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はてなキーワード: 指輪とは

2020-05-25

anond:20200525172120

披露宴するならともかく、ドレス着て指輪つけて結婚式するだけなら安いし

旅行なんて学生でもやってるしむしろ学生の頃の方が休み取りやすいから行きやすいし

家買うにも若いうちなら頭金少なくてもいいし親が頭金出すうちも多いだろうし

車ってのは意味不明(車絶対必要田舎在住なら大学行った時点で買わないと通学できんしそうじゃないなら必要ないし

必要ないのに男の夢として高級車買うならむしろ独身のうちに買って結婚する時売るっての多いだろ、結婚したらそんな無駄遣い出来ないし)

どっちかっつーと親の財力によると思う

あとそもそもそんな早くから結婚したいか?という

田舎若いうちから結婚圧力あるってならともかく、都会だと周り誰も結婚してないし遊べなくなるしで嫌がる人多くね?

結婚って

大学卒業してすぐに出来ないよな

だって貯金も何もないので結婚式ができないし

指輪だって買えないし

結婚式した後も新婚旅行とか金がないとできないし

家とか車を買うための金とかの方を優先するだろうから色々無理だろうし

子供だってすぐ作れないよな

収入が完全に安定して出世コース入っていかないと余裕がないし

こんなの少子化して当たり前じゃねえのかな

女はウェディングドレス着て結婚指輪つけて結婚式やるのが夢だろうし

マイホーム新車手に入れるのが男の夢だろうし

でもこんなの年収1000万円くらいないと無理じゃん

23歳になる年で年収1000万円ないと誰も結婚しないじゃん

2020-05-24

ベーシックインカムから快適な配給制

https://anond.hatelabo.jp/20200521211842

当初政府はその問題を、不況と同じレベルで考えていたらしい。時代適応できない事業が淘汰され、自殺者が増えても、全体としてはやがてバランスが取れていくだろうと。

エコシステムってやつね。何かが壊れたり死んだりしても、時代に沿った形で自然復元し、バランスが保たれるはず、そう考えたのよ、政府は」

ところがそうはいかなかった。専門家の試算によると、復元不可能なほど、人も事業経済的理由死ぬことがわかった。あるいは海外に身売りする企業が増えるだろうと。実際、その兆しが見え始め、政府支持率も落ち始めた。

焦った政府は、そこで本格的に救済措置検討し始めた。それまでも単発的な給付金や貸付などは行っていたが、それでは間に合わなかった。

「結局いろいろあった後に、有望な事業は国が保護することになったの。うーん、半分国営化みたいな感じ?」

その経緯についてもっと詳しく聞きたかったのだけど、サタさんは「カショウに聞いて」と言って、説明を端折った。

一方、個人に対しては、継続的給付金、つまりベーシックインカム検討され始めた。

「その話が出たとき、もうみんな大盛り上がりだったわよ。そんなのできっこないって言いながら、本心ではみんなワクワクしてた。でもやっぱりね」

そうはいかなかった。財源が足りないのは明白だった。

ベーシックインカムの話が出るずいぶん前に、政府マスクと一時給付金を配ろうとしたの。でも、IT化の遅れのせいで、あちこちトラブルが起きたの」

IT化の遅れ。これはカショウも言っていた。簡単にいうと、それまで政府は、既存産業エコシステムに気を使いすぎて、新しい技術を取り入れることができなかったらしい。あと、かたちを伴わない情報データを軽く見ていたのも、IT化が遅れた理由ひとつだったと。

「そんなときおとなりの国がね、IT専門家――専門家って言っても学者というよりガチコード書くプログラマのほうね――を招き入れて、マスクをみんなに、均等に行きわたらせることに成功したの!」

その様子を見た役人か誰かが、本格的なIT化と、配給制検討することを政府に進言したらしい。そこではじめて、その技術価値に見合う予算が組まれ、実務的なプラン技術の選定が行われた。どういったリーダーエンジニア必要かも、“おとなりの国”を参考にして割り出し、その発案者は政府を説得した。

「そんな案、コロナ以前は絶対通らなかったわ。政府は、それまでの社会の基盤となっている業界を優先せざるを得なかったから。でもそのつながりを断ち切ったのがコロナだったの。コロナが新しい可能性のリミッターを外したの」

古い社会的基盤を維持するために、新しい可能性は活躍の場を奪われていた。そのことをサタさんはリミッターと表現したらしい。サタさんは、配給制バックグラウンドに、労働力不足があったことにも触れた。

「外出や人との接触制限されるじゃない?そしたら、必然的労働力も減るのよ。労働力が減ればつまり……、モノが減るの。外国との行き来もできないから、輸入も難しくなって……」

まり資源は限られている。その資源を過不足なく、国民に行きわたらせるには、現金よりも物資のほうが有効との考えで、配給制が有力となった。

「もうみんなガッカリよ。SNSは荒れまくって。配給制って、戦争の貧しいイメージしかないじゃない?あと、社会主義っぽい感じ?完全に私たち管理されてるような?」

しか政府へのネガティブイメージは、数年後にはまったく真逆のものに上書きされることになった。

「着いたわ、ここよ」

サタさんは大きな建物を指さした。その配給所は、この一帯の集積所も兼ねていて、ここからさらに小さな配給所にも送られるらしい。サタさんたちは、たまたまこの大きな配給所の近くに住んでいた。

「よくここで買い物したのよ昔は。いろんな服屋さんとかレストランが入ってて。懐かしいわ」

今は、積み上げられた荷物以外は人も物も少なく、がらんとしている。

サタさんは並んだ端末のひとつに、自分の小型タブレットをかざした。

指輪型とか時計型とかあるけど、私、指輪時計も苦手なの。だからずっとスマホ型のを使ってるの」

サタさんのタブレットに、荷物の格納場所が示される。その案内に沿って、僕たちは移動する。

「よう!サタちゃん

初老の男がこちらに笑顔を見せる。作業着らしい服装に身を包んでいる。サタさんも満面の笑顔あいさつを返す。

「前言ってたやつ。届いてたよ」

彼はそう言って、僕たちをその場所まで案内した。

配給所では、必ずこういったおじさんを見かける。彼らはたいてい、荷物を下ろすのを手伝ったり整理したりしている。

すでに紹介したとおり、この世界では、生活のための労働というのはほとんどない。たいていはロボットによって自動化されている。

じゃあなぜ、彼らはここにいるのか。

それは、ちょっと説明がむずかしいのだけど、彼らのパッションしか言いようがない。

まり彼らは、ここで作業を手伝うことを喜びとしているのだ。誰かと立ち話をすることを楽しむものもいる。黙々と作業するものもいる。

いずれにせよ、誰かから感謝言葉や、あるいは作業のものを、自分の喜びとしている。

カショウと行った盛り場なども同じで、過去にそういった経験のある年配の男女が、食事飲み物提供を手伝っている。配給所や盛り場に限らず、こういった自主的労働は、あらゆる場所で見られる。

「昔はみんな、生活のためとか、それが普通からって理由しかたなく働いてる人が多かった。労働苦痛だと思ってる人がほとんどだった。だけど今は、楽しみや自己表現でさえありえるのよね、働くことが。自由から

ちょっとした小遣いももらえるしな」

おじさんが笑顔でそう言った。

おじさんのような有志の労働には、ポイントが付加される仕組みになっている。ポイントは、この世界通貨のようなもので、モノやサービスなど、何とでも交換できる。僕たちは基本的政府の配給とサービスだけで生活ができるので、ポイントはまさに、趣味嗜好品のためのおこづかいと言える。

「昔のポイントカードのなごりね。もうちょっと気の利いた名前なかったのかしら」

ポイントが使われるシーンとしては、誰かのハンドメイド家具アート作品と交換したり、何か作業を頼んだ時に、その謝礼として送ったり。たいていは個人取引で利用される。

おじさんは振り返って棚のひとつを指さした。

「これだ。降ろしてやる」

配給物資だけでなく、個人取引荷物もここに届く。サタさんはうれしそうに小包を受け取った。

「これ、遠くに住む作家さんの作品なの」

おじさんは自走式のカートにすべての配給物資を積んでくれた。3、4日分の食料や生活雑貨なので、そこそこの量がある。

「前回は雑穀を頼みすぎたから、今回は減らしたのよ。その代り、今回はペーパー類がかさむわね」

配給制も、最初の頃はめちゃくちゃだったが、こんなに細かく調整が利くようになるとはな。便利なもんだ」

最初はね、あれが足りないとか、システムトラブルとか、大混乱だったわよね」

機械化が追いつくまでは本当にモノがなかったしな。でもあっという間に、人間労働力の不足を機械が埋めてくれた。それに今は……、ストレスが少ないから、ストレス解消のために無駄に消費することもなくなった。そんな気がするんだよな」

「リミッターもはずれたしね」

「ん?リミッターって?」

サタさんはフフフと笑ってごまかした。

「ほんと!何もかもストレスなくてラクになったわ。昔ほら、オンラインショップサービス定期購入ってあったじゃない?あれを政府が一括でやってくれてるような感じね、今の配給制って」

そう。配給制と言っても、一律で配給されるわけではなく、その家庭の消費傾向が反映されているので、不満を感じることはほとんどない。

各家庭ごとに一定の枠があり、その枠の中でならどんな組み合わせで発注してもかまわない。そしてその消費傾向はコンピュータ記憶され、次回からの配給プランに反映されるので、放っておいてもある程度その家庭の生活傾向に合った物資が届く。

「ただ、昔ほどバリエーションがないのは寂しいわね。昔はね、石鹸ひとつとっても、いろんな企業が、いろんな色や香りのものを売ってたのよ」

「今は需要の大きいものしか作らないからな、政府の一元管理から

技術品質コスト的に洗練されたものしか作らないとも聞きました」

僕も勇気を出して、会話に参加してみた。

「昔あった企業の、すべてのノウハウ技術結集させて作ってるからな。どの製品も、最高のところでコスト品質バランスが取れてる。まあ、どれも無難個性がないと言えばそうなんだが……」

「でもちゃんと、個性的なものもあるんだから。ほら!」

サタさんはさっきの小包を開けて、中から半透明のなにかを取り出した。鼻元に近づけ、においをかぐ。中に鮮やかな花が埋め込まれているのが見えた。明らかに量産された配給品とは違う、“誰かの作品”だった。

わたしこの香りが大好きなの!はい

そう言って、それをひとつおじさんに手渡した。かすかに清々しい香りが漂う。

「いやぁオレはこういうのは……」

「じゃあ奥さんに。ふふふ」

おじさんにお礼を言って、僕たちは配給所を後にした。自走式カートの後を、僕たちはゆっくり歩いた。

「ああいいにおい」

サタさんはその間ずっと、“誰かの作品”を鼻に押し当てていた。

2020-05-22

彼氏からいい腕時計プレゼントされたい

誕生日プレゼント何がほしい?って聞かれて「この15000円の時計ほしい!」つったん

めちゃ綺麗なやつですごく欲しかったけど自分で買うのもアレやなってやつ

「でもどうせ付けないでしょ?普段腕時計つけてないじゃん」と言われたん

そうなんよ、普段つけないか自分で買うのためらったんだよ!!!

でもな、普段腕時計つけてないやつがな、良さげな腕時計つけて友達と遊ぶとな、「腕時計してるんだー」くらい言われんねんな

特にこれから夏やし

そこで!!「これ彼氏からもらったんだー」するんや!!!!!!

彼氏指輪とか彼氏ネックレスとか彼氏バッグとかアクセサリーの見せつけをされ続けてきた人生、一度くらい腕時計見せつけてもええやん!!!!!!

(そんなこともせず普通に毎日つけるからください)

2020-05-21

PCR検査結婚指輪

PCR検査の擬陽性とかってわかりにくいから、みんなもっとやれって言う。でも100%じゃないからあてになんないよってのを万人に一発でわかるいい例えがないかを考えてて、結婚指輪かなと思った

薬指に指輪してるからと言って絶対結婚してるわけではない。指輪してる人は結婚してる人が多いけど結婚してない人もいる。

薬指に指輪してないからと言って結婚してないとは限らない。結婚してて指輪しない人もいるし、結婚してない人もいる。

PCRで陽性の人は大体コロナだけど、違うときもある

PCR陰性の人は大体コロナじゃないけど、コロナの人もいる

来週には引越しつつ今後は共同生活になる

結婚式とか指輪とか一切ないけど、いらないしまあい

嫌いじゃないけど一緒にいたいというわけでもなく

するもんだから

できないのもシャクだから

できるんならしとくかと

そんな感じで結婚する

でもまあなんだ、こんなもんか、っていう

ありがたい、けどまあ別に、っていう感想が全て

なんかの呪いは解けたとは思う

元カレと夢で再会した

もう別れて4年経つ。

彼の事は別れた後半年くらいはちょこちょこ思い出したりしていたけど、だんだんと思い出す回数が減って、この2年くらいはすっかり忘れていた。

そんな彼といきなり夢で再会した。

から覚めた後、ぼけーーーっと思い返してエモい気持ちになったのでここにひっそりと書き残しておく。

彼とは大学で知り合い、社会人2年目の夏くらいまでの2年くらいをパートナーとして過ごした。

出会いは5日間連続で行われる夏期集中講義だった。

午前中の授業が終わり、即荷物をまとめ、駅まで続く坂を下っていたら、突然後ろから「ねえ!」と声がした。

あ、なんか落としたかな?と思って振り返ると、小走りで坂を下ってくる彼がいた。

「ねえ、歩くの早すぎない?」と妙に馴れ馴れしく声をかけられて私はちょっと嫌な気分になった。

「何か落としました?」と質問無視して問いかけると、彼は笑って「いや、そんなんじゃないけど。あなた増田さんでしょ。」と答えた。

全く知らない人だったのでなぜ私の名前を知ってるんだ...?とかなり怪訝な顔をしたら、「俺、前にゼミの合同発表で会った事あるもん」と聞いてもないのに教えてくれた。

彼は私が何か言うよりも先に「明後日、授業終わった後にランチ行こ!」と誘ってきて、私が「え、あ、うん」とか何とか言ったのを確認して、坂を駆け上って行った。

私は坂を下りながら、呆気にとられるとはこの事かーなどと考えていた。

当日、私は知らない人とランチに行くのがめんどくさくて何とかしてバックレようと試みたのだが、あっさり大学構内で捕まってしまい、彼とランチをすることになった。

ほぼ初対面の人とはいえ、同じ大学に通う同学年の人なのでそれなりに共通点があり、ランチは案外盛り上がったような記憶がある。

ランチの後もなんだかんだと飲みに誘われる事が多くなり、気付いたらベロベロに酔っ払ってホテルに入っていた。

もう今となってはその時の行為がどんなだったか全然覚えていないが、お互いベロンベロンに酔っていたので適度な積極性もあり、それなりに満足できるものだった。

翌朝、駅まで歩いている時に手を握られて、付き合おうか的な事を言われた...気がする。もう覚えてない。


付き合いだしてからは本当に楽しかった。当時私は一人暮らしをしていた。彼は実家に住んでいたので、必然的にうちに入り浸ることが多くなり、一緒に買い物して晩御飯を作ったり、夜中に5km先のコンビニまで散歩したり、朝から晩までセックスしたりと楽しい事この上なかった。

私は彼のまっすぐな所や、どんな人も大切に扱う所、悔しい思いをしてもなにくそと強くなれる所が好きだった。

それに、晩御飯を作りながら飲むビールの美味しさや、煙をもくもく浴びながら焼き鳥が焼けるのを待つ時間のワクワク感や、駅の改札まで傘を持ってきてくれた時のキュンとした気持ちを、私が感じるのと同じくらい、幸せだと感じてくれる所が愛おしくてたまらなかった。

私が好きそうなカフェお気に入りバー、彼の両親がプロポーズしたという思い出のレストラン、幼い頃から通ってる汚いラーメン屋高校生の時初めて挫折経験して男泣きした公園東屋。彼が色んな場所でいろんなエピソードを教えてくれるたびに、彼が私を信頼してくれているのが分かって嬉しかった。



付き合って半年が経った頃、私は就職のため地元に戻った。

一人暮らしマンションを引き払って、空港に行くまでの道中、彼が私の手を確かめるようにずっと撫でてて、それが切なくて涙が自然と溢れた。


飛行機に1人で乗り込んだ後すこししたら彼から「右ポッケ。」とLINEが来た。右のポッケには小さく折りたたまれ手紙が入っていて、「遠距離なっちゃうけど大丈夫。離れていてもいつも側にいるのを忘れないで。俺は君のことをずっと応援してるけど、本当に辛くなったら全部投げ捨ててもいいんだからね。」と書いてあった。

今思うとやけにドラマチックだな〜〜とそわそわしちゃうけど、当時はそんなこと1ミリも思わなかった。ただただ一番大事な人が近くにいない状態で新しい生活が始まるのが悲しくて切なかった


その後、飛行機で1時間半の遠距離を1年半くらい続けた。

お互い社会人になったけど、毎日LINEのやりとりは欠かさなかったし、電話ほとんど毎日した。予定が合えばビデオ通話で一緒に発泡酒乾杯して、寝落ちするまで平気で5時間とかやってた。お互い実家だったからできた所業とも言える。

月に1回くらいのペースで会いに行ったり、来てもらったりして、なんだかんだで良い関係を続けていた。



そんなある時、私が浮気を疑われた。しかも割と細部まで知っているようだった。

実際のところ、際どいところまでいったのは事実しかも酔っててあんまり覚えてない。状況から判断すると明らかにクロだけど、私は必死否定した。

彼が私のスマホを盗み見したという所を執拗に責めて、論点をずらしてごまかした。

彼は一応というか一旦は水に流す、と言ってくれた。だけど、この事件から明らかに私たち関係はうまくいかなくなった。

LINEはするけど、どこかよそよそしい。写真つきのLINEほとんど来ない。私と会いたがらないし、愛してるとか好きとか言わなくなった。

私は2週間くらいかけて「あ、これもうダメなやつ」と理解した。

浮気を疑われるような事をしたのは私だし、もう私がどうあがいても関係が修復することは不可能に近いな、と。

それを悟ってからは、LINEするのを辞め、Twitterやインスタもログインすらしなくなった。とにかく目の前の仕事に没頭して、家にいる時間勉強に費やした。

そして、1ヶ月くらい経った時、自分から彼に「会って話したい事があるので時間をください」とLINEを送った。


もちろん、私は彼と別れるつもりだった。浮気まがいの事をした自分をもう一度信頼して欲しいなんておこがましいと思ったから。

久しぶりに会った彼は前に会った彼と同じで、お気に入りカフェ仕事の事とか季節の事とか、当たり障りのない事を話して緊張をほぐした。

私が別れを切り出した時、彼は私の提案に答える代わりに、椅子から立ち上がり、ひざまずいて「結婚してください」と言った。

彼の手には指輪の箱があり、中には一粒ダイヤリングが光っていた。

しばらく状況が飲み込めなくて、10回くらい「え?」って聞き返した。

彼は椅子に座りなおして、封筒を私に渡した。封筒の中には婚姻届が入っていて、彼の書く欄は全て彼の直筆で埋まっていて、捺印もされていた。

別れるつもりでいたのに、まさかプロポーズされるとは。夢にも思っていなかった。

いざプロポーズされてみると、やっぱり嬉しくて、私は「私でよければお嫁さんにしてください」と泣きながら答えた。別れるつもりだったのにね。


でもそう簡単ハッピーになれるはずなかった。

私は彼と連絡を取っていなかった数週間の間になぜか上司に認められてしまい、数ヶ月後から新しいプロジェクトに投入されることになっていた。

これまで1年目の社員にこんなチャンスが来たことはないらしく、部内でも若干どよめきが走ったくらいだった。

そのプロジェクト海外出張も多く、仕事忙殺されることが予想された。

この仕事は私が入社からやりたいと思っていたことそのものだったので、私は二つ返事で快諾した。

いざその仕事が始まってみると、家は帰って寝るだけ。休日は半分仕事で半分勉強しないと追いつかない。

毎日できていたLINE出張やら会議やらでまともにできない。予想はしてたけど、その何倍もハードだった。

もちろん彼にはそのことも伝えて会ったし、彼も理解してくれてはいたけど、だんだん距離が離れて行った。


私がやばい、と思った時にはもう遅かった。

仕事の合間を縫って会いに行っても、無言でドライブ。険悪な空気のままホテルに入って前戯もなしのセックス。もちろん嫌だって泣いて訴えても力で押さえ込まれる。

彼の友達を交えてBBQをしても彼は私を放置して友達と遊びに行く。

存在のもの無視されているのが手に取るように分かって辛かった。

最後は私も耐えられなくなって、弁護士相談して社会的制裁を施して、ぐちゃぐちゃになったまま終了。


.


別れて4年経った今思い出すのは、私の人生で一番好きだった人との幸せな思い出と、一番憎かった人とのぐちゃぐちゃの修羅場

もし人生で一度だけやり直すことができるなら、浮気騒動の前に戻りたい。本当にあれは私が悪かった。あれからお祝いの席以外ではお酒飲んでない。

夢では私と彼は幸せカップルで、一緒の布団にくるまってどっちが裸のまま暖房をつけに行くか小競り合いしてた。

彼が健康でそこそこ幸せに生きていてくれたらそれで十分だけど、この夢ってなんか意味あるのかな。

2020-05-17

[]5月16日

ご飯

朝食:素麺納豆。昼食:なし。夕食:フライドポテトカレーライス。ケサディーヤ。ビール。間食:チョコ

調子

むきゅーはややー。仕事おやすみん。

くっそ久々に外食したらべっろんべろんに酔ってしま爆睡二日酔いが酷い。瓶ビール一本でこうなるの安上がりで最高だな。

ポケモンSh(スイッチ)

金稼ぎ。

グラブル

コラボイベの周回。武器と石の四凸。10連、単発。カスカス指輪。半汁。めぼしいものは取り切った。栄光の証は常にたりてないけど、9枚とか焼け石に水なのでモチベがわかん。900枚あっても十天最終二人分に届かないんだよなあ。

2020-05-16

anond:20200516193510

いやわからんけど、指輪中指にしてたら募集中てきなぽじに落ち着くんちゃうか

まり露骨じゃなくてさ

2020-05-11

最近知ったんだけど不良が指輪してるのって殴るための凶器メリケンサックかわりにするためなんだって

合法的武器を持ち歩く知恵ってすごいね・・・

2020-04-29

寝ころびながらパソコン

指輪キーボードなら寝ころびながらパソコンできるじゃん。左右に分かれたキーボードなんてケーブルが絡みついてアホなことになるけど、これなら解決だ!

2020-04-16

ずっとネトストしてた同級生元カノになりきって書いた自伝

親は地方議員 宗教三世 いじめられてた中学時代 大嫌いな地元 大学進学を機に上京 悠々自適仕送り生活 バイトで荒稼ぎ キャバクラガールズバー 軽音サークルまれてはじめての信頼できる友達 先輩 後輩 1個上の彼氏婚約 12月4日 誕生日にもらった指輪 就活とは無縁 セフレ三昧 座位のしすぎで腰痛 大学卒業 セフレ卒業レース振袖 ゼミカラオケ 歌わされたやくしまるえつこ 同棲開始 他人の金で生活 と同時に発覚 婚約者のDV 灰皿投げるのやめて なぐらないで 蹴らないで あざ消えないよ たっくん やめて おねがい たすけて たえられない 置き手紙残して 実家へかえります ぶりかえす病気 大量の錠剤 とまらない涙 眠れない夜 お兄ちゃんのインスタストーリー お姉ちゃん名刺 ださすぎる源氏名 婚約破棄 地元で昼職 高島屋 職場のやつらは全員クソ 仕事中に号泣 早退 体調不良で当欠連発 気遣いされるの心底うざい 婚約破棄から半年もたたず できた すきなひと デートのために何度も上京 品川駅 同棲開始 ニトリ天国 蒲田地獄 彼氏実家挨拶 彼氏のお母さんがくれたCOACH だいすき ずっと一緒にいたい はやく会いたい 東京職場も全員クソみたい FLO はやく会いたい 出張はやく帰ってきて お土産買ってきて 競馬パチンコ麻雀いかないで あと競艇いかないで ずっと一緒にいて 熱出すから どこにもいかないで こどもができるまでは働くね 渋谷いちまるきゅー お姉ちゃんプリクラ 寝るときはだきしめてね ふわふわの部屋着きるね 遊園地いこうね すきなひとのたばこ めがね こたつ PS4 ストロングゼロ 灰皿 アコギ SMラブホ 腕についた鎖の跡 8月6日 職場から持って帰ってきたケーキ 誕生日ふたりで食べようね ずっと一緒にいてね はやく帰ってきてね またみんなでドライブしようね 飲みいこうね 絶望 おばあちゃんが死んだ あのヤブ医者が殺した お母さんが殺した おばあちゃんを殺した 最新医療なんて大嘘 国の金でおばあちゃんモルモットにしやがって 嘘つき おばあちゃんは殺された あのヤブ医者に お母さんに 葬儀会社のひとがとめるまで おばあちゃんに抱きついた 泣き続けた それなのに それなのに 大切なひと いつか みんないなくなる あたまではわかる わかるけど わたしがおばあちゃんだったら 死にかけの姿も死に顔も 孫にみせたくないな かなしい 許せない かなしい 同棲してなかったら 自殺しちゃってたとおもう 同棲しててよかった けど 抱きしめられて眠ったって こわいものはこわい 薬がないと眠れない わかってるけど 全員死ね 幸せアピールうぜえんだよ 妊活してんじゃねえよ セックスだろただの 友だちなんていらない死ね リプもLINEも心底うざい それから 記憶がない 気づいたらベッドの上 牧田総合病院 ごはんいらない コーラお菓子だけでいい 無数の浅いリスカバカみたいに細くてアホみたいに薄い首吊り跡 笑える 夢の中 ナースコールさがしてた スマホ取るのにモゾモゾしただけでおこられた 看護師うぜえ死ね 精神病棟の看護師あたり強すぎだろ死ね 退院 わたしが原因だけど 確実にわたしが原因だけど 人生ではじめて こんなにつらい失恋 加藤ミリヤ またあした行くんだ 病院 普通のふりなんてできないし また入院になったら やだな 薬だけくれ 眠れないかビニールテープとドアノブじゃ死ねいから 今度はメディキュットにしよ 死にたいほどつらい失恋 わたしが原因だけど だって 家事はしないのに浮気はするんだもんね 居場所けがいね 3月14日 退院から 名古屋にいるひと会おうね



(このアカウントは凍結されています。)

2020-04-13

追記コロナのせいで夫婦危機

【ここから追記

増田です。かなりの数のブクマが付いててびっくりしました、みなさまコメントありがとうございます

妻とは昨日無事に仲直りしました。(丸一日self-isolationした結果、状況は改善

実はこの記事イギリスから書いております。これを書くと欧州特殊な状況と捉えられて共感を得られないのではないかと思い、あえて書きませんでした。ただコメントを見る限り普遍的問題になってきていると感じますし、外出禁止から3週間が経過した後に起きたということも踏まえて、これから日本でも私と同じような状況が出てくるのではないかと考え、ここに追記します。

トップブコメの人が書いている通り、そもそも指輪時計を着けないというのが正解だったのだと思います。つまり初手から間違っていた、と。30分程度の買い物に指輪時計必要ないはずなのに普段通りの行動をしてしまったというのは迂闊でした。

コロナのせいにしてはいけないというコメントコロナがしていましたが、それもその通りですね。夫婦生活コロナと同じくらい不条理連続ワクチン特効薬もない、悪化したら隔離して経過観察あるのみ。

・「話し合え」とか「価値観の食い違いを擦り合わせろ」というコメントもありましたが、それは結婚生活本質を知らないんじゃないかと推測します。妻帯者の男性の方は理解してくれると思いますが、そもそも夫婦間で何かを議論するということは底なし沼に足を突っ込むようなものだと思ってます、もちろん夫の側が足の役目を負うわけですが。(これについては別の機会に書きたいと思う)

とにかく事態の一刻も早い終息を願っております

追記ここまで】

題名の通りなのだが、新型コロナウイルスのせいで夫婦危機に陥っている。

主に夫婦間の衛生観念の違いによるものだ。

妻はこの騒動が起きてから絶対ウイルス感染しないよう予防を徹底している。

それは大変結構ことなのだが、先日アパートの正面ドアから出入りすることを禁じられた。

妻曰く、アパートの共有部分である正面ドアで咳をしている人を見たそうだ。

(その人が感染しているかどうかはもちろん分からないが、激しくせき込んでいたそうだ)

この話を聞いたとき、正直神経質過ぎるなと思わなくもなかったがこの時は素直に従った。

我が家アパートの1階部分に住んでいて、裏庭側から外に出ることはさほどおっくうではなかったからだ。

次に、外出するときは手すりや金具の部分、信号ボタンに触るなという指示が出た。

万が一触ってしまったら、絶対に顔や髪を触れてはいけず帰宅直後にすぐに手を洗え、とも。

かに誰が触れたかからない部分を触ってしまったら、そしてそれで目や鼻を触ってしまったら感染リスク高まる

この時も私は素直に従った。(ただ限度はある、手で顔を触るのはほとんど無意識にやってしまうことはあった)

そして昨日、事件は起こった。

夫婦で食料の買い出しに行った帰り、家に着いた私は指輪時計を外して手洗い、そして居間に帰ってくると妻はなぜか不機嫌だった。

なぜ?と聞くと手洗いの順番がおかしいのだそうだ。妻曰く、帰宅したら指輪時計も着けたまま手を洗い、そのあと外せとのこと。

この時私は初めて妻に反駁した。いや、嘘です、「おっしゃる通りですね」みたいなことを言った。ただ態度は顔に出ていたと思う。

私ははっきりとやり過ぎだと思った。除菌のため何度も手洗いをすることは重要だと理解するが、指輪時計も外出から戻ってきたら毎回石鹸で洗わないといけないのか?うんざりした、正直そこまでやらないといけないなら感染して免疫を持った方が手っ取り早いとさえ思った。

私の反抗的な態度を感じ取った妻はますます不機嫌となり、夕食後自室に引きこもってしまった。

今日、妻はまだ部屋から出てこない。見事にコロナのせいで夫婦喧嘩になってしまった。

2020-04-12

コロナのせいで夫婦危機

題名の通りなのだが、新型コロナウイルスのせいで夫婦危機に陥っている。

主に夫婦間の衛生観念の違いによるものだ。

妻はこの騒動が起きてから絶対ウイルス感染しないよう予防を徹底している。

それは大変結構ことなのだが、先日アパートの正面ドアから出入りすることを禁じられた。

妻曰く、アパートの共有部分である正面ドアで咳をしている人を見たそうだ。

(その人が感染しているかどうかはもちろん分からないが、激しくせき込んでいたそうだ)

この話を聞いたとき、正直神経質過ぎるなと思わなくもなかったがこの時は素直に従った。

我が家アパートの1階部分に住んでいて、裏庭側から外に出ることはさほどおっくうではなかったからだ。

次に、外出するときは手すりや金具の部分、信号ボタンに触るなという指示が出た。

万が一触ってしまったら、絶対に顔や髪を触れてはいけず帰宅直後にすぐに手を洗え、とも。

かに誰が触れたかからない部分を触ってしまったら、そしてそれで目や鼻を触ってしまったら感染リスク高まる

この時も私は素直に従った。(ただ限度はある、手で顔を触るのはほとんど無意識にやってしまうことはあった)

そして昨日、事件は起こった。

夫婦で食料の買い出しに行った帰り、家に着いた私は指輪時計を外して手洗い、そして居間に帰ってくると妻はなぜか不機嫌だった。

なぜ?と聞くと手洗いの順番がおかしいのだそうだ。妻曰く、帰宅したら指輪時計も着けたまま手を洗い、そのあと外せとのこと。

この時私は初めて妻に反駁した。いや、嘘です、「おっしゃる通りですね」みたいなことを言った。ただ態度は顔に出ていたと思う。

私ははっきりとやり過ぎだと思った。除菌のため何度も手洗いをすることは重要だと理解するが、指輪時計も外出から戻ってきたら毎回石鹸で洗わないといけないのか?うんざりした、正直そこまでやらないといけないなら感染して免疫を持った方が手っ取り早いとさえ思った。

私の反抗的な態度を感じ取った妻はますます不機嫌となり、夕食後自室に引きこもってしまった。

今日、妻はまだ部屋から出てこない。見事にコロナのせいで夫婦喧嘩になってしまった。

2020-04-11

いつも行くドラッグストアの女店員

黒髪赤渕メガネ20代っぽい。

いつも行くたびにレジにいる。

右手の薬指に指輪してる(どういう意味だろう?)

マスク美人

この前、お釣りを両手で包み込んで渡してくれた。

今度LINEID渡したほうがいい?

anond:20200411181348

から普通にレズ愚痴だろっつってんじゃん

「俺」って一人称つかってるだけで(レズにはよくいらっしゃるドミナさま)

「男だけど」といってないんだから本人は嘘なんかついてないっていうだろ

それで叙述トリック小説も一時期流行ったもんな

 

指輪買えない女々しい俺」も今時の男だったらもういわない

女だからあえて今時は強く実直に生きるレズもいるのに

ロマンとか勇気とかをもとめすぎな自分が女々しいっていってるんだよ

男だったらこうも赤裸々風にかいておいてリアルチンコや爺の話をいれないわけがない

2020-04-08

婚約指輪は石だけ買って渡すと、

2人でリングを作れる楽しみと、サプライズ感出るダブルの楽しみがあって捗る

むかし嫌儲で読んだアイデアだが。

2020-04-07

anond:20200407130743

実践する事想像したけど、指輪説明しなきゃいけないような同僚ならバレるし虚しい。説明しなくてもいいやつなら、そもそも指輪の効力は不要

から誰もやらないんじゃない?

anond:20200407125654

でもロクでもない人間なのに結婚してるやつだってごまんといるじゃん

つうか指輪だけつけて結婚してる雰囲気だけ出しとけば事足りるくない?あるいは死別したみたいな設定にしてさ…

2020-03-24

いじめっ子10年ぶりに再開した話

小中と、同じ街に暮らしていた女の子にちょくちょく軽いいじめを受けていた。

登校班を外されるとか、授業中にグループ組むとき自分だけ呼ばれないとかそういうの。

保育園から高校までずっと一緒だったけど、高校で脱喪してクラスカースト最上位の人たちとつるむようになってからいじめは受けなくなった。

少人数でいる時にハブられるとかはあったけれども。

20歳の時に成人式で会った時、私は男の子達と一緒にいたので特に絡むことがなかった。

肥満だった私は20キロほど痩せ、ギャルになっていたので距離を置かれていたのだと思う。

そして私は上京し、彼女東京大学から地元へ戻った。

母校の教師をしていると聞いて「あんなに性格歪んでても教師になれるんだなあ」としみじみ思った。

しばらくして、彼女結婚したと聞いた。

高校の頃教わっていた教師だった。ブサイクでひどい口臭だったので、「あんなにプライド高いのに、忌み嫌われていた虫歯くんと結婚したんだあ」としみじみ思った。

彼女の母もなかなかの豪傑なので、うちの母に「娘は結婚したんだけど、増田ちゃんはどう〜?」などとわざわざ聞いてきてくれた。

さらに数年後、子供はいないが主婦になったと聞いた。

また彼女の母(面倒なので以下おばさんと呼ぶ)から増田ちゃん東京でがんばってるんでしょ〜?ひとりですごいわね〜」なんてお褒めの言葉をいただいたらしい。頑張ってますありがとうございます

そして先日、旦那を連れて地元に帰った。

一昨年籍を入れた旦那は私にはもったいないぐらいの人で、いわゆる3高のどこに出しても恥ずかしくない男性だ。顔もいい。パンフレットに使われがちな男だ。

私はすっかりいじめっ子のことなど忘れていた。

自分人生順風満帆から上場企業勤めで仕事は順調、隣には大好きなイケメン旦那がいて、薬指には大粒ダイヤモンドキラキラ光っている。

で、そんな時に再開した。たまたま実家に戻っていたいじめっ子とバッティングした。お互いに旦那を連れて。

「え〜!すごい美人になったね〜?何キロ痩せたの〜?旦那さんもかっこいいね〜!」と開口一番褒めて?くれた。(本文ママ、誇張なし)

彼女がいまだに学生ノリで私を下に見ているのにも驚いたけど、彼女目線指輪だったり旦那だったりうろうろしているのはちょっと面白かった。

これ生活板とかでよく出てくる話だーなんて思いながら、「無」みたいな気持ちニコニコしていた。

もっと「ざまあw」「勝った」みたいな感情が出るかと思ったけど、まったくの「無」だった。本当に再開するまでまで、彼女いじめられていたことを忘れていたぐらいの「無」具合。

こんなに無感情と思わなかったので、書き留めてしまった。

2020-03-23

( ・3・) クラシック好きの上司ディランを聴きたいと言いだして 3

https://anond.hatelabo.jp/20200323025005

クリスタルマジック

――ところで、わたしは昔から最後のスタンザは少し弱いのではないかと思っていたのですが……。

( ・3・) 弱い? 「リング」と「スプリング」とで韻を踏むのはありきたりだとか?

――弱いというよりは、ピンとこないといったほうが正確かもしれません。「彼女は春に生まれたが、わたしは生まれるのが遅すぎた」――これはどういうことなんでしょう。

( ・3・) 彼女のほうが歳上だったんじゃないか? 50歳くらい。

――それはたしかに too late な気がしますが、もし年齢が離れていることが問題なら、彼女三月まれであれ、七月生まれであれ、一年のうちで生まれた時期に言及する意味はないはずなんです。

( ・3・) 春に生まれようが夏に生まれようが誤差みたいなものからな。

――はい。これではまるで――占星術ではないか

( ・3・) ははは、まさか

――ここに一枚の写真があります1975年に撮られたものです。

https://twitter.com/kedardo/status/1242030916232339458

( ・3・) ボブ・ディラン、本を読む。

――何という本ですか?

( ・3・) 『クリスタルマジック』と書いてある。マジックのつづりが変だけど。

――目次には次のような言葉が並んでいます。「ケンタウルス獅子を狩る」「シャンカラ理論現実をどう捉えるか」「ハクスリーの知覚の扉」「アジナチャクラあるいは第三の目」「カバラの諸相」

( ・3・) 神秘主義ロイヤルストレートフラッシュという感じだな。

――星座が何であれば、支配星は何、エレメントは何、という表も載っています

( ・3・) 本を読め、ただしまともな本を、と釘を刺したばかりだというのに。

――まともな本も読んでいますよ。このころディランチェーホフコンラッドに傾倒していたはずです。 [3] [4]

( ・3・) じゃあ『クリスタルマジック』はたまたま手にとっただけで、内容を真に受けたとまではいえないんじゃないか

――1974年コンサートツアーを再開した理由を、ディランは次のように語っています。「わたし惑星系 (my planetary system) において土星障害となっていた。その状態がしばらく続いていたが、いま土星は別の場所へ移動した」 [5]

( ・3・) プラネタリ・システムて。

――1976年アルバム『ディザイア』のバック・カヴァーには、タロットが描かれています

( ・3・) タロット! イタロ・カルヴィーノの『宿命の交わる城』は何年だっけ。ちょっと待って――第一部・第二部の合本が出たのが1973年英訳1977年だ。

――1978年のインタヴューでは、占星術を信じているのかと単刀直入に訊かれています

PLAYBOY: OK, back to less worldly concerns. You don't believe in astrology, do you?

DYLAN: I don't think so.

PLAYBOY: You were quoted recently as having said something about having a Gemini nature.

DYLAN: Well, maybe there are certain characteristics of people who are born under certain signs. But I don't know, I'm not sure how relevant it is.

PLAYBOY: Could it be there's an undiscovered twin or a double to Bob Dylan?

DYLAN: Someplace on the planet, there's a double of me walking around. Could very possibly be. [6]


( ・3・) 信じているかといえば、信じてはいない。星座人間気質とのあいだには何か関係があるかもしれないが、どの程度なのかは分からない。――うーん、言質を取られるのを避けているみたいだ。

――もともと質問に率直に答える人ではないのですが。

( ・3・) 思い出した。昔、日本の有名な批評家イェール大学文学を教えに行ったんだが、向こうでは占星術流行っていて、同僚の学者の生年月日がどうのこうのと書いていたっけ。あれも70年代半ばじゃなかったかな。

――期せずして、アメリカにおける神秘主義流行、というテーマに足を踏み入れてしまいました。

( ・3・) ……引き返そうか。

転がる石はふりだしに戻る

――「彼女は春に生まれたが、わたしは生まれるのが遅すぎた」の意味をめぐって脇道にそれてしまいましたが、実は、意外なかたちで問題消滅します。

( ・3・) 占星術よりも説得力のある解釈が見つかった?

――いえ、問題自体が消えてなくなってしまうんです。アルバム発表から一年も経たないうちに、歌詞が書き直されて、最後のスタンザは大きく変わります1975年ライヴ録音を聴いてみましょう。

https://youtu.be/BP_pZ841Nqs

People tell me it's a crime

To know too much for too long a time

She should have caught me in my prime

She would have stayed with me

Instead of going off to sea

And leaving me to meditate

Upon that simple twist of fate


( ・3・) ジェミニ連想させる "she was my twin" も含めて、占星術につながりそうな表現はなくなったな。詩の問題解決を、人は問題消滅によってうやむやにする。

――「彼女わたし双子だった」も、考えてみれば謎めいた表現です。「本当の恋人だった」と「双子だった」とが置き換え可能かといえば、そうではないと思います

( ・3・) 歌詞だけじゃなくて、コード進行旋律も変わっているぞ。

――そうなんです。これまでわれわれが検討してきたことの少なからぬ部分が、このヴァージョンには当てはまらなくなっている。ディランにしてみれば、もう「わたしはそこにはいない」んです。

( ・3・) うなぎみたいなやつだな。

――歌詞の変更は1975年以降も続きます。「彼」と「彼女」とが入れ替わったり――

( ・3・) 体が?

――立場がです。第一タンザで「孤独を感じ」「まっすぐに歩いていればよかった」と願い、第二スタンザで「夜の熱気に打たれるのを感じ」るのは、「彼」ではなく「彼女」になります80年代にはさら全面的な変更があり、90年代には――

( ・3・) もはや原形を留めなくなった?

――いえ、それが――。

( ・3・) それが?

――おおむね元のかたちに戻りました。

( ・3・) ……。

――……。

( ・3・) 「彼女は春に生まれたが、わたしは生まれるのが遅すぎた」も?

――はい。細部の表現は今でも揺れていますが。

( ・3・) 抑圧された占星術回帰……。なくなったはずの問題の再燃……。まるで人生のようだ。

An’ I have no sense of time

――これで「運命のひとひねり」は概観できました。全体について何かありますか?

( ・3・) 英語は易しめだったな。

――ほかの曲はもっと歯ごたえがあるので安心してください

( ・3・) 「彼」と「彼女」との間に何があったのか、曲のなかでは詳しく語られないけど、これは、その、いわゆる一夜の関係というやつなの? [7]

――なぜそう思ったんですか?

( ・3・) 「ネオンの輝く見知らぬホテル」とか。

――ただ、それだと、彼女がいなくなったときの彼の傷心ぶりや、「指輪をなくしてしまった」のくだりはうまく説明できません。

( ・3・) そうなんだよな。じゃあ、ある程度つきあった恋人たちの最後の夜だったんだろうか。

――第一タンザに、「体の芯に火花が走るのを感じた」とありますが、これは恋に落ちるとき表現だと思います。まあ、よく知っている相手に対して改めて火花を感じる、という可能性もゼロではありませんが。

( ・3・) すでにつきあっている恋人同士なら、見知らぬホテルの前でまごまごするのも不自然だしな。うーん、こんがらがってきた。一方では、彼と彼女とは一夜の関係に見える。ある日の夕暮れに物語が始まって、翌朝には彼女は姿を消している。その一方、物語の後半では、彼は生涯の伴侶を失った男のように見える。

――常識観測結果とが矛盾するときは、常識を捨てなければなりません。

( ・3・) 何を言いだしたんだ急に。

――ある日の夕暮れから翌朝まで、と考えて矛盾が生じるのであれば、そう考えるのをやめればいいんです。

( ・3・) いや、でも、ある日の夕暮れから翌朝までじゃないの? ネオンの輝く見知らぬホテル長期滞在して、数年後の朝に彼女はいなくなりました、なんていくらなんでも無理があるだろう。

――キュビズム絵画では、ある対象複数視点から捉え、平面のキャンバス再構成して描きます

( ・3・) 何を言いだしたんだ急に。

――ある日の夕暮れから翌朝まで、という枠組みのなかに出会いから別れまでの一切が凝縮されたかたちで描かれているとしたら?

( ・3・) 時間の流れが一律ではなかったということか? 

――いいですか、時計の秒針が聞こえてくるのは、彼女がいなくなった後です。それから彼にとっての永遠現在が始まり彼女がいた過去は、彼の記憶のなかで遠近法的な奥行きを失うんです。

( ・3・) 時計一種の仕掛けと見立てて、内在的に解釈するわけか。理屈は通っているかもしれないが、常識を捨てさせるには、まだ十分ではないと思うぞ。

――では、時間の流れが一律であるとは限らないという外在的な傍証を。1978年のインタヴューです。

Everybody agrees that that [Blood on the Tracks] was pretty different, and what's different about it is that there's a code in the lyrics and also there's no sense of time. There's no respect for it: you've got yesterday, today and tomorrow all in the same room, and there's very little that you can't imagine not happening. [8]


( ・3・) おい、詩に暗号が隠されていると言っているぞ。

――その点は保留にしてください。

( ・3・) 時間意識は失われている。過去現在未来が同じ部屋に混在して、想像しえない出来事などほとんどない。

――はいどうでしょう

( ・3・) 「運命のひとひねり」の解題ではないんだな?

――アルバム全体についてのコメントです。

( ・3・) そうだな、まだ腑に落ちるとまではいかないが、時間の扱いは気に留めておいたほうがよさそうだ。

――はい。実は、キュビズム絵画や、時間意識をもちだしたのは、次に聴く曲「タングルド・アップ・イン・ブルー」でも同じ問題がでてくるからなんです。邦題は「ブルーにこんがらがって」。ディラン重要な曲を挙げるとしたら、まず10位以内には入る。人によっては1位かもしれない。というわけで、ウォーム・アップは終了です。次は少し難しくなりますよ。

おいとま

そのようにして彼らは「タングルド・アップ・イン・ブルー」を聴き、「シェルターフロム・ザ・ストーム」を聴いた。窓のかたちをした陽だまりが床を移動し、寝ていたストラヴィンスキーの首から下が影に入ってしまった。もう次の曲に進む時間は残っていなかった。デレク・ベイリーCDを持って帰らなければ、と彼は思った。マイルス・デイヴィスビル・エヴァンスならいつでも買い直せる。しかベイリーは品切れのまま再発されないことだってありうるのだ。

「もう帰るのか?」と上司は言った。

はい。それで、デレク・ベ」

「おまえの家は一戸建てだったな、たしか。陽当たりと風通しは良好か?」

「陽当たり? まあ、それなりには。それで、デ」

「窓からの眺めは?」

「眺め? まあ、壁しか見えないということはありませんが。そ」

「じゃあ、決まりだな」と上司は言い、リムスキー=コルサコフの両脇を後ろから抱えると、目の高さまで持ち上げた。

「新しいパパだよ」

それから

かくして予言成就し、わたしは持っていったもの以上を持ち帰ることになる。小さなモフモフと、モフモフの当面の生活必要なモフモフ用品とを。

まずはこの子に、猫としてまっとうな名前をつけよう。このままだと、もし何かの拍子に迷子にでもなったら、「リムスキー=コルサコフ! リムスキー=コルサコフ!」と大声で呼びながら近所を捜し回らなくてはならない。獣医にかかるとだって、きっと問診票に名前を書く欄があるだろう。常軌を逸した飼い主だと警戒され、信頼関係を築くのに支障をきたすかもしれない。

しかし、猫に名前をつけるのは難しい――T・S・エリオットOld Possum's Book of Practical Cats にもそう書いてある。クラシック作曲家では大仰すぎる。ジャズミュージシャンではどうだろう。わたしCDレコードの棚の前に立ち、名前候補ピック・アウトしていく。チェット。論外であるマタタビに耽溺してばかりの猫になってしまいそうだ。ドルフィー。才能も人格も申し分ないが、早世の不安がつきまとう。ベイリーデレク・ベイリーCDを取り戻すまで、わたしはあとどれだけの道を歩まなくてはならないのだろう。

わたしは気づく。予言成就していない。少なくとも完全には成就していない。人知を超えた力によって予言ねじ曲げられ、わたしは持っていったもの以上ではなく、持っていったもの以外を持ち帰ったのだ。新しい家の探検を終え、お腹を上にして眠るさなモフモフよ、おまえのしっぽが曲がっているのも、運命のひとひねりのせいなのか?

[1] 実際にはEより少し高く聴こえる(テープ再生速度を上げているため)。

[2] これ以降、歌詞引用は2小節ごとに改行を加えている。

[3] Bob Dylan. Chronicles: Volume One. Simon and Schuster, 2004. p. 122.

[4] Sam Shepard. Rolling Thunder Logbook. Da Capo Press, 2004. p. 78.

[5] https://maureenorth.com/1974/01/dylan-rolling-again-newsweek-cover-story/

[6] Interview with Ron Rosenbaum. Playboy, March 1978; reprinted in Bob Dylan: The Essential Interviews. Wenner Books, 2006. p. 236.

[7] 草稿では、第三スタンザは以下のように書かれたあと、大きなバツ印がつけられている。"She raised her weary head / And couldn't help but hate / Cashing in on a Simple Twist of Fate." 初めは娼婦として描かれていた点を重視することもできるし、その構想が放棄された点を重視することもできる。

[8] Interview with Jonathan Cott. Rolling Stone, November 16, 1978; reprinted in Bob Dylan: The Essential Interviews. Wenner Books, 2006. p. 260.

( ・3・) クラシック好きの上司ディランを聴きたいと言いだして 2

https://anond.hatelabo.jp/20200322025040

第二スタン


They walked along by the old canal

A little confused, I remember well

And stopped into a strange hotel

With a neon burnin’ bright

He felt the heat of the night

Hit him like a freight train

Moving with a simple twist of fate [2]


――では、第二スタンザに進みます。どうぞ。

( ・3・) ふたりは古い運河に沿って歩いた。少しまごついていたのをわたしはよく覚えている。そしてふたりネオンの輝く奇妙なホテルに入った。

――「奇妙なホテル」とは?

( ・3・) ホールフランク・ザッパ蝋人形でも飾ってあったんじゃないか? ああ、この strange というのは unfamiliar ということだな。――ネオンの輝く見知らぬホテルに入った。彼は夜の熱気に打たれるのを感じた。まるで運命のひとひねりと共に走る貨物列車がぶつかってきたようだった。

――はいどうでしょう

( ・3・) 夕暮れの公園にいたふたりが歩きだす。ネオンが光っているから、あたりはもうすっかり暗くなったんだろうな。「わたし」の記憶によると、少しまごついていたようだが……。

――「わたし」が出てきましたね。

( ・3・) ふたりの背後に忍びよる謎の人物……。落ち着かない心の内までお見通しとは、たいした観察力だ。

――……。

( ・3・) いや、分かってるよ。賢明なる読者諸氏ならば、「わたし」の正体は説明せずともお分かりになるはずだ、ってことだろ? 分からないとおかしい。ナボコフの『   』を読んで、「   」と「   」とが同一人物だと気づかないようなものだ。

――『   』は読んでいないのですが……。

( ・3・) だから少しは本を読めって。ただしまともな本だぞ。『死にたくなければラ・モンテ・ヤングを聴きなさい』みたいなのは読書カウントされないからな。

――話を元に戻しましょう。

( ・3・) 三人称物語だったはずなのに、一人称の「わたし」がぱっと現れて、さっと消える。聴き手は混乱するんだけど、何事もなかったかのように、彼と彼女との物語が続いていく。

――はい。人称の問題は後で見直すとして、脚韻についてはどうでしょう

( ・3・) 1行目と2行目、canal と well母音が合っていないんじゃないか

――子音しか合っていません。脚韻は、強勢の置かれた母音以降の音が一致しないといけないので、この箇所は韻を外していることになります。そのうえ、1行目と2行目とでは旋律も違います

( ・3・) 違ったっけ。

――違うんです。第一タンザでは、1行目・2行目・3行目はきれいに韻を踏んで、旋律も同じかたちでした。ところが、第二スタンザでは、1行目・2行目で母音が揃わず、canal は上昇する旋律、well は下降する旋律です。というか、"I remember well" のところは、はっきりした音程がありません。そこだけ語りのようになっています

( ・3・) 例の「わたし」が出てくるところだな。ひょっとしたら、わざと韻を外して、旋律も外して、「わたし」に対する違和感を際立たせようとしているんじゃないか

――わざとかどうかは分かりませんが、定型から逸脱することで、聴き手の注意を喚起する効果はあると思います

( ・3・) となると、韻を踏まないことにも意味がありうるわけだ――あれ、6行目と7行目、trainfate も韻を踏んでいないぞ。

――6行目は train ではなく freight train の freight が脚韻にあたります

( ・3・) まず列車概念があって、それからより具体的には貨物列車、という思考の流れではないんだな。まずフェイトという音の響きがあって、その響きが無意識言葉の渦からフレイトをひっぱり出してくる。それから列車概念フレイトにくっついてやってくる。意味が音を追いかけているみたいで面白いな。

第三スタン


A saxophone someplace far off played

As she was walkin’ by the arcade

As the light bust through a beat-up shade

Where he was wakin’ up

She dropped a coin into the cup

Of a blind man at the gate

And forgot about a simple twist of fate


( ・3・) どこか遠くでサックスを吹いている人がいた。――これは順番をひっくり返さないとうまくいかないな。――彼女がアーケイドを歩いていると、どこか遠くからサックスが聞こえてきた。くたびれた日よけから光が差し込み、彼は目を覚ました。

――まだ覚ましてはいません。

( ・3・) ――彼は目を覚ましつつあった。彼女は門のところで盲人のカップコインを入れた。そして運命のひとひねりのことは忘れてしまった。

――はいどうでしょう

( ・3・) 夜から朝になった。どこか遠くでサックスを吹いている人がいる。時を同じくして、彼女はどこかへ歩いていく。そしてまた時を同じくして、夢うつつで横になった彼の部屋に光が差す。一行ごとに場面が切り替わって、映画みたいだ。

――as が場面転換の役割果たしてます

( ・3・) どこかへ歩いていく彼女は、そのまま消えてしまう。盲人のカップコインを入れる、というのが何か象徴的な行為なんだな、きっと。運命、盲人、テイレシアス、と連想が働くせいでそう感じるのかもしれないが。

――何を象徴しているんですか?

( ・3・) 何かをだよ。メルヴィル白鯨は何を象徴しているんだ?

――何かをですね。

( ・3・) そう。ある行為対象が何を意味するのか一義的に定まらないとき、その行為対象象徴性を帯びるんだ。ひとつ賢くなったな。

――とはいえ、門のところの盲人は運命を告げるわけではなく――

( ・3・) それどころか、彼女運命のひとひねりなんて気にしてないんだな、ちっとも。

――強い。

( ・3・) 強い。運命抗う者は悲劇的な最期を遂げるが、運命に関わらない者はいつまでも幸せに暮らすんだ。――じゃあ、ありがたい教訓も得られたことだし、次に進もうか。

――その前にひとつだけ。わたし面白いと思うのは、彼女が去っていくのを誰も見ていない点なんです。まず、どこか遠くのサックス奏者は物語に関与しない。

( ・3・) 音だけの出演。

――部屋では彼はまだ寝ている。そして門のところの盲人には――

( ・3・) 彼女は見えない。なるほど、興味深い指摘だ。きみ、名前は?

――……。

( ・3・) 名前は?

――アルトゥーロ・ベネデッティミケランジェリです。

( ・3・) アルトゥーロ、ありがとう。そんなところにも彼女の強さというか、優位性が表れているのかもしれないな。

第四スタン


He woke up, the room was bare

He didn’t see her anywhere

He told himself he didn’t care

Pushed the window open wide

Felt an emptiness inside

To which he just could not relate

Brought on by a simple twist of fate


――ハーモニカの間奏を挟んで、ここからは後半です。彼と彼女とがいっしょにいる、あるいは少なくとも近くにいるのが前半でしたが、ディラン先生ハーモニカを聴いている間に、彼女のいた世界彼女のいなくなった世界に変わってしまいました。――では、どうぞ。

( ・3・) 彼が目を覚ますと、部屋は熊だった。

――クマ

( ・3・) 「かすみの間」「うぐいすの間」みたいに、「グリズリーの間」だったんだよ。泊まった部屋の名前が。

――真面目にやりましょう。

( ・3・) 彼が目を覚ますと、部屋は空っぽだった。彼女はどこにもいなかった。どうってことはないと自分に言い聞かせ、彼は窓を大きく押し開いた。心の内に虚しさを――

――虚しさを?

( ・3・) 虚しさを感じた。で、その虚しさというのは、彼がどうしてもリレイトできない――

――He just could not relate to an emptiness inside ということです。

( ・3・) どうしても関わることのできない虚しさ?

――辞書を引きますか?

( ・3・) おまえが引きたいというのなら。

――ランダムハウスにちょうどいい例文が載っています。I can’t relate to the new music of Miles Davis. マイルス・デイヴィスの新しい音楽わたしにはしっくりこない。――1972年に『オン・ザ・コーナー』を聴いた人はそう感じたかもしれません。そもそも1967年の『ソーサラーからして、もう調性は不

( ・3・) 自分自身の虚しさとうまくつきあっていけない、と考えればいいのか。――どうしてもなじむことのできない虚しさを感じた。運命のひとひねりによってもたらされた虚しさを。

――はいどうでしょう

( ・3・) さっき "he was wakin' up" のところで「まだ目を覚ましてはいない」って添削が入ったのは、このスタンザの "He woke up" が念頭にあったからなんだな。

――そうです。ここではっきりと目を覚ます

( ・3・) 彼女はいなくなっている。大丈夫だと自分に言い聞かせるってことは、大丈夫ではないわけだ。窓を開けたら心の内に虚しさを感じた、のくだりはなんだか分かる気がするな、感情の流れが。ぐっときたぜ。

――まず部屋が空っぽだという状況が語られる。でも本当に言わんとしているのは、彼の内面空っぽになったことです。開いた窓のところに立って外と内とを画定することで、内面という言葉自然に導かれています

( ・3・) きみ、名前は?

第五スタン


He hears the ticking of the clocks

And walks along with a parrot that talks

Hunts her down by the waterfront docks

Where the sailors all come in

Maybe shell pick him out again

How long must he wait

Once more for a simple twist of fate


( ・3・) 時計がチクタクいうのが聞こえる。言葉を話すオウムを連れて歩く。水夫たちがやってくる港で彼女を捜す。また彼女が彼を見つけてくれるかもしれない。どれだけ待たなければならないのか。もう一度、運命のひとひねりが生じるのを。

――はいどうでしょう

( ・3・) 時計の音が聞こえてくるのにあわせて、時制が現在形になった。ここからは彼にとってまだ過去出来事ではないんだな。

――彼女のいない現実が、一秒ごとに動かしがたいものになっていく。コンクリートが固まるみたいに。

( ・3・) 「言葉を話すオウムを連れて歩く」は何を意味するんだ? アメリカ文学で鳥がしゃべるといったら、ポウの「ザ・レイヴン」だな。死に別れた恋人天国で再会できるだろうかと訊くと、鳥は「二度とない」と予言するんだ。

――このオウム実在するんでしょうか? どこからともなく現れましたが。

( ・3・) そこを疑うの? 「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました」「エヴィデンスは?」みたいなものじゃないか

――いえ、そうではなく、おそらく肩の上、耳元でオウムが話しているわけですよね、彼女を捜して歩いている間ずっと。それは暗喩ではないかと思うのですが。

( ・3・) おじいさんは暗喩としての山へ暗喩としての柴刈りに行きました。

――「周囲の人たちの話が、オウム言葉のように空疎に聞こえてしまう」を暗喩的に言い換えると「言葉を話すオウムを連れて歩く」になりませんか?

( ・3・) 心ここにあらずだから、「よう、調子はどうだい?」と声をかけられても、「ヨウ、チョウシハドウダイ」と聞こえるわけか。まあ、そうかもしれないな。

――次は最後のスタンザです。

第六スタン


People tell me it’s a sin

To know and feel too much within

I still believe she was my twin

But I lost the ring

She was born in spring

But I was born too late

Blame it on a simple twist of fate


( ・3・) 内面を知りすぎてはいけない、感じすぎてはいけないと人は言う。わたしは今でも信じている。彼女わたし双子だったと。しかしわたしは指輪をなくしてしまった。彼女は春に生まれたが、わたしは生まれるのが遅すぎた。運命のひとひねりのせいで。

――はいどうでしょう

( ・3・) 「わたし」が出てきたな。二番目のスタンザでは存在をちらっと匂わせる程度だったが、ようやく正体を現した。

――もう自分が誰であるかを隠すことはない。

( ・3・) そう。三人称過去のかたちで物語が始まり彼女がいなくなって時計の秒針が意識に上ったときから三人称現在になる。そして今、一人称現在で「わたし」=「彼」が胸の内を明かしている。

――すべて過去形で書くこともできたし、すべて三人称、あるいは一人称で書くこともできたと思うんですが、どうしてそうしなかったんでしょう?

( ・3・) なんだか「学習の手引き」みたいになってきたな。時制が変わるのは、彼女の不在が彼にとって現在出来事でありつづけているから。人称が変わるのは――そうだな、最後のスタンザの心情は、客観的に、距離をおいて語れないんじゃないか。まだ傷が生々しくて。

――第四スタンザの「部屋は空っぽだった」から「窓を大きく押し開いた」のあたりはハードボイルド流儀で、あまり感傷的にはなるまいという抑制が働いているんですが、最後のスタンザになると――

( ・3・) 抑制が外れて、ついでに三人称仮面も外れる。他人物語であるかのように体裁を保っていたのが、保てなくなる。こういう効果を生むためには、人称の変化が必要だったんだな。

小休止

( ・3・) はっさく匂いは猫たちには不評だな。

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