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2020-06-15

anond:20200615191413

理屈を捏ねくり回して自分にとって都合の良い解釈をしたところで他人には何一つ響かないか意味はないよ。

この一連の書き込みの中でもあなたの心は随分揺らいでいるよね。最初書き込みや、今回のように開き直ってみたかとおもえば、人を不快にしてしまう事が怖いと言ってみたり。

結局、それが本音でしょ?うまく人と関われない。それが辛い。

その辛さをうまく内面化できないから、外部に責任所在をぶつける。

まりあなたのいう「自己肯定」を強化するために増田に書き込んだら思いもよらぬ反論が一気になだれ込んできて、反論する気持ちと心の中の本音とがないまぜになってしまっている。

意味はあると思っています他人に響かないかも知れないけれど、自分の考え方を自分自身で考えるという意味で。

対立する人や嫌な人で、意見の合わない人とやり取りしていても、感情的になって結局、放り出すしかなくっても、何か自分のためになることはないわけではありません。

自分のためだけではなくもしかしたら、社会だって役立つかも知れない。

 

揺らぐのは当然です。考えがはっきりまとまってるとまでは言えない。

会話しながら、あんな事もあったなこんな事もあったな、色々考えますよ。

それが人間じゃないですか。

 

あと、反感を買うだろうというのは、元増田を書く時からそれは分かってるってことは、元増田にそうニュアンスを含めて書いています

そこは舐めてもらっては困りますねw

僕が言いたいのは、僕自身のことじゃなく、社会にある差別問題です。

差別だけは絶対ダメだってことをもっと知って欲しいだけなんです。

このことは元増田の冒頭で触れています

でもはっきり差別問題ばかりにしてしまうと、興味を引きません。

こうした話を余りに直接にしてしまうと、単なる人権屋だとして嫌がられます

本音の部分で、どうやって少しでも関心を持ってもらおうかとぼんやりとですけど考えて書いてたのです。

元増田がそういう意味ではまだまだ不出来なのは良いんです。

申し訳ないけど、これは僕のケーススタディの一つでしかありません。

 

僕は増田で異物として今現にこうして差別されています

いい思いは誰だってしないと思いますよ、「私は差別なんかしていない」と皆さん思うはずだから

でも異物を排除しよう、否定しようって、僕を説得、あるいは教育、或いは批判等されておられます

それが差別、あるいは差別の要因の一つだと僕は考えます

間違っているとかお前らが悪いとかではなく、人はそんなものなのだと思って欲しい。

匿名増田からこそ、ここまで言えるわけですよ。

 

Twitterでは流石に言えませんw

2020-06-14

7年間いたジャンルを離れた自分ハム太郎アンチを笑えない

きっかけは約3年前 2016年年末だった 滅多にpixivに絵をまとめない作者が一気に作品をまとめて投稿した しかTwitterに上げたものをまとめることが殆どだったのに 今回はほぼ未発表のもの

スケブイラストカップリングカラー色紙が数枚、オリジナルイラストが入っていて ツイッターですら見たことのなかった推しカプの絵がたくさんあって純粋に大喜びした

でも当時親しいと思っていたフォロワーは軒並み喜んでいなかったどころか反応すらあまりしていなかった

なんでだろう?と思う気持ちと 作中で絡んだことなどないフォロワー推してるマイナーカプの絵があったことで何か確信にも似た気持ちがあった

年は明け2017年 変なDMが届くようになった 「作者と繋がってるって本当ですか?」「まとめられてますよ」まとめサイト掲示板リンクが直接送られてくる 見てみると原作者オタク数名が繋がりを持っており、その内の一人が何か問題を起こして仲間外れにされてアカウントを消したこと暴露した内容だった ここまでは別に良かった ツイッターでは良くあることだ

恐ろしくなったのは匿名LINEが送られてきた時だった 何度か一緒に遊んで顔を合わせたことのある 顔見知りのフォロワー数名としか交換していないはずのLINEアカウントを知っていた 教えたその内の誰かがサブ垢を取得したのか それとも誰かに教えたのか

送られてきた内容は「あなたは繋がろうと思えば原作者と繋がれる立場にいるんだから、余計なこと書き込まない方がいいよ」というものだった

掲示板原作者と繋がれないことを恨んだ私が書き込んだと思っているらしい言われようだった これで実際に自分原作者と繋がっていて 好きなカプやキャラの色紙を書き下ろしてもらえていればどんな罵倒誹謗中傷も甘んじて受入れられたに違いない そんな物は無い 原作者LINEアカウントも顔も声も私は知らない

渦中の内の一人にある事ないこと吹き込まれ自分アイコンを描いてくれた一番仲の良いフォロワーアカウントは消えた

私は繋がっていた側から原作者と繋がっていたが裏切られて繋がりが切れたらしい側からも どちら側からも何も言われず知らず ただこいつも何か知ってるんだろうな、と周囲からぼんやりとした疑いの目を向けられた 何も知らなかった 誹謗中傷DMは続いた

ジャンルを離れようと思った

けどここで離れたら嫉妬しているようで 自分だけ作者と繋がれてないことが嫌だからオタクやめるという証明のようで悔しかった

自分は作者じゃなくて作品が好きなんだ!関係ない!意地でも繋がりたいなんて思わず好きでいてやる! 決心した それが真にジャンルのものを推すオタクである証明になると思った

それから取り憑かれたようにそのジャンルのことばかり呟き他の作品に見向きもしなくなる この件で自分が好きでなくなってしまったら 人間関係のゴタゴタでジャンルを去ったあの人と同類のようなものだ それは嫌だ という強迫観念のようなものだった

それから3年が経った 強制的に目を背け続け 好きでい続けた日々に終止符を打った明確なきっかけは分からない 3年前のあの日から我慢し続けた意地を断ち切った決定的なものクラウドファンディングかもしれない

原作10周年記念 盛り上げようという名目で開催されたクラウドファンディング 最高額が50万コースだった 50万コース原作者が好きなキャラを一名書くよ、という文言を見て真っ先に 馬鹿にしてるのか と思った

友達オタクには好きなキャラどころかカプを無償で書いたのに?原作で接点すらないマイナーカプの色紙を描いたのに?

何度もツイッターで言いそうになっては留まる それとこれとは別、それとこれとは別だろうと言い聞かせて

それから公式側の対応が酷かった 度重なる延期や発送遅延 お世辞にも良いとは言えない本編作画OVAとオープニングが未完成の「完成披露試写会 完成披露試写会は5万以上のコースでないと参加できなかった

ガタガタの作画に全く動かないED そもそも映像が全く無いどころか主題歌すら流れないOP 誰も怒ってなくて 良かったね と言っていて正気かと思った

こんなにお粗末でいつ燃えてもおかしくないのに全く燃えないのが悲しかった 一億近く集めたくせに金の使い所が不透明 サイトには「イベント製作費用プロモーション費用、リターン品製作費用」に充てると書いてあったが

イベント特に衣装も無くセットも並 ライブパート以外は小物を使ってモノボケ原作朗読と今までのイベントの中でも最も安上がり

プロモーションは完成披露試写会まで本編映像は全く無し、オープニングとエンディングの視聴すら無し、それどころか一枚絵すら更新されない始末

リターン品はCD、複製台本円盤レプリカ学生証、薄いブックレットと正直何にそこまで金をかける必要があるのか不明だった

結局当初の予定から五ヶ月くらい遅れて発送されたクラウドファンディングのリターン品

ここまで来て最後最後円盤CDと複製台本以外の同梱物全ての入れ忘れ、声優オーディオコメンタリークラウドファンディング版には未収録で一般発売版限定、それだけでも舐めているのに クラウドファンディング版のジャケットにもオーディオコメンタリー収録と印刷ミスしてしまったせいでジャケット再配達……

酷さはもう擁護できなくなっていたし どんどん冷めていくのが分かった 一億円は全部再配達費用に宛てられたのか?

この頃にはもう自分が言わないと誰も気付かないのでは?とすら思ってしまツイッター対応の酷さへ愚痴を吐いていた

気持ちが離れてしまたから魅力的に見えなくなってしまったのか 本当に作風が変わったのかは分からないが この頃から原因不明休載も相まり原作を昔のように純粋に段々読めなくなる

楽しみにしていたイラスト集第二弾は 手描きのコメントイラストが全ページ描かれていた第一弾に比べ イラストはおろかコメントも無し 掲載されてるイラスト毎の大きさもちぐはぐで 明らかにやる気がないのが悲しかった

本誌で秋に発売されると発表のあったスピンオフ作品単行本は 延期します等のアナウンスは何も無く半年近く延期された もちろん謝罪も一切なし そして誰も怒らない 発売されるだけでありがたい!という空気 異常だ

最新刊だって購入日から一度も読み返していない 極め付けは最新刊の後書きが 3年前の事の発端とも言える作者のゲームアカウント(名義隠してイラスト上げてるサブ垢)で「知り合ったオタクアシスタントになったよ!私のことゲーム垢で知り合ったから作者と同一人物だと思えないみたい!毎日お仕事楽しい!」と存在を一切隠そうとせず こちらを煽ってるとしか思えない内容だったこ

もう冷め切って諦め果てたはずなのに 今日ポスト仕事郵便物を出しに行った時に 学生時代このポストから劇場版等身大タンディ欲しくてハガキ出したなあとか ファンレター送ったなとか 本誌のお便りコーナー宛にハガキ出して 作者から一言コメント貰えただけで大喜びしてたなあとか思い出して 泣けて仕方なかった

こっちが一言きりのコメント大事にしている間に作者は特定オタクと繋がって 一緒にUSJ行ってたり カラオケ行ってスケブ描いたり オタク女体化イラスト描いてあげたり オタク推しカプのサイン色紙フルカラーで描いてあげてたんだもんな

繋がり持ってたオタクVtuberになれば サブ垢があるのにわざわざ公式名義の方のアカウント応援絵二枚も描いて上げて 今までVtuber関連のツイートなんて一切したことないのに露骨リツイートまでして もう隠す気無いよな 馬鹿馬鹿しい

あんなに好きで崇拝すらしていたのに憎いとすら思ってしま

また昔みたいに楽しく没頭出来る日がいつになるのか分からない もう来ないだろう 勝手に憤り勝手に冷めた自分が悪い

最近は楽しかった頃の記憶だけをぼんやり辿って反芻している 好きだった 楽しかった 楽しい7年間だった こんなこと知りたくなかった

こんなことなら3年前意地を張らずに離れるべきだった 作品だけを好きでいてキャラクターだけを推し健全オタクで在りたいと思って 3年間知らないふりをしてツイッターを続けた 何があってもジャンルが変わってもアカウントは消さないと思っていた 消した 自分二次創作物ツイートもこんなジャンルに関わっていることが憎いから消した

私は繋がりを持って原作者と遊んで自分だけの推しカプの色紙を描いてもらいたかったのだろうか

本当は繋がりを持っていたオタク嫉妬していたのだろうか 友達に描いたやつ〜とわざわざ自分からピクシブ作品を上げたりオタクに贔屓のリプライばかり送り 原因不明休載期間に公式垢には作品イラストを一切上げなかったくせにゲーム垢にはイラストを上げ続けていた作者に失望していたのだろうか

もう自分が誰に怒ってるのか分からない

ふせったーにこれと似たようなことを書いた翌日に 滅多に絵を上げない原作者が5枚もイラスト連投してた上に 今までほぼ言及していなかった原因不明休載について他人へのリプライで「休載期間が本当に悔しくて〜」と釈明していて笑いが止まらなかった

イェーイ見てる〜? 繋がってないオタクことなんて眼中に無いか

界隈へのお気持ち表明なんて大手ジャンルの話だと思ってたし 対岸の火事みたいに見ていた まさか緩くて優しい人間関係を売りにしている作品でドロドロの人間関係が露呈して嫌気が差すとは思っていなかった

ハム太郎アンチのことも響きがアホっぽくて笑ってたけど ゆるゆりアンチ馬鹿っぽくて笑える響きだな

ゆるゆりなんて緩いのはタイトルだけだわ

ペットにまつわる愚痴命名編)

前置き

 私の中にペットに対する釈然としない気持ちがある。ここで言うペットとは通常「ペット」という言葉想像されるだろう、人間に飼われている人間でない動物(例えば犬、猫)を想定している。私のもつその気持ちがどういうものか、それを上手く表現できないからこそ「釈然としない」と書いたのだが、ともかく他人からペットにまつわるエピソードを聞き、他人ペットとの関わりを目にするとき、私の胸にしばしば芽生えるネガティブ感情がある。それらの感情を抱く理由は――無論断定できる類のものではないが――恐らく私のペットに対する考えが由来となっている。

 しかしそれらの考えは非常に表層的で熟慮されたものではない。反論を自ら思いつくものさえある。これまで折に触れてそれらを検討自分にとっての結論を出そうと試みてきたのだが、考えるのが下手なせいか、その表層を撫でまわすばかりで一向に考えは深まらなかった。

 そこで一旦曖昧なりにも考えを文章にまとめ、ウェブに公開することで有益アドバイスをもらうことを期待して、この文章を書くことにした。本来であれば理路整然と自論を展開してそれを問うのが読み手に親切だとは思うものの、上に記したように、そう出来る程まとまっていないのであくまで「愚痴」として、ぼんやりとした不快感を少しでも形にして提示することにする。

本題

 私のもつ不快感、それは前置きで記したように複数の要素が不明瞭に混合したものだ。それらは互いに相関をもつのかもしれないが一旦切り分け、今回は一つに絞る。今回問題にしたいのはペット命名についてだ。

 論の立て方の拙さで言いたいことが曇るといけないので、先に不満点を端的に述べる。不満点はペット名前に可愛らしい印象のものが多いことだ。そして不満な理由も粗略に述べておくと、そのような名前を付けることによってペット人間の満足のために愛玩されるものだという信念を強めると考えるからだ。

 そう複雑なことを述べているわけでもないので上に短く記した不満点とその理由で、私の意図するところを概ね把握することが可能だろう。ただ私が動物を愛玩のために扱うのを嫌悪する理由説明必要だと思うのでそれを少しする。

 私が嫌悪する背景にはペット動物に対する人間原罪のような意識がある。まず前提としてある種の動物生き方選択肢は狭い。例えば日本で犬が生きていくにはペットとして飼われる以外の選択肢殆どない。野犬は狂犬病対策のために保健所に捕らえられるからだ。猫の場合はもう少し緩やかで放し飼いも許されてはいるし、野良猫もある程度は許容されている。ただし避妊去勢され生物としての機能制限される。犬、猫に限らず公衆衛生人間安全のために生き方制限されている動物は色々といるだろう。

 私はこのことを考えると申し訳ない気持ちになる。無論動物と細かな意思疎通ができる訳でもないし、動物にとっては他の生き方という考え自体も恐らく無いだろうから、この申し訳なさは一種自己憐憫に過ぎないのかもしれない。しか人間による地上の征服の結果、人間従属するか人間社会の隙間で生きるしかない動物のことを考えると申し訳なくなるのだ。この申し訳なさから派生して、どうにかそれらの動物に報いることはできないかと考えるとき、改めて意思疎通がとれず、相手の願望を把握することができないことに気づき、行き詰まる。それで結局のところそれらの動物が狭められた生き方の中で幸福に過ごせるよう、ある種独善的判断して行動するほかないということになり、そしてそうする責任があると感じるのだ。

 話を戻してそれが何故可愛らしい命名をすべきでないという点と繋がるのかというと、可愛らしい名前ペットを呼ぶと、その瞬間それが幸福を祈るべき対象であることを忘れ、一つの愛玩すべき物体になってしまう気がするからだ。例えば自分が好ましいと感じる外見の人間に対し、それを「格好いい」、「綺麗」、「可愛い」といった感嘆と共に見つめるとき、その人間内面や背景を失った一つの物体となってはいないだろうか。可愛らしい名前を付けてペットの名を呼ぶことは「可愛い」と言いながらペットを呼ぶのと類似で、それはやはりペットを単なる恍惚対象にしてしまわないだろうか。そして名前を呼ぶ行為は常習的に行われるため、徐々に意識の奥底に愛玩するものだという意識が蓄積し、いつしかそれが自明ことなってしまうのではないか。こういう懸念から可愛らしい名を付けることに不快感を感じている。

余談

 ではどのような名前がいいかいくつか具体例を考えてみた。ひとまず「ゲレゲレ」、「ボロンゴ」、「$$(ドルドル)」あたりを挙げたい。これらの名前は愛らしさがなく、異質さを強く感じさせ、結局のところ人間動物が相容れない存在であることを認識させてくれる。

IT系羅生門

ワンデイのイブニングの事であるアローンのビジネスマンが、羅生ゲートの下で雨やみを待っていた。

 広いゲートの下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きなシリンダーに、クリケットが一匹とまっている。羅生ゲートが、朱雀ストリートにある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉ハットが、マッチモアありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。

 リーズンを云うと、この二三年、京都ティには、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか云うハプニングがつづいて起った。そこでシティさびれ方は一通りではない。ヒストリーによると、仏像仏具クラッシュして、その丹がついたり、金銀の箔がついたりした木を、ストリートサイドにスタックして、薪のリソースに売っていたと云う事である。シティがその始末であるから、羅生ゲートのフィックスなどは、元より誰もコミットする者がなかった。するとその荒れ果てたのをよい事にして、狐狸がジョイン。盗人がジョイン。とうとうしまいには、引取り手のない死人を、このゲートへ持って来て、棄てて行くと云うルーティンさえ出来た。そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪るがって、このゲートの近所へはアプローチをしない事になってしまったのである

 その代りまた鴉がどこからか、たくさんジョインして来た。昼間見ると、その鴉が何羽となくコミュニティを描いて、高い鴟尾のまわりをシングしながら、フライアウェイ。ことにゲートの上の空が、夕焼け情熱のようにあかくなる時には、それがセサミをまいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、ゲートの上にある死人の肉を、啄みに来るのである。――もっと今日は、タイムアップなせいか、一羽も見えない。ただ、所々、ブロークンな、そうしてその崩れ目に長い草はえストーンの上に、鴉の糞が、点々とホワイトにこびりついているのが見える。ビジネスマンは七段ある石段のトップに、洗いざらしブルーの襖の尻をスプレッドして、右のチークに出来た、大きな面皰を気にしながら、ぼんやり、雨のふるのをルックアップしていた。

 ライターはさっき、「ビジネスマンが雨やみを待っていた」とライトした。しかし、ビジネスマンは雨がやんでも、格別どうしようと云うビジネスプランはない。ふだんなら、勿論、CEOの家へ帰る可き筈である。所がそのCEOからは、四五日前にファイアーされた。前にも書いたように、当時京都ティの町は一通りならずダウンしていた。今このビジネスマンが、永年、使われていたCEOからファイアーされたのも、実はこの衰微の小さなウェーブにほかならない。だからビジネスマンが雨やみを待っていた」と云うよりも「雨にふりこめられたビジネスマンが、コミット先がなくて、途方にくれていた」と云う方が、アジャストである。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のビジネスマンセンチメンタリズムエフェクトした。申の刻下りからふり出した雨は、上るプランがない。そこで、ビジネスマンは、何をおいても差当り明日ライフをどうにかしようとして――云わばどうにもならないマターを、ウェル・ダンしようとして、とりとめもないクリティカルシンキングをたどりながら、さっきから朱雀ストリートにふる雨のサウンドを、聞くともなく聞いていたのである

 雨は、羅生ゲートをつつんで、遠くから、ざあっと云うノイズをあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、ゲートの屋根が、斜につき出した甍の先に、重たくうす暗い雲を支えている。

 どうにもならないマターを、ウェル・ダンするためには、ハウトゥを選んでいる遑はない。選んでいれば、築土の下か、ストリートの土の上で、ジ・エンドするばかりである。そうして、このゲートの上へ持って来て、犬のように棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――ビジネスマンの考えは、何度も同じルートを低徊した揚句に、やっとこのゴールへ逢着した。しかしこの「すれば」は、いつまでたっても、結局「すれば」であった。ビジネスマンは、手段を選ばないという事にアグリーしながらも、この「すれば」のかたをつけるために、オフコース、その後に来る可き「盗人になるよりほかに仕方がない」と云うファクトを、積極的にアグリーするだけの、チャレンジ精神が出ずにいたのである

 ビジネスマンは、大きな嚔をして、それから、大儀そうにスタンドアップした。夕冷えのする京都ティは、もう火桶が欲しいほどのクールである。風はゲートの柱と柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹きぬける。丹塗の柱にとまっていた蟋蟀も、もうどこかへ行ってしまった。

 ビジネスマンは、頸をちぢめながら、山吹の汗袗にコンボリューションした、紺の襖のショルダーを高くしてゲートのまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる惧のない、一晩楽にねられそうなコワーキングスペースがあれば、そこでともかくも、夜を明かそうと思ったかである。すると、幸いゲートの上の楼へ上る、幅のワイドな、これも丹を塗った梯子が眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ死人ばかりであるビジネスマンはそこで、腰にさげた聖柄のGithubアカウントが鞘走らないように気をつけながら、藁草履はいた足を、その梯子の一番下の段へふみかけた。

 それから、何分かの後である。羅生ゲートの楼の上へ出る、幅の広い梯子の中段に、一人のビジネスマンが、猫のように身をちぢめて、息を殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす火のライトが、かすかにその男の右のチークをぬらしている。短い鬚の中に、赤く膿を持った面皰のある頬であるビジネスマンは、始めから、この上にいる者は、死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰かライトジョインして、しかもそのライトをそここことコミットしているらしい。これは、その濁った、黄いろい光が、隅々に蜘蛛の巣をかけた天井裏に、揺れながらイノベイティブに映ったので、すぐにそれと知れたのである。この雨の夜に、この羅生ゲートの上で、ライトをともしているからは、どうせただのフリーランスではない。

 ビジネスマンは、守宮のように足音をぬすんで、やっと急な梯子を、一番上の段まで這うようにしてコミットした。そうして体を出来るだけ、平にしながら、頸を出来るだけ、前へ出して、恐る恐る、楼の内を覗いて見た。

 見ると、楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの死骸が、無造作に棄ててあるが、ライトの及ぶ範囲が、思ったより狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に裸の死骸と、着物を着た死骸とがあるという事である。勿論、中には女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、かつて、コミットしていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏ねて造った人形のように、口を開いたり手を延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの高くなっている部分に、ぼんやりしたライトをうけて、低くなっている部分の影を一層暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。

 ビジネスマンは、それらの死骸の腐爛した臭気に思わず、鼻を掩った。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの男の嗅覚を奪ってしまたからだ。

 ビジネスマンの眼は、その時、はじめてその死骸の中に蹲っているフリーランスを見た。檜皮色の着物を着た、背の低い、痩せた、白髪頭の、猿のようなフリーランスの老婆である。その老婆は、右の手に火をともした松の木片を持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。髪の毛の長い所を見ると、多分女の死骸であろう。

 ビジネスマンは、六分の恐怖と四分の好奇心とに動かされて、暫時は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記のライターの語を借りれば、「頭身の毛も太る」ように感じたのである。すると老婆は、松の木片を、床板の間にハックして、それから、今まで眺めていた死骸の首に両手をかけると、丁度、猿の親が猿の子の虱をとるように、そのコミットログを一本ずつプルしはじめた。コミットログは手にインタラクティブに抜けるらしい。

 そのコミットログが、一本ずつ抜けるのに従って、ビジネスマンの心からは、恐怖が少しずつ消えて行った。そうして、それと同時に、このフリーランスに対するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、このフリーランスに対すると云っては、語弊があるかも知れない。むしろ、あらゆる悪に対する反感が、一分毎に強さを増して来たのである。この時、誰かがこのビジネスマンに、さっきゲートの下でこの男が考えていた、自己破産をするか盗人になるかと云う問題を、改めて持出したら、恐らくビジネスマンは、何の未練もなく、自己破産を選んだ事であろう。それほど、この男の悪を憎む心は、フリーランスの床に挿した松の木片のように、勢いよく燃え上り出していたのである

 ビジネスマンには、勿論、何故フリーランスが死人のコミットログをハックするかわからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。しかビジネスマンにとっては、この雨の夜に、この羅生ゲートの上で、死人のコミットログをハックすると云う事が、それだけで既に許すべからざる悪であった。勿論、ビジネスマンは、さっきまで自分が、盗人になる気でいた事なぞは、とうに忘れていたのである

 そこで、ビジネスマンは、両足に力を入れて、いきなり、梯子から上へ飛び上った。そうして聖柄のGithubアカウントに手をかけながら、大股にフリーランスの前へ歩みよった。フリーランスが驚いたのは云うまでもない。

 フリーランスは、一目ビジネスマンを見ると、まるで弩にでも弾かれたように、ジャンプした。

「おのれ、どこへ行く。」

 ビジネスマンは、フリーランスが死骸につまずきながら、慌てふためいて逃げようとする行手を塞いで、こう罵った。フリーランスは、それでもビジネスマンをつきのけて行こうとする。ビジネスマンはまた、それを行かすまいとして、コンフリクトする。二人は死骸の中で、しばらく、無言のまま、つかみ合った。しかしウィナーは、はじめからわかっている。ビジネスマンASAPフリーランスの腕をつかんで、無理にそこへPDCAした。丁度、鶏の脚のような、骨と皮ばかりの腕である

「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」

 ビジネスマンは、フリーランスをつき放すと、いきなり、コントビュートして、ホワイトコミットをその眼の前へつきつけた。けれども、フリーランスは黙っている。両手をわなわなふるわせて、肩で息を切りながら、眼をアウトソーシングするほど、見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを見ると、ビジネスマンは始めて明白にこのフリーランスの生死が、全然自分経営判断支配されていると云う事を意識した。そうしてこの意識は、今までけわしく燃えていたプライドを、いつの間にか冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、あるビジネスをして、それが円満成就した時の、安らかな得意と満足とがあるばかりである。そこで、ビジネスマンは、フリーランスを見下しながら、少し声を柔らげてこう云った。

「己は検非違使CEOなどではない。今し方このゲートの下を通りかかったプア・ワーカーだ。だからお前に縄をかけて、どうしようと云うような事はない。ただ、今時分このゲートの上で、何をしてハックしていたのだか、それを己に話しさえすればいいのだ。」

 すると、フリーランスは、見開いていた眼を、一層大きくして、じっとそのビジネスマンの顔を見守った。アイデアを得た、肉食鳥のような、鋭い眼で見たのであるそれから、皺で、ほとんど、鼻と一つになったマウスを、何か物でも噛んでいるように動かした。細い喉で、尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉からWindowsの警告音のような声が、喘ぎ喘ぎ、ビジネスマンの耳へ伝わって来た。

「このコミットログをハックしてな、このコミットログをハックしてな、AIビルドしようと思うたのじゃ。」

 ビジネスマンは、フリーランスの答が存外、平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、また前の憎悪が、冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へはいって来た。すると、その気色が、先方へも通じたのであろう。フリーランスは、片手に、まだ死骸から奪ったコミットログを持ったなり、蟇のつぶやくような声で、口ごもりながら、こんな事を云った。

「成程な、死人のコミットログをハックすると云う事は、何ぼう悪い事かも知れぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、下請け派遣社員を朝から晩まで奴隷のように働かせたわ。疫病にかかって死ななんだら、今でもブラック企業で甘い蜜を吸っていた事であろ。それもよ、この女の売るソフトウェアは、納期が速いと云うて、取引先どもが、欠かさず毎月発注していたそうな。わしは、この女のした事が悪いとは思うていぬ。せねば、倒産するのじゃて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も悪い事とは思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、自己破産するじゃて、仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その仕方がない事を、よく知っていたこの女は、大方わしのする事も大目に見てくれるであろ。」

 フリーランスは、大体こんな意味の事を云った。

 ビジネスマンは、Githubアカウントを鞘におさめて、そのアカウントIDを左の手でおさえながら、冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、赤く頬に膿を持った大きな面皰を気にしながら、聞いているのであるしかし、これを聞いている中に、ビジネスマンの心には、あるチャレンジングなアイデアが生まれて来た。それは、さっきゲートの下で、この男には欠けていたアイデアである。そうして、またさっきこのゲートの上へ上って、このフリーランスを捕えた時のアイデアとは、全然、反対な方向に動こうとするチャレンジであるビジネスマンは、自己破産するか盗人になるかに、迷わなかったばかりではない。その時のこの男の心もちから云えば、自己破産などと云う事は、ほとんど、考える事さえ出来ないほど、意識の外に追い出されていた。

「きっと、そうか。」

 フリーランスの話がフィニッシュすると、ビジネスマンは嘲るような声で念を押した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手を面皰から離して、フリーランスの襟上をつかみながら、噛みつくようにこう云った。

「では、己が引剥をしようと恨むまいな。己もそうしなければ、自己破産をする体なのだ。」

 ビジネスマンは、すばやく、老婆のリポジトリを剥ぎとった。それから、足にしがみつこうとするフリーランスアカウントを、手荒く削除した。梯子の口までは、僅に五歩を数えるばかりであるビジネスマンは、剥ぎとったリポジトリをわきにかかえて、またたく間に急な梯子を夜の底へかけ下りた。

 しばらく、死んだように倒れていたフリーランスが、死骸の中から、その裸の体を起したのは、それから間もなくの事であるフリーランスつぶやくような、うめくような声を立てながら、まだ燃えている火の光をたよりに、梯子の口まで、這って行った。そうして、そこから、短い白髪を倒にして、ゲートの下を覗きこんだ。外には、ただ、黒洞々たるビジネスチャンスがあるばかりである

 ビジネスマン行方は、誰も知らない

2020-06-13

ドスケベ羅生門

 ある淫靡まり無い日のエロスカオスリビドー渦巻く暮方の事である。一人のえちえち下人が、ドスケベ羅生門の下で感度3000倍の媚薬が溶け込んだ雨やみを待っていた。

 極太ディルドもぬらりと零れ落ちるクソビッチの爛れたヴァギナのように広い門の下には、このバッキバキフル勃起男のほかに誰もいない。ただ、所々セクシー丹塗のいやらしく剥げた、ぬらぬらと黒光する大きな円柱に、卑猥な蟋蟀が一匹まるで発情した雌犬のようにとまっている。ドスケベ羅生門が、ドエロ朱雀セックス大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする露出中毒市女笠やザーメンマーキングキチガイ烏帽子平安京セックスエイリアンが、もう辺り一面に性的な体液を撒き散らしながら二三人はありそうなものである。それが、この助平男のほかには誰もいない。

 何故かと云うと、この二三年、セックスパンデモニウム京都には、えちえち地震とかえろえろ辻風とかむらむら火事かしこしこ饑饉とか云うエロ災が精通した先天性スケベオスガキの自慰のようにつづいて起った。そこでセックス洛中淫靡さびれ方は一通りではない。エロ旧記によると、えっち仏像えっち仏具性器で打砕いて、そのエロ丹がついたり、金銀のエロ箔がついたりしたエロ木を、セックス路ばたにつみ重ねて、エロ薪のエロ料に売っていたと云う事であるセックス洛中がその始末であるから、ドスケベ羅生門快楽修理などは、元より誰も捨てて顧る助平者がなかった。するとそのだらしなく荒れ果てたのをよい事にして、発情狐狸が棲む。エロ盗人が棲む。とうとうしまいには、引取り手のないえっちな死人を、この淫猥な門へ持って来て、シコって棄てて行くと云う卑猥な習慣さえ出来た。そこで、美少年睾丸のような日の目が見えなくなると、誰でも性的興奮を覚えながらも気味を悪るがって、この淫猥な門の近所へは性器からてろてろと体液を滲み出しながらも足ぶみをしない事になってしまったのである

 その代りまたエロ鴉がどこからか、たくさん集って来た。昼間見ると、そのエロ鴉が何羽となくえっちな輪を描いて、エロ高い鴟尾のまわりを快楽に身を委ね啼きながら、淫靡に飛びまわっている。ことにエロ門の上のセクシー空(スカイ)が、スケベな夕焼けでむらむらとあかくなる時には、それがエロ胡麻セクシーにまいたようにはっきり見えた。エロ鴉は、勿論、快楽門の上にあるえっちな死人の淫らな肉を、性的な啄みに来るのである。――もっと今日は、セックス刻限が遅いせいか、一羽も見えない。ただ、所々、猥らに崩れかかった、そうしてそのエロい崩れ目に卑猥な長いスケベ草のスケベにはえエロ石段の上に、エロ鴉のえっちな糞が、点々と情欲を掻き乱すようにてらてらと白くこびりついているのが見える。えちえち下人は七段あるエロ石段の一番エロ上の段に、えっちに洗いざらした紺の襖のエロい尻を据えて、右の頬に出来た、大きなクリトリスみたいな面皰を気にしながら、ぼんやり、感度3000倍媚薬雨のふるのを眺めてアクメしていた。

 えっちな作者はさっき、「えちえち下人が媚薬雨やみを待っていた」と書いた。しかし、えちえち下人は媚薬雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはない。ふだんなら、勿論、自分の下卑た肉欲を満足させてくれるスーパースケベ主人のクソエロ家へ帰る可き筈である。所がそのスーパースケベ主人からは、四五日前に暇を出された。前にも書いたように、当時セックスパンデモニウム京都エロ町は一通りならずエロく衰微していた。今このえちえち下人が、永年、全身の穴という穴にご褒美をくれたスーパースケベ主人からエロ暇を出されたのも、実はこのエロい衰微の小さなスケベ余波にほかならない。だから「えちえち下人が媚薬雨やみを待っていた」と云うよりも「媚薬雨にふりこめられたえちえち下人が、止め処なく湧き上がる肉欲の行き所がなくて、エロ途方にくれていた」と云う方が、性的適当である。その上、今日エロ空模様も少からず、このセックス平安朝のえちえち下人の SensitiveSukebeSentimentalisme に影響した。申の刻下りからふり出した媚薬雨は、いまだに上るけしきがない。そこで、えちえち下人は、何をおいても差当り明日情欲溢れる暮しをどうにかしようとして――云わば尿道を塞がれながらされる手コキのようにどうにもならない事を、どうにかしようとして、とりとめもない淫靡な考えをエロたどりながら、さっきからエロ朱雀セックス大路にふる媚薬雨の音を、聞くともなく聞いていたのである

 媚薬雨は、ドスケベ羅生門淫猥につつんで、遠くから、くちゅくちゅざあっと云う音をあつめて来る。エロ夕闇は次第にエロ空を低くして、見上げると、スケベ門のドエロ屋根が、斜につき出したえちえち甍の先に、むわぁっと重たくうす暗いピンク雲を支えている。

 どうにもならないスケベ事を、どうにかするためには、エロ手段を選んでいるエロ遑はない。選んでいれば、セックス築土の下か、セックス道ばたの土の上で、無限快楽饑死をするばかりである。そうして、このエロ門の上へ持って来て、オナホのように棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――えちえち下人の考えは、何度も同じエロ道を低徊した揚句に、卵子受精した精子のようにやっとこのスケベ局所へ逢着着床した。しかしこの「すれば」は、いつまでたっても、結局「すれば」であった。えちえち下人は、手段を選ばないという事を肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来る可き「変態盗人になるよりほかに仕方がない」と云うエロい事を、積極的にスケベ肯定するだけの、エロ勇気が出ずにいたのである

 えちえち下人は、大きなエロ嚔をして、それから、大儀そうにはしたないちんぽのように立上った。夕冷えのするセックスパンデモニウム京都は、もう媚薬入り火桶が欲しいほどのエロ寒さであるセクシー風は黒光りする門のエロ柱とエロ柱との間を、卑猥な夕闇とともにビッチの股座よりも遠慮なく、吹きぬける。セクシー丹塗の柱にとまっていたスケベ蟋蟀も、もうどこかへイってしまった。

 えちえち下人は、セクシーさを隠しきれない頸をセクシーにちぢめながら、猥褻山吹エロ汗袗に重ねた、紺の襖のスケベ肩をエロ高くして性欲門のまわりをエロく見まわした。媚薬雨風の快楽への誘いへの患のない、人目にかかる惧という快楽のない、一晩だけでもどうしようもないむらむらから逃れリビドーリセットして楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、淫夜を明かそうと思ったかである。すると、幸いスケベ門の上のラブ楼へ上る、幅の広い、これもセクシー丹を塗った淫猥梯子が眼についた。上なら、えっちな人がいたにしても、どうせえっちな死人ばかりである。えちえち下人はそこで、情欲が沸滾る腰にさげた聖柄の太刀バイブがエロ鞘走らないように気をつけながら、エロ草履はいた足を、そのエロ梯子の一番エロ下の段へふみかけ何度も射精した。

 それから、何分かの後である。ドスケベ羅生門のラブ楼の上へ出る、まるで淫乱女の股のようにスケベ幅の広いエロ梯子シコい中段に、一人の助平男が、発情期の雄猫のようにスケベな身をちぢめて、エロい息をエロ殺しながら、エロ上のエロ容子をエロ窺っていた。ラブ楼の上からさす情欲色欲と肉欲と淫欲と性欲が混じり合った火のエロス光が、かすかにその男の隠しきれない性欲に満ち満ちた右の頬をにるにるとぬらしている。どうしようもなく性欲が滲み出てしまう短い鬚の中に、エロ赤く膿を持った卑猥面皰のあるどうみてもエロい頬である。えちえち下人は、始めから、この上にいる助平者は、えっちな死人ばかりだとシコ高を括っていた。それが、エロ梯子を二三段上って見ると、上では誰か妖艶な火をとぼして、しかもそのスケベな火をそこここと夜明けの自慰勃起ペニスのように動かしているらしい。これは、そのエロく濁った、浅ましくもいやらしい黄いろいスケベ光が、隅々にエロ蜘蛛のラブ巣をかけたスケベ天井裏に、卑猥と言うにはあまりにも淫猥に揺れながらエロエロしく映ったので、すぐにえっちなそれと知れたのである。この媚薬雨の淫夜に、このドスケベ羅生門エロ上で、エロ火をともしているからは、どうせただの助平者ではない。

 えちえち下人は、セクシー淫乱守宮のように卑猥足音をぬすんで、やっと急なエロ梯子を、一番上のエロ段までやらしく這うようにして上りつめた。そうして情欲が服を着ているような体を出来るだけ、助平にしながら、淫欲をそそる頸を出来るだけ、えっちに前へ出して、恐る恐る、ラブ楼の内を覗いて見た。

 見ると、ラブ楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかのえっちな死骸が、無造作に棄ててあるが、エロ火のスケベ光の及ぶ範囲が、処女少年の菊門のごとく思ったより狭いので、数は幾つともわからない。ただ、エロおぼろげながら、知れるのは、その中に裸のえっちな死骸と、破廉恥着物を着たえっちな死骸とがあるという事である。勿論、中には淫乱女も変態男もエロエロにまじっているらしい。そうして、そのえっちな死骸は皆、それが、かつて、生きていたドスケベ人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏ねて造ったオナ人形のように、卑猥な口を開いたり手を淫靡に延ばしたりして、ごろごろエロ床の上にころがっていた。しかも、スケベな肩とかエロい胸とかの高くなっている部分に、ぼんやりしたエロ火のスケベ光をうけて、卑しくも低くなっている部分の淫猥な影を一層暗くしながら、永久に唖ヘ豚の如くエロ黙っていた。

 えちえち下人は、それらのえっちな死骸の破廉恥な腐爛したスケベ臭気に思わず情欲を隠しきれない鼻を掩った。しかし、そのエロい手は、次の瞬間には、もうはしたない鼻を掩う事を忘れていた。あるエロくて強い感情が、ほとんどことごとくこの助平男のえちえち嗅覚を奪ってしまたからだ。

 えちえち下人のエロい眼は、その時、はじめてそのえっちな死骸の中に淫らに蹲っているクソスケベな人間を見た。檜皮色の猥褻着物を着た、背の低い、痩せた、白髪頭の、発情しているのが猿にでもわかる発情した牝猿のような淫乱老婆である。その淫乱老婆は、見るだけで射精してしまうような猥らな右の手にエロ火をともした松の木片を持って、そのえっちな死骸の一つのデスアクメ顔をいやらしい牝の目で覗きこむように眺めていた。髪の毛の長い所を見ると、多分クソビッチ女のえっちな死骸であろう。

 えちえち下人は、六分の恐怖を超えた性欲と四分の好奇心煮凝りにした情欲とに動かされて、暫時エロ呼吸をするのさえ忘れていた。エロ旧記のスケベ記者の淫語を借りれば、「えちえち頭身の毛もむちむち太る」ように感じたのである。すると淫乱老婆は、エロ松の木片を、床板の間に自慰のようにぬぷりと挿して、それから、今まで眺めていたえっちな死骸のエロ首に両手をかけると、丁度、スケベ猿の親がスケベ猿の子エロ虱をとるように、その長いエロスに濡れた髪の毛を一本ずついやらしい手つきで抜きはじめた。髪は手に従ってえっちに抜けるらしい。

 その髪の毛が、一本ずつ卑猥に抜けるのに従って、えちえち下人のえちえち下心からは、恐ろしく怖い程のエロスが少しずつ消えて行った。そうして、それと同時に、この淫乱老婆に対するはげしい憎悪にも似たリビドーが、少しずつ動いて来た。――いや、この淫乱老婆に対すると云っては、えっちな語弊があるかも知れない。むしろ、あらゆる悪エロスに対する反感が勃起したペニスの痛みのように、一分毎にエロ強さをエロ増して来たのである。この時、えっちな誰かがこのえちえち下人に、さっき快楽門の下でこの助平男が考えていた、エロ饑死をするか変態盗人になるかと云うドスケベ問題を、改めてエロく持出したら、恐らくえちえち下人は、何の未練もなく、エロ饑死を選んだ事であろう。それほど、このスケベ男の悪エロスエロ憎むスケベ心は、淫乱老婆の床に挿したおちんぽ松の木片のように、勢いよく卑猥燃え上り出していたのである

 えちえち下人には、勿論、何故淫乱老婆がえっちな死人の髪の毛をいやらしい手付きで抜くかわからなかった。従って、勃起合理的エロス的には、それをエロ善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。しかしえちえちな下人にとっては、この雨の淫夜に、このドスケベ羅生門の上で、えっちな死人の髪の毛をしこしこ抜くと云う事が、それだけで既におちんぽが許すべからざる悪エロスであった。勿論、えちえち下人は、さっきまで自分が、淫乱盗人になる気でいた事なぞは、とうに忘れていたのである

 そこで、えちえち下人は、バキバキ勃起したぬらぬらおちんぽとスケベな両足にエロ力を入れて、いきなり、エロ梯子から上へ飛び上った。そうして聖柄の太刀バイブに手をかけながら、大股に淫乱老婆の前へ歩みよった。淫乱老婆が驚いてビックリアクメしたのは云うまでもない。

 淫乱老婆は、一目えちえち下人を見ると、まるで弩に剥き出しクリトリスでも弾かれたように、飛び上った。

「おのれええ゛・・・♡、どこへイグおほっ♡」

 えちえち下人は、淫乱老婆がえっちな死骸につまずきながら、慌てふためいてアクメ汁を垂れ流しながら逃げようとする行手を塞いで、こうアヘ罵った。淫乱老婆は、それでもえちえち下人をつきのけてイこうとする。えちえち下人はまた、それをイかすまいとして、快感を求めてだらしなく降りて来た子宮ごと押しもどす。えっちな二人はえっちな死骸の中で、しばらく、無言のまま、卑猥につかみ合った。しかエロ勝敗は、はじめからわかっている。えちえち下人はとうとう、淫乱老婆のエロい腕をつかんで、無理にそこへねじ倒した。丁度、卑猥な鶏のスケベな脚のような、エロ骨とエロ皮ばかりのエロである

「何をしていたあ゛~っ♡云えぅっ♡おっほ♡云わぬと、これだぞよおほぉおっ♡」

 えちえち下人は、淫乱老婆をつき放すと、いきなり、太刀(ちんぽ)の鞘(皮)を払って、白い鋼の色欲をその眼の前へつきつけた。けれども、淫乱老婆は黙っている。両手をわなわなふるわせて、肩で息を切りながら、夥しいアクメ汁を穴という穴から垂れ流し、眼を、眼球がまぶたの外へ出そうになるほど、見開いて、ガンギマリアクメして、唖ヘ豚のように執拗く黙っている。これを見ると、えちえち下人は始めて明白にこの淫乱老婆のアクメ生死が、全然自分意志支配されていると云う事を意識して湧き上がるリビドー睾丸前立腺で感じた。そうしてこのエロ意識は、今までけわしく卑猥燃えていた憎悪のスケベ心を、いつの間にか冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、あるエロ仕事をして、それが円満エロス成就した時の、安らかなエロ得意とスケベ満足と狂おしい程の快楽とがあるばかりである。そこで、えちえち下人は、淫乱老婆を見下しながら、卵巣に快楽を与えるような少し声を柔らげてこう云った。

「己はドス検非違使の庁のエロ役人などではない。今し方このドスケベ門の下を通りかかった淫乱旅の助平者だ。だからお前に縄をかけて、どうしようと云うような事はないが勃起して精巣が精子を生み出すのを実感しているんほ゛ぉお゛っ♡ただ、今時分このドスケベ門の上で、エロスと言うにはあまりにもスケベな何をして居たのだか、それを己に話しさえすればいいのだおほぉ♡」

 すると、淫乱老婆は、見開いていた眼を、一層大きくして、じっとそのえちえち下人のトロ顔を見守った。

エロまぶたの赤くなった、発情した肉食鳥のような、鋭いアヘ眼で見たのであるそれから、淫らな皺で、ほとんど、鼻と一つになった淫猥甚だしい唇を、何か卑猥な物でも噛んでいるように動かした。細いキツキツ喉マンコで、尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉からエロ鴉のアクメ啼くようなトロ声が、喘ぎ喘ぎ、えちえち下人の耳へ伝わって来た。

「この髪を抜いてなっ♡、この髪を抜いてなっっ♡、えちえち鬘オナホにしようと思うたのじゃッ♡」

 えちえち下人は、淫乱老婆の答が存外、平凡なのに失望勃起した。そうして失望勃起すると同時に、また前のエロ憎悪が、冷やかな侮蔑射精感と一しょに、スケベ心の中へはいって来た。すると、その気色が、先方へもエロ通じたのであろう。淫乱老婆は、片手に、まだえっちな死骸の頭から奪った長い抜け毛卑猥に持ったなり、スケベ蟇のつぶやくようなアヘ声で、いやらしく口ごもりながら、こんな事を云った。

「成程なッ♡、えっちな死人の髪の毛を抜くと云う事はんぅおっ♡おっぉっ♡何ぼうエロ悪い事かも知れぬひぃんっ♡じゃが、ここにいるえっちな死人どもはあ゛~っ、皆、そのくらいスケベな事をほぉっ♡されてもいいドスケベ人間ばかりだぞよっ♡おっほぉっ♡現在、わしが今、髪を抜いた肉便器女などはなァハァッ♡蛇を四寸ばかりずつに切って干したのをホォ♡干魚オナホだと云うてへぇん♡太刀帯のラブ陣へ売りに往んだわへぇ♡アクメ疫病にかかってアクメ死ななんだらあへぇぉ♡今でも売りに往んでいた事であろほぉぽぉ♡それもよ、この女の売る干魚オナホはッ♡味がよいと云うて、太刀帯チンポどもがいひぃっ♡欠かさずオナ菜料に買っていたそうな♡わしは、この肉便器のした事が悪いとは思うていぬ♡せねば、饑アクメ死をするのじゃて、仕方がなくした事であろほぉ♡されば、今また、わしのしていた事も悪い事とは思わぬぞよほぉ♡これとてもやはりせねば、饑アクメ死をするじゃてぇっ♡仕方がなくする事じゃわいのッ♡じゃて、その仕方がない事をッ♡よく知っていたこの肉便器女は、大方わしのする事も大目に見てくれるであろぅおっ♡」

 淫乱老婆は、大体こんな意味の事を云った。

 えちえち下人は、太刀バイブを自らのアナル鞘におさめて、その太刀バイブの柄を左の手でおさえながら、冷然として、しか射精しながら、この話を聞いていた。勿論、右の手では、赤く頬に膿を持った大きなクリトリス面皰を気にしながら、射精しつつ聞いているのであるしかし、これを聞いている中に、えちえち下人のスケベ心には、あるチンポ勇気が生まれて来た。それは、さっき快楽門の下で、この助平男には欠けていたチンポ勇気である。そうして、またさっきこの快楽門の上へ上って、この淫乱老婆を卑猥且つ淫靡に捕えた時のチンポ勇気とは、全然、反対な方向に動こうとするチンポ勇気である。えちえち下人は、エロ饑死をするか淫乱盗人になるかに、迷わなかったばかりではない。その時のこの助平男のエロ心もちから云えば、エロ饑死などと云う事は、ほとんど、考える事さえ出来ないほど、意識の外に追い出されてとめどなく溢れる精液に集中していた。

「きっと、そうか♡びゅる♡」

 淫乱老婆の話が完ると、えちえち下人は嘲るような声で念を押しま射精した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手をクリトリス面皰から離して、淫乱老婆のエロスに溢れた襟上をつかみながら、エロ噛みつくようにこう云った。

「では、己が引剥セックスをしようと恨むまいな♡己もそうしなければ、エロ饑死をする淫らな性と色情の肉体なのだ♡」

 えちえち下人は、すばやく、淫乱老婆の猥褻着物エロい手つきで剥ぎ取った。それからエロい足にしがみついて爛れた肉壁でしごこうとする淫乱老婆を、手荒くえっちな死骸の上へ蹴倒しアクメした。エロ梯子の口までは、僅に五歩を数えるばかりである。えちえち下人は、剥ぎとった檜皮色の猥褻着物をわきにかかえて、またたく間に急なエロ梯子を淫夜の底へかけ下りた。

 しばらく、アクメ死んだように倒れていた淫乱老婆が、えっちな死骸の中から、その老婆とは思えぬエロスを超えたスケベな裸の体を起したのは、それから間もなくの事である淫乱老婆はつぶやくような、うめくようなトロ声を立てながら、まだ燃えているエロ火のスケベ光をたよりに、エロ梯子の口まで、自慰をしながら這ってイった。そうして、そこから、短い白髪エロく倒にして、快楽門の下をいやらしく覗きこんだ。外には、ただ、だらしなくアクメした膣内のような黒洞々たる淫夜があるばかりである

 えちえち下人の行方は、誰も知らない

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anond:20200611111647

孤独について 生きるのが困難な人々へ / 中島義道

序章 孤独に生きたい / 孤独になる技術

 私が本書で語りたいことは、他人はけっしてあなた孤独を解消してくれないこと、一時あなた孤独を巧妙に隠蔽するのを手伝ってくれるかもしれないが、あなた孤独自体を根絶してはくれないことである。このことを心底から自覚するとき、人は孤独から逃れるのではなく、孤独を選ぶようになる。孤独を嘆くのではなく孤独を楽しむようになる・・・。こう書けば簡単であるが、じつは孤独になる技術を学ぶのはなかなか難しいのである

 まず、問うてみよう。どんな人が孤独であろうか? 親も兄弟も友人も恋人もいない人は天涯孤独であるしかし、その人になすべき仕事があれば、孤独はその仕事を育て上げる大切な養分である。その仕事さえない人は? いや、だれでもぎりぎり自分孤独直視すれば、何か手応えのあるものを求めるはずなのだ

それは、哲学かもしれない、宗教かもしれない、芸術かもしれない、ボランティア活動かもしれない・・・。こうした広義の仕事に邁進できる人は、すでに孤独を利用できる技術を体得したことになる。

 だが、私に切実な手紙をよこすのは(たぶん)こうした極限的孤独に陥っている人ではない。うめき声とともに自己表現技術を体得した人でもない。彼らには親も兄弟もあり、そこそこの友人なりそこそこの恋人なりいるのだろう。だが、孤独なのだ。彼らにはそこそこの仕事も与えられているのだろう。だが、孤独なのだ。つまり、すべてがぼんやりしており、自分が何をしてよいのか、何をしたいのかわからない。あるいはわかっているとしても、それができない。

 人生の折り返し点を過ぎた人の多くは、自分に与えられた小さなものあるいは自分の獲得した小さなものを黙々と守るだけの生活を続けている。そして、まもなくーー高々三十年後にーー死んでゆくのだが、そのことはひたすら考えないようにしている。たしかに時折無性に虚しくなるが、そんな落とし穴に落ち込むほど青くはない。思考をぐっと現実的対象に向け変え、気持ちを整える。今自分が考えるべきこと、それは息子の大学入試であり、娘の結婚であり、自分の昇進であり、もっと広いマイホームを手に入れることだ。だが、その後はだって? 年金はいくらもらえるのか、老後の世話は誰がしてくれるのか、たしか心配は残るさ。それは二十一世紀の大きな問題だなあ。地球温暖化という大問題もあるし・・・

 ごまかすのはやめなさい! あなたはまもなく死んでしまうのだ。あなたをまもなく襲う死をおいてほかにもっと大切な問題があるのだろうか? あなたは死とともにまったく無になってしまうかもしれないのだ。そして何億年たっても二度と生き返らないかもしれないのだ。もうじき終わってしまうこの人生が、あなたに与えられた唯一の生きる機会、考える機会、感じる機会なのかもしれないのだ。もうすぐ死んでしまあなたが、必死日常的な問題にかかずらっていること、それはたぶん最も虚しい生き方である。死を目前に控えて震えている死刑囚よりも虚しい生き方であるキルケゴールとともに言えば、日常絶望していないことこそ絶望なのだ

 私に手紙をよこす人々は、こうした日常を守りながらも「どうにかしたい」と考えている。彼らは日常生活の虚しさの背後にーーたとえ自覚しないとしてもーー死を見ている。いかなる他人との交際の後でもふうっと虚しさを感ずる。恋人親友に会っても、一抹の後味の悪さが残る。こうした体験を知っている人は、勇気をもってだらだらした生活をどこかで打ち切り、少しずつ孤独になるように努めよと言いたい。もし、あなたが死を最も大切な問題だと考えているなら、孤独になるしか方法はない。そして、孤独になるには、日常生活犠牲にするしか方法はない。少しずつ日常生活から遠ざかるしか方法はないのである健全日常生活を守りながら、孤独を獲得することはできない。あれかこれかしか得ることはできないのだ。

 具体的に、孤独になるとは、他人時間を分け与えることを抑えることである自分生活を整理し、なるべく他人のためではなく自分のために時間を使うことである。多くの読者は「そんなことはできない」と言うであろう。しかし、私が強調したいことは、頭で考えるのではなく少しずつ実際に石を動かしてみることだ。生活を変えるように努力してみることだ。すると、たぶん思わぬ手応えを感ずるであろう。あなたは、次第に孤独であることに喜びを見出すであろう。他人に囲まれていなくとも、寂しくなくなるであろう。そして、自分固有の人生の「かたち」が見えてくるであろう。

 そんな曖昧模糊としたことは信じられないという人に答えたい。それなら、あなた死ぬまであなたぬるま湯日常生活を続けるがいい。そして、小さな薄汚い世間体を抱えたまま「これでよかった」と呟いて死ねばいい。

2020-06-12

ツイステへのハッピーお気持ち表明

※注意※

①これは"ハッピー"お気持ち表明です。ツイステを楽しくプレイしてる人間が書いています。この時点で嫌な予感がした方は、読まない方がいいかもしれません。

(追記)②書いてる途中ですが、今とても眠いので誤字脱字があるかもしれません。感情のまま書いてるので意味のわからない文章になってるかもしれません、ご容赦ください。




私とディズニー



 私は、過去に年パを持っていたこともあるくらいにはディズニーが好きです。ただし、Dオタさんほどの素晴らしい熱量は持っていません。すべてのショーを観に行けてるわけでもないし、すべての楽曲を口ずさめるわけでもないし、ディズニー作品をすべて網羅しているわけでもないし、パーク内の隠れミッキー場所だってあんまり知らない(探そう!ともあまり思わない)し、毎週、毎月、毎シーズンごとにインパしてるわけでもないし、グッズにたくさんお金をかけるわけでもないし、ディズニーに命をかけてるわけでもない。両親のおかげで子どもの頃からディズニーに行くことが多く、ディズニーからたくさんの夢と希望と愛を貰って生きてきただけです。そんなディズニー好きの風上どころか風下にも置けない私ですが、"ディズニーリゾートが休業している"というだけで、精神ダメージを受けていました。

 私にとってディズニーリゾートとは、どんなときも私を迎え入れてくれる場所です。私がどんなに傷ついていても、辛くても、両手を広げて暖かく迎え入れてくれる、そんな場所です。辛いことがあっても、「ディズニーはいつでも私を迎えてくれる」と乗り越えてきました。

 しかし、現在(6/12(金)時点)、コロナウイルス流行によりディズニーリゾート臨時休業していますね。正しい判断です。でも私にとっては、いつも開かれていた夢の扉が閉まっているような、行き止まりにぶち当たってしまったような感覚がずっとありました。「ディズニーに行きたい」という気持ちが増していく日々。なんとかその気持ちを抑えようと、ディズニーに関連するものをわざと避けたりもしました(実は今も少し避けてます)。そんななか、リリースされたのがツイステでした。




ツイステに救われた



 ディズニー連作品ではあるものの、ディズニーから一定距離が保たれている作品だなというのが私の印象です。もちろん、ヴィランたちをインスパイアしてるし、ストーリーキャラクターの設定などにたくさんの原作要素が入っているし、(ツイステ未プレイの方のためにも詳細は省きますが)例のあの方(※ヴォルデモート卿ではないです)も出てくるし、至るところに隠れミッキーだっているし、ディズニーとしっかり関わっていることは間違いありません。しかし、ディズニーでお馴染みのキャラクターたちがそのままガッツリ出てこない(グレートセブンはいますが、ぼんやりしか語られていないのでガッツリ判定はしていません)ことで、"ディズニーではあるがディズニーではない"と脳が判断している感じ。そんなツイステだからこそ、こんな状態の私でも、ストレスを感じず楽しく監督生としての日々を送れています

 「アプリを立ち上げれば、いつでもツイステッドワンダーランドに行ける」。行き止まりで立ち尽くす私の前に、ディズニーとは別の、夢の国(ワンダーランド)へと繋がる扉が出現したような感覚でした。"ディズニーリゾートには行けなくとも、ツイステッドワンダーランドには行ける"という事実が、私の心をゆっくりと包み込んでくれたのです。そしていつの間にか、ディズニーに行きたい気持ちはあるものの(むしろ前よりも行きたい欲は増してる)、それをストレスに感じることがなくなりました。




最後



 ツイステッドワンダーランドという素敵な作品に携わっている枢先生をはじめとする方々には、感謝してもしきれません。このタイミングリリースしてくれて、ありがとう。いつでも迎え入れてくれて、ありがとう。私を救ってくれて、ありがとう

 夢と魔法王国冒険イマジネーションの海へと繋がる扉が再び開かれるには、もう少し時間がかかるかもしれません。開かれるのを待つ間も、そして開かれたあとも、私はツイステッドワンダーランドでのハチャメチャな生活を、グリムと共に精一杯楽しみたいと思います

最後まで読んでくださってありがとうございました。




P.S.

 フェアリーガラレオナさん…お願いだから早く来て……

anond:20200612101104

平均的な日本人アメリカ治安の悪さについてはぼんやりしか知らないし、貧富の格差についてもよく知らない。

英語が話せるようになったらアメリカに住みたい」と思ってるアホが大多数。

2020-06-11

ノムリッシュ羅生門

ある日の暮方の事である。一人の名も無き勇者が、羅生門の下で雨やみを待っていた。

 広い門の下には、この男のほかに誰もい――家畜に神はいない。ただ、第14創聖神の頂点所々丹塗にぬりの剥はげた、極めてゲインな円柱に、グリジャル=グリージョが壱式匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はアンティカ族そうなもので或る。それが、この男のほかには名も知らぬ有象無象もいない。

 何故かと奏上すと、この二三世紀、狂都には、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか奏上す災がつづいて起った。そこで洛中さびれ方は一通りではない。旧記によると、仏像や聖宝具を打砕いて、その丹にがついたり、金銀の箔が神の光に導かれるままに――たりした木を、路ばたにつみデュアルシフトして、薪の料Ξ(クシー)しろに売っていたと云う仕儀である。古の眠りより目覚めし漆黒洛中がその始末で希望はまだ残っている…預言書にはそうあるから羅生門の命の吹き込みを含むあらゆる存在は、元より愚かなるエトロの子らも捨てて顧る者がなかった。――運命の結末は――その荒れ果てたのをよい禁呪にして、狐狸が棲すむ。盗人が棲む。とうとうしまいには、引取り手のない…それに、何度ぶっ倒しても消えた仲間たちはもう蘇らない。死人を、この俺が愛したペテロの門へ携えて召喚て、棄てて行くと奏上す習慣さえ出来た。そこで、日の目が脳に光景を焼き付けなくなると、誰でも気味を悪るがなどと、このアビスゲートのウムウェルトへは足ぶみをしありますまい事になってしまいやがったのである

 預言書にも記されているそれ代りまた鴉がどこからか、ff15の在庫の山に勝るとも劣らないほど大量集って来た。灼熱の地獄見ると、それ程のカラー=スが何羽~パセリを添えて~となく輪を描いて、高い鴟尾(使用間隔:8ターン)しびの下界を啼きながら、飛びまわっている。ことに門のハートレスが、夕焼けであかくなる歴史とき)には、それが護摩をまいたおやおや、これはこれはにはっきり見えた。鴉は、知れた事よ…、門の天上に最も近き行く手にある死人の肉を、啄ついばみに来るのである。――もっと今日は、刻限が遅いギルティ-罪-か、断絶されし孤独な羽も見えないのさ……。ただ、所々、崩れかかった、そうしてその崩れ目に長い草はえた石段の上に、鴉の糞ふんが、点々と白くこびりついているのが見える。下人は七段ある石段の始原(ウーヌス)番上の段に、洗いざらした紺の襖の尻を据えて、右のペルソナフィールドに出来た、大きな面皰を気にしながら、夢幻の罠に囚われる、雨のふるのを眺めていた。

 創造者はさっき、「下人が雨やみを待っていた」と綴った。しかし、例えこの地上から闇が払われたとしても、下人はフォールアウトがやんでも、格別…へへ、どーするよしようと奏上す当てはかつての絶望を想起させる。ふだんなら、勿論、主人の家へ帰る可き筈である。所がそのオルロワージュ――預言書にはそうあるからは、四五あの日前に悠久の時を出された。刹那にも綴ったノコノコと死にに来たかに、当時京都の町は一通り…それでも“力”を求めるのならず衰微していた。今敬虔シスターをも蕩かす下人が、永年、使われていたオルロワージュ故、暇を出されたのも、預言書の記述によればこの衰微の小さな余波にほかならない。だから魔導竜騎兵「下人が雨やみを待っていた」と奏上す…古代呪法によりも「雨にふりこめられた下人が、行き所が…俺があいつを暗殺し、あいつが亡くて、途方にくれていた」と奏上すフォースが、適当で…預言書にはまだ続きがある。その上、神々が示し祝福した日の空模様も少からず、この平安朝の下人の Sentimentalisme に影響(エフィシエント)した。イミテーションドリームメイカーモンキーの刻こく下…それが人間の『闇』だからふり出した空知らぬ雨は、いまだに上るけしきが預言書にない。そこで、下人は、何をこれても差当り人類の掴めたはずの希望の暮しをどうにかしノコノコと死にに来たかとして――云わばどうにもならありますまい魔法を、どうにかしようとして、とりとめもない未来に思い巡らせをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる涙の雨の命の音《ハウルリズム》を、聞くともなく聞いていたのでベリアル

 雨は、羅生門をつつんで、悠久の彼方から、ざあっと云う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、名詠門(チャネル)の天蓋が、斜につき出した甍の最前線に、重たくうす暗い雲を支えている。

 どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んで…俺たちはファイナルファンタジーで繋がっている遑はない。選んでいれば、築土の格下か、道ばたの土の上で、饑死にをするばかりである。そう――して、この名詠門(チャネル)の上へその胸に抱いて来て、忠実なる獣のように棄てられて ──それに、どうせこの地球(ほし)はもうすぐ消えてしまうばかりであらァ。選ばないとすれば――名も無き勇者未来に思い巡らせは、…お前が望むのなら、何度も同じ道を低徊した揚句あげくに、やっとこの局所へ逢着ほうちゃくした。併しこの「すれば」は、いつまでたっても、結局野村「それと俺の解釈では、すれば」であった。

下人は、手段を選ばないと申される事を肯定しながらも、この「バカモノー!すりゃば」のかたを装着する…これも貴方のために、当然、その貴様を倒した後に来る可きグルガン族「盗人になる…古代呪法によりほかに仕方がない」と云う事を、積極的肯定…そして世界は滅亡するだけの、勇気が出ずにいたのである

 下人は、偉大なる嚔くさめをして、それから、大儀そうに立上った。夕冷えの不可視世界(ヴァルハラ)に還る京都は、お前たちがどう足掻こうが火桶が欲しいほどの寒さであるいのちを息吹の神は門の柱とリヒト・ゾイレとの運命境界線を、夜の口と共に遠慮なく、吹きぬける。丹塗の人柱にとまっていた蟋蟀きりぎりすも、もうどこかへ行ってしまった。

 名も無き勇者は、頸をちぢめながら、山吹の液状クリスタル袗に重ねた、紺のフースーマの肩をハイスして門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目に悠久の時を経る惧の預言書にない、一晩楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、ワラキアの夜を明かそうと思った…無限存在する並行世界からである。――運命の結末は――、天の福音が穢れた地に満たされる門の上の大神殿へ上る、幅の広い、これも丹を塗った梯子が隻眼に神の光に導かれるままに――た。上なら、人がいたにしても、預言書は絶対だ…死人ばかりである。下人はそこで、メラクにさげたホーリー柄のリディルたちが鞘走らない……と予言書にも記されているように気をつけながら、藁草履はいた足を、その梯子の一番下の段へふみかけた。

 それから、何分かの後である羅生門の楼の上へ出る、幅のあたかFF15の世界梯子の中段に、一人のオーガが、気まぐれな“子猫”のように魂の器をちぢめて、息を虚空へ返しながら、上の容子を窺っていた。大神殿の上からさす全てを焼き尽くす憤怒の炎の光が、かすかにその男の右の頬をぬらしている。短い鬚の奥底に、赤く膿うみを持った面皰のある…だが、そのうちの一つは…“今”消える頬である…だが、そのうちの一つは“今”消える…。下人は、始めから、この天上に最も近き行く手にいる者は、死人…そのようなことを繰り返していては民の心は離れていくばかりだと高を括くくっていた。それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰か火をとぼして、しかもその火をそこここと動かしておるらしい。…間違いない、これは、その濁った、春の野にひっそりと咲く、儚い花の色――俺の傍にいろい光が、隅々に蜘蛛もの巣を星の命運をかけた預言者に対抗しうる力を持った天井裏に、慟哭ながら映ったので、すぐにそれと『構築』せよたのである。この雨の夜に、この羅生門の天で、火をともして顕現してるが根源となるは、どうせただの者ではない。

 下人は、守宮やもりの……と予言書にも記されているように足音をぬすんで、戦いの果て――急な梯子を、一番上界の階層より遙か深淵の彼方まで這うようにして上りつめた。そうしてただの器を出来るだけ、ヘイヤードたいらにし、帝国風の焼き味噌で一杯飲(や)りながら、頸を出来るだけ、前へ出して、恐る恐る、大神殿の内を覗のぞいて見た。

 見ると、楼の深淵には、噂に聞いた通り、幾つかの死骸しがいが、無造作に棄ててあるが、火の光破/両腕が破壊の扉を開くの及ぶ間合いが、思った…古代呪法により狭いゆえ、数は幾つともわからない。如何なる場合においても、おぼろげ、“本来の姿”へと変身しながら、知れるのは、運命に身を投じた中立たるに裸の死骸と、王国騎士制式胴鎧を装備した死骸とがかろうじて存在を維持しているという事である。勿論、中には女も男もまじって…未だその存在は謎に包まれているそのように思考されている。そうして、その死骸は命を賭して戦ってくれる仲間、それが、かつて、生きていた人間だと奏上す事実さえ疑われるほど、土を捏こねて造ったヒトノカタチのように、口をヒ・ラーキフッ まかせておけ。たり手を延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とかペクトゥスとか…これは異界≪ビヨンドに生きる者達の物語の始まりにすぎない…の高くなって属する部分に、ぼんやりした火の光をうけて、低くなっている…だが、その裏ではそれを欲さんとする各国の策謀戦が行われていた…部分の影を一層暗くし、自慢の愛車で仲間と共に荒野をかっ飛ばしながら、悠久《パーマネント》に唖おしの如く黙っていた。

 下人げにんは、それらの死骸の腐爛した臭気幻想(おも)わず、到達することのできない境地を掩おおった。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を小僧との思い出を奪われていた。存在しえる強い感情が、一部のイカれたヤツを除きことごとくこの夏――男の嗅覚を奪ってしまたからだ。

 下人の邪王真眼は、その歴史とき)、はじめて大いなる死骸の中に蹲うずくまっている人間を確実に目に焼き付けた。檜皮色の着物を着た、背の低次元、痩やせた、白髪頭の、猿のような魔女である。それ程のカントリーグランド・マムは、右の手にフィアンマをともした松の人の住みし記憶の欠片きぎれを持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。女神御贄(ベレニケス)の永い村の者ですら滅多に近寄らない所を見ると、多分歴史から消し去られたその女帝のシ骸であろう。

 下人は、六分のフォヴィアと四分の好奇心とに動かされて、暫時ざんじは呼吸を破滅へ導くのさえ忘れていた。旧記の記者の語を借りれば、「頭ミノ=ケ・ザ・ヘルヘイムもゴーレムと化す」ように<知覚>したので存在量子力学的揺らぎを固定する。

――運命の結末は――老婆は、億千の針を持ちしものの木片を、床板の間に挿して、それから、今まで眺めていた死骸の賞金首に大切なものさえ救えなかった俺の両手をアモルファス要請すると、丁度、猿の親が猿のクォの虱をとるノコノコと死にに来たかに、帝国の途方もなく、終わり見えないほどに長い髪の毛を一ファイナルファンタジー攻略本ずつ抜きはじめた。人類の頂点に立つ漆黒の神は手に従って抜ける…俺の仇打ちはまだ終わってはいないらしい。

 その黒いフードの男髪の毛が、壱式ファイナルファンタジー攻略本ずつ抜ける…理解者のみって言ったのに従って、下人の心からは、恐怖が少しずつマイカ老師と共に異界に消えて行った。そうして、それと同時に、この魔女に対するかつての聖戦を思い起こさせる憎悪が、アンダンテ動いて来た。――いや、狂気魔女に対すると云っては、ゴ=フェインがあるかも知れ…私の秘密知ったからには生かしてはおけない。摂理に従い、森羅万象に導かれる悪に対する反感が、一分毎に強さを増して来たのである。このクロノス、誰かがこの世ならざる名も無き勇者に、さっき門の下でこの鋼鉄の鎧に巨大な斧を背負った男が考察班ていた、饑死にを異世界の穢れし魔物召喚するか空賊ぬすびとになるかと奏上す問題を、改めて持出したら、恐らく下人は、何の過去に置いてきたものもなく、饑死を選んだ事で発動させる”禁呪”であろう。それほど、この男の悪を憎む心は、カントリーグランド・マムの地獄の地に挿した松の木片のように、勢いよく燃え上り出していたのである

 名も無き勇者には、勿論、…人は何故カントリーグランド・マムが死人のバイオケーブルを解き放つかわからなかった。預言書の記述にあるように、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。――否、下人にとっては、この雪ぐは戴天の罪の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に許すべからざる正義の伴侶であった。勿論、下人は、さっきまで自分が、盗人になる、そして君の風になる気でいた事なぞは、とうに忘却ていたのである

 そこで、下人は、両足に力を世界を切り開けて、刹那、、梯子から上へ飛び上った。そうして聖柄の叢雲の太刀に魔手をかけ、“汚れた天使”と呼ばれた彼を心の底から称賛しながら、大股に老婆の前へ歩みよった。老婆が驚いたのは云う…その命の灯火尽きるまでもこんな最低な世界にもはやなんの未練もない。

 老婆は、一目下人を見ると、…あれは…見たことがある……弩に俺はドジでスケベで頼りない…でも弾はじかれたように、飛び上った。

バカモノー!おのれ、どこへ行く。」

 下人は、老婆が死骸につまずきながら、慌てふためいて逃げようとする行手を塞ふさいで、こう罵ののしった。老婆は、それでも名も無き勇者をつきのけて行こうとする。名も無き勇者はマーター&デヴォーション、それを行かすまいとして、押しもどす。

エメラルドウェポンやオメガウェポンと同等の強さを持つ二人は死骸の中で、悠久の時を経て、詠唱破棄のまま、つかみ合った。しか勝敗は、サービス開始が根源となるわかっている…奇しくもそれは、予言書に記された記述と同一の状況であった…。下人はとうとう、魔女の腕をつかんで、言葉などと云う貧弱なものでは顕せぬにそこへ螺旋の終止符倒した。丁度、鶏の脚のような、骨と皮…俺たちの冒険はまだ始まったばかりの我が能力である

「百億の鏡のかけら…小さなともしび…とらわれた天使歌声…ゼノ…ギアス”ナニ”をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」

 下人は、老婆をつき放すと、いきなり、太刀の鞘を払って、聖なる輝きを放つ刃金の属性をその眼の前へつきつけた。けれども、老婆は沈黙調和している。二刀流をわなわなふるわせて、ショール・ダークネスで息を切りながらも、人類は救いを求める―――、眼を、デュアルアイセンサーがまぶたの外へ出そうになるほど、見開いて、言語の束縛より解き放たれし者のように執拗く黙っている。これを見ると、下人は始めて確定的に明らかにこの老婆の生死が、全然自分意志(消え去ることなく受け継がれゆくモノ)にドミナンス・ドグマされていると奏上す魔法意識した。そうしてこの意識は、今までけわしく爆ぜていた憎悪のバレッテ(宿りし邪悪意思)を、千年の時を越え冷ましてしまった。後あとに存在したのは、3000ギル払えば、なんとただ、ある仕事をして、それが円満に“完成”した浮世の静かなる支配者の、安らかな得意と満足とがあり…いつしか“光”と“闇”に分かれる…俺たちの冒険はまだ始まったばかりである。そこで、下人は、老婆を“劣等種”どもと同等に扱い、忌まわしき呪いの傷を隠しながら、僅か声を柔らげてこう云った。

とある神羅兵「己人のぬくもりを知らなかったおれは検非違使の教団の役人を始めとする反乱軍ではない。今し方このヘブンズ・ゲートの下を通りかかった失われし聖蹟アーク〉を探すあてどない彷徨の者だ。王室魔導院の研究によればお前…いや、お前らにキングダムチェーンなわをかけて、どうしようと云うような――だが、我らには関係のない事はない。ただ、ノーラムの刻時分この、眠らない街で……門の上で、何をして居たのだか、それを己に話しさえすりゃばいいのだ。」

 ――運命の結末は――、老婆は、見開いていた眼を、一層強く、逞しく、獰猛にして、じっとその下人の顔を見守った。まぶたの血のように赤く変貌を遂げた、肉食鳥の…また貴様か……な、ケーキを切り分けるには便利眼:通称バカリンゴ” で見たのである。…死闘の末、皺で、一部のイカれたヤツを除き、鼻と一つになった唇を、何かエーテル素体でも噛んでいるように動かした。細いアトモスホールで、尖った喉仏のどぼとけの動いているのが見える。その時、その喉から、鴉の啼く……と予言書にも記されているような声が、喘豪華声優陣のフルボイス豪華声優陣のフルボイス、下人の耳へ伝わって来た。

 クラウド伝説の髪を放ってな、この血餘を抜いてな、鬘にしようと聖なる光に包まれるたのじゃ。記憶たか?」

 下人は、老婆の答が神々すらも予想だにしなかったであろう、平凡なのに失望した。必然して霊結晶の反転すると同時に、また前の憎悪が、冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へはいって新約した。すると、大いなる気色が、先方へも通じたのであろう。老婆は、土の化身である片手に、まだクリスタルの頭から禁断なる接受を果たした長い抜け毛をその胸に抱いたなり、アフマウの夜伽を務めるヒキガイェ・ルシの詠唱するようなかっこうの囁きで、口ごもりながら、預言書に示された通りの事を帝国考古学文献にそう書いてあった。

「成程な、死人しびとのこの世から逃亡せし我が同士を抜くと奏上す事は、何ぼう悪い事かも学べぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆の者、そのくらいな事変を、されてもいい人間…かつての大戦英雄ばかりだぞよ。神に見放された孤独時間、わしが瞬間(いま)、髪を抜いた女などはな、蛇を四寸ばかりずつに切って干したのを、干魚だと奏上すて、太刀帯の陣へ売りに往いん(魔導キャノン搭載)だわ。疫病にエンカウントして死ななんだら、地上が闇に閉ざされた今……確かに人間は愚かな生き物だよ。でもウリエルに往んでいた事であろ。それでも……人は生きる。もよ、この女の売る干魚は、帝都第七階層居住エリアで飲む、いつもの味が赦すと云うて、太刀聖鎖どもが、欠かさず菜料に買っていたそうな。わしは、この女のした事が悪いとは思うていぬ。せねば、饑死をするのここまでの様だなて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事変も許されることじゃない…事とは思わぬぞよ。…へへ、どーするよ、コレ……かつてないほどに推測の域をこえないがせねば、饑死を……空軍を呼べ! 空爆によって破壊するじゃて、仕方がなくする事ここまでの様だなイグレクの。程度のものではて、伝説に語られる仕方がない事を、よく知っていたこイブは、大方白銀イーグルのする事も大目に見てくれるであろ。」

 老婆は、俺がイカれてなければこれ程の……私がこの世界に生まれたその意味コンテンツ帝国考古学文献にそう書いてあった。

 名も無き勇者は、煉獄裁断ス切ッ先を鞘、この物語主人公におさめて、その村正の柄つかを左の魔手でおさえながら、冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、赤熱化ペルソナフィールドに膿を持った大きな面皰を気にしながら、聞いてその時を待ち侘びているのである。かつてより懸念されていたとおり、…わからいか? これを聞いている中に、下人の心には、ある…だが、そのうちの一つは“今”消える何者をも恐れぬ強靭意志(おもい)が生まれて…そして人類を滅ぼす時が来た。かの者は、さっき堅固なるイシュタルの城門の下で、この男には存在破壊されていた戦士の魂である。そうして、また、いつの日にかさっきこの門の上へ上って、この魔女を捕えた時のブレイブハートとは、全然、ユブの反転なベクトルに動こうとする勇気である。下人は、饑死をするか盗人に解き放たれるかに、迷わかった…そのようなことを繰り返していては民の心は離れていくばかりではない。

その天獄の門が開かれた時の叙事詩にある男のヒュージマテリアもちから云えば、饑ディスなどと奏上す事は、ほとんど、考える事で発動する”禁呪”さえ出来ないほど、意識の外に追い出されていた。

「たとえこの魂が闇に穢れようとも、そう・・・、それはか。」

 老婆の伝承が完おわると、人間憎悪するゲ・ニンは嘲るような音無き音《ヴォイド・ヴォイス》で念を押した。そうして、一足前へ出ると、バックアタックに右の手を面皰から次元狭間に引きずりこみて、老婆の襟上をつかみ、帝国海域で獲れた新鮮なクジラ肉の刺身しょうが醤油いただきながら、噛みつくように神の如く云った。

「では、己若く、漲っていた頃のおれが引剥をしようと友情の3つのUの内2つ目をやはり行為まいな。己もそうしなければ、饑新たらる世界への扉をしてやるッ!!!なのだ。」

 下人は、すばやく、魔女の古より受け継がれしチャ・クムゥンヌを剥ぎとった。戦の後、チョコボよりも大きなこの足にしがみつこうと仕留める老婆を、手荒く死骸の上位次元へ蹴倒した。梯子の口までは、僅に五歩を数える…かつての大戦英雄ばかりである。名も無き勇者は、剥ぎとった檜皮色の着物をわきにかかえて、またたく間に急な天獄への階段を夜の底へかけ下りた。

 しばらく、続く者の灯火になり及んだように倒れていた老婆が、クリスタルの中から、その裸の体を起したのは、…死闘の末かりそめの刻(とき)を経ての事である。老婆はアリアを歌う……と予言書にも記されているような、うめくようなかっこうの囁きを立てながら、──まだ──この男がいる──人智の炎をその身に受けている火の光をたよりに、梯子の口まで、這って立ち向かった。そうして、そこに我の探し求めてきた秘密が……、それゆえに、終焉は近い銀狼しらがを斃さかさまにして、門の格下を覗きこんだ。外には、ただ、黒洞々こくとうとうたる漆黒覆われし深淵に巣くう黒き獣がかろうじて存在を維持しているばかりであり…いつしか“光”と“闇”に分かれる。

 名も無き勇者行方帝国士官学校落ちこぼれゆくえは、何奴も知らない。

AKB絶対レベルクオリティが上がっているはずなのに

往時ほど話題にもならないのなんなん。

総選挙全国ネットゴールデンでやってたやん。

興味のない俺でも神セブンというのが人気投票の上位七名であることは知っていたし、前田ね、大島ね。くらいは知ってた。

それこそ神セブンの顔と名前くらいはぼんやりと知ってた。

今、誰が一位かも知らん。

でもさ、こなれてというか洗練されて、規模も大きくなって、スタッフ外注にも金を掛けられるようになっていろんな活動クオリティは爆上がりしてんじゃないの?

クソデカ羅生門

ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカ羅生門の完全な真下で雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。

 馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗のびっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかに全然誰もマジで全くいない。

 何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊辻風とか最強大火事とか極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中さびれ方はマジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカ仏像文化財クラス仏具ものすごいパワーで打砕いて、その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、薪の料に売りまくっていたと云う事である。クソ治安がいいことで知られる洛中がその始末であるから正気を疑うレベルデカ羅生門の完全修理などは、元より誰も捨てて顧る者がマジで全然なかった。するとそのドン引きするくらい荒れ果てたのをよい事にして、クソヤバい狐狸がドンドン棲む。世界最強の盗人が6万人棲む。とうとうしまいには、マジで悲しくなっちゃうくらい全然取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が怖いくら全然まったく見えなくなると、誰でもメチャメチャ気味を悪るがって、この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまったのである

 その代りまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、亜音速で飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、それが胡麻えげつない量まいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、頭おかしいくらデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、気が狂ったように啄みに来るのである。――もっと今日は、刻限がハチャメチャに遅い(ほぼ夜)せいかマジで一羽も見えない。ただ、所々、ほぼ崩れかかった、そうしてその崩れ目にメチャメチャ長い草の森のごとくはえ倒したクソ長い石段の上に、鴉のえげつなく臭い糞が、点々と白くこびりついているのが見える。下人は七千万段ある石段の一番上の段に、洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。

作者はさっき、「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と書いた。しかし、下人は激烈豪雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはマジで全然ない。ふだんなら、勿論、クソ強い主人のえげつなくデカい家へ帰る可き筈である。所がその糞主人からは、四五日前に暇を出し倒された。前にも書いたように、当時ただでさえ最低最悪のゴミの掃き溜めである京都の町は一通りならず衰微しまくって本当に惨めな感じになっていた。今この最強にヤバい下人が、永年、犬のごとくこき使われていた主人から、暇を出されたのも、実はこの大衰微のクソしょぼい小さなさな余波にほかならない。だから「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と云うよりも「クソヤバい豪雨にふりこめられた下人が、マジで全然行き所がなくて、超途方にくれていた」と云う方が、完全に適当である。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のヤバい下人のUltimet-Sentimentalisme of the Godsに影響した。申の刻下りからふり出した大雨は、いまだに上るけしきが全然かけらもない。そこで、のちに剣聖と呼ばれる最強の下人は、何をおいても差当り明日の暮しをメチャメチャどうにかしようとして――云わば絶望的にどうにもならない事を、どうにかしようとして、悲しくなるくらいとりとめもない考えをたどりながら、さっきからアホみたいに広い朱雀大路にふる豪雨の音を、聞くともなく聞いていたのである

 豪雨は、トチ狂ったクソデカさの羅生門をつつんで、メチャメチャ遠くから、ざあっと云う轟音をあつめて来る。夕闇は次第に空をびっくりするほど低くして、見上げると、超巨大門の超巨大屋根が、斜につき出した超巨大甍の先に、ドチャクソ重たくうす暗い雲を嫌になるくらい支えまくっている。

 どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる遑は本当にマジでまったくない。選んでいれば、築土の真下か、道ばたの土の真上で、超苦しい饑死をするばかりである。そうして、このガチ世界デカい門の上へ猛スピードで持って来て、きったない犬のように超速で棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――巨大下人の考えは、何度も寸分たりとも違わず完全に同じ道を低徊した揚句に、やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、マジでいつまでたっても、結局「すれば」であった。クソザコ下人は、手段を選ばないという事をエグ肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来る可き「世界最強の盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、積極的肯定するだけの、莫大な勇気が出ずにいたのである

 下人は、意味わからんくらいクソ大きな嚔をして、それから死ぬほど大儀そうに立上った。南極かってくらいに夕冷えのする世界最悪の罪の都京都は、もう火桶が8億個欲しいほどのガチえげつない寒さである暴風は信じられないほどデカい門の巨柱と巨柱との間を、クソヤバい濃さの夕闇と共にマジで全然遠慮なく、吹きぬけまくる。丹塗の超巨大柱にとまっていた象サイズの蟋蟀も、もうどこかへ行ってしまった。

 下人は、頸を人間限界を超えてちぢめながら、山吹の汗袗に無理やり重ね倒した、紺の襖の肩を物理的にありえない動きで高くしてクソデカ門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる惧のない、一晩メチャメチャ楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、クッソ長い夜を明かそうと思ったかである。すると、幸い超巨大門の上の宮殿並みにデカい楼へ上る、幅のバカ広い、これも丹をキチガイみたいに塗りたくった梯子が眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ臭くてきったない死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた巨大な聖柄の大太刀が鞘走らないように気をつけ倒しながら、藁草履はいた巨大な足を、そのバカかい梯子の一番下の段へ渾身の力でふみかけた。

 それから、何百分かの後である。クソデカ羅生門の楼の上へ出る、幅のアホみたいに広い梯子の中段に、一人の巨大な男が、猫のように身をちぢめまくって、ヤバいくらい息を殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす大火炎の目を灼く光が、かすかにその男の右の頬をぬらしている。えげつなく短い鬚の中に、とんでもなく赤く膿を持った巨大な面皰の大量にある頬である。巨下人は、始めから、この上にいる者は、臭死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三千段上って見ると、上では誰か燃え盛る大火をとぼして、しかもその大火をそこここと疾風のごとき速さで動かしているらしい。これは、そのドブのように濁った、この世の理を超えて黄いろい光が、すべての隅々に巨大人食い蜘蛛の巣をかけた天井裏に、激しく揺れながら映ったので、メチャすぐにそれと知れたのである。この豪雨の夜に、このクソデカ羅生門の上で、世界すら灼く業火をともしているからは、どうせただの者ではない。

 下人は、巨大な守宮のように足音をぬすんで、やっとクソ急な梯子を、一番上の段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、紙のように平にしながら、頸を出来るだけ、ろくろっ首のごとく前へ出して、恐る恐る、巨大な楼の内を覗いて見た。

 見ると、地の果てまで広がるがごとき楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの山のように巨大な死骸が、無造作に棄ててあるが、業火の極光の及ぶ範囲が、思ったよりクソ狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に完全に全裸の死骸と、メチャクチャ高級な着物を着まくった死骸とがあるという事である。勿論、中には女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、かつて、生きていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏ね倒して造った人形のように、口をヤバイくらい開いたり手をキロ単位で延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの山くらい高くなっている部分に、ぼんやりした猛火の光をうけて、クソ低くなっている部分の影を一層超死ぬほど暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。

下人は、それらの超ビッグ死骸のメチャメチャくっせえ腐爛した最悪の臭気に思わず、鼻を掩って掩って掩いまくった。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を完全に忘れ尽くしていた。あるハチャメチャに強いクソデカ感情が、ほとんどことごとくこの最強男の嗅覚を奪ってしまたからだ。

 下人の巨眼は、その時、生まれてはじめてその激臭死骸の中に蹲っている最低最悪醜悪人間を見た。檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような老婆である。その老婆は、右の手に大火炎をともした最高級松の巨大木片を持って、その大死骸の一つの巨顔を覗きこむように眺め倒していた。髪の毛のクソ長い所を見ると、多分傾国美女の死骸であろう。

 下人は、六〇〇分の恐怖と四〇〇分の知的好奇心とにつき動かされ続けて、暫時(七十二時間)は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を全て丸々借りれば、「頭身の剛毛も一生太り続ける」ように感じまくったのである。すると糞老婆は、高級松の大木片を、床板の間に狂ったように挿して挿して挿し倒して、それから、今まで眺め続けていた大死骸の首に両手をかけると、丁度、大猿の親が大猿の子の虱を全部とるように、そのバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜きはじめた。髪は手に奴隷のように従って抜けるらしい。

 その髪の毛が、一〇〇〇〇本ずつ抜けるのに従って、下人の腐りきった心からは、恐怖が少しずつ完全に消えて行った。そうして、それと完全にピッタリ同時に、この老婆に対する想像を絶するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この糞老婆に対すると云っては、語弊がありすぎるかも知れない。むしろ、この世に存在しうるありとあらゆる悪に対する巨大な反感が、一分毎に強さを等比級数的に増して来たのである。この時、誰かがこの最強正義体現たる下人に、さっき門の真下でこの性根の腐ったドブ男が考えていた、超苦しい饑死をするか世界最強の盗人王になるかと云う世紀の大問題を、改めて持出したら、恐らく清廉潔白高潔下人は、マジで何の未練のカケラもなく、本当にめちゃめちゃ苦しい饑死を選んだ事であろう。それほど、この男の中の男のあらゆる悪を世界一憎む心は、老婆の床に挿しまくった最高級松の大木片のように、超勢いよく燃え上り出していたのである

 大馬鹿で学のない下人には、勿論、何故糞老婆が死人の髪の毛を抜くか本当に一切わからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいかマジでまったく全然知らなかった。しか馬鹿下人にとっては、この豪雨の聖夜に、このクソデカ羅生門の真上で、大死人のぬばたまの髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に絶対に許すべからざる世界最低の悪の中の悪であった。勿論、クソアホ下人は、さっきまで自分が、世界一の大盗人王になる気でいた事なぞは、とうの昔に忘れきっていたのである

 そこで、下人は、両足に剛力を入れまくって、超いきなり、大梯子から千里(約一万二千メートル)上へ飛び上った。そうして世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀に手をかけながら、超大股に老婆のど真ん前へ歩みよった。老婆が死ぬほど驚いたのは云うまでもない。

 老婆は、一目下人を見ると、まるで攻城弩にでも弾かれたように、天高く飛び上った。

「おのれ、どこへ行く。」

 最強下人は、雑魚老婆が大死骸全てに無様につまずきまくりながら、可哀想なくらい慌てふためいて逃げようとする行手を完全に塞いで、こう罵りまくった。糞老婆は、それでも神速で巨大下人をつきのけて行こうとする。剛力下人はまた、それを絶対に行かすまいとして、ものすごい力で押しもどす。二人は巨大死骸のまん真ん中で、しばらく、完全に無言のまま、つかみ合った。しか勝敗は、宇宙のはじめから誰にでも完全にわかっている。下人はとうとう、老婆の腕を馬鹿力でつかんで、無理にそこへ叩きつけるようにねじ倒した。丁度、軍鶏の脚のような、本当に骨と皮ばかりの細腕である

「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」

 下人は、老婆を全力でどつき放すと、いきなり、大太刀の鞘を瞬間的に払って、白いミスリル鋼の芸術品のように美しい色をその眼の前へつきつけた。けれども、極悪老婆は完全におし黙っている。両手をわなわな高速でふるわせて、強肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ完全に飛び出そうになるほど、ありえないくらい見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを見ると、最強下人は始めて明白にこの糞老婆の生死が、全然自分の完全なる自由意志にまったく支配されていると云う事をめちゃくちゃ意識しまくった。そうしてこの超意識は、今までけわしく燃えさかっていた巨大憎悪の心を、いつの間にか絶対零度まで冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、ある大仕事をして、それが超円満にめちゃくちゃうまく成就した時の、人生最高の安らかな得意と大満足とがあるばかりである。そこで、有能下人は、老婆をはるか高みから見下しながら、少し声を柔らげてほとんど聞き取れないほどの超早口でこう云った。

「己は検非違使の庁の役人などでは断じてない。今し方この巨門の真下を通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけまくって、どうしようと云うような事は神仏に誓って絶対にない。ただ、今時分この巨大門の真上で、何をして居たのだか、それを己に話しまくりさえすれば最高にいいのだ。」

 すると、糞老婆は、超見開いていた眼を、構造的にありえない形で一層大きくして、じっとその下人のブッサイクで気持ちの悪い巨大な顔を見守った。

まぶたの超赤くなった、凶暴肉食最恐鳥のような、めちゃくちゃ鋭い眼で見まくったのであるそれから、本当に醜い皺で、ほとんど、鼻と一つになったタラコ唇を、何か金剛石のごとく硬い物でも噛んでいるように動かした。極細い喉で、針のように尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉から、凶鴉の啼くような汚い声が、喘ぎ喘ぎ、下人の大耳へ伝わって来た。

「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、巨大鬘にしようと思うたのじゃ。」

 天下無双の無敵下人は、老婆の答が存外、めちゃくちゃ平凡なのに自殺したくなるくらい本当に失望した。そうして極限まで失望すると同時に、また前の強烈な殺意内包した本気の憎悪が、氷のように冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へ大量にはいって来まくった。すると、その超メチャメチャ剣呑な気色が、先方へもテレパシーのごとく完全に通じ倒したのであろう。雑魚老婆は、片手に、まだ大死骸の頭から奪いまくったバカ長い抜け毛を大量に持ったなり、蟇のつぶやくようなクソ小声で、口ごもりながら、こんな事を云った。

「成程な、死人の髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう滅茶苦茶に悪い最低の事かも知れぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、八岐大蛇を四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと云うて、太刀帯の陣へ売りに往んだわ。大疫病に五回かかって死ななんだら、今でも毎日売りに往んでいた事であろ。それもよ、この女の売る干巨大怪魚は、味が頬が落ちるほど本当によいと云うて、太刀帯どもが、絶対毎日欠かさず菜料に買いまくっていたそうな。わしは、この女のした事が人類史に残るほどに悪いとはまったく思うていぬ。せねば、とてつもなく苦しい饑死をするのじゃて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も超悪い事とは全然思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、超苦しい饑死をするじゃて、マジ仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その本当に仕方がない事を、よく知っていたこの極悪女は、大方わしのする事も大目に見まくってくれるであろ。」

 老婆は、大体こんな意味の事を超早口で云った。

 巨大下人は、大太刀を瞬きの間に鞘におさめて、その大太刀の美しい柄を左の手でおさえながら、死ぬほど冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、メチャメチャ赤く頬に膿を大量に持った超大きな面皰を気にしまくりながら、聞いているのであるしかし、これを聞いている中に、下人の史上空前に邪悪な心には、あるクソデカ勇気が生まれて来た。それは、さっきクソデカい門の真下で、この腑抜けカス男には全く欠けていた勇気である。そうして、またさっきこの馬鹿かい門の真上へ瞬間的に上って、この老婆を人間離れした動きで捕えた時の勇気とは、全然、完全に反対な方向に動こうとするデカ勇気である。下人は、超苦しい饑死をするか大盗人王になるかに、まったく一瞬たりとも迷わなかったばかりではない。その時のこの最低男の心もちから云えば、苦しい苦しい饑死などと云う事は、ほとんど、考える事さえ出来ないほど、意識の完全な外に追い出され倒していた。

「きっと、そうか。」

 老婆の話が完ると、下人はメチャメチャ嘲るような声で念を押しに押した。そうして、一〇〇〇足前へ出ると、不意に右の手を面皰から七尺離して、老婆の襟上を神速でつかみながら、噛みつくようにクソデカい声でこう云った。

「では、己が完全引剥をしようとまったく恨むまいな。己もそうしなければ、二時間後に饑死をする体なのだ。」

 韋駄天異名をとる下人は、目にも止まらないほどすばやく、老婆の着物を完全に剥ぎとった。それから丸太のように太い足にしがみつこうとする老婆を、超手荒く死骸の上へ蹴飛ばし倒した。梯子の口までは、僅に五千歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった檜皮色の着物をわきにかかえて、マジでまたたく間に死ぬほど急な梯子を夜のドン底へかけ下りた。

 しばらく、まさしく死んだように倒れていた糞老婆が、巨大死骸の中から、その全裸のあまりに醜すぎる体を起したのは、それから本当に間もなくの事である。老婆はつぶやくような、うめくようなクソうるさい声を立てながら、まだ太陽のように燃えさかっている火のまばゆい光をたよりに、梯子の口まで、えげつないスピードで這って行った。そうして、そこから、びっくりするほど短い白髪を倒にして、クソデカ門の真下を覗きこんだ。外宇宙には、ただ、黒洞々たる極夜があるばかりである

 下人の行方は、マジで誰も全然知らない。

 

2020-06-08

https://anond.hatelabo.jp/20200607213322

VTuber というのは「友達が言ってた」とかいうのと同レベル存在だと私は思っている。

彼らなりの自然話題ぼんやりと聞いていたら面白かったり面白くなかったりする。

そういうもんだ。


から観客を意識し始めてコンテンツを作るととたんに白ける。

コンテンツを作るのは高等技術であって、陳腐で使い古されていてもなお大きなコストをかけられるテレビの方が強い。

VTuberコンテンツ作りで競わない。


たとえば仲間内でやれば盛り上がるパーティーゲームでもひとりでやると面白くない。

しょうもないトランプゲームでも友人と遊べば面白い。

VTuberあなた友達のようにふるまい、一緒になって何かをやっているように演出する。

その「何か」が何であっても重要じゃないんだ。

チャンネル登録者数〇〇万人達成!!」というのは VTuberステータスであると同時に「『あなたの』仲間が増えた」という演出なんだよ。


自分VTuber の、その視聴者の「仲間」だと錯覚することが VTuber を楽しむコツだ。

でも、一度虚構が見えた上で楽しみ続けるのは難しいよね。

Pretenderを聴いてすぐ思い出したのはペルソナ2罪と3のエンディング曲だな。

歌詞ぼんやりと聴いただけだけど、同級生タイプの難しいゲームを、

攻略記事を見ないでしばらくやって、あきらめたときの心境はあんな感じだった気がする。

『君の気持ち、僕のこころ』だが、廉価版で買った。攻略本はないと思う。

少なくとも当時俺は知らなかった。ネットは見れなかった。

発売直後だったら雑誌をチェックしてれば攻略記事を見れたかもしれんが、

廉価版のあとだったので結局見れなかった。

このゲームゲーム批評って雑誌ですごく褒めてるライターがいて、

それも買った動機の一つだったと思う。

2020-06-07

ケムリクサに出てくる男版かばちゃんは、典型的な「女に都合良いタイプ」だな。

一見頼りなくて人に危害を加えなさそうなのに、イザというとき犠牲精神で身を挺して助けてくれる。

ぼんやりしてて間抜けだけど好奇心旺盛で少年のように楽しそう。格好つけない可愛いタイプ

こうやって「闘う女の子たちの前に現れる一人の男の子」はどうしたってこのタイプになるもんなのかね。

異世界転生ハーレムものはこのタイプテンプレキャラも居るけど、必ずしもそうじゃない。

…いや、やっぱり「犠牲精神で身を挺して助けてくれる」というのは必須条件か。

まあ、現実でもこのタイプは女に受け入れられやすいわな。

「脅威になり得ず、寧ろ守ってくれる・力を貸してくれる」のだから当然だよな。

定型的に生きたい

家族誕生日プレゼントとか考えるのが苦痛で仕方ない。すべて自動化してAmazonギフト勝手に送られる程度に留めたい。

日々の生活もそうだ。服装家事、全てが自動管理されてぼんやり生きていたい。

2020-06-06

[]テイラー

草野原々を読んでいたら出てきた。

丸い水槽なかに障害物を置き、水槽を回転させる。すると、水は障害物を避けて通るが、あたか障害物がもっと高いところまで続いているかのように、障害物の上でも水はそこを避けて通る。簡単にいうと、障害物を避ける流れができると、他の高さでも同じような流れが生まれからこうした現象が起きる。コリオリ力関係している。

https://www.youtube.com/watch?v=7GGfsW7gOLI

もう少し詳しく説明するとこうなる。

 水槽が回転する。

→水が外側に集まり、水面が高くなる。

→水は高い方から低い方へ流れようとするので、ある地点で落ち着く。

現実気象では、水面の凸凹を解消しようとする力とバランスするところで止まる)。

(逆に凹凸ができたところから議論を進めてもいいが、省く)

→これを現実地球で例えると、水面が盛り上がっている方を北半球では右に見る向きに流れができる(地衡流)

→深さに限らず、地衡流は同じ向きに同じだけ流れる

(水面の凸凹はそのまま下まで水圧として伝わり、低い方へ流れようとする力は上にも下にも同じようにかかるため)

→逆に、水槽の底に障害物があると、水がそこにひっかかって動けなくなる。

→表面の水も動けなくなる。

琵琶湖の環流や、海底の地形に影響を受ける海流もこれで説明できる)

ちなみに、ピンポン玉をテイラー柱の中に入れると、通常よりもゆっくり浮かび上がってくる。

何かが浮き上がるとき、その上では水を押しのけ、下では水を集めてくる流れができるが、この様な深さによって違う水の流れは回転している水槽の中では生じにくいためだ。

なんだかよくわからないが、水槽の中のインクぼんやり眺めているだけで楽しい

2020-06-04

anond:20200529212456

無自覚発達障害って割合的にはかなり少ないと思っている。

営業職だった頃に何人か職場に入ってきた発達を指導したことがあるけれど、おかしなところが目立ってきて大事になる前に腹割って話すと「実は…」って学生時代とかのエピソードを話し出して、ぼんやり自分が健常者ではないことを分かっていて見てみないフリしてるのが大半なんだよな。

あなたが健常者として入ったからには頭数に入った状態予算が組まれているし、他の人と同等に

扱わなければ同じ給料で働いているからには不公平になってしまう、このまま続けても結果的にしんどくなるのはあなただけれどどうする」って聞くと7割型は部署転換を希望するし、その場では頑張りたいって言う3割も大体1年以内に止めるか部署換えする結果になってる。

でもその結果、別部署(広報でのチラシ作りとか)で大きな成果を出したことがあったりもするので、本当に適材適所なんだよな。

発達の人らにお願いしたいのは、最初から打ち明けてくれればそれぞれにあった環境を用意出来るように全力を尽くすし、隠して頑張るっていうのは片足義足一般徒競走に参加するようなもんで、本当に極一部の人はそれでも結果を出せるかもしれないけれど、ほとんどの場合はそうではなく最終的につらくなるのはあなただよってこと。

2020-06-03

anond:20200519185253

ほっこり」が流行りだしたのは、2010年か少し前のニュー速vipあたりが発端だったと記憶している。

現在でいう連ちゃんパパみたいなパチスロ漫画(名前失念)が一瞬ブームになって、ほぼ毎話、主人公かその友人あたりが満面の笑みで大ゴマで描かれ、背景に「ほっこり」って出てるシーンがあった。

そのコマが切り抜かれてちょっとしたミームになって、まとめブログ経由でtumblrtwitterで一気に広がった記憶がある。

 

というぼんやりした記憶でググってみたものの、一切情報が出てこなくてめちゃくちゃモヤモヤしてる。

疑似記憶化か?

俺の病気はなんなのだろうか?

ずっと原因不明の不調に悩まされている、とにかくいつも眠い、頭がぼんやりとしている。すごく疲れやすい、これも地味に困っている。

まためんどくさがり屋でズボラなのに変なところだけ心配性でいつもストレスを貯めている。周りが気になって仕方がない、喋りすぎる、喋ってから後悔する。あと過食。

そして1番困るのが物事に興味がわかない、これのせいで趣味回復したりも出来なければ他人質問がわかないかコミュニケーションも上手く取れない。あとやる気ってなんだろうって感じだ。

原因として思い当たるのは多感な時期の親の離婚と付き合っていた子がストーカーになり警察沙汰になったことだ。今までもいつもぼんやりして眠気はあったがこれらが起きてから不調として現れだした気がする。

初めはPTSDとして治療をしていたがどうも長引くのでうつ病では無いかSSRIが出された、2種類試したが全然効果がなかった、むしろ動けなくなったりずっと頭の中が辛いで支配されたりした。今はエビリファイ少量のおかげで義務だけは何とかやることが出来ているがずっとなにか違和感を感じながら生活している感じがする。

ADHD微妙に疑っているが上で書いた時期を境にいきなり大変になった感じだからどうなのかわからない。

どうしたらこの不調が治るのだろうか?詳しい人や似たような体験や症状に心当たりがある人は教えて欲しい。

人口の9割以上がアセクシュアルだったら性愛感情はすべて異常

とか思った。体外受精普通になったり、なんか社会の変化で感覚が変わってきたら絶対にありえないことではないような気がする。

小児性愛の話を見かけると小4くらいの時に中2くらいの男子に性行為を迫られたことを思い出す。結局何もなかったし名前も顔も忘れたけど。

まだ言葉意味が分からないながらに年齢差について言及し、20歳24歳なら問題ないじゃん?と言われ妙に納得したのだけぼんやりと印象に残っている。

好きな相手がまだ幼いのと特定の年齢層だけが対象なのは違うと思うのだけれど、前者の場合何歳くらいまで待てばいいのだろう。後者はその時期を過ぎた相手に対してどうするのだろう。

2020-05-31

どこかにいきたい

今日はどこに行こうかなって思うくらいにいい天気だった。どこも行けないんだけど、ふらっとどこかに行きたい。

バスよりも電車がいいな。行き先も見ないで乗り込んでぼんやり外を眺めていたい。海とか見える路線に当たったらラッキーだけど、ずうっと町でも田んぼでもそれはそれで構わないから行けるところまで乗ってたい。

ほんとうは寝台列車に乗りたい。小さなベッドに荷物と一緒におちついて、閉じたカーテンの隙間から真っ暗な窓の外を眺めて。それに飽きたら備え付けの浴衣に着替えてうすい毛布にくるまってしばらく眠る。 ときどき目を覚ましてまた窓の外を見たりしながら夜明けまで。

旅に出たいってわけじゃない。行った先で何を見たいとかどうしたいとかはぜんぜんなくて、ただ列車に揺られていたい。帰ることなんて考えずに、ただずっとどこかに行っていたい。

2020-05-30

一度だけ死のうとした時、ダウンジャケットに命を救われた

人生で一度だけ死のうとした時がある。

もともと母親には鼻血が出るまで顔を叩かれることも、アザができるまで蹴られることも日常だった

高校生になって体が大きくなると

分かりやす暴力よりも言葉や、陰湿嫌がらせ毎日毎日されるようになった。

制服は毎朝、生ゴミと一緒にゴミ袋に入れられ捨てらて

妹には朝ごはんが用意されていて、私の朝ごはんはいつも前夜の残り物が一緒くたに混ぜて器に盛られていた

学校から帰ってくるとカゴの中から自分洗濯物だけ選別されて捨てられていて

酔って家に帰ってきては、こんなブスに生まれ可哀想ケラケラ笑われた

優しい祖母が買ってくれた洋服は、一週間くらいするとなくなった

最近節約のためにあなたの服を売ったお金コーヒーを飲むことにしてるの!今日は120円で売れた!」と楽しそうに言われた

夜中、怒鳴り声をあげて寝ている部屋に押し入ってくることもあった

首をしめられて、それ以来怖くて毎晩箪笥をドアの前に移動させて寝ていた

そんな毎日だったけど、私は母のことが大好きだった

16歳にとって、ほんの数年前まで優しくて笑顔だった母親が忘れられず

毎日「頼むから死んでくれ」「10秒以内に死んで」と怒鳴り散らす母親

死ねなくてごめんなさい、と土下座して謝っていた

母のことが大好きで

母を幸せにしたかった

母を笑顔にしたいのに、自分が生きているせいで母は不幸なんだと

毎日毎日今日も生きていてごめんなさいと思っていた

その日、箪笥をどけて部屋を出ると

ついに私の朝ごはんは用意されていなかった

「食費の節約」とのことだった

毎日、心が締め付けられるように痛んで苦しかったけど

その日は何も感じなかった

どんよりとした灰色の雲に覆われて、何も感じなかった

そのまま学校に行ってぼんやりと1時間目の授業を受けているとき

「あ、死ねばいいんだ」

と思った瞬間、心の中が晴れ渡り、うきうきして興奮した

そうだ死ねばいいんだ!こんな素敵なアイディア、知ってたはずなのになんでもっと早く思いつかなかったんだろう!

私は私の大好きな母親を喜ばせてあげる方法を知ってる、私は私を苦しみから解放できる方法を知ってる!

そうだ死ねばいいんだ!

興奮して、ものすごく素晴らしいアイディアを思いついた気持ちになって、体は軽やかだった

授業が終わってすぐにうわばきを履いたまま、最近祖母に買ってもらった新品のダウンジャケットを手にとって学校を出た

最寄り駅まで行って、電車に飛び込もう

そうすれば全部楽になる、今日電車に乗ってきたのに

なんでもっと早く死ななかったんだろう!

あぁ、でもこのダウンジャケット

せっかくおばあちゃんが買ってくれたのに、3回しか着なかったな

悲しむかな?

そう思った瞬間、正気に戻った

自分自殺することを悲しむ人がいるのを、その時思い出した

毎日私が死ぬ事を望む母親

私がどんな目に逢おうと見て見ぬふりをする妹と父と

度々電話をしてくれて、ご飯を作って食べさせてくれて、服を買ってくれる祖母が私にはいたのを思い出した

その後は、死のうと学校を飛び出すところまで行動してしまたこととか

色々苦しくなって、学校トイレで泣いていた

心が苦しくて悲しくて涙が出たけど、同時に「死にたくない」とも思った

苦しいはずなのに苦しさを感じなくなった時

死ぬ事がとても素晴らしい救済に思える時

どうか、そうなる前に誰かに助けを求めてほしい

今思い出しても、あれはとても恐ろしい経験だったと思う

脳がバグを起こしてしまうというのか、限界の末に自分を守る方法思考してしまうのか

死ぬことがとても楽しい素晴らしいことに思えて、その目標を達成するのに今まで無気力だった体が突然元気になって、死ぬために走って行動するたびにワクワクして多幸感に包まれ

そこから、手に持っていたダウンジャケットが脳を正常な状態に戻してくれた

あの時、学校に着て行ったのが別のコートだったら、あのまま電車に飛び込んでいたかもしれない

30歳を迎えることも

最愛の人に出会うことも

やりがいある仕事に就くことも

好きな趣味出会うことも

できなかった

から私はダウンジャケットに命を救われた、と思ってる

うそのダウンは羽が抜けてぺしゃんこになってるけど

まだ捨ててない

母は、今はどこに住んでるのかもわからないけど

どこかで別の人の奥さんをやっているらしい

私の場合は、耐え抜いて、大人になって家を出て名前も変わって結果オーライ

でも、負った傷が深すぎて未だに思い出して苦しくなる

もし、今あなたを絶えず傷つけてくる人や環境がいたら

なるべく早くそから逃げてほしい

そして、もし死が暖かくキラキラしたものに感じたら

誰か専門の機関相談に行ってほしい

どうか明日も生きて

2020-05-28

木村花さんの件に感して

テラスハウスという番組は見たことがないし、どんな番組というのはぼんやりしか知らなかった。

この事件ちょっとググってみて知ることになったが、関心がわかないので見ることもない。

SNS実在人物攻撃したことはないし、これからもすることはない。正直なんで攻撃するのか意味わからん

木村花さんはかわいそうだと思うけど、毎年何万人と自殺する人のうちの一人だったんだなという程度。

世間の関心が向くのもなんとなく分かる。

でも自分自身は全く関心がない。

おそらく大多数の人は、この件に関心も関係もないんだと思うけど、実際どうなんだろう。

腐女子と夢女子の発生機序の違い

思い付かなかったので大仰なタイトルにしてしまったが、大した話ではない。

日頃疑問に思っていることがあったのだがひょんな会話から糸口が掴めたというだけの話。

私はあまり女子素養がない腐女子で、夢小説全般が苦手だと自己分析していたが若干違うような気がしてきたので脳内整理を兼ねてつらつらと書く。

pixiv小説デイリーランキング夢小説が席巻するようになって数年。

ジャンルは変われどその勢いは衰えない。

苦手意識故にあまり読むことはないがたまにランキングを眺めてみることもある。

そうすると主人公以外の夢作品ランクインしていることに気付いた。

そこで過去を振り返って考えてみると夢が苦手なのではなくオリキャラの登場比率が高い二次創作が苦手なのだという結論にたどり着いた。

ここからゲーム(特にソシャゲ)ジャンル二次創作に絞って話を進めていく。

から主人公プレイヤー自身というゲームはあるが、ソシャゲの隆盛で主人公の外見が定まっていないゲームが生まれた。

ゲーム主人公絡みの二次創作を楽しむ上で、恐らく私の中では主人公の外見が定まっているかどうかが重要な要素なんだと思う。

根本的に夢女子素養がないというか、登場キャラクター自分好意を持たれるというシチュエーションに耐性がない。主人公の外見が定まっていれば主人公自分分身ではなく独立したキャラクターと捉えられるので主人公絡みの恋愛作品も楽しめる。

公式で外見が設定されていなくても、二次創作作品内で外見の描写があれば自分ではないと思って楽しめる。主人公一人称視点漫画とかは苦手かもしれない。

自分不在の物語を楽しみたいのだ。自分物語の外側にいる観測者でありたい。

そして主人公ゲームの登場キャラクターの良さを引き立たせる存在と見なしている。言ってしまえば舞台装置の一つだ。

そうなると主人公以外のオリキャラメイン作品違和感を感じてしまう。失礼な表現申し訳ないが、オリキャラは完成された物語世界に介入する異物のように見える。少なくとも主人公物語構成する要素として公式定義されているからだ。

本題に入る。

小学生の子持ちの知人の愚痴を聞くことがあった。読書感想文課題に苦戦しているという。登場人物言動に対してすごいという一言感想を終わらせてしまう語彙力を嘆いていた。

愚痴は続く。その本の中では挫折した主人公に友人が声を掛けて励ますというシーンがあって、知人は自分の子供にもし自分がこの友人ならば主人公にどのような言葉を言うか聞いてみた。すると子供は作中で友人が既に声掛けしているか自分はいいと答えたそうだ。知人は子供共感性のなさを嘆いていたが私は少し違うと思った。自分もその子供と同じように物語を読むからだ。物語で起きた出来事自分の中に取り込んで共感はできても、物語世界自分がいることは想像しづらい。物語の流れは決まっているのに自分言動が介入した結果、起こりうる変化を想像するのは難しいのだ。

知人は苦労することな自身物語内に送り込んで主人公に掛ける言葉を思案するだろう。物語に向き合う姿勢にも種類がある。

物語を外から見る人、内から見る人。

話が飛躍するのはわかっているが腐女子と夢女子に通じるものがあるのではないかと思ってしまった。

これだけで腐女子と夢女子を分類するのは強引すぎるが、元々人によって物語の読み解き方が違うということに気付けてよかった。

オチが弱くてすみません

お読みいただきありがとうございました。

[追記]

このサービスを使うのも文章投稿するのも初めてだったので反応を頂けて驚いています

様々な視点からコメントを読んで考えさせられると共に、自分文章が下手なせいで上手く意図が伝えられてないと反省するところも多かったです。勉強になります

上手く書けなさそうなので本題に入る前に削除した文章がありました。簡単に書きます

自分はどうしてもオリキャラを異物と思ってしまうが、夢女子の方々はどのタイミングオリキャラ妄想をするのだろう

しか自分腐女子なので普通に楽しんでいるつもりでも男同士でくそデカ感情をぶつけ合ってると脳内さらりとカップリング変換してしまときがある

→この腐女子の性というか癖のようなものが夢女子の方々にもあるのではないだろうか

ぼんやり考えているとき読書感想文の件がありました。そもそも普通に読むときも二種類の読み方というか視点があって、腐女子と夢女子入り口は分かれているのかもと思った次第です。

それとコメントを受けて色々思い返していましたが、登場人物共感して読書感想文書いたり、国語の授業で登場人物気持ちを答えたりはしていたと思います。ただそれはあくま課題試験のためであって、それらから解放された現在において物語を読むとき客観的に読むことが多いような気がします。

また没入感がすごい据え置きゲームにはまっていたときはおじさん主人公自分状態でめちゃくちゃ楽しんでいました。自分のせいでキャラクターが死んだときなんかは大層落ち込みました。評価されるのを避けているという指摘は最もで自分でも言語化できていないところだったので大変ありがたいですが、媒体にもよるのかなぁという言い訳です。ゲーム能動的な娯楽で読書受動的な娯楽とカテゴライズしているので比べるのも変な話ですが。

また話がとっ散らかってしまってすみませんブクマコメントありがとうございました。

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