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2024-11-11

口論 女の自慰について

友人と口論になった。

議題は「女はオナニーをしているのか」である

その友人と私はともに童貞であり、以下の口論あくまで推論に過ぎない。

私の主張

もちろん私は「していない」の立場である。女に性欲があったとしたら、男にとって都合が良すぎるからである

 

そう、私は女に性欲がないものとして論を展開していく。

女に性欲があった方が男にとって都合が良い、とはどういうことか。

これの意味するところは、すなわち、セックス正当化できるということである

男と女には互いに同じ程度の性欲があり、それを解消するために性行為が行われている。これは両性にとって利益のあるものである

決して男が無理やり行っているものではない―――という論調ならばセックスはかなり正当なものに思える。

しかし実際のところ、性欲に関して言えば大半のセックスは男のために行われている。性欲は非対称であり、男にかなりの優越が認められる。

人間社会古来より男権的であり、歴史上のかなりを男性支配してきた。なぜなら、男の方が力が強く、それによって社会的な権力も強くなるからである

そのような社会ではどういったことが起きるか。

男に有利な物語が信じられるようになり、それに基づいて社会形成され、それが事実になる。

男の方が賢い、男の方が論理的である……

それらの一つに「女にも性欲がある」が含まれる。

 

この社会は男のセックス肯定するためにさまざまな嘘が信じられているのだ。

 

ではなぜ、女はセックスに応じるのか。

 

先ほども述べたようにこの社会男性社会である

したがって、男に認められた方が生存やすい。男に認められる手段のかなり大きな一つとして、セックスがある。

女はセックスを経て承認を獲得している。決して性欲のためではない。

 

そのため、私は「女はオナニーをしない」と主張する。

友人の主張

それに対して友人は「している」という立場である

友人は女のオナニー証拠収集している変態である

彼は日夜Twitterにて、女らしきアカウントの「オナニーをした」という趣旨ツイート検索してはそれでオナニーをしている。


友人はかなりの年月をかけて、あるTwitterアカウントが本当に女によるものかをほぼ100%見抜けるようになっていた。

ツイートの細々とした筆致、文体、内容、それらを総合してネカマか否かを判別できるのだ。

実際にそのプロセスを見たが、確かにそれは説得力のあるものだった。

それゆえ、彼は「女はオナニーをしている」と確信して疑わない。

私の反論

しかしそこで私はすかさず反論をする。

その根拠は「女の偽性欲」だ。

先ほども述べたように、男性社会においては、男性に認められた方が生きていきやすい。

その手段として、男の主張を肯定するというものがあり得る。名誉男性的なふるまいをすることで承認を得ることができるのだ。

まり、男による「女にも性欲がある」という主張を肯定しそれを実践することで、この社会を有利に生きていこうとする個体が発生することは想像に難くない。

それを私は「偽性欲」と名付けた。

証拠となったツイート群も例にもれず偽性欲の発露である

ことインターネットにおいてはそういった分野に関して妄想現実区別がつかない男が大勢おり、彼らに幻想を見せることで生存を図っている女がいることは有り得る話だろう。

友人の反論

しかし友人はそれにも反論をする。

そういったツイートの中にはフォロワーが一桁のアカウントも多く、承認を得ることが目的とは考えづらい。むしろ、そうした性欲を隠すためのものであり、私の主張と真逆の行動ではないだろうか。

友人はとりわけそういったアカウントツイートを選んでは自慰に励んでいるらしい。磨きがかかっている。

友人は矢継ぎ早に続ける。

そもそも自分股間に知らない部位がある、なんだこれは、排泄をするでもない、クリトリスというらしい―――触ってみるだろ、普通

 それに触らないような知的好奇心の欠如した女は、魅力的ではないだろう。オナニーしていない奴なんか、無視していい」


私は負けを認めた。

やっぱり一夫多妻制があってもいいよなと思う

やっぱり一夫多妻制があってもいいよなと思う。

玉木さんの件ね。

優秀で魅力的な男性複数女性結婚して、多くの優秀で魅力的な子をなすほうが国民利益になる。

もちろん、妻となる女性たちの合意必要なのは言うまでもなく。

ああ、一妻多夫制も同時に新設すれば問題ないでしょ。

今のなんの法整備もない状態のまま放置すれば、しっかりした家庭のないシングルマザーとその子どもが増えるだけ。

男児特に父親必要とするそうだし、父母のいる家庭環境を整えてあげたいと思う。

それとも、共同親権施行されたら、似たような良い環境が整うのだろうか。

少子化でもあるし、きちんと一夫多妻制の議論ができればいいのに。

皆どう思う?

社会正義コスプレは、労働者階級を押しのける新たなエリート手段

https://www.theguardian.com/commentisfree/2024/nov/10/cosplaying-social-justice-is-the-new-elitist-way-of-elbowing-out-the-working-class

2016年にムサ・アル・ガルビがニューヨークに初めて来たとき、彼が最も気づいたのは「人種化されたカースト制度」の存在でした。その制度のもとでは、「使い捨て召使い」が「あなたの家を掃除し、あなたの子供の世話をし、あなたの犬を散歩させ、調理済みの食事配達する」のです。

この「使い捨て召使い」は、その仕事に対して「わずかな報酬しか得られず」、ほとんどが黒人ヒスパニック構成されており、サービスを受ける側はほぼ白人ばかりでした。しかし、誰もこのことに言及せず、「これが普通社会のあり方だ」と考えられていました。

アル・ガルビが描写しているのは、超富裕層の集まるアッパーイーストサイドや、億万長者たちのたまりであるスカーズデールではありません。彼が在籍していたのはコロンビア大学であり、「人種カースト制度」で利益を得ていたのは同級生たちでした。その多くは社会正義について声高に語っていましたが、自分たち生活を支えている社会階層の底辺の人々のニーズにはほとんど無関心でした。

4年後、同じ学生たちの多くがBlack Lives Matterの抗議に参加しました。アル・ガルビは、彼らがニューヨークアッパーウェスト・サイドのブロードウェイで、同じ場所を共有している「靴も持っていないホームレス黒人男性たち」に気づかないままデモをしているのを見ました。抗議者たちは「Black Lives Matter」と主張しながら、ホームレスの人々が使っていたベンチを占拠していて、どうやら目の前の「黒人男性たち」には関心がないようでした。

このように、社会正義を求めて活動するリベラル学生たちの信念と、周囲にある現実不正義への無関心を示す行動との間にある絶え間ない不一致により、アル・ガルビはその矛盾理解するために本を書くことを決意しました。『We Have Never Been Woke』はアメリカ出版されたばかりで、間もなくイギリスでも出版される予定です。アメリカ選挙の背景を理解するための有用な出発点の一つとして、この本が挙げられます。なぜなら、選挙物語は、アル・ガルビが感じた不一致に気づく人々と、それに気づかないか、気づこうとしない人々の分裂という観点からも見ることができるからです。

コロンビア大学活動家たちが周囲の目に見える不正義を無視している中で、なぜ彼らは社会正義言葉採用したのでしょうか?言い換えれば、現実不正義や不平等無視される世界で、その言葉はどのような役割果たしているのでしょうか?これらは、学生時代のアル・ガルビが悩んだ疑問であり、その本の核心をなしています

彼の答えは、社会正義言葉、すなわち「ウォークネス」は、実際には社会正義目的としたものではなく、むしろ特権階段上り続けたいが、自分たちエリートであるとは見られたくないエリート層を結びつけるイデオロギー的な接着剤役割果たしているというものです。

ウォーク」という言葉自体は、あまり有用言葉ではなく、分析よりも軽蔑意味で使われることが多いものです。アル・ガルビはこの点を認識しており、侮辱として使われることを避け、定義することさえ拒んでいます。彼にとって重要なのは、この概念が実際に支持者や批判者によってどのように利用されるかです。

アル・ガルビは、「象徴資本家」の闘争こそがウォークネス理解する鍵だと主張しています。「象徴資本家」とは、シンボルレトリックイメージナラティブデータ分析アイデア抽象概念を扱う専門家、つまり作家学者芸術家弁護士美術館キュレーター技術専門家を指します。この社会階層は、エリートの中で自身地位を固め、すでにそこにいる他者を押しのけるために、社会正義言葉を利用して地位と「文化資本」を蓄積しようとしています。彼らの闘争は、貧しい人々や弱者のためにエリートと戦っているように見せかけながら、実際にはエリートの内部での闘争なのです。

これは単なる皮肉偽善ではないとアル・ガルビは主張しています象徴資本家たちは、自分たち社会役割についての神話を構築し、それによって不平等不正義を助長しながらも、公正や平等を信じていると本気で思い込んでいます。この神話は多くの社会機関権力者によって受け入れられています。その結果、社会正義言葉は「不平等正当化し、覆い隠す」ことに役立ち、エリート層がそのエリートとしての地位を強化し続けるのを可能にし、それはしばしば本当に脆弱で、疎外され、貧困に苦しむ人々の犠牲の上に成り立っているのです。

この議論の多くの側面は、例えば文化理論家のキャサリン・リウや哲学者オルフェミ・タイウォによって以前から表現されてきました。リウは、プロフェッショナルマネジャー階級が自らの自尊心を高めるため、そして「普通労働者階級の人々に対する揺るぎない優越感」を正当化するために、「美徳を貯め込んでいる」と主張しています。また、タイウォは『Elite Capture』の中で、異なる視点からではありますが、エリートが急進的な政治自分たち目的のために取り込んでいると述べています

これらの作品現代政治不条理理解するのに重要です。例えば、アメリカ民主党(および多くのヨーロッパ社会民主主義政党)が次第に富裕層高学歴者のクラブと化している理由、そして多くの労働者階級有権者がそれらを見限るようになった理由説明しています。また、象徴的な表現言葉の取り締まりには熱中しつつ、現実物質的な不平等には関心を持たない私たち文化の執着も浮き彫りにしています

しかし、これらの議論には、注意しなければならない落とし穴存在します。社会正義活動家が物質改善のための闘争放棄し、文化エンパワーメントを目指すようになったのと同様に、多くの批評家もまた、新たな「文化エリート」を主要な問題とみなし、私たち社会における真の物質的な権力の根源を無視するようになっているのです。

今日社会活動の質が低下した背景には、歴史的な変化があることを見失う危険もあります。アル・ガルビは、現代の「ウォーク政治の盛り上がりは、一連の「覚醒」の最新の段階に過ぎないと主張しています。これらの「覚醒」は、1930年代学生たちが共産党や他の急進的組織を支持したことからまりました。

しかし、それでは変化の現実を見逃してしまます。例えばアメリカ共産党は、1930年代アメリカにおいて、彼らは反人種差別運動労働者権利擁護重要役割を果たし、他の急進派、社会主義者、労働組合員、黒人活動家と共に、戦後公民権運動の基盤を築く助けとなりました。

特にジム・クロウ法が支配する南部アメリカでは、彼らはシェアロッパーや製粉工場労働者ホームレス失業者組織化を支援しました。これらの活動家たちは、ブロードウェイで抗議していた人々のようにコスプレをしていたわけではありませんでした。彼らは自警団によるテロ警察暴力に直面し、命を落とした者もいれば、多くが投獄されました。しかし、彼らは人種を超えた階級連帯可能性を示したのです。

こうした連帯運動崩壊したことが、社会正義運動の質の低下と労働者階級利益放棄を招いたのです。そのことを理解することは、「象徴資本家」の役割理解するのと同じくらい重要であり、変革のための運動を再構築するためには不可欠です。

anond:20241111092949

それ自体は正しいと思うんだけどな。ただ2回も3回もやるのは将来の利益を大幅に損壊してると思うわ

anond:20241110235626

長いはヴォケ、と昔は言ったが今はLLMがあるんで要約した

愚民自由貿易利益をわかってないのかな?

余剰分析において、輸入による価格低下は消費者余剰の増加をもたらし、それが生産者余剰の低下を上回るため、全体の余剰が増加する。

具体的には、消費者低価格商品を購入できるため、支払っても良いと考える金額と実際の支払額の差である消費者余剰が増加する。

このように、結果として全体的な経済厚生が向上する。

貿易による生産者余剰の低下問題は「比較優位によって解決可能」という自由貿易論理に基づいている。

例えば、日本農業において比較優位を持つ場合低価格かつ高品質農産物生産することができ、その結果として国際市場競争力を持つ。

この競争力は輸出を通じて利益を生む要因となり、国内経済全体にもプラスの影響を与える。

一方で、関税を課すと消費者余剰が減少し、結果として貿易全体で誰も得しない状況が生まれる。

関税によって国内価格が上昇し、消費者は高い価格商品を購入せざるを得なくなるためだ。

このような政策消費者に損失をもたらし、「俺の国のもの強制的に買ってね」といったネゴシエーションは、結局買わされる側にとって不利益しか生じない。

自由貿易世界平和寄与する重要な要素であり、各国がそれぞれ得意な品目を生産し、それを国際的取引することで価格が下がり、消費者はより多くの選択肢を持つことになる。

このような相互依存関係国際的な協力と安定した経済関係を促進し、最終的には世界全体の福祉向上につながる。

クリックボット陰謀論と分断から社会を救う救世主

世界は分断されているという話をよく聞くようになった。


実際、知り合いが反ワクチンだったり、好きな漫画家財務省陰謀論に染まってたり、といったことが増えてきたように感じる。

地球平面説から田布施システム在日特権まで、人々に分断することを訴えるあらゆる陰謀論が現れては過ぎ去り、もはや陰謀論を信じていない人などどこにもいないように思えることすらある。また陰謀論の中には地球温暖化懐疑説のように、政治社会に甚大な影響を与え、巨大な分断をもたらし続けるものもある。

このように、過激バカバカしく、まともな神経をしていたら信じないような話を多くの人が信じ、吹聴し、社会に影響を及ぼす時代が到来してしまった。その原因は、実のところみんなが理解している。


YouTube代表されるアテンションエコノミーだ。


インターネット広告ビジネスから発展したアテンションエコノミーは、インプレッション数に応じて広告主が広告代をプラットフォーマーだけでなく、コンテンツアップロード者(コンテンツ作成者とは限らない)にも共有するという手法運用されている。

具体的には、広告主がインプレッション数に基づいて広告掲載代金をプラットフォーマーに支払い、プラットフォーマーアップロード者にその金額のうち数%を支払う、というインプレッション数に基づいた成果報酬の図式だ。

したがって資本主義原理に基づき、よりインプレッションを稼ぐためにアップロード者は人の目を惹きつけ、注視させるコンテンツを量産することとなる。

その結果、プラットフォーム動物動画英雄的な物語、そして「悪党」を告発し敗北させる物語で溢れるようになった。


後者2つ、資本主義原理に基づき流布される英雄物語と成敗物語陰謀論の流布と伝播をもたらしたものの正体だ。

これらの形式に則った物語は、YouTubeTikTokなどの動画文化コミュニティ上において実質的反論不可能形式で、なんら検証されることな責任者不在のまま転載を繰り返すことで流布されており、その影響力は旧ツイッターブログなどの文字文化コミュニティはるかに凌ぐ。

もしあなた動画コミュニティの影響力を疑う日本語文字文化コミュニティの住人なら、「ポリコレ」が原因で炎上した海外コンテンツへの旧ツイッター上での反応を時系列で調べると良い。

「火元」に近い時間帯に海外の反「woke 」レビュー匿名掲示板への書き込み翻訳転載した動画とその視聴者が高い確率で見つかるはずた。

少なくとも陰謀論や分断をもたらす過激物語の流布において、文字文化コミュニティはもはや動画文化コミュニティから一方的な影響を受ける立場にすぎない。

あなたが旧ツイッター上で目にする陰謀論や分断を招く言説は、実のところあなたが思っているよりもはるかに多くがYouTubeから二次的な拡散・余波にすぎない。

そして動画文化において「反論」は極めて難しい行為だ。

コメントは表示されなくなり専門家による解説動画は多くの場合見向きもされない。

また、社会合意を得たうえでなんらかの規制を行う方法抵抗の大きさのために不可能である

プラットフォームを通して提供される物語は、プラットフォーマーアップロード者に経済的利益をもたらしているだけでなく、その視聴者であるユーザーにとってもストレスの解消であったり世間の多くが知らない情報提供元として有益とみなされうるためだ。


ではどうすれば良いのか?

単純に、現在陰謀論•分断ナラティブの氾濫をもたらしている広告を基盤としたアテンションエコノミー破壊すれば良い。

最も確実な方法アテンションエコノミーにおける侵略寄生であるボット」を利用する方法だ。

種々のボットは視聴数に基づき広告代が分配されるシステムをハックし、プラットフォーマー及びユーザーにとってなんら有益と見なされない方法広告代を掠めとっている。

なかでも重要な種類のボットは「クリックボット」と呼ばれるボットで、文字通り人間ユーザーのように振る舞いながら手当たり次第にあらゆるコンテンツクリックすることで、虚偽のインプレッションを稼がせている。

この行為により、ボットによるコンテンツ(大抵はAI生成された意味不明な数秒程度の動画文字列)のような、実際にはユーザーに人気が出るわけもないコンテンツ広告業にとって重要であるかのように誤認させる事ができる。

現在のところ、このボットは、インプレッション数に基づく広告効果という性善説を基盤として成り立つアテンションエコノミーをハックし、広告主たちから広告代金を詐取するために運用されている。

気づいただろうが、この行為インプレッション数と実際の広告効果に大きな差異を作り出し、プラットフォーマーアップロード者、広告主間の暗黙の信頼関係破壊し、アテンションエコノミー破壊する可能性を秘めている。


したがって、もしあなたアテンションエコノミー下で拡散される陰謀論とその結果もたらされる社会の分断にうんざりしているのなら、取るべき手段は一つだけだ。

動画サイト対象クリックボット運用せよ。

くだらない動画コンテンツインプレッション数を稼げる有用存在であるかのように装い、プラットフォームアルゴリズムを騙せ。

広告効果を生まないようにコンテンツ評価操作しろ

広告主に代金を払うのが無駄だと理解させよ。

インプレッションに基づく成果報酬システム破壊、それがプラットフォーマーとそれを支える広告主たちへの最も簡単効果的な反逆の方法だ。


作成運用についてはGoogle検索すれば簡単にわかるはずだ。

クリックボット個人運用可能な、アテンションエコノミー破壊社会の分断と陰謀論蔓延を止める事ができる、数少ない手段であり、まさに救世主だ。

2024-11-10

サルと金子勝でも分かる!マイナカード保険証

https://president.jp/articles/-/87827

このままでは国民皆保険が壊れていく…金子勝マイナ保険証政治献金企業が儲かる究極の寄生システム

この記事が本当に💩なので、一つずつ説明していきます

敬称略です。

マイナカードシステム日本大手IT企業8社が受注しており情報産業のための救済事業? 日本オリガルヒオリガルヒ

政治献金技術的に遅れた日本情報産業のための救済事業との結びつきは非常に強い。
ほぼ10年間でマイナンバー関連事業を少なくとも3000億円近く発注していると見られるが、大企業8社が共同受注などで独占的に契約している。

そんなことはありません。むしろ大手IT企業はこの手の自治体公共事業が薄利すぎて足を洗いたがっているというのがほぼほぼ現在の状況です。最近では大手撤退が激しく、元々大手が担っていた部分を別の中堅SIerが無理して受注したものの、ノウハウもなく薄利過ぎて対応出来ず納期通りに納品できない案件が続発しています。そこで、入札参加条件が上げられた結果、入札が予定価格を上回り、随意契約になると言うケースが多発しています

やり玉に挙がっている8社とは恐らく以下の企業のことです。

見る人が見れば、NTT系が基本を抑えつつ、周辺の企業が参画しているというのがわかると思います大手5社のコンソーシアムで、NTTコムがメイン、NTTデータNEC日立富士通の合わせて5社で共同受注しています。そして、他に手を上げた企業はありません。

NEC日立富士通は関連公共システム(住基や戸籍、税務システムなど)が関わりそれらとのつなぎ込みが必要になるからですね。

他に手を上げた企業がない上、入札では予定価格を上回ってしまった結果、随意契約と言うケースです。報道によれば、いずれも随意契約にするにあたって、調整の結果入札価格よりも低い価格で受注させているようです。


他、凸版とDNP物理的なカードの発行業務をやっており、合わせて800億円ぐらいの受注額です。そしてマイナカードは1億枚発行していますので、1枚辺り800円。カード物理的に1枚300円はしますし、送付事務に使う簡易書留は350円しますので。単純に残りの取り分は150円です。全然高くありませんね。ここで事務手続きなどをやる事になります。数が多いので最大限コストは低く抑えていると思いますし、全てが郵送交付ではないとか細かい話はあるでしょうけれども。


JECCはリース会社です。国の予算関係でいったんファイナンスを引き受る。大手IT企業がごそっと出資している特殊会社です。金額はでかいですがこの会社が入るのは主に行政の硬直性の問題です。


さて、これは日本オリガルヒなんでしょうか?

何故か突然旧ソ連ロシア方面用語が出てきて面食らった人もいると思いますが、オリガルヒとは、官製新興財閥だそうで、その方面の人たちから社会主義国ソビエト連邦崩壊したどさくさに紛れて、民間にいくときに出来た悪しき存在という事で、よく批判に出てくる用語です。

さて、彼らはオリガルヒなのでしょうか?


そんなわけないんですね。

一般的IT企業が求める水準の利益率とは30%と言われる中、政府系の仕事利益率が1割を切る事があたりまえです。エンジニア不足の中でやりたくない仕事です。


NTT系が1300億円程度の受注をし、物理的発行やリース会社を合わせて8割以上で、残りとは大きな差があります。ここで金子らなぜNEC日立富士通を入れたのか。それは5社が献金していると言いたいが為に3社を水増しした感じがしますね。

マイナンバーカードマイナ保険証利便性セキュリティもまったくないために、普及しない。

まずは、利便性について検討しましょう。金子はこの一文のみ、内容も根拠も全く触れず、まるで自明のような扱いですが事実とは異なります

政府は、マイナンバーカード調査を定期的に行っており、最新の結果はこちらです。

https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/8adde791-e214-4b5b-b9ad-4eb89a354dbc/2c98d210/20240321_mynumbercard-promotion_outline_02.pdf

こちらはほぼ1年前のアンケートですが、

と言う結果が出ています。ほぼ食わず嫌いですね。

少なくとも、利便性が「まったくない」と言う事は「まったくない」ことがわかります


次にセキュリティについて検討しましょう。

やたら多くの紐付けをするために、なくしたり盗まれたりすると、すべての個人情報漏れしまう。

これは事実とは異なります

ここでは逆に、全ての情報漏れるにはどのような条件が揃う必要があるかを並べてみると

と言う事が必要

パスワードを用いずに物理的に情報窃盗するには

と言う事が必要です。

さてこれを「セキュリティがまったくない」と表現するのが適切でしょうか?

現状、これよりも固いセキュリティを強いているシステムは本当にわずかです。

複数種類のカードが発行されて、極めて不効率

暗証番号のない顔認証マイナ保険証スマホマイナ保険証(これもマイナ保険証スマホ接触させないと使えない無意味もの)など、数種類のカードが発行される極めて非効率もの

これは明確に誤りです。何故ならば、1人に発行されるマイナカードは1枚しかいからです。受け取る側のシステムも一つ。

マイナ保険証スマホ接触させないと使えない無意味もの」も誤りです。最初の1回だけ行えばよく、使う時にマイナカード必要ありません。

初回のそれはマイナカード認証する為に必要というだけの話です。


さて、金子はこの状況を「数種類のカードが発行される極めて非効率もの」とする一方で、「多数数の紐付けを止め、一つひとつ独自OSオペレーティングシステム)で」を提言しているのですが、整合性がありません。

最初からスマートフォンクラウド対応する能力がなく、

マイナンバーシステム設計されたのは今から10年前の2014年ですが、当時はまだスマートフォン安全電子証明書を持たせる仕組みがありませんでした。

現在できる様になったのは、日本政府や担う企業なども参画し国際標準規格を作ったからです。ISO18013-5が正式に出来たのは2021年です。最初からできた所は存在しないでしょう。そしてこの規格を世界が利用しようとしています

技術的にとんでもなく遅れた4桁の暗証番号で顔認証不安定プラスチックカード

これも誤りです。いまでもICカードが最も堅いセキュリティ確保の手段の一つです。

それは何故かと言うと、ICカードに入れた鍵は、現実的手段では取り出す事も複製もできないからです。これはパスワード漏れていても完全に中身を出せないと言う意味でもあります


こういったことを言っている人は、大抵プラスチックカードといえば磁気カード時代認識が止まっている事が多いです。

ICカードは、単に定型情報を返すものではなく、このカード自体コンピュータです。マイナカードを利用する時にパスワードを入れますが、このパスワードオンラインではなく、カードの中で処理されます。そして複数回数間違えると、カードの中の最も重要な鍵、電子証明書が消されアクセス出来なくなります。また、電子証明書も、このICカード演算して帰す事で行われます。こういったことを理解しているのでしょうか。


また、顔認証不安定という詳細が明らかにされていませんが、事実として顔認証は99%の精度があります。たまに「マスクをしていたのに顔認証が通った」という人もいますが、これはマスクをしていても顔認証ができる技術を使っているからです。他人マイナカード認証ができてしまったと言った話が出回っていますが、反マイナカード保険証団体調査した結果2件だそうです。日本保険医療件数は数億件ありますが、そのうち2件です。

今回のマイナ保険証では、日本IT企業クラウド運営するノウハウに欠けており、時代遅れになっている欠点が露呈してしまった

その理由オンプレミス方式で、クラウドプラットフォームにしてないからだと説くのですが、今回出てきたトラブルシステム的なトラブルはほんのわずかであり、ほとんどはインプットするデータ問題でした。

これは、仮にアメリ中国の巨大IT企業に依頼しても同じ事が起きていたでしょう。

金子は「マイナ保険証のひどい醜態」を自明のごとく上げていますが、その具体的な中身について一切論じていませんが、これが事実だと言う客観的証拠がありません。全国民使用しているシステムであると言う事を考えたとき例外マイナーなトラブルしか起きていませんが、これはむしろ過剰品質とさえ言える状態です。

台湾閣僚であるオードリータン氏をデジタル大臣につければ解決!?

オードリータン氏は、マイナンバーシステムの普及が必要不可欠だと言う事を自明のものとして扱った上で、普及を進めるにはどのようにしたら良いかと言う点で多くの提言を行っています

また、台湾日本以上に全ての情報が「中華民國統一證號」に統一されており、身分証携帯義務づけられているなど、日本より遙か前から国民総背番号制です。前からあるが故にシステムが古い所があって運用に苦労をしているようですが、その全てを捨てて失敗だなという暴論が出ているとは聞いたことがありません。

一つひとつ独自OSオペレーティングシステム)で丁寧にプログラムを組んでいくことが必要

ちょっとこれの意味が分かりません。金子は、オードリータン氏の名前を出した直後にこれを言っているのですが。その段落を全部抜き出すとこうです。

マイナ保険証については、通常の健康保険廃止を止め、一からやり直して、クラウド上でスマホアプリにする。多数の紐付けを止め、一つひとつ独自OSオペレーティングシステム)で丁寧にプログラムを組んでいくことが必要である

もっと意味が分かりませんが、ここから頑張ってエスパーしてみます

つのIDで多数の結びつけを行うのは危険

これについては全く逆です。マイナンバーシステムを通じてデータを関連づけすることによって、システム間で生の個人情報を槍と知りなくて良くなると言うメリットがあります

共通IDがない場合、一貫した行政処理を行う時には、住所氏名生年月日といった従来からの本人の個人情報判別するしかなくなります

一方で統一つぃたID管理されている場合は、その結びつけの情報だけでデータのやりとりが出来ます。また、結びつけの情報中央存在するシステム管理するのみで、接続されているそれぞれのシステムではユーザ識別する情報は別々です。中心に存在するシステムを通さないと結びつけが出来ない仕組みになっています

また、中央システムで結びつけの情報を捨てるだけで容易に結びつけが出来なくすることが簡単にできます

しかし、リアル情報を使ってしまうとそのような事はできません。

からやり直して、クラウド上でスマホアプリにするほうがいい?

既にマイナポータルスマホで動いていますし、一からやり直す必要はありません。

また、既に述べたようにICカードは現時点で全国民規模で動作させるセキュリティとしては最も固いものの一つです。スマホアプリ専用にするのはセキュリティ(これは情報保護不正アクセス回避という他に、可用性という意味も含みます)の問題があります

現在スマートフォンに入れることが出来る環境が揃ってきましたので、スマートフォンに入れた証明書普段使用して、マイナカード本体は家に置いておく、と言うスタイル可能になります

また、マイナカードアプリケーションはいわゆる「クラウド」と呼ばれるシステムで多数動いており、既にクラウドであると言えます

一つひとつ独自OSオペレーティングシステム)がよい?

既にOSレベル独自作成する意味はありません。それも一つ一つ別のシステムに刷るなどと言う意味はありません。

これは、交通安全のために、全ての自動車運転方法バラバラにするべきだ、と言っているようなものです。

また、問題になっているのはその上に乗っているサービスであるため、これによって何かが良くなることはありません。

丁寧にプログラムを組んでいくとよい?

一概には言えませんが、金子成功例としてあげるGAFAMなどでは「Agile開発」と言われる手法一般的になっていますが、これは「丁寧にプログラムを組んでいく」から連想されるものとは大きく異なるものです。

そもそも政府医療IT化の方向性が完全に間違っている?

最後金子はこう述べています

政府厚生労働省が描いている医療の姿はまさにこれそのもの(もう少し具体化され、洗練されていますが)だと思いますが、何故これが「完全に間違っている」のでしょうか。

また既に実現している部分があります

一方で実現されていない部分もあり、それを補うためにマイナンバーシステム共通IDとして活用しようと言う事になっています

感想

ツッコミどころが多すぎるのを真面目に突っ込んでみるということをやってみたが、人生時間無駄にしたと思いました。

なので推敲見直しもせずに上げます

民主党の敗北とLGBTQ+

今、アメリカメディアカマラハリスの敗北を受けて敗因分析を行っていて、その中にLGBTQ+の話題が含まれている。

民主党は誰も傷つけないことばかりに一生懸命で、アメリカ人が直面している困難に正直に向き合っていない」といった手厳しいコメントもある。

また、Xではトランプ当選直後からジェンダーアイデンティティ人種に基づいた差別的投稿が増えており、(民主党指示で多様性尊重している)テイラー・スウィフトファンなんかはBlueskyへの移住なんかもしているらしい。

本稿ではアメリカにおけるLGBTQ+の事例を中心に取り上げ、本来であれば公共利益寄与できたはずの包摂に向けた政治的取組がなぜ躓いたのかを検証したい。

社会情勢との比較でLGBTQ+の不利益必要以上に高く見積りすぎた

これは共和党支持者から非常によく聞かれる言説だ。(念のためだが、筆者個人共和党員ではないし、LGBTQ+の人々に対して現行社会不利益が無いと言っているわけではない。)

戦争やそれに関連した物価高騰による生活苦といった社会全体の課題が迫っている中で、少数の人々の課題を優先的に取り上げ、大多数の生活が苦しい人々の方を向いていない、もしくは向いていないという風に見られてしまたことが敗因とするものである

後述の内容とも関連するが、性自認黒人差別などと異なり、本人の自覚といった内心に限りなく近い部分の課題であり、またプライベート課題でもあるがゆえ感覚的にどれくらいの人がどのように困っているのか、という点が具体的に見えにくいというハードルがある。

他方戦争物価高は日々数字(商品の値札や、戦争に投入される税金の額)で明示される問題であり、これに対してLGBTQ+の包摂を優先するべき具体的な根拠の準備が不足していた。

②LGBTQ+の課題に対して極端な対応しか取れなかった

日本でも話題になったが、アメリカではLGBTQ+対応の一環として、性自認女性トランス男性女性スポーツ競技に出場させ、当該トランス男性競技会で優勝するという事態が発生した。

日本ではポリコレバカだなぁという程度の反応だったが、現地ではこの件はかなり明確にスポーツマンシップやフェアプレ精神への攻撃だと受け止められた。

女子アスリート世界を目指す子の親からすれば、自分たち努力した先で肉体的には男性アスリートと争わされる未来提示されたのである

これは競技運営側想像力の欠如がもたらしたLGBTQ+コミュニティに対する痛恨の一撃であったと考えている。

こうした見切り発車的で安直対応により、LGBTQ+の包摂という社会福祉上の理想と、公正な条件での競争というスポーツ理想真正からぶつかることになった。

同時に、本来であれば社会福祉における障害の除去という観点から進められるべきであった包摂が、正義vs正義の争いに姿を変えてしまった。

この事と①で挙げた具体的な推進根拠の準備不足により、本来社会の他の課題と並行して粛々と進められるべきLGBTQ+の包摂に対し、「毀損される共同体公益とのコスパ比較」という本来不要なはずの視点が生まれしまった。

これはひとえにLGBTQ+の包摂における政策的・実務的なロードマップの不足によるものであり、ロードマップの不足は、議論が不十分な状態包摂を無条件の善行として推し進め、既存社会との利害衝突を検討することもなく善行に乗っかってしまたことに問題があると言える。

③生き物としてのヒトは包摂を実現できるのか

アメリカ大統領選は、人類2020年代に入って直面している包摂限界如実に表している。それはネットの発達によって可視化している「みんな」という文脈崩壊であるリベラルが「みんなで平等に」と主張する時、その「みんな」の中に含まれない層があることに人々が薄々気づき始めている。「自分レイシストではない」と主張する人であっても、平等になった結果としてその人自身の機会や利益が分配されることを喜ばないということを私たちは知っている。

人間社会における権利保証することと、社会における機会や利益の分配は独立した議論であり、SNSはじめネット上においても各々の意見はまったく独立したものとして交わることはない。あらゆる全ての包摂は、1つの課題に対して1つの対応を取ることしかできない今の人類認知能力では恐らく実現不可能であろうと筆者は考えている。

それでも、包摂人間社会にとっては必要である。今回何よりも残念なのは包摂が単なる流行り物のような扱いに終始し、社会の中できちんとソフトランディングさせることをリベラル側が最後まで考えていなかったことにあると思うところである

ブクマカでっち上げデマ概念大学生協における書籍割引販売の「趣旨に反する」について

[B! 大学] 東京電機大学生、生協で取り寄せたらどんな本も1割引きになると凌辱物のエロ漫画を購入→大学「学内で調査を行っております。調査後、大学として厳重に対処いたします。」

いちいち引用しないが、事実を誤認した大量のゴミブコメトップに並んでいる。

生協エロ本を買うのは制度悪用であり、お目こぼしがなくなりルール厳格化を招く」? 全くのデマである

目次 兼 要約

  1. 一般書店で本を値下げできないことこそ、独禁法の「趣旨に反する」歪な既得権益であり、「お目こぼし」されているのが現状である
  2. エロ本を割引するなんてズルい!」こそ、「お目こぼしを良いことにイキる」行為のものである
  3. 大学生協書籍を割引できるのは学業支援目的ゆえではなく、組合員奉仕することを目的とする生活協同組合からである
  4. 大学生協書籍を一律で割引くのは、組合員たる大学教員/職員/大学生の総意に基づくものである
  5. 大量のバカブコメは、大学生による「生協ではエロ本も割引!」啓蒙活動の意義を逆説的に示している

一般書店で本を値下げできないことこそ、独禁法の「趣旨に反する」歪な既得権益であり、「お目こぼし」されているのが現状である

書店でなぜ原則本を値下げできないのかというと、日本には「再販制度」、製造である出版社が決定する定価を書店は変えてはならない、という業界慣行があるからだ。

だが、この形態取引方法は、独占禁止法において明示的に禁止されている。

二条⑨ この法律において「不公正な取引方法」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。

 四 自己供給する商品を購入する相手方に、正当な理由がないのに、次のいずれかに掲げる拘束の条件を付けて、当該商品供給すること。

  イ 相手方に対しその販売する当該商品販売価格を定めてこれを維持させることその他相手方の当該商品販売価格自由な決定を拘束すること。

  ロ 相手方販売する当該商品を購入する事業者の当該商品販売価格を定めて相手方をして当該事業者にこれを維持させることその他相手方をして当該事業者の当該商品販売価格自由な決定を拘束させること。

我々の生きる資本主義社会というのは、市場での公正で自由競争大原則とするものであって、価格決定権は小売業者が持つべものである価格統制を行い、小売業者同士の競争禁止するなぞ以ての外である

このような掟破り行為出版業界でおおっぴらに行われているのは、独禁法23条4項に、著作物の発行事業者による正当な行為であれば、独禁法適用しないという例外が定められているからだ。

なぜこのような特権が認められているのか? 独禁法教科書を開いてみよう。

著作物に係る法定再販制度趣旨は,必ずしも明らかではないが,戦前から定価販売慣行を追認したものとされている。また,著作物の種類ごとに,例えば,新聞については戸別配達の維持,書籍雑誌については多様な出版物の発売や書店での展示販売の確保といった説明が後付け的になされているが,再販行為必要性とは必ずしもつながらないと思われる。(『条文から学ぶ独占禁止法 第3版』p271)

趣旨は必ずしも明らかでない」「戦前から定価販売慣行を追認したもの」「説明が後付的になされているが、再販行為必要性とは必ずしもつながらない」なかなかボロクソな書きぶりではないか

当然「商慣習の追認」なる貧弱な理由で、大原則を曲げていいはずがない。再販制度廃止の動きはこれまでも何度もあった。今もなお現存しているのは、廃止の動きがあるたびに既得権益を守りたい新聞業界が大々的に抗議キャンペーンを行い揉めに揉めたかである政治的駆け引きの末の「お目こぼし」によって成り立っている制度なのだ

エロ本を割引するなんてズルい!」こそ、「お目こぼしを良いことにイキる」行為のものである

新聞業界という第四の権力がバックにある以上、既得権益廃止するのは難しい。されど、お目こぼしをいいことに既得権益を拡大しようとする、出版業界のイキり行為には公正取引委員会は否を突きつけ続けてきた。

この1つの例が2004年ポイントサービス禁止論争である

1990年代を通して喧喧諤諤の大戦争となった再販制度廃止論争は、2001年公正取引委員会による「当面再販制度を存置するのが妥当」という停戦宣言により一応の終結を迎えた。

事実上の勝利にイキった出版業界が次に目をつけたのがポイントサービス禁止である

かに再販価格維持契約定価販売義務付けても、ポイント還元がOKであるならば、事実上値引きと言っていい。「本はどの本屋でも同じ価格」というカルテルを侵す存在であり、再販制度に当面のお墨付きを得た出版業界禁止を目指すのは当然の成り行きであった。

されど原理原則に戻れば、現状の再販制度さえ、政治的判断による苦渋の決断として認められているにすぎないのである

出版業界の舐めた振る舞いに激怒した公正取引委員会は、ポイントサービス禁止運動を行う業界団体に対し、「事業者団体による共同行為禁止する」独占禁止法第8条違反を宣告。

結果、業界団体会長責任をとって辞任、クビを差し出して詫びる羽目になった。

ポイントサービス禁止論争で争点となったのは、1%程度のごく低率のポイントサービスであったが、

現在では、アマゾンヨドバシなどの大手通サイトを見れば、条件付きではあれど12%ポイント還元だとか10%ポイント還元だとか、大幅な値引きを行っている。再販価格維持契約?なにそれおいしいの?の域である

しか再販制度自体お目こぼし例外である以上は、再度「ズルいからやめろ」とヤブをつついて蛇を出したくないというのが業界の考えだろう。

再び公正取引委員会逆鱗に触れ、今度はアマゾン政治力を背後に一気に再販制度廃止まで持っていかれるかもしれないのである

この事例からわかるように「イキり行為」に気をつけなければいけないのは消費者である大学生ではなく、売り手である出版業界側であって、ブクマカ認識はまったくあべこべなのだ

大学生協書籍を割引できるのは学業支援目的ゆえではなく、組合員奉仕することを目的とする生活協同組合からである

ここまで述べた再販制度の縛りを、大学生協は負っていない。これは独禁法23条5項が生協例外例外の1つとして指定しているかである

まり書籍例外として再販価格を拘束する契約を結んでよいが、その例外として生協には通常の取引と同様に、再販価格の拘束契約を結んではならないということである

ブクマカ勝手でっち上げていう「学業目的の特例」とかそんなものではない。実際、書籍の割引は一般生活協同組合(例えばコープこうべ)でもおこなわれていることだ。

ではなぜ、例外例外が設けられたのか?

再販制度という大本例外が設けられた理由再確認すると「商慣習の追認」が定説である。ただこの理屈では再販制度生協のみならずすべての事業者において廃止すべきという結論しか導かれない()。

なので百歩譲って少数説である出版業界ポジショントークを参照すると、再販制度なしには、書店理念を見失い利益至上主義に陥り売れ筋の俗悪本のみが蔓延世界になるから、らしい。

しかしこの捏ねくりだ出した理屈ですら生活協同組合適応することはできない。生協は、利益目的としない消費者うしの相互共助団体であるからである

利益の追求のために消費者不利益を与える行為法律禁止されており、また組合員が持つ平等議決権及び選挙権によって効果的に阻止される。再販制度容認などという副作用の大きな例外を認めるだけの意義はどうあがいても見出すことができない。

大学生協書籍を一律で割引くのは、組合員たる大学教員/職員/大学生の総意に基づくものである

前節では、大学生協書籍が割引が「可能である理由を述べたが、愚かなブクマカは「大学生協学生学業支援するためにあるのだから制度可能であってもエロ本については割り引くべきではない」などと言うかもしれない。

可能であること」と「やること」は違うそれは正しい。

しか大学生協目的なぞをでっちあげたいならば、まず定款を見るべきだ。

第1条 この消費生活協同組合(以下「組合」という。)は、協同互助精神に基づき、組合員生活文化的経済的改善向上を図ることを目的とする。

事業

第3条 この組合は、第1条の目的を達成するため、次の事業を行う。

(1)組合員生活必要物資を購入し、これに加工し又は生産して組組合員生活必要物資を購入し、これに加工し又は生産して組合員供給する事業合員に供給する事業

(2)組合員生活有用協同施設を設置し、組合員に利用させる事業

(3)組合員生活改善及び文化の向上を図る事業

(4)組合員生活共済を図る事業

(5)組合員及び組合従業員組合事業に関する知識の向上を図る事業

(6)組合員のための旅行業法に基づく旅行業に関する事業

(7)前各号の事業に附帯する事業

どこに学業支援なる文字列があるのであろうか。

というか名は体を表すというように、大学生協とは生活、「大学に属するすべての人つまり大学生/大学職員/教職員生活」を共助する団体である役割学業に限られない、当然娯楽を提供することも含まれるのである

書籍の割引販売は、それが教科書であろうと、学術書であろうと、コミックであろうと、エロ本であろうと

(3)組合員生活改善及び文化の向上を図る事業

に一律で含まれるであろう。

追記id:worris 氏のブコメより、誤りの指摘があった。書籍は第3条第1号「組合員生活必要物資である。つまるところ、生協の言う「生活必要物資」とは日常用語生活必需品より広い概念であり、娯楽を含むのだろう。論旨の変更は必要ない。)

もちろん、娯楽の提供大学生協役割に含まれると言っても、程度問題存在する。

生協資金力にも労働力にも限界存在するのだから、何にリソースを投じれば「組合員生活改善及び文化の向上」を達成できるか、取捨選択必要になる。

決めるのは、一人ひとり議決権あるいは選挙権を持つ、組合員である

ブクマカは「イキるとお上のお怒りを買うぞ」という論調であるので、決定権が生協のおえらいさんとか大学経営陣とかにあるように勘違いしているように見受けられるのだが、事実は全くの逆なのだ

組合員自治原則念頭に置いた上で、なぜ本が一律割引されるのかを考えてみよう。

大学生とは多くの人にとって人生で一番本を読む時期である。これは今年『何故働いていると本が読めなくなるのか』という新書ベストセラーになったことでもわかることである

大学教員もまた大量に本を購入する。

そして生協再販価格拘束契約で縛ることのできない例外的な存在として、彼ら組合員独自価値提供できる。

そう考えると書籍の一律割引販売で、組合員合意がまとまるのは、ごく自然なりゆきである

仮に「娯楽本は除外」とか「教科書のみ割引」とかい制度になったならば、利益を得る層が組合員の中で偏ってしまう。みんながWin-Winになる制度こそが、民主主義的な議論で選ばれるものである

ただし、ここ最近若者の「紙の本離れ」が叫ばれて久しい。

紙の本をほとんど買わない組合員からすれば、事業資金は「書籍10%引きで売る」ことより「生協食堂メニューを1品増やす」方に費やしてほしいことだろう。

学術書読んでる同級生応援したいけど、エロ本はな……」と彼らの票が離れることは、あり得る展開ではあるかもしれない。

しかエロ本を割引販売することで、大学生協は何ら損をしていないことにも留意必要である。むしろ大学生協は新たな顧客層を開拓することで利益を得て、他の事業投資可能資金を増やしたと言える。

「割引率が10%であるべきか5%であるべきか」は難しい経営判断であり組合員間での真摯議論が求められるところであるが、割引中止とか販売停止とかになると誰のトクにもならない論上に上げるまでもない愚論なのだ

なお大学生協に客を取られなければ、定価でエロ本を1冊売ることができたであろう一般書店は損をしたといえるが、再販制度というお目こぼしに守られているものが「ズルイ!」なんて言える立場にないことは先に述べたとおりだ。

大量のバカブコメは、大学生による「生協ではエロ本も割引!」啓蒙活動の意義を逆説的に示している

大学生の行為を「バカッター」とか「バイトテロに等しい」だとか意気揚々名誉毀損行為を行うブクマカたちは、

実際は、自分たちがこそが大学生協役割勝手でっち上げたイキりバカブクマカであり、はてなというプラットフォーム名誉を大いに傷つけるブコメテロであることを認め、真摯謝罪すべきである

そして、大学生協役割学業目的だと誤解する人がここまで多いという事実は、「生協ではどんな本でも割引される」ということを声高く啓蒙する意義を証明している。

ルールを正しく理解する人が多ければ多いほど、組合員生活費を節約し、生協の売上は増え、サービスの質は向上するのだから

anond:20241110111203

完全にファン価値観田舎ヤンキーなんだよな

自分たち利益になってる限りは仲間ヅラして、そうじゃなくなったら裏切り者扱いしてボロカスリンチする

そいつことなんかどうでもよくて自分たち利益のことしか考えてないんだよな

斎藤知事が再選する話で感覚アップデートする必要があると感じた

正直な所、今夏のパワハラ関連の話題の中で前知事基本的な態度に非常に衝撃を受け、議会全体から否認(後援していた維新を含む)を受けるという事態に対しこのようなこともあるのだなと思いながら、その時点では然るべき手続きである認識していた。

公益通報法制度上、直接直ちに該当しうるかどうかという点については微妙と思っていたこともあったが、パワハラに関してそれなりの証言当人を含む)があったことなどから、相応に正しい手続きの末の決定だと認識していた。

だが、現況の兵庫県での状勢を見るに、再選の可能性がむしろ十分にあり得る、ということにショックを受けている自分に気がついた。

肯定的意見大本になっていたのは、自殺した当人の(言及は避けるが)非違行為があったこと、クーデターを目論んでいたということだった。

一番最初にこの意見を見たときには、いわば『陰謀論』の典型的ものとして、考慮に能わないと一蹴した。

だが実際には、この意見はどんどん広まりマスコミ報道しないことで、マスコミがこのクーデターに乗せられているがために今更手のひらを返せないのだ、マスコミは信用できない、という意見を取り込んでさらに広がった。

結果として選挙情勢で凄まじい追い上げを繰り返し、対立候補リードを保ってこそ居るが実際に猛追をされているという報道が出ている。

自分プリセットを改めて組み直す必要があると感じた。

自分兵庫県民ではないし、今回の選挙に対し何かを言う立場には直接的にはない。無論住んでいる国のことではあるということで、アメリカ大統領選よりは間接的にものを言える立場なのかもしれないが。

ただ、『陰謀論』という典型例について一蹴することだけではおそらく、現況の状況を見誤りかねないと感じた。

正直に言えば未だにクーデターなどの状況は疑わしいとは思う。ただ、パワハラ問題がやや問題の周縁に終始していたという感触は確かにあった。

常に全ての証明が図れるものではないのだから、これだけ周縁にパワハラ問題一定事実として証明できるのなら、その本丸もそうだろう、と考えた。

あとは、当人が一貫して道義的責任否定し続けるという極めて超越的な態度を取り続けたということに対して、『普通なら』ないし『政治的には』謝罪することの利益が、しないことを上回るだろうにもかかわらず、それをしないということに、非常に反感を感じていた、というところがある。

それはつまるところ、今回の猛追において、おそらくは兵庫県民の方々が改革推し進めた(とする)斎藤知事を信用しうると感じたということや、自殺者が(外部に発出した内容とは無関係だが)非違行為を行っていたということをもって、その文書の内容もおそらくそうだろう、と考えたことと、大差がない。

自分で組んだプリセット依存しているという点で、結局自分が反対しようとしている行動と大差がないという状態矛盾していて、愚かしい。

その反対しようとしている理由が推測と感情であって、それが世間に取り残されているというのならなおさら、その感情矯正する必要がある。

ハリスアメリカ全面的に敗北を喫したように、自分の視界の範囲内ではなく(それが主要なメディアに収まるものであればなおさらに)、自分アクセスできていないメディア内の状況を見た上で判断する必要がある。

例えば現在は、非公表会議の内容を開示したであるとか、自殺者のプライバシー侵害するであるとか、そういった適正手続き保障ということを、おそらくは、重視していない。

世間ではパワーハラスメントについて非常に敏感ではあるが、公務員などの「不適切な行動を取っているとされる」相手に対しては、おそらくは、重視されていない。むしろ必要ものとも認識されることがある。

こうした認識を改めて自分感覚更新していく必要がある。

うまく感覚更新する方法があれば、教えてほしい。

佐々木朗希に対する反応の気味悪さ

結局、NPBファンである自分利益が失われることへの抵抗であることを隠して、やれ球団迷惑だ、まだ実績残してないだ、それらしい理由こじつけ正当化しようとしている。

本音は「日本のおれたちをもっとしませろ」だろ?

経営者目線のない社員は要らない」とかほざいてる社長と同じことしてるぞ。

2024-11-09

anond:20241102120324

何もせずに金や債券を左右に動かして潤うゴミどもが、普通に働く人から利益を吸い上げる構造

 ← それを資本主義って言うんやで 覚えとき

anond:20241109151253

女性が30歳を超えたら子宮摘出手術をする」社会では、

子ども1人産むたびに1億円もらえるような社会で、女性金銭利益を得るために、

出産可能年齢になったら、30歳まで産みまくるんだよ。

そのくらい強烈なインセンティブコントロールで出生を制御してゆく。

そういう社会にするしかないんだわ。

オイコノミアはエセ経済番組

以前、オイコノミアという番組で、自称経済学者が「ほら、人口GDPってこんなに違う。だから人口GDP無関係」とか言ってた

まず第一に、次元解析を知れ。

人口GDP次元は別だから単純比較はできない。

これを比較するには、Nを人口、YをGDPとしたときに、回帰式でα×N=Yという係数を用いる必要がある。

この係数αの次元は、GDP次元$/Tに合わさる必要があるので、

D(α)×人=$/T

D(α) = $/(T×人)

となる。

第二に、係数の効果によって人口GDPに波及するのだから次元を揃えれば当然、人口GDPに強く関係する。

D(α)という次元が表すものは、一人あたりが時間あたりに生み出す経済利益なので、人口が増えれば確実にGDPは増加すると言っていい。

第三に、GDP国家経済比較するよりも、一人あたりのGDP比較したほうが建設であるということ。

まり国家がどれだけ強いかではなく、国民がどれだけ幸せかで経済を測ったほうが運営として正しい。

要するに、オイコノミアはエセ経済番組

溶接工やめた

安全に。本日溶接あるあるは「公園遊具溶接欠陥を見つけたことを子供に自慢して白けさせがち」です。

退職してきた。

元はと言えば工業高校から大手の本工から紆余曲折もあって中堅企業電気屋として働くことになって10年以上たつ。しまいには班を抱えるに至ってた。何がMTGだ何が会議だ何がメンタルケアKYやれKY。そんなんだからいつまで経っても・・・・・・・てな感じで、特に中間管理職としての不満があったわけではない。妻の実家の都合なので。次も溶接仕事をするのかは全くの未定だからバイトを始めるかもしれない。特にUTMT日常的に通さなければいけないタイプ電気屋は、つまるところ検査屋というイタコが啓示してくれる瞑想をやっているようなものから精神依存性がある。だからなのか電気屋やめた途端にメンブレする人は結構いる。これは、そもそも病的な傾向があったところに、今までは溶接治療的に作用して持久していたのではないかという仮説をたてている。だからキレる老人にも溶接やらせてみれば多分治るのではないか。ピンピンコロリはいうが、高齢者医療費削減がサァ!安楽死がサァ!とコロリの話ばかりしていて、それよりもピンピンの方について真剣に考えた方がいいんではないか。そんなことを増田は考えている。

そして、この10年で人材が大変多様になった。退職後が暇すぎて働いている70歳超えてる増田師匠みたいな人や、特定技能ベトナム人はもちろんのこと、ついには女性までという奇妙な職場環境だった。いわゆるマイノリティの方が数が多い。都会の人にいうと待遇が悪いんじゃないかと言われる。だけど、この地方だと人的資源のものが枯れてるので、ジキュ上げたところで大きな意味があるのかよくわからない。既に10年前から単価を倍に上げたけれど人員を増やすことは難しいと鉄工所アルバイトも言っていた。ゼロに何を掛け算してもゼロ。引き合いを断って同業者を当たり尽くしたのか金額けが上がってまた引き合いが来て、それをまた断ること4度繰り返して納期がどんどん後ろにズレていく案件であるという。当たり前だが人を増やせばいくらでも利益は出てくるのだが、それでも出来ない。高圧経済とは言うんだけど、少子化という圧力が高すぎて風船が破裂してしまって逆に生産性が落ちている状態なのでは?

まあ、経済の難しいこととか分からんから特に外国人女性ってのは難しいなと日々感じながら仕事してたので、2つのケースについて自分経験や考えを長々と書かせてもらおうと思う。

ベトナム人

元は技能実習生として日本に来ていて、こちらでの生活一定の期間していたから、言葉はまあまあできた。

外国人は怒ってはいけないと何かで読んだから怒らないように気を付けていたが、安全面でこのルールはかなり破った。教える/叱る/怒るはスペクトルなのだろうか。自分の命の値段が安いと思ってるのか何なのか、クレーン吊り荷の下をくぐることが多すぎて弱った。とにかくフラフラっと近寄るし、動いているクレーンから視線を切ってしまう。日曜に出てきてペンキで床を塗って避難場所を作り、誰かがクレーンを動かすブザーを鳴ったらここに行けという少し極端なことを始めたりもした。でも、それはそれでクレーンを操縦する側の日本人にとっても安全を強く意識する契機にはなったかもしれないとポジティブに考えてる。師匠は「昔は職人ってあんなもんだった」とか呆れて言ってた。そういえば防塵マスク最初ちゃんと付けなかった。前社ではどういう指導を受けてたんだろう。外国人からって溶接ちゃんと教えてないどころか安全教育すら放棄するのは企業として最低限のこともできてないのだし、名前だけは有名だけど社員の質が総じて低い会社なんだろうな。そういう会社に限って職人だ匠だマイスターだとアピールに余念がないのだから世の中というのは不思議増田が平均的な溶接工よりも安全にうるさいのも確かだが、それにしても。

そんなんだから当初の溶接の実力はかなりひどく低かった。特定技能なのに特定技能を持ってないのでは。「どうやってJIS試験とおったの?」って聞いてしまった程度にひどい。欠陥を手直ししていたらしいけど、具体的な欠陥とは何かを教えてもらえないから、突っ立ってたまに溶接して仕事してるふりだけしてたらしい。だから何がどう欠陥なのか、その原因と対処方法みたいなところから教えなくてはいけなかった。信じられないほど低いレベルの話。そんなことも教えない技能実習。何の技能を実習させてた?全く関係ないけど、みんなの家の鉄骨は本当に大丈夫かな?

というわけで基本から教え始めたのだが、とにかく覚えが早い。最終的にはカラーチェック程度の検査なら手直しも含めた具体的な手技は自分で考えてくださいみたいな方向になってた。どうせベトナム人は教えたやり方を勝手に変えてしまうから詰めても意味がないということに早々と気付いたのもある。それを良いことと捉えるかどうかが問題だと思っていて、逆に日本人の若手は自分で考えて動くということをしないから何事もバランスだろうか。増田勝手なことをして成長していたタイプなので、安全上の問題がなければ過干渉は避けるようにしていたつもりだけど、どうしても余計なことに口を挟んでしまいそうになる。この前も、増田がやるなら左手に持ち替えるところを、フレキシブルトーチつないで右手でかなり無理な姿勢溶接していた。悪い工夫ではないと思うが、左手右手と同じように出来るまで練習しなよとか余計なことを言ってしまった。大物やってる隣へ手伝いに行かせたらUTエコーが跳ね返りまくって、検査屋の音波おぢに文句言われながら増田と2人でガウジングの煤で真っ黒になりながら3日かけて掘り返して埋めたこともあった。それも経験。失敗は他人に手直しさせた方が効く奴と、自分で手直しせんと覚えん奴がいるので、両方を兼ねれば効果倍増。

最初はアンダーカットオーバーラップも分からないレベルから、1年で競技会出ても恥ずかしくないレベルに上手くなってるのは増田金正恩レベルに高い指導力の賜物だと思う。向上心の高さとかも含めてベトナム人ポテンシャルはとても高くて、増田だって数年したら抜かれるんじゃないかと思ったくらい。でも技能実習や特定技能は期限があるので上手くなった頃には帰るから、どこの会社教育に身が入らず「低度人材のまま、おかえりくださーい」ってわけだ。この国はもうすぐ滅ぶ。本人たちは金持って帰れるからそれでいいやと割り切っているのかもしれないが、能力が高い溶接工を追い払いながら自称ものづくりの国、馬鹿な連中と思ってるかもしれない。

女性

ついに女まで溶接工として採用しちゃったと聞いたもんだから世も末。しかもTIGではなくMAGCO2で厚物もやらせようっていうんだから暑いだけじゃなくてCO2なんかスパッタ飛ぶ量が半端じゃないし服とか燃えるけど大丈夫ハツリやったら全身真っ黒になるけど?と面接でも聞かれたらしいけど別にいいとのこと。以前は医療関係でお務めの御嬢様が人間関係に疲れ果ててやってきたそうなのだが、弊社も入ってみたらセクハラ地獄……と、ならんように考えるのが大変だった。トイレや着替えその他は女性設計がいるのでほとんど問題なかったのでは?と思っている。こっちが思っているだけで、あっちがどう思っているかは分からないわけですが。

身長が150あれば溶接工として大抵のことは出来ると思うけど女性としても小さすぎる。140ちょっとしかない。革ジャンはブカブカ、見た目は完全に子供。苦労したのは道具からで、トーチは定番ブルーレッドも上手く取り回せないか私物のビンツェルを貸したら上手く握れるようになった。男だったら文句わずに黙ってそれでやれって言ってる気もするから、こういうのもオタサーの姫扱いで良くないのか?一つ一つ手探りで考えながらやってた。最終的には会社に頼んでわざわざビンツェルを入れてもらったんだけど、意外と他班の男性陣にも好評だったのか普通に借りパクされる。ブルートーチの小さいやつも悪くないと思うんだけど、薄板を相手に振り回すならビンツェルは最強だと思う。ただしチップがすぐ死ぬのがドイツっぽい。身長に合わせた定盤とは言えない程度の作業台もわざわざ作った。これもジジイに乗っ取られてたから結局は複数作った。グラインダーも大苦戦だったけど、7インチだと2kg切る機種はないので気合でなんとかしてもらった。チッパやニードルスケーラも気合なのでエアツールは何から何まで気合増田はNPK派だけど女はFUJIの方が使いやすいとかあるのかな?もっとメーカーでいいものあれば、もし女性溶接工がいたら参考までに教えて下さい。

これもベトナム人と同じで怒ったら面倒だから怒らないでおこうと思ってたけど、そうはいかなかった。フェミに怒られる言い方をすれば、女のくせに仕事が恐ろしいほど雑だったからだ。昼休憩に止端仕上げを明らかにサボっているのを設計おっさんに見つかって怒られたまではいいが、設計おっさんと仲悪い別のおっさんが「うるせえ」とか謎にキレて介入し始める謎喧嘩(定期)が始まった。仕方ないか増田が横から割って入って「指導不足で申し訳ないです」とその場を収めた。それで「これ俺にもやらせんの?お姫様だなあ」と言ったら生意気にも「女性差別です」とか口答えするから所詮は女のやることだから俺が頭下げただけで済んでるんだから二度と舐めた仕事してんじゃねえブス」と言ったら半泣きになって自分で手直し始めて、二度と手抜きはしなくなった。はてな基準やZ世代基準ではセクハラパワハラに該当するだろう。増田もブスは良くなかったと思う。だけど、人間心理への侵襲は最小限であるべきという前提は置いても、一定程度の圧力はかけないと人は動かじ。何もしなくても出来るのは天才だけだし。

もちろん良いところもあるというか、短期的に別の班に貸したら大活躍だった。ロボットの扱いがとても上手いのだ。えらい人が営業の口車に乗って導入したはいものの社内で誰もまともに使えないから量産小物の仕様変更からほぼ稼働させられなかった曰く付きロボットを、面白半分で使わせてみたら特別教育受けただけなのに自在に動かす。単にティーチングだけではなくジグを作るのも上手くて、図面もなしに勝手スクラップ集めてやっつけで作ってるのに使えるから、荒っぽいけど勘や発想が良いんだろう。点検に来たメーカーも「これで大丈夫なんですか?」と明らかに悪い意味で驚くくらいのやっつけだが。少量でもジグ作って全部ロボット溶接やらせるようになったから、当然ながら仮付けしか仕事がなくなる。だから一向に溶接が上達しない。量産かつロボットがやれるサイズなら爆速で上げるから周りもどんどん仕事を投げるのだが、本人はあんまり納得いってないみたいだった。そもそも頭の作りが電気屋じゃなくて鍛冶屋的なものに向いていたのかもしれん。ロボットなんか分からんから増田がなにか言えることもない。ただ、本人が電気屋として厚物がやりたいんだと話して、少しだけ騒動を起こしてた。気持ちとしては分からなくもないが、ガウジングで全身真っ黒にするわけにもいかんよなあと思っていた。他所女性チビでも音波物をガンガン溶接する上手いのがいるらしいと聞いたから、差別的な失敗だったかなとも感じていた。その後は一応の解決をみたものの、まだ正解は分かっていない。そうやって正解を探せること自体、恵まれていたのかもしれないのだし。分業かつ柔軟性がある程度に小さい企業という規模感はかなり限られてくるのだから

もののついでだから最後に書いておく。この前も「水汲みという重労働女性は担ってきた」というフェミツイートに「そんなものは軽作業だ」というアンフェが引用が少しバズっていたが、普通に考えれば危険作業だろう。一人KYでもやってみればいい。経験能力もない奴ほど自らの仕事危険性を強調してアイデンティティを誇示する傾向がある。ノーヘル原チャリで遊んでるガキか、ヤンキー漫画の読みすぎてイキってる奇妙な人物か。外からイメージを悪くしようとする連中をどうにかしないと、いつまで経っても女性だけではなく男性も劇的に増えることはない。女がやりたくない仕事を男がやりたいと思うことは基本的にない。別に溶接に限らないのだが、業界の人はそういう面をもっと感じ取ったほうがいいと思う。

なんか暇だ。なんかない?

anond:20241109004315

しょうもないホワイトカラー業務でも、ちゃんと金銭的な利益を生み出していているならその利益に対して法人税所得税社会に貢献してるから良いんじゃない?

 

ブルーカラー業務でも全然利益を生み出していないなら特に偉いわけでもないと思うけどな。

そのうち仕事がなくなったり機械代替されたりするんじゃないかな。

anond:20241109065310

「そういう奴が9〜7割いる」ということが、現在における「みんなの投票の傾向・結果」だから

そもそも投票なんかする意味が各個人には無いって思想




国民ほとんどは票として無意味存在から別に搾取しても良い、自分たち友達にだけ利益を渡せばいい、というのが投票の結果の示す最適な攻略方法

その通りに政治状況が変化し続けているよ

ここまで国民バカなのは珍しいんだよね、日本の特色はここなんだよね

殆どの国は国民がもう少し賢い

2024-11-08

パルワールド特許の件、匿名で居たいなら迂闊にブコメしない方が良いよ

パルワールド任天堂特許の件、うっかりブコメするとポジションバレするから気を付けた方が良いよ。

もちろん俺もバレたくないか増田に書くよ。以下、具体的な解説置いとくね。

なんでバレるか(特許書いた人向け)

分割特許の件とかで素っ頓狂なブコメしてるのとかいるじゃん。知財研修で寝てても自分で書いてたら変だってわかるやつ。

そういうの迂闊に指摘しない方が良いよ。特許パテント)についての研修受けたりとか、自分特許書くのって、思ってる以上にポジション推測されるよ。

ああ、あいつ旧なんちゃら系の関連会社社員だな、とか。拝承までいかなくても、結構クセあるから

例えば、知財研修ゼロックス特許を潜り抜けてキヤノン複写機開発した、というエピソード知財研修で受けた、みたいなの、どの分野でどの年代かも推測できるから

先行調査を紙でやったとか、ハチャメチャに歳バレるよ。

特許について詳しくない人向け

日本ものづくりの国なので、実は通勤電車に乗ってるサラリーマンのうち、わりあい多くの人が特許を書いたり、出願したことがあります

そして当然のように他社特許侵害せずに開発を進めるのクッソめんどくさいので、同業他社とはクロスライセンス契約を結んでいます

要は、お互いの特許侵害については、まあ、ナシってことにしようやって契約ね。

ポイント契約時に「うちの方が多く特許持ってんだから、これぐらいは払っといてくれへんとな」みたいな、特許の数と質で争うところ。

なので、クロスライセンス契約を結ぶ多くの企業では、社員に対して日常的に「タマもってこんかい!」とばかりに特許を書くのが半ば強制されています

良い特許を多く持ってる方が有利に契約を進められるってことね。

からまあ、登録特許として成立する)まで行かなくても、出願したことがある人は世の中結構な数いるのです。

うっかりコメントしたくなる人向けの、分割特許の超簡単説明

特許早い者勝ちだけど、出して後から変えることはできないよ。ただ、削ることはできる。

もうちょっとだけ詳しい説明

日本での特許先願主義(先に出願した方が勝ち)なんだけど、新規性(新しいか)や進歩性(ちゃん創作たか)等を確認されてから成立します。

あと、発明を広く公にすることで公共利益になるようにする代わりに一定期間独占して良いという性質のものなので、成立後も定期的にお金を取られます

なのでまあ、一刻も早く出願したい人が特許庁に群れを成すんだけど、実際に特許になるのってその中のごく一部なのね。

そして、鉄の掟として、一番最初に書いてあったこから変更はできないの。ただし、限定はできる。

どういうことかと言うと、内容を広げたり変えたりすることはできないけど、小さくしたり狭めることはできるの。

から可能な限り馬鹿みたいに広く特許出願しておいて、あとから狭めるのが一般的

特許から「これは既にあったじゃん(公知)」とか「これは容易に思いつくだろ(進歩性なし)」みたいな指摘があったときに、「あー、じゃあここ削ります」とか「あーじゃあこの請求項で限定しますわ」みたいにやりとりすんの。

そうやって拒絶通知書を受けては手続き補正書を(弁理士が)書いて、ようやくやっぱダメとかじゃあ特許OKとかなるわけよ。

分割特許コメントについて

「分割特許にする」というのは、「すでに出してある特許範囲限定的にして、先にそこだけ認めてもらう」という戦略の話なの。

エスパータイプで出願しておいて、ミュウツーだけ切り出した(分割した)、みたいなイメージね。

ミュウツーで出願しておいてゲンガーにしたりはできないの。

これ、特許出願には金がかかるので、書いたことがある人は弁理士とか知財担当者からパーセント指摘される。

まとめ

特許って出願は良くするけど、実際に特許になるのはすげー少ないよね。

特許になってるってだけで超スゴイことなので、関わったことある人は誇りに思おう。

ただ、逆に言うと結構色々バレるので、バレたくない人はなんか言いたくなっても黙っておこうな。

サブマリン特許について言及しようとしてるソコのオマエ!歳がバレるから言うな!もう2024年だぞ!

anond:20241108231554

損は膨らまない

購入額を超えないからだ

から損確しなければたいしたことはない

利益は膨らむ

anond:20241108225904

損切りは「損確」とも言うべき行為

利確しなければ利益にならないのと同じで

損切りしなければ損失にはならない

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