東京二十三区の駅チカ、商店街まで徒歩5分の立地に金山さん(仮名)は住んでいる。
三階建ての自宅は12LDKはあるはず。それ以上あるかもしれない。
駐車場は二台分。
いつのタイミングか忘れたけど、ネコチャン用の段ボールと思われるハウスが何個か置かれるようになった。
少なくとも三匹はいた。
見るたびに「うへぇっ」と思ってた。
こんなゴミみたいな猫をよくもまあ敷地においておけるもんだと呆れていた。
ボロボロネコチャンたちはとても汚くて、死んだ方が早くね?と思わせるほどボロボロだった。
通りがかるたびに「生きてるかな?」「死んだかな?」とのぞき込むのが習慣化した。
いないと死んだと思ってちょっとほっとしたし、いたらいたでちょっとほっとした。
ネコチャンたちは金山さんの半端な厚意と善意によって段ボールハウスと食物をもらって細々と生きてる感じ。
近所の人に嫌われてるだろうな金山さん。
ネコチャン汚さは半端なかった。
金山さんちの前にでっぷり太って年取ったネコチャンが三匹いた。
「は?」
鳴らない鈴とかキーホルダーみたいなのがついてる。
あのネコチャンたちだった。
ハゲてたのに毛並みも良くなって見違えた。
いや、見た目だけなら飼い猫だわ。
大出世してた。
段ボールハウスは相変わらずだけど果物かごのベッドやバスタオル使った寝床が増えてた。
相変わらず外飼いだけどたぶん死ぬまで面倒見てくれそう。
増田が金山さんだと思ってる人間は、放し飼いされてる野良人間だよ。
猫の世話してる金山さん見たことないんだよね 男か女か年取ってるのかも知らない 昨日も今日も同じ場所にネコチャンいてのんびり日向ぼっこしてた 逃げないから近所の人にも危害は...