はてなキーワード: 取り手とは
家具を買う時は、「長く使えるものを買う」っていうのがおれたちの決まりだったと思う。
クイーンベッドからダイニングテーブルソファセット、タンスやラック。
色んなものを買ったんだよな。
そんで明後日同棲を解消するわけだが、互いに新居に引っ越すわけで、
粗大ゴミとして出そうと思うと、収集日が1ヶ月先とかで、引っ越しのスケジュールから考えると間に合わないし、
友人に譲ろうにも、こんなデカい家具は要らないわけで、引き取り手も見つからない。
結局メルカリ頼みになるわけだな。
で、この2週間、メルカリを使ってみたわけ。
そしたら思ったより売れる。
メルカリには直接受け取りっていうオプションがあって、購入者に直接取りに来てもらえば送料がかからないってのがある。これが便利なんだ。
このときさ、売れる先が大体1-2歳の子連れの夫婦なんだよな。
そりゃそうだよな、クイーンベッドなんか独り身は要らないし、熟年の夫婦が買うわけでもない。
一緒になり始めた夫婦が買うわけだ。
奥さんがよちよち歩きの子供をあやして、その横で俺と夫がクイーンベッドをファミリータイプのバンに運ぶわけ。
その他の家具もそう。
1番覚えてるのは衣類ワゴン。これはだな、上手く出来ていて、子供でも衣類を収納できるよう、おれらの膝より下の部分にまで引き出しがついてるわけ。
これは若いお母さんと子供だけ取りに来たな。ありゃ2歳くらいだろう。
母親が「良かったね〜〇〇くん、これでお片付けできるかな〜??」って母親がすっごく笑顔だったな。
おれはどこで間違えたんだろうな。子供、可愛かったな。
おれも、メルカリを夫婦で見ながら、「これ良くない?」とか話しながら、
私は、ハヤカワ五味氏やDeNAのほうが誠実で正しい対応だと思っている。しかし、今のネットでは、誠実に対応したほうがバカを見るようになっている。
どうせ毎日のように炎上ネタが降ってくる世の中なので、何も燃料を投下しないほうが賢い、ということだろうか。
より賢いのは、逆の燃料を投下すること。PEZY Computing が成し遂げた。
判決では「助成金対象事業とは無関係に運転資金に用いたり、一部を被告人個人の株式運用資金、負債やクレジットカード代金の支払いにあてたり、相当部分を流用している」と助成金を社長が使い込んだ悪質さがはっきりした。しかし、逮捕当初は、日経がPEZYの世界一の技術を守るべき、と愛国心に訴えたり、社員がツイッターで「技術のわからん素人はだまってろ」、「検察が間違っている」と逮捕容疑でPEZYを批判しているのは馬鹿ばっかりで、エリートならPEZYの無実を理解できるとあおったり、「朝日新聞と立憲民主党と文部科学省がPEZYをつぶそうとしている」と仮想敵を作り上げることで、みんなだまされた。判決が出た2年後には誰も興味を持っておらず、(世界一の技術だったはずが無料にしても世界のどこからも引き取り手がないことがわかったものの、なぜか)会社は存続している。
もし逮捕時に黙っていればPEZYの側についた人は(仮想敵がないときより)少ないだろうし、社長が使い込んでましたと謝罪すれば、会社の信用が失われて倒産した可能性もあった。黙っているより、積極的に虚偽の情報を流すほうが賢いのではないだろうか。
ワイ
地方のそこそこ大きい市に住んでる
嫁
よく腐女子仲間とイベントに行ったりしていたが新型コロナ渦でイベントが無くなり、ゲームに重課金するようになった(←課金するなら俺の小遣いもっと増やしてくれないかなぁ......)
2020年8月 夏のボーナスを手にして、ワイは嫁に「電動アシスト自転車を買わせてくれ」と懇願した。
ワイの自転車は新卒の時に買ったホームセンターで1.5万位のもので、最低限のメンテはしていたが10年近く経ってあちこちが錆びて、汚くなっていた。
また、結婚を機に引っ越した土地は坂がキツく、それまでデスクワークをしていた我が身にはキツかった。
そこでワイは嫁を説得し、子供が出来たら保育園の朝の送りだけでもワイがその自転車でやることを条件に、電動アシスト自転車の購入許可が下りた。
ワイは早速、近所のホームセンターへ向かい15万弱の電動アシスト自転車を手に入れた。
1週間ほど経ち、ホームセンターから「商品の用意が出来ました」と電話が来たときには、これでもう毎朝の心臓破りをしなくて済むと天にも昇る気分になったことを覚えている。
待ちに待った自転車が納車された後の初出勤は電動アシストの偉大さを噛みしめ、いつぞやにみたルビコンの決断のヤマハの電動アシスト自転車の開発の回を思い出し、静岡に足を向けて眠れないと思ったほどである。
2. それは突然起きた
2020年11月 ワイはいつものように家路についてた。最寄り駅を降り、自転車置き場へ向かうと異変に気づいた。
「ワイの愛車がない......」
自転車置き場においてある自転車をすべて確認しても愛車はどこにもなく、嫁に「愛車がない......どうしたらいい......?」と電話した。
嫁に自転車置き場の管理人に相談しろと言われて、ワイは大急ぎで管理人室へ向かった。
管理人に自転車がなくなったことを伝えると、半分あきれられた様な表情で紙を渡された。
この自転車置き場では無断駐輪や駐輪期限が過ぎた自転車を月1で市の保管所に回収される事になっているようで、今日がその日だったわけである。
だが、ワイは8月に愛車用にここの駐輪代を1年分まとめて支払い、駐輪シールも後輪の泥ハネに貼っていたはずである。
そのことを伝えたところ、だったら警察に行ってくれと言われ、駅前の交番に向かった。
3. 愛車発見
愛車が無くなり数日が経った頃、警察から自転車が見つかったと連絡が入った。
見つかったのはなんと、市の自転車保管所だった。
警察からの話によると、回収した自転車は盗難だったりの可能性があるので、一度登録番号を調べているらしい。その過程でワイが出した盗難届が引っかかり、見つかった。
警察がしてくれるのはそこまでらしく、自転車は自分で取りに行かないとならなかった。
保管所は平日しかやっていなかったので、有休を取りバスを乗り継ぎ、保管所に向かった。
保管所で自転車の受け取り手続きを進めるととんでもないことを言われた。
「回収代と保管代で1万円頂きます」
と。ワイはぶち切れそうになった。期限が切れてないのに勝手に持っていったあげく、回収代と保管代まで取るのかと。
だが保管所にはシルバー人材の派遣しかおらず、責任者がこの場にいないことも厄介だった。
保管所の人が責任者と電話をしてくれたらしく、とりあえずワイは責任者と話をするために市役所に行くことになった。
またバスを乗り継いで役所に着き、責任者と話をすることができた。そこで責任者は謝罪するどころか、こっちが思いもよらぬ事を言い出した。
「1年契約してる人があまりいないし、シールの年の表記が小さいから期限切れで持って行かれてしまったんでしょう。でも年間払いで、安くしてるんだから少しくらい不手際があってもまぁご愛敬ってことで」
これを聞いてワイはブチ切れて窓口で大声を上げてしまった。
わざわざバス代を払って、時間をかけて保管所まで行き、役所まで来て、この対応かと。
別室に行きしばらく待っていると、窓口の職員と別の職員が入ってきた。
その職員も物腰は丁寧でちゃんと謝罪はしてくれたが、1万払えという部分だけはどうしても引けない様子だった。
なんでも過去に事例が無いらしく、規約に沿った対応しか出来ないということだった。
ワイは自転車が手元に戻ってこないと困るので、渋々なけなしの1万を払うことにした。
5. これ終わる訳がない
保管所に着き、愛車と数日ぶりに対面したのだが、その姿は知っている姿とは違っていた。
外装が割れ、中身が見えているバッテリーパック、傷が入り塗装がはげてしまっているフレーム、それ以外にも様々なダメージが入っていた。
ワイは役所に電話をかけ、さっきの職員を呼び出し、修理代を出してもらえるのかと訊いたが、それはできないと言われ大激怒した。
とりあえず自転車の状況を写真で記録した後家に帰り、リビングで嫁の帰りを待ちながら安達としまむらを見ることで精神を落ち着けていた。
嫁が帰還したので事の顛末を伝えると相当お怒りになったらしく、二人で相談して弁護士に入って貰うことになった。
6. 嫁ネットワーク強し
幸運なことに嫁の知り合いに弁護士事務所に勤めている人がいて、その人経由で弁護士を紹介してもらえた。
弁護士に事のすべてを伝えたところ、引き受けてもらえることになった。
とりあえず、自転車は修理に出し、その修理代と回収・保管費用、その他を含めて民事訴訟で解決するという形になった。
7. 裁判所に初めて入った
テレビでよく見るようなところでやるのかと思ったら普通の会議室みたいなところに市の担当者とワイと弁護士が通され、そこで話し合いをすることになった。
訴訟という言葉に怯んだのか、こちらの要望はほぼ通りで和解になることになった。
弁護士費用を払っても若干プラスになったので嫁と焼き肉に行った。
8. その後
長文でお気持ち表明するなら増田が最適だと増田マスターに教えられたので増田に来ました。ただの学の浅いオタクの文句でしかありませんから、きっと読んで面白い物ではないでしょう。
土曜に虹ヶ咲の11話があったじゃないですか。私はあれで1晩狂って朝まで壁打ちを続けて、日曜の晩の裏世界ピクニックのニコ生冒頭4分をきっかけにして朝まで壁打ちを続けて、月曜日は体力が切れててぐっすり暖かくして眠って、火曜に至ったんですよ。
そんなわけで、虹ヶ咲11話絡みのひっでぇツイートがきっかけでどうも百合好きが荒れているらしい、という事を察知したのは台風が去った後、と言った方がきっと性格なのだと思うのです。もっとも、その“百合好き”も簡易的にではありますが観測したところ、一部の界隈という表現が適切な規模感の様に思いますが。
件のツイート主について調べるとプリキュアの界隈で暴れてきた所謂“前科持ち”の様なお方だそう。関連動画もないのにニコ百の記述が充実してるのはたいてい地雷原ですし、プリキュアというのも守備範囲外の私がとやかくいう言う権利はありませんが、ともかくそういう人物の配慮に欠けたツイートが百合好きの一部界隈の怒りを買った、といった構図の様です。
元の投稿は既に削除されているようですが、削除前のツイートをみた私の所感を申し上げますと、コンテンツに対する向き合い方が私とは致命的に合わない人物であるようには見えました。ニジガク11話未見の方の為に具体的な描写の内容はここでは差し控えますが、要約すると「受け入れがたい描写をとある女性の『友情の暴発が原因一過性の物』だとの証言で安心して受け入れられるようになった」といった内容になるものと思います。
「受け入れがたい物を受け入れる為に他人の感覚に縋る」というのは少なくとも私の感覚とは合いません。受け入れられない物は受け入れられない物として拒絶するべきです。拒絶もまた1つの作品に対する向き合い方ですし、もし受け手にとって受け入れがたい描写がなされたのなら、拒絶するのが最も真摯な向き合い方であるように思うのです。批判をするのなら受け入れがたい物がなぜそぐわないか、を説明するべきであるように思いますが、拒絶する権利は誰にだってあるはずです。無理な物は無理。それも1つの正解です。もっとも、「無理な物を視界から排除しようとしないのであれば」という但し書きは必要な様に思いますが。
あるいは、どうしても受け入れるなければならないにしても、「他人がそう言ったからそうなんだろう」というのもいまいち好きではありません。他人の感想などという物は理解のガイドラインにはなり得ても、最終的に理解するのは受け取り手自身、というのが健全な姿なのではないでしょうか。「あの人が駄作と言うから駄作なのだ」や「皆駄作と言っているからアレも駄作だ」というような事を私の好きな作品は長い間言われてきたものですから、なおさらそう思うのです。
件の人物への恨み節なら荒れているニコ百の掲示板にでも書き込めばいい事です。わざわざ増田なんかに投稿するのは私が拒絶し、否定したいのが件の人物だけではないからです。
私が無理な物は無理と言ってしまって良いと考えている事は先ほど書いた通りです。元のツイート主はアニメを見ていただけで、わざわざ受け入れがたい物の中に踏み込んできて無理と暴れまわったわけではありません。“同性愛的な物を見るのは無理”という彼の素朴な感想は否定されるべきではないと私は考えます。排斥運動でも始めたのなら話は変わりますが、荒れたのでツイ消しして逃亡を図る彼にそれだけの事をする度胸があるようにも思えません。
私は荒れていた界隈についても拒絶したいのです。学が浅く、海よりも深い思慮の上で掲げられたこの世で最も尊重されるべき黄金色に輝く理想を推し測ることすらできない私には、荒れていた界隈の言う事が同性愛的な物を「受け入れがたい物」と表現する人物の言う事と何ら変わらないように見えたのです。友情と愛情の間に線を引き、それを超えたか超えてないかで一喜一憂する事と、異性愛と同性愛との間に線を引き、超えた超えないで一喜一憂する事、私にはどちらも同じくらい愚かな行いな様に見えたのです。そして、物語への感想と実際の出来事への感情をあまりにも簡単に接続し、発言者を否定して見せる様は、私には絶対に私にとって好ましくない人々と重なっても見えるのです。
結局のところ、この長々と続いた文章は、私にとって彼ら全てが受け入れがたい存在であった、以上の内容を持ちえません。あるいは、わざわざ受け入れがたい存在の方に観測気球まで上げてやはり受け入れがたい物であった、と結論づける私は彼ら以上に私にとって受け入れがたい存在であるかもしれません。ただ、恨みを吐いて無理な物を拒絶してみせなければ、クリスマスを健全な気分で迎える事が出来ない。だから、こうやって長々と拒絶するほか無かったのです。
正直愚痴です。
どこのジャンルでもある程度母数がいれば往々にして発生するトレパク問題が身近で起きました。
厳密には計測の上描き写すタイプの模写のようですが、やり過ぎて線が重なるので実質トレスです。
言い分としては、行為自体はトレスではなくあくまで模写なのだからセーフだ、とのことです。
というわけで私は今、私達が美術系の漫画やアニメ、漫画研究会などで当然のように触れて身に付けてきた知識や知恵を全く知らない二次創作者が少なからずいることに不安を感じています。
なのでここで、そうした経験から学んだなぜ模写・模倣は問題視されるのか、について吐き出そうと思います。
そこそこ上手いんですよ。
そこんとこ素直に褒められてると受け取って承認欲求満たして自己肯定感上げてとっととステップアップしてほしいです。
もし本当にただの無知なら。
まあここで言って本人に届くとは思ってませんが。
さて、本題に入ります。
無名絵描きは練習(習作)としてとある有名画家の作品の模写に取り組んでいました。
最初はそっくり同じに写しとっていました(模写)が、ある時「この画家の描いたネコも見てみたい」と思うようになりました。
その有名画家はイヌ派だったので、お手本はイヌの絵ばかりだったのです。
そうして無名絵描きは、有名画家の作品を模倣(いわゆる絵柄パク)しながらネコの絵を描いてみました(パロディ/二次創作)。
「上手に描けたよ!」
「すごい!」「本物(有名画家の絵)みたい!」
そこへ通りがかった画商が「素晴らしい!その絵を買わせてくれないか?」と持ちかけました。
「絵が売れた!売れたぞ!」
近所の人達もお祝いしてくれました。
画商は無名絵描きから買った絵を画廊に飾り、新聞社へ電話をかけました。
なんと無名絵描きの描いたネコの絵は、有名画家の絵と間違われてしまっていたのです!
無名絵描きは無名ですから、画商は無名絵描きが絵描きだということすら知りませんでした。
ですからたまたま出会ったそっくりな筆使いのネコの絵を、有名画家の作品と疑いもしなかったのです。
とはいえもちろん画商も目利きです、並大抵の模倣では騙されるはずなどありません。
そうしてネコの絵は、有名画家の未発表作として多いに世間を沸かしました。
そういうことです。
だから模写や模倣は習作と呼ばれ、公にするものではないとされているのです。
パロディ(二次創作)が成立するのは、それがパロディであると受け取り手にとって明らかな時だけです。
商業的なパロディ作品の場合は適宜許可取りや原案表記をしています。
そこそこの年齢の二次創作愛好家は知っているでしょう、青いタヌキの二次創作が訴えられた事例を。
あれは決して二次創作を締め付けようだとか見せしめだとかのためだけに訴えられたのではありません。
それを本物、公式だと勘違いした一般人がいたから、海賊版の扱いをせざるを得なかったのです。
海賊版とは、公式(権利者)の商売の邪魔になる商品のことです。
コピー品に限らず、著作権者に無許可で売買される、著作物を利用した製品は、全て海賊版です。
よく二次創作イラストが海賊版グッズに利用されるという被害が出ていますが、絵柄が公式とある程度異なっていれば、二次創作に関連する知識のない一般人にも容易に混同されることはありません。
逆に公式そっくりな絵柄だった場合、ライセンス料の分安い当該商品は売れに売れてしまうかもしれません。
二次創作者本人を知らない人がたまたまそれを見かけたとしましょう。
(制作者の注意書きの及ばない無断転載を含みます。無断転載もしてはいけないことですが、避けようがありません)
「有名絵師さんってご自身の手掛けた作品の二次創作も描かれるんですね!」
絵師さん大慌てです。
特にゲームやアニメなど集団で作る作品の場合、絵師さんにライセンスはほぼありません。
公式絵師が非公式二次創作をする場合、ほとんどのケースではまず公式の許可を取る必要があります。
そして多くの場合は公式の目の届く範囲で、非公式と注意書きを添えた上で公開しています。
この辺りは私は詳しくないので深掘りはしませんが、公式絵師の非公式二次創作をファンが公式同然に受け取ってしまい、トラブルになりかけたこともあります。
公式絵師は自身の関わる作品に関して、一般の二次創作者以上に慎重を求められるのです。
公式絵師の絵柄を模倣するということは、その責を公式絵師に負わせるということにもなりかねません。
ところで、先だって二次創作漫画の無断転載サイト運営者が二次創作者から著作権侵害で訴えられ有罪判決となりましたが、ご存知でしょうか?
原作サイドではなく二次創作者からの訴えですので、二次創作作品に関して二次創作者の著作権が認められたおそらく初めての判例です。
○二次創作者の考えた公式ではあり得ないようなストーリーがあったこと
の二点が大きく挙げられます。
専門家の解説記事へリンクを貼っておくので、詳しくはそちらを読んでください。
少し大袈裟なところもありますが、とにかく二次創作で公式の模倣はまずいってことがもっと浸透することを願ってやみません。
偶然絵柄が似ていることも世の中にはありますが、二次創作をする際にはあえて公式から絵柄を遠去けることが暗黙の了解と言われている程です。
二次創作にまつわるリスクと回避方法が少しでも伝わっていれば幸いです。
○おまけ
イタコ漫画家はどうなんだとお思いの方もいると思いますが、大抵は知識やコネを持っています。
十分な知識があり、上手く立ち回れるのでしたら、頑張ってみればいいんじゃないですか?
そこまでしてやりたいのなら、ですが。
保護猫をもらいたいと思っていて、先日思い切って譲渡会にいったけど、「ピンとくる」ってどういうことなのかますますわからなくなった。
一匹だけ「あっ、なんとなくいいな」と思った猫はいたが、逡巡してる間に他にもっとベストな引き取り手さんが現れてトライアルを決めていた。おめでとう、幸せになれよネコチャン。
スタッフさんたちも周りの猫飼いさんたちも「この子だ、と思ったらビビビっとくるよ」と口々に教えてくれるが、まだその感覚がさっぱりわからない。
いま目の前にいるネコチャンたちにはもちろんときめいているんだけど、これはビビビなのか?そうではないのか???
1匹いいなと思った子がいながら、その子がダメだったからじゃあこっち、というやり方は嫌だなと思ってその日は誰にも決めずに帰宅した。
疑問が増えた初譲渡会参戦だった。
十二国記で「会えば王気でわかる」と言われて戸惑ってた泰麒の気持ちが、いま、ものすごくよくわかる。
おしえてインターネット上の猫飼いさんたち。
その含有量とか対象の大きさとか受け取り方のひとつとして、書いている人の表現方法が読み手にどう伝わるかという事なんだとおもうけど
情報の発信者は一人で受け取り手も一人 話題が宇宙の規模になろうが公演だろうが1の発信者と1の受け取りの相互関係にはかわらない
その1に対しての表現で「すべての男性は」と男性に向かって話をすると「あなたも勿論含んでいてその範疇からはずれることはない」という言い含めがはいってるはず
いわゆるその察するとなると相手が「すべて」と自分に云ってきていることについて自分も指していてその内容に同意するか反論するかの立場しかないことを言い示している
「ほとんどの男は」といえば聞き手によっては自分はちがうとか自分もそうかもとか、自分はそうみられているのかという相手側の主張や思考も組み入れる余地がある
主語でかすぎっていうのはどのみち1対1の対話になる構図においてあなたもそうだと決めつけが拡大した定義について狭義になり限定的になっていくにつれ読み手を縛ることになる
それを読める所においておいて、あなたに向かって書いてはいないといわれてもその目につく場所とわかっていて書き放つことはもうその対象に見せる気があるということだろう
直接相手に限定的な内容を言い伝えてやろうと思っている意思があるといえる
えっちな本をゾーニングするかしないかと同じことで すべての男が犯罪者であると男性刑務所で声高らかに唱えてもそれは真であり正であろうけども犯罪者を収容していないところで言うべき事や大きさではないはず
[B! セキュリティ] フェイスブックの暗号化、日米英などが見直し要求へ (写真=AP) 日本経済新聞
平文に一定のアルゴリズムに従って暗号鍵から生成したノイズデータを掛け合わせ、意味が読み取れない暗号文を作るのが暗号化である。逆に意味が取れない暗号文から平文を求める操作を復号と呼ぶ。アルゴリズムがよく知られていながら暗号鍵が無ければ復号できないものがよい暗号と言われる。一般には256bitAESでも使っておけばまずパッと見ても聞いても数学的にもほぼ乱数と区別できなくなる。
ノイズデータの生成方法には色々あり、事前に送り付けた乱数表を使い使用後は破棄するもの、事前に送り付けた共通鍵や公開鍵を使うもの、都度生成するものなどがある。掛け合わせる方法も色々あり、乱数表に書いてある数字と暗号文を足し合わせると平文になるもの、共通鍵を暗号文に使うと平文になるもの、公開鍵を使うと平文になるものなどがある。
共通鍵を平文に使うと暗号文になり、共通鍵を暗号文に使うと平文になるものを、対称暗号とか共通鍵暗号と呼ぶ。
公開鍵を平文に使うと暗号文になり、暗号文に秘密鍵を使うと平文になるものを公開鍵暗号と呼ぶ。非対称暗号ともいう。
共通鍵暗号でも公開鍵暗号でも「平文が、暗号文になり、平文に戻る」というところは同じだが、
共通鍵では「平文→ 鍵→暗号文→鍵 →平文」と同じ鍵を使い、
公開鍵では「平文→ 公開鍵→暗号文→秘密鍵 →平文」と二種類の鍵を順に使う。
なお、この二種類の鍵は順に使えば順序はどっちでも良い。先に秘密鍵で処理して公開鍵で処理することも可能だ。とにかく2種類両方を使えば良い。
共通鍵暗号は分かりやすい。zipのパスみたいなもんだ。Wi-Fiのパスワードも同じだ。だが公開鍵暗号については、二種類の鍵を順番に使うと何が良いのかと思う人も多いだろう。どうせ暗号で読めないのだからいいじゃないかと思うだろう。実は名前の通り鍵を公開しても全くノーダメージというところがメリットなのだ。書かなかったが公開鍵から秘密鍵を数学的に求めることは不可能である。逆も不可能である。そして処理する順番もどっちでもいい。つまり適当な暗号文と鍵の片割れを公開しておくことで、もう片割れの所有を証明できるのである。これが公開鍵暗号の醍醐味である。
この技術はHTTPSの証明書に使われている。というかすべての公開鍵基盤で使われている。.pemとか.cerとかid_rsa.pubはこの片割れであり、ウェブブラウザの「証明書の検証」とは、ネットを見てる時にサーバが送ってくる「適当な暗号文」として"*.hatena.ne.jp"のハッシュを知らん鍵で暗号化したもののハッシュを知らん鍵で暗号化したもののハッシュを暗号化したものに対して、事前にWindowsをインストールした時に付いてきたHatena-Masuda Ultra Global Root CAとかいったけったいな鍵の片割れを使ってみてちゃんと復号出来てるかチェックしているのである。
暗号化通信を行うには、暗号鍵でデータを暗号化すればいい。暗号化には共通鍵暗号を使うのが高速で便利だ。公開鍵暗号は原理的に計算量が多く低速である。しかし、どうやって共通鍵を事前に知らせればいい? 公開鍵暗号で共通鍵を暗号化すれば、受け取り手は自分の秘密鍵で復号できるだろう。しかし、秘密鍵は本当に秘密か? 暗号文と秘密鍵が手に入れば、公開鍵暗号でも解読できてしまうのではないか? HTTPS化しているウェブサービスでも、TLSをロードバランサで終端してデータセンタ内は平文だったりするのではないか? そこで鍵交換、セッション鍵生成の議論が登場する。
Diffie-Hellman-Merkle(Diffie-Hellman)鍵交換方式とは、ディッフィー君とヘルマン君が下宿で階段をドタドタやってる時に天啓のように降ってきたと言われる、ネット上に数字そのものを公開することなく、2者間で同じ1つの乱数を得る方法である。
送信者と受信者の間で共通の1つの乱数を得ることができ、その乱数を第三者に知られることがない。
上で何度か「公開鍵暗号の秘密鍵と公開鍵は、平文に対して両方使えば平文に戻り、順序は関係ない」と書いたのを覚えているだろうか。Diffie-Hellmanはこれに似た方式だ。まず、AさんとBさんは送信者がお互い本人であることを証明できるようにする(公開鍵基盤を使う)。そして、それぞれ手元で乱数AとBを生成する。次に、鍵用の乱数Aを適当な乱数で暗号化した鍵Aと、鍵用の乱数Bを適当な乱数で暗号化した鍵Bを計算し、お互いに送り付ける。この暗号Aと暗号Bは盗聴されているものとする。
AさんとBさんはそれぞれ鍵Bと鍵Aに対して暗号化を行う。すると鍵BAと鍵ABが生まれる。このとき数学的な都合により鍵BA == 鍵ABである。
では、暗号A、暗号B、適当A、適当Bのみから鍵ABや乱数Aを求めることはできないのか? 可能だが式変形などで「解く」ことができず、総当たりになるため計算量が膨大になる。従って実質的にはできない。
或は、暗号A、暗号Bを掛け合わせれば、鍵ABになるのではないか? これもできない。暗号AまたはBと掛け合わせるのは生の乱数AまたはBでなければ意味がない。第三者が乱数Cを作って暗号AやBと掛け合わせても、鍵ACや鍵BCになってしまい、鍵ABと一致しない。
これにより、手元で生成した乱数以外のすべての情報が公開で既知で盗聴されているにもかかわらず、2者間で秘密の暗号鍵用乱数を得ることができる。
原始的なDiffie-Hellman鍵交換の実際の計算は非常に簡単であり、この「暗号化」は事前に決めた別の方法で生成する既知の2つの整数X, Yと乱数A, Bに対して、
暗号A = XをA乗してYで割った余り、
暗号B = XをB乗してYで割った余り、
鍵AB = 暗号BをA乗してYで割った余り、
である。
なお、くれぐれも簡単と聞いてPython 2.7とかで実装しようとしないように。算数の上手い人が作ったライブラリを使え。暗号処理の自作は絶対バグらせて割られるのがオチだ。ちなみにDiffie-Hellman-Merkleの三人目のマークル氏というのは両名と何のゆかりもないので普通は名前に入れないのだが、Merkle氏の先行研究が直接の元ネタなので入れるべきだと主張する派閥もある。俺はどっちでもいいと思うが折角なので入れておく。
ここでやっとE2E暗号化が登場する。上のセクションでしれっと書いたが、DH鍵交換が完了した時に送信者と受信者が得る共通の乱数は、各々ローカルで都度生成する乱数を元にしている。身許保証は公開鍵によるが、鍵は公開鍵に縛られないのだ。つまり、SNSやメールサーバその他、身許を保証する機能と文章をやり取りする機能があるツールと、そのツールで間違いなく本人にDH鍵交換の暗号を送れるクライアントアプリがあれば、その経路で本人同士の間だけで共通の乱数を生成し、それを「セッション鍵」として共通鍵暗号方式による通信経路が設定できる。
この「公開鍵認証基盤で本人確認し、DH鍵交換でセッション鍵を設定し、鍵を端末に出し入れすることなく、受信側端末のメモリに入るまで暗号化を解くこともないまま、共通鍵暗号で通信する」のがいわゆる「End-to-End 暗号化」である。
E2E暗号化を行うと、鍵はDH鍵交換で生成され、端末の外に出ないし書き出す必要もなく、通信の中で割り出す事もできず、通信が終われば破棄してもよい。好きなだけ定期再生成してもよい。認証に使う公開鍵と数学的な関係もない。一度設定してしまえば、SNS運営にチャットログを出させても鍵交換した意味不明な履歴と意味不明な暗号文が出てくるのみで、盗聴者をなりすまさせて鍵を再設定させても前の鍵と何も関係のない新しい鍵が出てくるだけで、意味不明な暗号文の解読の助けにはならない。ちょっと量子コンピュータめいているが、端末となりすましの両方で鍵を一致させることもできない。
ざっくり言えば送信側端末と受信側端末に残っている平文か鍵をバレる前にぶっこ抜く以外に解読方法がない。
これは盗聴関係者にとって非常に大きな問題で、米国のFBIなどは盗聴能力を維持するには法規制以外に策がないと考えている。DH鍵交換のアルゴリズムは上に書いた剰余以外にも楕円曲線を用いた数学的に更に複雑なものもあり、ソースはネットにいくらでも転がっているし、電子計算機アルゴリズムの常でやたら強力な癖に計算量的には全然負担にならない。NSAなどは数学者を揃えて最高のアルゴリズムを提供する振りをして、規格書で事前に決めた一定の数学的特徴を備えているべき定数に備えていないものを指定するとか、実装でミスが出やすい関数を選ぶなど小細工を入れているが俺は二次関数も分からんので詳しいことは知らん。しばしば政府の陰謀にキレた若いITキッズが小細工を抜いて差し替えた再実装を公開したりして揉めている。
実際にSNSなどでE2E暗号化を実装する上での問題点は、本人確認、機種変とマルチデバイス、嫌がらせ対応がある。まず本人確認がコケればMITMは可能だ。E2Eでは鍵を外に出さないのがメリットなので複数端末ログインができず(鍵が変わって別端末で書いたメッセージは解読できなくなる)、運営で常時メッセージを監視できない(したら意味がない)ので嫌がらせ対応が多少困難になる。またMITBというか、改造偽アプリで抜かれる可能性は、まあ、ある。
「醜女の遊女が誕生した」ってweb漫画の広告あったじゃん。道端で体にゴザ巻いてニコニコしてる女の子のやつ。
貧しい農村から売られた女の子たちの一団のうち、美人な子たちは芸者になったり遊女でも高級なところで働くんだけど、あの女の子は見た目も悪く体も未発達で引き取り手がなくて、仕方なく遊郭の下働きとして使われてたのね。
んで、「おらも綺麗なべべ着て客取りたい、女さなりてえ」って訴えるんだけど、もちろん普通の遊郭では働けないから、性病が蔓延してる衛生状態も悪い小屋みたいなところでゴザ巻いてわずかな小銭で客取り始めるわけ。もちろんそんなところだから、客も貧乏で衛生状態も悪い。
そんな所だからすぐに病気(梅毒)に罹って、目も見えなくなって死んでしまったという。
記者会見(https://www.youtube.com/watch?v=ACFLlMXhlWg などでみられる)および、社内報の一部から得られた情報をもとにしている。
ここまでの説明を聞くと、論理的には、NASのハード障害時は手動で切り替えることで、システム全体再起動は不要で、売買停止の事態は招かれない、ということになる。そこまではいいが、ではなぜ今日それを実施しなかったのであろうか。この点は記者会見で2回ほど質問されていたと思うが、東証側は正面からは答えなかった。
JPXのウェッブサイトに公開された。https://www.jpx.co.jp/corporate/news/press-conference/index.html 経由で https://www.jpx.co.jp/corporate/news/press-conference/nlsgeu000004zjwb-att/20201001_J.pdf
保護猫の里親がどうのこうのっていう話題から、なんか違和感があって仕方がない。
人間の児童に対する「里親」は、実親の元へ復帰できるまでか、18歳になるまでの期間限定で養育することを指すよね。
動物の場合は「保護された動物を飼養する目的で引き取る者のこと」でいいの?
それって、「里親」じゃなくて「引き取り手」って言えば良くない?
「里親」って言われると、一定程度成長するまで飼養して、トイレなどの基本的なしつけを正式な飼い主が引き取るまでに身につけさせる人のことを言うのかと思ってた。
それなら確かに、条件として諸々求められるのは当たり前だと思う。人に慣れる必要があるし、食事やしつけを安定して提供しなきゃいけないし。
ただし、諸々の条件に合ったとしても、万が一ということはあり得るので、その時は保護施設がフォローする体制があるのかと思ってた。
でも、ネットでいくつか見てみたけど、どうも単なる引き取り手を「里親」と言ってる模様。
で、その「引き取り手」に対して諸々の条件を課している。
あのさぁ……その条件に合致するのがこの日本にどれくらいいると思ってるの?
そんなガチガチなことやってて、動物の保護活動は破綻しないの?
保護動物を多数引き取ってくれる裕福なご家庭があったとして、そこの一家が事故とかで飼うことができなくなったときはどうするの?
保護シェルターのキャパが全然余裕なら何の問題もないけど、そうじゃないんでしょ?
それなら、ガチガチの条件に合わなくても引き取り手として認めておいて、どうしても無理ということであればそのときにフォローするとか、もしくは、万が一の時のための保証人を設定するとかすればいいんじゃないか?
うちにも猫がいる。10年ほど前に、保護施設から引き取った子だ。一家全員で可愛がってる。
でも、「保護猫の里親になれる人の条件」でググったら、うちはその条件に合致しないんだ。
夫婦共働きと子供1人で、日中は仕事と通学で不在となるので、アウト。日中は一人でも家にいなきゃいけないんだって。
でもさ、うちの猫さん、気ままに過ごしてるみたいなんだよね。
トイレ掃除も朝と夜しかできないから、その点は申し訳ないと思う。
無責任な飼い主や虐待する飼い主とかはいなくなればいいと思うよ。でも、むやみに飼い主の条件を厳しくしても、いいことないと思うんだけどな。
たくさんの人が、気軽にお互いにフォローしあう仕組みを作れればいいのに。
そういえば、この子を引き取るとき、1週間くらいお試しをお願いしますって言われたな。
飼ってはみたものの、やっぱり無理ってなることもあるからって。
そーゆーのないのが普通なの?
例えば歌詞とか小説とかにおいても、そもそも受け手の立場にとっては他人のことなんかわからないわけである。尾崎豊が歌詞を書いたって、俺には尾崎豊の人生のこともなにもわからないし、なんで亡くなったかとか、マジで15歳でバイク盗んで走ってたかとかもわからない。なぜなら俺はそんなことをしたことがないから。これはきっと15歳でバイクを盗んだ人間にしかわからない「経験」だし、20歳になった今バイクを盗んでもそれとは違う。なんなら15年間尾崎豊という人間を生きていなければわからない歌詞であるのに、そこに人気が集まったのは、「なんとなくわかる」という自分を持っている、もしくは作り上げてそこに投影したからではないだろうか。では作り上げた自分という人格に価値があるのか。
「文章」を理解するのは大変に難しいと考えている。ハグやキスといった身体的コミュニケーションに比べて明らかに難易度が高いのは、目に見えないからだろう。受け取り手の感性に多く順応するために最も適切なコミュニケーション方法は五感に依存するものと比例している。たとえば本のなかでも絵本は最大限に五感に攻撃している。絵と文章、読み聞かせなど、幼少期に「自覚」の獲得に必要な感性に訴えるもので、人間はそこから物心をつけていくわけだが、そこに協調性というノイズが入るせいで感性はやがて鈍ってゆく。
人間は所詮動物であるため、種の保存という目的さえあれば何の問題もなく活動を行えるはずだが、そこに思考という足枷がかかる。人間は考える葦であるが、考えなくてはならない葦である。この葦は協調性、多様性といった様々な性質を持たざるを得ない葦である。本来必要ではない、無駄な思考であるこれらを動物にとってプラスにとるかマイナスにとるか。それもまた一つの多様性というノイズのひとつになる。
詩や文章という他人の知識や語彙に依存したメディアが発展するのは特に人間的でもあり、前時代的でもあると考える。人間が思考した結果が他人への依存であるならば、思考したことは無駄であると一蹴できるからである。なぜなら思考は内的感覚への訴求であり、それもまた自らの知識や語彙に依存しているからだ。他人から受け継いだ知という感性を自らに受け止め、それを発展させることに意味があるとすると、それと矛盾するからだ。その矛盾と戦う人間たちは極めて無駄であり、また自然であると考えるのである。こんな「文章」を書いている自らについて。
穴が付いていれば引き取り手はあるよ。
ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカい羅生門の完全な真下で
雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。
馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗の
びっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。
クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や
爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかには全然誰もマジで全くいない。
何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊的辻風とか最強大火事とか
極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中のさびれ方は
マジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカい仏像や文化財クラスの仏具をものすごいパワーで打砕いて、
その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、
薪の料に売りまくっていたと云う事である。クソ治安がいいことで知られる洛中がその始末であるから、
正気を疑うレベルでデカい羅生門の完全修理などは、元より誰も捨てて顧る者がマジで全然なかった。
するとそのドン引きするくらい荒れ果てたのをよい事にして、クソヤバい狐狸がドンドン棲む。世界最強の盗人が6万人棲む。
とうとうしまいには、マジで悲しくなっちゃうくらい全然引取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、
超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が怖いくらい全然まったく見えなくなると、誰でもメチャメチャ気味を悪るがって、
この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまったのである。
その代りまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、
その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、
亜音速で飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、
それが胡麻をえげつない量まいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、頭おかしいくらいデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、
気が狂ったように啄みに来るのである。――もっとも今日は、刻限がハチャメチャに遅い(ほぼ夜)せいか、
マジで一羽も見えない。ただ、所々、ほぼ崩れかかった、そうしてその崩れ目にメチャメチャ長い草の森のごとくはえ倒したクソ長い石段の上に、鴉のえげつなく臭い糞が、
点々と白くこびりついているのが見える。下人は七千万段ある石段の一番上の段に、
洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、
メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。
作者はさっき、「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と書いた。しかし、
下人は激烈豪雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはマジで全然ない。ふだんなら、
勿論、クソ強い主人のえげつなくデカい家へ帰る可き筈である。所がその糞主人からは、四五日前に
暇を出し倒された。前にも書いたように、当時ただでさえ最低最悪のゴミの掃き溜めである京都の町は一通りならず
衰微しまくって本当に惨めな感じになっていた。今この最強にヤバい下人が、永年、犬のごとくこき使われていた主人から、暇を
出されたのも、実はこの大衰微のクソしょぼい小さな小さな余波にほかならない。だから
「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と云うよりも「クソヤバい豪雨にふりこめられた
下人が、マジで全然行き所がなくて、超途方にくれていた」と云う方が、完全に適当である。
その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のヤバい下人のUltimet-Sentimentalisme of the Godsに影響した。申の刻下りからふり出した大雨は、
いまだに上るけしきが全然かけらもない。そこで、のちに剣聖と呼ばれる最強の下人は、何をおいても
差当り明日の暮しをメチャメチャどうにかしようとして――云わば絶望的にどうにもならない
事を、どうにかしようとして、悲しくなるくらいとりとめもない考えをたどりながら、
さっきからアホみたいに広い朱雀大路にふる豪雨の音を、聞くともなく
聞いていたのである。
豪雨は、トチ狂ったクソデカさの羅生門をつつんで、メチャメチャ遠くから、ざあっと云う轟音をあつめて来る。
夕闇は次第に空をびっくりするほど低くして、見上げると、超巨大門の超巨大屋根が、斜につき出した
超巨大甍の先に、ドチャクソ重たくうす暗い雲を嫌になるくらい支えまくっている。
どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる
遑は本当にマジでまったくない。選んでいれば、築土の真下か、道ばたの土の真上で、超苦しい饑死を
するばかりである。そうして、このガチで世界一デカい門の上へ猛スピードで持って来て、
選ばないとすれば――巨大下人の考えは、何度も寸分たりとも違わず完全に同じ道を低徊した揚句に、
やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、マジでいつまでたっても、
結局「すれば」であった。クソザコ下人は、手段を選ばないという
事をエグ肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、
その後に来る可き「世界最強の盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、
下人は、意味わからんくらいクソ大きな嚔をして、それから、死ぬほど大儀そうに立上った。南極かってくらいに夕冷えの
する世界最悪の罪の都京都は、もう火桶が8億個欲しいほどのガチえげつない寒さである。暴風は信じられないほどデカい門の巨柱と
巨柱との間を、クソヤバい濃さの夕闇と共にマジで全然遠慮なく、吹きぬけまくる。丹塗の超巨大柱に
下人は、頸を人間の限界を超えてちぢめながら、山吹の汗袗に無理やり重ね倒した、紺の襖の肩を
物理的にありえない動きで高くしてクソデカ門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる
惧のない、一晩メチャメチャ楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、クッソ長い夜を
明かそうと思ったからである。すると、幸い超巨大門の上の宮殿並みにデカい楼へ上る、幅の
バカ広い、これも丹をキチガイみたいに塗りたくった梯子が眼についた。上なら、人がいたに
しても、どうせ臭くてきったない死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた巨大な聖柄の
大太刀が鞘走らないように気をつけ倒しながら、藁草履をはいた巨大な足を、
それから、何百分かの後である。クソデカ羅生門の楼の上へ出る、幅のアホみたいに広い
梯子の中段に、一人の巨大な男が、猫のように身をちぢめまくって、ヤバいくらい息を
殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす大火炎の目を灼く光が、
かすかに、その男の右の頬をぬらしている。えげつなく短い鬚の中に、とんでもなく赤く膿を
持った巨大な面皰の大量にある頬である。巨下人は、始めから、この上にいる者は、
臭死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三千段上って見ると、
上では誰か燃え盛る大火をとぼして、しかもその大火をそこここと疾風のごとき
速さで動かしているらしい。これは、そのドブのように濁った、この世の理を超えて黄いろい光が、すべての隅々に
巨大人食い蜘蛛の巣をかけた天井裏に、激しく揺れながら映ったので、メチャすぐにそれと
知れたのである。この豪雨の夜に、このクソデカ羅生門の上で、世界すら灼く業火を
ともしているからは、どうせただの者ではない。
下人は、巨大な守宮のように足音をぬすんで、やっとクソ急な梯子を、一番上の
段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、紙のように平に
しながら、頸を出来るだけ、ろくろっ首のごとく前へ出して、恐る恐る、巨大な楼の内を
覗いて見た。
見ると、地の果てまで広がるがごとき楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの山のように巨大な死骸が、無造作に
棄ててあるが、業火の極光の及ぶ範囲が、思ったよりクソ狭いので、数は
幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に
完全に全裸の死骸と、メチャクチャ高級な着物を着まくった死骸とがあるという事である。勿論、中には
女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、
捏ね倒して造った人形のように、口をヤバイくらい開いたり手をキロ単位で延ばしたりして、
ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの山くらい
高くなっている部分に、ぼんやりした猛火の光をうけて、クソ低くなっている
部分の影を一層超死ぬほど暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。
下人は、それらの超ビッグ死骸のメチャメチャくっせえ腐爛した最悪の臭気に思わず、鼻を掩って掩って掩いまくった。しかし、
その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を完全に忘れ尽くしていた。あるハチャメチャに強いクソデカ
感情が、ほとんどことごとくこの最強男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
下人の巨眼は、その時、生まれてはじめてその激臭死骸の中に蹲っている最低最悪醜悪人間を見た。
檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような
老婆である。その老婆は、右の手に大火炎をともした最高級松の巨大木片を持って、
その大死骸の一つの巨顔を覗きこむように眺め倒していた。髪の毛のクソ長い所を見ると、
下人は、六〇〇分の恐怖と四〇〇分の知的好奇心とにつき動かされ続けて、暫時(七十二時間)は呼吸を
するのさえ忘れていた。旧記の記者の語を全て丸々借りれば、「頭身の剛毛も一生太り続ける」
ように感じまくったのである。すると糞老婆は、高級松の大木片を、床板の間に
狂ったように挿して挿して挿し倒して、それから、今まで眺め続けていた大死骸の首に両手をかけると、
丁度、大猿の親が大猿の子の虱を全部とるように、そのバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜きはじめた。髪は手に奴隷のように従って抜けるらしい。
その髪の毛が、一〇〇〇〇本ずつ抜けるのに従って、下人の腐りきった心からは、恐怖が
少しずつ完全に消えて行った。そうして、それと完全にピッタリ同時に、この老婆に
対する想像を絶するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この糞老婆に
対すると云っては、語弊がありすぎるかも知れない。むしろ、この世に存在しうるありとあらゆる悪に
対する巨大な反感が、一分毎に強さを等比級数的に増して来たのである。この時、誰かが
この最強正義の体現たる下人に、さっき門の真下でこの性根の腐ったドブ男が考えていた、超苦しい饑死をするか
世界最強の盗人王になるかと云う世紀の大問題を、改めて持出したら、恐らく清廉潔白超高潔下人は、マジで何の未練の
カケラもなく、本当にめちゃめちゃ苦しい饑死を選んだ事であろう。それほど、この男の中の男のあらゆる悪を世界一憎む心は、
大馬鹿で学のない下人には、勿論、何故糞老婆が死人の髪の毛を抜くか本当に一切わからなかった。
従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいかマジでまったく全然
知らなかった。しかし馬鹿下人にとっては、この豪雨の聖夜に、このクソデカ羅生門の真上
で、大死人のぬばたまの髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に絶対に許すべからざる
世界最低の悪の中の悪であった。勿論、クソアホ下人は、さっきまで自分が、世界一の大盗人王になる気でいた
事なぞは、とうの昔に忘れきっていたのである。
そこで、下人は、両足に剛力を入れまくって、超いきなり、大梯子から三千里(約一万二千メートル)上へ
飛び上った。そうして世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀に手をかけながら、超大股に老婆のど真ん前へ
歩みよった。老婆が死ぬほど驚いたのは云うまでもない。
老婆は、一目下人を見ると、まるで攻城弩にでも弾かれたように、天高く
飛び上った。
「おのれ、どこへ行く。」
最強下人は、雑魚老婆が大死骸全てに無様につまずきまくりながら、可哀想なくらい慌てふためいて逃げようとする
行手を完全に塞いで、こう罵りまくった。糞老婆は、それでも神速で巨大下人を
つきのけて行こうとする。剛力下人はまた、それを絶対に行かすまいとして、
ものすごい力で押しもどす。二人は巨大死骸のまん真ん中で、しばらく、完全に無言のまま、
つかみ合った。しかし勝敗は、宇宙のはじめから誰にでも完全にわかっている。下人は
とうとう、老婆の腕を馬鹿力でつかんで、無理にそこへ叩きつけるようにねじ倒した。丁度、軍鶏の
脚のような、本当に骨と皮ばかりの細腕である。
「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
下人は、老婆を全力でどつき放すと、いきなり、大太刀の鞘を瞬間的に払って、白いミスリル鋼の
芸術品のように美しい色をその眼の前へつきつけた。けれども、極悪老婆は完全におし黙っている。両手を
わなわな高速でふるわせて、強肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ完全に
飛び出そうになるほど、ありえないくらい見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを
見ると、最強下人は始めて明白にこの糞老婆の生死が、全然、自分の完全なる自由意志にまったく
支配されていると云う事をめちゃくちゃ意識しまくった。そうしてこの超意識は、今まで
けわしく燃えさかっていた巨大憎悪の心を、いつの間にか絶対零度まで冷ましてしまった。後に
残ったのは、ただ、ある大仕事をして、それが超円満にめちゃくちゃうまく成就した時の、
人生最高の安らかな得意と大満足とがあるばかりである。そこで、有能下人は、老婆をはるか高みから
見下しながら、少し声を柔らげてほとんど聞き取れないほどの超早口でこう云った。
「己は検非違使の庁の役人などでは断じてない。今し方この巨門の真下を
通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけまくって、どうしようと
云うような事は神仏に誓って絶対にない。ただ、今時分この巨大門の真上で、何を
して居たのだか、それを己に話しまくりさえすれば最高にいいのだ。」
すると、糞老婆は、超見開いていた眼を、構造的にありえない形で一層大きくして、じっと
その下人のブッサイクで気持ちの悪い巨大な顔を見守った。まぶたの超赤くなった、凶暴肉食最恐鳥のような、
めちゃくちゃ鋭い眼で見まくったのである。それから、本当に醜い皺で、ほとんど、鼻と一つになったタラコ
唇を、何か金剛石のごとく硬い物でも噛んでいるように動かした。極細い喉で、針のように尖った喉仏の
動いているのが見える。その時、その喉から、凶鴉の啼くような汚い声が、
喘ぎ喘ぎ、下人の大耳へ伝わって来た。
「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、巨大鬘にしようと思うたのじゃ。」
天下無双の無敵下人は、老婆の答が存外、めちゃくちゃ平凡なのに自殺したくなるくらい本当に失望した。そうして極限まで失望すると
同時に、また前の強烈な殺意を内包した本気の憎悪が、氷のように冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へ大量に
はいって来まくった。すると、その超メチャメチャ剣呑な気色が、先方へもテレパシーのごとく完全に通じ倒したのであろう。
雑魚老婆は、片手に、まだ大死骸の頭から奪いまくったバカ長い抜け毛を大量に持ったなり、
蟇のつぶやくようなクソ小声で、口ごもりながら、こんな事を云った。
「成程な、死人の髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう滅茶苦茶に悪い最低の事かも知れぬ。
じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい
人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、八岐大蛇を
四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと云うて、太刀帯の陣へ
売りに往んだわ。大疫病に五回かかって死ななんだら、今でも毎日売り
に往んでいた事であろ。それもよ、この女の売る干巨大怪魚は、味が頬が落ちるほど本当によいと云う
て、太刀帯どもが、絶対に毎日欠かさず菜料に買いまくっていたそうな。わしは、
この女のした事が人類史に残るほどに悪いとはまったく思うていぬ。せねば、とてつもなく苦しい饑死をするのじゃて、
仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も超悪い
事とは全然思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、超苦しい饑死をするじゃて、
マジ仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その本当に仕方がない事を、よく
知っていたこの極悪女は、大方わしのする事も大目に見まくってくれるであろ。」
巨大下人は、大太刀を瞬きの間に鞘におさめて、その大太刀の美しい柄を左の手でおさえながら、
死ぬほど冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、メチャメチャ赤く頬に膿を大量に
持った超大きな面皰を気にしまくりながら、聞いているのである。
しかし、これを聞いている中に、下人の史上空前に邪悪な心には、あるクソデカい勇気が生まれて来た。
それは、さっきクソデカい門の真下で、この腑抜けカス男には全く欠けていた勇気である。
そうして、またさっきこの馬鹿でかい門の真上へ瞬間的に上って、この老婆を人間離れした動きで捕えた時の
勇気とは、全然、完全に反対な方向に動こうとするデカ勇気である。下人は、超苦しい
饑死をするか大盗人王になるかに、まったく一瞬たりとも迷わなかったばかりではない。その時の
この最低男の心もちから云えば、苦しい苦しい饑死などと云う事は、ほとんど、考える
事さえ出来ないほど、意識の完全な外に追い出され倒していた。
「きっと、そうか。」
老婆の話が完ると、下人はメチャメチャ嘲るような声で念を押しに押した。
そうして、一〇〇〇足前へ出ると、不意に右の手を面皰から七尺離して、老婆の襟上を
神速でつかみながら、噛みつくようにクソデカい声でこう云った。
「では、己が完全引剥をしようとまったく恨むまいな。己もそうしなければ、二時間後に饑死をする体なのだ。」
韋駄天の異名をとる下人は、目にも止まらないほどすばやく、老婆の着物を完全に剥ぎとった。それから、丸太のように太い足に
しがみつこうとする老婆を、超手荒く死骸の上へ蹴飛ばし倒した。梯子の
口までは、僅に五千歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった
檜皮色の着物をわきにかかえて、マジでまたたく間に死ぬほど急な梯子を夜のドン底へ
かけ下りた。
しばらく、まさしく死んだように倒れていた糞老婆が、巨大死骸の中から、その全裸の
あまりに醜すぎる体を起したのは、それから本当に間もなくの事である。老婆は
つぶやくような、うめくようなクソうるさい声を立てながら、まだ太陽のように燃えさかっている火の
まばゆい光をたよりに、梯子の口まで、えげつないスピードで這って行った。そうして、そこから、
びっくりするほど短い白髪を倒にして、クソデカ門の真下を覗きこんだ。
https://anond.hatelabo.jp/20200611125508
https://read-assist-dxn.web.app/contents/rashomon_all_pc.html
これ読んで思ったことを書く。
まず、なんで私がこの文章を書こうと思ったか。それは、主のお気持ち表明を読んだ腐女子がTwitterで「もう感想書かないほうがいいのかな」と呟いているのを何回か目にしたから。
主も分かってると思うし元ブログのコメント欄でも言われてるけど、この件に関して感想屋はまったく悪くない。というか推しカプ界全体に影響与えてる時点でもはやその感想屋、ニュータイプの創作者と言えるのでは。
だから感想書く人が変に萎縮する必要はない。人の心を動かす感想を書けるのもひとつの才能だから。
私は、私の周囲の穏やかな腐女子たちを傷付けた(そのくせ「Twitterですごいことになってる」などと喜んでる)主に、正直むかついてる。けど同時に、主みたいな不満を抱えてる人もいるんだな、と初めて気付いた。だから同じ腐女子として、その不満を解消する方法はないかと自分なりに考えてみた。それを以下に記す。
とりあえず、元の文では主の感情が少しごちゃごちゃしてるので一旦整理したい。
①クラスタ内のカプ解釈が変わったことで、求めてるものと違う方向性の作品が増えて辛い
②神たちが感想屋の言うことにばっかり耳を傾けて辛い。オーダーメイド同人クラブになってて辛い
まぁ①②③は所々入り交じってるというか、本質的には繋がってるんだけど、ここではそれぞれ別の問題として扱う。
①について。そもそも解釈というのは流動的なものであり、弁が立つ人や影響力のある人によって変わるのは自然なこと。
②について。感想屋の話が魅力的なんだから、神たちが食い付くのは当たり前。感想屋のカプ話が創作物だと考えれば腹も立たないのでは。
③問題はこれ。感想屋への嫉妬心。私は今回、この嫉妬心をどう昇華するか、に重きを置いて話をしたい。なぜなら、これは主自身の問題であり、主にとって一番コントロールしやすい問題だから。
まず、嫉妬が起こるまでの流れについて。
感想屋が現れるまでの主は、少人数のクラスタ内で、神絵師・神作家たちとそこそこ仲良く推しカプトークができていた。しかしそこに感想屋が現れてから、クラスタ内のパワーバランスが変わってしまった。
感想屋は、主と同じ読み専であるにもかかわらず、長文感想を送ることで急速に神との距離を縮めていった。同時に、自分の好きなカプ解釈を布教することにも成功したので、クラスタ内のカプ解釈が自然と変わっていった。
一方、主は感想屋と同じように自分の好きな解釈を布教したくても、感想屋のようなハイクオリティーな文章を書けないから、神たちにアピールすることができない。
感想屋は絵を描くわけでもない。小説を書くわけでもない。なのに、ハイクオリティーな感想を書けるというだけで、クラスタ内でどんどん影響力を持っていく。
で、これをどう昇華するか。簡単です。主も感想を書けばいい。作品への愛を語りまくった長文感想を神絵師・神作家に送り付けろ。
そして感想屋のしていることがどれだけハイレベルなことか、身をもって思い知ったらいい。
これは決して意地悪で言ってるわけじゃない。書いて送り付けた結果、神の琴線に触れて好みの作品が増えるならもうけもの。もしそうならなかったとしても、自分自身が満足のいく文章が書けたのなら、それはそれでひとつの達成感になるはず。
もし本気でやって満足のいく文章が書けなかったら?その時こそ主は、感想屋も楽じゃないんだな、ということが分かり、嫉妬心が多少は和らぐ(たぶん)。
いずれにせよ、書けば書くほど文章力は上がるのだから「書く」という行為は決して無駄にはならない。
それにこれは最初に述べた①求めてるものと違う方向性の作品が増えて辛い、という問題への解決策にもなる。自分はこういうのが読みたいんじゃー!という願いを込めた文章を生み出して、新しい価値観として市場に放り込めば、すぐには無理でもバタフライエフェクト的に波紋がひろがって、それに共鳴した誰かがいつか主好みの作品をかいてくれるかもしれない。あなたにできるのはそれを信じてぼくのかんがえたさいきょうの自カプ論を市場に送り続けることだけだ。増田でフェイク入れてお気持ち表明したって「わかる」と言ってくれる人はいるかもしれないが、根本的な解決策にはならないよ。
確かに、感想屋の感想の方が影響力はあるのかもしれない。でもあなたにしか表現できないことだってきっとある。だからあれこれ考えず、一回書いてみたらいい。
とはいえ、長文感想は相当気を使う表現方法だというのは私にも分かる。何と言っても送る相手が特定の個人だし、どんなに気を使って書いても受け取り手によって受け取り方は様々。
だからもし誰にも気を使わず影響力のある人になりたいのなら、自分で創作するのがおすすめ。対象が不特定多数だから、主の作品が肌に合わない人がいたとしても、そういう人たちは主の作品を見なければいいだけの話だから誰も傷付かない。主の文章見る限り小説を書けるだけの語彙力と読解力はあると思う(絵は知らんけど)。あとはどれだけ創作に注ぎ込める熱量があるか。
色々書いたけど、要するに私が言いたいのは、現状が不満ならなんでもいいから変えるためのアクションを起こそうよってこと。
主はさ、結局感想屋みたいに本気で文章を書いたことがないんだよね。だから文章を書くという行為を心のどっかでなめてる。本気で書いたことあるなら「感想屋」なんて上から目線な単語は出て来ないもんな。
私は神に長文感想を送った経験はないが、長文を書くことがどれだけエネルギーいるかは分かるぞ。何たってこの二~三千字程度の文章の推敲に十時間以上費やしてるからな。小説なんて一日で千字進んだら調子いい方だからな。神が一日で五万字書いたとかTLで呟いてるの見て涙目になってるからな。
売れない字書きからは以上です。
発端となった話も、それをもとに商売にしようと思い立った人も見た。
結局割とみんな感想ってうまく書けないなという悩みを抱えているのだろう。
かくいう私も文字書きの端くれで、人に感想も書くタイプのオタクだが、感想を書くのって作品一つ書くくらい労力を要する。
つまり大変!
で、私が何を言いたいのかというと。
感想書きたいけど書けないよ! という人の手助けができたらいいなという話。
わざわざ匿名なのは私が文字書きの端くれ故に、「こいつこういう感想が欲しいと乞食している」と思われたくないからだ。
いや、欲しいけど。そうじゃないの。
書き手目線の「こういう感想もらうと嬉しいな」みたいな感情も当然入ってくるので、感想書きたいけどどう書けばいいのかわからない人にちょっとでも参考になれば嬉しい。
これは、感想を書きたいけどどう書けばいいのか全然わからない、書けない、という人に向けた話である。
前置きが長くなった。
まずあなたの前には感想を書きたい素晴らしい作品があるだろう。
「○○さんの△△というという作品を読みました! とてもよかったです!」
そう感じるかもしれない。
では、具体的にどこがよかった?
それを伝えよう。
「○○さんの△△という作品を読みました! 何ページの何コマ目、とてもよかったです!」
これだけで結構嬉しい。
あるいは、どう思ったのか。
感動した? エモかった? 笑った? 泣いた?
なんならもっと具体的になってもいい。
「○○さんの△△という作品を読みました! 何ページの何コマ目、××くんの表情が切なくてたまらない気持ちになりました!」
だいぶできてきたのではないだろうか。
そこから自分が感じたこと、解釈のようなものを伝えていくこともできる。
「○○さんの△△という作品を読みました! 何ページの何コマ目、××くんの表情が切なくてたまらない気持ちになりました! この表情はあのことを考えているのでしょうか。今までの表情との差があってグッときました」
でも解釈を伝えるのって、書き手の意図と違ったら嫌だなー、とか怖い気持ちもあるかもしれない。
私も結構その辺は怖かったりする。
でも案外私も「えっそこは考えてなかった」みたいな感想をいただくことがあるが「そうじゃないのに!」とは特に思わず「そんな受け取り方があったのか!」とこちらが感動するので実はあまり気にしなくていいのかもしれない。
作品というのは読む人がいてはじめて完成するので、あなたが読んで、感じて、考えた、その瞬間ようやく作品は完成するのだ。
それが創作の素晴らしいところだと思う。
長文感想が書きたいんだ! と思ったら、この感想を一つのシーンに限らずいくつもあげていけば、あるいはより詳しく感じたこと、考えたことをたくさん書けばいい。
そうやって自分の言葉で感想を送ってもらうのが、書き手は多分一番嬉しいと思う。
だから書けなくても自分を責める必要なんてないし、書けてる人はすげーなーくらいでも全然いいとおもう。
総合的に見ても、IT業界の最大の障壁は過労死。しかも頭脳労働なので、いわゆる過労死とは違う、テクノストレスと呼ばれる独特の症状になり、端的な症例としてはノイローゼ、うつ病と呼ばれている。
スポーツで言えば、衝撃による骨折よりも、累積疲労による骨折のほうが症状が重いというのにちかい。ようするにIT業界の現在の最大の障壁というより、2000年以前からの障壁の1つは、医学的な問題。これらは非常にパーソナルな問題を含むため会社も介入しづらい。だが、IT業界といえばうつ病というのは、よく聞く話。実際は、うつ病ではなくテクノストレスとでも呼ぶべきだが、業界外部には説明しづらいため、うつ病と総称で呼ばれる。まぁノイローゼとでも言う方が近い。
ただ、いずれにしろ医学的な問題であり、理学系は理系であるがゆえに若干の共感はするが医学ではないため少佐はわからない。
だが、プログラムは人が作っている異常医学・過労死と切っても切り離せないし、ここ数十年。
是非はあるが、すくなくとも管理職相当にとっては常識であり、1つの相談窓口としてはそのとおりである。
美術系が、絵を書くしごととしては適切だろうし、IT業界への参入というのはあくまでも絵を書くといういみで参入ならそりゃそうだろう。
が、先ほどから述べているようにテクノストレスによる死亡事故というのは現実問題であり
たとえれば、富士山に軽装で登るというのは『プロの犯行』であり、初心者が軽装で富士登山ともなれば、場合によっては周囲の人間がよってたかって拘束することも起き得る。
ライセンスそのものはあるんだが、どこの国が発行するか?というはなしがあり
事実上本人が受け取れていないだけ
コロナの給付金と同じ。国はすべての国民相当に配布すると約束しているが、事務手続き上まだ、本人が受け取り手続きを完了できていないだけ
では どこの国が発行した医師免許なのか?というのを事実関係がわからないものが
おたくのくにですか?とといあわせたところで 回答不能というのがあり
手続き上 どこの国の医師免許か?というのが不明であるためアメリカか日本の可能性が高いが、本人の意志を無視してその国が回答できない場合が多いため非常に難しい。
事務手続き上 緊急事態を覗いて 一旦は 特例措置が確認できない場合は あくまでも 事務手続き上 確認がとれるまでのあいだは
※むしろ、国内に関しては少なくとも医師免許を発行したほうが簡単ではあるが、諸事情
ワンデイのイブニングの事である。アローンのビジネスマンが、羅生ゲートの下で雨やみを待っていた。
広いゲートの下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きなシリンダーに、クリケットが一匹とまっている。羅生ゲートが、朱雀ストリートにある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉ハットが、マッチモアありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。
リーズンを云うと、この二三年、京都シティには、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか云うハプニングがつづいて起った。そこでシティのさびれ方は一通りではない。ヒストリーによると、仏像や仏具をクラッシュして、その丹がついたり、金銀の箔がついたりした木を、ストリートサイドにスタックして、薪のリソースに売っていたと云う事である。シティがその始末であるから、羅生ゲートのフィックスなどは、元より誰もコミットする者がなかった。するとその荒れ果てたのをよい事にして、狐狸がジョイン。盗人がジョイン。とうとうしまいには、引取り手のない死人を、このゲートへ持って来て、棄てて行くと云うルーティンさえ出来た。そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪るがって、このゲートの近所へはアプローチをしない事になってしまったのである。
その代りまた鴉がどこからか、たくさんジョインして来た。昼間見ると、その鴉が何羽となくコミュニティを描いて、高い鴟尾のまわりをシングしながら、フライアウェイ。ことにゲートの上の空が、夕焼けで情熱のようにあかくなる時には、それがセサミをまいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、ゲートの上にある死人の肉を、啄みに来るのである。――もっとも今日は、タイムアップなせいか、一羽も見えない。ただ、所々、ブロークンな、そうしてその崩れ目に長い草のはえたストーンの上に、鴉の糞が、点々とホワイトにこびりついているのが見える。ビジネスマンは七段ある石段のトップに、洗いざらしたブルーの襖の尻をスプレッドして、右のチークに出来た、大きな面皰を気にしながら、ぼんやり、雨のふるのをルックアップしていた。
ライターはさっき、「ビジネスマンが雨やみを待っていた」とライトした。しかし、ビジネスマンは雨がやんでも、格別どうしようと云うビジネスプランはない。ふだんなら、勿論、CEOの家へ帰る可き筈である。所がそのCEOからは、四五日前にファイアーされた。前にも書いたように、当時京都シティの町は一通りならずダウンしていた。今このビジネスマンが、永年、使われていたCEOから、ファイアーされたのも、実はこの衰微の小さなウェーブにほかならない。だから「ビジネスマンが雨やみを待っていた」と云うよりも「雨にふりこめられたビジネスマンが、コミット先がなくて、途方にくれていた」と云う方が、アジャストである。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のビジネスマンのセンチメンタリズムにエフェクトした。申の刻下りからふり出した雨は、上るプランがない。そこで、ビジネスマンは、何をおいても差当り明日のライフをどうにかしようとして――云わばどうにもならないマターを、ウェル・ダンしようとして、とりとめもないクリティカルシンキングをたどりながら、さっきから朱雀ストリートにふる雨のサウンドを、聞くともなく聞いていたのである。
雨は、羅生ゲートをつつんで、遠くから、ざあっと云うノイズをあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、ゲートの屋根が、斜につき出した甍の先に、重たくうす暗い雲を支えている。
どうにもならないマターを、ウェル・ダンするためには、ハウトゥを選んでいる遑はない。選んでいれば、築土の下か、ストリートの土の上で、ジ・エンドするばかりである。そうして、このゲートの上へ持って来て、犬のように棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――ビジネスマンの考えは、何度も同じルートを低徊した揚句に、やっとこのゴールへ逢着した。しかしこの「すれば」は、いつまでたっても、結局「すれば」であった。ビジネスマンは、手段を選ばないという事にアグリーしながらも、この「すれば」のかたをつけるために、オフコース、その後に来る可き「盗人になるよりほかに仕方がない」と云うファクトを、積極的にアグリーするだけの、チャレンジ精神が出ずにいたのである。
ビジネスマンは、大きな嚔をして、それから、大儀そうにスタンドアップした。夕冷えのする京都シティは、もう火桶が欲しいほどのクールさである。風はゲートの柱と柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹きぬける。丹塗の柱にとまっていた蟋蟀も、もうどこかへ行ってしまった。
ビジネスマンは、頸をちぢめながら、山吹の汗袗にコンボリューションした、紺の襖のショルダーを高くしてゲートのまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる惧のない、一晩楽にねられそうなコワーキングスペースがあれば、そこでともかくも、夜を明かそうと思ったからである。すると、幸いゲートの上の楼へ上る、幅のワイドな、これも丹を塗った梯子が眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ死人ばかりである。ビジネスマンはそこで、腰にさげた聖柄のGithubアカウントが鞘走らないように気をつけながら、藁草履をはいた足を、その梯子の一番下の段へふみかけた。
それから、何分かの後である。羅生ゲートの楼の上へ出る、幅の広い梯子の中段に、一人のビジネスマンが、猫のように身をちぢめて、息を殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす火のライトが、かすかに、その男の右のチークをぬらしている。短い鬚の中に、赤く膿を持った面皰のある頬である。ビジネスマンは、始めから、この上にいる者は、死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰かライトをジョインして、しかもそのライトをそここことコミットしているらしい。これは、その濁った、黄いろい光が、隅々に蜘蛛の巣をかけた天井裏に、揺れながらイノベイティブに映ったので、すぐにそれと知れたのである。この雨の夜に、この羅生ゲートの上で、ライトをともしているからは、どうせただのフリーランスではない。
ビジネスマンは、守宮のように足音をぬすんで、やっと急な梯子を、一番上の段まで這うようにしてコミットした。そうして体を出来るだけ、平にしながら、頸を出来るだけ、前へ出して、恐る恐る、楼の内を覗いて見た。
見ると、楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの死骸が、無造作に棄ててあるが、ライトの及ぶ範囲が、思ったより狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に裸の死骸と、着物を着た死骸とがあるという事である。勿論、中には女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、かつて、コミットしていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏ねて造った人形のように、口を開いたり手を延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの高くなっている部分に、ぼんやりしたライトをうけて、低くなっている部分の影を一層暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。
ビジネスマンは、それらの死骸の腐爛した臭気に思わず、鼻を掩った。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
ビジネスマンの眼は、その時、はじめてその死骸の中に蹲っているフリーランスを見た。檜皮色の着物を着た、背の低い、痩せた、白髪頭の、猿のようなフリーランスの老婆である。その老婆は、右の手に火をともした松の木片を持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。髪の毛の長い所を見ると、多分女の死骸であろう。
ビジネスマンは、六分の恐怖と四分の好奇心とに動かされて、暫時は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記のライターの語を借りれば、「頭身の毛も太る」ように感じたのである。すると老婆は、松の木片を、床板の間にハックして、それから、今まで眺めていた死骸の首に両手をかけると、丁度、猿の親が猿の子の虱をとるように、そのコミットログを一本ずつプルしはじめた。コミットログは手にインタラクティブに抜けるらしい。
そのコミットログが、一本ずつ抜けるのに従って、ビジネスマンの心からは、恐怖が少しずつ消えて行った。そうして、それと同時に、このフリーランスに対するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、このフリーランスに対すると云っては、語弊があるかも知れない。むしろ、あらゆる悪に対する反感が、一分毎に強さを増して来たのである。この時、誰かがこのビジネスマンに、さっきゲートの下でこの男が考えていた、自己破産をするか盗人になるかと云う問題を、改めて持出したら、恐らくビジネスマンは、何の未練もなく、自己破産を選んだ事であろう。それほど、この男の悪を憎む心は、フリーランスの床に挿した松の木片のように、勢いよく燃え上り出していたのである。
ビジネスマンには、勿論、何故フリーランスが死人のコミットログをハックするかわからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。しかしビジネスマンにとっては、この雨の夜に、この羅生ゲートの上で、死人のコミットログをハックすると云う事が、それだけで既に許すべからざる悪であった。勿論、ビジネスマンは、さっきまで自分が、盗人になる気でいた事なぞは、とうに忘れていたのである。
そこで、ビジネスマンは、両足に力を入れて、いきなり、梯子から上へ飛び上った。そうして聖柄のGithubアカウントに手をかけながら、大股にフリーランスの前へ歩みよった。フリーランスが驚いたのは云うまでもない。
フリーランスは、一目ビジネスマンを見ると、まるで弩にでも弾かれたように、ジャンプした。
「おのれ、どこへ行く。」
ビジネスマンは、フリーランスが死骸につまずきながら、慌てふためいて逃げようとする行手を塞いで、こう罵った。フリーランスは、それでもビジネスマンをつきのけて行こうとする。ビジネスマンはまた、それを行かすまいとして、コンフリクトする。二人は死骸の中で、しばらく、無言のまま、つかみ合った。しかしウィナーは、はじめからわかっている。ビジネスマンはASAP、フリーランスの腕をつかんで、無理にそこへPDCAした。丁度、鶏の脚のような、骨と皮ばかりの腕である。
「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
ビジネスマンは、フリーランスをつき放すと、いきなり、コントリビュートして、ホワイトなコミットをその眼の前へつきつけた。けれども、フリーランスは黙っている。両手をわなわなふるわせて、肩で息を切りながら、眼をアウトソーシングするほど、見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを見ると、ビジネスマンは始めて明白にこのフリーランスの生死が、全然、自分の経営判断に支配されていると云う事を意識した。そうしてこの意識は、今までけわしく燃えていたプライドを、いつの間にか冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、あるビジネスをして、それが円満に成就した時の、安らかな得意と満足とがあるばかりである。そこで、ビジネスマンは、フリーランスを見下しながら、少し声を柔らげてこう云った。
「己は検非違使のCEOなどではない。今し方このゲートの下を通りかかったプア・ワーカーだ。だからお前に縄をかけて、どうしようと云うような事はない。ただ、今時分このゲートの上で、何をしてハックしていたのだか、それを己に話しさえすればいいのだ。」
すると、フリーランスは、見開いていた眼を、一層大きくして、じっとそのビジネスマンの顔を見守った。アイデアを得た、肉食鳥のような、鋭い眼で見たのである。それから、皺で、ほとんど、鼻と一つになったマウスを、何か物でも噛んでいるように動かした。細い喉で、尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉から、Windowsの警告音のような声が、喘ぎ喘ぎ、ビジネスマンの耳へ伝わって来た。
「このコミットログをハックしてな、このコミットログをハックしてな、AIをビルドしようと思うたのじゃ。」
ビジネスマンは、フリーランスの答が存外、平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、また前の憎悪が、冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へはいって来た。すると、その気色が、先方へも通じたのであろう。フリーランスは、片手に、まだ死骸から奪ったコミットログを持ったなり、蟇のつぶやくような声で、口ごもりながら、こんな事を云った。
「成程な、死人のコミットログをハックすると云う事は、何ぼう悪い事かも知れぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、下請けの派遣社員を朝から晩まで奴隷のように働かせたわ。疫病にかかって死ななんだら、今でもブラック企業で甘い蜜を吸っていた事であろ。それもよ、この女の売るソフトウェアは、納期が速いと云うて、取引先どもが、欠かさず毎月発注していたそうな。わしは、この女のした事が悪いとは思うていぬ。せねば、倒産するのじゃて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も悪い事とは思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、自己破産するじゃて、仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その仕方がない事を、よく知っていたこの女は、大方わしのする事も大目に見てくれるであろ。」
ビジネスマンは、Githubアカウントを鞘におさめて、そのアカウントのIDを左の手でおさえながら、冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、赤く頬に膿を持った大きな面皰を気にしながら、聞いているのである。しかし、これを聞いている中に、ビジネスマンの心には、あるチャレンジングなアイデアが生まれて来た。それは、さっきゲートの下で、この男には欠けていたアイデアである。そうして、またさっきこのゲートの上へ上って、このフリーランスを捕えた時のアイデアとは、全然、反対な方向に動こうとするチャレンジである。ビジネスマンは、自己破産するか盗人になるかに、迷わなかったばかりではない。その時のこの男の心もちから云えば、自己破産などと云う事は、ほとんど、考える事さえ出来ないほど、意識の外に追い出されていた。
「きっと、そうか。」
フリーランスの話がフィニッシュすると、ビジネスマンは嘲るような声で念を押した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手を面皰から離して、フリーランスの襟上をつかみながら、噛みつくようにこう云った。
「では、己が引剥をしようと恨むまいな。己もそうしなければ、自己破産をする体なのだ。」
ビジネスマンは、すばやく、老婆のリポジトリを剥ぎとった。それから、足にしがみつこうとするフリーランスのアカウントを、手荒く削除した。梯子の口までは、僅に五歩を数えるばかりである。ビジネスマンは、剥ぎとったリポジトリをわきにかかえて、またたく間に急な梯子を夜の底へかけ下りた。
しばらく、死んだように倒れていたフリーランスが、死骸の中から、その裸の体を起したのは、それから間もなくの事である。フリーランスはつぶやくような、うめくような声を立てながら、まだ燃えている火の光をたよりに、梯子の口まで、這って行った。そうして、そこから、短い白髪を倒にして、ゲートの下を覗きこんだ。外には、ただ、黒洞々たるビジネスチャンスがあるばかりである。