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2024-10-11

anond:20241011192837

途中まで読んで休憩中

広島県民だが作中の舞台想像してみる。

できる範囲だが。

作者が働いてた学校…盈進高校中高一貫私立高)の可能性がある

同じ市内の強豪高…近畿大学付属福山高校(県東部にあって柔道が強い。正しいと仮定して福山市が舞台

作中で出てくる強豪校…少なくとも1校は広島学院(偏差値65以上の超進学校)しかない

作者の出身高校崇徳高校男子校伝統校)たぶん

作者の先輩が通ってた高校広島皆実ひろしまみなみと読む。公立柔道強いのここしかない。ついでにサッカーも強い)

柔道選手の回想を聞いてほしい 3


最後公式戦(夏季大会)は印象に残っている。毎年、県内で一番立派な総合体育館で行われる大会だった。梅雨時にある。

団体戦予選は、秋季大会と同じく4校によるリーグ戦だった。上位2校が決勝トーナメントに上がる。

当校の場合は、全国レベル高校と、それに準ずる高校と、平均レベル高校の3校での争いだった。前二者には、それぞれ0-5,0-4という散々な結果に終わった。T君は健闘して強豪校相手引き分けに持ち込んだし、ほかの選手一年前に比べたらずっといい試合をするようになっていた。

だが、勝負世界は厳しい。現実リアルビジネス世界でもそうなのだが、自分が成長しても、ほかのライバルもっと成長している。最後の三試合目は、確か4-1で勝ったのかな。これで、T君の世代にとっての最後団体戦は終わった。各リーグで上位2校だけが勝ち抜いて、決勝トーナメント進出する。当校は第3位だった。これで、本当に終わったのだ。

翌日には団体戦決勝トーナメントがあって、うちの学校と同じ市内のところが優勝した。N君が所属する学校だった。広島県は、伝統的に野球柔道が強い。サッカーもそれなりである

大体のスポーツ広島市にある学校県内最強なのだが、柔道場合は、広島市福山市にある高校県内二強である。いずれも全国に通用する実力を有していた。



記憶に残っている試合の話をする。その翌週には個人戦部門があった。各階級に分かれて戦い、優勝者全国大会に出場する。T君は、81kg級で出場した。

1回戦は、尾道にある高校選手と当たった。確か、今年放送アニメ『ぽんのみち』の舞台の近所にある学校である。俺は、第一試合が始まる前にT君の打込練習に付き合っていた。体を温めておくのだ。体を超動かすスポーツ場合は、事前のウォーミングアップが欠かせない。無論ハードモードである

T君の試合が始まる直前だった。

「勝つとか、負けるとか考えるな。試合邪魔だ。柔道のことだけ考えろ」

と言った。T君は「やり切ってきます!」と言った。

やがてT君が呼ばれて、試合場の前と、開始線の前での二度の礼が終わった。

「始め!」

という審判の声とともに、相手と組み合った。練習で教えたとおり、大内刈りと小外掛けを繰り返しやっていく作戦を採っていた(T君は左利きの左組み。多くの場合ケンカつの組み手になる。鏡写しの組み姿勢)。彼の運動神経だと足技の威力は弱いのだが、技をかけ続けていれば指導は取られない。

相手が技を仕掛けてくると、T君は隙を見て――寝技の態勢に移行した。その時はたしか相手が低くしゃがんで投げる背負い投げに失敗したのかな。

すると、T君は相手に密着しつつ、真横に体重を預けるようにして、釣り手だけで送り襟締めを決めた(相手の背後から横襟を掴んで、手首の尺骨でグイっと頸動脈を圧迫する)。

相手がたまらず仰向けになったところで、両足を絡めた縦四方固めに移行すると、相手は全く動けずに25秒が経過した。一本勝ちである

よく、ここまで強くなったと思った。彼と出会った頃は、紐に巻かれたチャーシュー柔道をしているように思えた。あまりにボテボテとした動きで、才能がないのは明白だった。

だが、T君はここまで寝技を鍛えた。彼にとってのエクスカリバーだった。この頃の彼は、俺と寝技乱取りをしても1分以上は持ちこたえることがあった。

さて、次の試合だが……例の強豪校の子だった(N君)。T君と同じく高三で、改めて見るとスマートな体形だった。背丈はやはり185cmはある。あの細長い足から繰り出すカミソリのような内股で、T君は何度も吹っ飛ばされてきた。

おそらくこの時点で、すでに名門大学からスカウトを受けている(記憶によると、その後明治大学に進学している)。

試合が始まる直前、T君と最後の技の打ち込みをして、最後大内刈りで投げさせてやった。試合場に送り出す時、背後から彼の両肩に手を置いた。肩甲骨のあたりが1年前より逞しくなっている。そのまま、グイっと前に押し出すようにして闘魂を注入した。

試合前の二度の礼の最中、対戦者であるN君の表情を見た。高校三年生とは思えないほど大人びていた。歴戦の兵を見ているようである高校三年間をスポーツに捧げた者の目つきだった。子どもの頃から、数多くの試練を乗り越えてきたのだろう。こういう野獣の眼をしている若人は少ない。

試合場の外には、そのN君の学校の仲間と、あとは監督コーチ陣が控えていた。これといった表情はない。自分の教え子の初戦を観察するのは指導者の基本である。それだけだ。



実は、この時の試合ビデオ撮影している。映像は悪いのだが、できるだけ実況風に説明してみる。わからない単語があった場合は、とりあえずこちらの、

柔道チャンネル柔道用語https://www.judo-ch.jp/terms/

       柔道の技https://www.judo-ch.jp/technique/

をご覧になるといい。

別に不明単語表現があって気にしなくていい。読んでいるうちになんとかなる(と思われる)。以後、試合が終わるまでT君はTと表記する。N君はそのまま。紛らわしいからな。

さて、二度目の礼が終わった直後だった。試合場内ではTとN君が向き合っている。そして、審判が両者を確認する――試合開始の宣言があった。

「始めっ!」

Tは左組みで、N君は右組みだった。

N君は殴り抜くようにして釣り手を取ってきた。横襟のあたりだ。Tも相手の前襟を掴んだが、どこか心もとない。柔道力に差がありすぎて、まともに襟を掴めないのだ。厳しい印象の組み手だったが、後は引き手を握ることができれば……。

次の場面では、同じタイミングで袖を握り合った。中ほどの位置だった。相手ちょっと嫌がったかもしれない。かくして両者の組み手が完成する。ケンカつの組み手である

Tは大内刈りに入ろうとしたが、難しい様子だった。対戦相手と体力差があると、そもそも技のモーションに入ることすら難しい。両者、ジリジリと畳の上で移動を重ねていく。N君が技に入る様子はない。シード枠で第一戦目だった。慣らし運転という印象を受けた。

これは舐めプではない。トーナメントの初戦というのは、綺麗に勝って勢いをつけるものだ。何事も始まり大事である

重心移動を重ねていく両者。ここで、Tが小外掛け、そして大内刈りに入ったが……全く効いていない。もう一度リズムを取って、トン、という畳を蹴る音が聞こえた(ビデオ映像では聞こえないが、俺は確かに聞いた)。Tが足指の裏で畳を蹴り込んで、再度の大内刈りを放ったのである

今度はバッチリ効いていた。左腕で相手の肩を制していたのが大きい。ふくらはぎを刈り取られるようにして、N君が後ろに後退していく。数歩だけ後ろに下がったところで、技が解けて動きが膠着した。

Tは、そこから双手刈りに変化して、相手を押し込んで寝技に持っていこうとする――が、相手は両手を使ってTを上下に振って無効化した。Tの体が揺れている中、N君の大内刈りがしっかと掛かると、真後ろに倒されるのをどうにか我慢した。間合いを取ろうとしたが、遅かった。

N君は、Tの体を引き出して崩しつつ、股下に飛び込んでいた。全身を躍動させて、右脚でもってTの骨盤を跳ね上げた――内股、炸裂。

会場がどよめいた。それくらい、鮮やかな技の入りであることの証明だった。Tの身体が浮いている。が、まだ投げられてはいない。右足をケンケン状態にして抗っていた。歩幅のあるケンケンをしていた。

最後に、ダメ押しとばかり身を捨てたN君に巻き込まれる格好で、畳に落ちていく。

「……!」

主審動作は、会場全体の視線に応えるかのようだった。右腕を緩やかに振っている――ノーポイントだ。背中がついてないので当たり前だが。

会場の反応を気にする素振りもなく、それから寝技の攻防を見守っていた。Tが上からN君を攻め立てるが、「待て」がかかる。

次の組み手でもそうだった。お互いに十分な位置で組めているとは思うが、相手の圧に押されて、Tは身動きが取りにくい。N君は、けん制気味の大内刈りで攻めていた。タイミングを合わせて内股を狙っている。

ある瞬間だった――N君が内股を仕掛けた。すると、Tの動きがおかしかった。ジャンプするようにして真横に飛んだのだ。相手の振り上げた足がぶつかって、コロンと畳を転がった。背中がついている。

「技あり!」

N君にポイントが入った。背中はついていたが、勢いがなかった。

その後も厳しい展開が続いた。Tは相手とガッシリと組み合った後、てんで効かない大内刈りを繰り返していた。そして、N君はそれを上回る勢いで足技を仕掛けてくる。

Tは、それからも真横にジャンプするような動きをすることがあった。対するN君は、いい位置の組み手を取って大内刈りを仕掛けている。大内刈り→内股に繋げるのが狙いだ。

Tは正面から大内刈りを受けるも、後ろに飛んで腹ばいになって回避した。「待て」がかかった。その後、Tに指導(※ノーポイント)が与えられた。

「始め!」

ここで、N君が奥襟を掴もうとしてきた。奥襟というのは文字通り、横襟よりも奥になる。あなたが今着ている衣服で言うと襟首である

Tは抵抗を見せるも、最初は横襟を掴んでいた敵人の右手は、ついに奥襟に差し掛かった。Tは体を後ろに下げつつ……なんと、内股を放った!

N君の奥襟を取る力を利用しようとしたのだろう。ただ、懐には入れていたが全く効いていない。発想はよかったが、素の柔道力の違いがこういう所に出る。威力が無さすぎて、N君の方が戸惑っているように見えた。

今は、互いに横襟を握り合っている状態だ。ケンカ四つなのは変わりない。さっきとは、うって変わって静かだった。N君は小刻みに大内刈りを繰り返している。投げる気はない。けん制だ。Tも、何かを狙うかのように釣り手を小刻みに動かしている。

N君が、釣り手を下方向に絞ったかと思うと、Tの胸をいきなり突いた。一歩下がることになり、また前に踏み出そうとする。その時、Tの胸を小突くようにしてまた大内刈りを放った。Tは嫌がって、猫背気味に距離を突き離した。そして、背筋を真っ直ぐに戻した直後である――直立姿勢。一瞬の静止。

N君は脱力している。俺はつい、「あ……」と言った。技に入る準備ができている。もうダメだ。直観である

一瞬だった。N君は釣り手と引き手を利かせつつ、軸足としての左足で、Tの股下に飛び込んだ。体を密着させつつ、右足を高らかに振り抜いた――内股、一閃。

「技ありいいぃーーーーッ! ……抑え込みッッ!!」

審判の声が響いた。

彼らを視認すると……TがN君を横四方固めで抑え込んでいた! とともに湧いてきたのは、会場からのどよめきと、賛辞の拍手だった。

「なにしとる、N。まだ逃げられる! 右に回転せえ、手を、手を突っ込め!!」

N君の高校監督が、試合場の外から怒号交じりのアドバイスを送っていた。不完全ではあるものの、N君は確かに抑え込まれている。

何が起こったのか。一応、撮影したビデオ画面をベース説明すると……あの時、N君が振り上げた右足は、Tの身体を跳ね上げることな空振りし、宙をひと回り以上して畳に落ちていったのだ。返し技――内股すかしである

Tがやったのは、まず一番に跳ね上げられるであろう左足を、真後ろに隠して回避するという古典的な内股すかしだった。あとは、N君が内股を空振りして自らの威力で吹っ飛び、空中を一回転半して腹ばいで畳の上に落ちた。そして、Tが電光石火の早業で抑え込んだ。以上である

「てら、全力で体重乗せんだよ。あと半分、半分!」

 ※あと10秒抑え込んだら合わせて一本

気が付くと、横四方固めはガッシリ入っていた。N君の動きは著しく制限されている。しかし、彼も体力は相当ある方だ。寝技が解けないならばと、背筋で跳ねるのを繰り返すことで、徐々に移動して……試合場外への脱出成功した。

審判の「解けた!」の宣言の瞬間、試合場の端から抑え込みタイマーのブザー音が聞こえた。これは……!?

「待てー、待て……!」

審判の声は焦っていた。

開始線に戻った両者。ここで主審が、副審のところに行って協議を始めた。N君の学校監督コーチ陣は、ギラついた目で審判団を睨んでいた。タイマーを見ると、残り試合時間は1分半だった。

戻ってきた主審は、「技あり」のジェスチャーを取った後で、上方向に手を振った。ノーポイントに訂正する、という意味だ。

残念だった。あれは内股すかしだったが、投げ方は確かに変だった。N君が技に失敗して、自分で体勢をコントロールして腹ばいに落ちたようにも思えた。

正直、一本でもよかった。今の柔道では、スーパー一本といって、技の威力ありすぎて腹ばいに落ちた場合、一本になるルールがある。当時もその概念はあったが、ルールブックに明文化されているわけではなかった。

その後、併せて審判は、T君が寝技で抑え込んだことによる「技あり」の宣言をした。

「始め!」

N君は即座、猪突の勢いで駆けた。右手でTの奥襟を奪いに行こうとするが――パシン、という音がすると、なんとTが相手柔道着の背中を掴んでいた――奥襟の、さら真下の部分である

N君は、前傾姿勢になった。彼もTの奥襟を掴んではいるが、動きはない。静止している。

「なにをしよおる、はよう技に入れ!!」

相手校のコーチ狼狽していた。

わかっていない。N君は動かないんじゃない、動けないのだ。Tの腕力は本物だったようだ。

「ようだ」というのは、俺がTと乱取りしていて、背中を取らせたことは一度もないかである

体捌きも、総合的なパワーも、ありとあらゆるテクニックも、俺の方がずっと上だった。よって、奴のパワー(ベンチプレス160kg,背筋280kg以上)を体感する機会はなかった。

とにかく、N君は前傾姿勢のまま動けないでいる。その状況で、Tは不意に大外刈りに入った。N君のふくらはぎに刈り足が当たって、ケンケン状態で後ろに下がった。

Tが大外刈りをやめると、すぐさま、今度は連続して内股に入るのだった。釣り手で背中を掴んだまま、大腰みたいにしてN君の体が浮いたが……やはり柔道力が足りない。そのまま両者、畳に沈み込んだ。

いや、違う! Tはこれを、寝技を狙っていた。寝姿勢に入った途端、N君の片腕を取りつつ、巻き込むようにして後ろ袈裟固めに入ろうとする。N君はさらに体を転がして回避した。防御姿勢になる。

Tは亀状態になったN君の上に乗ると、帯を掴んだ。すると、体を捨てる重心移動によって亀状態をひっくり返した。そのまま縦四方固めに持っていこうとする。

再び、N君は腹ばいになって逃れるも、ここでTは――中腰の姿勢になり、両腕で相手柔道衣を握った。胴衣の腕の部分と、下袴の太腿部分をそれぞれ握っていた。そのまま、立ち上がってN君を両手で宙づりにすると――畳の上にゴロンとひっくり返した。

「抑え込み!」

タイマーカウントが始まるが、抑え込んで十秒もしないうちに解かれてしまった。試合の残り時間は、あと30秒ほどだ。

いい作戦だった。まともに立ち技勝負してN君に勝てるはずがない。先ほどの背中を掴んだ組み手は本当によかった。寝技にもっていくための算段のひとつである背中を掴んだ後は、なんやかんやで相手を動かし続ければいい。

背中を掴むのに成功してからは、立ち技ガンガン打って、早々に寝技に引き込んで、審判の「待て」がかからないように動きまくるのだ。それで時間を稼ぐ。

彼は、これを狙っていたのか。作戦だったのか? そんなことは……あるかもしれない。まぐれはこんなに続かない。彼の脳裏にこの流れがあったのだ。

主審は、選手2人が開始線の前に立つと、柔道衣の乱れを直すようポーズを取った。

そして、N君に対して指導を与えた。一瞬、彼の表情を見たが、恐れを感じていた。眉のあたりが強張っている。恐怖を感じる時の表情だ。これから自分がどうなるかわからない、そういう恐怖を感じている。

会場がどよめいていた。大番狂わせのニオイを感じ取っている。

「始め!」

N君は脱兎のごとく、Tの奥襟を取った。対するTが背中に手を回すよりも早く、伝家の宝刀、内股に入った――不十分な組み手だったが、Tの股下に入った足がガッシリ効いている。浮かないようにするだけで精いっぱいだった。

「ヤアァァーーーーーーーーーーッ!!」

N君は咆哮を上げつつ、内股から大内刈りに変化した。自分の後ろに投げる技から、前に投げる技への連続――完璧タイミングだった。

「終わった……?」と思ったその瞬間、Tは自らの体をコマのように回転させて、腹ばいになって畳に落ちた。寝姿勢で向き合って、怒涛の勢いでN君を組み敷いたかと思うと、縦四方固め……? いや、違う。それはフェイントであり、腕がらみ(アームロック)を極めようとしていた。審判が真上から様子を見ている。関節技が極まるか極まらいか、際どい局面だった。

刻一刻と、時間が経過していく……Tの作戦が功を奏したのだ――試合終了のブザーが鳴った。

「それまで!」

ここまで四分。実時間で約十分。お互いによく戦った。ポイントは同点である。この場合は、主審×1と副審×2による旗判定で勝敗を決する。

試合用のタイマーが置いてある長机から審判員が手慣れた動作紅白旗を取った。元の位置まで戻ると、主審は、副審を見やってアイコンタクトを取った。全員、どちらに旗を上げるか決まったようだ。N君が赤旗で、Tが白旗だった。

紅白2本の旗を手前に持ち上げる審判員――白い旗が2本だとTの勝ちである。会場の一角は、静かだった。かくいう俺も心臓バクバクだった。僅かな時間のはずなのに、長く感じられる。

「判定ッ!」

赤2本、白1本という事実を確かめ主審は、溜め息を吐きながら白い旗を仕舞うと――N君の方に勝利の手を掲げた。

この試合を見ていた観客は、ほぼ全員が選手2人に拍手喝采を送っていた。スタンディングオベーションである。いい試合だった。勝ち負けとかどうでもよくて、とにかくいい試合だった。

俺はしばらく其処に立っていたが、T君の後を追いかけてトイレの方に向かった。

次です

https://anond.hatelabo.jp/20241011192840

2024-08-10

anond:20240808192723

色々主張もあるかもしれんけど、日本国旗を敬えない人に公務員は無理だろうなって思った。

ワイはきつい訓練とか嫌なので合格したもののそっちの道は選ばなかったんだけれど、防衛大学校試験を受けに行ったときにそういう話を聞いたなーと思って。

増田みたいに人権侵害についてあらさがしをしたら掲揚できる国旗なんてどこの国も持ってないんじゃない?

自分日本から受けてきた恩恵ことなんてすっかり忘れて、誰かから吹き込まれ反日感情を見せびらかしたいだけなら、少なくとも公務員は辞めるべきだったね。

個人的には「太平洋戦争引き起こし被差別部落問題を長年放置してきたのは日本政府です。」にかなり違和感を覚えるね。

1925年からはすべての男子選挙権を持ってたわけで、太平洋戦争 (と言うなら真珠湾攻撃+米国への宣戦布告が開始点) を引き起こしたのは当時の日本男子でしょ。

成人した後に日本政府が誤った決定をした場合にも自分選挙権を持っていたという事実にはほっかむりをして、政府のせいにするの?

自分が選んだ人が当選しないなら、それは自分の考えが他の人と大きく違うのかもしれないって思わないの?

被差別部落問題は同和政策として政府は長年取り組んできていると思うんだけれど、福山市では実施してなかったの?

公務員なんだから同和政策に携わろうと思えば市中の人よりもしやす立場だと思うんだけれど、あなたは何してたの?

私がというか、我々世代がこういう左翼の人たちを嫌いで、半ば馬鹿にしているのは口ばっかりで行動が伴わない所だぞ。

うそう、デモに行くとか主義を唱えるとかは行動じゃなくて口ばっかりにカウントされるからね。

例えば、TPNWの批准国を増やすために元増田は何かしたの?

同和政策についても、増田は何してきたの?

2024-08-09

anond:20240808192723

読んだよ。

水呑(みのみ)町だろ? だったら福山市職員で確定だ。

グーグルマップの評判見たことあるが、厳しそうな環境ではある。

他人だけど、こんなとこでグチグチ言ってないで、早く再就職先見つけろや。そしたら楽になるかもしれん。

2024-07-16

夢楽 咲煌ちゃん缶バッジ

広島市住みなんだが、こちらの缶バッジを配っているとTwitterで見た。

※先日増田日記でもプチバズっていたかもしれない。

夢楽 咲煌(おおむら さき)ちゃんとは、広島県府中市公認Vtuberのようだ。

仕事福山市近辺に行くことがあって、ついでに府中に寄って缶バッジその他記念品を手に入れた。

市役所の2階で無償で配ってたよ。

(持ち帰った缶バッジ画像

https://tadaup.jp/3c4ac44d0.jpg

(同じくTwitter

https://x.com/yossy_1126/status/1810459808568578520

こういう界隈のことはわからないが、市町村キャラクターにしては洗練されたデザインだとは思う。

いい絵師に巡り合うことができたのだろうか。

さすがにYouTubeは観ないけど、少しだけ応援してみようと思った。

2024-06-28

匿名での悪口卑怯


今月、グーグルマップ口コミ被害を受けた人達訴訟を提起したニュースを見た。

GOOGLEマップクチコミ被害訴訟である

若い子はグーグルマップは見ないんだろうけど、中年世代ネット口コミを見てお店などに行く。民間企業にとっての悪質レビュー死活問題である特に飲食店といったサービス業はそうだ。

自分自身被害に悩んでいるかもしれない。かもしれないって書いたのは、被害を受けているのは市役所で、私はそこの従業員から。直接の被害者ではないけど、ひどい口コミが気になって心が痛い。

とりあえず、こちらを見ていただきたい。

グーグルマップ短縮URL

https://x.gd/7XMOM

庁舎場所クリックして、口コミを上から1020くらいまで見てもらえればわかってもらえると信じている。

相手公共機関からって、書きたい放題にもほどがある。

私は結構からここで働いてるけど、市民から視線が気になってしょうがない。




そりゃあさ、確かにひどいことをする職員だっているよ。どこの会社だってそうでしょ。

勤務中に、市民の人が聞いてないからって「障がい者採用試験受けるべきじゃない。あれらは、いざという時に市民をまもれんじゃろ!」と言ったり、飲み会の場で「結婚してない奴は人間性が不十分。未熟な人間が多い」とか言ってる昭和生まれの年配職員がちょこちょこいる。

もっとひどい人だと、夏祭りなどのイベント行事が終わった後の食べ物飲み物を全部持って帰ったり、失敗した職員を人から見えない廊下に立たせてる管理職もいる。

労働組合幹部の人だと、国や県の職員も混ざっている宿泊研修の時に、「私は日本国旗の掲揚係にはなりません。あん戦争を起こした国の国旗には触りたくもない!」と言って、周囲をざわつかせた人もいる。

最近だと、市民業者の人と窓口で言葉のやり合い(ののしり合い)になった後で、その職員の人が自分の机に帰ってきたところで、上司とか先輩が、

増田、お前。男を上げたのお。お前は漢よぉ!!」

みたいな、体育会職場だったりもする。今時「男」って……。そのほか、差別暴言とかのハラスメントもあるけど、ここであまり書くべきじゃない。

※私が特定されたらどうするの、ていう人もいると思うけど、自己責任から覚悟してる。福山市には正規非正規を合わせて職員が約6000人以上いる。



冒頭の話に戻るけど、インターネット口コミでひどいことを書く人達のことが理解できない。あの人たちは全員匿名だと言っていい。卑怯すぎる。

何度もグーグルに削除申請したけど、ぜんぜん消えない。もしかしてこれって、市長とか総務部長の名前で削除申請を出さないと、消えなかったりする……?

もやもやした感じが止まらないし、無情な口コミが増えていくのも納得できない。

私はグーグルマップ飲食店探しに利用してるから、完全スルーもできない。

私は一体、どうしたらいいんだろう。できれば不当な口コミは全部削除してほしいと思ってる。

2024-04-19

anond:20240419072147

田舎に住んでるやつ、バカです


田舎ではない都市

1 横浜市 神奈川県 3777491

2 大阪市 大阪府 2752412

3 名古屋市 愛知県 2332176

4 札幌市 北海道 1973395

5 福岡市 福岡県 1612392

6 川崎市 神奈川県 1538262

7 神戸市 兵庫県 1525152

8 京都市 京都府 1463723

9 さいたま市 埼玉県 1324025

10 広島市 広島県 1200754

11 仙台市 宮城県 1096704

田舎

12 千葉市 千葉県 974951

13 世田谷区 東京都 943664

14 北九州市 福岡県 939029

15 堺市 大阪府 826161

16 浜松市 静岡県 790718

17 新潟市 新潟県 789275

18 練馬区 東京都 752608

19 大田区 東京都 748081

20 熊本市 熊本県 738865

21 相模原市 神奈川県 725493

22 岡山市 岡山県 724691

23 江戸川区 東京都 697932

24 足立区 東京都 695043

25 静岡市 静岡県 693389

26 船橋市 千葉県 642907

27 川口市 埼玉県 594274

28 鹿児島市 鹿児島県 593128

29 杉並区 東京都 591108

30 板橋区 東京都 584483

31 八王子市 東京都 579355

32 姫路市 兵庫県 530495

33 江東区 東京都 524310

34 宇都宮市 栃木県 518757

35 松山市 愛媛県 511192

36 松戸市 千葉県 498232

37 市川市 千葉県 496676

38 東大阪市 大阪府 493940

39 西宮市 兵庫県 485587

40 大分市 大分県 475614

41 倉敷市 岡山県 474592

42 金沢市 石川県 463254

43 福山市 広島県 460930

44 尼崎市 兵庫県 459593

45 葛飾区 東京都 453093

46 藤沢市 神奈川県 436905

47 町田市 東京都 431079

48 柏市 千葉県 426468

49 品川区 東京都 422488

50 豊田市 愛知県 422330

51 高松市 香川県 417496

52 富山市 富山県 413938

53 長崎市 長崎県 409118

54 岐阜市 岐阜県 402557

55 豊中市 大阪府 401558

56 宮崎市 宮崎県 401339

57 枚方市 大阪府 397289

58 横須賀市 神奈川県 388078

59 吹田市 大阪府 385567

60 岡崎市 愛知県 384654

61 一宮市 愛知県 380073

62 高崎市 群馬県 372973

63 長野市 長野県 372760

64 豊橋市 愛知県 371920

65 和歌山市 和歌山県 356729

66 北区 東京都 355213

67 奈良市 奈良県 354630

68 川越市 埼玉県 354571

69 高槻市 大阪府 352698

70 新宿区 東京都 349385

71 大津市 滋賀県 345070

72 中野区 東京都 344880

73 所沢市 埼玉県 342464

74 越谷市 埼玉県 341621

75 いわき市 福島県 332931

76 前橋市 群馬県 332149

77 旭川市 北海道 329306

78 郡山市 福島県 327692

79 高知市 高知県 326545

80 那覇市 沖縄県 317625

81 春日井市 愛知県 308681

82 秋田市 秋田県 307672

83 四日市市 三重県 305424

84 明石市 兵庫県 303601

85 久留米市 福岡県 303316

86 豊島区 東京都 301599

2024-04-14

福山お好み焼き

広島関西お好み焼きを巡っての論争をよく見かけます

ネットでは広島風と関西風の支持者が白熱した論争を繰り広げていますが、ここで「福山お好み焼き」の存在を指摘しておこうと思います

 

福山市は広島県の東端都市で、県内2位の規模を誇ります

この街はかろうじて広島県に入っているものの、実際は岡山の影響を色濃く受けています

そのせいか普段広島っぽくないくせにカープが優勝したりすると「広島すげえええええ」みたいな雰囲気になります

これを「なんちゃって広島現象」といいます

 

さて、福山市内にはお好み焼き屋さんがたくさんあるのですが、なんと、その多くで広島お好み焼き関西お好み焼きを選ぶことができます

しかも、同じトッピングであれば両者は同じ値段で提供されます

関西風と広島風で同じ量のトッピングがされ、同じソースを使いまわすので、必然的広島市内のお好み焼きよりもかなりボリューミーで味が濃くなります

個人的にはこの"味の濃い広島お好み焼き"がとても好きで、これを「福山お好み焼き」と呼んでいます

広島風と関西風のいいとこどりをした唯一無二のお好み焼きがここにあるのです。

 

福山お好み焼きはまさに「なんちゃって広島現象」の最たるものですが、こればかりは文化奇跡だと思います

2024-01-30

anond:20240130085109

60~70年代ロックブルースとのこと

島聡容疑者と見られる男は、神奈川県藤沢市工務店で 「内田洋」を名乗って働き、20年ほど前から職場近くのバーに通っていた。陽気な音楽好きで、店のライブでは盛り上げ役 となり、音楽に合わせて踊る姿も。周囲からうっちー」と呼ばれ、人目を気にする素振りもなかった。

バー男性オーナーによると、男は新型 コロナウイルス流行前に月1回ほど一人で来店し、カウンタービールを2、3杯飲んでいた。1960~70年代ロックブルース、米ソウル歌手ジェームス・ブラウンが好きだった。ライブでは「イェイ、イェイ」と声援を送り、バンドをもり立てていた。

小柄で黒縁眼鏡を着用。オーナーは男が住んでいた家を訪れて歌手ビデオをもらったこともあったが、ここ数年は姿を見なかった。「普通のおじさん。不幸な様子もなく、指名手配写真とは全く印象が違う。 びっくりだと」話した。

よく似た男は近くの別のバーにも約20年前から頻繁に通っていた。店長によると、いつも一人で来店し、ぼそぼそとした声で話す特徴があった。霧島容疑者広島県福山市まれだが、男は「岡山出身」と周囲に話していた。海岸バーベキューをする店主催イベントにもよく参加していた。店長は「よく飲み歩いていたようで、近辺では知られた存在。愛されるキャラクターだった」と振り返った 。

2023-12-10

風光明媚港町には、次のようなものがあります。

鞆の浦広島県福山市

玉野市岡山県

ビーゴスペイン

リオデジャネイロブラジル

鞆の浦は、瀬戸内の中でも日本経済の中心を担う要港として発展した港町です。坂本龍馬ゆかりの名所や仙酔島のような大自然など、見どころが数多くあります。また、映画ドラマロケ地としても有名です。

玉野市は、岡山県南端位置し、瀬戸内海の美しい自然に恵まれ港町です。

ビーゴスペイン最大の港町で、風光明媚スポットがあります。

リオデジャネイロブラジル南東部港町で、第二の都市です。2月に開催されるカーニバルが有名です。

2023-09-10

20230910[アタック25]Next 2023年9月10日 #77 通常大会 学校先生大会 2023-09-10結果

BSジャパネクストで日曜昼などに放送

日曜日の本放送だけ1時「25」分から

BS1からボタン2回(今だけ?)とか

ケーブルテレビSTBでは見られない場合が多いようなのでBSパススルーとか

地域によってはSTBで見られるようになったかもしれないので最新情報確認

 

今日の答え(放送とは表現が異なる場合があります

・01 [ある人物名前]吉田松陰 よしだしょういん

・02 小豆島 しょうどしま

・03 なでしこ

・04 インパルス

・05 [3択]『ロッキー

・06 僕が見たかった青空

・07 [すべて][4答]広島市 岡山市 倉敷市 福山市

・08 桜木建二 さくらけんじ

・09 [近似値]4万5300

10 Chief チーフ

11 北政所 きたのまんどころ

12ノシン(酸

・13 [トルコ石]ターコイズ

・14 [2択]フランクリン(・ルーズベルト

・15 利休揚げ/利久揚げ

・16 鈴木敏夫 すずきとしお

17 フランス

・18 YOSHIKI

・19 [ふるさとクイズ][秋田県大仙市]スマイルソーセージ)ハイチーズ

20 ゴスペラーズ

・21 かわぐちかいじ

・22 1(番目

23 愛媛(県

24 五味太郎 ごみたろう

・25 [AC]『RRR』 アールアールアール

・26 グスタフ・クリムト

・27 [3択]サル

28浅草キッド

・29 虎(の巻

・30e サザンオールスターズ

・xx [ある都市名前]滑川市 なめりかわし

2023-09-07

そら(3か月3万円の労働力が使えなくなったら)そう(つぶれる)よ

技能実習生として働いていたベトナム人女性(29)が不当解雇されたなどとして、約520万円の損害賠償を求めた訴訟広島地裁福山支部東根正憲裁判官)であり、実習先企業代表と、実習生の受け入れ窓口となる「監理団体」が不当解雇責任を認め、計200万円の解決金を支払う条件で4月に和解したことが6日、分かった。

女性2016年6月、総菜製造会社ホーユー」(広島市)の実習生として来日した。3カ月に約3万円しか支払われないなど、最低賃金以下で働かせられ、同11月待遇改善を求めた直後に解雇されたと主張。監理団体協同組合TTK」(広島県福山市)の関係者空港まで連れて行かれ、強制帰国を迫られたとも訴えていた。

はい解散

2023-04-22

から見える場所で叱責をすべきではない


昨日、嫌なことがあった。

士業をしており、広島岡山あたりの自治体申請相談その他の用事で行くのだが、そこで誰かが誰かを叱責している場面に出くわした。

具体的内容は書かないが、状況によってはパワーハラスメントが成立するような雰囲気だった。

自分が行った役場はいわゆる本庁機関だったけれども、病院機構とか、上下水道局とか、教委事務局とかでもそういうことがあった。たまに、様子のおかし職員がいて、なにやら大声で叫んだり、時には人として不適切発言をしている。そんで、時には自分みたいな運の悪い客がそういう場面に出くわしてしまう。

追記 今さらだが、筆の調子が悪い。体調もちょっとよくない。見づらい文になるがすまない)

昨日なんかは一番ひどかった。ひとつめの窓口に行って申請をしている間、例のごとく叱責の声が聞こえてきて、段々とヒートアップして、そしたらいつの間にかそいつらがいなくなってて、少ししたらちょっと離れたところからまた凄まじい怒鳴り声が聞こえてきた。上役がキレ散らかしたのだろうか。

ふたつめの窓口は別の階だったからいいものの、あん空間はできれば射たくはないんだよな。後でメシがまずくなる。ほかの増田だって飲食店で主人が従業員説教してる場面を見たら嫌になるだろ。井之頭五郎だったら主人にアームロックかけるだろ。そんなところだ。

民間企業だったらまだギリ許せるが、官公庁でそういうのはマジで非常識だと思う。自分も年だから、そろそろ仕事の量を考えないといけない。だからもう、そういう感じの組織への申請書類を代行する仕事はもうやめにしようと思ってる。

ただ、昨日はマジでムカついた。これまでの鬱憤もあるから、ほかの組織も合わせて、ちょっと書き殴らせてほしい。

客が見ている前で大声(or不適切発言)を出す職員がいた自治体

広島

 規模が大きい割には、そういうことは数度しかない。多くの市民の目がある分、しっかりしているのだろうか。

東広島市

 二回あった。あまり仕事で行かない自治体なので何とも言えない。

府中市

 冒頭で挙げたところだ。自治体サイズで換算すると、頻度が多いように思う。

福山市

 十回程度かと記憶している。職員のガラも悪いが、客層が悪いのもあると思われる。

尾道市

 一度だけあった。海が見えるんだからもっと落ち着いて仕事しろよ。

2023-04-01

中学時代に知り合った子と再会した


当方、30代後半になる。会社員男だ。現場仕事疲れた時、帰りに自分好みの居酒屋に寄ることがある。約一年前に、そこで珍しい体験をした。あんな気分になったのは初めてだった。懐かしいし、嬉しいけど、でもちょっと怖い。ツキがありすぎて、逆にツイてないんじゃないかと思った。

実をいうと、中学生の時に柔道合宿で知り合いになった女性と再会した。二度と会えないと思っていた。思い出が記憶水槽に残っていたのを自覚した。

それは、居酒屋カウンターに座った瞬間だった。どちらからともなく「昔会ったことあるよね」「増田君だよね」「Yさんだよね」という流れになって、しばらく話し込んだ。

少しばかり、昔のことを綴ってみたい。2000年代前半のことだ。



中二の夏休みだった。当時、広島県の海の見える田舎柔道をやっていた。普段中学校単位練習しているが、隣の市にある工業高校柔道合宿があるらしい。顧問先生が是非とも参加したいと主張していた。それは6泊7日の長期合宿で、うちの中学は途中日程で二泊三日だけお邪魔させてもらうことになった。

当時は弱い方だった。黒帯には遠く及ばず、公式戦でも黒星が多かった。白星が増えつつはあったけど。不安だったのを覚えている。高校生ボコボコにされると思った。でも柔道は好きだったから、ちょっと期待もあった。


朝八時くらいに工業高校に到着したのだが、柔道場に入ると、すでに数十人の高校生と、県大会活躍するレベル男子中学生が畳の上でぐったりしていた(ランニングウェアで)。朝6時から朝練で相当しぼられたらしい。

朝9時半に柔道練習が始まったのだが、背丈が185、体重が90くらいある高校生が、「これから、午前の練習を、始めるッ!!」みたいに野太い声で開始を宣言した。今でも覚えている、とても高校生には見えなかった。『テニスの王子様』で、すごいおっさん高校生が出てくるだろ。そんな感じだった。

準備体操受け身練習を終えて、中学生だった自分達は、いよいよ投げ技の打ち込み(二人組になって技に入る直前までやる。20本で交代で、組み合わせが順番にグルグル回る)に入った。高校生と組むことが多かったのだが、レベルの差がありすぎて向こうの練習になってなかった。こちらは、綺麗に受けてくれるお陰で練習になっていたが。


柔道場には女子が何人もいた。別に珍しくはない。工業高校があるのは大きい市だったから、柔道をやってる女子はたくさんいる。うちの地区には女子は数えるほどしかいない。

その中で、打ち込み練習自分の前に立った女子(Yさん)は、ほかの女子とは違う気がした。体型は大きめで、上半身が丸っこい感じがしたのを覚えてる。

めっちゃ気が強そうだった。目の鋭さが違う、子どもって感じがしない。実際にそうだった。打ち込みで自分と組み合ったと思うと、真っ先に大外刈り(※技の解説はあまりしない。適当にググってほしい)に入り始めた。女子と打ち込みをしたのは、その時が初めてだった。なんか、男子と明らかに感じが違う。柔らかくて繊細で、リズムがあった。

残念ながら、リズムが良すぎて技の受けが噛み合わなかった。「んん~!!」という不機嫌そうな声とともに、Yさんは20本目を終えた。Yさんと交代して自分は、おそるおそる大外刈りの打ち込みに入った。

……やっぱり、男子とは明らかに違う。振りかぶった足で相手を刈る技なんだが、大外刈り相手と胸を密着させる必要がある。男子だと問題なくできるのだが、どうしても胸が合わなかった。こちらの胸板をぶつけると、反動とともに弾き返される。何度もぶつけようとするが、うまくいかない。Yさんの方から、「チッ!」みたいな舌打ちが聞こえた。正直ビビっていた。

自分はナメられやすい見た目だった。あなたの周りにも、40代ほどで小太りで、中肉中背のマッタリとした雰囲気のおじさんがいないだろうか。その予備軍みたいな中学生だった。今の妻にも「おじさんみたいじゃん」「お腹触らせて~」などと言われることがある。※けっこうな頻度でぜい肉を握られる。

打ち込みでは、その子以外の女子とも組んだ。背負い投げは背丈の関係で入りにくそうだったので、全員大外刈りにした。でも、Yさんほど入りにくくはなかった。みんな、スッと胸を合わせて密着することができた。


そんなこんなで投げ技の乱取りが始まった。ここからは男女別に分かれた。男子は40人以上いて、女子は6~8人だったかな。女子柔道場の端っこの方で乱取りをこなしていた。黒帯白帯も一緒だった。やはりYちゃんは圧倒的な強さのようで、福山市では中二にして57kg級で優勝していた。

ところで、当時の日記には「強くなれる機会だ。でも、高校生に投げられたらめちゃ痛そう」と書いていた。実際そんなことはなかった。というのも、白帯白帯だけのグループでの乱取りだった。黒帯グループを見ると、自分がいる市で一番強い体重90kgほどの男子が、細身の高校生にボロ雑巾のように背負いで投げ飛ばされていた。

その時、見てしまった。その男子が体格を活かして大外刈りに入った――と認識した時、一瞬で空中二回転半する勢いで、その高校生のしゃがみ込む背負いで畳の上に叩きつけられていた。いや、あれはもう畳にめり込んでいた。「バァーーーンッ!!」という音がしたのを覚えてる。でも不思議かな、そんな勢いで強い人に投げられてもぜんぜん痛くない。


当時の自分は、柔道が強くなりかけていた。黒帯にはほど遠かったけど。黒帯乱取りグループに入れてもらいたかった。だから、頑張って、頑張って、ひたすらに白帯中学生高校生を投げ続けた。そしたら、あっちのグループに入れてもらえるかなと思った。そんな気配はなかった。




午後は、寝技稽古だった。初めの方は先生が模範の攻めパターンを見せてくれて、二人組を作って互いに掛け合う流れだった。やがて、小休憩を挟んで寝技乱取りスタートした。自分はやはり黒帯グループに行きたかったので、必死相手を抑え込んでいた。

それで、寝技乱取りの三本目か四本目の終わりに「ビイイイイッッ!!」と電子タイマーのブザーが鳴ると、工業高校先生と、もうひとりの先生(Yさんの顧問)に呼ばれた。ほかの白帯も二人ほど一緒だった。


「おみゃーらは、次はこっちに入ってもらうけえ。君らの先生許可はもらっとる」

 ※標準的備後弁名古屋弁×広島弁みたいな感じ)だ。特に乱暴な口調ではない。


その時また、電子タイマーのブザーが鳴って――目の前にはYさんがいた。この時が、人生で一番驚いた。黒帯グループを夢見ていたのに、反対に女子グループに入ってしまった。


「お願いしまーす!!」

「……」


礼儀正しい方がYさんだ。自分は無言だった。「なんで、なんで」と心の中で思っていた。当時の感情は覚えてる。ウダウダしていて情けなかった。

Yさんや、ほかの女子との寝技乱取りを回想してみる。当時の乱取りは確か、互いに両ひざをついた姿勢スタートだ。Yさんはフツーに力が強かった。筋肉がある。男子と比べても劣らない。

で、ぐいぐいと畳に引き込まれて、コロッと転がされた。脇の下にサッと手を入れられて、そのまま横四方固めになった。こんなにあっさり決められたのは、言い訳になるがショックを受けていたからだ。

Yさんの身体越しに真上を見ると、さっきの工業高校先生こちらを観ていた。恥ずかしい気分になった。黒帯グループに入りたかったのに、とまだ未練がましく思っていた。先生が「Y。ええぞ、逃がすな」と言っていた。

その瞬間、自分は空いていた右手でYさんの黒帯の後ろを掴んだ。左手の肘を同じく太ももに押し当てて、ブリッジをした。すると、Yさんの体がきれいにひっくり返って、そのまま横四方固めをやり返す格好になった。


「あぁーーーーーもーーーーーッ!!!!」


今でも覚えてる。Yさんは本当に叫んだのだ。横四方で抑え込まれたまま、わっせわっせと両手を互いの身体の間に挟んで、腹ばいに転がろうとするのだが、当時の自分体重は65kgあった。女子の力で動かすのは困難だった。

しかし、女子を横四方固めで抑えると、両者の身体の間に空間ができることがある。Yさんの場合特にそうだった。Yさんの顧問先生も、ずっとこっちを見ていた。


「Y、あと10しかない、逃れろ!!」


先生の声が聞こえてきた。

Yさんの抵抗が激しくなって、指先を顔にぶつけてきて痛かった。人差し指が唇にぶつかって、「いてっ」と叫んだところで、ぐるりと転がって脱出された。

また、寝姿勢のまま組み合ったところで、Yさんが自ら背中をついて(いわゆるグラウンドポジション)、こっちを引き込もうとして、もちろん抵抗して――終了のブザーが鳴った。


「うん。次はこっちじゃ」


連れて行かれた先には、ほかの女子がいた。今度は白帯の子だ。小柄だった。自分と同じ市の中学一年生だった。

電子ブザーが鳴ると、両ひざを立てて組み合ったのだが、Yさんに比べると力がない。組んだ感じだと、その子体重は40~45kgだった。指先をひねるくらいの勢いで押すと、真横にコロンと転がった。よいしょっと上に乗って、丁寧に上四方固めになった。

今度は余裕があったから、「両手をお腹のところに入れて」「押して押して、空間を作って回転して~」みたいに教えていた。教えるのはおこがましいかもしれなかったが、でも、その子練習にならないから……と思っていた。

あと、一人か二人の女子寝技乱取りをした。Yさんと同じくらい力のある子はいたけど、本気でやると自分が勝った。男子女子には体力差があるのだ……。その後、白帯グループに帰された。

それから立ち技寝技乱取り最中に、たまに先生方に呼ばれて女子練習相手をした。Yさんという例外を除いて自分が勝つので、ずっと相手の実力に合わせるみたいに柔道をしていた。周りの先生が、その女子リアルタイム指導をするのを聞きながら。


さて。柔道経験者であればわかると思う。

当時は、女子と組まされて悔しい!! と感じたけど、感覚としては間違ってない。今の自分は、柔道を教える人としては約十年目なのだが、あの先生方の気持ち理解できる。あの時、あの場所ではこういう情況があった。


1.強い女子(Yさん)の練習になる相手がいない。男子と手合わせさせたい。

2.手合わせする男子候補

 ①白帯か弱い黒帯であること

 ②Yさんと同じくらいの体格

 ③女子選手性的な目で見ない、セクハラなど論外

 ④女子相手でも手を抜かない

3.白帯グループから2.の傾向がある子を抜いて練習相手にする


こんなところか。要するところ、あの先生からはこういう視線で見られていた。


増田はほどほどに弱い

・体格がそこまで大きくない(164cm,65kg)

 ※Yさんは当時おそらく163cm,55kg前後

性的に疎そう(第二次性徴が遅そう)

柔道の動きが遅い(リアルタイム指導がしやすい)


今では納得している。実際、2.の③④は特に重要だったりする(女子保護者から言われるのだ……)。

よくない人間だと、指導とみせかけて女子選手身体を触るとか、嫌な気分にさせるとか、そういうことが実際にある。一般的寝技練習風景だと、男子女子寝技乱取りをすることになった場合女子の仲間が数人単位乱取りの様子をずっと見ているのが基本だ。「セクハラは見ています」というメッセージを暗に伝えている。

また、練習環境によっては、女子選手が自ら男子選手を捕まえて乱取りをせねばならないことがあるが、女子が捕まえる男子は、概ね2.の条件を満たしている(女子選手人間なので、特定男子大人気で順番待ちということもある)。


合宿のすべての日で、Yさんと乱取りをすることになった。寝技の方はだいぶ慣れた。抑えたり抑え込まれたり、実力は拮抗していた。

立ち技が難しかった。はっきりってYさんの方が強かった。体力では勝っているが、Yさんの方がセンスがある。組み手争い(上手く組めると優位に立てる)について、Yさんは特にこだわるタイプだった。うまく組めなかった場合だと、「ああ、もおっ!!」みたいに怒り出してしまう。男性ホルモンが強いタイプ女子だった。


ところでYさんは、合宿所に自転車で来れるくらいの学校に通っていた。漫画アニメに出てきてもおかしくない学校名だったのを覚えている。それで毎朝早朝、自転車工業高校にやってくる。

当校にとっての合宿最終日の朝、柔道場がある体育棟の軒先でYさんと出くわすことがあって、「おはようございます」と言った。Yさんも「おはよ」と言って、ほかの女子数人と着替えに行った。

三日目もこれまでと同様、白帯グループ女子グループの間を行ったり来たりだった。だが、この日の最後にはなんと、黒帯グループに入ることができた。もちろんコテンパンにされたけど、いい経験になった。

それで、最終日の夕方の部のことだった。この日は、ベテラン講師陣によるストレッチ講座があった。この日だけは、ほかの中学女子は帰らずに参加していた。

講師が二人いて、ほかの生徒らはラフな格好で畳に座って開始を待っていたのだが、そこにYさんが黒いTシャツと、下はジャージ姿で現れた。入口スノコが踏まれた時の音を覚えている。

あの光景は、当時男としては相当初心だった自分でも察せる状況だった。ほかの男子は皆、畳の上を颯爽と歩くYさんを観ていた。一応、いろんな人が読んでる場なのでサクッというけど、物凄い大きさだった。その膨らみが、真っ黒のシャツの中で踊っていた。自分は知っていたけど、柔道着なしのTシャツ越しだとさらに目立っていた。

しかし、当時の自分は関心がなかった。大きいなぁとは思ったが、すぐにどうでもよくなった。畳に視線をやって、ジャンプ漫画ジョジョ(第6部・ストーンオーシャン)のことを考えていた。

性の目覚めが遅いタイプだった。『いちご100%』を読んでも何が面白いのかわからない少年だった。初めて人を好きになったのは21の時だ。遅すぎる。


それで、ストレッチ教室講師説明を始めて、いろいろ体を動かして、いろんな部位がグキグキッとなって、1時間も経つ頃には終わって……うちの中学解散ということになった。顧問先生と一緒に、最後工業高校柔道部員みんなに礼をして、さあ帰ろうかというタイミングだった。

柔道入口スノコの前まで行ったところで、Yさんやほかの中学女子が屯していた。Yさんがこっちを見ていた。声をかけようか迷ったけど、けっきょく声をかけた。あまり知らない異性に声をかけたのは、おそらくこの時が初めてだ。


「お、これはYさんではないですか。お疲れ様です!!」

「お疲れさま」

「修業になってよかったね」

「うち、今日で終わりじゃないよ。最終日まで。あと二日あるんよ」

「Yさんは近所の学校なん?」

「うん」

「俺は尾道

「うん。知ってる」

「県大会で会ったら声かけるね」

「うん」

絶対だぞ」

あん白帯で出れるん?笑」

「……頑張る」

「多分もう会えんよ」

「うん、そうかも」

「どうやって帰るん?先生の車?」

福山駅まで歩く。親戚の家まで電車

「うちも歩くんよ。福山駅まで」


この日の夜、家族が泊まってる親戚の家に合流することになっていた。家族柔道合宿に合わせてくれたんだと今では思ってる。親戚の家の最寄り駅まで、誰かが迎えにくる予定だった。

この時、Yさんに「じゃあ一緒に帰ろうよ」と提案した。

同じ中学柔道部員は外に出ていたが、顧問先生こちらを見ていた。「ほかのみんなは先生の車じゃけえ。暗いから気を付けるように」と言って、スノコを踏んで体育棟の出口に歩いて行った。それから自分も、Yさんと一緒に工業高校を出た。

Yさんと駅まで一緒に帰る途中、いろいろ話はしたけど内容はよく覚えてない。柔道の話ばかりだったのは覚えてる。冗談で、Yさんにお腹のぜい肉を触られたっけ。最後メアドを交換する話になったが、当時は携帯電話を持ってなかった。

あっという間に福山駅に着いて、Yさんと手を振って別れて(またね、とお互いに言ってた)、福塩線電車に乗って、親戚の家の近くの駅で降りると、叔父さんと叔母さんが迎えに来ていた。


それから、Yさんと話すことはなかった。県大会の会場でも、中国大会の会場でも、お互いに姿を認めることはあったけど、別に話をすることはなかった。目は何度も合ったのだけど、こっちは試合前でピリピリしてるし、Yさんもそうだと思うと話しかけづらかった。

それで、高校になるとYさんを見かけることはなくなった。Yさんとの思い出は終わったのだ。



冒頭に戻る。

偶然、Yさんと居酒屋で再会して話が盛り上がった。確か、こんな感じのことを話した。


・Yさんは遠くの高校へ進学し、大学まで柔道をしていたこ

自分は今でも柔道をしていて、先日四段を取ったこ

・お互いに1回離婚をしていること

・お互いにあまり変わっていないこと

・Yさんの子供も柔道をしていること

・二人とも同じ市内に住んでいること


最後電話番号を交換した。Yさんと話ができて一番よかったのは、当時の感情脳裏に浮かんできたことだ。中学二年生の時の思い出が蘇るって、あんなにしみじみとした気分になるんだな。

自分気持ちを吐き出すことができてよかった。また明日からは一読者だ。面白い日記があることを期待して土日を過ごしたい。

23/4/4 追記

書こうかどうか最後まで迷いましたが、私の再婚相手がYさんです。

2023-01-20

小売物価統計調査見ると別に田舎物価って安くはないよね

もろちん、調査方法の偏りとかはあるだろうけど

例えば米(コシヒカリ)だと

甲府市

府中市

熊谷市

奈良市

福山市

和歌山市

札幌市

伊丹市

函館市

山形市

高い順にこう

すげー田舎ばっかってわけじゃないけど

俺らが想像する”都会”が上位に固まってるわけじゃない

 

小麦粉だとこう

宇部市

那覇市

松山市

府中市

熊本市

盛岡市

高松市

大分市

高知市

和歌山市

わりと田舎が上位に来てる感じがする

 

牛乳

那覇市

松山市

鳥取市

金沢市

宮崎市

福島市

今治市

富山市

旭川市

宇部市

 

都会は物価が高くて田舎は安いっていうのは

一体どこから来たんだろうか

その謎を探るため、我々はジャングルの奥地へと向かった

2022-10-28

[]阿野監督イレブンゲキ「ここでやって残るか、やらないまま落ちるか」29日広島戦、山本ら主力欠場で試される底力

 オレオレFCは29日の第37節、アウェイサンフレッチェ広島戦に向けて午後、広島県福山市で完全非公開練習を行った。勝てば、自動降格回避可能性があり、残留にも王手をかけられる一戦だが、MF山本主将がコンディション不良で今節は欠場。相馬らが主力が不在の一戦に、阿野燿大監督は「ここでやって残るか、やらないまま落ちるか」とゲキ飛ばした。今季2分1敗の難敵相手に4度目の正直で白星を目指す。

    ◇   ◇   ◇

 いよいよ待ったなしの残り2試合が始まる。負けていれば、今節J2降格可能性があった12日の柏レイソル戦で20試合ぶりの白星17位と残留圏内ギリギリ順位だが、降格危機から一転、今節勝てば残留に大きく近づくところまで来た。GK村上は「良い雰囲気で準備は出来たと思います。あとはそれを結果で示したい」と広島戦への意気込みを口にした。

 しか今季9ゴール9アシストを挙げている主将MF山本が26日の練習で負傷。27日は別メニュー調整だった。阿野監督は「昨日に比べたら良くはなっている」と話しながらも「明日は出させない」と欠場を明言した。その上でイレブンには「『こういう状況やけど、ここでやって残るか、やらないまま落ちるか』という話はした」とゲキ飛ばしたと言い「僕らはプロですし、どんな状況でもやらなアカンし、結果で示さないけないので。サポーターや仲間の思いを背負って戦う」と力を込めた。

 代役やシステムについては「何も決めてへん(笑)」とはぐらかすも「調子の良い選手が多すぎるので、ホンマに嬉しい悩みです(苦笑)。そこは僕らがしっかり見極めながら、最適なシステム、最高のメンバーを送りたい」と状態の良さを強調する。

 広島とは3月の第2節ホーム戦で1-1の引き分け。先制点を奪いながら追いつかれた。ルヴァンカッププレーオフステージでは1分1敗で敗北。広島はそのまま勢いに乗ってルヴァン王者に輝いた。現地で視察したFW吉田は「悔しさと刺激の両方がある」として「大一番ではありますが、いろんなプレッシャーを感じつつも、それに応えてこそ。楽しみです」と苦手意識はないとし、ゴール奪取と勝利を誓った。

 泣いても笑っても残り2試合。負けが込み、無意識にかかっていた重圧も、前節の勝利と中断期間で切り替えられた。「なんとしても、笑って終わる。そこはブラしたらいけない。楽しみながら、積極的に戦う」と指揮官。19試合勝利などで苦しんだ今シーズン笑顔でフィナーレを飾る。

○…オレオレFCの状況

 勝ち点39のオレオレFCは29日でのJ1完全残留はなし。広島戦に勝利すれば勝ち点は42。勝ち点37同士の19位清水鹿島と、20磐田G大阪と対戦。共に引き分け以下に終わると勝ち点は37か38で1試合を残して、自動降格は回避する。更に勝ち点39の京都C大阪引き分け以下に終われば、大きなアドバンテージで最終戦に臨める。それ以外は最終戦に持ち越し。

 清水磐田オレオレ京都が共に勝利勝ち点41の湘南引き分け以上だった場合引き分け以下だと、1試合を残して19位以下が確定し、共にJ2降格となる。

 オレオレが敗れた場合清水磐田のどちらか勝利、もしくは京都引き分け以上なら18位、2チーム以上が勝利すると降格圏再転落、更に最下位転落の可能性があるため、予断は許されない状況にある。

2022-08-31

ぼったくりバー店員だったことがある 其の三


パート

https://anond.hatelabo.jp/20220830220250

わかった風に述べてきたが、俺自身はそこまでI店に貢献したわけでもない。最初の三ヶ月は時給800円以下の日払いアルバイトだった。社員の人や、キャスト女性が多くのお金をもらっているのを見て、自分もいつかはと考えていた。

キャッチ役になると、I店に連れてきた人数と支払額に応じてバックがもらえるが、代わりに固定給時間換算が500円以下となる(実績主義)。閑古鳥が鳴くような平日火曜日とかだと、むしろ働くのが損みたいなことになる。

お客さんがゼロの日が三度あったのだが、さすがにキツかった。その日の給料は相当安いし、皆の目線ちょっと冷たい。でも、店長も、キャストの人も、ほかの人も、「ドンマイ!気にすんな」とか「お前は慎重だから」とか「あんたは人の表情を見る力はあるんど。今はそれでいいんじゃけ。焦るな」とかいろいろ言ってくれて、涙がじんわりと出てきたのを覚えている。

終りはあっけなかった。

働き始めて二年が経つ頃だったか店長に呼ばれて、店内のソファに向かい合わせに座っていた。

それで、言われたのだ。より上のランクを目指してみないかと。要するところ、このグループ社員(と呼んでいいのであれば…)になって、さらに実績を出せば上のグループに入れてやれるというものだ。

入店してすぐに感づいていた。この人達反社だということを。反社なんだけれども、本格的な人達ではなくて、中途半端存在だった。店長だけは組に籍を置いていた。それで、俺に見込みがあるようなら入れてやろうという話を持ち掛けてきたのだと思う。

その場で断った。1年間ほぼ2年間、お世話になってきた店長だった。接客キャッチ指導もしてくれたし、若い人間にとってよりよい生き方も教えてくれたし、居酒屋でも風俗店でもいつもおごってくれたし、従業員の前でキレたりすることもなかった(お客さんは脅したり殴ったりする)。いい人だった。

でも、こういうずる賢いところがあるのが俺だ。一本筋が通っていない。あれだけ世話になった店長に対して恩返しをしていない。誘いを断った理由ひとつで、もし自分評価を受けて組に入ったが最後、まともな人生を送れないことが明らかだからだ。盆暗な自分でも、そのことだけは明白に、クリヤーに理解できた。

店長は、「いいよ。わかったまた考え直したら連絡がほしい」という感じでソファを立って、スタッフルームに入っていった。

二週間ほど後だった。休み明けに店に行くと、もぬけの殻になっていた。外観はちゃんとあるのだけど、店には鍵がかかっていた。ガラス越しに中を覗いてみると、主だった備品が無くなっている。

店長電話してみようと思ったけど、やめておいた。多分しない方がいいと思ったから。それから一週間以内に、店長とほかのスタッフから電話があったけど、出ることはなかった。

……不義理なことをしたのだと思う。法や道理に反する行いはしていたけれども、俺達は仲間だった。(調子に乗ってると思われるのが嫌で)ここまで書かなかったが、当時の手取りは25万を超えていた。馬鹿自分は、店長からの「税金は引いてあるからな。全部お前の金だ」という真っ赤な嘘を信じ込んでいた。

店長は俺を買ってくれていた。エピソードは言えないけど、とにかく評価してくれたのだ。そんな人を裏切ってしまった。俺がもっと任侠心のある人間だったら、きっと店長の誘いを受けて、その道に入っていたに違いない。仁義という意味では、それが正しい姿に違いない。



ぼったくりに遭わないために~

自分語りはここまでにして、ぼったくりに遭わないための方策を教えよう。

まずは、ぼったくり被害が生じる原因にして、ぼったくり店が存在し続ける最大の理由を述べよう。

お前たちが馬鹿からだ。

どうして1時間飲み放題で3,500円などという話を信じるのか。この世界のどこかにぼったくり店が存在することなど、社会人相当年齢の人なら皆知っているだろう。どうしてキャッチなんかにホイホイ付いていくのか。人が十分に賢くなれば、世の中に詐欺が溢れることはなくなる。悪徳業者は撲滅される。

個人的な話になるが、これまで俺が会ってきた優れた人間特に経営者)は、利益を得るよりも不幸を避ける戦略採用していた。ショボい利益額になっても、とにかく損失を避けるやり方を好んでいた。

繁華街を飲み歩く時は、酔って認識力が低下することまで含めて最悪への対応を考えておくべきだ。飲み歩きを是とする者にとっての正義ひとつだと思う。

自分場合は、飲み歩く時は以下の戒めをほぼ順守している。

原則①】入るお店は1夜につき5店まで

 (理由:酔いつぶれ防止のため)

原則②】ストレートロックは1店につき1杯まで

 (理由:〃)

原則③】シャンパンワインボトルはハレの日に限る

 (理由お金無駄だし、酔ったら理性のタガがはずれやすい)

原則④】飲酒運転(※いつも自転車を利用)はしない。

 (補足:もししたくなったら、密着警察24時で赤信号無視免許取消になった自転車乗りのおじさんに思いを馳せる)

原則⑤】キャッチ絶対無視(無料案内店のスタッフを含む)

 (理由:言うまでもない)

この原則を打ち立ててから10年、失敗したことは一度としてない。たまに破って「失敗したかも」と感じたことは何度もある。人生の損失みたいなレベルの失敗はしていない。

もし、あなた学生だったり、若手社会人だったり、地方から都会に出てきたばかり(※1)の場合ぼったくり店に入ってしま可能性がある。そうなった場合対策も教えておこう。

まず、お店に入ったところから始めよう。身も蓋もないが、ぼったくり店かも?と思った時点で脱出することだ。あるいはメニュー表を見せてもらう。カウンターの上に等間隔でメニューが置いてあったり、店内に料金が掲示してあった場合は信じていい。

店員カウンターの下からショット出してきた場合はやや警戒(9/2追記 メニューをよいしょっと出してきたの意)。口頭のみだった場合は、さらに怪しいので帰った方がいい。席に座った時点で料金発生というのが業界標準だ。その前に帰ろう。先ほど述べたとおり、利益を得るよりも損失を減らす方針を採った方が人生におけるリターンが優れている。

さて、それなりに飲んで、サービスを受けて、さあ帰ろうとなったところで料金の請求を受けることになる。伝票に書いてある数十万以上の金額を見て、ぼったくり店だったと知ることになる。

ここからは、以下に従うことで脱出できる可能性が高くなる。手順以前に最も大事なのは、怯まずに粘ることだ。向こうは強気な態度に出るだろうが、法的な後ろめたさの現れだ。

ステップ

これは正当な料金ではない、根拠を示せと言う。ぼったくり店は「これがうちの料金だから」とか、カウンターの下からメニューを出してきて「ここに書いてあるでしょ」とか、「キャッチの料金説明は間違い。あとでシメとくから」など、料金の正当性を主張する。

その場合でも、「これはぼったくりである相場の料金しか払わない。解決しない場合警察を呼ぶ」とはっきり主張する。相場の料金としては、普通飲食店の料金想定額×2倍程度を言っておく。かなり運がいいと、割高の料金を支払うことで解放される。

なお、ぼったくり店が主張する請求額は絶対に払ってはならない(※2)。

ステップ

彼らは、刑法上の詐欺罪となる『無銭飲食』を根拠として強い口調で攻めてくる。あなたを囲い込んだり、帰り道を塞ぐのは基本である。「払えないならおそろしい目に遭う」と口々に脅してくる。免許証のコピー取らせろとか、名刺を渡せとか普通に言ってくる。従う必要はない。ステップ①のとおり金銭交渉を続ける。

もし話し合いがNGとなったら後は通報するだけだ。携帯電話を取り上げられるのでは、と思うかもしれないが、警察への通報実力行使で止めた場合公務執行妨害となることは向こうもわかっている。さりとて、無理やり監禁されてボコボコにされるのでは……と考える人もいるし、ぼったくり店もそのイメージを植え付けることを狙っている。

その場で携帯電話を取り出すか、○万円などの支払意思を示したうえで店を出て交番に向かう。相手も付いてくるだろうが心配しなくていい。

相手プロから逮捕リスクを考える。そこまでして金がほしいとは思わない。警察のお縄になったら、当然お店の営業はできないし、刑務所に入りたくないと考えるのはカタギと同じだ。

ただし、半グレ特に若い衆)が経営している店は要注意。そんなことなどお構いなしに、暴力監禁脅迫などしてくる店がある。基本、そういう連中は未来のことは考えていない。良くも悪くも今を生きている。

ステップ

かのぼったくり店で起こった事例で説明する。

ある日、福山市街のとある交番の前で、I店の近所のぼったくり店と引っかかったお客さんがモメていた。警察官数名が話を聞いている。

ぼったくり店はメニューに料金が書いてあるからと主張するが、お客さんは最初に聞いていた金額と話が違うと主張する。話は平行線でまとまりようがなかった。こうした場合ぼったくり店もメンツがあるのでどこまでも食い下がる。最終的には、当初請求額の2分の1などで収まる場合が多い。

が、そのお客さんはできる部類の人間だった。狐並みの賢明さを有していたのは間違いない(そこまで飲んでなかったのかも)。

お客さんは「私は1万円を支払うと言っていますが、それだと無銭飲食ということですね」と店側に言った。店は当然、「○○万円払わないと警察に突き出す」と言う。

ここで、お客さんは警察に向かって、「私がここに1万円を置いて、福山駅の方に帰って行くとしましょう。彼らが実力行使に出た場合傷害罪刑事事件となりますか」と問うた。警察官は「そうなる可能性があります」と店のスタッフ側を睨んで言った。

「では、私が1万円を置いてそのまま去った場合、無銭飲食で私を逮捕しますか」とさらに問うと、なんと警察官は、「何もしません。帰ってもらっていいです」とはっきり言ったのだ。知性と粘りの勝利だった。

店側は「おかしいでしょ!法律に従ってくださいよ」と警察官に詰め寄るが、「民事不介入です(※3)」と突っぱねるばかりだった。お客さんは警察官に1万円を供託すると、そのままタクシーを捕まえて、駅の方まで帰っていった。

まり相手が主張する請求額を払ってはならない。その場から逃れて家に帰ることだ。それで九分九厘逃げられる。

ぼったくり犯罪だ。お金を支払う道理はない。ぼったくる側もわかってやっている。

一応、これまでの判例を調べてみたが、警察裁判所も、ぼったくり店の味方をすることは一切ない。問答無用でお客側の味方をする。

彼らの多くは、正義真実に基づいて行動する。面倒くさいと思ってぼったくり店への苦情を放置する警官もいることはいる。かといって、ぼったくり店の味方をしてお客さんを逮捕した場合、おそらくは警察内部での白い目と恥の目線が待っているのではないか

※1…

地方都市にぼったくり店は少ない。ぼったくり店は密集して初めて力を発揮する。その界隈に1店舗だけポツンとあってもすぐに悪い噂が広まるし、警察官も手柄欲しさに喜んで飛んでくる。ぼったくり店には都会性がある。かなり前に帰省した時、福山駅のI店跡周辺に行ってみたが、ぼったくり店と思しき店々は悉く消えていて、複雑な気分になった。悪が撲滅してよかったという想いと、地域経済力が低下していることのもの悲しさを感じた。ついでに福山駅前がめっちゃ綺麗になっててビビったわ……。昔はヤンキー集団が屯していて、駅前には汚いものが色々と転がっていた(自主規制)。

※2…

民事不介入関係するが、ぼったくり店にお金を渡していた場合は、あの警察官でもどうにもできなかった。なぜなら、サービス債務と金債務が共に履行されるという、まさに民法上の契約と支払が成っているからだ。真の意味での民事不介入となり、お店からお金を取り返すのは不可能に近くなる。

※3…

警察官はストリートレベル行政職員典型例だ。要するに、上司許可がなくても裁量的に動くことができる。ほかにも、ケースワーカーなど現場に出る公務員はその仲間らしい。一般企業(働いたことないけどさ…)だと、上司許可がないと○円払って下さいという納付書を切れないのだろう。しか警察官は、自己裁量交通違反者に反則切符罰金の納付書を発行する。上のぼったくりの例でも、警察官が「民事不介入です」と主張できたのは、社会的公正とか、後で上司に叱られる不安ゼロだったか自己判断でできたことだ(と推測する)。公務員には身分保障があるのも大きい。

【参考】

首都東京法律事務所

https://ik-law.jp/blog/bottakuri/

(2 警察に、お店との間に入ってもらうを参照)



それからお前はどうなったかって? サッと説明する。このへんはあまり言いたくないんだ。

コンビニアルバイトで食いつなぐなど到底できるはずもなく、祖父を頼った。頭を下げて、実家に戻らせてほしいと頼んだ。そしたら「実家に戻ることは認めないが、最後の温情として職を案内してやる」と言われた。

祖父からは『面接でしゃべること』というメモをもらって、必死で覚えて採用試験に臨んだ。筆記試験中学レベルの内容だったからどうにかなったが、面接がやはりしんどかった。じいちゃんからは、とにかく自信を!というアドバイスと、「儂の名前絶対に言わないように」と釘を刺された。

それで、晴れて合格になって、市内の公園とか道路とか福祉施設とか、そういうところのベンチを直したり、壁をコンクリで補強したり、草木剪定したり、道路不法投棄されたごみを拾ったりとか、そういう仕事に就いた。

でも、俺はとんでもない馬鹿で、20代後半になる頃だったか。大声で絡んできた住民の人がいて、あまりにムカついて、ブチ殴って怪我をさせてしまった。

それで人事に呼ばれて、「謝罪意思がないなら、もう雇い続けることはできない」と言われた。先輩や上司からは、「労働組合を通じてお願いできるよ、きちんと謝罪意思を示せば人事もわかってくれる可能性はある。低いけれども」と言われたが、当時の俺は聞けなかった。自分がした行為は正しいと思い込んでいた。あのおっさんが醜い言葉で俺達をバカにしたのが悪いと主張して譲らなかった。

で結局、謝罪意思を示すことなく、諭旨免職を受け入れて、ちょっとばかしの退職金をもらった。じいちゃんやほかの家族挨拶をすることもなく、遠くにある自動車期間工仕事に申し込んで、1社目で運よく採用になって、それからずっと今まで続いている。

以上で、この日記は終わりだ。

辛い思い出もあったし、楽しいと思えることもあったけど、このまま惰性で生きていってもいいのかと思い始めたところで増田投稿してみようと思った。読んでくれた人、ありがとうな。



【余談】

近年のぼったくり事案について思うところを述べたい。

近年の傾向としては、行政消費者をより手厚く守るようになったことだ。昔だったら、「騙されたけど勉強になったやろ」的な観点警察対応することも多かったが、当時に比べると親身になっていると感じる。

そんなご時世、流行り出したのがプチぼったくりだ。いや、普通ぼったくりなのだが、キャバクラバーと比べるとはるか良心的(?)な価格に設定されている。レシートにも、それっぽい名目の料金が少しずつ加算されている。黒だとは言い切れないギリギリを攻める。

都道府県ぼったくり防止条例は、居酒屋などの一般飲食店対象としていないという事情がある。ぼったくり店側も、高額請求逮捕されるよりはプチぼったくりで地道に稼いだ方が効率的ということだろう。

これについては、以下のはてなブログが詳しい。

バズってるけど評判の悪い店を紹介しま

https://mazuimeshi1.hatenablog.com/

この至高の御方は、自分の足でぼったくり店を探して記事を書いている。残念ながら今は更新されていない。

この人の記事が好きだった。自分で身銭を切って、読者にぼったくり店の注意を促したり、ツイッターで気を付けるべきアルファツイッタラーを紹介したり、とにかく公益的な活動をされていた。

この当時、多くの人は森友学園とか、芸能人賭博とかギャンブルとか、イケハヤとかはあちゅうがまた一般から金を巻き上げてるとか、みんなで集団になって攻撃できる話題を探していた。

でも、この方は個人ぼったくり孤独に戦い続けていた。そこまでバズるわけでもないのに、それでも粘り強く都内ぼったくり店を渡り歩いて、劣悪なサービス屈辱を味わい続け、ブログレシートをアップする。

そういうところに、同じ人間として憧れる。この人がYouTubeをやってたら、投げ銭をする確率100%といっていい。またブログ再開しないかな。

2022-08-30

ぼったくりバー店員だったことがある 其の二


2022.8/30 皆さまへ

パートでは時間をぼったくってしまいました。申し訳ありません。

https://anond.hatelabo.jp/20220829202648

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気が付いたらめっちゃ書いてるな。気が晴れてきた。

それから地元ではイマイチ目立たない感じの、偏差値40半ばの私立高校(今年甲子園に出場している)に入った俺は、ますます薄汚い根性を身に着けていった。アニメとかドラマとかで、三下がやるような行動があるだろう。まさに、それをやっていた。

例えば、土曜日なんかの地元セブンイレブンで、可愛い子と大学生くらいの男が仲睦まじい様子で店から出てきたとするだろう。モテない俺達としては、大いにイラッとするわけだ。

人がいない辺りに出たのを確認して、3人で近づいて取り囲んだことが何度もある。

こんにちはー」「かわいいっすね」「夕方までお話しませんかー?」「怖くないんで」みたいな具合で話しかけにいく。彼氏と思われる方は、ほとんど全員委縮する。当然だ、喧嘩なんてしたことはないんだろう。それで、女の子と会話を続けて、腕とか肩に触っていって、コンビニに停めてあるバイクの方まで連れて行く。男の方は、怖い顔の先輩がガードして止めておく。

半分以上はうまくいった。女の子が声をあげたら大人しく退散するし、近所の人が携帯電話を取り出していたらダッシュで逃げるし、男の方が暴力に訴えたら、3人がかりで服を掴むなどしてブンブン振り回して、道路に沿って流れている小川に叩き落して終わりだ。

ちなみに、女の子バイクの後ろに載せて、付近国道沿いエリアまで連れて行って、適当に飯食ってカラオケに行ってそれで終わりだった。犯罪的なことをしようとした連れもいたが、俺が怒鳴って止めていた。『警察に捕まるのだけは割りに合わない!退学になるだろ!危機管理大事だって父も言ってたろ!』と、まさにゴブリンレベルのこざかしい思考を巡らせていた。

情けないほどの三下だった。これって、ある意味弱者男性じゃないか精神的な意味での。自分モテいからって、モテる奴を踏んづけて勝者になった気分になってたんだよな。普通に最低だと思う。ちゃんとした教育を受けてない人間って、リアルゴブリンなんだよな。

読者の方の溜飲を下げるために言わせてもらうと、その後ひどい目に遭うことになる。ああいう感じで無理やりに引っ張っていった子が、マジモンの反社暴力団。名前は当然伏せる)と関係があった。ある日の夕方だった。俺達3人は、例のセブンイレブンバイクで立ち寄ったところで、黒くてデカい車からいきなり出てきた連中、今でいう半グレだな。そいつら4人に取り囲まれて、本人確認されて、その後は最短コースボッコボコにされた。

時間的には数分だったが、バイクはキズモノにされたし、俺は駐車場の車止めに向かって蹴りを食らわされて激突したし、その後も殴られて、額からも鼻からも血が出て、あいつらが帰ろうとした時には痛すぎて立つこともできなかった。

コンビニから一番偉いと思われる、まさにヤクザ風体の人が出てきた。今思えば、店舗責任者と話をつけていたのだろう。その人は「次やったら海に捨てんぞ」とだけ吐き捨てて、黒いデカい車の後部座席に乗った。

その日、思い知った。力というのはより強い力に潰される運命にあると。自分達は社会ゴミひとつに過ぎないと直感した、そういう日だった。

厳密にいうと、「力というのはより強い力に潰される」のを本当の意味で知ったのは、それと同じ月のことだった。家に帰った俺を見ると、じいちゃんがとんでもない目つきでやってきて、肩をさすった。

「誰にやられたんな! 言え!!」と。親父も訝しい目線でこっちを睨んでいた。椅子から立ち上って、電話の方を見ていた。眉間にシワを寄せてた。

じいちゃんにも親父にもいろいろ聞かれたけど、要約すると「大丈夫だったか?」と、それだけになる。で、あっという間だった。一週間も経ってないんじゃないか。その半グレの連中+ヤクザ風体の人が逮捕されたのは。

じいちゃんと、後は親父も一緒に警察に行ってくれた。それで、やられた俺の仲間二人と、対応したコンビニ店員にも警察官が話を聞き取って、黒い車のナンバーもわかって、それでやつらは一斉逮捕となった――と、父親から聞いた。

肩書の力もあったように思う。祖父父親も、自分名刺警察官に渡していた。じいちゃんは、当時天下り地元JA役員になっていて、親父は食料品関係会社代表だった。その二人が、取調室の中で、説得力ある風に警察官に詰め寄って、いろいろ言っていたのを覚えている。

今では、「力というのはより強い力に潰される」→「権力はより強い権力に従う」という風に脳裏に刻んでいる。あの当時、もしかして俺ってすごくツイてたんじゃないかマジでそう思う。

追記

現在、じいちゃんは亡くなっているし、あの時すごい剣幕で警察官に寄っていった親父も、寄る年波には勝てててない。食料品会社を俺の弟に継いでもらってからは、生まれ育った実家のんびりと過ごしている。介護必要になっているため、毎日のように福祉事業所からやってくるヘルバーサーカーに囲まれて、ゆっくりとして落ち着いた感じの生活を送っている。



今は、広島とは遠く離れたところで自動車を作る仕事をしている。もちろん肉体労働の方だ。自分で言うのもなんだが、まあそれなりの評価だ。正社員登用にはほど遠いが。いざという時のために有給は取っておく方だ。いろいろ出かけたいところもある。

日々の暮らしはテキトーだ。毎日、半額になったスーパー刺身惣菜を買って、夜になったら勝てもしない仮想通貨取引画面とにらめっこをして、ビットコイン掲示板を眺めては阿鼻叫喚叫びを楽しく聞いて、残った少ないお金スナックバーへ行き、当然のように自転車飲酒運転をして寮に帰る。たまにデリヘルを呼んだりする。クソみたいな生活だ。

デリヘルって書いたけど、たまに投稿してる人で最後デリヘルを呼ぶ人がいるけど、俺は一切関係ない。

どうしてこんなことになってしまったんだろう。俺の兄は地方公務員で、弟は東証一部上場企業入社していて、親戚もそのほとんどが公務員経営者だ。

どこで間違えたんだろうか。いや、たぶん生まれた時から間違えているのだ。俺という人間は。生まれた瞬間に詰んでいた。

いよいよ、ぼったくりバーの話をしよう。自称進学校とはいえ、皆が大学に行く中、高校ギリギリ卒業した俺は、進学も就職もすることなフリーターとしての道を選んだ。理由は単純で、そっちの方が人生面白そうな気がしたからだ。ほかの人が歩んでない道を歩いていこうと当時は考えていた。愚かしさの極みだ。真の個性は見た目ではなく人間性に出るというのに。

人間の核は、なにがしか努力によって磨かれて強くなっていくのだと――肩書とか見た目とか家柄とかで差別化できるものじゃないんだということを、当時の俺は知らなかった。

後悔は置いといて、フリーターになった俺は家族からの冷たい眼差しなど受け付けもせず、半年後にはアルバイトで貯めたお金と、祖父からの餞別10万円をババッと使って一人暮らしを始めた。

実家から遠く離れて、憧れの都会暮らしだ。といっても、福山市からちょっと外れたところにあるこじんまりとしたアパートだったが。

当然お金はなくて、コンビニアルバイトだと稼ぐにも限界があって、高校時代が懐かしいなぁと思っていたら、繁華街中学時代の先輩に出会った。当時からやんちゃをしていた先輩だったけど、この時にはもう、完全なる……そんな感じの見た目だった。

飲み屋で何杯かおごってもらった時に、「仕事紹介してくださいよ」と持ち掛けた。「オレは○○やぞ、お前わかっとんじゃろうな」と念を押されたが、金がほしくて仕方がなかった。金があればパチンコスロットも打ち放題だし、飲み屋で好きなだけ注文することができる。行ったことはなかったが、いつか風俗だって行きたかった。

絶対にすぐ辞めるなよ、という条件付きで紹介されたのは、とある料金が高めのバーだった。お店に面接に行ったところ、看板がなかったので驚いた。小さい黒板みたいなタイプ看板が店の前に置いてあった。

内装も、お世辞にも綺麗とは言えない。お客に見えそうな位置雑巾とか置いてあって、素人にもわかる清潔感のなさだった。一応メニューらしきものはあったが、カウンターの一番端にさりげなく置いてあるくらいだった。

従業員の数は事務方まで含めて6人ほどか。自分を入れて7人。いるのかいないのか、よくわからない人もいた。バーに行った経験はないが、どんなところなのかはわかっていた。

面接店長代表者)に言われた言葉として、「あの人の紹介だから採用にはするけど~ここがどんな店なのか知ってるよね~まあ、ここは実力主義から。頑張って稼ごうね」といったのが記憶に残っている。

そこまで長くは働かなかったので、思い入れがあるわけでもない。思えば、よく警察に捕まらないで済んだものだ。



当時すでに、県条例的に違法な店(以下I店と呼ぶ)ではあった。19才で若かったとはいえ、悪に手を染めていたのは間違いない。今はちょっとだけ後悔している。

で、まずは典型的パターンを挙げて、お店の基本方針説明する。しまいに、ぼったくりについての所感と、せめてもの罪滅ぼしとして、ぼったくりに遭った場合対策などを述べる。

断っておくが、具体的な行為の場面は一切挙げない。時効から大丈夫とかじゃなく、そのあたりの礼節は弁えているつもりだ。俺はあの業界にお世話になった。

この業界の基本は、酔っているお客さんを捕まえる(キャッチ)ことにある。一応はマニュアルがあって、人それぞれの口伝によるところが大きいけれども、それでもI店のみんなは言っていた。シラフではなく、酔っている客に声をかけるようにと。玄人連中は口を酸っぱくして説いてくれた。

個人的にもそのとおりだと思う。酔っぱらうなどして認識が弱っている人間じゃないとダメだ。まあ、そうではないシラフ状態でも、多くの人はどうみても○○○風の男連中に囲まれて脅されると、ぼったくりだとわかっていてもお金を払う。

※…I店でお客さんを「カモ」などと呼ぶ習慣はなかった。みんなプロ意識をもって仕事をしていた。

※…初めは店内の飲食スタッフを二ヶ月やった後、キャッチ役をするようになった。

が、それではいつかハズレに当たる。

お客さんの中には、策略の罠を知り尽くしたキツネのようであり、またオオカミを威嚇するライオンでもあるような人がいる。そういう人は、どれだけ強面に囲まれても、ちゃん脱出して警察への相談までもっていってしまう。最悪、スタッフ全員の 乳首手首(ブコメ指摘感謝)に手錠がかかる未来だってある。

企業経営でいうところの『危機管理』だ。知性や勇気に溢れた人間でも、酔わせておけばどうにかなるかもしれない。ダメな時は失敗するけど、それでも傷を浅くできるかもしれない。当時の俺はツイていたと思う。飲食仕事を通じて、危機管理臨機応変さを肌で学ぶことができたからだ。

さて、路上で飲み歩き客を見つけて、かつ酔っているとしよう。その場合はI店に入ったが最後、多くの人が餌食となる。成功率は八割以上だ。入店までもっていくのが大変なのだが。

多くの人はキャッチ無視するし、会話になっても成り立たないことが多い。酔っ払いだけを狙ってるから仕方ないのだが。

入店後の大まかな手順としては、以下の感じか。

①.~来店時

女の子ふたり付く。それで最初飲み物を聞いて出す。I店は内装スナックに寄っていた。メニュー表を見せて、と言うお客はほぼいなかった。

当然だが、接客サービスはまともに行う(詐欺容疑を回避するため)。そこらのスナックにも負けてない。ペペロンチーノ焼きそばだってフライパンでサッと作ってみせる。まともでないのは料金だけだ。

②.~接客

お客さんにはもっと酔ってもらう。焼酎ウイスキーだと、相場の濃さの2倍~3倍が基本だ。ビールにも隙を見て細工する。烏龍茶を頼まれても関係ない(ウーロンハイにする)。とにかく酔ってもらう。

店内には一般はいない。サクラ客は常に1人以上用意していた。

③.~お会計

最短のセットで1時間だ。多くのお客さんは目が飛び上がるほどの金額に衝撃を受け、幾度も会計伝票を見直す。そこに、強面のスタッフ数名が「どうされました?」と囲むように接近していき、逃げられないようにする。加えて圧を掛ける。反論されても個別に返し方が用意してある。

なお、請求額を相場の何倍にするかだが、ここが店長の腕の見せどころだ。そう、ぼったくりバー請求額はなんと、時と場合によって異なるのだ。具体的には、相手の懐具合を推察して決める。お客が会社員だった場合居酒屋に相当する料金が4,000円だとしたら、30~40万円程度を上限にしていた。相手フリーターお金持ってない風だったら、4~10万円未満など相当おまけをする。

リスキー請求額というのがある。相手生活が成り立たなるほどの金額請求するのは通報リスクを伴う……と店長が言っていた。その辺りを考慮して請求額を決める。

この時、お客さんが完全に酔い潰れていた場合は、どうにか起こして財布を出させる。目が覚めないようであれば、こちらで勝手に出す。クレジットカードが狙いだ。というか、どんな時でもクレジット払いがいい。ATMまで連れて行くと逃亡リスク通報リスク高まる

なお、この時代(参考:東京リベンジャーズ)だとクレジットカードサイン形式一般的だった。当時、店長サイン偽造職人と皆に言われていた。暗証番号はわからなくてもいいし、別に入れなくても決済できる。

④.~お客さんがゴネた場合

最後に。お客さんが支払いを断った場合も、店長社員臨機応変対応する。脅したり脅したりして、透かすことはあまりしない(回転率のために短期決戦が基本)。相手の体力と精神力の低下を狙うのが基本だ。これも定まったマニュアルはない。あくま経験に応じて、その場に適した対応を決める。まさに臨機応変だ。ルールに基づいたり、あえて外したり。腕の見せどころだ。

あえてそれっぽい言葉を使うとしたら……解決すべき問題とは、今目の前で起こっている問題であって、過去脳裏に蓄えられたパターンのものじゃない。頭の中に蓄えてある問題は、昨日までの問題であって今日問題じゃない。だから、その都度適宜調整して、その時々の状況にあった最善の解を求める必要があるのだ(90%本の受け売り)。

実際には、お客さんが手ごわくて「これはいかん」となったら、通常のバーの料金に毛が生えた程度の額(×1.2~1.3)で妥協することもあった。この程度の金額だったら、支払わないと無銭飲食になるからな。これもまた適応ひとつだ。

コメントを読ませてもらった。

今日はこれで終わりにする。明日最後だ。有給を取ってる。

ブコメの人が言ってたけどそのとおりで、何度か死にたいと思うことがあった。

少し元気が出たよ。ありがとうな。

anond:20220829202648

もしお勧めスーパー銭湯とかラーメン屋とか焼肉屋とか


加茂の近くなら、スーパー銭湯神辺のぐらんの湯とか、ちょっと遠くに行ってコロナワールドかいいんじゃないのかな。

ラーメンなら福山でどこでも見かけるような尾道ラーメンなら「しんたく」、尾道ラーメン以外なら「ラーメンプカプカ」。東京でならどこでもみかける濃厚魚介豚骨だけど福山市民には珍しいみたい。

焼肉は高くてもいいなら「まつおか」。遅くまでやってるというのと、肉の質が凄く良い。

2022-06-18

熊野

anond:20220616175653

熊野市 - 三重県の市

熊野町 - 広島県安芸郡の町

岩手県 宮古市 熊野町(くまのちょう)

群馬県 太田市 熊野町(くまのちょう)

埼玉県 川越市 熊野町(くまのちょう)

東京都 板橋区 熊野町(くまのちょう)

富山県 富山市熊野・下熊野(かみくまの・しもくまの)

富山県 高岡市 熊野町(くまのまち)

富山県 黒部市 宇奈月町熊野(くまの)

富山県 中新川郡 上市町 熊野町(くまのまち)

石川県 輪島市 熊野町(くまのまち)

石川県 羽咋郡 熊野村(くまのむら) - 現 志賀町

福井県 小浜市 熊野(くまの)

岐阜県 岐阜市 熊野町(くまのちょう)

岐阜県 大垣市 熊野町(くまのちょう)

静岡県 磐田市 熊野(ゆや) - 住所表示では池田。「熊野の長藤まつり」で知られる。

愛知県 名古屋市 中村区 熊野町(くまのちょう)

愛知県 瀬戸市 熊野町(くまのちょう)

愛知県 春日井市 熊野町熊野町北(くまのちょう・くまのちょうきた)

愛知県 刈谷市 熊野町(くまのちょう)

愛知県 知多郡 武豊町 熊野(くまの)

愛知県 常滑市 熊野熊野町(くまの)

滋賀県 長浜市 高月町熊野(くまの)

滋賀県 蒲生郡 日野町 熊野(くまの)

京都府 京都市 左京区 熊野(くまの)

京都府 熊野郡(くまのぐん) - 2004年廃止

大阪府 堺市 堺区 熊野町西・熊野町東(くまのちょうにし・くまのちょうひがし)

大阪府 豊中市 熊野町(くまのちょう)

兵庫県 神戸市 兵庫区 熊野町(くまのちょう)

兵庫県 西宮市 熊野町(くまのちょう)

和歌山県 御坊市 熊野(いや[1])[2]

和歌山県 新宮市 熊野地(くまのじ)

和歌山県 田辺市 熊野(いや、2005年市町村合併の際に、読みを「ゆや」[3]から変更)

島根県 松江市 八雲町熊野(くまの)

広島県 福山市 熊野町(くまのちょう)

広島県 庄原市 西城町熊野(くまの)

山口県 山口市 熊野町(くまのちょう)

山口県 下関市 熊野町熊野西町(くまのちょう・くまのにしまち)

福岡県 筑後市 熊野(くまの)

長崎県 佐世保市 熊野町(くまのちょう)

大分県 杵築市 熊野(くまの)

宮崎県 宮崎市 熊野(くまの)

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