はてなキーワード: 段ボールとは
具体的にはマジで隙間なくゴミで埋め尽くされており、住人の動線だけゴミが踏み固められて通路化しているような感じだ。
あなたは多分「自分の部屋はそこまでじゃない」と思う事だろうが、一緒だ。
実家暮らしでそうなっている=ご両親も現状を受け入れ諦めてしまっているわけで、ご両親には期待できない。
こんな部屋を見せられない? アホか。
見せられないって意識があなたの心の中で結界になってるんだよ。
まずその結界を破壊しろ。他人を入れる決心をすることでその結界は壊れる。
6畳の部屋、高さ0.5mまでゴミが溜まっていると仮定して、だいたい4500リットル分のゴミがあることになる。
紙が多いとのことだが、捨てようとしたら最低で45リットルの可燃ゴミ袋が100枚必要だ。
紙ゴミが多いとのことなので、まず紙ゴミを捨てなければ話が始まらない。
それらのものを一旦置いておくスペースと容器を確保しておけ。
部屋の外の通路を使えるならそこでいい。具体的には大きめの段ボールを置いておけ。
無理なら玄関(屋外)が第1候補になる。最終的に燃えるゴミに出さないといけないんだからな。
具体的には今年の3月以前(前年度以前)のプリントとかは全部捨てろ。
どうせ前年度の紙なんて絶対に見ない。
日付だけ確認して(地層的に大半は日付の確認すら不要だろうが……)一切の意思を排除して捨てろ。
紙ゴミをほぼ全部捨てられたなら、その過程でそれ以外のものも色々出てきているであろう。
あなたは自分の本や何かが実際どれだけあるのか恐らく把握していないだろう。
紙ゴミをほぼ捨てたら、ようやくそれ以外のモノがどれくらいか、収納は足りているのか等の判断がつくようになるはずだ。
その状態になったら一旦終了だ。
その段階で増田に進捗をかけ。そしたら続きを教えてやる。
片付けができない人って、使ったものをすぐに片づけられないんだよ。
ほとんどのアドバイスが、この習慣を直さないと使えないんだが、それが無理なんだよ。
だから整理してもすぐに元通り。
私自身もそうだった。
まれにやる気を出すがすぐに元通りで、自分への劣等感が強くなるの繰り返しだった。
ということで、机の上に散乱したものを横に動かすくらいしかできない人へのアドバイス
◆まず買うもの
https://www.amazon.co.jp/dp/B003CFD2K0/
https://www.amazon.co.jp/dp/B002NTCACM/
https://www.amazon.co.jp/dp/B07J1ZP1FS/
〇でかい一時保存箱
蓋が外せる45Lのゴミ箱
〇ゴミ袋たくさん
◆すること
〇ゴミはゴミ箱に入れろ。フタはいつも開けておけ。フタを外すなんて面倒な作業は無理だから。
コンテナがあふれそうになったら整理
整理する気分にならない時はそれを閉じて、新しいコンテナを使う
下手すりゃ部屋にコンテナが積みあがるが、ベッドや床は浸食されない。
◆服は置くエリアを決めておけ
そのエリア内にとりあえず投げとけ。服専用に1つコンテナ使ってもいい
床を見えるようにしよう。
この3つに分ける。
〇今月ないと生きていない→一時保存コンテナ
これを上で書いているとりあえず突っ込むコンテナとして使う。
これは閉じておく。必要な時に取り出して使おう。
◆コンテナ買う気力もない
ひとまず、ゴミとそれ以外を分けて、床を見えるまではがんばろう。
コンテナ代わりに、段ボールや40L~75Lの透明のゴミ袋に入れてもいいよ。ゴミと間違えなければ。
◆(番外編)コンテナ置くスペースが足りない
深型跳ね上げ式ベッドを買おう。値段は高いが、収納力は優秀
https://www.nitori-net.jp/ec/product/2080320s/
https://anond.hatelabo.jp/keyword/%E3%82%B4%E3%83%9F%E5%B1%8B%E6%95%B7
私もADHD診断済の元汚部屋住人だったが、今では客観的に見てきれいな部屋に住んでいる(というか諸々の事情で強制的に片付けざるを得なかった)
片付けざるを得なかった理由は下記
・引越し後に猫を飼い始めた
必要な物を段ボールに詰めることも、必要でないものと必要な物を分けることも苦痛極まりない。
毎回徹夜で段ボールに物を詰め、引越し後も、数年単位で段ボールが残ることになる。
私の場合、引越し後にある程度生活が整った後も段ボールが残っていたので、思い切ってその段ボールごと捨ててしまった(実家に送るのでも良いかもしれない)
引越しを繰り返すたびに持ち物は減っていった。
ある程度物が減った頃、猫を飼うことになった。
猫はとても可愛く、部屋中のあらゆる物に興味を示した。
大事な猫が何かを誤飲したら大変だという一心で、右手に可燃ゴミの袋、左手にビニールごみの袋を持って、泣きながら部屋を徘徊した。
こうして私の部屋は片付いた
自分も完全に脱せたわけじゃないけど、ものに過去が染み付いてて失敗に結びついてたりすると触るのもしんどいんだよね。でも見えてると無限に辛い。
ゴミ捨ては過去の葬式だと思って、埋葬のつもりでゴミ袋に入れよう。後でまた勉強しようと思ったけど結局見返さなかった自分、出すはずの書類が出せなかった自分、服を買ったけど整理がつかずコーディネートに組み込めなかった自分、片付けグッズ買ったけどダメだった自分、ガジェットを買って何かしたかったけどあまりしなかった自分、いろんな過去の自分の葬式をする。許してやれたらなおいいけど、気持ちの整理がつかないまま四十九日が終わっちゃうこともあるわな。
あんまり書かれてないコツだと、獣道には比較的新しいものが落ちてきてるから、まず獣道の床が見えるようにして100均のお掃除シートで拭くことを目指すといいよ。とにかくまず床を見よう。
服は洗濯して着るもの山に戻すか保留ビニール袋に入れる、本はとりあえず積む、仮置きした大事なもの入れとかは地層の上でいい。
ゴミ捨てのコツは可能な限り可燃ゴミに出すこと。よくないと思うかもしれないけど、今ここから助かるためにはしょうがない。段ボールはちぎったら袋に入る。近所の人が分別にうるさいなら袋に入れた後に醤油でもかけて再生できない紙にしてしまおう。
後は獣道を作業スペースにして分別しよう。大学箱(段ボールでも洗濯カゴでも)とダブルクリップ、空封筒なんかを用意して、地層最上層を入れていこう。バラけたら困るものはクリップでとめたり封筒に入れたりしながら箱に入れていく。箱の中に地層ができたっていいと思う。一部でもいいので最上層が取れて下層が見えたら、小学校〜高校の紙は捨てよう。これもできるだけ可燃ゴミでいいよ。
あと、家全体がそうだとすると家族があてにできなさそうなので、外に相談先を持っておいた方がいい。大学生なら保険管理センターのカウンセリングに行ってみてほしい。片付けられなくてつらい、うまくいかない、そういうことを話したらいい。こんなことでと思うかも知れないけど、大学生活をちゃんとやっていくために必要だと思っていて、そこで困ってるんだから、十分に対象となる。
辛さや不安を話すんじゃなくて、片付けにあたっての気の持ちようをどうしたらいいんだろうでもいいし、人生を立て直す方法みたいな方向で相談してもいい。将来メンタルヘルスを健全に保っていく練習だと思うといい。大抵の大学で無料なので今のうちに使っておこう。
当方汚部屋から脱出した経験あり。すでに言及されてるが、捨てろ。とにかく捨てろ。書類であふれているとあるが、今時物理的な紙でもってないといけない書類なんてほとんどない。スキャンして捨てろ。電子化して捨てろ。「大切なもの入れ」も捨てろ。部屋に大切なもの以外置くな。
自分と同じような人間なのだと仮定するが、お前のいる/いらないの判断はバグってる。寝具とPCと机と椅子とあと数着の服以外はゴミだ。捨てろ。なんなら教科書もスキャンして捨てろ。スマホで見りゃいい。タブレットかPCでもいい。自分はそうした。
具体的な手順を書く。まずゴミ出しアプリ(ごみ収集日がわかり、リマインドしてくれるヤツ)をスマホにでもインストールして前日夜と当日朝にリマインドする設定にしろ。俺はさんあーるとかいうヤツを使ったがお前の自治体が対応してるかは知らん。スマホのアラーム機能でもいいだろう。とにかく自分の記憶や意志に一切頼るな。習慣化とは自動化だ。機械を頼れ。
次に自治体のゴミ袋を全種類買え。ガムテープとビニール紐も変え。入れたアプリかネットで捨て方を調べろ。大丈夫だ、案外分別は簡単だ。そしてお前の部屋の目に映るものを脳死でゴミ袋につっこめ。書類はスキャンして燃えるゴミ、カンとビンはわけろ。服もおそらく燃えるゴミだ。電池は今のお前には手に余る。ひとまず端子にテープを貼って(火災防止)何かの袋につっこめ。残りのゴミはだいたい燃えると思え。明らかに燃えなそうなヤツ以外はだいたい燃えるゴミだ。捨てろ。ひとまず精神力の続く限りゴミ袋に突っ込め。段ボールをしばれ。
次に捨て方だが、お前が朝早いタイプならなにも問題ない。設定したリマインダーに言われるがままに捨てろ。可能なら家を出る10分前ぐらいのタイミングでリマインダーが来るようにしておけ。リマインドは何回設定してもいい。俺は前日夜、当日起床時(目覚ましアラームと同時)、家をでる10分前ごろの(これはアラームのみ)の3回リマインドが来るようにしてる。ここまでやると3回に2回はゴミ収集所まで持っていける。
お前が起きるのが遅いタイプなら、一度自身のゴミ捨て場のゴミ出し時間のデッドラインを確かめろ(どの時間までゴミが収集所に残ってるか確かめろ)。そのぎりぎりを攻めろ。燃えるゴミ以外は前日だせ。そのための前日夜リマインダーだ。
これを一度すくなくとも自分の部屋の中身がきれいさっぱりなくなるまで続けろ。俺は一月かかった。お前もそんぐらいかかると思う。
一月も繰り返すと、お前は自然と家に帰ってくると翌日のゴミ収集にあわせてゴミ袋にゴミを突っ込んでいるはずだ。これが習慣化だ。
捨てろ。整理整頓の前にゴミ捨てだ。捨てる能力の上に整理整頓はある。捨てろ。物が多いと整理整頓なんて普通出来ない。捨てろ。
これ書いた増田です。
https://anond.hatelabo.jp/20201129081209
私の場合は自分の1R、元増田はご実家ということで大変さは比較にならないと思いますが、
とりあえずご自分の部屋のことだけに絞って私の経験から言えることだけお話します。
お部屋にあるものがゴミかそうでないか区別がつかない状態ではないかと思いますが、
多いのが紙とわかっているなら、紙に絞って進めるのがいいと思います。
たとえば段ボールなどを用意して
・いるもの
・いらないもの
(まず地域の古紙の出し方を調べたほうがいいかも知れません。地域によっては段ボールに古紙を入れて出せなかったりするので)
いらないものの基準は、たとえばここ一年見返していないものや、ネット等で再取得が可能そうなもの、のように決めてしまうのがいいと思います。
いるものをどこに入れるか……とかは後回しでいいです。必要になったらいるものボックスを漁れば良いので。
ともかく、いる、いらん、今はわからん!でテンポよく分別してくと、なんとなく、ゴミ捨てハイみたいな気持ちになってきます。
一通り3通りに分別し終わったら、「今は判断できない箱」を見直します。
「……なんでこれ、一旦保留にしたんだ……?いらないじゃん………?」みたいなものがたくさんあるので、それも「いらない箱」に入れます。
あとはいらない箱を捨てるだけです。
本や洋服等についても同様の手順です。
整理をする、収納する、清潔に保つ、
などは、自分が部屋の中に何があるか大体把握できてこそ可能になります。
ものが多すぎると自分の把握のキャパシティを超えてしまいます。
まずは自分のキャパシティ内までものを減らすことが先決だと思います。
ある程度ものが減ったら、収納のことを考えてよいとおもいます。
https://kataduke-tonton.com/blog/howto/13275/
女子フリーターアルバイトさんがパックドリンクの補充に行って戻って来て、
「ウォークインの中、めちゃくちゃでしたよ。段ボールがごちゃごちゃになってて、入り口の方までぎっしり詰まっていて、ちょっと手を伸ばしてもドリンクが取れないくらい」
と言うので、どんだけの惨状なのかと後で見に行ってみたら、別にどってことなかった。一番奥の方に6台の台車に5ケースずつくらい積み上がっているだけだ。ただし、そのなかには半端に開封されたまま放置されたのが5ケースくらいある。積み上がったケース達の一番下のものを開封して5本くらい抜いてあるのもあって、そんな事をすると当然、箱が変形するので上に積んであるものが傾いで危険だ。
大して在庫があるわけではないが、積み方が悪くて危ないし、片付けを後にシフトに入る人に押し付けた形なのでよくない、という状態。女子フリーターアルバイトさんの言いたかったのはそういう事だったようだが、めちゃくちゃとかごちゃごちゃとか、ずいぶん大袈裟な言い方な上にあまり事実を伝えていない。
そういうのを、Aさんだったら即「コイツは嘘つき」判定をして、以降はまともに話を聞くに値しないとしてしかも本当に無視をするので、女子フリーターアルバイトさんが言う相手を間違えなかったのは良かったかもしれない。
女子フリーターアルバイトさんが上がって、入れ替りにAさんが出勤してきた。その三十分前までは来客数が多くて忙しかったのだが、急に客足が途絶えて暇になったので、ウォークインの片付けをしたくてうずうずしてきたが、どーせまたAさんは「余計な事しなくていいですよ」と言うんだろうなあ。先日のグリストラップの件だってひとを悪者のようにDさんに吹聴してたしコイツ(https://anond.hatelabo.jp/20220526013826)……と思い、諦めてAさんと無駄話をした。
よくわからない経緯を経てタヌキの話になった。
「俺は子供の頃から『平成狸合戦ぽんぽこ』が好きで何度も観ているんですけど、あれを見てすごくタヌキが欲しくなって……」
と言うので、
「あれを観てタヌキが欲しくなるって、物語の内容を全く読めてなかったという事では。『あらいぐまラスカル』を観てアライグマを飼いたいと宣う馬鹿と同じですよね」
と答えた。なんかたまにはジャブを打ちたいという気分だったのだ。
いや、ほんと酷い。なんでこうなってしまったのか。
情報集めのためにWebを見ていれば、どのサイトでもToxicなプレイヤーがひどい言葉で言い合いをしている。
SNSでは女性プレイヤーへのハラスメントがやむこともない。コメントによるセクハラ、匿名での嫌がらせも日常茶飯事だ。
5chには様々なプレイヤー晒しスレが立ち、SNS上で活動しているプレイヤーどころか、普通に店舗に出入りするプレイヤーにまで言及が及ぶ。
4月から、いろいろなカードゲームでテコ入れがあり、私のやってるゲームもかなり盛り上がっていたので、この1年は楽しくなりそうだなと思っていた矢先、
イベントでまたToxicなプレイヤーと対戦し、ひどい目に遭う。(身バレ防止のため詳しくは書かない。晒されるし)
終了後落ち込みながら「なにやってるんだろ」という気分になってしまい、なんのためにカードゲームをやっているのか完全にわからなくなってしまった。
ここ数年で楽しかったのは、ブーム前にポケモンカードをやっていた時ぐらいだ。
この日記の書き始めは、2022年の3月23日。私の増田歴は2年ほどになる。基本はROM専だ。
週末にはてなブログランキングを見る派なのだが、その一番下に増田部門があるだろう。
『弱者男性』というのは要するに、男としての権利や義務や果たすとか、オスとしての欲求を満たせずに苦しんでいる男性のことらしい。特に、お金とモテの問題が多いようだ。
どれだけお金がある人でも、どれだけモテる人でも悩みはある。自分の思いを果たせずに苦しむことには変わりない。自由は、苦しいのだ。
私は、30代後半になる男だ。これまでずっと、道路や、公園や、箸などの大型建築物を創る仕事に打ち込んできた。あなたが都内暮らしであれば、私が設計した橋梁を使ったことがあるかもしれない。
年に数えるほどしか増田には投稿しないが、退屈にならないように綴ってみる。
以下、当時の日記を加筆修正したものになる。逆時系列にしている。
2022/3/18
職場の窓口にお客さんが来た。女の人だ。見た目は25,6才ほどか。
カウンターに座るように案内をして、その子の説明を聞いていた。
五分も経つと、向こうの説明が粗方終わった。話の最後で、こちらの資料をサービスで何点か手渡した。
別れ際、その子が割と遠方から来ているのを知った。職務経験が浅い印象があったので、「質問はありますか?また来ることがあっても困るでしょう」と話を振った。
その子が顔を上げた。すると、次の瞬間だった。コロナウイルス対策のプラ製の衝立越しに、その子と目が合った。瞼の上の、ふわりとした茶色いパーマが特徴的だった。
「しまった」と感じた。
話の最中、その子の姿を見ないようにしていた。私はずっと、カウンターにある資料に目線をやっていたのだ。
・・・私と目が合った途端に、その子の瞳が大きくなった。茶色い瞳孔をふわっと見開いて、両手の掌をテーブルの端にちょこんと乗せて、こちらに身を乗り出してくる。目を逸らすのも失礼なので、ちょっとの間だけその子の瞳を見ていた。
その後、私は少しばかり視線を落としたはずだ。
「確認ですが、このフェンスのところには町内会の倉庫が置かれるんでしたっけ」
「はい、そうです!」
マスク越しでもわかる、その子の綻んだ顔に目を背けるようにして私は、カウンターの端にあるスタンプ台に視線を移した。
帰り際、その子が名刺を置いていった。会社名と、その子の氏名と、会社の電話番号と、メールアドレスと、上から鉛筆書きで携帯電話の番号が書いてあった。「会社にいない時はこちらに」とのことだ。
接客が終わって私は、名刺ホルダーの一番目立たないところにそれを突っ込んだ。
2021/12/21
給湯室までコーヒーのお湯を汲みに行こうと席を立ち、廊下に出たところで、細身で背が高い子が正面から歩いてきた。いつも髪をお団子みたいにまとめている。
今年入ってきた新人の子で、私と同じ高専の出だった。片手に厚生地のハンカチのようなもの(あれはなんて言うんだろう。ハンカチとタオルの中間みたいなやつだ)を持っていた。
その子は、私とすれ違おうとする時に、「ばぁっ!」と言いながら両手を広げ、私の方に躍り出てきた。私がのけ反るのと同じタイミングで、小走りで後ろ壁まで下がって、にやにやしながらその子の職場の方へと早歩きしていった。
「しまった、対応を間違えた」と思ったのは、その年の6月頃だ。
その子は私の部署で余った事務用品をもらいに来ていた。あの時私は、縦横5000×5000ほどの段ボール(中に大量の事務用品あり)を抱えて、その子に渡そうとしていた。
「○○さん。開いてるよ」
小さい声で、その子のスカートのファスナーが開いて、横から灰色の下着が見えているのを指摘した。
その子は、「あ……」とだけ呟いて、カチンコチンコチンに固まった。私がそそくさと自席の方に戻って座りかけたところで、その子が段ボールを床にガタンと落としたのを聞いた。
どうやら、片方の手だけでファスナーを元に戻すことには成功していた。その子のところまで行って、段ボールを持ち上げて、「ゆっくり運ぼうね」と声をかけた。
今思えば失敗だった。その子は、あれから廊下で私とすれ違う時、たまに凄く嫌そうな表情になる。廊下の端の方に寄って、小走りで駆け抜けるのだ。その度に、申し訳ない、ごめんなさいという気持ちになる。
2021/9/30
よく行く近所のコンビニに、高校生~大学生ほどの女子店員がいる。ハキハキした明るい接客をするし、どんなお客にも物怖じしないし、チャッチャとした勢いで在庫ケースを開けてアイスや冷凍食品を突っ込んでいく。将来有望な子だと感じていた。
ある夜だった。コンビニによっては、お客さんがレジの画面で決済手段を選んだり、現金をキャッシャーに入れたりするだろう。
私の目の前に並んでいたお爺さんだったが、どうやら初めてのようで画面操作に苦戦していた。その子はカウンター越しに指で指示をするのだが、なかなか難しい様子だった。その子の身長は低い。レジから身を乗り出すも、うまくお爺さんに指示ができていない。
でもなんとか、最後の画面までは行っている。私は近づいて、「ここを押すんですよ」とお爺さんにジェスチャーで示した。無事に決済処理が終わった。
私の番がくると、「ありがとうございました」とその子が言った。「○△さんは優しいんだね」と声をかけた。「そんなことないです!」と全力で謙遜をする。
その際、彼女の変化に気が付いたのと、心の中で「やめておけ!」という声がしたのは同時だった。喉の方が早かった。
「今日は、なにか顔が違う?」
家に帰って、ようやくコトバが浮かんできた。あれはチークだ。女性の瞳の下がうっすらと赤くなっているやつだ。
いつだったか、直属の上司が女性社員に対して、「その赤いのは何だ?」と声をかけると、その人が、「これチークです」と返して、さらに上司が「チンコ?」と問い返し、微妙な雰囲気になったのを思い出した。
その子は、私の問いかけにレジの前で飛び上がって、「えー、どこが違いますかっ?」と元気いっぱいに質問を返してきた。物凄い勢いで身を乗り出している。「わからないけど、なにか違う気がする」と答えたはずだ。
以後、その子にレジを受けてもらう時、話しかけてくるようになった。二週間に一度くらいか。
「昨日の朝、自転車で走ってましたね」
「すっかり寒くなりましたね」
「私、来月から薬学部の研修に行くんです。しばらく会えません」
去年のクリスマスを過ぎた頃だったか。その子と話をしなくなったのは。
急に暗い表情になって、私と世間話をすることはなくなった。
できるだけそのレジを避けるようにしたのだが、たまにどうしようもない時があって、その度にまた暗い面持ちを見ることになる。
こういうことがある度に、「間違えた」と感じる。
上に述べた内容は、人によっては嫌味に聞こえると思う。もし、あなたが異性にモテたい人間で、かつモテないのだとしたら、イライラとする内容であるに違いない。
私と目が合った異性愛者の女性は、私に異性としてのアプローチを求めるようになる。目が合わない場合ですらそうだ。
昨年の6月。他組織から依頼があって、コロナワクチンの接種協力の仕事をした時だった。文化ホールの2階席が待機場所だったのだが、覇権会社から来ている女の人は、周りが空いている状態でも私の隣付近に座ろうとした。
○ 私
△ それ以外の主に男性
△ ●●● △
● ○●△
△ ● ● △
オセロだったらと思うと恐ろしくなる。黒が集まっているし、左右には正体不明の駒がある。△がみんなルークで、かつ私の味方であることを祈りたい。
派遣会社の女の人は、昼食を食べている時、チラチラと私の胸板を見ていた。上着を着替える時は特にそうだ。
「お前、さっき俺が着替えてる時チラチラ見てただろ」と言いたくなった。
それで、相手の方に視線を向けると、メジロのようにサッと首を回して向こうを見る。これに限らず、何もしておらずとも人からの視線を感じることが頻繁にある。
2017/9/上旬(〃)
この時までは、「できれば女性の目を見ない方がいい」が方針だった。この体験の後は、「絶対に見ない」と自らに誓った。
あれはまだ、前の会社にいた時だ。地元密着型の企業で、年に一度、会社敷地でお祭りをやるところだった。一般の人を100人ほど招いてワイワイと楽しんでもらうのだが、私は輪投げゲームの担当になった。
昼下がり、1階の広い室内のひと区画で長机に座って店番をしていると、6才くらいの女の子が前を通った。同じ部署の女上司の子どもだった。
その子は輪投げスペースを通り抜けて、私のいる机の前まで来た。それで、微笑みながらその子の顔を見たところ、きょとんとした顔になって、トコトコと母親のところに歩いて行った……数分後、その子は母親の手を引いて、またこっちに来た。輪投げゲームをやりたいという。
その時は普通にプレイしてもらった。帰り際に何かの景品、水鉄砲だったかを渡してあげた記憶がある。
その一ヵ月後だった。私と同僚が、女上司(母親)の会社の忘れ物を家に届けた時のことだ。
呼び鈴を鳴らして玄関口に入ると、女上司が出てきた。忘れ物を渡して、「ありがとうね」と言われたところで、例のあの子が奥の方から玄関に出てきて、私の方を見た。
すると、口をちょっと開けて、後ずさったかと思うと、一目散に後ろに駆けて行った。柱の後ろに隠れると、「いやだ、わたし、あの人に会いたくない!」と叫んだ。
一言一句、誤ってはいない。確かにその子は、慌てた声で、亀のような姿勢になって、そう叫んだのだ。「あんた!この子になにしたの!」と言われた私は、何もできなかった。
次の日から職場に居ることが苦痛になった。とにかく仕事がやりづらい。女上司との仲が悪循環的に悪くなっていった。
この日から半年後、私は転職を決意した。それから約三ヶ月間、耐えに耐え、今の会社に入ってからは、ずっと今の職場で技術関係の仕事をしている。
上のような諸々の現象に出会うことは正直よくある。年に十回以上は固いだろう。
その度に、過去にあった嫌なことを思い出して、「馬鹿なことをしてはいけない」「自分も他人も傷つけてはいけない」と自らを律する。
過去にあった嫌だったこと。思い出したくはないが、この機会だから思い出してみよう。
・地元の高専にいた時、アルバイト先のマクドナルドで、ある女の子と彼氏彼女的な雰囲気になったことがあった。が、今の私も、当時の私も奥手で、仲が進展することはなかった。雪が降る中、飲み会の帰りにその子を家まで送って行って、アパートのドアが開いたところで「今日はありがとう。じゃあね」と言うと、その子は私の顔を見上げて、多分十秒くらい経ったろうか。視線を部屋の中へと送ってその子は、またしばらく黙っていた。すると、突然早歩きで部屋に入って、ガチャンと扉と鍵を閉めた。しばらく立ち竦んでいると、その子の部屋の中で、また何か音がした気がした。私は振り返って、自宅に帰った。申し訳ないことをした、と今では思う。
・電車で移動する時。愛車(自転車)の修理が必要な時や、会社に遅れるリスクがある時は山手線で通勤する。席を確保してゆっくりしていると、いわゆるトナラーというのか、見知らぬ女の人が隣席に腰をかけることがある。40もつれの女性であることが多い。やがて、その女性がウトウトしたかと思うと、私の肩に顔を傾けてくる。逃げるのも申し訳ないので、大抵は我慢している。
・電車通勤時に会社近くの駅で降りるとき、「すいません……」と斜め後ろからオドオドとした、だが妙に勇気を振り絞った声がすることが稀にある。そこには大抵、中学生や高校生がいて、顔を伏せがちにして私の方に歩いてくる。それで、カバンから可愛らしい封筒を取り出して、「読んでください」と手紙を差し出す。『ごめんね。申し訳ない』。そう思いながら、「勇気がいったよね。ありがとう。読ませてもらう」と返す。手紙を受け取ると、手提げかばんに仕舞って、会社が終わって家に帰ると衣装ケースの奥に入れる。時間がある時に恐る恐る読んでいる。
私は幸せではない。普通の人が望む恋愛で幸せを感じられないからだ。
先日の、ある洋風居酒屋を貸し切っての飲み会の席だった。何十人もの社員が参加する、それなりの規模の酒席だ。幹事集団が、開催前の挨拶で「ソーシャルディスタンス」を連呼していたのを覚えている。
若い子が多かった。30代は私と男の後輩の2人だけだった。飲み会の開始直後を除いては、ずっと1人でメシを食べていた。二十分が経ったところで、後輩の男が、「増田さん。今いいですか」と満面の笑みで声をかけてきた。かつては同じ部署で、手取り足取り何年も仕事を教えてきた後輩だ。
要約すると、「あっちに先輩の席用意してますよ」とのこと。
彼の身長は170あるかないかで、体格は太い。着古した作業着で居酒屋に来ていたが、ちょっと汚れのある様がパリピ向けの店の雰囲気にそぐうと感じた。
笑顔はきれいだった。店内の薄暗いLEDに照らされて。少年的な感じのするスマイル。顔は色黒いのだけど、爽やかな感じが伝わってくる。
彼はいいやつだ。数年後には、いいお嫁さんをもらっているのだろう。
「女の子が2人待ってますよ。増田さんのために揃えたんです、褒めてください! △△さん(4階の職場で一番綺麗とされる女性社員)が来てますよ」
後輩はそんなことを言った。私は特別席へと案内を受けるようだ。
後輩は、うす暗い居酒屋のとある一区画の前まで来ると、「俺は男同士で飲みますわ。先輩は楽しんでください」と向こうのスペースに行った。目の前には後輩が説明したとおり、女性が2人、灰色調のソファに並んで座っていた。それともう1人(「ばぁっ!」の子)が2つ隣のソファでまごまごしている。私は対面に座せばいいようだ。
それで、女の子達(同じ階の後輩3人だった)を見た。一人はショートカットで、一人はセミロング?をポニーテールみたいにしていた。もう1人は、肩甲骨の下までの長い髪だった気がする。
雑談を小一時間した。私目線だとそれなりに盛り上がった。みんな大体同じだけ会話ができていたはずだ。退屈そうな素振りをしたこともあったが、気付かれていないと信じる。
この時も、やはり後悔がある。トイレで席を立った時、あの男の後輩を見つけた。少し酔っていたのもあり、声をかけみてた。
「女の子はいいや。後輩君と2人で話したいんだけど。どうかな」
と彼に告げたのだが、鎧袖一触とばかり、「ふざけないでくださいよ~!」と、私の背中を押して、あの子たちのいる席へと連れて行かれた……。
それからずっと、あの子達とお喋りをしていた。やがて、飲み会の締めの挨拶が始まったのに合わせて、私は特別席を立って遠くのスペースに移動した。挨拶が終わる頃、幹事達に1万円を渡して、誰にも声をかけずに帰った。
色々と勉強になる飲み会だった。またいつか、機会があれば行ってみたい、かもしれない。
自分という存在が嫌になる。私にも心があり、胸にときめきを感じる瞬間があり、その存在がほしい、手にしたい、一緒になりたいと願うことがある。
でも、手に入ることはない。手に入れようとする行為自体が罪になる。挑むこと、それ自体が罪なのだ。私にできるはずがない。できない。できないよ。私には。
増田につらつらと想いを書き綴ってはみたけれど、どうやら少しだけ気分が楽になった。つまらない日記になっていたら申し訳ないけど、できればそうでないことを祈っている。
しがない営業マンです。営業のためにカタログは必須品ですが、これがとにかく困る。種類が多いから管理が大変なうえに、乱雑に扱うとすぐ傷がつく。
ダイソーでクリアケース買ってきてそれぞれ突っ込んで管理してたけれど、営業車の移動が続くといずれ振動で擦れてカタログに掠れ傷がつく。おのれ。
今のところ極少量をちょっとづつ使って補充しているのだけれど、とにかくこれも面倒くさい! 肝心なときに該当のカタログがなかったりして最悪だ。なんとかして最低限の管理で、カタログを傷つけないで運ぶ方法ってのはないものか!
>トランク
車で移動するからなぁ。あんまり大きなトランクに入れるのも無駄な気がする
>段ボール
レジ接客中のなんでもないやり取りの中、ふと顔を上げてお客様と目が合ったらお客様がビクッと後ずさったのでこちらもびびった。目力無駄に強くてごめんなさいね……。本部の指導だとお客様の目を見てフレンドリーに接客をということだけど、目を見る時点で全然フレンドリーにならないのが私クオリティなのでは? という疑問が。本当に目を合わせるよりはネクタイの結び目辺りを見るといいともいうが。
この地方に越して来て以来ずっと思ってるのだが、実家とこの辺りはそんなに遠く離れている訳でもないのに、目を見るということに関する文化が違いすぎると思う。全体的な日本人の傾向として、じっと人の目を見て話すことがあまり出来ないというけれど、そんな日本人の中でも私の出身地方の人達は目を合わせる事への耐性が強い方なのかもしれない。
今住んでいる地方に越して来てしばらく、知らない人や顔見知りだが別に親しいってほどではない人から気軽に話しかけて来る辺りは故郷と同じで田舎だなあという感じなのに、相手から話しかけて来たくせに人の目を見ないどころか顔を背けたまま独り言のようにべらべら一方的に捲し立て、自分が言いたいことを言いきると前触れもなく踵を返して去る人ばかりなのが、不思議だった。私と話しているはずなのに、身体ごと真横を向いたまま話す。その癖、嫌みとか暴言はしっかり真正面から見据えて言ってくるので、この地方の人にとっては、目や顔をじっと見て話すということは、よほどの異常事態というか喧嘩を売ってるようなもんなんだろうなと思う。
大昔、『新世紀エヴァンゲリオン』を観た
ら、ミサトとリツコがそれぞれ別の方向へ顔を向けたまま会話をするシーンがあって、この人達器用だなとか本当は仲悪そうだなと思ったが、その私の感想は私の故郷特有の文化習慣のたまものだったりするのだろうか。私の故郷の人達は、例えば身長差のある二人が雨の日に傘をさしつつ横並びで歩きながらしゃべる際など、わざわざ傘を傾げてまで相手の顔を覗き込んで話す。私は背が低い方なので、相手がわざわざ腰を屈めてまで視線の高さをあわせてくれることが多く、でもいつもの事なのでそれに申し訳なさを感じたことがなかった。私は私で、何とも思わずに相手を見上げてしゃべるのだし。
先日は異様に来客数が多くて大変だった。レジを離れる暇もないなんて久しぶりだ。ピークは19時少し前だったので、コロナ禍以前の状態に戻ったのかなと思う。しかし、雨が降っていたにしては多かったような。
お客様がカフェマシンを使っている最中にマシンのアラームが鳴ったので、駆けつけたらマシンの不具合だった。すぐに直せたけど、お客様が、
「だ、大丈夫ですか……?」
とやたらびくびくおどおどしておられる。お客様は自分のマシンの操作が悪かったせいでマシンが壊れたと思ったらしい。私は、メンテナンス不良によるマシンの不具合なのでお客様のせいではないことを説明し、ご迷惑おかけして申し訳ございませんと謝罪。
お客様が淹れていたのはアイスカフェラテだった。アイスカフェラテを淹れる最中にマシンが不具合を起こして停まると、ミルクかコーヒーのどちらかかその両方が出ないなどのトラブルが起こりがちなのだが、お客様がいうにはカフェマシンがおかしくなったのは抽出後だということなので、製品の交換や返金の必要はなかった。
カフェマシンのメンテをたぶん前日の担当者がサボったせいでトラブルが起きたので、いち早くマシンのメンテ作業に入りたい。そんな時ほど沢山の来客があっててんてこ舞いなのだが、そんな時に限って、なんか急ぎでもない風情のお客様に呼び止められる。
「何でもいいから、スポーツドリンクをケースで二つ欲しいんだけど、ケースでも売ってくれる?」
まさかのコンビニでドリンクケース買い希望! 別に、ケースで売る事は差し支えないのだが、お客様的には損しかしないのだけれども。当店では商品のケース買いを想定していないので、ケースのバーコードはレジに登録されていない。ということは、バラの商品の値段×入り数で計算する。これが地味に揉めるポイントで、嫌。
なぜ揉めるのかというと、ケース売りの場合、レジで商品をスキャンする際にケース表面のバーコードをスキャンすることが出来ない(レジに商品のケースのバーコードが登録されていないからだ。ホムセンやスーパーだとケース売りに対応しているため、ケースのバーコードをレジで読み取ることができる)ので、売り場からそれと同じ商品を持って来てスキャンし、ケースの入り数を掛けて代金を請求する。もしも売り場にバラの商品がなかったら、お客様に断りを入れてケースを開封して中から一つ取り出してスキャンし、入り数を掛ける。
この時、お客様の中には、売り場から持って来てスキャンした商品も貰えると思って持ち帰ろうとしたり、ケースを開封されるのはどうしても嫌だと言う人がいるので、揉めるという訳だ。ケースで買っても値引きがないことを知って、こんなに買ったんだからサービスしろと言って譲らない人もいる(そんな人がよく、スキャンするのに使った単品の商品を寄越せと言ったり無理矢理持って帰ろうとする)。
内心、面倒な客が来ちゃったなと思いつつ、ホムセンやスーパーがまだ閉店していない時間帯にあえてコンビニでドリンクをケース買いしようとする奴にろくな人間はいないので、大人しくウォークイン冷蔵庫の中に在庫を探しに行った。庫内を見ると、こんな時に限ってポカリは在庫がなく、アクエリは在庫はあったが、何故か1ケースぶん以上もストック棚にバラで押し込められている。売り場側に陳列されているのを足しても2ケースには届かなさそうだ。
それをお客様に説明したところ、お客様はどうしても今スポドリを2ケース必要なのだという。
「人数分欲しいから2ケースでないとダメ。……で、1ケース何本入ってるんだっけ?」
「24本です」
「じゃあやっぱり2ケース要るな。でもバラじゃあ全部いちいち袋に入れて持って歩かないといけないんだろ? それは嫌だな。やっぱり箱に入ってなきゃ」
するとお客様は、ふとレジ前に置かれていたアクエリのかというと、900mlボトルのケースに目を留めた。
「これは売ってくれないのかい?」
それももちろん売り物だが冷えてはいない。しかも、レジ前に置かれてはいても、値引き商品ではない。
「売れますが、サイズが違いますのでケースの入り数が少ないです」
と答えたところ、お客様はそれでいいと言った。大サイズのアクエリをの入り数を数えたら、12本だったか……。2ケースでもお客様の希望の本数には全然届かない。だが、
「じゃあこれでいいや。これ2ケースちょうだい。上のは段ボールの蓋開いてるから、下の二つもらうね」
いいんだ!? まあお客様がいいって言うんだからいいかと思って、2ケース売った。
ピークがまだ過ぎない頃、カフェラテを淹れた直後にマシンがエラー停止したことに怯えていたお客さまが来店。
「実は、普通のコーヒーを買ったのに間違えてカフェラテを淹れてしまい、それでマシンが壊れたのかと思って……」
とお客様は震え声で言った。差額を払わせてくれという。忙しいさなかだったので、こちらもマシンの不具合でお客様にご迷惑をおかけしたので、今回は差額は結構ですと自己判断で断ろうとしたのだけど、是非とも払わせてくれというので、払っていただいた。
ピークを過ぎたあと、品出しをしていたら、レジを担当していたAさんがフロアに出て来て床掃除を始めた。何があったんだか気になったが、こちらはこちらで品出し作業が押しているので、聞いている場合じゃない。
後でAさんに聞いたところ、お客様が冷酒の瓶を落として割り、お酒があちこちにぶちまけられたという。
あちこちとは。
お客様は来店した時点で泥酔しておられたらしく、つまみと冷酒を買って精算後にレジの前で冷酒をレジ袋ごと落とした。酒瓶が落ちた時、パリンじゃなくてグシャッという完全に逝った音がしたという。お客様は袋を取り上げると、
「これどうしたらいいっすかね! どうしたらいいっすかね!」
と言いながら、振り回し始めた。Aさんがその時のお客様の様子をふりつきで説明してくれたのだが、
「バシャバシャと酒が漏れているというより溢れてる状態でですよ、どうしたらいいっすかね! って言いながらこう、じょうろで水を撒くかのようにしながらですね」
「待ってそれ。『あつ森』の金のジョウロじゃん。お花9マス潤いますね」
「ええ、お花9マス潤いますよ。だから俺、『それもうそこ置いて帰っていいですよ』って言いました。したら奴は袋を床に投げ捨てて、酒のつまみだけしっかり手に握りしめたまま、ウォークインまで行って新たに冷酒を一本持って来やがりましたよ」
とのことだった。
火のない所に煙は立たぬってね
段ボール肉まん(だんボールにくまん)は、中華人民共和国・北京市で、製造・販売されていたと2007年7月ごろに報道された肉まん(包子)である。
2007年7月12日付けの中国の新聞各紙が「北京市の露店で、肉まんの材料に本来使われるひき肉とともに段ボールを混入させた『偽装肉まん』が発売された」と報道。これは、使われなくなった段ボールを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)に浸した水で脱色して紙をボロボロにし、それとひき肉を6:4の割合で混ぜ合わせたとされている。しかも、豚肉の香料を加えて、本物と見分けが付かないように製造されたと報じた。
この報道の発端は、地元の北京テレビの情報番組『透明度』で7月8日に報道された潜入取材だった。経営者が「本物の肉まんの数分の1程度のコストで製造でき、1日1000元の儲けを得た」と説明。また地元当局の調査によると、この露店は無許可営業をしていた。
その後、北京市内の露店を抜き打ち調査したところ、他の露店ではそれらしいものが発売されているところがなく、また問題の露店の経営者は逃亡したという報道がなされた。
テレビ局の主張
7月18日、中国のウェブサイト「千龍網」で、この段ボール肉まんは北京テレビのスタッフが、出稼ぎ労働者らに金を払い作るように指示を出した、いわゆるやらせ撮影であったと同テレビ局関係者が主張し、謝罪した。その後7月20日、北京市内の当局は、やらせを行ったとされた臨時スタッフ[1]を司法処分とするほか、その番組に携わった3人の責任者に対しても免職等の処分を行った。
8月12日、「偽造肉まん」ビデオを作成してテレビ局に持ち込んだ臨時スタッフの被告に対し、北京市第2中級人民法院が懲役1年と罰金1000元(約1万6000円)の有罪判決を言い渡した[2]。
しかし、捜査過程で市民から「ギョーザに紙が入っていた」などという通報も相次いでおり、中国側の「やらせであったという報道」が事実を隠すための「虚偽報道」ではないか、とする見方もある。疑惑の原因は、事件のあった建物を即刻立ち入り禁止にしてから、海外メディアに満足な取材もさせないうちに取り壊すという行為にもある[3][信頼性要検証]。
また、新華社電によれば現地の市民も同様の疑いを持っているという[4]。
なお、報じた1局であるNHKは未だに訂正報道をしておらず、仮に捏造が真実であった場合、BPOの「放送倫理検証委員会」で問題になる可能性がある[5]。