「最高裁判所」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 最高裁判所とは

2017-06-18

最高裁判所事務総局はお金冤罪作るの大好き

ここが検察警察からお願いされたら癒着して捏造・偽造お手の物です

検察警察裁判官の最強タッグで容疑者冤罪ぶち込みます

言うこと聞かない裁判官は島送りにしま

栄転するやつは言うこと聞く良い子です

2016-08-08

中学生でもわかる「天皇陛下お気持ち表明」の理由

2016年8月8日天皇陛下生前退位にむけて自身の考えを表明しました。

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6210338

これは極めて異例なことではありますが、なぜそんなことをする必要があるのか、なぜ生前退位がすんなりとできないのかよくわからない人もいるだろうからわかりやすくまとめます

キーワードは2つあります

まず憲法について

我が国憲法はかなり異例の始まり方をしています

第一条 天皇は、日本国象徴であり日本国民統合象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

二条 皇位は、世襲のものであつて、国会議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

四条

  • 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
  • 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為委任することができる。

まぁこんな調子天皇陛下に関わる条項から憲法が始まる

日本国憲法敗戦策定されたものなので、いか天皇陛下をどうすべきかというのが最重要項目だったというのが想像できます

前提:日本国において天皇陛下の扱いが異例であり特殊である

(この辺については昭和天皇戦争責任だ、敗戦国のなんちゃらだとかいろんな見解があります。長くなるし、本筋からずれるのでここでは述べません。)

次に皇室典範について

これは皇室の取り決めにおける法律です

我々一般人には馴染みがないだろうけど皇室に関わる取り決めはこちらにてより細かくまとめられています

法律なのでこれを変えるのもなかなか大変なものとなっている

この中の第24条に天皇陛下崩御された時の取り決めが記述されています

皇室典範 第二十四条天皇が崩じたときは大喪の礼を行う。

問題点1:天皇崩御後についての取り決めが法律で決まってしまっている

法律で決められているので、なんらかの都合が悪いとなってもやらざるを得ないことになります

例えば、想定できる内容だと東京オリンピック期間付近天皇陛下崩御された時、オリンピックやっているのに大喪の礼を行って良いのか、オリンピックやるべきなのかという議論が出るリスクを抱えます

議論が出るだけで法律で決まっているので改正しない限り、やらない・延期する・短く済ますなどの例外措置も緊急で取れません)

もし仮に、イレギュラー措置をしたい、皇室典範改正したいとなれば「皇室会議」を開かなければいけません。

議会メンバー

議員十人(皇族二人、衆議院及び参議院議長及び副議長内閣総理大臣宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人)でこれを組織する。

となっています

問題点2:皇室典範改正は国政の範疇である

皇室典範憲法第2条に紐付かれた重要法律であるため、「立法」の管轄になります。これは国政となります

憲法四条より

天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

記述があるため、天皇陛下の側から皇室典範に関わる改正を直接お願いすることはできません。

問題点3:天皇および直系の皇族には一部の人権・自由がない

また結婚においても、「皇室会議」の承認が要ります

あの人と結婚したいのですがよいでしょうか?と内閣総理大臣はじめとした議会メンバーに認められなければ結婚できません。

皇族身分を離れるのも、「皇室会議」の承認が要ります

皇室典範第十一条  年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族身分を離れる。

○2  親王皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別事由があるときは、皇室会議の議により、皇族身分を離れる。

皇太子及び皇太孫皇族を辞めたいと思っても離れることはできないと明記されています

問題点4:生前退位における記述がない

皇室典範の中には天皇陛下即位については記述がありますが、退位については明確な記述がありません。想定されていなかったということになります

問題点5:生前退位を認めた場合、元天皇の取り扱いを決めなければいけない

仮に生前退位を認めたとして、元天皇陛下立場はどうなるのか、制限はどうなるのか、崩御された時大喪の礼を行うのかどうするのかなど新たに決めなければいけないことが多い。

天皇陛下生前退位をするためには

天皇陛下から内閣および皇室会議にお願いすることはできません。

してしまえば、国政に干渉することになるので憲法違反となります

そこで

憲法第一条 天皇は、日本国象徴であり日本国民統合象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

こちらの記述に則って、「天皇陛下お気持ち表明」という形で「生前退位」をしたいと国民へのお願いがなされました。

天皇陛下のできる範囲憲法違反せず、憲法法律を変えて欲しいというお願いをしているわけですね。

問題点6:日本国憲法戦後施工から一度も改正されていない

http://www.soumu.go.jp/senkyo/kokumin_touhyou/common/pdf/leaflet.pdf

憲法改正するには国会の2/3以上の承認を経て、その後国民投票の1/2以上で可決されます

しかし、国民投票など戦後1回も行われたことがありません。

大雑把には決まっていますが、具体的にどう進めるのかこれを取り決めるのも大変な労力です。

天皇陛下お気持ち表明」がなされた理由

天皇陛下の「生前退位」の可決は立法および国政に関わるため、国民の総意を問う必要がある。

から、「天皇陛下お気持ち表明」という憲法違反しない形で国民に異例のお願いをするという形となった。

戦後初めて「国民投票」および「憲法改正」する重大な出来事になる可能性が高い。

追記

国民の総意を簡略的に認めるとなれば、憲法改正国会提出や国民投票するまでもなく、皇室典範改正をすることになります

その妥当性があるかどうか、生前退位を認めてどうしたいのか、議長である内閣総理大臣がその重要性、意義を認めて皇室会議招集する必要があります

なぜこんなに難航するのか?:一般的感覚、心情的な面、基本的人権を考えれば「生前退位」を認める余地もあるわけですが、その結果憲法または法律を変えていいのか、認めていいのかという重い判断になるためです。

2016-07-11

十 日本共産党日本人民共和国憲法草案)(一九四六、六、二九

http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/02/119/119tx.html

前文

第一章 日本人民共和国

第二章 人民基本的権利と義務

第三章 国会

第四章 政府

第五章 国家財政

第六章 地方制度

第七章 司法

第八章 公務員

第九章 憲法改正

前文

天皇制支配体制によつてもたらされたものは、無謀な帝国主義侵略戦争、人類の生命と財産の大規模な破壊人民大衆の悲惨にみちた窮乏と飢餓とであつた。この天皇制欽定憲法によつて法制化されてゐた様に、天皇が絶対権力を握り人民権利を徹底的に剥奪した。それは特権身分である天皇を頂点として、軍閥官僚によつて武装され、資本家地主のための搾取と抑圧の体制として、勤労人民に君臨し、政治的には奴隷的無権利状態を、経済的には植民地的に低い生活水準を、文化的には蒙昧と偏見と迷信と盲従とを強制し、無限の苦痛をあたへてきた。これに反対する人民の声は、死と牢獄とをもつて威嚇され弾圧された。この専制的政治制度日本民族自由と福祉とに決定的に相反する。同時にそれは近隣植民地・半植民地諸国の解放にたいする最大の障害であつた。

われらは苦難の現実を通じて、このやうな汚辱と苦痛にみちた専制政治を廃棄し、人民主権をおく民主主義制度を建設することが急務であると確信する。この方向こそかつて天皇制のもとにひとしく呻吟してきた日本の人民近隣諸国人民との相互自由と繁栄にもとづく友愛を決定的に強めるものである

ここにわれらは、人民の間から選ばれた代表を通じて人民のための政治が行はれるところの人民共和政体の採択を宣言し、この憲法を決定するものである天皇制はそれがどんな形をとらうとも、人民民主主義体制とは絶対に相容れない。天皇制の廃止、寄生地主的土地所有制の廃絶と財閥的独占資本の解体、基本的人権確立人民政治的自由の保障、人民経済的福祉の擁護――これらに基調をおく本憲法こそ、日本人民の民主主義的発展と幸福の真の保障となるものである日本人民の圧倒的多数を占める勤労人民大衆を基盤とするこの人民民主主義体制だけが帝国主義者のくはだてる専制抑圧政治の復活と侵略戦争への野望とを防止し、人民の窮極的解放への道を確実にする。それは人民民主的祖国としての日本の独立を完成させ、われらの国は国際社会名誉ある当然の位置を占めるだらう。日本人民はこの憲法に導かれつつ、政治的恐怖と経済的窮乏と文化的貧困からの完全な解放をめざし、全世界民主主義的な平和愛好国家との恒久の親睦をかため、世界平和、人類の無限の向上のために、高邁な正義と人道を守りぬくことを誓ふものである

第一章 日本人民共和国

一条 日本国人民共和制国家である

二条 日本人民共和国の主権人民にある。主権は憲法に則つて行使される。

第三条 日本人民共和国の政治は人民自由な意志にもとづいて選出される議会を基礎として運営される

四条 日本人民共和国の経済は封建的寄生的土地所有制の廃止、財閥的独占資本の解体、重要企業ならびに金融機関人民共和政府による民主主義規制にもとづき、人民生活の安定と向上とを目的として運営される

五条 日本人民共和国はすべての平和愛好諸国と緊密に協力し、民主主義国際平和機構に参加し、どんな侵略戦争をも支持せず、またこれに参加しない。

第二章 人民基本的権利と義務

六条 日本人民共和国のすべての人民法律の前に平等であり、すべての基本的権利を享有する。

七条 この憲法の保障する基本的人権不可侵権利であつて、これを犯す法律を制定し、命令を発することはできない。

政府が憲法によつて保障された基本的人権侵害する行為をなし、またかやうな命令を発した場合は人民はこれに服従する義務を負はない。

八条 人民日本人民共和国の法律自己の良心以外にはどんな権威またはどんな特定の個人にたいしても服従または尊敬を強要されることはない。人種、民族、性別、信教、身分または門地による政治的経済的または社会的特権はすべて廃止され今後設置されえない。皇族、華族の制度はこれを廃止する。称号、勲章その他の栄典はどんな特権をも伴はない。かやうな栄典の授与はあたへられた者にたいしてのみ効力をもつ

第九条 人民民主主義的な一切の言論、出版、集合、結社の自由をもち、労働争議および示威行進の完全な自由を認められる。

この権利を保障するために民主主義政党ならびに大衆団体にたいし印刷所、用紙、公共建築物通信手段その他この権利を行使するために必要な物質的条件を提供する。

民主主義大衆団体の国際的聯繋の自由は保障され助成される。

第十条 人民に信仰と良心の自由を保障するため宗教と国家、宗教と学校は分離され、宗教的礼拝、布教自由とともに反宗教的宣伝自由もまた保障される。

第十一条 人民は居住、移転、国外への移住、国籍の離脱ならびに職業選択の自由もつ

第十二条 人民の住宅の不可侵通信の秘密法律によつて保護される。

十三条 人民は身体の不可侵を保障され、何人も裁判所の決定または検事の同意なしには逮捕拘禁されることはない。

公務員による拷問および残虐な行為絶対に禁止される。

十四条 何人も裁判所で裁判を受ける権利を奪はれず、裁判は迅速公平でなければならない。

第十五条 人民を抑留、拘禁した場合、当該機関例外なく即時家族もしくは本人の指名する個人に通知しなければならない。また本人の要求があれば拘束の理由は直ちに本人および弁護人の出席する公開の法廷で明示されなくてはならない。

第十六条 何人も自己不利益な供述をすることを強要されない。強制、拷問または脅迫のもとでの自白もしくは不当に長期にわたる抑留または拘禁の後の自白は、これを証拠とすることはできない。何人も自己不利益な自白だけによつては有罪とされず、または刑罰を科せられない。

第十七条 被告人はどんな場合にも弁護の権利を保障され、事件の資料について精通する権利と法廷において自国語で陳述する権利とを保障される。

第十八条 どんな行為もあらかじめ法律によつてこれにたいする罰則を定めたものでなければ刑罰を科せられない。刑罰は犯罪重要さに応じて科せられる。何人も同一の行為のために二度処罰されることはない。

十九条 死刑はこれを廃止する。

第二十条 国家は裁判の結果無罪の宣告をうけた被告人にたいしては精神上、物質上の損害を賠償しなければならない。

二十一条 受刑者の取扱ひは人道的でなければならない。受刑者の労賃と労働時間は一般企業の労働条件を基準として決定される。

女子の被拘禁者にたいしては特にその生理的特性にもとづく給養を保障し、妊娠、分娩の際には衛生的処置を保障しなければならない。

第二十二条 刑罰は受刑者共和国市民としての社会的教育を目的とする。受刑者にたいして合法的に科された刑罰を更に加重するやうな取扱を行つた公務員はその責任を問はれる。

二十三条 受刑者を含む被拘禁者にたいして進歩的民主主義出版物の看読を禁止することはできない。

第二十四条 勤労にもとづく財産および市民としての生活に必要な財産の使用・受益・処分は法律によつて保障され、その財産は相続を認められる。社会的生産手段の所有は公共の福祉に従属する。財産権公共の福祉のために必要な場合には法律によつて制限される。

第二十五条 人民は性別を問はずすべての国家機関公務員に選任される権利もつ

第二十六条 人民は個人または団体の利害に関しすべての公共機関に口頭または文書請願または要求を提出する権利もつ。何人もこの請願または要求をしたためにどんな差別待遇もうけることはない。

第二十七条 女子法律的経済的社会的および文化的諸分野で男子と完全に平等の権利もつ

二十八条 婚姻は両性の合意によつてのみ成立しかつ男女が平等の権利もつ完全な一夫一婦を基本とし純潔な家族生活の建設を目的とする。社会生活において家長および男子の専横を可能とする非民主的な戸主制ならびに家督相続制はこれを廃止する。夫婦ならびに親族生活において女子にたいする圧迫と無権利とをもたらす法律はすべて廃止される。

第二十九条 寡婦およびすべての生児の生活権利国家および公共団体によつて十分に保護される。

第三十条 人民労働権利もつ。すなはち労働の質と量にふさはしい支払をうける仕事につく権利もつ。この権利民主主義経済政策にもとづく失業の防止、奴隷的雇傭関係および労働条件の排除、同一労働に対する同一賃銀の原則生活費を基準とする最低賃銀制の設定によつて現実に確保され、労働法規によつて保障される。

第三十一条 勤労者の団結権、団体交渉・団体協約その他団体行動をする権利は保障される。被傭者は企業の経営に参加する権利もつ

第三十二条 労働の期間および条件は労働者健康、人格的威厳または家庭生活破壊するものであつてはならない。十八歳以下の未成年者はその身心の発達を阻害する労働にたいして保護され、十六歳以下の幼少年労働は禁止される。

三十三条 人民は休息の権利もつ。この権利は一週四十時間労働制、一週一日・一年二週間以上の有給休暇制、休養のための諸施設ならびに労働法規によつて保障される。

第三十四条 勤労婦人は国家および雇主からその生理的特性にたいする配慮をうけ、産前産後の有給休暇、母子健康相談所、産院、保育所等の設備によつてその労働と休息の権利を保障される。

第三十五条 人民老年、疾病、労働災害その他労働能力の喪失および失業の場合に物質的保障をうける権利もつ。この権利国家または雇主の負担による労働災害予防設備、社会保険制度の発展、無料施療をはじめとする広汎な療養施設によつて保障される。

第三十六条 家のない人民国家から住宅を保障される権利もつ。この権利国家による新住宅の大量建設、遊休大建築物大邸宅の開放、借家人の保護によつて保障される。

第三十七条 すべての人民教育をうけ技能を獲得する機会を保障される。初等および中等学校教育は義務制とし、費用は全額国庫負担とする。上級学校での就学には一定条件の国庫負担制を実施する。

企業家はその経営の便宜のために被傭者の就学を妨げることはできない。

第三十八条 日本人民共和国は人民科学研究芸術的創造自由を保障し、人民のあらゆる才能と創意の発展を期し、研究所実験所、専門的教育機関、文化芸術諸施設を広汎に設置する。

第三十九条 日本人民共和国は民主主義的活動、民族解放運動学術的活動のゆゑに追究される外国人にたいして国内避難権を与へる。

第四十条 日本人民共和国に居住する外国人の必要な権利法律によつて保障される。

第四十一条 人民日本人民共和国の憲法を遵守し、法律を履行し、社会的義務を励行し、共同生活の諸規則に準拠する義務をもつ

第三章 国会

第四十二条 日本人民共和国の最高の国家機関国会である

四十三条 国会主権管理人民にたいして責任を負ふ。

第四十四条 国会はつぎの事項を管掌する。

一 内外国政に関する基本方策の決定

二 憲法の実行の監視

三 憲法の変更または修正

四 法律の制定

五 予算案の審議と確認

六 政府首席の任免と首席による政府員の任免の確認

七 国会常任幹事会の選挙国会休会中において常任幹事会の発布した諸法規の確認

八 人民から提出された請願書の裁決

九 日本人民共和国最高検事局検事の任命

十 会計検査院長の任命

十一 各種専門委員会の設置

第四十五条 国会法律の定める定員数からなる代議員によつて構成される一院制議会である

第四十六条 日本人民共和国の立法権国会だけがこれを行使する。

第四十七条 代議員として選挙され、かつ代議員選挙する資格は、政治上権利を有する十八歳以上のすべての男女に与へられる。選挙権被選挙権は定住、資産、信教、性別、民族、教育その他の社会的条件によるどんな差別、制限をも加へられない。

第四十八条 代議員選挙比例代表制にもとづき平等、直接、秘密普通選挙によつて行はれる。

第四十九条 代議員はその選挙区選挙民にたいして報告の義務を負ふ。選挙民は法律規定に従つて代議員を召還することができる。

第五十条 国会は四年の任期もつ選挙される。

第五十一条 国会代議員の資格を審議する資格審査委員会選挙する。国会は資格審査委員会の提議により個々の代議員の資格の承認または選挙無効を決定する。

第五十二条 国会は必要と認めた場合にはすべての問題に関して査問委員会および検査委員会を任命する。すべての機関および公務員はこれらの委員会要求に応じて必要な資料と書類を提供する義務を持つ。

五十三条 国会の会期は年二回を原則とする。臨時国会国会常任幹事会の決定および代議員三分の二以上の要求によつて召集される。

第五十四条 国会代議員数の三分の二以上の出席によつて成立する。

第五十五条 法律国会において代議員の単純多数決によつて成立し、国会常任幹事議長および書記の署名もつて公布される。

五十六条 国会における議事はすべて公開とする。

第五十七条 国会議長一名、副議長二名選挙し、議事の進行、国会内の秩序の維持にあたらせる。

第五十八条 代議員国会の同意がなくては逮捕されない。国会の休会中は国会常任幹事会の承認を必要とし次期国会の同意を要する。

第五十九条 国会には代議員の三分の二以上の決議にもとづき解散を告示する権限がある。

第六十条 国会任期が満了するかまたは国会が解散された場合には、四十日以内に総選挙施行される。

第六十一条 総選挙施行後三十日以内に前国会常任幹事会は新国会召集する。

第六十二条 国会は二十五名の国会常任幹事会を選挙する。

六十三条 国会常任幹事会は議長および副議長各一名を選挙し、議長日本人民共和国を代表する。

第六十四条 国会常任幹事会はつぎの事項を管掌する。

一 国会召集および解散、総選挙施行の公告

二 国会休会中政府首席による政府員の任免の確認 ただしこれについては国会の事後確認を必要とする

三 国会の決定による人民投票の施行の公告

四 政府の決定および命令のうち法律に合致しないものの廃止

五 赦免権の行使

六 国際条約の批准

七 外国における日本人民共和国全権代表の任命および召還

八 日本駐剳外国代表者の信任状および解任状の受理

九 民主的栄典の授与

第六十五条 国会任期が満了するかまたは国会が解散された場合には、国会常任幹事会は新たに選挙された国会によつて、新国会常任幹事会が選出されるまでこの権限を保持する。

第四章 政府

第六十六条 政府は日本人民共和国の最高の行政機関である。政府首席国会によつて任命され、首席の指名にもとづき国会承認をえた政府員とともに政府を構成する。

第六十七条 政府は国会にたいして責任を負ひ、国会の休会中は国会常任幹事会にたいして責任を負ふ。各政府員は政府の一般政策について全体的に、個人的行動については個人的責任を問はれる。

第六十八条 国会が政府にたいする不信任案を採択した場合には政府は総辞職する。

第六十九条 政府は次の事項を管掌する。

一 一般的中央行政事務遂行のために現行諸法規にもとづいて決定又は命令を発布し、かつその執行を検査すること

二 各省およびその管轄下にある国家の諸機関を統一的に指導すること

三 日本人民共

2016-05-10

http://anond.hatelabo.jp/20160510075847

ちょっと気になって調べてみたけど、最高裁判所事務総局「司法統計年報」にある「性別離婚申し立て動機割合の推移」がソース

これって申立ての動機は1件につき3個まで重複計上しているみたいだからDVに当たるであろう「暴力を振るう」「生活費を渡さない」「精神的に虐待する」を単純に足し算して74%とするのはおかしくないかい?

( 参考:厚生労働省 司法統計からみた離婚

【妻側の離婚動機司法統計年報(2014)より】

1位「性格が合わない」(40.9%)

2位「生活費を渡さない」(28.5%)

3位「精神的に虐待する」(24.3%)

4位「暴力を振るう」(23.2%)

5位「異性関係」(18.7%)

6位「その他」(11.5%)

7位「浪費する」(11.3%)

8位「家庭を捨てて省みない」(9.2%)

9位「性的調和」(7.9%)

10位「家族親族と折り合いが悪い」(7.4%)

11位「酒を飲みすぎる」(6.5%)

12位「不詳」(4.3%)

13位「病気」(3.1%

14位「同居に応じない」(2.6%)

( 参考:女性と男性に関する統計データベース )

2016-04-09

パナマ文書騒動にまつわるいくつかの誤解

パナマ文書」の暴露により、世界の偉い人・有名人資産隠しや租税回避が明るみに出ました。

これを発端に、いままでなじみの薄かったいわゆる「タックスヘイブン」(租税回避地)の存在が明るみになり、日本でもひろく報道議論されるようになりました。

しかしながら、このような議論のなかで、いくつかタックスヘイブンにまつわる誤解が生まれているような気がしますので、これを機会に少し整理してみたいと思います

(2016/4/10 03:15追記しました)

はじめに

書き手増田します)は民間企業中の人ですので、もちろん中立的観点からお話ができるよう配慮しますが、いくら企業寄りの、バイアスのかかった記事になってしまう可能性があることを申し添えます

記載内容は厳密には異なる場合、細かい部分を捨象している場合例外存在しており、あらゆる場面で正確性を担保できるものではありません。

企業タックスヘイブンを通じて租税回避をしている」という誤解

参考記事1: http://editor.fem.jp/blog/?p=1969

↑要約すると~日本企業タックスヘイブンであるケイマン諸島法人税率0%)へ投資した額は、直近で60兆円にものぼっている。これに対して日本法人税23.9%を課すとすると約14兆となり、消費税収をほぼカバーできる額となる~という夢のようなお話です。

まず、タックスヘイブンとは関係ないですが、法人税投資額に対して課されるのではなくて、投資して得たリターン(収益)に対して課されることになるので、そもそもの計算が違います

つぎに、日本税制では、日本親会社タックスヘイブンを含む軽課税国~無課税国に子会社をつくって投資をした場合子会社で得た利益親会社利益に乗せて課税する仕組み(外国子会社合算税制。詳しくはググれ)があるため、基本的租税回避できません。

また、確かにタックスヘイブンであるケイマン諸島パナマ会社や口座は情報の秘匿性が比較的高いといえますが、日本監査法人や税務当局バカではありませんので、仮に企業資産隠しをしようとしたら普通はバレます

日本タックスヘイブン問題について何も行動していない」という誤解

参考記事2: http://enter101.hatenablog.com/entry/2016/04/08/230542

↑に関連して。

確かに、日本政府パナマ文書について「日本企業への影響を考慮して」調査しないこと(実際には「コメントを控える」こと)を発表しました。しかしながら、これが批判されるべきことかと言えば、少々事情が異なるのかと思います

かりにパナマ文書記載日本企業リストアップされたらどうなるでしょう。「租税逃れだ!」と方々から批判を受けるのではないでしょうか。実際には上記の通りほとんどの企業親会社で相応の税負担をしているにもかかわらず、です。

さらに、この<調査しない宣言>を横展開させて「日本タックスヘイブンを野放しにしているんだ!アベ死ね!」と考えるのは畢竟お花畑思考です。皆さんはマイナンバー制度というのをご存じでしょうか。そう、今年から始まったアレです。これがなんのために始められた制度か知っていますか?OL副業水商売しているのを暴いてニヤニヤするためですか?色々な目的はありますが、その中のひとつに超富裕層租税回避対策があります近いうちに銀行口座マイナンバーの紐づけがなされ、税務当局は個人の所得を把握しやすくなります。また、このマイナンバー制度と並行して、日本世界各国と金融口座に関する情報交換協定を結んでいます。この協定の参加国にはケイマン等のタックスヘイブン国も含まれており、富裕層課税逃れはさらに難しくなっていきます

参考記事2でアフィリエイトリンクが貼られている志賀さんの著書ですが、これを読めばいかに日本タックスヘイブン対策他国に比べて進んでおり、租税逃れが難しくなっているかがわかりますので、どうしてこのような記事が書けるのか不思議でなりません。

補足QA

Q1.タックスヘイブン国に投資しても親会社課税されるとわかっているのに、日本企業がそれでも同国で投資する理由は?

この疑問はごもっともです。参考記事1で引用されるように、日本企業タックスヘイブン国に対する投資はたいしたものです。これらの企業はなぜ、外国子会社合算税制存在にもかかわらず同国で投資を行うのでしょうか。いくつか理由があります

維持費用がかからない・安い

たとえば会社であるプロジェクトを進めるとき、その会社が直接事業をはじめるのではなく、子会社を作ったほうが色々な面で都合が良い場合があります。このとき日本株式会社設立するとなると、法人税以外にも色々なコストがかかります。たとえば、会社資本に応じて事業税が課されますし、会計監査を受けるための費用も発生します。会社があるだけでけっこうな維持費用がかかるのです。これに対して、タックスヘイブン国のほとんどは日本国にいながら設立でき、会計監査不要で、かかるコスト登記費用だけとなります。このような利便性から債権不動産の流動化を目的としたSPCの多くは、いまだにタックスヘイブン国が活用されています。(SPCについては http://accountingse.net/2011/01/260/ ここの説明がわかりやすいです。)

手続き上・事業上のメリットが得られる

たとえばパナマ会社の多くは船会社ですが、これはパナマが便宜置籍のメッカであるからです。増田は船会社のことはあまり詳しくありませんが、日本で置籍するよりも色々な制度上の恩恵を受けることができ、今でもパナマで船用のペーパーカンパニーを作っているところは多いです。便宜置籍のあり方そのものが問われることがありますが、ここでの本論からずれるので措きます

節税目的

先ほどの説明矛盾しますが、子会社利益親会社課税されるといっても限界があり、スキーム次第では節税可能となる場合があります。たとえば、外国子会社合算税制適用されるのは日本会社50%出資する場合で、外国会社と共同で出資し、日本から出資比率50%以下となるような場合については適用されません。つまりこの場合には税率は0%のままとなります

厄介なことに日本法人税制はとてつもなくややこしいので説明は省きますが、他にもスキームによって0%とまではいかないまでも節税ができる場合もあります。ただしこのような例は増田の肌感覚ではそこまで多くないと思っています

Q2.国家間税制の穴を突いた租税回避脱税ではなく適法だというが、適法からいいってもんじゃないでしょ?

これについては判断がわかれるところです。増田サラリーマンなのでどうしても企業よりの回答になってはしまますが、これはケースバイケースです。たとえばはてな国で現地のはてな人顧客にしたビジネスをしたいときはてな国に会社をつくることは自然行為です。いっぽうで、日本日本人相手ビジネスをするのに、はてな国で会社をつくるのはかなり不自然ですね。はてな国が租税回避国であった場合、なおさら怪しいことになってしまます。実際のビジネスはこの両端の間で行われており、適法であっても黒に近いグレーであるような取引はたくさんあるのも事実です。たとえば最近判決の出たYahoo事件というものがあります。これはタックスヘイブンとは関係ないのですが、Yahoo日本税制の穴をついて意図的租税回避をしたかどうかについて争ったものです。最高裁判所Yahooの取り組みを「明らかに不自然で税負担の減少を意図して税制濫用した」もの結論づけました。この判決については、いまだ議論が交わされている中ですし、増田も法に詳しいわけではないので確たることは言えませんが、民法1条3項では、「権利濫用は、これを許さない」とうたわれています。実際の判決でこれが引用されることはあまりない感じはしますし、これがまさに程度問題なので線引きも難しいところですが、制度に穴があるというのは法の精神に体が追い付いていないようなものであるので、明らかに精神に反するもの排除されるべきというのは一理あると思います

参考

マイナンバーの口座との紐づけについて

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/faq/faq7.html 記載の通り、任意ではあります

自動的情報交換について

https://www.oecd.org/ctp/exchange-of-tax-information/MCAA-Signatories.pdf (PDFです)今のところパナマはないです。

ブコメを受けて追記:この文章を書いた背景と私が伝えようと意図したこと

増田でたくさんの反応を頂けてありがたく思います。この文章を書いた背景は、パナマ文書騒動を機にタックスヘイブンということばが一気に周知のものとなったにもかかわらず、そのことばの内実を曲解させるような記事がたくさん出回ってしまい、これにぶち切れたことが理由です。税に関することがらはなかなか理解しにくいところがあるので、交通整理的な意味合いを込めて2つの事例をもとに私なりにお伝えできることを書かせて頂きました。まず、本論で特に触れませんでしたがパナマ文書騒動のものに関しては、そもそもパナマ国際的租税回避地であるという事実は変わりませんし、これを利用して租税回避行動をとった個人・企業存在することも事実ですが、その一方でパナマ文書記載された個人・企業の全てが法的ないし倫理的に悪いことをしているとは言いきれない(この点においてアシュレイ・マディソン事件とは構造が異なる)ことから、その情報の取り扱い方に非常な危惧を感じました。ここで批判の矢が日本の政治家や企業におよぶことは想像に難くないですし、もちろんそれによって汚職資産隠しが明るみに出ること自体が悪いことではないのですが、特に悪いことをしていない企業までさらし者にされてしまうことは非常にかわいそうで残念なことだと思います。それは避けられないことかもしれないとしても、事実ゆき過ぎた誤解は到底容認できないと思い、できる限り事実をそのままに記述することを意図してこの文章を書いています。火のないところに煙がたたないというのは、それはそうなんですけど、だからといってそこにガソリンを撒くのはどうかと思うのです。まぁ、ガソリンで派手に燃え上がった段階で水をまいてもアレですが。

日本企業の大部分はタックスヘイブン国への投資を行うにしても合算課税されることが常ですが、合算課税されず、いわゆる「租税回避状態となる場合存在することもまた事実です。これは私の知りうる客観的事実ではありますが、では合算課税される投資租税回避される投資がそれぞれどの程度の割合でなされているかを網羅的に公開した資料があるかというと、そんなもの国税庁も明らかにしておりませんので、私の観測範囲では合算課税の方が多いという主張しかできません。この「肌感覚」について不信の視線が向くのは国語的に自然な運びとなりますので、これ以上の弁明はできません。そもそも私のポジションは「企業は何も悪くない!」とまではいかないので。制度的に不十分なところもあるし、企業がやりすぎなところもあるが、おおむねうまく回ってるんじゃない、くらいの見解です。

ちなみに、仮に適法租税回避できたとして、その収益ふつう、その会社の次の投資の原資となり、あるいは株主への配当となり、あるいは従業員にたいする給与となります。(当たり前の話ですが、租税回避国外利益流出している!と誤解されがちなので。)また、ブコメでも言及されています企業には実効税率という動かしがたい指標があるので、タックスヘイブンでどれだけ租税回避できているかは分からなくても、その企業が標準税率と比べてどの程度の税金を納めているかは何とな~くわかりますので、本当に気になる方は調べてみてください。

ここですべての疑問に答えることはしませんが、いくつかご不明な点にお答えします。(今後追加で反応があればできる限り更新します。)ちなみに、私は税理士でもなんでもないので簡単な説明にとどめておきます

外国子会社配当益金不算入税制について

外国子会社合算税制により合算課税されたタックスヘイブン国の所得配当金として日本親会社還流する場合、その配当金課税すると二重課税になりますので、既に課税を受けた見合い部分は益金不算入となります

何も悪いことしてないなら、なぜ隠すの?

隠しているというよりは、開示する義務がないという表現が正しいです。たとえば日本法律事務所クライアントを全部公開するようなことは永遠にないでしょうし、企業子会社のそれぞれの損益計算書を開示するようなこともありません。ただし子会社リスト有価証券報告書等で開示されており、ほとんどは名前でググればどこの法人かもわかりますので、通常は隠されているようなことはありません。ほんとに悪いことをしてる場合はよく簿外に飛んで見えなくなるので、オリンパス事件みたいにコーポレートガバナンスが効いていないとまずいです。

2016-04-04

高山佳奈子京大教授刑法)は人間に対する見方が甘すぎる

http://kanakotakayama.blog.eonet.jp/default/2016/04/post.html

堀江氏は、ご自身刑事裁判最高裁判所への意見書の提出を依頼した相手を「バカか」と評したのです。しかし、このことが意図的であったとは考えにくいように思います

堀江氏は、上告審での意見書執筆者と、今般の評価対象者とが同一人物であることを認識していなかった可能性があるのではないでしょうか。

自身刑事裁判当事者になる機会は珍しいです。そして、堀江氏の記憶力が悪いということはないはずです。

それにもかかわらず、人物の同一性に気付かなかったということは、学術研究のあり方や大学の最新の状況といった問題について堀江氏が特別に詳しい知見や問題意識を持っていたわけではないことを示しているように推測します。

当該ツイートは、必ずしも周到な事実関係確認検討に基づいたものではない、カジュアル書き込みだったのではないでしょうか。

そうだとすると、このこと(いわば「うっかりミス」)について堀江氏を非難するのは生産的でないと思います

この人がお人好しなのか、何かの戦略があってあえてそうしているのかわからないが、ネット上では相手言動を悪意にとることの方が多いので、ある意味さわやかに感じた。

そう思っていたところ、この件についてNewsPicksで堀江貴文自身コメントしているとどこかのブコメで見かけたので、読んでみた。

https://newspicks.com/news/1478769

炎上狙いなんて馬鹿なことを言ってるクソピッカーがいるな。腹立つな。炎上してPVが増えてもクソの役にも立たんわ。

純粋にアホな事いってる大学教授にアホだなって言ってるだけだわ。(略)

私大への流出云々言ってるらしいが、だいたい国立大学法人独立採算を前提にしてるわけだし、つまり将来的に民営化されるので私大国立大学区別はなくなる予定なわけだよ。

この人は「京都大学」とか「旧帝国大学」的なブランドとかにしがみついてるぶら下がり野郎しか見えないんだよね。

かせぐ能力がない人を養う必要がある的な書き込みを見るけど、やってもいないのにそういう事いうのはどうかなあと。

ある程度は自分で稼げるようになるってのはこれから社会では必須能力なんじゃないかなーって思うんだよね。

そういうのが出来ない障害を持つ人は別だけど、この人は見てる限り自分でそこそこ稼げると思うのよ、これだけ炎上してるわけだし。

変なコスプレとかしてるから自己顕示欲もそこそこあるでしょ。

……。

これ、刑事事件被告人の無実の主張や悲惨な身の上話を信じて裁判長無罪にしたり、罪一等を減じたりしたけど、当の被告人アッカンベーって話じゃね?

高山教授、人を見る目がなさすぎじゃね?刑法学者として致命的じゃね?

高山教授がそこまでお人好しじゃなく戦略でやっていたとしても、「寛大な態度を示せば相手もなびいてくるだろう」と思っていたということなわけで、結果上のような反応なわけだから

やっぱり人を見る目なしってことでしょう。

ま、裁判官じゃなくて学者からってことかもしれんが。

2015-09-21

安保法制民主主義とは何か?

もし、安保法制の中身に賛成でも手続きおかしければ反対して欲しいんですね。

今回は皆様も感じていらっしゃるように民主主義手続きが踏まれていないと思います

こういうとね、多くの愚かな政治学者を含めて「民主主義とは多数決からそれでいいんだ」と応えるかもしれませんね。

それが何故愚かなのかというとね、政治思想歴史を知らないからなんです。

それは具体的にはルソーによるロックの反駁として知られています

ルソーロック流のある種の代議制民主主義をこう言ったんです。

選挙ときだけ参加して、あとは奴隷になる仕組みだ」

ですので、代議制は必ず、デモその他に国民たちが絶えず参加することで補完されなければならないとされた。

まり民主主義とは何かといいますと「参加による自治」のことをいいます

まず、ここまでが前置きです。


分かっていただけましたか(繰り返しましょう)。

まず、民主主義本質とは「参加して、自治すること」です。

このルソーの反駁として知られる有名な議論も含めて、当初、民主主義は小さな規模で考えられていました。

ところが、アメリカのような大きな国が(あるいはヨーロッパ20世紀に大きな国になっていきますが)

出現したとき、考え出されたのが「共和」というシステムなんですね。

それは、民主主義的な自治のスモールユニット(小さな単位)が共生するため、

アメリカなら「連邦」を作る、

ヨーロッパなら(補完性の原則に基づいて)できるだけ下の単位で決め、できないことを上にあげていく、

そのように運営されている仕組みのことです。

民主主義とは「多数決”ではなく”」、基本的には「自治なのである」ということなのです。

もっと言えば、自治の本質とは「代議士に任せない」ということなんですね。

そういうことを知った上でモノを言っている人がどれだけいるのでしょうね。


また、そういったことについて考えてみると、日本おかしな仕組みで「党議拘束」というものがあります

これね、英語でいうと、これに相当する英語は無いんですよ。

海外では「無理やり党の決定に従わせること」という一文に置き換えられています

ひどいでしょう?個人がいくら公約したところで、その意味剥奪されてしまっている。

個人が公約するところが全く無意味になってしまっている。

さらに、国会審議の意味さえ失われる事態になっている。

党が決め、その党が多数を占めてシナリオを描いてその通りに進む審議に何の意味もないではないですか。

まるで国会には民主主義存在しないかのようです。


また、勘違いされている方が多いのですが、今回の法案自民党に利するところより官僚に利するところが多い。

官僚権限無限の拡大が疑われているのが国会審議で分かりつつあります

法案の中に歯止めとなる部分が無い、政府の思うままにことを動かせる内容です。

政府」というと一見すると安部政権であるように思われますが「そうではありません」。

政権はあるとき必ず変わりますしかし、変わら無いもの根底に流れ続けている。

それが「官僚機構」です。

官僚機構が(自衛隊安全確保基準も無いまま派兵ができようなっているなど)絶大な権限を得るような内容になっている。

それが今回の法案です。自民党はそうとは知らずに片棒を担いでいるに過ぎません。

安部政権自民政権がそのままならばいいでしょう。その権限の一部を彼らが行使できるわけですから

しかし、次はどこが政権を取るのかは誰にも分からないのです。

自民党安部氏を応援している方々は、そうした政権(たとえば民主党公明党)に、

そうした権限を与えても問題無い、とお考えでしょうか?

鴻池氏の言動に幾ばくかの逡巡が見られた方もいらっしゃるしょうが、実はそのあたりだと思われます

「最小限度基準」なども書かれておらず、「安全基準」も書かれていない。

権限ときの(誰が握るか分からない!)政権無限に使わせないための「歯止め」がない。

合理的判断して」など、ようするにとき政府総合的に判断する、と。どうにでもなる内容で書かれているのです。

今回、残念なことに「違憲かどうか」にかなり焦点が当てられてしまったが故に注目が薄いのですが、

違憲」をひとまず横に置いておいたとしても、「法律としてあまりにも問題が多い」んです。

ここで知っておいて頂きたいのですが、「一旦法律としてできてしまったら、それが取り消されない限り有効」です。

最高裁判所違憲判決が出されるか、次の政権が廃案にしない限り、有効であり続ける。

とうことは、次の政権官僚機構無限権限行使を許すことになる、ということです。

(続きはWEBで!)

日本は本当に民主主義の国なのか?」

http://www.tbs.co.jp/radio/dc/fri/

2015-09-19

私はなぜ安保法案消極的賛成で、何を心配しているのか?

安保法案をめぐるここ一連の流れは、今まで日本という国と国民が先送りしてきた諸々の問題が噴出してきた感がある。それは安全保障だけでなく、日本行政機構構造問題や、ともすると太平洋戦争に至る過程・戦中の流れ・戦後の総括についての話題も含まれるようだ。

先に、これを書いている私個人の意見を述べておくと、憲法違反疑念問題を除けば、安保法案消極的賛成だ。「後ろ向き」賛成ともいう。

  1. 憲法違反の件はヤバイ。あれは下手をすると「政府は何やってもOK」という意味になるから
  2. でも憲法との整合性がとれているなら、安全保障の面では、安保法案で示される流れについては理解しないでもない。
  3. 安全保障の面で理解しないでもない」とはいものの、その舵取りを現在三権行政立法司法)に任せたら、枕を高くして寝ることは一生無理ではないか――という不信感がある。

たぶん、この3点は、程度の差があれども(で、程度の差によって意見が分かれるところだろうけど)、普通日本国民の誰もが感じていることではないだろうか。

憲法違反問題

安保法案憲法違反疑念がある問題は、安保法案主題としている安全保障とは別のところで、大問題だといえる。

乱暴に言えば、「オレオレ憲法解釈」で物事を進めてしまうことは、「オレオレコーラン解釈』」で物事を進めているISISと似たようなものだ(「オレオレじゃない『コーラン解釈』」=イスラム法)。ISIS非難できなくなってしまう。

本来は、安保法案を進めたいのなら、憲法改正すべきなのだ。だが憲法改正に関しては、また別の、根の深い問題がある(後述)。

安全保障問題

憲法違反の件を無視するなら、安保法案で示している内容には、傾聴に値するものがある。

それは「俺は殴るつもりはなかったし、むしろなだめようとしたんだけど、興奮した相手が殴りかかってきて……」というケースにどう対応するか、という問題だ。

基本的に、戦争なんて損ばかりだ。人道的にも、財政的にも、経済的にも問題ありすぎる。戦争せずに済むなら、その方がよいのは当然だ。

太平洋戦争を経て日本が学んだことは、第一に「自分から殴りかからない」ということであり、第二に「とりあえず、まずは話し合いをこころみる」ということだ。この2つをまとめると「揉め事には『大人の対応』で臨め! ガキじゃあるまいし、すぐに殴ろうとしなさんな」となる。

(まあアメリカも、「ABCD包囲網での締め上げ」とか「蒋介石カイロ宣言で『無条件降伏』を要求させちゃった」とか、火に油を注いだところが結構あるのだが)

はいえ、揉め事自分だけでなく相手もいるから生じるもので、相手が最初から殴る気で仕掛けてきたら……と考えると、少なくとも護身はできないとマズイ。

この辺のバランスが、(当時の国際政治の状況やら何やら事情があったとはいえども)自衛隊誕生の一端にある、といえる。

問題は、東アジアの各国が経済成長にともない軍事力も増していることと、経済成長により他国との摩擦が表出してきたことと、世界的な不況の影響で各国国民の不満がたまっていることと、その不満が経済成長による他国との摩擦で高まってきたナショナリズムの気運に流れ込んでいることと、そんなナショナリズムの高まりを各国政府制御しきれるか否か、である。今の東アジアは、第一次世界大戦前夜のヨーロッパ並みにキナ臭い

個人的には、政府戦略として反日を主導している今の中国韓国よりも、何らかの要因で政府の力が弱まって下から突き上げを抑えきれなくなった場合中国韓国の方が怖い。戦前日本にもそんな感じ(=下から突き上げ)があっただけに。

しか他国軍事力が増加しているため、自衛隊との相対的な差が縮まることで、相手から「くみしやすい(殴っても問題ない)」と思われてしまう可能性もある。

日本場合四方が海で、防衛すべき範囲が広い。海上自衛隊海上保安庁はともかく、今よりも備えを厚くする必要はあるだろう。現実問題として、離島地域では中国漁船違法操業問題があるし、竹島尖閣諸島のような離島地域での領土問題も抱えている。

備えを厚くする場合方向性として「自前で全てそろえる」と「仲間を呼ぶ」の2つが考えられる。安保法案後者の「仲間を呼ぶ」の流れを汲んでいる。

実際のところ、日本経済状況的に「海上保安庁自衛隊を拡充して、日本全土を自前の軍隊で守る」というのは厳しい。先に書いたように、四方が海であるために、防衛すべき範囲が広い(というか広すぎる)。また、例えば対中国で考えると、装備や錬度でカバーするのが難しいぐらいに「数」の差がある。

ここで従来のようにアメリカと組むとして、アメリカ軍が度々行われてきた軍縮で縮小していることに留意する必要がある。この影響は、少なからアメリカ軍軍事力を頼りに軍縮していた同盟国に影響を与えている。日本例外ではない。

あと安保法案の話で「自衛隊アメリカの都合で起きた戦争に駆り出されたら――」的な批判がなされるが、同様の批判アメリカ国内にもあるだろう。すなわち「他国の都合の戦争に、自国アメリカ)の若者を送り出すって、どうなのよ?」ということだ。アメリカ軍を引っ張り出したいなら、アメリカ国内が納得する「(アメリカにとっての)大義やメリット」が必要だ。選挙のこともあるだろうし。

安保法案は、いわば「規模を縮小したので一度にカバーできる範囲が狭くなったアメリカ軍の協力をとりつけやすくする(アメリカから見た優先度を上げさせる)」ためのものだ。こうしておくことで、「ワイの後ろには○○の代紋があるんやで」効果で相手を怯ませることも狙えるだろう。

繰り返すが、戦争せずに済むなら、その方がよい。その一方で、万が一への備えそのもの必要だ。

三権行政立法司法)不信の日本国民

(再三ならが、憲法違反の件を無視するとして)安全保障の点で、安保法案が示す内容は、良し悪しは別として、ある意味現実路線と言える。

いえるのだが、しかし、実際に日本国民として安保法案に直面して感じるのは、「これ、悪用されずに適切に運用されるのだろうか?」という心配である

私はとりたてて再軍備主義者ではないが、日本再軍備化すると仮定した場合重要になる点を1つだけ知っている。

一言で表すなら、それは「空手の有段者になれ!」ということだ。空手の有段者は強いが、強いからといってむやみに周囲に殴るかかることはない。むしろ普通の人よりも強い自制が求められる。

仮に日本再軍備化するとして、再軍備化したからといってすぐにやたらと殴りまわったら、それはガキの態度だ。大人ではない。軍隊を持つ平和路線の他の国家と同様に「(鍛えてますけど、むやみに殴りかかりませんよ。だって)大人ですから……」という方向が望ましい。

民主主義国家において、このような態度をとるには、第一に軍隊自体暴走を防ぐためのシビリアン・コントロール必要であり、第二に軍隊を統帥する政府暴走を防ぐための「国民による政府監視と、選挙による適切なコントロール」が必要であり、第三に「国民自身の自制」が必要となる。

日本再軍備化を進めるなら、国民はまず自省して、過激な排外主義排除しなくてはならない。排外主義他国他民族とのいらぬ摩擦を生み出し、火種となってしまう。これは大人の態度ではない。排外主義排除されるべきだろう。軽挙妄動は許されない。高い倫理観を持つべきだ。

また国民は、日常的に政府の動きを監視し、選挙直前の動きや宣伝に紛らわされることなく、観察した記録にもとづいて投票を行い、政府暴走の要因となりうる人物を当選させないように努めなくてはならない。

残念ながら、今の日本では、まず選挙による政府コントロールが効いていない。例えば安倍政権安保法案の一件は、2014年選挙の時点で囁かれていた話だ。だが、結果はどうだろうか? 選挙の時、我々は直近の出来事にとらわれて投票していなかっただろうか?

次に、日本では政府暴走の歯止めとなる公的機関存在しない。例えば憲法裁判所がないため、憲法違反疑念がある法律であっても、一度可決・公布されてしまえば、何か具体的な事件が起きて誰かが提訴しない限り、違憲性の審査は行われない。

最後に、行政立法司法三権のどの分野でも構造問題が指摘されているにもかかわらず、何の変化もないため、三権に対する不信がある。

例えば、仮に日本憲法裁判所があったとして、安保法案違憲判断を下すことができるだろうか? 日本裁判官の大半は実質的最高裁判所裁判官に任用されている。最高裁判所裁判官内閣によって任命されている。そして最高裁長官の任命過程においては、内閣意向が少なからず反映されている。このような流れの中に憲法裁判所があるのならば、暗黙のうちに内閣意向に影響された判決がでても不思議ではない(ことに、内閣意向を受けた最高裁判所裁判官胸三寸出世更迭も決まってしまう一般の裁判官の身ともなれば……そして、内閣意向によって出世の頂点(最高裁裁判官)に立てるか否かが決まる最高裁判官の候補や、下手すると引き摺り下ろされかねない最高裁判官ともなれば……)。

行政立法に関しては、外部から見て、どうにも組織に自浄作用があるように思えない。例えば何か問題が起きた場合、大抵はトップ更迭で済んでしまう。何が問題であったか分析し、具体的で効果のある改善案提示し、改善を行い、その結果を問題分析改善案を含めて広く公開する……というPDCAサイクル的なものが、組織外部の国民の目にはみえない。

そもそも我々日本人は、失敗を恐れすぎる。もとより人間は失敗する動物だ。何も考えずに突っ走って失敗するべくして失敗するのは、さすがにどうかと思うが……しかしある程度成功確率を高めたなら、その時点でチャレンジしてみて、失敗したならしたで反省会を行い、次に生かすべきなのだ

だが実際には、なぜか最初から失敗を許さな雰囲気が強いし、失敗するとすぐに責任問題を言い出す(本来は、反省会で色々と分析した上での「責任問題」のはずだが……)。人格攻撃になることもしばしばある。そして早すぎる責任問題に決着がつくことで、本来開かれるべき反省会はなされず、有耶無耶に終わってしまう。

悪いことに、日本社会は失敗に厳しすぎる。一度更迭されたら、ずっとそのままだ。このような環境では、皆失敗を恐れるし、失敗したら隠そうとする。なぜなら、失敗したら、そして失敗したことが発覚すれば、この先一生どん底だからだ。

行政立法構造問題は、この日本社会の「失敗への厳しさ」が悪い方向に作用しているために生じている気がしてならない。誰だって自分の身はかわいいものだ。少なくとも私はそうだ。あんだって、そうだろ?

ともかく、日本国民には少なから三権への不信があるうえに、政府をうまくコントロールすることもできていない。この状態では、どのような法律であっても、適切に運用されるか否かの疑念が生じる。

特に安保法案をめぐる安倍政権自民党の動きはマズかった。政権による強引な進め方や、一部議員による乱暴な発言は、国民にとって「国民政府議会コントロールできていない」という印象を与え、不信を高める結果となった。またオレオレ憲法解釈を持ち出してきたことで、安保法案のものについて「将来、オレオレ安保法案解釈』を持ち出して、滅茶苦茶なことをやらかす政権がでるのではないか?」という疑念を与えてしまった。

安保法案戦争法案」と揶揄される背景には、その内容の難解さだけでなく、「誤った運用がなされるだけでなく、将来、拡大解釈して無茶なことをやらかすようにならないか? そして誰にも止められないのではないか?」という三権への不信が見え隠れしている。

蛇足だが、安保法案を通すには、本来憲法改正必要だ。だが日本国民には憲法改正へのアレルギーがある。なぜか? 「あいつら絶対に余分な変更(=改悪)も入れてくるから」という政府議会への不信があるからだ。自民党憲法改正案は酷かったし、派遣法の改正もアレだった。こんな実例が山ほどあるのだから、不信が高まって憲法改正アレルギーになるのも無理はない。

「我々はキ○ガイなのか、違うのか?」という問題

日本国憲法に関しては、そもそも押し付け憲法論がある。個人的には、押し付けだろうとなんだろうと、ネズミを捕るのが良い猫だと思うのだが……。

仮に押し付け憲法だったとして、ではなぜ世界でも稀な憲法九条存在するのか、という点を考えてみることは重要だ。世界的には、平和路線国家でも(規模の大小はあれども)軍隊を持っているものだ。

要するに、大日本帝国は、当時のアメリカに「キ○ガイ」だと思われたのだ。あいつらに刃物を持たせたらあかん、何やらかすか分かったもんじゃねえ――ということだ。

例えば、現在生きている日本人たる我々がニュースで目にする自爆テロ理解しがたいように、当時のアメリカ人特攻という行為を行う日本人理解しがたかったのではないか? また国体維持のためだけに南方戦線で損耗率7~8割という無茶(現代戦では損耗率3割で全滅判定)をやらかしメンタリティーも理解できなかったのではないか?

理解できないことが、恐怖をあおる。戦略的には、特攻南方戦線での戦いも、大日本帝国政府にとっては裏目に出てしまった。日本軍隊を持つ資格はない、とんだキ○ガイだと認定されてしまったのだ。

しかしこれは、裏を返せば「まともな国になったなら、まあ、軍隊を持ってもええんじゃね?」ということにもなる。まともな大人は刃物を振り回しません、ということだ。

さて、「安保法案戦争法案」と揶揄される背景をもう少し考えてみると、興味深いことに気づく。それは、日本国は未だに「キ○ガイ」ではないか、という疑念だ。これは中国韓国の主張(実際に彼らの言っていることから類推すると、そういうことになる)のことではなくて日本国民から日本国政府ならび議会への疑念のことだ。

というのも、「安保法案戦争法案」という構図には、どこか「また『特攻』や『ニューギニア戦線での地獄』が繰り返されるのでは」という不安があるからだ。

これは、太平洋戦争について国民国家をひっくるめた反省会(失敗の原因の分析、具体的な改善案提示改善案適用)が行われなかった弊害だろう。

そもそも太平洋戦争は大失敗だった(戦争に懲りたということは、つまり、失敗だったということだ)。大失敗だったからこそ、三権国民を巻き込んでの大反省会必要不可欠で――もしかしたらどこかで行われていたのかもしれないが、残念ながら私は寡聞にして知らない。

国民国家自らによる反省会(総括)が行われて、落とし前がついていたなら、ここまで疑念は膨れ上がらなかったはずだ。でも反省会無し・対策も無しなら、「またやっちゃうかも」という心配は残ったままとなる。

戦後反省会が行われず、そのまま70年が経過した。その間、残念ながら三権への国民の不信が高まった。そしてここ20年ほどの政府議会の混乱や暴走ともとれかねない動きは、国民に「政府議会=我々がコントロールできない代物」という印象を強く与えてしまった(仮にも民主主義国家だというのに……)。

再度繰り返すが、戦争せずに済むなら、その方がよい。その一方で、万が一への備えそのもの必要だ。

必要だが、しかしまた「キ○ガイ」のごとく暴走してしまわないか? やむをえない自衛のための戦争ならともかく、暴走して要らぬ戦争を起こしてしまわないだろうか? 三権への根深い不信と、国民政府議会コントロールできていないのではないかという疑念ゆえに、日本国民は、日本という国が「キ○ガイ」のままではないかという恐怖を感じているのだ。

まとめ

私は憲法違反疑念より安保法案否定的であり、安全保障の面では安保法案Permalink | 記事への反応(1) | 18:20

2015-06-28

西欧社会終焉


アメリカ連邦最高裁判所が今月26日、同性婚を認める判断を示したそうだ。現代社会の風潮ではいずれ認められるだろうと思っていたが、随分と早いな、というのが当初の印象。これで同性婚が当たり前、という風潮が全世界的に加速するのだろう。アメリカ文化的影響力の大きいオーストラリアなどの英米圏、それから欧州、そして日本韓国台湾などへも波及して、同性婚が当たり前になっていくのだろう。


これは、人権尊重という点ではいことなのだろう。だが、西欧社会の存続という面で言えば悪い知らせじゃないのか。現代西洋社会終焉の始まりの一つとなるのではないかしらん。個々の人権を認めた西欧社会の安定した政治システムは、あと100年のうちに終焉を迎え、中世的な世の中へと変わっていくのではないか、という予感がする。


そもそも同性婚法律上の許可を同性愛者が求める理由は、そこに配偶者特権があるからだ。異性婚の配偶者には、いくつもの特権付与されてきた。すなわち財産権税制控除などの経済的特権や、家族間の問題には他人が口出しを出来ないといった排他的特権養子を引き取って育てる権利などなど。これを同性婚者にも拡大しなければならない、というのが米国連邦裁判所趣旨だ。


だが、男女の一夫一婦制を基本とした夫婦以外にも、様々な強固な人間同士のつながりがある。一夫多妻制はよく知られている。それ以外に、数人の男女で暮らしている共同体もあれば、兄弟暮らしている家族もある。今後高齢の独身者が増える日本では、同性の高齢独身者同士が寄り添って擬似家族的に暮らす人々も多くなるだろう。なぜその中で、夫婦だけを特別に扱わねばならないのか。たとえば『赤毛のアン』を育てた兄のマシューと妹のマニラの二人のような兄妹に対して、夫婦と同じ特権を与えない理由があるのだろうか? 性的愛情を基本とした2人の関係を、友情だとか兄弟愛だとかを基本とした人間関係よりも尊重しなければならない、というのは少々無理があるのではないか?


それに人々はやがて気づくだろう。同性婚家族に拡大された特権は、やがて様々な人間関係共同体にも拡大されるようになる。特権が拡大しすぎた社会では、やがて特権自体意味がなくなる。その先に待っているのは、誰もが夫婦伝統的に課せられてきた義務を果たさな社会なんじゃないか。


ローマ帝国終焉した理由として、ローマ市民権付与されすぎて、特権が薄まりローマ市民たちが納税と戦闘義務を果たそうとする意欲を失った結果、ゲルマンの蛮族の侵入を招いた、という説がある。お隣の中国大陸の清が滅びたのも、八旗所属する支配階級である旗人に、モンゴル人や漢人を加えるようになり、旗人人口が増えすぎて社会の弱体化を招いたことが原因だとも言われている。特権者権力を失ううちに、義務を果たさなくなるのは世の中の習いであり、共同体屋台骨が義務を果たさなくなったら、その社会崩壊するのが世の常だ。


人間は不平等感に我慢できないから権力者自分は同じ価値があると思う人々は権力者権力を奪おうと試みる。人間は優しい生き物だから特権を与えられていた人々は、世代を重ねるうちに良心の呵責に怯えて、周囲に特権を与え始める。しかし「権利なき者に義務もなし」という言葉の通り、権利を与えられる人々が拡大すればするほど、その権利意味は薄れ、大切にされなくなる。


西欧社会の基軸である夫婦伝統的に与えられてきた権力が失われると、やがて夫婦に課せられてきた子育て相互扶養などの義務を人々はバカバカしく思うようになるだろう。そのときに、今の西欧社会崩壊するんじゃないだろうか。

議院内閣制」を廃すれば解決

世襲を廃止」というのは官僚制度において、機能している。すなわちフルオープンな試験制度による人材登用。歴史的に見れば中国科挙に始まりフランスバカロレアイギリスのGCE、アメリカSAT、そして、それらを越えて遥かに客観的で公平な制度として日本センター試験があった。

官僚制度はうまく機能しない場合もあるのだが、それはおおむね選抜方法を変えることで解決できたりもする。

たとえば科挙。千年にわたって有能な人材を引き上げる役割果たしてきたが、あくまで「古典」への知識のみを重視したため、近代の急激な世界情勢への変化に対応できなかった。ちなみに、いま日本センター試験制度を大きくいじろうとしているのは、おそらくそういう配慮だと考えられる。

さて、よく「自治体首長政治家は、選挙によって選ばれているので民主主義だが、公務員はそうではない。よって官僚権力をもたせてはいけない。」と、いわゆる「政治主導」を正当化する意見があるが、いわゆる三権分立のうち、立法民主主義原則に基づくことは当然のこととして、他の二つ、すなわち司法行政は、いずれも「法」に拘束されるという時点で既に民主主義を基盤としているであるから、その担い手必要資質は、それぞれの「法」に関する専門家である、ということだけではないだろうか。というか、そうでなければ物事はうまくいかないのではないか。従って、その構成員試験によって選抜されることが重要だと思う。

従って、行政における「政治主導」というのは、個人的には百害あって一利無しだと考えるし、特に行政」においてその根幹を成す議院内閣制というものには、大変納得がいかない。たとえて言えば、与党の長(しか法律のこと何も分かってない)が最高裁判所長官を兼ねて、政治の都合であんな判決やこんな判決を出せと言っているようなもので(まあ「任命権」を通してそれに近い状況は事実あるのだとしても)、極めて不健全であるし、何より、「立法」の府がかくまで世襲に覆われている現状において、深刻な機能不善をきたしているのではないかと考えている。

というわけで、世襲より先に「議院内閣制」をやめ、現状のような立法府の極端な優越を避けることで、ゆるやかに「世襲うまみ」を削っていくことの方が重要ではないかと思うのだがどうか。もちろん、「試験に受かっただけの公務員権力を増やすのは反対」という意見は、それとしてあるだろうが、それなら「公務員」の選抜方法・育成方法も、合わせて検討し(それはどうせ必要なことだ)、適宜改革すればよいと思う。

http://anond.hatelabo.jp/20150628144540

2015-06-18

議員給与体系を考える

議員給与をもらいすぎだという話を割とよく聞くが、無給にしてしまうと今度は誰も議員になろうとしなくなってしまう。

個人的には、きちんと仕事をしている議員には金を与えるべきだが、当選しただけで何もしない議員は無給でも高すぎるくらいだと思う。

きちんと仕事をする議員インセンティブを維持しつつ、仕事をしない議員給与面での懲罰を与えつつ、国民も納得する、そういう給与体系は無いのだろうか。

私なりに考えたシステムを書き下してみる。

簡単に言うと「任期中には給与は払わず任期満了後に審査みたいなものを行い、その結果によって給与額を算定する」というものである

まがいなりにも選挙で勝ったということは、少なくとも当選した時点で1人は支持者が居たはずである

支持者がどういう理由で支持したのか様々だが、「掲げる公約自身方針と一致していた」と好意的解釈しておこう。

よって当選した議員は、掲げた公約の達成度によって評価されるべきである

議員任期が満了し、次の選挙を行う際に、投票所最高裁判所国民審査に使用するような紙を配り、裁判官名前ではなく掲げた公約の一覧を出して、○×公約達成是非を国民評価する機会を与えてみてはどうか。

で、○の個数と「当選時の票数」の比を取り、その比に応じて予算パイから議員給与を算定するのである

例えば公約10個掲げた議員Aが10000票で当選し、評価時に○が7000個しかつかなかった場合、その議員は(当選時には)100000個の○がつくことを期待されて当選しているのに7%しか達成できなかったとみなす。

議員Bは公約を5個挙げて5000票で当選し、評価時に○が20000個ついた場合、最大25000個の○のうち80%も達成できたとみなす(80%も達成できたら化け物だと思う)。

議員給与予算が87,000,000円と決まっている場合議員Aは7/87であるところの7,000,000円、議員Bは80/87であるところの80,000,000円の給与額が確定するのである

公約の数は少ないほうが有利になるルールだが、実現できないことをダラダラ並べるくらいなら確実にできることを並べてもらった方が個人的には良いと思う。公約博打ではない(当選後に「そんな公約したっけ?」なんて言われたら堪らんからね)。それに、公約の数が多い方が(端から見ると)いろいろやってくれるように見えるから、稼いだ票数で相殺できるかもしれんし、こればかりは戦略なので何とも言えぬ。

このシステムにはどのような不備が考えられるか?そもそもどうやって給与予算87,000,000円を決めたのか?とか、そういう話もあるだろう。

どうせ実現しないのでいろいろ考えてみたい。

2015-06-10

http://anond.hatelabo.jp/20150610234840

そもそもこの国って「法治国家」で「立憲国家」なの?

どう見ても人治じゃん。

だいたい、今の日本だと「合憲違憲か」を判断する権限最高裁判所にあることになっているが、最高裁判所はその決定を政府行政強要する能力がないじゃないの。

「1票の格差は違憲」って判断されたのに、違憲選挙結果無効になるわけでもなく、違憲状態を解消した占拠のやり直しを命令できるわけでもなく、即座に違憲状態を解消することを強要できない程度の力しか合憲/違憲判断する機関にない国の、どこが法治国家で立憲国家なんだ。

2015-04-16

昭和22(れ)177強盗昭和22年12月9日最高裁判所第一小法廷判決破棄差戻東京高等裁判所

昭和22(れ)177強盗昭和22年12月9日最高裁判所第一小法廷判決破棄差戻東京高等裁判所

         主    文

     原判決を破棄する。

     本件を東京高等裁判所差し戻す。

         理    由

 弁護人大井静雄上告趣意第四点及び弁護人松本重夫上告趣意第一点について。

 記録を調査すると、原審公判において被告人弁護人は所論のように心神耗弱

主張をなし、その立証として証人訊問及び被告人精神鑑定の申請をしたに拘わ

らず、原審裁判所は不心要としてその申請を全部却下した。そして、その判決理由

においては、「被告人は、昭和二二年三月私立学院中学部卒業して、上級学校

への入学試験を受ける準備中の者であつたが、他人脅迫して金品を強奪しようと

考え、犯意を継続して云々」と本件犯罪の原因、動機に関する事実を判示し、原審

公判廷における被告人供述によりこれを認定し、更に右弁護人の主張に対しては

「本件犯罪動機態様及び被告人の当公廷における供述態度等を綜合すると、被

告人は本件犯行当時正常の精神状況にあつて心神耗弱であることは認めることが

出来ない」と説示しているのである

しかしながら、原判決は本件犯罪動機とし

ては、右のように単に「他人脅迫して金品を強奪しようと考え」と抽象的に判示

しただけで、少しも具体的な判示がなく、またその証拠に供した原審における被告

人の供述によるも、その点に関する弁護人松本重夫の上告趣旨に述べられているよ

うな供述記載があるのみで、右判示に該当する具体的な供述存在しない。その他

全記録によるも、被告人が如何なる原因、動機により本件犯行をするに至つたのか、

殊に金銭に窮した事情があつたのか、新聞又は大衆小説その他により示唆を受けた

のか等についても何等明確な証拠がない。また被告人の本件犯行後の行動、就中

本件奪取の金品を如何なる場所に、如何なる目的を以て隠匿したのか、その金銭を

費消したのかしないのか、犯行直後父兄その他の者に会つたのか、直ちに臥床した

1 -

のか、翌朝何時に起き何をしたのか、等々の事実については原審審理において何等

触れるところがない。その点について一件記録によれば寧ろ犯行直後における本件

金品の処置に関しては常識に反し特殊異常の点あることを窺い知ることができる。

しかのみならず、本件弁護人の主張によれば被告人の祖父が精神病となり壮年にし

投身自殺した事実ありとして原審に証拠申請をしたもののごとくである。このよ

うに本件で重要関係にある犯罪動機判決において具体的に判示確定されてお

らず、却つて異常な特殊事情が伏在する疑が濃厚である本件の場合に、この点に関

する証拠申請を全部却下してその審理をなさず、しか犯行当時の精神状態を判断

説示するのに、前記のように只抽象的な犯罪動機犯行後数ケ月を経た原審公判

廷における被告人供述態度等をもつて犯行当時正常の精神状態にあつたと認める

旨を説示した原判決は、審理不尽に基く理由不備の違法あるものと言わざるを得な

い。

従つて、本論旨は結局理由があることになるから、その余の上告趣意に対する

判断を省略し、なお右の違法事実の確定に影響を及ぼすものと認めるから刑訴

四四八条の二に従い主文のとおり判決する。

 この判決裁判官全員の一致した意見である

 検察官 安平政吉関与

  昭和二三年一二月九

     最高裁判所第一小法廷

         裁判長裁判官    真   野       毅

            裁判官    沢   田   竹 治 郎

            裁判官    齋   藤   悠   輔

            裁判官    岩   松   三   郎

昭和22(れ)177強盗昭和22年12月9日最高裁判所第一小法廷判決破棄差戻東京高等裁判所

昭和22(れ)177強盗昭和22年12月9日最高裁判所第一小法廷判決破棄差戻東京高等裁判所

         主    文

     原判決を破棄する。

     本件を東京高等裁判所差し戻す。

         理    由

 弁護人大井静雄上告趣意第四点及び弁護人松本重夫上告趣意第一点について。

 記録を調査すると、原審公判において被告人弁護人は所論のように心神耗弱

主張をなし、その立証として証人訊問及び被告人精神鑑定の申請をしたに拘わ

らず、原審裁判所は不心要としてその申請を全部却下した。そして、その判決理由

においては、「被告人は、昭和二二年三月私立学院中学部卒業して、上級学校

への入学試験を受ける準備中の者であつたが、他人脅迫して金品を強奪しようと

考え、犯意を継続して云々」と本件犯罪の原因、動機に関する事実を判示し、原審

公判廷における被告人供述によりこれを認定し、更に右弁護人の主張に対しては

「本件犯罪動機態様及び被告人の当公廷における供述態度等を綜合すると、被

告人は本件犯行当時正常の精神状況にあつて心神耗弱であることは認めることが

出来ない」と説示しているのである

しかしながら、原判決は本件犯罪動機とし

ては、右のように単に「他人脅迫して金品を強奪しようと考え」と抽象的に判示

しただけで、少しも具体的な判示がなく、またその証拠に供した原審における被告

人の供述によるも、その点に関する弁護人松本重夫の上告趣旨に述べられているよ

うな供述記載があるのみで、右判示に該当する具体的な供述存在しない。その他

全記録によるも、被告人が如何なる原因、動機により本件犯行をするに至つたのか、

殊に金銭に窮した事情があつたのか、新聞又は大衆小説その他により示唆を受けた

のか等についても何等明確な証拠がない。また被告人の本件犯行後の行動、就中

本件奪取の金品を如何なる場所に、如何なる目的を以て隠匿したのか、その金銭を

費消したのかしないのか、犯行直後父兄その他の者に会つたのか、直ちに臥床した

1 -

のか、翌朝何時に起き何をしたのか、等々の事実については原審審理において何等

触れるところがない。その点について一件記録によれば寧ろ犯行直後における本件

金品の処置に関しては常識に反し特殊異常の点あることを窺い知ることができる。

しかのみならず、本件弁護人の主張によれば被告人の祖父が精神病となり壮年にし

投身自殺した事実ありとして原審に証拠申請をしたもののごとくである。このよ

うに本件で重要関係にある犯罪動機判決において具体的に判示確定されてお

らず、却つて異常な特殊事情が伏在する疑が濃厚である本件の場合に、この点に関

する証拠申請を全部却下してその審理をなさず、しか犯行当時の精神状態を判断

説示するのに、前記のように只抽象的な犯罪動機犯行後数ケ月を経た原審公判

廷における被告人供述態度等をもつて犯行当時正常の精神状態にあつたと認める

旨を説示した原判決は、審理不尽に基く理由不備の違法あるものと言わざるを得な

い。

従つて、本論旨は結局理由があることになるから、その余の上告趣意に対する

判断を省略し、なお右の違法事実の確定に影響を及ぼすものと認めるから刑訴

四四八条の二に従い主文のとおり判決する。

 この判決裁判官全員の一致した意見である

 検察官 安平政吉関与

  昭和二三年一二月九

     最高裁判所第一小法廷

         裁判長裁判官    真   野       毅

            裁判官    沢   田   竹 治 郎

            裁判官    齋   藤   悠   輔

            裁判官    岩   松   三   郎

2015-04-14

 この判決裁判官全員一致の意見によるものである

 検察官 長谷川瀏関与

  昭和二五年一月一〇日

     最高裁判所第三小法廷

         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎

            裁判官    井   上       登

            裁判官    島           保

            裁判官    河   村   又   介

            裁判官    穂   積   重   遠

こういう表記の仕方は神だから昭和25年のこの最高裁判例もまだまだ神

2015-03-28

この馬鹿判決ワロタ

主    文

     原判決を破棄する。

     本件を東京高等裁判所差し戻す。

理    由

 上告代理菊池信男、同大島崇志、同島田清次郎、同岩舩榮司、同小花弘路、同米倉章、同伊沢宏一

郎、同船岡嘉彦の上告理由一について

 一 原審の確定したところによれば、(一) 被上告人のした本件特許出願の拒絶査定に対する審判請求に

おいて特許庁がした審決は、本願発明の要旨を、別紙明細書抜粋特許請求の範囲記載のとおり認定した

上、第一ないし第六引用例に記載された発明に基づいて本願発明進歩性を否定し、本件審判請求は成り

立たないとした、(二) そして、本件特許出願の明細書の発明の詳細な説明には、別紙明細書抜粋の(1)な

いし(10)の記載がある、というのである

 二 原審は、右確定事実に基づいて、次のとおり認定判断し、審決には、本願発明の基本構成部分の解釈

を誤った結果、同部分の進歩性を否定した違法があり、右の誤りは審決の結論に影響を及ぼすことが明らか

であるとして、これを取り消した。

 1 本願明細書の発明の詳細な説明中の前記(4)記載の方法は、リゾプス・アルヒズス(リゾプス・アリツスと

同義からのリパーゼ(以下「Raリパーゼ」という。)によるトリグリセリドの酵素的鹸化により遊離するグリセ

ンを測定するトリグリセリドの測定方法であるところ、これは、Raリパーゼを使用してトリグリセリドを測定する

方法に関する被上告人出願の昭和四五年特許願第一三〇七八八号の発明構成、すなわち、その特許

求の範囲に記載されている、「溶液、殊に体液中のリポ蛋白質に結合して存在するトリグリセリド及び/又は

蛋白質不含の中性脂肪を全酵素的かつ定量的に検出するに当り、リポ蛋白質及び蛋白質不含の中性脂肪

をリゾプス・アルヒズスから得られるリパーゼを用いて分解し、かつ分解生成物として得られるグリセリンを自

体公知の方法酵素的に測定することを特徴とする、トリグリセリドの定量的検出法」との構成実質的に同

である。そして、本願明細書の発明の詳細な説明の記載による限り、本願発明は、(4)記載の測定方法

改良を目的とするものであるから、Raリパーゼを使用することを前提とするものということができる。

 2 本願明細書の(4)の記載によれば、本願発明発明者は、Raリパーゼ以外のリパーゼはRaリパーゼ

のように許容される時間内にトリグリセリドを完全に分解する能力がなく、遊離グリセリンによるトリグリセリド

の測定には不適当である認識しているものと認められるから発明者が、右のようなトリグリセリド測定に

適当なリパーゼをも含める意味で本願発明特許請求の範囲中の基本構成に広く「リパーゼ」と記載した

ものと解することはできない。

 3 本願明細書の発明の詳細な説明に記載された「リパーゼ」の文言は、Raリパーゼを指すものということ

ができる。

 4 そうであれば、本願明細書の発明の詳細な説明の記載により前記(4)記載の測定方法の改良として技

術的に裏付けられているのは、Raリパーゼを使用するものだけであり、本願明細書に記載された実施例も、

Raリパーゼを使用したものけが示されている。

 5 そうすると、本願発明特許請求の範囲中の基本構成に記載された「リパーゼ」は、文言上何らの限定

はないが、Raリパーゼを意味するものと解するのが相当である

 三 しかしながら、原審の右の判断は、にわか是認することができない。その理由は、次のとおりである

特許法九条一項及び二項所定の特許要件、すなわち、特許出願に係る発明新規性及び進歩性につ

いて審理するに当たっては、この発明を同条一項各号所定の発明と対比する前提として、特許出願に係る

発明の要旨が認定されなければならないところ、この要旨認定は、特段の事情のない限り、願書に添付した

明細書の特許請求の範囲の記載に基づいてされるべきである特許請求の範囲の記載の技術的意義が一

義的に明確に理解することができないとか、あるいは、一見してその記載が誤記であることが明細書の発明

の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合に限って、明細書の発明の詳細

な説明の記載を参酌することが許されるにすぎない。このことは、特許請求の範囲には、特許を受けようとす

発明構成に欠くことができない事項のみを記載しなければならない旨定めている特許法六条五項二

号の規定(本件特許出願については、昭和五〇年法律第四六号による改正前の特許法六条五項の規

定)からみて明らかである

 これを本件についてみると、原審が確定した前記事関係によれば、本願発明特許請求の範囲の記載

には、トリグリセリドを酵素的に鹸化する際に使用するリパーゼについてこれを限定する旨の記載はなく、右

のような特段の事情も認められないから、本願発明特許請求の範囲に記載のリパーゼがRaリパーゼに限

定されるものであると解することはできない。原審は、本願発明は前記(4)記載の測定方法の改良を目的

するものであるが、その改良として技術的に裏付けられているのは、Raリパーゼを使用するものだけであ

り、本願明細書に記載された実施例もRaリパーゼを使用したものけが示されていると認定しているが、本

発明の測定法の技術分野において、Raリパーゼ以外のリパーゼはおよそ用いられるものでないことが当

業者一般的技術常識になっているとはいえないから、明細書の発明の詳細な説明で技術的に裏付け

れているのがRaリパーゼを使用するものだけであるとか、実施例がRaリパーゼを使用するものだけである

ことのみから特許請求の範囲に記載されたリパーゼをRaリパーゼと限定して解することはできないという

べきである

 四 そうすると、原審の確定した前記事関係から、本願発明特許請求の範囲の記載中にあるリパーゼ

はRaリパーゼを意味するものであるとし、本願発明採用した酵素はRaリパーゼに限定されるものである

解した原審の判断には、特許出願に係る発明進歩性の要件の有無を審理する前提としてされるべき発明

の要旨認定に関する法令解釈適用を誤った違法があるというべきであり、右違法は原判決結論に影響

を及ぼすことが明らかである。この点の違法をいう論旨は理由があり、その余の上告理由について判断する

までもなく、原判決は破棄を免れない。

 よって、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととし、行政事件訴訟法七条民訴法四〇七

条一項に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

     最高裁判所第二小法廷

         裁判長裁判官    中   島   敏 次 郎

            裁判官    藤   島       昭

            裁判官    香   川   保   一

            裁判官    木   崎   良   平

          明細書抜粋

 特許請求の範囲

「リパーゼを用いる酸素的鹸化及び遊離するグリセリンの測定によってトリグリセリドを測定する場合に、鹸

化をカルボキシルエステラーゼ及びアルキル基中の炭素原子数10~15のアルカリ金属―又はアルカリ

金属―アルキル硫酸塩存在実施することを特徴とするトリグリセリドの測定法。」

 発明の詳細な説明

 (1) 「本発明はグリセリドを鹸化し、かつこの際に遊離するグリセリンを測定することによってトリグリセリド

を測定するための新規方法及び新規試薬に関する。」

 (2) 「公知方法によれば、差当りアルコールアルカリでトリグリセリドを鹸化し、次いで生じるグリセリン

測定することによりこの測定を行なっている。」

 (3) 「この公知方法の重大な欠点は、エタノールアルカリを用いる鹸化にある。この鹸化工程は、さもな

ければ個有の精密かつ容易に実施すべき方法煩雑にする。それというのは、この鹸化はそれだけで約70

℃の温度で20~30分を必要とするからである。引続き、グリセリン測定そのものを開始する以前に、中和

かつ遠心分離しなければならない。」

 (4) 「この欠点は、1公知方法で、トリグリセリドの酵素的鹸化により除去され、この際、リゾプス・アリツス

(Rhizopus arrhizus)からのリパーゼを使用した。この方法で、水性緩衝液中で、トリグリセリドを許容しう

時間内に完全に脂肪酸及びグリセリンに分解することのできるリパーゼを発見することができたことは意想

外のことであった。他のリパーゼ殊に公知のパンクレアス―リパーゼは不適当であることが判明した。」

 (5) 「しかしながら、この酵素的分解の欠点は、鹸化になおかなり長い時間がかかり、更に、著るしい量の

非常に高価な酵素必要とすることにある。使用可能な反応時間を得るためには、1試験当り酵素約1mgが

必要である。更に、反応時間は30分を越え、従って殊に屡々試験される場合機械的な実験試験にとっ

ては適正が低い。最後に、遊離した脂肪酸カルシウムイオン及びマグネシウムイオンと不溶性石鹸形成

し、これが再び混濁させ、遠心しない場合にはこれにより測定結果の誤差を生ぜしめる。」

 (6) 「従って、本発明目的は、これらの欠点を除き、酵素的鹸化によるトリグリセリドの測定法を得ること

にあり、この方法では、必要量のリパーゼ量並びに必要時間消費は著るしく減少させられ、更に、沈でんす

る石けんを分離する必要性も除かれる。」

 (7) 「この目的は、本発明により、リパーゼを用いる酵素的鹸化及び遊離したグリセリンの測定によるトリグ

リセリドの測定法により解決され、この際鹸化は、カルボキシルエステラーゼ及びアルキル基中の炭素原子

数10~15のアルカリ金属―又はアルカリ土類金属―アルキル硫酸塩存在で行なう。」

 (8) 「リパーゼとしては、リゾプス・アリツスからのリパーゼが有利である。」

 (9) 「本発明方法実施するための本発明試薬グリセリンの検出用の系及び付加的にリパーゼ、カ

ルボキシルエステラーゼ、アルキル基中の炭素原子数10~15のアルカリ金属―又はアルカリ土類金属

アルキル硫酸塩及び場合により血清アルプミンからなる。」

 (10) 「有利な試薬組成物の範囲で、特に好適な試薬は次のものよりなる:リゾプス・アリツスからのリパー

ゼ 0.1~10.0mg/ml」

http://take-ip.com/cases/PAT-S62-Gtsu-3.pdf

2015-03-06

他人揉め事コメントしたがる人へ(或いはウォッチャーの心得)

ナマモノの扱いは基本的に超デリケートなので、迂闊に手を出さないのが鉄則。

看過できないブコメスターを集めているので、変に感化されて庶民が手を出さないように釘を差しておこう。

(id略) この種の揉め事を嬉々としてまとめ、コメントしてきた古参や有名どころが徹底無視のうえ沈黙しているのを見て癒着ぶりを思い知ったし、これまでとは違う意味で心底失望した。後ろ盾のない人を選んで叩いてるんだね。

http://b.hatena.ne.jp/entry/mememememiti.hatenablog.com/entry/2015/03/05/204424 略は引用者による

(id略) 岡(略)さんだけじゃなくこの件村(略)もh(略)氏もt(略)さんもし(略)氏もき(略)氏もいつもの炎上時のブクマメンバーがだーれも言及しないのがとても怖い。たまたまみんな北朝鮮にでも行ってるのかな?斗(略)の時とは大違い

http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kutabirehateko/20150306/1425602466 略は引用者による

現実世界揉め事と、フェイクあり物語の違い

例えば、Wikipedia。存命中の人物に関しては慎重に取り扱われています

なぜなら、現行の日本法律は、例え事実であったとしても名誉毀損が成り立つし、有名な人ほど弁護士相談するからです。

対して、フェイクも含むいわゆる「ウォッチされる揉め事」は、どこまでいっても匿名架空物語です。

まり、それは「嘘かもしれないけどほっこりする」という物語であって、Facebookの感動系記事となんら変わりがないわけです。

というわけで、現在進行中の揉め事には当事者が居て、言及すれば当事者になってしまう状況下では、触らないのがお作法です。

踊り子さんには手を触れない、というよりも、踊り終わった後に「あの踊りはナカナカだった」と言及するのが基本です。

その意味で、とめとめしい人は、キチンとその旨を(迂遠な形ではあれ)ブログ記事にしておられましたね。

ウォッチャーコメンターの心得

まず裁判沙汰にしない。司法の手を煩わせない。大前提です。

例えば、夏目漱石こゝろに倣い、ここでは仮名として、MさんとOさんという2人の人物が居るとします。

と、言う仮定の話をしたとしても、「これは明らかに私を指してMと言っている」と裁判証言された時に、これに反論するのは非常に困難です。

伏せ字であっても誰もがそれを想像する場合裁判所は字句通りには解釈せず、基本的には理念に則って裁きます。(地裁適当だけど)

((被害者の氏名こそ明示してないが、第一審判決挙示の証拠を綜合するとそれがAに関して為されたものであることが容易にわか場合であることが認められる。だから記事被害者特定に欠くるところはないというべきである昭和27(あ)3760 昭和28年12月15日 最高裁判所第三小法廷 刑集 第7巻12号2436頁 理由より))

また、例えば「Xさんは私と同じく批判をしておられたので、是非賛同者として裁判に向けて一緒に戦ってくれないか」と依頼が来た時点で、ウォッチャーとしては死を迎えます

それは、当事者になってくれという依頼であって、受けようが断ろうが、既にウォッチャー立ち位置とは異なるからです。

炎上場合の一線の引き方

ここでは、最近人格的にも体格的にも丸くなられた、やまもとい<検閲されました>さんを引き合いに出しますが、

彼の関わり方が非常に参考になります

推測ですが、センシティブ話題に関しては、弁護士に軽く相談してからブログに上げておられるでしょう。

また、名誉毀損で訴えられてもたかだか50~100万円程度なら大したことないわ、と裁判慣れしておられる様子すら見えます

基本的ウォッチャーコメンターというのは、外野席に座ったオッサンのヤジと一緒です。

モノをグラウンドに投げ込めば警備員つまみ出されるし、レーザーポインターで目を狙えば逮捕されるでしょう。

ただ、いくら下世話な趣味だと後ろ指をさされようが、「あの起用は無いわ」と仲間内で話す分には問題ないわけです。

と、すると、相手の発言を拾ってきて論評するか、事実だと仮定すればどうなるか、と言う話しか当然出来ないわけです。

発言があれば、矛盾や、事実誤認や、考え方の残念さ、の指摘は出来ます

また、借金があったとし、その認識に双方問題ないのであれば、その金は返せ、という一般論しか話せないわけです。

現実法律お話

「仮に事実だとすれば」と明言したとしても、法律的には何ら関係がありません。

事実の有無、真偽を問わず相手の名誉を毀損すれば、刑法上の名誉毀損罪(ただし親告罪)にあたります

公共の利害に関し、公益目的でかつ真実である証明できた場合を除く)

また、民法上の不法行為にもあたり、民事上の損害の回復手段は、金銭による賠償が大原則です。

まり、ざっくり50~100万円程度の賠償額を負う可能性があるわけです。

(なお、相手の感情を害しただけでは名誉棄損にあたらないとされることが多い)

明らかに訴えられない自信がある場合から(例えばプロ野球選手がファンを相手取って裁判沙汰にするとは通常考えられないので)外野からヤジを飛ばせるのであって、火中の栗を拾うのは愚かな人間だけです。

まとめ

顧問弁護士に気軽に相談できないような庶民は、基本的君子危うきに近寄らずの精神で。

虎穴に入らずんば虎児を得ずとは言うが、その虎児(大抵PV)は割に合うの?という計算しましょう。

からウォッチャーなればこそ嗅覚距離感覚は鋭いですし、ある程度誰にでも一線はあるでしょう。

解決した揉め事外野からワイワイ言うのと、現在進行中の顔の見える事案に触れるのは、だいぶ違いますよ、というお話でした。

意外に絶対泣き寝入りしないとりあえず裁判からの人も居るので、気軽に一線踏み越えると大事になりますよ。

(そもそも真偽の定かでない情報を公に品評する事そのものリスクです)

蛇足

60万円以下の金銭の問題は、本人による少額訴訟で解決するのが一番早いです。

また、警察基本的相談事は受け付けてくれますし、法テラス無料相談できます

個人的にはプロには相応の対価を払ってアドバイスいただくのが良いとは思いますが)

なおフィクションでも、「石に泳ぐ魚」で最高裁判例が出ているので、慣れた弁護士なら示談まで持っていけるでしょう。

そして、そこで無理めだと言われたら、基本的にはそういう事例だ、という事です。

なお、この記事は運悪く法廷に立つことになっても一般論で押し通せると思って書いています

みんな裁判所に呼び出される覚悟を持ってコメントしてるかな?ナマモノ怖いよ。

2014-12-09

投票先がない

消費税をすぐにでも増税して欲しいのだが、投票するところが無い。 

最高裁判所裁判官国民審査はよくわからないから全員×をつける予定。

2014-10-02

[]はやとくん

植田委員 そう言っていただければいいんです。

 そこでちょっと最後時間の残りが少しずつなくなってきているんですが、録音反訳の話、先ほども御説明の中で最高裁の方からいただいたんですが、私も不案内なんですけれども、何か最近電子速記「はやとくん」なんていう、えらいかわいらしい名前機械速記反訳システムというソフトが開発されているようです。「「はやとくん」をご存じですか?」なんていうチラシもあるんですけれども、名前の由来までは私承知しませんけれども、これも、名古屋の元速記官の方がこういうシステムソフトを開発されて、聴覚障害者等々の訴訟裁判参加にも役立っているというふうなことが結構書いてあるんです。

 実際、テープ法廷のやりとりを反訳するというのは難しいでというのは、実際その反訳を請け負っている業者の方からも出ているらしいんですよね。というのは、事件の内容が、記録もないからからへんわけですし、裁判専門用語もいっぱいあるわけです。そうなるとやはり、立ち会いメモぐらいはもらえるらしいんですけれども、ほとんどそんなの役に立ちまへんのやという話も聞いています。それで、不明な箇所を書記官に問い合わせたら、不明は空白にしておいてくださいよというような調子でやっているそうです。

 そういう意味で、書記官からも、テープの反訳について疑問の声というものを私幾つか聞いていますテープによる録音反訳でしたら、当然のことながら反訳者法廷に立ち会ってへんわけですから、やはり不正確な文書をつくってくることが間々あるそうです。私も速記のことはよくわからへんのですが、見ましたら全然意味の違う文書が出てくるらしいですね。

 そうなると、今度はその校正のために書記官がえらい時間を費やすことになると。これは二度手間なんですね。そうなると、書記官さんだって本来仕事に支障を来すことになるんじゃないか。いや、そんなことはありませんと言いたいんでしょうが、そういう指摘があるという事実については御承知されていると思うんですが、そういう現場からの録音反訳の精度的な問題を指摘する声を踏まえたときに、この「はやとくん」、こうしたものを実際速記官が自主的に、六割以上が自費で購入して使ってはるらしいんですよ、だったら、こういうのを併用しながらやれば十分対応できるんじゃないでしょうか。この「はやとくん」の使用というのはお認めになっているんでしょうか、みんな使ってはるらしいですけれども。その点、いかがですやろか。

中山最高裁判所長官代理者 まず、録音反訳方式について種々問題点が指摘されているという御質問でありますけれども、録音反訳方式を利用するに当たりましては、反訳者に対して聞き取りやすい録音を提供するために、特別な録音システムというもの法廷に設けまして明瞭な録音の確保に努めているほか、今御指摘ありましたように、反訳を依頼するためには、証拠調べに立ち会っている書記官が、立ち会いメモ、これは必要に応じて書証とかあるいは準備書面の写しも添付いたしますが、それを作成し、録音テープとともに反訳者に送付して、反訳書の作成必要事件情報提供しているところでございます

 また、この録音反訳方式によって作成された調書はあくまでも書記官の調書でございますので、書記官が必ずそれを自分責任において考証するということからも、その内容を見ることは当然必要でございます。そのあたりのところは、職員団体の方からも、この録音反訳方式を導入する際に、書記官による検証というものを必ず守ってくれ、入れてくれ、こういうふうにも強く言われているところであり、最高裁としてもそれを当然のこととして受けとめてやっているところでございます

 現実問題として、録音反訳方式でするとそういった正確性が問題になって控訴審等で破られている事象があるかどうかというようなことを見ますると、そういうものはございません。したがって、精度としては非常に良好に推移しているというふうに考えているところであります

 次に、「はやとくん」のことでございますが、これは聴覚障害者裁判参加に役立っているというようなお話でございますが、この聴覚障害者の方々の裁判参加がどういう場面を想定されているかということによってもこれは大分違うことになります。例えば証人として聴覚障害者の方が来られた場合に、それを「はやとくん」のシステムを使ってディスプレーを見せるということ自体、これは実は通訳ということになるわけでありまして、それは速記官の本来速記職務とは別物ということになるわけであります。したがって、そういうものを利用するに当たっても、訴訟法上、そのあたりをどう正確性を担保していくか、だれがそれを見ながらやっていくのか、そういった問題もあるわけでございます

 ただ、「はやとくん」は利用するといたしましても、これも前々からこの法務委員会で御説明申し上げておりますけれども、もともと速記官の制度というものは、昭和三十七年に労働科学研究所というところに最高裁の方から依頼して、どのくらい打鍵ができるかどうかということを調べたことがございました。その結果、週二時間、月八時間ないし十時間しかできないということでありました。そういうようなところを踏まえ、「はやとくん」を使用したときにこういった八時間ないし十時間というものが飛躍的に伸びていくのかどうか、そういったような問題ももちろんあるわけでございますが、その辺については、職員団体あるいは速記官の内部において一致した考えはない、むしろ考え方は相当異なっている、そういう状況にあろうかと思っておりますので、「はやとくん」を入れることによって一遍にいろいろな問題が解決するということにはならないというふうに考えております

植田委員 いや、私、後でそれを聞こうと思っていたんですが、まず、実際に六割以上の方が使っておられて、それで、なおかつそうした「はやとくん」の使用について、実際それを導入することが正確な、迅速な裁判につながるかどうかは、それは議論余地はあるんでしょう、いろいろな見解があるんでしょう。現実問題としてみんな使ってはるということは、とりあえずその使用を黙認なさっているんですか。お使いになる分には結構ですよということで、特に、いいの悪いの、けしからぬのけしからなくないのということは、別に見解としてお持ちじゃないということでいいわけですね。

中山最高裁判所長官代理者 たしか五八%の速記官の方々から、「はやとくん」を使いたいという、そういったもの当局の方に出されておりまして、それは許可されているということで承知しております

植田委員 要するに、六割近く希望して許可されているということは、非常に使い勝手がよくて業務の遂行資するものだということは、当然その点については認知をされているということですよね。そんな、まずかったらあかんと言えばいい話でしょう。

 まあ、一応聞いておきましょう。

中山最高裁判所長官代理者 最高裁判所として「はやとくん」の有用性をどうこうということではございませんで、本人がそれを使いたい、それが速記、要するに記録を残すという意味別に支障にはならないということから許可しているものでございます

第154回国会 法務委員会 第8号

平成十四年四月十日(水曜日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/154/0004/15404100004008c.html


小林(千)委員 それで、実際のこの速記がどのようにとられているかということをお伺いしたいんですけれども、実は、私も初めて、先日、実際に裁判所速記官の皆さんがとられている速記方法というものを見せていただきました。このように目の前で速記官の方が国会の中でとられている手で書く方式とはちょっと違うようで、速記用のタイプライターみたいなものを打って、言葉をいわば記号化するそうですね。それで、その記号を見てそれを日本語に直す、このようなやり方で裁判所の中の速記方式はとられているというふうに見せていただきました。

 この日本語に直す方式なんですけれども、従来は、その打った記号を見て直していたわけなんですけれども、その中で、速記官の方々の努力により、自分たちソフトをつくり上げた、「はやとくん」という名前らしいんですけれども、これにより、パソコンでその記号というもの日本語にいわば翻訳する、こういった作業をできるようになった、こういったことを速記官の方みずから自分たち研究をして新しいソフトを開発したというふうに伺っております

 そして、もう一つは速記用のタイプライターなんですけれども、官から支給されているといいます指定されているタイプライターではなくて、ステンチュラというアメリカから輸入された機械を使っている。そちらの方の機械は、それぞれの人の手に合わせて微調整ができるようになっている。例えば、打鍵の重さですとか、打ち込む深さですとか、手の体格に合わせた間隔も調整をできるようになっていて、キータッチも軽いということで、体にかかる負荷というものは大変少なくなっている。こういったステンチュラという機械と「はやとくん」というソフトを使って速記録をつくられている方が多いというふうに伺いました。

 しかしながら、この「はやとくん」というソフト指定ソフトということで、この「はやとくん」の研究開発についても、自分たちの勤務時間外の時間を使って、いわばプライベート時間を使って、仕事に対してのことに時間を費やしている。それにかかるお金もすべて自分たちで自腹を切って行っている。その「はやとくん」も、認められていないソフトなので、支給をされているパソコンインストールすることができないから、それを使うためには、自分の、私物パソコンを持ち込んで使わざるを得ない状況になっていると伺っています

 また、そのタイプライター、ステンチュラなんですけれども、これも、アメリカメーカーで、そこから自分たちで輸入をしている、約四十二万円ぐらいかかると言っていました。四十二万円、仕事のために出費をするんですから、自腹を切って、これは大変大きな負担だと思うんですよ、私は。

 このように、自分たち自助努力をしながら、仕事にかける情熱を持って勤務に当たっている、事務改善に対して大変大きな努力をなさっていることに対して、私は大きな敬意をあらわさなければいけないと思っているわけなんですけれども、最高裁の方は、何で、とても有用な「はやとくん」ソフトを今インストールすることを認めていないんでしょうか。そして、このような速記官の方々の努力というものをどのように認識されているのでしょうか、お伺いをいたします。

中山最高裁判所長官代理者 裁判所では、現在、例えば全国の裁判所をつなげるJ・ネットというシステムをつくっておりますし、あるいは全庁でLAN化を進めているところであります

 先般の内閣官房情報セキュリティ対策推進会議でも、各省庁の情報システム脆弱性というものが指摘されましたが、その最大の要因は、内部ネットワークに個人用の端末をつないだり、ソフトを入れることにある、そういったところは非常に慎重に考えなければならない、こういうようなところでございました。したがって、今後こういったシステムを全国展開するに当たって、相当慎重な配慮というものをしなければならないのが一つであります

 それからもう一つは、もともと「はやとくん」は、名古屋遠藤さんという速記官の方が開発されたというものでありますけれども、NECの98のパソコンベース最初になされ、その後DOS/V、それからウィンドウズということで、いわばマイクロソフトがいろいろ変えてきた、そこに合わせてOSを合うように変えてきたというわけでありますけれども、裁判所の方も、その間、実は、MS―DOSからウィンドウズ三・一、ウィンドウズ95、98、そして二〇〇〇、XP、このように進んできているわけであります。そういった中にそれまでのOSに基づくものを入れましても、それはなかなか一緒に稼働しないということにもなりますし、また、そのソフト自体インストールした場合には、そのメンテナンスを一体どうするのか、あるいは、ウイルスチェック等でいろいろ問題が起きてきた、やはりソフトの相性というものがございますからシステムに影響を及ぼしたときにそれはだれが責任を持ってやるのか、こういったところの問題も非常に難しいものがございますので、この辺の保守管理体制が整えられて初めて認められるということになるわけであります

 このようなシステム上の制約から、私用ソフトインストールについては、これは慎重に対応しなければならないということを御理解いただきたいと考えますが、速記官の執務環境の整備については、職員団体からも非常に強い要求が出てきているところであります。きょうも後ろに私どもの職員団体である司法委員長しかとにらみに来ておりますけれども、そういうような職員団体意見も十分聞きながら、できる限りの努力をしてまいりたいと考えております

第159回国会 法務委員会 第3号

平成十六年三月十二日(金曜日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/159/0004/15903120004003c.html


井上哲士君 日本共産党井上哲士です。

 裁判所の職員の中で、速記官の皆さんの問題について質問をいたします。

 昨年の質問の際も、今の裁判でも、そして将来の裁判員制度の下でも、速記官の皆さんの技術や意欲を大いに生かすべきだということを求めました。その際に、速記用の反訳ソフト「はやとくん」のインストールを官支給パソコンにもできるようにするべきだということを求めたんですが、十二月に実現をしたとお聞きをいたしました。その経過について、まず御報告をお願いします。

最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) 通称名「はやとくん」と言われております反訳ソフトは、速記自身が開発したものですので、これを官支給パソコンインストールするには、当該ソフト裁判所内の標準的システム環境に影響を与えないということについて検証を行う必要がございましたが、昨年六月にこの検証実施するということを決定いたしまして、全国の速記官の意見や執務の実情等を踏まえて検証対象とするソフト特定いたしました上で、十月に検証実施に着手いたしました。

 検証の結果、「はやとくん」ソフト裁判所標準的システム環境に影響を与えない旨の報告書が提出されまして、インストールについて問題がないということが明らかになりましたので、十二月上旬にそのインストールを許可したものでございます

井上哲士君 私、これまでは、この「はやとくん」の有用性について検証すべきだということを質問いたしますと、そういう今おっしゃったようなセキュリティーの問題があるので有用性の検証ができないんだっていう御答弁をいただいてきたんですね。

 今の経過でいいますと、セキュリティー等の問題についてのみ検証をしたということになりますと、この有用性っていう問題は、局長地裁時代にもごらんになっているんだと思いますが、その速さ、正確さっていうことについてはあえて検証するまでもない、有用性が高いと、こういう判断だということでよろしいんでしょうか。

最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) 速記官は、この「はやとくん」ソフトを自ら開発いたしまして、それからその改良ということにつきましても様々な努力を重ねておるというところでございますので、その有用性につきましては、速記官が自らがそのような使用形態を取っておるというところから、言わば外から見て観察をして検討しておるということでございますが、その点も踏まえまして今回のインストール許可ということに踏み切ったというわけでございます

第162回国会 法務委員会 第7号

平成十七年三月二十九日(火曜日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/162/0003/16203290003007c.html


小林(千)委員 民主党小林千代美です。

 裁判所定員法の一部改正について質問をしたいと思います

 この法案については、私も昨年もここの委員会でこの法案改正について質問をさせていただきまして、ことしも同じ質問を実はしなければいけません。というところに、毎年やっているところに根本的な問題があるのではないかなというふうに思っているわけでございます

 昨年は、この日切れ法案の中に裁判所法の一部改正というのもありまして、そこの中で裁判所速記官の方々のあり方というもの問題になっておりました。これは、平成九年のとき裁判所速記官の養成というのが事実上一時停止というふうになっておりましてから、毎年毎年、この日切れが出てくるたびに法務委員会議論の種にもなっている問題でございます

 昨年、この質問をして以降、最高裁の方では、速記官の方々が独自に開発をされた反訳ソフト通称「はやとくん」が、昨年の十二月インストールが許可されたということを私も速記官の方から伺いまして、本当に速記官の方々の自助努力というもの職場の中で報われたなというふうに、よかったと思っております

 つきましては、昨年質問をいたしました答弁につきまして、何点か確認をしておかなければいけないところがございます

 このように、裁判所速記官の皆様は御自身でさまざまな自助努力をしながら仕事に携わっていらっしゃるわけでございます。そのような速記官の方々の執務環境の整備につきまして、昨年、整備についてはできる限りの努力をしてまいりたいというふうに御答弁をいただきました。昨年から一年間でどのような環境整備が行われたのか、そして、これからどのようにさらに取り組んでいかれる予定なのかを御質問いたします。

○園尾最高裁判所長官代理者 昨年の通常国会において御質問を受けて以後、現在までの間に検討いたしましたことの中で最も大きいのは、ただいま御指摘のありましたいわゆる「はやとくん」ソフト裁判所の業務用パソコンインストールすることを許可したことでございます

 「はやとくん」ソフトは、ただいま御指摘のありましたとおり、速記官がみずから開発をしまして、その上に、ステンチュラという機器もみずから負担で購入をして業務に使っておるということでございまして、これについて裁判所パソコンで使いたいという強い要望があったわけでございますが、裁判所の業務用システムソフトに悪影響を与えないことが確認されていないということでそれまでは認めていなかったわけですが、昨年秋に専門業者ソフト Permalink | 記事への反応(1) | 23:38

2014-09-20

これが安倍違憲首相の実績です。スゴイですね。

増税】 (すでになされたもの)
 70歳以上定率1割負担等 2,000億
 雇用保険料引き上げ 3,000億
 健保保険料引き上げ 10,300億
 健保本人3割負担 4,000億
 介護保険料の値上げ 2,000億
 失業給付額の削減 3,400億
 たばこ税増税 2,600億
 配偶者特別控除の廃止(所得税) 4,790億
 厚生年金等の保険料引き上げ6,000億
 老年者控除の廃止(所得税) 1,240億
 配偶者特別控除の廃止(住民税) 2,554億
 国民年金保険料引き上げ 400億
 雇用保険料引き上げ 3,000億
 所得税・個人住民税定率減税縮小・廃止 40,000億 (サラリーマン増税GDP下落率----------------歴代総理中第1位
 自殺者数------------------歴代総理中第1位
 失業率増加----------------歴代総理中第1位
 倒産件数------------------歴代総理中第1位
 自己破産者数--------------歴代総理中第1位
 生活保護申請者数----------歴代総理中第1位
 税収減--------------------歴代総理中第1位
 赤字国債増加率------------歴代総理中第1位
 国債格下げ----------------歴代総理中第1位
 不良債権増----------------歴代総理中第1位
 国民資産損失--------------歴代総理中第1位
 地価下落率----------------歴代総理中第1位
 株価下落率----------------歴代総理中第1位
 医療費自己負担率----------歴代総理中第1位
 年金給付下げ率------------歴代総理中第1位
 年金保険料未納額----------歴代総理中第1位
 年金住宅金融焦げ付き額----歴代総理中第1位
 犯罪増加率----------------歴代総理中第1位
 貧困率--------------------ワースト5国に入賞
 民間の平均給与------------7年連続ダウン
 出生率--------------------日本史上最低
 犯罪検挙率----------------戦後最低
 所得格差------------------戦後最悪
 高校生就職内定率----------戦後最悪

 自己破産件数の推移:
  件数 前年比 増減率
 H5 43,545 401 0.9
 H6 40,385 -3,160 -7.3
 H7 43,414 3,029 7.5
 H8 56,494. 13,080 30.1
 H9 71,299. 14,805 26.2
 H10 103,803 32,504 45.6
 H11 122,741 18,938 18.2
 H12 139,280 16,539 13.5
 H13 160,457 21,177 15.2←小泉内閣
 H14 214,638 54,181 33.8←小泉内閣
 H15 242,357 27,719 12.9←小泉内閣
 H16 211,402 -30,955 -12.8←小泉内閣
 ---------------------------------
  計 1449,815人
 最高裁判所集計:www.zenkinren.or.jp/toukei/img/siryou06.pdf

 1.生活保護受給世帯
 1992年→2005年2月(小泉内閣)
 58万5972世帯→101万6341世帯
 89万8499人→144万7807人

 2.完全失業者失業率
 1992年→2004年(小泉内閣)
 142万人→313万人
 2.2%→4.7%

 3.フリーター(35歳まで)
 1991年→2001年(小泉内閣)
 182万人→417万人

 4.非正規雇用パート派遣等)
 1994年→2003年(小泉内閣)
 22.8%→34.6%
 5.自殺者
 1993年→2003年(小泉内閣)
 2万1851人→3万4427人

2chよりコピペ

2014-09-07

「信を問う」と方法について

国会ではよく、

「(国民の)信を問う」

とよく言うが、

その「信を問う方法」があまりにお粗末で、

まったく言葉に見合うことが出来ていないことについて、異議を唱える。

多くの国民は、具体的な選挙方法や信任方法について、

「頭では方法問題があることは分かるが、

自分一人が言ったところで変わるはずもない・

からこういうもの・やり方がお粗末なのは最初から」といった、

あきらめの境地に至ってしまっている。

高い金を払ってうぐいす嬢を雇い、

「(誰々)をお願いします」と言うだけの選挙カーを走らせるのは勝手だが、

それと「信を問う」ことに、一体何の関係があるのであろうか。

「(誰々)です、お願いします」と握手をするのは勝手だが、

それと「信を問う」ことに、一体何の関係があるのであろうか。

「~党からの推薦(~党所属)です」、という、組織的裏付け

前面に押し出すやり方も、正直卑劣方法である

高い教育水準日本では、一個人であれば高い思考力を持つが、 

集団になると、集団心理が入り込む余地が出てきて、急に思考力が落ちる。

立候補した人間個人の影は薄れ、「党」単位の戦いに完全にすり替えられてしまう。

時代錯誤も甚だしい。

正直言って、「信を問う」のであれば、

担保金や、上記のような馬鹿げた方法大金をかけるのではなく、、

有権者マニフェストをきちんと配布し、判断してもらうべきである

街頭演説政権放送は良いが、タイミングが合わず見られない有権者もいる為)

また、最高裁判所裁判官の信任にあたっても、

基本的には、確実に有権者が受け取れるような、事前の情報提供が一切無い。

有権者積極的に動き、新聞から出身大学がどうだとか、僅かな情報を得たり、

ネット判例を調べたりするしか判断に至る情報がなく、

それでどうやって信任すればよいのか。

「(国民の)信を問う」という言葉を、軽々しく言って欲しくない。

意味のない旧態依然方法卑劣方法を止めて、情報弱者高齢者でも受け取れる、

有権者が確実に受け取れる判断材料情報提供すべきである

日本人馬鹿ではない。確実な情報提供があり、集団心理や利害関係排除すれば、

高い思考力を発揮できるのだから

2014-01-10

http://anond.hatelabo.jp/20140110193433

そんな法律ないよ。

国家憲法にそうように立法しなきゃいけないので、

義務があるのに従わない奴が制限を受けないならば、

国家立法を怠ったってことになる。

じゃあどうするかって事だけど、

実は立法を怠っている政権選挙で変えるか、

最高裁判所違憲立法審査権に任せるしかない。

ただこの最高裁は個別事案でしか違憲判断できないので、

こういう法律がないのは違憲だって訴えることはできない。

こういう法律がなくて精神的損害を受けたので、国は賠償しろって訴えのついでに違憲かどうか判断される。

で、その判断が出た後に賠償はらうついでに法律がつくられて、義務に従わない奴に何らかの罰が与えられる

2013-12-04

特定秘密保護法案を議論するための二つのお願い

前もって書いておくと、「特定秘密保護法案」については、新聞報道ネットで流れていることなどを見聞きしている程度で、条文は子細に読んでいません。なぜなら、

・このような国家機密に関する法令は極めてデリケートであって、素人の手には負えない

・単なる法律家ではなく、本来は国家機密や公文書に関する法制度に通じた専門家が真面目に論ずるべき問題だ

と思うので、素人法律のことをよく知らない人間があれこれ言うべきではないと考えているからです。

しかしながら、このような重要な法令に関して、単なるウヨサヨネタになってしまっていることは極めて残念でなりません。衆議院を通過してしまった法案でもあり、今更大きくどうこうなることはないかもしれませんが、同様の事例は今後も起こりうると思います。したがってここに、個人的な考えを書いても決して無駄ではない、と信じます

特定秘密保護法案に反対する人は、おかし反対論をきちんと批判してください。

特定秘密保護法案に反対するのは結構ですが、あまりにも無茶苦茶妄想に基づく批判が目につきすぎます

国家の好きなように秘密が指定できるんだ、原発の設置計画が秘密になるならどうなるか、その果ては「近現代史研究は全て秘密指定」だという人まで出てきています

先に書いたように、私は子細に検討したわけではありませんし、その能力もありませんが、さすがにこんなことは無茶苦茶妄想だと思います

このような妄想に基づく批判は、

政治的党派を問わず、単なる扇動デマゴギーであって、許されるものではありません。

・また、なにより、このような妄想に基づく批判は、反対派の信頼性をはなはだ毀損します。

そこでお願いです。

特定秘密保護法案を本当に理解したうえで反対している人は、このような愚劣な反対論を唱える人をちゃんと批判してください」

根拠のないおかし反対論を的確に批判することによって、反対論がより全うに、強固になるものです。

仮に「同じ反対派」であるから批判しないということであるならば、その人は政治運動をしたいだけであって、批判の中身はどうでもいいのだ、ということにならざるをえません。

専門家専門家らしく論じてください

次に、法律専門家の方々に対するお願いです。

個人に対する批判ではなく、例示として出しますが、

特定秘密保護法案」の危険性について

http://togetter.com/li/595227

http://twitter.com/Juris_tan/status/405261750590660608

国家はそんな濫用はしないだろう」というのは、歴史的経験無視した、ユートピア的発想よ。国家は、法で拘束しない限り、自らの権力を濫用するわ。

このような危機感は否定しませんし、むしろ共有する者ですが、「憲法学専攻」の方がこう書いたとあってはいささかもの申したくなる部分があります

この法案に関して「日本裁判所は信頼できない」云々という意見が出ていることは承知しています。このような意見は、ごく一般の人が言うなら、理解できます

しかしながら、法律専門家が語るのであれば、いささか話は違ってきます

国家は、法で拘束しない限り、自らの権力を濫用する」

というのは先刻承知の話なので、だからこそ、司法独立していて、最後には最高裁判所が控えている、という点は、一体どうなっているのでしょうか。

もちろん、議会における議論を軽視するわけではありません。

しかしながら、「歴史的経験無視した、ユートピア的発想」とまでおっしゃるからには、次のようなことが前提とされていなければなりません。

日本おいて、司法はただ今現在、あるいは将来、まともに機能しない。

この場合、一義的には問題は特定秘密保護法案ではなくて、司法のものです。司法のものの信頼、あるいはそのような信頼できない司法を前提にしている法制度全体が問題です。

したがって、そのような信頼できない司法改革するか、法制度全体を見直して信頼できない司法でも耐えうる制度にするか、どちらかしかありません。。。そうとは言わなくとも単純に言えば、「法律家の皆さん、司法健全性を維持するためにがんばってください」というほかありません。

しかしもちろん、憲法学を専攻なさっておられる方ですから日本司法について、現在おいても、また近い将来においても、それなりに安定的機能すると想像されているものと思います。その場合、この「歴史的経験無視した、ユートピア的発想」という文言は、

「単に危機感煽りたいがための誇張」

意味しか持ちません。

このような誇張に一体どういう意味があるのでしょうか。

私は、法律専門家の方々に、このような誇張を期待しません。法学法学らしく論じていただきたいと期待します。

・・・

特定秘密保護法案は確かに大事法律だと思います。にもかかわらず、ウヨサヨネタになってしまったことで、少なくとも私は、「これほど重要な法案なのにウヨサヨネタになってプロレスをやっているということは、騒がれているほどの『危険性』なるものはないのではないか」と逆説的に強く疑うようになっています

こんなことであっていいわけが、本当はないんです。ウヨサヨネタにせずに、真面目な、きちんとした専門家の議論を経るべきだと、私は信じます。その上で、本来ならば、与野党一致して合意すべき法律でした。

そうならなかった、ならないであろうことは極めて残念です。このレベル法律が、ウヨサヨネタに堕することがないように、特に法律専門家の方々に、強く、強く、希望します。

2013-07-02

憲法ブームにのっかって最初から読んでみる・前文と1条から9条まで

10日分たまったので整理、というかコピペ

条文ごとに別記事だと見にくいし、かといって今回のようにコピペするのも面倒なので、10条以降は書いたものに追記していくことにしよう。




昨日からコンビニ憲法の本が販売されてるらしい。

改正の話題などもあって、どうやら憲法ブームのようなものが起きつつあると感じる。

ので、自分もこれにのっかって憲法を読んでみて、思ったところを書きとめておこうと思う。

今日はとりあえず前文を。

  日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府行為によつて再び戦争惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威国民に由来し、その権力国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐ国際社会おいて、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想目的を達成することを誓ふ。

「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」→代表民主制ってことか。

主権国民に存することを宣言」→国民主権だね。

「恒久の平和を念願し、……」→このあたりが平和主義かね。

「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない……と信ずる」→国際協調主義

学校では憲法の基本原理として「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」の3つを教えられたが、前文に基本的人権の尊重は少なくともわかりやすい形では出てこないのな。あえて言うなら「自由のもたらす恵沢を確保」あたりか。

あと気になったのは、「これに反する一切の憲法法令及び詔勅を排除する」って部分。

「これ」は「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、……」からはじまる「人類普遍原理」を指すのだろうが、それはつまりこの「人類普遍原理」に反するような憲法改正はできないということだろうか。いや別にできなくていいけど。

今日は1条。

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

「象徴」であるということをどう捉えるべきなのか。「象徴に過ぎない」という消極的な意味に尽きるのか、なんらかの積極的な意味を読みこむことが可能なのか。

そもそも「象徴であ」るってどういうことなのだろう。

今日は2条。

皇位は、世襲のものであつて、国会議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

国会議決した」ってことなら「法律」でいいんじゃないの、と思ってしまうのだがなぜわざわざ「皇室典範」としたのだろう。

皇室典範」は成立要件や効果等の面において他の法律とは何か違いがあるということなのだろうか。←解決。教えてくれた人ありがとう

今日は3条。

天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

いまいち意図をつかめてない気がする。

ひとまずは(象徴天皇制ゆえ?)天皇フリーハンドの決定を許さない、その反面として責任も負わせないということだと理解しておく。

今日は4条。

天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

2項  天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為委任することができる。

自分は3条についてひとまず「(象徴天皇制ゆえ?)天皇フリーハンドの決定を許さない、その反面として責任も負わせないということだと理解」したわけだが、4条を見ると「国政に関する権能を有しない」と定めることで既に天皇フリーハンドの決定は不可能とされ、天皇政治的実権は奪われているように思える。

だとすれば、「国事に関する行為」についても「内閣の助言と承認」を要求したのはなぜなのだろうか。「内閣の助言と承認はいかなる意義を有するのか。そもそも「国事に関する行為」とはいったい何なのか。

今日は5条。

皇室典範 の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

前条2項が準用されていないのは、摂政が国事に関する行為さら委任することはできないということだろうか。

今日は6条。

天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

2項  天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

これらは「国事に関する行為なのだろうか。4条に照らせばそう考えるのが自然な気がするが、司法行政トップを任命する行為は明らかに政治性を帯びており「国政に関する」行為であるという気もする。

前者だとすれば、国事に関する行為と国政に関する行為との区別の仕方がまったく分からない。

後者だとすれば、本条は4条の例外としてなしうる国政に関する行為を定めたものと理解することになるのだろうか。だとすると、3条が「内閣の助言と承認」を要求しているのは国事に関する行為のみなので、国政に関する行為というより濫用の危険の高いものフリーハンドで行われることになりかねず大変問題ではないかと思うのだが。

今日は7条。

天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

一  憲法改正法律政令及び条約公布すること。

二  国会を召集すること。

三  衆議院を解散すること。

四  国会議員総選挙施行公示すること。

五  国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。

六  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。

七  栄典を授与すること。

八  批准書及び法律の定めるその他の外交文書認証すること。

九  外国大使及び公使を接受すること。

十  儀式を行ふこと。

ここに挙げられているものは国事に関する行為ということで、ますます国政に関する行為との区別が分からなくなった。

儀式を行ふ」などは国事に関する行為イメージどおりだが、「国会を召集」したり「衆議院を解散」したりするのは政治性があり、むしろ国政に関する行為ではないかという気がする。

今日は8条。

皇室財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会議決に基かなければならない。

財政上も統制を加えるということなんだろう。

今日9条

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2項  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

さすがにこれは有名なのでどのあたりがポイントなのか聞いたことある

1項は「国際紛争を解決する手段としては」という文言が何を意味するか(放棄するのは侵略戦争のみか、自衛戦争もか)という点。

2項はこれによって放棄される「戦力」とは何か(自衛隊は「戦力」か)という点が重要ポイントだということだったか

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん