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はてなキーワード: ジョンソンとは

2018-03-31

いい匂いのボディクリーム買った

そのへんの薬局で600円くらい

暇さえあれば手に塗って匂いかいでる

めっちゃいい匂い

ずっと嗅いでたい

リラックスするにはアロマがーとかいうけどぶっちゃけめんどい

ボディークリームなら横に置いとけばいつでも手につけて匂いかげるからさいこ

いい買い物した

ちなみにジョンソンボディケアザクロジャスミン香りってやつ

さいこ

2018-02-17

女尊男卑”約 913,000 件 (0.44 秒)

ジョンソン男卑”約 6 件 (0.22 秒)

2018-02-14

アマゾンアップル等を分割すべき、という記事翻訳(続きあり)

アマゾングーグルフェイスブックアップルが巨大になりすぎて健全な競争を阻害しているので分割すべきだ、という記事が一部で話題になっていそうなので訳してみました。

かなり長文です。

原文は http://www.esquire.com/news-politics/a15895746/bust-big-tech-silicon-valley/

図表中の文章などは訳していません。

あまり目新しいことを言っているようには感じませんでしたが、(長いおかげで)論点がまとまっているのは良いところかもしれません。

誤訳等の指摘あればお願いします。

あと、増田を使うのははじめてなのでその他変なところがあればごめんなさい。

(文字数制限に引っかかったみたいなので途中で切ります。続きは https://anond.hatelabo.jp/20180214160914https://anond.hatelabo.jp/20180214161344)

シリコンバレーの脱税・雇用破壊・中毒性マシーン

4つの会社が人類史上かつてないほど我々の日常生活を支配してしまっている。アマゾンアップルフェイスブックグーグルのことだ。私たちがみんな素敵なスマートフォンクリック一発のサービスに夢中になっている一方で、この4つのモンスターは縛られることなく経済を独占し、ギルドの時代以降ありえなかったほどのスケールで富を溜め込んでいる。この状況に対して論理的にどんな結論がありうるだろう?巨大テクノロジー企業を分割するべきだ。

スコット・ギャロウェイ 2018.02.08


001: パーカージーンズ姿の泥棒男爵たち

私は巨大テクノロジー企業にはとてもお世話になってきた。1992年に私が共同設立したコンサルタントファームであるプロフェットがしてきたのは、グーグルが変えてしまった後の新たな環境で顧客の会社が生き抜くための手助けだ。1997年に共同設立した高所得者向けeコマース企業であるレッドエンベロープも、アマゾンeコマースに対するマーケットの関心に火をつけていなかったとしたら、成功をおさめることはなかっただろう。もっと近い例でいうと、2010年に設立したL2は、モバイルソーシャルの波の中から、つまり企業が新しいプラットフォームの中での自分たちパフォーマンスベンチマークする方法を必要としている時代に生まれたものだ。

もちろん巨大テクノロジー企業は、別のレベルでも私に利益をもたらしてくれた。投資ポートフォリオの中のアマゾンアップルの株の価格上昇は、リーマンショックメチャクチャになった後の私の家計に経済的安定を取戻してくれた。最後に、アマゾンは私が教えているNYUのスターンスクール・オブ・ビジネスブランド戦略・デジタルマーケティングコースの生徒たちの今や最大のリクルーターでもある。こうした会社は素晴らしいパートナークライアント、投資先、そしてリクルーターでもある。20年にわたるこうした会社に関する経験と研究のすえに私がたどり着いたのは、奇妙な結論だ。今や巨大テクノロジー企業を分割するときだ、ということだ。

過去10年で、アマゾンアップルフェイスブックグーグル――私は「四大企業」と呼んでいるが――は、歴史上他のどの商業体も成し得なかったほどの経済的価値と影響力を集積してしまった。この4つの企業を合わせると、2.8兆ドル(フランスのGDPに等しい)の時価総額、なんとS&P500トップ50の24%におよび、2001年のナスダックで取引された全株価に等しい金額にもなってしまう。

この金額はどれほど莫大なのだろうか?アマゾンを例にとってみると、5910億ドルの時価総額ウォルマートコストコ・T.J.マックスターゲット・ロス・ベストバイ・アルタ・コールズ・ノードストリーム・メイシーズ・ベッドバスアンドビヨンドサックス/ロードアンドテイラー・ディラーズ・JCペニー・そしてシアーズを足したよりもまだ高い

フェイスブックグーグル(今はアルファベットになっている)は合わせて1.3兆ドルだ。世界の5大広告会社(WPP、オムニコムパブリシス、IPG、電通)に、5大メディア企業(ディズニータイムワーナー、21センチュリーフォックス、CBS、バイアコム)、更に5大コミュニケーション企業(AT&Tベライゾンコムキャストチャーターディッシュ)を加えてもグーグルフェイスブックを合わせた90%の価値しか無い。

アップルはどうか?時価総額9000億ドルのアップルは、世界でもっと企業価値の高い企業だ。さらに驚くべきことに、アップルは32%の利益率を誇るが、これはエレクトロニクス企業というよりエルメス(35%)やフェラーリ(29%)といったラグジュアリーブランドに近い。2016年アップルは460億ドルの利益を出したが、これはJPモルガンジョンソンアンドジョンソンウェルズファーゴを含む全アメリカ企業より大きい数字だ。もっと言うと、アップルの利益はコカコーラフェイスブック総収入より大きい。この四半期にはアマゾンが創業以来生み出した利益の2倍に達する数字を叩き出すだろう。

四大企業の富と影響力には驚かされる。どうしてこんな状況が生まれたのだろう。

“The Four(四大企業)”で私が描いたとおり、グーグルアマゾンフェイスブックアップルのような、独占と大衆への影響力を持つ企業を作るための唯一の方法は、人間のコアな器官に訴えかけることでプラットフォームを本能的に受容させてしまうことだ。


グーグル: 精神を変容させる

私たちの脳は極めて複雑な問を投げかける程度には洗練されているが、そういった問に答えられるほど優れてはいない。ホモサピエンスがほら穴から出てきて以降、そのギャップを埋めるために我々が頼ってきたのは祈りだった。視線を天に向け、問を投げかけ、より知性のある存在からの反応を待つ。「子供は大丈夫でしょうか?」「私たちを攻撃する可能性があるのは誰でしょう?」

西欧諸国が豊かになるにつれ、体系的な宗教が我々の生活において占める役割は小さくなっていった。しかし問と答えの間の空白は残され、そこにチャンスが生まれた。伝統的な宗教から離れる人が増えてくると、我々は下らないことから深遠な問題まですぐになんでも答えてくれる全能の預言者としてグーグルを見るようになった。グーグルは現代の神なのだ。グーグルは脳にアピールし、バックグラウンドや教育レベルに関わらず誰にでも知識を提供する。スマートフォンを持っているかインターネットに接続出来るだけで、祈りは全て聞き届けられる。「子供は大丈夫でしょうか?」「クループ症候群の症状と治療法は…」「私たちを攻撃する可能性があるのは誰でしょうか?」「核兵器開発のプログラムを今でも行っている国…」。

自分がグーグルに告白したことのある恐怖、希望、欲望を全部振り返って、自分自身に尋ねてみよう。自分がグーグル以上に秘密を託した相手が他にいるだろうか。グーグル以上に私について知っている人間が他にいるだろうか?

フェイスブック: 心の真実

フェイスブックは心にアピールする。愛されているという感覚は幸福への鍵だ。ルーマニアの孤児院で身体・精神の成長が阻害されている子供を研究したところ、発達の遅れは当初原因として想定されたような栄養失調のためではなく、他人の愛情の不足によるものだとわかった。しかし私たちの種の特徴は、愛されることを必要とするのと同じくらい、他人を愛することも必要とすることだ。発達心理学者のスーザン・ピンカーは百才を超える人の人数がイタリア本島の6倍・北アメリカの10倍にも上るイタリアサルディニア島を研究した。ピンカーは、遺伝・ライフスタイル的な要因の中でも、人と人との間の近しい関係や対面での交流を重んじるサルディニアの習慣が長寿の鍵であることを発見した。遺伝よりもライフスタイル、特に社会的繋がりの強さが長寿の決定的な要因であるとする他の研究もある

フェイスブックが21億の月間アクティブユーザーに提供しているのは、他人を愛したいという欲望に火をつけるためのツールだ。高校の同級生をもう一度見つけるのは素晴らしい。引っ越してしまった友達と連絡を取り続けられることを知るのも良いことだ。赤ちゃんの写真に「いいね」をつけたり、友達の心からの投稿に短いコメントをつけて、私たちの大事な友情や家族の絆を固くするのには数分あれば良いのだ。

アマゾン: 常に消費を

眼にとっての風景、耳にとっての音にあたるのが、本能にとっての「まだ足りない」という感覚、飢餓感だ。胃袋が素晴らしい食事の後でもさらに砂糖や炭水化物を求めるように、私たちの心は更なるモノを欲望する。本来この本能は自己保存のために機能していたものだ。つまり、食べる量が足りないことが飢餓と確実な死を意味するのに対して、食べ過ぎはそもそも珍しく、腹が膨れたり二日酔いになるだけだ。しかし今あなたが自分のクローゼットや戸棚を空けてみると、たぶん必要の10から100倍ものモノを持っていることがわかるだろう。私たちは理屈ではこれが馬鹿馬鹿しいことをわかっているが、社会や高次脳機能は我々のどこまでも欲望するという本能に追いついていないのだ。

アマゾンは消費する我々の巨大な消化管だ。アマゾンは栄養を蓄え、それをプライムメンバーになっているアメリカの64%の家庭の心臓や血管に供給する。アマゾンが採用したのはビジネスの歴史の中で最高の戦略だ――「少なく与えて多く受け取る」――そしてその戦略を歴史上のどんな会社より効果的・効率的に実行している。

アップル: 感動への準備万端

生存本能についで二番目に強力な本能は繁殖だ。性をもつ動物である私たちは、自分がいかに洗練されて賢く、クリエーティブであるアピールしたいと思う。私たちは力を示したい。性も贅沢も理屈では説明できないが、アップルは、広告をヴォーグに載せ、スーパーモデルをプロダクトのローンチに呼び、店舗を自分たちブランドのガラス張りの神殿にすることが、人の魅力的になりたいという欲望にアピールし、そして自分たちの利益率を向上させることに極めて早くから気づいていた。

デルのコンピューターは性能は良いかもしれないが、マックブックエアと違って、イノベーション階級のメンバー証にはなってくれない。同様に、アイフォンは単なる電話やスマートフォンではないのだ。顧客がiPhoneXに1000ドル払うのは、顔認証の大ファンだからではない。彼らは自分たちいい生活を送り、芸術を理解し、自由に使える収入があるというメッセージを送っているのだ。それは他人へのサインだ。もし君が僕とつがいになってくれたら、君の子供はアンドロイドを持っているやつとつがいになるより生存確率が高まるよ、ということなのだ。実際、iPhoneユーザーアンドロイドユーザーより平均40%収入が高い。iOSプラットフォームの上にいる人間とつがいになるのは、良い生活への近道なのだ。脳、心、消化管、生殖器。この4つの器官にアピールすることで、4大企業は自分たちサービスや製品、OSを私たちの精神深くまで潜り込ませてしまった。彼らのおかげで、我々はより賢く、目利きのできる消費者になることができた。そして消費者にとって良いことは社会にとっても良い、はず、だろうか?

答えはイエスでもありノーでもある。四大企業は我々の生活にあまりにも大きな影響を持っているので、もし彼らのうちどれか一つでも無くなってしまったら、ほとんどの人は心底動揺するだろう。iPhoneを持てなくなり、検索にYahooかBingを使わざるをえず、フェイスブックに投稿した何年分もの思い出を失ってしまったときのことを想像してみるといい。アマゾンアプリからワンクリックで明日までになんでも注文することが出来なくってしまったらどうしよう。

一方で、自分たちの生活の相当な部分を一握りのシリコンバレーエグゼクティブに預けてしまったせいで、我々はすでにこうした会社の負の部分についても語りはじめている。四大企業の独占が進むにつれ、懸念や、ときには怒りのささやきさえも聞こえはじめている。長年の欺瞞のあとで、我々はついに政府か、あるいは誰かがブレーキを踏むべきだという提案について考え始めたのだ。

こうした議論のすべてが説得力を持っているわけではないが、巨大テクノロジー企業を分割するべき真の理由であると私が信じる議論に行く前に、もう一度確認してみる価値はある。


002: 悪を成さず?

巨大テクノロジー企業は、最初のギャングスターであるマイクロソフトの罪から学習した。このかつての巨人は当時自分たちの力を過信して、監督官庁や社会の中での自分たちイメージをやわらげるためにPRキャンペーンロビイストといった手段に頼る必要はないと考えているように見えた。対照的に、四大企業は若さと理想主義イメージを売り込み、また世界を救うことの出来るテクノロジーの可能性を布教して回っている。

その気持ちは真剣なものだが、ほとんどが抜け目のない動機から来ているものでもある。単純な利益以上の何かにアピールすることで、四大企業は従業員の間で高まっている、いわゆる「理想追求型」企業への欲求を満足させることができている。四大企業の「ガレージ発明家」神話は、マンハッタン計画アポロ計画の昔に遡るアメリカサイエンスエンジニアリングに対する敬意を上手く利用している。何よりも、これらの会社の漠然とした、それでいて理想主義的な宣言――”Think different”, “Don’t be evil”――が、最高の幻想を与えてくれる。政治的な進歩主義者は一般的に善意だが立場の弱い人々と見られがちで、ますます強力になりつづける企業にとって最高の隠れ蓑となってくれるイメージだ。

フェイスブックシェリル・サンドバーグが女性たちに「一歩踏み出そう(“lean in”)」といったのは本心からだが、彼女は女性へのエンパワーメントに関する自分のメッセージが持つアイロニーについても触れざるをえなかった。彼女の会社はもともとハーバードの学部生の魅力をランク付けするためのサイトから生まれ、ましてや比較的多数の女性従業員を擁する産業――メディアコミュニケーション産業――の数万の雇用を今も破壊しているのだから。

こうしたPRの努力は効果的だが、一方で彼ら企業にとって大転落を準備するものでもある。完璧な紳士に見えた人間が実はオピオイド中毒で、自分の母親に対しても酷い態度を取っていたことを知るのは大きな失望だ。紳士があなたと付き合ってくれるのが単なる金(クリック数)目当てだということを知るのはなお酷い。

初期にいくつかのインターネット企業を創業した人間としての私の経験では、四大企業ではたらく人々が他の成功している企業で働く人々と比べて特に邪悪だということはない。彼らは少しだけ教育程度が高く、少しだけ賢く、極めて幸運だが、彼らの親の世代と同様に、ほとんどの人はなんとか生計をたてようとしているだけだ。多くの人は人助けだって喜んでするだろう。ただ社会を良くすることとテスラの車の二択を迫られれば、ほとんどはテスラを選ぶだろう、というだけだ。そしてパロアルドテスラ販売店の業績は好調、極めて好調なのだ。だからといって彼らが悪人だということになるだろうか?もちろんそんなことはない。ある資本主義社会における一営利企業の従業員にすぎない、というただそれだけだ。

我々の政府はGDPのおよそ21%にあたる年間予算で活動している。つまりこれが公園を開き、軍隊の装備を整えるためのお金だ。では巨大テクノロジー企業は公平な負担を支払っているのだろうか。ほとんどの人はノーというだろう。2007年から2015年の間にアマゾンは利益のうち13%しか税を払っていない。アップルは17%、グーグルは16%、そしてフェイスブックは4%しか払っていない。これに対して、S&P500平均では27%の税金を払っている。

そう、つまり四大企業は税金逃れをしているということだ、つまりあなたたちと同様に。ただやり方が上手いだけだ。例えばアップルは利益をアイルランドのような地域に移すという会計上のトリックを使っており、結果として世界で最も利益を挙げている企業が最低の税負担しかしないという事態が生じているというわけだ。2017年9月時点で、アップルは海外に2500億ドルを保有しているが、これはほとんど課税されない、そもそも最初から海外に持ち出されるべきではなかった財産だ。別の言い方をすれば、ディズニーネットフリックスを買えるだけの資産をアメリカの一企業が海外に持っているということだ。

アップルだけではない。GEも巨額の税金逃れに手を染めている。しかし我々がそのことに腹を立てることがないのは、そもそも我々がGEを愛していないからだ。この責任は我々に、そして我々の民主的に選ばれた政府にある。我々は税法をシンプルにする必要がある――複雑なルールはそれを利用することのできる能力に恵まれた人々に有利に働きがちだ――し、それを実施できる人間を選挙で選ぶべきだ。

四大企業による雇用の破壊もすさまじく、恐ろしくなるほどだ。フェイスブックグーグルの収入は2017年に290億ドル増えそうだが、この新しいビジネスを行うために彼らは20000人の新しい、高収入の雇用を生み出すだろう。

だがコインの裏側はそれほど輝かしいものではない。広告業デジタルであれアナログであれ低成長の(ますます成長が鈍っている)ビジネスであり、このセクターがほとんどゼロサムであることを意味している。グーグルマーケットを成長させることで新しい収入を得ているわけではない。他の会社のドルを奪っているだけだ。もし我々が五大メディアサービス(WPP、オムニコムパブリシス、IPG、電通)をグーグルフェイスブックの代わりに使えば、290億ドルの収入を得るためには219000人の旧来型の広告プロフェッショナルが必要になっていただろう。つまり、年間199000人のクリエイティヴディレクターコピーライター、代理店幹部が「家族との時間を増やす」ことを選択していることを意味する――ヤンキースタジアムほぼ4つ分が解雇通知を握りしめた黒スーツの人間で一杯になってしまっているということだ。

これまでのビジネスサクセスストーリー例では、今注目の的になっている企業たちよりも多くの従業員を雇用している。P&G2017年の株価の急上昇を受けて時価総額2330億ドルとなったが、95000人の人間を雇用している。言い換えれば従業員一人あたり240万ドルだ。インテルニューエコノミー企業でその資本があればより効率化を図れそうなところ、時価総額2090億ドルで102000人を雇用、一人あたり210万ドルだ。これに対してフェイスブックは14年前に創業された企業だが、5420億ドルの時価総額を誇り、一方で従業員は23000人しかいない。これは一人あたり2340万ドルということで、P&Gインテルの10倍だ。

たしかに、これまでも雇用の破壊はあった。しかしこれほど上手くやる企業が出てきたことはない。ウーバーは新しい(低い)680億ドルという基準を設定したが、これがカバーする従業員は12000人しかいない。従業員一人あたりでいえば570万ドルだ。実際の道路と実際のドライバーを必要とするはずのライドシェア企業が、墓の中のヘンリー・フォードを激怒させかねないようなフーディーニばりのトリックを駆使して中間階級のサヤ抜きをしようとはなかなか想像できまい。

しかしウーバーは新しい区別を設けて、二種類の労働力を作り出すことでこれを成し遂げてしまった。「ドライバーパートナー」、わかりやすく言えば請負業者ということだ。彼らを従業員名簿から締め出すことは、ウーバーの投資家と12000人のホワイトカラー従業員が680億ドルを「パートナー」たちと公平に分配しなくてよいということを意味する。これに加えて、ウーバーは200万人のドライバー労働者健康保険雇用保険有給休暇も与えなくてよいのだ。

巨大テクノロジー企業の雇用破壊は、こうした企業に対して公平な税負担をさせるべきだという主張の強い論拠になる。政府はそれを職業訓練社会福祉にあてることでその被害を抑えることができるからだ。しかし、雇用の破壊を政府による介入の促進剤とだけ考えないようには気をつけるべきだ。職の置き換えと生産性の向上――農民から工場労働者へ、工場労働者からサービス労働者へ、サービス労働者から技術労働者へ――はアメリカイノベーションストーリーの一部だ。我々の 成功フリークたちに戦わせつづけることも大事なのだ。

核心に近づいてきた。外国の敵に自分の会社を、自国の民主的な選挙プロセスを傷つけるための武器として使わせることは問題、とても深刻な問題だ。2016年の選挙中、フェイスブック上のロシアのトロールページは金を払っておよそ3万件の政治広告を打った。でっち上げコンテンツを見たユーザーは1億2600万人におよんだ。事態はこれでは止まらなかった。GRU――ロシアの軍事・諜報機関――は最近では混乱の種を蒔くためにより超党派的な方法を採用している。選挙の後も、GRUはフェイスブックグーグルツィッターを利用して人種差別由来の暴力を扇動した。こういったことを防止するために、プラットフォーム事業者たちはほとんどあるいはまったく投資を行わなかった。GRUはフェイスブックの広告をルーブルで支払った。文字通りにも、象徴的にも赤旗だったというわけだ。

あなたがビーチかプールつきのカントリークラブを経営している場合、短期的にはライフガードをおかないことが利益につながる。主にアルゴリズムに依存しているフェイスブックがそうであるように、そういったビジネスモデルにはリスクがあるが、かなりの金額を節約できるからだ。巨大テクノロジー企業が社会的な利益のために、必要なリソースを自発的に投資するだろうと期待するのは、エクソン地球温暖化の問題に対してリーダーシップを発揮することを期待するようなものだ。そんなことは起きるはずがないのだ。

しかし、単なる規制ではなくトラストの分割が必要だというアイデアを私が思いついたのは11月に、上院情報委員会チェアマンであるリチャード・バーがフェイスブックグーグルツイッターの相談役に泣きついたときだった。「国民国家に我々の未来を台無しにさせないでくれ。君たちが防衛の最前線なのだ」。まさにこの瞬間、選挙で選ばれた我々の代表が自国の防衛を、今買おうとしていた靴についてしつこく宣伝したり、友達の誕生日を思い出させることをビジネスモデルにしている会社に委ねようとした瞬間こそ、歴史における転換点だったのだ。

「あいつら」が我々の防衛の最前線だって

はっきり言っておこう。我々の防衛の最前線はこれまでずっと陸軍・海軍・空軍・海兵隊だったし、これからもそうあるべきだ。「ザック」軍団なんかじゃない。(https://anond.hatelabo.jp/20180214160914に続く)

2018-01-20

仮想通貨オートサーフ

この1,2か月、仮想通貨界隈の盛り上がりと、暴落後の阿鼻叫喚を眺めながら、不思議既視感にとらわれていた。

10年以上前オートサーフ流行し、急速に凋落した頃の雰囲気そっくりだったからだ。2005年から2006年頃にかけての話だ。


オートサーフとはなにかというと、

インターネット界隈で、オートサーフは、広告掲載したウェブサイトウェブブラウザー上で回転させるトラフィックエクスチェンジのことである。したがって、オートサーフ広告掲載したウェブサイトに大量のトラフィックを呼び込むことができる。メンバーは閲覧するサイト毎にクレジットを稼ぐことができ、このクレジットは、オートサーフの回転に追加することで、メンバーサイト広告することができる。オートサーフ業者に料金を支払う外部の広告掲載者は、サイトを追加することができる。

https://en.wikipedia.org/wiki/Autosurf


一見して、よくわからない説明かもしれない。あたりまえだ。その理由は後ほど。

ようするに、投資にうとい人間にとっては、オートサーフとは、業者お金を預けて、ブラウザー上で広告を表示させて放っておくと、預けたお金がたちまちのうちに何倍にもなるという、きわめて魅力的な「投資」話に見えたのだ。

12 DailyProとHYIP


オートサーフ業者のなかで最大手12 DailyProというアメリカ業者で、ユーザーが$6から$6,000の金額を預けると、12日間で144%の利益が得られると公言して、多数のユーザーを集めていた。

から見ると、じつにあほらしい話に見えるが、当時はこれがもっともらしい投資話に見えるようなネット上の光景があったのだ。その話も後ほど。

2005年の末頃には雨後の筍のように多数のオートサーフ業者が乱立し、高利率をうたってユーザーを集めていた。

特に利率が高く、リスクも高いサイトHYIPと呼ばれていたのだが、そのリスクとはどういうものかよくわかっている人はあまりいなかったように思う。

(HYIPの公言する利率がどのようなものであったかの例として、本エントリーの末尾に当時受信したスパムメールを貼っておく)

利率が高いサイトほど胡散臭いという共通認識はあった。

実際、運営開始当初は高い利益分配報告をしていたHYIPのサイトが、やがて運営を停止し、ドメインごと消滅するという事態は珍しくなかった。

そのようなことが続くと、オートサーフ広告業からの出稿料金をユーザー間で分配しているのではなく、ユーザーが預けたお金を分配しているだけのねずみ講ではないか、と危惧する人が出てくるのはもっともなことだった。

そしてその危惧は的中した。

2006年2月SECアメリカ証券取引委員会)は12 DailyProを恒久的に営業停止とした。

SEC捜査により、12 DailyProは世界中で30万人以上の投資家から5000万ドル以上を集めた巨大なねずみ講であることが明らかになった。

12 Daily Proの運営カリスジョンソン逮捕され、12 DailyProは運営停止後、法定管財人管理下に置かれた。

当然、12 DailyProにお金を注ぎこんでいたユーザーは大混乱に陥った。

法定管財人はその後数年間にわたり12 DailyProの清算状況をユーザーメールで報告しつづけたが、ユーザーに戻ったお金ほとんどなかったと思う。



日本での反応


日本インターネット界隈では、2005年にはオートサーフに関する話題が盛り上がりを見せていた。

各種掲示板では有利なオートサーフ業者に関する議論が行われ、ブログ上で収益報告をする記事が相次いだ。

「楽して高収入」をうたいながら、オートサーフ業者への登録手順を解説し、アフィリエイト収入を得たり情報商材販売する者が現れた。

そういった人々は、オートサーフのことを、まだそれほど世の中に広がっておらず、知っている者(情報強者)だけが得することのできるおいしい「投資話」だとしていた。

このような「投資話」で読者を煽った人びとは責任を取らず、消えた。

昨年から仮想通貨への投資話がネット上で盛り上がりを見せていたとき自分にはオートサーフのことが思い出されて、投資する気にはなれなかった。

もちろん、仮想通貨オートサーフでは、技術的な背景も、行われている投資の規模も全く違う。それはわかる。

だが、仮想通貨が盛り上がりを見せたときの、日本インターネット界隈での反応、うごめいている人々の素性が、オートサーフ騒ぎの時と、あまりにもよく似ていた。

筋の悪い「投資話」の特徴



今回、仮想通貨暴落を受けて、筋の悪い「投資話」に共通する日本インターネット界隈の反応を、自分自身経験則としてまとめておく。


筋の悪い「投資話」の特徴

  1. これは海外からもたらされた新しい情報だとして、ブログで騒ぎ始める人物が現れる
  2. 騒ぎ始める人物は、アフィリエイト情報商材で読者から金を集める山師的な素性の者が多く、秘密めかして自分権威であることを装う
  3. 投資話」の内容は、ネット上で投資するだけで、多大なリターンが得られる楽なものであるが、仕組みがよくわからない
  4. 山師煽りを受けて、あまり勉強ができそうでない、金融リテラシーの低そうなユーザー投資を初め、自分最先端を行っており、賢いのだと、ブログソーシャルメディアでイキり始める
  5. 上記煽りを受け、金融リテラシーが低く、所得も低いが、真面目なユーザーが、人生一発大逆転のチャンスだとして「投資話」に飛びつき、真面目に論じ始める
  6. 投資話」がもっともらしい「投資」に見え始める





参考:HYIPの広告メール

New and Good HYIP!! Auto-Withdrawals!

http://dischargefunds.com/

125% after one day (Auto-Withdrawal)

Plan Spent Amount (US$) Daily Profit (%)

Plan 1 $1 and more 125.00

68% daily for 2 days(Auto-Withdrawal)

Plan Spent Amount (US$) Daily Profit (%)

Plan 1 $1 - $100 65.00

Plan 2 $101 - $5,000 68.00

165% after two days (Auto-Withdrawal)

Plan Spent Amount (US$) Profit (%)

Plan 1 $5 - $100 160.00

Plan 2 $101 - $5,000 165.00

2017-10-17

[]ベスト・アンド・ブライテスト

「最良と最優」を意味する。優秀な人材のなかでもさらに最優秀のエリートを指す。

アメリカ大統領J・F・ケネディとその後継のジョンソン政権において安全保障政策を担った閣僚たちのことを批判したノンフィクションタイトルとして有名。

2017-09-07

https://anond.hatelabo.jp/20170907140312

国内じゃ販売止めちゃったから入手は難しいけど)ジョンソン ベビー全身シャンプー 液体タイプ みたいな洗浄力が極めて弱い低刺激なシャンプー使うと、割と収まるよ。試してないけど他にもあると思う。

2017-05-21

不安個人、立ちすくむ国家違和感の正体

http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf

各論点はバズワード満載で耳触りが良いので、TLでは、概ね「今の論点がまとまっている!」や「日本ヤバい!」、「熱い!」みたいに、資料肯定的論調が目立つ。しかし、違和感を持つ人も少なくない。違和感の正体はなんなのか。

1.経済成長議論の欠除

まず、経済産業省資料として、一番不安を煽るのは、経済成長について正面から議論していない点。1人あたりの実質GDP成長の効用が逓減したとしても、デフレ環境下での生活満足度が信用できるのか、幸福度指標としてワークするのか非常に疑問。ましてや経産省経済成長から逃げてどうする。今では有名な話だが、人口減の先進国普通に経済成長しており、日本けが馬鹿真面目にデフレ継続させていて、立ちすくんでいた。

また、経済成長なしでの、資源の再分配は必ず社会的分断に繋がる。この資料では、1.若者への再配分が上手くいってない、2.女性への再配分が上手くいってない、3.高齢者へのパターナリズム福祉抑制予算捻出だと思うが、パレート最適はありえない。人口動態から、激しい政治的対立が予想される。高齢者にも現役世代の「産めよ殖やせよ」を忖度させるとする。それを全体主義と言う。

2.国家観の古さ

今更、「誰もが不安を不満を抱えている」(そうじゃないのは、不安や不満を表現できない共産圏くらいでは?)、「人生には目指すべきモデルがあった」(良い大学を出て、官僚になるとか?あと、共産圏)、「人類がこれまで経験したことのない変化に直面」(ここ100年くらいでも、明治20年代日清戦争前、昭和20年代の敗戦期の方が大きくないか?)など、いろいろ古い。これでは、数十年前からバズワード(今だとAIIoT、VR)だけ変えて立ち上がる、情報社会論やポストモダン社会学である

行政生活をどう定義しようが、定義した頃には既に生活が変わってしまっている。市井生活そもそもダイナミックなのに、今更エリートがそれを「発見」する。80年代、主にアメリカが考えていた、日本高度経済成長通産省によるものという神話に取り憑かれてるのではないか(79年ヴォーゲル、82年ジョンソン)。経産省ライフスタイル個人幸福に口出しは余計なお世話で、そんな不透明指標制度設計されてはたまらない。時代遅れ国家観、国民観は語らず、経済問題に特化すべき。「子不語怪力乱神」というわけだ。

3.具体的な政策

「バズったか議論の土台を作った」とか考えてたら最悪で、単に大衆バズワードを使ってポジショントークしてるだけ。要は単なるポピュリズムで、当の女性マイノリティ困惑している。何故ならば、「弱者」として「発見」されて、マウンティングに利用されている気分だから。では、何をすべきか。

そもそも民主的プロセス市場原理で実行されないことを目指すべき。官僚そもそも民主的プロセスで選出されていない。専門的な課題解決するなは、必ずしも民主的プロセスは向かないから(e.g.BrexitTrump)。レポートで指摘するような、世代間の再分配は、確かに国家的な課題なので、1.経済成長を進め、2.馬鹿馬鹿しいポストモダンを捨てて、3.真面目に取り組むべき。

a.金融環境の整備

2017年現在完全雇用を実現しているリフレ政策は、たまたま安倍晋三が、第一安倍内閣後にマクロ経済勉強たから実行された政策。全く民主的プロセスとは関係ない(その継続は高い支持率に支えられて民主的)。短期的には、資産を持つ高齢者課税して、若者含む雇用を生み出す政策フィリップス曲線)だか、もちろん、消えてなくなるのも偶然。日本でもマクロンのような、見た目の良い構造改革派によって、民主的プロセスに則り、消え去る可能性大。

b.中小企業対策

また、日本ドイツのようなメインバンク制の強い国では、ゾンビような大企業でも存続し、新興企業資金還流しない。欧米に比べて資金供給が少ないのではなく、中韓などのアジア諸国と比べても後塵を拝しているのは国辱と言ってもいいだろう。もちろん、民主的プロセスでは、既存大企業が力を持ちがちだし、新興企業そもそも争点にならない。これが原因で、生産性の低い、古風な企業人材が滞留する。自然とto doではなくto beで働くようになり、モチベーションが落ちるわ、自殺するまで会社を辞められない。

シリコンバレー金融環境一朝一夕でできたものではなく、徐々に成功企業によるMAが増えて拡大したもの(9割以上はMAによるexit)。中国Baidu,Alibaba,Tencentの活動に寄るところが大きい。日本でも企業内部留保デフレ環境下で拡大したので、資金がないわけではない。MAを行いやすくする環境を、政策により整備すべきである。これにより、流動的なキャリア形成液状化した笑)の受け皿が整備される。若者女性雇用問題本質はここ。

c.失業率至上主義から失業質へ

2017年完全失業率は2.8%で、ほぼ完全雇用状態にある。しかし、これはよく言われるが、労働市場が流動的な国では、自然失業率高く出る。国ごとの単純比較失業の質は分からない。上記の流動的なキャリア形成を実現した場合、当然転職が増えることになるので、失業率は上がる。政治的な争点としては、もちろん批判対象になるだろうが、雇用の質を改善するには必要政策。また、現在ハローワークは若干懲罰的で、失業期間を支えるセーフティネット整備も合わせて必要だろう。

ただ、政治的配慮の上、論点を探られたくなくて、わざと混乱した資料を公開したのであれば相当の策士だと思う笑

興味のある方はこちらもどうぞ

働き方改革労働者へのパターナリズム

http://anond.hatelabo.jp/20170531111520

2016-12-01

メジャーリーグ史において最も重要な40人」について調べてみた

メジャーリーグ史において最も重要な40人」はアメリカの著名スポーツメディアスポーティングニュース」が先日発表して話題となったもの。ソースはこちら。

The 40 most important people in baseball history, ranked | MLB | Sporting News

ここで挙げられている40人について調べてみたんだけど、筆者はMLBにそこまで詳しいわけではないので、何か誤認・誤訳があったらごめんな。

1位 ベーブ・ルース(1895-1948)

MLB史上最大のスター。驚異的なペースでホームランを放ち、MLBの野球を「ライブボール時代」へと変えた。当時、ブラックソックス事件により信頼を失っていたMLBは、ルースの人気によって復活し、さらにはアメリカ最大のスポーツにまでなった。

2位 ジャッキー・ロビンソン(1919-1972)

近代MLBにおける初の黒人選手。ニグロリーグで活躍した後、1947年ドジャースでMLBデビューして、MLBの「カラーライン」を打ち破った。またMLBの初代新人王でもある。

3位 ケネソー・マウンテンランディス(1866-1944)

1920年ブラックソックス事件の収拾を図るために、強大な権力を有するコミッショナー職が新設され、判事であったランディスが就任した。事件に関わった8人の選手は永久追放とされ、その厳格な対処がMLBの信頼回復に繋がったと考えられている。

4位 バン・ジョンソン(1865–1931)

1900年アメリカンリーグを創設し、現在まで続くMLBの2リーグ体制を作り上げた。審判に権力を与え、違反行為に厳しい罰則を課すことで、クリーンイメージを生むことに成功した。強権的な性格から、のちにランディスと対立して辞任した。

5位 ブランチリッキー(1881-1965)

カージナルスドジャースのGMを歴任し、MLBで初めて選手育成のためのファーム制度を整えた。また、ジャッキー・ロビンソンと契約して、黒人選手がMLBに参加する道筋を作った。

6位 マービン・ミラー(1917-2012)

1966年エコノミストとしての経験を買われてMLB選手会の代表に就任し、最低年俸の増額、選手年金の拡充、そしてFA制度の導入に貢献した。彼の在任期間中に選手の平均年俸は1.9万ドルから32.6万ドルにまで向上した。

7位 アルバートスポルディング(1850-1915)

スポーツ用品Spalding社を興し、ナ・リーグ創設にも関わった。初めて野球のルールブックを出版、ボール標準化に努めるなど、初期のMLBの発展に尽力した。野球選手としても超一流で、通算勝率のMLB最高記録を保持している。

8位 ウィリアム・ハルバート(1832-1882)

シカゴ・カブス(の前身)の社長であり、1876年のナショナルリーグ創設者の一人である。のちにナ・リーグの第二代会長に就任して公正かつ厳格な運営を行い、MLBの基盤を作り上げた。スポルディングとは盟友だった。

9位 ルーブ・フォスター(1878-1930)

黒人野球チームのスター選手であり、また球団オーナーとしても成功した。彼の呼びかけによって、1920年ニグロリーグが設立された。「ブラックベースボールの父」と呼ばれる。

10位 ヘンリーチャドウィック(1824-1908)

野球評論家・統計家で、「野球の父」とも呼ばれる。ボックススコアを考案して試合の記録を取り、「打率」などの指標を提唱した。またスポルディングのもとでガイドブックを刊行するなど文筆活動も盛んに行い、野球の普及に多大な貢献をした。

11位 バド・セリグ(1934-)

元はブルワーズオーナー。MLB選手会オーナーの対立が激化していく中で、1998年実質的には1992年)に第9代MLBコミッショナーに就任。リーグの再編、収益分配制度の導入、オンライン配信の開始などにより、就任前と比較して5倍以上とも言われる空前の収益をMLBにもたらした。

12位 ウォルターオマリー(1903-1979)

ドジャースオーナー。冷徹な経営者であり、1957年に球団をブルックリンからロサンゼルスへ移転させた。それによりアメリカ西海岸における野球ビジネスを開拓し、経済的には大成功を収めたが、ブルックリン住民からは深く恨まれた。

13位 ビル・ジェームス(1949-)

1977年から1988年まで刊行した「Baseball Abstract」を通じてセイバーメトリクスを提唱した。米国野球学会(SABR)のデータと統計の手法を用いて、RCやRFなどの様々な新しい指標を作り出した。

14位 フランク・ジョーブ(1925-2014)

1974年ドジャースの選手だったトミー・ジョンに、自らが考案した靭帯再建手術を施し、それを成功させた。この手術は「トミー・ジョン手術」として、いまでは広く施術されている。また、1990年には肩再建手術も成功させている。

15位 ハンク・アーロン(1934-)

ブレーブスで活躍し、ベーブ・ルースの記録を超える通算本塁打755本を放った。黒人のアーロンが白人のルースの記録を破ることには反発もあったが、彼はそれを乗り越えた。通算打点2297点は現在でもMLB記録である

16位 ルー・ゲーリッグ(1903-1941)

ヤンキースに所属し、当時の記録である2130試合連続出場を達成して「鉄の馬」と呼ばれた。しかし筋萎縮性側索硬化症に苦しみ引退、そして37歳の若さで亡くなった。背番号の「4」はMLBで初めて永久欠番となった。

17位 ドク・アダムス(1814–1899)

野球クラブのニッカーボッカーズや全米野球選手協会(NABBP)において、チームの人数や塁間の距離、一試合のイニング数、バウンドルールの撤廃など、基本的ルールの策定に貢献した。遊撃手ポジション創始者とも言われる。

(野球ルールの策定に関してはアレクサンダー・カートライトの名前がよく挙がるが、現在ではドク・アダムスを評価する声が多いようだ)

18位 バック・オニール(1911–2006)

ニグロリーグで活躍した後に、MLBで最初の黒人スカウトとなり、最初の黒人コーチとなった。ニグロリーグ野球博物館の設立や、ドキュメンタリーへの出演、多くのインタビューを通して、ニグロリーグへの関心を高めることに尽力した。

19位 ロベルト・クレメンテ(1934-1972)

MLBにおけるヒスパニック系選手の先駆けであり、中南米出身で初めてMLB殿堂入りした。慈善活動中の飛行機事故により38歳で亡くなり、そのため慈善活動に貢献した選手に贈られる賞にその名が冠されることになった。

20位 ジェームス・アンドリュース(1942-)

肩、肘、膝に関する整形外科医。1985年ロジャー・クレメンスに施術した関節鏡手術で脚光を浴び、以降もスポーツ医学の権威として数多くの選手の手術を担当している。

21位 ジョー・ジャクソン(1888-1951)

シューレス」の異名で知られるMLB初期の名選手。しかし、MLB最大の八百長事件であるブラックソックス事件に巻き込まれ、MLBから永久追放された。ファンは彼に同情的であり、いまなお悲運の選手として記憶されている。

22位 ピート・ローズ(1941-)

最多安打4256本や最多出場3562試合などのMLB記録を持つ「安打王」。しかし、引退後の1989年に野球賭博に関わっていたことが発覚し、MLBからは追放された。

23位 ウィリー・メイズ(1931-)

走攻守すべてに優れたMLB史上最高のオールラウンダーであり、当時MLBにおいて台頭しつつあった黒人選手の代表格でもあった。オールスター24回出場は最多タイであり、「オールスターはメイズのために作られた」と評された。

24位 コニーマック(1862-1956)

1901年アスレチックスの初代監督に就任すると、それから1950年まで指揮を取り続け、5度のワールドシリーズ制覇を成し遂げた。もちろん監督の就任期間としてはMLB史上最長である

25位 ハッピーチャンドラー(1898-1991)

上院議員ケンタッキー州知事、そして第二代MLBコミッショナーランディスが黒人参加に否定的だったのに対して、チャンドラー進歩的であり、1947年ドジャースおよびジャッキー・ロビンソンを支持し、その契約を承認した。

26位 オリバー・ウェンデル・ホームズジュニア(1841–1935)

連邦最高裁判所の名判事として著名。1922年、球団が選手の移籍を制限できる「保留制度」について、それが反トラスト法に該当しないとの判決を下した。これにより、現在までもMLBは反トラスト法適用免除の特例として扱われている。

27位 バーニー・ドレイファス(1865-1932)

1900年パイレーツオーナーとなった。その後のナ・リーグア・リーグの対立を調停し、「ワールドシリーズ」を提唱して1903年の初開催に尽力した。また1909年に、鉄筋コンクリート製の近代的な球場を建設したことでも知られる。

28位 アレクサンダー・クリーランド(?-?)

スコットランド出身のビジネスマン1934年、野球発祥の地であるクーパーズタウン(これはスポルディングが広めたデマであるが)に野球博物館を作ることを思いつき、そのアイディアアメリカ野球殿堂の元になった。クリーランド自身は野球に全く興味がなかった。

29位 テッド・ウィリアムズ(1918-2002)

レッドソックスで活躍し、MLB史上最高のバッターの一人とされる。最後の4割打者であり、通算出塁率.482はMLB記録である1970年に刊行された、自身の打撃理論を記した「The Science of Hitting」は、後の多くの打者に影響を与えた。

30位 デビッド・ネフト(1937-)

大学で統計を学び、1969年スポーツ百科事典「The Baseball Encyclopedia」を、1974年からは「Sports Encyclopedia: Baseball」を毎年刊行し、高い評価を得た。他にサッカーバスケットボール百科事典も編纂している。

31位 トニー・ラルーサ(1944-)

ジョン・マグローらと並んでMLB史上最高の名将とされる。ホワイトソックスアスレチックスカージナルスの監督を歴任し、ワールドシリーズを3度制した。データを駆使した細かな継投を得意とし、現代的な「クローザー」というポジションの確立に貢献した。

32位 レフティオドール(1897-1969)

MLBで首位打者を獲得するなど活躍し、引退後は監督となった。1934年に日本の野球チームと対戦したとき、相手チームに「ジャイアンツ」というニックネームを贈った。1949年に訪日した際にはチームを率いて全国巡業を行うなど、戦後日本に野球を広めるのに貢献した。

33位 ロイ・ホフヘインズ(1912–1982)

アストロズオーナー1965年世界初ドーム球場アストロドームを建設し、さらにドーム球場では天然芝が使えないために、人工芝アストロターフを開発した。人工芝70年代に流行し、その走りやすさからMLBの野球をスピーディなものに変えた。

34位 ロバート・ボウマン(1955-)

MLBのインターネット部門であるMLB Advanced Media社(MLBAM)のCEO。MLB.comを運営し、試合のオンライン配信や、チケットの販売などを開始したことで、巨額の利益を上げている。

35位 マーク・マグワイア(1963-)

1998年サミー・ソーサとの最多本塁打争いにより、1994年ストライキで低迷したMLBへの注目を取り戻した。最終的に70本塁打を放って当時の新記録を作ったが、2005年頃からステロイドの使用が確実視されるようになり、その名声は失墜した。

36位 カート・フラッド(1938-1997)

1969年カージナルスに所属していたフラッドはトレードを拒否し、マービン・ミラーと共に「保留条項は反トラスト法違反であり、トレードは無効である」との訴訟を起こした。裁判には敗れたが、この事件をきっかけにFA制度が導入された。

37位 野茂英雄(1968-)

日本での任意引退を経て、1995年にMLBのドジャースと契約した。30年以上前の村上雅則を除けば、MLBで長年に渡って活躍した初めての日本人選手であり、その後も続々とMLBに移籍する日本人選手たちの先駆けとなった。

38位 メリッサラットク(1951-)

1977年ワールドシリーズで、当時のMLBコミッショナーだったボウイキューンは、女性記者であることを理由にラットクの取材を許可しなかった。彼女は平等な取材を求めて訴訟を起こし、勝利した。これ以降、全てのチームが取材に制限を設けないようになった。

39位 ビル・ドーク(1891–1954)

1920年カージナルスの選手だった彼は、野球用品メーカーとして有名なローリングス社に、グラブの親指と人差指のあいだに「網」を貼るべきだと提案した。これにより現在の形の野球グラブが完成した。

40位 セオ・エプスタイン(1973-)

2002年レッドソックスのGMに史上最年少となる28歳で就任する。2004年のWS優勝で「バンビーノの呪い」を打ち破ると、2012年には新たにカブス球団社長となり、2016年のWS優勝で「ビリー・ゴートの呪い」までも打ち破ってみせた。

2016-09-22

http://togetter.com/li/1016711 について

パラノイアRPGにおける。一般的にそうだと信じられている間違った理解と。そのツッコミ。」

http://togetter.com/li/1016711

上記記事内におけるツッコミに、あまりにもルールブックの記載とかけ離れた記述があるようでしたので指摘を。

ルールブックは25周年版日本語版準拠

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>他のPL達の反逆を暴き処刑することで、成り上がっていくゲームです

まったく違いますトラブルシューティングするゲームです。

邪魔をする反逆者であれば。仲間であれシュートする必要があるだけです。

というか……別に処刑したところで成り上がれません。頭なでなでしてくれるけど。

パラノイアにおいてトラブルシューティングとは反逆者の処刑のことであり、ミッションの達成自体重要視されません。

ミッション遂行必要であるために反逆者を処刑するのではなく、反逆者を処刑することがトラブルシューター目的です。

トラブルシューターを任ぜられたPC目的 (=PLの行動指針) は 1) 生き残ること 2) 成り上がること 3) その他個人的目的 となります

反逆者を処刑コンピューターの信頼を得られればセキュリティクリアランスは昇格します。(昇格したキャラクタープレイする機会があるかはさておき)

(ルールブック p3)

まり貴方の役目は、トラブルを見つけ出し、これをシュートする、つまり文字通り『撃つ』ことです。

(ルールブック p158)

パラノイアでは、ミッションは必ず存在してはいものの、(コンピューターを除いて)誰もこれを真剣に捉えていません。これにはもっともな理由があります。大抵のミッション自殺祭りや当てのないボット探し、プログラムエラーあんまり込み入っていて意味不明なんで GM も解っていないような陰謀といったものでできていますPCミッション目的を達成する事が期待されていなかったり、そもそも許されていなかったりする事もよくありますPC目的を解っていない事だって珍しくありません。ホラーアドベンチャー玉葱を慎重に剥いていくものだとすれば、パラノイアミッション玉葱レーザー燃えカスにするようなものです。

(ルールブック p10)

こういった義務の他に、君のトラブルシューターには個人的目標がいくつかある。多くはアルファコンプレックス市民なら皆持っているもので、大抵の市民は以下の様な優先順位をつけている。

1. 生き延びる!

2. セキュリティクリアランスの上昇。

3. 金持ちになる。

4. 所属する秘密結社目的資する

こういう普通目標のほかに、他の市民とは違った目標を持っているかもしれない。

5. (任意自分と同種の能力を持つミュータントを見つけ出し、保護する。

6. (任意) 旧算世界遺産を見つけて、集め、あるいは転売する。

7. (任意アルファコンプレックスから自由アウトドア脱出する。

8. (任意コンピューターを打倒する(がんばってねー!)


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>このゲームで仲間を信頼するのはバカのすること

別に信頼していいのですが。決定的な信頼が得られず疑心暗鬼になるだけです。

これの間違いが最も分かりやすい例は、相手偽善場合です。

ジョンソンの裏取り調査する時間が与えられていないシャドウランナーみたいなもんです。

パラノイアキャッチコピーは「気を抜くな!誰も信じるな!レーザーガンを手放すな!」ですね。

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>結果裏切りが多発するので最悪友人関係に影響が

そうならないようゲーム内で調整(=処罰)しないGMに当たったら。

プレイヤーは席を立っていいです。マジで

PC間の不信と裏切り助長するのがパラノイアGM仕事です。

(ルールブック p42)

GMルール第三条。常にプレイヤー同士で争わせましょう。貴方と争わせるのではなく。

(ルールブック p42)

何かやったプレイヤーにご褒美をあげれば、その行動を繰り返すでしょう。ですから、仲間のキャラクターを裏切ったり、死の罠から賢くも逃げおおせたり、創造的であったり滑稽であったりしたら、ご褒美を出します。本当に輝かしい動きをしたキャラクターには成功と昇格を与えましょう。輝かしい行動には常に報酬を!


-

好きにしていいんですが。

ルールがどうにも都合が悪いとき」だし

ゲームマスターの最大の楽しみは、皆を楽しませること」なんで。

俺がルールだぁ、ヒャッハー!」とかホントダメ


(ルールブック p42)

GMルール第一条。全てを預かるのは貴方であり、貴方は常に正しいのです。我々がここに示すルールあくまガイドゲーム中に何を起こしたいか決まってないときに使ってください。起こしたいことが決まってるならルール無視してください。我々は貴方のお役に立てるパワフルな道具になるよう全力を尽くしてルールを書いておりますけれども、どうもこのルールが気に食わないということでしたら、間違ってるのはルールの方です。良いルール貴方を大いに助けてくれるでしょう。でも悪いルールというのは、叩きのめし、拷問にかけ、ロボトミー手術を施し、即時処刑にかけるためだけに存在するものです。


-

ただこのあたりは、本当に「GMヒャッハーするゲーム」という誤解があったり。ルールを出来る限り適用しようと努力する(全部守れと言ってるわけじゃないです)GMが他システムより少ないので。

「そのGM、信用できる?」ってところに尽きるんです。

パラノイアでは、GMルールに則り公平に判定していると信用される必要はありません。もちろん、GMがPLを楽しませようとしているということについては信頼される必要があります

(ルールブック p42)

タスク解決ルール第一条。

貴方が何を起こしたいか決まっているなら、(プレイヤーに見せずに)1d20 を振り、出目を無視します。必要なら、いろいろな表と結果を照らしあわせている体を出すのも有りでしょう。そうして、起こしたいことが起きたことにします。

ダイスという道具は、プレイヤー自分自身運命を決めているような幻想を持たせるには便利なものです。こういう幻想は良いものではありますが、でもダイスを振るときプレイヤーの視界から隠し、ついたての後ろで振ると良いです。気に入らない目が出たら、それはダイスが間違ってます。好きな出目に変えちゃいましょう。出目に関する信用が減耗したり完全にお亡くなりになったりするかもしれませんが、経験から申し上げれば別段たいした影響はありません。

2016-09-05

外国人苗字について

ジョンソンとかパウエルとか、複数人いたことのある苗字は、向こうで多い苗字なんだろうなと勝手に思う

サターホワイトとかオンドルセクとか、長くてちょっと言いにくそうな苗字は向こうでも少ないのかなと勝手に思う

ビシエドとかミッシュとかリズとか、短くて英語っぽくない名前は見当もつかない

ただ、海外で同時期に活動する日本人で、野球だと松井サッカーだと酒井あたりはいいけど、ゴルフ宮里被りがあるので(血縁ではない)、2人いるからってメジャー苗字とは限らない

2016-06-28

残留望んだ若者、怒りのデモ行進

http://mainichi.jp/articles/20160625/k00/00e/030/230000c

離脱投票した人は高齢者が多いと聞くが、若者の将来を考えたことがあるのか」。大学生アリスパーカーさん(23)は憤る。離脱移民入国制限されるが、英国民もEU内を自由に移動する権利制限される可能性がある。「この小さな島国では若者活動や将来を保証してこそ、活力が上がる」

 国会議事堂では、英国の旗が高々と掲げられていた。議事堂前の芝生でくつろいでいた大学生ジェームズレーザーさん(22)も残留希望していた。「ジョンソン氏は首相になるために、離脱派になったと聞く。そんな人が国を担えるのだろうか」

 議事堂前には23日まで、殺害されたEU残留派ジョー・コックス下院議員を悼む多数の花束が置かれていた。離脱が決まった24日、なぜか花束撤去されていた。

2016-06-13

元増田のための最近2010年代)の3Dアニメ映画がわかる11

http://anond.hatelabo.jp/20160613091056


つってまあ、そんだけ見てりゃピクサーディズニーの新作追ってりゃいいと思うけれど。

とはいっても2010年代アメリカアニメスタジオ群雄割拠。これにストップモーションアニメ勢や日本やフランスの伝統的な2Dアニメ勢が絡んできて大乱闘スマッシュブラザーズだし、中国や韓国の新興スタジオも力を伸ばしつつあるわ。

もしかしたら、今が世界的にみて一番アニメが豊潤な時期なのかももしれない。


そんな混沌としたアニメ勢力図を一スタジオ一作品で把握できる、ステキリスト元増田にプ・レ・ゼ・ン・トよ♥



1. ドリームワークス:『ヒックとドラゴン』(クリスサンダースディーン・デュボア監督、2010年

 『リロ・アンド・スティッチ』の監督(とスティッチの声)を務めながら、ドリームワークスに移籍したクリスサンダース。名監督、会心の復活作よ。

 人間不信ドラゴンドラゴン使いの一族のおちこぼれ少年が育む純粋無垢な友情の物語に涙しないものはいないわ。

 監督が変わった『2』もDVD/ブルーレイリリース済み。評価は分かれてるけど、1を楽しめたら是非観てもらいたいわね。


 ドリームワークスディズニー/ピクサーの昔からのライバルよ。

 創業者の一人であるカッツェンバーグ氏は元ディズニーの幹部。低迷していたディズニーに『トイ・ストーリー』以前のピクサーと手を結ばせた功労者だったけれど、ディズニーお家騒動に巻き込まれて会社から追い出されちゃったの。

 それだけにディズニーピクサーに対する恨みは深くて、自分が退社する直前に挙がっていたピクサーの『バグズ・ライフ』の企画をパクって『アンツ』を作ってほぼ同時公開し、ラセターをブチ切れさせた逸話もあるわ。

 ディズニーとの最大の違いはその量産ペース。たまにハズレもあるけれども、成功した作品はめざとくシリーズ化して貪欲に稼ぐわ。

 『シュレック』、『カンフー・パンダ』、『マダガスカル』がそうね。元増田は『マダガスカル』がお肌に合わなかったみたいだけど、『シュレック』は『カンフー・パンダ』並に観といて損はないわ。『マダガスカル』は作品ごとに評価の波が激しいけれど、この二作のシリーズは一貫して高評価を受けていて安心して観られるわよ。

 単発作品では、『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』たちなんか玄人好みの作品ね。



2. ワーナー・ブラザーズ:『LEGOムービー』(クリストファーミラーフィルロード監督、2014年

 『シュガー・ラッシュ』以降の現代的なウェルメイド作劇に感動した元増田なら、『LEGOムービー』は外せないわ。

 チャーミングなテクスチャの質感、とぼけたオフビートキャラクター、意外に王道な感動ストーリー、アッと言わせる伏線やオマージュネタの数々……

 クオリティだけでいえば近年の3Dアニメのなかでもトップクラスと言ってもいいわ。たかがLEGO、とあなどるなかれ。あなたの涙腺をしぼりとる大傑作よ。


 WBは元々バックスバニーなどで知られるアニメ業界の最大手。テレビでは「カートゥーン・ネットワーク」を系列に抱えてるわね。けれども映画ではディズニーに遅れをとってきたわ。

 散発的に『アイアン・ジャイアント』や『ルーニートゥーンズ:バック・イン・ザ・タイム』といった良作を自前で生み出してきたけれども、基本はポケモンや他社製作のアニメの配給が中心。ようやく自社制作で気合入れだしたのはそれこそ2014年の『LEGOムービー』からよ。

 これからは豊富なキャラクターコンテンツを利用して『原始家族フリントストーン』や『宇宙家族ジェットソン』、『スクゥービードゥー』といった作品を映画化するみたい。


 ちなみにワーナー傘下にはヴィレッジロードショー・ピクチャーズっていうオーストラリアの映画製作会社があるんだけれど、

 そこで『マッドマックス』のジョージ・ミラーふわふわペンギンヒップホップダンスマッドマックスミュージカル映画ハッピーフィート』、

 『ウォッチメン』や『300』ザック・スナイダーふわふわフクロウガチ殺し合い300映画『ガフールの伝説』と、

 ヤバい映画の監督に見た目かわいい内容ハーコーな動物3Dアニメやらせててどれも最高よ!



3. ソニー・ピクチャーズ:『モンスターホテル』(ゲンディ・タルタコフスキー監督、2012年

 それまでディズニーの独占市場だったアニメ映画界に風穴を開けた90年代ピクサー2000年代のドリワの活躍を見て大手映画会社はこう考えたわ。

 「3Dアニメは儲かる!」。

 ソニー・ピクチャーズアニメーションはそうやって便乗的に2006年ごろから作品を継続的に発表しつづけてきて、それなりに稼いではいるけれど、他と比べてあまり元気がないわね。特に日本だとほとんど知られてないんじゃないかしら? アニメ映画界で重要なプレイヤーとは言いがたいわね。


 ここは『レゴムービー』の監督のデビューであるくもりときどきミートボール』を挙げときたいところだけれど、『レゴムービー』を観たなら薦めなくても観るでしょう?

 あえて『モンスターホテル』を推しとくわ。

 監督のタルタコフスキータルコフスキーパクリみたいな名前だけど、アニメ業界ではレジェンド級のアニメーターよ。『デクスターズ・ラボ』や『サムライ・ジャック』を作った男、いえばすごさが伝わるかしら。

 『モンスターホテル』は雇われ仕事で、お世辞にも脚本は最高の出来とは言えないけれど、彼が担当したキャラデザや動きはとても艶やか。特に主人公ドラキュラ娘のキュートさといったら! 3Dアニメが実は2Dアニメと地続きだということがよくわかるわ。



 

4. イルミネーションエンターテインメントユニバーサル):『怪盗グルーの月泥棒』(ピエール・コフィン&クリスルノー監督、2010年

 『怪盗グルー』シリーズの大ヒットで一躍アニメ業界を席巻したのがイルミネーションスタジオね。

 大手のユニバーサル後ろ盾にいるだけあって、よく広告なんかでも観るんじゃないかしら。「バナナバナナ」と喋る、サスペンダーを来た黄色い丸っこい謎生物のキャラ、あれがイルミネーションが誇る人気マスコットミニオン」よ。そのミニオンたちのデビュー作がこの『怪盗グルーの月泥棒』。

 偏狭な中年大泥棒がいきなり現れた三姉妹の世話に追われててんやわんやになる、といった筋は『モンスターズ・インク』を思わせるけれど、堅実なアニメーション表現とドギツいスラップスティックさでピクサーとの差別化が成功しているわ。

 特にスピンオフであるミニオンズ』はイルミネーションスタジオの「ヤバさ」が最もよく出ている作品なので、『怪盗グルーの月泥棒』『怪盗グルーのミニオン危機一髪』を観た上で是非ごらんになってほしいわね。


 しかし、イルミネーションの本領が発揮されるのは今年からだと言ってもいいわ。

 2016年に発表されるオリジナルタイトル二作品――『ペット』と『Sing』(邦題未定)。このふたつを注視していきたいわね。


5. ブルースカイスタジオ20世紀FOX):『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』(スティーブマルティーノ監督2015年

 20世紀FOXは自前のスタジオもあるんだけど、まあせいぜい作ってるのはシンプソンズ映画くらいだし、3D作品は基本ブルースカイ作品と言っていいわね。

 2000年代の仁義なきアニメ戦争の最初期に反応したスタジオひとつで『アイス・エイジ』は観た人も多いんじゃないかしら? あまり印象に残る作品はないし、批評家筋の評価は芳しいとは言いづらいけれど、ソニーなんかと比べると安定して高収益を叩き出してきたブランドね。


 そういうわけであまり過大な期待を持たずに『スヌーピー』も観に行ったんだけれど、これが思わぬ収穫だったわ。

 原作の感じそのまま活かそうとした2Dと3Dの中間めいた微妙な表現は賛否両論あるだろうけれど、88分でチャーリー・ブラウン恋物語うまく落とし込んだ良作よ。

 『スタンド・バイ・ミー ドラえもん』がやろうとして大失敗したことをうまくやるとこうなる、という感じで、見比べてみると作劇の勉強になるわよ。



6. ウォルト・ディズニーアニメーションスタジオ:『塔の上のラプンツェル』(バイロンハワード監督、2010年

 ディズニー映画は2008年の『ボルト』以前と以後で大分変わってくるわ。簡単にいえば、元増田が昔観たであろうオールドグッドな2Dディズニー映画が以前、元増田が大好きだっていうウェルメイドな作劇の3D作品が以降。このラインを意識すると効率良くディズニー映画を愉しめるわ。

 もっと元増田は08年以降のディズニー3Dアニメ映画をだいたいチェック済のようね。


 でも『ラプンツェル』を見逃しているのはいただけないわね!

 90年以降生まれの女子にとってはマイルストーンといってもいい、新しいディズニープリンセス物語の決定版よ!!

 女子にモテたければ是非観るべきだし、女子になりたければ絶対観るべき、現代女子力のパワーソース(力の淵源)よ!



7. ピクサー・アニメーションスタジオ:『インサイド・ヘッド』(ピートドクター監督、2015年

 シュガー・ラッシュ以降のピクサーを観た元増田なら当然鑑賞済みかしら?

 現代アメリカアニメを支配するピクサーの作劇の極致ともいえるのがこの『インサイド・ヘッド』よ。

 物語自体の面白さもさることながら、「私たちはいつ、どのように成長していくのか」についてここまで丁寧に描いたフィクションは稀有だと思うわ。



8. オン・アニメーションスタディオズ(メソッドアニメーション):『リトル・プリンス 星の王子さま』(マークオズボーン監督、2015年

 フランスは日本とおなじく2Dアニメーション映画が主流だけど、日本にも白組があるように、フランスなかにも3Dに情熱をそそぐスタジオがあるわ。

 それが、オン・アニメーションスタディオズ。

 まだまだ知られるとはいえないスタジオだけど、『カンフー・パンダ』のマークオズボーンが監督した『リトル・プリンス』で一躍名を上げたわね。

 アメリカの大手がかかわっているスタジオでは見られないようなヨーロッパ的な叙情が特徴よ。

 今後はこういう小スタジオの3D作品もバンバン出てくるんじゃないかしら?


 


9. ライカ:『コララインとボタンの魔女』(ヘンリー・セリック監督、2009年

 ここからはちょっと趣向を変えて同じ立体アニメでもストップモーションアニメを紹介するわ。

 元増田は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』という映画をご存知かしら? 

 ああいう人形を使ったアニメストップモーション(コマ撮り)アニメと呼ばれてファンも多いわ。一番有名なのはウォレスとグルミット』かしらね

 『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』はティム・バートンの監督作だと勘違いしている人も多いけれど、実は監督を担当したのはこのヘンリー・セリック

 彼が自分のスタジオであるライカ」を立ち上げての第一作目が、この『コララインとボタンの魔女』なのよ。

 ストップモーション特有の質感を保ちつつも3DCGと見まごうばかりのなめらかなアニメーションは、気が遠くなるような数の人形パーツによって実現したもの。

 セリック独特のゴシックな美意識が溢れる画面は観ているだけでため息が出るわ。

 この『コララインとボタンの魔女』の成功によって、ライカイギリスアードマン・アニメーションズと並ぶストップモーションスタジオとして一躍地位を確立したわけ。

 ライカはこれまで三作しか発表しておらず、日本に入っているのは『コラライン』含めて二作だけだけれど、二作目の『パラノーマン』もすばらしい出来なので是非見てね。



10. アードマン・アニメーションズ:『映画 ひつじのショーン 〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜』(マークバードン&リチャード・スターザック監督、2015年

 で、ストップモーションアニメの老舗であり、ストップモーションといえばアードマンと言われるほど有名なアードマン・アニメーションズ

 配給会社はそのときどきによって変わるけれど、一貫して温かみのあるゆるさと精緻な細部へのこだわりをふせもった上質なストップモーションアニメを世界に供給しつづけているわ。

 もちろん、去年発表された『ひつじのショーン』も最高だったわね。

 『ウォレスとグルミット』とおなじく、テレビシリーズの劇場映画化だけれど、TV版をみてなくとも十全に楽しめるわ。むしろ、テレビシリーズの入り口としてちょうどいいくらい。

 アードマンの作品はそのルックを一目見れば即座にわかるので、公開されたらとりあえずチェックしときたいわね。



11. スターバーンズインダスリーズ:『アノマリサ』(チャーリー・カウフマンデュークジョンソン監督、2015年

 スターバーンズインダスリーズテレビドラマで活躍するダン・ハーモンが立ち上げたストップモーションアニメ会社

 その第一作目に『マルコヴィッチの穴』などで知られる個性派脚本家チャーリー・カウフマンを監督に迎えて作ったのが、この『アノマリサ』。

 アードマンにしろライカにしろ「子どもも大人も愉しめる」映画が信条のストップモーションだけれど、この『アノマリサ』は完全にオトナ向けよ。

 カウフマン特有の奥行きある哲学的ストーリーもそうだけれども、一番子どもに見せちゃいけないのはセックスシーン。

 なんと精巧に作られた人形同士(男女ともにくたびれた中年)がヤッてる姿をえんえん見せつけられるの! クンニから挿入、絶頂、事後まで全部よ!

 ちょっと変わったアニメ映画を観たい、と思ったら今すぐこれを借りにレンタル屋に向かうべきね。 

2016-05-23

『レヴェナント』のテーマ考察

『レヴェナント』を観た。

監督の前作『バードマン』に比べて難解で、現段階ではテーマがさっぱり分からないのだが、主に海外サイト議論を参考に、テーマ考察をまとめておくことにした(これを踏まえてオーディオコメンタリーインタビューが出るのを待つことにする)。

そこで以下、結論難解な理由、様々な視点から問題提起、現段階で考えられるテーマ妄想)の順に書いていくことにする。

1. 結論(先出し、めんどくさい人はここだけ読めばOK)

考えながら書いたので、思ったより文章が長くなってしまった。結論を先に書いておく。

(1) 『レヴェナント』はどういう物語

『レヴェナント』をそのテーマに基づいて要約すると次のようになる。

主人公グラスは、その人生の全てであった息子ホークを殺されたことで、生きる意味を見失い、死亡する。 しかし、息子を愛する気持ちにより、死と再生を繰り返し、野生動物に生まれ変わってまで生き残り、宿敵フィッツジェラルドのもとにたどり着く。

最後の戦いではフィッツジェラルド瀕死の重傷を負わせた末、神の代行者リーによる神罰を引き寄せ、息子の敵を討つ。 息子を失い、復讐という目的も失ったグラスの精神崩壊し、(ブチャラティ的な意味で生き延びていた)肉体もついに死を遂げる。

(2) 『レヴェナント』のテーマは何か

本作のテーマは、親が子を愛する気持ちいかに強く、大きいものか、ということである

2. 難解な理由

(1) 単純なテーマに落とし込みづらい

『レヴェナント』のストーリーを単純に言えば、「復讐心に捕らわれた男が、大自然の中で死闘を繰り広げるが、最終的に復讐をやめる話」である(図式的に表現すれば、『大いなる勇者』+『デルス・ウザーラである)。

このストーリーを見たとき、すぐ連想するテーマは、①復讐のむなしさであったり、②大自然と対比された文明批判である

しかし、①復讐のむなしさがテーマだと言い張ることには疑問が多い。というのも、(後述するように)復讐をやめた後の主人公の表情は発狂寸前のそれである復讐を完遂して破滅するか、中止して救われるかの方がテーマとしては明確なはずである)し、監督自身インタビュー復讐物語を描くこと自体には興味がないと答えているからだ。

さらに、②文明批判テーマだと言うのも苦しい。というのも、この映画には文明に対する疑問が提示されることがないからだ(『デルス・ウザーラ』のデルス、『大いなる勇者』のジョンソンのように、文明対立する人物が出てこない)。

ということで、『レヴェナント』は単純なテーマ理解することが困難である

(2) 解釈に影響を与えそうな要素が満載

『レヴェナント』は昔の映画からたくさん引用をしている上、宗教的意味ありげな要素がたくさん散りばめられている。さら監督過去作品との整合性まで考慮に入れるとすると、どの要素にどの程度力点を置いて物語解釈すれば良いのか分からないという問題があり、これがテーマ理解の妨げとなっている。

(3) 特にタルコフスキー引用が難解

(2)と関連するが、『レヴェナント』ではタルコフスキーの諸作品(『僕の村は戦場だった』、『鏡』、『ノスタルジア』、『アンドレイ・ルブリョフ』)から引用が多数なされている(これを分かりやすくまとめた動画がある:https://vimeo.com/153979733)。

しかタルコフスキー作品と言えば、それ自体が難解映画の筆頭である。そこから引用となると、どういう意図なのか(タルコフスキー意図をそのまま継いでいるのか、ただタルコフスキー表現が気に入ってやりたかっただけなのか)が皆目検討がつかないのだ。

3. 様々な視点から問題提起

そういうわけで、『レヴェナント』は難解な映画なのだが、海外ファンサイトでいくつか有力な問題提起がなされていたこから、これをいくつかまとめておく。

(1) [視点Ⅰ] イニャリトゥ監督過去作品から見る

ア. うまくいかない親子の関係

まず、イニャリトゥ監督過去作品では、「うまくいかない親子の関係」が描かれることが多い。

監督の前作『バードマン』では、監督そっくりの父親が、娘に全く愛されず尊敬もされていないことに気が付き、悩む様が描かれる。また、デビュー作『アモーレス・ペロス』では、マルクスそっくりの元反政府活動家が、活動のために家族を捨てたことで愛する娘と会えず、悲しむ様が描かれている。

これらの作品に比べ、『レヴェナント』は異質である。というのも、主人公グラス(ディカプリオ)と息子ホークの関係は互いに愛し合っているからだ。

この点をどう評価するのかがまず1つの問題である問題点α)。

イ. 死と再生

前作『バードマン』で、主人公は、演技に悩んだ末、舞台拳銃自殺をする場面で、拳銃実弾を込めて自分のこめかみに発射する。その死を賭した演技が絶大な評価を受け、主人公は自らの弱さの象徴であるバードマンを打ち倒すことに成功する。

こうした死と再生イメージは、映画でよく用いられるモチーフである(『鏡』、『8 1/2』など)が、『レヴェナント』ではこれが3回(数え方によっては2回とも4回とも)も行われる。

① 熊に襲われ瀕死となり、フィッツジェラルドに埋葬されるが、立ち上がる。② インディアンに追われ、川に流されるが、生還する。③ 崖から落下したのち、馬の中に隠れ、回復する。

ではそれぞれ、何に生まれ変わったのだろうか。前作『バードマン』で主人公は、拳銃自殺ギリギリのことをすることで、弱さ(バードマン)を克服した強い人間に生まれ変わった。では本作ではどうか。

これについて、海外サイト面白い考察があった。グラスは死と再生を繰り返すたびに、野生動物に生まれ変わっているというのである

(ア) 熊

まず最初にグラスは熊に生まれ変わっている。その表れとして、グラスは熊の毛皮を着て、首に熊の爪のネックレスをしている。さらに川で魚を手づかみにし(木彫りの熊)、それを生のまま食べている。

(イ) 狼

次にグラスは狼に生まれ変わっている。その表れとして、インディアンバッファローの肉をもらう際、四つんばいになって人間にへつらっている。そしてインディアンが肉を投げると、これを貪るように食っている。

(ウ) 馬

さらに、グラスは馬に生まれ変わっている。これは冷たい夜を生き抜くために、馬の死体の中に隠れ、後に這い出ていることから明らかである

(エ) 謎の肉食獣

最後の戦いにおいて、グラスは牙と爪で戦う肉食獣に生まれ変わっている。これは、銃を放棄し、斧(牙)とナイフ(爪)で戦っていることに表れている。

上記の見方はそれ自体面白い見方だと思うが、これによって何が言いたいのか、というのはまた1つの問題である問題点β)。

なお、グラスが当初の瀕死状態から山を走るところまで回復するのは、死と再生を何度も繰り返すからだという見方があった。

(2) [視点Ⅱ] タルコフスキー引用から見る

先に貼った動画https://vimeo.com/153979733から明らかなように、『レヴェナント』ではタルコフスキー作品から引用が非常に多い。

そのうちよく解釈に影響を与えそうなものとして挙げられるのは、「宙に浮く女性」、「ラストシーンでグラスがこちら(観客側)を凝視する表情」、「鳥」、「朽ち果て教会」、「隕石である

このうちここで取り上げたいのは、「ラストシーンでグラスがこちら(観客側)を凝視する表情」である。他の引用解説が面倒くさすぎるので各自ぐぐってほしい。

この表情の元ネタは、『僕の村は戦場だったである。この映画主人公イワンくんは、ソ連少年兵であるが、母と妹をナチスによって殺害されている。問題の表情は、そんなイワンくんがナチス相手戦闘を仕掛けるシミュレーションを1人でしていたときのものである

まり、この表情は、純粋で愛に満ち足りていた少年の心が、ナチスへの復讐心で歪み、壊れかかるときのものである

これをそのまま『レヴェナント』のグラスに類推するならば、グラスの心は最後の戦いの後、壊れかけていたことになる。

しかし、『僕の村は戦場だった』と違い、『レヴェナント』では復讐を止めた後にこの表情をしている。そのため、イワンくんの内心をそのままグラスに類推していいものか、グラスは最後にどういう心境だったのか、という問題が生じる(問題点γ)。

(3) [視点Ⅲ(おまけ)] 監督目標から見る

イニャリトゥ監督インタビューで、目指している映画として以下の5本を挙げている。

黒澤明デルス・ウザーラ』② コッポラ地獄の黙示録』③ タルコフスキーアンドレイ・ルブリョフ』④ ヘルツォークフィッツカラルド』⑤ ヘルツォークアギーレ/神の怒り』

共通点は、いずれも撮影に困難が伴った映画であるということである

①『デルス・ウザーラ』では秋の風景を撮るはずが雪が降ってしまったためソ連軍を動員して人口葉を木に付けた、②『地獄の黙示録』では台風でセットが全て崩壊した、③『アンドレイ・ルブリョフ』ではソ連当局検閲が通らず製作から公開までに10年以上の歳月を要した、④『フィッツカラルド』では実際に巨大蒸気船を滑車を使って山越えさせた、⑤『アギーレ/神の怒り』では撮影過酷から引き上げようとした俳優を銃で脅した、などなどの多数のエピソードがある。

そうすると、「テーマとかどうでもよくて、むちゃくちゃつらい撮影がしたかっただけなんじゃ・・・」という疑念が湧いてくるのである問題点δ)。

(4) [視点Ⅳ] 「復讐神の手にある」の意味から見る

これはグラスが途中で出会った一匹狼のインディアン言葉だが、意味は正直言ってよく分からない。

ただ、ラストシーンでグラスが復讐を委ねた相手インディアンリー誘拐されたポワカの父親である。このことから海外サイトの中には「リー神の手、すなわち、神の復讐の代行者である」との解釈が多く見られた。

(5) [視点Ⅴ] グラスの生きる意味から見る

イニャリトゥ監督作品テーマはいずれも生きる意味にまつわるものであるが、この点に関してグラスが2つの重要言葉を残している。

All I had was my boy... but he took him from me.“

「私にとって息子は全てだった。しかフィッツジェラルドは私から息子を奪った。」

“I ain't afraid to die anymore. I've done it already.”

「私はもう死ぬことを怖れていない。私は既に死んでいる。」

息子が全てだったという台詞は、グラスの生きる意味が息子にあったことを示している。そしてこれは、デビューから親子の関係を描き続けてきた監督自身言葉でもあるだろう。

息子がフィッツジェラルドによって殺害されたことで、グラスは生きる意味を失う。代わりに「復讐」という意味見出したかのようにも見えるが、それによって再生した姿は上述したように、野生動物の姿である

このことからすると、私は既に死んでいるという台詞は、「生きる意味を失ったことで、人としては既に死んだ」ということを意味するのではないだろうか。

(6) [視点Ⅵ] グラスは死んだのか論争から見る

海外サイト掲示板などで最も熱く議論されている論点は、グラスは死んだのか?という点である

これが問題となる理由は、①復讐モノの物語復讐者の死で終わる場合が多いということと、②戦いに勝利したとはいえグラスも致命傷を負っていること、③スタッフロールが始まってもグラスの吐息が聞こえること、といった事情があるからである

さら映画外の理由であるが、④前作『バードマン』においても主人公最後に死んだのか死んでいないのかで論争があったこともこの議論に影響を与えている。

死んだ説に立つ人は①②の事情を挙げ、死んでないよ説に立つ人は③④の事情を挙げている状況にある。

しかし、これもテーマとの関係で考える必要がある(問題点ε)。

4. 現段階で考えられるテーマ妄想

これらを踏まえて、現時点で筆者なりに『レヴェナント』のテーマについて考察してみたいと思う。

(1) 問題点α:監督過去作と違い、『レヴェナント』では親子(グラスとホーク)が愛し合っている。これにより、監督連続して掲げてきた「親子」というテーマ消失・変容したか

結論

① 『レヴェナント』においても主要テーマは「親子」である

「親子」というテーマは『レヴェナント』においても依然として維持されている。

その根拠は、(a)グラスの息子ホークというキャラクター史実存在していないのにわざわざ登場させたこと、(b)監督インタビューに対して、息子を登場させたのは親子関係を題材にすることで物語がより複雑で充実したものになると考えたからだと答えていること、(c)デビューから前作まで延々親子関係テーマにしてきた監督が、ここに来て生涯のテーマを捨てたとは考えにくいこと、である

② しかし、「親子」というテーマに対する切り口が、前作までとは違う。

前作までの切り口は、分かり合えない親子の問題をどう解決するか、というものであった。『レヴェナント』はそうではなく、子供を生きる意味としてきた親が、子を喪失したとき、どうなってしまうのか、という切り口で「親子」というテーマに迫っている。

その根拠は、(a)グラスが息子ホークが人生の全てであったと言及していること、(b)グラスが息子を失ったことで一度死んだと(解釈しうる)発言をしていること、である

(2) 問題点β:グラスは死と再生を繰り返す過程野生動物に生まれ変わっているが、これは何を表現しているのか。

結論:息子ホークを失ったことで、グラスが生きる意味喪失し、結果、人間としては死んだということを表現している。

その根拠は、(a)野生動物へと生まれ変わるタイミングが、息子ホークを失ったことをグラスが認識した時点からであること、(b)グラスが息子を失ったことで一度死んだと(解釈しうる)発言をしていること、である

(3) 問題点γ:ラストシーンでのグラスの表情の意味は何か。

結論:グラスの精神が壊れ(かかっ)ていることを意味している。

その根拠は、(a)元ネタである僕の村は戦場だった』のイワン少年がやはり精神が壊れかかったときにこの表情をしたということ、(b)息子ホークという生きる意味に加え、復讐という一応の生きる目的さえ失ったグラスには、これから生きる意味が何もないこと、である

(4) 問題点ε:グラスは死んだのか。

結論:グラスは死んでいる。

この問題は前作『バードマン』で同様の問題が争われたときと同様、作品テーマから考えなければならない。

前作『バードマン』で主人公の生死について争いになったとき、生きている説が有力となった理由は、作品テーマが「『中年危機』を迎え、娘ともうまくいっていない父親が、この先どう生きていけばいいのか」というものであったという点にある。つまり主人公が死んでしまうとこのテーマとの整合性が取れないのだ。

しかし『レヴェナント』では、主人公は既に自分は既に死んでいる旨を明言し、生きる意味を新たに獲得した様子も認められず、その心は壊れかけている。

ここから解釈が分かれるところだが、『レヴェナント』のテーマは「親が子をいかに愛しているか」という点にあるのではないか

グラスは本人が言うように、息子ホークの死亡を確認した時点で、死んでいた。それにもかかわらず死と再生を繰り返し、フィッツジェラルドのもとにたどり着いたのは息子を愛する精神の力(つまりジョジョ5部のブチャラティ的な意味で生きていただけ)によるものではなかったか

フィッツジェラルドを打ち倒し、インディアンリーによる神罰を引き寄せた時点で、彼の精神崩壊し、肉体的にも精神的にも死亡したのではないだろうか。

(5) 問題点δ(おまけ):監督は、むちゃくちゃつらい撮影がしたかっただけなんじゃないの?

結論:それはインタビュー見てるとそうかもしれない・・・。

5. 結論(再掲)

本作のテーマは、親が子を愛する気持ちいかに強く、大きいものか、ということである

2015-10-24

http://anond.hatelabo.jp/20151024195743

エロ元ネタがあるのではなく、純粋医学研究からですよ。

マスターズ, ウィリアム・H; ジョンソン (1980-06), 人間の性反応, 東京: 池田書店

原書1970年。謝国権ロバート・Y・竜岡訳、396ページ。イギリス女性382人と男性312人を対象に性反応の臨床的調査を行った古典的研究

元は、男女間のオーガズム時間的な長さの違いで、「女は男の10倍(の時間だけ)気持ち良い」というニュアンスだった様子。

2015-10-21

ジョンソン 鎌倉

むかし 文章を書いた。 それは、記憶をもとに想像や脚色をくわえて。

実際には言葉のやりとり、意思疎通に困難な関係であった。 しかし、普段は難しいやり取りをすることが

なったのであまり問題にはならなかった。ただお互いの考えを知る必要があった際には困難を極めた。また相手がいいたくない、迷いやはなせないという気持ちや行動が少しでもあれば情報の送受信が

うまく機能しないのは自明の理であろう。たぶんお互い相手の考えや意志確認したい場面で相手が声を発するのを非協力的な態度で迎えてしまったことが度々あったように思う。

実際には状況をほとんど理解していなかった。大切な情報を受け取ることは私はできなかった。 

一緒にいる時も他の異性と道端で話し込むこともあったし、対岸の歩道を歩く人に手を振ることもあった。

基本的に明確に正常なパートナーのいる方は回避する傾向にある。

以前とは違う状況確認も困難を極めた、上記のために。おそらく自分も相手にそういうことがあったと思う。

何か示唆するようなものが私以外の誰かが私に向けられているようだが、私がはっきりと認識しているものはほどんどないと言える。現実に私が持っている情報は実に少ないのが現状である

少ない情報をもとに膨らませたあやふやな風船のようなものをわたしは空間へ放った、それは時間をかけて色や形を変えて私のもとへ帰ってきて受け皿のように受け止めようとしている手のひらのうえでしぼむ。

とても小さく。

わたしはしぼむ前の風船のなかの空気を儚く思う。

2015-08-23

夏の日の午後にCDラックから引っ張り出すアルバム

エアコンの効きすぎた部屋の窓を開け、ぬるく湿った外気と部屋の冷気が混じるの感じながら、大きな入道雲を見上げる夏の日の午後。

そんな日に、CDラックから引っ張り出すアルバムがあります

けだるい夏の午後の感傷を味わわせてくれるアルバムや、じわじわと汗ばむような熱を持ったアルバムたちです。


Nelson Cascais - The Golden Fish

https://nelsoncascais.bandcamp.com/album/the-golden-fish

youtube に上がってなかったけど、上のURLアルバムまるまる試聴できます。1st track をプレイすると、勝手に全部再生される模様。

2011 の作品なので、もう4年が経つけれど毎年聴いています

タイトル曲ピアノが散文的で美しくも物憂げな雰囲気を含んだテーマを弾き、そこにギターサックスが重なります。それぞれのソロは吹き上がることなく滑らかに展開しますが、良く考えられていて曲の世界を引き立てますタイトル通り金魚が泳ぐ水槽ぼんやりと眺めて過ごす夏の午後が想起されますアルバム全体もほぼ同様のイメージできっちり固めています

(追記:言及するかしないか迷って、結局しなかったのですが、1曲目は確かにテイストが異なります。このレビューを読んで1曲目を聴くと、「?」なので、言及しておくのが適切でした。アタマリスナーの耳をつかむためのトラックだと思いますが、この曲はこの曲でギターユニークアイディアなど、アルバムの聴きどころの一つだと思います。)

ネルソンカスカイスは toap というポルトガルレーベルから何枚か出ているベーシストですが、彼について私が知っていることはほとんどなく、紹介しようにも何も語れないので困ってしまます。ですが、このアルバムを聴けば彼が素晴らしいコンポーザーであることは誰にでもわかるでしょうし、それで十分かなと。今回一番紹介したかったアルバム



Marc Johnson - The sound of summer running

https://www.youtube.com/watch?v=OgC6aOfKGeA


出た時には非常に話題になった作品であり、賞なんかも取ってたので聴いた人も多のではないかと。マークジョンソンの名をジャズオタ以外にもメジャーにしたアルバム

ピアノがいないので全体にゴージャス感が排除されており、朴訥としたギターのメロや絡み合いが郷愁を誘います子供が見た夏の田舎風景ですね。夏休みのある日の午後、意味もなく森や川のあたりを歩き回った記憶がよみがえります

アルバム全体のコンセプトが明確で、曲もそれに沿った素晴らしい曲ばかりですが、なんといってもギター二人の人選があまり完璧で、マークジョンソンコンポーザー/オーガナイザーとしての力量を示しています

マークジョンソンプレイヤーとしても素晴らしいので生で見る機会があればぜひ。このアルバムでは控えめなプレイに徹していますが、ライブではアップテンポな曲のソロになると、まるでピアノの低音域のような明確なタッチで速いパッセージを正確に弾き倒していきます。私が見たダブルベースプレイヤーの中では最も上手いと思います



WAR - All Day Music

https://www.youtube.com/watch?v=coHUt4si8Oo

名盤ぞろいの WAR ですが、もちろんこれも外せません。タイトル曲以外にも、Get Down, Slippin' Into Darkness といった有名曲を擁しています

このアルバム構成が素晴らしいです。まったりレイジータイトル曲で幕を開けると、その後は単純に吹け上がることなく、じっくりと汗ばむような熱を帯びていきます。そして最後Baby Brother でクラシックロック風のソウルガッツリとキメてみせます

上記 urlタイトル曲のみです。権利関係問題で削除されてしまうようで、アルバム全体やプレイリストを見つけられませんでした。ぜひアルバムで聴いほしいんですけどね。。

現在 WARWARLow Rider Band に別れていますが、現 WAR にはロニージョーダンしかオリジナルメンバーがおらず、ファンの間でもいろいろ疑問視されてます

そんなわけで Low Rider Band の Slippin' Into Darkness を。衰えを感じさせない素晴らしい演奏です。

https://www.youtube.com/watch?v=7clTT8-JrDo




Lonnie Liston Smith & The Cosmic Echoes - Expansions

https://www.youtube.com/watch?v=9dmX2uhQrZs&list=PLCb0jgW_NZ4XTRdKAqQ5ekJobVOSOUP8y

個人的レアグルーブは夏と結びついており、そのあたりからも一枚紹介したいなと思ったので Lonnie Liston Smith を入れますアルバム全体は見つけられなかったのですが、上記 urlリストアルバム全体をフォローしていました。

Summer Days といった曲があるあたり、明確に夏のイメージ作成されたアルバムだと思いますが、ロニーの持つ独特な歪み感というか、ささくれだった熱のおかげで陳腐な夏のイメージからは上手く距離を置いているように見えます

ベースラインがたまらないタイトル曲や Desert Nights, shadows といった耳を引くチューンと、保守的Peace のような曲が程よく入り混じっていて飽きません。

2015-08-19

医者が考えてること

病棟の回診

 担当患者さん、俺把握できてるかなあ。研修医にまかせてもいいかなあ。なんか抜けてないよな?

 やべえ、また主訴(訴えてる病状)変わったか。鑑別(考えてる症状や病名)変えたほうがいいかなあ。やべえ、病棟に専門書なかったよね。論文調べなきゃ。

 ってか、ポリクリ学生のほうが、症状よく見てるなあ。マジかあ。

  

外来病院にいきなり来ました、診察ですって普通に患者くるやつ)

 終わらないなあ。患者数多くない?ミスらないように、順番考えるのキッツイなあ。どうやったら上手になるんだー。

 マストでやることだけでいい患者と、ヤバイかもしれない患者対応変えるのまったく慣れない。

  

③当直

 患者さん、来ないでほしいなあ。ファストとx線で逃げ切れる感じで終わらないかなあ、CTやると、患者持ち上げるときに腰が痛いんだよなあ、でも整形行く時間がねえ。ヘルニアかなあ。俺がまずx線とりたいよ。

 あ、交通外傷着た。あ、この患者さん、皮膚科コンサルじゃん、皮膚科先生いたっけ?ってかヤバクね?スティーブジョンソンっぽくね?他の病院送っても間に合うか微妙じゃね?俺?俺がやるの?わかんねーよ!!!

  

カンファレンス

 他の先生、すげー勉強してんなー。全然わかんねーよイッテルこと。。。え?このレジデント先生分かってるの?マジ?

 俺のプレゼン、突っ込まれそうだなあ。研修医やってくれねえかなあ。

2015-06-11

乙女JAZZ系譜

最初に断わっておくと、乙女JAZZって呼び方はおれが勝手にそう呼んでるだけで、一般的ではないです。

で、ここでいう "乙女" がなにを指しているかというと、「聴いていると胸を押さえてうずくまりたくなる」感覚を指します。

まり、おれの乙女心を刺激するJAZZってわけです。

おっさん乙女心なんてキモいだけじゃ!って話ではありますが、まあ、そこらへんは深く追求しない方向で。


Bill Evans - MASH Theme (Suicide is Painless)_

https://www.youtube.com/watch?v=CS71hU5Xsxk

現代ジャズピアノの道を大きく広げた一人であることに異論はないであろうエバンス

上に挙げた曲では、イントロからドラム/ベースが入ってくるところとか、テーマから抜けるところで、胸を握られる感じがします。ドラマチックでわりと大味なテーマからリリカルフレーズに抜ける部分がどれも秀逸。緩急の波があって、甘ったるいだけではないところなんかも素晴らしいのではないかと。

この曲が入ってるアルバム You Must Believe in Spring個人的には好きです。


Enrico Pieranunzi & Marc Johnson - Islas

https://www.youtube.com/watch?v=Xo8bJToO8Es

乙女街道のド真ん中を行く人と言えば、ピラヌンツィ。

ほとんどどの作品でも乙女心を刺激するピアノが聴けます

たぶん、一番知られているのは Play Morricone かなと思うのですが、個人的おすすめしたいのはマークジョンソンとのデュオである Transnoche です。これは最初から最後まで胸を締め付けられっぱなしです。上に挙げた曲もこのアルバムから

ピラヌンツィは一度見たことがあるのですが、すんごいマッチョピアノを弾いていてビビりました。「え?キャラちがくね?」という。でも、改めてアルバムを聴いてみると、タッチはかなりカッチリしていて、速いフレーズでもあいまいさはないんですよね。実は。。


Marcin Wasilewski trio - Hyperballad

https://www.youtube.com/watch?v=nwZazYKOeqo

ecm の現エース。なのか?わかりませんが、マルチンボシレフスキです。

ビョークカバーです。もちろん元曲が良いというのもありますが、アレンジも秀逸です。サビがもう。おれの胸は壊れそうです。

この曲が入っているのは ecm での 2nd ですが、ecm からの 1st ではプリンスなんかカバーしてて、そちらも良いです。ecm 以前の作品もありますが、入手性が悪く(おれが買おうとしたころの話。今は違うかも。)、苦労して手に入れた割にイマイチな印象。なので個人的には ecm に移ってからが好きです。

わりとのっぺりとしたプレイスタイルですが、それが"引き"の強さにつながっていると思います



Ketil Bjornstad - The Sorrow in her eyes

https://www.youtube.com/watch?v=SPNZseT8Ihk

ジャズか?という話もありますが、ケティルを。

個人的に最も聞いたのがこの曲が入っている Floating というアルバムなんですが、多作でいろんなことをやる人なので、興味があれば掘ると非常に面白い人です。

上に挙げた曲は、ジャズジャズしいジャズと比べると、もう少しダイレクトメジャー/マイナー感があり、クラシックぽいなあと思わせる要素が見られます。ケティルはそうした要素をかなり高度に消化しており、明るさを増すところ、暗さを増すところ、それぞれ胸に迫るものがあります



The Song is You - Fred Hersch

https://www.youtube.com/watch?v=jL9zmiz3Glw

個人的には、今生きているピアニストで最も好きな人かもなフレッドハーシュ。

いろんな人とやるし、いろいろなことをやる人ですが、常に自身ピアニズムを強く維持しているように見えます

どんなタイプの曲でも、ある方向だけに傾倒していかない強いバランス感覚があるというか、考え抜かれていると言うか。。

ライブ見る機会がありましたが、ソロの一番良いところでサステイペダルを踏んでコード弾きとか、もう、「殺す気か!?」ってぐらい刺さった記憶がいまでも生々しくよみがえります

おススメは Alone at the Vanguard なんかが順当なところでしょうが個人的に Julian Lage とのデュオ Free Flying なども挙げたいところ(乙女分は少ないので、乙女分を求める向きには Alone~がおすすめ。)。

2014-11-15

窓を泳ぐ精子

先日入社したジョンソン仮名)が憎い。

これからは我が社も国際化だ!と社長が突然言い出し、部長待遇で連れてこられたのがイギリス人の彼だった。背の高い、がっちりとした体格で、いかにも仕事ができそうであるが、日本語はカタコトなのでまともに意思疎通を図れない。しか英語が得意な同僚はすでにジョンソンと親しげに会話を交わしている。中学英語もままならぬ自分はもう彼に嫌われたらしく、ジョンソンを歓迎する会にも俺ひとりだけ呼ばれなかった。

朝の満員電車内はじめじめとして鬱陶しい。まして外は雨降りだ。汗と雨の湿りがまじり合い、車内には不気味な空気がただよう。

俺の左隣のサラリーマンは、はげ頭に数本の毛を生やし、たるんだ額にくっきりと皺を並べた風貌で、眠たそうにつり革を握っている。目をかたく閉じ、大きな鼻の穴の底から、ごーごーごーともの凄い音をとどろかせ、うつらうつらするので、倒れてしまわないかと気が気でない。しかも息が臭いのだ。朝から歯を磨いていないのであろう、何かが発酵したような猛烈な臭いを放ちやがる。

もう降りてしまおうか、と思う。会社に行けばジョンソンがいる、ここにいれば異臭がする、ならば途中で降りてしまえ、何もかも放り投げてやる。俺は決意した。

次の駅名を告げるアナウンスが響くと、俺の右隣のおじいさんは一足先に扉のほうへと向かう。と、空いたスペースにするりと位置したのは女性であった。顔は確かめられないけれど、ボブカット黒髪がつややかな、小柄のかわいい女の子に見える。手持ちのバッグを網棚に乗せようとするとき、髪の毛がさっと揺れて、いい匂いが鼻をつついてきた。あ、いち髪だ、と思った。気が遠くなるほど甘い香りだった。

降りようとしたことなど忘れ、まるで花畑にいるような気分に浸るのもつかの間、まもなくの停車を知らせるアナウンスがまた聞こえ、女性はバッグを肩に掛けて行ってしまう。駅名を確認するふりをしてちらと窺うと、背の低い五十くらいのおばちゃんが、てくてくと無邪気に歩いていた。

やっぱり降りてしまおうか、と思う、その時だった。窓の上を精子が泳いでいた。ふたたび動きはじめる快速列車の車窓に、つぎつぎと打ちつける雨粒が、風に煽られてするすると流れ、粒が頭となり、筋が尾となり、にゅるにゅる、にゅるにゅるっという風に、曇り空を背景にしてうごめいている。ゆく先に卵子があるかも分からないのに、ただひたすらに前進する精子たちは、どこか健気な存在にさえ感じられる。にわかに涙が沸いてきた。ジョンソンの顔もサラリーマン口臭もおばちゃんの香りも何もかもが消し去られて俺の心にも精子が泳ぐようだった。

会社の最寄り駅に到着するとすぐさま、かばんの中からジョンソンが来社する前日に買ったきり開いていなかった英単語帳をとり出して読もうとする。が、手が滑ってホーム上に落としてしまう。

大丈夫ですか?」

「あ、すみません

単語帳を差しだす右手があまりにも白いので驚いて顔を見上げたら、二十歳くらいの天使が、にこっとほほえんでこちらを見つめていた。俺も一匹の精子になれる、そんな気がした。

始業十分前をしめす腕時計を見、俺は改札へ走った。

2014-11-08

amiiboが楽しそうだからXboxでもリリースして欲しい

フィギュア総称は「Xboxファミリー」として、色々考えてみる。

Xboxファミリーハブ

基本となるソフト

Xboxファミリー3Dモデリングの観覧、内蔵データの読み書き、Xboxアバターアイテム取得などを行う。

ファミリー対応する。

Haloシリーズ

マスターチーフ

アービター

ジョンソン軍曹

コルタナ

エージェントロック

ルーキー

ノーブルシックス などが対応

これはもうかざしたファミリーキャンペーンで一緒に戦ってくれる機能でしょ!

HaloCoopプレイは何故かフレンドでしか出来ない誓約があることが多いので、是非とも協力プレイする仲間が欲しいもんね。

コルタナが戦うわけにはいかないから、コルタナをかざしたときは別のことが起きる方がいいかなー。

その他のファミリーをかざすと、マルチプレイアバターアイテムが出現。

Forzaシリーズ

様々なファミリー対応

対応したファミリーに応じたデザイン適応されて「マスターチーフ痛車」や「ステーブ痛車」で走れるってのはどうでしょ?

Fableシリーズ

英雄(1、2、3+TJ+Legend)が対応

これもCoop的な要素かなー、過去主人公達の力を借りる的な演出があうと思います

その他のファミリーを読み込むと、衣装などをアンロック

マインクラフト

様々なファミリー対応

そのファミリーに応じたテスクチャマップやスキンをアンロック

○Gearsシリーズ

マーカス

ドム

これもCoopかなあ。

以外と面白い使い方が思いつかないな。

やっぱり、Xboxオールスターズリリースしてもらわないと、妄想が捗らないなあ。

JagoやプレイヤーダモクレスなんかのOneから新しくファミリーに入った彼らも含めて、何か作って欲しいなあ。

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