「一瞥」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 一瞥とは

2022-12-01

酷い目に遭わされたときにその場で暴れたり大揉めできるタイプの人が羨ましい。憧れすら抱く

学生時代友達と3人で深夜にドライブしていたときに起きた事件だけど。

ドライブの途中から後部座席でずーっと爆睡していた俺がふと目覚めると、根っからの車オタクのB君が運転初心者のA君に対して助手席からなにやら怒っていた。

「120出せ!!いいから出せよなにやってんだよ!!」


制限速度50キロだぞ!」

とA君がイライラしながら返すとB君は

バカお前、こんな夜中の幹線道路じゃ飛ばすのが当たり前なんだよ。せめて100出せ!!周りに迷惑するから!!」

と呆れて言った。

真に受けたA君がアクセル踏み込み100くらい出したら、真後ろについて走ってたシャコタンヤン車がすぐさまF1グランプリみたいな挙動で僕らの車をぶち抜き一瞬で真ん前を陣取って急ブレーキを踏んできた。

続けてそのヤン車がかっ飛ばして遠く先へ行ってしまたかと思うと、今度は真っ赤なブレーキランプを凄い速さで点滅させて急減速し、僕らを追いつかせた。

その後、急発進、急減速を何度か繰り返してようやくヤン車は本当にどっかへ行ってくれた。

運転席のA君がわなわな震えながら

「お前の言う通りにしたらめちゃくちゃ怒らせたじゃねえかよ……」

と責めると助手席のB君はスマホをいじりながら一瞥もくれずに

プリウスときがいきって飛ばしてんじゃねえよって向こうも怒るよそりゃ」

と完全に他人事でつぶやいた。

A君はしばらく絶句していた。俺も衝撃を受けていた。

前々から疑ってはいたけど多分B君は発達障害だったんだと思う。今でもそう思う。



A君は黙って車を路肩に停めると、

「おめえ降りろ。二度と連絡してくんな」

と凄んで車外に出ると、喚き散らすB君の襟首をつかんで本当にそのまま引きずり下ろし、俺だけを乗せてとっとと車を出してしまった。




俺にはこういうことが絶対にできない。

「こんな目に遭わされたら相手をやっつけて当然だ。その行動をもっともらしく非難なんてされたらとてもじゃないけど許せねえ」

的なシチュエーション

第三者から無理くりどっちもどっち的な断罪をされる

②「ていうかカッとする奴とか軽蔑するわー」と敵に回られて冷めた態度でヘゲモニーを握られる

こういうコンボをかまされて絶望ドン底に落とされた幼少期のトラウマがあって暴れたり揉めたりが本当にできない人間になってしまった。


つい数か月前に俺自身凄い理不尽体験をしたのだけれどやっぱり怒りをぶちまけられずに終わった。

突然友達から明日俺の草野球チームの試合があるんだけどどうしても9人揃わないから来てほしい!」と頼み込まれ野球素人だけどしぶしぶ了承し、当日そいつと一緒にグラウンドに出向いたら、

13人くらい普通にそろっていて、他のメンバーから「誰こいつ」的にひたすら困惑され、仕方なくベンチでぼーっと試合を見守っていたら、

メンバーオッサンから「黙って座ってないでバット引きに行けよ!」とか「ファールボール取りに行けよ、相手チームにだけやらせて悪いと思わねえのかよ」と普通に怒られまくる、

という理不尽の塊みたいな目に遭わされたけど、俺が実際に取れた行動といったら

試合途中に誰にも告げずに怒り心頭帰宅する”

程度にすぎなかった。

その場でブチ切れるとかやっぱりどう考えても不可能だった。

から、酷い目に遭わされたときにその場で暴れたり大揉めできるタイプの人が本当に羨ましい。

そういう人のほうが人間として正しいとすら思える。


そういうタイプ人間になるにはどういうコツがあるんだろうか?

またそういう行動を取ってもあとあと社会的な損を被らないテクニックにはどんなものがあるのだろうか?

ちなみに前述した運転手のA君は「あいつにこんな酷いことされた!!」とB君によって触れ回られていたけど、A君自身は周囲から評価をなんら下げていなかった。

2022-10-28

性感マッサージでの射精障害

需要がないからかはてな文章化されていなかったので、利用者目線でその体験談相談。何か需要があるかもしれないから覚えていることと感想を書きならべたので長文だが、ただの時系列起承転結はない。

何と呼ばれる射精障害なのか、ほかにこのような事態経験はいるのか教えてほしい。

いわゆるメンエスとは違って風俗業として適法な方を経験

今回が2回目であったが、前回と違うのはラブホを使ったことだ。ビジネスホテルでやるのは正直忍びなかったし、現下の旅行支援体制では何かのついでに宿泊する場合だとしてもかえって高くつく。

ということで部屋に通じる階段ごとに駐車場が設けられているタイプのやっすいラブホ選択。2Hで2000円程度。

時間前にだいたいの時間を告げていたので、再連絡後5分程度で到着。

それにしても、これから非常識なことをするのになぜ風俗業のお姉さんはあんな至って普通な体でこんにちは~と入ってくるのか。考えてみれば挨拶に何か挨拶以上の意味を持たせるのはヤバイなのだが、今思い出すとギャップ面白い

指名はしなかった。2人が空き番状態だったし詐欺はない店だと思っていたので指名する必要がなかったのだ。実際顔もスタイルもいい感じだった。

一応マッサージする側として知りたいのか、最初は、人体図に愁訴を書いたりオプションに丸をつける問診票を書かされた。

愁訴は正直なかったのだが、ここで密着泡洗体というオプションが気になった。なぜなら事前リサーチの結果、だいたいのお姉さんは日記で泡洗体を推していたためだ。たぶん割がいいんだろう、泡洗体。

ということでお姉さんに聞いてみると、泡とローションで体を洗ってくれるものとの発言。密着という文言には言及しなかったが、それなりに密着だろうという希望的観測と、新人割引額とそのオプション額が同額だったことを踏まえ、これに丸を付けてお姉さんに提出した。

その後、お姉さんが浴槽にお湯を張りつつ脱衣。ここで下心が出てきて、(すりガラス越しに)見てもいい~?というキモ発言をする。しかし、お姉さんは優しく、恥ずかしがりながら困惑しながら否定はしなかったので、すりガラス越しをやめて少し見てみた。ところが、脱衣は脱衣であって、ショーツは脱がない。考えてみれば、普段から脱衣動画でもそれほど興奮しなかった。このため、少し一瞥しただけで興味を失ったが、あとはそれほどそそられず、とはいえ一瞥してあとは見ないのも失礼だということで、惰性でチラチラ見る程度にした。ただ、なぜかお姉さんに会ってから勃ち続けているのは変わらなかった。

また、お姉さんの脱衣により、ブラが胸の大きさと合っていないことが判明した。要は盛っているのであり、ブラと胸部の間に空間が生まれている。そして、これは着衣時にわからなかったが、彼女の胸部に見えた魅力的な勾配の正体はブラのワイヤーで作られたものだったのだ。現代はこのようなことがなされうるのか、と思うとよい発見をした。これで日頃からたわわな胸部を見ても盛っている可能性を考慮できる。女性は大変だ。

また、胸部の小ささはこういうサービスを受ける相手としてはそれはそれで希少価値があり、今後の展開に期待が持てた。

その後お姉さんが近づいてきて、脱衣を指示された。なんと手伝ってくれるというが、そういう年齢でもないし、と違和感を持ったので断った。このオペレーションがあるということは需要があるのだろうか、それとも客とお姉さんの関係供給せざるを得ないものなのか。もしくは、供給需要を生んだ、いわゆるセイの法則の一例かもしれない。

脱衣を終えて、風呂場へ。ここで、先ほどの密着泡洗体が行われる。要はソープのマット上でやることを、立ったままやるだけのことだった。背中滑るお姉さんの上半身の突起を感じつつ、過去経験に当てはめていた。小さくてもわずかに膨らんでいることがわかり楽しかった。また、お姉さんが足の指を念入りに洗ってくれたが、そのたびに息子がぴくぴく反応していたらしく、そのことがこの異常な関係を紛らわす話題の一つとなっていた。お姉さんが終始テンション高くてよかった。

お姉さんとの会話中、この場で一度イってしまってもよいとの発言があった。自分がとった90分コースは2度抜き禁止という大阪観光時のような注意書きがあったので確認したが、どうやらそれは意に介していないらしい。2度イケる気もしていたが、賢者タイム中に施術を受けるのも空しいかと思い、回答をあいまいにしていると、お姉さんが息子に手を伸ばしてきた。当然気持ちよかったが、会話しながらということもあり意識が散乱していたので達することはできそうになく、お姉さんの努力無駄にするのは悪いと、後刻いやーこれ無理かなーと述べた。今考えると、この金のみで結ばれた異常な関係においても、相手を思いやろうとする自分にひく。

なお、このときの会話は覚えている範囲だと以下のとおり。

・よく来るんですかー?→2回目です。→最近流行ってますよねー。→性病流行っているし、粘膜接触避けようという人多いのかもですね、お姉さんは長いんですか→私は元々大〇でやってたんですが、大〇は顔出しで動画撮影必須で、嫌になってこっちに来たんです→それ嫌ですねー、断れないんですか→絶対なんですよ、やっぱり競争激しいし情報の非対称性をなくす必要がありますからね(意訳)

・え、そんなとこまで洗ってくれるんですか→恥ずかしいでしょー→恥ずかしいかも、てか乳首ちょっと→いやそれ言っちゃいます?それ聞いたら攻めざるを得ないなー

・ずっと勃ってますねー→そりゃあ、勃ってない人いるんですか→いろいろな方が来ますよ→結構お年を召した方も?→あー来ますねー、なんかデリヘルだと疲れるらしいです、あとは一軒家に呼ばれて、中年男性相手にやってたんですが2階で物音がしていて訊くと奥さんだったことも→そんなことあるんですねー、結構Mの人も?→来ますね、いじめるの好きなので歓迎です→へー男の潮吹きってあるけどそういうの?→そうそう、やってあげましょうか?→いやMではないから怖いなー

入浴で泡を落とした後、お姉さんが体を拭いてくれた。正直これも自分でやりたい。ましてやお姉さんの太ももに足を載せて拭いてもらうのは偉そうで嫌だったのでお姉さんに告げると、いやいや今日王様のつもりで~とのこと。たった2万円で王様は困る。

その後、ベッドに。お姉さんは自身についた泡を洗い流した後に来た。

うつぶせになり、マッサージが始まる。オイルを使うらしく、体が温まった。というか興奮しているからか元々体温が高く、お姉さんに何度もほっかほかだねーとマッサージ中に言われた。マッサージは強さが足りなかった感はあったが、日頃されることでもないし、気持ちよかった。

この間にした会話は覚えている範囲で以下のとおり。

今日は何か用だったんですかー→実家帰省してたんだよー、これから今の家に帰る途中→出身もこのあたりなんですか→そうです、お姉さんは?→北〇〇ですー→へー偶然先週ちょうど函〇に行ったところだったわ→旅行ですかー→そう旅行でね、東日本パスって知ってる?→(中略)→お姉さんは地元ではなくなぜこっちで?→地元の札〇でやっていると、最悪お父さんに会う可能性もあって…、友人にも同級生と会ったって子がいました→笑、函〇でもダメなの?→友人がいるんですよねー

・私もこういう店行くことあるんですけど→女風?→いやマッサージ店です、お姉さんにやってもらうんですけどこれが痛くてwなんかめちゃくちゃ押されるんですよ→それはwやめてもらえないんですか→なぜか毎回そうなんですwてかこの前友人から聞いたんですが、マッサージが上手いとマッチングアプリに書くと意外と食いついてくれる、と言っていた客がいて、どこでマッサージ習ったのって聞いたらその友人のマッサージで覚えたって言ったらしいんですよ、やばくないですか、私なら絶対教えたくないです、だってお金払って習いに行っているんですよ→そんな客いるの、そんなのに食いつく女子いないでしょー

おっぱい揉んでいい?→いいですよー

・感じたら声出していいですよー→(出す)→いいですねーやりがいがあります

今こうして振り返ると随分頭の悪い会話をしている。

後は乳首を散々いじられた。なぜかめちゃくちゃ気持ちよかった。ブラシーボが効いてたのかもしれないが、媚薬でも盛られているのかというくらい。そのせいなのか、あるいはしごかれすぎて慣れてしまったのか、息子は全く終わろうとせず、キッチンタイマーが残り5分(お姉さんは気遣って笑ってやり過ごしてれた)を鳴らしていよいよフィニッシュしなければならないときになっても出なかった。お姉さん必死だった。色々な意志が込められていたであろう彼女右手尋常でない速さで上下していたが、足ピンしても出なかった。正直勝手に足ピンなるほど気持ちよかったのだが。趣向を変えて抱きついてもダメだった。

仕方がないか自分でやったら、なんかいものペースですぐ射精。お姉さん結構強く握ってしごいてくれたのに。これは射精障害でも何と呼ばれるものだろうか。確かに胸大きいほうが好みだけど、そこまで影響するとは思えない。

ただ射精前後でお姉さんが息子を握ってくれており、射精しても手の上下を止めようとしなかった。これが死ぬかと思うくらい気持ちよくて白目向いてた気がする。反射的にちょちょちょ、とストップの意志を示したからお姉さんは止めてくれたものの、あそこで止めなかったらラブホで死んでた気がする。腹上死ならまだしも、ほぼテクノブレイク

ただ、お姉さん的にはここからが大変だった。急がないと時間内に終わらない。ということで、適当ティッシュで拭いたら、風呂場に直行。だが、一向に熱いお湯から温度が変わらず、お姉さんはかなり焦っていた。

かに熱かったが耐えられない温度ではなかったので浴びた。お姉さんとの関係とは異なり水と油は一向に混ざらなかったが、時間がないのはわかっていたので手が届かない背中だけ流して、と告げた。

お姉さんに洗ってもらっている間、私も最低限流す。そしてお姉さんも浴びなくてはならないため、カラスも驚く行水の長さで急いで出る私。ベッドで一息つくとそういえばラブホは2時間までだったと気づき、お姉さんをすぐ帰らせるべく、タオルをたたんだり、自分荷物を整理する。

お姉さんは風呂から出てきたが、スカート前後ろがわからなーい、と悠長なことを言っており、タグとかないの、と叫んだらやっと分かって、ベッドに戻ってくる。ローションやタオルを急いでボストンバッグへ詰めた。

これでやっと帰れる状態になったので、じゃありがとねー、全裸のままで申し訳ないけど、と見送った。

このあと風呂場に直行し、ぎりぎり2時間以内で退室できたので、ここまでの文章が読者にとって何かの役に立てばと思う。

以上、うっきうきのキモレポートでしたー!

2022-10-03

ハッテン場に行った

まれて初めてハッテン場というところに行った

自覚があるんだかないんだかはっきりしない人生、何事も経験と思って行った

 

建物に入るまでがどきどき、入ってから不審者みたいな動きで、見るからにやばかったかもしれない

お金払って、ロッカーで服脱いで、風呂に入った

いろんな人の視線を感じるけどすぐそらされた

すれ違う時も大きく避けてくれる

なんか思ってたんと違う

体洗ってサウナに入っても同じ

しろあっという間に人がいなくなる

これは自分は求められてないやつだ

 

でもなんだかお金ももったいないし、けしからんことにはならないならと思ってそこから先は社会見学に変更

いろんな人がいろんなことをしているところに行っては「わーほんとにそういうとこに来てるんだなー」と軽く感動し、「わーほんとに俺場違いなんだなー」と思い、「こりゃ2回目はないなー」と悟りけしからん行為を目の前で見てた

普段生活でも全く相手にされないのに、けしからんところに来てモテるけがない

 

たことの真似をして、超勇気を出して良さげな人のお尻を触ってみるもあっけなくガードされたり振り払われたり

まさかこんなところに来てまで「俺死ぬまでぼっちなんだ」と悲しくなると思わなかった

 

小一時間いたらなんだかもういいやって思ったので高い銭湯代だと思ったが退散することにした

元の服に着替えて出ようとしたとき、これから一戦交えるらしきアニキとすれ違った

うまくすれ違えなくて邪魔したみたいになって「ごめんなさい」と言った

アニキは「お、悪いな」といって自分の脇をするりと抜けて行った

そのときにやりと笑って俺の脇腹を摘んで行ってしまった

 

もうちょっと早くに来てくれたらと思ったりもしたが、服着てマスクしてたから誤魔化せただけで、裸だったらやっぱり一瞥すらしてもらえなかっただろう

ただそれが唯一の成果で、アニキ笑顔のあまりの素敵さになんだか満足してしまった

 

ありがとうハッテン場

俺には縁のない場所だった

2022-09-26

親父がオンナになって出てくって話とあたし。

 昔から家族仲は良くなかったと思う。

 反抗期思春期その他諸々が収まり何とか大人(大学卒業)になったあたしと他の関係がマシになっただけで、割と衝突は絶えない。

 特に母と父との仲は最悪だった。昔からよく離婚直前まで話が進んでおり、「我が家もついにか」と思わされたことは数知れない。

 最近は父の定年退職の後に離婚、あるいは別居という形で話が落ち着いていたのだけれど、ついに先日父が直接あたしに「話がある」と切り出してきた。

 口数の少ない父がわざわざあたしに畏まって話しかけてくるのなんて初めてだった。もう何度も思った「ついにか」を本気で思った。

 子どもを作ったら一生縛られるべきだとあたしは思わない。

 多感な思春期に片親にしないで、生活の水準を落とさないように頑張ってくれたのだと思う。

 弟も今年で大学卒業だし、自由になりたいのなら暖かく送り出してやろうと意気込んだ。

 要約するとオンナになるから別居するという話だった。ちいかわみたいに泣いちゃった。

 最初頑張ってなんか言った気がするけどなに言ったのか全然覚えていない。

 もう「わァ…ア…」みたいに本当に泣いた。人間って本気でびっくりすると泣いちゃうみたい。怖くて有名なお化け屋敷とか全然平気だったのに、新発見だった。

 泣いてたけど話は続けたかったので、続けてもらう。父親の言い分は正直だった。

「昔から自分の性に違和感があった。普通に家庭を持ったら普通になれるかと思ったけどダメだった。

 もうすぐ定年の中、いつまでも自分を抑え続けて生きていくのは自分にとってどうなのかを考えて自由になりたいと思った。

 近所で噂などが立ったら迷惑をかけるから、出ていく」

 そこまで言うかと思った。

 それってつまり、あたしたちは普通になるために利用されてきたということだ。

 けれどそばで話を聞いている母さんが黙っていたから、あたしは何も言わなかった。

 性同一性障害の診断は貰いに行って、ホルモン剤は既に飲んでいるらしい。

 脂肪筋肉だろうか?が落ちて顔が細くなったような気はしていた。

 白髪交じりの髪も真っ黒に染めて、少し長くなっていた。

 二重も前はこんなにハッキリしていたかなと思う。気付かないふりをしていたけれど、気付いていた。

 でもまさかそれがオンナになるための変化だとは誰も思うまい

 言われるまであたしは会社若いオンナでもできたのかと心配していたくらいだ。

 小四からシャーロック・ホームズが大好きなのに、なんの役にも立ってない。

 親父から聞けたのはそこまでだった。

 元々寡黙寄りなひとだし、あまり説明したくなかったのかもしれない。

 「普通に家庭を持ったら~」のくだりも多分、自分が何を言っているのか理解していないまま言っている。

 親父は追い詰められているのだと思う。抑圧されてきた被害者自分解放してあげることしか見えていなかった。

 今はLGBTも性自認ホット話題だ。

 漫画芸能人ニュース記事コメントで「(カミングアウトされた側が)なんで受け入れないんだろう。その人はその人だ」という旨の意見を見かけることは、あまりそういったことを調べないあたしでもある。

 けれど当事者になってみるとそうはいかない。いかないんだよ。

 性同一障害とは別だけれど、あたしは前にちょっとしたこと大学友達同性愛者だと知ってしまたことがある。

 結構仲が良かったかネットのひとには言えてもあたしには言えないのかとちょっとだけ寂しかった。

 わざわざ打ち明ける必要なんてないのだけれど、秘密にしていることを特別に共有されることは仲良しの証だと刷り込まれたままの、心の中の中学生のあたしが寂しがった。

 けれど同性愛者だと密かに知ったところで友達を見る目は全く変わらなかった。友達友達

 授業サボって部室でソラマメ茹でて食ってるあたしの隣で見せびらかすみたいにパスタ弁当食ってる最高の友達だった。

 正直何も変わらないと思えたことに安堵した。けれど親父は駄目だった。すぐに親父は親父だって言えなかった。ごめん。

 正直ショックを受けていることにもショックを受けている。あたしはこんなにも勝手理想他人押し付けられる人種だったのかと思った。

 あたしは親父が大好きなんだと思う。

 これ書きながらホテルで泣いてるくらい好きだ。楽観的な人間特有危険高い高いをされていた幼児の頃から、親父は自慢だった。

 授業参観の中一番背が高くてスマートで、胃腸風邪病み上がりのあたしを送り迎えしてくれた時には「(あたし)ちゃんのお父さんカッコイイ!」と同級生女子たちが盛り上がっていて鼻が高かった。

 

 目付きは悪いけれど迫力があって、年をとってもそれは変わらない。

 腕組みすると筋肉が張って強そうで、すね毛やばいけどスラリと長い足の間で『スーパーロボット大戦』のプレイ画面見ているガキの頃のあたしの写真は今でもお気に入りだ。上げていけばキリがない。

 これはあえて内容を削って外見だけに拘って書いているだけであり、エピソードも色々ある。

 色々あるから、小さい頃は結婚相手理想を親父だと答えていた。

 強要されないと子育てに参加しようとしない無関心と呼べる親父であっても、無邪気なガキには眩しかったのだ。なんでか今も変わらないのが不思議である

 あたしが恋人を作ってはドライブ中に喧嘩して山に捨てられたり口喧嘩激し過ぎて警察呼ばれかけたりしたのは親父を理想としてたからかもしれないと今だから思う。もうこの話やめよう。

 ともかく、あたしはこの理想を失う。親父は今の自分でいることを捨てたいのだ。もう見れない。

 けれどそのあたしの理想勝手ものだ。

 親父はこうあるべきという押し付けに過ぎないのだから、口に出すつもりはない。

 けれどあたしたちのために父親らしくいた日々が、あのひとにとって苦痛を伴っていたのかもしれないと考えた時はやっぱり苦しかった。

 ここのところ今まで思い出さなかったことまで思い出す。

 美容院で髪を切ったら珍しく部屋から顔を覗かせ「かわいいじゃん」とニヤッと笑ったこと。

 洗面所占領して顔面作ってるあたしの隣で歯磨いてたこと。

 安いワンピースばっか入ったショッパーの中身を床に広げていた時、一瞥していったこと。

 親父にとってあたしってなんだったのかなって思っちゃうんだよ。

 図太いことに定評のあるあたしでも流石に眠る気になれなくて、捗らないけれどジャンプ小説新人賞に応募しようと書いてた小説の続きをやってみたりして、朝になった。

 親父が仕事に出掛ける。

 「いってらっしゃい」を平気なフリして伝えて、あたしは寝るのを後回しにした。

 あたしのシフトは夜番だったから、まだ起きていてもなんとかなる。母さんが四時半か五時に起床して家族分の作り置きおかずを作ってくれることは知っていた。

 母さんはやっぱり起きていて、なんだかわかっていたみたいにあたしの部屋の前に座り込んだ。

 そして親父が教えてくれなかったことを教えてくれた。

 母さんは十九年前には知っていたらしい。

 あたしが小学一年生の頃だと思う。

 当時スーツクリーニングに出そうとクローゼットの整理をしようとした時、女物のウィッグワンピース冗談ではない数出てきたらしい。

 会社忘年会に使うようなものではないことは明らかで、もしかしたら男が好きなのかもしれないと泣いたのだと言う。

 十九年前は今のように女装癖だが性自認は男といった場合もある、などと言った情報簡単に調べることはできない。

 オカマオカマ、オナベはオナベ、母さんにはその程度の知識しかなかった。

 すぐに親父に連絡して問いただしたら「ただの趣味なのだと言われたらしい。

 母さんはやめろとは言わなかったが「子どもたちはこれから多感な時期に入る。隠してくれ」と頼んだそうだ。

 おそらくその時の女装道具は親父の手によって捨てられた。

 最初最初なので母さんは女装癖が高じただけではないかと少し思っているみたいだったけれど、そこは問題じゃない。

 問題なのは、親父が自分をどう思っているかだ。親父がなりたいならなりたいんだろう。

 それから近年に入って女装はしていないが、日本では認可されていない薬(女性ホルモンの働きを促す錠剤)をネットで買って飲んでいた。

 副作用で血管が詰まりやすくなると知って恐ろしくなった母さんが正式病院に通わせるようにした。

 間にも何やらあったようだけれど、まあそうした流れを踏んであたしたちに打ち明けたらしい。

 最近は好きな男がいるかもしれないと思っているけれどそれはセクシャル過ぎて聞けないし、夫婦仲も年々悪化していく一方だから、もう限界だろうと。

 母は泣いていなかった。平気な顔して「まさか(弟)の方が平気でアンタの方が泣くなんてね」と笑った。「あんたお父さん大好きだったもんね」とまで言った。

 デカくなってから口に出したことはないのに見抜かれていたのだと思った。また泣きそうになった。

 母さんは悪い意味で凄まじいひとだ。

 我が強く元々ヒステリックな質なので、甲高い声で怒鳴る。

 大学の頃友達の家で鍋パしようとした時には帰りが遅いと鬼電掛かってきたのをとったら怒鳴り声が漏れしまって、会を一瞬お通夜にしてしまたこともある。

 “殴られたら殴り返す”を座右の銘にしていたクソガキなあたしと母さんの教育制裁とで殴り合いになったこだってある。

 もうあたしは落ち着いたものだけれど、今でも大学四年生の弟や親父との怒鳴り合いはちょこちょこ行われている。

 頭に血が上ると手が付けられない、感情で生きているひと。

 口論になった時は義務教育の敗北を感じることもあるくらいハチャメチャだった。

 話を逸らして自分の強い土俵(家事全般を未だに引き受けてもらっているので頭が上がらない)に持っていき、怒りが収まるまで口撃し続けるのをやめてほしい。

 そういう生き方からガキの頃のあたしとは最悪の仲だったし、弟と父からは嫌われている。

 それでも今までやっていけていたのは、母が狂気のひとだからだと思う。

 母は片親だった。祖母祖父が非常に仲が悪く幼い頃に離婚したため、祖母と妹と三人で暮らしていたらしい。

 苦労したと言う。

 経済的にも、色々。

 専門学校は楽しかったそうだが、大学を出ていないことを負い目に感じていた。

 親父と結婚する時には、父方の祖父母に片親なことを猛烈に批判され、別れろと言われて破局寸前まで行っていたらしい。

 片親なことで苦労してきた人生から子どもたちは決して同じ目には合わせないと常日頃から豪語していた。そこから狂気が始まった。

 十九年前からの親父の件もそうだけれど、ウチは色々問題が多い。

 あたしの場合高校生の頃に自殺未遂をしている。

 父方の祖母が首を吊って死んだから、あたしもそうしようと思った。

 クローゼットの梁にベルトを掛けて踏み台を蹴った。

 思ったよりベルトが長くなってしまって短くしたかったけれど足はつかなくて、絞まってきた辺りで母さんに発見された。

 あたしのこと抱っこするみたいに持ち上げて叫ばれた時情けなかった。

(いい話風に言っているけれど母さんはあたしが高校に登校する直前、拒否反応で発作的に吐いてしまった時本気でぶん殴った。

 掴まれ廊下引きずられて放りだされたけどゲロは片付けてくれた)

 自殺の原因はクラス男子の誤解から始まったいじめだった。

 不眠症うつ病(今は双極性障害二型)を診断されて、今も治っていない。

 時々ひどくなって寝込んだりするし、色々ある。社員には到底なれないか大学を出て数年経った今もフリーターだ。

 自殺未遂の後は申し訳ないことに常に家族に緊張感があった。

 なんとかそれが落ち着いて、あたしが一年自宅療養の末に大学に進学し、弟も続く。

 そうしたら今度は弟がアムウェイにハマり、終わったと思ったら詐欺事件を起こしてくれた。当時流行った持続化給付金詐欺だった。

 親父が封書を見つけてあたしが間に入り、母さんに伝えた。

 両親揃って弟を詰め、翌朝警察自首させた。結果前科はつかず前歴だけついたのだが、当時は弟を放り出すか放り出さないかで少し揉めた。

 弟と仲が悪いわけではないけれど、その時のあたしは自棄になってこれ以上のことをされたら困ると放り出す派だった。

 親父に至っては既に絶縁の仕方についてスマホで調べていた。ただ母さんだけが弟の味方だった。

「帰る場所がなくなるのが可哀想。見張ってないとなにするかわからない。大学卒業までは家に置く」

 この期に及んで可哀想なんて言うとは大物過ぎる。

 言っている意味はわかるけれど、弟の性格を考えると当時は本当に前科者が身内から出るリスクが高すぎると思った。

 「殺人しても受け入れるのか」と聞けば「怖いし何考えてるのかわからなくなるけど、受け入れる」と言う。母さんは涙を流して言った。

だって家族じゃん。受け入れてあげないと」

 理解できない人種だ。

 あたしは呆れた顔で「あたしは親じゃないから好きにして」とその場を離れることにした。

 母さんはその後残った親父を何とか説得したらしく、お務めせずに戻ってこられた弟は無事我が家の敷居を跨ぐことができた。

 その後もたびたび事件にはならない程度の問題を起こしては母さんと喧嘩しているけれど、無事である

 そうした出来事を思い出しながら今回の親父の件を聞いて、あたしは母さんに対する理解を越えた何かにようやく名前を付けられた。狂気だ。

 とっくに崩壊している家庭を一つの家に何とか収めているのは、このひとが“両親の揃った家庭”に“家族”に拘り続けているからだった。

 あたしが「死にたい」とこぼしていた頃に我慢して聞いて、親父の秘密を抱え込んで、弟の刑がどうなるかわからないとソワソワした頃を乗り越え、

 毎日のようにあたしか弟か親父とやり合って「お母さんもそろそろヤバイよ病んじゃうよ」「最近更年期ひどくて……」なんて言いながら嫌われ疎まれながら毎日四人分の家事こなして

 元気に犬の散歩まで行って弟に大学出てないくせにって馬鹿にされたか通信放送大学卒業して土日はパートに行っているこのひとなんなんだろうなと笑ってしまった。本当狂気だよ。

 母さんが途中で挫けていればあたしはあの日かその後の再チャレンジで死んでいる。

 帰る場所のなくなった弟はまあ間違いなく自棄になるので今度こそ塀の中に入ったかもしれないし、大学は確実に中退になっていた。

 離婚していれば今の家にはもう住めていないし、時期によってはあたしたちを支えた犬猫とは出会えなかった。

 険悪すぎる、ほぼ崩壊している家庭だけれど、今の生活繋ぎとめているのは母さんだ。

 親父は抑圧されていたのかもしれないけれど、『トップガンマーヴェリック』が本気で面白いからって語ったら元祖の『トップガン』を何度も見たという話をしてくれたのは最近だ。

 ソーシャルゲームの『マギレコード』を好きになってストーリーについて二人で話したのも最近のことだ。

 なにより親父が「お母さんは嫌いだし弟とは縁を切りたいけど、お前のことまで見捨てるつもりはない」ってある日突然打ち明けてくることもなかったかもしれない。

 今の状況は良くも悪くも本当に母さんのおかげである

「なんか偉そうになっちゃうけど言葉見つからいからそのまま言う。ちょっと見直した」

 母さんはちょっとびっくりした顔をして、シャッター押される瞬間に目つむった人みたいに笑った。

「嬉しー! アンタ滅多にひとのこと褒めないからね」

 そうかもしれないとその時初めて気付いた。

 友達相手にはできるだけ口に出しているのに、家族にはあまり言ったことがなかった。

 良くも悪くも正直なあたしが作り置きのおかずをなんとなしに「美味い」って言ったら大袈裟に喜んでた理由がようやくわかった気がする。

 イカレてると思ったことは数えきれないし色々あったので毒親チェックリストスマホで調べて確認して伝えたこともあるし、

 このひとがいなくなったらあたしはこんなにキレたり泣いたりしないで済んだのにと考えたこともあったけれど、初めて親相手に後悔した。

 親父相手にじゃなかった。なんであたし母さんのこと認めてこなかったんだろうって本気で思った。あたしもあたしで必死だったけれど、もっと報われるべきひとだった。

 「親父が『普通になるために家庭を持った』って言った時、利用されてたって驚いたけど、母さんが何も言わなかったからあたしはなにも言わなかった」と伝えたら

 「いいこと言うー! それお父さんにも言って!」と喜んだ。やっぱり感情で生きている。後先のことを考えられていない。あたしが親父にそれを言ったら完全に断絶だと思う。

 ホルモン剤で多少情緒不安定になることがあるらしいしその傾向は正直あると思う。

 元々デリケート話題なのも相まって、なにで親父が傷つくかはほぼ手探りだった。母さんほどズケズケは行けない。

 そうやって母さんのことを思い出し笑いしながら、ちょっと落ち着いてまた親父のことを考えた。

 ていうか折角好きなゲームオーケストラ聞きに来ているのに親父の下半身のことを考えていた。ちょこちょこ涙があふれた。

 おかげで始まる前から死ぬほど感極まっているひとになっていたと思う。マジで近寄りたくない。

 ともかく、枕元に性転換手術についての資料があるらしいから今すぐではないにしろ親父は本当にオンナになりたいんだと思う。

 アレがなくなって、見た目が変わって、あたしは親父を愛せるかを考えた。愛せるなって思った。

 でもあたしは涙もろいから泣いてしまうと思う。

 『ロンドンゾンビ紀行』でおじいちゃんゾンビ吹き飛ばし生還したシーンだけで泣いてしまえるタイプだ。原因は何であれ、きっと泣く。

 けれど親父からしたら涙脆いからっていうのは理由にならない。折角あたしには会うって言ってくれているのに台無しになる。

 “本当の自分を受け入れなかったひと”のくくりにあたしは入ってしまう。もう入っているけれど、その日の断絶はたぶん決定的だ。

 ひとは決断に迷った時、自分のされてきたことを思い出すのかもしれない。

 思い出すのは母さんと揉めて珍しく正義があたしにある時「オマエは間違っていない」と味方でいてくれたこと。

 僻地への合宿で一時間に一本の電車を逃して泣きついたあたしを、キレながら車で送ってくれたこと。

 二日酔い酷くて電車乗れなくてずっとゲロ吐いてるあたしをキレながら迎えに来てくれたこと。あたし最低すぎる。

 そして何より、うつ病やって“普通”になれないあたしを肯定してくれた。

 受け入れてもらったら受け入れなければならないわけではないけれど、あたしは親父を否定したくなかった。

 どう考えても時間必要だった。考えて考えて考えて考えてどうでもよくなるまで考えてからじゃないとあたしはきっと親父を傷つける。

 ひとりよがりだけれどあたしはそれがすごく嫌だ。それにあたしも答えが出たつもりになっているだけで、あとから思うことが出てくるかもしれない。

 失うことになったせいで補正が掛かっているかもしれないこと、思い出が美化されているかもしれないこともわかっている。

 そして普段にも増して涙脆くなっていることは、あたしがまだ勝手にショックを受けている証拠だった。

 親父はうちのボケ老犬が寿命を全うするまで、もうしばらくは家にいてくれる。

 だから今は「おかえり」と「いってらっしゃい」を普通に言って、落ち着いたら好きな漫画とかの話をしてみようと思う。

 少年漫画特殊能力の強い弱いとか、来週の展開の予測とかそんなオチもなんもない話をしたい。創作物ってこういう時本当偉大だ。懸け橋にも味方にもなってくれる。

 あたしは馬鹿なので不謹慎でも笑い飛ばせる人間だ。

 例えば弟が自首する時に母さんに深刻そうに「なにもってけばいいと思う?」と聞かれて「知るわけないだろ」と笑ってしまった。残念ながらあたしに自首した経験はない。

 仕方なくスマホで調べたら留置所持ち込み不可リストみたいなのが出てきてまた笑った。気が早い。

 自首することは別に拘留されることとイコールではなかった。そうやってニヤッと笑って、まあなるようになるかと気を持ち直す。そうしたら(全部母さんのおかげだけれど)本当になんとかなった。

 今回も親父の一件であたしは「対腐女子相手禁止カードを手に入れてしまった」と想像してニヤッとした。

 あたしは元々BLが苦手なので、今度から一方的に語られた時などに「親父がオンナになって出て行ってるから、生生しい話はちょっと……」とつらそうに言えると思った。

 ひとの心があれば謝ってきてそれから疎遠になる。多分一生使わない。

 そうやってニヤッとできたのだから、今度もまあなるようになる。

 あたしは両親どちらかを支持することはしないで、二人とも尊重したいと思う。

 ガキの頃言ってこなかったせいか今になってこういうことになったからか、あたしは二人が大好きだと今気付いた。お恥ずかしい話。


 けれど真面目な話。ここでお金問題が浮上する。

 文字数入りきらん記事わかれた https://anond.hatelabo.jp/20220926234949

2022-09-15

唐揚げ酸辣湯スープ疲労

仕事の後にスーパーへ行き、週末まで残りお昼も含めた食事を考えながら買い物をし、重たいビニール袋をふたつさげて帰宅した。冷蔵後に食材仕舞ったら、鶏肉ジップロックに入れてだし醤油味噌ダレを揉み込む。炊飯器スイッチを押してからシャワーを浴びる。お風呂を洗い、髪を乾かす。ジップロックから取り出した鶏肉をきつね色に揚げていく。少し勿体無いけど、サラダ油を買い忘れたから、ごま油で揚げる。栄養バランスを考えて野菜スープを作る。揚げ物に合わせるので、酸味を効かせてさっぱり酸辣湯風に。唐揚げはもう一度熱した油を潜らせて温かい状態食卓に並べる。左手スマートフォン右手に箸を持った男が唐揚げに手を伸ばす。

我ながら上手くできた、と「美味しいね」と言った。スマートフォンから視線は動かない。こちらの投げかけなど聞こえなかったように、彼の幼少期の思い出が語られた。何度か聞いたエピソードにそれなりに相槌を打つ。汁物食事最後に温かい状態で食べたいと言われるので、食事の終盤に「そろそろスープ飲む?」と尋ねた。

そこでやっと、スマートフォンから視線が離れ、こちらが飲んでいるお椀が一瞥される。「それ、何スープ?」「美味しい?」。悪意はないのだろう。「まずくても、野菜取れるし飲みなよ」と、温め直した酢辣湯風味の野菜スープを控えめによそった。私は、美味しくないだろうと思いながら作っていることや美味しくないだろうというもの食卓に並べたことは、基本的にない。先に席を立ち、片付けを始めることにする。

無言でシンクに運ばれてくる食器を洗い終え、排水溝を掃除して、ゴミをまとめ、一息をついた。食卓に残された空のペットボトルを潰したら、思ったより大きな音が部屋に響いた。

洗面所歯磨きをしていると、背後から「なんで怒ってるの?」と声が降ってきた。私は怒っているのだろうか。深呼吸をしよう、そのためにまずは口を濯ぐ。顔を仙台に向けたまま、「疲れただけ」と静かに呟く。再びうがいをする。そう。今日も、疲れただけ。こんなふうに、喜んでいるのか、感謝しているのか、はたまた一緒に食事時間を楽しむ気があるのかどうかもわからない男に3年以上もごはんを作ることに、疲れただけだ。

2022-08-14

追記有)35歳女オタクが幼馴染から服装ダメ出し食らった話

 昨日、半年ぶりくらいに幼馴染と遊んだ台風予報だったので、出歩かずに遊べるように、とホテルアフタヌーンティーに行くことにした。

 一杯目の紅茶を持ってきてもらって、さて何の話をしよう、という段階で、幼馴染はにっこり笑って、この後買い物に行こう、と言ってきた。こんな雨の日に何を買うの?と聞くと、私の服を買う、と言った。お金は出すから、服を買って着替えて欲しいと言われた。

 私は、あなたに服を買ってもらう理由がないし、欲しい服もない、と言うと、幼馴染は、もう色んな意味限界なので、むこう数年分の誕生日プレゼントだと思って受け取って欲しい、と言った。目が笑ってなかった。

 そんなに私の服はダメなの?と聞くと、幼馴染は頷いた。それから今日で縁が切れてもいいから、まずは思ってることを言わせてくれ、と言われた。その勢いに圧倒されて、まずは話を聞くことにした。

 幼馴染は私を一瞥し、そのスカート丈はなんだ、と言った。雨で裾が濡れるのが嫌だったので、私は丈の短いワンピースを着ていた。ギンガムチェックシャツワンピースで、胸の前でリボンを結ぶ可愛いやつだ。一方の幼馴染はロング丈のワンピースを着ていて、ホテルに着くまでに裾が濡れてしまっていた。私の服の方が理に適っている、と言い返すと、35の女がミニ丈のシャツワンピースなんて着るな、と言われた。おまけに、シャツボタンが弾けそうで、サイズも合っていない、とも言われた。私は標準体重ではあるが腹回りに肉がつきやすく、まあ確かにボタンがぱつぱつになっている。でもボタンはとまっているし、Mサイズ問題なく着れている、と言い返すと、そのボタンはとまってるとは言わないし、Mサイズも着れているとは言えない、と睨まれた。

 それから、幼馴染は私のピアスシュシュを今すぐ外せ、と言った。どちらも推してるゲームコラボグッズで、推しキャラモチーフにしている。髪が湿気でペシャンコになるのでシュシュでまとめているだけだし、ピアスだってちゃんシルバーでできてるやつだと言い返したが、35の女がでかいリボンのついたシュシュや、星とハートのついた大きなピアスをするな、と言われた。

 全否定もいいところだったので、私は何でそんなことを言われなければいけないのか、好きな服を着させてくれ、とほとんど泣きながら言い返した。幼馴染はため息をついて、アニメイベントアニメイトに行くなら好きな服を着てアニメコラボしたアクセサリーでもなんでもいいが、ホテルラウンジアフタヌーンティーをすると決めていたんだから、相応の格好で来てほしかった、と冷たく言い放った。

 窓に向かい合うような席で、外が暗いので窓は鏡のようになっていた。よく見ると、確かに私と幼馴染は全然違う格好をしていた。幼馴染の外見は落ち着いていて、シックホテルラウンジという場にも馴染んでいた。それに比べると、私は確かに女子大生みたいな格好をしていた。

 私は童顔で小柄だから大人っぽい服が似合わないし、だから可愛い服が着たい、と食い下がると、幼馴染は、あんたは別に童顔ではなくて普通に35歳に見える、とため息をついた。背が低いだけで小柄でもないし、なんなら体格だっていいよ、とも言ってきた。

 私はしんどくなって、お茶も飲まないでラウンジを飛び出した。ホテルトイレにこもって20分くらい泣いて、そのままラウンジには戻らずに家に帰った。お金も払わなかったけど、あんなに私を傷つけたんだから幼馴染が困ればいい、と思って、連絡も入れなかった。

 一日経って、幼馴染からLINEが来た。悪かった、あなたが何を着ようとあなた勝手で、私に口出しする権利はなかった、と謝られた。その通りだと思ったけど、何となく突き放された気持ちにもなった。

 今まで、自分が好きな格好をすればいいと思ってた。他人自分をどう思うかより、自分が着たい服を着ればいいと思ってた。年齢に縛られるよりも、欲しいものを買った方がいいと思ってた。

 私のクローゼットの中には、ミニ丈のワンピースフリルスカートキャラクターものTシャツ推しコラボしたバッグなんかがたくさん詰まっている。アクセサリーボックスにはアニメイトや通販で買ったピアスブレスレットが入っている。持っている靴にもリボンレースがたくさんついているし、スニーカーだって、そういえばアニメコラボピンクのものだ。確かに、私は10年前と、なんなら20年前と同じような格好をしている。もしかして、幼馴染がいうように、私の服っておかしいのかな、と思い始めた。

 同居している母に、私の服ってダサい?と尋ねた。あんダサいとかそういう感覚あったんだ!もうそういうの気にしてないんだと思った!と言われた。1番側にいる親が、私のことをそういう風に見てたのも、こたえた。

 今日は一日家にいて、youtubeとかインスタとかで「30代 ファッション」をずっと検索していた。検索して出てきた服は、スカート丈が長くて、色味も抑えられていて、柄も無地だとか小さいものが多かった。あと、リボンレースフリルがついているものはほぼなかった(どれかがついているものはあっても、全部盛りみたいなのはなかった)。

 さっき、母に、私どんな服着たらいいかな、と聞いたら、普通にユニクロで買えば?と答えられた。ユニクロで全身揃えるなんてダサい人がすることだと思っていたけど、今の私はそれ以下らしいので、明日ユニクロに行こうと思う。昨日、幼馴染の言うことを聞けば、服も一式買ってもらえたし、ユニクロよりいい店を教えてもらえたかもしれないので、ちょっと失敗したな、と今更ながらに思っている。

----------------------------------------------

追記 2022.08.16

自分のTLにも記事が回ってきてびっくりしていた。

幼馴染には昨日電話して、勝手に帰ってしまたこと、アフタヌーンティーの代金を踏み倒したことを謝った。お金を返す、と言ったが、傷付けたのはこっちだから、と受け入れてくれなかった。こういうところも含めて私は子供ぽいんだなと思った。服を買うのに付き合ってほしい、とお願いしたら、まあ、そのうちに、と濁された。

TPOについては、なんならホテル意識して襟付きのワンピースを選んだつもりだった。ただ、買ったのが池袋サンシャインの中の店で、学生時代から通っている店だったから、それがまずおかしかったのかも、と今更ながら思っている。

体重もずっと標準体重からダイエットとか運動とか考えたことがなかったし、太らない体質くらいに思っていた。でも、よく考えたら人生で一回も細いとか華奢とか言われたことはなかったから、痩せてはいないんだと思う。化粧も最近マスクをすることもあり、適当だった。

会社制服があるからTシャツショートパンツサンダルとかで普通に通勤してた。自分より若い子がいないから、みんな私の服についてコメントしてこなかった。

好きな服を着なよ、というコメントもたくさん見た。それはその通りだと思う。けど、私は好きであの可愛いギンガムチェックワンピースを着ていたのか、学生時代からの惰性で選んでいただけなのか、今となっては分からない。

ミモレ丈の人の記事も当時読んでた。あの人はお金の使い方も荒いし服もカジュアルだったと認識しているが、私は貯金もしてるし服も(サンシャインでだけど)こまめに買ってるから自分の方がまともくらいに思っていた。

とりあえず、自分が色んな意味でかなり幼いことは分かった。服に限らず、誰に何を言われても構わない、私の好きにするって思っていたけど、もう少し年相応というか、世間体みたいなのを意識して生きていきたい。

2022-08-09

バイト日記

 オーナーがしおしおに打ちひしがれた状態で店に電話をかけてきた。Aさんが電話を取ったのだが、オーナー特にこれといって用事があった訳ではなく、ただ消え入りそうな声で長々と愚痴を言っただけだったらしい。

 最近、当店は人手不足拍車がかかり、女子フリーターアルバイトさんとその母親オーナーが揉め、しかオーナー奥さん体調不良でダウンするという不幸が重なった。それでオーナーはかなり参っているそうだ。

 客足が途絶えたとき、Aさんから女子フリーターアルバイトさんとその母親オーナーと揉めた時の顛末オーナーサイド)を聴いたが、私が女子フリーターアルバイトさんから聞いていた女子フリーターアルバイトさんサイドの話とはだいぶ風景が違った。

 なんでも、二カ月ほど前に女子フリーターアルバイトさんからオーナーに「もっとお金を稼ぎたいかシフトを週5か6に増やして欲しい」という要求があったらしい。この人手不足の時に彼女要求オーナー的に願ったり叶ったりで、すぐその様にシフトを組み変えた。

 ところが、女子フリーターアルバイトさんは言うだけ言って当日のドタキャンを平気でする。しかも、間もなく女子フリーターアルバイトさんの母親が早朝勤務で雇われると、途端に女子フリーターアルバイトさんは態度を変えて「もう辞めたいです。辞められないならシフトを週1にしてください!」と言い出した。オーナーはその理由がわからず戸惑ったという。ベテランのDさんが円満退職するのが決まって、これ以上人が減ったら店が回らないという危機状態になった頃だ。で、オーナーが頭を抱えていると、女子フリーターアルバイトさんはやっぱり辞めないで働くと言い出したものの「熱が出た」と言い欠勤し、翌週は一回もシフトに入らなかった。

 女子フリーターアルバイトさんの言うことがコロコロ変わった理由は、外野人間(私、Aさん、Dさん、シフトリーダー等)の方がよく知っている。まず第一に、女子フリーターアルバイトさんが誰かに唆されてガールズバーバイトを見つけたこと。第二に、女子フリーターアルバイトさんの母親が早朝勤務で「オーナー夫妻から酷い仕打ちを受け」て腹を立てたこと。第三に、女子フリーターアルバイトさんが些細な事で母親家庭内暴力レベルの大喧嘩をして母親を庇う気をなくしたこと。そして第四に女子フリーターアルバイトさんとその母親が実はコロナにかかっていたことだ。

 ガールズバーと当店でのバイトの掛け持ちというのは、オーナーに知れたらかなりまずい事になるので、我々外野女子フリーターアルバイトさんの為に知っていて黙っていた。コロナの事はオーナーが信じなかっただけで、Dさん調べで仮病ではなくガチだと判ったのだが、個人情報でもあるのでやっぱり話せなかったのだ。

 一方、我々外野が知らなかったのは、女子フリーターアルバイトさんの母親もなかなか常識知らずというか癖が強いというか頭が悪いというか……なんか変な人だったという事と、女子フリーターアルバイトさん母娘がコロナにかかって大人しく欠勤したもの病院受診せず、「コロナにかかったかもしれないか休みます」と言ったきり一方的に二週間ぶんのシフトを蹴った事だった。

 女子フリーターアルバイトさんの母親は、女子フリーターアルバイトさんから半ば強引に当店の早朝勤務に入らされた形で勤め出したのだが、他の仕事(かなり遅くまでかかるらしく、帰宅が0時を回るほどだという)との掛け持ちで疲れてミスをしたとか、仕事を覚えられなくて、オーナー夫妻をイライラさせちゃったのかなと思いきや、オーナー夫妻が怒ったのはそういう事ではなく、女子フリーターアルバイトさんの母親の勤務態度が素で非常に悪いからだった。しかも、女子フリーターアルバイトさんの母親は勤務態度が「最悪」な上に唐突に二週間の休みを取ったものから、その理由(という名の言い訳)「コロナにかかったかもしれない」をオーナー夫妻は信用できず、一層女子フリーターアルバイトさんの母親への当たりをいっそう強めた。そしたら女子フリーターアルバイトさんの母親は突然「もう辞めます明日から来ません」と言って本当に翌日から来なくなった。オーナーサイドではそういう事なのだが、女子フリーターアルバイトさんはその現場を見た訳じゃないから、自分母親オーナー夫妻に理不尽に虐められたと思い、報復意味で「辞めるかシフトを週1に減らす」宣言をしたのだった。

 だが、それから暫くした後、女子フリーターアルバイトさんは母親と下らない事で凄絶な親子喧嘩をしたために、母親を守るのを辞めた。それでやっぱりシフトは減らしませんーと言い出した矢先にコロナにかかったという訳だ。女子フリーターアルバイトさんも母親と同様「コロナにかかったっぽいのでしばらく仕事には行きません。でもお金もったいないから病院には行きません」と一方的に言って欠勤中だ。

 コロナにかかって自主的に二週間休むのはいいとして、言うことを二転三転させたり、訳も言わずオーナーに対してキレ散らかしたりした後で休むと言い出したら、それは気紛れではなく本当に休むべきなので休んでいるのだと、オーナーに信じてもらうのは無理だろう。(そもそも母親感染した時点で母娘揃って出勤停止になるべきだったし……)

 そんな訳で、女子フリーターアルバイトさんのシフトの組み方が彼女感情まかせで、そこにコロナ感染が不幸にも重なったので大変な事になった。オーナーには訳のわからない事件だったが、我々外野の者達にしてみれば、女子フリーターアルバイトさんの感情の動きは明らかで、なるほどそういう訳ねーと理解は出来た(共感はしないし非常識かつ不義理だと誰もが思った)。

 女子フリーターアルバイトさんみたいなのをオーナーが許すようでは他のパートアルバイトも次々と辞めて行ってしまうし私も辞めたくなるだろうが、オーナー人手不足で猫や馬鹿の手も借りたい状況に汲々としつつも彼女に対して本気で腹を立てている。当店のオーナー、案外まともなとこあるじゃん、と我々外野従業員達は胸を撫で下ろしている。とはいえ、まだ当分は女子フリーターアルバイトさんのワガママに総員振り回されることに変わりはないのだが。


 最近夕方辺りに来る常連のおじさん・お兄さんなお客様達がとても物言いたげだ。普段猛烈にダルそうなそぶりで店員の顔など一瞥もせずに買い物をしていく、とある20代後半くらいの男性お客様も、なんか言いかけてやっぱりいいやという感じで口を噤んで帰って行った。女子フリーターアルバイトさんがこのところずっとシフトに入っていないからだ。

 突然長期の欠勤に入る前の彼女の吸引力は凄かった。おじさん・お兄さんなお客様達がまるで誘蛾灯に惹かれる蛾のように彼女にホイホイされていく。男性客の多くが彼女レジしか並びたがらないので、店が混雑していても一緒にシフトに入ってる相棒は暇だし、女子フリーターアルバイトさんに惹かれないタイプお客様達はすいすいと会計が済んだものだ。

 Aさんは、

女子フリーターアルバイトさんと仕事する時は楽でよかったです。俺は一歩下がるだけで客から見えなくなるんで、あとは彼女が全部レジ打ってくれるから

 私は「それなー!!」と答えた。女子フリーターアルバイトさんと組んでる時は、たった一歩後ろに下がるだけで、私の存在は見事にステルスされる。とても不思議面白い光景だ。動画に撮って見せてやりたいくらい。

 女子フリーターアルバイトさんがとても可愛いのは確かなのだが、彼女よりも可愛い人も世の中にはいくらでもいるのに、必ずしもそうはならない。それに女子フリーターアルバイトさんはサボりが多いとはいえ勤続丸二年になるところで、可愛いことにかけては勤め始めてからずっと変わらないので、最近になっていきなりおじさん・お兄さん達を引き寄せまくるようになったのはとても興味深い現象なのだ

「一体、彼女の何があんなに男達を爆釣りさせるんですかね」

「さあ……もしかすると匂い? 若い女の子特有匂いっていうのがあって、それは物凄く人を惹き付けるらしいけど。年齢的にちょうどその匂いを発するピークなんじゃないの」

「言うても俺、全然惹かれないんですけど」

「えー、好みのを問題かなあ、しらんけどw」

 なんてAさんと話したが、我々も女子フリーターアルバイトさんのことをコイツはもうダメだとか思いつつ何だかんだ許容している辺り、彼女にすっかりホイホイされている側なんじゃないだろうか。

2022-08-07

救急車サイレンを鳴らして走ってたんだけどさ

救急車が曲がりたい道をおじいちゃん自転車ゆっくり横断してたんよ

しか救急車は道を譲ってくださいみたいなアナウンスも出てたよ

それまでのおじいちゃん救急車の進行方向は一緒で長い直線道路だったんだから後方からずっとサイレンは聞こえてたはずなんよ

からもし俺なら交差点前で止まって救急車の進行方向を確認するなり一応邪魔にならないように気を配るわけじゃん

おじいちゃんは後ろを一瞥もしなかったよ

当然救急車は一時停止しておじいちゃんの横断を待ってたよ

俺が運転手救命救急でこんなことになったら救命救急のお世話になりそうな年のクセにジジイコラ救急車必要にしたろうかい

って殺したい気持ちになるんよ

でも救急車運転手も命を救うために頑張ってるわけだからこんなおじいちゃんを見てもたぶん殺意なんかわかないんだろうな

俺にはとてもマネできない聖人だよ

おじいちゃんの横断を待ちながら運転手はどんな気持ちハンドルを握っていたんだろうか

あっつい直射日光を浴び対向車線信号待ちをしながらそんなことを考えてた

最近救急車いか熱中症にも気をつけよーね

2022-07-16

anond:20220716003229

利潤を追求すべき民間企業利益ばかり見てるって何?どういうこと?

客は嫌なら買わなきゃいいだけじゃん。アホくさ。

あらゆる企業利益だけ見てればいい。客など一瞥もすべきではない。

2022-05-26

東京にはこんなにも多くの女性が居るのに」

当方弱者男性。先日、野暮用で柄にもなく若者の街である渋谷を訪れた。

仕事は想定より早く終わったので、そこはかとない居心地の悪さから一刻も早く退避するために、さっさと駅に急ぐ。

安物の中華bluetoothイヤホンを耳にぶっ刺して、雑踏をシャットアウトする為のエクストリームメタル大音量で流す。

タイミング良く到着した電車にサッと乗り込む。目の前にあった片手で数え切れる程度の数の空席のうちの一つを選んで座る。

仕事の疲れもあり、乗り込んだ直後には気付かなかったのだが、数分も経たないうちにある違和感を覚えた。

「あれ?この車両女性しか居なくない!?」「やべっ!女性専用車両・・・?」内心、めちゃくちゃ焦った。

かましメタル殆ど聞こえなくなるぐらいまで、イヤホンの音量を一気に下げて、落ち着く為に軽く深呼吸をする。

顔をむんずと上げて、眼球をグリグリ左右に動かして、車窓や壁にその手のステッカーが貼ってないか必死で探すが、まったく見当たらない。

隣の女性も、向かい女性も、自分存在を別段気に留める様子もないが、念の為に「〇〇線 女性専用車両」と手元のスマホググる

「〇〇線の女性専用車両は、平日の7時〜9時半に運行中です。」現在休日夕方。うーわ良かった、やっぱ単なる偶然か・・・

「おい、ビビらせんなよ・・・」と、マスクの中でため息を吐きながら、周りをよく注意しながら見回すと、斜め向かい韓国系黒髪マッシュ男子

(最初一瞥した時点ではショート女性に見えた)が座っており、更にその向こうの出入り口付近には茶髪イケてる感じのおっさんこちらに半分背を向けて立っていた。

要は、焦った俺が自分以外の男の乗客を見落としていただけだったのだが、それを差し引いても、自分含めた男3人以外の乗客老いも若きも全て女性だった。

こんなことあるんやな。東京暮らしはそこそこ長いが、こんな経験は初めてだった。路線時間帯によってはあるあるだったりするんだろうか。

とりあえず一安心すると同時に「東京にはこんなにも多くの女性が居るのに、誰一人として俺の話し相手すらしてくれんなぁ・・・

という、我ながらメチャクチャ気持ち悪いグロテスク思考が、仕事終わりで疲れた俺の頭の中にモクモクと充満し始めた。こらマズい。

「ま、仕事終わりの電車でこんなキモい事ウジウジ考えてる奴、そらモテるわけないわな。」と、他人事のように無理矢理自分自身を突き放した。

気のせいか何だか頭がクラクラしてきたので、耳からイヤホンゆっくりと引き抜いて、眠くもないのに目を瞑って下を向いた。

2022-05-20

anond:20220520150926

最後、優秀な部下くんが死に際の増田一瞥してニヤリとするヤツね

2022-05-08

Pairsは弱者男性素人女性安全性的に消費できる宝庫

※これは内心の自由境界を探るための思考実験です

思考実験と言いつつ、タイトルによりそういった弱者男性を想起させることは加害性が含まれると思うかもしれない。

しかし、それは自身の顔を公開するということの想像力の足りなさを吐露しているだけである

そして同時にその指摘は正しい。


具体的にいこう。

街中で男性に顔を「見られる」ということは、その男性が帰ってからあなた性的なおかずとして消費しているかもという可能性を排除できない。

しかし、その男からあなたに対して、「あなたをおかずにしました。性的に」という申告がダイレクトに来ない限りは本人にはわからない。

本人にはわからないのに、自分キモいと思うおっさん一瞥されただけでその行為想像してしまう。

そう、それを思うことは自由だ。これが内心の自由だ。

内心の自由世間的な道徳に憚れたり違法趣味を持っている者たちのものだけではない。(たぶんここは具体的にロリコンとか言わないと通じないんだろうなぁ…)

内心の自由があるからこそ、客観的な物に頼らない一方的な決めつけができるのだ。

ここでいう客観的ものとは「見られる」という行為であり、まさしく「どんな風に見られたか」となる

そして、見られた側としてはそこに主観的な要素が入り込んでくる。

それは本人の過去経験変数として存在し、誰に、どんな風に見られたかが、快(というよりは何も感じない)or不快を判定材料となる。


そしてその内心の自由故に生まれ感情が多数の支持を得ると、その主観的な判定が客観的価値観アップデートされる。つまり基準となる。

これを繰り返していくことで世の中が良くなっていっているはずなのだが、ことジェンダー問題になると女性男性過去に受ける経験が違いすぎてすれ違いが起きる。

最近のたわわ問題絶対に分かり合えていない状況になっているのは、極論、痴漢経験あるかないかの違いでしかない。(あってもたわわ広告に賛成している人は一旦置いておきます

痴漢っていうのは本当に性的な消費ももちろんだが、一番キレたくなるのは後から「人として舐めてきやがったなこのクズが…」ってなること。

人権蹂躙なんですよね。自分尊厳を守るためにたか痴漢してきた奴を殺したくなるくらいには。

これがバカな男には語ってもわからないんですよね。

そしてそれを経験したことが「ない」男性経験をわからないバカな女ととも、想像力不足なんですよね

そしてだいたいの人はバカなんでもう無理なんですよねぇ。

もう途中からなんか悲しくなってきて口調変わっちゃったよ。

なんだっけ、そう、相手気持ちを考えましょうってことが言いたかったです。

2022-04-25

anond:20220425164622

字がきれいな人って他人の字についてもハードル高めなことあるよな。

普通に読める程度のヘタ字でも一瞥しただけで「なにこれ?なんて書いてあるの?読めないよ」って平気で言う。

2022-04-21

たわわ炎上の件

実は裏で炎上を焚きつけていたのは編集部でした。

ってオチは無いのかな。

誰が買っているかもわからず、広告なんてほぼ一瞥して気にも留めない。

いい年した大人があれみてたたわを買うはずもない。

そんなことが分かり切ってる広告に2500万円も使ったのって、

必ずバズるって確信があったからじゃないのかな。

かな。

2022-04-17

ステレオタイプ同盟真実想像

国連ビルの地下37564階。聖堂を思わせる巨大な空間入口正面の壁に大きく描かれた、「去勢された男性」と「乳房ペニスを持つ女性」が手をつなぐ姿を図案化した紋章が、二本のかがり火に照らされている。紋章に向かって無言で跪く、黒いマント金属製仮面、そして左右に突き出し長大な肩パットで全身をくまなく覆った人物。背後からそれを見守る、側近らしき小柄な老人)

(ひどい音を立てる金属の扉を開いて、ローブに身を包んだ人間が入室する)

構成員「失礼いたします!」

側近「何事か。総帥祈り時間邪魔するとは」

構成員申し訳ありません。しかし、このようなものが、かの国で……」

構成員から、一枚の新聞紙らしきものを受け取る側近。内容を一瞥して目を見開く)

側近「……極東支部の“ロータス”はどうしておる」

構成員「既に情報工作を開始しているようですが、なにぶんネット世論の反発が大きく……」

側近「ううむ……そ、総帥尊い祈りを妨げることをお許しください……火急の事態につき、どうかこれをご覧いただきたく」

総帥「…………」

ゆっくりと立ち上あがり、震える側近の手から新聞紙を受け取る総帥。広げてみるとそこには、紙面いっぱいに描かれた、発達した胸部を過剰に強調した制服姿の女子高生マンガ絵――全面広告がある)

総帥「……………………」

(黒い皮手袋に包まれ総帥の手の中で、不可視作用により新聞紙がひとりでに発火し、瞬く間に燃え尽きる)

側近「よもやニッケイが裏切ろうとは……これは“計画”を前倒しせねばならぬようですな」

総帥「…………(無言で頷く)」

側近「幸い、例の紛争に気を取られている今、米軍によるかの国の護りも手薄となっていることでしょう。好機かと存じます

総帥「…………(行け、というように指を振る)」

側近「かしこまりました……皆の者に伝えよ!これより我らU∴S∴T∴Aは、“オペレーションリビドーブレイク”を発動する!手始めは、冒涜魔都アキハバラの“浄化”だ!」

構成員「はっ!」


(側近と構成員が足早に立ち去り、静寂を取り戻した祈りの間。再び紋章の前に跪き祈りを始める総帥。その仮面の奥からかすかな囁き――歌のようなもの漏れる)

総帥「……タワワ、タワワ、タワワ……」

2022-03-30

役場の窓口

自分自身も昔バイトで窓口対応やってたし、接客業の9割は丁寧でまともってのもわかってるけど、1割ヤバいのがいるのは事実で。

で、今回一割に当たってしまった。

前回対応してくれた人は凄く丁寧に教えてくれて感動したくらいなんだけど、今回は違って。

書類一瞥して、添付資料に不備がありますお引き取りください、とのこと。

悪いのは添付書類に不備があったこちらなんだけど、(1時間待たされて30秒で終わりとかマ!?と思いながら)では、再度持参します、つったら今日はもう来ないでください、だって

単に面倒な案件から関わりたくないだけじゃねーのか、とか、前相談した時はそんな資料聞いてねーぞ、とか言いたいことはあったが、向こうも悪意があるわけじゃないので飲みこむ

「ではこの件について少し確認したいことが」「その場合は予約を取り直して、日を改めてお越しください」「…!」

いや、丁寧に答えてくれた前の担当者おかしくて、この人の対応が正しいんだろう。

いや、でもコレ前の担当者とか郵送なら普通に受付てくれたんじゃね…?不足分は事後提出とかで…つーか、不備がないか確認してもらったり教えてもらうのに窓口に来てるんだから内容も確認してくれよ…と思うが仕方ない。


ただ、最初あんなヤツ二度と関わりたくね~!別の窓口探そ…と思ってたが、だんだん、意地でもアイツに書類受け取らせちゃる~!っつーよくわからん決意が沸々湧いて来ちゃってる

多分スゲー嫌な顔されるわ…

2022-02-26

まらん切り抜き動画ってこうやって生まれるんだな

配信の切り抜き動画流行りだけど、それを仕事でやる機会があったのね。

趣味で切り抜きやってるから勝手がわかってるんだが、まぁ発注側が肝心な所をわかってない。

「1日5本はマストで!」とか言うんだけど、切り抜き対象配信者がそんな面白くないのよ。

からこそ切り抜きで認知度アップ!って仕事なんだが、つまらん素材からそんな数こなせるわけねぇだろ。

トップクラスゲーム実況者とかVtuberに慣れるとつい忘れがちだけど、撮れ高の数が異常なんだよ連中は。

1時間雑談配信でも5個、いや10個くらいは切り抜き動画が作れるレベル

それに比べてつまら配信者ってのは、ほぼ無言でゲーム画面を垂れ流してるだけで、2時間やって1個も撮れ高が無いなんてざらだ。

なのにノルマを課すって無茶すぎるだろ。

まぁいいよ、そんなに数が大事ってなら、カルピス薄め過ぎてほぼ水になってる切り抜き納品するから

それで文句言ってこなかったらウケるけどw

でも視聴者はわかるからね、手抜きの切り抜き動画って。

やっぱ有名な切り抜き師って素材の見極めが上手いのよ。

それでカット編集テロップも丁寧なんだから、そりゃ伸びるって。

一番わかってねぇなコイツってなるのは、「ただ切り抜くだけなら誰でも出来る」って言い草な。

「なので編集で差を付けたいですね」とかいう。

まぁ確かに切り抜きは編集技術的には誰でもできるよ? でもそうじゃないんだよ。

切り抜きってのは素材選び&並び替えで9割決まると言っても過言じゃない。

大切なのは編集ソフトの扱いじゃねぇ。面白い場面を感じ取るセンスだ。

なんかカッコいいオープニング映像こそが編集技術だと勘違いしてる奴もいるけど、

そんなもんは編集者のオナニーだし、素材の持ち味を活かすことが編集技術なんだよ。

つーか切り抜きにオープニングとかいらねぇ。飛ばすわそんなん。

それで更に呆れたのは、数こなすために「サムネテンプレでいいです」とか言うわけ。

あのさぁ、お前は一回バズってる切り抜き見てこいや

どんだけサムネタイトルが凝ってるか知らんのか?

しろサムネタイトルで決まるだろYouTube動画って。

量産したい目的が先行しすぎて、おろそかにしちゃいけない部分を軽く見すぎなんだよ。

仕事として発注する側がこんなんじゃ、ファンが作る切り抜きに勝てるわけねぇって。



追記

nikunonamae そのつまらない切り抜き動画公式チャンネル投稿されるのだろうか。ひょっとして制作経緯を隠し、ファンを装って投稿するのだろうか。

あなたいねwwwタグが「下衆の勘繰り 」になってるけど「シャープ着眼点」だよ。

どっちかは明言しないけど、最近流行りの手口は「ファンを装ってアップ、または"公認"としてアップ」だ。

"公式"じゃない所がミソ。不思議なんだけど、公式自分で「おもしろ切り抜きです!」ってやると微妙に見る気が削がれるんだよね。

by-king そもそもその人の面白い部分があるから切り抜くのであって、無いなら普通は切り抜きは作られないのであって、面白くないのに作る時点で本末転倒なんよな

これウチの担当者に見せていい?w

"面白くないのに作る時点で本末転倒"って部分を切り抜いて100回読ませたい。

shima7 切り抜きの仕事って聞いて編集作業だけ想像したけど、つまら配信時間も見なきゃいけないってストレス相当やばそう

大正解~。編集は速攻で終わるから何とも無いけど、アーカイブの消化が地獄すぎる。

デュアルモニターで4窓&1.5倍再生で見所を探してる。途中で飽きて好きな配信者見ちゃう

音声が多重になって聞き取れないんじゃないの?って話だが、そこはほぼ無言配信なので無問題

mutinomuti お客さんに説教はできんよなあ(´・_・`)説教した所で素材が面白くなるわけでもないし、面白くなる提案ができるわけでもない訳で。できるなら自分でやった方が儲かる訳で

懸念点を一通り伝えたんだけどね~。ノルマに頭がいっぱいで聞く耳を持たれませんでしたよ。

立場上強く言うわけにもいかんし、言っても無駄だと思ってしまった。

demakirai テレビバラエティがどれほど優秀なコンテンツか再認識させられるいいきっかけになった。どんだけクソつまんないエピソードトークでもmc編集がチーム戦の力技で笑いに持ってくんだもの

それはネット動画制作をしててホント思うね。バラエティフォーマットがまず優秀。(Vtuber大手パロディしてるよね)

逆に言うと配信者1人で面白くしてる奴はやっぱすごいよ。一人でラジオ番組成り立たせるようなもん。

narukami 自分ランサーズとかで募集されてる奴を連想したので一瞥しただけでクソ仕事ってわかるやつに応募した上で愚痴を言うのはどうかなみたいに思ってしまった そういうのじゃなかったら頑張って編集で盛ってください

はい(真顔)。とはいえいくらなんでも「本当に大事なことは何か」がわかってなさ過ぎてイラついてしまい、愚痴を書いてしまった。

よく「ただの愚痴が注目されるとは思わなかった」って追記する増田いるけど、今その気分。

2022-02-22

橋の上から見た川は雪に覆われ、乱反射する日の光は無数の粒となってきらめいている。その上を通っていった何かの足跡が、蛇行しながら切れ目なく続いている。キタキツネか犬が夜明け前に現れ、またどこかへ去っていったのだろう。

こんなところにオメガラーメンはあるのか。

麻布十番の店はシャッターが閉まっていた。貼り紙も何もなかった。あの味は永遠にこの地上から失われてしまったのか。喪失感にさいなまれ続けるよりは、かすかな希望にでもすがって失われたものを追い求めた方がよい。とは思っていた、が。

噂だけを頼りにやってきた土地。雪原。夏の間は田んぼか畑なのだろう。トタン屋根木造の物置か家かわからないものがまばらに建っているほかは何も見当たらない。道路は山に向かって真っ直ぐ伸びているが、車は通らない。雪で段差のわからない歩道を歩く人もいない。

雪を踏みしだく自分足音以外に音のない世界。冷気が頬にひりつく。マスクを顔からはがすと、自分の呼気で湿った内側からすぐに凍り付いて固くなる。

茶色スズキアルト。路肩に止まって。テールランプの点滅。道から少し離れたところに、髪を後ろにまとめたロングコートの人が、こちらに背を向けてしゃがんでいる。近づいていっても動く気配はない。

すみません

「あ、すみませんちょっと待って」

その女性は立ち上がりざまにスカートパンツをたくしあげてからこちらを向いた。足元の雪には、黄色い尿が深く穿ったばかりの穴があいていた。

すみません、このへんにラーメン屋って」

「ありますけど、歩くとちょっと遠いですよ」

「どれくらい……」

「10km?」

「……」

「今行くところなので……乗ります?」

「すいません」

車は山に近づき、周囲が針葉樹林に変わり始めたあたりで脇道に入ると、木造小屋の前で停まる。小屋の壁からは黒ずんだL字型の煙突が出て細い煙が立ち上る。ガラス引き戸を開けて女性が入っていく。

「ばあちゃん、お客さん!」

小屋の中心には大型のストーブがあり、中は暑いほどだ。小さなカウンターの向かいは小上がりになっていて、樹脂製の天板を金属で縁取りした座卓が置いてある。

カウンター席に座ると、毛糸チョッキを着た老婦人が現れ、こちらを一瞥してから、車を運転してきた女性の方を訝しげに見る。

「お客さんだよ!」

「あら。いらっしゃいませ」

「すいません、オメガラーメンありますか」

「あ?」

「オ メ ガ ラー メン!」

はいオメガいっちょう」

油っぽい台の上のテレビがつく。また誰かの車がコンビニに突っ込んだらしい。店内に半分以上めりこんだ車体。散乱するガラス片。

さっき乗せてくれた人は店主の孫かなにかなのだろうか。割り箸の束を出してきて補充したり、カウンターをふきんがけしたりする。戸が開いて、海老色のジャンパーにニッカズボン姿の二人連れが入ってくると、いらっしゃいませええと声をかける。二人連れは小上がりに座る。孫は注文を取りに行く。

味噌大盛ー オメガ大盛ー」

店主は寸胴鍋からアルマイトのひしゃくで黒い液体をすくい取り、丼に注ぐ。湯気が立ち昇る。

出てきたラーメン東京でよくあるオメガ系のラーメンとは少し違っていて、輪切りのネギと肉厚のチャーシューが大量に載っていた。黒いスープは今まで食べたオメガ系のどのスープよりも熱く、油の層が表面を完全に覆っていた。北国にありがちな昔懐かしい醬油ラーメンに、どことなスパイシーな風味が混じっていた。チャーシュートロトロに柔らかく、甘辛く仕上がっていた。

食事を終えて店を出ると、外は吹雪いていた。地面から吹き上がる粉雪。前を向くと顔に雪が吹きつけて歩けないので、うつむいて頭を前に突き出すようにして進んだ。歩けば、市街行きのバス停があるだろう。歩き続けることができれば。

背中の方からクラクションの音。振り返ればヘッドライトに照らされて。茶色アルトの窓が開く。もの問たげに見つめてくる目。

すみません。行きも帰りも」

バス夕方まで来ないから、駅まで行った方がいいですよ。この吹雪だし」

ワイパーはひとときも停まらずにフロントガラスの雪を掻き落とし続けるが、数メートル先は真白で何も見えない。何の番組かわからないラジオの音がかすかに聞こえる。

「次の列車は二時半だから、待合室にいるといいですよ」

ありがとうございます

車はすぐに白の中へ飲み込まれる。

辺り一面真白で、何も見えない。風はさらに強まり、歩き回ろうとするとなぎ倒されそうになる。もう一度辺りを見回す。駅らしいものは見当たらない。白。白。白。食後の身体の火照りはすでに取れて、雪の冷たさをじかに感じ始めた。

2021-12-26

クリスマスに一人で映画を見にくるオジサンは罪ですか

40代独身男。

さっき映画を見に行った。クリスマスに一人で。

世界的大ヒットを記録した某人気シリーズの最新作で、

見るのをずっと楽しみにしていた一作だった。

ある程度予想はしてはいたが、

都内の某TOHOシネマズもの凄い数の人であふれ返っていて、

そのほとんどがカップル家族連れ。

俺はそういう幸せをもうだいぶ前に諦めた弱者男性だけど、

やはりこういう光景を見せられると少し気が滅入る。

からサクッと映画見て足早に帰ろうと思ってた。

で、映画が始まる10分ぐらい前に席に着いたんだが、隣が若いカップルだった。

男女とも20代後半ぐらいだろうか。隣に座った男から安っぽい香水香りが漂う。

二人はなんだか会話がぎこちなく、まるで今日が初対面みたいな雰囲気だった。

(何かマッチングアプリの話をしていたので本当にそうなのかもしれない)

女の方はテンションがあまり高くない様子で、男の話に淡々と相槌を打っていた。

明らかに気まずい空気が流れており、男がポップコーンハイペースでむさぼる音がそれを物語っていた。

共通話題を探そうと必死だったのか、男の方が場内の客席を見渡して、女にその様子を実況し始めた。

やはり男女ペアで来ている観客が多いようで、さすがクリスマスだね〜なんてたわいのないことを話してた。

すると男が隣に座った俺を一瞥して、「なんか一人で来てるオジサンいるんだけどw」とボソッと女につぶやいた。

俺がハッキリ聞き取れたぐらいだから、わざと聞こえるように言ったのかもしれない。

こっちをチラッと見た女と一瞬だけ目があった。

女は少し吹き出して俺から目を逸らし、「やめたげなよw」と男の肩をポンと叩いた。

たったこれだけ。たったこれだけのことなんだけど、

なぜかすごくつらくて、悲しくなって、自分がどうしようもなくみじめな存在に思えてきて、

映画が始まっても全く内容が頭に入ってこなくて、

それで映画が始まって暫く経ってから、席を後にした。

映画館の外はたくさんのイルミネーションが輝いていて、

大勢カップルたちが自撮りで盛り上がっていた。

あの場で笑ってなかったのは俺だけなんじゃないかと思うぐらい、あまりにも場違いだった。

急に顔から火が出るほど恥ずかしくなって、下を向き早歩きで駅に向かった。

まるで盗撮で捕まった性犯罪者のようなみじめな気持ちだった。

映画を楽しんだ後はコンビニで酒とケーキでも買って帰るつもりだったが、

もうコンビニに行ける精神状態でもなかった。一刻も早く誰もいない部屋に戻りたかった。

部屋に入り、真っ先にぐしゃぐしゃになった半券をゴミ箱に捨てた。

大好きだったシリーズだけど、おそらくもう見ることはないだろうなー

2021-12-23

仕事やってるフリ」ばかりしてた人の話。

https://blog.tinect.jp/?p=74400

採用をしていると、

「この方は、「仕事やってるフリ」ばかりしてたのでは」

と感じるときがある。

特に仕事の成果について聞くとき、これは顕著だった。

例えば、前職がマーケティング仕事だった、という方。

彼は、「コーポレートサイト改善し、お客様に使いやすサイトを実現しました。」とアピールしていた。

そこで、我々は

「具体的には、「使いやすい」とは何を意味しているのですか」と尋ねた。

彼は、戸惑ったような表情を見せたが

「見やすかったり、わかりやすかったり、という意味です。」

と言った。

なんとも、抽象的な話だ。

そこで、我々はもっと具体的な意見を求めるため、自分たちコーポレートサイトを見せた。

「では、このサイトを見てアドバイスいただきたいのですが、これは「見やすい」ですか?そうでないなら、具体的な改善事項を指摘してください。」と要求した。

しばらく後、彼はモゴモゴ何かを言っていたが、結局

「見やすいと思います。」と言うだけで、意見らしい意見はもらえなかった。

結局、彼を採用することはなかった。

彼の言動から、「仕事やってるフリ」の人である判断されたからだ。

企業教育」に携わっていた、という方がいた。

彼は「研修などを通じて、活躍できる人材を送り出すことに、価値を感じていた」と、前職での仕事アピールした。

そこで我々は、「どのような研修を行っていたのですか。」と聞いた。

彼が主に担当していたのは、新任向けの「管理職研修」と、新卒採用後の「新人研修」だった。

知識を与え、同じような立場の方々とディスカッションすることを目的としたという。

そこで、我々は

研修の成果をどのように定義していましたか活躍できる人材とは、どのような定義でしたか。」

と、彼に尋ねた。

彼は言った。

「受講者にアンケートをとっており、高い満足度を実現できるようにしていました。」

しかし、考えてみれば「研修満足度が高いこと」は、「活躍できる人材を送り出すこと」とは全く異なる。

我々は、それを彼に指摘した。

「どうなんでしょう?」と。

彼は

「そうですね。ただ、研修を受けることで、知識やほかの人の経験を共有できるので、効果はあったと思います。」

と言った。

表層的な回答だ。回答になっていない。

「この場で考えてくれてもいいですよ」と勧めたが、彼は考えず、答えられもしなかった。

から結局、彼も採用には至らなかった。

彼も「仕事やってるフリ」の人物だと判断されたからだ。

昔、研修サービスを売っていた時に、クライアント一社に、

研修効果測定を、1年程度、モニタリングしませんか。費用は要りませんので。」

と持ち掛けたことがある。

実際、どの程度役に立っているかどうかを知ることが先決だったので、費用をもらわずともデータが採れれば良い、と思ったのだ。

だが、帰ってきた反応は予想外だった。

その方は人事担当役員だったが、面倒くさそうに私を一瞥し、

「忙しいからねぇ」と言った。

他に声をかけた多くの会社でも、やはり同じような反応だったため、なぜ研修効果測定を真面目にやろうとしないのか、私は不思議だった。

そんな時、私の大学時代の知人が、ある大手企業で人事をやっていると聞き、現状のヒントになればと

企業研修効果測定について、話を聞かせてくれ」

と彼に連絡を取った。

久々に再会した知人は、率直に話してくれた。

「いやー、「忙しいからねぇ」というのは、まさに本音だよね。」と。

私は尋ねた。

本音といっても、研修にこれだけお金を使っていて、「忙しいか効果測定はしない」じゃ、まずいだろう。」

知人は迷うことなく言った。

余計なお世話なんだよ。たぶんそういう人たちは「研修満足度が高くて、参加後のレポートを書いてもらえれば、それで十分」と思ってるよ。」

「なんで。」

「余計な仕事が増えるからさ。」

効果測定は「余計な仕事」なのかい。」

「もちろん。だって効果がない」と分かったら、場合によっては研修を取りやめないといけない。予算も削られる。だいたい、研修やってさえいれば人事は「仕事やってるフリ」ができる。」

私は知人が皮肉を言っているのかと思ったが、彼の目は笑ってなかった。

私はようやく理解した。

「ああ……なるほど。そういうことね。」

コンサルタントをやっていて、驚いたことの一つは、上のように、「仕事やってるフリ」をしている人が、かなりいる、という事実だった。

もちろん、「成果」が定義しにくく、「ひとまずやってみよう」という活動があることは理解できる。

しかし、成果を熟考する取り組みさえ行っていない方も多く、「なんのための仕事?」と首をかしげることも多々あった。

ピーター・ドラッカーは、「成果をあげる8つの習慣」を著作の中で紹介している。

(1)なされるべきことを考える

(2)組織のことを考える

(3)アクションプランをつくる

(4)意思決定を行う

(5)コミュニケーションを行う

(6)機会に焦点を合わせる

(7)会議生産性をあげる

(8)「私は」でなく「われわれは」を考える

もちろんこれは、多くの人にとって「もう知ってるよ」と言われてしまうくらい、単純なことだろう。

だが実践である、「成果にこだわりぬいて仕事をすること」は、とても大変だ。

疲れる。きつい。ドキドキする。失敗して怒られるかもしれない。

うまくいかない事の方が圧倒的に多いし、そもそも成果とは何なのかを定義するのも、簡単仕事ではない。

しかも、「成果は何か」を追及すると、疎まれることすらある。

意識たけーなー」と嘲笑され、「何ムキになってんの?」と蔑まれることもある。

しかし、だからといって「仕事やってるフリ」ばかりしていると、キャリアチェンジはままならず、収入も伸びず、組織から「飼い殺される」人生が待っている。

そうなった果てに言われるのは、「お前は単なる作業者で、頭を使う必要はない」だ。

そうなりたくないならば。

若いころから、成果を意識し、成果を追及する技能を身につけるしかない。

それには、たくさんのチャレンジと、失敗が必要だ。

成果とは何かを理解しなければならない。成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである

すなわち、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないということである

それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。成果とは打率である

真剣打席に立った時のみ、成果をあげる技能が身につく。

成果について熟慮したときのみ、成長という、自己革新が得られる。

から仕事やってるフリ」は、今すぐ、やめたほうがいい。

2021-11-14

副業

先週の帰宅間際、総務から妙なメールがあった。

「(重要副業について」

シンプル題名メールだった。

プロを名乗って営業や助言をSNSで繰り返す事は、無報酬でも副業になる可能性がある

・名乗らなくても、副業にあたる行為はある

副業をしている場合は、副業申請は必ずする事

就業時間中の副業は認められない

業務上知り得た内容を利用する副業は認められない

・月曜午前中までに、上長職員聞き取りし、副業と疑われる行為がないか確認すること

そんな内容だった

ふーん。何かあったのかな。

一瞥して、どうでもいいかと帰ってすっかり忘れていたけれど

気が付いてしまった

俺、ツィッタープロだった。

プロを名乗っている

月曜日上司に言うべきなのか

コレ

私はツィッタープロで、王様として美味しいご飯のお店ツィートしてますって

まー、俺は言わないけどな

でも誰か総務に聞いて欲しいし、総務はフィードバックを全社員に返して欲しい

2021-11-09

豊かさの話で貧困層ガーっていうの

都会の高校生が「これ以上の豊かさはいらない」って言ったのは、環境問題に対する意識に起因するものだけど、さらに、富裕層の豊かさが貧困層の苦しみを強めている可能性を一瞥して、(豊かな私たちが)それなりの暮らしをして(貧しい皆さんも)それなりの暮らしをできるようになる方がいい、みたいな話なんかと思った。(ここまで勝手拡大解釈)

環境世代倫理に触発されることは特に違和感がないし"理想的には"再エネで賄えたらいいけどそれにはいろいろ追いつかないか改善妥協案を双方模索するのがいいのに、「火力止めろ」は安直すぎるしそれに「世間知らず…ww」で終わるのも虚無

2021-07-22

障害児学級の記憶

小山田氏の解任問題を見て、自分にも差別意識があるのだと気づいた瞬間を思い出した。

通っていた小学校には障害児学級があった。

3階が2年生、2階の1年生、1階が障害児学級のフロアだった。

当時小学2年生だった私は、先生から水やりをするための水を汲んで来るように言われ、校舎へ向かい障害児学級のトイレ一瞥し、3階の2年生トイレまで駆け上がった。

かなり遅くなった事を先生に問われ、

「一階のトイレを使ったらもう少し早かったね

どうして使わなかったの?」

というような事を言われた。

「他の学級のトイレを使ってはダメからです。」

と答えた記憶がはっきりとある

けれど、その時私の心の中にあったのは 

障害児学級のトイレを使いたくない”

という、明らかな差別感情だった。

もし一階のトイレが1年生トイレなら、私はそこで水を汲んでいたという確信があった。

インフルエンザ流行る時期だったこともあり、言い訳先生は納得してくれたが、自分の心の内にあった差別感情に気づいてしまった事がすごくショックだった事を覚えている。

障害児学級に通う友達の弟とは仲良く遊んでいたし、縦割り班の中にいたダウン症の子とも仲良くできると思っていた自分差別意識があった事がショックだった。

小山田氏のようにその差別意識を実行にうつしてしまい、それを反省せずに大人になるのは許され難いことだが、心の中で小さな感情を抱き続ける人もいる。

絶対に加害しないし、言葉に出すことはない。

困っていたら手伝うし、点字ブロックの上にある自転車も気付けば動かす。

けれど、心の中で「障害者だな」と思ってしまうだろう。果たしてこれは差別なのか、ただの認識なのか。

どこから差別にあたるのだろうか。

私は未だに分かっていない。

2021-06-18

常駐先から私用アプリログを突きつけられた

昔、IT営業をやっていたことがあった。

IT営業といっても自社で開発していたわけでなくプログラマーとかテスター顧客会社に常駐させるだけの楽な仕事だった。

ある日、大口顧客担当者からちょっと来てほしいと連絡があった。

そして会議室ノートPCの画面でアプリログを見せられた。

僕は技術者ではないので最初ログを見ても内容がよくわからなかった。

から担当者に「御社社員達が使っていた私用アプリログですよ」と言われてやっと事態が飲み込めた。

うちの会社社員達が常駐先のPC勝手に私用アプリインストールし、仕事中に遊んでいたのだ。

ログは膨大な量で日時も細かく記録されていた。

その日時はほとんど仕事をしないで遊んでいたと言われても仕方のない間隔でしか長期間だった。

その担当社員部署に常駐している社員達だけでなく、別部署に常駐している複数社員もやっていた。

とても営業一人で対応できる内容ではなかった。とりあえずのお詫びをし、後日改めてお詫びに伺うことにさせてもらった。

ログコピーさせて欲しいとお願いしたが断られた。ログは別部門から提供されたもの社外秘情報が含まれるので渡せないと言われた。

私用アプリで遊んでいた社員達を常駐先での業務終了後にうちの会社に呼び出し、社長を交えて話をした。

社員達は遊んでいた事実は認めたものの、1人の社員プライバシーがどうのこうの言い出した。

まり私用アプリログ勝手に取るのはプライバシー侵害ではないかと。

それを聞いて腸が煮えくり返るのを感じた。あんなことをしておいてプライバシー?

僕がそれを口に出す前に社長の怒鳴り声が響いた。

温厚な社長があそこまで怒るとは思わなかった。後から思えば社長はあの時点で会社がどうなるか予想できていたんだろう。

社員達にはアプリアンインストールしてちゃん仕事をするように指示した。

なぜすぐにクビにしないんだ?と思う人がいると思うけど常駐先での引き継ぎが済むまではクビを匂わせることもできない。

クビだと聞いてもし常駐先をバックレられたら取り返しがつかなくなるから

僕と社長がお詫びに伺うと常駐先は各部署の担当者とその上司達が出てきた。

彼らは怒ることもなく淡々社長ノートPCログを見せた。

遊んでいた人達には引き継ぎが済み次第、お引取り願いたいと言われた。

そこまでは想定どおりで僕は準備しておいた「再発防止策」と提案する代替技術者資料をお渡しした。

しかし、代替技術者は既に手配済なのでいらない、懸命に作成した再発防止策も一瞥されただけで説明などできる雰囲気ではなかった。

遊んでいた技術者達は常駐先から放り出された順にクビだからどうでもいい。

問題は他の社員達だ。うちの会社ほとんどの社員をここに常駐させていた。

もしこの事件によって会社ごと切られたら会社が立ち行かなくなってしまう。

翌日から楽だった僕の仕事新規開拓というつらい仕事に変わってしまった。

それまでも新規開拓はやっていたもの大口顧客存在があったので正直、真面目にやったことなんてなかった。

新規開拓に苦戦している間にプロジェクト終了のたびに待機社員が増えていった。

以前ならプロジェクト終了しても切れ目なく別部署仕事を紹介してくれていたのに。

顧客担当者達はみな「お願いできる仕事がありません」とは言うもの会社ごと切られたのは明白だった。

社長と共に何度も顧客の説得を試みたが相手にされなかった。

僕は社長がもう給料を払えないと言った時に退職した。もちろん退職金なんてなかった。

それから長い間、会社のことは一切考えないようにしていた。

でもある日、ふとしたはずみでPCブックマークされていた会社ホームページクリックしてしまった。

そこには予想してはいもののずっと直視したくなかった現実があった。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん