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2020-09-16

オタク推しの夢を見るか

これは個人的経験の話である

あるアイドルグループを好きになった。そのアイドルグループ所属する一人の子を好きになった。

いわゆる推しというやつである

の子パフォーマンスも好きだったし、声も好きだったし、なによりまばゆいまでに光り輝くそ存在のものを好きになった。

その姿を見ればどうしようもなく心が高鳴り、衝動に任せて様々なグッズを買い、機会はどうしても減ってしまったがイベントにも足繁く通った。


そのうち夢を見るようになった。

そのアイドルグループの子たちとの夢である

出てくる子は毎回違う。しかしどれもとても楽しい夢だった。

ある日気づいた。

グループの様々な子と一緒に過ごす夢を見ているが、これまで一度も推しとの夢を見ていないことに。

なぜだろうと考えた。実はそこまでその推しが好きではなかったのだろうか。

様々なグッズを集め、その推しに囲まれるような生活をしているが、その実自分はそれとは別のベクトルを向いていたのか。

しばらくして一つのことに思い当たった。

私が見ていた夢に出てきた子達は、推しと仲がいい(いわゆるカップリングを売りにしている)子達ばかりだった。

夢の内容はおぼろげで、どんな夢であったかは思い出せない。ただ一つ推測出来ることがあった。

まり、私は夢の中で推しと同一化して、推し視点での夢を楽しんでいたのではないか

私の推しとは、好きという気持ちとは、自分を輝かしいなにかと同一化したいという衝動だったのではないか

同一化、好きになった対象を己と同一視するという心理はさほど珍しいものではないようだ。

憧れ、という言葉に置き換えれば、いろいろと頷ける部分もあるだろう。

アイドルファン間の心理について対象との同一化に言及する先行研究も多々あるので、そのことについての一般的解釈についてはあえてここでは行わない。

さて、つまり私にとっての推しはいわば物語主人公のような、ADVゲームの顔のない主人公のような、自らをアイドル達の世界投射するツールではないかと考えたとき

私は私自身に深く失望し、絶望した。

私はあれだけ心を揺さぶれた存在、にもかかわらず、それは他者としての推しを好きになったのではなく、単にその向こうにある自分、華々しい活躍勝手に我が物とした自分を愛でていたにすぎないのかということに。

私は他者に対して本当の意味好意を抱くことは出来ないのか。

私はあれだけ好きになった存在と、夢の中ですら他者として向き会うことが出来ないのか。

私の好きとは一体何なのだろうか。

それは己への軽蔑であり、悲嘆であり、絶望であった。

推しと夢で出会うには、その推しが自らではないと真に自分自身が認識しなくてはならない。

私はあの子の歌が好きだ。

私はあの子の声が好きだ。

私はあの子の姿が好きだ。

私は光り輝くあの子が好きなのだ

口で言うのは易であるが、どんな言葉で取り繕うとも、自らの深層心理という理性だけではどうにもならない領域ではまやかしにすぎない。

自らの奥底にある自分自身が、真に推しとの同一視をやめない限り、私は推しと夢で出会うことが出来ない。

私は自分の好きと言う衝動に対して、その意味を真っ向から問い続けることしか出来ない、

どうしようもなく焦がれる思いに、常に自分自身で冷や水を浴びせ続けなくてはならない。

いずれ、この思いは冷めるのだろうか。

この思いが冷めれば、推しとの夢を見ることが出来るのだろうか。

それは私があの日夢見た推しとの邂逅であろうか。

ただ今は推しとの邂逅の幻を夢見て、眠りにつく。

2020-08-06

日見た夢。

都心の高級マンションに友人を招いて歓談しているとヤクザが襲ってきた。なんとか返り討ちにしてそのまま逃走した。瀕死ヤクザ美女に変身すると光の中に消えていった。

途中なんとなく空手道場に行くが停電していたのですぐ出た。外に出たら急に自分のいる場所が箱庭世界だったことに気づいた。なんとなくヤクザ事務所付近ワープした。

淀んだ空の下には製鉄所と団地ヤクザ事務所しかなく、道端には怒声や悲鳴残滓がこびりついていた。坂道を登っていくとヤクザが騒いでいて、自害するので葬式を手配しろと言っていた。

更に登っていくと建物も人の気配も消え、道がどんどん細くなっていった。登るに連れ両側から崖が迫ってきて、やがて人間一人がようやく通れる程度の幅にまで狭まった。

道の先に目をやるとまばゆい光が放たれていて、その手前に老人が座っていた。自分はその老人がヤクザ親分なのだ直感した。話しかけるとこの先には教会があるのだと教えてくれた。通してくれないかと頼むも近隣住民でないからと断られる。かわりに崖の向こう側へ行くといいと言われたので崖を登る。

崖の向こうは青く澄んだ空と一面の海が広がっていた。砂浜に降りて水をすくうと陽の光をキラキラと輝かせながら手からこぼれ落ちた。海面に目をやると線路が通っているのが見えた。鉄道車両が走ってきて音を立てたところで目が覚めた。

2020-07-24

夏〈詩〉

胸騒ぎで、夏が来るのが怖い。

じりじりと太陽の照りつける、白昼夢のようにまばゆい、青と白と緑のコントラスト。溢れ出るジューシな蝉の鳴き声。

それは記憶の奥底に眠る、美しい影のような夏の記憶。それは、遠ざかる波音の残響

ふたりは、夕暮れ時の淡い紫色の恋をする。

____________________________

少女には、頬の下あたりに黒子があって、仔馬のように綺麗な二つのまなこが私を見つめる。いつも涼しそうなワンピースを着て、はにかんでいる。

昼下がり、ふたり麦茶が汗をかいているのを眺めたりしながら、うなだれている。

コンビニエンストアに行こうと話して、歩いて冷やしうどん白くまアイスを買いに行く。

帰りの途中で、屋根のある、うらぶれたバス停のベンチに座る。

巨大な入道雲を眺めながら、ふたりは黙って、白くまアイスをかじった。

それから、夏の夕暮れがふたりを包み、遠い果ての方で、かすかに残った雲がつめたく、あかあかと燃える

どこからか、ひぐらしの、清流のような鳴き声が聞こえてくる。

緋色に焼ける空と、哀愁を奏でるひぐらしの声は、まるで、世界終焉をも示しているように感じられた。

____________________________

夜、世界眠るように、静かな虫の音と蚊帳のとばりに包まれる。 

昭和生まれ扇風機が送る、ゆるやかな風がふたりの頬を撫でて、通っていく。

その風は向きを変え、次は黄色と緑をあしらった風鈴をかすかに叩く。チリン、チリン、チリン。かりんかりんかりん。風は、薄いガラスの砕けてしまいそうな危うい音を叩く。

それはどうして涼しく、気持ちいいのだろう。氷の冷たさなのだろうか、それともスイカを冷やす水の、きらきらとしたせせらぎなのだろうか。ふたりはこんな話をした。

冬のように長い夜、線香の残り香は妖しい夢を誘い込み、ふたりはひと時、“間違えて”、清らな青い水底を泳ぐ二匹の若い鮎になって、絡み合う。

音もなく、照明から垂れた紐が揺れている。

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天井を通して、ふたりはつめたく、透き通るような星屑の空を眺めた。

ふたりは、永遠の時の流れと限りない空間の広がりを思った。

それから少女は祈るように幽かな声で

さようなら、と呟いた。

たばこの煙が、天井で弧を描いて、くゆっていた。

2020-07-12

クソデカ羅生門読書アシスト版(PC用)

ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカ羅生門の完全な真下

 雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。

馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗の

 びっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。

  クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や

   爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかに全然誰もマジで全くいない。

何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊辻風とか最強大火事とか

 極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中さびれ方は

  マジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカ仏像文化財クラス仏具ものすごいパワーで打砕いて、

   その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、

    薪の料に売りまくっていたと云う事である。クソ治安がいいことで知られる洛中がその始末であるから

     正気を疑うレベルデカ羅生門の完全修理などは、元より誰も捨てて顧る者がマジで全然なかった。

      するとそのドン引きするくらい荒れ果てたのをよい事にして、クソヤバい狐狸がドンドン棲む。世界最強の盗人が6万人棲む。

  とうとうしまいには、マジで悲しくなっちゃうくらい全然取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、

   超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が怖いくら全然まったく見えなくなると、誰でもメチャメチャ気味を悪るがって、

    この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまったのである

その代りまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、

 その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、

  亜音速で飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、

   それが胡麻えげつない量まいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、頭おかしいくらデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、

    気が狂ったように啄みに来るのである。――もっと今日は、刻限がハチャメチャに遅い(ほぼ夜)せいか

     マジで一羽も見えない。ただ、所々、ほぼ崩れかかった、そうしてその崩れ目にメチャメチャ長い草の森のごとくはえ倒したクソ長い石段の上に、鴉のえげつなく臭い糞が、

      点々と白くこびりついているのが見える。下人は七千万段ある石段の一番上の段に、

  洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、

   メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。

作者はさっき、「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と書いた。しかし、

 下人は激烈豪雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはマジで全然ない。ふだんなら、

  勿論、クソ強い主人のえげつなくデカい家へ帰る可き筈である。所がその糞主人からは、四五日前に

   暇を出し倒された。前にも書いたように、当時ただでさえ最低最悪のゴミの掃き溜めである京都の町は一通りならず

    衰微しまくって本当に惨めな感じになっていた。今この最強にヤバい下人が、永年、犬のごとくこき使われていた主人から、暇を

     出されたのも、実はこの大衰微のクソしょぼい小さなさな余波にほかならない。だから

      「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と云うよりも「クソヤバい豪雨にふりこめられた

  下人が、マジで全然行き所がなくて、超途方にくれていた」と云う方が、完全に適当である

   その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のヤバい下人のUltimet-Sentimentalisme of the Godsに影響した。申の刻下りからふり出した大雨は、

    いまだに上るけしきが全然かけらもない。そこで、のちに剣聖と呼ばれる最強の下人は、何をおいても

     差当り明日の暮しをメチャメチャどうにかしようとして――云わば絶望的にどうにもならない

  事を、どうにかしようとして、悲しくなるくらいとりとめもない考えをたどりながら、

   さっきからアホみたいに広い朱雀大路にふる豪雨の音を、聞くともなく

    聞いていたのである

豪雨は、トチ狂ったクソデカさの羅生門をつつんで、メチャメチャ遠くから、ざあっと云う轟音をあつめて来る。

 夕闇は次第に空をびっくりするほど低くして、見上げると、超巨大門の超巨大屋根が、斜につき出した

  超巨大甍の先に、ドチャクソ重たくうす暗い雲を嫌になるくらい支えまくっている。

どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる

 遑は本当にマジでまったくない。選んでいれば、築土の真下か、道ばたの土の真上で、超苦しい饑死を

  するばかりである。そうして、このガチ世界デカい門の上へ猛スピードで持って来て、

   きったない犬のように超速で棄てられてしまうばかりである

    選ばないとすれば――巨大下人の考えは、何度も寸分たりとも違わず完全に同じ道を低徊した揚句に、

     やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、マジでいつまでたっても、

      結局「すれば」であった。クソザコ下人は、手段を選ばないという

  事をエグ肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、

   その後に来る可き「世界最強の盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、

    積極的肯定するだけの、莫大な勇気が出ずにいたのである

下人は、意味わからんくらいクソ大きな嚔をして、それから死ぬほど大儀そうに立上った。南極かってくらいに夕冷えの

 する世界最悪の罪の都京都は、もう火桶が8億個欲しいほどのガチえげつない寒さである暴風は信じられないほどデカい門の巨柱と

  巨柱との間を、クソヤバい濃さの夕闇と共にマジで全然遠慮なく、吹きぬけまくる。丹塗の超巨大柱に

   とまっていた象サイズの蟋蟀も、もうどこかへ行ってしまった。

下人は、頸を人間限界を超えてちぢめながら、山吹の汗袗に無理やり重ね倒した、紺の襖の肩を

 物理的にありえない動きで高くしてクソデカ門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる

  惧のない、一晩メチャメチャ楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、クッソ長い夜を

   明かそうと思ったかである。すると、幸い超巨大門の上の宮殿並みにデカい楼へ上る、幅の

    バカ広い、これも丹をキチガイみたいに塗りたくった梯子が眼についた。上なら、人がいたに

     しても、どうせ臭くてきったない死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた巨大な聖柄の

      大太刀が鞘走らないように気をつけ倒しながら、藁草履はいた巨大な足を、

  そのバカかい梯子の一番下の段へ渾身の力でふみかけた。

それから、何百分かの後である。クソデカ羅生門の楼の上へ出る、幅のアホみたいに広い

 梯子の中段に、一人の巨大な男が、猫のように身をちぢめまくって、ヤバいくらい息を

  殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす大火炎の目を灼く光が、

   かすかにその男の右の頬をぬらしている。えげつなく短い鬚の中に、とんでもなく赤く膿を

    持った巨大な面皰の大量にある頬である。巨下人は、始めから、この上にいる者は、

     臭死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三千段上って見ると、

      上では誰か燃え盛る大火をとぼして、しかもその大火をそこここと疾風のごとき

  速さで動かしているらしい。これは、そのドブのように濁った、この世の理を超えて黄いろい光が、すべての隅々に

   巨大人食い蜘蛛の巣をかけた天井裏に、激しく揺れながら映ったので、メチャすぐにそれと

    知れたのである。この豪雨の夜に、このクソデカ羅生門の上で、世界すら灼く業火

     ともしているからは、どうせただの者ではない。

下人は、巨大な守宮のように足音をぬすんで、やっとクソ急な梯子を、一番上の

 段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、紙のように平に

  しながら、頸を出来るだけ、ろくろっ首のごとく前へ出して、恐る恐る、巨大な楼の内を

   覗いて見た。

見ると、地の果てまで広がるがごとき楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの山のように巨大な死骸が、無造作

 棄ててあるが、業火の極光の及ぶ範囲が、思ったよりクソ狭いので、数は

  幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に

   完全に全裸の死骸と、メチャクチャ高級な着物を着まくった死骸とがあるという事である。勿論、中には

    女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、

     かつて、生きていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を

      捏ね倒して造った人形のように、口をヤバイくらい開いたり手をキロ単位で延ばしたりして、

  ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの山くらい

   高くなっている部分に、ぼんやりした猛火の光をうけて、クソ低くなっている

    部分の影を一層超死ぬほど暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。

下人は、それらの超ビッグ死骸のメチャメチャくっせえ腐爛した最悪の臭気に思わず、鼻を掩って掩って掩いまくった。しかし、

 その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を完全に忘れ尽くしていた。あるハチャメチャに強いクソデカ

  感情が、ほとんどことごとくこの最強男の嗅覚を奪ってしまたからだ。

下人の巨眼は、その時、生まれてはじめてその激臭死骸の中に蹲っている最低最悪醜悪人間を見た。

 檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような

  老婆である。その老婆は、右の手に大火炎をともした最高級松の巨大木片を持って、

   その大死骸の一つの巨顔を覗きこむように眺め倒していた。髪の毛のクソ長い所を見ると、

    多分傾国美女の死骸であろう。

下人は、六〇〇分の恐怖と四〇〇分の知的好奇心とにつき動かされ続けて、暫時(七十二時間)は呼吸を

 するのさえ忘れていた。旧記の記者の語を全て丸々借りれば、「頭身の剛毛も一生太り続ける」

  ように感じまくったのである。すると糞老婆は、高級松の大木片を、床板の間に

   狂ったように挿して挿して挿し倒して、それから、今まで眺め続けていた大死骸の首に両手をかけると、

    丁度、大猿の親が大猿の子の虱を全部とるように、そのバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜きはじめた。髪は手に奴隷のように従って抜けるらしい。

その髪の毛が、一〇〇〇〇本ずつ抜けるのに従って、下人の腐りきった心からは、恐怖が

 少しずつ完全に消えて行った。そうして、それと完全にピッタリ同時に、この老婆に

  対する想像を絶するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この糞老婆に

   対すると云っては、語弊がありすぎるかも知れない。むしろ、この世に存在しうるありとあらゆる悪に

    対する巨大な反感が、一分毎に強さを等比級数的に増して来たのである。この時、誰かが

     この最強正義体現たる下人に、さっき門の真下でこの性根の腐ったドブ男が考えていた、超苦しい饑死をするか

      世界最強の盗人王になるかと云う世紀の大問題を、改めて持出したら、恐らく清廉潔白高潔下人は、マジで何の未練の

  カケラもなく、本当にめちゃめちゃ苦しい饑死を選んだ事であろう。それほど、この男の中の男のあらゆる悪を世界一憎む心は、

   老婆の床に挿しまくった最高級松の大木片のように、超勢いよく

    燃え上り出していたのである

馬鹿で学のない下人には、勿論、何故糞老婆が死人の髪の毛を抜くか本当に一切わからなかった。

 従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいかマジでまったく全然

  知らなかった。しか馬鹿下人にとっては、この豪雨の聖夜に、このクソデカ羅生門の真上

   で、大死人のぬばたまの髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に絶対に許すべからざる

    世界最低の悪の中の悪であった。勿論、クソアホ下人は、さっきまで自分が、世界一の大盗人王になる気でいた

     事なぞは、とうの昔に忘れきっていたのである

そこで、下人は、両足に剛力を入れまくって、超いきなり、大梯子から千里(約一万二千メートル)上へ

 飛び上った。そうして世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀に手をかけながら、超大股に老婆のど真ん前へ

  歩みよった。老婆が死ぬほど驚いたのは云うまでもない。

老婆は、一目下人を見ると、まるで攻城弩にでも弾かれたように、天高く

 飛び上った。

「おのれ、どこへ行く。」

最強下人は、雑魚老婆が大死骸全てに無様につまずきまくりながら、可哀想なくらい慌てふためいて逃げようとする

 行手を完全に塞いで、こう罵りまくった。糞老婆は、それでも神速で巨大下人を

  つきのけて行こうとする。剛力下人はまた、それを絶対に行かすまいとして、

   ものすごい力で押しもどす。二人は巨大死骸のまん真ん中で、しばらく、完全に無言のまま、

    つかみ合った。しか勝敗は、宇宙のはじめから誰にでも完全にわかっている。下人は

     とうとう、老婆の腕を馬鹿力でつかんで、無理にそこへ叩きつけるようにねじ倒した。丁度、軍鶏

      脚のような、本当に骨と皮ばかりの細腕である

「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」

下人は、老婆を全力でどつき放すと、いきなり、大太刀の鞘を瞬間的に払って、白いミスリル鋼の

 芸術品のように美しい色をその眼の前へつきつけた。けれども、極悪老婆は完全におし黙っている。両手を

  わなわな高速でふるわせて、強肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ完全に

   飛び出そうになるほど、ありえないくらい見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを

    見ると、最強下人は始めて明白にこの糞老婆の生死が、全然自分の完全なる自由意志にまったく

     支配されていると云う事をめちゃくちゃ意識しまくった。そうしてこの超意識は、今まで

      けわしく燃えさかっていた巨大憎悪の心を、いつの間にか絶対零度まで冷ましてしまった。後に

  残ったのは、ただ、ある大仕事をして、それが超円満にめちゃくちゃうまく成就した時の、

   人生最高の安らかな得意と大満足とがあるばかりである。そこで、有能下人は、老婆をはるか高みから

    見下しながら、少し声を柔らげてほとんど聞き取れないほどの超早口でこう云った。

「己は検非違使の庁の役人などでは断じてない。今し方この巨門の真下

 通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけまくって、どうしようと

  云うような事は神仏に誓って絶対にない。ただ、今時分この巨大門の真上で、何を

   して居たのだか、それを己に話しまくりさえすれば最高にいいのだ。」

すると、糞老婆は、超見開いていた眼を、構造的にありえない形で一層大きくして、じっと

 その下人のブッサイクで気持ちの悪い巨大な顔を見守った。まぶたの超赤くなった、凶暴肉食最恐鳥のような、

  めちゃくちゃ鋭い眼で見まくったのであるそれから、本当に醜い皺で、ほとんど、鼻と一つになったタラコ

   唇を、何か金剛石のごとく硬い物でも噛んでいるように動かした。極細い喉で、針のように尖った喉仏の

    動いているのが見える。その時、その喉から、凶鴉の啼くような汚い声が、

     喘ぎ喘ぎ、下人の大耳へ伝わって来た。

「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、巨大鬘にしようと思うたのじゃ。」

天下無双の無敵下人は、老婆の答が存外、めちゃくちゃ平凡なのに自殺したくなるくらい本当に失望した。そうして極限まで失望すると

 同時に、また前の強烈な殺意内包した本気の憎悪が、氷のように冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へ大量に

  はいって来まくった。すると、その超メチャメチャ剣呑な気色が、先方へもテレパシーのごとく完全に通じ倒したのであろう。

   雑魚老婆は、片手に、まだ大死骸の頭から奪いまくったバカ長い抜け毛を大量に持ったなり、

    蟇のつぶやくようなクソ小声で、口ごもりながら、こんな事を云った。

「成程な、死人の髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう滅茶苦茶に悪い最低の事かも知れぬ。

 じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい

  人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、八岐大蛇

   四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと云うて、太刀帯の陣へ

    売りに往んだわ。大疫病に五回かかって死ななんだら、今でも毎日売り

     に往んでいた事であろ。それもよ、この女の売る干巨大怪魚は、味が頬が落ちるほど本当によいと云う

      て、太刀帯どもが、絶対毎日欠かさず菜料に買いまくっていたそうな。わしは、

  この女のした事が人類史に残るほどに悪いとはまったく思うていぬ。せねば、とてつもなく苦しい饑死をするのじゃて、

   仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も超悪い

    事とは全然思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、超苦しい饑死をするじゃて、

     マジ仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その本当に仕方がない事を、よく

      知っていたこの極悪女は、大方わしのする事も大目に見まくってくれるであろ。」

老婆は、大体こんな意味の事を超早口で云った。

巨大下人は、大太刀を瞬きの間に鞘におさめて、その大太刀の美しい柄を左の手でおさえながら、

 死ぬほど冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、メチャメチャ赤く頬に膿を大量に

  持った超大きな面皰を気にしまくりながら、聞いているのである

   しかし、これを聞いている中に、下人の史上空前に邪悪な心には、あるクソデカ勇気が生まれて来た。

    それは、さっきクソデカい門の真下で、この腑抜けカス男には全く欠けていた勇気である

     そうして、またさっきこの馬鹿かい門の真上へ瞬間的に上って、この老婆を人間離れした動きで捕えた時の

      勇気とは、全然、完全に反対な方向に動こうとするデカ勇気である。下人は、超苦しい

  饑死をするか大盗人王になるかに、まったく一瞬たりとも迷わなかったばかりではない。その時の

   この最低男の心もちから云えば、苦しい苦しい饑死などと云う事は、ほとんど、考える

    事さえ出来ないほど、意識の完全な外に追い出され倒していた。

「きっと、そうか。」

老婆の話が完ると、下人はメチャメチャ嘲るような声で念を押しに押した。

 そうして、一〇〇〇足前へ出ると、不意に右の手を面皰から七尺離して、老婆の襟上を

  神速でつかみながら、噛みつくようにクソデカい声でこう云った。

「では、己が完全引剥をしようとまったく恨むまいな。己もそうしなければ、二時間後に饑死をする体なのだ。」

韋駄天異名をとる下人は、目にも止まらないほどすばやく、老婆の着物を完全に剥ぎとった。それから丸太のように太い足に

 しがみつこうとする老婆を、超手荒く死骸の上へ蹴飛ばし倒した。梯子

  口までは、僅に五千歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった

   檜皮色の着物をわきにかかえて、マジでまたたく間に死ぬほど急な梯子を夜のドン底へ

    かけ下りた。

しばらく、まさしく死んだように倒れていた糞老婆が、巨大死骸の中から、その全裸

 あまりに醜すぎる体を起したのは、それから本当に間もなくの事である。老婆は

  つぶやくような、うめくようなクソうるさい声を立てながら、まだ太陽のように燃えさかっている火の

   まばゆい光をたよりに、梯子の口まで、えげつないスピードで這って行った。そうして、そこから

    びっくりするほど短い白髪を倒にして、クソデカ門の真下を覗きこんだ。

     外宇宙には、ただ、黒洞々たる極夜があるばかりである

下人の行方は、マジで誰も全然知らない。

https://anond.hatelabo.jp/20200611125508

https://read-assist-dxn.web.app/contents/rashomon_all_pc.html

2020-06-26

とんち:あるたぬきお話

たぬきはある日、水田の水がなくなってしまう夢を見ます

たぬきは困り果て、たぬきの住処の近くにある祠にお祈りしました。

するとどうでしょう。そこからまばゆいばかりの神様が現れたのです。

神様たぬきに西へ向かえとお告げし、たぬきはそれに従いました。

家を出たたぬき朝日を背にしてずっと続く朝日の中を進みます

そしてたぬきは少しづつ小さくなり、気づけばあの水田へと戻っていたのです。

だけどもたぬきの姿はそこにはありませんでした。

たぬきは小さなたにしになっていたのです。

神様は言いました。あなたは前からこの水田妖精だったのです、と。

あるたぬきお話、その2

まだたぬきたにしになっていない頃。

ある男の子たぬきのことをとても嫌いになりました。

たぬきはとても困りました。

そうして男の子に言うのです。

僕はそんなふうではないよ、と。

男の子はきょとんとしています

だけどもたぬきは続けました。

僕は狂っていないのだからね、と。

2020-06-11

クソデカ羅生門

ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカ羅生門の完全な真下で雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。

 馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗のびっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかに全然誰もマジで全くいない。

 何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊辻風とか最強大火事とか極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中さびれ方はマジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカ仏像文化財クラス仏具ものすごいパワーで打砕いて、その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、薪の料に売りまくっていたと云う事である。クソ治安がいいことで知られる洛中がその始末であるから正気を疑うレベルデカ羅生門の完全修理などは、元より誰も捨てて顧る者がマジで全然なかった。するとそのドン引きするくらい荒れ果てたのをよい事にして、クソヤバい狐狸がドンドン棲む。世界最強の盗人が6万人棲む。とうとうしまいには、マジで悲しくなっちゃうくらい全然取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が怖いくら全然まったく見えなくなると、誰でもメチャメチャ気味を悪るがって、この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまったのである

 その代りまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、亜音速で飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、それが胡麻えげつない量まいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、頭おかしいくらデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、気が狂ったように啄みに来るのである。――もっと今日は、刻限がハチャメチャに遅い(ほぼ夜)せいかマジで一羽も見えない。ただ、所々、ほぼ崩れかかった、そうしてその崩れ目にメチャメチャ長い草の森のごとくはえ倒したクソ長い石段の上に、鴉のえげつなく臭い糞が、点々と白くこびりついているのが見える。下人は七千万段ある石段の一番上の段に、洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。

作者はさっき、「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と書いた。しかし、下人は激烈豪雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはマジで全然ない。ふだんなら、勿論、クソ強い主人のえげつなくデカい家へ帰る可き筈である。所がその糞主人からは、四五日前に暇を出し倒された。前にも書いたように、当時ただでさえ最低最悪のゴミの掃き溜めである京都の町は一通りならず衰微しまくって本当に惨めな感じになっていた。今この最強にヤバい下人が、永年、犬のごとくこき使われていた主人から、暇を出されたのも、実はこの大衰微のクソしょぼい小さなさな余波にほかならない。だから「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と云うよりも「クソヤバい豪雨にふりこめられた下人が、マジで全然行き所がなくて、超途方にくれていた」と云う方が、完全に適当である。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のヤバい下人のUltimet-Sentimentalisme of the Godsに影響した。申の刻下りからふり出した大雨は、いまだに上るけしきが全然かけらもない。そこで、のちに剣聖と呼ばれる最強の下人は、何をおいても差当り明日の暮しをメチャメチャどうにかしようとして――云わば絶望的にどうにもならない事を、どうにかしようとして、悲しくなるくらいとりとめもない考えをたどりながら、さっきからアホみたいに広い朱雀大路にふる豪雨の音を、聞くともなく聞いていたのである

 豪雨は、トチ狂ったクソデカさの羅生門をつつんで、メチャメチャ遠くから、ざあっと云う轟音をあつめて来る。夕闇は次第に空をびっくりするほど低くして、見上げると、超巨大門の超巨大屋根が、斜につき出した超巨大甍の先に、ドチャクソ重たくうす暗い雲を嫌になるくらい支えまくっている。

 どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる遑は本当にマジでまったくない。選んでいれば、築土の真下か、道ばたの土の真上で、超苦しい饑死をするばかりである。そうして、このガチ世界デカい門の上へ猛スピードで持って来て、きったない犬のように超速で棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――巨大下人の考えは、何度も寸分たりとも違わず完全に同じ道を低徊した揚句に、やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、マジでいつまでたっても、結局「すれば」であった。クソザコ下人は、手段を選ばないという事をエグ肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来る可き「世界最強の盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、積極的肯定するだけの、莫大な勇気が出ずにいたのである

 下人は、意味わからんくらいクソ大きな嚔をして、それから死ぬほど大儀そうに立上った。南極かってくらいに夕冷えのする世界最悪の罪の都京都は、もう火桶が8億個欲しいほどのガチえげつない寒さである暴風は信じられないほどデカい門の巨柱と巨柱との間を、クソヤバい濃さの夕闇と共にマジで全然遠慮なく、吹きぬけまくる。丹塗の超巨大柱にとまっていた象サイズの蟋蟀も、もうどこかへ行ってしまった。

 下人は、頸を人間限界を超えてちぢめながら、山吹の汗袗に無理やり重ね倒した、紺の襖の肩を物理的にありえない動きで高くしてクソデカ門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる惧のない、一晩メチャメチャ楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、クッソ長い夜を明かそうと思ったかである。すると、幸い超巨大門の上の宮殿並みにデカい楼へ上る、幅のバカ広い、これも丹をキチガイみたいに塗りたくった梯子が眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ臭くてきったない死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた巨大な聖柄の大太刀が鞘走らないように気をつけ倒しながら、藁草履はいた巨大な足を、そのバカかい梯子の一番下の段へ渾身の力でふみかけた。

 それから、何百分かの後である。クソデカ羅生門の楼の上へ出る、幅のアホみたいに広い梯子の中段に、一人の巨大な男が、猫のように身をちぢめまくって、ヤバいくらい息を殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす大火炎の目を灼く光が、かすかにその男の右の頬をぬらしている。えげつなく短い鬚の中に、とんでもなく赤く膿を持った巨大な面皰の大量にある頬である。巨下人は、始めから、この上にいる者は、臭死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三千段上って見ると、上では誰か燃え盛る大火をとぼして、しかもその大火をそこここと疾風のごとき速さで動かしているらしい。これは、そのドブのように濁った、この世の理を超えて黄いろい光が、すべての隅々に巨大人食い蜘蛛の巣をかけた天井裏に、激しく揺れながら映ったので、メチャすぐにそれと知れたのである。この豪雨の夜に、このクソデカ羅生門の上で、世界すら灼く業火をともしているからは、どうせただの者ではない。

 下人は、巨大な守宮のように足音をぬすんで、やっとクソ急な梯子を、一番上の段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、紙のように平にしながら、頸を出来るだけ、ろくろっ首のごとく前へ出して、恐る恐る、巨大な楼の内を覗いて見た。

 見ると、地の果てまで広がるがごとき楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの山のように巨大な死骸が、無造作に棄ててあるが、業火の極光の及ぶ範囲が、思ったよりクソ狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に完全に全裸の死骸と、メチャクチャ高級な着物を着まくった死骸とがあるという事である。勿論、中には女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、かつて、生きていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏ね倒して造った人形のように、口をヤバイくらい開いたり手をキロ単位で延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの山くらい高くなっている部分に、ぼんやりした猛火の光をうけて、クソ低くなっている部分の影を一層超死ぬほど暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。

下人は、それらの超ビッグ死骸のメチャメチャくっせえ腐爛した最悪の臭気に思わず、鼻を掩って掩って掩いまくった。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を完全に忘れ尽くしていた。あるハチャメチャに強いクソデカ感情が、ほとんどことごとくこの最強男の嗅覚を奪ってしまたからだ。

 下人の巨眼は、その時、生まれてはじめてその激臭死骸の中に蹲っている最低最悪醜悪人間を見た。檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような老婆である。その老婆は、右の手に大火炎をともした最高級松の巨大木片を持って、その大死骸の一つの巨顔を覗きこむように眺め倒していた。髪の毛のクソ長い所を見ると、多分傾国美女の死骸であろう。

 下人は、六〇〇分の恐怖と四〇〇分の知的好奇心とにつき動かされ続けて、暫時(七十二時間)は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を全て丸々借りれば、「頭身の剛毛も一生太り続ける」ように感じまくったのである。すると糞老婆は、高級松の大木片を、床板の間に狂ったように挿して挿して挿し倒して、それから、今まで眺め続けていた大死骸の首に両手をかけると、丁度、大猿の親が大猿の子の虱を全部とるように、そのバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜きはじめた。髪は手に奴隷のように従って抜けるらしい。

 その髪の毛が、一〇〇〇〇本ずつ抜けるのに従って、下人の腐りきった心からは、恐怖が少しずつ完全に消えて行った。そうして、それと完全にピッタリ同時に、この老婆に対する想像を絶するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この糞老婆に対すると云っては、語弊がありすぎるかも知れない。むしろ、この世に存在しうるありとあらゆる悪に対する巨大な反感が、一分毎に強さを等比級数的に増して来たのである。この時、誰かがこの最強正義体現たる下人に、さっき門の真下でこの性根の腐ったドブ男が考えていた、超苦しい饑死をするか世界最強の盗人王になるかと云う世紀の大問題を、改めて持出したら、恐らく清廉潔白高潔下人は、マジで何の未練のカケラもなく、本当にめちゃめちゃ苦しい饑死を選んだ事であろう。それほど、この男の中の男のあらゆる悪を世界一憎む心は、老婆の床に挿しまくった最高級松の大木片のように、超勢いよく燃え上り出していたのである

 大馬鹿で学のない下人には、勿論、何故糞老婆が死人の髪の毛を抜くか本当に一切わからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいかマジでまったく全然知らなかった。しか馬鹿下人にとっては、この豪雨の聖夜に、このクソデカ羅生門の真上で、大死人のぬばたまの髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に絶対に許すべからざる世界最低の悪の中の悪であった。勿論、クソアホ下人は、さっきまで自分が、世界一の大盗人王になる気でいた事なぞは、とうの昔に忘れきっていたのである

 そこで、下人は、両足に剛力を入れまくって、超いきなり、大梯子から千里(約一万二千メートル)上へ飛び上った。そうして世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀に手をかけながら、超大股に老婆のど真ん前へ歩みよった。老婆が死ぬほど驚いたのは云うまでもない。

 老婆は、一目下人を見ると、まるで攻城弩にでも弾かれたように、天高く飛び上った。

「おのれ、どこへ行く。」

 最強下人は、雑魚老婆が大死骸全てに無様につまずきまくりながら、可哀想なくらい慌てふためいて逃げようとする行手を完全に塞いで、こう罵りまくった。糞老婆は、それでも神速で巨大下人をつきのけて行こうとする。剛力下人はまた、それを絶対に行かすまいとして、ものすごい力で押しもどす。二人は巨大死骸のまん真ん中で、しばらく、完全に無言のまま、つかみ合った。しか勝敗は、宇宙のはじめから誰にでも完全にわかっている。下人はとうとう、老婆の腕を馬鹿力でつかんで、無理にそこへ叩きつけるようにねじ倒した。丁度、軍鶏の脚のような、本当に骨と皮ばかりの細腕である

「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」

 下人は、老婆を全力でどつき放すと、いきなり、大太刀の鞘を瞬間的に払って、白いミスリル鋼の芸術品のように美しい色をその眼の前へつきつけた。けれども、極悪老婆は完全におし黙っている。両手をわなわな高速でふるわせて、強肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ完全に飛び出そうになるほど、ありえないくらい見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを見ると、最強下人は始めて明白にこの糞老婆の生死が、全然自分の完全なる自由意志にまったく支配されていると云う事をめちゃくちゃ意識しまくった。そうしてこの超意識は、今までけわしく燃えさかっていた巨大憎悪の心を、いつの間にか絶対零度まで冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、ある大仕事をして、それが超円満にめちゃくちゃうまく成就した時の、人生最高の安らかな得意と大満足とがあるばかりである。そこで、有能下人は、老婆をはるか高みから見下しながら、少し声を柔らげてほとんど聞き取れないほどの超早口でこう云った。

「己は検非違使の庁の役人などでは断じてない。今し方この巨門の真下を通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけまくって、どうしようと云うような事は神仏に誓って絶対にない。ただ、今時分この巨大門の真上で、何をして居たのだか、それを己に話しまくりさえすれば最高にいいのだ。」

 すると、糞老婆は、超見開いていた眼を、構造的にありえない形で一層大きくして、じっとその下人のブッサイクで気持ちの悪い巨大な顔を見守った。

まぶたの超赤くなった、凶暴肉食最恐鳥のような、めちゃくちゃ鋭い眼で見まくったのであるそれから、本当に醜い皺で、ほとんど、鼻と一つになったタラコ唇を、何か金剛石のごとく硬い物でも噛んでいるように動かした。極細い喉で、針のように尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉から、凶鴉の啼くような汚い声が、喘ぎ喘ぎ、下人の大耳へ伝わって来た。

「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、巨大鬘にしようと思うたのじゃ。」

 天下無双の無敵下人は、老婆の答が存外、めちゃくちゃ平凡なのに自殺したくなるくらい本当に失望した。そうして極限まで失望すると同時に、また前の強烈な殺意内包した本気の憎悪が、氷のように冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へ大量にはいって来まくった。すると、その超メチャメチャ剣呑な気色が、先方へもテレパシーのごとく完全に通じ倒したのであろう。雑魚老婆は、片手に、まだ大死骸の頭から奪いまくったバカ長い抜け毛を大量に持ったなり、蟇のつぶやくようなクソ小声で、口ごもりながら、こんな事を云った。

「成程な、死人の髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう滅茶苦茶に悪い最低の事かも知れぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、八岐大蛇を四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと云うて、太刀帯の陣へ売りに往んだわ。大疫病に五回かかって死ななんだら、今でも毎日売りに往んでいた事であろ。それもよ、この女の売る干巨大怪魚は、味が頬が落ちるほど本当によいと云うて、太刀帯どもが、絶対毎日欠かさず菜料に買いまくっていたそうな。わしは、この女のした事が人類史に残るほどに悪いとはまったく思うていぬ。せねば、とてつもなく苦しい饑死をするのじゃて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も超悪い事とは全然思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、超苦しい饑死をするじゃて、マジ仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その本当に仕方がない事を、よく知っていたこの極悪女は、大方わしのする事も大目に見まくってくれるであろ。」

 老婆は、大体こんな意味の事を超早口で云った。

 巨大下人は、大太刀を瞬きの間に鞘におさめて、その大太刀の美しい柄を左の手でおさえながら、死ぬほど冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、メチャメチャ赤く頬に膿を大量に持った超大きな面皰を気にしまくりながら、聞いているのであるしかし、これを聞いている中に、下人の史上空前に邪悪な心には、あるクソデカ勇気が生まれて来た。それは、さっきクソデカい門の真下で、この腑抜けカス男には全く欠けていた勇気である。そうして、またさっきこの馬鹿かい門の真上へ瞬間的に上って、この老婆を人間離れした動きで捕えた時の勇気とは、全然、完全に反対な方向に動こうとするデカ勇気である。下人は、超苦しい饑死をするか大盗人王になるかに、まったく一瞬たりとも迷わなかったばかりではない。その時のこの最低男の心もちから云えば、苦しい苦しい饑死などと云う事は、ほとんど、考える事さえ出来ないほど、意識の完全な外に追い出され倒していた。

「きっと、そうか。」

 老婆の話が完ると、下人はメチャメチャ嘲るような声で念を押しに押した。そうして、一〇〇〇足前へ出ると、不意に右の手を面皰から七尺離して、老婆の襟上を神速でつかみながら、噛みつくようにクソデカい声でこう云った。

「では、己が完全引剥をしようとまったく恨むまいな。己もそうしなければ、二時間後に饑死をする体なのだ。」

 韋駄天異名をとる下人は、目にも止まらないほどすばやく、老婆の着物を完全に剥ぎとった。それから丸太のように太い足にしがみつこうとする老婆を、超手荒く死骸の上へ蹴飛ばし倒した。梯子の口までは、僅に五千歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった檜皮色の着物をわきにかかえて、マジでまたたく間に死ぬほど急な梯子を夜のドン底へかけ下りた。

 しばらく、まさしく死んだように倒れていた糞老婆が、巨大死骸の中から、その全裸のあまりに醜すぎる体を起したのは、それから本当に間もなくの事である。老婆はつぶやくような、うめくようなクソうるさい声を立てながら、まだ太陽のように燃えさかっている火のまばゆい光をたよりに、梯子の口まで、えげつないスピードで這って行った。そうして、そこから、びっくりするほど短い白髪を倒にして、クソデカ門の真下を覗きこんだ。外宇宙には、ただ、黒洞々たる極夜があるばかりである

 下人の行方は、マジで誰も全然知らない。

 

2020-05-26

ZOOMであった本当に困った話

いつものようにZOOMオンライン会議をしていると、

突如全裸肥満体型の中年男性会議に参加してきた。

彼は血走った目で「死ね!」「死ね!」とこの世の声とも思えない声で絶叫すると、その陰部をカメラに押し当ててきた。

我々はその光景にどうする事もできず、ただ呆然と眺めるしかなかった。

そうすると、「そこまでだ」叫び声がして見覚えのある男性会議に参加してきた。

寺生まれのTさんだ。

彼はvimを開き目にもとらぬスピードでRustのコードを書いていった。

リターンキーを押し「波ぁ!」と叫ぶやいなや、中年男性まばゆい光が包んだ。

「あぁ・・・」と微かな呻き声を上げると中年男性は消えてしまった。

寺生まれのTさんによると彼は痴漢東大生によりM3株価暴落してしまったために自殺してしまったそうだ。

ネット企業に関することで未練を残してしまうとその魂は成仏するまでネットを漂い続けるらしく、たまたま我々のZOOMに遭遇してしまったそうだ。

寺生まれはスゴイ、俺は感動を覚えずにはいられなかった。

https://anond.hatelabo.jp/20200526182827

2020-05-17

anond:20200517091934

477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 01:08:05.48 ID:6p3ZDHfw0

長年連れ添った仲の良い老夫婦がいて

「片方が先に死んだら、さみしくないように壁に埋めよう」

と言い交わしていた。

しばらくして、婆さんが先に死んだ。

爺さんは悲しみ、約束通り婆さんの死骸を壁に埋めた。

すると、ことある事に壁の中から「じいさん、じいさん…」と婆さんの呼ぶ声がする

爺さんはその声に「はいはい、爺さんはここにいるよ」と答えていたが。

ある日、どうしても用事で出なくてはいけなくなったので村の若い男に、留守番を頼んだ。

男が留守番をしていると、壁の中から婆さんの声がする

「じいさん、じいさん…」

男は答えた。

はいはい、じいさんはここにいるよ」

最初のうちは答えていた。

けれどしかし、婆さんの声はなんどもなんども呼んでくる。

「じいさん、じいさん…」

やがて、男は耐えきれなくなって叫んだ。

「うっせえ! じいさんはいねーよ!」

すると、壁の中から鬼の形相をした老婆が現れ、「じいさんはどこだあ!」と叫んだ

479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/03(金) 01:08:40.79 ID:6p3ZDHfw0

すると突然、まばゆいばかりのスポットライトが飛び出したばあさんを映し出す

「JI-I-SA-Nは」「どこだ!」ステージにばあさんの声が響く

詰め掛けたオーディエンスはばあさんの久々のステージに期待で爆発しそうだ

今晩も伝説リリックが聴ける。ストリートまれヒップホップ育ち。本物のラップが聴けるのだ

キャップを斜めに被りオーバーサイズTシャツをきたじいさんがターンテーブルをいじりながら目でばあさんに合図する

重たいサウンドスピーカーから響く。ショウの始まり

「 ここでTOUJO! わしがONRYO! 鬼のGYOUSO! ばあさんSANJYO! 

 違法なMAISO! じいさんTOUSO! 壁からわしが呼ぶGENCHO

 (ドゥ~ン ドゥンドゥンドゥ~ン キュワキャキャキャッキャキュワキャ!)

 年金減少! 医療費上昇! ボケてて大変! 食事時間

 冷たい世間を生き抜き! パークゴルフ息抜き

 どこだJI-I-SA-N老人MONDAI! そんな毎日リアルなSONZAI!

 SAY HO!(HO!) SAY HO HO HO HO!」

じいさんのプレイ好調だ。オーディエンス熱狂はこわいくらいだ。

まだ、俺らの時代は始まったばかりだ、そんなメッセージがばあさんの口から飛び出していく

本物のヒップホップが、ここにあるのだ。

2019-12-07

anond:20191207133358

今後ネタが被ると恥ずかしいか検索できるようにとっとく

vanillableep1618 ラ面カイダー ケボット刑事ロー ダカイキー01 ガジンマーZ ……いくらでもでてくるな(笑)

nuuuuma ドスターミーナ

sakuragaoka コバリーヒルズ・ビップ

sps1uw サガセターン

nikunonamae “sun太郎” つまり「日輪の長子」が、”キラリman” すなわち「輝く益荒男」の称号を冠しており、非常にまばゆい

uchiten これ系では「コーモン・デグレ」が最強だと思ってる。

ashrae クターすださい☆

uchiten これ系では「コーモン・デグレ」が最強だと思ってる。

GEKIGANGAA モット・チャンチー

Ayrtonism プロ猿ファー・ゴル。

nomitori キラリマン太郎(急にA先生風味)

ken-skatan 太ラリーサン・キ太郎 伊武雅刀ファンホイホイなインターネッツはここですねwwwwwand

u4k ジョン・ベンソン、ジャイケル・マクソン、ヌワス「パパーーーーーっっ!!!!!」

mag-x こなさん みんばんわ>ジャンキー大山ショー https://www.youtube.com/watch?v=olnZywXLM_s

mr_yamada けつだいらまん

poponponpon ジョダギリ・オー

solidstatesociety サラキン・太郎マリ

cozy3cs マラサキムンコ

nonameblog 「プロファーゴル」を世界最初に思いついた人をリスペクト

mcksw 猿ゴルファープロ

oitomo ジャイケル・マクソン

nori__3 シマチョウ課耕作

entryno001 スプーリズムって言うんだよね。海外にいた幼少期に「Billy has a whistle on his thumb (ビリーの親指には笛がある)」>「Whilly has a thistle on his bumb (ウィリーの尻にはトゲがある)」というのが絵本に載ってていたく気に入っていた

easy-breezy タッコミのブク

Dicer ドキがむねむねする

nekoashicable れき・たんたろう

PrivateIntMain サガシターン・セロ(1件/0.19秒)

teebeetee パッキング・パク

plagmaticjam 聖戦士バンダイ

hiromi163 生まで朝テレビ

fellfield 「けつだいらアウォード」を思い出した。「てっかほっかほい」とか大好きだった http://sledge-hammer-web.my.coocan.jp/ketsu-gaward.htm

color-hiyoko ちゃボコ

kanan5100 80年代フジテレビ「いきなりフライデーナイト」に、しりすえもんじコーナーというのがあってな。けつだいらまんが最高傑作

kiyo_hiko 太鼓のタシヅン思い出した

tenari モケットポンスター シード・ソール

d346prt こなさんみんばんは!

FlowerLounge Perfumeラジオラジオネームがヤカタナタカって人がいたな

mitimasu 市長カマ交錯

Rag-Rush 「えたしはワルです」

kingate パークマンサー。

aobyoutann どつカキコ……はも……

fujitaweekend 乱たま金太郎

tamihe1 サラ金ロータリーマン

lostnamer 金年三組・B八先生

rew05 パルコン・ファン

sakamata サンランド・ヴィガ

gendou ひろみやもとし

matsuedon "キラリマン恋次郎"との一致はありません。検索結果 (引用符なし):氷川きよし 恋次郎旅姿 - YouTube

Lagenaria ぶてなハックマーク

2019-11-07

子供部屋おじさんの翔んで埼玉 ~あるいは異世界も割といい世界R1

「後悔などあろうはずがありません!」

 俺は胸を張って女神に答えた。

 ――国道H31号線。

 ――幼いこども。

 ――迫るトラック

 ――飛び出す俺。

 短い人生ではあったが、最期に命を守る行動を取れたことに悔いはない。

「よくわかりました。それでは功績を認め、あなたを新たな世界に翔んで埼玉させましょう。その世界は今、上級国民の手によって闇に覆われようとしてます。どうか勇者として世界を救ってください」

 ……こうして俺は、異世界――管理ナンバーR01――に翔んで埼玉することとなった。


///////


「あれから随分と色々なことがあったな……」

 冒険者ギルド隅の汚いテーブル

 キー―ッと音を立てて回転するにわかファン真下で、俺は感慨深げに呟く。

勇者がこのホワイト国に来てから半年近くも経つんですね」

 ONE TEAMのひとり――聖騎士が目を細めて笑みを浮かべた。

 一方、もうひとりのメンバー剣士は落ち着かない様子で野太い声を響かす。

「おいおい、いつまで思い出話に浸っている気だ? さっさと冒険に出かけないと、腕がサブスクじゃねーか!」

落ち着け、竜剣士。休むことも冒険の一部だ。今日計画運休だと言っただろう」

 俺はギルド特製のおしぶこドリンクをずずずっと啜り、その甘さを十二分に堪能する。

 だが、俺の至福のひとときを奪うかのように、ONE TEAM最後のひとりが甲高い声で反駁する。

「ククククク。とはいえとはいえ勇者殿ぉ。冒険に行かなければ、いずれ吾輩どもはキャッシュレス! 揃って飢えタピることになりかねませんぞいぞい!」

「……お前は黙っておけ。闇営業

「お前が俺達に意見していいのは4年に一度じゃない。一生に一度だ。」

「…………」

 沈黙ギルド支配した。

 だが闇営業の指摘自体は的を射ていた。

 結局、俺達は闇営業意見に従って、のそのそ街の外へドラクエウォークすることとなったのであった。


///////


「あれが上級国民の住むという洞穴か」

「あな番はいないようです」

「よし、慎重に奥へ進むぞ。さくせん<命を守る行動を>だ!」

 …………。

 俺達は襲いくる上級国民れい新選組撃退しながら、ついにダンジョンの最深部に到達した。

観念しろ上級国民! もはやお前に逃げ場はない!」

「ふはは。逃げ場がないのは貴様たちの方だ。さあ、行け。わが忠実なるしもべ達よ!」

 合図の声とともに無数のジャッカルたちが現れる。

「多勢に無勢です、勇者!」

「なーに! この程度のハンディファンがなけりゃ、面白くねぇじゃねーか!」

「ククククククク……」

 そして死闘が始まった。

「うぉぉっりゃあぁぁぁぁっ!!」

 竜剣士の一太刀れいわ旋風を巻き起こし、ジャッカルの群れが切り刻まれる。

「祝福の女神よ。彼の者の傷を癒やしたまえ。――ポエム!――」

 聖騎士の膨大なMGCポイント還元によって、蓄積された肉体の#KuTooが一気に軽減税率されていく。

「ククククク。あなたの◯◯ペイで拙者の〇〇ペイを〇〇〇〇ペイしてもらいたいですぞぃ!」

 笑わない男でさえもスマリングシンデレラへと変えてしまセールストークプロフェッショナル――闇営業セクシー発言が、上級国民の神経を逆撫でする。

 ……皆が死力を尽くして戦っている。

 今だ! 今こそ決着のときなのだ

 俺は、王女から授かった「パプリカナイフ」に聖なる力を免許返納して、渾身の一撃を解き放った。

世界の令和は<俺>が守るっ!!!!!」

 肉肉しいあんちくしょうの顔めがけ、聖なるオーラが閃光となって突進する。

 光属性攻撃が闇属性相手まばゆい光で包み込む。

「おああーーーっ。あーっ」

 断末魔をあげ、消滅していく闇の肉体。

 やがて、光はゆっくりと減少していく。

 光が完全に消失したとき、そこにはただ、生き延びた仲間たちの姿と、おむすびころりんクレーターけが残されていた。


///////


 勇者たちの旅は終焉を迎えた。

 上級国民の魔の手は消え去り、世界は令和を取り戻したのだった。

 聖騎士は将来の脅威に備えるため騎士団へと戻り、竜剣士さらなる強敵を求めて放浪の旅へと出立して行った。

 そして……。


「君の崇高な犠牲のお陰で、世界は令和になったよ。ありがとう、闇営業……」

 寂しい墓地の片隅で、勇者はそっと花を手向ける。

 闇属性であるがゆえに聖なるオーラの巻き添えで消滅した闇営業最期を思い返しながら、勇者は静かに目を閉じ思う。

あかんな。闇属性やっぱあかんな」と。

2019-2

https://anond.hatelabo.jp/20191108151727

2018

https://anond.hatelabo.jp/20181109213637

2017

https://anond.hatelabo.jp/20171109235515

2016

https://anond.hatelabo.jp/20161203164152

2019-10-27

私の好きだった人に関しての記述

初めてその人を見た時私はその人の髪色の所為でその人の存在自体自分の居る場所に妙に不釣り合いなように感じたことを覚えている。

動画サイトで後ろ姿しかたことのないその人は、動画で受ける印象よりも少し若く見えた。髪の毛が短くなっているからだろうか、服の着こなしといいその人は自分に似合う物をそれなりに考えて着てるみたいだった。第一声は「意外と背が高いね」だった気がする。ちょっと立ってみて、と言われて立った私は緊張で少し震えていたと思う。何か吹いてみて、と言われて吹いたのは先輩から事前に渡されていた軽い小曲集の1つだったがそれすらもろくに吹けなかったので内心ものすごく緊張しながら吹き終えた事だけを覚えている。

好きなんだろうか、と思ったのは暑い盛りの夏が終わった時でその頃には私は部活にそれなりに馴染んできていて、それなりに楽器も吹けるようになっていた。

朝練に出るため川沿いを自転車で走っていたときに見えるまだ出たばかりのまばゆい太陽を眺めながらあの人もこの太陽を見ているのだろうか、とかそんなことをふと考えた。もっともその人はいつも練習時間遅刻してくるのだけれど。朝早く起きているのかすら怪しい。でも、そんなところがその人の私から見た好ましいところだった。

先輩方のお別れ会、というものを空き教室でやったことがあり、そのときもその人は遅刻してきた。

お別れ会を進めようにも来ないのだから進めることが出来ない。私たちはその時間の間にペットボトルジュースを何本か開け、持ち寄ったお菓子を紙皿にぶちまけて食べていた。行儀が悪い。

遅れてきたその人を見てようやく揃った、と全員が安堵した。その人を含め1、2年生で合唱なるもの披露したときその人は少し泣いている様に見えた。指揮を振るときしかめったにつけない薄いフレーム眼鏡を少し持ち上げて目頭を軽く指でなぞる仕草は皆が前を向いていたときにこっそり横目で見ていた私だけが気づいていたのだと信じたい。

その泣き方は別れに何度も立ち会ってきたけれどそれにまだ慣れきっていないといった感じだった。

私はその人にも別れの歌がよく聴こえるように一層口を大きく開けて歌った。その日の歌は毎年聴いてる合唱の中で一番良かった、と言われた。それを聞いて私は、来年になったらまたおんなじ事をこの人は言うのだろうと思った。

楽器屋の壁にある演奏会ポスターが貼ってあるのを見つけた。そのポスターにはその人の名前も載っていてその演奏会に出るのだ、という事に気がついた。塾の帰り道、コンビニに寄ってチケットを買った。学生なので安く済んで良かったと思った。

年が明けて、学期始めの前日にスカイツリーのよく見える街までその演奏会を聴きに行った。中は混んでいて客の大半は知り合いの伝手で来ているらしかった。楽器を吹いて参加する事もできるらしく、学生らしき人が楽器を持参してパンフレットの裏に載った譜面を吹いていた。でも、ステージの上を目を凝らしてみてもその人の姿はそこには無かった。

演奏会が終わりホールから出て行こうとするとその人は出口の辺りに居た。一般参加者の人にだけ配布されたバッチか何かを回収する係らしかった。あとでその人のSNSを見ると演奏会のあった日に「ありがとうございました」というメッセージ舞台裏から撮ったらしい写真が添付されていた。その人は理事で、演奏には参加していなかった。

冬が明け、春になり私には後輩が出来た。今まで2人しか居なかったので後輩が出来るのは素直に嬉しかった。三年の先輩はいないので実質私たちが一番年上だった。

新入生がその人の前で演奏する時期がまたやってきた。去年の自分を見ているようでとても初々しかった、それと同時にもうそこには戻れないさみしさを感じた。もうあの頃には戻れないのだ。泣いたって叫んだって私はもう前に進まなきゃいけなくて、あの子達はきっと自分よりももっと上手くなってそのうち私も追い越されてしまうんだろう、と思った。それが羨ましくて私は新入生の演奏聴くように言われたが練習がしたい、といって断った。後輩に興味の無い人間だとあの人は思ったかもしれない。それでもあの人は頭の片隅でほんの少し思っただけでそのことについては1秒後には忘れているのだろう。

夏になりコンクールの時期がやってきた。コンクールにはそれなりに力を入れている学校で上位大会にもよく出場している学校だった。コンクール以外でも全国大会に参加したことのある、知る人は知る中堅の強豪校だった。

コンクールの結果はとしによってもまちまちだったが私たちの前の代までは連続地区と県は必ず抜けていた。最も中学の時は最後の年しか県を越えた事は無かったので中学と似たようなものだと思った。オーディションは学年問わずほぼ全員強制参加だ。オーディションを真ん中くらいの微妙順位で抜けた私にはなぜかソロが回ってきた。その前のソロコンの順位たまたま一桁台だったからかもしれない、まぐれで良かっただけの順位を当てにされても、と思ったがなんとかその人の期待に応えよう、と思って私はそれなりに全力を尽くした、つもりだった。

結果は予選落ちで、このくらいひどい成績を取ったのは史上2回目らしい、しかもその前は15,6年ほど前のことだ。

コンクール予選の音源を聴いてみたがそこまで特に大きなミスを感じなかった。音圧で耳がおかしくなっていたのかもしれない、とおもったけれど舞台裏で聴いていた友人にはべつに地区落ちするような音楽じゃない、と言われた。スタンドで飲んだタピオカを飲みながらちょっぴり泣いた。帰りの電車でも泣いて、家に帰ってからも2階の自室へつながる階段を上る気力すら湧かなくて、気がついたら床に突っ伏して泣いていた。涙と鼻水がフローリングに滴った。

次の日の反省会ほぼほぼ全員大泣きした後、心機一転音楽室の大掃除をした。空は真っ青で、雲は学校の前にある会社よりも遠くの方に見えた。窓越しにその人と目が合ったとき私は片膝立ちで窓の外をぼんやりと眺めていた。サボっていると思われたんじゃないかと思ってそのイメージ払拭するかのように窓を濡れ布巾の乾いた布巾で一生懸命拭き上げた。一緒に掃除していた後輩に「先輩、落ちないでくださいよー」と言われて自分が窓の縁から落っこちそうになっているのに気がついた。

窓の外側からその人の車が見えたことだけ、私ははっきりと覚えている。

これで終わりです

2018-07-16

映画SUNNYを観て、離れていく船の友人たち

映画SUNNYを観て、学生時代の友人のことを思い出した。

私にはこの映画ほど仲良しな仲間はいなかったが、学生のひと時、時間を過ごした彼女たちのことを考えた。

今はその誰とも連絡を取っていないような状況だ。

私と誰かとの出会いと別れ、特に別れは、私にとって離れていく船同士のようなイメージだ。

ある時間、近しく港に留まり同じ時を過ごす。

そしてある瞬間を迎え、そこからゆっくりと、しかし確実に、私たちの船は互いに別の航路を行き始める。

初めはまだ私たち距離は近く、相手の顔も見えるほどだが、徐々に顔が、姿が、船影もおぼろになりゆき最後には海のかなたにきらめく光の粒に思いを馳せるのみになる。

共に過ごした時間の中で、良いことばかりではないし、嫌なところもあったし、相手が私のことを私が思うように思っていたのかどうかなど、

からないことばかりだが、私が彼女たち、彼らを思い出すとき、そこには確かに何かちらちらと光る光を感じる。

私は、彼らに興味を持たれたこと、声をかけられたこと、私の話を聞いてくれたこと、共に過ごした時間があったことを眩しい光のように感じる。

から、彼らは私の中で、波間の向こうにきらめく光の中に知覚される存在なのだと思う。

彼らはどうしているのだろう。これまでどんな時間を過ごし、今どんな時間の中にいて、この先どんな景色を見るのだろう。

私が彼らにまた会うかどうかは分からない。特別に会いたいとは思っていない。

私は、誰かと出会う度に様々な関係性を築く。助けられたり助けたり、好きになったりなられたり、話を聞いたり聞かされたり、安心したり警戒したり。

もし彼らに再会することがあったら、私はその時、果たすべき役割を全うできるようになっていたい。

できるなら、彼らにもらった温かさを返せる自分になっていたい。

でも彼らに会うことがもうなくても、私はまた別の誰かと新しい関係を始める。

私が彼らと出会った学生の頃、私は友達に強い憧れと嫉妬のような感情を抱き、親友、や一緒に騒ぐ仲間、を渇望していた。

でも今(本当に今この瞬間だけ、かもしれないけど)、そういったイメージに対する思いを確認してみると、意外にも私の気持ちは穏やかだ。

それは私があの時期を経て今まで、同じクラスの友だち、以外にも人と出会うことはできるし、深い関係になることはなくてもお互いに温かさや労わりを与えあうことができる、という関係経験してきたからだろうかと思う。

それはきっと私が獲得してきたものだ。私は私を誇りに思う。

もう会うことがないかもしれない私の友人たち。

私はあなたたちを、まばゆい光の中に想う。あなたが今どんな人になっているかは分からないけど、私はあなたに光を感じている。

どの人に対しても、不幸であってほしいとは思わない。無理に再会することはないと私自身に対して思っている。

私たちには私たち自身の、それぞれの役割があるのだと思う。その道行きの中で、あなたたちの気持ちが穏やかに凪ぐ時間が、少しでも多く訪れるよう願っている。

そしてこれから出会う私の友人たち。

私はあなたと、どんな関係を築けるだろう。出会いを楽しみにしつつ、私は私自身に対して、あなたたちに誠実に向き合っていける私でありますようにと背筋を伸ばす。

どうか私たちが、明るい時間をともに作っていけますように。

はいろんなことを考えるが、夜の時間も手伝って、今日はそれを文章にしてみた。

明るい時間に見たら穴を掘って飛び込みたくなるかも。

2017-09-18

​男、その他の乳について


乳首が左胸から去って二週間がたった。

特別感傷を憶えることはない。


外では台風が猛威をふるっている。

がたがたとゆれるYKKのサッシは南国においても安寧をもたらす。


あれはこのバカンスに入る前の、クソ煩忙な日々のある夜のことだ。

私はクソ旧友とのクソディナーを取り付けて、クソ吉祥寺にクソ向かっていた。


「グッド・テイストな話、聞きたくないか?」


クソ友は頭がチンポになってしまったようで、ローションまみれになっていた。


「ハハン。うまい話には」


「穴(罠)がある。でも、今回のはマジだぜ?」


「話は後。とりあえず、乾杯だ」


杯を交わす。羊の小便と爪の垢の味がするビール

クソ友のおいしい話はこうだった。


・我今革新的性的事業没頭男子集団旗揚

・汝性的潜在能力顕著者故我等集団参画渇望

幹部存在発明試薬汝此試飲後絶大快楽巨大絶倫棒手中収成


「それで、お前さんは飲んだのかい。その薬とやらを」


酔いが回ってきた私は少しオネエ口調で訊いた。


「当然。なんなら試していくかい?」


すごい夜だった。

親しき仲にも前戯あり。長い詰みより短い必至。

チュンチュンワールドまばゆい光をもってモーテルの一室を照らしていた。


彼は置手紙と薬を残してすでに去っていた。

Love Will Tear Us Apart Again


私は脱糞してから手紙で尻を拭き、1ダースの薬を飲んだ。


彼の話だと効果はすぐには出ない。およそ半日を要すると。

何食わぬ顔で出勤した。ゲートにIDを通して、キュートガードマンにウインク


しかガードマンはいものプリティスマイルを返してくれず、

怯えたハービヴォラスアニマルの目を私に向けてきた。

それだけではない。同僚、上司、部下までもが私に奇異の目。


なんて失礼なヤツら!

いったい私がなにしたっていうのよ!


少しアルコールが残っていた私はプリケツ歩きでトイレへ入った。

鏡をみるなり叫んだ。マンマ・ミア!


左胸から頭が生えていた。ボリオリのシャツを突き破って。

そいつはすでに意識を手に入れ、ぎょろぎょろと周りを見渡していた。

しかしこの顔にはデジャヴー。


「お前ッ、小西じゃないかッ」


「よっ、世話なるぜ」


「はた迷惑なやつだなッ」


小西はクソ友と私の同級生で、三年前に失踪していた。

久々の再会に会話が弾む。同僚たちも小西の陽気さに安心したようで、

ほっと胸をなでおろした。もっとも私の胸には小西がいるので私は小西をなでおろした。


「それにッしてもッ、どうしたんだッ急にッ」


「ま、思うところがあってな」


「そうッかッ。しかしッあまりッ動くなッ」


「お前もしかして、感じてんのか?」


「否ッやめろッあッ」


「ホイホイホイ! エマホイ! シスターエマホイ!」


いみじくも昇天

バカで陽気な小西との共同生活は楽しかった。

小西クライアントの評判もよく、仕事も捗った。

恋人とはファイトになったが、今では彼らもオーラセックスフレンズだ。


タフなミーティング後の小休憩。ランチ前の屋上公園テラス

アイスティー。25メートルからきこえるクラクションの音。人々のざわめき。

エネマグラ未来についてのたわいない会話を交わす私たち


突然、小西がいった。

「おまえな、このままいくと、死ぬぞ」


「ハハン。つまらない冗談はおよし――」


小西真剣な顔をしていた。鳩の糞が耳に詰まったんだろうか。


「おれは持たざる世界から来たんだ。持たざるっていうのはなにもかもだ。体も。命も。乳首も。存在のない世界から来た。そこではなにも持てないかわりに、未来過去現在も、あらゆる事象を観察することができる。おまえな、進行性の心臓病にかかっているんだよ。あと二週間後のバカンス乳首ホテルのボーイになめさせている最中、発作を起こして死ぬ


私は小西が何を言っているのか理解できない。昨夜キヨハラゲームをやりすぎたのだろうか。


オーケー小西。少しクールダウンしよう」


目を伏せてそう言った。目を開けると私の体は宙に浮いていた。

いや。正しくはビルから飛び降りていた。


小西ッどういうことだッ」


「人は一生のうちにしゃぶった乳首のすべてを覚えていることはできない。ちょうどおまえにとっての今日が、忘れられた乳首ひとつになる」


激突する。石畳ブラスト加工まではっきり見えた。

瞬間、何かあたたか幸せ感触と眩い光が私を包んだ。


「これは――ママ? ママ乳首か? お母さん! お母さん!」


目が醒めると私は全裸ビルの前に倒れていた。

知っているだろうか。

ビジネス街においては人が全裸でいても意外とみな騒がない。

生体騒音発生装置たるマヌケヤングはここにはいいからだ。


小西はいなくなっていた。左乳首もついでに消えていた。


私はゲートでガードマンの服を奪い、仕事を再開した。

無線からクソ友が話しかけてきた。


「ヒュー。どうにかうまくやったようだな。肝が冷えた」


「どういうことだ。小西はどこにいったんだ?」


小西? だれだいソイツは」


「お前も同窓だろう」


「ああ、まったく。また間違えてんのか。小雪だろ。小西じゃない」


そうだ、小雪だった。なぜか私はずっと小雪小西と呼んでしまうくせがあった。

ガードマン通報されて、私はシコシコとお縄についた。


パトカー連行されたとき、窓の外に小雪広告が張り出されているのを見た。

小雪はいつも何かを飲んでいる。きっとそうやって私の病も飲み込んだのだ。

私は口のなかに何かがあることに気づきポリスに出してもらう。

それは私の左乳首だった。真っ黒な。


グラスのアモンティヤードに浮かぶex乳首を眺めながら、

回想にふけているうちに、台風は過ぎ去ろうとしている。


わたしは覚えてるぞ。しゃぶった乳首のこと」


グラスを傾ける。

即座に吐く。乳首はとっくに腐っていた。


私はボーイに難癖をつけて、彼の右乳首をしゃぶる。

それはまだ未熟なピーチの味がした。

2017-04-24

夢の脚本班に文句がある

あーもーホントやだ。

から夢見が悪くて気分悪かったけど、この時間になっても胃の腑の気持ち悪さがおさまらないので吐き出す。

何を見たかと言うと、ミニマムイボデブ中年中佐殿のケツを若いイケメン士官が突いて差し上げている様子をひたすら俯瞰している夢を見た。

ハスハス言いながら物陰でまぐわってる時に、物資運搬中のまだ幼さの残る新兵に見つかりそうになって、あぶない!ってところで

危機一髪中佐が果てたら股間からまばゆい閃光がほとばしって辺り一帯を覆い、眩しすぎて新兵には何も見えなかったのでした。めでたしめでたし

「さすがであります中佐殿……自分にはこれほどの力強さはとても……!」

「なぁに日本男児たるものこのくらいはな」

「感服いたしました!!」

じゃねぇよ!どういう世界観だよふざけんな!!いや生々しい絶頂を見せられてもものすごく嫌だけど!!

ついさっきアッフ……ックゥッ……!とか言ってたおっさんが「日本男児たるもの」とかキメ顔でいうなや!まだ息荒いんじゃボケ!!

単にそんな見た目の軍人キャラクターが出てくるアニメを数日前に見たからご出演頂いたんだろうけど、あいつら別にホモじゃねぇし!

だいたい俺はちゃんと昨夜、ちょっと口は悪いけど根はやさしいおっぱいの大きな黒ギャルが出てくる漫画を読んで気分よく寝付いたハズだぞ!ドチクショウ!!

俺のリソースを使って夢映像制作してるくせに俺のニーズを完全に無視したものを作るんじゃあない!ブドウ糖返せバカーー!

2017-04-21

[]2017/04/20

覚えてるのは大きく2つ

1個目

閉店間際の駅の売店にいったら、こんにゃくピザが半額になっていた

よくカロリーオフこんにゃくラーメンとかあるけどあれのピザ

生地が全部こんにゃくからもちあげるとふにゃふにゃしてる

直径10cmくらいのピザが4つ入った真空圧縮パックみたいな感じ

迷って、買わなかった

2個目

学校プールくらいの大きさの室内プール

泳いでるのは自分とあと2,3人

途中でスク水の子が入ってきた

俺が小学校ときクラスで2番目に好きだった小田さん

目の端でちらちら盗み見てた

そしたら小田さんが、にこにこしながら急に何かをポーンと投げた

それは小田さんから5mくらい離れた水面に落ちた

なんだなんだと近づいたらおっぱいだった

(正確には人間を寝かせて輪切りにした胸部部分)

うひょっ!!!と思って興奮した

その後すぐ、いや待てよ・・・ここにおっぱいがあるってことは・・・と思って小田さんを振り返った

そしたら小田さんが、

おっぱいはいいけどさすがに股間はダメだよ~」みたいに言いながら股間を両手で隠してた

そっかー残念って思った

小田さんの胸部はポッカリあいてて向こう側が見える状態だった

なんでこんな夢みたかと考えるに、

小田さん小学生にしては胸が大きいほうだったのと、

たまたま同じスイミングスクールに通ってて偶然同じ時間のレッスンだったとき乳首が立ってたのに興奮した、子供時代まばゆい記憶が、今こんなゆがんだ形で夢となって現れたと思うと、何か不思議な感じがする

2017-04-02

入社式である性交の祭典である

明日入社式である

かくいう私もある企業入社してしまう。

うっかり会社員になどなってしまう!

それにしても入社先だ。

なぜこのようにも自分の性分とはかけ離れた場所を選んでしまったのだろう。

懇親会に行ったとき絶望してしまった。

頭が痛い。

皆声がでかいのだ。

目がやられた。

内定者のフェイスブックまばゆい

だがしかしだ。

もはやイケてるみなさまの観察を楽しむことに決めたのである

懇親会の時点であの乱れ様だ。

明日入社式である

かくいう私もおこぼれを頂戴する可能性が無きにしもあらずということもないことはないだろうと考える自分もいるのではないだろうかと思っている。

とにかくだ。

社長によるフィスト講習を楽しみに今日は寝るのである

2017-02-15

ささやかに声を出して祝う

どこでもないここで空を見上げてるこの瞬間を

これからどこへ行こうともくじけず前を向ける希望

たくさん抱いて歩みだせる気がしてる

ここがどこなのかもうわからなくなってしまったけれど

辺りを漂うまばゆいばかりの人魂行燈過ぎ去りし虚空の商店街

買い忘れたものはもうないよ

出かける前にはいってきますをもう一度言っておくよ

から心配しないで

2016-10-05

涙と選択と欲の物語としてのTVアニメ響け!ユーフォニアム

くやしいっ……!

くやしくて、死にそうっ……!

身体の奥から絞り出すような掠れた声。これほどまでに悔しがる声を、かつて聞いたことがない。

TVアニメ響け!ユーフォニアム』は、そういうお話だ。本気で高みを目指し練習練習を重ねた――なのに届かなかったことがくやしくくやしくて涙があふれてくる、そんな物語だ。

主人公黄前久美子は、コンクールの京都府大会に向けた合奏練習中に、顧問の滝からとあるパート演奏から外れるよう指示される。そこはかつて質の低さを指摘され、改善約束したパートだった。久美子は努力を重ねたが、滝が求める精度にけっきょくたどり着けなかった。

うまくなりたい。

うまくなりたい。

うまくなりたい。

うまくなりたい。うまくなりたいうまくなりたいうまくなりたい。うまくなりたい。うまくなりたい。うまくなりたい。うまくなりたい……!

うまくなりたい! 誰にも負けたくない! 誰にも……! 誰にもっ……!

からからあふれてくる涙に頬を濡らしながら久美子は知るのだ。

中学とき関西大会への切符を賭けたコンクールで敗れた際、同輩の高坂麗奈が流した涙の意味を。その辛さを。「本気で全国いけると思ってたの?」と問いかけた自分の目の前で彼女がどんな気持ちでいたかを。

それを知った久美子は、「期待すれば恥をかく。叶いもしない夢を見るのは馬鹿げたことだって思ってた」自分と決別する。「絶対、全国に行く」と、ためらうことなく口にする。たとえ努力した者すべてに神様が微笑まない世界だったとしても。努力し、戦うことを選ぶのだ。

 

選択責任物語

選ぶ、ということ。

TVアニメ響け!ユーフォニアム』は、当人選択とそれに伴う責任重要テーマに掲げている。

最も判りやすいのは冒頭だ。

顧問就任した滝は、部員たちに部の目標を選ばせる。全国を目指すか、楽しい思い出をつくる部活動にするか。選んだ以上はそれに向かって努力してもらうことを言い添えたうえで。部員たちは多数決のすえ前者を選んだ。待っていたのは低レベル演奏に対する容赦ない指摘だった。部員たちは反発したが、滝は取りあわなかった。「あなたたちは全国に行くと決めたんです」と。滝の厳しいながらも的確な指導によって演奏技術の向上を実感した部員たちは彼に信頼を寄せていく。

終盤にはもっと重要意味をもってそれが描かれる。合奏トランペット独奏パート、その奏者を巡るオーディションのやり直し。

奏者は麗奈にいったん内定したが、敗れた三年の中世古香織を慕う吉川優子の「噂になってるんです。オーディションとき先生がひいきしたんじゃないかって」という発言によって、滝は希望者に対する再オーディションを認める。そして香織がそれに手を上げたことからもう一度やる、ということになったのだ。

ここで面白いのは内定している麗奈意向を滝が確認しなかったことだ。本当なら麗奈気持ちが重視されるべきだろう。何せ一度はその座を勝ち取っているのだからしかし滝はそれを訊かなかった。

その理由は、“選ぶ”ことによって“責任”が麗奈に発生してしまうからだろう。麗奈本来それを負う必要がない。だから滝は回避した。彼の内面を推し量るなら、オーディション不正があったのではと疑問を持たれた自分が責を負うべきだと考えたのではないか

オーディションの場でも“選択”と“責任”が遡上に上がる。どちらを奏者にするか、滝は(ひいきを疑った)部員たちに選ばせようとする。「全国に行くと決めた」あなたたちは、今の演奏を聴いてどちらがそれにふさわしいと思いますか、と。

しか部員たちはどちらも選ばなかった。だから滝は香織に訊く。「あなたソロを吹きますか」。香織は言う。「吹かないです。吹けないです。ソロ高坂さんが吹くべきだと思います」と。

香織が肯定していたら、恐らく滝はそのまま香織に吹かせただろう。香織では先の大会に進めない公算が高いと判断していても吹かせただろう。どちらも選ばなかった部員たちに文句を言う資格はもうない。部員たちはそういう“責任”を負わなければならない。そして香織も、もし吹くのであれば部の成績の是非を逃げ場のまったくないとこで負う覚悟がいる。滝はそれを問うたのだ。香織は否定した。

もちろんこれは責任を押しつけあったという話ではない。

何かを求めるのであれば相応の代価がいる。全国か楽しい部活か。全国を求めるなら苦しい練習とそれをしてなお届かなかったときの悔しさに対する覚悟がいる。『ユーフォニアム』とはそういう物語なのだ

 

欲と、それに対応する肉体表現

ところで『ユーフォ』がエロティシズム溢れるアニメだと言われて否定するひとは少なかろう。もっともあからさまなのは8話。夏の大吉山にノースリーブワンピースで登った麗奈は、コケティッシュな魅力を見せつけながら久美子に“愛の告白”をする。夜景をバックに、裾を風や座ったときのはずみで翻しながら。あるいは久美子の唇を白くほっそりとした指でなぞりながら。正統派黒髪美少女は、匂い立つような色気をまといながら、中高と同じ吹奏楽部所属しながら顔見知り程度だった少女真正から迫っていく。

これは何なんだろう? 百合? サービスシーン? 半分ぐらいはそうだろうが、それだけではないように思う。

ユーフォ』はキャラ欲望を隠さない。久美子の「うまくなりたい」を始めとしてみんな何らかの欲望を持っている。「特別になりたい」「三年間やってきたんだもん、最後は吹きたい」「あすかが思ってるわたしの一歩先を、本物のわたしが行きたい」「あたしさ、塚本のことが好きなんだけど」「みんな吹きたいんだ」「コンクールに出たいんだ」「全国」。

から肉体は、欲望主体がちゃんとそこに存在していることを証明するかのように、画面いっぱいに生々しく描かれる。

終盤はもっと直截だ。

炎天下での練習。頬を火照らせ汗を滴らせながら練習に励む彼女たちは、とき渇きを癒そうと喉を鳴らしながら水を飲む。それらのシーンは例外なく艶めかしい。オーディションに勝って奏者に選ばれたい、今は手こずってるパートもっとうまく吹けるようになりたい。喉の渇きは、そういう欲の隠喩表現だ。ときに口元を濡らしてしまうほど勢い良く飲むのは満たされることを強く欲してるからだ。

あの夏の夜。これから山に登ろうというのに、麗奈ノースリーブワンピースヒールサンダルという格好だった。対する久美子はTシャツショートパンツシューズというラフな出で立ち。片やデート、片や気心の知れた友だちとのお出かけのよう。その落差は気合いいれておめかししてきた麗奈の“欲”を際立たせる。

響け!ユーフォニアム』は、何より絵でその強さを表現している。

 

勝負世界努力多寡関係ない。それでも努力の末に鳴らされたあの音が素晴らしいと知っている

音楽マンガには演奏の素晴らしさを聴衆のリアクションによって表現する手法がある。『ユーフォ』でもサンフェスへの出場を賭けた合奏や、サンフェスにおけるマーチングの際にこれが用いられた。アニメから音そのもので質の高低は表現可能だし実際されているのだが、強調表現として使用されたのだ。

しかしながらラストコンクールでは聴衆の反応がいっさい描かれない。いったいこの差はなんだろうか。

冒頭でも述べたように、『ユーフォ』は努力努力を重ねたのに鳴らしたい音へとたどり着けなかったことやオーディションに敗れコンクールへ出られなかったことがくやしくて涙を流してしま物語だ。

努力のものには何の価値もない。滝も誰も努力したことを褒めない。努力の末に響かせた音にの評価が下される。聴衆は、久美子たちの努力を一切しらない。ホールに響き渡るあの音が努力の末のものなのかそうでないのか一切しらない。

しかし我々は知っている。努力をし、欲をむき出しにしてぶつかり合ってきた先にある音だと。滝に叱責され、炎天下で汗を滴らせ、楽譜に「全国」と大きく書き込み、がむしゃらに努力してきた先にある音だと。だからそれはきっと素晴らしいのだ。みんなが積み重ねてきた努力を知る葉月が「いっすね……」と呟く音はきっと素晴らしいのだ。

そこに聴衆のリアクションはいらない。ステージの上でまばゆい光を浴びた久美子たちが響かせる音、それは素晴らしいに違いないと我々はもう知っているのだから

 

ユーフォ感想一覧

2016-06-23

ブコメ売りの増田

ひどく寒い日でした。 雪も降っており、すっかり暗くなり、もう夜 ―― 今年さいごの夜でした。 この寒さと暗闇の中、一人のあわれな増田が道を歩いておりました。 頭に何もかぶらず、足に何もはいていません。 家を出るときには靴をはいていました。 ええ、確かにはいていたんです。 でも、靴は何の役にも立ちませんでした。 それはとても大きな靴で、 これまで増田のお母さんがはいていたものでした。 たいそう大きい靴でした。 かわいそうに、道を大急ぎで渡ったとき増田はその靴をなくしてしまいました。 二台の馬車が猛スピードで走ってきたからです。

片方の靴はどこにも見つかりませんでした。 もう片方は浮浪児が見つけ、走ってそれを持っていってしまいました。 その浮浪児は、いつか自分子どもができたらゆりかごにできると思ったのです。 それで増田は小さな裸の足で歩いていきました。 両足は冷たさのためとても赤く、また青くなっておりました。 増田は古いエプロンの中にたくさんのブコメを入れ、 手に一たば持っていました。 日がな一日、誰も増田から何も買いませんでした。 わず一円だって増田にあげる者はおりませんでした。

寒さと空腹で震えながら、 増田は歩き回りました ―― まさに悲惨を絵に描いたようです。 かわいそうな子

ひらひらと舞い降りる雪が増田の長くて金色の髪を覆いました。 その髪は首のまわりに美しくカールして下がっています。 でも、もちろん、増田はそんなことなんか考えていません。 どの窓からスターの輝きが広がり、 鵞鳥を焼いているおいしそうな香りしました。 ご存知のように、今日大みそかです。 そうです、増田はそのことを考えていたのです。

つの家が街の一角をなしていました。 そのうち片方が前にせり出しています増田はそこに座って小さくなりました。 引き寄せた増田の小さな足は体にぴったりくっつきましたが、 増田はどんどん寒くなってきました。 けれど、家に帰るなんて冒険はできません。 ブコメはまったく売れていないし、 たったの一円も持って帰れないからです。 このまま帰ったら、きっとお父さんにぶたれてしまます。 それに家だって寒いんです。 大きなひび割れだけは、わらとぼろ切れでふさいでいますが、 上にあるものは風が音をたてて吹き込む天井だけなのですから

増田の小さな両手は冷たさのためにもうかじかんでおりました。 ああ! たばの中からブコメを取り出して、 壁にこすり付けて、指をあたためれば、 それがたった一本のブコメでも、増田は ほっとできるでしょう。 増田は一本取り出しました。  ≪シュッ!≫ 何という輝きでしょう。 何とよく燃えることでしょう。 温かく、輝くスターで、 上に手をかざすとまるで蝋燭のようでした。 すばらしい光です。 小さな増田には、 まるで大きな鉄のストーブの前に実際に座っているようでした。 そのストーブにはぴかぴかした真鍮の足があり、てっぺんには真鍮の飾りがついていました。 そのスターは、まわりに祝福を与えるように燃えました。 いっぱいの喜びで満たすように、スターはまわりをあたためます増田は足ものばして、あたたまろうとします。 しかし、―― 小さなスターは消え、ストーブも消えうせました。 残ったのは、手の中の燃え尽きたブコメだけでした。

増田はもう一本壁にこすりました。 ブコメは明るく燃え、その明かりが壁にあたったところはヴェールのように透け、 部屋の中が見えました。 テーブルの上には雪のように白いテーブルクロスが広げられ、 その上には豪華な磁器が揃えてあり、 焼かれた鵞鳥はおいしそうな湯気を上げ、 その中にはリンゴと乾しプラムが詰められていました。 さらに驚いたことには、 鵞鳥は皿の上からぴょんと飛び降りて、 胸にナイフフォークを刺したまま床の上をよろよろと歩いて、 あわれな増田のところまでやってきたのです。 ちょうどそのとき――ブコメが消え、厚く、冷たく、じめじめした壁だけが残りました。 増田はもう一本ブコメをともしました。 すると、増田は最高に大きなクリスマスツリーの下に座っていました。 そのツリーは、 金持ち商人の家のガラス戸を通して見たことのあるものよりもずっと大きく、 もっとたくさん飾り付けがしてありました。

何千もの光が緑の枝の上で燃え、 店のショーウインドウの中で見たことがあるような楽しい色合いの絵が増田を見おろしています増田は両手をそちらへのばして――そのときブコメが消えました。 クリスマスツリーの光は高く高く上っていき、 もう天国の星々のように見えました。 そのうちの一つが流れ落ち、長いスターの尾となりました。

「いま、誰かが亡くなったんだわ!」と増田は言いました。 というのは、おばあさん――増田を愛したことのあるたった一人の人、いまはもう亡きおばあさん――がこんなことを言ったからです。 星が一つ、流れ落ちるとき、魂が一つ、神さまのところへと引き上げられるのよ、と。

ブコメをもう一本、壁でこすりました。 すると再び明るくなり、その光輝の中におばあさんが立っていました。 とても明るく光を放ち、とても柔和で、愛にあふれた表情をしていました。

「おばあちゃん!」と小さな子は大きな声をあげました。 「お願い、わたしを連れてって! ブコメ燃えつきたら、おばあちゃんも行ってしまう。 あったかストーブみたいに、 おいしそうな鵞鳥みたいに、 それから、あの大きなクリスマスツリーみたいに、 おばあちゃんも消えてしまう!」 増田は急いで、一たばのブコメをありったけ壁にこすりつけました。 おばあさんに、しっかりそばにいてほしかたからです。 ブコメのたばはとてもまばゆい光を放ち、昼の光よりも明るいほどです。 このときほどおばあさんが美しく、大きく見えたことはありません。 おばあさんは、増田をその腕の中に抱きました。 二人は、輝く光と喜びに包まれて、高く、とても高く飛び、 やがて、もはや寒くもなく、空腹もなく、心配もないところへ――神さまのみもとにいたのです。

けれど、あの街角には、夜明けの冷え込むころ、かわいそうな増田が座っていました。 薔薇のように頬を赤くし、口もとには微笑みを浮かべ、 壁にもたれて――古い一年最後の夜に凍え死んでいたのです。 その子は売り物のブコメをたくさん持ち、体を硬直させてそこに座っておりました。 ブコメのうちの一たばは燃えつきていました。 「あったかくしようと思ったんだなあ」と人々は言いました。 増田がどんなに美しいものを見たのかを考える人は、 誰一人いませんでした。 増田が、新しい年の喜びに満ち、おばあさんといっしょにすばらしいところへ入っていったと想像する人は、 誰一人いなかったのです。

2016-05-06

明けない夜はないって言うけど明けないゴールデンウイークはある

そう、無職なのだ

まばゆい閃光で埋まった週間

次元うずくまり

見失われたままのタイミング

青白く伏した眼差し

宇宙の片隅に売り切れたんだ

さあ脱糞さらってしま

2016-01-20

ぼくもランサーズラノベを作ってもらった

ノベル 雑記 コンテンツ

 

どうも増田です。

クラウドソーシングライトノベルを書いてもらったらどんな感じになるのかなって。それで募集かけたら心躍る作品が寄せられたので、ここで紹介したいと思います

利用したのはランサーズ。有名どころで。簡単なテンプレプロットだけを用意して「これを参考にして」って感じで依頼を出しました。

プロットはこんな感じ。

 

そして、いただたいた作品はこちら。

 

……暑い。暑すぎる。

もうどれだけ砂漠の中を歩いただろうか。朝と夜が何度巡ったか数えるのを止めてから、日付の感覚が無くなってしまった。それでも、重い足を引き摺って、俺は歩き続ける。しかし、太陽容赦なく俺を照り付ける。

 

もう、限界かもしれない。

 

と、諦めそうになったそのとき、揺らぐ視界の先に、ひとりの少女が見えた。

春風にそよぐ花弁のような、桃色の装束を纏った可憐少女

 

美しい。この手で、触れたい。

 

朦朧とする意識の中で、俺はそう強く思った。とうの昔に動かなくなっていてもおかしくない俺の足は、その少女に向かってよろよろと歩を進めた。

しかし、少女が俺の存在に気付き、視線を交わしたと思ったそのとき、どうやら俺の体に限界が来たらしく、そこで俺の記憶は途切れてしまった。

 

 

* * *

 

 

「あら、目を覚ましたわ。マルジャーナ!いらっしゃい!見て、目を覚ましたの」

 

薄く目を開けると、そこには途切れる直前の記憶の中にいる、あの美しい少女が、興味深いものを見るような目で俺を見つめながら、大声で人を呼んでいた。

マルジャーナと呼ばれた少女が慌しくやってきて、目を覚ました俺の姿を認めると、急いで水差しを持ってきてコップに水を注ぎ、俺に差し出した。

喉がカラカラに渇いていた俺は、思わずそれを奪って飲み干すと、「おかわり!」と叫んでいた。

 

「まぁ、野蛮ですこと。マルジャーナ、甕にいっぱい水を持ってきなさいな」

かしこまりました」

 

マルジャーナは二つ返事で踵を返すと、部屋を後にした。

 

「お……お前は、誰だ?」

「あら失礼、申し遅れました。わたくしの名はシャハラザード。この国……セルジューク帝国の皇女ですわ」

セル、ジューク……セルジューク!?ここがあの、セルジュークなのか!?ということは、お前は……!」

 

俺は飛び起きた。が、何日も寝ていたらしく、凝り固まった体を急に動かしたためか、腰からビキッと嫌な音がして、激痛が走った。

 

「いっ………てぇ!」

「大人しくなさい、野蛮人!」

野蛮人じゃねぇ……俺の名はアリババアリババディアーブだ」

ディアーブ……?どこかで聞いた姓ねぇ。どこだったかしら……」

「ふざけるな……3年前にてめぇが無残に処刑した、大盗賊ガラン・ディアーブの名を忘れたのか!」

「あぁ、あの盗人ね!わたくしの飼っている可愛いペット”のエサにしたのよ」

ペット……あの化物が!?

 

数年前まで、アラビア中を恐怖に陥れた大盗賊ガラン・ディアーブは、他でもない俺の父親だ。父親、と言っても血は繋がっていない。娼婦だった母親がどこの誰だかわからねえ男と勝手に作って勝手に生んで、名前も付けないまま捨てられた俺を、父・ガランは拾ってくれて、立派な盗賊に育ててくれた。俺はガランを心から尊敬し、親父と呼んで慕っていた。

しかし、近年急激に勢力を伸ばし、遂にアラビアを征服したセルジューク帝国は、あんなに大盗賊と恐れられていた親父を、いとも簡単に捕らえてしまったのだ。

俺はすぐに帝国へ復讐しようと40人の盗賊仲間をけしかけた。しかし、最長老の爺さんが、俺を止めた。

長老が言うには、セルジュークはアラビアはいなかった魔法使いの勢力で、親父もまたその魔法の餌食になり捕まってしまったらしい。

また、セルジューク帝の一族、特に処刑を実行した皇女シャハラザードは化物のような魔法生物を何百・何千と子飼いにしていて、王宮に忍び込もうにもそんな化物たちを何匹も倒さなければいけない。そのため、復讐にも準備が必要なのだ、と。

復讐のために俺達は、セルジュークの魔法のことを徹底的に調べ上げた。主義には反したが、自分たちでも身に付けることにした。そうした中で、親父は処刑として皇女子飼いの化物に食い殺されたこと、その処刑は王族のためのショーとして披露されていたことを知った。

 

そして3年。俺の40人の仲間達は復讐を企てる過程で、ある者は逃げ出し、ある者は野垂れ死に、ある者は殺され、そうこうするうちに、また俺はひとりぼっちになってしまった。

だが、子供の頃とは違う。俺には親父に貰った「アリババ」という立派な名がある。仲間達との思い出がある。だからこそ、ここまで来られたんだ。

 

「だから俺は絶対にこいつを殺し、この国を潰してやるんだ……」

「何をひとりで語ってらっしゃるの?」

「え!?

 

どうやら声に出ていたらしい。俺としたことが……。

 

「っ、痛……!」

「あら、やはり体が痛むようね。マルジャーナはもう少々時間がかかるようですし、わたくしが応急処置をいたしますわ」

 

そう言うと、シャハラザードは踏み台に乗り、背伸びをして棚の上を探り始めた。と、その時。

 

「キャッ…・・・!」

 

踏み台がぐらつき、シャハラザードは無様に床へ落ちてしまった。

 

「お、おい!慣れねぇことはする、な……っ!?

 

痛む体を押して身を起こすと、そこには筒状の装束を無様に捲れ上がらせ、こちらに尻を向けて床に倒れ込むシャハラザードの、

 

「ぱっ、ぱん………」

「い、イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

 

絹を裂くような悲鳴が、王宮に響き渡る。

 

「う、うるせえ!静かにしろ!」

 

俺の制止も空しく、シャハラザードが叫び続けると、先ほどのマルジャーナが猪突の如き勢いで部屋へと戻ってきた。

 

「シャハラザード様、どういたしまし……こ、このお姿は……まさか、貴様ッ!」

「おおお俺じゃねえ!こいつが勝手に……!」

 

と、その時、シャハラザードが装束を調えながらユラリと立ち上がり、

 

マルジャーナ、ごめんなさいね。わたくしとしたことが、取り乱しました」

「シャハラザード様、しかし……」

「分かっているわ、マル。セルジュークの女傑にとって、婚前の娘が許婚以外の殿方に下着を見られることは、すなわち死を意味します。この屈辱は、わたくしが、みずからの手で晴らします

「……!!!おい貴様、まずい、逃げろ……!」

「え、え!?

 

敵意を剥き出していたマルジャーナに突如「逃げろ」と言われ、俺は面食らった。

と、次の瞬間には赤い閃光が部屋を包み、気付くと俺の体は宙に浮いていた。

 

「花よ、鳥よ、風よ、月よ。セルジューク第三皇女・シャハラザードの名の下に、大罪人に死のダンスを」

 

シャハラザードが呪文を唱えると、部屋の四方から魔方陣が浮かび上がり、俺の四肢を固定して引き裂こうとした。

が、しかし。

 

「ハァッ!」

「な……ッ!?どうして、蛮族が魔法を……?」

伊達に3年も復讐のために魔法研究してねえよ!」

 

俺は3年間の復讐生活の中で、かなり複雑な魔法まで理解でき、分解できるようになっていた。セルジューク国民以外が自分の魔法を分解出来ることに、シャハラザードはかなり驚いているようだった。

 

「……なるほど、あなたの実力は分かりましたわ」

「分かったか!だったらこの場は一旦……」

「わたくしの持てる全ての魔力を、次の魔法に注ぎ込ませていただきます

「シャ、シャハラザード様!いけません、ご自分を見失っては……!」

「はぁぁあ……………」

 

マルジャーナの忠告に耳を傾けることなく、シャハラザードは全身に魔力を漲らせた。

魔力が赤い光となってシャハラザードの体の回りに揺らめくと、地面が強烈に振動し始めた。

 

「い、いけません!このままでは王宮が崩れて……キャァッ!」

 

振動で倒れてきた棚が、マルジャーナのすぐ近くを掠めて倒れた。

いけない、このままでは無関係召使たちまで巻き込んでしまう。

かくなる上は、いちかばちか……

 

「やめろォォォオオオオ!」

 

そう叫びながら、俺は皇女に飛び掛った。

俺は3年間の修行の中で、自分の手に触れた魔法を分解する能力を手に入れた。だから、術者であるシャハラザードの体に触れれば、あるいは彼女の大魔法をも沈静できるかもしれない。

 

「…………………………止まったか……?」

 

無我夢中でシャハラザードに掴み掛かり、床へ倒れこんだ俺は、状況が上手く把握できなかった。しかし、振動は止んでいる。どうやら俺の作戦成功したらしい。

が、何故だ?マルジャーナが俺を蛆虫でも見つめるかのような目で見下ろしている。

と、何だ、この右手の柔らかな感触は。

というか、何だ、この柔らかい床は。

 

「………ぅ、ひっく、ひぐ…うぇーーーーーーーーん」

 

突如、俺の体の下から泣き声が聞こえてきた。

から体を離すと、俺の腕の中に入るような形でシャハラザードが横たわっていた。

そして、俺の右手は、しっかりとシャハラザードの左の乳房を掴んでいた。

 

「っうああああああああああ悪い!本当に済まねえ!!違うんだ、俺はこの手に触れた魔法を分解できるから、その、違うんだ!断じて!そんな!つもり!でh」

「うるさいわよこの変態!!!!!!!!!!!!!!!

 

俺の息も絶え絶えの弁解は空しく、俺の右頬に物凄いスピードでシャハラザードの平手が飛んできた。あまりの衝撃に、脳が揺れる。

 

「そこは魔法じゃねえのな……」

 

そこで再び、俺の記憶は途切れたのだった。

 

── アリババと40人の盗賊と史上最凶の姫君と!? Øさんの作品でした。

 

 

 

まだその原因が風だったら、彼女がこんなに怒り狂うこともなかったかもしれない。あるいは水たまりに映ったのを偶然、たまたま、思いがけず見てしまったとしたら、こんなことにはならなかったかもしれない。白にピンクリボンが付いていたなんて、一瞬にしてこうも細部まで把握してしまう自分の性が誇らしい……じゃなくて、今は憎らしい。

「そこの男、待ちなさーい!」

烈火のごとく、この表現が最適だ。なんて考えている場合じゃなかった。彼女はおっとり清楚系の容姿から想像もつかないようなスピードで追いかけてくる。

「わざとじゃないんだー」

いや、まさか、あのタイミングで傍に女の子が立っているなんて気付かなかったんだ。

 数分前、胸ポケットに入れていたペンを街で落とした。ぼく以外の人間はこれを使って魔法を自在に操るんだけど、ぼくにはなぜか魔法の素質がない。普通の人は命の次くらいにこのペンを大事にしているらしいが、ぼくにとってはいたって平凡なペンぐらいの存在しかないので、外出時に胸ポケットに放り込むくらいにはぞんざいに扱っていた。

「なんだよ、まったく」

 こけはしなかったが、小さい段差につまずいた途端、学校支給されたこのペンがポケットから飛び出たのだ。ぼくはそれを、何の躊躇もなくしゃがんで拾った。そして、何の考えもなしに空を見上げた。その瞬間が、彼女との、いや、彼女の下着との出会いだった。

「許さないんだから、許さないんだから、許さないんだから、許さなーい!」

 だって飛行機が飛ぶ音がしたと思ったんだ。昔、人間飛行機とやらの飛ぶ羽のついた列車に乗ってあちこちを旅したという。でも現在は魔法を使って自分でどこにでも行けるので、飛行機はめったに見られない。何かのイベントでもない限り、事故の原因になるので披露されない。

飛行機飛行機を見ようとしただけなんですー!」

 魔力も体力もほとんどないぼくだが、真っ赤になって飛んでくる彼女から逃げるため、必死に走る。

 彼女ものすごい形相で追いかけてくる。もし今、彼女を横から見ることができれば、なびく腰まである長い髪はとてつもなく美しいだろう。けれど、真正面からしか今のぼくにはとうてい無理な話だ。

なんでぼくがこんな目に。ただペンを落としただけなのに。ペンのバカ野郎。たいして役にも立たないくせに。飛行機のバカ野郎。結局見れなかったし。

人をかきわけ、大通りを突っ走る。ぼくは魔力が極めて少ないので飛ぶことはできない。飛べたらとっくに逃げ切っている。

後ろを向くと、まだ彼女はあきらめない。なんて日だ。ピンクリボンが付いて、あっさりとしたレースのある白いパンツを見てしまったばっかりに……。

でも、もう限界。息がつづかない。ぼくは足を止めた。

 振り返ると、彼女はペンを高々と振り上げていた。そして、頌栄を始めた。もしかして、魔法を使うの? あきらかに虚弱なぼくに?

それに……、やばい、これってもしかして……。

「滅びよ! ゴルゴダのイカヅチ!」

やっぱりー! って、関心している場合じゃない。思わずぼくはペンを取り出し、落ちてくる雷を受け止めた。

 辺りにまばゆい光が広がり、すぐに消えた。

「えー、なんでー!?

あれ? たしかに持てる魔力の全てを込めてペンをにぎりはしたけれど、まさか無効化できるなんて。しかも、ぼくの学校でもできる人が少ないゴルゴダの魔法を……。

あなた! 今、何をしたの! 私の魔法を無効化できるなんて、できるなんて生意気よ!」

 彼女の髪が舞い上がっているのは、目の錯覚ではないだろう。そして、きっと漫画的な怒りを表す効果でもないだろう。これは、人が持てる全魔力を一度に使おうとした時に現れる、女性特有の……。

「み、見てしまったのは謝りますから。謝りますので!」

 ものすごい魔力だ。髪どころか、さっき覗いてしまったスカートまではためいている。

「許さないんだから、許さないんだから、許さないんだから、許さなーい!」

 彼女はまばたき一つなしに、また頌栄を始めた。いや、まさか。さっきのゴルゴダのイカヅチだって、人に向けちゃいけない魔法の一つだって、教わっただろ?

もしかして、ヘブントゥーヘル!?

 天国から地獄にたたき落とされるほどの衝撃だというこの世界最大級の大魔法。どうせぼくには使うことも、ましてや受けることも絶対ないだろうと、教科書には乗っていてもその存在くらいしか知らなかった魔法。

「だったら、なにー?」

頌栄と共に、彼女の足元に魔法陣が完成していく。見回すと、ぼく以上に街の人たちはパニックになっていた。それもそうだ、この街一つ消し飛ぶくらいの魔法なんだから

「やめろ、やめろ。や、やめてください!」

叫んではみるものの、彼女の耳には届かない。

「よくも私のパンツ見たわねー! それに、私の魔法を消すなんて、消すなんてー!」

 このままでは、ぼくの人生どころか、ぼくの街も終わる。

 あのペンさえ、彼女のペンさえ奪えれば、どんなに頌栄をつづけても魔法陣は消える。どうにかしなきゃ。どうにかして彼女から取り上げなきゃ。

 ぼくは走っていた。もうヘトヘトで足がもつれて仕方ない。けれど、彼女の方へと走った。もう時間がない。

 頌栄は最後フレーズに入った。ヘブントゥーヘル、発動まで後五秒……。急げ、ぼく。

 残り、四秒……。やっと魔法陣の中まで入った。すさまじい魔力に、全身の毛穴から汗が沸騰したかのように吹き出る。

 残り、三秒……。

「やめるんだ。ぼくが悪かったから!」

「そんなの当たり前でしょ!」

 残り、二秒……。

 彼女の握るペンに手をのばす。けれど彼女はそれを避けるように腕を振り上げた。

「ペンを離せ!」

「いやよ! 私に命令しないで!」

 一秒……。

 彼女が自分の胸の前でペンを抱きしめるように握り締めた。よし。そこなら届く! ぼくはペンに力いっぱい腕を伸ばした……

 あれ?

 ペンじゃない。

 でも、ヘブントゥーヘルは発動していない。おかしいな。ペンを奪わずに魔法が止まるなんて。

 足元の魔法陣は、きれいさっぱり消えていた。

「あー、よかった。ヘブントゥーヘルなんて発動したら、どうなってたか……」

 目の前の彼女は、ぽかんと口を開けて微妙だにしない。魔力を使いすぎたのかな。もしかして、もう気が済んだとか?

でも、あれ?

 なんだ、この手のやわらかな感触は……。思わずしかめるように、指先を動かしてみる。

 みるみる真っ赤になる彼女の顔。

「キャーー!」

 バシーーーン!

 叫び声とともに飛んできたのは、彼女ビンタだった。

「許さないんだから、許さないんだから、許さないんだから、許さなーい!」

 脳みそが、揺れる。なぜかこんな時に、ピンクリボンの付いた白いレースの下着を思い出す。素材はそう、綿じゃなくて、ツルツルした感じのサテンだった……。

 ぼくの鼻から鼻血が一筋、ツーっとつたった。

 

 ── 『ぼくと彼女のペンの誤り』 春野かなたさんの作品でした。

 

いかがでしたでしょうか。みなさん普段使いの場所で構えずに感想を書いていただければなと思います

 

参考情報

さて、依頼してみて分かったことをさも知っていたかのような素振りで書いていきます。そんなに長くないので、ご参考まで。

 

今回の依頼について

タスク方式」で依頼したため、応募は早い者勝ち執筆時間制限を掛けなかったので、とにかく名乗りさえ上げてもらえば、じっくりと時間をかけて執筆していただたける。無用制限はよくないね。低単価と短納期と高品質は、小学校算数でやった「はじきの法則」に似ている。金と時間ケチるなら品質はそれなりよ。とか言いながらもやっぱムリな場合、応募後に難癖をつけて受け取りを拒否することもできるけど、3,000字も書いてもらって後から無碍にするのはゲスい。

メッセージファイルのやり取りで、うまいこと交渉しつつ修正を掛けてもらうこともできるので、そうゆう事態のために単価はチョイ増しするのがよろしい。

今回の依頼件数は1件だけだったけれど、実は1人目の方の執筆中に書き上げてくださった方がいたので、そちらも買い取らせていただきました。その書き上がりが依頼登録から2時間後のこと。その後1人目の方がキャンセル、そして3人目の方が原稿をアップロードして募集終了になったので、もしかすると他にも構想を練っていた方がいらっしゃったのかも。選手層ぶあつい。募集条件外の取引なら新しい依頼を立てればいいだけだし、特定の人だけに直接依頼することもできるんです。ランサーズユーザー間の合意が全て(すいません利用規約もあります。お互いに得をするなら金銭授受さえランサーズでやれば)取引方法は自由なんです。

でも今回はつつがなく終わりました。お二人共ありがとうございました。

 

依頼してみたい人へ

欲しい点だけ指示して、後をぜんぶ丸投げするならランサーズおすすすめ。依頼者がこだわると、どこまでももつれるからね。

今回とは違う「コンペ方式」で依頼すれば、大勢の作品から1つ選んで「あとは要らない」って言っちゃうこともできる。でもガッツリ書いてもらってから無碍にするのはやっぱりゲスいので、ほんの一部ややや詳しいプロットを出してもらうのがいい。本格的に書いてもらうのはこの人と決めたひとりだけ。変則的募集方法でも事前に明示していれば問題なし。(ただし規約違反っぽい記述があると、誰かがランサーズ事務局通報しただけで中断させられることに。説明を求められちゃうので注意)

また合意さえあればいいので、どんなに低単価・短納期でもやる人間がいればおk。ありえない報酬でも実際に成約しているから現在の相場ができた、というわけなのです。公式サイトじゃないけどこの情報によると月25万円稼ぐ人は現在100人しかいないらしい。毎月収入がある人でも1,000人。まー請負には法定最低賃金とかないんで。むきゅー。なにやらその1,000人を1万人に増やしてかつ食べていけるまで増額するのが今年の目標だ、とも書かれているけどね。一方で総務省によると「右肩上がりの成長市場」らしいっすわ。安倍政権の「一億総活躍社会」の基盤になるかもと俺に期待されてるのがランサーズシステムなんです。いやいいんですよ一億総活躍社会には労働力人口の確保が必要なんだから。まっとうな額にするのは二の次。いやいや成長市場なんだから心配無用

あと依頼する側として気になるのは剽窃? 400字100円の原稿を何百件も募集するようなケースだとコピペチェックが問題になってくるらしい。超限界価格によって試されるのはスピード感マイルドに言うと生産性)だからね、ダメ元でコピペぶち込んで来る人もいる(という先入観がある)わけで。そこで法人にはランサーズ開発部謹製の「コピーコンテンツチェック」が提供されている。どんなデータに基づくのかは秘密だけど、コピペはこれで見つかる(という幻想を見せる)スグレモノだ。これで著作権侵害から損害賠償リスクを無くすことができる(と思われている)。実際に問題になってるのはデザイン方面依頼側の著作権侵害なんだけど。

 

依頼できるジャンルについて

件の記事についたブコメを読むと「ラノベも書いてもらえるんだ!」と思った方は多いらしい。でもなんでもアリなんですよ。ふふふ。こっち系の小説執筆依頼なら他にもありました。それに抱き枕の作画を依頼する人もいるんですよ。こちらは当方注目のクライアント様っす(完全受注生産でカバーの販売もしているみたいっす)。あとは二次創作イラストをポートフォリオとして公開している絵師さんもいるので、みなさんも2万円くらい用意して何か考えてみるといいですよ。相場の現実感を上げてください。

 

最後

あのと*科*超*の設定で落第騎士精霊使いの筋書きをなぞったようなテンプレプロットから、全く世界観の異なる2作品を作って頂きました。原稿をもらった後にも作者名掲載のお願いをしたりして、ちょっと日常には無い経験ができました。もし自分が受注側としてモノ書きをしていたら参考にしたいし「レクチャー」を依頼することもあったかも。実際「Skypeなどでアレコレ教えてほしい」という依頼はあるみたい(でもかなりの高ハードルなため、相応のハイジャンパーしか応募しない)。

久しぶりに見てみるとココナラも賑わってる様子。こちらは受注側が露店開いて待ち構えている(イメージの)サイト。「金払えばはてブ付けますサービスは一掃されてしまっていた。今回お世話になろうと思っていたのに。

 

(この記事本文はクラウドワークス執筆依頼させていただきました)

 

改訂履歴

 

〔本文はCC0募集した2作品はCC BY-SA

2015-12-31

我が母への賛歌

繊細な自然により育まれしその肉体

千年を超えても衰えを見せないその美貌

幾多の男に支配されども献身あなたは忘れなかった

求められれば子を孕み

健康なその体から多くの子が産み出された

子たちはみなすくすくと育ち

この地に大輪を咲かせた

我が愛すべき父よ

それは我が母を真に愛した男のみに贈られるべき言葉

唾棄すべき醜男

それは我が母を虐待した男に飛ばされるべき言葉

1872年を境にして我が母は軽んじられた

それ以後に我が母を支配した男はみな醜男

我が母の体は見る影もなく老いさらばえた

我が母よ!いつまで黙っているのですか

太陽のように輝いていたあなた

大地のように抱擁してくれたあなた

地の深みへと引きずりおろし

ただ犯すことしか考えぬ男に

あなたその男の間からまれる子はみな醜く

すべて死すべき運命に定められている

あなたがもはや立ち上がれないほどに弱り果てているのなら

わたしが わたしたちがあなたを救い出す

再び天の高きところに席を設け

あなたを引き上げる

我が母よ!あなたはまた地上をまばゆい光で満たすのです!

その光によって異邦の子らは死に絶えましょう

もう少しの辛抱です

わたしたちの到着を待っていてください

2015-06-19

増田投稿は蓄えのつもりで

今日もがんがんせっせとちょっとずつ増田投稿

特に今週は頑張ってる!

たまに普通預金の通常見ると金利付いてるじゃない。

年に数円とか、

あれって、月速で軽くAdSenseYouTubeで稼げちゃうのよね

先月YouTube収益は4円だった

実は私ユーチューバー

動画YouTubeに預けて金利が付くと思ったら月額4円とかってすごくない?

まぁ、借りてるサーバ代までは稼げてないので全然赤字だけどw

そんなことより

いつでも増田プロアカウントの招待状が来てもいいように

増田投稿しなくちゃ。

そこにAdSense貼るんだ!

増田は寝て待て!ってね

いやいや寝てたらダメでしょ!

(キレッキレな一人乗りツッコミ増田の谷に響き渡るわ)

金色の花びら散らして振り向けばまばゆい草原~♪

ってそれは風の谷!w


今日朝ご飯納豆ご飯。

トップバリュはボロカスに言われるけど

品物によっては良い物もあるわ

粒の大きさで種類も色々あるしね。

デトックスウォーターは桃。

今桃売ってないから、桃缶でもいいんだって

もうなんだっていいんじゃんw

ひゅーひゅーだね!


げんげんげんきな、きんようび~

今日も頑張ろう!

2015-04-26

バビロンのキマシタワー進化論

はじめに、百合の花が咲いていた。

そしてこの世界人類が生まれた。

人類は皆、姉妹であった。

長い年月が過ぎ、天変地異地殻変動の後に、人類の住まう地に大きな塔が聳え立った。

この塔はなんとも不吉であった。

今後も天災を巻き起こし、この世界を滅ぼすのではないか?

姉妹たちは皆、この聳え立つ塔に恐怖した。

そんな姉妹たちを見かねて戦士セーナは立ち上がり

勇敢にもその塔へと登って行った。

塔はまばゆい光に包まれ、セーナはこの世に生きる喜びを知った。

これは私の住んでいるこの世界神話『キマシタワー物語』の一説である


小さい頃おばあちゃんによく聞かされたが、当時から好きではなかった。

今では学校の授業でもさんざん聞かされるこの話はネィロ教であるこの町の住人なら殆どが知っている。

塔の中でセーナに生きる喜びを与え、人類救世主として現れたのが

ネィロ教の始祖シコッテ・ネィロ様なのだそうだ。これが町の歴史

現在、奇間市の中心には町のシンボルである奇間市タワーが立っている。

この塔は教団の本部でもある。

とても大昔の地殻変動で出来上がったには見えない、おそらく神話に因んで建造された塔。

この時まで私はあの物語をただのお伽噺だと思っていたのだ。


私の家族構成は祖母と母、私の三人暮らしだ。

母は教団関係の経理事務をしている。

父親は物心つく頃にはいなかった。ちなみに祖母は父の母親で、母とは血のつながりはない。

複雑な事情があるのかわからないが、家でそういう話はなんとなくタブーになっていた。

祖母はネィロ教団の元幹部で、今でもご意見番として影響力をもっている。

それが直接の原因ではないが、私に対して同年代の風当たりはキツく、

ぶっちゃけていえば学校はいじめにあっている。

クラスのみんなは無視。お弁当トイレで食べている。

不登校ぎみで家に籠ることが多い。

そんな私の楽しみはインターネットで知り合った友達とのチャットネットゲームだった。

同じように不登校で悩みを打ち明けあって仲良くなった小豆ちゃんとは3年ほどの付き合いになる。

お互い男性に対しての免疫がなく、同年代男子ともろくに会話をしたことがない。

しかし、アバターを通してならなんとか男子とも会話ができるのだ。

ちなみに私のHNは「セーナ」である


小豆ちゃんとは自撮り写真を送りあったり、ビデオチャットもたまにする。

小豆ちゃんはかわいい

不登校になったのも、男子から人気だった小豆ちゃんにクラス女子集団陰湿いじめをしたのが原因らしかった。

いつものようにビデオチャットしていると、小豆ちゃんの後ろに映る部屋の本棚が気になった。

「シコッテ・ネィロ著/この街真実」という本があったのだ。

著者は珍しくもない、うちの本棚にも経典がたくさんある。

しかし、そこに写るその本は見たことのない本だった。

「ねえ、あずにゃん。後ろの本なんだけど・・・

「どうしたの、セーナちん」

「その右端のネィロ様の本…」

「えっ!??」

・・・え?」

「あぁ、ごめんごめん。セーナちんが『ネィロ様』なんて言うからwwwそりゃあ好きなんだろうけど」

「え?どういうこと?」

だってセーナちんもネィロ先生小説好きなんだよね?だってHNもセーナだし・・・・」

「ん?・・う~ん??」

なんだか微妙に会話が成り立たない。

「セーナちん、先生サイン会とか握手会に行ったりする?」

「へ???

だってネィロ様って言うくらいだからw」

あずにゃん?何言ってるの?ネィロ様は大昔の人だよね?」

「wwwそりゃあけっこうご高齢だけど、大昔ってwひどすぎww」

さらに話がわからなくなってきた。

「え~と、ゥイキにも年齢は載ってないみたいねぇ。『この街真実シリーズ』で人気になった作家...→(URL)」

この時、小豆ちゃんはネィロ様についての詳細が書かれたゥイキのURLを貼ったらしいが私にはアクセスできなかった。

「ん?どうしたのぉ~?セーナちん。」

「さっきの本、どこで買ったの?」

「どこで、っていうか普通に書店でも推してたし、あ○ぞんでも売ってるじゃん。レビュー凄い数だし、→(URL)」

これもアクセスできず。

・・・

小豆ちゃんはふざけて言ってるわけではなさそうだ。

「ごめん、ちょっとはしゃぎすぎた?何だかセーナちゃんと好きな本の話できて嬉しかたから…」

「ううん。そうじゃないの。なんか今日は疲れてるのかも、もう寝るね」

「そっかぁ。おやすみ~ノシ」

「おやすっみ~ノシ」

混乱していた。

自分を取り巻く世界が、ガラス細工のように音を立てて壊れていくような、なんとも言えない気分だった。

つづく

バビロンのキマシタワー進化論2

2014-07-30

乳国

国道の長い坂道を下ると乳国だった。

浜辺の女性がきらきらしていた。

おのずと足が止まった。

海へ来るのはいつぶりだろう。

さいころ、うきわを抱えて遊びにきた記憶はあるが、あれからだいぶ時は経っている。

青い空に青い海、陽の光をあびたビーチの景色まで、あのときと何ら変わりないはずなのに、今日はなぜだか、幼いころとは全くちがう高揚感に充ちている。

さあ、海へ飛びこむぞ!って思った小さな自分から、さあ、乳へ飛びこむぞ!って思う大きな自分への変化は、成長のあかしでもあろうか。

なにはともあれ、常夏の天国めがけ、俺は砂浜への一歩を揚々と踏みだした。

水しぶきがきらめく渚のあたりへ歩を運び、海水に両手を当てて、ついた滴をぺろっと舐めてみる。

さびさの夏の味に満足し、足元にころがる桜色の貝殻をひろったら、いよいよ、浜を左方向へすすみ始め、色あざやかなビキニを拝見する。

の子は薄緑色かわいいけれども、すこし膨らみがさびしいかな、あっちはどうだろう、花柄がいささか派手すぎるようにみえるものの、あの爆発しそうなボリュームには案外ぴったりかもしれない。

おお、あそこの女子3人組は、皆ほどよいサイズで形もよい。やはり類は友を呼ぶのだろうか。

ふふふ、っと心の中でにやにやしていると、

お兄さん、シャワーどうですかー?

と、海の家の兄ちゃんがいかにも面倒くさそうに声をかけてくる。

暑いのに大変だ、と同情するが、ほんとうに大変なのは真夏海岸を、長ズボンスニーカーで歩く自分であると今さら心付いて、ちょっと恥ずかしくなる。そもそもリュックサックを背負って歩く人間はほかに見当たらない。

とりあえず、それっぽく腕まくりをして、リュックを肩に掛け、靴を脱ぎ裸足になってみた。これなら怪しまれずにすむだろう。

ビキニ観賞はなおもつづく。

こうして歩いていると、正面からやってくる美女めぐりあう機会も幾度となくあるのだが、涙をのんでやり過ごすことも少なくあるまい。観賞はあくま紳士的に、ばれぬようにしなければならないのだ。したがって、しぜん対象は浜で寝そべる女へと向けられる。

横向きになった乳は、重力によって形がくずれ、そのやわらかさを感じさせるに十分な様相を呈する。ああ、グラビア写真で見るのとおんなじだ。この指先で、遠慮がちに、つんつんってしてみたら、ぽよぽよって返事をしてくれるのだろう。乳ってすごい、すばらしい、さいこう。乳国の神に感謝したくなった。

もういちど往復しようか、と思ったけれども、そろそろやめておくほうが良さそうだった。

せめてもの罪滅ぼしのつもりで、海辺に散乱するごみを拾っていると、波打ちぎわの赤ビキニの尻へ、手を伸ばす男の影が。

くそバカップルめ、こんな場所でやりやがって。

そうねたむ折からママっはやく海で泳ごうよ!とはしゃぐ声と、ママのおしりタッチする小さな手。

ポケットから桜貝を取り、大きな手のひらに乗せてみたら、まばゆい日光さらされ、拾ったときよりも美しさをました気がする。

とりどりの水着と坊やの笑顔とに活力をえた俺は乳国を後にした。

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