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2018-07-16

自分危機対応能力の高さに我ながら感心した

昨夜、風呂場で体を洗おうと風呂いすに腰掛けて屁をこいた所、妙な違和感があったので

腰を上げるとそこにミートソース状のウンコがあった。

 

「あっ!」と声を挙げると更にミートソースが中腰の股の間から出てきた。

浴槽と洗い場の間にある段に置いていた洗面器を浴槽の上に載せ風呂の湯沸かしをすぐに切った。

ミートソースの洗い流しの際に飛び散った水滴が洗面器に付着するのを避けるのと、

湯で流すと立ち上がる湯気で臭いが上昇してしまい、またタンパク質等が熱で変質し

臭いが強くなってしまうと考えたかである

 

冷水シャワーミートソース排水口に誘導

二人前はあったと思われるミートソースが全て流れるとそれまで微かにあった臭いも全てなくなった。

 

有情報として誰かの役に立てばと考えここに書き記した次第。

2018-07-03

私は椅子腰掛けテーブルの上にぐったりとしていた。苛々していたが、それ以上に疲れて、鎖を巻いたかのように体が重かった。

 あろえは遅く帰ったときの習慣である入浴を要求し、湯を張ると自分から入っていった。月島君に謝りの電話をかけなくてはならないが、気後れしてとても無理だった。

 テーブルの上に脱ぎ捨てたコートが雪で湿ったままくしゃりと潰れている。放っておけばしわになってしまうだろうけれど、手にとってハンガーに掛ける気にはなれなかった。上品な装飾がなんだかとても忌々しく目に映り、出来れば今すぐ焼き捨ててしまたかった。浮かれていた自分が恨めしい。私は何故自分日常から離れられるなんて勘違いをしていたのだろう。

 いまさらのことに、目頭が熱くなってしまって、それがまた情けない。

 まったく、慣れないことはするんじゃないわね。自分を笑い飛ばしそれから病院での自分の振るまいを思い出した。感情を剥き出しにして、みっともない。明日になったら病院に行って、もう一度彼らに正式に謝らなくては。怪我をさせてしまったのだ。お見舞いの品もそれらしいもの必要だろう。私は、もっとしっかりしないと。

 あろえ風呂からあがって来た。服を着るのを忘れていて、素っ裸だった。白い肌がお湯に火照って薄いピンク色に染まっている。体を拭っていないから全身びしょ濡れで、水滴を振りまきながらつま先で歩いてくる。ちゃんと流していないために、髪の毛や乳房に泡の固まりが残っている。そのくせ、コミュニケーションブックだけは大事に首からぶらさげている。

 いつもの椅子腰掛けた。そして、ブックのページを繰って、いつものように眉間にしわをよせて難しそうな顔をつくる。

コーヒーください」

 あろえは言った。

コーヒーください」

コーヒーください」

コーヒーください」

コーヒーください」

 私が黙っていると延々と繰り返す。別に怒るでもなく、急かすわけでもなく、淡々と繰り返している。

 彼女は口調によって言葉の印象を変える技術を持たないが、こうして執拗に何度も言ってくれるのなら、私でも少しは言外の意図を読み取ることが出来る。このまま放っておけば、あろえはそのうちガタガタと椅子を揺すって抗議をはじめるだろう。私がコーヒーを出さないことを、不愉快に思っているのだ。でも私だって、今は彼女に劣らず不愉快なのだ。たまにはあろえが私に合わせたっていい。

 それにしても、ロボットのように感情のない口調だ。本当に彼女の内側に心というものがあるのか不安になってくる。あるとは思うが、たとえあったとしても、それは私の心と共有できる部分がとても少ない心だろう。お互いに相手気持ち理解出来ない。

 彼女の心は誰とも通じ合うことが出来ない。それならば彼女の心は一体何のためにあるんだ? 誰にも伝えることの出来ない感情なんかただ苦しいだけじゃないか。どうしてあろえは耐えられるの? 私にはとても想像が出来ない。

 あろえと相対していると、彼女の心と私の心があまりにも何も響き合わなくて、暗闇と見つめ合っているような孤独気持ちになってくる。

コーヒーください」

 そろそろ、ブックを見つめるあろえの目つきが怪しくなってきた。本格的に怒り出すのは近い。癇癪を起こすのならば起こせばいい。そう思っていると、

くしゅん

 くしゃみをした。

コーヒーください」

 それでも彼女真剣な顔で続けている。このまま裸でこの寒いキッチンにいれば、きっと風邪を引いてしまうだろう。もう降参だ。私は、根負けして立ち上がった。

 彼女のためにコーヒーを淹れ、それからタオルと着替えを持ってくる。

 美味しいのかまずいのかよくわからない顔でコーヒーを飲む彼女の体をタオルで拭いながら、その肌に触れてみた。表面は部屋の空気で冷えてしまっているが、奥からじんわりと温かみが伝わってくる。

 生きてるんだな、と馬鹿みたいに当たり前の言葉が頭に浮かんだ。この子は、一人で生きることが出来ないくせに、他人が常に傍にいなければ駄目なくせに、自分孤独から守る方法をまるで知らない。そもそも他人というものがわからないんだ。すぐ傍にいる私さえ自分と同じ人間だと理解することが出来ていない。自分を守るものを何一つ持たずに、生まれ持った柔らかい皮膚の体一つで、生きている。心がどうかなんて知らないけれど、生きているのは本当だ。

「ごちそうさまでした」

 あろえは満足そうに笑う。

 コーヒーを飲み終わった彼女に服を着せて、布団に寝かせて、それから私は入浴し、自分寝床についた。湯上がりにひんやりとした布団が気持ちよくて、手足の先からあっという間に睡魔に溶かされてゆく。

 最後意識が暗闇に飲まれる間際、

明日からまた、あろえと二人きりで頑張っていこう」

 と、小さく呟いた。

「もう他のことは何もしない」

 生きているかぎりは、なにがあってもくじけたり休んだりすることは許されないんだ。きっと、人生ってそういうものなんだろう。我慢すれば済むことに、負けてしまうのはきっとカッコ悪い。

 自分に何度も言い聞かせた。

 でも多分、月島君がまた誘ってくれたら、行ってしまうだろうなとは思う。それくらいは良いのじゃないかしら。

 そして、私は、眠りに落ちていった。

――それから間もなくして、その地震は起きた。

 

https://www.saibunkan.co.jp/lechocolat/soft/ka_swan/images/preswan.htm

十二月二十四日。昼頃からちらほらと雪が舞いはじめ、夕方深沢君があろえを引き取りに家に訪れるころには本格的な雪模様となっていた。

 彼は恋人を連れていた。私やあろえも何度か会ったことがある元気のいい女の子で、あろえを見ると、かわいいかわいい、と喜び、あろえはすかさず同じ言葉を返す。

 まだパーティには少し早かったので、家にあがって貰ってお茶を出した。深沢君の恋人あろえのために今日来てゆく服を選ばせて欲しいと言い、あろえと一緒に二階に上がって行った。

 すぐに、二人の話す楽しげな声が聞こえてくる。

彼女あろえと話をするのが上手ですね。驚きました」

「勘がいいんですよ。それにしても、凄いですね。ツリーも立派ですし」

 部屋のクリスマスの飾り付けを見回しながら深沢君は言う。

 あろえがすっかり工作魅せられてしまって、この一週間、頼みもしないのに毎日輪飾りばかり際限なく作っては笑顔で私のところへ持って来るので、飾り付けないわけにはいかなかったのだ。

「習慣になっちゃったんですね。クリスマスの後も、きっと作りたがりますよ」

 深沢君はおかしそうに目を細めた。

「そういえば、今年は学生最後クリスマスイブなのに、プライベートに使わないでいいんですか?」

最後からこそ、学校のみんなと過ごしたいなと思ったんですよ」

 少し寂しそうに言う深沢君は、年が変わり春になれば大学卒業してしまう。そしてその後は実家に帰って中学校先生になることが決まっていた。評判の良いボランティアである彼は、きっと良い先生になるだろう。

ちょっと早いけれど、お疲れ様でした。深沢君のおかげであろえは色んなことが出来るようになりました」

「いや、僕なんか全然したことしてませんよ。本人や周りの人がみんな頑張ったからです。いつも力不足を感じてますよ」

 深沢君は照れくさそうに頭を掻いた。

「もし中学校がクビになったら、帰って来てくださいね

 私が言うと、深沢君は困ったように笑った。

 やがて着替えを終えたあろえ階段下りてくる。選んでもらった服は組み合わせのセンスが私なんかよりもずっと良くて、同じ服なのに普段よりずっと可愛いく見える。

 そしてあろえたちが行ってしまうと、家の中が急に静かになってしまった。考えてみたら家に居るときはいつもどこかにあろえがいた。一人ぼっちになんて一体いつ以来になるのか、はっきりと思い出せない。

 シャワーを浴びて、体を洗う。丹念に洗う。そんな自分ちょっと恥ずかしい気もするが、それは考えすぎというもので、こんなの何も特別意味などない大人の女性として当たり前の身だしなみだ。そうに決まっている。下着だって、一番良さそうなやつを選んでやるのだ。やるのだ。

 それからメイクをして、髪の毛をセットして、着てゆく服をもう一度選び直していたら、いつの間にか時間がなくなっていた。だいぶ余裕を見ていたはずなのに。月島君が車で迎えに来る予定になっている。私は慌てて服を決め、コートまで着込み準備を済ます。そして椅子腰掛けると変に緊張してしまって今度は一秒がやたら長い。時計のカチカチする音が、普段よりずっとスローテンポに聞こえる。表の道路を車が通るたびに、彼じゃないかと思って立ち上がりそうになる。

 やがて訪れた彼の車に乗る。見知った街なのに、どこをどう走ったのかさっぱり覚えていない。駅の近くにあるその小さなイタリアンレストランの前で車から降りたとき、はじめて、自分たちがどこへ向かっていたのかを理解した。

 月島君の大きな背中を身ながら店内に入ると静かで品の良い音楽が聞こえてくる。席に座ってまもなくシャンパンが運ばれグラスに注がれる。細長いグラスのピンク色の液体の中を底から水面に向かって気泡が泳いでいる。私たちは小さくお互いのグラスの縁を合わせて、一口含む。

 美味しくて、ラベル確認したらどこかで聞いたような銘柄だった。高いのだろうか? そう思うとやたらと緊張してしまって、あとは何を食べているのかさっぱり解らなくなってしまった。

 食事がほぼ終わって二本目のシャンパンゆっくり飲みながら、高校時代の話をしていた。月島君が野球部で汗くさい放課後を過ごしていたとき、私は美術部でテレピン臭くなっていた。

 あの頃月島君が付き合っていた女の子の話を仕向けると、彼は仕返しに私と仲の良かった男の子について尋ねて来た。随分大昔のような気がする。世の中の何もかもをわかったようなつもりで、そのくせ何もわかっていなかった青臭い時代の話だ。

あのころも随分大人だっていう印象があったけど、八坂さんはいまでも大人な感じがするね」

「それは老けてるってこと?」

「じゃなくて」

 月島君は酔いでほのかに赤く染まった頬を弛緩させた。

 いい年して、こんなデートなんかでのぼせ上がって、何を食べているのかもわからなくなってしまう私が、大人の筈はない。せっかくこんなに高い料理を頂いたのに。

 もし私がそんなふうに見えているのなら、それはただ大人のふりが上手いというだけのことだろう。いつも幼くてわがまま自分にてこずっている。そんな話をしたら、

今日はのぼせてくれてるんだ」

 彼は少し驚いた様に言い、私は自分失言に気が付いた。

「化粧室行ってくる!」

 恥ずかしさにいたたまれなくなってハンドバッグを掴むと、慌てて席を立った。鏡に向かうと、私の顔は月島君よりもずっと赤くなっている。蛇口をひねり流れる水で手を冷やし、深呼吸をして気分を落ち着ける。お酒なんか飲んだのは今年のお正月以来だから殆ど一年ぶりだ。ふわふわして楽しい気分だ。これはお酒のせいだけなのだろうか。

ケーキがまだ残ってたんだって

 戻ると、テーブルの上には美味しそうなケーキが乗っている。

「でも、もうお腹一杯だわ」

「そうだね。包んで貰おう」

 月島君はウェイターを呼び止め、ケーキは下げられた。

「雪が、だいぶ強くなって来たね。この分だと明日除雪車が要るな」

 彼の視線につられて窓の外を見ると、羽毛の様な雪がゆっくりと舞い落ちていた。雪かきとなったら、スコップを新しく買わなければならない。去年のは、あろえおもちゃにしてどこかになくしてしまった。今年はよく教えておかなければ、また同じことを繰り返すだろう。

「妹さんは……」

 彼が、ふと呟いた。

「え?」

 顔を向けると、月島君はまっすぐに私の顔を見つめている。

「妹さんは、今日は何時までに迎えに行けばいいの?」

 ボランティアの人が明日まで面倒見てくれる、と答えかけて、彼の真剣な表情の意味に気が付いた。もし、私が今日は迎えに行かなくてもいい、と言ったなら、それが自分のどんな意思を示すことになるか、解ってしまった。

 私の表情がこわばったのを見て、月島君は表情をゆるめ、グラスを手に取る。私に考える時間をくれたのだ。ほっとする。

 しかし、どうしよう、どうしよう、そればっかりが頭のなかでぐるぐる回って上手に考えられない。

「あ、預かってくれてる人に訊いてみるね」

 無理矢理愛想笑いを作ると、携帯電話を手に取った。心臓の鼓動が早くなり、顔に血が集まってくるのがわかる。緊張しすぎだ。まったく予想しなかったわけじゃないんだ、別に拒む理由もないんだ。私は今さら何をうろたえているの?

 自分を納得させる時間を稼ぐつもりで、電話をかけた。

 五回コールしたところで、深沢君が電話に出る。

八坂さんですか?」

 彼の口調はいつになく硬かった。

「そうですけれど、あろえは何もしていませんか?」

「いや、何もないです。大丈夫です。安心してください

 何か変だ。

「もし何かあったのなら、教えてください」

「本当ですよ。ただ、突然の電話だったからびっくりしちゃって……」

 とてもそうとは思えなかった。確かに彼の口調はもう普段通りに戻っている。だけれど違和感は拭い得ない。だいたい、楽しく過ごしているにしては彼の声の後ろが妙に静かだ。どこにいるのだろう?

 月島君と視線が合う。思わず真剣な表情になってしまった自分申し訳なく思い、目をそらしてから会話を続ける。

「何かあったんですね。それで、私に言えないってことは、あろえに何かあったんではなくて、あろえが何かしたんですね?」

まいったな、本当にそんなんじゃ……」

「いま、どこにいるか教えてください」

 私が強い口調で言うと、彼は言葉を詰まらせてから

「すいません、僕は柿崎病院に来ています

病院……。あろえはどこにいますか?」

「一緒にいます

 それだけ聞くと私は電話を切り、月島君と向かい合った。

「ごめんなさい」

「気にしないで」

 彼は首を振ると、すっと立ち上がる。

「妹さんに何かあったんだね。行こう。俺もついて行くよ」

ありがとう、でも、一人で行くわ。一人の方がいいから」

「そうか」

「きょうはごめんなさい。誘ってくれて嬉しかった」

「うん」

 彼の微笑からからさまに失望が読み取れて、胸が苦しかった。新しいコートとブーツが、やたらと硬く感じる。

 タクシーで向かう途中、深沢から電話があった。

大丈夫ですからゆっくりしていてください」

 そんなことが出来るわけない。私はもう病院に向かっていることを告げる。そう遠い距離ではないから、すぐに到着した。

 一カ所だけ明かりの灯っている救急玄関に回ると、入り口のところに深沢君が立っていた。普段着のままで上着を身につけず、ズボンポケットに手を突っ込んで肩をすくめながら、寒そうに白い息を吐いている。声をかけると、

「中だと携帯が使えませんから

 震える唇で言った。

 彼は救急車に乗ってここへ来た。怪我人は、彼の恋人だった。コンクリートの上で転倒して、腰を打った。骨には異常がなかったけれど、いますぐに起きあがるというわけにもいかないらしい。痛み止めを飲んで、ついさっき寝付いたそうだ。

階段に雪が積もっていて、足を滑らせたんです」

 はじめはそうとしか言わなかったのを問い詰めると、やはり、あろえが原因だった。階段上りかけた彼女の服を、あろえが急に引っ張ってバランスを崩させたのだ。そして結果として階段から転落した。

「僕たちが不注意だったんです。あろえちゃんが人を呼ぶとき服や腕をつかんだりすることがあるのは、ちゃんと知っていたはずなのに」

 湯気のたつ紙コップで両手を温めながら、彼はそう言った。

 行為自体子供もよくやることだが、あろえの体格は子供のものではない。身長深沢君の恋人と同じか、ことによるとあろえのほうが少し高いかもしれない。そんな人間階段の途中でいきなり引っ張られたら、注意していたとしても、転倒は不可抗力だったはずだ。

 私はぞっとして背筋が冷たくなる。もし一歩間違えていたら、もっと酷い結果を導いてことは容易に想像出来た。

申し訳ありません」

「いや、頭なんか下げないでください。こっちこそ、せっかくのクリスマスだったのに、こんなことになってしまって」

「そんな」

「僕がついていたのに。あろえちゃんは、ただいつも通りにしていただけなんですよ。それなのに。やっぱり僕は、向いていないんでしょうね。今日は僕はここで夜を明かしますよ。八坂さんは帰った方が良いですよ。ちゃんとした時間あろえちゃんを寝かさないと」

 彼は元気づけようと笑ってくれたが、普段ほどの力がない。そしてコップの中身をすすった。

 自信を失い落ち込む彼を初めて見て、覆い隠せない彼のショックを知った。私は何も声をかけるべきだと思ったけれど、いまの私の役割から何を言ったらいいか解らなかった。

 あろえ病院の長椅子腰掛け絵本を読んでいた。傍らには若い看護師が座ってそれを見守っている。

「姉です」

あなたがお姉さん? この子、さっきまで落ち着かなかったんだけれど、この絵本が気に入ってくれたみたいで、ずっと真剣に見てるの」

「そうですか、面倒みていただいてすみません

自閉症なんですってね。こんなに大きい子、家にいる間ずっと面倒見てるのは大変でしょう。パニックが起きたときとか、大丈夫なの?」

「まあ、なんとか。妹は腕力はそんなにないですから

「親御さんも家にいないんですってね。大変ねえ」

「………」

「出来れば、ちゃんと話し合って一緒に面倒みたほうがいいですよ。やっぱり、身内の人が一致団結しないと。でも、そうは言っても簡単はいかないのよね。大変ねえ。綺麗な格好して、あなた今日どこか出かけていたんでしょう?」

 同情されて私は、より一層みじめな気分になった。あろえは、すぐ傍で自分のことについて話されているのにも気が付かず、絵本を見つめている。自分が何をしたか、ちっとも理解していないのだろう。

あろえ、もうやめなさい」

 あろえは、顔をあげた。

「帰ります。もうやめなさい」

ダメです」

 言ってから視線絵本に落とす。

「やめなさい」

 強く言っても、あろえは返事をしない。

「聞こえないの?」

「きこえないの」

「よっぽど気に入っちゃったんですね。もう少しだけここに居ますか?」

 いつのまにか深沢君が近くに来ていた。私たちは、いまこの状況の彼にまで、気を遣わせてしまっている。恥ずかしくなった。

「いいんです。ほら、やめなさい」

ダメです」

 その返事にもう耐えられなくなって、私は絵本あろえの膝の上から取り上げた。奪い返そうと伸ばしたあろえの手を掴む。

あろえ、帰りますよ」

 あろえは私の口調からようやく異変を察したのか、不安な表情を浮かべ、

あろえかえりますよ」

 口の中でぼそぼそと呟いた。私は取り上げた絵本看護師さんに渡す。

八坂さん……」

 深沢君が心配げに見ている。

今日は本当にすみませんでした」

 私は頭を下げてから、まだ絵本に未練を残し見つめているあろえの手を強く引いた。

https://www.saibunkan.co.jp/lechocolat/soft/ka_swan/images/preswan.htm

2018-07-02

[] #58-4「罪罰メーター」

こうしてガイドは罪罰メーターを片手に、当初の目的である協力者探しを始めた。

なぜか俺たちもついてくるよう頼まれた。

暇なので、断る理由はないけど。

「キミたち、邪魔だけはしないでくれよ」

あっちからついてくるよう頼んできたくせに、この言い草イラっとくるが、俺たちはテキトーに相槌を打つ。

「ああ、大丈夫大丈夫

この「大丈夫」っていうのは「邪魔をしない」っていう意味と、「どうせ失敗するから」って意味がある。

俺たちは今回も失敗するだろうな、と何となく感じていた。

上手く言葉にはできないけど、この罪罰メーターのプロモーションには、何か欠点があると思ったんだ。


…………

ガイドが訪れたのは、俺の家。

「……また、お前かよ」

まり兄貴勧誘しに来たようだ。

ガイドが着ている服にはステルス機能があるらしく、これで俺たちに紛れて家に侵入した。

俺たちがいて、かつ家の中に入ってしまえば、兄貴も無理やり追い出したりはしないだろうと考えてのことだ。

だけど兄貴木刀を携え、いつでも追い出せるよう準備をし始めていた。

「他にも候補がいるだろうに、何で俺んところに真っ先に来るんだ?」

「いま住んでいる場所から、一番近いから……」

意識の低い就活生みたいな理由で、俺の家に来るんじゃねえ」

兄貴の口調が荒くなり、木刀を握る力が強くなっているのが分かる。

兄貴感情があまり表に出てこなくて、出ようとしても隠したがる人間だ。

そんな兄貴感情を前面に出しているってことは、ガイドに対して取り繕う気すらないほどにイラついているってことだ。

このままだとキレるかもしれない。

そう思った俺たちは、慌てて間に入った。

キレた兄貴は、俺たちが束になっても止められるか怪しいからな。

「まあまあ、兄貴。こんなに一生懸命なんだから、話だけでも聞いてあげなよ」

「頼むよ。マスダの兄ちゃん

「私、どっちでもいいけど、ここまできたら聞く位はしてあげたら?」

「……マスダの、に、兄ちゃんが、ど、どうしても嫌だって言うなら仕方ないけど……」

俺たちに頼み込まれて、兄貴も少し冷静さを取り戻したらしい。

「はあ……全く。セールスマン絶滅した時代になってから、お前らみたいな良い子が生まれてきて本当に安心した」

兄貴は近くの椅子腰掛けた。

すると、飼い猫のキトゥンが近づいて、兄貴の膝元にうずくまってくる。

兄貴木刀を手放して、キトゥンを膝上に乗せた。

まだちょっと刺々しいが、かなり落ち着いてきているようだ。

「ほら、駄目出ししてやるから、さっさとプレゼンしろ

(#58-5へ続く)

2018-06-25

anond:20180625133153

腰掛けって女優とかタレントの下積みってならわかるけど(エグザイルタカヒロみたいなケース)、実家が多少太いだけなら腰掛けとは言わんだろ。あと私立大学なんてマーチ以上なら普通家庭でも行けるくらいの学費だし、給付奨学金あるし、行けてしまうで。ソースは俺んち

腰掛け声優が嫌い

別に金のない劇団員のようにバイトしながら端役演じ続けて、いつか芽が出る姿が美しいとは思わない。

ただ、実家が裕福で有名私立大学卒業してるブスではない女性声優のどれもが、演技が一辺倒で端的に言って下手なのは残念すぎる。

結局は当人自体業界を下に見ていて、仮に総スカン食らっても逃げ道があるから余裕なんだろう。

別に下に見るのは構わないが、居る間くらいは頑張って欲しい

2018-06-23

知らない人に殴られたけど俺は殴れなかった

ケンカは凄まれても逆に燃え上がるキチガイさがまずいるとこの前思ったから誰も読まないだろうけど書かせてくれ

仕事帰りにチャリで移動してたら急にウンコしたくなってスーパートイレに駆け込んだんだ

1つしかない大便用トイレが埋まっててノックしたら無反応で、数分間静寂の中精神集中して次の波が来た時にもう一度ノックして「待ってます」と言ったら「黙って待っとれや」って中から言われてそこから長い数分間を待ったんだよ

開いた扉から出てきたのはvon dutchのキャップを被ったアジアハーフっぽい兄ちゃんで、待ってる間に便意も多少落ち着いたのもあってすれ違いざまに相手とのガンの飛ばし合いみたいになって、苛立ちからお前うんこいねん!って言ってやったら詰め寄られて言い合いになった

身長はお互い180弱ぐらいでなものの体格で勝ってるのもあって、相手がやった便器に落ちる音のしない不法トイレ占拠について責め立てて逆に手洗いコーナーの隅に詰め寄ってったら、追いやられた向こうに後ろがなくなり顔面張り手みたいなのを三発かましてきた

ところがうんこ我慢して脂ぎった上に柔道ラグビーで鍛えた私の首にはそんな屁の突っ張り通用せずに逆に押し返して向こうは手洗いに半分腰掛け仰け反ってチンコ同士が触れ合うぐらいの距離になった。て言うか太もも同士で触れてた

先に手を出されてるから首根っこ捕まえて何かしても良かったけどまだ一応うんこもしたい。でも腹も立つからうんこ行こうとしたり大便器と兄ちゃんの間を2度ほど行き来してから大便のある個室に入りうんこした。出してから負けた気がするけど俺は便意に負けたんだと言い聞かせてスーパーをあとにした。

うんこピンチという人として一線超えるかもしれない修羅場の中で、先に手を出されたからこっちも俺の苦しみをぶつけていいかとも思ったけど私は修羅になれなかったというお話でした。

最後に私が言いたいのはトイレウンコするための場所でありスマホをいじるための場所ではないんです。出すもの出したらとりあえず出てまた波が来たら入りましょう。

あと、待ってる間に小中高でうんこするところに入るのが恥ずかしい文化がなぜ大人になると無くなるのか、スマホいじりや便所飯がなぜ起こるのかをひたすら考えてました

2018-06-13

anond:20180613145445

バブル期調子こいた女子大生、落ちぶれてて欲しいけども、エリート捕まえて結婚した人たちは逃げ切り悠々自適だよ。

どっちかというと遊んでる女子大生を尻目に、真面目に勉強して仕事に生きようと頑張ってた女子大生の末路のほうがよっぽど悲惨

当時、派遣社員って今で言う高プロ、高度な専門職の人の新しい働き方として注目されててな。たいていの企業では「女は腰掛け職場の花」なんて言われてた時代意識の高い女子大生は、そんな企業の慣習にとらわれない派遣社員として活躍するのがステータスだったのだよ…

後は言わなくてもわかるよね……。何十年も一生懸命働いて雇い止めになってるおばさん、よく報道されてるけど、まさにあれ。

2018-06-03

市役所

隣に座ったのは大きく×印が書かれたマスクをつけた女の子だった。少女は頭で小さく礼をすると、わたしの隣に腰掛けた。

×印は太めのマッキーで書かれたようで、ところどころ線が震えていた。

ミッフィー?」

わたしが訊くと、少女は首を振った。黙ったままわたしに目で微笑みかけた。

「じゃあ、ナインチェ・プラウスかな」

少女は首を傾げた。「それって」言い掛けて、慌てたようにマスクを手で抑えた。それからしばらく、わたしたちは黙ったまま窓口に並ぶ行列を眺めた。

少女はまわりを伺うと、マスクをずらして耳打ちしてきた。

言葉は出しちゃう自分のものじゃなくなるんだって。取り返せないの」少女が囁いた。「だから守っておかなくちゃ」

「それは言ってよかったの?」

わたしは訊いた。少女は笑って頷いた。人好きのする、活発そうな笑顔だった。

「これはあたしの言葉じゃないから。本で読んだの。さあ、さっきのを教えて」

わたしたちは話をした。おもにわたしが話し、少女は頷いたり微笑んだり、首を傾げたりした。わたしは話しながら、自分言葉彼女のなかで色とりどりに彩色を施されるのを想像した。わたしも口を噤みたくなったが、それにはもう、ひとに多くを喋りすぎてしまっていた。

2018-06-02

anond:20180602113158

その世代は、「女は短大で十分」「腰掛けOL」「25歳で独身は行き遅れのクリスマスケーキ」「専業主婦で当たり前」「兼業主婦保育園学童はかわいそう」「パート貧乏人みたいでみっともない」って世代やね。

夫の収入右肩上がり生活が安定してる専業主婦から、そのくらいの子育てにもギリギリ耐えられた(耐えられなくても耐えざるを得なかった)感じ。

子育てはもう少しだけゆるかったかな。幼稚園児が親無しで公園で遊ぶとか割と普通だった。

代わりに、年末年始実家詣でが結構な重労働だったかもしれない。

2018-06-01

anond:20180601084516

「どうせこいつも腰掛け程度にしか働かないお荷物から

「女が高収入でも主夫を養わない」

偏見の相似形

どうせこいつも家事なんかしないぐうたらだから

『女が大黒柱でも男は家事をしない』

anond:20180601000559

まず先に言っておきたいのだけど、これは単なるオウム返しネタではないです。

それこそ、法規制がなく、処罰もない分だけ男女雇用機会均等法施行当時における職場での女性の扱いよりもひどいんじゃないかと思う。

という部分について言うと

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こと仕事になると女は二級市民なのよね

就職して普通に仕事をしてみたけど、会議なんかで思うのは、女は結局真剣仕事なんてできないでしょ?って偏見に凝り固まって最初から接してくる人たちばかりだということだったよ。最初に他社に営業に行った時、そこの担当者が「きれいな方ですね」なんてことをお世辞のつもりか上司に言っていて、「それと仕事になんの関係が?」と思った記憶がある。

他にも仕事中に、男様から上から目線ものをいわれたり、居ない人扱いされたり、お客さん扱いしてはしごを外されたりするのが当たり前。

一人の仕事をする人間としては全く見られていないと感じてた。

女性参政権がなかったり就職普通でなかった時代よりも、あるいは結婚して退職する腰掛け普通だった時代よりも、仕事しようという女性には厳しい時代なんじゃないかと思う。

これじゃあ、よほどメンタル強くないと女は総合職仕事しないんじゃないかなって思ってる。

まあ、普通に何でもできちゃう男様とか、周囲に頼れる人を配置したがる男様とかは女なんて余計なものをむしろ自分の部下から排除する側にまわりそうだなと思った。...役員が集まるところにいると、せっかく総合職採用しても女は辞めるとか所詮仕事に本気じゃないとか熱く語っているんだけれど、たぶんこういう男様に限って排除しておきながらやる気がないと語っているんだと思った。

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…みたいな意見前世紀末からゼロ年代にかけて山ほど聞いた話で、あなた苦痛にはもちろん同情するがそれが「特別な」苦痛だ、という意見には同意しがたい。これは批判ではなく、むしろ逆。

ただし、その苦痛あなた視野に入っていなかったとすれば、そこには少しだけ問題があると思う。このような苦痛女性が被ってきた、いわば歴史的苦痛)にこれまで注意を払ってこなかったとすれば、それはまさにあなたのこれまでの人生自体問題ではないか。「歴史など関係無い。私自身は苦痛を与えていない」と主張するのはもちろん自由だけど、現にその歴史を生き延びた人たちから見れば、そんな風に宣言して苦痛歴史に無関心であること自体ギルティだということになるだろう。(つまりこれって日韓関係なんかにもまさに同じ事が言えるわけなんだけど。)

少し話がそれたので戻すけど、本来フェミニズムというのは、こういう歴史分析して、今後いかなる苦痛も(男性女性だけでなく、女性男性苦痛も)再生産しないことを目的として行われるべきものだと思うんだよね。それがフェミニズム社会的有用性ってものではないのか。上に上げた改変みたいなのには超敏感に反応してきたフェミニストが、子育てに参加する増田苦痛に無関心だとしたら、それは学問自殺に等しいと思う。「男は男でなんとかしろ。女である私たちの知ったことではない」的意見は間違っている。それはまさしくただの女性主義男性主義に囚われたものの考え方だ。いやしくもフェミストを名乗る人が「(強い)男性自分でなんとかしてください」的な物の考え方をしているとしたら、それは大いに問題なんではないか

 「対象が男であろうが女であろうが無関係に、ジェンダーの生み出す苦痛分析し、告発する」

それが正しいスタンスだと思う。

増田自身には不十分な点があることは認めつつ、私は増田苦痛の訴えが正当な訴えとして取り扱われることを望む。

2018-05-25

腰が痛い

午前にも書いたけどぎっくり腰になった

正しい処置良く分からないけどずっと横になっていた

何となく良くなった気がして激痛から動くと痛むレベルまで落ち着いたと油断していた

腰掛けて座っていたらまた激痛が走って転がった

のたうち回った

けど転げ回るとその分痛む、けど痛みを発散させたくなる、悪循環

大人しく寝よう

明後日デートなんだけど、治るといいなあ

2018-05-20

ある能力

 その青年特に際立った特徴もなく、かといって不真面目と呼べるような人間ではなかった。ようするに平凡な人物なのだ。ある日、青年がいつものように会社への道を歩いていると、突然、青年の心に語りかける声が響いた。

あなたは惜しいことをしている。あなたには時間をさかのぼ能力が生まれつき備わっているのだ。こんな素晴らしい能力を埋もれさせていたのでは実にもったいない

「そんなにいうのでしたらどうです、ひとつ証拠でも見せてもらえないだろうか」

「いいでしょう」

 そんな声がして、視界は一変して青年の部屋の天井へと移った。青年はベッドに横になっていた。

「これはどういうことだ」

 青年は首を傾げた。確かい会社への道にいたのだ。どうして自分の部屋に戻ってきたのか。これは夢なのだろうか。そう考えるのが一番自然だろう。青年は確かにベッドの中で横になっているのだ。

 しかし、青年テレビをつけて驚いた。なんと今日ではないか青年はいつも出勤前にニュースを見る習慣がある。キャスターあいさつをして、今日が何月何日なのかを告げる。すると不思議なことにほんの一時間前にみたものと内容がぴったり一致する。新聞の朝刊をみても確かに同じ日付…正夢になったとはいいがたかった。

「どうしてしまったんだ」

 しかしそんな青年の問いかけに答えてくれる人物などどこにもいない。答えられるのは…

「どうです…?」

 青年の心にまたもや声が響いた。

「これは信じるしかないようだな」

「分かっていただけましたか

「ああ分かった。それじゃあ早くそ能力を僕にくれないか

「ご安心下さい、その能力は初めからあなたに備わっているのです。戻りたい時間のことを強く念じていただければそれだけでよいのです。ちなみに先程やったのはあなた潜在意識に呼びかけて…」

「そうなんですか」

「ただし、注意していただかないとならない点が一つあります。それは残り一度きりしか使えないということです。それではよく時を考えて…」

 そこまで言うと、声は響かなくなった…

「これは素晴らしい能力に目覚めたぞ」

 青年は胸をワクワクさせ、この能力をどう使ったものだろうかと考えはじめた。

 それからも、青年は色々とこの能力の使い道を考えていた。そして考え付いた結果が、出来るだけたくさんの知識を持ち、もう一度過ぎ去った時をやり直すというものだった。はじめから何が起こるかを予め知っていれば、どうしたものかと考えられる。これから先、いつそんな事件があるか分からないのだ。そのような点に注意深くならなければ…

 青年はそんなわけで何事にも注意深く、積極的に、熱心に取り組むようになった。すべて未来のためにと思っての行動だが、青年のまわりの人間はその変貌ぶりにただ驚くばかりだった。あれほど平凡でパッとしなかった人間が、様々なことに情熱を注ぎ、そして意欲を持ち、いきいきと取り組んでいるのだ。友の中には、どうしたらそんなふうになれるのかと問いかけるものもあった。そんなとき青年は決まってこういうのだ。

「素晴らしい未来のためだよ」

 もちろんこの言葉意味するところはもっと別のところにあるのだが、その言葉に感動し自分目標を持って生きようと意気込むものもあった。

 しかし、やはりそんな目先だけの目標はいつまでも長続きするはずもなく、途中で音を上げてしまものほとんどだった。

 そんな生活を続けて数年たったある時、青年は重大なことに気がついた。それまでは知識書き込みという作業によって蓄えられたと考えていた。しかし、良く考えてみると過去に戻れるのは自分記憶だけなのだ。つまり、こんな紙っ切れに書き込んだところでどうしようもない。

 そんなわけで、さら青年の熱心さは増していった。記憶法を学び、なるべくたくさんの知識記憶に詰め込むことに努めるようになった。多方面のことに手を出し始め、ついには新聞社に転職した。そのほうが情報が入りやすいと考えたのだ。そして着々と成果を上げていった。

 いまや青年新聞社の社長にまでなっていた。青年としてはそんなつもりはなかったのだが、その熱心さやら積極性やら努力やら、他色々と認められ、驚くほどのスピード出世劇をやってのけた。世の中からも注目を浴び、いまやテレビにも度々登場する有名人となった。多くの業界知識人とも知り合いになれた。そうなると、入ってくる情報量もますます増え、青年にとっては嬉しい限りだった。

 能力に目覚めてから色々なことがあった。いまではそれを全て覚えている。これだけの知識があればそろそろ…とも思いもしたが、いざ能力を使おうとすると、もう少し待ってから使ったほうが賢明というものだと考えてしまい、知識は溜まる一方だった。

 もちろん青年もその間人並みに恋をし、そして結婚にまでこぎつけた。社会的地位は高いのだ。自分から求めずとも自然相手は寄ってくる。その中で互いに心惹かれる相手出会い、そして結婚した。青年はやり直したその時も、この人とまた結婚したいと考えていた。子供も二人産まれ、まさに幸せ絶頂といえるであろう状態になれた。

 気がつけばもう50代後半になっていた。青年はもう青年とは呼べなかった。青年は夕日が差し込む社長室の椅子に一人で腰掛けていた。

 どっと疲れた感覚、体内の節々が老朽を訴えていた。世間一般からみればまさに恵まれ人生だっただろう。幸せな家庭を築き、社会的には高い地位に就いている。子供らもスクスクと成長していく。

「さすがに疲れたな。そろそろあの若き日の自分に帰るとす…」

 しかし待てよ、いま思えばそんな事をする意味はあるのだろうか。そんな事をすれば、確かに今より遥かに多くの金や地位を手にすることだって出来るであろう。

 しかし妻はどうなる?会社は?子供は?この世界はどうなる?青年はふとそんなことを考えて始めていた。こんな寂しい事は今までなかった。今までやってきたことを全て捨て、全く新しい世界果たしてうまくやっていけるだろうか。そんな気力が果たして残っているのだろうか。

 突然秘書が部屋に入ってくる。そしてこう言った。

社長の奥様とお子様二人がたった今、交通事故に遭われまして…重症で三人とも助かる見込みは…」

 いよいよ決断に迫られたようだった。しか青年の心は既に決まっていた。青年はほんの数時間前に戻り、買い物に出かけようとする妻と子供らを止めた。もちろん事故も起こらずに済んだ。妻と子供らは不満の声を漏らしたが、青年はただ優しい微笑みを浮かべるばかりで何も言わなかった。妻はこんな微笑み方をする夫を見るのは初めてだと思った。

 その一年後、青年は長年の疲労などが祟り、病に伏しそして逝った。

 これで良かったのだ。人生なんて一度きりで十分だ。この世界を離れるなんてこれ以上の哀しみはない。最期青年はこういい残した。

「素晴らしい未来のために…」

2018-05-10

有楽町線新木場行き6時44分池袋発の7号車

7人がけのシートに6人で腰掛けてるおっさん達が見れるからみんなおいでよ

あと写真撮って晒してほしい

7号車だから

2018-04-30

2018年4月30日の日記

社長が、マネージャ達に下がり続ける売り上げをなんとかしろと激を飛ばすレターを出した。

しかし、我々統括者チームが首になったときには、過去最高売り上げと利益を出し

その後、社長が作った、新マネージャ体制の結果が、今の状態

まり因果応報自分に跳ね返ってきてるだけだから、それに気がつかないと何も変わらないだろう。

施策を考えたり、調整能力が高かったりの仕事の結果は評価されない。

上司に気に入られるように、立ち回る人が出世する傾向が強くなり、多様性がなくなっている。

結果として、組織の力が落ちている。

なんといっても、今は、個人の実績や能力評価せず、その人の腰掛けているソファ評価する制度になっている。

ようするに、大昔に流行った、学歴主義(その人を評価しないでその人の着ている服を評価)に原点回帰している。

座らせているソファなので、退化しているが。

もともとは、ベテラン年収を減らして、目立たないようにリストラ、または、固定費削減を進めるための制度だが、やりすぎてしまった。

急激な入れ替えのために、組織による教育ができなくなり組織力が落ち込んでしまった。

バレー部にたとえれば、2年生、3年生が全員いなくなり突然1年生だけになってしまったようなものだ。

どこかのWebの記事

「50歳過ぎた社員は新しい価値を生まない」空前の人手不足でも進むバブル世代リストラ

という記事があった。

50代以上は、お荷物という傲慢な態度にはびっくりするが、安定した権力の座に長くいると魂が落ちぶれていくのは、やむを得ないのだろうか。

昔のリーダーのほうが気骨があったような気がする。

Web上で、いかにも経営改革進めていますよという、投資家向けのアピール記事しかなく

会社を追い出される、ひとりひとりの心の声は聞こえず、また、一人の退職は、悲しむべきできごとだが数百人のリストラは、統計上の数字しかない。

少なくとも私は、この記事読んで、今後、一生、絶対に、○勢丹と○越では買い物しないと神に誓った。

人を大切にできない会社が、顧客を大切にするはずがない。

経営の失敗の恥ずかしい話を、投資家向けのアピールの為に記事にする経営者の素養を疑う。

私の父親が、この人じゃなくて、本当に良かったと思った。

[]

ごきげんよう

岐阜県現代陶芸美術館で開催されているデンマークデザイン展と

近代美濃陶芸展に行ってまいりましたわ

デンマークデザイン展では、椅子をはじめとしたおデンマーク家具

拝見することができましてよ

センスを感じさせながらも実用性を失わないところにデンマークデザインの真髄があるそうですわ

最後の方の展示室では実際にデンマーク椅子腰掛けることができました

立ち見に疲れた後の補正込みですけど、座り心地はよろしかったですわ

持続可能な森から樹齢200年の木を切ってきて作っている椅子があるそうですの

素敵ですわね

シンプルな銀食器もあって並べられたステンレスとの微妙な輝きの違いが観察できました

いつもは銀食器しか見ませんので

普段焼き物を展示しているだけに立体物の展示には自信ありとお見受けしましたわ

第二展示会場ではデンマーク家具を唯一ライセンス生産されている

日本メーカー作品が展示されていましたわ

マットレスの中を見せてくださっていて興味深かったですの

蛇腹状の扉で正面が完全に戸締まりができる本棚は欲しくなりましたわ

蝶番の扉と違って本棚に完全収納されて開いても邪魔になりませんの

近代美濃陶芸」は明治150周年とのことで、明治期の作品が展示されていました

ポスターを飾っている西浦焼は、すぐお隣の美濃ミュージアムから借りたものでしたわ

自動車で5分くらいかしら

富本憲吉様の作品「色絵金銀彩四弁花模様飾壷」が完璧対称性をもっていて

惚れ惚れと鑑賞してしまいましたわ

工房の「千点紋食器一式」は名前通り千の点が絵付けされていて

作業想像するだけで気が遠くなりました

ミュージアムショップデンマークミントチョコレートを買いましたわ

万が一やみつきになってしまうと売り切れで地獄をみるので

こういうとき食べ物は気をつけなければなりませんわ

いざとなればデンマークまで泳いでまいればよろしいのですけどね

おほほ

本日はこれくらいにいたしましょう

おさばらですわ

2018-04-26

IHC(国際変態協議会)公認 変態番付

横綱

全裸ネクタイで深夜徘徊し、出会った女性に『僕の肛門臭いかいでくれませんか?報酬は払います

磐田市内の県立高に侵入女子生徒のスク水着て脱糞

女子高生の上履きを盗み、コンビニコピーしたものを見て楽しむ

・「生まれ変わったら道になりたい」。側溝から女性の下着をのぞき見たとして兵庫県警逮捕された通称側溝男」

大関

・19~71歳女性に一瞬で精液をかける18歳少年「早撃ちマック

・改造した釣竿を使い、足掛け30年で500枚もの女性下着を盗み続けた通称釣りキチ助平」

男子中学生に「マスターベーションだ。お前らも見せろ。100円やる」とオナニーを見せ付けた83歳の「マスターじじい」

関脇

ブルマー持参で小学校侵入、「学校ではくと快感

女子中学生が5名でランニング中、「パワーつけろよ。」と言って、下半身露出して走ってきた男(通称 パワーランナー)

・「おしっこ高価買い取り中」などと書いたチラシを女子高生に配り、その場で採取するため三角フラスコやタッパーなどの容器を持ち歩いていた男

小結

・「大便もらしたので、拭くの手伝って」女子学生を車に連れ込み性器見せる

・自宅ベランダ全裸になって腰掛けのような台に乗りライトアップ

破門

10年以上に渡り女児パンツを履いては近隣の家に投げ込んでた男

ストッキング女児パンツを組み合わせる独特の手法にこだわりを見せ、取り調べに対しても悪びれることな

女性の下着は密着感が気持ちいい。」という名言を吐き一気に番付を駆け登る。

しか過去殺人事件や巨額の横領事件を起こしていたことが発覚。再逮捕され、「変態から外れた外道」と非難され破門

幼女時代痴漢被害

子供の頃、家族遊園地に行った。

「あの遊園地、もうすぐ閉園してしまうから

そういって両親と、兄と弟と一緒に行ったのを覚えている。

園内はもうすぐ潰れてしま遊園地なだけあって空いていて、私は家の形をしたアトラクションがガタガタ揺れるだけのパニックハウスをえらく気に入り何度も乗った。乗客は毎度私ひとりで、アトラクションが終わるたびに係りのお姉さんに退出を命じられ、また乗った。お姉さん面倒臭かっただろうな。

さすがに他のにもいきなさいと母親に促されて、古代エジプトっぽい装飾のなされたアトラクションに並んだ。ひとりで並んでいる間、前にいた大学生男女のグループアトラクション説明文を読みながら「これちょっとエッチじゃね?」と笑っていた。何がだろうと思って説明が書かれたパネルを覗こうとしたが、大学生たちで見えなかった。

そのうち順番がやってきて、建物の中に入った。結局アトラクション説明を読めなかったのでどういう趣旨なのかわからないまま、個室に入った。係りの人が持ってきたゴーグルを着けて映像を見るというものらしいとわかって、個室の椅子腰掛けて係りの人を待った。

しばらくするとメガネをかけた線の細いお兄さんがやってきて

「これは検査から

そう言って私のスカートを捲り上げた。

え、と思った次の瞬間には、お兄さんは小慣れた手つきで私のパンツをずりおろし、いわゆる「くぱぁ」をされた。

お兄さんはしばらく私の未発達な性器凝視した後、私にゴーグルを渡し、アトラクション趣旨説明して出ていった。

なんとなく、良くないことをされたんだなと思った。

きっと私はこれからメガネ男性が怖いと感じるようになるんだろうな、と思ったのを覚えている。

大学生たちが言ってた「エッチなこと」ってこれのことだったのだろうか?と少し納得した。

映像が終わると、「あなたがどのような性格なのか」を占う診断結果が印刷された紙を渡された。

それを持って、外で待つ母親に駆け寄った。

「気が強くて負けず嫌いやって。当たってるなぁ」

そう言って私の診断結果を熟読する母親に、メガネの男にされたことを言うべきかなっと思ったけれど、どう説明すればいいのかわからなかった。

何を持って導き出されたのかはわからないが、母親が当たっていると絶賛する診断結果を羨ましいと言って、兄もそのアトラクションに行くと言った。

やめたほうがいいよと言おうと思ったが、お兄ちゃんも同じ目に合えばさすがにお母さんに言ってくれるだろうと思った。そしたら私の被害も名乗り出ようと思った。

結局、兄は明るい顔で診断結果を持ち帰ってきた。男の子にはしないのだろうか。

お母さん、私、その診断結果みたいに気が強い子じゃないと思うよ。

私は別にその事件で酷く心を病むことも、メガネ男性を酷く怖がるようにもならなかった。

ただ、たまに思い出して、あれは何だったんだろうと思う。

メガネの男の大胆で慣れた様子から、きっと被害に遭ったのは私だけではないのだろうなとも思う。

ただもう10年以上経っていて、遊園地もとっくに潰れていて、私の記憶曖昧で、なにも確かめることはできない。

冒頭、幼女と書いてあるが、実際には小学校中〜高学年くらいの話だと思う。

でも私の記憶はなんとなくもっと幼い5歳くらいのような気がしているのだ。

でもその遊園地の閉園時期や、弟が生まれた時期、ひとりでアトラクションに並んでいたことを考えると、未就学児だった可能性は限りなくゼロで、小学校5年生くらいが妥当な年齢である

なんとなく、事件のショックを和らげるために脳が勝手改竄をしたんだろうなって思う。

2018-04-22

人を人と思わない

最近、気になっていることがあります

歩道を歩いていると、向こうから歩いてくる人が、すれ違うときに袖が擦れ合ってしまうくらいぎりぎりですれ違ってくることがあるのです。

向こうが単独とき複数ときもありますが、悠々と真ん中寄りを歩いてきて、こちらには身をよじってギリギリで通れるくらいしかスペースを譲ってくれないのです。

そのギリギリのスペースを開けるタイミングも、すれ違う直前なので、こちらはたじろいでしまます

歩道では複数人で横並びで歩くときでも後ろから来る人を想定して道幅いっぱいに広がらない、前方に人が見えた時点で縦に並び、相手が十分通れる幅を開けるのが当然で、

自然とそうしている側からすると、ささいなことではありますが、かなり嫌な気分になります

また、大きな公園の広い道で、道の脇に設置してあるベンチに腰掛けていたり、隅っこでスマホを見ていたりするとき、道のへりに沿って歩いてきた人が、

こちらがギョッとするくらいすれすれを通っていくことがあるのです。

当然、ぶつかることもありますが、そういう方々はしらんぷりです。


そのような振る舞いをする人が、どうも増加傾向にあるように感じていて、薄気味悪く感じ、理由を考えて見ました。

 

私が思うに、彼らは知人友人以外の「他人」を、人だと思っていないのではないでしょうか。もちろんヒトだとは目で見て理解していますが、

人格のある人間として認識しないように頭の中で処理しているのではないかと。

私も、(こんな当然なことをわざわざ書くのも情けないですが)前方に立ち止まっている人がいれば可能な限りお互い不快にならない十分な間をとりますが、

樹木や岩だったらすれすれを通ります。彼らにとって他人は、樹木や岩と同等なのではないでしょうか。

その証拠に、こちらは不快になっていますが、そういう相手はまったく意に介していない様子で、一人で気持ち良さように、あるいは連れと笑いあって

去っていきます

このような人々がますます増えて来るなら、日本未来は暗いと思います

2018-04-19

サンリオアグレッシブ烈子

つい最近デビューしたキャラらしいけどまた随分古めかしい設定にしたんだなあとちょっとびっくりした。

25歳独身OL腰掛け会社勤務。

いやな上司とお局様に毎日ストレス感じてて、それをカラオケ女友達サバサバ系ちょいブス)と出かけてヘビメタ歌って解消してる。

明日幸せが来るといいな!



90年代にこんなの流行ってたかあみたいな既視感しかない。

2018-04-10

友達だった小指のないおじさん

飲食店バイトしてた時、お客さんとして出会った

小指のないおじさん。

そういう世界の人、リアルで初めて会った。

Qさん、としようか。


おじさんというか、おじいちゃんちょっとかかってきてる感じ。

(とか言ったら怒られちゃうかな)

がっしりした体で、確かに強面だったけど、

お店にいる間は大抵ガハハと笑ってて愉快な人だった。


ひとりでもしょっちゅう来るし

若いのとかたくさん連れてきて、売り上げに貢献してくれるし

話すと面白いし、差し入れもくれるし、店のみんなに好かれてた。

(あ、でも、実際キレてる場面も何度か見たの怖かった。ホンモノなんだと思った)


バイトの子らを食事に連れて行ってくれることもあった。

ある日、自分も誘われて、バイトあがりに3人で食事をした。

最初ちょっと緊張してたけど、一緒に行ったバイトの人は既にQさんと仲良くて

くだけた雰囲気だったし、料理も美味しかったし、楽しく過ごせた。

お酒も飲んだ。

「お前、よく飲むなあ。食べるなあ。」と感心された(多分)。


その後は、お店で会うと「おい、増田!いつもの!」

みたいに声をかけてくれるようになった。

他のバイトはもちろん社員にも同じような態度だったけど。

粗野な振る舞いをしても、不快感がない、周りに迷惑をかけない、

(1人で来てて混んでくると、「俺あっち移るわ」などと席を自ら移動してくれたり)

不思議紳士具合だった。


そのうち2人でもバイト後に飲み行くようになった。

たくさん飲んで食べた。

焼肉とか鰻とかフグとか天ぷらとか鉄板焼きとか

独りでは行けないお店にもたくさん連れてってもらった。

美味しかったなあ。


とても博識な人で、いろんなことを面白おかしく話してくれた。

本や歴史最近ドラマ映画芸能界の裏話的なやつも。

Qさんと飲むのは毎度美味しかったし、楽しかった。


彼の友人を交えて飲んだこともあった。

その男性も面白くて、ちょっと偉い人で、

こんな人と友達なんだ、とびっくりした。


ただ普通に飲み友達だと思っていた。

Qさんのいろいろ(壮絶)な女性体験も聞いていたし

冗談めかして下ネタしょっちゅう話していたが

なぜかいやらしい感じもなく、触ってくることもなかった。



1年ほど経った頃、就職が決まったのでバイトを辞め

仕事決まったよー」と連絡したら

「お祝いしてやるよ」とまた飲みに行くことになった。

他のバイトの子就職祝いで

Qさんごはん行った―」とかいう話をよく聞いてたので

みんなと同じようにお祝いしてくれるんだな、優しいなー

と喜んで出かけた。



ちょっと久しぶりに会ったQさんは、相変わらず

ジャージにつっかけみたいな格好で登場した。

「よう増田仕事決まって良かったなあ!」と言ってくれ乾杯した。

こんな会社楽しいよーとか話して、いつものように自分

「おいしいなあ、おいしいなあ」と、たらふく食べて飲んだ。

満腹で良い感じに酔っぱらって、その店を出た。

金曜の22時くらいだったか


いつもならここで

Qさん、ごちそうさま!ありがとー!」

とお礼を言って、「おう、またな。」

と別れるのだが、この日は

「じゃあ、行くか。」とQさんは言い、

歩き出し、着いたのはホテル街。

でもよく行ったお店の近くでもあったので、

今日もあそこ顔出すのかな?」とか思っていた。


コンビニに入るQさん

「なんか要るか?」

「ううん、大丈夫。」

状況が飲み込めてなかった。

酔っていたのもあり、へらへらついていくと

ラブホテルではなく観光客が泊まるような

きれいな高いホテルチェックインしていた。


???

よくわからないまま、部屋に入った。

「あーおなかいっぱい。あー!眺めいいねえ!」

実際眺めは良かった。

とりあえずタバコを吸い出したQさん

コンビニで買ったお茶をもらって飲んだ。


ベッドはひとつだったか、ふたつだったか、よく覚えていない。

あいや、ふたつだったようだ。

それぞれベット腰掛けていたと思う。

何をしゃべっていたか忘れたが、ぐいっと引き寄せられ

キスをされた。

突然のことにキョトンとしてると

「やっぱりかわいいな、お前」

???


「ん?え?そうなの?ほんとに?」

「そうだよ。ずっとそういうつもりだったよ。」

???

しばらく行為を続けられるも

びっくりしすぎて、どうすればいいかからず硬直していると

「…ダメか?」と聞かれた。

「びっくりして…あの…Qさんのことは好きだけど…ごめんなさい…」



この後のやりとりもおぼろげだが

結局は

「俺、帰るけど、お前ここ泊まるか?せっかくだし。

 あ、彼氏とか連れ込むなよ?(笑)

彼氏いません)

「いや、あの、帰ります。ごめんなさい…」

「わかった、じゃ行こう。俺は◎◎(知り合い)の店行くからよ。」

Qさんは言って、服を着て、ふたりホテルを出た。



そしていつものように人ごみの中で

「じゃあな、俺こっちだから。」と笑って手を振るQさんと別れた。


自分は何を言ったっけ。

ありがとう。じゃ…」ぐらいは言ったと思うが、よく覚えていない。



あれ以来、Qさんとは会ってない。

連絡もこない。当たり前か。自分も何も言えない。



ごめんなさい。

本当にびっくりしてしまった。

本当に友達だと思ってた。

全部ごちそうになっといて、そりゃないだろう、とも思うが

まさかそういう対象として見られてるとは思わなかった。

20や30歳くらい年上の人から言い寄られたことは、今までもなぜかあったが

自分経験したそれとは全く違ってた。

Qさんには、全く嫌悪感がなかった。

好意は、ずっとあった。

自分が鈍すぎたのだろうか。



多分あれも4月出来事だったので、最近ふと思い出してしまい、書きなぐってみた。


本当に、楽しかったんだ。

いっぱい飲んで、食べて、笑った。

バイトは辛かったけど、Qさんがいたから続けられてた。

お店で会えるだけで、テンションあがったし、

「夜、飯行くか?」って言われたら、もうすごい頑張れた。

救われてた。

そういえば、当時好きだった人の話なんかもしてたな。

いろいろめんどくさい話も聞いてくれた。


もう言えないけど、やっぱり今も、ありがとうと思う。

無自覚だったとしても、ひどいことした。ごめんなさい。

それでもあんな風に振舞ってくれて、すごい。

思い出すだに、かっこいい。



もう会うことは、きっとないけれど。

Qさんありがとう

ずっと忘れないよ。

どうかお元気で。

2018-04-04

双子

彼女きょうだいがいるのは聞いてたが、まさか双子の妹とはね。

来週から二人とも大学2年生、付き合って半年春休み最後彼女実家に呼ばれて、紹介するから家族でご飯食べようってなったわけよ。ちょっと早い気がして焦ったけどうまく断れず、仕方なしに訪問した。


彼女の両親にビビり倒しながら会って、思ったより好印象でひと安心して、それじゃ夕食にしましょう、ってすき焼きを囲んでるときに、ほんとはもう一人妹がいるんですけどねえ、ウチは双子なのよ、って言われて知った。双子の妹がいるのか、そりゃ見てみたいなと思って聞いたら友人と外で晩ごはん食べてもうすぐ帰ってくるらしい。詳しく聞くと1浪でこの前地元大学合格したとのこと。同い年の1個下ってやつか。

夕食が終わってお義父さんの晩酌に付き合ってると、例の妹が帰ってきた。顔見てびっくり、めちゃくちゃ似てるわ。双子ってのもピンキリで、瓜二つから全然似てないのまで色々だが、こりゃ相当そっくりな部類だな。顔も髪型も初対面じゃ見分けつかないくらい似てる、身長も160ないくらいでほぼ同じ、しぐさもなんとなく似てて、感動すら覚えたね。愛する彼女と同じ顔の女の子がこの世にいるってのは何とも不思議なもんだ。

酒のおかげでお義父さんと打ち解け、今日は泊まっていきなさいなんて言われたから、ご厚意に甘えてその夜は泊まらせていただいた。彼女実家に泊まるってなかなかスリリングというかなんというか。彼女が小さい頃から入ってる風呂に浸かり、彼女が小さい頃から使ってる部屋の床に布団を敷いてもらって、失礼だがちょっと興奮したなあ。

そうして部屋でドキドキしてると彼女が入ってきて、親は寝たから眠くなるまで何かして遊ぼ、って言うから二人でベッドに腰掛けWiiやってたら、ねーちゃんここー?って双子ちゃん乱入してきた。妹はデリカシーがないのか知らんが彼女を挟んで俺の横に腰掛けてきた。同じ顔の女の子二人が俺と一緒にベッドに座ってる。なんだこの状況。

妹は総じてデリカシーがなく、グイグイいくよー!下ネタオールオッケーイェーイ!みたいな明るい女の子で、こいつが春から大学生になったらヤリサーの仲間入りを果たさないだろうかと心配になるタイプだった。そんな妹の、俺を見ての第一声はこれだ。

「ねーちゃんたち、もうエッチした?」

あのなあと思って彼女を見ると、彼女はそういう下ネタオッケー明朗快活ガールではないから、当然困り顔をしていたわけだが、俺は彼女のそういう表情、彼女実家彼女の部屋という空間、そして彼女と同じ顔をした女の子が明るい笑顔で「エッチは?エッチは?」と朗らかに聞いてくるシチュエーション、それらが合わさって何かのネジが外れてしまった。


「もちろんしてるよ、こんな風にね」そう言って彼女の腰を抱き寄せ突然キス。まあ嘘ではない。隣で姉が急にキスされた妹ちゃんは焦って、あ、え…なんて言ってる。お前が聞いたんだろ。そんなエロ漫画テンプレみたいな反応されてこっちも火がついちゃって、そのまま背中を撫でたり髪を梳いたりほっぺたを愛撫したり、前戯を始めてやった。双子の妹の目の前で。


ここから先は生々しいので書かないが、顔がそっくりなこの双子は、胸の大きさも形もそっくりだったし、感度も声もおんなじだったよ。

2018-04-03

今日はなぜか輝夜ちゃんの夢をみた。

べつにガチ恋勢でもなんでもないけど、夢に出てくるくらいには好きだったみたいだ。

彼女はベッドのようなもの腰掛けながらスマホトーク収録をしていて、自分はその脇で見守りながらつい小声でツッコミを入れていた。

終了後、自分の声がマイクに乗ってしまっていないか心配になり、録音を確認しようと月ちゃんスマホを触らせてもらっていた。

この時していたのは録音だけなので、あとからモーションをつけるんだなとか考えていた記憶がある。

Androidの画面を繰っていると、月ちゃんスケジュールが映り、入金だのなんだの生活感のあふれる文字が並んでいた。

操作の覚束ない自分を見かねて、月ちゃんが横から文句を言いつつ手をだしてきて、左上の時計部分をタップした。

すると、するすると画面が最上部に戻って、おおっiPhoneじゃなくてもこの機能あったんだ!と感動した。

その後も録音ファイルを探すが、どうにも見つからない。もしかして失敗していたんじゃ…

と、やきもきしているうちに、夢から醒めた。

この夢の中の月ちゃん中の人状態だったはずだが、彼女をあまり正視しなかったのか、姿の印象は一切残っていない。

起きてる今にして思うと、実際にはもっとちゃんとした収録方法でやっているだろうと思う。携帯iPhoneだし。夢につっこんでも仕方ないが。

ともかく、夢の中でも、自分の小さな声など掻き消して聞こえてすらいないような勢いで、月ちゃんは騒がしく一人夢中で喋っていた。

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