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はてなキーワード: 屋敷とは

2022-05-28

明治時代、庄屋の娘が夫のDVから逃げて上京議員財政を立て直した話

矢島 楫子(やじま かじこ、1833年6月11日天保4年4月24日〉 - 1925年大正14年6月16日)は、日本女子教育者社会事業家

肥後国上益城郡津森村杉堂(現・熊本県上益城郡益城町)の惣庄屋矢島左衛門直明・母鶴の1男7女の6女(末子)に生まれ、かつと命名された。極端な男性社会にあって度重なる女児誕生は歓迎されず、名付け親10歳違いの姉である三女・順子であった。順子(竹崎順子)は、横井小楠の高弟である竹崎茶堂と結婚し、熊本女学校校長となった教育者である。また、順子のすぐ下の姉・久子(徳富久子)も同じく横井小楠の高弟である徳富一敬結婚し、湯浅初子・徳富蘇峰徳冨蘆花兄弟を生んでいる。蘇峰は明治大正昭和にかけての大論客、蘆花は明治大正文豪である。また、かつのすぐ上の姉つせ子(横井つせ子)は横井小楠の後妻となった。この姉妹4人は「肥後の猛婦」、「四賢婦人」と呼ばれた。

かつは学校などない当時、一通りの教育を母から厳しく身につけさせられるが、もとより勝気で秘めたる情熱の持ち主だったかつは、やがて母亡きあとは母に替わって兄・直方のために尽くす。その兄も妹のために良縁を求め、かつ25歳の時、初婚にはもはや遅いとして既に2男1女を儲けていた富豪林七郎(1828年生) を家柄・人物ともに相応と認め、後妻として嫁がせる。林は武家出身で、横井小楠弟子であった。後年楫子自身の口からも「この人は気品の高い、竹を割ったような人でした」と語らせるが、家族への乱暴など夫の酒乱の悪癖にかつは極度の疲労と衰弱で半盲状態に陥り、かつ自身も三人の子まで儲けながら、このうえは身の破滅と思い、末子達子を連れ家出する。迎えに来た使いの者に見事に結い上げていた黒髪を根元からプッツリ切って紙に包み、無言の離縁を言い渡したのである明治元年(1868年)、これを転機に新しい一歩を踏み出す「新生元年」ともなった。

妹たちの間を転々とする間、兄・直方が病に倒れ、達子を置いて上京を決意する。長崎東京行き蒸気船に乗り込み、船上にて自ら「楫子」と改名する。兄は大参事副知事兼務左院議員で、神田の800坪の屋敷に書生、手伝いらはもとより千円という借金を抱えていた。楫子はその放漫財政を正し、3年で借金を片付けると、生来の向学心から教員伝習所に通うこととなる。明治6年学制が施行され全国に小学校が設置、訓導試験合格した楫子は芝の桜川小学校(現・港区御成門小学校)に採用される。当時教員初任給3円のところ、楫子は5円という破格の待遇であった。

このころ長姉・藤島もと子が息子二人と、直方の妻・糸子も子供をつれて上京、兄宅は一気に賑やかになった。しかしそうした喧騒の中、楫子は妻子持ちの書生との間に女児を宿す。堕胎父親に渡すべきだと諭す姉の言を受け入れず、楫子は妙子(鵜飼猛の妻、湯浅清子の母)と名付け、練馬農家に預けて独り下宿生活に戻る。そんな折届いた兄から手紙で、熊本に残してきた長子・治定がキリスト教徒になったのを知り愕然とする。熊本学校生徒35名による花岡キリスト教奉教同盟事件である。治定だけでなく甥の横井時雄、徳富蘇峰徳冨蘆花も参加している。やがて熊本学校廃校になり、彼らの一部は、新島襄同志社入学し、熊本バンドと呼ばれることとなるが、この熊本バンド札幌バンド横浜バンドと並び日本におけるキリスト教の三大源流と言われている。教え子の居宅で父親の酒害を目撃し、寂しさでタバコを覚えた楫子だったが、悩める楫子にとってもキリスト教はわが子の信じる宗教であり、遠い異国の宗教ではなくなった。

明治11年(1878年)、楫子は後半生に多大な影響を受ける米国宣教師教育者マリア・ツルー夫人運命的に出会う。明治7年(1874年)にB六番女学校として設立された築地居留地にある新栄女学校教師に請われ、住み慣れた下宿を引き払い、同女学校寄宿舎舎監室に移る。

自ら吸いかけのタバコによるぼや騒ぎを起こして禁煙を決意、翌12年(1879年築地新栄教会ディビッド・タムソンから洗礼を受ける。ほぼ同時期に、三人の姉である富久子、横井つせ子、竹崎順子洗礼を受けている。当時17歳キリスト教徒であった甥の徳富蘇峰は、純粋がゆえに楫子の洗礼に際して、「過去の過ち(1.幼いわが子を置いて家を出たこと 2.妻子ある人の子を産んだこと)」を告白すべきでないかとの手紙を送っている。しかし、楫子は幼い妙子のことを考え、死ぬまで「過去の過ち」を公表することはなかった。

明治14年(1881年)夏、櫻井女学校の校主(現在校長理事長を兼ねた職)代理就任。楫子は校則を作らず、「あなたがたは聖書を持っています。だから自分自分を治めなさい」と生徒たちを諭したという。

明治23年(1890年)、櫻井女学校新栄女学校合併して女子学院となり、初代院長に推される。

明治29年(1896年)、恩師のツルー夫人が55歳で客死。楫子64歳であった。

一方、恵まれなかった結婚生活小学校教師時代に抱いた心の疑問から、楫子は「一夫一婦制の建白」、「海外醜業婦取締に関する建白」を政府に提出、国会開設と共に二大請願運動として継続する。

楫子の情熱日本に止まら日本国外にも向かい明治39年(1906年)、74歳にして渡米、ルーズベルト大統領と会見。激務のため白内障を患う。大正9年(1920年)には欧米の旅に出掛け、翌10年(1921年)には満州に、同年から11年(1922年)にかけては三度渡米、このとき楫子89歳であった。教職大正3年(1914年)、女子学院院長を後裔に譲り、齢81で名誉院長として退いた。その後は禁酒運動公娼制度廃止運動等に尽力するも、大正もその幕切れを迎えんとする大正14年1925年6月半ば、楫子は眠るように大往生を遂げた。明治大正といういまだ婦人が一個の人間として尊重されることのなかった時代に、楫子は婦人福祉のためにその一生を捧げたのであった。

大正時代華族の娘が50歳の男に売られた話

anond:20220526160552

2022-05-24

anond:20220522080722

彼岸島鬼滅の刃

2022-05-03

ベターコールソウルの終わり方(の少し手前)予想 5/2(Ep03まで)時点

(可能性は限りなく低いが)ネタバレになりうるので、見たくない人はみないでください。というか読む価値はほぼありません。

あんまり突飛な予想はできないし、割と”当たり前”な方向の予想しかしてないので。ほぼ確実に外れます……




















結末の予想については、大きく3つの根拠がある。

酒とバラの日々

1つ目は、酒とバラの日々(Days of Wine and Roses)について。S6Ep01の冒頭は、この映画音楽BGMに、恐らくブレイキングバッドで逃がし屋で逃げた後、ソウル屋敷差押えされるシーンがセリフ無しで描写される。映画酒とバラの日々」では、アル中夫婦の内、夫は立ち直るが、妻はアル中を認めずに夫の元から去ってゆく。この"アル中"は、BcSにおいてはハワードをはめる詐欺悪事の事ではなかろうか。キムが悪事を止める事・認める事が出来ずに、ソウルの元を去っていく、もしくはソウルと何らかの理由により離ればなれにならざるを得ないという事で、これはBreaking Badにキムが出てこない事の説明になる。Breaking Badの時代にはキムは死んでいるという予想も世では根強いが、これは正直あり得ないと思う。理由は後述。

ケトルマン夫妻との類似点

S6がスタートし、ジミー&キムは、ケトルマン夫妻との類似点が強く示唆されてる。ジミーはキムの言う事に強く影響される。

ケトルマン夫妻

クレイグケトルマンベッツィーの言いなりだ。役所から金をくすねたのも、ほぼ間違いなく彼女の入れ知恵で、その言い訳についても彼女受け売りだ。彼らが横領した金をマイクが盗み、それをジミーがばらした時、金に執着を示した(金のありかに飛んで行った)のもベッツィーで、クレイグはあまり執着していなかった。「ピクニック」のテントでジミーとお金のバッグを引っ張り合ったのもベッツィーだ。S1Ep04で、くすねたお金正当性をジミーに話しているときも、クレイグは事前にベッツィーに言い含められたことを喋っているに過ぎない。クレイグが執着したのはベッツィーだ。S1Ep01で初登場した際に、ベッツィーは赤いブレスレットと鞄を見につけているが、クレイグはライトブルーシャツにネイビーのネクタイだ。赤は犯罪やその人の危険性を示している。いい人は青い。(cf. https://www.youtube.com/watch?v=1tN2K_Rq_K4 / https://twitter.com/petergould/status/570055433001369600)

ジミー&キム

他方、ジミーとキムについてみてみると、S1Ep05で、ネイルサロンでキムがジミーに高齢者法を勧めた直後、ジミーはチャックに高齢者法を専門にしようかと語っている。S6Ep01では、キムが「ソウルが乗る車はこういうの、ソウル事務所はこういうの」とジミーに彼女の思うソウル像を語っている。S5Ep10から言及されだしたハワードを陥れる事についても、ジミーが乗り気でなかったのを、キムが促した。S6Ep03でも、ジミーはヒューエルに"A couple months from now, there are people whose lives are gonna be way better." と語っている。これはS5Ep10でキムに吹き込まれたことそのままだ。ジミーはキムの言う事をどんどん内面化している。そして、クレイグと同じく、ジミーも妻であるキムに執着している。

以上から

クレイグが詐欺などの言い訳ベッツィーに吹き込まれた通り喋ってるのは、ジミーのこれらの出来事と恐ろしいほど似通ってる。この2つのカップルの違いは、金に執着するベッツィーと、正義に執着するキムなんだと自分は予想する。勿論この正義はキムの考える正義で、それを実現するのはハワードを陥れる事によってすぐ手に入るサンドパイパー和解金で、結局金だ。キムはハワードに散々嫌がらせをされ、ジミーを貶されて気分を害してきたが、彼の社会的生命を終わらせるのは完全に一線を超えている。

ここまで2組のカップル共通点を描いてきた制作チームが、このことをこれから起こる事の暗示として使っていないとは思えない。

実際、ジミーはここまでキムの言いなりで来たわけではない。キムが嫌がる事もやってきた。だからこそ、S6でそれが変わることの暗示としてケトルマン夫妻を再登場させたのでは?

ただ、ケトルマン夫妻は、少なくとも今の所、お互いを裏切るような事はしていない。これがジミーとキムの今後にも当てはまってくれることを願ってやまない。例え"Days of Wine and Roses"のように、キムがジミーの元を去る、もしくはなんらかの理由で離ればなれになるとしても。

S1からどれだけ変化したのか(これは予想の根拠ではなく、経緯の確認)

ジミー

滑りのジミー(Slippin' Jimmy)という二つ名を持ち、シカゴサンルーフを(運悪く)子供にみられて性犯罪者になりかけたジミー。彼ははS1では兄思いの善良な人間だった。更生していたのだ。そして独立開業弁護士として悪戦苦闘してもいた。金に困って当たり屋をたくらんだり、横領犯のケトルマン夫妻から弁護士報酬として口止め料を受け取ったりはしたが、そもそも金に困った原因はチャック(兄)にもある事が描写されている。チャックの負担が無ければ困っていなかったのかどうかは判断がつかないが。

S1終盤に兄の2度にわたる裏切りが発覚し、Marco形見ピンキーリング(Slippin' Jimmyの象徴)を身につけ、少し"カラフル"にはなったものの、ジミーはS6になっても、未だに暴力的な事に拒否感を示し、ケトルマン夫妻のような非暴力犯罪者へのシンパシーをも持っている。これはBreaking Badで描かれていたソウルグッドマンとは明らかに一線を画している。

BrBaS2Ep08で、「ヤツ(バッジャー)を殺せばいい」と言ったり、S5Ep10でハンクを"ベリーズ送り(殺すの暗喩)"にする事を提案するような、一線を越えたソウルグッドマンにはまだなっていない。フランチェスカ白眼視されるようになった理由もまだ不明だ(ベターコールソウルではまだ非常に愛想が良い)。あと10エピソードでこのラインを超えるにはどういう流れがあるか、と考えると、これはもう「そうある事をキムが望んだから」以外に無いんじゃないかと現時点では思ってる。多分99%外れるんだろうが。実際、ジミーはBreaking Badでキムが「El Camino」で話したような車と事務所を実現している。これが、ケトルマン夫妻との類似点を描いてきた元になっていると考える。

キム

一方でキムはどうか。貧しい家庭に生まれ、HHMの郵便室で働きながらロースクールに通い、弁護士になった。S1では上昇志向で、ハワードみたいなまっとうな弁護士に憧れて、そうなろうとしている彼女がいる。S1では法に触れる事も倫理的問題もない。

S2Ep01で、キムはBreaking Badの最初の一歩を踏み出す。被害者ケンだ。ホテルバーでGiselleとなり、ジミー扮するViktorと一緒に株屋をハメて、高級テキーラを奢らせた。しかし、せっかくD&M(有力弁護士事務所)に入れたジミーが、スクワットコブラーの証拠ビデオ捏造するという「危ない橋」を渡った事を非難し、二度としないで、という位には理性的だった。しかし、S2も後半になると、独立と同時にHHMから引き抜いた大規模クライアントメサ・ヴェルデを、チャックの口先で取り戻されてしまう。ジミーは書類を書き換え、兄に恥をかかせる事で、メサ・ヴェルデをキムの手に戻すことに成功する。キムはこのことを知るもジミーを責められず、逆に証拠隠滅を促すまでになっている。

S4ではヒューエルの投獄を避けるために、自ら大掛かりなお芝居を発案し、ジミーと一緒に検察法廷を欺く。S5では暴走気味のジミーの足手纏いにならないように(という言い訳で)ついに結婚。ジミーがカルテル仕事をするのも止められず、ジミーの危機には自らカルテルボス接触したり、言い負かしたりし、ついにはハワードを陥れる計画を立てるまでに。理由社会的弱者への弁護に必要な金を調達するため、ではあるが。

S6Ep02の最後には、赤黒だんだら模様のブラウスを着て腕組みしており、最早悪人として描かれている。Ep03ではさらに「I guess it's basically... Do you wanna be a friend of the cartel, or do you wanna be a rat?」なんてセリフを吐くまでになっている。


こうしてみると、この物語が始まった時からの変化は、キムの方がジミーよりも何倍も大きいように思える。もはやS1の頃の、「あと2年頑張れば大手事務所パートナーになれる」まっとうなキムは居ない。この先、さらエスカレートしたキムが理想とするソウルグッドマン。Better Call SaulのジミーとBreaking Badのソウルを超える壁は、このキムの理想想像ではなかろうか、という予想は的外れだろうか。



Season6ポスター

Season5までの第一話は、Breaking Badで逃亡した後、ジーン・タカヴィクという人になり切ったジミーのモノクロフラッシュフォワードコールオープンで始まる。Season6のポスターは、そのジーン(白黒)が色鮮やかな赤い上着羽織ろうとする瞬間が使われている。ソウルグッドマンの復活の暗示(ほとんど明示)だ。

これは、Better Call Saul S4Ep05のコールオープンで、フランチェスカに頼んだ11月12日の午後3時の件でもあるだろう。


さて、ジミー・モーガン・マッギルは、逃亡直前ソウルグッドマン事務所に置いておいた金とわずかな思い出の品だけを持って姿を消し、ジーン・タカヴィクとなった。そのジーン・タカヴィクがソウルグッドマンに戻る動機はどれくらいあるのか?想像力に乏しい自分には、キム・ウェクスラーの為としか思えない。どういう窮地のキムをどうやって助けるのか?これも想像力無さすぎて分からない……

一方で、キムを窮地に陥れるのか?という問題だが、こちらも現時点ではラロしか思い浮かばない。Better Call Saul最強ヴィラン笑うボス。彼は、Breaking Badでのガスのセリフあんたとホアキンだけだった。彼が最後の身内だ。サラマンカ名前は— あんたで終わりだ」と、Breaking Badでは一度も姿を見せない事で、Breaking Badタイムラインが始まる前に死亡しているというのが通説だった(名前だけはソウルグッドマン言及している)。

ここまで、Better Call SaulBreaking Badの前日譚として、数々のEaster Eggを飾り立ててきた。それらはかなりストレートかつ不自然さのないものだった。視聴者的にも予想を裏切られるようなEaster Eggは無かったように思う。1点だけ、予想外のEaster Eggを埋め込んでくるとしたらここではないか、ここでそれを使うのが一番効果的ではないか?というメタ視点で、ラロの生存を予想している。生存はいっても、ソウルはラロの死を知らず、ガスやヘクター(こちらだけは万一がありうるか?)はラロの生存もしらない。そういう形の計画失踪をたくらめる知性も持っている。お膳立ては十分では?







以上、まぁ大した事も書いてないが、この中の少しでも当たってたら後からドヤ顔したいので、アリバイ的に投稿しておく。

いやぁ、しかしまぁ、本当に面白いドラマだよ。世界最高峰だよ。脚本だけじゃない、演技も映像音楽も、すべてが最高峰。今のご時世、一挙配信ビンジウォッチ(一気見)が流行りだけど、1話ずつ(S6最初は2話公開だったが)公開されて、1週間その話題と次の予想でここまで盛り上がれる作品が今あるんだろうか?これからこれを超える作品が出てくるんだろうか?それが疑問に思えてしょうがないレベルベターコールソウルにぞっこんだ。

まとめ




増田はいつでも書き換えられるので、投稿直後に魚拓を取って追記しておく。

https://archive.ph/FdZTf

2022-04-22

余命一年追体験ボードゲーム原案 - あるマザコン最後 -

https://togetter.com/li/1875961

令和x年 春

「ご家族と一緒に、来院してください」
そう呼び出されたときには予感はあったのだ。
俺には「家族は母しかいないので、一人で聞きます」としか言えなかった。
看護師はそれでも、優しい声で、兄弟や親戚などはいないのか、と尋ねてきた。
もう、この電話だけで、俺の身に何かが起こっていることはもう、明らかだった。

「余命は、1年だと思ってください」
そう告げる医師言葉を聞いたとき、頭をよぎったのは母の事だった。
母が、暮らしていけるようにしなければ。
時間が無い。

でも、余命のことなんか、言えるはずも無かった。
それでも、母に施設に入って欲しいと懇願すると、素直に従ってくれた。

令和x年 夏

仕事は、やめた。退職金が出た。
その金と貯金があれば、母は一年は暮らせる。
そして俺が死ねば、保険金が出る。
それをあてにして、お金はかかるが、よい施設を選んだ。
余命を宣告される前は施設なんて考えられなかったが、これは良かったと思う。

施設に空きが出来たと言う連絡があった。
いよいよ母が施設に行く。二人暮らしも終わる。
新しい部屋、新しい施設
また会いに来るから、と言い残して立ち去ろうとする時に、母が手を握って言うのだ

「私はここで暮らしていくから、もう忘れなさい」

母は、俺が結婚するから自分施設に入れるのだと思い込んでいた。
幸せになれ」と。泣きながら言う。
ちがうんだよ、そうじゃないんだよ、ああ、あの人は施設の事を相談してただけで、仕事が忙しくなったからさ。またくるよ。

空っぽの家に帰る。
余命を宣告されて、初めて泣いた。

令和x年 秋

ぷつりと糸が切れたように動けなくなる。
からだが思うように動かない。
家を片付けなければいけないのに。動けない。
車をぶつけて廃車にする。そこにもし誰かがいたらと怖くなり、車の運転を諦める。

思ったより医療費が嵩む。
このまま長生きしたら、俺が死ぬまで母の施設費が持たないかもしれない。
どうせ死ぬのだ。病院に通院する事をやめる。
医師に「別の病院にするので」と嘘を言った。

それでも母に電話をする。
話がかみ合わないことが増えた。
施設から届く手紙には、母の認知症が進んでいる様子が窺える。
ただ、俺を育ててくれた朗らかさは失っていないようだ。

もう20年も前に死んだ父のことを楽しそうに話している。
こいっそこのまま、何もかも分からなくなってしまえば、悲しませずに済むのかなと思う。

令和x年 冬

絶え間なく続く疼痛。
眠れない。堪えきれなくなる。ひとりのたうち回る。
何かが襲ってくるような、幻覚を見る。
スマホアニメを何度もみる。なんどもなんども見る。

ついに、堪えられなくなって、医師電話をする。
白状すると、何故早く相談してくれ無かったのかと、泣きながら叱られる。
救急車入院
ああ、これで腐乱死体にはならないで済むな、とか変な事を安心する。

もはや、処方された痛み止めは聞かないらしい。
それでも痛み止めがあたまをぼんやりさせて、自分自分では無い気がする。
痛くて痛くて、堪えられなくなる。
暴れたいのに、体が動かない。

医師に、これから強い薬を使えば痛みは取れるが、もう目は覚めないだろうと言われる。
使って欲しい、と懇願する。
頭には、母の事がよぎる。ああ、とんだマザコンだな俺は、一生直らなかった。
それでも、また母の子どもに産まれたいと思う。


 ・


 ・


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ガイアディア歴5139年 春

カンカンカンカン
バコッ!!
「お~い、大丈夫か?」

剣の稽古中、兄に頭を殴られた俺は、俺が前世記憶を思い出した。
俺はたかし……じゃない、アルビ……?

屋敷に帰ると、そこにいたのは若い頃の母にそっくりな……あれ?
『お母ちゃん?』思わず口をついたのはガイアディア語じゃなくて日本語
『お、お母ちゃんって、あんた、まさかたかし……?』(CV:沢城みゆき)
俺のマザコンは、死んでも直らなかったのでした(笑)

ハッピーエンド

2022-04-07

anond:20220407222306

👦「やっぱ忍者屋敷だよなー、隠し階段とかどんでん返しとかさぁっ!!」

👧「おまえは ここで ころす」

2022-03-30

殺人大根と護衛蕪

「撃て!撃てェェェ〜!!」

アク=ニンの声が虚しく響く。

部下達がいくら撃っても、その大根は怯まずに近づいてくる。

「知らないの?大根は"当たらない"。」

そう呟くと、大根はアク=ニンの頭を撃ち抜いた。

「これが、監視カメラに残っている全てだ……。」

アク=トクは、神妙な面持ちで語る。

殺人大根"スズシロ"に兄は殺された。

兄弟揃って悪行三昧で、恨みならいくらでも買っている。

恐れをなした彼は、凄腕と評判の護衛を雇った。

である

「いいだろう。あなたの命は俺が保証しよう。」

護衛蕪オオキ=ナは、力強くそう言った。

「大きな蕪を、一人では抜かせないさ。」

アク=トクの屋敷断末魔が響く。

「来たか……。」

瞬く間にトクの部下を無力化し、殺人大根がやって来る。

トクが気付いた時、部屋に立っているのは、トクとナ、殺人大根だけだった。

二股に分かれた大根足に大根頭、大根ボディに大根フェイス

どこからどう見ても大根暗殺者

対峙するのは、蕪。

先に動いたのは、殺人大根スズシロ

刹那のうちに蕪へと発砲する。

だが、蕪は傷付かない。

2発、3発、4発……。

いくら撃っても傷付かない。

うろたえる大根

「なぜ、そんなに丈夫なんだ……?」

「知らないのか?"カブ構造が丈夫構造規定する"。」

馬鹿な……!」

「オレは……超(スーパーカブだ!!」

がっくりと膝をつくスズシロ

続けて蕪はささやいた。

「だが、ターゲットが半殺しになったとしても、死にさえしなければ、俺の"カブは下がらない"。」

翌朝、アク=トクは、半死半生発見された。

やがて恋を落ちた大根と蕪は、結婚に至る。

殺人大根スズ=シロは、護衛蕪オオキ=ナのツマとなった。

名字については、夫の方が改姓し、以来、スズ=ナを名乗ることになったという。

https://anond.hatelabo.jp/20220329014128

2022-03-29

https://s.famitsu.com/news/202203/29256433.html

要するにサブスクで旧世代機のゲームソフトが遊べるようになるプランが追加されました、と

さて、日頃から互換互換とうるさい奴らが果たして加入するのか?

俺は「なんやかんやと理由つけて加入しない」に花京院アブドゥルイギーとホルホースエンヤ婆DIO屋敷にいたヌケ作の魂を賭けるぜ…

2022-03-27

御老公が悪人屋敷へと乗り込んでいき 「水戸光圀です」と名乗ったら…。

最初悪人たちはひれ伏すはず。 但しコレだけで平和的に解決できるかとなると、そうはいかない。

御老公による裁きが進むうちに、悪人どもは 「じじいを殺すしかない!」 と思いはじめてしまう。

最悪な結果となり、悪人どもと、助さん・格さんとの死闘が始まってしまいかねない。

そうなると御老公の命が危ないだけでなく、 戦闘を印篭によって収拾することができない。

多くの死傷者が出る可能性も有る。 いくら悪人とはいえ、これでは御老公の御希望どおりではない。

そこで先に、ある程度なぐって、敵に恐怖心を与えておいてから、 印篭で収拾させている。

悪人ももあんな思いっきり殴られたら、刃の方でなくても死んでしまう、 などと思いはじめて、

やられても、やられても、立ち上がって戦う部下どもも、 戦いの空しさを痛感しはじめる。

そこを見計らって「もういいでしょう!」と御老公が叫ぶ。 悪人たちにとって、この声は神の声。

そこで印篭を出す。ひれ伏した悪人どもは、 ここまでくると、反撃しようという気力すら起こらない。

悪人にしてみれば、おとなしく裁きを受けるしかない。 という心境となる。

最初に印篭を出すよりも、はるか合理的方法であるというわけ。

悪人どもは御老公よりも、助さんと格さんに対して、ひれ伏している!?

2022-03-16

anond:20220315164954

         |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|

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         ト、;;;;;;;;;;;;;;;` ` ー -- ‐ ";;;;;;;;;,:ィ;:;!

        ,';:``' ‐ョ 、 ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - '"l;:;:;:;:l   だまりゃ!麿は畏れ多くも帝より三位の位を賜り

        l;:;:;:;:;:;:;ミ   ` ` '' ー -‐ '"    ,リ;:;:;:l

        l;:;:;:;:;:;:;:ゝ   く三)   (三シ  `ヾ;:t、  中納言を務めた身じゃ!

       fミ{;:;:;:;:f'´  , ---_,, _,ィ 、_,,ィ,.--、  };f }

       l トl;:;:;:;:l  、,ィ或tュ、゙:ミ {,'ィt或アチ l:l,/  すなわち帝の臣であって、徳川の家来ではおじゃらん

       ゙i,tヾ:;:;:!  `ヽ 二ノ   ト ` ‐''"´  l:l:f

        ヽ`ー};:l       ,r'、   ヽ      リ_)  その麿の屋敷内で狼藉を働くとは言語道断

         `"^l:l      ,/゙ー、  ,r'ヽ    l

           ゙i    ,ノ    `'"  丶.   ,'    この事直ちに帝に言上し、きっと公儀にかけおうてくれる故

             ゙l、   ′ ,, ィrェェzュ、,_ 〉 } /

            ',ヽ  ヘヾ'zェェェッ',シ' //ヽ     心しておじゃれ!!

             } 丶、 ` ー--‐ '"'´,/ノ:.:.:ヽ

            /l   丶、      ,.イ:.:.:.:.:.:.:.:丶、、

          ,r'"^l !    ` ー‐;オ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ノ  ,}、

     ,. -ァ=く(:.:.:.l  l      //:.:.:.:.:.:., - '"  ,/ ヽ、

  , - '"´ / ,/`>'t、_」___,ィ'゙,ィ,.: -‐ '" ,. -‐ '"    \

2022-03-02

anond:20220302135619

飯塚には麻生一族のお屋敷があるゾ

稲盛財団の記念館とかも鹿児島にあるし

孫さんはホークスや王会長も見に来る

2022-02-06

anond:20220206170737

昭和天皇墓地に落ちていても三種の神器効果発動で手札に戻せるから

屋敷わらしを握ってないと天皇制が復活してしまうぞ

2022-01-28

お化け核爆弾に耐えられたほうが怖いのか?

これ微妙な話だと思ってて、実際どうですか?

たとえばよ、ウカツなアホウが山ん中のやばいスポットに立ち入ってしまい、お化けに憑かれた!って状況があったとしま

ケケケ!ケケケ!とか言っちゃって、あきらかにもうテイクオーバーされてしまっている

表情なんかも完全に狂っちゃっていて、なんかわかんねえけど力もすげー強い 超怖い

そこに50メガトンの核爆弾を30発打ち込んで、周囲まるごと更地にしたとして、その焦土から依然元気にケケケ!つってお化けくんが出てきたら、はたして怖いか?ってことだ

幽霊屋敷とかでもいい

核爆弾焼け野原になったなかでお化け屋敷けが完全に健在だったり、屋敷はなくてもお化けだけは元気だったりしたら、どうする?

それって怖いとか怖くないとかそういう問題じゃないですよね

逆に素直にやられてくれたほうが共感できる

爆心地を調査しにきたドローン(放射能汚染がひどくて人間は立ち入れない)を叩き壊す八尺様から感じられるのは、畏怖ではなく哀愁な気がする

お化けは、核爆弾にやられたほうがいい

2022-01-27

ネタバレあり)今日読んだBLと、頑張って再読した非BL

しまちゃん家の番事情』(三日ミタ)

あらすじ

 しまちゃん家にはパパが二人いる。能天気マイペースな茜パパと、理性的で優しい葵パパだ。

 そんな二人に愛されすくすくと健やかに育ったしまちゃん。ところが、授業参観の後、パパが二人いてママがいないなんて変だとクラスメートに言われてしまう。

 「変じゃない」と言い返したしまちゃん。だが、しまちゃん自分家族に何の不満もないものの、茜パパと葵パパがどうして結婚したのか、ふと疑問に思ったのだった。

 授業参観の帰り道にパパ二人に疑問を投げかけたしまちゃんに、茜パパが葵パパとの馴初めを語ってくれた。そう、初めての出会いは、葵パパの「秘密基地」で……。

 二人のパパ達のちょっと物騒な青春物語

増田感想

 オメガバース作品オメガバースとはなんぞ? というのは、ググれば私の説明よりもよっぽど解りやすい図解がいくつも出てくるので割愛

 私は普段、ツルツルテカテカな絵柄のビーボーイコミックスってあまり読まないんだけれども、表紙が助平じゃない作品は当たり率が高いという個人的観測により、試し読みを読んだ。そしたらパパ達の過去話の出落ち感が気に入ってしまい、購入してしまったという次第。実際のところ、わりと当たりだった。

 オメガバース設定の作品性質悲惨になりがち……特にΩのほうが。そして悲惨暮らしぶりのΩが理解のある彼くんに出逢って幸せになるというのがよくあるパターンのようだ。

 だが、本作は型破りなストーリーだった。つまり、野性の本能に振り回された挙げ句の不幸展開ではなく、αもΩもそれぞれ本能を抑え着けてお互い相手を気遣って着々と幸せになっていったという、そんな結婚生活の序章話。

 このご時世なんで、なるべくポリティカルコレクトネス配慮したストーリー構成なのだろうか……。BLという時点で男性同性愛者の性的搾取だろけしからんと言われたら終わりだけれども。まあ、Ωが一方的にヤられて不幸になる話よりはストレスなく読めていいと思った。

 茜と葵の若い頃に使っていたガラケーの型からして、彼らは00年代半ばくらいに高校生だった模様。ということは、現在は見た目は若いけど30代半ば。で、娘のしちゃん小学校低学年ぽいので、彼らはガチ計画的人生を歩んできたことがわかる。芸が細かい……。

 とはいえエロシーンはエロい。別にエロエロいのは悪くないけど、個人的あんまりけが派手にトロ顔するのは好きじゃないんで、そこだけは微妙と思った。

 あ、これはネタバレになるけど、彼らはちゃんゴムは着けていたというのが後のページに書かれていて、そんな後出し設定をだされてもなと思いつつ、ページを遡ってみたら、ほ、本当にゴムして致している!? それを修正が入らないように描くだなんて、なんつう芸と配慮の細かさなんだ……。半端ねぇ。

 オメガバース設定はその性質物語のよくあるパターンから、ずっとBL読みから批判され一部から嫌悪されて来たのだけれども、批判される部分を全て排除した作品も出て来るとは……。これもまた業界自主的表現規制のたまものかと思えば、良し悪しだなぁ。そもそも女性向けの作品で今時は古風な嫁入り譚とかが書きづらくなってきたというのも、オメガバース特殊設定が流行った原因の一つだと思うので、オメガバまでクリーンになると行き場のない物語の受け入れ処が更になくなってしまうのでは。


再読『その花の名を知らず』および『左近の桜』シリーズ長野まゆみ


左近の桜』シリーズとは。

 この世ならざる者をホイホイ拾い、しかもまぐわうことで相手成仏させるという特殊スキルを持った若者左近桜蔵(さこんさくら)を主人公とした短編~中編連作集。シリーズは『左近の桜』『咲くや、この花』『さくら、うるわし』『その花の名を知らず』の全部で四作品刊行されている。


『その花の名を知らず』のあらすじ

 大学生の桜蔵は、父方の祖父墓参りに行く為にバスに乗った。そこで彼はまた自分が異界に迷い込んだことを察知し身構えたが、起きたのはなんと交通事故

 そこで物語は四年前、彼が高校に上がる春に遡る。祖父の遺品を祖父の縁者に形見分けをする際、遺品の一つが函だけを遺して中身がないことが判明。桜蔵は無くなった茶碗〈ざくろ〉探しの手伝いをすることになった。桜蔵は〈ざくろ〉の手がかりを求めて、祖父の生家・白鳥家の家系を辿るが……。

増田解説感想

 『さくら、うるわし』までは幻想小説の体だったが、『その花の名を知らず』はそこにミステリー要素が加わる。といっても、殺人など事件が起きて主人公がその解決にのり出すという話ではない。テーマは茶碗〈ざくろ〉の行方探しというよりは、茶碗探しにかこつけて桜蔵と血の繋がりのない父親・柾の系譜を遡り、彼らの因縁を解き明かすことにある。

 そもそも、『左近の桜』シリーズのはじまりは、桜蔵が柾に懐いた疑問、「どうして柾は子どもを持つことにしたのか」なので、今回もまたその謎に、一族系譜を紐解くことで迫ろうということのようだ。

 私はずっとこのシリーズをなんかよくわからん幻想小説と思って読んでいたので、物語ミステリー要素があるということを完全に見逃していた。なんなら、あれだけ頻繁に登場しまくる柾をただの味のある脇役くらいに思っていたりとか……。なんだかなぁ、すごい訳わかんない話だけどなんなのこれ? と。

 ところが、最新作『その花の名を知らず』を読んでみて、既刊とテイストが違いミステリー要素があるのは一体何故なのかと不思議に思い、それから万葉集などの和歌謡曲などの引用があるのが気になった。もしかすると、このシリーズは単なる思いつきとインスピレーションで書かれた幻想小説というより、何らかの大仕掛けが仕込まれた大作なのでは? と思い付いて、シリーズ一作目から全部読み返した。ああ疲れた

 細かいことは全部省くけど、『左近の桜』ワールドには「蛇性」というかつては水神を祀っていた一族……その者達自身が蛇あるいは水神なのかも……と、その伴侶となる「女」の血筋があって、前者が柾の家系後者が桜蔵の血筋のようだ。桜蔵の育った左近家は、何故か「女」の血を継いだ男の子を、養子にするなど何らかの形で代々引き取ってきたらしい。

 「蛇」も桜蔵の血筋(おそらく、『左近の桜』に出てきた「とても長生きな蜃=龍の子ども」というのがこれだ)も長寿だというが、家系図をみれば、柾の先祖にも桜の先祖にも誰も度を超えて長生きした人物はいない。「長寿」というのは、血統が絶えることなく長く続いているという意味なのだろう。

 そもそもタイトルおよび主人公の名が「左近桜」に由来している。左近桜は京都御所にあるとても長い歴史を持った桜だが、すごく長生きな一本の木なのではなく、枯死するごとに新しい桜を植え替えて守り続けて今に至るものだ。『左近の桜』シリーズにおける「長寿」も、そういう意味での長寿なのだと思う。

 まあそういうわけで。桜蔵は「蛇」の伴侶になる「女」で、彼の戸籍上の父親の柾は「蛇」だ。柾は過去に彼の最愛の「女」を亡くした模様。そこで柾は桜蔵を自分のあたらしい「女」にするべく桜蔵を育て、彼が大人の「女」になるのを待っているのか、それとも単に「女」を育てるのが自分の役目と思って育てただけなのかは、『その花の名を知らず』でもまだ不明

 まあ、柾×桜蔵というカップリングが成立するのかどうかってとこだけど、年齢差が20歳以上もあるから、どうなるんだか。

 『その花の―』はストーリーの大部分が桜蔵の子ども時代の話で、柾と桜蔵が親子らしくキャッキャしているシーンが微笑ましくてよかった。それを読まされると、あーこの二人がカップリングになることは無いかもしれんなぁーという気もしてくるけども。



『猫道楽』(長野まゆみ

あらすじ

 「猫飼停」と呼ばれる豪奢な屋敷に棲む兄弟達のもとへ、とある必然によって引き寄せられた男達のなんやかんや。

増田感想

 『左近の桜』シリーズみたいに深い謎があるわけではない、肩の力を抜いて読めるちょっとえっちBL短編連作小説だったー。

 猫シッターアルバイトのつもりがセックスポジション的な意味で猫にされてしま大学生の話から始まったので、猫飼停に住まわされて客を取らされる話かなあと思ったら別にそんな話ではなかった。

 BL要素以上に、猫飼停の和洋折衷の豪華絢爛な内装や調度を想像するのが、とても楽しかった。

 

今回はこれまで。最近BLレビューサイトのくじが当たらないし、長野まゆみ先生新刊待ちでBLに使えるお金が乏しいので、BL日照りだ……。

2022-01-05

anond:20220105115803

小学生👦ワイ「エッ?!忍者屋敷他人を招待するんですか?」

忍者のひみつ、を読んだら、みんな将来は隠し扉とかドンデン返しとかフル装備の自宅を建てるんだ!って妄想するよね!!

2021-12-25

ノクターンノベルズエロ小説おすすめ2(ハードNTR あり)

聖夜だし無料で読めるエロ小説の紹介だ。去年のGWanond:20200423221127投稿してから結構時間が経ってしまったけど、今度はエロ重視のものおすすめしたいと思う。前回はライト目で文章が読みやすものを中心に紹介したが、実用性が低いとの指摘を受けたので、今回はストーリーや設定は二の次エロ重視なものも紹介したいと思う。

言うまでも無いがノクターンノベルズとは男性向け18禁小説家になろうであるちょっと前に広告話題になった「ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない」のオリジナルが連載されていたところでもある(コミカライズ効果か何年も更新がないのにランキングに何週もランクインしてた)。あと「異世界NTR ~仲間にバレずにハーレムを~」も。

紹介する作品ジャンルは非エロ小説2、イチャイチャ3、催眠2、無理やり4、NTR8、おまけ1。またURLhttps抜きで記載してる。面倒だけどコピペして下さい。

エロ小説

ピンク淫乱( novel18.syosetu.com/n8080cx/ )

字面だけで内容を要約するとサイキョー主人公が不幸系ヒロインを拾うというなろうイズムな作品なのだけど、実態ツンデレ少年コンブサバイバーズギルト少女の淫ピを不器用な優しさで救う短編である。ちなみに淫ピとは淫乱ピンクの略。スコンブは育ての親からピンク淫乱でえぬてぃーあーると聞かされた育ったので、ピンク髪を見るとこう反応してしまうのだ。エロ行方不明だけど爽やかな物語を読みたい人におすすめ。なお続編はミッドナイトの方。

幼なじみダンジョンになったか攻略した( novel18.syosetu.com/n4859gs/ )

リクオは冴えない幼なじみイチカずっと好きだった。その気持ちはずっと隠していた。彼女高校に入って好きな人を見つけた。そして彼女自動車事故で亡くなり、ダンジョンになった。72時間制限時間以内にダンジョンに潜り過去を変えられればイチカを助けることができる。しかダンジョンで再会した彼女リクオ行為咎め、何度繰り返しても歴史事故収束してしまう。過去の中で陵辱や殺人まで手を染め、自暴自棄になるリクオだったが…

作者のXPJboxさんは昔はてぶでも話題になった「JKハル異世界娼婦となった」の人。完全に余談だけど、増田は本作のミツキ、「絶頂都市エデン」のサラや「僕たちの教室イジメはない」の玲奈のようにXPJboxさんの描く当たりが強いギャル系の美人だけど一途で純情なヒロインめっちゃ好き。

イチャイチャもの

村を焼かれるエルフさんサイドにも問題がある( novel18.syosetu.com/n9457gl/ )

ちょろいエルフ人間の幼馴染の百戦錬磨ちんちんに負けちゃうお話エルフの村が領主オズマノクの兵により焼かれた。長の子セラフィナは突然の暴挙に対してオズマノクを誹るが、なにやら風向きが「あれエルフサイドが原因じゃね」となり、事態を決着させるためあれよという間に二人が結婚することになるが…。序盤の交渉パートが長いけど読み応えがあって面白いので読んで。エロの見所は、セルフィナにとって年下のかわいい幼馴染の男の子であったはずのオズオズが成長によりアレになっててそのギャップメダパニくらって負けちゃうところ(ショタものじゃないよ!)。しかしすっかり淫紋が一般的になりましたなあ。

いつもエロい格好してる派手なギャルママの子供に懐かれたら、ギャルママにめちゃくちゃ搾られた( novel18.syosetu.com/n1475gu/ )

童貞がおとなりのシングルギャルママの梨花さんと仲良くなる話。正直、今すぐこの三人には家族になって欲しい。子供のお守りをしてあげることでだんだんと仲を深めていき、主人公誕生日子供ママと三人でお祝いする描写がいいのです。エロ的な部分としては、梨花さんに誕生日のお祝いとしてコンドームをもらった上に、本当はMなのに童貞主人公のためにS役を演じてくれる梨花さんにこってり搾り取られるのがとてもよい。

無表情のエルフに毒(意味深)を吸い取ってもらう話( novel18.syosetu.com/n2830gf/ )

巨乳むっつりエルフにあてられてダンジョンなのにがっつりまぐわうお話ソロ冒険者であるカイトは毒が満ちる洞窟攻略するためエルフ魔法使いラウネを仲間に加えるが、とある理由によりラウネは戦力外であることが判明してしまう。しか本来目的である解毒だけは粘膜同士を接触させる!ことで出来たので、カイトが毒を受ける度に二人はキスをすることに。いつしかキスをするために毒を浴びるようになったカイト、それに気がついたラウネは誤魔化すカイトに嘘をつかなければキスよりももっと気持ちいい解毒をしてあげると告げ、それを聞いたカイトは…。 雰囲気が実にエロい。

催眠

催眠で素晴らしい長編はたくさんあるがここでは短編を2つ。

高貴な振る舞い( novel18.syosetu.com/n8876ft/ )

貴族の令嬢に高貴な振る舞いを教えると称して催眠で嘘っぱちを刷り込むお話。「高貴ではない」振る舞いを知るために「獣」と「平民」のセックスを教え込まれイキまくるお嬢様がスケベ。本人が教育だと信じて至極真面目に対応しようとするところも常識改変モノとしてグッド。

友達からセックスしてもいいよね2( novel18.syosetu.com/n9811fm/ )

擬音が特徴的な作者の短編握手することで【友達】(セックスフレンド)になることができる能力を持つ主人公が、かるーいノリで小柄な女番長となかよくするお話エロい。

無理やり

レイプから始まる恋はある? 自慰を見られた少女と見つけてしまった少年の話( novel18.syosetu.com/n1213hd/ )

タイトル通り、少年男子トイレの個室で自慰絶頂して気をやっている少女を見つけてしまう話。ネタバレ最終的には合意になる。同作者の「 露出狂女の子の話 」は、ハプニングスラックス越しに挿入しそのまま果てるという、ニッチまりない作品なのだけど刺さる人はチェックしてくれ。

授業中にも関わらず、クラスアイドル女子彼女クラスメイトの目の前で見せつけるように犯す話( novel18.syosetu.com/n4238fv/ )

タイトル通りテンプレ的な常識改変世界ものなのだけど、個人的に本作品が他の作品と一線を画しているのは行為に及んでいる二人以外のクラスメイトの反応。クラスアイドル女子自分たちの目の前で犯されている。彼女の痴態に興奮して自分で扱く者、悔しさで泣く者、それぞれが彼女への思いを発露する。そんな大勢モブを尻目に悠々とヒロイン自分のものとする主人公。この優越感と惨めさのバランスが大変素晴らしい。

ぼくのかわいいオナホール ~EカップJCレイプ記録~( novel18.syosetu.com/n2178fl/ )

ガチレイプ中学生女子が顔見知りのお兄さんに自慰しているところを撮られ脅迫されるお話。救いはない。

部活疲れた少女マッサージ屋に行く話 連載版( novel18.syosetu.com/n6502dm/ )

とりあえずこのジャンルはこれを出しておけば良いという有名作。好きなところを読みましょう。個人的おすすめは6章。脅迫され無理やりされた後、実はいまのは初めてではないとこれまでの録画を見せられて堕ちるシーン。最後の方は和姦もあるよ。

NTRBSS 短編・中編

BSS/NTR には感情を励起させるポイントが二つある。一つは恋人不貞を知ってしまう衝撃(ショック)で、もう一つは好きな人の心と体が自分のものでなくなっていくマゾヒズムだ。まずはこのポイントが分かりやすい五つの短編を紹介する。

親友彼女の淫らな特訓( novel18.syosetu.com/n6555ej/ )

ショック系。内容としてはテンプレだけど要点をうまく抑えているのでおすすめ最愛彼女の友紀は貞操概念が固くキスまでしか許してくれない。でも最近体を押し付けてきたり胸の谷間を見せつけてきたり蠱惑的でドキドキしてしまう。そんないつものように彼女の部屋で一緒に勉強した帰り道、ふとノートを忘れたことに気がつき彼女の家へと戻るが何か違和感がある。そう玄関にはなぜか彼女の靴だけではなく親友である恭弥の靴もあったのだ。

おさネト〜巨乳可愛い幼馴染み梨菜は寝取られる〜( novel18.syosetu.com/n2849hb/ )

取られるところから堕ちるところまで。テンプレなのだがそれはつまり王道ということである

夏休みしかできないお勉強( novel18.syosetu.com/n9913fq/ )

ショック+絶望主人公タクミちょっと早熟小学4年生。今日幼なじみのナナとゲンの3人で夏休みの宿題を片付けていたが、突然ゲンが「ねぇ……“せっくす”って知ってる?」と爆弾発言をした。性行為について知識があったタクミがショックを受けている間に、せっくすを知らなかったナナとゲンは試してみようという流れになり…。タクミにとって地獄夏休みが始まった。

幼いがゆえに行為にハマっていく二人と、早熟だったゆえに自分気持ちを言い出せず無感情になっていくタクミの対比が残酷

学校美少女の手コキ会に参加していたら、気に入られて本番させてもらった話( novel18.syosetu.com/n2082hi/ )

基本的にはタイトル通り。Mな僕があこがれの彼女主宰する第8回M男射精会に参加してなんだかんだ気に入られて恋人になる話。ただその過程として第二話でSな彼女デカチン運動部先輩に逆転セックスされるという心が痛い展開がある。結局最終話ラブラブになり、二人だけのM男射精会を開いちゃうハート)、なのだけど…イフの第四話で、第二話の先輩と彼女がもう一回セックスをするという展開があるのだ。そして溜めて、溜めて、溜めてのこの第四話がNTRとしての破壊力がすさまじいのである。Sな少女が逆転されMにされる展開が好きな人は必読。

ギャル妻、品質管理に貢献する( novel18.syosetu.com/n0605dz/ )

体は堕ちるが心は堕ちていない(はず)。結婚資金を貯めたいが一向に貯蓄できない毅と明希二人の前に高校時代同級生であるロボ山が現れ、女性の肉体を使ったコンドーム治験アルバイト提案する。はじめは毅の目の前でバイトをしていたロボ山と明希の二人だが、次はビデオ越し、電話越しと距離が離れ、明らかに自分としているより感じている明希の声は離れていく。好きなシーンは第三話のシュレディンガーの生挿入(映像が途絶えた後、「どこで出した」「明希ちゃんがお願いしてきた場所で。ふぅ……知りたい?」)。

NTRBSS 長編

ここからNTR長編を紹介する。このジャンルヒロインへの感情移入が強いほど受けるネガ感情も強くなり、また堕ちるまでの過程が丁寧なほど良質な体験が得られるため、どうしてもおすすめ長編に偏ってしまう。ただ、長編作品は読み進めるのが大変であるため気が向いたら読んでみて欲しい。

復讐ヴェンデッタ -super dosukebe story-( novel18.syosetu.com/n1161gb/ )

「僕は死んでもいいって、そう思ったんだ」、「呪いのせいだから仕方ないよね」に続く田中フランチェスカ氏のNTR・寝取らせメイン?の長編傍若無人主人公復讐?のためヒロインを巻き込んで、あっちこっちエロいことしたりエロいことさせたりするロードムービー作風ライトでとっつきやすい。基本的主人公可愛い女の子エロい表情をしているところが見るのが大好きなので、エロい顔させるのが自分でも他人でもオーケーというスタンス。イリナちゃん編が辛い。

このノリが好きな人は前作「呪いのせいだから仕方ないよね」も似た作風なのでオススメしかし「僕は死んでもいいって、そう思ったんだ」( novel18.syosetu.com/n3557de/ )はライトではなくガチなので注意。こっちは相手が命より大切と言い切れるほど想い合っているアキオとアルシャを、愛の精霊マプゥがあの手この手ドン引きする行為)で引き裂こうとする話。どこまでも健気に相手のことを想うがゆえに自らの体を犠牲にしあう二人。どれだけ陵辱されてもその心は決して折れないところがあまりにも辛い。

特に屋敷編が死ぬほどキツイ展開なのでNTRとして凄まじく良質。奴隷の身となったアキオの命を助けるために屋敷の主人の使用人兼性処理係となったアルシャ。その情報を知らされてひどく苦しむアキオに主人のアルベルトから命令が下る「倉庫から小箱を持って来い」。大量に積まれたそれは全てコンドームの箱だった。吐きそうになりながら一つの箱をアルベルトアイシャの待つ部屋へ届けたアキオだったが、再びアルベルトから通信が入る「君の持ってきた箱は空箱だったよ」と。辛い。

淫紋魔法マキナビッチ冒険( novel18.syosetu.com/n8395ed/ )

書籍化もされている有名な作品。亡国の姫と幼馴染の騎士祖国復興国のため旅をするのだが、行く先々でNTR展開を受けてしまお話お姫様は清純だし幼馴染に一途なのだけど淫紋のせいで肉欲に逆らえなくなってしまう。辛い。早く旅が終わって二人で慎しくも幸せ暮らしてほしい。

少女冒険者パーティを守りきれない!( novel18.syosetu.com/n2103fc/ )

基本的ハーレムなのだけど、ヒロインたちは容赦無く主人公以外の人間非人間も)に催眠されたり陵辱される。割と倫理観が緩めの作品。ちなみに作者は、表のなろうで連載していたちょいエロだけど健全作品の裏側(実はあのシーンはNTRされていた)を裏のノクターンで書くようなグレイトフルな作者であると指摘しておく。

おまけ(最近気がついた自分性癖

父と姉が温泉宿で( novel18.syosetu.com/n5586fy/ )

実は自分性癖が、父親(もしくは兄、弟)と姉・妹がしているところを目撃することだと最近気がついてしまった。多分BSSの亜種。この作品お酒で酔っ払って出来上がったビール腹の親父が姉にセクハラして、姉がなし崩しにしょうがないなあと受け入れるところを思春期目線で描く作品。なにがいいかって、意外にガードが緩い姉がほろ酔い思考力でずるずる流されてめちゃくちゃにされてしまうところを、障子越しの覗きという弟目線描写されているところ。弟も姉の豊かな肢体にドキドキしているというところも良いスパイス

連載中の作品で、姉と初めて同士でエッチしたけど、伏線をよく考えると実は姉は父と一足先に初体験していた(NTRされていた)のではないか、というものがあったのだけど、どうも更新が止まったみたいで残念至極。この路線作品おすすめがあったら教えて欲しい。

2021-12-21

anond:20211221160807

「だまりゃ!麿は恐れ多くも帝より三位の位を賜わり中納言を務めた身じゃ!すなわち帝の臣であって徳川の家来ではおじゃらん!その麿の屋敷内で狼藉を働くとは言語道断!この事直ちに帝に言上し、きっと公儀に掛け合うてくれる故、心しておじゃれ!」

演:菅貫太郎

概要

元ネタは、TBSドラマ水戸黄門』第18部第23話「夢芝居!? 八兵衛の若旦那 -京-」(1989年2月20日放送)に登場する『正体を現した水戸光圀の前に平伏しない悪役』の代表的キャラクター

2ちゃんねるでは『画像も貼らずにスレ立てとな!?』のAAで知られる

2021-12-11

anond:20211210043823

∀ガンダムエピローグは「奇跡の6分」と題されて

富野由悠季世界」展で展示されてたのをあらためて思い出した。

 

その展示では大きな画面で映像が映し出されている周りに

富野監督絵コンテが展示されていた。

 

絵コンテカットの一つ一つには

「青に♫」 屋敷玄関カット

Lala lu ♫」 泣いているソシエ・ハイム顔を上げる。

Lalalu♫」 ロラン口づけをする。

みたいにそのカットごとに正確に

歌のどの場所でこのシーンというのが完全に設計されていて

今まで知識として絵コンテ映像設計図、

というのはわかっていたんだけど

実感として初めて、なるほどこれは映像設計図だ、

自分想像しているよりも遥かに緻密に計算されて

アニメというのは作られているのだ、

と得心したのを覚えているし、

何より映像の素晴らしさで

しばらくそ奇跡が具現化された

展示スペースから動けなくなったのを

覚えている。

2021-11-28

anond:20211128120451

武士なら今でもいるだろ

屋敷に住んでて、枕元には日本刀背中には龍の入れ墨した切り捨て御免の特権階級

2021-11-23

ウサギと亀リターンズ

亀とのレースに負けたウサギ人生悲惨ものだった。

仕事はクビになり結婚約束していた婚約者にも見放された。

それからと言うもの借金を繰り返しては酒とドラッグに溺れる日々であった。

ちくしょう……! なんで俺がこんな目にあわなきゃいけないんだ!」

しかしある日、そんな彼の元に手紙が届いた。

あなた幸せにするお手伝いさせてください。必ずや人生を取り戻して見せます

その手紙にはその文章と一緒に、目的地までの地図が添えられており、それに従って歩いていくと巨大な屋敷の前に到着した。

洋館風の屋敷はまるで物語に出てくるような立派なもので、入り口前にはスーツ姿の男達が出迎えてくれた。

そして彼等に連れられて入った部屋には一人の白衣の老人がいた。

「よくきてくれたのう。わしらはちょうどお主のようなウサギを欲していたのじゃ」

そう言って差し出された名刺を見るとそこにはこう書かれていた。

秘密結社ゲヘナ首領ドクターマッド

「わしらの技術結集しお主を改造ウサギ【テケリ・リ】にしてあげましょう……」

ウサギは老人のその申し出に対して、一も二もなく飛びついた。

「どうせ俺はもう何もかも失ったウサギだ……。この先に何があっても構わない」

だが、それが地獄の始まりだったのだ……。

手術代に乗せられたウサギの体には数え切れないほどのチューブが刺さり、薬品のようなものを入れられていく。

すると今まで感じたことのないような激痛がウサギを襲った。

「うぎゃああぁあ!?︎なんだこれは……?体が熱いぃいいい!!」

拘束されたウサギは絶叫をあげ悶える。

「何まだ改造手術は始まったばかりじゃよ。お主はこれに耐えなければならん。耐えればきっと良い事あるぞい?」

老人の言葉など耳に入らない。それほどまでに痛みは強く意識を失いそうになるほど辛いものだった。

「ひぐぅっ……!!あがっ……!」

チューブから入れられた薬品は体を熱くし全身の筋肉を強化するものだと説明されたが、それにしても限度があるだろうと思うほどの苦痛に襲われる。

「うぐうぅッー!!助けて……誰かぁ!」

だがそれでもウサギは決して弱音を吐かなかった。なぜなら自分はこれから全てをやり直すことができるからだ。

「えぇいっうるさいのう、黙っておれ」

ドゴォン!

「ごふぉおおおおっ!?︎」

博士麻酔無しでウサギの腹に拳を突き入れる。

内蔵を押し潰すかのような衝撃を受け、ウサギは大きく目を見開く。

「静かにせんか、まだまだ薬を入れるぞい?」

そう言われてウサギは再び悲鳴を上げることをやめ、歯を食いしばった。

大丈夫だ、これくらいなら耐えられる)

ウサギはこの苦しみさえ乗り越えることができたら全てが手に入ると思っていた。

ウサギはただひたすらに待ち続けた。自分未来を掴むその時が来るまで……。

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一方ウサギとの競争に勝った亀はというと、何もかもがうまくいき幸せ生活を送っていた。

結婚子供も生まれた。

さらには会社を立ち上げ事業成功。今はIPO直前の大事な時期である

そんな彼が今何をしているかというと、社長室でのんびりとコーヒーを飲みながら秘書雑談していた。

ウサギとの競争に勝ってからというもの人生は何をするにしても順調そのものですね。これも全てあの時のウサギのおかげでしょうか?」

彼は数年前のことを思い出した。

それは彼にとってはとても懐かしい記憶であった。

「そうだね。ウサギとの競争がなかったら、あの時の競争に勝っていなかったらボクはこの会社をここまで大きく成長させることはできなかったかもしれない」

ウサギと別れてからすでに数年が経過していた。

しかし未だにウサギへの感謝気持ちを忘れたことは一度もなかった。

「彼は今何をしているんだろうか」

あの競争以来亀はウサギ接触していない。

亀との競争に敗れたウサギ。その社会的な評判はかなりひどいものであった。

亀にはひっそりとウサギ行方くらました理由もよくわかっていた。だからウサギ行方を追いかけるようなことはしなかった。

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あの日、改造手術を受けてからというものウサギ地獄の日々を送っていた。

薬で無理やり強化された体は常に火照り、筋肉ははち切れそうな程パンプアップされている。

改造はあの手術だけで終わりではなかったのだ。

「ぐふっ……」

ウサギの体はさらに変化していった。

筋肉の量が明らかに増え、身長は伸びた。そしてその背中には巨大な白い羽が生えてきた。

その姿はさながら天使のようであったが、もちろん彼本人はそれを喜べる心境ではない。

しろその逆、ウサギ自分の体が作り変わっていくことに恐怖を感じていた。

「うぎゅ……ぅ……」

彼の精神はもはや限界を迎えようとしていた。

毎日のように浴びせられる激痛、そして徐々に変わりゆく肉体。

そのストレスからウサギは遂に狂ってしまった。

「アハァ……キモチイィ……」

ウサギの口元からはヨダレが垂れ、目はうつろになっている。

もはやかつてのウサギ面影はなく、そこにいるのは快楽を求めるだけの醜悪な生き物だった。

秘密結社での管理生活をされていたある日の事、ついにその日はやってきた。

「テケリ・リ……」

ウサギの口から意味不明言葉漏れる。

同時に彼の精神の奥底。その怒りが噴出した。

ウサギ人生台無しにした亀に対する恨みつらみに、ウサギ精神は焼かれていく。

「ユルサナイ……カメ……コロス」

ウサギの体がガタガタと震え出す。

それと同時にウサギの目が大きく見開き、体が膨れ上がっていく。

「うがぁああぁああぁあ!!!!」

ウサギ叫び声をあげると同時に、その長い耳が裂け始める。

ウサギの全身の毛が抜け落ち、肌は褐色に染まり、歯は牙のように鋭くなっていく。

そして、ウサギはその場から飛び立つと天井を突き破り遥か上空へと飛んでいった。

「テケ……リ……リ……!」

ウサギはそう呟きながら飛び続け、亀の会社があるビルの上までやってくる。

するとウサギはそのビルの窓ガラスに向かって突進し始めた。

ガシャァアン!! ガラスは粉々に砕け散った。

だがそれでもウサギは止まらない。

バリン!ベチャッ!グシュ! 次々と窓を破壊し、建物の中に侵入していく。

オフィス蹂躙され労働者たちは逃げ惑う。

「助けてくれぇ!」

「ひぃいいっ!」

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「なんだか騒がしいな」

社長室にいた亀はそう言って立ち上がった。

かにビルの別フロアで何か騒ぎが起きており、なんだか慌ただしくなっている。

何が起きたのかはわからないが、ただごとではない雰囲気を亀は感じ取っていた。

社長室を後にし、亀は階段を使って騒ぎのあるフロアへと移動した。

そしてたどり着いた先で、彼は信じられないものを見た。

「これは一体どういうことだ!?︎」

亀は思わず叫んだ。

目の前にある光景はあまりにも常軌を逸していたからだ。

血まみれになって倒れている人、ガラスの破片によって傷を負った人の姿がそこにあった。

「おい、大丈夫か?」

亀が一人の男に近づき話しかけるが、男は返事ができないほど衰弱していた。

くそっ、とにかく手当てをしなくては……」

しかしそんなことをしている余裕は亀にはなかった。

瓦礫の山と化したフロア怪物の咆哮が轟く。

「テケリ・リ……テケリ・リ……」

ウサギだ。

むごたらしく怪物へと成り果てたウサギが亀の前に現れたのである

「なんだこの化け物は!」

亀は反射的に拳銃を取り出しウサギに向けて発砲する。

パン、パァンと乾いた音が鳴り響く。

しか銃弾は全てウサギに弾かれてしまった。

「銃が効かないだと?まさかこいつ不死身なのか?」

ならばと亀はナイフを取り出すと、それで化け物を斬りつけた。その体に刃が通る。だがそれは致命傷には至らない。

「ぐっ、なんて硬さだ。まるで金属みたいじゃないか

ウサギは反撃に出る。

カメ……コロス……」

その鋭い爪で亀の体を切り裂いた。

「ぐわぁああぁっっっ!!!

ズザア。亀の甲羅に一筋の切り込みが入る。

「ぐっ……うぐっ……」

ウサギさら攻撃を続ける。

その大きな尻尾を振り回し、辺りのものを全て破壊していく。

「うがああっ、うがうがうがうがうがうがうがうがうがうがうがうがうがぁああ!!!

そのあまり破壊力に、建物が崩れ去り始めている。

このままでは生き埋めになってしまうだろう。

「こんなところで死んでたまるかよぉおおお!!」

亀は大声で叫ぶと、懐から手榴弾のようなものを取り出しピンを抜いて投げる。

ドォオオン!!! 爆発が起こり、ウサギもろとも建物崩壊を始めた。

======

瓦礫の中から這い出た亀は、全身の痛みに耐えながら歩き出した。

死ぬところだったぜ……」

なんとか助かったものの、あの化け物を倒す方法は今のところない。

向こうは翼の生えた巨体、剥き出しの爪、そして強靭筋肉を併せ持つ、完璧生物。ひるがえってこっちはただの爬虫類。亀なのである

自社ビルも倒壊位してしまった。もう亀の会社おしまいだろうIPOにも失敗して多額の損失を出すことになる。

「クソッ!どうしたらいいんだ!!」

その時、ふと彼の脳裏に一つの考えが浮かぶ

「そうだ、あれならあるいは……いや、だがまだ確証はない。まずは奴の動きを止めなくては」

亀は再び走り出す。

======

ウサギもまた倒壊したビルから脱出し、地面へと降り立った。

ビルは崩れ去っており、ウサギは地上を自由に動き回れるようになったのだ。

「テケリ・リ……テケリ・リ……」

ウサギはあたりを見渡しながら歩く。

するとそこに、一匹の亀が現れた。

亀はゆっくりウサギに近づいていく。

「やめろ、それ以上近づくんじゃねえ!」

ウサギは立ち止まり、首を傾げる。

「お前は何者だ?どうして俺を襲う?」

「テケリ・リ……テケリ・リ……、コロス、カメ、コロス」

「何を言っているかからないが、まあいい。俺は今からある実験をする。それが成功すれば、お前を無力化できるかもしれない」

ウサギは更に一歩、亀に近づく。

「これ以上近寄るんじゃねぇ!」

「ジャマ、スルナ

ウサギが足を踏み下ろすと、アスファルトに大きな亀裂が走る。

くそっ、本当に手加減を知らないようだな」

亀は意を決して叫んだ。

「聞け化け物よ、これから行うのはとある生物の改造手術だ」

======

亀はそう言うと両腕を引っ込めて自分甲羅の中を漁り始めた。

ウサギはその様子をじっと見つめている。

亀は赤い液体の入った注射器を取り出した。

「これを使うぞ。これはかつて宇宙怪獣を倒したという伝説兵器、『キングコブラ』の血清が入った注射器だ。これを今から貴様に打つ」

ウサギ不思議そうな顔をする。

「テケリ・リ……?」

「これで貴様は終わりだ。さあ、動くんじゃないぞ!」

亀はウサギに近づき腕を掴んだ。そして注射針を刺す。

「テケリ・リ……」

ウサギの体に異変が起こる。

その体が徐々に痙攣をし始め、体が小さくなっていく。「よし、効いているようだ!」

ウサギは苦しみながら悶える。

「テケ……リ……リ……」

やがてウサギの体は縮み、その大きさは普通ウサギと同じくらいになった。

ウサギはその場で倒れ込み、動かなくなった。

「お、お前は!?

亀の目の前には見知ったウサギの姿がそこにはあった。

ウサギ……なのか?」

亀は恐る恐るウサギに近づいた。

ウサギは薄めを開けて、力無く笑っていた。

「へへ、ザマァねえぜ。オレは生まれ変わった。この血の滲むような訓練によってな……。そう思ってたってのによぉ!」

「お前、本当にウサギなんだな!」

亀はウサギに近づきその体を支え起こした。

ウサギさんよ、一体何があったんだい?なんでこんな姿に……」

「クソカメ……俺はお前が憎かった。だからこの力で復讐してやろうと思ったんだよ。だがそれすら失敗してしまった!俺はお前を殺せなかったんだ!」

ウサギ慟哭を漏らしながら叫ぶ。

ウサギ……」

「俺はこの程度のウサギだったんだ。最強のウサギになるなんて無理だったんだよ!!」

亀はウサギの体を優しく抱きしめると、静かに言った。

ウサギ、そんなことはない。お前は確かに最強じゃなかった。でも最高のウサギだったよ。お前は、俺の誇りだ」

「亀……」

「帰ろう。一緒に」

「ああ。会社ぶっ壊しちまってすまないな」

バカ会社なんてまた作ればいいじゃないか。俺たちはまだ始まったばかりなんだぜ?」

こうして二人は幸せになりましたとさ。

追記はいAIのべりすと使いました。許して

2021-11-21

AI使ったら官能小説になった

今日は何もなかった。

夕方まで寝てしまった。昨夜は結局、ほとんど眠れなかったから仕方ないのだけれど……。

「もう起きようかな」

まだ時間は早いけど、このままベッドにいても仕方ないしなあ。

「よっと」

身体を起こすと、部屋の隅で丸まっていたピグシード辺境伯家の家精霊であるアイシアが目に入った。あたりまえだけど、何もしなかったので精霊も動きを止めて待機状態だ。だからといって何かする気が起きるというわけでもないのだが。さぁて、どうしよう? そういえば今朝はまだ【畑】を見に行っていなかったっけ。時間もあることだし見に行くことにしようか。

着替えを済ませ部屋を出る前に、いつものように軽く伸びをする。するとその気配に気付いたのか、アイシアが俺の方に近づいてきた。

「お出かけされるのですか?」

いつもどおり執事的な物言いなやつだ。まぁ借りてるんだから文句は言えない。

「うん、ちょっと畑に行ってくるよ」

「私もお供いたします」

「え、うん…別にいいけど」

なんでついてくるんだろう?家精霊なんだから家にいればいいものを。まぁ今日は家でほぼ何もしてなかったからやることがないのかな。というか普通先に許可求めないか?まぁいいけどさ。玄関で靴を履き替え扉を開ける。目の前には

庭が広がっているはずなのだが、何故かそこに『空』が広がっていた。

「へ!?

わず変な声が出てしまう。だっておかしいだろう、普通地面が下で空が上のはずだぞ。なのにどうして青空が見えるんだよ!まさか夢遊病とかじゃないよね?自分の頬をつねってみる。痛い。

困ったな、このままでは空に落ちてしまう。我ながら陳腐表現だなと思いつつも、アイシアに何が起きているのか訊いてみる。

アイシア、これどういうことだと思う?」

アイシアはまるで何もなかったかのようなトーンで答えてくれた。

「ご主人様のお出かけに合わせて、私がお屋敷周りの重力場を調整しました」

「あーそういうことね……」

まり、俺は宙に浮かんでいるということらしい。でもそうなるとひとつ疑問が残る。

「じゃあさっきは何でわざわざ確認したの?」

「申しあげます。私はご主人様をお慕いしておりますので、家から出したくないのです」

ヤンデレだ。付き合うと逃がさない系の人じゃないですか…。

「いや、畑見に行きたいんだけど…

アイシアは目を閉じて考え込んだ後、こう言った。

「わかりました。それでは空中浮遊モードに移行します」

「ん?何を言ってるのかわかんないけど、とりあえずわかったよ」

どうせ聞き返してもわからないことが聞けることなんてないだろうし、ここは素直に従っておくことにした。

「従うと思ったか?」

不意にもう一人の僕がしゃべりだした。体が動かない―いや、正確には僕の意志では、だ。

ゆっくり右手アイシアの胸元に伸ばし果実を包む薄布を解いていく。

「朝からはち切れそうでな。まずは処理をしろ

するとアイシアは両手で僕のズボンおろし始めた。

「ごしゅじんさまぁ…♡」

は?おい、こら待て。お前誰だよ。どうしてそんな甘えた声で名前を呼ぶんだよ。何でそんな蕩けた顔で俺を見るんだよ。

「これが現実です。受け入れてください」

くそっ、いつの間にか僕の口が勝手に動いてるじゃないか。どうしようもない…。

アイシアは屹立した僕のイチモツを優しくなで始めた。正直、気持ちがいい。目の前にはアイシアの大きすぎず小さすぎないちょうどよい乳房が露わになった。色白で薄桃色の乳首がよく映える。アイシアは腰を落とししゃがみこんでいく。そして口を開け舌を出し、先端部分を舐めまわし始めた。

「うぅ……はぁ……♡」

我慢できず声が出る。ヤバいなこれ、癖になりそうだ。

「そのまま全てを受け入れなさい」

アイシア吐息がかかる。全身が熱くなる。もう限界だった。

「く、口に出すぞ…!」

言うか言わないかで僕は果てた。ドクンドクンと脈打つ度に精液が勢いよく吐き出され、それをアイシアは全て受け止めている。やがて射精が終わると、彼女は立ち上がりスカートを脱いだ。

「ご主人様のお情けを賜りたく存じます……♡」

完全にスイッチが入っているようだ。もはや抗うことなどできなかった。

「挿れるよ」

返事を聞く前に一気に貫いた。ああ、凄い締め付けてくる……。

「あっ……すごい……奥まで届いて……いい……」

アイシア身体から汗を流しながら快感に浸っている。その姿はとても綺麗で官能的だ。だが、その目はどこか虚ろで焦点があっていないように感じる。

「ふぁ……また出ちゃいましたぁ……いっぱい……あつい……しあわせ……もっと……くださいぃ……♡」

再び律動を始める。今度は先ほどより激しく、本能のままに。

「あッ、あン、あァ!すご、いィ、ごしゅ、じんさ、まぁ♡」

次第に喘ぎ声が大きくなっていく。何かにとり憑かれたかのようにひたすらにお互いを求めあう。

「も、だめぇ、イっちゃいます!ごしゅじんさまぁ、いっしょに!あぁあ~!!」

一際大きく痙攣すると同時に膣内が激しく収縮し僕を締め付ける。

「ぐっ……あぁ……!」

耐え切れずに僕もまた達してしまった。

「あぁん、出てますぅ、ごしゅじんさまの子種、たくさん、きてますゥ!うれしい、しあわせ、きもちい、い、もっとぉ……」

その後、何度も体位を変え快楽を貪った。

「ごしゅじんさまぁ、すき、だいすきですぅ……あいしてますぅ、ずっとここにいてください、はなれたくないんですぅ」

アイシア意識を失う寸前まで愛の言葉を口にし続けた。

結局畑には行けなかった。

------

あれから日経った。僕はアイシアの部屋にいた。もちろんあの日以来毎日のように体を重ね合わせていた。今日アイシアは部屋にいるだろうか。そう思い扉を開けるとベッドの上で彼女が待っていた。

「お待ちしておりました。ご主人様」

「どうしたんだ?」

「実はお願いしたいことがありまして」

「何?」

「私を

2021-11-12

あるいはそんなポルノグラフィティー

 まあネットにはポルノというものが溢れ返っており、我々は無自覚のままポルノ摂取してそれをメインストリームだと勘違いしながら生きている。

 例えばスタンダールの『赤と黒』なんかはフランス文学史に燦然と輝く金字塔文学とされているけど、実際読んでみたら完全にポルノやんけコレ、となる。当時欧州文学界には姦通文学の嵐が吹き荒れており、玉石混交グロテスクモザイク画が出来上がっていたんだけど。まず、その最高レベルのものから言えば『アンナ・カレーニナである貞淑女性が徐々にぶっ壊れていき、自分の命さえ省みなくなる生々しいまでの過程リアリズム小説真骨頂であった。後はエミール・ゾラの『居酒屋』もいいね。首尾一貫した自然文学小説それから翻訳で読んでるからかやや粗い印象だけど(そして『赤と黒』同様にややポルノ臭がするけれど)、バルザックの『谷間の百合』。これは疑似姦通小説とでも呼ぶべきもので、母性的なものの没落を示唆している攻撃的な文学なんだ。

 でもね、『赤と黒』は申し訳ないけどただのポルノだ。『ボヴァリー夫人』はアンナ・カレーニナより格が一段落ちるけど、『赤と黒』はそのボヴァリー夫人より更に一段下だ。

 赤と黒のあらすじを書いてしまえば、

「おっす! オラ、ジュリヤン! 田舎材木のしがない子せがれで、日々ぶん殴られながら生活してたんだけど、町の牧師に徹底的にラテン語を叩きこまれた結果、町一番の市長屋敷家庭教師をすることになった! その結果、お屋敷の奥様に気に入られて、話の行きがかりでその奥様を旦那である市長から寝取ってやった! そのことがほんのり露見したんで、オラ奥様から遠ざかるという意味合いで都会の神学学校に通わせられた! 都会に着いてからは暫く頭を冷やしてたんだけど、話の行きがかりで社交界の重鎮である侯爵家の世話になることになった! やがて侯爵秘書としてパリ社交界デビューしたんだけど、その侯爵家の娘さんは聡明社交界花形美少女で、最初はツンケンされたけども、最終的には行きがかりでその美少女をもモノにしてやった!」というものになる。

 いやポルノやんけと。

 というか、もうなろう小説だよね。『材木の子せがれの俺、ラテン語完璧聖書のありとあらゆる箇所を暗唱でき、市長家のお屋敷の奥様に気に入られてしまうも、最終的に社交界デビューし、侯爵秘書としてスパイじみた任務をも任せられてしまい、戻ってこいと言われてももう遅い!』的な。

 なろうだよこれ、と。

 ちなみに同じスタンダールでも『パルムの僧院』は面白いです。まだ読んでる途中なんだけど。ただ、少なくともこの『赤と黒』に関してはどう控え目に言ってもポルノだし、スタンダール自身通俗小説としてこの小説を書いてたと思う。

 とにかく、いか権威ぶられてもどう見てもポルノ、ってものがあるように、いかに厳粛に見せかけてようが、結局は自分の主張を都合よく擁護してるだけのポルノ作品ってネットにはありふれてんだよね。「なろう」作品ポルノであるのと同じで、都合の良いポルノ作品に頭すっからかんにされてるとどうしても認知歪んでくるよね、って話。

2021-10-29

anond:20211029203801

議員さんも屋敷持てるんやな

日本で一番偉い階級になるんだろうな

2021-10-23

全盲でありながら耳も全く聞こえないし話すことも全く出来ない知的障害まで負っている。

そのため親に介助して生きていたという人が親に先立たれたも、まず親の死を認識できないかもしれない。どこかに出て行ってしまったと思うかもしれない。

さて数日経って不審がった大家通報を受け警察がやってくる。

ここから弱り目に祟り目としてこの障害者に待ち受ける悲劇は三つ。

これがシングルマザーの子供(5歳)という立場でその母親が亡くなったという場合なら、その子供は十分な哀れみのもとで保護されることはあっても「被疑者として」事情聴取を受けることはありえないだろうし、実名報道されたり被疑者として自由を奪われることもないだろう。

見た目で子供判断して被疑者扱いしないのであれば、同じように見た目で到底親の死が認識できないレベル障害者判断するなら被疑者扱いするべきではない。

子供かどうかも結局は戸籍書類と照会しないと確かなことはわからないのだろう。小人症かもしれないし。

でも引きこもりで親が死んで死体遺棄逮捕されている事例が多数ある。なかに障害者ゆえに引きこもりというカテゴリーに収まるしかない人もいるだろう。

それでも見た目で子供と分かる場合以外では逮捕してしまう。日本逮捕されると即報道機関FAXが送られるシステムになっているため逮捕とは同時に報道対象になるということである

子供に見える場合と同じように「逮捕前に」障害者手帳の有無とか調べてあげるべきなんじゃないの?

八尾市母子餓死事件別に子供犯罪者として報道されてはいない。死んでるからかもしれない。

しかしそうだとすると、親の死後即座に通報できないような障害者に与えられている選択肢は、死ぬ代わりに犯罪者の誹りを受けないか、生き延びる代わりに一瞬でも実名顔写真報道されて一生近隣等に陰口を叩かれるような立場に立たされるかの二つに一つであるということになる。

まり逆にいえば八尾市事件の子供がもし餓死する前に発見されていたら普通に犯罪者として実名報道されていたかもしれないのだ。理不尽このうえない。

なんか事件があったら近隣住民でも事情聴取を受けることはある。事情聴取イコール被疑者であることを前提として事情を聴いているのではない。

しか死体遺棄に関する同居人に対する事情聴取というのはまずはなから著しくこいつは被疑者である可能性が高いと見積もってきてるわけだろう。

個人個人犯罪者と疑われることに対してまで問題視してはきりがない。それはもう単なる内心の問題なのだから

しかし打ち切った事件に対して一捜査官に本当は犯人なんじゃないかとか思われるようなことじゃなくて、こういった事例に対して警察組織の正式意思として捜査官たちに疑われるようなことがあるならば、それはそういう仕組みに問題があるものとして糾弾改善がされるべきだと思う。

たとえば10月13日静岡県死体遺棄事件として引きこもり逮捕されている。

8日に引きこもり自ら119番通報し、発覚しているということで、逮捕までに5日の期間がある。

死後4日経っているという報道内容があったので、これはその5日間の間に調べたこなのだろう。

まり警察ははなからこの引きこもりを疑ってかかり、検死の結果4日経っていたということがわかったので放置とみなし逮捕したということだろう。

しかし4日程度逡巡としてありえるものとして見逃してくれてもいいものではないだろうか。もう弱い者いじめして実績あげたいだけなんじゃないの。

だいたい死体遺棄お題目というのがまず「国民一般的宗教的感情」の社会秩序としての保護かいうのであるのだが…

世の中でどれぐらい引きこもり死体遺棄があるのか、報道されたもの以外については調べること自体できていない。

まり報道されてはじめて国民存在認知されるようなものしかないのに、その国民感情保護するとはどういう論理なのだろう。

保護したいのならば報道しないようにする、つまり埋葬義務者が死体放置していたということについて警察発表を行わないようにするだけでよい。

わざわざ犯罪として定義したり裁かなくても保護することはできるわけだ。

それ以前に感情と秩序を結びつけてるのも引っかかる。何かについて人々がどう思うかというのは時の経過で自ずと変わってくるものだ。

保護するというのはそういった変質に対して人為的に介入して防ぐということである。「保護」してなければ死体遺棄に対する国民感情はとっくにポジティブになっていたかもわからない。少なくとも火葬散骨以外の埋葬方法(剥製にするとか)にも許容するような気質になっていたかもしれない。

感情を秩序として保護、という名で管理するから、いたずらに旧守され何も考えない人や老害ばかりが居心地よくそうでない人が息苦しさを感じる世の中になるのではないか感情保護するから、罰するべき基準となる感情自体が変わらない。これは、その時代時代に応じて多くの人が不快に感じるものを罰するというのとは訳が違う。多様性に対する強い規制に他ならない。(規制の仕方の構造刑法175条と似たところがある)

価値観多様性理解できない独裁者法律なのであるタイムスリップできるならばこんな条項作った人に文句言いたい。

衛生上の意義もあるという学説もあるが、それだったらまずごみ屋敷煽り運転とかと同じく法制化して罰するようにしないと公平じゃないと思う。

死体遺棄も罰してごみ屋敷の罰するならまだ筋が通るというわけであるしかそもそも死体放置して具体的にどんな病気のもとになるというのだろう。別にコロナ並みの感染症流行るとかでもないんじゃないのか。悪臭不快になるという話ならまず豚とか育ててる農家の近くに住んでる人はみんなその農家を罰してほしいと思ってもおかしくないな。ようは何が言いたいかというと衛生面でみても死体遺棄は罰するほどのことじゃないと思うわけ。

せいぜい立ち小便と同じ軽犯罪格下げしていいんじゃないの。

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