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はてなキーワード: 精鋭部隊とは

2023-05-07

anond:20230507125341

プーチン舐めプして精鋭部隊壊滅させてたし、意外とリアルなんじゃないかという気もする。

2023-02-21

ロシア軍冬季攻勢について

2月初頭に始まったロシア軍冬季攻勢について簡略にまとめる。ロシア軍冬季攻勢は本格的な戦線突破意識したものではあったが、早い段階で頓挫してしまった。そこで、当初の方針を転換し、ウクライナ軍に対する複数戦術試行と、ウクライナ軍の損耗を強要することで春季攻勢を阻止するよう目標を変更し継続しているものである

北部(宇露国境~ドネツ川

この区間ではウクライナ軍の秋のハルキウ攻勢によりドネツ川支流であるスキル川とクラスナ川にはさまれ南北100km、東西30km 程度の区間戦場になっている。

北側では国境からクピヤンスクまではほとんど東西の動きはなく、中部のスヴァトヴェ、南部のクレミンナを目指してウクライナ軍が攻勢を仕掛けていたところへロシア軍が逆襲する形で冬季攻勢が始まった。この区間でのロシア軍の攻勢は空挺軍機械歩兵師団からなる比較的優良装備で長期の休息を経たエリート部隊が先鋒を務め、その左右を動員兵により増強されたその他の部隊が固めるという構図を取っている。

有力な部隊を攻勢の主力とすること自体は教範に則ったものである一方で、ロシア軍としては開戦直後の拙劣作戦により最新鋭の装備と人員を損耗しており、無駄遣いはできないものであるから、有力なウクライナ軍部隊相手正攻法でどこまで攻勢を維持できるかは不透明な要素が多かった。一方で、この戦線に展開するウクライナ軍部隊を包囲撃滅できれば今後の北部戦線を有利に進められる利点もあった。

ロシア軍のこの方面での当初作戦計画は以下のようなものであった。まず、ウクライナ軍に対してクレミンナ正面で突破作戦を行い、主力は30km 西進してリマンに到達する。この時、クレミンナ周辺やドネツ川沿いの森林地帯に展開するウクライナ軍は後続の部隊により拘束するにとどめる。次に、突破した主力はオスキル川沿いに北上し、やや遅れてクピヤンスク周辺の部隊をオスキル川沿いに南下させることで、スヴァトヴェ周辺のウクライナ軍を両翼包囲する。この作戦成功すればウクライナ軍数個旅団を包囲することができる。また、仮に突破がうまくいかなくともクレミンナ西方20km 地点のトルスケまで到達できればクレミンナ周辺のウクライナ軍を退却に追い込めるとの計算であった。

実際にはウクライナ軍の防御陣地が想定以上に堅牢でトルスケに到達する前に攻勢限界を迎えてしまい、ロシア軍部隊は当面確保した地域を維持する方針に転換している。

中部ドネツ川ドネツク北部

戦地として知られるバフムットを含む戦線であり、この地域では11月よりワグネルを主力とする部隊による攻勢が行われてきた。ここでロシア軍試行した戦術は、シリアなどで採用されてきたハイローミックス戦術である。すなわち、大量の低練度の部隊を投入して敵を消耗させ、また守備位置暴露させたのち、少数の精鋭部隊により突破を行うというものである

この戦術の利点として、エリート部隊の損害は最小限に抑えながら確実に戦果を挙げられるというものが挙げられる。一方で、この戦術最初に投入される低練度の部隊は大きな損害を被る欠点がある。シリアなどでは現地の民兵などが担わされており、また相手となる反乱軍部隊も装備や練度がさほど高くなかったためにロシアにとってはさほど問題とはならなかった。しかし、ウクライナ軍のようなより装備が整い士気も高い部隊相手にこの戦術は損害が大きすぎた。ワグネルも、当初は膨大な囚人兵を確保して戦線へ送り込めたために着実に戦果を挙げてこられたが、広大な作戦正面への投入はさすがに戦果と損害のバランスが悪いということが判明し、より限定された正面への攻勢へと縮小されている。損害の大きさに驚愕したプーチンが直接止めに入ったとも言われている。

作戦計画としてはバフムットを確保したのちにドネツ川北部の攻勢と連動して後続の空挺軍部隊を北西のスロヴャンスクまで進出させることで、ドネツク北部を確保することが目標とされていた。

南部ドネツク市~ヴフレダール~ヴェルキヤノヴォシルカ

いわゆるヴフレダールの戦いにおいては、動員兵を主体とする部隊による正面攻撃精鋭部隊が掩護するという戦術試行することとなった。ハイローミックス戦術よりも損害を抑え、動員された兵士主体部隊による大規模な攻勢を行うというのが主眼である。これがうまくいけば今後も長期的に攻勢を維持することが可能と考えていただけに、ロシア軍の期待は大きなものであったが、こちらも失敗に終わってしまった。

この正面での主眼はドネツクから南に延びる鉄道線路安全を確保することにある。線路を通常の野砲の射程外にまで、すなわち戦線を40km 程度後退させることが当面の目標とされ、特にドローンなどで線路を直接監視できるヴフレダールの確保が最優先の目標とされた。また、動員兵の訓練期間の短さから複雑な攻勢作戦を実行できるめどが立たないため、単純な作戦立案された。しかし、動員兵の練度は想定以上に低く、砲撃などにより簡単に統制を乱してしまい、全く攻勢には不向きであることが判明した。

小括

以上のように、ロシア軍冬季攻勢は失敗に終わったものの、これらの戦訓を基にウクライナ軍春季攻勢をしのぎ、夏季攻勢を行う計画を構築している。

2022-03-21

anond:20220321030444

ウクライナじゃロシアに勝てないだろ

犠牲者が増えるばかり

徴兵の寄せ集め部隊に勝ってもロシア本土精鋭部隊が温存され控えているしNATOは助けちゃくれないぞ

2022-03-03

ウクライナ侵略開始1週間の増田民のお言葉晒してみよう!

普段はてなブックマークはてブ民が馬鹿な事言ってるよ!」という増田を作られて晒されているので

ウクライナ侵略が始まった1週間前から増田民の俄か軍師めいた増田をまとめてみようと思います.

じゃあ~完璧に読んでた賢い賢い俺ちゃんが予想してみる~

https://anond.hatelabo.jp/20220224153743

この増田はまず世間が開戦なんてないと言ってる中で開戦を当ててるのは素晴らしい.

初期段階でのロシア軍の第1目標ウクライナ第2の都市であり工業の中心であるハリコフロシア軍精鋭部隊である第1親衛戦車軍がベルゴロド方面から侵攻する

クリミア半島方面からドニエプル川以東へ攻撃が行われ、第1親衛戦車軍・ドネツクルガンスクと共同でドニエプル川以東の制圧を目指す

部隊名までは知らないけどハリコフ攻撃初日からまりましたね.またクリミアからドニエプル川東側侵略したのもそうでした.

からベラルーシ軍が首都キエフにらみを利かせる、しかハリコフを落とす前に首都侵攻するとは考えにくい。

これは大外れでしたね.プーチン目標48時間以内のキエフ陥落で初日からキエフは攻勢に晒された事は後に流出した勝利宣言などからも知られています.

ロシア軍空軍力と防空能力ウクライナ軍を圧倒している、特にS300とS400防空システムの大量配備によってウクライナは航空戦力を封じられるのが致命的、数日以内にウクライナ空軍力は壊滅する

これもバツですね.ウクライナ空軍ポーランドに逃げていてEUから提供される航空機で立て直しを測ってる様です.また制空権もまだ失ってません.

米英仏独はロシア軍との戦闘を避ける。

これは現状はそうなってますね.

総評60点(+10点)

開戦を的中させたと自称してるのでその分で+10点.ですが戦略要諦である電撃作戦を外してるので賢くはないです.

欧米 vs ロシア、最終目的

https://anond.hatelabo.jp/20220223100508

ロシア :軍事力で脅してウクライナNATO非加盟か、あわよくば領土拡張。まずは脅して交渉テーブルに乗って貰わないと

欧米 :いい機会だし、軍事経済いずれか、または双方でロシアぶっ潰してガスをタダ同然で永久に入手できるようにしようず

からアメリカロシアとの交渉の場を閉ざしたし、追い込んで暴発する事を待ってるんだろう。

最終目的までは見える状況にないので保留ではありますロシア停戦条件が「非武装中立化」「クリミア半島主権承認であることから

ロシアサイドの目的についてはその通りでしょう.アメリカ目的がそうであるかは些か誇大妄想の域だと現時点では言うしかない.

アメリカ軍事力ウクライナに入れれば、ロシアを刺激したと批判されるが、ロシアが既にウクライナ都市制圧したりすれば

ロシアをぶっつぶすって大義名分が生まれて、めでたく連合軍ロシア蹂躙できるし、ロシア経済を徹底的に国際的経済活動から日干しに出来る。

これは都市陥落前に既に国際経済からの日干しといえる状況は生まれていますし慧眼といえるでしょう.

経済的にもロシアを追い込んで、ソ連崩壊から続く二度目の国家経済崩壊国民が嫌になるほど味わった後に欧米目的は達せられるのだろう。

欧州米国+日豪加、実質世界のもの経済軍事力を前にロシアに出来る事は、大日本帝国以上に何もない。時が経つほど失っていくだけです。

アメリカ目的に関しては前述のとおり誇大妄想だと思いますロシアが日が経つほどに経済的に疲弊崩壊に向かって言ってるのは事実ですね.

実際にロシアに出来る事は何もありませんしね.

総評 70点

アメリカの最終的な目標が分からないので何とも言えませんが戦略的なところでは想定通りに進んでいるでしょう.

ロシア戦争しないと言ってた連中、息してる?w

https://anond.hatelabo.jp/Starain/?page=2

この増田もまず世間が開戦なんてないと言ってる中で開戦を当ててる(自著であることも証明してる時点で上述の増田よりは当てた感が強い)これが良いですね.

ウクライナが反撃し、各国に救援要請をした場合に、連合軍による反攻が行われないと、首都攻撃を受けてる、この状況を見ても言えるだろうか?

軍事的な反攻はうけていませんのでバツ.直接関与以外でのあらゆる支援は行われていますし各国はウクライナを見捨てる事はないのはそうですが.

総評 50点(+20点)

開戦がなぜあるのかまで含めて的中させて自著証明してるので+20点.

軍事反攻は行われていませんが最大限の支援は行われロシア vs 全世界の構図は構成されてるので50点.

じゃあ、一週間後にw

https://anond.hatelabo.jp/20220224140803

めでたく連合軍ロシア蹂躙できるし

連合軍は現時点では構成されてませんのでバツ.

ドイツスウェーデンは国是を曲げて武器供与開始,EUとして初めて紛争地域武器供与航空機供与もするなど

間接的かつ膨大な費用を投じて積極的に関与しつつ,アメリカ合衆国大統領がWW3について言及する.ロシアが核攻撃言及する等でXデーは近づいている気はします.

ロシア経済を徹底的に国際的経済活動から日干しに出来る。

SWIFT発動,中銀取引減少,航空機飛行禁止が発動で日干しにされつつありますね.

経済的にもロシアを追い込んで、ソ連崩壊から続く二度目の国家経済崩壊国民が嫌になるほど味わった後に欧米目的は達せられるのだろう。

欧州米国+日豪加、実質世界のもの経済軍事力を前にロシアに出来る事は、大日本帝国以上に何もない。時が経つほど失っていくだけです。

既にルーブルは大暴落しているし日が経つほどにロシアが不利になるのも確定ですね.

総評 65点

軍事的な反攻が行われている訳ではない点がマイナス.ですが状況の煮詰まり方は予感を感じさせはします.

経済的には完全に追い込まれロシアの敗北は決定的になっている点は予測通りでした.

アメリカ欧州ウクライナに軍を派遣するつもりが全然いから、当面は大戦にはならんよ。

https://anond.hatelabo.jp/20220224135059

アメリカ欧州ウクライナに軍を派遣するつもりが全然いから、当面は大戦にはならんよ。

1週間かそこらでウクライナロシアに食われて終わり。

プーチンが「ウクライナの次はバルト三国だ!」って言い出したら、そのとき世界大戦が勃発するけど。

状況が煮詰まってる感はありますが現時点では大戦の気配はかすかなものです.当面はないというのはそうでした.

一週間で終わるというのは大外れでしたね.

総評30点

当面は大戦には至らないというのは常識的過ぎて評価できない所です.

一方で一週間で終わると断言したのは恥ずかしい.

いかがでしたか

普段はてなブックマークを笑いものにしてる皆さんですが言うほど賢くもない事がお分かりいただけたでしょうか?

ロシアが開戦しないと世間予測する中で開戦を断言したり

戦力が圧倒的なロシア経済制裁や包囲網形成で結局は負けるという推移を断言した事はプラスですが

連合軍は結成されませんでしたし一週間で終わる事もなかったので全てを見通すことは出来ないとご理解いただけましたかね?

はてブも同じですよ.人は間違う事もあるのです.以降の晒し行為はお控えくださいね

2022-03-02

ウクライナ情勢 最新情報

主にredditから

プーチンの犬と化したチェチェン精鋭部隊が「ウクライナ退治だ!」と威勢よく出発したが、すぐに全滅。ウクライナ側はFSBロシア連邦保安庁からの垂れ込みで情報得て対応したと言っている。

https://www.birminghammail.co.uk/news/midlands-news/russian-squad-sent-assassinate-ukraine-23255714

 ちなみに、元チェチェン兵たちはウクライナ側にもいる

アノニマスハッキング状況はこちhttps://twitter.com/youranontv ほんとかどうか知らんが、結構な成果を上げていると主張

ウクライナに進行中のロシア軍12万人の個人情報流出 https://www.pravda.com.ua/news/2022/03/1/7327081/ または https://www.pravda.com.ua/eng/news/2022/03/1/7327081/

ロシア各地では反戦抗議運動が千人規模だけど繰り返し続けられていて、小さな子供逮捕されたりしている

ロシア起業家が100万ドル懸賞金をプーチンにかけた(元はfacebook投稿、今は見れない)

捕虜になったロシア兵が家族電話したり尋問されている姿が大量にSNSに上がっている

欧米ニュース機関ウクライナ情勢くわしいのは(どこも日本報道機関より詳しいが)個人的にはGurdianかなと思う

取り急ぎこんな感じになります

真偽は各自判断してください

・開戦から8万人ほどが海外からウクライナ帰国した(ほぼ男性

・バビ・ヤールもしくはその近くが空爆された

2021-12-16

anond:20211214092602

当時の状況をよく知らないんだけど、信忠軍団美濃尾張勢ってどこにいたの?

河尻同様、東に残してきたの?

どうして最精鋭部隊嫡男から離してしまったのか、よくわからない。

2021-08-09

世界大戦争芸術

世界大戦争芸術

1.アウステルリッツの戦い

 西暦1805年冬、ナポレオン率いるフランス大陸軍六万と、ロシアオーストリア連合軍八万がウィーン近郊のアウステルリッツプラッツェン高地西方で激突した。

 フランス軍は当時のロシア軍に対し数的劣勢であったことに加え、アウステルリッツにおいて最重要拠点であるプラッツェン高地ロシア軍に占拠されていたため(一時はフランス軍によって占拠されていたものの、明け渡された)、当時フランス軍にとって有利な状況は何一つ存在していなかった。その上、アウステルリッツ南北双方からは敵増援が到着しつつあり、これら増援ロシア軍が合流を果たせばフランス軍には万に一つの勝ち目も無かった。

 このことからナポレオンは開戦直前に停戦交渉を行う。

 しか連合軍は数的優勢、土壇場になって停戦交渉に打って出たナポレオン弱腰さらには戦場における最重要拠点であるプラッツェン高地を手中に収めていることを鑑み、勝機ありと見た末に停戦交渉を撥ね退け、フランス軍との大規模会戦に打って出たのである。それらが全てナポレオンの張り巡らせた罠であるとも知らずに。


 1805年12月2日、戦端はロシア軍の先制攻撃によって開かれる。プラッツェン高地南方にて、フランス右翼の守るテルニッツ村が攻撃を受けた。

 当時の布陣図によれば、フランス右翼は極めて脆弱であり、ロシア軍はそこを弱点と見做し自軍左翼のブクスホーデン軍を急行させたのである南北に伸びたプラッツェン高地から出撃したブクスホーデン軍によって、フランス右翼陣地はあわや撃滅されようとしていた。右翼が壊滅すれば突破したロシア軍はフランス軍後方へと迂回し、中央フランス主力部隊挟撃することができる。そうなればフランス軍は終わりである

 しかし、まさにその瞬間に――ブクスホーデン軍がプラッツェン高地から、地上のフランス右翼へと殺到し始めた瞬間に――ナポレオン勝利確信したのである


「もしも、ロシア軍が右翼へ向かうべくプラッツェン高地を離れたなら、彼らは確実に敗北するだろう」  - ナポレオン

 フランス右翼は囮であった。ナポレオンの狙いは、ロシア左翼フランス右翼攻撃するために進撃を開始した瞬間に、手薄になった中央プラッツェン高地を集中攻撃することにあった。

 これによって、重要拠点であるプラッツェン高地ロシアから奪回し、戦場の主導権を我が物にしようとしたのであるさらに、アウステルリッツ会戦当日にはプラッツェン高地周囲の森には深い霧が立ち込めており、この霧の存在ナポレオン企図を助けることとなった。

 ロシア左翼プラッツェン高地から出撃して間もなく、スルト元帥麾下の第四軍団14000がプラッツェン高地中央部を急襲し、霧の中突如として現れたフランス軍を前に、ロシア中央は総崩れとなる。また、脆弱だった筈のフランス右翼も、ダヴ―元帥麾下7000の部隊が後方都市から到着したことで、数的劣勢を克服し、戦況を盛り返しつつあった。

(開戦前日にダヴ―麾下7000の部隊は密かに戦場へと到達すると、言わば伏兵として右翼後方に待機していた)

 やがて激烈なフランス軍主力の攻撃により、ロシア中央は壊走を始め、プラッツェン高地フランス軍により奪回された。同時に、フランス右翼攻撃のためにプラッツェン高地から地上へと降り立っていたロシア左翼は、敵陣の中孤立することとなり、戦局はここに決したのであった。


 ロシア軍は戦端を開こうとせず、増援の到着を待ち戦力を増強しさえすれば、少なくともフランス軍との直接対決において敗北を喫することは無かったであろう。

 しかし、ナポレオンはその裏を掻いたのである。彼はロシア軍が友軍と合流する前に会戦の火蓋を切って落とし、大規模な会戦に持ち込むことで、いち早く敵軍主力を撃滅することを画策したのだ。そのために、敢えて戦力劣勢を露呈し、戦場の最重要拠点を敵軍へと譲り、尚且つ弱気姿勢を見せるために仮初の停戦交渉さえして見せたのである。とどめには、勝機に逸るロシア軍の中央攻撃するために、敢えて右翼の布陣を脆弱にするという周到さであった。それら全ての罠がロシア軍の判断能力を奪い、かくしてロシア連合軍八万はアウステルリッツの地にて壊滅したのだ。

 かの有名な書物戦争論』の中で、著者であるプロイセン将校クラウゼヴィッツはこの戦いを次の言葉概括している。 「戦争芸術の粋」。


2.カンナエの戦い

 紀元前219年、遥かアフリカ北端国家カルタゴ将軍ハンニバルは、当時世界最大の強国であった共和制ローマ相手取り絶望的な戦いを挑んでいた。

 その絶望的な戦況を好転させるため、ハンニバルは自ら率いた精鋭部隊スペインからアルプス地方へと経由させることで、ローマの中枢であるイタリア半島本土に対し直接攻撃を仕掛けたのである

 最終的に、ハンニバルイタリア半島に十年間留まり、その間絶えずローマ軍に対する圧迫を続けた。その十年の戦いにおいて世界戦史上に燦然と煌めく、もっとも著名な戦いこそがカンナエの戦いである。


 ハンニバルアルプス山脈を越えイタリア北部に侵攻すると、次々と現れるローマ軍を待ち伏せや正面突破によって壊滅させ、イタリア半島南方へと進撃した。当時、快進撃を続けるハンニバルは数万の軍隊を維持するべく、イタリア半島各地で略奪を行っており、農村を中心に甚大な被害が上がっていたこからローマ軍首脳のストレスピークに達していた。更に、イタリア半島南部においてはローマ軍の補給基地存在しており、そこをハンニバルに抑えられるとローマ軍は南イタリアでの行動を制限される可能性があった。そのため、ローマ首脳陣はカルタゴ軍を撃滅するべくローマ史上最大規模の部隊を編成し、約八万の軍を執政官パウルスとウァロに指揮させた。この時、決戦の地に選ばれたのがイタリア南方カンナエである

 決戦の舞台となったカンナエは、川と丘陵地帯に挟まれた地形であり、カルタゴ軍約五万とローマ軍七万は平原ほとんど埋めるように布陣し、正面からかい合った。

 両軍は双方ともに両翼に騎兵部隊を、中央歩兵部隊を配置しており、いかにも窮屈そうな陣形であった。

 しかし、この人馬が埋め尽くす不自由戦場は、後に分かる通り、ハンニバルの用意した殺戮舞台としてはうってつけのものでさえあった。


 戦端は両翼の騎兵部隊同士の衝突によって開かれる。

 ローマカルタゴ双方の騎兵隊は、狭い地形において機動戦法を取ることができず、正面からぶつかった。

 歩兵戦力ではローマカルタゴで比べるべくもない数的差(6万強:4万)が開いていたが、騎兵の質、量においてはカルタゴ軍がローマ軍を上回っており(6500:1万)、カルタゴ軍は開戦から僅かな間に、左翼での騎兵部隊戦闘において優勢に立っていた。単純な数的有利から繰り出される圧力と、また練度の違いによりローマ騎兵は瞬く間に圧迫され、その算を乱していった。


 一方歩兵部隊における戦力差は繰り返すように圧倒的であり、歩兵同士の戦闘に限ってはカルタゴ軍がローマ軍に勝利する公算は無かった。

 そのため、ハンニバルは一計を案じた。

 ハンニバルカルタゴ歩兵陣形をお椀のように変形させ、その弧を描いた部分をローマ中央歩兵部隊と接敵するようにしたのである。これによって接敵する面積をできるだけ減らし、中央突破されるまでの時間を稼ごうとしたのだ。ハンニバル歩兵同士の戦闘をできるだけ遅滞させ、両翼の騎兵部隊が優勢に立つのを待った。

 また、ハンニバルはお椀型をしていた陣形を、戦闘が推移するに従って屈伸させ後退させた。当初の形(お椀の底の部分が接敵する形)とは逆に、ローマ軍の大半をお椀の中へと誘い込んだのであるさらに、ハンニバルは温存していた自軍左右の重装歩兵ローマ軍へと攻撃させ、ローマ歩兵挟撃される形を築こうとした。

 とは言えこの時点ではカルタゴ軍によるローマ軍への包囲は決定的ではなく、ローマ軍は歩兵戦闘において依然優勢な状況にあった。そのためローマ軍は、優勢な戦況を継続し、カルタゴ中央突破することで戦局を優位に進めようとした。


 ところがその時、歩兵部隊の両翼で戦闘を行っていたカルタゴ騎兵が、歩兵同士の戦闘に加わったのである

 戦端より優勢を維持していたカルタゴ騎兵は、ローマ騎兵を壊滅させた後に、敵歩兵部隊無防備な背後を攻撃した。左右を川と丘陵に囲まれ陣形の狭さ故に、ローマ騎兵有効回避機動を取ることができず、瞬く間にカルタゴ騎兵によって殲滅されたのであった。

 ただでさえカルタゴ軍に包囲されかかっていたローマ軍は、後方から攻撃を受けることによって決定的な混乱を迎えた。周囲を完全に包囲されたローマ軍は逃げ惑い、歩兵中央部では逃げ惑う味方の身体に押されて圧死する者も現れたという。

 この戦いによってローマ軍7万の部隊は完全に壊滅し、6万人が死傷、また、残る1万人は捕虜となった。


 地形を有効に利用し、敵軍を機能不全に陥らせ包囲殲滅する戦法は、いわばハンニバルの御家芸であった。

 機動部隊同士の戦闘を優勢に進め、敵軍を包囲殲滅するこの戦法が、以降近現代軍事教本に取り上げられ、カンナエの戦いのハンニバルに帰する栄光が不動のものとなったことはあまりにも有名であるハンニバルイタリアの地にてローマ軍を完全に破った。この戦闘によって、当初戦闘に参加していた元老院議員政治家八十名が戦死し、議員定員約300名のローマ議会における四分の一が戦死することとなる。


 続く:anond:20210809041010

2021-07-07

圧倒的な戦力差にも関わらず勝利善戦した戦い

 戦力差が10倍以上のもののみ取り上げています。随時更新中 ★は(戦術的)勝者側  

 多くのコメントブクマありがとうございます。 コメントで私が知らなかった戦いについて教えてくださった方ありがとうございますhttps://anond.hatelabo.jp/20210708183653こちらも参照ください

古代

テルモピレーの戦い

 B.C.480 ペルシア戦争 ギリシア軍7000vs★ペルシア軍30万以下

 スパルタレオニダス指揮下のギリシア連合軍ペルシア軍の大軍と激突した。狭い地形を活かし、3日間の激戦を繰り広げるが、背後から攻撃され敗北した。この戦いでギリシア軍は1000人、ペルシア軍は2万人の兵士を失った。

 参考作品「300(ザック・スナイダー監督)」

・彭城の戦い 

 B.C205 楚漢戦争 ★楚3万vs漢56万

 漢軍が彭城を制圧した事を知った項羽精鋭部隊を率いて漢軍を襲撃した。攻略成功したことから油断し、酒宴に明け暮れた漢軍は突然の事態太刀打ちできず20万人以上が戦死した。

昆陽の戦い

 23年 ★緑林軍1万vs新43万

 劉秀率いる緑林軍が新軍に包囲される。劉秀は脱出し、外側から新軍を襲撃して壊滅させた。

・ワトリング街道の戦い

 60年 ★ローマ軍1万vsブリタニア23

 ブーディカ女王率いるケルト人ローマ支配に対して反乱を起こした。ローマ軍は反乱軍を狭いワトリング街道に誘い込み、これを破った。ローマ軍の死傷者はわずか400人であったのに対し、反乱軍の死傷者は8万人であった。

・博望坡の戦い

 203年 三国時代 劉備軍4000vs曹操12

 劉備軍と曹操軍が宛で対峙する。劉備撤退したと見せかけ、誘われた夏侯惇撃破した。李典の援軍が来るとみた劉備は兵を引き、曹操軍も撤退した。

淝水の戦い

 383年 五胡十六国時代 ★東晋軍8万5千vs前秦軍117万

 華北統一成功した前秦東晋征服のために大軍派遣する。前秦軍は敵軍を誘うため、先鋒を退却させる作戦をとるが、兵が混乱して退却を止めなかったため、そこを突かれて敗北した。

中世

・チェラーミの戦い 

 1063年 ★ノルマン軍136vsムスリム5300

 アラブ人支配下にあったシチリアにルッジェーロ1世率いるノルマン人が侵入イスラム教徒撃退した。アラブ軍は戦力の7割を失ったとされる。

・黄天蕩の戦い

 1130年 宋金戦争 ★南宋8000vs金10万 

 韓世忠とその妻梁紅玉率いる南宋軍が金軍を打ち破り、2万5000人を討ち取った。

志度合戦

 1185年 治承・寿永の乱 ★源氏80vs平氏1000

 屋島で破れ、志度寺に立て籠もった平氏源義経が追撃した。平氏大軍が後に続くとみて敗走した。

・下赤坂城の戦い

 1331年 元弘の乱 楠木軍500vs★鎌倉幕府1万

 楠木正成は下赤坂城に籠城し、幕府の包囲にゲリラ戦で1ヶ月以上抵抗した。城は陥落したものの、幕府楠木正成護良親王を討ち損ねた。

千早城の戦い

 1333年 元弘の乱 ★楠木軍1000vs鎌倉幕府2万5000

 千早城に立て籠もった楠木軍は幕府軍に包囲されるも、3ヶ月に渡って抵抗した。気が緩んだところを奇襲するなどの奇策で消耗した幕府軍は攻略を諦め、撤退した。

・船上山の戦い

 1333年 元弘の乱 ★後醍醐天皇軍150vs鎌倉幕府3000

 後醍醐天皇隠岐の島から脱出すると伯耆国武将名和長年挙兵し、隠岐守護佐々木氏攻撃した。名和軍は数百の軍旗を見せつけて威嚇する、暴風雨に乗じて攻撃するなどの戦法で幕府軍を破った。

応永の外寇

 1419年 ★対馬国600vs李氏朝鮮1万7000

 倭寇に悩まされた朝鮮はその本拠地と見なした対馬へ討伐軍を派遣するが、宗氏の抵抗に遭い撤退する。対馬側は100~200人、朝鮮軍は3000人ほどが戦死した。

ビルスの戦い

 1444年 旧チューリッヒ戦争 スイス軍1500vs★フランス軍3万~4万

 スイス軍チューリッヒを包囲したことにより、フランス戦争突入した。スイス軍は数で勝るフランス軍死闘の末に壊滅するが、フランス軍2000人の損害を被った。この戦いによりスイス人の勇敢さがヨーロッパ各地に知れ渡った。

土木の変

 1449年 ★オイラト軍3万vs明軍50万

 明の正統帝は自ら大軍を率いて、オイラトの征伐に向かう。しかし、食料配達の困難や大雨により明軍は士気が低下しており、そこをオイラトに奇襲された。明軍はほぼ全滅し、皇帝捕虜となった。

近世

九頭竜川の戦い

 1506年 戦国時代 ★朝倉軍1万5000vs一向宗30万

 越前制圧を目論む一向宗朝倉軍が九頭竜川を挟んで対峙朝倉軍は夜襲により一向宗撃退した。

セントラの戦い

 1519年 スペインメキシコ征服 ★スペイン軍410vsマヤ軍1万~4万

 征服コルテス率いるスペイン軍がマヤ大軍交戦マヤ軍はスペイン人の軍馬に恐れをなして敗北した。スペイン軍の犠牲わずか2名だが、マヤ軍は800の犠牲を出した。この戦いでコルテスは後の妻にして翻訳者としてアステカ征服に貢献するインディオ女性マリンチェを得た。

・オツンバの戦い

 1520年 スペインメキシコ征服 ★スペイン・トラスカ連合軍 7~800人vsアステカ軍4万

 アステカ軍はスペイン軍の侵略を一度退けることに成功した。その後、大軍を率いて追い打ちを試みる。しかし、初めて見る軍馬威力に恐れ戦き、指揮官を含む大勢戦死したため敗走した。この戦いの後コルテスはアステカを滅ぼした。

・プナの戦い

 1531年 スペインペルー征服 ★スペイン軍168vsプナ先住民3000

 スペイン軍がインカ帝国征服へ向かう途中、プナ島で先住民交戦するが、銃と馬の威力でこれを打ち破る。

・ディーウ包囲戦

 1538年 オスマンポルトガル戦争 ★ポルトガル軍600vsオスマン・クジャラー連合軍2万2000

 ポルトガル軍が連合軍に包囲されるも、3ヶ月の籠城戦の末にこれを退けた。ポルトガル軍の死傷者は40名に対し、連合軍の死傷者は3000名。

・スィゲトヴァール包囲戦

 1566年 ハンガリー軍2000~3000vs★オスマン10万~30万

 ウィーン遠征へ向かうトルコ軍クロアチア総督リンスキ率いるハンガリー軍を包囲。1ヶ月にも及ぶ激戦の末に防衛軍ほとんど全滅したが、トルコ軍にも2万人の犠牲者が出た上、スレイマン1世が陣没したため、撤退余儀なくされた。リシュリューはこの戦いを「文明が救われた戦い」と称えた。

今山の戦い

 1570年 戦国時代 ★龍造寺軍5000vs大友軍6万~8万

 佐賀城に籠城した竜造寺隆信を大友宗麟率いる大軍が包囲する。攻防戦は4ヶ月にも及び、落城は目前に迫ったが、大友軍が勝利確信して宴を催したところを奇襲し、これを破った。

木崎原の戦い 

 1572年 戦国時代 ★島津軍300vs伊東軍3000

 島津軍は数で勝る伊東軍を伏兵に背後を突かせることで破った。島津軍は275人が犠牲となったが、伊東軍は指揮官伊東祐安含む800人以上が戦死した。この戦いは後の島津軍の戦いにおいて参考にされ、九州制覇に貢献した。

信長第一回雑賀攻め

 1577年 戦国時代 雑賀衆2000vs織田10

 信長石山本願寺に味方する雑賀衆の討伐を試みるが、雑賀衆は1ヶ月にも及ぶゲリラ戦でこれを退け、両者の間に和睦が成立した。

天目山の戦い

 1582年 戦国時代甲州征伐 武田軍43vs★織田軍3000~4000

 織田軍に追い詰められた武田軍の最後の戦い。武田軍は奮戦虚しく壊滅し、武田勝頼は自害したが、織田軍にも900人近い死傷者が出た。

・沖田綴の戦い

 1584年 戦国時代 ★島津有馬連合軍6000vs龍造寺軍6万

 連合軍は数で勝る龍造寺軍を釣り野伏せで破った。この戦いで総大将竜造寺隆信は戦死した。

・岩屋城の戦い

 1586年 戦国時代 高橋軍763vs★島津軍2万~5万

 島津軍は筑前を攻めた際、高橋軍の籠城する岩屋城を攻略した。高橋軍は講話提案にも応じず、激戦の末に全滅した。島津軍は4500以上の死傷者を出した。

忍城の戦い

 1590年 戦国時代小田原攻め 成田2000vs★豊臣軍2万~5万

 石田三成ら率いる大軍忍城を包囲し、水攻めを行うも、成田軍はそれに耐え、北条氏が滅亡した後に降伏した。 

四川の戦い

 1597年 慶長の役 ★島津2000vs明・朝鮮連合軍10

 島津義弘率いる日本軍が明軍に包囲されるも、これを返り討ちにした。日本軍の勝因として、鉄砲使用したこと、明軍の食料庫を焼くことで短期決戦に持ち込んだこと、連合軍の統制がとれなかった上に圧倒的な兵力差故に慢心していたことが挙げられる。

田辺城の戦い

 1600年 戦国時代 東軍500vs★西軍1万5000

 田辺城に立て籠もった東軍西軍が包囲するが、東軍には文化人細川幽斎が居たため、西軍積極的な攻勢が出来ず、2ヶ月ほど釘付けになった。最後後陽成天皇の命で開城したが、西軍関ヶ原の戦いには間に合わなかった。

・第二次上田合戦

 1600年 戦国時代 西軍2500vs東軍3万8000

 関ヶ原へ向かう徳川秀忠指揮下の東軍真田昌幸率いる西軍交戦した。足止めを食らった東軍関ヶ原に間に合わなかった。

・リオ・サン・フアン・デ・ニカラグアの戦い

 1762年 七年戦争 ★スペイン100vsイギリス軍2000

 イギリス軍ニカラグア処女降誕要塞を包囲するが、スペイン軍は19歳の少女ラファエラ・エレーラの指揮下で奮戦し、砦を守り抜いた。

近代

アラモの戦い

 1836年 テキサス独立戦争 テキサス200vs★メキシコ軍4000

 当時メキシコ領であったテキサス移住したアメリカ人メキシコに対して反乱を起こした。アラモ砦に籠城したテキサス軍はメキシコ軍の包囲に対し13日間持ちこたえた末に全滅した。

 参考作品アラモジョン・ウェイン監督)」

・雨花台攻略

 1862年 太平天国の乱 ★湘軍2万vs太平天国20

 湘軍によって要塞化された雨花台を太平天国軍が5ヶ月にわたって何度も攻撃するが、落とせず1万の兵力を失った後に攻略を諦めた。

・第二次サビーネ・パスの戦い

 1863年 南北戦争 ★南軍50vs北軍5000

 サビーネ湖とメキシコ湾を繋ぐサビーネ・パス防衛する南軍北軍攻撃を受けるも、これを撃退する。北軍100名が死傷し、350名が捕らえられた。

カマロンの戦い

 1863年 ナポレオン三世メキシコ出兵 フランス外国人部隊65vs★メキシコ2000

 65名の外人部隊現金300万フラン輸送する部隊の護衛を任されていた。メキシコ軍の大軍の前に破れ、43名が戦死、19名が捕虜となったが、輸送部隊目的地へ現金を届ける事が出来た。

・ロルクズドリフトの戦い

 1879年 ズール戦争 ★イギリス軍150vsズールー軍3000~4000

 ロルクズドリフト伝道所跡に築かれたイギリス軍の砦をズールー族の大軍が襲う。イギリス軍は2日間の激戦に勝利し、ズールー軍は800名以上の死傷者を出した。

・アブ・クレアの戦い

 1885年 マフディーの乱 ★イギリス軍1100vsマフディー軍1万2000

 ゴードン将軍の救出に向かうイギリス軍とマフディー軍が激突し、マフディー軍は1100人の死傷者を出して敗北した。

・アブ・クルの戦い

 1885年 マフディーの乱 ★イギリス軍1200vsマフディー軍1万4000

 ゴードン将軍の救助に向かうイギリス軍がマフディー軍と交戦し、勝利した。マフディー軍の損失は明らかではないが甚大であるとされる。

現代

盧溝橋事件

 1937年 日中戦争 ★日本軍5600vs中国軍10

 盧溝橋付近日本軍の夜間演習中に日本兵一人が行方不明になる。日本軍がこれを理由中国軍攻撃し、破った。この事件が熾烈な日中戦争きっかけとなった。

タラワの戦い

 1943年 太平洋戦争 日本軍2600vs★アメリカ軍3万5000

 タラワ環礁ベティオ島を防衛する海軍部隊アメリカ海兵隊が激突した。島は3日で陥落し、守備隊は玉砕したが、米軍も3000人が死傷し、軍への志願率が一時的に減少した。

・拉孟の戦い

 1944年 日中戦争 日本軍1300(うち傷病兵300)vs★中国軍2万

 日本軍中国軍が3ヶ月にわたって交戦し、日本軍が全滅した。中国軍8000人が死傷した。

・騰越の戦い

 1944年 日中戦争 日本軍2800vs★中国軍5万

 日本軍中国軍が3ヶ月にわたって交戦し、日本軍が全滅した。中国軍は2万人が死傷した。

アンガウルの戦い

 1944年 太平洋戦争 日本軍1250vs★アメリカ軍2万1000

 日本軍歩兵第59連隊第1大隊守備するアンガウル島をアメリカ軍第81歩兵師団攻略した。1ヶ月以上にも及ぶ激戦の末に日本軍玉砕したが、米軍2000人死傷した。

 参考作品英霊の絶叫(船坂弘著)」

・一江山島戦役

 1955年 第二次国共内戦 国民党軍700vs★共産党軍7000

 人民解放軍が一江山島に侵入、2日で占領した。台湾軍は全員が戦死するか、捕虜となったが、解放軍にも2000人の死傷者が出た。

・ロングタンの戦い

 1966年 ベトナム戦争 ★オーストラリア軍108vsベトコン2500

 ベトコンオーストラリア軍を襲撃するも、撃退された。オーストラリア軍は42名、ベトコンは600名が死傷し、双方が勝利を主張した。

 参考作品デンジャー・クロース 極限着弾(クリフ・ステンダーズ監督)」

・ロンゲワラの戦い

 1971年 第三次印パ戦争 ★インド軍120vsパキスタン軍2000

 ラジャタンのロンゲワラ村でパキスタン軍インド軍守備隊が交戦インド軍航空機支援を得て、パキスタン軍を破った。パキスタン軍の死者200名に対し、インド軍の死者は2名ほどであった

モガディシュ戦闘

 1993年 ソマリア内戦 ★多国籍軍160vsソマリア民兵2000

 アメリカマレーシアパキスタンからなる多国籍軍が、民兵リーダーであるアイディード将軍の側近二人を逮捕すべく派遣され、民兵交戦状態になった。民兵は数百人が死傷し、多国籍軍目的を達成したが、100名以上が死傷した。

 参考作品ブラックホーク・ダウン(リドリー・スコット監督)」

  

 

2021-02-09

謎はどこにいくのか

映画を見た。詳しいタイトルを挙げるとネタバレに繋がるのでぼかすが、2010年代前半に作られたミステリもので、犯人40代の男。

動機70年代に未解決のまま終わった事件黒幕を捜し出し、復讐すること。男の父親事件によって殺されていた。

こういう物語は、どんどん減っていくんだろうなと思う。

昔を生きていた人間が年老いて死んでゆけば、過去犯罪因縁に持つ犯人は減っていく。私が見た映画だって舞台現在2021年)であれば成立し難い。犯人は50歳を超えているので、少なくともアクションシーンを少し削らなければ。

公的組織不透明さ、捜索技術の不足、それによって生み出されるわだかまりだとか未解決事件というのは、時が進むにつれ減っている筈だ。

根拠として示せるもの特にない。映画を1本見た素人の所感なので。

ミステリーの舞台事件現場から建物の中へと移っている気がする。(※示せるもの以下略

警察は本当にそんな部署を抱えているの?と言いたくなるような分析組織監視カメラ映像前科者のデータが壁一面に映し出されていて、監禁場所特定する凄腕ハッカーなんかがいる精鋭部隊)が舞台ドラマをいくつか見た。

最新の電子技術を使った捜索、脳や精神研究者活躍するミステリー。

犯人行方、身元が技術進化によって「謎」でなくなりつつある今、ミステリーは新たな「謎」を求めてより未知の領域へと足をふみこもうとしている。(※素人以下略しかし移り変わる先はともかく、昔の推理小説を読んでいたら、「そんなの監視カメラを辿ればいいんじゃない」と思うことが偶にあることから分かるように、過去の題材は、進歩した現在で「謎」になり得ないことがままある。)

ずっと昔、今では義務教育で習う出来事を誰も知らなかった時代、ただの自然現象は「謎」であり「魔法」、「奇跡」、「神の仕業」であった。

それが次第に解き明かされていくと、今度は人間の行動に焦点をあて、物語の謎とした。

次は機械進化人間の未知の領域へ。

じゃあその次は?それらは今現在有名な推理小説作家作品と並べられるだろうか。

大昔の謎からまれ物語神話伝説とされミステリーとは並ばないように、私達が今楽しんでいる小説ドラマ映画も、無知人間が描いた娯楽作品とされる日が来るかもしれない。

過去迷宮入りした事件を最新(2010年代)のテクノロジーを利用して暴いていく犯人を見ながら、ぼんやりとそう思った。

別にミステリーに詳しいという訳でもない。

本当に素人の考え。

2020-09-12

anond:20200912183729

本当に体力が要らないような設定だったら

ローゼンリッターみたいな白兵戦精鋭部隊存在しないよね。

2020-06-22

anond:20200622142827

だよ

丸腰の国民の前では勇ましいけど敵とは戦わないやつがネトウヨの定義から

精鋭部隊に属していて剣道柔道を極めていても戦わなければネトウヨ

2020-03-08

YellowishPinkさんによる安倍政権まとめ

YellowishPinkさんによる安倍政権まとめ

https://twitter.com/pink_yellowish/status/1057925168406773761?s=20

安倍政権第2次安倍内閣以降)

■■主な出来事不祥事■■

2012年

自民党憲法改正草案発表

第2次安倍内閣発足

2013年

アベノミクス発表

TPP交渉参加(自民党公約違反

東京五輪決定

安倍首相アンダーコントロール発言

特定秘密保護法強行採決

2014年

消費税8%引き上げ

集団的自衛権行使容認強行採決

小渕優子経産相政治資金規正法違反辞任

松島みどり法相うちわ配布辞任

□第3次安倍内閣発足

2015年

道徳教育の教科化決定

日本年金機構個人情報125万件流出

安全保障関連法強行採決

2016年

マイナンバー制度開始

●甘利大臣UR口利き疑惑

自衛隊南スーダンPKO駆け付け警護

2017年

●森友問題

首相関係していれば辞める」発言

今村雅弘復興不適切発言辞任

加計問題

共謀罪強行採決

自衛隊日報隠し稲田防衛相辞任

伊藤詩織さん事件山口敬之氏不起訴

2018年

スパコン開発助成金詐欺事件

働き方改革裁量労働制不適切データ

●森友問題公文書改ざん発覚

公文書改ざん問題財務省職員自殺

前川喜平次官の授業に文科省が介入

イラク派遣自衛隊日報隠し発覚

福田淳一財務次官セクハラ疑惑

働き方改革関連法案強行採決

2018年続き】

西日本豪雨中に赤坂自民亭で宴会

参議院6増の改正公職選挙法強行採決

杉田水脈LGBT生産性がない発言

カジノ法案強行採決

●省庁の障害者雇用水増し発覚

台風21号被災直後首相総裁選支援者会合

北海道地震直後首相虎ノ門ニュース出演

総裁選石破派議員恫喝

2018年続き】

□第4次安倍改造内閣発足

麻生大臣の留任と居直り

柴山文科相教育勅語発言

首相自衛隊観閲式改憲に意欲

高市早苗議運委員長が国会改革案提出

宮腰光寛沖縄北方相の政治資金使途不明

国交相辺野古埋立承認撤回の効力停止

片山さつき大臣口利き政治献金疑惑

2018年続き】

平井大暴力団企業から献金

平井大選挙運動費用収支報告書に約700万円分の無宛名領収書61枚

吉川大臣 太陽光発電所を巡る詐欺事件口利き疑惑

片山さつき 書籍看板公職選挙法違反

片山さつき 収支報告書収入記載漏れ多数

片山さつき 事務所費架空計上疑惑

2018年続き】

片山さつき 暴力団交際から事務所無償提供秘書給与肩代わり

桜田五輪相 記者会見で知らない連発

桜田サイバーセキュリティ担当パソコン知らず世界拡散

入管法技能実習生失踪調査で集計ミス

●森友問題 近財職員体調不良理由で出廷拒否

麻生大臣「人の税金発言

2018年続き】

後藤田衆院議員 結婚詐欺民事訴訟を起こされる

下村博文文科相 霊能力から献金

出入国管理強行採決

水道民営化強行採決

片山さつき 公選法違反疑惑

辺野古撤回効力停止 手続き違法行為

辺野古基地 埋め立て土砂強行投入開始

2018年続き】

国税庁委託先がマイナンバー個人情報70万件漏えい

韓国海レーダー照射事件

商業捕鯨再開の為IWC脱退 世界から批判

自民平沢衆院議員LGBTばかりになったら国はつぶれる

2019年

安倍首相 NHK日曜討論辺野古サンゴ移植発言

厚労省 勤労統計で長年問題隠し

2019年続き】

JOC竹田会長 五輪招致汚職関与容疑

宮崎政久 辺野古県民投票不参加呼びかけ

厚労省 勤労統計不適切調査

アベノミクス偽装 基幹統計の約半数に間違い

2018年実質賃金 実際は大幅マイナス

麻生大臣子供を産まなかった方が問題

片山さつき 公設秘書2千万口利き疑惑

2019年続き】

首相官邸 特定記者望月記者)を問題視する文書提出

●国の借金 初の1100兆円超え 国民1人当871万円

杉田水脈 阪大教授らに名誉毀損提訴される

安倍首相自衛隊募集都道府県6割以上が協力拒否」実際は9割協力

政府統計 2018年1月から日雇労働者120万人外賃金操作

2019年続き】

桜田五輪相がっかり 下火にならないか心配

橋本聖子五輪神様

日銀黒田総裁 統計不正加担疑惑

田畑衆院議員 交際女性への準強制性交盗撮容疑で離党

伊吹衆議院議長問題にならないようにやらな駄目」

●菅官房長官 望月衣塑子記者質問回答拒否

2019年続き】

辺野古県民投票 反対7割超の民意無視 埋立続行

●岩屋防衛相沖縄には沖縄の国には国の民主主義がある」

総務省統計委員長国会に協力しない」無断で文書作成

文化庁 DL違法化 賛成意見水増し

●横畠法制局長官 国会政治的発言

東京入管 容態悪化男性医療措置取らず

2019年続き】

JOC竹田会長 汚職容疑退任表明

防衛省距離巡航ミサイル開発方針決定

辺野古ボーリング調査 深度90mサンプル採取せず

沖縄ジュゴン3頭中1頭死亡 2頭は辺野古着工後行方不明

武田厚労省課長 韓国金浦空港職員暴行

●8%消費税増収分 社会保障使用16% 残り84%使途不明

2019年続き】

消費税8%据え置きの軽減税率食料品 政府指針で増税前値上げを推奨

エジプトシナイ半島活動する多国籍軍陸上自衛官派遣決定

塚田一郎国土交通相 下関北九州道路建設計画「私が忖度した」発言辞任

新元号「令和」に米NYタイムズ紙「Order and Peace命令平和)」

2019年続き】

●米WSJ社説 日本消費増税が「自傷行為」になるとの見解

韓国メディア 新1万円札の渋沢栄一を「収奪象徴」と批判

航空自衛隊F35戦闘機墜落事故

F35戦闘機報告書で未解決欠陥966100件以上は安全に関わる重大欠陥→政府100機追加購入

桜田大臣 問題発言連発で辞任

2019年続き】

●国場元自民党副幹事長 ダブル不倫疑惑

厚労省 70歳以上の厚生年金加入納付義務検討

日産ルノー統合案に経産省が阻止関与 仏紙報道

首相と省庁面談記録不存在 保存期間1年未満に設定

秋元環境副大臣 弁護士法違反疑惑

東電 廃炉作業特定技能外国人労働者受け入れ決定

2019年続き】

外交青書北方四島は日本帰属」削除

WTO逆転敗訴 政府の「日本産食品の科学安全性認められた」は虚偽説明

池袋暴走母子死亡事故 飯塚逮捕されず

日の丸掲揚と君が代斉唱に従わない教職員懲戒処分 国際労働機関ILO是正勧告

平成賃金 不正資料廃棄で8年分不明

2019年続き】

元号が令和となる

安倍首相 新元号「令和」決定関与発覚 露骨政治利用

厚労省無職専業主婦年金半額案を検討

経産省キャリア職員 覚醒剤使用現行犯逮捕 省内の机から注射器押収

自民党兵庫県谷口選挙期間当て逃げ 親族が身代わり出頭

2019年続き】

安倍首相桜を見る会」に公費5000万円 予算の3倍

自民 失言防止マニュアル作成

与党 国会予算委員会を長期審議拒否 なおも継続

政府統計 全体の6割強が不適切

与党 丸山穂高議員への議員辞職勧告決議案に反対

安倍首相サイバー攻撃受けただけで武力行使可能発言

2019年続き】

高プロ制度 開始1か月で適用者1人

●国が年金公助限界を認める 世代資産形成指針案作成

厚労省 妊婦加算の再開を検討

トランプ来日 過剰接待 大相撲ソファ土俵スリッパ 日米で批判

文科省職員 覚醒剤大麻所持の疑いで逮捕

桜田五輪相子供最低3人産んで」

2019年続き】

首相官邸 打ち合わせ記録一切作らず

●管官房長官「その発言だったら指しません」

北朝鮮 無条件会談目指す安倍首相に「厚かましい」

空自F35A 墜落原因究明の捜索打ち切り 飛行再開へ

根本厚労相 職場ハイヒール強制 容認発言

国連報告者が日本メディア独立性を懸念

2019年続き】

不法就労入管要請派遣会社社長「協力した」

人口自然減 初の40万人超 出生率3年連続減 出生数過去最少更新

防衛省 イージス配備ずさん調査「定規で測って計算した」

自民墨田区政務活動費1300万円横領容疑

自民 金融庁「老後2000万円」報告書 異例の撤回要求

2019年続き】

国家戦略特区 政府WG委員関連会社 提案から指導200万円

●老後2000万円必要根拠提示厚労省 麻生説明矛盾

安倍首相イラン訪問WSJ紙が厳しく批判

特区 ヒアリング隠蔽 内閣府が認める

非正規雇用者 10人中4人に増加 年収200万円未満75%

2019年続き】

●老後2000万円報告書質問への答弁控える」政府閣議決定

自民谷川衆院議員 選挙運動員に現金 公選法違反疑惑

●老後2000万円 首相激怒金融庁は大バカ者」

●森友文書財務省不開示 総務省審査会「違法で取り消すべき」

財務省 財政審の意見原案から年金水準低下」削除

2019年続き】

普天間基地周辺のPFOS汚染 政府公表せず

根本大臣非正規と言うな」厚労省に指示

自民 野党攻撃本を党内配布

自民党沖縄3議員 衆院選中に辺野古工事業者から献金

辺野古埋立土砂の受注額 国算定と一致 見積前に価格決定

自民 国会デモ規制検討

2019年続き】

●老後2900万円不足 経産省独自試算

●米WP北方領土「安倍首相の夢、ついえる」

大塚防災担当副大臣 新潟山形地震直後もホステス飲酒

国連特別報告者 日本メディア独立疑念への日本拒絶反応に「驚愕した」

自民二階氏「選挙やってくれたら予算つけるのは当たり前」

2019年続き】

安倍首相 大阪城エレベーター設置はミスG20発言

金融庁 老後2000万円報告書をまとめた担当局長が退任

総務省『過疎』の代替語を検討

●米WSJ日本

2018-11-30

anond:20181128232241

なぜ滿洲國がまだ残っているのか

ブコメとか読みつつ、だらだら考えて見る

満州国国体orリットン調査団活動史実と違う

みんな大好きレッドサンブラッククロス(アドテクノス版)の史実との分岐点

この後、ルーズベルトスキャンダルで再選断念に追い込まれたせいでアメリカ中立化したり、ノモンハン事件が日ソ限定戦争に拡大したりしたせいで、第二次世界大戦ドイツが早期にフランスイギリスソ連を倒して勝利

国際連盟を脱退せずに国際的孤立を避けられた日本日独防共協定を結ばず、盧溝橋事件回避し、国論が南進論と北進論に分裂してたけど独ソ不可侵条約を受けて対ソ戦を決意し、以下略インド亜大陸日独が戦う第三次世界大戦が行われるまでがゲーム

この後、樺太千島朝鮮半島台湾日本領土のままで、満州国も存続したまま、アジア警察官である日本ベトナム戦争の泥沼に引きずり込まれれて原爆使うところまで追い込まれるのが原作の展開。

太平洋戦争は起きてないが軍事負担の大きい日本がどんな国になっているかの判定は微妙だが、満鉄普通に存続してそう。

日中戦争が起きてない

b:id:Arturo_Ui 祖父満鉄勤務だった私も大陸育ちになったはず // 満洲国の存続には「日中戦争が起こらない」という前提が必要。日米の後ろ盾国民党政権樹立するも、毛沢東派のテロが延々と続き…という展開だったろうか。

たぶん西安事件(1936年12月)が起きず、蒋介石国共内戦を優先してるんでしょう。

コミンテルンの陰謀だった云々な人達の主張はどけとくと、盧溝橋事件(1937年7月)は偶発的な事件なので回避されたと考えてもそんなに変ではないはず。

蒋介石指導下の国民党政権は悪い意味中国的な駄目政権なんだけれども、それでも近代的な火器がある時代な以上、ちゃん支援があれば、国内軍閥を倒して統一するところまでは行けるはず。

史実での後ろ盾ドイツだったけど、まあドイツ外交がどう動くかは複雑怪奇なので、代わりに日米がいても不思議ではない(そうか?)。

そして軍閥を倒せても、やっぱり近代的な火器がある時代な以上、地方で暴れるゲリラテロを根絶するのは至難。ソ連国民党が手を結ぶ、的な超展開が起きない限りは毛沢東率いる中国共産党は元気に活動してそう。

当然、日米の武器輸出は絶好調ドル借款や円借款バンバン兵器を売り込んでるんでしょう、たぶん(これって疑似軍事ケインズ主義なのか?)。

満州国独立蒋介石承認するというのは厳しそうに思えるけど、一方で中国人の伝統思考としては長城の外側は化外の地から本当は満州国とかどうでも良かったはずだ論とかもたまに聞くので、なくはないんだろうか。

満州経営にどの程度アメリカ資本が参入してくるかは不明だけれども、満鉄普通に存続してそう。


日中戦争が早期に終了

b:id:akainan 盧溝橋事件後のトラウマン和平が成立している状態だとしたら中共は下されソ連との緊張が続くので、連合国の思惑によっては日本大正的な政党政治に戻り、結局満州インドのように地方自治から独立となってそう

レッドサンブラッククロス(アドテクノス版)の原案である高梨俊一先生も後日「でもあの時期の蒋介石政権日本戦争してないってのはちょっと無理あったよね」と言ってたはずでこっちの方が妥当か。

といっても和平が成立するということは、第二次上海事変(1937年8月)が起きてドイツ顧問指導下に育成された国府軍の最精鋭部隊野戦撃滅されたあとなので(でないと蒋介石妥協する理由がない)、講和威信が大幅低下する蒋介石指導力も大幅低下だろうしで、国共内戦がどう展開するかは割と予断を許さない気がする。

妄想的には華北撤兵抱き合わせ中華民国満州国の分離を認めさせる(≒満州国の国際承認)だとスッキリするけど、どうなんだろう

なんにせよ、この後、日独が接近すると史実に戻る気がするので、九ヵ国条約の枠組みに日本は復帰して国際協調路線のまま第二次世界大戦という名の第二次欧州大戦を迎えるんでしょう、たぶん。

当然、なんとなく大国のまま大戦終了を迎えた日本は、そのまま新たな国際秩序持組織でも常任理事国入り、満州国も原加盟国となり、満鉄普通に存続してそう。

2018-10-08

anond:20181008124657

そうやって軍人をのさばらせたら言論の自由がなくなって

最前線民間人自分らが押し出されて大した作戦もなく大量死して

んで最精鋭部隊本土決戦するのかと言えば連中は無条件降伏

それがわかったのがアジア・太平洋戦争です

2018-09-20

はてなは他のSNS掲示板に比べて濃縮されたイキリオタクが多いように“見える”

大衆化されてきたとはいえはてなはいまだにかなり偏ったコミュニティと言えるだろう。

はてなユーザー全体から見れば少数派になるのかもしれないが、200人のラノベ大好きイキリオタクブックマークすることで、どんなものでもはてなの人気記事に押し上げることができる。

はてなノイジーマイノリティが目立ちやす構造になっている。イキリオタクネット中毒なのでよく発言するし、一日中ネットをやっていたり活動的であるということもある。ユーザー数に比べて、人気記事ブックマーク数が少ないため、どうしてもノイジーマイノリティが目立ってしまう。たった200人のイキリオタクでも、力を合わせれば人気記事に押し上げることができ、自分たち多数派であるような主張が簡単にできてしまう。

ラノベを読むイキリオタクというのは中学校では1クラスに2、3人程度、高校では1、2人いるかどうか。大学以降はその割合さらに減るだろう。

しかネット、とくにはてなではそのイキリオタクが集合して一大勢力となっている。

現実社会では群れを成すことができないイキリオタクたちがネット社会では一大勢力となって、カルト化し、厄介な暴力集団となっている。

彼らの理屈はめちゃくちゃで、現実社会では「こいつ頭おかしい」とまったく相手にされることがない。しかネットではその頭おかしいイキリオタクが一大勢力となっているため、まるでまともな一つの意見であるかのように取り扱われ、いちいち議論になったり炎上したりする。

これはほんとに非生産的なことで、ネット社会の損失だ。しょうもないことで多くの人の時間を奪っている。現実社会でまともな人間はいちいちイキリオタク戯言になど構わない。そんなものコストを費やす価値はどこにもまったく存在しないからだ。

いろんな場所を見てきたが、ネット上でもとくにはてなはイキリオタクとしての精鋭部隊が集まっているように思う。その社会性のなさは圧倒的で、おそらく自分弱者だと信じて疑わないのも、人生がうまく行ってないからだろう。彼らの人生悲惨なのは事実であり、決して被害妄想などではないのだ。

ラノベを読むイキリオタクという反社会的厄介者をどう取り扱っていくか、これから問題になっていくだろう。

2018-06-14

anond:20180614152437

だよな

東大首席で出た財務官僚や

体力バリバリでケガを抱えて精鋭部隊の隊員らを指揮するのが安倍晋三とかすげえ笑う

2016-12-28

2017!あけおめ!冬アニメに迷ったらこれを見ようぜ!

http://anond.hatelabo.jp/20161227231344

↑なんか書いてくれって言われたから書くよ!!

去年は冬 http://anond.hatelabo.jp/20151220233500 と春 http://anond.hatelabo.jp/20160401000658 書いた。


ちなみに2016年ベストアニメは、僕だけがいない街落語、このすば、グリムガルふらいんぐうぃっち、リゼロ、ジョカゲ、モブサイコ91daysユーフォドリフユーリ、こんな感じ。

これにひっかかったら参考にしてくださいね。あとちなみに春アニメは進撃あるよ!ネット見る人はネタバレ防止で原作読んでおいたほうがいいぞ!


■期待大、見るしかない★★★★★

幼女戦記はい幼女第一世界対戦とか第二次世界大戦蹂躙跋扈する話だよ。ドイツだよ!なんというか、タイトルの割りにおっさんしか出てこないし、萌え成分はおそらく1%もないからそういうのは期待しては駄目。小説結構先までいってるんだけど、アニメでは塹壕戦が多い感じになるかなー。ああ、原作WEB小説。なろうではない。

気をつけてほしいのは、魔法がでてくるファンタジーちっく。少数精鋭部隊で飛んでいって敵兵殺していく。戦闘機の代わりに空を飛ぶと考えてくれれば。俗にいう俺ツエー系ではあるんだけど、まあそれだけで楽に勝てるほど戦争って甘くないよね。

監督はよく知らんが、ガイナ出身トップとかグレンラガンで描いてるらしいから期待したいね!!橋本敬史さんがエフェクトディレクター。爆発作画で有名な人で、君の名はガルパン劇場版まどか劇場版ジブリもやってる。戦争描写は凄いんじゃないでしょうか。音響監督岩浪美和さんだね磐石。声優大塚芳忠玄田哲章、みんな好きだろ?これは正直見て損はないと思うよー。


この素晴らしい世界に祝福を 二期ニコニコ生放送やるから、一期見ていない人はみるといい。異世界に転生するが、頭のおかしいやつらが繰り広げるコメディー。まあ、見てくれとしか。去年バカみたいに人気だった。


昭和元禄落語心中 二期落語!!地味!!だよね!!でも凄い面白い。一期は去年のアニメベスト3か5には入る。物語面白いし、雰囲気もしっかり作ってあるし、演技もいい。落語の芝居の演技見るだけでも価値があるよ。


■期待大きいよ!!★★★★☆星四つから四つ半

小林ドラゴン京アニ、よっぽどのことがなければ見る、原作評価はそこそこ高い?PVがらしくない。


リトルウィッチアカデミアトリガーだよ、監督吉成曜スーパーアニメーター。もともと映画なのかな?新作アニメでやるらしい。作画は凄そうだけど、面白いかは分からん映画王道ストーリーだったらしいから、大丈夫かな?


クズの本懐恋愛マンガです。ええとね。作画的には萌えだろうが、内容は全く萌えないよ!タイトルが示すとおり登場人物クズだったり、クズになろうとしてるやつだったり、色々。たぶんネットじゃ盛り上がると思うよ。

ああ、ほんまもんのドがつくクズではなくて、恋愛方面でのクズだったり、人間関係でのクズから、まあ、そこまで構えないでいいと思うよ。面白いよ!!中々あるもんじゃない。ああ、原作横槍メンゴだよ。ビビときただろ?


FATEGO→SNもHAもZERO空の境界原作アニメも全部見てるし、EXTRAは途中で挫折したが、、このソシャゲ挫折したが、見ようかなと。ストーリーもいいらしいね


■期待してるよ!!★★★☆☆星三つ半から四つ

テイルズオブゼスティリア→二期。ゲーム原作。物凄いどうしようもないストーリーだったのが、アニメでは変更されて凄い面白いとか。一期見てないんだよね。どっかネット見直し放送あれば、見るかも。二期も評判よければちゃんと時間とってみようかなって感じ。ゲームファンタジアとかエターニアとかディスティニーとかアビスやったよ。音楽よし、作画よし、ユーフォテーブルですよ。

青のエクソシスト→二期。これも面白いらしい一期が。ただこれもまだ一期見てないんだよね。これも考え中。

ACCAPV面白そう。マッドハウスだよ!!監督ワンパンマン、スペースダンディやってるね。警察もの

亜人は語りたい→原作ちょっと話題になってたね。

ガヴリールドロップアウト萌えアニメじゃこれが一番よさげ動画工房だし。原作評価高いみたい。


■一話か三話かとりあえず試すよ★★☆☆☆

ハンドシェイカー→PVで。Kのスタッフらしいから、そこまで期待してない。作画よし、音楽よし、演技よし、ストーリー以外よしみたいな。

セイレン→アマガミ会社の続編?的な?これはゲームからじゃなくて、アニメから始めるのかな?

Bang Dreamラブライブ的なしかけらしい。作画は凄いいいね


雑談

萌えアニメ難民はうらら迷路?ってやつも見ればいいんじゃない。俺も疲れて何も考えたくなくなったら見るかも。しれない。


ああああ、最近アニメ化発表されたのでうれしいのは、将国のアルタイルトルコ系の近代将軍お話で。軍事あり、経済戦争あり、諸々ある大河ドラマだよ!!

あと!!ボールルームへようこそ!!競技ダンスアニメ化ね!!やばい!!マンガまじで面白いよ。ダンスシーンの迫力がもう別格!!マンガ作画曽田正人さんっぽいんだよね。アシスタントでもやってたのかってくらい。制作会社どこだよー。ダンスアニメとか動いてなんぼだぞ。お金あるMAPPAとかだといいね

2016-11-15

蛇口をひねればコップ一杯の水だけど

何度も死線を、涙腺を、ある時は下水管さえくぐってきた精鋭部隊達だもんなぁ

2016-06-12

[]12:増田展望

 北の増田家(一)が謀略によってあっさり滅亡したことで増田家(四)は周囲から孤立した。

 さいわい増田家(八)が増田家(五)との戦いに集中していることは、いろいろな情報源から明らかになっている。

控えめにみつもっても二倍の国力差を埋めるべく、増田家は用意周到に戦いの準備を整えた。

 増田家(三)も戦の準備を着々と整え、戦う前に勝負は決まっている状態を作って南下をはじめた。

 なお、増田家(五)を増田家(八)と折半する戦略は、増田家(五)が好意的な態度を示していたこから否決された。

増田家(四)を併合して増田家(三)が圧倒的な存在になれば、増田家(五)は戦うまでもなく屈するはずだった。

 せいぜい、敵に滅ぼされない程度に耐えてくれていればよい。

 総兵力六万を号する増田軍は自慢の鯖街道を伝って一路、南進。国境を越えた増河のほとりで、

乾坤一擲迎撃作戦に出てきた増田軍二万五千と遭遇した。

背水の陣か……」

 増田家(三)の当主は遠眼鏡で敵陣を観察した。

 敵軍は増河が馬蹄形に屈曲した部分の内側に立てこもっており、カーブする上流と下流が約1kmまで最接近した部分に戦列を連ねていた。

 側面から攻撃は難しく、まずは正面から攻撃するしかない。その点では利に適っている。

 だが、すいすい背水の陣危険な戦法だ。兵は死力を尽くして戦うかもしれないが、負ければ河に退路を塞がれて壊滅は免れない。

この一戦に負ければ後がないとの増田家(四)の覚悟が伝わってくる。

 当主は足止め部隊を残して敵軍を無視して先に進む妄想をもてあそんだが、

ここは海岸へ向かう重要な渡河点の近くであり、足止め部隊が負ければ、背水の陣になるのは自分たちの方だ。

 敵がゲリラ戦に走らず、雁首そろえて出てきてくれたことを幸いとして、叩き潰すにしくはない。

 増田軍六万は敵軍の前に堂々と展開した。

 右翼には裏切りによって味方についた旧増田家(二)一門を中核とする増田勢、

中央にはもっとも頼りになる譜代勢、そして左翼には本領国人衆と北の傭兵軍団。

前衛には降伏直後で信用されていない旧増田(一)勢が配置された。

 秘蔵のカラトラヴァ騎士団は全軍の後方に配置され、名にしおう増田騎馬軍団の出現と、両翼部隊の万が一の裏切りに備えている。

戦闘正面が狭い問題をのぞけば万全の布陣だった。

それも旧増田(一)勢を使いつぶしにして波状攻撃しかけることで最終的には数の優位を活かせる算段だ。

 増田家(士)が増田家(十)攻めに使ったのと同類の戦法である

 一方、増田軍は二倍以上の敵を前にして多くの兵士脱糞を済ませていた。

おかげで、はらわた刃物にえぐられても感染症死ぬ可能性が低下した。大量のうんこも背水に排水できた。

 増河は赤く染まる前に茶色く染まった。

 下っ端には到底勝てると思えない状況なのだが、当主は泰然自若としていた。

それがブラフなのか、本当に秘策があるのかは、火蓋を切るまでわからない。

 戦いを先にしかけたのは劣勢の増田軍であった。すべての敵を視界におさめておきたい事情は彼らも同じだった。

激しく銅鑼をうちならし、一部の兵が増田前衛に突っ込んでくる。

昨日までの敵にむりやり戦わされている前衛部隊はそれでも勇敢な兵士たちであり、敵の攻撃を真っ向から受け止めた。

 しばしもみ合い両者が離れた時には、大地は両軍の血で汚されていた。

「追えーっ!」

 前衛部隊から誰かの声があがり先制攻撃しかけて来た敵を追う。釣られて六万にのぼる増田軍全体が動き出した。

 迎え撃つは増田軍の歩兵戦列。堅固に隊列をくみ、長柄の先をそろえた彼らは肝を据えて、馬蹄形陣地の栓になった。

なにせ背水の陣なのだ

 増田軍の第一波はおしかえされ、前衛指揮官は冷や汗を流しながら、まずは弓と投石で敵を崩そうとする。

飛道具で狙われた長柄兵は置き楯の後ろに隠れ、増田軍(四)の弓兵が応射する。

味方の支援の下に増田前衛突撃すると、矢の雨が止んだ一瞬をついて、長柄兵が再配置され敵を押し返す。

 その繰り返しは増田家(三)当主を苛立たせたが、確実に敵の体力を削っていった。

「両翼からも弓兵を寄騎にまわしてやれ!」

 噂の手銃がたくさんあれば……と当主は唇を噛んだ。

 いよいよ損耗が深刻になってきた増田軍の第一線は大量の矢を浴びながらやっと後退する。

だが、後退は交代であり、すぐ後ろには第二線の歩兵が穂先を連ねていた。

 しかも、第一線と二線の間には浅い溝が掘られていて、いきおいをえて突撃した増田前衛は転んだところを刺されて大損害を被った。

「下がらせよ」

 不機嫌そうに当主は言い捨て、こちらも前線にたつ部隊を変更させる。

両翼と中央から抽出させた精鋭部隊だ。さらに両翼の部隊には一部に増河をわたらせて敵の側面や背後に出るように命じた。

 直接攻撃するにはもう一度、河を渡らなければならないので実害を与えるのは難しいが、心理的に与える影響は大きい。

裏目に出て背水の陣意識を強めてしま可能性も含めて……。

もっと増田軍は敵の迂回を歓迎していないらしく、渡河部隊は岸にたどり着く直前に伏兵攻撃を受けた。

増田騎馬軍団だ!」

 増田軍の中から悲鳴があがる。川岸に展開した増田軍の騎兵は水中で身動きの取りにくい敵を、馬上から次々としとめて行った。

同じ騎兵相手をしようとしても武具が水を吸っていて分が悪い。何よりも渡河中で相互支援ができなかった。

 おかげで両翼での戦いも思うようには進展しない。

「ワタシたちが出ましょうか?」

 カラトラヴァ騎士団グランドマスダー、アトビーノは増田騎馬軍団の出現を受けて、当主に進言した。

「……しばし待て」

 増田騎馬軍団に河を渡ってくる力がなく、迎撃に専念するなら、突破力のあるカラトラヴァ騎士団中央での決め手として使いたい。

両翼にはせいぜい騎馬軍団を引きつけてもらおう。

 増田家の当主はそんな判断で両翼の渡河作戦を続行させたのだけど、それをみた増田家の当主わずかな焦りをみせた。

「やむをえぬ……我が自ら出るぞ。馬廻衆は続けぇ!!」

 彼は第二線の直後まで本陣を進めて、盛んに督戦した。

大将首だ!」

ヒャッハー!!」

恩賞は思いのママぞ~」

 著名なションベンタレ(魚類、別名タカノハダイ)の前立てを目撃した増田兵が戦場中央殺到する。

その先から屈強な怖いお兄さんたちに追い散らされても次々と新手が押し寄せてくる。

 血と泥と汗の渦、その中心に増田がいた。先に脱糞していなければ、脱糞していたかもしれない。

激闘は数刻の長さに感じられたが、実際には太陽ほとんど動いていなかった。

「御館様!これ以上は!!」

 敵を刺して折れた槍を捨て、太刀を抜いて馬廻りが叫んだ。

同士討ちの危険無視して弓矢が当主の近くまでびゅんびゅん飛んでくる。

「おのれ!ここまでか!?

 増田軍は第三線への切り替えをめざし、二度目の後退をはじめた。

「もらった!つっこめぇーーッ!!」

 敵が下がるのを知った増田当主中央譜代衆に命令をくだした。

最大の手柄は自分たちが収める。複数地域支配する家ならではの狡猾さが現れていた。

 下がる増田軍は一気に圧力を増やされ、今度は思ったところで踏みとどまれなかった。

後ろは河なのにずるずると下がり続けてしまう。それをみて、敵は嵩にかかって攻め立ててくる。

 もはや増田軍は風前の灯火。ついに殿をつづける当主を見捨てて、武具も脱ぎ捨て河を泳ぎ渡る兵士が出没しはじめた。

忠誠心の期待できない増田家(六)出身兵の行動だったが、動揺は増田軍全体に広がっていく。

「もうだめだぁ」

「お助けを」

 武器を捨てるもの、敵の慈悲にすがるもの戦意を失ったものパラパラと現れる。

「御館様、ここはお下がりください」

「敵の勢いが激しすぎます

 近侍の諫めに対して、増田当主正反対の行動で応えた。

「ここで生きながらえて意味があろうか。死中に活を得ん!」

 最前線に躍り出て、鞘を抜き放つと、太刀を陽の光にかざして叫ぶ。

「我こそは増田鎮北将軍なり!討って手柄とせよ!!」

 戦場が一瞬、鎮まり――どよめき立った。

「鎮北将軍だとぉ……!?

 敵の名乗りを聞いた増田当主は顔を歪めた。

鎮北将軍といえば、かつて増田家(六)の血筋東北支配に任じられた極めて高位の官職であり、

その権力増田家(三)の現支配領域全体におよんだ。

 増田家(六)の血筋を奪ったことで無理矢理名乗っているのであろうが、当主にとっては非常に不快である

頭の一部では挑発理解しつつも、兵をけしかけてしまう。

「あの僭称者の希望通りにせよ!首をとった者には一城、いや一国を授けるぞ!」

「「おおっ!!」」

 目前に高価な肉をぶら下げられて六万人が一人の殺害に心を合わせた。

まさに殺到が起こり、圧死者が敵味方に発生する。もはや人の津波である。汗の蒸気が霧になり、戦場を覆った。

ちょっと言い過ぎたか……?)

 自称鎮北将軍は鎧の中で冷や汗をかいた。

ちなみに戦場の喧噪の中で鎮北将軍は、ちんぽこ将軍と聞こえた。

 もはや六万人の大半が馬蹄型の内部に入り込み、隊列の入れ替えも難しい状況だった。

目端の利く指揮官は川沿いを走らせることで、敵の側面攻撃を狙った。

彼らが最初被害者になった。

 太鼓の乱打音を受けて対岸に配置されていた増田軍(四)投石機部隊偽装撤去、全力射撃を始めたのだ。

「せーの!」

 数十人が力をあわせて綱を引き下げると、腕木が旋回し、反対側にくくられた飛礫が高速で飛翔していく。

敵だらけなので狙いを付ける必要もない。ただ発射速度を優先して撃ちまくる。

綱を引くだけなら戦闘訓練なしの人材でも行える点も便利だった。

 増田軍は決戦のために領内の投石機をかき集めていた。新造もおこない三十メートルに一基の密度で砲台を築いている。

さらに吊り井楼まで投入され、一挙に高所にあがった精鋭弓兵が対岸の的を射まくった。

 増田兵が吹き飛び、苦悶の声をあげて倒れ、死体が折り重なっていく。射撃から逃れる遮蔽物といえば、その死体しかない。

 増河屈曲部は地獄絵図と化した。

バカ!?野戦あんものを準備できるはずが……ッ」

 増田家(三)の当主絶句する。ただ配置するだけではなく、偽装完璧とは信じられない。

最近の設置であれば動きを察知できたはずだ。自分たちの進撃路は完全に読まれていたと言うのか。

「やつは海から一日行程以上離れない。そして、ここの先には有名な漁港がある……」

 賭けに勝った増田家(四)当主はひとりごちた。長年にわたる地道な諜報活動のたまものであった。

東北で勝ち抜いたのが、以前から国境を接している増田であることが幸いした。

他の二家であれば、ここまでの情報は集められなかったはずだ。

 射程三百メートルを超える投石機の猛射撃によって増田軍はやむなく馬蹄型空間の中心に集められていった。

当初はひとりあたり六平方メートルあった空間が一平方メートルになってしまい、

武具や馬の存在を考えれば満足に体の向きを変えることさえできない。

本陣だけは馬廻りのスクラム空間が確保されていたが、押しつぶされるのも時間問題に思われた。

「ワレラが退路を切り開きもうす」

 アトビーグランドマスダーが当主に告げた。

「よし、いけ!」

 カラトラヴァ騎士団蝟集する味方を吹き飛ばして後方へ走った。

だが、そこには敵の視界外から長駆して進出してきた騎馬軍団が展開を終えていた。

本当の増田騎馬軍団だ。両翼に伏せていたのは増田軍(四)の騎兵にすぎない。内通者によって、その誤認は導かれていた。

 彼らは重騎兵との正面衝突をさけ、騎射でもっぱら馬を狙った。

卑怯者ガ!!」

「ふんっ、武士畜生と言われようが勝つことにござる」

 増田典厩は騎士の主張を鼻で笑う。彼らは戦場からの脱出を試みる敵をことごとく網に掛けていった。

 そうこうしている間にも増田軍本隊は末期状態に陥っており、三国出身者が混在しているせいで同士討ちさえ起こっていた。

「まて、拙者は増田軍だ」

「どの増田軍だ」

「味方だ」

「俺がどの軍か分かるのか」

増田軍だ!」

 もはやグダグダである。一部の兵士にいたっては自分空間を確保するためにあえて味方を殺傷していた。

「降れ!降れ!」

勝負はもう着いた」

 もっともな勧告が正面から聞こえてきて、傷つき疲れ果て恐怖のあまり脱糞した増田軍はついに武器放棄した。劇的な逆転であった。

 カラトラヴァ騎士団のみが何とか組織を維持して戦場離脱する。

 増田家(三)の当主三国の太守から一転、毎年サバ一年分の捨て扶持を与えられる身になった。

「おのれ!我が青ザリガニ大事に育てていることがバレるとは!!」

 ……そんなことは誰も知らなかった。

前回

http://anond.hatelabo.jp/20160611095343

次回

http://anond.hatelabo.jp/20160613121912

2016-06-11

http://anond.hatelabo.jp/20160611081253

仕事なので「そこまで言っちゃダメだろ」的な内容ではないと思うけど、それを毎日っていうのは相手を潰そうとしてるとしか考えられない。それで這い上がってくるものだけで精鋭部隊を作るような営業仕事でもなければ上役の性格が相当おかしい。社畜としての正しい態度はまず自分上司相談した上で、そのまとめ役の上司に届くまでエスカレーションしてもらうことじゃない?

2016-06-02

[]4:増田絶望

 時はいま 星がしたたる 中世ニャッポン時代創作では無視されがちな天災は忘れた頃にやってくる

 誰が不規則発言をしたのか、増田家(士)の本拠にもある日、赤い星が大量に降り注ぎ、多くの住民が家から焼き出された。

 元からよくない衛生環境悪化が追い打ちとなって、疫病が蔓延する気配が満ちる。

 こんな時に台風にでも襲われたら……気象衛星のない世界、人々はいつ来るかも分からない災害の追い打ちに怯えていた。

 隣国の窮状を哀れんだ増田家(十)当主救援物資を南に送った。

 食料や衣服、少ないが家を造るための大工道具など、人々が必要とするものを。

 しかし、増田家(士)当主は隣人の善意を拒絶した。

「舐められたらおしまいだ」

 彼は救援物資を厳しく追い返すと、指をくわえてそれを見送る人々に言った。

「彼の増田家、鼻持ちならない文明人気取りたちは、我らの尊厳を踏みにじろうとした。

 敵の哀れみを受ける必要はない、我々には必要ものを勝ち取る力があるのだから

 隣国の豊かさは今、その方等が見たとおりである。いや、あれは不要な余り物にすぎない。

 戦って勝てば、より多くの物を思うがまま、なんの惨めさも感じずに手に入れることができるのだ。

 生き残るために戦え。勝て。奪い尽くせ!」

 むちゃくちゃな演説だったが、食料がなく反乱を起こすこともできない民衆現実もっと苛烈だった。

 ほとんどやけっぱちになった増田軍は突き返した援助物資の後を追って北へ向かった。

「こんな話があるか!」

 善意を拒絶された増田家(十)の当主は吐き捨てた。

 恩を徒で返された気分だったが、冷静に状況を検分すれば、増田家(士)は恩を受けないことで戦争の不義を避けたと考えられる。

 情報通信時間が掛かるとはいえ、受け入れ側の都合を問い合わせず一方的に贈ったのも議論のあるところだろう。

 しかし、ハイソ当主はそうは感じなかった。怒りのままに遮二無二突撃してくる敵兵を、自慢の手銃部隊迎撃させた。

 轟音。

 次々と黒いきりたんぽお化け火薬の炎を吐き出し、鉄球に増田兵が倒れていく。

 最新兵器の大量運用大陸と親しい増田家にとっては伝家の宝刀である

 これで敵の第一波はほとんど粉砕されたが、しかし、銃撃からの生き残りは逃走よりも狂気前進を選んだ。

 彼らに後退できる場所など、心理的にも物理的にもなかった。

 そのため、増田銃兵と彼らを守る槍兵は戦場の各所で血みどろの白兵戦に巻き込まれる。

「頃はよし」

 メンツ大事増田当主は冷たく戦場俯瞰していた。

 ここぞとばかりに味方の逃亡を防いでいた督戦部隊本命精鋭部隊を繰り出す。

「もみつぶせぇええええっ!!」

 当主は馬の腹を蹴り、大音声と共に先頭を切って突撃する。そうして自身大脳が壊れていても臆病者ではないことを証明した。

 捨て駒と精鋭の波状攻撃によって増田軍は理不尽に粉砕された。

 窮状と使われ方に凶暴化した侵攻軍は敵を容赦なく追撃し、掠奪を繰り返しながら北上、ついに増田家の本拠地増屋を炎上させる。

「おのれ、魚拓でも見てろ!」

 増田家(十)当主は再起を期して船団と共に脱出した。

 仁の欠片もない作戦を使った増田家(士)当主は戦勝を祝う宴のあった夜、何者かに暗殺された。

 何事もなかったかのように、彼の弟がその跡を継いだ。

 西方の緊張状態に鑑みて増田家(八)は増田金吾ほか四名の率いる部隊増田家(九)領に乱入させた。

 ところが増田軍はあっさり蹴散らされ、あろうことか敵の国境警備隊増田領内まで逆襲してきた。

出撃拠点となる村や砦が焼き払われ、増田家は威厳の面で無視できない打撃を受けた。

前回

http://anond.hatelabo.jp/20160601185528

次回

http://anond.hatelabo.jp/20160603183156

2014-08-19

特殊部隊オタが非オタ彼女特殊部隊世界を軽く紹介するための10

特殊部隊オタではまったくないんだが、しか自分特殊部隊オタ趣味肯定的に黙認してくれて、

その上で全く知らない特殊部隊世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」

ような、特殊部隊ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、特殊部隊のことを紹介するために

見せるべき10部隊を選んでみたいのだけれど。

(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女特殊部隊布教するのではなく

相互コミュニケーションの入口として)

あくまで「入口」なので、理解に過大な負担を伴う発展途上国特殊部隊は避けたい。

できれば先進国、少なくとも新興工業国にとどめたい。

あと、いくら特殊部隊的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。

映画好きが『カリガリ博士』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。

そういう感じ。

彼女の設定は

特殊部隊知識はいわゆる「GIジェーン」的なものを除けば、ネオ麦茶事件程度は知っている

サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。

まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

グリーンベレー(アメリカ)

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「グリーンベレー以前」を濃縮しきっていて、「グリーンベレー以後」を決定づけたという点では

外せないんだよなあ。ランボーグリーンベレーだし。

ただ、ここでベトナム戦争トーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。

この情報過多な部隊について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報彼女

伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」試験としてはいタスクだろうと思う。

SEALs(アメリカ)、デルタフォース(アメリカ)

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうな特殊部隊(そうオタクが思い込んでいるだけ。

実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、

それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。

特殊部隊オタとしてはこの二つは“映画”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

SAS(イギリス)

ある種の第二次大戦オタクが持ってる北アフリカ戦線への憧憬と、その後の対テロ作戦のオタ的な考証へのこだわりを

彼女に紹介するという意味はいいなと思うのと、それに加えていかにも軍隊特殊部隊的な

who dares wins」を体現する標語

Special Air Service」を体現してない部隊

の二つをはじめとして、特殊部隊オタ好きのするキャラ世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由

スペツナズ(ロシア)

たぶんこれを見た彼女は「スペツナズナイフだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。

この系譜部隊ソ連崩壊後も続いていること、スペツナズナイフ日本では大人気になったこと、

浦沢直樹パイナップルARMYにもでてきて、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、

日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

特殊強襲部隊(SAT)(日本)

「やっぱり特殊部隊治安維持のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「銃器対策部隊

でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この特殊部隊にかける日本警察の思いが好きだから

断腸の思いで増やして300人、っていう人員が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、

その「増やす」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから

人員の多さを俺自身は冗長とは思わないし、もう増やせないだろうとは思うけれど、一方でこれが

アメリカだったらきっちり足りずに増やしまくってるだろうとも思う。

なのに、各所に頭下げて迷惑かけてきっちり300人にしてしまう、というあたり、どうしても

自分物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえ日本警察がそういうキャラでなかったとしても、

親近感を禁じ得ない。部隊が行った作戦自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

GSG-9(ドイツ)

今の若年層でルフトハンザ航空181便ハイジャック事件を見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。

ミュンヘンオリンピックより前の段階で、ドイツ赤軍とかテロ対策部隊必要性とかは頂点に達していたとも言えて、

こういうクオリティ部隊海外ハイジャック事件を解決したんだよ、というのは、

別に自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく同じ敗戦国としては不思議に誇らしいし、

いわゆる東西統一後でしかドイツを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

第1空挺団(日本)

陸自の「資格」あるいは「部隊づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。

「即応性を高めた精鋭部隊」的な感覚特殊部隊オタには共通してあるのかなということを感じていて、

からこそ日本版レンジャー』はアメリカレンジャー部隊模倣以外ではあり得なかったとも思う。

レンジャー資格者の数がより多い部隊」というオタの感覚今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の

源はレンジャーき章を有する者にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、

単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

GIGN(フランス)

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。

非人道的アンチマテリアルライフル犯人に使用して、それが非オタに受け入れられるか

気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

USSOCOM(アメリカ)

9部隊まではあっさり決まったんだけど10部隊目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にUSSOCOMを選んだ。

グリーンベレーから始まってUSSOCOMで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、 1987年以降の陸・海・空、三軍統一された

特殊時代でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい部隊がありそうな気もする。

というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10部隊はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。

「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。

こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。

2014-07-05

増田に書けばフィクションって事で済まされるよね!7

別のを書こうとしてた矢先に凄いのが来たのでそっち書く。

午後。まったりとした昼下がり。

勝手に入ったら怒られるかな…」とか普通の声量で呟きつつ受付に入ってくる60絡みの男性一名。

まぁ普通の人はこんな事言わないし、ちょっと変な受付だろうとその時点で予想はついた。

変なのに絡まれると三十分くらい相手の話を聞きお追従を言わなければならなくなる。新人の頃はよく引っかかった。

なので用事を見つけて受付から去りかけたが、男性目標とする受付はこちらではなかったため、静観の構えに。

受付したのは別の人。

変な受付が集中する上に、ごく普通対応をする為上長から理不尽な叱責を受け、およそ三年に一回くらいのペースでキレている。そう言やそろそろ噴火時期だな。



老人「祈願を、お願いします」

噴火「はい、それではどのような御祈願でしょうか」

老人「特に願いは、ありません」



♪呼吸を止めて 三秒あなた 真剣な目を したから そこから何も 言えなくなるの 星屑ロンリネス(ズキュゥゥゥン)



噴火「(絶句状態から回復)願いは無い、というと…」

老人「(沈黙状態から回復)ええ、世の中の平和というか、世界平和でお願いします」



長い事受付やってるが、神社世界平和をわざわざ御祈願する奴初めて見た。

こいつはアーチャーかよ英霊エミヤかよ。共通点白髪頭くらいにしか見えないが。



噴火「世界平和…ですか」

英霊「天下安穏ですかね」



いや、神社って事を考慮してわざわざ和風に言いなおさなくていいよ。



噴火「ハイ…それでは天下安穏で」



いやあんたも言われた通りに書くなよ。だいたいそういうのって私幣禁断の伊勢神宮あたりで頼む祈願内容じゃねえの?

ていうか世の中は十分に平和だよ。ここは戦国時代神社かよ。



噴火「それではお住まいからお伺いします」

英霊「〇〇市、…」

噴火「…。(書けない)」



字が分からないらしい。そりゃそうだ。他県どころの話じゃない。ゆうに千キロは離れている。

ほんと何しにきたんだこのご英霊は…。旅行観光?世直し行脚?



噴火「ええ、どうお書きするかはわかりましたが…(硬直状態)」

別の人の助け舟「〇〇県ですね!」

英霊「ああ、はい、そうです」



県もわからなかったらしい。そりゃそうだ。遥か遠方にある市の名前だけパッと言われてもな。

ああそういやあそこ確か、広大な施設か何かがあるって話だったな。

しかし体格が良くも見えないし、退官者にはとても見えないが。

だいたいあそこの精鋭部隊所属していたような人間であればもっと人間性を失っていると聞くが。

…まあこのご英霊の素敵な依頼っぷりもある意味、既に人間性を失っているんだが…はやくソウル回収しろ。生身に戻れ。



噴火「それでは、御祈願内容は…」

英霊「ええ。世の中の平和が続きますようにと。それと合わせて、この神社のご繁栄の祈念をお願い致します」



えええええ!? テメエでテメエんとこの神社の繁盛を祈願しろってのかよ!? 恥ずい! それ凄く恥ずいよ!!

ていうかホントに聞いた事ないよそんな祈願依頼! やった事もないし! あらゆる意味で前人未到だよ! 何だこの英霊は!



噴火「…わかりました(注:後で祈願内容をチェックしたら、それは流石に書いていなかった。というか内容がカブるため書けない)」

英霊「ご祈願料はこちらで」



割と常識的な金額だった。このへんはしっかりしているらしい。

さっきの、神社によっては神職が全員敵対勢力化して襲いかかってくるような、失礼ってレベルじゃない祈願内容との落差が激しすぎる。



噴火「こちらお札と領収書になります(注:世界平和のお札なんて流石にないが)」

英霊今日ちょっと、急ぎますので…それではこちらで失礼致します」

噴火「わかりました」

英霊「それでは、この神社繁栄をお祈り申し上げております!(ビシっと礼をして去る)」



最後お祈りメール来ちゃったよ。うちの神社就活生かよ。

ていうかお前自身神社繁栄を祈願するのかよ。それは我々に依頼したんじゃないのかよ。

そもそもやらないよそんな恥ずかしい祈願。なんでよそ者歴史伝統大神社が足元見られてんだよ。悲しくなるわ。

いやー色々と規格外だった。まさかとは思うが、あの旅装であちこちのデカ神社行って同じ祈願依頼してねえだろうな…。

びっくりするぐらい短気で癇癪持ち神職しかもそれで問題起こしまくってもクビにならない)も大勢居るんだし。

あちこちで嫌味言われたりキレられたりしても知らんぞ、ご英霊



今までこんな祈願受付した事なんて無かったのに、何で今頃になって突然…としばらく首を捻っていたのだが。

ああ。世間じゃ今、集団自衛権があれこれ取り沙汰されてるから、世を憂えて、こういう祈願に来る人ってのも現れんのかな。

という事には、後になってからようやく気付いた。

俗界は大変ねえ。

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