「フランケンシュタイン」を含む日記 RSS

はてなキーワード: フランケンシュタインとは

2021-05-20

教皇イノセント」、皇帝フレデリック」、老水「天」行

 『ユダヤ人歴史』(河出文庫)という本がある。文庫サイズで千円ちょっと古代から現代に至るユダヤ人歴史概要を、中東欧州西欧東欧北米地域に分けて学べる、比較コストパフォーマンスが高い本である

 元々、原著ユダヤ教思想的な部分(これらの神学論争神秘主義思想は、初心者である一般人には分かりにくく混乱する元でしかない)をほとんど省略して書かれていることから一般人にとっては取っ付き易く、ユダヤ人歴史を学ぶための入門書としてお勧めしたい……ところなのであるが、一つ我慢ならない欠点がある。

 この本の中では「イノセント」や「フレデリック」という人名普通に出てくるが、なんとこれらは「教皇インノケンティウス」や「皇帝フリードリヒ」のことを指すのである高校生時代世界史赤点スレスレだった私でも気づくような、凡ミスである。何故、こんな事になったのか。

 原著者は、レイモンド P. シェインドリンというアメリカ人から、当然、原著人名英語で書かれている。おそらく、下訳の段階で翻訳者は、それらの人名を取り敢えず英語読みからカタカナ表記にして日本語翻訳原稿を書き、その後、日本国内歴史書籍一般的通用している表記に直す作業を怠ったのだろうと思われる。「怠った」と判断する理由は、英語読みで人名統一されているわけでもないかである

 翻訳者もひどいと思うが、編集者は何も思わなかったのだろうか?最初日本語翻訳版が出てからそこそこ年月も経過し、河出文庫から再刊されてからも年月が経過して何度か増刷もされているのに、ずっと「イノセント」と「フレデリック」のままである翻訳文学作品も多数出している、河出文庫にあるまじき凡ミスだ。

 翻訳文学を多数出しているといえば、つい最近、手元に有る創元推理文庫版『フランケンシュタイン』を読み返したら、最初ウォルトンが書いた手紙パート言及される、英国詩人コウルリッジの有名な詩「老水夫行」に関する注釈が「老水『天』行」と誤植されているのにも気づいた。

 こんな感じで、素人一般人でも気づくような凡ミスが、訂正されることもなく、増刷された書籍として世の中に出回り続けている例は意外と多いのだろう。

2021-03-21

雑誌映画秘宝』の記憶(19)

町山智浩柳下毅一郎問題発言集】(No.02)

元『映画秘宝編集部員の秋山直斗(ナオト)さんにも読んで確認してもらえるよう、引き続き頑張ります。前回と同じく、出典は『ファビュラス・バーカー・ボーイズ映画欠席裁判』(2002年洋泉社)、発言者を「町山」及び「柳下」と表記します。記述形式

   [ページ数]

   発言者発言内容

   【※】付随情報や私個人の感想など(適宜)

です。

 なお、問題発言だけでなく「今から見返したら『味わい深い』」と云う発言も有ります

〈警告!〉「同性愛者に対する差別発言」などの引用が多数含まれるため、読むと気分が悪くなる可能性が有ります

引用ここから

[p101]

 柳下淀川さんって本当に肉体派でしたね。好きな俳優シュワちゃんスティーヴン・セガール

 町山:あとチャールズ・ブロンソンとか、現場労働者タイプ(笑)シュワちゃんジャッキーヴァンダムセガール、それにドルフ・ラングレン映画は『日曜洋画劇場』の独占状態だった。淀川ハーレム

 柳下:男女の恋愛映画はめったにやらなかったね。

 町山:とにかく男、男、男の映画淀川さんって自分欲望に忠実だったねえ(笑)

【※】相手が死去して反撃してこないのをいいことに揶揄する。景山民夫の時と同じ。そもそも町山智浩に「欲望に忠実」と他人に言う資格は有るのか?他人女性パートナーの胸を揉んだりキスしたりするのに。

【※】続いて『ゴッド・アンド・モンスター』の話題に移る。これは、’31年版『フランケンシュタイン』の監督ジェームズ・ホエール主人公とする伝記映画

[p102]

 町山:そもそもさ、フランケンシュタイン博士はなんで怪物を作るんだと思う?

 柳下:え、そりゃ自分の手で生命を生み出すためでしょ。神への挑戦として。

 町山:でも、それだったら別に男じゃなくてもいいじゃん。男なら普通、まず理想の女から作らないか

 柳下だって最初人間アダムじゃないですか。

 町山:いやいや、フランケンシュタイン博士には男を作る方が自然だったんだよ。なぜかというと博士ホモだったから!

 柳下:なんかやおいみたいだよ(笑)。ヘンなものでも食べた?

 町山:いたって正気。これ、ただの思いつきで言ってるわけじゃないんだよ。実は最近ジェームズ・ホエールの伝記が出て、そこでジェームズ・ホエールホモセクシャルであることを明らかにしている。

 柳下:『ハリウッドバビロン』にも書いてあったよね。

 町山:確かにフランケンシュタイン』を観てると、博士の行動ってすごく変なんだよね。婚約者美女がいるのに、ちっとも彼女にかまわないで、男の死体をいじってる。

 柳下:要するにホモなのに結婚させられそうになって、死体ダッチワイフ作ってるってことですか。ワイフじゃなくてダッチボーイか(笑)

【※】ここでも「女に手を出すことが『男の証』」という考え方と同性愛者を「異常者」扱いする姿勢が顕れている。

(初出『SFオンライン』98年11月号)

[p109]

【※】ケヴィン・コスナーの『ポストマン』の話題に触れて

 町山:それって、『もーれつア太郎』の目玉のつながったお巡りさんだね。あんまりピストルを撃ちまくるから、ア太郎たちが警察署に苦情言ったら「そこ交番ないですよ」って言われるの。要するに勝手警官名乗ってるキチガイだったんだよ(笑)

 柳下:でも映画版『ポストマン』にはそういうキチガイの部分がないんですよ。

【※】「キチガイ」もよく使う印象。

[p110]

 町山:コスナーの人気が落ちたのは、カミさんに全部暴露されたからなんだよ。床屋に行けば床屋の女とヤッちゃう無差別爆撃男でだったんだよ。

 柳下:他の俳優なら「しょうがないなー」で済むけど、コスナーは良識ぶってから反感買うんだな(笑)

【※】「良識ぶってから反感買う」は今の町山智浩たちにも噛み締めてもらいたい教訓だと思う。

(初出『映画秘宝』99年vol.11)

[p114]

 田野辺あんたら迷惑なんですよ。悪口ばかり言うから、僕らが映画会社に出入りしにくくなるでしょ。

【※】そりゃ、健康も崩すよ。

[p115]

【※】マーティン・スコセッシの『クンドゥン』に触れ、柳下が「ダライ・ラマの生涯を描いてチベット開放を訴える映画ね」と物語説明した流れから

 町山:スコセッシは一般人に好かれようと思わないで、チビキチガイが人殺す映画だけ一生作ってりゃいいんだよ!

 柳下チベット救済ってのがトレンドなんじゃない?昔の反原発みたいなもんでさ。チベット救済コンサートとかやってるでしょ。ロクなもんじゃないけど。

【※】「チベット問題」や「原発問題」に関する意識今日からすれば隔世の感が有りますが、そういえば町山智浩は「天安門広場で死者は出ていない」と云う中国政府寄りの立場なんでしたっけ。

【※】その後、ニコラス・ケイジ主演の『8mm』に話題が移る。

 柳下おかしかったのはニコラス・ケイジの弟分になるホアキン・フェニックス。登場するなり「オレはホモじゃないぜ」って言うんだけど、なぜかケイジのために命を捨てる。やっぱホモじゃん(笑)

 町山:あの「やおい的展開」はなんなの?客へのサービスか?

 柳下ジョエル・シュマッカー監督(ゲイ)の自分へのサービスじゃない(笑)

【※】ここでも「(笑)」を使っている。

(『映画秘宝』99年vol.12)

[p123]

【※】監督スタンリー・キューブリック、出演トム・クルーズニコール・キッドマンの『アイズ・ワイド・シャット』の話題

 柳下:だから試写で、おすぎが「つまんない映画ね!」って言ってたよ。

 町山:オカマにゃわかんないって(笑)

 柳下:で、おすぎにそう言われた筑紫哲也は困った顔してた。

 町山:筑紫は見につまされたんだな。痴漢局長乱交アナ、覗き記者に囲まれて『ニュース23』やってりゃムラムラくるって(笑)。「オレだって昔は女子大生モテたんだぞ!」って。

 柳下多事争論でやるべきだよね「浮気願望」って(笑)

【※】浮気願望といえば、少し前に○人疑惑が持ち上がった人がいた気がしますけど、誰でしたっけ?今日のお風呂は血の色です。

[p124]

 柳下:道ですれ違った体育会系のガキどもに「オカマ野郎」って言われるシーンは、モロにトムのホモ疑惑ネタにしたギャグでしょ。

【※】同性愛揶揄する時に「疑惑」という表現を使って「恥ずべきもの」というイメージを植え付けようとする。

(初出『映画秘宝』99年vol.13)

今回はここまでにします。ヘイル・サタン

2021-03-17

anond:20210317162602

横田だが、それは普遍的普通ではないんだよなー

イーグルトンの「文学とはなにか」やら「批評理論入門 「フランケンシュタイン」解剖講義」やら読んでみるとよい

2021-03-13

anond:20210312143341

フランケンシュタインシザーハンズ問題というか

居るだけで人を傷つける存在って大変だよな

本人も周囲も

2021-03-07

anond:20210306222426

ミャンマーで、弾圧する側の警察が「これ以上暴力をふるえない」と辞職したり国外に逃げているらしいが、

これこそ「自分判断する力」だと思う。

ウイグル人の臓器を抜いたり、レイプする側は「ウイグル人人間と思っていない」という。

からジェノサイドができてしまう。

教育がない、もしくは、自由教育する機会を得られなかった人間は、このようなフランケンシュタインになってしまう。

https://www.mangaz.com/book/detail/188221

2021-03-06

ふたつの「ぜんぜん」が強烈に印象にのこっている

一人目は、在日朝鮮人だった。

しか年金だか高齢者介護だかの話になって、

戦後60年日本人はがむしゃらに働いてきた。その人たちが日本の豊かさを作ったので我々が恩返し・支える必要がある」

みたいな発言をしたところ、

「ぜんぜん?」

みたいに氷のような無表情でいってきた人。

あーこいつ外人だと思った。

あと二人目は、中国人在留資格がある人だった。

中国諸子百家はいろいろ思想があっておもしろい。中でも孔子老子孟子荘子日本人が学んでおく必要がある」

みたいにいったところ、

「ぜんぜん?」

と、こちらも無表情で、まったく心底興味のない顔だった。

今思えば100%中国共産党員だったと思う。(他の中国人はそういう話をすると誇らしい顔になったので)

政治的人生コントロールされている人は、

その歴史観人権意識も、他人コントロールされることになり、哀れだと思った。

人間フラット状態で生まれてくる。

そこに学生時代勉強することでフラット思想仕入れることができる。

しかし幼少期から親や政治組織宗教という名の政治的組織ふくむ)から「仕込まれ」てしまうと、もうほかのものを受け付けられない。

そうして出来上がるのが、

人間らしき姿をした」怪物でありフランケンシュタインである

おもえば中学高校大学で、大量の文献を自由にみて選択できる日本という国に生まれたのはラッキーだったと思う。

もちろんそこでマルクス主義を選んだかもしれないし、マキャベリズムを選ぶこともできたかもしれない。

しかしそうならず、基本的人権生命権こそすべてという思想に、「自ら選択して」なれたのは日本のおかげだと思う。

自ら選択しない(できない)フランケンシュタインがいきつくのは、兵隊としての暴力である

そして暴力がいきつくのは、血であり、弾圧であり、臓器摘出であり、レイプである

「ぜんぜん」

を教えてくれた二人は、人生の師だったと思う。

2021-03-01

必読書コピペマジレスしてみる・自分オススメ41冊編(2)

戻る→anond:20210301080105

倉橋由美子聖少女

まり男性女性がとは言いたくないのだが、女性作家の描く知的早熟少年たちというのは、エルサ・モランテの「アルトゥーロの島」なんかでもそうなんだが、男性が描くときはまた違った魅力を発する。サリンジャー知的論理的自分を追い詰める子供たちとはまた別の硬さがあってよい。新城カズマサマータイムトラベラー」の高度に知的でありながら情緒は年相応な少年少女もいい。

さておき、これは近親相姦お話なのだが、印象に残っている描写は次の通り。主人公たちの仲間に大食漢の男がいて、しばしば生肉弁当の代わりに食らっている。回りの女子生徒たちも面白がって彼に餌付け(?)していたのだが、ある女子生徒がブルマーを入れていた袋の中に隠していたウサギを、生きたままで彼に与えた。血まみれで凄惨な場面でありながらも、大食漢は実においしそうに平らげていた。

例の文学少女から薦められて読んだことでも思い出深い一篇。

ミラン・クンデラ存在の耐えられない軽さ」

頭が良くてモテる男が主人公なのでいけ好かないモテること、たくさんセックスすることこそが人生の目的になっているような奴は理解できない。なんか知らないやつにいきなり人の部屋をのぞきまれ、「お前の人生にはエロスが足りない!」と叫んで出ていかれるような気分がする。しかし、これもまた祖国を追われた人間が、知性と皮肉現実適応しようとした姿なのかもしれないのだ。

それと、この本で感謝しているのは、さまざまな政治的活動に対して感じていた居心地の悪さを、「キッチュ」をはじめとしたさまざまな言葉言語化してくれたことだ。ポリコレを正しいと信じているのに、そこにあるどうにも解消できない居心地の悪さが気になる人が読むといいんじゃないかな。

あとは頭が良すぎて、多くの人が無視したり忘れていたりしていることが見えてしまい、幸せになれない著者みたいなタイプが読むと幸せになれそう。イワンカラマーゾフとか御冷ミァハみたいに、頭が良すぎて不幸になるというか、自分の知性をどこか持て余してしまタイプキャラクターが好きだ。

メアリーシェリーフランケンシュタイン

死体から作られた怪物がただただかわいそう。容貌醜悪なだけで化け物として追われ、創造主からも拒絶された彼の孤独を考えるだけで悲しくなる。まったく同じ理由で「オペラ座の怪人」も好きだ。どちらも間違いなく殺人者ではあるのだけれども、容姿馬鹿にされたことがあるのなら共感せずにはいられないだろう。関係ないけど、オペラ座の怪人ヒロインから振られたことを受け入れられたのって、やっぱり正面から振ってもらったからだよな、と思う。音信不通フェードアウトされたら怨念はなかなか成仏しない。

それと、これはSF的な感覚かもしれないが、人間離れした(時としてグロテスクな)姿を持つ存在が、非常に知的であるというシチュエーションがとても好きで、その理由から後述の「時間からの影」や「狂気山脈にて」も愛好している。

ロード・ダンセイニ「ぺガーナの神々」

架空神話ショートショート形式で述べられていく。ただそれだけなのにこんなに魅力的なのはなぜだろう。彼の作品基本的に短く、しょうもないオチ作品も割とあるのだけれども、時に偉大で時に卑小な神々の物語は、壮大な架空世界に連れて行ってくれるし、すぐ隣に隠れているかもしれない小さな妖精魔法も見せてくれる。

テッド・チャン「息吹」

あなたの人生の物語」とどっちにするかやっぱり迷った。映画メッセージ」の原作が入ってるし、増田で盛り上がってるルッキズムテーマ作品だってある。だが、寡作な人なのでこの2冊しか出していないし、片方が気に入ったらきっともう片方も読みたくなる。

表題作は、意識を持ったロボットのような存在がいる宇宙お話なのだけれども、そのロボット自分の脳をのぞき込んでその複雑な仕組みに心を打たれる。そして、世界を観察することで、何万年も経てばこの世界は滅んでしまうことを悟る。人間とは全く似ても似つかないロボットたちだが、やっていることは人間サイエンス、真理の追求という営みと本質的には同じだ。何かを知ろうとする営為の尊さについて語っている。得られた知恵で、自分たちも世界もいつかは終わってしまうと知ることになろうとも、知識を求める崇高さは変わらないのだ。

イワンセルゲーヴィチ・ツルゲーネフ「初恋」

学生時代自分女性に冷たくされる文学が好きだった。からかわれたりもてあそばされたり馬鹿にされたりする作品のほうが好きだ。そのほうがリアリティがあったから。寝取られ文学が好きなのもそれが理由だし、谷崎潤一郎作品も同様の理由で好きだ。

自分馬鹿にしていた少女が突然しおらしくなり、自分に近づいてくる。いったいどうしたことか、と思って期待しながら読んで、絶望に叩き落されるがいい。

イサク・ディネセン「アフリカの日々」

ライ麦畑」でホールデン少年が感動した本。アフリカ植民地で暮らす女性視点からその生活を書いている。友人のイギリス人が亡くなったとき、まるで故郷をしのぶかのように墓が深い霧に包まれたシーンがとても美しい。

個人的には、当時の基準からすればアフリカの人々に対して丁寧に接しており、評価も概して公平であるように感じた。ところどころ「有色人種特有の」といった表現があったり、アフリカ前近代社会とみなしたり、古い進歩史観は見られるし、植民地支配者側から視点批判的に読まなければならないが、色眼鏡比較的少ない観点に心を動かされてしまったのは事実だ。

植民地時代アフリカって、宗主国以外の人もたくさんいたこともわかって面白い。当時は英領東アフリカだが、そこにはスウェーデン人もいればノルウェー人もいる。古くから貿易相手としてのインド人だっている。独立後、彼らは日本人満州朝鮮半島台湾などから引き揚げたように、撤退したのだろう。植民地について理解するためにもおすすめ

J・R・R・トールキン指輪物語

はまった。十代の頃にとにかくどっぷりとはまった。今でも表紙のエルフ文字を使って誰にも読まれたくないことをメモするレベルではまった。

かに話の展開は遅い。重厚に過ぎる。設定を語るためのページも多い。しかし、この長大小説を読むことで、開始数ページで読者をひきつけなければならない現代小説からは得られない、長い旅をしたという実感を得られるのは確かだ。小説家には良き編集者の助言は必要だが、今のように急ぐ必要のなかった時代もあったことは忘れたくない。

中島敦「狼疾記」

李陵」や「弟子」や「山月記」じゃなくてなんでこれなのか、という声もするのだけれど、自意識過剰文学少年の思っていることをすべて言語化してくれているので推さずにはいられなかった。十代の頃の感受性は、何よりもこうしたものを求めていた。親の本棚にこれが積んであったのは幸運だった。

これは「三造もの」と呼ばれる中島敦私小説的の一つであり、世界の滅亡や文明無意味さに対する形而上学的な恐れや不安意識の片隅にある人間なら確実に刺さる内容だ。最後説教パートもさほどうっとうしくない。なぜなら、きっと文学少年文学少女たちは、その言葉無意識のうちに自分に投げかけてきたからだ。

ウラジーミル・ナボコフロリータ

膨大な知識と華麗な文体を背景にして、あらゆる性的な乱行を正当化してしまうのがナボコフ作品の一つの特徴である。語り手ハンバート・ハンバートは十代前半の少女を性の対象とする中年だ。自分初恋の思い出がどうこうとか述べているが、それだって言い訳だ。

しかし、この作品はただの小児性愛者の物語ではない点が油断ならない。少女ロリータはただ性的搾取されるだけの存在ではなく、自ら性の冒険に乗り出す。清純で清楚な少女という幻想は、最初からハンバート夢想の中にしか存在しない。ハンバートにはロリータ内面や考えなど最初から見えていなかったし、見ようともしてこなかった。

ただのスキャンダラスな本ではない。これは一人の身勝手男性心理の解剖である

新美南吉「屁」

ごんぎつね」の作者として知られるが、こんなふざけたタイトルの話も書いている。しかし、これは「自分は常に正しい、正しく道徳的であらねばならない」としてきた子供挫折を描いた小説であり、この社会弱者にあらゆる責任を擦り付けている様子を全く卑近話題から告発した話なのだ自分がした屁の責任かぶらされた、いつも屁をこいている少年への同情と軽蔑は、僕らの弱者への姿勢のものじゃなかろうか。

短いし、青空文庫で読めるのでオススメ

https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/3040_47823.html

仁木稔「グアルディア」

遺伝学の発展が少し早かったパラレルワールド未来舞台にした愛憎劇であり、変身ヒーローものでもある。ただのSFと違うのは、さまざまな文化が変容を受け、再解釈を受けて受容されることまでもプロットの一部として組み込んでいるところだ。さらには疑似科学陰謀論社会関係も描いている。今、読まれてほしい作家の一人だ。

仁木稔作品は僕の好み、ストライクど真ん中なんだけど、世界史や文化史、自然科学物語論の素養がないと(かじるレベルでいい)作者の構想を味わい尽くすのが難しいので、滅茶苦茶売れる作品にはならなそうだというのは認めざるを得ない。現に舞台ラテンアメリカ日本人になじみが薄いし、シリーズの別の作品中央アジアだ。それでも、伊藤計劃と並んで、社会学なんてつまらないって誤解を解いてくれた大きな恩がある作家だ。早くこのシリーズ最新刊が出ないか、今か今かと待っている。

イザベラ・バードイザベラ・バード日本紀行」

明治一年日本都市から農村を実際に歩いて見聞した手記である。率直に衛生状態の悪さやはびこる迷信批判している箇所はあるものの、その率直さが当時の日本がどんなだったか身びいきなしに教えてくれる。現代日本人が近隣の、例えば東南アジア諸国を見聞して不満がる、偽ブランドの横行や衛生状態の悪さ、家畜との同居や騒々しさなどが明治日本ではごく普通だったってことは知っておいていいと思う。

著者は北海道にも足を延ばした。アイヌ民族について日本人よりも好意的に描いている場面もある。しかし、当時の西欧人の感覚でよくわからないのだが、「粗野な外見だけどとても優しい目をしている」と褒めた民族のことを、別のところでは「将来の可能性を閉ざされ民族である」と書く点だ。もしかして、かつての人々が持っていた、文明と野蛮の間にある壁・差異イメージは、僕らが直観するよりもはるかに深刻な差別意識内包した、強固な偏見に根差しものだったのかもしれない。単純な軽蔑どころではない、もっとひどい無理解に基づいた恐ろしい何か。同じように、キリスト教によってこそ日本の悪習は絶えるという発想がどこから来たのか。そういうことを考える意味でもおススメしたい。

ハン・ガン菜食主義者」。

とても面白かった。父の暴力を遠因として、あらゆる動物的なもの嫌悪するようになった妹と、ただやり過ごすことで生きてきた姉を軸に描かれた三連作。壊れた夫婦描写に優れる。

妹は最後には精神を完全に病んで、何も食べられなくなるのだけれども、彼女が持つ植物になりたいという妄念が、本当に精神病の患者さんを観察したんじゃないかってくらい、細部にリアリティがある。

姉はおとなしいのだが、自分はただ忍従し、やり過ごしてきただけで、自分人生を全く生きていなかったのだと、夫の裏切りによってやっと気づく。夫は夫で、そのおとなしい妻に対して息苦しさを感じている。他の家庭のように、怒鳴り散らしてくれたらどれほど楽か、と嘆くのだ。

韓国ってよく叩かれているけど、日本と同じように家族のしがらみとかとかで苦しむ描写が多いので、意外とわかりやすい気がする。

進む→anond:20210301080225

2021-02-02

[]2021年1月はてブあとで読むトップ30リスト

はてブホットエントリ(総合)で月内に数多く[あとで読む]タグを集めたエントリ

303あとで/2884users 財テク (住宅購入編) – shunirr | Scrapbox

293あとで/2732users 「なんでこの機能Windowsに標準で入ってないの?」という神機能が特盛!Microsoft公式ツール「Powertoys」を解説 – すまほん!!

288あとで/1823users 質の高い技術文書を書く方法 - As a Futurist...

276あとで/3000users 闇市化するAmazon「裏コマンド検索」で絞り込む | ラジオライフ.com

269あとで/2424users 2020年はてなブックマーク年間ランキングトップ100 - はてなニュース

254あとで/1909users 【図解】前年と違うよ! 令和2年分「源泉徴収票」の見方 - INTERNET Watch

248あとで/1275users 総務省社会人のためのデータサイエンス入門を無料開講 | Ledge.ai

244あとで/1522users 3DモデリングソフトBlender」の操作を0から学べる1,400ページの解説書が無償公開 - 窓の杜

241あとで/3401users 浄土真宗僧侶です。初めて書き込みます。 不慣れなため、先ほど書いた.. | anond.hatelabo.jp

233あとで/2132users 外資系企業会社員が重宝しまくっている英語関連の神ツール8選&勉強法まとめ「めっちゃお世話になってる」 - Togetter

231あとで/1677users 読書のやり方を変えてみたら知識の吸収速度・引き出し速度が上がった話 - $shibayu36->blog;

225あとで/1549users 【必見】2020年話題になったイケてるWebサービスアプリまとめ | creive

213あとで/1266users デザイナーじゃなくても知っておきたい色と配色の基本 | knowledge / baigie

211あとで/1298users あなたが行動習慣を作りたいと思った時に読むと役に立つ記事|樫田光 | Hikaru Kashida|note

203あとで/1679users けしからんファイアウォールに負荷掛けたら警察から手紙きた 登大遊氏が光ファイバーの先に興味をもった理由 - ログミーTech

192あとで/1442users エネルギーがない人が新しいことをはじめる時のコツみたいなやつ|けんすう

191あとで/1391users プログラミングスクールに通うくらいならこの本を読め10選 - ニート向けソフトウェアエンジニアリング

179あとで/1014users DevOps の能力  |  Google Cloud

165あとで/1094users CG制作演習 - 床井浩平氏初心者向けにBlenderの使い方をまとめた PDF (1,419ページ・288MB)を無料公開! | 3D人 -3dnchu-

164あとで/938users プロダクトマネジメント入門 | product-development.io

147あとで/1063users 一家に一冊、『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』廣野由美子 (中公新書) - ゴールデンレトリバー撫でたい

146あとで/978users 私のセキュリティ情報収集法を整理してみた(2021年版) - Fox on Security

134あとで/979users 元SMAPの3人めぐって…公正取引委員会ジャニーズ事務所を「注意」した真意とは | 文春オンライン

130あとで/1179users #前澤ファンド審査を経て、前澤さんの前でピッチした「生の事業計画書」 93ページを、PDF無償公開します。|鶴田 浩之 (Hiroyuki Tsuruta)|note

128あとで/988users 『理科系の作文技術』を久しぶりに読み返し、とにかく「6 はっきり言い切る姿勢」「7 事実意見」だけは絶対にみんな読んだ方がよい、と思った - Magnolia Tech

126あとで/1305users 2020年に泊まった温泉宿で「部屋」「風呂」「食事」が良かったおすすめ宿ランキングを発表する - 温泉ブログ 山と温泉のきろく

124あとで/1683users 「コロナ、お前すげーわ」現場医師が見た5つの ”新型コロナ、ここがすごい”(國松淳和) - 個人 - Yahoo!ニュース

122あとで/946users NHK英語学習の知見がたった500円に濃縮されたNHKラジオ英会話を使わないのはもったいなさすぎる - Togetter

120あとで/804users Googleエンジニアが「ウェブサイト画像読み込み」を最適化する方法解説 - GIGAZINE

113あとで/703users Prime Videoの映画ドラマアニメで楽しく語学学習できるGoogle Chrome拡張機能「Subtitles for LL」 - 窓の杜

113あとで/630users プログラミング言語の未来はどうなるか | κeenのHappy Hacκing Blog

バブっているのか数ヶ月に1度は財テク記事が大量にブクマを集める。今回の1位は8月にも大量にあとで読むを付けられていた人。

4か月前からこのランキングを賑わし、サービス開始から何ヶ月も経たないのにもう買収されたzenn.devだが、1月は1本もランクインしなかった。

2021-01-08

anond:20210108192344

ヴァン・ヘルシング』ってハリウッド映画が有るんだけど

ドラキュラ花嫁の子供が欲しいんだけど神に呪い言葉を吐いた影響で子供胎児の段階で毎回死んでしま

(この作品では胎児天井に産み付けた卵みたいな描写だった)

そこで科学の力で産まれ生命であるフランケンシュタイン博士の作った怪物生命エネルギーを使って子供誕生させようとするという

なんか妙に凝ったストーリー展開だった

anond:20210108130805

子供の頃見たので今も印象に残ってるのは二つあるな

一つは刑事ドラマ映画で、ダム犯人対峙して犯人ダムに落ちるやつ

確か犯人は斧を持ってた気がする

犯人は死んだけど全然ハッピーエンドじゃないじゃん、なんなんこの気持ち?って感じたのを覚えてる

二つ目フランケンシュタインアニメ

テレビ特番なのか映画テレビで見たのか曖昧だけど

それは崖に追い詰められてフランケンシュタインが崖から落ちて終わるやつ

こっちもこんな終わり方でなんなん?って思った

2020-10-02

サーモンサーフィン

 

サーモンのでけえ切り身に乗ってサーフィン

サーモンはなにせ魚なので、波のことはよく知っている

人間はしょせんサルですから、海についての知識で魚にかてるわけがない

なので、いかしたサーフ・ボードよりもサーモンの切り身のほうが優れているということになる

といっても、切り身は所詮切り身 脳がない

身体が覚えいるとはいえ、脳がなければ力は半減

そこで人類の優秀な脳の出番ってわけですね

俺の脳、サーモン身体

波を乗りこなす壇ノ浦フランケンシュタインとは俺たちのこと

いいや、波を乗りこなすなんてもんじゃないよ

サーモンは回遊とかするような奴らだから

志が違う 浅瀬で波に乗っかって喜んでる場合ではない

俺たちは海に漕ぎ出すことができる その義務がある

大いなる力には大いなる責任がともなう

俺たちは海流をねじ伏せて海を支配しなくてはならない

サーモンサーフィンなんて規模の小さい話ではない

サーモン・オーシャン・エンパイア

ついて来れるか?

ついて来れるやつだけがついて来い

2020-07-13

おすすめ邦画を教えて

今日、「水曜日が消えた」を見てきてやっぱり邦画好きだな~と思ったんだけど、

有名どころ数本しかたことないので好きそうなやつ教えてくれると嬉しい

(好きだった映画)

ジョゼと虎と魚たち

EUREKA(青山真治監督)

東京公園

花とアリス

・ぼくたちの家族

パーマネント野ばら

映画だけだと情報少ないのでドラマも載せてみる

(好きだったドラマ)

木皿泉作品全般

・anone

フランケンシュタインの恋

書店員ミチルの身の上話

・鹿男あおによし

・俺の話は長い

トドメ接吻

----------

たぶん、あんまりスカっとしないけど胸糞ではない感じのモヤっとした話が好き(これはネタばれだろうか

よろしく頼みます

2020-05-29

anond:20200529091157

鼻は小さいし肌は健康的な青白くない色してるし目も変に垂れ目じゃない。ちゃんと黒く色素もあるのでまぁまぁ日焼けに強い。無駄に背も高くないし禿げたり不自然に老けて汚くならないのもメリットだと思う。骨格がゴリラフランケンシュタインの化け物みたいにごつごつしてないのもいいよな。

2020-05-22

若おかみにマジレスしたほうがいいのかな

野暮になると思って突っ込まないで来たんだけど

若おかみがシリアスな傑作だとか言ってるのは全部ネタから

 

あれって原作は「小学生なのに女将として大人に互して働いて頼られてる」っていう夢小説でしょ。

小学生が読む小説漫画に必ずあるジャンル

小学生なのにプロ野球チームに入って実在選手と一緒に試合したりさ。

 

ちょっと背伸びして仕事してたりかっこいい彼氏が出来たり妖怪が助けてくれたりする楽しい夢小説

両親が亡くなってるのは「小学生なのに女将」っていう状況を作る為の乱暴な設定でしかない。

からそんなとこを真顔で掘り下げるのは悪趣味ジョークしかない。

 

アニメ映画製作の経緯を推測するなら

構成発達障害」か「監督悪ノリ」か「ブレスト的に意見を出し合ったら”シリアス感動もの”という無難なところに着地した結果無難正反対成果物」か

どれかだと思う。

3番目じゃねえかな。

 

そもそもあのアニメはいろいろとパーツがちぐはぐで気持ち悪い。

キャラデザに顕著だが絵柄が統一されてないというか、リアリティラインバグってる。

猿顔少年幽霊キャラデザとか現代アニメに出てくるのはそれこそ交通事故じみてるし

全体的に劇場アニメ作画クオリティにふさわしくないキャラデザの奴が何名もいる。

 

なんかキャラデザをはっきり決めずに作ったとか聞いたこともある。

みんなで真面目な顔しつつわざとチープなフランケンシュタイン作ってゲラゲラ笑ってたとしか思えない。

 

最後に突然本職声優山寺宏一演じる「おっこの両親を死なせた運転手」が出てくるんだけど

このシーンはグロテスク極致で、絶対わざとやってる。

 

運転手立場から見てほしい。

自分が両親を奪ってしまったために小学生にして働きだしている子が

その職業倫理として親の仇である自分を許し、プロ女将としての自己肯定を見せつけてくるのである

ちゃん良心の呵責を感じてたあの運転手ならばウワーーッ!って駆け出してそのへんから投身して死ぬと思う。

 

夢小説シリアス児童労働自己実現アニメにしたスタッフたちが徹頭徹尾仕事で遊んでるのであり

「すごい作品なんだ」と言って批評家ぶって人に勧めてる連中はウワーーッ!仲間を増やそうとしてるだけであり

本気でこれが真面目な作品だと思ってる人間がもしいたら

それは周囲の悪ふざけが理解できない発達障害的な人である

あとは気になってるけど結局見てないという人。

 

なんかじわじわ発達障害割合が増えてきて

おふざけがマジ批評にすり替わってきているので(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1520093

野暮ながらいい加減マジレスしておく。

2020-02-10

anond:20200209123737

内陸なら安全!→空からサメが降ってくる

海じゃなければ安全!→水があるところならどこでも登場する幽霊ザメ

砂浜まで逃げれば大丈夫!→ビーチでもサメは泳ぎます

湖ならサメはいない!→最近サメは湖にも普通にます

それでも陸地に逃げ込めば大丈夫!→フランケンシュタインと合成されているので足が生えました

雪山ならそれでも…→何の障害にもなりません

[]フランケンシュタイン誤謬

複数人間意見自分に都合の良いように組み合わせて、

一人の人間あるいは一つの集団統合的な意見であるかのように誤認すること。

チェリーピッキングストローマンの複合技。

2020-01-11

悲報うどん県職員毎日6時間パソコンを使ってしま

2時間コーヒー取りに行ったり電話したりオシッコタイムですね。

島根パソコンなんてないと言われたのも20年前の話で、今は中国四国地方公務員普通にパソコンの前で働いてます


そもそもこの法案がなんなのかと言われても私もよく分かりません。

ただ一つ言えるのは、香川県で働いている人間の中にフランケンシュタインコンプレックスを抱えている人はほとんどいないということです。

パソコンを使って仕事をするのは当たり前ですし、新人君パソコン使ったことがないと言われると面倒くせえなあってみんな思ってしまます

子供ITから離れさせるという条例でこの県が何をしたいのか、私にもわかりません。

そもそもこんなことを語る前にまずは、未成年飲酒ちゃんと取り締まって欲しいですね。

中国四国地方はくされド田舎なので、お酒言葉が喋れるようになったら呑んでオッケーです。

クソです。

滅びよ

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん