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はてなキーワード: 海上とは

2017-07-09

[]備蓄の日々

夏の大規模イベントまであと約1ヵ月となったので、備蓄を始めている。

遠征は、

をひたすら回し、任務のための出撃は単艦オリョクルでこなす。

演習はボーキを消費しにくい編成で済ませ、

開発は空母旗艦の低消費レシピ 10/30/30/1010cm高角砲と25mm三連装機銃を狙う。(弊鎮守府で不足してるため)

改修は、OTO砲のMaxにしてない残り26日分を行う。

攻略に不可欠な装備が判明するまでは、開発・改修ともに低コストに抑える。

…みたいな考えで、朝からオリョクルしてるけど、さすがにもう飽きた...orz

2017-06-11

白紙に戻せぬ遣唐使教科書の読み比べ)

山川出版日本史の何がすごいのか、さっぱり分からない」

http://anond.hatelabo.jp/20170604204919

これの筆者です。

id:netcraft3さんに「このままシリーズ化してほしい」と言われたんですが、そのつもりはないです。歴史学に対してろくな知識もないから恥をかきそうだし、人気の増田国会ウォッチャー)みたいに注目をあびるのは恐ろしいです。

  

なので今回で最後になるかもしれませんが、ひとまず「遣唐使」について見ていきましょう。

山川出版社『詳説日本史』の「遣唐使」という項は、次のように書かれています。全文引用します。

618年、隋にかわって中国を統一した唐は、東アジア大帝国をきずき、広大な領地を支配して周辺諸国に大きな影響をあたえた。西アジアとの交流もさかんになり、都の長安(現、西安)は世界的な都市として国際文化が花ひらいた。

東アジア諸国も唐と通交するようになり、日本から遣唐使は8世紀にはほぼ20年に1度の割合で派遣された。大使をはじめとする遣唐使には留学生・留学僧なども加わり、多い時には約500人の人びとが、4隻の船にのって渡海した。しかし、造船や航海の技術はまだ未熟であったため、海上での遭難も多かった。遣唐使たちは、唐から先進的な政治制度国際的文化をもたらし、日本に大きな影響をあたえた。とくに帰国した吉備真備や玄昉は、のち聖武天皇に重用されて政界でも進出した。

朝鮮半島を統一した新羅とも多くの使節が往来したが、日本は国力を充実させた新羅従属国として扱おうとしたため、時には緊張が生じた。8世紀末になると遣新羅使派遣はまばらとなるが、民間商人たちの往来はさかんであった。一方、靺鞨族や旧高句麗人を中心に中国東北部建国された渤海とは緊密な使節の往来がおこなわれた。渤海は、唐・新羅との対抗関係から727(神亀4)年に日本に使節を派遣して国交を求め、日本も新羅との対抗関係から渤海と友好的に通交した。

これはひどい遣唐使派遣再開が何年だったかという記述がありません。

そもそもこの派遣が再開であるという基礎知識すら、この教科書では把握できません。ページを戻って第2章「1,飛鳥の朝廷」の「東アジアの動向とヤマト政権の発展」という項では、「倭は630年の犬上御田鍬をはじめとして引き続き遣唐使派遣し」たとあるのですけど、その後にしばらく派遣を中断した時期があることは記載なし。

一時期は中断していたからこそ、702年の派遣再開に歴史的意義があります。第1回の遣唐使派遣が630年ですから、何と、まだ大化の改新をやっていない時代ですよ? それくらい古い時代から派遣していたにもかかわらず、多くの教科書8世紀初頭の出来事として遣唐使のことを説明するのはなぜでしょうか。それは再開というターニングポイントを重視しているからです。本書もそれに従って、「3,平城京時代」という単元に「遣唐使」の項を配置しています。それならば、中断・再開の経緯について説明を載せるべきです。

  

ちなみに、他の教科書では、遣唐使派遣再開についての説明が次のようになっています

7世紀前半にはじまった遣唐使は、天武・持統天皇時代にはしばらく中断されていたが、702年久しぶりに難波津を出発した。」

東京書籍日本史B』(日B 004)

「また政府は、8世紀のはじめに遣唐使派遣して、669年以後とだえていた唐との国交を回復した。」

実教出版日本史B 新訂版』(日B 014)

「日本は唐の文化積極的にとり入れようと意欲をもやし、ほぼ20年に1度くらいの割合で遣唐使派遣した。」

山川出版社高校日本史 改訂版』(日B 017)

白村江の戦いののち、30年あまりとだえていた唐との国交が、701(大宝元)年の遣唐使任命によって再開され、以後、遣唐使がたびたび派遣された。それまで、半島から渡来人新羅などに学びながら、ある程度の国家体制を整えてきたが、この年の大宝律令とともに、唐との直接交通を始めたのである。」

桐原書店新日本史B』(日B 011)

律令制度を整えた朝廷も、702(大宝2)年に遣唐使を復活させ、唐の文物制度摂取につとめた。[中略]

こうしたなか、朝廷は新都の造営や貨幣鋳造、国史の編纂などを次々に実行して、中央集権体制にふさわしい国家づくりに励んだ。」

三省堂日本史B 改訂版』(日B 015)

  

引用者注教科書のページを戻って「白村江の戦い国内体制の整備」の項では、白村江の戦いののち、遣唐使が「669年を最後に中断した」という記述あり。]

この中では、桐原書店ダントツに優れていると思います

遣唐使が中断していた理由もわかるし、大宝律令の制定と遣唐使の再開という2つの出来事を結びつけて理解することができます

  

三省堂記述おもしろいです。私は前回、この教科書について、「時代の流れがよくわかる」「時系列にしたがった記述が多い」というようなことを書きましたけど、ここでもその特徴が出ています

大宝律令の制定、平城京への遷都、貨幣鋳造、国史編纂というのは国内政治です。一方、遣唐使新羅・渤海との関係は、外交政策です。普通教科書はこれを別項に分けますが、三省堂はこれを同じ項にまとめて一つの時代様相として語っているのがすごい。

  

東京書籍実教出版も、中断・再開に触れています。その点は『詳説日本史』より絶対にマシです。

  

山川出版社高校日本史 改訂版』(日B 017)は、教科書のページ数が少なくて、内容もぺらぺらに薄いです。『詳説日本史』と同様、これでは大雑把に奈良時代の初め頃だったということしか分かりません。(しかも正確には702年に派遣再開されたので、これを奈良時代出来事と把握すると誤りになります)

  

  

  

東大入試でよくわかる遣唐使

東大入試2003年)は、遣唐使の本質にせまる問題を出しています

次の(1)~(4)の8世紀の日本の外交についての文章を読んで、下記の設問に答えなさい。

(1) 律令法を導入した日本では、中国と同じように、外国を「外蕃」「蕃国」と呼んだ。ただし唐を他と区別して、「隣国」と称することもあった。

(2) 遣唐使大伴古麻呂は、唐の玄宗皇帝元日朝賀(臣下から祝賀をうける儀式)に参列した時、日本と新羅とが席次を争ったことを報告している。8世紀には、日本は唐に20年に1度朝貢する約束を結んでいたと考えられる。

(3) 743年、新羅使は、それまでの「調」という貢進物の名称を「土毛」(土地の物産)に改めたので、日本の朝廷は受けとりを拒否した。このように両国関係は緊張することもあった。

(4) 8世紀を通じて新羅使は20回ほど来日している。長屋王は、新羅使の帰国にあたって私邸で饗宴をもよおし、使節と漢詩をよみかわしたことが知られる。また、752年の新羅使は700人あまり大人数で、アジア各地のさまざまな品物をもたらし、貴族たちが競って購入したことが知られる。

  

設問:この時代の日本にとって、唐との関係新羅との関係もつ意味にはどのような違いがあるか。たて前と実際の差に注目しながら、6行以内で説明しなさい。

これの答えがピンポイントで載っている教科書があります

山川出版社新日本史B 改訂版』(日B018)です。これ以外は、どの教科書も上記引用した『詳説日本史』と似たり寄ったりの内容ですからいくら熟読をしても答案を書くことが難しいと思います。(三省堂のぞく。後述)

8世紀に入ると、日本は20年に1度の回数で大規模な遣唐使派遣した。日本は唐の冊封を受けなかったが、実質的には唐に臣従する朝貢であり、使者正月の朝賀に参列し、皇帝を祝賀した。[中略]

一方、日本の律令国家内では天皇皇帝であり、日本が中華となる唐と同様の帝国構造を持った。日本は新羅や渤海を蕃国として位置づけており、従属国として扱おうとした。

白村江の戦いののち、朝鮮半島を統一した新羅は、唐を牽制するために日本とのあいだにひんぱんに使節を往来させ、8世紀初めまでは日本に臣従する形をとった。やがて対等外交を主張したが、朝廷はこれを認めず、藤原仲麻呂新羅への征討戦争を準備した。一方で、新羅民間交易に力を入れ、唐よりも日本との交流が質量ともに大きくなった。現在の正倉院に所蔵されている唐や南方の宝物には、新羅商人仲介したものが多いと考えられる。[後略]

  

山川出版社新日本史B 改訂版』(日B018)

以上に準拠しながら、私なりに要点をまとめておくと、次のとおりです。

  

(1)は、日本が唐から律令を学び、その中華思想の影響を受けたことを言っています。つまり、日本はみずからが「中華となる」という「帝国構造」を作ろうとしたのです。「日本は新羅や渤海を蕃国として位置づけ」て、彼らを野蛮だと侮蔑し、従属国として扱おうとしました。ですが、唐だけは別格です。あのような大国を敵にまわすと、恐ろしいことになりかねません。そういう遠慮があって、唐のことだけは尊重して隣国と呼びました。

(2)は、「日本は唐の冊封を受けなかったが、実質的には唐に臣従する朝貢」をしていたということです。唐の臣下となって朝貢する国々の中にも、その立場にはランクがありました。日本と新羅はともに唐の臣下だったのですけど、日本は新羅より格上の臣下になろうとしたのです。

(3)は、日本と新羅関係悪化について述べています新羅が「8世紀初めまでは日本に臣従する形をとった」ので、その間は関係がうまくいっていました。しかし、新羅が「やがて対等外交を主張」するようになったから、両国関係はこじれてしまったのです。それが最終的には藤原仲麻呂が「新羅への征討戦争を準備」するくらいにエスカレートします。

(4)は、日本と新羅政治的には対立しつつも、経済的には交流が盛んだったという内容です。「新羅民間交易に力を入れ」ました。「新羅商人仲介し」、日本へ「唐や南方の宝物」をもたらしたのです。それは貴族たちが競って購入したがる垂涎の的でした。現在「正倉院に所蔵され」ている宝物も、そういうルートで輸入したものが多いのです。

  

教科書の読み比べをすることの目的は、なにも入試対応するためだけではありません。

例えば『詳説日本史』には、最初引用したとおり、「日本は国力を充実させた新羅従属国として扱おうとしたため、時には緊張が生じた」とか、「8世紀末になると遣新羅使派遣はまばらとなるが、民間商人たちの往来はさかんであった」という記述があります。この短い記述が伝えようとしていることの本当の意味は、『新日本史B 改訂版』(日B018)のような他の教科書と併読することにより、はじめて正確に把握できるのです。

  

ところで、この教科書の著者は、東大の先生が3人、京大の先生が1人です。本書だけに載っているネタを使って入試問題がつくられたのは、そのへんの事情もあるのかなと勘ぐってしまます

もしくは、これは2003年入試問題ということだから、ちょうど講談社の『日本の歴史シリーズ2000年2003年)が発行されていた時期ですし、そちらの内容を意識しているのかもしれないですね。一応、そっちのシリーズから引用しておきましょう。

国内及び新羅などの諸国に対する時と、唐に対する時とで天皇の顔を使い分けるという、まことにすっきりしない状況でもあった。このような努力・苦心を払って日本が手に入れようとしたのは、東アジアの有力国としては新羅より格が上、という地位の確認であり、また初期の遣唐使が唐の高宗蝦夷を見せたことに示されているように(『日本書紀』斉明五年七月三日条)、日本は隼人蝦夷などの異民族をも支配下にいれた大国かつ君子国であるという評価であった。いわば唐を盟主とする諸国の中での相対的に高い地位を求めるとともに、自らの小帝国であることを唐に認めさせようとしたのである。(石母田正天皇諸蕃』)

  

坂上康俊『日本の歴史05巻 律令国家の転換と「日本」』

さきにもふれたように、「日本国」は唐帝国との公的な外交関係では「天皇」の称号を用いることができず、実際には二十年に一度の使い――遣唐使――を送る唐の朝貢国位置づけられていたと考えられるが(東野治之「遣唐使船」朝日新聞社、一九九九年)、国号「倭」から「日本」に変え、「天」をつけた王の称号を定めたのは、唐帝国に対し、小なりとも自ら帝国として立とうとする意志であったことも間違いない。

実際、「日本国」は「蛮夷」を服属させる「中華」として自らを位置づけ、「文明」的と自任するその国制を、周囲の「未開」な「夷狄」におし及ぼし、国家領域を拡げようとする強烈な意欲を、その発足当初は持っていたのである

[中略]

このように、朝鮮半島に対しても圧力を加えて、朝貢を強要する姿勢を示す一方、「日本海」をこえてたびたび使者を送って交易を求めてきた渤海については朝貢国として扱うなど、「日本国」は自らを「中華」とし、帝国として四方に臨もうとしていた。しか東北侵略を止めた9世紀に入ると、こうした「帝国主義」的な姿勢列島外の世界に対する積極的な動きはしだいに退き、十世紀になれば、ほとんどそれは表に現れなくなっていく。

  

網野善彦日本の歴史00巻 日本とは何か』

日本が置かれている立場としては、唐への朝貢という屈辱外交をやめるためには、遣唐使派遣を中止するしかないわけです。しかし、日本は唐と断交して敵対的にのぞむ国力も、その覚悟もありませんでした。

いっぽう、遣唐使は唐の皇帝から賜った国書日本国王へ勅す)を持ち帰るわけにはいきません。日本が唐に朝貢していると認めることは、天皇の威信を傷つけることになるからです。

こうなると、実際には日本が唐に朝貢していることが明らかなのに、国内での建前としてはそれを否定してみせる必要が出てきます。要するに、「遣唐使派遣は朝貢ではない。天皇が唐に臣従しているという批判は当たらない」という建前をでっちあげ、国内的にはそれをゴリ押しすることで、この矛盾を乗り越えようとしたのです。

  

私がこのエントリ題名に「白紙に戻せぬ遣唐使」と付けた由来は、多分みなさんもご存知の、894年に遣唐使が廃止されたことを指す語呂合わせ「白紙に戻そう遣唐使」です。しかし、日本がほんとうに、この"遣唐使"的なるものを白紙に戻せたかというと、それは甚だ疑問です。為政者国内国外で異なる顔を見せたり、外交姿勢の実態と建前を使い分けているというのは、室町時代に明に朝貢して「日本国王」となった足利義満に、ほとんどそのまま適用できる視点だと思います

それに、このことは現代外交問題についても、重要示唆を与えてくれます。例えば政府国内に向けて愛国心ナショナリズムを煽っておきながら、それと同時に国外に向けて国際協調アピールをするというチグハグな状況は、まさにこの延長にあるんじゃないでしょうか。

あるいは唐側の視点で見ると、日唐関係はこんな見方もできるかもしれません。唐は日本がおとなしく朝貢するかぎり、細かいことに目くじらを立てなかった。唐としては蕃国をヘタに刺激して事を荒立てるより、多少その尊大なふるまいを黙認しておく方がメリットがあった。すなわち唐は日本と妥協しあって、朝貢関係があるとも無いとも、どちらとも言える状況を作りあげた。――こういう分析がどれだけ妥当か分かりませんけど、2国間に争いがあるとき玉虫色の決着をつけ、両国政府がそれぞれ自国民の耳に心地よい解釈で説明をしているというのは、これまた現代によく見かける話でしょう。

  

  

  

教科書の読み比べ

遣唐使についての解説が長くなりすぎましたが、じゃあここから、各社の教科書の読み比べをしていきます

  

実教出版日本史B 新訂版』(日B 014)

遣唐使船はふつう「よつのふね」とよばれ、1隻に100人まりが乗りくみ、多い時で約500人の大使節団であった。

悪くはないですが、遣唐使について普通説明があるだけです。

おもしろい特色がありません。

無理に良い所探しをするなら、「よつのふね」という文学的呼び方を紹介し、その規模がいかに大きかったかを強調していることです。

華々しく飾り立てた大使節団というのは、それを送りだす側も、それを受け入れる側も、両国にとって国威発揚イベントになったと推測できますもっとも、沈没行方不明になることも多々あったので、華々しさとはかけ離れたのが実態だったかもしれませんし、どうなのでしょう?

  

  

  

桐原書店新日本史B』(日B 011)

  

……って、今回はここで文字数制限なのか。

引用をしていると、あっというまに文字数が膨らみますね!

つづきを書きました→ http://anond.hatelabo.jp/20170611234459

2017-05-25

[]ノルウェー刑法共謀罪規定を調べてみたけど外務省滅んで欲しい

国会ウォッチャーです。

 まず一言桜井充さんの質疑の中での松本洋平副大臣答弁の中で、11月9日より以前に加計学園プレゼンテーションをする機会が無かったことが明らかになりましたが、今日小池晃さんが出されていた、「加計学園への伝達事項」文書の中でも、加計学園提案内容に、前日までに文部科学省松野文部科学大臣ともに不足があると認識していたという可能性が示されましたね。状況証拠は揃ってきました。政府いくら確認できない」、といっても、辞職した責任者が、自身提供者であれ、省内に残っている前川氏のシンパ奇兵隊といわれているらしいですが)が提供者であれ、裁判実務だと当然ブツを出してる方の意見採用されるところですよ。いっそのこと「そんな文書存在しない。前川氏の虚偽、捏造だ」とおっしゃってしまえばどうですか。これを言ったらおしまいなのは流石にネトサポほどアホではない官邸はわかっているはずですが。

北欧諸国での共謀罪

 ブコメで、ノルウェーの話が出ていたので、そういえば、ノルウェーTOC条約に向けて共謀罪を導入したんだったな、どういう内容だろうと興味がわいてまいりました。ニュージーランドも見てみるかもしれないけど、とりあえずノルウェーから調べてみようと思った。

 参考文献は Fighting Terrorism through Multilevel Crimninal Legislationという本。タイトルダイレクトすぎるだろ。著者はノルウェー刑法学者の人のよう。つかこの本全部読みたい。一応電子書籍で300US$ほどで買える模様。なお買ってはいない。民進党共産党は買って読んだほうがいいのでは。とりあえずめちゃくちゃ参考になった。ノルウェーオランダスウェーデンフィンランドなどのテロ対策立法が書かれている。

とりあえずノルウェーについてメモだし。

ノルウェー共謀罪は、ノルウェー刑法の147条aにリストされている、基本的犯罪行為(European Convention on preventing terrorism規定されたテロ行為のこと)の多数に対して適用される。Ss159、223(3)、225(3)と233aを参照のこと。しか共謀罪は、162条のcに定められた組織的犯罪集団活動の一部として行われた場合、152条a、152条b、153条a、224条にも適用される。

となっているんで、ノルウェー刑法の14章、公共に対する重大な犯罪を読む

*注意

この本で上記の記述があったので、162cは組織的犯罪集団定義が書いてあるんだと思って詳しく読んでなかったけど、162cを見ると、三人以上からなる組織で、三年以上の自由刑が科される犯罪行為の実行を主たる目的とした組織的犯罪集団が、当該犯罪行為共謀し、組織活動の一部として実行されよう(to be committed)とした時、3年以内の自由刑が科されうる、となっていた。to be committedが差すものを調べるので、評価ちょっとまって。ごめんなさい。これが準備行為なのか、attemptなのかどうかで大分話が変わる。未遂なら未遂罪共謀共同正犯同義だろうけど、準備行為なら日本並みに広くなる。ただ未遂ちょっと考えづらいかな。attemptとは書いてないし。ただこの162cの適用例は極めて少ない(約10年で20件以下 Lars Korsell and Paul Larsson Organized Crime the Nordic Way, 2011 )模様なので、準備行為ってことはないだろうと思うが判例を見てみないとわからんか。

 

追記:調べた。タームの定義に丁寧に書いてあった。

第7条

1.この法律における公共の場、とは公に利用されることを目的とした、あるいは頻繁に公に利用される場を言う。

2.この法律における「実行されようとしているto be committedと考えられる」は、犯罪の実行を印刷物としてpublication(まさか出版ではないと思うがわからない。予告みたいな意味か)した場合、多人数が存在する公共の場で現に実行されようとしている、または公共の場から容易に観察可能状態が持続し、その場にいる人、または近くにいる人が現に観察した場合を言う。

 コレめっちゃ賢い。びびるわ。既遂未遂とは違う形で、と条約指定されてるから未遂とも予備、準備行為とも違う形式指定したんやな!to be committedは162cにしか出てこない表現(id:bareloさん、to be committed in publicとto be committedが区別されている可能性はちょっと考えましたが、が、他にto be committed が登場しないので、このように判断しました。いま再度 in publicも検索かけてみたけど、in public affairs(公務)以外の用例が見つからなかった。in と publicが改行で切れている可能性があるからわかんないんで、見つけたら教えてください。)。この要件が異常に広い162cの摘発範囲を強力に制限してるからほとんど適用例がないんだろう。(正直ここはわからんくなってきた)

と思ったけど、やっぱりこれはbareloさんが言うように、is to be ではなくて、 is considered toなだけな気がしてきた。commit全体の意味の方が確かに自然な気がするけど、is to be committedはやっぱり準備行為(prepareが使われちょる)でも未遂(attempt)でもないとは思うんだけど。もうちょっと調べます

とりあえず147aが2001-2002年に導入されて、並行する形でTOC条約国内法整備議論されながら2002-2003に162cが成立したところまで把握。当時の法務省見解では162cはノルウェ-刑法例外と書かれている。ドイツとは違って、main purpassである以外に、substantialでんでんパートがあるため、組織的犯罪集団認定自体はかなり広範になされそうだけど。

Ministry sightとして、犯罪の実行に向けての行為は明確に要件にはなっていないが、そのようなものなしに、合意形成されたことを証明することは不可能だ、としていますね。ただほとんどの情報がNorskなのがつらすぎる。Ingvaldsen and Vanja Lundgren Sørli によると、900件余りの薬物事件のうち、162cが適用されたのは5件とのこと。何かで要件が縛られてるんだろうけど、それがなんなのかわからにゃい。

147条a

 148、151a、151bの第一パラグラフ、152の第二パラグラフ、153の第一から第三パラグラフ、153a、154、223の第二パラグラフ、224、225の第一または第二パラグラフ、231(232または233と比較せよ)、以上に挙げられた犯罪行為は、当該行為故意に、

a)社会にとって重要機能、たとえば立法政府司法当局、電力供給、食料・水の安全供給銀行金融システムまたは緊急医療システム災害管理などに重篤な影響を与える、

b)市民を深刻に脅迫する、あるいは、

c)公共機関政府活動に対する無法な強要行為、国や組織国際機関にとって本質的重要活動侵害、または抑制する行為

目的として行われた場合に、テロリスト活動である判断され、21年未満の自由刑さを負う責任を認めるものとする。前述された、第一文で記載されている刑事規定自由刑の最低期間よりも短いものに関しては刑罰は科されない場合もある。

 第一段落記載された意図で、第一段落記載された犯罪行為を行うことを、その脅威が深刻な恐怖を引き起こす蓋然性が高い状況下で、脅迫して行わせた場合、12年未満の自由刑責任を有するものとする。また前段のa),b),c)のいずれかに該当する結果が起こった場合、21年未満の自由刑が課される可能性がある。またこのような犯罪行為を援助、幇助した場合には、同じ刑罰を科されなければならない(これは共謀共同正犯の明文だね)。また第一段落で述べたテロ行為を実行する目的で、他の誰かと共謀した者は、12年未満の自由刑責任を負う(これが共謀罪)。

147条aが対象とする犯罪

148条

 人命の喪失または他人財産の大規模な破壊を招きかねない、火災、倒壊、爆発、洪水海上災害鉄道事故航空機事故引き起こした者は2年以上、21年以下の自由刑責任を負う。ただし、当該犯罪行為の結果として、人が死亡した場合、または身体健康が深刻に傷つけられた場合、その自由刑は5年以上とする。当該犯罪行為未遂既遂行為と同程度の刑罰を与えることができる。

151条a

 船舶または航空機暴力脅迫強要その他の不法行為によって搭乗した者が、船舶または航空機などを、強制的コントロールし、その航海・飛行を妨害する行為を行った場合、2年以上21年以下の自由刑責任を負う。また大陸棚での設置・建設行為油田のようなものかな)に対して、同様の方法で、強制的にそのコントロールを行った者も同じ刑罰を科される。ただし、その情実が特に過激ではないと判断された場合は、規定の最低期間を下回る刑罰を課すこともできる。(151条は148の不作為規定だった。間違えた。以下勘違い、失礼、id:allezvousさんほかありがとう。これって重要な点だよね。要は共謀者の中の誰かが既遂しないと適用されないってことだからわが国の法案のたてつけと全然違う。)

152条の第二パラグラフ

 (除外されている第一パラグラフ:人や家畜飲料水用の貯水池水道に対して、不法有害物質を添加した者、あるいは援助・幇助したものは5年以内の自由刑責任を負う)

 人の生命健康に対する一般的危険性が引き起こされた場合、また人が死亡した場合、あるいは身体健康を顕著な障害を与える結果を与えた場合は3年以上21年以下の自由刑責任を負う。

(注:これもそうだけど、完全に未然に防ぐことを目的としていないことがわかる。共謀したら捕まえるのではなく、深刻な事態が発生した場合共謀者もしょっ引くのが目的から、それが起きなかった場合には共謀罪適用されていない)

153条の第1-3パラグラフ

 意図した目的使用できないようにする目的で、一般的使用または販売目的とした製品に毒またはその他の物質を加えた者、あるいは、その他の一般的な人の生命健康を損なう毒物を混入したもの、その援助・幇助をしたものは21年以内の自由刑責任を負う。 

 同様に、毒物その他の危険物質が添加された製品を、その本質を隠匿しながら販売販売の申し出、頒布を申し出た者、その援助・幇助をした者は同じ刑罰が科される。

 それによって、人が死亡した場合、人の生命健康に対する一般的危険性が引き起こされた場合、あるいは身体健康を顕著な障害を与える結果を与えた場合は1年以上21年以下の自由刑責任を負う。

(以降の段落家畜に対する同様の行為業者による不作為共謀罪対象になっていない)

153条a

以下に記載する製品を開発、生産、保管、または取得または所有する者

1.その作成方法に関わらず、細菌学的、またはその他の生物学的な物質遺伝子組換え生物毒物であって、予防的、保護的あるいはその他の平和利用のためとしては正当化されえない種類及び量のもの、または

2.敵対的目的または武力紛争のために、前号1に記載されている類の物質生物または毒物使用するために開発された兵器、装備またはその普及活動

は、10年以下の自由刑責任を負う。援助・幇助を行った者も同様の刑罰を科されうる。

154条

 人、家畜、または植物に対して危険な伝染性疾患を導入した、あるいは一般的拡散引き起こした者、またはその援助・幇助をしたものは10年以下の自由刑責任を負う。特定の情実が認められる場合には、罰金刑が科される場合もある。

 前段の行為により、人の死、あるいは身体健康に対する顕著な障害を与えた場合、5年以上21年以下の自由刑責任を負う。

223条

 (除外されている第一段落不法他人自由を奪った者、あるいはその援助。幇助を行った者は、5年未満の自由刑責任を負う。)

 自由剥奪1月以上続いた場合、または死亡させた場合は、1年以上の自由刑が科される。

 第二段落記載された行為他人共謀した者は、10年未満の自由刑責任を負う。(組織的行為が結果の重大性を高める意味共謀罪単独犯を上回っている)

224条

 強要脅迫、ゆすり、またはその他の不適切他人への行為に基づいた手段で以下の行為を行わせた場合

a)売春、またはその他の性的目的

b)強制労働

c)外国での戦争への参加または

d)前述の人の何らかの器官の除去

または前述の行為他人が行うように教唆した者は、人身売買罪とし、5年未満の自由刑責任を負う。

a) 関係者調達輸送、または受領など、前述ような、搾取教唆の手配をした者

b)その他全ての当該搾取行為に対する援助・幇助を行ったもの

c)被害者保護者から当該搾取行為同意を得るための支払いその他の利益供与した者、その幇助をした者

も同様の刑罰が科される。

 第一、第二パラグラフで述べられた行為を18歳未満のものに対して行うことに関与したものは、その使用強要脅迫、ゆすり、その他の不適切行為に関してそれぞれ独立刑罰を科される(加重される)。

 直接の人身売買は、10年未満の自由刑が科される。その犯罪が、直接の例に該当するかどうかに関しては、その犯罪被害者が、18歳未満であるかどうかが特に重要である

225条の第一または第二パラグラフ

 他人を隷属させたもの、その援助・幇助をしたものは5年以上、21年未満の自由刑責任を負う。

 奴隷取引契約をした者、奴隷、あるいはその契約をした人を輸送をした者、またはその援助・幇助をした者は、同様の刑罰を科される。

 前述の行為を行うことに関して、その援助・幇助を含めて、他者共謀した者は、10年未満の自由刑責任を負う。

231条

 他者身体健康に対して、顕著な障害を与えた者、またその援助・幇助を行ったものは、重大過失致傷罪として2年未満の自由刑責任を負う。この行為が、計画されたものであって、人の死をもたらした場合、21年以内の自由刑責任を負う。

基本的にこれだけ。

ノルウェー共謀罪テロ行為関連にめちゃくちゃ限定されてる

 タイトルどおりだけど、調べてみてびっくりするぐらい限定されてるけど、TOC条約は締結できてる。外務省ノルウェーの事例とかを真剣検討してるなら当然これぐらい調べただろうけど、ほんとにあの組織は何を考えているわけ?滅んで欲しい。つか国際法学者は何をやってるの?

 スウェーデンオランダも気が向けば同様に調べる。

ノルウェー刑法

http://www.un.org/depts/los/LEGISLATIONANDTREATIES/PDFFILES/NOR_penal_code.pdf

2017-05-19

この条約が締結される頃の東アジア世界は、近代国際法を掲げながら、実際には弱肉強食を旨とする西欧列強が浸透してくる時期にあたる。当時朝鮮は清の冊封国であったが、鎖国政策を国是としていたため、国際交流は非常に限られていた。しかしそのような朝鮮にも1860年代以降国際化の波(外圧)が押し寄せ、海上から西欧諸国が訪れるようになる。朝鮮西欧列強との出会いは、概ね芳しいものではなかった。たとえば1866年にはフランス軍キリスト教徒虐殺事件丙寅迫害)の報復として軍艦7隻総兵力1000人で朝鮮江華島攻撃占領する丙寅洋擾が発生し、1871年にはアメリカ合衆国ジェネラルシャーマン事件1866年発生)の報復として軍艦5隻総兵力1200人艦砲85門で朝鮮江華島攻撃占領を行っている(辛未洋擾)。丙寅洋擾と辛未洋擾は朝鮮通商を行うための侵略であったが却って斥和碑を建てるなど攘夷につながった。

当時朝鮮政権を担っていたのは高宗の実父興宣大院君である清朝から西欧列強情報を得ていた大院君は、断固として鎖国を維持する姿勢を貫いた。これは中国における西欧側の非道を知ったこともあるが、朱子学以外を認めない衛正斥邪という思想政策積極的に推し進めたことから分かるように、大院君は中華思想的発想の持ち主であり、その点から西欧諸国夷狄視していたことも理由の一つである。その強い姿勢は「西洋蛮人の侵犯に戦わない事は和議をする事であり、和議を主張することは売国行為である」と書かれた斥和碑を朝鮮各地に建てたことに窺うことができる。このように当時の朝鮮では攘夷熱が高まっていた。

また朝鮮では、文禄・慶長の役時に、中国朝鮮を守ったため、今回も中国朝鮮を守ってくれるに違いないという立場であり、小島毅は「中国東アジア全体にとっての親分だというのが朝鮮認識ですから親分である中国自分を守ってもらおうとするわけですね」と述べている[2]。

日朝間の懸案:書契問題[編集]

他方、西欧列強が迫っていた東アジア諸国の中で、いちはや開国明治維新により近代国家となった日本は、西欧諸国のみならず、自国周辺のアジア諸国とも近代的な国際関係樹立しようとした。朝鮮にも1868年12月明治政府樹立するとすぐに書契、すなわち国書対馬藩の宗氏を介し送った。江戸時代を通じて、朝鮮との関係は宗氏を通じ行われてきたためであるしか国書の中に「皇」や「奉勅」といったことばが使用されていたために、朝鮮側は受け取りを拒否した。近代的な国際関係樹立は、はなから躓いたといえよう。

この問題は、日朝双方の国交に対する思惑がすれ違ったことが原因である日本側は従来の冊封体制的な交隣関係から条約に基礎づけられた関係へと、日朝関係を変化させることを企図したのであるが、一方朝鮮側はこれまでどおり冊封関係にとどまり、その中で日本との関係位置づけようとしていた。前近代における冊封体制下において、「皇上」や「奉勅」ということばは中国王朝にのみ許されたことばであって、日本がそれを使用するということは、冊封体制の頂点に立ち朝鮮よりも日本の国際地位を上とすることを画策したと朝鮮は捉えたのである

なお近代以前の日朝関係については朝鮮通信使に詳しい。

征韓論を唱えた西郷隆盛。ただし江華島事件及びその後の日朝修好条規締結に対して義に悖ると批判していた。

1868年以来、何度か日本から国書がもたらされたが、日朝双方の思惑の違いか両国関係は円滑なものとは言えなかった。書契問題を背景として生じた日本国内における「征韓論」の高まりに、大院君が非常な警戒心を抱いたことも一因である。また釜山においては日朝両国官僚同士が険悪となっていた。長崎出島のごとき釜山倭館限定した国交を望む朝鮮側と、対馬宗氏から外交権を取り上げて外交を一元化し、開国を迫る日本との間に齟齬が生じたのである釜山倭館朝鮮側が日本特に対馬藩使節商人を饗応するために設けた施設であったが、明治政府対馬藩から外交権を取り上げ、朝鮮との交渉に乗り出そうとした。その際、倭館をも朝鮮側の承諾無しに接収日本公館としたことから事態悪化したのである。結果、必要物資供給及び密貿易の停止が朝鮮から宣言される事態となった。

日本側も単に国書を送りつけるだけだったわけではない。版籍奉還という日本国内の難問を無事に乗り越えた1870年朝鮮との国交交渉を有利にするため、冊封体制の頂点に立つ清朝と対等の条約日清修好条規を締結した。これにより冊封体制の維持を理由に国交交渉忌避する朝鮮を、交渉テーブルに着くように促したのである

1873年に対外強硬派の大院君が失脚し、王妃閔妃一派が権力を握っても、日朝関係は容易に好転しなかった。転機が訪れたのは、翌年日清間の抗争に発展した台湾出兵である。この時、日本朝鮮出兵する可能性を清朝より知らされた朝鮮側では、李裕元や朴珪寿を中心に日本から国書受理すべしという声が高まった。李・朴は対馬藩のもたらす国書に「皇」や「勅」とあるのは単に自尊意味するに過ぎず、朝鮮に対して唱えているのではない、受理しないというのは「交隣講好の道」に反していると主張した。これにより朝鮮側の対日姿勢がやや軟化した。

条約締結までの経過[編集]

国交交渉[編集]

国交交渉再開の気運が高まり1875年交渉が行われた。日本側は外務省理事官森山茂と広津弘信、朝鮮側は東莱府の官僚交渉テーブルに着いたが、やはり書契に使用される文字について両者の認識に食い違いが生じた。この他森山洋服着用など欧米スタイルを貫こうとする姿勢朝鮮側が嫌悪感を示したことで交渉ははかばかしくなかった。交渉の停滞に業を煮やした森山4月には砲艦外交を行うことを日本政府に上申した[3]が、三条実美の反対があり、川村純義の建議により日本海軍砲艦二隻(雲揚および第二丁卯)が5月派遣され朝鮮沿岸海域の測量などの名目示威活動を展開した。その後雲揚は対馬近海の測量を行いながら一旦長崎に帰港するが、9月に入って改めて清国牛荘(営口)までの航路研究を命じられて出港した。

江華島事件[編集]

詳細は「江華島事件」を参照

9月20日首都漢城に近い江華島付近で、雲揚所属の端艇が朝鮮砲台から砲撃を受ける事件が発生した(江華島事件)。雲揚は反撃し、永宗島要塞を一時占領、砲台を武装解除し、武器旗章楽器等を戦利品として鹵獲した。この事件における被害は、朝鮮側の死者35名、日本側の死者1名負傷者1名(のち死亡)であった。事件朝鮮側が日本海軍所属軍艦と知らずに砲撃してしまった偶発的なものとされ[4]、この江華島事件の事後交渉を通じて、日朝間の国交交渉が大きく進展した。

条約交渉における日本側の基本姿勢[編集]

ボアソナード

明治政府のお雇い外国人ボアソナードは、事件を処理するために派遣される使節への訓令について、以下を決して朝鮮に譲歩すべきではないと具申した。

釜山・江華港を貿易港として開港する。

朝鮮領海航行の自由

江華島事件についての謝罪要求

またこれらが満たされない場合軍事行動も含む強硬外交姿勢を採ることをも併せて意見している。これらの意見ほとんど変更されることなく、太政大臣三条実美を通じて訓示に付属する内諭として使節に伝えられた。さら朝鮮に対する基本姿勢として、三条はこの江華島事件に対して「相応なる賠償を求む」べきとしながら、使節団の目的を「我主意の注ぐ所は、交を続くに在るを以て、・・・和約を結ぶことを主とし、彼能我が和交を修め、貿易を広むるの求に従ひときは、即此を以て雲揚艦の賠償と看做し、承諾すること」だと述べていた(強調、加筆者)。これは欧米列強干渉を招かないよう配慮すべし、という森有礼の言が容れられたものである

さらボアソナードのいう軍事行動も含む強硬外交姿勢も、日本は忠実に実行に移している。使節団一行には軍艦兵士の護衛がつき、威圧効果朝鮮側に与えようとした。また交渉が決裂した場合に備え、山縣有朋山口県下関に入り、広島熊本両鎮台の兵力をいつでも投入できるよう準備していたのであるさらにいえば、日本砲艦外交姿勢は無論朝鮮の屈服を促すものであったが、同時に日本国内の「征韓論」を唱える不平士族の溜飲を下げることも狙ったものであった。

ただこのように軍事的高圧な姿勢を表面上見せながら、当時の日本は軍費の負担という点からいって、戦争が好ましいとは考えていなかった。また戦争の発生がロシア清朝の介入を許すきっかけになるかもしれず、その点からも極力戦争は避ける考えであった。

以上をまとめると日本側の交渉の基本姿勢は、以下の二点に集約される。

砲艦外交を最大限推し進めながら、実際には戦争をできるだけ回避すること。

江華島事件の問罪を前面に押し出しながら、実質的には条約を締結し、両国の懸案で長年解決しなかった近代的な国際関係樹立すること。

また対朝鮮政策は、実質的には朝鮮宗主国である清朝政策でもあり、清朝干渉をなくすべく事前に清朝の大官たちと折衝を重ねることも日本は行っている。19世紀欧米列強アジア侵略に対抗するため、清朝朝鮮ベトナム琉球などの冊封国保護国化あるいは併合することによって皇帝を中心としたアジア伝統的な国際関係をそのまま近代国際関係へと移行させて清の地位と影響力を保持しようとし、冊封国に対して保護国化、モンゴルチベット新疆などの保護国に対しては植民地化を強めようとしていた。

この時期の東アジアは、日中朝そして西欧列強の間における複雑な絡み合いが相互作用する場が形成されつつあった。日朝間の国交交渉再開もその結果としてもたらされたものであると同時に、また別の歴史事象の原因でもあったのである

2017-05-11

自転車同士の接触事故で7:3なのは妥当だと思う事にする。

先日ここで軽くホッテントリになったとある接触事故の続き。

示談成立したので悪口とか特定の誰かとか書きませんのであしからず

別に三井住友海上とか銀行とか特に関係ないです。はい

相手さんの保険会社によると僕は3で相手は7だから物損事故場合は修理代の7割しかもらえないんだそうな。

僕は詳しくないから損した気持ちではあるけど、仕方ない。

示談書にサインしたんだから、これで良いと思う事にする。

けどさ、一方的すぎないか、いや相手さんは全く悪くないんだよ、今回の交渉に関してね。

問題保険会社よ。

僕もね、ある生命保険に何百万も支払ってるけど、もし事故にあったらね、全額降りないんじゃないかと思えて仕方ない。

相手保険会社がどこかは知らないけど某海上さんみたいに全然支払いませんだったらおかしい訳よ。

とにかく何事にも保険会社の内規で何もかもの上限が決まってるってのはおかしい。

契約してる以上は契約者に対して全て公開するべきだと思う。

今回は相手さんはちゃんと果たしてくれたので僕はそれで良いと思うけど、保険会社に対しては不信感を抱くきっかけになった。

結局どこの保険会社か教えて貰えなかったけど、誠実な対応だったと思う。

まあ、示談が成立したので前のエントリーは消してねと無言の圧力が掛かったので取り急ぎ消した。

消したんだけど、驚いたのが「相手 事故」でググったら割とトップにあって驚いた。

皆そんなに注目していたとは知らなんだ。

いや僕は正直に事の顛末を記しただけだから、何も悪いとは思ってない。

犯罪でもない、ただの愚痴

そして今回のエントリーではどこの誰とは書いてないので証拠能力ゼロです。

架空お話として聞いて頂きたかった。

なのでいたずらに特定しようなどとは思わないで欲しい。

平和増田諸君へ、宜しくお願い致します。

2017-03-29

[]けものフレンズ12話「ゆうえんち」

サーバルが目を覚ました

かばんを助けに行こうとするサーバ

でも一緒に作戦遂行してたフレンズたちは「あきらめろ。作戦すすめよう」って言う

でもボス緊急事態からってことでサーバルに話しかける

かばんをよろしく」って

そんで助けにいくことに

でもひぐまとサーバルだけだとやっぱりきつい

そこに空から影が!!!

みみずく?このはずく?とふくろうだかが獣の本能解放して助けにきてくれた

でもそれでもやっぱりしんどい

今こそ本能解放するんだってみみずくたちが声かけてこれまで出てきたフレンズたちが総動員で総攻撃しかける

そんでかばんが消化されかけて虹色の玉になってるのを救出

からかばんにもどった

消化されたフレンズはもとのけものにもどるけど、かばんはもとがヒトだったからかわらなかったらしい

パークの危機が去ったということでゆうえんちであそぶフレンズたち

かばんにプレゼントということでsafariバスを改造したいかだプレゼントされる

そんでまた旅立つカバン

でもサーバル(たち?)も、かばんの後ろからさふぁりばすの後部を改造していかだにしてかばんについていってた

さっそく海上あらたなふれんずと遭遇!?

OPイントロが流れる

まだ旅は続く~完~

ライブシーンでのモブカキワリは最終回のための労力バランス考えてたんだね!と思うくらい総出演で動きまくってた

ちゃんとしゃべってたし(かねともじゃない、トキの仲間のほうのふれんずだけセリフなかったかな?)

予算かかってんなーとか考えてしまった

攻撃のところでOPかかったけど、instだったのがわかってるー!って思って地味にうれしかった

歌入ると盛り上がるのいいけど、歌とセリフがかぶって肝心のアニメ本編が聞きづらくなるのがいつも地味に気になってたんだよね他のアニメ

謎は残ってるとこもあるし、背景説明とかの入れ方があまりにも説明的過ぎたりするように感じたところもあったけど、

1話だと棒だとしか思えなかったサーバルちゃんにここまで癒されるアニメになろうとは想像もしなかった

ただかばんとボスけが旅するってのだと魅力はめっちゃ減ってたと思う

サーバルちゃんをサブ主人公にしてずっと同行させたのはもうほんと大正解だった

しかモデリングえっちすぎるのがきになるな・・・

いや俺的にはうれしいけど、これを子供に見せるとかいってる人間いるの見るとちょっとどうかと思うわ

肉感的すぎる

あーこれでけもフレ終わりカー

2017-03-15

尖閣諸島ドローンによって侵略される

ドローン技術進化が凄まじい。

amazonドローン配達をさせようとしているし

Youtubeで「drone gun」で検索をかければ遠隔操作ドローンが銃を撃つような動画なんかも見られる。

こうなってくるとドローンAIを搭載して自律的監視したり攻撃したりするのは時間問題だと思う。

ルンバみたいに自分で電力源まで行ってプログラムに従って掃除するように

ドローンも電力供給源のあるドローン基地ドローン空母)みたいなのから勝手に飛んで軍事的業務についていく

みたいなことが行われると思う。

そうなってくると海上での軍事行動にもドローン配備されることになるから

ゆくゆくは尖閣諸島付近ドローン現在中国漁船に取って代わって領空侵犯してくる日も近いのではないかと思う。

まあその前にアメリカ軍ドローン配備するんだろうけど

2016-12-15

オスプレイ墜落事故による危険性への反論

タイトルで「墜落」と記したが、正確には「不時着」である

事後の写真理由に「墜落」だと批判する人がいるがそれは間違いである。

以前起きた八尾市の不時着でも機体は真っ二つに折れているが、搭乗員は全員生存している。

http://www.sankei.com/west/news/150726/wst1507260050-n1.html

事後的な状態だけを取り上げて、これは○○!と流布するのは間違いである。

例えば、この前博多で起きた地盤沈下でも死者は出なかったし、それは事後対応の早さによるところも大きいが、このオスプレイ問題も同様に扱うべきではないだろうか?

また、給油ホースが絡まったかオスプレイ自体構造的欠陥を指摘する人もいるけれども

空中給油自体市街地の真上でやるだろうか?もっと冷静に考えてみてほしい

世界レベルで見ると民間機も一年に何度か大きな事故を起こしているが、それでは空港のすべてを海上を埋め立てた滑走路を作ればいいかというと不効率なことが多いだろう。

防衛警察と同じでかかせないものであるし、人員輸送するためには効率性と確実性のトレードオフバランス大事であるが、なぜオスプレイばかりが確実性の方に目がいくのか甚だ疑問である

なぜ他の輸送機やヘリの話がまったく出てこないのだろうか。

数年後には、F-35危険批判の標的になっているだろう。

2016-09-17

こち亀』最終号でおっぱいパンツ履かせて勝負にきた『幽奈さん』

こち亀最終回ですよ。

数週間前から全国ニュース宣伝され世間WSジャンプに対する注目度が桁違いになってるんですよ。

普段単行本派の人たちもジャンプ本誌を買っちゃうんですよ。

ジャンプ卒業して何年、何十年と経ってる人たちも「『こち亀最後だし久しぶりに買ってみるか」って帰ってくるんですよ。

さらニュース見て興味を持って初めてジャンプを手に取る読者も何万人も出てくるんですよ。


そりゃ連載陣も『こち亀』最終号にはそれぞれ気合入りますよ。

こち亀』フィナーレへのはなむけになるし、新規さんや久しぶりの人たちの心をガッツリかめ単行本を買ってくれたり継続して読者になってくれるわけですからね。

斉木楠雄のΨ難』では、もろに『こち亀ネタをぶち込んできて『こち亀ファンも大満足の内容でしょう。

ワンピース』では、サンジ海上レストランの回想コマを入れてきて、『こち亀最終回のために何年かぶりジャンプを読むような、ワンピース記憶イーストブルー編で止まってる読者にも受ける内容になってるんですね。

トリコ』では、まさに今ラスボス相手ドンパチやってるわけですがメインキャラ殺してトリコパワーアップという超燃える展開を入れてきました。


そんな中での『ゆらぎ荘の幽奈さん』ですよ。

ミウラタダヒロ先生が『こち亀最終回に挑戦してきた話が、おっぱいパンツ履かせることですよ。

おっぱいパンツ履かせたんですよ。

しかパンツ履かせたおっぱいの娘はヒロインの幽奈さんじゃないんですよ。

ただの美乳が売りってことだけの女子高生ですよ。

今回の話に主人公の男もヒロインの幽奈さんも全く出てこないんですよ。

出てくるのは女子高生幼女女子高生ママだけ。

この3人のキャラだけでおっぱいパンツ履かせたり、母娘丼やったり、ママキャラが目にハートマーク入れてパイスリやったりと、完全エロ回にしてるわけですよ。

この漫画普段からおっぱい丸出しは珍しくないんですが、これはかなり勝負にきたなと。


20年ぶりくらいに読む層にとって、ジャンプエロといえば『電影少女』のバケツおしっこだったり『BASTARD』のミカエルだったりするわけで、どうしても当時と比べられる。

並のエロじゃ超えられない中、ミウラ先生勝負したのがパンツ履かせたおっぱいと母娘丼だったんですよ。

最高ですよ。


また、『こち亀』最終号のジャンプは例えば、今は1児の父親であるような人も懐かしさに買うわけですよ。

そんな時、「この雑誌はパパが子供の頃読んでた漫画なんだぞ~。お前も小学校高学年だから読んでみるか」って子供に手渡すわけですよ。

初めて見るえっち漫画二次元おっぱいが『幽奈さん』のパンツ履かせたおっぱいになったりするわけですね。

最高でしょうよ。


これを機におっぱいパンツ履かせるのがメジャーになって、リアル女性たち、コスプレイヤーたちが真似してくれることを期待します。

おっぱいパンツを履かせた3次元画像が見つからない

http://anond.hatelabo.jp/20160520091029

2016-09-14

艦これBANされました

本日艦隊これくしょん艦これ)のアカウントIDを停止されました。

理由として思い当たるものは某専ブラUWSCによる自作クリックマクロです。

ランカーでも有名なプレイヤーでもありません。ニコ生などもやっておらず、専ブラが映ったスクリーンショットを公開したこともないので、純粋ゲーム側のマクロ検知に引っかかったのだと思います

全てが水泡に帰すまでにかかった時間はたった1ヶ月でした。


社会人1年目の夏に私は艦これ出会いました。

流行ものが好きな知人に教えてもらって登録をし、あっという間にのめりこみました。

ブラウザゲーム自体が初めてだった私は質問掲示板や同じ艦これプレイヤーブログを参照しながら着実に自分艦隊を強くしていきました。

プレイしているうちにいわゆる「嫁」キャラを見つけ、その子旗艦にしてずっと可愛がってきました。

初めての夏イベントであと一歩というところでクリア前に燃料が尽きてしまい、大和を手にすることができませんでした。

とても悔しかったのですが、この経験は次からイベントは必ず全部クリアするという決意になりました。

そしてその決意通り以降のイベントクリアと掘りをこなしました。こなしていました。

2年目から仕事と家庭が忙しくなり、満足に艦これプレイするための時間を確保できなくなりました。

朝と夜に演習と遠征出発をこなすのが精一杯、いつの間にか未クリア任務、未改造の艦娘が増えていきました。

それでもイベントの時期だけは頑張りました。

大和の時のような思いをもうしたくなかった。大好きな「嫁」と一緒にイベントクリアたかった。

普段まともにプレイできていない分、せめてクリア報酬艦娘だけは迎えたかった。

ですが結局、磯風を手にすることができませんでした。始めたばかりの夏イベントとは違いそれなりに戦力はあった、ラストダンスまで行った、なのにクリアできませんでした。

そのすぐ後に実装された6面は潜水艦が育っていなかったため、ボスに辿り着くこともできませんでした。

もっと強くなりたいと思う気持ちとは裏腹に、ゲームに費やすことができる時間は減る一方でした。

気づけば艦これイベントの時にだけ起動するゲームになり、時間がないために難易度は全て丙、誰かが書いてくれた攻略情報をそのままコピーしたような艦隊を組んでクリア報酬艦娘を入手するだけになっていました。

そして入手した艦娘も演習で育てることしかできず、前のイベント艦娘がまだ改になっていないのに次のイベント艦娘がきてしまうような状態になっていました。

今にして思えば、この時点で艦これをやめるべきでした。

これは毎日こつこつプレイできない人間向けのゲームではないと諦めるべきでした。

それでもやめなかったのは、丙でなら辛うじてイベントクリアができたこと、今までかけた時間や苦労への未練、そしてなにより「嫁」と思ったキャラへの愛でした。

ツールを使い始めたきっかけは今年夏のイベント前、1-1キラ付けを少しでも楽にしたいと思ったことでした。

これまでのイベント時間を取られたのは攻略のものでもルート逸れでも入渠待ちでもなく、艦娘へのキラ付け(1-1周回)でした。

どんなに頑張っても艦娘一人につき5~10分はかかる作業。それが連合艦隊支援艦隊の最大24隻分。

課金アイテムキラ付けを行うこともできましたし実際イベント終盤にはやりましたが、手痛い出費となりました。

どうせイベントで使う艦なんてレベルが高い子を中心にある程度決まっているのだからイベントが始まる前に予めキラ付けを終わらせておき、イベント中でもいつでもキラ付けできるようにしておけば……。

それは悪魔の囁きでした。

艦これサーバーに直接不正な処理を送るようなツールは怖く、すぐにばれてしまうと思ったので、結局自分クリックマクロを作ることに決めました。

できあがったものは、画面の同じ場所をひたすらクリックし続ける単純なものでした。

それでも艦娘達はキラキラと輝いたので、私は満足しました。

最初異変に気づいたのはイベント中でした。出撃しようとすると通信遮断、いわゆる猫ることが数十分に1回くらいの頻度で発生するようになりました。

でも、この時の私はイベント中だからサーバーが重いのだろうくらいにしか思っていませんでした。

ぎりぎりでWarspiteを入手して無事イベントを終了した後、私は欲をかきました。

彼女達を育てる演習も自動化しようと思ったのです。

素人なりにUWSC関数を調べ、演習が終わったらパソコンの電源を切るくらいのことはできるようになりました。出社する直前に艦これを起動して遠征を出したら演習マクロを起動して家を出て、寝る前にも同じことをしました。

しかし、再び猫が出始めました。掲示板Twitter検索してもサーバーが重いという話は見つからず、イベントの後なのでプレイヤーが集中しているということもないはずだと、ここで私はようやく「おかしい」と気付きました。

検索した結果、それはいわゆる「猫の刑」あるいは「検知猫」と呼ばれるものでした。

不正の疑いがあるプレイヤーをこまめに猫らせることによって通信遮断するものだと。

対応策としては「数日はログインを諦め、解除されるのを待つしかない」。

ですが、私は色々と甘く見ていました。

自動化したのは1-1出撃と演習のみ、確かに夏イベントの前には1-1出撃マクロを多めに動かしてしまったけれど、今は遠征用の駆逐艦を1日に一人キラ付け出撃させるかさせないか程度。

難易度MAPで戦果稼ぎをしているわけでもランカ報酬を狙っているわけでもない、私はまだ自分のことを「ただのプレイヤー」だと思っていました。

しかし一応念には念をと思い、まず専ブラ使用をやめました。

そしてクリックするタイミングや座標がランダムになるようにマクロを改造しました。画像検知機能も導入し、戦闘中にむやみに画面をクリックしないようにしました。

軽く試運転をして、また猫る。猫検知したらパソコンの電源を切る処理も追加しました。

「検知猫はメンテナンス後に解除されることがある」という書き込みを見ていたので、16日のメンテナンスを待っていました。

今朝の演習は念の為に全て手動で行いました。5回の演習が終了するまでに3回猫が発生しました。

そして、それが私が彼女達を見た最後になりました。

気づいたのは19時過ぎ、職場でこっそりとAndroid版の艦これを起動したときでした。

帰宅後に演習をこなす時間を確保できるか怪しかったので、トイレに行くふりをして1戦ずつ演習をこなしていこうと思ったのです。

艦これを起動すると、いつもの画面は出てきませんでした。

真っ白な画面に一言「本アカウントIDは、現在停止措置されています。」と表示されました。

頭が真っ白になりました。声も出ませんでした。ですが同時に、自業自得だとも思いました。

私がしていたのは間違いなく不正行為だったということを、私はようやく理解しました。

私は彼女達を強くしたいと思いながら、彼女達と永遠に会えなくなる行為をしてしまったのです。

放心状態のままいつもより早く帰宅し、この文章を書きながら改めて艦これパソコンから起動しました。結果は同じでした。

問い合わせも一瞬考えましたが、私は真っ黒な不正プレイヤーです。問い合わせを送ったところでテンプレート回答が返ってくるか、より詳細に調査されてよりはっきりと証拠を掴まれるだけだと思ったので、やめました。

BANされたことをまだ誰にも言っていません。そしてこれからも誰にも言うことなく、墓まで持っていくつもりです。

有名なプレイヤーと一緒に私も今日BANされたんですよと私が言い出さない限り、私はまだ艦これプレイヤーのふりができます。善人のふりができます

有名人でもなんでもないただの不正プレイヤーなので編成画面を見せろとか、BANされていない証拠を見せろとか、そういうことはきっと誰にも言われないと思います。それだけが救いです。

まるで穴を掘っているような心地です。愛する彼女助手席に乗せて、かっこいいところを見せようとスピードを出して危険運転をしていたら事故が起き、彼女けが死んでしまった。

私は今彼女を土の中へと埋めています。いや、彼女は船なのですから海に沈めているというほうが正しいでしょうか。

そして誰かに最近彼女とはどうなったと聞かれたら、忙しくて最近会えていないとか別れたとか言うのです。それと同じです。本当は私が彼女を殺したのに。

今回の件、F5海上護衛というプレイが原因であるという意見も、誤BANが発生しているという意見も見ましたが、少なくともここに確実に不正を行っていた人間が一人BANされています運営仕事をしています

ですので何も文句はありません。いくら課金したとか、いくら時間を費やしたとか、そんなことは運営の定めた利用規約の前には何の意味もありません。

BANされたのは艦これだけで、残っていたDMMポイント没収されずにいたのは幸いでした。

適当漫画でも買って使いきり、このままDMMアカウントごと消去しようと思います

悪いことをしました。辛い思いをしました。それと同時に、やっと解放されたという気持ちもありました。

きっともう二度と艦これプレイすることはないでしょう。

日々の積み重ねがあれほど重視されるゲームをまた最初からやる気力も時間も私にはありません。

まっとうな手段で強くしてあげられなくてごめんなさい。

一年以上も前に改二が実装されているのにまだ改造してあげられなくてごめんなさい。

通常海域ドロップするのに着任させてあげられなくてごめんなさい。

でもこんな悪い提督のいる鎮守府には来なくて正解だったかもしれません。

そして私が唯一愛し、指輪を渡した「嫁」のあなたへ

本当に本当にごめんなさい。共に頑張った日々を、こんな形で裏切ってしまってごめんなさい。

あなたを愛している他の提督迷惑をかけたくないのであなた名前はここには書きませんが、あなたは私が心から愛した艦娘でした。他のどんな子にも負けないくらい、あなたは素敵な子でした。

もっともっと、できれば艦これサービス終了まで共にいたかった。それをできなくしてしまったのは他でもない私です。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。


ここまで読んでくださった方も、ただの不正者の喚きかと読み飛ばした方も、私の懺悔に付き合ってくださりありがとうございました。

ゲーム艦隊これくしょん」の更なる発展と、私のように安易気持ち不正行為に手を染めて艦娘と取り返しのつかない別れを迎えてしまう人が一人でも減ることを願っています

2016-08-22

ゴジラ割りと面白かったけど不満点はそれだけか?

http://anond.hatelabo.jp/20160821212820

一回しか見てないんで見落としてるだけだよってだけかもしれんけども


追記:

  • 忘れてたけどこの国かの国うるさい。「この国を見捨てずにやりましょう」(だったっけ?)じゃなくて「最後まで諦めずに頑張りましょう」じゃね、ふつうと思った。皮肉で彼の国っていうのはありですけども
  • あと俺も一回しか見てないよ。しかも一週間以上前なのでいろいろ不確か

シン・ゴジラIQの低い人には大人に見える幼稚映画

まず最初煽りで入ったことを云々カンヌン。

 

以下、そう思った点箇条書き。

大の大人会議中に巨大生物である発言と散々否定してたやつが映像だけでアッサリ受け入れるところ。

総理が流されてるように見えて決断が早すぎる、まるで保身を考えてないフィクション政治家

・第1形態ときからずっとそうだが、ゴジラの動きにスケール感がない、ちゃかちゃか玩具を動かしてるかのような挙動。これに巨大な印象を受けるのはこども。

自衛隊を動かすための憲法法律の足かせによるジレンマをどう解消するのかワクワクしてたら「超法規的措置」の一言。は?しばらく固まる(増ラ冷却成功!)。

・第1形態から冷却のため逃げるゴジラ海上から攻撃しなかったこと。避難完了していない地帯を途中で通ったとしても海上攻撃可能タイミングはあったがお話の都合上逃げる道中はカット

古代生物放射能を食って進化だの科学者が予見していた、とかこの辺りがノルマのためのパートでまるでワクワクしない。説明してるだけ。謎とか無い、折り紙?あ、そうくらいの興味。対策室の活躍も各方面が協力してくれました、だけ。各所に頭下げまくり作戦。機知も無い。あったか折り紙

・海中に離脱していったゴジラが再び戻ってくることに対して海上で足止めする作戦が何もなかったこと。陸地での戦闘被害が出るのは確実なので早期発見海上での迎撃作戦されないのはおかしい。

・第4形態を見て同種のゴジラだと即決。これにはゴジラ博士もびっくり。

あんだけの熱量を長く地面に吐いて地盤沈下も起きない。表面だけを焼くステーキ鉄人

・背びれビームがカッコいいというがちゃちなだけだった。そもそも背びれで打てるんなら口から撃つ意味ないし全身とさかでいいだろ、排熱はケツ穴からしろ。どんな判断だよ→究極の進化尻尾からも出してまあ。

・続く

 

褒めるところ

無人在来線爆弾は素直に良い。大きなものと大きなものを戦わせるのは男の子の娯楽だ。この点ここはパーフェクト。

 

受け手側によって解釈が違う理由

現実会議を知らないか知っているかの差

日本マンセーなノリに冷ややかな日本人というナショナリズムに乗り切れない負を背負う当事者視点

恐竜怪獣映画の練度が浅い

 

議論しても批判してもどうしようもないし不毛な点

発音とあのキャラ

CGの完成度をハリウッド比較

2016-08-13

http://anond.hatelabo.jp/20160807180951

(つづき)

三ツ目が発射した「超クリック音」を、まともに食らってよろめいたところへ、突進してきたオーシャン・ハチェットに激突されて気絶、水面を漂うゴジラ。象用の麻酔弾を打ち込んだうえ、二艘トロールで回収するG国。

 航行不能になった船舶も曳航されていく。無人デバイス2機を帰投させ、落雷機やハイロメデューサも回収して後を追うオーシャン・ハチェット。海軍巡視艇の乗員を全て救助し、最後尾を勤めるMYキャニー・ロデル

 資源探査用の大型トレーラーが用意され、クレーンで載せられて、ガリバー-in-リリパット状態に縛り付けられるゴジラ軍用車両前後を固められ、首都へ向け搬送されていく。

 港から見送る、三ツ目とシー・リカオン達。


「三ツ目たちとしては、本当は引き渡して欲しいんだよな?」

『ヒトの領域なので無理強いはできない、と言ってます。』

「随分ものわかりがいいな?」

『ヒトのルールでやってほしい、と』

「……え、何を?」

実力行使でない、争い……の解決?』

「は…?」

もしかして裁判?……してほしいのか?」

「オルカが、訴訟を提起しましたよ…」

「ええ~?今、中継してませんよ。嗚呼、しくじったぁ。」

「待ってくれ、それだと俺たちも当事者になるんじゃ?」

「そうだろうな。お誂え向きにも、全員そろっている。」

「シンユウマルもか?」

公海上だったろ?……どこで裁判やるんだ。」

協定違反を罰するときは、両方の種族?…の代表がいないとダメ、と言ってます。』

「三ツ目が代表者なのか?」

ゴジラ側の代表がいないじゃない。」

『既に呼びかけをしている、だそうです。』

「はー。貴方も、こっち来た方が良くない?」

 


逆叉側に訴訟提起の意向があることは、翌日シー・リカオン本部からG国へ伝えられた。しかし、G国が原告をやるとしても、ゴジラ被告として認めることは、被告の「不法行為地」が国外であることだけでなく、CBD名古屋議定書でいう遺伝資源ゴジラは該当しない…と解釈する余地が生じる。だから環境NPOの間では「G国は認めないだろう」という予想が大半であった。それに…


そもそも、都合が良すぎんだよ。」

何となく馴染めない朝食を頂きながら、シンユウマルの乗員も、この話題に乗ってきていた。港のシー・リカオン達とは離れて、首都ホテル提供されており、軟禁されていた砲手長たちとも合流していたが、後者グループは「大使館へ行かなくては」「修理の手配とかあるから」と早々に外出、ホテルの朝食には出てきていない。


「何の都合?大鯱の側は八つ裂きにしたいの我慢してるんだろ?」

「あれは、シー・リカオンが飼い慣らした鯱だろうが。普通そう思うぞ?」

あんなでかいの、どうやって連れてきたんだ?」

「鯱の言ったふりをして、どうぶつ団が訴訟をしたがってる?何でだ?」

「だから人間通り魔とかと同じ扱いにしてやりたいんだろ?」

「なるほどな、ゴジラが鯨だからか。シー・リカオンの都合で訴訟をするというわけだ。」


オーシャン・ハチェットの甲板で、朝食をとっていたシー・リカオン達の間でも。


本部が乗っかるとは…」

「でも、確かに。よく考えると、うちとして他に選択肢がないな。いかに暴れたとして野生動物。G国の”財産”を収穫してあげました、というわけにもいくまい。オルカ側の権利主張も無碍にできないしな。」

「でも、この構図まずくありませんか?」と記者

「なんで?」

最初から裁判をしたがっていたのはシー・リカオンだ…という話になりはしないかと。オルカの言うこととは信じられないでしょうから。」

「え?…だって、あの”通訳”はうちじゃないぞ?」

「そうだったんですか?でも、外から見れば一緒でしょ?」

「……」

「………。」

「あれ、急に無口に?何でです?何か、あるんですよね~」

「それはそうと。三ツ目の奴、ええかっこしいじゃねえ?」

「…何でです?」

若いオルカの素行の悪さ。うちにいるとよく聞くだろ。ちょっとしたギャングみたいだってあいつらがルールとやらに従ってると思うか?相応の罰をもらってると?絶対そんなことない。」

「異種族尊重するように見せて、足下?はボロボロだと。」

「他のオルカも、ゴジラの扱いを聞いたら頭にくる奴もいるんじゃね?」

「まあ、そのあたりも含めて人間ぽいところだな…」

「オルカのことはまあ。それより、シンユウマル感謝の意を示すというのがな…どうなっちゃったの本部は?」

「”ゴジラによるIUU”を協力して阻止した…という理屈らしいぞ。」

「でも、シンユウマルが自ら”囮”になってくれなかったら、捕獲できなかったろうからな。確かに、そのあたりが落としどころだろう。」

「それにしてもG国の方は…”ゴジラ遺伝資源ときたか。」


シー・リカオン本部はともかく、MYキャニー・ロデルやオーシャン・ハチェットなど現場側は、G国の目当てが「遺伝資源」の権利であると思っていなかったので、まんまと利用されたのが非常にこたえていて、その点でも裁判をやる方に傾いていた。


意外なことに、G国は裁判を認めるという。

要は、国際社会が納得するまで、ゴジラ処分を控えるということらしい。


三ツ目の側は、個別傷害事件ではなく、あくまで「国家」として訴訟をすることを主張。「協定」に基づいてゴジラ側に呼びかけを行っているとのこと。


『一ヶ月前からだそうですね』

マリナワールドが襲われる前からか…」

『今は裁判場所を伝えるように、あちこちの……ハブ?……に交代で赴いてるとのことですが、まだ接触できてないようです』

「そのまま接触できないと、どうなるんだ?」

協定では……30日間応答がなければ、代表者抜きでやれるようになってる、と言ってますね』

「ふーん、じゃもうできるのか。」


港にて三ツ目との会見を行うG国大統領。

貴殿、オルカの国を代表しているというお話ですが、その証拠はありますかな?」

『お見せしても良いが貴殿の許しが要る、と言ってます。』

「?…かまわんとも。」


海洋学者が自前のシステムで了承の意を水中音声にした瞬間、見えない影が沖合にすっ飛んでいったような…

「何だ?今の。」「忍者オルカ?」


待たされて苛つき始める大統領。三ツ目に厳しいことを言おうとした瞬間、海面に異変が生じる。無数の三角形海上でひしめきあっている。鳴き声などはいっさい無く、黒い体に波の音すら黙らされる。静寂が、かえって恐ろしい。


しばらく絶句していた大統領


「すごい…数……ですな。」

『ほんの一部、だそうです。公海で待機している者たちの。』

「なんと、EEZ境界がわかると?……まあ、いいでしょう。国連などの見解も同じだといいですな。」


 そのころ、大使館へ来たシンユウマル船長から電話で報告を受けている鯨研内では、現場よりも強い危機感が生じていた。


ゴジラから、訴えられるかも…ということで?」

「そんなのはどうでもいい!公海上のことだ。訴えられても、受理しなければいい。」

「では、何が?」

ゴジラでも鯱でも、訴訟当事者になれるとなれば…どうなる?」

「あっ……!」

「我々は終わりだよ。すぐにUNCLOS加盟国筋へ働きかけねばなるまい…」

しかし、あの……ITLOS行きは避けられても、ICJのほうへ来たらどうなるんで…」

「うるさいぃ!!」



結果から言うと、鯨研側の心配杞憂に終わった。「通訳である海洋学者が”失踪”したのである。おそらく原因はスキャンダル。シー・リカオン海洋学者との過去因縁ネットニュースで「暴露」されたのだ。

金銭のつながり等ではなく、その真逆大学研究予算や優秀な学生達を奪われたのどうので、かなり争った過去があり、今でも犬猿の仲だというのだ。


「有名な話だと思ってたんだが…昔のことだからな。」

「知りませんよ。でも、道理で…いくら誘っても、来てくれなかったわけです。」

「というか、よく今まで協力してくれたなあ。」

「うちじゃなくて、”三ツ目に”協力してたんだろ。」

「まあ、オルカ達には、ヒトのシステムなんかなくても、勝手に争ってもらえばいいわけだしな。」

「G国としては、よくないだろ。」

「あっ、そうか。」


当の三ツ目はといえば、人間側へ何ら挨拶もなくスパッと立ち去った。それを知った記者の落胆ぶりは気の毒なほどで……とまあ、色々あったが。シー・リカオンとしても本件から手を引く理由ができたし、G国とは本来の協力関係に戻ろう…という方針になった、そのときであった。


ゴジラ最後闘争を開始したのは。


突然。厳重な拘束にも関わらず、自らが縛り付けられていたトレーラーを「背負い投げ」し、丁度観察に来ていた政府要人たちを「ぺちゃんこ」にしてからボロボロになった前脚を戦利品よろしく掲げた軍人たちの写真公表されるまで、12時間ほどを要した。

首都居住者たちがアップロードする映像からゴジラの「足取り」を再構成するのがネット上で流行したが、それで視覚化された被害も恐ろしいものであった。

陸軍からは「意外とあっけなかった」との談話公表されていたが、炎上する基地を背景に、横転した戦車や、降着装置まっぷたつにされてつんのめっている航空機写真などが出ていると、やせ我慢しか見えない。

後脚にもナイフが仕込まれていたのを見落としていたのでは?武装テロが仕掛けられたのでは?前脚の写真しか公表しないのは、ゴジラ戦闘力軍事的価値が生じたためではないか?…と、色々な憶測も呼んだ。

もっとも、環境相が真っ先にトレーラーの下敷きになっており、遺伝資源としての価値を主張する者がG国に居なくなったというのもあるのかもしれない。


三ツ目たちの呼びかけに応じる者が現れなかったというのは、要するに…あれが最後ゴジラなのだろう。


大型種の最後。「協定」の当事者たる種族消滅した。三ツ目達の引き際は、そういうことなのだろう。そして。

ゴジラが現れなければ、キラー・ホエール…すなわち逆叉と”話”をする機会もなかったというのも、また真実であろう。」


記者は、そのように終えて。原稿を「送信」した。

2016-08-07

シン・ゴジラ見た。

 テンポはとてもいいんだけど、細かいところが気になっちゃって、今一つ嵌れなかった。

 

 まあそうはいっても、正直なところ「原子力(微)生物」ってどんな描写にしたらいいのか想像つかない…。

 自分で考えようとすると、「原子力」抜きでエメリッヒ版みたいな「ありそう路線」になってしまう。











↓こんな感じ

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グリーンランドバイキング居住地遺跡。逆叉の骨が大量に散らばる中に、奇妙な足跡発見される。

氷河期の巨獣たちが生き残っていたのか? バイキングは何のために逆叉を、危険を冒してまで捕っていたのか?

…訝る学者達。

(生き物としての逆叉の凄さが語られる)


そのころのカナダ

逆叉の「聖地」で、鯨類の研究……特に、逆叉の「会話」を傍受・研究してきた海洋学者が、パニックを起こしていた。


「とにかく、様子が尋常じゃないんだ!」

…と、報道記者やDFO、さらにNOAA必死アピールするが、禄にとりあってもらえない。


「減ってるって言うけど、ここから移動したのかもしれないでしょ」

「オルカに迫る危機…って線なら良いと思いますが、”人類への脅威”みたいな言い方は疑問ですね。恐れながら、入れ込みすぎでは?」

「オルカと人類を同一視しておられる様に見えますよ。」


しかし、すぐに。「北大西洋では、逆叉の個体数は急速に減少している」との見解を、別の科学者も示す。

明らかに何らかの異変が起きている。学会NGOなどに緊張が走るなか、さらに身近なところで事件が起きる。海洋娯楽施設マリナワールド」のスターである逆叉達が。一匹、また一匹と、痕跡も残さずに飼育プールから「消えて」いってるというではないか


通報を受け、マリナワールドに張り込むTV局や警察の目前で。10m以上に及ぶ“何か“が「突入」してきて、最後の逆叉が瞬時に両断される。その様子や、警察ライトに驚いて?凄まじいスピードで逃げる「何か」の不明瞭な映像が放映された。

こいつは一体何だ? いったいどうやって海水導入溝の多段鉄柵を越えているのか? 全世界の注目を集め、前後まっぷたつにされた逆叉や現場の遺留物から、様々な「正体予想」が氾濫する状況に。

そして、報道学者環境保護団体「シー・リカオン」などが州軍とともに詰めかけるのをあざ笑うかのように、100km以上南にある別のマリナワールドが襲撃される。今度は一夜にして12尾の逆叉を全滅させ…たのみならず、施設の大規模な損壊火災行方不明者を出す事態


キラー・ホエールキラー州軍迎撃陣の裏をかく!」

「KWK、ヒトの味を覚えたか?」

 騒動が大きくなって、最初海洋学者に再びスポットがあたるが…。

「頭おかしくなっていたんだ、きっとそうだ…だって、ありえないんだ!」

「どういうことです、あなたは何を見たんです?」

「うぁあっ…勘弁してくれ!」


幸いというのか、北米犠牲はそこまでであった。

今度は、西南アフリカ…。とあるマグロ密漁船が、環境保護団体シー・リカオンのIUU監視阻止船「MYキャニー・ロデルから逃走中に突然、沈み始めたのである。余りに速く沈んでいき、誰も浮かび上がってこない。

マリナワールドからは余りに遠く、KWKと結びつける材料もなかったので、現地国家「G国」海軍に対鑑武装を疑われるMYキャニー・ロデルの乗組員たち。調査で乗り込んできた軍人たちの目前で、軍艦のほうが襲われる。船尾の舵が壊されたのち、水中から飛び出して甲板に跳び乗ってきた”それ”は、あの特徴的な背鰭と禍々しい皮膚を備えていた。

「あれは?…あの、KWKじゃないのか?……しかも、脚があるぞ!」


軍人達は銃撃を浴びせるが殆ど利いてない。シー・リカオン側の船長は、とっさにMYキャニー・ロデル封印装備…「爆発電気銛」を使い、KWKを追い払う。そうこの船は、嘗てノルウェー捕鯨船だったのだ。シー・リカオンとして決して使ってはならない装備を……苦悩する船長


そのころ、マリナワールド遺留品調査していた学者達は驚くべき事実を突き止めていた。DNA解析によれば、KWKに最も近縁な生き物は、鯨類だというのである

(昔は鯨にも脚や頸があった、現世の鯨類から万年前に分岐した…などの蘊蓄が語られる)


「KWKの正体は鯨類と判明。即ち、キラー・ホエールキラー・ホエール!」

ゴンドウ・クジラ類にもっとも近いとされたこから、米NOAAは”ゴジラ”と命名。」

「遺留物の分析からゴジラの表皮や背鰭には鯨類が放つ声…音波を吸収ないし散乱させる性質があると判明した。つまり、逆叉はゴジラ待ち伏せを探知することができない。おそらくはソナーも…」

ゴジラ待ち伏せ型の捕食者であり、ゼロダッシュの加速は凄まじいものがある。」

「頭部の唾液腺のような器官からは、着火性のある炭化水素類を噴出できると思われる…!」


一気に情報が溢れるなか、口をつぐんでいた海洋学者までが、

「あのとき私が見たのは、陸へ打ち上げられるオルカ…を追って、このゴジラも上がってきて。オルカをあの後脚で押さえつけて、前足から飛び出したナイフで……おおぉお!」


さて当のG国では、EEZ内でも出没するゴジラ正規漁船が入漁を見合わせるなど損失が拡大、洒落にならなくなってきた。他国組織からの介入を強く牽制するが、ゴジラ対応できる改装を行うこともままならない。

一方、シー・リカオンに対しては、G海軍密漁対策連携していた経緯から、またKWKが野生動物と判明したことから、G国政府さらなる協力を求めてくる。

しかし、結果的にせよ”鯨類”に銛を向けてしまったMYキャニー・ロデルは、船長も乗組員も動揺が激しく、身動きがとれない状態であった。


一方。

極東の「鯨類研究所」は、ゴジラを”害鯨”と認定、「調査捕鯨に乗り出す」と公表インド洋上の目視採集船「シンユウマル」が、喜望峰を回って大西洋に入る。衛星の合成開口レーダーで同船の動きを追うシー・リカオン。シンユウマルは、かつて南氷洋調査母船シンニチマルとともに、MYキャニー・ロデル挟み撃ちにして、癒えない傷を追わせた仇敵である

しかし。G国が箝口令を強いているため、シンユウマルは、ゴジラがどうやって軍艦航行不能に陥れているか知らない。


そんな中でG国は、シー・リカオン新造IUU阻止高速船「オーシャン・ハチェット」の派遣正式要請した。

ゴジラはヒトを”密漁”しているのです。それで十分ではないでしょうか? それに、貴団体新造鑑には色々”特殊な装備”があると伺います殺処分なら時間をかければ私達でも、あるいはシンユウマルでもできるかもしれませんが…」


実は、G国は。ゴジラ公海などへ追い出してシンユウマルにしとめられるよりも、EEZ内で”確保”するのが望ましいと考えていた。

CBD名古屋議定書に基づき、ゴジラを”遺伝資源”として研究収益化をもくろむであろうグローバル企業達を呼び寄せ「公正かつ衡平な利益配分」を受けられる、「ゴジラ遺伝資源ライセンサー」としての地位を確固たるものにするのだ。米国などで確保した断片程度の”遺伝資源”よりも、生きているほうが価値が高い。そのためにもシー・リカオンは利用できる、と。


そんなG国の本音を知らないまま。G国沖EEZへと急ぐオーシャン・ハチェットは、ゴジラ捕獲」の任務を果たせるのか?





その少し後。

G国沖、公海上に停泊するシンユウマルを後目に、海軍ヘリに先導され、EEZへ入ることを許されたオーシャン・ハチェットであったが……そのあとを巨大な影が追ってきた。シー・リカオン側がそれに気づいたのは、G国の港湾に入った後であった。

もう、ゴジラに追われていた?…身構える乗組員。既に接岸していた同船が、回頭できなくなるほど近くまで、巨体が寄ってきている。

しかし、「ピヨオウアッ!」…という鳴き声で甲板の緊張が解け、興奮へと変わった。


「オルカだよ!本当に大きい…すごい…」

それは20mにもなるかという巨大な逆叉。シー・リカオン等では、通常の逆叉が子供サイズに見える望遠写真で有名な個体だ。頭頂部にも、目の後ろのアイパッチと似た白い紋様があるため、「三ツ目」というコードが与えられている。


「三ツ目が、一頭だけ?」

「南から、シンユウマルを追ってか?あいつら、オルカの群に何かしたのか?」


から来たオーシャン・ハチェットについてきた筈はないから、ある意味当然の発想であったが。レーダー履歴は、シンユウマルが脇目もふらずにやって来たことを示していた。


「ウオイヨ、ニアァーウイウッ、プペラポポ~」

「やたらとアピールするな…」

「野生のオルカが一頭で港へ来て、こういうのって…とっても珍しいですよね」

「やっぱり、ゴジラのことじゃないですか?」


最後質問をしたのは、同船に同乗していた記者である。既にG国のモバイル通信網を経由して、映像送信を開始していた。

そのわずか5分後。記者スマホに着信があった。例の海洋学からである


『三ツ目が来てますよね?』

「もうキャッチですか…!」あきれる記者

『これ、見せられますか?』


海洋学者は、G国検閲済みゴジラ画像プリントを抱えている。甲板に大型ディスプレイが引き出され、大写しにして、色を少しずつ調整していくと…


「パアアアアアアア!!!」と、すごい大声。


「ほんとかよ。」

「ほら、そうでしょう?」

発音や解析の環境も一式用意していますので、画像を併用すればある程度通じるかと』

「え、ここでやるの?」

『ここまで積極的ですから成功率高いと思います


港へ出てきたG国政府の面々も、この状況に驚いたものの。三ツ目がゴジラ接触したがっていることを、すぐ納得した。


「何で、勝手に探さないんだ?」

一言入れてから、ということなんじゃ?」

『”わたしが囮をやる”と言ってますね…戦闘態勢に入ったオルカには手出ししてこないから、と。』

「何だ、古馴染みなのか?」

『大昔からのつきあいで、協定のようなものがあるそうです。それを破ったのだと。』

「あれだけ狼藉働けば、そうだろう…というか異種間のコミュニケーション、初めてじゃないんだ?」

『北のオルカはエコロケーションに頼りすぎ、だそうです。』

「あの。そういうの、貴方自身見解ではないでしょうね?」


こんな感じで。ディスプレイの中から、図版を沢山抱えた海洋学者が色々言うのに、誰もが半信半疑になりつつ。ともかく大逆叉の意向にそって「作戦」を組み立てることになった。


翌日。MYキャニー・ロデルが舷側に大布を吊し、そこに仮病の三ツ目を「収納」して、囮の役割を担う。かなり距離をとって、「ゴジラ対策」を施したオーシャン・ハチェットと海軍巡視艇2隻が追っていく。誘いを掛けるために、三ツ目は自らの血液までも提供した。


ゴジラ巡視艇の後方から現れた。急拵えの「枠」に阻まれて舵を壊せなかったものの、舷側に前脚を掛けて甲板に飛び乗ってきて、自重でロールを抑える。もう一隻のほうの甲板に軍人達が現れ、速度を落として併走しながら銃撃を加え始める。ゴジラは音もなく跳躍するが、足場になった側の船は強烈にロールしてひっくり返った。

ゴジラは、もう一隻の舳先に「着地」したかと思うと、そのまま海へ走り抜ける。その反動で急激な回頭が生じ、底を見せた一隻目に激突。軍人達も海に落ち、海軍は脱落を余儀なくされた。


「あれ、助けなくていいのですか?」と記者

ある意味、予想通りだろう。後方から救助が来るので、こちらは海岸に沿って遠ざかった方がいい。」

『もう外してくれ、だそうです。』

三ツ目の鼻先、海上すれすれにあるディスプレイの中で海洋学者が「通訳」した。一旦リリースすれば、意志疎通は難しくなるだろう。


「き、来たぞ…?…来たぞォオ!!」

保護布を巻き上げつつ、全速で離脱!」

三ツ目の巨体が音もなく沈み、MYキャニー・ロデルの起こした波だけが広がっていく。


「どうなりましたか?」

「あれ…?」


三ツ目の役割は疲れさせるだけ、の筈だが。水中で決着がついてしまったのか?…と全員が思い始めたときもつれあった巨大な塊が海面から飛び出したのは…


あんな後ろで!」

ハチェット、無視されてるぞ…」

「というか、さっきの軍のほうに向かってる?」

大口叩いてたけど、馬乗りされてなかったか?三ツ目。」


オーシャン・ハチェットは、搭載の無人デバイス類を離鑑させていたが、標的に「無視」されてしまったので回頭を始めていた。


「三ツ目に戻ってくるよう伝えられないか?」

「もう無理だろう」

「こっちに誘導してくれないと、まずいぞ?」


実際、流され続ける巡視艇公海に近づいていた。ゴジラはその「障害物」を巧みに利用して、三ツ目と渡り合っている様子である巡視艇の乗員は救命具でひとかたまりになって、二体の闘争から距離をとっていた。

そして、それを観測しているのはシー・リカオンだけではない。「調査」と書かれたブルーグレーの船体に白いブリッヂ……軍艦じみた奇妙な船の操舵室でも、どよめきが広がっていた。


「わざわざ足場を作ってあげてるとは…」

「何とやりあってるんだ、ゴジラさんは?」

「あれ、鯱じゃないか?」

あんなおおきい鯱がいるかよ!」

「上を飛んでいるのは何だ?どうぶつ団の連中のか?」


既に公海上であり、シンユウマルが接近していた。乗員達があわただしく動き、捕鯨砲の準備を行っている。

その鑑影を見て、シー・リカオン側に殺気が走った。


キャッチャーボート接近。シン……ユウ……マル……あれは"シンユウマル"だ!」

「こっちくんな、ポーチャー。」

「雷落としてやれ!」

冗談でも止めろ。裁判いくら掛かったかと…」


オーシャン・ハチェットから操られる飛行ドローンフリゲートバード」は上空で落雷装置を吊り下げたまま、ゴジラの疲れを待っている。同じく潜水ドローンバスケットスター」も特殊装備「ハイロメデューサ」を解放するチャンスを伺っていたが、目まぐるしく移り変わる二体の戦いに手を出す隙がない。

そこへ、速度を上げたシンユウマルが突進してきた。


「ああ、下がってくれ!」

「無理だ!手を出すなぁ!」

…と、若干芝居がかった嘆き声が響きわたるMYキャニー・ロデル船内。公海に出たので、例の記者がTV中継を開始したためだ。シンユウマルへの罵声は(なるべく)控えている。


「いやぁ、下がりませんとも。」

情報戦だなあ。うちも南アに寄って記者でも乗せればよかったかな?」

「よしましょうよ。」

…と、余裕を見せるシンユウマル側では、少し前に”クーデター”が起きていた。

 共倒れを狙い待機する方針を打ち出した砲手長が、大逆叉に畏敬の念を抱いていることを、若手の乗員達に見抜かれたのだ。

 鯨研の「情報戦」に晒されて育った世代にとって、鯨類へ「食品」や「天然資源」以上の評価を与えようとするのは許し難い裏切りであった。

 そして「鯱」はある意味、シー・リカオン象徴であった。この状況は、シー・リカオンが逆叉を操っているようにも、逆叉がシー・リカオンを操っているようにも見える。

 ゴジラと大逆叉。どちらに銛が刺さっても別に問題はなかろう?…この方針に反対する「年寄り」達は、船底の一室に軟禁されることとなった。


 迷いの無くなったシンユウマルが急速に二体へ接近する。三ツ目は深度をとっているのか、ゴジラはひっくり返った巡視艇の側で小休止している。

 絶好のチャンスに食らいつこうとするシンユウマルは、ゴジラ挑発しようと高度を下げていたフリゲートバード直下に入ってしまい、軽く「落雷」を食らってしまう。落ちた先がライトニング・ロッドではなかったため、諸々のシステムが停止し行動不能になったところをゴジラに襲われ、舵を破壊されてしまうシンユウマル


邪魔をするから!」

「いや、チャンスだ……シンユウマルの向こう側へ”手”を掛けようとする筈。急げ!」

バスケットスターハイロメデューサをパージします!」


 これまでのゴジラ船舶襲撃パターンから、先を読んだ指示が乱れ飛ぶ。水中ドローンから無数の「浮き袋」が密集状態で放たれた。膨らみながら急速に浮上していく。ゴジラ側の選択肢制限し、空中ドローンの「雷」を当てやすくするのだ。しかし…この状況では、またシンユウマルの側へ落ちるかもしれない。


 しかも、ゴジラは先程の「落雷」をちゃんと見ていた。舷側から上がろうとせず、上方を警戒して、すぐ潜行しようとする。そこにハイロメデューサが、相互に繋がった無数の「浮き袋」が浮き上がってきた。このまま押し上げられるとまずい…そう判断したのか、ゴジラはシンユウマルを蹴って距離をとろうとした。


「今だ。」「落雷機、投下ァ!!」


 フリゲートバードは、ゴジラの進行方向をふさぐように落雷機を落下させる。着水間際に相当なショックが走る筈…しかしその所要時間を見切り、逆に加速するゴジラ


「全速かけろ!ハチェット!」

嗚呼これは…間に合わない…」

「光った!落ちたのか?」

ゴジラ、頭を出したぞ!」

畜生…」


 MYキャニー・ロデルに広がる落胆の呻き声は、途中から歓喜の驚きに変わる。


「あそこ、三ツ目が!」

ゴジラ、様子がおかしいぞ?」

「痺れてるな…うまく泳げてない」

クリックアタック、食らわせたのか!」

「ぶちあてろ…ハチェット!!」


 三ツ目が発射した「超クリック音」を

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