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2020-09-14

anond:20200914190022

一瞥して褒めただけで、その後スマホ見てたのが気に入らなかったみたい。

正直、あれだけ金掛けるほどの価値あるのかなっていつも思ってる。それが態度に出ているのかもしれない。普段髪型で充分なので。

2020-08-28

ケノーシャ銃撃事件

ウィスコンシン州で、自称自警団少年(17)がデモ参加者?と揉めて最終的に発表した事件について。昨夜から、大量のアカウントが一斉に「少年正当防衛だ!」と同じ主張を声高に叫んでて大変奇妙に感じる。…とともに、同時にアップされる動画を見てある種の納得を感じてる。「ああ、あっち寄りの人からは、これが『大量の黒人に襲われて殺されそうになった哀れな少年』に見えるのだな」と。

動画は、BBC等が報じたニュース映像があちこちでアップされてるから、実際に見てみてほしい。たとえばこれ。

https://www.youtube.com/watch?v=39BpJ7juniE

以下、私が見て率直に感じたことを述べる。

・冒頭、突撃銃?を肩がけした「少年」が右から走ってくる。銃が重いからか、「少年」の足取りはやや重い。

・一、二度「少年」が振り返る後ろから左手に布のようなものをもった小柄な人物Aが追いついて(かなり全力で走ってきている)少年背中を空いた右手で叩く。

・向かいから来る人々は「何だ?」という表情。動画以前に、はるか右後方で、何かトラブルがあったように見える。(これが何かは分からない)

最初のAは、少年を叩いたところで力尽きたか画面左にはける。入れ違いに、7~8人の人々が右手からいかけてくるが、Aほど全力疾走ではない。

・次に追いつく人物Bは右手スケートボードらしきものをもち、「少年」接触シーンが手前の人物のせいで見えないが、その後、Bが左手にはけて、スケボーを拾っているように見えるので、おそらくそれで「少年」を叩いたのではないか

「少年」さらに数メートル(5~7歩)走ったあと、何もない所で転ぶ。疲れで足がもつたか、直前叩かれてバランスを崩したかは分からない。両方かもしれない。

・転びざま向き直って、座ったまま、少年は近寄ってくる最初の人Cに銃を向ける。C、それから続いて近寄ったDが銃口を見て飛びのく。

・それに気づかず走り込んできたEは倒れている少年に飛びかかるような形となり、少年が反射的に発砲1。←ここで止めていれば、まだ過剰防衛くらいのラインで押せたかもしれない。

・次に発砲を見たスケボーのBが少年に飛びかかり、銃を奪おうとするが果たせず、その時におそらく発砲2、少年のもとを離れ数歩歩いたBは道端に倒れる。←殺意

・更に、後から走り込んできたFがBが退いた後銃を押さえようと近づいたのに対し、威嚇から発砲3される。 ←殺意

・遠巻きになる人々。少年は銃で周囲を威嚇しつつ立ち上がり、立ち去る。

 

以上は、私の「感じ方」だが、明確に感じたのは少年の「恐怖」ではなく、素手でかかってくる周囲の人々に対する少年の「逆上」「悪意」の方だった。「オレに手出しするなら、お前らは殺されて当然だ」みたいな心中が聞こえてくるような様子だ。発砲時も少年パニックを起こしているようには見えないし、その後も十分冷静で、「恐怖」は感じられない。立ち上がった後の傲然とした様子、自分が撃って道端に倒れている人間一瞥だけして去る様子などを含めて。

正直、あの動画を見て、「少年かわいそう…」と思うのは相当無理である。まして、有色人種である側の我々としては。それに対して日本語で、「一斉に」「大量に」「似たような内容の」擁護ツイートを繰り返す人々は、一体何をどう感じているのだろう。そこに、大きな違和感を覚えている。

2020-08-20

キャバクラ面接に行った話

10年前の今日

私が24歳の頃、池袋西口キャバクラ面接に行った事がある。

大学卒業後、アルバイト転々とするが何一つ長続きせず、消費者金融から20万円ぽっち借りただけですぐに借りられなくなった。

親には何度も泣きついて、ついに「もうあげられるお金はないから、地元に帰って来なさい」と最後通告されてしまった。

私はどうしても田舎に帰りたくなかった。

もう私にはキャバクラしかない、と思った。

アルバイトも長続きしない人間が、キャバクラ接客なんてまず出来ないのは明白だが、人間窮地に追い込まれれば出来ない事はないと当時の私は思った。

ならしっかり定職に就けば良いものを、地道に働くより短い時間で沢山稼ぎたいと欲だけは深かった。

昼のアルバイトが続かないなら、夜のアルバイトなら続くかも?というよく分からない希望もあった。

インターネットキャバクラ求人サイトで歩いて行ける池袋西口の店に早速面接の予約をした。

何故そこにしたかと言うと、歩いて行けるけどバス電車を使ったと申告すれば交通費をチョロまかせると思ったからだ。(当時キャバクラに送迎がある事を知らなかった。浅はかでみみっちい考えである。)

面接日はすぐに決まった。

面接当日、お店のドアを叩くといかにもという感じのスーツ男性が迎えてくれた。

40歳くらいだろうか、龍が如くに出てくる人だ。

オープン前の店内は薄暗く、並べられたボトルとシャンデリアだけがボヤッと青白く照らされている。

大きな黒い皮張りのソファに、何だか汚ならしい女が座っていた。

顔はどう見ても50過ぎのおばさんだが、赤いペラペラドレスを着て、白髪まじりの髪を無理矢理ブリーチした金髪は綺麗に巻いてある。

こちらに一瞥もくれずに煙草をふかしていた。

時折カウンター作業している若いボーイに怒鳴るように話し掛けているが、ボーイは何も返さなかった。

この店のお局だろうか。私はきっとあの人にいじめられるだろう。とまだ面接もしていないのに不安だけは募る。

おばさん嬢から少し離れたソファに案内され座ると、先程カウンター作業していた若いボーイがスッとドリンクを出してきた。

カクテルグラスにオレンジ色の液体、カットされたオレンジが刺さっている。

アルバイト20件以上転々とした私でも、面接にこんな飲み物を出されたのは初めてだった。

口にしなかったので今となってはあれがオレンジジュースだったのか、お酒なのか、それともまた別の何かだったのかは分からない。

私は段々怖くなっていた。

1秒も働いてない私にこんな飲み物まで出して、この人達は私を一体どうするつもりなのか。

飲み物凝視している間に玄関で迎えてくれた男性が向かいソファに座った。この人が店長らしい。

身分証見せてくれる?」と言われ免許証差し出すと店長は「これコピー」と先程のボーイに渡した。

「何でキャバクラで働こうと思ったの?」と誰もが疑問に思うであろう事を聞いてきた。

「あっ、お金がなくて.......はい」と何の捻りもない返事をした。ここでスキルアップだなんだと嘘をついても仕方がないと思った。

「うちの店のシステム説明するね。」

ここから先は記憶ぼんやりしているのだが、質問上記の一点のみで、後はどういう風にお金が貰えるか、どんな事をすると罰金か、などの説明店長淡々と話し始めた。

緊張した頭にシステムを叩き込む余地はなく、ただぼんやりと(もうここで働くんだな.......)という実感だけがふつふつと沸いていた。

奥の席で煙草をふかすおばさん嬢、テーブルに置かれた謎のカクテル、シャンデリア、ボーイ、目の前でキャバクラ説明をする店長.......

昨日までの自分から想像もつかない夜の雰囲気に、私は怖じ気づいてしまった。

働きたくない。怖い。でももう後戻り出来ないところまで来たんじゃないか

ここでやっぱりやめますなんて言ったら、東京湾に沈められるのではないか

さっき免許証コピーも撮られたか悪用されるのでは。もう私の人生は終わった。

お母さんには迷惑ばかりかけた。金をせびるばかりで、何もしてあげられないまま私は夜の街に消費されるんだ。

そこまで考えて、私は泣き出した。

すみません、私やっぱり無理です.......ごめんなさい.......」

言ったら殺されると思いながらも、もう言わずはいられないくらい恐怖と不安に押し潰されていた。

店長は顔色ひとつ変えず「そうですか、駅まで送るね」とスッと立って出口に向かった。

驚くほど簡単に、私は解放された。

外に出ると一気に安心した。

すみませんでした.......失礼します」と頭を下げて帰ろうとしたら、店長もついてくる。

えっ?!ほんとに駅までくるの?!と内心焦った。

私はまだ解放されていないのだろうか。

夜の池袋の街を並んで歩きながら店長は「世の中には悪いお店も沢山あるから、もうこういう事はしちゃいけないよ」と言った。

怒るでも諭すでもない、フラットな口調だった。

はい.......すみません.......」それしか言えない。時間と労力と謎のカクテル無駄にしてしまった私はどんな償いをすればいいのか、何か要求されるのだろうか、お金はない.......どうすれば.......と私の頭はいっぱいだった。

店長はそれ以上の事は言わず、お互い無言で池袋西口の駅に着いた。

「では気をつけて」「はいありがとうございました」お辞儀をして数歩歩いて振り向くとまだ店長こちらを向いて立っていた。

私はまたお辞儀をして早足で西口階段を駆け下りた。

何もなかった。

本当に駅まで送ってくれただけだった。

駅前用事があったのだろうか、そのついでに私を送ってくれたのだろうか。

でも振り向いた時にまだ店長は立っていた。

優しい人だったのだろうか。

何だか今日見たものは全てが夢だったような気持ち帰宅した。

それから10年が経とうとしている。

私は東京湾に沈められる事も、免許証悪用される事も(多分)なく過ごしている。

この10年性懲りもなく何度も金がなく、出来もしない職業にヤケクソに飛び込もうとした時はあったが、あの時の店長の事を思い出しては踏み留まった。

34歳になった今、客としてあの店に行き、店長指名したいと思うのだった。

2020-08-15

[] #87-8「保育園ドラキュラ

≪ 前

地震とかで倒れてしまい、たまたま塞ぐような形になったとか?

いや、それだけでこうなるとは考えにくい。

まり意図的に塞がれていたってことだ。

そして、それが出来るのは“部屋の中”にいた者だけ。

凍りつくような冷気が背筋を吹き抜けていくのを感じた。

「じ、陣形クロスオーバー』だ!」

慌てて俺たちは一階と同じように隊列を組む。

「どういうことだ!? 棺桶はないはずなのに」

何度も周囲を見回した。

いや、焦りから視線が泳いでるだけ、といった方が正しいかもしれない。

ダメだ、どこにもいないよ!」

私、女だけど、ミミセンの方が血液サラサラしてて飲みやすいわよ!」

「おい、タオナケ! 仲間を売るんじゃない!」

いつ解かれるかも分からない緊張感に耐えられず、俺たちの陣形は乱れつつあった。

こちらの様子を窺っているかもしれない相手に、そのような隙を晒すのはマズい。

早く見つけないと。

けれど一瞥しただけで分かるほど狭い空間には、どう見ても潜める場所存在しない。

見落とすような場所なんて……。

なにか閃きが降りてこないかと、俺は天井を仰ぎ見る。

その時、ハッとした。

「そうか、屋根裏だ!」

仲間も一斉に天井へ顔を向けた。

「で、出てこい!」

天井に向かって、自信なさげに威喝してみる。

何の反応も返ってこないが、俺たちは警戒を解かない。

その状態が数十歩ほど続いたとき、シロクロが痺れを切らした。

「ほれっ!」

シロクロは近くにあったモップを拾いあげると、天井ドンドン突いた。

すると、バタッと大きな音がした。

ネズミ足音だとか、そんな可愛いものじゃない。

疑念確信へと変わり、全身が総毛立つのを感じる。

「いるのは分かっているんだ! 観念しろ!」

己を奮い立たせるように、二度目の威喝は全力でやった。

その後またも静寂が流れたが、今回は数秒と続かない。

天井から、開き直ったかのように足音バタバタと響く。

瞬間、天井の真ん中あたりにポッカリと穴が開いた。

「えっ!?

俺たちがその状況を理解する間もなく、その空間から何者かが勢いよく降りてくる。

虚を突かれた俺たちは不覚にも立ちすくんでしまう。

「出たなドラキュラ! 俺と勝負しろ!」

ただ一人、シロクロだけは怯まない。

何者かが降りてきた時には、既に前傾姿勢で走り出していた。

「は? ドラキュ……」

ドラキュラ催眠術を唱えようと言葉を紡ぐが、わずかだけシロクロのタックルが早かった。

「ぐえ! な、なにを……」

床に倒れこんだドラキュラに、すかさずシロクロはマウントポジションをとる。

そして、ポケットに入れていたニンニクをおもむろに取り出す。

一気に勝負を決めるつもりのようだ。

「行くぞ!」

そう言ってシロクロは、なぜかニンニク自分の口に放りこんだ。

突然ニンニクを食べだしたシロクロに、ドラキュラは戸惑いの表情を浮かべる。

俺たちも困惑していた。

「シロクロ……それは自分にじゃなくて、ドラキュラに使うんだ」

「それに、生のニンニクは食べ過ぎると危険だよ」

「え、そうなのか……ぶうぇっ!」

シロクロは咀嚼していたニンニクを吐き出した。

それがドラキュラの顔にぶっかかる。

「ぎゃああ!?

ドラキュラが情けない叫び声をあげながら、足をバタつかせている。

どうやらニンニクが効いているようだ。

この隙を見逃してはいけない。

「俺たちも続くぞ!」

次 ≫

2020-08-13

ぶつかりおじさん許さん

先日、妊娠中の妻と路上を歩いていた時のこと、前方から向かってきたおじさんが、すれ違い様に彼女接触した。

あ、すみません、と妻がとっさに謝ったが、おじさんは一瞥したのみでその場を後にした。その瞬間は呆気に取られて、妻になぐさめの言葉をかけることしかできなかったのだが、本当は俺がおじさんに抗弁すべきだったのだと思う。

妻に聞くと、妊婦になってからこういう事が増えたという。てか、俺(パワーリフター)はおじさんにぶつかられた記憶がないどころか、むしろ避けられた記憶しかないのよな。絶対相手を見てぶつかって来てるよなアレ。

今日からぶつかりおじさんへの沸点はすげー低めに設定して積極的にキレていくことにするわ。マジで許さねえ駆逐してえ。

2020-08-10

新作能「阿選」を観たとあるアンチ阿選オタク女のお気持ち表明

新作能「阿選」を観たとあるアンチ阿選オタク女のお気持ち表明

 2019年11月シリーズ待望の新作が18年ぶりに発行された十二国記。私はとても楽しみにしていた。なぜなら18年前に発行された本の終わりが謀反で姿を晦ました泰極国国王の驍宗を探しに麒麟の泰麒が旅を始めるところで終わっていたからだ。ご存知ない方に説明すると『十二国記』とは小野不由美による古代中華王朝ファンタジー小説である題名の通り12の国がありその一つ一つに王とそれを選ぶ麒麟という神獣がいる。この両者の関係は何人とも立ち入れないものである

 今日オタク界隈でときたま物議を醸すお気持ち表明。それらをお気持ちならお気持ちらしくご自分の胸にしまっては?と冷笑してきた。そんな私がなぜこうしてお気持ち長文を認めているのかについて長々とお気持ち表明するのでお付き合いいただきたい。

十二国記を元にした古典翻案新作能をやると聞いてワクワクした私は演目を見て仰け反った。「恋重荷」翻案「阿選」。

 は?????(クソデカ大声)

 阿選?あのぽっと出の?かわいい雛泰麒に斬りかかった??

 阿選を知らない人の為に説明すると阿選とは泰王驍宗に叛いた謀反人である。元は前泰王に驍宗共々使えていた禁軍将軍だ。新作では4巻分使って阿選の悪行が描かれる。幼子の麒麟の頭を斬り王を追い落とした。そして偽の王として国を収めるかと思えば朝をほっぽり出し後宮で一人過ごしている(セクシャルな感じではなくただの引きこもり)。その間に驍宗を信じる民が反旗を翻せば村を焼き背いた兵がいれば逃げ込んだ村まで焼き女子供までお構い無く殺した。とんだ下衆野郎である

 そんな男の名を冠した新作能だと?怒りに手は震えながらもチケットを申し込んだ。十二国記新作能は3日間の公演を全通するとポスターと同じ写真使用したクリアファイルが貰えるのだ。しかしこのポスターも気に入らない。ポスターは6種類ある。そのうちの2種類が謀反人の阿選なのだ

 は????????(クソデカ大声)(2回目)

 まず一つ目は能楽師さんが般若の面をつけて屋内の舞台上で右手を顔の前に掲げ甲を観客側に向けているポーズ。全体的に照明を落としているので顔は見えにくい。そして二つ目は、こちらは両手で、甲をこちらへ向けて顔の前で構えているポーズ。揃えた両方の指先が目頭にかかるようになっている。般若のお面は口元しか隠れていないので目がよく見える。白目の部分が金色で真ん中に黒い穴があるからそれをつけているのは人間だとわかっているのにとても怖い。

 どちらのポスター般若の面をつけていて髪は肩口で切り揃えられている。『白銀の墟 玄の月』4巻表紙の阿選そのままである。忌々しい。まあ阿選といえばこの特徴しかないしなと私は思っていた、これまでは。

 チケット全日通して買ってしまったし空席を作るのはファンとしてのプライドが許さない。2日間は純粋に楽しみ、3日目は村を阿選に焼かれた村人のような怖い顔をしつつ指定された席に座ると「阿選」の公演が始まった。


 え〜〜〜っと、そのなんというか夢を見ていたような心地で記憶曖昧なのでアレだけど良かったとだけまず言っておこう。

 能楽門外漢なので細かいことはわからないがよくわかった。気がする。阿選のことを。

泰麒の白い装束と最後に阿選に泰王驍宗がかけた白い衣。戴極国は雪深い国だ。民は冬の寒さに凍え死ぬ死体白い雪に覆われる。驍宗様が被せた白い衣は雪でありそこで死んだ阿選は再び動き出したとき今まで一瞥もしなかった泰王驍宗と泰麒を見る。泰麒と同じ白い衣を被った阿選の般若の面はもう見えず舞台をはけていく。冷たい雪を触った後に手がじんわりと悴むような気持ちになった。

 公演後に阿選を演じた能楽師さんのお話を聞けたのだがとても面白かった。何度も原作を読み返したそうだ。そして阿選の装束を考えるにあたって足袋に一手間加えることにしたらしい。学生時代弓道部に入部して初めて家に持って帰って青い袴を洗濯した。そうすると一緒に洗った制服の白いポロシャツが目を背けたくなるほど白くなったそうだ。袴の青がポロシャツを薄い青に染めたことで目の錯覚によりとんでもなく抜ける白色に見えるのである制服なので他のものを着るわけにもいかず光るポロシャツを着た通学途中の駅のホーム同級生出会ったそうだ。そして言われた。「眩しすぎて直視出来ない。あまりに白いので目を背けていたら線路に落ちるところだった」と。あの目映く真白く光る足袋は阿選そのものだ。わざとらしいほどに白い足袋。人が目を背けたくなるほどの。

謀反を起こす前の阿選は人当たりがよく人望もあった。なのに王に選ばれなくて八つ当たりで謀反を起こしたのだと思っていた。それが報酬を貰えなかったか逆ギレしたのだと短絡的に思っていたのだが違う。選ばれなかったのが悲しくて大きく足を踏み鳴らしていたのは子供の地団駄ではなく「ここにいるぞ」という意思表示だったのだ。そういえば謀反を起こす理由が「(泰王である)驍宗の影になりたくない」だった。

 普段見ない能だけど言葉を尽くされるよりもいろんなものが見えた気がする。ほんとにただのお気持ち表明感想だけど阿選のお気持ちを大舞台でぶつけられてしまったので吐き出したかったのでした。

 そして髪。私がただのキャラ付けの為だと思っていたあれは阿選への弔いとして能楽師さん達が髪を伸ばしあの長さでバッサリ切ったのだという。愛が凄い。

 普段見ない能だけど言葉を尽くされるよりもいろんなものが見えた気がする。ほんとにただのお気持ち表明感想だけど阿選のお気持ちを大舞台でぶつけられてしまったのでお気持ち吐き出したかったのでした。

阿選、めっちゃいいやん!!!!!!!(阿選沼へ飛び込む)


追伸

アンチ阿選オタク

  新作能 「阿選」 見た方がいいよ

アンチ阿選オタクより



幻覚です

2020-07-31

anond:20200731155404

センスと言うより、場数とか経験かに見える。

自分プログラムを書き始めた数十年前の自分ならこういうデータとして扱うのが超面倒くさいコードを平気で書いたかもしれないけれど、今は一瞥してそれで渡されても取り扱えるけれど、自分だったらそうは設計しないなとは思う。

そもそも連想配列/辞書を作ってJSON読み書きはライブラリーやらせからJSON設計がーという発想もそんなにない。

2020-07-15

Yahooメッセンジャーがあった頃

まだSNSなんてなくて、どんな人なのかプロフ一瞥して話しかける緊張感があった。

気が合えば何時間でも話し込んだり、Skypeに移動して通話したり、中には実際に会った人もいた。

みんな誰かを求めて来ていたので今よりも仲良くなるハードルが低かった気がする。

なくなってしまったのがつくづく悔やまれる…

2020-05-18

ツイステクラスタの民度

ワイしがないスーパー店員小物菓子担当

食玩コーナーは毎日売り場を大きく荒らす客、サーチ行為が無配慮で袋や中のお菓子破損させる客が御来店なさるので人間嫌いが加速していく一方なんだけど、今日ほど酷い日はなかった

ツイステッドワンダーランドの民って常識って知ってる?民度ヤバない?

今日ツイステッドワンダーランドウエハース発売日で、今日に至るまで電話問い合わせ多くて開店から客並んでたか店長含め少し警戒してたつもりなんだけど甘かったわ

今までそんな事なかった郊外スーパーなのに開店ダッシュと見境なく売り場にタックルされて売り場の棚50cm以上動いたからね

偶々反対側の売り場に他のお客様いなかったか被害は売り場の棚だけで済んだけど、もし反対側にお客様居て棚動いたことによって怪我とかしたら店舗責任でしょ?

タックルして棚動かしたの客なのに

更に自分らが動かした棚には一瞥もなく商品箱ごと奪い合うし、ウチは開店から数量制限つけてたから目の前の注意書き読まず箱ごとレジ行こうとする客に棚直しながら数量制限の事説明して、舌打ちされて

ちょっとツイステ興味あったけど関わりたくないと思ったよね

鬼滅も以前ウエハース売ってたけど、ツイステクラスタの民度は酷いと言われてる鬼滅クラスタ以下だったね

長き歴史あるディズニーの中でツイステ黒歴史にならないと良いね、知らんけど

今後ツイステの食玩色々出たりするのだろうか…今から憂鬱なんだけど…

2020-03-11

スマホを落とした

バスに乗ろうと慌てたせいでスマホを落とした。

乗った瞬間気づいて、すぐ降りて停留所一つ分歩いた。SIMカードを止める?再発行する?などと考えつつ戻って、探したが(無くす直前までバス路線を見ていた記憶があった)落ちていない。

バス停の近くに交番があり、バスに乗る前は留守の表示が出ていたが警官が戻っていたので戸を開けたらまさに私のスマホを机に置き、書類作成しているところだった。

ありがとう治安

安堵してスマホを落としたと言ったところ、書類を書き終わるまで待たされた。

手続き必要とのことで、紛失届の書類を書かされた。

キャリアも書かされた。警察官MVNOを知らなかった。

身分証明書を出したが、一瞥されただけで手にも取られず、本人確認ロック画面解除でなされた。(充電切れる前でよかった)

無駄と思いつつも本心から警官にお礼を言った。落とし主にもありがとうと言いたかったが、名乗らず去っていったようなのでその機会はおそらく失われた。

数年前、財布を拾って届けたときのことを思い出した。その時は、謝礼が欲しいなら落とし主が現れたときに連絡するので住所氏名を書けと言われて、書かずに謝礼の権利放棄したのだった。

スマホの拾い主がもし後日現れ、謝礼を要求されたとき、どうするか、という話をされた。非現実的だが、もろもろの書類と同じく、形式的手続きなのだろう。

相場はいくらくらいなんですか?と尋ねたら、おそらくは本体価格によるでしょうかね、と言われた。

本体よりもむしろ中の情報SIMカードの方が、無くしてから目の届くところに戻ってくるまでの私にとっては大事で、気がかりだったのだが。

そういう気持ちは謝礼にこめられない

2020-02-22

論文」の境界線勝手に引きなおさないで

なんかまたキズナアイバッシングで名を馳せた先生燃えますね.

千田有紀「「女」の境界線を引きなおす:「ターフ」をめぐる対立を超えて」(『現代思想3月臨時増刊号 総特集フェミニズムの現在』)を読んで - ゆなの視点

社会学者の千田有紀氏のトランスジェンダーに関する論文に批判が集まる - Togetter

私はこの先生論文を読んでない(それどころか一瞥してすらいない)ので,どちらの主張が正しいのか判断することができない.だからこの先生論文の「内容」には言及しない.だけど「形式」については言いたいことがある.

査読のない商業誌である現代思想』に掲載されるのは「論文」ではなく「論考」だろうというご意見いただきました。こういう文章をどう呼ぶべきかわからず「論文」と書いてしまいましたが、そのために誤った印象を与えてしまたかもしれません。申し訳ありません。)

この部分が人文系研究者のワイからすると明らかに変なことを書いているので,ここで指摘しておく.これはブログ主さんというよりも,ブログ主さんにようわからん指摘をして混乱させてる人たちに向けた文章です.

評価基準は分野によって色々あるんだって何回言えばわかるんだ

あのね,査読なし商業誌オリジナリティがある論文を載せる分野ってのも世の中にはあるんですよ……

キズナアイバッシングときに私色々書いたけど(anond:20181009213503; anond:20181011090428),査読はたしか重要であり,日本文系でも査読つきの論文が増えてきている(というか分野によっては査読つきの方が多い)わけだけれど,すべての学術論文査読がつくとは限らず,また商業出版ルート学術的な本や論文が載ることもまだまだ多いわけですよ(というか,普通に考えてElsevierとかも商業出版だよな.商業出版ではない学術雑誌っていうのは大学紀要とか学会誌かのことであって).

なので,査読なし商業出版であることを理由学術論文であることを否定されると非常に困ります.その基準だと「学術論文」ではなくなってしまうが,しか学術的に重要である,という論文はいくつもあるわけで.

これが『世界』やら『正論』とかならともかく,さすがに『現代思想』に研究者が注とか文献目録とかつけて書いた学術的な文章学術論文でいいでしょ.

現代思想』や『ユリイカ』や『思想』やそのへんの雑誌は人文系研究者にとっては学術論文掲載し得る場所です(それらの雑誌に載ってるものがすべて学術論文だとは言ってない,念のため.VTuberについての論文VTuberエッセイが同居してたりするので……).別分野の基準を持ち込んでそれらの媒体掲載された論文学術論文ではないかのように扱うのはやめるべき.

(ところで,一部の雑誌では査読論文査読なし論文を混ぜて掲載してることもあるから,そういう媒体では究極的には著者か編集者に聞いてみないと査読の有無はわからんぞ.researchmapだと査読の有無をチェックする欄があるからresearchmapに登録してる研究者ならそっちを見れば査読の有無はわかるのかな.でも読むときには査読の有無とか特に気にしてないよね.面白い論文なら「これめっちゃ参考になる!」って言って引用すればいいしくだらない論文なら「一応目は通したけどあんまり参考にならなかった」と言って引用すればいい.めちゃくちゃ面白い論文査読なし媒体に載ることもあれば「え? ふーん,これ査読通ってるんだ.それはそれは……」みたいな論文もあるので……)

何が悲しくて私がキズナアイバッシングに火をつけた人の弁護をしなきゃならないんだ.ほんといい加減にしてくれ.別の増田anond:20191103222919)でも書いたけど,むやみに戦線を拡大して敵を増やすのは本当にやめてくれ.それはこれまでの献血コラボの実績を何も知らずに「そもそも宇崎ちゃん献血と何も関係ないじゃないか」と噛み付いたクソどもと何が違うんだ?

というか「論文」と「論考」は同じ意味である

これは「論文」ではないので「論考」と呼びます,というのも意味がわからなくて,だってその2つの言葉ってだいたい同じ意味じゃん……?

個人的感覚だけど,学術論文を指して「論文」と呼ぼうが「論考」と呼ぼうが単に修辞以上の意味はないよね.先行研究の整理とかで「○○氏は「××」という論考において△△と主張している」って書いてあったら,それは○○さんが書いた「××」という学術論文には△△と書いてある,って意味でしょ.

投稿規定とかでは「論文」と書かれることが圧倒的に多いし,私も基本的に「論文」と呼ぶことが多いけど,学術的な新規性のある文章を指して「論考」と呼ぶことは別に間違っちゃいない(これ,人文系研究者だったら同意してくれるんじゃないかしら).だから「これは論文じゃないので論考と呼びます」って言われても正直「???」なんだよな……

「これは『頒布』であって『販売』じゃありません!」みたいな内輪の謎ルールになってない? 大丈夫? おっぱい揉む?

論文」と「学術論文」の関係

で,そもそも論として,仮に学術的な形式に則っていない文章でも「論文」と呼べるよね.これは文系がどうとか理系がどうとかそういう話じゃなくて,世間一般における言語感覚問題

大真面目に何かを論じる文章考察する文章はすべて論文と呼びうる.その中で一定形式的・内容的基準を備えたものを「学術論文」として区別しているだけ.

要するに,「学術論文はすべて論文である」は成り立つけど,「論文はすべて学術論文である」は成り立たない.

たとえば,公務員試験を受けると「課題論文」というのを課されることがあるのだが,これは別にその試験のためだけにデータを集めて新規性のある学術論文を書けという意味ではなく,与えられたテーマについて紙に数枚くらい自分意見を書きなさい,という意味

もうちょいみんなが経験してそうな例で言うと,大学受験の「小論文」なんかもそうでしょ.

一般社会において「論文」ってその程度のものなんですわ.私らはアカデミアに染まりきってるからついつい忘れそうになるけど,真面目になにかのテーマについて論じた文章なら「論文」と呼ぶ,という言語感覚の人は一般社会にそれなりに存在しており,そういった一般社会的用法別に間違いではないんですよ.

なので「これは『学術論文』ではないから『論文』と呼ぶべきではない」という主張は,そもそも一般論として間違いです.

アカデミアにおいて何の限定もつけずに「論文」といえば学術論文のことだけど,それは文脈限定されていて短縮された言葉でも意味が通じるからです.コミックマーケット会場で「東」といったら太陽が昇ってくる方角ではなくオリンピックかい害悪イベントのせいで使えなくなっている東京ビッグサイトの東展示棟を指すのと同じこと.

コミケ会場付近をうろうろしている一般人が太陽の昇る方角を指差して「東」といったときに「お前が指しているのは東展示棟ではないのだから『東』という言葉を使うのはおかしい」と言ったら変な人だよね.それと同じように,アカデミアの外にいる人(この場合は例の先生ではなく例の先生が書いた文章についてブログを書いた人)が「論文」という言葉を使ったときに,「お前が言及しているのは学術論文ではないのだから論文』という言葉を使うのはおかしい」と主張するのはハッキリ言ってかなり変な人だよ.

英語でいうarticleとかpaperもそうでしょ.新聞記事学術論文もどっちもarticle.学術誌で何の限定もなくarticleといえば「論文」という意味になるけど,それは文脈限定されているからで,一般人が新聞記事を指してarticleと言うのを咎めたらおかしいよね.

よって,例の先生が書いたものが仮に学術論文ではないとしても(これはもちろん仮定法ですからね),一般人がそれを指して「論文」と呼ぶことを咎めるのは間違っています

これは,文系とか理系とか新規性とか査読とか業績評価とかそういう話ではなくて,一般社会において言葉がどのように流通しているか世間の人びとはどんな言語感覚を持っているか,という話ね.ほんと,我々の考える「学術論文」以外のものが「論文」と呼ばれる局面って,大学を離れると以外とあるんですよ……

まとめ

千田有紀氏のTERFに関する論文学術論文です.また,仮に学術論文ではなかったとしても,それを「論文」と呼ぶ人を批判するのはおかしいです.

学術論文から学問的に妥当だとか政治的に正しいとかは言ってませんので,彼女の主張が間違ってるとか差別的だと思うなら存分に批判すればよいのですが,外形的な基準から学術論文であることを否定しようとすると人文系研究者全般に流れ弾が飛ぶのでやめてください.

文系オタクとしては,ただでさえ一部の同僚から趣味を殴られて不愉快な思いをしているのに,一部の趣味仲間から仕事を殴られるのは勘弁してくれとしか言えません.表現規制フェミニストを殴るなら表現規制フェミニストピンポイントで殴ってください.私たちを巻き込まないで.頼むから

余談

劇場版はいふりのココちゃんキャラソンむっちゃかわいくね? ココちゃんキャラソンとして百点満点って感じだった.特典のイラスト色紙,ミケシロが2枚出たけど砲術三人娘のは引けなかったので誰か譲ってクレメンス……

あとgdgdな雑論文をまあどうせ載らないだろうけどって適当投稿したら掲載決定して割と自分ではよく書けたつもりの論文をこれは載るやろって自信満々に投稿したらリジェクトされたんだけど何が通って何が落ちるかマジでからなくなってきたでござる.山辺あゆみちゃん……私を導いてくれ……ママァ……

[] #83-12キトゥンズ」

≪ 前

運命の日、俺たちは決戦の地であるネコの国』に立っていた。

「ふん、流れの……しか首輪つきか。あっちの集いで最もマシだったのが貴様か」

対戦相手らしきネコが、こちらに聴こえるような大きさでそう呟く。

聴こえて上等の、軽い挑発のつもりなのだろう。

仲間達は少し怪訝な顔をしていたが、俺は歯牙にもかけない。

どうせ戦いとなれば、牙は存分に使うことになる。

代表者、前へ」

俺は恐れも淀みもなく、いつも歩くように前に進んだ。

不思議身体も心も軽やかだった。

自分過去を顧みれば、なんとも変な感じだ。

不自由首輪を付けているような存在、それが俺だ。

けれど今この瞬間、俺は何よりも身軽なように思えた。


「逃げるなら今のうちだぞ?」

周りの野次一瞥もくれず、俺は対戦相手の間合いに入った。

そしてほぼ同時のタイミングで、お互いに睨み合う。

この時点で、既に戦いは始まっていた。

開始の号令など存在しない。

「すぐには逃げてくれるなよ?」

相手は安っぽい挑発をしながら、更に間合いを詰めてくる。

目を合わせただけで、すごい威圧感だ。

ケンカ慣れしていない俺は、この時点で目を逸らしたくてたまらない。

俺より少しでかいくらいだと思っていたが、至近距離で見ると予想以上だ。

覆われた剛毛が際立っており、実際以上に大きく見える。

こんなことなら、俺も数日前のブラッシング拒否しておくべきだったか

普段の俺なら、この時点で面倒くさくなって退散していただろう。

だが、その程度の有利不利は想定の範囲内

こんなことで悄気てはいられない。

俺も負けじと、相手との距離を詰めていく。

その間も目線は決して逸らさない。

「ほう、嫌々やらされたと思ったが……最低限の根性はあるようだな」

いよいよ、というところまで近づいた。

眼前に広がる、相手顔面

それは同時に、互いの前足が届く距離であることを意味していた。

「シャーッ」

相手は鋭い牙を見せると、まるで蛇のような声を発した。

一度、蛇と対峙したことがあるけれど、迫力はこっちのほうが上かもしれない。

静かだが骨身に染みる、強烈な威嚇である

体が縮み上がりそうだが、ここで怯んだら負けだ。

目も逸らしちゃいけない。

しろ俺も顔を近づけて、威嚇してやるんだ。

「フーッ!」

少しでも自分の体が大きく見えるように立つと、俺は全力で音を発した。

から見てどうだったかは知らないが、気持ちでは負けていないつもりだ。

そして少なくとも、相手にはその気概が十分すぎるほどに伝わったらしい。

「……そうこなっくちゃな!」

相手がそう言った瞬間、俺の視界がグラりと揺れるのを感じた。

次 ≫

2020-02-18

anond:20200218105050

この華やかな商業的な成功に目を潰され、また作品の内容を一瞥して躓き、多くの良識ある読者は、『俺妹』や『はがない』みたいな小説になんてなんら読むべき価値がないと一蹴に付してしまたことだろう。

俺だ……。

2020-01-16

歩きスマホに腹が立つの自分が道を譲らないといけないからだ

歩きスマホをしている人間こちらを見ずにずんずんと歩いてくる。一方私はぶつかると危険なので道を譲る。相手は私に一瞥もせずに我が物顔で道を専有する。これが嫌なのだ本来お互いに五分五分、道を譲り合い避け合うべきなのに、私が一方的に労力を割き、相手は何もしない。完全に私の敗北だ。自分よりも年齢の低い相手には、年端もいかない若造がこなくそと、自分よりも年齢の高い相手には偉ぶりやがってこなくそと、怒りが燃える歩きスマホでなくても同じだ。複数人で横並びに歩いている人間が正面から歩いてきたときに、彼らは決して避けようとしない。なぜ私だけが避けなければならないのか。自分が惨めに思えて、腹が立つ。歩きスマホ相手に自らぶつかりに行くおじさんもきっと自分と同じ気持ちなのだろう。ドストエフスキーの地下牢の手記で将校にわざとぶつかった彼も同じ気持ちなのだろう。歩きスマホ危険から嫌なんじゃない、自分が不当に不利益を被るのが嫌なんだ。

2020-01-06

[] #82-7「銀河帝国酒飲み音頭

≪ 前

こうして買出し組は1位の俺と弟、そして2位のウサクとなった。

初詣の出店で色々食べたいから、軽いものだけでいいよ」

「ああ、分かった」

「あ、そうだ。オイラカードポイント貯めてもらってもいいっスか?」

「お前が全額出すならいいぞ」

俺がそう返すと、カジマは黙ってポイントカードを財布に戻した。

…………

道中、近年では珍しいものを見た。

酔っ払いだ。

しか複数いて、地べたにそのまま座っている。

「共有の記憶乾杯~」

「潰えた夢に乾杯~」

よほど美味い酒だったのか、互いに肩を組みながら、陽気に歌っている。

うろ覚えだが、これは確か鎮魂歌だ。

「飲めば思い出が蘇るが~飲みすぎたら忘れそう~」

しかし歌い方がいい加減で、さしずめ酒飲み音頭のノリである

ウサクはその様子を見ながら眉をひそめた。

路上酩酊とは、久方ぶりに随分なものを見たな」

酔っ払いは外出自体を取り締まられ、すぐに補導されることもあり、路上で見かけることはまずない。

ここ十数年で、酒に対する世間の目は大分厳しくなった。

販売店では、各人の飲酒量や許容量を調べる計測機器の設置義務がある。

飲酒についても免許制であり、定期的な健康診断知識テスト必要だ。

このため酔っ払う人自体が滅多にいない。

それに義務教育の課程で耳たこレベル啓蒙があるので、俺達の世代では飲酒のものを避けたり、忌み嫌う人間も多いんだ。

「そういえば、また酒税が上がるんだっけ。いっそのこと禁止にすればいいのに」

政府としては、酒は飲んでも飲まれない程度でいてほしいってことなのだろう」

「酒のせいで保険料かに金はかけたくない、けれど酒で儲けたい。都合のいい話だな」

俺達はそんなことを話しながら、酔っ払いたちを横目に通り過ぎようとした。

だけど、思わず二度見してしまう。

その中に見知った、遠くからでも分かるほどノッポの人間が紛れ込んでいたからだ。

「え、シロクロ!?

シロクロは弟の仲間で、色々と謎の多い人物だ。

「オレこそがオールシーズン! 雨にも風にも酒にも負けない最強の男!」

酔っ払いたちの歌に、全く関係のない合いの手を入れている。

「シロクロって、酒飲める歳だったっけ」

弟たちも生まれや育ちすら知らず、訊ねても意味不明なことしか言わないらしい。

あの体格だから成人だとは思うが、仮にそうだとしても飲酒免許が取れないだろ、あいつの知能じゃ。

「……まあ、ほっとこう。七面倒くさい」

それにシロクロの場合、酒があってもなくても似たようなもんだ。

あいつの奇行は今に始まったことじゃないし、シロクロ基準でいえば正常とすら言ってもよく、一々かかずらっていては時間いくらあっても足りない。

飲兵衛たちを一瞥し、俺達は競歩スタイルコンビニに向かった。

次 ≫

2019-11-19

anond:20191119075036

あのポスターも、「もっと先輩(献血者)を蔑むような目つきで」書かれていたはずが、リテイクで書き直され、嘲笑う程度の目つきになったんでしょう。

普通場所掲示するのを考えて、あえて普通の表情にしたのが間違いでしたね。

可能ならばもっとから見下ろすような構図で、踏まれている先輩に対して汚物を見るような表情で、少年誌なので鞭とか蝋燭は不可でも、△定規とか丁定規とか黒板消しとか上履きとか靴下とか……

セリフとしては「さあ、今すぐお前の汚らしいマゾブタの血を献血しなさい、ブタッ!、犬っ!」「ブヒブヒー」「キャインキャイン」なども必要ですね。

献血センターでは、「さあお飲み、わたくしの黄金水ドクター秩父山)」ならケロタンが獣貫路通ってトラックで買い付けに来て、秋葉原でやってたみたいに、女性等身大ポスター股間からレモンジュースが出て、検尿コップで飲める上級者なら、献血コーナーに行列ができて「ただいま1時間待ち」プレイでも、よく調教されたM奴隷なら放置プレイも楽々こなせたでしょう。

ちなみに私の友人は40歳超えのお局様と結婚して、毎朝ご主人様のために朝食をご用意して、買い物や炊事洗濯掃除もしてご奉仕しています

私がご自宅にお邪魔した時は、お使いを命じられていたレシート一瞥して、特売100円のパンを買うはずが、山高の138円のパンを買ってしまったのを詰られ、公開プレイとして、ご主人様は椅子に座って背もたれ握って詰問。下僕と私は床板に正座したまま説教を拝聴しておりました。

2019-11-17

anond:20191117163526

性癖がバレると居心地が悪いからやぞ

「ふ~ん。増田君、こんな女の子趣味なんだ~。」

とか言われたくないやろ?

彼女に気を使って

ネタに使う女性現実に付き合う女性趣味は違うからっ!!」(←実際違う)

と弁明しても彼女タイプとあからさまに違ってたりすると氷のような一瞥くれてご機嫌が急角度の斜めになるからやぞ。

2019-11-16

乳幼児スナイパー vs ロシア人家族観光客

ある土曜の午後、農林水産省外郭団体主催する競技大人出資者として参加するべく俺は都心とある場所にいた。全然関係ないけど今日は土曜なので小池都知事はお休みだろう。ゆっくりと、休息を取れるよう工夫をしていただきたいっ、かように思う次第でございます

競技開始まで時間があったので俺は目の前のゲーセンに立ち寄った。いつもなら酒のシメなのだ今日シラフな上、本当にただのヒマつぶしだった。

わりとあっさり15センチくらいのピンクの犬が取れた。手触りが低反発枕みたいにポワポワして気持ちがいい。ヒマつぶしになったので店を出ようとすると目の前に外国人観光客家族連れがいる。たぶん7~8歳に満たないであろう女の子がパパに叱られている。彼女の顔の前で人差し指を立てたパパの言葉ロシア語だ。俺は大人なので外国語も堪能だ。ロシア語とて例外ではない。絶対こう言われてる。俺にはわかる。

「いいかい?イリヤ、一回だけと言う約束だ。これ以上やりたいと言うならスシはなしだ。ユニクロヒートテックもだ」

そう言うとイリヤの両親は振り返りもせず店を出て行った。正解だタワリシチ。そのマシンはガキにはまだ早い。レバーが胸より上じゃないかしかし納得の行かないイリヤが後ろからパパのお尻をぴたんっと叩いた。親に暴力を振るうとは何て恐ろしいガキだ。絶対に許さん。本来なら年齢的に俺の標的の対象外かと思われるがここは人の道をはずれたこのガキに大人として俺は制裁を加える決心をした。

後を追うように俺は店を出ると、両親の後ろをトボトボ歩くイリヤに気配を消して後ろから追いつき、さりげなくイリヤの隣を歩いた。何気なく見上げて来るイリヤに、俺はすかさずさっき取ったばかりのピンクのポワポワの犬を手渡した。反射的に受け取るも、次の瞬間びっくりして目を見開くイリヤ。青と言うより深い緑の瞳が宝石のようで、もはや人類のそれではない。俺はそのまま無言で振り返りもせず道路を足早に渡ると反対側にあった激安の殿堂に姿を隠した。完璧だ。

あのやたら耳に残る4小節シャッフルメロディ流れる店内で、俺は独りほくそ笑んだ。今頃イリヤ父親に怒られてるに違いない。「ちがうの!筐体をこじ開けたりなんかしてない!本当に知らない日本人モアイに似たおじさんがこれくれたの!お願いパパ信じて!」などと泣きながら訴えても信じてはもらえまい。仮に信じたところで今度は爆発物が入ってることを疑われてそのピンクのポワポワの犬は捨てられてしまうかもしれない。東欧人間からな。いいのだ。家庭内暴力容認する父親のお前も同罪だ。心ゆくまで疑心暗鬼に陥るがいい。

いずれにせよ初めての日本旅行が親からの信頼を喪失する場となってしまい落胆したイリヤはそのトラウマを抱えて笑顔を失った女として大人になるだろう。ざまあみろ親に暴力など振るうからだ。人生は大抵やり直しは効くが取り返しのつかないこともあるのだ。

しばらくして俺は激安の殿堂を出ると、競技の中継を行う施設へ向かうべくガード下を通った。すると目の前に外国人観光客家族が座っている。イリヤ達であった。両親は「TOKYO」と書かれたガイドブックに没頭して何か話しているが、イリヤはその隣に座っていた。手にはピンクの犬。あのポワポワの感覚を楽しむようにイリヤはそれをほっぺたに当てていた。

どうせ気づくまいと俺は多少距離を取りながら彼らの前を通過した。するとイリヤが俺に気づき隣の父親を揺さぶる。いかん!これは反撃されるかも知れない。そう思った瞬間両親の視線が俺を捉えた。ガイドブック読んでろよロボットレストラン探してろよ何だよその反応の速さスペツナズかよ。

今にも「スパシーボ!モアイに似た人!」とでも言いたげなその笑顔の表情に対し俺は通りすがり大人の無表情で一瞥をくれると腹の中で「モアイじゃねえよ」と言い返しながら急いでその場を立ち去った。慌ててたのでガードレールをまたぐとき踵がぶつかって転びそうになった。

なるほど、ほっぺたか

11/18 →https://anond.hatelabo.jp/20191118124905

感情論

十二月十五日、午後六時三十五分二十八秒、行き交う人の流れは荒れ狂う海原、僕はちっぽけで尊大な心を抱えて汚れた壁に一瞥をくれながら歩く!!歩く!!!歩く!!!!せせら嗤う彼岸花を踏みつけるが如く睨みつけ、暗闇の地下鉄を出ればそこは活動欲望、愛と堕落人間の腐る臭い今日もまた手のひら一杯程度の幸せを壊れないように抱えて帰っていく非実在林、紛れて歩く聖母を退けて叫ぶ愛に誰もが気づいていない!!俺の声は何処にもたどり着くことなく!!劣等感劣等感を劣等と思わずして優越に浸る幸せの人、俺は未だ劣等の底にいる、いつの間にやら優越に浸れるようになった者ばかりが下を向き電子世界に閉じ込められたので、また上を向いたのは僕、辿り着く先は空、空の中で誰もが怒り狂って涙を流し大笑いしながら歓びの声を上げる!!死者数0、負傷者数86、今日はいい日だと呟く男の眼、何も映らない。何もない。毎日誰かがコンテンツ明日は我が身かも知らぬ正義棍棒を持つ者たちよ革靴に余る程の弾薬を詰め込んでいざ行かん!!隊列について発射準備、第3聯隊整列して聖人に続け!!!医者、蛸、林檎精霊、髑髏と雨雲が君の家へとやってくる。

ブラウン管の中で大きな目を見た、いつまでもこちらを見つめては忙しなく視線を動かしたその目の面白いこと!!

もう三時半だ。アンナが横たわる風船のベッドに入る。黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒、黒。

明日も生きていた。今がずっと逃げていく、自分から今が逃げていく、十二月十六日、午前八時四十二分三秒、それはもう過去に成り下がった時。カチカチという音を見つめた。静と動の間、可視化されたに過ぎない人工の過去と今と未来がいつでもみんなの周りに。

(疲れてきたのでとりとめもなく文章を書いた)

2019-11-14

横断

薄暮をとうに過ぎ帰路を歩むコート姿の人の黒い綿棒のような姿よりもなお黒い小さな点が赤信号横断歩道を毛足の長い絨毯の上で転がる布玉くらいの速度で渡りはじめ

にわかに強くなりはじめた初冬の風に飛ばされてきたドラッグストアかどこかのビニール袋の類であろうかと反対側の歩道から目をこらせばどうやら猫である

遠くからしかし軽快な速度で長く前に伸びるうす黄色ライトを灯した小型車が光ごと走ってくるのに黒いまま照らしだされて猫はその路のまんなかで立ち止まりかけたので

わず危ない危ない危ないよー早くこっち!と大声で叫ぶと一瞥という言葉の成立しないほど短い瞬間こちらを見たかと思えば一転猫は布玉からビー玉に変身して走りだし

こちら側の歩道に隣接する古団地の敷地の芝生に覆われた小山まで一気呵成に駆けあがるとそのいちばん高いところに何事もなかったかのようにゆっくりと鎮座した 息も乱れないビー玉の眼

真っ黒黒の体真っ黒黒の額に画竜点睛小さい白いいびつな星の、小柄な金の眼の成猫の無事と見事なその平静を見

ほっとすれば徐々に勝ってくる小さいかわいいものをずっと眺めていたい気持ちのまま立ち去りがたく重い荷物をしびれた両の手にぶらさげて立ち止まっていると

猫には思いも至らない手順を踏んで横断歩道を渡ってきたやわらかい緑の灯りの点滅を背負った人が突としていやー猫ちゃん無事でよかったね、

一生懸命叫んでよかったね、と白い息でほほ笑んだので向こう側にこちら側の人間ごと同じ場面をつぶさに見ていた人のあったことに今さら気がついてひどく赤面した

気恥ずかしさからそそくさと猫とその人の前を去り同じ手順を踏んで横断歩道を渡ったがあの猫はこれからどこで眠るのだろう、とふと考えて対岸を振り返れば小山の上にもう猫はいなかった

乳幼児スナイパー長距離狙撃する

11/15 一部修正

その日の俺は、少々苛立っていた。いつもより早めに出社するために乗った電車が大幅に遅れているのだ。もちろん俺は大人なのでその苛立ちを態度に出すこともなく、ウォークマンNoGoDを聴きながら心の平静を保つ努力をしていた。

朝のこの時間帯の上り電車は、いつも混雑し発車が遅れるので電車がつまり運行ノロノロ運転になる。このためいつもならあっという間に通過するはずのその駅を、今日ゆっくり通過しようとしていた。俺は窓ガラス押し付けられながらひたすら電車の加速を待っていた。

ふと窓の外を見ると、駅ビルに入っている保育園の子供たちだろうか、10人程度が朝のお散歩の途中らしくビルバルコニーにお揃いの帽子かぶり、並んで電車を眺めていた。その中の一人が、あろうことか電車に手を振って挑発してきた。くそっ!これから仕事に行こうという、言わば日本経済を支える大人たちを挑発するとは何というガキだ。もちろん大人である俺も侮辱してるのだこいつは。

先ほどから俺の隣にステンカラーズの女が立っており、彼女もあのガキの挑発に気づいたようでにっこり笑顔を向けて応戦していたが、いかんせん標的が遠い。接近戦専門のスタイルが持ち味ゆえの弱点を露呈していた。そういえば彼女コートの色はグレーだ。おそらくステンカラーズの中で階級はそう高くなさそうだ。仕方ない、プロの出番だ。

立ち位置完璧満員電車の中俺は窓の方を向いて押し付けられており、俺の狙撃動作を見るものと言えば、隣に立っているこのステンカラーズ・グレーの小娘くらいだ。俺は必殺の一瞥で以って照準を定めた。、線路沿いの駅ビルバルコニー。その柵の前に並んだガキども。その中でもこっちに手を振った小僧に向けて、肘から先だけを4回だけ振った。距離にして数十メートル車両にして二両分と言ったところか。

次の瞬間子供たち全員が一斉に両手でちぎれんばかりに手を振り返して来た。全員である。さすが俺。よほど恐ろしかったのだろう奴らパニックに陥っていやがる。最初に手を振ってた小僧にいたっては「ぼくがさいしょにふったんだ!」とでも言いたげに興奮してピョンピョン飛び跳ねている。ざまあみろ。大人をナメるからこういう報復をされるのだ。なぜか先生も振ってきた。あんたは大人だろ。

たかテンカラーズよ、この長距離狙撃を。これができるのはお前らの中でも士官クラスくらいだろう。これが乳幼児スナイパーと言うものだ。俺はそんな気持ち彼女をチラ見すると、両手で口を覆って声を出さずに軽く震えていた。そうか恐ろしかたか。無理もないな。

久々にトリッキー狙撃成功させた俺は、今日も世を忍ぶ仮の姿である底辺リーマンとして生きるべく気持ち仕事モードに切り替え、朝の会議に間に合うかの心配をすることにした。会議プレゼンする用のパワポは出社してから作ろうと思っていたので手つかずである。たすけて

11/15→https://anond.hatelabo.jp/20191115002701

2019-11-12

乳幼児スナイパー vs ステンカラーズ

本来なら横のつながりのない乳幼児スナイパーの業界で、唯一ひそかに徒党を組んでいると思われる同業者たちがいる。この季節になるとなぜかステンカラーのコートを好んで着たがる女性だけで構成されたその部隊を俺は「ステンカラーズ」と呼び警戒している。

コートの色がそれぞれ違うのは、きっと彼女たちの中で仲間を識別するためと思われ、特にベージュのそれを身にまとう者は士官クラスであると俺は踏んでいる。

テンカラーズの恐ろしい所は、俺のように鬼気迫る一瞥や、標的を恐怖のどん底に突き落とす表情や、特殊攻撃モジュール必要とせずに、「にっこり」と笑顔だけで乳幼児の動きを封じてしまスキルにある。おそらくは精神波による強制暗示の使い手だろう。射程距離は多少短めだが、その分至近距離から確実に乳幼児を仕留める恐ろしい奴らだ。この業界における、目的のためには恫喝白兵戦も厭わない彼女たちの専横ぶりを同業者たちの警戒を促すべくここに記す。

さて平日の朝の、ここはとある私鉄の某駅に停車中の車内である。乗り換えの急行から降りてきた家族連れが満員の車内に乗りこんできた。ベビーカーをたたみリュックを前に抱えたパパがいる。つまりそれはその背後にママに抱っこされた赤ん坊がいる事を意味している。あのスーパーワゴンみたいなんじゃなくてたためるベビーカーと言うことは首が座ってるくらいの赤ん坊だろう。長年の電車通勤をしている大人の俺はそれを肌でわかっている。

果たして俺の狙撃の標的となるやもしれなかった赤ん坊ママに抱っこされてだらしなく口を開けて惰眠を貪っていやがった。何かおいしいものを食べてる夢でも見てるのかときおり口をもぐもぐさせている。いい気なもんだ。とりあえず勘弁してやろう。大人からな。

状況が動いたのは表参道の駅で乗客大勢入れ替わる乗り降りの瞬間だった。目を覚ました赤ん坊は周囲をキョロキョロして「あぁ」とか「たぁ」とかわけのわからない言葉を発し始めた。本当に語彙が貧困で活舌も悪いガキだ。もちろん俺は一瞥を開始している。しか赤ん坊はなかなかこちらを見ない。にぶいガキだなあ。ところが「つぎはぁ霞ヶ関ぃ」とスピーカーから聞こえてきた瞬間泣き始めた。霞ヶ関に何かトラウマでもあったようだが、遂にプロの出番だ。しか今日立ち位置問題がある。俺の隣にリュックベビーカーを抱えて直立不動父親がいるのだ。

「えへっえへっえへぇぇっ・・・・」と赤ん坊が肺の中の空気を残らず吐き出した。これはシン・ゴジラよろしく次の瞬間一気に「すうっ」と深呼吸して「っびゃああああ!」と大泣きするサインだ。プロの俺は知っている。乳幼児スナイパーが警戒すべきなのは親に気づかれることなのだが、周囲の目にも気を遣わなくてはいけない。目撃者存在自分危険に追いやり、とき社会的地位を脅かされるリスクもあるのだ。大人には大なり小なり社会的地位があるからな。たとえ底辺リーマンであってもだ。

しかしこれはA+級の泣き声を上げるサイン。ここは多少の傷を負うことは覚悟して俺はバッグの中にしのばせた、昨日酔っぱらってゲーセンクレーンゲーム両替機に足を運んでまで入手した特殊攻撃モジュールの在り処を確認した。頭にゴム紐のついたライチュウハロウィン仕様)のぬいぐるみだ。

だが次の瞬間、母親の右前に立っていた女性が振り返った。

テンカラーズ!しかベージュ

間髪を入れず彼女は至近距離から「にっこり」攻撃赤ん坊精神支配下に置いた。初弾でこの威力!まさにステンカラーズ。赤ん坊は恐怖のあまり泣き声をピタリと止めて凍り付いた表情で彼女を見つめている。

くそ!俺の獲物を貴様!頼むからそっち向いてつむつむでもやっててくれよ!そんな俺の殺気など意に介さず彼女は「ひとがたくさんでびっくりしちゃったねぇ」。なんと恫喝まで加えるコンビネーション。おそらくはステンカラーズの中でも相当の上級者と見た。

テンカラーズの女の攻撃はなんと母親にまで及び「うちの甥っ子もこれくらいなんです」と恫喝し、母親のガードも破壊した。なお父親空気である。俺も空気である

多少ぐずりつつも少し落ち着いた赤ちゃんに、彼女人差し指をそっと突き出した。おいやめろ、まさか白兵戦に引きずり込む気か。目の前に突き出された人差し指赤ん坊は反射的にぎゅっと掴んだ。これは・・・握手!ステンカラーズ士官のあざやかな手口に母親は「すみませぇん」父親は「ありがとうございます」と完全に彼女支配下におかれた。俺は空気だった。俺のバッグの中のライチュウハロウィン仕様ももはや出番はなかった。

家族連れは日比谷で降り、なんと別れ際には赤ん坊降伏意味するバイバイまでせしめ、ステンカラーズの女は何事もなかったかのように二重橋前で颯爽と降りて行った。その後ろ姿はまさしく大人女性の貫禄。

から突然現れたステンカラーズに戦況をがらりと一変させられ、何もできず一方的な敗北を喫し車内に取り残された俺はぼんやりと、目に留まった週刊文春中吊り広告に今週の原色美女図鑑をチェックしていた。ヤンジャングラビアのチェックじゃないぞ俺は大人からな。

11/14→https://anond.hatelabo.jp/20191114000736

2019-11-11

乳幼児スナイパー母親に敗れる

俺は交通機関の中で赤ん坊幼児ちょっかい出すのが好きだ。言わば手を触れずに乳幼児変顔だけであやすプロフェッショナルと言っていい。大抵のグズってる乳幼児は俺の厳しい視線や殺気に満ちた顔でぐずりを止める。あるいは極限の恐怖で命乞いのバイバイさえしてくる。

この業界横のつながりはないが同業者を見かけることがたまにあり、あるときに泣きじゃくる赤ん坊にまぶたのピアスをびよーんびよーんとやって見せてる男子高生くらいの同業者もいた。色々と攻撃手段はあるものだと感心するばかりである

さてここは終電まで一時間くらいの下り電車帰宅ラッシュが多少ひと段落した車内で一歳に満たないくらいの赤ん坊が泣いており、母親が周りを気にしながら一生懸命あやしている。プロの出番だな。

いかガキよ。ここは電車の中で乗っているのは会社帰りの俺を含めたくたびれたリーマンOL家路を急いでるんだ。眠くて機嫌が悪いからってぐずるんじゃねえよ。ほらお前のママがうろたえながら一生懸命お前の背中をぽんぽんやってるじゃねえか。お前ママ温泉に連れてったりプレゼントしたりの親孝行したことあるか?俺たちはある。大人からな。くやしいだろ。だがそんなお前にも今できるたった一つの親孝行、それがおとなしく眠ることだ。それができないと言うのなら俺が強制的に黙らせてやる。

そんな気合を込めた一瞥を俺は軽いジャブでガキに突き刺す。ママの肩越しに一瞬表情が凍り付くガキだが俺は容赦しない。すかさずこの世のものとも思えない殺意に満ちた表情を作りガキを威嚇する。酒が入ってるからほっぺたと唇の筋肉がピクピク言ってるが我慢だ。俺は大人からな。

俺に視線ホールドされたガキが小賢しくもママの胸に顔を埋め、俺の威嚇を回避しようとする。バカめ!隠れたつもりか。ほら早くも肩越しに顔を出して俺のプレッシャーに晒されている。恐怖に満ちた黒豆のようなお目目が俺を見ている。ざまあみろ。

しばらくするとこのガキはまたしてもママの胸に退避しやがった。卑怯者め。だがそれは俺の思うつである。俺は表情を変えずにショルダーバッグに手を突っ込むと人差し指中指特別攻撃モジュールを装備した。ゲーセンクレーンゲームでついムキになって1000円くらい突っ込んで入手したアイテムだ。男は30過ぎると酒飲んだらクレーンゲームがやりたくてしょうがなくなるのだ。大人からな。

5センチくらいのカンガルーパンダ指人形を装備してピース状態にすると、俺はこのガキが三たびママの肩越しから顔を出すのを狙った。もちろん殺意に満ちた表情の準備も万全だ。完璧段取り。まさに大人

だが次の瞬間ドアが開き、何と母親笑顔で振り返り俺に軽く会釈して降りて行った。くっ!何だと?

かに俺の攻撃母親に悟られ「すみません」とにっこりガードされてしまうことはある。俺はこれを親テレパシーと読んでいるが、親テレパシーの感度が高まるのは、敵が隣に立つもしくは隣に座るときであり、今回俺の位置は真後ろであるしかも車内の混雑具合はとりあえず椅子が全部埋まってる程度で、立ってても新聞広げられるくらいだった。敵までの距離も一歩半程度と完璧だった。

次の瞬間ドアが閉まり俺は全てを悟った。

ドアの窓ガラスの中にカンガルーパンダを指にはめた酔っぱらいリーマンがいた。

ワイシャツの裾が片っぽ出てた。

11/13→ https://anond.hatelabo.jp/20191112153049

2019-10-21

anond:20191021124656

好むオタクは少ないけど見ただけで激怒するやつなんかほとんどおらんぞ

一瞥して「俺向けじゃないな」と思ったら普通に無視するだけじゃない?

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