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2021-10-27

anond:20211027104229

皇室典範記載があるのやが

第十一条 年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族身分を離れる。

   ② 親王皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別事由があるときは、

     皇室会議の議により、皇族身分を離れる。

第十二条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族身分を離れる。

十三条 皇族身分を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族婚姻した女子及びその直系卑属を除き、

     同時に皇族身分を離れる。但し、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族身分を離れないものとすることができる。

十四条 皇族以外の女子親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族身分を離れることができる。

   ② 前項の者が、その夫を失つたときは、同項による場合の外、やむを得ない特別事由があるときは、皇室会議の議により、皇族身分を離れる。

   ③ 第一項の者は、離婚したときは、皇族身分を離れる。

   ④ 第一項及び前項の規定は、前条の他の皇族婚姻した女子に、これを準用する。

こうやって細かく法規制されてるんだから、好き勝手にできないんやぞw

2016-08-08

中学生でもわかる「天皇陛下お気持ち表明」の理由

2016年8月8日天皇陛下生前退位にむけて自身の考えを表明しました。

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6210338

これは極めて異例なことではありますが、なぜそんなことをする必要があるのか、なぜ生前退位がすんなりとできないのかよくわからない人もいるだろうからわかりやすくまとめます

キーワードは2つあります

まず憲法について

我が国憲法はかなり異例の始まり方をしています

第一条 天皇は、日本国象徴であり日本国民統合象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

二条 皇位は、世襲のものであつて、国会議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

四条

  • 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
  • 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為委任することができる。

まぁこんな調子天皇陛下に関わる条項から憲法が始まる

日本国憲法敗戦策定されたものなので、いか天皇陛下をどうすべきかというのが最重要項目だったというのが想像できます

前提:日本国において天皇陛下の扱いが異例であり特殊である

(この辺については昭和天皇戦争責任だ、敗戦国のなんちゃらだとかいろんな見解があります。長くなるし、本筋からずれるのでここでは述べません。)

次に皇室典範について

これは皇室の取り決めにおける法律です

我々一般人には馴染みがないだろうけど皇室に関わる取り決めはこちらにてより細かくまとめられています

法律なのでこれを変えるのもなかなか大変なものとなっている

この中の第24条に天皇陛下崩御された時の取り決めが記述されています

皇室典範 第二十四条天皇が崩じたときは大喪の礼を行う。

問題点1:天皇崩御後についての取り決めが法律で決まってしまっている

法律で決められているので、なんらかの都合が悪いとなってもやらざるを得ないことになります

例えば、想定できる内容だと東京オリンピック期間付近天皇陛下崩御された時、オリンピックやっているのに大喪の礼を行って良いのか、オリンピックやるべきなのかという議論が出るリスクを抱えます

議論が出るだけで法律で決まっているので改正しない限り、やらない・延期する・短く済ますなどの例外措置も緊急で取れません)

もし仮に、イレギュラー措置をしたい、皇室典範改正したいとなれば「皇室会議」を開かなければいけません。

議会メンバー

議員十人(皇族二人、衆議院及び参議院議長及び副議長内閣総理大臣宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人)でこれを組織する。

となっています

問題点2:皇室典範改正は国政の範疇である

皇室典範憲法第2条に紐付かれた重要法律であるため、「立法」の管轄になります。これは国政となります

憲法四条より

天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

記述があるため、天皇陛下の側から皇室典範に関わる改正を直接お願いすることはできません。

問題点3:天皇および直系の皇族には一部の人権・自由がない

また結婚においても、「皇室会議」の承認が要ります

あの人と結婚したいのですがよいでしょうか?と内閣総理大臣はじめとした議会メンバーに認められなければ結婚できません。

皇族身分を離れるのも、「皇室会議」の承認が要ります

皇室典範第十一条  年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族身分を離れる。

○2  親王皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別事由があるときは、皇室会議の議により、皇族身分を離れる。

皇太子及び皇太孫皇族を辞めたいと思っても離れることはできないと明記されています

問題点4:生前退位における記述がない

皇室典範の中には天皇陛下即位については記述がありますが、退位については明確な記述がありません。想定されていなかったということになります

問題点5:生前退位を認めた場合、元天皇の取り扱いを決めなければいけない

仮に生前退位を認めたとして、元天皇陛下立場はどうなるのか、制限はどうなるのか、崩御された時大喪の礼を行うのかどうするのかなど新たに決めなければいけないことが多い。

天皇陛下生前退位をするためには

天皇陛下から内閣および皇室会議にお願いすることはできません。

してしまえば、国政に干渉することになるので憲法違反となります

そこで

憲法第一条 天皇は、日本国象徴であり日本国民統合象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

こちらの記述に則って、「天皇陛下お気持ち表明」という形で「生前退位」をしたいと国民へのお願いがなされました。

天皇陛下のできる範囲憲法違反せず、憲法法律を変えて欲しいというお願いをしているわけですね。

問題点6:日本国憲法戦後施工から一度も改正されていない

http://www.soumu.go.jp/senkyo/kokumin_touhyou/common/pdf/leaflet.pdf

憲法改正するには国会の2/3以上の承認を経て、その後国民投票の1/2以上で可決されます

しかし、国民投票など戦後1回も行われたことがありません。

大雑把には決まっていますが、具体的にどう進めるのかこれを取り決めるのも大変な労力です。

天皇陛下お気持ち表明」がなされた理由

天皇陛下の「生前退位」の可決は立法および国政に関わるため、国民の総意を問う必要がある。

から、「天皇陛下お気持ち表明」という憲法違反しない形で国民に異例のお願いをするという形となった。

戦後初めて「国民投票」および「憲法改正」する重大な出来事になる可能性が高い。

追記

国民の総意を簡略的に認めるとなれば、憲法改正国会提出や国民投票するまでもなく、皇室典範改正をすることになります

その妥当性があるかどうか、生前退位を認めてどうしたいのか、議長である内閣総理大臣がその重要性、意義を認めて皇室会議招集する必要があります

なぜこんなに難航するのか?:一般的感覚、心情的な面、基本的人権を考えれば「生前退位」を認める余地もあるわけですが、その結果憲法または法律を変えていいのか、認めていいのかという重い判断になるためです。
 
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