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はてなキーワード: 合憲とは

2024-03-17

anond:20240316113208

憲法同性婚を想定していないまでは同意なんだけどその先が色々おかしいところあるような。

社会情勢の変化での解釈改憲

法というもの社会の中で生きているものから解釈は変わっていくというのは法学の基礎だと思うんだけど。

社会情勢の変化により憲法解釈を変更すべきとのこと。まぁ分からなくもないが裁判所がそれを言うのはどうなんだろう。

例えば有名な尊属殺重罰規定違憲判断について、最高裁は「社会情勢の変化」などは理由にせず、「目的に対する法定刑が重すぎる」ことを理由にしている。(社会情勢の変化に対応するのは立法府との判断だろうか)

と言っているけど、他の違憲判決社会情勢の変化を取り込んだ判決はあるよね。

婚姻外の日本人男性外国人女性の間に生まれ子供日本国籍を認めるかで争われた最大判H20.6.4は法制定時には一定合理性はあったけど社会通念、社会状況等の変化で時代遅れになっているとして、違憲判決を下している。

国籍法3条1項の規定が設けられた当時の社会通念や社会的状況の下においては……一定合理的関連性があったものということができる。しかしながら,その後,我が国における社会的,経済的環境等の変化に伴って,夫婦共同生活の在り方を含む家族生活や親子関係に関する意識も一様ではなくなってきており……社会通念及び社会的状況の変化に加えて,近年,我が国の国際化の進展に伴い国際的交流が増大することにより,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生する子が増加しているところ……今日では必ずしも家族生活等の実態に適合するものということはできない。」

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=36416

非嫡出子法定相続分嫡出子の半分であることが法の下の平等に反するかで争われた最大決H25.9.4では明確に昔は合憲であっても社会の変化で違憲に変わることがあると述べているよね。

最高裁平成3年(ク)第143号同7年7月5日大法廷決定・民集49巻7号1789頁は……その定めが立法府に与えられた合理的裁量判断限界を超えたものということはできないのであって,憲法14条1項に反するものとはいえないと判断した。

しかし,法律婚主義の下においても,嫡出子と嫡出でない子の法定相続分をどのように定めるかということについては……時代と共に変遷するものでもあるから,その定めの合理性については,個人尊厳法の下の平等を定める憲法に照らして不断検討され,吟味されなければならない。……婚姻家族形態が著しく多様化しており,これに伴い,婚姻家族の在り方に対する国民意識多様化が大きく進んでいることが指摘されている。……当裁判所は,平成7年大法廷決定以来,結論としては本件規定合憲とする判断を示してきたものであるが,平成7年大法廷決定において既に,嫡出でない子の立場を重視すべきであるとして5名の裁判官が反対意見を述べたほかに婚姻,親子ないし家族形態とこれに対する国民意識の変化,更には国際的環境の変化を指摘して,昭和22年民法改正当時の合理性が失われつつあるとの補足意見が述べられ,その後の小法廷判決及び小法廷決定においても,同旨の個別意見が繰り返し述べられてきた。特に,前掲最高裁平成15年3月31日第一法廷判決以降の当審判例は,その補足意見の内容を考慮すれば,本件規定合憲とする結論を辛うじて維持したものとみることができる。

……遅くともAの相続が開始した平成13年7月当時においては,立法府裁量権を考慮しても,嫡出子と嫡出でない子の法定相続分区別する合理的根拠は失われていたというべきである。 したがって,本件規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していたものというべきである。」

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=83520

かに医療技術進歩妊娠判断がやりやすくなったため、女性のみ再婚禁止期間が6か月あった民法規定違憲とした最大判H27.12.16もあるよ。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85547

  

というわけで、札幌高裁判決社会情勢の変化を要素に入れても突飛な考えではないということだね。そういう法解釈の仕方は間違っているという考えはあると思うけど、最高裁が一顧だにしていない独自解釈ありがとうございます解釈ですべてと変えられると成文の意味がなくなるという指摘は同意できるけど、ここで言うことかという問題だね。

  

同性婚導入は違憲

少なくとも憲法上の婚姻制限されてるよ。

条文読み直してみてね。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立」するんだよ。

両性の合意がない以上、それに準ずる制度は作れたとしても憲法上の婚姻には該当しないって理屈付けしなきゃ無理。

元増田ゴリゴリの文理解主義者っぽいので条文は一意に解釈して解釈変更はできないという立場かもしれないけど、そうではないというのが現実なわけで

インターネット上で見られる分かりやす情報として

国立国会図書館調査情報―ISSUE BRIEF―」No.1257(2024. 2. 6)の特集がちょうど同性婚日本国憲法ざっとまとまっているのでこれを読んでみるよ。

これまでの地裁判決では、次の点が確認できると指摘されている。憲法24 条は、異性婚のみを保障範囲に含んでいるが、同性婚禁止してはいないこと。性的指向に基づく区別取扱いが合理的区別差別的区別かが主たる争点であること。③憲法24 条(特に第 2 項)と憲法第 14 条第 1 項の議論相互に重なり合っていること。④いずれの地裁判決同性カップル保護のために何らかの法整備を求めていること。③については、憲法の各条項間の関係をどのように整理するかが問題となると考えられる。④については、地裁段階とはいえ、うち 2 つが違憲、2 つが違憲状態とし、合憲とした 1 つも将来的な違憲可能性を指摘したとして、「国に今後の対応を促したものといえる」とする評価もある。(強調は引用者)

https://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/issue/index.html

最初に言ったように同性婚は想定していないまでは同意だけど

少なくとも憲法上の婚姻制限されてるよ。

は強く言い切れるほどの根拠あるのかな。この札幌高裁だけおかしいとまでは言えないよね。いや学説は違うんだと言いたいのかもしれないけど、地裁禁止説を取っていないってのも尊重されるべきじゃないかとは思うよ、まあ最高裁じゃないのでそんな参考にすべきじゃないと言われたらまあその通りでもあるけど。なかなか通説はどうとか確認しにくいので言い切られると違うとは言いにくいのが困ったもので、ちょっと古いけど下の総論でもそこまで言っていないよねで留めておきます

藤戸敬貴「同性カップルの法的保護をめぐる国内外の動向 : 2013年8月~2017年12月、同性婚を中心に」『レファレンス』₍2018.2₎

https://cir.nii.ac.jp/crid/1520854806028564608

2024-03-16

anond:20240316113208

普通に改憲すればいいんじゃね?

法律改正して同性婚を認めれば済むので、憲法改正する必要はない。

憲法24条1項が同性婚まで保障しているか議論余地があるけど(保障している、と判断した札幌高裁判決は相当踏み込んでる)、国会同性婚法制化した場合にそれを最高裁違憲判断することはまず無いんだから、さっさと法律同性婚を認めて良いんだよ。

法律改正すれば済む話についてわざわざ憲法改正するなんて戦後一度も超えられていないハードル万年与党自民党が長年党是として掲げているのにできていないこと)を超えなきゃいけないとか主張する増田おかしいよ。

憲法同性婚を認めることを憲法要請している(国に義務付けている)わけではないが、国会立法同性婚法制化することは禁じていない」という穏当な解釈すら受け入れられない事情増田にあるの?

この「両性」というのは「男女」という二つの性を指すというのが政府見解、それに限らないというのが今回の札幌高裁判断

それは嘘。

札幌高裁は「両性」は男女という二つの性に限らない、なんて判示してない。増田リンクした判決要旨にもそんなことは書かれてないし、判決の全文にも書いてない。憲法24条1項が同性間の婚姻についても、異性間の場合と同じ程度に保障しているとは書いてあるが、同時に民法規定について「憲法24条を受け、両性つまり異性間の婚姻を定めた」と書いたり、24条について「その文言上、異性間の婚姻を定めている」と書いているのでむしろ「両性」は男女二つの性のことだとはっきり書いてある。

増田同性婚が認められるためには男女以外の組み合わせが「両性」に含まれないといけないと考えているし、そのことから札幌高裁は両性が男女に限られないと判断したに違いないと考えちゃったんだろうけど、それは早とちり。

条文読み直してみてね。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立」するんだよ。

両性の合意がない以上、それに準ずる制度は作れたとしても憲法上の婚姻には該当しないって理屈付けしなきゃ無理。

そんな理屈付けしなくて良いよ。最近同性婚について判示してきた下級審同性婚が認められていないことが合憲だと判断した判決も含めて、同性婚法律で定めることができることを前提として判断している。

両性の合意のみに基いて成立”は“親など本人以外の合意が要らない”という意味で両性が“男と女”を強制しているわけじゃない、というのが憲法学者の見解なので

両性というのは二つの性ということなので、男性男性女性女性というのも解釈上あり得るというごくごく少数の説

というのも同じく的外れ憲法24条1項は男女の結婚保護しているが同性の結婚をわざわざ禁じてまではいない("男と女強制していない")ので立法同性婚を認めることはできる、と解釈するのに「両性」に同性ペアを含める必要はない。赤坂正浩は同性婚法制化は認められないという考えで喋ったようではあるけど、増田が反応している意見とは噛み合ってないよ。

anond:20240316165501

後ろから順に説明した方が良いな。

環境権憲法13条から導かれたと説明するのが一般的

憲法自由権規定(大まかにいうと10条〜40条)は基本的には「国家制限できない権利」を規定していて、そこに規定してある権利制限する立法行政手続違憲無効になる。

で、確かに憲法に書かれていない権利憲法保障されていない(法律制限できる)のだけど、13条が広く抽象的なので、明示的に書かれていないものでも「憲法制定当時は気付いてなかったけどこれも制限されちゃまずいよね」っていう権利はだいたい13条で保障されてることにする。

から現在直接に環境権保障してるのは建築基準法とか工場法とか各種の個別法律だけども、もし仮にそういう法律改正して住宅街のど真ん中に石炭工場を建てても良くなるような規定に変わったら、その規定変更が13条違反違憲無効だったり家の隣の工場建築確認が13条違反違憲無効だったりする。

 

このように憲法自由権規定は、制限禁止する効果から憲法保障されていない行為も、法律禁止されていない限りは自由(法律勉強したことのない人がよく「愚行権」という俗語を使うやつ。)。

ただし法律禁止することはできる(立法裁量)。

 

たとえば憲法24条についていえば、結婚に両性の合意以外の条件(たとえば戸主の同意とか民族の同一とか)を設けて結婚制限する法律違憲無効。なので、たとえ結婚に戸主の同意必要とする法律があってもそれは違憲無効なので戸主の同意無しで結婚できる。

他方で、両性の同意のみという条件内の制限立法可能なので、同意したら婚姻届を出せっていう手続要件を課すのは合憲とされている。

そういうわけで、大抵の憲法教科書24条を紹介する際に「のみに基いて」の部分を太字にして上記のような説明を加えて、「両性の」の部分についてはいちいち気にしてなかった。

anond:20240316134619

自衛隊合憲としてる人たちがなんで同性婚を認めないんでしょうね

anond:20240316134239

同性婚合憲としたい人たちが自衛隊合憲と認めたくなさそうなのはちょっとややこしそう

anond:20240316113208

まあ自衛隊合憲なんだから同性婚合憲でしょ。

これを無視していろいろ語っても空虚なだけ

2024-03-14

anond:20240314205613

違憲状態合憲化する為に憲法改正しましょうは通らないって話なのよ。

違憲状態恣意的解釈で押し通してきた自民党憲法に基づいて憲法改正をするなら、

まず違憲状態を解消して、今の憲法を厳密に解釈された状態に国を戻して憲法国民に返してから議論すべき。

自衛隊在日米軍存在を元にした交戦権の黙認を解消するのが、

自民党憲法改正を取り扱う為の最低条件なの。

違憲状態を作ってきた自民党が、違憲状態を維持したままで、違憲状態を踏み倒す為に、

憲法改正するのは絶対許されないって話が何故分からないのか本当に理解できない。

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない

憲法24条の結婚に関する条文


どこをどう解釈したら、これが同性婚合憲であるって解釈になんねん

クソみたいな解釈を垂れ流すなよ。「両性の合意」って文字見れんのかよ


どう考えても憲法のほうがおかしいに決まってるやん

何を考えて、その法律のほうを違憲認定させたがるんや


こんなクソみたいな解釈を認めるようなことになるから、誰が見ても軍隊自衛隊合憲状態になってるんやろ

2024-01-26

anond:20240126183251

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

 〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法である。これは、山口和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。

 私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法からの流れの中で位置づけるべきだと考える。

 同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊合憲化(57)、③日本経済的地位に見合った国際貢献必要性、④国連軍国連警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリスト武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から護憲立場から改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである

 同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲である。同提言軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから北朝鮮中国軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラル過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである

 佐藤が語る、愛国心必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである佐藤饒舌から私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。

 馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事平和維持活動において殉死殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊追悼施設必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。

 ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツ独自イラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたかである。翻って日本場合多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国国際社会理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。

 元国連職員吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍軍事活動積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである

 なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実国際政治の中で、山川ソ連侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。

10.おわりに

 これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮アルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略植民地支配反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的保障する国家先進国主導の戦争積極的に参加し、南北格差固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である

 大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派大国路線に対抗して、日本経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪補償必要とした路線が、東アジア諸国民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合破綻といった状況に規定された、リベラル左派危機意識から生じている。九〇年代東アジア諸国民衆から謝罪補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本私たちが、進んで過ちを正しみずから正義回復する、即ち日本利益のために」(69)(傍点ママ歴史清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争植民地支配可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立リベラル左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である改憲後、蛹は蛾となる。

 ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル左派意図的計画したものと捉えているわけではない。むしろ無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力からあいもつあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治立場から期待されている人物統合象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴人物の未分性という日本政治特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディア追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリスト発言力を確保しようとする学者、無様な醜態晒す本質的には落ち目思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからあいもつれあって」、集団転向は進行している。

 ところで、佐藤は、「仮に日本国家国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家同胞日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまたからには、自国国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間異端者扱いするのが目に見えている。

 この佐藤発言は、安倍晋三首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(I am behind the President.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族配慮するという意図からだろうが、アメリカ一丸となって事件対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである国益からむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)

 文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ総連弾圧をめぐる日本言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したこと物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本リベラル左派安倍政権ときに敗北したのである

 〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである侵略植民地支配過去清算在日朝鮮人人権擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア世界平和にとって大きな災厄である(73)。

改憲戦争国家体制拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア知識人等を徹底的に批判すべきである

(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。

(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。

(3)ただし、編集者佐藤右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。

(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。

(5)インターネットサイトフジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈 Permalink | 記事への反応(0) | 18:37

2023-12-31

「忍耐サトリくん」におけるホモサピのポジショントーク

https://togetter.com/li/1912610

漫画本編はまとめに載ってる(作者が宣伝用に全ページうpしてる)ので知らん人はまず読んでどうぞ



(以下、サトリくんは本物の読心妖怪で心の声は真実だと仮定)

https://b.hatena.ne.jp/entry/4722072961604756130/comment/IthacaChasma

内心の自由についての考えが深まる怪作。先生内面高潔だったら、きっとサトリ君は救われていないと思う。そして先生が口に出して言っていること(外面)は全て正しい。

賢しげにこんなこと言ってる&星つけてるブクマカが実際は全く内心の自由について考えておらずただ自分思い込みを強化しているだけとバラしたので確かに怪作

なぜならこの漫画は「内心の自由尊重についての物語」ではなく「内心の自由が崩れている世界物語」だから

作者にその意図があったかどうかはともかく作品はそうなっている


先生が口に出して言っていることが正しい?

普通に保身のために嘘ついてるが?

「アンタのそのイカれた本性 必ず表に出させてやるッ!!」

「それは… 本当にいけませんね…… 私の権利侵害しています

はてな民人権とか詳しいから3秒考えれば分かると思うんだけど、「読心術で知った他人の内心を周りにバラす」が内心の自由侵害といえるかどうかはかなり微妙

しろバラすことを禁止してしまうとサトリくんが自分の知っていることについて自由発言する「表現の自由」の侵害になりかねない

(ちょっと似た事例が一橋アウティング事件

「恋心を打ち明けられた人間はそれを一生黙っている義務を負うのか?」はブクマカの間でも意見が分かれたのを覚えているだろう

もちろん自分の恋心を自分意思で打ち明けた一橋の事例と無許可で心を読めるサトリくんの事例は根本的に違うが)

外形と内心を同じように感知できるサトリくんにとっては「ねえねえ、僕の担任先生メガネ若い男の人なんだよ」と「ねえねえ、僕の担任先生は僕の首を蹴りとばしたいと思ってるんだよ」の間に違いはない

まあさすがにこの内容だと名誉毀損濃厚だが、例えば「先生ハムスターを飼いたいと思っている」程度の穏やかな事柄暴露するのがどういう法律抵触するというのか

秘密を守るとの約束(つまり口頭での契約)があったわけでもないので民事でも厳しい

なぜこれほど先生に不利な事態になってしまうかというと、サトリくんが心を読んだ時点で内心の自由という原則崩壊しているか

内心の自由は「人の心は結局のところ不可知」が事実上の前提

読心術はその前提を壊すから憲法自由全般の作り直しが必要になる

仮にサトリくんがクラスメイト全員に読心能力を与えることができたならと考えると崩壊の様子がわかりやすくなる

重要なのは読心能力者の間では互いに心を読み合ってテレパシーができること

こうなってしまえば他人の内心の暴露誹謗中傷企業秘密漏洩も何もかもが合憲的に合法的に行える

なにしろ心の中は不可侵なのだから

読心能力を得た生徒たちは先生の心を読んでさまざまな感想を抱くだろう

そしてテレパシーで話し合うだろう

先生から絶対に聞こえない集団陰口状態

表面上は平然と振る舞うことはほとんど不可能だろうし、仮にできたとしてそのような状況で先生尊厳が守られているとはとてもじゃないが思えない

口に出して話をしてしまうほうがまだマシではなかろうかとすら感じる

「人の心の中は何者から自由であるべき大事領域です」

しかしもはや自由ではない

ただし実際にはサトリくんは1人しかいない

から先生良心の自由原則が壊れたことを他の人々から隠蔽しようと、消滅してしまった自由がまだ存在するかのように見せかけてサトリくんを脅しているしそれは上手くいきそうに見える

しか内心の自由は読心術を持たないホモサピのポジショントークにすぎないのでサトリくんにそれを押し付けるのは多数派暴力

視覚を持たないヒトデが地上を支配して「視覚から得た情報は一生心の中にしまっておくべき。表に出したら権利侵害」と言い出したら理不尽だと思うだろう

なぜサトリくんは内心を聴く感覚から得た情報を一生秘匿して生きなければならないのか?

2023-11-19

創価学会政教分離批判政治家靖国神社参拝について

https://anond.hatelabo.jp/20231118203326

政治上権力」は政治活動ではなく国や地方公共団体機能としての統治権力を指すのが通説である。これは勝手に言ってるわけではなく、憲法学者が書いたまともな本であれば同じように解説してある。

政治上権力」とは立法権課税権などの統治権力のこと。政治活動のものではない。

芦部信喜憲法 第三版」岩波書店, 2002

あれ?いつも靖国神社参拝への批判に「政教分離精神に反する」とかしてなかったっけ?

でも、靖国神社への参拝にいかなる統治権力関係ないよな?

https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2004/2004_03.html

国政の最高責任者である内閣総理大臣が、その地位にあるものとして一宗教法人である靖国神社公式参拝することは、同神社を援助、助長、促進する効果をもたらすものとして、国の宗教活動禁止を定めた憲法20条3項の精神に悖る

この言い方だと、今回の、岸田首相創価学会池田大作への言及について違憲と感じる人が出てきてもしゃーないだろ。

もしかして日本弁護士連合会は、法学的には明らかに合憲なので、真正から違憲とは言えないから「精神に悖る」とかいって法律に詳しくない一般人ミスリードしてたんか?酷くね?

他にも特にリベラル左派からこんな批判って多かったよな?

立憲民主党とか共産党とか社民党とか朝日新聞とか毎日新聞とか東京新聞とか

anond:20231119061509

特に問題はない」はダウト玉串料訴訟でググれ。1回5000円の玉串料でもアウトだから、0円ならセーフというわけでもない。

プライベートではなく内閣総理大臣という行政機関として書いたものから、①目的宗教的意義を持つものであり、かつ、②効果宗教に対する援助・助長・促進・圧迫・干渉等になっているならアウト。今回は②を満たすのは明白だから、①を検討する必要がある。

ただ、日本司法制度だとこれについて合憲違憲を問う裁判手続き存在しないから、裁判所との関係ではやり放題。政治家としてどうなのよってのは選挙判断なのでこれもまぁやり放題だな。

2023-10-29

anond:20231027213715

筋金入りのトランスアライであるこのオレ様が件の最高裁判断について感じた雑多なことを書いてみる。

トランスコミュニティーは思ったほどポジティブには盛り上がってない

最高裁」の「大法廷」で「判事15人全員一致」で性別の変更に生殖腺の除去を強いること (いわゆる4号規定) を違憲判断しているので、外性器規定 (5号規定) について判断が示されなかったのは残念ではあるものの、今後の道筋は明るく、本来であれば大勝利、全トランストランスアライが10月25日の夜はウェーイと飲み明かしてゲロを吐き散らかしてもよかったはずなのだが、当のトランスたちは「女性スペースの安全ガー!! 」的なバックラッシュを恐れてむしろビクビクしてる印象。

LやGのカツドウカたちは本音ではどうでもよかったり、むしろ内心ではトランスフォビアだったりな人も多いのに気の利いたことを言わなきゃいけなくて大変そうだ

余計な口を挟まれるよりはむしろ黙っててくれた方が平和なのでありがたかったりもする。毎週、LINEクーポンを送ってくる際にその時々のLGBTQニュース言及している新宿二丁目の某ビアンバー (数年前にトランス女性の入場を巡り炎上) は見事にこのニューススルーしていて笑った。

トランス界隈のヒエラルキーで不幸の再生産をしてほしくないな

近い将来5号規定違憲とされSRS (性別適合手術) 不要性別を変更できるようになったとして、SRSまでは望んでいなかったが性別を変更したかたから仕方なく手術した、という先輩トランスたちもそれを素直に喜んでくれるといいな。変にこじらせて「SRSをしてこそ本物のトランス」だとか「今の若い人はSRSのためにがんばろうという気概がない」だとか言い出す人が出ないといいんだけど。

5号規定判断高裁差し戻したのは茶番しかない

さすがにこのノリと流れで「5号規定合憲」と判断されることはないと信じたいが、まだ可能性としては「性別変更のために生殖腺を除去しなくてもいいが外性器は整えねばならない」という世界がありえないわけではない。しかし、たとえばトランス女性について考えると、「睾丸は残すがチンコマンコの形に作り変える」などという術式は世の中に存在しない気がする (ちなみにその逆の「睾丸は摘出するがチンコにはまだ手を入れない」というのは多くのトランス女性がやっている。チンコマンコへの改造は体への負担が桁違いに大きいため、その決断をする前であっても男性ホルモンの影響を抑えたいというニーズがある) 。ってゆーか睾丸を残したままどうやって見た目をマンコにするのか、睾丸アリ・チンコなしの人はどうやって射精すればいいのか、とか考えると、4号要件撤廃する前提で5号を真剣議論すること自体噴飯ものであるとの誹りを免れない。

2023-10-28

anond:20231028123843

最高裁はもともと合憲判決をしていた

世論という個人の感想の集合がそろそろ許さない時期だろうって違憲判決をしているんだけど

2023-10-26

特例法の違憲判決は許せないんだけど、

批判している人達夫婦別姓反対カルトが少なくないのがなぁ

なんで夫婦別姓と同一視するんだろう?全然違う話だろ

寧ろ姓にしろ性別しろまれた時の自然状態を大切にするって意味

別姓派の方が合憲派だと思うんだけど

名字性別も変えさせません!って主張が、もっと多くていいのに。

2023-10-09

anond:20231008163610

日本裁判所抽象審査権はなく具体的な事件に付随して違憲審査をすることになる。

まり罰則が設けられ、それに違反し、起訴された段階で刑事裁判の中で条例違憲性・無効性を主張することになる。

罰則違憲無効になることと、罰則条例がセットで違憲無効になることとは話が別であることに留意

また、既に「児童虐待の防止等に関する法律」が制定されている。同法や関連法、関連命令が「子供一人の留守番」を規制していない場合はこの条例法律規制範囲を飛び越していることとなり、それが妥当かどうかを判断する。つまり条例違憲合憲かではなく、違法合法かという点で審査することになるだろう。

2023-10-06

なんでも自民党のせいにするブクマカ

コメントを考える手間がなくていいね

郵便ポストが赤いのも

性風俗業除外再び「合憲」 コロナ給付金巡り東京高裁 - 日本経済新聞

NGリストジャニーズ事務所見解 報道向けとHPで一部異なる | NHK

維新町議横領容疑で逮捕 奈良県斑鳩町自治会費 も

井ノ原快彦の"論点ずらし"に拍手が起きる異様な会見…首尾よく終えたつもりの彼が残した"致命的な失言" 「一社一問ルール」「子ども」「被害者」を盾に場を仕切る狡猾さ も

蕨と川口クルド人問題に関して その2 も

みーんな自民党のせい

2023-10-03

anond:20231003114513

例外をあげてもきりがないぞ、統計的には男性が性加害するものから

そういう統計的事実女性専用車両とか諸々の合憲判断根拠になってる

2023-09-11

労働基準法を守らせたいなら自衛隊合憲と認めろ

ゆってるブクマカがいて

何言ってだ?思たが、労働問題=サヨクって理解なんだろうな

思想関係なく守らないと法違反なんだけども…

2023-09-10

紙屋高雪日本共産党から追放するための大義名分とは何か

id:gryphon氏が数日前、「紙屋研究所粛清事件」が勃発?9日、福岡の地が”赤く”染まるか…… - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-で報じたように、

共産党専従職員で著名はてなブロガーでもある、紙屋高雪氏が日本共産党から追放されようとしている。

ただ、id:gryphon氏は「なぜ紙屋高雪処分されるのか」を書いてくれないので、自分なりに調べた結果をまとめてみたい。

免責事項:私は共産党の内輪の論理には全く詳しくなく付け焼き刃の知識で書いているので、おそらく的外れな内容が一部含まれる。

まとめると「鉄壁ロジック vs 多数決

「党規約の抜け穴を探し出し、党規約では本来禁止されているはずの「党の決定に反する意見の発表」を行った」紙屋高雪

vs

手続き正義無視し、多数派工作で党規約への違反認定しようとする」 共産党

増田解釈では、紙屋高雪は党規約違反していない。紙屋高雪自己防衛のための鉄壁ロジックを組み立てている。

しかし、紙屋高雪的な行為を許せば、党規約が実現しようとしている世界、「異論はすべて党内部で処理する、党外部へは党の見解以外を発信しない」という世界実質的崩壊するのも予想がつくところである

このような場合手続き正義として正当なのは、党規約改正である

しか共産党は横着し、党規約恣意的解釈多数派工作によって正当化することで、紙屋高雪追放を実現しようとしている。

詳しく

神谷処分根拠とされているのは以下のブログ記事です。

日本共産党の党内民主主義について - かみや貴行のブログ 1%でなく99%のための福岡市政を

https://twitter.com/nomad_union/status/1700432707212505497

県党が言う神谷処分根拠

規約五条(五)「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。」の部分と(八)「党の内部問題は、党内で解決する」部分に反する部分。

こちらの部分が違反だと言っているそうです。

あとは「党破壊撹乱者の松竹氏と同調者だ」とも言っているそうです

https://twitter.com/meganeokonomiya/status/1700044650994884614

共産党内部の人間によるツイート2件で何がどの根拠により問題視されているかが分かる。

該当ブログ記事を読もう。なるほど、紙屋高雪氏の知性がバツグンに発揮された、増田程度では到底敵いようのない巧みな記事である

日本共産党の党内民主主義について - かみや貴行のブログ 1%でなく99%のための福岡市政を

増田の読解では、これは「表の主張」で「裏の主張」をパッケージングしたダブルミーニング記事である

表の主張

表の主張を要約する。

松竹氏除名問題で、「共産党異論を認めない」「共産党には民主主義がない」という批判が巻き起こっているが、それは誤りである実例を以って説明する。

まごうことな共産党擁護である

共産党民主主義がないという批判は誤りだ」という記事を書くと共産党から追放される、という全くナンセンス事象が起こったとするならば。

共産党外部の人間としては、「「共産党民主主義がないという批判は誤りだ」という意見自体が誤り」ということ? やっぱり共産党には民主主義がないの?

という印象を抱かざるを得ないだろう。

よって、党の印象低下を考慮すれば共産党記事問題視しにくいはずだ。

これは紙屋高雪氏が仕掛けた裏の主張を守るための第1の保険である

裏の主張

紙屋高雪は、松竹氏の除名処分理由に全く納得していない。なぜなら〜〜だからである

これはそのまま言えば、明確に党の規約違反する。

規約

党の諸決定を自覚的に実行する。決定に同意できない場合は、自分意見を保留することができる。その場合も、その決定を実行する。党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない

よって紙屋はこの穴をつく。

私は私の意見が間違っているという、決定の認識を共有し、それに従い、その立場活動します。

裏の主張を守るための保険その2

「間違った意見としての説明」ならば、

  • どれだけ詳しく書こうが、
  • 面従腹背であることがありありと分かる書き方であろうが、

党の決定に全く反していない。

表の主張は「党内民主主義実例紹介」なのだから、「間違った自意見説明」をする大義名分バッチリである

さらなる紙屋のディフェンス

つの保険にも関わらず紙屋は休職処分となった。

処分大義名分は先に引用したとおり

1. 党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない

2. 党の内部問題は、党内で解決する

もちろん休職が明ければすべてが水に流されるなんてことはなく、さらなる重い処分が準備されていることは紙屋も承知していた。

そこで、処分が不当であると明らかに示すため、紙屋は2つの記事を書いた。

政党助成金と日本共産党の党内民主主義について - かみや貴行のブログ 1%でなく99%のための福岡市政を

県委員会総会で提起された学校給食の無償化の運動 - かみや貴行のブログ 1%でなく99%のための福岡市政を

どちらも紙屋の得意技、ダブルミーニング記事であり、処分理由の2つにそれぞれ対応する。

 私は「政党助成金を受け取って何かいい使い方をしたら?」という主張は誤っているという認識を共有し、志位委員長が述べた日本共産党立場で引き続き実践を重ね、検証していきたいと思います

 さて、ここまでの私の記事および解説を聞いてどう思われました?

 「神谷政党助成金廃止に向けて頑張っておるのだなあ」と思っていただけたかと思います

 まさか、「神谷政党助成金廃止記事にかこつけて、4つのダッシュ(——)の部分で政党助成金必要論を展開し、必要論を実は広げようという真意を隠し、党規約第5条(五)にある『党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない』に反しておる!」など思った方は一人もいないと思います

 そんな方がいたら、いたわってあげたいですね。

 どうしまたか? 大丈夫ですか? 休みは取れていますか? 何か嫌なことがありましたか

さて、ここまで読まれた方、私が曲がりなりにも県委員会総会決定の実践に力を尽くそうとしていることをご理解いただけたかと思いますまさか神谷絶対秘密の県委員会総会決定や会議の内情を外部に暴露してしまった。党規約違反だ」などと思われた方って、います? いませんよね。そんなこと、党規約に一文字も書かれていませんから。当たり前です。もしそんなことを思う人がいたら……その人のメンタル心配です。お大事に。

1つ目の記事では、

と、実例を「松竹氏除名問題から変更したこと以外まったく同じ構成とした。

「この記事はどう見ても「党の決定に反する意見の発表」じゃないよね?これが問題ないなら、当然に松竹氏除名問題を扱った記事問題ないよね?」

2つ目の記事では、

学校給食無償化」という党内部の議論を明らかにした。

「党内部の議論を外部に公開することって何も問題ないよね? 「松竹氏除名問題」だけ特別に、党の内部問題を党外で解決しようとしたことにはなるのはおかしいよね?」

これが紙屋が両記事で主張しようとした、タイトルにある表テーマとは異なる、裏主張である

実際、紙屋支持者の中では、秋山もえ氏が「政党助成金」を題材に、紙屋記事との形式上の違いが全く見当たらない党内民主主義解説記事執筆していることが指摘されている。

党内のことは党内でーー 意見を出しあい 議論し 学びあい 行動するという ハイレベルな組織づくり | JCP*もえブログ

紙屋を処分するならば、秋山もえも処分しなければ筋が通らない。

共産党懸念とは何か

紙屋氏の鉄壁理論に対し、実践的に見れば共産党が何を懸念しているかは明白だ。

という紙屋メソッドが正当なものとして認められれば、

いくらでも披露できてしまう。

様々な異論を持つ党員1人1人が紙屋メソッド行使し出せば、外部に対する行動の統一を求める民主集中制事実上崩壊することになるだろう。

正しい筋の通し方は何か

規約の穴を付かれたなら、規約修正すれば良い。それだけの話である。当然、法の不遡及適用し、紙屋氏は何ら処分対象になるべきではない。

問題本質

この2つの違いが暗黙の了解しか定められていないことだ。

じゃあ明確化すればいい。

「外部に漏れることが著しく不適当と思われる議論については、多数決を取り党外秘とすることができる。党外秘を漏らしたものは除名処分対象となる」的な条文を足せばいい。

それだけの話ではないか

おまけ「除名」と「除籍」の違い。自ら党規約を骨抜きにする共産党

紙屋高雪氏の既定路線とされる「処分」は「機関罷免処分からの「除籍である。つまりまず党職を解かれ、さらには党からも追い出される。

一方、

処分は、警告、権利(部分または全面)停止、機関から罷免、除名にわける。

と、党規約にあるように、党から追い出したいのであれば、「除名」処分を使えばいいだけである。なぜ2段階に分けるのか。

それは

除名は、党の最高の処分であり、もっとも慎重におこなわなくてはならない。党員の除名を決定し、または承認する場合には、関係資料を公平に調査し、本人の訴えをききとらなくてはならない。

と党規約にあるため、「除名」処分を行おうとすると面倒なことになるからである

一方、除籍の要件は以下の通り

組織は、第四条に定める党員資格を明白に失った党員、あるいはいちじるしく反社会的行為によって、党への信頼をそこなった党員は、慎重に調査審査のうえ、除籍することができる。除籍にあたっては、本人と協議する。党組織努力にもかかわらず協議不可能場合は、おこなわなくてもよい。除籍は、一級上の指導機関承認をうける。

から追い出すという実質的に同じ措置であり、しかも「除名」の場合と違い「除籍」は不服申立の権利も認められていない。

規約を骨抜きにしないためには、本来「除籍」は「除名」以上に慎重に運用しなければならないもののはずだ。

実際、「除籍」は「理由のない党費未納」だとか「音信不通」だとかに適用する条項のはずだという共産党員の証言を多数確認できる。たしかに、そのような些事に複雑な手続きを設けたくないので抜け穴を用意する、というのは理にかなっている。

一方で、現実運用では、「党員資格を明白に失った党員」「党組織努力にもかかわらず協議不可能場合」、この2項目は非常に雑に乱用されている。

https://i.imgur.com/m1UhX8D.jpg

これは実際の「除籍通知」の書面であるが、

党員資格を明白に失った:「除籍対象者が、民主集中制は見直すべきとのSNS発信を継続したこと

組織努力にもかかわらず協議不可能:「除籍対象者が、5つの質問・録音を協議を行う条件に提示したこと

どう見ても拡大解釈がすぎるのである

最後に、党規約第三条(五)から

意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。

2023-08-25

日本では死刑合憲から死刑制度が存続させられてるとことだが、なら他の先進国等では違憲から廃止されたということなのか?

合憲判断した上で廃止したならともなく、別の国々では違憲から廃止されたとすると。

日本って死刑合憲解釈できちゃうほど野蛮な憲法持ってるの?ってことになる。

世界に対して恥ずかしくないかこれ。

2023-07-18

anond:20230718200636

からエロ規制合憲なんでないの?

自分判例とか調べりゃいいじゃん知らんけど

あと法的な規制ですらない自主規制についてはそれもやる方の自由だし当然人権の一部だわな

2023-07-11

anond:20230711210015

夫婦同姓もだけど、このままだと単独親権まで合憲ということになりそうで怖い。

ガキの面倒を見るのは女の仕事だと、日本最高裁は考えてそう。

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