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はてなキーワード: 十字架とは

2021-06-14

モネ 19話 20話 忘備録

亜哉子と未知 やわらかさがない、意地っぽい、カッとなる、言い負かす

耕治と百音

亜哉子 介護と体力の低下が教師がやめた理由と語るが娘二人は納得してない様子

三生 十字架をはずす描写で寺をつぐ決意か

新次 病院に行ってないのかと警官からアル中?別の病気?)

百音・未知 百音がネガティブ思考になったのは未知が傷をえぐったせいでは、互いに認識してる

(百音が家を出るといったときに未知が深刻な顔していたのもそれ?)

百音 問題が読まないのが問題

木を植えていたころの描写にサヤカも サヤカが未知も知っていた理由

龍己は勝負するときモネ相談する

亜哉子の体力低下描写も、龍己の俺が死ぬ前に実現してくれ も伏線みえ

2度目のBBQとき百音・未知の向いに座ってる親子誰?(役者不明

百音、島の同業者反論する(地の性格が出てきたのか)

東京ホテルから殻付き牡蛎300個注文

2021-06-11

モネ 19話 20話 忘備録

亜哉子と未知 やわらかさがない、意地っぽい、カッとなる、言い負かす

耕治と百音

亜哉子 介護と体力の低下が教師がやめた理由と語るが娘二人は納得してない様子

三生 十字架をはずす描写で寺をつぐ決意か

新次 病院に行ってないのかと警官からアル中?別の病気?)

百音・未知 百音がネガティブ思考になったのは未知が傷をえぐったせいでは、互いに認識してる

(百音が家を出るといったときに未知が深刻な顔していたのもそれ?)

百音 問題が読まないのが問題

木を植えていたころの描写にサヤカも サヤカが未知も知っていた理由

龍己は勝負するときモネ相談する

亜哉子の体力低下描写も、龍己の俺が死ぬ前に実現してくれ も伏線みえ

2度目のBBQとき百音・未知の向いに座ってる親子誰?(役者不明

百音、島の同業者反論する(地の性格が出てきたのか)

東京ホテルから殻付き牡蛎300個注文

2021-06-10

神字書きを見つけたのに見つけられない

これは一介の腐女子ラブレター兼迷走日記なので、暇な人だけ読んでほしい。



10年前に女性向けとして爆発的に流行ったジャンルがあり、私は当時リアルタイムでその作品を追っていた。

この間久々にその作品を思い出し、再履修に至った。今でもコンテンツが続いてることをこの時知ったのだが、当時の推しキャラは今も変わらず可愛かった。

何となくpixivで、当時は特に好きでもなかったABというCP小説に手を出した。


そこに、神様はひっそりと在らせられた。



小説投稿数は10ほど。ほとんどがABのカップリングで、そのジャンルのために作られたアカウントなのだと分かった。

人を選ぶ描写価値観も含まれているため、ブクマ数はまちまちといった感じだが…文章レベルの高さからかなり読まれているようだった。

文体は…目の前にそのものの形が浮かんでいるのかと疑うほどリアルで、それでいて詩的であまりにも美しい。二次小説にしては珍しい、少し古めかしい言葉遣いが含まれているのがまたそそられる。言葉ひとつひとつキャラクターに対する愛とリスペクトがあり、愛しさに胸が苦しくなる。

(文章からなんとなく夢野久作を思い出したが似てないかもしれない)

作品説明欄のコメントが、本文の丁寧さとはギャップを感じさせる可愛らしさなのもまたよかった。(ABちゃんマイスイート十字架絵文字…みたいな感じだ)

ひとつ目を通しただけではその多大な魅力に気づかなかった。

ふぅん、読みやすいな。他のも読んでみようかな。程度の気持ちだった。



これが、もう、ふたつみっつ読むと、目が字の羅列を追いかけるのを止められない。一つ読み終わるたびにベッドに突っ伏し、もうだめだ…と呟いてしまう。そして放り出したスマホを手に取り、無意識のうちに次の作品URLタップするのだ。

麻薬が如し、神様が織りなす二人の生活を、営みを摂取することをやめられない。

とんでもない人を見つけてしまった、と私の心臓は破裂しそうなくらい暴れていた。

ジャンルを超えても追いかけたい、この活字と共に生きこの活字と共に死にたいという最早恋する乙女になってしまい、どうにも止まらない。暴走機関車だ。

こんな気持ちは初めてで、pixiv投稿した絵がブクマ万超えした時もこれほど気持ちが高揚したことはなかったと思う(これは少し自慢も入っている、申し訳ないがこれ以上の喩えが思いつかない)


しかしだ。

作品の最終投稿は、約9年前である

そしてやはりというか…プロフィールにはTwitterID記載はなく、作品説明に「壁打ち垢作りました」と載せられていたIDは既に消滅していて、他の人がそのIDで取得し直したようだった。


焦った。

当然pixiv記載された御名前Twitter検索したり、ABと併せて検索したり、ググったりしたが全くヒットしない。

作品欄には同人誌サンプルなどもなかったため、他の御名前サークルから攻めるという選択肢も消えた。


この神様が、愛情を注いで作り上げたABがひっそりとpixivに横たわっているという事実けが残った。

垢分けとは、こういうことなのだ。

私は泣いた。

こんなにも他人の心を衝動的に情熱的に動かすような字を書けるのだ、恐らく他のジャンルでも活動をしているか、もしくはしていただろう。


でも、確かなことは分からない。

神様、またあなた文章にお会いしたいです。

Twitterの140字という短さでもいいのです。

春の訪れを告げる紋白蝶のように清く柔らかくそれでいて色気のある、小さな奇跡に再会したい。

攻と受の、狂おしいほどの慈しみ深い愛をもう一度あなた文章で拝見したいのです。



けれどどうすればその願いが叶うのか、本当にわからない。




pixivメッセージ突撃すべきなのだろうか。「あなた文章が好きなのですが、今現在何か創作活動アカウントなどはお持ちですか?是非フォローしたいです。」

9年前のpixivアカウントを見てくださるとも思わない。



悲しい。

ABの小説という、一生枯れない美しい造花と生きていくしかないのだろうか。


それもまた、幸せなのだろうか。

2021-06-03

神字書きを見つけたのに見つけられない

これは一介の腐女子ラブレター兼迷走日記なので、暇な人だけ読んでほしい。



10年前に女性向けとして爆発的に流行ったジャンルがあり、私は当時リアルタイムでその作品を追っていた。

この間久々にその作品を思い出し、再履修に至った。今でもコンテンツが続いてることをこの時知ったのだが、当時の推しキャラは今も変わらず可愛かった。

何となくpixivで、当時は特に好きでもなかったABというCP小説に手を出した。


そこに、神様はひっそりと在らせられた。



小説投稿数は10ほど。ほとんどがABのカップリングで、そのジャンルのために作られたアカウントなのだと分かった。

人を選ぶ描写価値観も含まれているため、ブクマ数はまちまちといった感じだが…文章レベルの高さからかなり読まれているようだった。

文体は…目の前にそのものの形が浮かんでいるのかと疑うほどリアルで、それでいて詩的であまりにも美しい。二次小説にしては珍しい、少し古めかしい言葉遣いが含まれているのがまたそそられる。言葉ひとつひとつキャラクターに対する愛とリスペクトがあり、愛しさに胸が苦しくなる。

(文章からなんとなく夢野久作を思い出したが似てないかもしれない)

作品説明欄のコメントが、本文の丁寧さとはギャップを感じさせる可愛らしさなのもまたよかった。(ABちゃんマイスイート十字架絵文字…みたいな感じだ)

ひとつ目を通しただけではその多大な魅力に気づかなかった。

ふぅん、読みやすいな。他のも読んでみようかな。程度の気持ちだった。



これが、もう、ふたつみっつ読むと、目が字の羅列を追いかけるのを止められない。一つ読み終わるたびにベッドに突っ伏し、もうだめだ…と呟いてしまう。そして放り出したスマホを手に取り、無意識のうちに次の作品URLタップするのだ。

麻薬が如し、神様が織りなす二人の生活を、営みを摂取することをやめられない。

とんでもない人を見つけてしまった、と私の心臓は破裂しそうなくらい暴れていた。

ジャンルを超えても追いかけたい、この活字と共に生きこの活字と共に死にたいという最早恋する乙女になってしまい、どうにも止まらない。暴走機関車だ。

こんな気持ちは初めてで、pixiv投稿した絵がブクマ万超えした時もこれほど気持ちが高揚したことはなかったと思う(これは少し自慢も入っている、申し訳ないがこれ以上の喩えが思いつかない)


しかしだ。

作品の最終投稿は、約9年前である

そしてやはりというか…プロフィールにはTwitterID記載はなく、作品説明に「壁打ち垢作りました」と載せられていたIDは既に消滅していて、他の人がそのIDで取得し直したようだった。


焦った。

当然pixiv記載された御名前Twitter検索したり、ABと併せて検索したり、ググったりしたが全くヒットしない。

作品欄には同人誌サンプルなどもなかったため、他の御名前サークルから攻めるという選択肢も消えた。


この神様が、愛情を注いで作り上げたABがひっそりとpixivに横たわっているという事実けが残った。

垢分けとは、こういうことなのだ。

私は泣いた。

こんなにも他人の心を衝動的に情熱的に動かすような字を書けるのだ、恐らく他のジャンルでも活動をしているか、もしくはしていただろう。


でも、確かなことは分からない。

神様、またあなた文章にお会いしたいです。

Twitterの140字という短さでもいいのです。

春の訪れを告げる紋白蝶のように清く柔らかくそれでいて色気のある、小さな奇跡に再会したい。

攻と受の、狂おしいほどの慈しみ深い愛をもう一度あなた文章で拝見したいのです。



けれどどうすればその願いが叶うのか、本当にわからない。




pixivメッセージ突撃すべきなのだろうか。「あなた文章が好きなのですが、今現在何か創作活動アカウントなどはお持ちですか?是非フォローしたいです。」

9年前のpixivアカウントを見てくださるとも思わない。



悲しい。

ABの小説という、一生枯れない美しい造花と生きていくしかないのだろうか。


それもまた、幸せなのだろうか。

2021-05-31

地獄”の概念宗教価値を貶めている

本来人の心を救うものであるはずの宗教が、これのせいで一転脅しの道具になってしまっている。

江戸時代に描かれたらしいキリスト教徒仏教地獄十字架を握りしめて泣いている絵を見て、ああそういうキモいツイッター漫画みたいなの描くんだ。しょうもな。と、なんか冷めてしまった覚えがある。

地獄存在価値って何?我慢しながら教義を守って生きてる人たちを納得させて、教義を信じない人達に脅しをかけるための道具としか思えんわ。天国がどんな場所かはなあなあにしてる癖に地獄だけ設定緻密なのもキモい

神道しか勝たんわもう。

2021-05-29

全体合計にはダイヤモンドプリンセス乗船者も含む

最近新聞の新型コロナ感染者の一覧表を見ていると、ダイプリ乗船者の別枠集計がなくなって、全体合計に含まれるようになってた。

ようやくダイプリは許されるようになったか。あの別枠集計は、ダイプリ感染者に十字架を背負わせているようで、あんまり気分の良いものじゃなかったし、

2021-05-03

anond:20210503150928

参加選手反社みたいなもんやで。

選手のために医療従事者を集めたら、その分だけ地域医療が手薄になり、

すくえないコロナ患者が在宅死する。

この十字架を背負ってまで、出場したい選手は本当にいるのかどうか・・。

ちゃん選手一人一人に聞いて回った方がいいと思うの。

2021-04-28

シンガポール移住したユーチューバー夫妻

これ今後批判され続けて一生十字架を背負うパティーンや。

シンガポール北朝鮮揶揄

兵役拒否

吉本事務所ケンカ別れ?(よくしらん)

といった行動に加えて、そもそも租税回避目的という点でやばい

30台ってワイもそうだったけどいろいろ人生誤るからなあ。

中田さんというより奥さんやばいきがする。

十字架を背負うというのはどういうことかというのは濁しておく。

2021-04-21

[]アインシュタイン十字架

巨大な重力によって光が曲げられる「重力レンズ効果」によって四つに分裂して見えるクエーサーのこと。ペガスス座にある。

2021-04-07

anond:20210406154303

神社に行ってお賽銭入れるのは縁起が良さそうだからだし二礼二拍手一礼はただのマナー教会に行けば教会のしきたりに従い十字架切って手を合わせると思う。結婚式教会で挙げるのが定番だし、毎年クリスマスも祝うけど別にクリスチャンな訳ではない。多くの日本人宗教観はその程度のものかと。

2021-03-22

最新エントリ

川の向う岸が俄にわかに赤くなりました。楊やなぎの木や何かもまっ黒にすかし出され見えない天の川の波もときどきちらちら針のように赤く光りました。まったく向う岸の野原に大きなまっ赤な火が燃されその黒いけむりは高く桔梗ききょういろのつめたそうな天をも焦こがしそうでした。ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく酔よったようになってその火は燃えているのでした。

「あれは何の火だろう。あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう。」ジョバンニが云いいました。

「蝎さそりの火だな。」カムパネルラが又また地図と首っ引きして答えました。

「あら、蝎の火のことならあたし知ってるわ。」

「蝎の火ってなんだい。」ジョバンニがききました。

「蝎がやけて死んだのよ。その火がいまでも燃えてるってあたし何べんもお父さんから聴いたわ。」

「蝎って、虫だろう。」

「ええ、蝎は虫よ。だけどいい虫だわ。」

「蝎いい虫じゃないよ。僕博物館アルコールにつけてあるの見た。尾にこんなかぎがあってそれで螫さされると死ぬって先生が云ったよ。」

「そうよ。だけどいい虫だわ、お父さん斯こう云ったのよ。むかしのバルドラの野原に一ぴきの蝎がいて小さな虫やなんか殺してたべて生きていたんですって。するとある日いたちに見附みつかって食べられそうになったんですって。さそりは一生けん命遁にげて遁げたけどとうとういたちに押おさえられそうになったわ、そのときいきなり前に井戸があってその中に落ちてしまったわ、もうどうしてもあがられないでさそりは溺おぼれはじめたのよ。そのときさそりは斯う云ってお祈いのりしたというの、

 ああ、わたしはいままでいくつのものの命をとったかからない、そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときあんなに一生けん命にげた。それでもとうとうこんなになってしまった。ああなんにもあてにならない。どうしてわたしわたしからだをだまっていたちに呉くれてやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸さいわいのために私のからだをおつかい下さい。って云ったというの。そしたらいつか蝎はじぶんのからだがまっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照らしているのを見たって。いまでも燃えてるってお父さん仰おっしゃったわ。ほんとうにあの火それだわ。」

「そうだ。見たまえ。そこらの三角標はちょうどさそりの形にならんでいるよ。」

 ジョバンニはまったくその大きな火の向うに三つの三角標がちょうどさそりの腕うでのようにこっちに五つの三角標がさそりの尾やかぎのようにならんでいるのを見ました。そしてほんとうにそのまっ赤なうつくしいさそりの火は音なくあかるくあかるく燃えたのです。

 その火がだんだんしろの方になるにつれてみんなは何とも云えずにぎやかなさまざまの楽の音ねや草花の匂においのようなもの口笛や人々のざわざわ云う声やらを聞きました。それはもうじきちかくに町か何かがあってそこにお祭でもあるというような気がするのでした。

ケンタウル露つゆをふらせ。」いきなりいままで睡ねむっていたジョバンニのとなりの男の子が向うの窓を見ながら叫んでいました。

 ああそこにはクリスマストリイのようにまっ青な唐檜とうひかもみの木がたってその中にはたくさんのたくさんの豆電燈まめでんとうがまるで千の蛍ほたるでも集ったようについていました。

「ああ、そうだ、今夜ケンタウル祭だねえ。」

「ああ、ここはケンタウルの村だよ。」カムパネルラがすぐ云いました。〔以下原稿一枚?なし〕

ボール投げなら僕ぼく決してはずさない。」

 男の子が大威張おおいばりで云いました。

「もうじきサウザンクロスです。おりる支度したくをして下さい。」青年がみんなに云いました。

「僕も少し汽車へ乗ってるんだよ。」男の子が云いました。カムパネルラのとなりの女の子はそわそわ立って支度をはじめましたけれどもやっぱりジョバンニたちとわかれたくないようなようすでした。

「ここでおりなけぁいけないのです。」青年はきちっと口を結んで男の子を見おろしながら云いました。

「厭いやだい。僕もう少し汽車へ乗ってから行くんだい。」

 ジョバンニがこらえ兼ねて云いました。

「僕たちと一緒いっしょに乗って行こう。僕たちどこまでだって行ける切符きっぷ持ってるんだ。」

「だけどあたしたちもうここで降りなけぁいけないのよ。ここ天上へ行くとこなんだから。」女の子さびしそうに云いました。

「天上へなんか行かなくたっていいじゃないか。ぼくたちここで天上よりももっといいとこをこさえなけぁいけないって僕の先生が云ったよ。」

だっておっ母さんも行ってらっしゃるしそれに神さまが仰おっしゃるんだわ。」

「そんな神さまうその神さまだい。」

あなたの神さまうその神さまよ。」

「そうじゃないよ。」

あなたの神さまってどんな神さまですか。」青年は笑いながら云いました。

「ぼくほんとうはよく知りません、けれどもそんなんでなしにほんとうのたった一人の神さまです。」

「ほんとうの神さまはもちろんたった一人です。」

「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」

「だからそうじゃありませんか。わたくしはあなた方がいまにそのほんとうの神さまの前にわたくしたちとお会いになることを祈ります。」青年はつつましく両手を組みました。女の子もちょうどその通りにしました。みんなほんとうに別れが惜おしそうでその顔いろも少し青ざめて見えました。ジョバンニはあぶなく声をあげて泣き出そうとしました。

「さあもう支度はいいんですか。じきサウザンクロスですから。」

 ああそのときでした。見えない天の川のずうっと川下に青や橙だいだいやもうあらゆる光でちりばめられた十字架じゅうじかがまるで一本の木という風に川の中から立ってかがやきその上には青じろい雲がまるい環わになって後光のようにかかっているのでした。汽車の中がまるでざわざわしました。みんなあの北の十字のときのようにまっすぐに立ってお祈りをはじめました。あっちにもこっちにも子供が瓜うりに飛びついたときのようなよろこびの声や何とも云いようない深いつつましいためいきの音ばかりきこえました。そしてだんだん十字架は窓の正面になりあの苹果りんごの肉のような青じろい環の雲もゆるやかにゆるやかに繞めぐっているのが見えました。

ハルヤハルレヤ。」明るくたのしくみんなの声はひびきみんなはそのそらの遠くからつめたいそらの遠くからすきとおった何とも云えずさわやかなラッパの声をききました。そしてたくさんのシグナルや電燈の灯あかりのなかを汽車だんだんゆるやかになりとうとう十字架のちょうどま向いに行ってすっかりとまりました。

「さあ、下りるんですよ。」青年男の子の手をひきだんだん向うの出口の方へ歩き出しました。

「じゃさよなら。」女の子がふりかえって二人に云いました。

さよなら。」ジョバンニはまるで泣き出したいのをこらえて怒おこったようにぶっきり棒に云いました。女の子はいかにもつらそうに眼めを大きくしても一度こっちをふりかえってそれからあとはもうだまって出て行ってしまいました。汽車の中はもう半分以上も空いてしまい俄にわかにがらんとしてさびしくなり風がいっぱいに吹ふき込こみました。

 そして見ているとみんなはつつましく列を組んであの十字架の前の天の川なぎさにひざまずいていました。そしてその見えない天の川の水をわたってひとりの神々こうごうしい白いきものの人が手をのばしてこっちへ来るのを二人は見ました。けれどもそのときはもう硝子ガラス呼子よびこは鳴らされ汽車うごき出しと思ううちに銀いろの霧きりが川下の方からすうっと流れて来てもうそっちは何も見えなくなりました。ただたくさんのくるみの木が葉をさんさんと光らしてその霧の中に立ち黄金きんの円光をもった電気栗鼠りすが可愛かあいい顔をその中からちらちらのぞいているだけでした。

 そのときすうっと霧がはれかかりました。どこかへ行く街道らしく小さな電燈の一列についた通りがありました。それはしばらく線路に沿って進んでいました。そして二人がそのあかしの前を通って行くときはその小さな豆いろの火はちょうど挨拶あいさつでもするようにぽかっと消え二人が過ぎて行くときまた点つくのでした。

 ふりかえって見るとさっきの十字架はすっかり小さくなってしまいほんとうにもうそのまま胸にも吊つるされそうになり、さっきの女の子青年たちがその前の白い渚なぎさにまだひざまずいているのかそれともどこか方角もわからないその天上へ行ったのかぼんやりして見分けられませんでした。

 ジョバンニはああと深く息しました。

カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸さいわいのためならば僕のからだなんか百ぺん灼やいてもかまわない。」

「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙なみだがうかんでいました。

「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」ジョバンニが云いました。

「僕わからない。」カムパネルラぼんやり云いました。

「僕たちしっかりやろうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧わくようにふうと息をしながら云いました。

「あ、あすこ石炭袋ぶくろだよ。そらの孔あなだよ。」カムパネルラが少しそっちを避さけるようにしながら天の川のひととこを指さしました。ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまいました。天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいているのです。その底がどれほど深いかその奥おくに何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えずただ眼がしんしんと痛むのでした。ジョバンニが云いました。

「僕もうあんな大きな暗やみの中だってこわくない。きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。」

「ああきっと行くよ。ああ、あすこの野原はなんてきれいだろう。みんな集ってるねえ。あすこがほんとうの天上なんだ。あっあすこにいるのぼくのお母さんだよ。」カムパネルラは俄にわかに窓の遠くに見えるきれいな野原を指して叫さけびました。

 ジョバンニもそっちを見ましたけれどもそこはぼんやり白くけむっているばかりどうしてもカムパネルラが云ったように思われませんでした。何とも云えずさびしい気がしてぼんやりそっちを見ていましたら向うの河岸に二本の電信ばしらが丁度両方から腕うでを組んだように赤い腕木をつらねて立っていました。

カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。」ジョバンニが斯こう云いながらふりかえって見ましたらそのいままでカムパネルラの座すわっていた席にもうカムパネルラの形は見えずただ黒いびろうどばかりひかっていました。ジョバンニはまるで鉄砲丸てっぽうだまのように立ちあがりました。そして誰たれにも聞えないように窓の外へからだを乗り出して力いっぱいはげしく胸をうって叫びそれからもう咽喉のどいっぱい泣きだしました。もうそこらが一ぺんにまっくらになったように思いました。

てけつん、つきてん、すいせいてん

八、鳥を捕とる人

「ここへかけてもようございますか。」

 がさがさした、けれども親切そうな、大人の声が、二人のうしろで聞えました。

 それは、茶いろの少しぼろぼろの外套がいとうを着て、白い巾きれでつつん荷物を、二つに分けて肩に掛かけた、赤髯あかひげのせなかのかがんだ人でした。

「ええ、いいんです。」ジョバンニは、少し肩をすぼめて挨拶あいさつしました。その人は、ひげの中でかすかに微笑わらいながら荷物ゆっくり網棚あみだにのせました。ジョバンニは、なにか大へんさびしいようなかなしいような気がして、だまって正面の時計を見ていましたら、ずうっと前の方で、硝子ガラスの笛ふえのようなものが鳴りました。汽車はもう、しずかにうごいていたのです。カムパネルラは、車室の天井てんじょうを、あちこち見ていました。その一つのあかりに黒い甲虫かぶとむしがとまってその影が大きく天井うつっていたのです。赤ひげの人は、なにかなつかしそうにわらいながら、ジョバンニやカムパネルラのようすを見ていました。汽車はもうだんだん早くなって、すすきと川と、かわるがわる窓の外から光りました。

 赤ひげの人が、少しおずおずしながら、二人に訊ききました。

あなた方は、どちらへいらっしゃるんですか。」

「どこまでも行くんです。」ジョバンニは、少しきまり悪そうに答えました。

「それはいいね。この汽車は、じっさい、どこまででも行きますぜ。」

あなたはどこへ行くんです。」カムパネルラが、いきなり、喧嘩けんかのようにたずねましたので、ジョバンニは、思わずわらいました。すると、向うの席に居た、尖った帽子かぶり、大きな鍵かぎを腰こしに下げた人も、ちらっとこっちを見てわらいましたので、カムパネルラも、つい顔を赤くして笑いだしてしまいました。ところがその人は別に怒おこったでもなく、頬ほほをぴくぴくしながら返事しました。

「わっしはすぐそこで降ります。わっしは、鳥をつかまえる商売でね。」

「何鳥ですか。」

「鶴や雁がんです。さぎも白鳥もです。」

「鶴はたくさんいますか。」

「居ますとも、さっきから鳴いてまさあ。聞かなかったのですか。」

「いいえ。」

「いまでも聞えるじゃありませんか。そら、耳をすまして聴きいてごらんなさい。」

 二人は眼めを挙げ、耳をすましました。ごとごと鳴る汽車のひびきと、すすきの風との間から、ころんころんと水の湧わくような音が聞えて来るのでした。

「鶴、どうしてとるんですか。」

「鶴ですか、それとも鷺さぎですか。」

「鷺です。」ジョバンニは、どっちでもいいと思いながら答えました。

そいつはな、雑作ぞうさない。さぎというものは、みんな天の川の砂が凝こごって、ぼおっとできるもんですからね、そして始終川へ帰りますからね、川原で待っていて、鷺がみんな、脚あしをこういう風にして下りてくるとこを、そいつが地べたへつくかつかないうちに、ぴたっと押おさえちまうんです。するともう鷺は、かたまって安心して死んじまいます。あとはもう、わかり切ってまさあ。押し葉にするだけです。」

「鷺を押し葉にするんですか。標本ですか。」

「標本じゃありません。みんなたべるじゃありませんか。」

おかしいねえ。」カムパネルラ首をかしげました。

おかしいも不審ふしんもありませんや。そら。」その男は立って、網棚から包みをおろして、手ばやくくるくると解きました。

「さあ、ごらんなさい。いまとって来たばかりです。」

「ほんとうに鷺だねえ。」二人は思わず叫さけびました。まっ白な、あのさっきの北の十字架じゅうじかのように光る鷺のからだが、十ばかり、少しひらべったくなって、黒い脚をちぢめて、浮彫うきぼりのようにならんでいたのです。

「眼をつぶってるね。」カムパネルラは、指でそっと、鷺の三日月がたの白い瞑つぶった眼にさわりました。頭の上の槍やりのような白い毛もちゃんとついていました。

「ね、そうでしょう。」鳥捕りは風呂敷ふろしきを重ねて、またくるくると包んで紐ひもでくくりました。誰たれがいったいここらで鷺なんぞ喰たべるだろうとジョバンニは思いながら訊きました。

「鷺はおいしいんですか。」

「ええ、毎日注文がありますしかし雁がんの方が、もっと売れます。雁の方がずっと柄がらがいいし、第一手数がありませんからな。そら。」鳥捕りは、また別の方の包みを解きました。すると黄と青じろとまだらになって、なにかのあかりのようにひかる雁が、ちょうどさっきの鷺のように、くちばしを揃そろえて、少し扁ひらべったくなって、ならんでいました。

「こっちはすぐ喰べられます。どうです、少しおあがりなさい。」鳥捕りは、黄いろな雁の足を、軽くひっぱりました。するとそれは、チョコレートででもできているように、すっときれいにはなれました。

「どうです。すこしたべてごらんなさい。」鳥捕りは、それを二つにちぎってわたしました。ジョバンニは、ちょっと喰べてみて、(なんだ、やっぱりこいつはお菓子かしだ。チョコレートよりも、もっとおいしいけれども、こんな雁が飛んでいるもんか。この男は、どこかそこらの野原の菓子屋かしやだ。けれどもぼくは、このひとをばかにしながら、この人のお菓子をたべているのは、大へん気の毒だ。)とおもいながら、やっぱりぽくぽくそれをたべていました。

「も少しおあがりなさい。」鳥捕りがまた包みを出しました。ジョバンニは、もっとたべたかったのですけれども、

「ええ、ありがとう。」と云いって遠慮えんりょしましたら、鳥捕りは、こんどは向うの席の、鍵かぎをもった人に出しました。

「いや、商売ものを貰もらっちゃすみませんな。」その人は、帽子ぼうしをとりました。

「いいえ、どういたしまして。どうです、今年の渡わたり鳥どりの景気は。」

「いや、すてきなもんですよ。一昨日おとといの第二限ころなんか、なぜ燈台の灯ひを、規則以外に間〔一字分空白〕させるかって、あっちからもこっちからも、電話故障が来ましたが、なあに、こっちがやるんじゃなくて、渡り鳥どもが、まっ黒にかたまって、あかしの前を通るのですから仕方ありませんや。わたしぁ、べらぼうめ、そんな苦情は、おれのとこへ持って来たって仕方がねえや、ばさばさのマントを着て脚と口との途方とほうもなく細い大将へやれって、斯こう云ってやりましたがね、はっは。」

 すすきがなくなったために、向うの野原から、ぱっとあかりが射さして来ました。

「鷺の方はなぜ手数なんですか。」カムパネルラは、さっきから、訊こうと思っていたのです。

「それはね、鷺を喰べるには、」鳥捕りは、こっちに向き直りました。

天の川の水あかりに、十日もつるして置くかね、そうでなけぁ、砂に三四日うずめなけぁいけないんだ。そうすると、水銀がみんな蒸発して、喰べられるようになるよ。」

「こいつは鳥じゃない。ただのお菓子でしょう。」やっぱりおなじことを考えていたとみえて、カムパネルラが、思い切ったというように、尋たずねました。鳥捕りは、何か大へんあわてた風で、

「そうそう、ここで降りなけぁ。」と云いながら、立って荷物をとったと思うと、もう見えなくなっていました。

「どこへ行ったんだろう。」

 二人は顔を見合せましたら、燈台守は、にやにや笑って、少し伸のびあがるようにしながら、二人の横の窓の外をのぞきました。二人もそっちを見ましたら、たったいまの鳥捕りが、黄いろと青じろの、うつくしい燐光りんこうを出す、いちめんのかわらははこぐさの上に立って、まじめな顔をして両手をひろげて、じっとそらを見ていたのです。

「あすこへ行ってる。ずいぶん奇体きたいだねえ。きっとまた鳥をつかまえるとこだねえ。汽車が走って行かないうちに、早く鳥がおりるといいな。」と云った途端とたん、がらんとした桔梗ききょういろの空から、さっき見たような鷺が、まるで雪の降るように、ぎゃあぎゃあ叫びながら、いっぱいに舞まいおりて来ました。するとあの鳥捕りは、すっかり注文通りだというようにほくほくして、両足をかっきり六十度に開いて立って、鷺のちぢめて降りて来る黒い脚を両手で片かたっ端ぱしから押えて、布の袋ふくろの中に入れるのでした。すると鷺は、蛍ほたるのように、袋の中でしばらく、青くぺかぺか光ったり消えたりしていましたが、おしまいとうとう、みんなぼんやり白くなって、眼をつぶるのでした。ところが、つかまえられる鳥よりは、つかまえられないで無事に天あまの川がわの砂の上に降りるものの方が多かったのです。それは見ていると、足が砂へつくや否いなや、まるで雪の融とけるように、縮ちぢまって扁ひらべったくなって、間もなく熔鉱炉ようこうろから出た銅の汁しるのように、砂や砂利じゃりの上にひろがり、しばらくは鳥の形が、砂についているのでしたが、それも二三度明るくなったり暗くなったりしているうちに、もうすっかりまわりと同じいろになってしまうのでした。

 鳥捕りは二十疋ぴきばかり、袋に入れてしまうと、急に両手をあげて、兵隊鉄砲弾てっぽうだまにあたって、死ぬときのような形をしました。と思ったら、もうそこに鳥捕りの形はなくなって、却かえって、

「ああせいせいした。どうもからだに恰度ちょうど合うほど稼かせいでいるくらい、いいことはありませんな。」というききおぼえのある声が、ジョバンニの隣となりにしました。見ると鳥捕りは、もうそこでとって来た鷺を、きちんとそろえて、一つずつ重ね直しているのでした。

「どうしてあすこから、いっぺんにここへ来たんですか。」ジョバンニが、なんだかあたりまえのような、あたりまえでないような、おかしな気がして問いました。

「どうしてって、来ようとしたから来たんです。ぜんたいあなた方は、どちらからおいでですか。」

 ジョバンニは、すぐ返事しようと思いましたけれども、さあ、ぜんたいどこから来たのか、もうどうしても考えつきませんでした。カムパネルラも、顔をまっ赤にして何か思い出そうとしているのでした。

「ああ、遠くからですね。」鳥捕りは、わかったというように雑作なくうなずきました。

クワッカワラビーのゆーうつ

七、北十字とプリオシン海岸

「おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。」

 いきなり、カムパネルラが、思い切ったというように、少しどもりながら、急せきこんで云いいました。

 ジョバンニは、

(ああ、そうだ、ぼくのおっかさんは、あの遠い一つのちりのように見える橙だいだいいろの三角標のあたりにいらっしゃって、いまぼくのことを考えているんだった。)と思いながら、ぼんやりしてだまっていました。

「ぼくはおっかさんが、ほんとうに幸さいわいになるなら、どんなことでもする。けれども、いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸なんだろう。」カムパネルラは、なんだか、泣きだしたいのを、一生けん命こらえているようでした。

「きみのおっかさんは、なんにもひどいことないじゃないの。」ジョバンニはびっくりして叫さけびました。

「ぼくわからない。けれども、誰たれだって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸なんだねえ。だから、おっかさんは、ぼくをゆるして下さると思う。」カムパネルラは、なにかほんとうに決心しているように見えました。

 俄にわかに、車のなかが、ぱっと白く明るくなりました。見ると、もうじつに、金剛こんごうせきや草の露つゆやあらゆる立派さをあつめたような、きらびやか銀河の河床かわどこの上を水は声もなくかたちもなく流れ、その流れのまん中に、ぼうっと青白く後光の射さした一つの島が見えるのでした。その島の平らないただきに、立派な眼もさめるような、白い十字架じゅうじかがたって、それはもう凍こおった北極の雲で鋳いたといったらいいかすきっとした金いろの円光をいただいて、しずかに永久に立っているのでした。

ハルレヤ、ハルレヤ。」前からもうしろからも声が起りました。ふりかえって見ると、車室の中の旅人たちは、みなまっすぐにきもののひだを垂れ、黒いバイブルを胸にあてたり、水晶すいしょうの珠数じゅずをかけたり、どの人もつつましく指を組み合せて、そっちに祈いのっているのでした。思わず二人もまっすぐに立ちあがりました。カムパネルラの頬ほほは、まるで熟した苹果りんごのあかしのようにうつくしくかがやいて見えました。

 そして島と十字架とは、だんだんしろの方へうつって行きました。

 向う岸も、青じろくぽうっと光ってけむり、時々、やっぱりすすきが風にひるがえるらしく、さっとその銀いろがけむって、息でもかけたように見え、また、たくさんのりんどうの花が、草をかくれたり出たりするのは、やさしい狐火きつねびのように思われました。

 それもほんのちょっとの間、川と汽車との間は、すすきの列でさえぎられ、白鳥の島は、二度ばかり、うしろの方に見えましたが、じきもうずうっと遠く小さく、絵のようになってしまい、またすすきがざわざわ鳴って、とうとうすっかり見えなくなってしまいました。ジョバンニのうしろには、いつから乗っていたのか、せいの高い、黒いかつぎをしたカトリック風の尼あまさんが、まん円な緑の瞳ひとみを、じっとまっすぐに落して、まだ何かことばか声かが、そっちから伝わって来るのを、虔つつしんで聞いているというように見えました。旅人たちはしずかに席に戻もどり、二人も胸いっぱいのかなしみに似た新らしい気持ちを、何気なくちがった語ことばで、そっと談はなし合ったのです。

「もうじき白鳥停車場だねえ。」

「ああ、十一時かっきりには着くんだよ。」

 早くも、シグナルの緑の燈あかりと、ぼんやり白い柱とが、ちらっと窓のそとを過ぎ、それから硫黄いおうのほのおのようなくらいぼんやりした転てつ機の前のあかりが窓の下を通り、汽車だんだんゆるやかになって、間もなくプラットホームの一列の電燈が、うつくしく規則正しくあらわれ、それがだんだん大きくなってひろがって、二人は丁度白鳥停車場の、大きな時計の前に来てとまりました。

 さわやかな秋の時計の盤面ダイアルには、青く灼やかれたはがねの二本の針が、くっきり十一時を指しました。みんなは、一ぺんに下りて、車室の中はがらんとなってしまいました。

〔二十分停車〕と時計の下に書いてありました。

「ぼくたちも降りて見ようか。」ジョバンニが云いました。

「降りよう。」

 二人は一度にはねあがってドアを飛び出して改札口かいさつぐちへかけて行きました。ところが改札口には、明るい紫むらさきがかった電燈が、一つ点ついているばかり、誰たれも居ませんでした。そこら中を見ても、駅長赤帽あかぼうらしい人の、影かげもなかったのです。

 二人は、停車場の前の、水晶細工のように見える銀杏いちょうの木に囲まれた、小さな広場に出ました。そこから幅はばの広いみちが、まっすぐに銀河の青光の中へ通っていました。

 さきに降りた人たちは、もうどこへ行ったか一人も見えませんでした。二人がその白い道を、肩かたをならべて行きますと、二人の影は、ちょうど四方に窓のある室へやの中の、二本の柱の影のように、また二つの車輪の輻やのように幾本いくほんも幾本も四方へ出るのでした。そして間もなく、あの汽車から見えたきれいな河原かわらに来ました。

 カムパネルラは、そのきれいな砂を一つまみ、掌てのひらにひろげ、指できしきしさせながら、夢ゆめのように云っているのでした。

「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えている。」

「そうだ。」どこでぼくは、そんなこと習ったろうと思いながら、ジョバンニもぼんやり答えていました。

 河原の礫こいしは、みんなすきとおって、たしか水晶黄玉パースや、またくしゃくしゃの皺曲しゅうきょくをあらわしたのや、また稜かどから霧きりのような青白い光を出す鋼玉やらでした。ジョバンニは、走ってその渚なぎさに行って、水に手をひたしました。けれどもあやしいその銀河の水は、水素よりももっとすきとおっていたのです。それでもたしかに流れていたことは、二人の手首の、水にひたったとこが、少し水銀いろに浮ういたように見え、その手首にぶっつかってできた波は、うつくしい燐光りんこうをあげて、ちらちらと燃えるように見えたのでもわかりました。

 川上の方を見ると、すすきのいっぱいに生えている崖がけの下に、白い岩が、まるで運動場のように平らに川に沿って出ているのでした。そこに小さな五六人の人かげが、何か掘ほり出すか埋めるかしているらしく、立ったり屈かがんだり、時々なにかの道具が、ピカッと光ったりしました。

「行ってみよう。」二人は、まるで一度に叫んで、そっちの方へ走りました。その白い岩になった処ところの入口に、

〔プリオシン海岸〕という、瀬戸物せともののつるつるした標札が立って、向うの渚には、ところどころ、細い鉄の欄干らんかんも植えられ、木製のきれいなベンチも置いてありました。

「おや、変なものがあるよ。」カムパネルラが、不思議そうに立ちどまって、岩から黒い細長いさきの尖とがったくるみの実のようなものをひろいました。

くるみの実だよ。そら、沢山たくさんある。流れて来たんじゃない。岩の中に入ってるんだ。」

「大きいね、このくるみ、倍あるね。こいつはすこしもいたんでない。」

「早くあすこへ行って見よう。きっと何か掘ってるから。」

 二人は、ぎざぎざの黒いくるみの実を持ちながら、またさっきの方へ近よって行きました。左手の渚には、波がやさしい稲妻いなずまのように燃えて寄せ、右手の崖には、いちめん銀や貝殻かいがらでこさえたようなすすきの穂ほがゆれたのです。

 だんだん近付いて見ると、一人のせいの高い、ひどい近眼鏡をかけ、長靴ながぐつをはい学者らしい人が、手帳に何かせわしそうに書きつけながら、鶴嘴つるはしをふりあげたり、スコープをつかったりしている、三人の助手らしい人たちに夢中むちゅうでいろいろ指図をしていました。

「そこのその突起とっきを壊こわさないように。スコープを使いたまえ、スコープを。おっと、も少し遠くから掘って。いけない、いけない。なぜそんな乱暴をするんだ。」

 見ると、その白い柔やわらかな岩の中から、大きな大きな青じろい獣けものの骨が、横に倒たおれて潰つぶれたという風になって、半分以上掘り出されていました。そして気をつけて見ると、そこらには、蹄ひづめの二つある足跡あしあとのついた岩が、四角に十ばかり、きれいに切り取られて番号がつけられてありました。

「君たちは参観かね。」その大学士らしい人が、眼鏡めがねをきらっとさせて、こっちを見て話しかけました。

くるみが沢山あったろう。それはまあ、ざっと百二十万年ぐらい前のくるみだよ。ごく新らしい方さ。ここは百二十万年前、第三紀のあとのころは海岸でね、この下からは貝がらも出る。いま川の流れているとこに、そっくり塩水が寄せたり引いたりもしていたのだ。このけものかね、これはボスといってね、おいおい、そこつるはしはよしたまえ。ていねいに鑿のみでやってくれたまえ。ボスといってね、いまの牛の先祖で、昔むかしはたくさん居たさ。」

「標本にするんですか。」

「いや、証明するに要いるんだ。ぼくらからみると、ここは厚い立派な地層で、百二十万年ぐらい前にできたという証拠しょうこもいろいろあがるけれども、ぼくらとちがったやつからみてもやっぱりこんな地層に見えるかどうか、あるいは風か水やがらんとした空かに見えやしないかということなのだ。わかったかい。けれども、おいおい。そこもスコープはいけない。そのすぐ下に肋骨ろっこつが埋もれてる筈はずじゃないか。」大学士はあわてて走って行きました。

「もう時間だよ。行こう。」カムパネルラ地図腕時計うでどけいとをくらべながら云いました。

「ああ、ではわたくしどもは失礼いたします。」ジョバンニは、ていねいに大学士におじぎしました。

「そうですか。いや、さよなら。」大学士は、また忙いそがしそうに、あちこち歩きまわって監督かんとくをはじめました。二人は、その白い岩の上を、一生けん命汽車におくれないように走りました。そしてほんとうに、風のように走れたのです。息も切れず膝ひざもあつくなりませんでした。

 こんなにしてかけるなら、もう世界中だってかけれると、ジョバンニは思いました。

 そして二人は、前のあの河原を通り、改札口の電燈がだんだん大きくなって、間もなく二人は、もとの車室の席に座すわって、いま行って来た方を、窓から見ていました。

2021-03-17

いまさら話題同性愛と「聖書矛盾

簡単に言えば、いまだにゲイ問題になってる時点で愚か。

anond:20210316230236

引用するくらい真面目な増田なのでそのうち気づくと思うが、聖書に書いてあることってめちゃくちゃなんだよね。

偶像礼拝する者

引用の「コリント信徒への手紙」にも出てくる偶像って要は、十字架とかキリスト像マリア像のことからね。

そうなんですよ、実は聖書十字架を禁じてるんですよ

知らない人はびっくり。

十字架をあがめる奴は地獄いきなんです。

ゲイ同性愛?に関する記述なんて片手で数えられるほどで聖書同性愛を認めてるかと揉めるくらいなのに、偶像崇拝の禁止」についてはほぼ全編でくどいほど訴えまくってます

死ぬほど「偶像を崇拝するな」と書いてます

引用したら多分文字数制限で引っ掛かって増田投稿できないレベルです。

なんで偶像崇拝が禁止なのかは今回の騒動を見てもわかりますね。

カトリックがー」って騒ぎになってるのは「カトリックという権威」が偶像化されてるからで、偶像化した権威って宗教の形すら歪めちゃうわけですよ。

恐ろしいですね。

十字架とかキリスト像なんかは、「特にカトリックのみなさんが大好きなもの」っす。

いやあ、「聖書に書いてあるから~」とか主張してたのが馬鹿らしくなりますよね。

聖書記述なんて鵜呑みにしてたら、カトリックの時点で神の国に行けねーから。(byプロテスタント

他にも姦通だとか人のものを奪うとか強欲とか酒におぼれるとか、まんまカトリックのやってきた負の歴史のものですねえ。

十戒(神の意志のもの)にある「人殺すな」「物盗むな」すら守れてないわけですし。

まあそういう腐ったカトリックに反発してプロテスタント十字架キリスト像を崇拝しない)が生まれたんだけど、このプロテスタントも「聖書記述に忠実」とか言いつつ、やってることめちゃくちゃなんだよね。

プロテスタントアメリカ宗教と言えば意味が分かってもらえるかもしれない。プロテスタントゲイがお嫌い。でも近親そうk)

ほんで、アル中だったりDVしたり人種差別してる田舎プロテスタント親父が「ゲイとかありえねえよな」って言ってるわけ。すごいね

有色人種ってキリスト本人はどうなる。

他にも、みだらな者とか酒好きとか嘘つきとかある通り、「聖書記述通りならゲイは~」とか言うんだったらすべての人類が同じ扱いだから

知ってるか、オナニーって許されてないんだぜ

自分の妻以外に欲情したら神への裏切りなんだぜ。そういえば教会関係者児童ぎゃk

ゲイどころかお前ら全員ゴミ地獄いきだボケ」って書いてあるのが、聖書

ちなみに、キリスト本人の言葉同性愛禁止されてない

娼婦を赦したり、信者からすると本当に困った人ですねキリスト君は。

それを解釈で捻じ曲げて、殊更にゲイを「政治的に」悪者にしてるってことなわけ。聖書の内容じゃなくてそれを利用する側の話

(政治的ってのは組織の都合って意味)

まあ死刑囚が刑の執行前に神父に祈ってもらったりするけど、死刑になるような凶悪だってそんぐらいの扱いはしてもらえるわけで。


ゲイがどうとかってのは(宗教を利用する教会側という)政治的問題」でしかなくて宗教的な問題じゃないのですよ。

ゲイ赤ちゃん社長さんも等しくすべての人類ゴミだけどお前らゴミを救ってやるよってのがキリスト教なんだけど、

誰がどんな理屈必死でこねようと、「人殺す」「物盗む」より同性愛の方が罪が重いなんてことはあり得ないわな。

聖書に従うなら偶像を有り難がってる全カトリック教徒よりも罪は軽いんじゃね。

アーメン

2021-03-13

anond:20210313115415

作者そこまで考えてないだろうし、海外版ローカライズされるのもよくある事で十字架とか六芒星とか卍が修正されるのと同じことだろうに

過剰反応してるネトウヨの方がおかしいだろあれ

鬼滅だとアニメイスラム教の音声使って怒られた件もあったよな

2021-03-02

それっぽい嘘と詭弁を書くな

どこも間違っている。ネットでググっただけでよく知りもしないことをしたり顔で断言するのは恥ずかしいのでやめましょう。

詭弁1: 「法律条例だけでなく言論によって社会的に制約されることもある」と指摘されているにも関わらず「法的規制可能かどうか」という一点にすり替え反論している

社会的少数派を偏見に基づいて「嫌いだ」と口にする自由は制約される(ヘイトスピーチ法/条例抵触する範囲では法的に制約されるし、そうした見解批判する立場から言論によって---増田が「周囲から攻撃を食らった」ように---社会的に制約されることもある)

とあるように、引用元は、正常な読解能力があれば

法律/条例に触れる範囲であれば法的に制約される

・そうでなくとも自由言論によってヘイトスピーチに対し反論がなされ、社会的に制約されることもある

と主張している。あらゆる「嫌い」発言を法的に規制する、などとはどこにも記載されていない。

にも関わらず、単なる「嫌い」という発言を含めてすべて法的に規制するかのように元主張を歪めて解釈しているid:yoshizawa81 は基礎的な読解力に欠如しており、その反論意味を成していない。

詭弁2: 2003年のBlack判決に触れていない。また諸外国ヘイトスピーチ規制法に触れていない。また本邦の2009年ほか在特会事件に触れていない

id:yoshizawa81 は単に無知だったのかもしれないが、同じく「KKK指導者が、集会で白頭巾被って十字架を燃やし」たBlack事件においては、十字架の焼却を規制する州法合憲としている。これはR.A.V.判決よりも新しい。

またドイツカナダでは、特定民族ないし集団への侮辱的な表現今日違法である

さらには本邦日本でも、朝鮮学校付近公園ヘイトスピーチを発した在特会に対して、2009年損害賠償請求が認められている。以降も在特会名誉毀損罪などで有罪となっている。なので「朝鮮人は帰れ」が規制されないとする主張は明確に誤り。

また2017年には在特会桜井有田議員に対して行った賠償請求裁判の中で、桜井発言ヘイトスピーチ規制法に基づいて差別的認定され、一定批判は免れないとして賠償請求棄却されている。

これらの事実に触れず、ブランデンバー基準のみを持ち出して論の展開を試みるのは、論考が浅いと言わざるを得ない。

わかっていないのに、答え:できません とか断言しちゃうのはまじで寒いからホントやめような

抑圧があるからといって「嫌いだと口にする自由」を規制できるのか?

答え:できません。

この増田 a.k.a. id:muchonov は決定的な間違いをしています

たとえば、僕は身体障害者ですが、「身体障害者キモイ」という人に対して、実力でその口を塞いでも免責されることはありません。また、警察通報しても相手にされません。そして、これらが立法を通じて規制できるようにすれば、憲法違反になる可能性があります。なぜならば、この発言に「具体的な権利侵害(含む内心の静穏の権利)」や「明白かつ現在の危険」があるとは言えないからです。

これは、「オタクキモイ」でも「LGBT生産性が無い」でも「黒人犯罪者ばかり」でも「朝鮮人は帰れ」でも、同じです。

もちろん「〈誰かが(他者の同じ権利侵害しない限り)自分自身として存在できる自由本来のかたちで生存する自由〉」を尊重するべきだという主張は尤もです。しかし、それらの自由を一切侵害しない表現しか存在をゆるされない(=規制しうる)のでしょうか? そんなことはありません。たとえば、ポルノ雑誌SNSにアップされるエロイラスト存在は、女性自由を阻害しているかもしれません。バリバラのような、障害者エンパワーメントのための番組が、却って羞恥心社会への恐怖を煽る結果になってしまう人だっているかもしれません。あるいは、ピンカー研究マイノリティ申し立ての力を削いでしまうこともあるでしょう。

増田 a.k.a. id:muchonov見解に従えば、これらは容易に規制可能でしょう。違うと言うならば、何を規制出来て、何を規制できないかということを明確に説明しなければなりません。

さて、しかし、「社会的少数派を偏見に基づいて「嫌いだ」と口にする自由は制約される」ことはあります。たとえば、何度も事件を起こした暴力的差別主義団体指導者が、その集会で具体的な日時を示して、マイノリティが集住する地域の襲撃を扇動したような場合です。しかし、逆に「KKK指導者が、集会で白頭巾被って十字架を燃やしながら、抽象的に黒人差別する発言をした」場合は、アメリカ合法規制違憲であるという連邦最高裁判例があります。これは、有名なブランデンバー基準の基になった裁判です。

はっきり言いましょう、増田 a.k.a. id:muchonov は、「マイノリティを嫌いだと公言する」こと一般が、規制しうるほどのことかを証明する必要があります。もし、論旨を変更して「特に甚だしいものだけ」といった条件を付すとしても、その条件を明晰に説明しきることが必要です。なぜならば、これは「規制」、つまり人権の制約」の話だからです。仮に、曖昧基準で雑に人権規制できるなら、それは特別高等警察仕事になるでしょう。

なお、「周囲から攻撃を食らった」ことを「社会的に制約されること」と評していますが、これは、単に個々人は当該の発言に対して批判をする自由があるというだけのことです。当然に、「社会的な制約」として、リンチによる暴力行使逮捕監禁威迫契約に基づかない契約解除、不当な懲戒処分村八分行為などを行えば、むしろその違法性不法性が問われることになるでしょう。よって、あくま問題は「権利の制約」を合法的に行いうるのか、という部分になります

anond:20210302093544

2021-02-27

anond:20210227235318

十字架というからにはこの世の苦しみ全てを背負って死なねばならない。

男として生きるのに疲れた

ホモソーシャルとかミソジニーとかジェンダーロールとか……小難しいカタカナ語を振りかざして、

訳のわからないジェンダー論の対立が、今日ネット憎悪を撒き散らしている。

しかし一方で、私のようなオタク男性を救おうという動きは見当たらない。

もし私が女性なら、多少なりともネットで同情が得られる。 少なくとも「理解のある彼くん」の登場に期待できる。

また同性愛者なら、最近では理解が広がっており、異性愛者と同様にパートナー結婚できるようにあった。

しかし私のようなオタク野郎はどうだろう?

彼女いない歴=年齢=童貞歴だし、たまにバズる脱オタファッションは「豚に真珠」のようなものだ。

このままでは「キモくて金のないオッサンKKO)」一直線だし、野良犬のように野垂れ死にするのが、オチだ。

なら、いっそのこと女性になった方がマシでは?

男としての有形無形のプレッシャー疲れた

訳のわからない十字架から、開放されたい。

2021-02-19

国語教師ってさ

まり大っぴらに言えないけど、他の教科に比べて性格の悪い人多い印象があった。間違っているところを改めさせるために叱るというよりも、あるかないかからない罪を裁いて生徒に十字架を背負わせようという怒りかたをする人が多かったと思う。特にひどい人は、その人は福岡県出身の人だったが、それより田舎の県の私たち県民の知性レベルを長々貶していった(翌日弁解したがそれでも私は許していない)。

これはあくまで私の経験内の話だし、国語教員全体の体質を語るものではない。

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