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2021-06-13

早川書房のkindle1,500点半額セールで俺が買う/買わない本の話

早川書房のkindle1,500点以上半額を受けて、Amazonリストから俺の興味のあるものリストアップしたから、みんな見るとよい。

全部購入したいところだけども(全部買っても、たぶん1万円強に収まりそう。お得)、当の俺が何しろ吝嗇なので、気になったものは、まず図書館検索 → 人気のため多量の順番待ち、もしくはそもそも在架なし、の場合にだけ、購入することにする。

『息吹』

おそらく、今回の目玉の一つだろう。『あなたの人生の物語映画題名メッセージ』)』を書いたテッド・チャン作品集

試しに図書館検索したところ、予約待ちではあるものの待てないほどではない。ということでいきなりだけど購入×。

ちなみに、同氏の『あなたの人生の物語』はボルヘス幻想小説ロードムービーを掛け合わせたみたいな素敵な雰囲気作品が多くて良かった。おすすめ

ザリガニの鳴くところ』

今回の目玉その2。図書館検索すると…すごい、100件以上待ち。ということで買います

ミステリー普段あんまり読まないんだけど、話題となると触れたくなるのミーハーなんだろうな。

あと装丁が良い。カバーってほんと大事電子書籍勢力を拡大する時代でも。

Self-Reference ENGINE

円城塔作。これも図書館で見つかったので購入×。

余談だけど、文庫最近出た同じ作者の『文字渦』が面白かった。これもボルヘスっぽくて、あとは異様な世界をぎちぎち理屈と設定で詰めていくのが酉島伝法ちょっと入ってるかも。

文学少女対数少女

中国ラノベ。×。

同じタイトル、同じ内容で日本発だったら手に取らなかっただろうと思うのは、なんとなくラノベ基本的卒業したつもりでいるから。

そんな中で、中国ラノベってどんなもんや、って動機で気になったんだと自己分析する。こういうところに自分の変ないびつさを感じる。

イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』

購入×。

ちなみに早川戦争ものというと、『ブラックホーク・ダウン』の原作を思い出す。上下巻でサイズはあるけど、グズグズの市街戦疲弊する現地部隊と混乱する司令部、隊員たちが基地で過ごす日常描写が様々なコントラストを描いていて、それが果てしなく悪化して正義の上っ面さえまともに繕えなくなっていく様子が素晴らしい。激烈に面白いかおすすめ

アメリカンブッダ

購入◯。ケレン味◯。あと、何気に南方熊楠×SFって目新しい? めちゃ相性良いと思うんだけどな。

『なめらかな世界と、その敵』『楽園とは探偵の不在なり』『月の光』『地下鉄道』『紙の動物園』『少女庭国』

×。どれも少し予約待ちすれば借りられそう。

気になってた本の半額セールが来る頃には図書館貸し出し予約もピークを過ぎている、ってことなんだな。と変テコなさとりを得る。

『禅とオートバイ

購入◯。タイトルで惹かれ、説明書きを読んでも何がなんだかわからないところにさらに惹かれ…。なんとなく予想はしていたが、図書館にも在架なしということで、買うことにした。

なんだよ、買わねー作品ばっかりじゃねえか、ってなんとなく心苦しくなってきたので、今回セールになっている作品の中で、すで購入して良書だった本のPR

①『サルたちの狂宴』

twitterFacebookと後の世の巨大SNS企業を舌先三寸で渡り歩いたウェブデザイナードキュメンタリー当人技術力や創造性よりも機転とノリで生きてるタイプで、ほんとに虚飾&虚業って感じなんだけど、イヤミじゃなくそれも生きてく上で本質的重要スキルだと実感させるところがある。最近ノってる『トリリオンゲーム』にもちょっといかも。

②『オクトローグ』

新刊からもっとプッシュすればいいのに。酉島伝法SF作品集

初期の弐瓶勉漫画みたいな、ダークで無機的な荒廃と有機的などろどろぐちゃぐちゃがミックスされた至高の雰囲気。全編、Steamあたりで即でゲーム作品に展開できそうなくらい個々の完成度が高い。っていうか、このレベルでそれぞれを長編として起こさない酉島伝法には創作におけるコスパって概念がないのか? と思ってしまう。どうかしている(褒めてる)。

③『ジェイバード

ヴォネガットというとSF作家イメージが強いと思うが、それ以外の作品にも素晴らしい小説がある。『ジェイバード』はその一つ。

年齢を重ねることで区別されてくる人間類型の一つに、他人感情をむき出しにして触れ合うことができない者がいる。いわゆる「心が冷たい」人。

俺は、文学の使命の一つはこの「心が冷たい人」を救うことだと思ってる。『ジェイバード』はそういう本。漱石好きな人とか意外とハマると思う。

閑話休題

『目を擦る女』

購入◯。最近亡くなった小林泰三作品集。有名な『玩具修理者しか読んだことがなかったので。

毒々しくも可憐笹井一個の表紙が目を引く。装丁ってやっぱり大事だね(そういえば、この方も故人だ…)。

『死亡通知書 暗黒者』

×。中国ミステリだそうだ。俺の生活圏の問題か、SF比較するとあまり話題に入ってこなかった印象がある。

『息吹』といい、早川はこういうデザイン装丁好きだね(良いとは思う)。

『華竜の宮』

×。椎名誠の『水域』といい、小野不由美の某作品エンディングといい(ネタバレなので名前は伏せます)、文明は水没させてなんぼ、みたいなところが俺の中にある。

『色のない島へ: 脳神経科医のミクロネシア探訪記』

×。あんまり趣味はよくない、と知りつつ、孤絶した文明と足で暮らす人々の特異な体質というテーマが好き。

似たような切り口で面白かったのは、『眠れない一族――食人痕跡殺人タンパクの謎』。不眠症クールー病ニューギニアのある部族罹患する風土病)、同族食によって体内に蓄積されるプリオンテーマの本。

『透明性』

×。これも装丁で気になったパターン

ボーダーつの世界

購入◯。映画原作だそうで。図書館には在架なし。

ふと思い出したのが、別の作家の『全滅領域』。あまりダウナーなので続編の『監視機構』で挫折したが、知らない人で『ソラリス』みたいな内省的なSF好きな人はハマるかも。

世界誕生日

購入◯。そろそろル・グウィンに挑戦してみるか、ということで。

ただ、SFを露悪と飛び道具で評価するところが強くて思想性は最後1%出てくればいいや、という性格なので、どうかな。合わないかもな。本当に一冊も読んだことがないから見当がつかない。

ホーキングブラックホールを語る』

×。「そんなに黒くない」「毛がない」…なんのこっちゃ?(amazon説明ママ

興味はあるけど挫折する可能性高いよなあ…と思っていたら、見透かしたように「必ず読み通せる科学解説」とまで書かれていて笑ってしまった。

『100年予測

×。国際情勢にフォーカスし、トランプ大統領誕生予言したという本。

紛争でしたら八田まで』が個人的に来ているのもあって、俺の中でいま地政学が熱い。

『史上最大の発明アルゴリズム

×。

わかるようでよくわかんねー概念を三つ挙げろと言われたら、エントロピー不確定性原理の次にアルゴリズムを挙げる。ちゃん理解している人からすれば何を頭の悪いことを…という感じなんだろうけど。ここらでしっかり説明できるようにしておきたい。

ちなみに、よくわからんと言っておきながらアルゴリズム関連で面白かった本に、『マインドハッキング: あなた感情支配し行動を操るソーシャルメディア』と『ニュー・ダーク・エイジ』の2冊がある。前者は政治的煽動目的として展開されたSNS経由のターゲッティング思想誘導後者テクノロジーの発達が不本意に実現してしまった笑えないナンセンスグロテスクテーマだった。

結局、買わないでも借りればいいか、ってのがかなり多くなっちゃったな。最後に、今回のセール対象ではないけど早川から出ている本で「ちゃんと」買った良書を紹介して茶を濁しておきます

①『魔王: 奸智暴力サイバー犯罪帝国を築いた男』

まれ想像力合理性を持つ天才。強欲と自らでさえ使い捨ての駒のように扱うむなしさが同居する矛盾したパーソナリティ。「これをああしたらどうなるか」をプログラミングだけでなく現実世界に反映させてしまったエンジニアにして犯罪者ポールコールダー・ル・ルーを追ったノンフィクション

犯罪ものであると同時に、この世界構造の一端が見えるような錯覚を抱かせてくれる作品

②『闇の自己啓発

反出生主義、変態性愛身体改造犯罪など、アンダーグラウンドだったりインモラルテーマについて、決められた課題図書を通じて参加者たちが議論する体裁の本。内容それ自体面白いけど、紹介されてる本が豊富で、そこから派生して読書体験けっこう広がる。

読んでて、最初は「自意識過剰過ぎてわけわかんなくなっちゃった大学生みたいだなー」ってイライラすることもあったんだけど、段々、各人の痛切なところとか博覧強記ぶりが見えてきて後半は感心しきり。面白い。続編読みたい。

以上です。

2021-03-08

必読書コピペマジレスしてみる・やっぱりオススメの21冊編 (1)

思い出してどうしても書きたくなったので書く。

前回→ anond:20210301080225

小野不由美魔性の子

ベストセラー十二国記シリーズエピソード0なのだけれど、独立して読めるのでこれにした。

この作品に魅了された理由は二つある。一つは、二つの異世界出会うことで起きる惨劇SF的に面白いということ。こちらの常識が向こうには全く通じず、逆もまたしかり。ホラーではあるが、コミュニケーション不全の悲しみもある。作中の大量死の原因は、たった一つの誤解が原因なのだ

もう一つは、主人公の未熟さが残酷なほど明らかになっていくことだ。ある意味ファンタジーに逃避しようとする読者に喧嘩を売る態度で、後述するが僕は作者に喧嘩を売られるのが好きである

ヤスミナ・カドラ「昼が夜に負うもの」。

貧困による家族との別離恋愛もつれや政治的立場の相違によってばらばらになっていく幼なじみ人妻による少年の誘惑、昔の知人との思いがけぬ場所での劇的な再会などなど、個人的に好きな要素が濃密に詰め込まれている。それは安易な娯楽に堕しそうでいて、何とか踏みとどまっている。

カミュ小説では背景に過ぎなかった人々を主役にしているのもいい。「異邦人」のアラブ人はまったくの他者というか、理解できない原理で動く人格を描かれない、あるいはそもそも持たない存在だったように記憶している。

同著者の「カブールの燕たち」も面白かった。イスラーム原理主義者により公衆面前で恥をかかされたことで、妻は夫を軽蔑し、憎むようになる。タリバン政権下の苛烈描写は読んでいて苦しく、告発の書としても読めるのだが、同時に、ストーリー自体オペラのように派手なのだ。わざとだろうか?

小松左京「果てしなき流れの果に」

壮大な時間空間の中で行われる追跡劇で、歴史改変タイムパラドックス進化の階梯など、テーマスケールが大きすぎてこの長さでそれをやろうとするのは完全な蛮勇なんだけど、でもたぶん小松左京作品では一番好き。この作品にはエピローグが二つあり、そのうちの片方は比較的序盤に現れる。失踪していたある登場人物が帰ってくる場面だ。これを、小説最後まで読んでからもう一度読むと、深いため息が出る。本当に果てしない旅を経て、帰ってきたのだなあと。

扱われた科学技術は古びるかもしれない。未来世界女性観や社会描写も今では受け入れられないかもしれない。でも、表現しようとしたテーマは古びていない。SFはいだって宇宙時間の果てに手を伸ばそうと愚直なまでの試みなのだ

フリオコルタサル「石蹴り遊び」

冒頭で、パリのどこを歩いていてもお互いに出会ってしま恋人の話で始まったので、どんなロマンチックな話になるのかな、と期待したのだが、友人が服毒自死未遂したり恋人赤ちゃんが死んだりしてもひたすらマテ茶や酒で飲んだくれている、こじらせ芸術家ワナビを含む)たちのお話だった。

しかし、この作品には仕掛けがある。通常の順番通りに読む「第一の書」という方法と、著者に指定された順番で、巻末にまとめられた付録の章を挟みながら読む「第二の書」という方法、この二通りで読めるのだ。第二の書では章の番号が飛び飛びになり、まさに石蹴り遊びのようになる。そこでは第一の書で省かれていたいくつかの事実や、登場人物の秘めた行動原理が明かされる。そればかりか新聞から脈絡ない切り抜きや、この本の著者と思しき人物の晦渋な文学論を含んだ独白が含まれ、そこでは一貫性を過剰に求め、受動的にしか読もうとしない者が批判される。要するに読者に喧嘩を売ってくるわけだ。

読者に喧嘩を売る芸術が好きだ。なぜなら偉大な作家と同じ土俵に立てた錯覚を持てるから

シドニー=ガブリエル・コレット青い麦

「ダフニスクロエー」並にこっぱずかしいイチャラブもの。誰だって一緒に育ってきた少年少女が迎える性の目覚め的なシチュエーション萌えしまう時期があるのだと思う。もっとも、村上春樹作品場合、一緒に育ってきた幼馴染の男女は不幸な結末を迎えるのが常套なのだけれど。

少年人妻に誘惑され先に性体験をするというのも、王道でいい気もする。とはいえ、昨今は少女が先に目覚めるパターンも読んでみたいと思うのである

沢木耕太郎深夜特急

北杜夫の「どくとるマンボウ航海記」とか妹尾河童インド旅行記にしようかとも思ったが、終着地のロンドンについてからオチが笑えたのでこれにした(興味があったらこの二つも読んでください)。

元々はデリーからロンドンまでバスで行けるかどうかという賭けが旅のきっかけだが、「一人旅海外は二十六歳くらいがちょうどいい、それよりも若い経験値が少なすぎて、あまりにもすべてを吸収してしまおうとする」なんて趣旨のくだりがあり、初めての一人旅を読んでそうかもしれないとうなずいた。

少し前の時代旅行記面白い。今では身近なフォーケバブがすごく珍しいものとして書かれているし、天然痘が根絶されていない時代の怖さもある。一方、アフガニスタンイランが今ほど物騒ではなく書かれており、政変を身近な危険として感じることができる。

それはさておき、ほんと、スマホができて一人旅はずいぶんと楽になった。

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ夜間飛行

強くてかっこいいことや、くじけずに挑むことに背を向けていた自分が気に入った数少ない強い人間物語。「星の王子様」が気に入った人は、ぜひぜひこちらを読んでほしい。いや、星の王子様子供向けに感じられた人や、表現が簡潔すぎたり抽象的過ぎたりしていると感じた人にこそ読んでほしい。あの物語の背後にあった、サンテグジュペリ飛行機乗りとしての経験がそこにある。

ウラジーミルソローキン「青い脂」。

はるか未来の、中国の影響下にあるロシア。そこでは文豪クローン物語執筆させることで、謎の空色物質を生成する、錬金術プロジェクトが稼働していた! この神秘物質をめぐって繰り広げられる陰謀の周囲には、ロシア文豪文体パロディあり、フルシチョフ×スターリンのイチャラブセックスあり、ナチス同盟を結んだ並行宇宙ソ連あり。

筒井康隆高橋源一郎矢作俊彦を足して三で割らずに、ロシア権威文学暴力セックスでぶっ飛ばす。ちなみにラストは爆発オチループオチだ。

筒井康隆残像に口紅を

章が進むごとに使える文字を一つずつ減らしていく趣向で、たとえば最初の章から「あ」の含まれ言葉を使えなくなっている。表現の自由と不自由について体を張って考える作品であり、使えない文字が増えるにつれ、新しい表現開拓しなければならない。その中で語られる文学論や自伝は、片言だからこそ重い。また、使える文字制限がある中での官能表現も、表現の自由について鋭く問う。

筒井康隆のすごいところは、狂っているように見える文章を書く才能だ。それがなんですごいのかっていうと、正気を失った人をそれらしく演じるのがとても難しいからだ。というのも、精神を病んだ人のなかにも、本人の中では一貫した理屈があり、全くのでたらめではないからだ。また、倫理観の壊れた人間を書くのがめちゃくちゃうまい。かなりグロ耐性のある自分も「問題外科」だけは気持ち悪くて読めなかった。これも、人間常識についてかなり深く考えないとできないことだ。

ちなみに、ジョルジュ・ペレックの「煙滅」はイ段の文字を一回も使わないで翻訳された小説で、これもただの遊びにとどまらない。語りえないホロコーストという事件モチーフにしていて、あるべきものが不在なのにそれが何かわからない居心地の悪さをテーマにしている。これが気に入ったらオススメしたい。

レフ・トルストイアンナ・カレーニナ

ドストエフスキーヤバいやつだが、トルストイもそれ以上にヤバいやつだ。家庭を顧みずに財産を国に残そうとする狂信者だ。正直、妻や子供たちがかわいそうだ。後期の「光あるうち光の中を歩め」もはっきり言って宗教の勧誘パンフレットであり、読んでいて内容が完全に予想できる。ヤバい新興宗教パンフレットのほうが何が書いてあるか予想できなくてある意味でまだ興味深い。

しかし、そんな将来そこまで頭の固くなる人間不倫の話を書いたのだから面白い。確かに、清純な愛を貫くいい子ちゃんカップル不倫カップルの対比はわざとらしい。けれども、まじめカップル愛情の細やかさと、一時の感情に負けた罪のあるカップル、どちらも美しい文章で書かれている。物事は正しくあるべきと考えている人間が、罪を犯してしまう悲しみを描いているのがいい。

これは、プロット道徳に完全に屈従させてしまう前のトルストイのすばらしさが詰まっている(そういうわけで好きな長篇の順番は年代順に「アンナ・カレーニナ」、「戦争と平和」、「復活」)。

あ、今思い出したけど、ソルジェニーツィンも好きだったんだった。

星新一「つねならぬ話」

作品根底には人間性への諦念が横たわっているのだけれども、初期の頃はそれが明確な暴力となって描かれていた。表現淡々としているが、殺人人類滅亡なんてよくある話だった。けれども、このころになるともっと表現が静かになっていった。悟りを開いた、というのとは違う。間違いなく諦念はある。けれども、苦い絶望とはまた別の感情がこもっている気もする。非SFのものが多いのも面白いので、星新一の芸風に飽きた頃に改めて手に取ってほしい。

続く→ anond:20210308082031

2020-12-26

いま、図書館にいる

おすすめの本ある?

書架にあったら借りてみる

まり長すぎず重すぎない、年末年始に読む本を探してる

ノンフィクションフィクションも読むが説教くさいのは好きじゃない。

純文学よりミステリーのほうがすき

好きな作家は、

小野不由美宮部みゆき恩田陸米澤穂信京極夏彦小川洋子川上弘美津村記久子森見登美彦高殿円近藤史恵

エッセイだと

朝井リョウ穂村弘

新しい作家さんの作品を読んでみたいんだけど、その取っ掛かりが欲しい

君の膵臓を食べる作家は、キャラが受け付けなかったから、ああいう系はダメなんだと思う

2020-12-06

地獄婚活記録

某月吉日

初回のお見合いでお互いにOKが出た。

それでは、お試し交際にとなってから

「実は健康上の都合で専業主婦希望

と言われた。

そういうことは最初に言え。

某月某日

結婚相談所経由の見合いだが、「相手には相談所のことは言わないでくれ」と伝えられる。

相談所に登録するのって恥なのか?

待ち合わせ場所で、お互い目印に本を持っていくことになった。

俺はウケ狙いで「キリンヤガ」を持って行った。相手小野不由美十二国記シリーズだった。

何となくオタク匂いがして好感が持てたが、結果は不調に終わった。

2020-11-30

anond:20201130123259

女性作家ミステリーなら

宮部みゆき

1冊で読める重めの話なら、「火車」、「理由

火車多重債務テーマにした話

理由タワーマンションの一室で、その部屋の住人でない家族が殺されていた事件から始まる謎解き

軽めなら「ステップファザーステップ

ステップファザーステップはドジな泥棒が強かな双子小学生の親代わりになる日常ミステリー

近藤史恵

シリーズになってしまうけれど、自転車競技舞台にしたサクリファイスシリーズ面白い

サクリファイス→エデン

主人公変わってキアズマ

だったかな…

サクリファイスを読んで気に入ったら他のも読むといい

精霊の守り人がすきなら、小野不由美十二国記シリーズ

中華風異世界ファンタジーで、人間を描く骨太ストーリー

月の影 影の海がシリーズ一作目

2020-09-30

ずっと読みたかった

小野不由美ゲームエッセイ本届いたけど

そうでもなかった

2020-08-10

新作能「阿選」を観たとあるアンチ阿選オタク女のお気持ち表明

新作能「阿選」を観たとあるアンチ阿選オタク女のお気持ち表明

 2019年11月シリーズ待望の新作が18年ぶりに発行された十二国記。私はとても楽しみにしていた。なぜなら18年前に発行された本の終わりが謀反で姿を晦ました泰極国国王の驍宗を探しに麒麟の泰麒が旅を始めるところで終わっていたからだ。ご存知ない方に説明すると『十二国記』とは小野不由美による古代中華王朝ファンタジー小説である題名の通り12の国がありその一つ一つに王とそれを選ぶ麒麟という神獣がいる。この両者の関係は何人とも立ち入れないものである

 今日オタク界隈でときたま物議を醸すお気持ち表明。それらをお気持ちならお気持ちらしくご自分の胸にしまっては?と冷笑してきた。そんな私がなぜこうしてお気持ち長文を認めているのかについて長々とお気持ち表明するのでお付き合いいただきたい。

十二国記を元にした古典翻案新作能をやると聞いてワクワクした私は演目を見て仰け反った。「恋重荷」翻案「阿選」。

 は?????(クソデカ大声)

 阿選?あのぽっと出の?かわいい雛泰麒に斬りかかった??

 阿選を知らない人の為に説明すると阿選とは泰王驍宗に叛いた謀反人である。元は前泰王に驍宗共々使えていた禁軍将軍だ。新作では4巻分使って阿選の悪行が描かれる。幼子の麒麟の頭を斬り王を追い落とした。そして偽の王として国を収めるかと思えば朝をほっぽり出し後宮で一人過ごしている(セクシャルな感じではなくただの引きこもり)。その間に驍宗を信じる民が反旗を翻せば村を焼き背いた兵がいれば逃げ込んだ村まで焼き女子供までお構い無く殺した。とんだ下衆野郎である

 そんな男の名を冠した新作能だと?怒りに手は震えながらもチケットを申し込んだ。十二国記新作能は3日間の公演を全通するとポスターと同じ写真使用したクリアファイルが貰えるのだ。しかしこのポスターも気に入らない。ポスターは6種類ある。そのうちの2種類が謀反人の阿選なのだ

 は????????(クソデカ大声)(2回目)

 まず一つ目は能楽師さんが般若の面をつけて屋内の舞台上で右手を顔の前に掲げ甲を観客側に向けているポーズ。全体的に照明を落としているので顔は見えにくい。そして二つ目は、こちらは両手で、甲をこちらへ向けて顔の前で構えているポーズ。揃えた両方の指先が目頭にかかるようになっている。般若のお面は口元しか隠れていないので目がよく見える。白目の部分が金色で真ん中に黒い穴があるからそれをつけているのは人間だとわかっているのにとても怖い。

 どちらのポスター般若の面をつけていて髪は肩口で切り揃えられている。『白銀の墟 玄の月』4巻表紙の阿選そのままである。忌々しい。まあ阿選といえばこの特徴しかないしなと私は思っていた、これまでは。

 チケット全日通して買ってしまったし空席を作るのはファンとしてのプライドが許さない。2日間は純粋に楽しみ、3日目は村を阿選に焼かれた村人のような怖い顔をしつつ指定された席に座ると「阿選」の公演が始まった。


 え〜〜〜っと、そのなんというか夢を見ていたような心地で記憶曖昧なのでアレだけど良かったとだけまず言っておこう。

 能楽門外漢なので細かいことはわからないがよくわかった。気がする。阿選のことを。

泰麒の白い装束と最後に阿選に泰王驍宗がかけた白い衣。戴極国は雪深い国だ。民は冬の寒さに凍え死ぬ死体白い雪に覆われる。驍宗様が被せた白い衣は雪でありそこで死んだ阿選は再び動き出したとき今まで一瞥もしなかった泰王驍宗と泰麒を見る。泰麒と同じ白い衣を被った阿選の般若の面はもう見えず舞台をはけていく。冷たい雪を触った後に手がじんわりと悴むような気持ちになった。

 公演後に阿選を演じた能楽師さんのお話を聞けたのだがとても面白かった。何度も原作を読み返したそうだ。そして阿選の装束を考えるにあたって足袋に一手間加えることにしたらしい。学生時代弓道部に入部して初めて家に持って帰って青い袴を洗濯した。そうすると一緒に洗った制服の白いポロシャツが目を背けたくなるほど白くなったそうだ。袴の青がポロシャツを薄い青に染めたことで目の錯覚によりとんでもなく抜ける白色に見えるのである制服なので他のものを着るわけにもいかず光るポロシャツを着た通学途中の駅のホーム同級生出会ったそうだ。そして言われた。「眩しすぎて直視出来ない。あまりに白いので目を背けていたら線路に落ちるところだった」と。あの目映く真白く光る足袋は阿選そのものだ。わざとらしいほどに白い足袋。人が目を背けたくなるほどの。

謀反を起こす前の阿選は人当たりがよく人望もあった。なのに王に選ばれなくて八つ当たりで謀反を起こしたのだと思っていた。それが報酬を貰えなかったか逆ギレしたのだと短絡的に思っていたのだが違う。選ばれなかったのが悲しくて大きく足を踏み鳴らしていたのは子供の地団駄ではなく「ここにいるぞ」という意思表示だったのだ。そういえば謀反を起こす理由が「(泰王である)驍宗の影になりたくない」だった。

 普段見ない能だけど言葉を尽くされるよりもいろんなものが見えた気がする。ほんとにただのお気持ち表明感想だけど阿選のお気持ちを大舞台でぶつけられてしまったので吐き出したかったのでした。

 そして髪。私がただのキャラ付けの為だと思っていたあれは阿選への弔いとして能楽師さん達が髪を伸ばしあの長さでバッサリ切ったのだという。愛が凄い。

 普段見ない能だけど言葉を尽くされるよりもいろんなものが見えた気がする。ほんとにただのお気持ち表明感想だけど阿選のお気持ちを大舞台でぶつけられてしまったのでお気持ち吐き出したかったのでした。

阿選、めっちゃいいやん!!!!!!!(阿選沼へ飛び込む)


追伸

アンチ阿選オタク

  新作能 「阿選」 見た方がいいよ

アンチ阿選オタクより



幻覚です

2020-07-10

オタク界隈には「原作が好きだから!」が一番強い動機じゃないのに二次創作をする人も居ると聞いて、何だか納得した話

はてな匿名ダイアリーには毎日のように女性オタクが書いたと思われる日記投稿される。

自分は是々こういう界隈に居るのだけど、こういう人が居て不快気持ちになった」という内容の物が多いような気がする。全てに目を通せている訳では無いけど

そう言う話を目にする度に「その人はどうしてそういう嫌な思いをする場所に留まるのだろう?」と感じていた。趣味なら自分が楽しむためにやるべきで楽しめなくなったら離れる物だと思っていたか

「好きな作品解釈自分と違う人が居る」「自分が好きなCPと違うCP流行っている」「自分の好きな作家さんによく知らない人が絡んでいる」など分かるような内容もあればよく分からないなあと思うような物もある

CPというのも「別に原作で好き合ってる訳でもない二人が実は好き合っている」と考えるのが好きみたいで、解釈違いだと不快になっているCP別に原作で好き合ってる二人でもないらしい。どちらも同じに見えるけど違うんだろうな。

何でその人にとって毎日神経をすり減らすような場所から離れないのかよく分からなかったけど、ある日「女性他者との交流感情が激しく揺さぶられるような事がとても好きなんだ」という感じの話を聞いた。

他者との交流が好きだから同好の士を探して共通話題で盛り上がったり、逆に考え方が違う相手喧嘩という形で交流したり、交流したいと思っているけど中々出来ない作家さんに絡んで行ける他人に嫌な気持ちを抱くのかな?

交流」という要素を重視して、むしろ原作より自分の作った二次創作他人に読んでもらったり他人の作った二次創作を読む事の方が好きという人も結構居るらしい。そういう人達にとって「原作」は二次創作のための燃料らしい。

その気持ちは、とても分かる。二次創作を作るために目を皿のようにして原作をチェックする事で原作に対する理解度が深まってより好きになったり、大好きなキャラクター自分の手で描いたり動かしたり出来るのは本当に楽しいし、まるで原作の延長のような素晴らしい二次創作を書いてくれる人の事は第二の原作者のように思えるというか、ファンでありながら素敵な作品提供してくれる創造主とも思える…ある種原作者以上に親愛の情を感じるかもしれない。

二次創作の場というのは、本当に楽しい。ひょっとしたらある日原作に触れるより二次創作に触れている方が楽しい、という逆転現象が起こるかもしれない。他人作品感想を送ったり、逆に感想を貰うのもとても楽しいし嬉しい。

そんな楽しい場所からこそ離れたくないし、自分不愉快にさせる相手に対する嫌な気持ちは強烈なんだろうな…。長年あるジャンルから離れられなかったけど、色々な要因が積み重なって最後には離れてしまった人の話などはとても物悲しい雰囲気だし。嫌だと思う事があっても中々離れられないし、嫌という気持ちが蓄積しても決定的な何かが起こるまでは我慢してある日爆発する事が多いんだろうか。自分限界が来るまで溜めこんじゃう人は損をしてしまう。

原作への理解度や愛が非常に重視されるのが女性向けの二次創作の特徴だと常々聞いている。このキャラ原作での描写から考えて誰々が好きだろう、こういう事はしないだろう、という考察が大変熱心に行われているらしい。

男性向けの二次創作界隈は原作に対してそこまで詳しくなくても拒絶はあんまり強くないような印象がある。今人気のジャンルから描けば売れる、と作る人も読む人も思っていそうだし、需要供給合致しているからそれで良い。

女性向けの二次創作界隈は軽い気持ちで参入する事は許されない、と聞いた事がある。同人活動あくまファン同士の交流がメインなので決して利益を出してはいけないとも聞いた。本当にストイック人達なんだなあ…と思う。

まあR-18作品になるとジャンル性別関係なくこのキャラはこういう事しないような…こういう事を言わないような…と言う描写は増えてくる物だと思う。そういう時男性向けなら「まあいいじゃん」で済ませられる所も女性向けでは「このキャラはこんな事しない、こんな事言わない、この組み合わせはあり得ない」という議論が盛り上がるらしい。このキャラは多分同性じゃなくて異性が好きなんじゃないかな…という議論は起きないらしいけどまあそこは言いっこなしにしたい。

自分が描きたいタイプや展開に適しているキャラが居るから」という理由二次創作をする原作を選ぶ人も居るとこの前聞いた。これも二次創作は人の目に留まる事が多いし創作活動楽しいから起こる事なんだろうな…と思った。

全く関係ないけど女性作家さんが一般作品でもどことなBL連想させるような描写を入れたがる、という印象が自分の中で強いのは小野不由美先生栗本薫先生の影響だろうなあ…と思ってしまうのは勝手思い込みかしら。

取っ散らかって自分でも何を言いたいのか分からなかったけど、「二次創作という行為はそれだけで楽しいから原作の事が大好きという動機以外でも始めてる人も居る」と知って「そういう人も居るんだなと思った」と書きたかったのかな…

2020-06-09

十二国記の謎と次回の短編集について、勝手に予想し、語る。

初めに

私は一介の十二国記ファンである中高生の頃にはまり、「白銀の墟 玄の月」で再燃した。

記事では、十二国記世界の疑問点について語り、次回の短編集の内容について、時には私の好みで脇にそれつつも、予測したい。その途中で、私自身のこの作品に対する解釈思い入れにも立ち入るかもしれない。

記事のおおよその内容

十二国記の今までの流れ。

十二国記シリーズ外伝を含め、次の順に出版された。

物語のあらすじについては、熱心な読者が多いと思われるので、略す。さて、この順で読み返すと、次のような傾向がみられる。すなわち、王と麒麟視点から見た世界よりも、庶民から見た世界比重が大きくなっているのだ。確かに、「月の影 影の海」では陽子は大変な苦労をして玉座上り詰めるし、「風の万里 黎明の空」「黄昏の岸 暁の天」では、いかに王としての責務を果たすかが語られる。一方で、同じ「風の万里 黎明の空」は民衆レジスタンス物語であり、それがさら大輪の花を咲かせるのが「白銀の墟 玄の月」だ。これは都市の規模ではなく、国家規模にわたる抵抗だ。

もう一つの傾向とは、読者層の拡大である。もともと少女向けレーベル出版されたからだろうか、十代の少年少女にとって教訓となるような個所は少なくない。「風の万里 黎明の空」における鈴、祥瓊の扱いを見れば顕著だ。一見同情すべき境遇にいるようでいて、それに甘んじている彼女らを待ち構えているのは叱責であり、罰である。この年齢になって読み返すと、幾分説教臭く感じなくもない。

しかし、「丕緒の鳥からシリーズ全体の印象ががらりと変わった。組織の中で働く官吏や、避けられない災害を前にして自分のできることに必死になる民衆の姿は。年齢を重ねた読者の心も打つ。少女向けとされる小説から最も縁遠いように思える、中高年の男性もうならせるだろう。この作品は、あまりにも不条理世界で生きる人々へのエールとなっている。

まり、これから尚隆や陽子視点から物語が描かれることは少なくなるのではないか。きめ細やかな民の物語を描くとき、王の存在は強すぎる。「東の海神 西の滄海」も、一歩間違えれば「俺TUEEE」っぽくなってしまう(そうならならずに尚隆が有能かつ魅力的に描ける腕前がすごい)。そう考えると「白銀の墟 玄の月」で出てきた尚隆は作者なりの大サービスだったのかもしれない。それに、神隠しにあった泰麒で始まった物語は、一応は解決しているのだ。王や麒麟のこの先に物語は、長編としては出てこないかもしれない。

十二国記で一貫してきたテーマは何か

前項でも述べてきたが、次に尽きるだろう。

十二国とはどういう世界

十二国では天帝が定めた天綱が憲法としてあり、王が定める国法、地綱はそれに反することはできない。また、州の法律も王が定めた法に反することはできない。

天帝は民に土地を与え、それを耕すことで生計を立てるように命じた。逆に言うと、天の設計した社会では、民衆は生まれた里で農業だけをして過ごすことしか想定されていない。

しかし、現実はそうではない。「図南の翼」に出てきた珠晶の家族のような大商人もいるし、「白銀の墟 玄の月」に出てきた宗教関係者もいる。冬器を作る工房もある。私塾もあれば宿もあり、雁のように豊かな国では副業で馬車を出す者もいるし、事実上奴隷だっている。

そして、最大のイレギュラーが定住民でさえない黄朱の民だ。彼らが歴史に関わってくるあたり、実際の中国の歴史にもよく似ている。

言い換えると、天は王と官吏農民だけの世界を想定していたが、天の条理の隙間を縫う形で民は複雑な社会形成してきた。そして、この世界民衆ルールの穴をつき豊かに暮らしているし、謀反を起こす力もある。これは、専制君主世界ではあるけれども、ランダムで選ばれた大統領支配される民主国家の姿に、少し似ているのだ。私たち世界大統領首相も間接的に選ばれるため、民意がどこまで反映しているか、はっきりしていないところがある。十二国世界は、実は私たち世界鏡像なのだ

今後の作品の傾向としては、黄朱の民のように条理からはみ出てしまった人々にもスポットライトがあることと思う。と同時に、黄朱の民はこの世界の条理に生じた大きなほころびでもある。現に、彼らの里木はよそ者が触れれば枯れる、大きなペナルティを負っている。

それと、この世界では思いのほか宗教がしっかり根付いていた。我々が最初にこの世界宗教を教えてくれるのが合理主義者の楽俊だったため、この世界の人々はあまり天に頼らない印象を受けたが、子供を授かるには祈るほかはないわけで、むしろ熱心な信仰がないと不自然であった。

十二国記女性

十二国記が元々は少女向けに書かれたことをうかがわせる設定はいくつかある。例えば、王と麒麟運命的な出会いだ。女性向けフィクションにはオメガバースをはじめとして、そうしたパターンが多い印象がある。もう一つはときとして未婚の女性をひどく不安にする妊娠出産からの「解放」だ。女性苦痛が大幅に減らされており、またこちらの世界とは異なるいくつかの価値観女性に優しい。王も麒麟官吏も(軍人を除けば)男女同数だし、子供のいる女性再婚相手としてむしろ歓迎される。ジェンダーSFフェミニズムSFとして十二国記を読み解くことも可能だろう。血縁意識が薄いのもその傾向を示している。とくに、楽俊はこちらの遺伝について、似たような顔をしたやつが同じ家にいるのが薄気味悪いのでは、と漏らしている。

しかし、この期待は裏切られる。ここはけっして楽園ではなかった。「白銀の墟 玄の月」のなかで李斎は、男社会軍隊で生きる女性の苦しさを吐露する。また、明らかに暴力を受けた女性も登場する。それに、序盤からすでに妓楼も登場している。この世界セックスワーカーがどれほど過酷生活を送っているか不明だが、妓楼に行くことはあまり道徳的に褒められたものではないようである(余談だが、楼閣が緑色に塗られているのは現実中国にもあった習慣であり、「青楼」と呼ぶそうだ)。

考えてみれば、官吏女性も多いとされながらも、登場する官吏の多くが男性である育児負担こちらよりもはるかに少ないので、昇進や待遇に差があるとも思えないのだが、これも隠されたテーマかもしれない。

それと、生理問題がどうなっているかもはっきりしない。初期作品の傾向からすると生理から解放」されている可能性が高かったが、女性の苦しみをテーマとするならば、生理のしんどさやそれにまつわる迷信タブーが出てくると考えるほうが、筋が通っている。

天帝女性

天帝女性、または西王母兼任している可能性が、ふと浮かんだ。別に女性が王になれるのだから天帝西王母より偉い理由別にない。

十二国記って男性しかいない場所がないこともなんだか怪しい。軍隊も三割は女性だ。逆に、女性ばっかりの場所が蓬山である麒麟を育てるのは女仙たちだからだ。これも天帝女性説を補強しないだろうか? また、妖魔が雄だけというのも、なんだかそれに関係しそうだ。単純に作者が女性だというだけのことかもしれないが。そもそも「いない」可能性もあるが、根拠は全くない純粋空想だ。

天帝ラスボス

考察サイトが華やかなりしころ、いくつかのサイトでは天帝ラスボスなのではないか、という説がまことしやかにささやかれていた。確かに黄昏の岸 暁の天」での天の対応はあまりにもお役所的ではある。ルールに従わなければ何もできないところが、法律に定められていなことは原則としてできない公務員によく似ている。

だが、もともと中国道教死生観がそういう面がある。「救急律令」も、法令を守るように促す言葉であり、古代中国役人賄賂に弱かったように、今でも神々に心づけを渡す習慣がある。

そして、自分天帝ラスボスになりえないと考えている最大の理由が、十二国記不条理にあらがう人々の物語であるからだ。天帝を倒した後どんな世界を作るにせよ、人間が作り上げた世界である以上はやっぱり不完全なものになるだろうし、仮に完璧世界を作ってしまったら、それは理想郷を描いた現実逃避のための小説になってしまう。「黄昏の岸 暁の天」のなかでも陽子はつぶやいている。天が実在するのならそれは無謬ではありえないのだ、と。

結論

私が次回の短編集に出てくると予想する要素としては、今までの物語を受けて次の通りだ。

また、

そして、長編がありうるとしたら

と考えている。

おまけ1 奏が滅びるとしたらどのような形か

しろくでもない空想をしてみる。六百年の大王朝が滅びるとしたら、それはどうやってか。

王朝最後はいくつかの傾向がある。一つは陽子暗殺しようとした巧の錯王や、慶の予王のように、王個人劣等感に押しつぶされるパターン。もう一つは芳の王(祥瓊の父)や一つ前の才の王(黄姑の甥)のように、長所裏目に出るパターンだ。祥瓊の父は清廉な人柄であったが、完璧主義者で罰が苛烈に過ぎた。黄姑の甥も正義感にあふれていたが、現実検討する能力に乏しかった。

で、奏の特徴としてはのんびりとした気風がある。これが欠点となるのは、のんびりした気風で対応できないほどの速さで十二国世界に変化が起きる場合だ。つまり、利広の情報収集を絶てばいい。彼が旅先で死亡するか、家族が業を煮やして彼を王宮に拘束するかだ。ところが、「帰山」では、しばらく王宮暮らししろ、という趣旨台詞がある。

これが奏の滅亡フラグかといえば穿ち過ぎな気もするが、宗王一家は全員同じ筆跡で公文書が書けて、しか御璽を押した白紙が大量にあるので、一度分裂したら矛盾した命令が出されまくって国家の体をなさなくなり、あっと言う間に沈む危険がある。白紙委任状ほど危険ものはない。ああいう仲のいい家族崩壊する様子を書くのって、日本人作家は上手だというイメージがあるが、数ページで滅んだ、と示されるのもまた冷たくていい。

おまけ2 「王気」という言葉について

「王気」という言葉一見すると単純な造語であるしかし、景麒は、自分は半ば獣なのだ、と述べている。さて、「王気」にけものへん「犭」がつくとどうなるか。「狂気」になってしまうのである。失道は避けられないのかもしれない。

おまけ3 四令門の名前

黄海を取り巻く四令門のある街で、雁では未門と申門の代わりに人門、恭では辰門と巳門の代わりに地門がある。では、言及されない才と巧ではどうなるか。陰陽道を考えると、才では丑門と寅門の代わりに鬼門、巧では戌門と亥門の代わりに天門、と思われる。

おまけ4 「戴史乍書」の記述はなんであんなにそっけないのか

十二国記を初めて読んだときには、本編と「戴史乍書」の関係って、講談や旅芸人お話と、正史みたいなものだと空想していた。三国演義歴史書の三国志やその注釈から成立した、みたいな話だ。つまり、本文も旅芸人の語りであり、実際に起こった歴史とずれている可能性がある。

また、中国の歴史を知るにつれて、歴史書の記述はわざとそっけなくしていると考えるようになった。春秋の筆法というか、どのような事件が起こったかをどのくらいの濃度で書くかによって、歴史的な出来事に対する価値判断が含めているわけである。細かい経緯を書いた記録はたぶん別にある。

最近は、国家機密をぼかす目的もあると踏んでいる。阿選の幻術なんかの記述があっさりしているのも、たとえば妖魔が符で使役可能だとか、王と黄朱とのつながりとか、暴力行使可能麒麟がいるとか、かなり危険情報だ。事情を知っている人が読むと「ああ」ってなるが、それ以外の人は読み飛ばすようにできている。

おまけ5 登場人物名前元ネタ

楽俊の姓名である張清は水滸伝に出てくる。しかし、水滸伝盗賊活躍するピカレスクロマンである文人肌の楽俊とはだいぶ違う。

桓魋は少し近い。孔子を襲った荒くれ者と同じ名前だ。そして、面白いことに「魋」だけで「クマ」意味がある。「熊どん」というほどの意味を持つ字なのだおるか。

祥瓊の父の字は仲達で、三国志諸葛亮ライバル司馬懿と同じだ。雁の白沢瑞獣名前。「白銀の墟 玄の月」の多くの官吏たちも、実在する中国官僚文人たちから名前が取られている。とはいえ名前が同じだからと言って同じような人物像とは限らないので面白い

おまけ6 遵帝はなぜ「帝」なのか

「帝」という称号始皇帝の考えだしたものだ。諸侯が王を名乗ったため、王のタイトルに重みがなくなってしまった。そこで、王の中の王を意味する称号が生まれたのである

しかし、それを考えると十二国記世界では帝の称号が生まれないはずだ。なにせ、侵略戦争がありえないのだから、王よりも上が出てくるはずがない。そのため、王より上の称号は、山客か海客由来の語彙ということになる。

語彙だけではない。現実中国文化には、周辺の異民族との交流からまれてきた要素が結構あるので、十二国世界でそれらが取り入れられたいきさつも妄想するのは楽しい。例えば、スカートキルトではない、ズボンパンツ状の服は騎馬民族に由来することが多い。そこまで考えるのは野暮かもしれないが、十二国世界匈奴西域の影響の薄い中国文化を持っていると空想するのは、歴史ヲタにとってはきっと楽しい時間だ。

おまけ7 景麒の角の文字

十二国記アニメで、景麒が塙麟に角を封じられるとき、「生心気鎮風」と読める金文が刻まれるのだけれど、あれって根拠があるのか。私にはわからなかった。

終わりに

つらつらと書いてしまった。

残念ながら、小野不由美の他の作品との比較検討はしてこなかった。未読のものが多いためだ。また、作者の細かいインタビューも入手できていないので、見落としているものがあるかもしれない。

積んである本を片付けたら、ホラーは苦手だがぜひぜひ読んでみたい。

そして、次回の新刊のんびりと待っている。小野不由美先生、本当に泰麒の物語物語を完結させてくださり、ありがとうございました。

2019-12-08

マガジンRにあと十人ぐらいミステリ作家を追加して最強漫画雑誌にしようのコーナー

城平京先生虚構推理アニメ化おめでとうございます! 雨の日も神様相撲をのコミカライズも楽しみです!

加藤元浩先生、1億円と旅する男超面白かったよ!

相沢沙呼先生medium霊媒探偵城塚翡翠のなんか目出度いランキング一位おめでとうございます

いやあ、こんな超絶面白ミステリ作家作品が四作品も載っているマガジンRはさぞかし売れているんだろうなあ。

え? 今月から電子のみ?

まあ、時勢といえば時勢なんでしょうが、なんだか先行きが不安になりますね。

そこで、少年マガジンRにもう十人ミステリ作家を追加して、最強漫画雑誌しましょう。

以下、ミステリ作家を集めるための餌です。

松屋オリジナルカレー冷凍

松屋大好きツイッター芸人松屋が大好きだから

日曜は憧れの国を、きららな感じでやれば割とマジでアニメ化狙えると思う。

小野不由美の髪の毛

賢者の贈り物って知ってますか? あれをこちらで御膳たてすればいいのです。

アフタヌーンが十角館ならこっちは時計館やれば作品の完成度的に勝てるに決まっている。

綾辻行人懐中時計

賢者の贈り物って知ってますか? あれをこちらで御膳たてすればいいのです。

くらのかみ漫画でやったら超面白そう。

ホタエナッ!!〜Who Killed Ryoma?〜の脚本家の首と、かまいたちの夜志倉千代丸版の志倉千代丸の首

アトミックモンキーいちばん好きなミステリ作家は誰ですか?

チュンソフトいちばん好きなミステリ作家は誰ですか?

そういうことです。

バクダンハンダンこちとら発売日に買ってるっちゅう話ですので、バクダンハンダンコミカライズしましょう。

乾くるみ女性作家の棚に配置した書店員と、そもそも女性作家の棚という概念

女性が書いたか男性が書いたか作品評価は何も変わらないし、まったくそ情報意味なくない? と本屋で「女性作家の棚」という概念を見かけるたびに首を傾げていました。

ですが、Jの神話女性が書いたと思って読み返すと、読み味がなぜかとても変化したので、今からでもマジで北村薫女装させてグラビアとかとってみませんか?(もしくは愛川晶

当然、乾くるみ最高傑作は、嫉妬事件以外ありえないので、嫉妬事件きあい猫とか椎名波とか野晒とかにコミカライズさせましょうよお。

嫉妬事件コミカライズ作家を決めようのコーナーは後日また書きます

ミリシタTD企画の際に秋月律子にいっぱい票をいれるからさあ

兼業作家(Pとミステリ作家副業)でお忙しいのはわかります。わかりますが、現在ミステリ界を牽引する彼がいないことには、マガジンRは成り立ちません。

なので、コミカライズで大いに稼いでもらい、本業ニコマス作成)に全力を注いでもらいましょう。

浜辺美波の「いたことがないです」「いままで一回もないです」という発言真意

これ書いてから気づいたんですが、大山誠一郎を呼ぶための餌なのか、今村昌弘を呼ぶための餌なのかわかりづらいですね。

どっちもにしましょう。ついでに小林立も呼んで、小禄IT社長への道! も連載させましょう。

ポッピンQのグッズ

全然関係ないんですが、ポッピンQ大好きおじさんのツイッターを開いたら「フォローしている椎名波さん、xxxさん、他70人にフォローされています」と出てきて、なんでミステリ作家のコーナーしてるのに、椎名波の話が二回も出るんだよ! と面白くなりました。

ツイッター北海道の方々へ差別的発言をした過去を取り消せるタイプ呪術

なんか気づいたらすっかり人気作家ですが、講談社ノベルスの頃のあの尖りに尖った作品から作風は変わってるんですかね?

探偵小説のためのゴシック面白すぎて、自分の中でもうまほろんは殿堂入りおしまいでいいやと思ってしまい手をつけていないんですが、また読んでみようかなあ。

石崎幸二作品伊東ライフコミカライズしてもらいたいという僕の気持ち

ぐじらさんでもよいです!

いっしょにすんなって怒られるかもですが、僕は早坂吝先生作品を読むたびに「石崎幸二先生…… あんたの目指した道はこれっぽっちも間違っちゃいねえし、今もこうして後進がうまれてんだぜ…… また何か書いてくれねえかなあ……」と涙がこぼれます

2019-11-08

十二国記電子書籍がなくて困っている

困ってる。体に障害があって本を持ったりめくったりが上手くできない。

Kindleはいつも物凄く助けられている。管理やすいし。

でも十二国記は既刊も電子書籍化されてなくて、というか小野不由美さんの本はどれもぜんぶ電子化されてない。

オーディオブックにもなっていない。

うーん、障害者は読者じゃないのかな。

外出も簡単にできないか読書くらいしか楽しいことないんだよ。

自炊業者に頼めば、って言われるかもしれんけど、プリント・ディスアビリティ自分だけの問題じゃないのでKindleで出してほしい。

18年前は頑張れば紙の本も読めたんだ……でも今は無理……。

戴の話のつづき読みたい……。お願いしまKindleで読ませてください出版社さま……!

2019-11-05

子供向けホラーブームとは何だったのか

ジャンプホラー漫画やってたんだもんなあ。ぬーべー。遮断器の回と賽銭泥棒回がトラウマ少女誌のなかよしでも小野不由美原作ゴーストハント天井から髪の長い目の血走った白装束の女が出てくる回はマジでトラウマ

日曜の朝には子供向け番組トイレの花子さん子供が助からないトラウマ回まであるという鬼仕様。人食いランドセルが怖くてランドセル怖いと親に泣きついた。

あの頃のホラーブームって何だったんだ。おかげで俺は今でも夢に見ちまう

2019-10-07

anond:20191007103055

もし小野不由美がこれ言ってたら俺も信じてたかもしれない…

2019-07-11

裏切りにあう小説おすすめしてほしい

数年前に貴志祐介新世界より』に衝撃を受けて以来、同じような恐怖と爽快感を味わわせてくれる作品を探している。  

おそらく主人公サイドの(というか読み手の私が)信じていた仲間・信念・世界構造出自・打倒すべき敵みたいなものが、全部ひっくりかえる作品が読みたいんだと思う。「猿の惑星」みたいな。

求めているものミステリともホラーともSFとも少しづつずれてるので、ドンピシャでこれというのを探せていないんだよね…。(うっかりggろうものならネタバレ踏みそう)  

意識して探したり、あと過去読んだもので近い感覚を得られたかな?と思ったものは以下の通り。

小野不由美残穢

中山七里さよならドビュッシー

レイブラッドベリ10月はたそがれの国』収録「大鎌」

渡瀬草一郎空ノ鐘の響く惑星で

伊藤たかみミカ!』『ミカ×ミカ!』

横山秀夫臨場

恩田陸『麦の海に沈む果実

萩尾望都スターレッド』(これはマンガだけど)  

一部、かなり昔に読んだもの記憶を掘り起こして書いてるから内容にブレがある気がする。申し訳ない。

ラノベ児童文学外国文学とか本当に何でもいいです!!とにかく読みたい!!お願いします!!

2019-02-02

anond:20190201211020

コバルト文庫蜃気楼

面白かったよね、蜃気楼的なのもそうでないのも。今のラノベというとハーレムものイメージがある(私が今持っている・またはそういう文脈で使うことが多い)けど、私にとってラノベコバルトとかホワイトハートとかだった。女の子向けエロ。母に「こんなマンガみたいな本!」と全部まとめて捨てられてた本。中学生ながらこっそり作家サイン会に行って、サインしてもらった本も含まれてたんだけどな……所詮子供大事にしたい気持ちなんか大人には関係ない。捨てさせられながら呆然ライトノベルとそうじゃない本の線引きを理解した気がした。……いや待て、なら長野まゆみやら宮部みゆきやらはなんなんだ。あと小野不由美。というか母としては表紙がマンガ絵だからアウト判定してただけで中身がマンガみたいだったかうから知らないと思う。であれば十二国記はセーフなはず……ってコバルト関係なかった。

閑話休題

引き込まれるとか読みやすいとか、文章が上手いのは圧倒的にコバルト文庫だった。他の文庫や、テキストサイトを巡ってきても、やっぱり安定して面白安心感ある文章なのはコバルトだった。オーラバとか『作家人間性がー』みたいな話を同人誌だかペーパーだかで読みつつ、でも話は面白いか作家の別作品も追ったりしてた。音楽のやつが好き。ちょーシリーズもとても好きだった。ちょーも好きなんだけど、なんだっけ、黒魔法も白魔法も「魔法善悪はない」ってずっと言ってたのは。コバルト文庫の何かだっけ? ……ちょーシリーズの子世代編の気もしてきた。あれはとても私の価値観に影響した。魔法じゃなくても、道具そのもの善悪はない。うん。あの人の、全体的にしっかり考えてるのにあっけらかんとした口調で気楽に読ませてしまうの本当にすごいと思うんだ。好き。あ、マリ見ては嗜む程度、多分1冊もちゃんと読んだ(借りた)ことないと思う。アニメイト方向から知識だけで構築されてる気がする。姉妹と書いてスールと読むんだよね。あと破妖? 途中から読めなくなってしまったけど。

ああでも、こんな懐古に浸って、あの頃読んでた何も今読んでない。新しいシリーズなら尚更。コバルト文庫コミュニティで読んでいた。布教文化というか、教え教えられ前提で読んでいた。くるりんFAXで盛り上がったりとか。高校卒業してから面白い本をその場で貸して翌日返ってくるなどというやりとりはなくなったし、自分の気になるものしか読まないから自ら新シリーズ開拓とかしなくなった。友達に勧められないとマンガしか読まない人間だったんだ、私は。今コバルト文庫を読んでない。かなり長い間読んでない。読みたいな。読もう。

ちょっと賑やかしに参加してこようと思います

2019-01-26

anond:20190126014210

筒井康孝、夢枕獏菊池秀行、小野不由美 辺りはOVAとかも入れたらいってんじゃね

2018-03-04

天まで飛ばそ

父の法要から一日明けた朝、漫然とテレビをつけていたら、NHKみんなのうたが始まっていた。

あ、ボブネミミッミじゃん、そう思って聞き流した次の曲が七尾旅人さんの「天まで飛ばそ」だった。優しい歌声に枯れたと思った感情がぶり返してきた。

花粉症の鼻をすすっていると母も洗濯物をハンガーにかけながら「この歌誰が歌ってるの?」と聞いてきて、答えられなかったからググって今また歌詞を読んでる。

隠した願いを天まで飛ばそ。あの子は知らない。あの子は知らない。

渡しきれぬ夢を天まで飛ばそ。あの子は知らずにここから旅立つ。

親の心 子知らず、なんて言うけれど、自分もまた知らなかった。

父に勘当されて十数年、妹に見せてもらった家族自分を除く)のLINEチャンネルにも、遺書らしい遺書にも自分名前が登場することはついぞなくて。

死ぬ二週間前にお互いに様変わりした顔を合わせた席で「ひさ…」「次に会うのは葬式だな」と会話にならない会話を交わしてすぐに病室を出ていったから、最後まで父が自分のことを思い出す時間があったかどうかも不明で。

それでもあの時の掛け違いの理由を何処かに遺していってくれたらと願わずにいられなくて、書斎を探してみたけど、出てきたのは茅田砂胡さん、菅浩江さん、小野不由美さんと懐かしい著名のファンタジーばかり。晩年抗がん剤研究をしていたと聞いたが、仕事に関する本は古いバイオインフォマティクス参考書を除いて一切なかった

目を閉じれば思い出すのは、港南台の子ども科学館に、青葉台郊外の勤め先の研究所と、土日車で連れて行ってもらった子どもの頃の記憶ばかり。あの延長線上に、父の秘された希望もあったのだろうか。隠した願いはもう一生分からない。今の自分ははっきり違うということだけが分かる。歌を聞いて三度去来するのはもう解決すらできないこの寂しさだ。

後、数年もすれば自分子ども名前と一緒に隠した願いをそっと飛ばすだろう。夜をギラギラ自己主張するのではなくて、色々な人が打ち上げた願いの中にひっそり混ぜて、旅立ったあの子が気づかずに手に取ってくれることを願おう。そうしてくれたら、いやもし選ばなかったとしても自分から伸ばした手で願い星を掴んだとしたら、それが親としての本願だ。

2018-02-20

anond:20180218203227

おまえ本当に編集者だったのか? 白鳥士郎Bタイプ典型と思っているあたり全然わかってないといわざるをえない。

ラノベは、ある意味何でもありという懐の深さを持っていることもあり、たまに全然ラノベじゃないヒット作品やその種がまぎれこむことがある。

古くは小野不由美の「十二国記シリーズ」や有川浩の「塩の街」なんかがそうだ。浅井ラボの「されど罪人は竜と踊る」みたいなダークファンタジーや、うえお久光の「紫色のクオリア」とか桜坂洋の「All You Need Is Kill」みたいなハードSFがまぎれ込むこともある。

これらは、初速だけ出してあとはけちょんけちょんという普通ラノベとかは、根本的に違う売れ方をする。で、白鳥士郎の最新作はその典型例の作品だ。あれを「前作の人気が冷めないうちに出たから売れた」とか思ってるのだとしたら、お前の目は節穴もいいところだ。

2017-12-31

anond:20171231105944

小野不由美十二国記」好きだなー(私は男だけども)

ゲームエッセイの「ゲームマシンデイジーデイジーの歌をうたうか」も好きだ。

このエッセイの中で十二国記を書き始める少しずつ前だろうか、女の子応援するような、パトロンになりたいって書いてた。

その後の十二国記を見ると、出産ってやっぱ女の子立身出世的にはネガティブなんだよなー、と。

女性幸福度調査をみる限り、育児をしている女性幸福度は高い。が、女性政治家とか管理職を増やしたりみたいな事を考えるとな。

2017-07-12

十二国記の作者小野不由美ワインみたいな事言ってる。

最新の2016年までに毎回新作書くと言ってるけど、

今年2017年になっても新作は出てない.

これはもう才能が枯れたんですかね。

2017-06-20

https://anond.hatelabo.jp/20170620143628

古典部シリーズ普通にラノベ扱いだろ。

あと小野不由美はどっちかっていうと、京大グループの一員の印象が強すぎてミステリ畑の人としてのイメージが強すぎるからなぁ。

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