はてなキーワード: 黒鉛とは
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溶融塩炉は1950年代から存在していたが、アメリカは1970年代にそのほとんどを見限り、それまでにすでに多くが建設されていた水冷式原子炉を支持した。
だが近年、ケイロスをはじめとする企業や研究所が、塩冷式原子炉を再検討しはじめている。
「工学上の細部が決着すれば、冷却材としての塩は、水よりも断然優れている」とスミスはBusiness Insiderに話した。
溶融塩炉は、高温で水を液体に保つための分厚い圧力容器を必要としないため、設計上の柔軟性が高まるとスミスは言う。
たとえば、原子炉が水冷式よりも小型化され、さまざまな場所につくることもできる。
「言ってみれば溶融塩炉は、溶融塩炉以外では不可能な、設計上の多くの選択肢を開くものだ」とスミスは言う。
「低圧のパラダイムへ移行すれば、建造がずっと容易になる」
へき地や船舶、大規模発電所など、「溶融塩炉は、あらゆる領域で次々に導入されるだろう」とスミスはつけ加えた。
ヘルメスは、最高で華氏1200度(摂氏650度)で稼働する。だが、冷却材である溶融塩(FLiBeと呼ばれる、フッ化リチウムとフッ化ベリリウムの混合物)の沸点は華氏2606度(摂氏1430度)で、炉心の温度よりもはるかに高い。
したがってFLiBeは、稼働時の高温でも液体の状態に保たれ、圧力を加える必要はない。そのおかげで、原子炉の建設が容易になり、コストも安くなるはずだとスミスは言う。
ケイロス・パワーが提案する燃料も、従来の原子炉のものとは異なる。同社は「TRISO」(TRi-structural ISOtropic:三重等方性)被覆燃料粒子(ウラン酸化物を黒鉛やセラミックスで被覆した粒子型の燃料)を用いる計画だ。
米エネルギー省原子力エネルギー局によれば、この燃料は、現行の燃料と比べて極端な高温に耐えられるため、核分裂生成物が放出されにくいという。
残る課題は
スミスは腐食について、「酸素はいわば、溶融塩が腐食する際の原動力だ」と説明する。そのため、塩が酸素にさらされる状態を抑制することが課題になっている。「まったく同じプロセスではないが、原理としては、他のどの冷却材とも変わらない」とスミスは言う。
また、溶融塩炉が抱える他の欠点について、カナダのブリティッシュコロンビア大の物理学者であるM・V・ラマナ(M.V. Ramana)教授は2022年、「数種類の廃棄物の流れが生じるが、そのすべてについて徹底した処理が必要となり、廃棄に関連した課題に直面することになる」と書いている。
スタンフォード大学の研究者などが2022年に発表した研究によれば、溶融塩炉で生じ得る核廃棄物は、現在のシステムよりも多く、「用いられる燃料と冷却材は、腐食性および自燃性が高く、照射後は高レベル放射性になる」という。
結晶の構造みたいなもの。リスト構造とか種類があるが、元素のように新規に人類が新規に発見するのは困難になりつつある。
【アルゴリズム】
たとえば黒鉛は炭素の同位体であるダイヤモンドに変換できる可能性があるが、その変更プロセスは多種多様である。コストやエネルギー効率のためにベストな方法をチョイスされるように、計算量という律速段階のようなもので比較される。
1mol が 6.0e23 個の原子と同じように、1バイトは8ビットである。バイトにするメリットは、英語圏だと 1バイトも有れば日常で使う文字はコンプリートできるのだ。
計算機で使われる浮動小数点数は実は実数ではない。たとえば、0.4f - 0.3f は 0.1f でない。ただし、0.5f - 0.25f は 0.25f である。
【オブジェクト指向】
フッ素分子(F2)を作ろうとした努力をプログラミングでもやろうとしたもの。
【アスペクト指向】
ポインターをインターセプトするための道具。電気泳動するためのツール。
【オライリー】
【インフルエンサー】
錬金術師(対価はカモの財布)
【JAVA】
【Ruby】
Al2O3。
【Perl】
Pearl でない。
ここ10年ぐらいで滅茶苦茶美味くなったよなあかき氷。
実態としてはかき氷が必死になったと言うよりも製氷業が死にものぐるいになったんだけど。
食ったこともない癖に「どうせインスタ映えでしょ~~」で終わらせるのは勿体ないぞ。
1杯600円するにゃあするけど明らかにハーゲンダッツ2個分の満足感はある。
単純に氷の構造そのものが昔のショボイかき氷とは全く別物になってる。
大盛りのかき氷のほぼ全てが新雪よりも柔らかい物質によって構成されてる。
スーパーのアイスケースに1個80円で売ってるようなパックのかき氷とは全く別次元の物体だ。
昭和の海の家で売ってたかき氷が1杯300円で原価20円だったけど、今のかき氷は1杯600円で原価200円ぐらいの代物だ。
全く別物になってる。
だから復活した。
復活したというよりも、既存の製法を踏み台にした別物が新たに誕生した。
日々生まれ変わり、新しいものになっているけど、過去の存在から地続きになっているからずっと同じものが生きているように扱われているだけ。
たとえばラーメンなんて昭和の頃のボソボオして臭くてうま味調味料とコショーの味に頼ってただけの料理だったらとっくに消えてたよ。
炎が出ないのにお湯が沸く?
おねえさんどうしたの?
この水車に水を流すと…
うわぁ。電球が明るくなったぁ!
これが水力発電よね。水の落ちる力を水車と発電機で電気に変える。
そうだね。沸騰しているやかんの口のから出る湯気に水車を近づけても電球がつくよ。
ちょっとやってみるわね。
うわぁ。点いた点いた。
これが火力発電の原理なんだ。石炭や石油やガスを燃やして、お湯を沸かして水車を回す。
水でも火でもないものから電気ができるなんて、おねえさん、よくわからないわ。
いいわよ!
じゃいくよ!
ここは?
紀元前2000年ころのインダス文明の古代都市モヘンジョダロだよ。
どーん。
キャー、すごい光と爆発だ。
どうしたの?
これは、ラーマーヤナという古代インドの書物に書かれていた大気圏内核爆発の瞬間だよ。
ラーマーヤナの雷(いかずち)ともいわれているよ。
今、近づくのは危険だから4000年後のモヘンジョダロにいってみよう。
たいへんだ。たいへんだ。
あの人はだれ?
石がガラスに?!
ちょっと解説しよう。石や岩はとても高い温度になるとガラスのように溶け出すんだ。
でも、石が溶けるには、1000度から1500度の高温になる必要があるんだ。
現代でもこの温度を作り出すには、たくさんの燃料を燃やさなくてはならないのに古代にそんな大きなエネルギーを発生させる技術があったとは考えにくいことなんだ。
そうそう。その疑問を解決する答えは、核です。
モヘンジョダロは核で攻撃を受けたのです。核を使えば、一瞬にして高温を発生させることができる。
石をも融かしてしまうことができるのです。
へー。核の持つエネルギーってすごいのね。
そうなんだ。原子が分裂するときに発生するエネルギーは、とても大きく普通に火が燃えるときと比べて莫大なエネルギーを発生させることができるんだ。モヘンジョダロが核攻撃を受けたことは仮説のひとつなんだけどね。
へー、原子の持つ力ってすごいのね。でも、原子ってどーんと爆発したりして怖いわ。
黒い鉱石の中から新しい元素を見つけたぞ!最近見つかった新しい惑星の天王星(Uranus)にちなんでウランと名づけよう!
そうなんだ。このころは新しい元素を見つけるのが流行っていたんだ。
次行ってみよう。
ここは?
1896年のフランスだよ。あの人は、物理学者のベクレルさんだよ。
これはすごいウランには他からエネルギーを与えられなくても放射線を発生する能力(放射能)があるぞ!大発見だ!
あの女の人はだれ?
ウラン鉱石を手作業で砕いて、不純物を取り除いているところなんだ。
ウランを手で触ったりして危なくないの?
このころは、放射能についてよくわからなかったから、最先端の研究者といえど何の防備もなしに放射性物質を扱っていたんだ。今では考えられないことだね。
1903年にベクレルさんとキュリー夫妻は、放射能発見の業績によりノーベル物理学賞を受賞したんだ。
この世紀の大発見により、光り輝く放射性物質は、人類に幸せをもたらす魔法の物質として一気に研究が進んでいくだ。
ベクレルさんもキュリー婦人も、そのあとによくわからない原因の病気で亡くなってしまっているんだ。
扱い方を誤ると放射性物質は怖いのね。
ここはどこ?
ここはスウェーデン。あの人は、物理学者のシーベルトさんだよ。
放射線は人体に危険なのです。核エネルギーを人類の平和のために使うには放射線の危険性をきちんと理解しないといけません。
シーベルトさんは、放射線が人体に与える影響についての研究で有名なんだ。
研究が進んでいくと役に立つところと危ないところが徐々にわかってきたのね。
どーん。
キャー。また爆弾?
放射性物質は核分裂を起こすと莫大なエネルギーを生み出す。この力を戦争に使おうとする研究がさかんになっていったんだ。
やっぱり、原子力って怖いじゃない。
そうなんだ。太平洋戦争のときに使われたのは、この技術を応用した核爆弾だったんだ。アメリカは、核の力で日本の長崎と広島を一瞬にして消し去ってしまったんだ。
ここは?
あの人はだれ?
あっちの人は、だれ?
あの人は、アインシュタインさんだよ。
えー、あのアインシュタインさん!
でも、ぼくはとんでもないことをしてしまった。
こんな僕だけど、許してください。
ぜんぜん、役に立つ原子力じゃないじゃない。アインシュタインさんでさえ後悔しているわ。
それじゃあ、原子力発電の元になる原子炉をはじめて作った人のところにいってみよう。
一気に爆発せずに核分裂反応を一定にすることに成功したぞ!やったーやったー!
フェルミさんたちは、黒鉛のブロックを積み上げた中にウランを入れ、核分裂連鎖反応を起こすことに成功したんだ。カドミウムから作られた制御棒を使って、出力が一定になるように調整できるようにしたんだ。熱をコントロールできるだけで、電気はできなかったんだ。
でも、すごいじゃない!フェルミさん。
そして、ここは、1953年12月8日、ニューヨークの国連本部だよ。
あの人はだれ?
歴史の何ページかには、確かに『偉大な破壊者』の顔が時おり記録されてはいる。ただし、歴史書全体を見れば、そこには人類の果てしない平和の希求と、人類が神から与えられた創造の能力が示されている。
アメリカは、冷戦下、ソ連との軍拡競争の中で、核ミサイルを中心とした軍事向けの原子力と生活に役立つ発電に使う平和利用の原子力の2本立ての核開発を行っていったんだ。
その方針の下、同盟国の暮らしを豊かにするために原子力の技術を使った発電を広めていったんだ。
そのあと、1956年にイギリスで、1958年にはアメリカで実用化されたんだ。
日本では、1966年に茨城県の東海村で日本初の原子力発電所がスタートしたんだ。
戦争で原爆を落とされた日本国内では、原子力に対して強いアレルギーがあったんだ。
反対運動もすごかった。
原子力は、石油・石炭、電気に続く「第3の火」として平和で豊かな生活に役立つものとして宣伝されたんだ。
新聞では「ついに太陽をとらえた」という原子力の平和利用をアピールする記事も掲載され徐々に原子力への期待が高まっていったんだ。
それが今の日本の発展につながっているんだね。
ちょっと待って、原子力が電気に変わる秘密を教えてもらっていないわ。
おねえさん、ごめんごめん。
原子力発電所では、ウランの核分裂で発生した熱を利用して、お湯を沸かしてタービンと呼ばれる水車のおばけを回しているんだ。
あれれー。やっぱり水車が回って、発電機を回してエネルギーを電気に変えるのね。
でも、原子力のすごいところは、1グラムのウランから、石炭3t、石油2000リットル分の熱を取り出すことができるんだ。
これはとてもすごいことなんだけど、実際は取り出したエネルギーの3割が電気に変わって、残りの7割は廃熱として海に捨てているんだ。ちょっともったいないね。
ただいまっと!
なーんだ。核融合とかプラズマとかすごいことしているのかと思ったら、原子力もお湯を沸かして発電していたのね。ちょっとがっかりしちゃったなぁ。
この夜景は原子力の賜物なのね。やっぱり原子力ってすごいのね。おねえさん、ロマンチックな夜景を見て、原子力を見直しちゃった。
プログラマーという人々は、機会があるたびに自分が書いたプログラム・コードを整理する。
日々の追記作業で複雑になってしまったプログラム・コードは、もう近づくのも嫌なほどの、腐臭を漂わせる。
そうなってしまったら、楽しいはずのプログラム作業もイヤイヤやることになってしまう。
だからコードを整理する。この作業は”リファクタリング”とよばれている。
コードを整理することに血道を上げてきたプログラマーの私だが、
しかし自宅のキッチンはほとんど使えていなかった。カレー調理後の脂まみれのシンクに皿が重なっているのをみるたび、「俺ってずぼらだなぁ…」と嘆いていた。
でもある日ふと思いついて、キッチンも”リファクタリング”してみた。
ずぼらの皆さんの役に立つかもしれないので、ここに紹介します。
こういう「なにかをする度に必ず必要になる」そういうコードはプログラマーの世界では”ボイラープレート”と呼ばれて、蛇蝎のごとく嫌われている。
キッチンばさみを使おう。
左右に分割できるタイプが綺麗に洗えて良い。
で、鍋やフライパンの上で、切る。
唯一困るのは、カボチャが切れないことだが、それはカットカボチャを買ってくることで対応する。
玉ねぎのみじん切りは、ちょうどよいサイズの器に適当に割った玉ねぎを入れ、ハサミを突っ込んでメッタメタに切り刻む。
本職のシェフは怒るだろうが、私達はシェフじゃない。プログラマーだ。
三角コーナーはダメだ。三角コーナーは構造が複雑すぎて、綺麗に洗うのがとても面倒くさい。
受け皿のリングに網の袋を取り付けるタイプもダメ。網を取り替えるため常に清潔になるが、網を付ける構造が複雑なので、その作業がいちいち面倒くさい。
ゴミの溜まった網を取り外す→手が汚れる→生ごみの袋にゴミを捨てる→新しい網をとろうとするが…しかし手が汚れてるんだった。洗う?いやちょっとまて、今はシンクに網がついていない。洗うとゴミが吸い込まれていってしまう… ああ面倒くさい。
浅くて、取り外しやすい受け皿に取り替えよう。
深い受け皿はダメだ。あなたは夏の日にぼたもちを受け皿に落として忘れてしまう(一週間後に白くなっている。表面がうごめいている)。
網が張っているものではなく、曲げた板にたくさん穴を開けたもの(パンチングストレーナーという)、を買うといい。
http://item.rakuten.co.jp/a-life2010/sp-208/
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1080401710
ただし、2つ買う。
今使っている受け皿がゴミでいっぱいになったら、それをとり外し、即座にスペアに取り替える。
受け皿のゴミを生ごみの袋に移したら、シンクで受け皿を綺麗に洗う。移しきれなかったゴミは、たった今取り替えた受け皿にキャッチされる。
このサイクルを繰り返すことで、常に清潔なシンクが保たれる。キープ・イット・清潔・シンク。
貯めといた食器を洗う作業が憂鬱だ。
ならば食器洗い機を買うか? …ダメ。高級なのは問題にならないとしても、食器洗い機自体を洗うのが、とても面倒くさ(そうだ)。置く場所も確保しなければならない。
食器を少なくする。
表面がつるつるしたもの、セラミック製やホーローが良い。フォークなどは角ばっていないものが洗いやすい。
そして、それぞれ1つずつしか持たない。
食べるためには必ず洗わないといけないので、食器を洗い場に貯めておくことがなくなる。
鍋を吹きこぼす。するとコンロの周りが致命的に崩壊していく。受け皿が汚れ、コンロ自体が汚れ、コンロを置いとく台も汚れ、更に悪くすると床まで汚してしまう。
放置しておくとカビが生えたり、白くなったりする(うごめく)。
火力が弱いのが難点で、チャーハンを上手く作れないが、マヨネーズを使うことで解決可能(google:チャーハン パラパラ マヨネーズ)。
こびりついた茶しぶが取れない。
洗剤をつけるスポンジの他に、メラミンスポンジを導入する。
水をつけて使う。使うたび、消しゴムのように削れていく。こびりついた汚れにはこのタイプのスポンジを、油汚れには洗剤のスポンジを、と使い分ける。分割統治だ。
ふきんを引っ掛ける、ふきんを取る、のが地味に面倒だ。
引掛けそこなって落としてしまったり、上手く取れなかったりする。
100均で、コードリール式の携帯の充電ケーブルを買ってくる。
こういうやつだ。
http://nhnl.yosshi7777.com/archives/2110/
コネクタ部分を切り落としてキーホルダー用の小型カラビナgoogle:小型カラビナを付け、ふきんに結びつける。
それをキッチンのシンクの上などに付けておいて、皿を洗うタイミングで、引っ張りだす。
洗い終わったら、長めに引っ張って話すと、スルスルと収納されていく。
オーブントースターでちょっとチーズトーストを焼きたい。チーズってあったっけ?あ、ピザ用チーズがあるや。
ずぼらである私達は、シンクでパンの上にチーズを盛ったりしない。オーブントースターの中でやろうとしてしまう。
すると、チーズはバラバラこぼれ、オーブントースターの中に落ち、加熱すると黒鉛を発して炭化する。
そうなるともう、掃除は不可能だ。
レンジとトースターが一体になったものを使う。多少値が張るが、優先すべきは”面倒くさくないこと”だ。
回転台のないものを選ぶとよい。回転テーブルを洗う手間が省略できる。
機能が破綻しそうになる、その”匂い”がする度に、プログラマーはプログラム・コードをリファクタリングするのです。
ずぼらの皆様のキッチンも洗練していくでしょう。
それでずぼらが治ることはありませんが、キッチンの機能を引き出すことができます。それで十分なのです。
そして、ふつうのずぼらの上を行ってください。
お前はチェルノブイリの何を知ってるんだ?という気分になるな…(溜息)。福島が大変な事故だったことは否定のしようもないが、チェルノブイリは石棺にする他なかったのに対して、福島第一はまだぎりぎりコントロールできてる範囲だし。日本でチェルノブイリ級やったら、人道的な範囲での処置なんてできないし、決死隊構成するような統制能力もないから、本当に打つ手ないけどね...
http://ja.wikipedia.org/wiki/リクビダートル
単にリアクターがパンクしただけってのと、黒鉛炉が大気中で盛大に燃え上がったのとでは全く漏れっぷりが違うんだけど、そこ、定量的に言えるの?
体中の血管に、ドブから汲みとった汚水を流し込んだような気持ち。
白い画用紙を尖った黒鉛筆でぐしゃぐしゃに塗りつぶしたような、軋んだ暗さ。
僕の気分を包んでいたのは、そういう黒みだった。
意味不明な無力感にかられて、マクドナルドで隣にいる女子高生の笑いは僕をあざけっているようにしか思えなかった。要するに、僕は軽度のうつ病になっていた。
ライフハックも自己啓発も全部試した。結論からいえば、全部無駄だった。安定剤を飲めば、マシになったけど、根本的な解決じゃない。
ポジティブシンキング、NLPとやらは僕の無力感をかきたてるだけだったし、
GTDで生産性の高い日々を送ろうとしても、結局つみあがったタスクは僕をGTD(ゴミとツナ缶を混ぜあわせたような、どうしようもない気持ち)にさせただけだった。
ある日、ふと思った。走ろう。気がつくと、いつもより足を高くあげて、いつもよりうでをふっていつもより早いスピードで土手を移動した。
それだけだ。要するに、走った。そしたら、汚水はどぶどぶどぶと体から抜けていった。気分がしゃんとした。りんりん、しゃらしゃらという鈴虫の音が僕を励ましてくれているような気さえした。
僕は走るのが死ぬほど嫌いだった。ゴキブリをすりつぶしてつくったチョコムースケーキよりも吐き気がしていた。なぜかって、強制されてやっていたから。
マラソン大会、部活動、体育、なんでこんな胸がきしみ、視界ぼやけ、足ゆれる、しんどいことをするのか疑問だった。
けど、今ならわかる。なぜなら、走るのが楽しいからだ。ただし、強制されなければ。強制するというのは、ものごとを嫌いにさせる一番効果的な方法だ。強制されていると思うならば何も楽しめない。たとえ篠崎愛ちゃんのおっぱいを、水をたゆたゆと染み込ませた太筆で、ゆすゆすと撫でる作業だとしても、強制されたら、それは拷問だ。
自分の意志でやるだけで、自分からやるだけで、走るのはとても楽しかった。
楽しく走るコツは簡単だ。強制しない。つまり、ペースや距離を具体的に決めない。課さない。
じゃーっとはして、ひーふー休む。どしゃー、ぜーはー、どりゃー、ひーふー、走って休んで、走って疲れて。これを繰り返すだけ、そこには自分の意思しかない。だから、楽しい。そもそも強制された運動が大嫌いだから、自分で「何キロ走る」とか決めると、それだけで嫌になる。だから、決めない、ただ走る。それだけ。
それだけのことで僕の気分は改善した。
僕らは、生物的にいえば、運動していた時期のほうがずっとずっと長い。数十万年以上、サルとして、運動してきた。運動しなくなったのなんて、せいぜいここ数十年の話だ。人間の体は、オフィスでパソコンをながめて、コードを打ち込むように、できていない。ずっと座ってじっとしているようにできていない。だから、デスクワークだけの生活は、暗黒コカコーラを1・5リットルがぶ飲みするようなものなんだ。ライフハックに効果がないとはいわないけど、せいぜいここ数年でブロガーが編み出したやり方が、人類がその遺伝子の中で培ってきたやり方に勝つわけがないんだ。
人間は動くようにできている。お猿さんとして、ネアンデルタール人として生きてきた歴史はそういうものだ。ちなみにおさるさんは、縛って動けなくするとすぐに発狂する。
動かないってのは、つまりは発狂するための訓練をしているようなものなんだ。
ただ、走る。難しくない。いつもより足を高くあげて、前に進む。それだけだ。それだけのことが、どんなライフハックよりも効果的だった。
走ろう。無力感を打つ消すために。
走ろう。そよそよ風とか、しゃんしゃる鈴虫とか、緑とか、朝日とか、そういう素晴らしいものを、ありのままに味わうために。朝、いつもより30分早く起きて、家の周りでもいいから、どばっーと走る、それだけでいいから始めてみよう。走ってみよう。きっと、それはすごくいいことのはずだから。
さて、僕はオナニーするよ!そして、寝るよ!そして、走るよ!
おやすみ!!