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2022-01-25

アメリカガチシステム開発現場を行動観察

アメリカガチシステム開発現場を行動観察

ここから今日の本題です。

アジャイルコーチとして、アメリカガチの、ガチシステム開発現場に、言うたらエスノグラフィ(行動観察調査)をしてるようなもんです。三流プログラマながら。

そういうリファレンスみたいなことをお伝えしたら、皆さん(Regional Scrum Gathering Tokyo 2022の参加者)が喜んでくれるかなとか思って、内容を構成しています

ただ、僕が知っているのはマイクロソフトだけですし、自分職場だけなので、主語が大きすぎるとか、そう言うのはやめてください。心が傷つくから(笑)

そういうのを踏まえて聞いてください(笑)。全部一次情報で、人から聞いたものではないです。ちょっとだけマネージャ関連のところはマネージャに聞いたところもありますが、基本的には自分経験したことのみで構成します。

ウォーターフォールは使われていない

まず滝。ウォーターフォールがどれぐらい使われてるのかって話ですけど、これは簡単です。ゼロパーセント、本当に見たことないです。

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からといって本当に素晴らしいスクラムをみんなやってるかっていうと、そうでもない。どれぐらいプロセスに対してマチュア成熟)かはチーム次第なんだけど、少なくともイテレーティブじゃないのはないし、アップフロントデザイン(開発前の仕様策定)を大量に時間をかけてやってるというのもない。

デザインドキュメントっていうのを書く人もいれば書かない人もいて、書く人が多いですけど、書いても5ページぐらい。

何年か前にサム・グッケンハイマーというDevOpsで有名な人が日本に来たとき日本のお客さんに「ウォーターフォールアジャイルメリットデメリットを教えてください」って聞かれて、彼が「ウォーターフォールは全くメリットがないのでやめておきなさい」って言い放って。

僕が当時そのことをブログに書いたらすごい炎上しましたけど。

私は間違っていた。ごめん。ウォーターフォールは何のメリットも無い - メソッド屋のブログ

分かります。誰も使ってないんだから。やっぱりもうやめといた方がいいですよね、正直話無理があります

開発者それぞれが責任を持って設計実装する

次は、僕のチームがどんな感じで運用されてるかっていうお話します。

マイクロソフトには統一プロセスとかなくて、基本的にチームをどう回すかはチーム次第なんですよ。でもだいたいみんな似たような感じでやってると思います

基本的にはスモールチームです。どんな大きなプロジェクトであっても、スモールチームの集まりって感じです。

自分のチームについては、これがよいやり方かは分からないですが、個人商店みたいなもので。「IC」というのはIndividual Contributorですね、開発者

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マネージャからアサインされるバックログ基本的にはふわっとしているので、ICがそれを明確にします。

IC仕様自分明確化して、自分デザインして、インプリメントする。だからそれぞれがレスポンシビリティを持っていて、それぞれが実装をする。

ただ、同じマイクロサービスメンテする役割の人みたいなのがいて、それは「Buddy」(バディ)みたいになっていて、僕の場合は例えば「スケールコントローラー」っていうのを開発していますが、スケールコントローラーのチームでバディになってると、質問というかお互いに話が聞きやすい。すぐに答えてくれやすいですね。

他のチームとかになると、ちょっとバリアがあって。やっぱりみんなそれぞれの仕事をやっているので、プライオリティがそれぞれあるんですよ。だから違うチームの人になると意地悪じゃなくて彼らのレスポンスは1日に1回とかになったりするわけですよね。仕方がないことです。

多分このチームの単位マネージャ管理できる最大以下の人数で構成されてるんじゃないかなと思います。だから本当に自分のチームはそれぞれが個人商店みたいな感じですね。自分レスポンシビリティを持って自分でやる。それは新人であっても一緒です。

司会)ここでちょっと会場から質問が入りました。このチームというのはどういう単位なんでしょうか。プロダクトの単位なのか、どういう単位なのか。

(右下の点線で囲われたところ)このチームはスケールコントローラをやっていて、(右上の3つのICを指して)このあたりはプラットフォームと言って中の基盤みたいなことをやってたりします。

でも基盤もかなり巨大なので、内部でいくつか分かれているんですけど、同じマネージャが見て、みんなを助けている、という感じですね。

司会)隣のチームと、このチームを分けているのは、マネージャが違うだけ?

ええと、大きな機能で分かれているというのがあります。例えば隣のチームはランタイムっていうチームなんで、Azure Functionsのランタイム担当してるんですよ。

給料を上げるのは他人との競争ではなく自分との戦い

さて、エンジニア評価っていうのはどんな感じになってるかっていうと、この図にはマイクロソフトは入っていないのですが、僕の友達に「ゆうさん」っていう人がいて、彼がブログGAFA給与体系みたいなをまとめてくれて、マイクロソフトも似たような感じです。

参考:GAFA米国本社エンジニア年収ジョブレベル別に比較してみた【GoogleAmazonFacebookApple

この図がまさに僕が言いたいことなので、この図を使います

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こういう情報って外部に公開されてるので別に隠すことはないし、マイクロソフト給料の額とかも調べられるんですよ。

どういうふうになってるかっていうと、エンジニアとしてランクがあるんですよね、「SDE1」「SDE2」とか。マイクロソフト場合は「シニアソフトウェアエンジニア」があって「プリンシパルエンジニア」がある、みたいな。

このランクの人はこういうことができる、っていうのが明確に定義されていて、それによって給料が決まるんですね。

から自分給料を上げたかったらどうするかっていうと、プロモート(ランク上げ)してもらえるように頑張るって感じです。他の人との戦いじゃないんです。

いまより一つ上のランク仕事をしばらくしていれば、マネージャが「こいつは今はシニアだけどプリンシパル仕事してるからプロモートしよう」とノミネートしてくれる。

そうやってノミネートされたら次のレベルに行けるし、行けなかったら転職をする。転職するとそこでネゴシエーションやすいので、その時に例えばシニアとかプリンシパルになれればその給料がもらえる。

ただ、そういうふうに上に行くとレスポンシビリティも大きくなるので、自分でチョイスする感じですね。自分でチョイスするし、自分との戦いなので。だから他の人と比べて不公平とか全然思わない。

給料を上げたかったら次のレベルになればいい。そういうアクションをとればいいので、あくま自分との戦いって感じになります

マネージャ自分仕事キャリアを助けてくれる

マネージャ存在っていうのは僕的にはすごい(日本と)違ってるように感じています

日本にいるときマネージャって進捗管理課題管理をしたりとかして、プログラマとか開発者を指揮するとかそんなイメージだったんですかね、僕のイメージとしては。

アメリカ場合は、彼らが重視してくれるのは僕のキャリアなんですよ。僕がハッピーかどうかとか、僕がキャリア成功するかっていうのをすごい重視してくれるんです。

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これまで何人かマネージャが変わりましたけど、みんなそうでした。マイクロソフトには明確にそう定義されているんです。だからマネージャはみんなそういう動きをしてくれます

マネージャ大事仕事アンブロック」

マネージャのすごく大事仕事に「アンブロック」というのがありますIC、つまり開発者の人がどこかで詰まっている状態になると、マネージャが助けてくれる。ブロックされているものアンブロックしてくれるんです。

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例えば、僕が技術的に詰まるとして、誰かに聞かなあかんけど、誰か聞かなあかん人がなかなか答えてくれへんとか、そういうこともあるかもしれないです。

そういうブロックをされる状況が一番生産性を阻害すると思うんですね。

そういうときマネージャアンブロックを手伝ってくれる。ある人に繋いでくれたり、マネージャ経由で他の人が僕に協力してくれたりとか。

マネージャが、このプルリクエストを見たら分かりやすいよと教えてくれるとか。

基本的納期の設定はない。マネージャも急かさな

あと結構面白いのは、少なくとも今の僕の職場では、納期基本的にない感じです。

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あるときもあるんですよ。どんなときかっていうと、マイクロソフト最大のイベントの「Build」というのが5月ぐらいにあって、そのキーノートで発表される予定のプロダクトみたいなもの。それが決まったら納期があるのかもしれないですけど。

基本的納期的なものはなくて、できたときが終了なんです。

マネージャも僕に対して「早くしてください」って言ったことは1回もないですね。どっちかというと、僕が「何か遅くてごめんな」とか言ってたら、「いやそんな気にすんなよ」って、「よくあることだよ」とか言われたりする。

これは多分いろんな意味合いがあるんですよね。多分クラウドプラットフォームって、難しいことがいろいろあって、例えば自分が1週間でできるって思ったのに2カ月かかったりとか、ほんまにあるんですよ。

例えば、JVMにあるJarをアタッチするだけに見えた仕事に、僕は半年かかりました。

僕の能力のなさもあるかもしれないですけど、そういういろんな予想外のことが起こる。

やっぱり世界中の人が使うプラットフォームなので、よく分かってない実装とかしたらむちゃくちゃになるんです。ちゃん理解して、より良いアーキテクチャを作らないとひどい目にあう。

から多分マネージャ絶対に急かさないんだと思いますちゃん理解して出来るようになれば、次からは開発が速くなる。だからマネージャとしてはそこで急かさないことによって未来への投資をしてる感じなんじゃないかなと、僕は思ってます

バックログはあり予定もあるが、達成されないこともしょっちゅう

司会)すいません、マネージャの話しに行く前に。質問が集まっていて。納期がないという話に関して皆さんが大混乱に陥っていてですね(笑)納期がないとすると逆に何があるのか。バックログみたいなのがあるのか、ロードマップがあるのか。どういうものを始点に駆動されていて、牛尾さんの仕事が始まるのか。

バックログですね。大きなトピックだけはある。今期はこれをやろう、というのはあるんですよ。

だいたい今期はこれとこれをやっていこうというのがあって、それを荒い粒度ですけどブレイクダウンしたストーリーにして、それをICアサインするんです。

でも、それが今期に達成されないということはしょっちゅう起こります

思ったよりもすごく難しかったとか、あるシステムで改変が入るのでそれまで作れないとか、そういうのがしょっちゅうある。でもそれでそのICが責められることはないです。

変化は見通せないので仕方ないですよね。オーガナイズはされているけど、できなかったときはできないと認める、ということです。

司会)お客様からバックログの元になるような要求がきて、それがリリースされるまでのタイムスパンはどのくらいなんでしょうか?

僕らの場合プロダクトオーナーみたいなチームとしてプロダクトマネージャがあって、バックログの発生元はプロダクトマネージャが決めるのですが、そのインプットソースとしては、彼らの戦略(ストラテジ-)とカスタマフィードバックですね。

あとはハッカソンエンジニアがなにかプロポーズするときもあります

そういうもののなかからプロダクトマネージャが、今期これをやればインパクトがあるんじゃないかと考えるものピックアップされます

で、それが達成されてリリースされるまでの期間は本当にピンキリです。

僕の場合は、早いときは1週間で終わりましたけど、さっきの話みたいに1週間で終わると思ったやつが半年かかったこともあります

僕の上司で僕よりもプログラミングができない人はいない

ではマネージャ技術力の話に進みたいと思います

僕の上にはプリンシパルマネージャがいるんですね、それが日本で言ったら課長みたいなもので、その上に部長みたいなのがいて、で、テクニカルフェロー、これは事業部長みたいな感じです。

彼らの技術力はどんな感じか。

僕の1つ上の上司は、Azure FunctionsのJavaランタイムをイチから書いた人です。

その上の人は、Azure Automationの開発をしている人で別チームなので細かいところまでは知らないのですが、技術力がハンパない、ということだけは分かります

何でかと言うと、どんなテッキー話題を振っても、ものすごく早く深く理解するんです。彼が経験したことのないことであっても、Kubernetesでも、彼がやったことのないPythonとかでも、完璧理解してアーキテクチャの深い話をするんです。

給料が高くて当然だと思いますね。

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で、テクニカルフェロー。これはAzureの主要なサービスをイチから書いていたりします。

まり何が言いたいかというと、僕の上司で僕よりもプログラミングができない人なんて一人もいないんです。

そしてこういう人が僕の仕事サポートをしてくれる、応援をしてくれるわけです。

からこんな上司に何かを説得する必要なんてないんです。彼らがテッキーミーティングに参加して、しかも僕らにすごい鋭いアドバイスをくれるんですよ。

皆さんがもしマネージャをやるときには、こういう人たちと世界で戦わないといけない、ということをちょっと意識していただきたいんです。

へーOutlookぽちぽちけがスキルのクソ雑魚ポンコツ年功序列PMになってるようなケースがないのねアメリカ

2021-12-31

問題職員の正しい辞めさせ方 10/10

以上が、K市の特定任期付き職員としてのキャリア棚卸しになる。

退職の背景などを述べて結びとする。

K市を辞めることになった原因は、私をスカウトしてくれた人が市長ではなくなったからだ。政争に負けたのだ。新しく来た市長は、前市長の行っていた改革的内容のうち、いくつかを元に戻す選択をした。

特に、私達がそうだ。『私達』というのは、国や民間企業NPOなどからK市に採用された特定任期付き職員だ。当年度の終わりでの任期満了が言い渡された。

私達はまだいい。転職先を探せるだけの時間があるのだから副市長などは、新市長の就任から1週間でお役御免を宣告され、二か月後には議会で辞職が承認された。政治任用の悲しいところだ。

いまだに納得がいかない。私達は全員、結果を出していたからだ。地域産業活性化担当した人も、福祉事業効率化を担当した人も、庁内インフラ設備刷新(今でいうDX)を担当した人も、そして私も、全員が数字証明できるだけの結果を出していた。

にもかかわらず、「あなた任期は今年度限りです」と三行半を告げられた。それが許せなかった。

私は、以下の成果を確かに達成している。

・手がつけられないレベル問題職員への退職勧奨。主にB子さんの時に登場した人事課長二人三脚で行った。成果として、計13名の問題職員(全く仕事をしない職員犯罪を犯した職員、度を過ぎたハラスメントを行った職員)に始末をつけた。一人頭での人件費職員雇用にかかる全ての費用年収ではない)が最低でも年800万以上はかかっていたので、13名で約1.2億円のキャッシュフローを削減できたことになる。

面接試験構造化及び検証手法確立。これまでは、面接時に予め決まった質問受験者に行ったうえで、面接官と受験者がフリートークを行い、最終的に点数を決めていた。この慣習を原則廃止した(少しは残した)うえで、統計学の知見に基づき、面接評価採用査定を追尾検証できるシステムを構築した。コンサルは入れていない。庁内でプロジェクトチームを立ち上げ、皆で作った成果物だ。

新規採用職員の試用期間内分限免職基準化。当時のK市では、新人職員20名入ってきたとして、1~2名がどうしようもなく向いていない人間だったとしても本採用していた。その結果、問題職員無能職員跋扈放置される原因となっていた。私が2年目の折、試用期間内での分限免職基準明確化した。その職員所属する課に明白な責任が見られず、かつ当職員との面談において度し難いほどの悪い結果が得られた場合分限免職ができる旨を要綱で固めた。以後、数年分の結果として、新規採用職員の約1割が本採用に至らずK市を去っている。これについても、問題職員を40年間も世話するだけの人件費(K市の場合は約3億円/人)を節減できたことになる。

さて、便宜上は『問題職員』と表してきたが、一度として私は、能力が低いことだけを理由当人分限免職を決めたことはない。例えば、臓器に異常があって年に5分の1は休まなければならない新人職員がいたが、退職勧奨は行っていない。

能力の高低は関係ない。人格的に救いようがないほどの諸傾向が見られた場合に限って当人を辞めさせる行動に出る。そういう者は、他の職員特に市民企業のために頑張っている職員に悪い影響を与えるからだ。

恨みつらみを書きはしたが、新しい市長の行いは正しい。頭ではわかっている。特に、私などは前市長スカウト政治任用)により採用されたわけだからトップが交代すれば成果に関わりなく切られる。それが普通だ。

K市で〇年以上も暮らしたのだから、当然哀愁は募る。最初の頃は、都心から外れたところにあるK市を心の底で憐れむような、蔑むような、自分とは関係ない存在だと思い込むような――そんな感情があった。

庁舎の3階から中心市街地を眺めている時、家屋工場の間にポツポツと居並ぶ田園を眺めていて、これまで東京都内コンクリートジャングルにいた頃が懐かしくなった。

つの間にか、この町が好きになっていた。高い品質地元名産品はあるし、創造的な力のある子どもを何人も見ることができた。山の上にあるワンルームマンションから見える大きな河川に囲まれたK市の街並みは、今でも記憶に残っている。

さて、さんざんと人事関係効率化を進めてはきたものの、後悔も当然ある。最後の年には、「私がやってきたのは正しいことなのか?」と考えるようになっていた。

私が採用されたのは、「優れた職員を残し、不要人間は残さない」というミッションを果たすためだった。民間企業においては標準的な考えだ。しかし、官公庁はそれでいいのだろうか。人格に難のある人や、能力が低い人や、病気などで働く事ができなくなった人を追い出していった場合民間企業官公庁の真似をするのではないか? つまり、要らないと判断した人間組織から追い出すようになる。

その『要らない』が、本当に正しいのか分からいから厄介だ。仮に正しかったとしても、日本社会全体で考えた場合に最適である保証はない。とある組織不要人間を切りまくるという行為は、部分最適ではあっても全体最適ではないのでは?

と、ここで副市長言葉を思い出した。

『よくない人間を辞めさせることに利があるのはわかる。しかし、行政世界はそういうものではない。不合理に見えても、ここの大事ルールだ。みんなにダメだと思われている奴でも辞めさせるな。それが本当にダメな奴、組織にとっての癌だと、人間の目でいったいどうしてわかるというんだ?』

副市長がある時に言っていた。「同僚を馬鹿にする奴は市民馬鹿にする」と。成績不良の職員のクビが簡単に切られる世界では、きっと能力の低い人間バカにされているのだろう。すると、市役所最後の助けを求めに来ている、社会的に恵まれていない人間バカにするようになるのではないか? 私はそう考えた。

人材とか、人財とか、人罪などという経済的問題ではなくて、理念なのだ官公庁はすべての国民のためにあるのだから、様々な社会属性を持った人を、ネガティブ特性を持った人まで含めて、多様性意識した雇用を行っていくべきではないか。そう感じるようになっていた。

例えば、上で述べた受験者のポジティブチェック・ネガティブチェックのリストは最たるものだ。採用される職員多様性担保するという観点からは、あれは悪手だ。これから採用しようとする人間は有能か? という視点しか見ていない。一公僕の恣意的判断で、ある特定社会属性を有した人間排除している。

もっと早くに気が付いたとしても、私の力では変えられなかった。市長採用ミッションとは反対の方向に舵を切るのだから――今になって思う。A夫さんの事件の時に副市長が言ったことは正しかったのだ。

私は間違っていた。最後最後で気が付いてしまった。馬鹿だった。愚かだった。今さら気が付いても遅い。

結論公務員業界における身分保障という考えは正しい。法律上免職処分にできる場合であっても、多様性の保持の観点から可能な限り回避すべきである



Gさんを覚えているだろうか。

市民課で働いていた女性だ。K市にいた間、毎週休日出勤をする中でほぼ必ず見かけていた人だ。どうしても、このGさんが気になっていた。彼女残業時間は月にアベレージ70超えだった。ゴルフスコアではない。サービス残業まで含めた残業時間だ。

難しい仕事はGさんに集中していた。ストレスチェックは毎年悪い結果で、そんな状況にあっても市民への思いやりを忘れないでいる。人材会社転職支援をしていた人間からみると、民間でも通用するタイプ公務員だった。私は、Gさんが自らの意思地獄から抜け出すきっかけを与えようと思った。

私が退職する5か月前、隣の市町にある社会福祉団体に声をかけた。ずっと前に、私が当団体職員リクルートしたことがあった。

「K市にこういう経歴の人がいるのですが、本人に希望があれば面接はできますか」

との問いかけに、社会福祉団体事務長は乗り気だった。果たしてGさんは話に乗ってくれるだろうか、と不安になりつつも、ある土曜日の昼だった――うす暗い市民課の机の上でパソコンモニターと向き合っていたGさんに声をかけた。

Gさんとは、あれからいろいろあって仲良くなっていた。Gさんは朗らかな笑顔で、「〇〇くん。おつかれさま。なにかあったの?」と返してくれた。件の話に入る前に、今の状況を簡単に聞き取ってから、私が年度末で辞めることと、社会福祉団体のことを伝えて、採用案内のしおりと事務長の電話番号を手渡した。

「この辛い環境あなたは十分頑張ったよ。お疲れ様でした。転職しようがすまいが、応援しているからね」

それだけ伝えて私は、残りの仕事を片付けるために人事課のある3階に向かった。



「あ~、疲れた!」

今これを書いている私は、都内にあるマンションの一室にいて、革製の書斎椅子背中をもたれている。

当初は2万字くらいかと思ったが、ここまでになるとは思わなかった。だが、これでいい。この内容をベースにして職務経歴書を作ろう。

一応言っておくが、もし貴方が現役もしくは退職済の公務員だった場合職場問題点などをブログ暴露したいという欲求に駆られることがあるかもしれない。

やめておいた方がいい。その欲求は、なにか別の方法で発散するか、貴方の中で雲散霧消するのを待った方がいい。守秘義務違反からだ。行政機関がその気になれば、運がよくて処分、運が悪ければ起訴に至る。

私の場合は、『武器』があるからこういうことができる。もし、この日記をK市の幹部が見て問題視し、「覚悟しろよ」とばかり私を攻撃する手筈を整えても、断念する可能性が極めて高い。

私は、K市の重大な法令違反情報を握っている。それも3件。証拠付きだ。うち2件は管理職の何人かが処分を受ければ済むが、うち1件が明るみに出た場合、今の市長退職せねばならない。前市長や、前々市長をも巻き込むことになる。そんな危険な賭けをすべきではない。だから、こうして日記を書くことができる。

日記の中に答えの一部が出ている。序盤の方だ。個人情報

さて。今はフリーランス個人で請ける仕事面白いのだが収入が少ない。何百万かもらった退職金もそろそろ底をつく。また、会社員に戻ってみたい。この年齢で就職できるかはわからないが、挑戦してみよう。

K市で働いていた日々に想いを募らせていた私は、仕事の疲れを癒そうと思い、デリヘルを呼ぶことにした。

私のスマホは旧型のiphoneだ。通信が遅いので、いつもパソコンを使う。今時はインターネットで嬢を予約できる。便利な世の中だ。

コーヒーを伴にしながらモニター越しに嬢を選んでいる。せっかくの秋晴れの日だ。作品も完成したし、就職への挑戦の第一日目という意味を込めて、まったく知らない子を指名してみよう。

私の瞳は、画面中央にいるアスミちゃんに夢中だった。物憂げな瞳、身長は高すぎず低すぎず、顔の形は綺麗だ。ふっくらとした卵型で、唇の形が美しい。肩から下は見えないが、そこはまあ、チャレンジだ。突撃してみよう――空いている予約枠をクリックした。

アスミは、想像どおりの子だった。

背丈は160に少し届かないくらい。写真どおり物憂げな瞳で、胸は普通くらい。太ももはそれなりにある。

ぼうっと立っている姿は今にも消えてしまいそうだが、私の瞳を釘付けにするだけの強さでもってマンションの一室の前に佇んでいる。

さっそく部屋に招き入れて、プレイを始める。今日は奮発して1時間コースだ。お店のメニュー表にある一通りのことをやってもらうことにする。自分で言うのもなんだが、この年になっても30代並みの持続力を持っているとの自負がある。

さて、肝心のプレイだったが、これがまた最高だった! 私はこのデリ店舗メニューをソラで暗記している。計11種類のプレイを、休むことなく30分以上続けてもらった。私のモノは張り裂けそうになっている。

同時に、アスミに対して敬意を抱くようになっていた。普通であれば、「顎が痛い」と訴えるのだ。それで、大抵の嬢は後ろに下がって、私に敵意を向けながら、無料での延長を要求されない程度に休憩をする。

しかし、アスミは一心不乱に注文に応え続けている。「いや、これ絶対痛いやろ」という角度になっても、ひたむきな眼差しで私の肉体を愛撫してくれる。これでまだ半年未満のキャリアだという。驚きだ。

……心の中でひたすらに、どこかの鬼狩りのように、「うまいうまいうまい!」と唱え続けていた。やがて、私の柱は張り裂けてしまったが、立ち上がるまでに時間はかからなかった。私は、連続さんになっていた。連続さんは負けてない! また何度でも立ち上がるのだ。

私は今、聖なる空間にいる。

いつも夜がくると、この家に戻る。そして、書斎に入る。都会の喧騒やら何やらで汚れた毎日用の服を脱ぎ捨てて、仕事をするための部屋着を身に付ける。

物事に取り組むことに対する礼節をわきまえた格好に身を整えてから、いつもパソコンに向かっている。直近で書いていたのは、この日記だ。

私の心は当然、K市に存在している。私の心は、あの懐かしい人々のいる、あの懐かしい庁舎へと参上している。そこでは、同僚から親切に迎えられ、あの仕事、私だけのための、そのために私は生を受けた、仕事という食物を食すのだ。

そこでの私は、答えが出やすいことも、出にくいことも彼らと話して物事を決める。自分の考えを伝え、彼らの考えの理由を尋ねる。彼らも私を信頼していて、人間らしさをあらわにして応えてくれる。

いま私は、記憶世界に全身全霊で移り棲んでいる。時間というものの退屈さを感じない。すべての苦悩はなくて、失敗も恐れなくなり、筆を進めるだけになる。

記憶世界が終わると、どっと疲れが出る。それを癒すための神聖存在を呼ぶと、私の心は晴れやかになる。今、私の目の前には、一流の才覚をもった天使がいる。

残り時間も少なくなったところで、私は何度か指名したお気に入りの子にするような綻んだ笑顔で問いかける。

「アスミさんはすごいな」

「なにがですか?」

物事に対して本気になる力がすごい。尊敬する」

「そんなことないです」

「そんなことあるって!」

「ないです」

私の物は猛々しくいきり立ち、有頂天に達しつつあった。

初めて指名するのにどうかなという想いを押さえつつ、ここは堂々とお願いしてみる。

「アスミさんは、お店じゃなくて個人メニューはあるの? 意味、わかるかな」

「ないですけど、できます。やってみたいです」

いくら?」

「……」

アスミは俯いた。考えている様子だ。残り時間は、あと10ちょっと

颯爽と、キリのいい数字提案してみる。すると、アスミは「本当にいいんですか?」と、眼を真下にあるベッドシーツに向けて答えた。

そして、私がアスミを知り終えると、残り時間ゼロになった。思う存分にプレイをさせてもらった私は、最後にアスミを抱きしめた後、問いを投げる。

「アスミさんは、この仕事に向いているね」

ありがとうございます。また呼んでください」

「こんなことを聞いて申し訳ないけど、この仕事が嫌になることはない? ひどい触り方をしてくる奴とかいるだろう」

「いますけど、いいんです。その人もなにか辛そうにしてるから。痛いのは痛いですけど、その人が辛くなくなるんだったら、それでいいです」

「えらいね

「えらくないです。だってこんなの」

「立派な仕事だよ。アスミさんは、風俗がどんな仕事かわかってる?」

「わからないです。わたし、どんな仕事をしてると思います?」

福祉だ。風俗仕事はね、社会福祉なんだ」

「そうなんですか!?」

ベッドの上でアスミは、大きく瞳を見開いて身を乗り出した。

ちょっとからかってみようと思った。

「さて。社会福祉活動実践とかけまして、風俗店のサービスと解きます

「……その心は?」

「どちらも、人を立(勃)たせるための道です」

ベッドの縁に座っていたアスミがクスッと笑った。右手の親指を頬に置いている。

しばらく考えたと思われる。口を開いた。

「使命(指名)がたくさんあると大変ですね……でも、心身(ちんちん)ともにしあわせになってほしいです!」

いい子だった。また会ってみたい。


P.S

この日記第一稿ができた後に、元副市長と飲みに行った。以下、情報交換の内容。

・元副市長は、市内の機械部品メーカー取締役に納まったという。人望があると引く手あまただ。

・人事課長は私と同時期に定年退職した。すでに故人である。最終役職管理監(≒部長)だった。思いやりがあって誠実な人間だったのに。惜しい人を亡くした。

・C郎さんは職場復帰した。が、専門職としての任は解かれたらしい。定年までの長い時間は厳しいものになるだろう。組織に逆らうというのはそういうことだ。

・E太さんは県の本庁への出向を打診されたが断ったという。どこまでも彼らしい。こんな働き方ができるのも地方公務員ならではだ。

・私はこの日記推敲中に内定を取った。今度は福祉団体を人事方面からサポートする。

2023/1/2 A夫さんとB美さんを追記

・A夫さんはK市を退職後、ホームセンターで働いていた。当時、人事課の必要物の買い出しに行った際、彼を見かけることがあった。ごく普通接客商品運搬をしている様子だった。A夫さんの見た目や行動は普通だ。一般的な50代社会人のように思える。だが、彼は万引きに手を染めてしまった。何かストレスがあったのか、それとも本来気質なのか。人間は、よく見ないとわからない。

・B子さんは、あれから雌伏の時を経て、ほかの自治体採用されたようだ。ある時、人事課長が部内の回覧物を持って見せてきた。自治体関係新聞かチラシだったと思うが、その中にB子さんが政令指定都市で働いていることがわかる情報があった。人事課長は嬉しそうというか、安堵した表情だったのを覚えている。

2021-12-13

>残土、発生元に責任 盛り土対策明確化

リニアに乗る者は人殺しの顔をしなければならない

2021-12-12

増田って接続詞の多用を嫌う人いるけど、野矢茂樹さんの書籍を読んでいる層は「接続詞をあえて使うことが論理構造明確化するのに役立つ」ということぐらいは知ってるんだよね

2021-12-03

anond:20211203124801

それな。まあわざわざ暴れてくれた犯罪者男性により「危害」が明確化したわけで皮肉ものだ。

痴漢あるっていってんだからこうなるまえにさっさとカメラつけときゃよかったのにな。>鉄道

2021-11-24

anond:20211124001932

50,60のおっさんが、自社の新卒あたりの世代

でもこれって言ってる内容じゃなくて言ってる人間属性の方を重視してるって態度じゃん

そういうのあかんって騒ぐ人いるじゃん

そもそも具体的に若いって何歳よってところ明確化すればいいじゃん。

そういうのに対して言ってるやつの年齢ガーするほうも良くはないやつじゃん。

実際アップデートされてないんなら問題ではあるやろ。

2021-10-28

2年間本気出してエロ小説書いてたら200万字くらいになった件

区切りなので。成果も出たと思うのでちょっとここまでの経緯を書かせてもらえると。

承前

2年近く前にこれを書いたものです。

一か月ちょっと全力でエロ小説を書いて完結させてみた

https://anond.hatelabo.jp/20191225083638

エロ小説を書き始めてからちょうど2年経ったので、一区切りで経緯を書いてみたくなった。

何をしたのか

エロ小説を一杯読んで一杯書いた。2年くらい。

活動場所は主にノクターンノベルズというところ

・そうしたら200万字ちょっとになってた

・正直滅茶苦茶楽しかった。創作楽しいキャラクター作って自分で動かすの物凄く面白い

・けどなんか後からからどんどん書きたいものが出てきて、書きたいもの行列がまるで消化出来る気がしないのでもっと書く

何故そんなことをしたのか

ノクターンノベルズエロ小説を読んで、「これなら俺にも書けそう」と思った

・けどそれだけだと口だけ野郎だし、あと自分性癖にぴったりくるエロ小説を具現化したかったので自分でも実際に書いてみようと思った

・書き始めたらめちゃめちゃ楽しくてハマった

何が達成出来たのか

ノクターンノベルズは読者のブックマーク評価によってポイントが入る。1ブクマ2ポイント評価は2ポイント刻みで10ポイントまで

・そのポイントを使ったランキングで、短編部門だと年間ランキングで1位・2位・3位をまる1年くらい独占出来た(ただしあと2週間くらいで独占は崩れると思う)

(参照:https://noc.syosetu.com/rank/list/type/yearly_t/) (リンク18禁注意)

短編の通期総合ランキングだと、13000作くらいの中で1位・3位・5位・6位が自作(現時点)で、短編30000pt越えはノクターンノベルズ全体で唯一みたい

あくまで「ポイント」という尺度の上では、短編についてはかなりの成果が出たといっていいと思う(創作ポイントで計ること自体疑問はあるけど一旦おいておく)

・ただし「エロさ」という意味でいうと、まだまだ上には上がいるなーと思うことしきり。精進する。

短編は26作書いた。連載は10作くらい書いて6作か7作くらいは完結させた

・中長編ももっとがんばる

得られた知見

創作するものにとって「性癖」はなによりの武器だなーと思った

・「自分性癖に刺さるかどうか」というくらい確かな尺度はない

エロものを書いたからと言って必ずしも読者に刺さるとは限らないけれど、少なくとも自分にブッ刺さったものは、読者にブッ刺さる率もかなり高い

性癖をこじらせればこじらせる程創作意欲も上がるのでいいことづくめ

・お前がエロいと思うかは知らないが!俺はこれがエロいと思うんだ!!という意欲は何よりの創作モチベーション

・だから、「自分性癖明確化」というものはとても大事だと思うし、性癖は広ければ広い程いいと思う

・その点、「私ってこういうエロも好きだったんだ!」というのを見つける為にも、他の人の作品もたくさん読んでるのはとても有用だった

自分性癖自分はどんなエロ表現が好きなのかをちゃんと整理する為に、他の人の作品読んだら必ず感想書くようにしてる

自分が好きな性癖について、「こういう性癖もあるのか…!!」と他の作者さんや読者さんに広める、ということもある程度出来たような気がする

→刺さる人が少ないなら増やせばよい、の精神

・ただ、相変わらずエロ脳と非エロ脳を切り替えるのがとても苦手で、エロ脳の時はガンガン書けるんだけど、非エロ脳だとなかなか書けない

特に「書きかけの作品が進まない」状態が一番困りもので、進まないのに思考がそこから離れないので、他のことまで手につかなくなる

・脳に切り替え用のスイッチが欲しい

・「自分がどんなものエロいと感じるのか」「それを表現する為には何が足りないのか」ということ、早い話「自分が持ってないものは何か」というのが、最近ようやく分かってきたような気がする。ある程度書くまで、「何が足りないのか」さえ分からなかった

・ただ、やっぱりその穴を埋めるには書くしかないと思うので、それを身に着ける為にもまだまだ書く。

以上です。

一応マイページ晒しておきます。良かったら読んでやってください。ただしリンク18禁

https://xmypage.syosetu.com/x1215bl/

2021-10-27

anond:20211027121517

意図明確化、という意味ではユーザーに優しい、つまり作り手の意図を明確に読み取れて、勘違いする余地がない、とも言えるわけだから、アリはアリだと想う。

「いや、それは違うんじゃないか自分意見制作者と違う、同じものにも違う側面がある」と捉える受け手がいることは当然であり健全なので、それを作品の中に回収するかどうかの違いなんじゃないかな。

2021-10-23

形のないもの提供してそれを生業にするつもりなら、もっとメンタル強くないとなあ

価値報酬明確化しておかないと

技術と同じで

2021-09-26

anond:20210926142513

一般に、主観的判断について、客観的基準明確化するのは困難なことが多いよ。

からまともに相手して可能範囲説明する努力をしても、駄々っ子相手をすることになるだけで無駄だよ。

2021-09-23

anond:20210923023106

法律ベースでやりましょうって話なら一つの考え方として理解しますけど。

ただ「何が適切で、何が不適切表現か」って明確に線引きできないですよね。人が文脈を踏まえて総合的に推論する話ですから、何がOK/NGか、法律の条文に具体的に書けないですよね。

から、毎度批判配慮を繰り返すのが本来は柔軟で良い対応だと思います法律でやるなら、基準明確化できない以上、過度に厳しい方向に倒さざるを得なくなるので、誰も得しない息苦しい社会になりそうですね。

今回の問題松戸市ジェンダー観点で何も声明を出せなかったことと、VTuberジェンダー問題の基礎も理解できないまま「私の仕事否定されて悲しい」みたいな一方的お気持ち文章を発表してしまたことだと思ってます。「批判があれば相手立場想像して配慮する」ができなかった事例だと思うので、これが繰り返されるなら法整備対応せざるを得ないんでしょうね。

2021-09-19

小山田圭吾謝罪文英語版

事実関係明確化第一として,説明義務を怠った責任を認め、被害者への無思慮を反省する内容になっている。

内省的な描写は省かれており、おそらく受ける印象は異なると思う。ざっと翻訳たか日本語謝罪文と比べてみてね。

2021年9月17日

小山田圭吾から公式見解

2021年7月学生時代同級生いじめていたと雑誌インタビュー過去発言したこと報道され、東京オリンピック開会式クリエイティブチームを辞任しました。オリンピックが終わった今、事実関係を明らかにしたいと思います

きっかけとなったのは、今から27年前(1994年1995年)に『ROCKIN'ON JAPAN (1994年1月号)』と『QUICK JAPAN (1995年8月号)』という2つの雑誌掲載されたインタビュー記事で、私が小中学生の頃に経験した学校でのいじめについて語るという内容でした。

大々的に報道された『ROCKIN'ON JAPAN』の見出しには、私がクラスメートに糞尿を食べさせたり、自慰行為をさせたりしたと書かれていました。私は同級生にそのような行為強要したこともなければ、そのような提案したこともありません。

インタビューの中で、私は自分の成長過程学校に通った経験について話しました。

その中で、小学校からの帰り道、クラスメイトの一人が道端に落ちていた犬の糞を「食べられる」と冗談で言い、拾って口に入れ、すぐに吐き出した話をしました。その行為を行った彼本人を含め、そこにいた子供たちは皆笑っていました。

もうひとつの話は、同級生自慰行為強要したことですが、これもやっていません。加害者は年上の上級生で、私たち威圧感を与えていました。私はそのインタビューの中で、学生時代自分モラル限界を超えた非道暴力を目の当たりにし、その人たちから距離を置くようになったことを話しました。

インタビューではそのようなことを話しましたが、掲載された雑誌には「同級生暴力を振るった」という誤解を招くような見出しがついていました。事前に『ROCKIN' ON』の原稿をチェックすることができなかったので、記事を目にしたのは発売後でした。事実と異なる内容にショックを受けましたが、当時の私には訂正すべきだと考えるに至るほどの分別がありませんでした。今にして思えば、『ROCKIN' ON』で直接、誤解を解いておけばよかったと後悔しています

QUICK JAPAN (1995年8月号)』のインタビュー記事で、いじめテーマにすることに同意したのは、私が誤った情報を正したいと思っていたからです。いじめテーマにした出版社企画意図は、現在の私の理解では、被害者や同じ立場の人の気持ちへの配慮を欠いた非倫理的ものだと思いますしかし、当時の私はそのようなことは考えずに取材に応じ、自分子供の頃に目撃したことを話しました。

この2つの雑誌出版された後、あたかも私が陰惨な暴力行為加害者であるかのように編集されたブログ記事掲載されました。『QUICK JAPAN』のインタビューでは、暴力行為は私が行ったものではないと明確に述べられているにもかかわらず、この誤った情報は様々なフォーラムSNS拡散され、現在ではほとんどの報道ニュースソースとして使用されています

私は、この2つのインタビューにおける私の話し方が下品不適切であったことを完全に認めています。このような恐ろしい出来事を持ち出したこと、そして、いじめ被害者個人的トラウマ世間晒すことでいじめ被害者に与えることになる屈辱、痛み、苦しみへの無思慮について、関係者の皆様に心からお詫び申し上げます

20年近くにわたってインターネット上に流布していた私についての誤った情報について、説明や訂正のための適切な行動を取らなかったのは、私自身の責任であると考えています。その結果、同級生やそのご家族、同じ経験をされた方々に二次的な被害を与えてしまったと考えており、本当に申し訳なく思っています

恥ずべき私の過去の態度が表れてしまった、過去の私の行動、および記事の中での言動を、深く反省しています。この20年間、私はより広い視野物事を考え、社会との関わり方や貢献の仕方を意識するようにしてきました。今後は、個人として、音楽家として、これまで以上に反省していきたいと思います

敬具

小山田圭吾

2021-09-11

anond:20110910131804

仕事が辛い」の部分をより明確化して対策まで一緒に考えてもらう、でいいんでないの、と言う感想

2021-08-31

anond:20210831102217

一部の人には「常識」ってあいまい概念が難しすぎるんだよ、意味不明統一性のない明確化文章化もされてないルールを守ってスポーツしろって言われたらしんどそうじゃん、彼らはそういう世界で生きてるんだよ。

2021-08-28

なんでもいいか文章を書くと少し落ち着く

色々な不安を抱えてる時

なかなか寝付けなくて困る時

原因がよくわからないけどとにかくモヤモヤしてる時

普段は楽しめてる事が全然楽しいと思えない時

そういう時に俺はいつも適当テーマを決めて文章を書いてる


いつも増田投稿欄で今みたいに文章を書いて

時にはそれがかなりの長文になることもある

ほとんどの場合、書くだけ書いたらクリアして投稿せずに消してしま

あと悩んでる事などを増田に書く体でばーっと書き出してみると

それである程度気分がスッキリするということも多い

日記に書いて、後であーこんなことで悩んでたんだな、とか振り返れるようにしておくのもいいかもだが

どちらかというと文章を書くプロセス大事というかその行為で落ち着く事を目的としてるので

記録自体にはあまり興味がわかない

文章化する事で目的明確化するとか、吐き出す行為としてストレス解消になるとか

そういうメソッドいかにもありそうだけど、たしか文章を書く時の思考って

自分がどう考えているのかがよりハッキリわかってきて精神的によいのかもなと思ったりする

ただ同時に、悪い方に転ぶとマイナスなほうにも振り切れそうというか

そこはやっぱ誰かに直接話を聞いてもらうとかそういうのがいいんだろうと思う

から俺は書いた文章を消してしま

一方的に好きに書いてしまえる文章というものに本気になりすぎると、考えも凝り固まって柔軟性が失われていってしまう気もするから

今回は消さずに投稿

2021-08-13

anond:20210813185351

田舎disってる割に明確化しないやついるから寧ろ俺はそういうの好きだよ

ここでもたまにやってるけど

2021-08-02

anond:20210801064035

GOODな自由研究です。いくつか補足させていただきます

あなた10%はどこから?私は通説から

元増田さんは「民間調査機関ドイツ全体の新生児10%が血縁関係がないと推計したよ」とおっしゃっています

元増田さん的にはドイツの托卵率10%という数字元ネタをこれだと推測しているのかもしれません。

しかし恐らく10%という数字は別のところからきています。その理由は、"托卵"率が10%と言うのが一昔前の通説だからです。

例えばLancetの1991年論文MacIntyre & Sooman (Lancet:1991)では

"Medical students are usually taught that the rate is 10-15%; 10% is a figure widely used in DNA studies and quoted in standard genetics textbooks;"

医学部生は通常その比率(non-paternity rate: 非父系率=托卵率)を10~15%と教わります10%という通説は広く範囲DNA研究に用いられ遺伝学の教科書でも引用されています

と述べられています1991年の時点でそう言われるほど人口膾炙した説だったわけですね。

この論文はその通説に批判的で、

"We would guess that the higher estimates are probably exaggerated for the general population in the UK, but have no way to assess the accuracy of the frequently quoted figure of 10%. We would be interested to hear of any reliable data."

我々はそのような高い推定値が、UK一般的母集団に対して過大評価であろうと考えていますしかし我々はこの10%という頻繁に引用される通説の正確性を評価する術を持っていません。我々は信頼できるデータを求めています

結論しています

事実比較的近年の研究では托卵率の推定値は1~4%程度(e.g., Anderson (Curr Anthropol:2006)、Voracek et al. (Psychol Rep:2008))、ごく最近研究では1%前後(e.g., Greeff & Erasmus (Nature:2015)、Larmuseau et al. (Trends Ecol Evol:2016))と従来の10%と比べてかなり低く推定されています

私としてはドイツに限った話じゃない"10%"という数値が、何の拍子かドイツ特異的な話になり、いくつかの逸話と一緒にネットロアと化したのではないかと推測しています

ドイツの実際はどうなのよ

ドイツの托卵率についての論文は3つあります。Krawczak et al. (Forensic Sci Int:1993)、Henke et al. (Forensic Sci Int:1999)およびWolf et al. (Hum Nat:2012)です。

Krawczak et al. (1993)では托卵率が16.8%、Henke et al. (1999)では50.2%とくそ高いですが、これは係争中の父子鑑定の結果です。「お前は俺の子じゃない!」と父子鑑定をしてそれが的中したパーセンテージですね。ドイツ一般母集団を反映しているとはとても言えません。

その点Wolf et al. (2012)は質が良く、ドイツ一般集団を反映していると考えられる研究です。

概要を軽く説明しますと、この研究は小児白血病患者とその骨髄ドナーのHLA型を用いて托卵率を調べたものです。

骨髄移植にはドナーレシピエントのHLA型が一致する必要があるためデータ化されているのですが、このHLA型は親子の推定にも使用可能です。

時に皆さんは自分の子供が白血病になって骨髄移植必要という時にまずどうしますか?そうですドナー登録ですね。

まり、小児白血病患者とその骨髄ドナーデータを使えば子と親の鑑定用DNAデータがセットで山と手に入るわけです。

さら病気人間よりかは平等ですので、バイアスも少なくなりますプライベート情報を削除してしまえばコンプラ的にも安心

賢い方法ですね。

この研究の結果、推定されたドイツの托卵率は0.94% (95%CI: 0.33-1.55)でした。

Wolf et al. (2012)も完ぺきではありませんが、ドイツについて現状手に入る中で最も質の良い研究ですので、「ドイツの托卵率は?」という質問に対しては「約1%です」と答えるのが科学的な態度と言えるでしょう。

法律の話

父親のみによる勝手DNA鑑定はダメだよ→母子同意を取ってやってね(2005年から)

これは2008年です。2005年にあったのは別のもっとマイナー改正です。

元増田さんの引用にもある"否認手続から独立した父子関係明確化のための法律/Gesetz zur Klärung der Vaterschaft unabhängig vom Anfechtungsverfahren"が発効したのが2008年なのです。

さらにややこしいのですが、これとは別に"遺伝的診断法/Gendiagnostikgesetz"、正式には"ヒトの遺伝検査に関する法律/Gesetz über genetische Untersuchungen bei Menschen"というものもありまして、こちらは2010年に発効してます

さらさらにややこしいことに、勝手DNA鑑定を禁止したのは"遺伝的診断法"で、"否認手続から独立した父子関係明確化のための法律"の方は"秘密の父子鑑定(当事者同意を得ない遺伝子鑑定)"は証拠採用されないとされた一方で、裁判所から命令があれば当事者拒否してもDNA鑑定を命令できるという、双方向配慮された法律なのです。

ややこしすぎるので個別説明します。

遺伝的診断法

正式名称からわかる通り、遺伝子診断全般に関わる法律です。親子関係推定については法律の"セクション3:親子関係を明確にするための遺伝学的検査/Genetische Untersuchungen zur Klärung der Abstammung"で規定されています

要約すると

親子関係を明確にするための遺伝学的検査は、当事者(父、母、子)の同意を得た上で一定資格を持つ専門家によって行われなければならない。無断でやったら罰金

です。

ちなみに

なんで妻の同意必要なの?→……わからん……

これはシンプルでして、同意必要相手未成年場合親権者が決定の代行者になります父親が鑑定の請求である場合自動的に残った母親が代行者として同意/非同意することになります。つまり仮に母親請求者だった場合父親同意必要になるわけです。

この法律が求めているのは、遺伝情報という究極の個人情報を親とは言え勝手に使うな、あと品質保証のない民間企業に頼るのはやめなさい特に家族崩壊しかねない親子鑑定では、というもの

近年の分子生物学の発展的にみて、いずれ必要となる法律であろうな、というのが私の評価

否認手続から独立した父子関係明確化のための法律

これについて説明するには前提知識がいるので少し長くなります

ドイツには法的父親/母親というものがあり、出生に合わせて自動的に決定されます

  1. 法的母親は"その子供を出産した女"です。代理母だろうが出産後に性転換して男になろうが、産めば法的母親です。後述の法的父親とは異なり、異議申し立てによる回避はできません。代理母出産をした場合養子縁組手続きしなきゃ親子になれません。
  2. 法的父親は(a)嫡出児の出生時に法的母親結婚していた男、(b)非嫡出児を自分の子である認知した男、(c)裁判所が異議申し立てに従って指定した男、です。こちらは法的父親とされたことについて異議申し立て可能です。
異議申し立てプロセス

まず異議申し立て資格者は(1)法的父親ab、(2)受胎時に法的母親と親密(意味深)だった男、(3)子供、(4)母親、です。

「お前は俺の子じゃねえ!」という異議申し立ての他に「お前なんて俺の/この子父親じゃねえ!」という異議申し立てもあるわけですね。

ここでは(1)の場合だけ解説します。

まず(1)による異議申し立て裁判所に申し出る場合、親子関係に対する合理的な疑いの根拠提示しなければなりません。

判例にもとづけば、

  1. 実は子供結婚前に生まれていた(嫡出児の法的父親要件を満たさない)
  2. 母親浮気示唆される
  3. 推定される受胎期間中母親と親密ではなかった(セックスレス、別居等)
  4. 男性不妊

などが合理的な疑いとして認められています

一方で「自分と(子供の)容姿が似てない」程度の疑いでは異議申し立ては認められません。

"否認手続から独立した父子関係明確化のための法律"が出てくるのはまずこのタイミングです。

この法律合理的な疑いの証拠として遺伝子診断の結果を用いることを合法化しました。以前は証拠として使えるか曖昧(たいていは却下)だったのですが、この法律基準明確化とともに採用可能になったのですね。

ただしこのタイミングで提出する遺伝子診断の証拠には、母親(と子供)の同意必要となります同意のない診断結果を出しても証拠として採用されず、 2010年以降は遺伝的診断法に基づいて罰せられます

そしてこのプロセスがつつがなく進んだ結果、最終的に裁判所遺伝子診断による父子鑑定を命令します(既に遺伝子診断の結果が証拠として提出されていない場合)。

これは母親(と子供)の同意が無くてもできるため、これによってほぼ決着がつくわけです。

そして、この裁判所による鑑定命令もまた"否認手続から独立した父子関係明確化のための法律"によって制定されたものなのです。

初手秘密鑑定結果ぶっぱが封じられた一方で、丁寧に手続きを進めれば裁判所権限DNA診断による親子鑑定をしてもらえるという点で、バランスの取れた法律であると思います

以前は初手ぶっぱしても証拠採用されるのは厳しかったわけだから、異議申し立て側にとっては正味プラスでは?とも。

2016年のアレ

これもちょっと前提知識必要

前述の父親認定に対する異議申し立て成功裏完了し、法的父親から他人に変わるとどうなるでしょうか?

元法的父親過去遡及して養育等の父親の責務として支払ったもの等々への請求権を得ます

請求先は母親でも子供でもなく真の父親です。真の父親の払うべきものを立て替えてた扱いになるのですね。

そして真の父親は異議申し立て完了後、法律に従って裁判所が法的父親として指定します。法的父親説明で挙げた(c)のことです。

しかし……真の父親はいずこに?それがわからなければ請求も何もできません。

知っているのはきっと母親でしょう。聞きださなければなりません。真の父親候補……"推定上の父親"を。

しかしかし、2015年に「母親に"推定上の父親"について話すことを強制するのはプライバシー侵害である」という判例が出てしまいました。

はい詰んだー。

流石にそれはちょっと……ということで、父性の異議申し立てが成立した場合母親は"推定上の父親"について"重大な理由"が無い限り黙秘できないという法案が出てきたわけです。

まだ成立はしてなかったはずなので、この先どうなるかは分かりませんがね。コロナもいるし。

2021-08-01

ドイツの托卵の話その1

自由研究


ネット上でよく見る話。ネットロアっていうのかしらん。違うかー!

ドイツの托卵率が10%。

DNA鑑定により家庭崩壊が多発することを懸念し国がDNA鑑定禁止した。


って話。

で、ついでに托卵検知ができなくなったか婚姻率が激減したってオマケつき。

感想なまとめ


ネット日本語情報しかあたってないので温度感はあるかもだけど、今現在伝聞で書かれてるのを見たら「(ネットの)井戸端会議特有の盛ってる感だな」って思っておくよ。


いざやってみるとうまい調べ方がわからないのでid:ibenzoさんの記事ひとつぐらいまともに読んでいればよかったわ。

ドイツは何を禁止したのか

日本語でぱっとでる以下のサイトによると2005年2016年に関連法が改正されたようだ?


【託卵大国ドイツ・日本DNA鑑定無効法律裁判」訴えたらどうなる?

ttps://iirou.com/tom/

2005年 DNA鑑定禁止


嫁に黙ってDNA鑑定をするのは禁止

托卵が発覚したとしても

托卵女に養育費の返金を求めるのも禁止

なぜこんなムチャクチャ法案

通ってしまったのか?


托卵調査の結果


ドイツDNA鑑定をした結果、

10%が托卵と判明したとも言われる。


てか托卵率10%なら

不倫率はそれを遥かに上回るだろ。


男たちがDNA鑑定殺到すれば?


あちこちで托卵が発覚してしまう。

ドイツ国内は大パニックになり、

無数の家庭が崩壊するだろう。


シングルマザーが溢れ、

路頭に迷う子供も多数でてくる。

政府保護しなくてはならなくなる。


そのため、

DNA鑑定で托卵を暴くことが禁止された。

ほんまかいな。

すくなくとも「男たちがDNA鑑定殺到すれば?」以降は筆者の妄想が入ってそうなんだけど。

2016年 法改正


素晴らしい法案がまとまった。


托卵であった場合

托卵女は夫に実の父親(托卵男)の名を

明かさねばならない。


さらに夫は托卵男に2年分の養育費

請求できるというもの

妻の同意によるDNA鑑定後に知る権利費用の一部を得られるかんじだろうか。

真偽や盛りぐあいはともかくそのあたりを調べてみる。


私のググり力(ちから)が足りないために当時の日本語資料をサクッと見つけられなかったので、こちらの資料をお借りする。


ドイツ民法典における家族法 - digidepo_11538862_po_02850002.pdf

ttps://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11538862_po_02850002.pdf?contentNo=1

(7)遺伝学的親子鑑定(DNA 鑑定)

第1598a 条は、遺伝学的親子鑑定(genetische Abstammungsuntersuchung. 以下「DNA 鑑定」という。)の実施のための要件規定する。DNA 鑑定の実施を望む者(父、母又は子のいずれか)は、残り2者に承諾及び遺伝情報試料採取受忍を求めることができ、承諾が得られない場合は、家庭裁判所が承諾を代行し、遺伝情報試料採取受忍を命じる。ただし、子が未成年者で、その子福祉に反する場合には、裁判所は手続を停止する(58) ことができる。この条文は、民間DNA 鑑定の普及により、母や子の同意を得ずに行われた遺伝検査結果(秘密の父子鑑定)の証拠採用が争われ、連邦憲法裁判所判決を受けて制定された「否認手続から独立した父子関係明確化のための法律」(59) により新たに追加された。



(59) 否認手続から独立した父子関係明確化のための法律 Gesetz zur Klärung der Vaterschaft unabhängig vom Anfechtungsverfahren (VaterKlG k.a.Abk.) vom 26. März 2008 (BGBl. I S. 441). 同法制定に関する連邦憲法裁判所の決定(1 BvR 421/05)は、秘密の父子鑑定による鑑定結果の証拠不採用を認め、一方で、父子関係否認手続とは関係なく、独立したDNA鑑定請求権を法律上の父に認めるべきであるとした。玉蟲由樹「子の出自を知る父親権利(BVerfGE 117,202)〔2007〕」ドイツ憲法判例研究会編『ドイツ憲法判例IV信山社出版, 2018, pp.55-58.


そもそも本人の同意のない検査ダメだよ

托卵うんぬんではなく勝手DNA検査ダメで、でも検査が簡易になり、特に子供への同意無いDNA検査が増えてきたので家族法でも法整備し、同意ありでやろうねと明確に示したという考えはどうだろうか。


ドイツにおける遺伝情報法制度 | 学術機関リポジトリデータベース

ttps://irdb.nii.ac.jp/00835/0002057570

第3に、自発性原理(Prinzip der Freiwilligkeit)である。『連邦議会審議会答申』は、「遺伝検査実施は、被検者(getestete Person)の不可侵性を侵害する」がゆえに、「包括的説明をしたうえで個人同意を得てから行われる必要がある」との立場から、「この原理例外は、法的にかなりかなり限定された範囲でのみ、しかもそれによって被検者の尊厳侵害されない場合にのみ許されるにすぎない。特に遺伝検査は、直接的にも間接的にも強制的実施されてはならない」、と説き、ここから、当然のこととして、インフォームド・コンセント要求されることに(33)なる。ここで興味深いのは、本人の了解同意のない DNA解析に関する具体例として、2000年11月28日に下された、DNA分析の導入に関する初のバーデンヴュルテンベルク行政裁判所判決2001年2月20日報道)が示されている点である。本件は、銀行幹部侮辱する匿名文書を書いたのではないかと疑われた銀行員が、採取された DNAサンプルが本人の知らない間に DNA鑑定をされたことに基づき雇用から無期限解雇の通告を受けたため、その解雇違法性について争った事案である。本件について、同裁判所は、本人の知らないところで同意なく行われた DNA分析の結果に基づく解雇通告は違法である、と判示 (34)した。これは、注目すべき判決である。本判決を受けて、ドイツ連邦および各州情報保護委員会(Datenschutzbeauftragten)は、第62回会合での決定において、「法律上の権限なしに行われる遺伝検査、または治療もしくは研究目的のためにの原則として有効とされる本人の同意なしに行われる遺伝検査を阻止するために、刑法典の中に基本的処罰規定[を盛り込むこと]」を要求して (35)いる。これは、刑法典では実現していないが、遺伝検査法で実現した

4 つぎに、医療目的以外の検査について特徴を簡潔に挙げておこう。

第1に、出自の解明のための遺伝検査については、本人への事前の説明同意により実施することができるが、検査を行うことができるのは、医師のほか、出自鑑定の専門家自然科学高等教育を受けた者に限定されている(17条)

最後に、制裁について述べておこう。本法でも、規定違反して遺伝検査実施した場合、1年以下の自由刑または罰金刑が予定されており、対価を得てこれを実施した場合には、2年以下の自由刑または罰金刑が予定されている(25条)ほか、一定行為について秩序違反として過料が予定されている(26条)。


2016年は?

2016年 法改正

素晴らしい法案がまとまった。

法改正法案がまとまったではいささか指すものが違うような気がするが、普段立法に無関心なので怪しい。


ttps://twitter.com/akihiro_koyama/status/1338064643328131073

から

A new German law wants to force mothers to reveal their child’s biological father

ttps://www.newstatesman.com/politics/feminism/2016/08/new-german-law-wants-force-mothers-reveal-their-child-s-biological-father


翻訳で見ると記事時点では提案段階。ただしakihiro_koyama氏のいうDNA鑑定義務化は読み取れなかったのでどういった文脈でこの記事コメントを出したのかは不明


いろいろ検索ワードをがんばってみたが、日本語のそれらしい話題がひっかからず。


コラム 75 「誰の子か白状しなさい」-自分の子が実の子ではなかったら ドイツ場合- 2016/9/2 | 京都弁護士による離婚相談姉小路法律事務所

ttps://www.aneyalaw.com/column/_75.html

ドイツで,カップルの子どもが,実は別の男性との間にできた子だった場合母親カップル男性に子の生物学上の父親の身元を明らかにしなければならないという法案がまとまり議会に提出される予定だそうです。

どうなんでしょうね?

2021-07-22

小さい東京五輪だらけの国

東京オリンピック2020は、もはや盛大な失敗プロジェクトとその原因である無責任機能不全の組織象徴としてはインパール作戦に勝るとも劣らないものになっているが、小さいレベルでは、ここ80年(あるいはもっとからかもしれない)のあい我が国につねに遍在していたのではないかと思う。

みなさんの身近なところにも、どうしようもなく硬直した組織責任者の不在(そもそも責任概念の不在)、方向転換できないプロジェクト現場のしわ寄せ、その結果としての悲惨プロダクト、不合理でブルシットな手続きや書式、そういうのがたくさんあるんじゃないでしょうか。

こういうのは「構造」の問題なので単純に特定個人責任押し付けて「はい解決」というわけにいかないのはそうなのだが、とはいえ、そろそろ具体的に個々の人間にきちんと帰責していったほうがいいと思う。「誰のせいにもしない(みんなのせいにする)」のも「誰かのせいだということにする」のも、問題解決にとって無益という点では同じだ。

きちんと誰かに帰責するというのは、スケープゴートを作るということではない。最終的な意思決定者の問題ならその人に。意思決定構造問題なら、その構造を変えられる人に。マネジメント問題なら、マネジメントのあり方を変えられる人に。当の問題にいろんなレベル対処しえた人々をちゃん特定し、その人々のふるまいのそれぞれがこの問題の(少なくとも部分的な)原因だということを明確化するということだ。

構造的な問題が帰責されるべき人たちはたいてい善良で無自覚だろうが(例外的に悪い人もいるかもしれない)、だからと言って無罪になるわけではない。複数人責任が分担されているのであれば、その分担の度合いに応じて帰責されるべきだろう。「会議」で決まったことだから、「上司」に言われたことだから、と言えば責任がなくなるわけではない。会議提案する権限上司に進言する権限が多少でもあるのであれば、そのぶんだけ責任がある。

加えて、問題に気づいたときにそれを誰かに帰責する(つまりちゃんと誰かのせいにする)というのもまた、自分が関わっている組織プロジェクトに対して個々人が持つべ責任だ。「社会を変えるためには投票に行こう」というのはその通りだが、「社会投票を通じてしか変えられない」という考えは明らかに間違っている。身近な組織をよりよくするために「ちゃんと誰かのせいにする」ということは、投票以上に社会を変える実効的な行動のはずだ。

そういうわけで、以下の意識社会に関わる全員が持つべきと思う。

  • 何か問題があるなら、まず問題があることを認める。
  • その問題がどういう構造のもとで生じているか特定する。
  • その構造の維持に対して責任のある(それをもたらしている)個々人を特定する。
  • その個々人の責任を問うことを表明する。

これは上流下流を問わず、おそらくあらゆる組織のあらゆるセクションに言える。

今回の東京五輪惨状に対して個人ができることはもはや何もないかもしれないが、身近にある小さい「東京五輪」を自分でできる範囲でよりよくするという意識が共有されれば、日本社会は多少ましになるんじゃないでしょうか。

2021-07-18

小山田オリパラ担当ひろゆき人気

オリパラ国家セレモニーで、普通そういうのはそつのない人選をするものだがかなり「挑発的な人選」をしてしかもその自覚が無い。こんな事会社勤めでやったら会社に居られるだろうか?能無し扱いされて人事の申し送りが延々と付くレベルの失態だろう。

でも社会一般ではバカ、ガキ扱いされるそんな能無し人事が政治とかTVとか社会の上の方では常態化していてその結果こんな見えてる地雷を踏む案件がしたんじゃなかろうか?

 

例えば西村博之TVに出て若者に人気だったり、ネットデマにのせられて個人デマを流布し訴えられたデビィ・スカルノTV追放されなかったり、パンデミック初期にコロナインフル以下と世論誘導たかと思えば自説の過ちを糊塗する為にPCRデマを流布して延々と防疫妨害を続けた医者TVに出るようになったり、TVによく出ていた反がん治療論者が反ワクチンで荒稼ぎしていたり、パチンコアムウェイCMが流れていたり。

 

西村博之は揚げ足ばかりだが言う事はそんなにおかしくはない。揚げ足ばかりだけど寧ろ常識的立場で人を揶揄論破するのがウケるのは判る。

でも脱税民事裁判逃れの為に財産飛ばし収入隠しをしている人物TVに出すというのは本来かなりの冒険である

昭和だったらヤクザに刺されたり、ボリビアの奥地で顔面を剥がされ指の指紋が全て切り取られ歯が全て抜かれ全身を焼くか熱湯が隈なく掛けられ体毛分布が判らない状態で見つかった遺体西村さんと判明しましたというニュース流れるようなレベルだ。

 

更に「2chを奪われた事実」というのは社会的には無い。合法的事業譲渡してそう世間に発表しているのだ。

フィリピン在住の米国人極右共謀して法的に事業譲渡するが実態西村配下人間経由で管理権を掌握し続け利益もそのまま得る。

極右ジム・ワトキンスサーバ管理費に上乗せした利益を得る。サイト運営により発生する民事争訟は比極右持ちになるが、対米中韓の国際訴訟を扱える弁護士は多くとも対フィリピンではぐっと減るからリスクは減る。減ると言っても比極右方にはある事には変わりないが西村の方はゼロになる。

こんなスキーム合意してから譲渡をして世間に発表した。

 

ところがクレジット情報が洩れる事件があって決済が停止してしまった。比極右方には経費が掛かっているがエサは無しだ。ふざけんな、となる。

そこで法的な契約通り、社会の体面通りに手下どもの管理権を剥奪した。広告出稿なども手を廻して西村方を干して自分らが主体となる契約にし直した。

そもそもこんなスキームにしたら刑事事件だって極右の方に行く。更に児童ポルノなんかの放置があれば比極右米国領に再入国すら出来なくなる。しかサイト管理西村の手下達がやるのにそいつらは法的な矢面に出ない。警察も欺むこうとするスキームだ。国税局もだ。舐めたもんである

 

まり悪人達が片割れにエサやらずに仲間割れしただけであって、刑事ドラマなら「仲間割れ検視室に放り込んでおけ」と死体を足蹴にするシーンでしかない。

こんな状況なのに西村は「2chを騙し取られた」と言い出したのだ。騙したのはおめえで世間当局を騙そうとしたんだろ。法的に譲渡したけど実際はしてないという密約をしたんだろ。盃かわすだけでエサもやらないから密約の方だけ切られたんだろ。「のっとり」されても外部の社会的、法的にはなん~~にも権利関係が変わってないだろ。

こういう下剋上でもなく仲間に裏切られた悪人というのはその不幸に対する憐憫が発生しえないので単純にお笑い対象である

ところがこんな人間TVに出してしまう。そして揚げ足や論破面白いので人気が出てしまう。そして事情を知らない若者が慕ってしまう。あのさ、論破されてる人たちより間抜けでみっともない事してるんだからちゃんTVもその辺の経緯を説明しろよ。ショーンkみたいな状態やんか。

2ch創始者」みたいな肩書テロップで出すのはやめて「共謀脱税執行財産隠蔽給餌放棄其儘法実行実権取上慌叫2ch漏所有皆笑 の西村さん」と書くべきだろう。この騒動の背景を説明せずにTVに出していい人間ではない。

 

政治世界はもう非常識人事が常態化していて感覚がマヒしている。

例えばその中心人物安倍さん悪人ではない。彼が起こした事件で彼自身利益を得た事は余り無い(さくらを見る会で招いた有権者総務省人間接待させたという事はあるが)。

腰巾着たかられて「良きに計らえ」と下命した事が事件化してる。逆に言うと立場が上がるに従い良きに計らえの効果が絶大になってくる事を理解しないままに社会の上に行っているのだ。

自殺者が出た責任は感じていても、組織犠牲になり易い場所自殺者が出るという事は得心出来ていないのではないか経験が無いのではないか

この人は兎に角イノセントでその辺のイノセントさが腰巾着達にたかられた原因だろうし、その結果が事件になっている。フリーター店員友達タダで飲食させてるみたいな騒動ばかりだった。

シリア難民問題猖獗を極めていた時にプーチン国連総会だかでシリア支援声明を出し、直後に安倍さんが「ウラジーミル!」と親しげに挨拶していたのが彼のイノセントさを特に表していたと思う。この声明は米、NATOへの対立明確化する覚悟を示したものだった。

社会の上の方では裁量が大きくなるが責任自覚せず使ってはいけない、それが身に付いてない者は上に行かせない、という経験律を得ていないようなのだ

 

とび職で喩えると、上から足場材を落とされたら下の者は死ぬから最初は足場の上には立たせない。「上の人間が手を滑らせたら自分死ぬ」という事を理解してから上の作業を任される。

社会殆どでそういう構造になっていて、例えば就職活動なんかは過剰にストイック過去SNSでの不行跡なども許されない。

なのに国家セレモニーパラリンピックピンポイントの不行跡の尻ぬぐいもしてない人間を任命してしまうのだ。社会の下の方の宮勤めならあり得ない事が上の方では悠々と起きる。

これは異常な事で職場がそんな事になったら事故倒産は目の前だ。なのに国レベルマスコミレベルになるとそんなクソ人事しか無い。

会社経営者の消費を経費計上する時、経理人間家族的付き合いで抱き込んでおく。ぶっちゃけ抱き込まずに経費計上させても密告はリスクがあるのでバレないときはバレない。だがそんな事をしたら経理ユルユルになりどこで抜かれているか見分けが付かなくなる。西村博之を出すTVなどはそういう悪事をする時の覚悟も知らないような感じである

小山田を据えた決定をした者も同じだろうと思う。上の方は実にイノセントだ。自分が乗る飛行機電車事故を起こさないのはどういう社会構造立脚していると思っているんだろうか?

 

因みに反がん治療論者で反ワクチン商売っていうのは近藤誠の事。

近藤の影響力が大きくなったのはTVに出たせいであり、始めに出した番組は「たけしのTVタックル」である財産隠しで脱税民事裁判逃れしてた西村最初に出したのもTVタックル。ここはオウムの浅原も出していて中沢新一などより大衆層への浸潤に影響力を持っている。

社会の上の方だけクソ緩い」の構成物質供給し続けているのはここだと思う。

2021-07-14

anond:20210714002712

やりたいことがある、ということは、同時にやりたくないことも明確化されてるから

2021-06-14

anond:20210614140000

横だけど、その定義には合理性がある。

バグ製作者が意図して組んだものが違う働きをした時に言う」

ミス簡単に言うけれど、ユーザーの過剰な期待なのか開発者瑕疵なのかを切り分けるのは一般的に難しい。その定義では責任分割の曖昧さに踏み込まず、意図観点でみることでバグか否かの判断明確化できる。

俺のとこの会社では、そのような狭義のバグでないものを「仕様バグ」と呼んでいる。

2021-06-05

トリアージ基準明確化しないのは賄賂(非課税所得)で決まるからだろ

誰を救い誰を諦めるのか、命の選別をする側になれる

コロナ感染者が少ない状況では医師は神になれないが

医療崩壊が起き入院もできず自宅待機が当たり前になれば、国民みんなが医者キング扱いして崇め命乞いをする

トリアージで優先されるためには年齢でも納税額でもなく、本当はわいろなんだろ

感染者が増えればトリアージ権力を誇示できる医師

2021-05-31

anond:20210531182358

感染が拡大するという医学的根拠に基づく情報はよ

どのぐらいの人数だと予測されているの?

横だが、

これってオリンピック甲子園を開催する側が用意しないといけないデータだよな

リスク判断基準明確化するために

いつになったら出てくるんだろう

感染が拡大することは無いというデータでもいいし

安全に努めますじゃなくてさ

2021-05-18

男性のおいての地雷表現

女性向けの作品だと毎回のように「あれは私にとっての地雷」という表現がある。

ただし男性向けだとそういったことを聞かない。いや実際にはあるんだがそういう表現を使わない、というが正しいと思う。

男性だって、このカップルはありえない、という嗜好は存在する。だけど女性のように公にしたり断絶する傾向は少ない。

なぜ女性だと自分の嫌いなものアレルギー反応があるもの明確化する文化があるんだろう。男性他者と繋がることが少ないのだろうか。

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