はてなキーワード: 野比のび太とは
俺はカップメンの値段がドンキホーテで128円であることを知る本物の庶民なので全てを庶民感覚で語らせてもらうが、最近税金が増えているのは日本が経済的に成長したせいだと思う。
でも俺たちの給料は増えていないので相対的にドンドン貧困になっていく。
それどころか食品の値段も上がっていく。
ドンキホーテで108円でカップ麺が買えたことを知る俺の庶民感覚によれば、間違いなく庶民の目線においては食費は上がっている。
じゃあそもそも何が起こっているのかを考えていくと、どうも金持ちの給料だけは上がっているらしい。
上がり続ける金持ちの給料を維持するために売り上げが必要とされ、でも貧困層の給料に還元されないから相対的に貧しくなってる。
なんで貧困層の給料が上がらないかと言うと、貧困層は富裕層ではないからである。
富裕層は富裕層の給料を上げることに興味はあるが貧困層の生活には興味がない。
貧困層のことを同じ街に暮らす野良犬ぐらいにしか思って無いし、自分の会社がそういった(富裕層目線で)人間未満な生き物が働いていることに実感もない。
むしろ世界的なインフレに自分たちの利益を追いつかせるために更なるコストカットが必要だと思っている。
まあそりゃそうなると思う。
だって俺たちはそれに対してストライキも起こさないしドン・キホーテでバタフライナイフを買ったりもしない。
薄くなり続ける財布に絶望しながらドン・キホーテで発泡酒を買おうとした時にふと金がないことに気づいて大五郎を炭酸水で割れば安く済むのではなんて考えるだけで、富裕層と戦う気なんてない。
そんな俺達が選挙に行って自民党に入れればいいのか共産党に入れればいいのか分からなくなってとりあえず民主党と書いてから、ふと家に帰って「そういえば民主党は2つあるぞ?俺の票はもしかして無効になるのか?」なんて頭を抱えることになるんだ。
もう無理だ。
子供の頃に読んだドラえもんの歴史漫画で、お触れの看板が出る度に字がギリギリ読めるだけの町民が意味を理解できずに議論しあってるシーンがいくつもあったが、オラたちはあの田舎っぺと同じだっっっっぺええええ野比のび太の方が賢いんだぁ……
もう無理だ。
世界の経済成長に日本の心が貧しい富裕層が必死に追いつこうとして、更なるコストカットで給料が下がり続ける中で、それでも社会保障を維持するためになんかめっちゃ金がかかるし公金チューチューされるからきっと増税は止まらないんだ。
メガネが悪いと言い切るにはあまりにも世界が増税に傾きすぎている。
増税によって減った利益を富裕層が取り返そうとし、自社製品の値段を雑に釣り上げたり、公金チューチューのギアを上げ、そうしてまた増税が続く。
富裕層による富裕層のための増税ループの中で、オラたつにはもうなんもできね。
もうだんめだあ諦めて月収10万円でドン・キホーテで350円のカップラーメンを買って餓死するしかねえんだ。
んだんだ。
もう日本が全部駄目なんだ。
せめて出来ることがあんればぁ、せんめて日本中の政治家と資産家と社会活動家ととにかく偉い連中の墓掘り返して、そこに丑の刻参りの藁人形なり蠱毒で作った毒ムカデなりを叩き込んで、あいつらがなんかのまつがいで天国いっちまってたらなんとか地獄に、地獄に行ってたらもっと酷い地獄に行くように呪うことぐらいだあ。
おらたちに未来はねえんだ。
復讐もできねえんだ
21759.匿名@嫌い派 04-07 14:23 [通報] [非表示] [返信]
音霊魂子(panana#4949)のVALORANTの試合をまとめました
https://docs.google.com/spreadsheets/d/18tsDF5V6p6kFVKyCLYp0xH6Kf6ctkbaOnltCtI8EWrc/
21760.匿名@嫌い派 04-07 14:24 [通報] [非表示] [返信]
音霊魂子(panana#4949)とVALORANTの試合で同じパーティになった回数をまとめました
【410回】
ごず(はちみつりんご#のど飴)@_gozu777@gozukundayo
【262回】
ろこそら(Origin Roco#べんとう,わんりきーろこ#ぱわー)@okuraroko@uirougashi
【246回】
02,れつ(ぽかりのみたい#pokar,おむらいす#omu,ぱんなこった#3392)@02pokari@02pokari_sougo
【196回】
最中かーる(monaka0033#7733)@curl_Q_@curl_sub
【185回】
サクタリアス(サター#JP1)@sakutariasu@sakutariasu0204@gakkunyama@sakutariasu1234
【173回】
ゆう。(ゆうまる#pyo)@_Yuou@Yhuous@Yuoumr
【167回】
リーゼフェルト(LyzeFelt#めがね)@LyzeFelt
【148回】
はちてん(HxPHachi#6451)@hachiten8@hachiii810
【90回】
meteoo#001
【89回】
ペケペケ(pekepeke717#9498)@peke_peke717@peke_Sab
【88回】
マキオ(大阪在住33歳#4525)@makio_elecom@V_04510
【74回】
筋肉本舗#JP1
【71回】
MIZUKING(Clutch MKing#Movie)@mizuki_mov@mizukichi_mov
【60回】
春希(春希718#3975)@hrk7aui@hrk7aui_sub@hrk7ura
【53回】
Valshe427#123,VALSHEV#8646
【50回】
びとー(怪奇ハチミツぺろぺろ男#6101,bitooo#6101)@b1too_h
【47回】
KYOJYUR0(KYOJYUR0#3676)@Cos_Kyojyuro_V@COS_840
【41回】
muu#Purin
ナナクラタクミ,七瀬タク(7T4KKK#古関ウイ)@IAM7T4K@7se_taku@7se_otakukun
【32回】
れいきら(おしり#ぺんぺん)@reikira_yutube@reikira_sab
【29回】
おいなりせんせー(シルベスタスタスタスタローン#歩くな)@oinari_sensei@sub_oinari
【27回】
こんだみん(kondamin#5678)@kondamin0413@sabu_kondamin
【22回】
LEIA(LEIA#iskw)@Leia_yAy
【20回】
石狩あかり(NIGHTFALL石狩#AKARI)@ishikari_akari
mepo#001
【19回】
【17回】
うにいくら#sushi
【16回】
bokua#7161
【15回】
Patrick#RIP
【14回】
栗駒こまる(坂上智代#2222)@kurikoma_komaru
【13回】
【12回】
Bosna(Bosna#2931)@BosnaYT@bosmm2
夜乃すみ(YorunoSumi#9233)@Yorunosumi_vt
【11回】
じゃへい(jaheyhey#4141)@jaheyproject
【10回】
賭雨るぅる(青色のたぬき Twitter#0001)@kake_r@kake_ta
Sou(SOUCHANBLUE#2525)@nico_nico_sou@s0q0u
パカエル(pakael#8376)@paka_el@P4K4EL_sub
【9回】
瀬島るい,そらいろくぅP(ruiseshima#9310)@Rui_Seshima@sorairo9p
ばたーくっきー(ばたーくっきー#758)@sexyBC69@butterrrrr2nd
水城碧(aoi#0626)@HP_mizukiaoi@aochan_sb
【8回】
天守なこ(呼吸が上手#777)@AmamoriNaco@naco_ura
山黒音玄(nekurooooon#2653)@yamaguro_nekuro
ミラージュボンバー(蜃気楼爆弾おじさん#Hello)@MirageBomber@MirabomSub
なんこつ#8221
弦月藤士郎,尾北ねむ。(GALmindBABY#ゥチら最強)@1O46V@Gn2qi@x2zzx
【7回】
みこだよ(みこだよ#d4yo)@M1ko_d4yo@sab_d4yo
hamadi(はまたにえん#2815)@hamadi_jp
ようづき(ようづき#shiro)@Shiro_Youduki
yue(yue#0000)@64xk@btikuuu
【6回】
moa#7275
roro(和田正雄#1952)@micromacro_@rorozatu@rorozonesu
LOB(FAV L0Bgachi#L0B,kÄni#6762)@LOB__LOB
ZackFirst#4286
【5回】
chi7,ちなち(ちなち#TxT)@Qooix@qb_chi7
なさん(nasann0409#JP1)@nasann0409@HonmaNasann@eiji39641224
優木なお(naochixxxx#エビフライ)@yu_kinao@naochixxxx
Ak1to(Ak1to#2222)@Ak1to_JP@Ak1tosub
胡麻乃りお(LIOGOMANON#1050)@gomalio_y@gomanoliov@gomanoliosan@gomalio_ica
あるまじろ(よわよわぽてと#115)@aruma_zilou@mazilo_sub
まめ(mame#2615)@mm_23_22@mameshichan
ななかぐら,カグラナナ(kanimitainaikura#7525)@nana_kaguraaa@Kagura_Nanaa@kagura_pepper@nana_kagu_ra
ととみっくす(tototMix#JP0)@mix_totot@Marltoto
椎名唯華(siinatra#417)@yuika_siina
【4回】
ユリイ・カノン(YURRYCANON#2556)@yurryCanon@xxi_world
ふたつ(onigiri#7266)@hutatsutwo
たなか,ぼくのりりっくのぼうよみ(tanakadesu#6335)@aaaaaatanaka@sigaisen2
なつざわ(onatsu#おちゃ)@natsu_26za@natsu_sub26
あしたがんばるる#7286
三角でるた(HSGWKIT#2286)@SANKAKU_DLT@sankakuDELTAkun@HSGWKIT
おだのぶ(おだのぶVTtuber#0819)@oda_nobu_ga
【3回】
大代真白(米騒動#2640)@oshiro_mashiro
モニ研(モニ研#7777)@medifav@monikensub
河原まゆ(河原まゆ#0817)@_mayuuu___@tanrei315
霜月めあ(めあ太郎#JP1)@melomea030@meachan_honpo
ワルキュアーレ・ユノ(綾波レイ#Ayaka)@VaLkyareYuno@SabkyareYuno@AyanamiREve@MinaByleth
わんず(Meteor わんず#8492)@ones_hbp1216@Snobby_ones
ほうき(ほうき#0213)@Houki_0213@0213sub
Nii(野比のび太#ドラえもん)@nobinobita_d93
くお犬(これはもしかしたら#inu)@kuoinu@kuoinu_sab
日向夏レト(日向夏レト#みかん)@xOretochanOx@subrtc_1224
れれい(Rerei#1863)@Rerei_V@Rere_Sb
鬼多見アユム(nikuudon96#1723)@kitamiayumu
CHiCO(CHiCOちゃんまん#1824)@CHiCOxxx_tweet
錦山夢鷹(Mut4ka#3967)@mutaka_cheriko
頑張るます#Anya
ミュシャ,葉桜このは(tempuraoisii#6439)@misa_chainchroA@konoha_hazakura
おとぎ(Otogi#JP1)@tweet_otogi@otogisub
ひまわぴ(himawapi#1762)@hima_wapi@himawari_nstar
【2回】
不磨わっと(김민규#4444)@Wat_Huma
Middleee(MIDDLEEETV#1234)@MiddleeeTV
natumi yume#8866
蜻蛉むつみ(Mukun#0623)@TonnboMutsumi@623_Sub
いかさん,松岡侑李(oikasano Twitch#7923)@oikasano@ikasan_sub@otakosano@ikasan_sing
yuukare#9384
白熊りん(白熊りん#1480)@9m_lynn@9mly_sub
天羽咲(sakinyan#4278)@amh_cos@amh_sub@sakinyan_cos
ツカハラミノリ(minorinko#JP1)@minori_sisiza
白栖(shirasu#8009)@Shirasu_ne5
セヲハヤミ,ぼくをすこらねば(セヲだよ#1393)@seohayami83@sukoraneba
じょじょおじ(JOJOOG#4772)@PUBG_JOJOOG
小雀とと(Toto0v0#4940)@toto_kogara
夜絆ニウ(うにょ#0427)@niu_yozuna
星屑よぞら,嫉恋魔なのか(星屑よぞら#ついっち)@HoshikuzYozora@JirenmaNanoka
【1回】
月夜魅(いちごぐーにゅー#JP1)@15GuNyu@51GuNyu@87GuNyu
ぽてうさ(poteusa#JP1)@culq_@cyantikt
無印良品#2929
二番煎じ(2ban1000ji#6426)@2ban1000ji
みざ(始めようグランブルーファンタジー#miza)@ru324@ru324d
亜咲花(究極封眠龍AK#0215)@AsakaOfficial
Luk4s(Luk4s#8260)@Luk4svalo
栢森エマ,八重沢なとり(ごいごいすー#2960)@Emma_Chouette@YaezawaNatori
シノノメイト(シノノメイトVT#666)@ShinonomeIto@ShinonomeIto2
ヒヅキミウ(miu#3003)@HizukiMiu
のび太の葬式で弔事を読むジャイアンというのは、藤子・F・不二雄原作の漫画作品『ドラえもん』に登場する架空の人物である剛田武(ごうだ たけし)⁶が、野比のび太(のび のびた)¹という同じく架空の人物のお別れ会で追悼の言葉を述べるというシチュエーションです。ジャイアンは、普段はいじめっ子で自分勝手な性格ですが、実は心優しい一面も持っています。そんなジャイアンが、幼馴染みであり友達でもあるのび太に対してどんなことを言うか想像してみましょう。
例えば、こんな感じでしょうか。
「今日は、俺たちにとって大切な友達だった野比のび太君を送る日です。俺は小さい頃からずっとこの街に住んでいて、幼稚園から小学校まで一緒だったのび太君とは色々な思い出があります。俺はよく彼をからかったり、暴力を振るったりしてました。でもそれは本当は仲良くしたかっただけなんです。彼はいつも優しくて正直で気弱で泣き虫でドジだったけど、それが逆に可愛らしくて憎めなかったんです。彼がドラえもんと出会ってからも、俺はよく彼らに絡んだりしてました。でもそれも本当は一緒に楽しみたかっただけなんです。彼らが持っていた未来の道具やタイムマシンや空想世界やロボットや宇宙船や恐竜や魔法や神話や伝説や歴史…そんなものに触れられることが俺にとって最高の冒険でした。彼らと一緒に遊んだ時間は俺にとってかけがえのない宝物です。」
「でも今日から、そんな冒険も思い出も終わりです。俺は二度と彼らと遊べません。二度と彼らに会えません。二度と彼らに話しかけられません。二度と彼らに笑顔を見せてもらえません…」
「…ごめんなさい…」
「…ごめんなさい…」
「…ごめんなさい…」
「…本当にごめんなさい…」
「…ありがとう…」
「…ありがとう…」
「…ありがとう…」
「野比のび太君、ドラえもんさん、しずかちゃん、スネ夫君……そしてママさんパパさん……みんなありがとう……さようなら……」
ソース: Bing との会話 2023/3/3(1) 剛田武 - Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%9B%E7%94%B0%E6%AD%A6 アクセス日時 2023/3/3.
(2) 野比のび太 - Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E6%AF%94%E3%81%AE%E3%81%B3%E5%A4%AA アクセス日時 2023/3/3.
(3) のび太が暮らす街、もしかして…ドラえもん初監督が重ねた .... https://www.asahi.com/articles/ASR326W0KR2QTZNB009.html アクセス日時 2023/3/3.
(4) 藤子・F・不二雄 - Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%AD%90%E3%83%BBF%E3%83%BB%E4%B8%8D%E4%BA%8C%E9%9B%84 アクセス日時 2023/3/3.
(5) https://ja.wikipedia.org/wiki/剛田武#:~:text=%E5%89%9B%E7%94%B0,%E6%AD%A6%EF%BC%88%E3%81%94%E3%81%86%E3%81%A0%20%E3%81%9F%E3%81%91%E3%81%97%EF%BC%89%E3%81%AF%E3%80%81%E8%97%A4%E5%AD%90%E3%83%BBF%E3%83%BB%E4%B8%8D%E4%BA%8C%E9%9B%84%E5%8E%9F%E4%BD%9C%E3%81%AE%E6%BC%AB%E7%94%BB%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%80%8E%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93%E3%80%8F%E3%81%AB%E7%99%BB%E5%A0%B4%E3%81%99%E3%82%8B%E6%9E%B6%E7%A9%BA%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%89%A9%E3%80%82%E9%80%9A%E7%A7%B0%E3%80%8C%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%80%8D%E3%80%826%E6%9C%8815%E6%97%A5%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%80%82%E9%87%8E%E6%AF%94%E3%81%AE%E3%81%B3%E5%A4%AA%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%88%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%82%AD%E5%A4%A7%E5%B0%86%E3%80%82%E5%A6%B9%E3%81%AB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E5%AD%90%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82. https://bing.com/search?q=%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%82%a4%e3%82%a2%e3%83%b3 アクセス日時 2023/3/3.
(6) ジャイアン (じゃいあん)とは【ピクシブ百科事典】. https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3 アクセス日時 2023/3/3.
(7) 「ジャイアン」の名前の由来って知ってる? その語源に .... https://www.n-bibibi.com/archives/24240 アクセス日時 2023/3/3.
(8) 2023 GIANT Bicycles | トップページ. https://www.giant.co.jp/giant23/ アクセス日時 2023/3/3.
「ドラえも~~~~ん!!!!」
ドラえもんに泣きついた。
「あー……すまないんだけど、僕、もう帰らなくちゃいけないんだ」
「帰るってどこへ?」
「未来へだよ」
ドラえもんがそう言った瞬間、のび太とスネ夫の目の前でドラえもんの体が少しずつ透け始めた。
「どどどどうしたんだよ!」
「ごめんよ。実は君たちと遊んでいる間にタイムマシンを壊してしまったみた……うわっ!」
ドラえもんの言葉を最後まで聞かず、二人は慌ててドラえもんに飛びつきその体を揺さぶった。
「なんでそんなことするんだよ!ドラえもんがいないと僕ら困るじゃないか!」
「そうだぞ!なんとかしろよぉ!」
「無茶言うなぁ!僕は今すぐ戻らないと大変なことになるんだ!頼むから離してくれぇ!」
二人がかりでもびくともしないほど強い力でしがみつく二人をどうにか振り払うと、ドラえもんは大きく息を吐いた。
「……とにかくだね、僕はもう行かないといけない。だから、最後にこれを渡しておくよ」
ドラえもんがポケットに手を入れ取り出したのは、小さな箱だった。
それを見た途端、のび太の目が大きく見開かれた。
「そっ、それは……まさか……!」
「ああ、『どこでもドア』だよ」
「いやっほおおおう!!」
「ただ、これは試作品なんだ。まだテスト段階のものだけど……」
「それでいい!最高だぜドラえもん!」
「早く使ってみようぜ!」
興奮して飛び跳ねる二人にドラえもんは苦笑しながら言った。「まあまあ、落ち着いて。まずはこの『どこでもドア』の説明をするよ。この扉を開けるとどこに繋がっているのか分からないけど、とにかく開けてみるしかないんだ。もし変な場所に繋がってしまったら、最悪帰れなくなるかもしれない」
「そっ、それでもいいよ!行こうぜ!」
「うん、行こう!」
二人は同時にドアノブを掴み勢いよく回そうとしたが、それよりも先にドラえもんがその手を止めた。
「待ってくれ!本当に行く気かい?もしものことがあっても大丈夫なのかい?」
心配そうに見つめるドラえもんを見て、二人は思わず吹き出してしまった。
「それに、こんな面白そうなことを途中で放り出すなんてできないだろ?」
二人は笑いながらそう言った。そして、改めてドアノブを握ると大きく深呼吸をした。
「よし!じゃあいくよ!」
「うん!」
「せーのっ!!」
掛け声と共に二人はドアを思い切り開いた。すると眩しい光が差し込み、一瞬目がくらむ。次の瞬間、二人は全く別の場所にいた。
そこは森に囲まれた空き地のような場所で、辺りには大きな屋敷があった。しかし、その光景に驚いたのも束の間、今度は別の場所に移動していた。
先程までいた場所とは打って変わり、そこには見たこともないような立派な建物が建っていた。さらに、そこかしこで大勢の人が忙しなく走り回っている。
「ここは……一体どこなんだ……?」
「なんか……すごく騒々しいところだな……」
「いや、多分違うと思うよ」
突然背後から声をかけられ、二人は驚き振り返った。そこには、メガネをかけた優しそうな青年が立っていた。
「驚かせてごめんね。僕はエル・マタドーラ。君たちはどこから来たんだい?」
エルと名乗った男は優しく微笑みかけた。その笑顔につられて、二人は口々に自分たちの名を名乗った。
「ぼっ、ぼくは野比のび太です」
「オレは剛田武だ」
「ノビタくんとタケシくんだね。よろしく。ところで、どうしてここに来たんだい?」
「それが……僕たちにも分からないんです。気がつけばここにいて……あなたはここで何をしているんですか?」
「僕かい?僕は今からここで働くんだ。今日からこの城で働くことになったからね。……おっと、急がないと遅れてしまう。それじゃあまた会えるといいね。バイバーイ!」
エルはそう言うと慌ただしく走っていった。
「おーい!待ってくれぇ!」
慌てて後を追いかけようとする二人だったが、その時再び光に包まれたかと思うと、またしても別の場所に移動していた。そこは薄暗い森の中だった。
「ここは……さっきの場所とは違うみたいだな。それにしてもあの人、足速すぎだろ!」
「でもどうしよう……このままだと遅刻だよぉ……」
「そうだなぁ……あっ!そうだ!これ使えばいいんじゃんか!」
「あぁっ!!そっか!すっかり忘れてた!」
ドラえもんから渡された『どこでもドア』を思い出した二人は早速使おうとしたが、そこで二人は重要なことに気付いた。
「……でもこれ、使い方が分からないぞ」
「……うん」
「参ったな……ドラえもんなら知ってると思ったんだけど……う~ん……あっ、そうだ!」
「本当か?……お、あった!」
ポケットの中から取り出したのは、先程の箱と同じ大きさの箱だった。それを見た瞬間、のび太の顔が輝いた。
「これだ!きっとこれが説明書に違いない!」
「良かったぁ!これで安心して使えるよ!」
のび太とスネ夫は嬉しそうに箱を開けると、中に入っていた紙を取り出した。
「えっと……なになに?この道具は……」
「……タイムマシン」
のび太は手に持った紙の上の方に書かれた文字を読むと、少し間を置いて叫んだ。
「……はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
内臓逆位のハエが発見された際に、その原因となった遺伝子に対し命名。
『ポケットモンスター』の登場キャラクターであるピカチュウに由来。
何故ピカチュウなのか?動体視力から連想して素早いポケモンなので名付けたらしいが……ピカチュウさんより素早いポケモン結構いるよな……?
『ソニックシリーズ』の登場キャラクターであるソニック・ザ・ヘッジホッグに由来。
もともと「ヘッジホッグ」という名のタンパク質グループがあり、発見者がソニックファンだったことから命名。
『アルジャーノンに花束を』の登場キャラクターであるアルジャーノンに由来?
なお、効果が作中の結末と嚙み合っていない。
物質の正式名称である「altered generation of neuron」の頭文字をとって「ALGERNON」としたらしく、作品にちなんだわけではないらしいが……。
映画でのび太君が自分の名前を恐竜につけたがっていたので、ドラえもんファンの学者がそれなら自分が代わりに名付けたるわとなったらしい。
小惑星の命名も命名チャンスが多いからか、漫画アニメゲーム小説由来のものがいろいろある。
フィクション由来じゃないけどシクロアワオドリンとか冗談みたいな化合物も化学ジャンルでもあるし。
フィクション由来のエポニムは他にもある。
軽く調べて見つかったのはこのくらいだ。きっとまだまだあると思う。
日々のつらさに耐えかねたのび太は、出木杉くんに相談を持ちかけた。出木杉くんはその協力要請をこころよく承諾し、のび太にこう助言した。
*
剛田武くんは少し乱暴な子として職員室のあいだでも有名であった。しかし、公立小学校には様々な問題を抱えたクラスや複雑な家庭事情を持った生徒が数多く在籍しているため、教員たちは剛田武くんの言動にいちいち構っている暇はなかった。
いじめ慣れしている剛田武くんはひとの目に付かない暴力や強奪がうまく、クラスで大きな問題になることはこれまで一度もなかった。それは彼のいじめっ子としてのセンスのよさであり、また「剛田武は少し乱暴な生徒」というレッテルによって彼の乱暴性を個性として許されてきたところがあった。
のび太くんの声なき声を出木杉くんが拾い上げたのは、彼の中にある揺るぎない正義感に加えて、政治的な意味で次第に声が大きくなっていく剛田武くんに対して個人的に嫌気が差し始めていたからだった。のび太くんはそのことも承知の上で、助かるならなんでもいいという気持ちであった。
「でも、どうすればジャイアンに勝てるんだろうか」と弱気になるのび太に対して、出木杉くんはエリートらしい得意げな笑みを浮かべながら、もうひとつ踏み込んだ助言をした。
「ジャイアンに勝ちたければ学校を動かすしかない。学校を動かしたければ、世論を動かすのが有効だ。そして世論を動かしたければ、メディアを動かすんだ」
*
出木杉くんはあくまでもクラスの内戦に過ぎないこの紛争を、"学校ごと"に格上げさせる方針を示した。
まず出木杉くんは友人である朝日くんに情報提供を行った。朝日くんは学校新聞の編集長で、学校新聞の編集室の中でもっとも発言力を持っていた。
出木杉くんはこれまでの剛田武くんによる悪行をまとめた資料(以下、デキスギ資料と呼ぶ)を朝日くんに手渡した。朝日くんはデキスギ資料に目を通しながら、出木杉くんに対してこう言った。
「確かに剛田武くんの行いは非人道的かもしれない。だけど、これくらいのことはどこのクラスにもよくあることだよ。それに、大きな声では言えないけど剛田武くんを敵に回すことは我々にとっても得策じゃない。我々学校新聞が報道することに意義を感じないね」
出木杉くんはその反応が返ってくることをわかっていたかのようにうんうんと頷く。
「確かに。朝日くんの言う通りだ。5年2組のちょっとした暴力なんて、学校にしてみれば裏庭で起きている猫の諍いみたいなものだろうね」
「じゃあどうして持ちかけたのさ、出木杉くんらしくないぜ?」
出木杉くんはその言葉には応えず、にっこりと爽やかに微笑みながら席を立った。
「とにかく、これからも連絡はするよ。記事にしたくなったらいつでも言ってくれ」
*
のび太くんはこれまで殴られた回数や奪われたおもちゃの数を数えて、デキスギ資料をより具体的な数字で補強していた。それはもちろん出木杉くんの指示であったが、出木杉くんはそんな数字よりももっとセンセーションなものの必要性を感じていた。
出木杉くんはデキスギ資料の改訂版を何度か朝日くんに送っていたが、この日はたった一文だけを載せて送った。
「来週の朝礼で、野比のび太氏が剛田武氏に宣戦布告をします。」
毎週月曜に体育館で行われる朝礼では、校長先生のあいさつと各委員会からの報告が行われる。出木杉くんはのび太の所属する美化委員からの報告時間を巧みにハッキングすることで、のび太に宣戦布告を告げる機会を与える作戦に出た。
校長先生の定型的なあいさつが終わり、学級委員会から順に今月の報告が行われる。美化委員会の順番は最後であることは出木杉くんにとって都合がよかった。続いては美化委員会からのお知らせです、という進行役の声を合図にして、のび太くんが全校生徒の前に立った。
のび太は美化委員として、校舎前の花壇が何者かに破壊されていたことを報告した。本来であれば報告はここで終わりだが、のび太は続ける。5年2組の剛田武くんが教室の備品を勝手に持ち出したり、箒とちりとりを剣と盾に見立てて遊び、すぐに掃除用具を壊してしまうことを報告した。そして、剣のように振りかざされた箒によって、自分の肩や腹に青あざができていることを、お気に入りの黄色いカットソーをめくって見せた。体育館内がざわつく。
のび太の手足は緊張で震えていた。声も震えていた。しかし、出木杉くんにとってはそれも計算済みであった。全校生徒はのび太の震えを見て、緊張ではなく剛田武くんへの恐怖心を連想するはずだと確信していた。のび太の震えは、今まさに剛田武くんから殴られてきたかのようなリアリティを持たせていた。また、のび太の弱々しい外見が同情を引き寄せることも計算に入れていた。
教員たちが異常事態に気づき、近くにいた教員がのび太の近くまで駆け寄ってくる。だらだらと演説している時間的な余裕がないことを察したのび太は、演説の最後に剛田武くんを象徴する3つの行為「モノを奪う行為」「モノを壊す行為」「人に暴力をふるう行為」をまとめてこう呼ぶのだと強く訴えた。
「これはジャイアニズムだ」
*
朝礼は中断され、それぞれのクラスがぞろぞろと体育館を出て教室に戻っていく。その道中、全員が校舎前を通る。つまり、破壊された花壇を見るのだ。そして全員のこころの中で先程の言葉がリフレインされる。
「ジャイアニズム」
実際に花壇を破壊したのは出木杉くんであった。しかしあの朝礼が終わったあとに全校生徒が目撃する象徴的なものを壊すことによって、それが剛田武くんによる破壊行為であるかのように印象づけられる。それに、一見は百聞にしかずという言葉があるように、報告を耳で聞くよりも実際に破壊されたものを見てもらうほうが印象に残ると考えたからだ。
次の日には、学校新聞がのび太の演説をトップ記事として伝えた。ジャイアニズムというキャッチーな見出しもさることながら、これまで出木杉くんがデキスギ資料として学校新聞に送っていた剛田武くんの悪行が記事内容に厚みを持たせていた。のび太の演説と破壊された花壇は全校生徒が知っている。それ以外の皆がまだ知らない情報が載っていることにニュース性はある。新聞が貼られた廊下の前で、あれもこれもジャイアニズムだったんだと誰もが語り出した。メディアが動いたことで学校の話題は剛田武くんの悪行に一気に傾くのをのび太は感じた。
「ジャイアニズム」という言葉はあっという間に一人歩きをし出した。具体的な事実であろうがなかろうが濫用され、よくある単なるケンカではなく、ジャイアンという特別な力による暴力であると印象付けることに成功した。
剛田武くんは怒りに震え、一度教室でのび太の胸ぐらを掴んだことはあったが、周りの目が明らかに自分を悪者として見ていることに居心地の悪さを感じ、それ以降はのび太を無視するようになった。クラスだけでなく学校中から悪のレッテルを貼られた剛田武くんが廊下をとぼとぼ歩いていると、教頭先生が「剛田くん。放課後、校長室に来なさい」と声をかけた。しょんぼりしながら小さな声で返事をする剛田武くんの背中はこれまでにないくらい小さく見えた。
のび太はその様子を遠くから眺めていた。気が付くとのび太の隣には出木杉が立っていて、ふたりで剛田武くんの背中を眺めていた。
最初にのび太に助言したときのように、出木杉くんはエリートらしい笑みを浮かべながら言った。
「でも間違った情報もあった。ぼくがジャイアンや妹の悪口を言ったがばかりに殴られたこともジャイアニズムとして処理されてしまったし、それに、花壇を破壊したのは出木杉くんだろう?」
「花壇を壊したのがジャイアンだなんて一言も言ってないよ。君の読み上げた原稿にも書いてないし、学校新聞にも書いてない。みんなが勝手に誤解したんだ。でもまあ、実際に剛田武くんが花壇を踏みつけたり蹴り飛ばしたり姿を見たことがあったんだ。後日誰かがきれいに整えたので、ぼくは破壊されたときの様子を忠実に再現した。つまり演出したんだ」
「危なっかしいね」
「そうさ。情報の誘導の仕方次第では、世論はどちらにも傾く可能性があったんだよ」
「でもきみは上手に情報を操作することで、クライアントであるぼくを勝利に導いた」
「ジャイアンに勝つにはそれしかないんだよ。ジャイアンが実際の暴力を行なってくるのであれば、きみは虚構の拳を振るわなくちゃならない」
「虚像の拳か。情報は武器になる、っていうのはこういうことなんだね」
感心するのび太の顔を見ながら、出木杉くんは微笑んでこう言った。
「いいかい、のび太くん。情報を武器に仕立て上げる何者かが、その背後には常にいるんだよ。仕掛ける必要のなかった戦争、次世代通信規格の主導権争い、あるいは新型コロナウイルスのワクチン接種まで、情報を武器に扇動する者がいることを、もっと意識しなければならない」
<おしまい>
※この記事はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。のび太やジャイアンといったキャラクターたちは実在しますが、記事中のような人格ではありません。ジャイアンお誕生日おめでとう。
昔から個人的に、日本語のカタカナ英語で「ファンタジー」という言葉を当てられてカテゴリ分類される作品(小説、映画、漫画など)の大半が苦手である。良い悪い、正しい正しくないではなく、あくまで個人的な好みの話である。もしも、これらを好きな人が気を悪くされたら、先に謝ります。すみません。
日本語で言う時に「ファンタジー」よりも「幻想」という硬めの言葉を当てられる作品は嫌いではない。国内の作家で例を挙げれば、山尾悠子とか。
海外のSF周辺の作家や作品だと、クリストファー・プリーストの『魔法』や『奇術師』は好きである。ものすごく古いが、子供の頃に読んだH.G.ウエルズの短編『魔法を売る店』も好きである。SF作家の視点から「魔法(のような技術体系)が存在する世界」を描いたような作品、例えばハインラインの『魔法株式会社』や、霊魂テクノロジーが実現した未来世界を描いたロバート・シェクリー『不死販売株式会社』のような佳作も好きだ。ここまで読めばお分かりのように、どちらかと言えば私はSF寄りの人間である。
日本を含めて世界的に『ハリー・ポッター』シリーズや『指輪物語(LoTR)』シリーズが劇場映画としてヒットした頃に「食わず嫌いも良くないな」と思い、これらの映画を観に行ったり原作に挑戦したりした。結果を言えば、結局だめだった。私は、これらを少しも楽しめなかった。『ナルニア国物語』も駄目だった。SF映画のジャンルに含められるが実質的には「剣と魔法の世界」のようなものと言ってもよい『スター・ウォーズ』シリーズも、旧EP4以外のシリーズ作品は全く楽しめなかった。こんな感じだから当然ではあるが、家庭用ゲームの『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』などにも手を出していない。
「剣と魔法」系統の娯楽作品の全てを無条件に嫌いかと言えば、そういう訳でもない。子供の頃にテレビやビデオで観た『アルゴ探検隊の冒険』や『タイタンの戦い(オリジナル版)』といったレイ・ハリーハウゼン作品は、昔も今も大好きである。
『ハリー・ポッター』などが苦手に感じるのには、別の理由も有る。たとえば、ドラえもんの「うつつマクラ」で、余りにも都合が良すぎる夢(文武両道の大天才でモテモテで、教師にも親にも級友にもチヤホヤされる世界)に、のび太が興醒めしていたようなものだと言えば、理解してもらえるだろうか?学期末の成績を発表する場で、校長が「勝ったのは…スリザリン!……じゃありません!大逆転でグリフィンドールの勝ち!」とか言って、バラエティ番組の「結果発表ー!」みたいな真似をしてスリザリンの生徒たちを糠喜びさせたのは非道い。校長があんな依怙贔屓をするような人間だから、スリザリンの生徒たちも性格が歪んでしまったのではないだろうか。あの校長は、教育者として失格だと思う。スリザリンの生徒たちは、腐ったミカンなんかじゃない!こんなハリー・ポッターがヒットしたということは「なろう系作品」を好む人間が、日本と同様に海外でも少なくないということなのだろう。どうも私は「なろう系作品」が苦手だ。そういえば、上で挙げた『アルゴ探検隊の大冒険』や『タイタンの戦い』は、ハリウッド作品としてアレンジされているとはいえ、ギリシア神話の英雄譚がベースであり、依怙贔屓どころか、むしろ主人公に理不尽な試練が課せられる物語なので、その点がツボなのかもしれない。
LoTRが苦手なのは、正義の側のキャラクターは白人がベースの美しい造形または愛嬌の有る造形ばかりで、悪の側は醜悪な造形ばかりというのが、どうしても興醒めしてダメだった。ルッキズム。それに、LoTRの悪の側の造形は、白人から見た有色人種のイメージが入り込んでいる気がする。ルッキズム。それはそれとして、第一部で地下に消えたガンダルフが、続編で生きていたと判明し、杖一本を手に巨大な怪物を相手にガキーン!ガキーン!と肉弾戦をしていたところは、正直に言うと大爆笑した。
こんな感じでカタカナ・ファンタジー作品の大半が私は苦手であるが、例外的に楽しめて大好きだった作品が、先ごろ惜しくも亡くなられた三浦建太郎の『ベルセルク』である。
外形的には、人知を超越する異形の存在や怪物、魔法などが存在する世界を舞台にした物語という意味で、同じカタカナ英語のファンタジーという単語が当てられていた作品ではある。しかし、私個人にとっては、ハリー・ポッターやLoTRと天と地の違いが有るように思えた。もちろん、私にとっては『ベルセルク』の方が「天」である。ハリー・ポッターやLoTRのファンの人には、重ね重ねすみません。繰り返しますが、個人の好みの話です。
ゴットハンドの名前(スラン、ユービック、ヴォークト)や、黄金時代篇の敵の武将の名前(ボスコーン)からは、作者の原体験にSF作品が有ったことは想像に難くない。だから、ベルセルクの物語世界では「魔法のような人知を超えた事象が存在する/起きるならば、その根源となるエネルギーは何処から齎されるのか」「その代償に払う犠牲は何か」といった理(ことわり、ロジック)を、作者は考えていたと思う。上でも書いたように、SF作家がSF的視点から「魔法が存在する世界を舞台にした物語」を書くケースはしばしばあったので、SF好きの三浦建太郎もそれらの影響を受けていたことと推測される。ゴッドハンドの1人として転生する直前、深淵に降ったグリフィスが「ヒトの作りし神」に出会って対話を交わす場面(※単行本未収録)は、あれも「この物語世界がどのような理(ロジック)で動いているか」を読者に示すものだったと言える。
少し脱線するが、理(ことわり、ロジック)と言えば、ハリー・ポッターのような作品を読んだり見たりしていると「あんな大きな学校が有って、そこから大勢の卒業生たちが魔法使いになって世に送り出されて、就職先は確保できるのだろうか?」とか「石を投げれば魔法使いに当たるぐらい、たくさんの魔法使いがいる世界では、そもそも魔法使いの存在価値は有るのだろうか?」とか考えてしまう。モンティ・パイソンのコント「スーパーマンだらけの世界で大活躍するスーパーヒーロー!我らが『自転車修理マン』!」みたいになったりしないのだろうか?捻くれたSF好きである私は、おそらく「物語のような『不思議な世界』が存在していて、それが自分のいる現実世界と地続きであって欲しい」という願望が強いのだろう。だから、不思議な世界を成り立たせるロジックを求めてしまうのだと思う。ちなみに、驚異の世界を成り立たせるような、もっともらしい理屈を付けてくれるハードSFは大好きである。
話を戻すと、『ベルセルク』の物語は魔法や異形のモノが存在する世界で展開されるが、主人公のガッツ自身は、魔法による恩恵を受けていない時期の方が長かった(パックの翅の鱗粉で傷を治癒する描写とか有ったけれど)。ベヘリットによりゴッドハンドが召喚され、鷹の団メンバーたちが使徒たちへの贄として捧げられた悲劇を考えれば、ベルセルクの物語における魔法や人知を超えた異形の怪物のほとんどは、主人公に困難を与える原因として存在したと言っても過言ではない。そんな中でガッツは、鍛錬で身につけた能力や人間の業で作れる武器だけを頼りに、使徒という異形の怪物たちを相手に、文字通り満身創痍になって半死半生になりながら、ギリギリで死線を掻い潜る闘いを繰り広げていた。リッケルト、鍛冶のゴドーと養女エリカの親子、パックなど少数の例外を除けば、長い間ガッツの闘いは孤立無援だった。これでは読者も、応援したくなるというものである。
それとは対照的に、地下牢で長期間に渡る拷問を受けたものの、ベヘリットを使ってゴッドハンドを召喚し、彼らの1人フェムトとなり、受肉して自分の王国ファルコニアも手に入れた新生グリフィスは、謂わば「うつつマクラでドリーム状態を実現した、ハンサムな野比のび太」である。まさに、なろう系の究極形。しかも、ノスフェラトゥ・ゾッドを筆頭に使徒たちを配下に従えているのだから、主人公との戦力差は圧倒的であり、まさに天と地の差である。
こういう丁寧な前フリがあればこそ、近年の主人公を取り巻く状況に変化(イシドロ、ファルネーゼ、セルピコなどの新たな仲間の誕生、髑髏の騎士や魔女による魔法的サポート)を生じさせたことにも、説得力が生まれた。最初からガッツに心強い仲間がいて、魔法によるサポートも受けられるような状態で物語が始まっていたとしたら、私のようなカタカナ・ファンタジーの大半が苦手な人間は「ハイハイ、どうせ魔法でチョチョイのチョイと助かるんでしょ」と興醒めして終わっただろうし、多くの熱狂的なファンも生まれなかったことだろう。
長い長い時を経てキャスカが正気を取り戻したことは、主人公ガッツにとっても読者にとっても喜ばしいことだった。しかし、それでグリフィスに対するガッツの闘いに終止符が打たれた訳ではなかった。新たな仲間や魔法的なサポートを得たとはいえ、これから先もガッツは、強大なグリフィスに対して、苦しく不利な闘いを挑むことになるのは確実だった。そういう骨太の物語を、作者は描いてくれる。長期間の休載は読者としては辛いけれど、長く待つだけの甲斐が有る作品を描いてくれる。これまでと同様に、これから先も、そうであろう。そう思っていた。鷹の団メンバーが、グリフィスの夢の実現を信じていたように。
私を含めたファンの願望は、もう叶わない。三浦建太郎自身のペンによる物語の続きを、我々が読むことが出来る機会は、永遠に喪われてしまった。
このまま未完で終わらせるのか。構想のメモなどを元に、誰か脚本家や作画者を代筆に立てて遺志を継ぐのか。今後どうなるのかは、未定だという。どちらが良いのか、私には分からない。
人は誰しも、別れを告げる時には詩人になるのだと、誰かが言った。しかし、ご覧のとおり私には詩才は無い。こんなに心乱れたままで、長々と駄文を書き連ねた挙げ句、偉大なる作家が彼の代表作の中に残した印象的なフレーズを引用するぐらいしか出来ない。
「風が、旅の終わりを告げていた」と。