むかし 文章を書いた。 それは、記憶をもとに想像や脚色をくわえて。
実際には言葉のやりとり、意思疎通に困難な関係であった。 しかし、普段は難しいやり取りをすることが
なったのであまり問題にはならなかった。ただお互いの考えを知る必要があった際には困難を極めた。また相手がいいたくない、迷いやはなせないという気持ちや行動が少しでもあれば情報の送受信が
うまく機能しないのは自明の理であろう。たぶんお互い相手の考えや意志を確認したい場面で相手が声を発するのを非協力的な態度で迎えてしまったことが度々あったように思う。
実際には状況をほとんど理解していなかった。大切な情報を受け取ることは私はできなかった。
一緒にいる時も他の異性と道端で話し込むこともあったし、対岸の歩道を歩く人に手を振ることもあった。
基本的に明確に正常なパートナーのいる方は回避する傾向にある。
以前とは違う状況確認も困難を極めた、上記のために。おそらく自分も相手にそういうことがあったと思う。
何か示唆するようなものが私以外の誰かが私に向けられているようだが、私がはっきりと認識しているものはほどんどないと言える。現実に私が持っている情報は実に少ないのが現状である。
少ない情報をもとに膨らませたあやふやな風船のようなものをわたしは空間へ放った、それは時間をかけて色や形を変えて私のもとへ帰ってきて受け皿のように受け止めようとしている手のひらのうえでしぼむ。
とても小さく。
わたしはしぼむ前の風船のなかの空気を儚く思う。