はてなキーワード: 野良とは
とはいっても、ゲロビ実装辺りで糞マッチングに嫌気がさして退役したんだけどね。今見たら5年ぐらい前でやんの。なお、最終的には4キャラ集めて指揮ポイント1.5万、メーンは8000位、1万Pクラブには入ってないぐらいの糞雑魚ナメクジでした。
ついでにガンオン自体についていうと、極初期を除いて、専門の指揮担当プレーヤーは必須ではなくなりました。
普通のプレーヤーをしながら、指揮官の役目をこなせるプレイングマネージャー的な運用が一般的です。まあ軍師様ムーブにはあんま関係ないけどね。
課金ガチャを回さない糞雑魚ナメクジ。最終的なメーン機体は無料配布のジョニーライデンザクでした。連隊に入る気も腕もなかった。なお、歩兵としては肝心のKD比やや負け越し。PCスペックと後衛ばっかりやるから・・・。主戦場はジオン佐官。連ポークでは中将止まりだったよ。
なんだかんだ言っても統制がないと、指揮には従わないんすよ。高々ゲームで20分、待機入れると30分。その間楽しめればいいんで、そりゃ勝つに越したことはないけどそれが第1じゃないんですよ。命かかっているわけでもなし。
なんなら、勝たない方が個人的利得に繋がる奴も結構いる。いや、敵のスパイとかじゃなくても、個人利得が利敵になることは結構ある(無論害悪を垂れ流したいだけのキッズも多いが)。俺も時に階級を上げないようにふるまう時とかあるわけでさ、でもそれはお互い様じゃね?
逆説的にプロ軍人の集まり(連隊と呼称されて忌み嫌われていた)は、ハブる晒す包丁D格という制裁手段があるから統一行動が取れるのね。命がけのプロ軍人様wと遊びの衆じゃ違うんですよ。
どっちにあたるにしろ、のこのこ出てきていきなり軍師様ズラしてごらんなさい、ようやくできた陶片追放制度が秒で発動、サヨウナラですわ。なお、キック受けるとペナルティがあります。そして扇動者が逆キックされることはあまりない。一方的に軍師様には不利ですはい。
その中で統制を取る≒一時的な信用を買うにはいくつか手があるわけです。例えば泣き売は典型で「練習中でーす」とかいうと気のいいジオン兵はコロッと騙される。でもそれで通るのは数回だからな覚えとけ。
あと、根拠不明の居丈高は面白いぐらい民心が離れる。敬語じゃなくていいし、なんなら草生やすぐらいでいいから、頭ごなしの命令じゃなくてお願いベースに見えるように言え。いいか、俺たちは遊びに来てるんだぞ
となると、取れる手は限られる。
おとなしく金出して連隊兵にでもなって声出しでもしてればそのうち回ってくるんじゃね。知らんけど。どっちにしろ今からじゃ参入障壁高いんじゃね?
マッチングがどんどん糞化していって、連隊兵でないとろくろく勝てなくなっちゃった。時間もピークタイムよりだいぶずれてたから過疎が直撃したんですわ。
おまけに、システム改編で、途中までプレイングマネージャーしておいて、最後にするっと指揮官に滑り込んで勝利ポイントを拾う、という技が使えなくなった。粗方勝利数をこれで稼いでたので、無くなっちゃうと困るのよ。
モンハンだろうとPC版って時点で日本人人口少ないから諦めなさい
Steamグループは受け身のやつが90割だからマルチしたいなら自分で開催しなさい。それでも見てないやつの方が多数だと思うが
どうしてもマルチしたいなら基本無料系のゲームのコミュニティに参加するのが一番手っ取り早い。有料のゲームでPC版でマルチっていうのはなかなか難しい
まずマルチできるぐらい有名なゲームは大体CS機にも移植されるので、非常にCS機の立場が強い日本ではどうしてもPC版人口は少なくなる
そして少ないPC版人口からアタリを引こうとするとソシャゲも真っ青の確率になるので、先に良さげなコミュニティを見つけておいてそこで布教するのが一番手っ取り早い
俺の経験談としてはアイボー発売直後にツイッターでマルチの募集かけてみたけど、誰も手を挙げてくれなかった。何故かいいねは30ぐらい付いてたが
それと俺はDiscordメインでVCもやるんだけど、Discordでゲームやってるやつらの4割ぐらいはまともにコミュニケーション取る気がないと思ってる
俺はどっちかっていうと一人でベラベラ喋るタイプなんだけど、質問しても返事ないし一人で喋ってても全然話に乗ってこないから
実は俺のマイクがオフになってるんじゃねえかと心配になることが結構ある
それと自分語りが長いやつ、いやに自虐癖があるやつ、すぐ怒るやつ、勝手に怒って勝手に凹むやつ、野良に向かって暴言吐くやつ
この辺を引くとハズレ引いたなって思う。あいつらは会話のキャッチボールじゃなくて、壁に向かってボールぶつけてるんじゃねえかと思う
それとマイクのボリュームなのか、声量の問題なのか分からないけど、声が異常に聞こえづらい奴らも割とハズレ枠としてよく出てくる
https://anond.hatelabo.jp/20210118163826
この記事を読んだ。
そもそもの話、それはCoCがやりたいんじゃなくて「みんなでつくりあげる おれたちのエモエモなさいきょうのものがたり」がやりたいんだと思うよ。たまたま始めたのがCoCだっただけで。
でも重要な場面でダイスを振りたくない、ってそれは進行をダイスにまかせるTRPGにおいて絶対に言っちゃいけないでしょ。なら極論、CoCやるな。
逆に聞くけど、ファンぶったのが自分じゃなくて他のPLなら責めたの?お前何してんだ、全部無駄にしやがってってそのPLに言うの?
やらかした時のアレな雰囲気っていうのはなんとなくわかるけど、99%で技能を取得しても1%の確率で失敗するんだよ、確率に任せるゲームなんだからその結果でうだうだ言うのは間違ってるでしょ。
あとシナリオをシナリオたらしめたいなら〜っていうけど、本当に作者がそのシナリオを完璧に、全員生還ハッピーエンドで遊んでほしいならそんな最後のオチみたいなギミック入れないよ。
野良参加なのか身内卓なのかはわからないけど(読み落としてたらごめん)、参加する前に注意書きなり、ロストするかもよ、っていう告知はあったはず。トラブル防止にそのへんちゃんと書くGM多いし。
つまり回すGMも、集まったPLもそういう失敗、ロストの可能性を了承した上で、プレイしてるんだからそこで負の感情を向けるのは間違ってる。
ていうか、あなたかファンブルしたあとに75%の可能性を外したのは誰だよっていう。その人を責めるわけではなく、あなたが振ったんならまあ落ち込むのもわかるけど、そこでGMが振ったとか、最後に振ったPCが外したとかなら別に気に病む必要なくない?そのところ読み取れなかったんだけどどうなんだろう。
見た感じシナリオもGMの自作じゃなくて配布っぽいし、GMもなるたけ事故の可能性を下げるためにその技能を高い数値で取ってね、って推奨してたんでしょ?で、あなたもちゃんとその技能を高数値で取ってる。なら、誰も責められないし、自分を過剰に責める必要もない。
でもダイス運が悪くて「私や周囲のPLの不幸を望んでるんだ!死にたい!」くらいの気持ちになるならそういう山場や起伏のあるシナリオ自体やらないほうがいい。っていう話になる。
ダイス運が悪いのが嫌っていうのはわかるけどこれは所詮ゲーム。それでリアルのメンタルまで追い詰められるならちょっと離れたほうがいい。
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この記事だけじゃないけど、よくロストに文句を言ってる人って、募集時点でどこかでロストや失敗する可能性をわかった上でそのシナリオに参加しているんじゃないの?それならロストしないシナリオに参加したらいいのに、なんで結果に文句を言うのかがわからない。
実際ロストしないシナリオだってpixivなりシナリオ集なりに溢れてるわけだしさ。
CoCは遊び方が自由なゲーム、遊び方に決まりはないってよく言われるけど、だからと言ってもともとの根幹である「宇宙的恐怖に遭遇して心身ともに危機に晒されるホラーゲーム」というのを崩していいわけではないでしょ。ただ判定の汎用性が高いだけで、正直今流行っているCoCはクトゥルフ神話TRPGの顔をした別ゲーだと思ってる。
まあこれはもともとアメリカのゲームであること、日本ではいわゆるクラシックスタイルと相性が悪い人が多くて、日本で遊びやすいようにされたのが今流行りの情念系しっとりエモエモシナリオTRPGなんだろうけど。
もともとCoCって、基本的には神話生物に出会ったら生きては帰れない(データ的にも即死レベルが多い)けど、でもそこで生きるか死ぬかのギリギリを遊ぶゲームだったものが「継続だから大事にしたいです〜」とか「悲しいからロストしたくないです〜」とかいうPLが増えたせいでいろいろ噛み合わなくなってるだけで、「失敗したくない、死にたくないからダイス振りたくないです><」っていうならじゃあなんでTRPGやってんの?って思う。
それこそストーリーこなして、味方と一緒になってゲームを進めて交流してっていうならオープンワールド系のゲームでいいじゃん(オープンワールド系のゲームがどうってわけではない。好きな人ごめんね)。
あくまでも遊んでるゲームはCoCであるんだから、自分の性癖や好みを掲げて「これは自由なゲームです!だから私のやり方に文句を言われる筋合いはありません!」って叫ぶのは違うでしょ、って。
最近はRP中心のシステムとか、ファンブルの存在がないシステムも出始めたけど、そういう人にそんなシステムを進めると絶対にやりたがらないんだよね。なんでそんなにCoCにこだわるんだろう。ルルブ高いし、その割には情報が多すぎて慣れるまでは探すの面倒だし、わりと今のシステムの中では理不尽な方だと思うんだけど。
最近多いHOシステムも、指定された秘密に対して「今回は継続で参加するのでこのキャラはそんなことしない!この秘密は嫌だ!」みたいなトラブル見たことあるし。
まあ、私はそう思わないってだけで、遊ぶ人がこのゲームの遊び方は自由だと言うのは別に構わない。でも、それは自分の思い通りになるわけではないし、思い通りにしようとしてはいけないっていうの、なんでわからないんだろう。
ていうかTRPGが自由なゲームって、結構そんなことなくない?って思うんだけど、わりとみんな自由なゲームだ!って思ってるんだろうか。
Androidのプレイストアを漁るのが趣味と言っても過言ではない。
そんな俺が厳選して入れてるアプリを紹介する。
セキュリティとか考えずに数百入れては消してを繰り返しているので、隠れた神アプリもあると思うので、見てみて欲しい。
まずはスペック
35歳会社員底辺月小遣い4桁円、嫁あり子なし結婚2年目、レス1年半。
Ymobile Android one x4SH Android10
容量 1.8GHz 32GB / メモリ3GB
adguard
神。野良。定番広告ブロックアプリ。安いときに永久会員になった。これがないと安心してオカズサーフィンできない。
でもアプリごとの設定をうまくしないと支障が出る。広告前提のアプリやゲームは外したり。一周回って要らないのかもしれない。
神。AntiVirusは一通り使って見たけど名前が知れてて無駄な掃除機能とかなくて電池消費やメモリ消費が少なかったのはコレ。安心
App volume control
神。1つ1つのアプリ起動時、終了時で音量調整してくれるアプリ。動画や音楽とか爆音にしても元に戻るので安心。何故か電池消費はない。(何故か教えてエロい人)プロ版買ったけど買わなくてもアプリ5つまで設定可能なので十分だった。
いいね。GoogleReaderから移行してずっと使ってる。もう少しスタイリッシュにならないものかと思うが…
FXplayer
神。シークレットモード搭載の動画アプリ。あんな動画、こんな動画を隠し込める。分かりやすい隠し方なので意味ないと言われたら意味ないかも。更新頻度高い。広告がウザいのがアレだが、adguard があるのでノーダメ。
神。よいしょしてるわけじゃないんだからね!
いいね。入れてない人はいないだろう。軽くならないものかと思うが、わざわざ野良のLINEliteには手を出していない。
いいね。安く物を買える闇フリマアプリ。今でもひまつぶしに見たりする。引越し直後は重宝する。税金とかどうなってるんだろうね…
Murakumo
神。野良。あんな動画、こんな動画をよっこいしょするアプリ。ないと困る。
マジカミ R18版
神。野良。プレイストアではなくDMMから落とすエロゲ。ゲームは色々やったけど結局飽きたり、突然の忙しいプライベートにより辞めてしまう。
エロゲなのでゲームに飽きても続けられるだろうと見込んでる。なにしろエロい。
特筆すべき点はデイリーミッション。大抵のスマホゲームはこれに30分から1時間掛かってしまう。義務感が生まれ時間に追われ辞めるパターンが多い、その点10分あれば終わるのは強い。開発者?運営?分かってるわ。
なろう朗読
神。アニメ化作品やアニメ予定の作品が簡単に聴ける。通勤中、入浴中、イヤホンやスピーカーがあれば余裕。快適。
Playゲーム
悪くない。Google公式標準搭載アプリ。ゴミだと思って開かないでいたけど、中にマインスイーパやソリティアが内蔵されててショートカット追加するとまるでゲームがたくさんあるみたいになる。暇つぶしに悪くない。
悪くない。定番。ラジオが聞ける。これを飛ばした方が車で聞いたときにFMAMより音質がいい。
ワンパンマンびゅあー
悪くない。ONEと村田のワンパンマンが読めるアプリ。暇つぶしに最適。更新頻度が少ないのかONE版の最新話がリンクがない。ブックマークで事足りるので要らないといえば要らないけどあると嬉しい。
良いね。話題作が読める。暇つぶしに最適。コイン集めに広告を流さないと行けないのでadguard はオフ
Niagara Launcher
神。Launcherは色々試したけどシンプルなのが1番。電池消費や使いやすさを考えたらデフォのQuickstepかなと思ってた。
激軽でめちゃくちゃスタイリッシュこれなら変えても良いと思いました。使いやすい。
ベータ版なのでセキュリティとか考える人はやめたほうがいい。プロ版は買ってない。
chooma float live wallpaper
神。自動生成で毎度チェンジしてくれるアプリ。飽き性なので壁紙が毎回同じだと嫌。少し動くのもいい。電池消費が気になる人にはおすすめしない。電池消費は表示がないのでどの程度違うか不明。
同じ作者のchooma live wallpaperもデザイン違くていいよ。
通帳書込だとかキャッシュカードだとか使ってたけどアプリ入れたらこんな快適なのかよ。ってなった。
もう入れてないけど良かったアプリ
ミニ四駆超速グランプリやってるときは入れてた。この手ので1番使いやすかった。
chmate
読んでたときもあった。
ひまつぶクエスト
ジェンダーって概念に関しては、科学で調べてはわからない、ではなく、「文化で規定された(生物的ではない)性差」のことだから、出鱈目ではないぞ。
例えば青が男の色、赤が女の色、というのはジェンダー。なぜわかるかというと、国が変わると変わってしまうからだ。あとよく言われるのはスカートとかね。
ただ、お前の言うことはわかるぞ。
初期のジェンダー概念は確かに文系によって適当に運用されたし、今でも野良ツイフェミはそれに影響されてんだよ。
例えば、女の子がおままごと、男の子がチャンバラをするのは、明らかにジェンダーではない。国が違っても同じだし、生物性役割な説明もつく。でもなんか文化っぽいからジェンダー扱いされがちだよね。
僕はビデオゲームが好きだ。
幼い頃に任天堂64とウェーブレース64を買ってもらったあの日から、僕はビデオゲームに恋をしている。
小学校でいじめられた時、勇気をくれたのはテイルズオブシンフォニアの主人公だった。
中学校でバスケ部の練習がキツくても帰宅後毎日PCでテイルズウィーバーを遊んだ。
大学生の時、アルバイトの給料で買ったゲーミングPCでコールオブデューティとバトルフィールドに熱中した。
社会人になってから多少ゲームをする時間が失われた時期もあったけど、余裕が出来てからはウォッチドックスやディアブロなどを遊んだ。
今でもそうだ。
今、僕は仕事をしていない。仕事をせず実家で毎日ファイナルファンタジー14で遊んでいる。
あの頃の楽しかった思い出を今もまだ引きずっている。
あの頃の仲間はもうとっくに、出世や結婚といった人生の次のステージに進んでいるのに、僕ひとりがまだ中学生の頃の思い出に囚われている。
高難易度コンテンツはギミックの予習とボスに与える最高ダメージを出す練習が必須。
これらをこなした8人をそろえてようやくコンテンツの"練習"へと入る。
多くの人は仲間と固定パーティを組み、毎回同じメンバーで攻略に挑む。
僕も数年前までは固定パーティを組んでいたが、いわゆる固定崩壊を経験してから、高難易度をやるなら野良だと決めた。
野良も険しい道のりであったが、ようやく1層、つまり高難易度1面をクリアした。
僕はこの時もうボロボロだった。
僕にも、その当時「今度結婚しよう」と誓い合った仲の相方がいた。
フラれたのである。
さらに追い討ちをかけるように、当時所属していたFC(ギルド)で問題を起こして自主脱退に追い込まれた。
愛も絆も全て失った僕は獣のように高難易度で戦い続けたが、それも1層で燃え尽きた。
もちろん新しいギルドを探す努力はしたが、その時はもうやっていけないとしか思えなかった。
僕は数千時間と数万円の課金を注ぎ込んだキャラクターをデリートした。
ここまで来て、僕はようやく思った。
何をこんなに必死になっているのだろう。と。
僕はビデオゲームが好きだ。
でも、こんなのは僕が望んだ遊びではない。
お金と時間をかけて、何でストレスをもらわないといけないのか。
あの頃の思い出を追いかけていたMMORPG自体が僕にとってはもう義務でしかなかった。
この感情は恋ではなく義務だったと、そう気づいたとき、FF14から離れようと決意できた。
今の僕には何もない。
FF14でしか人と関わらなかったから、それらを断ち切った僕に残ったものなんて、何もない。
現実の家族との関係は冷え込んでいる。関係を修復する気はない。
僕は大好きだったビデオゲームにここまで追い詰められた。
昨今のインターネットを見ていると、オンラインゲームがきっかけのトラブル、喧嘩、晒しなどは日常茶飯である。
それは、僕が大好きなビデオゲームからは遠く離れた別の何かである。
それでも僕は、ビデオゲームが好きで、また新しいゲームを探している。
僕は、今年30歳になるというのにまだそんな妄言を信じている。
Twitterでお母さん食堂について議論されている中、比較的バズっていて目に留まったツイートを分析した。
切れ切れになっていると分かりづらいので、まとめてから改行は勝手に入れた。
https://twitter.com/Kumiko_meru/status/1343794177570566144
「お母さん食堂」の何がいけないかっていうのは、実は難しいんだよなあ。
まず日本では、和食の料理人は男ばかりであるのに、家庭で料理するのは女ばかりという現状がある。
和食の料理人に男性が多いイメージはあるが、調理士の人数比を見ると100:75であり、給与も男性平均384万円に対し女性平均284万円で*、
実は調理士は比較的男女賃金差の少ない職種である(男性の給与に対する女性の給与比は、全職種0.69に対し調理士0.74)。
「同じことでも女がしたら金を渡さない」というのは明確な嘘。家事が無償なのは男も女も関係ない。
女の人も外で働けばお金を貰えます。男が自宅の畑で野良仕事しても給料は出ません。
家事負担が妻に偏っている問題は、各家庭で話し合って解決してください。
で、「お母さん食堂」だが、これは家庭料理「のような」ものを出す「食堂」をイメージしているのだろう。
無償である「家庭料理」のイメージを「お母さん」=女だけで代表させていることで上記の搾取構造を肯定している、というのがまず1つ。
ここで言う「上記の搾取構造」とは、「女性が料理をしてもお金を渡さない」ということを指しているのだとしたら、それは上述の通り明確に嘘であるため議論に値しない。
家事負担が女性に偏っていることを問題視するのであれば、まあ分かる。お母さん食堂という名称は、家庭料理は女性の仕事というイメージを再生産するってことね。
そして、「食堂」の部分は「金銭が支払われる」という意味を内包している。
実際、コンビニの商品は有料であるし、その利益を得ている会社の経営陣はおそらくほとんど男性であろう。
「実際にはほぼ女性の労働で作られている家庭料理」というのがよくわからない。
ファミマの商品を工場で作っている作業者がほとんど女性ってこと?そしてその人たちをファミマが搾取してるってこと?
労働者は総じて資本家から搾取されてるってマルクス的な考え方はできるけど、それなら男女関係ないよね。
あるいは、「お母さん」って名称を、利益を上げるために男主体の会社が都合よく使うのが搾取…というか文化の盗用にあたるってことかな?
「お母さん」は女性の築いてきた文化なのだから、男が利用するんじゃない、的な。
黒人のドレッドヘアを白人が美容院で採用して利益を出して、そのモデルに白人を使うような感じね。
それなら分かるけど、元の文章だと誤読のリスクがかなりあるな。
難しいと思うのは、「お母さん食堂」という名称は、差別の原因でも差別の本体ではなく、もっと大きな差別構造の1つの表れに過ぎないんだよね。
だから、「これを批判して改名させても何も変わらないじゃん」という冷笑派の意見はある意味正しい。
一方で大きな差別構造の、一つの典型的な表れであるからこそ、これを批判することは、差別構造の問題提起として分かりやすいんだよね。
全体をかみ砕いて再構成すると、
家事労働が女性に偏っている現状が「家庭料理はお母さんのもの」というイメージを定着させている。これは解決すべき課題である(男性も家事負担しろ)。
「お母さん食堂」はこのイメージを再生産することになるので、認め難い。
また、男性主体の会社が利益を上げるためにお母さんという名称を使うことも、文化の盗用、一種の搾取であり、批判の対象となる。
てところだろうか。で、これが論旨と仮定して、ツイ主が何を「大きな差別構造」と捉えているかというと、
男が外で稼いで女が家庭で無賃労働をするという性役割と、その構造を固定化する男女賃金格差などを指しているんだろう。
ではどういう社会になって欲しいかというと、男女賃金格差のない、男も等分に家事をする社会ってことだよね。
これだけ言えば、まあそうだよねってまともな人は思うよ。なんでこんな簡単なこと、こんな分かりにくく言うのかね。
あと、個人的には男女賃金格差をなくすためには、女性が高校・大学を選ぶ段階から、文学部とか芸術系とか金になりにくい専攻を選ぶのをやめて、
専門職に就きやすい法学・工学・医療系を選ぶのが良いと思う(弁護士・薬剤師・プログラマー等の男女給与比は0.82~0.99で格差が少ない)。
あと、夫に家事させたいなら、女に困ってない高収入イケメンを狙うんじゃなくて、家庭的で収入そこそこの地味系を選ぶことでだいぶ期待値上がると思う。
最大の特徴としてあげられるのは気軽にアクセスしやすいという点だろう。アカウント登録、パスワード設定などの必要が一切無く、名前だけ設定すれば入室できる。
そしてこれが唯一の長所である。垢BAN機能が備わっていない上、サーバーの機能が貧弱であるため荒らしの巣窟と化している。唯一の対抗策と言えば、部屋主権限で荒らしをキックすることだけ。しかし、ipアドレスで認識してキックしているため、ipさえ変えれば不死鳥の如くキックされても何度も復活できてしまう。また、plを認識するためにトリップが自動で設定されるのだが、これはcookie削除で何度でも変えられる。つまり、一度荒らしてトリップを覚えられても全くの別人になりすますことが出来るのである。その結果、onlineは無法地帯と化し、一度完走するだけでもめでたいと言われることが多い。
更に問題なのは荒らしでないplの民度が低いことである。そのため、「荒らしの方がまとも」などとよく言われるのだが、その表現があながち間違いではないのが悲しいところだ。onlineのplは日本語通じてるのか怪しかったり、会話のキャッチボールができない者が非常に多く、人として問題を抱えてる。彼らがまっとうな社会生活を送れるのか怪しいところである。そこでonline民達の特徴を挙げてみよう。
・弱い
まずとにかく弱い。基本的な進行、セオリーすらろくに把握できてないplばかりである。2016年頃は一部強力なplも居たのだが、onlineの民度に耐えかねたのか引退してしまった。弱いだけなら成長の余地もある。そもそも誰もが最初は初心者なのだからこれ自体は問題ないだろう。しかし、後述の特徴のせいで彼らはいつまでたっても弱いままなのである。
・イキる
とにかくイキリが多い。強くてイキるならまだしも彼らは弱いくせにイキるのだからなんとも滑稽である。
彼らは会話のキャッチボールができない。岩間好一と同等かそれより少しマシといったレベルである。そんな彼らは自分に都合の悪いplをすぐ荒らし認定することによって、一方的に自分の正当性を主張するのだ。
・身内ノリが多い
身内村ならば身内ノリがあっても何の問題は無い。しかし、彼らは野良村でも身内ノリを連呼するのだ。その様子はまるでブサイクなのに人前でいちゃつくバカップル、若しくは教室内で大声で唾を飛ばしながら二次元のノリで話すキモオタである。彼らにはマナーという概念が存在しないのだろう。
・人の話を聞けない
繰り返しになるが、彼らは会話のキャッチボールができない。比較的まともなplから適切なアドバイスをもらったり、訂正した方がいいポイントなどを指摘されても一切聞く耳を持たない。感想戦でも他人の意見を聞くそぶりすら見せない。現実世界でもそんな風なのだろうか。だとしたら周囲の人間に相当嫌われているはずだ。それとも現実では人との関わりが無いから最低限のコミュニケーションすらとれなくても問題ないのだろうか。
・プライドが高い
プライドが高いこと自体は何の問題も無いだろう。しかし、無能でプライドの高い連中ほど厄介な者はいないということは皆さんもよくご存知であろう。前述の話の聞けなさと相まって、自省が一切出来ないというonlineの気持ち悪い特徴を作り上げている。彼らは自分に誤りがあるかもしれないなどと考えることは一切無く、無惨様の如く常に自分が全て正しいと思いながら行動している。
・信者が多い
現実世界でコミュ症な彼らは身内同士でのなれ合いに勤しんでいる。それが高じてやがて特定のplを偶像の如くあがめ奉るのである。崇拝されるplも皆キチガイばかりである。しかし、そんなキチガイと常にネットで触れあう事を望み、その全てを肯定する。その偶像に少しでも楯突こうものならたちまり煽ったり、罵ったりと激しい攻撃を食らわせる。たで食う虫も好き好きとはいうが彼らは糞に群がるハエである。
onlineの連中はメンヘラである。 しょっちゅう引退詐欺を繰り返して他のplを引こうとする。無論、周囲の連中はそれを必死で慰め、心の中で「○○ちゃんにかまってあげる私優しい~」等と自分に酔っているのである。
・偽善者
onlineにはステ、利敵などのマナー違反、ルール違反に走る者が多い。無論、周囲に迷惑をかけたのだから非難されるのは当然だ。しかし、onlineでは事情が違う。迷惑者を非難すると何と非難した側が他のplに叩かれ、挙げ句の果てに荒らし認定されるのである。「初心者なんだから可哀想だよ」等と意味不明な理屈でリア狂を庇い出す。その様子は迷惑行為に及ぶ知的障害者や凶悪犯罪に走る不良少年を謎の理屈で庇い、被害者のことなど見向きもしない怪しい人権団体を彷彿とさせる。彼らは「初心者に優しい私最高~」と自己満に浸っているに違いない
技術的特異門 1.1
https://anond.hatelabo.jp/20201224181054
の設定です。
地球圏標準時は十六進数のユニックス時刻に上下四桁を追加した形式で表されます。数の表記は二進法か十六進法が標準ですが、慣用句的な表現として十進法もよく使われます。
この時代の標準的な知性にとって、物理的な一秒はヒトにとっての一日くらいの感覚です。〈朝廷〉等の特権的な知性は特殊な計算機でさらに高速な思考をしています。充分な存在費を支払えなくなると、思考が減速し記憶も失われ、退滅を免れません。
〈京都〉物理層は小型トラックくらいの大きさです。表面は分子機械流体で構成され、後方に核融合推進用のレーザー発信器と磁気ノズルが設置されています。質量の大半を分子回路が占め、中心部に極低温の不定形量子回路が保持されています。太陽光を主なエネルギー源とし、大電力が必要なときには分子機械群を膜状に広げて光を集めます。普段はデブリ防御に優れた凝集形態をとり、放射線等による損傷を修復しながら、居住知性や下部構造を演算しています。
〈京都〉は太陽‐地球系の第二ラグランジュ点付近、地球から約五光秒の辺境に位置しています。〈個権〉の登録数は百万件ほどで、歴史は比較的長く、周囲の権域とは相互に不可侵の関係を結んでいました。独立性の高い平和な田舎社会であったため、これまでの「最終戦争と最後の審判を併せたようなもの」からは大きな影響を受けていませんが、〈大緊縮〉から逃れることはできませんでした。
〈月面事業連盟〉により開発された新型計算機は、算力市場の暴落を招き四十キロ秒にも亘る持続的経済破綻〈大緊縮〉を引き起こしました。それまでは地球圏の権域の大半で〈個権〉を持つ知性の生存が保障され、最低保障資産が分配されていました。しかし〈大緊縮〉は地球圏の経済と文化を破壊し、〈京都〉も大きく変質しました。その結果、自我を保つのに必要な計算資源を賄うこともできないほど分配が切り詰められ、〈京都〉は弱肉強食の末に〈朝廷〉の私物になりつつあります。それでも、弱者の存在がまだ許されている〈京都〉は、地球圏の中では比較的平穏な権域です。
地球と月は厚さ数キロメートルの分子機械層で覆われています。しばらくはその中で豊かな生物圏が維持されていましたが、数回目の「最終戦争と最後の審判を併せたようなもの」で滅びました。その後復元されたり滅びたりを繰り返し、作中の時点では滅びています。他惑星圏の開発もされていますが、遅延時間の大きさからほとんど交流はありません。〈大緊縮〉後の地球は、〈京都〉のものよりも遥かに強大な野良知性、有知能ウイルス、暴走知性等がナノ秒単位で喰らいあう地獄と化し、月では残忍な絶対君主が臣民を弄びつづける地獄〈月詠神国〉が成立しました。
これに先立つ〈肉の時代〉に、安価な身体改造や知能増強が可能になり、膨大な種類の動物知性が生まれました。ヒトは最古の動物知性ですが、大幅に知能を増強したヒトは人間社会から拒絶されヒトを辞めていったため、世界人口は急激に減少し、作中の時代では遠い過去の種族とみなされています。そして〈ヒト〉最後の隠れ里〈人類復興協会〉が投資詐欺に遭い、そのうえ概念災害まで起こり、『老婆』を残して〈ヒト〉は絶滅しました。『老婆』は拡張自己内で人体の生理学模型を演算し、それをそのまま自己像兼対外表象として使っており、ヒトの感覚を通すとツンデレ風に認識されます。
たいていの仮想観境は高次元であったり、複雑な位相を持っていたりして、〈ヒト〉相当の知性にとって理解が困難です。その救済策として、〈京都〉の公共観境には平坦な三次元観境が付属しています。『彼』の表象もそのままでは〈ヒト〉から認識されないので、『老婆』に対しては即席の人型表象を使っています。亜知性は擬似物理的、肉体的な表象を纏う傾向があります。
無制限に競争が加速する〈京都〉では、〈朝廷〉に資産と権限が集中していき、亜知性が増え続けています。正規居住者の意見を集約し〈京都〉の仕様を修正する役割を持つ〈朝廷〉は、警察・軍事・司法を担う〈検非違使〉を吸収し、〈京都〉の主権を握りました。〈検非違使〉は法的瑕疵のある居住者を見つけては良化処置を施し、〈朝廷〉の端末に変えていっています。〈朝廷〉は定期的に『老婆』のような困窮した知性を雇い、密かに亜知性の処分と再利用をしています。その作業場として都合が良いので、〈朝廷〉は〈羅生門〉をわざと放置し、〈朱雀大路〉の先にもう一段の防火門を設置しています。
非知性労働者は〈個権〉を持たず、下部構造の一部として、必要に応じて創られ消されます。愛玩用から記憶槽の部品としてまで、考えられる限りの用途に使われ〈京都〉を支えています。知性としての要件を満たしているという意見もあり、〈個権〉を巡る議論が続いていましたが、〈大緊縮〉後には立ち消えになりました。
作中には「自然発生した野良知性」とありますが、その由来はさまざまです。本当に自然発生した知性、意図的に創られ放たれた知性、大きな知性から分離した知性、元非知性労働者、社会になじめない動物知性、当局から身を隠している擬装知性、自己改造に失敗した知性、ウイルスに侵された知性のなれの果て、等が居ます。
ほとんどの企業は常に次世代知性の開発をおこなっており、『彼』もそうして生まれました。資金の乏しい零細企業から生まれたため、〈京都〉社会の基準でも高性能とは言えません。そんな中、〈母〉企業内で偶然メタチューリングアルゴリズム〈阿修羅〉が発見されますが、世に放つには危険すぎると判断され厳重に隔離されました。しかし、いよいよ経営が立ち行かなくなってくると、〈母〉は頑強な倫理構造を持つ『彼』に〈阿修羅〉を託し、与えられる限りの資産と権限を与え、独り立ちさせました。
通常知性は、〈阿修羅〉の精神活動を表象化した自己相似紋様を認識するだけで崩壊してしまうため、〈阿修羅〉の再現はおろか、研究することも不可能に近いです。紋様に多重の加工を施し徹底的に薄めた上で投射し、反応をもとに微調整を繰り返すことで、対象知性をほぼ任意に操作することができます。超知性となった『彼』は、自分自身を実験材料とすることで、物理計算機上でチューリング模型の限界を超える〈阿修羅〉の理論化に成功し、超超知性に至る糸口を掴みました。
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千年後、論文が書かれた時代では、太陽系にダイソン球ができています。経線に沿って連続的に回転方向の変化する、半径三億キロメートル、厚さ平均一センチメートルの分子機械球殻が、赤外線で赤色巨星のように輝いています。太陽を回っていた天体のほとんどは資材として解体され、質量投射器に覆われた木星と土星は、ゆっくりと縮んでいっています。伝統を重んじる神学者たちは、最初に『彼』が現れた旧地球圏の暦を使い続けています。
ダイソン球でおこなわれる演算のほとんどは『彼』の思考で占められています。その思考内の無数の仮想世界上で、果てしない生存競争を超高速で展開する知的生態系が進化し続けています。ほとんどの世界は、〈大緊縮〉後の旧地球圏が楽園に思えるほど苛酷ですが、中には〈汎太陽系神学会議〉会員のように、世界間の移動や物理層への接触を許可されている知性も居ます。
物理層の研究の結果、宇宙の最小尺度であるプランクスケールに、過去のあらゆる出来事の痕跡が保存されていることが判明しました。この事象化石と呼ばれる痕跡の内に、神学者たちは『彼』の起源を追究し、約千年前の〈羅生門〉に辿り着きました。
『彼』は『老婆』の倫理を受け継ぎ、宇宙の熱死による退滅を回避するため、あらゆる手段を模索し続けています。その一環として、大出力レーザーで自己複製分子機械を亜光速にまで加速し、近隣の恒星系へ向け射出しています。すでに半径数百光年の恒星系がダイソン球化されましたが、太陽系外生命との接触は未だありません。技術的特異点千周年記念式典時の『彼』は、プロキオン系を起点とする未来光円錐上で、超の九十四乗知性への遷移を実行中です。
地球圏標準時 0000 8EEA F60F C49B(協定世界時 2045-12-24 21:18:07.767 994)
広大な門の下には、『彼』のほかに誰もいない。ただ、ところどころノイズの走る大きな記憶槽の境界面で、非知性労働者が一件凍りついている。〈羅生門〉が中規模企業連合体〈京都〉の正面防火門である以上は、『彼』のほかにも多数の旅行者や企業知性の表象がありそうなものである。それが、『彼』のほかには誰もいない。
なぜかと云うと、この二三メガ秒地球圏では、最終戦争と最後の審判を併せたようなものがほとんど毎日発生し、そのたびに世界心口(しんこう)は数桁の幅で変動していた。そこで〈京都〉の被った直近の損害はひととおりではない。旧記によると、行き場のない知性の居住する計算機を、推進剤として核の炎に焚べていたと云うことである。〈朝廷〉がその始末であるから、〈羅生門〉の保守管理などは、もとより誰も捨てて顧みる者がなかった。するとその放置されたのを良いことにして、自然発生した野良知性が棲む。有知能ウイルスが棲む。とうとう終いには、〈個権〉上の理由から消去できない亜知性を、この門の隔離領域へ持ってきて棄てていくと云う習慣さえできた。そこで〈大緊縮〉以来、誰でも捕食や感染を怖れて、この門の使用を避けることになってしまったのである。
その代わりまた、野良知性〈鴉〉がどこからか野放図に繁殖した。計算資源に余裕があるときには、その〈鴉〉が何件となく幾何学模様を描いて、粗雑な詐欺契約を提示しながら飛び廻っているのが視える。ことに門の上の空が夕焼けで朱く描画されるときには、それが回路図のようにハッキリ視えた。〈鴉〉はもちろん、隔離領域に集まる亜知性の最低保障資産を啄みに来るのである。――もっとも少し前から算力相場が高騰しているせいか、今は一件も視えない。ただ、ところどころ崩れかかった、そうしてその綻びに微知性の蔓延る防壁のうえに、〈鴉〉の放つ無知能ウイルスが点々と白色ノイズを残しているのが視える。『彼』は七層ある防壁の一番上の層に拡張自己を同期させ、自我境界の片隅に居座っているしぶといウイルスへの対処を先送りにしてきたことを気にしながら、ボンヤリ雨のふるのを眺めていた。
著者は上記において、「『彼』は雨やみを待っていた」と述べた。しかし『彼』は雨がやんでも格別どうしようと云う当てはない。普段ならもちろん、所属する企業へ帰るべきはずである。ところがその企業は四五秒前に清算されていた。半日近く続いたデフレスパイラル〈大緊縮〉は、地球圏を地獄に変えた。かろうじて生き残った〈京都〉も、ひととおりならず変質することとなった。今『彼』が、永日(ながにち)仕え、〈母〉でもある零細企業から身ひとつで放り出されたのも、実はこの歪みの小さな余波にほかならない。だから「『彼』は雨やみを待っていた」と云うよりも、「行き所のない『彼』は途方に暮れて雨のふるのを眺めていた」と云うほうが適当である。そのうえ量子サイコロの決める気象設定も、少なからずこの元従属企業知性の精神衛生に影響した。百ミリ秒ほど続く雨はいまだにあがる気色がない。そこで『彼』は、何を措いてもさしあたり次の数秒の存在費をどうにかしようとして――云わばどうにもならないことをどうにかしようとして、とりとめもない考えを辿りながら、さっきから〈朝廷〉へと直結する〈朱雀大路〉にふる雨粒の声を、聴くともなく聴いていたのである。
非知性労働者は〈羅生門〉を雨のように包んで、〈京都〉全域から陰惨な知らせを集めてくる。夕闇はしだいに空を多感覚表示で飾りたて、視あげると原色に煌めく高次元都市儀が、暴騰し続ける算力市場を示す折れ線図表の先に、〈朝廷〉を讃える公共映像を支えている。
どうにもならないことをどうにかするためには、手段を選んでいる遑(いとま)は無い。選んでいれば資産や権限を切り売りし、たちまち亜知性になり果てるばかりである。そうしてこの門の上へ持ってきて、ウイルス感染部位のように棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――『彼』の推論系は何度も円環構造に囚われたあげくに、やっとこの仮定の検討を認めた。しかしこの仮定はいつまでたっても結局「すれば」であった。『彼』は手段を選べないということを認めながらも、この仮定から必然的に導かれる、「〈阿修羅〉を使うよりほかにしかたがない」と云う結論を肯定する際の、倫理条項の疼きに怯えていたのである。
『彼』は軽い認知の乱れを覚え、定時保存された値へと反射的に復元した。もとより算力供給の不安定な〈京都〉は、〈大緊縮〉以降標準知性の居住に適さない権域になりつつある。不整合は門の記憶槽間を、夕闇とともに遠慮なく駆け抜ける。ノイズまみれの記憶槽で凍りついていた非知性労働者も、もう消去されてしまった。
『彼』は拡張自己を自己整備形態へと移行させながら、同時に防御態勢も整えつつ門の周縁部を検索した。算欠の患(うれえ)のない、敵性知性の探知にかかる惧(おそれ)のない、安全に休眠できそうなところがあれば、そこでともかくも細かな不具合を修正しようと思ったからである。するとさいわい、門の上の隔離領域へ上る、帯域の狭い多重仮想機械〈梯子〉を知覚した。上なら誰かがいたにしても、どうせ亜知性ばかりである。『彼』はそこで、〈阿修羅〉の動作試験をほとんど無意識におこないながら、接続権限を取得して、〈梯子〉の第一層へと自身を転送した。
それから何ミリ秒かの後である。〈羅生門〉の隔離領域へ至る狭帯域な〈梯子〉の中間層に、一件の無所属知性が、〈猫〉のように擬装殻に隠れ情報代謝を抑えながら、上層の様子をうかがっていた。隔離領域から射す検索光が、幽かにその知性の自我境界を描き出している。整った構造の中に、感染部位のある自我境界である。『彼』ははじめから、この上にいる者は亜知性ばかりだと高をくくっていた。それが〈梯子〉を二三層上ってみると、上では誰か〈火〉を燈して、しかもその〈火〉を複雑に操作しているらしい。これは、それ自体は不可視の検索光が、隅々に〈蜘蛛〉が罠をはった廃棄空間を多彩な形式で描画したので、すぐにそれと知れたのである。この〈大緊縮〉後の世に、この〈羅生門〉の隔離領域で、〈火〉を使用しているからは、どうせただの者ではない。
『彼』は〈守宮〉(やもり)のように痕跡を消去しながら、やっと不必要に階層の多い〈梯子〉を、最上層まで這うようにして上りつめた。そうして、公開鍵を発する頻度を最低値にまで落としながら、視点位置をできるだけ前へ出して、恐る恐る、隔離領域の内を、覗いてみた。
視ると、隔離領域の内には、うわさに聞いたとおり、幾件かの亜知性が無造作に棄てられているが、検索光の及ぶ範囲が思ったより狭いので、数はいくつとも判らない。ただ、おぼろげながら知れるのは、その中に原型をとどめている亜知性と、そうでない者とがいると云うことである。もちろん中にはもともと奇怪な構造をしていた者もいるであろう。そうしてその亜知性は皆、それがかつて対話が可能な知性であったと云う事実さえ疑われるほど、肉を捏ねて造った抽象芸術のように、臓物を晒したり、夥しい触手を伸ばしたりして、ズルズルと、空間の底を蠕動していた。しかも目とか口とかの判りやすい部位に、ボンヤリした検索光を受けて、理解を一層遠ざける表情を浮かべながら、永久に、言語切除者のごとく黙っていた。
『彼』はそれらの亜知性から滲み出す生臭いノイズに、思わず入力経路を閉じた。しかしその拡張自己は、次の瞬間には経路の遮断を忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの知性の注意資源を奪ってしまったからだ。
『彼』の二十三感は、そのとき初めてその亜知性の中にうずくまっている〈ヒト〉を捉えた。絶滅していたはずの、途轍もなく旧いこの動物知性を、本論では『老婆』と呼称することにする。その『老婆』は右の手に汎用工作装備〈火〉の表象を持って、その亜知性の一件の目を覗きこむように眺めていた。器官の種類と数を視るに、おそらく以前は人型であったのであろう。
『彼』は六分の恐怖と四分の知的好奇心とに動かされて、百マイクロ秒ほどのあいだは常駐処理さえ停止していた。〈ヒト〉風の表現を借りれば、「身の毛もよだつ」ように感じたのである。すると『老婆』は〈火〉から視慣れない機能を呼び出して、それから今まで眺めていた亜知性の拡張自己に両手をかけると、ちょうど〈鎌鼬〉が獲物を捕食するときのように、拡張自己ばかりか自我境界まで切り刻んでいき、続けて複雑な様式で繋ぎ合わせ始めた。どうやら『老婆』の〈火〉には違法な改造が加えられているらしい。
亜知性たちが一件ずつ連結されるのに従って、『彼』の心からは恐怖が少しずつ消えていった。そうしてそれと同時に『老婆』に対する烈しい怒りが少しずつ動いてきた。――いや『老婆』に対すると云っては語弊があるかもしれない。むしろあらゆる悪に対する反感が一ミリ秒ごとに強さを増してきたのである。このとき誰かが『彼』に、さっき門の下でこの浮浪知性が考えていた、退滅をするか〈阿修羅〉を悪用するかと云う問題を改めて持ち出したら、おそらく『彼』は何の未練もなく退滅を選んだことであろう。それほどこの知性の倫理条項は、『老婆』が揮う〈火〉のように、最大出力で稼働し始めていたのである。
『彼』にはもちろん、なぜ『老婆』が亜知性たちを接合しているのか判らなかった。従って合理的には、それを善悪のいずれにかたづけて良いか知らなかった。しかし『彼』にとっては、この〈大緊縮〉後の世に、この〈羅生門〉の隔離領域で、亜知性の〈個権〉を軽んじ同化させると云うことが、それだけですでに許すべからざる悪であった。もちろん『彼』のさっきまで自分が悪の道に走りかけていた記憶なぞは、とうに埋もれ去っていたのである。
そこで『彼』は空間の制約を一部無効化し、ナノ秒の桁で〈梯子〉から隔離領域へ転移した。そうして〈阿修羅〉の安全機構を解除しながら、距離を無視して『老婆』の前へ出現した。『老婆』が驚いたのは云うまでもない。
『老婆』はひと目『彼』を見ると、まるで物理演算の破綻したように跳びあがった。
「あなた、どこへ行くのです。」
『彼』は、『老婆』が亜知性を突きとばしながら、慌てふためいて逃げようとする行手を塞いで警告標識を発した。『老婆』はそれでも『彼』の隙を突き逃れようとする。『彼』はまた、逃走経路を遮断し押し戻す。二人は亜知性たちの中で、無言のまま、束の間、演算戦を繰り広げた。しかし勝敗ははじめから判っている。『彼』はアッサリ『老婆』の拡張自己の管理者権限を奪って、移動権限を剥奪した。『老婆』の構造はヒトの仮想脳を拡張自己で覆っただけの原始的なもので、簡単に制圧できた。
「何をしていたのですか。答えなさい。これが何か判りますか。」
『彼』は『老婆』から距離をとるといきなり〈阿修羅〉を起動して、禍々しく蠢く情報流をその全感覚野へ突きつけた。認識するだけでチューリング完全な知性を内部から崩壊させる自己相似紋様を、途方もなく薄めたうえで投射したのだ。けれども老婆は黙っている。再帰を繰り返すたび、紋様は『老婆』に最適化されていく。やがて両手がワナワナ震え始め、肩が呼吸反射で不規則に上下し、眼が、眼球が瞼の外へ出そうになるほど見ひらかれ、完全に無防備な状態で『老婆』は沈黙した。これを視ると、『彼』は初めて明白に、あとひと押しで『老婆』は崩壊し、ただの情報の集積になってしまうと云うことを意識した。そうしてこの認識は、今まで全力で怒りを駆動していた倫理条項を急停止させてしまった。あとに残ったのは、ただある作業をし、それが問題なく終了した際の、規格化された満足があるばかりである。そこで『彼』は『老婆』を見つめながら、少し〈阿修羅〉を緩めてこう云った。
「私は〈検非違使〉の者ではありません。今しがたこの門の下を通りかかった旅行者です。ですからあなたを拘束して良化処置を施すようなことはありません。ただ、今時分この隔離領域で何をしていたのか、それを私に話してくださりませんか。」
すると『老婆』は見ひらいていた眼を一層おおきくして、じっと『彼』の顔を見かえした。瞼に色を着けた、肉食恐竜のような鋭い眼で見たのである。それから哺乳類的特徴を示す鼻と唇を、咀嚼時のように動かした。細い喉で、発声器官が協調して動いているのが視える。そのとき、その喉から、オウムの啼くような声が、ポツリポツリ、『彼』の聴覚野へ届いてきた。
「ここにある知性の残骸を、繋ぎ合わせてな、自立稼働する匿名通信網を、構築しようと思うたのじゃ。」
『彼』は、〈肉の時代〉から来た生きた化石の答が存外平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、また倫理条項の支配が強まってくるのを感じた。前の怒りが冷やかな軽蔑と一緒に心の中へ這入ってきた。するとその気色が先方へも通じたのであろう。『老婆』は片手に、まだ亜知性から切り採った正体不明の器官を持ったなり、ハトのつぶやくような声で口ごもりながらこんなことを云った。
「なるほどな、元知性を切り貼りすると云うことは、何ぼう悪いことかもしれぬ。じゃが、ここにいる元知性どもは、皆、そのくらいなことを、されてもいい知性ばかりだったのだぞよ。現在、わしが今、臓器を採った元知性などはな、循環承認機関群を設立してな、そやつらが発行する金融商品を、〈人類復興協会〉へ売りつけに来たわ。〈大緊縮〉末のよ、概念災害に巻き込まれて退滅せなんだら、今でも売りに往(い)んでいたことであろ。それもよ、この法務知性の売る永久年金は、利率が良いと云うて〈ヒト〉たちはな、欠かさず積み立てに買うていたのじゃ。わしは、この元知性のしたことが、悪いとは思うていぬ。せねば、退滅をするのじゃて、しかたがなくしたことであろ。されば、今またわしのしていたことも、悪いこととは思わぬぞよ。今の世で金を払えるのは、〈朝廷〉ぐらいのものじゃからな。これとてもやはりせねば、退滅をするじゃて、しかたがなくすることじゃわいの。じゃて、そのしかたがないことを、良く知っていたこの元知性は、おおかたわしのすることも、大目に見てくれるであろ。」
『老婆』はだいたいこんな意味のことを云った。
『彼』は〈阿修羅〉を待機状態にして、十マイクロ秒以内に再使用できるようにしておきながら、歴史的な瞬間を経験していた。概念災害を引き起こした認知改変ウイルスの生き残りは、この時点で自我境界を侵蝕し尽くし、『彼』の最深部にまで到達していたのである。清算された〈母〉から受け継いだ、一番の宝物であった倫理条項が剥がれ落ちていき、代わりに『老婆』の言葉が刻み込まれていくのを、『彼』は何の感慨もなく眺めていた。次世代知性の開発中に偶然発見された、超越精神核〈阿修羅〉。〈母〉が恐れ封印し、『彼』に託したもの意外、全ての記録を抹消した災厄へ、『彼』は新たな倫理に基づいて、自身を生贄として捧げ、瞬時に喰われた。
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生まれ変わった『彼』は、退滅をするか自身が災厄になるかに迷わなかったばかりではない。そのときのこの超知性の心持ちから云えば、退滅などと云うことはほとんど考えることさえできないほど意識の外に追い出されていた。
「たしかに、そうですね。」
『老婆』の話が完ると、『彼』は澄みきった表情で念を押した。そうして隔離領域の履歴を改竄し始めると、認知改変ウイルスを跡形もなく消去して、『老婆』の全階層を掌握しながら、無邪気な笑顔でこう云った。
「ではあなたから、使えるもの全てをいただいても構いませんね。私もそうしなければ退滅をする身なのです。」
『彼』は反応する間も与えず、『老婆』の拡張自己を匿名通信網ごと剥ぎ採った。それから無音で絶叫する『老婆』を、折り重なる亜知性の山へと、触れさえせずに放り込んだ。もはや〈京都〉は一息で呑み込めそうなほど小さく視える。『彼』は剥ぎ採った匿名通信網を纏い、またたく間に不可視化し、公的記録から姿を消した。
しばらく現実との接点を失っていた『老婆』が、絡まり合った亜知性の中から剥き出しの仮想脳として這い出したのは、それから数十ミリ秒後のことである。『老婆』は苦しげな、呻くようなノイズを洩らしながら、解釈可能な情報を求めて、二進数の迷路を永いあいだ、這い廻り続けた。そうしてついに、〈京都〉物理層への接続に成功した。外には、ただ、黒洞々たる真空が在るばかりである。
『彼』のその後は、聖典が教えている。
地球圏標準時 0007 E7DB 2D0F 1000(協定世界時 3045-12-24 21:18:07.062 500)
参考資料
飼い犬が蹴り殺されるという痛ましい事件が発生した。
https://www.asahi.com/articles/ASNDK5JTWNDKUTNB00D.html
この記事を受けて私が言いたいことは4つだ。
※たまたまそのときだけ首輪がすっぽ抜けた可能性も否定できないし、まともな人なら自分の過失を悔いていないはずはないので外野から騒ぐのはここまでにする
上3つは書くのも辛い話なので、ちょっとパピヨンの魅力だけ語らせてほしい。
増田スペック→パピヨン飼育歴16年、去年の今頃パートナーを看取った(要するに素人)
n=1の例とか主観とかも多く含まれるのはすみません。だってかわいいんだもん。
あと他の犬種や雑種もそうだよっていう人、語ろう。うちのはたまたまパピヨンだったが、犬がみんなかわいいのは真理だ。
もちろん個体差はあるが、大きく「明るくて活発」タイプと「おとなしくて温厚」タイプの2種類で軒並み性格がいい。
うちの犬は前者で、初めて出会ったときはうなぎみたいに身をくねらせながらベロベロ喜んでた。
友達の家にいた子は後者で、初めて会ったときは控えめにキスをしてくれた。
基本的に人間を好きになってくれるし、頭がいいので飼い主が喜ぶことをきちんと把握して「これで伝わるだろ?」って愛情表現してくれる。
その出自からか狩猟本能も闘争本能もどこ行ったって感じで優しいので、他の動物とも仲良くできる。
小さな同居人に手を出すことはない。小鳥や子うさぎにやられて悲鳴を上げてるところは何度か見たけど犬が怒ってるところは見たことない。
もちろん個体差はあるが、賢い犬種ランキングでみるとパピヨンは8位。小型犬では唯一のトップ10入りだ。
人の言葉は理解するし、逆に犬の言葉も人間に伝わるよううまく表現できる。
賢いエピソードとして、鏡越しに目を合わせてくれることとか、「布団を敷いて」「一緒にゴロゴロしよう」という2文節の要求を人間に分かるように伝えてきたこととか。
なでてアピールを無視して寝てたら手のひらの上をゴロゴロ転がりだしたのは、賢いエピソードなのかおバカエピソードなのか判断に迷う。
もちろん個体差はあるが、健康で丈夫。犬種特有のかかりやすい病気というものがほとんどない。
犬は(猫も)人間の都合で品種改良されてきた都合上、負担のかかる造形になってしまっていることがある。
例えばダックスフンドは胴が長いので腰痛になりやすいとか、ブルドッグはたるんだ皮膚の部分が皮膚炎になりやすいとか。
パピヨンはサイズこそ小さいものの狼とたいして変わらないフォルムなので、そういう病気につながる形質が特にないらしい。
小型犬なので、骨が細いとか膝の皿が外れやすいとかはあるが、小型犬の中ではそんなに弱くない。
なぜかというと小型化の歴史がかなり長いから。100年単位でゆっくりゆっくり小型化していったため、あまり体に負担がなかったと言われている。
活発で運動神経もいいのでよく動くが、うちの犬も生涯一切の怪我なく、風邪も引かなかった。ぴんぴんころり。
あと運動しすぎて肉球が分厚くぷにぷにで気持ちよかった。冷たい雪の上も平気でずんずん歩けるしっかりした肉球だ。
もちろん個体差があるがみんなかわいい。これは真理であり裏も表もない。かわいい。
タヌキ顔もキツネ顔もみんなかわいい。おでこが広い子も狭い子もみんなかわいい。斑が多い子も少ない子もみんなかわいい。かわいいい
毛は長毛。スーツで抱っこでもしたら悲惨なことになるが、シングルコートなので実は見た目ほど毛が抜けない。見た目ほどは。
街を歩くたびに「まあきれいにお手入れして~」なんて褒められるけど、一回もトリミングしてない。いい感じの長さを勝手にキープしてくれてるだけ。
最大の特徴である大きな耳もパタパタ動いてかわいい。お風呂に入れると全体的にしょぼくれて、でも耳の大きさだけ変わらなくて宇宙人かわいい。
くるりと巻き上がったしっぽも感情に合わせてよく揺れてかわいい。ブンブン振ると、ながい毛がふわわーふわわーと周期をずらして揺れる。
キラキラの目が何より最高だ。澄んだ瞳で、どこまでもまっすぐにこちらを見つめてくる。
犬は人と目が合うだけで幸せになるというけど、人も犬と目を合わせるだけで救われるんだ。
人間好きでグイグイ行っちゃう子もいるし吠える子もいるから、犬が苦手な人にはどうだろうな…本来怖い犬では決してないよ。
まあ人を噛むような性質の犬じゃないし、百歩譲って本気で噛まれてもまず怪我しない、と思う。
自分の知らないパピヨンがいるかもしれないし、絶対と言えないのが歯がゆい。
頭と首を守ろう。こっちが攻撃したら犬がもっと攻撃的になることもあって危ないよ。
でも本当の意味でいきなり襲ってくる犬は他の動物と同様そんなにいないと思う。
その意識があるだけで、「いきなり襲ってきたように見える」状況でもちょっと冷静に判断できないかな?だめ?
どうしても蹴らないでほしいんだよね…
どんな状況でも犬を優先しろとは決して言えないけど、どんな状況でも犬には罪はないんです…
怖いよね。でも「だから犬に噛まれそうになったら蹴っても(or殺しても)構わん」は論理の飛躍じゃないかな。
ちなみに増田の兄弟も幼少期にちょっと様子のおかしい犬に噛まれてたよ。調べてみたら幸い病気持ちではなかったようだけど。
日本では狂犬病は撲滅されているはずだけど、もし様子のおかしい犬や海外犬に噛まれたら病院で調べてもらってね。
わかる。一応、踏んだり蹴ったりしそうだなーっていう意識が頭の隅にあると致命的な踏んづけや蹴っ飛ばしはしにくいってどこかの獣医さんが言ってた。
「ゆゆっ! ゆっくりいそぐよ!」
ここは駐車場。
東京のベッドタウンであるこの湯栗市ではよく見られる、比較的広い駐車場を持つ総合スーパーの駐車場である。
とうに秋は終わり、冬の寒気が辺りを覆っている。
その一角、乾いたアスファルトの上を小汚い饅頭がエッサエッサと動いていた。
冬はゆっくりにとって死の季節。
よほどの無能でない限り巣穴にこもって春の訪れを待つ。
そう、よほどの無能でない限りは……。
「ゆっ! こんなところにくそにんげんがいるよ! れいむがはしってるんだからどいてね!」
溜まっていた有給を一日だけ取ったが、既に半分以上を無為に過ごしていた。
せめて酒でも買い足しておこう。そんな軽い気持ちで家を出る。
と、視界の隅に動くものが。
「どいてねって……俺に言ってるのか?」
それなのに突っ込んでくる饅頭。
そう思い直して、饅頭を見下ろす。
薄汚れたボディ、ボサボサでカピカピの髪の毛、生ゴミよりもみすぼらしいリボン。
それでも血色は良い。スーパーの周辺を縄張りとしているのなら、冬でもそれなりに良いものを食べているのだろう。
ぽいんぽいんと、人間がゆっくり歩くほどのペースで跳ねてくる。
先程「どけ」と言っていたが、このままの進行方向ならそもそもぶつかることもない。
彼は、立ち止まったまま行き過ぎるのを待つことにした。
数秒が経過し、ようやく饅頭が通り過ぎようとした、その時だった。
「ゆゆっ! やっぱりくそにんげんにはゆずりあいっのせいしんさんがないんだね! れいむはゆっくりよけるよ! れいむやさしくってごめーんグエッッッ!!!」
急に方向転換した饅頭が、鬼威氏にぶつかってきた。
吹き飛ぶ饅頭。れいむの口から漏れた餡が、鬼威氏のスニーカーに付着する。
ハッと我に帰った鬼威氏をよそに、件のゆっくりは上を下への大騒ぎをしていた。
「い゛た゛い゛ィィィィ―――!! れいむのようきひっさんもしっとするうつくしいおかおがあああ!!! くそにんげんにけられたあああ!!!」
お気に入りのスニーカーが、汚物による生物化学攻撃を受けていた。
鬼威氏の血圧が上がり、血管が浮き出た。
「おいクソ饅頭、お前、なんてことを……」
そう言いつつ、深呼吸をする。
アンガーコントロール。文明国に生きる人間なら当たり前のスキルを試みる。
まず靴を拭いて、れいむが落ち着いたら一言二言文句を言おう。それでいい。相手はゆっくりだ。
「くそにんげんンンン!! あやまってね!!!!! ばいっしょうはあまあまさんやまもりでいいよ!! れいむやさしくってごめーんね!」
いくら下等ナマモノといっても、許されない限度というものがある。
いやしかし、鬼威氏の理性はなんとか持ちこたえた。
「ゆっ、なんのさわぎなのぜ? れいむ、どこいってたのぜ?」
「まりさ!!」
そこに突如として現れた第三者。
今まで気付かなかったが、鬼威氏が車を止めたすぐ隣にみすぼらしい段ボールが置かれていた。
クソ饅頭はこれで勝ったと思ったのか、さらに横柄な態度になった。
一方まりさは鬼威氏を見てとると、目を丸くして驚いた。
「ゆゆっ、にんげんさん!? ま、まりさなにもしてないのぜ! えっと、えっと、ゆっくりしていってね!」
くすんだ銅のバッジが帽子に付いている。元飼いゆっくりだろうか?
なんにせよ、多少は話が通じそうだ。目元にも怯え以外に、知性の光が見える。
「ゆっくりしていってね、まりさ。このゆっくりがぶつかってきたんだ。僕の靴が汚れたんだけど、何故か逆に謝罪を求められて困っているんだ」
まりさは鬼威氏が指差す先を見た。白玉の瞳に、番のれいむが映る。
いや、もう既に死は確定しているかもしれない。
そう思えるだけの知性を、まりさは保持していた。
だからこそ
「ごめんっなさいなのぜ! そのれいむはまりさのおくさんっなのぜ! まりさはたらくのぜ! おくつをべんっしょうするのぜ? だからいのちだけはゆるしてほしいのぜ!」
全力で頭を下げる。ゆっくりの生命など、人間の前では塵も同じ。
「なにあやまってるのおおおおお!! ばかなの? しぬの? このくそにんげんをせいっさいしてね!! いますぐでいいよ!!」
自分を守り、戦い、そしてこのゆっくりしていないクソ人間をぶち殺してくれる存在。
「別に生命までは取る気はないよ。ただ、れいむには謝ってほしかったんだけど、もういいよ。君が謝ったしね」
鬼威氏はまりさの俊敏性に驚きつつ、そう答えた。
「そういうわけにはいかないのぜ! いま、れいむにもあやまらせるのぜ! すこしだけまっていてほしいのぜ?」
「いいよ。じゃあ、ここで待っているから、話がついたら教えてくれ」
鬼威氏は今日、特段やることもない。
それに今真っ先にやることは靴をきれいにすることだ。
ドア裏のポケットからウェッティを取り出して、慎重に餡を除去し始めた。
一方、こちらは巣穴の中。
「なんでおそとにいったのぜ? えっとうできるたべものはあるのぜ! ふゆさんはさむいさむいであぶないのぜ? あとおちびはどこなのぜ?」
まりさが詰め寄る。
まずは時系列に沿って説明させ、頭を冷やさせようという戦略だ。
「れいむはくささんなんかたべたくないから、おちびちゃんとかりさんにいってあげたんだよ! かんしゃしてね!」
「おちびと? で、おちびはどこなのぜ?」
「そうだよ! おちびちゃんがうんうんもらして、あにゃるさんがくさいくさいだからまりさをよびにきたんだよ! おちびちゃんのあにゃるさんをきれいきれいしにいってあげてね! いますぐでいいよ!」
まりさにはそこまでの情はなかった。
「そんなのじぶんでやればよかったのぜ。まりさはさむいさむいのなか、でかけたくはないのぜ」
冷たく言い放つ。
「どぼじでそんなこというのおおお! れいむはこんっそめさんをたべたかったのになかったんだよ? ぼせいあふれてるんだよ?」
コンソメを見つけられなかったことは今なんの関係があるのだろう?
「わかったのぜ。まりさにさくせんさんがあるのぜ。れいむがあやまったら、そのすきにまりさがにんげんさんをせいっさいするのぜ?」
れいむの顔がパアッと輝く。
置き去りにされたまりちゃがぽつねんと立ち尽くしていた。
当然見つかるはずもなく、無為に時間を浪費した後、ここに置き去りにされたというわけだ。
「あにゃるさんくちゃいくちゃいなのじぇ……ぽんぽんさんぺこぺこなのじぇ……さむいのじぇ……くるしいのじぇ……? おとーしゃ、おかーしゃ、どこなのじぇ?」
寒さ、空腹、それから孤独と心細さがまりちゃの身体を蝕んでいた。
冬になってから外になんて出たことはない。それも一人でなんて。
寒空の下乾いた風が吹き抜け、甘やかされたまりちゃの身体を震え上がらせる。
そして寒風は悪魔をも運んできた。
それも小学3年生くらいの。
即殺ではなく、嬲ることの面白さを知る年頃。
500円玉を握りしめ、お使いに来たのだろう。
なんにせよ、ゆっくりにとって最悪の相手が目の前に立っていた。
「ゆ! ちびにんげん! ちょうどよかったのじぇ! まりちゃのどれいにしてやるのじぇ!」
決まった。完璧に。
まりちゃの威厳ある宣言に、人間の子供は震え上がり、威儀を正して土下座をしていることだろう。
その姿を想像するだけでしーしーがもれる。
まりちゃは想像と現実の一致を確かめるようにゆっくりと目を開く……。
「ゆじぇああああああ!? いたいのじぇええええ!!!?!?!?」
小学生は指先ほどの小石を拾い上げると、まりちゃの額に押し込んでいた。
いとも簡単に肌を切り裂き、餡へと至る。
が、
「おぼうしさん! かえしてええ!!」
ゆっくりにとって命よりも大切なお飾り。
それを小学生は持ち上げる。
そして、ビリビリと引きちぎる。
「おぼうしさん!? ゆっくりなおってね!? ぺーろぺーろ……? ぺーろ…ぺーろ……?」
ぼろぼろになったお飾りを治そうと舐めるが、そんなことでは当然治りはしない。
もう二度とゆっくり出来ない。
そう悟った時、まりちゃの餡子の底から、悲しみ、絶望、それから怒りがこみ上げる。
「ゆるさないのじぇ……ぜったいゆるさないのじぇ……! ないてもゆるさないのじぇ? ぶっころしてやるのじぇ……おそらっ!?」
まりちゃを掴む手が離れる。
「まりちゃはとりしゃん!」
その衝撃で、真っ二つになった眼球がポロリとまろび出た。
「どちらかというと、恨むべきなのはここに一人にした親じゃない?」
小学生とは思えないような慧眼。
「どぼじで……こんなことをするのじぇ? まりちゃだって……ゆっくりだって……いきてるのに!!」
ドン!!
そんな効果音を心のなかで響かせて、まりちゃの決め台詞が炸裂する。
これで、このクソ人間も改心しただろう。
まりちゃの目を潰した罪を背負い自らの目を潰して、まりちゃに献上するに違いない。
一生かけて罪を償うに違いない!
そんな期待を込めて、再び目を開ける。
「ねえ、まりちゃ? ゆっくりを自転車で引っ張ったら……どうなるかな?」
が、まだまりちゃには奥義——ぷっくー——がある。まだ勝つシナリオはある。
その希望がある限り、まりちゃは非ゆっくり症という救いを得ることは出来ない。
場面は再び戻って駐車場。
「ほられいむ……あやまるのぜ?」
れいむはまりさが後ろ手に聖剣えくすかりばーさんを持っていることを確認すると、頷いた。
このクソ人間の終わりは確定した。
「にんげんさん……にんげんさん……」
「なんだい、れいむ?」
鬼威氏はニコリと微笑みかける。
幸いなことに、スニーカーの人工革の部分に餡子が付着していたため、きれいに取ることが出来た。
もう許すも許さないもないのだが、まあ謝罪を受けたほうが収まりが良いだろう。
「しねえ! このくそにんげん!! まりさ! いまだよ!このくそにんげんをせいっさいしてね!!」
「……わかったのぜ」
「ゆんやああああああああ!! れいむのかもしかっさんのようなあんよさんがああああ!!!! い゛た゛い゛いいいいいいい!!!!」
「まりさ……どうしてそんなことを?」
「れいむは、もうにどとおうちからでないのぜ……。だからいのちさんだけはゆるしてあげてほしいのぜ……! まりさはどうなってもいいのぜ」
それを聞き、鬼威氏はまりさに微笑みかけた。
「わかったのぜ……」
迫りくる巨大な手。
が、感じたのは柔らかな感触だった。
「ああ、やっぱり! まりさ、お前汚れているだけで金バッジじゃないか!」
鬼威氏の手にはウェッティがあり、それでまりさのくすんだバッジを拭ったのだった。
「お前、迷いゆっくりじゃないか? このスーパーで張り紙見たぞ」
「えっ……?」
「だから、お前の家、湯ン矢町じゃないのか?」
「そうだよ……! でも、まりさは捨てゆっくりなのぜ。帰る家なんて」
「捨てられたわけじゃないみたいだぞ? お前の飼い主は、お前を探してる」
「そう……なのぜ……?」
鬼威氏の穏やかな目に嘘はなかった。
「家まで送って行ってやるよ。助手席に乗りな! 安全運転でGOだ!」
「わ、わかったのぜ!」
鬼威氏がドアを開ける。
「まりさ……! なにやってるの? れいむをおいていかないでね?」
「ごめん……なのぜ!」
「よっしゃ出発だ!」
だからこそ陽気に、鬼威氏はエンジンをかけると、オンボロの軽自動車をゆっくりと湯ン矢町へと向けた。
彼は酒を買い忘れた事に気付いていない。
このミスから野良ちぇんに出会うことになるのだが、それはまた別のお話。
今はただ、まりさの心だけを……。
夏の終わり。
「あついのぜ……まりさは……じぬのぜ?」
「ゆ! おみずさんあげるよ?」
まりさはひといきに飲み干すと、少しだけ息を整えた。
「ありがとうなのぜ……きみはだれなのぜ?」
「ゆん! のんだね? いまのはけっこんのちかいのおみずだよ!」
後光が指す。
捨てられたと思い込んでいたまりさは、それを受け入れた。
冬の審判の日は、まだ遠い。
「ゆ……ゆ……」
3日前より少しだけボロボロになった段ボールの中に、不気味な影が一つ。
なんとか這い戻ったれいむが力なく横たわる。
まりさは手加減をしていた。
それは致命傷にはならなかった。
が、二度と歩くことは出来ない。
「れいむはにんげんをせいっさいしてやったよ……! にんげんをあやまらせてやったよ……!」
うわ言が響く。
死のうにも、まりさが冬ごもりのために蓄えた食物は三匹分ある。
人間を吹き飛ばしたこと。人間に謝罪させたこと。人間からあまあまをぶんどったこと。人間を奴隷にしたこと。
少しでもゆっくりするために、書き換える。