はてなキーワード: 十九条とは
http://anond.hatelabo.jp/20170528113521
このまとめ的には間違いとまでは言い切れないけど正確ともいえない。
なので、いずれの場合も「公衆」に対して、出版物であれば頒布、それ以外のものであれば提示されることが必要になる。
さあ、ここでJASRAC対音楽教室でも話題になった「著作権法における公衆」の問題だ。
この「公衆」というのは、「特定少数の者」以外を言う。つまり、不特定多数、特定多数だけではなく、「不特定少数」も公衆に含まれる。いわゆるところの「一人でも公衆」問題ってやつだ。
「一人でも公衆」ってのは、例えば、世間に対して所定の条件(ウェブで言えば会員になるとか、検索して探すとか、会費を払うとか)を満たせば、誰でもそれを見られる状態にしておける場合、たとえその著作物を見た人間が一人であっても(先着一名様に限ったとしても)、「誰でも見られた」ということをもって「不特定少数」になるってこと。
詳しくはhttps://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20170516-00071009/ こちらのコラムを。
ですのでここは
としたほうがいいです。
国会がないと暇です。なので、昔の議事録とかを掘り出して読みます。タイトル詐欺の一種です。発言者は小野寺五典、当時の外務大臣政務官。この議事録を読んでいて思ったのは、平岡秀夫さんが落ちて、岸信夫さんが通る選挙って何なんだろうなっていうことでしたが、それは有権者の判断なので仕方がないのですし、詐欺の前科者が告知義務違反をしてを政務秘書官登用してしまった、というのもいたかったんでしょうが。
「そこで、この条約について言えば、私がいろいろな人たちから調べていただいたことによりますと、条約に基づく国内法制化の中で、ウクライナが、この条約の中で重大犯罪というものが四年以上の自由刑またはそれ以上の自由刑というようなことになっているけれども、この点について留保あるいは解釈宣言をして、ウクライナについては懲役五年以上のものについて重大な犯罪とするというような国内法制化といいますか、国内法との関係を整理されたというふうに聞いておりますけれども、この点は事実でしょうか。」
「委員御指摘のとおり、ウクライナにつきましては御指摘のような状況になっていると思います。ウクライナは、条約締結に当たって、留保及び宣言の名のもとに、重大な犯罪という用語は、ウクライナ刑法に言う重大な犯罪及び特に重大な犯罪に相当するものである。ウクライナ刑法に言う重大な犯罪とは、法により五年以上で十年を超えない自由刑が定められた罪をいい、ウクライナ刑法に言う特に重大な犯罪は、法により十年以上または無期の自由刑が定められた罪をいう旨表明しています。したがいまして、ウクライナは、留保及び宣言の名のもとに、本条約に言う重大な犯罪を長期五年以上の自由刑としたことは事実です。
(略)
「(略)条約というのは、条約法に関するウィーン条約というのがあって、その第十九条の中に条約の留保というものが認められているというふうになっているわけでありますけれども、このTOC条約についても、条約法に関するウィーン条約第十九条に基づく留保を付することは可能であるというふうに考えていいでしょうね、外務副大臣。
「外交官経験もありますし、また法の専門家であります平岡委員の御指摘のとおり、ウィーン条約におきましては留保するということが可能になっています。多国間条約について、ある国が条約の一部の規定に関して問題を有する場合には、当該規定に拘束されずに条約に参加し得るように、留保を付して締結することが一般的に認められております。
TOC条約では、第三十五条3、国際司法裁判所への紛争付託の拒絶を除き、留保に関する特段の規定は存在しておりませんが、交渉過程において、本条約への留保については、ウィーン条約法条約の留保に関する規定が適用されることが確認されています。したがって、ウィーン条約法条約第十九条に従い、条約の趣旨及び目的を損なわない限度であれば、本条約に対し留保を付すことは、御指摘のとおり、可能であります。
しかし、本条約については、既に平成十五年の通常国会におきまして、留保を付さずに締結することにつき国会の承認をいただいております。行政府としては、本条約につき、このような形で国会の承認をいただいている以上、当然、留保を付さずに締結することとしており、その前提での国内担保法の審議をお願いしているところであります。」
これ読めば、留保は当然できるし、犯罪の範囲は条約で4年以上の自由刑とされているけれども、5年以上にしますよ、という留保も当然認められている、ということです。つまり条約が要請する犯罪の範囲は、国内法の原則に反する場合の留保というのも当然に認められているでしょう。実質できない、やらないっていってることの理由は、「国会で留保なしでの批准の承認をした」っていうだけのことなので、そんなものはいくらでも、まさに、「新しい判断」をなさればよろしいのではないかと、このように思う次第でございます。
(1)米国は連邦制を取っており、条約締結に当たり、憲法上の連邦との州との間の権限関係と整合性を持たせるとの観点から、留保・宣言を行っています。
(2)米国政府より、本条約で犯罪化が求められている行為について、連邦法によっても州法によっても犯罪とされていない部分はほとんどないとの回答を得ています。
(3)このようなことから、米国の留保は本条約の趣旨、目的に反するものではないと理解しています。
と書いています。
ここでアメリカの留保を見てみると(私は外務省訳を全然信用してないので原文から訳しました。誤訳ごめん。)
アメリカ合衆国は、本条約が要請する義務を担う権利を留保するが、それは、連邦制の基本原則と両立するという考え方の中で、連邦法と、州法の刑法の両方が、本条約で規定されている行為との関係で考慮されなければならないからである。連邦法での刑法は、州をまたいだ、または国際的な通商等の連邦の利益に影響を与える行為を規制しており、合衆国内での、組織的犯罪に対する戦いでの基本的な法制度となっており、これは(条約の)目的に対して効果的であるといえる。連邦法での刑法は、犯罪行為が州をまたがない、国際通商等の連邦の利益に関わらないという稀なケースでは適用されない。かかる純粋に地方的な性質の犯罪については、連邦法、州法のいずれも、本条約に基づく義務を十分満たすとは言えない状況が少数ではあるが想定される。したがって、アメリカ合衆国は、純地方的な活動に関したせまいカテゴリーにおさまる行為に関しては、本条約で規定された義務を留保する。この留保が、本条約の他の締結国に対する協力をするというアメリカ合衆国の能力に影響を与えることはない。
https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=XVIII-12&chapter=18&lang=en
これを読むと、本条約が、国際的な犯罪、広範囲にまたがる犯罪の取り締まりを要求しているから、それに対しては連邦法が効果的に対応しているし、ローカルな犯罪に対しては州法を整備することなく、留保するよ、といっているので、これはかつての民主党政権が提案していた、越境性を根拠にした法律を整備して、それ以外は留保する、という手法そのものです。なぜこの留保が必要かというと、共謀段階での処罰対象犯罪が30以下(日本は21)という州法しか持たない州が複数あるからです。連邦法における刑罰は、州法を超える範囲をカバーしているわけではなく、州をまたいだ犯罪や国際犯罪に限定されているので、州法では犯罪じゃないけれど、連邦法では犯罪になる州内の犯罪というものは存在しないのです。この外務省の説明はいいかげんもいいところでしょう。人が英語も読めないと思って高をくくってやがるんですよ。いつもいつもだけど。
この批判に対して外務省は、「重大な犯罪」を限定する旨の留保や「国際性」の要件を付す旨の留保は「重大な犯罪」の定義を定める条約第2条や国際性を要件としてはならないと定める条約第34条2項の規定に明らかに反するから、条約の趣旨、目的に反すると答弁しています。この第34条2項が定められた背景にはすったもんだがあったようなのですが、この条項は、そもそも第3条において、transnationalな犯罪を対象とする文言があるのにも関わらず、付されている矛盾をはらんだ表現になっています。
34条の1
各締結国は、本条約が定める義務の履行を確実にするため、国内法の原則に則って、立法上ならびに行政上必要な措置を講じる。
34条の2
本条約の第5条、6条、8条、23条に規定された犯罪については、第3条1項に定められた国際的な性質、または、組織的な犯罪集団とは独立に法整備をする
とされています。しかしここで、国連が条約の制定と同時に出している解釈ノート(Travaux Prepatoires)の第34条第2項に、以下のように記述されています。
この項の目的は、第3条で説明されている、条約の基本的な目的を変更することではなく、国際性の要件や組織的犯罪集団への関与が、(国内法での)犯罪化の要件として考慮されないことを明確に示すために設けられたものである。この項は、各締結国が条約を履行する際に、犯罪で得られた利益の洗浄や、汚職、裁判の妨害といった犯罪に、国際性や組織的犯罪集団への関与を要件としなくてもよいということを示そうとしている。(以下略 疲れた
Paragraph 2
The purpose of this paragraph is, without altering the scope of application of the convention as described in article 3, to indicate unequivocally that the transnational element and the involvement of an organized criminal group are not to be considered elements of those offences for criminalization purposes. The paragraph is intended to indicate to States parties that, when implementing the convention, they do not have to include in their criminalization of laundering of criminal proceeds (article 6), corruption (article 8) or obstruction of justice (article 23) the elements of transnationality and involvement of an organized criminal group, nor in the criminalization in an organized criminal group (article 5) the element of transnationality. This provision is furthermore intended to ensure clarity for States parties in connection with their compliance with the criminalization
of the cooperation articles of the convention (articles 16, 18 and 27).
要はこの項目は、マネーロンダリングや汚職、裁判の妨害といった犯罪に国際性の要件がなくてもいいよ、という意味だと解説しているので、外務省の説明とは全然違うじゃねぇかっていうね。
外務省は、この前段の676の犯罪すべてについて、共謀段階での処罰を導入しないと、条約が締結できないとなんども答弁しています。めんどくさいからほらんけど。現在は277ですね。この時点で発言者の信頼性はゼロです。277では締結できないんでしょう?だから留保ができないっていう発言だって信頼性ゼロだし(現に小野寺議員はできるって答弁してるし)、犯罪の範囲を絞ることはできない(ウクライナは留保してるし、だいたい、この条約で名指しされているcorruption(汚職)に関する、政治資金規正法、公職選挙法違反は除外してるくせに何言ってんだって話ですよ。そっちのほうがよっぽど、条約の趣旨に外れとるわ。)ってのも信頼性ゼロ。外務省が訳文を出す際にわざわざ「説明書」とか抜かして、自分たちの考えを押し付けてから議会に提出してるのも我慢ならない。外務省が出してくる訳文が出るまでは政府は答弁しないし。原文に基づいて議論できる、緒方議員みたいなのがもっといれば話は変わってくるのかも知れんけど、外務省の嘘にまみれた判断が混ざりまくった文章がでてくるまで国会で議論できないってのもほんとになんとかしたほうがいい。
なにを勘違いしてるのか知らんけど、越境性を根拠にして留保する場合は5条じゃなくて、第34条2項、対象犯罪を制限する場合は、第2条(b)だよ(ウクライナがこれ)。サヨク論法がどうこう言う前に自分の恥ずかしい論理構成を見直せよ。
一応詳しく書いといてやるけど、国内法の原則に則って、とわざわざおっしゃっていただいていて、我が国の刑法原則は、内心ではなく、準備行為等のなんらかの実行が伴って初めて処罰される、という原則があるのだから、第34条2項を留保して、越境性を持たない犯罪には適用しない旨を記載すればそれでいいだろってのが、かつての民主党案。国連の解釈ノートにも条約のscopeが、第34条2項によって変更されないことを示しているので、34条2項の留保は条約の趣旨に反するとは到底言えないだろうという主張。それに対して、第2条の(b)を留保すれば、すでに組織的殺人や強盗などは共謀段階で処罰可能であり、人身売買等のいくつかの法整備をすれば、実行行為の伴った処罰に関してはすでに広範な共謀共同正犯が実質的に認められているので、一般的な共謀罪はいらない、という主張は弁護士グループなどでよくされているところ。これに関しては、ウクライナが前例を示しているところであり、また法務省自らが体を張って、「(注)その他,マネーローンダリング罪,司法妨害罪等の犯罪化等が義務付けられており,今回,現行法では足りない罪の新設等の法整備も行います。」とcorruptionの記載をしていないところにも表れている通り、懲役5年以下規定がある公職選挙法、懲役15年以下の特別公務員職権濫用致傷、5年以下のあっせん収賄罪等々が、何の留保もなく除外できるんだから、第2条(b)を留保して除外できないものなんてあるの?って話じゃありませんかね。
調べれば書いてあることなのだが、結構知らない人が多いのでまとめておく。
パチンコ屋の問題は一重に「高額景品(1万円未満の景品)」が風営法で「唯一」認められていることである。違法カジノは風俗営業の5号店に該当するのだが、まず違法カジノというくらいだから風俗営業の届け出は行っていないだろうし、5号店で現金や景品を出すこと自体が既に違法なのだ。
パチンコ屋唯一の特権、高額景品。これを禁止すればぱちんこ屋はスマートボール屋と変わらなくなる。三店方式議論は目くらましだ。
これは5号店の代表格であるゲーセンで考えれば分かる。カジノゲームで1万円に換金できる景品が出たらどうだろうか? おそらくパチンコ屋と同様ギャンブル中毒の巣窟になるだろう。しかし実際はカジノゲームは賞品はおろか、メダルの持ち帰りも一切出来ない(預けることはできる)うっかりちょっとした景品を出して捕まった店もある。
UFOキャッチャーや射的屋などについては歴史的に色々あるので別に触れたい。当然現在でもUFOキャッチャーなどで高額景品を出すことは違法である。
まず、パチンコ屋は「ぱちんこ屋」として風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)で、
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO122.html
四 まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
と定義されている。第二条第一項四号で定義されていることから今は「4号営業店」などと呼ぶ。ちなみに何号かは過去にコロコロ変わっているので、まあそういうジャンルがゲーセンとは別にあるよと。
第十九条 第二条第一項第四号の営業を営む風俗営業者は、国家公安委員会規則で定める遊技料金、賞品の提供方法及び賞品の価格の最高限度(まあじやん屋を営む風俗営業者にあつては、遊技料金)に関する基準に従い、その営業を営まなければならない。
とまあ、まあじやん屋を除く4号営業店は賞品を出してもいいよ、となってるわけである。この額(税抜き1万円未満くらい)もぱちんこ屋は基本的に守っている(違法行為は基本的にしていない)。それ以外の遊戯(ゲーセンなど)は5号営業にあたるわけだが、同法二十三条で
三 遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(次号において「遊技球等」という。)を客に営業所外に持ち出させること。
2 第二条第一項第四号のまあじやん屋又は同項第五号の営業を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。
として、はっきりと遊技の結果による賞品の払い出しを禁じている。
ここで(十九条にもしれっと書いてあるが)「4号まあじゃん屋は賞品出しちゃダメ」と書いてあるのがミソである。ぱちんこ屋には触れていない。つまり、5号営業店(まあじやん屋とぱちんこ屋など)のうちまあじやん屋以外、すなわちほぼ、「ぱちんこ屋のみ」が景品の払い出しが認められているのである。
この「賞品の価格の最高限度」が異常に高いため三店方式が成り立っているわけだし、3店が完全に独立している限りパチンコ屋は合法なのだというのが今のところの筋である。「実質的に賭博罪に抵触するだろ」「3店は実質癒着してるではないか」という議論があるが、そこで戦っても勝てる目はない。「実質」では裁判は争えない。「実質無料」のソフトバンクだって捕まっていない。実際に三店癒着については裁判で争われ、店舗間の関連性が指摘されたに関わらず高裁で負けている。
ぱちんこ屋を潰したければ風営法改正、これを訴えない限り根本的には解決しない。現在は換金率のいい金製品などが賞品になっているため、仮に三店営業が出来なくなったとしても周囲に金プラ屋が乱立するだけだろう
それなのになぜか論点を外して三店方式の違法性などでパチンコ屋を攻撃してるのは実はパチンコ業界のマッチポンプではないかと訝ってしまう。そんなところを攻撃されてもぱちんこ屋としては「お好きに吠えてらっしゃい」としか思わないだろう。
「早生まれ」のプロフィールを踏まえると非常に言及しづらいんだが。
同学年(早生まれでこそないものの)の自分から言うとこれ、昨今のオタクマウンティングとか、はてな村アピールと同質なんだよ。
【オマエラはガンプラブームで知ったニワカ、オレは当時見てたゾ】っていう。
メンドくさい。
ちなみに自分の場合、ガンプラブーム到来の時期に「おっかしーな、本放送時見てるはずなのにまったく憶えとらん。やっぱ幼稚園児だったから憶えてないんでは?」と思い込んでいた……案外そんな所かも知れんが、その思い込みを補強したのが上記の思い込みじゃないかと疑っている。
ちなみにガンダムは当時の大手の子ども雑誌で知らされているはずだし、「TVガイド」なんかも隔週発刊だったはずだし、小学校入学前に知っててもおかしかないよ。
1979年2月発行「トイジャーナル」の表紙はガンダムだ。おもちゃクイズ(201406cガンダム) | おもちゃの総合情報サイト: おもちゃ情報net.
また、クローバーが発行したガンダムのチラシも当然放送開始前とされているのだが、この配布期間をどう遅く見積もっても、
春休み期間に問屋経由で全国の店舗に行き渡るように手配されてるだろう。
無敵鋼人シリーズの次回作として期待に胸を膨らませていてもおかしくはない。(ガンダムハンマーだの超合金ガンダリウムはその名残)
ちなみに
(奈良で視聴していたならABC放送で先行放送で金曜日。『来週から小学生だ〜』)
ただし、それがまだ幼稚園児というべきか、というと
であり、法的にはもう小学生になっている。
それはさておき、今さらながら、室屋さんおめでとう(これ書いておかないと後味が悪い)
http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/02/119/119tx.html
前文
第三章 国会
第四章 政府
第五章 国家財政
第六章 地方制度
第七章 司法
第八章 公務員
第九章 憲法改正
前文
天皇制支配体制によつてもたらされたものは、無謀な帝国主義侵略戦争、人類の生命と財産の大規模な破壊、人民大衆の悲惨にみちた窮乏と飢餓とであつた。この天皇制は欽定憲法によつて法制化されてゐた様に、天皇が絶対権力を握り人民の権利を徹底的に剥奪した。それは特権身分である天皇を頂点として、軍閥と官僚によつて武装され、資本家地主のための搾取と抑圧の体制として、勤労人民に君臨し、政治的には奴隷的無権利状態を、経済的には植民地的に低い生活水準を、文化的には蒙昧と偏見と迷信と盲従とを強制し、無限の苦痛をあたへてきた。これに反対する人民の声は、死と牢獄とをもつて威嚇され弾圧された。この専制的政治制度は日本民族の自由と福祉とに決定的に相反する。同時にそれは近隣植民地・半植民地諸国の解放にたいする最大の障害であつた。
われらは苦難の現実を通じて、このやうな汚辱と苦痛にみちた専制政治を廃棄し、人民に主権をおく民主主義的制度を建設することが急務であると確信する。この方向こそかつて天皇制のもとにひとしく呻吟してきた日本の人民と近隣諸国人民との相互の自由と繁栄にもとづく友愛を決定的に強めるものである。
ここにわれらは、人民の間から選ばれた代表を通じて人民のための政治が行はれるところの人民共和政体の採択を宣言し、この憲法を決定するものである。天皇制はそれがどんな形をとらうとも、人民の民主主義体制とは絶対に相容れない。天皇制の廃止、寄生地主的土地所有制の廃絶と財閥的独占資本の解体、基本的人権の確立、人民の政治的自由の保障、人民の経済的福祉の擁護――これらに基調をおく本憲法こそ、日本人民の民主主義的発展と幸福の真の保障となるものである。日本人民の圧倒的多数を占める勤労人民大衆を基盤とするこの人民的民主主義体制だけが帝国主義者のくはだてる専制抑圧政治の復活と侵略戦争への野望とを防止し、人民の窮極的解放への道を確実にする。それは人民の民主的祖国としての日本の独立を完成させ、われらの国は国際社会に名誉ある当然の位置を占めるだらう。日本人民はこの憲法に導かれつつ、政治的恐怖と経済的窮乏と文化的貧困からの完全な解放をめざし、全世界の民主主義的な平和愛好国家との恒久の親睦をかため、世界の平和、人類の無限の向上のために、高邁な正義と人道を守りぬくことを誓ふものである。
第二条 日本人民共和国の主権は人民にある。主権は憲法に則つて行使される。
第三条 日本人民共和国の政治は人民の自由な意志にもとづいて選出される議会を基礎として運営される。
第四条 日本人民共和国の経済は封建的寄生的土地所有制の廃止、財閥的独占資本の解体、重要企業ならびに金融機関の人民共和政府による民主主義的規制にもとづき、人民生活の安定と向上とを目的として運営される。
第五条 日本人民共和国はすべての平和愛好諸国と緊密に協力し、民主主義的国際平和機構に参加し、どんな侵略戦争をも支持せず、またこれに参加しない。
第六条 日本人民共和国のすべての人民は法律の前に平等であり、すべての基本的権利を享有する。
第七条 この憲法の保障する基本的人権は不可侵の権利であつて、これを犯す法律を制定し、命令を発することはできない。
政府が憲法によつて保障された基本的人権を侵害する行為をなし、またかやうな命令を発した場合は人民はこれに服従する義務を負はない。
第八条 人民は日本人民共和国の法律と自己の良心以外にはどんな権威またはどんな特定の個人にたいしても服従または尊敬を強要されることはない。人種、民族、性別、信教、身分または門地による政治的経済的または社会的特権はすべて廃止され今後設置されえない。皇族、華族の制度はこれを廃止する。称号、勲章その他の栄典はどんな特権をも伴はない。かやうな栄典の授与はあたへられた者にたいしてのみ効力をもつ。
第九条 人民は民主主義的な一切の言論、出版、集合、結社の自由をもち、労働争議および示威行進の完全な自由を認められる。
この権利を保障するために民主主義的政党ならびに大衆団体にたいし印刷所、用紙、公共建築物、通信手段その他この権利を行使するために必要な物質的条件を提供する。
第十条 人民に信仰と良心の自由を保障するため宗教と国家、宗教と学校は分離され、宗教的礼拝、布教の自由とともに反宗教的宣伝の自由もまた保障される。
第十一条 人民は居住、移転、国外への移住、国籍の離脱ならびに職業選択の自由をもつ。
第十二条 人民の住宅の不可侵と通信の秘密は法律によつて保護される。
第十三条 人民は身体の不可侵を保障され、何人も裁判所の決定または検事の同意なしには逮捕拘禁されることはない。
第十四条 何人も裁判所で裁判を受ける権利を奪はれず、裁判は迅速公平でなければならない。
第十五条 人民を抑留、拘禁した場合、当該機関は例外なく即時家族もしくは本人の指名する個人に通知しなければならない。また本人の要求があれば拘束の理由は直ちに本人および弁護人の出席する公開の法廷で明示されなくてはならない。
第十六条 何人も自己に不利益な供述をすることを強要されない。強制、拷問または脅迫のもとでの自白もしくは不当に長期にわたる抑留または拘禁の後の自白は、これを証拠とすることはできない。何人も自己に不利益な自白だけによつては有罪とされず、または刑罰を科せられない。
第十七条 被告人はどんな場合にも弁護の権利を保障され、事件の資料について精通する権利と法廷において自国語で陳述する権利とを保障される。
第十八条 どんな行為もあらかじめ法律によつてこれにたいする罰則を定めたものでなければ刑罰を科せられない。刑罰は犯罪の重要さに応じて科せられる。何人も同一の行為のために二度処罰されることはない。
第二十条 国家は裁判の結果無罪の宣告をうけた被告人にたいしては精神上、物質上の損害を賠償しなければならない。
第二十一条 受刑者の取扱ひは人道的でなければならない。受刑者の労賃と労働時間は一般企業の労働条件を基準として決定される。
女子の被拘禁者にたいしては特にその生理的特性にもとづく給養を保障し、妊娠、分娩の際には衛生的処置を保障しなければならない。
第二十二条 刑罰は受刑者の共和国市民としての社会的再教育を目的とする。受刑者にたいして合法的に科された刑罰を更に加重するやうな取扱を行つた公務員はその責任を問はれる。
第二十三条 受刑者を含む被拘禁者にたいして進歩的民主主義的出版物の看読を禁止することはできない。
第二十四条 勤労にもとづく財産および市民としての生活に必要な財産の使用・受益・処分は法律によつて保障され、その財産は相続を認められる。社会的生産手段の所有は公共の福祉に従属する。財産権は公共の福祉のために必要な場合には法律によつて制限される。
第二十五条 人民は性別を問はずすべての国家機関の公務員に選任される権利をもつ。
第二十六条 人民は個人または団体の利害に関しすべての公共機関に口頭または文書で請願または要求を提出する権利をもつ。何人もこの請願または要求をしたためにどんな差別待遇もうけることはない。
第二十七条 女子は法律的・経済的・社会的および文化的諸分野で男子と完全に平等の権利をもつ。
第二十八条 婚姻は両性の合意によつてのみ成立しかつ男女が平等の権利をもつ完全な一夫一婦を基本とし純潔な家族生活の建設を目的とする。社会生活において家長および男子の専横を可能とする非民主的な戸主制ならびに家督相続制はこれを廃止する。夫婦ならびに親族生活において女子にたいする圧迫と無権利とをもたらす法律はすべて廃止される。
第二十九条 寡婦およびすべての生児の生活と権利は国家および公共団体によつて十分に保護される。
第三十条 人民は労働の権利をもつ。すなはち労働の質と量にふさはしい支払をうける仕事につく権利をもつ。この権利は民主主義的経済政策にもとづく失業の防止、奴隷的雇傭関係および労働条件の排除、同一労働に対する同一賃銀の原則、生活費を基準とする最低賃銀制の設定によつて現実に確保され、労働法規によつて保障される。
第三十一条 勤労者の団結権、団体交渉・団体協約その他団体行動をする権利は保障される。被傭者は企業の経営に参加する権利をもつ。
第三十二条 労働の期間および条件は労働者の健康、人格的威厳または家庭生活を破壊するものであつてはならない。十八歳以下の未成年者はその身心の発達を阻害する労働にたいして保護され、十六歳以下の幼少年労働は禁止される。
第三十三条 人民は休息の権利をもつ。この権利は一週四十時間労働制、一週一日・一年二週間以上の有給休暇制、休養のための諸施設ならびに労働諸法規によつて保障される。
第三十四条 勤労婦人は国家および雇主からその生理的特性にたいする配慮をうけ、産前産後の有給休暇、母子健康相談所、産院、保育所等の設備によつてその労働と休息の権利を保障される。
第三十五条 人民は老年、疾病、労働災害その他労働能力の喪失および失業の場合に物質的保障をうける権利をもつ。この権利は国家または雇主の負担による労働災害予防設備、社会保険制度の発展、無料施療をはじめとする広汎な療養施設によつて保障される。
第三十六条 家のない人民は国家から住宅を保障される権利をもつ。この権利は国家による新住宅の大量建設、遊休大建築物、大邸宅の開放、借家人の保護によつて保障される。
第三十七条 すべての人民は教育をうけ技能を獲得する機会を保障される。初等および中等学校の教育は義務制とし、費用は全額国庫負担とする。上級学校での就学には一定条件の国庫負担制を実施する。
企業家はその経営の便宜のために被傭者の就学を妨げることはできない。
第三十八条 日本人民共和国は人民の科学的研究、芸術的創造の自由を保障し、人民のあらゆる才能と創意の発展を期し、研究所、実験所、専門的教育機関、文化芸術諸施設を広汎に設置する。
第三十九条 日本人民共和国は民主主義的活動、民族解放運動、学術的活動のゆゑに追究される外国人にたいして国内避難権を与へる。
第四十条 日本人民共和国に居住する外国人の必要な権利は法律によつて保障される。
第四十一条 人民は日本人民共和国の憲法を遵守し、法律を履行し、社会的義務を励行し、共同生活の諸規則に準拠する義務をもつ。
第三章 国会
一 内外国政に関する基本方策の決定
二 憲法の実行の監視
三 憲法の変更または修正
四 法律の制定
五 予算案の審議と確認
七 国会常任幹事会の選挙、国会休会中において常任幹事会の発布した諸法規の確認
十 会計検査院長の任命
十一 各種専門委員会の設置
第四十五条 国会は法律の定める定員数からなる代議員によつて構成される一院制議会である。
第四十六条 日本人民共和国の立法権は国会だけがこれを行使する。
第四十七条 代議員として選挙され、かつ代議員を選挙する資格は、政治上の権利を有する十八歳以上のすべての男女に与へられる。選挙権、被選挙権は定住、資産、信教、性別、民族、教育その他の社会的条件によるどんな差別、制限をも加へられない。
第四十八条 代議員の選挙は比例代表制にもとづき平等、直接、秘密、普通選挙によつて行はれる。
第四十九条 代議員はその選挙区の選挙民にたいして報告の義務を負ふ。選挙民は法律の規定に従つて代議員を召還することができる。
第五十一条 国会は代議員の資格を審議する資格審査委員会を選挙する。国会は資格審査委員会の提議により個々の代議員の資格の承認または選挙の無効を決定する。
第五十二条 国会は必要と認めた場合にはすべての問題に関して査問委員会および検査委員会を任命する。すべての機関および公務員はこれらの委員会の要求に応じて必要な資料と書類を提供する義務を持つ。
第五十三条 国会の会期は年二回を原則とする。臨時国会は国会常任幹事会の決定および代議員三分の二以上の要求によつて召集される。
第五十四条 国会は代議員数の三分の二以上の出席によつて成立する。
第五十五条 法律は国会において代議員の単純多数決によつて成立し、国会常任幹事会議長および書記の署名をもつて公布される。
第五十七条 国会は議長一名、副議長二名を選挙し、議事の進行、国会内の秩序の維持にあたらせる。
第五十八条 代議員は国会の同意がなくては逮捕されない。国会の休会中は国会常任幹事会の承認を必要とし次期国会の同意を要する。
第五十九条 国会には代議員の三分の二以上の決議にもとづき解散を告示する権限がある。
第六十条 国会の任期が満了するかまたは国会が解散された場合には、四十日以内に総選挙が施行される。
第六十一条 総選挙施行後三十日以内に前国会常任幹事会は新国会を召集する。
第六十三条 国会常任幹事会は議長および副議長各一名を選挙し、議長は日本人民共和国を代表する。
二 国会休会中政府首席による政府員の任免の確認 ただしこれについては国会の事後確認を必要とする
四 政府の決定および命令のうち法律に合致しないものの廃止
五 赦免権の行使
六 国際条約の批准
第六十五条 国会の任期が満了するかまたは国会が解散された場合には、国会常任幹事会は新たに選挙された国会によつて、新国会常任幹事会が選出されるまでこの権限を保持する。
第四章 政府
第六十六条 政府は日本人民共和国の最高の行政機関である。政府首席は国会によつて任命され、首席の指名にもとづき国会の承認をえた政府員とともに政府を構成する。
第六十七条 政府は国会にたいして責任を負ひ、国会の休会中は国会常任幹事会にたいして責任を負ふ。各政府員は政府の一般政策について全体的に、個人的行動については個人的に責任を問はれる。
第六十八条 国会が政府にたいする不信任案を採択した場合には政府は総辞職する。
第六十九条 政府は次の事項を管掌する。
一 一般的中央行政事務の遂行のために現行諸法規にもとづいて決定又は命令を発布し、かつその執行を検査すること
この点について議論されてるのが見つからなかったので、自分の解釈違いかもしれないのでそうだったら突っ込んで
第百三十八条 この法律の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第二章 、第三章及び第四章の二の規定は、適用しない。
第百三十九条 この法律の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為又はその不作為については、審査請求をすることができない。
※
「公権力の行使に当たる行為」に行政手続法を適用せず、というのはまぁわかります。罰則についてはこの国民投票法において事細かに記述があるし。その罰則の適用理由もまぁこれを突っ込んでもしょうがない。というレベル
どこかのあの党が「憲法改正」を推進するために不正行為をしても、あるいはどこかのあの党が「憲法改正阻止」を推進するために不正行為をしても「審査請求」が出来ずに情報は公開されないって事?
もうやりたい放題になるんじゃないのこれ。ネットに関する規制もほとんど全く国民投票法には書かれてないし、これで有利になるのは「組織力を持ったところ」だと思うんですけどね、
抜け道は考えるだけでもたくさんある。
広告放送を国民投票14日前から禁止している(105条)があれども、それを罰する規定はこの法律には存在しない。そしてこれを守らなかったところがあっても「審査請求」がこの国民投票法により出来ないので「一体なぜ守らなかったのか」すら国民には分からない。またネットでいくら不正な「賛成」「反対」の活動をしようともそれが公にされる事もないし、罰則も今のところない(と読める気がする)
なんか他にも突っ込みどころは多数あるし
国民投票をするな、とは言わないけどももうちょっとなんとかならなかったのかなこれ。こんなの改憲派に有利と見られてもしょうがないよ。
最初に断っておくが、神社本庁と日本会議が企んでいる憲法改正の「具体的内容」に関しては、私は与しない。
憲法はリバイアサンである国家権力の横暴を縛り国民の自由を守る最後の砦であり、憲法で道徳を規定するのは近代国家として恥ずべきことであると考えるからだ。
この憲法改正の是非はともかく、一方で、この運動をめぐって「政教分離に違反するんじゃね?」的な、「政教分離に関する誤解」が、少なからず蔓延していることに驚いた。ここでは、この論点について明らかにしたい。
そもそも、日本国憲法には「政教分離」の言葉は無いが、以下の条文がその根拠とされている。
[第二〇条]
一 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
三 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
[第八九条]
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便宜若しくは維持のため、……これを支出し、又はその利用に供してはならない。
つまり、憲法で禁止されているのは、(1)国が特定の宗教団体に対して特権を付与すること、(2)宗教団体が政治権力(=国がも独占すべき統治権力)を行使すること、(3)国が宗教活動を行うこと、のみだ。
これまでの判例によれば、国や地方公共団体などが公費で神社に玉串料を納めること、市が市有地を神社に無償提供すること、総理大臣が公費を使って公式参拝を行うこと、などが違憲に該当する。
一方で、「宗教団体が政治活動を行うこと」は憲法では禁止されていない。実際、公明党-創価学会、幸福実現党-幸福の科学、真理党-オウム真理教など、特定の宗教団体が政党を結成して政治活動を行っており、これらは「政教分離」には違反しない。
むしろ、「宗教団体が政治活動を行うこと」を禁止した場合、思想・良心の自由(第十九条)、結社・言論の自由(第二十一条1項)、国政選挙における信条による差別の禁止(第44条)といった規程に違反することになる。つまり、「宗教団体が政治活動を行うこと」の禁止の方こそ憲法違反だ。
主 文
事 実
原告は被告が昭和四十三年四月一日附でなした稲沢市役所庁舎建設用地収得に関
する専決処分を取消す。被告が昭和四十三年五月十一日稲沢市<以下略>、〇〇〇
平方米の土地を市役所庁舎建設用地として買収するための土地売買契約を締結し金
二千万円也の手付金を支出した措置を取消す。訴訟費用は被告の負担とする。との
判決を求め、請求の原因として、(一)稲沢市役所の位置は同市役所の位置に関す
る条例(昭和三十三年十一月一日施行第十号)により稲沢市<以下略>と定められ
ている外その位置を変更しようとする条例は何等定められていない。(二)しかる
に被告は昭和四十三年四月一曰専決処分をもつて稲沢市条例に定める市役所の位置
(稲沢市<以下略>)の西方約二千五百米の位置にある稲沢市<以下略>その他の
土地を市役所庁舎建設用地として買収することを決定し、同年五月十一日これが買
収契約を締結し、手付金として金二千万円を支出した。(三)このような被告の措
置は右市役所の位置に関する市条例の規定に反し、右買収土地の位置に同市役所の
位置を変更しようとするものであることは明白である。従つてこれら被告の措置は
地方自治法第四条第一項の規定に違反する違法措置で当然取消されなければならな
い。仮に被告が今後において市役所の位置を右買収土地の位置に変更又は変更しよ
うとする市条例を権力盲従市議会議員の同意のもとに制定公布したとしても右買収
土地が南北約六千米、東西八千米の中心点より西北約千三百米、市民重心点の西北
西約二千三百米、交通の中心名古屋鉄道国府宮駅の西方約二千三百米であることを
勘案した場合地方自治法第四条第二項の規定の変更等の特別の事情の変更のない限
り同条項に反する位置へ市役所を変更しようとする市条例で無効な市役所の位置に
関する条例であると看做す外なく、右買収土地へ市役所を変更することは不可能で
ある。
因みに稲沢市昭和四十三年度予算において市庁舎建築予算が可決され本件議案が廃
案となつたことをもつて被告は市議会が議決すべき議案を議決しなかつたとして右
の専決処分をもつて右土地の売買契約を締結したものであるが本件議案は右買収土
地に市役所の位置を変更する事業を実施することの承認を求めるに外ならない議案
であることが明白で市役所の位置を定める市条例に違反する処置事業の執行の承認
を与える議決が無意味な無効議決であるとして討論採決しなかつた市議会の処置は
適切である。このような無意味な違法議案を市議会が議決しなかつたとしてなした
被告の右の専決処分もまた無意味な違法処分である。又被告は本件議案提出のため
の議会招集の暇がなかつたとしているが右土地の買収契約締結まで四十曰の期間が
あつたので議会を招集する暇がないとの理由は成立しない。以上いずれの点よりみ
るも被告に地方自治法第百七十九条に示された被告の専決処分を容認する事由は見
当らない。かかる違法な専決処分により右土地の売買契約を締結し手付金として金
二千万円を支出した被告の措置は地方自治法第百三十八条の二並びに地方公務員法
第三十二条の規定に反する違法処分であり、いずれも取消を免れない。(四)そこ
で原告は被告の右契約による公金支出につき稲沢市監査委員に対し監査等の措置を
請求したところ七月十八日監査結果の通知(甲第一号証)があつた。原告は右の監
査結果に不服があるので地方自治法第二百四十二条の二第一項の規定により本訴請
被告は主文と同旨の判決を求め、答弁として、請求の原因たる事実(一)、
(二)の各点と同(四)のうち原告より監査請求のあつたことと右監査結果が原告
に通知された点を認め、その余の点を否認し、被告の主張として(一)原告は右監
査の結果に不服があるとしながらその不服事由については何等主張がなく、かかる
具体的事由の主張のない本訴請求は許されない。(二)被告の右の専決処分は昭和
四十三年六月二十日稲沢市議会において承認可決されたのでもはや専決処分のみの
取消請求は決して許されない段階となつた。と述べた。
特許法の条文のどこをどう読んだら「もの」(物)が特許権の保護対象にならないと読めるんだろうな。
(定義)
第二条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
2 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。
3 この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
一 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
三 物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
4 この法律で「プログラム等」とは、プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この項において同じ。)その他電子計算機による処理の用に供する情報であつてプログラムに準ずるものをいう。
第二十九条 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
一~三 (略)
2 (略)
1.『精神保健及び精神障害者福祉に関する法律』に基づく強制治療ができるようになる
一般的な病気の場合、まずは患者自身が病気であることに気付いて通院・入院などにより治療が始まる。
だが、精神病の場合、本人に病気の自覚が無いことも多い。また、本人の自由意志は最大限に尊重されるべきではあるが、そもそも精神病の場合その自由意志に混乱をきたしていて、本人や他人を害する方向に向かっていることもある。
そのため、精神病の場合は本人の意志を無視して強制入院などが出来ると法律で定められている。
第二十二条 精神障害者又はその疑いのある者を知つた者は、誰でも、その者について指定医の診察及び必要な保護を都道府県知事に申請することができる。
2 前項の申請をするには、次の事項を記載した申請書を最寄りの保健所長を経て都道府県知事に提出しなければならない。
一 申請者の住所、氏名及び生年月日
三 症状の概要
四 現に本人の保護の任に当たつている者があるときはその者の住所及び氏名
第二十三条~第二十六条:本文省略(警察官、検察官、保護観察所の長、矯正施設の長、精神科病院の管理者、の各人による通報に関する規定。
(申請等に基づき行われる指定医の診察等)
第二十七条 都道府県知事は、第二十二条から前条までの規定による申請、通報又は届出のあつた者について調査の上必要があると認めるときは、その指定する指定医をして診察をさせなければならない。
2 都道府県知事は、入院させなければ精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあることが明らかである者については、第二十二条から前条までの規定による申請、通報又は届出がない場合においても、その指定する指定医をして診察をさせることができる。
3 都道府県知事は、前二項の規定により診察をさせる場合には、当該職員を立ち会わせなければならない。
4 指定医及び前項の当該職員は、前三項の職務を行うに当たつて必要な限度においてその者の居住する場所へ立ち入ることができる。
5 第十九条の六の十六第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入りについて準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第二十七条第四項」と、「当該職員」とあるのは「指定医及び当該職員」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第二十七条第四項」と読み替えるものとする。
第二十八条は診察の通知についての条文なので省略
第二十九条 都道府県知事は、第二十七条の規定による診察の結果、その診察を受けた者が精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときは、その者を国等の設置した精神科病院又は指定病院に入院させることができる。
2 前項の場合において都道府県知事がその者を入院させるには、その指定する二人以上の指定医の診察を経て、その者が精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めることについて、各指定医の診察の結果が一致した場合でなければならない。
(第3項以降は省略)
この規定に基づき、オタクである可能性がある人を通報し、強制的に診察を受けさせ、オタクであると認められた者は場合によっては措置入院させることができるようになる。
流石にインフルエンザなのに無理に出勤した人物などに適用された事例は無いが、相手への復讐のため意図的に性病を感染させた事例や、相手に無言電話をかけ続けて不眠症にした事例では傷害罪が適用されるという判例がある。
人をオタクにするための作品を作る人物も傷害罪で取り締まれるようになる。
表現規制なんてしなくても、こうすればオタクなどという非生産的で性犯罪者予備軍である人々が根絶できます。だから精神科の人は『オタクは精神病である』という事実が認められるよう、精神科医の学会で頑張って欲しいです。
来年から施行されるマイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)を口語訳してみました。とりあえず1章から4章まで。
http://law.e-gov.go.jp/announce/H25HO027.html
この法律は、行政事務を行う人が個人番号(または法人番号)を使って、特定の個人(または法人などの団体)を識別できる情報システムを活用して、効率的に仕事ができるようにするために必要なことを定めるよ。
また、他の行政事務を行う人との間で、すばやく情報のやりとりを行えるために必要なことを定めるよ。
これによって、行政運営が効率化されるよ。また、社会保障分野の公正な給付と税金の徴収がきちんと行われるようになるよ。役所への届出や申請をはじめとした手続が簡単になったり、身分証明が簡素化されたり、国民のみんなの利便性を向上するために、必要なことを定めるよ。
このほか、個人番号や個人情報の取扱いが安全にきちんと行われるよう、以下の法律に関する特例を定めるよ。
1.個人番号と法人番号を使うときは、次のことを意識しないといけないよ。
2.個人番号と法人番号を使って何かするときは、社会保障制度、税制、災害対策に関する分野が便利になるように考えてね。あと、一応それ以外の分野でも便利になるように考慮してね。
3.本人確認が簡単になるから、個人番号カードをどんどん使ってね。でも個人情報の漏洩にならないよう注意してね。
4.情報提供ネットワークシステムは、個人情報をやりとりするのに便利なものだからどんどん使ってね。将来的に個人情報以外の情報もやりとりするから、その辺も気にしてね。
1.国は、基本理念にのっとり、個人番号がちゃんと取り扱われるような取り組みをするよ。
2.国民のみんなに理解してもらえるよう教育活動とか広報活動をするよ。
また、国と連携して、地域ごとの特色に応じて個人番号を利用するよ。
個人番号と法人番号を利用する事業者は、国や地方公共団体の取り組みに協力してね。
1.市長は、住民票に住民票コードを載っけたときには、すぐに個人番号をその人に連絡しないといけないよ。そのときは、通知カードで連絡するよ。
2.市長は、住民の個人番号が漏えいしちゃって、他の誰かに悪用されそうだったら、個人番号を変えてあげて、その人に教えてあげないといけないよ。そのときは、また通知カードで連絡するよ。
3.市長は、住民が個人番号カードを受け取れるように住民への連絡をちゃんとしてね。
4.通知カードを受け取った人は、転入手続きをするときに、通知カードを役所に持ってこないとダメね。転入によって実際の住所と通知カードの住所が違ってきてしまうので、訂正しないといけないから。
5.上記以外の理由で通知カードの記載内容と実際の情報が違ってしまう場合は、14日以内に役所に届け出てね。(たとえば、結婚とかで名前が変わるときとか)
7.通知カードが自宅に届いたら、希望者には個人番号カードを渡すから、一回役所に通知カードを返してね。
1.市町村は、ある国民に個人番号を割り当てたいときは、地方公共団体情報システム機構(以下、機構で統一)にあらかじめ連絡してね。そのときは、機構で住民票コードを元に個人番号を作るよ。
2.機構は、市町村から個人番号の生成を求められたときは、コンピュータシステムで個人番号を作って、市町村に教えるよ。
生成される個人番号の条件を以下に挙げるよ。
3.機構には、個人番号の生成と市町村へ通知するためのコンピュータシステムを設置するよ。
1.個人番号の利用して良い範囲は、別のところ(別表第一)で定めるからそっち見てね。
2.地方公共団体は、福祉、保健、医療、地方税、防災関係の事務で個人番号を利用していいよ。ここに挙げていないその他の事務でも、条例で定めれば個人番号を使っていいよ。委託された事業者も同じね。
3.個人番号が載った書類を扱う事務の人は、必要に応じて個人番号を使っていいよ。委託された事業者も同じね。
以下の法律でもそう定めるよ。
4.所得税法で決められている一部の人は、大きな災害などで地方公共団体の財政がやばいときは、国が手助けするから、そのときに個人番号を利用していいよ。(激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律)
5.個人番号を含む個人情報は、その提供を受けた目的を達成するために使ってね。だけど、第十九条第十一号から第十四号までのいずれかに該当してないとダメだよ。
1.個人番号利用事務または個人番号関係事務の委託を受けた業者は、発注元がOKを出したときに限って、再委託してもいいよ。
2.個人番号利用事務または個人番号関係事務の委託を受けた業者は、以下の規定が自動的に適用されるよ。
個人番号利用事務等の委託するときは、個人情報が安全に管理されるよう、委託先をちゃんと監督しなくちゃいけないよ。
個人番号を扱う事務をする人は、個人番号が漏えいしたり、個人番号が失われたりしように、ちゃんと管理しなくちゃいけないよ。
個人番号を扱う事務をする人は、窓口に来た人や役所などで個人番号にかかわる事務をする人が、同じような書類を何度も提出しなくても良いように、お互いに連携をとって、情報を共有しないといけないよ。
1.個人番号を扱う事務をする人は、事務処理をする上で必要があるときは、本人または他の個人番号を取り扱う事務をする人に、個人番号の教えてもらうができるよ。
2.個人番号を扱う事務をする人は、事務処理をする上で必要があるときは、機構で保存されている本人確認情報を教えてもらうことができるよ。
どんな人でも、他の人(家族とか一緒に住んでいる人を除くよ)に対して、個人番号を教えてもらうことは禁止だよ。
個人番号を扱う事務をする人は、本人から個人番号を教えてもらうときは、その人から個人番号カードまたは通知カードと一緒に、身分証明書を提示してもらうようにしてね。代理人の場合もその人が本当に代理人かどうか確認するようにしないといけないよ。
1.市長は住民が個人番号カードを欲しいと申請してきたときに、個人番号カードを交付してね。そのとき、通知カードは返してもらってね。
2.個人番号カードを持っている人は、最初の転入届を役所に持って行くときに、個人番号カードを役所に提出しないといけないよ。
3.住民から個人番号カードの提出を受けた役所は、個人番号カードの記載内容に誤りがないか確認して、誤りがあれば訂正するなりして、その後に住民に個人番号カードを返してね。
4.個人番号カードを持っている人は、カードの内容に変更があったときは、14日以内に、役所に届け出ないといけないよ。そのときは、個人番号カードも一緒に提出してね。
個人番号カードは、以下に挙げる機関が本人確認に利用できるよ。また、カード内部にはカード表面に書かれた内容が記録された部分と違う部分に、事務処理で使うためのデータを保存することができるよ。
個人番号カードを扱う事務をする人は、カードの内容が漏えいしたり、失われたりしように、ちゃんと管理しなくちゃいけないよ。
特定個人情報っていうのは、個人番号を含んだ個人情報のことね。
どんな人も特定個人情報を提供しちゃいけないよ。ただし、以下の場合は除くよ。
どんな人も、他人の特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)を収集したり、保管しちゃいけないよ。ただし、第十九条に該当する場合は除くよ。
「情報提供ネットワークシステム」とは、行政機関同士がオンラインで相互に接続されたコンピュータシステムのことね。暗号化とその他の仕組みによって、通信内容は簡単には復元できないようになっているよ。「情報提供ネットワークシステム」は、総務省が設置して、管理するよ。
1.総務省は、特定個人情報保護委員会と話し合って、情報提供ネットワークシステムを設置するよ。
2.総務省は、情報照会者から特定個人情報を要求されたときには、情報提供ネットワークシステムを使って、情報提供者に対してそれがあったことを教えるよ。ただし、次の場合は除くよ。
1.情報照会者も情報提供者も、特定個人情報のやりとりがあったときは、以下をログとして記録しないといけないよ。
2.情報照会者と情報提供者は、以下のいずれかに該当する場合には、情報提供ネットワークシステムに接続されたコンピュータシステムに記録し、一定期間保存しておかないといけないよ。
3.総務省は、特定個人情報を求められたり、提供したときは、情報提供ネットワークシステムに記録し、一定期間保存しておかないといけないよ。
総務省と情報照会者や情報提供者は、情報提供等事務に関する秘密が漏えいしないようにコンピュータシステムの安全性と信頼性を確保してね。
情報提供等事務や情報提供ネットワークシステムの運営に関する仕事をする人は、そこで知った秘密を漏らしたり、盗んだりしたらいけないよ。(仕事を辞めた人も同じね)
戦争準備であるという意見の一つとしては、この孫崎享のインタビュー(http://wpb.shueisha.co.jp/2013/11/19/23215/)が幾つかの見方を示している。
私はこの記事全体や孫崎享の普段の言動全てに賛同しているわけではないけれど。
リンク貼って終わりというのもなんなので、門外漢ではあるが私なりの言葉で説明してみる。
特定秘密保護法案を後押しする背景には色々あるけれど、アメリカの意向に従うためというのは大きな要素の一つだという見方がある。
上で貼った孫崎享のインタビューはそれを強調した例だが、たとえば比較的中立そうな(という私の言葉を鵜呑みにするべきではないが)この郷原信郎の記事(http://www.huffingtonpost.jp/nobuo-gohara/post_6356_b_4388670.html)でも、
今回、この時期に、急いで法案を成立させようとしている背景に、アメリカの意向が働いていることは否定できないであろう。現在の、日本の外交政策の下で、外交・防衛に関する秘密管理を厳格化することは、「対米追従」を一層進め、アメリカとの軍事同盟を強化することにつながる。
という風にある。
相手はアメリカに限った事ではないと私は思うのだが、結局、情報のセキュリティレベルを上げないと、世界各国から情報面で信用してもらえず、安全保障上で有用な情報を提供してもらえない、というのがある。この法律によりセキュリティレベルを上げることでそういう情報をもらいやすくするというのはあるだろう。その、便宜を図ってくれそう・守ってくれそうな中心はやはりアメリカであるが。
しかし、当然外交は、情報をもらって「あざーっす」ではすまない。こちらからもお礼をしなければならない。それが問題だ。
安全保障の情報を提供してくれるというのは、やはり軍事的な繋がりを強くするということになる。
そして軍事的に強く連携した諸外国が日本に何を求めてくるか考えてみれば、それは自国の参加する戦争に日本も、自衛隊も参加してくれということだ。
私は、アメリカなどとの軍事的繋がりが強化されるという所までは間違いないと思う。ただ、果たしてこの、戦争に日本の武力を提供することを要求されるかという最後の部分はよく分からない。そうだ、とも違う、とも判断しきれない気がする。あいつら、何考えてるか全然わかんねーもん。ただ、懸念としては一理あるとも考える。
ここは、各国と連携を強めることで日本が戦争やテロ被害を回避する能力を手に入れるメリットが大きいと考えるか、連携に引きずられて戦争に巻き込まれるかもしれないデメリットが大きいと考えるかである。
そこに正解はあるのだろうか。
法案の修正案(http://www.asahi.com/articles/TKY201311260565.html)の最後の方に、『別表(第三条、第五条―第九条関係)』として特定秘密に指定可能な情報が列挙されている。
この辺りについて、曖昧で恣意的な秘密指定ができてしまう、という批判が多い。
戦争を危ぶむ人は
なんかに危機感を持つだろう。政府が自衛隊・防衛力について目論んでいることが、およそほとんど特定秘密に指定しうる。防衛力、言い換えれば軍事力を過剰に増強して戦争準備をしても、国民はそれに気付けないということだ。
また私としては、
イ テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ テロリズムの防止に関し収集した【国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報】又は外国の政府若しくは国際機関からの情報
辺りにも注目したい。
「テロに悪用されうる情報は特定秘密に指定しうる」ということだが、考えてみれば、悪用した際にテロリズムに結び付かない情報などあるだろうか。国に関する情報というのはほとんどが悪しきものの手に渡れば日本国にダメージを与える事態が想定しうる。つまり、どんな情報だってこの項目に当て嵌めて特定秘密に指定するよう理屈はつけられる。政権に不都合な情報を恣意的に特定秘密にできる。
もちろん、まともな政府なら、こっそりと極端な防衛力強化などしないし、特定秘密指定の濫用等しない。だが、自民党でも民主党でも他の党でもそうだが、今から未来に渡っての政府に対して常にまともであることを期待するのは、リスクが大きすぎるのではないだろうか。
人は愚かでエゴイスティックだし、権力はいつか暴走するものだと私は考えている。そういう政府権力が生まれた時に、この法案があると危険である。
しかし一方で、この特定秘密指定要件は妥当と言わざるをえないとも私は考える。
というのも、安全保障でも外交でも防諜でもテロ防止でもそうだが、それらについて公開するとまずい情報というのは様々なものがあり、ある程度曖昧な要件にして包括的に判断できるようにしておかなければ、この法律を善なる目的のために使おうとした時に困ってしまうからだ。
特定秘密指定は恣意的に出来てしまうが、恣意的に指定する柔軟性がなければ秘密の保護が有用性を持たないというジレンマがここにはある。
ただ、善後策として、あまりに秘密指定の濫用がされた場合に、それをチェックする機関を置くという手がある。
だが次項で述べるように、それも不十分であることがこの2の項の不安さを増している。
政府が万一悪用した際に大きな問題が起こる法律でありつつ、その運用のチェック方法が明確でない。
修正案では、
第十八条 政府は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し、統一的な運用を図るための基準を定めるものとする。
2 【内閣総理大臣は】、前項の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理等に関し優れた識見を有する者の意見を【聴いた上で、その案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。】
【3 内閣総理大臣は、毎年、第一項の基準に基づく特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況を前項に規定する者に報告し、その意見を聴かなければならない。
4 内閣総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況に関し、その適正を確保するため、第一項の基準に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督するものとする。この場合において、内閣総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施が当該基準に従って行われていることを確保するため、必要があると認めるときは、行政機関の長(会計検査院を除く。)に対し、特定秘密である情報を含む資料の提出及び説明を求め、並びに特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施について改善すべき旨の指示をすることができる。】
(国会への報告等)
【第十九条 政府は、毎年、前条第三項の意見を付して、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況について国会に報告するとともに、公表するものとする。】
ということになっている。
要するに内閣総理大臣がチェック機関の役目を果たすということだ。しかしこれは全然チェックの役目を果たさないのではないか。
もし将来悪しき政府や悪しき行政が出現したとしたら、行政のトップである内閣総理大臣もその悪の側についている可能性が大きい。なのに内閣総理大臣が適性かチェックするというのは、まるで意味をなさない。
流石にこれだけではまずいと思ったのか、
(指定及び解除の適正の確保)
【第九条 政府は、行政機関の長による特定秘密の指定及びその解除に関する基準等が真に安全保障に資するものであるかどうかを独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関の設置その他の特定秘密の指定及びその解除の適正を確保するために必要な方策について検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。】
ということも追加されているのだが、チェック機関について検討し措置を講ずるというのは、これから講じますけど具体的に何をどうするか決まってないということになる。
まして、政治におけるこのような検討する・講ずるという言い方は、努力目標のようなもので、実際の対応には結びつかないことが多々ある。
真剣に適正さを確保するつもりなら、「検討し、所要の措置を講じた」上でそれを発表して、改めて法案を通した方が広く納得を得られるように見える。だが現在与党は見ての通り強行採決に踏み切り、それが「本気で適正な運用をするつもりがあるのだろうか?」という不安を煽る。
その辺りをつつかれたのか、昨日の12月5日にこういうニュースがあった。情報保全監察室を内閣府に設置、とのことだ( http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131205/k10013613641000.html)。
与党側は、5日午前、日本維新の会とみんなの党に対し安倍総理大臣が内閣官房に設置する考えを示した事務次官級による保全監視委員会とは別に、特定秘密の指定の妥当性をチェックする新たな機関を内閣府に設置することなどを提案しました。
これについて、菅官房長官は、法案を審議する参議院の特別委員会で「法律の施行までに内閣府に20人規模の『情報保全監察室』を設置して業務を開始したい。必要な場合は立法により、できるかぎり『情報保全監察室』を『局』に格上げすることを約束する」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、情報保全監察室が担当する業務について「独立性の高い第三者機関を設置する必要があると承知しており、各行政機関による個別の『特定秘密』の指定や解除、有効期間の設定や延長を検証・監察し、不適切なものについて是正を求めていく」と述べました。
情報保全観察室、とかいうチェック機関を置く方向を見せてきました。が、それが具体的にどんなものなのかはまだはっきりしていない。この瀬戸際で出された提案なので当然だが、内閣府に置かれたそれが第三者機関として十分に働くかは細部が分からないので何とも言えない。
これについても、真剣に適正さを確保するつもりなら、ある程度情報保全観察室であるなり、独立性の高い第三者機関設置なりの案を煮詰めてから、特定秘密保護法案を議論にかければよい。
私としてはこのチェック機関についての議論をもっと充実させてほしかった。
が、ここでもやはりジレンマが発生する。
秘密は知る人が少ないほどセキュリティが保たれるので、チェック機関が大がかりであるほど秘密の実効性が薄れてしまうのだ。
それならチェック機関を小規模厳密にすればいいかと言えば、そうすると少人数の意思だけで判断されてしまい、容易に偏ったり腐敗したりしうる。
どうしたらいいのか、私には分からない。
戦争準備という論点から外れて個人的な懸念も書いてしまったが。
上記1~3をまとめると、特定秘密保護法案が戦争準備のはじまりである理由は、
・実際に巻き込まれつつあっても/または日本単独で戦争に向かい出してもそのことを政府が隠蔽できる手段を与え、
という、複合的な理由によるものではないだろうか。
結局のところこれである。
政治家は必ずしも清廉潔白ではないし清廉潔白でも判断を誤り得る。
私を含め国民は誰もが賢いわけではないし容易に騙されうる。
行政、立法、司法、省庁、識者、学者、マスコミ、主権者たる国民、右翼に左翼にノンポリ、将来にわたり完璧に信用できる人間や集団なんてない。
適正に運用されればためになる法律だって、解釈を工夫すればいくらでも悪用できる。
だから、強力な力を持つ法律やシステムには可能な限りセーフティロックをかけておくべきだ。
だが、上でつらつら書いたように、セーフティロックが十分だとはとても言えない。
そこがよくないと私は考える。
諸手を挙げて賛成している人たちは、政府や、自分達国民を完全に信用しているのかもしれない。
私には強い不信感がある。多分反対する人たちの多くにも不信感がある。
特定秘密保護法案に限らないのだが、この、根本的な、国や人間そのものへの信頼意識のずれをすり合わせないと賛成反対の議論はかみ合わないだろうし、実際噛み合っていないことが多い。
第1条 この法律は,特に秘密にしておきたい日本の安全保障に関する情報を漏れないようにすることを目的とする。 |
もう少し厳密に意訳するとこうなると思われる。この法律はあくまで国民及び国益を守ることが目的なのであって「情報を漏れないようにすることを目的とする。」のではないのである。
第1条 この法律は、日本の安全保障に関する情報のうち特に秘密にしておくべきものを、的確に管理することで日本国民及び日本の安全を確保することを目的とする。 |
次に第2条。
一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関
二 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関(これらの機関のうち、国家公安委員会にあっては警察庁を、第四号の政令で定める機関が置かれる機関にあっては当該政令で定める機関を除く。)
三 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関(第五号の政令で定める機関が置かれる機関にあっては、当該政令で定める機関を除く。)
四 内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)第十六条第二項の機関並びに内閣府設置法第四十条及び第五十六条(宮内庁法第十八条第一項において準用する場合を含む。)の特別の機関で、警察庁その他政令で定めるもの
五 国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の機関で、政令で定めるもの
六 会計検査院
第2条 省略 第3条 行政機関の長は,「うわやばいこれ漏れたら大変」ってやつを「特定秘密」っていうのにすることができる。 |
ここを省略してしまったせいで私は第3条の意訳を読んで「え?!行政機関の長がということは市町村長が勝手に秘密を決められるの?!」と早合点してしまった。次に私の意訳である。
第2条 この法律でいう『行政機関」とは「内閣に関連する機関」「省庁」「委員会」「内閣府組織設置法に定められた特別の機関(少子化社会対策会議とか自殺総合対策会議とか)」「国家行政組織法で定められた機関(国の研究所とか検査所とか)」「会計監査院」のことである。 |
ついで第3条である。
2 行政機関の長は、前項の規定による指定(附則第四条を除き、以下単に「指定」という。)をしたときは、政令で定めるところにより指定に関する記録を作成するとともに、当該指定に係る特定秘密の範囲を明らかにするため、特定秘密である情報について、次の各号のいずれかに掲げる措置を講ずるものとする。
一 政令で定めるところにより、特定秘密である情報を記録する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。以下この号において同じ。)若しくは物件又は当該情報を化体する物件に特定秘密の表示(電磁的記録にあっては、当該表示の記録を含む。)をすること。
二 特定秘密である情報の性質上前号に掲げる措置によることが困難である場合において、政令で定めるところにより、当該情報が前項の規定の適用を受ける旨を当該情報を取り扱う者に通知すること。
3 行政機関の長は、特定秘密である情報について前項第二号に掲げる措置を講じた場合において、当該情報について同項第一号に掲げる措置を講ずることができることとなったときは、直ちに当該措置を講ずるものとする。
一言で言ってしまうと『「うわやばいこれ漏れたら大変」ってやつを「特定秘密」っていうのにすることができる。』わけではない。
その表現だと何でもかんでも特定秘密にできてしまいそうである。厳密にはこうである。
第3条 第2条で定められている行政機関の長は、事前に特定秘密保護法が定めた事項に該当する情報で、漏れたら国益上良くないなと思った場合、特定秘密とすることができる。特定秘密としたことは記録すると同時に、どこが特定秘密なのか明らかにするために、その情報に「これは特定秘密だ」と書いておく必要がある。それが安全保障上の理由で出来ない場合はその情報を扱う担当者に「これは特定秘密なのだぞ」と伝えておけ。 |
で、この法案で定められた事項とは何であるかというと附則の第7条の表にまとめられている。
一 防衛に関する事項
イ 自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究
ホ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物(船舶を含む。チ及びリにおいて同じ。)の種類又は数量
チ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法
リ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法
ヌ 防衛の用に供する施設の設計、性能又は内部の用途(ヘに掲げるものを除く。)
二 外交に関する事項
イ 外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの
ロ 安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針(第一号イ若しくはニ、第三号イ又は第四号イに掲げるものを除く。)
ハ 安全保障に関し収集した条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報その他の重要な情報(第一号ロ、第三号ロ又は第四号ロに掲げるものを除く。)
ホ 外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号
三 特定有害活動の防止に関する事項
イ 特定有害活動による被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「特定有害活動の防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ 特定有害活動の防止に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報その他の重要な情報
四 テロリズムの防止に関する事項
イ テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ テロリズムの防止に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報その他の重要な情報
まとめると、特定秘密とできる内容は
「自衛隊の運用に関する事項(自衛隊の作戦であるとか、武器の性能だとか)」「外交に関する事項(外国政府とのやりとりのうち国民や国益に関する事項)」「特定有害活動に関する事項」「テロ対策に関する事項」 |
である。この中で特定有害活動というなんだかよくわからないものが入っているが、これは法案の第12条1項の一に定めがある。
つまり大量破壊兵器の製造と輸出入に関することだと解釈していい。
要するに第3条は上に挙げた内容のみが特定秘密となりうるのだという規定しているのだ。間違っても「省庁の予算を横領してキャバクラに行ったけどそのことを特定秘密にしてやろう」とか「原発事故チョーやべーから特定秘密にして黙っとこう」というわけにはいかない。「何でもかんでも特定秘密ね」なんてことを防ぐ目的の条文だ。
http://anond.hatelabo.jp/20131024234814
(適性評価の結果等の通知)
第十三条 行政機関の長は、適性評価を実施したときは、その結果を評価対象者に対し通知するものとする。
2 行政機関の長は、適合事業者の従業者について適性評価を実施したときはその結果を、当該従業者が前条第三項の同意をしなかったことにより適性評価が実施されなかったときはその旨を、それぞれ当該適合事業者に対し通知するものとする。
3 前項の規定による通知を受けた適合事業者は、当該評価対象者が当該適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者であるときは、当該通知の内容を当該評価対象者を雇用する事業主に対し通知するものとする。
4 行政機関の長は、第一項の規定により評価対象者に対し特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められなかった旨を通知する ときは、適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲内において、当該おそれがないと認められなかった理由を通知するものとする。ただし、当該評価対象者が あらかじめ当該理由の通知を希望しない旨を申し出た場合は、この限りでない。
(行政機関の長に対する苦情の申し出等)
第十四条 評価対象者は、前条第一項の規定により通知された適性評価の結果その他当該評価対象者について実施された適性評価について、書面で、行政機関の長に対し、苦情の申し出をすることができる。
2 行政機関の長は、前項の苦情の申し出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申し出をした者に通知するものとする。
3 評価対象者は、第一項の苦情の申し出をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けない。
第十五条 警察本部長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、適性評価を実施するものとする。
一 当該都道府県警察の職員として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者
二 当該都道府県警察の職員として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該警察本部長がその者について直近に実施した適性評価に係る次項において準用する第十三条第一項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
三 当該警察本部長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
2 前三条の規定は、前項の規定により警察本部長が実施する適性評価について準用する。この場合において、第十二条第三項第三号中「第一項第三号」とあるのは、「第十五条第一項第三号」と読み替えるものとする。
第十六条 行政機関の長及び警察本部長 は、特定秘密の保護以外の目的のために、評価対象者が第十二条第三項の同意をしなかったこと、評価対象者についての適性評価の結果その他適性評価の実施に あたって取得する個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。ただし、適性評価の実施によって、当該個人情報に係る特定の個人が国家公務員法第三十八条各号、同法第七十五条第二項に規定する人事院規則の定める事由、同法第七十八条各号、第七十九条各号若しくは第八十二条第一項各号、検察庁法第二十条各号、外務公務員法第七条第一項に規定する者、自衛隊法第三十八条第一項各号、第四十二条各号、第四十三条各号若しくは第四十六条第一項各号又は地方公務員法第十六条各号、第二十八条第一項各号若しくは第二項各号若しくは第二十九条第一項各号のいずれかに該当する疑いが生じたときは、この限りでない。
2 適合事業者及び適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者を雇用する事業主は、特定秘密の保護以外の目的のために、第十三条第二項又は第三項の規定により通知された内容を自ら利用し、又は提供してはならない。
第十七条 行政機関の長は、政令で定めるところにより、この章に定める権限又は事務を当該行政機関の職員に委任することができる。
【第六章 雑則】
第十八条 政府は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し、統一的な運用を図るための基準を定めるものとする。
2 政府は、前項の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理等に関し優れた識見を有する者の意見を聴かなければならない。
第十九条 関係行政機関の長は、特定秘密の指定、適性評価の実施その他この法律の規定により講ずることとされる措置に関し、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの漏えいを防止するため、相互に協力するものとする。
第二十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
第二十一条 この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。
2 出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。
【第七章 罰則】
第二十二条 特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。特定秘密の取扱いの業務に従事しなくなった後においても、同様とする。
2 第九条又は第十条の規定により提供された特定秘密について、当該提供の目的である業務により当該特定秘密を知得した者がこれを漏らしたときは、五年以下の懲役に処し、又は情状により五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
4 過失により第一項の罪を犯した者は、二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
5 過失により第二項の罪を犯した者は、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
第二十三条 人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若しくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為により、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。
第二十四条 第二十二条第一項又は前条第一項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は扇動した者は、五年以下の懲役に処する。
2 第二十二条第二項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は扇動した者は、三年以下の懲役に処する。
第二十五条 第二十二条第三項若しくは第二十三条第二項の罪を犯した者又は前条の罪を犯した者のうち第二十二条第一項若しくは第二項若しくは第二十三条第一項に規定する行為の遂行を共謀したものが自首したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
第二十六条 第二十二条の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。
一 防衛に関する事項
イ 自衛隊の運用又はこれに関する見積もり若しくは計画若しくは研究
ホ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物(船舶を含む)の種類又は数量
チ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法
リ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法
二 外交に関する事項
イ 安全保障に関する外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容
ロ 安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針
ハ 安全保障に関し収集した条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報その他の重要な情報
ホ 外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号
三 特定有害活動の防止に関する事項
イ 特定有害活動による被害の発生若しくは拡大の防止(特定有害活動の防止)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ 特定有害活動の防止に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報その他の重要な情報
四 テロリズムの防止に関する事項
イ テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(テロリズムの防止)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ テロリズムの防止に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報その他の重要な情報
【理由】
国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に 関する情報のうち特に秘匿することが必要なものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑 み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項
【第一章 総則】
(目的)
第一条 この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に 関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを的確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であること に鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の 安全の確保に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。
一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く)及び内閣の所管の下に置かれる機関
二 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法第四十九第一項及び第二項に規定する機関
四 内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法第十六条第二項の機関並びに内閣府設置法第四十条及び第五十六条の特別の機関で、警察庁その他政令で定めるもの
五 国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の機関で、政令で定めるもの
六 会計検査院
【第二章 特定秘密の指定等】
(特定秘密の指定)
第三条 行政機関の長は、当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものを特定秘密として指定するものとする。
2 行政機関の長は、前項の規定による指定をしたときは、政令で定めるところにより指定に関する記録を作成するとともに、当該指定に係る特定秘密の範囲を明らかにするため、特定秘密となるべき情報について、次の各号のいずれかに掲げる措置を講ずるものとする。
一 政令で定めるところにより、特定秘密となるべき情報を記録する文書、図画、電磁的記録若しくは物件又は当該情報を化体する物件に特定秘密の表示をすること
二 特定秘密となるべき情報の性質上前号に掲げる措置によることが困難である場合において、政令で定めるところにより、当該情報が前項の規定の適用を受けることとなる旨を当該情報を取扱う者に通知すること
3 行政機関の長は、特定秘密となるべき情報について前項第二号に掲げる措置を講じた場合において、当該情報について同項第一号に掲げる措置を講ずることができることとなったときは、直ちに当該措置を講ずるものとする。
(指定の有効期間及び解除)
第四条 行政機関の長は、指定をするときは、当該指定の日から起算して五年を超えない範囲内においてその有効期間を定めるものとする。
2 行政機関の長は、指定の有効期間が満了する時において、当該指定をした情報が前条第一項に規定する要件を満たすときは、政令で定めるところにより、五年を超えない範囲内においてその有効期間を延長するものとする。
3 行政機関の長は、前項の規定により指定の有効期間を延長しようとする場合において、当該延長後の指定の有効期間が通じて30年を超えることとなるとき は、政府の有するその諸活動を国民に説明する責務を全うする観点に立っても、なお当該指定に係る情報を公にしないことが現に我が国及び国民の安全を確保す るためにやむを得ないものであることについて、その理由を示して、内閣の承認を得なければならない。この場合において、当該行政機関の長は、当該指定に係 る特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める措置を講じた上で、内閣に当該特定秘密を提供することができる。
4 行政機関の長は、指定をした情報が前条第一項に規定する要件を欠くにいたったときは、有効期間内であっても、政令で定めるところにより、速やかにその指定を解除するものとする。
第五条 行政機関の長は、指定をしたときは、第三条第二項に規定する措置のほか、第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとさ れる者のうちから、当該行政機関において当該指定に係る特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲を定めることその他の当該特定秘密の保護に関し必要な ものとして政令で定める措置を講ずるものとする。
2 警察庁長官は、指定をした場合において、当該指定に係る特定秘密で都道府県警察が保有するものがあるときは、当該都道府県警察に対し当該指定をした旨を通知するものとする。
3 前項の場合において、警察庁長官は、都道府県警察が保有する特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲その他の当該都道府県警察による当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める事項について、当該都道府県警察に指示するものとする。この場合において、当該都道府県警察の警視総監又は道府県警察本部長は、当該指示に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその職員に当該秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。
4 行政機関の長は、指定をした場合において、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために特段の必要があると認めたときは、物件の製 造又は役務の提供を業とする者で、特定秘密の保護のために必要な施設整備を設置していることその他政令で定める基準に適合するものとの契約に基づき、当該 適合事業者に対し、当該指定をした旨を通知した上で、当該指定に係る特定秘密を保有させることができる。
5 前項の契約には、第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、同項の規定により特定秘密を保有する適合 事業者が指名して当該特定秘密の取扱いの業務を行わせる代表者、代理人、使用人その他の従業者の範囲その他の当該適合事業者による当該特定秘密の保護に関 し必要なものとして政令で定める事項について定めるものとする。
6 第四項の規定により特定秘密を保有する適合事業者は、同項の契約に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその従業者に当該特定秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。
第六条 特定秘密を保有する行政機関の長は、他の行政機関が我が国の安全保障に 関する事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために当該特定秘密を利用する必要があると認めたときは、当該他の行政機関に当該特定秘密を提供す ることができる。ただし、当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているときは、当該指定をしている行政機関の 長の同意を得なければならない。
2 前項の規定により他の行政機関に特定秘密を提供する行政機関の長は、当該特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲その他の当該他の行政機関による 当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める事項について、あらかじめ、当該他の行政機関の長と協議するものとする。
3 第一項の規定により特定秘密の提供を受ける他の行政機関の長は、前項の規定による協議に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその職員に当該特定秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。
第七条 警察庁長官は、警察庁が保有する特定秘密について、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために都道府県警察にこれを利用させる必要があると認めたときは、当該都道府県警察に当該特定秘密を提供することができる。
2 前項の規定により都道府県警察に特定秘密を提供する場合については、第五条第三項の規定を準用する。
3 警察庁長官は、警察本部長に対し、当該都道府県警察が保有する特定秘密で第五条第二項の規定による通知に係るものの提供を求めることができる。
第八条 特定秘密を保有する行政機関の長は、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために、適合事業者に当該特定秘密を利用させる特段 の必要があると認めたときは、当該適合事業者との契約に基づき、当該適合事業者に当該特定秘密を提供することができる。ただし、当該特定秘密を保有する行 政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているときは、当該指定をしている行政機関の長の同意を得なければならない。
2 前項の契約については第五条第五項の規定を、前項の規定により特定秘密の提供を受ける適合事業者については同条第六項の規定を、それぞれ準用する。こ の場合において、同条第五項中「前項」とあるのは「第八条第一項」と、「を保有する」とあるのは「の提供を受ける」と読み替えるものとする。
3 第五条第四項の規定により適合事業者に特定秘密を保有させている行政機関の長は、同項の契約に基づき、当該適合事業者に対し、当該特定秘密の提供を求めることができる。
第九条 特定秘密を保有する行政機関の長は、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために必要があると認めたときは、外国の政府又は国際機関で あって、この法律の規定により行政機関が当該特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置を講じているものに当該特定秘密を提供するこ とができる。ただし、当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているときは、当該指定をしている行政機関の長の 同意を得なければならない。
第十条 第六条から前条までに規定するもののほか、行政機関の長は、次に掲げる場合に限り、特定秘密を提供することができる。
一 特定秘密の提供を受ける者が次に掲げる業務又は公益上特に必要があると認められるこれらに準ずる業務において当該特定秘密を利用する場合であって、 当該特定秘密を利用し、又は知る者の範囲を制限すること、当該業務以外に当該特定秘密が利用されないようにすることその他の当該特定秘密を利用し、又は知 る者がこれを保護するために必要なものとして政令で定める措置を講じ、かつ、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき。
イ 各議院又は各議院の委員会若しくは参議院の調査会が国会法第百四条第一項又は議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第一条の規定により行う審査又は調査であって、国会法第五十二条第二項又は第六十二条の規定により公開しないこととされたもの
ロ 刑事事件の捜査若しくは公訴の維持又は審理であって、刑事訴訟法第三百十六条の二十七第一項の規定により裁判所に提示する場合のほか、当該捜査又は公訴の維持に必要な業務に従事する者以外の者に当該特定秘密を提供することがないと認められるもの
二 民事訴訟法第二百二十三条第六項の規定により裁判所に提示する場合
三 情報公開・個人情報保護審査会設置法第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合
四 会計検査院法第十九条の四において読み替えて準用する情報公開・個人情報保護審査会設置法第九条第一項の規定により会計検査院情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合
2 警察本部長は、第七条第三項の規定による求めに応じて警察庁に提供する場合のほか、前項第一号に掲げる場合、同項第二号に掲げる場合又は都道府県の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該都道府県の条例の規定で情報公開・個人情報保護審査会設置法第九条第一項の規定に相当するものにより当該機関に提示する場合に限り、特定秘密を提供することができる。
3 適合事業者は、第八条第三項の規定による求めに応じて行政機関に提供する場合のほか、第一項第一号に掲げる場合又は同号第二号若しくは第三号に掲げる場合に限り、特定秘密を提供することができる。
【第四章 特定秘密の取扱者の制限】
第十一条 特定秘密の取扱いの業務は、当該業務を行わせる行政機関の長若しくは当該業務を行わせる適合事業者に当該特定秘密を保有させ、若しくは提供する行政機関の長又は当該業務を行わせる警察本部長 が直近に実施した次条第一項又は第十五条第一項の適性評価(第十三条第一項の規定による通知があった日から五年を経過していないものに限る)において特定 秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者でなければ、行ってはならない。ただし、次に掲げる者については、次条第一項又 は第十五条第一項の適性評価を受けることを要しない。
一 行政機関の長
二 国務大臣
三 内閣官房副長官
五 副大臣
六 大臣政務官
七 前各号に掲げるもののほか、職務の特性その他の事情を勘案し、次条第一項又は第十五条第一項の適性評価を受けることなく特定秘密の取扱いの業務を行うことができるものとして政令で定める者
【第五章 適性評価】
第十二条 行政機関の長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、その者が特定秘密の取扱いの業務をおこなった場合にこれを漏らすおそれがないことについての評価(適性評価)を実施するものとする。
一 当該行政機関の職員又は当該行政機関との第五条第四項若しくは第八条第一項の契約に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者
二 当該行政機関の職員又は当該行政機関との契約に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として、特定秘密の取扱 いの業務を現に行い、かつ、当該行政機関の長がその者について直近に実施した適性評価に係る次条第一項の規定による通知があった日から5年を経過した日以 後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
三 当該行政機関の長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
2 適性評価は、適性評価の対象となる者について、次に掲げる事項についての調査を行い、その結果に基づき実施するものとする。
一 特定有害活動(公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動、核兵器、 軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機又はこれらの開発、製 造、使用若しくは貯蔵のために用いられるおそれが特に大きいと認められる物を輸出し、又は輸入するための活動その他の活動であって、外国の利益を図る目的 で行われ、かつ、我が国及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるものをいう。別表第三号において同じ)及びテロリズム(政 治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊 するための活動をいう。同表第四号において同じ)との関係に関する事項(評価対象者の家族、父母、子及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の配偶者の父母及び 子をいう)及び同居人の氏名、生年月日、国籍及び住所を含む)
三 情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項
四 薬物の乱用及び影響に関する事項
五 精神疾患に関する事項
3 適性評価は、あらかじめ、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を評価対象者に対し告知した上で、その同意を得て実施するものとする。
一 前項各号に掲げる事項について調査を行う旨
二 前項の調査を行うため必要な範囲内において、次項の規定により質問させ、若しくは資料の提出を求めさせ、又は紹介して報告を求めることがある旨
4 行政機関の長は、第二項の調査を行うため必要な範囲内において、当該行政機関の職員に評価対象者若しくは評価対象者の知人その他の関係者に質問させ、 若しくは評価対象者に対し資料の提出を求めさせ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
(適性評価の結果等の通知)
誰に賠償させるか被害者が指定しようとしてもその男が父親なのか不明なら中絶費用もしくは養育費相当費用の賠償命令は下せないでしょう。
第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
2 略
なりません。養育費は,原因と無関係に負う義務なんで。つーか損害賠償請求できるんなら認知を求めて苦労する母親なんて居なくて良いよねー。
「責任を取ると名乗り出た者」っていうのは「認知する」って意味じゃなくて
(中略)
どっちだよ。
追記
調べてみたら施行規則にちゃんと載ってたよ。
遺失物法施行規則
第十九条 警察署長は、提出物件の返還に係る手続を行う場所を来訪することが困難であると認められる遺失者から提出物件の返還を求められたときは、遺失者の申出により、遺失者から別記様式第十一号の物件送付依頼書を徴した上、これに記載された方法により、提出物件を送付することができる。
2 前項に規定する場合において、送付に要する費用は、遺失者の負担とする。
3 前二項の規定は、民法第二百四十条 若しくは同法第二百四十一条 の規定又は法第三十二条第一項 の規定により提出物件の所有権を取得した者(以下この節において「権利取得者」という。)に対する提出物件の引渡しについて準用する。この場合において、これらの規定中「遺失者」とあるのは、「権利取得者」と読み替えるものとする。
第二十条 法第十一条第一項(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認は、次に掲げる方法その他の適当な方法により行うものとする。
一 返還を求める者からその氏名等を証するに足りる書面の提示を受けること。
二 返還を求める者から当該物件の種類及び特徴並びに遺失の日時及び場所を聴取し、当該物件に係る拾得物件控書に記載された内容と照合すること。
2 法第十一条第一項(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する受領書の様式は、別記様式第十二号のとおりとする。
3 警察署長は、提出物件を権利取得者に引き渡すときは、次に掲げる方法その他の適当な方法により、引渡しを求める者が当該物件の権利取得者であることを確認し、別記様式第十二号の受領書又は拾得物件預り書と引換えに引き渡さなければならない。
一 引渡しを求める者からその氏名等を証するに足りる書面及び当該物件に係る拾得物件預り書又は法第十四条に規定する書面の提示を受けること。
二 引渡しを求める者から当該物件の種類及び特徴並びに拾得の日時及び場所を聴取し、当該物件に係る拾得物件控書に記載された内容と照合すること。
http://anond.hatelabo.jp/20120906173209
不正競争防止法についてはチェックしてませんでした。「知財」関連の法律で見てたので。
不正競争防止法はどっちかと言うと商業としての争いに当たるため、調べたことが無いです。
と言う事で、タイトルに偽り有りでしたね。突っ込みありがとうございます。
まだまだ私も甘いです。反省。
判例漁りは膨大になるので手付かず。法律をざっとチェックしてみました。
確かに2条1項3号
第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
三 他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為
しかし、不当競争防止法を用いる場合は、差し止め請求権になるんですね。で、第3条が問題となります。
(差止請求権)
第三条 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第五条第一項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。
つまり、「営業上の利益を侵害されている」事を証明しないといけない。
しかし、シャドウハンターズは確か今、絶版なわけで、復活のためのあれこれを動いてる状況では、営業上の利益を侵害されたというのは微妙な気がします。
(適用除外等)
第十九条 第三条から第十五条まで、第二十一条(第二項第七号に係る部分を除く。)及び第二十二条の規定は、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為については、適用しない。
五 第二条第一項第三号に掲げる不正競争 次のいずれかに掲げる行為
イ 日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為
つまり、「頒布行為」を「実費のみ負担してもらっての、譲渡である」と強弁を取った場合、「模倣品の譲渡」として適用除外の可能性があるのですね。同人って(それが建前だとしても)そういうものだと言い張ることで。
ちなみに、21条、22条は罰則の規程です。
この辺りの「営業上の利益」「適用除外」などの閾値判断がどのようになるかについては、過去判例を漁らないと判りません。
しかし、申し訳ないのですが不正競争防止法関連については調べたことが無いので、即座に閾値がどの辺りか判断できません。
一応の私見では、どー考えても「商売」なので、19条の適用除外になるとは思いません。
その上で、「販売を行っていない品物」に対しての複製販売が「営業上の利益の侵害」に当てはめてよいのかどうかが判らないという状態です。
非常に歯切れの悪い内容で申し訳ありません。
何かの参考なり、調べる足がかりになれば幸いです。
http://anond.hatelabo.jp/20120906181733
その通りです。突っ込みありがとうございます。
私もまだまだ甘いです。文章書くのって難しいです。
第四十一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
議員の給料のことを「歳費」と呼ぶ。「歳費」の金額は、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」という法制度によって金額が定まっている。
第一条 各議院の議長は二百十七万円を、副議長は百五十八万四千円を、議員は百二十九万四千円を、それぞれ歳費月額として受ける。
議員歳費は法律で決まっていて、その法律は、国の唯一の立法機関である国会、すなわち議員が決めるというルールになっている。
ちなみに議員は、法律で公務員特別職という身分を持っていて、契約で得た身分ではないので、民間の労働契約関係のような関係をあてはめることは論理的にできない。
一言で言うなら、権力の問題を、契約の問題にスリかえるな、ということだ。
契約という秩序は万能じゃない。
金は神じゃない。
自転車:歩道走行禁止、厳格運用…警視庁が安全対策策定へ - 毎日jp(毎日新聞) mainichi.jp
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111019k0000m040191000c.html
まず歩道とは?
(定義)
歩道は「縁石線又はさくその他これに類する工作物」によって区分された箇所をいう。
三の四 路側帯 歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B7%AF%E5%81%B4%E5%B8%AF
路側帯という。
はてブに路側帯の言及が全くないのでたぶん勘違いもあるかと思うのだが、というか自分が勘違いしてたんだが、路側帯は歩道ではないので、歩道走行禁止とは無関係。
路側帯は、原則として自転車走行が認められており(17条の2)、左側通行の原則もない(17条4項は括弧書きで路側帯を含む歩道等を除外)。歩道と違い路側帯の車道側を走るべきという規定もない。
(通行区分)
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
4 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
第十七条の二 軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
2 前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。
(罰則 第二項については第百二十一条第一項第五号)
なお、車道を走る場合は当然左側通行なので、右の路側帯を走るときは路側帯から車道にとび出ることの無いように注意しなければならない。
ここまで書いたんだけどよく考えたら近所に歩道無いじゃん路側帯ばかりじゃんとなったのでもういいや・・・
70歳以上は歩道走行許されるけどどうやって警察官はみわけんだよ?若いのばっかねらうんじゃないの?とか
「車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき」は普通人も走行できるんだけど?とか
この誤信はどうするの?故意犯だよね?とか
交通反則通告制度との均衡はどうなの?自動車なら前科つかないのに自転車は前科つくわけだけど?とか
いろいろ考えてたんだけど
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1109/06/news064.html
出版社からスキャン代行業者への質問状を全文公開、潮目は変わるか
等々の反応が見られるわけだが、ここで合法的な自炊業者を作るにはどうしたらいいかと言う事を考えてみる。
なお
と言う意見は、権利者が「そんなもん許諾した覚えはねえ」と言えば終わりなのでその説はとらない。
というか件の質問状「依頼者に私的使用目的であると申告させています。」と言う言質を取って非許諾リストを送りつける前段であろうから近々破綻するだろう。また日本の著作権法はオプトアウトは不可である事も考慮が必要である。
自炊業者が合法的になるには
これは、とりあえずいろいろな法律家が頭を悩ませたがどうやら判例から言っても揺るぎそうにない。なので、私製複製の範囲をなんとかして広げてやることを考える。唯一何とかなりそうなのが
第五条の二
著作権法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二項第二号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。
で、この著作権法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二項第二号の規定と言うのは
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
1.公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
で、第百十九条第二項第二号はこの三十条の罰則規定になる。つまり、今のところ、図書については「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器」でコピーする行為も私的複製の範囲に含まれるのである。
ただこの条項、文化庁のページにこんなもんが乗ってる(PDF注意)ように、書籍出版協会、雑誌協会は廃止したいみたいでロビー活動を実施中なんで下手するとどっかのどさくさに紛れて廃止されてしまう可能性もあったりするがそれはとりあえず置いておく。
するとどういう方法論が考えられるか、だが…素直に考えると、たとえば書店・新古書店の店頭に裁断機とスキャナとパソコンが用意してあって自分で読み込んで持って帰るのは合法だし、裁断済みを固定してレンタルしてるレンタルショップがあって、その店頭にスキャン装置を置くと言うのも、まま合法であると言う考え方になる。内容は全然違うが、書店の店頭にコピー機があるのと一緒だからだ。
実際には、裁断済みの書籍を、装置にセットしないと外れないクリップで束ねて貸すような業態が考えられる。
貸した書籍をばらばらにされると商売あがったりなので、クリップは特殊な構造にしておき、店頭に設置してあるスキャン装置に入れ、USBメモリなんぞを差し込んで書籍を挿入すると、後は装置が自動的にクリップを外して読み込んでデータをUSBメモリに書き込むと言う一連を商売にする。書籍は一冊数十円でレンタル、装置使用料は一回100円のような形にすればいいのではないか。コミックなんかは一冊数百円なので10回ほど回転すればいいとか考えれば全く楽な商売であるが、正直極悪、流行したら出版業界を根絶やしにするに近い事になり、出版社も対抗して儲けにならないぐらいまで価格を下げ、焦土作戦のような事を決行して日本の出版業オワタ、結局最後は焼け野原が広がり誰も幸せになりませんでしたと言う事は目に見えているので可能性としてはありだが実際にやる会社はなかなか出ないだろう。また始めた直後に訴訟を起こされて大変なのは目に見えているし、専用の装置の開発などある程度の初期投資が必要になるので、先駆になる企業はなかなか現れないだろうと思う。ただ一度合法になれば爆発的に増えるだろうが。
またこの形だと店頭に足を運ぶ必要がある。ではどうするか。
完全にオートメーションにしてしまって、自分で自動複製装置を操作して複製した、と言う建前にするのである。
自分で専用の箱に組み込んで送ると、現地ではそれがラインに投入される。ラインの中では人の手を介さずに自動的に全てが処理され、データはレシピ通りに本人の所に届く。トラブルがあった時は多少人間が関わってもいいだろう(装置のメンテナンスをしていると見なせないか?)
ただこれも一つ無理があって、宅配業者がどうしても間に入ると言う事だ。たとえ宅配業者が投入した後ラインが自動的に処理するように作られていたとしても、宅配業者が自動複製装置への投入を代行したことになってしまうのではないかという事である。なかなか厳しい。
また多種多様な本、完全なんて無理にしても、多くを自動処理なんてできるのかといえば相当金をかけても難しいと思う。
と言うわけで、この抜け道だと宅配型のサービスは不可能である。
また店頭型もやり方を誤るととんでもないしっぺ返しを食って大変なことになるだろう。
次に著作権者に許諾を取る方向を考えてみる。許諾さえとれればいくらやっても問題は無い。
まずは「そんなことが可能なのか」という話から入る。
今回の記事
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1109/06/news064.html
にもう一度注目して欲しい。賛同しているひとがずらずらと並んでいる。しかし。これは出版社や出版点数に対して、決して多くはないのではないかという印象を抱かないだろうか?
私は自炊という行為についても、きちんと紙の本を購入している限りであれば、賛同する出版社や者は多いのではないかと見ている。
そういった事を期待して、
許諾の形式を柔軟に
と言うのと
と言った形で段階を選べるようにしたり、多少たりとも権利者にバックがあるようにして、権利者は一度売った権利でまた金が得られるようにしておけば、かなり許諾はとれるのではないだろうか。
これは大変地味な作業だ。特に当初は大変である。ただ許諾を得たなら、それだけで大変な武器になるのは間違いない。まただんだん一般的になって行き「あの作家の本は自炊サービスを利用出来ない」と言った話が広まれば圧力になりらだんだん楽にはなるだろう。
また、必要であれば
http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/c-l/index.html
著作権者不明等の場合の裁定制度
もできる限り利用していく。はじめは行政の壁があってなかなか大変だろうが、大量に出していけば行政も対応せざるを得ないだろう。少なくとも著作権法を改正させるよりはよほど現実的な対応だ。
従来は書籍名で管理すると、完全に真っ黒の商売なので変に突っ込まれることからそういった管理は限定的だったが、このようにデータベースにすれば、書籍ごとに(著作権者への権利支払い料金も含め)価格を設定することもできるかもしれない。
そしてデータベースはWebで検索できるようにしておくほか、依頼があった物は一つずつ検査をして許諾有り無しを仕分ける。
あるいはお客が領できる許諾判別サービスなどを利用して、そこでチェックしてリストを添付させるなどとすればいい。誰の家でもある日常の道具、バーコードリーダーがつながるようにしておけば照合作業も楽に出来るはずである。チェック漏れや許諾がない書籍については実費で返却と言う事にする。
価格は従来の非合法なサービスよりも高くなるのは間違いない。しかし、許諾を受けて合法であると言う錦の御旗を掲げれば、利用者もなんのひきめを感じることなく堂々と利用出来るし、また、その効力でそれ以外は非合法と言い切る事ができる様になる訳である。
ユーザとしては、すべて丸投げすることはできなくても、これで多くの書籍が一度に片付けばかなり便利なのではないか。抜けた奴は自前でスキャンするか、スキャナのレンタルサービス、自炊スペースなどを利用する方法である程度カバーできる。
やはりサービスで一番難しいのはなんと言っても著作権者の許諾である。なので結局ぽっと出のベンチャーがやるのはよほどの後ろ盾がない限り難しいだろうなと思う。