支えてくれた祖父母・知人には、当然ですが心から感謝しています

その上で、私が思ったことについて返答させていただきます

(引用) 本人に貸与されるタイプは親のいらないし そもそも働けばいいのでは?

前半部分について、本人に貸与されるタイプでも親のサイン・判子は必要になると思います。最も一般的日本学生支援機構第一種第二種奨学金でも、機関保証を用いている場合だとしても親・もしくは後見人同意確認必要でした。そのため、私は借りることができませんでした。企業財団法人から奨学金に関しては、すべてをチェックしているわけではないので100%ないとは言えませんが、ご存知でしたら後学のためにおしえていただきたいです。

また、後半部分についてですが、これはそのとおりだと思います大学に行きたいというのは私のわがままであることは自覚しています (言い訳としては、大学入学時には祖父母が健在だったため、途中で、資金が大きく不足することを予定していませんでした) 。その上でですが、50%は大学進学しないというご指摘いただいたように、言い返せば50%が大学進学できる日本で、親の援助が受けられないという理由だけで大学進学ができなくなるとしたら、それは大きな問題であると思います借金を背負ってでも大学勉強したいという意思がある場合には、最低限人間らしい暮らしの中で、勉学に集中できる程度の援助が受けられる体制があれば良いなと思っていますとはいえ、国が憎いというのは確かに過剰な表現でした。申し訳ありませんでした。

(引用) 親が貧乏なケースよりも、親が金持ち年収1000万超とかで色々な支援がなくなる)だけど非協力的な方が詰むケース多いよね。

(引用) 自分だけメシがない、っていうのは平等にメシがないより辛いよね

私が一番強く言いたかったのはこれです。簡潔にまとめてくださりありがとうございます

はじめて自分経験文章にして、自分の考えがまとまったようでスッキリしました。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

2020-01-15

anond:20200111140425

夫婦ともに研究者です。別に姓にはこだわりがなかったので、戸籍上は夫の姓にして、私(妻)は旧姓仕事しています

研究職は名前と業績が結びつくので、研究機関大学旧姓使用に関してはかなり柔軟に対応してくれます

ある年配の女性研究者修士課程のうちに結婚して、これで結婚で姓が変わる問題回避できたと語っていましたが、最近旧姓使用も一般的になったので、そこまでしなくても大丈夫です。

入構時にパスポート提示を含む手続き必要海外研究機関NASAとか)を訪問するときは、最初はめんどくさく思いましたが、どこの国でも説明すれば理解してくれるので特に問題にはなりません。

しろ、夫と同じ姓が記載された身分証明書のおかげで、夫婦であることを説明する手間がかからなくて楽なときもあります

昔は夫婦別姓支持だったのですが、特に不便もないので最近はどうでもよくなってきました。

2019-11-25

ワイ、大学院理系薬学修士課程マン

大手商社営業と中堅医薬品メーカー研究開発で迷った結果後者内定を承諾

しか内定ブルーでちょっと後悔の気持ち

大手営業バリバリ稼いで転勤族するのか、メーカーの開発で転勤なし、落ち着いた暮らしをして新しい物を作るのか。

どっちが良かったのかいまだにわからない

2019-11-20

anond:20191120012032

誤解があると思うけど、「満期退学」は一種の(擬似的な)称号ね。

最近博士課程にいるうちに出せということになってきたけど、昔は、特に文系は50、60になってから博士号を取るのが普通だったの。

なので、博士課程に進学して、一通り単位を履修し終わるといったん退学して勉強を続けるわけです。

そうすると法的には「修士」ということになるわけだけど、単に修士課程まで終わった人区別がないのも困るということで、業界内だけで通用する称号として(過程途中での退学と区別して)「満期退学」と呼ばれるようになったわけです。

昔はそれが普通だったわけだから、今の50代ぐらいまでは当然「満期退学」という称号就職して、結婚もしていた。

40代ぐらいだと、「博士号は取らないと就職が厳しいよ」と言われ始めた時代だけど、これはロスジェネ世代から博士号の有無とポスト結婚ダイレクトに結びついているかはよくわからない。

最近公募博士号を要求することの方が多いけど、「同等程度の能力」と書いている公募もまだちらほらあって、それは普通満期退学をさすと解釈される。

2019-11-14

京大博論を元にした本が東大紀要書評フルボッコされてる件

日本大学特に文系学問に対する風当たりが厳しい昨今、文系学者達は自分たち存在意義を示そうと必死だ。大学で行われている文系研究は、どう役に立つかはともかく、それ自体研究としてちゃんとしたものなんだ!ということは前提となっているし、みんなそう信じている。文系先生達は決してSTAP細胞のようなデタラメをやっているのではないと。

だが、それは本当か? 証拠はあるのか? 最先端研究専門家でさえ評価が難しい。たとえばアインシュタイン一般特殊相対性理論を作ったけど、時代の先を行き過ぎていて正当な評価がされなかったそうで、ノーベル賞は他の業績に対して与えられた。文系研究基本的には同じで、研究の良し悪しを判断できる人は極少数だ。だから、知らないうちにトンデモない研究がはびこっていて、それに社会的評価が伴っていても、ほとんどの人にはわからない。専門家が厳正に評価してくれていることを信じるしかない。

パンドラの箱が開いた

本題に入ろう。最近、1つの書評論文東大言語学研究室発行の紀要に出た。

田中太一日本語は「主体的」な言語か―『認知言語類型原理』について―」『東京大学言語学論集』 41 (2019.9) 295-313

https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=53475&item_no=1&attribute_id=19&file_no=1

書評された本は『認知言語類型原理』(京都大学出版会)。

https://www.amazon.co.jp/dp/4814001177/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_6P9YDbPVN9WJ2

著者は、関西外国語大学 短期大学部 英米語学准教授中野研一郎先生

 

普通書評というのは基本的にほめるものだ。批判はあっても最後ちょっとだけ。しかし、この書評は、冷静な筆致でありながら、酷評酷評、ボロクソ、クソミソ、ケチョンケチョンフルボッコだ。一個もほめてない。批判が当たっているなら、トンデモ本に違いない。

こうすればあなた博士になれる

一番ヤバいのは、この本が博士論文を元にしたものということ! 一応説明しておくと、博士論文とは、最高の学位である博士」の学位を取るために大学院生が何年もかけて書く長大論文で、大雑把に言って本1冊以上の分量がある。もちろん、何でもいいからテキトーに書けばいいわけではない(はずだ)。自分オリジナルで、学術的に価値のあること、つまり、これまで誰も知らなかった知見を新たにもたらして人間知識を拡大するような研究の成果でなければいけない。どの分野でもそうだ。

そして博士論文原稿は、3~5人の審査委員審査する。審査委員は全員、その分野に詳しい大学教員だ。審査は3回くらいある。まずは博士論文の大枠ができた後、本格的な執筆にゴーサインを出すかを決める一次審査、そして論文が大体書けた後、論文大学に提出していいか審査する二次審査最後論文が完成し、大学に提出された後、博士学位を与えるか否かを決める最終審査がある。それぞれ少なくとも1時間はかかる本格的なものだ。ディフェンスと言われる最終審査の口頭試問は、公開で行われる。最後に別室で結果を審議した審査委員が会場に戻ってきて厳かに合格が伝えられると、みんな拍手で心から祝福する。

ミサト:おめでとう!

アスカ:おめでとう!

レイ:おめでとう。

シンジ:僕はここ(アカデミア)にいてもいいんだ!

研究人生のフィナーレではないが、1つのピーである。こうやって研究者の能力お墨付きを与えるのが大学存在意義の大きな一部分だ。

要するに、博士号を取るのはとても大変なのだ日本だと博士号を持っている人は1万人に1人くらいしかいないらしい。日本大学は入るのは難しいのに出るのは簡単だとよく言われるけど、大学院の博士課程はそうではない。入るのも修士課程ほど楽ではないし、文系では入っても博士号を取れない人の方が多いくらいだ。これだけ大変だから博士号はアカデミアでは評価される。大学教員になるなら、博士じゃないとエントリーすることさえほぼほぼ不可能。『認知言語類型論』の中野先生は、フェイスブックを見たところ、以前は高校先生だったみたいだけど、博士号をとってから、50歳を過ぎて関西外国語大学准教授になったようだ。周知の通り、大学終身雇用教員の座をめぐる争いは非常に激しい。博士号がなかったら就職できなかっただろう。

 

博士号はどこの大学でとっても価値は同じ、みたいなことを何度か読んだことがあるけど、あれはデマ。真に受けてはいけない。いい大学博士号ほど高く評価される(Why not?)。中野先生がお持ちの京都大学博士号は、京大が超一流なのと同様、超一流の博士号だ。50歳を過ぎて大学就職できたのも不思議ではない。しかも、中野先生師匠は、日本言語学界の大物中の大物、山梨正明先生だ。『認知言語類型原理』に山梨先生が解題を寄せているから間違いない。この大先生は、「日本代表する理論言語学者の一人」([wikipedia:山梨正明])。中野先生が在学していた頃には、日本語用論学会(2008〜2011)や、日本認知言語学会(2009〜2012)の会長を同時に務めもした大物中の大物だ。ちなみに、山梨大先生2014年度に京大を定年退官して、2015年から中野先生より一足早く関西外国語大学で教鞭をとっている。ちょっとややこしい話だが、博士論文審査が終わる前に京大を定年退官したようで、審査主査ではないが、審査委員には名を連ねている。https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/199376 博士論文を書くのに何年もかかるから、こういうことはよくある。

日本語に主語目的語、態、時制、格、自動詞他動詞はいらない?

さて、超大物お墨付き博士論文(を元にした本)はどんなもんなんだろうか。書評から拾っていこう。2節は専門的な議論でよくわからいかパス。3節「日本語に存在しないとされるものから見ていこう。まず、1節に同書のまとめらしき部分から引用がある。

日本語(やまとことば)」を深層とする日本語において、「形容詞 (adjective)」・「主語 (subject)/目的語 (object)」・「態(voice)」・「時制 (tense)」・「格 (case)」・「他動詞 (transitive verb)/自動詞 (intransitive verb)」といった、従来ア・プリオリに前提とされていた統語・文法カテゴリ妥当していないことも論証した。さらに、「膠着」言語の一つである日本語」においては、その語・語句・節の生成メカニズムは、「音」自体に「意味」を見出す「音象徴 (sound symbolism)」を基盤にしていることを論じた。

(『認知言語類型原理』[以下、中野 2017] p. 308、書評論文[以下、田中 2019]p. 295から禁断の孫引き。以下、同書の引用は全て孫引き)

昔、『日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す』[amazon:日本語に主語はいらない]という本が出て、言語学者に酷評されたことがある。金谷武洋日本語に主語はいらない』批判記事一覧 - 誰がログ https://dlit.hatenadiary.com/entry/20071216/1197757579

主語がいらないと言っただけでそうなったのに、『認知言語類型原理』は、ミニマリスト断捨離なんてもんじゃない。主語だけじゃなく、形容詞、態、時制、格、自動詞他動詞も、いらない、何も、捨ててしまおう~♪と謳っているらしい。全部なしで日本語の文法はどうなっているのかというと、「その語・語句・節の生成メカニズムは、「音」自体に「意味」を見出す「音象徴 (sound symbolism)」を基盤にしている」ということらしい。

「音象徴」の名の元に蘇る亡霊

これは熊倉千之氏の「音象徴理論に基づいているそうで、熊倉氏は、

膠着語にかんして、「イメージイメージを膠でつけるように、ことばができているのです。ですから、具体的なモノとモノをつなげると、言語(コト) としての「抽象」 性が生まれ、新しいことばが作られるのです (熊倉 2011: 18)と述べた上で、日本語の音素はそれぞれ何らかのイメージを持つという観察を根拠に、やまとことばの「音声と意味」には、ソシュールの説に反して、「恣意的」ではなく、密接な繋がりが感じられる」 (熊倉 2011: 30) と主張している。

(これも田中 2019: 309から禁断の孫引き

熊倉千之 (2011)『日本語の深層〈話者のイマ・ココ〉を生きることば』東京: 筑摩書房.

とのこと。

近代言語学の父、ソシュールの一番有名な恣意性原理否定しているが、それ自体はない話ではない。音象徴が当てはまる例として、ポケモンとか怪獣名前は、音と意味関係が全く恣意的なわけではない、みたいなことが最近よく言われている。ただ音象徴基本的オノマトペ擬音語擬態語)や新たに名前を付けるものについての話、しかあくま傾向性言語全体の「語・語句・節の生成メカニズム」になるようなものとして扱われてはいない。しかし、中野説はそういった主流の音象徴研究とは一線を画する。具体的に見てみると、

「あ/a/」は「空間出来の語基」 として、「い/i/・居」 は「様態化の語基」 として、「う /u/・続」 は「プロセス化の語基」 として、 「音象徴」 により語彙を創発させる機能を担っているのである(中野 2017: 247) 。

知らなかったー、日本語ってすごいですね(棒)。たとえば、「合う・会う」は、「あ/a/」+「う /u/」だから、「(出来)動詞」だそうだ。書評子が、

「「出来」が「プロセス化」すると「合う・会う」になるという説明は到底理解できるものではない」(田中 2019: 309)

と言う通りだ。「あい」(愛とか藍)はどうなるんだろう。中野先生によると、音象徴

日本語(やまとことば)」の同音異義の語の数の多さと、またオノマトペの豊穣さの、母体にもなっている」 (中野 2017:232)

そうだが、書評子は、ここに鋭く矛盾を見て取る。

この主張は、本書の議論を決定的に破綻させるものである。もし「音=意味」という恣意的でない結びつきが存在するならば、同じ音を(同じ順序で)組み合わせれば同じ意味になるはずである同音異義語存在が極少数に限られるならともかく、その数が多いのであれば、日本語の全体を「音象徴」に基づいて分析することが不可能であることは自明である。(田中 2019: 310)

かに。他にも、中野先生は「確かに」・「達する」・「頼みます」・「たった、これだけですか」・「立つ」・「経つ」・「絶つ」・「裁つ」などを例に、

日本語(やまとことば)」では、音部分が同根であれば、「音象徴」に基づき、その意味機能通底している 。 [中略] 「た/ta/」音を語頭とする語は「心的確定(確信)」を基に語彙が生成していることが理解できる。「日本やまとことば」の「た/ta/」音は、「音象徴」において「確信」を「意味」とする「音」なのである。 (中野 2017: 255)

と言っているそうだが、「立つ」とか中野先生自身の例でさえ、どこが確信関係があるのかわからない例もある。この説が無理なのはよく考えてみるまでもない。

そもそも、「音象徴」なんて流行りのタームを中野先生熊倉氏は使っているが、こういう説は「音義説」[wikipedia:音義説]と言うのがより正確だ。近代以前に唱える人がたまにいたけど、今ではググるとわかる通り素人が唱えているだけのものだ。ちなみに、このような形で同書に大きな影響を与えた熊倉千之氏とは、

1980年「『源氏物語』の語りの時間」でカリフォルニア大学バークレー校にてPh.D.取得。ミシガン大学サンフランシスコ州立大学などで日本語・日本文学を教える。1988年帰国後、東京家政学院大学教授1999年金城学院大学教授2007年退職

[wikipedia:熊倉千之]

という人。ウィキペディアでは一応「日本文学者・日本語学者」となってはいるけど、専門はどう見ても文学言語について言語学界とは関係なく自由思索著述をしている人のようだ。そういう独自言語論を唱える文学思想研究者はよくいるけど、普通言語学者はそういうのはまともに相手にしない。『認知言語類型原理』もその類の本だったなら、東大言語学を学ぶ書評子も取り合わなかっただろう。でも、これは京大言語科学講座で博士号をとるために書かれた論文(が元になった本)なのだ

驚愕の主張の数々

他にも同書には、業界震撼の主張が満載みたいだ。是非同書を買って私の代わりに確認してみてほしい。

日本語では論理的命題を表すことができない」(田中 2019: 305)
日本語は英語を含む近代ヨーロッパ標準諸語に翻訳できず、また近代ヨーロッパ標準諸語も日本語に翻訳できない」(中野 2017: 268)
科学数学物理学化学生物学法学経済学歴史学社会学言語学等)」と称せられるものの全ての言説は、日本語で書かれている限り、「日本語(やまとことば)」の論理によって、「客観的であるとする言語論理的根拠を維持できないのである。当然のことながら、この本自体も、日本語で書いている限りはその陥穽から逃れることができない。」 (中野 2017: 268)
日本語の「伝聞」というコミュニケーション様態においては、伝えられる内容は、伝える者によって「主体化」されており、したがって、その「主体化」された内容の真偽判断に関わっては、「権威」が必要となる。伝える者に「権威」が伴っていない場合、伝えられる内容は真と判断されない。」(中野 2017: 16)

しつこいようだが、これで5年前に京大博士号が取れたのだ。

ちなみに、なんで日本語が英語などと違ってこうなってるかと言うと、中野先生によると、日本語は歴史的文字を持たなかったからだそうだ。とはいえ英語だってそうだし、文字で残っている歴史の長さも日本語と同じくらいなんだけど。っていうか、どの言語も昔々は文字がなかっただろ!

ということで、書評の内容は変な言いがかりではないようだ。そもそもこんな空前絶後激辛書評論文大学院生が書くこと自体大きなリスクを伴う。(書評子、いろいろ大丈夫か?)無理なイチャモンをつけるためにそんな危険を冒すわけがないし、出版前に東大で止められるだろう。ま、『認知言語類型原理』は、博士論文審査から本の出版にいたるまで、誰にも止められなかったみたいだけど!

京大STAP細胞はありま~す?」

もう終わりにしよう。書評批判が当たっているなら、こういうことだ。超大物教員指導の元、こんな博士論文が書かれ、専門家達が「厳正な」審査をし、超一流の博士号が授与され、それをテコに大学で職を得た人がいる。これがわかったのは、本が出版されたおかげだ。ちなみにこの本、名もない出版からではなく、京都大学出版会が出している。もちろん、本の出版は著者が勝手にできることではない。本の最後に超大物元指導教員が「解題」を寄せているから、知らなかったはずはない。解題を見てみたところ、基本的にほめていて、特に批判らしい批判はなかった。実はその解題、公開されている博士論文審査結果の要旨とほとんど同じ。

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/199376/1/ynink00705.pdf

審査結果からもいくつか引用しておこう。

論文は、個別言語における認知メカニズムの解明によって言語固有の形式文法カテゴリ創発する根源的理由説明を試みた意欲的研究であり、認知言語類型論という新た

2019-11-12

ホワイト企業ですら辛い自分はどうなってしまうんだろう

SNSハテナには優秀な人の言葉が多すぎる。


新卒入社した会社は、そこそこの大企業だ。

労働組合もしっかりしてるし、サービス残業もない。

上司基本的に温厚な人ばかりで、激しく叱責されるようなこともない。

世の中一般からしたら、超ホワイト企業と言えるだろう。

そんな恵まれ環境なのに、最近仕事が辛くて仕方ない。

ここ数年間プロジェクトの成果は出ておらず、自分は一生こんな感じで何も成果が出せないままなんじゃないかという気がしてくる。

自分けがこの会社で極端に無能人間なんじゃないかという気がしてくる。

上で書いたように、上司は温厚な人間なので成果が出せないことに対して激しく叱責などはしない。

それでも自分自分を責める感情は止められない。

最近自傷する妄想がずっと続いている。

そんなこと想像しても自分も周りもメリットはない。

そんな想像してる時間があれば、状況を少しでも良くすべく手を動かしたほうが良いって頭では分かっているのに。

自分学生時代から勉強はそつなくこなすタイプだったと思う。

現役で旧帝大に入って、修士課程を修了して、学校推薦で今の会社入社した。

会社に入ってからも、中の上くらいの評価が続いている。

それでも辛くて仕方ない。

実際には何もできない自分を認めたくないのかもしれない。

何もできないダメ社員である自分を受け入れる勇気がないのかもしれない。

どんなに成果が出せなくても、評価が下がっても、そんな簡単正社員解雇なんてできないんだから、いっそ開き直ってダメ社員としてのらりくらりとサラリーマン人生を送ればいいじゃないかなんて酷いことも考えてしまう。

そう考えると少し心が落ち着く。

2019-10-25

anond:20191025121850

1週間~2週間程度の海外旅行大学院進学をくらべたら、どう考えても敷居が高いのは大学院だと思うが。

時間金も

学費だけでも、安くて済む放送大学大学院でも、修士課程で50万以上するわけで。

50万あったらそこそこの旅行いけるかわ

時間にしたら

授業だけでも22単位×90分で、それに論文作成時間なんて

もっとかかるわけで、社会人大学院進学が、海外旅行以下のコスト時間と金)なら

大学院舐めすぎじゃね?

あと、日本じゃ長期の余暇が取りにくいという問題もあるけど、今時転職ぐらいありえるだろうし

そのタイミングで2週間ぐらいは暇できるでしょ。

2019-10-23

東大卒と働く

理系にはよくある話だけれど、割と簡単に入れるような大学でも、修士課程を修了すれば東大院や京大院を出るようなエリートと同じ職場で働ける。

高校時代自分からは考えられもしないくらい優秀な彼らと働くのだ。

相手大学を聞いて「東大だよ」って言われても「あ、東大なんだ。◯◯先生とか知ってる?学会でめちゃキツい質問されたよ」なんて普通に話せる。

僕たちみたいなへっぽこ大でも、学会には参加するしいろんな学生先生交流する中で、学歴意味を持つのは高3の3月くらいなのかもしれないなと少しだけ思った。

勉強が苦手な奴こそ理系には進むべきだと思う。

2019-09-20

来年研究室配属に向けてそろそろ情報収集始めとけよ。

学部生は実質、博士課程の学生が全部見ているとことか気をつけろよ。

修士課程学生が見てるとか論外だぞ。

連中、下の人間の面倒見るための研修とか一切受けてないぞ。

あんたが優秀ならそれでも大丈夫なんだろうけど、この時間にこんな増田を見てる時点でたぶんそうじゃないから、

研究室はよく選ぶんだぞ。

2019-09-10

MIT メディアラボプレゼン想像力を刺激するトリック手品 卒業生

と、MIT メディアラボ修士課程修了生の Daniel Schultz (現在は School Director at Cheltenham School District) が教えてくれました

MIT メディアラボの)学生研究中傷する記事を書いたやつ、お前らのジャーナリズム邪悪で、お前らは後悔するべき。
メディアラボプロトタイプを作って夢見る場所。そこの学生たちは、何が可能かのぎりぎりを探求している。初期段階のイノベーションは、要はすべてトリック手品 (smoke and mirrors) だ。
それは明日できることは何かを問うものであり、今日手段可能性を追求するものだ。
その追求が、課題フィードバック、反復、ひらめきをもたらす。
メディアラボデモを偽とか誤解を招くと指摘することは、なぜメディアラボがあるかをまったく理解していないことを示している。
私たち想像力を刺激するためにデモをつくる。デモだ。売りに出せる製品を見せてるんじゃない。

MIT メディアラボプレゼンは、研究発表ではなく、手品現実ではなく、ノンフィクションではなく、フィクション。Fake it till you make it. だまされたと指摘する方が野暮だってことなんでしょう。

その記事は、The Epstein-funded MIT lab has an ambitious project that purports to revolutionize agriculture. Insiders say it's mostly smoke and mirrors. (BUSINESS INSIDER)

告発されたのは、個人水耕栽培を行うプラスチックの箱「パーソナル食糧コンピュータ (PFC)」プロジェクト。誰でも簡単野菜を育てることができ、ブロッコリーなら通常の4倍のスピードで育てられると主張している。告発では、PFCで育てていない植物プレゼン写真PFCに入れて紹介し、PFC植物が育つように見せかけて投資家をひっかけたトリックや、中学高校でのパイロットプロジェクトで、ほとんどが枯れて、PFCが使い物にならないことなどが伝えられている。

2016年9月には、伊藤穣一司会のNHK Eテレスーパープレゼンテーション(次世代のデジタル農業)で紹介され、2017年11月には、伊藤穣一氏がホストThe New Context Conference 2017 San Franciscoゲストスピーカープロジェクトリーダーを呼ぶほど、伊藤穣一氏が認め、推しているプロジェクトMITメディアラボ助教を務めたスプツニ子!氏は、NHK番組内で、このプロジェクトメディアラボらしいと評しているが、手品であることは秘密にしている。

日本語説明は、GIZMODO空中で3倍早く育つ。エアロポニック野菜とは?)や IRORIO誰でも、どこでも野菜が作れてしまう「フードコンピューター」が話題に)がある。2019年プレゼンテーション動画 Food Computers Are Here and They’re About to Revolutionize Agriculture告発後、非公開になった。

GIZMODOはこの告発を受けて、MITは植物版Theranosを作ったという紹介記事を書いている。

プロジェクトリーダー告発へのコメントを求めるメールMIT広報転送MIT広報ノーコメント

2019-08-01

結婚をするべきでなかった[追記あり]

私(夫)28歳、妻26歳で結婚して、すぐ妊娠し、今1歳半の子供がいる。現在私は30歳。

私は今、大学ポストを目指していて、

出来ればいい大学ポジションに着きたい。それが任期付きであっても。ただし妻は何でも良いか定職(彼女のいう定職任期の無い普通会社員)について欲しいという。

妻は、5年後に旦那仕事が確実に無くなり、次の仕事があるかわからない。また見つけたとしても、継続してひとつ法人に在籍しない為に、昇給がない、というのが堪らなく精神的に不安らしい。いい加減に定職につけと言うことだ。

私は元々日本修士課程卒業して、誰でも知っているいわゆる大企業就職していたが、2年でやめて、海外博士課程を始めた。2020年3月に修了予定で、仕事をどうするか(そもそも見つけられるか)が問題

こんな不安定な道に進む場合は、結婚するべきではなかった。妻も結婚した当時は不安定な道になる事は承知していたはずだが、実際に子供が生まれ、直面すると態度が変わった。妻は、私が受ける、ある大学任期付き助教採用面接が失敗すればいいと思っている様子で、もはや根本的に考えが私と違ってしまった。(私はこの大学よりいい大学助教ができるとはあまり思えないくらい、いいポジションと考えていて、ぜひ採用されたい)

自分は元々結婚には向かないと思っていたが、した事も無いのに決めつけるのは浅はかだと思い、試して見た。今言えることは、きちんと見通しをつけず、結婚決断をした自分が浅はかであった。

遅かれ早かれ離婚する事になりそうだが、子供が不幸になる事が申し訳ない。申し訳ないと言いつつ、自分の都合を優先させるために子供を不幸にする自分悪魔のもの

結婚をするべきではなかった。もっというと、子供を欲しがる女性結婚するべきでなかった。

定職を持ち、長く住む場所が定まり精神的な余裕がある人間以外は子供を持ってはいけない。当たり前の先人のアドバイスを繰り返すだけになってしまった。

[以下追記]

このやり方でいいのかわからないんだけど、ブクマの人気コメントにお返事書かせて頂いた。

kpkpkpchang 離婚後、当然のように妻が子供を引き取る想定でいてモヤモヤする。

離婚するなら増田シングル育児しつつ夢を追う覚悟必要だし、

妻が引き取っても養育費のために一定収入必要から独身のような自由はないぞ

もし離婚した場合の想定について。

親権(+監督権):

子供親権を取ることに私は、そこまでこだわっていないが、事実上私が親権をとることはできないと考えられる。

離婚届には離婚後の親権を記入する欄があるが、そこで合意が得られなければ、裁判所判断になる。

離婚届を出す際に、妻は親権絶対に譲らないと想定できる。

調停になった場合、やはり妻が有利。私はずっと海外にいて、妻が日本子供身の回りの面倒を見てきた。

そのため、私が親権または監督権を獲得するのは事実上無理だと考えられる。

養育費を払うことは(私に収入範囲内であれば)なんの問題もなくて、できるだけ払いたいと思う。

自由がない”、の意味がよくわからないが、可処分所得が減るという意味なら、理解しているつもりだし、納得もしている。

私が問題だと考えてるのは、子供父親が一緒に生活していないこと。

おそらく離婚したら私は積極的海外ポストも探すが、そうするとかなり長い期間顔をあわせる機会もない。

家事子供身の回りの面倒を見る大人が2人ではなく1人になるというのは、子供にとっては不幸では?

また、自分父親の顔を覚えていない子というのは、たとえば学校生活父親の話をするときに、気まずい思いをするものではないのか?

金(養育費)だけ払えば子供にはなんの影響もないと思えないので。

yuatast 妻子供よりも自分の将来が大切だってことでしょ。分かりやすいよね。

大学不安定なポジションちゃん結婚生活を営んでいる人もいるわけで、

単純に増田奥さんを説得すらできないということだと認識しなくちゃ。

まさに仰るとおり。説得ができない。任期のあるポストでも私にとってはとてもいい仕事なのだが、

妻がそれを承服しかねる、というのは理解できる。

私の感覚では、いい大学助教の経歴があれば、自分キャリアが続く仕事は見つかると考えているのだけれど、

妻はそういう楽観的で不確定な未来を受け入れる態度に耐えれれないということらしい。それもわかる。

どう説得すればいいのか教えてほしい。

htnmiki 離婚しても子供が不幸にならない方法を考えなよ。

片親の子を見て「あの子不幸だな」なんて思わないでほしい。

子供が不幸にならない方法は考えたい。

子供自分自身のことを不幸だと思わなければ、他人にどう思われてようが、問題ないと思う。

私自身は片親の子をみても不幸だとかそういう考えは持たないが、一般的にはどうなのだろうか。

子供がどう考えているのかは、離婚した親をもつ子供アンケート統計等を見ないとわからない。

araikacang 結婚した当初は自分が安定した職に就けばいいと考えていたが、

いざ直面すると夫が子どもの事は完全に他人事でこれじゃフルタイムで働くなんて無理となった可能性。

妻はその業界では安定した企業の職についている。会社はその分野で国内大手で連結の売上が500億以上。

そのため、妻が育休中のその会社をやめなくて済むように、私は東京のし仕事を探している。

妻に詳しく認識を聞いてはいないが、子供小学生くらいになるまではあまりフルタイムで働く気はないのか?

(妻の企業時短がけっこう一般的で、フルタイム時短の切り替えがある程度容易)

妻は子供と過ごす時間に対する優先度が高いように見受けられる。

skrnf この問題に対して離婚が解になるという想定がよくわからない

問題は、私と妻が共同生活を送ることが困難になるほど不仲になってしまうという点で、

それを解決できない場合は一緒に暮らす全員がかなり不幸になる(と考えられる)。

なんとか、任期のある仕事につくことから来る妻の不安を私が取り除かなければ、一緒に生活できない。

宝くじで数億円が当たるか、私が、妻が満足する任期なしの仕事につけば、問題解決する。

もし私が私のやりたいように進めると、私が任期なしのポジションにつくのは5年後等になると思われる。

そこまで不仲の状態で共同生活はできないので、離婚しなくても別居はするのではないかと思われる。

grdgs 賃金就業の男女格差をなくし保育を充実させれば、こういう問題も少なくなるな。

差別解消と保育の充実に消極的自民党は紛うことなき悪。

生物特性上、子供妊娠出産することができるのが女性だけというのが、現代社会においてかなりハードルが高い。

子供が欲しい女性はある時期は必ずパートナー自分以外の何かに頼らざるを得ない。女性キャリア形成があまりにも難しい。

あと、いま妻の住んでいる場所は認可保育園は空いていない。

世田谷とか笑ってしまうぐらい認可保育園が空いてない。例えば、1歳の子供を入れたい場合待機児童345人いる:

 参照https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/003/009/d00031371.html

認可外の保育園もあるが、個別に問い合わせてもまぁ空いていない。

保育園の申し込み書類の用意は私が主に担当している。保育園見学一時帰国したときに、私も3~4件は回ったが、

やはり認可保育園の方が環境がよく、そこに入れたいと思う親の気持ち理解できる。

ただ、認可保育園見学しても虚しいのは、入れる見込みがほぼないこと。(見込みがなくても見学していないと申し込みすらできない)

また、良い保育園がたくさんある地域は、結局他の地域から無現に子供を入れたい親が引っ越してくるので、

待機児童問題永遠に解決しないと思われる。月14万くらい払えは、環境のいい認可外のインターナショナルスクールみたいな所に

入れられるが、私たちの家庭にその余裕がない。自民党はなんの関係もない。

ポスドク学振PD任期付き助教(非テニュアトラック)のポジション子供がいる方へ

どのように家庭を運営しているか是非教えてもらえないだろうか?

2019-07-11

修士号を持ってる

修士号を持ってるからこそ、博士号を持っている人ってめちゃくちゃすごいと思う。

自分は、就職のことはもちろんだけど博士後期課程に進んだら絶対修了できなかったと思う。

自分修士課程ではそこそこ有能な側だったけれど、それくらい博士号を持っている人のことは尊敬する

2019-07-04

Fラン理系学生研究室の選び方

はじめに書いておくと、本当のFランクは想定していない。ネットで調べられる偏差値でいうと40~55くらいの私大を想定していて、かつ修士課程に進学を希望しているというていで書きます

研究楽しいかどうか・指導教員とうまくやっていけるかなんて、研究室公開の時間では判断できないので、定量的判断できる要素で研究室は決めるべきだと思います

1. 学会発表の旅費を研究から出してくれるか

名大の有名な先生研究室では、学会発表をする際に旅費を出すのが普通かもしれませんが、私たち大学では全く普通ではありません。

必ず、研究見学の際などに確認しましょう。

自分が発表するんだから自分で出すのが普通だよ~!」とか先生学生が言っていたら、「やっぱそうですよね~」とか言いながら選択肢からしましょう。

学生の旅費を出してくれることと、面倒見の良さはそれぞれ独立しているように思えまずが、学生の旅費を負担してくれるところの多くは、学生を大切にしてくれます。もちろん、旅費を出さなくても学生大事にしてくれる研究室はあります

研究費をたくさん獲得できる有能な先生なので、多忙かもしれませんが、体制がしっかりしていることが多いです。

多くの大学院では、数回の学会発表が一つの修了要件になっていることが多いので、旅費を稼ぐためのアルバイトなどをしなくてもよくなります

私自身、数十万円、もしかしたら百万円くらいの旅費を負担してもらえました。これを自費で出していたらと思うとぞっとします。(そもそも自費ならそんなに参加してないと思いますが)

2. 院生学会発表をたくさんしているか

院生国内外(特に海外)で発表している実績がたくさんあると安心です。

優秀な学生が集まっているだけ、ともとれますが、学会発表を修了に必要最低限な数しかこなしていない研究室よりはサポートが手厚いと思います

最低限の研究室は研究室公開の時に、なんとなくまったりとやっていけそうな、そんな雰囲気を出しながら説明してくれます

しかしこれは罠で、そういう研究室に入ると、M2になってから困ります努力の総量は同じでも、就活終わってから修了できるかどうか不安になるのはバカバカしいです。

3. 過去リタイア

これは聞きにくいと思いますが、聞けるならぜひ聞くべきです。

どんな研究室でも、何年も運営していたら、ストレート卒業・修了できない学生が必ずいます

もちろん理想は0%です。

1割もいたらレッドゾーンだと思ったほうがいいです。自分は成績がいいか大丈夫だと思っていると「こんなはずじゃなかった」となるかもしれません。

勉強研究はかなり違うものです。勉強が優秀だった学生研究も優秀であることが多いですが、研究が上手くいかずに心を病む学生も多いです。

2019-06-03

anond:20190602162215

最終学歴大学院修士課程卒業

変わった経歴:代々木アニメーション学院アニメーター卒業    HAL東京中退

       代々木アニメーション学院キャラクターデザイナー卒業

       元社会復帰指導員 兼 パン職人 (パン製造技能士二級取得済み)

       元ビジネスコンサルタント事務所職員

高学歴コンサルなんてブラック会社に入って精神を病んだ、中高年引きこもり典型例っぽい

代アニ2回卒業したり、パン製造技能士専門学校かな)取ったりと幾度となく社会に出ようと努力した形跡も見える

引きこもり期間は合わせても10年ないと思う

2019-05-19

大学院 (特に博士課程) 進学を考えるとき研究室選びのTIPS 1

タイトル通り、大学院進学希望者が、進学先を決める際にした方がよいこと、すべきことについて助言を書いた。

既に巷に溢れている記事ではあるが、様々なところで進学先の失敗談を聞いて、改めて書こうと思った。主に博士進学を考えているもの念頭に書いたが、修士就職する人にも参考になるかもしれない。

当方現在ポスドクで、大学院時代はそこそこ上手くやってきた方であるとは思っている。もちろん、相応の努力はしたが、それだけではない。上手くいった大部分は指導教員、ひいては研究室選びで良いスタートを切れたことによるのだが、修士課程に上がった当時は、右も左もわからず、たまたま見つけた研究室に進んだ。つまり、運が良かったのである

今だからこそわかることもある。また、諸所で指導教員とのトラブルの話を聞いていると「それは下調べさえしていれば避けられていた・・・」と感じることが多い。

そこで、大学院特に博士進学まで見据えて考えている人に、今自分学部4年、あるいは修士2年次であればこうするであろうというTipsを述べたい。

当然、部分的には当たり前であったり、逆に分野によって文化の異なるところもあるかもしれない。なので、納得のいく箇所があれば適宜参考にしてもらえれば幸いだ。

研究室を探す

まずは自身の関心のある分野の研究室を探さないと始まらない。研究室の探し方は人それぞれで、どうしてもその時々の巡り合わせに左右されてしまう。なので、ここでは私の経験を書く。

私の場合学部研究室テーマからは変える予定であった。具体的ではないにせよ、方向性を決めたのは学部3年生の頃で、大学にその分野の研究室がなかったのだった。仕方がないので、その分野で有名と思しき研究室を調べ、いくつか候補とした。

候補となる研究室は、学部時代指導教員に当該分野のある大学を聞いたり、学外の研究会に出席することで知った。また、見学に行った先の教員から教えてもらうこともあった。ようはとにかく、行動することだ。

ただ、私の場合は、結局最終的に行き着いたのは学部2年生の頃受講した講義で知った研究者だったので、この点は運がよかったとしか言いようがない。

学会などは、学部生が無料場合もある。絶好の機会なので参加するとよい。学会にいけば、シンポジウムで当該分野で目立っている研究者の顔ぶれを知ることもできるし、ポスター発表会場で直に会って、実働隊として研究をしている大学院生やポスドクと会話することもできる。「知識もないのに聞いても迷惑ではないのか」と不安かもしれないが、心配はいらない。大部分の研究者は、意欲的な学部生が聞いてくれることを喜んでくれる。邪険に扱ってくる者がいれば、その人の問題なので、気にしなくてよい。

研究室見学にいく

研究室見学には必ずいった方よい。大学院説明会というのもあるが、可能であれば個別アポを取って見学にいく方おすすめだ。そちらの方が平常運行状態研究室を見ることができるし、個人的質問相談ができるチャンスが多いからだ。

多くの研究者研究室大学ウェブページ自身メールアドレスを公開している。そこからコンタクトを取ればよい。大抵の場合は、返信をくれる。メールを書く際には、件名に「研究室見学のお願い」と、要件を必ず書くこと。

メール文章例を載せる。この例以外にも、「研究室見学 メール」などとググれば文例はいくらでも出てくるので、自身に合った書き方を真似つつ、丁寧かつ、要件が明快なメールを送ろう。

ポイントとしては

  • 簡潔に「進学先を探しているので見学をしたい」という要点を書く
  • 何に興味がありコンタクトを取っているのかをごくごく短く書く
  • 名前所属記載するのは忘れないように

といったところだ。

例1

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○○先生

お忙しい中、突然のメール失礼します。

hogehoge大学hoge学部hoge年の○○と申します。

私は大学院進学志望でhogehogeに興味があり,○○先生研究室見学したくメールをさせていただきました。

もしお時間があれば研究室訪問させていただきたいのですがいかがでしょうか。ご連絡お持ちしております

[ここに名前]

hogehoge大学hoge学部

[ここにメールアドレス]

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例2

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○○ 先生

突然のご連絡失礼いたします。

hogehoge大学hoge学部hoge年の○○と申します。

○○先生研究室を~~~~~~~~~~をきっかけに知り、是非見学させていただきたく、メール差し上げました。

私は現在~~~[現在の状況]~~~~~で、進学先の進路を模索している最中にあります

それを考えるにあたり、○○先生現在のご関心や今後の展望について一度伺いたいと思うに至りました。

つきましては、入試などでお忙しい中大変恐縮ではありますが、2, 3月中に訪問時間をいただけませんでしょうか。

どうぞよろしくお願い申し上げます

[ここに名前]

————————————————————————————

修士学生ならともかく、学部生は教員メールを送って見学にいくのは、(他大学だと特に) ハードルが高いかもしれない。しかし、繰り返しになるが、研究室見学には絶対にいくべきだ。相手無駄時間を取らせてしまうかもしれないと恐縮する気持ちもわかるが、大学院に進めばあなたは少なくとも2年、場合によっては5年かそれ以上の時間をそこで費やすのだから

さて、首尾よく研究室見学に行けたとする。何を話し、聞くべきか。こちから聞かずとも、概ね先方が紹介してくれると思うが、必須な項目を述べておきたい。

・目下の研究について聞く

研究室は大きくなればテーマが多様であることも多いし、先端の分野であるほど研究流行り廃りは激しい。従って、未来指導教員が今、現在、何に関心があるのかは率直に聞くべきだ。

とはいえ、下調べは忘れずにしておくの忘れないように。具体的には、見学にいく研究室の直近の論文には目を通しておこう。目安としては、最低5年分はざっと読んでおくとよい。全部理解できなくてもよい。むしろ理解しきれなくても「面白い」と思えればそれを実際に会ったときにぶつければ会話が弾む。これを面倒に感じるなら、そもそもその研究室あなたに合った場所なのか考え直すべきだ。

実際に会って話すときは、回りくどい言い方はしなくて構わない。ストレートに聞きたいことを聞けばよい。

最近論文、例えば去年のhogehoge掲載された研究は○○についてでしたが、今後もそのテーマ継続されるのでしょうか?」

「今後5年間では、どのような題材を扱おうとお考えでしょうか?」

「まだ実現していなくとも、先生自身が今後着手したいテーマや注目している現象などがあればお聞かせください」

など。

この手の質問への回答が、あなた琴線に触れるかどうかが一番大事だ。指導教員自分明後日の方向を向いている状態博士課程を生きるのはかなりつらい。「乗るしかない、このビッグウェーブに!」と思えることがまず重要なのだ

研究テーマ相談する

自分がその研究室に進んだとしたら、どういうことをやりたいのか、興味がどこにあるのかを伝えよう。相手あなたが何者で、何をしたくて来ているのかわからない以上、何を話せば楽しんでくれるのか探り探りなのだ博士課程に進むつもりなら、その旨も伝えた方がよい。

興味関心を伝えれば、何を話せばいいのかも明瞭になるし、場合によっては「それを扱うことができない」ときっぱり伝えてくれて時間無駄にしなくて済むかもしれない。

そうであっても、場合によっては当該分野の研究者を紹介してくれる可能性もある。相手業界人なのだ。頼りまくって構わない。私自身、それで別の研究室見学に行かせてもらったことがある。

特にまだやりたいことが明確でない場合、そう伝えればよい。ただ「○○を面白いと思った」といった、どの辺りに関心を持って見学に来ているのかは伝えよう。テーマを決めかねているのを恥ずかしく思う必要はない。多くの教員は「一緒に考えていけばいい」「今日見せたものなら何が面白かった?」「実は君が面白いと言ってくれた○○は今後こうしようかと思っていて・・・」と話を広げてくれるだろう。

余談だが、実を言うと、具体的なテーマが決まっていない方が受け入れ側からすると「楽」場合もある。なぜなら、学部修士学生が独力で思いつくテーマは大抵面白くないのが現実であるからだ。なので、「こういう方向に興味があるが、具体的にはまだわからない」くらいの方が楽しく議論しながら研究を具体化できるので、指導する側からすると気が楽であったりする。最悪なのは絶対にこれをやりたい」と熱意にあふれているが、そのアイデアがつまらない学生だ。下手に折ると熱意が萎えしまいかねないが、そのまま受け入れると研究リソース無駄になってしまう恐れがある。そのため、気を遣いながら方向修正していく必要があるからだ。

設備について質問する

研究には設備必要だ。自分のやりたいことがある程度決まっている場合必要設備も自ずと定まってくる。それが研究室にあるかどうかは、確認した方がよいに決まっている。マウス研究室ショウジョウバエ研究をしたいと言っても苦笑いされるのが関の山だろう。

また、使いたい設備がわかると、そこから指導教員と会話が広がる可能性もある。どういう方法論に興味があるかがそれで伝わるためだ。

自分が使うかもしれない設備については、研究室の人数に対して適正な規模になっているのかを見ておくとよいかもしれない。例えば解剖スペースが学生数に対して小さすぎると、なかなか自分が使えないといった事態もありうるかもしれない。これは数年の生活では結構ストレスになるので、快適に仕事ができるかどうかは十分に見ておくとよい。

また、実験設備以外にも、共用の院生室などの充実具合も確認しておいた方がよい。

作業机は個人ごとにあるのか、共用であれば十分な広さであるか。私の知っているところだと、二人で一つの机を共用で、曜日ごとに融通し合わなければいけないところがある。キャンパスに通うモチベーションがガクッと下がるのは言うまでもない。

さらに驚くべきことに、ゼミ資料印刷費が自費という研究室存在する。学費を払って大学院に来て、さらに雑費まで払わされるのだ。

余談だが、私はコーヒーが好きなので、研究室に上等なコーヒーマシンが置いてあったのはかなりQOLを高めてくれた。

とにかく、見学した際に、自分がそこで生活するイメージが湧くか考えてみよう。

収入事情

博士院生金銭に頓着しない人間が多いが、生きていくだけの金銭が確保できるのかはよくよく検討した方がよい。金銭というのは、あまり多くても心理学的な幸福を増加させてくれないが、ないと一瞬で人を鬱にしてしまうのだ。

学振が取れればそれでいいが、問題修士課程と、博士学振取れなかった場合だ。

具体的には奨学金RA (research assistant)、TA (teaching assistant)、学費免除制度について尋ねよう。研究室によってはRA学費実質的にタダであったり、そもそも博士課程に学費がかからないところもある。

一方で、無償TAやらせたり、年々あれこれ理由をつけて学費をジリジリと上げている研究科も、私は知っている。

博士課程であれば、学生非常勤講師をどうの程度しているのかを聞いてみるのもよいだろう。ツテがあれば、非常勤の枠を斡旋してもらえ、収入源となるだけでなく教育もつく。

また、日本学生支援機構奨学金は通常ただの学生ローンであるが、大学院生かつ、一種 (利子なし) の場合免除制度がある。その研究室ではどの程度通っているのか聞いてみるとよいだろう。

これらのことも、率直に聞けばよい。

学費について不安なのでお尋ねしたいです」

奨学金はどの程度取れるものですか」

RATA制度はありますか」

非常勤講師の枠などはありますか」

のように。

教員現在ポジション

興味がある教員肩書きが「准教授である場合博士号の主査になれないことが多い。

その場合、通常は名目上、その研究科の別の教授主査になってもらうことになる。その際に不利益が生じることがある。

例えば

真っ当な良心を持っている人には何を言っているのかわからねー部分もあると思うが、私にもわからない。とにかく、現実にあるのだ。

ただ、そのようなことがないか確認するのは、入学前だと極めて困難であるのが実情だ。

少なくとも、そこの准教授学生がきちんと学位取得まで学生を育てているのかはよくよく確認した方がよい。

大学事務システム

これは博士で、特に学振DCを取る人向け。大学によっては研究費の執行システムがかなり厳格なことがある。研究不正をなくすためという高邁な精神は清く、正しいのだが、その結果大部分の研究者にとってはただただ煩雑であることも少なくない。将来的にDCを狙う場合は、聞いておいて損はないだろう。

まぁ、「事務研究者にsupportiveですか?」とか。学生が聞いてきたらちょっと気味が悪いかもしれないが。

研究室雰囲気はどうか

研究室雰囲気というのは面白いもので、実際に脚を運べば必ず漂っている。アクティブ研究室は活気に溢れているし、停滞している研究室には淀んだ空気が流れている。学生が働いている様子を見れば、自分がそこに加わりたいか、実感を持って考えることができるだろう。

気の利く教員なら向こうから所属している大学院生を紹介してくれる。そうでなくとも見学に行った際には「所属している大学院生と話がしたい」という旨を伝えるとよい。よっぽど後ろめたいことがない限りは、快諾してくれるはずだ。

https://anond.hatelabo.jp/20190519202053 に続く

2019-05-14

大学卒業後も論文を読みたい

東大修士課程にいるんだけど、卒業後に論文を読めないのかと思うとかなり辛い。

  

数学理論物理とかなら、arxivとかあるだろうけど。

工学とかバイオなら、ネイチャーとか読みたい。レビュー論文を読めなくなるのは激痛。

  

あと、できれば、web of scienceみたいな論文を探しやすくするのは読みたい。

  

例えば、放送大学はどうかと思ったけど、アクセスできる論文はそこまで充実してなさそう。(エルゼビア社の奴だけで、ネイチャー系やレビュー系やレター系はあまりなさそう?)

  

どうすればいいのだろうか。

この世の最先端技術をいつでも学びたいと思う需要はあると思うのだが。

どっか、裏技みたいなものは無いものか?

  

海外ウェブで学べる大学コースの聴講生とか。

研究生とかはコネなきゃ難しそうだし。

2019-04-20

客先常駐を辞めて社内SEになった話。

概要

年収330万の客先常駐をやめて、年収520万の社内SEになりました!

年収200万弱ほどのアップです( *`ω´)

自己紹介

旧帝大大学院修士課程を修了。

新卒で他業界に進んでいたが2年経ってIT業界に未経験転職

客先常駐に捕まり年収300〜330万の安月給で数年働く。

転職時は30代前半。

IT業界通算3年以上5年未満。

※年齢など、ややぼかして書いてます

年収

25歳:450万

27歳:300万

現在:520

と推移。

客先常駐死すべし

客先常駐給与低いのにスキルはかなりのものを求められて、もううんざり

お客様的には60〜70万出してるから当たり前なのかもしれないけども。

中抜き酷すぎて20しか貰ってないっつーの!

ミスは決して許されない。

ミスしそうな案件は難癖つけて他部署に回す。

ミスしたら原因探求をしてなるべく他部署責任へと転化させる。

己の責任が取れる範囲仕事をする。

管轄外以外の仕事はしない。

こういう創造性に欠けた働き方が客先常駐です。

あと自社がクソ嫌いになる。

自分の単価の6〜7割は自社によりピンハネされ、自社のお偉いさんは定時退社が原則のゆるいお仕事

かたや我々常駐員は毎日残業ばかり。

特に社長重役出勤10時ごろに出社し、事務員小間使いのように使って悠々自適生活をする。

社長は何の価値も我々に提供せず、自室(会社の中に社長専用部屋がある)でゴロゴロするだけ。ゴロゴロしてるだけなのに一番高い給与をもらう。その高い給与は我々常駐員の単価からピンハネしたお金である

社内開発を全くしないのも腹がたつ。

社内開発の案件がたまに来るとなんとかして断ろうとする。社内開発は失敗のリスクがあるが、客先常駐なら失敗のリスクがないからだと思う。

成長を怠り客先常駐の甘い蜜に引っかかったクソ会社だね。今後何の進展もないか、もしくは衰退していく会社典型です。

転職した感想

毎日私服勤務!!

フレックス労働!!

周りがみんな優しい!!

フリーソフト勝手ダウンロードしても構わない!!

でも一番大きいのは

工数をつけなくてもいい!!!

工数つけるの本当に苦手で、特に時間がかかりすぎたタスクがあると現実逃避工数を変えてしまいがち。

でも今の会社工数をつけなくてもいい( ´ ▽ ` )楽園か、ここは!!

あとは社長がすごく忙しそうにしている。

転職した会社子会社で、社長親会社からの出向者。

おそらく親会社での仕事をいろいろこなしてるのかな?と思うんだけど、よく出張があるしとても大変そう。

重役出勤どころか私よりも早く出社(私は定時出社)し、私より遅く帰る。

前の尊敬できない社長はえらい違いだ。

客先常駐ノウハウは使える

客先常駐はクソだが、客先常駐時に培ったノウハウは使える。

まずプログラム構造であるため、改変に強い。

客先常駐部品ごとに担当者が変わるので、作業を分担できるように構造的なプログラムを組むのが普通だ。

大切なのはプログラム部品として見れるかどうかだ。

再利用がしやす部品という概念を持つことで、読みやすプログラム、柔軟性に富んだプログラムが出来上がる。

特に1部品1機能という概念が大切で、1部品複数機能を持たせるのは柔軟性に欠けたものとなってしまう。

この発想を客先常駐の中で得たため、転職先での私のプログラミング力はかなり上位にあるようだ。

転職成功秘訣

残念ながら転職成功秘訣などない。

ただ単に運が良かっただけである

私は退社してから6ヶ月ほど遊び呆けていた。前職がクソすぎて休息が欲しかったためである

7ヶ月目に転職活動を再開したが、再開して4日目に現職の企業求人があったのである。聞けば数年振りの求人らしい。

6ヶ月休息を取っていなければ現職の求人とは出会えなかったであろう。

それだけでなく、この企業よりも先に最終選考まで行った企業がある。

最終選考感触は悪くなく、教育係(世話役?)の方とも顔合わせがあったほどなのだが、一向に選考結果が届かない。

3日後、最終選考の結果が届き、残念ながら不採用理由給与希望に添えないため、と書かれていた。

もし、ここで合格していたらそこに進んでいて、現職には入っていなかったかもしれない。(実はこの時かなりの金欠でなるべく早く内定が欲しかったのである。)

他にも身バレ防止で詳しくは書かないが、数々の偶然が重なり、現職と出会えた。

一つでも歯車が合わなければ現職には出会えなかったし、無理やり歯車を合わせたりもした。

そして、現職に採用となったことに運が決め手だと思った理由が次である

私はある程度プログラミング能力は高いと思っている。

しかし、私が選考を通過した理由はこのプログラミング力ではないらしい。

しろ入社して分かったことだが、現職の方々はプログラミング能力には期待していなかったらしい。

私が選考を通った理由はおそらく、人柄と大学/大学院学部会社ニーズに沿っていたためだと思われる。

やはり会社によって採用ポイントは異なるのだろう。技術力を評価する会社もあれば、人柄を評価する会社もある。

人によってその会社が合う/合わないもあるだろう。私は現職の雰囲気結構あっていると思う。

運良く現職に出会え、給与アップができたのは自身能力ゆえではなく、やはり運だと思う。

2019-04-14

anond:20190413114026

女子学生の置かれている現実

その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生浪人生差別があることが判明しました。文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生合格率に対する男子学生合格率は平均1.2倍と出ました。問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやす大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。
ソースはここhttp://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/10/1409128_002_1.pdfで、六年間の推移が1.17→0.76→1.31→0.95→1.04→1.04でその平均が1.03なので仮説検定をすれば有意でない、すなわち平等とわかる数値なんですが、なんでこんなに持って回った言い方するの?

↑ 「統計的有意でない」というのは「差がない(=平等)」という意味ではありません。

統計大事です、それをもとに考察が成り立つのですから
↑こっちのセリフだわ

意味不明

女子学生男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?全国医学部調査結果を公表した文科省担当者が、こんなコメントを述べています。「男子優位の学部学科は他に見当たらず、理工系文系女子が優位な場合が多い」。ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。
↑ここまでの話をまとめると、私立医学部ではどうやら不正入試が行われているが東大では医学部はじめ全ての科類で平等入試が行われている。ということなんですが、これはもはや私大医学部問題(もちろん背景にもっと大きな差別問題はあるのだろうが)で、東大入学式祝辞の一発目に持ってくる話題としては不適当では?

↑「医学部とそれ以外の学部女子の入りにくさに差があるというのには、何らかの原因があるのではないか」ということ。「背景にもっと大きな差別問題はある」からこそこの祝辞東大入学式にふさわしい。

事実、各種のデータが、
↑ここ統計データを示せよ。なんで女子差別されてる話は具体的な数字しまくったのに女子が優れている話は具体的な数字さないんだよ。

↑「女子男子より優れている」とは言っていない。「女子合格率が男子のそれより低いのは、女子男子より劣っているから」ではないと言っている。

女子受験生偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。まず第1に女子学生浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。統計的には偏差値正規分布に男女差はありませんから
↑これどういう意味だよ。偏差値の平均は女子の方が上ってさっきお前が言ったんだろ。

↑ここは僕も意味がよくわからなかった。

男子学生以上に優秀な女子学生東大受験していることになります
↑まあ偏差値が高い順に受験していたらそうだよね。

↑そうですね。

第3に、4年制大学進学率そのもの性別によるギャップがあります2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。
↑なんで親の性差別って断言してるんだよ。統計どこ行ったんだよ。

↑確かにから調査結果を引用してほしかった。

↑並列された三つの主張から導き出される結論は何だよ。ちゃんと言えよ。
↑ここは僕も意味がよくわからなかった。
↑てか普通に考えたら 第一女子安全志向 第三:親が性差別している を要因として 第二:東京大学入学者の女性比率が二割以下 が発生してるって話になるだろ。なんで並列なんだよ<<
↑確かに
最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。「どうせ女の子だし」「しょせん女の子から」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling downすなわち意欲の冷却効果と言います。マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。
↑「娘の翼を折らないようにしてきた」という父親の事例を挙げて得られる結論がどうして「多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきた」なんだよ。

↑「多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきた」はつまり「翼を折られなければ羽ばたけたはずだった」ということ。

その一例としてマララさんとその父親教育方針を挙げた。

そうやって
↑どうやって?
東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。他大学との合コン合同コンパ)で東大男子学生はもてます
↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

↑突然も何も、祝辞最初から女子学生男子学生一般化して取り扱ってきたでしょう。
性差別批判する文脈では当然です。

とは言え「東大男子学生がもてる」という言い方も差別的だというのはそうだと思います。「イカ東」みたいな言葉もありましたし。

東大女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、退かれるから、だそうです。なぜ男子学生東大であることに誇りが持てるのに、
↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。
↑突然女子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?
なぜなら、男性価値と成績のよさは一致しているのに、
↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?
女性価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。
↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?
女子子どもときからかわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大であることを隠そうとするのです。
↑突然女子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?
東大工学部大学院の男子学生5人が、私大女子学生集団性的凌辱した事件がありました。加害者男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。この事件モデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマ学内シンポジウムが開かれました。「彼女頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大男子学生社会からどんな目で見られているかがわかります
↑どんな目で見られてるかちゃんと言えよ。マイナスイメージ持たれてることはわかるが、それが実情に反して不当ということなレイプ事件の話持ち出す意味がわからないし、そのイメージが正しいと言いたい(文脈的にこっち)ならそれは性への圧だろ。<<

東大男子学生は「他大の女は頭が悪い」と思っていそうってことでしょう。ここの部分で何を言いたいのかは僕もよくわかりませんでした。

東大には今でも東大女子実質的に入れず、他大学女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。
男子サークルって書き方からして完全に男子悪者にしてるけど他大学女子競争相手を減らすために東大女子を入れないようにしてる可能だってあるだろ。性差別か?お?

↑実情を知らないようですが、そんなことはありません。東大女子が入れないようにしているのは東大男子です。

わたし学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等理念に反すると警告を発しました。

これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等社会でした。偏差値競争に男女別はありません。ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています社会に出れば、もっとからさまな性差別が横行しています東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。

学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。その先、研究職となると、助教女性比率は18.2、准教授11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員女性比率より低い数字です。女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。

↑その原因が東大内の性差別という意味?だったらこんな時代性が交絡するようなデータじゃだめだよね?

↑なぜ?差別とはすなわち時代性でしょう。

↑これを祝辞で喋る意図が明確になるように主張のギャップを埋めて欲しい。

東大オフィシャルな場で東大批判をするのがいいんでしょう。「東大合格おめでとう!東大万歳」なんて祝辞気持ち悪すぎます

女性学のパイオニアとして

こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。なかったから、作りました女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました。女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?
↑これ普通に気になるな

↑確かに

日本の歴史に同性愛はいたの?...誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。今日東京大学では、主婦研究でも、少女マンガ研究でもセクシュアリティ研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。
↑後述の話を先取りするけどお前のは恵まれ環境のおかげじゃなくて努力の成果なのかよ。

↑第1人者を自称しているんですから、そうなんじゃないですか?

そして私を突き動かしてきたのは、あくことな好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。

学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。

変化と多様性に拓かれた大学

言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証です。東大には、国立大学初の在日韓国人教授姜尚中さんもいましたし、国立大学初の高卒教授安藤忠雄さんもいました。また盲ろうあ三重障害者である教授福島智さんもいらっしゃいます

あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境あなたたちを待っています。そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会あなたたちを待っています

↑冒頭で不正がある話したの私立医学部だけだろ。

私立医学部入試不正なんて差別の一例に過ぎないってことでしょう。

そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。
↑そこ断言するの流石に祝辞としてダメだろ。毒親から逃げて東大来たやついるけどそいつにこれ言えんの?

↑「がんばっただけでは報われなかった。まわりの人や環境感謝しましょう」ということでしょう。こういう趣旨祝辞わりとよく聞きませんか?

あと毒親から逃げてきた人もいるかもしれませんが、ごく少数でしょう。この祝辞最初から最後まで「大多数の」東大生に言及しています

あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。
↑これはまあそういう意見もあるよね。

↑そうですね。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます
↑だからなんだよ。ここから得られる教訓って何?

↑そういう人たちを助けてやれってことだよ!

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれ環境と恵まれ能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。
↑恵まれない人を助けることに繋がらない学問やっちゃいけないの?ブラックホール撮影しちゃだめ?ニュートリノ観測しちゃだめ?

↑そんなことは言ってないでしょう。ここでは「恵まれない人々を助けるための学問をやれ」ということではなく、どんな(分野に進もうとも)周りにいる恵まれない人々のことを慮る人間になれということです。たとえブラックホールニュートリノ研究しようとも。

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者強者になりたいという思想ではありません。フェミニズム弱者弱者のままで尊重されることを求める思想です。
↑「環境能力に恵まれ東大新入生はそれを恵まれない人々(=弱者)を助けるために使いましょう。」と述べた後で「弱さを認め生きましょう、フェミニズム弱者弱者のまま尊重されることを求めます。」と締めるの、結局東大生に弱者であって欲しいのか弱者を助ける存在であって欲しいのかが見えてこない。弱者を助ける存在もまた弱者で、だから他の弱者に助けてもらいましょう。ということなのかな?全員弱者なら女子受験生の話をした意味は?

東大生には弱者もいるし恵まれ人間もいるということでしょう。またある面では恵まれていても、別のある面では弱者ということでしょう。

↑まずこの Permalink | 記事への反応(1) | 15:59

2019-04-13

現役東大生だが上野千鶴子祝辞ゴミだと思う

女子学生の置かれている現実

その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生浪人生差別があることが判明しました。文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生合格率に対する男子学生合格率は平均1.2倍と出ました。問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやす大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。

ソースはここhttp://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/10/1409128_002_1.pdfで、六年間の推移が1.17→0.76→1.31→0.95→1.04→1.04でその平均が1.03なので仮説検定をすれば有意でない、すなわち平等とわかる数値なんですが、なんでこんなに持って回った言い方するの?

統計大事です、それをもとに考察が成り立つのですから

↑こっちのセリフだわ

女子学生男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?全国医学部調査結果を公表した文科省担当者が、こんなコメントを述べています。「男子優位の学部学科は他に見当たらず、理工系文系女子が優位な場合が多い」。ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。

↑ここまでの話をまとめると、私立医学部ではどうやら不正入試が行われているが東大では医学部はじめ全ての科類で平等入試が行われている。ということなんですが、これはもはや私大医学部問題(もちろん背景にもっと大きな差別問題はあるのだろうが)で、東大入学式祝辞の一発目に持ってくる話題としては不適当では?

事実、各種のデータが、

↑ここ統計データを示せよ。なんで女子差別されてる話は具体的な数字しまくったのに女子が優れている話は具体的な数字さないんだよ。

女子受験生偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。まず第1に女子学生浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。統計的には偏差値正規分布に男女差はありませんから

↑これどういう意味だよ。偏差値の平均は女子の方が上ってさっきお前が言ったんだろ。

男子学生以上に優秀な女子学生東大受験していることになります

↑まあ偏差値が高い順に受験していたらそうだよね。

第3に、4年制大学進学率そのもの性別によるギャップがあります2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。

↑なんで親の性差別って断言してるんだよ。統計どこ行ったんだよ。

↑並列された三つの主張から導き出される結論は何だよ。ちゃんと言えよ。

↑てか普通に考えたら 第一女子安全志向 第三:親が性差別している を要因として 第二:東京大学入学者の女性比率が二割以下 が発生してるって話になるだろ。なんで並列なんだよ

最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。「どうせ女の子だし」「しょせん女の子から」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling downすなわち意欲の冷却効果と言います。マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。

↑「娘の翼を折らないようにしてきた」という父親の事例を挙げて得られる結論がどうして「多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきた」なんだよ。

そうやって

↑どうやって?

東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。他大学との合コン合同コンパ)で東大男子学生はもてます

↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?


東大女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、退かれるから、だそうです。なぜ男子学生東大であることに誇りが持てるのに、

↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?


女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。

↑突然女子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

なぜなら、男性価値と成績のよさは一致しているのに、

↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

女性価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。

↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

女子子どもときからかわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大であることを隠そうとするのです。

↑突然女子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

東大工学部大学院の男子学生5人が、私大女子学生集団性的凌辱した事件がありました。加害者男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。この事件モデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマ学内シンポジウムが開かれました。「彼女頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大男子学生社会からどんな目で見られているかがわかります

↑どんな目で見られてるかちゃんと言えよ。マイナスイメージ持たれてることはわかるが、それが実情に反して不当ということなレイプ事件の話持ち出す意味がわからないし、そのイメージが正しいと言いたい(文脈的にこっち)ならそれは性への圧だろ。

東大には今でも東大女子実質的に入れず、他大学女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。

男子サークルって書き方からして完全に男子悪者にしてるけど他大学女子競争相手を減らすために東大女子を入れないようにしてる可能だってあるだろ。性差別か?お?

わたし学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等理念に反すると警告を発しました。
これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等社会でした。偏差値競争に男女別はありません。ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています社会に出れば、もっとからさまな性差別が横行しています東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。
学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。その先、研究職となると、助教女性比率は18.2、准教授11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員女性比率より低い数字です。女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。

↑その原因が東大内の性差別という意味?だったらこんな時代性が交絡するようなデータじゃだめだよね?

↑これを祝辞で喋る意図が明確になるように主張のギャップを埋めて欲しい。

女性学のパイオニアとして

こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。なかったから、作りました女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました。女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?

↑これ普通に気になるな

日本の歴史に同性愛はいたの?...誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。今日東京大学では、主婦研究でも、少女マンガ研究でもセクシュアリティ研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。

↑後述の話を先取りするけどお前のは恵まれ環境のおかげじゃなくて努力の成果なのかよ。

そして私を突き動かしてきたのは、あくことな好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。
学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。

変化と多様性に拓かれた大学

言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証です。東大には、国立大学初の在日韓国人教授姜尚中さんもいましたし、国立大学初の高卒教授安藤忠雄さんもいました。また盲ろうあ三重障害者である教授福島智さんもいらっしゃいます
あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境あなたたちを待っています。そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います
あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会あなたたちを待っています

↑冒頭で不正がある話したの私立医学部だけだろ。

そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。

↑そこ断言するの流石に祝辞としてダメだろ。毒親から逃げて東大来たやついるけどそいつにこれ言えんの?

あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

↑これはまあそういう意見もあるよね。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます

↑だからなんだよ。ここから得られる教訓って何?

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれ環境と恵まれ能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

↑恵まれない人を助けることに繋がらない学問やっちゃいけないの?ブラックホール撮影しちゃだめ?ニュートリノ観測しちゃだめ?

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者強者になりたいという思想ではありません。フェミニズム弱者弱者のままで尊重されることを求める思想です。

↑「環境能力に恵まれ東大新入生はそれを恵まれない人々(=弱者)を助けるために使いましょう。」と述べた後で「弱さを認め生きましょう、フェミニズム弱者弱者のまま尊重されることを求めます。」と締めるの、結局東大生に弱者であって欲しいのか弱者を助ける存在であって欲しいのかが見えてこない。弱者を助ける存在もまた弱者で、だから他の弱者に助けてもらいましょう。ということなのかな?全員弱者なら女子受験生の話をした意味は?

↑まずこの弱者って特に女性を指してるの?だとすれば女性は謂れなき差別を受けていてそのために被害を受けているという話だったよね?てことは女性は謂れなき差別を受けたままで尊重されるべきってこと?意味不明じゃない?

東京大学で学ぶ価値

あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。これまであなた方は正解のある知を求めてきました。これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。学内多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムシステムあいだ、異文化が摩擦するところに生まれからです。学内にとどまる必要はありません。東大には海外留学国際交流国内地域課題解決に関わる活動サポートする仕組みもあります。未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけますあなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたし確信しています。知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。ようこそ、東京大学へ。

最後はいいよね。

総評として、全称記号任意記号恣意的混同によってデータ自分の都合のいいように改変して使用する、統計学ひいては学問を完全に馬鹿にした祝辞であったように思える。思想としてのフェミニズムであればこのような「過激な」スピーチにより注目を集めるのも一つの作戦なのだろうが、この人は「学問としてフェミニズムを修めている人間」として「これから学問を修める3000人の東京大学新入生」にスピーチしたわけで、その内容としては甚だ不適当だと言わざるを得ない。

はっきり言って、こんなものを褒めそやす人間は、たとえそれがどれだけメタ的な視点から評価のつもりでも、科学世界を脅かすありふれた権威主義愚か者集団に含まれる一人にすぎないと言えよう。

追記

https://anond.hatelabo.jp/20190414151912

2019-03-30

anond:20190329034939

まずは、修士課程の修了、おめでとうございます

このような状況においても無事修了にこぎつけたあなた努力は、他の人になんと言われようと、誇ってよいことだと思います

悔しい気持ちや、後悔、理不尽さなど、納得のいかない思いはたくさんあるかと思いますが、この2年間を乗り越えた経験を糧にして今後の活躍をお祈りしています。(エントリー中の先輩も、当時は教授パブリックイメージしか知らなかったのではと思います

修了に至らなかった同期の方々も、不運だったとしか言いようがないので、どうにかしてもう半年か1年かけて修了・おさらばするなり、前向きに別の道に進むなりして、乗り越えてほしいと願うばかりです。

2019-03-29

東大情理システム情報学専攻の放置&雑用系人気研究室で2年間過ごして

はじめに

 ブラック企業という言葉市民権を得てしばらく経ちますね。毎年、ブラック企業大賞なるものが発表され、だれもが聞いたことのあるような企業が名を連ねます。それに対し、ブラック研究室という言葉も有名なものの、どこの研究室ブラックだとかいった情報大学内部の学生でないとなかなか知りえないものがあります。ましてや研究室の内情は所属している学生しか分かりません。

 今回は、そんな研究室の中でも異質なケースとして、自分修士課程の2年間過ごした研究室の話をみなさんに紹介したいと思い、筆を執りました。必ずしも拘束時間が長く、人格否定を行うような研究室けが悪い環境ではないということ、メディアなどでよく見かけ、有名で人気な研究室が良い環境であるとは言えないということだけでも皆さんに覚えていただきたいです。後進の方々の研究室選びの参考に少しでもなれば幸いです。

研究室運営問題点

 初めに、研究室運営面について書いていきたいと思います

 第一に、とにかく人員が不足していたというのがあります。まず、先生(教授講師)はあまり研究室にいませんでした。先生たちは予算の獲得や大学内外の事務に追われるため、多忙になります基本的助教研究員博士課程の方が下の修士学士課程の学生の面倒を見ることになります。これだけなら普通なのですが、先生が後先考えずにどんどん仕事を受けてしまうことにより、プロジェクトに対して人間が足りていない状況が常に生じます。(先生曰く「断るの苦手なんだよね~」とのこと。)その仕事研究だけではなく、各メディア取材研究室見学など多岐にわたります自分研究室に配属されて一年は、講義を受けるほかに、(詳しくは後述しますが)研究室の立ち上げ用に物を発注したり組み立てたり、見学対応をやる日々で、ほとんど研究はしなかったように思いますさらに、月一くらいの頻度で(今はだいぶ減りましたが)先生のお友達を呼んで講演兼パーティーをやる準備や、先生の思い付きで増える仕事などに日々忙殺されていました。また、インターンアルバイトといった形で外部の学生を呼んで研究してもらうこともあり、その人達雑用をする義務はなくお金をもらいながら成果を出していたのに対し、学費を払っている学生雑用に追われるといった状況もありました。事務スタッフ教授所属している社団法人経理をさせられたり、共同研究先の企業から出向(?)の形で来てた研究員の方も、後述の巨大予算運営周りの仕事をやらされたりとひどい状況でした。

 第二に、新設の研究室で、研究を行う環境づくりをゼロから始めなければいけないことがありました。これは事前からわかっていたことではありましたが、自分想像以上の大変さでした。情報系の研究室なんて机と椅子PC発注すれば、あとは個々人の研究に応じて必要ものを買い足していくだけだろうと思っていました。しかし、先生方針で、リビングラボという生活空間研究室が融合したような形態ラボ運営することが決まっていたため、それを満たすような研究室の構築に修士最初一年は消えました。なぜ一年もこのようなことをしていたのかというと、9月ごろに先生とある巨大予算を獲得し、学生スタッフを増員するとの方針キャンパスを移動することに決まったからです。一度ゼロから作り上げた研究室をもう一度ゼロから作り上げることになりました。自分としてはキャンパス移動ですら最初に聞いていた話と違うので、とても不満に思いました。通学時間10倍以上増え、それだけでも大きな負担となりました。(授業は元のキャンパスでやることがほとんどで引っ越すわけにもいきませんでした。)

 このような状態でまともに研究が回るはずもなく、助教自分所属する学科・専攻で博士までとった唯一の人)はやめてしまいました。そこから、特任研究員の方に学生指導仕事が集中します。(本来、特任研究員助教とは違い、学生指導ではなく自分研究に専念するという名目雇用されます。)そして、社会人博士の方がその有能さゆえに研究室内の仕事を一手に引き受けこなしてくれたおかげでなんとかなっていた(?)のですが、当然彼らも自分研究は進みません。

 第三に、教授講師間でうまく連携が取れていなかったようにも感じました。二人とも物事放置・後回しにしたり散発的に進んだりと、計画性とは無縁の進行でした。ミーティングでもその場の思い付きのアイデアで話を発散させるばかりで収束には向かわず学生はどうしたらいいか当惑することが多かったです.

 さらに、二人の共感性の低さも研究室内の人間関係に大きくヒビを入れていました。特に事務の方々への接し方や飲み会の席(講師は酒を飲まないので主に教授ですが)での学生に対する発言は聞くに堪えないものがありました。(詳しくは後述)

 また、学内の期限(修論題目の提出など)を過ぎてから学生に通知したりと時間・期限に非常にルーズでした。そのことを詫びる様子もなく平然としている様子も腹が立ちました。その結果、学生事務員が期限を守らない印象を外部に与えていたのではないか懸念しています

 オーサーシップ周りに関しても不満が残りました。これは自分ではないのですが、大して面倒を見てたわけでもないのに、camera readyになって急に講師が「見るからオーサーに載せろ」と主張してくることがありました。 教授ゴーストオーサー常連からかそれには強く言わず結果的に受け入れられる形となりました。学生側としては教員陣の命令に背くわけにもいきませんしね。(この話に関しては、この研究室に限らず、分野としてそういう傾向があるのかなあと思います。他研究室の話は詳しく知りませんが。)

 このように研究室としての体を全くなしておらず、自分を含め最初3人いた同期修了出来たのは自分だけで、1人が休学、1人が留年という形になりました。(もう一人修了者はいますが、別の研究室がなくなった結果移ってきた人です。)

教授人格面との不適合

 次に、研究室の主である教授性格が合わず人間として尊敬できなかったということについて話したいと思います上司と合わないということはよくあることだと思いますが、よくあることだからこそ、記しておきます

 初めに、衝動的な発言暴言が多く看過できないということがありました。衝動気質に相まって、酒癖の悪さがそれを助長していました。例えば、論文を提出できなかった学生に対して「負け犬じゃん」といったり、昔自死した学生に対して「勝手に死んだんじゃん」などといったことがありました。(なお、これらの発言学生職員に窘められ即座に撤回しましたが、そう思っていたという事実は消えないと思います)。その他にも配慮のない発言が多くありました。

 また、自己顕示欲の強さとマウンティング(いわゆるイキり)が挙げられます。「君たちは潤沢な資金のあって、待遇のいいこの研究室に来てラッキーだ」などといった身内へのイキりを聞いた時は、上で書いたような現状に疲弊していた自分感情を逆なでするのには十分でした。また、自分は偉く、自分が言ったことはどんな無茶でも通ると思っているきらいがあり、無茶な予算申請事務の人を疲弊させることが多くありました。それにあきれ果てた事務の人が次々とやめることがあり、その結果事務仕事が逼迫することもありました。怪しい予算の使い方をしていて、機構の人に怒られたみたいな話を聞きました。大学に目をつけられているのはいわずもがな。

 内弁慶というわけではなく、外部の人間に対しても自分を良く見せようとしていることが多く、鼻につくこともありました。自分にはこのような先生の在り方が、いわゆる口だけの軽薄な人間に感じられてしまいました。いい環境を作りたいとは口では言いつつも自分は何もせず下の人間が苦労したり(「然るべきとき然るべき場所」というアイバン・サザランド言葉をよく引用しますが、これが「然るべき場所」なら笑止です。)、自分は人脈のハブだといいつつスタッフをなかなか引っ張って来れなかったり(前の大学にいるときこの業界で悪評が立ち、人が来たがらないとの噂)とあきれかえることが多かったです。他にも「教育が最優先」と口では言いつつも後回しにしたり、下の人間に任せているようなことなどとにかく「口だけの人間」というイメージです。隔月で1回20分ほどの面談教育したということなのでしょうか。

 専門用語拡大解釈して援用することで知識人を気取るようなスタンスが多く見受けられたのも癪に障りました。例えば、「インピーダンスマッチング」という、高周波電気信号の伝送路において、入力と出力のインピーダンス電圧電流で割った値で直流回路では抵抗にあたります)を合わせるという意味言葉があります。この単語力学などでも用いられます(こういった多分野に共通する背景理論研究しようという思想を持っているのが我が学科・専攻です)が、これを特に理論的背景もなく「折り合いをつける」くらいの意味で使って、さも各分野に精通している感を醸し出すことに長けていました。他には「バウンダリーコンディション」とかもありますね。微分方程式で言うところの境界条件です。これを前提・条件みたいな意味で使います。(こちらについては検索すると若干引っ掛かりますが。)これらにツッコミを入れた学生は以降食事会に呼ばれなくなりました。自分に媚を売らない用済みな人間簡単に切り捨てるようです。こういった拡大解釈した単語を用いてアナロジーを使い、自分の分野に話を引き寄せるのは上手いなと感じていて、知識がない人を煙に巻いたうえで自分の得意技を披露するのは、非常に参考になると思いました。

研究分野との不適合

 3つ目に研究分野であるHCI研究(と研究コミュニティ)との不適合について書きたいと思います。これは研究室自体問題というより、自分との相性の問題ですが、研究に着手できなかった大きな要因のひとつです。

 そもそも自分はどちらかというと、巨大で合ったり高性能であったりするものを着実に組み上げていくのが好きで、アイデア勝負だったり、プロトタイピングといった手法だったりが受け付けなかったというのがあります(同じような人のエントリ https://swimath2.hatenablog.com/entry/2018/07/30/205255)。

 また、この研究分野は、一見役立たなさそうなおもちゃのようなものに、理屈をこねくり回して正当化させるのが多いように感じ(もちろんすべての研究がそうというわけではありません)、興ざめししまったのも要因の一つです。元々内向的性格なのもあって、自我意識などに興味があり、ならば「人に興味があるということであり、工学的なアプローチで人の研究をやれるのはこの分野だろう」という薄い理由で選んだのもあって、この不適合はモチベーションに意外と大きく関わりました。学部時代の成績は良い方で(必要進振り点はそこそこの学科でしたが、コース内ではトップクラスと周りには言われていました)院試第一希望で通りましたが、勉強ができるということが研究できるというわけではないという言葉を痛感しました。ただ、この研究室を選ばなければ、自分ももっと研究が出来ていたのではないかと思い、研究室選択毎日後悔しています

なぜ回避できなかったのか?

 それではなぜ、このような大きな問題点が数多く存在しながら、この研究室に進学してしまったのでしょうか?

 第一に、自分所属していた学科は、院試卒論研究室配属より前に存在し(実質4か月で卒論を書かないといけないのです)、自分研究および研究室への適性がいまいちからないまま、修士で進学する研究室を決めなければいけないという点が挙げられます。(一応研究室に配属されてプチ研究のようなことをするのですが、研究室生活とは程遠いので参考にするのは難しいです) それに加え、卒論研究室修論研究室別にするという慣習があり、卒論配属後合わないから冬入試を受けようというのも難しいです。

 第二に、サークルの先輩(同じ研究室ではないです)にこの研究室を勧められたというのがありますサークル飲み会の時に、同じ分野で研究をしている先輩に、「この研究室はいいところだし、一期生として面倒を見てくれる」と勧められたというのがありました。当時は若く、盲目的に先輩の話を信じてしまいました。悪い噂が流れてこないなら大丈夫だろうと。それに先生記事ネット上で見たこともあり、先生研究科学雑誌を通して知っていたこともありました。学科内でも新設の研究室に関わらず人気があり、これは安パイだろうと考えていました。今考えると人気・有名だから自分にとっていい環境だろうと考えるとは愚かなことです。(ちなみに、この先輩はD取得後うちの研究室内定を蹴り、他の研究室ポストに就くそうです。)

 第三に、一番重要ともいえる点ですが、上でも書いた通り自分大学では新設の研究室で、情報が流れてこなかったというのがあります。今思えば前の大学OBの方などに話を伺うなどをすればよかったとも思いますが、学部勉強サークルに追われていてそこまで気が回らなかったし、回っていたとしてもする余裕まであったかわかりません。しかしながら、新設の研究室に進学するというのは大きなリスクはらんでいるということはもっとしっかりと自覚するべきでした。これを読んでいる方でもし新設の研究室に行くという人がいれば、もう一度自分選択をよく考え直してほしいです。

最後

 ブラック研究室といえば、拘束時間が長いとか日常的な人格否定などがやり玉に挙げられやすいですが、最近では放置ブラックなどという言葉も耳にする通り、劣悪な環境というのは色々な形で存在しています。また、他人にとっての良い環境自分にとっても良いとは限りません。トルストイ著作に「幸せ家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」(望月哲男訳、光文社古典新訳文庫)との言葉を残しています研究室も一つのさなコミュニティであり、同じことが言えるのではないでしょうか。これから研究室に配属される人には慎重に自分の進路を考えていただきたいと思います。このエントリを通して構成員がみんな幸せになるような運営に変わってくれると嬉しいです。

 文字数制限に引っかかってしまったのでコメント追記します。長文で申し訳ないです。

2019-03-14

anond:20190313145551

今の状況になったのは強く言えば自分のせいなので仕方はないんだけど、コンプレックス自覚があってつらいなら、それを変えるチャレンジをするしかないじゃん。

特に得意なものがなくて、人に雇われているだけなら、待遇環境悪化していく一方なんだし。

会社で勤務しながら、自分時間を使って(ごくごく小さなものでいいから)お金を稼ぐ方法をいくつも試行してみて、うまくいけば本腰入れるようにすれば低リスク起業できるし、たっぷりお金が入ってきて会社経営でもできるようになれば社会的地位高まって劣等感薄まるだろうし。

学歴が気になるんなら、通信制大学でもでて、それから国立大学レベル社会人修士課程にでも行けばだいたいロンダリング完了でしょ。

何するにしてもそれなりには大変なんだけど、そこまで頑張るのはつらいわーっていうんなら今の環境で頑張ってね、って感じで。

グジグジグジグジ妬みごといっててもべつになんにも改善しないし。

2019-02-09

保険のおばちゃん女の子を紹介された話

3年前の冬の話だ。

その時の俺は25歳。大学院修士課程を終えて就職たから、社会人2年目が終わろうかという冬だった。

地元関西だが、就職を機に関東引っ越してきた。家族とも友人たちとも離れた場所一人暮らし仕事もまだまだ慣れない、そんな生活孤独感が日に日に強まっていた。

俺には彼女がいなかった。

まれてこのかた、一度として彼女というものがいなかった。

しかしその時の俺は、寂しさを紛らす相手が欲しいと思っていた。

俺の会社には、昼休みになると食堂入り口保険のおばちゃんが何人か集まってくる。入社したばかりの右も左も分からない若者たちを捕まえて、保険に加入させようとするのだ。来るのはいつも決まった三人。一人は矢口真里に似た、ぎりぎりお姉さんと呼べそうな女性。一人は椿鬼奴に似たおばちゃん。一人は小泉今日子似のおばちゃんだ。

俺は小泉今日子と仲が良かった。矢口と椿は保険の話をしてくるのに対して、キョン2とは一度も保険の話などしたことがない。俺とキョン2の会話といえば、乃木坂46の中で誰が一番可愛いかとか、キョン2の娘がドルヲタになりそうで困っているとか、そんな内容だった。俺はキョン2との会話をそれなりに楽しんでいた。

その日も俺が食堂に行くと、キョン2が立っていた。キョン2はコソコソと俺を手招きし、隅の方に呼び寄せた。

増田君、彼女いないんだよね?私の知り合いに良さそうな女の子いるんだけど、どう?」

かにはいつも冗談交じりに「彼女欲しいっす」と言っていたが、まさか本当に紹介されるとは思っていなかった。今まで恋愛経験がなかったため、尻込みする気持ちもあった。だが俺は、ここは一歩踏み出すべきだと思った。

「是非。」

俺は女の子を紹介してもらうことにした。

後日、キョン2からLINEで3枚の写真が送られてきた。3枚の写真に、それぞれ別々の女の子が写っている。そして直後にメッセージ

「どの子がいい?」

驚愕した。てっきり紹介されるのは1人だと思っていた。3人とも、と答えたい気持ちを抑えて、俺は1番可愛らしい子を紹介してもらうことにした。

キョン2から、その子簡単プロフィールを教えてもらった。キョン2は俺の会社に来ているのと同じように、他の会社へも保険営業に行っている。その子、仮にバラライカと呼ぼう、バラライカキョン2営業に行っている他の会社事務員だった。俺が選ばなかった他の2人も、そのような感じらしい。

そしてバラライカは、当時19歳、未成年だった。これは俺にとって衝撃的な情報だった。今冷静に考えると、19歳の何が問題なのか。1年経てば立派な成人である。だがこの19という数字が、俺には重くのしかかった。

とはいえ俺は、バラライカと連絡を取り始めた。25歳男が、生まれて初めて1人の女性真剣に向き合った。慎重派の俺は、がっついて引かれてはならないと思い、ゆっくりバラライカ職場のことや身の回りのこと、家族ことなどを聞いていった。バラライカは去年まで高校生、さすがに価値観のズレは感じた。まあでもそれは仕方がない、やり取りを続けていけばそのうち気にならなくなるだろう。そんな感じで慎重派の俺が殊更慎重にバラライカとやり取りをしていると、気づいたら2ヶ月が経っていた。1度も会うことなく、LINEのやり取りだけで2ヶ月だ。1度も会おうと言いださない俺もどうかしているが、このLINEに2ヶ月付き合い続けたバラライカちょっとどうかしている。正直俺はどうしたらいいのか分からなくなっていた。この均衡を保つことが目的になり始めていた。どちらが先に我慢できなくなるか、これは俺とバラライカの戦いだった。結局、この戦いは俺が勝利した。バラライカから連絡が来たのだ。

「一度ご飯でも行きませんか?」と。

女の子の方から誘わせるとは何事だと思うかもしれないが、25年間恋愛経験がない男というのは、そこら辺の女の子以上に女の子なのだ。仕方がない。

とにかく、俺とバラライカはとうとう現実世界で会うことになった。もちろん俺は女の子との食事など初めてである食事が決まった瞬間から俺の心臓は最高速で暴れまわっていたが、俺はまず、震える手で店選びから始めた。雰囲気が良く、それでいて敷居が高すぎない、丁度良い塩梅の店をなんとか探し出し、予約を入れた。服と靴を新調し、散髪に行った。髪型のセットの仕方も学んだ。

何度も言うが、この時の俺は乙女だったのだ。

そして、当日がやってきた。

俺は待ち合わせ場所に早めに着き、バラライカの到着を待った。バラライカの顔は、最初キョン2から見せてもらった写真で分かっていたので、それと同じ顔を探した。約束時間になったが、すぐにはバラライカ出会えなかった。いや、それらしい女性は1人いるのだ。俺の数メートル隣に、誰かを待っているらしい女性が。年齢も、19歳に見えなくもない。実物と写真というのはやはり違って見えるため、すぐには気づかなかったのだ。向こうも向こうで、どうやら俺だと気づいたらしい。こうして、俺とバラライカは初対面した。

軽く挨拶をし、店に向かった。少し雨が降っていた。

店に入り料理を注文する。料理を食べる。水を飲む。

2ヶ月間毎日欠かさずLINEでやり取りしていたにも関わらず、いざ面と向かうと言葉が出てこない。不思議ものだ。緊張しているというのもある。しかし、そこまでの2ヶ月の間に一通り聞くべきことは聞き尽くしてしまっており、すでに話題がなくなっていたというのもある。

俺たちは、特別盛り上がることもないまま、食事を終えた。帰り際、バラライカは俺に紙袋を渡してきた。中を見ると、手作りチョコが入っていた。そう、ちょうどバレンタインデーの時期だったのだ。母親以外からもらった初めてのチョコだった。俺は、こんなものまで用意してくれたのに、会話のないつまらない食事にしてしまって申し訳ないと思った。

ホワイトデーにはしっかりお返しをしようと思ったが、結局その後バラライカからの連絡はあまり来なくなり、そのまま自然消滅となった。

あれから3年が経った。俺には今彼女がいる。バラライカではない。別の知人から紹介されたのだ。半年から同棲を始めており、近いうちにプロポーズするつもりだ。

バラライカとうまくいかなかったこと、そこから学んだことがあったから、今の彼女とここまで来れた部分もあると思う。

バラライカに何も返してあげられなかったのが少し心残りだ。バラライカから見れば、俺は彼女が欲しいのか欲しくないのか、意図のよくわからないやつだったと思う。俺のことなどとっくに忘れていると思うが、俺はバラライカのことを忘れない気がする。

俺の人生を変えてくれた恩人として。

https://anond.hatelabo.jp/20190209031109

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