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はてなキーワード: てゐとは

2024-10-31

にわかれて 尾崎翠

 かごが白い柔らかいつばさをひろげて波の上を飛んでいつてから幾日たつたであらう。いつ迄も黙して続いてゆくと思はれた冬の逝かうとする日、珍らしくその鳥の飲む水を見た。何処か冬のさみしさはひそんでゐたけれど沖から渡つて来る鳥らは、繊細なつばさに春を持つて来たのである。冬にわかれて、移りゆく私の心は美しい動揺のうちに冬と親んでゐた。沈黙のうちに何をかさゝやいた冬であつた。荒れ狂ふ波のひまにも何か私を育んでくれるやうになつかしさを持つた冬であつた。

 冬にわかれて春に帰つてゆかう。

 さう思ふとき、終りの冬はぢつと私の心を抱いて呉れた。さうして、その夜、浪にくれゆく海にむかつて、波に漂ふ白いつばさにむかつて長いあひだ冬を思つた。住みわびた冬だつたけれど。

 その夜から長い雨がつゞいた。宵から夜へ、夜から黎明へと降りつゞく雨に私は清い寂しさに取り巻かれて入江の波の静けさを見つめてゐた。細いあめの糸はひとすぢひとすぢにあをい浪の上に吸はれて行つた。只ひとり此の雨の中をかさをさして、みぎわを行つたら、どんなに淋しいことであらうか。なかにも、かごのぬれつばさは白く渡つて行つた。何処ともない淋しさに疲れてからだを臥床に横たへるとき、夜のなみのひゞきは雨のひまにもかすかに伝わつてきた。そのひびきのひまに私の眠りは安らかな夜へとひろげられていつたのである。寂しい思ひのうちに来たねむりののちに、私が目覚めた時、長い雨からのがれた美くしい朝がよみがへつてゐた。

明日も斯うしてさびしう雨に降り込められて一日を送ることであらう」

 さう思つた宵のこゝろは朝の美しいそらに限りないようにふるへた。その朝私は久々ぶりに柔かい砂の肌ざはりを味はつた。広い浜には若い漁夫がすこやかに肌を見せて、網の目から魚をはづしてゐた。銀色に光る新らしい魚はひとつひとつ砂の上へと落されていつた。目をあけて沖を眺めたとき青谷の岬が濃い水色に海を隈取つてとほくかげを引いてゐた。雪に閉されてたゞ寂しさをのみ語つてゐたみさきが何といふうつくしさに目覚めたことであらう。その朝は、しづかな浪の上をかん槽をこいでいく人が多かつたけれど私はつばさの美しいかごを一羽も見なかつた。冬の終りの極みじかいあひだ此の海にあらはれて、波が春のあたゝかさを湛へるころには、又何処へか移つてしまふ鳥と聞いたけれど、わたしはその見得ぬかなしみに閉ぢられて、渚に立つてゐた。

 冬と共に移つた鳥。その群は今、何処の海を渡つて行くのであらう。冬にわかれるかなしみをのみ渡して再び翼をみせないのか。

 冬にわかれて――私の春に住まなければならない。淋しい冬の追憶に私はいつまでも砂を歩んで、春はもう私の周囲すべてにみちてゐた。

2024-10-13

敗戦直前の主婦の友編集後記

われわれは勝つことのほかは何も考へてゐません。

かのことを考へる余裕はありませんー特攻隊勇士言葉である

皇国の必勝を信じて、ただただまつしぐらに働き、まつしぐらに戦ふ。

これが「勝利特攻生活である

主婦の友昭和20年7月編集後記より

2024-08-18

anond:20240818105531

V豚の女ヨシヨシキモすぎる…

女体を崇拝し、女の我儘を崇拝し、その反知性的な要素のすべてを崇拝することは、実は微妙侮蔑と結びついてゐる。 (谷崎)氏の文学ほど、婦人解放思想から遠いものはないのである。氏はもちろん婦人解放否定する者ではない。 しかし氏にとつての関心は、婦人解放の結果、発達し、いきいきとした美をそなへるにいたつた女体だけだ。 エロス言葉では、おそらく崇拝と侮蔑同義語なのであらう。

三島由紀夫谷崎潤一郎について」

2024-08-16

anond:20240816215941

女体を崇拝し、女の我儘を崇拝し、その反知性的な要素のすべてを崇拝することは、実は微妙侮蔑と結びついてゐる。

この部分はどっちかというとフェミフェミ騎士の慈悲的差別を思い浮かべるが

[]V豚だいたいこれ

anond:20240816215451

女体を崇拝し、女の我儘を崇拝し、その反知性的な要素のすべてを崇拝することは、実は微妙侮蔑と結びついてゐる。 (谷崎)氏の文学ほど、婦人解放思想から遠いものはないのである。氏はもちろん婦人解放否定する者ではない。 しかし氏にとつての関心は、婦人解放の結果、発達し、いきいきとした美をそなへるにいたつた女体だけだ。 エロス言葉では、おそらく崇拝と侮蔑同義語なのであらう。

三島由紀夫谷崎潤一郎について」

https://anond.hatelabo.jp/20240815160832

これとか

2024-08-15

海外でなぜか人気の九州出身男性詩人高菜一丁目さんの作品ほとしり』で最も有名な一節がこちらです。「まだ深く、ひと口のコーヒーだのに、これはゆららかな幻想なのだ――。ただひとつ真実は、私はまだ自分が生きてゐるのを知らないのである」、「そして、このことをこの短き冬の間に確かめるには夜を徹してはおれない、と念じるのである」。ほとばしる、みずにかじたコーヒーを、飲みほした夏の終わりを告げる熱気。タイトル文言の中には、淡いレモンのような潤

Anond AI作成

2024-08-06

前衛俳句って短歌川柳じゃダメなの…?

戦争廊下の奥に立ってゐ

最近は無季語俳句も増えているらしく、ますます

川柳俳句の違いが分からない。その中でも

いわゆる前衛俳句とは一行目に書いたような俳句を指すらしい。

でも思うにそれは短歌の得意分野であり俳句でやることじゃ無くない?ということ

というか季語を無くしてまで伝えたいことがあるのかという話。俳句にはなぜ季語が入るのかは永遠に答えが出ない問であり、それを疎かにしてまで既存破壊するのわざわざ?

というか俳句ってそもそも季語が多すぎるクセして、使わない季語そもそも多すぎるんだよ

シネラリアにしてもままっこにしても季語としては存在するが使われた句がほとんど存在しないってなんじゃなそら。

とにかく前衛俳句とは分からない、川柳とどう違うのかもさっぱり分からない

ていうか17音では前衛とは足りないのではないか

子供よりシンジゲートを作ろうよ壁に向かって手を挙げなさい

これはあまりにも有名前衛短歌の一つ

やはりこれを見るに俳句ではこの様な前衛は無理なのではないかなと思う

2024-07-23

anond:20240723092114

( ^ω^ )

「その時です。猫どもは気が付きませんでしたが、事務長のうしろの窓の向ふにいかめし獅子ししの金いろの頭が見えました。

 獅子不審さうに、しばらく中を見てゐましたが、いきなり戸口を叩たたいてはひつて来ました。猫どもの愕おどろきやうといつたらありません。うろうろうろうろそこらをあるきまはるだけです。かま猫だけが泣くのをやめて、まつすぐに立ちました。

 獅子が大きなしつかりした声で云ひました。

「お前たちは何をしてゐるか。そんなことで地理歴史も要いつたはなしでない。やめてしまへ。えい。解散を命ずる」

 かうして事務所は廃止になりました。」

https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/464_19941.html

2024-05-07

ブコメ読んでて心情が入ってない短歌を探してたら楽しすぎた件

https://anond.hatelabo.jp/20240506061423

ブコメを読みながら「心情が〜」「我を表現するものが〜」みたいなコメントが気になって

「そんなに心情入れたがるものか?」と思って

心情が無い(?)短歌を探していた






四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら

/俵万智




まず心情で思い浮かんだ一首がこれだった

歌集「風のてのひら」の中に収めらたタイトルにもなっている歌。確かにブコメにあった通り、我を表現してはいるが、心情はどこにあるのだろう

この歌に「私はこう思いました」とか「こうだなぁ」とかは一切無いわけで作者にとって四万十を見た光景を切り取ったそれだけの歌である

だがらずっと私はこの歌には心情は無い!

と信じていたのだが俵万智本人は後書きでこう

語る

川面をなでてゆく風の手のひらは、目には見えないものですが、心には見えるものです。そして心に見えたものが、その時はじめて、歌になってゆくのではないでしょうか」

なんてこった「川面をなでる風の手のひら」自体が心情そのものだったのである

これでまずは一敗




バスタブに座って九九を覚えてる遠くにデルタブルースきこえる

/永井

日本の中でたのしく暮らすより

これは流石に心情は無いでしょう。多分

だけれども現代短歌、というかライトヴァースを

知らない人からしたら「こんなの短歌じゃない!」となるかもしれないかレギュレーション違反






ペーパーフィルター世界の始まりを目守る神々の春のゆうぐれ

/穂村弘

もはや「??」としかならない一首

シンジゲートより抜粋したが、穂村弘ワールドに置いては日常的によくあること。

私はあんまり頭が良くないので心情がどこにあるかとかこの歌は分からないけれど、頭がいい人なら分かるのかな



風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしシーツをかける

/笹井宏之

もう心情とか探してる内にどうでも良くなって

ただ好きだなと思った一首。

この人の歌は本当に変わった歌が多くて

例えば

「みんなさかな、みんな責任感、みんな再結成されたバンドドラム

この歌には「みんな」がいて「私」がいない

穂村弘

だが、《私》のエネルギーで照らし出せる世界がある一方で、逆に隠されてしま世界があるのではないか。笹井作品の優しさと透明感に触れて、そんなことをふと思う。とある

そうなって来るとますます短歌俳句ってどう

違うの?となってくるわけで



そんな時、歌人井辻朱美」がパン屋パンセにてこんな事を語っていたのを思い出した

休日のしずかな浮き雲のピザがいちまい配達される

詩歌とはこんなふうにひとつの窓、フレームを作るところから始まる。雑多な混沌を片寄せて、まず何もない空間をこしらえる。きれいになった場所にモノを置く。そうして初めて、そのモノはちゃんとモノとして見え、意味クリアに発信する。」と

まり私がひとつ俳句短歌の違いとして言いたいのはフレームの大きさの違いであ

俳句17音のフレームにどこか季節があって

短歌31音のフレーム自分が反射してる事もあるし季節が見える事もある。そのフレームの中をどうにか素敵にしたいと奮闘する

それが俳句 短歌なのではと

必死フレームに収めようとすればするほど、フレームは歪んでしまうし、収めなければフレームある意味が無くなる。だからむずかしい

でも楽しいのだ、よく分かってないけれど



最後ちょっとだけ不思議な歌を上げておく

死刑囚はこぼれてゆくトラックタイヤにつきてゐ花粉見ゆ

/寺山修司





おわり

2024-04-16

[]

私のやうに諦めよく、楽天的人間といふものは、凡そタノモシサといふもの微塵もないので、たよりないこと夥しく、

まり私は祖国と共にアッサリと亡びることを覚悟したが、死ぬまでは酒でも飲んで碁を打つてゐる考へなので、

祖国の急に馳せつけるなどゝいふ心掛けは全くなかつた。

その代り、共に亡びることも憎んでをらず、第一、てんで戦争を呪つてゐなかつた。

呪ふどころか、生れて以来始めての壮大な見世物のつもりで、まつたく見とれて、面白がつてゐたのであつた。

私が最も怖れてゐたのは兵隊にとられることであつたが、それは戦場へでるとか死ぬといふことではなくて、

物の道理を知らない小僧みたいな将校命令されたり、ブン殴られるといふことだけを大いに呪つてゐたのである

ぐうたら戦記 坂口安吾

https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42917_25521.html

2024-04-09

悪徳教師保護者教育委員会にどんどんチクって欲しい

なんなら児童本人が録音してチクってもいい

駄目教師はどんどんやめていただく

文部科学省も駄目教師教育現場から排除に力を貸すこともやぶさかでない

ぺんぺん草も生えないくらい駄目教師が出払ったところから教育再生が実現する

吾吾児童側に立脚する教育学者乃至為政者はそのように考えてゐ

からないならこれだけ覚えとけ

時代に合わせて”アップデートしろ

2024-01-17

anond:20240116200113

四十年勤め上げた會社を退職し、

何やら張り合いの無い日々を送る内、

大學生の孫に「退屈しのぎに遣って見たまへ」

と勸められた弐チヤンネル

當初は「こんな電腦掲示板、何たる幼稚加減」と

莫迦にしてゐものの、遣つて見ると存外に面白ひ。

罫線と記号とを組み合わせて描出した

若き乙女の図繪に「ゆとり乙」と何度と無く罵られるにつけ、

食ふや食はずやで慌しく過ぎ去つた學生時代が自ずと思ひ返され、

「戰爭さえ無ければ、小生もこのやうな青春が送れたやも知れぬ」

と獨りごちることも屡々。

すつかり虜となつた今では、孫の部屋から

漆黒色の電腦計算機をせしめては書齋に篭もり

存分に「祭り」を堪能する毎日を送つている。

薔薇乙女乱痴気騷亂」なる祭りスレツドを拜讀した際には、

その餘りに理不盡な經緯に憤慨し、

臺所で葱を刻む家内に「かような暴擧が許されていいものか!」

と熱辯を振るって呆れられる始末。

甲斐もない、とはこのことと後で赤面することしきり。

他方、商賣女の如き面相をした女學生ブログ主

貪婪に肉欲を貪っていると覺しき

面妖な眼鏡面のニヰト男の肖像を見るや、

名人の脱衣芸を見たときほど興奮し、血圧の上がる始末。

年代の友人達が癡呆や重い病に惱まされるなか、

かように老いて尚矍鑠としてオフ會に向かえるのも、

ひとえに弐チヤンネルのおかげかと思えば、

再三に渡る「半年ROMつてろ」の罵り文句も、

何やら「まだまだ死ぬには早いよ」と言われているようで愉快極まりない。

ひとつ間違えれば自らが乗り込んでいた機體と同じ名前を持つ

コテハンに出會える日を樂しみにしつつ、今日もデスプレヱに向かう。

弐ゲツト

2023-10-23

anond:20231021141041

し じゅう 【始終】


(名)
 略

(副)


行為が切れ目なく続くさま。同じ行為が幾度も繰り返されるさま。たえず。いつも。「始終本を読んでいる」「始終文句を言っている」「始終黙然としてゐる/社会百面相」


②略

ということで、副詞①の意味の「始終」として使い方は正しい。

2023-09-09

はたして私は本当に生きていると言えるのか

朝の五時半に目覚めて支度をして10分で家を出る。

仕事を終え19時すぎに帰宅をすれば、夕食と入浴で21時半を過ぎて就寝をする。

平日はそれで5日が終わり、週末は午前中に溜まっていた洗濯物と掃除で終わる。お昼に飲酒をし酔い潰れて寝てしまえば、もう休みは終わり月曜日だ。

はたして私は本当に生きているのか。

この頃、芥川龍之介歯車の一節が頭をよぎる。

『誰か僕の眠つてゐるうちにそつと絞め殺してくれるものはないか?』

はたして私は本当に生きていると言えるのか

2023-09-06

anond:20230906112800

赤とんぼ(大正十年八月発表)

一 夕焼、小焼の、あかとんぼ、負はれて見たのは、いつの日か。

二 山の畑の、桑の実を、小籠に、つんだは、まぼろしか。

三 十五で、姐やは嫁にゆき、お里の、たよりも、たえはてた。

四 夕やけ、小やけの、赤とんぼ。とまつてゐるよ、竿の先。

大正時代ですら15で嫁に行ってたんだぞ

2023-07-08

シコり好き過ぎてfanza動画購入件数が1000本を超えていた件

嘘だ、正確には1200本を超えた。

モテない学生時代から10年以上、ライフワークであるシコりのお友に惰性でAVを買い続けていたらこんなことになっていた。

別に俺は性豪ではない。

風俗にも行ったことがない。

妻もいるし、子供もいる。

妻とはこの頃あまりセックスもしないが。

その代わりほぼ毎日シコる。妻と子の目を盗んで動画を買っては毎日シコる。

風呂場でシコる。トイレでシコる。みなが寝静まった真夜中に息を殺して物陰でシコる。

お父さんは毎日ひたすらシコってゐる。

お父さんは毎日ひたすらシコってゐるのだ。

2023-06-30

平安時代、薄き草子を読み耽り「ゑへへ」「こぽを」などと呪詛のように囁き、卑しき様を「てゐげふ」と呼ばれていたのが

後のチー牛であり語源とされている。

2023-05-31

anond:20230530195429

昼間の住宅街は、大人会社に、子供学校に出払ってゐる。

しーんと静まり帰り人気も感じられない。見かけるのは配達人ぐらいで警官はいない。ただ歩いていればドロボーに間違われかねないか心配にくらいだ。だからスーツを着ていくことにしている。

道に迷ったときコンビニでもあれば道を聞くのだが。高級住宅街にある店は、開業医ぐらいだ。そういうのはたとえば、狭苦しい駐車場に高級車が1台。おおかた本人の車だ。タイヤに取り付けた派手なアルミホイールが嫌らしさを演出している。近所の金持ちおべっかを使う医者も、不要人間にはそっけない。道を聞いてもタダでは教えようともしないだろう。

というわけで、女性子供は、わりと声をかけられやすいと言える。

2023-04-10

2222222222222日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府行為によつて再び戦争惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威国民に由来し、その権力国民代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法法令及び詔勅排除する。日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互関係支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐ国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれ国家も、自国のことのみに専念して他国無視してはならないのであつて、政治道徳法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想目的を達成することを誓ふ。

2023-02-21

1 LGBTLGBT自身の行動によつて絶対解放を期す

1 吾々LGBT絶対経済自由職業自由社会要求し以て獲得を期す

1 吾等は人間性原理覚醒人類最高の完成に向つて突進す

 全国に散在する吾がLGBTよ団結せよ。

 長い間虐められて来た兄弟よ、過去半世紀間に種々なる方法と、多くの人々とによつてなされた吾等の為めの運動が、何等の有難い効果を齎らさなかつた事実は、夫等のすべてが吾々によつて、又他の人々によつて毎に人間冒涜されてゐた罰であつたのだ。そしてこれ等の人間を勦るかの如き運動は、かへつて多くの兄弟堕落させた事を想へば、此際吾等の中より人間尊敬する事によつて自ら解放せんとする者の集団運動を起せるは、寧ろ必然である

 兄弟よ、吾々は陋劣なる階級政策犠牲者でありLGBTらしき産業殉教者であつたのだ。吾々がLGBTである事を誇り得る時が来たのだ。吾々は、かならず卑屈なる言葉と怯懦なる行為によつて、祖先を辱しめ、人間冒涜してはならぬ。そうして人の世の冷たさが、何んなに冷たいか人間を勦はる事が何んであるかをよく知つてゐる吾々は、心から人生の熱と光を願求禮讃するものである。人の世に熱あれ、人間に光あれ。

 

さくさくと変えればいいよね自由法曹団

2023-02-10

anond:20230210120011

三島由紀夫檄文

 檄

   楯の会隊長 三島由紀夫

 われわれ楯の会は、自衛隊によつて育てられ、いはば自衛隊はわれわれの父でもあり、兄でもある。その恩義に報いるに、このやうな忘恩的行為に出たのは何故であるか。かへりみれば、私は四年、学生は三年、隊内で準自衛官としての待遇を受け、一片の打算もない教育を受け、又われわれも心から自衛隊を愛し、もはや隊の柵外の日本にはない「真の日本」をここに夢み、ここでこそ終戦後つひに知らなかつた男の涙を知つた。ここで流したわれわれの汗は純一であり、憂国精神を相共にする同志として共に富士原野を馳駆した。このことには一点の疑ひもない。われわれにとつて自衛隊故郷であり、生ぬるい現代日本で凛烈の気を呼吸できる唯一の場所であつた。教官助教諸氏から受けた愛情は測り知れない。しかもなほ、敢てこの挙に出たのは何故であるか。たとへ強弁と云はれようとも、自衛隊を愛するが故であると私は断言する。

 われわれは戦後日本が、経済的繁栄うつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失ひ、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本歴史伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながら見てゐなければならなかつた。われわれは今や自衛隊にのみ、真の日本、真の日本人、真の武士の魂が残されてゐるのを夢みた。しか法理論的には、自衛隊違憲であることは明白であり、国の根本問題である防衛が、御都合主義の法的解釈によつてごまかされ、軍の名を用ひない軍として、日本人の魂の腐敗、道義頽廃根本原因をなして来てゐるのを見た。もつとも名誉を重んずべき軍が、もつとも悪質の欺瞞の下に放置されて来たのである自衛隊敗戦後の国家不名誉十字架を負ひつづけて来た。自衛隊国軍たりえず、建軍の本義を与へられず、警察物理的に巨大なものとしての地位しか与へられず、その忠誠の対象も明確にされなかつた。われわれは戦後のあまりに永い日本の眠りに憤つた。自衛隊が目ざめる時こそ、日本が目ざめる時だと信じた。自衛隊が自ら目ざめることなしに、この眠れる日本が目ざめることはないのを信じた。憲法改正によつて、自衛隊が建軍の本義に立ち、真の国軍となる日のために、国民として微力の限りを尽くすこと以上に大いなる責務はない、と信じた。

 四年前、私はひとり志を抱いて自衛隊に入り、その翌年には楯の会を結成した。楯の会根本理念は、ひとへに自衛隊が目ざめる時、自衛隊国軍名誉ある国軍とするために、命を捨てようといふ決心にあつた。憲法改正がもはや議会制度下ではむづかしければ、治安出動こそその唯一の好機であり、われわれは治安出動前衛となつて命を捨て、国軍の礎石たらんとした。国体を守るのは軍隊であり、政体を守るのは警察である政体警察力を以て守りきれない段階に来て、はじめて軍隊の出動によつて国体が明らかになり、軍は建軍の本義を回復するであらう。日本軍隊の建軍の本義とは、「天皇を中心とする日本歴史文化伝統を守る」ことにしか存在しないのである。国のねぢ曲つた大本を正すといふ使命のため、われわれは少数乍ら訓練を受け、挺身しようとしてゐたのである

 しかるに昨昭和四十四年十月二十一日に何が起つたか総理訪米前の大詰ともいふべきこのデモは、圧倒的な警察力の下に不発に終つた。その状況を新宿で見て、私は、「これで憲法は変わらない」と痛恨した。その日に何が起つたか政府極左勢力限界を見極め、戒厳令にも等しい警察規制に対する一般民衆の反応を見極め、敢て「憲法改正」といふ火中の栗を拾はずとも、事態を収拾しうる自信を得たのである治安出動不用になつた。政府政体維持のためには、何ら憲法抵触しない警察力だけで乗り切る自信を得、国の根本問題に対して頬つかぶりをつづける自信を得た。これで、左派勢力には憲法護持の飴玉をしやぶらせつづけ、名を捨てて実をとる方策を固め、自ら、護憲標榜することの利点を得たのである。名を捨てて、実をとる! 政治家にとつてはそれでよからう。しか自衛隊にとつては、致命傷であることに、政治家は気づかない筈はない。そこでふたたび、前にもまさる偽善隠蔽、うれしがらせとごまかしがはじまった。

 銘記せよ! 実はこの昭和四十四年十月二十一日といふ日は、自衛隊にとつては悲劇の日だつた。創立以来二十年に亙つて、憲法改正を待ちこがれてきた自衛隊にとつて、決定的にその希望が裏切られ、憲法改正政治プログラムから除外され、相共に議会主義政党を主張する自民党共産党が、非議会主義方法可能性を晴れ晴れと払拭した日だつた。論理的に正に、この日を堺にして、それまで憲法私生児であつた自衛隊は、「護憲軍隊」として認知されたのである。これ以上のパラドックスがあらうか。

 われわれはこの日以後の自衛隊に一刻一刻注視した。われわれが夢みてゐたやうに、もし自衛隊武士の魂が残つてゐるならば、どうしてこの事態を黙視しえよう。自らを否定するものを守るとは、何たる論理的矛盾であらう。男であれば、男の矜りがどうしてこれを容認しえよう。我慢我慢を重ねても、守るべき最後の一線をこえれば、決然起ち上るのが男であり武士である。われわれはひたすら耳をすました。しか自衛隊のどこからも、「自らを否定する憲法を守れ」といふ屈辱的な命令に対する、男子の声はきこえては来なかつた。かくなる上は、自らの力を自覚して、国の論理の歪みを正すほかに道はないことがわかつてゐるのに、自衛隊は声を奪はれたカナリヤのやうに黙つたままだつた。

 われわれは悲しみ、怒り、つひには憤激した。諸官は任務を与へられなければ何もできぬといふ。しかし諸官に与へられる任務は、悲しいかな、最終的には日本からは来ないのだ。シヴィリアン・コントロール民主的軍隊の本姿である、といふ。しか英米シヴィリアン・コントロールは、軍政に関する財政上のコントロールである日本のやうに人事権まで奪はれて去勢され、変節常なき政治家に操られ、党利党略に利用されることではない。

 この上、政治家のうれしがらせに乗り、より深い自己欺瞞自己冒涜の道を歩まうとする自衛隊は魂が腐つたのか。武士の魂はどこへ行つたのだ。魂の死んだ巨大な武器庫になつて、どこへ行かうとするのか。繊維交渉に当つては自民党売国奴呼ばはりした繊維業者もあつたのに、国家百年の大計にかかはる核停條約は、あたかもかつての五・五・三の不平等條約の再現であることが明らかであるにもかかはらず、抗議して腹を切るジェネラル一人、自衛隊からは出なかつた。

 沖縄返還とは何か? 本土防衛責任とは何か? アメリカは真の日本自主的軍隊日本国土を守ることを喜ばないのは自明である。あと二年の内に自主性を回復せねば、左派のいふ如く、自衛隊永遠にアメリカ傭兵として終るであらう。

 われわれは四年待つた。最後一年は熱烈に待つた。もう待てぬ。自ら冒涜する者を待つわけには行かぬ。しかしあと三十分、最後の三十分待たう。共に起つて義のために共に死ぬのだ。日本日本の真姿に戻して、そこで死ぬのだ。生命尊重のみで、魂は死んでもよいのか。生命以上の価値なくして何の軍隊だ。今こそわれわれは生命尊重以上の価値所在諸君の目に見せてやる。それは自由でも民主々義でもない。日本だ。われわれの愛する歴史伝統の国、日本だ。これを骨抜きにしてしまつた憲法に体をぶつけて死ぬ奴はゐないのか。もしゐれば、今からでも共に起ち、共に死なう。われわれは至純の魂を持つ諸君が、一個の男子、真の武士として蘇へることを熱望するあまり、この挙に出たのである

  (三島森田事務所刊『「楯の会」のこと』より)

anond:20230210120011

二・二六事件

兵に告ぐ

戒嚴司令部發表

  「兵に告ぐ」

敕命が發せられたのである

既に天皇陛下の御命令が發せられたのである

お前達は上官の命令を正しいものと信じて絶對服從を

して、誠心誠意活動して來たのであろうが、

お前達の上官のした行爲は間違ってゐたのである

既に敕命天皇陛下の御命令によって

お前達は皆原隊に復歸せよと仰せられたのである

此上お前達が飽くまでも抵抗したならば、それは

敕命に反抗することとなり逆賊とならなければなら

ない。

正しいことをしてゐると信じてゐたのに、それが間違って

居ったと知ったならば、徒らに今迄の行がゝりや、義理

からいつまでも反抗的態度をとって

天皇陛下にそむき奉り、逆賊としての汚名

永久に受ける樣なことがあってはならない。

からでも決して遲くはないか

直ちに抵抗をやめて軍旗の下に復歸する樣に

せよ。

そうしたら今迄の罪も許されるのである

お前達の父兄は勿論のこと、国民全体もそれを

から祈ってゐるのである

かに現在位置を棄てゝ歸って來い。

          戒嚴司令官 香椎中將

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