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はてなキーワード: 生還とは

2020-12-11

AI婚活ディストピア的な何か

俺の名前は蒼太。ごく普通の家庭のごく普通男子高校生だ。今日も退屈な授業を終えて自分の部屋に戻って暇潰しする、何の刺激もない普通の一日を過ごす。部屋に帰ったって特にすることはない。趣味動画鑑賞とゲームフリー小説読書くらい。

「紙で買ってる本も動画で有名になった小説コミカライズか。本当にどこにでもいる普通男の子って感じだね」

そういうこと。って今誰がしゃべってた?

はじめまして!私アカネ!いずれキミと結婚することになるから、今から同棲始めるね。ヨロシク!」

と、いきなりまくしたてる目の前の少女。外ハネの栗色の髪とクリっとした丸い目が印象的な、見た目も喋り方も快活そうな同年代女の子だった。

 

※ ※ ※

 

「ちょ、ちょ、ちょっと、母さん、何で俺の部屋に女の子がいるんだ?!!!

「アラ、言ってなかったかしら。婚約者アカネさんよ。今日からここに住むことになったの」

1階で在宅の仕事をしていた母さんが部屋から出てきて何事もなかったかのように話す。昔からこの人は重大なことを何もなかったかのように受け流しちゃうんだよな。寛容というか大雑把というか……

母さんの話はこうだ。去年から施行された政府によるAI婚約者マッチングサービスで、俺とアカネ92.6855%というとんでもない高い数値を叩きだしたらしい。まだ高校生ということで結婚卒業してからの話になるけど、どうせ結婚するなら善は急げということで早速家に来たんだという。

 

AI結婚相手決めるって何か変よね。ただAIの決定に必ず従う必要はない、選択肢が増えるだけだから問題ないって話だったから気にしてなかったんだけど、まさか自分の息子が影響受けるとはねぇ」

そう言うと母さんはリモート会議のために部屋に戻った。何のフォローもなしかよ……唖然とする俺を横目にアカネは「汗かいちゃったかシャワー借りるね」とずかずかと風呂場に入っていった。

 

その後も俺が状況を理解する暇もなく事態は進んでいった。アカネはあっと言う間にわが家に馴染んで一緒に晩御飯を作って食べ、夜はうちの家族テレビを見ながら盛り上がった後、「今日は疲れちゃった」などと言って俺のベッドでさっさと寝てしまった。

俺は……これどこで寝ればいいの?

母さんは「一緒のベッドで寝ればいいじゃない」なんて言うけどそんなわけに行かない。今夜は居間ソファで寝ることにしよう。

 

しかし、アカネの奴、明日から学校とかはどうするんだ?

 

※ ※ ※

 

その疑問はすぐに解決した。もううちの学校に転校する手続きは済んでいたのだった。自己紹介でいきなり俺の婚約者だと公言して教室中をざわつかせたものの、持ち前のマイペースさと人の間合にグイグイ入っていく積極性であっという間にクラス中に友人を作っていった。ただ昼休みになると友人の昼食の誘いを全て断り、今俺の隣席でお弁当を広げている。

 

AI結婚相手を決めるなんてねえ……それって正しいのかしら」

今そこで別の弁当を開きながらぶつくさ言っているのはミドリ保育園からの俺の幼馴染だ。サラサラ黒髪と色白の、まあ客観的に見ると美少女だな。ただ子供の頃からつきあっているか特別感情は湧かないかな。いつも一緒に昼食べてるけど。

「だいたい結婚って人生経験して、相手のことを知って、十分考えてからするものでしょ。こんな相手の選び方なんて不自然人間味がない」

箸を振り回しながらミドリが熱弁する。

「その人生経験相手への理解を肩代りしてくれるのがAIじゃない。事実最初に会って直感したわ。蒼太と私は相性抜群だって。例えばこのお弁当、私が朝作ったんだけどどう?昨日会ったとは思えないくらい好みピッタリだと思うんだけど」

アカネが俺のお弁当を指して言う。これアカネが作ったのか。卵焼きソーセージサラダオーソドックスながら彩りも栄養も考えられててこれはなかなかの……って思わず評論してしまった。隣でミドリジト目で見てる。俺じゃなく弁当を見ろ。

「お弁当くらい私も持ってるけど」ミドリ対応する。いや持ってきてることを対抗してどうする。自分が作ったんじゃないのか。案の定アカネに「作ったのお母さんでしょ?」とツッコまれてるし。

「とにかくこんなの不健全よ!私は反対だわ!」食べ終ったミドリプリプリ怒りながら席を立って行った。

 

この昼の出来事アカネの興味を引いたらしく、帰り道でも晩御飯でもミドリ話題を振ってきた。家族ぐるみの付き合いだったから親は色々エピソードを語っていたけど、そういえば俺はミドリのことをどれだけ知ってたんだろう。

保育園の時からとにかく頭がよく、俺と違ってSFとか社会問題とかの難しい本をいつも読んでるイメージあったな。あとは……

 

※ ※ ※

 

次の日、あんなに怒ってたはずのミドリはいつもと変わらず俺の席の隣に座った。いつもと違うのは自分の鞄から二つお弁当を出してきたことだ。二つ目は俺が食べるように言ってきたけどそんな話聞いてないぞ……というかその絆創膏だらけの指は何だ。空けてみると黒焦げの卵焼きに生焼けっぽい豚肉がぎっしり、これ食えるの、、?

「いや、蒼太のお弁当なら今日も私作ってるんだけど」アカネが横から口を挟もうとしたが、今日ミドリは負けてない。

「作っだん゛だがら゛食べでよ゛……」涙目になりながらものすごい迫力で弁当を俺の目の前に突き出す。これは断れない。今日はこれを食べよう。

「あのー、私が作ったやつ、そのまま残されるのもショックなんだけどー」

ミドリ覇気に押されながらもアカネも引き下がらない。しょうがない、こっちも食べよう。こうして2人前の弁当を無理矢理腹に詰めこんだ俺は--

 

--5限目の途中で腹を壊して倒れた--

 

「ずい゛ま゛ぜん゛、早退ざぜで下ざい゛……」

「おう、わかった。それにしても随分顔色悪そうだな、何があった?」

ミドリさんが作ったお弁当を食べてお腹壊したみたいです」

あなたが無理矢理二個もお弁当食べさせたからでしょう?!」

授業中でも喧嘩する二人。そんなことはいいから早く家に帰らせてほしい。

「「私が付き添いで帰ります」」

ミドリアカネもそう言って引かないので、しょうがいから三人でバスに乗って帰った。

家に戻った俺は自分の部屋で寝込んでいたが、どうもミドリが家に居座っているっぽい……

 

※ ※ ※

 

居間ではアカネミドリと蒼太の母親が話しこんでいた。

 

ミドリちゃんの話もわかるけどアカネさんも自分意思でこっちに来たからねえ……」

「とにかく!私はAI人生決められるなんて認めません!これ以上AIなんかに頼りすぎたら、就職も、出産も、個人意思というものがなくなります。そんな社会健康とは言えません」

別に私は構わないわ。それに昨日も言ったけど私はAI任せなんじゃなくて蒼太

「会って2日で呼び捨てしないで!それにアカネさんの意思はいいとして蒼太自身気持ちはどうなのよ!」

「そういえば蒼太の方の結婚相手の相性って調べてなかったわね」

「そこは心配ないですよお母さん。92.6855%なんてなかなか出ない数値ですよ。相性AIの相性指数の平均は……」

平均値 42.8632、中央値 28.95、最頻値 29.5!」ミドリがスラスラ答えるので若干アカネが引いてる。

「じゃあ念のため蒼太から見て相性のいい人も見てみましょうか。まさかアカネさんより高い数値は出ないとは思うんだけど」

 

そう言うと母は診断サイトに蒼太のマイナンバーを打ちこみ始めた。緊張の面持ちで画面を覗きこむミドリアカネが話しかけた。

「そう言えば昨日から気になってたんだけどさ、」無視するミドリに構わずアカネは続ける「あなた蒼太のこと好きで私に嫉妬してない?」

「そうよ」ミドリは俯きながら絞り出すように答えた。「黙ってたけど、ずっとずっと蒼太が好きだったの。だからこんなAIなんかに出された数字なんか信じない。蒼太と結婚するのは私なんだから!」

 

検索結果が表示される。先頭に出てきたのは相性値92.6855のアカネマイナンバー。決定的な結果だった。

しかしその直下、同じ相性値92.6855のナンバーが出力されていた。

「え?」アカネは大きな目を更に大きく見開いて画面を見つめる。「こんな値2つも出ることって……」

「というかこれ誰……?」母も困惑していた。

その直後、マイナンバーカードを見ながら呟いたのはミドリだった。

「この番号……私だ……」

 

※ ※ ※

 

居間テーブルを五人が囲んでいる。アカネミドリ、母さん、仕事から帰ってきた父さん、地獄の腹痛から生還した俺だ。

脅威の高相性値を2つ、それも同値で叩きだした事実にどう対処するか、みんな考えあぐねていた。

 

「あ、そうだ」父さんが呟いた「いっそのこと三人で結婚すればどうだ?」

何を言ってるんだこの父は。呆気に取られていた俺を置いてきぼりにして父さんは続ける。

「数年前くらいか結婚は二人でするもんだけじゃないって運動が盛んになってるじゃないか。もうそろそろ日本法律も変わってね、蒼太が結婚するくらいの頃には三人で結婚できるはずだよ。こういうの、選択肢が増えるだけだから問題ないって気にしてなかったんだけど、まさか自分の息子が影響受けるとはねぇ」

「アラいいわね。オープンな世の中になったわぁ」母さんも呑気に賛同してる。いいのかこの展開。

 

いいんじゃないそれ。まあ家庭的な私が居れば家のことはだいたいできるし、ミドリさんの役割いかもしれないけどね」

へぇ~、そんなこと言うけどアカネさん、あなた今日英語の小テスト、15点しか取れなかったみたいじゃない」

「ん゛!何でそれ知ってるのよ!」

「そんな調子じゃ子供教育は無理ね。私が家庭のことを見てないとどうなるかしら~~?」

 

俺の居間黄色火花を散らすアカネミドリ

そんなことを気にせず目出度いと呑気に盛りあがる父さん母さん

 

俺、これからどうなるの?

2020-11-28

anond:20201128134846

ブラックメタルとか北欧ゴシックは分かるけど、

まず自分が思い付くのはブラック・サバスなんだけどなあ

レッド・ツェッペリンディープ・パープルブラック・サバスは外せない

あとブルー・オイスター・カルトとか

何をレトロなことを、と思うかもしれないが、

メタル音楽的なルーツ音楽理論的にもルーツなのは上の3つのバンドだと思う

ロックとはなんぞや?みたいな音楽理論ネタNHK坂本竜一のスコラは本当に良かったと思う

話がズレるが、

メタルにおいて特にディープ・パープルリッチー・ブラックモアジョン・ロードの影響は大きかったのではないだろうか

いわゆるクラシカルフレーズとかそういう技巧的なものロックに持ち込んだ

リッチーのギターは今からすると誰でも弾けるレベルになってしまったと思うが、

その発展形がイングヴェイ・マルムスティーンなどになる、

というか、イングヴェイリッチー好きすぎるだろw

リッチー本人は結婚した奥さんの影響でジプシー音楽みたいなのに行っちゃったけどw

ブラック・サバスもとにかく5弦、6弦、パワーコード弾いとけば暗くてメタルっぽくなる、

みたいなノリはメタリカにも通じるように思う

とにかくアンチクライストっぽい歌詞を書いて、5弦6弦うだうだやって、半音全音下げチューニングしてれば、

なんちゃってデスメタルはすぐできる

寧ろ、あれは体力の問題だと思ってるw

いつもドラムが大変そうだよなあと思いながら眺めてたりする

というか、

甲本ヒロト氏が「今の人は歌詞を聞きすぎる」とか言ってたみたいだけど、

アンチクライスト歌詞から聴く、という人はあんまりいないんじゃないの?

いや、まあ、いるかもしれないけど…

それより自分メロディーというか楽曲自体の方が重要であって、

十字架キリストを逆さにしようが、ご飯を床にぶちまけようが、だからこの曲が好き、

なんて人はあんまりいねーだろ流石にwと思うんだよなあ

見世物小屋とかアングラ芸人じゃないんだから

あと、メガデス歌詞とかもアンチクライストっぽいものがあったりするけど、

大佐は癌?になったんだったかクリスチャンになったんではなかったか

クリスチャン改宗したみたいなことを何かで言ってたのは覚えてる

俺も大病で手術したか気持ちが分かるというか、

筋弛緩剤で全身麻酔して生還すると何か宗教的感覚に目覚めるよなwと思ったり

あと、これも書いとくか

しかブルースロックンロールがハードロックヘビーメタルパンクロックなどに発展して、

メタルの中にはアンチクライストアンチモラル歌詞を含むイメージがあったと思う

アンチクライストといえば自分としてはまずブラック・サバスブルー・オイスター・カルトが頭に浮かぶ

そこから派生して現在ブラックロックというか、デスやゴシックなどがあると思ってる

でも、自分は好きなデスメタルバンドもあるけど、

ブラック・サバスみたいな直球ネタは流石にダサく感じる気がする

サバスはボーカルオジー・オズボーン自体主体となって、

ランディー・ローズザック・ワイルドなどのギタリストも育て活躍しているわけだけど、

オジーだってアンチクライストを先鋭化してったわけじゃないし…

うーん、やっぱり今どきアンチクライスト直球ネタないわー、と思ってしま

歌詞にするにしても何か捻りがほしいと思う

当時はブラック・サバスコピーみたいなバンドはいっぱいあっただろうけど、

流石に、ロックメタルアンチクライスト、という発想が古い

そっち寄りでもそんなバンド今はそうないというか、そもそもあんまり売れない気がする

2020-11-25

minata卓、回せるやつまとめ(CoC7編①)

COC7で現状ある程度読み込んでいて、回せるものになります。初回しまだなのもあるよ。

COC6のシナリオもいくつかありますが、こちらはminataによって7版へコンバートしてあります

ソロタイマンシナリオhttps://anond.hatelabo.jp/20201125114727

2PL固定→https://anond.hatelabo.jp/20201125115125

CAGE】 とーりゃ様

夜の12時すぎ、探索者たちは焦げ臭さとけたたましいサイレンで飛び起きた。どうやら同アパートの一室で火事が起きたらしい。

幸い一晩で火は消し止められ被害は拡大しなかったが、発火元の部屋は酷い有様で、住民1人が病院救急搬送された。

警察署事情聴取を受けいざ帰ろうとしたあなた達は、路地の影からこちらをじっと見つめる一匹の猫に出会うだろう。それは、キィとアパートの住人から呼ばれていた野良猫だった。

プレイ人数 2~3
想定プレイ時間 3~4時間
形式 半シティ
ロスト率 低い(ほぼ無し)
推奨技能特になし。強いて言うなら目星
舞台現代日本
探索者について 継続新規わずアパートに住んでいられるくらいの信用は持ってきてください。

孵化する潜水艇】とーりゃ様

「手を伸ばせば触れ合う距離で、極限の生還劇を」

探索者たちは有人潜水艇ovoの乗組員として、深海世界に溺れ往く

光の届かない、今や月より遠い地球の底で。

キミは何を得て、何を置き去りにするのか。

探索者たちは日本初の、民間研究所が開発した有人潜水艇「ovo(オーウォ)」に搭乗することとなった。

探索者たちは深海への探求心を胸に、潜水艇へ歩を進める。もはや月より遠い場所となった、光の届かぬ深海世界へ向かうため。

プレイ人数 2~3人(推奨2人)
想定プレイ時間 4~5時間
形式クローズド
ロスト率 中。
推奨技能目星
舞台現代日本
探索者について 継続新規わず潜水艇に興味があり、有人試験募集に参加していること。

孤独密室】朔(あべべん・四季咲)様

目が覚めると、探索者たちは見知らぬ部屋にいる。

どうしてここに居るのか、なぜ他の人々と一緒なのか、記憶が抜け落ちていてさっぱりわからない。

部屋はある程度の調度品が誂えられているものの、どこか生活感が感じられず…何より外に出るためのドアがない。

状況の全く見えぬまま、探索者たちは手探りに脱出を試みていくのだが──。

プレイ人数 2~5人
想定プレイ時間 4時間程度(RPによる)
形式クローズド
ロスト率 最高。生きて帰れると思わないこと。PvPあり。
推奨技能目星・聞き耳・図書館
舞台特に指定なし。好きな年代から連れてきてください。
探索者について (ロスト率的な意味で)新規推奨。

白夜の歌】朔(あべべん・四季咲)様

夏の壱岐島は明るく、緑と生命に満ちている。数か月の間に砂丘と呼ぶことのできるほどに拡大してしまった南海岸を調査するため、探索者たちはこの島を訪れる。

その調査さなか、探索者たちは生きとし生けるものほとんどが死に絶え、あるいは生きているものも歪められ、砂に侵された白き砂漠へと迷い込むこととなる。

プレイ人数 3~5人
想定プレイ時間 4~5時間程度(RPにより7時間程度まで伸びる)
形式クローズド
ロスト率 低め
推奨技能芸術音楽系、乗馬医学or応急手当、コンピューター目星図書館歴史電気修理、戦闘技能
舞台現代日本
探索者について 新規推奨。職業指定はない。どのような理由であれ、調査に関わろうとする者であること。

狂気山脈邪神の山嶺~】まだら牛様

ニュージーランド航空南極飛行観光旅客ジェット機が謎の失踪を遂げた。

南極調査隊の必死調査の末、旅客機の無線信号が途絶えた先には、未知の巨大な山脈が立ちはだかっていた。

前人未到のその山脈は、最高高度が海抜1万300メートルにも達する、エレベストを超える世界最高峰であることが明らかになった。

誰が呼んだか、”狂気山脈”。

そのあまり暴力的山脈に、今、無謀にも挑もうとする者がいる。果たして、神々の頂の上で、探索者たちが出会ものとは。

プレイ人数 3人固定
想定プレイ時間 5~6時間程度(RPにより8時間程度まで伸びる)
形式クローズド
ロスト率 中。
推奨技能シナリオオリジナル職業登山家』の職業技能
舞台現代
探索者について 新規推奨。職業登山家』推奨。HO有り。登山家作成ルールは立卓時に配布いたします。

【無謀の代償】古閑未善(基本的に物置き)様

猫を飼っている、あるいは何らかの形で猫と強い縁を持っている探索者たちは、ある日不思議な夢の中で目覚める。

神殿に呼ばれた探索者たちは、何かを封印するためにこの神殿に呼ばれたようだ。

果たして探索者たちは無事に封印を完遂することが出来るのだろうか?

プレイ人数 2~4人、ソロでも可能ではある
想定プレイ時間 5~6時間程度
形式クローズド
ロスト率 中。
推奨技能目星図書館(PL自身が考えて謎を解いていく場面が多い)
舞台年代指定特になし
探索者について 継続新規わず。猫を飼っていれば特に指定はない

【沼男は誰だ?】ma34様

日本首都東京郊外にある街で、「血の池事件」と呼ばれる怪異が数か月前から発生していた。

あなたたちはその街でいつもと変わらない日常を過ごしていた。その日常の裏で恐ろしき事件が発生しているともしれず……

プレイ人数 3~4人
想定プレイ時間 8~10時間程度(RPによる)
形式ティ
ロスト率 高。
推奨技能回避幸運。あとDEX
舞台現代日本東京郊外のある街。
探索者について 継続新規わず。公開HOに推奨職業があるが基本的事件に関われそうであれば特に指定はない。

延命病院内山靖二郎

あなたたちは友人の誘いを受けて、避暑地の別荘に旅行に出かける。

しかし、楽しいはずの旅行中、その友人はどこか悩みのある様であった・

どうやら彼の悩みの原因は、愛する妻の心変わりのようだ。これまで、互いに深く愛し合っていたはずの妻が、最近になって突然自分を憎むようになってしまったという。

プレイ人数 3~4人
想定プレイ時間7~8時間程度(RPによる)
形式 ほぼクローズド
ロスト率 中。
推奨技能医学
舞台現代日本避暑地
探索者について 継続新規わず指定職業特になし。NPCと知り合いであることが望ましい。

代理殺人は覚めないうちに】ジャック

西暦2020年12月某日。

夜風が冷たく吹きすさぶ頃。あなたは人を殺すことで報酬を得ている。

世に言われる「殺し屋」だ。

仕事を終えて後始末をしている最中あなたのもとに一件の電話がかかってくる。

三人の男の殺害を命じられたあなたは、依頼人の待つ【黒嵜町(くろさきちょう)】に歩みを進めるだろう。

プレイ人数 4人推奨
想定プレイ時間 8~15時間程度(RPによる)
形式 シーン変遷による時間経過型。半シティ
ロスト率 中。
推奨技能拳銃拷問
舞台2020年日本の黒嵜町と呼ばれる街。
探索者について HO有り。特殊技能があるため基本的には新規探索者推奨。

脱獄乙女の嗜み】Light Distribution様

HO:1 あなたお嬢様である

HO:2 あなたお嬢様である

HO:3 あなたお嬢様である

身代金目的誘拐されたお嬢様一行。

有能な執事も、家柄という権力も奪われた今、日頃の学業と鍛錬で身に付けた知恵と技を使い、誘拐犯のアジトから脱出を目指す。

プレイ人数 3人固定
想定プレイ時間 4~6時間程度
形式クローズド
ロスト率 低い
推奨技能HOによる職業指定あり
舞台現代のどこか。
探索者について 公開・秘匿HO有り。特殊探索者作成ルール職業指定あり。新規限定

【狂調律】ナサノハナ

HO1/貴方打楽器奏者だ

HO2/貴方トランペット奏者だ

HO3/貴方フルート奏者だ

HO4/貴方バイオリン奏者だ

人生を分ける演奏会 がやってきた」

共通HO /全員職業ミュージシャンである

作成時【芸術演奏】でとること

演奏技能は最大60 %までしかとることができない。導入の都合上、全員が幼馴染の集まりである必要がある。年齢の上限については問わない)

プレイ人数 4人固定(公開HO有り)
想定プレイ時間4~5時間程度
形式クローズド
ロスト率 可能性有
推奨技能図書館目星回避編曲技能
準推奨技能戦闘技能精神分析
舞台現代日本
探索者について 公開・秘匿HO有り。特殊探索者作成ルール職業指定あり。新規限定

【月面世界天体

2069年7月7日 探索者達は地球から月へと臨む。

又は月で変わらぬ日常を送る。

これから何が起こるかも知らずに。

プレイ人数 4~6人固定
想定プレイ時間6~8時間程度
形式クローズド
ロスト率 中。PvP可能性あり。
推奨技能目星、聞き耳、図書館知識技能天文学生物学医学等、自由に取っていい)
準推奨技能戦闘技能機械修理、コンピュータ
舞台 2069年。月。
探索者について 基本的新規のみ。月面研究員2人固定。それ以外は指定なし。特殊作成ルール有 ※そのキャラクターらしい技能を取ってくるのが一番楽しめます

人類讃歌】天体

月へと飛び立つ宇宙船世界終焉など知らずに進みゆく。

時を同じくして始まった物語が有ったことを、君たちは証明しなければならない。

さあ、始めよう、終焉が確定した未来へ向かう物語を。

プレイ人数 4~6人固定
想定プレイ時間18~24時間
形式ティ探索
ロスト率 高。途中退場有り
推奨技能目星・聞き耳・図書館戦闘技能運命
推奨職業警察』『病院関係者』『大学生』各1人以上。作成ルール・設定有り
舞台 2069年の東京都の架空の区
探索者について 新規のみ。指定職業PC以外は物語当日である7月7日の午前8時に病院に来るという理由があればOK

※PL会議を行う場合は必ず宣言をして頂くことになります。無かった場合、全てPC発言として捉えますのでご了承ください。特殊な処理を行うシナリオになります

【Project No.46】天体

2018年8月11日平成最後の夏。暑さが続く夏の日がとっぷりと落ちた頃、探索者はプラネタリウムへと向かう。

日が落ちて大分時間が経つのにも関わらず、じっとりとした暑さは健在であり、探索者の頬を汗が伝う。

実は探索者は今回、『大人子供天体観測を楽しもうツアー』というものを予約しており、このプラネタリウムへと足を運んでいる。

あなた達はここで、世界の命運をかける出来事に巻き込まれていくことになるだろう。

プレイ人数 2~4人
想定プレイ時間5~6時間
形式クローズド
ロスト率 低い
推奨技能目星
準推奨技能交渉技能、隠密、聞き耳、科学天文学
誰かひとりは絶対持っていてほしい 運転(四輪)
舞台現代日本平成最後の夏。
探索者について 継続新規わず。探索者の年齢は18歳以上であること。

蹂躙するは我が手にて】みやした様

HO1 A国の 政治的指導者

HO2 B国の将軍

HO3 C国の参謀総長

HO4 D国の技術研究所所長

2XXX年、第三次世界大戦は各国の共倒れという形で終結した。

荒廃と衰退しか生まぬ散々たる結末に世界は憤怒し、この戦争責任を主要国の4人に押し付けた。

__それが貴方たち探索者だ。

【公開ハンドアウト

共通HO貴方死刑囚である第三次世界大戦終結後、国際機関である "国際同盟 "に捕らえられ、 戦争責任を負う戦犯者 として 本日処刑される予定だ。(セッション開始直前に「秘匿HO」配布有り)

プレイ人数 4人固定(HO有り)
想定プレイ時間6時間程度
形式クローズド
ロスト率 低い。
推奨技能HO推奨技能
準推奨技能目星図書館精神分析戦闘技能
舞台 2XXX年、第三次世界大戦
探索者について 基本的に推奨技能関係新規のみ。公開HOあり。協力型。(セッション開始直前に「秘匿HO」配布有り)

【静寂の箱舟】雛缶様

真実とは、何でしょうか?

それは簡単です。

"疑う者のいない嘘こそが一番の真実である "

探索者達はある時、見知らぬ部屋で目を覚ます事になる。

白い部屋、よく分からないカプセル近未来的な壁。

そして自らが此処最近記憶がない事に気付く。

プレイ人数 2~4人
想定プレイ時間時間程度
形式クローズド
ロスト率 あり。死ぬとき死ぬ
推奨技能目星
準推奨技能 聞き耳、医学心理学
舞台現代日本
探索者について 継続新規わず

2020-10-24

19歳にはぜひ障碍者になって生還してほしい

障碍者でも努力すれば云々をぜひ自分人生でやってみろよ

死ぬまで反省しとけ

2020-10-20

TRPGCoCPCレイプ

異論は認めない。

また、他のTRPG遊んだことはあるが深くは知らないので言及しない。

危険に臨んで秘密を手に入れて生還してハッピーエンドを迎えたい人にはCoCは向かない。

そういうハッピーエンドを迎えられやすシナリオはあるが、よりクトゥルフ神話に近ければ近いシナリオであるほどハッピーエンドは遠いように思える。

あーはいはいクトゥルフ神話原作を知ってる人がメタって楽しむゲームCoCは。分かってる分かってる。

でもそうなると自分みたいなクトゥルフ神話知らないマンメタれないしハッピーエンド遠いしで何も楽しくない。

丹精込めて作ったキャラを死なせなきゃいけないなんて、無駄の極みでしょ。

そして死なないように生きるようにあれこれやったらゲームがつまらない方向に行くし。

あ、学級会にご参加の皆様、こんにちは

私は帰りますので、あとは皆様でお楽しみください!

さようなら

2020-10-12

山岳遭難ドキュメントが好き

悪趣味かも知れんが、大好き

羽根田治さんの書いたシリーズはめちゃくちゃ面白い

つの判断の誤りから、どんどん死の淵に足を踏み入れていく。

ドキュメント 気象遭難」は、ほかの作品に比べて、ものすごく人が亡くなる。

山はとても危険ものだと思い出させてくれる。

吾妻連山の楽しい仲間たちでの中高年の登山から、道迷い、天気の悪化、体力がないことにより、一人また一人と欠けていく。

すごく怖い。

絶対山には登らないぞと思う

トムラウシツアーによる大量遭難が有名だけれど、その前にほぼ同じ場所類似気象遭難事故があったことも知る。

普段ならそういった判断はしなかった。

悪天候なのによろよろと山頂を目指したのはどういう気持ちなんだろう。

間近で友人が絶命するとはどういった状況だろう。

こわい、絶対山には登らない

山岳部所属する高校生が、近所の山で遭難する、「空と山のあいだ」も恐ろしい。慣れ親しんだはずの山が、突然牙をむく。

フィクションではあるが八甲田山死の彷徨もこわい。

年末年始剱岳に挑戦し帰ってこなかった3人のメンバーを、同じ登山会の人が目撃証言を辿って、行動を推測し、遺体場所特定する「いまだ下山せず」も面白い

証言性格から足跡を辿って答えに至る様は、ミステリのようでもある

ヒマラヤ登山ものでは、「空へ」や「K2 非情の頂」が面白い

後者は、高度8000メートルを超える、その場所にいればいるほど死に近づくデスゾーンで、ほかの仲間のサポートをしていた、若い男性登山家が力尽きてしま

いい人でなかったら、その人は生還してたのではないか

不謹慎ながらも、人が生と死の狭間にいるとき、どう考えるのか

その人が生き残ったのは、何がよかったのか、逆にそういう苦境に陥ったのは何が悪かったのか、が知りたいのかな、と思う。

何度も思い出してしまうのは、羽根田治「ドキュメント 道迷い遭難」にあった、遭難者が行き合った、犬を連れたおじいさんの話だ。

遭難者は不安になりながらも、「こちらだとおもう」と進んでいた。

そこでおじいさんに出会い、話す。

「この道で合っているか?」と尋ねられ、遭難者は「合っているとおもう」と返した。おじいさんは犬を連れて道を進んでいく。

その後、遭難者は迷っていたことに気が付き、生還することができた(自力下山までできていたと記憶している)。

しかし、そのあと犬だけが戻ってきて、おじいさんの姿を見た人はいない。

そのエピソードがずっと胸に残って忘れられない

2020-10-10

トイレから生還

死ぬかと思った

下痢なのになんでしりから血が出るんだ?

固いうんこならわかるが水みたいなうんこだぞ

何故…

トイレに1時間くらい居た気がする

断続的に襲う便意

出てはおさまりしかしまだ全部出てないぞ!と腹は言う

味噌状〜粥状〜スープ

最終的には水、粘液だろうか?

もう何も残っていないはず、

で、拭いたら血だ

しみる

肛門がキュッとなって悶える

が、拭き上げた

ウォシュレット欲しい

死ぬかと思った

これ何なんだ、たまになるけど原因がわからん

2020-10-08

anond:20201007133535

医療スタッフ待機しててすぐ治療にかかるからほとんど死なないよ!だからちょこっと車に轢かれてみて!

って言われても「いや…痛いし、死ぬかもしれんやん…命がけやん…」ってなるし、めっちゃ血でて生還したら「命がけの戦いだった」って思うな俺なら

出産は命がけという言葉曲解されてて面白い

出産は命がけ、というのは「いつでも死ぬ可能性と隣り合わせ」という意味であって「妊婦の何人かに一人は必ず死にます」と言っているわけではない。

もうちょっと言うと、今の医療が発達した状況であれば、妊娠出産に関して死ぬということは非常にレアケースだ。

だけど、それは「戦地に行って生還する確立がこれこれだかが戦争は命がけとかっておかしくない?」というのと同じ話だ。戦争が命がけじゃないとか言う人っているのかな知らんけど。

戦争に行っても余り死ななくなった、というのは、やはりテクノロジー戦略、はたまたルールが発達してきたから、生きて帰れるようになった、ということであり、ミスを犯せばいつでも死ぬ危険性がある事自体は不変だ。

では一方で、妊娠出産について書いていこう。こちらもなにかしくじると死ぬ、ということは間違いがない。大概の問題医療でどうにかできるので、もはや問題ではなりにくくなった。だが、「本質的に命がけ」というところは変わっていない。

ただそれは、誰しもしくじりにくくなっているからでしか無い。

なので、統計死産、や分娩中の事故での死亡)とかを見ても意味がない。みんな「ここから先は死ぬ」の線を超えずに済んでいるだけだ。

じゃぁ、性教育だ。

まず、女性妊娠すると、胎児という異物を免疫で退治しないために、免疫力が著しく低下する。ここでしくじれば病気になってアウトだが、今は社会的に衛生が行き届いているので、最悪の自体は免れられる。

次に、妊娠から出産までの間に、いろいろな体調の不調が起こる。産婦人科に行けばもうこの人死ぬんじゃないかっていう女性がちらほらいる。これもしくじれば体力がつきてアウトだが、今は医療のおかげで何をどうすれば死なずに済むかの知見が溜まってきているので、辛いが乗り越えられる

最後に分娩だが、これも適切に行わないと、太い血管が破裂して死んだりする。ごく稀に未成年妊婦が変なところで出産しようとして死んでしまう、というのがあるが、そういうことだ。これについても、どういうふうな手順で赤ちゃんを取り出せばいいかノウハウが蓄積されているので、めちゃくちゃ痛いし時間もかかってヘロヘロになるが、大概無事に出産できる

そして、それでも突発的な急変によって死んでしまう、作業中のミスによって死んでしまう、などの事故は起きている。それに、戦場なら、戦争プロしかいないが、日常なら妊娠出産に対して無知な人、理解がないばかりか攻撃的な人もいるので、余計にリスク高まる。ここに気を貼ってヘロヘロになりながら生きている妊婦も多いかもしれない。この辺の精神的な消耗が実は一番大きいかもしれない。

ここまで書いても命がけと思えないなら、まぁ結婚して子供を作ろうとか考えないほうが良いだろう。

一方で、これを金科玉条のように掲げて周囲を支配しようとするなら、やはり結婚して子供を作らないほうが良いだろう。

2020-10-04

anond:20201004142405

ナチスは超優秀な研究者オリンピック選手経営者であろうがユダヤ人なら収容所にぶち込んだけど?

アンネの日記のアンネのお父さんだって

ソンムの戦いから生還して経営者として成功した

どう考えてもかなり優れてた人間

負け組結婚できないだけの話とナチスジェノサイドは全く違う

夢日記

世間は新たな不老不死可能性に沸き立っていた。

正確には不老不死ではない。

しかし、確実に、今までより遥か未来経験することが出来る可能性が高まっていた。

アメリカとある研究施設が、20名の成人男女の、10日間の冷凍保存に成功した。

このニュース世界中の注目の的となり、世界中寝ても覚めてもそのニュース一色だった。

研究施設には「私も」「俺も」という冷凍体験希望者の声が殺到し、研究施設側も更なるサンプルを収集する為、定期的に世界中から20名ずつの体験者」を募る様になった。

条件は「健康な成人」。同行者1人まで参加可能

世界中の物好き達がその企画に飛びつき、応募し、倍率は宝くじに当たるよりも高くなっていた。

まさか当たるわけないだろうけど」

「でももし当たったのなら体験してみたい」

そんな軽い好奇心から、私は、共にノリノリだった妹を同行者として、その企画に応募した。

日経ったある日、ぼんやりと見覚えのあるアドレスから、一通の英語メールが届いた。

うそ…いたずらよね??」

世界中で同様のメール詐欺が多発していたし、まさか自分当選するなんて。

オフィシャルサイトを開き、慎重に送信アドレスをチェックした後、本文を開いた。

本文サイトにあるリンクドメインも、オフィシャルサイトにある記述も、念入りに確認した。

「本物だ……」

google翻訳を駆使しながら、血眼になって内容を確認した。

内容は至ってシンプルだった。

2021年11月〇日~2021年11月〇日までの10日間、あなた方は冷凍保存体験を受ける権利を獲得しました。

権利を得る為には、いくつかの条件があります

・当施設体験した事に関し、一切の口外を禁じます違反した場合、1億ドル違反金を頂きます

・当体験で発生した事象について、当研究施設は一切の責任を負いかます。全て自己責任でご参加ください。

・当研究施設までの交通費は、全て自己負担となります

・集合時刻に遅れた場合、当体験には参加できません。

また、この権利はいつでも放棄する事が出来ます

なお、当体験必要最低人数を確保する為、本案内は余裕を持った人数へ送信しております

体験者は先着順で決定させて頂いております。ご了承ください。

この短い文章を何度か反芻した後、私は妹にLINEを送った。

今日、話がある」

「え、まじ!?すごくない!?一年後か。結構後だね」

それが妹の第一声だった。

「まぁ、準備とか色々あるだろし」

そう答える私の言葉を遮って、妹が畳みかける。

「返事した?」

「や、まだ」

「はよせいや!他の人に取られるじゃん!」

「まじか」

「いや、何の為に応募したと思ってんの!?はよせいや!」

「そうだね。『いつでも放棄できる』て書いてあるし、とりあえず確保しとこ」

私は半ば勢いで「同意します」をクリックしていた。

それから私たちは浮足立ったものだった。

世紀の大実験体験。初めてのアメリカ

心配性の母は間違いなく泣きながら(そしてブチ切れながら)反対するので、絶対に言えない。

10日間、いや、飛行機での往復を考えるともう少し、仕事も休まなければならない。

飛行機の往復チケットも取らなければならないし、聞いたこともない田舎にある研究施設までのルート確認しなければならない。

「せっかくアメリカ行くんなら観光とかしたかったよね。でも休み取るの限界だしな」

「まぁ、それ以上のすごい体験をする訳だし!」

「てかさ、アメリカまで行って寝てるだけって、冷静に考えたらうけない?」

「まじそれ」

職場に何て言う?」

「私は適当理由つけて有給申請する」

「げー、姉ちゃん会社ユルくていいな。どうしよ。どんな手を使ってでも休むけど」

「お母さんになんて言う?」

「なんて言おうか…」

「…………」

あれこれ画策しているうちに、一年ちょっとはあっと言う間に過ぎた。

初日冷凍保存され、起きたら帰るだけ。

なので、私達は一泊旅行程度の、冗談みたいに少ない手荷物を持って飛行機に乗った。

「結局お母さんに言えなかったね。どうする?」

「たった10日だし。『LINE調子悪かった』とかで乗り切ろ」

「うん…無理あるけど、どんだけ考えてもいい言い訳みつからなかったしね」

「起きて考えよ!起きてから!ねーちゃん考え過ぎなんだよ」

妹はとにかく世紀の体験を楽しみそうにしていて、

心配性の私は、どんどん余計な事を考える様になっていた。

「当研究施設は一切の責任を負いかますって、でもまぁバンジーでもこういうのあるしな」

生還した、ってだけで、体験者全員健康だとは言ってないよな…いやでも何かヤバイ事があったらこんな実験続いてないでしょ」

「口外したら1億ドル…でもまぁ、うちの会社コンプラ厳しいし普通かな…」

疑惑正当化をうろうろしているうちに、飛行機アメリカに到着した。

事前に入念に調べていたので、乗り継ぎを重ね、研究施設へはスムーズに到着した。

集合時間は午前7時。

研究者の方々から挨拶、改めて体験内容と契約内容確認、体調チェック。

そして、契約書へのサイン

体験前には栄養を蓄える為の豪華な食事でも与えられるのかと思いきや、排泄の関係もあるらしく、この日は何も食べさせてもらえなかった。

妹と「クッソ、出る前ちゃんと食べておけばよかった!」「クマ冬眠前に食べ込むのは一体何なの」と軽口をたたき合った。

「では皆様、防護服に着替えてください」

研究員の指示通り、なんだかよくわからない服に着替え、そのままついて行った。

道中、妹はずっとテンション高めにキャッキャとはしゃいでいた。

私は緊張で震えていた。

「ここが先ほどご説明した冷凍室です。皆様は、この中で専用のカプセルに入って眠って頂きます

みなさまは、ねむっていただきますかー。

研究員の人、一人でも体験した事ある人居るのかな。

いや、今まで報道された人達、全員一般人だったよな。

眼科医絶対レーシック手術しないって原理と一緒じゃね??

色々考えていると、冷凍室の扉が轟音と共に開いた。

から、顔を真っ青にした大人達が、ガタガタ震えながら、研究員らしき人々に支えられ、ゾロゾロと出て来た。

「前回の体験者の皆様です。おかえりなさい!」

研究員達は、張り付いた様な笑顔拍手を送っていた。

これから体験する参加者人達も、英雄を見る様な目で見つめ、共に拍手を送っていた。

え、おかしいでしょ。

あの状態人間に、拍手おかしいでしょ。

つか、これ私の体力じゃ絶対無理でしょ。死ぬでしょ。

こわい、どうしよう、こわい。

でも、多分これはいもの考え過ぎだ。私の悪い癖だ。

こんな貴重な体験が出来るんだから、余計なことは考えたらだめだ。

現に、あの人たちは生きて還って来てたし!

「では皆様、中へご案内致します」

研究員がそう言った瞬間、私は研究員の腕を掴み、言った。

すみません、辞退します」

妹は既ににこにこ顔で冷凍室の中に入ってしまった。

承知しました。ではあなたはここで。お気をつけてお帰りください」

もっと怒られるかと思ったのに、研究員は驚く程スムーズに、笑顔で私を解放してくれた。

というか、切り捨てた。

妹も引き戻そうと中に向かって妹の名前を叫んだ。

すると、先ほどの笑顔のまま、研究員は私の前に立ちはだかり、同じ台詞を繰り返した。

あなたはここで。お気をつけてお帰りください」

冷凍室の扉は、閉じた。

なすぎる荷物を抱え、私は研究室敷地を後にした。

何もない。ここがどこかもよく分かっていない。おなかもすいたし、ひどく疲れた

何より、妹をどうしよう。お母さんに何て言おう。

妹は無事に出て来てくれるよね?

10日間、どうしよう。

宿は?ここから一番近い街は?こんな時間にどうすれば?

着替えもほとんどない。とにかくきつい。

妹は大丈夫だよね?

10日間どうすれば…

思考が延々ループして、不安で泣いているうちに目が覚めた。

夢で本当に良かった。

汗びっしょりだった。服脱いだ。

冷凍されてなかった。よかった。

2020-10-01

運命を分ける一線の話

真夜中に救急車サイレンが表通りから聴こえることがあって、ああ、誰か卒中でも起こしたかな、とか思う。

少しでも早く病院に着けるといいな、助かるといいな、と他人事なりにうっすら心配する。文字通り、一刻一秒を争う、というやつだ。

そこで、ふと不思議に思うことがある。

事態はもちろん、早く到着できれば早いほどいいわけで、予後が良い、後遺症が残らない、なにより生還できる可能性として「太い」わけだが、この生還可能性がゼロになる時間上の一線というのが、どこかに存在するんだろうか? もしあるとしたら…その一線というのは、超超…細かい単位まで分解できるのだろうか?

普通、俺たちの反省や後悔は分、せいぜいが秒レベルだし、それ以上分割することなんて当然ナンセンスだが、実際はどうなのだ

「もう○○(超小さい単位)、執刀・止血できていれば、薬効が出ていれば、生きる側のルートに乗っていたのに…」

分や秒なんて次元でなく、物理学で登場する単位とか、仏教の「弾指」のレベルで、もはや神の視点において、人間が生のルートに乗れるかどうかを仕切る時間上の一線が存在したりするのだろうか?

はいきなり飛ぶが、俺は先日人間ドックを受けていて、医者雰囲気的におそらくあんまり内容が良くなかったので、いま戦々恐々で結果が出るのを待っている。

仮に上で書いたような時間上の一線がこの世に存在するとして、それは、こういう慢性的な疾患の場合にも当てはまるだろうか。

一秒を争う緊急医療のケースだと想像やすいわけだが、イメージ簡単かどうかは別にして、ゆっくりと遅効的に病魔に侵されていくパターンであっても、「あの日あのとき、あの瞬間、あと1弾指早く薬を飲んでいれば助かったのに…」みたいな、極細の時間の一線があったりするのだろうか。

というか、疾病に限らず、この一線はなんにでもあるのか?

将来の夢を叶えるために、「あの瞬間がタイムリミットでした。着手するのがあと1弾指早ければ…」とか、好きな人を射止めるのに「あのときモーションかけるのが最後のチャンスでした。あと1刹那早ければ…」みたいな。

まあ、夢だとか恋愛だとかは、時間が経過して大きく潮目が変わってきて…みたいなこともありそうだから、直線的な時間の流れを一点で前と後ろに区別する、みたいな考え方とは相性が悪いかもしれないが、健康に関しては、マジでこういう一線が存在する気がする。

俺はこれが本当に不思議不思議しょうがない。

あとは健康診断の結果が心配ちくしょうめ。

2020-09-29

交通事故マウント

「息子が交通事故にあって重体」というツイートに対するマウント

さな不動産屋勤務ママ

@kinkinkikikikin

返信先:

@taikowaka2

さん

私は交通事故で頭を強く打ちました。

その場に医者はいなかったですが通行人大丈夫か!大丈夫か!あんたは生きてる!!って声が聞こえておきました。

ぜひ大きな声で名前を呼んでください。

戻ってきます

Ryo(なみ)黄色ハート

@Ryo67574670

·

7時間

返信先:

@taikowaka2

さん

悪いのは100%加害者です。お父さんもお母さんもご自身を決して責めないで下さい。

父が交通事故三途の川を渡ろうとした時、当時4歳だった兄が手を握り父を呼び続けたその声に連れ戻されたと言っていました。

お子様、耳は聞こえています

どうか回復して元気に帰ってきてくれますように!!!

0shio

@karimerosetsuko

·

20時間

返信先:

@taikowaka2

さん

FFから失礼いたします。

私も昨年飲酒運転の車に右から轢かれ3日間意識不明の重体でしたが、3ヶ月リハビリしたおかげで今は杖も無く普通に生活しております

きっと息子さんも大丈夫です、目覚める事を信じて祈りましょう!

つなぽん

@tunatuna_01

·

2時間

返信先:

@taikowaka2

さん

もう30年近く前になりますが、道路を渡っていたところを車にはねられて3日間意識不明でした。私が8歳の時のことです。左肺はほぼ機能していませんがそれ以外は元気に、何不自由なく生活しています子供にも恵まれました。きっと私のように事故から生還できると祈っています。頑張れ。

ちんこ日本国篠崎村便りブタウシおんどり

@u6xbUsyDexN72B1

·

6時間

返信先:

@taikowaka2

さん,

@Orange_DrFlower

さん

私はICUで生死を彷徨った時、遠くで聞こえていたのは看護師さんの励ます声イイね意識無くても聞こえています四つ葉のクローバーいっぱいの愛をゆっくりと優しく耳元で語りかけて下さい無表情お子さんは必ず聞いていますm(_ _)m

masako

@NRlDBAB26ba3wFn

·

7時間

返信先:

@taikowaka2

さん,

@yumi0428company

さん

はじめまして

私の息子も手術中の医療ミスにより意識不明になりその時は祈り続けるしかなく朝方突然息を吹き返し意識が戻ってきました。だからきっと息子さんも目を覚ましてくれます

私はお話しを聞いてから涙が止まりません。祈る事しかできなくてごめんなさい握った手

2020-08-27

甥と酒を酌み交わす日に、俺はきっと坊主になる。

おっさんだけど、今、髪を伸ばしている。

何かの願掛けとか、散髪代の節約とかではない。

好物のラーメン蕎麦を食べるときは麺と一緒に吸い込んでしまうし、シャンプーリンスの他にコンディショナーやヘアパックまでして、さらドライヤーで乾かす手間が面倒でたまらないが、それでも髪を伸ばし続けている。

その結果、後頭部には結構サイズポニーテールがぶら下がっている。

俺の体格はいい方で、プロレスラーに間違えられることも過去に数度あったが、最近マスクポニーテール起因のオールバック状態でその頻度は格段に上がった。

俺ならこんな見るからに怪しい風体の男に声を掛けるどころか、前から歩いてきても相手を逆上させないように気を使い進路を変える。

その点、声を掛けてきてくれる方々の肝の太さが羨ましくもある。あとは俺がプロレスラーでさえあれば、みんなが幸せになる。

俺にはもうすぐ二十歳の誕生日を迎える甥がいる。

彼は生後半年大人の握りこぶし大の腫瘍を除去する手術から生還したサバイバーだ。

手術後、小さな体には何本もの管が突き刺さり、その時の傷跡は今なお残っているし、当時は薬の影響か体毛が抜け落ちた状態だった。

その姿をNICUで見た俺の両親は涙が止まらなかったそうだ。

再来月、その甥とついに飲みにいけることとなる。

今は亡き父の念願を、おじさんたちで果たそうと企画している最中だ。

俺が髪を伸ばしている理由は「ヘアドネーション」のため。

多少の不便を堪えれば、小児がんで髪の毛が抜け落ちた子供のためのウィッグ材料となる毛髪を寄付できる。

ハゲしまう前に、白髪がこれ以上増える前に、今日もトリートメントを欠かさずにする。

から、甥と酒を酌み交わす日に、俺はきっと坊主になる。

2020-08-26

anond:20200826155125

ゴブスレ世界貧困層が職に困ったら我先に冒険者になろうとして

冒険者になったらまっさきにゴブリン退治に行くけど生還率は50%みたいな感じだし

頻繁にゴブリンに襲撃されて村一つ消滅したりするよ

放置は無理だろ

2020-08-24

うちよそCoC環境が嫌いという話

noteで似たような題のが流れてきたので自分も「お気持ち表明」してみる。

これは身内が数年前から(うちよそシナリオ含め)CoCしか遊ばなくて、「他のシステムで遊ぼう」って誘っても「CoCで十分じゃん」って言われたのがとても腹が立って、それ以来うちよそCoCを敵視している人間が書いたものです。

10年くらい前からTRPGを始めたけど、最初CoCで遊んでいたし、今でも普通にクラシカルシナリオは好き。

ただ今の「うちよそでTRPGが出来るならCoC」という風潮と環境がめちゃくちゃに嫌い。

は?何言ってんだお前?って思う。

キャラクター継続がしやすい?それはそう。

一般人がなんかわけわからん出来事に巻き込まれ生還してまた別の出来事に巻き込まれていく」っていうのが前提のシステムそもそも少ないし。

私はシステムのやりやすからサイフィク、ホラーならインセインを好んで遊んでいるので、HO秘密次第では継続しにくいっていうのはとても分かる。継続シナリオとかもあるけどね。

インセインスターシステムとか最初ルールブック読んだきりでそんなのあったの忘れてたし。

ただ、シナリオごとにキャラクターを何人も作ってて「CoC以外はうちよそで継続しにくいから~~」なんて言われると腹が立つ。

恋愛でもそれ以外(友情とか殺し合いとか)でも要は「うちの子とよその子キャッキャウフフする」という意味でのうちよそならどのシステムでもいくらでも遊べるわ。シナリオ次第なんだよ。

なんなら「フタリソウサ」「銀剣のステラナイツ」とか見てみろ。うちよそ特化してるって公式で言ってるし継続もしやすい。それを無視して「CoC楽しいから~」って言われるのがとても嫌だ。

本来協力して遊ぶはずのCoCをわざわざ対立型にしたり、複数人が主流だったのにソロタイマンが主流になったり。

遊びにくいか特殊ルールを作っていくのはありだと思うけど、なんか水に浮かべておくはずの船に陸上用の脚をつけて、なんなら最近は翼をつけて空に羽ばたこうとしてるのか?と思ったりもする。

何故その船だけで遊ぶ?普通に自動車とか飛行機とか、別の便利なものがあるのに何故それだけに固執する?

メジャータイトルシステムはそれなりの数遊んだ自負はあるけど、それぞれのシステムごとに世界観確立されていて、どれも楽しいのに。どうしてそんな使いにくいシステムのまま遊ぶ?

グダグダと書いたけど、結局最初CoC以外に手を出す気が無い身内のせいでその環境自体が嫌いになってしまっただけだ。

お前だって他のシステムきじゃん、っていうダブスタなのも自覚している。

自分だって、あの楽しそうなシナリオ達を純粋に楽しんでみたかった。

2020-08-21

CoCTRPGの「同居人」というシナリオ遊んだ

シナリオについてのネタバレを含みます

 先日クトゥルフ神話TRPGの「同居人」というシナリオプレイさせていただきました。

クトゥルフ神話ハワード・フィリップス・ラヴクラフトらによって作られた架空神話

TRPGテーブルトークRPG、紙や鉛筆サイコロなどを用いて会話を軸に遊ぶロールプレイングゲーム

 このシナリオSNSなどでかなり人気があり、有志によるおすすめランキング投票でも上位に出るシナリオであるTRPGをよくやる友人に「みんながおすすめしているから」というようなセリフで誘われてプレイした。

 結論から言うと私個人はこのシナリオがとても嫌いだなと言う感想を抱いた。しかしながらネット上の感想狂気的なまでに「良かった」という内容ばかりが並んでいたのでなぜそうなっているのか気になる。

 私自身がシナリオを書いたりその他創作をする人間ではなく、シナリオ自体の完成度などに口を出せる立場ではないため1プレイヤーとしての感想を述べて行こうと思う。

 まず回してもらった結果、エンディングとして味気のない片ロストだった。(このシナリオプレイヤー人数が2人)

 エンディングプレイヤーの選択によって決まるものなのであまり騒ぎ立てたくはないが。どうしても2人が生還するには、邪神接触して死んでしまっている片方のキャラクターを生き返らせてほしいなどのお願いをしなくてはならない設計になっている。

 個人的に、あまりクトゥルフ神話神話生物必要以上に関わりたくないタイプなため、その邪神接触呪文を使えるようになった後もそれを使わなかった。(結果的相棒がロストした)

 神話生物解決してもらうシナリオってどうなのかな~、とシナリオ終了時は少しモヤモヤしながら終わったが。問題はそのあとシナリオを読んだときに現れた。

 神話描写についていろいろとおかしいのではないかと思った要素があった。

 ひとつは旧き印が神格との接触呪文必要魔法陣めいたものになっており。古き印の中心に神格が現れるという点。

 古き印は神話生物から身を守るような呪文である解釈しており。通常印の領域神話事象から守るであるとか、門の近くに書くと門から神話生物が現れなくなるとかそういうもののはずであるのに今回は召喚のための魔法陣扱いされているのが不思議だった。

 二つ目接触呪文を知る機会。シナリオ内では『ニューイングランド楽園における魔術的脅威』という魔導書(これが魔導書かどうかについては今回問わない)が出てくるが。そこに接触呪文と古き印についての記述があるらしい。基本的にこの魔導書には特別な例を除いて呪文は書いていない。呪文を知ることができる特別な例では確かに接触呪文がある、しかし古き印は書いていないはずなのでおかしい。

 他にも実世界的におかし描写が見受けられる。

意識を失うレベルで車にはねられたNPCが翌日元気にPLのもとに遊びに来る。

とあるイベントにて凍死を免れるため人肌程度の液体をかぶる描写があるが。むしろそのあと凍死するまでが加速しそう。

・手元にある死亡診断書役所に届けるもののはず、コピーをとるなりすれば手元に残っていてもおかしくないがそうまでする理由がない)

さらにはその死亡診断書死体写真も添付されているらしい。

プレイヤーが見ている幻覚識別できるNPC

・これはスピリチュアル的内容になるので実世界的におかしいというべきではないかもしれないが、魂が必要とされている呪文の発動を幻覚として存在しているキャラクターで発動させることができる。

 まだまだあるがキリがないのでこのくらいにするが。なんとも不可解なシナリオだった。

 クトゥルフ神話TRPG世界はある程度現実世界に近いながらも、アーティファクト神話生物が絡み不思議事象が起きる世界だと個人的には思っているのである程度物理法則無視したりなど、何から何まで現実と同じにしろとは言わないが。あまり乖離しすぎていると推理が進まなくなるのでもう少しどうにかならなかったのかと思った。

 全体的に気分を悪くするように作られたように見受けられたのでこのシナリオについていろいろな方の意見を聞いてみたい。

2020-08-15

夏の懺悔

終戦の日は、Y君の命日です。

高校時代同級生Y君とは、それほど親しくありませんでした。同級生とは言っても、三年間で同じクラスだったのは一年生の時だけでした。その後は、時折廊下などで会った時に軽く話をし、稀にメールをする程度の仲でした。

Y君は、予備校の友人と二人で海水浴場に行って事故に遭ったそうです。酷く天気の悪い日で、彼らの他に誰も泳いでいなかったと伝え聴いています。それ以上Y君の死の理由は誰も話しません。みな察しがついているからです。

しかし、僕は彼の死の理由と向き合う必要があります。悼むだけでは足りないほどの仕打ちを、僕は彼にしてきました。

Y君と最初に話したのは、高校入学初日です。僕らの高校は、マンモス私立高校で、大概は公立高校受験に失敗した人間が行く学校でした。お世辞にも賢い学校とは言えません。それでも、それなりの生徒を集めて、特進クラスが二クラス編成されます。僕らのクラスはその一つでした。

入学からしばらくは、みな口々にどこの高校に落ちてこの学校に来たのかを話していました。例によってY君も学区一番の難関公立高校に落ちたそうです。最も、僕らの高校の進学クラスの大半は、その高校か、県下トップ公立高校を落ちてきた人間でした。

はじめは出席番号の近い者同士で輪になるものです。彼と僕の出席番号は二番違いでした。ゴールデンウィークに入る頃には友情の再編成が済み、僕らは別々の交友グループに加わって行きました。

から見ていて、グループの中のY君の地位は極めて低かったと記憶しています。彼らのグループはみなテニス部でした。Y君はいつもいじられる役回りを演じていました。自分から話を切り出しても「調子乗るなよ」という言葉を掛けられている様子をよく見かけました。

入学式が終わってすぐに、実力試験を受けさせられます。Y君の試験結果がどうであったか僕は知りません。少なくとも、僕より上ではなかったことは確かです。学年トップ十人は公表され、僕は四位でした。

第一志望でこの高校に進んだ僕は、周囲から奇異の目で見られていました。ただ一人、Y君だけは、周囲と少し違う反応をしていたのでよく覚えています。Y君の同じ中学校で、学区トップ合格間違いなしと言われて落ちた二人を、僕は下しました。そのことをY君は自分のことのように喜んでいました。

「四位なのに、第一志望でこの学校にきたんだね。」

「こういう人も来るくらいの高校なんだから俺も勉強しよう」

その時の僕にはまだ、そんな理由勉強をはじめようと思う理由理解できませんでした。彼にとって高校はどのような意味をもった場なのかと怪訝に思いました。今になって思えば、不本意入学した学校について、明るく思える理由を見つけられた日だったのでしょう。

とは言っても、その後Y君が試験ライバルとなることはありませんでした。二年生からは、進学クラス文系理系とで別れてしまい、一緒になることはありませんでした。英語の授業だけは進学クラスクラス合同で、レベルごとの三グループに別れて開かれていたが、ついに一緒になることはありませんでした。二年間、Y君は成績下位クラスから上がって来ませんでした。

交友グループが完全に別れてからも、僕はたまにY君と話す機会がありました。というのも通学に使う電車の駅が同じだったのです。そうかと言って一緒に通う約束をするような仲でもありませんでした。遭えば多少話をするといった具合でした。Y君はよく話しかけてきましたが、僕から何か話しかけたという記憶はあまりありません。

彼の家はごく近所でしたが彼の家に遊びに行ったことはありません。詳細な場所も知らず、団地の名前で知っているだけでした。僕は中学卒業後にこの街引っ越してきたので、同じ中学校出身というわけでもありません。彼が普段通学路にしていた道が、僕の部屋の窓から見えますしかし、駅との直線距離上に住んでいる人と思っているだけでした。

Y君はテニス部に入部していました。中学から続けていたと聴いていますしかし、同じクラステニス部から伝え聞くかぎり、部の中での実力ははじめから下位だったそうです。Y君は小柄で、先も細く、よく中学生のようだとからかわれていました。

Y君と同じグループテニス部員は、高校二年にあがるまでに部活を辞めてしまいました。部員の層は厚くないものの、後輩にも実力で追い抜かれ、Y君は引退まで団体戦メンバーに入ることはなかったそうです。

とき一年生の頃にY君と同じ班だったM君は強豪のサッカー部員でした。髪を染めピアスをしていたM君は、Y君に対していつも高圧的な態度をとり、掃除当番を押し付けて、誰よりも早く部活練習に行き、後にレギュラーの座を得ていました。少なくともY君はそのような気概を持ち合わせてはいないように見えました。

僕らの通った高校には、進学クラスを中心とした三泊四日の受験勉強合宿がありました。合宿中は山のように課題を出されました。ホテルに着いて早々、会議室に籠ってひたすらに特別授業を聴かされました。それが終われば翌日までに解いてこいとプリントを大量に渡されました。まともに取り組んで解き切れる量ではなく、教師もその事を知った上で出していた節がありました。それでも僕らは、教師の鼻を明かしてやろうと思って夜を徹して問題を解いていました。

Y君は、ちょっと問題を解いては周りに話しかけていました。「どこまで進んだ?」「この問題どう解くの?」と。そして周囲が邪魔そうな顔をすると自虐的に謝った後、「よし、俺も集中する」と宣言して問題に取り組み、三十分と保たずに振り出しに戻るのでした。

高校二年の頃、しばしば僕はY君のクラスでごく親しい友人と受験勉強ノウハウや、進行状況について情報交換をしていました。そこに、部活休みになってY君が加わったことが何度かあります

Y君が、自分勉強について詳細を語ったことはありませんでした。自分より成績の良い人間発言には同意をし、自分と「同等程度以下」と思っている人間発言にはあまり信用していないような素振りをしていました。しかし、前者が後者発言賛同すると、途端に賛同し出す、風見鶏な態度で話に加わっていました。

僕らはみな自分に合わせて勉強スタイルを組み立てていました。Y君には、そのような節はなく、彼の尊敬する誰かの勉強の仕方を真似しているだけでした。正確には、真似している「つもり」なだけでした。

僕がセンター試験模試で九割をマークした時、Y君が英語勉強内容について尋ねてきました。その頃僕は学校で配られた基礎的な問題集で文法問題毎日大量にこなしていました。ケアレスミスを減らしつつ長文問題に十分な時間を確保するためでした。自宅学習英語の長文に充てられるよう、学校での細切れの時間文法勉強していた方が都合よかったのです。

そのような事情は告げず、学校で配られた問題集を解いているとだけ告げると、Y君は基礎的な問題集にずっと取り組んでいました。かなり後になってから知ったことですが、Y君は毎度の模試では長文問題で大量失点を繰り返していました。長文を読む訓練からはじめるべきだったのに、同じ文法問題集に何周も取り組み続けていたのです。その後も彼は模試の度に取り組んでいる問題集を尋ねに来ましたが、僕は同じ問題集だと答え続けていました。

時を同じくして学年上位の人間が「単語力が足りない。」と言ってハイレベル英単語帳に噛りつくと、Y君はそれを無条件に肯定し、同じ単語帳に取り組み出しました。

学年上位の彼女場合、元から基礎的な語彙力・単語力がしっかりあり、それに支えられて文法問題を解きこなし、身に付けた語彙・文法で長文を読み解き、総合的な英語力を身に着けた後に、日々取り組む実践問題の中で単語力の不足を感じていたのでした。Y君は、そのような事情を知る由もありません。

すべての教科の勉強がこのような具合で、Y君の受験勉強は日々、一貫しないものになっていきました。誰かが「基礎をしっかりしないといけない」と言えば同意をし、しばらく基礎的な勉強を繰り返し、また誰かが「基礎ばかりで実践レベル問題が解けない」と言えば、応用問題を解き始めました。Y君は、自分の実力を冷静にみて勉強する習慣がなかったのです。

試験が終わっても模試が終わっても、Y君はいつも「次で挽回する」とだけ言って答案用紙を二つ折りにして閉まってしまい、自分が何を間違えたのか何が不足しているのか反省をしているようには見えませんでした。僕らは答案を見せ合い、点数をひけらかし合い、同時に何を間違えたのかも見られ、ときには馬鹿にされ、それを恥じ、次には同じ過ちをしまいと心に誓ったのです。そして口々、「次の試験では負けない」と言い合うのでした。

Y君は、ただひたすらに成績上位の級友に勉強方法勉強内容を尋ね、それを真似してみるだけでした。あるいは、それで成績の落ちた級友に反省点を尋ねてみるだけでした。自分の頭を使って、自分必要勉強をして成績を上げようという姿勢が見られませんでした。

高校二年の秋頃から、学年トップ十人の常連の内で、制服に細工をするのが流行りました。理科実験から拝借してきた薬品で五円玉や五十円玉を磨き上げ、ブレザーの左胸にある校章の裏に挟むのです。すると鳥をあしらった校章が後光の差したように見えます。上位三人が五円玉を、残り七人が五十円玉をはさみ模試のたびに奪い合うのです。

事情を知らぬ者が見れば、何のこともない遊びです。どんなにかよく言っても「お洒落」程度のことです。何も知らないでY君がそれを真似して校章に五円玉を挟んでいたのを、僕らは影でクスクスと笑いました。自分の手で掴む喜びを知らないで、努力する苦しみを知らないで、努力した者の成果にだけ憧れるY君の態度を、僕らは気づき、そして内心侮蔑眼差しで見ていました。鈍い色の五円玉が、それを象徴しているように思えたのです。

勉強をしたかテストの結果が伴うのだという自信が、僕らの中にありました。また、勉強していないから全国模試で他校の人間に負けるのだと悔しがっていました。進学クラスの同志とともに学内順位一喜一憂するのは全国模試で泣くほど悔しい思いをした腹癒せであり、本懐はみな志望校への合格でした。

正直に言えば、僕は心底彼を見下していました。大した進学校でもない私立高校の成績上位だけを見て、「◯◯君、勉強できるもんね」と言えてしまうY君の姿勢を、僕は内心唾棄すべき存在だと思うようになっていました。

僕は、努力方向性を間違える人間愚か者だと思っていました。そして努力すらしようとしない人間軽蔑していました。他の何もかも投げ打って練習に取り組むわけでもなく実りのない部活動にただ漫然と時間を費やすY君の姿勢は、まさに軽蔑対象でした。「三年の夏に部活引退したら、本格的に受験勉強をする」というY君の弁に至っては、この時点でもう勝負はついていると僕は思いましたが、哀れな奴だと思うことにして黙っていました。

当時進学クラスの上位面々にしても、実際には大した学力は持ち合わせていませんでした。勉強すればするほど募る不安を振り払うべく、ビックマウスで自分鼓舞させ、歯を食いしばって受験勉強に打ち込んでいたのです。

みな手の内を知っているから言い合えた言葉がありました。「普通クラスの連中が努力して行くような大学から日東駒専は滑り止め」「明青立法中はセンター利用入試で一学部学部抑えて、あとは試験慣れ」「本命早慶国公立大学

Y君が目指したのも、早慶文系学部でした。折りに触れ志望学部を聞いた時に「受かったらいいなぁ」という言い方をしていたので、どこまで本気で受験していたのか分かりません。また彼が将来どういう職業に就きたくてその大学を目指したのかも知りません。いずれにしても、当時のY君の実力からすれば、合格絶望的なので記念受験だったと思います

日本で双璧をためす有名私立大学どころか、当時のY君は本気で日東駒専第一志望にして対策を組んで然るべき成績でした。それにも関わらず、十分な対策をしていなかったのでしょう。そのレベル大学を「滑り止め」として受験し、行き場がなく浪人が決まりました。

先にテニス部を辞めたある級友は、有名私立大学合格しました。Y君から学業面で「同等程度以下」と思われていましたが、彼は初めからY君より成績は良く、そして努力甲斐あって志望校合格しました。Y君が、センター利用試験で抑えるつもりだったレベル大学です。

高校卒業式で、Y君は自宅浪人をするつもりだと話していました。図書館勉強している方が集中できるからだと本人は話していました。それを聴いて、受験勉強のやり方を根本から間違えているのだから予備校に通わなければY君は同じ失敗するだろうと、僕は思っていました。

僕も浪人が決まっており、同じ境遇の友人らと、どこの予備校に行くか、予備校が始まるまでどう過ごすか情報交換をしていました。しかし、僕は、彼と同じ予備校に通うのは自分精神衛生に悪いと思い、誘いませんでした。

僕は気心が知れた戦友二人と予備校生活を送りました。定期的に他の予備校に通っている元同級生とも食事に繰り出し、情報交換とリフレッシュをしていました。時には勉強会を開き、時には悪い遊びに繰り出し、予備校生活を満喫しました。僕はY君に対して意図的に声をかけませんでした。

Y君が亡くなった後、彼がどのような浪人生活一年目を送ったのか、聴いて回っても誰も知りませんでした。分かっているのは結果だけです。一年後の再戦にY君は敗れました。彼が受かったのは、日東駒専文系学部一つでした。浪人してそんな大学行けないと、二浪することを決めたそうです。Y君と伴に最後までテニス部にいた普通クラス出身者が、予備校生活の後に地元国立大学教育学部合格したのも少なからず影響があったと思います

Y君の二浪目については、僅かながらに噂が流れていました。僕らが通った予備校とは別の大手予備校に通ったと聴いています。そしてそれはY君の両親の望みだったという話です。しかしそれ以上のことは誰も知りませんでした。

Y君は、限りなく記念受験に近いであろう第一志望の早稲田大学に落ちました。それでも、今度は明青立法レベル大学に手応えを感じていたそうです。高校時代担任教師の元には、今度は大丈夫そうだとメールが来たそうです。滑り止めに受けた日東駒専合格は決まっていました。

しかし受かった手応えを感じていた青山学院大学は、不合格だったそうです。その結果が判明した時、既に日東駒専手続き期日は過ぎていたそうです。二浪して予備校に通い、親に負担を掛けたくない気持ちが働いたのでしょう、Y君は日東駒専入学一時金を払わなかったそうです。

かくしてY君は三浪目が決まりました。その頃のことは、Y君の級友何人かが打ち明けられていました。「一浪二浪までは変換できるけど、三浪って、ケータイ変換できないんだね」Y君からある友人に宛てられた最後メールには、そう書かれていたそうです。

苦しさは後に喜びがあると知っているから耐えられるものです。喜びのために経験する苦しさと、苦しさの後にある喜びとは、価値が全く異なります。失敗の先に成功を掴んだ人間けが成功評価できますしか成功を掴めない人間には、そのような言葉は無力です。苦しさの中でも特に失敗は辛く、とても重ねていられるものではありません。

三浪目の夏、Y君は、予備校の友人と二人で海に行き、事故に遭ったことになっています。酷く天気の悪い日で、盆過ぎの海水浴場には彼らの他に誰もいなかったと伝え聴いています

同行したのが同じ予備校の友人であるのかは分かりません。しかしその新聞を調べてみると、天気予報では、県内は午前曇、午後から雨となっていました。海水浴に出かける天気ではありません。実際の天気を調べてみても、前日から曇り、実際に曇のち雨だったようです。

二人は遊泳禁止柵を超えて、外へ外へと泳いでいったそうです。友人はしばらくして怖くなり引き返し、Y君のことを警察通報したそうです。海上保安庁警察が捜索したものの、Y君が発見されたのはそれから二日後のことでした。

沖に流されて生還した人の体験談を、折りに触れ読んでみました。だんだんと手足の感覚が無くなって行き、全身が重く感じられ、乾きと苦しさと絶望のあまりに、自ら沈もうとしても身体は死を受け入れず、数時間に渡って浮かんでいると言います。その間、Y君は何を思ったのでしょう。

暗く塩辛海の底に引きずり込まれるまでの数時間、海に来たことを後悔するのでしょうか。自らの力の無さを恨むのでしょうか。早くから勉強しなかったことを悔やむのでしょうか。時代を恨むのでしょうか。日本社会を恨むのでしょうか。

人生の遠回りを許さな日本空気に、Y君は命を奪われました、一体誰が仇をとってくれるのでしょうか――僕はそう思うことで、Y君の死は、自分責任ではないと思い込もうとして来ました。そんな綺麗事では済みません。彼を死に追いやったのは僕らです。

彼の学業上の相談に乗らなかったのは、彼が気楽に、好きなことをしていたことに対する妬みです。彼が、僕の思う独善的な「努力」をしないことについて、快く思っていなかったからです。「努力」などと呼んでいいものではありません。自分の味わった苦しみを人も味わえばいいという意識は、酷い嫉妬心に過ぎません。

彼が学業面で悪循環に陥っていると知りながら、僕ら「成績上位者」を誤解していることと知りながら、僕らが手の内を明かさなかったのは不当な仕打ちです。Y君は、級友の受験勉強という、励まされる理由にも自信を持つ理由にもならないものを盲信していました。そして、僕らはそのことの具合の悪さに気づいていながら放置し、影で嘲笑っていました。僕らはY君の話を聞ける関係にあったのに、聞かずに見殺しにしました。

こうまで酷い仕打ちをして、どうして彼の死を受け止めて来られなかったのでしょう。

今なお、僕は「僕ら」でないと責任を背負えない弱い人間です。そんな僕にも毎年夏は訪れますしかし、今に自分一人、罪の念を免れたいがために記憶を上塗りし、忘れ去ってしまうことでしょう。あるいは、もうそれは始まっているのかも知れません。

実家にある、かつての僕の部屋からは、一車線しかない県道が望めます。Y君が三年間、高校に通うために歩いた道です。なんの変哲もなく、田んぼと林に囲まれ田舎風景です。僕が彼から奪ってしまったものの一つです。

今はまだ、入道雲青空に彩られたこ風景に罪の意識を覚えます

2020-08-05

私はこの就活が終わったら死ぬ

この就活が終わったら死のうと思う。

 私は一地方都市のしがない大学生である私立四年生大学の最高学年であり、連日就職活動に振り回されている。それでもって例の如く就活病み精神的に追い詰められている。これから書くのは端的に言えば弱音であり、備忘録である。たぶん。

 私が死を意識しはじめた時期は小学生くらいだった。きっかけは保育園からの友人と疎遠になったことのように思う。その子と私はもともとタイプが違っていて、成長するにつれてお互い世界が広がって話さなくなる、というある意味典型的パターンだった。 

 ただ、問題だったのは当時の私にはその子達以外に友人がいなかったことだった。その子達は新しい友人を作っていたが、私は新しい友人を作ることが出来なかった。一度でも学生生活経験した人ならわかると思うが、学校という閉鎖社会生活するにはどこかのグループ所属する必要がある。私は友人を失ったことで学校での居場所も失ったのだ。それに加えて元友人は私にとって憧れの存在だった。私はその子のことがまだ好きだったのだ。今なら離れた理由もわかるが、当時はどうして元の友人と疎遠になったのかもわからず、何が悪かったのか折に触れては考えていた。

 なんとなく暗い気持ちで日々を過ごしていたときTVバンジージャンプ映像を見た。芸人タレントか覚えていないが、紐をつけて飛び降り映像を見て「あ、いいな」と思ったのだ。空の中に落ちていくのは、最後に晴れ渡るような青空を視界に焼き付けるのは気持ちがいいだろうな、と。

 恐らく当時の私は友人と疎遠なったことで学校生活不安を持っていた。そこで至った結論が、生きることをやめること、だったのだと思う。だからバンジージャンプをいいなと思ったのだ。もう学校に行かなくて済むから

 これがとんでもない勘違いであることは充分理解している。死ぬことはそんなにいいものじゃない。落ちてる瞬間はきっと凄く怖いし、空なんか見てる余裕もないし、落ちたときなんか死ぬほど痛い。死ぬんだから当然だ。それにそこで死ねればいいが、うっかり生還なんてしたらたまらない。障害を抱えて生きるか、自殺を失敗した人間というレッテルを掲げて生きるか、どっちにしても地獄である

 でも、当時の私には酷く魅力的だった。ここで死ね明日学校に行かなくていい、嫌な発表もしなくていい、最後に綺麗なモノを見て終われる。正直、疎遠になった友人への腹いせのような気持ちもあった。自殺すれば、友人も少しくらい私のことを気にかけてくれるかもしれないという思いもあった。

 小学校に通っている間、何度か四階の音楽室の窓から身を乗り出して晴れ渡る青空コンクリート舗装された地面を見つめた。あんなに熱心に見つめていたのに私は実行には至らなかった。単純に勇気がないから。私には死ぬ勇気がないから。結局私は「死に憧れる自分」に酔っているだけで死ぬ覚悟もなかったのである。そういうところが本当に情けなくて中途半端人間だなと思う。

 だらだらの長く書いたがここまでは前置きであるあくまでここからが本題。だと思う。

 なんとか小中高を抜け、大学にも進学できた。特に留年することもなくなんとか四年生になったが、そこで私は就活という大きな壁にぶち当たっている。

 就活で何が死にたいっておおよそ内定が貰えそうにないことである。今現在エントリーシートを提出した企業が5社でそのうち面接まで行ったのが2社、うち一つは面接遅刻した。まじで馬鹿だと思う。当然、不採用の通知が来た。あと残り5社ほどエントリーシートを提出するつもりだが正直内定が出るとは思えない。となると来年就職浪人非正規雇用の道しかない。

 私は今まで「普通」の人生を目指してきた。高校に行って、大学に行って、正社員になる。ごく一般的な「普通」を目指して懸命に生きてきた。なぜ普通を目指すかというと楽だからだ。これも部活動所属していた理論と近い。「普通」に生きるれば他者に埋没することができる。無駄な注目を浴びなくて済むし、他の人がしないことに労力を割かなくて済む。「普通」というより私は「マジョリティ」に所属したいのだ。常に多数派でありたい。多数派であることはいいことだと私は思う。例えば、何か不幸なことがあっても他の人も体験していれば、よくあることだと納得することができる。困ったことがあっても先人の意見を参考にすることができる。なにより多数決で勝てる。特に多数派であるという安心感は何者にも変えがたい。

 内定が貰えなかったら、新卒就職できなかったら、私の思い描いている「普通とはいえない。普通でないなら死ぬしかない。

 突き詰めれば私は明日の不幸が怖いのだ。小学校とき明日学校行きたくないと思ったのと同じように、明日明後日自分生活が続くことが怖い。

 これを言うと多くの人が人生は年々楽しくなるとか、いいことも沢山あるんだよとか言うのだが、そう言うことではない。楽しいことがあっても悲しい事は帳消しにならない。別々に積もっていくだけ。それに本当に悲しいことや辛いことがあったときに私を生かした人は責任とってくれない。自分の生に責任を取れるのは自分だけである

 本当は漫然と生きることが不安で、その不安が今回の就職活動きっかけに大きく燃え上がっている。だから私にとって自殺とはこの不安を解消するための手段なんだと思う。

 ネットの海を眺めていると私だけではなく、みんな本当は漫然と生きることに対する不安を抱えているような気がする。本当はみんな理想自殺の種類があるんじゃないのか。みんなそうだって言って欲しい。私は「普通だって言って欲しい。

 一方で安易理解は欲しくない、こんなに苦しいのに誰かに判られてたまるかって気持ちもある。みんなが打ち勝っている不安に私だけ負けている事実が怖くもある。

 私のこの漫然とした不安鬱病とかなにか名前の付くものでは恐らくない。だから病院に行って薬を貰うことは出来ないし、病院先生に話を聞いてもらったところで将来なんてみんな不安ものですよ、とかなんとか宥められて帰されるだけだろう。

 私は卒業後は就職するつもりだった。それ以外の選択肢は何も考えていない。就職出来なかった場合については何も考えたくない。

 小学生自分死ぬことに憧れているだけだったが、今の私はきちんと実行できるだろうか。死ぬことを考えるのは正直に言えば怖い。もしかしたら、まだ私は死にたくないのかもしれない。でも死ぬしかない。明日の私を苦しませないために今死ぬしかないんだ。あそこで死んでおけば、と後悔するのだけは絶対に嫌だ。それなら今きっぱり死なないといけない。もうこれ以上苦しまなくていいように、つらい思いをしないように。

 だから私はこの就活が終わったら死ぬ

2020-07-28

anond:20200728122804

医者さんが診断書書くまで亡くなったことにならないんでしたっけ……。

奇跡生還!とかするひといないんだろうか。

2020-07-21

次回の「ますだぶっ!」 7/21放送

どうも増田部2年生コンビ パンティーは被る方の増田です!

増田教室からからがら生還病院に担ぎ込まれ増田

夏の大会まで時間がないからと病院を抜け出して来た!

部員全員が止めるなか「野菜運動瞑想睡眠。」と唱えて悪鬼の如く増田を書くが

あの多彩な才能を持つ増田の姿はそこになかった…

そこで先輩の俺たちの出番ってわけ

増田山の伝説増田の滝の水」はかつて多くの増田僧が傷を癒やすために利用した霊験あらたかな水。

それを探し求め増田山に登る事に!

次回「ますだぶっ!」

増田副部長死す 運動瞑想に欠けた18年間」

運動瞑想をしない者の末路はいつも悲惨だ。お楽しみに!

2020-07-14

TRPGの卓が酷すぎた話

クローズドだったんだけど他のPCは自PC発狂してるのに全然精神分析してくれないし、KPは後出しじゃんけんが上手だし、血を吐いたりネコ死ぬだけで1/1d3、1/1d5のSANチェック入るしクトゥグアはクトゥグワだしニャルラトホテプはニャルラホテプだし挙句の果てに他PCは自PCになんの報告もしてくれないまま勝手にどっか行くしそこでクトゥグワ(笑)みてもSAN値チェックはなぜか起こらないし挙句の果てには自PCのことを一切気にかけてくれないまま元の場所に帰って自PCロストですかねwみたいに言われたから「門の創造使って帰ります」って帰った、門の創造で消えたpowは他の卓で貰った失ったステータス回復できるやつで元通りにしておいて全員生還(笑)で終わったけどシナリオクリア報酬は一切くれないし成長判定も無いしで即ディスコ抜けて全員ブロックしておいた

2020-07-09

地雷から奇跡生還を果たしためんどくさい夢女の話

はじめに

この記事は『ツイステッドワンダーランド』の新イベント、『ゴーストマリッジ』について偏った目線から書いた感想のような怪文書でございます

イベントストーリーの他、ストーリーネタバレを含んでおりますので「ツイステ気になってるんだよね~」という方の閲覧はおすすめしません。

インストリー(特に3章)はできるだけネタバレ見ずにプレイしてほしい…!

これを書いた人間アズールの(ゆるーい)夢女です。

同担拒否の方はウィンドウ(タブ)をそっ閉じ、もしくはブラウザバックすることをおすすめします。

また、この文章あくま思考の整理であり、誰かに向けたものではございません。

(誰もこんな文読まないだろうけど予防線を張っておく)

魔除けを済ませたところで本題へ

まず、私個人の感想を申し上げますと「大草原不可避」。この一言に尽きます

当初自然回復分でブーケを集めて少しずつ読んでいこうと思っていたのをやめ、かけらを少々砕いてどんどん読んでいったぐらいにはストーリーが楽しかったです。

でも、アズールの出番をざっくり拾うと、

2年寮長ズで勉強会してたら追い出される→運動場で監督生を気にかけるような発言(社交辞令可能性あり)→『オペレーションプロポーズ』に案外乗り気→先に玉砕したリー兄弟のことを詫びつつ自分も花婿候補として名乗りを挙げる→(「薔薇花束を捧げて、高らかに愛を歌い上げ」る→)イライザちゃんビンタ→第2陣組でひときわ悔しがる(※個人見解です)→イデアボドゲ部のよしみで助けを求められるも切り捨てる…とよく考えたら夢女的にアウトになりかねない要素が普通にあるんですよね…

多分他作品推しで「演技とはいえある程度ノリノリで異性に告白玉砕」の流れがあったらブチギレる。きっとお気持ち文書ちゃう。最悪他界する。

そして大変恥ずかしい話ではあるのですが、わたくし、推しの扱いにあまりにも納得がいかなくてその作品から距離置いたり他界したりなんかした経験があるめんどくさいオタクであるという自覚があります

冒頭でゆるーい夢女などと申しましたが、鍵掛けずに推し×夢主アイコンにしているような夢女子(夢男子)さんがはっきり言って地雷なめんどくさい夢女です。(もちろん見かけても絡んだりはしませんし、自分推し関連以外はそこまで嫌ってない)

それなのに、なぜ今回は笑っていられるのか…

自分でも不思議です。フシギダネ

どうして生きてるんですか?

平気だった理由として考えられるのが、「監督生に対しての台詞があったから」「推しだけじゃなくて他のキャラも同じような目にあっているから」「コントのような雰囲気から」「花嫁求婚を突っぱねたから」…

ストーリー自体から挙げられるのはざっとこんなところでしょうか。

監督生に対しての台詞があったから」

これは前述の社交辞令ともとれる台詞のことです。

「◯◯さんも、ご無事でなによりです」ですって…!

公開されないからへーきへーき、と少々恥を忍びつつ主人公名前本名(世界観に合わせてカタカナ)に設定していた私は不意討ちを食らうこととなりました。宇宙状態

アズール性格を考えると何度も言います社交辞令である可能性は十分にあります

ですが、なんであれ監督生を気遣うような発言をしたのは事実です。

そして、ライターさんの解説でもない限りこの発言真意が明かされることはないと思っていいでしょう。

そうです。せっかくだから都合よく解釈したろ!ということです。

他人自分のそれを押し付けない限りはどう解釈しようが自由です。なので私はアズールのあの発言本心からと思うことにしますね。

この台詞についてはまた後程ほじくり返します。

推しだけじゃなくて他のキャラも同じような目にあっているから」

これはシンプルながら個人的にはわりと馬鹿にできない理由です。

後半どうなるかは不明ですが、現時点でレオナ、ヴィル、ジャックセベクトレイリー兄弟リリアデュースケイト、そしてアズールと半数近くのキャラプロポーズチャレンジからビンタ(紅葉刻印)を食らっています

やっぱりなんだかんだ言って「みんなそうだから」っていうのは強い。

推し一人だけがひどい目にあっていたら怒りたくもなりますがこれだけの人数が同じ目にあっていればちょっとした平等さすら感じます

コントみたいな雰囲気から

そして「みんなそうだから」はここにつながってきます

あんな人数の多種多様イケメンが順番にビンタを食らう流れに笑わずはいられませんでした。

選択肢にもありましたよね、「バラエティ番組みたい」だって

似たような感想をすでに多数目にしましたが、イライザ姫の「却下!」からビンタからにじみ出る「笑ってはいけないシリーズ」臭…

から次へと挑んでは玉砕する彼らに笑いが止まらず、推しがぽっと出の女性キャラ求婚して惨敗していることにショックを受けるどころではなかったのです。

花嫁求婚を突っぱねたから」

花嫁側がプロポーズを受ける様子が全くなく、バッサリだったのも個人的にショックを軽減する要因だったように思えます

あそこで少しでも「素敵♡」みたいな反応を見せていたら私も絶望の淵に立たされていたことでしょう。

ここまでがストーリーのものから考えられる理由、ここから幻覚も交えていきます

アズールは何にでも本気になるから

思い込みを混ぜ混んだ4つ目の理由

ナニソレ、イミワカンナイ!って感じかと思われますが、はしょった結果なので仕方ないね

でもアズールが何にでも努力するからこそ、ショックが少ないのです。

ぱっと思い出せるだけで少なくとも、

過去100年の出題範囲からテスト対策ノート作成(3章)、ユニーク魔法習得(3章)、ハッピービーンズデーに向けて1年前から準備、サイコロの目を狙って出す練習をする(制服パソスト)、などが挙げられますし、そして何より自分を良く見せるための努力が随所から伺えます

あの場でイライザさんに例の指輪渡すことができたらスゲー、ってなるでしょうし、そりゃアズールも名乗りを挙げるし全力で花婿になりきるよね。

「あのプロポーズ本心からのものではないから」

妄想シマシ、まさかまさかの5つ目。なんか嫌な予感がする文ですね。

ええ、どうも私にはアレが自分を良く見せる努力の一環、つまり打算的な行動にしか見えなかったのです(結果はお察しだけど)。

ここで例の台詞の話に戻る…という訳だ。

オペレーションプロポーズ』を成功させれば周りから評価が良くなる→でしゃばるのも無理はない…

ですが、逃げてきた運動場で監督生を気遣う発言をしたところでアズールに何らかの得があるとは思えないんですよね。

だって監督生、美しい声もなければ一国の跡継ぎでもない普通人間、おまけに小汚い雑巾ですしおすし

あんな対価要求マンが得るものがないのに人を気遣うって一周回って本心から発言しかあり得ないんだよねってこと。パンドラの箱、開けちゃったんだよね。

…話を戻すと、要は「監督生のことは素で気遣ってくれた(と思ってる)けど、あのプロポーズ本心からのものではない(と思ってる)ので痛くもかゆくもありません」ということです。(言ってることが)ヤバいですね☆

収拾がつかなくなってきた

…と、まぁ自分でも着地点がわからなくなってきましたが、これら5つの要素が地雷原をお花畑に変えてくれたのだろうなと思います

えらく雑なまとめ方だな…

別に全てが平気だったわけではない

ここまでピンピンしている私ですが、ショックなことももちろんありました。

比較監督生と行動を共にすることも多い、デュースプロポーズの様子から監督生の性別が男であることがほぼ確定してしまったみたいなのです。

いや、NRCは男子校だから何もおかしくないんですけど。むしろである方がおかしいんですけど。

でも魔法養成学校魔法使えない人間入学した時点でイレギュラーなんだから男子校に女がいるというイレギュラーを重ねたっていいじゃんアゼルバイジャン

しかし、紅一点だからといって逆ハーは私の好みではないです、あくま男子いっぱいの中からたった一人にだけ恋愛感情を向けたいし向けられたいのです。うわキモ

まぁこれ書いてる奴はレオナより少し年上だから監督生=自分としてプレイは無理あったんだけどね!

自分分身を何だと思ってプレイしたらいいのだろうか、男装女子か、はたまた男の娘か…

一体どうしたらいいんだ、脳内で『ツイステッドワンダーランドイケメンパラダイス~』とかいって『イケナイ太陽』でも流しておけばいいのかな…

推し関連ではショック少なかったものの、こっちではなかなか大きなダメージを負ったかもしれない。

おしまい

いい感じにオチがついた()ところで私のお気持ち表明は以上となります

読んでくださる方がいるかはわかりませんが、ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございます

普段は見なかったことにしてしまいがちな同担女子(夢男子)さん(いる?)も、ありがとうございます相互不干渉(私はひっそり暮らしているので関わることはほぼないと思います)でお互い強く生きていこうな!

後編が公開されてまた何かあったら怪文書を流すかもしれません、後編も楽しめるといいな!!!

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