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はてなキーワード: 経済活動とは

2024-04-19

anond:20240419010323

21世紀単体でいうなら日本なんて経済活動が衰退してるから生態系への影響どんどん弱くなってるけどね

経済活動が衰退してるから管理できなくなってるし逆に環境教育もできない

そもそも環境保護ってまともな経済活動ができてる人間副産物でやることなんだよね

環境破壊してでもいいか経済活動やって後から帳尻合わせる

先進国グローバル企業だいたいこれだと思うけどな

2024-04-18

anond:20240418130819

経済活動から

買い手がつくから

キャベツが100トン食われるなら150トン生産するんだよ

猫が1000匹売れるなら1200匹生産するんだよ

それが資本主義ってもの

馬も需要に合わせて、少し多い目に生産されている

2024-04-14

anond:20240414160207

トリクルダウン理論とは「富裕者がさらに富裕になると、経済活動が活発化することで低所得貧困者にも富が浸透し、利益が再分配される」と主張する経済理論

から政府支出を増やし、その金が回ることによって経済活性化」が詐欺とは言い切れない

増やした政府支出殆どが富裕者に吸収される場合トリクルダウンと同様に詐欺と言っていい

2024-04-10

何で「信用できるのは原発だけ。だから一つも止められない」を目指す人が居るのか

原発を全て捨てろとは言わんが、なんかあったときにサクッと止められる状況にしとかないと原発運用に無理が出ることをまだ認めようとしない人達がいる。

何故認めないのかと言えば「下手に止めたら再稼働を邪魔される」という認識なんだろうな。

もちろん実際邪魔されているが、焦って杜撰運用のまま再稼働しようとして問題が発覚するという推進派の拙速な行動が自分達の信用を毀損していると気付いて欲しい。

科学を信用しないのか」みたいな自分達の被った泥を科学に押しつけるようなみっともない言い訳はしないで欲しい。

信用を失ったのは科学ではなく原発運用にかかわる人間だ。

原発ミスがあれば金どころの話ではなくて、最悪の場合文字通り国土が失われるんだ。

福一の周りはいまだに碌に人が立ち入れない。碌な経済活動も出来ないし、後始末は金を食い潰し続けてるんだ。

地震大国日本原発運用そもそも厳しいが、これから人口が減り続ければ周辺100km圏内に誰も住んでない海岸平野部は今後20年以内にそれなりに出てくるだろう。

どうしても必要ならそういう「避難計画を考えなくてもいいところ」に建てるしかないよ。

もちろん「後から近所に引っ越してきても自己責任よろしく」って法律制定してな。

どうせこれから先、世紀単位日本人は減る一方なので、わざわざ原発の近くに引っ越そうとするのは頭のおかしい奴だけだ。

というか、近所に原発建てたがらないくせに一番電気食い散らかしてる首都圏人間が「原発必要なんだから再稼働の邪魔するな」みたいな寝言ホザくのが笑えるよね。

必要なら近所に建てて好きなだけ「現実的運用」すればいいのに。

anond:20240410114524

耐用年数20年だったのを補助金がなくなったから30年

この辺りが単なる経済活動って感じで良いよな

この話、2022年のエネルギーショック前には、補助制度がなくなって2027年には風力は減っているだろうって予測されてた

この辺が、予測と事後諸葛亮の違いね

2022年のエネルギーショック時には電力卸売価格フランス10倍に膨れ上がってる

そりゃ意識も変わろうかってな

そんで2023年にはフランス原子力傾倒を強める方向へ向かうんだけど

市場電気代高騰を受けて電力需要が底をついて回復していないのと

エネルギーショックの余波で市況が低迷してるダブルパンチ

原発由来の電力に限っては、売るだけ赤字という状況になってる

単純な需要供給市場原理


これを日本に当てはめる場合

偏西風がなく台風が来る(強風下では火災や倒壊のリスクが跳ね上がる)日本で風力とか正気か?って感じだし

しかない国土でソーラーって、ひでぇ事になるぞとしか思わん

長野とかそこら中にパネルがあってな、そんな中霧ケ峰メガソーラーを設置しようとする話は、水源だなんだと問題になって事業者撤退してる

地熱は、そもそもそれをエネルギー転換して大丈夫なのか?って気がするし

(風力や潮力よりもエネルギーとして熱を消費する事の環境負荷が高そう)

水力などが良いんだが、ダム作ると言っても限界がある



日本場合、再エネに傾倒するよりも

蓄電池の改良に邁進する方が効果的って気がするなぁ

2024-04-09

世代間格差

日本の出生数の推移として,

1971-1974(第二次ベビーブーム)が200万人くらい

1982(私が生まれた年)が150万人くらい

2000(現在大学生くらい)が100万人くらい

2023が75万人くらい

就職氷河期世代が1993-2005年ときに22〜24歳だった人たちなので,生まれは1970-1980くらい

これが前提知識

最近新卒待遇が上がっていることについて,中堅の世代から批判が上がっているというニュースを見た

人数が少ないのだから,取り合いになるのは仕方がない気がする.

世代間で自分が不遇の点は見えるけれど,恵まれている点は見えないような気がする

私は現在41歳

年上の人を見ると競争が激しく就職の面では不遇だったと思う反面,元気だなと思う

下の人を見ると競争が緩やかで楽ができる反面,視野が狭く閉じこもりがちに見える

若い人は人数が少なくて経済活動ターゲットにされていない感じもある

2024-04-07

anond:20240407140252

希望者が長時間労働できるようにすると、長時間労働する方が当然こなせる仕事量が多くなり評価される

また、こなせる仕事量が多いということは多くの経験が積めるということで、職場内で業務遂行能力に偏りができる

こうなると、望んでいない人間評価経験を得るために長時間労働せざるを得なくなる

望まない長時間労働は心身に負担をかけ、家庭生活にも影響を及ぼす

さらに、仕事をしている時間が長くなると、消費活動に使う時間が少なくなるので、長時間労働する人間が増えると経済活動が低迷する

被雇用者長時間労働害悪

2024-04-06

すべての田舎の実店舗電子マネーを使えるようにするのは時期尚早

田舎のこじんまりした飲食店小売店QR決済やらクレジットカード使えるようにしても何のメリットもない。

手数料負担なんてできるわけがない。現金が一番。

観光客が増えたとしても微々たるもの。そのために電子マネー決済を導入したとしても、これまで現金で支払ってた地元民が電子マネーで払うようになるだけ。

手数料負担ばかり増えて何のメリットも無い。

それなのに躍起になって官庁主導で電子マネー導入を進めようとする。何を見ているのだろう。

自治体言い訳は「イマダトクニカラオカネガモラルカラオトク」なんだろうけど、それで地元経済活動ダメージ与えてどうすんのって思う。

2024-03-25

anond:20240325161732

いやそれ事実だぞ

https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_koi/n_korea_02/sengen.html

2.日本側は、過去植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史事実謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。

 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言精神合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。

 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権相互放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。

 双方は、在日朝鮮人地位に関する問題及び文化財問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。

https://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/n_korea/pmv0209/pyongyang.html

2. The Japanese side regards, in a spirit of humility, the facts of history that Japan caused tremendous damage and suffering to the people of Korea through its colonial rule in the past, and expressed deep remorse and heartfelt apology.

Both sides shared the recognition that, providing economic co-operation after the normalization by the Japanese side to the DPRK side, including grant aids, long-term loans with low interest rates and such assistances as humanitarian assistance through international organizations, over a period of time deemed appropriate by both sides, and providing other loans and credits by such financial institutions as the Japan Bank for International Co-operation with a view to supporting private economic activities, would be consistent with the spirit of this Declaration, and decided that they would sincerely discuss the specific scales and contents of the economic co-operation in the normalization talks.

anond:20240325030059

表現の自由についての「二重の基準論」(アメリカ判例学説に由来)によれば、政治的表現民主主義的な価値が高いか憲法上強く保護されるのに対し、政治的でない表現民主主義的な価値が低いか憲法上の保護が弱くても良いと考えられている。

そもそも表現の自由がなぜ憲法上の保護に値するかといえば、それは主権者たる国民思想の自由市場を通じて国家運営についての意思形成するためである

およそ全ての表現がたとえば居住移転の自由職業選択の自由よりも強く保護される筋合いではない。

エロ表現の自由はせいぜい、経済活動自由である職業選択の自由あたりと同程度の保護にとどまる。

というのがまぁ、学部の1年生で習う話。

2024-03-21

リボ払いって個人経済活動における最も不利益な行動の一つだと思うんだが使っている人は何に使っているんだろう

飯食う金もないならそれはもう生活保護受けた方がいいし

老後2000万必要とか言われているけどリボ払いセルフ物価高してたらとても貯まらないんじゃないだろうか

2024-03-20

リベラル「おい表現の自由戦士、だったら転売表現の自由と認めろよ(嘲笑」 ← この風潮なに?

ちょっと検索しただけでも同様の主張をする人間がこんなに引っかかった

agricola 自由戦士の皆さん!!増田が皆さんの応援を求めていますよ!「転売禁止する法的根拠がない」「規制されていなければ何をしてもいい」という日ごろの皆さんのご高説で増田勇気づけてあげましょう!!!

2020/02/29

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[B! 増田] マスク転売ってアカンことやったんやな ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20200228212452

agricola 経済活動自由がありますから法規制されてなきゃ自由なんですよ。悪い売買は誰が決めるのか!←表現の自由戦士の言いぐさをまんま転売問題に持ってきてみましたw

2021/05/31

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[B! togetter] 親が転売ヤーの息子を自慢していた→転売問題の難しさは、社会一般モラルが変化しちゃった点にあるのではという話 ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1721927

agricola ふーん。で、それって違法なの?違法じゃなければイインダヨ派はお気持ち吐露してないで法律に照らしての議論をお願いするよ。普段からフェミと違って冷静で論理的自称してたでしょ?(嘲笑

2022/04/04

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[B! 転売] でんでろ音波蟲 on Twitter: "ガンプラ品薄転売問題バンダイがどんなに増産しても足りないと頭抱えていたら、実は大手問屋あみあみが、自社船に乗せて中国密輸してた、つーことが発覚したそう。 バンダイ国内流通分を輸出するのは認めてない。メタルボックスが倒され更… https://t.co/bc4PYCCDNJ" ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/Den_flipou_dero/status/1510557757908582404

agricola 「同人文化読み手書き手が作り出すホニャララ」への敬意は法的義務じゃない。日頃「この表現は法に触れないからどこでも誰にでも見せて良い」を実践するオタク諸君は「転売自由」を理解してくれるはずだ(嘲笑 ひょうげんのじゆう そんなことより経済

2022/10/20

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[B! 炎上] https://twitter.com/DoujinTenbaiNet/status/1582748632151134211 ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/DoujinTenbaiNet/status/1582748632151134211

agricola 「法に触れなければ自由」今までそう言って表現自由を守ってきた戦士の皆様が、自分が損する転売には手のひらを返して「倫理が」「健全流通が」と法の手前で大騒ぎ……何とも薄っぺら自由だね(侮蔑 ひょうげんのじゆう

2022/11/17

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[B! 転売] https://twitter.com/mayuyamaguchi76/status/1591978635149586433 ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/mayuyamaguchi76/status/1591978635149586433

agricola 「経済活動自由憲法保証されているから」でFA。「雀魂✕咲ポスター憲法に照らして問題ない」なんてマヌケ詭弁を持て囃しといて、虫の居所が悪くなりゃ臆面もなくこんな醜態晒すんだから度し難い(侮蔑 ひょうげんのじゆう ブコメがひどい

2022/12/19

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[B! 増田] 転売ヤーはなぜ絶滅しないのか。商社と何が違うのか ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20221217005626

agricola 埼玉県の県営プールにおける「悪い表現」が定まったので「客観的で明確な基準」が大好きな人たちも思わずニッコリ。お気持ちとかほざいてる連中って、違法でない転売ヤーなどにお気持ち文句を言うよね(嘲笑 ひょうげんのじゆう

2023/07/20

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[B! 表現規制] 埼玉県プールでの水着撮影会、暫定ルールを発表 NGポーズも例示:朝日新聞デジタル ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.asahi.com/articles/ASR7M63DYR7MUTNB00G.html

agricola 何にしてもゲームプラモだのの転売行為法律禁止しているわけじゃないんで自由ですよね。 ひょうげんのじゆう

2023/08/24

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[B! 増田] 転売ヤーと「安いことが正義」という価値観名誉価格 ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20230823135913

agricola 「法律違反でないか憲法保証する経済活動自由」なのかい?「転売ヤー許すまじ」なのかい?どっちなんだい?「法律違反でないか表現自由」なオタクは当然前者だからクルマを買えない(嘲笑 ひょうげんのじゆう

2023/09/18

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[B! 転売] 【お詫び】弊社販売車両転売されてしまったため、トヨタ車 全車種の新規販売受付見合わせ。※トヨタ車以外は継続販売。 ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.sankoh-jp.com/blog/news/66217/

agricola 自由自由と喚きながら、オタクソシャゲガチャ身上潰すと「ガチャ規制しろ!過度に射幸心を煽るな!!」と大合唱し、ゲームプラモなどの「男のおもちゃ」の買い占めや転売にクソ辛辣。それがはてなーよ?

2023/10/25

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[B! 男女] はてブって男に人権尊厳を認めてないんだな ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231024164806

agricola 法律ではトレカ転売禁止されていないのに経済活動自由侵害したくてたまら自由の敵が爆釣/サインが本人の自由なのは当然としても、本件に託けて転売全般規制しろと言う連中ってフェミナチみてえだな(嘲笑

2024/02/26

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[B! ポケモン] 『ポケカ』人気イラストレーター・さいとう なおき氏が、組織的な取り囲みや待ち伏せ被害を報告…高額転売されるサインカード目当てか | インサイド ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.inside-games.jp/article/2024/02/26/153021.html

agricola まずは経済活動チキンレースに挑戦し続けている転売ヤーを自由戦士と認めるところから始めようか。ボク様の得になる自由しか認めないお気持ちヤクザダブスタムーヴは厳に慎まねばならないぞ(嘲笑

2024/03/19

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[B! 表現自由] 車椅子関連の話見てると、オタクチキンレースした方がいいのでは? ttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20240319114431

2024-03-12

WIRED JAPANメンバーシップ試写会に参加して視聴した『燃えるドレスを紡いで』

この作品パリオートクチュールコレクション2023年の時点で唯一参加する日本人ファッションデザイナー中里馬氏に密着したドキュメンタリー映画だ。これはファッション業界地球に対してネガティブな影響が多すぎること、GHG排出量や環境汚染の大きな原因になっていることに対してファッションデザイナー自身が向き合い、コレクション制作に取り組んだ記録である

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ここ以降、ネタバレ的な話、映画制作に関わったステークホルダーたちの発言抜粋などにも一部言及する。そのためこれから視聴を控えていらっしゃり、なんの前評判も誰の感想も読まずにまず自分主観作品を視聴したい方は、ここ以降は念のため読まないでください。

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ファッション業界地球に与える影響は甚大だ。

>Fashion production makes up 10% of humanity’s carbon emissions, dries up water sources, and pollutes rivers and streams. What’s more, 85% of all textiles go to the dump each year (UNECE, 2018), and washing some types of clothes sends significant amount of microplastics into the ocean.

>ファッション生産人類二酸化炭素排出量の 10% を占め、水源を枯渇させ、川や小川汚染していますさらに、毎年全繊維製品の 85% がゴミ捨て場に送られており ( UNECE、2018 年)、一部の種類の衣類を洗濯すると、大量のマイクロプラスチックが海に流されます

引用:The Geneva Environment Network, https://www.genevaenvironmentnetwork.org/resources/updates/sustainable-fashion/

しかファッション業界も、企業ブランド毎に速度も歩みの幅も大きく異なるが、ネットゼロへ進みはじめている。2023年後半の時点で、NIKEadidasの靴やアパレルを購入した際には、この2ブランドについては、製品タグを付ける紐は紙製、靴の梱包材も全て紙製など生分解性素材への移行が見られた。近年adidasコラボレーションを発表し続けている英国デザイナーであるステラマッカートニーは、ステラ自身アパレル化粧品において早くから持続可能性を追求している点でも名高い。

それでも私たち人間が消費するファッションアパレルとしての服や靴それ自体が、最終的にゴミとして扱われ、それがアフリカへ、良い言い方をすれば「皺寄せ」、正確に言うと「ゴミ処理先」として送られる。

映画燃えるドレスを紡いで』では、中里馬氏監督関根光才氏がアフリカを訪れた。中里氏は自身が身を置く業界がうみだしたものたちが消費された結果どこにいくのかという点で、行き着く先のひとつとしてアフリカを選んだのだ。映画本編では、彼らがアフリカで過ごす様子を視聴したのち、中里氏の仕事風景を見ることができた。そしてそのまま、彼のオートクチュールコレクション映像と、それらへの評価メディアの反応などを見ることができ、映画は終わった。

ファッション業界とそこに携わる人間としての中里氏の考えなどについては、ここでは言及しない。それぞれが視聴した上で、それぞれの考えを抱いて欲しい。

私自身は、人間存在とその経済活動ほとんど全てが地球への負荷であると考えている。ファッション業界の影響が大きいにしても、私そしてあなた存在地球環境に負荷をかけているのだから、それをわきまえれば「特定業界が悪だ、最悪だ」なんて意見は軽薄ではないかと思う。気分によっては、2024年子供を産もうとしている人は、2044年や2064年の地球環境は確実に悪化するだろうことがわかっている中で、なんて酷なことをするのだろうと考えることもあるくらいだし、しかし、そう考えるが子供を産み育てる人を軽蔑や見下げたりすることは決してない。ファッション業界けが地球環境悪化させているわけではないと言いたい。

しかし、人間たちの研究開発と技術革新は進み、各業界既存業界課題技術ブリッジが続く中、ファッション業界においては、消費者意識とともにいろいろなことが遅れているのかもしれない。

映画燃えるドレスを紡いで』で中里氏がアフリカで過ごしている時の映像で、中里氏がたびたび自分の見たもの景色に対して「美しい」と口にしていたのが印象的だった。その形容詞が、多勢に同じ感想を与えるものかはわからない。実際、監督も「どのあたりが美しいですか」というように問うていた(言葉が少し違ったかもしれない。違いましたら後日修正します)。

アフリカ映像は、日本などの先進国とは全く違う環境で、雑多としたものたちに溢れ私たちゴミとして扱うものが最終的に行き着いたアフリカゴミ山や、雨が降らず乾燥し切った土地、そこを移動しながら暮らす遊牧民たちの生活などだ。

中里氏はここから美しさを見出したし、私はそれに感動した。キュレーションされていない場所に行って何を見て何を感じ、どう言語化するか?、これは人による。単純すぎる感想だが、美しさを見出せる人は美しいものを作る側にもなれるのかもしれない、と思った。

中里氏がアフリカから戻り、チームに制作のコンセプトなどを発表したときの様子が好きだった。

制作のコンセプトをチームに発表する、チームはそれに従う、でいい。それでいいのだが、そのときにチームメンバーがそれぞれ発言をして、その様子は「中里氏に完全に従う」といった様子ではなかった。語弊があるかもしれない、もちろん彼の名前で発表するコレクションであり、彼のチームメンバーは彼のコレクションのために働くことになるのだから結果的には従うことになる部分が大きいだろう。しかし、中里氏の決意や発表に対して、取り掛かる前に、チームメンバー各自発言ができること自体が、これができるチームは日本にある数多の組織の中でも意外と少ないのではないかと思えたのだ。とても良いチームに見えた。

私はオートクチュール制作現場に対する知識ほとんどないに等しいが、ステークホルダーの多さや切迫感は目を見張ったし、最終的に時間との戦いになるさまには共感できる部分もあった。私などが共感を覚えるなんて言葉選びとして軽率では?おこがましいのでは?という点は一旦脇に置くとして、スケジュールの甘さや時間管理の不備ではなく、自分名前成果物を提出するときに「もう少し、どうにか良くできるのではないか」と思えてしまい手を止められなくなった経験は、私に限らず、ビジネスパーソンとして経験したことがある人も多いはずだ。さらにそれが、オートクチュールコレクション!?その後のルックメディアなどで写真動画そしてモデル取材者の感想とともに二次三次と広がる。なんて覚悟のいる仕事だろう。「とりあえず自分の持っているボールをなんとかして、次の人に投げれば、なんとかしてくれる、そしてそれはとりあえず所属会社名前として世の中に出る」ような仕事のやり方と比較すると、全く異なる状況だ。自分名前作品を出す、誰も拭えない。そんな状況、いつまでだって試行錯誤したくなるに決まってる。これで完成だ、と手を止める瞬間はどう決めるのだろう?、あるいは降りてくるもの?そんなことも思った。

試写会では作品上映後にトークショーが行われ、WIRED編集長の松嶋氏が進行をつとめ、登壇者から話を引き出した。

松嶋氏はアフリカゴミ山で服が舞う様子や鳥が飛ぶ様子が美しかったというようなことをおっしゃった気がする。実際に美しい映像だと思った。嘘みたいに大きい鳥(そして実際にも多分、とても大きい鳥)が前後左右に悠然と歩いたり止まったりしている間でゴミを拾う子供女性映像洋服やその切れ端などが鳥とともに空を舞う映像。その映像を現地で撮影した関根氏と中里氏は、現地で風が吹いたり竜巻が起きたりした時は死ぬかと思ったと笑いながら話してくれたが、その裏側は本編に一切残さず、本編では映像として映すのみで、感想は見る側に委ねてくれたことを嬉しく思った。

全体を通して、感想視聴者に委ねるような仕上がりになっていたように受け取ったし、私はそれに感謝した。この映画で見ることのできる映像たちに、美しい、汚い、怖い、綺麗、綺麗事、すごい、面白い、行ってみたい、行きたくない、見てみたい、着てみたい、など、どのような感想を抱いてもいいし、自分の抱いた感想に対して、なぜそう思ったのか掘り下げたらいいだろう。白黒はっきりつけず、議論し続けるべき話題はたくさんある。WIREDで取り上げられる特集話題ほとんどがその類のものだ。人々は対話を続けなければならない。だからこの映画燃えるドレスを紡いで』への感想も、私のようにとても良かったと考える人もいれば、地球温暖化は陰謀だとか、アフリカゴミが集まるのは当然だといった感想を抱く人ももしかしたらいるのかもしれない。自分あるいは他人が抱いた多様な意見に対して、なぜそう思ったのか、と対話を続けること、対話を諦めないことが日本にも世界にもファッション業界にも必要なのだろう。

この映画を見て、自分が買っている服、ひいては、自分の買い物という消費行動を見直したい、誰かに拭わせるような生活仕事をせず自分の責務やその範囲を適切に見定めて、その範囲を広げたりしっかり守ったり、うまく守れた時は余力で周りを助けたりしながら自分地球関係性をよく考えながら生活したいと思った。

あと、WIRED JAPANが大好きなので、これからも愛読し続けたい。

追記

映画に登場する人々に、登場シーンでクレジット登場人物名前所属)を表示させた上で、もちろんエンドロールにも名前掲載する、という画面の作り方は、ドキュメンタリー手法としてめずらしくはないのでしょうか。この辺りの知識がないため滅多なことは言えないのだが、登場人物名前所属をその画面で明示する編集が好きだった。やはり、協力者の一人として自分が登場するシーンには、期待や嬉しさなどをもっているはずだ。私はこのような、協力者たちへ感謝を伝えるようなあたたか編集や画面作りに強く好感を持つ。1人ではできなかったことへ協力したくれたステークホルダーにできる限りの感謝を述べる姿勢を、私も忘れないようにしたい。

anond:20240312132428

そもそも子どもを産むという身体に大ダメージを与える繁殖行為に加えて男同様餌を取ってくる様の経済活動を女に両立させようっていうのが不平等では?と思うんだよな。

子どもを産む時に男性は何かダメージを負いますか?

女性キャリアも止まる、心身も痛む。その上で再び社会に復帰しなければならないのが現状だ。(基本的に子持ち共働きが大多数と捉えて)

その現状を踏まえて「男性を養う女性」が増えてこそ男女平等?いよいよ男性は何をしてるんですかって話になるんだけど大丈夫だろうか。

何故今まで男性は外で働き、女性は家庭を守りで社会破綻しなかったか考えて見て欲しい。不平等ではなく分業だったのだと私は考える。

そんなに女に養ってほしかったら主夫になった増田の文でも参考にして婚活しろ

アーティストとかミュージシャンというのは、半分社会の外にいる。

から見ているから、政治的社会的な出来事に敏感であり、考えていることを発言やすい。

現代アーティストともなれば、作品の中に社会への主張も含まれるわけで、政治的発言作品の延長のようなもの作品説明づける行動になり得る。

彼らは作品を買ってくれる人、生活担保してくれる理解者が、1人いれば経済活動が成り立ったりする。(極端なケース)

から社会の中にいると言いにくいことを、半分外側からズバズバ言えば良い。

半外部の視点を持つことは、社会の中にいる人間にとっても価値があるから

2024-03-02

アメリカ画像生成AI規制することはない

単にアメリカテック聖地からという話ではない。

あの国は「AIけしからんのでお上の一声で規制する」という事態が発生しない社会という話だ。

まず第一自由市民活動で生まれAIお上一方的にどうこうして、それに市民大人しく従うということがない。

なぜならアメリカという国はそもそもお上に唾吐いた者同士の集まり移民国家からだ。でもそういう人間でも最低限のルールを守って力を発揮すれば自由経済活動できる。そうして生まれ化学反応こそがイノベーション原動力なわけで、ここに国が口を出すということは基本的にやりたがらない。物申したければ各人が裁判所でやれ。そういう国だ。まぁそういう国だから未だに銃規制すら満足に進まないわけだが。

じゃあ倫理的にはどうなのか? もちろんアメリカ人にも倫理はある。奴らの倫理根底にあるのはキリスト教だ。アメリカという国は日本人が思うより遥かにキリスト教の影響が強い。それはもうどんな小さい田舎町にも教会があるし、日曜の礼拝堂地域の社交場みたいな感じでメチャクチャ人がいる。大統領の締めの言葉はいだってGod Bless Americaだ。

で、キリスト教における労働とは基本的には神が与えた罰だ。だからアメリカ人は仕事自体をどうこうする施策には基本そんなに頓着しない。仕事自体をどうこうした結果によって発生した損害は訴えて勝ったら請求はできる。その勝ち負けはAIがもたらす将来的な公益や機会との天秤にかけられることになるだろう。

まぁそういう感じなので今後AIは各プレーヤー間で最低限のレギュレーションを設定してガンガン運用されると思いまふ。

2024-02-27

anond:20240227125513

なぜって、簡単なことだよ

経済的合理性個人的合理性と異なるから

経営者設備投資取引先変更などのリスクテイクをしないのは、それが経営者にとって合理的から

労働者が低生産性のままでいることも、それが労働者にとって合理的から

 

経済活動が活発な国は、法制度によって個々人の合理性経済活動に強く関連付けている

日本は逆に、強力な法的保護経済側の負荷になっている

 

大量の死者と犯罪者を生み出しながら経済合理化するか

借りたカネを子や孫に払わせ続けながら全員でゆっくり貧乏になるか

 

どっちがいい?

零細企業を潰せば解放されたリソースが他に向かう」とか言う机上の空論

anond:20240227125513

こういう頭でっかち人達ってよくそういうんだけど、これから先の日本に限った話で言うと、机上の空論なんだよね。

これから先この国は人口が激減するので。

円安なんか無くたって国内経済の規模は右肩下がりで減っていくわけ。

これから先半世紀ほどは労働力の減少を上回るペースで消費が激減する。

ほとんど労働して無くて消費に偏った経済活動してる老人がどんどん死ぬからね。

から国内の積極投資なんか大したリターン見込めないよ。

あと、もし零細企業が潰れたとして、解放されたリソースは他に回らないよ。

同業他社は潰れた会社の肩代わりできる余裕なんかないし、既存従業員賃上げも碌に出来ないのに事業拡大のための採用なんか出来るわけ無い。どうせ他社倒産によって浮いた需要も中長期的には消えていくんだから

真っ当な人口ピラミッド構成の国なら机上の空論じゃなくて一般論としてもう少し信用度上がっただろうけど、これから先の日本の話としては的外れもいいとこだね。

2024-02-24

コロナ死者数、高齢者死にまくってるのかな、と思ったら

まだ1万人くらいしか死んでなかった。

これで医療費年金なんかの社会保障費は1万人分減るだろうが、

その代わり1万人分の経済活動がなくなってしまった。

どっちが日本にとってマイナスなのだろう??

2024-02-20

表現の自由vs.経済活動自由

表現の自由攻撃されるようになって久しいけど犯罪を誘発だろうとお気持ちだろうと

理由はなんであれ真の意味での公共の福祉カスりもしない規制派の喚きに対して敗北しまくってんのは

表現媒体流通だとか決済手段を狙って叩かれてるからだと思うんだけど。

クレームを浴びせられたら雑誌やら広告やらの媒体も、クレジットカード業者も、

なんぼ儲かるものであってもトータルのイメージ悪化みたいなフワっとしたもののために表現流通から手を引くことになってるんだけど

それは結局憲法上も規約上も取り扱わないようにする自由保障されてるからだよね

自由 vs. 公共の福祉の争いじゃなくて、自由vs.自由の争いってことに結局はなる。

2024-02-02

「みんなの力で暴力追放」などの看板の「暴力」は殴る蹴るの事じゃなくて民事介入暴力の事

「みんなの力で暴力」の立て看板の全文は「「みんなの力で暴力追放」で、実は暴力事件が沢山あった地域だったっていう棘がバズってるけど、

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2306458

暴力はいいぞ、ケンシロウ」のアミバとか「暴力は全てを解決する」のコマとか入れられているが、こういう看板のいう暴力って一般的暴力じゃないのよ。民暴なのよ。

 

看板を建てる主体

こういう看板は昔は沢山あったけど今は限られている。今は駅前、寂れた商店街警察署が多い。

その看板の名義見た事あるだろうか?警察ライオンズクラブロータリークラブ商工会JC青年会議所)が多いのだ。

ライオンズクラブロータリークラブは共にフリーメイソンスピンオフみたいな組織経営者が多い。地域の実力者や法人が加入しているのでコネが欲しい経営者も加入する。

で、一番多く建てられた時期は平成の初期だ。

この当時、ヤクザ問題が深刻化していて、ハリウッド映画にも凶悪なYakuzaとしてよく登場している。

 

ヤクザは様々な犯罪を起こすが、国家権力特に警察重要視していたのが経済がらみの犯罪犯罪紛い行為だ。

今では考えられないが、当時は会社経済活動ヤクザが絡んで来るというのは当たり前の風景だった。総会屋などは商法改正パージできたが、民事紛争ヤクザ出張ってくる事件屋とか、不動産物件を購入や落札したのにヤクザが居座っている占拠屋とか、会社間の債権ヤクザに売られて取り立てに来るとか、色々とキリがない。他社と揉めたら会社の前に右翼街宣車が来て「糾弾」が始まったりする。

必ずしも金を要求されるわけじゃないが、どこかに対して経済的な見返りをしないと収まらない。その相手ヤクザ企業舎弟ヤクザに金払った会社だったりする。

一度関係が出来ると延々としゃぶられる。

 

こういう状態に関して警察が働きかけて「紛争ヤクザを使うな」と呼びかける為にそういう看板を設置させたのよ。「暴力団を使うな」じゃないのは、企業舎弟とか経由するからヤクザと直接の関りとならないから。

今はこの「暴力追放が使われなくなったのは反社という概念が出来て浸透したから。

平成初期はその概念も無く、ヤクザがあちこち経済活動に関与しているのは当たり前の状態だった。そこからヤクザ取引紛争解決の場から排除しようという流れに持って行くための警察活動が「暴力追放」という看板の設置だったわけ。

 

今の「反社概念難産の果て

暴対法1991年施行されたが、最初はあまり効力を産まなかった。

ところがそこから警察があらゆる手段を取るようになってかなり物騒な事件が続出した。例えばパチンコ三店方式警察パチンコ店主を説得して導入させたものだが、この導入初期には営業中の店への銃撃事件ダンプ突っ込みバキュームカー逆噴射、店主の傷害事件などが起きている。

それらに対して警察は身を守るという約束をして用心棒を兼ねて警察OB天下りをさせるようになった。パチンコもうけ過ぎの構造はこういう経緯があって出来たもんだ。

 

当然今までトラブル解決ヤクザに依頼していた会社マル暴デカに脅されるし、企業舎弟との取引がある会社も切れと警告される。ヤクザは「警察と俺等とどっち取った方が安全か判るよな」と脅す。

そういう中で民暴という概念啓蒙して流れ作るために警察経済人の組合抱き込んで設置させてたのがああいう「暴力追放看板なのよ。だから設置者がPTAとかじゃなくて経済団体ばかりなのだ

 

ってー事で「暴力追放看板は古い(平成初期)のばかりなのだ21世紀に入ると反社概念が周りはじめて対反社条例などがどこにでも出来、「暴力追放概念過去のものになったから。

あと、ヤクザ地場産業企業とくっついていたので、市長ヤクザ関係者とかそういうのも普通にあった。

しろ高度成長期まで遡れば、労働争議会社にやとわれたヤクザ突入してストライキしてる側を殺したりとかもあったわけで。

地上げで、ヤクザ金融から金借りた債務者のどっかの経営者が普免しかないのに大型ダンプ運転してハンドル操作ミスって「偶然」地上げ受けてる家に突っ込んだり、放火されて死んじゃったりとか。

そういうの根絶するにはその犯罪取り締まるだけじゃなくて、面制圧して干す必要があり、それには経済活動から排除するっていう機運が必要だったのだ。

暴力看板はその戦いの名残りであり遺跡

2024-01-27

巷の自治機関は、弱者障害者に対する犯罪人殺しを不起訴にするサービス利益を得ている

彼らの辞書には恥や犯罪福祉という言葉はありません

したがって司法は、日本ならではの優生殺人主義経済活動を促進する原動力

日本にはスターリンヒトラーも驚いた

個人同士で殺される前に殺さなければ勝ち目はない、本当にそういう国があるのかと

2024-01-26

金光翔 『<佐藤優現象批判

インパクション』第160号(2007年11月刊)掲載

目次

1.はじめに

2.佐藤優右派メディアでの主張

 (1)歴史認識について

 (2)対北朝鮮外交について

 (3)朝鮮総連への政治弾圧について

3.佐藤優による主張の使い分け

4.佐藤優へ傾倒する護憲派ジャーナリズム

5.なぜ護憲派ジャーナリズム佐藤を重用するのか?

 (1)ナショナリズム

 (2)ポピュリズム

 (3) 格差社会

 (4)「硬直した左右の二項対立図式を打破」―〈左〉の忌避

6.「人民戦線」という罠

 (1)「ファシズム政権樹立」に抗するために、人民戦線的な観点から佐藤擁護する

 (2)「論壇」での生き残りを図るために、佐藤擁護する

7.「国民戦線」としての「人民戦線

8.改憲問題と〈佐藤優現象

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

10.おわりに

1.はじめに

 このところ、佐藤優という人物が「論壇」を席巻しており、リベラル左派系の雑誌から右派メディアにまで登場している。

 だが、「論壇の寵児」たる佐藤は、右派メディア排外主義のものの主張を撒き散らしている。奇妙なのはリベラル左派メディアが、こうした佐藤の振舞いを不問に付し、佐藤を重用し続けていることにある。

 佐藤による、右派メディアでの排外主義の主張の展開が、リベラル左派によって黙認されることによって成り立つ佐藤の「論壇」の席巻ぶりを、以下、便宜上、〈佐藤優現象〉と呼ぶ。この現象意味を考える手がかりとして、まずは、佐藤による「論壇」の席巻を手放しに礼賛する立場記述検討からはじめよう。例えば、『世界』の編集者として佐藤を「論壇」に引き入れ、佐藤の著書『獄中記』(岩波書店、二〇〇六年一二月)を企画編集した馬場公彦(岩波書店)は、次のように述べる。

 「今や論壇を席巻する勢いの佐藤さんは、アシスタントをおかず月産五百枚という。左右両翼の雑誌寄稿しながら、雑誌の傾向や読者層に応じて主題文体を書き分け、しかも立論は一貫していてぶれていない。」「彼の言動共鳴する特定編集者と密接な関係を構築し、硬直した左右の二項対立図式を打破し、各誌ごとに異なったアプローチ共通の解につなげていく。」「現状が佐藤さんの見立て通りに進み、他社の編集者意見交換するなかで、佐藤さんへの信頼感が育まれる。こうして出版社カラーや論壇の左右を超えて小さなリスク共同体が生まれ編集業を通しての現状打破への心意気が育まれる。その種火はジャーナリズムにひろがり、新聞社会面を中心に、従来型の検察官邸主導ではない記者独自調査報道が始まる。」「この四者(注・権力民衆メディア学術)を巻き込んだ佐藤劇場が論壇に新風を吹き込み、化学反応を起こしつつ対抗的世論公共圏形成していく。」

 馬場見解の中で興味深いのは、〈佐藤優現象〉の下で、「硬直した左右の二項対立図式」が打破され、「論壇」が「化学反応」を起こすとしている点であるある意味で、私もこの認識を共有する。だが、「化学反応」の結果への評価は、馬場と全く異なる。私は、これを、「対抗的世論公共圏」とやらが形成されるプロセスではなく、改憲後の国家体制に適合的な形に(すなわち、改憲後も生き長らえるように)、リベラル左派が再編成されていくプロセスであると考える。比喩的に言えば、「戦後民主主義体制下の護憲派が、イスラエルリベラルのようなものに変質していくプロセスと言い替えてもよい。

 以下の叙述でも指摘するが、佐藤は対朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮武力行使在日朝鮮人団体への弾圧必要性を精力的に主張している。安倍政権下の拉致外交キャンペーンや、一連の朝鮮総連弾圧に対して、リベラル左派から批判や抗議の声はほとんど聞かれなかったのは、「化学反応」の典型的ものである。「戦後民主主義」が、侵略植民地支配過去とまともに向き合わず在日朝鮮人に対してもせいぜい「恩恵」を施す対象しか見てこなかったことの問題性が、極めて露骨に出てきていると言える。〈嫌韓流〉に対して、リベラル左派からの反撃が非常に弱いことも、こうした流れの中で考えるべきであろう。

 私は、佐藤優個人は取るにたらない「思想家」だと思うが、佐藤右派メディアで主張する排外主義を、リベラル左派容認・黙認することで成り立つ〈佐藤優現象〉は、現在ジャーナリズム内の護憲派問題点を端的に示す、極めて重要な、徴候的な現象だと考える。

 馬場は、佐藤が「左右両翼の雑誌寄稿しながら、雑誌の傾向や読者層に応じて主題文体を書き分け、しかも立論は一貫していてぶれていない」などと言うが、後に見るように、佐藤は、「右」の雑誌では本音を明け透けに語り、「左」の雑誌では強調点をずらすなどして掲載されるよう小細工しているに過ぎない。いかにも官僚らしい芸当である佐藤自身は自ら国家主義であることを誇っており、小谷野敦言葉を借りれば、「あれ(注・佐藤)で右翼でないなら、日本右翼なんか一人もいない」。

 佐藤が読者層に応じて使い分けをしているだけであることは誰にでも分かることであるし、事実ウェブ上でもブログ等でよく指摘されている。そして、小谷野の、この現象が「日本知識人層の底の浅さが浮き彫りになった」ものという嘲笑も正しい。だが、改憲派の小谷野と違い、改憲を阻止したいと考える者としては、この現象について、佐藤優に熱を上げている護憲派を単に馬鹿にするだけではなく、〈佐藤優現象〉をめぐって、誰にでも浮かぶであろう疑問にまともに答える必要がある。なぜ、『世界』『金曜日』等の護憲派ジャーナリズムや、斎藤貴男魚住昭のような一般的には「左」とされるジャーナリストが、佐藤に入れ込んでいるのか? なぜ、排外主義を煽る当の佐藤が、『世界』『金曜日』や岩波書店朝日新聞出版物では、排外主義ナショナリズムの台頭を防がなければならない、などと主張することが許されているのか?

 この〈佐藤優現象〉はなぜ起こっているのか? この現象はどのようなことを意味しているのか? どういう帰結をもたらすのか? 問われるべき問題は何か? こうした問いに答えることが、改憲を阻止したいと考える立場の者にとって、緊急の課題であると思われる。

2.佐藤優右派メディアでの主張

 まず、佐藤排外主義的主張のうち、私の目に触れた主なものを挙げ、佐藤排外主義者としての活躍振りを確認しておこう。

(1)歴史認識について

 佐藤は言う。「「北朝鮮が条件を飲まないならば、歴史をよく思いだすことだ。帝国主義化した日本ロシアによる朝鮮半島への影響力を巡る対立日清戦争日露戦争引き起こした。もし、日本ロシアが本気になって、悪い目つきで北朝鮮にらむようになったら、どういう結果になるかわかっているんだろうな」という内容のメッセージ金正日に送るのだ」。朝鮮植民地化に対する一片の反省もない帝国主義者そのもの発言である。また、アメリカ議会における慰安婦決議の件に関しても、「事実誤認に基づく反日キャンペーンについて、日本政府がき然たる姿勢反論することは当然のことだ。」と述べている。

 特に大川周明テクスト佐藤解説から成る日米開戦真実大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』(小学館、二〇〇六年四月)では、極めて露骨に、日本近現代史に関する自己歴史認識開陳する。以下、引用する。佐藤が自説として展開している部分である

 「日本人は(注・太平洋戦争)開戦時、少なくとも主観的には、中国アメリカイギリスによる植民地支配から解放したいと考えていた。しかし、後発資本主義である日本には、帝国主義時代の条件下で、欧米列強植民地になるか、植民地を獲得し、帝国主義国となって生き残るかの選択肢しかなかった。」(三頁)、「「大東亜共栄圏」は一種棲み分け理論である日本人はアジア諸民族との共存共栄真摯に追求した。強いて言えば、現在EUを先取りするような構想だった。」(四頁)、「あの戦争を避けるためにアメリカ日本妥協を繰り返せば、結局、日本アメリカ保護国、準植民地となる運命を免れなかったというのが実態ではないかと筆者は考える。」(六頁)、「日本武力によって、列強による中国の分裂が阻止されたというのは、日本人の眼からすれば確かに真実である。(中略)中国人の反植民活動家の眼には、日本列強とともに中国を分割する帝国主義国の一つと映ったのである。このボタンの掛け違いにイギリスアメリカはつけ込んだ。日本こそが中国植民地化と奴隷支配を目論む悪の帝国であるとの宣伝工作を行い、それが一部の中国政治家と知的エリートの心を捉えたのである。」(二八一頁)。また、蒋介石政権については、「米英の手先となった傀儡政権」(二五七頁)としている。他方、佐藤は、汪兆銘南京国民政府は「決して対日協力の傀儡政権ではなかった」(二四九頁)とする。

 右翼たる佐藤面目躍如たる文章である。ちなみに、こんな大東亜戦争肯定論の焼き直しの本を斎藤貴男は絶賛し、「大川こそあの時代知の巨人・であったとする形容にも、大川の主張そのものにも、違和感を抱くことができなかった」としている。

(2)対北朝鮮外交について

 佐藤は、「拉致問題解決」を日朝交渉大前提とし、イスラエルによるレバノン侵略戦争も「拉致問題解決」として支持している。「イスラエル領内で勤務しているイスラエル人が拉致されたことは、人権侵害であるとともにイスラエル国権侵害でもある。人権国権侵害された事案については、軍事行使も辞せずに対処するというイスラエル政府方針を筆者は基本的に正しいと考える」。さらに、現在北朝鮮ミュンヘン会談時のナチス・ドイツに準えた上で、「新帝国主義時代においても日本国家日本人が生き残っていける状況を作ることだ。帝国主義選択肢には戦争問題解決することも含まれる」としている。当然佐藤にとっては、北朝鮮の「拉致問題解決」においても、戦争視野に入っているということだ。『金曜日』での連載においても、オブラートに包んだ形ではあるが、「北朝鮮に対するカードとして、最後には戦争もありうべしということは明らかにしておいた方がいい」と述べている(10)。

 さらに、アメリカが主張してきた北朝鮮米ドル札偽造問題が、アメリカ自作自演だった可能性が高いという欧米メディア報道に対して、佐藤は「アメリカ政府として、『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』の記事に正面から反論することはできない。なぜなら、証拠を突きつける形で反論するとアメリカ情報源情報収集能力が明らかになり、北朝鮮を利してしまうからだ」(11)と、いかなる反証根拠も示さずに(反証必要性を封じた上で)、「北朝鮮情報操作」と主張しているが、この主張は、保守派原田武夫にすら否定されている(12)。佐藤現在右派メディアの中でも最も「右」に位置する論客の一人であると言えよう。

(3)朝鮮総連への政治弾圧について

 佐藤は、「在日団体への法適用拉致問題動く」として、「日本政府朝鮮総連経済活動に対し「現行法の厳格な適用」で圧力を加えたことに北朝鮮逆ギレして悲鳴をあげたのだ。「敵の嫌がることを進んでやる」のはインテリジェンス工作の定石だ。/政府が「現行法の厳格な適用」により北朝鮮ビジネス利益を得ている勢力牽制することが拉致問題解決のための環境を整える」と述べている(13)。同趣旨の主張は、別のところでも述べている(14)。「国益」の論理の下、在日朝鮮人の「人権」は考慮すらされてない。

 漆間巌警察庁長官(当時)は、今年の一月一八日の会見で、「北朝鮮が困る事件摘発拉致問題解決に近づける。そのような捜査に全力を挙げる」「北朝鮮日本交渉する気にさせるのが警察庁仕事。そのためには北朝鮮資金源について事件化し、実態を明らかにするのが有効だ」と発言しているが、佐藤発言はこの論理と全く同じであり、昨年末から激化を強めている総連系の機関民族学校などへの強制捜索に理論根拠提供したように思われる。佐藤自身も、「法の適正執行なんていうのはね、この概念ができるうえで私が貢献したという説があるんです。『別冊正論』や『SAPIO』あたりで、国策捜査はそういうことのために使うんだと書きましたからね。」と、その可能性を認めている(15)。

3.佐藤優による主張の使い分け

 排外主義者としての佐藤の主張は、挙げ出せばきりがない。前節で挙げたのも一例に過ぎない。では、佐藤は、こうした主張を『世界』『金曜日』でも行っているのだろうか。

 佐藤が仮に、「左」派の雑誌では「右」ととられる主張を、「右」派の雑誌では「左」ととられる主張をすることで、「硬直した左右の二項対立図式を打破」しているならば、私も佐藤をひとかどの人物と認めよう。だが、実際に行われていることは、「左」派メディアでは読者層の価値観に直接抵触しそうな部分をぼかした形で語り、「右」派メディアでは本音を語るという下らない処世術にすぎない。「左右の二項対立図式」の「打破」は、「左」の自壊によって成り立っているのだ。佐藤が『金曜日』と右派メディアで同一のテーマを扱った文章を読み比べれば、簡単にそのことはわかる。

 一例として、米国下院での「慰安婦」決議に関する佐藤の主張を読み比べてみよう。産経新聞グループサイト上での連載である地球を斬る〉では、「慰安婦問題をめぐるアメリカ報道を「滅茶苦茶」と非難し、「慰安婦問題に関する二〇〇七年三月一日の安倍発言についても「狭義の強制性はなかった」という認識なのだから正当だとして、あたかも「慰安婦」決議案自体不正確な事実に基づいたものであるかのような印象を与えようとしている(16)。ところが、『金曜日』では、こうした自分の主張は述べず、国権論者としての原則的立場から日本政府謝罪には反対だとしている(17)。なお、『金曜日』の同文章では「歴史認識を巡る外交問題 Permalink | 記事への反応(1) | 18:32

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