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2024-11-11

四国停電瀬戸大橋立ち往生の件

11/11 26時追記】読みづらいと言われたので体裁だけ記法ちょっと編集。中身そのまま。増田は全く分野違いの素人野次馬である

内容はニュースソースプレスリリースWikipediaツイッターの電力系の人、鉄道系の人の書いたことなどを鵜吞みにしている。変な点言ってくれたら参照元くらいは答えられると思う。

大事ことなので冒頭のここにも書くが、JR四国によると前日の停電瀬戸大橋の断線は無関係とのこと。下衆の勘繰りをしながら調べている最中にそう報道された。

―――

気になって素人が調べたことのまとめ。間違ってるかもよ。1度寝かせた文章追記を重ねたため構成が悪くなってわかりづらいけど。

前提

四国本州を結ぶ送電線は2経路。

瀬戸内海瀬戸大橋経由で中国電力と繋がる「本四連系線」交流2回線(1L、2L)

紀伊水道海底ケーブル経由で関西電力と繋がる「阿南紀北直流幹線直流1回線(第1極、第2極)。

うち第2極は制御保護装置更新工事のため10月末〜来年3月で停止中。

四国は発電力が潤沢で、通常時は上記経路で本州に電力を「輸出」している立場である

電気は溜めておけないので、需要に対して供給(発電)を一致させるよう細やかにコントロールする必要がある。

需給バランスが崩れると周波数が乱れ、発電機の破損や大規模停電に繋がりかねない。

時系列

11/9 14時すぎ

瀬戸大橋の本四連系線の2回線あるうちの1回線(2L)を停止させたメンテナンス作業中、使用中の1回線(1L)に何らかのトラブルがあり2回線ともに停止。

阿南紀北直流幹線のみで本州と繋がる状況になる。中国電力に輸出していた経路が断たれ周波数が高くなり(電力余り)、徳島橘湾火力発電所が連系線トラブルと同時刻に停止。

20時すぎ

本四連系線を復帰させるため、2Lのメンテナンスを中止し2Lの復旧作業中、何らかの原因で阿南紀北直流幹線本州向き潮流(関西電力に輸出している電力量)が急増。

昼とは逆に周波数が下がり(電力足りない)、四国内の一部を停電させ需給バランスを保つ。停電は約37万戸。しばらくのち本四連系線2L復旧。

21時すぎ

停電復旧。

11/10 7時すぎ

瀬戸大橋内の架空切断のためJR瀬戸大橋線の列車瀬戸大橋上で立ち往生。乗客は約150人。

列車パンタグラフ3基がすべて破損し自走できない。上下線で運転見合わせ

14時すぎ

立ち往生した列車に救出用列車を横付けして乗客を救出し、隣駅に到着。

20時すぎ

上下線で運転再開

余談

停電のこと

阿南紀北直流幹線で潮流が急増した「何らかの原因」だが、単なる寒さでの暖房起動などによる需要増ではないトラブルのようだ。

橘湾発電所の停止は本四連系線トラブルを検出した系統安定化装置の電制(電源制御)によるもの

停電周波数乱れを検出した周波数低下リレー(UFR:Under Frequency Relay)の作動によるもの

四国電力管内でのUFR作動は記録の残る1966年以降で初めて。

停電地域不思議バラついているが、詳しい人が見るとUFRだと察しが付くらしい。

都市部を避けつつある程度の需要のある市街地ということか(ど田舎停電させても需要増が覆らない)。

淡路島北部関西電力管轄南部四国電力の管轄南北それぞれで送電を受けている。

(これって非常時に一方向から送電してさらに向こうの本州(または四国)にまで送電できないの?よくわからないが本州四国を繋ぐのは上記2経路のみ扱いなのでできないのだろう)

原発のこと

停電により愛媛伊方原子力発電所運転上の制限から逸脱する影響があった。

原発は多重の安全機能確保のための運転上の制限として、外部電源は系統上の独立性を有する必要がある。

まり、互いに依存しない複数変電所または開閉所から送電回路が必要だ。

伊方原発の外部電源は6系統あり、川内変電所から2系統、大洲変電所から4系統

大洲変電所の上流にあるのは川内変電所経由2系統小田変電所経由2系統

停電により小田変電所からの電力が停止し、川内変電所のみに依存する系統となった。

これを「運転上の制限逸脱」略してLCO逸脱という(Limiting Condition of Operation)。

さらに、ちょうど大洲変電所からの4系統のうち2系統点検中であった。

伊方原発は1,2号機が平成終盤に運転終了しており3号機のみ。

その3号機は7月から定期検査に入りその一環で10月から調整運転中(発電・送電はしている)。3号機は今年12月運転開始から30年となる。

今回の定期検査原子炉内の中性子の測定装置不具合が見つかり運転再開が3週間遅れていた。

2023年成立(2025年施行)したGX脱炭素電源法で、運転開始から30年を超える原発は最長10年ごとの管理計画原子力規制委員会申請・認可を受ける必要がある。

これまで原発運転期間は原子炉規制法で原則40年・最長60年とされていたが、GX脱炭素電源法により上限は撤廃され60年超も運転可能となった。

伊方3号機は10月認可済み。

伊方原発3号機の使用済み核燃料を保存するプールは容量の92%が埋まっている。

プール以外で一時保管するための乾式貯蔵施設の設置工事を進めている。

LOCは外部電源の独立性確保以外にも様々な要件がある。

これを満たさな状態が発生すると電力会社は逸脱を宣言原子力規制委員会に報告するとともに速やかに対応する。

逸脱すなわち原子炉施設保安規定違反というわけではなく措置を講ずれば良いらしい。

LOC逸脱は2017〜19年で12件ありまま起きている。

経済産業省四国電力送配電に停電の原因究明と再発防止策の報告を求めている。期限は停電発生から30日以内。

JRのこと

国土交通省JR四国運転停止トラブルの原因究明と再発防止策の報告を求めている。

停電瀬戸大橋の断線の関連を疑ってしまうが、JR四国の発表では関連はないらしい。

JR四国非電化区間が多く汽車(ディーゼル気動車)が走っている。停電時に電車運休してしまうが汽車は走る。

しか電車を引っ張るためのディーゼル機関車は持っていない。

岡山JR西日本側からディーゼル機関車の手配も考えただろうが、結局救出には運行可能下り線を四国から列車が逆走して(瀬戸大橋は複線)向かい線路に横付けして板を渡して客を移動させ、そのまま逆走を続けて代走した。

立ち往生したのは高松岡山行きの快速マリンライナー10号。この10号の前には朝5時頃から路線を同2,4,6,8号、特急しおかぜ2,4号、普通列車2本が通過している。

直前の通過はしおかぜ4号。前日の終電23時頃のマリンライナー70号。8,10号は1日2本だけの7両編成。他の編成は時間帯により2両または5両。

7両の内訳はJR四国5000系が3両、JR西日本の223系5000番台が4両。

瀬戸大橋のこと

瀬戸大橋10個の橋の総称。立ち往生した場所は最も岡山である下津井瀬戸大橋中央付近か。

仮に歩いて向かう場合、最も岡山側とは言え橋の全長1447mの半分+トンネル230m=約1kmの距離がある。最寄の児島駅からは約4kmある。

JR瀬戸大橋線はJR本四備讃線愛称であり、JR西日本岡山支社とJR四国管轄する。

瀬戸大橋を含む両端の児島駅-宇多津駅間はJR四国管轄

瀬戸大橋のもの独立行政法人高速道路保有債務返済機構(旧:本州四国連絡橋公団)が保有し、JR四国が借り受けている。

道路一般道のない高速道路で、管理本州四国連絡高速道路株式会社

電線の本四連系線の管理電源開発送電ネットワーク株式会社(電源開発株式会社から発送電分離)。

瀬戸大橋道路JR開業1988年だが電線の本四連系線が敷設されたのは1994年

2024-10-21

太陽光発電所の買収を仲介した・あるいは原発立地交付金的な話

こんなネタがあったので需要があるか不明だが書いてみる

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241019/k10014613661000.html


最近(といっても1年ぐらい前だが)太陽光発電所を買い取ってくれと言う話を立て続けに2件やった。

から太陽光発電所草刈り管理を頼まれてやっていた所だ。

元々は斜面の果樹園で、維持管理が難しくなるからと切り倒して太陽光発電所にしていた場所

自分草刈りなど最低限の管理は行う予定でいた人だったのだが、なかなかそれすらも難しくなった。

そこで、業者に頼むか、草刈りなどの個別業務を誰かに頼むか迷った後で、後者を依頼してきた先がワイの所だったのだが、

そうこうしているうちに、本人が施設入りor亡くなり、家も空き家に。

子供は都会にいて帰ってこないので、こちらの家敷土地どうしよう、ということでワイに買わないかと言ってきたのであった。

ただ、ワイは金も金を借りられる信用力もないため、それは難しい。

そこで、村おこし一般社団法人に話を持っていって、そこが信金地域おこし基金から実質無金利の金を借りて買収することになった。

土地代はほぼタダと言っても誰も買い手が付かない土地であるが、上物の設備を今後のFiT売電見込み額の3割ぐらいの金額だったと伝え聞いている。

既に太陽光発電を立てた時の借金は完済しており、ここから設備メンテ費や設備更新必要になりそうなことを考えると、売却する方はなかなかの金になったはずだ。

残りの優良農地農地バンクに、母屋屋敷畑は都会に出て行った子どもさんが所有したままの状態で、ワイのところが格安で借り受けて魔改造することになり、こちらは実績があるのでいろいろやってる。

(まったくやりようがない負動産ものこっている…)


村おこし一般社団法人は、実は市役所出資している半民半管の組織で、この他にも小水力発電と、小規模ながらバイオマス発電所を持っている。

そうして稼いだ金で観光イベントをやったり、自転車レース企画したり、再エネの普及活動をしたり、それから地域おこし活動に「協賛金」(実質の補助金)を出す事業をしている。

今回の発電所100kW弱の発電所が2件だったため、それだけで400万円ぐらいの収入になっているはずだ。ただ固定価格の売電期間はあと10年もないのと、ここから管理コストがかかるし、土地代も払っていくことになるのだが。

固定価格買取期間が終わったとしても、昨今の電力価格の上昇から、十分に利益は出し続ける見込みはある。


で、何が言いたいのかというと、発電などのサービスは、本来はこういうことに使うような仕組みにするべきではないかと思ったと言うことだ。

まり地域の半公共非営利団体運営し、堅実着実に運営しつつ、その収益地域還元することが一つのモデルでは無いかと言うこと。

これは原子力発電所における電源地交付金などもある意味ではそうだ。

そうして優遇してやれば、地域継続していくための仕組みとして、特に小水力と風力は積極的に適地が掘り起こされていくのでは無かろうかと思う。

再エネなどと言っても電源開発環境破壊であることはかわりがない。環境胃にいいから受け入れろと言った所で受け入れる所はとうに受け入れている。

これ以上は、迷惑施設を押しつけると言う事で利益公共のため、公のために使い、広く人々に還元するような形にするのが大事ではないかと思われる。

全体の金はそんなにいらない。ちょっとあればいい。ただ、広く薄く公共還元されることが重要なのだ

地元自治体エネルギー自給率100%越えを目指しているが、こういった目標を達成するにはこうするしか無いのではないだろうか。

2024-04-10

電力料金増田だよ

どうも、お久しぶりです。

東電が電力料金の値上げをしたとき解説増田anond:20230123193135)を書いた人です。

原発言及したらクッソ叩かれて致命傷を負ったのでしばらく書いてなかったんだけど、

まりにもおかしいこと書いてあるからそこだけ訂正させてくれーーー

再エネに投資が集まっているのか

再生可能エネルギーは、施設製造建設・設置、さら運営ノウハウが溜まってきて再エネが安定した投資先と見做されてきており

これは眉唾。再エネは採算の取りやすい良い立地から開発されて行って結局後のほうで開発されるのはあまり採算の良くないところになって、あまりからなくなってきてます

例えばこれとか見てもらえると https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC221NG0S3A520C2000000/

メリットオーダー論

既存電源と再生可能エネルギーの違いは何かと言うと、限界費用が全く違う。再生可能エネルギーは、燃料費がないと言うところが大きくて、0円以上で売却できれば利益になる。というか、勝手に発電されるので止める意味が無い。

0円以上で売っても利益にはなるとは限らないです。もしかして新聞は紙とインク代まで値下げしろってごねる人ですかね?固定費とかってご存知ないです?

あとね、原発限界費用は0円です。逐一燃料投入しないからね。どっちも勝手に発電されるって書いてるのにおかしいと思いませんでした?

止める意味が無いっていうのもおかしいです。ネガティブプライス導入している時は止めるのも良くあります

しろ風力の場合だと上方の調整力供給という意味でも止めることは欧州とかでもよくありますね。

そんなもの価格競争しても意味が無いので、例えば火力発電所は再エネの供給が大きくなったら発電を止めて、採算より高くなったら稼働すると言う事を行っている。

いや、そこが問題なんですよ。製造業の人とかじゃないとわからいかもしれませんが、設備稼働率がそんな再エネに合わせて押さえつけれられるものを、

誰が好き好んで運用するんですかね?誰もそんな火力発電所なんて使いたくありませんよ。

そしてここが不安定なので、従来型の大規模電源開発投資が集まらない状況が続いている。

ここはその通りでもう電力会社は採算合わないので、脱炭素電源オークションみたいな補助金が入る形でしか火力発電所は新設できなくなってますよ。

ちなみにその結果が日本2021年かにあった電力逼迫だったんですが、もう忘れました?

日本の話

電力価格の決定が統括原価方式なので、例えば発電所を30年使うと設定して投資した場合原則的建設費などの初動費は30年間固定されて電力価格転嫁することが認められている

あのさぁ。。。電力自由化って理解してます?原価総括はもう終わってますよ。

あくまで名残として規制料金が残ってますけどあれは旧一電が赤字電気供給させられてる料金メニューですよ。。。

再生可能エネルギー固定価格買取制度によく似ているが、そちらとの違いは、稼働していない発電所の維持費も電力価格転嫁できる仕組み

あとこれもさあ。。。そもそも限界費用が0円の電気から0円以上で売れば利益が出るっていうなら固定価格買取制度なんていらないよね。

なんでこの制度必要なのかは結局維持費も含んだ固定費を賄って早期に投資回収させるために作った制度だよね。

電力料金も一緒で、結局発電所って毎日使えるわけじゃないから使えなくなったらバックアップ必要なわけで、でそのバックアップにも固定費がかかるから

あくま冗長性確保のためのコストじゃないんですか?はてなーって普段冗長性の大事さよく言ってるのに電力会社相手になったら無駄とか言い出すのは勘弁してほしいわ。

あとね、あえて「発電していない発電所の維持費」っていう書き方は良くないよ。まるで無駄遣いをしているように聞こえるしね。複数発電所を束ねたシステムとしての維持費として理解してほしいな。

日本でも再生可能エネルギーは最も安い電源になりつつある。

ほんとぉ?ソースほしいな

一部はてなーというかネットへの所感

なんというか、電気話題しろ経済ジェンダー話題しろ二項対立で考えすぎなんだよね。

電気話題だと 再エネはクリーンで安いから善で旧一電は火発も原発もやっていて再エネを妨害している悪みたいな。

完全な悪なら警察とか政治も動くでしょ?動かないのは献金しているからとか考える人陰謀論に片足突っ込んでいるから気をつけたほうがいいよ。

働いている人ならわかるけど世の中ってそんな単純じゃないよね?もしかして社会人なの俺だけ?みんな学生?え、怖いやめて

この人は言い方がムカつくけど仕事はできるから頼ってるみたいなのってあるじゃん

結局いいところ悪いところ天秤にかけていいところが上回っているから選ぶわけだよね。

エネルギー問題もそう。原発放射性物質があるし、火発はCO2を出す。太陽光は森を切り開くし、風力はレーダー妨害する。

全部悪いところはあるわけで、だからつの悪いところを取り立てて反対するのは間違ってる。その中でメリットと照らし合わせてその中で一番マシな選択肢を選ぶのが重要なんだよ。

そうやって清濁合わせ呑んだ上で一番良いものを選ぶという考え方がエネルギーを考えることでは大事だと思うし、日本人にはそれができると思ってます

anond:20240410114524

欧州の電力市場で何が起きているか

考えをまとめるために書いているので長くなってしまった。

なので最初にChat GPT要約をおいとく。

要約

再エネ以外に投資が来ない。

投資マネーが再エネに集まり既存電源に行かない状況が続いている模様。

再生可能エネルギーは、施設製造建設・設置、さら運営ノウハウが溜まってきて再エネが安定した投資先と見做されてきており、潤沢な資金供給が続いている。

例えば、利回りなども、再エネ設備耐用年数を従来は20年などで計算していた。これは公的補助が20年だったと言う前提だが、次々と公的補助が終了した結果、耐用年数を30年以上で計算するところが増えていて、それらをミックスした投資商品が登場、安定した資金調達に繋がっているようだ。


一方で、相対的既存電源に対する投資が減っている。欧州でもエネルギー安全保障観点からイギリスフランスなどで原発新規計画が出てる。

今時、国の金だけでやると言う計画イギリスが建てるはずも無く、資金募集しているのだが、全然投資が集まらなくてかなり苦戦している。

これとは別の話として、エネルギー安全保障観点だと言っているのに、当初目論みの建設費で手を上げたのが中国企業中国"系"ですらない、中国国営企業しかないと言う状況で、これだとまずいと言う事で、新規設置の原発が生み出す電力の買取保証価格をつり上げたところ、なんと再生可能エネルギーの2倍から3倍の価格になってしまって問題化している。

エネルギーの安定供給安全保障観点という点では色々な電源をミックスするのは当然で、そういう点では単価の高い電力が混ざっても仕方が無い。

が、その国のエネルギー価格は、その国の国際競争力に直結する。製造業はもちろんのこと、ITデータセンターの立地、研究施設の立地など情報系にも影響してくる。

国策である程度電力価格コントロールできるからと言って、上げれば今度は国際投資が逃げていくということで、苦しい状況が続いている。

既存電源の採算割れ

欧州と言うより主にフランスでの問題なのだが、フランス原子力発電所で発電した電力を他の国に売ると言うビジネスを行っていた。

ところが、再生可能エネルギー市場を荒らすようになってしまったため、もくろみが崩れてしまって採算性が悪化している。


既存電源と再生可能エネルギーの違いは何かと言うと、限界費用が全く違う。再生可能エネルギーは、燃料費がないと言うところが大きくて、0円以上で売却できれば利益になる。というか、勝手に発電されるので止める意味が無い。

そのため、他の電源では燃料費が上回って赤字になるケースでも電力を市場に流す事ができる。そんなもの価格競争しても意味が無いので、例えば火力発電所は再エネの供給が大きくなったら発電を止めて、採算より高くなったら稼働すると言う事を行っている。

特にLNGガスタービンは即応性が高いため、再生可能エネルギー追従して運転をするのに適している様だ。


一方、そんな器用なことができない電源がある。

それが原発

原発は燃料を燃やしているにもかかわらず、再生可能エネルギーと似たような性質を持っている。発電を始めたら勝手に発電されるので止められない、出力調整が難しい、燃料費に比べて設備費・初期投資割合が大きいといったことだ。

そのため思いっき市場を食い合っている。再エネがピークで安い時は下手するとマイナス金額(つまり、売買に関わる諸経費を発電側が持つというようなもの)で売却される電力に対して経済面追従を迫られる。

それでも、再エネが担う割合が低いころは、それ以外の時間帯で収益を出すことが可能だった。しかし、段々と再エネだけで賄える時間帯が増えてしまい採算性が悪化しているのである


また、原子力発電所など大規模電源は30年以上の耐用年数を見込んで採算が取れるように投資商品にするのが一般的で、原発場合は40年以上も当たり前だ。その間当然リスクを見込んでるんだけど、変化が急激すぎてそのリスク範囲を超えてしまっていている模様。

これは時限爆弾みたいなもので、実はちょっとヤバいと思われる。

電源関係投資ってかなり安定的投資と見做されてる影響で、年金など公共性の高い投資商品に基礎的なものとして組み込まれていることが多く、吹っ飛んだら電力関係だけじゃ済まないと思われる。

そしてここが不安定なので、従来型の大規模電源開発投資が集まらない状況が続いている。

環境 テロリスト 団体はESG投資の結果だとか宣伝するし、それに呼応するように原発 村の盲信者 関係者が陰謀論じみたことを言ってるけど、実際には経済的リスクが大きい一方で、利益が少ないことが要因だと思われる。

今後の見通し

もはや後戻りができないぐらい進んでしまっている。この流れは止まらないだろう。

ただ、各種のデータを見ると本当にこれで電力の安定性大丈夫なの?と心配になるんだが、進んでいる源が経済という祟り神なので止めらんない。すると安定化する方法はそれに対応する電源開発なり大規模蓄電なり水素アンモニア製造するなりしかないと思われる。

実は、原子力発電所も、負荷変動に柔軟に対応するようなもの設計可能らしく、そういったものが出てくる可能性はある。が、投資基準再生可能エネルギーに対してになるので、それより優位なものが作れるかはわからない。

翻って日本

日本は電力の自由市場の中にはいないので、急激な変革に巻き込まれはいない。

また電力価格の決定が統括原価方式なので、例えば発電所を30年使うと設定して投資した場合原則的建設費などの初動費は30年間固定されて電力価格転嫁することが認められている。

ある意味再生可能エネルギーの固定価格買取制度によく似ているが、そちらとの違いは、稼働していない発電所の維持費も電力価格転嫁できる仕組みであるということ。

例えば原子力発電所で再稼働出来てない発電所は多くあるが、発電して無くてもそれらの費用は電力価格に乗ってきているし、原発が稼働してない分だけ維持している旧式の火力の維持費なども当然ここに乗っかってくる。

これによって電力価格の上昇を抑え、安定化すると言う効果があるのだが、ここ15年ぐらいの急激な環境変化に対応できなくなってきているのも否めない。

ただ、制度を続けていけば、急激な市場の変化は発生しないと思われる


と、国内だけを見てればいいのだが。

既に書いたが、その国のエネルギーコストは、その国の競争力に直結する。国際競争に晒されている今、エネルギーコストが高いと企業立地などを逃すことになるので投資が集まらなくなる。

直近の動きでは原発を再稼働させようという取り組みが継続して行われている。

原発燃料費よりも建設費・維持費がかかる。それらは再稼働しなくても電力料金に乗っかってる一方で、それに加えて燃料費割合の大きい旧式火力を回さなければならない。これが電力料金を上げる要因になっているのは確かだ。

から短期的には原発を再稼働させるということはあっているのだけれど、長期的に見ると、ライバルになり得る欧州再生可能エネルギーという安いエネルギー源を苦しみながらも獲得しつつあると言う事には追従出来ていない。

さらに、欧州環境対応大義名分に、自分たちの有利な点を伸ばすような、再エネを使った製品では無いと追加の関税を課して保護政策を実行してくるのも間違い無い。自由貿易どこいったって思うが仕方が無い。


日本でも再生可能エネルギーは最も安い電源になりつつある。

環境問題への対応はもちろんしていく必要があるが、今一度、エネルギーコストをどうやって下げていくのかと言う基本に立ち戻って電源の選択を考える時に来ていると思う。


その点では、洋上風力発電を巡る汚職が痛かった。かなり安い入札が行われていたのに、なんだかんだと理由を付けて不可とした。

その結果、国内商社と組んでいた海外電源開発会社投資を引き上げちゃったんだよな。

せめてそういうことは二度と無いようにしたい。

2024-03-29

anond:20240329092607

物理法則として

と言うシンプルな話をどうやって解決するかだよなあ。

実はどちらも技術的には目処がついていて、最初の奴は

と言う方向にはなっているよう。後者場合

と言う事が考えられている模様。

で、これテスラ中国からと言って解決できるような気がしないんだよな……。

日本だと不可能で、中国だと可能ってのは発電所建設ぐらいか日本だと大規模な再エネ以外の電源開発発電所建設)って環境アセスメントがあるから計画から運転開始まで10年かかる。

送電線が既に来ている工業用の埋め立て地ガスタービンを並べるとかならまぁできなくないんだけど。

現実主義の人は

って感じでプランニングしているっぽい。

出力600kwの800v充電器なんてものをガススタの3倍の密度で整備するなんてのよりはだいぶ現実的ではあるけど、それでも整備までどれぐらいかかるかなあ。10年でできるかな

必須地方民としては、日常の足、サンダル代わりの軽自動車EV化していくのは間違い無いとしても、それ以上は見通せないや。

2022-05-04

地熱エネルギー、大期待だなあ。

水素エネルギーと同じくらいワクワクする。

地熱水素社会が来ればいいなあ。

https://www.smfg.co.jp/sustainability/report/topics/detail096.html

マグマから得られる地熱や、地表付近地中熱国内安定的に得られる国産エネルギー源で あるにもかかわらず、これまであまり利用が進められてこなかった。しかし、エネルギーの在り 方が抜本的に見直される中、あらためて地熱資源に注目が集まり始めている。

地中に眠る未利用エネルギー

東日本大震災地球温暖化問題を機に、エネルギー政策の抜本的な見直し議論されている。太陽光発電風力発電などの再生可能エネルギーが注目を集める中、新たな脚光を浴びているのが地熱資源だ。地熱資源は、マグマの熱に由来する高温流体を利用する地熱と、太陽熱に由来する地表周辺の地中熱の2種類に分類される。地熱地中熱実用化の歴史は長いが、国内ではあまり普及が進んでいない。本特集では、地熱発電と地中熱利用、それぞれの現状と普及に向けた課題、今後の展望考察する。

日本は、世界3位の地熱資源大国

地熱発電に利用されるのは、マグマから得られる熱エネルギーだ。火山帯の地下数キロメートルから数十キロメートルには、1,000℃を超える高温のマグマまりがある。このマグマまりで熱せられた岩石中に地下水が浸透すると、熱水あるいは蒸気を蓄えた地熱貯留層ができる。この地熱貯留層まで井戸を掘り、200~350℃という高温の熱水/蒸気を取り出してタービンを回すのが地熱発電の基本的な仕組みだ。その魅力は、24時間365日安定的に発電可能で半永久的に枯渇の恐れがないことと、発電時のCO2排出量がほぼゼロであることだ。

日本地熱資源量は2,300万キロワット超で、アメリカインドネシアに次いで世界3位を誇るが、発電設備容量で比較すると、1位の米国が309.3万キロワットなのに対し、日本は53.6万キロワットで8位にすぎず、豊富資源を生かしきれていない状況にある。

地熱開発の普及を阻む3つの要因

日本地熱発電が普及しなかった主たる要因は、「立地規制」「地元理解」「エネルギー政策」の3つといわれている。

「立地規制」とは、政府1970年代から景観保護などを理由国立公園国定公園都道府県立自然公園における地熱開発を制限したことを指している。国内地熱資源の7~8割は国立公園内にあるため、これが事実上の開発制限となってしまっているのである

地元理解」とは、地熱資源地区域に隣接する温泉地区事業者理解が得られないことである科学的な根拠や具体的な因果関係を示すデータはないが、温泉地に関わる観光事業者温泉源枯渇を理由に開発を拒否するケースは全国で起きている。

エネルギー政策」とは、政府による開発支援問題と言い換えてもいい。1974年に始まった「サンシャイン計画」では、地熱発電は主要な発電方法の1つと位置づけられ支援策も充実していたが、1993年の「ニューサンシャイン計画」以降、研究費が削減され、1997年の「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネルギー法)」では、「新エネルギー」分野の研究開発対象に選ばれなかった。さらに、2002年の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法RPS法)」では、対象となる地熱事業は「熱水を著しく減少させないもの」という条件が付いたため、従来の発電方式では支援を得ることが難しくなってしまった。

そもそも地下資源は開発リスクの高い事業である。開発の際は、地表評価を行った後、地下深部に多数の坑井を試掘し、発電可能地熱資源を掘り当てなくてはならない。試掘とはいえ、掘削には1キロメートル当たり約1億円のコストがかかる。地中にはマグマがあるのだから、掘削すれば必ず地熱資源を得られるだろうとの推測は素人考えで、事実はまったく異なる。重要なのはマグマまりの探索というよりも地下水が貯まる地熱貯留層を掘り当てられるかどうかだ。現代の高度な探索技術をもってしても、地下1~3キロメートル分布する地熱貯留層を正確に検知することは極めて困難で、今も開発事業者の知見や勘に頼らざるを得ないというのが実情だそうだ。首尾よく掘り当てたとしても、高温蒸気を安定的に得られるのか、どの程度の発電ポテンシャルがあるのか、熱水の長期利用が周辺環境に影響を与えないのかなどを見極めるため、数年間にわたるモニタリングが欠かせない。そのうえ、資源を掘り当てても認可を得られなければ発電事業はできない。地熱発電の調査から開発までに10年以上の期間が必要とされるのは、このような理由による。ある意味油田開発と同等のリスクコスト必要とされながら、出口としては規制に縛られた売電しかないため大きなリターンも期待できない。こうした状況では、地熱発電事業への参入者が現れなかったのも、致し方ないといえる。

見えてきた地熱発電事業未来

しかし、地球温暖化東日本大震災の影響により地熱発電に対する風向きが変わってきた。地熱開発を阻んできた3つの要因すべてに解決の糸口が示されたのである

まず、環境省が、地熱開発に関わる自然公園法規制緩和に動き始めた。2012年3月21日には、第2種、第3種特別地域について、域外から斜めに掘り込む傾斜掘削を容認し、さら関係者地域との合意形成景観配慮した構造物の設置、地域貢献などを満たす「優良事例」であれば、技術的、コスト的にも負担の少ない垂直掘削も認められることとなった。これに加え、3月27日には「温泉資源保護に関するガイドライン地熱発電関係)」を都道府県に通知し、地元調整の在り方を具体的に示した。これらの施策により、立ちはだかっていた「立地規制」と「地元理解」に関するハードルが一気に下がったのである

さらに、経済産業省が、2012年予算地熱資源開発促進調査事業として91億円を盛り込み、地表調査費用の4分の3、掘削調査費用の2分の1を補助。資源開発のノウハウを有するJOGMEC独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による開発準備段階の民間企業への出資や、開発資金を借りる際の債務保証ができるよう、石油天然ガス・金属鉱物資源機構法を改正する方針を示した。そのうえ、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により、売電開始後15年間の地熱発電の買取価格(1キロワット当たり)は、1.5万キロワット以上で27.3円、1.5万キロワット未満で42円という価格提示された。こうした「エネルギー政策」の転換により、地熱発電事業を覆っていた分厚い雲の合間から、明るい光が射し始めた。

エネルギー地産地消

こうした流れを受け、10年ぶりに新たな開発プロジェクトが動き始めた。電源開発(J-POWER)と三菱マテリアル三菱ガス化学は、秋田県湯沢市葵沢・秋ノ宮地域で地熱発電所建設を進め、出光興産は他社と連携し、北海道阿女鱒岳(アメマスダケ)地域および秋田県湯沢市小安地域地熱発電の共同調査を行うほか、福島県磐梯朝日国立公園内に国内最大の地熱発電所をつくる方針を示している。

岩手県八幡平では、八幡平市と日本重化学工業、地熱エンジニアリングJFEエンジニアリングが出力7,000キロワット級の発電所2015年に開設すると発表している。JFEエンジニアリング エネルギー本部発電プラント事業部の地熱発電部長福田聖二氏は、「弊社は、全国18カ所の発電所のうち9カ所で蒸気設備建設してきました。その実績とノウハウを生かし、今後は発電事業への参入も視野に入れて開発に乗り出します。また、世界最大のバイナリー発電メーカーとも協業し、従来型より環境景観配慮した次世代型の地熱発電所の開発にも取り組んでいきます地熱発電は、一度開発すれば半永久的に安定稼働が可能というメリットがあり、太陽光や風力などの再生可能エネルギーとともに今後重要役割を果たすものと考えています」と話している。

福田氏の言うバイナリー発電とは、熱交換器を通して地熱流体(熱水、高温蒸気など)の熱エネルギーを低沸点媒体で回収し、それを沸騰させてタービンを回す発電法だ。使用した地熱流体を地上に放出することなく全量還元できるため、地下水減少のリスクが極めて少ない。また、発電設備から蒸気を排出せず、国立公園などの自然景観配慮した発電所建設できるため、環境省の定める「優良事例」に認められる可能性が高いとして期待されている。さらに、熱交換用の低沸点媒体の種類によっては、温泉水(70~120℃)の熱エネルギーを利用した温泉発電も可能だ。温泉発電は、既存の源泉と温泉井に手を加えずに発電ユニットを後付けするだけで実現でき、温泉地への影響も源泉枯渇の心配もない。JFEエンジニアリングでは、福島県土湯温泉町で2014年に500キロワット級の発電事業を始めるべく、計画を進めている。これは、震災の影響により温泉収入が減った同地で、地熱発電を地域活性化に生かそうとする試みである。このようにバイナリー発電方式は、大型の地熱発電所だけではなく、小型の温泉発電所にも適しており、地産地消型の分散電源として各地に広まる可能性も秘めている。

日本地熱発電技術世界

エネルギーとして世界的に研究が進む地熱発電分野では、高温岩体発電など新しい技術も生まれている。これは、水を圧入して人工的に地熱貯留層を造り、熱エネルギー抽出する方式で、天然の地熱貯留層を掘り当てる必要がなく、開発リスクを減らすとともにさまざまな場所地熱発電が可能になるため、大きな注目を集めている。しかし、人工的な地熱貯留層の構築が環境にどのような影響を与えるのかなど、検証データが揃っていないため、実用化にはしばらく時間がかかると見られている。

 

国際エネルギー機関IEA)の試算によれば、世界地熱発電量は2050年までに年間1兆4,000億キロワット時まで拡大すると予測されている(2009年地熱発電量は年間672億キロワット時)。現在日本企業は、地熱発電用タービンで世界シェアの7割を占めるなど、同分野で世界トップレベル技術を有している。今後、世界規模で拡大が予想される地熱発電分野において、日本企業が存在感を発揮することが期待される。

省エネCO2削減、ヒートアイランド対策効果を発揮

第2部では、もう1つの地熱資源地中熱」について考察する。「地熱」と「地中熱」の最大の違いは熱源であるマグマに由来する熱水や高温蒸気がエネルギー源の地熱に対し、地中熱は、太陽で暖められた地表付近の熱がエネルギー源だ。火山地域など対象地が限定される地熱と違い、地中熱は全国どこでも得られ、安定的に利用できることが特徴だ。

地中温度太陽熱の影響により浅部では昼夜・季節間で変化するが、10メートル程度の深度では年間を通してほぼ一定温度を保っている。その温度は、地域の年間平均気温とほぼ同等となっている。ちなみに東京地中熱は年間約17℃で安定している。四季のある日本では、大気は夏暖かく冬冷たいが、地中の温度一定であるため、この温度差を利用して冷暖房や給湯、融雪などを行うのが地中熱利用の基本原理である

地中熱利用にはいくつかの技術があるが、現在主流となっているのは地中熱ヒートポンプシステムである。これには、地下の帯水層から水を汲み上げて熱交換を行うオープンループ型と、水や不凍液などの流体を地中のパイプに通して放熱・採熱を閉じた系で行うクローズドループ型がある。オープンループ型は地下水を利用するため設置場所がある程度限定され、主に大型施設で用いられているが、クローズドループ型は場所を選ばず設置でき、環境への影響が少ないことから現在の主流となっている。

地中熱利用促進協会の笹田政克理事長は「地中熱ヒートポンプシステムは、省エネ節電対策および地球温暖化対策に極めて効果的です。このシステムは、気温と地中の温度差が大きいほど、通常のエアコンに対する優位性が高く、真夏真冬ほど高い省エネ効果を発揮します。地中熱を利用すれば、冷房使用率が最も高い真夏ピークタイムなどでもエネルギー消費を抑えられることから現在問題となっている電力供給量不足の解決策として期待されています。また、地中熱利用はヒートアイランド現象抑制にも効果がありますヒートアイランド現象は、建造物から冷房排熱が大きな要因とされていますが、地中熱場合冷房排熱を地中に放熱してしまうため、都市部の気温上昇を抑える効果があるのです」と語る。

国内外で進む地中熱利用

地中熱ヒートポンプによる冷暖房システムは、オイルショックを機に1980年代から欧米を中心に普及が進んだ。アメリカでは、現在100万台以上が稼働している。また、中国助成制度を整備したことが功を奏し、世界2位の普及率を誇っている。これに対し日本は、2009年時点の導入施設数は累計580件にとどまっており、海外と比べて普及が進んでいない。これは、地中熱認知されていなかったことや、掘削などにかかる初期コストの高さが主な要因と考えられている。

しかし、2010年政府エネルギー基本計画地中熱再生可能エネルギー位置づけたことや、2011年度以降に「再生可能エネルギー事業者支援対策事業」「地域再生可能エネルギー熱導入促進事業」などの支援策が相次いで打ち出されたこから国内でも急速に認知が進み、さまざまな分野で導入が検討され始めている。

コンビニエンスストア学校東京スカイツリータウン(R)も地中熱を導入

支援制度の拡充や節電意識の高まりを受け、近年、さまざまな分野で地中熱の導入が進められている。たとえば、羽田空港国際線旅客ターミナルビル東京中央郵便局の跡地に建設されたJPタワーセブン-イレブンIKEA店舗富士通長野工場東京大学駒場キャンパスの「理想教育棟」など、ここ1、2年の間に導入が続いている。また、旭化成ホームズLIXIL住宅研究所地中熱暖房システムを備えた住宅販売するなど、一般住宅でも地中熱利用が始まっている。

今、話題東京スカイツリータウンでも地中熱が利用されている。同地域エネルギー管理担当する東武エネルギーマネジメント Permalink | 記事への反応(0) | 19:37

2021-05-25

和包丁という文化が無くなるかもしれんよという話

和包丁という文化が無くなるかもしれんよという話

日本包丁というのは切れ味が格段に良くて海外からわざわざ取り寄せる人が居るほどカルト的な人気がある。

コロナ前はかっぱ橋道具街にも外国人が沢山いて数万円もする包丁がよく売れていた。

だが実はこの高級和包丁の原料を作っている会社というのはほんの僅かなのだ。寡占市場なんである

その一番の鋼材供給である日立金属安来工場の先行きが不透明である

 

和包丁には作りが二つあって

1.刃物鋼を軟鉄でサンドイッチして鍛造する「霞」(割り込み包丁

2.全身が刃物鋼の「本焼き」(全鋼とも)

一般的に霞より本焼きの方が高くて玄人好みなのだが、どっちの包丁でも肝心の切れ味を左右する刃先は刃物鋼という特殊鋼で作られる。

この刃物鋼には炭素鋼の白紙炭素鋼にタングステン等を混ぜて切れ味を長持ちさせた青紙などがある。

だがこの白紙も青紙も作っているのは島根県日立金属安来工場一か所なんである

他に例えばステンレスの高級包丁などではV金10号なんていうステンレス刃物鋼を使い、これは武生特殊鋼という会社が作っている。こっちも独占市場だ。

でも和包丁と言ったらやはり鋼であって、この安来鋼と言われる刃物鋼はほぼ必ず日立金属安来工場製だ。

 

この日立金属最近売却され、日立グループから離脱した。

なんで製鉄部門を手放したかといえば日立グループの決済が悪化たからだ。

その一つの主な原因は英国での原発輸出失敗である

 

この原発輸出の失敗は非常に不思議な事で、例えば判りやすい方の東芝のウエスチングハウス買収では構造的に原発の新設が不可能と知られる所に巨額の投資をして失敗している。

アメリカ原発新設が不可能になったのは電力自由化スリーマイル島事故の為というのは有名である

電力自由化はペイできないリスクを抱え込む事を不可能にする。日本でも国策企業電源開発がなければ原発新設なんて出来なかった。

そこへスリマイル事故安全基準が上がったら国策ではなくて商売としての原発新設なんて不可能だ。更に福一である

こういう構造的な問題が知られているのに何故か東芝WHの決済書を読んでいけると考えた。WHはどういう魔法クリアしたのか?

蓋を開けると粉飾決済という魔法で、単に巨額資金負債を買った結果となった。でもこの結果はそりゃそうでしょというもんで不思議でも何でもない。

 

日立の方はそこまで酷くないが、それでも福一で格段に上がった安全基準の為に償却の目途が付かずにご破算となった。

だがなぜ甘い見通しのままで巨額資金を投じているのか?

要するに重用された経産省の傍流革新官僚が持ちかけた投資話なのであろう。官邸の数人で児戯のような「国策」を設計してみた結果だ。

人に金出させて失敗した仕手筋なんて刑務所にブチ込まれるのが経済事件常識だが、この革新官僚は未だ霞が関溜池にいる。

それにしてもバブル最中でもないのにこんな雑な投資話なんてそうそうない。どんな美味しい話をされたのか脅されたのか気になるところだ。

 

何れにしても日立金属は売却されてしまったが問題事業規模だ。

日本は製鉄大国だ。それ故製鉄の取引額は莫大で韓国世界一の造船を支え、アメリカ北部の製鉄業を壊滅させてラストベルトを作った。

刃物鋼は冶金や特殊鋼の一部門であってその特殊鋼の事業規模も製鉄全体から見たら非常に小さい。

まり製鉄大国であるが故に、刃物鋼の生産というのは町久場レベルの極小事業なんである

 

その為に地元では工場が整理されて閉鎖されるのではないかとの懸念が出ていて去年から商工会議所知事陳情したり県知事市長を交えた会議があったり、知事日立要望出したりしている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC203NZ0Q1A520C2000000/

だが経済界では和包丁文化の取り替えきかない要だという事を理解する人は少ないようなのだ

 

一方、料理人は?といえばどうも経済紙を読む人は少ないようで騒いでいる人は見ない。

今日も「和包丁日本刀の流れをくむ文化で~」とかの言説に悦に入っているような人ばかりなんである。困ったもんだ。

因みに幕末まで刀鍛冶大名に雇われた存在で、包丁などは野鍛冶、村鍛冶の仕事だった。職分が違う。

また冶金技術戦後に鉄の流通が急拡大してから急激に伸びている。

戦前の製鉄は官需や軍需に過分に依存した歪な業界構造で、包丁など調理具はその官需軍需から離れた所にいた。

戦後軍港の転換で造船所が出来、製鉄需要に火をつけて造船、建築自動車などの大需要が発生してきたが、刃物鋼はやはりこの大市場の外部にいた。

経済人が唯一無比の高級和包丁原料製造者である事に気づかない原因でもある。

和包丁日本刀の流れをくむ世界に誇る文化」なんて程度の低い客向けの口上の筈なのに自分たちがその口上に酔ってしまい、業界構造を頭に入れずにその「世界に誇る文化」が危機に瀕しているのに気が付かない。

白紙包丁店頭から全て消えてからあたふたしても遅いのである

 

以上が今や文化とさえなっている和包丁を巡る今の状況である

因みに海外調理メーカーでも数万円ラインの高級品ではやはり安来工場刃物鋼を使っている。

それから「紙」っていうのは、ロール状に巻いた鉄板とか数十メートルもあるH鋼なんかと違って刃物鋼はコピー用紙とか新聞紙レベルの板として取引されるのでそう言われる。

和包丁が無くならない事を願うばかりだ。

2019-02-02

就職偏差値ランキングって理想高すぎない?

70 →日本銀行

=========== 最難関 ===========

69 →国際協力銀行 三菱総研

68 →日本政策投資銀行 フジテレビ 三井不動産 三菱地所

67 →東証 三菱商事 日テレ 三大出版

66 →三井物産 日本郵船 NHK TBS テレ朝 電通

65 →住友商事 伊藤忠商事 JR東海 博報堂 トヨタ 商船三井 テレ東

=========== 学歴不問で勝ち ===========

64 →丸紅 国際石油帝石 共同通信 日経 読売 朝日 準キー JXエネ 任天堂 新日鐵住金

63 →JR東 小田急 京王 阪急 東急 東ガス 関電 ドコモ 東急不動産 ホンダ サントリー 三菱重工    味の素 旭硝子 JFE 信越化学

62 →東京海上 農林中金 中電 JRA 住友不動産 東京建物 昭和シェル キリン 三菱化学

61 →JR西 大ガス 中日 毎日 時事 東燃 出光 資生堂 花王 日清製粉 アサヒ 日産 三菱UFJ信託 川崎汽船 富士フィルム 住友化学

60 →日本郵便 首都高速 KDDI JT 豊田通商 双日 住友電工 デンソー 日揮 日立 三菱電機

―――――― 東大微勝ち、京大一橋早慶勝ち ――――――

59 →三菱東京UFJ銀行(OP) 日本生命 産経 地電 電源開発 NEXCONTTデータ 東レ 富士ゼロ 川崎重工 コマツ 森トラスト キーエンス キヤノン ANA 三井住友信託 武田薬品 三菱マテリアル

58 →SMBC JFC MS海上 NKSJ 第一生命 住友スリーエム 日東電工 森ビル 野村総研(SE) NEXCO東西 三菱倉庫 メタルワン 神戸製鋼 伊藤忠丸紅鉄鋼 旭化成 三井化学 村田製作所 ADK

57 →みずほ銀行(OP) あいおいニッセイ同和 明治安田生命 住友生命 商工中金 郵貯銀行 NTT東西 野村不動産 私鉄下位 阪神高速 JX金属 JSR 豊田織機 リコー NTTコム 富士通(SE除く) クラレ 帝人

56 →JR九州 昭和電工 古河電工 島津製作 ニコン サッポロ 鹿島 住友金属鉱山 宇部興産 住友倉庫 ソフトバンク かんぽ生命

55 →りそな銀行 日立化成 日本製紙 日本板硝子 大陽日酸 積水化学 バンダイ 三菱ガス化学 YKK オムロン アドバンテスト コニカミノルタ 明治製菓 大林組 清水建設 竹中工務店 三井倉庫

――――― 京大一橋早慶微勝ち、上智地帝勝ち、マーチ大勝 ―――――

就職偏差値 2020


もちろん個々の企業評価なんて眉唾物なんだけど、全体的に高くない?

これでいくと偏差値45くらいが一般の人じゃないかと思ってくる

NTTデータやサッポロニコン豊田織機なんて京大一橋早慶でも微勝というか勝ちじゃないか?下手したら大勝

自分の時は就職氷河期だったから、また変わったのか?

2018-12-29

anond:20181229201452

うーん、そのキャリアだと日本大手企業はきびしいんじゃないか

そうなるとベンチャー狙いだけど、正当に評価されるとなると、

ネットコミュニティである程度人脈を作らないと厳しいと思う

自分業界違いだからイメージだけで話をするけど、

イメージ的には

王道なら東京電力とかの電力会社

空力や水力発電会社原子力関係日本電源開発

あるいはそういった会社機器おろしてる日立東芝なんかのメーカー本社ではなく、合弁とかでやってる関連会社)、

もっと小さい会社になると、メーターとかを作ってる会社

今は入りやすいのは本業ガス会社でここ数年電力の営業してる会社とか、

ソーラー発電を新規参入した地方の金と野望だけ持ってる会社

ソフトウェア関係で、そういった電力会社孫請けしてる会社あたりかね

個人的キャリアを生かして働くって言うのは難しそうではあるかな

エネルギー系のソフトウェアベンチャーが一番入りやすい気はする

2018-09-14

原発再稼働してやるからカネをくれ

北海道地震をうけて、何故か「泊原発が稼働していたら」という話が独り歩きしており、それに対する議論がどこまでいっても頓珍漢なのでちょっと書く。怪文書ブームなので丁度良いでしょう。

 大前提として、「泊原発は何故止まってるか」という部分が解ってない人が多い。泊原発が止まっているのは、反原発嫌がらせが原因ではない。コスト時間がかかりすぎるので、北海道電力が投資に二の足を踏んでいるから止まっているのである。「泊をすぐには動かせなさそう」と判断したあと、ガス小売も見込める石狩火力の計画にはスムーズシフトしているので、北海道電力の判断は正しかったと思っているが、残念ながら、今回の地震には間に合わなかった。本当に残念だ、と言う他ない。

 じゃあ何故「再稼働にはコスト時間もかかりすぎるのか」・・・まあ愚問である。どっかの東京の方の電力会社やらかしたので、掛け金が跳ね上がった、簡単に書くとそういうことだ。(関西電力九州電力等60Hzエリアの電力会社さんは経営資源をしっかり振り分けて、再稼働を達成しているが、それは会社としての投資判断の違いなので、ガス火力新設に舵を切った北海道電力とどちらが正しいかとは一概にいえない。再稼働したとしてもペイする投資なのか、単なるバーゲンセール原資になってないか等色々外野からは言われてはいるようだ。)

 超法規的措置で動かせば、とかいうアホもいるが、そもそも2か月ぐらい立ち上げにかかるし、審査が概ね終わっているならいざ知らず、まだ何にも進んでない段階で、何を「超」するのか意味不明である。せめて具体的なプロセス言及してからそういう発言をして欲しい。官房長官否定しているような話を引っ張り出して何がしたいのか理解に苦しむ。

 こういうことを言うと、「電気は命」「原発を動かさないと命は守れない」等々綺麗事をいう人間が出てくる。だから~、その動かすためにはカネも人も時間もかかるんだってーの、大体元が「東京もんの不始末」なんだから、そこまで言うんだったら、東京でカネを集めておくれよ。ロケット飛ばすつもりで、都民1人から1万円ずつ徴収して、1200億円ぐらいあつめたら、いくばくかの足しになるからよ。再稼働しろっていうなら、カネをくれ。

 日本人の悪い癖だが、目的目標があっても、叩きたいやつを叩いて満足したら、あとはなーんもしなくなる。おかしなこと言ってるやついないかなーって検索して、晒して、叩いて、そこで終わっちゃあ原発は動かないんですよ。全く意味がありません。

 

カネ、カネを下さい。再稼働してやるからカネをくれ。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

さて、言いたいことを言ってスッキリしたあとに、何にもしないのも良くないので補足をいくつか書く。

 

1.電力自由化で、償却の終わっていない大規模電源には厳しい時代である

元々、原子力発電投資を40年ぐらいで回収するモデルで、(今後開発が検討されている「安全性の高い原子力発電所」は60年程度と聞いていますが)短期投資回収が重要自由化市場とは非常に相性が悪い。新設を行おうと思ったら、その40年超の長期ビジョン必要となるが、そんな長期ビジョンを見据えてもの考える人が今はそもそもいない。そして、7月のエネルギー基本計画にも原子力発電の新増設は明記されなかった。そのことにショックを受けている人が結構多い。そして再稼働を進めて行くといっても、「コストの方は各電力会社で頑張って下さい、貴方達元々国に頼りすぎです」的な感じなので、大都市圏を押さえている電力会社はともかく地方電力はなかなかに厳しい。「ゼロエミッション電源」「脱炭素現実的選択肢」とか持ち上げられながら割と扱いが悪いので酷い話である

コスト競争力的には、火力であっても、償却の終わった発電所が一番強いので、電力自由化採用した段階で、大規模電源への投資は減衰して予備率が下がっていく(実際海外の事例では下がってる)。それならばやはり総括原価方式が良かったのかというと、人口減少で需要も減少していく段階なので、稼働率の低い発電所は不良資産まりお荷物いである。よくメタボ揶揄されるが、事故を契機としたとはいえ自由化への遷移は不可避だったといえる。

 

2.国の方針である「再エネを中心とした分散電源化」とそれを補う容量市場

 先に触れたエネルギー基本計画新聞等では「再エネ主力電源化」と書かれていたが、それは一部しか表現されていない。正確には「分散電源化」である。出力の不安定再生エネを補う形で、電池コージェネレーションを推進し、次世代EVも普及、他方で水素本戦略に基づき水素転換を進めて行こうというのが国の方針である

 再エネの内、太陽光・風力はコストダウンが激しく、様々な国で取組みが盛んである。それに加えてEVというのがミソで、充電で変動を吸収できる電気自動車再生エネと相性が良く、EV覇権争いの影のパラメーター。アメリカ中国が力をいれている中で自動車業界が死なないように日本も力をいれていく方向になっている。あと水素水素はどうなのかな~、福島復興のために再生エネとか水素かに力をいれているのは見た事あるんだけど、再生エネに比べると随分と影が薄い気がする。うまく回せたら強力だとは思うのだが、正直よくわからない。

 もちろん分散電源化だけでは、大きな容量を取れない。だから大規模電源の更新必要だが、先に述べたように自由化状態では、大規模電源への投資は減衰するので、それを補うために容量市場の創設が検討されている。電源開発インターバル考慮して、使用する年度の数年前(日本は4年前)に市場管理者一定需要量を確保することで、新設電源も安定して固定費が回収できるようにする仕組みである。ただ先行する米英でも課題が多く、日本もまだ制度設計の段階なのでこれからどうなるかはわからない。

3.意外に再生エネに熱心な自民党

 これを言うと驚かれるのだが、自民党は割と再生エネに熱心である

 K元首相が脱原発派になったり、K大臣脱原発なのは有名だが、他にも「原子力より再生エネでしょ」という先生はいらっしゃる。これには「エネルギー地産地消」という地方創生のキーワードがあるのが一つ。さら先生方の地元には、遊んでる土地には太陽光林業立地が近ければ木質バイオマス畜産立地にはバイオガスと色々チャレンジされている経営者の方々が結構いるのが一つ。また先生自身FITバブル福島原発事故を経て、実地で勉強された方が多く、下手な営業マンより全然詳しい。官邸原子力に対して淡泊なのも、この辺りの自民党自身の変化もあるのかなと思ったりする。別に敵対的でも無いが、世論を気にしてかプッシュもしてくれない。

 

4.どう転ぶかわからないプルトニウムの話

 

 元々地震の前でも、使用済核燃料とその中にあるプルトニウム問題存在しており、保管しきれなくなったら原発は止まると言われてきた。それはアメリカを中心とした「核不拡散」という体制に入っている以上仕方ないのだが、もんじゅ挫折し、プルサーマルも少数しか進んでない中で、何故か原子力委員会が7月末に保有するプルトニウムの量を削減する方針を打ち出した。

 いきなりかなり踏み込んだ話になったのだが、一説には、北朝鮮の非核化に関連して、アメリカ日本に再処理路線放棄を打診したのではと言われており、「おいおい、そんなリスクもあるのかよ」と驚いた次第である。昔からアメリカ日本プルトニウム保有量が多いことを嫌がっていたので、「量は減らしますんで勘弁して下さい」で逃げられたらいいのだけど、トランプにとっては北朝鮮の非核化第一なのは間違いなさそうなので、まかり間違ってこっちに飛び火しないことを祈るしかない。(ちなみにプルサーマル頑張れも民間扱いの電力会社マターである

  

最後に:原子力魔法の杖ではない。

 

 地震前、電力関係の人に「原子力発電所すごいですね」というと、大体は「そんなにいいもんじゃないよ」という返事が返ってきていた。謙遜っぽいニュアンスもあったと思うが、「一年の内2,3か月は止まっている」「維持コストべらぼうにかかる」「書類が厳しい」等々、そして最後に言われた「言うほど魔法の杖じゃない」「でもお金をかけないわけにいかないし、きっちりやらない訳にもいかない」 

 原発事故が起こって、最近裁判で出てきた「津波リスクをわざと低く見積もって、投資回避した」話を見ると、どうして「きっちりやらない訳にもいかない」と思ってもらえなかったのかと悲しくなる。やらなきゃいけないことはあると知っていた人はいたのに。さらもんじゅ挫折して、原子力政策行方が全く分からなくなった。安全性確保が大事だということは皆一致しているが、それ以外の部分で、長期的な視点物事を進める人は今いない。電力会社自分のところの原発で手一杯、その他はみんなどこか他人事である

 

アメリカじゃ電力事業斜陽産業から規制産業である日本業界の人たちは恵まれてるよ。」そんな言葉を聞いたのは何年前だったか、遠い昔に感じる。エネルギー関係革新的技術ガンガンまれるわけではないが、一度何かがあって、制度から変わり始めると、変化は早い。エンロンのような仇花もあったが、CO2削減、再生エネの隆盛、原発事故、完全自由化IOTによる技術革新等々、特にここ5年ぐらいは次から次へと新しい話が出て来ている。頭を柔らかくして、ちゃん勉強しないとついていけなくなっている。世界はどう動いているのか、国はどこを向いているのか、組織としてはどうあるべきか、そこで自分は何をすべきか。これからエネルギーのことについて学ぶ方は、SNSにあふれる過度に単純化されたお話に惑わされず、信頼できる書籍等にあたることをお勧めします。多分これからめちゃくちゃ変わるからねー。

 以上怪文書でしたー、そんじゃあねー。

2018-06-19

長野県信州ブランドの謎

東京首都圏近畿地方大都市に住んでいる人間にとって、長野県という地域は大変人である

山や川の大自然に囲まれ観光資源の宝庫として、また軽井沢原村の別荘地のある場所として注目されやす場所だ。

また近年は、大都市に住んでいる人達移住希望地の上位が長野県になっているらしい。

この20年ほど、長野県は県を上げて「信州ブランド」の発信を行っていて、県外の人間長野県への好感度は非常に高い。

それ自体は良いのかもしれないが、実際に長野県に住んでみるというのは、結構過酷場所だと思う。

本屋で売っている長野県観光ガイドや、ターミナル駅に置いてある長野県の案内本を読んでみると、大自然に囲まれ長野県と言うPRがなされていて、それ自体は間違ってはいない。

実際の長野県は、山岳や丘陵地帯ばかりで、人間の住めるような平野盆地は限りなく少ない。長野盆地松本盆地飯田盆地の3か所を除けば、ほとんどが山ばかりである

おまけに、あまり知られていないが、長野県慢性的水不足がひどい地域である長野県西側には北アルプス中央アルプス南アルプスの3000メートル級の稜線が覆っているので、長野県内陸部に流れてくる雨雲はみんなこの山岳地帯に遮られて、雨がほとんど降らない。

逆に、長野県の周辺県は全て一年を通して大量の雨が降り、水に恵まれ場所だ。アルプス山脈西側岐阜県高山地方富山県立山地方は、雨が降り過ぎて逆に洪水対策ばかりやっていることで有名だし、静岡県全域も非常に雨が降る場所長野県内が痩せ川ばかりなのに対し、大井川安倍川は暴れ川として有名だよね。

中信南信はまだマシかもしれないが、上田市坂城町のある東信地方は、日本一雨の降らないエリアとなっていることはあまり知られていないのではないか

平野が少ないうえに、残った土地も痩せているので、作物は育たない。

長野県は「そば」の名産地として有名になっているらしいけど、なぜそばを作らざるを得ない環境なのかを考えてみるのも面白いだろう。

別荘地やリゾート地として有名な白樺湖は、元々は雨が少ない諏訪地方農業溜池として造られたのだ。

軽井沢も雨が降らず、浅間山から吹き下ろしてくる強い風で全く農業が出来ない痩せた土地であり、リゾート地として開発するしか使い道が無かった場所である

大量の雨が降ってコシヒカリなどの米を作ることが出来る新潟や、雨が多く御母衣ダムなどの電源開発地帯として有名な岐阜、滝のような流れの成願寺川や黒部川を有する富山県などの周辺県と比べると、ムリゲーみたいな場所長野県である

長野県が誇る奈川ダム高瀬ダムは利水用であり、それだけでも長野県と言う場所不毛台地であるかが分かるはず。

そんな不毛の地に「信州ブランド」を作り上げた功績は凄いと思うけど、あまり鵜呑みにするべきではないよね。

2014-08-29

【2016卒】文系就職偏差値ランキング 最新版

■■■ 2016卒向け文系総合職就職偏差値ランキング 最新確定版 改8.21 ■■■

【70】→日本銀行

【69】→国際協力銀行 三菱総研

【68】→日本政策投資銀行 フジテレビ 三井不動産 三菱地所

【67】→日本取引所 三菱商事 日テレ 講談社 集英社 小学館

【66】→三井物産 日本郵船 NHK TBS テレ朝 電通

【65】→博報堂 商船三井 テレ東

============学歴不問で勝ち(超一流最大手企業)============

【64】→トヨタ 新日鐵住金 国際石油帝石 JXエネ 共同通信 日経 読売 朝日 準キー 新日鐵住金

【63】→住友商事 伊藤忠商事 ホンダ サントリー 味の素 三菱重工 旭硝子 JFE JR東海 JR東 小田急 京王 阪急 東急 東ガス 中電 NTTドコモ 東急不動産

【62】→丸紅 東京海上 農林中金 関電 JRA 住友不動産 東京建物 昭和シェル キリン

【61】→JR西 大ガス 中日 毎日 時事通信 東燃 出光 日清製粉 アサヒ 日産 富士フイルム 任天堂 三菱UFJ信託 信越化学 川崎汽船

【60】→三菱東京UFJ銀行 日本生命 首都高速 KDDI 豊田通商 デンソー 日揮 JT 日立 三菱化学

―――――――― 地底早慶大勝(超一流大手企業) ―――――――――――

【59】→双日 三井住友銀行 三井住友信託 メタルワン 産経 地電 電源開発 NEXCO中 NTTデータ 東芝 三觜電機 キヤノン 富士ゼロ 川崎重工 コマツ 花王 住友電工 住友化学 三菱マテリアル 東レ 森トラスト ANA 武田薬品(MR)

【58】→三井住友海上 損保ジャパン日本興亜 第一生命 JFC 森ビル 野村総研 NEXCO東西 三菱倉庫 伊藤忠丸紅鉄鋼 富士通 村田製作所 IHI 豊田自動織機 資生堂 旭化成 三井化学 日東電工 住友3M ADK ブリヂストン

【57】→みずほ 明治安田生命 商工中金 ゆうちょ 野村不動産 私鉄下位 阪神高速 JSR 帝人 NTTコム 島津 NTT東西 日本郵便 アステラス(MR) 長瀬産業

【56】→あいおいニッセイ同和 住友生命 パナソニック JR九州 ニコン 古河電工 サッポロ 鹿島 住友金属鉱山 クボタ 宇部興産 昭和電工 積水化学 住友倉庫 ソフトバンク かんぽ生命 野村証券 キッコーマン NEC 岩谷産業 住友重機械 三井造船

【55】→キーエンス ソニー 商工中金 大和証券 りそな銀行 日立化成 日本製紙 日本板硝子 大陽日酸 クラレ カネカ 三菱ガス YKK オムロン コニカミノルタ 明治製菓 大林組 清水建設 竹中工務 三井倉庫 第一三共(MR)

SMBC日興証券 TDK カシオ エプソン ダイハツ 三菱自動車 マツダ 富士重工 ヤクルト キッコーマン 日清食品 日新製鋼 東ソー 阪和興業 関電新日鐵ソリューションズ NSユナイテッド海運 東京汽船 共栄タンカー 日本総研

――――――――― 東大京大勝ち(一流大手企業) ――――――――

【54】→新生銀行 野村信託銀行 大同生命 ダイキン アイシン HOYA 住友ベークライト フジクラ 岡谷鋼機 伊藤忠テクノソリューションズ 日本ユニシス 太平洋セメント 日立金属 三井金属 ブリヂストン カゴメ カルピス 森永製菓 JR北 みずほ情報総研

【53】→横浜銀行 あおぞら銀行 三菱UFJモルガンスタンレー証券 富国生命 日本ガイシ 大同特殊鋼 日本ゼオン 東京エレクトロン ハウス食品 江崎グリコ コーセー スズキ 日本軽金属 日本電気硝子 日本触媒 三菱レイヨン 日本ペイント 関西ペイント トヨタ車体 豊島 きんでん JR四

【52】→シャープ 千葉銀行 静岡銀行 中央労金 オリックス みずほ証券 AIU 兼松 いすゞ ヤンマー ブラザー工業 古河機械 ADEKA 電気化学 トヨタ紡織 アイシンAW ライオン ユニチャーム ワコール 宝酒造 カネボウ 安田倉庫 JAL NTTコムウェア

【51】→福岡銀行 常陽銀行 三井生命 日本精工 TOTO NTN Jテクト 日野自動車 ミツカン カプコン 中外製薬 エーザイ

――――――――――――――地帝早慶妥当―――――――――――――――

2013-12-23

函館市民が反対する大間原発建設



大間青森県の北端で、人口の少ない地域だが、函館からは20キロ程度の距離。

それなのに原発工事を進めている電源開発函館に対して地元説明を全くしていない。

工藤市長を先頭に工事差し止め訴訟を近く起す。


大間原発は3・11、福島原発事故建設が中止されたが、昨年再開。

発電のためというが、本音は貯まりすぎたプルトニウムを減らすため

採算を度外視した国策によるフルMO原発

建設費用がかさむだけでなく、一度原発を動かし、

放射能で汚染されれば廃炉には何千億円とかかる。

今のうちに工事は中止すべき。

プルトニウムを燃料にする極めて危険原発をこれから作ろうという人の気がしれない。



菅直人オフィシャルブログ今日一言

http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-11727375016.html

2013-11-09

2015卒文系就職ランキング

もうすぐ就職活動の時期ですね。

みなさん、最近ランキングはこのようになっているそうです。

69 日本銀行

68 三井不動産 三菱地所

67 三菱商事 国際協力銀行 JR東海

66 三井物産 日本政策投資銀行 日本取引所

65 金融コース別(野村IB含む) JXエネルギー 国際石油帝石 日本郵船

===================東大勝ち=====================

64 住友商事 伊藤忠商事 証券IB(大和日興みずほ蜜モル) トヨタ 味の素 東ガス 商船三井 キー局

63 丸紅 キリン サントリー 旭硝子 昭和シェル 東急不動産 JR東 東急 メトロ 上位新聞 東京海上 新日鐵住金 NHK 準キー

62 農林中金 三菱重工 アサヒ 日清製粉 信越化学 任天堂 東燃 出光 大ガス ドコモ JRA ホンダ 三菱UFJ信託 電通 三大出版

61 日産 三菱化学 日揮 住友不動産 小田急 京王 JR西 阪急 首都高速 川崎汽船 JICA JETRO 三菱東京UFJ銀行 JFE

――――――――――――――地帝早慶勝ち―――――――――――――――

60 日本生命 デンソー コマツ 住友化学 富士フイルム 花王 東京建物 コスモ 電源開発 東武 NEXCOANA 日本郵便 博報堂 JT

59 住友電工 日立 豊田通商 神戸製鋼 キヤノン 三菱電機 富士ゼロ 住友3M 千代田化工 森トラ 西武 京成 京急 NEXCO東西 下位新聞 リクルート KDDI NTTデータ 野村総研 三井住友信託 三井住友海上 三井住友銀行 中電 関電 九電

58 サッポロ 東芝 川崎重工 キーエンス 住友鉱山 JX金属 三井化学 旭化成 日東電工 東洋エンジニアリング 野村不動産 森ビル NTT都市開発 その他私鉄 阪神高速 NTTコム ADK 信金中金

57 東レ 双日 第一生命 損保ジャパン メタルワン 富士通 村田製作所 リコー 明治 豊田織機 IHI 三菱マテ 昭和電工 古河電工 ニコン 島津 飯野海運 五大ゼネコン JR九 三菱倉庫 大和総研 NTT

―――――――――――――――東大妥当―――――――――――――――

56 日本政策金融公庫 明治安田生命 ゆうちょ銀行 伊藤忠丸紅鉄鋼 住友重機 三井造船 日本板硝子 積水化学 日清食品 カゴメ ヤクルト キッコーマン バンダイ オムロン アドバンテスト 三菱ガス化学 王子製紙 クラレ 宇部興産 大陽日酸 武田薬品 クボタ NTT西 下位地電

格付け板より

2011-04-24

"悪" をネタに使うのは "悪" じゃないんですねぇ~

住民もふざけたこと抜かすな

東京電力清水正孝社長は22日午後、福島第1原子力発電所事故福島県富岡町川内村の住民が避難する同県郡山市内の施設を訪れ、事故後初めて住民らに謝罪した土下座する清水社長に対し、住民からは「子供の将来はどうなる」「原発東京へ持って帰れ」などの怒号が相次いだ。

↑上記は日経の記事だが、ふざけんなよ住民も。いままでどれだけの雇用を産んで、どれだけのカネ払ったと思ってるんだ。持って帰れ?まずお前が死にやがれ。

 大体だな、「オラが土地」なんて日本人はよく言うがな、所詮50年か100年しか生きない奴が「自分土地」なんて、なんてエラそうなんだよ。地球規模でみればそんなのはゴミだ。いろいろあったが、多数決原発建設が決まったんだから、しょうがないだろ。誘致したのは民主党渡部恒三、okしたはいまの佐藤雄平知事それから福島県議会議長の佐藤憲保だろ。さらに、電源開発交付金その他でドンだけ潤ったよ。漁師だって危険な海に出なくてすむようになった。それをなくていきなりそれかよ。

 郡山とか、茨城とか、カネもらってない人間が文句言うならわかるし筋も通るよ。もらった奴がガタガタ言うなよ。土地を返せとかサヨクたいな事いってるなよ。カネもらってさっさと違うと来いって働けばいいじゃねぇか。ごねてりゃもらえる金増えるとかそう思っている奴もいるだろう。まぁ、実際にそうだけど(笑)

 いやー、報道をそのまんまでしか見れない奴ばっかりなんだろうねぇ。そういう奴に限って、アホか貧乏人。権利ばかり主張して義務も果たさないし根性もない。あーあ、そんな日本人ならいなくていいよ。死ぬほどがんばるチョン公やシナ人の方がいいんじゃないの?



こいつはヘタレなんで、すぐに消すとは思うけど、とりあえず貼っとくよ

http://www.nikaidou.com/archives/12859

2011-04-08

原発ゆとり脳に送る豆知識

反原発ゆとり脳に送る豆知識に、以下を追記。

更新箇所

火力発電
原子力発電
未来原子力発電
揚水発電
小水力発電

2011-04-06

http://anond.hatelabo.jp/20110406005335

ゆとり脳と言うのはどうかと思うが、大島堅一・立命館大教授の主張は、明らかにおかしい所がある。

過去実績のコストと、将来予想されるコストを混同

過去研究開発費用や、過去原発立地関係の支出が、将来も同様にコストとして計上されるように大島教授は主張している。これは不適切だと言わざるを得ない。

大島教授財務諸表をもとにした、実績ベースの分析でも、火力9.80円/kWh、原子力8.64円/kWh、水力7.08円/kWhと原子力が安い。しかし、政府支出を加算すると、政府補助込みの実績コストでは、火力10.68円/kWh、原子力9.90円/kWh、水力7.26円/kWhと原子力が高くなると、大島教授は主張している。

しかし、政府補助込みの実績コストは、将来コストとは大きく乖離していると考えられる。(大島教授が非公開だと主張する)公開されている政府資料を見る限り、火力・再生可能エネルギー関係の支出も多い。2009年度の原発関係の支出は、1,816億円に過ぎない。電力会社が払っている電源開発促進税3,292億円と、16兆円を超える電力会社の売上から考えると大きな値とは言えない。大島教授の分析は1970~2007年度のデータに基づいているため、近年の状況を良く反映していないと考えられる。

つまり、政府補助を加味しても昔のコストと、今のコスト、将来のコストは異なるため、近年の状況を反映していない大島教授の主張は妥当性を欠く。

揚水発電所を原発のための施設として捉えている

大島教授は、以下のように揚水発電所を原発のための施設としているが、これは誤りだ。

ここで注意が必要なのは原発は出力調整が出来ないため、需要の少ない深夜電力で水をポンプで上げて貯水し、昼間に発電する「揚水発電」をしている点だ。原発コストは「原子力+揚水」で見なければいけない。

既存原発をフル稼働しても、朝5時の最小需要にも届かない。原発の昼夜の供給調整には、現状では必要は無い。

実際は火力も起動に時間がかかり、発電効率の観点からは出力を変動させない方が良いため、揚水発電所が必要となっている。ただしLNG火力は起動時間が早いとされ、必要性は低下しているそうだ(2~3時間で100%出力)。

風力・太陽光・太陽熱・地熱も、需要に応じた発電調整が不能であるため、揚水発電所が必要となると考えられる(例:国内電力の9割を再生可能に:イスラエルでの提案)。もちろん現状では原発と同様に、供給能力が低いため問題にはならない。

六ケ所再処理工場稼働率が低くなる理由が十分に説明されていない

大島教授は、六ケ所再処理工場処理能力が大幅に不足していると主張する一方で、六ケ所再処理工場の稼動率を100%にする事が不可能だと指摘している。しかし、海外の稼動率実績を引用しているが、それらがなぜ稼働率が低いのかの説明は無い。

処理すべき使用済み燃料が無い場合は、再処理工場稼働率は落ちる。この意味では、使用済核燃料が大量にあるのであれば、稼働率100%に近づく。単に稼働率を列挙されても、説得力に欠ける。

anond:20110405190256

核燃料廃棄コスト補助金投入まで含めた維持、管理コスト

以下のように明記してあるため、加筆修正の必要なし。

  税金補助金関係は、詳しくは「資源エネルギー関連予算案の概要」「電気事業と税金 2010」を参照。
  5.9円/kWh程度と、低コスト。これは廃棄費用原子力発電施設解体引当金見積額と原子燃料サイクル・コスト)も計算に入れている。
  現在原発補助金に頼っていない。原子力関連の補助金は1,816億円で、電力会社が払っている電源開発促進税は3,292億円。

だが、以下のように、増田の「論理的」主張を完全に否定する見解研究者から示されている。

ゆとり脳は、どっちなんだろう。

東日本大震災福島第1原発事故 原発問題点を聞く/上 /京都

http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20110403ddlk26040355000c.html

 

 東日本大震災で発生した東京電力福島第1原発事故放射性物質流出拡散は多方面に巨額の経済的被害をもたらし、他の電力会社も含めて安全対策の大幅な見直しを迫られている。事故からエネルギー費用計算原発政策の問題点を指摘し、昨秋に原子力委員会で識者として提言した大島堅一・立命館大国際関係学教授経済学)に原発に関する問題点などを聞いた。 【聞き手・太田裕之】

 

 ◇事故から最も割高--大島堅一・立命館大教授

 --まず、原発費用の分析結果は?

 

 ◆原発では、(1)発電に直接要する費用燃料費減価償却費保守費など)の他に、(2)原発に特有の「バックエンド費用」(使用済み燃料再処理費、放射性廃棄物処分費、廃炉費)(3)国からの資金投入(開発・立地のための財政支出)(4)事故に伴う被害と被害補償費--を考える必要がある。

 

 (1)(2)は料金原価に算入されており、この合計を発電単価とする。電力9社が公表している有価証券報告書総覧のデータ(1970~2007年度の合計)を経済産業省の料金算定規則に基づき電源別に推計すると、1キロワット時当たり、火力9・80円▽原子力8・64円▽水力7・08円だった。

 

 ここで注意が必要なのは原発は出力調整が出来ないため、需要の少ない深夜電力で水をポンプで上げて貯水し、昼間に発電する「揚水発電」をしている点だ。原発コストは「原子力+揚水」で見なければいけない。水力のうち、揚水は51・87円、一般水力は3・88円。「原子力+揚水」は10・13円となり、火力を上回り最高額となる。

 

 --(3)の財政支出はどうなってるのか?

 

 国家財政からの資金投入は、一般会計と電源特会から行われている。電源別に計上された財政資料は存在しないため、「国の予算」を基に可能な限り再集計した。1970~2007年度の合計で見ると、95%が原子力に費やされていた。火力の106倍、水力の27倍だ。

 

 そして、(1)(2)に(3)を加えた「総単価」を電源別にみると、原子力10・68円▽火力9・90円▽水力7・26円。一般水力3・98円、揚水53・14円で、「原子力+揚水」は12・23円に跳ね上がる。原発安価はないどころか、国民にとっては最も割高であることが明らかになった。

 

 --バックエンド費用に問題があると指摘されているが。

 

 原発の最大の課題は放射性廃棄物処理・処分を含む発電後の放射性物質の扱いだ。使用済み燃料の再処理を含む核燃料サイクル事業、放射性廃棄物処理輸送・処分、原子炉の廃止措置など(2)の「バックエンド費用」は04年の政府審議会報告書で総額18・8兆円とされた。前述の単価計算でも含んでいる。

 

 ここで問題なのは劣化ウラン、減損ウラン高速増殖炉で利用できるとして廃棄物に分類されていないことだ。だが高速増殖炉の見通しが立たない現状では廃棄物として加わる恐れがある。また、使用済みMOX燃料(ウランプルトニウムを混ぜた混合酸化物燃料)の再処理または処分の費用も含まれていない。さらに再処理費(11兆円)に算入されたのは使用済み燃料の半分しか対応しない六ケ所再処理工場だけで、単純に考えて全量では倍額になる。高速増殖炉サイクルに関する事業も含まれていない。

 

 そして、これらの事業は世界でも大規模な実施例がない。高レベル放射性廃棄物とTRU(長半減期低発熱放射性)廃棄物は処分地が未定だ。不確実な再処理工場稼働率考慮すると、現在バックエンド費用見積もりは過小評価はないか海外の再処理工場の実績稼働率は07年で仏56%、英4%。政府が想定する100%は不可能で、実際には数倍に膨れ上がる恐れがある。

 

 --こうした指摘に対し、反応はどうか。

 

 これらの調査・分析の結果講演会などで報告し、昨年3月に東洋経済新報社から出版した。昨年9月には原子力委員会原子力政策大綱を見直すかどうかの検討で識者として意見を述べた。その場でも疑問や反論があれば議論して正確にしたいと要望したが、特に大きな反論はない。公表データに基づいているので、反論しようがないのではないか

2011-04-05

http://anond.hatelabo.jp/20110405173655

質問に関して

拡散と余剰プルトニウムについてのリスク評価

現在日本にあるプルトニウムが、核拡散につながる理由が不明。

「余剰」プルトニウムは、高速増殖炉計画で必要になるため、余剰になるとは言えない。

また、どちらもIAEAなどから苦情が出ているわけではない。

核燃料廃棄コスト補助金投入まで含めた維持、管理コスト

以下のように明記してあるため、加筆修正の必要なし。税金補助金関係は、詳しくは「資源・エネルギー関連予算案の概要」「電気事業と税金 2010」を参照。

「"原油2004年から2011年の間に5倍"とだけ挙げて、天然ガスに触れない」という指摘に対して不適切だと示すURL呈示

原油価格5倍は、NYMEX4月先物(WTI)の価格ではあるが、ドバイシンガポールでも傾向は変わらない。

また、LNG価格は、化石燃料価格は代替性がある、つまり価格連動性が高いので省略した価格についての情報を確認した場合は、「グラフで見る石油2009」のP.33を参照。

新興国需要の増加で、化石燃料価格が上昇傾向である事は、概ねコンセンサスが取れている事象。今後も上昇傾向である事も、一般的な認識だと思われる。

原発に関する環境問題

放射能漏洩による汚染を過少評価していると批判されているのか、それ以外の二次冷却水の廃熱による環境変化などが抜けているのか指摘が明確でない。

前者であれば、原発周辺に一定レベル放射能漏洩したのは、チェルノブイリ福島第一だけになるので、表現としては妥当だと思われる。

後者であれば、具体的な事象を問題を指摘している人があげるべき。

事故発生による外部不経済に関して

今回の災害が、確率的に発生し、かつ被害が防止が不可能だと判断するのであれば、原発限界コスト災害被害額×災害確率を勘定することはできる。

今回の災害被害が、防止が可能な有効な対策があれば、限界コストに対策費用を勘定することになる。

原発コストに加えるべきなのは災害被害額×災害確率もしくは、災害防止コストになる。

もちろん事故災害の調査が済んでいない以上、誰にも適切な評価は不可能論理的な原発推進派と、論理的な反原発派では、限界コストの再評価で見解の相違があるのだと考えられる。

また、社会的厚生関数にはリスク回避度も入ると考えられるため、同じコストでも個人のリスク選好度で評価が変わる。論理的な原発推進派と、感情的な反原発派では、リスク回避度による心情的な違いがあるのだと考えられる。

質問への回答に関して

質問や指摘には建設的に応えるべきだ。

はてな匿名ダイアリートラックバックをお待ちしています。

特に、出典の少なさは私も気になる。

学術論文はないので、出展や引用は極力減らした

2011-04-04

原発ゆとり脳に送る豆知識

技術特性を見ないで原発を訴えるゆとり脳に贈る。

火力発電

原子力発電

未来原子力発電

水力発電

揚水発電

小水力発電

風力発電

太陽光発電

太陽熱発電

地熱発電所

メタンガス発電

バイオマス発電

  • CO2は排出するが、材料の廃材などは発電に使わなくても分解されCO2を排出するため、カーボン・ニュートラルだと考えられている。

潮力発電

  • 潮の満ち引きを利用して海水を堰で蓄積し、それで発電を行う。
  • 発電量は調整・計算可能
  • 日本では発電に適した所が少ない。

コスト計算に関する補足 ※

2011-04-03

http://anond.hatelabo.jp/20110403163635

日本という国と各電力会社がどれだけ代替電源開発に金と人間を注いでいるかを調べてみると良いね

エネルギー対策特別会計

http://anond.hatelabo.jp/20110403125313

福島でとんでもない災害が起きた。経済的にも大きな被害が出るだろう。

でも死んだ人はまだ少ないし、例えば現状のまま原子炉が止まれば福島はまた人が住める土地になるだろう。

これが現状。

話変わって、代替電源として考えられる化石燃料による発電。

資源のない日本は燃料を輸入するわけだけど、燃料価格の上昇があった場合、火力ばっかりで発電をするなら電気料金を上げるしか無い。

もし石炭価格が倍になったとき、そのまま電気料金に反映されたらどれだけ競争力が失われるか、どれだけの人間が路頭に迷うか、考えたことはある?

オイルショック以後も何度石炭天然ガスの値段が短期、長期的に上昇したことはあったけど、それでも電気料金が大きく変動しなかったのは原発由来の電力での調整してたから。

もし原発事故による経済損失を軽く見積もっていたのならそれは見なおさなきゃならないだろうね。

でも、原発をやめて全部火力系電源に切り替えたとして、燃料費高騰によって原発事故以上の経済損失、人的被害(不景気になると自殺者が増えるよね)が出るようではエネルギー政策としてだめなんだよ。

それが見るべき現実

ちなみに、電力会社政府原発なんてなくせるもんならなくしたいんだよ?しょうがなく選択しているだけ、日本という国と各電力会社がどれだけ代替電源開発に金と人間を注いでいるかを調べてみると良いね

ちなみに、もし君が代替に太陽光や風力や地熱を使えと言うなら、勉強をして出直したほうが良い。

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