はてなキーワード: パタパタとは
隣の仏間から複数の足音がする。ちょうど裸足で畳の上をパタパタと走るような音だ。最初は外の音だと思って無視していたが、ずっと聞こえるので見に行ってみた。しかし当然ながら誰もいない。
それで戻ってテレビを見ていると、またもや同じ足音がする。もう一度確認しに行ったが誰もいない。
しかし、戻ろうとすると今度はすぐ側で足音が聞こえるようになった。なんだか怖いような面白い様な気分だったので、仏間に留まって耳を立てていると、今度は遠くからこどもの笑い声が聞こえてきた。それはひとりではなかった。だんだん人数が増えてきて、丁度自分を中心にぐるぐる回り始める様に聞こえてきた。なんだか不思議な感覚だったが、純真だった私は面白いという気持ちが上回って一緒に笑っていたのだった。
そんな経験が何度かあり,たまに家族がいる間でも足音や階段を登るギシギシという音が聞こえてきた。家族にあの音は何か?と聞いても、風の音だよなどと全く取り合ってくれなかった。まあたしかにそうかな、とも思い始めた。また、近所に子どもがいるか聞いてみたが、近くにはいないよ、知ってるでしょう。と祖母が教えてくれた。
それから数年が過ぎ、回数も少なくなって忘れかけていた。しかし、中学生になったある日、同じ様に1人で留守番していると、あの足音が突然聞こえてきた。シチュエーションも全く同じだったが、心も体も成長していたわたしは、異界なものである事を感覚的に感じ取った。その時あったのは恐怖だけだった。ひたすら無視していたが、今回の音は違った。次第に仏間を出始めたのだ。仏間はフローリングの廊下に続き、2階に上がる階段に続いているが、今回も裸足で、複数の子どもがひたひたと歩くような小さな足音が聞こえた。その音は次に大勢で階段をぎしぎしと登り降りを始め、2階に上ったあとパタパタという音にかわった。スリッパに履き替えた様だった。この一連の動作が手に取るようにわかり、私は戦慄していたが、あまりのリアルな人の気配に実は本当に人がいるのでは?泥棒か空き巣か?と思い始めた。と、言うより人であってほしいと思い込みたかった。私の恐怖は怒りに変わりはじめた。
私は意を決して階段へ向かい、一階から、だれかいるの!?と大声を張り上げた。その瞬間スリッパで歩く音は瞬く間に消えた。
私はその事を今でも後悔している。
なぜならそれから数年後、インターネットが普及し、様々なまとめサイトなどの書き込みでかれらの正体がわかったからだ。
かれらは座敷わらしだったのだと思う。
思えばその頃から成績は伸び悩み、目的を失い、輝かしい人生を辿ることは出来なかった。今でも財産は失われつづけ、徐々に苦しい状況に陥っている。
それ以来その音は聞いていない。
主人公2人がイチャイチャしてるのを眺めて可愛いな~~って思ったり、くるみちゃんの一挙手一投足がいちいちパタパタしてて可愛いの眺めたり、ミカは今日も黒いなと思ったりするアニメでしょ。
リコリス……児童搾取……社会の欺瞞……犠牲になったのだ……犠牲の犠牲にな……じゃねーんだよ。
はーマジ怖いわーちょっと有名になるとすぐリアルめくらが押し寄せてくるんだからさー。
お前らアレなの北斗の拳に対しても「こんなマッチョが荒廃した社会で毎日喧嘩できるわけ無いだろ!カロリーの摂取量が云々で基礎代謝がカンヌンコクサイエイガサイデアルカラシメンタイ」とか言ってたの?
ほーんま呆れますわ。
こういう現実と空想の区別がついてないやつがAV見て勘違いして「痴漢されたら女は実は喜んでるからいいんだ!」とか抜かして捕まるんだろうな……。
は~~~~~~教育の敗北だね
社会人になってから周りに前髪ある人いないからなんとなく前髪伸ばしてたけど!!!
【追記】
透明のフェイスパウダーをおでこだけじゃなくて前髪全体にパタパタ根本にスリスリすると皮脂でベタベタにならないよ!!!!!おすすめ!!!
イニスフリーのかチャコットのがいいよ!!ステマじゃないよ!!!
【追記】
勢いで書いちゃったけども
10代の頃は前髪ずっと短くて自分でもそれが似合ってると思ってたのに
鏡見るたびなんか違うなという気持ちが拭えなかったんだ
数日前にいつもと違う眉毛サロン行ったら泣きそうになるくらい変な眉毛になっちゃって…常時キレてるみたいな感じの顔に…
長年お世話になってる美容師さんが私が言う前に「前髪…ですね」と察してくれたのが面白くて笑ってちょっと救われた
眉毛を隠すために数年ぶりに前髪切ったんだけど
ものすごくしっくりきて本当にすっきりした
この間、あきらかに小学生高学年以上の子どもが病院のソファーに寝っ転がっていてそれを隣にいる母親は放置でびっくりしたわ
子どもの命に関わること以外は注意しないけど(目の前で死なられたら夢見が悪いのでそういうケースだけは必ず注意している)
ああいう親は爆発飛散して欲しい
↓
↓
足をソファーからはみ出させてパタパタさせてご機嫌なご様子でしたよ
↓
バカ:横だけど親の体調が悪かったんじゃないの
↓
親の頭の?
↓
バカ:バットで殴られるような頭痛してたら正直自分の子供だろうと叱るどころじゃないよ
自分で手一杯
↓
寝っ転がって足をブラブラさせながらノートを書くために設置されているものではありません
↓
バカ:その待合室がめっちゃ混んでて座れない人がいたとか、眼科(目の不自由な人がいる可能性があるため)なら鬼の首を取ったように書いてるだろうから、違うと仮定するけど
奇声発しながら踊り狂ってたとかではなく静かに勉強してたんだろ
多少行儀は悪いにせよ
それが危ないって、お前骨粗鬆症とかなの?予測不可能な動きをしてたとかならまだしも足ブラブラさせてるくらいなら見てたら避けれるだろ。
待合室の椅子で寝っ転がって足ブラブラさせることを是としているわけではないけど、”実害”って何?具体的に何円の被害が出た?
バカ:待合室で他人のことじろじろ観察するのやめた方が良いよ 普通の人間からすると奇声あげて騒いでるクソガキよりお前の方がキモいから
↓
足がぶつかるまでは実害ではないというレスだけで十分だよ
残念ながら住む世界が違うようだ
そのおつむの弱い親子を見てた周りの人も関わろうとはしていなかったし
同様の思いだったのだろう
仕方のない話だね
みんな見てたけどオツムの弱い親子に関わろうとは誰もしていなかったよ
駅のホームで走り回るとか高いところで飛び跳ねるとかああいうのはワイも注意するけど
生き死に関係しないことでよく注意するなぁって思ってる
変わった人が多いなと思っている
本質的な話として、極端なバカ親や精神障害を持っている親は、パッと見では健常者の親と違いがわからないことじゃないかなと
TPOが理解できない軽度知的障害と生きづらい僕・私ちゃんのためにあらゆるものを明文化する、
可能な限り、こういう属性の人がきそうな場所は避ける(某ファミレスは有名ですよね)では無いでしょうか?
って聞かれたので、なんでやろなーと思って雀荘のメンバーやってるプロの人に聞いてみたんだけど
麻雀の場合は不要な挙動や強打による音立ては「通し」として使われてきた過去があり、
それを防止するために基本的にはマナー違反ということになっていると説明を受けた。
本当かどうかはともかく納得力のある説明だと感じた。
通しっていうのは事前に符丁を決めておいて持ち牌や待ち牌を相手に伝える行為のこと。
例えば、将棋だとプロの人が扇子をパタパタ開閉してることがあるけど、
これを事前に手の甲を叩いてから3回開閉したら3萬待ちみたいに決めておくことができるということ。
第一部
思ったより強めに降る雨に顔をしかめ傘を開こうか迷う僕
あれっ?なんでここにいるんだっけ?、、、
そうそう、人生生まれて初めてのミッション「オフ会」と言う高い壁を乗り越えに来たんだ
おもむろにアイスティーとチキンサンドを購入し、一口かじって我に返る
いかん、動揺を隠せない
そうだね、僕と君は長くを共にしてきた親友
10代20代30代と飲み会でのコンビネーションプレイで女子に対し数々のゴール僕らはを決めてきたけれど
40代に入りパタと、、パタパタパタと、何枚も障子は閉まりとんと出会いは無くなる
正直僕はね、もう恋愛の最前列に立つ気など無くなり老いていくだけだと思っていた
だけど君はまだ希望を捨ててはいないんだよね、そんな気持ちに僕の心は動いた
とある深夜「gxぢういえいぎ!!」と形にならない叫びを枕に残し、PCへ向かう
何とかなりそうな気がして大よそ3年ぶりにmixiにログインした
相変わらず新着!などの赤い文字は無く見慣れた画面
マイミクは何名か居なくなっていた
「出会う」と言う気持ちでmixiを見た事は無かったので、何処に行けば良いのか迷うが
いける!!何だか分かんない自信が心をよぎる
脊髄反射で「参加」をクリックしそうになる右手を冷静な左手が制した
先ず友達に打診しなければ
「OK!いってみる(=゚ω゚)ノ」
僕の複雑な想いとは裏腹な軽い返事をラインで返すアラフィフに腰砕けだ
よし、気持ちは固まった
これはあれだね、初めてひげガールに行くのに予約でポチった時のような高揚感に似てる
これで第一関門はクリア、僕はいそいそと白髪染めを買いにスギ薬局へ向かった
当日は前記したように雨降りだ
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか笑顔で友達はスタバにあらわれた
僕の返事もすっかり支離滅裂している所で、二人スタバを後にした
ガキの頃はあそこでカットされたパイナポーを食べるのがとてもオシャレに思えてた
ああ、あの頃の自分を殴ってやりたい
今になり疑問が出て来る、、なんでお好み焼き?そしてもんじゃ?
いくら韻を踏んでも答えは出ない
ましてやチキンサンドを頬張り腹持ちが良くなった今、わざわざ来る所じゃない気がして来た
「なぁ?」と振り返ると友達はすでに店のある2階の階段を上り始めている
「いらっさーませー」
イザベルと名札に書かれてはいるがどう見ても中国系の店員が僕らを見る
消え入りそうな声で「あの~○○で予約が入っている、、」
入ってるの末語に食い気味で「あー○○はこっちね」と店の隅を指さした
果たして??
第二部
☆前回のあらすじ☆
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔導士ホセ・アンドローラの息子アキは強力な魔法を操れる第一の弟子
全てを魔法で操れるこの国に、唯一魔法が利かない相手、ヒロが天空より突如現れた
魔導士達はあらゆる魔法で撃退を試みるもヒロの物理的な攻撃により全て失敗
果たして??
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自称イザベルが指差した先にはファミレスのような4人席のテーブルが並んでいた
僕ら二人が一番乗りしたらしい、テーブルは何処も空いていて黒い鉄板が存在感を示している
おどおどしながら近づき主催者らしき人物へ「あの~、、」と声をかけた
彼のテーブルには沢山のネームタグがあり、僕の「〇〇〇〇〇」と印字されたタグを手に取った
そんなの呼ばれていた事も無ければ、呼ばれ慣れてもしていない
なにより恥ずかしい気持ちで一杯だ
mixiは僕にとってB面(暗黒面)とも言える場所、そもそも誰かと会おうなんて気持ちが無い
相談しようと友達に振り向くと、彼は「〇〇〇〇〇友」と言うタグを下げ
揚々と近くの席に陣取ってニコニコ顔だ
しばし逃避、、、あれ?なんでここにいるんだっけ??
確か至極当たり前の様な事しか書かれていなかったような
羽目を外し過ぎるなって事だと思うよと友達に諭す
男性は並びでも正面でもなく斜め前に座るよう指示がある
なるほどなるほど、僕の正面と隣の席は女性配置になるわけね!ナイスLOVEチャンス!
「ホドンミー目を閉じてー届けーたいー」
それからの事はひどく断片的で、、
そんなにアルコールを入れてはいないのに、会話は殆ど覚えていない
歳を伝えたら「見えなーい」と言われテヘっと笑った所くらいか
一列ずれるように後ろの席に僕らは移り、そこにいる女性達とまた自己紹介
歳を伝えたら「見えなーい」と言われテヘっと笑った
1次会の2時間はあっという間
2次会はどう?と主催者に言われたが、次の日僕は海、友達は仕事と朝早く
早々と帰る支度を始める
友達は後ろ髪を引かれていたようだが、僕が促し帰路へ着く
知り合った4人の女性と連絡先などの交換位は辛うじてしたが
帰り際「良くも悪くも浮いてたよな、、俺ら」と悲しい会話を友達とする
恐らく僕はもうオフ会に参加はしないだろう
あの会話の中に入って仕切る気持ちも無い
ただ、B面だと思っていた僕の世界が誰かと繋がったと思うと嬉しい
誰にも会わないなんて意地は捨てて、もし機会があったなら、、と思うようにしよう
嬉しくて恥ずかしい土曜日
誰にも言わないからここに書いて置こう
忘れないうちにライブの記録を書く。
さすがに誰もいないので、ハービスエントをうろうろする。
計7年ほど大阪に住み、ハービスの中にちゃんと初めて入ったのですが、
なんだあのハイソ感!!さすがヒルトン!!港区女子みたいな人と有閑マダムしかいない…
お店も名前の知らないセレクトショップみたいなのしかない…とても着こなす自信のないような服しかおいてない…
とたんに自分がみすぼらしく感じられる…笑
ぞろぞろと人が開場前に集まってきたので、それに乗じてぼっちで待つ。
初めてビルボ行ったので仕組みがわからなかったんですが、全員受付行かなあかんのね…
入場番号もう取ってるし大丈夫と思ってしばらく受付行かずに待ってました。
そんなこんなで15:30。満を持して入る。
お客さんはお友達同士の人、カップル、一人の人、老若男女いろんな世代の人がいそうな感じ。
みんな今日のために、仕事や家事を頑張って終わらせたり、美容院とかに行っておしゃれ楽しんだり、
あるいは奥さんに誘われてぶらっと来てみたりしてるんだろうな、、、といろんな思いを巡らせているとなんだか胸がいっぱいになってくる(早い)
結構先に入れたので上手側の割といい席をゲットできた。(この選択は、当時の自分GJと言いたい)
ツイッターにもあげましたがもちろんオリジナルノンアルカクテルを頼む。
ツイッタでどなたかが仰ってたがウクライナを意識したカラーなんでしょうか。。。すごい美味しかった!!
甘い酒しか飲めない勢としては大変うれしい。
開演まで1時間以上あるんので持て余すかなと思ったけど、
飲んだり食べたりスマホいじったりしていたらすぐ時間が過ぎた。舞台に流れているビルボの予告も面白かったしね。
と当たり前のことに非常に感動する。
・BUOYANCYより後のアルバム、未聴なんです…( ;∀;)
それでキリンジファンを名乗るなと言われるかもしれませんが…追っかけきれてない…
ということで、演奏してくれたかつての曲はほとんど初めての拝聴でした。
でも会場の雰囲気とすごくあっていて。これからじっくり聞いていきます。
・ローズマリー、ティートゥリーが最高。不思議な世界観の似合うお方…
・MCで16時半始まりのことを心配されていた(「お客さん来るのか?と思った」)けど
早めに帰れて明日の準備できるので、個人的にはありがたかったです。
・曖昧meはCDバージョンよりジャジーで好きでした。I love you!!!にやられた。
反省は体に毒だね ほどほどに。 なんだか染み渡った。。。
・MCで、いつもは6~7人体制なのに今回は4人で少ない。ステージが広く感じる。
(高樹さん向かって右側が空いたスペースだったので)お客さん呼ぶ?となるも、
いや呼ばないですけどね、まわしきれないし…と言ってたのが面白かった。
・旧ヤム鐡道行ったのかーーー!!!これは行かねばならぬ。
・ツイッターでもありましたが、高樹さんの歌っているとき、足でリズム取るパタパタ音まで聞こえて興奮。
・MC,途中楠さんとちがちゃんと高樹さんでわちゃわちゃしゃべってみんな何言ってるかわかんない状態になるのが
ちょっと面白かった。というか仲の良さが垣間見えてほほえましかった。
・ピアノの林さん。あの方はすごい・・・ 一見ちがちゃんとちょっと似てはる。
・前回のなんばハッチみたいな、若いエネルギー爆発!みたいなのも楽しいけど、
ビルボードではちょっといぶし銀な感じの方が合ってるのかもなあ。
・first call はライブにぴったりだね。乗ってるお客さん見てるのも楽しい。
はー。徒然なるままに書いた。また思い出したら書く。
飲みかけのチルドカップと充電中のスマホを窓の横に置いて、テーブルを上げる。充電中のスマホはきっと、東京に着くまで充電中のままだ。
キラキラとまぶしい朝日に照らされるチルドカップ。一口だけ飲んで、文庫本を開く。思い出したようにリクライニングを少し倒すと、いっそう眩しく感じられる太陽を遮ってカーテンを下ろした。
座席の前に馬鹿みたいに吊るさがってるレジ袋のくすんだ白も、新幹線の轟音に震えていると、ひとり旅を共にする仲間に見えた。
追いかけていた文字の羅列が、本と私の視界の間からだんだんとすり抜けていく。バラバラとこぼれる言葉にため息を落とし、窓の外に目をやった。どこか分からない街並みが、どこか分からない工場が、わたしの心のスイッチを「旅行中」に切りかえてゆく。車内のチャイムが鳴り、あの感じを思い出す。心地よい疲れの中、チャイムが鳴り、見慣れた景色が現れて、無事な旅の終わりを実感するあの感じ。ああ、今日の帰りは夜行バスを取っていた、と気づく。旅行の醍醐味は新幹線の帰りなのに。
乗り換えた自由席は存外に空いていて、すっきりした空気を吸い込みながらリクライニングを倒す。背もたれに寄りかかってもなんとなく落ち着かず、結局前に屈んで覗き込むように本を開く。こうすると、文章の波の中にゆっくりと沈んで行ける気がする。
パタパタと横を通る足音がして、わたしを囲んでいた波から浮上する。もうすぐ着くのか、と顔を上げると背の高いビルがあって、切り替わる途中だったスイッチは、旅行中へ完全に倒れた。
駅を出ると妙に人が溜まっていた。四角く空間を埋めるように並ぶ人々はみな少し年下であることに気づき、修学旅行生だろうと推測する。そろそろ修学旅行も行けるようになったのか、とひとり遠出している自分は棚に上げて思考が巡る。どの建物も、どの道路も見たことがないのに、駅の前をちろちろと歩く鳩だけは地元と何も変わらない。その変わらなさに安心とおかしみがある。
駅前の地図をさっと確認して歩き出す。こういうときに、考えすぎずに歩いて行けるのは私の好きなところだ。
会場に着くと、物販の列はまだ20人ほどしか並んでいなかった。新幹線を乗り継がずに在来線でも良かったかな、と思いながらも、これなら余裕で欲しいものが買えそうだと列に並ぶ。
もう一度文庫本を開き、世界とわたしの間を閉じる。さらさらと引き込まれる。
後ろに並んだ2人組が話し始めて、話し声が世界を切り裂いていく。ポーチの中にしまっていたイヤホンを取り出して耳に填める。これみよがしだったかな、と少しだけ思った。
会場内は独特のにおいがして、部活で訪れた地元のアリーナを思い出した。アルバムの新曲が延々とたれ流されて、点在するスピーカーを通過するたび音が大きくなって、小さくなって。その繰り返しがなんだかおかしくて、軽い足取りで先に進む。
ショッパーを肩にかけて会場を後にする。街並みは地元に似ているのに知ってる建物がひとつも無いのは恐怖にも似た寂しさがあり、それが肌寒さとなって身体を撫でる。並んでいる間に陽射しが暖かくて、コートを脱いだことを少し後悔した。
地元から数百キロ南に来たというのに気候は変わらず肌寒くて、耳にびゅうびゅうと風の音が流れ込む。耳の中に音楽を詰めて自分に蓋をしてしまいたかったけれど、見知らぬ土地で聴覚を投げ出すのは危ないと我慢する。耳に抜けていく風に、コートを脱いだことをもう一度後悔する。
生まれつきなんだろうけど、どうも俺は人前で表情を作ると思考力が物凄く犠牲になるらしい。
完全に素で話せているモードのときと、複数の上下関係に挟まれて敬語と表情に気を使いながら声のトーンを毎回微調整しながら喋ってるときで、全くと言っていいほど脳の性能が変わってしまう。
電話も割とキツいのだが、対面が本当に最も駄目だ。
巷では「対面コミュニケーションで好印象を与える技術」とやらが蔓延っているが、ああいった所で点数の取り合いをされると本当に参る。
淡々と論理的な応答を繰り返していたい状況で、目つきや顔つきこそが最重要評価点とされてしまうともうまともにコミュニケーションなんて取れない。
ハリーポッターにクディッチというスポーツがあって、あれが多くの読者に「結局あの金色のパタパタしてるのを捕まえるだけのゲームなんだろ?サッカーごっこ意味ねーじゃん」と批判されているのと同じ感覚を私は対面のコミュニケーションにおける表情至上主義に対して覚えるのだ。
表情至上主義文化でのし上がってきた奴らが自分の土壌に立たせるために「やはり実際にあって話をしないと駄目ですよね!」と言い出しがちなことこそ最も気に食わない部分だ。
それは結局の所、「チェスの試合って陰キャみたいですよね。チェスボクシングにしましょうよ」と腕っぷし自慢がいきなり提案するようなものであり、我田引水もいい所なのに「でも陰キャっぽくないかどうかって一番大事ですか男は腕っぷしでしょ」みたいな意味不明な感じのことをビジネス用語に置き換えて発言すれば通ると思っているのだから本当に我慢できないし死んで欲しい。
そうつまる所死んでほしいのだ。
対面コミュニケーションに自分が適応しているからこそ対面コミュニケーションこそが至上であるというルールに世界を塗り替えたがる全ての連中に死んでほしいのだよ。