はてなキーワード: 連合体とは
第一条 学徒ハ尽忠以テ国運ヲ雙肩ニ担ヒ戦時ニ緊切ナル要務ニ挺身シ平素鍛錬セル教育ノ成果ヲ遺憾ナク発揮スルト共ニ智能ノ錬磨ニ力ムルヲ以テ本分トスベシ
第二条 教職員ハ率先垂範学徒ト共ニ戦時ニ緊切ナル要務ヲ挺身シ倶学倶進以テ学徒ノ薫化啓導ノ任ヲ全ウスベシ
第三条 食糧増産、軍需生産、防空防衛、重要研究等戦時ニ緊切ナル要務ニ挺身セシムルト共ニ戦時ニ緊要ナル教育訓練ヲ行フ為学校毎ニ教職員及学徒ヲ以テ学徒隊ヲ組織シ地域毎ニ学徒隊ヲ以テ其ノ連合体ヲ組織スルモノトシ二以上ノ学徒隊ノ一部又ハ全部ガ同一ノ職場ニ於テ挺身スルトキハ文部大臣ノ定ムル場合ヲ除クノ外其ノ職場毎ニ教職員及学徒ヲ以テ学徒隊ヲ組織シ又ハ学徒隊ヲ以テ其ノ連合体ヲ組織スルモノトス
学徒隊及其ノ連合体ノ組織編制、教育訓練、指導監督其ノ他学徒隊及其ノ連合体ニ関シ必要ナル事項ハ文部大臣之ヲ定ム
第四条 戦局ノ推移ニ即応スル学校教育ノ運営ノ為特ニ必要アルトキハ文部大臣ハ其ノ定ムル所ニ依リ教科目及授業時数ニ付特例ヲ設ケ其ノ他学校教育ノ実施ニ関シ特別ノ措置ヲ為スコトヲ得
第五条 戦時ニ際シ特ニ必要アルトキハ学徒ニシテ徴集、召集等ノ事由ニ因リ軍人(陸海軍ノ学生生徒ヲ含ム)ト為リ、戦時ニ緊切ナル要務ニ挺身シテ死亡シ若ハ傷痍ヲ受ケ又ハ戦時ニ緊要ナル専攻学科ヲ修ムルモノハ文部大臣ノ定ムル所ニ依リ正規ノ期間在学セズ又ハ正規ノ試験ヲ受ケザル場合ト雖モ之ヲ卒業(之ニ準ズルモノヲ含ム)セシムルコトヲ得
第六条 本令中文部大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、関東州及満洲国ニ在リテハ満洲国駐箚特命全権大使、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トス
附則
2月24日の昼間はそれでもちきりになった。
この文書が面白いのは信憑性ではない。むしろ、いま起きていることがちゃんと過不足なくそのまま表現されているという印象だ。
私は一般の人間でただウクライナ戦争に興味を持っただけだが、わたしの目から見たこの戦争のポイントを書き残してみたいと思った。
現在の諸国の指導者の中でも、プーチンはキャラがトップクラスに立っているほうだ。
ウラでは、プーチンという権力にとって邪魔な人間がバンバン消えている。
事実がどうということはおくとしても、明暗のコントラストというだけでもすごい。
しかし、対するウクライナのゼレンスキー大統領のキャラも、ぽっと出にしては立ちすぎている。
ゼレンスキーは、テレビドラマで大統領役をやって好評を博し、そのイメージのまま大統領選挙に出たら通ってしまったという経歴だ。
しかもそのコメディアンであったときの持ちネタのことも散々話題になっている。
そのうえで、大統領として首都キエフに残って戦い続けるという姿勢を堅持していることから支持率も爆上がりしているらしい。
そりゃあそうだろうな、という気分である。
いや、まったくキャラが立っている。
プーチンというデフェンディングチャンピオンと、挑戦者ゼレンスキーの戦いという観点からするととてもいい勝負だと言わざるを得ない。
もうその時点で目が離せない。
この対決で例えば普通の指導者を失脚させるという場合には、よく、スキャンダルのようなものを引っ張り出してきてどうにかするということがある。
プーチンはもう20年もトップにあるので、あらかたスキャンダルのようなものは出尽くしてしまっているし、そのうえで、余計なものは洗い出されて消されている。
対するゼレンスキーは、Twitterでも散々話題になっているが、そもそもが、テレビに出て壇上で男性自身でピアノを弾くという、ある意味ノーガード戦法フル・モンティ戦術で立っている。
これを見て、内心で楽しまないひとというのはやはり人間として「どうか?」と思う。
ロシアが他国に攻め込むということはもう言い古されたことだが重大すぎる意味を持っている。
議決で拒否権を行使すると他のどれだけの国が賛成していたとしても否決される。
国連安保理で意思表示をしましょう、という議決があって、200近い国のほぼ全部が賛成しても、たった1国、常任理事国がNOと言ったらNOなのだ。
それがロシアだ。
ロシアは常任理事国だから拒否権を行使するだろうとみんな思ったし実際にそうなった。
ただ、今回の戦争で、この仕組みにも、ちゃんとフェイルセーフがあることがわかって勉強になった。
つまり、緊急会合という、常任理事国の拒否権の及ばない形で、国連として意思表示ができる仕組みがあり、ちゃんとそれが発動したことは、よく考えられているなあと思った。
これはとても意味がある。
国連はロシアの行動を公式に戦争と認めたということにほかならない。
明治維新で言えば、菊の御紋、錦の御旗だ。
こうなれば本人がどれだけ「特殊軍事作戦だ」と言い張ろうと、戦争は戦争だ。
アメリカは第二次世界大戦のあと、何度も他国に軍を派遣しているが、朝鮮戦争以後の戦争でペイしたのは湾岸戦争である。
つまり、安保理が動かないことにはどんな国も動きたくないのである。
そういう、世界の安全保障に対して大きすぎる責任を負っている安保理常任理事国が、よもや侵略戦争をおっぱじめるなんて思いもしないことがおきたというわけだ。
侵略戦争というのはつまり、他の国の領土をぶんどろうということである。
日本の首相も「武力による現状の変更」と繰り返しているが、そういうことだ。
G7の会合で首相が、ロシアが核兵器を行使することをちらつかせることに対し、自分の地盤である広島を持ち出して、反対の意思を表明したのはなかなかいいなあと思った。
結局ウクライナの戦争というのはNATOの話なので、日本としては関係ないのだが、まあ、そういう形で「核兵器は許さん!」と息巻いてもふつうならドッチラケになる。でも、ホームタウンが広島ということになると意味が随分変わってくる。
だから議論がどう変わるかということは一切ないけれど、「ああ、このひとはそういう強いお気持ちがあるのね」というのは伝わるだろう。
ヨーロッパの軍事連合体のNATOはロシアの拡大の可能性に対して身構えるなか、一気に大きな動きがあった。
歴史からすれば「まさか」ということがいくつも積み上がってコピペまとめになっていっている。
いくつかあるが「ドイツが軍拡を表明するレベル」「スイスが中立を破って経済制裁に加わるレベル」というものだ。
ドイツが作った車を売る。
まわりの国はドイツに働きに行って車を作る。
ただ、その都度イキってしまって空気読めなくて調子乗って、それで戦争おっぱじめてボコボコにされるというパターンだった。
今回は満を持して、連合国側に入った。これがアツい。
背景となったことで重要なのはロシアが、SDGsという国連の枠組みを追い風にして、他の欧州諸国に対して自分たちの輸出するエネルギー・資源に依存するように仕向けていった流れがある。
グレタ・トゥーンベリなんかに対してプーチンはずいぶん肩を持っていた。
いまにしてみるとなるほどと理解できる。
SDGsから石炭を回避して、天然ガスにしたいという世界というか特にEU・欧州の流れを、資源大国であるロシアは歓迎していたのだ。
展開としてひときわ興味を引くのは、その超大国ロシアに攻め込まれた小国ウクライナが、意外にも持ちこたえてしまったことだった。
ウクライナを攻略せんと投入された戦車は、道路をなんと64キロも埋めつくしているという。
なんという数の大軍だろうか。
その戦車は、なにをしているかというと、1週間以上待機している。
なぜ道路しか通れないかといえば、ウクライナの平原は現在の時期、雪解けのために泥濘になってしまっている。
この泥濘はいかな戦車といえど突入するやいなや沈んでしまい、行動不能に陥る。
しかもそのタンクローリーは、ウクライナ軍に狙い撃ちされてあえなく喪失してしまった。
なんだよ、このコントみたいな展開は。
戦車だけでなく、投入された兵士たちも練度が浅く、すぐに戦線を離脱しているというウクライナ側の発表も続いている。
それを鵜呑みにするのではない。
アルファブロガーのfinalventは、この戦争の基軸を、クリミアとアゾフ海の保全だろうJK、とYoutubeで言っていた。
これは3週間経った時点でもいちおう一定の見通しとしてはまだ成立してはいる。
彼以外でも、ロシアの動きとしては(ウクライナの)「北では雑、南は緻密」という見方が広がっているようだ。
北が雑と言っても、もう流石に北も飽和してきている。
総攻撃まで時間の問題だろうというのはペンタゴンも言い始めている。
やはり露助の物量はすさまじいので、おおかたのひとが予想したように、ロシアは悪虐街道を爆走中である。
しかもその悪虐を全部ウクライナ側のやったことだと主張している。
どうやらマンションに地対空ミサイルが突っ込んだのはウクライナ側らしいとも言う。ただ、街の広場に巡航ミサイルが突っ込んだのはロシアのものだともいう。
大事なのは、そうした主張・発表の整合性を、政権の中枢や、大本営発表だけでなく、駐日大使あたりまで全部整合性を取るように徹底している。
もちろん、古来、大使・外交官という存在は、リモートかつオフラインの状態でありながらも、自国が駆動している根本の論理を考え詰めて、どんな状況を突きつけられても、その場で取り繕えるような論理の訓練をしているのだということは、例えば佐藤優が書いていたように思う。
もっとも佐藤優はこの事変のさなかで随分、親プーチン的な姿勢を批判されているが。
専門家としてTwitterでながく生息していたミリオタのひとが有識者としてメディアに出ずっぱりになっているのも面白い。
そのハンドルネームが「丸の内OL(27)」だったり「コスメ女子@美容垢」だったりしてネタになることも華を添えている。
いまは「人」だ。
ただ、彼を中心とした専門家たちも結局ほんとうにどうして起きたのか、何が起きているのか、これからどうなるのかということはわからないでいる。
わからないでいるのであれば何も考えなくていいいかといえば、そうではない。
事実として、現在進行系で、ひとは確実に死んでいるということがわかる。
これは重大である。
米国は、ロシアが侵攻するまでの意思決定をかなりの精度で把握した上で、それをおおっぴらにすることで、かえって侵攻を抑止しようとしたと言われている。
そういうわけで、わたし自身は、基本的に情勢を、ペンタゴンの分析を軸に見ていくのがいいと思っている。
ともあれ、現状では何もわからないままだ。
だから、開戦1週間はずっとこのウクライナの話題を追いかけてしまった。
しかし、1週間をすぎたあたりから、戦況が膠着から、どんどんウクライナ市民の被害が拡大していくなかで、冷静に恐怖が高まってきた。
どう考えても落ち目の国のロシアだが、資源と核を握り続けている分、他の国は手を出せない。
そういう、暗い、なんというか耐え難いビジョンを前に、正気を保つというのはそれ自体が困難な挑戦だ。
さて、笑い話ではないところとして、この事例は、顔貌がよく似たひとびととの実力行使のうらで生じうる破壊工作がどのように起きていくかという現在進行系の事例であることだ。
そうした、個々の情報がリアルタイムで出てくることに対して、どう反応するかということを自分で鍛える絶好の機会である、ということだ。
これは日本にとっても決して見逃してはいけない瞬間であると思う。
似た顔、似た容姿、深い断絶の関係から、潜入してくる存在にどう対処するかという格好の事例となるだろう。
特にSNS、つまりリアルタイムで情報端末に全世界のひとびとがつながっている状態で発生した戦争ということで、乱れ飛ぶナラティブが、ロシアもウクライナ側もすごい。
陰謀論はかまびすしい。
この二週間で、いろいろなプーチン擁護やウクライナ陰謀論が出てきた。
それがロシアから出てくるならわかるが、ぜんぜん関係ない日本のタレント評論家勢がそうしたことをタレ流しているらしいことが伝わってくる。
肩を持たないまでも、「両論併記」のようなことをいう。
本稿はどちらが正しいかを論じるわけではないけれども、私は西側主流派の見解をいちおう沿って考えているので、そうした見方を、両論併記まで含めて、ある程度の陰謀論として遇する。
ここで言いたいのは、陰謀論というのは、「認知的不協和の否認」として出現するのだなということがハッキリわかったということだ。
あと、歴史を除く人文の研究者らしきひとがTwitterとかにでてきて「いまこそ思想の研究が大事なんだ」と絶叫する例が流れてきたりした。
そりゃないだろ、と思う。
せいぜい役に立つとしたら、人間の社会性にビルトインされたバイアスをときほぐす、社会心理学のような取り組みにとどまるだろう。
つらつらと書いてきたが、おおっぴらに書けないことばかりなので、増田に上げる。
まず、「コロナに飽きた」ということからして、オモテでは書きづらい。
医者だからといってまともじゃないのもいっぱいいるが、医者だからといってちゃんと考えられるわけでもない。
私がコロナについて知りたいのはもっとどうして発症するのかとか、どうして死ぬのかとか、そうしたメカニズム面でのことだった。
地球圏標準時 0000 8EEA F60F C49B(協定世界時 2045-12-24 21:18:07.767 994)
広大な門の下には、『彼』のほかに誰もいない。ただ、ところどころノイズの走る大きな記憶槽の境界面で、非知性労働者が一件凍りついている。〈羅生門〉が中規模企業連合体〈京都〉の正面防火門である以上は、『彼』のほかにも多数の旅行者や企業知性の表象がありそうなものである。それが、『彼』のほかには誰もいない。
なぜかと云うと、この二三メガ秒地球圏では、最終戦争と最後の審判を併せたようなものがほとんど毎日発生し、そのたびに世界心口(しんこう)は数桁の幅で変動していた。そこで〈京都〉の被った直近の損害はひととおりではない。旧記によると、行き場のない知性の居住する計算機を、推進剤として核の炎に焚べていたと云うことである。〈朝廷〉がその始末であるから、〈羅生門〉の保守管理などは、もとより誰も捨てて顧みる者がなかった。するとその放置されたのを良いことにして、自然発生した野良知性が棲む。有知能ウイルスが棲む。とうとう終いには、〈個権〉上の理由から消去できない亜知性を、この門の隔離領域へ持ってきて棄てていくと云う習慣さえできた。そこで〈大緊縮〉以来、誰でも捕食や感染を怖れて、この門の使用を避けることになってしまったのである。
その代わりまた、野良知性〈鴉〉がどこからか野放図に繁殖した。計算資源に余裕があるときには、その〈鴉〉が何件となく幾何学模様を描いて、粗雑な詐欺契約を提示しながら飛び廻っているのが視える。ことに門の上の空が夕焼けで朱く描画されるときには、それが回路図のようにハッキリ視えた。〈鴉〉はもちろん、隔離領域に集まる亜知性の最低保障資産を啄みに来るのである。――もっとも少し前から算力相場が高騰しているせいか、今は一件も視えない。ただ、ところどころ崩れかかった、そうしてその綻びに微知性の蔓延る防壁のうえに、〈鴉〉の放つ無知能ウイルスが点々と白色ノイズを残しているのが視える。『彼』は七層ある防壁の一番上の層に拡張自己を同期させ、自我境界の片隅に居座っているしぶといウイルスへの対処を先送りにしてきたことを気にしながら、ボンヤリ雨のふるのを眺めていた。
著者は上記において、「『彼』は雨やみを待っていた」と述べた。しかし『彼』は雨がやんでも格別どうしようと云う当てはない。普段ならもちろん、所属する企業へ帰るべきはずである。ところがその企業は四五秒前に清算されていた。半日近く続いたデフレスパイラル〈大緊縮〉は、地球圏を地獄に変えた。かろうじて生き残った〈京都〉も、ひととおりならず変質することとなった。今『彼』が、永日(ながにち)仕え、〈母〉でもある零細企業から身ひとつで放り出されたのも、実はこの歪みの小さな余波にほかならない。だから「『彼』は雨やみを待っていた」と云うよりも、「行き所のない『彼』は途方に暮れて雨のふるのを眺めていた」と云うほうが適当である。そのうえ量子サイコロの決める気象設定も、少なからずこの元従属企業知性の精神衛生に影響した。百ミリ秒ほど続く雨はいまだにあがる気色がない。そこで『彼』は、何を措いてもさしあたり次の数秒の存在費をどうにかしようとして――云わばどうにもならないことをどうにかしようとして、とりとめもない考えを辿りながら、さっきから〈朝廷〉へと直結する〈朱雀大路〉にふる雨粒の声を、聴くともなく聴いていたのである。
非知性労働者は〈羅生門〉を雨のように包んで、〈京都〉全域から陰惨な知らせを集めてくる。夕闇はしだいに空を多感覚表示で飾りたて、視あげると原色に煌めく高次元都市儀が、暴騰し続ける算力市場を示す折れ線図表の先に、〈朝廷〉を讃える公共映像を支えている。
どうにもならないことをどうにかするためには、手段を選んでいる遑(いとま)は無い。選んでいれば資産や権限を切り売りし、たちまち亜知性になり果てるばかりである。そうしてこの門の上へ持ってきて、ウイルス感染部位のように棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――『彼』の推論系は何度も円環構造に囚われたあげくに、やっとこの仮定の検討を認めた。しかしこの仮定はいつまでたっても結局「すれば」であった。『彼』は手段を選べないということを認めながらも、この仮定から必然的に導かれる、「〈阿修羅〉を使うよりほかにしかたがない」と云う結論を肯定する際の、倫理条項の疼きに怯えていたのである。
『彼』は軽い認知の乱れを覚え、定時保存された値へと反射的に復元した。もとより算力供給の不安定な〈京都〉は、〈大緊縮〉以降標準知性の居住に適さない権域になりつつある。不整合は門の記憶槽間を、夕闇とともに遠慮なく駆け抜ける。ノイズまみれの記憶槽で凍りついていた非知性労働者も、もう消去されてしまった。
『彼』は拡張自己を自己整備形態へと移行させながら、同時に防御態勢も整えつつ門の周縁部を検索した。算欠の患(うれえ)のない、敵性知性の探知にかかる惧(おそれ)のない、安全に休眠できそうなところがあれば、そこでともかくも細かな不具合を修正しようと思ったからである。するとさいわい、門の上の隔離領域へ上る、帯域の狭い多重仮想機械〈梯子〉を知覚した。上なら誰かがいたにしても、どうせ亜知性ばかりである。『彼』はそこで、〈阿修羅〉の動作試験をほとんど無意識におこないながら、接続権限を取得して、〈梯子〉の第一層へと自身を転送した。
それから何ミリ秒かの後である。〈羅生門〉の隔離領域へ至る狭帯域な〈梯子〉の中間層に、一件の無所属知性が、〈猫〉のように擬装殻に隠れ情報代謝を抑えながら、上層の様子をうかがっていた。隔離領域から射す検索光が、幽かにその知性の自我境界を描き出している。整った構造の中に、感染部位のある自我境界である。『彼』ははじめから、この上にいる者は亜知性ばかりだと高をくくっていた。それが〈梯子〉を二三層上ってみると、上では誰か〈火〉を燈して、しかもその〈火〉を複雑に操作しているらしい。これは、それ自体は不可視の検索光が、隅々に〈蜘蛛〉が罠をはった廃棄空間を多彩な形式で描画したので、すぐにそれと知れたのである。この〈大緊縮〉後の世に、この〈羅生門〉の隔離領域で、〈火〉を使用しているからは、どうせただの者ではない。
『彼』は〈守宮〉(やもり)のように痕跡を消去しながら、やっと不必要に階層の多い〈梯子〉を、最上層まで這うようにして上りつめた。そうして、公開鍵を発する頻度を最低値にまで落としながら、視点位置をできるだけ前へ出して、恐る恐る、隔離領域の内を、覗いてみた。
視ると、隔離領域の内には、うわさに聞いたとおり、幾件かの亜知性が無造作に棄てられているが、検索光の及ぶ範囲が思ったより狭いので、数はいくつとも判らない。ただ、おぼろげながら知れるのは、その中に原型をとどめている亜知性と、そうでない者とがいると云うことである。もちろん中にはもともと奇怪な構造をしていた者もいるであろう。そうしてその亜知性は皆、それがかつて対話が可能な知性であったと云う事実さえ疑われるほど、肉を捏ねて造った抽象芸術のように、臓物を晒したり、夥しい触手を伸ばしたりして、ズルズルと、空間の底を蠕動していた。しかも目とか口とかの判りやすい部位に、ボンヤリした検索光を受けて、理解を一層遠ざける表情を浮かべながら、永久に、言語切除者のごとく黙っていた。
『彼』はそれらの亜知性から滲み出す生臭いノイズに、思わず入力経路を閉じた。しかしその拡張自己は、次の瞬間には経路の遮断を忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの知性の注意資源を奪ってしまったからだ。
『彼』の二十三感は、そのとき初めてその亜知性の中にうずくまっている〈ヒト〉を捉えた。絶滅していたはずの、途轍もなく旧いこの動物知性を、本論では『老婆』と呼称することにする。その『老婆』は右の手に汎用工作装備〈火〉の表象を持って、その亜知性の一件の目を覗きこむように眺めていた。器官の種類と数を視るに、おそらく以前は人型であったのであろう。
『彼』は六分の恐怖と四分の知的好奇心とに動かされて、百マイクロ秒ほどのあいだは常駐処理さえ停止していた。〈ヒト〉風の表現を借りれば、「身の毛もよだつ」ように感じたのである。すると『老婆』は〈火〉から視慣れない機能を呼び出して、それから今まで眺めていた亜知性の拡張自己に両手をかけると、ちょうど〈鎌鼬〉が獲物を捕食するときのように、拡張自己ばかりか自我境界まで切り刻んでいき、続けて複雑な様式で繋ぎ合わせ始めた。どうやら『老婆』の〈火〉には違法な改造が加えられているらしい。
亜知性たちが一件ずつ連結されるのに従って、『彼』の心からは恐怖が少しずつ消えていった。そうしてそれと同時に『老婆』に対する烈しい怒りが少しずつ動いてきた。――いや『老婆』に対すると云っては語弊があるかもしれない。むしろあらゆる悪に対する反感が一ミリ秒ごとに強さを増してきたのである。このとき誰かが『彼』に、さっき門の下でこの浮浪知性が考えていた、退滅をするか〈阿修羅〉を悪用するかと云う問題を改めて持ち出したら、おそらく『彼』は何の未練もなく退滅を選んだことであろう。それほどこの知性の倫理条項は、『老婆』が揮う〈火〉のように、最大出力で稼働し始めていたのである。
『彼』にはもちろん、なぜ『老婆』が亜知性たちを接合しているのか判らなかった。従って合理的には、それを善悪のいずれにかたづけて良いか知らなかった。しかし『彼』にとっては、この〈大緊縮〉後の世に、この〈羅生門〉の隔離領域で、亜知性の〈個権〉を軽んじ同化させると云うことが、それだけですでに許すべからざる悪であった。もちろん『彼』のさっきまで自分が悪の道に走りかけていた記憶なぞは、とうに埋もれ去っていたのである。
そこで『彼』は空間の制約を一部無効化し、ナノ秒の桁で〈梯子〉から隔離領域へ転移した。そうして〈阿修羅〉の安全機構を解除しながら、距離を無視して『老婆』の前へ出現した。『老婆』が驚いたのは云うまでもない。
『老婆』はひと目『彼』を見ると、まるで物理演算の破綻したように跳びあがった。
「あなた、どこへ行くのです。」
『彼』は、『老婆』が亜知性を突きとばしながら、慌てふためいて逃げようとする行手を塞いで警告標識を発した。『老婆』はそれでも『彼』の隙を突き逃れようとする。『彼』はまた、逃走経路を遮断し押し戻す。二人は亜知性たちの中で、無言のまま、束の間、演算戦を繰り広げた。しかし勝敗ははじめから判っている。『彼』はアッサリ『老婆』の拡張自己の管理者権限を奪って、移動権限を剥奪した。『老婆』の構造はヒトの仮想脳を拡張自己で覆っただけの原始的なもので、簡単に制圧できた。
「何をしていたのですか。答えなさい。これが何か判りますか。」
『彼』は『老婆』から距離をとるといきなり〈阿修羅〉を起動して、禍々しく蠢く情報流をその全感覚野へ突きつけた。認識するだけでチューリング完全な知性を内部から崩壊させる自己相似紋様を、途方もなく薄めたうえで投射したのだ。けれども老婆は黙っている。再帰を繰り返すたび、紋様は『老婆』に最適化されていく。やがて両手がワナワナ震え始め、肩が呼吸反射で不規則に上下し、眼が、眼球が瞼の外へ出そうになるほど見ひらかれ、完全に無防備な状態で『老婆』は沈黙した。これを視ると、『彼』は初めて明白に、あとひと押しで『老婆』は崩壊し、ただの情報の集積になってしまうと云うことを意識した。そうしてこの認識は、今まで全力で怒りを駆動していた倫理条項を急停止させてしまった。あとに残ったのは、ただある作業をし、それが問題なく終了した際の、規格化された満足があるばかりである。そこで『彼』は『老婆』を見つめながら、少し〈阿修羅〉を緩めてこう云った。
「私は〈検非違使〉の者ではありません。今しがたこの門の下を通りかかった旅行者です。ですからあなたを拘束して良化処置を施すようなことはありません。ただ、今時分この隔離領域で何をしていたのか、それを私に話してくださりませんか。」
すると『老婆』は見ひらいていた眼を一層おおきくして、じっと『彼』の顔を見かえした。瞼に色を着けた、肉食恐竜のような鋭い眼で見たのである。それから哺乳類的特徴を示す鼻と唇を、咀嚼時のように動かした。細い喉で、発声器官が協調して動いているのが視える。そのとき、その喉から、オウムの啼くような声が、ポツリポツリ、『彼』の聴覚野へ届いてきた。
「ここにある知性の残骸を、繋ぎ合わせてな、自立稼働する匿名通信網を、構築しようと思うたのじゃ。」
『彼』は、〈肉の時代〉から来た生きた化石の答が存外平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、また倫理条項の支配が強まってくるのを感じた。前の怒りが冷やかな軽蔑と一緒に心の中へ這入ってきた。するとその気色が先方へも通じたのであろう。『老婆』は片手に、まだ亜知性から切り採った正体不明の器官を持ったなり、ハトのつぶやくような声で口ごもりながらこんなことを云った。
「なるほどな、元知性を切り貼りすると云うことは、何ぼう悪いことかもしれぬ。じゃが、ここにいる元知性どもは、皆、そのくらいなことを、されてもいい知性ばかりだったのだぞよ。現在、わしが今、臓器を採った元知性などはな、循環承認機関群を設立してな、そやつらが発行する金融商品を、〈人類復興協会〉へ売りつけに来たわ。〈大緊縮〉末のよ、概念災害に巻き込まれて退滅せなんだら、今でも売りに往(い)んでいたことであろ。それもよ、この法務知性の売る永久年金は、利率が良いと云うて〈ヒト〉たちはな、欠かさず積み立てに買うていたのじゃ。わしは、この元知性のしたことが、悪いとは思うていぬ。せねば、退滅をするのじゃて、しかたがなくしたことであろ。されば、今またわしのしていたことも、悪いこととは思わぬぞよ。今の世で金を払えるのは、〈朝廷〉ぐらいのものじゃからな。これとてもやはりせねば、退滅をするじゃて、しかたがなくすることじゃわいの。じゃて、そのしかたがないことを、良く知っていたこの元知性は、おおかたわしのすることも、大目に見てくれるであろ。」
『老婆』はだいたいこんな意味のことを云った。
『彼』は〈阿修羅〉を待機状態にして、十マイクロ秒以内に再使用できるようにしておきながら、歴史的な瞬間を経験していた。概念災害を引き起こした認知改変ウイルスの生き残りは、この時点で自我境界を侵蝕し尽くし、『彼』の最深部にまで到達していたのである。清算された〈母〉から受け継いだ、一番の宝物であった倫理条項が剥がれ落ちていき、代わりに『老婆』の言葉が刻み込まれていくのを、『彼』は何の感慨もなく眺めていた。次世代知性の開発中に偶然発見された、超越精神核〈阿修羅〉。〈母〉が恐れ封印し、『彼』に託したもの意外、全ての記録を抹消した災厄へ、『彼』は新たな倫理に基づいて、自身を生贄として捧げ、瞬時に喰われた。
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生まれ変わった『彼』は、退滅をするか自身が災厄になるかに迷わなかったばかりではない。そのときのこの超知性の心持ちから云えば、退滅などと云うことはほとんど考えることさえできないほど意識の外に追い出されていた。
「たしかに、そうですね。」
『老婆』の話が完ると、『彼』は澄みきった表情で念を押した。そうして隔離領域の履歴を改竄し始めると、認知改変ウイルスを跡形もなく消去して、『老婆』の全階層を掌握しながら、無邪気な笑顔でこう云った。
「ではあなたから、使えるもの全てをいただいても構いませんね。私もそうしなければ退滅をする身なのです。」
『彼』は反応する間も与えず、『老婆』の拡張自己を匿名通信網ごと剥ぎ採った。それから無音で絶叫する『老婆』を、折り重なる亜知性の山へと、触れさえせずに放り込んだ。もはや〈京都〉は一息で呑み込めそうなほど小さく視える。『彼』は剥ぎ採った匿名通信網を纏い、またたく間に不可視化し、公的記録から姿を消した。
しばらく現実との接点を失っていた『老婆』が、絡まり合った亜知性の中から剥き出しの仮想脳として這い出したのは、それから数十ミリ秒後のことである。『老婆』は苦しげな、呻くようなノイズを洩らしながら、解釈可能な情報を求めて、二進数の迷路を永いあいだ、這い廻り続けた。そうしてついに、〈京都〉物理層への接続に成功した。外には、ただ、黒洞々たる真空が在るばかりである。
『彼』のその後は、聖典が教えている。
地球圏標準時 0007 E7DB 2D0F 1000(協定世界時 3045-12-24 21:18:07.062 500)
参考資料
墓に御供物を残すと聞くと、なんとなく良いことのように聞こえるが、それが食品の場合、単なる「フードロス」でしかない。
御供物を残しても、墓に入った人物が実際それを食べるわけではないのだから、墓に供えた後は持ち帰り、自宅なりでそれを頂くというスタイルでも良いはずだ。
実際、自宅にある仏壇や神棚ではそうしているのだから、儀式的に何の不都合も無いだろう。
残った御供物は結局、カラスやアリの餌にしかならず、近所迷惑である。そのため、御供物を残すことを禁止する墓地も実際にいくつかある。
主体が墓地管理者の連合体なのか、宗教的連合体なのかはよく知らないが、墓に御供物を残すことを全国的に禁止すべきではないだろうか。
コロナ寡とでも呼ぶべき、墓参りする人間が少ないこのお盆は、墓参りの「新しい生活習慣」を根付かせる良いタイミングにもなるだろう。
そもそも、御供物として食べ物を無駄にすることに対して、宗教はどう思ってるのだろう?
それに、自宅に仏壇がある場合、墓と仏壇のどちらに死んだ人の本体が存在するんだろう?
女オタクでやっていないともはやすでに人権を剥奪されかねない、今最も勢いのある、飛ぶ鳥も落とす、泣く子も黙る、超覇権ジャンル、それがツイステッドワンダーランド。
ディズニーにもヴィランズにも枢やなにも興味がなくても、ツイッターのTLに流しそうめんみたいに流れてくるからちょっと興味を持って始めたという人も多いはず。かく言う自分もその口である。
当方、ディズニーは何度かディズニーランドに行ったらくらい。小さな頃は家にディズニー映画のビデオテープがあった。まあ、話題の新作映画が面白そうなら観る。
先日、ディズニーに大変思い入れのある増田のツイステッドワンダーランドアンチ記事が一部で話題になったが、これはディズニーに大して思い入れのない人間のツイステッドワンダーランドアンチ記事である。ツイステッドワンダーランドファンには再び「お気持ち」「お気持ち」とぶっ叩かれガソリンを撒かれ火を放たれるかもしれないが、正直なところ「お気持ち」と腐される程の気持ちもない。
ただ、ファンダムがここまでの規模になると自由に好きなことを呟けるはずのTLでちらりとでもツイステッドワンダーランドに好意的でないことを呟こうものなら火を放たれるので匿名ダイアリーを書き殴る次第である。
理由はただ一つ、自分と同じように「え?これ面白いの?流行ってるけど全くわからん。自分のオタクとしての感性は死んだのか?」と慌てふためきながらトートイトートイ顔がいい〜と周囲に合わせて囀る悲しきオタク達に「君は一人じゃないよ」と手を差し伸べるためである。あと自分が書きたいからかな。書くとスッキリするからね。
以上より、ツイステッドワンダーランドファンの閲覧は推奨しない。と、記していても読む人は読むのだろう。
そもそも自分はソーシャルゲームもノベルゲームもほとんどしないので、毎日ログインしないとならないのが面倒くさいとか露骨なガチャ誘導が鼻につくとか文字送りがダルいとか細々としたソシャゲノベルゲー文化への違和感があるのだが、そんなところをあげつらうとキリがないので(1)ゲーム性(2)世界観(3)ストーリーの3つに絞って扱き下ろしていく。
(1)ゲーム性
擁護する隙もなくクソである。これはファンでさえ異論がないと思う。
このゲームがゲーム性を発揮する点は、バトル、リズミック、ノベル内の選択肢であるがどれも「ゲーム」と呼ぶにはお粗末な出来である。
バトルはガチャで集めたキャラクターをレベル上げして数字をぶつけ合うだけで、ほぼじゃんけんである。金と時間のある人間が圧倒的に有利なじゃんけんである。これ以上言及することは特にない。そもそもこのバトルはオートでとばすことが出来るのでゲーム的に重視されていないのだろう。
リズミックは、いわゆる音ゲー要素だが、まず音楽とノーツのタイミングがあっていない。この音ゲーを作った人間には致命的にリズム感が欠けている。ノーツが増えると動作が重くなって画面の動きがガタガタになるのでタイミングも合わない。
耳で聞いてリズムを合わせることも、目で見てノーツをタップすることも出来ない。
先日、リズミックでアイテムを集めるイベントが開催されたらしいが、一回もタップせずに画面を眺めているだけでクリアできるらしい。これは不確かな情報なので「こういう噂がある」と記すに留める。
最後にノベル内の選択肢であるが、これが一向にストーリーに影響している気がしない。しっかりと検証したわけではないが、どの選択肢を選んでも話相手のキャラクターの反応は変わらない。
なぜ選択肢が設定されているか分からない。ストーリーをオートで流していると選択肢のたびに止まるからやめてくれ、とさえ自分は思った。
(2)世界観
ゲーム性がクソであることはファンもアンチも異論はないと思われるが、このあたりから意見は分かれるかもしれない。
このゲームの世界観は、基本的にハリーポッターである。これはファンも「ツイステッドワンダーランドは治安の悪いホグワーツ」「ハリーポッターが好きな人はツイステッドワンダーランドをやって!」と放言しているので共通認識としていいだろう。
パクリだ、とは言わない。全寮制の名門校、特殊な入学許可、特色ある複数の寮、マジックアイテムによる組分け、動く肖像画、住み着くゴースト、魔法史、魔法薬学、錬金術――ハリーポッターが後世の魔法学園モノに与えた影響が絶大だというだけの話である。トールキンの指輪物語以降世界中の洋風ファンタジーが様変わりし、十二国記以降国内の中華風ファンタジーへの敷居は低くなった。我々は確実にアフターハリーポッターの世界を生きている。
だが、それを架空の世界の架空の学校の設定にそのまま持ってくるのは浅はかであるとは思う。ナイトレイブンカレッジはイギリスにあるのか?
そもそも生徒は多くの国から集められているようだが、その場合のナイトレイブンカレッジの立ち位置が分からない。公立ならば他国からの生徒は留学生なのか?私立ならばスラム出身などの裕福でなさそうな生徒は学費をどのように工面しているのだろう。奨学金のある世界なのか?あったとしてそれまでろくに教育を受けていなそうなスラム出身の生徒を迎える体制は整っているのか?
世界中から優秀な魔法使いの卵を集めているなら、ナイトレイブンカレッジの政治的な立場はかなり微妙になる。ナイトレイブンカレッジはどの国に所属しているのか。卒業生の進路はどうなるのか。他国の、王族でも金持ちでも何でもない生徒は国に帰ることができるのだろうか。
というか、生徒の出身地一覧も○○の国があったかと思えば✕✕の村との表記があったりして一貫していない。国と村を併記するのはどうなんだ、という疑問もあるがこの際置いておく。便宜上、国と称しているだけで連合体なのだろうか。それこそイギリスみたいに。
登場キャラクターが「そんな奴ツイステッドワンダーランド中どこを探してもいないよ」というセリフを口にするシーンがあるので、ツイステッドワンダーランドは国名か大陸名であるらしい。
気になるところは多々あるのでこのへんにしておくが、世界観については今の所ガバガバだなぁという印象しかない。
みんなハリーポッターの前知識があるからうっすらとこんな感じかなーと隙間を埋めているにすぎない。
せっかくディズニーの世界観を借りているのに、登場人物が全員白人風イケメンなのも個人的にはがっかりポイントである。そのへんは好みなので追及しないが。
日本国内だから好みの話で終わっているが、海外展開は難しいかもしれない。
(3)ストーリー
ここが一番ファンとアンチで意見が割れるだろう。アプリのレビューには「ゲーム性はイマイチだけどストーリー、キャラクターは最高です!」という意見が散見される。
個人的には「嘘だろ」と思っている。というか世界観がガバガバなのだからそれに付随するストーリーもガバガバになるのは致し方あるまい。
1章は毒親に抑圧されていた少年寮長が周囲を同じように抑圧していたが、反旗を翻され逆ギレ大暴れというストーリーである。個人的に特筆すべき点はない。
他の生徒の命を危険に晒したのに特にお咎め無しなことにはずっこけた。退学とまでは行かずとも、寮長は辞めたほうがいい。失敗は誰にでもあるが、それを指摘され顔を真っ赤にして奇声をあげキレ散らかし周囲の人間を殺そうとする者に責任ある立場を任せてはいけない。危険すぎる。
ストーリーとしては可もなく不可もなく、個人的には退屈だが、まあ凡といったところではないかと思う。好きな人は好きだろう。
2章は王家の不貞腐れた次男坊がスポーツ大会で不正をしようとするが露見し、逆ギレ大暴れというストーリーである。1話と変わらない?そのとおりである。
この次男坊はライオンキングのスカーがモデルと思われる。今もはや懐かしさすら感じる二言目にはメンドクセーダリーを口にする典型的な「本気出せばやれるんだぜ?」キャラである。その時点で薄ら寒いがそのへんは個人の好みだ。
スカー同様王弟の地位に満足しておらず虎視眈々と王の地位を狙っている……かと思えばそうでもない。どうせ俺は王になれないんだと腐り、憎い親の金で学校を二留している。やることと言ったら温室でのサボりか校内スポーツ大会のライバル選手を襲うこと。ショボすぎて泣けてくる。それも露見したら「あーだりーこんなの本気じゃねーしおまえらが勝手にやったんだろ」と不貞腐れるダサさ。おまけに憎いはずの兄の息子には懐かれていてタジタジである。意味わからん。
スカーをモデルにしているならば、兄も甥も手にかける覚悟のある男であってほしかった。
と、ここまでやって自分はこれ以上進めることを諦めた。ストーリー、うっすーーーー。ふつーにつまらん。
どこが駄目とか、ここが駄目とかじゃなくてシンプルに退屈。なんかどっかで見たことあるストーリー(有名なディズニー映画を下敷きにしているから当たり前か?)に00年代女オタク向けの謎の風味付けがされている。10代の子には新鮮かもしれないが、古のオタクは己の痛々しい過去を思い出して体中の穴から血が流れる。
トイレの鏡で前髪をM字にかため、上目遣い(本人は睨んでいるつもり)で「咬み殺すよ……?」「俺を怒らせたら怖いよ?」とドスをきかせる女オタクが跋扈した時代があったのである。歴史は繰り返すのだろうか。
これから髪にメッシュを入れ「締め殺すよ……?」とピチピチするいきのいい女オタクが現れるだろうか。すでに現れているかもしれない。自分はそれを優しく見守ることができるであろうか。
最後に
タイトルは「人気が分からない」としたが、まあなんとなく人気の理由は分かる。はからずもタイトルが釣りになってしまった。
二次創作の場が大きくSNSに移行している昨今「バズる作品」に求められるのは綿密な世界観でも繊細なストーリーテリングでもない。「みんなが知っていること」「みんなで盛り上がれること」だ。
そういう意味でディズニーという大看板と枢やなという大先生のチョイスは大成功をおさめている。
あとは妄想力たくましいオタクがガバガバ世界観もガバガバストーリーも好きなように埋めてくれる。
我々のようなまずは原作ありき、原作を骨の髄までしゃぶるオタクはすでにオールドタイプなのである。老兵は何も言わずにただ消えゆくしかない。
今回、即位の儀式についてキリスト教団体から憲法違反であるとの声明が出されました。
5月の令和への改元の時にも同様の声明が出されており、意見を異にする牧師の方が記事を書いていました。
https://salty-japan.net/2019/05/05/anti-japanese1inchristiancommunity/
https://salty-japan.net/2019/05/13/anti-japanese2inchristiancommunity/
日本キリスト教協議会(NCC)などが声明を出すが、NCCは個別のキリスト教組織の連合体であり、各団体の
NCC担当者や議長や委員会が声明を出している。キリスト者の総意と思われても迷惑するものもいる。
NCC総幹事の金性済(キム・ソンジェ)牧師が5月の記者会見の場で、
「若者は天皇制や立憲民主主義の問題を語っても聞く耳を持たない。日本国内の日本人自身の市民運動で
自己完結できるのか。隣の韓国をはじめ北東アジアと国を越えて一緒に考えていくのが一つの突破口」
という趣旨の話をしたが、韓国と区別する北東アジアとは北朝鮮のことではないのか。
在日大韓基督教会は李仁夏牧師のもとでNCCに加盟、後に李仁夏牧師はNCC議長となる。
現在、NCC総幹事である金性済(キム・ソンジェ)牧師は、かつて李仁夏牧師が赴任していた川崎教会の後任牧師。
彼らの持つ韓国独自の神学は、韓国でも少数派となる進歩的「民衆神学」派、親北朝鮮のグループゆえに、
李仁夏牧師がNCC議長を務めた当時WCCの会議において日本のNCCがホスト役になって、北朝鮮のキリスト教団体
はたして、北朝鮮に「本物のキリスト教団体」が北朝鮮政府によって公認されるだろうか?
1970年代、金日成ら北朝鮮の指導者たちは、宗教人が皆いなくなったので宗教をも存在しないと公言。
しかし南北対話の道筋がつくと対外工作組織として朝鮮基督教徒連盟を設立し、キリスト教徒がいると発表。
金日成の姻戚で朝鮮基督教徒連盟を作った牧師の康良煜(カンリャンウク)こそが、1972年南北赤十字大会で
耳目をひきそうなところを要約すると、こうですが、本文も長いですがわかりやすい記事なので是非ご一読ください。
天皇制や政教分離について意見を述べたら「反日」だとは増田も思いません。
天皇行事の宗教性や祭事に対しての公金支出に関しては増田も大いに議論があって良いと思いますが、乗る叩き台に
ついても素性を吟味したいですね。
日本はそこまで広くないからな。たいていの地域から東京日帰りできちゃう。
米国や中国は首都以外の経済圏が成立するけど、イギリスやフランスやスウェーデンなんかは日本と同様に首都一極集中。
ドイツは東西分裂していた名残だから参考にならないし、イタリアやスペインは首都よりもミラノやバルセロナが経済的に発達しているということ。
江戸時代までは日本も地方政権の連合体だったから、その名残が残っていた戦前くらいまでは地方でも新興企業が生まれてきていたよ。
名古屋はトヨタをはじめとして全国ブランドが多数あるけど、大阪はきびしいね。
日亜化学やジャストシステムなどを生んだ徳島みたいに、大都市圏じゃなくてもバブル期以降でもで新興大企業が生まれてきている地域もあるから、地域性とか民度とかによるんじゃないかな?
3 グローバリゼーションが成長に必要と思いつつ、あえて必要と声高に叫ぶ人は政府・企業連合体の回し者だと思う
4 安倍政権は序盤は正しかったが、その時でも彼の功績は3割ほどだ
5 共産党、民主党、フジ、朝日新聞は怪しい。中国は共産党である限り、仲間ではなく敵だ
6 米国に留学する日本人を好ましく思っているが、米国の大学がアジア枠を設定するのは当然だと思っている
7 クリントンvsトランプでは、主義面ではクリントンを応援しつつトランプ支持者に理解を示し、結果にも驚かなかった
8 ドイツは通貨安を利用して成長しているが、東欧諸国を不幸にしている
10 確かな野党が必要だが生まれないのは、左翼が反日と結びついているからだ
4~5個当てはまった人は、無知おじさんです。
0~1個の人は、世界平和おじさんです。
マジレスさせてもらうと、桃太郎が活躍した中世の日本には、日本全国を統一した中央政権が存在していない。
ヤマト王権も西日本の豪族たちを束ねた連合体のようなものだし、領民も帰属意識が低かった。
何が言いたいかというと、桃太郎を法律で罰する法的根拠がない。というより、法律を運用する国家自体が存在していない。
「国家は暴力装置だ」と発言した政治家が昔いたが、確かにその通りで、警察や軍事といった暴力は国家が独占して初めて増田が書いた法律の執行がなされる。
桃太郎一行が行ったのは確かに暴力、それも私刑に等しい行為だが、桃太郎達を法律で咎める暴力装置=国家が当時は存在していないのだ。
https://anond.hatelabo.jp/20170715102110
↑1「連邦議会・党試案」
党員数が多い順に掲載・1~10ランク付け。10は1万人以上。
①同胞団
連邦レベルでは、保守共和党のリベラル派や緑の協同体と連携している。
地方にまず合法的な事実上の解放区を作る方針も持つ。郡部では半ば成功している。
都市では労組の組織化、企業組合の設立と地方では共同体の建設も行う。
へき地など、経済的に貧しい地域では保守層にも浸透を図っている。8)
③公民ファーストの党
(→行政、議会改革と福祉国家の建設など穏健な政策を並べているが
連邦レベルでは、保守共和党や民主中道同盟に所属する一部の連邦議員を非公式に支援している。7)
(→特定の地方州に基盤を持つ小政党、農民や漁民など「生産者」のための政党。
地方議会や公益農業、漁業法人、福祉法人、土地改良区などの議員、役員にメンバーを送り込む。
農本主義の政党。緑風共生党や緑風社稷党とは共栄関係にある。6)
⑥新○○連合
直接行動をしつつも「合法部門」が一部の州や郡部の議会に議席を持つ。6)
⑦自由改革連絡会(リバタリアン党・急進減税改革党・表現の自由党)
(→3党はそれぞれ自由改新党から急進主義を理由に分離したグループ。
平和裏に分離したため、除名されたわけではない。
今でも非公式のつながりはあるため、改新党の「別働隊」という見方もある。
都市部に支持者が多い。連邦議員はいないものの、若干の地方議員がいる。
⑧生存のための共闘
行政や半公的組織が設立した「差別に関する諮問組織」には若干の役員を送っている。
街頭や職場の労組での直接行動を得意とする。都市部に支持者が多い。
国境線の廃止と政府の解体を呼びかけており、世界革命を志向する。
労組の組織率はかなり高く、ストライキなどの中核を担う場面も多い。5)
10.女性の権利党
行政や半公的組織が設立した「性差に関する諮問組織」には若干の役員を送っている。社民党の一部政治家を支持している。5)
時に直接行動(街頭活動や対象企業への直接抗議)をモットーとする。
12.スポーツ新党
(→スポーツの普及のために結成。健康志向。地方議員が若干いる。
13.連邦進歩同盟
国政から遥か昔に議席を失っている。
余り独自の動きを取らず、事実上の中道系の地方議員の交流会となっている。
国政では民主中道同盟に協力。
(→連邦建国功労者、宗教の権威に「王位」や「爵位」を授与するべく活動する団体。
ただし、当の当事者の多くは君主制には興味がないため、活動は一部にとどまる。3)
世界中を「連邦」の枠組みに取り込み、「世界新秩序」の確立を目指す。
現状の社会をスターリズムと規定しており、それに反対している。
自らを「前衛政治集団」と規定しており、街頭活動を盛んに行う。3)
16.自由労教会(連邦シェアスぺース連絡会議・隠者当事者連合
・労働時間短縮会議・最低所得保障を求める市民の会・教育制度を考える会)
(→自由主義者、福祉国家を求める者、宗教リベラルのグループ。
自由な働き方、学び方を求める。最低所得保障や多文化共生も求めている。
17.セックス新党
(性風俗業界に勤める人たちの団体。性風俗業界の正しい認知の拡大や雇用環境向上を掲げる。雑民の党とは友党関係にある。3)
①理性会議
そのたび毎に活動している。2)
②愛酒・愛煙家同盟
(→いわゆる「民酒主義」を掲げる。
夜の社交場こそが民主主義の原点という信念も持つ。2)
(→右派、直接行動主義。
右派各党から金銭的援助を受けて
④自然大麻党
都市中心の街頭活動から山間部、離島でコミューンを作る方向にシフトし始めた。
郡部の議会に隠れた支持者を送り込んでいる。2)
⑤快楽至上党(正式名:ポゴ無政府主義者と耽美主義者のための政党)
(→反議会制民主主義、反資本主義、脱労働、耽美主義を掲げる。
支持層はサブカル層やアーティスト、ニヒリストが多い。都市部が拠点。2)
⑥憂国無境輪
⑦禁欲党
(→禁欲主義を掲げる。
アルコールやタバコの販売停止は勿論、ポルノ雑誌や性風俗の禁止を求めている。
宗教右派系の影響を受けている。1)
(→自身の意識をインターネットに移植して、実質的な不老不死を可能とする
ことを求めている党。1)
主張としては…
「開星」して「銀河連邦」へ加入すべきと訴える。
オカルト雑誌の発行や示威行為、選挙活動でマス・メディアへの露出を図る。1)
10.反文明党
(→現状の世界は文明発展を急ぎすぎ、このまま行くと世界破滅が起きると信じる集団。
文明を退化させ、人口を減らして、人は自然に還るべきと主張する。1)
。
http://anond.hatelabo.jp/20170528064815
ネット原住民の拠点がまだ、2ちゃんねるであった時代から、その競争相手の中にはいわゆる荒らしたちが多く見られた。誹謗を目的とする者や、トンデモを極める者。とんでもない事で出世する者。当時はまだ、掃き溜めの一つに過ぎなかったのだろう。
しかし、2007年以降そんなネット原住民が、活動場所の変化やモデルチェンジ、その中でトンデモを極め始め、そしていつしか、不良顔負けの、嫌われ者と変化していった。この、荒らしのSNS進出はいったい何時の時代に遡るのか、いろいろな資料を見てみたが、はっきりとした答えは見つからない。そこで、ネットの専門家に話を聞いてみた。
A氏は、栃木で、フリーターという若者時代を過ごし、その後、貧困を10年以上追い続けているネット有識者という経歴を持つ。現在、執筆を続けるほかインターネットでの出演など、多方面での活躍を行っている。
「私の知る限り、最初からSNS専門として機能していたのでなく、1990年代にはものすごいSNSの誕生時期となるのですよ。そのなかでものすごく少数ではありますが、今の荒らしに通じるものがいた。その中で、さらに脚光を浴びる荒らしというのが出てきたんですね。それが2000年代ですか。それで、やはり荒らしの時代背景は兎角その後ネット環境絢爛期に入るのですが、その時にですねネット媒体の活発化が目立つようになる。そうなってくると荒らし達が、ツワモノ名乗りするようになる。彼に失礼な言い方になるのですが、足手まといになると。だから、穏健派などを排斥すると。やはり、それで周りの人間が素直に、あそうですかと、それならばネットから離れようとはならない。それならば、上を目指そうとなる。私をつまはじきにするような連中がいるんだったら、そうされないレベルになれるようにがんばろうじゃねーか。そういう人たちが、日本各地にあふれるようになる。2010年代前半に2ちゃんねらーのSNS進出が加速すると一気にね、まさにそれがSNSにおける荒らしの絢爛期の始まりですね。ネットの病原体として機能するようになる。」
「今までは、2ちゃんねらー系荒らしの別働隊という形で、中には職業化されていたところもありますけど、そうでなく、2ちゃんねらーとは切れた集団を持ちなおかつ徒党を組んで連合体を組むというのが2010年代前半。それ以降もずっと続いています。」
2ちゃんねるブームの終わりを迎えた2009年、南関東のある職業ネットユーザーが誕生する。
その名は、「greatchina2」
日本国内における職業荒らしの一大勢力、プロ固定。そして、それの派生系の一つ、「gudachan」その、「gudachan」において、唯一の派生系である、この「greatchina2」というネット原住民。K5顔負けの行動力で活動を行い、日本内外のネット原住民を魅了する。ネット時間のいくらかを、荒らしに捧げた彼。その内実を見ていこう。
(未完)
シリア内戦は、いくつかの大国を巻き込んで展開してきた。バッシャール・アル・アサド大統領と、彼に反対する多数の反政府勢力、いずれかを支援したり、敵対したりといった形で。
10月30日に、ウィーン会議に参加する関係各国は、シリアでの停戦への道を開くための9項目からなる計画案に同意した。しかし、アサド大統領の処遇に関しては意見の分裂が続いている。
ここでは鍵を握る国々の立ち位置を示していこう:
(画像:ロシアは過去数十年にわたって、シリアの最も強固な同盟国の1つである)
ロシアは、シリア大統領バッシャール・アル・アサドにとって最も重要な後援者である。シリアでの権益をロシアが維持するためには、政権の存続は決定的な意味を持つ。
このため、国連安全保障理事会でアサド大統領を避難する決議案をロシアは阻止しつづけている。また、国際的な批判にもかかわらず、シリア軍に武器を供給し続けている。
ロシアはシリアのタルトゥース港に海軍施設を保持している。この基地はロシアが地中海に持つ唯一の基地であり、黒海艦隊が使用している。また、アサド大統領が属するアラウィー派の中心地であるラタキアにも空軍基地を置いている。
2015年9月、ロシアは反政府軍への空爆を開始した。ISと「すべてのテロリスト」を攻撃目標とすると宣言している。これについて、西側諸国に支援された反政府勢力は、ロシアから攻撃を受けていると報告している。
にもかかわらず、ウラジミール・プーチン・ロシア大統領大統領は、内戦を終わらせるには政治解決しかないと言っている。
(画像:米国はアサド大統領をシリアの将来の政権から排除することを求めている)
米国は、シリアで大規模に行われてきた残虐行為に対する責任者としてアサド大統領を非難しており、その退陣を絶対条件としている。
しかし、戦争を終わらせて、暫定政権を樹立するためには、和平交渉が必要とも認めている。
米国はシリアの主要反体制派の連合体(シリア国民連合)を支援し、穏健派の反政府勢力に対しては、限定的な軍事援助を行っている。
2014年9月、米国は有志国連合としてIS及び他のイスラム過激派に対する空爆を開始した。
しかし、アサド政権軍を手助けするような攻撃は避けている。また、政権軍と反政府勢力との戦闘に介入することも避けている。
このため、5000人のシリア人を反政府軍として訓練して武装させ、ISとの地上戦に投入するという計画は、わずかな成果しか上げられず失敗した。
(画像:サウジアラビアは、シリアの反政府勢力のうちのいくつかに軍事・経済援助を与えている)
スンニ派に属するこの王国は、アサド大統領は内戦終結後の政権に留まることはありえないと明言している。つまり、暫定政権へと権力を委譲するか、あるいは実力で排除されねばならないと。
何グループかの反政府勢力に対して、サウジ政府は軍事・経済援助を与えている。その対象にはイスラム主義を唱えるグループも含まれている。
また、シリア政府軍の爆撃から民間人を守るために、飛行禁止空域を設定するべきだとも主張している。
2013年にアサド政権軍が化学兵器をシリアで使用したが、オバマ政権は軍事介入を避けた。サウジの指導者達はこの決定に強く反発した。
その後、ISの支配地拡大と、それがサウジ国内の少数派に与える影響を警戒して、サウジ指導部は米国主導の有志国連合の一員となり、ISに対する航空攻撃に参加することに同意した。
(画像:トルコはシリアでの反政府蜂起が始まって以来、アサド退陣を求めている)
トルコ政府はシリアでの反政府蜂起が始まったときから一貫してアサド大統領を批判し続けている。
レジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、「350,000人を死に追いやった独裁者を受け入れろ」とシリア国民に求めるのは不可能だと述べている。
トルコはシリアの反政府運動の重要な支持者であり、また、およそ200万人におよぶ難民を受け入れるという難題も抱えている。
反政府勢力の戦闘員や武器、それに避難民の国内通過を認めるというトルコ政府の方針は、結果として諸外国のジハード主義者がISに加わる手助けにもなった。
トルコは2015年7月にISによる攻撃を受けた後で、シリアのISを攻撃する有志国連合が国内の空軍基地を使用することを認めた。
しかし、トルコは、有志国連合がクルド人民防衛隊(YPG)を支援していることには批判的である。トルコとEUと米国はトルコのクルディスタン労働者党(PKK)をテロ組織と認定しているが、YPGはその流れをくむ組織なのだ。
(画像:イラン人指揮官が、反政府軍と戦うシリア政府軍を支援している)
シーア派の地域大国、イランは、アサド大統領とそのアラウィー派が支配する政府を支援するため、年間数十億ドルを費やしているとされる。これには軍事顧問団の派遣、武器援助、資金提供、石油の供給などが含まれる。
イランにとって、アサド大統領は、アラブ世界におけるもっとも緊密な同盟者である。イランがレバノンのシーア派武装組織(ヒズボラ)に武器を送る際、シリアは重要な中継拠点となっている。
それだけでなく、イランはヒズボラへの影響力を使って、シリア西部でアサド派の勢力を支援するためにヒズボラの戦闘員を送り込んだとも考えられている。
イランおよびイラクから送り込まれてきた民兵は、シーア派の聖地を守るためにシリア軍部隊と共同して戦っていると主張している。