はてなキーワード: 精神論とは
自己啓発はいいものも多いんだよ。だけど、組織として作ってしまった時点で、組織自体が儲けて永続しないとならないんで、はめ込んでカネを出させるようにしないとならない。
そうすると、恐怖で煽って逃げれないようにさせたり、逆に教祖様の言うことが明瞭でないとならないから、イケイケドンドンと自己啓発で言われてること全ブリにしないとならない。
新自由主義の本来は不況に落ち込んだらもう何もできることはないのに、都合のいいところ個人の精神論に還元して起業だイノベーションだ煽れば不況を脱せるみたいな精神論の具現化もあるし。
実際は金や時間もかかるし、何よりも妖怪共が跋扈してるから、進むところと逃げるところの峻別をしっかりしないとならない。
まぁ自国の古の言葉だから、国民として学ぶべき」とか精神論なのかな。愛国心の育成とかなのかな。
例えば、理系科目は「技術の発展、ひいては国の発展に繋がる」とかで納得。
現代文は「他社とのコミュニケーションのため、論理的思考力を養うため」とかで納得。
では古典は?
「故きを温ねて新しきを知る」はその通りだと思う。
けど、一次情報に各個人がアクセスする必要あるか?翻訳された文で十分じゃないか?
「文化の発展」のためか?
もちろん歌舞伎などの歴史ある文化、和歌集などは誇れる文化だと思うよ。でも義務教育でやるほどなのか?趣味レベルじゃないのか。
古典の代わりに、法律や情報処理のが国民に必要な教養ちゃうんか?
古典を学ぶことは意味がないとは思わないが、学ぶ人数が多すぎると思う。
---
(追記)
・義務教育って書いたけど、高校も含んで。履修する人多いから!
mazmot 国語の教師の中に勘違いしてるのが多いけど、国語科は基本的に英語と同じ語学教育。古文は、現代語を理解する上で役に立つ。ただ、漢文に関してはねえ。 https://mazmot.hatenablog.com/entry/2017/04/06/233342 2021/02/19
確かに現代語を学習するときに、由来や成り立ちとして古文が登場するときあるかも!
素人としては、そんな説明なくてもよいと思うけど、言語学者的には必要という判断なのかな。
B2igwzEE 「理系科目」「社会」というくくりのなかにも義務(+高校)教育に必須かどうかで議論の分かれる要素はあると思うが、なぜ国語だけを細分化して考えるのだろう
大分類でも、理由が共通して記載できるからまとめて書いているんだよ!
下記みたいに個別に書いても同じだよ!
国語を細分化しているのは、物事を理解するためには、階層や項目に分けて問題点を特定していくためだよ!
primedesignworks 現代文の「〜の気持ちを答えよ」の方が余程無駄な時間だと思う。著者は登場人物でないから正解が不明な問題よりも、古文漢文は正確に読めるかの方が多いから楽。ぼくは、古文漢文のお陰で国語の点数が成り立ってた。
「〜の気持ちを答えよ」は「〜の気持ちを文章を基に論理的に推測せよ」と質問しないとだめだよね!
mats3003 お前ら、科学の基礎研究に対する発見に「それは何の役に立つんですか?」というマスコミの質問を小馬鹿にするくせに、学校教育については平気でこういうこと尋ねるんだなwww
どういうこと?
基礎研究に対する「何の役に立つの?」には、「医療分野の新薬の開発に役立つ可能性がある」とか「暗号化のアルゴリズムに応用できる可能性がある」とか説明できるし、しているよね?
そうなんだ!
例えば、数学は「化学や物理などの自然法則を定量化して原理を利用するために使われる」とかみたいな感じで!
takinou0 古典やらないと日本人が過去に考えてきたリソースにアクセスできないからじゃないかな。明治よりも前の話が読めなくなると思う。 誰かに翻訳して貰えばいいじゃん、というのは英語も同じこと言えちゃう。
「古典が必要な理由」じゃなくて「古典が義務教育の対象となっている理由」を知りたいんだよね!
英語は、英語の文献はリアルタイムで増えていて、自身で一次情報にアクセスするメリットがあるよね!
古典は、新たな文献が発見されたとして、量はたかが知れていて、専門家が翻訳すれば足りるよね!
ぜんぜん同じことは言えちゃわないね!
take-it 文法を事細かにやるより、言葉の変化や文化の変遷、逆に変わらない人間の精神を学んだり、長年読みつがれてきたものを読む、原点に当たるという学問的態度こそが、古典の授業で大事だと思う。
「言葉の変化や文化の変遷」:それをまとめた結果を読めばいいんじゃないの?
「逆に変わらない人間の精神を学んだり」:現代文や翻訳文じゃだめなの?
「原点に当たるという学問的態度」:英語を修得したほうが効果大きいよね!
caps_lock 巨人の肩の上ではないのかも知れないけど、文学や社会でも我々は積み重ねられてきた何かの上に立っている。その何かを学ぶのは義務教育としてそう的外れではないのではないかと思う。
「その何かを学ぶのは義務教育としてそう的外れではないのではないかと思う。」この理由を説明してほしいんだよね!
つまり「古典を学ぶ」→「●●●という作用がある」→「義務教育として必要」って説明してほしいんだ!
about42 漢文を知って英語見直すわかるぞ感がある。こちらは語学にしろだとしても、現代語訳だけで原典を読める技術を与えなくていいって、有史以来から品行方正でとプロパガンダきてもファクトチェックもできへんぞ?
「漢文を知って英語見直すわかるぞ感がある」:ストレートに英語を勉強したほうが効果大きいよね!英語を修得するために、その補助のために古典を義務教育としているの?
中止確定は時間の問題だろうから、忘れないように「東京五輪クソかるた」を作ることにした。
はっきり言って、もう、うんざりだから、自分が生きているうちはやらないでほしいというのが率直な感想だ。
個人的には、夏に招致しといて、札幌でマラソンやると決めたあたりから厳しいと感じていた。
ウソばっかで行き詰ったオオカミ少年のような東京五輪よ、さらば!
[追記]
たくさんのコメント、ありがとう。こんなにリアクションあるとは思わなかったので、帰宅して、驚いた。
自分も「クソかるた」をプレイしたいので、イラストの続きを求めたいところだけど、厚かましいかな。
批判だけなら誰でもできる、ならば、どうすべきか。
全然やる気出ない。
転職して2年目なんだが、リファラルで入ったのである程度業務内容は直属の上司と詰めてたはずなんだけど、やりたかった事は何一つさせて貰えてない。
もちろんコロナの影響で外出仕事できないとかの理由もあるんだけど、一番は想定よりも一部のタスク負荷が膨らんだ的な。
上司も負荷減らそうとはしてくれないし、何度も負荷減らすための提案したんだけど、やはり周りの協力無しにはできないっちゅーか。
ぶっちゃけ、前職で部下がやってた仕事を延々とさせられてるのが結構キツイ。
キャリアアップするために転職したのにキャリアダウンしてる事実が受け入れ難い。
しかもよくないのが上司は精神論で頑張れ言うのがマジにきつい。
ほんと、なんでこんな事してんだろって気持ちが強すぎてつれえ。
[B! togetter] 「自分は平気だから」という理由で家事をせず妻にも強制しないタイプの夫、かなり多い模様→どうすればいい? - Togetter
y_as ひろゆき「うちの妻は掃除好きなんですよね。僕が嫌でやりたくないことを彼女は好んでやってくれる」妻「好きじゃねーよ!」
sand_land 「自分は気にしない、気になる人がすれば良い、分業、適材適所」と言う人は往々にして、「気になる人」の提供する快適さにフリーライドしている事を自覚した方が良い。
mame_3 「炊飯器に一人分にも満たないご飯を残す」「冷蔵庫の牛乳パックにチャプチャプと音がするくらいの一口分を残す」「使い終わったトイレットペーパーの芯をトイレの中に置きっぱなし」削ってくるよね、こういう人。
dimitrygorodok いわゆるフリーライダー行為だし、家庭内の信頼関係醸成の邪魔にしかならないからいずれは高い代償を払う羽目になるのは明白。
kappateki 会話しろと言われてるけど要求したら平気って言われたんだろうし、要求高すぎるのではってのもこの人の場合ワンオペ育児の「乳児と幼児1人で風呂に入れる」「子守しつつ料理」に手を貸してほしいって程度じゃん…?
camellow これが怖くてルームシェアとかできなかった。トイレも風呂も掃除しなくていいという人と一緒になったらこちらが負けるの目に見えてるから。相手の意も汲む姿勢のある人とじゃないと共同生活はできない。
KoDoKu_Si 発達障害気味の孤独死予備軍男性宅を訪問すると高確率で部屋に虫が湧いているレベルのゴミ屋敷なのだが、話を聞くと「ずっとママ(母親や熟年離婚で逃げられた嫁)にやってもらってた」と口を揃えたように言われる
Aikoku_Senshi 受動型アスペルガー男性のご家族から「結婚後/出産後に豹変した」とよく聞く話で、本人としては「言わなくても嫁がやるのが当然」なのだろうhttp://htn.to/hdqcZEjybHエネルギーを離婚に向けて逃げられる準備を推奨している
diabah_blue うちは家事タスクをやっつけた方が相手の前でポーズを取り「ババーン!」と言っていいというシステムにしてる。自分がしたときは口にすることで満足感が得られるし、してもらったときは感謝を伝える機会になってる。
dogdogfactory 自分もそうだけど、やらない人は気にならないんだよ。ゴミが溜まっても床や換気扇が汚れてても。「家事を止める」をやってもダメージを受けるのは増田のほうで妻じゃない。気になるほうがやるしかないんじゃない?
k-wacky76 「公平感」という名の「どっちが得してる楽してるって発想」してるうちは、永遠にもめ事は解消しないぞ。相手に期待するな。出来るときに出来る人がやればいいのさ
screwflysolver 家事の分担自体より、それについてうまく話し合えない(増田の関心事を妻が蔑ろにする?)ことが不満なのかなとゲスパー。「私はやりたくないから君が全部やって」って言われちゃえば逆にスッキリしたりして。
zataku 「ちょっと手伝ってー」や「(今日は)自分がやるね」「ありがとう/ごめん」等日々のやり取りが気軽に出来ない状態なら、コミュニケーションが上手く取れてないかも。あまり重く考えずに軽い声掛けから初めてみては
hara_boon よくある相談の男女が逆になったバージョンぽい。結局家庭によるがFAなので、周りがどうとか考えずに夫婦間で話し合うしかない。結局気になる側が損するので、どこまで妥協できるか、を探っていくしかないと思うな
kawacchosan 同じような悩みを持ってて、同じように昔増田に書いた。あれから数年経ったけどあんまり解決してない。人は変わらないので、得意不得意で分業していくぐらいしか思いついていない。一緒にがんばりましょう
kitayama 多分だけど、綺麗さのレベルが違うんだろうな。ゴミ一つ落ちてないか、散らかってても気にならないかとか。そこ話してみてはどうだろう。
woodnotexx 精神論になってしまうが「すべての家事は自分でやる」と思い込んだほうがいい。妻に頼む気遣いややってくれないときの苛立ちというストレスがなくなり、月に一度でもゴミ出してくれたらありがたく思えるようになる
ameshonyan そんなに家事してもらいたければ家事好きな人と再婚すれば?としか言えないな。30年そうやって生きてきた人はもう変えられない。
そして、これらのうち重複するのは(つまりどちらの記事の人気コメにもスターをつけていたのは)以下の140人だった。
全体が952人のうちの140人なのでわずか14.7%である。
aco0, agnusdei28, aki-akatsuki, AKIMOTO, am1130pm2330, amtmt, ardx, Arturo_Ui, atahara, baronhorse, Baybridge, catryoshka, charleyMan, chuff_chuff, damedom, differential, dimitrie, drunkghost, dusttrail, eartht, emmie714, everybodyelse, ewiad420, ezmi4, far_niente, fried-tofu, fu_kak, furseal, gdsk, ghosttan, gorokumi, grandao, graynora, grisella, h1roto, hara_boon, haru-k, hatechan09, hinatadegorone, hirarino, hiSAtO, hitoyo14142, hogetahogeko, honeybe, hryord, humid, ipinkcat, ippeichangg, irasally, itacon, IvoryChi, Jinmen, kagecage, kanagawakama, kanicrap, kaorm, kareha98, ken-baan, khtokage, kico_wm, kidspong, kogumatan, kokekokekoke333, kpen, kumpote, kuniku, kuroi122, lavandin, layback, m4i, maaaaago, mak_in, mamikri, maroon, mawhata, MIchimura, MiG, Mikael4747, mimo_duck, misomico, mkotatsu, moandsa, mobile_neko, motiri007, mrescape, msdrmgmg, mtmt_id, nacady, neko_no_muzzle, nekowolf, Ni-nja, nicoyou, nippondanji, nobori_lupin, north_god, octa08, otsuno, Outrast, p-2yan, pandachoco, pandaman47, pega2s, pikopikopan, piripenko, plutonium, praty559, red_snow, rgfx, sabacurry, sachi_pop, saori-yamamura, sato0427, satovivi, shields-pikes, smallpalace, sociologicls, solailo, srng, straight_hair, susuharai, tapi423, tarako3016, tea053, tkggohan, torico16, tsubaki315, utabuti, uunfo, vkara, vlxst1224, wa_oga, waihasaruya, wantocat, white_cake, white_rose, wisboot, wuzuki, yamasei03, ykkkws, yumenoa
もちろん、この140人だって即ダブスタと判断できるわけでもない。
この二つの記事の人気コメントは、単純に正反対の内容というわけではないからだ。
真のダブスタはてなーをあぶり出すには、さらなる精査が必要となるだろう。
1) 元々出世意欲が低く打診しても断られる
まるで“山口先生が知らない問題”であるかのような口ぶりだが、2)と3)は山口先生の解析で男女の賃金格差の主因足りえないことが示されている(個別でも組み合わせても)。山口先生が研究で(たぶん)扱っていない1)についても要因の一つたり得るがエビデンスは少ない。
1) → 出世意欲の男女差では賃金/管理職割合格差を説明しきれない(調査も少ない)。
2) → 勤続年数が同じ(寿退社しない)でも格差は残る。また夫選びは勤続年数に影響を与えるファクターたり得るが、勤続年数そのものは格差の主因ではないことは今言った通り(※7)。
3) → 学歴で補正しても格差は残る。また大学での専攻の男女差でも格差を説明しきれない。
※7:ダグラス=有沢の法則というものが知られており、これは夫婦間の給与格差が大きいほど妻の就業(継続)確率が下がるというもの。日本ではちらほらとエビデンスがあり、勤続年数を媒介として男女の給与格差に影響を与え得る要素の一つ。
最後にもう一度確認です。私と山口先生は結果としてのファクトの認識は共有しています。そこに異存はありません。
twitter.com/SeanKy_/status…
問題は解釈のほうです。確かに前世紀なら男女雇用機会均等法などを必要としていたこともあり、男女差別があったと言っていいでしょう。
しかし、2020年女性管理職30%の目標に起業が本気で取り組み、男性の育休を強制的に取らせる施策が広がるこの時代に、女性に昇進を打診しても断ってしまう問題や、自分より所得の高い夫を選び寿退社してしまう問題、進学段階で工学系に進まない問題に取り組む必要が出ているのです。
本気で取り組んですごーい。2020年までに女性管理職30%の目標が出たのは2003年で、女性躍進法が2016年、そして今年やっぱ無理だから2030年までに延長。本気の努力凄いなあ。男も強制されると育休をとるなんてスゴイね!ほんとに凄い時代だよ取得率8%だけど。
なおショーン君の挙げたいずれもが男女の給与格差の主因ではないことは既に示した通り。解析結果を“ファクト”と呼ぶなら、君が挙げた3つは解釈どころではなく“ファクト”に反する主張だよ(※8)。
そして実はさりげないすり替えがある。「自分より所得の高い夫を選び寿退社してしまう問題」?先のツイートでも「2) 夫選びの指向で寿退社が多くなる」と言ったね。
思い出してほしいが、夫選び云々でショーン君が言ってたのは「女が転勤についてこない夫を選ぶ問題」だ。
これが寿退社(結婚を機とした離職)とどう関係するんだ?結婚したら即座に転勤を命じられる慣習でもあるのか日本には。寿退社するなら転勤は関係ないし、転勤時の夫婦の不一致で辞めるならそれは寿退社じゃない。
いやまあ『「妻の出世を邪魔する夫」を選ぶ妻』より、「金持ち男と結婚して退社する女」をディスる方が楽とは思うがね。
※8:繰り返すが、それらは当然ファクターの一つたり得る。もっと言えば説明力があんまり高くないファクターでもある。そしてそれだけでは説明できない男女格差が存在するのが“ファクト”である。
nikkei.com/article/DGXLAS…
2019年の男の育休取得率8%弱なんだけど。みずほは2015年で1.5%、2021年現在未達成(恐らく)。宣言するだけで「頑張ってる!」って……
まあ男にも男の事情があるのさ。男が育休取れない(“取らない”とは言うまい)のは女の育児家事のハイウェイトと鏡うつしだ。根性論でどっちが悪いというもんでもない。
大企業/大きな事業所では私の論が成り立つが、小さな事業所では成り立たないのはnoteでも書いた通りです。
ただし、両者は表裏一体で、大企業では休職・退職に対する労働力の調整を転勤の強制によって行えるのに対して小さな事業所ではそれが出来ないわけですが、
中小企業は配置転換や転勤させるにもその補充元がいないので、最初から問題を回避するために退職や休職をしなそうなメンバーを選んでいるというセレクションバイアスが差別の原因であり、解消するには「転勤を受け入れる従業員のいる大きな事業所にしろ」という話になってしまうと。
間接差別と統計的差別を直球でぶち上げてくるなんて、ショーン君は凄いなあ。
第7条 事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であって労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。
簡単な要約は
間接差別とは、
① 労働者の募集又は採用に当たって、労働者の身長、体重又は体力を要件とするもの
② コース別雇用管理における総合職の労働者の募集又は採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること
「ある企業が一定の嗜好をもって被雇用者を選別する場合(白人がいいとか男がいいとか)、実際のパフォーマンスで白人/黒人、男性/女性で差がなくとも格差が生じる。ただし、それは経済的に不合理であり(より優秀な黒人や白人を逃がす)、合理的に被雇用者を選ぶ別の企業との競争で不利になるため、差別的な企業は市場から淘汰されていく」という理論。
統計的差別論にはいくつかのタイプがあるがここではPhelpsのものを紹介する。
「“雇用者側が評価する資質について、志願者/被雇用者には個人差がある”かつ“雇用者側が評価する資質について、志願者/被雇用者の属するグループ間に統計的な差が存在する”ことが前提。そのうえで、志願者/被雇用者の個人の資質を見極めるより、グループ間の統計的な差を知る/調べる方がコストが低く済む場合、個人ではなくその属するグループに基づいて扱い(雇用の可否、賃金や昇進、教育投資等)を決定する方が(経済的に)合理的である。その結果、統計的差別は淘汰されずに市場に残り続ける。」
例を挙げるなら、ある女性社員個人が早期に離職するか分からない場合、女性全体の統計的データをもとに長時間労働せず早期離職するものと判断してOJT等の投資を控える。
3人に2人の女性が早期離職する場合、大きなコストをかけて誰が辞めるか誰がそうでないかを見極めるより、全員に投資しない選択をした方が安く済む。
3人に1人の女性社員が長時間労働を厭わず定年までバリバリ働く場合でも関係ない。合理性の前の致し方ない犠牲というやつである。
別の例なら男性保育士。男性は女性より圧倒的に性犯罪を犯しやすいという統計的データにもとづき、男性保育士の性犯罪リスクを厭って採用を見送るあるいは女性保育士より低く評価するなど。
山口先生は長年この統計的差別を批判している。「差別はいけない」というだけでなく、「本当に合理的かそれ?」という批判である。
詳しくは山口(2008,2010)でも読んでくれもう疲れた。
いやあ疲れました。ここまで書いてもうギブアップ。まだ件のtogetterまとめは続くけど、これ以上はキツい。精神的にも実作業的にも。
山口先生も災難だったろう。自分の名前出して間違ったこと言ってる人がいるから訂正したら、論点でジャグリングしながら錐揉み回転で突っ込んでくるんだもん。そら逃げるわ。
この増田書くのに結構時間かけて文献読んで論理チェックしてと、得るものは無し。絶対コラムとか講演のために時間使った方がいいわ。不毛。
そもそもネットバトル自体、ツイッター歴1年と3カ月、総ツイート500ちょいのライトユーザーたる山口先生には厳しかろう。
もっとネットバトルに慣れてる、そうだなNATROM先生あたりならきっと最初に「まず“時短や離職で賃金格差が生じた”というのは撤回するということでよろしいですか?」とか詰めるだろう。
とまれ、ここまで書いた分だけでも賢明な諸君はいろいろ察してくれるだろう。僕ぁもう疲れたよ。
念のために言っておくが、山口先生や他の研究者が挙げている男女賃金格差の要素は、それぞれ解決すべき問題の一つである。正体不明のファクターなんて対処しようがないからね。
しかしその解決は社会的な要因あるいはシステムへの介入(企業の自助努力だけでなく国からの援助も含む)によるものであり、個々人の意識や行動にそれを求める精神論はお呼びではない。
最後に一言で件のtogetterまとめの流れを言えば、“起結転転転転転転転”。ではさようなら。
山口一男 (2008) 男女の賃金格差解消への道筋―統計的差別の経済的不合理の理論的・実証的根拠.日本労働研究雑誌 50(5), 40-68.
山口一男 (2010) 常勤者の過剰就業とワーク・ファミリー。コンフリクト.RIETI-DP 10-J-008
山口一男 (2014a) ホワイトカラー正社員の管理職割合の男女格差の決定要因.日本労働研究雑誌 56(7), 17-32.
山口一男 (2014b) ホワイトカラー正社員の男女の所得格差―格差を生む約 80%のメ
山口一男 (2016) 男女の職業分離の要因と結果―女性活躍推進の今一つの大きな障害について. RIETI-DP 16-J-001.
馬欣欣,乾友彦 (2016) 正規社員が管理職になる決定要因およびその男女間の格差―従業員と企業のマッチングデータに基づく実証分析―.RIETI-DP 16-J-015.
馬欣欣,乾友彦,児玉直美 (2017) 管理職における男女間格差 : 日本の従業員と企業のマッチングデータに基づく実証分析 (小特集 日本の格差問題).経済研究 68(2), 114-131.
Gijsbert Stoet, David C. Geary (2018) The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education. Psychological Science 29(4), 581-593.
Gijsbert Stoet, David C. Geary (2020) Corrigendum: The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education. Psychological Science 31(1), 110-111.
Sarah S. Richardson, Meredith W. Reiches, Joe Bruch, Marion Boulicault, Nicole E. Noll, Heather Shattuck-Heidorn (2020) Is There a Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Math (STEM)? Commentary on the Study by Stoet and Geary (2018). Psychological Science 31(3), 338-341.
とある増田経由でこのtogetterまとめにたどり着いたが。これはひどい。
山口先生の解析では山口(2008)で“男女の所得格差は男性に比べ女性に非正規雇用が多いことが一因ではあるが、より大きな原因は正規雇用者中の男女格差で、特に女性の管理職昇進率が男性に比べ著しく低いことが要因だ”ということが示され、さらに山口(2014ab)で勤続年数・就業時間・年齢・学歴・職場の種類だけでは男女の管理職割合/所得の格差を説明しきれない(これらの項目が全て同じだったとしてもまだ大きな男女格差が残る)ことが示された(※1,2)。
つまり、ショーン君の「山口一男氏を始めとして、多くの研究から所得の男女格差は女性が辞めたり時短にした結果によって生じているもので、そうしなければ女性の所得は男性並みであることが分かっておりますので、女性も自信をもって主たる家計支持者になって大丈夫ですよ。」は間違い。
むしろ何で山口先生の名前出したん?たぶん読んでないでしょ君。それで本人から訂正されるって一番恥ずかしいやつぅ。
……とまあ本来はここで終わり。あるいは、少し後退して「賃金の男女格差の要因の一部には女性が辞めたり時短にすることが含まれうる」と主張を弱めるか。はたまた「貴方の論文/解析は間違っている」と文献を挙げるか自分の研究結果を出すか。
※1:就業時間と管理職割合の関係は因果が両方向(長く労働する社員は管理職になりやすい/管理職になると労働時間が長くなる)だが、前者だけを考慮している。そのため、就業時間の実際の説明力は解析結果よりもっと弱い。
※2:平均の就業時間ではなく、就業時間区分に分けてその割合で解析している。理由としては平均値だとあまり男女差は無いが、区分分けすると“長時間労働者”区分の割合で男女差が大きくなるため。平均差より区分分けして解析した方が労働時間の説明力が高くなる。山口(2014a)では具体的に述べてはいないが山口(2014b)では週当たり平均労働時間の男女差は約4時間だが区分分けすると労働時間50時間以上の区分で女性割合が男性の3分の1になる。
ここからショーン君は鮮やかな論点ずらしを見せる。「男女格差は女性が辞めたり時短にした結果」という自分の発端のツイートとそれへの指摘は無視して、別の話を始める。
まあショーン君も実際に解析結果見て「あ、ヤベ」って思ったんだろうなあ。他の人の研究でも女の時短とか離職は数あるファクターの一つに過ぎないし。
『「男女格差は女性が辞めたり時短にした結果」ではありませんよ。要素の一つにすぎません』に反論しようがない。
でも凄いよショーン君は。まるで最初っからそう言ってたみたいに論点ずらすんだもん。ネット論客かくあるべし、みたいな?尊敬はしないけど。
1) 日本でも同じ勤続年数・職位・職階であれば所得の男女差はない
2) 日本の所得の男女差はa.勤続年数・職位・職階の分布の違いとb.職種の分布の違いで説明できる
というのが基本かと思います。
うんうん。まあもう少し言えば補正後も男女差は残るし、職階の分布の男女差の説明変数の一つが勤続年数なんだけど、まあ細かいことはいいんだよ。
山口先生と私が違っているのはそのファクトの解釈です。山口先生は例えば《意思決定ラインの登用には男性が優先されていると考えられ》とここに男女差別があるのだという解釈になっています。ですが、この解釈には直接的なエビデンスがありません。
うん?差別?突然出てきたが何の話だ。実際に解析結果では「係長‐課長‐部長という意思決定ラインの登用には男性が優先されている」し、少なくとも引用元では山口先生はそれを差別と呼んでいないぞ。
事務職コースみたいな、女性が多く(というか実質女性向け職)かつ賃金・昇給が低く抑えられている企業内コース制度のことは間接差別だと言ってるけど。
2020年管理職30%目標など企業も努力しており、その中で問題になってくるのが「女性に昇進を打診しても断られる」「管理職候補だった女性が寿退社してしまう」という問題です。女性の昇進意欲については山口先生の間接的データの解釈とは別に直接的エビデンスが存在します。
うぅん!?“昇進意欲”なるものが唐突に出てきた。え?女の時短や離職で賃金格差が生じてるんじゃなかったの?
しれっと別の話始めないでよショーン君。たぶん山口先生も混乱したでよ。
例えば、『多様な選択を可能にする学びに関する調査報告書』(gender.go.jp/research/kenky…)では女性の昇進意欲は男性のそれの半分です。パーソルの調査(rc.persol-group.co.jp/research/activ…)でも同様の結果で、日本の女性はアジアの中でも管理職昇進意欲が最低で、男女のオッズ比も最も大きい。
「女性に昇進を打診したのに断られる」という企業の困惑は実際そうでしょう。引用先から図表を持ってくるとこのようになります。
この問題は日本に限った話ではなく、例えばスーザン・ピンカーが「なぜ女は昇進を拒むのか」(hanmoto.com/bd/isbn/978415…)という本を書いていたりしますが、この本の主張はともあれ多かれ少なかれ「女性に昇進を断られる」という問題は現実的な話ではあります。
いやしれっと進めないでよね。それに女は昇進意欲が小さいんじゃい!と連呼されてもさ、それが職階分布の男女差をどれくらい説明できるのかなんも言ってないじゃん?(※3)
いやはややっぱりすり替えがうまい。女は昇進意欲が小さいというエビデンスを、それによって職階分布の男女差ひいては男女の賃金格差が生じているというエビデンスに誤認させてる。
山口先生がただ結果を述べているだけなのを「男女差別があるのだという解釈」ということにして信頼を毀損しようとする。
やりますねえ!
※3:たしか昇進・労働意欲の影響を調べた解析もあった気がする。あ、これだ馬&乾(2016)。これだと係長への昇進は意欲で一部説明可能だが課長以上はできないって結果。ちなみにこの調査では、管理職割合については属性格差(人的資本の男女差)より評価格差(人的資本の評価における男女格差。例えば同じ人的資本を持つ男女では男性の方がより評価されるなど)の影響の方が大きく、男女の職階差は差別的扱いに由来するものと結論付けている。馬ら(2017)でも昇進意欲の影響を見てるがこちらはもっと説明力が少ない。
次に、寿退社の話です。スローター「仕事と家庭は両立できない?」とその種になっているコラム"Why Women Still Can’t Have It All"(theatlantic.com/magazine/archi…)やサンドバーグ「Lean In」では夫選びの重要性が説かれます。妻の出世に協力的な夫でないと出世は難しいと言う話です。
こらまたアクロバティックな方向転換。なぜに夫選びの話に?
43歳でFacebookのCOO(その前はGoogle、さらにその前は米財務省の首席補佐官、その前はetc.)のスーパーウーマン、シェリル・サンドバーグが「女のリーダー少なすぎ!女だからって仕事辞めなくていいよ!子育ても仕事も両立できるし、バリバリ働けばキャリアだって男に負けない!頑張れ頑張れできるできる!!」と抜かすLean In (悪意的要約)と、それに「いや無理だし」と返しているアン・マリー・スローターを同じ意図で引用するってどういう脳みそだ。ほんとに読んだん?
夫選びに限定したって、サンドバーグは「理解のある夫くんが居れば無問題」、スローターは「夫は重要だけど、それだけじゃ無理」と言っている。
ちなみにショーン君の引用しているアン・マリー・スローターの文は日本語訳があるので置いとくよ。→https://courrier.jp/news/archives/77602/
最近の共働き志向の中では「出世に伴う転勤・引っ越しについてくる配偶者か否か」という問題で表出しやすくなっています。先生も研究者ですからポストを得るのに引っ越しが必要であり、現実的に引っ越しについてくる配偶者か別居を選ぶかしか選択肢がないのはご存じでしょう。
ただし、引っ越しについてくる夫を選ぶ女性が極めて少ないのは、中野円佳「育休世代のジレンマ」(kobunsha.com/shelf/book/isb…)4章2「なぜ夫選びに失敗するのか?」や、
あるいは有名どころで上野千鶴子のインタビュー(toyokeizai.net/articles/-/224…)にもそれは表れています。他人に白河桃子『「専業主夫」になりたい男たち』も同じ旨が書かれます。
女性が結婚相手選びで所得を重視するのは婚活産業や少子化関連の調査から明瞭で、言ってしまえば女性は自分の出世の邪魔になる夫を選んでしまうのですが、ここを変えようとしてもプライバシーへの干渉になるので、現実問題としてはここが非常に大きなボトルネックになっています。
まだまだ続くよ夫選びの話。ええい印象論はいい。エビデンスを出せエビデンスを。
って言うか最初に言ってた寿退社の話はどうなった。転勤・引っ越しと寿退社に何の関係があるんじゃ。
ちなみに山口(2014a)は制約は多いながらも「既婚および子供の有る女性/男性は、そうでない場合より昇進し難い/易い」という解析結果をだしている。あとさっき引用した馬&乾(2016)では結婚は女性の昇進に影響なし、男性にプラス。
しかし解釈は容易ではない(※4)。「夫が足引っ張るせいで妻が出世できない」のエビデンスには全く足りない。
あとこのツイートからわかるのはショーン君の「女が悪いフィルター」の強さかな。
「出世の邪魔になる夫」の問題じゃなくて『「出世の邪魔になる夫」を選ぶ女』の問題って言うんだぜ。賭けてもいいが、ショーン君ならDV被害はDV男を選ぶ女の問題って言ってくれるはず。
①/② 結婚が男性/女性(の昇進)にプラス/マイナスの効果を生じる
③/④ 独身が男性/女性(の昇進)にマイナス/プラスの効果を生じる
⑤/⑥ 昇進が男性/女性の結婚にプラス/マイナスの効果を生じる
①~⑥は全部同時に成立しうるし、①③⑤は⑦と、②④⑥は⑧と、⑦は⑧と排他である。
さらにプラス/マイナスが具体的に何によってもたらされるかも考えねばならない。超複雑!
最後に専門職の話。これは、実は「ジェンダーギャップ指数が良好な国ほど女性のSTEM系進学率が低くなる」現象があり、Gender-Equality Paradoxという名前で他国でも問題提起されています(eprints.leedsbeckett.ac.uk/id/eprint/4753…)。
問題提起?されたなあ確かに。その論文Stoet&Geary (2018)の信頼性についてだがね。
発端はこの論文に興味を持った他の研究者がデータから結果の再現を試みるも失敗したこと。よく見たらデータ自体も合わない(例えばポーランドの女性のSTEM学位取得率は43%だが、論文中では27%くらいになってる)ことが判明。著者らに問い合わせたんだ。
すると――聞いて驚け!――この論文の著者らはMethodsにも書いていない、非公開の独自の計算方法を用いて数値を算出していたのだと。
でまあ指摘を受けた著者は論文の大幅な――元論文の1割以上、1,113語にも及ぶ――修正をしている(Stoet&Geary, 2020)。
その訂正の多さもさることながら、元論文では言い切っていたところを「傾向(propensity)」という弱い表現に差し替えてる。つまり非公開の手法でデータいじって主張を誇張してたわけだ元論文は。
ぶっちゃけ個人的にはアウトもアウトな話だと思うんだけど、皆さんどう思う?
さらにそれを指摘した学者らの出したRichardson et al. (2020)では、国の数や男女平等の指標等が変わるだけで男女平等とSTEM分野の男女格差の相関は消えることが示された(=Stoet&Geary (2018)に再現性なし)。Richardsonら曰く「複数の指標や手法を試して結果の一貫性を確認すべき。自説に合う結果が出たやつだけ使うのはダメ」とのこと。
おっと、引用元の解説を長々しすぎた。Gender-Equality Paradox云々は置いといて、ショーン君が言いたいことは分かるよ。「女の選好のせい。女が悪い」でしょう?
良い手だが、それは結局ファクターの一つを提示したに過ぎない。それの説明力や、それがどの程度社会的に形成されたものであるのかが重要だ。
ちなみに山口先生の解析では、男女の専攻の選好は理工学部を除き、男女の職業分を説明しない。その理工学部にしても最大推定で約50%しか男女の職業分離を減少させない(※5)。
勘違いしないでほしいが、男女の選好の違いは男女のSTEM分野ないしより広い範囲の職業選択において重要なファクターの一つであることは間違いない。
論点はそれがどれくらい生物学的(対処不能)でどれくらい社会的(対処可能)であるかということだ。極端な主張の人達――100%生物学的 or 100%社会的――もいるがね。
※5:
男女の大学の選好の違いの多くは、男女の職業分離を説明しないが、例外は理工学部の女性の増大で、もし理工学部女性の割合が男性と同等になり、かつ彼女たちの職業分布が男性の理工学部卒の職業分布と同じになるという2条件が満たされるなら、タイプ1型(※6)の専門職割合の男女格差が最大の推定でほぼ半減すると期待できる。
※6: タイプ2専門職=教育・養育、医療・健康・看護、社会福祉分野の専門職から医師・歯科医師、大学教授(教員)を除いたもの。
タイプ1専門職=医師・歯科医師、大学教授(教員)およびタイプ2に含まれない専門職。
1) 元々出世意欲が低く打診しても断られる
まるで“山口先生が知らない問題”であるかのような口ぶりだが、2)と3)は山口先生の解析で男女の賃金格差の主因足りえないことが示されている(個別でも組み合わせても)。山口先生が研究で(たぶん)扱っていない1)についても要因の一つたり得るがエビデンスは少ない。
1) → 出世意欲の男女差では賃金/管理職割合格差を説明しきれない(調査も少ない)。
2) → 勤続年数が同じ(寿退社しない)でも格差は残る。また夫選びは勤続年数に影響を与えるファクターたり得るが、勤続年数そのものは
13人の客、その7人目もスーツ姿だった。
ただ6人目の時とは趣が全く異なっている。
スーツは全体的にラメ加工が施されており、ビジネスシーンは全く想定されていないデザインだ。
「三大・エグい特殊造形の映画、『魅了のひじき』、『半生からの合体SEX』、あと一つは?」
「と、とくしゅぞうけい?」
まるでクイズを出しているようだ。
そう考えると、確かに往年のクイズ司会者を髣髴とさせる格好だ。
「あと一つは!」
聞き方は妙ちきりんだが、要は嗜好に合った作品を探しているってことなのだろう。
特殊造型という言葉には聞きなじみがないが、この客が挙げた作品から推測はできる。
観たことはなくてもタイトルは知られてるくらい、往年の名作ホラーだからな。
そして“エグい”って言ってるくらいだから、グロテスク要素のあるものと思われる。
その上で、近い時期の作品といえば……
俺はそう答えたが、その客は何も言わなかった。
その後も、司会者は似たような質問を繰り返し、俺は律儀に作品名を答えていった。
そうして何度か同じ応酬を繰り返した後、司会者は何も買わずに帰ってしまった。
期待は応えらず、俺は落胆する。
だが落ち着いて考えてみればなんてことはなく、その答えは簡単だった。
これは単なる冷やかしである。
今になって考えてみれば、他の客がやってたこともほとんど冷やかしだ。
半分くらいは映画と関係のない話ばかりしてきて、そのくせビデオは買わない。
下手したらレンタルすらしないこともあった。
接客も仕事の内だと割り切ってやってきたものの、こうも立て続けに冷やかされるとウンザリしてくる。
雇われの身だが、対費用効果のない仕事に労働力を奪われたくない。
たまらず店長に苦言を呈したが、返ってきたのは謎の精神論だった。
「マスダ、何で皆がウチの店にくるか分かるか?」
「ビデオを買ったり、借りたいからでしょ。家で映画を見るために」
「ここに来る人たちは何らかの問題を抱えている。何が問題か自分でも分かっていない人だっている。理由は様々だが、つまり順風満帆ではない、思い通りにいかない人生を送っている」
「そんな人たちでも、場末のビデオ屋で働くバイトと話している間は順風満帆なんだよ。そんな人たちを助けるのがマスダたちの仕事だ。目に見える利益だけ追求するんじゃない」
なんだか諭されているようだが大した理屈じゃない。
とどのつまり店長は「つべこべ言わずに働け」と言ってるだけである。
この一年の日本政府のコロナ禍対応を見た感じ、今後9条を廃止して戦争ができるようにしても、戦争なんて絶対無理でしょ。
前の戦争で、客観的な事実に向き合おうとせず、精神論でなんとかしようとして失敗した理由がよくわかるよ。
人文系のリベラル(ここでは基本的に反安倍・菅政権派の意味)の
専門家叩きは本当にひどい。
学部時代からやり直さないと追いつけるはずもない感染症とその対策について、
「ネットdeお勉強」の情報だけで懸命に専門家を論破しようとしている。
最初は「うわ、この年になって厨二病かよ」と無視、スルーしていたが、
驚くべきことに、1年近く経っても続いている。
むしろひどくなっている。
SNSだと支持者が周囲を固めているので、かえって自信をつけている。
単なる保守っぽい人がネット右翼になってしまうのと同じメカニズム。
リベラル派の専門家批判は、色々小難しい言葉を重ねようが結局のところ、
そして、いつまでたってもPCR検査の話ばかりで、それ以外に関心がない。
そもそもリベラル派が理想視する台湾の対応は入国者の徹底隔離が中心で、
批判を真に受けた人が、たださえ倒れそうなぐらい忙殺されている保健所に
クレームの電話をかけて、業務を妨害していることは完全に無視。
実際、リベラル派の発言の中に、医療や行政の現場の人々の声は全く出てこない。
逆に、そうした声を批判していたりしている。
そりゃ専門家だって間違うし、意見も常に首尾一貫しているとは限らない。
メディアの前に出るのも今回がはじめて、という人が大部分でなので、
説明の仕方に誤解を招く部分もあるだろう。
あるテーマの勉強をはじめて1年あまりは全能感で自信過剰になるのは、
人文系リベラルは、文系の立場で貢献できることをするべきなのに、
これじゃ、文系学者は役に立たないから削減しろ、と菅政権に言われても納得するしかない。
昔、中学受験をやった
当時の担任に「勉強だけできてもろくな人間にならない」と怒られたのを覚えている
だったら親に言ってくれよと、そればかり願っていた
家にいれば勉強しないといけない
こんなどうしようもないジレンマからも、暴力と監視の日々からも
「第一志望に合格すれば今後はゲームをして良い、学習塾も強制しない」という約束を親と交していた
やった!自由だ!
放課後、自習に使おうと思っていた時間を、身の丈に合わない高レベルな授業に費やされた
サボって連絡でも行くと後が怖い
嫌々通った
自由が遠かった
しかし実際は、努力をして更に自分を苦しめる状況に身を置いただけだった
勉強させるために親が使う文句が「ゲームを壊す」から「学校を退学させる」になった
学校は学校でクソみたいな校則と精神論で溢れた受験少年院だった
手に入れたものがゴミだったのに、ただただプライドからそれに縋った
死にたかった
いとも簡単に約束を破る親の元に生まれた自分から解放されたかった
努力が実を結んでも、それが自分を救う結果にならない星の元に生まれた自分から解放されたかった
好きな物を作らなかった
好きな物は母親にバレると、自分を勉強させるための脅迫材料になる
ならば何も趣味を持たなければよかった
趣味で脅せないなら、次は自分を捨てると言い出すだろうなと思った
それならそれでよかった
死んでやろうと思っていた
どうせ生きていても、生きていたいという気持ちを利用されるだけなら死んだ方が幸福だった
これは死ねると思った
自分が死んだら事故物件になるマンションの、その管理人があまりにいい人だった
その人を困らせる真似はしたくなかった
他にいい場所もなかった
自堕落に生きた
派手さも名誉もないが、自分のやりたかったゲームに埋もれた幸せな日々を送れた
こうやって一生、努力を避けて生きていくんだろうなあと思った
毎日好きなゲームをして、最低単位で卒業して、目先の幸せだけ齧って生きていく生活だった
これからもきっと、子供時代の幸せの追求と最低限度の努力だけで生きていくんだろう
それから涙が出た
私(A)が3日で辞めた人生初のアルバイト先では、従業員の洗脳が行われていました。
だいぶ時間が経ったため、そのとき見たことを日記にしてみたいと思います。
1x 歳のある日、家から遠くなく初心者歓迎とあったカフェの求人を見かけて応募しました。
翌日早速連絡が来て面接を受けることになり、そのカフェで 30 分ほど話をしました。
前回の面接時に「x 日 x 時にまた来てください」と言われたので、てっきり事務的な手続きを行うと思ってカフェに来ると、いきなり勤務が開始しました。
学生のバイトは、少し怖くて気だるげな女性の先輩たちと、優しそうだけど生気を失った男性の先輩が一人。
先輩に店内を案内してもらっていると、背後から「おい、挨拶しろ!!」と声が。
もちろん初めて見る人でした。
偉そうなその人がオーナーであると先輩に伝えられ、仕方なしに愛想よく挨拶しましたが、無視。隣にはクスクス意地悪く笑う妻らしき女性。
旦那が煽り運転したときに被害者をガラケーで撮影するおばさんが脳裏をよぎりました。
思ったほど歓迎されていない雰囲気に緊張が絶えないでいると、明るい声が聞こえました。
「君は新人の A さん?僕は B って言います!新しいバイト大変だと思うけど、よろしくねっ!😁」
笑顔が素敵でかっこいい、親しみやすそうな男性社員 B でした。
この人がマインドコントロールの主です。
その日は初日ということで、配膳のみ担当することになりました。
退勤時間を知らされていなかったので、いつまで働くのかと不安になりながら働いていると、半日ほど経ったときに社員 B に声をかけられました。
私服に着替えて空いた客席につき、社員 B と面談することになりました。
最初は給料の振込先などを聞かれたため事務的な手続きが目的かと思いきや、話はどんどん精神論のような説教に逸れてゆきました。
「まだできることが少なくて悔しいだろ?"あの先輩を超えたい" って思うだろ?」
あまりぴんと来ていませんでしたが勢いに押されてハ、ハイと答えました。
「その言葉が聞きたかった。A さんなら本当にできる。超えられるよ、先輩全員を」
あまり成果を出せた感覚がなかったので、出会って数時間である上基本的に厨房にしかいない社員 B は、無根拠に私を信頼すると言っているように感じられました。
しかしながら、やる気を引き出すための軽いお世辞という感じでもなく、じっとこちらを見つめる妙に真剣な眼差しがまるでマルチの勧誘のようでした。
次回以降の勤務日程について何も知らされていないためひょっとしてバイトの話はナシになったのだろうかと考えていると、数日後の 22 時頃、初日に LINE を交換した社員 C からメッセージが届きました。
来てくださいって、たまたま大丈夫だけどさ、用事あったらどうするんだ。
その日も初日と同様退勤時間は知らされていませんでした。先輩や社員に尋ねてもたらい回しにされるだけで、結局何時まで働くことになるのかわからないまま勤務を始めました。
初めてのバイトだったので、当時はこんなものかなとなんとなく納得していました。
その日は、先輩にハンディ(スマホ)を使った注文のとり方を教わり、お客さんからの注文をとることになりました。
しかし、使い慣れない機器と記憶していないメニューで注文をとる際操作に失敗してしまいました。
「A にオーダーやらせんなっつっただろうが!A はなーーんにもできねぇんだからさ!!A の失敗はお前の責任だからな!!」
もちろん私に聞こえるように言っています。
ふてくされた先輩は私に「もうオーダーはやらなくていいから」と冷たく言い放ちました。社員 Bは、「A さぁーん、オーダーはやらなくて大丈夫だからねぇー😊」と、猫なで声で言いました。
その後も社員 B が「A がさぁ……」と女性の先輩に何かを話し、直後先輩が何かを注意しに来る、ということが何度かありました。
社員 B は、私に対する威嚇は間接的に行うのみで直接強い態度で出ることは一切なく、必ず部下を使って "指導" を行わせました。
また、こうして笑顔で "フォロー" を行いました。そして、先輩の苛立ちの視線が自分に向けられ始めたことに気がつきました。
その日も唐突に退勤を促され、今度は若い男性社員 C と面談を行うことになりました。
気弱で声が小さく、誰の前でもおどおどしているタイプでした。
経験上こういったおとなしいタイプの人は意外と豊かな世界を持っていることが多く、今までよく仲良くできてきたので、社員 C とは打ち解けられるかもしれないと期待しました。
しかし、社員 C は初めて出会った瞬間から警戒とも異なる、敵意のような態度を向けてきました。
ことあるごとに近寄ってきてはぼそぼそと小さな声で小言を言うのですが、内容は抽象的な言葉ばかりで、小言の目的が後輩の教育ではなく上に立つための嫌味であることはすぐに分かりました。
C「…… x 月 x 日は出勤できますか」
私「その日は難しいです」
C「……それはさぁ……なんでですか……!」
C「……それって何時から何時まで……なんですか……!」
C「……実験の内容って……何なんですか……!」(本当に知りたいのか?)
以下続く。これを 31 日分行います。一言一言に棘を演出しようとしている努力は伝わりましたが、すべて聞き取るのに苦労するほどの音量でした。
正直社員 C にあまり怖さを感じていなかったので、途中から理由はすべて「私用です」と答えるようにしました。
C「……私用って内容は何ですか……!」
私「だから、私用です!」
苛立って語気を強めてしまい顔をあげると、社員 C は目を腫らしてうつむいていました。
新人バイトが強めに言い返しただけで泣くとは思わなかったため動揺しましたが、この尋問は社員 C が誰かにやらされているものであると気づきました。
やらせている人間は間違いなく社員 B であると勘づきました。
社員 B は、勤務中常にネチネチと社員 C をいじめていました。
人間性を否定するような言葉はもちろん、社員 C が作った料理を調理器具ごとガシャーン!と目の前でゴミ箱に捨てたり、執拗に小突いたりしていました。
社員 C はやらされているとはいえ私に強く当たることがあったため味方をする道理はありませんが、同情せざるをえない部分がありました。
もはや退勤時間が知らされていないのは当然です。
一応尋ねましたがやはりたらい回しで結局わかりませんでした。
その日は先輩からレストランフロアの床を雑巾で水拭きするよう言い渡されました。
(出勤初日に知りましたが、併設の喫煙や飲酒ができる薄暗いレストランもなぜか仕事の範囲に含まれていました)
今ならレストランの土足スペースの掃除は普通モップでやるものだとわかりますし、あの言いつけは嫌がらせだったと思います。
お客さんからの視線も痛かったですが、当時の私はたとえそんな仕事であっても一人で作業できる分ほっと嬉しく思うくらい、他の従業員と関わる仕事が嫌になっていました。
そしてこの日も退勤後に社員 B との面談タイムがありました。
「C 君に聞いたよ、全然出勤してくれないんだって?だめじゃないか!😊」
面接時に「土日も出勤できますか?」との問いにハイと答えていました。
社員 B はこれを「土日はすべて出勤できる」と曲解し、土日に出勤できない日が 1 日でも存在することを責めているのです。
B「都合とか仕事内容とか、バイトでどうしてもうまくいかないときがあるよね。そういうとき、どうすべきだと思う?」
私の返答は社員 B にとって想定外だったようで、笑顔が一瞬引きつったように見えました。
しかし、笑顔を保ったまま「ううん、違うよ。がむしゃらにやるしかないんだよ」と言いました。
私の退職オーラを感じ取ってか、その日の社員 B は終始にっこり笑顔でした。
最後に何か困ったことはないかと聞かれたので、出勤日と退勤時間を出勤数日前には知りたいと伝えると、「わかった。これから気をつけるね!」とあっさり前向きな返事をもらいました。
初のアルバイトなので最初こそ我慢が足りないかと思いましたが、他で働く友達が面倒くさがりながらもそこそこ楽しそうにバイトの話をするのを見て、勤務 1 回 1 回が嫌でしょうがないことに疑問を感じ始めました。
前回面談後もご想像通り次回のシフトの連絡は来ないわけですが、いっそシフトが決まらない(っていうか連絡が来ない)うちに退職の意を示しそのまま辞めてしまおうと思いました。
勤務分約 1 万 5000 円はもしかしたら振り込まれないかもしれない。
でも、たとえ 1 万 5000 円損しても構わないからとにかく辞めたいと感じていました。
B「おう、A さん!どした?^^」
B「……てめェふざけんなよ!!辞めたいじゃねえよボケ!!そういうのは直接来て言うもんだろうがよ!!いいか、次絶対来いよ、絶対だぞ、わかったな」
突如豹変し、映画で見るヤ●ザのような巻き舌でまくしたてる社員 B。
初めて社員 B が直接私を威嚇した瞬間でした。
私は衝動的にバイト先からの電話の着信拒否設定と社員 C の LINE のブロックを行い、借りていた制服を郵送しました。
もちろんバイト先にはこの後 1 度も行きませんでした。
(だいたい、「次」がいつなのか教えてくれなかったのは向こうです!)
1 万 5000 円は振り込まれていました。👏
社員 C から涙の尋問を受けたとき、社員 B のやり口に気が付きました。
部下を吹聴して新人をいびらせ、自分はその新人をなだめる親切な上司のポジションに立つ。
しかし自分が恐い人間であることは間接的にしっかりアピールする。
最終的に従業員は新人時代に孤立し、従業員同士は疑心暗鬼になり、全従業員にとって信頼できる人間が社員 B のみになっていました。
また、社員 B は相手の性別によって態度を少し変えているようでした。
女性に対してはアメとムチで巧みに操る。たまにキレるとき以外はお世辞や冗談で喜ばせていることが多かったです。
男性に対してはとにかく自己肯定感を下げる言動をとっていました。お前は一人では何もできないと常に言い聞かせていました。
女性従業員が皆社員 B を慕い、男性従業員が皆生気を失っていたのはこのためでした。
ちなみにこの日、一瞬だけ店長に会う機会がありましたが(なぜか最初で最後)、店長も実質的な立場が社員 B より低く口出しできないようで、他の男性従業員同様に生気を失っていました。
社員 B は、競争心、恐怖心、猜疑心を煽って人を操ることや、アメとムチの使い分けがとても上手でした。
本物のサイコパスは、明るくユーモアがあり、笑顔が素敵で魅力的であることを知りました。
退職後は新たに飲食店でのバイトを始め、数年間お世話になりました。
苦労もありましたが洗脳もなく楽しく働けたので、本当に辞めてよかったと思います。
1 年ほど経ったある日、風の噂でカフェが閉店したと聞きました。
最近近くを通る機会がありましたが、更地になっておりなんとも複雑な気持ちになりました。
同時に自分の体験は完全に過去の出来事になったと感じたので日記にしてみた次第でした。
おわり。
まず始めに。私は空の軌跡からのファンである。そして、私は本作を数十分ほどプレイしてこのシリーズに”ようやく”見切りがついたつもりだった。ライターの紡ぐテキストの非常に強い癖が全く変わっていなかったからである。
「はは」「ふふ」「くく」を、まるで接頭辞の如く頭に付けて応酬される会話には、もはや嫌悪感さえ抱いていることをハッキリと自覚してしまったのだ。ここまでしつこいと、もはや冗句の領域である。
また、「寿ぐ」のように書き言葉と喋り言葉の区別がついておらず、辞書を引いて気に入ったから多用しているでは、と疑うほど拙さを感じる用い方は、逆に語彙が少ないからだろうとしか言いようがない。キャラの個性として利用されているのであればもちろん有効な手法ではあるが、作中ではまるで流行り言葉であるかのような扱いである。この点に関しては創では大幅に減ったとはいえ、やはり健在ではあったのだ。
流行り言葉のように使われていると言えば、「届く」もまた同じだ。これは武人の共通認識なのであろうが、いくら何でも多用しすぎである。ピンポイントで使えば閃の軌跡シリーズ特有の味にも思えるだろうが、現状ではあまりにも軽く、鼻につく言葉になってしまっている。
現状を打破する論理的な道筋を立てる前に、とかく精神論を展開するのもいい加減キツいものがある。精神の未熟な少年少女ならまだしも、リィンやロイドはそれぞれ教官、警官といったいい大人だ。既にそれが許されるような立場でも年齢でもないだろう。こういうのは要所でやるから響くのであって、常にそのような”醜態”を晒すのは見るに堪えないものがある。
このような価値観がまかり通るのは、全ての物事を主人公であるリィンやロイドを中心に考えているからこそだろう。その歪んだ価値観は新・旧7組という言葉に端的に表れている。登場人物は皆、何故か新・旧と呼び分けているが、本来であれば現7組以外は7組という括りで呼ぶ必要はないのだ。もっと言えば、現7組の人間に対し、新7組と括るのは無神経というものであろう。リィンさん。あなたはこの子らの担当教官なのですよ、と言いたくなってしまう。
原因は既に述べたように、世界の中心をリィンだと思っているからである。リィンから見れば彼の生徒は新であり、級友は旧なのだから、確かに彼が世界の中心であれば皆そのような呼び方をするだろう。そして、それが実際に行われているのである。だからこそ登場人物はライターの操り人形にしか見えない。リィンが好き過ぎて彼個人に設定が堆く盛られていくのも、書いていておかしいと思わないのだろうか。
これを強力に補強しているのが好感度システムだ。これはあらゆる関係性を主人公にのみ閉じる呪いである。サブにも何かしら関係性が見えるのは空からの登場人物ばかりなのは本当に酷い。これは何も皇子の結婚やアガットとティータのような恋愛模様だけを指しているわけではない。紆余曲折を経て家族になったレンとカシウスの微妙な距離のように、時と共に関係性が進んでいるのはシステムとライターの作り出した価値観により雁字搦めになっていないキャラに限られているのだ。
リィンの級友、または教え子達の横の繋がりなど、あってないようなものなのは既プレイ者なら分かることであろう。端々に会話が交わされている場面は申し訳程度にはあるが、誰と誰の仲が良いのか、などというのは全く感じられない。リィンを通してしか付き合いがないのではないかと疑うほどである。例外はシステムの軛から抜け出せているユーシスとミリアムぐらいであろうか。
展開のワンパターンさ加減にもうんざりである。ゲーム後半で、敵に援軍を呼ばれる。そこに駆けつける意外な仲間。という展開があるのだが、これをきっちり3ルート分やるなど正気の沙汰ではない。しかもその意外性というのが、全てあえて敵側に潜り込んでいたというものなのだ。そう、3ルート分全てである。ここでは本気で頭痛を覚えたものだ。プレイヤーを馬鹿にしているのかとも思えたのだが、一体どういうつもりでこういう展開にしたのであろうか。素で燃える展開だと思っていたのだろうか。是非聞きたいものである。
さて、ここまで読んだのであればお察しの通り、無事投げ出さずにクリアまで遊べたのだがその理由はCルートの存在に尽きる。決まり切ったテンプレ展開と、森羅万象が主人公に収束する精神論ありきの価値観に支配されておらず、真っ当に面白いものだったからだ。テキストの癖も完璧に抜けている。危うく完全に積んで、今度こそ本当にシリーズにも終止符を打つところだったのだが、せめてCルートまで進めてからコントローラーを置こうと予め決めていたのが幸いした。
あからさまに下敷きに某アニメを使っているし、何処かで見たような要素が目白押しではあるが、上手くミックスして、さらにルーファスのキャラを壊さずに馴染ませてある。いつものライターが書いていればやはりルーファスにしか矢印が向いていない関係性しか作れなかっただろうが、このルートは別のライターが書いているためそのようなことは一切ない。
このルートはウェットすぎないのが心地良い。印象深いのが、人形達の中から本物のラピスを見つけるという場面だ。まるで直感や奇跡のパワーで分かったかのように思わせておきながら、実は発信器を付けていたから分かったのだというのは(本当であっても照れ隠しであっても)ルーファスらしいし説得力もあって非常に好感を持った。ライターのセンスにだ。
惜しむらくは、他の2ルートにリソースを吸われて明らかに尺が足りていないところだ。人形の中から探す場面も、欲を言えば一緒に旅をしたという体験をプレイヤーと共に積み重ねてこそより輝いたはずである。これは最終局面に至るまで響いている。また、スウィンとナーディアにはしっかりとした背景が設定されているのが読み取れるのだが、尺の都合でそれが披露されるのはかなり限定的なものになっている。思わせぶりな台詞だけで半ば放置に近いと言って良いだろう。積み重ねさえあればもっと良いシーンになったはずだという箇所が多く、惜しい気持ちで一杯である。
私は軌跡シリーズで紡がれる政治劇には、多角的な視点を持たずに作品自体がクロスベル独立こそ正義だと一方的に主張すること以外は一定の評価を与えているので、大まかな流れ、つまり起きた事件はこれで良いのだが、実際に描くのはCルートだけであれば間違いなく良作になっていただろうと確信している。
3つのルートが合流すると、あからさまにいつものライター節になってしまっているのも良くない。Cルートの残滓など欠片も残らず吸収されてしまっている。合流後のルーファスなどもはや別人である。本来の彼が再び顔を出すのは本当に最後の最後の局面だけだ。
全体を通した部分で改善したと思えるのはロボット大戦の大幅な抑制だろうか。いや、むしろまだ完全撤廃を諦めていなかったのかとも言えるのだが、極々限定的になったのはありがたかった。システム的にもお話的にも全くもって面白くも何ともない要素で、あまりにも邪魔すぎるのだが、この設定は次回作にも持ち越すつもりなのであろうか。せっかく作ったモデルを(次回作ではエンジンやモデルを一新するので)最後に活用したかっただけだと信じたい。
不満は多々あれど、Cルートに見た光明でまた見限ってしまうことが出来なくなってしまったのは良かったのか悪かったのか……。ただ一つだけ言えるのは、もう予約買いをすることはないだろうな、ということだけである。
Twitterでお母さん食堂について議論されている中、比較的バズっていて目に留まったツイートを分析した。
切れ切れになっていると分かりづらいので、まとめてから改行は勝手に入れた。
https://twitter.com/Kumiko_meru/status/1343794177570566144
「お母さん食堂」の何がいけないかっていうのは、実は難しいんだよなあ。
まず日本では、和食の料理人は男ばかりであるのに、家庭で料理するのは女ばかりという現状がある。
和食の料理人に男性が多いイメージはあるが、調理士の人数比を見ると100:75であり、給与も男性平均384万円に対し女性平均284万円で*、
実は調理士は比較的男女賃金差の少ない職種である(男性の給与に対する女性の給与比は、全職種0.69に対し調理士0.74)。
「同じことでも女がしたら金を渡さない」というのは明確な嘘。家事が無償なのは男も女も関係ない。
女の人も外で働けばお金を貰えます。男が自宅の畑で野良仕事しても給料は出ません。
家事負担が妻に偏っている問題は、各家庭で話し合って解決してください。
で、「お母さん食堂」だが、これは家庭料理「のような」ものを出す「食堂」をイメージしているのだろう。
無償である「家庭料理」のイメージを「お母さん」=女だけで代表させていることで上記の搾取構造を肯定している、というのがまず1つ。
ここで言う「上記の搾取構造」とは、「女性が料理をしてもお金を渡さない」ということを指しているのだとしたら、それは上述の通り明確に嘘であるため議論に値しない。
家事負担が女性に偏っていることを問題視するのであれば、まあ分かる。お母さん食堂という名称は、家庭料理は女性の仕事というイメージを再生産するってことね。
そして、「食堂」の部分は「金銭が支払われる」という意味を内包している。
実際、コンビニの商品は有料であるし、その利益を得ている会社の経営陣はおそらくほとんど男性であろう。
「実際にはほぼ女性の労働で作られている家庭料理」というのがよくわからない。
ファミマの商品を工場で作っている作業者がほとんど女性ってこと?そしてその人たちをファミマが搾取してるってこと?
労働者は総じて資本家から搾取されてるってマルクス的な考え方はできるけど、それなら男女関係ないよね。
あるいは、「お母さん」って名称を、利益を上げるために男主体の会社が都合よく使うのが搾取…というか文化の盗用にあたるってことかな?
「お母さん」は女性の築いてきた文化なのだから、男が利用するんじゃない、的な。
黒人のドレッドヘアを白人が美容院で採用して利益を出して、そのモデルに白人を使うような感じね。
それなら分かるけど、元の文章だと誤読のリスクがかなりあるな。
難しいと思うのは、「お母さん食堂」という名称は、差別の原因でも差別の本体ではなく、もっと大きな差別構造の1つの表れに過ぎないんだよね。
だから、「これを批判して改名させても何も変わらないじゃん」という冷笑派の意見はある意味正しい。
一方で大きな差別構造の、一つの典型的な表れであるからこそ、これを批判することは、差別構造の問題提起として分かりやすいんだよね。
全体をかみ砕いて再構成すると、
家事労働が女性に偏っている現状が「家庭料理はお母さんのもの」というイメージを定着させている。これは解決すべき課題である(男性も家事負担しろ)。
「お母さん食堂」はこのイメージを再生産することになるので、認め難い。
また、男性主体の会社が利益を上げるためにお母さんという名称を使うことも、文化の盗用、一種の搾取であり、批判の対象となる。
てところだろうか。で、これが論旨と仮定して、ツイ主が何を「大きな差別構造」と捉えているかというと、
男が外で稼いで女が家庭で無賃労働をするという性役割と、その構造を固定化する男女賃金格差などを指しているんだろう。
ではどういう社会になって欲しいかというと、男女賃金格差のない、男も等分に家事をする社会ってことだよね。
これだけ言えば、まあそうだよねってまともな人は思うよ。なんでこんな簡単なこと、こんな分かりにくく言うのかね。
あと、個人的には男女賃金格差をなくすためには、女性が高校・大学を選ぶ段階から、文学部とか芸術系とか金になりにくい専攻を選ぶのをやめて、
専門職に就きやすい法学・工学・医療系を選ぶのが良いと思う(弁護士・薬剤師・プログラマー等の男女給与比は0.82~0.99で格差が少ない)。
あと、夫に家事させたいなら、女に困ってない高収入イケメンを狙うんじゃなくて、家庭的で収入そこそこの地味系を選ぶことでだいぶ期待値上がると思う。
どうせ死ぬじゃん
どうせ死ぬって言うとみんなハイハイ思春期思春期みたいに言うし、俺も20代のときはその領域まで行けたんだけど、とはいえ事実としてどうせ死ぬわけなのは変わらないしただ目を背けてただけだった気がする
どうせ死んで、何も残らないんだよな
人類のために〜とか子供たちに命をつないで〜みたいな話はあるんだけど、なんつうか、人類そのものもどうせ滅ぶし子供も死ぬし、長い目で見たら意味ないじゃんという話になってくる
なので人生は暇つぶし・楽しんだもん勝ちみたいな話が出てくるわけだが、その論理で行くとなると俺の「いま現在事実として全然面白くないし、今後もまったく楽しくないであろう人生」はどうなるんだという話になってくる
ひとりで生きがいを見出すのって相当キツそうなのでやっぱり他者に頼るしかないわな、と思うんだけど、アレだよな マッチ棒ハウスというか、アーチというか、そういう、互いに支え合うことで成立してる構造みたいなもんなんだよな 社会全部が
意味のない存在が意味のない存在を支えて「これこそが意味だ!」つってんのは哀しいんだけども、考えてみると金八先生だって人と人が支え合って人とか言ってるわけで、要はそういうことなのかもしれん
絆が大事とかの精神論というより、事実としてこの社会は支え合いによって成立してる虚像みたいなもんですよって話なのかも
ほんで俺はその支え合い構造からはずれてしまったので、マッチハウスに引っかかってるだけのマッチ棒になっており、風が吹くたびに落ちそうになっている、的な
やっぱ虚しすぎるぜこの世!
で?
あとさ、「そもそも飯自体食えないんだが?」「結婚や子供なぞ論外」なんだが。それから、今研究者は国が指示したテーマでなんとか研究助成を取らないとならないと方向が狭まっているのだが?
利他の精神なんて、他人なぞどうなってもいい、イエスが多くの人を救うより自分の眼の前の銀貨13枚という狡猾な連中に潰されるぞ。
狡猾な連中に対抗するには収入と余裕があり、狡猾な連中を見分けて切れるだけの余裕が必要。
けどそれをなくして精神論だけ叫ぶから、利他の精神を元に歩んだ連中こそが苦しみ、いざ潰れたら「自己責任、かつ努力しなかったからああなった。能力がないくせに何故危険な道を歩むのか」とさらに石を投げるのというのがまさに現代日本社会だね。
そりゃさぁ、真面目にやってバカを見る人間ばかりじゃ利他の精神なんか「持たないほうが正解」となるわ。生まれつきによって持つかもしれないが、失うのは社会の醜さとおぞましさ。
国民のレベルに原因を求めるのなら1990年以前と1990年以降が急成長と急衰退とで別れていることの説明がつかない。
1990年頃までは実際競争力もあったんだよ。だけども、1990年バブル崩壊と、新自由主義化が同時に起きたため、1990年バブル崩壊に金をためこむ逆噴射をしまくったからどんどん衰退したのだと思うね。
それから、競争力を作るには種に金と時間をかけての吟味が絶対必要。だけど新自由主義はすぐに売り上げが出るものしか金を出してはならないという考えだから吟味なんぞ許さない。かつ、種も無理強いして強引に表に出して腐らせる。
もっとも、金と時間を受け取ったがやってるふりみたいなの、さらに味をしめた詐欺師もいるから困ったもんだけどなぁ。
科学的吟味に立ち戻って科学的検証を積み重ねるし、科学的検証をなし、科学的成果を出すという行為に金を出すというのを増やすしかないと思う。種としての段階も科学的成果は出せるだろう。
きちんと新しいものを作る人、社会に必要な物事にどういう金や時間をかけるのが適正かの問題だ。けど、「効果があるかどうか微妙だけど必要なものにどうやって金と時間を出すか」に立ち戻ると思う。
精神論はサポート役であって、メインにはならない。インパール作戦で物量がないのに精神論でゴリ押ししたところで決定的敗北になったようなもの。メインは金と時間をどう与えるかだ。