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はてなキーワード: 深海とは

2015-07-20

ラノベブロガーたちが選んだ2015年上半期おすすめライトノベル

好きなライトノベルを投票しよう!! - 2015年上期 作品別投票結果一覧より。

1. 天鏡のアルデラミン(宇野朴人)

既に評価確立している人気の戦記ファンタジーだが、第一部の完結とその終わり方が高く評価された。

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-886559-3/

2. ゲーマーズ!(葵せきな

生徒会の一存シリーズで知られる著者の新作。ゲームガチ勢エンジョイ勢の対比とともに誤解が誤解を生む賑やかなラブコメが描かれる。

http://www.fujimishobo.co.jp/sp/201503gamers/

3. 戦うパン屋機械じかけの看板娘 (SOW)

軍人とその相棒が営むパン屋が、戦争で傷ついた街で奮闘する姿を描く、ハートフルファンタジー

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/series/135/index.html

3. 絶深海ソラリス(らきるち)

22世紀深海舞台に、予想もつかない展開で読者を魅了するモンスターパニックスリラー

http://bc.mediafactory.jp/bunkoj/solaris/

3. たまらん!(比嘉智康

奇才・比嘉智康が描く、テンポの良さとテンションの高さが魅力の多角関係ラブコメ

http://bc.mediafactory.jp/bunkoj/tama_run/

3. 下読み男子投稿女子野村美月

文学少女シリーズ野村美月が贈る、ラノベ新人賞の下読みを務める主人公ラノベ作家を目指すヒロイン青春ストーリー

http://togetter.com/li/846968

3. 薬屋のひとりごと日向夏

毒物に詳しいヒロイン後宮で起こるさまざまな事件を解き明かす中華風ミステリ。「小説家になろう」で人気だった作品書籍化

http://ncode.syosetu.com/n9636x/

8. エイルン・ラストコード(東龍乃助)

危機に瀕した人類救世主としてアニメの中からヒーローがやってくるロボットアクション。熱い展開とスタイリッシュ演出が人気。

http://eirunlastcode.com

8. ひとつ海のパラスアテナ(鳩見すた)

今年の電撃小説大賞《大賞》受賞作品。全ての陸地が海に沈んだ世界で、メッセンジャーとして逞しく生きる少女物語

http://dengekitaisho.jp/special/21/works/pallasathena/index.html

10. 我がヒーローのための絶対悪大泉貴

幼馴染のヒーローを救うために、悪の組織の残党を率いて戦いを挑む主人公ダークヒーローアクション

http://sol-comics.shogakukan.co.jp/solc_dtl?isbn=9784094515398

10. 終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?(枯野瑛)

謎の敵によって人間が滅び、それ以外の種族が空に浮かぶ島へと逃げた世界と、それを守る少女たちの戦いを描いたファンタジー

http://sneakerbunko.jp/series/shumatsu/

10. 独創短編シリーズ 野崎まど劇場野崎まど

最近ラノベ文章www」として注目を浴びる天才野崎まどの、意欲的な試みがふんだんに盛り込まれ短篇集。

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891099-6/

10. ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか大森藤ノ

アニメ化話題さらった「ダンまち」がランクイン。人気のある作品には投票を避ける臍曲がりなラノベ読みたちからも支持を集めた。

http://ga.sbcr.jp/sp/danmachi/

2015-06-30

【決定版】艦これ世界観シナリオ考えた

 時は21世紀、かつて大戦轟沈した艦のサルベージが一部富裕層の間で行われていた。


 ある時そのような形でサルベージされた艦艇の内部から特殊なコアのようなものが見つかる。同時期にサルベージされた複数艦艇において同様のコアが発掘され、世界各地でコアの研究が盛んになり始める。

 コアの効用生物の強壮作用である。コアを浸した海水ラットなどに飲ませることで、これまでの生物常識を超えた力や耐久力を持った生物に生まれ変わった事例などが確認された。

 研究が進む中、まことしやかに米国では人体実験情報も覗うことができた。

 そんな折、米国研究機関において『事故』が発生する。

 単なる爆発事故、と当時はされていたのだが、しか実験体の逃走と、実験体によるコアの簒奪ニュースが遅れて日本にも届く。

 暫くの時間の後、アメリカにおける多数の研究施設軍事施設に謎の襲撃が相次ぐようになる。海洋大国日本はそのようなニュース傍観していたのだが、米国において通信インフラ施設破壊され、米国政府との公式通信不可能になってしまい、連日続く謎の生物による襲撃事件によって賑わっていた米国マスコミも同時期に沈黙。以降米国との情報のやりとりは完全に途絶え、状況を確かめようと派遣された航空機複数軍艦米国近海において消息を絶った。


 また、日本近海においても謎の生物発見談や、その生物による攻撃事件などが頻発する中、日本研究機関は『コア』と大戦中の艦艇部品触媒として用いることで、生物を強化し特殊能力付与し得る培養液の開発に成功する。

 後に『高速修復剤』として用いられるところの液剤であった。


 日本においては、米国の完全な沈黙の後に発見され『深海棲艦』と呼称されるようになった生物によって起こされる、多数の襲撃事件や、軍事施設への攻撃対処する為に、液剤に適合する人間のサンプルと、そしてその適合後の人間が使用できる種々の兵器の開発が急がれていた。

2015-03-28

アニメ艦これグロ

僕と、アニメ艦これ」が相容れない理由はただ一つ。

アニメ艦これは、女の子グロ殺傷する描写があるからである

1話の開始早々、榛名だったか砲撃重巡リ級(たしか)に直撃、

肉片が四散する描写こそなかったが、

当然そうなっただろうと思えるだけの爆発の描写があった。

もっとも同じ1話では、川内那珂がかなり重たい攻撃を喰らいながらも

ゲホゲホ咳き込む程度のダメージで済んでいたシーンもあったが、

数話後には艦娘轟沈シーンもあったし、

最終回では飛行場姫がさんざん四肢を吹っ飛ばされていたか

アニメ艦これ世界は、攻撃によって肉体に深刻なダメージを与えうる世界なのだ

飛行場姫が片腕をもがれるということは、

艦娘だって片腕をもがれかねない世界ということ。

内臓を飛び出させかねない世界ということ。

これはもう、俺のやってるゲームとは違う世界ですわ。

ゲームのほうでは、艦娘は、自分人殺しをしてるとは思ってないかもしれない。

自分砲撃が当たったかどうか、それは結果を知るだけであって

深海棲艦の死体を見ているはずもない。

ひょっとしたら、彼女らはRPGをしているだけかもしれない。

または勢力争いを、バーチャルな模擬戦闘で解決しているのかもしれない。

そう思えるのに、アニメ艦これときたら。

俺はまとめサイトをたまに見るぐらいで、掲示板とかはマメには見ていないので

こういう論議がすでに起きていたのなら申し訳ない。

とにかく、最終回飛行場姫のやられっぷりが

俺の限界を超えていたので、

吐き出さないとたまらなかった。

2015-03-05

ネットカフェ仕事がはかどらない理由言い訳

はいインターネットカフェにいる。腹がへった。途中外出ができるみたいなのでコンビニに行ってくる。アンパンチョコレート菓子。それだけあればいい。茶は好きなだけ飲める。

仕事がはかどらない。さっきまで天井を見上げて呆然としていた。深海の底にいるみたいだなんて思いながら。何にもしない。どうして何にもできないんだろうと考えてみて、なんと今日はまだろくに飯も食っていないことに気づいた。ファミリーマートバウムクーヘンコーヒーで流しただけ。そりゃ力も出ないだろうよ。

フロントまで行ってみると、受付係が一人しかおらず、入店待ちと退店待ちのガキどもが列を成してやがる。ばかばかしい。コンビニまで行きたいだけなのに誰が並ぶものか。ちょっと時間を置くことにした。甘いカフェオレごまかす。

さっきは「ネカフェ仕事がはかどらないのは空腹のせいだ」と断じていたけれど、それだけじゃないな。そもそもインターネットカフェという空間仕事きじゃない。静かなのはいい。だけど落ち着きすぎて怠惰になる。そうなるようにデザインされているのだから、あたりまえだ。つまり仕事がしたいやつはインターネットカフェに来るなって話だ。休憩したい奴が利用する施設なんだ。知ってるよ、うるさいな。

でもな、家じゃ落ちつかねーんだよ。俺は小説家志望のゴミワナビである。さっきから仕事仕事言ってるのも、ゴミみてーな箸にも棒にも引っ掛からない小説のことを指している。フリーターだし。文句あるか。

自習室を試したこともある。悪くはないんだけどな。あれって月極めでしょう。同じところに通ってると飽きるんだ。できれば場所は変えたい。そういうわけで高くついてもネットカフェはうってつけなんだよ。ゴミみてーな文章打ってるモニタを誰にも覗かれないしな。ありがたい。

以前は煮詰まってくるとネット将棋だのネタ動画だのに逃げたものだが、最近それはなくなった。退屈と向き合うことを覚えたから。たとえば「やる気おきねーなー」と感じたら「やる気おきねーなー」という気分のなかに浸る。もちろん嫌なものだ。でも嫌でもいいから黙って浸る。そうすると少なくとも疲れない。

コツはあらゆる義務感を捨て去ること。「もっとしっかり生きなきゃなー」とか「このままじゃ駄目だよなー」とか思わない。思っても、その感情にエサをやらない。「駄目でいいんだよー駄目でー」とか「どうにかなるよー」って思う。そのほうが自分にとって何が大切なのか見失わずに済む。

ぶっちゃけ義務感に流されていたら小説なんか書いていられない。やってみたことのある人なら知っているように、ゼロから創造世界を立ち上げるのはメチャクチャ疲れる。エネルギーを消尽する。二時間もまともに向き合っていたらヘトヘトになる。この上、「マトモに生きよう」だとか「ちゃんとしよう」だなんて考えたら、頭がおかしくなって死ぬ

から常識的義務感は捨てたほうがいい。いや、捨てなければならない。代わりに、「駄目でいい」。駄目のなかに浸ることによって、かえって気をそらすものへの逃避を断念することができる。俺の場合、クソみたいな将棋を指したり、アホみたいに動画を観たりするのは、疲れてしまって混乱した結果なのだ

時間パックで入ったのにもう一時間半が経った。小説は一行も書いていない。でもいいんだ。これで。駄目でいいんだよ、駄目で。

2015-02-04

海の花

花は、なぜ咲くのか?

海の花は、どうして咲くのか?

深海にあって、見えなければ、仕方がない。

でも、人間に気づかれなくても、そっと咲いている。

咲いていれば、いいんじゃないのか。

上手く、見えなくても、咲いていれば、いいんじゃないのか。

2015-01-30

艦これこれはひどい【第4話】

絶望した! 艦これ第4話のデキに絶望した!

脚本がお粗末DEATHネ!

第4話は……

 1. 睦月憔悴パート

 2. 金剛型4姉妹による日常ギャグパート

の2つで構成されています

1は良いんですよ。

空鍋状態の睦月が立ち直り、一歩大人へ成長する過程自然に描かれています

第3話における唐突如月轟沈を、第4話の脚本家必死フォローしているように見えるのは気のせいです。

問題は2の日常パートですね……

話がつまらないというか、雑なんですよ。

艦これ流行っているからコピ本出してみるか」くらいの軽いノリで参加した島中サークル同人誌レベル

金剛型4姉妹全員が池沼というのもいただけないです。

最低でも霧島は健常者にすべきでした。

1番艦金剛も「表向きはハッスルしてるけど根は繊細」というキャラ付けにしてバランスを取るべきだったでしょう。

例えば「如月轟沈精神轟沈している睦月金剛が慰撫する」ような挿話を入れるべきだったと思います

あと、深海棲艦から砲弾を素手で弾き飛ばすのはよろしくないです。不沈艦かよ。

「僚艦への思いやりを持つ優しい金剛」を描きたかったのは分かります

でも肉体言語じゃただマッチョ金剛ですよ。ジャマイカ金剛ですよ。

吹雪かば被弾して、

 金剛「Meの装甲は分厚いデース(強気言葉とは裏腹に足はわなわなと震え、目には涙が)」

 吹雪金剛さん! 絶対に……絶対に許しません!(深海棲艦撃破)」

みたいな展開が見たかったです。

第5話以降はどうなるんでしょうね。

製作陣の怠慢が見え隠れして不安なんですよね。

分厚いファン層にあぐらをかく阪神みたいです。

ワレ頑張れや!

2015-01-25

ステージの光はすべて星

「この業界周りで働く人たちは、皆、総じて、"愛"に弱い。」(辻村深月 ハケンアニメ!)

アイドルマスターシンデレラガールズ」の第3話を見てこの一文を思い出さずにはいられなかった。思い返せば第1話冒頭。ニュージェネレーションから漏れ彼女たちをすでにデビューしたアイドルとして見せた「お願い!シンデレラ」。画面からあふれでる愛におぼれるようだった。それからはじまった物語も素晴らしく、決め台詞差しまれる話運びにただただ溺れるしかなかった。そして第2話の宣材の撮影。たとえ短くともまた漏れしまった彼女たちが出演している絵に心が震えた。

そこからの第3話。ついにはじまるシンデレラストーリーゲーム本編をプレイしていないため彼女たちの衣装がどのイベントレアリティのそれなのか判らないことが残念でならない。

ここまでアニメデレマスは漠然としていた「見たいもの」が予想以上の物語と絵をもって与えられる、天啓甘露のようだ。まぶしいばかりの愛が散りばめられ、あふれている。まさにスターだ。

そして光が強ければ強いほどに闇が色濃く見える。

アニメ艦これであるアニメ企画が発表された当時に当然の展開と受け止めていた。そして同時に口にはしなかったが漠然とした不安が芽吹いたのも事実だった。

時がたち発表されたPV第1弾。動く彼女たちを見て真っ先に感じたのは違和感だった。重い曇天、鈍色の海。それらを従えたなによりも黒い深海棲艦。立ち向かう艦娘たちにもどこか闇がつきまとう。戦争舞台であることは承知していたが、これはあまりに暗すぎる。その色遣いは先立って感じた不安に塗り込められた胸の内を投影たかのように見えた。

そして第2弾PV。不安を拭い去るかのような明るい場面……の果てにでてくる秘書官長門。参戦本部なのだろうか、その色遣いはセピア色。軍楽隊が奏でるBGM。夕日の中飛行する戦闘機(九七式艦攻? というところに目が行ってしまう)。当然である戦争だと思い知らされる。美少女動物園日常アニメではないと見せつけられる。

それが見たいわけじゃない。

そんな不安の中はじまったアニメ艦これ。なぜか舞台現代でも未来でもない。過去だ。太平洋戦争当時なのだろうか。その説明はない。不安ばかりが募る始まりだった。

そして第3話。不安は形になり、姿を見せた。これは戦争なのだ。生きるか死ぬかの物語なのだ、と。轟沈と隣り合わせの青春なのだ、と。

艦これは強烈にデレマスとの対を感じさせる。

女の子が戦う世界を見せつけることで、全提督に冷や水を浴びせ続けるかのように。世界絶望に満ちていると押さえつけるかのように。誰もが死ぬんだと殴るかのように。目をそらすなと睨むように。

ここに期待はないんだと叫ぶように。

俺は木曜に冷や水を浴び、金曜夜には愛を浴びる(BSは異なる、と入れておけばいいのか)。

艦これ物語世界にあまりに従いすぎている。物語の下に艦娘たちを配置している。だから戦争の影から逃れられない。すべてを支配する。

いっぽうデレマスは女の子たちが物語を従える。彼女たちの意思物語を拓いていくのだと共感できる。

ただそれだけだと虚構のにおいが強いのだが、竹内Pとその上司たちがしっかりと世界を支えている。第3話で楽屋に現れた部長川島瑞樹挨拶をする場面などその真骨頂だろう。リハーサルでの音響さんのセリフ(ここの芝居がとりわけ印象的だ)、ステージ下のスタッフ。そしてライブ終了後の挨拶スタッフの労をねぎらうセリフ。そういった細かいところがこれは「仕事」だと伝えてくる。言ってしまえば彼女たちだって戦っているのだ。みくにゃんの繰り返しの挑戦だって彼女なりの戦いだ。負けるけど。

デレマスのこの「愛し方」が判っている背景は突然のことではなく、これまでに連綿と繰り返されてきたアニメ化によって制作側に培われた技術なのだろう。つまり、もし艦これと同時期に「ゼノグラシア」が放送されいたらと思わないでもないのだ。

アイマスは愛し方が確立している。その頂点が先の劇場版であり、Febriの特殊号だろう。最新号は艦これ特集なのもなにか運命めいた存在を感じさせる。

小山高生タイムボカンについて語った際に「天地人がそろった」と述べていた。同じことをデレマスに感じるし、いけないほうの天地人がそろったことを艦これに感じる。これまた偶然であり、運命の綾であろう思いたいが、第3話放映翌日から艦これアーケードロケテストが始まった。三国志大戦撤去直後に発表されただけにその知らせに触れたプレイヤーが何を期待したのかは想像がつくし、その結果がどうなったかはご覧のありさまである

艦これではなく艦これ人気が好きだった」という増田には深く同意できる。残念だがいまのところ、艦これはすべて期待を裏切り続けていると言わざるを得ない。これから目をそらし、褒めそやすことは大本営発表報道し続けた太平洋戦争末期の報道各社と変わりがないだろう。連想するなら艦これへの弓道から批判は、本来であれば物語全体に向けられるべき「コレジャナイ」を局所的に言語化した結果なのだろうか。

竹内Pと提督の造形の違い、二次設定の使い方、ゲーム中の素材の扱い、表現……。あまりにデレマスと艦これは対をなしすぎる。恐ろしいほどだ。同時期に放送したのは両者の意地なのか、運命なのか、それとも他の何かか。私の心境としては、見届けるデレマスと看取る艦これ、というところだ。

人為的に誘発された知能は,その増大量に比例する速度で低下する」(ダニエル・キイス 「アルジャーノンに花束を」)

2015-01-23

http://anond.hatelabo.jp/20150123121220

艦これは、単に「戦艦をパロってるだけ」とは言いがたい、戦史オタ的なエッセンスが注入されている。

たとえば、艦これには(いまのところ)枢軸側の艦しか出てきていない。

となると、「深海棲艦」のモチーフアメリカ軍なのか、それとも史実とは無関係ニュートラルな怪物なのかで、ゲームとしての意味合いがまったく変わってきてしまう。

深海棲艦」という配慮をしつつも、これはエンタメなのでアメリカ艦もイギリス艦も出しますね、という割り切った態度も見せないのが艦これなんだよ。

っていうところで、めんどくさいオタクたちがぐだぐだやってるわけ。

2015-01-22

アニメ艦これ絶望的な日常すぎて怖い

すごく不自然世界なんだけど、登場人物の誰も疑問に思わなくて怖い。

だいたい、あの世界に生きた人間っているんでしょうかね?

提督は声も姿もないし、補給や整備のオッチャンとかのスタッフもいないし、司令部艦娘3人だけだし、鎮守府の周りには町が見えるけど遠景だけしか描写されてない。

鎮守府以外の世界は全部敵の手に落ちて滅んでるけど鎮守府の周囲だけ平和に見えてるんですかね?(結城友奈は勇者であるとかマトリクス的な世界?)

そんで人間はみんな遺伝子操作環境適応たか呪力によって言葉を奪われ妖精に変えられたんですかね?(クロスアンジュとか新世界より的な世界?)

鎮守府の外にまともな世界があるのかどうかが、どうでもいいことのように扱われているのが怖い。

さらに、唯一描写されてる鎮守府の外側の存在である深海凄艦ですらもコミュニケーション取れるのか怪しくて怖い。

ストライクウィッチーズネウロイ蒼穹のファフナーフェストゥムの方がまだ話し合いできそうだ。

そもそも主人公サイドがミュニケーションを試みる気配がないというのが、地味に怖い。

ナウシカをやれと言うつもりはないが、進撃の巨人ファフナーでさえ、敵を理解しようという動きがあるのに無いんだから怖いわ。

世界の誰も深海凄艦に疑問や興味を持たずに駆逐しようとしているのには、多分エレンドン引きですよ。

それと、艦娘たちがなぜ戦うのか分からなくて怖い。

主人公日常アニメのように転校してきて、格好いい先輩にあこがれて艦娘として訓練がんばってると思ったら、普通に轟沈があるんだからインキュベーターにでも騙された気分だ。

赤城さんは崇高な使命として過酷運命を受け入れているようだけど、那珂ちゃんとかは洗脳宇宙世紀的な意味で強化されているか幼児退行しているようにしか見えない。

誰だよ、小学校低学年くらいの少女たちにこんな過酷運命強いているやつは!

そして妖精さん消耗品

 

これらが作中ではすべて当たり前のように描写されてて、しかもこの狂気に満ちた世界日常として永遠に続くんだろうなって感じがしてとても怖いです。

2015-01-12

艦これというブランドをまず考えて、授業参観で終わっていいのか

もっといろんな艦これ経験したほうがゲームにとってプラスじゃないのか、と


そう、アニメの一話を見て思いました。

端的に言えば満足できない、この先満足するのは難しいかと思ったのです。


はいっても、アニメスタッフが手を抜いているとか、まじめに作ってないんじゃないかと

非難したいわけではありません。

私が艦これアニメ1話を見た時の印象は、下記のようなものでした。

@ham1975: 艦これアニメ、めんどくさい顧客相手に慎重に書かれたパワーポイントプレゼンのようだった

https://twitter.com/ham1975/status/552972215201718273


しろ逆に、アニメスタッフは大変頑張られたと思います

ただその頑張りの方向が『最大多数の最小不幸』を目指している感じであり、

かつそれが視聴者にも伝わるがために、「あ、うんまあ悪くなかった……んじゃないかな」

と褒めることもできないが文句を言うには忍びなく、

結局出た出ないを話題にする授業参観アニメなっちゃったのかなあと思います


まあ、5W1Hすら設定しないというのはどうかと思うんですが、いろいろあったんでしょうね。


Who(誰が)    艦娘が(ただし何者かよく解らない)

What(何を)    敵の深海棲艦を(ただし何者かよく解らない)

When(いつ)    ヨクワリマセン

Where(どこで)  ヨクワリマセン

Why(なぜ)    ヨクワリマセン

How(どのように) 砲撃や雷撃で倒しました


ノベライズやTRPGでは、艦娘が人ベースなのか転生なのか、どちらかに決めた上でやっています

コミカライズだとボカしているものもあり、誤魔化せる表現が可能なら曖昧にしていくという指針でもあるのかもしれません。



ただ、ぼかさずに済むHow、戦闘手段アニメに落とし込めていないのは大変気にかかります

水上スキーはまだしも、あのサイズあの形態で戦うのであれば、艦の戦闘準拠する必然性はありません。

からこそ、水雷戦隊クロニクル天龍は剣を振るいヲ級はその頭部で噛み千切ろうとし、side金剛金剛は敵戦艦を投げ飛ばすという表現になったのでしょう。

言ってしまえば、魚雷有効だって人型であることと相反しちゃうんですよねえ。


巷でどうこう言われてる弓の話も、どちらかというとなんで矢が艦載機になるのか、

弓の鍛錬をする意味がどの辺にあるのかをアニメ世界の中できちんと説明できるか、理由づけられるか、の方が大事だと思うんですけどね。

現状初見さんが素朴な疑問を抱きそうな点はいくつかあるんですが、その殆どゲームユーザーも慣れただけで説明できないわけで、

アニメでその辺の説明がされることを期待していた向きもあるんですが、こうも「そういうものから」で流していくのをみると、

しろ「設定に触る部分は説明しない(できない)」という意思表示にも思えます

説明しないことによるメリット、というよりすることによるデメリット、というものに心当たりがなわけではありませんが

そこまで厳しく語ることを制限されていると、何のためにアニメを作ってるのかよくわかりませんし、

スタッフも作っていて面白くないんじゃないかなあと思います

配慮もうれしいのですが、まず面白くするために考えて、そのあとで可能限り配慮を尽していく形であればなあ、と



ところで、本当に巷でいわれてるんですかね弓の話。

指摘された! 弓道やってるやつはめんどくさい! と範囲限定しない中傷はざらなんですが、肝心の指摘はあまり見ません。

おそらく今回の発端はこのツイート

https://twitter.com/shockn55/status/553844214698504192

画像だと思うんですが、わざわざ掲示板あたりで使われていた画像を引っ張り出してきて、

面倒な人たちに目をつけられたと主張、拡散されていくのを見ると「面倒ってなんだろう」と考えてします。

しかも、(別の方ではありますが)「キービジュアルに対する指摘を受けて直しても(註:但し指摘を受け入れてたという根拠はない)、結局突っ込まれる。テロリストに譲歩しちゃダメってことだ」

という主旨の呟きも目に入ってしまい、比叡カレー吹いてしまいました。テロリストってお前。

と思ったら、2か月前の時点ですでにテロリストに準えるコメントがあるまとめブログ記事があり、

http://kantama.net/archives/16344385.html#comment

指摘が入ると「仏の提督さんでもキレました」と闘争に入るスタイル確立

および艦これへの言論によるテロに対する、高い意識存在が伺えます

また、件の記事自体今日を予期した念入りなシャドーボクシングであり、

どちら側が原因かはさっぱりわかりませんが、元々開戦の機運が高まっていたのだなあと感じ取れます。どちらが原因かはさっぱりわかりませんが。


なお私は剣道部であることを付記いたします。



長くなりましたが、あくまアニメに対する懸念は一話時点での懸念であり、今後の十一話で払拭してくれることを期待していますし、

不惑に至って尚、新しいことであるシナリオライディングや作詞に手を出す挑戦心を忘れない、

中年の星たる原案田中謙介氏のシナリオライターとしてのシンデレラストーリーになるような成功

および中村ノリというブランド継続をお祈り申し上げます

2014-12-22

http://anond.hatelabo.jp/20141222134453

ニルヴァーナheart shaped boxかのこ

ハートシェイプドボックスなんかニルバーナ史上最もイチャラブソングじゃない?

付き合う前にコートニーからもらった手紙の入れ物がハート型だったっていうエピソード

構成から歌詞までほぼ共作と言っていいほどのコートニーの関与。


レディへ絶望はまあ分かるけど。

ミスチル絶望期はあるじゃね?深海、Q、discoveryの頃。

バンドの歩みとしてはわりと一般的と思うけど、

って、ダブる関係ないけど。

関係ないけど、discoveryの一曲目とOKの一曲目はクリソツ

2014-11-18

僕は彼女言葉の泡を見た

プカプカと水面に浮いて行っては消えてゆく泡を

僕は誰にむくでもないその言葉不安のようなものを覚えたか

僕をこんな気持ちにさせた責任を取ってよねと彼女にいったんだ

そしたら彼女は、とびきりキュート笑顔あなたもすればいいと言って見せた

楽しいと、誰にも見えないような深海から、ポツリポツリ、きみの息100%空気

私を不安にして見せてよ 私があなたを好きなことを気付かせてと言ったのだ

僕はもう君に夢中だ きみの唇に恋してる。

2014-08-14

14夏イベ最近艦これ感想

E1

艦隊の練度が高かったからか開幕雷撃には悩まされなかった。もちろん対潜装備と陣形で確実に中破以上とする。

しかしその後の夜戦とフラヌによるワンパン大破は装備で解決できず、爽快感のない運ゲー感が強く6ステージ中でもっとストレスフルだった。

中支援は3マス目でしか役に立たず、そのために6隻キラ付けは割に合わないので出していない。資源が充分あるため試行回数を優先した。

E2

E1と逆に道中支援が有用なため6隻とも3重キラ付けして南ルートに臨んだ。そのおかげで特に難しいと感じることはなく支援艦隊キラが剥がれる前に攻略完了した。

E3

ルート固定が判明しており道中撤退要因も少ない一番簡単なマップだった。E4、E5と共通するが特に支援艦隊必要なく、きちんと資源を貯めていれば何も問題はないだろう。

E4

あきつの烈風拳が炸裂する愉快なマップだった。あきつ丸かわいい時計回りルートに逸れても敵は羅針盤1ヶ所のみであり、E5のように大破せずに撤退する必要がないのもよかった。

E5

開幕に進んだ方向で全てが決まるマップだった。北ルート場合は一戦で撤退バケツを使えないことが多く、疲労抜きの待ち時間が無闇にかかった。

MI作戦はほぼ代わり映えのしない艦隊だったのもあり、連合艦隊システム面白いが延々と資源を捧げるだけであり疲れたという印象。

E6

重巡大和型・長門・ちとちよで臨んだ。ケッコン済みだがまるゆを食べさせてない北上様の運でカットインに賭けるのは趣味でないため。

しか重巡ルートが開発されたのを知らず利根筑摩羽黒妙高をAL/MI作戦に投入してしまっており、Lv70代の愛宕旗艦として挑むことになった。陣形による回避率の上昇は否定的なので全て単縦陣を選んだ。

削りもゲージ破壊も変わらず愛宕探照灯と夜偵を装備、戦艦3人は零観と徹甲弾を装備、ちとちよは烈風改烈風2つと彩雲3つと修理要員を装備。愛宕以外はケッコンしているのもあり、一度も逸れることなボス戦の航空優勢成功した。

支援は削りも破壊も決戦支援のみで、キラ付けは決戦支援旗艦のみ。キラけが有効なのは認めるが、回避10%アップのために6隻で30分以上手間をかけるより手数を増やす方が楽しいので。もちろんそのための資源バケツも充分に残していた。

中支援は6隻全てにキラ付けなければ実質役に立たないのに、一巡目最初のフラタ・空母棲姫は言うに及ばず、フラヌとフラリもワンパン大破させる力を持ち、さらに道中支援が完全に無効化される潜水艦マス付きのこマップは手間に見合わない。

小破未満の艦娘にも疲労回復を兼ねてバケツを使うことを解放し、またどの艦娘も無傷で帰ってくることはほとんどなかったので休まず出撃できる非常に楽しいマップであった。

ダメコンを厭わなければボス到達率は悪くなく、削り時はボスS勝利もとれるぐらい手塩に掛けた大和型が活躍するまさに最終決戦といった趣で、事前情報のような絶望感はなくむしろ高揚感に満ちたまま挑むことが出来た。

最後まで編成を崩さず大和武蔵の夜戦連撃がボスに決まりダメコン8つ・バケツ200個・燃料8万・弾薬5万・鋼材7万ほどでクリア成功した。

感想

出撃縛りやE6の存在不安を煽られたが、蓋を開けてみれば必要とされる艦娘はAL/MI/本土防衛で重複せず、改二艦を揃えマップ攻略レベリングのお供で戦艦空母系が普通に育ってれば特に問題なくクリアできる難易度で、秋E4の時限回復+ボス羅針盤なんかと比べればよっぽど楽しかった。ダメコン使えない教さんのことはよくわからない。

同じ名前艦娘を2隻以上要求するような縛り方でなかったし、せっかくのイベントなのに出番が来ない艦娘が多いのが残念だと思ってたので、連合艦隊システムといいより広く戦力が求められていく方向は良いことだ。

支援艦隊は電探2載せが安定。戦艦空母も論者載せは論外。32号を増やして4載せを試したいぐらいだ。

キラ付けは不要信仰がまた深くなった。キラ付けの手間はモチベーションを奪う。出撃せよ試行回数を増やせ。今日溶かすために備蓄をしてきたのだ。

もっともこんな風に言えるのは先人が効率良い情報を探し広めてくれたからであり、先遣攻略組の方々には本当頭が上がりません。いつもありがとうございます

他、最近艦隊これくしょんに思うことをつらつらと。

ソーシャルゲームイベントなのに無課金でいわゆる上位入賞にあたる完全クリアが可能・しか報酬は戦力的に必須でなく先行配布なので後に建造・ドロップ落ちするのは本当に良心的でちょうどいい難易度バランスを保ててる。

弾着観測の導入で艦種ごとの役割差別化を進めつつバランスを取り深海棲艦ばかり強くなる流れをある程度変えたのは見事だったので、あとは遠征効率アップ、特にボーキサイトと開発資材を効率良く入手出来るようにしてほしい。

からだらだら毎日自然回復資源で開発しデイリーをオリョクルでこなしたまにレベリングする中堅の自分にはちょうどいいバランスだが、新規着任者がどんどん追いつき難くなっているのも感じる。

ある程度やり込むと頭打ちになり横並びでやることがなくなり時間を掛けることに偏重したゲームデザインのため仕方ないことだが、もっと課金で詰められる部分を増やしてほしい。

例えば勲章設計図は明らかに延命目的時間稼ぎを感じるが、一方で自分のように5-5を避けていても1-5、2-5、イベント勲章を全て集めれば雲龍までの要求設計図数にぴったり足りて図鑑は埋められるように配慮されている。(これは春イベント時も同じだった)

しか最近始めたプレイヤーはどれだけ廃プレイを続けてもシステム的に追い付けない壁として設計図数が生まれてしまうわけで、設計図ぐらいは課金で買える方が良いように思う。

またそうでない新規プレイヤーには改二艦の要求レベルの高騰と合わせて高すぎるハードルとしてやる前からモチベーションを失わせかねないように思う。

大型建造に天井がほしい。艦これはやり込めば全員が艦娘コンプでき、最高級装備を必要数揃えられるようになっていて、故にそれを目指すのがモチベーションとなるのだけど、大型建造はあまりにも個人の運で差が付きすぎる。

大型建造に負け続けると当然装備の開発がままならず、艦娘レベリングにも差し障り、イベント攻略に悪影響が出てそれがまたモチベを奪い、とマイナススパイラルとなり、しか課金で賄うにはえげつない資源価格設定。

資源も開発資材もバケツも無課金でいくらでも集められるのに、買おうとすると信じられない値段となる。それは収入源でだからこそ兵站ゲーとも言われるのだけど、そうすると大型建造運がバランスブレイカーにも程がある。

角川帝国によるプレイヤー私生活管理を目指しているのかと思うほど何をするにも時間を食い、戦闘演出キャンセルなんか間違っても実装されず装備・編成プリセットなど夢のまた夢の状態に飽きもあったのだろう友人達大和大鳳連敗を口実に艦これを辞め、艦これの話をする相手がいなくなって寂しいのであります

2014-07-28

ハリウッドGODZILLA感想ネタバレ

ハリウッドゴジラを見てきた訳だが、良かった点と悪かった点をまとめる。

その理由にも触れるのでネタバレは避けられないので見たくない人は「そっとじ」を推奨する

================================ここからネタバレ================================





■悪かった点

渡辺謙の演じている芹沢博士がさほど役に立っていない。設定など無理矢理な部分がある
フィリピン誕生した怪獣ムートーの研究を15年続けていた
主人公父が何を調査していたかを聞き出し、「生体音響」のヒントよりツガイの♀がいるのでは?と導き当てた
核ミサイルではなくゴジラ怪獣ムートーで決着がつくだろうと予測した(根拠が比較的薄く信仰に近いものではあったが)
2014年に父の形見時計だとして、広島原爆の日時間の止まった懐中時計を示してきた(広島原爆は69年前であり、芹沢博士は何歳なのか、父がなくなったのはいつなのかという疑問が生じる)
広島原爆の話を引き合いに出すのが無理がある。スリマイルチェルノブイリ福島原発事故を引き合いに出した方がまだリアリティがあった(初代ゴジラに敬意を示したとしてもいささか無理がある)

ゴジラ動機がよくわからない
怪獣動機なんか知るかと言われればそれまでだが、ゴジラ深海ムートーの声を聞いていたがノーリアクション。♀が孵卵し♂の呼びかけに反応したところでゴジラも初めて行動を起こした
•なぜこのタイミングゴジラ活動したのか、ゴジラ目的ムートーの繁殖を止めることだったのかなど、もう少し描写必要だった

■良かった点

ゴジラ日本の造形に近くなった
ゴジラがきちんと放射熱線を吐く
怪獣対決がハリウッド映画で見れる。しかも1対1ではなく3体同時
劇中の発音がちゃんと「ゴジラである
一応日本舞台として出てくる
ムートー♀の口内に零距離放射熱線で止めを刺すカットが斬新であり、迫力がある

総評

ハリウッド日本ゴジラに近いゴジラが動いているのを体感できるのはメリット
きちんとしたストーリー作品に込めたテーマポリシーまで求める人は見ない方がいい。不満を覚えるだろうから

2014-06-17

BLOGOS-ポップソングが「閉塞感」ではなく「楽しさ」を共有する時代へ(柴那典) は間違っている 〜アベノミクス時代音楽、そしてミスチルのこと〜

http://blogos.com/article/88464/
「ポップソングが「閉塞感」ではなく「楽しさ」を共有する時代へ」という文章を読みました。
強い違和感を覚えたので備忘録代わりに書き残しておきたいと思いますBLOGOSコメント欄だと字数が足りないので。

 

柴那典氏(@shiba710)の文章は間違っていると思います
理由は以下の三点になります

 

まず第一にアベノミクスが将来への希望を本当にもたらしているのかという疑問があります
消費税増税過去の景気状況から国民が景気に対し、継続した右肩上がり希望的観測を持てるとは思わないからです。
加えて失業高齢化原発等、解決しない社会問題も山積する上、庶民不安はむしろ拍車がかかるのではないかと思います
まり人々は楽しさや楽観という価値観のもとに生きていないのではないでしょうか。

 

第二に日本ミュージシャン特にメインストリーム)は"カナリア"のような存在ではないということです。
これは楽曲への批判ではありませんが、翼を広げ瞳を閉じ桜舞い散る季節の中で君に出会えたキセキを歌うJ-POPには時代が反映されることはなく、それを許されてもいません。
時代を反映する曲を歌うということはつまり楽曲がある種の政治的側面を帯びるということです。
現代日本人にとって音楽政治性とは最も嫌うものです。よって必然的時代性(政治性)は排除され、似たような要素を持つ楽曲が量産されることになります
日本ではSex Pistolsの「Anarchy in the U.K.」もGrandmaster Flash and The Furious Fiveの「The Message」のような楽曲は生まれないでしょうし、また生まれてもチャートの上位に入ることはないでしょう。

そこから導ける結論としては、J-POP日本音楽の特徴はむしろ時代を反映しない」ことにあるのではないでしょうか。
現在楽曲10年前、20年前とを比較してそこに主題テーマ)の大きな変化はあるでしょうか。
せいぜい電話ポケベルLINEメールに変わったくらいで、その根本は大した変化はないというのが実情ではないでしょうか。

「いいくらし」「ええじゃないか」等、氏の挙げる楽曲はどれもJ-POPスタンダード、「励まし系」の枠を超えるものでもないと思います
これらの楽曲時代必然性を見い出すことははっきり言ってできません。
当然それが悪い訳ではありません。繰り返しますが楽曲の善し悪しとはまったく別の話です。
日本のポップミュージックの作り手は、時代の空気を先端で感じている“カナリア”のような存在ではないのです。

 

第三に「ミスターチルドレンがポップソングを通じて現代の閉塞感を共有する時代の一つの象徴になった」という考察が完全に間違っています
氏はその代表例として「マシンガンをぶっ放せ」を挙げています
本当に「ミスチルがポップソングを通じて現代の閉塞感を共有する時代の一つの象徴になった」のならば、その「マシンガンをぶっ放せ」は彼らの代表曲であるべきです。
しかし、一般人ミスチル代表曲を挙げてみて欲しいと質問しても「マシンガンをぶっ放せ」と答える人が果たして何人いるでしょうか。
せいぜい「イノセントワールド」か「Tomorrow never knows」か「シーソーゲーム」くらいでしょう(最近なら「しるし」や「HANABI」かもしれません)。

マシンガンをぶっ放せ」は、出せばミリオンを達成できた時代に唯一100万枚を割ったシングルです。
加えてその曲が収録されたアルバム深海』は前作『Atomic Heartから100万枚もセールスを落としています

私はそもそもミスチル現代社会の閉塞感を曲として昇華し、それを「売り」にするバンドだとは全く思っていません。

仮に100歩譲ってそのようなバンドだったとしても、本当にその「閉塞感」とやらって「共有」されていましたか

ちなみに氏の言う「時代の閉塞感を内面化させていたミスチル」のセールスは、CDバブルに沸く世間とは対照的に見事なまでに右肩下がりでした。
アルバム『Q』は遂にミリオンを割ります

 

しかし、仕切り直し的な意味を持つベスト盤とそのツアーを挟んでの次作、『IT'S A WONDERFUL WORLD』で彼らは文字通り“蘇生します。
世の中のCDセールス頭打ちになる中、セールスは前作から50万枚も回復するのです。
このアルバムからミスチルメロディーは「ポップで王道的に」、歌詞は「前向きな内容」になり、彼らの得意分野であった「ラブソング」が完全に復活します。
ものすごく簡単に言ってしまえば「ハッピー」な作品になります

以後、今日までの彼らの方向性はこの延長線上にあります
嘘だと思ったらアルバムクレジット欄を片っ端から調べてみて下さい。前作『Q』まで二転三転してきた制作環境スタッフが、このアルバム以降基本的に統一されます
この事実意味するものは、この『IT'S A WONDERFUL WORLD』からバンドが目指す方向性が「確立」されたということです。
しかも氏の言う「時代の閉塞感を共有する」とは真逆の方向で。
その後の活躍は説明するまでもないでしょう。氏の方がご存知ではないでしょうか。
さて、本当に「ミスターチルドレンはポップソングを通じて閉塞感を共有する時代の一つの象徴になった」のでしょうか?

 

改めて見てみましょう。
00年代に売れたシングルは上から順に「四次元」「Sign」「youthful days」「しるし」です。
ミスターチルドレンはポップソングを通じて閉塞感を共有する時代の一つの象徴になった」のならば、その楽曲社会批判的な世を憂う内容のはずです。

自分を信じたならほら未来が動き出す/ヒッチハイクをしてる僕を迎えに行こう」(「未来」)

「傷つけ合う為じゃなく/僕らは出会ったって言い切れるかなぁ? /今 分かる答えはひとつ/ただひとつ/I love you/and I love you/and I love you」(「and I love you」)

「繋いだ手を離さないでよ/腐敗のムードをかわして明日を奪うんだ」(「youthful days」)

ダーリンダーリン/いろんな角度から君を見てきた/共に生きれない日が来たって/どうせ愛してしまうと思うんだ」(「しるし」)

一体このどこを聴いたら「時代の閉塞感を共有している」などという言葉が出てくるのでしょうか。
楽曲の内容は至って前向きなものか、もしくはラブソングの括りに入るものかと思います

 

本文の「終末のコンフィデンスソング」に関するミスリードも目を覆いたくなるような酷さです。
本文では「たまに不吉な夢見るんだよ/走っているのに進まない/ひょっとしたら実際に起きてることを夢の中で知らせるメタファーかも」という歌詞のみ引用されていますが、この曲の結末部分はこうです。

「今僕らの目の前で起こってること/楽観も悲観もなく/ちゃんと捕まえたら/足元に落とした視線を/上にあげ/胸を張れ!」

なんと前向きで力強い、ハッピーエンドな曲なのでしょう!
しかもこの曲が収録された『SUPERMARKET FANTASY』というアルバムリード曲「エソラ」に象徴されるような、とても「カラフル」で「楽しさ」を前面に打ち出したアルバムなのです。

 

今まで挙げた事例を見て頂ければ分かる通り、残念ながらミスターチルドレンは氏の望むような「ポップソングを通じて閉塞感を共有する」音楽活動は行っていないようです。
仮にそうであったとしても「ポップソングを通じて閉塞感を共有する時代の一つの象徴になった」ことは一度もないのは明らかです。

 

このような基本的事実を踏まえずして「アベノミクスで失われた20年は終わった!これからは楽しさを共有する時代だ!ミスチルという閉塞感を共有する時代の一つの終わりだ!」とか炎上目的ゴシップ誌の見出しのようなことを得意げに抜かすのが、私が日頃愛読している「musica」という音楽雑誌関係の深いのライターの方なのです。
私は情けなくて仕方ありません。これが「プロ」の書く文章なのでしょうか。
ちなみに同じ筆者が書いた「なぜBUMPは「国民バンド」になれないのか」という記事も酷いものでした。
願わくばこのような暴論を振り回す音楽ライターが、私の敬愛するミュージシャン音楽に関わらないでくれと祈るばかりです。

2014-06-16

女子高生にハリボテ付けて駆逐艦です!とか言われても困る

リボテすらないと更に困る。

まあ最近少しは分かるようになってきたけど、キャラの判別は全く出来ん。

画像掲示板女子高生しか見えない画像が貼られて、事も無げにその艦娘の話が繰り広げられる光景の異様さってのは…。

女の子+変な服・ハリボテみたいな擬人化方程式はそろそろどうにかなった方がいいと思うが、難しいところか。

怪獣擬人化(?)みたいなのは亜人っぽくて好きなんだけどな。なかなかメジャーコンテンツにならない。

そもそもヘテロ男性にとってのみヒジョーに都合のいい世界観が無理過ぎる。





こいつが困ろうとどうでもいい

せやな

ただ、特定ジャンルに過大にスポットライトがあたることに対して遺憾に思うくらいのことはできるんちゃう。本当はいろんなジャンルに均等にスポットライトが当たって欲しいところが、実際はどうしても勝者総取りになってしまう。

believemeimaliar "そもそもヘテロ男性にとってのみヒジョーに都合のいい世界観が無理過ぎる。" またホモか壊れるなぁ

こういう何かってえとホモホモ言い出す奴ほんと増えたね。

shijuushi メモ 怪獣擬人化メジャーではないと言っているが、妖怪擬人化美少女化)は既に強大勢力となって久しいんだけど、それとは方向性が違うのかしらん。

妖怪モノは俺も好きだけど、人外要素は薄めで別ジャンルという気がしている。一昨年あたりからモン娘がブームになって商業から供給も増えて俺はいっぱい嬉しい。

death6coin そういえば女の子ガンダムのパーツをひっつけたイラストが昔あったな。ひと目でわかる特徴的なパーツなら困らない

東方なんか顕著だけど、そのキャラ同一性担保するアイコンがあると二次創作なにかと楽だよね、というか。ただどうしても取って付けた感が出てくる。ZUN帽って奴?

yunitaro 艦これ ネタ極真っ当な指摘。今までも足にプロペラつけたり戦車に乗ってみたり、そして飽きた頃にはまた背中に背負ったものを変えた新しい女子高生が登場するだけ。むしろこれに噛み付く提督の方がいろいろ拗らせてると思うな

擬人化界隈ウォッチ歴10数年程度だけど、その間に商業でいろいろ流行ったとはいえ、表現自体はずっと変わってない印象。煮詰まってる感ある。

testa_kitchen 玩具・ホビー 武装神姫 艦これリボテみたいな艤装じゃなきゃこんなに人気出てねぇんだよぉおぉぉ!1!!お前らみたいな「自称違いのわかる擬人化厨」のお陰で武装神姫AGPMS少女ストパンシリーズも死んでったの!!1!わかる?この罪の重さ

二次オタが立体物も蒐集するかってえと…

立体物は余程ピンと来ないと購入意欲湧かないなあ。円谷の怪獣擬人化の立体物は期待してる(微妙に好みに合わなかったエレキングさんをスルーしながら)

あ、そういえば深海?深棲ナントカはいいよね白肌人外。

2014-05-25

今更、風立ちぬを見たのだが。

風立ちぬ劇場で見てきた。当方海外在住で、話題が古いのは許してもらおう。そして、なんだこりゃと思った。

主人公台詞棒読み。朴訥とした人柄を表したかったのかも知れないが、かなり違和感がある。あんな棒読み風に話す実在の朴訥とした人物はいない。

少年の頃の夢に没頭する話なのか、悲劇ラブストーリーなのか、何を主張したい映画なのか良く分からん

・どちらか絞らなければならないわけではないが、映画製作側と観客の共同作業というか、こちらも趣旨が分かればどんどん乗っていけるのだが、本作ではそこが分からず非常に乗って行きがたかった。

・2次大戦日本代表兵器ゼロ戦。作中で設計屋は兵器か否かではなくより良い飛行機を作りたいだけというエクスキューズが入っており、登場人物もちょくちょく戦争否定的な発言はするものの、ゼロ戦の開発を夢とした男を主題として取っているので、どうしても言い訳がましく聞こえてしまう。宮崎監督は極端なくらいリベラル側だということを知っているが、監督反戦平和主義だと良く分かっている視聴者にとってすら、兵器の開発に没頭している主人公には感情移入しにくい。

結核の奥さんに冷たすぎないか?ラブストーリーはいえないように思う。

英国で見たのだが、こちらの価値観だと仕事より奥さんを取るのが一般的なので、日本でも今ならそうだと思うのだが、英国人が日本人価値観というものはこういうものだと誤解しないかハラハラした。

・夢>奥さんというのが最も残った印象なのだが、監督の主張したかったことはそういうことでいいの?勿論、そういう趣旨なら描写成功したということになるけど。そして、一つの考え方としてはあるのだろうけど。

・妻は昔の日本、今の老人世代男性理想とする都合のよい女の描き方に思えて気持ち悪かったと言っていた。それもまた極端な見方だとは思うけど。

結核の奥さんの横でタバコを吸うのはどうなんだ?そういう時代だったからそういう描写にしたと言う主張は百も承知だが、もともと写実主義映画でないので、わざわざそこだけそういう描写にする必要あったのかな。

原作読んだことないが、夢の中と山荘の2人のデフォルメされた外国人原作にも出てくるの?ちょっと見ていて恥ずかしかった。

淡々としているが、そこが魅力的なのかというと、一方で夢の中の突飛な描写が繰り返され、淡々は魅力ではなく単に盛り上がりにかけているように思えた。映画の中には風が微風くらいしか吹かなかった。

悲劇もっと描くのかと思ったら、奥さんは山に帰りましたと。あとは夢の中で登場と。んんん?原作がそうなの?勿論直接的だけが演出ではないけど、輪郭から描き出す力も弱いような。少なくとも感情を揺り動かす力は弱いよね。

というわけで、非常に長く感じてしまった映画でした。英国映画レビューサイトを見ると、5段階で4ちょっとくらい。良い評価なんだろうけど、肯定レビューほとんどの言及が映像の美しさ。なるほどね。日本人は綺麗なアニメは見慣れてしまっているし(その中でもジブリはやっぱり凄いけど)、日本里山風景を見るのも珍しくはないけど、外国人にはあんなに綺麗なアニメ風景と言うのは凄く新鮮なんだろう。

本作をもって監督引退されたと聞いている。引退する投手がもう130km/hくらいしか出なくて打たれまくって火ダルマになっても、最後まで投げることができて満足、本人も世間引退に納得というか、そういう意味作品とすれば確かに巨匠最後作品にふさわしいのかもしれないと思いました。宮崎監督作品は、魔女の宅急便くらいまではきちんと見たのだが、それ以降はTV等で見る機会はあったものの、途中で寝てしまったりして、今回は日本映画を観たくて映画館に行ったかなのだが、見切ったのは久しぶりだと思う。

初期作品ナウシカは、監督が頭の中にあんな空想世界を構築していたのかと思うと、深海とか蟲のデザインとか、その発想力は恐ろしくもあり、天才だと思う。今でこそそのプロットは手垢がついてしまたかもしれないが、それだけこの作品の影響は大きかったのだろう。漫画版は、最後グダグダが残念なので、映画版くらいがよいのかもしれない。この1作だけでも宮崎監督天才性は語り継がれていくのだろう。

2014-05-11

艦これ』1年目で感じた5つの問題点

◆0,艦これについて

艦これ』が一部界隈で話題になり始めた直後にプレイし始め、継続プレイ約1年ちかく。

小規模ゲームであるにも関わらず、すさまじい数のプレイヤーが遊ぶ人気ゲームとなり、

小規模な運営も火の車状態でなんとか回している・・・という現状。

また、ゲーム内容についてもその辺のすぐに「いいから金を出せ!」という化けの皮が剥がれるゲームに比べれば

はるかによく出来ていると思う(実際私も2000円で入渠ドックを2つだけと、関連グッズ、公式書籍等何点か購入しただけで1年近く遊べている)。

しかし、元々「さっさとたたむつもりだった」(白書インタビューより)からか、1周年を迎えた『艦これ』は

いちプレイヤーから見ても「やや雲行きが怪しくなってきた」と感じる。

以下はあくまで私がいちプレイヤーとしてプレイしていて感じた点であり、

決して『艦これ』自体のアンチである萌えミリアレルギーというわけではない。

しろ、好きだからこそ気になる5つの点である

◆1,プレイヤーの強さの頭打ち

艦娘の強さに関しては、ゲーム開始時に規定された数値が継続して使用されている。

だいたいは元になった艦種ごとにスペックを算出し、基礎値+近代改修値(合成)が限界である

この数値はゲーム開始時に設けられたスペックを使い続けているものであり、新鋭艦でもそれほど大きくは変わらない。

それ自体はキャラゲーとして見れば許容範囲だろうが、この問題は以下で述べる2,3の問題点により構成されている。

要約すれば「新装備・レベルキャップ解放のないMMO状態」である

現状でプレイヤーが組める最強のパーティーは戦艦・空母編成であるが、その戦艦/空母編成を遥かに越えて敵だけが

インフレしすぎている、というような問題が発生しているためこの後はもう泥沼になる様しか想像できないのである(詳しくは3で述べる)。

キャラゲーとして「好きなキャラを強くする」にも、2の問題が引っかかり数ヶ月単位時間がかかるという延命仕様であり、

これからアニメ・グッズ展開などをかけていくにあたって「ゲーム自体が落ち目のMMOのような空気」を漂わせるというのが問題点だ。

また、平然とイベントなどで採用されるようになった「司令部レベルで敵の強さが変わるが、報酬は共通」という仕様も悪手で、

早々にプレイヤーが動かせるコマ頭打ちになってしまうので「一部の艦娘を入手し、育てたら後は司令部レベルを上げない」というのが

イベントを楽に攻略する手段だと言うのだからもはや笑うしかない状態である

そもそも司令部レベルが高くて何故敵が強くなるのか?何故報酬が同じなのか?一切設定や「リアリティ」では説明が付かないし、

艦娘の強さは司令部レベル20でも50でも80でも頭打ちですよ、という話だ。

◆2,「新装備」が入手できない

とにかく「新装備」が手に入らないことが、先に述べた艦娘の強さの頭打ちを更に強めている。

例えば「20.3cm(3号)連装砲」は重巡を少しでも強くしたいプレイヤーにとっては欲しい装備であるが、

この装備は現状手に入れる方法はA,ランキング上位報酬 B,三隈(改)の初期装備 C,利根/筑摩(改二)の初期装備 D,衣笠(改二)の初期装備 の4つだけである

Bは三隈を入手するというステップ自体が大型建造という全く割に合わないガチャを回すかドロップ堀り、

Cは勲章4つ(通常プレイでは2個/月でしか入手できない)、Dは非常に高いレベルまでの育成を必要とするため余程の根気が必要である

ではAはどうなのかというと、サーバーにもよるだろうが「ランキング上位者はありえない量の戦果を稼いでいる」のである

(参考までに述べておくと、横須賀サーバーではランキング1位は4月の集計時に6000近い戦果を稼いでいる)

これらのプレイヤーは24時間張り付いていたとしても手動では稼ぎ得ない戦果をたたき出し、その数値が他のプレイヤーからでも

参照できてしまうという状態、要するに「不正プレイが横行しているし、それをユーザーも確認できるが野放しにされている」という状況。

ほぼ現実的レア装備を入手しうる手段であるランキング上位報酬も、多くのユーザー不正プレイを使って優先的に取得している、という状況は

あまりにもまずい、というか普通のMMOなら大炎上不可避なレベル事態ではあるが、『艦これ』では常態化している。

まあ、これは良い。好きなゲームから太平洋よりも広い心で許すとしよう。

さて、このレアな装備を「先行」実装した時にははっきりと「将来的に他のプレイヤーも入手できます」と明言されているが、

上の例で挙げた3号砲が最初に配布されたのは2014年4月のランキング報酬である

つまり、1年以上の間「先行」配信を受け取る資格を得た上位ランキングプレイヤー以外はB,C,Dのうちいずれかで

膨大な手間をかけてやっと1つ入手可能なのである

これは他の装備(試作晴嵐)などでも同じで、ランキング入賞できないプレイヤーは入手機会は未だに「イベント」か関連艦娘の装備だけである

このような状況から、とにかく「自分の好きな艦娘を集め、一番良い装備をさせる」ことも非常に難しい。

元々『艦これ』が流行った要員に「キャラゲーとしての楽しみ」があるのは間違いないにも関わらず、

「好きなキャラを強くする」ことができる可能性が非常に狭められており、プレイしていてストレスに感じる。

◆3,ゲーム設計上の問題点

史実」という言葉がある。艦これに登場する艦娘過去WWⅡにおいて建造された艦をモデルとしており、関連した能力を持つ。

これは『艦これ』というゲーム大前提であり、敵とステージもそれをある程度共有しているのが世界観としての約束であった。

この「史実」をモデルとすることによる豊富バックボーンは多くのプレイヤーを惹きつけた要素となったわけだが、

残念なことに現在ではこの「史実」はプレイヤーを縛り付けるための方便だけに成り果てている。

主にプレイヤーと敵のパワーバランスの問題である

艦これ』では、プレイヤーが敵艦が跋扈する海域に突入し、連戦をくぐり抜け最終的にボスを倒す、というのが目的である

一度でもゲーム製作したことがある方にあっては態々言うまでもなくご存知のことと思うが、プレイヤーヘルス=敵のヘルスではない。

プレイヤーヘルス最後のリスポーンポイントからそこまで来るだけのバリューを持っており、リスポーン可能な敵のヘルスは軽い。

しかし、このゲームでは後半の海域差し掛かるに連れて「味方よりも高いヘルスを持った敵」が平然と出現するのである

艦これ』がアクションゲームでなんとかガードを決めればどんな攻撃でもダメージ0どころか反撃できるとか、

プレイヤーの卓越した作戦でうまく行動する前に叩き潰せる等の方法があればこの構造は「ボスモンスター」として問題はない。

プレイヤー艦娘たちの戦闘に干渉できるのは戦闘前の陣形決定ボタンを押すのみで、押した瞬間に勝敗は決するうえ、

味方の艦隊は敵陣の奥深くに切り込めば切り込むほど燃料・弾薬が減って不利になっていく。

そこで「何度も」味方のキャラクターよりも絶対的に強い敵が登場する、というマップ設計ゲーム制作素人どころの話ではない。

2-4などのようにボスとして配置するならまだわかる。

特にflagshipヲ級改・ル級改とレ級である

プレイヤーが使える艦娘実質的ヘルスキャップ値は100であるが、これら敵艦は平気で100を越えたヘルスを持つ。

更に道中で連戦・攻撃力も高い・避ける方法はなしとなればプレイヤーサイドでできる事は最早

「一番スペックの高い艦娘を並べて敵が攻撃を全部ミスすることを祈る」だけである

先に述べたようにはっきりいって『艦これ』のゲームとしての戦略性は下の下どころの話ではない。祈るだけである

いわば「味方を一切操作できないWizシリーズで何の対策もなしにクソ固いボーパルバニー連戦」状態だ。

その状態でいくら「強敵」を出現させられても、「高難易度やりがいがある」とはならずただ面倒なだけである

そもそも、長門の2倍のHPを持ち、加賀の2倍の艦載数を不自然に一箇所に割り振られ、軽巡以上の対潜能力を持った艦とは何なのか?

帝国海軍が戦っていた相手にビッグセブンはるかに越えたスペックを持つそのような化け物が居たということなのだろうか。

残念ながら筆者はWWⅡの時代艦船専門家ではないため、そのような存在がいたかどうかについては判断のしようがないのだが。

そして一方で、味方のステータス、装備はいつまでも「史実」に沿った数値のままで一向にパワーアップしない。

ケッコンカッコカリなどのシステムが追加こそされたものの、上がるステータス自体は微々たるもの

次々に追加される敵艦ははるかに強い・・・という状態。

一部『if改造』の入った大井北上は超パワーアップを遂げたという例を除けば「史実」は多くの艦娘にとって

実質的な「能力キャップ」として機能するだけのペナルティと化している。

戦艦で最強クラス大和武蔵が実装され、この「史実」をモデルにしている以上プレイヤーにはこれ以上強い戦艦は手に入らないのである

それこそ大和宇宙戦艦になったり武蔵ゲッターロボに乗るif改造でもなければ。

◆4,艦種の扱い

大艦巨砲主義

上述した難易度調整の結果、一部の艦以外の存在意義は非常にあやふやで、

周回して何度もボスドロップ等を入手しようというプレイヤーでなければ戦艦・正規空母以外を使う価値は非常に薄い。

そもそも強い強い敵と正面から殴りあうしか攻略が無いので、耐久と火力の高い艦以外は後半海域になると一気に出番がなくなる。

既存マップがほぼすべて「戦艦や正規空母を含む敵と連続で会敵し、戦う」という構造を取ってしまっているため、

駆逐・軽巡などは道中に潜水艦が居る場合でもなければ入れる価値が非常に薄い、ただ大破撤退を引き起こすキャラと化している。

その潜水艦に関しても後先考えない実装をしたせいで味方の潜水艦だけは一瞬で敵駆逐・軽巡に大破させられるキャラとなっており

(対潜水艦装備をしていない駆逐・軽巡でもどんどん「敵だけは」攻撃を当ててくる)、通常マップではかなり有用性が薄い。

実際に後半海域で出番が回ってくるのはごく一部の戦艦娘大鳳赤城加賀を除けば大井北上ぐらいのものである

一般的なMMOで「終盤MAPでジョブや装備が絞られる」というのはまだわかるが、『艦これ』のゲーム性はそこまで深くない。祈るだけだ。

艦これがウケた理由の一員である多種多様キャラクターたちは実質的に後半海域では20人以下まで絞りこまれ、

後は後述するハンデキャップマッチお荷物役にしかならないというのはキャラゲー部分にも影を落とす設計である

空母烈風ガン積みで制空権を取ったら戦艦だけが殴りあう。WWⅠどころか大航海時代レベルの海戦ゲームである

艦種縛り

2-4以降目につくようになるのが「艦種しばり」である

代表的な例としては、3-2をクリアするために必要な「駆逐艦縛り」などであるが、これらマップは「史実」をベースにしたと言われている。

(3-2、キス島はキスカ撤退作戦のもじりである

このキス島作戦の時点で駆逐艦を編成して突入しても普通に戦艦と遭遇し、ここをいかに中破で乗り切ってくれるか祈るだけ・・・というマップ構造になっている。

しかし、モデルになったと言われるキスカ撤退作戦では駆逐艦は敵艦には「遭遇していない」。

これを再現しろというのはさすがに無理だが、後々の艦首縛りマップでもだいたいの場合普通に敵主力とは会敵し、撃破する必要がある。

結局のところ、この「艦種しばり」も「史実」にかこつけたプレイヤー側への一方的なハンデキャップであり、

将棋で言えば飛車角落ち、ひどくすれば金銀桂香全落ち程度にまで行くというのが実情である

お荷物を抱えれば道中を通過しやすくなりますよ、というのが2-4以降での方針らしいが

自分の好きなキャラクターお荷物扱いされて気持ちの良い人がいるのだろうか?その辺りの考えが非常に浅い。

駆逐艦縛りや軽巡縛りにすることで事前工作活動を行い、主力攻略を有利に進められるようなシステムであれば良いものだが、

残念ながら現状の『艦これ』の戦闘は操作不能のボーパルバニー連戦モードだけである

また、重雷装巡洋艦は先手で敵の数を減らすまたは削れるというかなり強い特徴を与えられたのに対し、

航空巡洋艦は非常にその特徴が薄く、いつまでも劣化重巡のまま(そしてその重巡も戦艦の劣化版)である

申し訳程度に引き上げが入ったものの、早々に"if改造"が適用された雷巡とは違い劣化重巡、ひいては劣化戦艦という色が強く、

専用装備である水上機は2で述べたようにほぼ手に入れる手段が皆無ときている。更に言えば、弱い。

開幕の爆雷攻撃で落とせるのは精々低レベル雑魚駆逐のみであり、更に潜水艦がいれば無意味な攻撃を繰り返すという仕様で

どうもこのあたりから「開発方針を決定する人のお気に入りかそうでないか」という格差を感じるのである

どうも最近の新規マップを見る限り、開発方針は「ドラム缶でも運んでろ」という事らしいが。

このあたりの艦種縛りに使うために都合よく部分的に引用される「史実」と、

その史実から外れることができる・できないの基準が不明瞭極まる点がプレイしていて非常に不満点として持ち上がってくる、

というか2-4実装までとそれ以降で明らかに設計基準が違うことを感じるのである

特に後に実装されたものになればなるほど「史実」を使った理不尽プレイヤーいじめがひどく、

敵は好き放題パワーアップしていくという印象が強い。

5,運営アナウンス

0で述べたように艦これ運営オーバーキャパ状態で回している。大変だと思う。

いつも新規解放などに追われていて、大変そうにしている・・・それはわかる。

が、艦これ運営新実装に関するアナウンスはいい加減で、「かろうじて嘘はついていない」レベルのものが多い。

2で述べた「先行配信」で1年以上、勲章実装時の「持っていたらいいことがあるかも・・・?」から後出し設計図

新装備実装の「~するといいことがあるかも?」というような物言い

元々『艦これ』自体がかなりマスクデータの多いゲームで、プレイヤーは解析でもしない限り情報を与えられないが

(事実として公式轟沈の発生する条件も未だに伏せられているままである)、その中で公式物言い

ギリギリ嘘ではない」レベルアナウンス運営スタッフにさせる点はかなり不誠実な開発方針である

運営は大変そうだけど開発からアナウンスがあまりにも不誠実だよね」という点は間違いなく艦これ運営問題点だ。

なんとなく維持運営が大変そうなので心情的に同情してしまいがちだが、その影で開発からアナウンスに関しては

後出しイベント報酬を追加する、後出し勲章重要アイテムにする(うえにリアルタイム縛りにする)、

決して嘘は言っていないというレベルの適当な新装備の説明、先行実装(1年)という装備の出し渋り等、枚挙に暇が無いのである

twitter上だとアカウントひとつで巧妙に偽装されている上に、だいたいここらへんの不満を率先して

袋叩きにしにくる憲兵が居るので口が裂けても言えない話なのであるが。

◆まとめ

まとめると、2014年5月現在艦これアニメ化、グッズ展開、コミック展開等をかけていくに「これから」という時に

肝心のゲーム側の鍍金ボロボロと剥がれ、末期臭を漂わせながらキャラゲーとして楽しんでいる人にまで影を落としつつある。好きなキャラが使えないのだ。

コミカライズやこれから放送されるアニメ同人誌や関連グッズだけで『艦これ』に触れる人は良いかもしれない。

だが、その一方でゲーム本編ではどんなかわいいキャラ潜水艦退治かハンデキャップマッチ以外に仕事がなく、

そのキャラが気に入っても全く強くすることはできず、嘲笑うかのように敵は遥かに強いものが出現する。

強い強い深海棲艦に比べあまりに艦娘は貧弱で矮小無限にリスポーンする敵に対して一度死ねばロストという儚いもの

肝心のゲーム部分で「艦娘」というキャラクター価値を落とすようなことをしているのは非常に残念、というのが私の思いである。

プレイヤーがどんなにキャラクターに愛着を持っても、開発方針がそれをシステム

 徹底的に否定するようなアプデ・イベントを繰り返すのはやめてほしい」、ただそれだけの話だ。

2013-11-13

増えるうつ病艦これ系ついったらー 「艦これ人間関係に疲れた」

「もう艦これプレイしたくない。読むことに疲れたし、クレジットカードも止められた。おまけに会社も辞めることにしました」

そう語るAさん(40代)は、元人気艦これ系ついたっらーだ。かつては毎日ブラウザに向かい、年間5000時間プレイしていたことも。そして艦これオタクの間でも一目置かれていた存在だった。しかし、あることをきっかけに精神的不調に陥り、うつ病と診断され、現在は務めていたIT系会社休職中だという。

会社飲み会の席で『Aさんって艦これに詳しいんですよね』と女の子たちに聞かれて、僕のおすすめを教えてあげたんです。最近トレンド艦娘コスパに優れた戦略など様々な側面を考慮して、女子にも受けのいい艦娘をです。また 前弩級戦艦から軍艦歴史もわかりやすく教えてあげた。知り合いの絵師に僕の紹介だと言えばサイン入りの献本ぐらいオマケしてくれるんじゃないかとも言いました」

Aさんにそんな話を聞いてきたのは会社20代女性社員3人だった。だが翌日、会社ランチルームに入ろうとした時、彼女たちがAさんの話をしていたという。

「酷いことを言っていたんですよ。『艦これぐらいであんなに得意になれるって終わってる』『彼女もいないし、二次元結婚したんじゃないの』『息が深海棲艦とフジツボ臭いがする』なんて。その場には僕の後輩の男性社員たちもいたみたいで、みんな笑っていた。その日は会社を早退して、家に帰ったらめまいがして」(Aさん)

電話取材を行っていると、この話をしているうちにAさんは嗚咽をもらしはじめた。全マップ、全実装艦制覇するなど艦これに尽くし、恋愛、友人、仕事休日の出勤もデイリーために断っていた)を犠牲にしてきただけに、周囲の心ない言葉が響いたようだ。

「今これは結局、僕になにも与えてくれなかったんです」(Aさん)

こういう事例はAさんにとどまらない、筆者がかつて取材協力をお願いしていたある艦これ系ついたっらーは、他のついたっらーたちと競うことに疲れ、彼は現在艦これを読むと吐いてしまうという程精神不安定になっている。またもう一人は、知り合いだったDMMインフラエンジニアから『運営やフロントサーバにまで口を出すのはやめてください。もうウザいからこないでください』と言われたことを機に、過食に陥って、もともと80キロだった体重現在は120キロになっている。彼は現在外出恐怖症だと言っており、家で「艦これ二次創作」を大量に読み漁り、健康状態も心配だ。

6月後半から10月前半にかけて、多くの艦これ系ついたっらーたちが生まれ、艦これを読むことに情熱を燃やしてきた。彼らの多くは艦これプレイすることをステータスにしてきたから、プレイし過ぎて身体を壊すのはわかるが、まさか心まで壊してしまうとは。まあ、DMMには罪はないのだが。

元ネタ

増えるうつ病ラノベブロガーライトノベル人間関係に疲れた」

http://anond.hatelabo.jp/20131113151815

増えるうつ病ラーメンブロガーラーメン人間関係に疲れた」 もぐもぐニュース

http://mogumogunews.com/2013/10/topic_3601/

2013-09-19

艦これラノベ

『艦娘の交響曲

深海棲艦を倒せるのは、思春期の艦娘たちと、運命提督だけ!

人類を脅かす謎の不死生命体・深海棲艦。それを葬れるのは、思春期少女けが持つ『艤装』を武器と化して戦う艦娘だけだった!その養成機関である女子高になぜか転校することになった普通男子高校生五十六は、転校日に校内で深海棲艦に襲われ、銃砲を構えた少女・菊月に助けられる。無口で無愛想な菊月とパートナーを組まされ、共に深海棲艦と戦う運命を背負わされた五十六運命は!? 一人の提督と、戦う少女たちが繰り広げる学園倒魔アクション!!

2013-09-03

訳出1

この動揺に、私は屈服する。

調子が狂い、道の途中で行き詰る。

彼らの間で搾り取られる。

新顔が出現し、内部へと追い込んで、私の手を取る。


泣きなさい、少年よ、泣きなさい。

涙は、心に響く見世物だ。

泣きなさい、少年よ、泣きなさい。

孤独な夜に、おまえに取り憑いた恐怖。


彼は秘密にしている。

泣きなさい、少年よ、泣きなさい。

彼は秘密にしている。


彼らが用意する新しい環境は、

全てをひとつへと束ねる。

鞭の一打ちでオフへと切り替わり、

おまえが自分を吸い込ませようとした

真空地帯は閉じてしまう。


泣きなさい、少年よ、泣きなさい。

涙は、心に響く見世物だ。

泣きなさい、少年よ、泣きなさい。

孤独な夜に、おまえに取り憑いた恐怖。


泣きなさい、少年よ、泣きなさい。

深海のなかで一人きり。

泣きなさい、少年よ、泣きなさい、心の底から

さあ、また新しく始めるよ。


彼は秘密にしている。

泣きなさい、少年よ、泣きなさい。

彼は秘密にしている。


少年よ、泣きなさい。

http://www.youtube.com/watch?v=L4CbdGGl19o

2013-09-02

パシフィック・リムと、ガッチャマンとの、大きな差

町山智浩氏「同じようにシナリオに問題があっても『ガッチャマン』は嫌われて、『パシフィック・リム』は気にならないのは何故だろう」 - Togetter

http://togetter.com/li/557192

表題が既に日本語としてどうかと思うけど、まあいいや。

興味本位で観に行くのはデビルマンで懲りたので、ガッチャマンは観に行っていない。

から、もしかしたらガッチャマンも作りこまれててスタッフに愛されている駄作なのかもしれないからそこは割り引いて聞いて欲しい。


元々、町山さんのつぶやきを素直に読むと、

という疑問だと思う。

パシフィック・リムへ注がれる愛情

パシフィック・リムは、凄くスタッフに愛されていると思う。

是非劇場で観て欲しいから、映画の楽しさを損なわずに出せる具体例だと、以下の辺だろう。

  1. 劇中の不思議マシーンを、自虐的に触れるシーンが無い
  2. 劇中のニュース映像に、「カイジュウ・ブルー」という単語が出てくる
  3. 司令官が「二度と俺に触るな」等の古典的なシーンを、酷く丁寧に演技している。

自虐的に触れない、ギャグに走らない

まず、パシフィック・リムでは、登場人物たちは巨大ロボット(劇中ではイェーガーと呼ばれる)に対して、自虐的に説明しない。

「こんなのってまるでアニメみたいだな」のような逃げを打たない。

搭乗者たちはイェーガーに対して誇りや愛着を持って接するし、待機するイェーガーをゴツく雄々しくまるで鉄の塊のように表現する。

イェーガーこそが人類切り札で、怪獣に対抗できる唯一の手段だということを、変に照れたりギャグに走ること無く、丁寧に見せてくれる。

搭乗者が歩くとイェーガーも歩くというシステムに対して、観客は笑うが、登場人物たちは笑わない。

なぜならば彼らの立場では笑えないからだ。

細部を丁寧に作りこむ

パシフィック・リムは、深海の裂け目から怪獣が次々と湧いて出て沿岸地域を襲うので、巨大ロボットを作り運用し戦うという、特撮映画だ。

その冒頭、怪獣が現れ始めたという状況を説明するニュース映像に、ほんの一瞬だけ「カイジュウ・ブルー」という単語が現れる。

確か、字幕でも触れられていないくらいの短さだ。

正確に覚えているか自信はないが、「倒した怪獣死体を処理するのに苦慮している。強酸性血液は処理をより困難なものにさせ」という感じだった。その中でカイジュウ・ブルーと言っているのだ。怪獣の流す青い血液が、カイジュウブルーメディアに命名されている。

この設定自体は使用されているので完全に無駄ではないのだが、このニュース映像、誤魔化そうと思えばいくらでも誤魔化せる。

それを、倒れた怪獣死体とともに、処理している人物たちを映し出すほんの一瞬のニュース映像をキチンと作りこんでいる。

設定に矛盾があったり、工学的にも技術的にもありえなかったとしても、その世界の中でそういうものであるということ、丁寧に丁寧に作りこんである

くさいセリフを、真面目に演技している

「2つ、言っておく事がある。1つ、二度と俺に触るな。2つ、二度と俺に触るな」

どこかで聞いたことがあるような、典型的台詞だ。

不承不承返事をする主人公に対する対応も、コメディではなく真面目に演技をしている。

からこそ面白いし、だからこそ熱い。

司令官の演説を熱いと思うのは、そこに至るまでにパシフィック・リム世界にどっぷりと浸かれるようになっているからだと思う。

司令官は一貫して怪獣に対抗するにはイェーガーの運用必要だと信念を持って行動しているし、世界を救えるのはイェーガーしかいないと信じている。

少なくとも「そういうキャラクターなんだ」と観客が思えるような台詞と演技をしてくれる。

名前すらないような登場人物ですらそうだ。

劇中「良いニュースと悪いニュースがある」と言う、これまた典型的台詞を吐く人物が出てくるが、丁寧に演技をしている。全く雑さがない。

まとめ

そこに現代ではないパシフィック・リム世界があり、その世界の人物がコミックキャラクターのようにしか見えなくても、彼らがそこで生きていると信じられるとすれば、彼らはそこに生きている。

幻想現実へとすり替えるのは、7年の月日でサビが出始めた操縦席かもしれないし、猛威を振るう怪獣の姿かもしれないし、絶望的な表情でテレビを見上げる労働者の姿かもしれない。

それぞれは本当に小さな事だ。

黒澤明が異常な執念で映画に臨んでいたことは有名だ。

(裏取りしたことはないけど)開けない箪笥の中に着物を入れたり手紙を入れたりしたことは、エピソードとして結構有名だ。

プライベート・ライアンで、本物さながらの過酷な訓練を救出側の役者に行わせ、救出される側のマッド・デイモンには一切行わせずに途中合流させて、凄まじく険悪な雰囲気の中で撮影を行ったというのも、またそこそこ有名な話だ。

それらは一切、画面には表出しない。

いや、正確に言えば、本当に微妙な形では表出する。

動くとき所作だったり、唇の皮肉な皺であったり、疲れた目で相手を睨めつける仕草に。

それぞれは指摘するほどのこともない、指摘できない、本当に微妙な差だ。

でも、その積み重ねが、妥協しない作りこみが、圧倒的な熱量愛情が、我々の心に届くのだ。

シナリオの不出来をねじ伏せて余りある情熱を感じ取れるかどうかが、きっとその差になっている。

ギレルモ・デル・トロ脳内しか無かった怪獣と巨大ロボットとが大乱闘する特撮ファン垂涎の世界スクリーンに現れたのは、間違いなく情熱を持ったスタッフの手腕によるものだ。

まだ間に合う。是非、大スクリーンで観て欲しい。

2013-08-22

お互いにね

私が認識している現状ぐらいの事は長年ネットしている人たちには「ゲート・オブ・バビロン」で周知の事

匿名」界に首突っ込んで「はてな匿名ダイアリー」の存続を危うくするような流れや気に食わない人を〇〇〇〇〇に

仕立て上げたり、気に食わない人の家族の悪口を書き込む流れが出てきたときには「拡散」「RT」で流されちゃう

人達を止める為に稀に深海から浮かび上がるけどそれ以外のことには関心無いね

口で言い返せないから「罵倒」「脅し」に走る人達ってどの程度日本語勉強して「きた」のだろうと溝の深さを

感じる時あるわー 見ている世界の水平線が違うって感じ

定型語」を言われて思考停止して口をつぐむのは「つい民」ぐらいなもので「はてな民」には通用しない

日本ネットは「流れとそれを作り出すクラスタ可視化」「クラスタ可視化」については誰でも分かる

オープン世界となっている 「実名」であれ「匿名」であれね

2013-08-20

擬似科学のとても簡単な見分け方

ネット界隈では盛り上がるネタの一つである擬似科学」。

アヤシゲな話に騙されない為にも、何が擬似科学で何がそうじゃないかを見分ける能力を身につけるのは

重要な事だと思うのだが、擬似科学を扱ったサイトを見てみても、そういった事を書いたのは少ないし、

あったとしても「科学リテラシをつける」みたいな感じの「そんなのできたら苦労しないよ」ってなのが多い。


そこで私がいつも使ってる、とても簡単な擬似科学判別方法を紹介する。

といってもかなり荒っぽいものから、後述するようにうまく当てはまらない場合もあるけど、

擬似科学を疑う最初ステップとしては非常によい方法だと自負している。


その方法は、「これまでの研究をくつがえした」と言ったら、とりあえず眉に唾をつけるというものだ。



で、なぜこの方法がうまくいくか。それはそもそも科学がどういうものかを考えてみればわかる。

科学、とくに物理学の素晴らしさは、物理学のいろんな分野が膨大な現象を説明し、数百年もの間に膨大な工業製品に応用されているにも関わらず、

それらが全て整合性が取れ、矛盾していないところにある。


定説となった科学理論はどれも、世界中で行われた膨大な数の実験と、膨大な整合性確認という強烈な淘汰で勝ち抜いたものだ。

からこそこうした驚嘆すべき整合性があり、その整合性こそが科学根本価値の一つである


であるのだから、「これまでの研究をくつがえす」などという事は基本的に起こらない。

だって過去理論がくつがえったのだとしたら、それってそれを実証した膨大な実験が全て実験ミスだったって事でしょ?

そんな事ありえるはずがないのだ。



…こんな事を書くと、「相対性理論はそれまでの理論をくつがえしたじゃん」って指摘が入りそうだけど、これは認識が間違っている。

相対性理論はそれまでの理論をくつがえしてなどいない。

(本論とは関係ないので興味の無い人は「話を戻そう」の行まで飛ばしてください。)


これはちょっと説明を要する。まず相対性理論以前の理論ってのは、物体が「常識的なスピード」で動いているケースを扱ったものだ。

ここで「常識的」ってのがどの程度なのかは略すが、時速1000キロくらいでも何ら問題ない。


それに対し、相対性理論ってのはさらにずっと速く秒速30万キロ(=光の速度)程度のものを扱った理論だ。

ってなわけで相対性理論はそれまでの理論適応範囲が違うので、決して前者が後者を「くつがえした」わけではないし、

過去実験も全て物体が常識的なスピードで動いているケースのものなので、尋常でない速度を扱った相対性理論とは矛盾しない。

相対性理論が示したのは、それまでの理論適応できる範囲には近似の点から見て限界があるという事。)


しろ相対性理論が作られた時求められたのは、それまでの理論過去実験結果との整合性だ。

前にも言ったように、整合性が取れてなければ、過去の成果が全て実験ミスだったという無茶な結論になるからだ。

から科学整合性は相変わらずくつがえらない。




…話を戻そう。

ってなわけで、科学理論は基本的にはくつがえされないし、「これまでの理論をくつがえした」と称するものは大抵単なる大嘘だ。

から前述の方法は大抵の場合擬似科学のよい判断基準となる。


しかしこの判断基準も絶対ではなく、うまく擬似科学を判別できないケースもある。

最後にそれを指摘して本稿を終わろうと思う。


まず理論最先端過ぎて、定説が固まってないケース。

この場合はまだ科学の側が準備不足なので、「これまでの理論がくつがえる」事もありうる。

しかしこうしたケースではそもそも正しい理論がなんなのか誰も知らない状態なのだから

いずれにせよ眉に唾つけてかからねばならない事には変わりが無い。


もう一つのケースは何らかの理由で実験しづらかったりデータがとりづらかったりする分野の理論場合

(例えば医学では倫理的理由で実験ができない場合があるし、深海の奥底のように人類が到達できなくてデータが取れない場合。)

前述のように科学の信頼性は実験とそれを支えるデータにより担保されているので、

こうしたケースで完璧な信頼性を保証するのは難しく、「これまでの理論がくつがえる」事もありうる。


しかしこうしたケースであっても前述の擬似科学判定法はある程度よい基準になる。

なぜなら、科学進歩普通の人が考えるよりもずっと遅く、10年かかってやっと一歩進むか進まないか

というようなレベルからだ。


残念ながらテレビを見ていると自称科学者達が「これまでの理論がくつがした」と称して

怪しげな自説を言っているのを頻繁に見かけるが、

科学進歩が数十年単位である事を考えれば、こうした自説の大半は間違いなのだ


から「これまでの理論がくつがした」ものはいずれにせよ眉に唾をつけ、

色んなメディアで色んな学者から同じ説を複数回聞いて

はじめて新説をちょっと真面目に調べてみる、というくらいの距離の取りかたでも十分では無いかと思うのだ。



追記:

いうまでもない事だが、本稿がいいたいのは、「「これまでの理論がくつがした」といったら大抵は擬似科学」というものであり、

「「これまでの理論がくつがした」と言わなかったもの擬似科学ではない」というものではないので、その点は注意。


さらなる追記:

本稿はあくまで「科学にあまり詳しくない人が努力せずに疑似科学を見分ける」という視点で書かれているので

論を簡単にする為細かいところで色々とごまかしたのだが、その辺を的確に指摘してくれた方(http://anond.hatelabo.jp/20130821065224)がいるので

興味のある方はそちらも参照ください。また同じ方の指摘により、誤解されそうな部分を微修正した。指摘してくれた方、感謝

2013-08-18

パシフィック・リム眠い

パシフィック・リムを見てきた。

本来なら言うことはない。夏らしい平凡なポップコーン映画だった。

ただ、ネットの一部界隈では、映画監督姑息イメージ戦略にアテられたのかなんなのか、過大評価すぎるものが多く見えるので、細々と感想を書き連ねてみる。

パシフィック・リム怪獣大図鑑

映画監督が円谷ファンを自称しているらしいので、円谷のビデオソフトで例えると、パシフィック・リムは、怪獣大図鑑みたいなもの。(ウルトラマン戦闘シーンのみを編集したプロモーションビデオ

怪獣が暴れる映像のために他の全ては下敷きか犠牲になってる。ひたすら怪獣、巨大ロボ、衝突、破壊、爆発の繰り返し。

それらのアクションシーンには、見どころが沢山ある。細部までしっかり意味ありげにデザインされたロボットの造型。重量感。一進一退の攻防が次から次へと展開する。

人達を集めて、談笑しながら見るのなら、かなりいい作品だと思った。

ただ、それ一辺倒なので真剣に見るのには向いていない。映画館など黙って鑑賞せざるを得ない環境だと、ワンパターン過ぎて睡眠誘導になりかねない。

間というものが皆無だ。心を落ち着けて、さあこれから山場だぞ!というシーンなど無く、パチンコ屋にいるような騒々しさが延々と続く。

終わってみれば、心に残るもの特に何もない。

ウルトラマンとは違って、テーマ性は薄い。ドリフトというシステムで取って付けたようなお題目はあったものの、じーんと心に響くものではなかった。

怪獣個性がない

円谷ファンを自称する監督だが、本作に登場する怪獣には円谷作品のような多様性は一切ない。

全部クローンであるという設定と、欧米説得力の問題でああなったのかもしれないけれど、どれも土気色に水色の体液でカラーリングが一緒で、形態には差異があるものの、画面の暗さとそれに溶け込む暗い色のせいで大した差を見いだせない。

最終決戦には3体もの怪獣と同時に戦うことになるのだけど、そのときにはもうどれがどれかわからない状態になってしまった。

最後真打ちとして登場した3体目は、カテゴリー5(今までは4止まりだったのだろう、未知のタイプだ!と司令部が騒いでいた)と呼ばれていて、さぞスゴイ奴が出てくるのだろうと思ったら、気持ち大きいだけに感じる上に、乱戦してるうちに見せ場もなくボロボロになってしまった。

何のために盛り上げたんだ!

最終決戦のほうがしょぼい

本作では上記のように戦闘シーンに特化した結果、オリジナル作品にも関わらず原作ダイジェストを見ているような忙しなさを抱えることになったが、その対価として、大ボリューム戦闘シーンを2回もこなしている。

ただひたすらカッチョイイロボとでかい怪獣の戦いを表現したいというのなら、間違っていない選択だと思った。

ただ、なんで最後舞台を海底にしちゃったんだろう。

海底に開かれた次元の扉を閉じるために、主人公たちのロボットは海底を歩いて進み、そこを守る怪獣最後の決戦を繰り広げるのだけど・・・

深海なので画面が暗く、水中なので動きは鈍い。敵が3体でてくるものの、暗さと没個性が相まってただごちゃごちゃ戦っているだけという印象。

地上での戦いだけで良かったのではないか。前半のほうが凄く感じただけに鈍い上に乱戦でグレードダウンした感のある最終決戦は、視聴者にとっても集中力限界との戦いだった。

日本人キャラ差し込んだ弊害

マーケティングの一環なのかなんなのか、監督日本に対する愛情の現れなのかはわからないけれど、本作には日本人俳優メインヒロイン役として参加する。

現代ヒロインを演じた菊池さんのほうは、海外俳優に混じってなお遜色のない演技をしていた。吹き替えだと声が林原めぐみだし、かわいい

ただ、問題は子供時代回想シーンで。芦田さんという日本屈指の子俳優が演じたのだけれど・・・

最初フォローとして、泣きながら逃げるだけな上に、実在しないCG相手というハードルの高い演技であったろうことは言っておくとして。

ロングカットをほぼ彼女一人でやらせるのは荷が重かった。

日本トップクラスの子役と言えど、いざ洋画にでてみると、世界の子俳優の足元にも及ばないのだなということがわかる。

最後斜陽を背負うイェーガーを見上げる場面になると、お遊戯感が炸裂する。

”眩しくて顔に手をかざす”という行為感覚を理解していないのだろう。あのシーンだけ、最近ありがちなCGギトギトのダサい邦画を見ている気分になった。

ポップコーン映画として

全体的に見て、僕はこの映画は好きだ。

映像はやっぱりすごいとおもったし、音の使い方も凄く良かった。

主人公機が画面中央に現れるときには決まって「デューン」というジングルみたいな物が入るのだけれど、あれのお陰で暗くごちゃごちゃした画面でも、すぐに主人公機だ!カッケー!という気分を呼び起こしてくれるので凄く乗りやすかった。

ビデオを借りてきて家で見るのなら、下手な名作系の映画よりも満足感を得られる内容だろうと思う。

でも、最近ネットで見られるレビューのたぐいは、流行に流されて一辺倒になっている雰囲気がある。

まりに勢いがありすぎて、この映画面白く無いやつはわかってないという上から目線めいたものも見受けられる始末。

本作はそこまでのものじゃない。ただ映像がかっこいいだけの、ポップコーン映画だ。

この映画を見て満足感が得られなかったとしても、当然と思えることは上に書いたように沢山ある。

おそらく、監督は円谷作品のファンということを大々的にアピールしていたことが出火元のひとつであるように思うのだけれど、

それで釣られた人たちは、この映画を見終わって果たしてどう思うだろう。

環境汚染だとか、人類が力を合わせるだとか、円谷っぽいお題目かいつまんではいた。

でも、それだけだ。自分には、監督は一体円谷作品の何を見ていたんだ?としか思えなかった。

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