2021-01-25

努力するほど幸せから遠ざかる

昔、中学受験をやった

文字通り、起きている時間ほとんど勉強していた

別に私立中学に行きたいわけじゃなかった

ただ、親の暴力から逃れたい一心だった


勉強していないと見なされると暴力を受けた

から必死勉強していた

当然頭は良くて、小学校では授業が退屈、生活態度は最悪だった

当時の担任に「勉強だけできてもろくな人間にならない」と怒られたのを覚えている

自分もそう思うよ、畜生

だったら親に言ってくれよと、そればかり願っていた


家にいれば勉強しないといけない

学校に行くと勉強ばかりしていることを責められる

勉強から解放されるには受験するしかない

受験が終われば自由になるのだ

こんなどうしようもないジレンマからも、暴力監視の日々から


かくして受験完了

第一志望合格

第一志望に合格すれば今後はゲームをして良い、学習塾強制しない」という約束を親と交していた

やった!自由だ!


自分の横で、母親の際限ない欲望が渦巻いていた


母親約束を破り、予備校への入校手続きを済ませていた

放課後自習に使おうと思っていた時間を、身の丈に合わない高レベルな授業に費やされた

サボって連絡でも行くと後が怖い

嫌々通った

既に中学受験で無理をしていたのもあって限界が近かった


更には入学先の学校が最悪だった

偏差値に見合わない校則の厳しさ

偏差値が高いほど校則が緩いとはなんだったのか

自由が遠かった


努力は願いを叶えてくれるものだと信じていた

しかし実際は、努力をして更に自分を苦しめる状況に身を置いただけだった


勉強させるために親が使う文句が「ゲームを壊す」から学校を退学させる」になった

学校学校でクソみたいな校則精神論で溢れた受験少年院だった

辞めたい学校だったが、辞めるには費やした努力が惜しかった

手に入れたものゴミだったのに、ただただプライドからそれに縋った


死にたかった


未来を諦めることのできない自分から解放されたかった

いとも簡単約束を破る親の元に生まれ自分から解放されたかった

努力が実を結んでも、それが自分を救う結果にならない星の元に生まれ自分から解放されたかった


努力するほど幸せから遠ざかる


中学高校は自堕落に過ごした

好きな物を作らなかった

好きな物母親にバレると、自分勉強させるための脅迫材料になる

ならば何も趣味を持たなければよかった


趣味で脅せないなら、次は自分を捨てると言い出すだろうなと思った

それならそれでよかった

死んでやろうと思っていた

自分の命に価値を感じていなかった

どうせ生きていても、生きていたいという気持ちを利用されるだけなら死んだ方が幸福だった


予想に反して母親は自堕落自分放置した

そのまま自堕落に生きて、自宅から通える範囲大学に落ちた

浪人して、ろくに働かない頭でも受かった地方国立入学した

実家から飛行機距離


これは死ねると思った


死ぬ準備をしたが死ねなかった

自分が死んだら事故物件になるマンションの、その管理人があまりにいい人だった

その人を困らせる真似はしたくなかった

他にいい場所もなかった


堕落に生きた

人生の節目になりそうな場所だけ少し頑張った

派手さも名誉もないが、自分のやりたかったゲームに埋もれた幸せな日々を送れた

努力しない方がすぐ幸せに届いた


努力をするほど不幸になる星の元に生まれついたのかもしれない


こうやって一生、努力を避けて生きていくんだろうなあと思った

毎日好きなゲームをして、最低単位卒業して、目先の幸せだけ齧って生きていく生活だった

これからもきっと、子供時代幸せの追求と最低限度の努力だけで生きていくんだろう

未来展望薔薇色に甘くて、ふふふと笑いが出た

それから涙が出た


努力を信じていたかった

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