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2024-01-28

エンタメの恐怖はニセモノなのか『恐怖の正体』(春日武彦著、中公新書): わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

https://l.pg1x.com/TMy6omy8NbRZkBFY8


多分本の文中に一度も「想像力」って言葉が使われなかったんだろうなぁ、と思った。

何故かって。このブログ文中に一度も「想像力」って言葉が出てこなかったから。

「恐怖」は「想像力」っていう当たり前は排除して「恐怖の正体」ってのを突き詰めようとしているのだろうか。

ラヴクラフト言葉も、この先生にかかれば否定されそうではある――「人間感情の中で、何よりも古く、何よりも強烈なのは恐怖である」。


ああ、否定されてたわ(笑)

「娯楽における恐怖を味わう人は、安全地帯におり、苦痛を受けない。だからそこで味わうものは、抜け殻の、フェイクの恐怖だ」

まぁ、正直かなり頭の硬い方。フィクションがお嫌いなんだろう。というか、昭和のつまんねー老人のための本かもしれないね

是非、著者の春日先生に俺のこの文章が伝わって欲しい。そう思う次第であります

2024-01-26

anond:20240126183251

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

 〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法である。これは、山口和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。

 私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法からの流れの中で位置づけるべきだと考える。

 同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊合憲化(57)、③日本経済的地位に見合った国際貢献必要性、④国連軍国連警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリスト武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から護憲立場から改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである

 同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲である。同提言軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから北朝鮮中国軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラル過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである

 佐藤が語る、愛国心必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである佐藤饒舌から私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。

 馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事平和維持活動において殉死殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊追悼施設必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。

 ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツ独自イラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたかである。翻って日本場合多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国国際社会理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。

 元国連職員吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍軍事活動積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである

 なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実国際政治の中で、山川ソ連侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。

10.おわりに

 これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮アルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略植民地支配反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的保障する国家先進国主導の戦争積極的に参加し、南北格差固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である

 大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派大国路線に対抗して、日本経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪補償必要とした路線が、東アジア諸国民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合破綻といった状況に規定された、リベラル左派危機意識から生じている。九〇年代東アジア諸国民衆から謝罪補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本私たちが、進んで過ちを正しみずから正義回復する、即ち日本利益のために」(69)(傍点ママ歴史清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争植民地支配可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立リベラル左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である改憲後、蛹は蛾となる。

 ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル左派意図的計画したものと捉えているわけではない。むしろ無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力からあいもつあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治立場から期待されている人物統合象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴人物の未分性という日本政治特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディア追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリスト発言力を確保しようとする学者、無様な醜態晒す本質的には落ち目思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからあいもつれあって」、集団転向は進行している。

 ところで、佐藤は、「仮に日本国家国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家同胞日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまたからには、自国国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間異端者扱いするのが目に見えている。

 この佐藤発言は、安倍晋三首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(I am behind the President.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族配慮するという意図からだろうが、アメリカ一丸となって事件対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである国益からむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)

 文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ総連弾圧をめぐる日本言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したこと物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本リベラル左派安倍政権ときに敗北したのである

 〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである侵略植民地支配過去清算在日朝鮮人人権擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア世界平和にとって大きな災厄である(73)。

改憲戦争国家体制拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア知識人等を徹底的に批判すべきである

(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。

(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。

(3)ただし、編集者佐藤右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。

(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。

(5)インターネットサイトフジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈 Permalink | 記事への反応(0) | 18:37

2023-07-26

小説評論って普通どっちが読みやすいんだろう

個人的には評論のほうが読みやすくて、ちくま新書中公新書を読んでると心が落ち着くんだけど、世の中には小説のほうが読みやすいって人が多いのかもしれない。

ネットでたまに見かける中高生の朝読書ランキングって小説ばっかだけど、小説以外を読むのは学校ではあんまりオススメされない、みたいな事情とかあるのかな?

2022-11-08

anond:20221108110706

「逃げる百姓、追う大名江戸農民獲得合戦 (中公新書)」という名著がある。

小作の人は土地愛着があるわけない。土地に縛られて引っ越せないのは下級武士地主だけ(´・ω・`)

2022-03-15

anond:20220315111634

マジレスすると学術書をきちんと読むのは大学教育きちんと受けてないと難しいし(大卒でもちゃんと読めない人一定数いるでしょ)、学術書って内容が細分化されててマニアックから売れないと思う。仮にうちの分野の学術書が3,000円で売ってたら「安っ!」って驚くレベル学術書研究費で買うか人からもらうか図書館で借りるかするものであって基本的個人で買って読むものではないんだよね(もちろん院生とかのときは身銭を切らなきゃいけないこともあるけどさ。あと『想像の共同体』みたいな有名な古典ならそこそこ安い)。

知的水準上げたいなら、新書学術選書の充実だろうね。岩波新書中公新書ブルーバックス岩波ジュニア新書は無条件で入れる、講談社現代新書はそれなりに入れる、ちくま新書は良さそうなのをピックアップして入れる、星海社新書集英社新書光文社新書は良さそうなのがあれば入れる、扶桑社新書とかは良いのがあったら入れる、くらいの感じ。選書系だと、講談社選書メチエ筑摩選書新潮選書NHKブックス河出ブックス・フィギュール彩・歴史文化ライブラリーあたりは全部入れておこう。文庫だったら岩波文庫岩波現代文庫講談社学術文庫ちくま学芸文庫あたりを入れておくといいぞ。

2022-01-24

オッカム先生出版してほしい

twitterに書いてることを本として書けば良いと勧られた件で盛り上がってるけど、

自分としてはオッカム先生にぜひ普段ツイッターで書いてることを本にしてほしい。

北海道とか稚内とかの地域格差の話とか、自分史としてまとめたら普通に意義があるのではないか

自分史的な構成で、ツイッターやってる大学先生が書かれた本というと、最近出た中公新書にもそういうのはある。


普段からツイッターでいろいろと長い理論を書かれてるけど、それこそ本としてまとめたらいいのではって感じでしょ

地域格差関連は多分まとまった考えを持っている人による論考は多く求められるものだと思う。北海道という地域研究としても重要だろう。

まとめておけば、1つの資料として後世に対して有意義ではないか


たぶん北大法学部関係の学界の話題とかも見るべきものがあると思うし、理科大長万部の話も有用と思うんよ。

工学部ヒラノ教授」で大学で苦労した話を先生が語るって本はすでにある。

大学に入る経緯の点なども含めて、大学文化を語る上で重要史料になりうるものだと思ったんよな。

ヒラノ教授の作者も「語り部」としての活動だといってた気がするし。同じような形で、教養部オッカム先生とかの本にできんかな。



池内先生でも誰でもいいか出版社に力持ってる人どうにかして実現させてくれないかな。

2021-12-13

豊崎由美に叩かれて凹んだ貴方へ。

例えば『批評理論入門』『小説読解入門』(いずれも中公新書)を著して、実際にメアリシェリーの『フランケンシュタイン』やジョージ・エリオットの『ミドルマーチ』の売上を伸ばすのに貢献した廣野由美子の功績は、作家から読書から評価が高い。

それに比べて豊崎由美なんて、年寄罵倒嘲笑することで小銭を稼いでいた炎上商法家に過ぎないから、読書から評価されていない。その手法も『映画秘宝』やと学会の真似しただけ。某女性作家をべた褒めして媚びたけれど「豊崎由美評価されることなど望んでいない」と見事にシャットアウトされるなど、本の読み手(笑)としては作家たちから評価されていない。

自分とTiktokerとは違うと思っているだろうけれど、むしろ豊崎由美によるTiktokerへの評価豊崎自身に当て嵌る。だからTiktokerの人も豊崎由美なんて無視すれば良いよ。

2021-11-02

anond:20211031163129

おすすめ世界史の本教えて」増田だが、思ったより多くの回答をもらえた。ありがとう

興味ある人が多いのか無言ブクマも多いので、自分のためにも興味のある人のためにも、もらったコメントをまとめてみた。

ノンフィクションを具体的に挙げてる回答のみ。重複するものは載せてない。

フィクションを挙げたり、書名や著者名などの具体名は挙げず、こういう本を読むといいのではという、よいサジェスチョンをくれるトラバコメントもあった。ありがとう。参考にさせてもらう。だが今回のリストからは省かせてもらった。

山川出版社『新もういちど読む山川世界史』、世界史Aの教科書

●詳説世界史B(山川出版社

歴史好きならとりあえず読破しておきたい世界史本100(https://anond.hatelabo.jp/20211101232345

山川 詳説世界史図録(山川出版社)、グローバルワイド新世界史図表 五訂版(第一学習社)、最新世界史図説タペストリー帝国書院

●中公の「世界歴史

●超約 ヨーロッパ歴史

創元社戦闘技術歴史』全五巻

中世ヨーロッパ: ファクトフィクション現代知識チートマニュアル

ミシュラングリーンガイド

漫画世界歴史』。どれでもいいけど最近話題なのは角川。

●「なぜ?」がわかる世界史

山川出版社ナビゲーター世界史」。「サピエンス全史」。

サピエンス全史

ガリア戦記

山崎雅弘の「戦史ノートシリーズ

青木裕司世界史B講義の実況中継

大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパテクノロジー

●マクニール世界史

阿部謹也堀米庸三伊東俊太郎『十二世ルネサンス』。

宮崎揚弘『ペスト歴史』(山川出版社

●『やんごとなき姫君たちのトイレTOTO出版、『コーヒーが廻り世界史が廻る』中公新書

●『スパイス爆薬医薬品』、『炭素文明論』

●『クロニック世界全史』、角川世界史辞典。『知識ゼロからローマ帝国入門』、『 図説世界歴史』、中公新書物語歴史シリーズ佐藤賢一フランス王朝史『論点西洋史学』。

●『図解 中世生活』(新紀元社)、『中世ヨーロッパ農村生活』(講談社学術文庫)

中野京子の「名画で読み解く」シリーズ

●「世界史講義録」というサイトhttp://timeway.vivian.jp/

●『中世の秋』

書物破壊世界史暴力人類史

●「世界システム論講義」(川北稔 ちくま学芸文庫)、「テクノロジー世界経済史」(カール・B・フレイ 日経BP

ハプスブルク家12物語ハプスブルク家の女たち。「ハプスブルク時代を歌わせてみた」(動画

●銃・病原菌・鉄

山川世界史用語

●河出書房のふくろうの本シリーズ講談社学術文庫の『近代文化史入門 超英文学講義

●『十三世紀のハローワーク

中公文庫の『黒死病ペスト中世史』

岩崎周一「ハプスブルク帝国」

●モンタネッリ。通史なら中公の世界歴史中世の巻(旧版押し)

●「世界史序説 ──アジアから一望する」

●「文明崩壊」

●歴ログ

●「豊かさ」の誕生ウィリアムバーンスタイン

テクノロジー世界経済史

コテラジオ歴史podcast

砂糖世界史

哲学宗教全史

●「税金世界史

家庭教師のトライYouTube動画

●<ゲームから始まる<読書映画リスト>(まとめhttps://anond.hatelabo.jp/20160701063637

●W・H・マクニール『疫病と世界史

●「世界史との対話〜70時間歴史批評

ワイン世界史

ビジュアル版 世界史物語イタリア歴史 (ケンブリッジ世界国史)、イタリア (世界歴史文化)

●『中世シチリア王国

サピエンス全史

●「チョコレート世界史」、「世にも奇妙な人体実験

お菓子でたどるフランス史(岩波ジュニア新書

現時点では以上まで。

2021-08-16

anond:20210816173005

歴史書より先に、地政学関連の書籍を読んだ方が見通しが良くなると思う。

やや古いけれど中公新書の『地政学入門』とか読んでみてはどうだろうか?西欧大国にとってのアフガニスタン周辺地域重要評価や、それを巡る思惑を掴むと、理解一助になると思う。

2021-05-27

ホロコースト否定論活動をやってて陰謀論者に思う事。

またお前か、って思われるだろうけど、滅多に増田に書かないから許して。

 

「要するに凄まじい馬鹿ってこと」

私が言ったんじゃないのです。ネット情報を拾い集めている最中に、私でない反ホロコースト否定論ぽい意見を見つけて、その人が言ってたのです。その人曰く、いろんな証拠を示しても、例えば「イェーガー報告書」というリトアニアでのユダヤ人虐殺を報告する文書があるのですけど、あるネット否定派はこう言ったそうです、「そんなものタイプライターがあれば捏造できる」って。

イェーガー報告書って、旧ソ連が持ってたのですけど何故か、ニュルンベルク裁判には提出されなかった証拠でして、1963年になって初めてドイツに公開されたものなのです。なぜそんなに遅くになって? というのは、詳細は知りませんけど、一説によれば旧ソ連って特にスターリン時代がそうなんですけど、「ユダヤ人虐殺された」って主張するのを嫌がったのです(なのでアウシュヴィッツ博物館犠牲者数400万人を刻んでいた石碑には、ユダヤ人とは一言も書いていませんでした。現在の石碑は冷戦後修正されて150万人(ユダヤ人犠牲者数は110万人)になっています)。イェーガー報告書はまさにそのユダヤ人を集中的に殺戮して、「ユダヤ人もっと殺したかった」のようなことまで書いてある報告書なので、旧ソはあまり出したくなかったのではないかと。そうした出自を考えれば、捏造される事はあり得ないのですが、否定論者にとっては非常にまずい報告書なので、どうにかして捏造ということにしたいわけです。

イェーガー報告書|蜻蛉|note

しかし、いくら何でも「タイプライターがあれば捏造できる」とか、めちゃくちゃにも程があります。そんなこと言い出したら、世に存在するありとあらゆる文書捏造可能性があり信用出来ない、とまで言えてしまます。これでは、デカルト方法的懐疑でやった「悪魔に騙されているかもしれない」レベルにまで至ってしまい、議論にすらなりません。

 

ホロコースト否定論陰謀論

こちらのチャートでも堂々のトップ領域入りを獲得しています

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた | ハーバー・ビジネス・オンライン

「我々は(陰謀組織に)騙されている」のようなのが陰謀論の一つの特徴ですので、ホロコースト場合連合国であるとかユダヤ人であるとかですから、十分すぎる程陰謀論です。ちなみにですけど、よくある「でも600万人は多すぎだろ、絶対盛ってるに違いない」と言った主張も陰謀論に含まれます。何故なら、600万人説は純粋調査組織研究者たちが独立して調査した値で、それら値が概ね同じになってるだけだからです。これも素人なりに調べているとわかります。大体で少なくとも500万人以上はユダヤ人犠牲者がいないと計算が合いません。何れにしても、「盛ってる」ならば、そうした研究を裏で操っている(私もか?w)人がいるという示唆なのですから、結局それも陰謀論になってしまます。「盛ってる」的批判戦後割とすぐぐらいか予測済みだったようで、ジェラルドライトリンガーという1950年代研究者は、可能な限り低く見積もって450万人程度のユダヤ人犠牲者数を主張しました。

ともかく、ホロコーストには裁判でも膨大な証言もあります証拠文書なども提出されてますし、裁判以外でも同様に証言証拠などもあるので、それらを全部否定しないことにはホロコースト否定は成り立たず、結局、陰謀見立てなければならなくなります。そうするととんでもない話になっていきます

 

ホロコースト否定荒唐無稽なほどの陰謀

これの例を挙げると本当にキリがないのですが、例えば、ユダヤ人世界人口の推移を見ると少しわかります

1880 7,800,000

1900 10,600,000

1914 13,500,000

1922 14,400,000

1925 14,800,000

1931 15,700,000

1939 16,728,000

1945 11,000,000

1948 11,500,000

1950 11,297,000

1955 11,800,000

1960 12,079,000

1970 12,585,000

1980 12,819,000

1990 12,868,000

2000 13,150,000

2010 13,854,000

2018 14,606,000

2019 14,707,400

Vital Statistics: Jewish Population of the World

ホロコースト否定論者によれば、ホロコーストの600万人ユダヤ人虐殺は起きていないので、今もなおこのユダヤ人世界人口捏造されているという話になってしまます。確かに、この値は研究者によって調整されたものであり、1945年などは特に終戦年でもあってセンサデータなどありませんから戦前の値からユダヤ人消失数の推定である約600万人程度を差し引いて、切りのいい1100万人にしている可能性がありますが、1947年くらいからはセンサスが始まっており、それらの調査データを用いていると考えられるので、このように2019年に至っても戦前人口回復していないのであれば、延々と捏造がなされていることになってしまますグラフ化すると何を言っているのか一目瞭然です)。

戦前の値は、戦前書籍などに記述があるため、ホロコーストが起きていない時期の人口数は捏造のしようがありません。さらに実際には、ユダヤ人世界人口は細かい国や地域ごとの値を積算したものであり、ユダヤ人世界人口捏造しようとするとそれら細かなデータ整合性を取る必要があり、不自然人口推移にならないようにしなければなりません。例えば、アメリカユダヤ人人口戦後に一気に500万人減るなどという事は不自然過ぎてあってはならないわけです。しかも、ユダヤ人人口の細かな数値は、各地のシナゴーグやあるいは役所が持っていたりするので、それらの辻褄さえ合わせなければならなくなり、はっきり言って人口数値合わせの陰謀だけで気が遠くなります

なお、古くは一部のリビジョニストが「ユダヤ人ソ連に囚われている!」とバビロン捕囚のように言っていたようですが、冷戦が終わってもそれらユダヤ人は全く現れませんでしたので、残る主張は「ソ連が殺したんだ!」となりますが、もちろんそんなの何の証拠もありません。付け加えると、もし仮にそうした主張の通りにソ連ユダヤ人を隠していたのなら、「ユダヤ人を隠していた」のですからそもそも人口数値は捏造されておらず、発表されてきた人口数値は普通に合っていたことになります。ちなみにソ連普通に住んでいたユダヤ人戦後にどんどんイスラエル移住が進んだのは周知の事実であり、人口推移的にも完全に裏付けられていて不自然な点は全くありません。

ホロコースト否定派の大難問:一体ユダヤ人はどこに行ってしまったのか?|蜻蛉|note

こうした証拠がらみの荒唐無稽捏造話もあれば、どうでもいいようなところにまで捏造は行き渡っています。例えば、私は『アウシュヴィッツの子供たち』という本を持ってますが、これはアウシュヴィッツ奇跡的に生き抜いて生存者となった何人かの子供の足跡を追って本人にインタビューするなどしてまとめた本ですが、ごく普通にガス室」の話が書いてあります子供たちだった人たちは普通に色々な形でガス室の話をするのです。ホロコーストに関連する本を出版する際には、ユダヤ人陰謀組織のチェックを経て「ありもしないガス室の話」を記述するように変更を迫られるのでしょうか?

あるいはまた、戦時中に、アウシュヴィッツ司令官だったルドルフ・ヘス告発したある文書があるのですが、ルドルフ・ヘス囚人女性の一人を愛人として収容所内に囲っていた、というものでその話は非常に下衆なのですけど、それはさておき、その文書の中にたった一箇所だけ「ガス室」の話がサラッとフツーに出てくるのです。その囚人女性が他の囚人と混ぜられてガス室送りにされそうになった、という話なのですけど、別にガス室証明する証拠資料でもなんでもありません。そんな細かいところにまで陰謀組織は目が行き届いているのでしょうか?

アウシュヴィッツの様々な議論(18):ルドルフ・ヘスの不倫・愛人問題と戦時中に書かれた「ガス室」。|蜻蛉|note

あと、今思い出したのですけど、ニュルンベルク裁判以降も、ナチス犯罪関連裁判は近年まで数多く行われておりますが、ガス室否定した証言者や被告は一人もいないのです。「知らない」と言った人はそこそこいますが、「ガス室などなかった」と言った人は本当に一人もいません。例えば1960年代に当時の西ドイツで行われたフランクフルトアウシュヴィッツ裁判がありますが、250名以上の証言者や被告が出席して、ガス室否定した人はゼロなのです。99%が伝聞ないしは直接目撃者として肯定的証言しており、残りが「知らない」だけなのです。これも、否定論者によれば陰謀だと思いますので、多分全員が脅迫されているか金もらってるかだと思われます。もちろん積極的証言した人たちの話が辻褄が合うようにきちっと細かくサポートされているでしょう。そしてそうした陰謀者の働きが暴露されたことはこれまでないので、陰謀組織は素晴らしい働きをしていることになります。一体それどんな凄腕陰謀組織???

アウシュヴィッツのガス処刑を否定した人は当時の関係者にいるのか?|蜻蛉|note

というわけでホロコースト否定論者のいう通りであるならば、こんな荒唐無稽陰謀話が数限りなくあることになってしまうわけです。否定論者にとっては600万人虐殺や、ガス室絶対になかったことと決まっているので、それらの全てについてこうした荒唐無稽陰謀蔓延さなければなりません。しかし、ホロコースト否定論者はその荒唐無稽さを言い立てることはありません。陰謀から全ては可能!なのでしょう。

 

ネットホロコースト否定派の特徴

えー、例外なく、陰謀論者でした。出会った全員に確認したわけではありませんが、確認が取れた人は全員、反ワクチン派、または、9.11テロ陰謀、または、例の大統領選不正なのだそうです(どれか二つ以上です)。流石にフラットアース信者はいませんでしたが。

で、それ以外の特徴としては、その全員が、非常に自意識過剰というか、尊大な態度を取られました。どう考えても、自分でこう言っちゃなんですけど、明らかにホロコースト関連議論では私の方がはるか知識豊富なのは明らかなのに、私をバカ扱いするのです。もちろん私の妄想が入ってるとは思いますが、どう考えても、ディスプレイの向こう側でニヤついている否定者の顔しか思い浮かびませんでした。ある人は、コロナワクチンについて「君はあんなの打つ気なのか? バカじゃないの?」とまで言い放ちました。打つ・打たないがその人の価値を決めるわけではないと思いますが、私は正直内心で「じゃぁさっさとコロナに罹って治療も受けずに死ねばいいのに」とまで思ってしまいました。その人は例外的かもしれませんけど、あの陰謀論者の独特な上から目線は、他のタイプの論争議論では見られないものです。昔ですけど、ある有名な新興宗教信者とやり合った経験がありますけど、それと似ています。どうやら彼ら・彼女らにとって「陰謀」こそ宗教なのだと思います。彼ら・彼女らにとっては「陰謀」への揺るぎない信仰があるので、自分たちは絶対に間違っていないという確固たる自信を保てるに違いありません。

 

そんなホロコースト否定者さんたちは、あなたの知らない世界かも知れませんが、欧米ほどではないと思いますけど日本人にもめっっっっっっっっっちゃ多いですよ。

おっと、特徴で言い忘れてはいけない。ホロコースト否定者って「凄まじい馬鹿であることは疑いようがありませんです、はい増田にも何人かいる、と思われますケド。

 

迷惑がられているホロコースト否定

実際そうなんです。否定ではなく普通にホロコーストそれ自体に興味を持つ人は結構いらっしゃいます。やはりそれなりに人気コンテンツ的なテーマからでしょう。ですが、必ずと言っていいほど、例えばYouTubeホロコースト関連動画があると、コメント欄否定者のコメントがつきます。酷い時には大半が否定者のコメントになったりします。『否定と肯定』の予告編動画なんかがありますけど、かなり酷いですよ。Youtubeにはそうした人向けに人気を博している『ホロコースト論争』なる否定論そのもの動画チャンネルもあり、これがまた素人目には良くできてるように見えてしまうので、もしかして一定程度否定者を増やしている気配があります。内容は酷いんですよ、実際。欧米では使い古された否定論の焼き直しみたいな構成しかなくって、オリジナリティの欠片もありません。でもYouTubeですからねぇ、信者がつくんです。ちなみに私は、いくつかコメントしましたけど、動画主にコメントブロックされてしまいましたw

 

ともあれ、そうした状況のコメント欄にはちらほら「否定論酷いなぁ」的コメントをする人も見かけますAmazonプライムに『アウシュビッツ ナチスホロコースト』ってBBC動画シリーズがあるんですけど、そこに秀逸な修正主義レビューに対する反論レビューがあって、今のところ「参考になった」数でトップを走っていますAmazonレビューあんな長いレビューたことないですけど、修正主義的レビューを完全に論破しているという興味深いレビューです。「参考になった」数でトップってことは、それくらい修正主義的レビュー迷惑がられてるってことだと思いますTwitterで流れてきたあるツイートには、「修正主義が完全論破されててスキッとした」というコメントさえ見たことあります。同動画レビュー欄にも「修正主義のレビューAmazon責任を持って削除すべき」とレビューする人もいます

 

私自身は、言論の自由が保たれている方がいいと思っているので、あっても別に構わないと思ってますけど、日本ホロコースト情報があまりに少なすぎるのとあまり関心がないのとが合わさって、申し訳ない言い方だけど、無知な人が大半なのである程度は否定論に傾倒してもやむを得ない面もある気もします。でも、ちょっと知るだけで、ホロコーストへの懐疑がどれほど荒唐無稽なことであるかがわかるので、少しは勉強して欲しいなぁと思ってます。舐めんなよ!ホロコーストを!どんだけ膨大な情報量だと思ってんだ!どんだけ学んでも知らんことだらけじゃ!ゴルァ!ってなもんです。

 

せめて、中公新書の芝健介氏による『ホロコースト ナチスユダヤ人大量虐殺の全貌』程度はパラパラめくってくれたらなぁと思います

 

追記陰謀論根本矛盾

単純な話ですけど、陰謀って「バレないように」企てられ密かに実行されるものであるはずなのに、なんでそんなにあっさり「陰謀だー!」と発覚するんでしょうね? ・・・ああそっか、それで陰謀論者はあんなに超上から目線なんですね、「私たちこそ世界真実を知っている優秀で選ばれた人間なのだ!」と多分思い込んでいるに違いありません。ああそうだ、9.11テロ陰謀だと言っている人に聞いたんですよ、「ビル飛行機が衝突しただけであんな崩れ方はしない!」って仰るんで、それどこで見たんですか? って聞いたら「テレビで」って・・・。てめーら、テレビとかは陰謀片棒担いでるマスゴミじゃなかったのかよー!w

 

返事欄

id:daydollarbotchタイプライターがあれば捏造できる」に対しての「そんなこと言い出したら〜」がよく分からない。こっちの増田https://anond.hatelabo.jp/20201008002119で書いてたような何らかの文脈があるんだと思うけど

そのその増田を書いた頃より、知識は相当増えてるので、それはちょっと気恥ずかしいものがありますが、グリクシュ報告書場合はその文書それ自体を徹底的に検証してあることを無視して「捏造」と言うのはおかしいと言う趣旨でしたが、イェーガー報告書ちょっと違います。ていうか否定者のいう捏造主張全般ですけど、この主張には大きく二つ問題があります

<続く>anond:20210528221325

2021-04-27

anond:20210427094009

廣野由美子『批評理論入門』『小説読解入門』(いずれも中公新書)

小説を「ちゃんと」読むための方法を教えてくれる本。

2021-03-28

anond:20210328093502

これは正直わかるんだよね。

呉座さんの職位は助教で、日文研体制はどうなっているか知らないけど、英語のassistant professorにあたる地位からテニュア日本場合は「定年までその組織にいられる権利」)を持ってない可能性が高いんだよね。

一方で北村さんは准教授。associate professorなので、多分テニュアだろう。

年下の女性准教授と年上の男性助教という構図、少なくとも「労働者としての安定性」という視点で見るなら力関係北村>呉座になるという。男女差別とか年功序列とかの観点だと呉座>北村になるけど、テニュア持ってない研究者にとって一番大事なのってそこじゃないからなぁ。

からこれ、「年下の女性研究者に対して男性研究者が」というフレームで処理されると絶妙違和感あるんだよね。あれ? いつから助教の方が准教授より偉いことになってるんだっけ? っていう。

ブコメに応答

そういうのも含めてフレーム問題というか構造的な問題系に算入すべき属人要素はわりと注意するべきではあるなあ。 與那覇潤のように「知名度は呉座が上」という話をする者もあるくらいで

知名度については日本史家である那覇さんのバイアスもあるでしょう。ぶっちゃけると二人の専門分野(英文学日本中世史)が違いすぎていて「客観的な」知名度比較なんてできないですよ。どちらも一般向け媒体記事を書いたり一般向けの本を出していたりするので、同じ分野の他研究者よりも知名度はあると言えるかもしれませんが。ただ、誰でも名前を知ってる有名な一般レーベル中公新書)で本を出しているという点では呉座さんの方に一日の長がありますね。

終身在職権て日本にもあったんだ

えーと、日本でのテニュア普通会社で言うところの終身雇用のことであって、アメリカみたいな終身在職権じゃないです。日本だと定年制合法なので……

私もこの意見に同感。単に職位が上の女性に対して嫉妬していただけということだと思う。

そもそも職位は関係ない説もあって、私はそっちを推しますね。だってポストのない藤崎さんとか、そもそも学者ですらない川上未映子さんにも悪口言ってたわけでしょ。要するにリベラルフェミっぽいことを発言する言論人が嫌いだったんだと思いますよ。

今回の件、「リベラルフェミが嫌いなついったらーが鍵垢でリベラルフェミ界隈の有名な言論人を相手暴言を繰り返していたら、たまたまどっちも博士号持ちの学者だったせいで大騒ぎになった」というのが本質だと思うので、アカハラだ何だのというのがピンと来ないところが正直あります。まあ、だから許してやれよ、とは思わないですけど。どちらにせよ北村さんは暴言被害者なわけだし。

2021-02-02

[]2021年1月はてブあとで読むトップ30リスト

はてブホットエントリ(総合)で月内に数多く[あとで読む]タグを集めたエントリ

303あとで/2884users 財テク (住宅購入編) – shunirr | Scrapbox

293あとで/2732users 「なんでこの機能Windowsに標準で入ってないの?」という神機能が特盛!Microsoft公式ツール「Powertoys」を解説 – すまほん!!

288あとで/1823users 質の高い技術文書を書く方法 - As a Futurist...

276あとで/3000users 闇市化するAmazon「裏コマンド検索」で絞り込む | ラジオライフ.com

269あとで/2424users 2020年はてなブックマーク年間ランキングトップ100 - はてなニュース

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179あとで/1014users DevOps の能力  |  Google Cloud

165あとで/1094users CG制作演習 - 床井浩平氏初心者向けにBlenderの使い方をまとめた PDF (1,419ページ・288MB)を無料公開! | 3D人 -3dnchu-

164あとで/938users プロダクトマネジメント入門 | product-development.io

147あとで/1063users 一家に一冊、『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』廣野由美子 (中公新書) - ゴールデンレトリバー撫でたい

146あとで/978users 私のセキュリティ情報収集法を整理してみた(2021年版) - Fox on Security

134あとで/979users 元SMAPの3人めぐって…公正取引委員会ジャニーズ事務所を「注意」した真意とは | 文春オンライン

130あとで/1179users #前澤ファンド審査を経て、前澤さんの前でピッチした「生の事業計画書」 93ページを、PDF無償公開します。|鶴田 浩之 (Hiroyuki Tsuruta)|note

128あとで/988users 『理科系の作文技術』を久しぶりに読み返し、とにかく「6 はっきり言い切る姿勢」「7 事実意見」だけは絶対にみんな読んだ方がよい、と思った - Magnolia Tech

126あとで/1305users 2020年に泊まった温泉宿で「部屋」「風呂」「食事」が良かったおすすめ宿ランキングを発表する - 温泉ブログ 山と温泉のきろく

124あとで/1683users 「コロナ、お前すげーわ」現場医師が見た5つの ”新型コロナ、ここがすごい”(國松淳和) - 個人 - Yahoo!ニュース

122あとで/946users NHK英語学習の知見がたった500円に濃縮されたNHKラジオ英会話を使わないのはもったいなさすぎる - Togetter

120あとで/804users Googleエンジニアが「ウェブサイト画像読み込み」を最適化する方法解説 - GIGAZINE

113あとで/703users Prime Videoの映画ドラマアニメで楽しく語学学習できるGoogle Chrome拡張機能「Subtitles for LL」 - 窓の杜

113あとで/630users プログラミング言語の未来はどうなるか | κeenのHappy Hacκing Blog

バブっているのか数ヶ月に1度は財テク記事が大量にブクマを集める。今回の1位は8月にも大量にあとで読むを付けられていた人。

4か月前からこのランキングを賑わし、サービス開始から何ヶ月も経たないのにもう買収されたzenn.devだが、1月は1本もランクインしなかった。

2021-01-27

anond:20210127010711

世界史には「軍隊は南下し、文化北上する」という経験則があるそうだ(加藤徹西太后』(中公新書)P20)

ローマカルタゴに勝ったし

中国北朝(隋)は南朝(陳)に勝ったし

日本北朝南朝に勝ったし

ロシアナポレオンに勝ったし

北ベトナム南ベトナムに勝ったし

有名な例外はあるのか?

2020-09-14

[]60日目

なわとび:401回

ボクシング:113kcal/27歳

流石にちっとは減ってるかなと期待に胸を膨らませながら久々に体重計乗ったら1kg増えてた……なんでや……

廃品置き場で中公新書の一次大戦の本を拾ってきたのでちょっと読んでる

そうはならんやろって勢いでトントン拍子に世界大戦なだれ込んでいくのでツッコミが止まらない

シュリーフェン・プラン代表的だけど、ドイツフランスロシア軍隊紛争という概念を持っていないので一度戦争を始めると総力戦をやるしかないというのはもうギャグしか見えない

耕して海に至る塹壕戦とか、あらゆる次元現代につながる戦争のやり方が手探りだった時代なんだなあと

ネトゲだったらものすごい勢いで日々wiki更新され日々掲示板攻略情報がやり取りされる段階といえるかも


windows10の休止モードからの復帰に失敗する件はどうやらハイブリッドスリープが悪さしていた模様

そういえばなんか前回か前々回にPC新しくしたときも色々あってハイブリッドスリープを切ったような思い出があるな

2020-09-11

ホロコースト否認論〜驚くほどあっけなく簡単洗脳される人たち

youtubeに『ホロコースト論争』とタイトルされた動画存在する。

内容は一話程度しか見ていないが、冷静なタッチ一見して事細かに一次史料的なものを上げて、疑わしいところがこれだけあるのがホロコースト真相だ、のように作られている。

私は海外否認論の狡猾さを知っていたので、日本でも同じことをする人がいるんだなと呆れた。

海外で有名なのはアメリカカリフォルニア州オレンジ郡本拠地を持つ、歴史見直し研究所だ。よくIHRと略記される。

IHRは明白なホロコースト否認派なのに、「歴史見直し主義者」と自称し、見かけ上は真面目な研究機関であることを装い、ジャーナル・オブ・ヒストリカルレビューなる一見しただけでは真面目な歴史研究雑誌しか見えない雑誌まで出している。

しかしIHRを創設したのは、極右から問題視されるほどの超極右ウィリス・カートなる人物が作ったのである。但し内紛でこの人は去っている。

ともあれ、ネオナチとしてイメージされるようなスキンヘッドなど全くイメージさせない巧妙さなである

IHRは米国憲法修正第一条に守られて、ホロコースト否認論はアメリカでは存在を許されているわけだが、CODOHなる派生団体を作って多くの大学新聞広告まで載せた実績さえ持つ。議論要望する組織なので、議論するくらいいいだろってわけだ。

しかし、デマ議論参加資格など許されていいはずがない。明白にホロコースト否認論はデマなのである

ホロコースト否認論者たちは狡猾なまでによく出来た否認論ばかり垂れ流し喧伝を繰り返す。

ホロコースト否認論はその存在さえ認めてもらえたら、あとは支持者を増やせばいいだけなのだ

その流れを継承しているのが冒頭で上げた否認動画である

多分、ホロコーストについて無知な人がその動画を見たら、「もしかしたらほんとにそうかも知れない」程度に思う人を含め容認する人が半数を超えるだろう。

それくらいよく出来ているのである。私は見ていて本気でゾッとした。

チャンネル登録者数は話題話題から比較的少ないとは言え、それでも数千人もいる。見ただけで登録しない人も含めたら、信じた人は万を超えるだろう。

 

とは言え、日本人にはホロコーストなどほぼ関係はない話だし、その背景にある反ユダヤ主義だって日本ではそれを主張する意味もないから、放っておいても特に害はない。日本極右の敵はあくま韓国であり中国でありパヨクである高須のような馬鹿見学しておけば済む。

でも、ほんとにあっさり騙される人があまりに多いという事実には恐怖を感じざるを得ない。

歴史問題というのは、日本人に馴染みのある南京大虐殺ですらも、その史実的なことを知ろうとするとこれがなかなか厄介である日本においてはすでに勢力否定派の方が強いので、情報を得ようとしたら否定派の情報が入ってくるのは避けられないかである。その上、まともな情報を得ようとするならば、最低限度秦郁彦氏の『南京事件』(中公新書)程度は読まねばならない。歴史問題の事実を把握しようとするのは、実際そこそこハードルが高いのである

ホロコーストなどはもっとかに高い。日本人のほとんど大多数は、ホロコースト全体像なんて全く知らないであろうし、「ヒムラーハイドリヒ」と言われても「はぁ?誰それ?」な人が大半だろう。

アウシュヴィッツと言われたらドイツにあると思っている人だって多いに違いない。

ガス室と言われたら「シャワーからガスが出てくるんだよね?」と思っている人だってたくさんいる筈だ。しかしそれは少なくともアウシュヴィッツガス室ではない。

こんな無知状態なのだから日本人を騙すのが如何に容易いか、そこは容易に理解できるのではある。

しかも、自分で調べようとしても、日本語文献自体ほとんどない。

その動画はほんとかどうかはともかく、脚注みたく多くの文献を調べているという体裁をとっており、沢山の文献情報を載せているのだけどその全ては海外文献であり、調べようったって日本人ならほぼ無理だ(しかテキストスクロールからすぐ脚注は流れ去るので、あんなのそれっぽく見えるように飾りでしかないのである動画主は明らかにそれをわかってやっている)。

さらに言えば、紹介されていることはほぼ何も間違っていないのである、表面的には。

例えばアウシュビッツ強制収容所で、囚人結婚したという話が出てくる。

これ自体は実は有名な話(書籍にまでなっている)なので、事実なのである

ところが、この話は虐殺とは全く関係がない。

結婚した囚人ユダヤ人ではない。アウシュビッツにはユダヤ人だけではなく、それ以外の政治犯やら戦争捕虜なども大勢いたのだ。

しかもこの話は、大虐殺本丸であるアウシュビッツⅡ(ビルケナウ)ではなく、そこからキロ離れたところにあるアウシュビッツⅠの話である

否認論はこれらの情報を見事に言わない。極端な話、奴らは嘘をつかずに嘘を付くのである

例えれば「水道局の方から来ました」と水道局でない人がよくやる詐欺のようなものである。彼は何も間違ったことは言っていない。

要するに壮大な印象操作集合体否認論なのである

そして否認論に染まってしまうと、こんな否定しようのない証拠資料ですらも認めなくなる。

https://note.com/ms2400/n/n61f6452e88f8

内容は海外サイト翻訳が大半だが、ここまで検証しても否認論者は難癖をつけて絶対に認めようとしない。

ここまで完璧なほどに物理的に資料捏造するのであれば、どうして内容に間違った部分のあるような証拠になっているのか辻褄が合わない。

一体どうして捏造ならば、「ヒトラー命令書」でないのか?

ある捏造者はかつて「ヒトラー日記」まで捏造しているのである

ちょっと頭を使えば、如何に否認論が下らないか、わかりそうなものなのだが……。

何れにしても、人ってどうしてこも簡単にあっけなく洗脳されてしまうんでしょうね?

私自身もかつて騙されたことがなかったとは言えないのですけどね。

2020-07-04

anond:20200704123156

リーにされると読みにくい。リンクが多すぎるから分けてるのだと思うけど、アマゾンへのリンクならisbnとかasin貼り付けるでよかったんじゃないか

例えば、isbn:4478103755 って感じ。ただこれも大量に書くと投稿できなくなるかもしれない。

ファイナンス理論全史とかウォール街物理学者はおれも読んだことある投資のものより相場科学的に見る話が好きで読んでる。中公新書の「統計分布を知れば世界が分かる」を挙げているのは意外だな。これは投資とは全然関係ない本だけど、相場科学的に見ようと思った時にはヒントになるかもしれない。正規分布対数正規分布、そしてべき分布、それらの確率分布形成する現象の背後には、加算過程、乗算過程、そして複雑系がある。こういうのは、相場科学的に見るうえでは役に立つ知識であると思う。ただ、これを投資に活かすのは難しくないか

まぁ増田の書いた投資法はあとでちゃんと読んでみるよ。

2020-06-25

中公新書新刊間違い探し

最近出た中公新書について、細かい誤りを見つけたんだけどどうすれば著者に届くかよくわかんなかったのでとりあえず増田に放流してみる。

岡西政典『新種の発見

https://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/04/102589.html

ラテン語は、現代では使われていない古典死語であり、ギリシャ語ゲルマン語などをはじめとした多くの語派を含有した西洋古典である」(24頁)というのは、ちょっと世界史地理に詳しい人なら容易にツッコめると思う。これを校正さんが見逃したのは本当に謎。

ラテン語ギリシャ語ゲルマン語を含有してない。それらを含有してるのはインド・ヨーロッパ語族だ。つまり、こういうこと。

語族・語派・語ってのは目・科・属みたいなもんだと思ってもらえれば(めちゃくちゃ雑な説明。実際には他の言語との系統関係証明されていないグループを「語族」というので、目というよりは門とか界とかの上位分類に近い)。こう整理すれば上の文のおかしさもわかってもらえると思う。動物の分類に関する本で言語の分類に関する大ポカをやらかすというのはなかなか批評性が高いけど、生物学が専門の人が言語の分類に明るくないのは仕方ないので、校正さんがきちんと拾ってあげるべきだったと思う。日本語いくらでも情報が手に入る話なんだし。

japonicusも「日本産の」の意味であるが、これはJaponJapanラテン語綴り)に“-icus”の接尾辞を加えたものである」(186頁)とあるけど、ラテン語で「日本」はIaponiaである。これはラテン語版Wikipediaを引いてみれば一発でわかる。IとJはもともと同じ文字なので、Japoniaということ。どうもこの著者さんは、形容詞から語尾を引けばもとの名詞になる、あるいは、名詞の後ろに決まった語尾をつければ形容詞形ができると勘違いしているのではなかろうか(「中国」に関する説明からも、そう勘違いしていそうなことがうかがえる)。しかし、英語FranceとFrenchの関係を見ればわかるように、印欧語では名詞のうしろに決まった語をつければ形容詞になるとは限らないのだ。

少なくとも、この本、ラテン語の部分はラテン語がわかるひとにチェックしてもらって大幅に書き直した方がいいと思う。著者さんが、「学名をつけるときの語尾のいじり方」については知っていても、「ラテン語文法」をわかっているようには見えないので(「こういう名前ときはこういう語尾をつける」というのは、経験知であって「文法パターン」[185頁]ではない)。学名をつける側のひとも、-iや-aeといった格変化のうしろにどんな文法規則が隠れているか知ることができたら面白いんじゃないかな。

中谷功治『ビザンツ帝国

https://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/06/102595.html

「フォカスという名の下士官将校」(35頁)ってあるけど少なくとも近代以降では下士官将校士官)ははっきり区別される別の身分である日本語Wikipediaでは「下士官」と書かれていて、英語版Wikipediaでは「下級士官low-ranking officer)」と書かれているんだけど、要するにビザンツ帝国軍は近代的な軍組織ではないので、ある階級士官下士官か厳密には決められないってことだと思う(フォカスは百人隊長だったらしい。うーん……)。でも「下士官将校」はおかしい。「下士官」と書くか、「下級将校」と書くかのどちらかにすべき(個人的には、前近代でそのへんの厳密な区分はできないんだから、素直に「百人隊長」と書けばいいと思う。こう書けばどんな地位なのか一発でわかるし)。

セルビア人の有力な領主コンスタンティン・ドラガシュ・デジャノヴィッチ」(275頁)って書いてあるけど、英語版Wikipedia確認するとKonstantin Dejanovićなのでどう見ても「デヤノヴィッチ」です本当にありがとうございましたロシア語綴りはКонстантин Деяновичだけど、これを見れば「デジャノヴィッチ」ではありえないのが一発でわかる(セルビア語jaロシア語のя)。ひょっとしてギリシャ語だとデジャノヴィッチが正しいのかな? って思って現代ギリシャ語版Wikipedia見てみたけどΝτεγιάνοβιτςなので普通に「デヤノヴィッチ」ですね。著者さん、さては西欧語の文献だけチェックしてギリシャ語綴りチェックしてないな?

最後になるけどどっちの本も面白かったです。すごい勉強になりました。上で挙げた点は非常に些細な間違いなので、本全体の価値を貶めはしないことを付け加えておきます

2020-03-23

2019年に読んだ本

『おあむ物語・おきく物語』(天保8年(1837))

家近良樹『歴史知る楽しみ』(ちくまプリマー新書2018年12月)

石川太郎監修・小泉吉永編集『女大学資料集成〈別巻〉』(大空社、2006年)

磯田道史監修『江戸家計簿』(宝島社新書2017年)

磯田道史他『戦乱と民衆』(講談社現代新書2018年8月)

伊藤セツ『山川菊栄研究――過去を読み未来を拓く』(ドメス出版2018年12月)

今井幹夫『富岡製糸場と絹産業遺産群』(ベストセラーズ2014年)

岩田真美・桐原健真編『カミとホトケの幕末維新』(法蔵館2018年11月)

大塚英志日本バカから戦争に負けた 角川書店教養運命』(星海社新書2017年)

小川剛生『武士はなぜ歌を詠むか 鎌倉将軍から戦国大名まで』(角川学芸出版2016年)

金澤裕之『幕府海軍の興亡 幕末期における日本海軍建設』(慶応義塾大学出版会、2017年)

上條宏之『絹ひとすじの青春――『富岡日記』にみる日本近代』(NHK出版1978年)

神谷大介『幕末海軍――明治維新への航跡』(吉川弘文館2018年1月)

神谷大介『幕末軍事技術の基盤形成――砲術海軍地域』(岩田書院、2013年)

神作研一近世和歌史の研究』(角川学芸出版2013年)

香内信子編『資料母性保護論争』(ドメス出版1984年)

呉座勇一『陰謀日本中世史』(角川新書2018年3月)

佐々大河『ふしぎの国のバード』1~3巻(ハルタコミックス、2015~16年)

サビーネ・フリューシュトュック他編『日本人の「男らしさ」――サムライからオタクまで 「男性性」の変遷を追う』(明石書店2013年)

篠田信一『殴り合う貴族たち――平安朝裏源氏物語』(柏書房2005年)

中公新書編集部編『日本史の論点――邪馬台国から象徴天皇制まで』(中公新書2018年8月)

内藤一成『三条実美 維新政権の「有徳の為政者」』(中公新書2019年2月)

中島岳志保守大東亜戦争』(集英社新書2018年7月)

中野節子『女はいからやさしくなくなったか』(平凡社新書2014年)

中屋敷均『科学非科学』(講談社現代新書2019年2月)

長山靖生帝国化する日本――明治教育スキャンダル』(ちくま新書2018年9月)

文芸春秋編『日本史の新常識』(文春新書2018年11月)

本郷和人『戦いの日本史 武士時代を読み直す』(角川学芸出版2012年)

松浦だるま『累』全14巻(イブニングコミックス、2013~18年)

宮地正人日本リブレット人68 土方歳三榎本武揚 幕臣たちの戊辰函館戦争』(山川出版社2018年8月)

森正人鈴木元編『文学史古今和歌集』(和泉書院2007年)

山川菊栄記念会・労働者運動資料室編『イヌからすとうずらペンと 山川菊栄山川写真集』(同時代社、2016年)

山本博文編『織田信長古文書』(柏書房2016年)

山本ルンルンサーカスの娘オルガ』第3巻(完)(ハルタコミックス2019年)

吉田麻子『知の共鳴 平田篤胤をめぐる書物社会史』(ぺりかん社2012年)

和田裕弘織田信忠――天下人嫡男』(中公新書2019年8月)

渡部周子〈少女〉像の誕生――近代日本における「少女規範形成』(新泉社2007年)

渡邊大門関ヶ原合戦は「作り話」だったのか 一次史料が語る天下分け目の真実』(PHP新書2019年9月)

渡辺尚志『江戸明治 百姓たちの山争い裁判』(草思社2017年)

渡部泰明『和歌とは何か』(岩波新書2009年)

★再読★

鬼頭宏『日本歴史19 文明としての江戸システム』(講談社2002年)

ニコライ著・中村健之介訳『ニコライの見た幕末日本』(講談社学術文庫、1979年)

中屋敷均『ウイルスは生きている』(講談社現代新書2016年)

山川菊栄武家女性』(岩波文庫1983年)

山川菊栄著・鈴木裕子編『山川菊栄評論集』(岩波文庫1990年)

和田英『富岡日記』(筑摩書房2014年)

2019年に読んだ本

『おあむ物語・おきく物語』(天保8年(1837))

家近良樹『歴史知る楽しみ』(ちくまプリマー新書2018年12月)

石川太郎監修・小泉吉永編集『女大学資料集成〈別巻〉』(大空社、2006年)

磯田道史監修『江戸家計簿』(宝島社新書2017年)

磯田道史他『戦乱と民衆』(講談社現代新書2018年8月)

伊藤セツ『山川菊栄研究――過去を読み未来を拓く』(ドメス出版2018年12月)

今井幹夫『富岡製糸場と絹産業遺産群』(ベストセラーズ2014年)

岩田真美・桐原健真編『カミとホトケの幕末維新』(法蔵館2018年11月)

大塚英志日本バカから戦争に負けた 角川書店教養運命』(星海社新書2017年)

小川剛生『武士はなぜ歌を詠むか 鎌倉将軍から戦国大名まで』(角川学芸出版2016年)

金澤裕之『幕府海軍の興亡 幕末期における日本海軍建設』(慶応義塾大学出版会、2017年)

上條宏之『絹ひとすじの青春――『富岡日記』にみる日本近代』(NHK出版1978年)

神谷大介『幕末海軍――明治維新への航跡』(吉川弘文館2018年1月)

神谷大介『幕末軍事技術の基盤形成――砲術海軍地域』(岩田書院、2013年)

神作研一近世和歌史の研究』(角川学芸出版2013年)

香内信子編『資料母性保護論争』(ドメス出版1984年)

呉座勇一『陰謀日本中世史』(角川新書2018年3月)

佐々大河『ふしぎの国のバード』1~3巻(ハルタコミックス、2015~16年)

サビーネ・フリューシュトュック他編『日本人の「男らしさ」――サムライからオタクまで 「男性性」の変遷を追う』(明石書店2013年)

篠田信一『殴り合う貴族たち――平安朝裏源氏物語』(柏書房2005年)

中公新書編集部編『日本史の論点――邪馬台国から象徴天皇制まで』(中公新書2018年8月)

内藤一成『三条実美 維新政権の「有徳の為政者」』(中公新書2019年2月)

中島岳志保守大東亜戦争』(集英社新書2018年7月)

中野節子『女はいからやさしくなくなったか』(平凡社新書2014年)

中屋敷均『科学非科学』(講談社現代新書2019年2月)

長山靖生帝国化する日本――明治教育スキャンダル』(ちくま新書2018年9月)

文芸春秋編『日本史の新常識』(文春新書2018年11月)

本郷和人『戦いの日本史 武士時代を読み直す』(角川学芸出版2012年)

松浦だるま『累』全14巻(イブニングコミックス、2013~18年)

宮地正人日本リブレット人68 土方歳三榎本武揚 幕臣たちの戊辰函館戦争』(山川出版社2018年8月)

森正人鈴木元編『文学史古今和歌集』(和泉書院2007年)

山川菊栄記念会・労働者運動資料室編『イヌからすとうずらペンと 山川菊栄山川写真集』(同時代社、2016年)

山本博文編『織田信長古文書』(柏書房2016年)

山本ルンルンサーカスの娘オルガ』第3巻(完)(ハルタコミックス2019年)

吉田麻子『知の共鳴 平田篤胤をめぐる書物社会史』(ぺりかん社2012年)

和田裕弘織田信忠――天下人嫡男』(中公新書2019年8月)

渡部周子〈少女〉像の誕生――近代日本における「少女規範形成』(新泉社2007年)

渡邊大門関ヶ原合戦は「作り話」だったのか 一次史料が語る天下分け目の真実』(PHP新書2019年9月)

渡辺尚志『江戸明治 百姓たちの山争い裁判』(草思社2017年)

渡部泰明『和歌とは何か』(岩波新書2009年)

★再読★

鬼頭宏『日本歴史19 文明としての江戸システム』(講談社2002年)

ニコライ著・中村健之介訳『ニコライの見た幕末日本』(講談社学術文庫、1979年)

中屋敷均『ウイルスは生きている』(講談社現代新書2016年)

山川菊栄武家女性』(岩波文庫1983年)

山川菊栄著・鈴木裕子編『山川菊栄評論集』(岩波文庫1990年)

和田英『富岡日記』(筑摩書房2014年)

2020-02-16

野口武彦鳥羽伏見の戦い』を読んで

野口武彦鳥羽伏見の戦い幕府の命運を決した四日間』(中公新書2010年)読了あとがき以外は面白いね。

あとがきの「閉ざされてしまった回路」(=あったかも知れないイフ)は興味深いが、この書名や慶喜に負わせる問題じゃない。そして一つ目の公議政体はともかく、二つ目の「天皇制ぬきの近代日本」は荒唐無稽。このような反論に著者は「こう考えることを妄想だとする向きは、話があまり大きすぎて歴史的想像力がついてゆけないかである」と予防線を張るが、それはそうじゃない。

歴史にはたくさんのイフがあり、それぞれの実現可能性にとってプラスに働く因子とマイナスに働く因子とがある。それら諸因子の大小強弱は定量的に計測できるようなものではないが、ある程度の序列はつけれられる(というよりつけなければならない)。野口さんの言ってるのは、「マイナス因子をすべて無視すれば別のイフもあり得た」というに過ぎない。

彼は慶喜よりもはるかに大きな他の因子、例えば思想史的要因を全く無視している。列強ひしめく国際社会へ出て行ったときに、来たるべき「日本人」のアイデンティティはどこに求められるのか。それは「皇国」以外にないだろう。それは鳥羽伏見のずっと以前から使われている言葉で、すでに相当な浸透力をもっていた(松陰を想起せよ)。たとえ慶喜が逃亡せず新政府首班に座る(=徳川勢力が温存される)としても、天皇権威を前面に押し出さなければ新たな公議政体での意思統一はできなかっただろう。となれば、それが天皇神格化神聖付与へ向かうのは自然な流れ。(来たるべき憲法の条文がどうなるかはともかく)

天皇制を32テーゼではなく著者のように定義するなら、慶喜が逃亡しようとしまいと、かなりそれに近い状態に達したと考えられる。

要するに「天皇制ぬきの近代日本」というイフにとって、慶喜逃亡はきわめて小さい因子に過ぎない。他にもっと強力なマイナス因子があるのに、それらを全部無視してイフを手柄顔で語られてもねえ…。

天皇制ぬきの近代日本はあり得ただろうか?」という問題提起は興味深いし意味があるが、慶喜逃亡が決定的な因子であったという主張は愚かしい。その意味で「この書名や慶喜に負わせる問題じゃない」と書いた。アルキメデス支点に立ってるように見えるのは、著者が戊辰戦争ばかり見てるだけのことじゃないの。

から、ここに至って、なんでこの著者と気が合わないのかもはっきりする。この人の本は面白いけど、同時に「面白い話を一発吹いて目立ってやろう」という助平根性も感じるんだよね。勿論この人はれっきとした学者であって、歴史作家のくせに歴史学者のふりして商売してる人種とは違う。だから猶更その根性が気になる。我々はワトソンより寧ろロザリンド・フランクリンであるべき。ワトソン剽窃者として謗りたいのでははなく、帰納的に考えることをおろそかにしてはならないということだ。

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