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2021-11-02

小選挙区のハックだという謎論

いわゆる野党共闘のことをそう言ってるみたいだけどさすがにカマトトすぎんか?

小選挙区の導入は結局二大政党制企図してのものだったし「民意の反映より民意の集約を」がコンセプトだったわけでしょ?

反映については比例代表の方が担当するわけだけど小選挙区の方が定員は多いから当然全体としては集約機能が強めに出る。

つまるところ、いわゆる野党共闘小選挙区制の民意集約機能が期待するところでしかない。予期されてたものをハックと言うのもおかしいでしょう。

けどまあこういう政局的な話になるから小選挙区制って嫌いなんだよなあ。

中選挙区制よりも小選挙区制の方が政策論争になるって話全くの嘘だったと思うわ。

こういうこと書くと「民意を得られない(?)のを民意の反映ができてないとか言って選挙制度のせいにするな」と反論されたものだが…。

ただ甘利石原両氏は中選挙区なら生き残ってそうでもあるし一長一短なんかね。

2021-10-31

anond:20211031160028

女性にとって男性基本的に「すごい怖い」存在なんだと思う。恒常的、潜在的に。

から、完全な対等を企図してフランクコミュニケーションを行ってしまうと、男性から女性へ恐怖を与えることがある。

差別的に感じられてしまうかもしれないけど、

男性は常に女性に対して気を使う(暴力性を見せない、それを想像させる言動も避ける)べきだと思うよ。

これは男と女根本的な違いからくるもので、男性女性も飲みこむべき作法の使い分け。

男性にとっては面倒を感じるかもしれないし、

女性男性同士の本当にフランクコミュニケーションを見て、羨ましさや疎外感を感じるかもしれない。

でも差別してはいけないけど、男女は「違う」ものから

違いに対応するのは差別ではないと思う。

この増田さんの書くことは論理的で納得できるけど、

「すごい怖い」と思われてしまったんなら、それは当該コメント男性には感知しにくい恐怖を与えているんだと思う。

男性には「平等平等言ってる奴らになんでそんな気を遣わなきゃいけないんだよ」と

女性には「わたしたちはそんなふうに感情的ものを言っていない」と

両方から批判されそうだけど、

男女平等を本当に実現したければ、「何が違うのか」をはっきりさせた上で、

違いを違いとして握り合わないと前に進めないと僕は考えます

2021-10-21

俺は共産党に「さよなら」を告げる

吉良よしこ氏のabenaTVにおける発言引用する

さらタレントソフトウェアエンジニア池澤あやかからは「ここ数日、表現の自由児童ポルノ規制に関する話題日本共産党炎上していたが、主張に矛盾はないのか」との質問が出た。

 吉良氏は「矛盾はない。ジェンダー政策の部分で言っているのは、子どもに対する性暴力絶対さないということだ。児童ポルノ子どもへの性暴力から許されないということだ。ただし、児童ポルノという言葉を使った表現規制ということに対しては明確に否定している。表現の自由を守り抜くのは当然だし、児童ポルノを無くせば子どもへの性暴力も無くなるという話ではない。どう解決していくかはクリエイターも含めて国民的に議論していくべきだ。具体的には、子どもたちや一般の人たちの目に触れないような場所に置くゾーニングというやり方もあると思うし、“こういう表現は本当にまずいよね”“儲からないよね”という合意ができれば、クリエイターの皆さんも作らなくなると思う」と答えた。

氏の見解共産党見解と一致しているのであれば、共産党実在しない青少年対象にした二次元ポルノも「児童ポルノであると素朴に定義しており、ゾーニング(実際に一部の例外を除けば既に大部分の店舗商業施設では18禁コンテンツゾーニング完了していると思うが)や、児童ポルノはマズイよね(実在児童対象にした児童ポルノなら当然であるのだが)、儲からないよね(これがよくわからない、その手の漫画アニメニーズ欲求ベース消滅させる=その手段民主主義的な合意形成を用いるということなのか?どうやって?)という合意(これ本質的には合意というよりも市場)が形成されることによって、児童ポルノクリエイター自然消滅企図している様子だ――このマニフェストを俺は【児童ポルノ自然消滅計画】と仮称したい

児童ポルノ自然消滅計画】、字面だけ見れば素晴らしい計画の様に思われるあたり皮肉が効いててええじゃないか

俺は震えた、なぜなら俺の命とは陽と血と詩と「さよならを教えて」によって満たされた器に他ならないからだ

この共産党見解に基づけば、「さよならを教えて」は確実に児童ポルノとして認定され【児童ポルノ自然消滅計画】による滅殺対象にされてしまうではないか

俺にとって「さよならを教えて」は人生バイブルだ、信仰対象だ、憲法第20条だ

俺にとって共産党は確かな野党だ、国政の安全装置だ、憲法第25条だ

俺は迷っている、選挙権を獲得して以来常に比例は共産小選挙区立憲民主党に投じてきた

俺は第二次安倍帝政以降の自民党政治が嫌いだ、そして資本家投資家も嫌いだ、ぶっちゃけ資本主義が嫌いだ、ヨハンモストによって物されマルクス改訂した「資本労働」を読んで以来俺の自意識は真っ赤に燃えている

だが共産党は今回の選挙において野党第一党である立憲民主党とその他の泡沫政党と協力して候補者を一本化し、政権交代の果ての果てに【児童ポルノ自然消滅計画】の実行という青写真を描いているんだ

俺にとって「さよならを教えて」は共産主義者にとってのマルクスの「資本論」、マルクスエンゲルスの「共産党宣言」と同等以上のバイブルなんだ

俺の世界にとって「さよならを教えて」は日本共産党よりもよっぽど世界真相なんだ

日本共産党がもし本当に「さよならを教えて」を児童ポルノ認定するような政党であるというなら、俺は今回の選挙共産党に「さよなら」を告げざるをえない

2021-10-18

慶應SFCジェンダー平等についての声明文がひどい

この文章は、慶應湘南自治会が十一月に行われるSFC生総会の議題の一つとしてあげた「ジェンダー平等についての声明文」に関して、それまでの流れを簡単にまとめ、批判することを目的としたものである。多くの人に読んでもらうために煽るようなタイトルにしてしまたことを先に謝っておく。

まず、湘南自治会の始まりに遡って話を始める。SFC(湘南藤沢キャンパス)に自治会ができたのはつい最近のことである。(自治会準備会のほうは長く準備されていたように思うが)

いわゆる本キャンの方にはずっと昔からあったのだが、SFC自治会は今年の夏あたりに、賛成221票、反対14票で承認され成立した。総合政策環境情報学部生だけで4000人近くいるので、SFC生の関心度がどれくらいだったか、という部分に関しては数字で察して欲しい。もちろん、こんな文章を書いているくらいなので増田投票したのだが、まさかここまでの数字になるとは思っていなかった。世界未来を語っておきながら自分たちキャンパスのじちに関してここまで無頓着というのは恥ずかしすぎる。

SFCに対する愚痴はこの辺りにして、今回の「ジェンダー平等についての声明文」を見ていきたいと思う。

https://docs.google.com/document/d/14S5q-AGOPt_Utp4DWpChxTfTrpBA_73rZ08agTzsYK4/edit

上のリンクが、湘南自治会によって出された声明である

これに対して、あるSFC生がnote危険性を指摘してくれている。

https://note.com/ya2020sfc/n/nf14ebe8b9113

データの偏りであったり利活用であったりの話はnoteに書いてある指摘の通りかな、と思う。安宅研の方らしいので、その分野に関しては増田よりもよっぽど精通していると思うし。

なので、そこら辺は簡単に触れるだけにしておく。

まずは議題の概要の部分から

『本年9月から10月初頭にかけて弊会が実施した「キャンパス生理用品設置にかかるアンケート」では、SFC以外の学部生を含めて161名、SFCだけでも155件の回答がありました。本調査は、弊会が取り組む生理用品の設置に向けた実態需要調査することを主眼に置いていましたが、回答の分析の結果、SFCにおいて、「ジェンダー平等実現」を念頭においた行動が必要だと結論づけられました。』

キャンパス生理用品設置にかかるアンケート」は、主にツイッター上で行われたものであるそもそも、この161人という回答者グループには大きな偏りがあると考えられる。なぜなら、このアンケートリンクが貼られた湘南自治会ツイートは、現時点(10/18 13時)で81のいいねと57RT程度のインプレッションにとどまっており、SFC生に広く届いているとは言えないかである。それ以前に、このようなアンケート時間を割いて回答する層というだけでもバイアスが大きい。というかもう確認できないのだが、アンケート設計自体が適切だったのか、という問いもある。

そういった問題を孕んだアンケートのみを根拠としたこ声明文が、あたかSFC生の総意であるかのように執行部に提出されることは危険、としか言いようがないのである

さらに、草案の内容にも不適切と思われる部分が多い。

【現状批判 Criticism】

わたしたちは、現在SFCにおいて、次に掲げるジェンダーに関する問題があると評価する。

性別に基づく不平等存在している。

これらの不平等に対し、多くのSFC生は関心が無いか、あるいは気づいていない。またこのことから学生以外のSFC関係者においても同様の状況である推定できる。

世界共通の課題という重要性にも関わらず、ジェンダー主題とする授業及び研究会が無い。

性にまつわる理解、受容、共存共栄人権意識について知る機会が不足している。

上記のようなSFCの諸問題について、専門に検証改善を施す公式の仕組みが存在せず、それゆえにSFCにおける潜在的ジェンダー問題発見ができていない。

以上の諸問題連鎖し、SFCの現状を作り出していると考察する。

要望 Demands】

わたしたちは、この目標を実現するべく、慶應義塾大学総合政策学部環境情報学部に対し、次に掲げる事柄要望する。

ジェンダーに関する学問的知見を生み出し、社会還元することを目的に、SFCにおいてジェンダー研究する場を創設すること。

前項に掲げる研究の場を主導することを目的に、相応しい研究者を配置又は雇用すること。

ジェンダーに関する教養提供することを目的に、ジェンダー主題とする授業を開講すること。

ジェンダーを含む人権に関する基礎教養提供することを目的に、心身ウェルネス総合政策学・環境情報学その他の適切な必修科目において、同内容の授業を組み込むこと。

SFCにおけるジェンダー平等の実現状況を検証改善することを目的に、同内容を所管する委員会指定または設置し、毎年SFCジェンダー平等の現状を資料化したうえで改善を施すこと。

上記要望を実現するため、湘南自治会ジェンダー平等特別委員会と共同で取り組むことを歓迎する。同内容は、学生教職員との対話のもとに順次実現されることを企図するものである

なお、看護医療学部政策メディア研究科、健康マネジメント研究科においても、各学部研究科の事情を勘案しながら同様の目的に適う措置を講ずることを希望する。

増田の考える問題点は以下の2つである

SFCジェンダー問題に関する無理解・無関心の要因を無知であると断定している点

執行部に対する要望が、ジェンダー問題解決するための施策として適切とは言えない点

①について

根拠となるデータ公平性が不確かであるにもかかわらず、ジェンダー平等存在し、解決に向けた取り組みが行われていないことを断定しているだけでなく、その要因を、SFC生がジェンダー問題に関して無理解・無関心であると言う推論で片付けてしまっている。少なくとも、SFC全体のデータとして適切である量のサンプルを集め、十分な分析を行なってから提言を進めていくべきだと考える。必要であれば、専門知識を持った教授なり学外の専門家なりに教えを乞うことも検討すべきである

②について

ジェンダー問題に関して学ぶ場所SFCにないから作れ、と言う簡潔かつ横暴な要望であるSFC問題存在していて、それを解決するためにはその問題について学ぶ必要があるから、新しい先生を呼んで授業や研究会を作ってくれないと困る!と言う話が成り立つのならば、今後大変なことになるだろう。行動計画にあったような自主勉強会をまずは発足すること。そこから少しずつ、ジェンダー平等への取り組みを学生主体で行っていく。こういう地道な活動を続けていくことでしか、今までずっと持っていた考え方を変えることはできないし、キャンパス全体の意識を変えてくことはできないと思う。

ジェンダー」というテーマは、どこまでもデリケートに扱うべきものであるし、謙虚勉強を続けていかなければいけないものでもある。

声明文を読む限り、自治会メンバーも性にまつわる理解、受容、共存共栄人権意識についての勉強が不足しているように思える。

ジェンダーに関する活動話題になりやすいのはわかるが、プロセスを軽視しているし、目的手段が入れ替わっている感じが否めない。

湘南自治会は、一定権利を持つ大学公式団体であり、適切な知識を持つ第三者を介入させながら、慎重かつ適切に議論を重ねていくべきであると思う。

増田もまだまだ知識が不足しているとは思うが、ジェンダー勉強しているひとりとして、自治会ジェンダーモラルについて散々批判にもならないようなお気持ち表明をしてしまった。

総会での質疑や請願等で、今後意見は直接伝えていくつもりである。長くなったが、放っておけばいい話題に喜んで首を突っ込み、壮大に騒いで物事を大きくしたがるのはSFC生の悪い癖なので許して欲しい。

2021-09-05

anond:20210905155211

離婚協議中に奥さん自殺未遂を繰り返すようになりました。

奥さんわたしから見たら境界線パーソナリティ障害アダルトチルドレンアタッチメント障害。しんどそうだが、そばにいる人間の方が大変だろう。

夫さん→長年のセックスレス、また奥さん人間性に苛まれ愛情を失うも、くだらん見栄やプライドから自らは離婚に踏み切れないまま惰性で結婚生活を続けてきたバカ

今まで2回離婚危機があったもの有耶無耶にされ、3回目があったらかならず離婚しようと決意していたらしい。

わたし→昨年末より夫さんと想いを通わす。正直夫さんに対して下心はあるものの、不倫する勇気がないため肉体関係は持たず。

この春くらいにいつものように奥さんに絡まれ喧嘩腰の脅し文句離婚を突きつけられた夫さんは、増田ちゃんもいるし乗ったれ〜つって離婚を快諾した。奥さんも「せいせいすらぁ!」と一致したらしい。

その足で夫さんはわたしの最寄り駅まで来て、「離婚することになりました!好きです付き合ってください」と告白してきた。

わたしは願ってもない展開に気持ちはついていけないまま、あとは届を出すだけだという夫さんの言葉を信じて快諾する。

初めて何も嵌っていない彼の左手を見て、わたしはえもいわれぬ幸福感を確かに感じていた。

しかし、その後何週間経っても届出を出した様子がない。

ちょいちょい様子は聞いていたのだが、

協議で揉めてる」

「やっぱめんどくさいし離婚しなくてよくない?って言い出した」

「別れたくないって泣かれてる」

と、どんどん状況悪化している様子。

わたしから、「離婚しないことにするんならわたしたちの関係も精算しましょう。無かったことにしてあげますから。」と助け舟を出すも、「増田ちゃんを失うなんて無理だ!」とのこと。

わたしがそんなふうに夫さんを刺激したせいで、夫さんはより厳しく奥さんに対して離婚を迫った。

そして、奥さん自殺未遂を繰り返すようになった。

彼のネクタイで、彼がローンを支払ってるお家で、首を吊ろうとするらしい。

結果として、両家の両親も巻き込んで離婚奥さん自殺企図について話し合う事態に。

次第に夫さんにも抑鬱状態が見られるようになってきた。

わたしは、「しんどいならもう諦めますか」と提案するも、わたしを失うことを極端に恐れる夫さん。

わたしが身を引くのは、ただでさえ抑鬱状態の彼から大切なものを奪うようで気が引ける。

わたしはさいわい、自身機能不全家庭育ちでアダルトチルドレンだった過去を乗り越えた身分であり、彼から聞く限りの情報を元にではあるもの奥さん状態についてなんとなく想像が及んだ(結果先述の人物紹介)。

「まず、自殺企図を繰り返すのと離婚本質的には表裏一体のものではありませんから自身を責めるのはやめましょう。

自殺企図を繰り返す人間精神疾患があると見てほぼ間違いありません。かといって何も起こってない時に心療内科町医者に行かせても、奥さん状態ではまともに自分問題点について適切な相談医者に持ちかけることはできないでしょう。

そこで、次に首を吊ったら、119してください。警察も多分きてしまますが、そうしたほうが然るべき医療につながるはずです」

実際彼はそうしてくれて、奥さん搬送され精神病院につながった。

わたしはそれで措置入院になると思ってたのだが、保護入院扱いで、ヒステリーを起こし激昂しつつ入院を拒む奥さんを前に彼はサインができなかったようだ。

結果として自宅療養。通院は必ずさせると約束を取り付けているものの、彼の精神限界だし、わたしもどこまで付き合うべきか悩ましい。

夫さんは恋愛感情ぬきにしても大切な人だから、彼を苛みたくはないんだが。

こういうの詳しい人いたら知恵を貸してくんねー?

情報が足りないところは問いかけてくれたら把握の範囲で回答します。

anond:20210905195731

ありがとうございます。やはり

入院中に後見人を立てて協議or調停

奥さんのご両親に協力を仰ぐ必要あり

自殺企図が発生しなければ…

●自宅療養しつつ協議or調停

しか道はない、とおっしゃってるということで間違い無いですかね?

認識に違いがあったらご指摘ください。

できれば奥さん寛解を見届けるのがベストかとは思いますが、それは夫さん次第なところかなあ。

序盤は、現状把握に手間取らせてしま申し訳ありませんでした。

相談に乗っていただきありがとうございました。

anond:20210905194956

入院すると、離婚協議離婚調停に後見人を立てる必要があること。また、入院中に離婚となった場合費用面で先に奥さん実家とある程度相談必要なことからも、あの日即断できなかったところがあります

ご推察の通り、夫さんから奥さんに対しても、次に自殺企図が発生した場合は速やかに入院させると言ってあるそうです。

anond:20210905193903

ありがとうございます

出会った時にはすでに既婚でいらしたのと、わたしの周りにもそう言った常識はありませんでしたので、全体的に元のご回答者さんに対しましては価値観が異なります

このままここに記載させていただきます

依存について、結婚前の異性の親友カットアウトしないことと依存性の因果関係がどういったものかは理解いたしかますが、

わたしの方からは何度も「奥さん自殺企図が辛いならわたしのことは諦めるべきだ」と夫さんには伝えておりますので、わたしの方からの度を越した依存は無いと思っていただいて構いません。

anond:20210905192002

夫さんの中では、離婚はするという方向で現在決定しております

相手方のご両親にも宣言済みです。

ただ、離婚協議を持ちかけると奥さん自殺企図が発生し、具体的な話に進まない、また、調停裁判離婚を強行したとて、その後奥さん自害なさるようなことがあってはならないという点で、どう進めたものか。と難航しております

2021-08-22

anond:20210822082948

コロナは呼吸器がやられるから苦しいと思うよ。

自分も試したことあるけど、楽に死ね方法はない。

そして増田から自殺企図みを感じるから病院に行った方がいい。無理しない範囲

2021-08-13

昼練前、いや昼から車で遠征する予定になっている、出発前の駐車場。白く粗い砂利。S津とH地が乗る車の隣りにつけた。H地は後から来たが、なぜか以前より顔が良くなっている。

会話をしないと関係性が悪いと察せられそうで、無理に会話を始めようとした。彼は「今までろくに喋ってきてないのに、なんで急に話しかけんの」と思われたような丸い目をした。私は親の手前はぶられているのを気づかれたくなかった。

駐車場入り口から前方から右側に大きく駐車スペースが広がっていた。上から見れば、棒に括りつけるひも付きの四角い旗の絵みたいな形だ。

入り口の左には崖のような急な斜面があるが、そこに10人×3列くらい並んだ保護者、主に父兄連中が白装束で立っていた。

その様はある種壮観だった。

何かの信者のようで、一目見てうすら怖い奇妙な光景だったが、そこにいる私はそんなはずはないと心のざわつきを抑える仕様が施されているので例によってそれが発動した。あそこにいるのは父兄連中であるのは顔を見てわかるから、あの姿で大人数で立ち並んでいるのを怖がってはけいない、と。そこを疑ってはいけない、なぜなら認識がブレるから、と。

そういえば駐車場での車上荒らし複数回起こり、見張り役を作ることになったなどと親が口にするのを聞いた。チームを運営する上(うえ、かみ)が企図した策が下達され、現場で実行されるまでの間に、生の意思や思惑がぶつかりあった結果こんな形に変形したんだろう。なんでこんな人数多いんだよ、こんないらねえだろ。見張りは今日一日やればいいわけじゃねえだろうに。ローテはどう組んだんだろ、大丈夫かな。そう思った。

女子2人が来て、ノートpc持ってるかと問われた。持ってはいるけどと答えたら、貸してくれない?」怖いので、「何に使うの?」「動物写真みるの」何か嫌だったが引けないので、「もう少しで出るからそれまでなら」と答えた。貸す前に起きる。

2021-08-09

続:世界大戦争芸術

anond:20210809040759

続き

3.ガウガメラの戦い

 ガウガメラの戦いは、紀元前331年ヨーロッパ東方ペルシアにおいて、当時のアケメネス朝ペルシャの本軍と、アレクサンドロス率いるマケドニア軍が激突した戦いである。

 これまで取り上げている二つのいから分かるように、戦争芸術定義は「圧倒的な戦力差、戦略的不利を、指揮官の機転によって打破する」ことにある。このガウガメラの戦いはそのような意味合いで、戦争芸術極致と言える。


 当時ギリシャの一小国に過ぎなかったマケドニアは、アレクサンドロスの父であるフィリッポス二世の尽力によって急速な軍事政治改革を遂げ、瞬く間にギリシャ全土を手中に収めると、フィリッポス二世の死後マケドニアの実権を握ったアレクサンドロスの指揮下、紀元前334年ボスポラス海峡から小アジアへと渡り、東の大国アケメネス朝ペルシャに対し征服戦争を仕掛けた。これが世に名高い東方遠征である

 その後十年の長きに渡って続いた戦いは、アレクサンドロス企図した、アレクサンドロスによる、アレクサンドロスのための戦いであった。

 アレクサンドロスは紛れもない西方世界英雄であり、破壊者であった。当時アレクサンドロス破壊し、虐殺・略奪を行った都市は数多に渡って存在している。


 アレクサンドロスの猛進を前に、時のペルシア王ダレイオス三世ペルシア西岸イッソスにて、王自ら率いる五万以上の軍勢をもって決戦を挑み、敗北した。数的優勢に立ったペルシア軍は川を挟んでマケドニア軍に対峙し、防衛を試みるが、果敢にも渡河を遂げたアレクサンドロスを前に有効機動戦法が取れず、壊走したのである。ダレイオス三世自身が率いるペルシア本軍敗北の衝撃は余りあるものであり、敗戦の後、ダレイオス三世は堪らずアレクサンドロスへと講和を願い出ているものの、アレクサンドロスはこれを一蹴している。

 それから二年、ダレイオス三世アレクサンドロス本隊を壊滅させるべくイッソスの戦いを上回る規模の軍勢招集し、ガウガメラ荒野にてアレクサンドロス軍を迎え撃とうとしたのであった。これがガウガメラの戦いである。


 この一戦のためにダレイオス三世はありとあらゆる準備を重ねた。

 第一に、(当然のことながら)数的優位を築くこと。マケドニア軍五万弱に対して、この時ダレイオス三世招集した軍勢傭兵を含む十万以上であり、つまりアレクサンドロス軍の二倍以上に当たった。この規模の軍隊は当時の兵站で維持可能な最大レベル軍隊と言え、当時におけるペルシア軍の威信の程が推し量られる。

 また、彼らの戦いの数百年の後に行われたカンナエの戦いにおいて、勝敗を分けたのは騎兵戦力の優劣(とハンニバルの用兵)であったことは先述の通りであるが、マケドニア騎兵七千に対してペルシア騎兵の数は一万を超えており、質はともかくとして量においてはペルシア軍はマケドニア軍を圧倒していた。ここにおいても油断は無かった。

 更にダレイオス三世は当時最新鋭の兵器の一つであった戦車チャリオット)を陣中に大量に配置した。これは複数軍馬によって牽かれる戦闘用の馬車のようなもので、車輪の左右には鋭利刃物が取り付けられると共に、車上には弓兵が配置されており、通常の歩兵戦闘において絶大な威力を発揮する筈であった。ダレイオス三世はこのチャリオットの突進力によってマケドニア軍を圧倒しようとしたのである

 また、ペルシア軍は戦場の整備をも欠かさなかった。チャリオットの機動を阻害する石や木の根などの障害物を、決戦の事前に排除しておき、イッソスの戦い(ペルシア軍は閉所にて有効な機動ができず壊滅した)で舐めた辛酸を繰り返すまいとしたのである

 相手に倍する軍隊、奥の手としての秘密兵器駄目押しにその秘密兵器の機動を有利にする戦場整備、限りなく万端に近い準備の上で、ダレイオス三世は決戦の時を待った。


 紀元前331年10月1日ペルシア軍とマケドニア軍の双方はガウガメラの地にて対峙し、戦闘を開始する。

 この時、マケドニア軍の司令官であるアレクサンドロスの立てた作戦シンプルものだった。それは、緒戦から防衛に徹し、敵の隙を見て騎兵突撃させ、敵の本陣を陥れるというものであった。

 言うは易しだが、何しろマケドニア軍とペルシア軍の数的差は一対二であり、言い換えれば、敵軍には五万以上の余力があった。そんな状況で、本来であれば隙など生まれる筈はなかったのである

 開戦直後、アレクサンドロスは全軍を緩やかに右斜め前方へと斜行させる。本来であれば軍隊の斜行は自陣に綻びを生む可能性の多い行動であり、採用されることはまず無かったものの、アレクサンドロス自軍の機動に合わせてペルシア軍の不用意な機動を誘った。案の定、折角整備した戦場から離脱されることを恐れたダレイオスは、三方(正面、右左翼から雲霞のごとき兵数を動員し、マケドニア軍を包囲しに掛かった。


 その大軍王道とも言うべき用兵に対抗するべく、アレクサンドロス自軍純粋な横列ではなく、左翼右翼を折り曲げた弓状に変形させており、この鉤状になった右翼左翼を持ってペルシア軍の猛攻を受け止めようとした。

 しかし兵数の差が決定的であったこから、持久戦となればマケドニア軍の敗北は自明であった。左右のいずれかを突破され、後方にペルシア軍の進撃を許した時点で、マケドニア軍の崩壊は決定づけられる。更には、マケドニア軍正面にはペルシア軍の虎の子であるチャリオット隊の猛攻が迫っていた。


 とは言え結論から言えば、このチャリオット隊の猛攻をマケドニア軍は退ける。

 曰く、マケドニア軍は軍馬というものの持つ本能――顔面鋭利物体(槍など)を突き付けられると足を停めてしま本能や、チャリオット特有の旋回能力の低さを突いたと言われている。つまりチャリオット突撃部隊の散開によって躱し、その後方から弓などの武装によって攻撃を仕掛けたのである。恐らくは事前の情報やこれまでの戦闘からマケドニア軍は対チャリオット戦術を磨き上げており、どのような場面においても遅れを取ることはなかったのであろう。

 これらの柔軟な対応によって、マケドニア軍に対する有効戦果を挙げることのできないままチャリオット隊は壊滅することとなる。


 さらには、マケドニア軍両翼はその圧倒的な数差にも関わらず極めて堅陣であり、容易に抜かれることは無かった。強いて言うならば、アレクサンドロス本人が率いる右翼騎兵に比べ、左翼を指揮するパルメニオン将軍は劣勢を訴えていたものの、それでもペルシア軍の猛攻をひたすら受け止め続けていた。

 ダレイオス三世の予想に反し、戦況は膠着状態に陥る。ダレイオス三世本来であれば本陣防衛に充てるはずであった予備兵力騎兵を動員し、マケドニア軍両翼の騎兵に対する圧迫を増大させようとした。短期決戦によってマケドニア軍を壊滅させようとしたのである


 この決戦から二千年以上もの時が流れた後では詮無い事だが、この時ペルシア軍が持久戦に徹し、その両翼での戦闘を維持し続けていれば、ガウガメラの戦いにおける帰趨は逆になっていたかもしれない。

 しかし、ダレイオス三世はその判断を逸した。

 アレクサンドロス超人的な直感によりペルシア軍の崩壊予知した。右翼防衛に当たっていた自ら率いる騎馬隊を突如ペルシア軍正面へと転換させ、両翼へと予備兵力を割いたために手薄になっている、ペルシア本陣のダレイオス三世を狙ったのである。当時、マケドニアの率いる騎兵部隊、いわゆるヘタイロイ騎兵世界においても有数の練度を誇っており、その突進力は歩兵にとって純粋な脅威であった。ヘタイロイ騎兵の突進により、ペルシア本陣のダレイオス三世位置を告げる軍旗が大きく揺れる。ペルシア軍を支える精鋭である親衛隊は敢然とその侵攻を阻もうとするが、アレクサンドロスの猛進は止まることはなかった。

 やがて、ダレイオス三世本陣の上に翻る軍旗は逃走を始め、アレクサンドロスはその追撃へと移った。ガウガメラの戦いの勝敗はここに決したのである


まとめ

 諸君、私は戦争が好きだ。

 この地上で行われるありとあらゆる戦争行動が大(ry

 参考文献:ttps://www.youtube.com/channel/UC5dzkTCM0Jxnc5widb8arDw

世界大戦争芸術

世界大戦争芸術

1.アウステルリッツの戦い

 西暦1805年冬、ナポレオン率いるフランス大陸軍六万と、ロシアオーストリア連合軍八万がウィーン近郊のアウステルリッツプラッツェン高地西方で激突した。

 フランス軍は当時のロシア軍に対し数的劣勢であったことに加え、アウステルリッツにおいて最重要拠点であるプラッツェン高地ロシア軍に占拠されていたため(一時はフランス軍によって占拠されていたものの、明け渡された)、当時フランス軍にとって有利な状況は何一つ存在していなかった。その上、アウステルリッツ南北双方からは敵増援が到着しつつあり、これら増援ロシア軍が合流を果たせばフランス軍には万に一つの勝ち目も無かった。

 このことからナポレオンは開戦直前に停戦交渉を行う。

 しか連合軍は数的優勢、土壇場になって停戦交渉に打って出たナポレオン弱腰さらには戦場における最重要拠点であるプラッツェン高地を手中に収めていることを鑑み、勝機ありと見た末に停戦交渉を撥ね退け、フランス軍との大規模会戦に打って出たのである。それらが全てナポレオンの張り巡らせた罠であるとも知らずに。


 1805年12月2日、戦端はロシア軍の先制攻撃によって開かれる。プラッツェン高地南方にて、フランス右翼の守るテルニッツ村が攻撃を受けた。

 当時の布陣図によれば、フランス右翼は極めて脆弱であり、ロシア軍はそこを弱点と見做し自軍左翼のブクスホーデン軍を急行させたのである南北に伸びたプラッツェン高地から出撃したブクスホーデン軍によって、フランス右翼陣地はあわや撃滅されようとしていた。右翼が壊滅すれば突破したロシア軍はフランス軍後方へと迂回し、中央フランス主力部隊挟撃することができる。そうなればフランス軍は終わりである

 しかし、まさにその瞬間に――ブクスホーデン軍がプラッツェン高地から、地上のフランス右翼へと殺到し始めた瞬間に――ナポレオン勝利確信したのである


「もしも、ロシア軍が右翼へ向かうべくプラッツェン高地を離れたなら、彼らは確実に敗北するだろう」  - ナポレオン

 フランス右翼は囮であった。ナポレオンの狙いは、ロシア左翼フランス右翼攻撃するために進撃を開始した瞬間に、手薄になった中央プラッツェン高地を集中攻撃することにあった。

 これによって、重要拠点であるプラッツェン高地ロシアから奪回し、戦場の主導権を我が物にしようとしたのであるさらに、アウステルリッツ会戦当日にはプラッツェン高地周囲の森には深い霧が立ち込めており、この霧の存在ナポレオン企図を助けることとなった。

 ロシア左翼プラッツェン高地から出撃して間もなく、スルト元帥麾下の第四軍団14000がプラッツェン高地中央部を急襲し、霧の中突如として現れたフランス軍を前に、ロシア中央は総崩れとなる。また、脆弱だった筈のフランス右翼も、ダヴ―元帥麾下7000の部隊が後方都市から到着したことで、数的劣勢を克服し、戦況を盛り返しつつあった。

(開戦前日にダヴ―麾下7000の部隊は密かに戦場へと到達すると、言わば伏兵として右翼後方に待機していた)

 やがて激烈なフランス軍主力の攻撃により、ロシア中央は壊走を始め、プラッツェン高地フランス軍により奪回された。同時に、フランス右翼攻撃のためにプラッツェン高地から地上へと降り立っていたロシア左翼は、敵陣の中孤立することとなり、戦局はここに決したのであった。


 ロシア軍は戦端を開こうとせず、増援の到着を待ち戦力を増強しさえすれば、少なくともフランス軍との直接対決において敗北を喫することは無かったであろう。

 しかし、ナポレオンはその裏を掻いたのである。彼はロシア軍が友軍と合流する前に会戦の火蓋を切って落とし、大規模な会戦に持ち込むことで、いち早く敵軍主力を撃滅することを画策したのだ。そのために、敢えて戦力劣勢を露呈し、戦場の最重要拠点を敵軍へと譲り、尚且つ弱気姿勢を見せるために仮初の停戦交渉さえして見せたのである。とどめには、勝機に逸るロシア軍の中央攻撃するために、敢えて右翼の布陣を脆弱にするという周到さであった。それら全ての罠がロシア軍の判断能力を奪い、かくしてロシア連合軍八万はアウステルリッツの地にて壊滅したのだ。

 かの有名な書物戦争論』の中で、著者であるプロイセン将校クラウゼヴィッツはこの戦いを次の言葉概括している。 「戦争芸術の粋」。


2.カンナエの戦い

 紀元前219年、遥かアフリカ北端国家カルタゴ将軍ハンニバルは、当時世界最大の強国であった共和制ローマ相手取り絶望的な戦いを挑んでいた。

 その絶望的な戦況を好転させるため、ハンニバルは自ら率いた精鋭部隊スペインからアルプス地方へと経由させることで、ローマの中枢であるイタリア半島本土に対し直接攻撃を仕掛けたのである

 最終的に、ハンニバルイタリア半島に十年間留まり、その間絶えずローマ軍に対する圧迫を続けた。その十年の戦いにおいて世界戦史上に燦然と煌めく、もっとも著名な戦いこそがカンナエの戦いである。


 ハンニバルアルプス山脈を越えイタリア北部に侵攻すると、次々と現れるローマ軍を待ち伏せや正面突破によって壊滅させ、イタリア半島南方へと進撃した。当時、快進撃を続けるハンニバルは数万の軍隊を維持するべく、イタリア半島各地で略奪を行っており、農村を中心に甚大な被害が上がっていたこからローマ軍首脳のストレスピークに達していた。更に、イタリア半島南部においてはローマ軍の補給基地存在しており、そこをハンニバルに抑えられるとローマ軍は南イタリアでの行動を制限される可能性があった。そのため、ローマ首脳陣はカルタゴ軍を撃滅するべくローマ史上最大規模の部隊を編成し、約八万の軍を執政官パウルスとウァロに指揮させた。この時、決戦の地に選ばれたのがイタリア南方カンナエである

 決戦の舞台となったカンナエは、川と丘陵地帯に挟まれた地形であり、カルタゴ軍約五万とローマ軍七万は平原ほとんど埋めるように布陣し、正面からかい合った。

 両軍は双方ともに両翼に騎兵部隊を、中央歩兵部隊を配置しており、いかにも窮屈そうな陣形であった。

 しかし、この人馬が埋め尽くす不自由戦場は、後に分かる通り、ハンニバルの用意した殺戮舞台としてはうってつけのものでさえあった。


 戦端は両翼の騎兵部隊同士の衝突によって開かれる。

 ローマカルタゴ双方の騎兵隊は、狭い地形において機動戦法を取ることができず、正面からぶつかった。

 歩兵戦力ではローマカルタゴで比べるべくもない数的差(6万強:4万)が開いていたが、騎兵の質、量においてはカルタゴ軍がローマ軍を上回っており(6500:1万)、カルタゴ軍は開戦から僅かな間に、左翼での騎兵部隊戦闘において優勢に立っていた。単純な数的有利から繰り出される圧力と、また練度の違いによりローマ騎兵は瞬く間に圧迫され、その算を乱していった。


 一方歩兵部隊における戦力差は繰り返すように圧倒的であり、歩兵同士の戦闘に限ってはカルタゴ軍がローマ軍に勝利する公算は無かった。

 そのため、ハンニバルは一計を案じた。

 ハンニバルカルタゴ歩兵陣形をお椀のように変形させ、その弧を描いた部分をローマ中央歩兵部隊と接敵するようにしたのである。これによって接敵する面積をできるだけ減らし、中央突破されるまでの時間を稼ごうとしたのだ。ハンニバル歩兵同士の戦闘をできるだけ遅滞させ、両翼の騎兵部隊が優勢に立つのを待った。

 また、ハンニバルはお椀型をしていた陣形を、戦闘が推移するに従って屈伸させ後退させた。当初の形(お椀の底の部分が接敵する形)とは逆に、ローマ軍の大半をお椀の中へと誘い込んだのであるさらに、ハンニバルは温存していた自軍左右の重装歩兵ローマ軍へと攻撃させ、ローマ歩兵挟撃される形を築こうとした。

 とは言えこの時点ではカルタゴ軍によるローマ軍への包囲は決定的ではなく、ローマ軍は歩兵戦闘において依然優勢な状況にあった。そのためローマ軍は、優勢な戦況を継続し、カルタゴ中央突破することで戦局を優位に進めようとした。


 ところがその時、歩兵部隊の両翼で戦闘を行っていたカルタゴ騎兵が、歩兵同士の戦闘に加わったのである

 戦端より優勢を維持していたカルタゴ騎兵は、ローマ騎兵を壊滅させた後に、敵歩兵部隊無防備な背後を攻撃した。左右を川と丘陵に囲まれ陣形の狭さ故に、ローマ騎兵有効回避機動を取ることができず、瞬く間にカルタゴ騎兵によって殲滅されたのであった。

 ただでさえカルタゴ軍に包囲されかかっていたローマ軍は、後方から攻撃を受けることによって決定的な混乱を迎えた。周囲を完全に包囲されたローマ軍は逃げ惑い、歩兵中央部では逃げ惑う味方の身体に押されて圧死する者も現れたという。

 この戦いによってローマ軍7万の部隊は完全に壊滅し、6万人が死傷、また、残る1万人は捕虜となった。


 地形を有効に利用し、敵軍を機能不全に陥らせ包囲殲滅する戦法は、いわばハンニバルの御家芸であった。

 機動部隊同士の戦闘を優勢に進め、敵軍を包囲殲滅するこの戦法が、以降近現代軍事教本に取り上げられ、カンナエの戦いのハンニバルに帰する栄光が不動のものとなったことはあまりにも有名であるハンニバルイタリアの地にてローマ軍を完全に破った。この戦闘によって、当初戦闘に参加していた元老院議員政治家八十名が戦死し、議員定員約300名のローマ議会における四分の一が戦死することとなる。


 続く:anond:20210809041010

2021-08-07

ただの傷害事件なのに大げさに報じすぎだろ

小田急線車内の切りつけ事件逮捕容疑者、大量殺人企図していた可能性も

https://times.abema.tv/news-article/8669470

アメリカだと毎日起きてそうな事件

2021-07-31

菅さんにお願いして令和大仏を建立できないうか

平癒祈願と飲食業国民旅行業国民医療関係国民の慰撫を企図したく。

ピラミッドの先例よろしく失業者雇用公共事業の側面もまたある。

予算には糸目をつけない。

おそらく資金は途中で中を抜かれるため、奈良大仏と同規模の建立予算をつけても同サイズ大仏は造れない。

とはいえ、抜き手も鬼ではない。

残りの資金でも鎌倉大仏と同サイズにはなろう。

2021-07-18

どうしようもない希死念慮から逃れる方法

ここ数週間死にたくて死にたくて、死ななくては!!という強迫観念で頭が支配されていた。

このたびなんとか死にたみ地獄から帰還したので、記念に書く。

死にたくてどうしようもない。

こういう時はまず専門家相談すべきである

しかし、通っている精神科医師相談したら、まったく取り合ってもらえなかった。私が話を聴いて欲しいのに、なぜか医師講釈を傾聴していた。諦めた。

次に、唯一の親友相談した。

頭のいい人なので、私の話を黙って聴いたうえで、いい意味で当たり障りないアドバイスをくれた。

私が「死にたい人の気持ちがわかるか」と問うと、親友は「全くわからない」と率直に答えた。加えて、死ぬくらいなら状況が変わるように努力するか、心機一転どこか知らない場所に行って人生やり直す、という。

前にも後ろにも進めない私の立場では、そのアドバイスは乾いた言葉しか聞こえなかった。困った。

どうにもならなくなった。このままだと私は4連休最初の日に山で首を吊るコースを確実に歩む。

回らない頭でウンウン考え、私はとりあえず死ぬ以外でこの苦しみや焦燥感から逃れる代替手段を見つけようとした。そこでひらめいたのが「ごっこである。わかりやすくいえば、現実的には行動すると取り返しがつかない行動について、実際にやらないまでもそれに近い何らかの行動をして一時的に今の衝動性を逃すという方略である

私は3つやった。

1つ目は自殺企図ごっこ。近くのホームセンターロープを購入し、インターネットで解けにくい紐の結び方を習得した。自殺する場所を下見し、自殺する予定の時間(朝方)に実際に現地に行き下見する。これで少しスッキリした。(しかしこの方法自殺するリスクをより高めるのでお勧めできない。マジで最終手段として捉えて欲しい)

2つ目は失踪ごっこ土曜日に早朝から思いつくままに電車にのり、とりあえず行ける範囲で知らない場所へ行った。自分の知っている人がいないところに逃げると少し楽になる。腰が痛くなるまで電車に乗り続けて帰ってきた。

また、死にたい時って死にたい意識ばかりに囚われて頭と身体乖離している状態だとおもうから、余裕があれば出先で身体感覚を取り戻す経験をしてくるといい。私は砂浜を歩いたり川の中をじゃぶじゃぶ歩いたりして身体感覚意識を向けたら、頭の中の絡まった糸が少し解けるような感覚がした。

3つ目は転職ごっこ。今も進行中。明後日ハローワークにいって、とりあえず求人情報みてくる。

こうやって、鬱屈した気持ちを外に逃すチャンネルを一個でも見つけてみると、希死念慮が少しずつ縮んでいくと思う。

このご時世、死にたい人は日本にたくさんいるいるはず。

死にたくなるほどの問題なんて早々解決策は出ないもの。ならばとにかく今の辛さから逃げることを優先すればいい。

意見として参考にしていただけると嬉しい。

2021-06-22

KADOKAWA株主総会で誰か聞いておいてほしいことまとめ

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9468/ir_material2/158791/00.pdf

そんなわけで日付変わって6月22日KADOKAWA社の株主総会である

KADOKAWAといえば小学館集英社講談社などとならぶ業界大手であるが、ほか3社と違って上場している分、株主総会であれこれ一般株主さんが発言質問する余地がわりとある

だが「株をもってるので株主総会には行くけれど、といって何を聞けばいいのかわからない」という諸兄もおられるであろう。

ということで、ここでは上記IR情報なんかを眺めながら、このへんを聞いてみると面白いかもしれないですね、というポイントをまとめてみる。

むろん、IR情報そのほかの情報からわかる程度のことでしかないので、この増田はなんの内部情報でも機密情報でもありません。あしからず

WEBサービス事業

よく見るとわかるのだが、WEBサービス事業については事業投資がない。

ポータルでは、「niconico」における“選択と集中”の加速による収益構造改善と、「ニコニコチャンネル」におけるコンテンツの拡充によるチャンネル有料会員数の増加を図ってまいります

とあるのだが、つまり特に新規の開発だったりアップデートとかもしていなくて、損してる事業カットして利益を出している、というだけである

それゆえに、

「これってつまりニコニコ』をはじめとしたドワンゴ事業は全体としてクローズするという意味ですか?」

という質問が、実は今回の資料もっとクリティカルなところかもしれない。

普通に考えると、そうですよ未来においてはクローズするんですよお察しくださいよという意味なのかなと思うが、実際聞かれたらどうこたえるのか、というのはある。

今のプレミアムのお客さんに「今後はクローズしていくのですが、引き続きよろしくお願いします」ということは言えないだろうし。

コミックライトノベル事業

IP事業といえばメディアコングロマリットたる同社の中核でもある…のだが、意外とつかみにくいところもある。

全体としては成績がよく、それはあっぱれなことじゃないですか、という風に一見するとなるのだけれど、詳しく見ていくとそう簡単ではなかったりする。

一見するとわからないところの話なので、ちょっと長い。

IP創出においては、新人作家の育成を行うとともに、投稿数とユーザー数の伸長が続く小説投稿サイトカクヨム」や「魔法のiらんど」等を通じたネット投稿原作創作支援を加速し、原作発掘の強化に取り組んでおります

とあるのだが、ここでライトノベル系でかつて隆盛していた「小説新人賞」が特筆されていないのがポイントである

ライトノベル

去年の株主総会レポート

三崎尚人 @nmisaki

KADOKAWA株主総会。「文芸でヒット作もなくカクヨム等で新人発掘するのは無駄では?」という質問出版社株主総会で出るのは衝撃。もちろん、「新しい作家さんを育てていくのは役目なのでチャレンジは続けて行く」と青柳さんがちゃんと答えていましたが。

https://twitter.com/nmisaki/status/1273795900956004353

というツイートがあったが、質問しろ回答にしろちょっと惜しいと感じる。質問もズレているのだが、じゃあこの回答がそのまま真か?と考えるとちょっとアヤシイよね、という話をする。

実際のところ、たとえばこんな感じで質問されるとKADOKAWAライトノベル系の事業としては非常に痛いはずだ。

カクヨム新人を発掘しても、それまでのWEB作品ほどのヒット作になっていないのでは?」

小説新人賞で発掘したはずの新しい作家さんがほぼ育っていないことについてはどう考えていますか?」

このあたりの質問をされると、たぶん結構痛い、はずだ、と思う。どういうことか。

しかに『聖女の魔力は万能です』とか『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』とか、たとえば今クールを見ても「小説家になろう」や「カクヨム」発の作品は続々アニメ化されている…のだが。

たとえば『ソードアート・オンライン』『この素晴らしい世界に祝福を!』『Re:ゼロから始める異世界生活』『魔法科高校の劣等生』『オーバーロード』『幼女戦記』といった大ヒット作はいずれも遠ざかっている、というのが実情かと思われる。

特にA6文庫版のライトノベルでは、今もってここに挙げたような作品(このすばはもう完結したけれども)が各レーベルを背負っているという状態で、「次のリゼロ」「次のSAO」が長いこと出ていない(ファミ通文庫は「次の孫」がおらず、どうなったか…は公式サイトを見てください)。

これに拍車をかけるのが2番目の質問で、上記のような「次の超大作が出ない」状態ではあるのだけれど、しかし同社のライトノベル事業の中心は確実に「ネット投稿原作」に主軸を移している…というか「それしかない」という状態になっている。

たとえば角川スニーカー文庫公式サイト https://sneakerbunko.jp/ で当月の新作なんかを見てみると、

こんなラインナップなわけだが、どの程度が「ネット投稿原作」かといえば(なんだか間違い探しみたいだけど)『魔眼で始める下剋上 魔女とつくる眷属ハーレム』以外は全部ネット投稿原作である

ていうか残るこのひとつも、GA文庫で『ハンドレッド』を書いていた箕崎准先生がなろうっぽく書いたファンタジーで、つまり「なろうかカクヨム原作があった作品」か「メディアミックスしたラノベ作家がなろうっぽく書いた作品しかないという状態である地獄…。

またまたー、この月だけでしょ、大げさな~」と思われる諸兄においては、スニーカー文庫近刊を1年くらい遡ってみるとよい。オリジナルありません。スニーカー大賞を受賞した作家さんたち、みんなどこ行ってしまったん…?

で、これは別にスニーカー文庫けがそうというわけではなく、富士見ファンタジア文庫ファミ通文庫あたりも同じ状態である

そしてライト文芸では富士見文庫などもかなりネット投稿原作小説軸足を移しつつあって、ここまでの流れを理解すれば

「新しい作家さんを育てていくのは役目なのでチャレンジは続けて行く」

というのが実際かなりアヤシイことが把握できるはずだ。

ライトノベル定義論とかやってる場合ではないのであって、実は特にKADOKAWAライトノベルは「=WEB小説」になるかどうかの曲がり角にある、と言ってよい。もしかするとここで「いや、『探偵はもう、死んでいる』と『スパイ教室』がある」と思われた諸兄におかれましては、KADOKAWAさんの新人賞で毎年何作品が受賞して何冊が刊行されているのかを確認されたい。

「ごくわずかな当たった作品以外は、受賞作家の2作目も出せない」というのが、2021年KADOKAWAライトノベル事業の傾向である(電撃/MFは多少抗っているくさいが、そんなMF文庫Jでも売れているのはYouTubeマンガノベライズだったりする)。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9468/ir_material_for_fiscal_ym1/99258/00.pdf

なんかを見てみても「Webでの新人発掘を強化」とは書かれていても新人賞についてはまったく書かれていなかったりするので、これはもうKADOKAWA新人発掘の手段としては新人賞を諦めた、とみるべきだとは(資料だけを見ていると)思うが、それを確かめることは必要…というか、ラノベファンの諸兄はぜひ直接聞いて、確かめてみるとよい。

コミック

コミック事業についても似たようなところがあって、こちらもかろうじて『ダンジョン飯』がIR資料には記載されているが、これはかれこれ2014年開始の作品だったりする。

じゃあそのほかは?というと、アニメ化が発表された『異世界おじさん』はTwitter/Pixiv発だったり、おけけパワー中島でおなじみ『私のジャンルに「神」がいます』もTwitter発だったり…と、つまり自前のプラットフォームから屋台骨を支えられるヒット作がなかなか出せていない…のが現状で(『異種族レビュアーズ』はあるけどね)、主軸としてはWEB発の作品への声掛けだったり、あるいはなろう小説コミカライズや、ピッコマあたりで連載されている縦読みコミック書籍化作品だったりする(『外科医エリーゼ』など)

これを「原作発掘の強化がされている」と肯定的に見るのか「自主開発能力が弱体化してネット原作に頼っている」と否定的に見るかは難しい。

集英社などが自前のプラットフォームであるジャンプ+」で『SPY×FAMILY』『怪獣8号』など次々新規のヒット作を出していることと比較すると、あまり楽観的には見られないか…というところ。

で。コミックでいうともう少し面白いのは、ピッコマことKAKAOとの関係性についてである

KAKAOについて

KAKAOといえば、2020年8月タイミングKADOKAWA株を5パーセント以上取得したことが報じられた。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HLU_R20C20A8000000/

実はこのあともちまちま買い進められており、もうちょっと増えている。資料にある

KSD-NH

ってやつである。意外と持ち株比率第1位だったりする(2位はカワンゴ)。

加えて、韓国個人投資家なんかも手を出したりしている。

ので、何気に馬鹿にならない比率韓国勢に買い進められたのが2020年KADOKAWA株だった。

で、ここで気になるのが、昨今の決算資料

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9468/ir_material_for_fiscal_ym1/99258/00.pdf

などにも記載されていた『縦読みコミック』の件。

なぜかといえばカカオサービスであるところの「ピッコマ」がいま一押ししているのがこの縦読みコミック…ピッコマ的には「SMARTOON」というやつであり、KADOKAWA縦読みコミック振興策が「ピッコマとの協業」のための施策なのか「ピッコマとの競合」のための施策なのかが、非常に気になるところなのだった。

流通について

ちょっと話が戻るのだが、先ほど触れていた出版事業については、IPの開発に加えてこんなことが書いてある。

同時に、営業力を活かしたきめ細かなマーケティングにより、生産部数の最適化とそれによる返品部数の最少化を進め、収益の最大化を目指してまいります2022年3月期より順次稼働予定の製造物流一体の最新鋭工場につきましては、小ロット適時製造と適時配送を実現することで、製造コストの削減や更なる返品率の改善を行い、業界が直面している物流問題にも対処しながら、中長期的に収益力を向上させてまいります


この工場は、ちょうど株主総会も開かれるところざわサクラタウンにある例のアレだが、ここで注目するのは「適時配送」の方である

KADOKAWAといえば、配送発注の窓口として独自

https://www.kadokawa.co.jp/houjindirect/

というのを持っている。上記の適時配送についてもこうした独自システム活用されるのか――というところで出たのが、下記の報道である

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1324469.html

講談社集英社小学館丸紅出版流通改革で新会社、というこれである。もちろんKADOKAWAにおける流通改革・DXというのはかなり前から企図されていて、こうした動きよりも先にシステムを整えていると考えられる。

そこで気になるのが、KADOKAWAはこの新会社システムを使うのか(参画するのか)、あるいは対抗するのか、というところである

「先日御社以外の小集講三社と丸紅の新会社報道がありましたが、この流通システム御社が利用する予定はありますか?」

業界大手が結束したこの新会社に、御社が参画していないのはなぜでしょうか?」

というのは、実はこの適宜製造計画においてもけっこう難しい問題として立ちはだかる(ので、聞かれると面倒くさい質問である)と思われる。

なぜかといえば、仮にこの新会社による流通デファクトスタンダードになった場合に、KADOKAWAは「流通デファクトスタンダードをとるのか、あるいはガラパゴス化した自社独自流通戦略を維持するのか」という選択を迫られる可能性があるから(そして、その可能性はそう低くもない、と思われる)。前者はせっかく作ったシステムの破棄や修正意味しているし、後者にはデファクトから外れることによるリスクがある(特に大手三社が多くの割合を占めているコミック流通などにおいて…)

というか適宜製造と適時配送システムを自社でもっていたのなら、上記みたいな会社が出現する前に一ツ橋音羽に呼びかけて自社のシステム業界スタンダードになるようにふるまえばよかったのに…とも思うが、後知恵ではある。

というかんじで

誰か聞いておいてほしいことをまとめてみました。なんかバランス悪いなあ…。

基本的に各種の公開情報の組み合わせでしかないので既知の事項かと思いますが、株主総会にご出席の皆様の参考になれば幸いです。

2021-06-16

自殺についての考察

この文章を書いている今、かつてなく自殺企図情動が高まっており、それでもなおそれを完遂することへの恐れから、今なるべく頭の中を冷静にして考えたことを書き留めておこうと思い、手を動かしている。

自殺未遂自体は、10年近く前にやったことがある。部屋に一人の状態ベルトで己の首をゆっくり絞めていき、「落ちる」ところまで行ければあとは死ねると思っていたが、結局自分でリミッターを外すことはできなかった。あとは、家にある薬状のものをとにかく全部飲むというのもやったが、たくさん飲めば死ねるような薬はなく、薬効どうしの食い合わせで運よく死ねるということもなかった。私は所詮その程度ですが、こんなのマウントを取り合いをするものではないと思う。

処方された薬は自分判断勝手に飲むのを止めてしまったが、少なくとも今日までは自殺することなく生きてこられた。自殺チャレンジばかりを考える日々から脱却できたきっかけははっきりとは分からない。グラデーションに近いものだと思う。そしてそのグラデーションは真っ白な状態に戻ることは決して無いだろうと感じる。初めて本当に死にたいと考えた日から今日までずっと死のことを意識してきた。下手な例えだけど、シャッフルされた山札から1枚ずつドローしていくうちに「死」を引いてしまったのが10年前で、それ以来ずっと手札に「死」を持っている感じに近い。手札に「死」を持っている状態に慣れていったことで、逆説的に今日までそのカードを使うことなくやってこれたような気がする。

少し話は変わるが、私は私が「自殺したい」と考えていることを他人に表明することをひどく恥ずかしく感じる。そのことを他人に話してしまえば、それは暗に「止めてほしい」ということを意味し、結局のところ本気で死ぬ気はないのだと始めから自己矛盾が露呈してしまうからだ。したがって、本当に死にたいと思うときに私は沈黙するしかない。実際この文章を書くまではそうしてきた。

なるべくキー打つ手を止めないようにするため、文章構成考慮せず思うままに書くことにするが、ご容赦いただきたい。

自殺をしてはいけない理由とは一体なにか?(あるのか?)」という倫理的哲学的問いがある。よく答えとして挙がるのは

①生きていればまだ良いこともあるから

②残された人(家族や友人)が悲しむから

③死を選ぶことはいつでもできるから・誰もがいつかは死ぬから

④(主にキリスト教圏)天国へ行けなくなるから

社会的損失であるから

といったところだと思う(「自殺するには苦痛を伴う」というのは積極的自殺を選ばない理由ではあるが、自殺をしてはいけない理由ではない)。

私はこれらのいずれも失当だと思う。

①生きていれば良いこともある

下らないことを言わないでほしいと私は思う。そりゃ良いことも悪いこともあるだろう。でも結局人生における良いことと悪いことの総量を比べることはできないし、最後には誰もが死ぬである。なぜそれが今ではいけないのか。人生における最後幸福を味わったら後は死んでもいいのだろうか。少なくとも、死にたい気持ち自覚し、それを何度もやり過ごして生きてきた人間にとって、残りの人生死にたい時間とそれをやり過ごしている時間の繰り返しでしかない。

②残された人が悲しむから

実のところ、身体苦痛へのためらいを除いて、これまで私を自殺させなかった理由の最たるものである。幸いにも、私は家族に恵まれたと思うし、私が自殺した後の家族気持ちを考えると涙が出そうになる。しかし、実はそれを私が気にする必要はない。なぜなら、実際に自殺した後に悲嘆に暮れる家族の様を「悲しい」と感じる主体であるところの私はすでにどこにもいないかである。悲しいと感じるのは残された者の気持ちを考える「今のまだ生きている私」であり、その意味身体苦痛へのためらいと同じだ。

少しそれるが、現行刑だって自殺殺人には当てはめていない。自分保護法益である生命自分が終了させたところで罪には問えないからだ(容疑者死亡のため起訴できないというのもある)。

したがって、突き詰めれば、②は(残されることになる)私が悲しいから「自殺してはいけない」ではなく「自殺しないでくれ」というお願いでしかないというのが正しい。

③死を選ぶことはいつでもできるから・誰もがいつかは死ぬから

死を選ぶことは本当にいつでもできるだろうか。中途半端なためらいがなくなったあの瞬間に人生を終わらせておくべきだった、そうすれば今の苦痛を味わうことはなかったのにといずれ後悔しないだろうか。少なくとも私はいま後悔している。10年前に死ねていれば今日苦痛はなかった(10年間の喜びも無価値だったのかと問われれば、少なくとも今の苦痛釣り合うものではなかったと答えるでしょう。死にたいときは常に)。

「死」は切った時点でほかの全ての選択肢を失うという点で最後カードだ。でも結局その理論は①の理由に行きつく。それは「自殺してはいけない理由」にはなりえない。

④(主にキリスト教圏)天国へ行けなくなるから

私が敬虔クリスチャンであればこれほど強い理由はなかったろうと思うが、私を含む非キリスト者には全く通用しない。結局なにがしかへの信仰しか救いにはならないという気がしている。

社会的損失であるから

こんなことを平気で言う人間とは関わらない方が良いですよ。

つまるところ、やっぱり自殺してはいけない理由なんて無いんですよ。

どれも思いとどまらせるための方便しかなくて、あとは本人がするかしないか判断があるだけ。

ここまで書いたところで紛れていた衝動の波が戻ってきた。

ところで私は家に包丁を置いていないのだが、その理由を人には「私は自炊しないので」とへらへら語っているが、実際の理由衝動的に自分使用しないためである。今は刃を己にめり込ませたくてたまらないので、平時の私の判断は正しかったのであり、その正しさを心底憎悪する。

波が収まらない。人生を続けていくことが本当にむなしい。

生きることに意味価値もないですよ。

みんなまだあのカードを引いていないか、引いても上手く手札を回しているだけ。

2021-05-01

閉鎖病棟での数分間

かわいい感じの子が来た」

 同じ病室で、寝たきりの私の部屋のカーテンを開け、ハイチュウ

「オーイ」

 と投げてきた、とてもじゃないが十代にしか見えない三十一歳の患者に、そんなことが伝えられた。

「マジすか。うそでしょ、こんな田舎辺鄙なところに……」

「いやほんと。ワンピース着て、ふりふりで、あの……バッグ……」

駅前うろついてる女の子がよくつけてるようなちっこいバッグ?」

「そう、そう。そんなバッグつけた子」

「へえ。ほんとかなあ。何歳くらい?」

「いやあ、あの格好は高くて二十……二、ちょうど君くらいじゃないと、あの格好はできないし、しないだろうね」

「僕が動けるようになってからが楽しみです」

 本当に信じられなかったけど、動けるようになったら話してみたいと思った。

 動けるようになったら話ができる患者が二人ほど増えた。四十代の、ロックマン不思議のダンジョンの話ができる、落ち着いた喋り方をする、感じのいいおっさん。四十代の、若い頃は本当に美人だったんだろうなという顔立ちの、シミかそばかすがまぶされている女性ハンターハンターパームに近い。

携帯禁止にされた」

「泣いた」

「毎朝旦那にする電話が楽しみだったのに、『迷惑だ』って理由禁止にされた」

あいつ、本当に許さない」

絶対に許さない」

 神経症的な張り詰めた、瞬きのしない二重瞼の双眸で、手をかけたプラスチックのコップを震わせながら私たちが囲むテーブルでそう言う姿は、本当にパームだった。

 かわいい、らしい子がいる病室がわかった。入院したのが土曜だったので、PCR検査を受けれず、個室で生活している。私の一個下の、前の入院でもよく話していた吃音男の子は、その女の子がいる病室を見つけ、覗き見たらしい。

「あ、あ、あ、あんまり、好みじゃない、かもしれない」

 私は車椅子での移動が可能になって、車椅子の方用のトイレに向かうまでに、乃木坂の病室はあった。僕は偶然その姿を見た。茶色が入っていて、短髪。雰囲気可愛いと思った。儚げで。私はそう言うのに弱い。

「僕は可愛いと思ったよ」

 月曜日パームがせこせこ歩いていた。ロックマンとよく話をしていて、何かをしようとしていた。

 すると、乃木坂が現れた。パームはにっこり笑顔

「連れてきた」

 と言っていた。

はじめまして。私は〇〇と言います。『アイリス』と言われています。『アイリス』というのは友達がつけてくれたあだ名で、〇〇という名前は花で、その花言葉は、⬜︎⬜︎というんですね。それが私すきで、それで私は『アイリス』なんです。『アイリス』です。よろしくお願いします」

 生徒会長みたいな堂々とした喋り方で、アイリスはそう言った。話と話の間の取り方が演説調だった。

入院生活はどう?」と私は言った。

「いやもう、私は介護福祉士資格を持っているんですけど、ここの看護師さんは本当にいい人とダメな人が多くて、こんな対応を私にしているということは、他の患者さんにもそうしてるってことだから、私すっごく腹が立って、暴れていました。私は介護福祉士資格を持っていて、実地を知っているので、本当にひどいなって。だからもうひどいものです」

 乃木坂はきっと、それを事実からそう言っているのだろうけど、話し方はとても自信に溢れていて、高圧的ですらあった。

「僕も、ここに三回入院してるけど、わかるよ」

「あ、私四回」

 と右手を少し上げて、パームは言った。

 パームには聞き忘れたが、私は入院した経緯を聞く。なぜかといえば、みんな気さくで明るいからだ。こんなところに入院するとは思えないほどに、あっけらかんとしていて、私に対しても

「死ななくてよかったね」

「強運だったんだ」

 と言ってくれる。

 三十一歳のハイチュウ睡眠薬を飲んでも眠れず、飲み続けたらいつのまにかコンビニに行ってしまっていて、そこで通報され、警察保護保護室で数日を過ごしたらしい。医療保護入院

 ロックマンは、

「これ」

 と言って首吊りポーズを取った。任意入院

 吃音リストカットのあと(浅い)があり、

「ぼ、ぼ、僕はひとつ精神的に負担があって。あとひとつは親がそうしろっていうから

 任意入院

 アイリスにもそれを聞いた。でもあまり覚えていない。覚えているのは、睡眠薬を飲み、警察保護され、運び込まれたという内容だった。ある友人に「声がでかい。気分が悪くなる」と言われたのがトラウマで、温泉に行った時もそのようなこと言われ、さら精神的に酷くなって、自殺企図したらしい。

 僕がわからないタイプ理由だ、と思った。

あなたは?」アイリスは言った。

「僕は三回自殺企図してるんですけど、今回は20メートルくらいの橋から飛び降りて、腰骨が全部折れ……」

脊椎いかなくてよかった! 神経症状が出なくて本当によかった!」

 話を止めてまでアイリスがそう叫んだ。力強い目をして、泣きそうになっていた。

「実は私、今日退院なんです」

 アイリス今日、それも数分後に退院だった。

「え」

 みんな驚いた。

 みんなは口々に

「おめでとう」

「よかったね」

 と言っていた。でも私はあまり嬉しそうではないアイリスの姿を見逃さなかった。私はアイリスにどんな精神疾患を持っているのか、すこし個人的な話になってしまうが、聞いてみた。

「私は沢山の障害を持っていて、まず、適応障害双極性障害というテンションが上がったり下がったり……」

「あ、僕も」と私は手を挙げ、

「私も」とパームが手を挙げた。

「仲間〜っ!」とパームは嬉しそうにしていた。アイリスも笑っていた。私も笑っていた。

 もう一つあったが、忘れてしまった。

「あと、人口の0.2%くらいしか発症しない、身体(わすれてしまった)障害というのがあって、人間ってストレスを何かで発散しているじゃないですか、カラオケとか、友達遊んだりとか。でも私はそれができなくて」

「蓄積されていっちゃうんだ」

「そうなんです。そう……蓄積されて、手が痺れてきたり、動かなくなったり、しちゃうんです。こうしていま皆さんと喋っている間も、緊張で左半身が痺れています

 なんて壮絶なんだ。アイリスの印象が変わった。こんなにも堂々としているのに、いま、このいまでさえ苦しんでいる。

「そして、〇〇先生(私と同じ主治医だ)に、『この病気じゃ入院じゃ治りません。通院してゆっくりあなた二十三年間の人生ゆっくりひとつひとつときほぐしていかないといけません』と言われたんです」

「だから退院なんだ。そうか……」

「だから私、本当に不安なんです。見放されてる……とは違うけど、どこにも繋がれてなくって」

「野放しにされてる」

「そう……。みんないろいろ、結婚とか、出産とか、仕事とかしてる中で私はこうやっていて、本当に生きていることが不安なんです。ストレスなのかもしれない。社会で生きていけるかわからない」

「その状態なら、そう思うと思う。でも、僕は気楽な人間なんだ。みんながどうこうしていようと、僕には関係がない。僕は自由にやっている。僕には社会がない。君は不安だというけど、その『社会』は、いったい誰なんだと思う?」

「〇〇さん」

はい

「行きましょう」

 アイリスはみんなに頭を下げた。パームは悲しそうに、自分名前を書いたノートの紙切れをアイリスに手渡した(私の提案だった)。

「また、会えますよ」

コロナが落ち着いたら、面会に来ますよ」

さようなら。行ってきます

 僕は、

「無理だけはしないようにね」

 と言って、アイリスに手を振った。

 あのとき、私が問いかけた問いが正しかたかどうか、いまだに私にはわからない。

2021-04-06

anond:20210406135514

とりわけ何か新しく始めないといけないことが見当たらない

弱者」としての存在認知

弱者の内容によるけど、障害者介護退職する人とかはちゃん認知されてるよね

伴侶のいない人へのハラスメント、「伴侶を作るべき」「強くあるべき」というような性別に基づく社会的圧力の抑止

→もう男性の1/4が生涯独身時代なんだから、いつか圧力もいつか消える

経済的困窮者を(余裕を持って独居可能〜家庭を持てる水準レベルに)引き上げる為の金銭補助、減税、福祉といった経済的再分配

生活保護じゃダメなのか?あとは労組組んで賃上げやるとか。あと障害者手帳があったら自動車税無かったり減税はあるよね。

長時間労働規制労働基準法の厳格遵守)

→かなり厳しくなってきてると思うし、通報すればいいのでは?ネットとかで通報すれば足もつかないでしょ。てか弱者強者関係ない。

困窮内容に対する男女格差是正DV/モラハラ/犯罪被害者自殺企図者の認知保護等)

→よくわからなかったのでパス

精神的な充足を得られる何らかの趣味嗜好への補助

年収700万だけど俺もこれ欲しい(弱者だけの問題じゃない)

趣味宗教といった何らかのコミュニティによる包括

→今もあるよね

アクセスが容易で社会的抵抗感の少ないカウンセリングコミュニケーショントレーニング

抵抗感を感じているのは貴方だけです。今やみんな心療内科に通う時代アクセスが容易なところは俺も欲しい。

衣食住〜介護問題まで含めた生活不安の解消

年収700万だけど俺も欲しい(弱者だけの問題じゃない)

独居困難者に対する住み込み式の衣食住の保障

生活保護ダメなんだっけ?

弱者男性必要な救いを具体的に整理する

明確な意見割れは起きていない内容


意見割れている内容



主張が具体的(「まともに扱ってくれ」みたいな定義曖昧な感じじゃない)で、「お前(弱者男性)がなんとか変われ」とか「女をどうにかしろ」みたいな煽りっぽいののうち、火種になってるあてがえ論以外を除くとこんな感じ?

半分は自分用にまとめたもので、面倒くさいので追記はしないぜ。補足は他のえらい人にお願いしたい。


anond:20210405201511

2021-02-14

日本共産党を支持することができない理由

・党名に共産党名称を含むこと

マルクス・レーニン主義(一名に「科学的社会主義」とも)が放棄されていないこと

・党の体制として、民主集中制採用し、及びそれが放棄されていないこと

高齢の実力者が、未だに重職を占め、重大な意思決定に関わっていると見なせること

1922年の22年テーゼ以降に採用又は確認された二段階革命論並びに暴力革命企図

及び選択肢放棄されていない、又は放棄されたと見なすことができないこと

1961年以降に採用されたいわゆる「敵の出方」論が放棄されていない、又は放棄されたと見なすことができないこと

日本国憲法を廃棄する意図等が全く無いと見なすことが困難であること

(例えば、二段階革命論)

現在日本国採用する統治上の基本的方針としての、民主主義自由主義並びに立憲主義を廃棄する意図等が

全く無いと見なすことが困難であること

(例えば、二段階革命論)

基本的人権を、日本国憲法及び法律規定し、及び最高裁判例に判示される範囲から

更に制限する意図等が全く無いと見なすことが困難であること

国家統治等に関する具体的な構想を示していないか、又は示しているが何ら実際的ではなく或いは実際性に欠けること

政権を獲得できる見込みが全く無いか、又は政権獲得が極めて困難であると予想されること

2021-01-07

死のうとしていた彼が、死を先延ばしにするまでの話

コロナの暗雲が街を覆い尽くした、2020年の暮れ。

TikTokに、ひとつ動画投稿された。

「なんとか年は越せそうです。だけどそう長くは無いみたいです。

 彼女を置いて行くと考えると辛いですが上から見守ろうと思います。」

『残り15日』と題されたその投稿は、明らかに自殺企図したものだった。

ただならぬ気配を感じたユーザーたちは、当然、コメントという形で投稿者に話しかけようとする。

「もう少し生きてみよう」「逃げてもいいよ」「病気なの?」「ネタでもいいから死なないで」

ひとつひとつコメントに、投稿から、丁寧な返事があった。根が几帳面なのだろう。寄り添うようなことばには感謝を、攻撃的なことばにはやさしさを返す一方で、どこか迷っているようにも見えた。

TikTokレコメンドエンジンは優秀だ。

投稿に興味を惹かれる人が多ければ、その投稿もっとたくさんの人の目に入るようになる。

早い話が、バズった。

小規模ではあるけれども、投稿者が全てのコメントに返信するのが難しくなるくらいには、多くの人の目に触れたらしい。

『残り14日』の投稿には、「昨日は色々なコメントありがとうございます。残っている時間を大切に過ごしたいと思います」ということばがあった。

『残り11日』「今日彼女に会いに行きました」『残り10日』「今日友達に会いました」

カウントダウンが1ずつ減っていくとともに、人間関係清算しているようなことばが綴られる。

『残り5日』「明日中学の時の友達に会いに行きます。少し楽しみです!」『残り4日』「最後楽しい思いが出来ました。今日何だかよく寝れそうです」

そして、ついに迎える『残り1日』。

2020年1月6日、彼が選んだ曲は赤頬思春期の『私の思春期へ』。

ことばは、みじかく、「悔いが残らないように」。

たくさんのユーザーが、彼の投稿を見た。彼を現世に引き留めようとした。

素性がわからない、断片的なことばのかけらしか知らない、リコメンデーションエンジンが偶然に引き合わせた見ず知らずの相手だというのに、揶揄するようなコメントは皆無だった。ひとりひとり、選んだことばはさまざまだけれど、彼のことを応援する人ばかりだった。

その熱意が、投稿者のなにかを、融かしたのだと思う。

1月7日。彼が「死ぬ」と決めていた日。午前2時ごろ。

彼の真っ黒なアイコンのまわりに、赤い円が現れた。「ライブ配信中」。タップしてみると、イヤホンからぼそぼそと"彼"の肉声が流れ始めた。

彼は存外、色んなことをしゃべった。

友達にも、家族にも、恋人にも、相談できなかったという。センシティブ話題は、かえって身近な人には打ち明けづらいものだ。それでも、インターネットを介してなら、1000人以上に心の奥底の悩みを表出できるのだからSNSも捨てたもんじゃない。

彼女には弱いところを見せたくなくて、でも傷つけたくなくて、だから別れなくちゃいけなかったけれどなかなか言い出せず、結局「別れよう」のひとことしか言えなかったと、涙ながらに話していたのが印象的だった。


途中アクシデントがあり、舞台をインスタライブに移して、彼の独白は続く。

自分は恵まれていて、どちらかというと陽キャにみられる側で、だからこんなことを言っても「俺だって死にたいよ」と返されて終わりだと思っていた、と。

コメント欄では、そんなことないよと温かく彼を慰めることばといっしょに、「コラボしよう!」という投稿が流れていく。インスタライブ機能だ。

最近人と全然しゃべってないから、何話していいかわかんないや……」と戸惑いつつも、結局彼はコメント欄の勢いに押され、コラボをはじめた。


一人目に入ってきたのは、九州の方の訛りのある、14歳女の子彼女は輝いていた。光そのものだった。

話していた内容は、TikTokコメント欄に寄せられたものとそう大きくは変わらない。「主さんの苦しみは分からないけど、生きてればいいことあるよ」「世の中色んなことあるし、まだ死んじゃうにはちょっともったいないよ」「彼女さんも悲しむと思うよ」「逆にそういうこと相談してくれたら、彼女さんの立場としてはめちゃくちゃうれしいと思う」

彼女のことばを聞いた主は、泣き出してしまう。鼻をすすりながら、語る。

皆さんからかいコメントはいただいていたけれど、どうも自分に届いていない気がしていた、と。「死のう」という決意が壁みたいになって、心が全然動かなかった、と。

「それが、それが……」

直接話して、融かされた気がします、と。

心なしか、声が明るくなった。「ごめんなさい」「心配かけて」「でも」ばかり言っていた暗い声から、ほんの少し希望の宿った声になった。

人は、人と関わらないと生きていけない生き物だ。うれしいことがあったら分かち合って、つらいことがあったら相談して。そうやって日々を送るものだ。

主はきっと、どこかでボタンを掛け違ってしまい、相談する場所を見失ってしまったのだろう。そうやって、もつれた糸をかきわけて、最後に残ったSOSを発信できる場所が、インターネットだったのだろう。

二人目は男子大学生。色々な考えのひとつとして、「人の悩みなんて宇宙に比べたらちっぽけなもの」だと語った。明日大学で1500メートル走を走るんだと言いながらも、深夜に、親身になって、主と「将来やりたいこと」について語り合っていた。

三人目の女子高生は、「わたし明日死のうと思ってたんだけど、やっぱりやめちゃった」と言った。いじめられていた過去があり、見返してやろうと思っていて、たまにダメなっちゃときもあるけれど、それでも頑張っていると語った。

いろいろな人と話すうち、主の声はどんどん明るくなっていった。アンチがひとりも出てこなかったのは、彼の人徳ゆえなのかもしれない。主には「Sくん」というあだ名もついた。

笑い声がこぼれるようにもなってきたSくんの様子を見て、何人目かの話し相手が切り込んだ。

死にたい、って言ってた人に聞くのもちょっと微妙だけど……Sくん、今、まだ死にたいと思ってますか?」

「今は……」

3秒間の沈黙。そして。

あんまり、そうは、思わないかも……」

ネットユーザーたちの温かさが、ついに、Sくんの心の中の氷を融かしきった。

これはたぶん、どこにでもある、傷の舐め合いなのだと思う。

匿名掲示板Twitter……場所を変え、形を変え、昔から幾度となく行われてきたことの再演なのだと思う。

Sくんとコラボして話をした者のほとんどが、一度は自殺を考え・試みた人たちだった。彼女たちは、Sくんを癒やすと同時に、Sくんによって癒されていた。

Sくんは、自分で「居場所」をつくりだしていた。彼自身を含め、つらさを抱え、誰にも相談できず、それでもSOSを出したい、そんな人のための居場所を。

Sくんのライブは盛り上がった。彼が元気を取り戻すのと比例するように、コメント欄には黄色い声があふれた。「好き」「かっこいい」「推していいですか」。彼は優しいし、おそらくモテるのだろう。「俺も好き」「ありがとう」なんて返事をするものからますます盛り上がって、しまいには彼を推す人たち用のグループチャットまでつくられてしまった。

その様子を見た彼は、ぽつんと、ひとこと。

「じゃあ、わかった。みんなが俺のこと飽きたら……死ぬわ」

コメントではみんな「飽きるわけない」と言っていたけれど、彼は「2・3ヶ月もすればみんな別の推しができるでしょ」と自信なさげだ。

から

から、私は、彼の生きざまを書き残しておきたかった。

私は絶対に飽きる。彼のライブ毎日馳せ参じることなんてできない。そんなに興味は続かない。別にガチ恋しているわけでもない。

でも――

飽きたからと言って、昨晩の、どこにでも偏在する奇跡が、薄らいでしまうわけじゃない。

つらさに苛まれ自死を選ぼうとした彼のSOSに気付いた多くの人が、よってたかって彼をケアし、壁を融かし、死を先送りにした。

それだけで、書き残しておくだけの価値はあると思うから

強く生きてくれ、Sくん。そして、みんな。

いか

https://vt.tiktok.com/ZScqfcjt/

2021-01-02

無のリプライ

レゴで牛を作ったよ、つってレゴで作られたファラリスの雄牛の写真を載せてるツイートがバズっていた

リプライが大量についてるんだが、その中に本当にどういう意図なのか汲み取れないものがたくさんあった

以下抜粋

ファラリスの雄牛…( ̄▽ ̄;)

ファラリスの雄牛…

ファラリスじゃん

ファラリスの雄牛

ファラリスの雄牛〜

ファラリスのおうしぃーーーー!!!!!!

 

似たようなのがあと20個くらいある

なんで?

なんで既に言及されてることを、なんの捻りもなくただ言うだけのリプライを送るんだ?

どういう意図?どういうコミュニケーション?それによって何を企図してるんだ?

本当にわかんなくて不気味なんだよな

幼稚園先生が小ボケかましたのに対して園児がみんなで突っ込むのはまだわかる 場を共有してるわけだし、コミュニケーションの一環だ

Twitterのバズツイートにさんざん既出ツッコミをするのは、何?誰かと内輪で盛り上がってるって感じでもない 

ファラリスの雄牛…(FFから失礼します)

こういうのを見るに、ツイート主の友達って感じでもない 他人や 他人が突然ゴミみたいなツッコミで絡みに行っとる 若干のポライトさを出しながら……

マジでなんなんだよこれ 怖すぎるねん

虫が白熱灯に突っ込んで死にまくってるのを見た時みたいな不気味さがある こいつら本当に思考能力があるのか?

それとも無のリプライを送ることで成立してる文化圏みたいなのがあるのか?

でも無のリプライ、ほぼ全部0いいねなんだよな 巨大な界隈があって相互に楽しんでるわけでもなさそう

怖い怖い怖い

俺そういうの見るたびに全員ブロックしてんだけど、一向に見かけなくならないのもまた怖い どんだけおんねん

増田でどうでもいい書き込みに突っかかってくるチンピラの方がまだ分かるんだよな 増田ならトラバ合戦結構確率で起きるわけだし

Twitterのバズツイートで返信貰えるわけないし、誰かに見せるためって感じでもないし、本当にわからん

怖すぎる!

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