はてなキーワード: ヴォーグとは
はい、すみません。おっしゃる通りです。そこサボってしまいました。
いちおう言い訳させてください。
昨日、元記事を書くにあたって、ファッションウィークでショーやってるブランド眺めたんですけど、これ全部調べる気力ないな……と思っちゃって、
で、基準としてヴォーグジャパンが単体で記事出してるブランドだけにしました。
https://www.vogue.co.jp/tag/2024-springsummer-pariscollection
確かに、中堅ブランドとか、あるいは本当に一人でやってるレベルの小さいメゾンみたいなとこまで行くと、もっと女性比率高そうだなーと思います。
まあこれなんですけども。
チェス、将棋…ボードゲーム界に「男女格差」が残る理由 頭脳戦で「女脳は男脳より弱い」というのは本当か | 概要 | AERA dot. (アエラドット)
上の記事で言ってることは基本的に違和感はなくて、要は分母が圧倒的に男に偏ってるから当然トップ層も男ばっかりになるって話ですよね。
そういうことはあると思うんですよ。そもそも子供の頃から将棋が好きでもっと強くなろうなんていう女、あんまりいないのわかるじゃないですか。
記事中ではチェス将棋は男の遊びっていうイメージあるからみたいに言われてますが、そんなんあるわけなくない??少なくともプレイは誰でもできるじゃん。
てか男だって大体は一回やって終わりだよ。負けるし強くなれる気しねーから。
なんか将棋みたいな(子供にとって)訳のわからんアブストラクトな遊びを面白がれるの、こう言っちゃあなんだけどASDみたいな連中ばっかりでしょ。そんでそういうのって大体男でしょ。だからなんも不思議はなくない?
ブコメ読んでたら碁はけっこう男女の差が縮まってきてるっていう話があって、確かにそれはそうなんだよね。去年最年少でプロ入りした仲邑菫とかもいるしね。ハンマーパンチ上野は棋戦にも出てるしね。
とはいえまあ五十歩百歩ですわな。女の棋士が女流じゃないプロにもいるとはいえ、人数比は圧倒的だよ。
なんか話それてるけど、つまり、そもそもやりたいですか?って話。
囲碁とか将棋とかチェスとかで強くなりたい女の子、そんなにいますか?って。
俺がなんか異常なのではと思っているのは、服飾業界だ。
服飾を志望する若者は、女の方がずっと多い。多分8割ぐらいは女だ。そしてアパレル系の会社も女ばっかりだ。
棋士の男女比よりは全然マシだが、とにかく女の方がずっと多い業界だ。
しかも消費する側も女の方が圧倒的だ。メンズファッションのマーケットは女の半分ぐらいしかないんじゃないか。
(というか、気にしたことなかったが、単にファッションブランドという場合、それは基本的に女向けのものだ。男向けはわざわざ「メンズ」とつけないといけない。わざわざ「女流」棋士というのと対照的だ)
そのような状況でありながら、業界のトップと言えるファッションデザイナーには、男がかなり多い。俺が知ってるようなトップブランドだと半分以上は男なんじゃないのか?
とここまで書いたところで実際どうなんかわからんなと思って調べました。
先日までやってたパリコレ2024春夏でショーをやったブランドと、デザイナー(クリエイティブディレクター)と、その人がいつからやってるかの一覧になります。ソースは基本的にヴォーグジャパン(https://www.vogue.co.jp/tag/2024-springsummer-pariscollection)から。
ピータードゥ | ピーター・ドゥ | 創業者 |
---|---|---|
ディオール | マリア・グラツィア・キウリ | 2016~ |
ドリスヴァンノッテン | ドリス・ヴァン・ノッテン | 創業者 |
サンローラン | アンソニー・ヴァカレロ | 2016~ |
バルマン | オリヴィエ・ルスタン | 2011~ |
クロエ | ガブリエラ・ハースト | 2020~ |
ジバンシィ | マシュー・ウィリアムズ | 2020~ |
ラバンヌ | ジュリアン・ドッセーナ | 2013~ |
スキャパレリ | ダニエル・ローズベリー | 2019 ~ |
アンダーカバー | 高橋盾 | 創業者 |
ロエベ | ジョナサン・アンダーソン | 2013~ |
ヴァレンティノ | ピエールパオロ・ピッチョーリ | 2016~ |
ヴィヴィアンウエストウッド | アンドレアス・クロンターラー | 2022~ |
ルイヴィトン | ニコラ・ジェスキエール | 2013~ |
ステラマッカートニー | ステラ・マッカートニー | 創業者 |
コムデギャルソン | 川久保玲 | 創業者 |
シャネル | ヴィルジニー・ヴィアール | 2019~ |
ミュウミュウ | ミウッチャ・プラダ | 創業者 |
メゾンマルジェラ | ジョン・ガリアーノ | 2014~ |
バレンシアガ | デムナ・ヴァザリア | 2020~ |
リックオウエンス | リック・オウエンス | 創業者 |
コペルニ | セバスチャン・マイヤーとアルノー・ヴァイヤン | 創業者 |
アレキサンダーマックイーン | サラ・バートン | 2010~ |
クレージュ | ニコラス・デ・フェリーチェ | 2020~ |
ノワールケイニノミヤ | 二宮啓 | 創業者 |
カールラガーフェルドが亡くなったのって2019年だったんですね。なんかもっと最近だと思ってました……
こうしてみると、25ブランド中、18ブランドが男性ですよ!!ヴィヴィアンウエストウッドは本人が亡くなったばっかりで、夫によるヴィヴィアン本人のクローゼットを元にしたコレクションと書いてあったので、もしかするとアンドレアス・クロンターラーがディレクターやるのは今回だけなのかもしれないですが……
でまあ18/25、すなわち72%が男性らしいですよ。トップデザイナーたちは。
いいのか?これで?
女がファッション消費するのだけが好きで作るのはそんなに……っていうんならわかる。それならそれでいい。
でも服飾系専門学校とか、女の方が多いだろうが??(海外では全然違いますとかあるのだろうか。それも調べようかと思ったけどもうちょっと疲れてきましたので有識者補足ねがいます)
女ども、入門だけしといてその先へ行く気はないのか?
それともこれはファッション業界に根付く構造的男尊女卑だというのか?客も、業界人も、ワナビーも女の方が数が多いのにか?(でも、これはなくはないような気がしている。金持っているのは男だし、権力を持った女は男が大好きだし、ゲイがすごいエンパワーされてる業界だし。いや、全て偏見です、すみません)
とにかくだよ、将棋だとかチェスだとかのしみったれた遊びは陰キャにやらしときゃいいだろうが!!
※ブコメと言及ありがとうございます。以下追記です
その「女が得意な業界で勝ててない」ことが本当に女性側の努力不足能力不足に由来するものなのか、それとも男がトップにいることへの無条件の信頼信用という社会構造に起因しているのか、もう少し考える余地が
そういうのは実際あるんだろうと思っていて、それはつまり、ファッションの消費者たちは業界の外の芸能界なり経済界なりの人間たちで、そこで男どもが未だに椅子をあけていないからだね。でもさあ、どこのブランドもフェミニズムをめっちゃ推してるんだよ。ウチの服は女性をエンパワーしますって言ってんの。
それなのにこの状況がダサいって思うの。
阻害してる人・社会構造があるんよ。「女がやる気がないから」って話は問題半分でしかなく、ココ・シャネルの頃から構造は変わってないのがもう半分
私も業界人ではないから実際のところは知らないので、推測でしかないんだが、マジで何も変わってないのか?あんだけMeTooとかやったのにか?
本当に何も変わってないよっていうんだったらもうどうしようもないんだが
そりゃまあ多分偏見はあるんだろうが、それならそれで正しいバランスのとれたご意見をお聞かせくださいよ。
そうでなきゃおめーの方に偏見があんのかもしれないだろ。100字で足りなきゃ増田に書けよ。
確信なんかしてねえんだよふざけるな。日々迷いっぱなしだわ。「力強い(※婉曲表現)」てのは何らかの揶揄だよな?疑義があるなら真面目に書いてくれ。
既視感があるっていうなら思い出して書名でも書いてくれ。
“女ども、入門だけしといてその先へ行く気はないのか?"ないわけなく、それを解きほぐしていかないとねってずっとみんな言ってると思うんですが…
そうだよね。ずっと言ってる。100年ぐらいは言ってるんじゃないか?それでこの体たらくはどうしたって言ってんの。
それはあり、でも改善はしていると思う。実際、人種とかデブとかについてはかなり多様性担保していこうねって感じになってると思う。
勝ち負けに関しては、まあブランドが成功してたら勝ちでいいんじゃない?そんでパリコレでショーやれるってのは、ハッタリとかがあるにしても、一定の成功の指標ではあるのではと思います
「女が輝く職場」と誇るアースなんちゃらも経営陣はセクハラおっさん寡占で、女は店舗運営のみ https://fumufumunews.jp/articles/-/17409 https://www.asahi.com/sp/articles/ASN366TW7N36ULFA043.html ストライプにかぎらすアパレル全般そうよね
だけど現代はさあ、もう「女だから」で排斥しづらくなってんじゃないかと思うんだよね。だから言い訳しづらくなってきてると思うんだよ。
東コレはどうなんだろ。パリコレは並のドメブラじゃ金続かないからキツいでしょ。女性だとツモリとか山本耀司の娘のトコとかmameあたりはパリでてたけど今どうなっとるのん。
mame、なんかこないだのパリファッションウィークのショー一覧の中に名前あった気がする……
確かに国内ブランドだと経営者女子みたいなのけっこういる気がする……他のブコメでも言われてたけど、世界のトップまで目指そうって人はあんまりいないってことなのかなあ。
ファストファッションやカジュアルブランドのデザイナーだと男女どっちが多いんだろう。デザイナー全体のすそ野が男女どちらが多いかによって、結局、世界中の産業の男女差の問題と同様に帰結する気がする
確かに…….ワナビーに女が多いのは明らかなんだけど、プロまで行ったやつの男女比ってどうなってんだろう。
てか返信書いてるうちに思ったより反響もらったな。増田がこんなバズったことないから嬉しいわ。
※以下再追記です
すごい伸びてくれてありがとうございます。
ブコメで結構言われてて、トラバでも露悪的に書いてくれてる話で、出産育児の話があって、まあそれはあるよね〜ってなりました。
ただまあ、考えると残念なのは、普通の女のキャリアが出産育児でアレするとかはクソではあるけどこれからだよなって思うんですけど、
トップ層の才能と強さがあるような女たちでさえそうなってしまうんか……??ということです。
だって、セックスはともかく、出産はしなくても良くないですか?うっかり産んでみたとしても、育児なんかパートナーにでも友人にでも丸投げしたら良くないですか?
そうではなくて、やっぱり子宮の本能には逆らえないっていうんなら、すげえしんどい話だよなと思うんですよね……
いやまあ、最終的には個人個人で戦っていけってことでしかないんですけどね!!
でも統計的に女がそうっていうなら、やっぱ社会の構造も変えられなくない?って思っちゃうんだよな……
あとASDを雑に揶揄したことに関してですが、完全に私の不徳です。すみませんでした。
強い言葉を使ってバズりたかったために、わざとあのように書いてしまいました。本当にすみません。
私自身は、ASDについて、個人の特性という以上には特に何とも思っておりません。
※再々追記
ちなみに、上で「しっかりしろよ!」などと言っていますが、自分は具体的な行動はできていないと思いますし、実際のところ具体的な行動って何?という感じもしています。
まあ日々の仕事を粛々とやっていくしかないわなというのが正直なところです。
もちろん、不当な扱いを受けたor誰かが不当な扱いを受けているのを見たら、それはその都度、ちゃんと言っていかなくてはな、と思います(その時その場で正せるとは思わないですが、少なくとも表明だけはしていこう、ということです)。
あとヴォーグジャパンでパリコレのレポート記事が追加で出ていましたね、エルメス、アンリアレイジ、ヨウジヤマモト、ジュンヤワタナベってやっぱ男ばっかやないけという感じもしますが、エルメスはゴルチエの後はずっと女性じゃなかったっけ?(今調べたら違いました。すみません。今は女性ですが)
アジア系へのヘイトクライム急増、女性誌編集長のアジア人侮辱ツイートが大問題に
https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2021/03/post-516.php
アメリカは世界の反差別運動を牽引するリーダーなので、イギリス、カタルーニャ、日本のためにもぜひ範を垂れてください。
昨年ニューヨークでも、日本人ピアニストの男性が地下鉄の駅で8人組から突然暴行を受け負傷した事件があった。犯人は男性を殴りながら「アジア人」や「中国人」という言葉を放ったと被害者本人が証言しているが、ビデオなどの証拠が残っていないことから「ヘイトクライムの可能性あり」として処理された。この事件も未だ犯人は捕まっていない。
犯人が未だ捕まっていないとは恐ろしいが、アジア系への憎悪を持った集団なのだろうか。
一刻も早く捕まえてください。
その際はどのような人々だったのか、動機は何なのかも詳しく知りたい。
そんな中、『ティーン・ヴォーグ』誌の新編集長が発表されたのだが、その資質への疑問が社内外から沸き起こった。8日に編集長に就任したアレクシィ・マッカモンド氏(27歳)は、かつてアジア系の人々をからかったり侮辱したりするツイートをしており、その内容が再び議論となったのだ。
同氏が10代だった2011年から12年にかけてシカゴ大学の学生時代に、「アジア人のように腫れぼったくない目にならない方法をググっている」「間抜けなアジア人」「(教師の助手について)年取ったアジア人女性みたい、笑」などと、複数回発信していた。
Alexi McCammond氏はバイデン大統領の就任式で詩を朗読したアマンダ・ゴーマンさんや、テニスのセリナ・ウィリアムズ選手、大坂なおみ選手、メーガン妃と同じ有色人種女性。
アメリカ社会を共に生きるマイノリティなのに、共感を示してくれるどころかこんなことを書くなんて・・・悲しい・・・。
アメリカの名門大学でそんな思想が蔓延しているとも思いたくないけど・・・。
アジア系の人々に向けた差別や嫌がらせの急増の要因はいくつか考えられる。もともとアメリカにはアジア系を含む有色人種への差別は根強くあった。そんな中、新型コロナで人々の不満が溜まり、弱いものいじめや嫌がらせ、暴力でストレスを発散しようとする者が増えたと考えられる。そしてトランプ元大統領が選挙活動中に「中国ウイルス」という言葉を何度も使い、人々に差別意識を深く根付かせたのも一因だろう。
やはりトランプ元大統領の差別的な言葉遣いが大きな影響をもたらしていたのだろう。
その点だけは一安心。
バイデン政権は、アジア系のみならずあらゆる人種差別や偏見の解消を目指す大統領令に署名し、この問題に打ち勝つと決意をあらわにしたが、その解決は容易ではなさそうだ。
アマゾン・グーグル・フェイスブック・アップルが巨大になりすぎて健全な競争を阻害しているので分割すべきだ、という記事が一部で話題になっていそうなので訳してみました。
かなり長文です。
原文は http://www.esquire.com/news-politics/a15895746/bust-big-tech-silicon-valley/
図表中の文章などは訳していません。
あまり目新しいことを言っているようには感じませんでしたが、(長いおかげで)論点がまとまっているのは良いところかもしれません。
誤訳等の指摘あればお願いします。
あと、増田を使うのははじめてなのでその他変なところがあればごめんなさい。
(文字数制限に引っかかったみたいなので途中で切ります。続きは https://anond.hatelabo.jp/20180214160914とhttps://anond.hatelabo.jp/20180214161344)
4つの会社が人類史上かつてないほど我々の日常生活を支配してしまっている。アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルのことだ。私たちがみんな素敵なスマートフォンやクリック一発のサービスに夢中になっている一方で、この4つのモンスターは縛られることなく経済を独占し、ギルドの時代以降ありえなかったほどのスケールで富を溜め込んでいる。この状況に対して論理的にどんな結論がありうるだろう?巨大テクノロジー企業を分割するべきだ。
スコット・ギャロウェイ 2018.02.08
私は巨大テクノロジー企業にはとてもお世話になってきた。1992年に私が共同設立したコンサルタントファームであるプロフェットがしてきたのは、グーグルが変えてしまった後の新たな環境で顧客の会社が生き抜くための手助けだ。1997年に共同設立した高所得者向けeコマース企業であるレッドエンベロープも、アマゾンがeコマースに対するマーケットの関心に火をつけていなかったとしたら、成功をおさめることはなかっただろう。もっと近い例でいうと、2010年に設立したL2は、モバイルとソーシャルの波の中から、つまり企業が新しいプラットフォームの中での自分たちのパフォーマンスをベンチマークする方法を必要としている時代に生まれたものだ。
もちろん巨大テクノロジー企業は、別のレベルでも私に利益をもたらしてくれた。投資ポートフォリオの中のアマゾンとアップルの株の価格上昇は、リーマンショックでメチャクチャになった後の私の家計に経済的安定を取戻してくれた。最後に、アマゾンは私が教えているNYUのスターン・スクール・オブ・ビジネスのブランド戦略・デジタルマーケティングコースの生徒たちの今や最大のリクルーターでもある。こうした会社は素晴らしいパートナー、クライアント、投資先、そしてリクルーターでもある。20年にわたるこうした会社に関する経験と研究のすえに私がたどり着いたのは、奇妙な結論だ。今や巨大テクノロジー企業を分割するときだ、ということだ。
過去10年で、アマゾン・アップル・フェイスブック・グーグル――私は「四大企業」と呼んでいるが――は、歴史上他のどの商業体も成し得なかったほどの経済的価値と影響力を集積してしまった。この4つの企業を合わせると、2.8兆ドル(フランスのGDPに等しい)の時価総額、なんとS&P500トップ50の24%におよび、2001年のナスダックで取引された全株価に等しい金額にもなってしまう。
この金額はどれほど莫大なのだろうか?アマゾンを例にとってみると、5910億ドルの時価総額はウォルマート・コストコ・T.J.マックス・ターゲット・ロス・ベストバイ・アルタ・コールズ・ノードストリーム・メイシーズ・ベッドバスアンドビヨンド・サックス/ロードアンドテイラー・ディラーズ・JCペニー・そしてシアーズを足したよりもまだ高い
フェイスブックとグーグル(今はアルファベットになっている)は合わせて1.3兆ドルだ。世界の5大広告会社(WPP、オムニコム、パブリシス、IPG、電通)に、5大メディア企業(ディズニー、タイムワーナー、21センチュリーフォックス、CBS、バイアコム)、更に5大コミュニケーション企業(AT&T、ベライゾン、コムキャスト、チャーター、ディッシュ)を加えてもグーグルとフェイスブックを合わせた90%の価値しか無い。
アップルはどうか?時価総額9000億ドルのアップルは、世界でもっとも企業価値の高い企業だ。さらに驚くべきことに、アップルは32%の利益率を誇るが、これはエレクトロニクス企業というよりエルメス(35%)やフェラーリ(29%)といったラグジュアリーブランドに近い。2016年にアップルは460億ドルの利益を出したが、これはJPモルガン・ジョンソンアンドジョンソン・ウェルズファーゴを含む全アメリカ企業より大きい数字だ。もっと言うと、アップルの利益はコカコーラやフェイスブックの総収入より大きい。この四半期にはアマゾンが創業以来生み出した利益の2倍に達する数字を叩き出すだろう。
四大企業の富と影響力には驚かされる。どうしてこんな状況が生まれたのだろう。
“The Four(四大企業)”で私が描いたとおり、グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップルのような、独占と大衆への影響力を持つ企業を作るための唯一の方法は、人間のコアな器官に訴えかけることでプラットフォームを本能的に受容させてしまうことだ。
私たちの脳は極めて複雑な問を投げかける程度には洗練されているが、そういった問に答えられるほど優れてはいない。ホモサピエンスがほら穴から出てきて以降、そのギャップを埋めるために我々が頼ってきたのは祈りだった。視線を天に向け、問を投げかけ、より知性のある存在からの反応を待つ。「子供は大丈夫でしょうか?」「私たちを攻撃する可能性があるのは誰でしょう?」
西欧諸国が豊かになるにつれ、体系的な宗教が我々の生活において占める役割は小さくなっていった。しかし問と答えの間の空白は残され、そこにチャンスが生まれた。伝統的な宗教から離れる人が増えてくると、我々は下らないことから深遠な問題まですぐになんでも答えてくれる全能の預言者としてグーグルを見るようになった。グーグルは現代の神なのだ。グーグルは脳にアピールし、バックグラウンドや教育レベルに関わらず誰にでも知識を提供する。スマートフォンを持っているかインターネットに接続出来るだけで、祈りは全て聞き届けられる。「子供は大丈夫でしょうか?」「クループ症候群の症状と治療法は…」「私たちを攻撃する可能性があるのは誰でしょうか?」「核兵器開発のプログラムを今でも行っている国…」。
自分がグーグルに告白したことのある恐怖、希望、欲望を全部振り返って、自分自身に尋ねてみよう。自分がグーグル以上に秘密を託した相手が他にいるだろうか。グーグル以上に私について知っている人間が他にいるだろうか?
フェイスブックは心にアピールする。愛されているという感覚は幸福への鍵だ。ルーマニアの孤児院で身体・精神の成長が阻害されている子供を研究したところ、発達の遅れは当初原因として想定されたような栄養失調のためではなく、他人の愛情の不足によるものだとわかった。しかし私たちの種の特徴は、愛されることを必要とするのと同じくらい、他人を愛することも必要とすることだ。発達心理学者のスーザン・ピンカーは百才を超える人の人数がイタリア本島の6倍・北アメリカの10倍にも上るイタリアのサルディニア島を研究した。ピンカーは、遺伝・ライフスタイル的な要因の中でも、人と人との間の近しい関係や対面での交流を重んじるサルディニアの習慣が長寿の鍵であることを発見した。遺伝よりもライフスタイル、特に社会的繋がりの強さが長寿の決定的な要因であるとする他の研究もある
フェイスブックが21億の月間アクティブユーザーに提供しているのは、他人を愛したいという欲望に火をつけるためのツールだ。高校の同級生をもう一度見つけるのは素晴らしい。引っ越してしまった友達と連絡を取り続けられることを知るのも良いことだ。赤ちゃんの写真に「いいね」をつけたり、友達の心からの投稿に短いコメントをつけて、私たちの大事な友情や家族の絆を固くするのには数分あれば良いのだ。
眼にとっての風景、耳にとっての音にあたるのが、本能にとっての「まだ足りない」という感覚、飢餓感だ。胃袋が素晴らしい食事の後でもさらに砂糖や炭水化物を求めるように、私たちの心は更なるモノを欲望する。本来この本能は自己保存のために機能していたものだ。つまり、食べる量が足りないことが飢餓と確実な死を意味するのに対して、食べ過ぎはそもそも珍しく、腹が膨れたり二日酔いになるだけだ。しかし今あなたが自分のクローゼットや戸棚を空けてみると、たぶん必要の10から100倍ものモノを持っていることがわかるだろう。私たちは理屈ではこれが馬鹿馬鹿しいことをわかっているが、社会や高次脳機能は我々のどこまでも欲望するという本能に追いついていないのだ。
アマゾンは消費する我々の巨大な消化管だ。アマゾンは栄養を蓄え、それをプライム・メンバーになっているアメリカの64%の家庭の心臓や血管に供給する。アマゾンが採用したのはビジネスの歴史の中で最高の戦略だ――「少なく与えて多く受け取る」――そしてその戦略を歴史上のどんな会社より効果的・効率的に実行している。
生存本能についで二番目に強力な本能は繁殖だ。性をもつ動物である私たちは、自分がいかに洗練されて賢く、クリエーティブであるかアピールしたいと思う。私たちは力を示したい。性も贅沢も理屈では説明できないが、アップルは、広告をヴォーグに載せ、スーパーモデルをプロダクトのローンチに呼び、店舗を自分たちのブランドのガラス張りの神殿にすることが、人の魅力的になりたいという欲望にアピールし、そして自分たちの利益率を向上させることに極めて早くから気づいていた。
デルのコンピューターは性能は良いかもしれないが、マックブックエアと違って、イノベーション階級のメンバー証にはなってくれない。同様に、アイフォンは単なる電話やスマートフォンではないのだ。顧客がiPhoneXに1000ドル払うのは、顔認証の大ファンだからではない。彼らは自分たちがいい生活を送り、芸術を理解し、自由に使える収入があるというメッセージを送っているのだ。それは他人へのサインだ。もし君が僕とつがいになってくれたら、君の子供はアンドロイドを持っているやつとつがいになるより生存確率が高まるよ、ということなのだ。実際、iPhoneユーザーはアンドロイドユーザーより平均40%収入が高い。iOSプラットフォームの上にいる人間とつがいになるのは、良い生活への近道なのだ。脳、心、消化管、生殖器。この4つの器官にアピールすることで、4大企業は自分たちのサービスや製品、OSを私たちの精神深くまで潜り込ませてしまった。彼らのおかげで、我々はより賢く、目利きのできる消費者になることができた。そして消費者にとって良いことは社会にとっても良い、はず、だろうか?
答えはイエスでもありノーでもある。四大企業は我々の生活にあまりにも大きな影響を持っているので、もし彼らのうちどれか一つでも無くなってしまったら、ほとんどの人は心底動揺するだろう。iPhoneを持てなくなり、検索にYahooかBingを使わざるをえず、フェイスブックに投稿した何年分もの思い出を失ってしまったときのことを想像してみるといい。アマゾンアプリからワンクリックで明日までになんでも注文することが出来なくってしまったらどうしよう。
一方で、自分たちの生活の相当な部分を一握りのシリコンバレーのエグゼクティブに預けてしまったせいで、我々はすでにこうした会社の負の部分についても語りはじめている。四大企業の独占が進むにつれ、懸念や、ときには怒りのささやきさえも聞こえはじめている。長年の欺瞞のあとで、我々はついに政府か、あるいは誰かがブレーキを踏むべきだという提案について考え始めたのだ。
こうした議論のすべてが説得力を持っているわけではないが、巨大テクノロジー企業を分割するべき真の理由であると私が信じる議論に行く前に、もう一度確認してみる価値はある。
巨大テクノロジー企業は、最初のギャングスターであるマイクロソフトの罪から学習した。このかつての巨人は当時自分たちの力を過信して、監督官庁や社会の中での自分たちのイメージをやわらげるためにPRキャンペーンやロビイストといった手段に頼る必要はないと考えているように見えた。対照的に、四大企業は若さと理想主義のイメージを売り込み、また世界を救うことの出来るテクノロジーの可能性を布教して回っている。
その気持ちは真剣なものだが、ほとんどが抜け目のない動機から来ているものでもある。単純な利益以上の何かにアピールすることで、四大企業は従業員の間で高まっている、いわゆる「理想追求型」企業への欲求を満足させることができている。四大企業の「ガレージ発明家」神話は、マンハッタン計画・アポロ計画の昔に遡るアメリカのサイエンスとエンジニアリングに対する敬意を上手く利用している。何よりも、これらの会社の漠然とした、それでいて理想主義的な宣言――”Think different”, “Don’t be evil”――が、最高の幻想を与えてくれる。政治的な進歩主義者は一般的に善意だが立場の弱い人々と見られがちで、ますます強力になりつづける企業にとって最高の隠れ蓑となってくれるイメージだ。
フェイスブックのシェリル・サンドバーグが女性たちに「一歩踏み出そう(“lean in”)」といったのは本心からだが、彼女は女性へのエンパワーメントに関する自分のメッセージが持つアイロニーについても触れざるをえなかった。彼女の会社はもともとハーバードの学部生の魅力をランク付けするためのサイトから生まれ、ましてや比較的多数の女性従業員を擁する産業――メディア・コミュニケーション産業――の数万の雇用を今も破壊しているのだから。
こうしたPRの努力は効果的だが、一方で彼ら企業にとって大転落を準備するものでもある。完璧な紳士に見えた人間が実はオピオイド中毒で、自分の母親に対しても酷い態度を取っていたことを知るのは大きな失望だ。紳士があなたと付き合ってくれるのが単なる金(クリック数)目当てだということを知るのはなお酷い。
初期にいくつかのインターネット企業を創業した人間としての私の経験では、四大企業ではたらく人々が他の成功している企業で働く人々と比べて特に邪悪だということはない。彼らは少しだけ教育程度が高く、少しだけ賢く、極めて幸運だが、彼らの親の世代と同様に、ほとんどの人はなんとか生計をたてようとしているだけだ。多くの人は人助けだって喜んでするだろう。ただ社会を良くすることとテスラの車の二択を迫られれば、ほとんどはテスラを選ぶだろう、というだけだ。そしてパロアルドのテスラ販売店の業績は好調、極めて好調なのだ。だからといって彼らが悪人だということになるだろうか?もちろんそんなことはない。ある資本主義社会における一営利企業の従業員にすぎない、というただそれだけだ。
我々の政府はGDPのおよそ21%にあたる年間予算で活動している。つまりこれが公園を開き、軍隊の装備を整えるためのお金だ。では巨大テクノロジー企業は公平な負担を支払っているのだろうか。ほとんどの人はノーというだろう。2007年から2015年の間にアマゾンは利益のうち13%しか税を払っていない。アップルは17%、グーグルは16%、そしてフェイスブックは4%しか払っていない。これに対して、S&P500平均では27%の税金を払っている。
そう、つまり四大企業は税金逃れをしているということだ、つまりあなたたちと同様に。ただやり方が上手いだけだ。例えばアップルは利益をアイルランドのような地域に移すという会計上のトリックを使っており、結果として世界で最も利益を挙げている企業が最低の税負担しかしないという事態が生じているというわけだ。2017年9月時点で、アップルは海外に2500億ドルを保有しているが、これはほとんど課税されない、そもそも最初から海外に持ち出されるべきではなかった財産だ。別の言い方をすれば、ディズニーとネットフリックスを買えるだけの資産をアメリカの一企業が海外に持っているということだ。
アップルだけではない。GEも巨額の税金逃れに手を染めている。しかし我々がそのことに腹を立てることがないのは、そもそも我々がGEを愛していないからだ。この責任は我々に、そして我々の民主的に選ばれた政府にある。我々は税法をシンプルにする必要がある――複雑なルールはそれを利用することのできる能力に恵まれた人々に有利に働きがちだ――し、それを実施できる人間を選挙で選ぶべきだ。
四大企業による雇用の破壊もすさまじく、恐ろしくなるほどだ。フェイスブックとグーグルの収入は2017年に290億ドル増えそうだが、この新しいビジネスを行うために彼らは20000人の新しい、高収入の雇用を生み出すだろう。
だがコインの裏側はそれほど輝かしいものではない。広告業はデジタルであれアナログであれ低成長の(ますます成長が鈍っている)ビジネスであり、このセクターがほとんどゼロサムであることを意味している。グーグルはマーケットを成長させることで新しい収入を得ているわけではない。他の会社のドルを奪っているだけだ。もし我々が五大メディアサービス(WPP、オムニコム、パブリシス、IPG、電通)をグーグルやフェイスブックの代わりに使えば、290億ドルの収入を得るためには219000人の旧来型の広告プロフェッショナルが必要になっていただろう。つまり、年間199000人のクリエイティヴ・ディレクター、コピーライター、代理店幹部が「家族との時間を増やす」ことを選択していることを意味する――ヤンキー・スタジアムほぼ4つ分が解雇通知を握りしめた黒スーツの人間で一杯になってしまっているということだ。
これまでのビジネスのサクセスストーリー例では、今注目の的になっている企業たちよりも多くの従業員を雇用している。P&Gは2017年の株価の急上昇を受けて時価総額2330億ドルとなったが、95000人の人間を雇用している。言い換えれば従業員一人あたり240万ドルだ。インテルはニューエコノミー企業でその資本があればより効率化を図れそうなところ、時価総額2090億ドルで102000人を雇用、一人あたり210万ドルだ。これに対してフェイスブックは14年前に創業された企業だが、5420億ドルの時価総額を誇り、一方で従業員は23000人しかいない。これは一人あたり2340万ドルということで、P&Gとインテルの10倍だ。
たしかに、これまでも雇用の破壊はあった。しかしこれほど上手くやる企業が出てきたことはない。ウーバーは新しい(低い)680億ドルという基準を設定したが、これがカバーする従業員は12000人しかいない。従業員一人あたりでいえば570万ドルだ。実際の道路と実際のドライバーを必要とするはずのライドシェア企業が、墓の中のヘンリー・フォードを激怒させかねないようなフーディーニばりのトリックを駆使して中間階級のサヤ抜きをしようとはなかなか想像できまい。
しかしウーバーは新しい区別を設けて、二種類の労働力を作り出すことでこれを成し遂げてしまった。「ドライバー・パートナー」、わかりやすく言えば請負業者ということだ。彼らを従業員名簿から締め出すことは、ウーバーの投資家と12000人のホワイトカラー従業員が680億ドルを「パートナー」たちと公平に分配しなくてよいということを意味する。これに加えて、ウーバーは200万人のドライバー労働者に健康保険も雇用保険も有給休暇も与えなくてよいのだ。
巨大テクノロジー企業の雇用破壊は、こうした企業に対して公平な税負担をさせるべきだという主張の強い論拠になる。政府はそれを職業訓練や社会福祉にあてることでその被害を抑えることができるからだ。しかし、雇用の破壊を政府による介入の促進剤とだけ考えないようには気をつけるべきだ。職の置き換えと生産性の向上――農民から工場労働者へ、工場労働者からサービス労働者へ、サービス労働者から技術労働者へ――はアメリカのイノベーション・ストーリーの一部だ。我々の 成功フリークたちに戦わせつづけることも大事なのだ。
核心に近づいてきた。外国の敵に自分の会社を、自国の民主的な選挙プロセスを傷つけるための武器として使わせることは問題、とても深刻な問題だ。2016年の選挙中、フェイスブック上のロシアのトロールページは金を払っておよそ3万件の政治広告を打った。でっち上げのコンテンツを見たユーザーは1億2600万人におよんだ。事態はこれでは止まらなかった。GRU――ロシアの軍事・諜報機関――は最近では混乱の種を蒔くためにより超党派的な方法を採用している。選挙の後も、GRUはフェイスブック、グーグル、ツィッターを利用して人種差別由来の暴力を扇動した。こういったことを防止するために、プラットフォーム事業者たちはほとんどあるいはまったく投資を行わなかった。GRUはフェイスブックの広告をルーブルで支払った。文字通りにも、象徴的にも赤旗だったというわけだ。
あなたがビーチかプールつきのカントリークラブを経営している場合、短期的にはライフガードをおかないことが利益につながる。主にアルゴリズムに依存しているフェイスブックがそうであるように、そういったビジネスモデルにはリスクがあるが、かなりの金額を節約できるからだ。巨大テクノロジー企業が社会的な利益のために、必要なリソースを自発的に投資するだろうと期待するのは、エクソンが地球温暖化の問題に対してリーダーシップを発揮することを期待するようなものだ。そんなことは起きるはずがないのだ。
しかし、単なる規制ではなくトラストの分割が必要だというアイデアを私が思いついたのは11月に、上院情報委員会のチェアマンであるリチャード・バーがフェイスブック・グーグル・ツイッターの相談役に泣きついたときだった。「国民国家に我々の未来を台無しにさせないでくれ。君たちが防衛の最前線なのだ」。まさにこの瞬間、選挙で選ばれた我々の代表が自国の防衛を、今買おうとしていた靴についてしつこく宣伝したり、友達の誕生日を思い出させることをビジネスモデルにしている会社に委ねようとした瞬間こそ、歴史における転換点だったのだ。
はっきり言っておこう。我々の防衛の最前線はこれまでずっと陸軍・海軍・空軍・海兵隊だったし、これからもそうあるべきだ。「ザック」軍団なんかじゃない。(https://anond.hatelabo.jp/20180214160914に続く)