2020-12-30

ツイフェミ論理的っぽい文章分析してみた(お母さん食堂について

Twitterでお母さん食堂について議論されている中、比較的バズっていて目に留まったツイート分析した。

切れ切れになっていると分かりづらいので、まとめてから改行は勝手に入れた。

https://twitter.com/Kumiko_meru/status/1343794177570566144


「お母さん食堂」の何がいけないかっていうのは、実は難しいんだよなあ。

まず日本では、和食料理人は男ばかりであるのに、家庭で料理するのは女ばかりという現状がある。

いろいろ理屈をつけても、料理がどっちに向いてるかではなく要は「同じことでも女がしたら金を渡さない」ということだ。

差別は何でもそうだが、要するに「精神論にかこつけて金を払わず労働力を奪う」ということだ。

和食料理人男性が多いイメージはあるが、調理士の人数比を見ると100:75であり、給与男性平均384万円に対し女性平均284万円で*、

実は調理士は比較的男女賃金差の少ない職種である男性給与に対する女性給与比は、全職種0.69に対し調理士0.74)。

「同じことでも女がしたら金を渡さない」というのは明確な嘘。家事無償なのは男も女も関係ない。

女の人も外で働けばお金を貰えます。男が自宅の畑で野良仕事しても給料は出ません。

家事負担が妻に偏っている問題は、各家庭で話し合って解決してください。


で、「お母さん食堂」だが、これは家庭料理「のような」ものを出す「食堂」をイメージしているのだろう。

無償である家庭料理」のイメージを「お母さん」=女だけで代表させていることで上記搾取構造肯定している、というのがまず1つ。

ここで言う「上記搾取構造」とは、「女性料理をしてもお金を渡さない」ということを指しているのだとしたら、それは上述の通り明確に嘘であるため議論に値しない。

家事負担女性に偏っていることを問題視するのであれば、まあ分かる。お母さん食堂という名称は、家庭料理女性仕事というイメージ再生産するってことね。


そして、「食堂」の部分は「金銭が支払われる」という意味内包している。

実際、コンビニ商品は有料であるし、その利益を得ている会社経営陣はおそらくほとんど男性であろう。

実際にはほぼ女性労働で作られている家庭料理から利益を上げるのは男性という構造があり、二重の搾取になっている。

おまけに、これを宣伝しているのが「女装男性であるということでこのグロテスク構造ダメ押しになっている。

「実際にはほぼ女性労働で作られている家庭料理」というのがよくわからない。

ファミマ商品工場で作っている作業者ほとんど女性ってこと?そしてその人たちをファミマ搾取してるってこと?

労働者は総じて資本家から搾取されてるってマルクス的な考え方はできるけど、それなら男女関係ないよね。

あるいは、「お母さん」って名称を、利益を上げるために男主体会社が都合よく使うのが搾取…というか文化の盗用にあたるってことかな?

「お母さん」は女性の築いてきた文化なのだから、男が利用するんじゃない、的な。

黒人ドレッドヘアを白人美容院採用して利益を出して、そのモデル白人を使うような感じね。

それなら分かるけど、元の文章だと誤読リスクがかなりあるな。


難しいと思うのは、「お母さん食堂」という名称は、差別の原因でも差別本体ではなく、もっと大きな差別構造の1つの表れに過ぎないんだよね。

から、「これを批判して改名させても何も変わらないじゃん」という冷笑派の意見ある意味正しい。

一方で大きな差別構造の、一つの典型的な表れであるからこそ、これを批判することは、差別構造問題提起として分かりやすいんだよね。

から、そういう面では、意味がある。それを高校生問題提起したのは、非常に心強いことだと思う。


全体をかみ砕いて再構成すると、


家事労働女性に偏っている現状が「家庭料理はお母さんのもの」というイメージを定着させている。これは解決すべき課題である男性家事負担しろ)。

「お母さん食堂」はこのイメージ再生産することになるので、認め難い。

また、男性主体会社利益を上げるためにお母さんという名称を使うことも、文化の盗用、一種搾取であり、批判対象となる。


てところだろうか。で、これが論旨と仮定して、ツイ主が何を「大きな差別構造」と捉えているかというと、

男が外で稼いで女が家庭で無賃労働をするという性役割と、その構造固定化する男女賃金格差などを指しているんだろう。

ではどういう社会になって欲しいかというと、男女賃金格差のない、男も等分に家事をする社会ってことだよね。

これだけ言えば、まあそうだよねってまともな人は思うよ。なんでこんな簡単なこと、こんな分かりにくく言うのかね。


あと、個人的には男女賃金格差をなくすためには、女性高校大学を選ぶ段階から文学部とか芸術系とか金になりにくい専攻を選ぶのをやめて、

専門職に就きやす法学工学医療系を選ぶのが良いと思う(弁護士薬剤師プログラマー等の男女給与比は0.82~0.99で格差が少ない)。

あと、夫に家事させたいなら、女に困ってない高収入イケメンを狙うんじゃなくて、家庭的で収入そこそこの地味系を選ぶことでだいぶ期待値上がると思う。

*令和元年 賃金構造基本統計調査

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001138086&tclass2=000001138089&tclass3=000001138093&tclass4val=0

  • あと、女の賃金が少ないのは、雇用規模の大きな工場の交代勤務をやってなかったり、公共支出の多い屋外インフラ系の作業員をやろうとしてないのが原因じゃないかと思いますけどね...

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