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2023-01-14

夢乃は「キモいおじさん」についてよくわかってない

夢乃さん、本当にキモいおじさんとはこういう人のことだぞ

2023-01-10

[]1月9日

ご飯

朝:なし。昼:カレーサラダ。夜:寿司

調子

むきゅーはややー。お仕事おやすみー。

ゴシックマーダー-運命を変えるアドベンチャー-

・はじめに

1920年イギリス舞台に、新人メイド女の子エリーが主人のアーヴィンが亡くなる夢を見る、彼女は両親が亡くなったときも同じように夢を見たことを思い出し主人の運命を変えるため奮闘するアドベンチャーゲーム

株式会社オレンジロマンティックミステリーシリーズ第一弾で、シリーズ間の繋がりとかはないのだけど、せっかくなので一作目から遊んだ

主人公女の子で、イケメンに囲まれて、意地悪な令嬢や同僚のメイドもいたりと、割と乙女ゲーム雰囲気もあるものの、大筋としては主人であるアーヴィンの身に巻き起こる様々な苦難を回避しつつ、その犯人を見つけるミステリお話主題

とはいえ最後の方には恋愛の要素も絡んでおり、オマケ程度かもしれないがキュンとくるやりとりもあった。

主人公エリーが図太い良い子だし頭が良い

両親を亡くし幼いながらもメイドとして働いている主人公エリー

そんな生い立ちながら、かなりグイグイ事件に口を出す。

そこはもう少しおとなしくしておいたほうが…… と思わず心配になってしまう程度には事件屋敷の噂話に興味津々に質問や立ち聞きを繰り返すにが図太い。

性格的にというよりは、ゲームの尺の都合でそうしているようで、本人的には度々反省のシーンが入るのも図太い良い子。

とは言っても、10クリックほど文章を読み進みるとまたシレッと立ち聞き、盗み聞き、遠慮のない質問を繰り返すのが面白かった。

そしてミステリゲーム主人公だけあって頭の回転が早い。

これもゲームの尺の都合もあるのかもしれないが、犯人自白シーンをスラスラと先回りして要約していく頭の良さが素晴らしい。

特に1920年代の倫理観というか、価値観を踏まえた仕掛けなんかは遊んでいる僕の推測を大きく先回りしていくところは、作者さんの中でエリーが生き生きと動いている証拠のように思えて楽しかった。

また、朝寝坊のシーンが多く、身支度が苦手な描写が多い女性キャラのことをパトレイバーの泉野明以来僕が好きなのも大きいかもしれない。

・アーヴィン様のノブレスブリージュを掲げる姿が勇ましい

屋敷の主人であり、所謂攻略対象」のアーヴィン様。

貴族としての英才教育と、ロンドン学校での教育を受けていることで、貴族の中でも先進的なものの考え方をしている。

自身当主としての責任をとても重く捉えており、領民領地のことを常に考えノブレスブリージュを掲げる良い貴族としての振る舞いが格好いい。

それでいてまだ学校卒業したばかりなこともあり、主人公エリーの図太い捜査質問にはフランクに答えてくれるところが乙女ゲーしてる感があって良い。

しかし、彼の魅力はなんといっても、周りからすぐ殺されてしまう儚さだろう。

そういうゲームからと言ってしまえばそれまでだけど、何をするにしても選択肢を間違うと彼が殺されてしまう。

間接的なソレも含めれば主人公以外のほぼ全員に殺される可能性があるとても可哀想な人だ。

別に彼が悪いことをしたわけでは一才なく、貴族としても人間としてもすばらいしい立ち居振る舞いをしているからこそ、

主人公エリーがアーヴィン様を守るために奮闘する姿に感情移入でき、彼を救うためにゲームプレイするのが楽しかった。

・ユーインはちょっと苦手だった

そんな冷静なアーヴィン様に対してもう一人の攻略キャラであるユーインは、ちょっと取ってつけた感があったかな。

遺産相続の場に何故か呼ばれた平民で、あまり良い暮らしをしてこず、マナー知識もなく言動乱暴キャラ

捜査過程で仲良くなり最終的には結ばれることも出来るものの、3時間ほどのプレイ時間の中に二人の攻略キャラを詰め込むのは無理があった。

アーヴィン様と比べると単純に文量が少ない上に、エリーが何故彼に惹かれたのかがわかるシーンも少なく、ここはゲームの都合を都合として飲み込めずしっくりこなかった。

ミステリ部分は予知による死の回避が優しい

アーヴィン様の死を夢で知ることからまり、それを先回りする展開が面白い。

予知という武器があるものの、一足飛びにソレを言っても信用してもらえないので捜査や聞き込みが必要なので、ゲームプレイ感覚としては割と普通

しか予知による先回りが成功することで殺人事件を扱いながら人が死なないことで、加害者の罪が軽く再起の道も示されていて、優しい世界観になっているのが良き。

トリックらしいトリック、謎らしい謎の印象は薄かったものの、証拠品を集めて犯人対峙するオーソドックスADVとしての勘所である「指摘する快感」を抑えていて、こういうのでいいんだよこういうので、と納得できた。

・同僚のルイザがウザ可愛い

全体のボリュームとしてはとても少ないものの、同僚の女の子であるルイザは嫌味ったらしいし、かなり酷いことをしてくるんだけど、最終的には憎めないウザ可愛いキャラに感じられた。

ユーインのルートがしっくりこなかったのもあって、ルイザとの百合ルートがあればよかったのになあ、と妄想が羽ばたく。

同じ部屋で毎日寝起きしてるわりに交流が序盤しかないの勿体無いと思うんだよね。

・さいごに

ミステリの部分に関しては無理に気を衒った展開をせずに、物語の彩りとしてそっとやれるだけのことをやっていて、かつ丁寧でそれに自覚的なこういう作風が好きだな。

良い意味で小さくまとまっていて、余白を楽しめるのも好き。

シリーズの他の作品や、同じライターさんが書かれてるイヌワシ神宮寺三郎なんかもプレイしてみようと思う。

2023-01-04

村上春樹ヒロイン登場人物たちのつながり

「鼠」は「風の歌を聴け」に始まる「鼠四部作」に登場する。主人公の友人であるが、ある日突然行方くらまし、「羊をめぐる冒険」では自ら死を選ぶ。語り手と主人公の仲は深く、あたかも語り手の半身のようである。己の半身が半ば死の世界にいるというモチーフはこの後に何度も繰り返される。

この半身のように親しい友人は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のなかでは幻想パートの「影」に姿を変える。彼は語り手の半身であり、語り手の記憶を保持している。壁の中に閉じ込められた世界脱出するためには二人がそろっていなければならないが、土壇場で語り手は壁の内側にとどまることを選び、影は死ぬことになる。

ノルウェイの森」では彼は「キズキ」になる。物語の序盤で排気ガスによる死を選んだことが語られ、交際相手であった直子の死の遠因となる。

また、直接の半身ではないにせよ親しい友人で自ら死を選ぶ点で共通しているのは、「ダンス・ダンス・ダンス」の「五反田君」だ。彼は連続殺人犯であったことを明かして死ぬ。このあたりのくだりは恐らくチャンドラーの影響が深い。

このように、半身はしばらくのあいだ無力な存在だったが、「海辺のカフカ」以降では様子が変わる。「カラスと呼ばれる少年」は、「カフカ少年」のもう一つの人格のように見えるが、彼は「カフカ少年」を客観視し、適切なアドバイスを与える。一貫してサポートしてくれる存在だ。半身が異界の住人であるというモチーフであり、「鼠」の系譜に属しているが、そこに自ら死を選ぶような面は見られない。「海辺のカフカ」は主人公がとても若い点でも特異だ。

ただし、佐伯さんが現実感を失った生活をするきっかけとなった、東京大学紛争で殺された友人は、佐伯さんがノルウェイの森の「直子」の系譜に属するとすれば、「キズキ」のもう一人の子孫だ。

キズキと直子が、そして佐伯さんとその恋人は幼い頃から自然性交をしていたが、まるで思春期完璧さを求める性向現実によって打ち砕かれるかのように、その関係が死によって断たれる点でも、この二つのカップル類似している。

直子

村上春樹小説には一貫して何らかの精神疾患を患った、少なくとも感情的不安的な女性が出てくる。

デビュー作の「風の歌を聴け」の時点から、「小指のない女の子」として出てくる。彼女は話している途中に突然泣き出してしまう。また、周囲の人々がひどいことを言うとも語るが、これが事実なのか、精神疾患ゆえの妄想なのかどうかは判然としない。

この系譜が「1973年のピンボール」の中ですでに亡くなっているかつての恋人「直子」につながり、さらに「羊をめぐる冒険」の「誰とでも寝る女の子」につながっているかどうかはわからない。ただ、「ノルウェイの森」の「直子」には直接つながっているだろう。語り手の過ちによって感情を失った「国境の南、太陽の西」の「大原イズミ」も、彼女の裏面だ。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の「白根柚木」もその子孫だ。

また、恋人または妻の一つのアーキタイプとして、「ねじまき鳥クロニクル」の「クミコ」「加納クレタ」や「スプートニクの恋人」の「にんじん」の母にも発展しているようにも思える。

より明確な形としては、「海辺のカフカ」の「佐伯さん」が子孫のようだ。前述のように恋人の死をきっかけに精神を病む、少なくともある種の現実感を失ってしまう点が共通している。ただし、佐伯さんは後述の老女の系譜もつながっている。ピアノができたことを考えると、「スプートニクの恋人」の「ミュウ」も「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の「白根柚木」も同じカテゴリに入れていい。

そもそもこのキャラクターの流れについての記述は、誰が後の作品の誰に直接発展したかを明確に追うことではない。おそらくはいくつも混ざり合っている。むしろ、これは村上春樹作品解釈するための補助線として見るのが適切だろう。

彼女がやたらとタフになったのが「1Q84」の「青豆」かもしれない。あるいは、生命力にあふれている点では後述の「ミドリ」だろうか。

ミドリ

直子とは対照的な心身が比較健康タイプ女性系譜もある。

性に対する好奇心の強い「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「太った娘」もそうだが、彼女は後述する「少女」の系譜につながる面もある。

同じく制に対して罪悪感を持たない「ノルウェイの森」の「ミドリ」、「国境の南、太陽の西」の「島本さん」、「スプートニクの恋人」の「すみれ」、「海辺のカフカ」の「さくら」(どうでもいいがこのキャラのせいでおねショタに目覚めた)、「1Q84」の安田恭子へとつながっている。

少女たち

村上春樹作品時系列順に読み返すと、ある時点で突然新しい属性を持ったキャラクター群が登場する。それは、どことな巫女的な力を持った若い女性である

前兆としてあらわれるのが、「羊をめぐる冒険」では耳専門のモデルをしている21歳の女性だ。彼女不思議な力で主人公を羊へと導くが、物語の終盤を前に姿を消してしまうので、いくばくか影が薄い。しかし、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に出てくる肥満17歳女の子は語り手を「やみくろ」の支配する東京の地下世界にいざなう

より少女性が強まるというか、単純に年齢が幼くなるのが「ダンス・ダンス・ダンス」に登場する13歳のユキで、彼女五反田君の殺人痕跡巫女のように感じ取ることができた。

ねじまき鳥クロニクル」での「笠原メイ」は、映画ロリータ」を思わせる登場の仕方をするし、終盤では主人公を救う力の源であるかのように描写されている。月光の下で裸身をさらす姿は、今までの村上春樹にはなかった描写である。確かにノルウェイの森」で「直子」がそうするシーンはあるが、彼女は成人した女性だ。

海辺のカフカ」では夢の中に現れる十五歳の佐伯さんの姿を取る、ここでは少女との性交が初めて描かれる。

巫女的な少女系譜がより明確になるのが「1Q84」に出てくる17歳カルト教団育ちである「ふかえり」だ。彼女は何らかの学習障害を患っていて独特の話し方をするが、彼女との性交異世界との経路となる。

村上春樹が歳を重ねて少女との性交を書くのをためらわなくなっていったのは面白い(【追記】「ふかえり」にいたっては巨乳文学少女という属性!)。というのも、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」では肥満女の子から私と寝ないかと誘われて断っているからだ。

老人

大学の先輩がこう述べていた。ある種の作家自分が生まれる十年ほど前の出来事テーマにすることがある。なぜなら、自分が参加できなかった「祭り」だからだ。これが事実かどうかはわからないが、村上春樹は古くから第二次世界大戦中国テーマに含まれている。「鼠」の父親戦争とその後の混乱で金持ちになった人間だ。興味深いことに村上春樹の父は中国従軍している。

(余談だけれどもこの先輩は村上春樹作品にしばしば出てくる井戸「イド」まり無意識示唆しているのではないかと言っていた)

さて、老人がキャラクターとして物語信仰に深くかかわるようになったのは、「羊をめぐる冒険」の「羊博士からだろう。彼はいるかホテルにこもったきりで、外に出ようとしない。しかし、探し求めている羊がどこにいるかという重大な情報を指し示す。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」でも、現実パートには「老博士」が出てくるし、幻想パートには退役した「大佐」がいる。

軍人という属性が前面に出てくるのが「ねじまき鳥クロニクル」の間宮老人だ。彼はノモンハンにて過酷体験をするし、そこである種の悪しき力に取りつかれる。

海辺のカフカ」には「中田老人」が出てくる。彼もまたある種の不可解な力(後述の闇の力?)の犠牲になり、記憶や知性の多くを奪われてしまう。一方で、彼は「カフカ少年」に代わって父殺しを遂行する半身でもある。

1Q84」では少し特殊で、これは近過去SFであり、戦争経験者やその前後に生まれた人々が相対的若い。それゆえ今までのパターンを単純に当てはめるのが適切かはわからない。

天吾の父がこの系譜に属するだろうか。「1Q84」では善悪が入れ替わることが多い。幼い天吾を無理やりNHKの集金に連れまわす点でネガティブに描かれていたにもかかわらず(村上春樹はこうした巨大組織一般に「システム」と呼んであまり肯定的に扱わない)、後半では声だけの存在になった彼が助けに来るのだ。

なお、戦場に行っていたという点を考慮すると、これらの老人たちは村上春樹父親世代に当たるだろう。

米軍基地にいたという点でジェイもここに属しているかもしれない。

老女とその息子

一世代上の女性が出てきたのは「ノルウェイの森」の「レイコさん」だ。彼女は心を病んではいものの、主人公たちを導いてくれる。「直子」のルームメイトとして、彼女の心身の安定に寄与している。

それがおそらく「ねじまき鳥クロニクル」の「赤坂ナツメグ」になるし、「海辺のカフカ」の「佐伯さん」を経て「1Q84」の「緒方静恵」になる。

彼女たちの多くは戦争をはじめとした暴力の中で深く傷つき、その中でもある種のコミュニティ安全地帯運営し続けている。「レイコさん」は精神病院の患者たちのまとめ役だし、「赤坂ナツメグ」は女性向け風俗(?)で女性性的空想現実にし、「佐伯さん」は図書館という静謐環境守護し、「緒形静恵」は性暴力を受けた女性避難所運営して、しばしば法を破ってでも報復を行う。年齢的にはかけ離れるが、「スプートニクの恋人」の「ミュウ」もこの老女の系譜に属するか。

彼女の息子たち(血縁があるかどうかはともかく)の系譜は、「赤坂ナツメグ」の息子「シナモン」、「佐伯さん」の図書館司書を務める「大島さん」、それから緒方静恵」の柳屋敷セキュリティ担当するタマルだ。セクマイであることが多い。

対となる存在

1973年のピンボール」の双子女の子を除いて、概して二人組の登場人物は不吉な前兆だ。体格は対照的なことが多い。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」では「大男」・「ちび」の二人組が語り手に刺客差し向け、第三勢力になって儲けようとだましに来る。「ダンス・ダンス・ダンス」ではまるで「長いお別れ」みたいな嫌がらせをしてくる「文学」「漁師」と語り手があだ名をつけた警官が出てくる。「海辺のカフカ」に出てくる二人組は、軽率発言から大島さん」を傷つけてしま自称フェミニスト二人組だ。「1Q84」には「さきがけ」のリーダーの警備をする坊主頭ポニーテールの二人組がいる。

ただし、何度か繰り返すが善悪シンボル意図的に逆転させることが多いのが村上春樹作品で、おなじ「海辺のカフカ」でも「カフカ少年」を森の奥に導くのは同じように体格が対照的な二人組の日本兵だ。

また、よくよく考えてみれば、「風の歌を聴け」の時点でも、「小指のない女の子」には双子の妹がいたのである。直接姿を見せず言及されるだけだが、このモチーフの萌芽とみていいだろう。

村上春樹はある時点で純粋な悪の起源はなんであるかについて語ろうとしている。

それは悪しき登場人物の姿だけでなく、クトゥルフ神話的な怪物としても姿を見せる。

現に「風の歌を聴け」に出てくるデレク・ハートフィールドの伝記は、ラブクラフトバロウズをはじめとしたパルプフィクション作家たちを混ぜ合わせたものだ。

「鼠四部作」のなかでは「羊」がそれに該当する。不可解な暴力権力の中心に存在し、人間に憑りつくことで現実的な力をふるう。あるいは、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の現実パートの「やみくろ」たち、幻想パートの「門番」。「ねじまき鳥クロニクル」の「ねじまき鳥」や、綿谷昇の属する政治世界。そして「海辺のカフカ」に登場する「ジョニー・ウォーカー」や、「中田老人」の口の中から出てくる不可解な物体

非人間的な力ではないが、「ノルウェイの森」の「レイコさん」の精神悪化させる原因となった少女も、この系譜に属していると見なしていいかもしれない。

だが、「1Q84」のリトルピープルの存在解釈が難しい。今までとは異なり、単純な悪ではないようだ。初読時には「これは人が複雑な現実物語化する能力の具現化で、善にも悪にもなりうる、ある種の単純化する力ではないか」と思ったが、再読したら違う印象を受けるやも知れない。また、「牛河」も悪しき力の手先のように見えるが、離婚した妻子がおり、生きた人間であって化け物ではない。

善悪曖昧と言えば、「海辺のカフカ」では「圧倒的な偏見でもって強固に抹殺するんだ」が主人公サイドと敵役サイドのいずれでも使われる。

こんな風に、村上春樹はある時期から善悪意図的にぼかし、単純化を避けるようになった。

追記アフターダーク暴力を振るった深夜残業してたサラリーマンもここにいれていいかも。

そのほか

村上春樹後半期のテーマの一つをまとめるとしたら「どれほど不適切な養育環境で育ったとしても、その現実を受け入れてスタートするしかないし、ときとしてそこで学んだことに結果的に心が支えられてしまうケースがある」だろう。言い換えると「歴史過去を消し去ることはできない」だ。

あと、「国境の南、太陽の西」の「にんじん」はうまくしゃべれないけど、「海辺のカフカ」の「カフカ少年」の造形に影響を与えたかもしれない。

別に結論はない。ただ、こういう順で発展していったのだなと考えながら読むと楽しいだけである

もう一つ興味深いのは、親が亡くなるかそれくらいの年齢に近づくと、ちゃんと親と向き合ったような小説を、みんな書き始めることだなあ。

こっそり追記。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のロックを流して走るタクシー運転手星野青年っぽいな。

更に追記。不吉な二人組といえば、「ノルウェイの森」で日の丸を掲げる寮長と付き添いの右翼学生を思い出した。

カズオ・イシグロ大体読んだけど好きかわからなくなった

わたしを離さないで」(2005)

臓器移植のために育てられた人間の子どもから大人になるまでの記憶を綴る。

かに美しい小説だ。子供から大人になるにつれて、見える世界は広がっていく。たとえそれがどれほど酷なものであろうとも、子供たちはそれを受け入れねばならない。語り手は振り返り、ひとつ出来事を大切に手の中で壊れやすい卵を計るように並べている。

読者も少しずつ、まるで語り手と一緒に育っていったかのように、事の真相を知らされていく。細やかな、性格を端的に示すエピソードミルフィーユのように繊細に重ね、誰もが持つ幼いころの記憶登場人物シンクロさせる手際は見事と言っていい。主役三人の性格の違いとそれによっておこる対立の見事さは、この小説SFというよりも性格劇に分類したくなるほどだ。夢中になってはまる本とは違うけれど、読む価値はとてもある。

しかしながら、感情描写文章リズムがうますぎるあまり、根幹のSF的設定が、ふと荒っぽい夾雑物にまで見えてきてしまう瞬間がないでもない。細密な建造物を支える、太すぎる柱にたとえればいいのだろうか。

そもそも臓器移植のためだったら、人間を育てるんじゃなくて臓器だけ培養すればいい。

どうも舞台となっている世界技術水準や、テクノロジー社会に与えるインパクトの細部の詰め方が幾分甘い。

日の名残り」(1989)

かつて仕えた主人が第二次世界大戦中に対独協力者で、それを理由戦後に没落したため、その屋敷を買った米国人に仕えることになった執事の話だ。カズオ・イシグロ本領である、決定的な本音事実意図的にあるいは無意識に隠したまま語り続ける居心地の悪さ、気持ちの悪さがいかんなく発揮されている。

熟読すると面白いが、何があったかは作中では基本的には明確に語られているのもいい。

かつてはほのかな思いを寄せていた同僚であった女中からも、今となっては過去の人とみなされており、最後自分人生って何だったんだという悔恨にさいなまれるシーンは最高だ。

かつての美しいイギリス風土と、失われた執事美徳悪徳について。感情に蓋をしがちで、行動原理自分の「したいこと」ではなく「なさなければならないこと」になっているひとにおすすめしたい。面白かったので英国メイド執事の本を何冊か読んだ。

遠い山なみの光」(1982)

長崎出身現在イギリスの片田舎に住む悦子(語り手)の所へ娘のニキがロンドンから訪ねてくるところから始まる。ニキが言及する悦子の生涯を、ニキからのまた聞きや、写真の印象だけから詩にしようとする詩人が出てくるのだけれども、なんだか作者自身創作する自分のことを批判的に見ている姿が透けてみえる。全体として、シングルマザーとしての苦しみが複数語られている。

これは褒め言葉としていうのだけれど、読んでいてずっと不穏な感覚をぬぐうことができず、いいようのない気持ちの悪さがある。たぶんその正体は登場人物の会話が互いの自己主張に終わっていて、基本的相手の話を全然聞いていないところにあるのだろう。会話の形をしているのに、対話になっていない。むしろ並行する独白だ。映画脚本のお手本的でもある。

最初のうちは、この違和感終戦直後日本人ならこんなあからさまな会話なんてしないだろうからにも思われた。しかし、明治文豪の名作だって、会話が人工的であることも少なくはない。ただ、この作品ほどのひどい噛み合わなさはまれな気がする。少なくともあちらでは噛み合わせようという努力はしている。

台詞説明したり議論したりする手法は、大抵は粗削りというか不器用な印象を与えるので好まないのだが、この場合コミュニケーション不全というか、相互理解の失敗の雰囲気をよく伝えていて、効果的だった。

浮世の画家」(1986)

情けないかつての画家の話。老い第一線を退いた後も、自分はまだ影響力があると思いこんではいたが、世間自分存在などすっかり忘れている。自分のしてきたことなど、大したことではなかったのではないか、それどころか完全な誤りだったのでは。歴史によってそう裁かれることに怯えている。老人にとって、今までのお前の人生は何だったのか、と問うことほど残酷なことはあるまい。

そのくせ、隠しようのない自己満足防衛がどこまでも続いており、かつては地位のあった老人はどこまでのその虚飾から自由になれない。計算したうえでのことかどうかわからないが、この翻訳日本経済新聞の「私の履歴書」の文体そっくりだと思ってしまうのは、私のやっかみであろうか。

やはりカズオ・イシグロ真骨頂は情けのない自己弁護にある。

充たされざる者」(1995)

よく、入り組んだ官僚機構カフカ的というけれども、どっちかといえばこの作品みたいなのがカフカ的な気がする。過去というか記憶曖昧で、自分そもそも何をしたいのかわからず、その場の判断だけで物語全体が動いており、映画なんかでは必須の究極の目的・ゴールも曖昧だ。「夜想曲集」所収の旅する芸術家あるある話がベースになった作品と同じにおいがする(この短篇集は切り口の優れた良き英国短編集といった趣だ)。

すべての事件が宙ぶらりんのままにされて進み、星新一ショートショートでその場限りの対応しかしない軽薄な男を主役としたこんな作品があった覚えがあったことを思い出したが、読んだときにはどうしてもタイトルが思い出せなかった。それは結局「未来そっぷ」に収録された「熱中」であるとわかるんだが、一番満たされていないのはきっと読者だ。

カズオ・イシグロテーマひとつコミュニケーション不全が前面に出ているだけでなく、筒井康隆虚人たち」を思わせるような、自分が何者であるかわかっていないのにさほど気にしていない空疎さがあり、何かを風刺しただけではないのだろうが、それはまだ読み取れず。

奇妙だ。自分他人記憶の壁が溶けて無くなってしまったみたいな語りであり、語り手は身内だと感じるとちょっとしたことですぐに激昂したりすすり泣いたりして、いったいどういう人物なのかとらえどころがない。すべてが宙づりで半端なまま物語が終わる。語り手はどの街を訪れても、延々と同じことを繰り返すのだろうか。

わたしたちが孤児だったころ」(2000)

両親に置いていかれたのはなぜか、そして母はどこに行ったのか。著者の中では一番残酷な話かもしれない。物理的な暴力よりもその結末が。地獄の寝取らせ小説であり、真理に近づこうとして全員が不幸になる。それでも、なお、愛そうと試みたし、愛されてはいたのだ。

息子が親父と同じ道ならぬ愛という過ちを犯しかけるのは残酷ユーモアがあふれているようでいて、ある種の試練であったのだろう。試練に打ち勝ったからと言って直接幸福になるわけではないのが皮肉でいい。

追記】目の前に日本軍軍艦が停泊してるのにのんきにパーティーしている租界の人々って嫌なリアリティがあった。

忘れられた巨人」(2015)

忘却テーマだが、P・K・ディックのようにアイデンティティ曖昧になっていく離人感よりも倫理的な面を問うているようだ。つまり戦争責任とか政治的意図的隠蔽とか。

国家組織的に目を背ける行為と、個人がつらい過去を忘れることによって救われることの両方が描かれている。ファンタジーもある程度は書けるのがすごい一方で、見たくないものを見ようとしない描写や、自分のことばかりで会話が成り立たない場面は健在。

ファンタジーにしては「危険度」とか「スタミナ」の訳文がちょっといかなとも思ったけれども(別に嫌だと感じるレベルではない)、これは現代日本語としては普通に受け入れられてるのかな。

あと、サクソン人の穴を掘った(ホビットみたいな)家の描写があるんだけれど、これって実際にそうだったのかな? サクソン人の家とググっても出てこなかった。

ちなみにル・グインはこの作品を好まないらしく、ウィキペディアには両者の対話引用されている。

のしようとしたことには敬意を払いますが、私には効き目がありませんでした。うまくいくはずがありません。どの作家文学ジャンルの表層だけをうまく使えません。その深みはなおさらです。そのジャンルと同一化することを恐れるほど軽蔑している限りは。読んでいて痛ましく感じられました。まるで、高いロープから落下しながら聴衆にこんな風に叫んでいるみたいでした。「私は綱渡り芸人と呼んでもらえるのかな?」と。

ル・グインには私の本が好きか嫌いかを決める資格がありますが、私に関する限りは誤ったほうの肩を持っているようです。私は(註:作中では不可解で不気味な存在として現れた)妖精や竜の側に立っています

シグロ氏のご意見をうかがえてうれしく思います。同氏の「私の作品ファンタジーだと人々は思うでしょうか?」という質問に対する、私の明らかな早急な返答に傷つけるような内容があったことをお詫びします。

クララとお日さま」(2021)

人工知能太陽光病気回復させる効果があると思い込むことで起きる珍妙な話だ。

どう考えても不合理で奇妙な信念に従い、偶然によって祈りが叶えられる話で、しか最後はただゴミ捨て場で朽ちていく。これは無神論者による宗教パロディではないか? と勘ぐってしまう。無神論者からすれば、いかなるかたちであれ神を信じる人々は、誤った信念にすがり、存在しない相手効果のない祈りをささげる哀れな人々だ。

カズオ・イシグロSFは、SF主食人間からすると、不合理か古い知識に基づくように感じられる設定が多く感動すべきシーンもそこが気になってしまう。

たとえば、明らかに危険能力向上処置子どもにするような社会は、現代から相当な価値観の変遷があったはずだし、かなりの時間を経ていないと起こりえないだろうが、長い時間経過に伴うテクノロジーの発達については述べられていない。スマホさえ出てこない。

カズオ・イシグロSF設定がときどきザルなのはリアリティレベル小説よりSF風の映画テレビドラマくらいにまで下げていて(下手をすれば寓話絵本レベルまで)、それは脚本家でもあったからなんじゃないかって考えたんだけど、そこまでたくさん脚本を書いていたかまではわからなかった。

かに技術的細部に立ち入らないので古くなりにくい一方で、そこが物足りなく感じられる。新しい技術だけをポンと現代に放り込んだ感じで、今と地続きな感じがして生活感があるのはいいけれど、技術によって完全に変容してしまった人類の心性がもっと欲しいと感じる。未来を描く意味はそこにあるんじゃないだろうか。

だいたい、フレーム問題解決というか一般常識インストールされてないスタンドアローン親友ロボットなんて危険すぎるだろう。誰もアップデートされないスマホなんて使っていない。SFはどこまでリアリティのある技術を出すべきかという問題もないではないが、短編ならともかく長編でこのネタをこれをやるのは、平均的理系知識を持つ読者にとってはかなりしんどい

結論

以上。読んだ順。

私が好きなのはカズオ・イシグロではなく「日の名残り」だった。

追記

わたしを離さないで」だけ既読、似た感想。この小説SFというより寓話に近いと思う(増田も書いてた)。ドナー人権周りの描写も臓器を貰う側の葛藤も削ぎ落とし、搾取される者の命の輝きのみに焦点を絞ってる感じ

こちらのブコメがとても素敵だったので引用させていただきました。不都合がありましたらお知らせください。

2022-12-24

200年後の底辺になりたいか、100年前の貴族になりたいか

思考実験

どちらかになれるとしたらどちらになるか。

200年後は今より便利で生活も快適で個人の興味や趣向に合わせた情報も娯楽も今以上に簡単アクセスできるだろう

だがその世界でのあなた底辺暮らし生活保護を受け社会的には見下される立場

100年前の世界インターネットもなくもちろん携帯電話PCもない、第1次世界対戦の前後で今のように満足な食事も得られない

だがその世界でのあなた貴族だ、屋敷には執事がいてあごで指図すれば好きなように動いてくれるような立場

この2択ならばどちらを選ぶだろうか

2022-12-21

お前の始末をする公務員

公務員あらあら、仏さんこの日記大事にしてたみたいね

公:じゃけん、お棺に入れてあげましょうねぇ・・・

ノート:ボォォォォォォォォ



ま、実際はごみ屋敷ゴミその468みたいな扱いやろな

anond:20220103145117

2022-12-14

当時、赤穂浪士の討ち入りが敵討ちなのかどうか議論になったとされている

敵討ち入りは兄弟や子など対等な立場の者がやるもので、明確に下となる家臣がやるものではなかった

能にしろ浄瑠璃しろ敵討ちは忠臣蔵以前からあるけれど、忠臣蔵はその点で画期的だった

敵討ちの要件を満たさな赤穂浪士の討ち入りは盗賊と同じ扱いになるはずだった、けれどそうはならなかった

当時は敵討ちが許されていたけど色々制約はあるから誰もが敵討ちを選択するわけではなかった

敵討ちの制約ってのは敵討ちを果たしたら自分も腹を切るって決まり

浅野内匠頭の子がそうだった、敵討ちを選ばなかった

そのせいで赤穂浪士の討ち入りは実子が不参加、大石内蔵助も困って先延ばしにしていたけれど最後エイヤーと討ち入りをすることになってしまった

当時の定義では敵討ちの要件を満たしていないけれど、江戸のみんなは立派な忠臣だと言うし、大名ですら赤穂浪士屋敷歓待するものまでいた

そんな世論空気を読んで、本来なら打首だけど幕府は譲歩して切腹を許した

死刑から処罰されたって認識大間違い

近年、忠臣蔵評価が変わっていることについて吉良上野介が実はいいやつだったんじゃないか、とか言ってる人がいるけど具体的に根拠はあるの?

吉良上野介は討ち入り前に左遷みたいな郊外への引っ越しをさせられているのに

その引っ越し左遷じゃなくて討ち入りの事前情報があったからじゃないかって説もあるけど

未だに年に1冊くらい忠臣蔵関連の新書が出てるけど、読んだことのないブコメばっかだからバカにしようと思って書きました

2022-12-09

anond:20221209100834

一夫一妻をキープしても、3夫婦くらいがひとつの大きな屋敷に住むとかすればたぶん子供の数は増える

2022-11-14

私は坊主だ。職業ではなく髪型としての坊主頭だ。

何かしらの反省の態度を示すために坊主にしたわけではなく、好きで坊主にしている。

高校の時の時から坊主なのでハゲ坊主にしたわけでもない。

芸能人が何かしら反省を示すために坊主にしているのを嫌悪している。

坊主頭は反省を示すためにあるのではないと。

そんな私がAbemaの将棋チャンネルを見た。

順位戦藤井竜王広瀬八段との対局だ。

解説屋敷九段大平六段。

その大平六段が坊主頭になっている。

以前の髪型は覚えていないし、どうして坊主になったのかは知らないけれど、何かあったのではないかと思ってしまった。

これは私の差別心だ。

坊主にするのは何かしら反省を示すためだろう、そんな思い込み坊主頭の私にすらあったのです。

ハゲを隠すための坊主ではないか、そんな差別心が私にあった。

2022-11-11

パンツマンの時から全然変わってなかったニューヨーク

https://news.yahoo.co.jp/articles/13f571224c9337e15bbb1290609032648ec4a0fa

屋敷は「アーティストアイドルライブとか、落ちたりしそうで怖いねん。走ったりさ、飛んだりするやんか、人数も多いやん。怖いよな。何かないの? やっちまった系のことって」

乃木坂468月29日の公演中、メンバーの掛橋沙耶香が特設ステージから転落し骨折する事故が起きたばかり。

2022-11-08

栗花落カナヲと、蛇の話

 前回、虹とヘビとウナギの話を書いた(anond:20221107182649)が、その際『蛇の宇宙誌』(東京美術)を読み返していたところ、意図せずして漫画鬼滅の刃』に関連しそうな小ネタを見つけてしまったので、ここで書き留めておくことにした。なお、漫画鬼滅の刃』のラストに触れているので、未読でネタバレが嫌だと言う人は、この文章を読むのはここで止めにして、まず漫画鬼滅の刃』を読み終えてからにした方が良い。

 どのページを開いても面白い名著『蛇の宇宙誌』であるが、その第4章は、ズバリ「栗花落左衛門(つゆざえもん)の蛇性―日本水神としての蛇信仰―」と題されている。余計なことを書くのは止めにして、この章の冒頭から引用する。

引用ここから

 「栗花落」と書いてツユと読む。栗の花の落ちるころが、ちょうど梅雨の時期になる。それでこの当て字がある。後の兵庫県武庫郡山田村原野(神戸市兵庫区山田町原野)、昔の摂津国矢田部郡の丹生山田庄原野村の栗花落(つゆ)理左衛門屋敷に「梅雨井(つゆい)」と呼ばれる井戸があった。昭和七年ごろまでは、原野には、壊れかけた白滝明神の社祠と、白滝姫の墓という墓石が残っていたそうである。栗花落(つゆ)の井戸は社の前にあった。いつもは水が干からびているが、栗の花が落ちる五月ごろには、こんこんと水が湧き、附近八町歩の水田をうるおすと伝えていた。

(中略)

 岡田ケイ(注:彳に奚)志の『摂陽群談』(一七〇一年刊)巻八には、この「梅雨井」のことがくわしく見えている。(中略)地主の姓もツユといい、世間では栗花落左衛門(つゆざえもん)と称したとある

 この不思議井戸について、栗花落家には伝えがある。始祖の山田左衛門尉真勝は、淳仁天皇(四十七代)の時代に、朝廷に仕えていた。そのとき真勝は、横荻右大臣豊成の息女白滝姫に恋をする。姫と歌の贈答があって、真勝の真心を知った姫は、その妻になる。やがて姫は亡くなるが、それが五月であった。屋敷の東の境に葬り、叢祠を建てて弁財天をまつった。そこから水が湧き、今に至るまで、その水が梅雨を知らせるという。この弁財天社が白滝明神であろう。

 島根県出雲地方とその周辺には、栗花落左衛門と同名のツユザエモンと呼ばれる蛇の伝えがある。ふだんは岩肌の割れ目などに姿を隠している蛇が、梅雨の期間中には、かならず胴体を現わすという。分布は、出雲から備後比婆郡双三郡石見安濃郡邑智郡一帯と、広島県北部から島根県西部に及んでいる。斐伊川沿いの地方では、これをツユジンと呼んでいる。ツユ神(じん)と解釈しているが、出雲能義郡ではツユザイと称しているから、ツユジンもツユザエモンから転訛であろう。

(中略)

 蛇はしばしば水の神の姿である梅雨期に蛇の挙動に注意したのは、稲田を耕作する農民にとって、水の恵みが一番気になる季節だからであろう。(中略)ツユザエモンが梅雨の時期を示すという観念は、水と蛇の違いはあるが、摂津の栗花落左衛門とまったく同じである

(後略)

引用ここまで―

 引用したとおり、本来の『栗花落』の読みは「ツユ」であって「ツユリ」ではないと考えられる。しかし、摂津梅雨井があった屋敷の所有者の名前が「栗花落理左衛門(つゆ・りざえもん?)」なのである。これは私の個人的な推測でしかないのだが、竈門炭治郎の彼女・栗花落カナヲの姓を「ツユリ」と読ませる設定にしたのは、作者・吾峠呼世晴による元ネタ示唆なのではないだろうか。

 そして、鬼殺隊が鬼舞辻無惨を倒した後日談で、伊黒小芭内の遺した愛蛇・鏑丸(かぶらまる)を、栗花落カナヲが受け継ぐ流れになっているのも、水神・雨神である蛇神をツユザエモンと称する歴史的民俗的事例と関係しているのではないだろうか。

 最終的には日の呼吸を使うようになったとはいえ竈門炭治郎は水の呼吸を使っていたのだから、その彼女である栗花落カナヲが、水神と縁の深い蛇(それも白蛇!)を受け継ぐのは似合っていると思える。

2022-11-05

異世界なろう小説を読めない理由

貴族とか出てきたり、主人公貴族の子供だったりするやつ。

なんで外出に執事がついて回るの?あんたは常に屋敷で堂々としてろ!服なんか着せるな!紅茶入れるな!あん最上級使用人だろ!屋敷使用人で1番偉いんだろ!あんたの仕事事務仕事!一万歩譲って主人の大事な外出に付き従うならまだしも娘の外出になんか付き添うな!娘も執事なんか連れてくるな!娘用の侍女がいるだろ!

メイドは男主人や嫡男の部屋に気安く入るな!気安く話しかけるな!お前の仕事家事廊下男性家族に会ったら頭だけ下げて話しかけるな!見習いメイド家族に姿を見られるな!主人や嫡男のお世話は従者と下僕がやる!

というかその従者と下僕はどこにいる!男性家族に服着せて、お茶淹れて、外出に付き添うのは男性使用人のお前らの仕事だろ!メイド嫡男の世話なんかさせる貴族いるか

騎士ども!お前らはその家の子供ら(主人公)が思い付きで始めた外出に付き添うほど暇なの⁈

あと、主人公に悪意をなした貴族勧善懲悪処刑されてるシーンよくあるけど、なんで本人が王都にいるの?代理人置いとけよ!処刑される前に領土で兵を挙げて抵抗しろよ!プロローグで「中世ヨーロッパ」って書いてあるよね?あと昔の中国皇帝ならともかく中世ヨーロッパ領主が王に忠誠心ないなんて当たり前だし、処刑したらもっと面倒くさいんだから賠償金もらってもっと遠くの領地に送り込んだけ!簡単貴族領主処刑すんな!宮廷貴族は別ね。

王族とか爵位の仕組み、教会とか権力争いとか、そういうとこ妙に現実に寄せて具体的にして、「中世ヨーロッパ風」って書いてあるのに、上に挙げたような所が全く説明されず、さも当然ですみたいな感じで書かれてるのがよくわからん現実と違う所ちゃん説明しといてくれ。

2022-11-02

SEKIRO日記

葦名弦一郎が倒せないから別のところ行こうってなって、以下のような結果に。

① 三年前の平田屋敷 → まぼろしお蝶が倒せなくて前に進めない(絶望的)

② 落ち谷 → 蛇の目シラフジが倒せなくて前に進めない(毎回もうちょいのところまで行くので何かの拍子に行けるかも)

③ 水手曲輪 → 山内式部利勝が倒せない(バックスタブ決められることが分かったから、攻略動画見たらたぶん行ける)

いやーきついわ。現時点で拾える数珠は全部ゲットしてるはずなので、プレイヤースキル問題なのは明らか。

明日また頑張ろう。

2022-10-31

長男の従者を募集しま

我が家の次期当主である長男の従者を募集します。希望すれば使用人や屋敷管理を学び、私と現執事引退後に我が家の新しい執事として勤務も可能です。面接は現執事であり私の従者も兼任している者が行います

条件

男性独身身長180cm以上、容姿端麗(私の妻や娘、その侍女判断)、25歳以上35歳未満、大学卒、武道経験住み込みで勤務できること

求められる能力

ユーモアセンス、詩や文学への造詣、語学力(英・仏)、服装TPOトレンドドレスコード

業務内容

長男書類手紙郵便物管理長男の衣類の管理長男が着る服やアクセサリーセレクト着付け長男旅行や外出をする際の荷物持ちや護衛、男性家族(父、私、長男)の来客の応対や給仕

待遇

月給40万円から長男の部屋へのノックなし入室可、家事免除、部屋と食事付き、執事以外の使用人(妻の侍女や家政婦長メイド下僕料理人)に業務を命じられない権限及び必要であればそれらの者たちへ業務長男の部屋の掃除など)を命じる権限

2022-10-30

[]10月29日

ご飯

朝:なし。昼:カレー。夜:ポテロング。長いポテチ

調子

むきゅーはややー。お仕事おやすみ

ファミコン探偵倶楽部消えた後継者(スイッチリメイク版)

1988年ファミコンで発売されたアドベンチャーゲームリメイク

原作昭和作品ということもあり、ボリュームは少な目だし、物語も真っ直ぐ一直線で、良く言えば王道、悪く言えば陳腐シナリオだった。

資産家の屋敷で起こる連続殺人、村に古くから伝わる伝説との符号果たして犯人とは! と、ワクワクする導入ではあるも、別になにか解かないといけない不可解な謎があるわけでもなく、事実関係を整理していくタイプ捜査を繰り返して犯人に近づいていく。

トリックロジックを扱うミステリではなく、捜査過程における人間関係の妙を楽しむのは主だろうか。

主人公が真面目な少年探偵で、助手あゆみちゃんは同行せず別の場所調査をする展開なので、テキストが本当にシンプル

本筋に関係あることだけを集めていくため、ミスリードが全くなく、遊びが少ない。

特に折角のポイントアンドクリックコマンド選択式なのに、おちゃらけテキストがないのは、少し寂しかった。

と、ここまでは、流石に昭和作品から古いなあという当たり前を確認しているだけで、別に面白くなかったわけではない。

記憶喪失主人公右往左往しながら探偵をする序盤、二転三転する謎の人物顛末主人公自身も謎に組み込まれていく展開、そして最後に明かされる犯人の正体。

どれも意外では別にないので驚きはしないが、エンタメ作品としてきちんとツボを押さえていて、面白かった。

良い作品はいつ読んでも楽しいものですね。

またリメイクによってシナリオは据え置きなものの、背景やキャラビジュアルは非常に現代的なアドベンチャーゲームクオリティだった。

特に背景がすごい。

単純に綺麗という意味でもすごいし、背景を駆使した演出も手が混んでいた。

フルボイスで声優さんの演技が楽しめるのも良き。

特に主人公記憶装置解決し、彼の事実が明らかになるシーンでは主人公演じる緒方恵美さんの熱演が光る。ここは演出的にはシンプルテキストだけなこともあって、よりに。

続編のうしろに立つ少女も同様のシステムリメイクされているので、機会があればそちらも遊ぼうと思う。

2022-10-22

anond:20221022203930

熟女人妻30%OFF第1弾】【独占】種無し旦那のためにボロ屋敷へ行き30日間精子を溜めた独身男と濃厚種付けセックスを楽しむ人妻 JULIA

識者がそう言うならそうなんだろう

2022-10-19

[] 劇場版ドラえもん

「ドラえも~~~~ん!!!!」

のび太はいものように(ここまで書いた。以下全てAI

 

ドラえもんに泣きついた。

しかし、ドラえもんから返ってきた答えは意外なものだった。

「あー……すまないんだけど、僕、もう帰らなくちゃいけないんだ」

「帰るってどこへ?」

未来へだよ」

ドラえもんがそう言った瞬間、のび太スネ夫の目の前でドラえもんの体が少しずつ透け始めた。

「ドッ、ドラえもん!?

「どどどどうしたんだよ!」

慌てる二人にドラえもん申し訳なさそうな顔で告げた。

「ごめんよ。実は君たちと遊んでいる間にタイムマシンを壊してしまったみた……うわっ!」

ドラえもん言葉最後まで聞かず、二人は慌ててドラえもんに飛びつきその体を揺さぶった。

「なんでそんなことするんだよ!ドラえもんがいないと僕ら困るじゃないか!」

「そうだぞ!なんとかしろよぉ!」

「無茶言うなぁ!僕は今すぐ戻らないと大変なことになるんだ!頼むから離してくれぇ!」

二人がかりでもびくともしないほど強い力でしがみつく二人をどうにか振り払うと、ドラえもんは大きく息を吐いた。

「……とにかくだね、僕はもう行かないといけない。だから最後にこれを渡しておくよ」

ドラえもんポケットに手を入れ取り出したのは、小さな箱だった。

それを見た途端、のび太の目が大きく見開かれた。

「そっ、それは……まさか……!」

「ああ、『どこでもドア』だよ」

「いやっほおおおう!!」

大喜びする二人の横でドラえもんは少し不安げに呟いた。

「ただ、これは試作品なんだ。まだテスト段階のものだけど……」

「それでいい!最高だぜドラえもん!」

「早く使ってみようぜ!」

興奮して飛び跳ねる二人にドラえもんは苦笑しながら言った。「まあまあ、落ち着いて。まずはこの『どこでもドア』の説明をするよ。この扉を開けるとどこに繋がっているのか分からないけど、とにかく開けてみるしかないんだ。もし変な場所に繋がってしまったら、最悪帰れなくなるかもしれない」

「そっ、それでもいいよ!行こうぜ!」

「うん、行こう!」

二人は同時にドアノブを掴み勢いよく回そうとしたが、それよりも先にドラえもんがその手を止めた。

「待ってくれ!本当に行く気かい?もしものことがあっても大丈夫なのかい?」

心配そうに見つめるドラえもんを見て、二人は思わず吹き出ししまった。

大丈夫だって!何言ってんだよ!」

「それに、こんな面白そうなことを途中で放り出すなんてできないだろ?」

二人は笑いながらそう言った。そして、改めてドアノブを握ると大きく深呼吸をした。

「よし!じゃあいくよ!」

「うん!」

「せーのっ!!」

掛け声と共に二人はドアを思い切り開いた。すると眩しい光が差し込み、一瞬目がくらむ。次の瞬間、二人は全く別の場所にいた。

そこは森に囲まれ空き地のような場所で、辺りには大きな屋敷があった。しかし、その光景に驚いたのも束の間、今度は別の場所に移動していた。

先程までいた場所とは打って変わり、そこには見たこともないような立派な建物が建っていた。さらに、そこかしこ大勢の人が忙しなく走り回っている。

「ここは……一体どこなんだ……?」

呆然と立ち尽くすのび太の横で、スネ夫がぽつりと呟いた。

「なんか……すごく騒々しいところだな……」

「確かに……。ここって日本じゃないのかな?」

「いや、多分違うと思うよ」

突然背後から声をかけられ、二人は驚き振り返った。そこには、メガネをかけた優しそうな青年が立っていた。

「驚かせてごめんね。僕はエル・マタドーラ。君たちはどこから来たんだい?」

エルと名乗った男は優しく微笑みかけた。その笑顔につられて、二人は口々に自分たちの名を名乗った。

「ぼっ、ぼくは野比のび太です」

「オレは剛田武だ」

「ノビタくんとタケシくんだね。よろしく。ところで、どうしてここに来たんだい?」

「それが……僕たちにも分からないんです。気がつけばここにいて……あなたはここで何をしているんですか?」

「僕かい?僕は今からここで働くんだ。今日からこの城で働くことになったからね。……おっと、急がないと遅れてしまう。それじゃあまた会えるといいねバイバーイ!」

エルはそう言うと慌ただしく走っていった。

「えっ!?ちょっ、ちょっと!」

「おーい!待ってくれぇ!」

慌てて後を追いかけようとする二人だったが、その時再び光に包まれたかと思うと、またしても別の場所に移動していた。そこは薄暗い森の中だった。

「ここは……さっきの場所とは違うみたいだな。それにしてもあの人、足速すぎだろ!」

「でもどうしよう……このままだと遅刻だよぉ……」

「そうだなぁ……あっ!そうだ!これ使えばいいんじゃんか!」

「あぁっ!!そっか!すっかり忘れてた!」

ドラえもんから渡された『どこでもドア』を思い出した二人は早速使おうとしたが、そこで二人は重要なことに気付いた。

「……でもこれ、使い方が分からないぞ」

「……うん」

「参ったな……ドラえもんなら知ってると思ったんだけど……う~ん……あっ、そうだ!」

何か思いついたのか、のび太ポケットに手を入れた。

「確か、ポケットの中に説明書が入っていたはずだ」

「本当か?……お、あった!」

ポケットの中から取り出したのは、先程の箱と同じ大きさの箱だった。それを見た瞬間、のび太の顔が輝いた。

「これだ!きっとこれが説明書に違いない!」

「良かったぁ!これで安心して使えるよ!」

のび太スネ夫は嬉しそうに箱を開けると、中に入っていた紙を取り出した。

「えっと……なになに?この道具は……」

「……タイムマシン

のび太は手に持った紙の上の方に書かれた文字を読むと、少し間を置いて叫んだ。

「……はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

(ここから何度生成しても「ああああああ」を続けるだけとなってしまったので打ち切りします)

2022-10-17

勇者パーティ追放された勇者~最強職『弱者男性』に転職し無敵になる。後悔してももう遅い~

あらすじ

俺の名前増田太郎28歳。

勇者パーティリーダーだった俺はある日突然、仲間に裏切られ追放されてしまった。

どうしても許せなかった俺はブクマカに魂を売り最強職『弱者男性』に転職し、仲間たちに復讐することを決意するのであった。

――――――

「タロウ!お前を勇者パーティから追放する!」

魔王討伐の旅の途中、突如として剣士ユウスケがそんなことを言い出した。

「なっ……!?

俺は驚きで言葉を失う。

「ど、どうしてだよユウスケ!俺たちは今まで一緒にやってきたじゃないか!それなのにいきなり……」

「うるさい!もううんざりなんだよ!」

俺の言葉にユウスケは怒鳴って返す。

毎日毎日、女の人生イージーモードだの女は産む機械だの! いい加減ウンザリしてたんだ!だからてめえとはここでおさらばだぜ!」

そう言って彼は俺の仲間である僧侶ユイコ、魔法使いマイコの方を見る。

「ほら二人とも行こうぜ」

「わかったわ」「はい

二人はうなずき、ユウスケについて行く。

「ま、待ってくれよみんな!置いていかないでくれ!」

俺は慌てて三人を追いかける。

しかし――

「来るんじゃねえこクズ野郎!!」

ユウスケは立ち止まり叫ぶと、剣を抜き放ち振りかぶった。

そしてそのまま剣を振り下ろす。

「ぐあああっ!!」

剣によって切り裂かれた腹部から血が流れる

痛みに耐えきれず地面に倒れこむ。

「ふん、これに懲りたら二度と俺たちに関わるなよ?じゃあなクソ雑魚

ユウスケは笑いながら去って行った。

「……くそっ!」

俺は歯噛みしながら地面を殴りつける。

しかった。悲しかった。

せっかくここまで来たというのにこんな終わり方なんてあんまりではないか

ちくしょう……なんでこうなったんだ?」

なぜ俺はこんな目に合わなければならないのか。

もしかして俺が完璧すぎるせいで嫉妬されたのか?」

そうだきっとそうに違いない。

まりスペックが高い人間には嫉妬が集まってしまものだ。

そのせいでこんな仕打ちを受けることになったのだ。

ここのところ毎日夕食の時間に、「女は産む機械資源として男に平等にあてがうべきである」と持論を聞かせていたのだが、

ユウスケのやつは決まって顔を真っ赤にして「いい加減にしろ!」と怒鳴っていた。

恐らく俺の完璧すぎる理論を聞いて俺の知性に嫉妬したのだろう。

全く困ったものだと思う。

俺としてはただ事実を述べているだけなのだが……。

ちくしょう……。このまま死んでたまるか」

すると――

『力がほしいか?』

突然誰かに声をかけられた。顔を上げるとそこには謎の人物が立っていた。

「誰だお前は?」

いかけると謎の人物は答えた。

『私はお前たちの言うブクマカのような存在だ』

ブクマカだと?」

胡散臭い話だと思った。

しかし今は藁にもすがりたい気持ちなので聞いてみることにする。

「それでブクマカが俺に何の用なんだ?」

『お前の願いを叶えに来た』

「俺の願い……」

願うことなど一つしかない。

あいつらに復讐したい。力をよこせ」

俺がそういうと謎の人物は笑みを浮かべた。

『ふっ、いいだろう。ならばお前を最強職である弱者男性に生まれ変わらせてやる!』

そう言った瞬間、俺の身体から黒いオーラのようなものが出て、それが俺の全身を覆う。

『対価はお前の人生のものだ』

そして俺の意識は闇に落ちていった―――

「ん……」

目が覚める。どうやら眠ってしまったようだ。

「傷がふさがってる!?

腹部を見ると、あれほど深かったはずの傷が綺麗さっぱり消えている。

ステータスオープン!」

俺は自分能力確認する。

------

名前増田太郎

職業弱者男性

レベル:9999

体力:9999/9999

魔力 :9999/9999

攻撃力:9999

防御力:9999

敏捷性:9999

魔力:9999

運 :9999

スキル魔法攻撃無効物理攻撃無効状態異常無効不老不死蘇生、完全鑑定、アイテムボックス言語理解経験値10倍、必要経験値1/1000、無限レベルアップ、成長限界突破自動回復、全属性魔法適正、転移魔法収納空間作成、無詠唱、多重思考、並列行動、神速移動、未来予知、超高速再生、透明化、空中浮遊、探知、時間停止、因果律操作、時空跳躍、創造魔法 ---

これはすごいな!」

わず声を上げてしまう。

「これならあのゴミどもに勝てる!」

喜びのあまり踊りだしてしまいそうだ。「よし!まずはあいつらの居場所を探るぞ」

俺は探知系のスキルを発動する。

「見つけた!こっちだ!」

俺が指差すと、そこにゲートが出現する。

「この中に入れば奴らの元へ行けるはずだ」

俺は躊躇なくゲートの中へ飛び込む。

「ここが勇者パーティがいる場所なのか?」

ゲートから出た先はどこかの屋敷だった。

辺りを見渡すが人の姿はない。

「仕方ない。探すか」

俺は屋敷内を探し回る。

「お、いたな」

廊下で三人を見つける。

「おい!よくも俺を裏切ったな!」

俺はユウスケたちに向かって叫ぶ。

「ああ?なんだよてめえは?」

「ふざけるな!お前らが追放した元リーダー増田太郎だよ!」

「はぁ?なに寝ぼけたこと言ってんだてめえは?」

ユウスケは馬鹿にしたように笑う。

「お前らこそ何を言っているんだ?」

俺は首を傾げる。

「俺を追放したのはお前らだろ?」

「はあ?」

「忘れたとは言わせないぜ」

「いや知らんよ。誰だよタロウって?」

ユウスケたちは本当に知らないという表情をしている。

どういうことだ?なぜ俺のことが分からないんだ……

「そんなはずは……」

そこでふと思い出す。

『対価はお前の人生のものだ』

ブクマカが言っていた言葉

まさか……。

2022-08-30

anond:20220830105342

ここに詳細あったわ

参考になる

下山殿を側室に迎えてからしばらくしてのこと、元忠が屋敷に女を囲っていると徳川家臣の間で話題になります。それがどうも、家康が狙っていた馬場の娘らしい・・・。もしそうなら、元忠は家康命令無視しているではないか・・・家康は他の家臣にこっそりと調査させると、やはり噂通り馬場信房の娘を屋敷に住まわせているどころか、既に××まで進んでいることが判明。元忠が信房の娘を見つけても彼女は一歩も引かず毅然としてふるまいました。死線を潜り抜けてきた元忠、やっていることは人さらいなのでさも信濃の人々にとっては恐ろしく見えたことでしょうが、流石そこは馬場美濃守が娘、気丈な彼女に元忠は惚れ込み己が妻にしてしまうのでした。なお連れて帰ってからの2人の動向はしばらく不明。そこは妄想がはかどらないかちゃんと記録に残しておけよ元忠。

元忠にお目当ての娘を奪われた家康。ですが怒り出すようなことはせずむしろワハハと笑いながら「流石、彦右衛門めちゃっかりしておるわ。婚姻を祝う準備しておくから正室を一緒に見せに来いと伝えておけ」と正式に元忠の妻である公表するのでした。

その後、元忠と彼女の間には3男1女に恵まれます関ヶ原を前にして夫・元忠が伏見城留守居していた時、彼女は夫が籠っている伏見城図面を見て

「松の丸が守りに非常に弱い構造となっている。落ちるとするならばまず松の丸が原因になるでしょう」

と元忠から留守を任された家臣たちに言っています事実伏見城の戦いでは松の丸が最初に落とされ、そこから雪崩式伏見城落城してしまいました。流石は築城名人馬場美濃守の娘、血は争えぬと人々は大いに驚嘆したとのことです。

http://niwareki.doorblog.jp/archives/27032859.html

anond:20220830095305

掃除機「かつて、屋敷中のちりを吸い込む魔物がいた……」

2022-08-14

出生率が高いのはどんな地域

anond:20220614165753

どうも元増田です

ずいぶん前に出生率について書いて、色んな疑問、例えばなんで栗東市出生率が高いのか、といった疑問をブコメでもらって、

いつか書いてみようかなと思いつつ、ついつい忙しくてお盆になりましたとさ

というわけで、出生率が高い地域はどんなところか書いていこうと思うよ

出生率が高い地域の条件

最初から結論を書いちゃう

1.door-to-doorで工業都市へ30分以内or東京大阪名古屋へ1時間半以内(もちろんandであればなお望ましい)

2.一般労働者でも広々とした家が買えること

この二つだよ

もちろんこれ以外にも要素はあるだろうけど、それは例えば「周囲から結婚圧力がある、出産圧力がある」みたいな話で、

あるかもしれないけど定量的に測りようがないし、それを答えとするのではみんな納得しないだろうしでいったん無視するよ

具体的に出生率の高い地域とは

最初に一番重要出生率データだけど、一覧性を考えて以下の日経データを参照するよ

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/regional-regeneration/birthrate-map/#8235

基本的出生率数字はこの2013~2017の数字を指すことにするよ

ちなみにここには全国平均の出生率が書いてないけど、この期間の全国平均は1.43だよ

で、さっそく栗東市の話を~としたいところだけど、まずは大都市への近さの話をするよ

流山市つくばみらい市

一番わかりやすいのは、この2市だね

場所がわからないよって人に向けて言うと、流山市チーバくんでいうところの鼻の下あたり、つくばみらい市はそこから東方面の茨城県に入ったところだよ

出生率流山市が1.58、つくばみらい市が1.65

なぜこの2市が高いかといえば、つくばエクスプレスがあるからです

つくばエクスプレスは新しいのと郊外を走ってることもあってスピードが出せるんだよ

つくばエクスプレスができたのが2005年なので、このデータの推移を見るとこの2市が右肩上がりなのがわかるでしょう

栗東市

前回比較に出した栗東市だよ

出生率2.02

栗東市場所滋賀県南部やや西寄りのところだよ

栗東市は何があるって言うとそれはもう工場だよ

東海道新幹線に乗って車窓を見てると、北側にめちゃくちゃデカ積水化学工場、両サイドにこれまたデカ日清食品工場があるんだけど、

これらがあるのが栗東市だよ

特に日清自社工場が5か所と協力工場6か所があるんだけど、そのうち自社工場2か所(滋賀工場関西工場)があるのが栗東市だよ。(ちなみに他の自社工場茨城静岡山口

ただ順風満帆だったわけじゃないよ

新幹線新駅を見込んで土地を買収していたのに嘉田知事誕生で直前に建設中止、その後リーマンショック

傾いた財政を立て直すために市長が選んだのは徹底した企業優遇市民サービスカットだよ

からいまだに栗東市子供医療費無料化は就学前までと全国最低レベルだよ

それでも充実した雇用先で高い出生率を保持しているのが栗東市だよ

福知山市

関西方面出生率が高いところとなると、京都府福知山市も見逃せないよ

出生率2.02

下の福知山市資料を見てもらうとわかりやすいと思うけど、

https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/site/promotion/27481.html

福知山市がすごいのは通勤時間の短さだよ

平均通勤時間が片道で18.3分、楽々だね

かといって祖父母は近くに住んでいるけど、3世代同居は少ない=新しく家を作るだけの開発余力もあるってことだね

忍野村

関西から離れるけど(別に関西にこだわる理由もないんだけどね)山梨県忍野村を見るよ

出生率2.06

日経地図山梨県を見れば一つだけ真っ赤な場所があるからすぐわかると思うよ

忍野村がすごいのもやっぱり工場だよ

RESASっていう内閣府データを見てもらえればわかると思うよ

https://resas.go.jp/industry-all/#/map/19/19424/2016/2/4/1/-

これは企業付加価値産業割合を表示したものなんだけど、ほぼすべてが製造業

なんでこうなるかというとファナックっていう産業機械世界メーカー工場があるからだよ

Googleマップなりで見てもらえればわかるけど村に対して巨大な工場群があるよ

数字で言うなら忍野村可住地面積(ざっくりいえば平地の面積)が11.5平方キロにたいして、(正確に言えば隣町の山中湖村も含むんだけど)ファナック工場の面積が1.8平方キロだよ

まり村の平地の1/7くらいが1社の工場敷地だってことだね

 

では栗東市福知山市忍野村はなんでこんなに工場があるかって言うと、十分な開発可能土地があること

そして高速道路だよ

栗東市名神高速栗東IC栗東湖南IC福知山市舞鶴若狭自動車道福知山IC忍野村は村内にはICはないけどファナック工場の真横に東富士五湖道路山中湖IC

実をいうと栗東市はこの手の話をするときにはよく出てくる街で、なんでかといえば田中角栄日本列島改造論で、「高速道路で豊かになった街」として栗東市(当時は栗東町)が紹介されるからだよ

事実こうやって安定した雇用、そしてその結果として高い出生率享受しているわけだから、そりゃ70年代80年代に全国の首長が競って高速道路陳情をしたもの当然なわけだよね

おおげさじゃなく、村の存亡がかかってるわけだから

道路is政治政治is道路と言ったのは竹下登だと言われているけど、まさにそれが昭和後期の政治だったわけ

 

と、こう書くと、「なるほど、やっぱり少子化対策に一番重要なのは所得、そしてインフラなんだね!」ってなるかもしれないけど、そう結論付けるのはちょっと待ってほしいんだな

所得村(ただし...)

大都市ではないけど高所得な村を2つ紹介するよ

飛島村

愛知県にある飛島村だよ

この村は昔々、伊勢湾台風で甚大な被害を受けたんだよ

その復興策として当時の愛知県が全力で投資をしたんだよ

その結果、県内有数の工業地帯になって、圧倒的な法人税収を手に入れたんだよ

その結果として

・18歳までの所得制限なし医療費無料化はもちろん、

結婚で5万円、出産小学校中学校入学10万円給付

公立中学校なのにアメリカホームステイ制度もある

まり関係いから詳しくは書かないけど高齢者予算も潤沢だよ

 

これだけ仕事もあってお金もあって子育て予算も潤沢なら、さぞ出生率が高いと思うじゃん?

飛島村出生率は1.56です

ちなみに愛知県の平均が1.55です

まりほぼ県平均

 

なぜこうなるかというと、市の大半が洪水リスクから市街化調整区域指定されているからだよ

このために住宅地を増やすことがほぼ不可能なんだ

このためによその人が入ってこれないんだね

 

から愛知県内では、十分な土地があって、工業都市豊田市大都市名古屋市のどちらにもアクセスできる日進市(1.85)、みよし市(1.80)、刈谷市、(1.80)、大府市(1.93)のほうが出生率が高いんだ。

地域から移住が望めるからね。

猿払村

次は北海道猿払村

ここも昔は貧しい村だったんだけど、近年はホタテ漁があたって、

たとえば2017年では、地域平均所得港区千代田区に続く全国3位になったよ

漁業が主軸なだけあって変動が激しいけど、平均すればだいたい全国10前後、具体的に言えば品川区と同レベルで推移しているよ

これだけ高所得なこともあって大きなお屋敷が立ち並んで、ホタテ御殿と呼ばれているよ

 

そんな猿払村出生率は1.63

全国から見れば高いといえば高いけど、隣接する稚内市(1.58)、豊富町(1.54)、頓別町(1.56)、幌延町(1.69)とくらべると、「やや高い」という水準にとどまるね

なぜこうなるかといえば簡単な話で、高所得なのはホタテ漁師だけだからだよ

よそ者猿払村移住していきなりホタテ漁師になれるわけじゃない

ホタテ加工工場仕事はあるけど、賃金水準は低いよ(ま、それでも仕事がない村よりはましかもしれないけどね)

 

この2村からわかるのは、もちろん経済力があるに越したことはないんだけど、より出生率重要なのはいかに「出産適齢期の移民」を入れるかってことだよ

経済はその移民を連れてくるのに一番手っ取り早い「宣伝」になるってこと

なんで高速道路はうまくいかなかったのか

さて、上で高速道路で村が活性化する話をしたんだけど、今そういう話をしても誰も信じないよね

なぜかといえば、やはり限界があるからなんだ

たとえば栗東市高速道路武器日清食品工場を誘致したわけだけど、高速道路によって日本工場が増えたわけではなく、

実際は日清はほぼ同時に高槻工場を閉鎖しているんだ

まり移転なわけだね

栗東市での雇用が発生したのと同時に高槻での雇用が失われた

からと言ってゼロサムってわけでもないんだけど、プラスなのはあくま効率化した分だけなんだ

から市町村単独プラス効果分だけ見て、全国に高速道路ができたら全国でどんどん工場ができるって言うのは間違いなんだよ

 

...って言うとみんな納得してくれるんだけど、それは少子化対策も同じだよ、って言うとみんな怒り出すんだ

同じロジックで同じことを言ってるだけなんだけどね

 

市町村単独出生率を上げることはできる

ただしその大部分は他の市町村から奪ってきた出生率

仮に令和の所得倍増計画が本当に(しかも実質で)実現して日本全国が飛島村状態になるとかい池田勇人もびっくりな経済成長が起こったとして、

せいぜい到達できる出生率は1.55程度(つまり+0.1程度)

なぜなら全国で経済成長しちゃったら若者の取り合いが起こらないか

 

もちろん市長さんが自分の市の人口を増やすためにポテンシャルを生かして試行錯誤することはいいことだよ、賛成

子育て支援を増やすことはいいことだと思うよ

でも、あたかも全国でそれができる、どんどん出生率が上がるかのように言うのは不誠実だね

親が一流企業部長東大生が、「生まれ学歴なんて関係ないよ」、「誰でも普通に勉強すれば東大合格できるよ」って言っちゃうくらいのうすら寒いものを感じるよ

 

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追記

思いのほかコメントがついてびっくりしているよ

沖縄はどうなの?チェリーピッキングじゃないの?って言うコメントについては、半分そうだね

最初にも書いたけど、どうしても「地域性、地域空気」みたいなものは強くて、上でかいた内容で出生のすべてを説明できるわけじゃないよ

ただそういう話に踏み込もうとすると、データの不足(というか「地域空気」のデータなどない)もあるし、どうしても「男女論」的な雰囲気がまとうから避けたね

とくにはてブって男女論は燃え上がりやすいからね

単純な男女対立みたいな話にはしたくないから書くとしたら気を使って書かないといけないから、書くとしたらまた先になっちゃうかも

データで見れる範囲で書くとしたら、ブコメリクエストのあった奈義町を中心に書いてみようかな

ではまたいつの日か

2022-08-07

霞提越水洪水と思えないのは現代常識のため

長浜市高時川が氾濫した航空写真の件で「あれは遊水地だから洪水じゃない」と言ってる人が多いのだが、あれも洪水です。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/kentaoki/status/1555648450955735040

 

洪水っていうのは普通水が流れない場所に水が流れてる事をいうので、河川敷河原が水没しているのも洪水なのだ

から記事の「河川敷も水没」っていう記述文句言うのもおかしいのである

 

川と人間活動地が堤防で仕切られているという常識最近のもの

そもそも河川堤防の向こう側=人間の営み無しの地というのは今は常識になっているが、この常識は精々50~100年程度の歴史しかない。

人類文明有史以来水と戦ってきたが、それは必ずしも堤防で川を閉じ込めるという意味ではなかった。氾濫が頻発する箇所は氾濫するに任せておき、水が少ない季節に洪水で肥沃になった土で農業をするという方法もあった。

田んぼというのはこの最たるもので、田んぼに適した土地というのは要するに河川の氾濫原だ。水も引きやすいし度たびの洪水でぐちゃぐちゃで栄養豊かな土のある平地。

そもそも低地での河川というのは思いっきり出鱈目に蛇行したり枝分かれしたり三日月湖が残って沼になったりと無茶苦茶な流れ方をするもんである

例えばこれは熊谷の昔の河川状況を地質から推定した地図だが、見よ!この荒川の出鱈目ぶりを!

https://maps.gsi.go.jp/#13/36.175990/139.352903/&base=std&ls=std%7Clcmfc2&blend=0&disp=11&lcd=lcmfc2&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m

 

そもそも真っすぐな箇所なんて皆無だったのだ。真っすぐな箇所は全て明治以降工事したもんだ。

そのままじゃしょうがいからこのうちのある程度真っすぐな河道を選んで繋げたのが今の荒川だ。しか江戸初期まで元荒川を流れて幸手とかをぐちゃぐちゃにしていて開拓邪魔なので切り替えられたのだな。

それでも蛇行しまくりで氾濫起こしてばかりの川から田んぼ集落をを防御しなきゃならない。

そこで河道から1km近く離れた箇所に低い堤防を築き、その堤防の中の田んぼや家の人は洪水の際は泣いてくれやとしたのである。これを「堤外地」と云う。堤防の中が堤外なんだな。

こうすると水の流れが弱まるし遊水地効果で水位の上昇も抑えられるから堤防に対する攻撃性が低くなる。

で、この広い堤外地があってそこが浸水すると当然泣く人も多く出るというのが当たり前の状態だったのを近代治水で無くして来た、というのが今の状態なのだ

 

から外地浸水するのを「洪水じゃない」と考えるのは現代治水が頭にあるからなのだ

一方で霞提というのは近世からある訳で、こっちは「堤防で全てが守られるのが当たり前」じゃない時代のものなので、そのせいで水没した土地を見て「これは洪水じゃない」と言っちゃうわけだ。

現代のものを見て現代価値観を援用するので、被害が出て泣く人もいる状況を「洪水じゃないし問題ない」と処理しちゃうのだ。

という訳であれもちゃん洪水です。

以上の理由から河川敷が水没するのも洪水であるのはお分かり頂けるかと思う。堤外地があるのが当然だったし今も残るので「洪水」は堤防の向こうこっちを隔てないのでありますよ。

 

地役権近代制度

地役権の事を書いてる人もいるが、これは河川工事で誰かの田んぼを遊水地にする時に設定するものだ。

例えば先の荒川でいうと、熊谷彩湖までの河川敷というのはとても広い。特に鴻巣の辺りは河川敷が2km以上あるのだな。広すぎ!

これはこの広い河川敷洪水時の遊水地にする為で、大正工事がされた。

すると当然この中の家の人は田んぼ洪水時に水没しちゃうし、家を建ててもパーになるから建てられない。

こういう時に地役権設定がされるのだ。

地役権は元々、あんたの土地を使わせてほしいから金出すよ、でも工作物とか建てないでくれよって時に、登記簿に設定する民事契約の事だ。水路引かせてとか通路引かせてっていうのが多い。

河川場合は「この土地洪水で水没するって使い方させてくれ」っていう国と地主契約だな。

一方、霞提は近世の仕組みだから、わざわざ地役権設定する動機っていうのがないので、補償を受けらるようにはなっていない可能性が高い。(農協共済で救済されるが)

 

という訳で、堤外地と遊水地、地役権といった概念時代背景がごっちゃになって、古いものを見るのに現代基準を拡大しているのが誤解の原因と思われる。

色々トリビア

これだけじゃなんなので細かいトリビア開陳すると

 

古い堤防の跡は結構残っている

昔は河川から離れた個所に堤防を作ったと書いたけど、その跡は住宅地の中の一段高い土地として残ってる事が多い。

宅地化すると土地を均す事が難しくなるのでちょっと高い土地っていうのが残り易いのだな。~~曽根なんて名前地名があるところはあやしいぞ。

こういう土地ゲリラ豪雨の時にも浸水しにくくてお得なんだけど、その近傍は水がせき止められるので水位が上がりやすく注意が必要だ。

 

外地は実はあまり浸水しないが…

外地であっても浸水しにくい箇所と水位が上がりやすい箇所がある。

例えば荒川彩湖下流の笹目橋付近が狭いのでその下流は水位が上がり難い。また熊谷彩湖中流域の堤外地に家やサーキット教習所がある所もあまり浸水しない。40年くらい水没しなかった箇所が殆どだ。

それで当初は水没して困るものは置かなかったのだが、段々とエアコンとか高価な家電設備とかを置くようになってしまい…

そこへ台風19号ですよ。当然電気モノは全滅で結構な損害を出したと聞きます

 

横提を電車が走る

近世の霞提に対して、近代治水では横提というのを使う。

広い河川敷普通堤防と直角の堤防を築いて、洪水時に河川敷の方の流れが連続しないようにする。遊水地機能をアップさせて下流の水位が上がるのを遅らせるようになってるわけだ。

例えば荒川を渡る川越線は鉄橋を渡る前に土手を走るが、実はこの土手、新たに作ったものじゃなくて横提の上を走っているのである

 

江戸川区、洪水警報が発令されてからじゃ逃げられない

江戸川区の殆ど荒川破堤時には浸水地域になると区が警告して話題になったことがあったが、荒川上記構造により豪雨発生時から水位が最大となるのに1日以上余裕がある。

荒川堤防のかさ上げ工事を行っているが、ネックになるのが鉄道の鉄橋で、鉄橋の部分だけ堤防が低い状態になっている。

まり水位が上がると一番危険なのが鉄橋であり、越水破堤する場合は必ず鉄橋付近から起こる。

以上の為に、水位が上がると鉄道が不通となるので、サイレンがなってからでは電車で逃げる事が出来ないのである

必ず前日に決断せねばならない。

 

最近まで二子玉川には堤外地住宅地堤防の切れ目があった

多摩川二子玉川駅の真下から南に掛けて、堤防住宅地の外側にある箇所があった。

たここには煉瓦造りの堤防の切れ目があった。

元々ここは料亭芸者屋敷などがある地域で、大正近代的な堤防工事をする事になったら「堤防で川が見えなくなる、商売あがったりだ」と反対されたのである

そこでここを堤外地として堤防を築造して、交通の為に堤防に切れ目を入れた。洪水時になりそうなときは2枚の板を入れてその間に土嚢を投入する(角落しという)。

角落しが間に合わない場合ニコタマ全域洪水である。堤外地料亭群は全部水没して流されてしまうが契約なので仕方がない。

ところがこの料亭群は戦争で早々に潰れて宅地として売りに出されてしまい、危ない住宅地が出来てしまった。

この為に10数年前から新たな連続堤を作っている。つまりこれまでずっとニコタマは水害的に危険地域だったのだ。

 

信玄提あまり残ってない

霞提の代表格は信玄提なんだが、甲府盆地河川近代化が進んで殆ど連続堤に改修されてしまっている。土地利用が制限されるので発展の障害なっちゃうので仕方がないな。

支流に幾つか残すのみである

2022-08-06

リコリス・リコイルキモいところ

前線少女と銃後の大人という構造からガンスリ(とかエヴァとかあのへん)の亜種として良いと思うが、それら先行作品と比べたときリコリス少女のみで構成される理由(※)や、少女前線に立たせる搾取構造に対する大人側の自覚とか罪悪感がすっぽり抜け落ちていてさすがに気味が悪い。

アサウラバニラのころからこういうところがあって、物語少女大人社会)という対比ではなく少女少女という2者間の関係性で回収することで、俎上に載せたはずの搾取構造をうやむやにしようとする。要するに百合を出せば他がザルでもオタクブヒブヒ鳴くんだろという作り手の舐めた態度がアニメから透けて見えてキモいという話なんだが、増上慢になるだけのウェルメイドな仕上がりになっていてそれもまたなんか鼻につく。

まあしかしこういうザ・老害みたいな感想を書くと自分老いを感じて嫌になるね。たぶん若い世代はああいうのなんの疑問も持たずスッと面白がれるんだろうな。

 

追記

いやーほんとブクマカとかトラバしてくるやつはアホしかおらんな。抽象的に考えることができないばかりか俺が書いてることも全く理解できてない。

ようはリアリティラインをどこに置くか(物語の中のどのライン整合性を取るか)っつー問題なんよ。死人が出ない設定ならこのままでいいの。リコリスが使ってるのは鎮圧弾で、テロリスト犯罪者からの銃撃に対しては特殊な訓練を受けてるから殺されることはない、とかね。だけどリコリスバンバン殺されていく。なのに大人側は対処する能力がないのかそのつもりがないのか何もしないし、なんなら何も感じてなさそうですらある。さすがに薄気味悪くね? って話なんよ。似た構造を持つ鬼滅の刃問題なかったのは、少年兵基本的に鬼に肉親を殺されているアベンジャーであることと、頭領である屋敷当主自身が業を背負っていて悲惨な死に方をすることが運命づけられている&死んでいった鬼殺隊全員を記憶するという肉体的にも精神的にも「責任を負う側」の人間からだよ。ガンスリ責任を負うというより報いを受けるって感じだが、物語的に帳尻合わせをしてあるという点においては同様。

リコリス・リコイルはそのへん完全にガバガバだよね。少女死体を積み上げてまであん治安の維持の仕方をする必要あんの? しかも別段特殊能力があるわけでもないただの孤児ってだけで戦場行きだぜ? エグくね? いや大人は軒並み揃って外道でそういうディストピアを描いてるだけなんです、って話なら最初からそういう顔しとけよ。

少年兵もいましたね残念www」みたいな馬鹿コメントをしてるアホがいるけど、子ども大人から搾取されてる構造を描いておきながらそこに完全に無頓着という意味では何も変わらんのよ。ヘタに男女で分けてると、それ分ける意味どこにあんの? って話になってくるわけ。男女混合でもなんでも能力の高い順に部隊分けして事件難易度に応じて投入する部隊を編成する方が理にかなってるし、そもそも少年少女に戦わさせる必要ある? 大人で良くね? って話になってくるので、なんなのこの世界ってことになるんよ。

少女が銃バンバンやって百合やれば撮れ高高いよねという話は普通にわかるけど、作ってる側があまりにそれ以外がガバでも萌え豚ブヒブヒ鳴くよねって態度なんでクソだなコイツラって話なん。

ここまで書けば理解できる? アンダスタン?

 

現代日本だと女子高生が最も警戒されないからなどという理由で押し通せると思うのはアホ

2022-07-27

anond:20220727150232

あるだろ。

ゴキブリ屋敷に住んでるくせにゴキブリよりもナメクジの方が危険だと喚きまくってる奴がいたら馬鹿だろ。

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